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デトロイト地下でぶらぶら歩いているエンリコ・マスが戦闘中の場合、エンリコ・マス陣営に援軍として参戦可能です。PT経験値ももらえたりしますw - 名無しさん 2010-01-27 00 03 45 門番モンの攻略法 手っ取り早いのは、前列に加護して中列にセトで余裕 - 名無しさん 2010-01-05 16 15 27 自動販売機で組織の密室の鍵5Mで販売確認 - 名無しさん 2009-12-22 15 08 56 2400くらいでバッチリ抜けたけど、もっと低くてもいいかもNE - 名無しさん 2009-12-19 23 40 59 あ、間違えた。沈黙無効は門番モンだ。すまん・・・ ソロなら、(1)MPを抜く (2)天気師の酷寒を使う のどちらかで攻略可能 - 名無しさん 2009-12-19 23 30 17 デトロイトの守護者は 沈黙も無効 で、 守護者クエストを受けている間だけ 下着が100%ドロップする。計45枚 - 名無しさん 2009-12-19 23 28 47
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叶えたい願い-ヴァン ◆ew5bR2RQj. 気が付いた時、男は教会の中に居た。 石造りの堅牢な建築であり、眩い太陽すらも屋根が遮っている。 壇上へと敷かれた赤い絨毯の上に男は立っていて、隣には純白のドレスを着た女がいた。 誰なんだろうと考えるが、思い出すことはできない。 気まずくなって顔を逸らすと、周囲に配置された長椅子が目に入った 一定間隔で配置されているそれには何人かの人達が座っている。 壇上から見て手前の席に座っているのは、夫婦と思われる一組の男女。 長い金髪に和装の男と、寄り添うように座っている短髪の女だ。 絨毯を挟んで隣の椅子に座っているのは、和服を着た十代と思われる姉弟。 姉の方はもう大人だが、逆に弟はまだまだ子供である。 面倒臭そうに座っている弟を、姉が宥めているのが印象的だった。 彼らの後ろの椅子では、二人組の青年が談笑している。 友人なのだろうか、二人はとても仲が良さそうだった。 そして、一番後ろには男と女が一人ずつ座っている。 一人は立派な髭を蓄えた中年の男性。 もう一人は明るい黄緑色の長髪をした若い女だった。 ここに来て、彼は結婚式の途中だったことを思い出す。 自分は新郎で、隣にいる女は新婦。 女が着ていたのはウェディングドレスで、椅子に座っている人達は来賓だ。 世界一愛していて、何よりも夢中な女。 そんな女と、自分は結婚する。 幸せの絶頂にいる自分達は、これから永遠の愛を誓い合うのだ。 女の歩調に合わせて、ゆっくりとヴァージンロードを歩いていく。 すると椅子に腰掛けていた人達が一斉に拍手を始める。 無数の拍手が贈られる中、男と女は壇上へと歩き続ける。 周囲の人々は何処かで会ったような気がしたが、ハッキリと思い出すことはできない。 会ったことがあるという認識だけが、ぼんやりと頭の中を渦巻いていた。 ついに壇上へと辿り着く。 身体をくるりと返し、座席を見渡せるように立つ。 後は互いの指輪を交換し、誓いのキスをするだけだ。 薬指に嵌めていた指輪を外した男は、隣にいる女と向き合う。 「……おい」 向き合って、気付かされる。 「なんでそんな顔してるんだよ」 女がとても悲しそうな顔をしていることに。 お嫁さんというのは、幸せで幸せで幸せの絶頂の時になるものだ。 だが、今の女は違う。 幸せの絶頂にいるはずの人間は、こんな悲しそうな顔をしない。 「分かってるよ、分かってるって、これは夢なんだろ」 とっくに気付いていた。 エレナは死んだ。 ■■■■は死んだ、ガドヴェドは死んだ。 レイは死んだ。シノは死んだ。縁は死んだ。巴は死んだ。光太郎は死んだ。信彦は死んだ。 死んだ奴は蘇らない。 だから、これは夢なのだ。 「……これは」 エレナが持っていたのは蛮刀だった。 エレナが遺した形見であり、自分の復讐を手伝ってくれた愛刀。 まだ戦えと言うつもりなのか。 せっかく用意したタキシードは血塗れになり、身体はボロボロな上に右目は欠けてしまっている。 もう、十分だろう、休ませてくれ。 そんな弱音を漏らそうとして、男はぐっと飲み込んだ。 まだ何も終わっていない。 シャドームーンとの決着も付けていないし、カギ爪の男を殺していない。 男の旅はまだ途中なのだ。 男はエレナを愛した。 エレナは男を愛した。 馬鹿で無鉄砲で乱暴で一途な男を、エレナは愛したのだ。 だから、男が自分を裏切るわけにはいかない。 自分を裏切るということは、エレナを裏切るということだからだ。 「悪いな、心配掛けた」 男は蛮刀を受け取ると、教会の出口へと進んでゆく。 夢は所詮、夢なのだ。 いつかは必ず終わりが訪れるのである。 「いってらっしゃい、ヴァン」 「ああ、いってきます」 そして、男は夢から醒める。 ☆ ☆ ☆ 「……ヴァン」 背後に現れた男を見て、翠星石は呆けたように呟く。 彼の傷は相当深く、そのまま死んだと思っていたからだ。 「まだ生きていたか」 傷だらけのヴァンを見て、シャドームーンはゴキブリのようだと評する。 つかさによって応急処置は施されているが、それでも完治には程遠い状態だ。 それなのに、ヴァンは敵意を剥き出しにしている。 ここまで傷付いて尚、ヴァンの瞳の中の炎は消えていなかった。 「いや、もしかしたら死んでたかもしれねえな」 先程見たばかりだというのに、夢の内容はハッキリと思い出せない。 多分、幸せな夢だったのだろう。 そのまま夢を見続けていれば、ずっと幸せなままだったのかもしれない。 「でもな、まだ何も終わっちゃいないんだ」 しかし、ヴァンは目覚めた。 目覚めたということは、夢の中の自分はそれを選んだのだろう。 だったら、突き進むだけである。 そもそも夫婦というのは、幸せも悲しみも分かち合うものだ。 夫が一人で幸せになるなど、妻に対する最大限の裏切りである。 「だったら死んでる場合じゃねえだろうがあああぁぁぁッ!!!!」 だから、ヴァンは吠えた。 全身を激痛に支配され、血液は足りず、視界は半分欠けている。 目の前に立ちはだかるのは創世王・シャドームーン。 ナイトのデッキは破壊され、彼に残された武器は一振りの剣だけ。 絶体絶命、しかし問題はない。 彼が持っているのは、世界で一番愛している人から託された剣なのだから。 「そうか。ならば二度と生き返らないように八つ裂きにしてやる」 距離を詰め、ヴァンへと斬り掛かるシャドームーン。 だが、その脚はすぐに止まった。 地中から伸びた無数の轍が絡み付き、シャドームーンの動きを阻害しているのだ。 「また貴様か、何度も何度も目障りな傀儡だ」 「お前を倒せるなら、何度だって繰り返してやるです!」 シャドームーンが強引に踏み出すと、轍は簡単に引き千切られてしまう。 それでも一秒だけシャドームーンを足止めできた。 背後を振り返る翠星石。 そこには蛮刀を握り締めたヴァンの姿があった。 チリン、と音が鳴る。 蛮刀の鍔から切っ先に掛けて青色の電流が迸り、刀身に円形の穴がいくつも開いていく。 天空を仰ぐように蛮刀を掲げ、袈裟懸けに一閃。 腰を下ろし、逆袈裟に一閃。 綺麗に繋がった剣筋は、空中にV字の軌跡を描く。 それは剣を呼び寄せるための合図。 本来なら封印されていたはずの行為だ。 一個人が運用する兵器としては強力過ぎるため、ギアスによってそれは禁じられていた。 しかし、ギアスは決して万能ではない。 クーガーが、後藤が、翠星石が自力で破ったように、ヴァンも絶対遵守の力に打ち勝ったのだ。 天が鳴き、地が動く。 次元を越え、空間を突き破り、神は裁きが飛来する。 天空の白を切り裂き、地面へと突き刺さる剣。 その剣の名は――――ダン・オブ・サーズデイ。 「ロボット……?」 背後に現れた鋼鉄の巨人を見て、翠星石は呆気に取られている。 オリジナル専用ヨロイの一機、ダン・オブ・サーズデイ。 全てのヨロイの開祖であり、刀を武器として戦う機体。 胸や脚を白い装甲が覆い、その隙間から黒い身体が見え隠れしていた。 それがヴァンに残された、正真正銘最後の剣だ。 ヴァンが何処に居ようとも、呼び寄せれば剣は駆け付ける。 例えここが世界の片隅に捨て置かれた小さな空間だとしても、だ。 王が己の騎馬を呼び寄せることができるなら、騎士が己の剣を呼び寄せられるのも当然だろう。 「ヴァン……」 いつの間にかダンの胸部へと移動しているヴァン。 胸部の装甲が床のように開き、その上に彼は立っているのだ。 「何の用だ」 「そ、その、翠星石が色々と迷惑を掛けちまったです。だから……ごめんなさい」 あからさまに不機嫌そうなヴァンの態度に、翠星石は意味もなく怯えてしまう。 しかし、それでも彼に謝罪しなければならなかった。 「……俺よりももっと謝らなきゃいけない奴がいるだろ」 それだけ吐き捨てると、ヴァンは視線をシャドームーンへと据える。 「それが貴様の本当の力か、面白い」 自らの何倍も巨大なロボットと対峙しても、シャドームーンに動揺や畏怖はない。 創世王は全世界を支配する存在。 頂に立つ者は、大衆の前で定期的に虎を殺して見せなくはならない。 逆らう者は圧倒的な力で叩きのめし、二度と歯向かう気が起きないように屈服させる。 そうすることで自らに刃向おうと思わせる馬鹿が出ないようにするのだ。 倒す相手が強ければ強いほど、その効果は上がる。 故にどんな強者が相手になったとしても、王は真っ向から捻じ伏せなければいけないのだ。 「行くぜ」 ヴァンは蛮刀を逆手に持ち替え、G-ER流体で構成された床へと突き刺す。 開いていた穴が塞がり、右手と蛮刀の柄が一体化。 胸部の装甲が閉じると同時にヴァンを機体の奥へと送り込み、薄暗い青色で彩られたコックピットを形成する。 「Wake Up! ダン!」 彼の合図により、一面の青は輝かんばかりの白へと変化する。 機体の黒い部分はG-ER流体の青に点滅し、それが収まると共にダンの目は赤色に染まった。 「掛かって来い、捻り潰してやる」 勢いよく刀を振り上げ、そのまま垂直に振り下ろすダン。 サタンサーベルを横に構え、剣撃を受け止めるシャドームーン。 たったそれだけのやり取りで、想像を絶する衝撃をもたらす。 地面は陥没し、粉塵が舞い散り、烈風が巻き起こる。 だが、それでも互いに微動だにしない。 己の剣に力を込め、全力で鎬を削り合う。 人間の何倍もの体躯を持つダンは、その大きさに見合った力を持つ。 それを相手にして尚、シャドームーンは互角に渡り合っていた。 「それで全力か、創世王さんよ」 「減らず口を叩いている余裕があるのか?」 空いている左腕を掲げ、シャドービームを照射するシャドームーン。 狙いはコックピット。 操縦者を直接潰した方が手っとり早いと考えたのだ。 「あるから言ってんだろ」 しかし、シャドービームは届かない。 コックピットに到達する寸前、白い障壁によって阻まれる。 メッツァとの戦いで会得した電磁シールドを展開したのだ。 シャドービームにエネルギーを割いたことで剣を握る力が弱まり、それが一瞬の隙となる。 その結果ダンの力が上回り、シャドームーンの身体を巨剣が押し潰した。 「シャドームーンさんを倒した……?」 「あの程度で倒れるなら、とっくの昔に翠星石がボコボコにしてるですよ」 翠星石が解説した瞬間、粉塵の中から翠緑の光線が伸びる。 「人形のように障壁を張ることが出来たか、下等な虫共の考えることは同じだな」 粉塵の中から現れたシャドームーンに目立った外傷は無かった。 自身の何倍もの大きさの剣に押し潰されたにも関わらず、シャドームーンは致命傷には至らない。 それどころか即座に反撃を仕掛けてくる始末だ。 「テメエの方がよっぽどゴキブリだぜ」 皮肉を吐きながら、ダンは再び刀を構える。 シャドームーンもその双眸でダンを見据え、静かにサタンサーベルを突き出す。 轟音が再び鳴り響く。 「つかさ、一旦離れるですよ!」 二人の激突は衝撃波を生み、周辺一帯に甚大な被害をもたらしていた 翠星石はバリアでそれを遮るが、彼らの激突は何度も何度も続いている。 翠星石には問題なかったが、つかさは身動きを取ることができない。 黒翼から龍の顎を伸ばし、その場に立ち尽くしているつかさを呑み込む。 間髪入れずに翼を広げ、衝撃波の届かない地点まで飛行する。 一度体勢を立て直す必要があると判断したのだ。 「ごめんね、やっぱり戦うことになると役立たなくて……」 「バカ! つかさがそんなこと心配しなくていいんです!」 「でも……」 二人が剣を打ち合う度に、爆発でも起きたのかと勘違いするような音が轟く。 衝撃波は届かなくても震動は伝わり、まるで断続的に地震が起きているかのようだ。 「……それなら、私と契約してくれますか?」 少しの間悩んだ後、翠星石はその言葉を口にする。 先程シャドームーンを足止めした際、翠星石は数秒は稼げると考えていた。 だが、轍は一瞬で引き千切られてしまった。 志々雄との契約を破棄したことで、茨が轍に戻ってしまったからだ。 今のシャドームーンを相手にするには、キングストーンとローザミスティカだけでは力不足である。 人間と契約しなければ、シャドームーンと渡り合うことはできない。 たった一度のやり取りだが、翠星石はそれを痛感していた。 「うん、私が役に立つなら力を貸すよ」 「ちょっ、いくらなんでも早過ぎですよ! ちょっとは悩まないのですか!?」 悩む素振りを見せず即答するつかさ。 翠星石にとってはありがたいが、あまりの即答ぶりに拍子抜けしてしまう。 こんな簡単に人を信用してしまって、この人間は大丈夫なのだろうか。 「だって、翠星石ちゃんが必要だと思ったんでしょ?」 「確かにそうですけど……。 お前を見てると、コロッと騙されないか不安になるです」 「ううん、翠星石ちゃんはそんなことしないって信じてるから」 屈託のない笑顔を浮かべ、つかさは翠星石の瞳を覗き込んでくる。 数秒の間、彼女達は互いを見つめ合う。 しかし恥ずかしくなったのか、翠星石は顔を熟れた果実のように赤く染めてそっぽを向いた。 「そそそそそそんな目で翠星石を見んなです! さっさと契約をするですよ!」 「う、うん。でも私はどうすればいいの?」 「この指輪にキスしやがれです」 左手を差し出す翠星石。 その薬指には薔薇の装飾が施された黄金の指輪が嵌められている。 キスと聞いてつかさは頬をほんのりと赤くするが、やがて決心したように指輪にくちづけをした。 「熱っ……」 翠星石の指輪が緑色に輝き、共鳴するようにつかさの左手も光に包まれる。 その光が収まった時には、つかさの薬指に鮮やかな緑色の花弁に彩られた指輪が装着されていた。 「力が……力が溢れてくるですよ……」 胸の前で手を組み、翠星石は目を瞑る。 するとその身体は様々な色の光に彩られ、まるで翠星石を祝福するように交じり合う。 翠星石の身体から溢れているのは、キングストーンの強烈過ぎる閃光ではない。 彼女の内側で眠る姉妹達の魂が放つ優しい色合いの光だ。 正規の手順で契約を結んだことで、翠星石の力は格段に強くなっている。 いや、それだけではない。 かつて水銀燈が蒼星石のローザミスティカを強奪した時、彼女の身体になかなか馴染まないという現象が起きた。 今の翠星石に起きているのはその逆。 ドールと媒介者が心の底から信じ合ってるからこそ、この輝きは生まれているのである。 兄貴分から力を託され、信じ合える友を得て、翠星石は本当の強さを取り戻した。 今の翠星石はキングストーンすらも乗り越える。 「じゃあ、行ってくるですよ」 お互いに笑い合い、翠星石は戦いへと戻る。 その足取りは何処までも軽かった。 「おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」 埒が明かないと判断したヴァンは、刀を分割して二刀流に持ち変えていた。 一撃は軽くなった分、手数が増している。 これで有利に事が運ぶと考えたが、シャドームーンはその上を行っていた。 一方の刀をサタンサーベルで受けつつ、もう一方の刀は格闘でいなし、隙を見せれば即座に反撃を行う。 シャドームーンの一撃は、ダンの頑丈な装甲すらも容易く破壊する。 煉獄を相手にした時のように、身長差など物ともしていない。 形勢はシャドームーンに傾きつつあった。 「貴様の力はその程度か、口ほどにもない」 頭上に迫る刃を最小限の動きで避け、カウンターの要領でシャドービームを発射する。 電磁シールドを展しようとするが間に合わず、シャドービームは左肩の装甲に着弾。 大きな爆発を起こし、その周辺を抉り取るように粉砕した。 シャドームーンの翠緑の双眼には、ダンの弱所がハッキリと映っているのである。 それだけではない。 マイティアイは相手を解析し、その全てを白日の下に曝す。 相手の一挙手一投足が情報であり、シャドームーンの改造された脳に収集されていく。 初撃では有効だった電磁シールドも、今は強度や発動までの時間が把握されてしまっている。 長期戦になればなるほど不利になっていくのだ。 「なら、これならどうだ!」 背中のブースターを駆動させ、上空へ飛び上がるダン。 そのまま二本の刀を一本に戻し、加速をつけて急降下しようとする。 だが、シャドームーンは同じ高さまで跳び上がってきた。 レッグトリガーの超振動による脚力を用い、ダンと同じ高度まで跳躍したのだ。 地上からおよそ百メートル。 シャドーチャージャーが明滅し、サタンサーベルの刀身にエネルギーが集合する。 ダンはとっさに防御しようとするが、シャドームーンの方が速かった。 キングストーンの加護を受けたサタンサーベルが、装甲が砕けて剥き出しになった左肩へと侵入する。 そのままサタンサーベルは機械を切り抜き、やがて出口へと到達した。 血液のように飛び散るG-ER流体。 ダンの左腕が切断され、地上へと落下した。 「ぐおおおおおぉぉぉぉッ!!」 ダンのダメージが電流となり、操縦者へと襲い掛かる。 耐え難い苦痛であったが、ヴァンは操縦桿になった蛮刀の柄を握り締めて堪えた。 しかしそんなことは関係ないというように、シャドービームの体勢を取るシャドームーン。 この一撃が命中すれば、ダンであっても破壊は免れないだろう。 「しゃんとしやがれです!」 シャドームーンの身体を真下から成長した巨大な植物が呑み込む。 下を向くと、植物の根本に翠星石の姿があった。 腰に刀を溜め、即座に急加速するダン。 そのまま居合い切りの要領で刀を抜き、拘束されているシャドームーンに一閃を加える。 巨剣の斬撃を喰らったシャドームーンは、為す術なく地上へと落下した。 「大丈夫ですか!?」 「……うるせえ」 翼を広げて横に並んでいる翠星石を一瞥し、ヴァンは不愉快そうに吐き捨てる。 そんな態度に翠星石は文句を付けようとするが、真下から放射された光線がそれを阻害した。 ダンと翠星石を同時に狙ったものであり、拡散されているため威力は削がれている。 それでも元の威力が高すぎるため、直撃すればただでは済まなかった。 「クソッ、なんて野郎だ」 必死に操縦桿を動かし、網のように張り巡らされたシャドービームを避け続ける。 避け切れない分は電磁シールドで相殺するが、それでも限界があった。 直撃する度に装甲は削れ、内装が剥き出しになっていく。 シャドービームの性能は威力や飛距離等、あらゆる方面で大きく向上している。 しかし一番の問題は技の威力ではなく、発射口であるシャドームーン自身の異常な耐久力だ。 首輪の爆発に巻き込まれても、ダンの斬撃を受けても、シャドームーンは立ち上がってくる。 それに加えて、キングストーンによる回復力も驚異だ。 シャドームーンを倒すには、一撃で相手を葬るような大技が必要なのだ。 「……」 シャドービームの追撃を抜け切り、ヴァンは極限まで張りつめていた緊張の糸を僅かだが解す。 全身を覆っていた装甲は大半が砕け、G-ER繊維で形成される肉体が剥き出しになっていた。 今のヴァンと同様、ダンの身体も傷だらけである。 だからだろうか。 操縦者とヨロイの状態が重なったせいか、今のヴァンの脳は澄み切っていた。 痛みで意識が飛びそうだというのに、嵐のように思考が溢れていく。 エレナのこと、カギ爪の男のこと、エンドレス・イリュージョンで連んでいた連中のこと――――シャドームーンのこと。 C.C.が死んだ今、シャドームーンが最も古い付き合いの参加者になっている。 東條や縁と争いを始めようとしていた最中、シャドームーンは突然現れた。 サタンサーベルの奪還が目的だったようだが、最後は殺戮の限りを尽くしていった。 その後も何度か顔を合わせ、一時ではあるが肩を並べて戦ってもいた。 だが、結局は敵なのだ。 共闘することはあっても、決して仲間ではない。 最後には殺さなければいけない存在なのだ。 そして、その最後とは今だ。 銀の月との関係を清算するのは今なのだ。 「長過ぎたな」 寄り道をし過ぎた、と感じる。 シャドームーンも所詮は通過点であり、カギ爪の男に辿り着くまでの道程なのだ。 だから、ここで終わりにする。 言葉は必要ない。 シャドームーンとの関係の中にあるのは、結局のところ戦いだけだ。 他のオリジナル用のヨロイと違い、重火器は搭載されていない。 ヴォルケインのキャノンのような高威力の兵器もない。 ダンの武器はあくまで刀。 刀一筋で戦うのがダン・オブ・サーズデイなのだ。 「おい、アンタ」 「翠星石ですか?」 「そう、アンタだ」 あくまで名前で呼ばないヴァンに対し、翠星石は呆れたように溜息を吐く。 「少しだけでいい、アイツの動きを止めろ」 それだけ告げると、ダンは飛び去っていってしまう。 突然の申し出に翠星石は混乱するが、シャドームーンが跳躍するために膝を屈めているのが見えた。 「この辺でいいか」 ひたすら上昇を続けたダンは、高度二百メートルのところにいる。 シャドームーンの姿を認識できる最大限の高度を保った距離だ。 この距離から下降すれば、刀にも勢いが乗る。 シャドームーンの頑強な鎧を打ち破るには、もはやこれ以外の手段は無かった。 片腕で剣を振るっていても勝機は薄く、必殺の一撃を放つ必要があるのだ。 残った右腕で刀の柄を握り締め、ゆっくりと下界を見下ろすヴァン。 翠星石が奮闘しているようだが、まだシャドームーンの動きを止めるには至っていない。 待つ。 刃を下に向け、虎視眈々とシャドームーンの動きを追う。 刹那の隙も逃さぬよう、無言で刀を構え続ける。 先程までは溢れていた思考が、今はぴたりと鳴り止んでいた。 ヴァンの頭にあるのはたった一つだけ。 シャドームーンを殺す。 それだけだ。 「ッ!」 そして、その時は訪れる。 茨、蔦、花弁、黒羽の四つが同時にシャドームーンの四肢に絡み付いたのだ。 「チェエエエエエエエエエエスッ!!!!」 ブースターを最大出力で稼働。 強烈な推進力により機体が押され、ダンは瞬く間に空を駆け降りていく。 地上にいるシャドームーンを斬り殺すため、一騎当千の勢いで走り抜ける。 そして、刀を大きく振り被った。 二百メートルの距離は滑走路。 ここで助走を付け、飛行機が陸から飛び立つように相手を叩き斬る。 シャドービームで四肢を拘束していた物体を凪ぎ払うシャドームーン。 だが、遅い。 ダンは既に地上へと到達し、その刀を振り降ろしていた。 「トオオオオオオオオオオオオウッ!!!!」 サタンサーベルを振り翳し、ダンの一撃を受け止めるシャドームーン。 その瞬間、再び空間内を巨大な振動が襲う。 大地は悲鳴のように唸り声を上げ、大気はそれを克明に周囲へと伝達する。 巨大な金属の塊が二百メートルの高さから急降下したのだ。 シャドームーンであってもそれを易々と受け止めることはできない。 みしみしと強化外装・シルバーガードが軋みを上げる。 その身体は地面へとめり込んでいき、人工筋肉・フィルブローンからは蒸気が立ちこめる。 両手でサタンサーベルの柄を握り、さらにキングストーンのエネルギーを刀身へと送り込む。 エルボートリガーの超振動とキングストーンのエネルギーが加わり、サタンサーベルの威力は大きく向上する。 それでもまだシャドームーンの方が押されていた。 「こうでなくては……面白くないッ!」 今まで冷酷を貫いていたシャドームーンが、ここに来て興奮したように声を上げる。 生身で世紀王と渡り合った男が、今は創世王と化した自分を打ち倒そうとしているのだ。 自分が創世王を取り込んで成長したように、ヴァンも次々と新たな力を披露している。 創世王となっても敵が存在することが、シャドームーンは純粋に嬉しかった。 強者を完膚なきまでに叩きのめしてこそ、王の威厳は保たれるというものだ。 「シャドービームッ!!」 キングストーンにエネルギーを密集させ、螺旋状の光線として放射する。 ダンに避ける術はなく、機械の身体はあっという間に翠緑の光で呑まれていく。 今までの戦闘で装甲の大半が剥がれていたため、光線は直にその身体を苛んでいった。 「ぐああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」 電流が迸る音に紛れ、耳を覆いたくなるような絶叫が鳴り響く。 電気に近い性質を持つシャドービームは、ダンを通じてヴァンの肉体すらも破壊する。 掠っただけでも被害をもたらす光線が、途切れなく肉体にまとわりついているのだ。 意識は酩酊し、皮膚は爛れ、筋肉は痙攣し、血液は沸騰する。 強烈な電流によって神経繊維は焼き切れ、人間が感じることのできるあらゆる激痛がヴァンの全身を蝕んでいった。 「何故だ」 それなのに。 「何故、まだ私が押されている」 未だにヴァンの力は衰えない。 それどころか刀に込められた力はさらに増しつつあった。 「……何でかって、そんなの決まってんだろ」 シャドーチャージャーは途切れることなくシャドービームを発射し続けている。 ダンは全身から火花を飛び散らせ、至るところから黒煙を昇らせている。 この損傷具合で、創世王に勝る力を出せるわけがない。 マイティアイによる分析結果は完璧だったはずだ。 「お前を殺すために決まってるだろうがあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」 ピシリ、と音が鳴る。 その音源はダンの身体からでも、シャドームーンの身体からでも無かった。 音の正体、それは―――― 絶対に折れることのない、折れてはならない証。 ゴルゴムの、創世王の象徴。 魔剣・サタンサーベルに亀裂が入った音だった。 「馬鹿な!? サタンサーベルが折れるだと!!」 象徴は砕け散る。 サタンサーベルの刀身は根本から折れ、真っ二つになって宙を舞う。 そして―――― 「チェストオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」 サタンサーベルの防御を破った斬撃は、シャドームーンの装甲すらも斬り裂いた。 「ぐ……おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」 ダン・オブ・サーズデイは刀を象徴としたヨロイ。 故に斬れないものなど存在しない。 ダンの刀はシルバーガードを突き抜け、フィルブローンすらも一刀両断した。 シャドームーンは仮面の下から低い声を漏らし、おぼつかない足取りで後退していく。 傷口から火花と煙を飛び散らし、その度に銀色の破片が足下へと落ちていった。 たった一撃だが、その被害はあまりにも甚大。 創世王と化したシャドームーンですら、まともに立っていることができない。 「これで……全部終わりだ」 だが、それはヴァンにとっては最大の好機。 長過ぎた因縁を清算し、次に進むための好機なのだ。 十メートルほど背後へと下がり、突き出すように刀を腰に構えるダン。 そうして、再びブースターを点火。 G-ER流体と同色の青い光を噴出し、ダンはシャドームーンへと突進する。 今のシャドームーンは反撃も、迎撃も、回避も、防御すらもままならない。 「死いいいいいいいいいいいいいいいねええええええええええええええええッ!!!!!!」 多くの思いを乗せた刀が、ついに銀の月を突き抜ける。 ――――はずだった。 シャドームーンに刀が到達する直前、ダンの動きはピタリと停止してしまう。 ブースターの噴出も止み、身体から光が失われていく。 あと数センチでシャドームーンを串刺しにできるのに、ダンは刀を突き出したまま動かない。 まるで時間が止まっているようだ。 しかし、ダンの身体からは火花や煙が上がっている。 先程よりもその強さは増し、パチパチと音を鳴らしていた。 翠星石とつかさは、呆然としながらダンを見上げている。 「どうしたです、なんで動かないんです? あと少しであいつを殺せるじゃないですか」 ダンを見上げながら、翠星石は狼狽している。 あれだけシャドームーンを敵視していたヴァンが、何故この期に及んでトドメを刺さないのか。 翠星石はその理由を理解することができない。 ダンの瞳からは、燃え盛る炎のような赤は消えている。 だが、翠星石は気付かない。 つかさも気付かない。 気付いたのは、シャドームーンだけだった。 「……死んだか」 淡々とした口調でシャドームーンは言う。 ダンの刃は届かなかった。 今までの傷に加え、シャドービームを長時間も浴び続けたのが原因だ。 あと一歩、あと数センチのところで、ヴァンの命は尽き果てた。 操縦桿を握り締めながら、無職のヴァンは死んでいた。 時系列順で読む Back 叶えたい願い-翠星石 Next 叶えたい願い-北岡秀一 投下順で読む Back 叶えたい願い-翠星石 Next 叶えたい願い-北岡秀一 173 叶えたい願い-翠星石 志々雄真実 173 叶えたい願い-北岡秀一 シャドームーン 翠星石 柊つかさ 北岡秀一 ヴァン GAME OVER
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【登録タグ FF12 う セフィロス ヴァン】 【タイトル】=ヴァン・ウェミダー= 【概要】映画あるあるシリーズ第4弾。今回は「アドベンチャーもの」という事で 冒険が似合いそうなヴァン氏が主演、FF7以降のPS世代組総出演でお送りします。 フルタイトルは『ヴァン・ウェミダーの冒険 ~ ファラオと 光のクリスタル ~』です。 果たしてヴァン・ウェミダーは、悪人セフィロスから光のクリスタルを守れるのか!? 地味にギャグ要素もあります。 【対象】映画好きな人・12ファン 【バトル】セット固定・ラウンド2戦 1セフィロス 2ヴァン 【作者より】ウェミダーは、ヴァンの名字という設定ですwちょっとふざけてますが キャラ崩れはしてないと思います。設定は無茶です。 前作のファンタジー映画はこちら→ =ジタンと魔法の剣= 【コード】0000-1011-0296-3918 【作者名】Toki スレ感想 【2スレ】 あるあるシリーズ待ってました! ライトさんアイコンの使い方が見事ですね! 随所にFFネタが散りばめてあって感心しました ストーリーやあるあるネタのクオリティも素晴らしかったです!次回作が楽しみだ!( 280) コメント 名前 コメント
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任務完了 [식비한 석판]を読んでみる → 韓国語の部分は「神秘の石版」 - 名無しさん 2009-12-19 23 55 18 更新しました。ありがとうございます。
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チェシャび手紙が入手できなくて、クエストが完了しません。これはもうクリアできないのでしょうか? - アステカ 2010-02-02 20 24 27 ケイチョウでリセットできない!? - あうあう 2009-10-31 11 13 24
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Q.一日クエって何ぞー? A.クエリセ書使わなくてもAM6時になると自動でリセットされるクエの事 ちなみに自分からはリセットして周回する事は出来ない(だから1日クエ) 毎日リセットされたり、曜日によってリセットされたりクエスト毎に違いがある リセ書要らずで結構美味しいクエが多い 特にLv102から受けれる「掲示板」、「エンリコ」、「カリブ」は中々の美味さ 145からは幸運のコインクエストがある ヒストリア印章は称号クエでつかうしなにより称号が優秀 よゆうがあるならまわすとよい 気になるなら一回やってみろってこったな
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暇な奴つくろかw
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解散
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No ギルド名 ギルマス LV 人数 支配村 4 helloworK おっおっおっ 63 24/40 コロンボ 48 職安 ヤクソン 44 24/40 漢陽 89 自分へのご褒美 シャイナー 53 33/40 ヤンゴン 106 ROYALvipTEA 加藤 66 28/40 パリ 193 邪気眼 レミュ 58 28/40 サンクトペテルブルク 342 総合自宅警備保障 だがそれがいい 49 14/40 カトマンズ ※現在ギルドダンジョン調整の為、仮ギルマス適用中。上記が本来のギルドマスター。 ギルド 平均Lv 備考 ハロワ 高 廃古参5~6人が常駐 職安 中 gdgdの代名詞 ご褒美 中 ようやく新ギルマスでのまともな運用開始 vip茶 低 新規いっぱい 邪気眼 高 ソロ多め 総自警 95↑ ギルダン用 国家:超暗黒大帝国VIP 参加ギルド helloworK 職安 ROYALvipTEA 自分へのご褒美 邪気眼 総自警 更新2009/1/10
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適当に書いとく 破壊された蛇の寺院 (アンコールワット内部) 敵Lv50~62 報酬 烙印を押された蛇の壷 中級スキル書が入ってるとか マクスブルク城 (ヨーロッパ北部 プラハ北西) 敵Lv90~99 報酬 狂った城主の印章(征服者装備の材料) 敵がめちゃくちゃ多かった 秦始皇陵 (中原 長安東) 敵Lv? 報酬 不死王の宝箱 Lv100の武器が出る 黄龍洞窟 (長安南) 敵Lv100~110くらい 報酬 封印された龍の箱 封印された龍の牙が高く売れるらしい 中ボスみたいの痛いし、一部のMAPのMOBとラスボス浮いてる 忘却の谷 (バンクーバー北) 敵Lv100~ 報酬 歪んだ守護者の箱 てんこ雇用に必要なアイテムやストームブリンガーが出る 敵がセトって痛い オートレべリングが適用された 2FいったらMOB多すぎて萎えるでw