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三國志III 機種:PC98,FMT,X68k,SFC,MD,MCD,PCECD,Win,PS,DS,EZアプリ,Vアプリ,iアプリ,3DS,Android,iOS 作曲者:向谷実 開発元:光栄 発売元:光栄 発売年:1992年 概要 「三國志」シリーズの第3作目。 前作『II』と比べかなり武将が増えたほか、支配対象が国単位から都市単位に変更。 戦略性の高さとプレイのしやすさからシリーズの中でも特に人気が高い。 本作をベースにしたニンテンドーDS版『三國志DS』、モバイルアプリ版『Mobile三國志3』、ニンテンドー3DS版『三國志2』も発売された。 音楽は前作に引き続きカシオペアの向谷実氏が担当。 本作で「自勢力の大きさごとによってBGMが変わる」という仕様を初めて取り入れた。 中勢力時に流れる「蚊竜雌伏(メイン試練)」や、ゲームの仕様上あまり聞く機会がない「波濤の攻防(海戦)」の人気が高い。 収録曲 No.(SW) No.(Win) 曲名(SFC版) 曲名(サウンドウェア) 備考 順位 01 OP オープニング 星辰 オープニング 02 07 通常メイン 蒼天黄土 メイン(支配都市1~3) 03 02 メイン元気 英傑決起 メイン(支配都市4~8) 04 16 外交 使者奉迎 外交 07 03 メイン試練 蚊竜雌伏 メイン(支配都市9~24) 19 09 海戦・通常 波濤の攻防 海戦 10 海戦・優勢 12 08 放浪メイン 彷徨 メイン(放浪時) 08 21 緊迫 現下喫緊 イベント発生 10 15 HEX戦劣勢 劣勢 戦争不利 11 18 敗北 落葉 戦争敗北 13 19 死亡・後継者選択 深憂 君主死亡・後継者選択 09 04 メイン進軍 疾風迅雷 メイン(支配都市25~35) 18 06 メイン最高 皇宮の宴 メイン(皇帝時) 14 20 美姫 傾国の美姫 美女連環の計 05 11 野戦・通常 旗鼓の間 野戦 12 野戦・優勢 17 22 帝 帝 献帝イベント 16 13 攻城戦・通常 焔の城壁 攻城戦 14 攻城戦・優勢 06 17 勝利 勝利の喊声 戦争勝利 15 05 メイン壮大 空水悠久 メイン(支配都市36~46) 20 星辰-リプライズ 「星辰」のアレンジ エンディング・メドレー 「美姫」「海戦・通常」「メイン最高」のメドレー サウンドトラック 三國志III アレンジ音源によるサウンドウェア。Win版には戦争メドレー曲を(それぞれ使用場面別の部分に)分割した上で使われている。 光栄オリジナルBGM集Vol.7 三國志III/スーパーロイヤルブラッド SFC版音源+エンディング・メドレー。『スーパーロイヤルブラッド』のゲーム音源と合わせて収録。 光栄ベスト・オブ・ベスト 三國志 究極音盤 サウンドウェアから「蒼天黄土」「疾風迅雷」「旗鼓の間」「劣勢」「傾国の美姫」「波濤の攻防」「彷徨」「焔の城壁」「皇宮の宴」の9曲を収録。 THE BEST OF KOEI Vol.4 サウンドウェアから「星辰」「蒼天黄土」「疾風迅雷」「彷徨」「傾国の美姫」「焔の城壁」「空水悠久」の7曲を収録。 KOEI BATTLE SPECIAL Vol.1 サウンドウェアから「旗鼓の間」「劣勢」「焔の城壁」「波濤の攻防」の4曲を収録。 三國志歴代サウンドトラックCD 「三國志」30周年記念歴代タイトル全集 同梱 Disc3にサウンドウェア音源を収録。 「三國志」30周年記念コンサートCD 三國志13 with パワーアップキット TREASURE BOX 同梱 『三國志13 with パワーアップキット』記念版の特典。神奈川フィルハーモニー管弦楽団と向谷実氏の演奏による「星辰」を収録。
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このページでは『三國志III』(良作)と『三國志DS』(判定なし)を紹介する。 三國志III 概要 前作からの改良・変更点・評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 三國志DS 概要(DS) 追加・変更点 評価点(DS) 問題点(DS) 総評(DS) 三國志III 【さんごくしすりー】 ジャンル 歴史シミュレーション 対応機種 PC-9801、FM TOWNS、X68000、スーパーファミコン、メガドライブ、メガCD、PCエンジン スーパーCD-ROM2、プレイステーション、Windows 95~XP、Macintosh 発売・開発元 光栄 発売日 【PC98】1992年2月20日【FM TOWNS】1992年6月1日【X68000】1992年6月17日【SFC/MD】1992年11月8日【MCD】1993年4月23日【PCE】1993年10月1日【PS】2002年2月22日 定価 14,800円(税別) 判定 良作 三國志シリーズ 概要 『三國志』シリーズの3作目。 それまでのシリーズと同様に、三國志の君主の一人になって中国全土、全46都市の統一を目指すことが目標。 シナリオは6つ(カッコ内はゲーム機版のシナリオ名) 189年 霊帝没し董卓の暴政極まる(反董卓連合軍の結成) 194年 天下乱れ群雄全土に割拠す(群雄割拠、乱世再び) 201年 劉備雌伏し、新野に借城す(曹孟徳、覇道を往く) 208年 臥龍中原に舞い天下を望む(知謀の人、諸葛孔明) 221年 孫権独立し三国の鼎立成る(劉玄徳、蜀漢を建国) 235年 姜維、亡き孔明の志を継ぐ(三国鼎立崩壊の予兆) メガ-CD版、PCエンジン版では、次のシナリオが追加された。0. 184年 黄巾の乱 前作からの改良・変更点・評価点 「知力」と「政治」のデータが分割 謀略に秀でた武将と、内政に優れる武将との差別化がなされた。 「武力」と「陸軍指揮」「水軍指揮」のデータが分割。 「指揮」は武将が持てる兵数に影響し、兵数が多ければ攻撃力も高い。これにより、武勇は持ち得ないが用兵に優れた智将という個性も作られた。 なお「陸軍指揮」「水軍指揮」は今作のみのステータス。『IV』以降ではそれらは「統率」に統合され、水戦に優れた武将たちは別の形で表現されている。 もっともそのせいで「武力」の意味が弱くなった面もある。一騎討ちでも明らかに勝てるほどだと敵が受けてくれないし。 武将に対し、軍師・将軍・文官・武官という4つの身分が与えられるようになった(*1)。それぞれ可能なコマンドが異なる。 とはいえ基本的にはどの武将も好きな命令を実行させられるので、窮屈さを感じさせないシステムである。 武官は内政が不可、文官は兵士を持てず軍事が不可と制約は多そうに見えるが、武官と文官はほぼ無制限に入れ替えが可能。 文官・武官はコマンドに制約がある代わり、内政・訓練・戦争準備(兵士士気を高める)・情報コマンドは最大6ヶ月間、捜索コマンドは最大2ヶ月間継続して出すことができる。同じ能力値なら、長期間従事させた方が効率が良くなる仕組み。 故に、軍師・将軍の資格があっても、敢えて文官・武官として使うメリットもあるわけである。 また、毎月同じコマンドを入力する手間がかからないという事でもある。 PC版のみ、将軍には二文字まで命名することができる。命名の有無や内容でパラメータの変化などはない。 王平に「牙門将軍」や関羽に「偏将軍」や「五虎将軍」と命名する、などといった楽しみ方ができる。 新君主・新武将システムの発展 今作から、事前にキャラを作成しておき、ゲーム開始時にそれらを登場させるか否かを選ぶ、という形式になった。 これによりかなり多数の新武将を登場させることができるようになった。 今作以降、これが新武将の扱いのスタンダードとなる。 一騎打ちの強化 前作では一騎打ちは戦争開始時に一度だけ行う形だったが、戦闘中のコマンドに変更され、いつでも行うことが出来るようになった。 一騎打ちを断られると、しかけた武将の体力が減るが、相手の士気も減らす効果がある他、仕掛けられた武将の性格によっては勝手に受ける場合もある。 前作の一騎打ちの演出は部隊が攻撃しあうだけで非常に簡素なものではあったが、本作では実際に馬に乗った武将同士が斬り合うアニメーションが用意され、前作より大幅に雰囲気は増した。 アニメ自体は簡素だが戦闘中に発する武将のセリフはバリエーション豊富であり、ワンパターン感は感じさせない。 時折、必殺技を繰り出して(*2)勝負をひっくり返したり、武将同士に武力差がありすぎる場合は一撃で屠られたり、討ち死にする場合もある。 戦争の強化 「五丈原」「赤壁」等の古戦場の概念が追加され、都市と都市の間に古戦場がある場合は、古戦場を支配しなければ相手の都市を攻める事が出来ない。そのため、シリーズで初めて野戦や水戦の概念が登場した。 兵装を買う事で「騎兵」「弩兵」「強弩兵」を編成する事が出来るようになった。シリーズで初めて遠距離攻撃の概念が追加された。 戦場は「昼夜の概念」や「霧や豪雨の天候」が追加され、視野が狭くなる事により戦場での索敵要素が強化された。 戦場で行えるコマンドも増加し、「同士討ち」や「偽伝」などの計略が増えた他、戦闘開始時に「落とし穴」を掘ることが出来るようになった。 シナリオに諸葛亮死後の時代が初めて登場。武将数も531人と大幅に増加(*3)。 『I』、『II』、そして本作と武将数は増加の一途をたどったが、次作でいったん整理されることになる。そのため、本作のみ登場した武将は多い。 曹芳、曹髦、曹奐、孫休、孫皓(孫晧)が追加され、三国の皇帝がシリーズで初めて勢揃いした。 ただし末期の武将はまだ少なく、攻略に時間がかかると武将が足りずに詰むこともある。 羊祜は追加されたが杜預は登場しないなど、末期武将の追加は道半ば。 戦略時の計略対象の変更 前作では、計略を仕掛けることができるのは本国のみである代わり、中国全土に仕掛けることができた。本作では、本国以外でも計略が可能になり、代わりに隣接都市のみが対象になるよう変更された。 AIの進歩 『II』と違って戦闘をAIに任せてもそこまで馬鹿な行動はとらなくなった。 AIに任せても中国統一を達成する勢力が出るようになった。ただし、前作ほど空白都市の占領を優先しないため、空白都市を埋めれば終わりにもかかわらず、空白都市を放置して武将切れゲームオーバーになることも多い。 しかし、前線と後方の区別は前作より劣っている。具体的には、他国と隣接していない安全地帯に、数十人(後述するDSリメイクでは100人を超えることも)の武将と数十万の軍勢が駐屯し、最前線が手薄になっている。 また、バグか仕様か不明だが、AI担当国(プレイヤー委任国含む)で兵士の再編成を実行すると、兵士が増殖することがある。増殖はその都市の武将数が多いほど起こりやすいので、初期段階で1国に大量に武将を抱える君主(189年シナリオの袁紹など)はいつの間にか大軍を抱えていることがある。増殖した兵士は、訓練度・士気は元のまま引き継ぐのでかなり凶悪。 しかし兵士が増えすぎて資金難になり、自滅することもあるのでAI有利とは言い切れない(兵糧不足より資金難の方が起こりやすい)。 アイテムの登場 「青龍偃月刀」「孫子の兵法書」などのアイテムが登場(『II』の戦利品と異なり、武将自身が所持する形になる)有名武将があらかじめ所持していたり、人材捜索のおりに見つかる場合がある。 呂布の武器である「方天画戟」はまだ登場していないため、関羽や趙雲の武力が表面上では呂布の100を超えるが、呂布にはマスクデータで武力に補正がかかるため、相変わらず最強を誇っている。 マウス対応 前作までのPC版(Win移植は別)はキーボードのみの対応だったが、『三國志』シリーズで初めてマウスに対応した。 都市名の概念の登場 前作までは「10番国」といった数字で表されていた都市に明確に「洛陽」「許昌」といった名前が付くようになった。ただしテンキー入力に配慮して、都市ごとの番号も残された(洛陽は11、許昌は19)。 街道の概念もあるため、マップ上で近くにあっても道が繋がっていなければ攻める事が出来ない。 その他 『II』では一部の君主はプレイヤーキャラにできなかったが、君主であれば誰でもプレイヤーキャラにできるようになった。 中には、国力及び配下武将が極めて貧弱(配下が一人もいない君主もいる)であり、かつ周辺国が極めて強大である状況から始まる、どう考えても無理ゲーな君主もいたりする。シナリオ1の喬瑁、シナリオ1~2の孔融、シナリオ4の金旋、シナリオ5の孟獲あたりが該当する。超上級者を自負する人は無茶を承知で挑戦してみるのもいいだろう。 捕虜を登用する際に断られる可能性が出てきた。 前作までは忠誠度は低いが確実に登用できていたため、劉備の下をあっさり去る関羽や張飛といった問題点をはらんでいたが、本作では義理堅い武将などは捕虜にしても登用を断ってくるため、ある程度イメージは守られるようになった。 PC版とゲーム機版の格差が縮小。前作のゲーム機版では不可能だった放浪が全機種で可能になるなど、将軍号以外はほぼ全要素がどの機種でも楽しめるようになった。 新武将の登録に関して、SFC版においても好きな漢字で名前を構成する事が可能(*4)。ただし、登録後のセーブでセーブデータが消えると言った制限がある。 メガ-CD/PCE版での追加点 『三國志III』としては初のCD-ROM媒体であることを生かし、オープニングムービーや武将列伝、シナリオ「黄巾の乱」追加が行われた。武将の経歴をゲーム中で読むことができるのは、光栄では『三國志III』が初めての試みだった。 ただし、「黄巾の乱」シナリオは張角始め、肝腎の黄巾軍が存在しない不完全なシナリオだった(何進は君主に追加された)。 賛否両論点 外交 長期戦中の停戦交渉、他君主への援助要請、物資交換が可能になった。 物資交換は序盤、使い所のない軍馬や弩を金や兵糧に変えることができる。その性質上1月か7月に要請しないと確実に断わられるというリスクはあるが。 このうち援助は極めて強力。要請できるのは同盟国に限られるが、何度でも要請でき、失敗しても敵対心が3上がるだけで済む。しかも成功すれば敵対心は5下がる。 1月、7月の収入月には、援助要請で同盟国の物資をギリギリまでせしめる物乞い外交が流行した。CPUでは特に劉璋・劉表・董卓が太っ腹とされた。 さらに、密偵を送ることで同盟国の物資搬入を点検することで、収入月以外でもすかさず援助を申し込める体制を築くことができた。 ゲーム好きで知られる落語家・三遊亭円丈が書いた「ハマった! ~円丈のドラゴンスレイヤー」でも、「役立たずの武官は文官にして、同盟国へのせびり取り要員にせよ」「少額ずつ援助でむしり取っていけ(大意)」などという身も蓋もない助言が書かれている。 ほとんどノーリスクで援助要請できるのは虫がよすぎるのではないか。というわけで、以降のシリーズ作品で援助要請できる作品はほとんど無い(*5)。 敵国の情報を得るのが大変。 都市一つ見るのに武将一人使って密偵を送り、その上数ヶ月待たねばまともな情報は得られない。 君主・軍師・将軍は1ヶ月間しかコマンドを実行できないので、長期コマンド実行可能な文官・武官を使わせるためのコマンドと言える。 そこまでしても密偵の期間(最大6ヶ月)が終わると情報が全て消えてしまい、一から密偵の送り直しとなる。 都市一つの兵力を把握するだけでも一苦労だが、その上援軍を考慮すると隣の都市をも調べる必要が出てさらに労力は数倍に…。 情報は、その月にコマンドの順番が回ってきた都市で得られた情報は、同月中にその都市より後の順番になる都市でも見られる。君主の本国は、必ず最初にコマンドを出せるので、密偵要員の文官・武官を大量に抱えることになる。 このことが、呂布のようにみずから出撃したい君主の難易度を上げてもいる。他都市に戦争して攻め落とせば、またその都市から密偵を送り直す必要が出てくるからである。 敵を知り己を知れば百戦危うからず、という至言があるが、このゲームで敵の戦力を正確に把握するのはかなり骨が折れる仕事である。もちろんそれだけの効果はあるから、避けられない訳であり… 次回作、次々回作では、情報を得るための条件がどんどん緩和されていった。 開墾コマンドの複雑化 今作の開墾は開発、治水、灌漑、耕作の四つを行わなければ兵糧収入が増えない。治水に関してはこれまでのシリーズと同じなので問題ないが、灌漑と耕作はやや複雑である。 灌漑はいわゆる土地の価値であり、開発は土地の広さ、耕作はその土地に作物を植えている率である。「開発20で耕作100」と「開発100で耕作25」では、実際に耕された土地は後者の方が多い計算になるため、収入は後者の方が多くなる。 その仕様のために耕作に関しては収穫の度に下がるので毎年耕作を上げるために内政要員を手配しなければならない。 文官が腐るほどいる大勢力ならいざ知れず小勢力だとこの仕様はキツイ。そのためにいっそ開墾関連は(災害回避のための治水以外)捨てて商業のみ上げて米は商人から買うか同盟相手から援助してもらう方が効率が良い。 『I』『II』でも採用された215年(五虎大将軍が揃った時期)の三国鼎立シナリオが削除されている。 三国志でも印象的な時期なだけに、採用を見送られたことを惜しむ声も少なくない。今作から三国時代後期のシナリオが追加された影響もあるのかもしれない。 君主が戦争に出陣すると君主が滞在している都市の命令が強制的に終わってしまうため、やや不便。 特に呂布などの戦場で活躍させたい君主はこの仕様が足枷になっている。 問題点 水戦(戦場は全て河川) これ自体は悪いシステムではないが、行える戦場が3箇所しか無く半ば空気。 場所も悪い。魏と呉の国境に水戦場が一つもないのは頂けない。史実では魏からの防衛に水軍が活躍したはずだが、これでは活躍しようがない。 そもそも地図の長江の位置もおかしいというか…なぜ建業の南に長江が流れているのか…。 蜀漢と呉の国境の夷陵については、陸の侵攻ルートがかなり遠回りになってしまうため、水軍の価値はやや上がる。これまた史実とは逆ではあるが。 さらに、将軍資格の条件の一つに水戦指揮の能力値がある(*6)ため、将軍資格を与えるために機械的に水指の能力値が設定された武将が多い。魏・蜀漢を始め、水戦と無縁の武将でも、将軍有資格者は大体70前後の水指がある。 結果的に パラメータ上も呉の優位はほとんど無く、空気感が増している 。曹操や劉備の水指が低く、周瑜の水指が最大値の100、陸遜がそれに次ぐ99といった、ごく一部の有力武将の個性を表現するに留まっている。 将軍資格を持たず、なおかつ武官型の武将は、軒並み水指が低く設定されている。では呉の将軍資格を持たない武官は水指だけが高いのかというと、やはりそうはなっていない。 システム的にはわざわざ船を建造してまで水戦をすべき場面は稀(回避できる陸路がある)。初めから船を所持している劉表と孫一族が小競り合いをする時や、侵攻していって船を鹵獲できたときに使う程度だろうか。 水戦専用BGMはそこそこ人気が高く、それを聞くために水戦の出番を増やそうと努力するプレイヤーもいるようである。 三国志演義寄りの設定が是正される過渡期 前作までは演義寄りの設定が成されていた部分がある。蜀漢の武将が能力高め(*7)、魏・呉の武将が弱めに設定されているなど。 1989年に正史『三国志』の邦訳が完結し、光栄の攻略本でも取り上げられた。その結果、ファンの間で正史による能力是正の要望が相次いだ。 そこで本作では、魏・呉では前作まで演義基準で無能扱いだった曹真、楽進、全琮などの能力が改善された。しかし、于禁、徐盛などはまだまだ弱かった。 この時代の三国志関連作品のほとんどがそうだったゆえ、仕方ないとも言えるが。 但しゲームバランスの調整ともとれる。頭数では蜀漢は不利であるため、1人1人の能力で調整するのはある程度仕方が無い。それでも難易度は高いが… 呉は国数の割に、頭数は蜀漢よりさらに不利なので非常に厳しい。しかも235年シナリオでは、二宮の変(*8)を先取りして陸遜始め二宮の変に関わった武将の忠誠が軒並み低下している。なお、肝心の当事者のうち、孫覇は武将として存在しなかったりする。 正史『三国志』の文庫版は1992年12月から刊行が始まり(1993年7月完結)、より多くの三国志ファンに普及して行った。その結果、三國志シリーズへの要望も殺到し、数作品掛けて正史を睨んだ能力是正が続くことになる(*9)。 終盤の武将不足 最終シナリオである235年は、シナリオ開始時に高齢の武将が多い。未元服の武将は30人なのだが、最後の武将である司馬炎が元服する265年までは30年もあるため、下手に武将を斬首していると46都市を埋めるに足りなくなり、ゲームクリアができなくなる危険性があった。 クリアだけならもっと早くできるので、司馬炎を見たことのあるプレイヤーは少なく、「幻の武将」と呼ばれていた。 のみならず、機種によっては司馬炎が出現しないバグがあったという噂も。 武官、文官を太守にすると強制的に委任になってしまう。 都市には最低一人の武将を置かなくてはならないが、将軍や軍師ではない武官、文官の武将を置くと強制的に委任状態になってしまう。武将数が足りなくなる時代などでは将軍・軍師の確保に難儀するため、この仕様のせいで自由に内政が出来ない。 生産都市とする分には問題なさそうに見えるが、委任都市に入ると武将を自由に移動させられないので、辺境でもなければ弊害が避けられない。 なお、シナリオ開始時の強制委任を防ぐためか、いずれかのシナリオで初期太守になる人材は、ぱっとしない者でもギリギリで将軍や軍師になれる能力にされている。もっともアイテムを使ってまで能力が低い者を将軍・軍師にするメリットはこの委任を回避するくらいしか無い。 また、AIが独自の判断で武将を移動させるので、特定の国に武将を集めて何か(たとえば内政)に専念させようとしてもうまく行かない。大ざっぱな方針は「軍事型」「生産型」「適応型」の3つから指定できるので、AIチートを織り込めば相応の成果は上げてくれるだろう。 委任国で武将が登用されても告知はされない。名将が登用されていないか、たまには点検することも必要。 この仕様は不評だったのか、次回作では将軍・軍師でなくても委任されることはなくなった。 指揮能力成長の厳しさ 武将の能力値は基本的に成長しないが、指揮だけは兵士士気が最大値(120)の状態で勝つとまれに上がることがある(*10)。しかし、士気を120に上げるには戦争で勝つしかないため、まず前提条件を満たすことが難しい。 指揮能力70で一斉攻撃が可能になるため、70一歩手前の武将を鍛えるメリットはある。しかしギリギリ将軍が多数いるため、よほどの事がなければその必要がないのである。 また、ギリギリで将軍資格を持つ武将が多数いる反面、将軍資格を持たない武官型の武将は、水指が大きく落とされている(前述の通り、呉将も例外ではない)。そのためあと一歩で将軍になれる武将はほとんどおらず、むしろ非常に困難なやり込み要素になっている。 このゲームには「史実」「仮想」と二種類のモードがあるが、オリジナル武将を多数登場させる場合「仮想」を選ばなければならない。 「仮想」モードの場合、オリジナル武将含め全ての武将のマスクデータ「義理」と「寿命」がランダムに変更されてしまう。 これによって「やたら裏切る関羽」や「絶対に裏切らない呂布」「長寿の周瑜」などになってしまい、史実や演義でのイメージと違った状態でしかプレイできない。 歴史のIFでこういう武将が居たら…と思っていたら、有名武将が珍妙な性格だったり。萎えるのは避けられないだろう。 「オリジナル君主でスタートし、三人まで選択できる配下を登録した武将とするが、それ以上は登場させない」というプレイなら「史実」モードを選んでも問題はない。 PCE版のCPU思考速度の極端な遅さ 全体マップではまだ我慢できるものの(それでもSFCやMD版よりかなり遅い)戦場での思考速度はどうにもならないレベル。1部隊同士の戦いにもかかわらずCPUのターンでは普通に2~30秒程度待たされるので、敵部隊数が増えるとカップ麺を作って食い終えてもまだCPUのターンが終わっていないという状況もザラになる。 プレイ環境を整えるのも一番ハードルが高いので、余程の物好きでなければプレイする選択肢に入らないだろう。 「PCE本体+スーパーCDROM(又はCDROM2本体+スーパーシステムカード)」「PCエンジンDUO系」のいずれかに加え、外部記録装置のセーブくんかメモリベース128が必要。 総評 次回作以降に比べると、奇抜な特殊能力などもなく、武将の個性が弱い。 しかし良く言えば、指令を出す上の制約が少ないということでもある。遊びやすい長所とも言えなくもない。 内容は前作から大幅にボリュームアップしており、特に武将数については後期作品にも見劣りしない。 AIの完成度もまずまずで委任プレイも快適。 次回作への課題はいくつか残るものの、十分に良作と呼べる作品だろう。 余談 光栄と本作の非公式ガイドブックを発売した技術評論社との間で著作権侵害を理由とした裁判が起こっていた。 問題となっていたのは書籍に添付されていたフロッピーディスクであり、本作の登場武将の能力をエディットできるファイルが入っていたことが特に問題視された。 最終的に一審から高裁まで光栄が敗訴となり、最高裁の上告は却下された。この裁判はオンラインにつないでいない時のチート行為に対しての正当性を示す判例とされている。 一方、同時期にほぼ同じ状況下で、ときめきメモリアルを発売したコナミも裁判を行っている。こちらは第一審では敗北したものの、第二審では原告の主張が概ね認められ、上告が償却され、原告が勝訴している。 [部分編集] 三國志DS ジャンル 歴史シミュレーション 対応機種 ニンテンドーDS 発売・開発元 コーエー 発売日 2006年2月23日 廉価版 KOEI the Best2008年7月10日/2,800円 判定 なし ポイント 『三國志III』のパワーアップ版DSモードは調整不足 概要(DS) 『三國志III』をベースに武将・シナリオ・アイテム・短期の目標を達成すればクリアの「チャレンジシナリオモード」を追加したもの。 追加・変更点 武将、イベント、アイテムのグラフィックが『三國志X』のものになった。 武将列伝が追加された。 武将が248人追加され、779人になった。全て『三國志X』に登場し、『三國志III』にはいなかった武将である。 実は同一人物を1人重複して追加してしまっている。『III』と『X』で表記が異なるため見落としたのだろう。 発表当初は武将追加の予定はなく、発売延期時に急遽追加されたもの。 黄巾の乱シナリオが追加された。メガ-CD、PCエンジン版のものとは違い、今度は張角も登場する、正真正銘の黄巾シナリオである。 シナリオ名は『三國志X』と同じく「黄巾興りて英雄青雲を抱く」。 張角の他、丁原、士燮も君主として追加された。 他のシナリオ名は、『三國志III』のPC版と同じである。 アイテムが追加され、全46都市に「特定条件を満たすと発見できる」アイテムが配備された。 武将とアイテムの追加だけで、ゲームシステムは『三國志III』そのままの「オーソドックスモード」に加え、戦争で魔法、もとい、「戦技」「特性」が使えるようになった「DSオリジナルモード」が追加された。 「戦技」「特性」は戦争、内政それぞれの経験を積むことでより上位のものを覚えることができる。一部、特定武将専用のものや、能力値が一定以上でなければ習得できない物もある。 「戦技」は自発的に使う物で、計略や通常より効果の大きい攻撃手段が基本。「特性」は持っているだけで効果を発揮する。 士気がマジックポイント代わりになっていて、「戦技」を使うと士気を消費する。代わりに、ターン毎に士気が少しずつ回復するようになった。 指揮能力の効果が落とされ、武力重視になった。 弩・強弩の矢数の制限が無くなった。 攻撃側が城壁を乗り越えると、内側から開門できたのができなくなった(*11)。 短期目標を達成すればクリアの「チャレンジシナリオモード」が追加された。 CERO規定の都合で、一部の用語が変更された(「斬首」⇒「処断」など)。 評価点(DS) 武将追加で、終盤シナリオがまともに遊べるようになった。これで司馬炎が出るまで待っても、ゲームクリア不可能になることは(よほど派手に処断しない限り)無くなった。また、難易度が大きく変わった君主がある。 公孫瓚:配下が1~2人だけだったのが7人追加。訓練や情報要員を捻出できる。ただし資金難に注意。 馬騰:軍師不在だったのが、軍師の資格を持つ成公英が追加。 孫権:三国鼎立後は三国で最も人材難であり、特に235年シナリオの人材不足は深刻だった(12ヶ国で37人)。三国時代の武将が大量追加され、劇的に楽になった。 一方で、追加された武将は魏が最多で、蜀漢は最少なので、ゲームバランスが原作より魏呉に傾いている。 また、原作に後継が存在しなかった君主にも後継となる武将が追加された勢力がある(王朗の子の王粛など)。 動作が軽快で、タッチパネルの操作性も良好。ただしDSオリジナルモードの戦争はやや操作に難がある。 問題点(DS) DSオリジナルモードの調整不足 AIがDSオリジナルモードの仕様に対応し切れていない。守備側のAIが、攻撃系の「戦技」を使うのはまだしも、通常攻撃して残り少ない兵士を費やして自滅する光景がよく見られる。 計略が全て「戦技」になったため、使える計略が一つもない状況が生じるようになり、AIは待機して耐えるのではなく、攻撃を選んでしまう。 敵のZOCが機能していない。 バグ・不具合(DS) 184年シナリオの張角軍では、太守が軍師・将軍ではないにもかかわらず直接命令ができる国がある。初期状態で、個別に委任しようとするとフリーズしてしまう。一度「全委任」にした上で再設定する必要がある。 アイテム「孫子の兵法書」が発見できない。 一部の追加武将に、血縁設定の見落としがある。たとえば金禕は金旋の息子なのに、血縁ではない。 逆に一部の追加武将は、どの君主でも血縁扱いされる。該当は太史亨(*12)、賈充、孫峻などで、どの勢力でもこれらの武将が君主になってしまうことがままある。 総評(DS) 『三國志III』を手軽に遊べるメリットは大きい。 武将追加は『三國志X』からの流用とは言え、後半シナリオが遊びやすくなった効果は絶大。 反面、DSの追加要素はAIやゲームバランスの調整不足であり、大味になっている面がある。 後に3DSで再リメイクされ、エディット機能の追加や操作性の改善が行われた。
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今日 - 合計 - 三國志III メガCD版 の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月09日 (火) 14時44分07秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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三國志II 機種:PC88,PC98,MSX2,X1,FMT,X68k,FC,SFC,MD,Win,PS,GBC,WS,iアプリ,Vアプリ,EZアプリ,iOS,Android 作曲者:向谷実 開発元:光栄 発売元:光栄 発売年:1989年(PC88版) 概要 「三國志」シリーズの第2作目。システムの完成度が高まりシリーズの土台となった。 本作をベースにしたGBC版『三國志 ゲームボーイ版2』、モバイルアプリ版『Mobile 三國志2』も発売された。 『三国志ツクール』にもBGMが流用されており、『三國志 ゲームボーイ版』のBGMは本作のものがベースになっている。 本作の作曲はフュージョンバンド・カシオペアのキーボーディスト、向谷実氏。向谷氏は次作の『III』も作曲を担当した。 原曲は全体的にゆったりしたものが多く、戦争の曲がややコミカル。 「貂蝉の舞」は使用されている歴史イベントにセクシャルな表現が含まれているため、機種によってはオミットされている。 収録曲 No.(SW) No.(Win) 曲名(PC88版) 曲名(SFC版) 曲名(サウンドウェア) 備考 順位 01 OP オープニング オープニング オープニング~黎明~ 02 02 初期設定 初期設定 序章 シナリオ選択 04 06 列強諸国 メイン・テーマ ユーザー君主メインテーマ 列強諸国 メイン周縁(14国、15国、37国~41国) 11 列強諸国 戦争テーマ ユーザー君主戦争テーマ 戦争周縁(14国、15国、37国~41国) 09 05 呉 メイン・テーマ 呉メインテーマ 呉のテーマ メイン揚州・荊州(19国~28国) 10 呉 戦争テーマ 呉戦争テーマ 戦争揚州・荊州(19国~28国) 07 07 華北諸国 メイン・テーマ その他の君主メインテーマ 華北諸国 メイン河北(1国~7国) 12 華北諸国 戦争テーマ その他の君主戦争テーマ 戦争河北(1国~7国) 05 敗退 戦争敗退 敗戦 戦争敗北Win版ではジングルで流れる 08 15 後継者選択 後継者選択 君主陣没 君主死亡 12 14 死亡 故国の終焉 ゲームオーバー 03 04 蜀 メイン・テーマ 蜀メインテーマ 蜀のテーマ メイン益州(29国~36国) 09 蜀 戦争テーマ 蜀戦争テーマ 戦争益州(29国~36国) 06 17 外交の使者 外交の使者 使臣来訪 使者来訪 10 18 婚姻 婚姻 婚姻の儀 11 16 貂蝉の舞 貂蝉の舞 美女連環の計 13 03 魏 メイン・テーマ 魏メインテーマ 魏のテーマ メイン中原(8国~13国、16国~18国) 08 魏 戦争テーマ 魏戦争テーマ 戦争中原(8国~13国、16国~18国) 14 勝利 戦争勝利 征戦 戦争勝利Win版ではジングルで流れる 15 13 統一のファンファーレ 乱世統一 ED エンディング エンディング グレードアップ・ヴァージョン・メドレー 「オープニング」「魏 メイン・テーマ」「魏 戦争テーマ」「華北諸国 メイン・テーマ」「華北諸国 戦争テーマ」「敗退」「外交の使者」「後継者選択」「エンディング」のアレンジメドレー ファミコンヴァージョン・メドレー 「オープニング」「列強諸国 戦争テーマ」「呉 戦争テーマ」「蜀 戦争テーマ」「華北諸国 戦争テーマ」「魏 メイン・テーマ」「エンディング」のFC版メドレー サウンドトラック 三國志II アレンジ音源によるサウンドウェア。一部がWin版とPS版の音源に使われている。 光栄オリジナルBGM集Vol.3 三國志II/維新の嵐 PC88版のFM音源+グレードアップ・ヴァージョン・メドレー。『維新の嵐』のFM音源と合わせて収録。 光栄サウンドウェア・スペシャルサンプラー サウンドウェアから「オープニング~黎明~」と「蜀のテーマ」を収録。 THE BEST OF KOEI Vol.2 サウンドウェアから「列強諸国」「オープニング~黎明~」「呉のテーマ」「貂蝉の舞」「魏のテーマ」「乱世統一」の6曲を収録。 光栄オリジナルBGM集 Vol.5 スーパー信長の野望・武将風雲録/スーパー三國志II SFC版『スーパー三國志II』のゲーム音源+ファミコンヴァージョン・メドレー。『スーパー信長の野望・武将風雲録』のゲーム音源と合わせて収録。 光栄ベスト・オブ・ベスト 三國志 究極音盤 サウンドウェアから「蜀のテーマ」「貂蝉の舞」「呉のテーマ」「華北諸国」「君主陣没」「故国の終焉」「オープニング~黎明~」の7曲を収録。 KOEI ENDING COLLECTION サウンドウェアから「乱世統一」を収録。 三國志歴代サウンドトラックCD 「三國志」30周年記念歴代タイトル全集 同梱 Disc2にサウンドウェア音源を収録。 「三國志」30周年記念コンサートCD 三國志13 with パワーアップキット TREASURE BOX 同梱 『三國志13 with パワーアップキット』記念版の特典。神奈川フィルハーモニー管弦楽団と向谷実氏の演奏による「オープニング~黎明~」と「呉のテーマ」を収録。
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三国志II/さんごくし・ツー MSX2/PC/FC/SFC/MD/WS/PS ○PS版,シナリオ2,曹操の雄飛,君主-曹操 「New Game」を選択してから「○○は△△年 中国全土を統一した」が全て表示されるまで プレイヤー 動画 タイム 投稿日 備考 55 sm21144626 1 59 55" 2013年06月18日 55 sm20973133 2 24 57" 2013年05月27日 名前 コメント すべてのコメントを見る 三國志II
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三國志DS コーエー 2006年2月23日 DS 歴史SLGゲーム、三國志シリーズのDS版 三國志III??をベースにしている 続編 三國志DS 2
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三國志II 概要 前作からの変更点 評価点 賛否両論点 問題点 総評 スーパー三國志II 変更点 余談 三國志II 【さんごくしつー】 ジャンル 歴史シミュレーション 対応機種 PC-8801、PC-9801、MSX2、X1turbo、FM TOWNS、X68000、ファミリーコンピュータ、98NOTE、メガドライブ、Windows、プレイステーション、ワンダースワン 発売・開発元 光栄 発売日 【PC88】1989年12月21日【PC98】1990年3月23日【MSX2】1990年4月14日【FMT】1990年6月29日【FC】1990年11月2日【MD】1991年12月26日【PS】1998年9月23日【WS】2000年4月6日 定価 【PC88/MSX2/X68000/FC】14,800円【PS】5,800円【WS】4,200円(各税別) レーティング CERO B(12才以上対象)(*1) プレイ人数 1人~12人(*2) 判定 良作 三國志シリーズ 概要 『三国志演義(*3)』を題材とした、光栄(現:コーエーテクモゲームス)による戦略シミュレーションゲームの2作目。 PC各種(*4)以外にもコンシューマーやモバイルアプリ(『Mobile三國志2』)など、様々なハードに移植されている。 SFC版は『スーパー三國志II』と、GBC(全GB共通)版は『三國志 ゲームボーイ版2』と、WS版は『三國志II for WonderSwan』とそれぞれタイトルが変えられ、各機種のプレイヤー層を想定して一部要素が再調整されている。SFC版の具体的な変更点は後述する。 プレイヤーは時代毎に分かれた6つのシナリオから好きな時代を選び、好きな君主を選んでプレイする。 ただし、プレイヤーが選べる君主はシナリオごとに最大11人(+新君主)のため、君主数の多いシナリオ1・2ではCOM専用の君主(*5)も存在する。 大陸は41の国に分かれており、国を占領すると塗り絵のように色が変わっていく。本作の目的は全ての国を支配下に置くことである。 最大12人(*6)でのマルチプレイが可能。 前作からの変更点 1ターンごとのコマンド入力回数が「支配している1国ごとに1回」だったのが「所属武将1人につき1回」に変更された。 ただし「君主のみが実行可能なコマンド」「君主・太守(*7)のみが実行可能なコマンド」も存在する。 このため「人材を集める」ことの重要性が前作『三國志』以上に増した。たとえ能力値の低い武将でも手数を増やす役には立つ。 中でも、兵糧の売買、兵の再編成・徴兵・砦作成、敵国の偵察に関しては能力が一切関係ないので、低能力の武将に任せても問題はない。また、後のシリーズにはあるがこのシリーズでは俸禄の概念がないため、その点でもいくら集めても問題がない。 ゲームバランスの調整。 前作より火計の威力、いなごによる食料への被害が弱められた。 前作の火計は1ターン留まれば武将も兵士もまとめて即死だったが、本作では兵力へのダメージのみに変更された。ただし、兵士がいない状態で留まると武将が焼死してしまう。 商人から直接武器が買えるようになり、部隊の武装を高めやすくなった。 前作では、鉄を捜索して加工するという手間がかかり、そもそも鉄が出ない国ではどうしようもないという地域の格差の元になっていた。 前作は些細なことでどんな名将だろうが死にまくるという尖ったバランスだったが、だいぶ改善された。 前作では住民反乱で武将が殺害されることがあったが、その仕様は無くなった。 戦争における「突撃」もどちらかが死ぬまで延々と攻撃が続くという仕様ではなくなり、複数回連続で攻撃する形になった。壊滅時に武将を討ち取る可能性があるのは同じだが、短い期間で敵兵を減らすには有効な手段となった。 戦争は1ヶ月30ターンとなったため、1ヶ月以内に勝負がつくことが増えた。加えて戦争中の軍資金の消費もなくなった(*8)。 隠し能力値(マスクデータ) 武力や知力といった能力値以外に、相性や義理、寿命といった隠しパラメーターが設定されている。中でも武将の性格を決めるマスクデータは以下の4つである。 人徳…これが低いと君主時に配下の忠誠が自然減少しやすくなる。また、COM君主時に外交の使者を捕らえやすく、使者や戦争で捕らえた敵武将を斬りやすくなる。呂布や袁紹がやたら使者を捕らえようとするのはこの値が低いため。 『三國志II 武将FILE』では、「人徳の低い武将の魅力は、いくら高くても見せかけ」という記述がある。魅力こそ高いが人徳が低い袁紹は、名家の出であっても、人心を真に掴むことは出来なかった(*9)という部分が本作ではうまく再現されている。 義理…COM君主時に同盟を組んだ時の協力率などに関わる。またこれが50を切っていると戦闘中に裏切る可能性が出る。呂布が援軍・共同軍以外でやたら裏切るのはこの値がとても低いため。 野望…戦争のときに勝手に一騎打ちを申し込む(申し込まれて受ける)確率や、COM君主時に領土を広げる確率、独立・寝返りの確率に関わる。代表的な高い武将は曹操や張飛など。特に義理を上回っていると、その差に応じて太守時に謀反を起こしやすくなる。魏延・公孫淵など史実でも謀反を起こした武将が該当し、張飛などは義理の方がより高いため謀反は起こしにくい。 相性…大事なのは数値自体ではなく、他人(特に君主)との差値。これの差が小さいほど忠誠度が高く留まりやすい。また、引き抜き交渉の成功率にも関わる。 その他 血縁…武将の血縁。本作では設定されているのは君主として登場する一族のみ。君主が死亡した時の後継者に選ぶと、配下の忠誠度の低下幅が緩やかになる。また、君主の血縁武将は裏切りにくいが、絶対ではない。血縁者がいる場合COMは最優先で後継者にする。 登場先…シナリオ開始時では登場前の武将が出てきた時、登場先に指定された武将の元に登場する。 血縁とは無関係 で、非血縁者が登場先に設定されている武将も多い。そもそも、君主として登場しない一族は、血縁の設定がなく、登場先だけ設定して擬似的に血縁を表現している。 合戦の新要素 武将同士の「一騎打ち」「伏兵」「寝返り工作」や、同盟国と共同で敵国を攻める「共同軍」に加え、攻められている以外の国から軍を派遣する「援軍」、「ZOC(*10)」などの要素が追加。 基本的に拠点の奪い合い(攻撃側は城、防衛側は兵糧)に火計の応酬だった前作の合戦よりも外交や新たな戦術等によって合戦の奥行きが増した。 外交・計略の駆け引き プレイヤーやCOM君主が外交・計略コマンドを実行した際、全体マップを馬が駆け巡る演出がある。これによって、どの君主とどの君主が通じているか、あるいはどの君主がどの君主に対して計略を仕掛けているかを推測することができる。 馬の色は通常赤だが、他君主に発見されると青に変わる。 外交を行ったり計略を仕掛ける際には、相手君主の領地を使者が通過しなければならないため、途中で敵に捕らえられて目的を達せないことも多々ある。書状を奪われて引き返してくるのならまだしも、最悪の場合は捕縛と同時に斬首されてしまうことも。 外交の成功率は使者となる武将の魅力が主に影響するが、使者の知力が高いと途中で発見されにくくなり、武力が高いと捕らえられても逃げやすくなる。魅力の他にも、出来れば知力や武力が高い武将を使者にしたいが、なかなかそうもいかないのが悩ましい所。 新システム『新君主』(*11) 自分で新しく作成した武将を新君主とし、出身国やステータスを決めて始めるモード。 カスタマイズ項目は誕生日・年齢・性別。年齢と性別によって決められた基本ステータスにボーナスポイントを振り分けて最終ステータスは決定される。 年齢制限はないため1歳でのスタートも可能。新君主や他の武将を問わず寿命は一定のため、60~70歳くらいになると死亡フラグが立つ。若いほどプレイ年間は長いが、壮年に設定すると初期能力値で若年よりも勝る。 誕生日はマスクデータの「相性」に影響し、これによって既存武将との相性が決定される。 機種によっては配下武将を1名つけることも可能。忠誠100だがステータス(*12)はランダム。 2人プレイでプレイしたい君主と新君主を選び、新君主のゲームを終了させる(COMに担当させる)と新君主もしっかりと敵になる。降伏させれば配下にすることもできる。 ただし新君主だけ(*13)で始まる、空白地から始めなければならず人口が少ない国が多い、といった制約があるため難易度は高い。特にシナリオ5・6で新君主プレイはほぼ無理ゲー(*14)。 新モード「仮想モード」(パソコン版のみ) 君主と配下武将は通常モードと同じだが、在野武将の出現国・出現時期が完全ランダムに設定されるモード。 寿命の設定は無効となり、全武将60歳前後が寿命となる。 そして相性・義理・野望の隠し数値が全てランダムになる。場合によっては義理堅い呂布や寝返りばかりの関羽が登場することも。 これにより通常プレイをやり込んでも常に新鮮なプレイが可能。 性質上三国鼎立して在野武将の少ないシナリオ5・6よりも、群雄割拠して在野武将も豊富なシナリオ1・2向け。 アイテム(戦利品) 戦争勝利の際、一定確率で出現する。 配下に与えることで、忠誠心や能力値を上げられる他、相性を良くすることも可能。 都洛陽のある10国を攻め落とすとアイテムが必ず手に入る仕様は有名。わざと10国を放棄し、再度攻め取ってアイテムを何度も手に入れるなんてことも有名だった。 機種によりアイテム入手可能な回数が異なるが、FC、SFC版は10年ほど、PS版は2,3ヶ月に一度攻め込むのを繰り返して3年ほどで出なくなる。 戦利品としては武力を高める「宝剣」、知力を高める「書物」、戦場から100%退却できる「名馬」、魅力を高める「美女」、君主の信用度と魅力が100になる「玉璽」、ケガや疫病が1ヶ月で治る「華陀の医学書」が存在する。 光栄刊行の書籍には「伴侶を得たことで人間的魅力が高まる」などと説明されてはいるが、今となってはおもいっきり問題視されるであろう扱い(*15)を反映してか、リメイク版では「美女」が「装飾品」に差し替えられている。 信用度 君主がどれだけ信用されているかのパラメーター。初期値は50(*16)からで、最大値は100。 収入・コマンドの成功判定・忠誠度の下落具合、商人がいる確率など多くの判定に関わってくる。 特定の国には商人が常駐しているが、それ以外の国では商人がいる時にしか兵糧の売買、武器の購入はできない。 信用度を100まで上げると配下武将の忠誠度が下がらなくなる。(PC-88版は相性値50の君主でなければ信用度100にしても忠誠度が下がる。) 同盟国の輸送を発見した際に通過させる、同盟国の使者を検問せず通過させる、または同盟国の共同軍・援軍要請に応えることで上昇する(*17)。逆に同盟国の使者を捕える、援軍の要請を断る、戦闘中に裏切る(援軍・共同軍で参加している時に同盟国の正規軍に攻撃する)等の行動によって低下する。 信用度を上げる手段は全て同盟国への対処によるものとなっている。よって、同盟はなるべく多くの国と結んだほうがいいだろう。 同盟国の共同軍の要請は断っても信用度は低下しないが、援軍の要請を断ると信用度が5低下してしまう。 COM君主は、人徳が低いと信用度が下がる、高いと上がる行動を取りやすくなっている仕組みになっている。なので、人徳の低い君主(呂布、袁紹など)には捨て武将をわざと使者として送り、捕らえるよう仕向けるとあっという間に信用度が0まで下がる。 COM君主の行動は、敵対心でも変わる。当然ながら、敵対心が高いと攻撃的な行動を取りやすくなる。敵対心の高い君主の領国を通る使者は要注意。 外交コマンドによる同盟破棄では下がらないため、同盟は積極的に用いるのが勧められている。 なおアイテム「玉璽」を入手すると、強制的に100になる。しかし、入手した時に100になるだけで、100が維持されるわけではない。 寿命を知らせる「凶兆」 武将ごとの寿命に迫った年からランダムで凶兆イベントが発生し、翌年初めにその武将は死亡する。大抵の武将は60~70歳程度まで持つが、一部武将は発生時期が明確に前倒しされている(*18)。 基本的に凶兆の発生は告知されないが、君主及び90を超える能力値のある武将は、専用の一枚絵で告知される。死亡まで1年猶予があるので、この間に後の備えをしておこう。 君主が死亡すると、配下の忠誠度が後継者との相性に応じて変動する。義理が低く野望の高い太守はそのまま独立してしまうこともあるので、太守の人選・特に忠誠度には気を配ったほうがいいだろう。 長期戦の間は武将は死なないので、12月に攻め込み、わざと長期戦にもつれ込ませて寿命を1年延ばせる。ただし、一部機種では長期戦がないので使えない。 シナリオ3「劉備荊州に潜み脾肉を嘆ず」の史実モード(パソコン版)・「劉備の雌伏」(コンシューマー版)をプレイすると、開始したとたんに「 将星大地に墜つ…袁紹に凶兆が… 」のアナウンスが流れるのはお約束。シナリオ開始は201年、袁紹の没年は202年。 シナリオの追加 前作に登場した5本のシナリオに加えて、220年の関羽死後の三国鼎立シナリオが追加されている。 コマンドの追加 砦を作る 戦争エリアに砦を作れる。但し資金がかかるうえに防衛にしか役に立たないため、対費用効果は薄い。 治療 全41国のどこか1国に医者(華佗)がいて、所在国のみコマンドが実行される。戦争によるケガや疫病をすぐに治療してもらえる。なお、ケガや疫病は最大3ヶ月で自然治癒する。 アイテム「華陀の医学書」を手に入れると配下武将全員が1ヶ月で治るようになる。 コンシューマー版ではコマンドが無い。 放浪・旗揚げ 国を捨てて逃亡し(放浪)、空白地で1からやり直す(旗揚げ)コマンド。戦争で最後の国を失った時に、敵君主に解放されても放浪の身になる。当然、コマンドの無いコンシューマー版では必ず斬首されてゲームオーバーになる。 軍師の助言 「能力が非常に高い敵武将」「自国を狙っている敵君主」「忠誠度が低い敵武将」「すぐにでも攻め取れる弱小国」「兵力が強大化している隣接している敵国」といった情報を教えてくれる。 助言を得られる確率は軍師の知力が高いほど上昇する。知力が低いと「進言することはございません」と言われるのみで、なかなか助言してくれない。 うわさ 諸国を旅する学者「司馬徽」、人相見の「許子将」の2人が様々な情報を教えてくれる。前者は「死期が近い武将」「自国にいる敵からの埋伏武将に関する警告」、後者は「未発見の高能力の武将」「自国にいる義理が低い(野望が高い)武将に関する警告」を教えてくれる。「蒼天既に死す…」といった、ゲーム進行上直接は関係のない一言を述べるだけの場合もある。 評価点 前作より大きくボリュームアップした内容 前述した前作からの変更点はそのまま評価点と言ってよい。 様々なプレイ方法が楽しめる自由度 普通に好きな君主で始めても、複数の君主を選んで自演・自分対自分を楽しむのも自由。 ただし、中には国力及び配下武将が極めて貧弱であり、かつ周辺国が極めて強大である状況から始まる、一見無理ゲーな君主(*19)もいたりする。 金旋・韓玄・趙範・劉度のいわゆる「荊州南部四君主」でプレイできるのも本作からである。COMの思考の穴を突けば何とかなることが多いため、腕に覚えのある人は一度挑戦してみるのもいいだろう。 COM勢力は、一部勢力に金収入・初期物資・内政値・訓練度の上位補正が行われている(*20)。曹操・劉備・孫権などがこれらの補正が付いた有力君主に設定されており、一見弱く見える序盤のシナリオでも、最初の年からガンガン攻め込める。 強豪を順当に勢力拡大させるための細工は、形を変えて後のシリーズにも引き継がれることになる。 余談だが、本作シナリオ1(189年)の董卓がさして強くないのは、有力武将の呂布・賈詡がすぐに引き抜かれるのはもちろんだが、この上位補正が付いていないため。逆に反董卓連合軍の有力諸侯は軒並み上位補正がなされており、戦力を充実させた彼等の草刈り場になってしまう。 賛否両論点 戦争が基本的に守備側優勢。 最大で出せる部隊は攻撃側5部隊、守備側10部隊。同盟している隣国から出せる援軍(4部隊)・共同軍(5部隊)で戦況は変化すると言っても、敵味方共に最大兵力となり共同軍も期待できない後半では守備優勢に苦しむこともしばしば。 この仕様とAIの頭の悪さから、COM勢力が大陸統一を達成することはまずない。 埋伏の毒(*21)や一騎打ち(*22)など、今作の新要素を引き立たせるためとも見て取れるが。 一騎打ちは自動的に最大10度打ち合い、決着が付かなければ引き分けとなる。なお、一騎打ちで相手よりも武力が低い武将が勝利すると、相手との武力差の半分の数値分、武力が上昇するという利点がある。当然ながら大変な危険を伴うので、多用するべきではないが。ちなみに、一騎打ちを申し込まれて受けないと、臆病風に吹かれた自軍に兵士が愛想を尽かして逃亡し、自動的に総兵力が7~8%程度減少する。大事な武将を一騎打ちで負けて捕らえられたくない場合は、兵士が減るのを覚悟の上で断るという戦略も必要となる。 ただし、攻撃側が大軍を動員しづらいというのは現実的な話であり、その意味でこの仕様は間違ってはいない。むしろ軍の維持に必要な補給線やその護衛等を考えなくて良いだけでも、まだ難易度は低い方。 また長期戦になっていない国には何度でも攻撃できるため、下手に長期戦にせず退却して未行動の武将達で2戦目を挑む波状攻撃が可能。 PS版は一度攻め込んで総退却した場合、同月中はその国への再度攻め込みが出来ない制限が課されている為、君主を残り一国に追い詰め、その結果武将数と兵力が膨れ上がるような状況になると意図的に1部隊を残して周囲の国から援軍を送る入れ替え戦略を取らざるを得なくなるので一気に勝負を付け難くなっている。 なおこの問題は、プレイヤーから見れば原則として序中盤までしか存在しない。プレイヤーは割とすぐに武力90以上の武将5人の精鋭部隊を編成して運用するようになるが、CPUはザコ武将にも兵士を持たせて戦場に出して来るからだ。武将の質の差が圧倒的となるので、敵が2倍の兵力を持っていたとしても全く問題にならない(*23)。 ゲームで一番重要な合戦では前作や後のシリーズ以上に武力が物を言うので、どうしても文官系武将の影が薄くなりがちになる。 しかし知力90以上の武将は「敵の伏兵を無効化できる」という特性を持つため、戦争では被害軽減に役立つし、火計が成功しやすいのも事実。 また、知力の低い武将は敵からしょっちゅう火計をかけられる。武力の高い武将だけで攻め込めばいいというわけでもないのが悩ましい所。 問題点 『演義』を元にしているゲームであるためやむを得ないが、国によって戦力差が大きい。ただし、初心者は強国で、慣れた上級者は弱国でプレイすればよいだけの話で、選択肢が広く取られていると言えよう。 特にシナリオ2(194年)の時点で曹操の強さは頭抜けている。初心者はシナリオ1で始めるか、シナリオ2以降は曹操を選ぶこと。後述するがシナリオ6は初心者にはお勧めできない。 逆に劉備はシナリオが進むほど弱さが目立つ。相性値が有利であること、武将1人1人の能力値は優秀であり、これは頭数が少ないという最大の弱点を補ううえでの一つの調整だと思われる。ただし、引き抜きを行いやすい本作では、多少の劣勢は引き抜きでカバーできる。 後述するように曹操配下の能力は軒並み低評価なので、正史補正の入った後のシリーズに比べると、劉備はかなりプレイしやすい(*24)。COM担当時でも、弱小に見えて、いつの間にか引き抜いた人材を引き連れて大勢力に育っていることがままある。 孫堅・孫策・孫権は両者の中間。問題は孫堅と孫策が短命に設定されているためすぐ代替わりの忠誠度低下が起こること、そして後半シナリオの頭数の少なさは深刻。 何しろ蜀漢より国数は多いのに、武将数は少ないのである。魏・蜀漢の双方に攻め込まれたらひとたまりもない。 最後のシナリオ6は、曹丕が有利ではあるが、タイトルに反して三国時代の武将はあまり登場していない。まして羊祜や杜預といった魏後期~晋初期の武将はいない。ぐずぐずしていると武将がどんどん減って行き、ついには41国を埋める頭数が足りなくなってしまう。統一を急ぐ必要があるので、初心者にはお勧めできないのである。 その代わり、一部の武将を除くと史実より長寿に設定されているので、史実で寿命を迎えている武将でも、年齢が若ければすぐ死ぬことはない。 シナリオ5でも言えることだが、そもそも、支配国や武将の数が多すぎて、状態を把握することすら一苦労である。勢力が強大すぎる故に、逆に初心者にはプレイしづらいという皮肉な状態である。 データの間引きがある。 一部の後半年代の武将(例:孟獲)は、前半のシナリオではいくら待っても絶対に登場しない。当時の環境では容量節約のために、意図的に武将数を制限していた。 前述の相性値について100段階の中間にあたる50前後の君主の勢力が有利。 中間値の武将が率いる勢力は人材関係で有利。逆に1や100の両端値の君主の勢力は不利。 本作の曹操は1、劉備は50、孫堅・孫策・孫権は100。各一族や史実での主要な配下等はそれに近い数字。 劉備は勢力間を巧みに渡り歩いたという史実を反映し、この相性値の有利を強みとして勢力の弱さを補っているとも言える。 新君主の相性値は新君主作成時の誕生日で決定される(*25)ため、やはりそれが50に近くなる誕生日ほど相性値の影響を受けにくくなる。 後のシリーズでは「1と100が隣接扱い」となる、いわゆる円環状の判定に変更され、曹操・劉備・孫権勢を約30刻みに分布させることでどの相性値も有利不利が起こりにくくなった。 武将の能力値 本作の能力査定は概ね『演義』での活躍を重視されていると思しき設定がなされている(*26)。そのため、史実では活躍したが演義でザコや噛ませ犬扱いにされた武将の能力は低く、史実ではほとんど事績がないが演義では活躍している武将の能力値が高めに設定されている。 中には楽進や于禁など史実では名だたる将なのに悲惨なまでに能力が低い武将や、関索のように演義ですら存在があやふやなのに高能力の武将もいる。他には呂蒙の息子の呂覇は特に戦功等を挙げたわけでもないのに、能力が知力81,武力73,魅力77と名将クラスだったりする。 全体的に見て劉備配下が能力値面で優遇されている。蜀漢優遇については人数優位なゲームバランスへの打開策としては間違ってはいないと言えるが…。 + (一部武将の扱いの酷さについて。) 周瑜 三国志でも特に人気が高い武将の1人である。能力はまだしも本作での彼の問題は野望が義理以上に高く設定されていること。 このせいで戦争時、勝手に一騎打ちを挑むことが多い。もっと武力の高い武将はいくらでもいるので「他を一騎打ちに出したいのに…」と苛立つことも。しかもそのせいで負けやすい。 他、太守にすると謀反を起こしやすい。魅力の高さから太守にしてしまった人も多いのでは? 仕方ないとはいえ寿命設定も短く、能力面では優秀なのに冷遇されている。 黄忠 蜀漢の五虎将軍の1人で、「老いてますます盛ん」な武将の代名詞。 これも仕方ないといえばそうだが、初めて配下にする時点でかなりの高齢であることが祟り、活躍期間は短い。下手をすると三国時代が始まった直後に死亡する。 「初期のシナリオで始めると登場が早い」といった設定にすればよかったのではないだろうか? 張郃 「泣いて馬謖を斬る」で知られる馬謖を破った魏の将軍。 上の2人に比べると地味ではあるが、活躍期間は董卓の時代から三国時代までとかなり長く、最後は魏で戦い抜いた武将。 しかし彼も野望が高く戦争中、呂布ほどではないが寝返りやすい。また、太守にすると謀反を起こしやすい。 「当初は袁紹に仕えていたが官渡の戦いでの不和から寝返り、以降は曹操に仕えた」という経歴から考えると、曹操に対する忠義よりも袁紹に対する裏切りを強く反映されたのであろう(*27)。 魏延 五虎将亡き後蜀漢を支えた将軍。武力は五虎大将にはやや劣るも高水準。 劉備には忠実に仕えたが『演義』では諸葛亮とはそりが合わず「反骨の相」と評されたことから、張郃と同じく野望が高く裏切りやすくなっている。 シナリオ6ではそんな彼が29国太守となっており、敵の駆虎呑狼の計(*28)に掛かって謀反を起こすことも。「駆虎呑狼の計は前線ほど食らうと恐ろしい(*29)」ということを身をもって教えてくれる。 孫堅・孫策 呉を建国した孫権に早々と後を継がせる目的なのか、確実に早死にするように設定されている。両名とも不自然死の死亡年が寿命に設定されている為、すぐに死んでしまう。 さらに君主であることが災いし、君主死亡で配下の忠誠度が軒並み低下の被害を受けやすいため他国の引き抜きで弱体化することもしばしば。 後のシリーズではこの両名も死亡年よりも長く生きられる(*30)ため、孫権に代替わりする前にクリアすることも難しくなくなった。また死亡イベントが実装されているシリーズもあり、史実通りに退場することもある。 曹豹 全主要パラメータが10台というあんまりな扱い。しかもFC版では江戸時代の町人のような顔グラフィックになっていた。 そのネタ武将ぶりが一部でカルトな人気となり、光栄刊行の雑誌『光栄ゲームパラダイス』で『曹豹血盟軍』なるコーナーを組まれ愛された。 後のシリーズでは南蛮・西涼の武将レベルにまで武力が上げられるも、「個性がなくなってつまらない」と嘆く声もある。 徐庶 劉備に最初に仕えた軍師。知力は非常に高水準。 しかし彼だけは計略「埋伏の毒」関係で固有の問題があり、埋伏させるとそのまま敵勢力に仕えてしまい、埋伏の確認(*31)に行かせると唯一「大変です、(埋伏武将)は敵に寝返っていますぞ」と言われることがある。 曹操に心ならずも仕え、その後は曹操のために献策することをよしとしなかったことの再現とはいえあんまりである。 ただし曹豹と黄忠を除いてはマスクデータの問題である。気に入らなければ、仮想モードで始めれば運次第で改善は期待できる(*32)。 COMの挙動が一部おかしい。具体的には、 引き抜かれた武将はその直後は行動不能のはずなのに移動している。 武将が移動した際、太守が移動していないのに太守が交代している。 太守より忠誠度が高い武将が配下にいる状態で、その国を委任しておくと確認できる。場合によっては明らかに太守に不向きな武将が選ばれていることも。 それを差し引いてもAIが賢くない。 具体的には、食料を十分に持たずに領土を広げたり、後先考えず戦争を起こす、戦争中にも無駄な突撃が多い。 兵の与え方も、武力よりも忠誠度を優先して兵士を与えている模様。確かに忠誠度が高ければ寝返りにくいので間違いではないが…。 戦争を起こすときも兵力差しか見ていないため、訓練も武装もせず攻め込むことがある。そのため1/10の戦力差でもCOMは負けることがある。 自国の操作が面倒なときにCOMに任せる「委任」というコマンドがあるが、この仕様のせいで”絶対にやってはいけない”と言われている。 COMによる委任戦争の不出来 確実に勝てるであろう戦力を整えた上で国をCOMに委任し敵国に攻め込ませた場合、勝利後、攻め込んだ側の兵力が各武将につき2程度しか減っていない(PC版)。兵の最大数は100であるので、事実上ほぼ無傷である。このため敵を上回る戦力を用意できる状況下においては、効率を考えるとプレイヤーが戦争を行う意味がなくなってしまっている。 ゲーム中に一度に存在できる武将数は216人まで。 あまり気付かないことだが、シナリオ1から始めていると武将の人数が限界に達してしまい、登場するはずの武将が登場しないということがある。 そもそも現在ゲーム中に全部で何人武将がいるのか数えるのも面倒であり、限界に達していることにはまず気付かない。 その状況で新しく武将を出したいのなら既存の武将を退場させなければならないが、自軍の武将を処刑するなどというコマンドがあるわけでもないため、正攻法で武将を殺害したいならなんらかの方法で敵軍へ送り、戦争で捕虜にし、最後に斬首する必要がある。 戦争で突撃により部隊が壊滅すると、戦死することがある(突撃する、されるのどちらでもよい)。また、前述した通り火計を仕掛けられて兵士0の状態で火に巻かれてターンを終了するとその武将は焼死するので、わざと味方に火を放ち謀殺するのも武将の処分には有効な手段となる。 本作は能力が低い武将も多いので、そのような武将に思い入れがなければ戦争で捕え次第、積極的に斬首して枠を空けていくのがいいのかもしれない。 武将が裏切る頻度が高い 「義理の低い武将なら当然だろう」と思われがちだが、本作では一般的に義理堅いと思われる武将でも裏切る。 忠誠度が90程度の武将でも裏切る時は裏切るので、どうしても裏切られたり、引き抜かれると困る武将に対しては、早めに忠誠度を100にしておくしかないだろう。 本作では捕虜の登用は確実に成功するものの、忠誠度は基本的に低いため、登用した武将を実用に持っていくにはかなりの時間と金を要する。ただし、相性がよければ最初から高い忠誠度になる(*33)。また、信用度が低いと忠誠度の自然低下が大きくなり、裏切りやすさに拍車がかかる。 義理の低い武将は本当に裏切りやすく、不義理な武将の代表格である呂布に至っては、1回の戦争で複数回寝返ることもある有様。いくらなんでも節操が無さすぎである。 たとえ君主の血縁武将であっても、義理が低く野望が高ければ普通に裏切る。 呂布や公孫淵など、極端に義理が低く野望の高い武将は忠誠度を100にしても無駄である。彼らを戦場に出した瞬間、敵軍はひたすら寝返りを仕掛け、忠誠度100だろうがすぐに寝返る。ハッキリ言って使い物にならない為、戦争では君主でもない限り、冒頭の一騎打ちに出してすぐ退却させるのが無難な使い方。それか最初から戦場に出さないことと太守にしないことである。もちろん、使う予定がなければ人数制限の関係上処断してもいい。 総評 若干粗さも目立つが、当時を考えると仕方がない部分も多い。 システムが単純なためシミュレーションゲーム初心者には丁度良い出来である。 一方で強勢力も弱勢力も自由に選べる作りのため上級者でも手応えを感じられるだろう。 スーパー三國志II 【すーぱーさんごくしつー】 対応機種 スーパーファミコン メディア 8MbitROMカートリッジ 発売日 1991年12月26日 定価 【通常版】14,800円【with サウンドウェア】17,200円(各税別) 判定 良作 変更点 アイテムの追加 アイテムをパワーアップした「スーパーアイテム」が追加。強力だが、入手は極めて困難。たいてい手に入れる前に全国統一してしまっている。 10国を攻め落としてもスーパーアイテムは手に入らない。 一騎打ちのアニメーションが追加 戦争が始まると両軍の同意があれば一騎打ちがあるが、このアニメーションが当時としては非常に良くできている。 また、季節ごとに背景色を調節しているのも良い。 顔グラの大幅変更 全体的に綺麗である。また顔のよく似た曹操と曹丕、いかにも悪党面の董卓、綺麗な髭の関羽、若干女顔の周瑜など、実際のイメージによく合うように描かれている。PC版で使い回しのモンタージュ顔だった人物も、陳泰、孫亮など一部は新たに描き下ろされた。 一方で目立たない武将に関しては、兜の色や表情を変えただけなど使い回しが目立つ。 SFC版に限らずコンシューマー移植版では、「軍師の助言」「うわさ」などといったコマンドが削除されたが、それに該当する情報を、月の初めにランダムで軍師が助言してくれる場合がある。この助言も軍師の知力が高いほど得られやすい。 上記の情報に加え、「COM君主についている軍師」「アイテムの効果の説明」など、ゲーム進行上役立つ情報もあれば、「天下の名馬も太らせては何の役にも立ちません」「時には清きものも汚きものも併せて呑むことが必要かと」「必勝の信念なくしては戦には勝てません」といった、ゲームには直接関係はない情報もある。しかしどれもなかなか味のある発言なので、ゲームに華を添え、雰囲気を作る役割は果たしている。 「東方の島に倭人が住むといいます」というセリフもあるが、卑弥呼が登場するといった裏技は無いのであしからず。 仮想モード・一部コマンドの削除 これについては批判も多いが、ゲーム自体の面白さを損なうほどでもない。 ROMとハード本体との相性なのか、ROM差によるものか、原因は不明であるが癖が強いケースがある。具体的には、 一騎打ちで武力が低い側がやたら勝ちやすい。または攻撃側がやたら勝ちやすい。 疫病、イナゴの被害が起こるとかならず洪水も起こり、しかも洪水が起こる国は特定されている。 洪水の被害に遭う国が異様に多い。 台風が全然起こらない。 余談 初期バージョンのシナリオ1では開幕早々かなりの確率で、君主の王朗自ら使者になる→捕まって首を斬られ葬式となるシーンはあまりにも有名。 王朗に限らず、本作において配下が1人しかいない弱小勢力ではよくある事態であり、その後継ぎの虞翻もまた使者となり捕まって首を斬られ勢力滅亡、までの流れが本当に起こりやすい。 結果、本作の王朗は上記の曹豹に次いでネタにされやすい武将になった。 PC88/MSX2/PC98版とWinリメイク版では特定の条件を満たすと「貂蝉」コマンドが現れる。 君主が会う度に貂蝉が脱いでいき、最後には…という内容。アダルトゲームメーカーとして昔取った杵柄が生きている要素であり、後のシリーズの「歴史イベント」の走りとも見て取れる。なお攻略重視プレイでは条件の関係から、まず目にすることのないイベントではある。 PC88/PC98版とWinリメイク版では一枚絵の描写が異なる(*34)。どちらにせよゲーム上の結末は同じだが… 新君主の設定によらず婚姻は通常通り行われる。そのため、女性君主に娘を嫁がせる(*35)、1歳で結婚、1歳で子持ちといった事態が起こる。(*36) それ以前に「婚姻」コマンドが罠に近い(*37)ので、これもマルチプレイでもない限りお目にかかれない光景ではある。 余談だが似たような年齢の現象としては『真・三國無双』の『Empires』シリーズにおけるシナリオごとの登場武将と出生年の関係が挙げられる。 文面はほとんどが「○○で宜しいですか?」「○○を配置して下さい」と敬体。ただし「○○が××に捕まった!」「○○の首を斬った」と特定のときだけ常体になるのが妙にシュールである。 戦略時や外交、戦場などで表示される武将データで、その武将が君主の場合「君主である」と強調される。 2015年12月10日に本作をベースにした『三国志ツクール』がSteamにおいて配信開始された。 + ツクールでの変更点 ツクールでの変更点 既存武将の能力や相性の変更ができる。色んな武将の能力的な不満点が改善できるように。 オリジナルキャラを入れられるだけでなく、顔グラもこのゲームに入っているもの以外から使用できる。 上記でも挙げられる厄介な婚姻がなくなった。 魅力を上げるアイテムが美女から名品に変更。また、アイテムを与えることで忠誠を一気に100にできる。有能だが、相性の関係上初期忠誠が低い武将に与えると効果大。 プレイヤー操作国を国のある数だけに変更。場合によっては10以上の国を操作できる。 夏侯惇のルビが「かこうじゅん」でなく、「かこうとん」。 + ツクールでも変わってない点 ツクールでも変わってない点 相性表。後のシリーズでは1と最も離れている部分は相性がいいことになってるが、この作品では「2」時代のを採用している。 したがって、真ん中に近い勢力特に劉備勢力が有利に。 忠義心の高いとされる関羽張飛クラスですら、戦争で捕まったときにはまだ領土が残っていても確実に降る。桃園の誓いとは一体…。 COM任せだと超がつくほど有利な状況でないと統一できない。特に戦争時は防御側が有利すぎるのもそれに一役買ってしまってる。 + 注意点 注意点 寿命なしの設定はできないので、そうしたい場合はそれに近づけるため、ツクールのシナリオキャラ全員を1歳スタートで99歳を寿命にする必要がある。
https://w.atwiki.jp/retrogamewiki/pages/5943.html
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