約 4,150,951 件
https://w.atwiki.jp/orikyara3rd/pages/596.html
作者:邪魔イカ 紅は三人に、この世界に飛ばされた者達が幾らか集まっているという場所に案内して貰った。何とか形を保っているビルを中心に、所々に人の生活している跡が見受けられた。 「おっ、おぉーいジョー!」 ヌシが遠くの人影に向かって大きく手を振る。人影もそれに気が付いたのか、こちらに歩いてきた。都市迷彩の戦闘服の様な服を着て、手にはアサルトライフルを持っている。 「ヌシさん、『ジョー』じゃなくて『ゆずる』なんだけど」 ゆずる、というらしい青年は深い溜め息を吐いて言った。が、ヌシは全く意に返さずハハハと笑う。そのすぐ後ろで結が呆れたようにしていた。 「見回りの途中悪いな、三方原」 「それは別に構わないけど…アイツに見つかりさえしなけりゃ」 「聞こえておるぞ、ミカタハラ」 「げっ……!!」 背後から声が聞こえた途端に顔を歪めるゆずる。彼の背後には、背の高い男性が煙草をふかしながら立っていた。 「あ、ロイドさんだ!」 透伊が男性に向けて声をかける。ロイドと呼ばれた男性は透伊を一瞥した後、こちらに視線を向けた。 「この少女は何だ」 「新しくこの世界に飛ばされたみたいですよー」 ロイドは「ほう…」と一言だけ発し、再び煙草を口にくわえた。 「まだこの世界のこともよく分かっていない。ここに居させてやれないか?」 結がそう言うと、ロイドは紅をじぃっと見つめた。どことなく品定めをするような目だ。直後、ロイドがふっと鼻で笑う。 「断る理由は無いであるな。如何せん人手が足りん」 そう言うとロイドは、スッと右手を差し出した。 「吾輩はロイド・カワード。一応エクソシストをしている」 「インチキだけどな」 「何か言ったか、ミカタハラ」 ゆずるが呟いた一言に耳ざとく反応するロイド。この二人はあまり仲が良くないのだろうか。 紅は恐る恐るロイドの右手を握る。 「霧崎紅です」 「オレは三方原譲。よろしく」 「よろしくお願いします」 今度はゆずる、もとい譲が言うので、紅はぺこりと頭を下げた。 「お前にどれ程利用する価値があるか、見極めさせて貰うとしよう」 煙草の煙の中で、ロイドの唇が薄く弧を描いた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー とにかく此処で世話になることが決まった。ロイドと譲に一通り周辺を案内して貰った後、あちこちをぶらぶらと廻っていると―― 「ねぇ!あなたが新しく来た人?」 ――声をかけられた。振り向くと、そこには一人の少女。紫色のジャケットに鍔の広い帽子を身に付けており、絵本に出てくる魔法使いの様な出で立ちだ。 「そ、そうです」 紅が小さく頷くと、少女はパアッと表情を明るくする。そして、紅の手をしっかり掴んでブンブンと振った。 「本当!?ここ女の子少ないから、凄く嬉しい!あ、私アリス=セレーネ!」 アリスは尚も手を握って、嬉しそうにニッコリと笑った。 「う、うん。よろしくね。えっと…アリスさん?」 「『さん』なんて要らないよ。アリスでいいよアリスで!」 「うん。よろしくね、アリスちゃん。私は霧崎紅」 「紅ちゃんね。よろしく!」 アリスがまた嬉しそうに笑うので、紅もつられて微笑んだ。 「じゃあ紅ちゃんも気付いたらこの世界にいたんだ」 「うん。アリスちゃんも?」 紅はアリスと共に、ゆっくりとビルの周辺を歩いていた。そしてふと、この世界に来た時の事についての話になった。アリスも紅と同じく、この世界に飛ばされた原因は分からないらしい。 「うん。ていうか、この世界に飛ばされた人の殆どがそうみたいだよ」 やはり、紅やアリス、此処にいる者の他にも飛ばされた者がいるらしい。此処にいる者達は集まって協力し、元の世界に帰る方法を探しているそうだ。 (帰る方法、分かってないんだ…) ちり、と一瞬だけ不安がよぎる。 「私、此処に来られて良かった。一人だったら、きっと不安で仕方なかったと思う」 紅は消え入りそうな声で呟いた。それに気が付いたのか、アリスが紅の顔を覗き込む。 「紅ちゃん!」 アリスがガシッ、と紅の両肩を掴んだ。いきなりの事で少し吃驚する。 「大丈夫だよ紅ちゃん!ここの人達はクセもアクも強いけど、みんないい人だよ!」 「あ、アリスちゃん?」 何気に失礼な事を言っていないか。 「それに、何かあったら私もついてるもん!」 ニッと笑うアリス。その笑顔に、感じていた不安が消されていく。 「うん。ありがとう、アリスちゃん!」 紅も笑う。 この世界に来てちゃんと笑ったのは、初めてかもしれない。 ちょっとしたオマケ。 見守る大人達 ロイド「吾輩らが気を揉んでやる必要は無かったであるな」 譲「揉んでやる気も無かっただろ」 ロイド「バレたか」 透伊「可愛い女の子同士が仲良いのって、いいですよね~」 ヌシ「仲良きことは美しき、だな!」 透伊「ですね~」 結「…本当にそれだけか?透伊」 透伊「……さて、一段落ついたことですし、俺たちはまた探索に行きますか」 結「おい」 譲「つーかまだ行くのかよ…」
https://w.atwiki.jp/pazdra/pages/9095.html
1コメげと。3,000円で出た。 -- 2015-06-15 10 30 23 足コキされたい -- 2016-01-02 01 54 29 爪で血みどろになるぞw -- 2016-06-26 18 15 02 一発で引きました。無課金で -- 2016-07-28 14 04 27
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/4498.html
スタスタスタ 唯「うーん、今回もばっちりだったね律っちゃん!」 律「あぁ、幸先が良すぎて心配になるぜ。澪、あとどれくらいフィルムは必要なんだ?」 澪「えっと…、そうだな。完璧な作品にしたいからな。…ざっと今で三分の二って所か」 唯「もうちょっとだね。きっと喜ぶだろうなぁ」 律「あったりまえじゃねぇか。んじゃまた食材買いにいかないとな」 澪「そうだな。卒業式まで残りわずかだ、悔いの無いようにしないと」 ガチャリ 紬「ごめんなさい皆。迷惑かけちゃって」 唯「あ、ムギちゃん! もう大丈夫なの」ジュージュー 紬「えぇ。皆が頑張ってるのにいつまでも学校を休むわけにはいかないわ」 律「心配は無用だぜ! もう大分計画は進んでるからな」 紬「本当なの? それじゃあ何をするか決まったのかしら」 唯「うん! ドッキリカメラにしたんだよ」ジュージュー 紬「ドッキリカメラ?」 澪「あぁ、撮影は順調だよ。ムギも見てみるか?」ピッ ザザザザザ…… 梓『純の頭って固焼きそばみたいだよね』 唯『ちょいさぁぁぁあああー!』ブン バッシャーン 純『あっづづぃぃぃいいい!!!頭に固やきそばがぁ!!?』ゴロゴロ 律「うーん、何度みても最高だぜ!」 唯「私の演技もばっちりだよね!」ジュージュー 澪「カメラワークも問題無いし。どうだムギ素晴らしい映像作品だろ?」 紬「…………………」 唯「どうしたのムギちゃん!凄すぎて言葉もないのかな」ジュージュー 紬「お家の中まで撮影しているけど。これは勿論、鈴木さんの了承を取っているのよね?」 律「了承?なんでそんなの取るんだよ」 唯「そうだよー、そんなのしたらドッキリじゃないじゃん!」ジュージュー 澪「私達は嘘で塗り固めたような作品を作りたくないんだよ」 紬「……それで、固焼きそばと八宝菜は後でちゃんと食べたのよね?」 律「何いってんだよムギ。床でネチョネチョになったのなんか食えるわけないじゃん」 澪「そうだぞ。私達はクリエイターなんだからさ」 唯「おかげで八宝菜の生産が追いつかないよ」ジュージュー 紬「だから唯ちゃんはさっきからずっと料理してたのね…」 唯「そうだよ!トロトロのアツアツでいい純ちゃんリアクションしてくれるんだぁ」 紬「ちょっとそのおなべ貸してくれるかしら………」ヒョイ 唯「そんなの何するの?」 紬「こうするのよぉ! ちょいさぁぁぁあああー!」ブン バッシャーン!! 澪「あっづづぃぃぃいいい!!!頭にアツアツの八宝菜がぁああぁ!!?」ゴロゴロ 律「なにすんだよムギ!? カメラが回ってないし、ドッキリのターゲットは鈴木…」 紬「問答無用よぉおぉぉお! レンじゃぁあああぁぁー!」ブン バッシャーン!! 律「ぎゃぁあぁあ!あづいってぅいいぃぃい!!私のおでこがぁぁ!」ゴロゴロ 唯「む、ムギちゃん何をするの…!」 紬「今の私はムギちゃんじゃないの……」グイッ 唯「どういう事。それじゃあ誰なのかな!?」 紬「人呼んで、Parent-Teacher Association紬」グイッ 唯「ぴ、…ぴーてぃーえーつむぎ…?」ビクッ ガチャリ 梓「ゆーいせんぱーい。次はホラー関係のシチュエーションで攻めてみま」 紬「ゆめいろちぇいさぁぁあああ!」ブン バッシャーン!! 梓「あっづづぃぃぃいいい!!!私の頭にアツアツの八宝菜がぁああぁ!!?」ゴロゴロ 紬「ほら、梓ちゃんも残さず食べるのよぉ」クイッ 梓「ひぃ……ふぅぃ…。ムギ先輩なにを…」 唯「い…いまのムギちゃんは…ぴーてぃーえーなんだよ…。後ですたっふがおいしく頂かないと…ダメなんだよ…」ピクピク 憂「…という訳だったの。ごめんね純ちゃん」ネチャァ… 純「ほ、…本当にドッキリカメラだったの…」 唯「だからずっと言ってじゃない。私達頑張ったんだよー」 澪「すまん純、悪気は無かったんだ」 純「ふぅ…。いいですよ、別に」 紬「それじゃあ許してくれるの鈴木さん?あれだけ八宝菜ぶちまけたのに…」 純「だって、あのラジオも軽音部の人たちの仕業だったんでしょ」 紬「ラジオ…?何のことなのかしら」 純「私達後輩のためを思ってやっていたんですよね。だったらもう怒れませんよ…」 唯「じゅ、純ちゃん!ありがとうね」 純「その代わりちゃんと完成させてくださいよ。その作品」 澪「あぁ、勿論だよ! 卒業式の日を楽しみにしてくれ」 憂「良かったねお姉ちゃん!」 唯「うん、これで八宝菜も報われるよ。ういー」 =卒業式= 純『唯先輩?なんで、手に中華なべ持ってるの!?』 ダッタダッタッダ 唯『ちょいさぁぁぁあああー!』ブン バッシャーン 純『あっづづぃぃぃいいい!!!頭に固やきそばがぁ!!?』ゴロゴロ 唯『ドッキリだよー。どう、ビックリした純ちゃん!』 ===ドッキリ大成功=== 梓「どうですか客席の受けは?」 唯「ばっちりだよ!もう下級生たちドッカンドッカン受けてるよ!」 澪「テロップのタイミングも完璧だしな」 さわ子「卒業式の後、体育館を使わせて欲しいいっていうから何かと思ったら…」 律「これが私達が軽音部があいつら在校生に残してやれる最後のモノだからな」 さわ子「軽音部か…。あれ、そういえばムギちゃんは?」 唯「ムギちゃんならこんな子供に悪影響を与える作品見てられないって外に行っちゃったよ」 さわ子「やっぱりムギちゃんはお堅いのねぇ」 澪「純のためにも上映するのは許してくれたけどな」 梓「さて、そろそろ作品も終わりに近付いてますね」 唯「よし、それじゃ壇上にいこっか」ダッ パチパチパチ! 純「あぁ恥ずかしかった…。やっと終わったよ…」 唯『どうもどうもー。みんな楽しんでくれたかなー』 律『だったら、私達も頑張って作ったかいがあったぜ!』 澪『あぁ。でも、この作品を作れたのは私達だけの力じゃないだ…』 純「うん…?澪先輩なにを」 澪『この作品の主役。彼女が居なくては企画は実現しませんでした』 唯『鈴木純ちゃん…舞台に来てくれるかな!』 純「…え!…えぇ!?」 純『ど…、どうもどうも…』ペコリ 梓『それじゃほら、純なにか一言いいなよ』 純『な、何をいうのさ!?』 律『なんでもいいんだよ、お前の思った事を言えばいいんだ』 純『私の……。そうだね』ギュ 唯『それでは鈴木さんどうぞ!』 純『私はこのドッキリで最初、軽音部なんて大っ嫌い。軽音部なんて無くなればいいって思ってました』 さわ子「あらあら、ずいぶん手厳しいわね」 純『でも…。今は違います、私達後輩の為にここまでしてくれた軽音部。…先輩達全員に感謝をしきれません。ありがとうございました!』 パチパチパチ 憂「じゅ…純ちゃん」 梓『名残惜しいですけど、もう終わりの時間が迫ってきました』 律『そんじゃ最後に聞いてください。私達の歌を…』 澪『この歌を、私達軽音部から在校生の皆に送ります』 唯『純の頭って固焼きそばみたいだよね!』 純「………………え?」 ガラララッラララララッツ!! 純「え…、ちょっと、何で客席全員が中華なべとお玉と持ってるの…」 唯『いち、にっ、さん、っし!』 『ちぇぇぇぇいいぃさぁぁぁあああぁぁああぁぁぁぁああああー!』 純「……………こんなの………ドッキリじゃない」 ドッバァァァァァアアアアアアアアァァァアーーーーアアアン!!! 『あっづづぃぃぃいいいいいいいいいいぃいい!!』 紬「ずいぶん盛り上がってるわねぇ…。やっぱり皆ああいう番組が好きなのかしら」 =はっぴいえんど!= 戻る
https://w.atwiki.jp/testest-umigamedb/pages/3004.html
2022年9月24日 出題者:おにおん タイトル:「癖になってるんだよね音消して歩くの」 【問題】 鬼乃が音を消したせいでcatさんはどこかへ消えてしまった。 一体なぜ? 【解説】 + ... 無性別系アイドルのcatさんが家でくつろいでいるとインターホンがなった。 モニター越しに玄関の前を見てみると見知らなぬ男がニヤつきながら立っていた。 命の危機を感じたcatさんは急いで警察に電話したがまともに取り合って貰えず、 友人の鬼乃に電話したが鬼乃は公共機関等で音を消し忘れたら恥ずかしいので常に携帯をマナーモードにしていた。 そんなことをしているうちに男は何故か持っている合鍵を使って扉を開けた。 そして部屋に入りcatさんを拘束しどこかへ連れて行ってしまった。 その後のcatさんの行方は誰も知らない。 【注釈】 1on1で出された問題。タカフミさん、5分以内に解答ならず! 《ブラック》 配信日に戻る 前の問題 次の問題
https://w.atwiki.jp/83452/pages/8528.html
律「え?唯ドラクエやったことないのか?」 唯「ドラクエってドラゴンクエストのことだよね?うん。ないよ」 律「お前それ人生の4パーセントぐらい損してるぞ」 唯「だって私ゲームあまりやらないもん」 律「それでも普通ドラクエぐらいプレイしたことあるだろ。梓もプレイ済みだよな?」 梓「9以外はコンプリートですよ」 律「流石は梓。で、梓は何が一番好きなんだ?」 梓「そうですね。一番プレイ時間が多いという点ではモンスターズ1ですが、シナリオ面から言うと5が一番好きです」 律「わかってるな!やはり天空シリーズだよな!特に5なんて感動しまくりだったよ」 梓「唯先輩ドラクエというか、RPGやったことあるんですか?」 唯「私?一回もないよ」 律「よしわかった。唯PS2もってたよな?明日5持っていってやるからプレイしてみろよ」 唯「え……、いいよ別に。たぶんすぐわからなくなっちゃうし」 律「物は試しだろ?大丈夫、わからなくなったら私が教えてやるから」 翌日学校! 律「ほら唯。ドラクエ5」 唯「本当に持ってきたんだ……」 律「唯、お前のことだ。最初の船で詰む可能性大だろう。だから先に言っとく。船では全員に話しかけろ。それで上陸できる」 唯「船?よくわからないけど全員に話しかけたらいいの?」 律「あぁそうだ。とにかく上陸さえしちまえば詰む要素はほぼ0に近いはずだ」 唯「うーん、正直あまり乗り気じゃないけどとにかくやってみるよ……」 自宅! 憂「ただいまー」 唯「おかえりー」 憂「あれ?ゲームしてるの?珍しいね」 唯「うん。りっちゃんに貸してもらったのドラクエ5」 憂「ふーん。面白い?」 唯「ぜんぜん。さっきからずっと船なんだもん」 憂「海戦物なの?」 唯「ドラゴンを倒しに行くって話だよ。たぶん」 憂「そうなんだ。……お姉ちゃんさっきから何をグルグル回ってるの?」 唯「ん?あぁこの宝箱が取れなくて」 憂「鍵かかってるから開けられないの?どっかに鍵があるんじゃないの?」 唯「おお流石憂。じゃあちょっと鍵探しに行くね」 1時間後! 憂「ふう。お風呂の用意も終わったし夕飯の下ごしらえも済んだ。……お姉ちゃん鍵見つけたかな?」 唯「……」ピッ、ピッ 憂「(また宝箱の周り回ってる……)」 唯「駄目だーこれ苦行に近いよ」 憂「お姉ちゃん、いったん宝箱は諦めなよ。普通に話すすめよ?」 唯「それがねえ、ここ以外行くところないんだよ」 憂「そこの部屋以外行ってみなよ。私まだ宝箱の部屋しか見たことないよ」 唯「この部屋を出るとね、こういう風になってるの」 憂「うん。……え?」 唯「え?」 憂「いや、何でそこの部屋に戻るの?他の部屋とかいろんな人に話しかけてみようよ」 30分後! 唯「……」 憂「……」 唯「……」 憂「……そこ、そこの人に話しかけて」 唯「……あぁ、ここにも居たんだ」 ブオーン イカリヲタタメー 憂「あ、何か起こったよ」 唯「本当だ。りっちゃんの言うとおり全員に話しかければよかったんだね」 憂「お姉ちゃんがそれ思い出すのに、1時間半かかることまでは律さん想像できなかったみたいだね」 唯「とりあえず外出てみるよ」 憂「うん」 タララララララララーータッター 唯「うひゃあ」 憂「スライムが出てきたね」 唯「かわいいねぇ憂みたい」 憂「褒めてるのかな?」 唯「もちろんだよ。…戦う押せばいいのかな?」 憂「いいんじゃないかな」 唯「うわっ強!1対3は卑怯だよ」 憂「逃げる押してみれば?」 唯「回り込まれた!足で潰して逃げればいいのに」 憂「あ、お父さんが助けに来てくれたね」 唯「お父さんめちゃめちゃ強いね」 憂「うん。一回で二回攻撃してる」 唯「それにしても上のHPとMPって何だろう」 憂「攻撃を受けたときに減ってるからHPは体力ってことじゃないかな」 唯「じゃあMPは?」 憂「うーん……アーマーゲージ?」 唯「憂?」 憂「ごめん。忘れて……」 唯「町についたはいいけど、また何をするかわからない状態になっちゃったよ」 憂「とりあえずいろいろ探索してみようよ」 唯「そうだね」 1時間後! 憂「まさか川の向こうに洞窟があるなんてね」 唯「…うん。気づくのにずいぶんかかっちゃったね」 憂「もう10時だよ…おねえちゃんご飯どうしようか」 唯「これやりながら一緒に食べよ」 憂「じゃあ持ってくるね。あ、カレーだから」 唯「……」ピッ ピッ 憂「(聞いてない……)」 憂「ハムハムあ、宝箱あるよ」 唯「ふぇ、ふぉこ?パクッ」 憂「ゴクゴクそこ、左側」 唯「やくそうかぁパク」 憂「パクパク序盤だし仕方ないよ」 唯「ところでやくそうってどういうアイテム?」 憂「病気が治るんじゃないの?異常状態とか」 唯「たとえば?」 憂「例えばって、うーん。……骨折とか内臓系の病気とか?」 唯「……そんなリアルなゲームやりたい?」 憂「冷静に返さないでよ…」 1時間後! 唯「すごい!メラつよい!」 憂「あ、MP減ってる!お姉ちゃんMPはメラの回数だよ!メラポイント!」 唯「ごめん…さっきホイミ使った時も減ってた…」 憂「あ、そうなんだ……」 2時間後! 唯「うーボスが強すぎて倒せないよ」 憂「確かに凄まじい強さだね。歯が立ってないよ」 唯「レベルが足りないのかなぁ」 憂「今14レベルだね」 唯「鬼のようにレベル上げしたからね。りっちゃんにメールしてみるよ」メルメル 唯「あ、返信きた」 律『お前武具装備してないだろ』 唯「?」 憂「律さんなんて?」 唯「武具装備してないだろって」 憂「武具って?」 唯「さぁ?」 憂「あ、武器のことだよ!」 唯「え?いや、それはわかってるけど」 憂「……」 唯「町に戻ったはいいけど、りっちゃんの言う武器屋と防具屋がないんだけど」 憂「夜だからお店の人とか寝てるんだよ。一回昼間にしてみようよ」 唯「おぉなるほど。そういえば私達夜の街しか見てなかったね」 憂「あ、あれだよたぶん。そこの店みたいなの」 唯「あーこれかぁ普通にスルーしてたよね」 憂「武器見てみようよ武器!」 唯「ノリノリだね憂!私もちょっと面白くなってきたところだよ」 憂「……お金いっぱいあるね」 唯「今レベル15だからね。いっぱい倒したよ」 憂「そのブーメランといばらの鞭でいいんじゃないかな?攻撃力すごい上がるし」 唯「じゃあ防具も適当に一番高いやつで」 憂「早くモンスターと戦ってみようよ、外出てみようよ。早く」 唯「ノリノリだね。憂」 唯「つよ!ブーメランつよいよ!一度に全員攻撃してるよ!?」 憂「いばらの鞭も大概だよ!さっきまでの私達ってなんだったんだろうね」 唯「レベル上げだって思えば大丈夫だよ!お金もまだあるし」 憂「……あれ?いばらの鞭って全員に攻撃するってわけじゃないんだ」 唯「え?あ、本当だ。固まってる敵をまとめて攻撃するんだね」 憂「スライム1 スライム3とかだとちょっとイラッてしちゃうね」 唯「なんだか仲間はずれみたいだよね。魔物の世界にもいじめってあるんだ」 憂「今2時だよお姉ちゃん」 唯「とりあえずおやぶんゴーストだけ倒そうよ」 憂「そうだねキリがいいからね」 唯「うん。キリがいいから」 5時間後! 唯「うっうっ…グスッ」 憂「ヒグッグスッ…」 唯、憂「……お父さんグスッ」 学校!朝9時! さわちゃん「平沢さんは風邪のためお休みです」 澪「唯のやつ風邪かぁ律どうする?お見舞い行くか?」 律「ん?あぁいらないと思うぞ?」 憂「お姉ちゃん……流石に私眠くなってきたかなぁ…」 唯「奇遇だね憂…そろそろ私も限界だったよ……」 憂「いったん休憩しようよ。もう11時だよ?」 唯「じゃあ寝ようか。ソファでいいや」 憂「おねえちゃん。ちょっと詰めてくれる?」 唯「一緒に寝る?」 憂「うん。部屋まで戻るのちょっとしんどいや」 唯「いいよおいで」 6時間後! ピッピッ 憂「ん……。ハッ!」 唯「……」ピッピッ 憂「ちょっと!ちょっと!!」 唯「あ、おはよ」 憂「お姉ちゃん独りで先に進めないでよ!私も起こしてよ!」 唯「え?あ、ごめん。えと…気持ちよさそうに寝てたから?」 憂「絶対うそでしょ!ただやりたかっただけでしょ!」 唯「まぁまぁ。まだ奴隷から開放されたばっかりだから」 憂「なにその奴隷って!前提からわからないよ!お願いだから詳しく説明してよ!」 唯「オラクルベリーについたよ」 憂「カジノがあるね」 唯「今どれくらいお金持ってたっけ」 憂「1000ちょっとだね。カジノの前に探索しようよ」 10分後! 唯「……」 憂「所持金0になったね…」 憂「お姉ちゃんもう諦めよ?」 唯「うぅ…うぅ…グリンガムの鞭…」 憂「序盤から強い武器手に入れたら徐々に攻撃力上がる楽しみがなくなっちゃうと思うの。だからね」 唯「あ、セーブ!セーブ繰り返せば!」 憂「聞いてよ!」 唯「馬車買ったはいいけど、どうやってモンスター仲間にするんだろ?」 憂「さっき言ってた通り戦って倒せばいいんじゃないの?」 唯「じゃあとりあえずスライム仲間にしてみよっか」 憂「一回で仲間になった…」 唯「随分人懐っこい性格なんだねぇ。ういやつめ」 憂「え?」 唯「え?」 唯「ちょっと…」 憂「うん」 唯「この人通してくれないんだけど…」 憂「ヘンリー王子だって気づいてないのかな?ヘンリーも何か言ってくれればいいのに」 唯「黙っちゃってるよ…勘弁してよ。また2時間コースだよ…」 憂「他にいけるところは行ったよね」 唯「うんアルカパとサンタローズ行ったけど特に何もなかったよね」 憂「もう一回行ってみない?」 唯「どこに?」 憂「アルパカ」 唯「ぶふっ」 憂「……」 2時間後! 唯「またこの洞窟だよ!また気づくのに2時間かけさせられたよ!」 憂「いい加減学習しないと駄目だね私達」 唯「そういえば少年時代にお父さんよく小船使ってたよね」 憂「あ、そういえばそうだね。あれ一応伏線だったんだねぇ」 唯「私達やくそうの存在理由に気づかなくて何回も死んでたから、何往復もしてたよね」 憂「お姉ちゃん基本的に道具とかステータス確認しないから…」 唯「私のせいにしちゃうんだ」 憂「だってお姉ちゃんがコントローラ持ってるから…」 唯「じゃあいいよ憂こっから交代交代でプレイしてこうよ。そうすれば公平だよ」 憂「いいよ別に。私は確認するタイプだし意外にゲーム知ってるよ?」 唯「やくそうの効果なんだっけ?」 憂「HPを30ぐらい回復でしょ?」 唯「骨折を直すんでしょ?」 憂「やめてよ!」 10分後! 唯「うぅ…悔しいけど合理的なMAPの進め方…」 憂「ふふん♪」 唯「アイテムを取り逃すことなく体力管理もばっちり…」 憂「ふふふん♪」 唯「あ、メタルスライムだ!」 憂「ほんとだ!集中攻撃!逃げないで逃げないで…」 ザザザザッ 唯「……」 憂「……」 唯「う~い~?ニヤニヤ」 憂「今のは仕方ないよ…だって…逃げるように設定されて…」 唯「でも私倒したよねぇ?さっき」 憂「それは…た、たまたまで」 唯「う~い~?」 憂「もう!いいじゃない!レベルも高いんだし別に無理して倒さなくても!可哀想だよ!」 唯「初めて倒したときの経験値に興奮してたの誰だっけ?」 憂「わ、わたしだけど…」 唯「やったーーすごいすごい!お姉ちゃん経験値1000だよ!?すごいスライム何匹分!?」 憂「やめてよ!」 唯「はい渡して」 憂「え?」 唯「えじゃないよ。コントローラー渡して?」 憂「なんで!?私まだ10分ぐらいしかプレイしてないよ!?」 唯「1ミスしたじゃん。だから交代」 憂「先に言ってよ!それだったら今までのお姉ちゃんのミス250回分ぐらいあるよ!あと249回私だよ!」 唯「記憶にございませーんノーカンノーカン」 憂「うううぅぅ!いいよ!1ミスで交代だからね!」 2
https://w.atwiki.jp/kurokage136/pages/414.html
異世界、剣と魔法のファンタジーの世界 数年前に魔王が現れ、勇者が選ばれ討伐に向かう。 様々な仲間を連れ、少しづつ魔王城に向けて前進していたのだが……… 「オーリス、君にはこのパーティを抜けてもらう」 「な、何故………!?ちゃんと勇者や皆には貢献してるじゃないか」 「……お前が『毒魔法使い』だからだ」「そんな理由で!?」 「今までは我慢していたが、もう限界なんだ。正直、君を見ているだけで吐き気がする」 「お、俺だって、好きでこんな力を持って生まれた訳じゃない!ていうか何が悪いんだよ毒魔法使いの!」 「そりゃできることは毒魔法!相手をちょっと弱らせたりするぐらいで攻撃魔法は一切使えない!」 「それでもいい、充分に役に立ってるって言ってたじゃないか!」 「それだよ!! それが許せるのは最初の間だけ、どんどんモンスターは強くなるばかりだ!毒を使うやつより戦えるやつの方が大事になる!」 ……『毒魔法使い』 その場の魔力をモンスターにとって有害な成分に変えて弱らせる事からそう名付けられた。 最も、死に至らせる事は出来ないが…… 「…………だったら仲間を増やせばいいだろ!今まで毒があったからなんとかなっただろ、俺がいなくなったら」 「ああ、それだったら……」 リーダーである勇者が指差す先には………… 「うふふふふ、あら」 花弁が人の形をしたような優美な女性がいた。 「彼女は新しく入れたアギーラ、『花魔法使い』だ」 「花魔法使い……聞いたことがないが、花でも咲かせるのか?」 「花魔法使いは攻撃と毒、両方が出来る」 「!?」 そんな馬鹿な、毒魔法使い以外に毒を作れるものが居るわけがない 確かに植物にも毒はあるが、モンスターを苦しめるほどの効果があるものは存在していない 「……一体、彼女は何ができるんだ?」 「花魔法使いは、その名の通り花の力を使える」 「例えば、そこにある花を見てみろ」 その言葉と共に、勇者の隣にあった一本の花が見る間に枯れていく。 「なっ!!」 「これが彼女の毒の力……いや、生命を奪い取る力と言っていいだろうか」 「生命を奪う………俺には出来ない事だ」 「これで分かっただろう、毒魔法使いというものの立場が」 ………ここまでのことを見てしまえば、何も言えない かくしてオーリスは言われるがままにパーティから外されてしまったのだった。「くそぉおおお!!! なんでこうなるんだよおおおおおおお!! 俺はただみんなと一緒に居たかっただけなのにぃぃぃぃいいい!!」 …………それから数年後、彼は未だに1人で活動していた 「花魔法使い」が現れてからというものの毒魔法使いの立場は一気に落ち、勇者以外のパーティからも断られ続ける毎日だった 更に毒魔法使いは敵を仕留めきれる程の力が無いため収入もろくに得られず、苦しい生活が続くばかりであった 「何故毒魔法使いというだけでここまで冷遇されなければならないんだ……」 オーリスは考え、思いついた 毒魔法使いが冷遇されて相手にされないなら、全員毒魔法使いでパーティを組めばいいのだ。 自分と同じ、酷い扱いを受けた者達で。「……よし、決めたぞ!」 こうして、オーリスは『毒使いの集い』を結成する事になった。 早速オーリスは全財産をはたいてギルドに募集用紙の枠を開けてもらった。 『毒魔法使い求む!年齢性別キャリア問わず』 『塵も積もれば山となる 毒も集えば猛毒になる』 …… 数日後、オーリスの元に数多くの毒魔法使いが集まった 「案外いるもんだな………」 しかし集まったのは男ばかりで、女は誰もいない。 「まあしょうがないよな、男しかなれないし」 「じゃあ……皆、よく聞いてくれ、確かに毒魔法使い1人で出来ることは他と比べ遅れている、なら毒魔法使いが10人集まれば?」 「これだけの毒があれば、俺達だって活躍出来るはずだ!」 かくして「毒使いの集い」は結集されたのだった。 まず最初にスライムに挑んだ、雑魚中の雑魚だがオーリスでも1人では倒せなかったモンスターだ 成功だ、毒魔法を一斉に唱えたら溶けて死んでいった 次に思い切ってドラゴンも狙った、勇者でも倒せるか怪しかった奴だ。 ドラゴンは泉の水を飲んでいた、仲間がそこに毒を放った 「待てっ……それはまずいんじゃ……」 オーリスが止めるまもなく泉は死の水となり、ドラゴンは血を吐き、泳いでいた魚達が次々と浮かんでいった 毒魔法使い達全員のレベルアップの音が鳴り響いた。 「やったぜ! これで俺達はもっと強くなった!」 「ああ、そうだな! でもドラゴンの血を飲んだが大丈夫なのか?」 「いや、もう死んでいる、早く次の場所へ行こう!」 「次はどこへ行く?」 「…………実は、ここに来る前にある情報を掴んだんだ」 「オーリス様を追い出したあの勇者が、四天王ベゼルグの居所を突き止めたとか………」 毒使いの集いのメンバーには、ベゼルグの居る集落への近道を知っていた者がいた。 そうしてオーリスは勇者より先にベゼルグが見える範囲まで辿り着いたのだが…… オーリスは警戒しながら隠れて言う 「慎重に動け、相手は四天王……『大嵐のベゼルグ』だ、今は様子を見よう」「おい、あれ見ろ! ベゼルグが誰かと喋ってるぞ!」 「何!?誰だ!!」 「あの花弁のような服は……花魔法使いです!」 それを見てオーリスははっとなった。 見間違えるはずがない、あの服、あの顔は……… 「アギーラ………!!」 自分が抜けて新しく勇者パーティに加わっていたアギーラだった。 オーリスは耳を済ませると、ベゼルグの話の内容が分かってきた 「………本気で言っているのか?」 「はい、勇者ピルルクの御言葉です……勇者は貴方達魔王軍に降伏します」 「…………本当なら嬉しい話だが、そんな事を許すわけにはいかない」 「…………そうですか、なら、私達が今から勇者として名乗りを上げます」 「………………」 ベゼルグは何も言わずに、その場を去って行った。 そして残されたアギーラは、こちらに向けて言った 「笑い飛ばしに来ましたか?毒魔法使い」 「!」 「気付いていたのか……」 オーリスはベゼルグが近くにいないことを確認し、アギーラに近づく 「………アギーラ、その、勇者が魔王軍に降伏するってどういう事なんだ?」 「俺がいない間に勇者達に何があったんだ!?」 アギーラは一瞬考えた後、こう答えた 「私達2日前、ベゼルグに挑んで………勇者と私以外が死にました」 「!!」 オーリスは絶句した、まさかあの勇者パーティが全滅していたとは………… 「…………それで、勇者は?」 「今は眠っていますが、戦える状況ではありません」 ………勇者の完全敗北、オーリスでなくても信じ難い状況であった。 愚かにも、自分達が不意打ちしようとした相手はそんな恐ろしい相手だったのだ。 毒使いの集いは震えが止まらず、恐怖のあまり口に出した言葉は 「………ベゼルグは、どうやって勇者様達を倒したんですか?」 「………デステンペスト」 「風に煽られただけで体のあちこちが使い物にならなくなりました」 オーリスは気付いた 『デステンペント』 風の中に毒を撒いてばら撒く最強の毒魔法 敵味方構わず苦しめ、風が毒を運んで街丸ごと侵す事も出来る あまりにも危険すぎて封印されたのだが……… 「ベゼルグは……貴方達と同じ『毒魔法使い』です」 なんて皮肉な結果だろう 毒魔法使いは役立たずと追い出した勇者が、最強の毒魔法に敗れ去るとは 「そんな奴に……どう勝てばいいんだ………」オーリスは絶望し、その場に崩れ落ちた。 「そういう事で、人間は完全降伏すると宣言してこいと」 そこで1つオーリスに疑問が出来た 何故彼女は無事なのだろうか デステンペストの規模は見たことないので知らないが、勇者が再起不能となり仲間達が死に絶えたというのに、彼女は傷1つなく我々と話している 「お前………無事なのか?」 「今のところは、と言った所でしょうか………極僅かですがベゼルグの生命を奪うことは出来ましたので」 「いつまで持つか分かりませんが……」 毒使いの集いは……とんでもない事を聞いてしまった。 最早魔王たちによって人間は滅び、全ては支配されてしまうのか………? 「いや、まだだ」 オーリスは………賭けに出た、このまま何も出来ず死んでしまうよりは……… 「ベゼルグを……倒す」 「そんな無茶ですオーリス様!!我々じゃ勝ち目も………」 「いや、ある!!」 オーリスが思い付いたベゼルグを倒すための最後の手段、それは……… 「俺達も………デステンペストを覚える!!」 「…………え?」 「俺達の毒魔法が奴の風の中でどこまで通用するか分からないけど…………」 「この数でデステンペストを放てば、四天王相手でも跳ね返せるかもしれない!!」 それを聞いてアギーラは冷たく答える 「なるほど………とんでもない賭けに出ましたね」 「もし失敗したら、貴方達の分のデステンペストも風に流れて全域に渡り魔王軍が来る前に何もかも死んでしまいます」 「それでも、やりますか?」 毒使いの集い達の答えは既に決まっていた。 「やるさ、元々俺達は嫌われ者の集まりだ……その程度で世界が救われるならどうってことない!」 「そうは言ってもどうやってデステンペストを覚えるんですか!?」 「小さい頃、デステンペストの使い方を教えてもらったことがある………」 「それを覚えれば……ベゼルグに勝てるはずだ…………!!」 メンバーの中には子供の頃、遊び感覚でデステンペストの練習をしていた事がある者が居たという それが今、ここで活きてくるとは誰もが思わなかっただろう ………あれから3日が経った ベゼルグはオーリス達の前に立つ 「お前は……魔王様から勇者の仲間と聞いたことがあるな、奴らの敵討ちか?」 「いや……同じ毒魔法使いとしてお前のような奴は見過ごせないと思ったまでだ」 「そうか、お前も毒魔法を使うのか……面白い、見せてみろ」 「皆行くぞ!!」 オーリス達は気を集中させ、風を集めていく 「その構えは………相手をしてやろう」 ベゼルグもまた同じやり方で気を集中させ、風を集めていく 「これで終わりだベゼルグ!! 」 「まとめて塵になるがいい!!」 「デステンペスト!!!」 両方向から猛毒の風がぶつかりあう!!オーリス達にとっては最後の希望を込めた一撃であった だが………… 「…………」 結果は、予想通りだった。 「そ、相殺………………!!」 デステンペストは、お互いの風力が威力を弱めていき………どちらも勢いを失って散ってしまった。 「なるほど、俺のデステンペストをかき消すとは大した力だが………もはやこれまで」 オーリス達は嫌な予感がした、そしてそれは直ぐに的中する事になる 「ま、まずい………あいつ!!デステンペストをもう一度撃つつもりだ!!」 1発飛ばしただけで毒使いの集い全員の魔力が枯渇する威力だというのに、ベゼルグはそれをまた飛ばそうとしている……… 「まさか…………」 「そうだ、俺は2度同じ技は喰らわんよ」 「例え、俺の得意な技であったとしたもな!!」 「くらえっ!!デステンペスト落とし!!!」 ベゼルグは力強く飛び上がり、溜め込んだデステンペストを真下に叩き込んだ!! 「う、上から風が飛んでくる………!?これじゃ避けようが…………」 風は下に向かって吹いている!俺達には当たらない!!」 「俺のデステンペストが風に乗っているだと…………?どういう事だ、何故こんな事が…………」 オーリスは……気付いた。 「あ、あの野郎…………『狙って』風に乗せて落したな!?」 「俺たちがさっきぶつけ合った、デステンペストの残りカスに!!」 死の風はお互いに威力が弱ったのみで毒は消えてはいない そこにベゼルグが風を叩き込んだことで……… 「ベゼルグの風の勢いが戻った!!」「く、くそぉ!!もうダメだぁ…………」 「お、おいしっかりしろ!!」 「わ、分かってるけど…………」 「無理だよ、あんな風にされてなんとか出来るのか!?」 毒使いの集い達はもう諦めそうになっていた だがオーリスは諦める訳にはいかなかった、もしここで死んだら、本当に人間は魔王軍に負けてしまう…… 「デステンペストだ………」 「え?」 「残った魔力を振り絞って!!もう一度俺達もデステンペストを放つぞ!!」 「威力はさっきより遥かに弱くなるが、もうこれしかない!!」オーリスは残りの魔力を全て振り絞り、デステンペストを放った 「無駄だ!何度やっても同じ事!!」 「こいつを………」 「こうする!!」 オーリスは回るようにして魔法を放つと、僅かな風は回転して竜巻を生み出す 竜巻はベゼルグの作った風も巻き込んで大きく強くなっていき、飛び上がっていたベゼルグも巻き込む!! 「グワアアアアアアア!!!だ、だがこのレベルの毒を浴びればお前たちもただでは済まないはずだ!!」 「昔どっかで見たんだ………竜巻の真ん中には風が通らない、だから魔法を唱えた俺のところには毒が回らない!!」 「ま、まさか俺が毒と風で人間に先を行かれるとは…………見事な毒魔法使いだ、ぐ、ぐわああああああああ!!」ベゼルグは、そのまま地面に叩き付けられる 「やった…………やったぞ!」 「さすがオーリスさん!!」 「はぁ………はぁ………終わった………」 あれから1週間も経った 毒魔法の集いも、そこそこ仕事が出来るようになってきた 「聞いてくださいよオーリスさん!!我々が倒した四天王ベゼルグの件、勇者が倒したことになってるんですよ」 「実際の勇者達は何も出来ずに負けて降伏まで考えてたっていうのに………」 「まあいいじゃないか 」 当のオーリスは気にせず答える 「毒魔法使いの立場は、ある程度マシになったじゃないか」 「そうですけど…………でも、もっと上に行きたいですよね~」 「まあな…………ま、またアイツがヘマこいたらこっそり助けに行くか」 「もうデステンペスト連発は勘弁ですけどな」 「それはそうだ!はははは 」 毒魔法使い達は今日もひっそり活動する 自分たちでも集まって頑張れば何にでも勝てる、そう思えただけでもオーリスは満足だった おしまい。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/18268.html
途端、梓の瞳から大粒の涙が一筋こぼれた。 梓の悲しみの詰まった涙が……。 私の想いが上手く伝えられなかったせいで……。 「あずにゃん……。 そうじゃないよ……。そうじゃなくてね……」 唯が辛そうな表情で呟く。 梓を心の底から心配してるのがよく分かる表情だった。 私は梓だけじゃなく、唯まで悲しませてしまったんだ……。 辛いし、自分の不器用さが情けない。 それを後悔する事は出来たし、今までもそうして来たけど……。 私はもうそうするわけにはいかなかった。 これから先、私は梓にもっと嫌われる事になるかもしれない。 拒絶されてしまうかもしれないって思うと怖い。 だけど、誤解させたまま梓を悲しませてるのだけは、絶対に駄目だ。 傍に居なくたって大丈夫って思えるのは大切な事だ。 離れててもずっと仲間だって信じられるのも立派だと思う。 それでも、私達はまだそんなに強くない。 想いの力だけを信じられるほど、皆と話し足りてない。全然足りてない。 もっと話がしたい。演奏をしたい。一緒に居たい。 私はやっと皆が一緒に居られるために必要な事を見つけ出せそうになったんだ。 あれだけ皆に迷惑を掛けて、やっと見つけられそうになったんだ。 それを梓に伝えたいんだ。 本当に大切なのは、皆がただ一緒に居る事じゃなくて……! 「あず……」 もう一度、私は必死に左手を動かしたけど、 その場に立ち上がってしまった梓の身体の何処も掴む事は出来なかった。 一筋の涙を拭って、梓は私達に背を向けて部屋から飛び出して行ってしまった。 「し……、失礼します!」 絞り出したみたいなその言葉だけを私達に残して……。 呆然としていたと思う。 今までの私達だったら。 昨日までの私と唯だったら。 でも、もう呆然としてるわけにはいかなかったんだ。 もう自分の無力に泣いてるのはやめなきゃいけないんだ。 私も、唯も。 唯と頷き合うと、私達は布団を蹴り飛ばして床に脚を下ろした。 梓を追い掛けるんだ。 そうして、駆け出そうとした瞬間、不意に唯がその場に崩れ落ちた。 腰から力が抜けたって様子だった。 私は腰を下ろして、唯に調子を訊ねてみる。 「どうした、唯っ? 平気かっ? 知恵熱……かどうか分からないけど、それがぶり返したかっ?」 唯は悔しそうな表情を浮かべ、私の言葉に首を振る事で応じた。 私は左手を唯の額に当ててみたけど、熱がまた上がったってわけじゃないみたいだった。 悔しそうに唯が小さく呟く。 「ごめん……、ごめんね、りっちゃん……。 私、足に全然力が入らなくて、こんな時なのに……。 本当にごめんね、りっちゃん……、あずにゃん……も……」 あっ、と思った。 そうだ。すっかり失念してしまっていた。 唯は三日以上ベッドで寝込んでいたんだ。 昨日体調が快復したとは言え、ちょっとやそっとで体力が全快するはずがない。 少なくとも起き抜けで全力で走れるくらいの体力は戻ってないだろう。 私は唯と繋がれてた包帯をほどきながら、唯に宣言する。 宣言してみせる、力強く。 「大丈夫だよ、唯。梓は私が追い掛ける。 唯はそこでもう少し休んでろ。 大体、梓を悲しませちゃったのは、私の言葉が足りなかったせいだ。 全然上手く伝えられなかったせいだから……、私が梓を連れ戻して来る。 梓は私達の大切な後輩なんだって、 大事な天使なんだって事をちゃんと伝えて来る……! だから……、待ってろ、唯……!」 「りっちゃん……。 私ね……、りっちゃんの言葉、間違ってなかったと思う。 私もりっちゃんと同じ様な事、あずにゃんに言ってたと思うし……。 りっちゃんが責任を感じる事無いよ……。 だけど、私……、 今はこんな状態で、役に立ちそうにないから……、 あずにゃんの事……、任せて……いい……?」 唯がそう言ってくれるだけで救われる気分だった。 でも、一人だけ救われてても意味が無い。 私達が本当に救わなきゃいけないのは梓なんだ。 今はそれがよく分かる。 梓が私達の腕を包帯で繋いだ理由、今なら分かる気がする。 さっきは驚いたけど、考えてみればそう突然の行動ってわけでもなかったんだ。 そうする素振りはずっとずっと前からあったんだ……。 ロンドンに転移させられてから、その素振りには気付いてた。 気付いてたけど、自分の事ばかりに目を向けてて、本当の意味では気付けてなかった。 まず転移させられた直後からそうだ。 皆で手を繋いで移動する時、梓は私の手を強く握ってた。 下手すりゃ臆病な澪に握られた時よりも痛いくらい、私の手を握ってたんだ。 その後だってそうだ。 梓は妙なくらい私の行動に付き合ってくれていた。 外の探索で私を励ましてくれたし、風呂まで珍しく一緒に入った。 その後も何度も外回りに誘われた。 それは私を心配しての行動だと私は思ってたし、 実際にもそうだったんだろうけど、それだけが理由じゃなかったのかもしれない。 梓も不安だったんだ。 不安で怖かったから、私の傍に居たがったんだ。 過去に目を向けてた唯とムギの傍じゃなく、強い意志を持った澪でもなく、 多分、同じ気持ちを抱いて過去より未来を見つめようとしてた似た者同士の私と……。 今、こんな状態になって、私はやっとその事に気付けたんだ。 救わなきゃいけない。 私は梓にこれまで何度も救われた。 今度は私が梓の心を救わなきゃいけない時なんだ。 その先、梓の隣に私の姿がなくったって、私は梓を救うんだ……! 私は部屋の中に置いたままにしておいた、 昨日使ったビニール紐に手を伸ばそうとして……、やめた。 本当はビニール紐を身体に結んでいた方が安心出来る。 誰かに端を持っていてもらう方が正解なんだろうとも思う。 だけど、そうするのはやめておいた。 一陣の風の事を気にし過ぎてもどうしようもないし、 何より私達はもっと前に進んでいかなきゃいけないと思うから……。 私は唯の頭に軽く手を置いて言うんだ。 「梓の事……、連れ戻して来るよ、唯。 本当はおまえが行った方が喜ぶのかもしれないけどさ……、 でも、あいつに誤解させたのは私だし、私がどうにかしたいって思うんだよ。 一応、元部長……なんだしな。 澪達……、先に呼んで来るか?」 「うん……、ありがとう、りっちゃん……。 でも、大丈夫。 ちょっとふらふらするだけだから、もう少し休めば大丈夫だと思う。 それにね……、私が行った方が喜ぶなんて、そんな事無いよ。 りっちゃんが来てくれたら、あずにゃんだってきっと喜ぶよ。 あずにゃんに……、りっちゃんと私達の考えを伝えてあげて……ね? ……紐、いいの……?」 唯がビニール紐に視線を向けながら呟く。 本当は私にビニール紐を結んで行ってほしいんだろう。 唯のその視線は凄く心配そうだった。 私だって胸の中が不安で張り裂けそうだったけど、どうにか首を振った。 「……いいんだよ。 梓が私達の手首を包帯で結んでくれてさ、分かったんだ。 昨日は非常事態だったからともかく、さ。 もうそういうのに頼ってちゃいけないって思ったんだ。 だから……、な……。 いや、とにかくもう行くよ、唯。 そろそろ追い掛けなきゃ流石に梓に追い付けなくなるからな。 おまえはもう少しだけ休んでから、澪達と一緒に居てくれ。 それより先に調子が悪くなったら、すぐ澪達を呼ぶんだぞ? 澪達、梓の事を心配するかもしれないけど、大丈夫だって言っておいてくれよな。 私……、絶対に梓を連れ戻して来るからさ。 絶対に……。 そうだ。 おまえから梓に伝言は無いか? 私じゃ梓に上手く伝えられない事もあるかもしれないしな。 何か私じゃ浮かんで来ないような言葉があるようだったら言ってくれよ。 そのおまえの言葉だけは……、絶対に伝える」 すると、唯はゆっくり頭を振った。 静かに瞳を閉じながら、囁くみたいに言ってくれた。 「ううん……、大丈夫だよ……。 私の思ってる事、私達の思ってる事はりっちゃんと同じだって思うもん。 だから、私にりっちゃんからあずにゃんに伝えてもらう事なんて無いよ。 りっちゃんの気持ちが私の気持ちなんだよ。 私はりっちゃんとあずにゃんと……、皆と一緒に居ると幸せになれるんだ。 一緒に居てほしいんだ……。居てほしかったんだ……。 でも、それだけじゃ駄目……って事なんだよね?」 言ってから、唯が瞳を開く。 その瞳からは寂しさみたいな物を感じたけど、でも、強い想いだって感じられた。 私と同じ……、いや、私以上に強い唯の想いを……。 どんな形であれこの夢を見てる張本人だからこそ、 唯は私よりも、誰よりもその事を分かってるんだろう。 私は深呼吸をしてから立ち上がる。 これで終わりだ。 これで終わりにさせるんだって強く思いながら、自分の足で駆け出していく。 「じゃあ……、行って来る!」 「あっ!」 私がドアノブに手を掛けて飛び出そうとした瞬間、 不意に唯が何かを思い出したみたいな大きな声を出した。 私は振り返って唯に訊ねてみる。 「何だよ、どうした?」 「りっちゃんに思い付けない事……、一つだけあったよ。 今、思い出したんだ。 それだけ……、あずにゃんに伝えてもらってもいい?」 「ああ、勿論伝える。遠慮なく言ってくれ。 何だ? 何を伝えればいい?」 「新曲!」 「あ?」 「新曲だよ、りっちゃん! あずにゃんに伝えて! 私達、あずにゃんに新曲を聴かせたいんだって! この世界に来て、皆で作った新曲を聴いてほしいんだって!」 新曲……か。 なるほど、確かにそれは私からはどうやったって出て来ない言葉だ。 澪もそうだけど、唯達はよっぽど新曲を私達に聴かせたいんだろう。 勿論、私だって聴きたかった。 そんな自信作なら、何をどうしたって聴いてやりたい。 「了解だ、唯。 新曲の事、絶対に伝える。 帰って来たら聴かせろよ? 私だっておまえ達の新曲、気になってるんだからな! それと……」 「それと……、何?」 唯が首を傾げて私に訊ねる。 だから、私は拳を握り締めて、言ってやった。 私達の想いはこういう所でも同じなんだって教えてやるために言ってやったんだ。 「私達だって帰ったらおまえらに演奏見せてやる! 私と梓の新バンドの実力聴かせてやるんだからな! 覚悟しとけよ!」 唯は一瞬だけその私の言葉に呆気に取られてたみたいだけど、 すぐに笑顔になると、力強く頷いて言ってくれた。 「うん、楽しみにしてるね! りっちゃん達が戻って来たら、放課後ティータイム同士の対バンだよ!」 ◎ 私は全速力で走る。 正直な話、梓が何処を目指して走り出して行ったのかは分からない。 広いロンドンであいつを見つけ出せるのか、不安が無いと言ったら嘘になる。 でも、私には一つの確信があった。 あいつを見つけ出す事は簡単なはずなんだって。 それだけは間違いないと思う。 梓は私の前から逃げるみたいに去って行った。 でも、本当に逃げたかったわけじゃないって事くらいは分かる。 自分の涙を……、自分の弱さを私達に見せたくなくて、あいつは飛び出して行ったんだ。 だから、あいつはすぐ傍には居るって思う。 ホテルの中には居ないにしても、 私が全力で捜せば簡単に見つけられるくらいの場所には。 その点においてだけは私に不安は無いんだ。 あいつは私と違って身勝手に行動するような奴じゃない。 責任感を持って、周囲に気を遣って、精一杯努力する奴なんだ。 本当のあいつの姿を知ってるわけじゃない。 あいつの全てを分かってやれてる自信なんて全然無い。 だけど、私の中では、梓はそういう責任感の強い後輩だった。 私達に心配を掛けるような事は絶対にしないはずだ。 そうだな……。 多分、あいつはホテルのすぐ傍で迷ってるはずだと思う。 つい飛び出して行ってしまったけど、 戻らない事には不安ばかり募ってしまうって事にも気付いてる頃だろう。 梓は私達の手首を包帯で結んだ。 傍に居るために、もう二度と離れないために、私達の繋いだ手を更に包帯で繋いだんだ。 そんな梓があんまり遠くに行ってるはずがないって確信がある。 私達の傍に居たいって思ってくれてる梓が、遠くに行くはずがないんだ。 その点においてだけは安心出来る。 でも、それ以上に不安もある。 さっき、私は梓を誤解させてしまった。 上手く伝えられなかった。 伝えなきゃいけない事を、伝えてやる事が出来なかった。 私がこの世界でこれまで何度もしてしまったように、私はまた私の想いをちゃんと伝えられなかった。 何度も何度も何をやってるんだろうって自分でも呆れるし、もう一度梓と話すのが怖い。 もっと悲しませる事になってしまいそうで、本当に怖い。 それでも、止まらない。 私は足を止めない。 怖くても、進む。 伝えなきゃいけないし、伝えたいからだ。 本当に大切だと思う事を。私達の想いを。皆、梓の事が大好きだって事を。 その結果、私が梓に嫌われる事になったって……。 私は息を切らして、まずはホテルの屋上に上った。 梓がホテルの屋上に居ると思って上ったわけじゃない。 屋上からホテルの周辺を見回した方が梓を早く見つけられると思ったからだ。 私は屋上の柵に近寄ると、首に掛けていた双眼鏡を手に持って瞳を寄せる。 「梓……、梓……!」 気が付けば私は口に出していた。 どうしてなのかは自分でも分からない。 だけど、私は梓の名前を呼んでいたかった。 怖いのに、凄く怖いのに、もう一度梓と話をしたかった。 話をして、私達の想いを伝えたかった。 双眼鏡を必死に覗いて周囲を見渡す。 その最中、何度も視界が遮られた。 言うまでもなく、私の前髪にだ。 そういえば、カチューシャをせずに飛び出して来てしまった。 私のトレードマークのカチューシャ。 カチューシャをしてない自分には、何となく自信が持てない。 外見的にもそうだけど、内面的にもそうだった。 小さな頃からカチューシャをしてるのが自然だったから、 カチューシャをしてない時の自分が人からどう思われるかが今でも結構怖い。 二年以上の付き合いになる梓にだって、 カチューシャをしてない私を見せたのは何度くらいあっただろうか。 だけど、そんな事を気にしてる場合じゃなかったし、取りに戻る時間も勿体無かった。 それに逆にいいかもしれないって思った。 前髪を下ろした私が本当の私ってわけじゃないけど、 私のそういう一面も見せるべきじゃないかって思えたんだ。 包み隠さず、私は私の思ってる事をそのまま梓に伝えたい。 だから、前髪を掻き上げながらも必死に捜す。 軽音部の現部長を、私の大切な後輩を、大好きな梓の姿を……。 見つけ出すんだ……! 不意に。 「梓……っ!」 私は半分叫ぶみたいに声に出していた。 双眼鏡の先、ホテルから少しだけ離れたビルの陰に、 見覚えのあるツインテールの女の子が座り込んで膝に顔を埋めていた。 遠目だから詳しくは分からないけど、もしかしたら泣いているのかもしれない。 泣かせたままでなんて、居られるもんか……。 梓の涙を止めてやらなきゃ……。 私は双眼鏡をその場に置いて、屋上から階段を全速力で駆け下りる。 身体と心臓が悲鳴を上げて軋む。 でも、そんな事は気にならない。 私の胸はそれよりも強く痛んでるから、 梓の胸は私よりももっと痛いはずだから、私は梓が居る場所まで走るんだ。 今度こそ。 私の嘘の無い想いを伝えるために。 聞かせたい……。 いや、聞いてほしいんだ、私の想いのこもった言葉を。 53
https://w.atwiki.jp/kokigame/pages/473.html
ななプリ 242 :名無したちの午後:2010/12/09(木) 01 36 17 ID o44lv0NT0 ・ななプリ リフィンベル:手コキ×1 女装主人公が後ろ手に縛られベッドに倒されて手コキで射精させられるのだけれど、絵には女性が一切出ない(握っている手すら)。要注意。 ロゼフィーヌ:手コキ×1 背後からキス手コキで射精 パトリシア:正面から密着した体勢で性器の弄り合いで射精。 どれも尺はあまり長くはなく精液の量もあまりなく特にコキ語も無いが、大して期待していなかった分数があって良かった。 243 :名無したちの午後:2010/12/09(木) 11 21 25 ID s92QhzDB0 ロゼフィーヌとパトリシアは手袋コキなので、手袋フェチ的には嬉しかった 後者はテキストにその辺に関する描写もあるし。 関連レス
https://w.atwiki.jp/manafee/pages/547.html
オテンキのりと日向坂46 高瀬愛奈と富田鈴花のレコメン! 22/10/26 まなふぃとすーじーが励ますMidnight! 高瀬は5軍に寄り添える。 千葉県ラジオネーム社畜侍とが丸くんの5軍かるた「[ら]ランダムで決めようとなったはずなのに、今回のペアもいつもの5軍」 オテンキのりが「そういうディスティニーだよね」「逆に変に1軍のとこに行っちゃってもね」と補足すると、富田と高瀬は「たしかに!」「やりづらいですよね」と同調した。「いきなりハイタッチ求められても、どれくらいの力で当てていいのかわからないから」と5軍トークを展開するのりに、「逆に(ハイタッチしなくて)いい」と高瀬。しかし富田が「私って5軍なのかな、すごいわかる」とすり寄ろうとすると、のりは「無理しないで」とバッサリ。富田は「すごいわかるんですよ」と食い下がるも、のり「なにがよ」高瀬「いやいや」とあしらわれてしまった。気分が乗ってきたのりが「今更寄り添わないでよ、なによ!」と逆ギレすると、高瀬も「寄り添おうとしてるわこれは」と冷たい態度を示し、富田は「2対1、いじめですよ」と負けっぷりを魅せた。それでものりは「いきなり超1軍が5軍に降りてきたから何さって言っただけさ」と開き直り、高瀬も「怖いですよね。何か1軍の人に『わかるよ、それ』って、めっちゃ怖いですよね」と怯えるそぶりを見せた。 富田が「まなふぃさんもスプラトゥーンに関しては1軍ですからね」と高瀬を1軍側に引き上げようとすると、のりも「そうだね、マウントとるからね」と高瀬をイジり出す。しかし高瀬は「『に関しては』ってひどくないですか?」と反論し、のりも「さすが聞き逃さなかったね、アンテナの張り方が5軍感があっていいよね」と高瀬があくまで5軍リスナー側に立っていることを認めざるを得なかった。
https://w.atwiki.jp/akadama/pages/301.html
様々な古泉といちゃいちゃしたくて某コピペ改変 消失古泉に足コキされながら 普通古泉に膝枕されたい 消失古「何こいつ、足で踏んづけられて勃ってますよw」 普通古「大丈夫?痛くないですか?よしよし、良い子ですね」 消失古「ちょっと、ビンビンじゃないですかw」 普通古「仕方ありませんよ、気持ちいいんですもんね」 ってなでなでされたい 消失古「足でコイたら喜んでるしwなんなんですかw」 普通古「お、おっぱい触りたいって?・・・ちょっとだけですよ」 消失古「あなた、僕が許可するまでイっちゃ駄目ですよ」 普通古「いいですよ、イキたくなったら僕に言ってくださいね」 消失古「ちょ、何で勝手にイってるんですか?」 小泉「すごい・・・セーシってこんなふうにでるんですね・・・」 普通古「気持ちよかったですか?拭き取りますね」 小泉「・・・僕がお口で綺麗にしてあげようか?」 消失古「うわ~足がベトベト・・・汚いな」 普通古「小泉くんのお口気持ちいいですか?」 小泉「ハイ!綺麗になりましたよ!溜まったらまたしてあげますね」 消失古「今度はもっといじめてあげますからね」