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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある学園の執事喫茶 とある男女の一端覧祭 一端覧祭最終日の今日、空はあいにくの曇り空だ。 吐く息の白さが11月の終わりにしては空気が冷たいことをうかがわせる。 そんな中、御坂美琴は一端覧祭のために開放されている常盤台の学校案内をしていた。 ただの学校紹介に近いのだが、LV5が案内するとあってかなりの賑わいを見せている。 単に御坂美琴にあこがれてます!って女の子もわんさかきているが。 そろそろ頬が固まるんじゃないかな、と思うくらい愛想笑いを振りまきまくったせいか 「疲れた……」 これが客寄せパンダかとしみじみと感じる。 しかし疲れた。今日の学校案内だけが理由ではないのもわかっている。 一昨日の写真の一件で学生寮の生徒全員に追いかけられるわ 昨日は黒子につきあったら一日中つれまわされるわと体力がさすがに持たない。 休憩をもらい、かえるの様に両足を開くというお嬢様らしからぬ格好で椅子にどっかりと座っていると 突然土御門舞夏がやってきた。そして 「御坂ー。上条当麻を後夜祭に誘わなくていいのかー」 意味不明なことを言ってきた。 「な、何よ突然!誰が誰を何に誘うのよっ!」 顔が一瞬で真っ赤になった。自分でも顔が熱いのがわかるので 恥ずかしさから土御門舞夏から視線をはずして明後日の方向を向く。 土御門舞夏はそんなことをみじんも気にしないで続けた。 「知らなかったのかー?一端覧祭の後夜祭に雪が降る時に告白すると成功するっていう伝説があるんだぞー。」 「マジで!?」 明後日の方向を向いていた顔がグリンと土御門のほうへと向けられる。 「マジだぞー。」 (その伝説を流したのは私だけどなー) 今度は土御門舞夏が目だけを明後日の方向へと泳がせた。 まさか去年の悪ふざけがここまで広がるとは思ってなかった。 同じ中学の友達が好きな人が出来た。といってきたので 11月の終わりに雪が降るなんてめったにないことをいいことに 勇気付かせるために言った適当な嘘をついたら雪こそ降らなかったのになぜか彼女は大成功。 その結果、この噂はいつの間にかとても広がっていた。 まあ、せっかくなので御坂にも教えてみたのだが、 案の定、御坂美琴は携帯をとりだし天気予報を念入りに確認し始めた。 (さてー、カメラまた手入れしておくかー) 決定的瞬間を手に入れるべく土御門舞夏は準備を始めた。 「不幸だー。」 上条当麻はいつものセリフを呟いた。 朝起きたら食事がなかった。この一端覧祭ずっと忙しく、買い物を忘れていたのだ。 朝食抜きなのとこの数日の大騒ぎで上条当麻はげっそりしていた。 三日前はは初の執事で緊張の度合いがかなり高かった。 一昨日6階から飛び降りた。 昨日は常盤台のお嬢様からいろいろ質問攻めにあった。 休憩時間はほとんど誰に声をかけられ、その都度クラスメートから殴られる一日だった。 おまけに最後はクラス会議というなの魔女裁判だ。 初日の美琴についてから昨日の常盤台お嬢様大襲来についてまでいろいろと聞かれるわ 土御門と青髪ピアスから連携攻撃を何度も食らうわ吹寄から頭突きされるわ姫神に延々とスタンガンで殴られるわと散々だった。 おかげで体力ゼロの状態で最終日の朝を迎えてしまったわけだ。 「てか、寒いな……雪でも降るのか。」 空を見上げる。見事に厚い雲に覆われていた。 予定も相手もいないのに外にでる必要もなかった気がしてきた。 が、なんとなく外にでたかったのだ。もしかしたら 「美琴の奴に会えるかもしれないしな。」 思い出される日々。ビリビリして怒って騒いで追っかけてきて。 「……上条さんはMなのでしょうか。」 なんか頭痛くなってきた。 だが、それでも御坂美琴の近くにいると心地いいのだ。 その心地いい、が最近その場所にいたい、に変わってきたのも自覚している。 ふと携帯を見る。御坂美琴の番号は登録されているのだから会いたいならボタン一つで連絡が取れるのだが 会うためだけに電話をかけるのはどうもためらわれる。 「はぁ」 一度軽くため息をつき、また一人で街へ向かって歩き始めた。 街は思ったよりもお祭り騒ぎだった。 一端覧祭最終日、どのクラスも最後の出し物に気合を入れているようだ。 と、思ったのだがなんだかそれ以上に 「何でみんな後夜祭に人を誘ってるんだ?」 意識をしなくても後夜祭、という単語が耳に入ってくる。 そのあまりの頻度に頭から?マークを出しながら歩いていると電話が鳴る。相手は土御門。 不幸な予感を感じつつも、電話に出ると 「カミやーん、すまんが学校まで着てにゃー」 「なんでだよ!俺は昨日一日仕事した上に宗教裁判も真っ青の一方通行裁判でもうへとへとですよ!」 「でもなあ、常盤台の生徒がいっぱい来てカミやんを探してるんだにゃー。責任取るぜよ」 なんか不幸が加速している予感がした。 さすがに、会えるかどうかもわからない美琴よりもクラスメートのご機嫌でもとろうと思い学校へとやってきたのだが 「……増えてねーか……」 自分のクラスの前に出来る行列にうんざりとする。 しかも大半が常盤台中の制服を着ている。常盤台の制服がこんな特徴のない廊下に並んでいる姿は正直異常だ。 半目で行列を眺めていると、一人の少女がこちらに気づいた。 「上条様!」 一昨日の少女だ。 「たしか湾内さん?」 「はい、覚えていてくだっさて、光栄です。」 彼女は輝くような笑顔をこちらに向けてきた。 正直、ちょっとまぶしい。彼女はその笑みを崩して口を開いた。 「そういえば上条様、御坂様とはお知り合いなのですか?」 「ん?ああ、まあ友達みたいなものだよ」 「友達……ですか。」 彼女はなんか真剣に考えこんでしまった。 どうしたものかな、と考えていると 「とっとと入ってこい!」 吹寄の怒鳴り声が聞こえた。 「ま、またな!」 頭突きが怖いので適当にきりあてげ教室に入っていった。 「どうしましょう」 湾内は考えていた。 御坂様の友達だと上条様はおっしゃった。 気にしている点は一つ。後夜祭。 (私が誘ってもよいのでしょうか……) 少女は一人悶々としていた。 そして自分が入店する番が回ってきた。 都合よく、自分を案内してくれたのはあのツンツン頭の高校生。 「あの、上条様!」 気弱な少女は精一杯の勇気を振り絞った。 「あともう一踏ん張りか……」 お嬢様の相手を延々とし続けていると時刻は午後4時30を回っている。 5時にこの執事喫茶も終わりとなる。 そして5時半から後夜祭というスケジュールだ。 今日もいろんなことがあった。常盤台のお嬢様達はなんだか興味深々で美琴との関係を聞いてくるわ 土御門舞夏がニヤニヤしながら乱入してくるわそのせいで土御門が役に立たなくなるわ 姫神が執事になったりと盛りだくさんな一日だった。 そういや、舞夏が面白いことを言っていたな、と考えていると 「カミやーん、誰を後夜祭に誘うんだにゃー」 店もさすがに人が減ってきたので手持ち無沙汰にしていたところに土御門が声をかけてきた。 「あー、そういや今日常盤台の子に誘われたな。でも」 まだ言葉の途中なのに土御門からグーで殴られた。 ごぱぁん!と景気のいい音が鳴り響いた。かなり痛い。 「お嬢様から誘われてるだと!モテる男は余裕だにゃー!?」 「そうだそうだ!ボクにもわけて!カミやん病を!」 唐突に青髪ピアスが現れた。こいつは女の子の話をすると必ずいるのはなんでだろう。 そんなわけでぎゃあぎゃあといつもどおりの3馬鹿行動をしていると 「貴様ら!ちゃんと最後までやりなさい!」 いつもどおり吹寄が制止する。 が、今日の3人はそのまま止まらない。ついにはお客がいないのをいいことに アクション映画のクライマックスシーンを開始したそのときだった。 上条の目に入り口にいるお嬢様の姿が映った。 「あれ?」 「ちょろっと、何無視してるのよ。」 お嬢様は電撃姫だった。 「えっと、どうしましたお嬢様」 「べ、別に後夜祭までちょっと暇だったからちょっとケーキ食べようとおもって着てみただけでたいした意味なんてないわよ!ただちょっとアンタに話があるの!」 一気にまくし立てられた。もじもじしてるようにも見えるし、心なしか顔が赤い気もするのはこの部屋が多少暑いからか? 「俺に話?ならあと10分もすればお店終わりだしそれからでいいか?」 「え、うん、じゃあ待ってる。」 というと御坂美琴は走って出て行ってしまった。 「あれ?ケーキを食べにお客としてきたんじゃないのか?」 頭に?マークを浮かべている上条当麻にクラス全員の怒りが炸裂した。 「ど、どうしよう」 とりあえず教室から出てきたものの御坂美琴はテンパってしまっていた。 10分後にはアイツと会って、この後のことを話さないといけない。 (う、うまく誘えるのかな) 乙女モードになっているお嬢様は教室の中の惨劇には気づいていない。 (雪の降る中で、こ、告白して!花火がバーンでふにゃー) と、妄想で溶け始めている脳に衝撃的な一言が飛び込んできた。 「大体、カミやん今日別の女の子に後夜祭に誘われてたんじゃないのかにゃー!」 思考が停止する。目が大きく開いた。 頭が動き出すと色んな考えが浮かぶ。がそのどれもがうまくまとまらない。 表情は虚ろだが頭の中はパニック状態の美琴の前に、上条当麻が現れた。 「美琴。待たせた。で話ってなんだ?」 アイツは平然とやってきた。いつもどおりの顔で、いつもどおりの態度で。 なぜかそれに無償に腹が立った。血が出るんじゃないかというくらいに手を強く握っている。 ぶるぶると体の中心が震える。口がうまく開かない。顔の筋肉に無理やり力を込めて そして 「ふーん。アンタ女の子に誘われてたんだ。よかったわね。とっとと行きなさいよ。」 さっきまで考えていたこととはまったく別の言葉が口から出た。 「美琴?どうした?」 「なんでもないわよっ。馬鹿!」 顔もろくに見れない。見たくない。 自分の中の感情がまったく抑えることが出来ない。ただの嫉妬という黒い感情を認めたくない。 だからそこから走って逃げ出してしまった。 「待て、御坂!」 唐突に走り出した御坂に走りながら声をかける、 が彼女はこちらを振り向かない。必死に追いかける。 走って走って、必死に追いつこうとするが距離はなかなか縮まらない。 それでも走る。絶対にあきらめるわけには行かない。 (何やってるんだろう。私) 一昨日にも似たようなことがあった。 自分以外の女の子が上条当麻を後夜祭に誘っていた。ただそれだけだ。 別に告白でもなんでもない。 なのに自分は思いっきり暴言を吐いて逃げ出した。 しかも、アイツが追ってきてくれたことをどこか喜んでいる。 勇気を振り絞った女の子のことも考えないで。 (ひどい女だ。私……) だからこそ、つかまるわけには行かない。 それに走ってるうちに気づいてしまった。嫉妬をするということは (アイツに自分しか見てほしくないんだ。私は) 人に嫉妬して、感情を抑えることも出来ずに 人を傷つける言葉も吐き出して。御坂美琴という自分がこんな醜いと気づいてしまった。 目に涙が浮かぶのがわかる。 その涙が零れるのだけはこらえて必死に、ただ必死に走った。 学校を飛び出し、わき目も振らずにがむしゃらに走った。 人に何度もぶつかった。けど謝りもしないでただ必死に走った。 気づけばあの橋に来てしまった。ふらふらと欄干に寄りかかる。 冬の空気に晒されている鉄は服を通してもとても冷たく感じられた。 一息ついて、気が緩んだのだろうか。唐突に涙がぽろぽろと落ち始めた。 上を向いて堪えようとするが自然と頬を伝って道路の染みになり、消えていく。 目に映るのは真っ暗な空。雲がかかり星どころか月すら見えない。 そういえば、ここは昔からアイツを追っかけたりするとたどり着く場所ね。 いつもいつもアイツは 「やっと追いついたぜ。」 やっぱり来た。なんでかわからないけど絶対来るって確信はあった。 でもそっちを見ることが出来ない。上を向いたまま口を開く。 「何でここにいるのよ。誘ってくれた子に悪いと思わないの?」 「何でって、確かに誘ってくれた子には悪いけど俺は最初から断ったんだぜ?」 予想外の返事に思わずきょとんとしてしまう。 コイツは人の頼みを断らない奴だから絶対にその子のところに行くと思っていた。 ゆっくりとアイツは歩いてくる。そして何も言わずに隣にやってきて同じように欄干に寄りかかった。 「そりゃ、上条さんだって女の子に誘われれば嬉しいですよ?健全な男子高校生ですから。」 いつもの軽口のようだが、どこか引っかかる。なんかいつもと違う。 「アンタ、何か隠してない?」 そういうと目の前の少年は少々驚いたようだ。が、すぐに小さく微笑んだ。 目の前の少女はさっさと吐け、といった表情で睨み付けて来る。 「隠し事、か」 学園都市は後夜祭の真っ最中となった。ここは静かだが 街の中心からはとても煌びやかなネオンの光、時期外れの花火が見える。 そして、その光を受けて雪が夜空に白く輝き始めた。 「……降ってきたな」 上条当麻は雪の舞う空を見上げた。そしてその雪を見てもう一度少し微笑むと 顔を正面の御坂美琴に向け、言葉を伝えた。 「今から俺がお前に隠してたことを言うよ」 一度かるくため息をついた。そして 「俺はお前が、御坂美琴が好きだ。付き合ってくれないか?」 御坂美琴の思考が停止した。 目を大きく見開いて固まってしまう。今コイツはなんて言った? 私が好き?え? 頭が動き出すと色んな考えが浮かぶ。がそのどれもがうまくまとまらない。 今日はパニックに陥ってばっかりだ。おまけに状況もめまぐるしく変わる。告白するつもりが告白されるし。 そんな慌てふためいている自分を優しい目で見つめている。 「後夜祭で雪が降ってるときに告白すると成功する、だっけか?優しい幻想だよな。今回は俺も頼らせてもらったよ。」 さすがに何の援護もなしに伝えるほどの勇気はありませんでしたー、というアイツの照れ笑いが目に入る。 その笑顔がどんどん滲んでいく。さっき止めた涙がまた溢れてくる。 「私もアンタが……上条当麻が好き……」 涙とともに言葉をこぼした。 そして走って当麻に抱きついた。思い切り抱きついた。ギュッという擬音はこのためにあるのではないか、というくらい 力いっぱい抱きしめた。 上条当麻も御坂美琴を抱きしめた。こっちは優しく抱きしめた。 「ずっとこうしたかった。抱きしめたかった。抱きしめてほしかった。」 当麻が美琴の優しく髪をなでる。美琴はちょっとみっともなく鼻をぐしゅぐしゅといわせると 「なんだろ。嬉しくっても涙ってほんとに止まらないね。」 「あの、御坂さん」 頬がヒクヒクと音を立ててるんじゃないか、というくらいに動いている。 それは今の状況が正直信じられないからだ。 なぜかというと御坂美琴がものすごい幸せそうな顔で抱きついているからで。 というか橋の上で抱きつかれてから離れていない。 しかも抱きつかれている箇所は腕じゃなくて胴体。 そのため上条当麻の右腕は脇の下に美琴の肩があるため腕が変な方向に伸びている。 そろそろ右腕の筋肉がやばい。 「うふふ~」 上条の引きつった笑顔など物ともせず美琴は鼻歌のようなものを歌いながらご機嫌だ。 「あの、御坂さん」 もう一度呼びかけてみる。すると 「御坂さんじゃなくてみ・こ・と!ちゃんと名前で呼ぶこと!ちゃんとしてよね!当麻!」 口を尖らせてちょっと怒ったように言ってくる。そういえばしっかりと呼び方が名前になっている。 そして言うことを言ったらまた顔を摺り寄せてくる。 「えっと、美琴、あのさ」 「何?とーま。とーまとーま」 可愛らしく何度も名前を呼んでくる御坂美琴。そのためちょっとはなれて、と言うことが出来ない。 頬を赤くし、幸せそうな顔でなんども胸に顔を摺り寄せてくる。 なんか自分の周りの雪だけはすぐに溶けてそうな気がするくらい御坂美琴があったかい。 それと反比例して周囲の視線が冷たく痛い。今は雪の降る後夜祭の真っ最中。 つまり他の学生からはこの二人は今成立したカップルにしか見えないわけで。 やっぱり後夜祭の伝説は本当だったんだ!とか 死ねよとか釣り合ってないとか常盤台のお嬢様可愛いとか色々な声が聞こえてくる。 正直、上条当麻は告白してもあまり今までの関係は変わらないのでは?とか思っていたが ふたを開けたらびっくりである。 衝撃の度合い的には夏の暑い日、麦茶だと思って一気飲みしたらしょうゆを水で薄めたものだった感じだ。 「当麻、どうしたのよ?」 美琴が顔を胸に摺り寄せたまま聞いてくる。 あまりに美琴が可愛いのでちょっと戸惑ったが意を決して言葉に出す。 「ちょっとだけ離れ」 「いや」 いえーい即答速攻大否定。言い終わる前に言い返されてしまった。 小さくため息をつくといい加減筋肉がしびれ始めた右手を下ろす。自然と美琴の腰の辺りに手が行くので そのまま腰に手を回した。 それに気を良くしたのか美琴はもっと強く抱きついてきた。 なんか髪からいいにおいがするのでどぎまぎとする。 「なんか、いつもと違いすぎませんか美琴せんせー!」 「でも、これも私なの。」 突然の強い口調。 当麻は少し息をのんだ。 美琴は続ける。 「いつも当麻を雷撃出しながら追いかけてるのも、常盤台のエースって言われるてるのも、お嬢様っぽいのも、 自分でもひどいんじゃないかな、と思ってしまうような醜い嫉妬をするのも、こうして大好きな人に甘えるのも全部本当の私。」 御坂美琴は顔を上げて上条当麻の顔をまっすぐに見据える。その顔はちょっと驚いたような表情を浮かべていた。 「どう思った?」 当麻は笑みを浮かべると 「美琴の事をもっと好きになれそうだな。」 「私はこれ以上当麻を好きになるとさすがにちょっと危険かなー」 雪は静かに降り注ぐ。 一端覧祭はこれで終わりだけど二人の関係はまだプロローグが始まったくらいだ。 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある学園の執事喫茶
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説 5日目 後編 この世は何が起こるか分からない。 人生の転機とは唐突にやってくるものだ。 とある不幸な少年は、魔道書を記憶しているという少女を助けた事で、科学と魔術の抗争に巻き込まれていく事になった。 最強を求めた少年は、今まで殺してきた人形と瓜二つな少女を助けた事で、学園都市の更なる闇へと堕ちていく事になった。 チンピラだった少年は、たった一人の愛する少女を助けた事で、学園都市を敵に回す事になった。 突然死神のノートを拾う事もあるかもしれない。組織の新薬の実験台にされ、子供になる事もあるだろう。 実家の蔵の地下に、大妖怪とそれを滅する槍が封印されている事だって、十分にありえるのだ。 だから驚くべきことじゃない。 「昨日までそんな素振りを全く見せなかった男から、突然告白される」なんてことは。 たとえそれが意中の相手だったとしても。 その二人が唐突に恋人同士になったとしても、別に驚くことではない。きっとよくあることなのだ。 そんなよくある二人の上条と御坂。 たった今恋人となった二人は、同じベンチに座っている。ただそこには、大分距離がある。 まぁ確かに告白直後だ。気まずいのも無理はないだろう。 そんな二人はそれぞれ思いにふけているようだ。これからのことを考えているのだろう。 (どどどどうしよう!!! すごくうれしいけどアイツの顔まともに見れない~~~!!! こんな時はどうすればいいんだっけ!? えっとえっとたしか、相手の顔に「人」って書いてカボチャを三回飲み込めばいいんだっけ!? あ~も~!! 全然頭が回らない~~~!!!) みさかは こんらんしている! わけも わからず じぶんを こうげきした! 少々テンパリすぎな感はあるが、御坂の反応は分かる。 問題は上条だ。 「ついに ねんがんのカノジョを てにいれたぞ!」なはずなのに、何だか浮かない顔をしている。 彼は御坂とは全く違う事を思っているようだ。 彼氏彼女の事情は違うのかもしれない。 (恋人役はこれでいいとしても、これからどうするかだな…… とりあえずその場しのぎにはなるが、根本的な解決にはなっちゃいねぇ。 かと言って、動きようにも情報が少なすぎる。 手がかりといえば、精神系の魔術師か能力者。一度に大勢を操れる。……それくらいか。 しかも目的が全く読めないのも厄介だよな。 女の子を使って俺に告白させて何のつもりだ?俺の純情弄ぶやん? せめて魔術に詳しい味方がいればいいんだが…… あ~くそ! 土御門がやられてなきゃな~!!) 君は一体何を言うとるのかね。 彼は架空の敵を勝手に作り、勝手にピンチに陥っている。 つーか純情弄んでんのはお前なんだが。 「おーいたいた! 久しぶりなのよ上条当麻! ……ってそれほどでもないか」 迷走中の上条のもとに、ある男が話しかけてきた。 その光沢のあるクワガタのような特徴的な髪型の男は、 「た、建宮!? 何で学園都市【ここ】に!?」 「まぁちょっと野暮用なのよな。」 そう言いながら、建宮は御坂の方をチラリと見る。 (んー…この子が上条当麻のことを好きなのは間違いなさそうなのよ。 けどこれくらいなら、女教皇様と五和にもまだまだチャンスがあると見た!! お嬢ちゃんには悪いが、恋ってのは奪ってナンボの世界なのよ!!) なにやら燃えている建宮。 お願いだから、これ以上事態をややこしくしないでくれないか。 「野暮用って?」 「あー…実はアレなのよ。みんなしてお前さんに会いに来たんで、俺はその付き添いみたいなものなのよ。」 みんな、というワードに上条は嫌な予感がした。 「誰が来てんの……?」 「女教皇様に五和。それにオルソラ嬢、シェリー、アニェーゼ、レッサー。あとはステイルなのよ。」 言いながら建宮はケータイを取り出した。 「もしもしステイルか? ああ、上条当麻を発見したのよ。 そうそう……えっ?違う違う。 その猫地蔵の呪いにかかったって人は別人なのよ。 うんそう、似てるだけ。」 どんな会話してんだよ、と思いながらも、上条は益々嫌な予感を募らせる。 (まさか、神裂達まで!? 学園都市の中だけの問題じゃねぇのか!?) 事態はさらに深刻化する。主に上条の頭の中で。 すると反対側から、ちょいちょいと右腕の袖を引っ張られた。 「どうかしたのか?美琴。」 「ぅえっ!? あ、い、いや、その…誰なのかなって……」 やはりまだ会話がぎこちない。 ただし、ぎこちないのは御坂側だけで、告白した張本人は実にあっけらかんとしている。 「そう言えば美琴は会ったことなかったな。 アイツは建宮斎字っつって、まぁ、あっち側の人間だ。」 「…あっちって……魔術師ってこと…?」 「まぁな。けど仲間だから大丈夫。いいヤツだから安心しろって。」 「そう……」 御坂は魔術師に対して、あまりいいイメージを持っていない。 初めて触れた魔術が、「ガラスの靴」や「森の住人」だったのだから無理もないが。 これがもし「竜破斬【ドラグ・スレイブ】」や「光の白刃」だったら、また違った印象を受けたかもしれない。 いや、どちらにせよ、いい印象は受けないか。 「もうすぐ来るみたいなのよ。」 電話をし終わった建宮は、自販機に寄りかかりながら話しかけた。 (さて、みんなが来る前に、ある程度情報を引き出しとくとするか。) 尋問開始。 「まず聞きたいんだが、二人は付き合ってるのか?」 その質問に御坂はビクンと跳ね上がるが、上条は冷静に答えた。 「……何でそんなこと聞くんだ?」 「ただの興味……と言いたいが、こっちにも事情があるのよ。」 事情。その言葉に、上条は「やはりか」と先程の嫌な予感を確信へと変える。 「待て建宮。 そのことは全員揃ってから説明しよう。 ステイルも来てるんだろ? アイツにも協力してもらいたい。」 「………?」 上条の目は真剣だった。 建宮はこの目を何度か見ている。 法の書を巡る事件の時、アドリア海の女王に乗り込む時、そして後方のアックアと戦った時。 上条はいつも、何か大切なものを守る時にこの目をしていたのだ。 冷やかしに来た建宮だったが、その目を見て何かを感じ取り、仲間達の到着を黙って待つことにした。 (まさか、学園都市で何か起きているのか? だとしたらこんなことしている場合じゃないのよ……) こうしてまた、めんどくさい誤解が広がっていくのであった。 しばらくしてステイルらと合流した上条と御坂は、今はそれぞれ男子チームと女子チームに別れている。 「精神操作か……随分と厄介だね。」 「本当に右手は反応したのよな?」 ステイルと建宮は、神裂達が操られていないことを知っている。 上条の教室で起こった事だけを聞けば、神裂達同様、御坂への嫉妬心から起こした行動であろうことは予測できる。 しかし、それでは絹旗に幻想殺しが発動したことが説明できない。 やはり何か事件がおきている事は間違いなさそうだ。 全く、食蜂さんが余計なことをしなければ…… 「ああ、間違いねぇ。 しかもその絹旗って子とはほとんど面識が無い。ほぼ無関係だ。 つまり敵は、俺の近くにいる人間なら、誰彼構わず平気で巻き込むようなクソ野郎だってことだ。」 「お前さんがハワイで戦り合った魔術師はどうなのよ? 確かグレムリンの中にそういう魔術を使うヤツがいたはずよな。」 「いや、サローニャじゃないと思う。 アイツは大勢の人間を一度に操れないし、そもそもこんなことできる状態じゃないからな。 ステイルは何か心当たり無いか?」 「その手の魔術師なら何人か知っているが……学園都市に来ているとは考えにくいね。 それ以前に、土御門すら簡単に操るヤツが動いているなら、必要悪の教会に何の情報も入ってこないのはおかしい。 となると犯人は………」 「能力者…か?」 「その可能性が高いと言っているだけさ。 犯人が意図的に情報を遮断しているかもしれないから、断定はできないけどね。」 「結局は何も分からないってことか……」 「とりあえず僕は、吸血殺しの子に、魔力の痕跡が無いか調べてくるよ。 魔術を使ったのなら何か分かるはずだ。 ただ、もしこれが能力によるものなら僕にはお手上げだけどね。」 「なら俺は、怪しそうな能力者を洗い出しておくのよ。 心配しなさんな。隠密行動は天草式の十八番なのよ。」 「じゃあ俺は、引き続き美琴と恋人のフリをしながら、敵の出方をうかがう。 二人とも、くれぐれも気をつけてくれよ!」 「……その前に、本当にあの子とは恋人の『フリ』なのよな?」 「ああ、美琴もそれを承諾してくれてる。」 「それを聞いて安心したのよ。(後で女教皇様と五和に言ってやろう。)」 上条はそこで二人と別れた。 (それにしても、あの神裂まで洗脳するとは……敵がそれだけ強力ってことか。 もしこの状態が、魔術や能力なんかじゃなかったら、上条さんはどれだけ幸せ者か…… なんて、あるわけ無いよな……ははは…不幸だ……) 確かに、お前の鈍感さは不幸だよ。 現実を幻想と勘違いし、その幻想すらもぶち殺すあたり、流石はフラグメイカーにしてフラグブレイカーである。 一方、男子チームとはまた違った緊張感に包まれている女子チーム。 とても気まずい。 御坂は、五和とレッサーは知っているが、他のメンバーは知らない。 というか、レッサーが上条と知り合いだったというのは驚きだが、今はまぁいい。 6人中3人の乳がデカイのもどうかと思うが、それもまぁいい。 御坂が上条から頼まれたことは、「この女性陣に事情を説明してくれ」というものだった。 上条の考えは、 「今、神裂達が抱えている感情は、何者かによる洗脳で植え付けられたモノ。 だからまずはそれを説明して、それでもダメなら『御坂が上条の彼女だ』と暴露して、諦めてもらう。」 というものなのだが、洗脳云々を知らない御坂にとって事情を説明するということは、 「上条の友人達に、『自分が上条の彼女です』と自ら自己紹介する」 ということなのだ。 最終的にやることは変わらないのだが、モチベーションが大きく違う。 (でででできるわけ無いでしょうがっ!!! どんな羞恥プレイなのよっ!!!) まぁ、御坂の性格なら当然こうなるだろう。 いつまでもマゴマゴモゴモゴしている御坂に痺れを切らしたのか、この中で一番男らしいシェリーが、 誰もが聞きにくかったことを直球で聞いてきた。 「………なぁ、お前は上条当麻のコレか?」 そう言いながら小指を突き立てるシェリー。 それを見て御坂は、真っ赤になりながらも小さく頷いた。 「ぁ…あの……その…えと………はい………」 それを聞き、大なり小なりショックを受ける乙女達。 (何だ…やっぱりか……来て損したわね………) (そりゃそうですよね……彼になら、彼女の一人くらいいてもおかしくねぇってな話ですよ………) (や、やはり祝福するべきですよね……しかし、何故こうも胸が痛むのでしょう…?) (諦める…べき……なので…ございましょうか………) (あー!! 私の完璧な「人類イギリスに補完計画」がぁ~~~!! ……ん? それなら彼女さんも一緒に働いてもらえばいいんじゃないですか? すごい閃き!! レッサー天才!!) 一部さほどショックを受けていない人物もいるが、それはまぁ特例だ。 特に、「上条のためなら死んでも構わない」と本気で思っている五和などは、 「あ……は……ははは…は………」 完全に放心状態だ。そして危険な状態でもある。 アックア戦を思い出してもらえばお分かりになると思うが、彼女はヤンデレになれる才能を秘めている。 が、別になって欲しい訳ではない。 彼女には、殺した両親を埋めるために巨大な穴を掘ってほしいわけでも、 腹を掻っ捌いて、妊娠しているかどうか確認してほしいわけでもないのだ。 と、そんな状況の中、男子チームから一人になった上条が、ノコノコ歩いて来やがった。 コイツのせいでえらい騒ぎである。 上条は神裂達の顔を一通り見るが、やはり様子がおかしい。 (やっぱりダメだったか……) ダメなのはお前の頭なのだが。 上条は絹旗の例もあるため、一人一人の頭を撫でてみた。 しかし、彼女たちが顔を赤くするばかりで、幻想殺しは一向に反応しない。 今回も姫神たちの時のように不発したらしい。 上条は溜息をついた後、御坂の肩に手を回しこう言った。 「みんな、もう聞いたとは思うが、俺はこの美琴と付き合っているんだ。 だからみんなの気持ちには応えられない。本当にゴメンな。」 あの鈍感だった上条からは、想像もつかないような衝撃の言葉が、その本人の口から出てきた。 御坂から聞いたのとは訳が違う。 想い人である上条本人から聞くというのは、先程とは比べ物にならないくらいショックなのだ。 アニェーゼはうっすら涙を浮かべ、五和は走り去ってしまった。 奇しくも教室で起こったことを、そのまま再現する形になったのだ。 これが全て勘違いによるものなのだから、彼女たちも浮かばれない。 「ま、まぁそういうことらしいので、今日はもうお開きってことでいいんじゃないですか!?」 重い沈黙に耐えかねて、レッサーがこの場を何とかしようとする。 ここで「人類イギリスに補完計画」がどうとか言わないあたり、流石のレッサーも空気を読んだようだ。 レッサーの言葉を聞き、一人、また一人と彼女達はこの場を離れていく。 最後に神裂が、 「幸せに……なってくださいね………」 と言っていたのが、妙に印象的だった。 取り残された二人はしばらく沈黙し、再び思いにふけていた。 (今のってやっぱり、みんなコイツのことが好きだったってことよね……… あたしなんかで本当にいいのかな……ううん! コイツが選んでくれたんだもんね! 自信持たなきゃ!! か、か、彼女として!!!) 一方、上条も思うところがあるようだ。 (教室のことといい、さっきといい……明らかに俺を狙ってるよな…… となると美琴を巻き込むのはやっぱ危険か? いやでも、美琴が一緒にいないと「恋人がいる」って言い訳はできないし………) 悩んだ上条は、改めて御坂に決定権を委ねることにした。 断られたらその時はその時だ。 「美琴!」 「ひゃ、ひゃいっ!!?」 突然呼ばれて御坂は飛び上がった。 「こっちから頼んでおいてなんなんだけどさ……その、本当にいいのか? 俺の恋人(役)なんて……色々危険なこともあるしさ。」 危険。その言葉に御坂はピクッとする。 この男がいままでどれだけ危険な戦いをしてきたのか御坂は知っている。 自分の命を省みず、どれだけ多くの人を救ってきたのかを知っている。 かくいう御坂だって、その中の一人なのだから。 記憶を失おうが、右腕をぶった切られようが、何度死に掛けても彼は足を止めなかった。 そんな彼だからこそ、多くの女性が心惹かれたのだろう。 「もし美琴が嫌だったらさ、今からでも考え直して―――」 「いや!!!」 それまでのおどおどした態度とは一変し、御坂は自分の気持ちをはっきりと言葉にした。 「考え直せって何よ!! アンタがあたしのこと、ひ、必要って言ったんじゃない!! アンタの性格なんて百も承知なのよっ!! これからだってアンタは危険なことに首を突っ込むんでしょ!? ホントは止めたいけどアンタは止まんないんでしょ!? 分かってんのよそれくらい!! だからあたしが支えてやるっつってんの!! そういうところも受け入れてアンタのか、か、彼女になるって言ってんのよ!!! それくらい分かりなさいよこの馬鹿!!」 息を切らしながらも御坂は自分の気持ちを曝け出した。 それは全く嘘偽りの無い、純粋な彼女の想いである。 素直になれない彼女がここまで言うには、相当の勇気が必要だっただろう。 それを聞いた上条は、 (美琴……そこまで俺を心配してくれてたのか………俺はいい友達を持ったなぁ……) などと、もうお前マジで死んだ方がいいんじゃないかと言いたくなるような感想を述べているが、 上条自身も気付いていない。 赤くなりながらも自分への想いをぶちまけた御坂を見て、 自分の頬もほんのり赤みを帯びていることに、彼は気付いていない――― 「よ、よし! じゃあ何の問題も無いってことで、気を取り直してこれからちょっと街をぶらつくか!! (ステイル達の連絡はまだだ。 俺達にできるのはカップルのフリして敵の出方を待つことだけだもんな。)」 「そ、それって、デ、デートって…こと?」 「そりゃそうだろ。恋人(役)なんだから、デートしない方が不自然だろ?」 「そ、そうよね!! ここ、恋人だもんね!!」 こうして二人は公園を後にした。 この何ともいえない、アンジャッシュのコント状態はまだまだ続くようだ。 「あっ、ポケットに入れっぱなしだったけど……いちごおでん食べるか?」 「…いや、いらない………」 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある不幸な都市伝説
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全国一斉上琴テスト はーい! 用紙は後ろの席の人に回してくださいねー!まだ表側を捲っちゃダメですよー。テスト開始はチャイムが鳴ったらですからね。えー、今回のテストは、直接成績に響くことはありません。あくまでも 「上琴」 がどこまで世に浸透しているか、その調査のためなのです。ですが、あまりに点数が悪かった人には補習が待ってますので注意してくださいね。はいはい、ブーブー言わない。それではチャイムも鳴ったところで、テスト開始!なのです。Ⅰ 基本Ⅰ‐① 上琴とはなんですか? (5点)佐天ちゃんの回答 「二人がいちゃいちゃしてることですね!」はい、その通りですね。海原ちゃんの回答 「御坂美琴さんと上条当麻さんによる…ゴフッ! カップリングの名称ですね。 二次創作の世界でも人気のカップ…ガハッ! リングであり、 とりわけ、溝口ケージ氏の『いちゃいちゃレールガン』…グバッ! シリーズや、 七積ろんち氏の…ブフォッ! 『御坂美琴の失恋』などが有名です。…ボグファ!!!」ステマ込みの完璧な回答…なのですが、血を吐くほど辛いのなら無回答でもよかったのですよ?初春ちゃんの回答 「上イン、通行止め、浜滝、数テレ(木原数多×テレスティーナ)と人気を五分する有名なカプですね。 ちなみに私のオススメは土上なんですが、最近は上一もアリかなって思ってます。 (ただし上条さんはヘタレ攻め限定)」腐女子【ホモ好き】は帰りやがれなのです……いやちょっと待って!? 数テレって何ですかその斬新すぎるカップリング!?Ⅰ‐② 上琴病とはなんですか? (5点)ミサカちゃん(Sサイズ)の回答 「あの人とお姉様のカップリングを愛するあまり、パーソナルリアリティに影響が出ること! ってミサカはミサカはニコニコ大百科で得た知識をひけらかしてみる!」はい、正解です。冥土帰し先生の回答 「恋の病というヤツだね? こればっかりは医者でも治せないね?」不治の病、ということですね。木原(数)先生の回答 「要はアレだろ? ガキ共が乳繰り合ってんのを見て喜ぶ変態って意味だよなぁ!!」う、う~ん……まぁ、そうと言えなくも…いやでも……う~ん……… Ⅰ‐③ 上条ちゃんの口癖は? (2点)土御門(元)ちゃんの回答 「その幻想をぶち殺すぜい!」自分の口癖もうつっちゃってますが…まぁ正解ですね。垣根ちゃんの回答 「俺の『幻想殺し』に、その異能は通用しねえ」……ちょっと自分の口癖がうつりすぎちゃってますね。一方通行ちゃんの回答 「『まずはそのふざけた幻想をぶち殺す』『不幸だァァァ』『心に、じゃないですか』『自分のためだろ』 『それでも、お前があいつの友達だってのには変わりないだろ』 『アイツがこれからもずっと悪くあり続けなきゃいけないなんてルールは ――― 』」 (長いので以下割愛)何か怖い! 何でそんなに上条ちゃんに詳しいんですか! どんだけファンなんですか!!Ⅰ‐④ 御坂ちゃんの好きなモノは? (2点)ミサカちゃん(Mサイズ)の回答 「ゲコ太というカエルのキャラクターです、とミサカは回答します」正解です。ちなみに、パチ商品の「どっせいゲコ太郎」には要注意なのですよ。木原(円)ちゃんの回答 「うん、うん。分かってるよ涙子ちゃん。ここは『上条さん』って答えるのが本当の正解なんだよね」確かにそれは模範解答ですが……カンニングはしちゃいけないのですよ………白井ちゃんの回答 「ワタクシ!!!」寝言は寝てから言いましょう。Ⅰ‐⑤ 二人のニヤニヤエピソードを3つ答えてください。 (各2点)雲川(芹)ちゃんの回答 「偽デート、フォークダンス、罰ゲームだけど。 ちなみに、情報源についでは企業秘密だけど」雲川ちゃんはミステリアスなのです。五和ちゃんの回答 「おしぼりを渡しました。お料理も作りました。 い、一緒にレジャーお風呂にも行ったことあるんですから!!」それは、あなたと上条ちゃんのエピソードじゃ……オリアナさんの回答 「街中や川原、それから橋の上でも激しくしちゃったんでしょ? まぁ、他の人の視線があった方が興奮するものね。お姉さんも嫌いじゃないわ」いやいやいや!! あ、あなたが言うと全く違う意味になっちゃいますから!!!/// Ⅱ 歴史Ⅱ‐① 二人が出会ったきっかけを答えてください。 (3点)浜面ちゃんの回答 「大将のことだから、彼女が誰かに襲われてるのを助けたってとこじゃねーの?」ちょっと違いますが…おまけで ○ にしておきましょう。ミサカちゃん(Lサイズ)の回答 「ナンパでもされたんじゃない?」上条ちゃんの性格からして、それはないのですよ。吹寄ちゃんの回答 「上条のいつもの手口ですね!」手口……う~ん、まぁ……Ⅱ‐② 上条ちゃんが入院している時、御坂ちゃんは手作りの何をプレゼントしようとしたでしょう? (3点)姫神ちゃんの回答 「お弁当。手作りと言えば。やっぱりこれ」惜しい! 惜しいですよ~。オルソラちゃんの回答 「その幻想を、お殺しになるのでございます」……それは4問前の回答なのです………マリアンちゃんの回答 「生きてるテーブル」怖えぇよ!!!Ⅱ‐③ 8月31日に二人が食べたのは、2000円の何でしょう? (3点)シスターちゃんの回答 「ジャンボ地獄チャーハンかも!!」それは結局食べてないのですよ。麦野ちゃんの回答 「シャケ弁」…自分が今、食べたいモノではなくてですね……フレンダちゃんの回答 「結局サバ缶が最強って訳よ!」いや…だから………Ⅱ‐④ 大覇星祭の借り物競争で、御坂ちゃんが引いた指令書には何と書かれていたでしょう? (3点)土御門(舞)ちゃんの回答 「第一種目で競技を行った高等学生だぞー」その通りですね。正解なのです。神裂ちゃん(さん?)の回答 「恩…でしょうか」…確かにそれは返さなくちゃいけないモノですが……それが紙に書かれていても困りますよね……オーレイさんの回答 「お金。利子は勿論、十日で一割ね」爽やかな学園行事で、何ちゅうモン貸し借りさせようとしてんですか。Ⅱ‐⑤ 御坂ちゃんがハワイで買った物は、キューピッドアロー社製の何でしょう? (3点)黒夜ちゃんの回答 「あぁ~何だっけ!? ここまで出掛かってんだけど……なんとかリング……イカリングだっけ!?」そんなモン、近所のスーパーで買ってください。ウィリアムさんの回答 「学生の身分でエンゲージリングなど気が早いにも程があるである。 最近の若者は早熟と言われているであるが、そもそも性の乱れが ――― 」 (長いので以下割愛)堅い堅い!! 正論ではありますが正解ではないですよ! あと、エンゲージリングでもないですからね!?ショチトルちゃんの回答 「原典」買えるの!!?Ⅱ‐⑥ 0930事件を、「罰ゲーム」、「ツーショット」、「ゲコ太」の3つのキーワードを使って説明してください。 (5点)雲川(鞠)ちゃんの回答 「罰ゲームの名目で、上条当麻をデートに誘った御坂美琴。 カップル限定のゲコ太ストラップを入手するために、ツーショット写真を撮ることにも成功した。 自分のプライドを傷つけずに目的を達成する、見事な作戦と言えるな」大正解なのです! 雲川ちゃんもお見事ですよー。ヴェントちゃんの回答 「上条当麻殺害の名目で、学園都市に乗り込んだ私。 学園都市を制圧するために、敵意で満たし天罰術式も成功した。 最終的にはローマ正教と学園都市を対立させ第三次世界大戦のきっかけを作った、 見事な作戦と言えるわね」…それ、ガチな方の0930事件じゃないですか………キーワード1つも使ってないし………削板ちゃんの回答 「男は最後の力を振り絞り、気合と根性のツーショット弾を炸裂させ、 見事、怪物ゲコ太郎を粉砕したのだった!! ゲコ太郎 『バ…バカな……この俺が…貴様ごときに……ぐふっ………』 男 『あばよ…あの世で罰ゲームでも受けるんだな……』」………もう、回答が異次元すぎて、どうツッコめばいいかも分からないのですよ……… Ⅲ 創作 次の二人の会話にセリフを入れて、台本形式のSSを完成させてください。 (30点)上条 「おーい美琴! ちょっとこの後 ( A ) ?」美琴 「えっ…いいけど、珍しいわね。アンタが ( B ) なんて」上条 「まぁ、今日は ( C ) だからな! たまにはこんなこともありますよ」美琴 「じゃあ ( D ) してくるから、ちょっと待ってて」上条 「わざわざ ( E ) するのか?」美琴 「 ( F ) ! ( G ) なんだから!!」上条 「…… ( H ) 。 そのかわり ( I ) ?」美琴 「 ( J ) !?」上条 「 ( K ) 」絹旗ちゃんの回答 「A:超映画を観に行きませんか B:B級ホラーに興味持つ C:半額デー D:超制服に着替え E:そのために帰宅 F:そうですよ G:学生割ならさらにお安くなって超お得 H:仕方ないですね。超待っててあげます I:ジュース奢ってくれますか J:何でですか K:高校生は中学生より、割引額が超少ないのです」ちょっといちゃいちゃ度が少ないので、23点ってところですかね。泡浮ちゃんの回答 「A:乗馬でも如何ですか B:お誘いになられる C:とても良いお天気 D:お弁当を用意 E:御坂様が直々にお作り F:勿論ですわ G:折角のおデートですもの。女性は愛する殿方のためなら、どんな事でもしたくなるもの H:御坂様からそんなに想われているなんて、とても光栄ですね I:僕からも一言だけ宜しいですか J:何でしょう K:僕も御坂さんの事を愛しています」若干二人の設定に違和感は残りますが…いちゃいちゃいていたのでいいでしょう! 30点満点なのです!リドヴィアさんの回答 「A:十字教に入れてくれませんか B:科学という異教を捨てる覚悟ができたのですね。素晴らしいことです C:私は目が覚めましたので D:洗礼の準備をいたしましょう E:私などのために聖水を用意してくださるので? F:勿論ですので G:例え元異教徒であっても、哀れな子羊には変わりありません。神は全てにおいて平等ですので H:あぁ…生きていて良かった I:これで私も救われるのですね J:貴方も是非! K:十字教へ!」はい、0点です。 会話も繋がってないし。Ⅳ 考察Ⅳ‐① 二人が今一つうまくいかないのは何故でしょう? (15点)建宮さんの回答 「そりゃもう、上条当麻が鈍すぎるのが悪いのよ! ヤツには少し乙女心ってモンを勉強してほしいのよな!」まさしくその通り!木山先生の回答 「主に彼女の性格に問題があるのではないかな。まずはツン…ツン……ツンドラ?を治すべきだろうね」そうですね。 でもツンドラではないのですよ。フィアンマさんの回答 「全てこの世界が悪いのさ。だから俺様が救ってやるよ」いやいやいや!! また戦争ふっかける気ですか貴方はっ!!!Ⅳ‐② ではどうすれば二人の距離が縮まるか、考えてください。 (15点)テッラさんの回答 「ツンを下位に、デレを上位に」そうですね。御坂ちゃんが素直にならないとですね。木原(病)先生の回答 「諦めればいいのです」よくねーです。結標ちゃんの回答 「彼があと、5~6年若返ればいいと思う」それは結標ちゃんの願望なのです。女性がみんなショタ好きだと思ったら大間違いですよー?……ま、まぁ先生も若い子は嫌いではありませんが……… はい! 終~了~。最後に点数の高かった人の上位グループと、低かった人の下位グループを発表して終わろうと思います。高かった人は鼻高々に、低かった人はよ~く反省してくださいね。よろしいですか? まずはよく頑張りました!ベスト5です。 一位 一方通行 101点 (問Ⅰ‐③の回答が詳しく書かれていたため、特別に+1点) 二位 海原光貴 98点 (テスト中に吐血した量0.4ℓ) 三位 ミサカ10032号 95点 三位 ミサカ10033号 95点 三位 ミサカ10034号 95点 (以下、ミサカ20000号まで全員95点)やっぱり二人に近い人が高得点を出したみたいですね。それと海原ちゃんは、この後ちゃんと病院に行くのですよ?さてさてお次は、残念でした!ワースト5なのです。(下から数えて) 五位 削板軍覇 7点 一位 青髪ピアス 0点 (小萌の補習を受けたいので白紙) 一位 木原円周 0点 (カンニングが発覚したため) 一位 御坂美琴 0点 (一問目から 「ふにゃー」 したため白紙) 一位 上条当麻 0点 (ナチュラルに全問不正解)はい! というわけで、上琴テストはここまでなのですよ。みんなは何点取れましたか? 勿論100点ですよね!それでは! またいつかお会いしましょうなのです~。あ、それと上条ちゃんには大事な話があるので、後で職員室に来るように。 お ま け ヽ、 、 、 、 \ ヽ { ヽ、 \ ヽ ヽ ヽ 、 ‐- 、ヽ \ \ ヽヽ \\ヽ \\ `゙ ミ ヽ \ \ \ \ ヽ \ lヽ、 __>ミ \ ヽ ヽ ヽ ヽ ! ハヽ― = 二 \ \ l } |、 >--== ミ 、`ヽ ヽ、\ ! // / ト、_ ̄>三二 ミ、 ,、ゝ‐- 、 |r-、/ / | 二` ミ- _ ヽ/ - 、 ` ヽ / // }/ ―= ニ ― ニ .〉,ィ‐- 、__,〉 _,, 〉 ///-. 、. _ 優 ‐ '" ヽ三 _ /〈 弋エヽ ヽ /ィェュ}.|//// `゛ ' -. .,, 先 \ミ.二 _彡, -、} /´' } l`ヽ 〉 // .`ヽ す ヽ-=ニ__ '" { ヾ `ヽ ィ ヘ / 〉彡' / | る。 `メ‐ '' ~ ヽ、lイ } _,z孑于テミx、Yr'´ ./ | .ノ//ィ _ヽ! 弋二二二二{/ _ >'" |  ̄ ` ― l\  ̄  ̄  ̄ { > ''" | ̄ " ' ― _ _ | `> -- ‐ '"_ ― ''"´ ツ \ 二 二 二 二 / ン __ _ . . -‐''" ` ‐--.、 デ を. /´ 、 ~ ‐ _ ./\ `‐-、 レ 下 / 、 ヽ \ ヽ \ 〉 } 〉 を 位./ \ ヽ ヽ .〉{ l / ヽ、 上 に、' ∧ ̄ > ''‐._ ./ ヽ―‐''" \― !/ ∧ 位 l ∠二 _ ,.x-‐‐ 、 / ̄ \__\.| / ∧ に / | | } | | }/ / | \ /. \ >. /i /. 丶、 ,... ´ /. / | ハ / ! /. >  ̄ ̄/. /l/ >| / | iハ i / j/ハ /! < ち /. .イ / でうラ'ヘ`} ト ∧ l /厶イ´. ∨ | \ー―一 ょ ー‐ァ. { 厶イ ハ/ `ニ ノ. jノ. 八/. 'でうラヽ/. | \ っ /___ ∧ (|/ 〈 //. ー一'. j/! \ ̄ 何 と /. ハ ∧ \ / { / ̄ ̄\ / } 「 ̄ 言 ∠ 八 . \ / } j\ /. / ∧ハ| 分 っ 厶イ ーヘ ´/ノ. \_/. /イ } か て ノイ /i ハ { ∧丿 ん ん |/ | |\ , -‐=' 、 / な の x≦ハ| \ ー‐. / い か / ∨//| \ `7. .イ\ っ / ∨/j \ \ ; . .< '///\ ス / ∨′ \  ̄ '/////⌒ヽ、 / >x .、 \ {'/////////\
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小ネタ Go to part3 上条「おい」美琴「なによ」上条「パート2、もう埋まっちまうぞ」美琴「うそっ!? まだ3週間ちょっとよ!パート1は2ヵ月半近くかかってたのに!」上条「何気にばかにするな。ま、作者が増えて来た証だろ」美琴「……まぁ…そりゃそうだけど…」上条「何だよ、もどかしいぞ」美琴「……なんでもないわよ…」上条「…俺達がいちゃいちゃしてるのを見るのが嫌なのか」美琴「ちがっ! …じゃなくて、なんか、こー……やっぱなんでもないっ」上条「はぁー… アレだろ、それ見て、楽しくてにやついてんだろ」美琴「っ!! …そうよ、悪いっ!?」上条「別に悪くはないさ、ていうかキレんな」美琴「……だって……」上条「ほら、もうすぐパート3だ。まだまだ書いてくれるんだから楽しもうぜ、なっ?」美琴「…分かった」上条「ほら、拗ねるなって。笑って終わろうぜ」美琴「………」上条「みんな、俺達が好きなんだ。お互いを好きなんだ。それだけだ、別にからかってはいないぜ?」美琴「分かってる、わよ… …よしっ!」上条「つーわけでみなさん」美琴「次もよろしくね!」上条「御坂がにやにやするいちゃいちゃを随時お待ちしておrぎゃあああ!!」バリバリバリ美琴「よけーな事は言わんでいいっ!」 ――――――Go to part3:http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1264418842/
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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上琴の奇妙な体験 美琴はお風呂を上がり、制服に着替えている途中、いろいろと思いふけっていた。 いろいろ、と言っても内容は上条オンリーだが。 「(この生活……夢みたい…………)」 『夢』 寝ている間に見る物と、将来実現させたい願望の2つの意味を持つ『夢』。 絶対に内緒の話だが、美琴はこの2つの意味で上条との夢を見ていた。 睡眠中の夢では上条とうまくいったり、夢の中でもスルーされたり、種類はいろいろだがとにかく上条がでてくる頻度が多い気がする。 さらに将来の願望という方の意味では、上条と一緒になれたらなー、なんて漏電赤面物の想像(妄想)をしてたりもする。 そんな美琴にとってこの未来は『夢』そのもの。 憧れ以外何ものでもない。 「(5年、かぁ…………5年待てば私もアイツと……け、結婚することになるのかなー……なんて)」 考えるだけで顔が熱くなる。 そして妄想も加速する。 「5年……5年か。 付き合えるなら今のうちに準備しとくことないかな……デートの場所とか、お弁当の内容とか……」 「ちょっと私、心の声が漏れてるから」 「ッ!!? 今の聞こえて……? ってかなんでいるのよ!!」 「タオルあったかなー、と思って。 というか駄々漏れってレベルじゃないわよ。 もうちょっと自重しなさい」 「う……」 自分に指摘されるというのは奇妙な感覚だ。 「って、冷静に考えたらアンタも私なんだから、5年前に同じ失敗してるのよね」 「いやしてないけど?」 「はぁ!? なんで!?」 「そりゃ会話の内容とか行動とかが丸々同じってことはないわよ」 「で、でもさっきのお風呂の出来事とかは同じだったんじゃ……」 「大まかな流れはね? でも今みたいな細かいところは普通に変わってるわよ。 喫茶店の名前も私が5年後に来た時は別の名前だったしね」 「そ、そんな……」 急転降下。 今の未来が確定していないとわかったのだ。 つい今までは、ただ5年間過ごせば上条とくっつけると思っていただけにショックは大きい。 「ねぇ、いくらなんでも落ち込みすぎじゃない? 大まかな流れは変わってないわけだし」 「だ、だって、100%未来がわからないじゃどうなるかわからないし……」 「…………御坂美琴はそんな弱気な人間だったかしら?」 「え?」 「アンタは今まで未来がわかってなかったわけだけど、そんな弱気だった? 」 「…………」 「御坂美琴って人間はどんな困難にも立ち向かっていったでしょ? だったら今回も1つの困難だと思ってどーんと積極的にいきなさい!」 「…………うん、そうしてみる」 自分に元気づけられるというのも不思議な感じだが、実際かなり元気が出た。 弱々しさは消え、1つの決心もついた。 「(5年前に戻ったら…………もうちょっと、いやもっとアプローチしなきゃ、アイツ鈍いしね)」 ♢ ♢ ♢ 2人の美琴が部屋に戻ると、2人の上条が雑談をしながら待っていた。 そして5年後上条がこちらに気づいた。 「お、戻ってきたか。 なんか時間かかったな」 「まあいろいろあってねー、ていうかそろそろ時間じゃない?」 「え? ああ、もうそんな時間か」 今、時計の針は11時45分を指していた。 5年後の2人の話だと、『寝たら戻る』とのことらしいので、これ以降いつ戻ってもおかしくない。 ということは、時間がやってきたらしい。 4人がご飯を食べた机を囲んだところで5年後美琴が5年後上条を促し、5年後上条もうなずく。 「そうだな、最後に何か聞きたいこととかないか?」 5年後の上条の問いかけに、上条と美琴は沈黙する。 聞きたいことがないからではない、あまりに、まだ聞きたいことが多過ぎるのだ。 その膨大な量の中から、上条は一つを選んだ。 「じゃあ……漠然としたことだけど、俺はこれからどうすればいい?」 「……どうすればいい、ってのは、5年前に戻ってからのことだな?」 5年後上条の口調は全てわかっている、という感じだった。 上条はうなずき、話を続ける。 「ああ。そんで、御坂とのことなんだけど……」 「!!」 今までただ聞いていただけの美琴の体がビクッと動く。 まさか自分の名前が出てくると思っていなかった美琴は、横目で上条を見る。 「戻って御坂と会い続けていると、その、結婚することになるんだろ?」 「そりゃもちろん……多分」 「…………正直に言うぞ、今の俺じゃ御坂と結婚してる姿が想像できない」 「ッッッ!!」 美琴の体が先ほど以上に大きく動く。 「(そ、想像できない……? それって、どういうことよ……)」 美琴はジッと上条を見つめるも、彼はそれに気がつかない。 そしてそのまま、上条は抱えていた大きな『悩み』を吐き出した。 「もちろん御坂のことが嫌いってわけじゃないだ。でもなんて言うか、俺は今までに女の子を好きになったことはないし、恋愛ってのがよくわからないっていうかさ。それにそんな変な感じで御坂に会っても御坂に失礼だと思うし……」 上条の悩みは真剣そのものだった。 それに美琴のことを気にかけているのも実に上条らしい悩みだった。 誰とも目線を合わせず、気まずそうにする上条だったが、美琴はなんと声をかけていいのかわかならない。 上条と会わなくなるのだけは絶対にイヤだ。 しかし、彼に拒まれたら、自分はどうすればよいのだろうか。 上条の悩みが美琴に伝染しかけたその時、全てを5年後上条が一蹴した。 「それはあれだ、気にすんな!」 「ッ!!? え、いや、気にすんなって言われても…… 「あのな、俺はお前なんだ。 その俺が気にすんなって言ってるんだからいいんだよ。何も気にしないで今まで通り過ごして問題ないって」 そう言って笑う5年後上条の無駄とも言える自身を前に、美琴は少し気が楽になった。 だが、豪快とも言える性格の5年後とか変わり、少しばかり弱気になっている上条は、まだ納得できていないようだった。 「そ、そうなのか? ……でも御坂のこともあるし……」 「あーもう!! 俺ってこんな面倒くさい性格だっけか!?」 「面倒くさい性格よー」 「おい妻、それはひどくないか……ってまあそれはいい。 この際お前ら二人でちゃんと話し合えよ。 俺らははずすからさ」 「え、いや、ちょっと待……」 上条が言い終わる前に、5年後の二人は寝室へと消えて行った。 しっかりと手を繋いで。 残された2人には、当然のように沈黙が訪れる。 「「…………」」 上条はこちらを見てくれない、やはり相当悩んでいるようだ。 だが、美琴の答えは決まっている。 そして今の美琴にそれは伝える「勇気」がある。 さらに、その『先』を言う勇気もだ。 「(大丈夫よ、大丈夫。 自分の気持ちを、素直に伝えるだけ……それだけだから)」 美琴は、1つ大きく深呼吸をし、自分の想いを伝え始める。 「…………そ、そそんなのいいに決まってるじゃない。 5年前に戻ったら、会わないってのおかしいわよ」 「え? いやでも、それだとこの未来になる可能性が高いんだぞ?」 「だ、だから……」 思わず言葉に詰まる。 しかし言わないわけにはいかない。 今言わなければ、『この』未来は訪れないだろう。 美琴はもう一度深く深呼吸をした後、まっすぐ上条の顔を見て、 「私は、アンタと一緒にいたいの。 会わない、なんてのは、嫌」 はっきりとした口調で、そういった。 迷いの一切無い、言葉だった。 上条は一瞬戸惑ったようだったが、美琴の変わらない意志を感じたのか、強張っていた顔が緩んだ。 「……そうか、わかった。 まあホントのこと言うと、俺だって会わないってのは嫌だしな。 どうなるかわからないけど……これからもよろしく頼む」 「ッ! う、うん!!」 美琴は大きくうなずいた。 また上条と一緒にいることができることが、彼女に安心感を与え、上条同様強張っていた顔を緩ませた。 しかし、まだ終わりではない。 また大チャンスの途中だと、美琴は思っていたのだから、再び顔も心も引き締める。 自らの5年後のために、今ここで積極的に行動しておくべきここを逃すべきではない。 「よし、んじゃあの2人を呼んでくるか」 上条は立ち上がり、5年後の自分たちがいる寝室へ行こうとしたのだが、 「ちょ、ちょっと待った!! 」 美琴は勇気を振り絞って、震えるような声で上条を呼び止めた。 「ん? なんだ?」 「その……よ、よよければ…………つ、作ってあげよっか?」 「?? 作るって何を? タイムマシンか?」 「バカかアンタは!! そんなもん作れるなら私は今頃博士号とってノーベル賞もらって世界的有名人よ!!」 「じゃあなんだよ、上条さんにもわかるように言ってくれよ」 「だ、だから、……理を……」 「いや聞こえないんですが……」 「だからっ! その! りょ……料理…………」 「料理?」 上条は余程予想外だったのか目を丸くしていた。 「ちょ、ちょっと、返事くらいしてよね!」 「あ、ごめん。 なんかあっけに取られてたっていうか……でもなんで料理なんだ?」 「なんでって……えーと…………さ、さっき晩ご飯食べてた時、ちらちらこっち見てたでしょ」 「え……気づいてました?」 「さすがにあれだけ見られれば気づくわよ、アンタじゃないんだから」 「それはどういう意味だ?」 「と、ともかく! 食べ終わった後も美味かったとか、また食べたいとか言ってたでしょ? だから あ、アンタさえよければ、作るけど……どう、かな?」 言った、言い切った。 告白でもなく、ただ料理の話なのに心音がヤバい。 美琴は顔の紅潮を隠すかのように俯き、上条の返事を待つ。 が、上条からの返答は思いの他、早かった。 「まあ……御坂がいいって言うなら、作ってもらおうかな」 「ほ、ほんとに!?」 美琴は顔を上げ、上条を見る。 そこに立っていた上条は少し驚いたような表情をしていた。 「ああ。 ……なんで御坂が喜んでるんだ? 普通逆じゃね?」 「う、うるさいわね!! そんな細かいこと気にしなくていいのよ!!」 「細かいか?」 「いいから!! そ、そうだ。 私は2人を呼んでくるからちょっと待ってて」 「お、おう、わかった」 上条を気迫で強引に押し込み、美琴は足早に寝室へ入った。 もう上条と顔を合わしている事自体が限界だった。 「(やった……やったやった!! これでちょっとは進展する……はず、よね? 私にお礼言っておかないと)」 美琴はちょっぴり薄暗い寝室に入り、奥のクローゼットと思われる物の前にいる5年後2人の元へ歩み寄る。 「(ん? 何か話してる……?)」 小さいが聞こえる話し声。 L字型の部屋のため、2人の位置からこちらは見えない。 気になった美琴はこっそりと聞き耳をたててみる。 そこで聞こえてきた会話は――――― 「上手く話し合えてるかね、5年前の俺達は」 「大丈夫よ。 なんたって私たちなんだから」 「ははっ、まあそれもそうだな」 「それにしても、今の当麻じゃありえないわね。 私と結婚することが考えられないなんて言うなんて。 今じゃ毎日べったりなのにねー」 「ほんとだよ、美琴と結婚したことで上条さんは超幸せ者ですからねー。 でも、べったりなのはそっちじゃないか?」 そして、5年後上条は5年後美琴を抱き寄せる。 5年後美琴も待ってました、と言わんばかりに両手を上条の背に回す。 「んー? それはどうかなー」 「今もべったりじゃん、この可愛いやつめ! …………まあ、今でも『考えられない』っちゃあ考えられないな」 「それはどういう意味でかしら?」 「そりゃもちろん、美琴なしの生活が『考えられない』って意味で、な」 「えへへ……私もよ?」 そして、2人は見つめ合い、距離が縮まる――――― 「――――――――ッ!!??!?!!??!??!?」 声にならない叫びとはこういうことを言うのだろう。 美琴は2人と話すことなく、リビングへ超ダッシュでリターンした。 これには上条も驚いたらしく、 「おお!!? ど、どうした!? 呼びに行っただけで驚くわけないし……変な虫でも見たのか!?」 「ち、違っ、そ、そうじゃなくて…………!!!」 「じゃ、じゃあなんだよ、5年後の俺らが関係しt」 「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!! ア、アンタはしゃべんなっての!!!!!!!!」 「ちょ!! 何度目だよ!! 室内で電撃はマズいだろ!! 落ち着けって!!」 美琴の頭に上条の右手が置かれると、放電はピタリと治まった。 「あ、あの!! 手が……頭に……」 「こうでもしないと放電するんだろうが!! で? 何があったんだよ」 「何って……それは……」 自分が見た状況を、まともに話せるわけがなかった。 「(あ、ああ、アイツと、わ、わた、わ、私が…………キs――――――――)」 上条の声が遠くなっていき、美琴は倒れた。 ♢ ♢ ♢ どれくらいの時間が経ったのだろうか。 寒いような、暑いような、なんとも言えない奇妙な感覚。 この感じは初めてではない。 つい最近、味わったことがある感覚だ。 「う……うーん……」 頭が冴えない。 思考が安定しない。 それでも体内時計が起きろと言っているのだろうか、上条は上半身を半ば強引に起こした。 「………………ここは……俺んちだよな」 右手で目をこすり、それでも視界はまだぼんやりとしているが、室内を見回す。 そしてようやく状況を把握した上条は、大きなあくびをし 「そうか……戻ってきたのか」 本当に1日の出来事とは思えないくらい、濃い1日だった。 急な5年後へのタイムスリップ、そこで出会った自分の姿。 さらにはまだ20歳だと言うのに、結婚して家庭を持ち、さらに自分で店まで経営しているという超展開。 さらにさらに、その相手と言うのが 「まさか御坂だとはなぁ……」 上条は一応夢の可能性も考え、携帯電話に手を伸ばし日付を確認してみたが、確かに1日時間が経っていた。 「やっぱ夢じゃないよな。 さて……どうしたものか…………ん?」 不意に右手に襲った柔らかい感触。 それに妙に膨らんでいる布団。 「……待てよ、ここベッドだよな。 てことは今のインデックス…………」 上条からサーっと血の気が引いた。 マズい、これはマズい。 どうやら戻って来たのはいいが、いつもの風呂に戻してはくれなかったようだ。 しかも今ので彼女は目を覚ましたらしく、もぞもぞと動き出していた。 これは朝から噛みつきのフルコースですね、わかります。と覚悟を決め、上条は目を閉じた。 が、 「何よもう…………朝っぱらからいい度胸してるわね……黒子」 「………………あれ?」 この声はインデックスではない。 服装もいつもの『歩く協会』でなければ、髪色も銀ではなく栗色。 頭まですっぽりとかぶっていた布団から姿を現したのは、もうお分かりだろう。 「黒子……覚悟はできて…………あれ?」 「よ、よう…………御坂」 美琴はきょろきょろと部屋を見回す。 自分が今置かれている状況を的確に把握するため、部屋の隅から隅まで見回しているように上条は思えた。 そして最後にじっと上条を見つめたかと思うと、急激に顔を紅潮させ、 「…………ちょ、ちょ、あ、アンタ……な、何触ってんのよ!!」 「ま、待て待て待て待て待ってくださいお願いします上条さんちの家電が死んじゃうから頼むから待ってくれ!!!!!」 「ちょっ……!」 部屋に紫電が走る、前に間一髪上条の右腕が美琴の頭に届いた。 しかしそれは美琴にとってはたまったもんじゃない。 なぜなら現在の状況は「ベッドの上」で「男女が2人」、しかも「至近距離」で「頭に手を」おかれているからだ。 しかし上条だってたまったもんじゃない。 この右手を離したらきっと家電はお亡くなりになってしまうだろう。 「御坂、落ち着け。 落ち着いて電撃を止めてくれ。 いやマジで」 「こ、この状況で落ち着けるわけないじゃない!!! そ、そ、それにアンタさっき、さ、さ、触ったでしょ!!」 「ち、違う! あれは不可抗力だ!! まさかお前が隣にいるって知らなかっただけで……」 美琴の『胸』を触ってしまったことは事実。 上条は思わず右手に力が入ってしまったのだが、美琴にはそれが心地よ過ぎたらしく、 「ちょ、ちょっと、手、強い……(いいけど)」 「あ、ごめん……もう大丈夫か?」 「う、うん、多分」 「いや多分じゃ困るんだけど」 まあ実際大丈夫だったわけで、2人はベッドから下りてようやく落ち着いた。 ……わけがなかった。 インデックスの書き置きと思われる『小萌の家に行ってくるんだよ』、的な置き手紙が置かれていた机を2人で囲んで座るも、 「(御坂と結婚してたんだよな、しかも夢じゃないんだよな……向こうにいるときはなんともなかったけど、顔見れねぇよ……)」 「(こ、コイツと結婚……結婚!? な、なんか、なんか、あっちでもいろいろあったけども! 最後に『アレ』も見ちゃったし……そのせいで2人にはお礼言い損ねたけど……そ、それはともかくこうして現実に戻ってみると……もう顔見れないわよ……)」 と、上条は目線を泳がせ、美琴はやっぱり俯いていた。 美琴はともかく、さすがの上条でも『結婚』しているという未来を突きつけられれば、相手を意識してしまうものだ。 というか、しないほうがおかしい。 「あー……なんだほら、なんか飲むか!? お茶とかコーヒーとかならあるけど……」 「あ、うん…………じゃあコーヒー…………コーヒー……」 2人が『コーヒー』から連想したもの、それは5年後の2人の姿と写真で見た、 「「(*1)」」 再び2人は沈黙する。 なんというか、胸がむずむずするような変な感覚を上条は覚えていた。 「え、えーと、だな…………そうだ!! 今、何時なんだろうな」 会話が思い浮かばな過ぎて、というよりは最早何を言っても未来の自分たちの姿を思い出してしまいそうで、苦し紛れだった。 しかし、 「えと……って、何これ!?」 「ど、どうした!?」 美琴の急な大声に驚いた上条は、思わず彼女の携帯を覗き込んだ。 するとその画面には、 「着信108件って……しかもほぼ白井か」 相当美琴のことを心配していたのだろう。 もちろん黒子以外の名前も多々あり、美琴の人望の凄さが見て取れた。 上条も自分の携帯を見てみたのだが、 「(…………2件かよ。 しかも土御門と小萌先生とか絶対補習関連だろ。 え、何? 俺って人望ないの?)」 無駄に落ち込む上条だった。 「ちょっと何暗い顔してんの? 大丈夫?」 「ああ……大丈夫だ。 そういや 向こうと同じだけ時間が過ぎてるなら丸1日時間が過ぎてるんだったな」 「そうなのよ、すっかり忘れてたけど。 こうしちゃいられないわね」 そう言い終わると、美琴は側に落ちていた自分のカバンと靴を拾い上げ、 「ごめん、今日はもう帰るわね! みんなにかなり心配かけちゃってるみたいだし……」 「お、おう、気をつけて帰れよ」 急いで玄関に走る美琴の後を追い、上条も玄関へと進む。 かなり慌てている彼女だったが、靴を履いたところで、 「あ……」 「どうした?」 それまで慌ただしく動いていた美琴の動きがピタリと止まった。 ドアの方を向いたままピクリとも動かない。 「おい、大丈夫か?」 と、声をかけてみるも、彼女は石のように動かない。 一体なんなんだ、と上条が顔を覗き込もうと一歩すすんだ時。 「あ、あの!!」 美琴が勢いよく振り返った。 そしてそのまま間髪入れずに、こういった。 「りょ、料理は、ちゃんと作りに来るから!! また連絡するからちゃんと携帯持っておきなさいよ!!」 「え、おい、御坂……って行っちゃったよ。 てか早いな!!」 言い終わるや否や、美琴は猛ダッシュで上条の部屋を去って行った。 そして残された上条には、ほぼ一日ぶりの静寂が訪れる。 「なんか、静かだな……」 入り口のドアを閉め、完全に1人の状態。 そして上条はこの1日にあったことを改めて思い出していた。 急にタイムスリップして、美琴とベンチで寝ていたこと。 興味津々で5年後の街を2人で見て回ったこと。 ドキドキしながら5年後の自分を尾行したこと。 5年後の自分とその結婚相手である美琴に会ったころ。 2人が想像を絶するぐらいラブラブだったこと。 料理が美味しかったこと。 自分が美琴と2人で喫茶店を経営しているということ。 美琴が漏電しまくったこと。 そして、美琴に一緒にいたいと言われたこと、料理を作ると言ってくれたこと 大変だったこともあったが、全て楽しかった。 そして全てを振り返り終わった上条は、一言呟く。 「こんなの……意識するに決まってるよなぁ……」 上条と美琴の未来。 一度未来を見たものの、まだまだどうなるかはわからない。 それは今から2人の努力によって、作られていく―――――――― T H E E N D ! ! 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上琴の奇妙な体験
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある実家の入浴剤 『直接診ないことにはきちんとしたことは言えないけど、俗に言う青風邪という やつだね? 季節の変わり目だし、湯冷めして身体を冷やしたんだろう。頭を 打っているのも気になるから、落ち着いたら一度病院に連れてくると良い。市販 の薬でも効かないことはないけど、こちらできちんと処方した方が治りも早い からね?』 第7学区の病院に勤務するカエル顔の医者は、電話口の向こうでそう言った。 「あの子――インデックスが、『薬草を探してくるんだよ!』とか言って飛び出 して行ってしまったんですけど」 『……彼女のことだからたぶん東洋医学的な手法で治そうとしているんだろう けどね? 確かに理に適った処置はするだろうけど、あくまでそれは素人判断 だからね? 下手なことはせずに僕に診せることをお勧めするよ』 「ですよね」 呆れ交じりに話す声に、美琴は苦笑する。 『ただ、東洋医学や民間療法が悪いわけでもない。君も知っているだろうけど、 漢方治療や食事療法なんかはどこの病院でも行われていることだからね? つまり今の君にもできることはあるということだ。引き始めの症状からして 身体を温めてやることが重要だから、冷えないように汗を拭いたり、生姜や ニラなんかを使ったものを食べさせてやると良い。ネットで検索するとすぐ 出てくるだろう。あとはぬるま湯に入れて上げたりとか、そんなところだね? 風呂に入れるくらいならまずは病院に連れてきて欲しいところだけど』 生き埋めの洞窟に光が射したようだった。迷惑をかけたと自分を責めたまま、 震えて動かなかった背中を押された。ただそれだけのことだったが、なんだか 美琴は救われた気分になる。 「あの、今朝、中華風のスープを作ったんです! ニラだったらそれに入れて るし、生姜をおろしてご飯を入れて、お粥っぽくしたら……!」 しおれていたはずの美琴の声が、今は水を得たみたいに高い。希望に触れた ようなその声音に、カエル顔の医者はいっそう穏やかな調子になって、言う。 『良いんじゃないかな。とにかく体力を戻してやることが大切だからね? 美味しいものや滋養があるものを少しでも食べさせてやると良い。幸い、君は 料理が上手なようだからね? あの子たちにも何か作ってあげて欲しいぐらいだ。 病院食ばかりでは舌も退屈だろうし、お菓子なんて作ったら喜ぶだろうね?』 『あの子たち』と言われて、美琴は自分とまったく同じ姿の、妹達(シスターズ) について思いを巡らせる。そういえば「お姉様」とは呼ばれているのに、姉らしい ことなどほとんどしたことがないと、美琴は気が付いた。 しかし、とにかく今は上条のこと、である。 「ありがとうございます、先生。起きて、病院に行く時、またお電話します」 『正しい判断だ。だけどもう一つ、言っておきたいことがあるね?』 そこで一拍を置いて、カエル顔の医者は言う。 『未成年飲酒というのは、あまり関心ができないね? 興味のある年頃だろうし、 僕にも経験はあるからわかるけれど、医師として放っておくことはできない。 急性アルコール中毒を発症すれば死に至ることもあるし、君たちの場合は依存 症のリスクも高い。今回彼が風邪を引いたのだって無関係ではないんだよ? ビールやサワーは身体を冷やすからね?』 「……ごめんなさい」 叱咤の声は、先ほどまで聞いていたものよりずっと厳しい音をしていて、美琴は しゅんとしてしまう。気持ちの後ろめたかった部分をまっすぐに指されて、反省する 以外に仕様がなかった。 それを慰めるように、美琴を許すように、電話の声は元に戻る。 『君という人間は正直で、素直なんだね? そういう姿勢はなくさない方が 良い。男はそういう女の子を好きになるものだからね?』 それはちょっと偏った話ではないかと、美琴は曖昧に笑う。携帯電話を握る 右手が妙に落ち着かなくて、左手で抑えた。 「私は別に……まだ、そんなのは良いです」 『とぼけるなよ。ならどうして君は今彼の部屋にいるんだい――と、こんなことを 言うのは医師の仕事から外れているかな。そろそろ失礼するよ? お大事にね?』 「は、はあ。ありがとうございました」 来たる美琴の反論から逃れるように、電話は切られてしまう。ツーツー、と 通話の終了を知らせる電子音を聞きながら、美琴は瞳を泳がせる。むろんその 漂着先は少年の寝顔の上で、心臓が一度鐘を打った。思わずさっきの言葉を 反芻する。どうして君は今彼の部屋にいるんだい。どうして。その答えを一つ 一つ取り上げるみたいに、美琴の視線が上条に落ちる。ツンツンしている頭、 ガーゼを貼った額、意外に長いまつげ、意思を示すように伸びる鼻先、そして、 その下の―― パンッ、と静かな部屋に軽い音が鳴る。両頬がじんと痛んで、それから熱を 持つ。叩いた頬の感触で雑念を埋めると、美琴は深い息をついた。 今は何より、上条当麻なのだ。彼の身体が第一なのだ。美琴は台所に掛けた エプロンを取って、背中のひもを結ぶ。 できることからやっていこう。それが全てで、それが始まりだ。 ふいに触れた外気の冷たさに、上条当麻は覚醒する。ただ、いまだ目はつぶっ たままで、まずは違和感のようなものがあった。どこか温かい場所にいたはずで、 そこから引きずり出されたような感覚。そう、これは朝、布団をはぎとられる 感じに似ている。けれどもどういうわけか右手だけには温もりがあって……。 射してくる眩しさにこらえながら、上条はまぶたを開く。 「……」 そして、美琴と目があった。ほとんど真正面に瞳を据えて、美琴は面食らった ように目を見開いている。おぼろげな記憶を参照するなら上条は自分のベッド まで運ばれたはずで(実にそれは数カ月ぶりのことだ)、仰向けに寝ているらしい この状態で美琴とまっすぐ向き合う体勢というと、それはかなり限られたものに なるだろう。 「……」 さて、上条の着ているワイシャツは上から三つめまでボタンが外されており、 胸板が半分ほど露出している。美琴が上条の上で四つん這いになっているので、 おそらく彼女が外したのだろう。思わず暴れかけて、何気に右手が拘束されて いることを知る。いや、拘束というよりはぎゅっと握り込まれており、どうも それは美琴の左手と繋がれているようだ。 ここまで状況を確認して、ようやく上条はわかった。美琴は自分の服を脱が そうとしている。片手でボタンをはずし、もう一方の手はなぜか上条の手を握って いる。嬉し恥ずかしの事態であるのは間違いなかったが、どうにも上条は理解 できずに戸惑う。 「良かった、起きたんだ」 だからそう言って美琴が微笑んだことも、上条にしてみれば掴めないことだった。 「ごめんちょっとじっとしてて。身体の汗、拭くところだから」 「え、うええぇぇ!?」 「な、なによ。変な声出して。その、身体を冷やしちゃダメってことだし、 仕方なく私は……」 美琴がぶつぶつ言っているのは置いておいて、大体の事情を把握する。見ると、 ちゃぶ台には絞ったタオルが置かれている。おそらく電子レンジで温めたのだろう、 白い皿の上で湯気を立てていた。 美琴の指が四つ目のボタンに伸びて、上条はその動きを止めた。図らずも 両手を握った状態で、二人は静止する。 「どうしたの? は、早く済ませないと逆に身体が冷えちゃうわよ?」 「い、いや。身体を拭くぐらいなら自分できるかなあ、と。ていうかなんで 右手握ってんの?」 「これは、なんていうかその……ろうでんたいさく」 「え?」 「だああぁ、もう! とにかく大人しくしてなさいよ。自分でできるたって 背中に手ぇ届かないでしょうが。私だって恥ずかしいんだしさっさと済ませるわよ!」 剣幕に押されて、仕方なく上条は従うことにする。ただし背中だけだとあら かじめ念を押して、服は起き上がって自分で脱いだ。その間に、慌てたように 美琴はベッドを降り、いそいそとおしぼりの準備をする。 「タオル熱すぎない? 大丈夫?」 「うん、や、大丈夫だ。気持ち良くて天にも昇る気持ちですよーっと」 「き、気持ち良いってアンタ……」 背中で動いていた美琴の手が止まって、上条は怪訝に思う。どうしたのかと 訊ねようとすると、パンッ、と背後で軽い音が鳴って遮られた。何事もなかった ように汗拭きの作業は再開される。 「どうかしたのか?」 「な、なんでもないっ」 実際にはそんなことは全然なく、美琴の口の中では、「平常心、平常心」と 上条にも聞こえないぐらいの声音の呪文が唱えられていたわけだが、もちろん 聞こえないので上条は気が付かない。なぜかまた焦り始めた美琴に首を傾げる ばかりである。 背中を拭き終わり、美琴はタオルをこちらに渡すと台所の奥へ消える。 「食欲ある? つか、なくてもちょっとは食べておいて欲しいところなんだけど」 「ぶっちゃけ腹は減ってるんだけど、なんというか、かったるいかな」 「中華スープにご飯ぶち込んでお粥にしたけど、食べられる?」 「うーん。実際目にしてみないことには何とも……」 「そっか。それにしても予想より元気そうねアンタ。倒れた時はどうなること かと思ったけど、安心したわ」 「いや、実際けっこう辛いんだけど、なんというか」 「?」 きょとんとした顔つきをして、美琴はオープンキッチンのカウンターから こちらを覗いてくる。対して上条はあくまで首を捻った。 「うーん、辛いはずなんだけどな。でも気分が楽というか、何なんだろう?」 「いや、訊かれても。知るわけないでしょアンタの身体のことなんだし。 ……まあ何にせよ余裕はあるみたいだし、それで十分ね」 台所に引っ込んで、美琴はまた食事の準備にかかる。上条が身体を拭き終わ ってワイシャツのボタンを止めた頃に、美琴は温め直したらしいお粥を盆に 載せてリビングまで運んできた。ほくほくと白い湯気をたたえており、胃袋が きゅっと縮まるのを上条は感じる。 「なんだか俄然食欲が増してきた上条さんですよ」 「あはは。かわいいもんね。でも、セーター出したからまずはこれを着なさい」 美琴はちゃぶ台に盆を置いて、上条がおしぼりを返すのと引き換えにセーター を渡してくる。袖を通し、頭にかぶって襟口から顔を出すと、見えたのは粥を スプーンに一すくいしている美琴だった。強張った頬を膨らませてその一すくい に息を吹きかけており、まだ上条にはその意図を掴めない。というよりは、 掴みたくなかった。 「は、はい! あーん!」 「やっぱりかい!! しかもなんだか気合の入った声だし! あーんとかする 時の声じゃねえし!」 「な、なによ。確かに気恥ずかしいのもそりゃそうだろうけどウチで風邪ひいた 時はいつもしてもらってたし、普通じゃないのよ!?」 「そりゃお前がまだ幼稚園児とかそういう時代の話だろうが! 重病人じゃ あるめえし高校生にもなってそんなことしねえよむしろご褒美じゃねえかそれ!!」 錯乱し過ぎてうっかり本音を漏らしている上条である。幸いその部分に深い 言及はなされず、美琴はしばらく無言で俯いて、やがてぱくりと行き場をなく したスプーンを口に入れた。 「言われてみれば、アンタの言う通りかもしれない。……ちょっと気合を入れ 過ぎてたのかな、私」 もそもそと声を漏らす美琴だったが、上条はといえば彼女の行いにびっくり して声の内容など全く聞き入れてはいなかった。 「お、おま。かゆ、食べて」 「え? だって味見するのまだだったし、アンタが食べたら私これに口付け られないし……って、うん?」 やっと何かに思い至ったらしい美琴は手のスプーンを見下ろし、それから 上条を見て(具体的にはもっとピンポイントに「どこか」を見ていたような 気がするが、考えないことにする)、またスプーンに視線を戻す。体温計の ごとく、みるみる赤くなっていく美琴の顔があって、 「な、なななぁああ!?」 それは叫び声になって爆発した。起床してから見てなかった紫電が、ばちばちと スプーンの銀を巡る。 「い・い・いやいや何言ってんのよアンタ馬鹿じゃないのこの年になって カ、か・間接キスなんて意識してんじゃないわよ! ほら何も気にすること なんてないんだからこれさっさと食べるのよ食べなさい食べろってのよ!」 「明らか帯電してるスプーンを押しつけんのはやめろ殺す気かテメエ!? つーかちょっとは気にしやがれ中学生!」 「ちゅ、ちゅ中学生なのは別に関係ないじゃない! だいたい最初に気にしな かったのはアンタでしょうが!」 「何の話だよいったい!?」 渾身の叫びを訊き返されてしまって、「うっ」と美琴は詰まる。まあ、ホット ドックの一件を気にしていたのは美琴だけだったのだし、無理のないことでは あった。 で、そんなふうに微妙に認識を異にしている上条だから、美琴が言葉を持て 余して唇をぱくぱくと開閉したり、瞳をそわそわさせて俯いたりするのを不可解 にしか感じない。一悶着はあったものの上条の右手にスプーンを握らせ、でも それから背を向けてしまって、やがてぽつりと言う。 「……めしあがれ」 「ん? ああ、いただきます」 ぎゃあぎゃあ騒いだり水を打ったように静かになったり、目まぐるしい場の テンションの移り変わりにいい加減に慣れてしまっている上条なので、美琴の 態度の変容を素直に受け入れて中華お粥に取り掛かることにする。 湯気立つ粥にスプーンを差して、空虚な胃に流し込まれていくその味は、 なんだかとろけるようだった。 「どう? 食べられそう?」 背を向けながらもちらちらと横目に上条を観察して、美琴は言った。 「いやあ、むしろおかわりしたいぐらいです」 「そ、そっか。そっか」 なぜだか美琴の方が噛みしめるような調子でそう言って、落ち着かないふう にゆらゆら背中を前後に揺らした。あぐらをかいているせいで身体の全体像が 丸く、どことなく倒れても起き上がるダルマ人形を思わせた。 「ごめん、インデックスがほとんど食べちゃって。今あんたが食べてる分で 終わりなのよ」 「まあ、いつものことか。つーかインデックスはいずこに?」 「薬草採ってくるとかで飛び出したっきりだけど」 「へー。へー……そうなのかあ」 いつかの記憶が呼び覚まされる。まあその種の災厄はもう一度パンドラの箱 に詰め込むことにして、上条は目下の粥に意識を集中することにする。不幸と いう言葉は呑み込んで、今は目の前の幸せを享受しよう。 しかし上条当麻とは人が知るより厄介な性格の持ち主で、不幸体質の自分が わけなく幸福を拾うとどこか悪い気がしてくるのである。大金を拾うと何とな く交番に届けたくなるのと同じで、だが幸せを届け出る場所などどこにも存在 しないし、結局は持て余すことになる。 もしこれが他人の幸不幸にまで関わってくるとすればたまったものじゃない なと、上条は神裂火織のことを思い出した。自分も彼女もそうだが、幸運や不運 といった運命的なものを恒常的に考えるのはあまり身体に良いことではないの かもしれない。自分のどうにもならないところで立場が決定されるというのは、 たいてい悲劇の部類に当てはまりそうなことだった。 てか、やっぱまた不幸だの考えてるんじゃねーか、と気が付く。しみついた 思考法というのはなかなか変えられないものらしい。上条は気を取り直すよう に首を振って、止まっていたスプーンを動かそうとして、 「ねえ、大丈夫?」 それで、美琴が問い掛けている。不安げに瞳に影を落として、横から上条を 覗きこんでいる。昨夜と同じパターンで、今度は美琴だった。 「突然顔を青くしたり、と思ったら俯いて固まってるし、気分が悪いの? やっぱり食欲ない?」 訊かれて、上条は戸惑う。同時に首も捻る。何を戸惑うことがあったのかと 思ったのだ。自分は気を遣われているのであり、心配されているのであり、 それは別にうろたえたりすべきものではないはずだった。 答えない上条にますます不安を募らせたようで、美琴は眉根を寄せる。 「本当に辛いなら無理しない方が……。お粥なんてすぐに作れるし、無理して 食べる必要なんてないのよ?」 「い、いや」 そういうわけではないので、上条は首を振る。空腹は感じているし、ちゃんと 食欲もあった。食べたくないということは、まずない。 「いや……」 しかし上条は、腑に落ちない。自分の否定が指しているのは本当にそれだけ だろうか? 食欲とか、そんなうわっつらな身体の調子以上に、もっと先に 否定すべきことがあったのではないか? 美琴を見る。何かに答えあぐねている上条のことを、まぶたにわずかな怪訝 を乗せつつも、彼女はじっと待っている。献身に努めようとするように、じっと。 そうして少年は、心に動きがあるのを自覚する。彼のためにと五感をそばだてて いる彼女を見つける。自分は今までそういう視線に気が付かなかったのだと、 気が付く。それはたいそう不幸なことだったろうと。 上条は頭を振り、美琴は首を傾げた。 「たぶん、嬉しかったんだよ。それだけだ」 眼前にはきょとんと口を半開きにした美琴の顔があって、それはみるみる うちに紅潮していく。だが美琴は今度こそその理路がわからなかったらしく、 混乱した様子で頬に手を包んだ。正体不明な身体の反応に瞳は精いっぱい疑問符 を浮かべていて、口許は「それ」を言語化しようと何度も開きかけるのだが、 言葉にはならない。命名できない感情がそこにあった。 「……あ、アンタは」 美琴はやっと声を出して、だがそれは本来言葉にしようとしたものとは違う。 「変なこと言ってないで、ほら、さっさとそれを食べる! 食べたら病院に 行くんだからね。私、電話してくるから」 美琴は逃げるように立ち上がると、ついでに身支度も整えるつもりなのか、 自分の衣服を部屋からかき集めて、洗面所へと向かった。 「なあ、御坂」 洗面所のドアを開いた美琴に向けて、上条は呼びかける。 「あのさ、あんまり無理はしなくていいからな」 「? どういうことよ?」 「いや、さっきもそわそわしていたしさ。もしも寮のことが気になるなら」 「そんなこと!」 美琴は目をむいて叫ぶ。距離が離れているはずなのに、詰め寄るようだった。 その剣幕にちょっと驚きつつも、上条は言う。 「御坂のお粥が美味くてさ、なんだか元気が出てきたんだよ。病院ぐらいなら 一人でも行けそうだし、それにこのまま部屋で大人しくしてるだけで治りそう な気もするし」 「そ、そんなこと。……そんなの、困る」 「え?」 「う、えあ――。もう、うるさい! 病人は黙って看病されてれば良いのよ! 寝ぼけたこと言ってないでさっさと食え!」 バタンと強い力でドアが閉じられて、上条はため息をつく。黙って看病され てれば。全くその通りだと思う。逆の立場ならば彼だって、きっとそう言った だろうから。 では、どうして美琴にあんなことを言ってしまったのか。上条はがしがしと 頭を掻いて、再びため息をついた。 「ったく、素直じゃねえよなあ。何をガキみたいなことしてるんだか」 今日はじめて気が付いたのだが、自分はけっこう不器用な性格らしい。 扉の向こうにいる美琴を、今どんな顔をしているだろうかと思いを馳せる。 舌の上、彼女の味を転がしながら。一噛みごとに仕草を浮かべて。粥を食べる。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある実家の入浴剤
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居場所 【本文】 美琴サイド ◆ 上条サイド ◆|◆ クリスマス ◆ 【著者】 月見里(12-676)氏 【初出】 2011/12/22 初投稿 【最終スレ投下日】 2012/12/26
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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語 目が覚めると、普段はまず見かけることのない天井が視界に入った。 気だるい体を無理にベッドから起こしながら、記憶を辿っていくのと同時に現状把握に努めた。 (えーっと確か上条さんは御坂の能力の餌食になって…) (でだ、多分ここまで運ばれたんだろう) (つかここどこだ!?そして何このいかにも高そうなホテル!) 俺がガタガタ震えてると、開けられたドアから声がした。 「ねえ、何震えてんの?」 「あぁ、そりゃこんなブルジョワジーなホテr…うおっ、御坂!なんだその格好!!」 振り向きながら答えると、バスタオルだけ身に纏っている御坂の姿が見えた。 「何って仕方ないでしょ。シャワー浴びてたんだから。つかまた御坂に戻ってるわよ」 「ああ悪いな、美琴」 「それでいいのよ////」 「なあ美琴、それ早くしまってくれないか。目の毒だ」 「ちょっ。どういう意味よそれ!」 「そのまんまだ。」 上条の目の前に御坂美琴の殻を捨て去った雷神が現れた。 体全体が光っている。まるでモンハンのジンオウガだ。 「違うぞ!そういう意味じゃなくてだな…そのつい襲っちまいそうになるから…という意味であってだな」 ポン!!大きな音をたてて顔を真っ赤にした美琴はあえなくノックダウン。 倒れる体を慌てて支える。その際なんか精神衛生上よろしくないものが視界の半分を占めたが、気にしないことにした。 (鉄壁の理性の名にかけて、紳士を貫いてみせる!) んんんという音と共に美琴は目を覚ました。 しかし半分しか意識が覚醒していないのか、いきなり俺の唇を奪いやがった。 これは非常にマズイ。カウントダウンできるまでに理性の壁は破壊された。 10、9、8、7… 「当麻だー当麻だー。えへへ」 「離せえええ」 6、5、4、3… 「それはマズイ。本当に洒落にならないから」 2、1、0 「いいよ…当麻なら」 「私を食べて、当麻////」 「」ブチッ その後のことは省略しておく。ここってそういうスレじゃないしな。 ただ、数時間後ホテルの入り口で異様にげっそりした男性とやけにつやつやした女性のカップルが見られたそうな。 その後の旅行はとても楽しいものとなった。 フランス、スイス、ドイツ、イギリスと回った。 前回はクーデターなどでそれどころでなかったこともあり、非常に新鮮味があり、楽しめた。 そして今日、最終日 「今日で終わりかー。なんか早かったな」 「そうねー。去年は忙しかったものね」 「へーそっちもか。なんかあったのか」 「んー置き去り(チャイルドエラー)とかレベルアッパー事件とかねー」 「大変だったんだろうな」 「当麻が言えたことじゃないでしょ…」 「聞いてるわよ。インデックスを救うために記憶を失って、巫女さんを解放するために右腕を切られて、 学園都市最強の超能力者に喧嘩ふっかけて死にかけたし、世界規模の魔術を解除して、で最後に偽物の魔術師と戦うし、 そのあともインデックスを誘拐した魔術師とケンカしたんでしょ」 「夏休みだけでこれだけよ、普通じゃないわよ!だいたい当麻はいつもいt…」 ああ、始まった。御坂の説教が…一回始まると30分は終わらないんだよなー 「つまり…当麻はこれからは一人じゃn「美琴」くて…何よ」 「愛している」キリリッ 「ふにゃー」 フッ成功だな。チョロいな美琴さん、まだまだだな。 とまあこんな会話をしながら歩いてたのだが…途中である疑問が思い浮かぶ。 「美琴ーなんで港に向かってるんだ?空港行くんじゃ」 「なんかね、私と当麻の親が船のチケット渡してきたの。これ使えって」 「考えてみれば、初めにもらったチケット、片道分しかなかったの。」 「でもなんで別々に…?ちょっくら聞いてみるわ」 prrrr ピッ 「もしもし上条君?」 「こんばんは美鈴さん。一つ尋ねたいことがあるんですけどいいですか」 「別にいいわよん♪それでどうしたのかしら上条君」 「あのなぜチケットをまとめて渡さなかったんですか?それとなんで船のチケットを…」 「ああ、あれね特別な意味ないわよ。ただ渡し損ねただけなの」 「じゃあ船は…」 「んんんー?ねえ知ってる上条君。美琴ちゃんって海のレストランでプロポーズされて、OKしたら海から花火が上がるのがいいんだって。 ちょうど船のレクリエーションで花火上げるらしいわよ」 「ということは…」 「それで合ってるわよ」 「ちょっと待ってください。急すぎませんか?」 「ちなみに指輪も準備してるわよ」 「」 「どうしたの?嬉しさのあまり言葉も出ない?」 「その逆ですよ!美鈴さんの行動力に驚きですよ!」 「すごいでしょ♪じゃあ店の住所送っておくわね。あとは君に任せる。プロポーズするもしないも君の自由よ」 「私たちがしてあげられるのは、舞台を組むところまで、実際台本を作って演技するのは君たちの役目だしね」 「なんかその台本まで作られてるのは気のせいですか…」 「さあね、どうかしら。では頑張りたまえ少年!」 だめだ、美琴には勝てるが、美鈴さんには一生勝てる気しねえ… 「美琴、一度別行動とらないか」 「なんで?」 「ちょっとな…いや危険な事は何もないぞ」 「…分かったわ、じゃあ2時間後に港で集合ね」 「おう。気をつけろよ」 「それはこっちのセリフよ。だいたい当麻、英語読めないでしょ…」 「んぐっ」グサッ 美琴と別れた後、俺は美鈴さんの送ってきた住所を探し回った。 美琴と別れた地点からたった徒歩で10分に位置していたが、なにぶん英語ができない身ゆえ、 着くころにはすでに約束の30分前となってしまった。 さて無事指輪を受け取った俺は、マッハの速さで港へと向かった。 港に着くとすでに美琴がいた。 「遅ーい!!」 「やあごめんごめん。遅いっていっても時間ピッタシじゃねーか」 「むーん」 機嫌を損ねてしまったようだ。なら!! 「ごめんな美琴、ちょっと野暮用で遅くなっちまった。」 俺は美琴を抱きしめながら耳元で囁いた。 「い、いいわよもう…////」 顔を真っ赤にしていう美琴。またもや俺の勝ちだな。 「さて、行くか美琴」 手を差し出しながら言う。 「うん!」 手を握りながら満面の笑みで答えてくれる美琴。 世界一可愛いと思ってしまったのは、美琴には秘密だ。 指定された船乗り場に着いたわけなんだが、船なんてどこにもない。 おかしいと思いながらも、聞いてみたら目の前の黒と白の物体が船らしい。 俺、てっきりビルだと… 恭しいお辞儀に迎えられ、船の中に入ると… 「なんだこれー!!超豪華客船じゃねーか!!」 「そうねー」 「なんか落ち着いてるな、御坂。俺なんてもう脚がガクガク震えてるんだが…」 「まあ、こういうのには慣れてるしね」 「さすがお嬢様…」 「まず俺たちのそれぞれの部屋探すか」 部屋の前ー 「やっと着いたかー。じゃあ御坂、おれここだから」 「うん」 「うん」 「」ドアカラハナレナイ 「うん?」 「私もここよ。」 「えっ」 「ほら」 「ホントだ…」 「つかアンタほんとに部屋別々だと思ったの?」 「いやーこんだけでかいんだし、1人1部屋かなーなんて」 なにはともあれ、御坂を部屋の中に入れてから、俺も入った。 「」 「どうしたのよ」 「」 「ねぇ、ちょっと。無視しないでよ…」 「」 「当麻ぁ」ウルウル 「ハッ」 「当麻ああああ」 そう言って美琴は俺に抱きついてきた。 「あまりの豪華さに驚いてた。なにしろ俺の部屋よりもでかかったからな」 「グスン」 「ああ、ごめんな美琴たん。よしよし」 「ふにゅ」 俺に抱きついたまま、美琴は気持ちよさそうに眠りについた。 「しっかし、船旅って暇だなー」 「そうでもないわよ。いろいろ娯楽施設がそろってるわよ」 「まじか!どんなのがあるんだ?」 「私たちに馴染みがあるもので言えば、プール、映画館、演奏会ね」 「その他にもダンスパーティーなんかがあるけど、当麻ダンスできないでしょ」 「そもそも上条さんの日常に舞踏会なんてもんはありません!でも…美琴と踊れるならやってみたい」 「んにゃ!?分かったわ。じゃあダンス教えてあげるわね。確かパーティーがあるのは2日後だからそれまでに修得しなさいよ」 「了解!この上条当麻どんなに高い壁があっても、美琴お嬢様についていく所存でございます」 そうして俺たちの共同作業(特訓)が始まった。 2日後 朝ー (とうとうこの日が来たか) (俺にはやるべきことが2つある!) (1つはダンスパーティーで美琴をエスコートすること) (もう1つは美琴にプロポーズすること。それもできるだけ自然な流れで) (花火があがるのはダンスパーティーの途中。夕食と言ってデッキに美琴を誘えば完璧だ!) (いけるぞ上条当麻!神様、もしプロポーズがアンタの作ったシステムの通りに邪魔されるっていうなら…まずはそのふざけた幻想をぶち壊す!!) 結局俺は夜まで数百回もイメトレして夜に備えた。 「うー。いざってなると緊張するな」 「まぁ私も緊張してるし」 「どうしたら緊張ほぐれる?」 「言わせないでよぉ…」チュ 「悪い悪い」チュ 「あ、そうだ。言い忘れてたことがあるんだけどさ」 「なんだ?」 「他の子のパートナーチェンジに応じたら焼くからね」テヘ (こええええええ) ちょっと美琴さんヤンデレっぽくなってませんか!? 「ああ、分かってるよ」 俺はそう言うほかなかったのだ。 1曲目が始まった。 御坂は軽やかに、俺はぎこちなさを残しながらもステップを踏んでいく。 しかし、御坂はこういう雰囲気もよく似合ってるなー。 普段とのギャップが俺を虜にした。 曲が進むにつれ、場はいよいよ盛り上がってきた。 あれは何曲めだろうか、御坂はちょっと席をはずすと言っていなくなった。 こちらのミッション開始までにはあと2時間ある。慌てることはない。 と、椅子に座っていたら、いきなり声をかけられた。 前を見ると非常に可愛い女の子(もちろん美琴が一番だぜ)が踊らないかと誘ってきた。 断わるための言葉を選んでたところ、更に女の子が周りに集まってきた。 助けてくれ美琴ー。 お手洗いから帰ってきた私は、当麻のそばに女の子が群れを成している。 何人ぐらいだろう。ざっと20人といったところか…会場いる女の子の10%くらいはあそこに集中しているということになる。 しかも揃って、美人・巨乳・優しそうの三拍子が揃っている感じがする。 今までの私ならここで引き下がってただろう。しかし今は違う。当麻の隣という特等席は私のものなの!誰にも渡さないんだからね! そこまで考えてから、私は当麻の所まで走っていった。 「当麻ああああ。ごめんね待たせて」 「いや、別にいいよ」 「それじゃ踊りに行かない?」 「了解!」 美琴は見せつけるかのように俺の腕に体をまわして、歩こうとする。 周りの女の子はとても残念そうにしている。 はぁぁ、心が若干痛むな… 「ねえ当麻、ここで夕食取りたいなんて急にどうしたのよ」 「いや、なんとなくな。こっちで食べたい気分なんだ」 「ふーん。まぁいいけど」 一旦会話が途切れ、俺達の意識は夕食に向けられた。 「そろそろだな…」 「えっ、何が…」 ドーン!!! ドドーン!!! 「あっ…」 二人はしばらく打ち上げられる花火に見入ってた。 「あ、あのさ御坂…」 「ちょっと、また御坂に戻ってるわy…お」 美琴は最後まで言い切ることができなかった。上条があまりに真剣な眼差しで美琴を見てたからである。 「話があるんだ」 「別れ話以外なら聞くわよ」 「そういうんじゃないんだ」 「俺今混乱してるし、頭も良くねーからストレートに言うぞ」 「美琴!俺はお前を愛している。だからこれからもずっとお前を守らせてくれないか。いつか俺と結婚してくれ!」 「今なんて…」 「二度は言えない。恥ずかし過ぎる」 「じゃあ確認だけ。今結婚してくれって言った?」 「…ああ」 「私幸せすぎる…でも幸せすぎて恐い。あとでなんかバチでも当たるんじゃないかって…」 「大丈夫だ。お前はもっと幸せになっていいんだよ。仮にバチが当たるとしても俺が守ってやるよ」 「本当に?」 「ああ、約束だ。」 そう言って指輪を美琴の薬指にはめた。 「キレイ…」 いつの間にか上条と美琴の顔の距離は20cmくらいしか離れてなかった。 二人の影が重なったのは自然の流れと言えるだろう。 キスの余韻に浸っていた時、美琴は突然聞いてきた。 「ねえ、どうして私の理想のシチュエーション知ってたの?」 「んー?美鈴さんに聞いたんだよ」 「そっか…」 このプロポーズも美鈴さんが考えたもんだってことは言わなくてもいいよな。 「どうする。ダンスパーティー戻るか?」 「ううん、今はこうしてたい」 夜空を見上げる2人の頭上には、夜空にはたくさん星が煌めいていた。 9月1日 俺はたくさんの思い出をつくって、2学期を迎えた。 いろいろありすぎて、本当は全部夢なんじゃないかって思ったりもした。 けど、左手に光るこの指輪が全ては現実であるということを教えてくれる。 きっと俺はこれからも美琴とたくさん良い思い出も嫌な思い出も作っていくんだろうな。 「はあ、平和だなー」 そう呟いて俺はクラスのドアを開ける。 「「「「「「「「上条おおおおお!!!!!!」」」」」」」」 怒声がクラスに響き、気づけば拘束されていた。 「みなさん何をそんなに怒っていらっしゃるんでせうか」 「上条、てめえってやつは…」 「あの噂は本当なの!?上条君!」 「とうとうデルタフォースは全員ロリコンになってしまったか…」 「私信じてたのにー!」 「制裁を下せええ!」 「第67回上条裁判だああ!!」 「放課後覚えてろよ」 「ぜってえ死刑にしてやる」 「上条君を殺して私も死ねば…」ブツブツ 「おい、こいつ指輪してるぞ!」 「お前のせいで俺達は彼女ができないんだー!」 アレ?一人なんか特にヤバイの居たよな… ガラッ 開いたドアの向こうには般若の顔をした小萌先生がいた。 「上条ちゃーん、上条裁判覚悟しとけなのですよー」 「いやだあああああああ」 放課後ー 俺は級友2人を殴って、自らも顔面に怪我をするなどといった犠牲を払って、校門まで辿りついた。 そこで待っていた美琴がなんか怒鳴っている。 俺は有無を言わさず、手を握って走り出した。 「美琴、話は後だ。今はとにかく逃げ切るぞ!」 「えっ、ちょっと。どういうことよこれ」 「捕まればコンクリ詰めで海に沈められるのは必至だ!」 「おい、アイツを逃がすなー」 「ドラム缶を用意しておけ!」 「通行人のみなさん、そこのツンツン頭を捕まえてください。そいつは凶悪事件の犯人です」 あいつらなんてこと言いやがる…!上条さんを社会的に抹殺する気か!? 「当麻、一生この手を離さないでね」 そう言う美琴の顔はとても楽しそうで、俺はつい叫んだ… 「ああ、もう…不幸(しあわせ)だー!!」 Fin 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の旅行物語
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前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男女の恋愛生活 Always_On_My_Mind 昨日の雨は、夜に一旦晴れ間をのぞかせたものの、明け方前から、またしとしとと、降り出したようだ。 雨に濡れた夜は、濡羽色のように街の灯りを鈍くきらめかせ、青白くあたりにまき散らす。 東の地平近くの空は、ゆっくりと紺青色から、瑠璃色へとその明るさを変えつつある時間。 夜明け前のしんと静まり返る空気が、空から落ちる黒銀色の雫に洗われて、冷えた清浄な情感を漂わせている。 深遠の底から浮き上がるように、意識を取り戻した御坂美琴は、恋人、上条当麻の胸に顔を埋め、彼に抱かれるようにして眠っていた自分に気が付いた。 身体の奥底に残る情愛の名残りと、喉の渇きを静めるために、ぼんやりした頭のままでベッドから身を起こす。 上条の腕からそっと離れる時、彼は一瞬、――う……ん……と、うめき声を上げたものの、再び穏やかな寝息をたてはじめた。 素肌に羽織ったパジャマの乱れを直しながら、美琴はキッチンへ向かうと、コップに汲んだ水をこくりと飲み干し、ふぅと息を継ぐ。 彼のために着けた香りと、彼の手で着けられた匂いが綯い交ぜとなって、微かに彼女の鼻腔を刺激し、落ち着かせるはずの感情を、また高ぶらせようとする。 気が付けば、安堵の気持ちよりも、不安な気持ちを大きくしている自分がいた。 思わずきゅっと、両手で自分の肩を抱き、昨夜の営みを思い返して息をつく。 キスから始まるメイクラブ。強く抱き締められて、彼の腕の中で味わう温もりと安らぎ。 上条と契りを結んで日が浅く、成長途上の彼女の肉体は、歓喜の瞬間をまだ知らない。 それでも美琴は、自分の中へ上条が入ってくる、その瞬間が最高に好きだった。 ぐにゅりと壁を広げながら、彼が自分の中へ押し入ってくる感覚に、心も身体も幸福感で満ち溢れる。 自分が上条で満たされ、彼の息吹と体温を感じながら、御坂美琴という、上条にとってただ1人の女になる至福の時が堪らなかった。 身体の内外に残る上条の痕跡だけが、様々な不安に立ち向かう彼女の武器であり、美琴が上条に求めた絆の証。 それでも今夜はなぜか、心の奥から沸き立つような不安感を押さえることが出来ず、美琴は無言で部屋の窓に近寄り、カーテンの隙間から外へと目をやる。 雨雲に覆われているはずの空は未だ暗く、闇から闇へと落ちる雨だれだけが、ガラスを通して聞こえてくる。 その音が、彼の腕の中で聞いた心音と重なり、彼女の胸中に再びうっすらとした影が広がりかける。 明るい空を見たくとも、ガラスを通して見えるのは、夜明け前の一番暗い闇の色。 それを目にして、つい漏らしてしまった、切なげなため息が、ますます自分で自分の胸を締め付けていく。 昨夜は2人で、明るく振舞って、初めて花火で遊んだ。 だのに今は、これほどまでに気分が重く感じられる。 上条は今日、イギリスへ向けて一人旅立つ。 3、4日ほどの海外出張の様なもので、イギリス清教からの正式な依頼らしく、理事会発行の許可証まで揃えられていた。 今回は彼の右手の能力だけが必要なようで、インデックスもここ学園都市で、美琴と一緒に留守番をする。 何等危険性のない仕事だというが、それでも彼の無事を祈る気持ちが、彼女の中に膨らんでいく。 かつて何度も上条の不幸や、巻き込まれ体質というものを目にしていれば、美琴が無事を願ってしまうのも無理はない。 彼を案ずるあまりに、自らの不安に苛まれて、美琴の視界が思わず知らず滲んできた。 「当麻……」 ぽつりと口をついて出た愛しい彼の名前。 口に出すほどに、ますます上条への思いと、不安が募る。 ゆるんだパジャマの胸元から流れ込む冷気が、心の温みさえも一気に冷まし、思考を重く冷たく変えていく。 何かにすがるように、ぎゅっとカーテンを握り締めると、つい涙が零れそうで目を瞑った。 まぶたに浮かんだのは、彼に手を伸ばし続けて、あと少しというところで届かない指先。 自分の手の届かないところへ消えていく、上条の姿が脳裏を横切り、彼女の胸は押しつぶされて苦しい悲鳴をあげた。 「――当麻ッ……」 思わず上げてしまった叫びのような声に、はっとして振り返って見た先に、すやすやと眠る上条のシルエットがそこにある。 そっと近付き、薄暗い部屋の中に浮かぶ、輪郭のような彼の寝顔を、確かめるようにじっと見つめた。 ゆっくりと上下する胸の動きと、微かに聞こえる寝息が彼女に安堵感を与えていく。 「よかった……」 ふと口をついで出た声の正体は、彼を起こさずに済んだからなのか、それとも自分の醜態を見られずに済んだからなのか。 それともあるいは上条が、美琴の目の前に、現実として生きているからなのか。 彼女は不吉な思いを払いのけるかのように、頭を振ってもう一度、そこに眠っている男の顔を覗き込んだ。 いつのまに自分はこれほど弱虫になったんだろうと思う。 あの時、当麻のために強くなる、当麻を守りたいと、白井と語ったのは、なんだったのか。 好きになればなるほど、ますます彼から離れられなくなり、まるで蟻地獄のように、不安から抜け出せなくなっていく自分が不甲斐ない。 「ねぇ……お願いだから……無事に、帰ってきて……」 美琴はそう小さく呟くと、目から零れた滴を拭い、再び彼の腕の中へとその身をもぐりこませた。 昨夜の天気予報によると、今日は午前中は多少の雨が残るものの、午後は晴れるといっていた。 お昼前には、小萌先生の家までインデックスを迎えに行き、そのまま空港まで上条の見送りに行く。 美琴とインデックスは、空港では彼を明るく見送ろうと決めていた。 だからせめて今だけはと、美琴は声を上げずに、上条の胸の中で体を震わせていた。 いつのまにか上条が目を覚まし、彼女を抱きしめる手に、力を込める。 美琴は一瞬、体を硬くしたが、やがて彼の胸にすがり付いて、静かに泪を流しだした。 「ちゃんと帰ってくるからさ、そんなに心配すんなよ」 上条が、美琴の耳元でぽつりと囁やいた。 彼女の肩がビクッと震える。 「お前をおいて、1人でどこかへ消えるわけにはいかないだろ?」 その声に美琴は、上条の顔を見ようとした。 薄暗い部屋の中では、彼の表情がはっきり見えない。 美琴には上条が、自分のために、優しい顔をしていることはわかる。 それでも彼の瞳の奥にあるものは、夜の闇に隠されて、彼女には見えない。 「俺は必ずここへ、必ずお前の元へ帰ってくるから……」 そうやって言い切られるほどに、美琴の胸が辛くなる。 彼女は思う。やっぱりコイツは、私と違って強いんだと。 誰にも頼らず、記憶を失ってさえも、自分の力で立ち、自分の道を進み続ける。 救いを求める人のために、自身の恐怖にも立ち向かい、こうして戦いの場へと行ってしまう。 そんな上条の強さを感じるたびに、美琴は自分の弱さが身に染みて、辛く耐えられない思いをかみしめる。 (私はこんなに不安で怖いのに、どうしてアンタはそんなに平気な顔でいられるのよ……) 自分はどうしたって彼の横には、並び立てないんじゃないかと思ってしまうのだ。 上条が伸ばした手から、どんどん離れていく自分の手。 追いかけて追いかけて、やっとつかんだその手が、また引き離されるような感覚。 彼に優しくされるほどに、辛くなるのはなぜなのか。 「ほんの数日、出掛けるだけのことじゃないか」 それまで息を殺して泣いていた彼女の心が、上条の気遣いに触れた途端、声を上げて弾け跳んだ。 (私だって、もっと当麻の力になりたいのに。なのにアンタは、どうして……頼ってくれないのよ……) 彼女が流す涙の意味は、別れの悲しみ、寂しさとは違うもの。 (本当に当麻と一緒にいていいの?私はこんなに弱い人間なのに?お願いだから……今の気持ちを教えてよ、当麻……) 「美琴がいるから、俺は帰ってくるんだからさ」 上条の言葉に嘘はない。されど未だ『言いたい気持ち』を正直に伝えるまでに至らない上条には、美琴の涙の意味がわからない。 (俺だって不安なんだ。だけどそれを言えば、余計に美琴を不安にさせちまう……) 彼女を不安にさせまいとする彼のその優しさが、かえって彼女を苦しめていることに上条はまだ気付かない。 美琴が抱いた様々な感情は、上条が心の内を明かすことで昇華されるはずなのに、彼が正直になれない為に、美琴も自分の苦衷を吐き出すことができない。 彼女の心を支えるのは、決して優しさや気遣いだけではないことを、上条はまだ気付けない。 「上条ちゃん、公休手続きはこれで全部ですね。残りは先生のほうでしておきますから、もう大丈夫なのです」 「いつもすみません。それじゃ後のこと、よろしくお願いします、先生。」 翌朝、上条が小萌のアパートで公休手続きを済ませている間、美琴とインデックスはにこやかな顔で二人のやり取りを見ていた。 学園都市の七不思議の一つとも噂される、幼女先生が明るく悪魔の微笑を浮かべている。 「上条ちゃん。先生は上条ちゃんが出掛けてる間に、課題と補習の準備をしておくのです。だから上条ちゃんは安心して、お仕事に専念したらいいのですよー」 「ふ、不幸だ……」 公休扱いなので、出席日数への影響ないとはいえ、帰ってきてからの課題漬けの日々を思うと、さすがにちょっと気が重い。 上条の憂鬱を知ってか知らずか、美琴は苦笑しながら小萌に頭を下げた。 小萌はそんな美琴に顔を向けると、やさしい笑顔を見せて彼女に言う。 「御坂さん、上条ちゃんが帰ってきたら、家庭教師役はお願いするのですよー」 「任せてください、月詠先生……」 美琴が喜色満面の笑顔で返事をする。 「――当麻のことは、最後まできちんと面倒見ますから」 「とうまはみことがいないと、なにもできないんだよ」 「美琴センセーには、本当にいつもお世話になってます……」 インデックスの指摘に、美琴が頬を染めて俯いた。 上条が申し訳なさそうな笑みを浮かべ、恥ずかしそうに頭をがりがりとかいている。 青春ですねーと小萌はニコニコと3人のやり取りを、優しい目で眺めていた。 「では、上条ちゃん、いってらっしゃいなのです。くれぐれも気をつけるのですよー」 「では小萌先生、いってきます。クラスの皆にもお土産買ってきますから」 「こもえ、昨夜はありがとうなんだよ」 「月詠先生、インデックスのことも、ご迷惑をおかけしました」 部屋の玄関先で、改めて頭を下げる3人の姿に、小萌はほんわかした思いを抱く。 表の顔を一枚捲れば、大人達のドロドロした欲望が、子供達を食い物にしようとするこの街で、手を携えてそれを乗り越えて行こうとする3人の姿を見ると、それを見守っていく大人として、導いていく教師として、喜びと責任感が彼女の胸に火を灯す。 例えそれが、自分たち以上の力を持つ能力者だとしても、未来を作る若者達を支えるのは、大人達の大切な仕事なのだ。 「では御坂さんとシスターちゃん、上条ちゃんのお見送りをお願いするのです」 「こもえ、お願いされたんだよ」 「はい。それじゃ、空港まで見送りに、行ってきます」 やがて3人の姿が、通りの向こうの角へ消えようとする時、上条ちゃーん、元気で行ってくるのですよーと小萌が笑顔で手を振り叫んでいた。 上条が彼女の方へ笑顔を向けると、大丈夫ですとでも言うかの様に、右手を上げてその声に応える。 美琴とインデックスは同じく笑顔で小萌に手を振りながら、角の向こうへ姿を消した。 明け方までの雨は、すっかり止み、白鼠色の雲の間に、露草色の空が見えている。 時折顔を出す太陽は、初夏の日差しを照らし出そうとしていた。 地上の露を巻き上げるように吹く風が、湿った空気をかき回し、向こうの曲がり角を見つめ続ける小萌の髪をやさしく撫ぜていく。 やがて彼女は目を瞑ると、何かを思い返すように身じろぎもせず、しばらくの間、その風に身を任せていた。 ロンドン・ガトウィック空港へ向かう超音速旅客機が、第23学区にある学園都市国際空港の駐機場で、静かにその出発を待っていた。 空港上空の天候はすっかり回復し、ターミナルの大きな窓からは、明るい日差しが差し込んでいる。 チェックインカウンターで搭乗手続きを終えた上条が、出国ゲートへ向かう。 搭乗開始までまだ時間はあるものの、出国手続きの手間を考えると、あまり余裕はない。 国際線出国ゲートの前では、あちこちで別れの光景が繰り広げられていた。 ゲートの奥は出国窓口があり、ここから先は搭乗者しか入れないからだ。 上条、美琴、インデックスの3人は、そのゲートの傍らで、無言のまま互いを見合っていた。 照れや恥ずかしさ、別れの寂しさや悲しさ、不安や心配、様々な感情が彼らを取り巻いて、その渦から逃さない。 美琴は、上条を笑顔で送り出そうと決めていたものの、いざその時になってみると、今朝のことが頭をよぎって笑顔になれない。 笑おうと焦れば焦るほどに、頭の中がぐるぐるとして、ますます彼女の思考を混乱させる。 やがてついには、ぽとりと泪がこぼれてしまった。 「ごめん……。こんなつもりじゃ……なかったんだけど……」 止めようとすればするほど、後から後からとめどなく泪が溢れる。 「――ほんとにッ……、当麻のッ……前……でッ……」 言葉にならず、そのまま顔を押さえて立ちすくんだ。 上条がそんな美琴を、無言でぎゅっと抱き締める。 やがて気持ちも少し落ち着いたのか、やがて涙を拭いながら美琴が顔を上げた。 「ごめんね、当麻……。笑って見送ろうと思ってたのに……泣いちゃって」 「いいから、気にすんなって。誰だってこういう時は泣きたくなるんだろ?」 そう言いながら彼は優しい笑顔で、わしゃわしゃと、美琴の頭を撫ぜる。 そんな2人のやり取りを、横で眺めていたインデックスが、いつしか美琴の涙に濡れた顔をじっと見つめていた。 やがて彼女はふと、何かに思い至ったように、突然上条への死刑を宣告する。 「とうま!みことをこんな風にしちゃって、帰ってきたら噛み付いてやるから、覚悟しておくんだよ!」 「な、なんですか?インデックスさん!上条さんは何も身に覚えがないんですけど!?」 「だから噛み付いてやるって言ってるんだよ!ばかとうま!!」 「だから何言ってっかわかんねえよ!」 ぎゃあぎゃあと別れの雰囲気をぶち壊す、兄妹喧嘩のような2人の様子に、美琴の気持ちがどん底から引きずり上げられる。 涙を拭いながら、クスリと笑った彼女が、やっといつもの笑顔になった。 「はいはい、2人とも。せっかくの見送りなのに喧嘩しないの!」 美琴に注意されて、インデックスがむぅーと膨れながら引き下がる。 上条も周囲の冷ややかな視線に気付いて苦笑いを浮かべていた。 やがてはっと気付いたように、時間を確認して、上条は2人に言った。 「美琴、インデックス。もう時間だから……」 彼の顔にはすでに笑顔はなく、彼女らの姿を、まるで自分の脳裏に刻み込むように見つめている。 美琴もインデックスも、別れを惜しむように、上条の顔をじっと見ている。 その沈黙に耐えられなくなったインデックスが、涙目で上条にきゅっとしがみついた。 「いってらっしゃいなんだよ。とうま」 不意に上条の笑顔が歪んだようになり、目尻にも光るものが浮かんで見えた。 美琴の心臓がドキリと鳴ったような気がした。 彼女が初めて目にした、泣きそうな顔の上条。 「おいおい、ほんの数日のことだぜ。泣くほどのもんかよ、インデックス」 そう言いながらも、上条はグイと自分の手の甲で両目を拭い、インデックスの頭を撫ぜた。 照れて恥ずかしそうな彼の顔は、目が潤み、上気したように赤くなっていた。 「とうまだって、泣いてるんだよ」 インデックスが手で涙を拭き、笑顔で上条を見上げる。 美琴は2人のやり取りを見ながら、どことなく安心したような、ほっとした気持ちを味わっていた。 上条がやがて気を取り直したように、美琴に向かって笑いかけると、彼女を抱き締めて、軽く口付けた。 美琴も彼を強く抱き締め返すと、耳元でそっと呟いた。 「私はもう大丈夫よ。いってらっしゃい、当麻」 その言葉に上条が安心したように、嬉しそうな顔をした。 「行ってくるよ、美琴」 美琴とインデックスの笑顔に見送られた上条は、手を振って笑顔でゲートの中へ消えていった。 空港ターミナル屋上の送迎デッキから、美琴とインデックスは、上条が乗る、超音速旅客機を眺めていた。 白く輝く細長い機体には、ケーブルや燃料パイプが、まるで電極や点滴のチューブのように繋がれている。 機首近くの乗降口に接続されているボーディングブリッジは、さながら人工呼吸器のようだ。 カーゴを積んだパレットカーが、あたかも手術中の患者のように、開腹された貨物室へ、最後のコンテナを臓器のように押し込んでいる。 機体の周囲に群がるグランドスタッフの姿が、手術スタッフのごとくに見えた。 いつのまにか搭乗開始時刻になったようで、ガラス張りのボーディングブリッジに、搭乗客の姿が列をなす。 アームのように伸びたその通路を進む乗客の中に、見慣れたツンツン頭の少年が見える。 時折立ち止まっては、きょろきょろとこちらの送迎デッキの方を見上げているようだ。 彼を認めた美琴とインデックスは、手すりから身を乗り出すようにして、上条へ向けて思いっきり手を振った。 同時に彼も、彼女らの姿を認めたらしく、こちらへ向けて手を振り返す。 案内スタッフに声をかけられたか、やがて名残惜しそうに、ちらちらと2人の方へ手を振りながら、上条の姿は機体の中へと吸い込まれていった。 その頃には、ケーブルやチューブなどは全て機体から外され、胴体下の貨物室も、縫合されたようにピッタリと閉じられる。 機首下の前脚に、トーイングトラクターが連結されて、いつでも患者を搬送できるよう準備が整った。 人工呼吸器を外すように、機体と橋をつなぐ蛇腹のような幌が取り外されると、伸ばした腕を曲げるように、するするとブリッジが折りたたまれる。 まだ開いていた機体の乗降口が静かに閉じられ、やがてエンジン音が徐々に大きくなり、あたりに響き渡る。 地上誘導員が手旗を振りながら、トラクターに押された大きな機体を誘導路へと案内していった。 駐機場の端には、グラウンドスタッフが横一列に並び、帽子を右手に高く掲げ廻すように振って、離陸する機体を見送っている。 尖った鉛筆のような機体に、機首の後ろについた小さなカナードと、機体の後ろについた大きなデルタ翼が特徴の超音速旅客機。 ターミナルから離れ、誘導路に停止した機体から、トラクターが離れる。 しばらくすると、耳に突き刺さるような高いエンジン音が一際激しくなり、タキシングが始まると、ゆっくりと滑走路へ向けて動き出した。 ここからは機体に並んでいる窓の様子は見えない。 それでもどこからか上条が見ているような気がして、美琴もインデックスもずっと手を振り続けている。 やがて機体の姿はどんどん小さくなると、滑走路の端へ進入しゆっくりと向きを変えた。 しばらくじっとしていたかと思うと、離陸許可が出たのか、爆発するようなエンジンの轟音が響き、機体の後ろにちかちかと陽炎が煌めく。 するすると滑るように滑走路を走り出したかと思うと、途中から一気に加速を強め、機首がぐぐっと釣り上げられるように、その顎を持ち上げた。 機体全体が放たれた矢のように、地上を離れ、白灰色の雲を突き破って、真直ぐに上へ上へと進んでいく。 翼の下に並んだエンジンの、金色に輝く光が徐々に小さくなっていく。 翼の両端から白く筋のような雲を引いて、やがてそれは遠ざかる轟音と共に、蒼い天空の彼方へと消えていった。 前ページ次ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある男女の恋愛生活
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18スレ目ログ ____ ________________ 18-10 夢旅人(15-189) ミサカネットワーク上のアリア ~Aria_ on_ MISAKA-NETWORK 18-29 くまのこ(17-598) もし学園都市最強の電撃使いが初めからデレていたら 18-77 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 5 第5話『プレゼントタイム』 18-106 くまのこ(17-598) とある不幸な都市伝説 7 3日目 中編 18-110 くまのこ(17-598) 小ネタ 未来的日本昔話 「ビリビリ」 18-127 たくみ(18-126) 何かのプロローグ 1 18-137 たくみ(18-126) 何かのプロローグ 2 18-156 ひろたか(18-154) 八月の詩 1 18-166 ひろたか(18-154) 八月の詩 2 18-173 月見里(12-676) 洒涙雨 1 ―前編― 18-192 夢旅人(15-189) 灯籠流し ~Love_comes_quickly 1 前編 18-201 くまのこ(17-598) もし常盤台の超電磁砲が初めからデレていたら 18-206 ひろたか(18-154) 八月の詩 3 18-214 かぺら(5-906) 夏休みの終わりには 18-231 つばさ(4-151) 素敵な恋のかなえかた 13 恋、はじまる 18-242 17-491 上条さんを悩ませたかったんです ガールズサイド(ほとんど美琴) 18-260 夢旅人(15-189) 灯籠流し ~Love_comes_quickly 2 後編 18-279 月見里(12-676) 洒涙雨 2 ―中編― 18-292 つばさ(4-151) 素敵な恋のかなえかた 14 恋、はじまる 18-303 くまのこ(17-598) もし最強無敵の電撃姫が初めからデレていたら 18-312 つばさ(4-151) 素敵な恋のかなえかた 15 恋、はじまる 18-325 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 6 第6話『ウソとホント』 18-331 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 6 第6話『ウソとホント』 18-343 くまのこ(17-598) とある不幸な都市伝説 8 3日目 後編 18-350 月見里(12-676) 洒涙雨 3 ―後編― 18-367 つばさ(4-151) 素敵な恋のかなえかた 16 恋、はじまる 18-389 くまのこ(17-598) もし32万8571分の1の天才が初めからデレていたら 18-397 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 7 第7話『壮絶なるビンゴ大戦』 18-402 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 7 第7話『壮絶なるビンゴ大戦』 18-417 つばさ(4-151) 素敵な恋のかなえかた 17 恋、はじまる 18-431 夢旅人(15-189) とある男女の恋愛生活 6 Always_On_My_Mind 18-441 またーり三世(18-440) 美琴 「黒子聞いて、新しい能力を開発したわ」 18-452 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 8 第8話『壮大なるビンゴ大戦』 18-466 くまのこ(17-598) 酔い上さんは絡み酒 18-475 くまのこ(17-598) 酔い琴さんは泣き上戸 18-483 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 9 第8話『壮大なるビンゴ大戦』 18-494 夢旅人(15-189) とある男女の恋愛生活 7 Always_On_My_Mind 18-510 くまのこ(17-598) とある不幸な都市伝説 9 4日目 上条編 18-519 D2 ◆6Rr9SkbdCs 小ネタ ぴろーとーく 18-529 久志(18-529) 小ネタ 着うた 18-540 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 10 第9話『走れ、上条』 18-554 くまのこ(17-598) 3人のゲテモノメイドと+α ですの 18-562 ぐちゅ玉(1-337) よんでますよ、カミジョーさん。 1 18-569 ぐちゅ玉(1-337) よんでますよ、カミジョーさん。 2 18-586 い~む(16-135) 未来からの来訪者 13 ~5th day まこみことうま~ 18-605 くまのこ(17-598) もし御坂家の御令嬢が初めからデレていたら 18-608 くまのこ(17-598) 小ネタ 上と琴でイチャイチャさせてみた 18-651 琴子(4-448) 小ネタ 上条さんと家庭教師(美琴さん) 18-659 夢旅人(15-189) Just_Married ~私たち結婚しました 18-702 くー(18-699) どっちも負けず嫌い 1 18-715 月見里(12-676) ふたり 18-739 くー(18-699) どっちも負けず嫌い 2 18-754 アクセ(18-753) 二人の鈍感 18-766 17-491 友達ルート? 1 18-783 蒼(4-816) Presented to you 9 ―beginning・一二月三日②― 18-793 夢旅人(15-189) 愛してると言って ~Say_You_Love_Me 18-817 ソーサ(14-457) とある少年の帰還記念祭 11 最終話『すべての真相』 18-829 琴子(4-448) とある10人のハロウィンパーティ 1 Let s_do_something! 18-842 夢旅人(15-189) その香りは誰がための 18-858 久志(18-529) 小ネタ 上琴ドッキリマル秘報告 18-871 くまのこ(17-598) 集結!御坂DNA だとよォ 18-893 18-892 小ネタ 正夢? 18-933 くー(18-699) どっちも負けず嫌い 3 18-940 mm(18-939) 上琴の勉強会 18-956 くまのこ(17-598) いちゃいちゃって難しい 18-975 O.T.(18-974) この半径30cmの中で Way_to_Answer. ▲