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龍王機,超機龍が持つ能力,特定の条件を見たしたクリーチャーとバトルする時に発動する。 野生解放×××(このクリーチャーが次の条件を満たすクリーチャーとバトルする時,次の能力を得る: その条件は相手の文明から名前まで様々である。 龍王機ヴォルガンナー 火/光 レア コスト5 5000 アーマード・ドラゴン/グレートメカオー ■マナゾーンに置く時,このカードはタップして置く。 ■ブロッカー ■野生解放パワー3000以上(このクリーチャーが次の条件を満たすクリーチャーとバトルする時,次の能力を得る。):このクリーチャーがブロックした時,相手のパワー2000以下のクリーチャーを一体選び破壊する。 汚染されたこの星を生き抜くために,龍は光の機械人形との融合を果たした。 背景ストーリーでは,機械によって制御された龍達が,その真価を表すというイメージ。 制作:神戸
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GD87-9式機械人() 登場作品 +目次 ハーツ 関連リンク関連種ハーツ ネタ ハーツ No. 252 種族 無機物? Lv 58 HP 23470 攻撃力 810 術攻撃力 330 防御力 1010 術防御力 950 命中力 960 回避力 980 集中力 960 弱点属性 闇 経験値 490 ガルド 500 出現場所 希望の塔ジャックシードコランダームのスピルメイズ 落とすアイテム 玉鋼×3・黄銅×3 盗めるアイテム 黄銅 (※基準はNormal 落とすものは最大値) 行動内容 両腕を振り下ろして前方の相手を攻撃する。 挟み込んで前方の相手を攻撃する。 鋏による突きで前方の相手を攻撃する。 開いた鋏から放電して前方の相手を攻撃する。 鋏を回転しながら突進して前方の相手を攻撃する。 総評 希望の塔ジャックシードに出現する鋏状の腕を持った2足歩行の機械人。 2回分の鋼体を持ち、鋏を使った格闘攻撃の他、放電による攻撃を行う。 突進以外は単発攻撃だが、攻撃力が非常に高いので直撃はなるべく避けたいところ。 ▲ 関連リンク 関連種 ハーツ NJ4-8式機械人 PT1-0式試作機人 ▲ ネタ ▲
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巡界のD・Eオーリキャルク ≡V≡ 水/光 ∞ クリーチャー:ヒューマノイド/シノビ/ヒーロー 0000+ ■マナゾーンに置く時,このカードはタップして置く。 ■エンドレス・ノヴァ(このクリーチャーをコストを支払って召還した時,このクリーチャーはバトルゾーンを離れるまで,このクリーチャーの持つ,その時に支払ったコスト以下の値を持つ次のEN能力を得る。) EN5- バトルゾーンにあるクリーチャーを相手が選ぶ時,このクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし,このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい) EN7- このクリーチャーは「ブロッカー」と「W・ブレイカー」を得,このクリーチャーのカワリミ・チェンジの値は+5される。 EN10- このクリーチャーが自身のカワリミ・チェンジ能力によりバトルゾーンを離れる時,かわりにバトルゾーンに留まる。また,このクリーチャーのカワリミ・チェンジの値は+5される ■カワリミ・チェンジ3 ■このクリーチャーのパワーはこのクリーチャーを召還する時に支払ったコスト1つにつき+1000される。 「パンドラ・クライン」と同時期に発見された次元結晶「タキオン・ドライブ」,次元と次元を繋ぐ力を持ったそれは,彼女と対となる機械人形に託された。 作者:かみど ∞対応へ(11/22) 10コストで召還すれば最大13コストのクリーチャーを踏み倒せるようになります。なお素のカワリミ・チェンジが3なのはコイツ自体の最小召還コストが2であるため。 名前 コメント
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登録日:2014/02/24 Mon 17 10 35 更新日:2024/06/22 Sat 22 30 34NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 4面ボス SDX USDX あつめて!カービィ たちはだかる! へそくり アックス アックスナイト カルテット カービィマスター ギャラクティックナイト サイボーグ集団? サブゲームでは4面ボス ザコ以上中ボス未満 ザコ敵軍団 ジャベリン ジャベリンナイト タコ←ではない ダス トライデント トライデントナイト ドクロ バイキングメット バトルデラックス ブースター メイス メイスナイト メタナイツ メタナイツでゴー! メタナイト メタナイトの逆襲 モーニングスター ルームガーダー ロボボプラネット 三又槍 三日月 中ボス 四人組 四脚 夢の泉の物語 夢の泉デラックス 投げ槍 斧 星のカービィ 星のカービィキャラクター項目 槍 空中探検隊EOS 精鋭 鉄球 骸骨 メタナイツとは、星のカービィシリーズに登場するキャラクター「メタナイト」の部下達である。 概要 謎の仮面の騎士、メタナイトに仕える軍団。 作品によって表記を「メタ・ナイツ」と区切る場合があるなど少しややこしい。 全部で4種類のナイトがおり、それぞれ姿や得意とする武器が異なる。 戦いでは常に2体以上で徒党を組むのが特徴。 共通して普通のザコ以上に体力が多く、かつカービィの吸いこみが効き辛い。 そのためコピー能力を持った状態で戦うと有利。 しかし吸い込めない訳ではなく、その気になればすっぴんでも戦う事は可能である。 飲み込んだ所でなぜか全員スカなので、星型弾として吐き出した方が利用価値は高い。 当時のアンソロ4コマ漫画でもスカであることをネタにしたものが散見される。 メタナイトの部下という重要なポジションにもかかわらず、 星のカービィシリーズ全体で見ると出番は決して多くない。 だが、出演作のいずれも名作と評判高いゲームなので割と知名度はある。 アニメには出られなかったが、人数が多いためだろうか。 後に小説版にも登場しており、概ね「メタナイトの逆襲」に沿ったキャラ付けになっている。 メンバー メイスナイト 鉄球(メイス)が武器のナイト。基本カラーは紫色だが、『SDX』では青。緑と赤の色違いもいる。 メタナイツの中では唯一の2頭身キャラ、かつ典型的な鈍重パワータイプである。 相応に体力も多く、『夢の泉』の時点からタフだった。 メイスナイトに限った話ではないが、目のバイザー部分が機械っぽく見えるのでサイボーグっぽい。 目のバイザー部分が機械っぽいのはアニメ版のマッシャーの演出にも反映された。 「メタナイトの逆襲」では唯一、「わし~だス」と訛り口調で話す。ボケ役。 媒体によっては「メスナイト」なんて誤記をされてしまっている。 メスって…。 小説版においても訛り口調は健在。バル艦長とよく漫才を繰り広げる。 主な技 鉄球投げ 頭上で鉄球を振り回し、投げつける。 『星のカービィ2』のマッシャーみたいに上へ投げるといった対空バリエーションは無いが、どの作品でも一貫してリーチが長い。 振り回しながら突進 頭上で鉄球を振り回し、そのまま横移動を延々と繰り返す。 接近戦そのものを拒否する恐ろしい技で、この技を使う個体は何があってもずっと行い続ける。 「メタナイトの逆襲」には登場しなかったが、 リメイク版でギャラクティックナイトが召喚する個体はよりにもよってコレ。 メタナイツの中でも特に厄介。 鉄球ラッシュ 『SDX』限定。 連続で鉄球を振りながら詰め寄ってくる。 アックスナイト 斧が武器のナイト。基本カラーは赤(オレンジ?)色。 バイキングメットを被ったドクロの1頭身とも言うべき姿で、 全体的にメカメカした風貌のメタナイツにおいてまだ生身感はある。 行動パターンはサーキブルの上位互換。 「メタナイトの逆襲」ではメイスナイトと同じくしゃべるが、特に口癖などは無い。実況役。 メタナイツの中では一人だけ登場作品数がちょっと多い。 小説版では仕事に真面目な戦士となっている。 主な技 斧ブーメラン 前方に斧をブーメランのように投げる。 後ろに投げたと見せかけ、ジャンプでかわすテクニックも備えている。 斧斬りつけ うかつに接近すると斬りかかってくる。 『SDX』は連続でザクザク斬ることも。 斧斬りつけ移動 『夢の泉』のある個体だけが使用。 出現してから延々と、斬って進む動作を繰り返して足場を往復する。 正面から相手するよりも背後をとった方が安全。 トライデントナイト 三又の槍が武器のナイト。基本カラーは紫色。 三日月の飾りがついた兜の一頭身である。 高台から槍を投げて攻撃するのが得意。というか『夢の泉』ではそれしか出来なかった。 後に『SDX』では背中のブースターで空を飛ぶ機能が追加され、若干サイボーグチックになる。 怯むとバイザーに×印が映るお茶目な一面も。 小説版だとやや影が薄いが、他のメンバーとの仲は良好であり、1人の意見に全員同意する程。 主な技 槍投げ 槍を投げてくる。吸いこみは不可能。 『夢の泉』ではその場から3パターンの軌道(徐々に遠くへ届く)で投げる個体と、 せわしなく前後移動しながら投げる個体がいた。 『SDX』だとカービィが空中にいる時だけ、ブースターで飛んでから一本投げてくる。 百烈突き 『SDX』限定。 身構えると背中のブースターで急接近し、カービィの眼前で突きまくる。 ちなみに突き部分は飛び道具扱いらしく、ミラー能力でガードすると勝手に自分の突きで自滅してくれる。 ジャベリンナイト トライデントとは違う、先が1本の大槍が武器のナイト。基本カラーは赤。 メタナイツの中では最も非生物的なタコっぽい姿で、 兜のような一頭身に回転する4脚がついているという、明らかに生き物ではない構造をしている。 しかも『SDX』では、ダメージを受けた際に緑色のバリアのようなものが確認できる。…ロボットなのか? 行動パターンはふわふわとバウンドしながら、不意に攻撃を繰り出すというもので読み辛い。 体力はメンバーの中で一番低いのが唯一の救いか。 ちなみに漫画「ウキウキ大冒険」では他3人が登場してるのに対して唯一ハブられている。 小説版では意外にもロボット的な喋り方はしないため、ちゃんとした生物らしい。しかも歌が得意で「なかなかの美声」とのこと。…どういうことだろうか。 主な技 槍投げ トライデントナイトと違い、先端が燃える槍を投げてくる。 やっぱり吸い込めない。 槍回転(永続) 槍を周囲にブンブン振り回しながら移動する。 性質の悪いことにメイスナイトのそれと違って、徐々に空中へ跳びあがってくるのだから始末に負えない。 『夢の泉』限定であるのが救いか。 槍回転(単発) 『SDX』限定。 その場でバウンドしながら、周囲を槍でなぎ払う。 槍突き出し 真っ直ぐに槍を突き出してくる。 回転しないので一方向のみ。 メタナイツ? 公式ツイッターで彼らが紹介された際には共に「メタナイトの逆襲」で活躍したバル艦長と船員ワドルディもセットで紹介された。同じハルバードの乗組員として彼らもセットで扱われることは公式非公式問わず多い。 『USDX』からはソードナイト、ブレイドナイトとセットで扱われることもある。 これは「メタナイトでゴーDX」にてメタナイト専用ヘルパーという大役を与えられ、 スタート画面でもメタナイトの横に堂々と映っていたことからメタナイトの部下のイメージが定着し、同じくメタナイトの部下であるメタナイツと関連付けられたという経緯。 更に遡ればアニメでメタナイト卿の隣にいたのがこの2人であり、その逆輸入である。 また『星のカービィ2』にもメタナイツそっくりの敵キャラが登場する。 いずれも吸い込みが効かない(ただし『ロボボプラネット』の撃破後のマッシャーは除く) マッシャー 鉄球、もしくはメイスが武器の戦士。メイスナイトに似てる。『星のカービィ2』の時点ではザコだったが、 アニメ版では最強魔獣として君臨し、更にメガシンカを遂げた強化版のパワードマッシャーが登場するなどアニメ版における最強クラスの一角。 その後『ロボボプラネット』のサブゲーム、『カービィの3Dチャレンジ』にてアニメ版を彷彿とさせるボスを務め、青、紫、赤が登場する。 その内のラスボスを務める赤いマッシャーは盾も装備している。ザコが(サブゲーム内の)ラスボスに昇格するのはシャドーカービィ以来。 『3Dチャレンジ』のソフト版、『カービィのすいこみ大作戦』では中ボスに格下げられた関係でやや弱体化している。 問題はシークレットステージの方、そこでは2体同時に現れる事もあり、特に赤と紫のタッグはフィールドの狭さも相まって、かなり苦戦を強いられる。人によってはデデデ大王リベンジよりも強いという声もある。 アニメで最強魔獣として君臨してからどんどん威厳が増していくような…。 バッツ 斧を武器にしている戦士。アックスナイトに似ている。ぶっちゃけグラフィック上ではツノがない以外アックスナイトとほとんど変わらない。 ブレイド 剣士。ブレイドナイトに似ているが、外見だけで言えばソードナイトに似ている。 剣は斬りつけるだけでなく、飛び道具をかき消す効果もあり、吸い込めないのも相まってなかなかに厄介な敵。 何故か他の2人がいない5—1、7-2、7-5にもいて、6-3に登場する個体は他の2人が2人ずついるのに対し何故か1人のみ。 アニカビ制作当時存在をすっかり忘れられてしまったかのような節が散見されている。(*1) おもな出演作 星のカービィ 夢の泉の物語 メタナイトと共に初登場。 レベル2~6にかけて、各レベルで1回ずつ戦う中ボスの扱いを受けている。 BGMはボス戦のものと同じ。 戦闘前に必ずメタナイトが現れ、こちらの実力を試すかと言わんばかりにメタナイツをけしかけてくる。 (メタナイトはすぐに離脱) ステージごとに地形が大幅に異なっており、登場するナイツの傾向や攻撃パターンも違う。 特にレベル6では滑る氷の床で戦わなければならず、少々手ごわい。 ちなみにレベル6では無敵キャンディの効果が切れる前にメタナイツが登場するエリアに入るとBGMがボス戦のものにならないまま戦う事ができる。 カービィのピンボール 2周目以降のポピーブラザーズランド上段で、ポピーブラザーズJr.にタマゴを消されることなく全て孵化させるとアックスナイトが出現し、77700点もの高得点が手に入る。 早くもメタナイツが全員揃わず、一部だけ登場する作品となった。 ちなみに各ステージに同じように条件を達成すると登場するナイトキャラがおり、ウィスピーウッズランドではブレイドナイトが、クラッコランドではメタナイトが現れる。 星のカービィ スーパーデラックス 「白き翼ダイナブレイド」以降の各モードに登場。 白き翼ダイナブレイド マシュマロ城の一室に中ボスとして登場。 わずか3体ばかりと小規模だが、この部屋自体が何もないためにトラップのような役割を果たしている。 洞窟大作戦 古代の塔の橋上に中ボスとして登場。 鉄球を延々と振り回すメイスナイトが唯一出現する。 それ以外は「白き翼~」と大して変わらない。 メタナイトの逆襲 大本命。 プププランドに革命を起こそうとするメタナイトの部下として活躍。 敵側の会話にメイスナイトとアックスナイトが参加しており、終始存在感を発揮する。 例の迷言でも有名。 「たかい。」 「さむい。」 「こわいだス。」 「・・・・・・おまえら。」 ちなみにメイスナイトは戦艦のどこかの部屋にへそくりを隠している。 発見時の会話は必見。 「(・・・・・・おいしそう。)」 敵キャラとしてはChapter1に雑魚敵で現れるほか、Chapter4・7にも中ボスとして登場。 特にChapter7では一度に3体も現れるため、ヘルパー無しでは少々きついものがある。 何より制限時間があまり残されていないのも大きい。 しかしこのイベント、戦闘開始前にメイスナイトが「ここから先は通さないだスよ!」と言うのだが、 よりにもよって出現メンバーにメイスナイトが入っていないという矛盾が発生している。 多くのプレイヤーは先を急ぎたいためにさっさと倒してしまうから、気付かなかった人もいるのでは? 後述のリメイク版『ウルトラスーパーデラックス』では、このイベント時にメイスナイトも出現する様になった。 銀河にねがいを 水の星アクアリスに登場。他のザコ敵と同様に色違い。 途中の水に囲われた城のようなエリアに登場するが、勝手に足をすべらせて水に突っこみ溺れて消滅することも…。 ポップスター側のメタナイツ達との関係は不明。 中ボスではあるが、雑魚の寄せ集めという形式のためか 残念ながら「格闘王への道」には登場しない。 星のカービィ 夢の泉デラックス 『夢の泉の物語』のリメイク版でもしっかり参戦。 グラフィックが『SDX』のものに近くなり、サイズが大きくなった。 また、BGMが原作より変更され、64の中ボス戦のアレンジが専用曲として割り当てられるという待遇を受けた。ルームガーダー繋がりだろうか。 この曲は後にタッチ!カービィや参上!ドロッチェ団でも使用された。 本作にはメタナイトが主人公の追加モード「メタナイトでゴー」が登場するわけだが、 その場合でもメタナイツはしっかり敵のメタナイトの部下として襲い掛かってくる。 ……あれ? 星のカービィ ウルトラスーパーデラックス 『SDX』のリメイク版でもやっぱり参戦。微妙にグラフィックが描き直された。 『メタナイトの逆襲』での一部会話文の改訂、追加や前述のメイスナイトの件を除けば既存モードでオリジナル版からの変更点は無い。 メタナイトでゴーデラックス 『夢の泉デラックス』同様に、敵として主君のメタナイトと戦うことになる。(敵としてのメタナイトは今回は登場せず、メタナイト同士の対決はない) どうして自分達がヘルパーに選ばれなかったのか、内心やっかんでいる事だろう。しかし後述の作品で… 最終ボス「ギャラクティックナイト」のナイト召喚でも呼び出される。 こちらは全員紫色のカラーリングの「クローン」となっており、基本的な行動パターンは変わらないが メンバーの中でもメイスナイトは常時鉄球を振り回すため、非常に危険。 ギャラクティックナイトは後に「真・格闘王への道」でも登場。 もちろんナイト召喚を使うので、クローンだがある意味ではメタナイツも参戦に成功した…という事になる。 あつめて!カービィ サブゲーム「空中探検隊EOS」「カービィマスター」に登場。 空中探検隊EOS なんとメタナイツ全員が4面ボスに出世。 宇宙戦艦ハルバードから出動し、カービィに襲い掛かる。 いずれも中ボス時代がウソのようにタフな体を手に入れており、総合的にかなりの耐久力。 宇宙空間という都合上、全員ブースターのようなものが付いている。 最初はメイスナイト、ジャベリンナイトと同時に戦う。 メイスは鉄球を振り回しながらゆっくりと近づき、ジャベリンは先頭のカービィと縦軸を合わせて槍を連射する。 この辺りはまだ小手調べに過ぎない。 2戦目はアックスナイト、トライデントナイトが同時に出現。 トライデントは画面上下から力を溜めて突進するという単純なパターンで、狙いにくいものの大したことは無い。 問題はアックスの方で、左右両脇を上下移動しながら斧を投げつけてくるのだが その中にカービィをホーミングする金色の斧が混ざっているため思わぬ被弾が起こりやすい。また、一定ダメージを受けるたびに画面中央で大量の斧をばら撒く。 両者の攻撃パターンが絶妙に互いを補完し合っており、ノーダメージで切り抜けるのは困難。 人によっては5面ボスのメタナイトやラスボス(6面ボス)のナイトメアより強いと言われることも。 カービィマスター 第3章の8戦目に登場。 やはり全員揃って戦いを挑んでくる。 体力は多少ばらつきがあり、中途半端なダメージだと倒しきれない恐れがある。 マーベラス攻撃が出たら関係ないが なお、この次の9戦目、つまり章ボスの前座にはソードナイト&ブレイドナイトが配されており、 見方によっては彼らの地位・上下関係を示唆している可能性が考えられる。 あくまでそう見えそう、というだけの事だが。 星のカービィ ロボボプラネット 「メタナイトでゴーリターンズ」のメタナイトの必殺技「メタナイツでゴー!」に登場。消費35ポイントの全体攻撃技。メタナイトが飛び立った後順番にメタナイツが攻撃、最後に集合してポーズを決めて爆発とかなり派手である。 威力もクラッシュ並。 コンパクトなタイプに逆輸入のギャラクシアダークネスがあるがあちらはメタナイトと横軸を合わせないとダメージを与えられないという欠点を持つ。 コストは安めだが、残り体力の多い大ボス相手ではポイントを貯めてゴーを撃った方がよい。 同モードのクリア画面では、メタナイトを讃え喜んでいる姿を見られる。 カービィ バトルデラックス! ストーリーモードでメタナイトのお供としてアックスナイトが登場する。アックスナイトはCPU専用キャラであり、コピー能力「カッター」と同様の性能。倒すと小物臭くて甲高い悲鳴が響きわたりシュール。 その他、本人ではないがスピア能力のきせかえでジャベリンナイトをモチーフとした「ジャベリンヘッド」が存在する。 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL スピリットで登場。 やはりというかメタナイトに乗り移っており、戦艦ハルバードを舞台に体力制ルールで戦う。 最初はキルソード持ちのメタナイトだけだが、時間が経つとさらに3体のメタナイトが出現する。 そのうちの2体はリーチが長いビームソードと竜巻や威力が強力な巨塔を持っているので早めに撃墜させたい。 ステージはハルバードの甲板から始まるので相手に気を取られてレーザー砲やへろへろ弾の攻撃にも注意するべし。 スピリットとしての性能は階級ACEの無属性アタッカーでスロットは3あり、剣を使った攻撃の威力が上がる。 剣が得意なメタナイトとは相性が抜群なのでぜひ彼に装備させてあげたい。 ビームソード持ちで1体だけ赤いのがジャベリンナイト役で巨塔を持っているのが恐らくメイスナイト役と思われるが、アックスナイトとトライデントナイトは最初に戦うキルソード持ち個体か途中から加わるアイテムなし個体のどちらに乗り移っているかは曖昧。 可能性としては「メタナイトの逆襲」においてクルーの中では常識人で「バトルデラックス!」ではメタナイトのお供に抜擢された事からキルソード持ちの個体がアックスナイト役の可能性が高いと思われる。 追記・修正は彼らがまた再登場する事を願っている人にお願いします。 出典 『星のカービィ スーパーデラックス』任天堂 ハル研究所 1996年3月21日発売 (c)1996 HAL Laboratory.inc/Nintendo. △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コピー云々書いてあるけど、歴代のコピー能力にメタナイツの特徴と合致する能力ってあったっけ? メイスとハンマー……は別物か。 -- 名無しさん (2014-02-24 17 54 51) ↑挙動だけならメイスがヨーヨーかハンマー、アックスがカッター、トライデントがジェットかスピアで、ジャベリンがエンジェルかな? -- 名無しさん (2014-02-24 18 06 10) wwww -- 名無しさん (2014-03-02 15 49 29) トライデント振り回してるんじゃなくて、目からビーム出してるようにしか見えない -- 名無しさん (2014-10-15 18 41 55) 間違えた。ジャベリンだった -- 名無しさん (2014-10-15 18 43 07) 昨今はメタナイトの扱い的に本編に全く登場しなくなって寂しい。 -- 名無しさん (2015-02-18 17 59 05) メイスナイト女の子説 メスナイト -- 名無しさん (2015-04-15 14 57 21) ↑2 最新作で復活しました。 -- 名無しさん (2016-04-28 23 58 24) メタナイトでゴー・リターンズでメタナイト最大の必殺技という素晴らしすぎる立場を獲得した模様 -- 名無しさん (2016-04-30 17 27 32) トライデントの銛は地味に壁抜け(っつーか床抜け)効果付いてる上に最上段に出て投げてくっから性質悪かったな -- 名無しさん (2016-04-30 18 21 11) 初登場から13年の時を経て、ようやくジャベリンが感情を感じさせる仕草を… -- 名無しさん (2016-05-02 01 04 04) ステッカーのメイスナイトは何故かオレンジ色 青か紫のイメージ強いからちょっと違和感が -- 名無しさん (2016-05-18 00 43 52) アクアリスの出現エリアで、適当な掴み技で奈落に投げ込むと、何故か死なない エリア端で上下し続ける謎の現象が。 -- 名無しさん (2016-07-18 18 14 08) 小説版ではジャベリンも感情があったはず。 -- 名無しさん (2017-07-02 23 17 39) そういえばアニカビのパワードマッシャー戦とそっくりなシーンがスタアラにもあったな -- 名無しさん (2018-03-23 21 33 07) メイス、アックスと来たらランス、サイスにして欲しかったと今でも思う -- 名無しさん (2019-08-17 11 17 19) トライデントやジャベリンもメタ逆に登場して会話するようなモードまたやらないものか。 -- 名無しさん (2021-02-20 17 03 36) 名前 コメント
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ゲームタイトル:ア行:PSPのUMDディスクでカードを入手 ゲームタイトル 入手カード(通常版) 入手カード(ベスト版) ARMORED CORE FORMULA FRONT International 柴戦士タロ カード名 アイ・オブ・ジャッジメント 神託のウィザード ルイーズ カード名 アイシールド21 Portable Edition カード名 カード名 アイドル雀士スーチーパイⅢ Remix バースト・インパクト カード名 アイドルマスターSP パーフェクトサン 古代の機械城 カード名 アイドルマスターSP ミッシングムーン 地割れ カード名 アイドルマスターSP ワンダリングスター 熟練の白魔導師 カード名 悪魔城ドラキュラ Xクロニクル ヘル・ブラスト カード名 ADVENTURE PLAYER カード名 カード名 ASSASSIN S CREED ブラッドライン 神鳥シムルグ カード名 アナタヲユルサナイ カード名 カード名 イース7 海竜神の加護 カード名 イース-ナピシュテムの匣- カード名 カード名 いただきストリートポータブル ブルーアイズ・トゥーン・ドラゴン カード名 イーディス メモリーズ ~新天魔界 GOCⅤ~ バイオ僧侶 カード名 一騎当千 Eloquent Fist N・エア・ハミングバード カード名 一騎当千 Xross Impact フォーチュンレディ・ファイリー カード名 頭文字D STREET STAGE 騎士の称号 カード名 イノセントライフ 新牧場物語 カード名 カード名 イレギュラーハンターX 水霊術-「葵」 カード名 インテリジェント ライセンス カード名 カード名 インテリジェント ライセンス 2 有翼幻獣キマイラ カード名 インフィニットループ~古城が見せた夢~ マックス・ウォリアー カード名 ヴァルキリープロファイル -レナス- 異界空間-Aゾーン カード名 VALHALLA KNIGHTS - ヴァルハラナイツ - 緊急同調 カード名 VALHALLA KNIGHTS 2 緊急同調 カード名 VALHALLA KNIGHTS 2 BATTLE STANCE 闇の呪縛 カード名 ヴァンテージマスターポータブル カード名 カード名 ヴァンパイアクロニクル ザ カオスタワー A・O・J サンダー・アーマー A・O・J サンダー・アーマー ウィザードリィ エンパイアⅢ ~覇王の系譜~ イービル・ソーン カード名 ウルトラマンFighting Evolution 0 生還の宝札 カード名 AIR カード名 カード名 AI麻雀 カード名 カード名 ACE COMBAT X Skies of Deception 世紀の大泥棒 インフェルニティ・デストロイヤー 英雄伝説 ガガーブトリロジー 朱紅い雫 カード名 カード名 英雄伝説 ガガーブトリロジー 海の檻歌 カード名 カード名 英雄伝説 ガガーブトリロジー 白き魔女 暗黒ステゴ カード名 英雄伝説 空の軌跡SC Disk1 ヘリオス・トリス・メギトストス カード名 英雄伝説 空の軌跡SC Disk2 邪神ドレッド・ルート カード名 英雄伝説 空の軌跡FC 死のメッセージ「E」 カード名 英雄伝説 空の軌跡 the 3rd カード名 カード名 英雄伝説 空の軌跡 マテリアルコレクション ポータブル カード名 カード名 エキサイティングプロレス7 SMACKDOWN! vs. RAW 2006 カード名 カード名 エルミナージュII 双生の女神と運命の大地 王家の守護者 カード名 SDガンダム GGENERATION PORTABLE べビケラザウルス カード名 SSX On Tour ポータブル カード名 カード名 おおかみかくし 六武衆の師範 カード名 - カード名 カード名
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●過去人物 ●ウィルドネア +... アルフレッド・ホーキング ジェームス・ベック フィオナ・レダーニ ジギー・ロケットマン ●ミョウジョウ +... 泰山府君(たいさんふくん) 悪路王(あくろおう) 土蜘蛛(つちくも) 肉芝仙人(にくしせんにん) 隠神形部(いぬかみぎょうぶ) 須曽王(スサノオ) 李華(リーファ) 五黄灯博文(ごおうとうひろふみ) ●トゥカトゥトゥルフ +... イサナ・トゥカトゥトゥルフ アリカ・マナ ヤーヤ・クーロ ●その他 +... 大導師イサカル ●現代人物 ●ウィルドネア +... ●王家 ライア・ウィルドネア ●12貴族 アメリア・ローディアン アルト・アベル クララ・アラン カルロス・バラデュール アロイス・ダナー ジャンヌ・クラヴィエ アドルフィーネ・エプシュタイン ウォルター・ベイリー オリヴィエール・テュラム ヴァルター・グレル レイラ・ボイド ジョセフ・ヘンドリクス ●その他 ツイン・ショット セッカ・オウトウ ジョン・ベック ●ミョウジョウ +... 明王(みょうおう) 京石 紫煙灯(きょうごく しえんとう) 大佐和 不変王(おおさわ ふえんのう) 雅部 飛鳥仙(みやべ あすかせん) 荒間 他門部(あらま たもんぶ) 京璽簾照子 ●トゥカトゥトゥルフ +... ラキネ・トゥカトゥトゥルフ ホズ・レォ・トゥカトゥトゥルフ ドゥム・ボロス グラムド・ハバー オウミ・マツナガ ハニィ・アイナ ●その他 +... ニコラス・キャスター シンシア・コレクト ジェフリー・ウォリントン サラ・シンプソン
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第三話「惨劇の連鎖」 1、水飴の魔術師 メオティアの森で、「森人族の指輪型印章」を預かったアーデルハイト達は、その指輪の本来の持ち主となる筈であったセティエ・ルーが領主代行を務めているエレシス村へと向かう。ケルファーレン北部に位置するこの村は、北狄との国境近くに位置しており、エンケラドゥスが遺した資料によれば、この村から少し先に向かった地には、12人の錬金術師の一人である豚人族(オーク)の聖痕者の末裔が住む集落が存在する。その意味では、指輪型印章を集める(と同時に、それらを集めようとしている「救世主」達の陰謀を阻止する)ために旅をしている彼女達にとっても、ちょうどこの村は「通り道」に位置していた。 そんな五人が無事にカリスト村に辿り着くと、その村の入口付近で、奇妙な風貌の魔術師風の女性が、小さな「出店」を開いているのが目に入る。両目が隠れるほど長い前髪のその女性は、その両手に奇妙な「棒」と「液体か個体かよく分からない何か」を手にしながら、サリアに向かって話しかけた。 「あ、そこのお嬢ちゃん、水飴いらない? 今、新しい色の水飴が出来たとこなんだけど」 そう言って彼女は、自らが手にするその「謎の物体」をサリアに差し出す。どうやら、これは「水飴」と呼ばれる菓子の類いらしい。その不思議な形状のプレゼントに皆が戸惑っている中、「女性と出会ったら、とりあえず口説くのが礼儀」という信条のカープは、懐から一輪の花を取り出してその魔術師の前に差し出す。すると、彼女はその花を喜んで受け取りつつ、花の周りを半透明の「水飴」で包み込み、さながら芸術作品のような「飾り菓子」を作り出した。 「この村は、ちょっと色々あったからね。今、新しい村の名物を作ろうと思ってるんだ」 楽しそうな笑みを浮かべながらそう語る彼女に対して、オリバー達は「この村の領主」に「領主の故郷の人からの手紙と届け物」があると伝えると、彼女は途端にその口元を歪めて、その場から慌てて走り去ろうとする。その不審な様子を訝しんだ五人は、ひとまず彼女の後を追いかけることになった。 2、五虎将軍 だが、五人が「水飴の魔術師」に追いつく前に、突然、曲がり角から飛び出してきた一人の大柄な男(下図)と衝突する。その男は、サリアの首飾りに掛けられている「指輪」と、「五人の組み合わせ(男二人、女二人、猫一人)」から、彼等の「正体」に気付き、大声を上げる。 「お前ら、オピュクスとタダックを倒した奴でんな! ワイは、救世主様の四天王筆頭Dr.エベロ様の配下の五虎将軍の一人、タンズラーでまんねん。おとなしく、その『指輪』と『朱肉』をよこすでまんねん!」 凄いのか凄くないのかよく分からない肩書きを誇らしげに名乗られたものの、少なくとも、オピュクスやタダックよりは格下であろうと考えた彼等は、臆することなくその要求を断る。すると、タンズラーと名乗ったその男は、「重戦士(アルドール)」の聖痕の奇跡の力を用いて襲いかかってくるが、アイルーやカープが聖痕を用いて惑乱戦術で対抗したことで、彼等は誰一人傷を負うことなく、その攻撃をかわし続けた。この状況で、さすがに多勢に無勢を悟ったその男は、その場から一目散に逃げ去ろうとする。 だが、そんな彼の眼の前に、先刻の大声を聞いて駆けつけたこの村の警備隊長トリス・ヘッセが現れる。トリスはあっさりとタンズラーの身柄を拘束し、そのまま彼は村の拘置所へと抑留されることになるのであった。 3、廻り会う人形 その後、トリスはオリバー達から事情を聞こうとするが、その視界にアーデルハイトが入った瞬間、驚きの表情を浮かべる。 「君は……、もしかして、アーデルハイトかい?」 アーデルハイトが肯定すると、トリスは自分の素性を明かす。彼は現世においては「トリス」の名を親から与えられ、「トリス・ヘッセ」として生きてきた。だが、彼の前世における名は「ジークフリート」。そして、前世における彼は、アーデルハイトと共に作られた「7人の機械人形」の一人だったのである。彼は数百年前の戦いの日々の中で(7人の中で唯一)命を落とし、この時代に「人間」として転生した。今の彼にはもう、「人形」だった頃の力は残っていないらしい。 そしてトリス曰く、数週間前にこの村を、もう一人の機械人形である「ジュリアン」も訪れていたらしいのだが、現在、彼は「死んだ友が再びこの世界に転生する日を待ち続ける」という目的のために、完全な再起動に必要な印章を集める旅に出ているという(詳細は 外伝2 を参照)。あと少し早く彼女達が到着していれば、ジュリアンとも合流出来ただろうに、とトリスは悔やみつつ、アーデルハイトに対して、こう問いかけた。 「君は『力』を取り戻した後は、どうするつもりだい? そもそも、『力』を取り戻したいのかい?」 その問いかけに対して、アーデルハイトは悩む。彼女もトリス(ジークフリート)も、かつて自分に備わっていたと言われる「世界を揺るがすほどの力」なるものが、どのような力だったのか、よく覚えていない。そして、自分がこの世界で何を為すべきなのかについても、まだ彼女自身の中で答えが見えない状態であった。 そんな彼女の心境を慮ったトリスは、ひとまず結論を急がせることは避けた上で、この村に、指輪型印章の一つを持つ岩人族(ドワーフ)がいる(上述のジュリアンには、既に「別のプルートーの末裔」の血液を用いて、彼の印章は捺印している)ということを彼女に告げる。その上で、先刻彼女達が出会った「水飴の魔術師」こそが領主セティエ・ルー本人であるという事実を聞かされた五人は、ひとまず二手に分かれることにした。 アーデルハイト、オリバー、アイルーの3人は岩人族の指輪の後継者である鍛冶屋ボルドの工房へと向かう一方で、カープとサリアは(トリス曰く)村のどこかに潜伏していると思われる領主セティエを探すために村を探索することになったのである。 4、奇妙な邂逅 先に目的を果たしたのは、サリアとカープであった。彼等は村の路地裏に隠れていたセティエを見つけると、カープはセティエを紳士的に「お茶」に誘い、ひとまず観念した彼女は、村一番の小料理屋として評判のクレア(下図)の店へと向かい、腰を落ち着けて話を聞くことにする。 クレアの特製焙煎の紅茶を飲みながら、カープから「シムーンの手紙」を受け取り、一通りの話を聞き終えたセティエであったが、既に森を捨てた身である自分が指輪を受け取ることには、露骨に難色を示す。すると、そんな中、横から一人の女性(下図)が口を挟んできた。 「その指輪、あなたに必要無いのであれば、私に譲って頂けませんか?」 その女性は「セリーナ」と名乗り、「その指輪の力を必要とする者」であると自称した上で、カープとサリアに対して、どのような経緯でその指輪を手に入れたのか聞き出そうとするが、カープとしても、この女性の正体が分からない状態で、どう答えるべきか迷う。 こうして互いに相手の腹を探りながら言葉を選んでいたところで、突然、村のはずれの「鍜治屋ボルドの工房」が位置する方角から、巨大な爆破が響き渡った。その音を聞いたセリーナは、表情を歪ませつつ、その方角に向かって走り出し、そんな彼女を追ってカープとサリアも、それに少し遅れる形でセティエもまた、その工房へと向かって駆け出して行くのであった。 4、荒ぶる人形 一方、その頃、鍛冶屋ボルドの工房へと向かったアーデルハイト、オリバー、アイルーは、工房の扉の目の前でその「爆音」に遭遇する。驚いて彼等が扉を開くと、そこに立っていたのは一人の「首輪をつけた少年(下図左)」であり、その傍らでは「おそらくボルドと思しき岩人族の男性(下図右)」が、血を流しながら横たわっていた。 アイルーが即座にその岩人族に駆け寄ると、その時点で既に彼は事切れていた。しかし、アイルーは聖痕の奇跡の力を用いて、彼の魂を冥界から呼び戻すことに成功する。 一方、「首輪をつけた少年」の手には、一つの「指輪」が握られており、それは明らかに「12人の錬金術師の指輪」であった。アーデルハイトとオリバーが表情を強張らせて警戒する中、その少年はアーデルハイトと目が合った瞬間、満面の笑みを浮かべて語りかける。 「アーデルハイト! 良かった、無事だったんだな!」 予想外の反応にアーデルハイトは驚きつつも、その屈託のない表情から、彼女の心の奥底に眠っていた一人の「戦友」の記憶が呼び起こされる。この少年の名は「レオ」。彼もまた「7人の機械人形」の一人である。だが、現在の彼は、(その表情自体は昔と変わらないものの)明らかに「昔の彼」とは異なる、凶々しい「闇」の気配に満ち溢れていた。 アーデルハイトが「この状況」についてレオに問い詰めると、彼はあっけらかんとした表情で、「指輪をよこせとと言ったが、『殺戮者には渡せない』と言われたから、殺した」と答える。どうやら彼は、既に殺戮者となってしまっているらしい。かつての友が闇に堕ちてしまった事実に愕然とするアーデルハイトであったが、レオは彼女に対して、はっきりと言い放った。 「俺には力が必要なんだ。あの『救世主』とかいう奴をぶっ倒すための力がな。お前も俺と一緒に来いよ。あんな奴に、お前を好きにはさせない」 どうやら、「救世主」は既に彼にも接触していたらしい。彼等がレオに対して何を要求し、どのような経緯でレオが「救世主」と敵対することになったのかは不明であるが、これがレオの出した結論であるらしい。 レオはアーデルハイトにも、自分と同じ「決意」を固めるように迫るが、彼女はそれを拒絶する。レオが「救世主」と対立関係にあるのなら、状況によっては彼と共闘出来たかもしれない。だが、二人が出会うのが、少しだけ遅すぎた。殺戮者となってしまった今のレオは、この世界の(アーの)秩序を守る聖痕者としての今の彼女にとっては「殺さなければならない存在」である。しかし、この衝撃的な事実を目の当たりにして心の整理が出来ていないアーデルハイトには、まだその「決意」を固めることも出来なかった。 一方、レオの側も、アーデルハイトに自身の選んだ道を否定されながらも、彼女と敵対関係になることを明らかに嫌がっている(彼女に対して、一定の「情」を抱いている)ことを察したアイルーは、重苦しい雰囲気の二人の傍から口を挟み、「オリバーの血液」を交換条件に、その指輪を「共有」することを提案する。すなわち、レオがオリバーの血液を用いてその指輪を自身に捺印した上で、その指輪をアーデルハイトに渡す、という「一時的共闘案」である。 レオはそれに対して一瞬興味を示すが、実際のところ、彼には「オリバーの血液」は必要なかった。なぜならば、彼は既にもう一つの「朱肉」を手に入れていたからである。 6、もう一人の末裔 レオがその提案に対して答えを出す前に、一人の女性が工房へと駆け込んできた。セリーナである。彼女は工房の惨状を目の当たりにすると、「状況」を察した上で、呆れ顔でレオに対して語りかける。 「やっぱり、あなた一人に交渉を任せるべきではなかったわね……」 「なんだよ、ちゃんと指輪は手に入ったんだから、それでいいだろ?」 なんら悪びれることなくそう返すレオに対して、セリーナはため息をつきながら、自らの指先を軽く切り、そこから流れる血液をレオが手にする(ボルドから奪ったと思しき)指輪型印章に垂らすと、レオはその指輪を自身の腕に「捺印」する。その瞬間、レオの身体が光に包まれた。それは明らかに、アイルーの指輪をアーデルハイトに捺印した時と同じ光景である。どうやら、彼女こそがレオが手に入れた「朱肉(プルートーの末裔)」であるらしい。 こうして目的を果たしたレオは、その場から立ち去ろうとするが、アイルーが再び彼に先刻の提案を(既に「交換条件」が不成立であることを承知で)懇願すると、レオは少し迷いながらも、指輪をアーデルハイトに向かって投げ渡す。アーデルハイトが自分と敵対する可能性が高い(そして、彼女に指輪を渡しても、レオには何の得もない)と分かっていながらもレオがそうしたのは、彼の中での「彼女には生きていてほしい」という気持ちが、そのリスクを看過しても構わないと思えるほどに強いことの証明と言って良かろう。 そして、彼等が去った後、サリアとカープ、そして、セティエもその場に現れる。意識を取り戻したボルドも含めて、彼等はこれから先、「指輪」と「アーデルハイト」をどうするのか、という問題について語り合うことになった。それは、先刻トリスから投げかけられた問いであり、彼等がこれまでずっと曖昧にしたまま結論を出せずにいた問題でもあった。 7、それぞれの決意 まず最初に口を開いたのは、セティエであった。 「機械人形(クレアータ)ってのは、誰かのために尽くしたいっていう本能を持つ子が多いのよね。そこの子がどうかは知らないけど」 自分が過去に出会った「アーデルハイトの仲間達」を思い出しながら、セティエはそう呟く。それに対して、アーデルハイトも素直に今の自分の心の内を訥々と語り始める。 「私も、出来ることならば、誰かのために尽くしたい。でも、今の私は何をすれば良いのか分からないし、今も自分が正しいことをしているかどうかが分からないんです……。それに、別に特別な力がほしいと思っている訳でもありません。ただ、せっかく目覚めたのに、このまま捺印されずに、何もしないまま、また眠るというのも……」 困惑した心境のまま、まとまっていない自分の考えを述懐する彼女に対して、カープは優しく語り始める。 「私は、彼女の力になりたい。彼女が力を求めずにこの時代に留まりたいというのなら、『印』を押さずに彼女が生きる方法を探したい。私はレディの味方だからね。だから、これから先も君を助けたいと思う。どうか、私の『生き甲斐』を奪わないでほしい」 彼はそう言った上で、自分が預かった印をアーデルハイトに押すかどうかは、ひとまず保留とした。彼女が生きていく方法が他に見つからず、その上で彼女が活動期限を過ぎても生きていたいと考えたならば、その時点で捺印するという方針である。 一方、彼と同様に、なりゆきで「同族の指輪」を預かることになったサリアは、今の自分の立場を踏まえた上で、こう言った。 「この指輪は預かり物だから、まず、私以外にこの指輪を引き継ぐべき同族がいるかどうかを確認したい」 その上で、誰も他に託すべき相手がいなければ、その時点でサリアが正式に指輪の後継者となった上で、アーデルハイトへの捺印も(彼女が望むなら)考える、ということらしい。 彼女のその宣言に皆が納得する一方で、既に独断で捺印を済ませているアイルーは、端的にこう告げた。 「俺は、仲間以外には押す気はない」 つまり、アイルーの中では、アーデルハイトは既に仲間であり、今後も彼女を支えていくという心積もりは、彼の中では最初から固まっていたようである。 そして、全ての捺印の鍵を握る存在であるオリバーは、強い決意の瞳でアーデルハイトを見つめながら、落ち着いた口調で自身の考えを伝える。 「俺は『指輪の印を押すために必要な存在』だから、ここまで来た。君がこの時代に目覚めたことには、必ず何か理由がある。これから先の状況の中で、もし君の『本来の力』が必要になったならば、君はその『力』を手に入れなければいけない」 捺印に対して逡巡するアーデルハイトに対して、あえて彼はいつでも自分の血を提供することを強調する。父親を殺された彼としては、救世主の「巨大な力」に対抗するために、彼女が「力」を得ることに対しては、(カープとは対照的に)むしろ後押しするつもりでいた。 そんな彼等の様子を見たボルドは、五人がそれぞれ微妙に異なる思いを抱えつつも、少なくとも彼等の言動から、アーデルハイトを支えていこうとする強い決意を感じ取り、彼等にならば自らの指輪を預けても良い、という判断を下す(それは、もう一人の「プルートーの末裔」である「鷹使い青年」の思想の受け売りでもあった)。 8、非業の殺戮者 だが、こうして皆の心がまとまりかけていたその時、突然、工房の外から人々の悲鳴が上がった。皆が慌てて外に出ると、多くの人々が恐怖に怯えながら逃げ回っている。その中の一人である時計屋のヨハン(下図)が言うには、村の北の街道から、凶暴な一人の豚人族の戦士が現れ、暴れ回っているという。 ヨハン曰く、この村の北の集落に住む豚人族達は、豚人族にしては温厚な性格で、この村との関係もそれほど険悪ではなかったらしい。その話を聞いた五人はこの状況を不審に思いつつ、ひとまず彼等がその「現場」へと向かうと、そこでは確かに一人の「明らかに正気を失った表情の豚人族」が、まるで何かに取り憑かれたかのような様相で、道行く人々に襲いかかっていた。その姿は、確認するまでもなく、明らかに一人の「殺戮者」である。 「首輪の人形はどこだ!? 我が一族の指輪、今すぐ返せ!」 豚人族の殺戮者はそう叫ぶ。どうやら彼は、元来は「指輪型印章の後継者」であったが、レオに指輪を奪われ、彼への復讐心と指輪の奪還への使命感が高じた結果、「闇」に堕ちてしまったらしい。ひとまずカープが彼の前に姿を現し、どうにか説得を試みようとするが、既に完全に「心」を失ってしまった様子の彼は、全く聞く耳を持とうとしない。その間に、他の者達はセティエと、この村の司祭であるユーベル・アインハルトの指示の元、怪我をした村人達を安全な場所へと連れて行き、アイルーが彼等を治療する。 こうして、ひとまず村人達の安全を確保した彼等は再びカープと合流し、その豚人族の殺戮者の前に立ちはだかった。これから自分達が訪ねに行く筈であった「エンケラドゥスの友人」と思しき豚人族の変わり果てた姿を目の当たりにして困惑する彼等であったが、ここで彼を殺さなければ村への被害が更に広がる以上、戦う以外の選択肢は残されていなかった。 豚人族の殺戮者は、身体に刻まれた五つの「絶対攻撃」の奇跡を乱発して、真正面に立っていたカープに襲いかかる。その圧倒的な連撃と、更にその上に乗せられた「死神の手」の奇跡によって、カープは一度はその場に膝をつくものの、仲間達からの援護を受けて、どうにかギリギリのところで持ち堪える。その直後、今度は畳み掛けるようにカープ以外の四人が波状攻撃のように襲いかかり、最後はサリアの刃によって心臓を貫かれたことで、豚人族の殺戮者は、その場に崩れ落ちた。 本来ならば、彼と殺し合う必要などなかった。ただ、ほんの僅かな巡り合わせの不運が、このような形での悲劇を生み出してしまった。最後の最後まで自らの使命に殉じようとして、本来の心を失ってしまった豚人族の勇者に対して、カープは深く哀悼の念を抱き、彼のその勇姿を後世に語り継ぐことを誓うのであった。 9、継ぐ者と継がざる者 その後、豚人族の集落へと向かった五人は、荒廃した雰囲気の中で、生き残ったわずかな住人達が、怯えながら「他所者」である自分達を警戒している様子を目の当たりにする。それでも彼等に接触を試みて話を聞いてみたところ、数日前に「(おそらくレオと思しき)機械人形の殺戮者」が現れ、指輪の継承者にその指輪を渡すよう要求したものの、その明らかに危険な雰囲気故に継承者はレオへの協力を拒絶したため、レオはその継承者から強引に指輪を奪い取り、そして継承者は殺戮者となって、レオを倒すための力を得るために、周囲の同胞達を殺して聖痕を奪い取り、レオの匂いを辿って南方(エレシス)へと向ったと言う。 「あんな指輪さえなければ、こんなことにはならなかったんだ!」 豚人族達は口を揃えてそう嘆き、仮に今後、指輪が自分達の元に戻ってきても、もうそれには関わり合いたくない、と言い出す。どうやら彼等の中には、もうあの指輪を継ぎたいと思う者はいないらしい。その有り様を見て、サリアは自分と彼等の境遇を重ね合せる一方、オリバー達は「巨大な敵を倒すために闇に堕ちたレオ」が、新たな「闇」を生み出している状況を目の当たりにしたことで、改めて「殺戮者」という存在の業の深さを実感する。 その後、ひとまずエレシスの村に戻った彼等は、改めてセティエに事の次第を話した上で、指輪の管理の都合上、「森人族の指輪」は、この村で(ボルドの持つ「岩人族の指輪」と共に)保管した方が安全だろうという結論に至り、渋々ながらもセティエは、自身が指輪の後継者となることを承諾する。その上で、セティエとボルドは、アーデルハイトの身体にそれぞれの印章を捺印し、これで彼女の身体には「三種族の印」が刻まれることになった。 この時点で、カープとサリアが持つ未捺印の二つの印と、レオが持っていると思しき豚人族の印を除くと、残る印章は6つ。そのうち、白鳥人族(ヴァルフェー)と童人族(バンビーノ)の後継者に関しては、エンケラドゥスの残した資料にその居場所は記されており、更にセティエの口から、南方のカリスト村に住む樹人族(エント)の長老ユピテルも、その印章を持っている(そして、その傍らに「もう一人のプルートーの後継者」がいる)という話を聞かされる(詳細は 外伝1 を参照)。 残りの三種族(翼人族、鬼人族、蛇人族)の指輪については何の情報も得られていない以上、まずは白鳥人族、童人族、樹人族のいずれかを回ってみるべきであろうと考えた五人は、次は地理的に見てこの場所から最も近い場所に住んでいると思しき「白鳥人族の指輪の所持者」の元へと向かうことを決意するのであった。
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【名前】 ジェネラナイ 【大きさ】不明 常に増え続けている 成人男性並みが永遠に増え続けている その成人男性並みにはオーラを纏ったタイプと纏っていないタイプが存在する。 なお、増える速度は異常で0秒で5463体も増える 【攻撃力】オーラを纏ったタイプ;触れると即死攻撃を与える 【防御力】なにかを防ぐという行動をしなくても大丈夫なので不明。 【素早さ】常に先手を打つ 相手は先手をうてない 【特殊能力】存在する限り戦闘は続行されない 時間無視がいれば戦闘を行える 考察可能の壁からstart 名前 コメント
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【前を開けた深緑色のコートを身につけ、四角いフレームの額縁メガネを装着していて】 【やや長い、鮮やかな紫陽花の様な色の髪を後ろで縛って纏めている男性だった】 クール系なキャラを作りたくて出してみたが、クールなのかは分からない。 とりあえず、笑う時は「ふっ」とか素で言っちゃう恥ずかしいヤツ。 異世界人、能力の有無は不明。 妹が居て、しかも反抗期らしい、そして若干シスコン気味のようだ。 ハンバーグをご飯の上に乗せて食べる。 魔技師という職業についていた模様。 魔導具を作ったり扱う職で、扱う方が得意な模様。 趣味は超人形遊び。 自作の機械人形(2.2m)を糸と魔力を使い手動で操る。 羽が生えて飛んだり出来る、魔力を紡ぎ、矢や盾を精製した所を確認されている。 また、ラミーデュが目を閉じるととじた瞳を同じ瞳が露出し、視覚をリンクさせる機能が存在している。 口数は多い方ではないが好きな話題だと多くなる(要するにオタ(ry)。 無口キャラとか俺には無理でした。 彼の家を尋ねた際には<1/1貴宝院織守フィギュア>が置いてあるかもしれないが、あたたかい目で見守ってやってほしい。 南雲利織に誘われた三ヶ月くらい後に魔術協会の魔導具開発班に所属した。 決して中の人が忘れていたとかではなくて、協会で絡んでから書いた方が良いよね、みたいね、ね?ね。 所有物 ベヘモスの宝玉石ベヘモス突然変異種の心臓部で発見された拳大程の黒い宝石 内部に高密度の魔力を有し、魔術関係の店に売り払ったならば1500000程での取引が可能であり また、専門の加工屋に頼み上等な魔道具に変化、あるいは魔術の媒体としても優秀。 本来べヘモスは魔力を繰る生物でく、保有魔力も少ないため 専門家の鑑定では、突然変異の原因ではないかと思われている。 ソーサリーカプセル(発火) アッシュ・リピーティングから譲り受ける。 銃 下記にある薬莢とセットで使う魔導具であり。 薬莢に込められた術式を発射するという機能を持つ。 さらに、優秀なカスタム性を持ち、 様々な魔導具を生み出すための『改造素体』となる。 それ故、名前は無くただの“銃”として表記される。 薬莢 ソーサリーカプセルを元に製作された魔導具であり、術式を中に入れる事が可能。 元となったソーサリーカプセルと同じような運用も一応は可能だが、 互換性を持たすために、一部の機能が落とされている。 今の所、他に書ける事が無いので絡みメモでも。 一日目 家ごとこの世界にやってくる。 ローザ=ナルセという、ロンロンという猫を喋る連れた少女と森で出会う。 彼女との会話で自分が今まで居た世界とは異なる世界にいるのだと認識したと共に〝協会〟という名の組織を知る。 二日目 廃墟にて赤木という男と会話する。 異世界から戻る手段は現状、存在しない事を知った。 公園で死にかけだった青年を病院に連れて行く。 街中でハニー・グレイトテイストにお菓子で出来た軽トラに跳ね飛ばされる。 三日目 邪気眼喫茶「Phosphorus」にバイトの面接に行ったと思ったら採用されていた。 六日目 邪気眼喫茶「Phosphorus」でウェイターをしていた。 レミラが来たか、それ以降、客がこなかったので色々会話しつつ、余った食材を適当に食べる。 十日目 公園で、機械人形の調整を行っていたら、南雲 利織と出会う。 魔導具を扱う者同士、気が合い、マジックアイテムトークに華を咲かせ、魔術協会に紹介してもらうことに。 十二日目 風の国の平原にて「震える山:討伐クエスト」に参加、ベヘモスを討伐する。 砦に設置されたバリスタをメインに人形の力を合わせた遠距離攻撃、友情パワー100%でメガ・オワタキャノンを発射する。 ついでに<1/1貴宝院織守フィギュア>を持って帰ったり。 二十二日目 山岳にて、機械人形-クレイン・ブラッドによって飛行中、魔力切れで墜落。 アッシュ・リピーティングと遭遇、親睦を含めると共に友人となると共に、発火のソーサリーカプセルを受け取る。 何十日目かの2010/09/20(月) 街中にて、赤井 美春と遭遇。 〝無機質〟萌えの〝妹〟萌えである事を暴露したが。 今に始まった事ではなかったので驚く事ではなかった気がする。 萌えだの単語を使うようになったのは、レミラが以前にソッチ系の話をしたのが原因臭い。 よく憶えてないくらい経った 2010/10/14(木) 魔術協会の図書館にて、南雲利織と遭遇。 論争と言って良いのか分からない口喧嘩のような なんか、よく分からないレベルの低い争いの後。 最終的に疲労困憊でぐったりしたのはラミーデュだったという。 -魔技師ラミーデュ『異界見聞録』路地裏の章- 路地裏で出会ったのは二人の少女と、3人の悪漢。 一発だけだが“銃”の実践テストを行った。 しかし、この世界の女はヤバい、彼は心の奥底でそう思ったのだった。 -魔技師ラミーデュ『異界見聞録』魔導協会の章- “銃”の作成に一段落つけたラミーデュが出会ったのは、 同じく《魔導具開発班》に所属する女性、平賀 紅鉈と出会う。 お互いの魔導具に付いて熱く紹介しあうと共に、類似した機能を持った、 彼女の「ヒラガ式代理発動器」と自分の「銃」を比較する事で 「銃」の利点と欠点を洗い出す事に成功し、満足した。
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「で、だ。俺に何か用か?」 俺は自分を呼び出した少女に言う。 「ええ。実は頼み事があるのよ」 俺の言葉に彼女は答えを返すをする。 「へぇ……。アリス、君が頼み事とは珍しいね」 「ええ……。実はチェスで勝負して欲しいの」 「はい?」 彼女の答えが予想外なので俺は、つい声に出してしまった。 「……確かに相手はできるが、何で俺なんだ?」 俺は疑問に思い聞いてみた。 すると―― 「最近始めたんだけど、相手をしてくれる知り合いが少ないからよ」 ――と、答えてくれた。 「つまりは暇つぶしの相手、と言うわけか」 「まあ、そうなるわね」 どうやら俺はこの少女の暇つぶしに使われるらしい。 「最初に言っておくが、一戦だけだぞ」 この手の勝負は負けた方が「もう一回」とねだってくる事が多いので、最初に釘を刺しておく。 「ええ、それで良いわよ」 すると彼女はそう言ってくれた。 とりあえず勝負が始まった。 「じゃあ、俺はここからいくか」 そう言って、俺はe2のポーンをe4に動かした。 「じゃあ私はここ」 すると彼女はe7のポーンをe5に置く。 「ここだ」 次に俺はg1のナイトをf3に置く。 「なら、私はここで」 彼女はb8のナイトをc6に置いた。 「じゃあ……こうだ」 俺は先の事を考え、f1のビショップをc4に置く。 「じゃあ私はここに」 そして彼女はd7のポーンをd6に置いた 「ふむ……」 ここで少し俺は考える。 このまま思うように進めば俺は勝てるからだ。 しかしこのまま進むかどうか…… まあ良いか。上手くいかなかったら、また考えればいい。 そう思い俺は4手目を打った。 「では、ここで」 俺はb1のナイトをc3へ動かす。 「……じゃあ私はここ」 すると彼女はc8のビショップをg4に置いた。 「う~ん」 予想道理に事が運んだ。 彼女はチェスを始めたばかりなので、まだこの状況に気付いていないようだ。 「じゃあ、ここで」 そう思いながら俺はf3のナイトをe5に動かした。 「……○○私を嘗めているの?」 と聞いてくる。 当たり前だ。今の一手で俺のクイーンは今や丸裸になったから。 俺的には作戦だから良いのだが…… 「いえ、そんな事はありませんよ、アリスさん」 とはいえ、彼女は手加減されていると思い、少々ご立腹気味だ。 とりあえず俺は、はぐらかす様に言った。 「まあ良いわ。後悔させてあげるから」 彼女はそう言って、g4のビショップ動かしd1に置く。 そして俺のクイーンを取った。 予想道理に事が進む。 一々表情がにやけ無いようにするのが大変だ。 そう思いながら、俺は次の手を打つ。 「ふふ、つぎはここだ」 そう言い俺はc4のビショップをキングの斜め前、つまりf7に置いた。 「チェック」 そして告げた。 「な!?」 彼女は驚き俺を見る。 「そんな手で来るなんて……」 彼女はそう言い次の手を探す。 と、言っても、キングを動かさないと負けてしまうので次の手は容易に読める。 多分キングを前進させるだろう。 「……ここで」 彼女はそう言い予想道理、キングをe8からe7に前進させた。 「チェックメイトだ」 俺はニヤリと笑いながら、最後の一手を打つ。 内容はc3のナイトをd5に置くと言う物だ。 「あ!?」 彼女は自分が負けていた事に驚いたようだ。 いつの間にかキングは動けなくなっていたからだ。 「うそ……。全然気付かなかった」 まぁ、始めたばかりなら気付かなくて当然ではある。 と言うか気付く方がおかしい。 俺も始めたばかりの頃はこんな事ばかりだったから。 「まぁ、気にしない方がいいぞ。最初は誰でもこんなもんだから」 だが、一応慰める。 これで彼女がチェスを止めては勝負した意味がないから。 こういうゲームはやれる人が多い方が楽しいから。 まあ、他にも理由はあるけど、それは内緒だ。 「……もう一戦よ」 彼女はぽつりと告げた。 「最初に言ったけど、一日一回しかしないぞ」 しかし俺は最初に言っておいた事を告げる。 少し内容は変わっているが、まぁ気にしない。 「う、……。なら明日もう一戦よ」 すると、少し予想外の言葉が返ってくる。 「……」 とりあえず俺は黙り込む。 「ねぇ……ダメ?」 すると今度は不安そうに聞いてくる。 「ま、いいか」 そんな言い方で言われれば断れ無いと思いながら俺は言った。 「じゃあ、明日またきてね」 俺が答えると、彼女はすぐに元気になってそう言った。 ……何か騙された気がする。 でも、ま、いいか。 これで彼女の家に通う理由が出来たから。 そう思いながら俺は自宅に帰るのだった。 ※ チェスの板は8×8マス 列はa~Hで行は1~8 6スレ目 481 ─────────────────────────────────────────────────────────── 朝の陽射しに目が覚める。 窓を覗けば、いつもの森に粉砂糖。 キラキラと朝日をうけて輝いている。 ホワイト・クリスマスイブ。 うっすらと積もった雪は、すぐに融けてしまうだろうけど、 今日という日に、ぴったりだとアリスは思った。 クリスマス。 先日、香霖堂の店主が言っていたことが思い出される。 「クリスマスはね。外の世界では恋人同士の聖なる夜なんだよ。 イブに恋人同士でデートして、プレゼントを交換して、キスをして、その先まで行って 2人でクリスマスを迎えるんだ」 恋人たちの聖なる夜。 何と甘美な響きだろう。 その、イブが今日なのだ。 彼は、来てくれるだろうか。 いつもシャイな彼だけど、 手を繋いで、自分を抱き寄せて、優しいキスを交わしてくれるだろうか。 なお、その先を事細かに説明しようとした店主には、ストロードールカミカゼをお見舞いしておいた。 ベッドから起きると、シャワーを浴び、お風呂に入る。 いつもは軽くだけど、今日はハーブ入りの石けんで念入りに全身を。 「その先まで」 霖之助の声がこだまする。 そこまで行く気はないけれど、少しは進展したい。 何しろ、恋人同士だというのに、手を繋いだこさえがほとんどないのだから。 風呂から上がり、鏡台の前まで行くと、 バスタオルを脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿になる。 デートの約束はしてないけれど、 いつもの服装の自分じゃ、きっと落胆するだろう。 彼が来た時に、思わず見惚れさせるように、可愛い服を着るのだ。 準備は万端。 最近大きなものに買い換えたクローゼットを開き、人形たちにも手伝ってもらって、 下着から一つ一つ並べ、選び始める。 ショーツは、コケティッシュなオレンジか、大人っぽく黒か。 清楚な白いブラウスか、ピンクの可愛い系でアクセントをつけるか。 ひだのついたロングのプリーツスカートは、黒で行こうか。それとも青か。 コートは茶色、黒、ピンクの3種が揃っている。 リボンは、この服の選択肢だと、赤か緑がいいかもしれない。 彼の好みを想像しながら、一つ一つ選んでいく。 「可愛い」って言うかな? 「綺麗」って言うかな? 気が付かない、ってことはないと思うけど。 服を着終わったら、次はおめかし。 ピンクのリップを唇に薄く塗って。 つぶらな瞳を意識して、睫毛を軽くカール。 香水は、ハーブの匂いと調和する、爽やかなクールミントで。 髪を梳かして、リボンをつければ出来上がり。 うん、自分でもよくできた。 服はちょっと大胆になっちゃったけど、彼に暖めてもらえばいいよね。 一通り、準備が終わると、お腹の虫がくぅ、と鳴いた。 時計を見れば、午後一時。 彼は、まだ来ない。 「ちょっとだけ、お昼食べちゃおうかな」 軽く、ブランチとなってしまった食事を用意する。 もう、よそ行きへ着替えてしまった服を汚すわけにはいかないから、 バターもつけずにパンのみを。 これなら、万一服に落ちても払えばすむ。 「人間だもの、寝坊することくらいあるわよね」 虚空への独り言はそのまま消え、 イブに一人で食べる食事は、いつもに増して味気なかった。 昼食も終わると、手持ち無沙汰になり。 寝室に戻って、ベッドへと腰掛ける。 朝、眩しかった陽射しは影を潜め、 どんよりとした雲が、空を厚く覆っていた。 「はぁ……」 思わず、溜息。 そして、服が乱れるのも構わず半身をベッドに倒そうとすると、 「あ……」 右手に触れたのは、今朝も抱いていた彼の人形。 一針一針、彼に秘密で縫い上げた自分の最高傑作。 その人形を取り上げると、自分の目の前に掲げ、 「もう、早く来なさいよね」 ポン、と。 軽く、デコピン。 ――しまった。 いくら人形とはいえ、愛する彼に手を挙げるなんて。 「ご、ごめんなさい!」 慌てて、その人形のおでこを優しくさする。 少し経って。 「はあ、私、何やってんだろう……」 手に取っていた人形を枕元に置くと、そのままベッドに横から倒れ込む。 悪い想像ばかりが膨らむ。 何者かに襲われているんじゃないだろうか。 実は、私のことなんてどうでもいいんじゃないか。 そう言えば、最近彼は魔理沙と仲が良かった。 話も弾んでいたし、息も合っていたことを思い出す。 今ごろ、もしかして魔理沙を誘ってイブのデートを楽しんでいるのかも知れない。 あ、耐え切れない。 魔理沙とデートしてたら、私……。 どうしよう。 両目からの涙が止まらない。 「ばか……。女の子泣かさないでよね……」 自分の上に掲げた、彼の人形に語りかける。 何も答えてはくれないけど。 机の上のプレゼントに視線を移す。 クリスマスらしく、赤い紙に緑のリボンで可愛くラッピングしてある。 中には、長くて黄色いマフラー。 少女漫画で読んだ、二人で一つの長いマフラーをやってみたくて。 早目から編み上げた、普通の2倍のマフラー。 長さは2倍。愛は無限。 そんなプレゼントも、今は心なしか寂しそうだ。 いたたまれなくて、反対側を向くと、 涙が一つ、純白のシーツに零れた。 「ねえ、早く来てよ……」 祈りながらドアへと顔を向けると。 魔界から持ってきた大好きな少女漫画が目に入った。 漫画の中のデートが思い起こされる。 2人で手を繋いで映画を見て。 彼と手を組んで公園を散策。 しゃれたお店でペアのマグカップを買い、 ちょっと高級なレストランでディナーを食べて。 噴水の前で、指輪を貰ってキスをして。 永遠の愛を誓うのだ。 でも、今のアリスには。 そんな幸せなカップルの漫画も、拷問のようだった。 絵を思い起こすと、 顔がすべて、魔理沙と愛しい彼になってしまうのだ。 手を繋いでいるのも。 ペアのカップを買っているのも。 ディナーを食べているのも。 永遠の愛を誓っているのも。 すべて、魔理沙と彼。 「ぐすっ……、魔理沙、彼まで盗っていかないでよ……」 「神様のいじわる……。せめて、想像くらいまで幸せにしてくれたっていいのに……」 止まらない涙を枕に押し付けて。 アリスは、静かにむせび泣くのだった。 チリン チリン 呼び鈴の音が聞こえる。 いつの間にか、寝てしまったようだ。 宵闇が部屋に入り込み、辺りは真っ暗になっている。 魔法の明かりをつけて、 そっと、玄関の方を覗き見た。 彼だ。 アリスの顔に朱がさす。 慌てて、お化粧を直し、身だしなみを整える。 彼が来てくれれば、笑顔の準備はばっちり。 さあ、勝負だ。 彼を見蕩れさせて。 こんな可愛い女の子を1日放っておいたことを、後悔させてやるのだから。 いつの間にか、空からは白い粉雪が舞い降りてきていた。 6スレ目 554 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ッ……!」 飛び起きたそこは、見慣れた我が家だった。 嫌な汗が噴き出る。汗でパジャマが張り付く。気持ち悪い……。 きっと、今の私は傍から見ればひどい顔をしているのだろう。 鏡を見なくてもわかってしまった。そのくらい、気分が悪い。 とてももう一度寝る気にはなれず、私はそのまま起きることにした。 「……水」 喉がカラカラだった。 あれだけ汗をかいていたのだ、当たり前だろう。 私は外の井戸へ向かい、コップ一杯の水を汲むと、一気に飲み干した。 冷たい。 早朝の冷たい風と、喉を通り抜ける水により、次第に私の頭はいつもの働きを取り戻してきていた。 それとともに、つい先ほど見た夢も明確に思い出されていた。 「どうして……」 本当に、疑問だ。 「どうして、今更、あんな夢を見たのかしら……」 よりによって、初夢。 去年の大晦日、光り輝く来年に心ときめかせていたことすら吹き飛んでしまった。 「最悪の年明けね……」 言葉に出し、違和感を感じた。 "最悪"? 本当に? むしろ、私にとって、あの夢は……。 「……そう。そうね。私は……、私としたことが。目標を見失っていただなんてね」 どうして私が、この道を選んだのか。 それが全てではないだろうけれど、恐らくは、半分を占めるであろう理由。 これは、私……アリス・マーガトロイドが、まだ人間だったころの物語。 魔法使いになると決意するまでの物語。 そして、今の私を形作っている物語。 「ありがとう……、○○」 その言葉は、夜空に溶けて消えた。 それは、空飛ぶ不思議な巫女や、白黒魔法使い達が来た少し後のお話。 「いってきまーす!」 「アリスちゃん、行ってらっしゃい。車には気をつけるのよ?」 「わかってるよ、お母さん」 いつもの挨拶を交わし、私は外へと飛び出した。 毎度ながら思うけれど……、空を飛ぶんだから車はないよ、お母さん。 もう何度も通り、見慣れた道を抜けて、目的の建物の元へ。 別に、建物自体に目的があるわけじゃないけど。 「こんにちは、○○。ごきげんいかが?」 「ん。……今日は、調子いいみたい」 「それはよかった、うん」 そう、私はこの男の子に会うためにこの場所に来ていた。 彼の名前は○○。 彼との出会いは丁度1ヶ月前。 私は、お気に入りの人形を失くし、それを探し回っていた。 いくら探しても見つからず、半分泣きそうになっていた時。 「手伝おうか?」 そう、声を掛けてきてくれた。 結局、彼と二人で探しても人形は見つからなかった。 でも、私は不思議ともう悲しんでいなかった。 一緒に探してくれた彼のおかげだろうか。 このことがきっかけとなって、私は彼の元に毎日遊びに行くことになった。 彼は、病弱であるらしく、一日のほとんどを自分のベッドの上で過ごす生活をしていた。 私は、晴れの日は窓を開けて歌を歌ったり、絵を描いたりし、雨の日は、童話を読んだりして彼と過ごした。 思えば、私は彼に一目惚れしてしまっていたのかもしれない。 ○○のする話、○○の歌う歌、○○の書く絵……。 全てが私には輝いて見えた。 その中でも、最も輝いて見えたもの。 それは、○○の作る人形だった。 ○○の作った人形は、まるでマエストロが作った物の様に、繊細で、かつ大胆で……。 私は彼の人形の虜になってしまっていた。 彼は、そんな私に2体の人形をプレゼントしてくれた。 ひとつは、赤いドレスを纏った可愛らしい人形。 もうひとつは、青と白のドレスを纏った、どこか影を帯びた綺麗な人形。 彼は、その2体をそれぞれ『上海』『蓬莱』と呼んでいた。 この2体は彼の最高傑作であるらしかった。 一目見ただけで、他の人形とは違う何かを見て取れたからだ。 流石に、これを受け取るわけにはいかないと、私は初め断った。 しかし、彼の「どうしても君に受け取って欲しい」との言葉に、素直に受け取ることにした。 嬉しい。 彼は、こんなにも私に良くしてくれる。 ああ、でも足りない。 もっと、もっと彼が欲しい。 ○○が、○○の全てが欲しい。 もっと、もっと……。 できることなら、いつまでも彼のそばにいたい。 そして、変わらない笑顔を私に向けて欲しい。 いつまでも。いつまでも……。 そんな、ある日のこと。 私がいつものように彼の部屋を訪れると、いつもと変わらぬ笑顔が出迎えて……くれなかった。 彼の部屋はすっかり片付き、所狭しと置かれていた人形はひとつもなかった。 そこにあるのは、ベッドのみ。 主の姿はそこには、ない。 ただ事ではないと感じた私は、部屋に降り立ち、ベッドに向かった。 そこには、一通の手紙が置かれていた。 急いで封を切り、中を読む。 そこには、たどたどしい文字で綴られた彼の思いがあった。 『親愛なる アリスへ この手紙を読んでいるってことは、僕はもうこの世にはいないんだと思う。 ……うん、いつかは、こんな日が来るってわかってたんだけど。 でも、どうしても言い出せなかったんだ。 ごめんね。 これを読んだ君は、今どんな顔をしてるんだろう。 泣いてくれているのかな? それとも、こうなるまで隠していたことを怒っているのかな? 僕にはもう、それを知る方法もないんだね……。 あの日、アリスと初めて会ったとき。 実は僕は、君に一目惚れしちゃっていたんだ。 だから、次の日君が来た時、驚いたけど、すごく嬉しかったんだよ。 毎日僕のところに来てくれる、その事を考えるだけで僕は幸せな気分になれたんだ。 そんな、僕を幸せにしてくれる君だから、僕はあの人形をプレゼントしたかったんだ。 気に入ってくれたかな? 気に入ってくれたら、嬉しいな。 でも、ひとつだけ、心残りだったことは。 アリスに、直接「好きだ」って言えなかった事かな。 もっと、僕に時間があれば。 この体が、他の人と同じように、健康だったら。 この時ほど、この体を恨めしいと思ったことはないよ。 もっと、アリスのそばにいたかったな。 もっと、その笑顔を見ていたかったな。 でも、もうそれも叶わないんだね……。 最後に。 こんな、僕と。 仲良くしてくれて……本当に、ありがとう。 ○○』 手紙を読み終えた時から、いや、読んでいる最中から、私は涙を止めることができなかった。 彼もまた、私を好いてくれていた。 でも、もはや、もうその彼は……いない。 私の手元に残されたのは、彼がくれた人形が2体。 それだけだ。 目の前が真っ暗になるような感じ。 もう、私は何も考えることができなかった。 それからのことは、あまり覚えていない。 気づいたら、私は普段着のまま自分の部屋のベッドで寝ていた。 ゆっくりと起き、周りを見回すと、2体の人形が目に付いた。 緩慢な動作でその人形達に近づき、手に取る。 『上海』と『蓬莱』。 暫く眺めていると、『蓬莱』は今の私の姿に良く似ているように見えた。 彼に何もできなかった私。 無力な私。 黒い感情が、私の心の底から湧いてくる。 私は『蓬莱』を床に叩きつけ、何度も、何度も足で踏みつけた。 ――私は、私は……、私は! ボロボロになったそれの首に縄を巻きつけ、天井から吊るす。 首吊り。 いっそ、私が死ねば、彼に会えるだろうか。 ……でも、彼はそんなことを望んではいないだろう。 急速に醒めていくどす黒い感情。 それとともに、自分がしてしまった事の重大さに気づいた。 なんてことを。なんてことをしてしまったのだろうか。 よりによって、彼の、心が篭もった人形を。 急いで縄を外し、抱きしめる。 「ごめんね、蓬莱……、ごめんね、ごめんね……」 汚れを払い、解れてしまったところを繕う。 私はこういうことに不慣れだったので、少し不恰好になってしまった。 だが、『蓬莱』は元の形を取り戻した。 私は『蓬莱』を元の棚に戻すと、静かに部屋の外へ出た。 「ちょ、ちょっとちょっと! アリスちゃん! こんな時間にどこに行くの?」 お母さんが騒いでいるけど、気にせず進む。 「アリスちゃん!」 お母さんの制止を振り切って、私は夜の空へと舞い上がって行った。 目指すは、彼の部屋。 なんだか、私はもう一度そこに行かなければならない気がしていた。 彼の部屋に着く。 主を失ったベッドと、がらんとした室内が私を出迎えてくれた。 私は何かに吸い寄せられるように、そのベッドの下に潜り込んだ。 そこにあったのは、一冊の本。 そして、彼が使用していたであろう、ソーイングセット。 本は、人形についての本だった。 私はそれらを大切に抱きかかえ、家路に着いた。 それからというもの、私は来る日も来る日も人形を作り続けた。 私の部屋は、かつての彼の部屋のように、人形であふれる様になった。 お母さんは、初めこそ不思議に思っていたようだけれど、今では私を手伝ってくれるようになった。 そして、私は風の噂であることを聞いた。 ここではない地上……便宜上人間界と呼ばせてもらうけれど。 人間界では、人形に亡くなった人の魂を呼び戻す魔法があるということ。 それを使えば……その魔法さえあれば、私は彼ともう一度過ごせる? もう一度、彼と……。 「ダメよアリスちゃん! 向こうは危険がいっぱいなのよ?」 案の定、お母さんに人間界に行きたい旨を話したら、反対された。 「この間も外から来た人にひどい目に遭わされたばかりでしょ?」 確かにそうだ。 空飛ぶ巫女や白黒魔法使いが外の世界にはいる。 でも……、それでも、私は……。 「ね? アリスちゃん、せめてもっと大きくなってから……」 「じゃあ、お母さん。お母さんの力で、私を成長させて」 「え? あ、アリスちゃん?」 自分でもどうかしてると思った。 でも、でも私は外に行きたい。 「お願い。どうしても行きたいの、お母さん」 「アリスちゃん……」 もう一度、彼に会いたい。 会って、話をしたい。 もう一度。 「……わかったわ、アリスちゃん」 「! お母さん……」 「アリスちゃんには負けたわ……。そこでじっとしててね?」 そう言うと、お母さんは呪文を唱え始めた。 体が、熱い。色々な所が痛い。 お母さんが呪文を唱え終えると、私はもうすっかり成長した姿になっていた。 「アリスちゃん……。気をつけて、行ってらっしゃい」 「お母さん……」 「車には、気をつけるのよ?」 「……うん!」 いつもの挨拶で送り出され、私は力強く飛び立った。 そして。 色々な事を地上で経験し、今私はここにいる。 どうしてこんな大切なことを忘れていたのだろうか。 今の生活に、満足してしまっていた……? それでは、地上に出てきた意味がないではないか。 私のバカ。 まだ、死者を蘇らせる魔法は習得できていない。 習得どころか、資料すら怪しいところだ。 最近は、紅魔館の魔女が図書館を利用させてくれるから楽ではあるが。 とにかく。 彼と、また笑いあえる日々。 初夢で見たような、日常。 それを現実のものにする。 もう私は見失わない、この目標を。 そうして、私は彼にこう言うのだ。 「おかえり、○○」と――。 避難所 78 ─────────────────────────────────────────────────────────── アリスから丁寧にラッピングされたチョコを貰った。 「ほらっ、これアナタにあげるわよ。 べ、べつにアナタにあげるためだけに作ったわけじゃないのよ! ただ私が食べたかっただけで、材料が余ったからついでにアナタの分も作っただけで…… つ、ついでなんだからそこのところ勘違いしないでよね! な、なにニヤニヤしてるのよ!! べ、別にアナタのために作ったわけ……じゃ… もう……バカぁッ!!」 6スレ目 753 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「はいこれ」 「……チョコ?」 「どうせあんたの事だから誰からも貰ってないんでしょう」 「アリス」 「な、なによ」 「今日は4月1日だぞ」 「た、太陰暦での日付の話よ!」 6スレ目 806 ─────────────────────────────────────────────────────────── アリスに「好き」って言ったら 『わ、私はあなたのことなんて何とも…… むしろ、あなたがいると邪魔になって人形も作れないし、大嫌いよ!』 って物凄い辛辣な言葉を貰った。 切なかったから師匠特製の『嘘しかつけなくなる薬』を飲ませてやった。 「大好き」と言ったが最後、一日中からかい倒してやるぜ! 「俺、アリスのこと好きだ。お前は?」 『え……? だ、大嫌いだってば! それに、あなたなんかに好かれたって、嬉しくないわ!』 あれ? 師匠、これ効いてませんよ! 6スレ目 979 ─────────────────────────────────────────────────────────── 久し振りに来る魔女の邸宅は贔屓目に見てもやっぱり不気味である。 こうしてここに来られたのは今日の野良仕事が午前だけになったおかげで、リーダーの英断に感謝もしきりだ。 最近の日差しは吸血鬼でなくても気化させられそうだし、いやマジで。 扉を開いてずんずん進む。 入り口が開いた時点で面会謝絶のセンは消えるので、出迎えがなくとも(゚ε゚)キニシナイ! ……あーっと、暑さでちょっとお脳が茹だってるかも。 妙なテンションのまま彼女の自室の前まで来てみれば、ドアノブの上で蓬莱人形がくつろいでいた。 中に入ってはいけないという意味だ。 こんな具合に、俺が来たときは勝手に出入りしてもいい範囲を人形たちが教えてくれる。 部屋には入れないということなので、扉をノックして名前を呼んだ。 「今、大事な作業中なの。気が散るから黙ってて」 少しの間を挟んで返ってきたのは何とも手厳しいお言葉。 しかしこれはいつもの事なので、それ以上の問答はせずに台所へと足を進めた。 勝手知ったる他人の家、というヤツだ。 「遅いじゃない」 料理を仕上げて一息ついてみれば当然のような顔をして食卓テーブルについているアリス。 これもまあ珍しい事じゃないが、いつもと比べて表情が険しい。 作業がはかどってないんだろうか、尋ねてみる。 「ちょっとしたスランプなの。それが何か可笑しい?」 成る程、だいぶキてるね。 別におかしくはないけれど、中断してる時くらいは気を休めたほうがいいと思う。 「……ごめん。ちょっと感じ悪かったかも」 まあ誰でも腹が減ってるとイライラするものですよ、と。 少し落ち着いてもらったところで上手くいったほうのオムライスをアリスの前に置く。 出来栄えを眺めるアリスが笑ったのを確認してから、こちらもテーブル向かいの席に座る。 「今日はキノコのソースじゃないのね。安心したわ」 森のキノコを使ったデミグラスソースは非情に評判が悪い。 幻想郷でケチャップを扱っているのはせいぜい紅魔館ぐらいのもので、手に入れるのが面倒なのに。 子供が好き嫌いするなよという俺の思考に対する皮肉か、人形たちがワインの瓶とグラスを運んでくる。 「貴方も飲むでしょ?」 本当はあんまり好きじゃないけれど、アリスのおすすめということで初めの一杯ぐらいは戴くことにしている。 なみなみと赤い液体に満たされた自分のグラスをそっと持ち上げ、 「乾杯」 はい、乾杯。 ……もっと甘いほうが好きなんだよなぁ、俺。 「じゃあ、こっちも戴くわね……って、何でいきなり笑うわけ?」 そういえば、初めはナイフとフォークで食べてたんだよな。 意地でもスプーンを使おうとせずにオムライスと悪戦苦闘していた姿を思い出して、思わず吹き出してしまった。 お互いの近況報告を話題の種にしての食事が終わると、アリスは小さな欠伸をしてみせる。 例によってまた二、三日休憩取らずにも作業に没頭していたパターンかもしれない。 「魔法使いってそういうものよ」 威張られても困るが、そりゃ苛つきもするわな。 効率、余裕といった単語を強調しつつやんわりと仮眠を勧めてみる。 「……そうしようかな」 説得成功。 俺がベッドの上に座ると、腿にクッションを置いてアリスがそこに頭を乗せる。 いつ見ても首が痛くなりそうな姿勢である。 「平気よ。それじゃ、一時間経ったら起こして頂戴ね」 部屋が静かになると、すぐに寝息が聞こえてくる。 俺もいつも通りに座った体勢のままで読みかけの本を開く。 すー、すー、すー、規則的に響く小さな寝息。 「ん……」 しばらくして、僅かに寝返りを打つのがサイン。 頭をクッションの上に乗せなおしてやると、もぞもぞと体勢を変えて腰に手を回してくる。 クリーム色の髪を手で梳いてやると、少し口元が綻んだ。 本当は魔法使いに食事や睡眠が必ずしも必要じゃないと知っていたりする。 でもそれをバラしてしまうと、この甘え下手は真っ赤な顔で怒って次の日からまた試行錯誤するんだろう。 どこまでも人間くさい魔法使いだから、俺はこうして好きになったんだと思う。 ……こっちも少し眠くなってきた。 おやすみ、アリス。 目を覚ましてみればベッドはもぬけの殻で、時計はとっくに日没を示していた。 「起こしてって頼んだのに自分まで寝てるんだもの。呆れたわ」 アリスはリビングでさも美味しそうに口元のティーカップを傾けていた。 参ったな、もう夜か。 一人じゃ夜の森は抜けられないし、アリスに送ってもらわなきゃいけないな。 「嫌よ。時間が勿体無いもの」 うわぁいミもフタも無いお言葉。 「今夜はうちに泊まって、朝になったら帰ればいいだけの話でしょう?」 あーそゆこと、要はもう少しここにいろと。 でも俺なんかがいて作業の邪魔になったりしないだろうか。 「ご心配なく。誰かさんがぐっすり眠ってる間に粗方片付けておきました」 そんなあっさり片付いたの? や、まあ満面の笑みを浮かべるくらいだから嘘はついてないんだろうけど、うぅむ。 「納得した? それじゃ、さっそく夕食の支度でもしてもらおうかしら」 あ? ちょっと前に食ったばっかりなのにまた食うの? 「頭脳労働で消費されるエネルギーだってバカにならないのよ、そ、そんな事も知らないの? だいたい魔法使いは食事でも魔力を補充できるから――」 俺の反応が気に障ったらしいアリスが白い肌を紅潮させ、何やら魔法使いについての解説を始める。 ~~云々かんぬんかくかくしかじかアメンボ赤いな紅魔館~~ アホには全く理解できない内容の上、早口で語られるうちに頭痛がしてきたのでこの辺で平謝りしておく。 「だいたい休みの必要性を説いたのは貴方なんだから、ちょっとくらい付き合いなさいよ」 こんな時のアリスはいつも不機嫌そうな顔になる。 ああまったく、たまには素直にお願いできないのかねこのひねくれ者は。 「……なによ」 ――まあいくらでも付き合うけどさ。アリスの事好きだし。 うん。 今更このぐらいの発言で真っ赤になるほど照れないで欲しいんだよね。 や、なんか俺も恥ずかしくなってきたからちょっと、黙るのやめてくださいアリスさん。 うpろだ170 ─────────────────────────────────────────────────────────── ○○は溜息を吐きながらゆっくりと起き上がる。 筋肉痛で体中が痛いが、まだ働き初めて二日目だ、休むわけにもいくまい。 香霖堂に住んでいた○○が、霊夢によって神社に連れてこられて一週間が経った。 毎朝霊夢に起こされ、彼女が作った朝食を食べる。 昼は霊夢が掃除をしていれば手伝い、寝ていれば彼もそれに習う。 夜も彼女が作った夕食を食べ、後は寝るだけ。流石に部屋は別々だが。 あとは偶に開かれる宴会に参加したり、遊びに来る萃香の相手をしたりする平凡な日常。 それでもまあ、香霖堂に住んでいた頃には考えられないほどの、規則正しい生活だ。 気になる事は最近アリスの姿を見ない事くらいか。 神社に住む時にアリスが霊夢に突っ掛かっていたが、ひょっとしてそれが原因だろうか。 なんて事を考えながら、○○は溜息を吐く。貴重な友達が減るのは、やはり辛い。 顔を見せに行きたいが、一人では彼女の家まで辿りつけない上に、そもそも場所を知らない。 ここで霖之助が浮かばないのは○○が男だからだろうか。やはり同性より異性だ。 「おはようございます!」 「おお、おはようさん。さあ、今日も頑張っていこうか」 そう、彼は男だ。だから意地もあり、霊夢に食わせてもらうのはヒモの様なので勘弁願いたい。 だからこうして人里まで降りて、大工の見習いとして働いている。 体力のない○○からすると、欲を言えば頭脳労働が良いのだが贅沢は言ってられない。 何せ彼単独では行動範囲が極端に狭く、できる事だってほんの僅かしかない。今雇われているのも、霊夢のコネみたいなものだ。 彼女は妖怪退治をしているせいか人里でも評判は良く、食べ物を分けて貰ってくる事が多い。 博麗神社のに住んでいるといると○○が話したら、驚かれたもののその後は暖かく迎えられたものだ。 活動的で人の役に立つせいか、人里でも霊夢は結構な人気者らしい。 普段だらけている霊夢の姿をしか知らない○○にとっては、何とも奇妙なものだが。 そうして仕事が始まる。 まだ見習いの○○に任せられるのは単純な肉体労働だが、運動不足の体には辛い。 元々現代人である彼は体力がないし、香霖堂の生活がそれを助長している。 慣れるまでは大いに苦労する事になるだろう。 そして昼の休憩。疲労で体がダルいし、作業の後では腹も減る。 本来なら弁当を食べている時間なのだが、○○は一人ひもじさに耐えている。 仕事場の人には霊夢のところに戻って昼飯を食べてくると伝えて冷やかされたが、実際はそんなわけにはいかない。 ヒモっぽい生活が嫌で仕事を始めたというのに、霊夢に昼飯をねだったり、ましてや弁当など頼める筈がない。 何時か余裕ができたら何か買って自分で作ろう。そう決心しながら、○○は空腹に耐える。 今の仕事は辛いが、香霖堂でお茶を飲む日々よりかは充実しているだろう。 霊夢に連れていかれてそのまま神社に残ったのも、仕事をしないといけないと思っていたところが大きい。 まあ、霖之助に「これからもタダ飯食わせてください」と頭を下げて戻るわけにもいかないが。 「あれ、アリスじゃないか。久しぶりだな、元気だったか?」 そこへ通りかかったのは、最近姿を見ないと気にしていたアリス。何の偶然なのだろうか。 もっとも、今はタイミングが悪いと言わざるを得ない。 ○○は仕事で疲れていてダルいし、空腹で話すのも億劫だ。 が、久しぶりに会った友人だ。とりあえず精一杯と見栄と意地を総動員して外面を取り繕う。 「魔理沙から聞いたんだけど、仕事始めたってホント?」 「ああ。霊夢の世話になりっぱなしってのも情けない話だし、家賃と食費くらいは入れようかと思ってね」 手を後ろで組んでいるアリスに対し、○○は苦笑しながら返す。 そう言えばアリスの収入源は○○も知らない。いや、幻想郷の知り合いは本当に働いているのかも怪しい。 霖之助の商売はほとんど道楽だし、魔理沙だって働いているとは言い難い。 まあ、彼女らには生きていくだけの貯えや能力があるのだろう。 ○○の様に何の力もない者は、汗水垂らして働くしかないのだが。 「で、何でこんなところにいるわけ?」 「その辺は察してくれるとありがたいんだが、」 「そう。で、お昼まだよね?」 「その辺も察してくれると実に助かるよ」 ○○としても、まさか自分のちっぽけなプライドのために飢えてます。などと言えるわけがない。 適当にはぐらかそうとするも、返ってきたのは小さな溜息。 悟られてるかなと、○○は内心で溜息を吐く。 まあ、こんな昼時に飯も食べずに俯いていたら、何かあったか直ぐに分かるだろう。 「仕方ないわね。はい、これ食べなさい」 「……アリス?」 後ろで組んでいた手が突き出され、○○の前にピンクの包みが現れる。 あの仕草はこれを隠すための物だったのだろう。 「一応友達だし、分けてあげるわよ」 「あー、何かこう、照れるな。ありがとう、いただいておくよ」 ピンクの包みの中からは、大き目のおにぎりが顔を見せる。 アリスにおにぎりは似合わないよななどと考えつつも、○○は礼を言って頭を下げた。 そしておにぎりを受け取り、○○は遠慮なくそれを頬張る。 これでは霊夢に甘えているのとあまり変わらない気がするが、好意は素直に受け取っておくべきだろう。 何せアリスは洋食派で、○○は和食派だ。 そうなるとこのおにぎりの意味合いは○○にも想像できるわけで。 「アリス」 「何よ」 「ありがとな」 「……別に、何度も礼を言ったところでこれ以上は何もでないわよ」 「それは残念だ」 ○○はわざとらしく肩を竦めてみせ、次のおにぎりへと手を伸ばす。 不恰好で丸とも三角とも取れない微妙な形だが、まあ味の方に問題はない。 アリスも○○の隣に腰を下ろし、不安げに○○の様子を伺っている。 隣といっても、人一人分の距離があるが、そこがアリスが近づける精一杯の距離だ。 流石に霊夢の様に、ごく自然に○○の隣に座る事はできない。 「なあ、もう一つ貰っていいか?」 「私はお腹は空いてないし、別に全部食べてもらっても構わないわ」 「そっか、それじゃあお言葉に甘えて」 少しだけ苛立ちながら、アリスはそわそわとしながら○○の言葉を待っている。 礼の言葉も欲しいが、本当に欲しいのはそんな言葉じゃない。 ○○はそんなアリスの気を知らずにか、のんびりとおにぎりを頬張っていた。 「ん、ごちそうさん。結構美味しかったよ」 「……どうしたしまして」 美味しい。結構が余計だが、望んでいた言葉を聴けてアリスも満足だ。 結局○○が全てのおにぎりを平らげてしまったが、元々アリスもそのつもりでいたので問題はない。 「まあ、今回の礼は給料が入ったらするよ」 「期待せずに待ってるわ」 ○○は横になり、雲を見つめる。 休憩時間はまだあるし、しばらくはここでのんびりしていてもいいだろう。 そうして二人の間に沈黙が訪れる。何時もの事なので、気まずいわけでもない。 まあ、二人の距離はこんなものだろう。 近過ぎず、遠過ぎず、互いが心地よいを距離を探した結果なのだから。 「なあ」 「ん、なに?」 「いや、なんでもない」 だが何時までもその距離を心地よく感じるわけでもない。 どうにか距離を埋めたいと、二人は少なからず思ってる。 まあ、焦る必要はないのだから、また手探りで探っていけばいいのだろう。 今日も今日とて幻想郷は平和だ。 うpろだ205 ─────────────────────────────────────────────────────────── 拝啓魔界のアホ毛様、夜中に寝ていたら突然貴方の娘が泣きながら家にやってきました 「どうしたんだ?アリスこんな夜中に恋人とはいえ男の家に来るなんて」 俺は動揺を極力顔に出さないようにしアリスを刺激しないよう聞いた 「○○が・・・・」 「俺が?」 「○○が死ぬ夢を見たの・・・」 「そいつはまた演技でもない夢を見たな」 だからアリスは不安になって俺の所に来たのだろう 俺がもし同じ立場だったら不安になるだろうからあながち笑い飛ばせる事ではない 「まあ俺はこうして生きてるんだから泣き止めよ、な?」 「・・・でも」 「でも?」 「でも○○はいつかは私を置いて逝ってしまうじゃない!」 そうだ俺とアリスとでは種族としての寿命が違いすぎる 片や不老の魔法使いのアリス、片や老いて後60年もしたら死んでしまう人間の俺 アリスにとっては直ぐに訪れる避けられない別れ 「そうだな、だからこそ今このときを大切にしよう」 「嫌!私は嫌!○○と分かれたくない!○○とずっと一緒に居たい!!」 「アリス・・・・・・分かった、じゃあ俺に『捨食の魔法』を教えてくれないか?」 「○○?」 「吸血鬼とか蓬莱の薬とか色々あるけど、どうせなるならアリスと同じが良いしさ」 「で、でもいいの?人間じゃなくなるのよ」 「自分で言っておいてそれはないだろう?いいんだよアリスと一緒に生きられるなら」 ただ人間をやめる勇気がなかっただけで俺も口ではどんな事を言っても 心の中で本当は人間をやめアリスと一緒に生きる事を望んでいたのだろう でもこれで決心がついた、たとえ何があろうともアリスと一緒に生きていく事を 7スレ目 678 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「な、なに?」 ○○にいきなり腕をつかまれた、強く、乱暴に 「アリス・・・そこは分量が違う、そっちを入れたんだからそれの分量は半分にしなきゃだめだろ」 「え、あ、ああうん、ごめんなさい」 魔法薬の調合中にいかがわしげふんげふん不謹慎な事を考えてしまった 修行が足りないなぁ 「これで良いのか?設置型遠隔操作型弾幕装置は」 「ええ、これで罠を作れるわね、戦術も広がるわ」 「俺は人形を弾にするのは好きじゃないな」 「どうしてかしら?」 「我が祖国に昔在ったと言われる神風特攻や爆弾三銃士のようではないか」 「なにそれ?」 「深く知る必要は無い、どうしても知りたいならばスキマ妖怪にでも聞けばいいさ」 コイツは私の知らないことを色々と知っている 「ふうん、何でも知ってるのね」 「何でもは知らない、知っていることだけ知っている」 いつものお決まりの台詞、彼から見れば私は無能で無智な子供でしかないのだろう 「さて、一通り終わったろ?」 「あ、あの・・・お茶を、のんで、いかない?」 「うーん、じゃあちょっとゆっくりしていくかな」 アリスに誘われては断れないな、茶菓子は・・・ふむふむ、クッキーですか おお、美味い、美味いなこれ 「ど、どう?美味しい?」 「あ、ああこれ凄く美味いぞ・・・なんだどうした」 「な、なんでもない!」 何だコイツ、いつにも増して、変な・・・ 「もしかしてこれお前が焼いたのか?」 「ななな何でそれをっ!?・・・あ」 「まじかよ、凄いなお前、これならいい嫁さんになれるぜ」 ああ、解りやすいぐらい赤くなっちゃって、可愛らしいったら 「よよよ嫁だなんて!そんな、その、まだそんな」 あー・・・見てる分には面白いけどな、あやしいひかりかちょうおんぱか、アリスは混乱した! 「まぁ相手がいないうちは結婚どころか(ばきゅーん)とか(どぎゅーん)だって、無理だろうけどな」 「ななななな(ぼんっ、ぷしゅー」 あーあオーヴァーヒートしちまった アリスはうぶだなぁ、愛らしい 「はっはっは、アリスはまだ子供だな」 「っ!私は子供じゃ無い!馬鹿にしないでよ」 そうやってすぐに向きになるところが子供なんだって 大人は少なくとも自分の感情をある程度コントロールできるし 「(ばきゅーん)とか(ずぎゅーん)、口にしただけで赤くなっちまう奴が偉そうに、大人ってのはな!物腰は柔らか感情は出さずに、スタイリッシュに振舞う奴のことだっ!」 「わけわかんない!(ばきゅーん)とか(ずぎゅーん)ぐらい私だって!」 「・・・したことあんのかよ?」 「あっ、いやその・・・で、出来る!それぐらい簡単よっ!」 悪い癖、なのかね?この意地っ張りというか、なんというか 「そうか・・・でもなアリス、そういうのは惚れた男の為に取っとけ、本当にコイツになら一生預けて良いと思える位いかした男の為にな」 まぁそんなに莫迦な子じゃ無いからなぁ、むしろ頭はいい、だが硬いんだよなぁ 「○、○○は・・・そういう人はいないの?」 「んーいないんだよなぁ、俺もてないし、知り合いも少ないし」 「・・・私じゃ・・・私じゃだめ?」 うわぁ、コリャやべぇぜ、こんな事言われて、けど俺はコイツの事は好きだけど なんていうか、餓鬼が近所のお姉さんやお兄さんに惚れるようなもんだと、俺は思ってしまう その好意を受け取っていいものか、悩む はたしてそれで良いのか、アリスの一時の感情ではないのか、何か思い違いではないかとか 受け取ることで苦しませたくは無い、俺もコイツと離れたりするのは怖いしいつまでもこんな関係でいければいいなんて思ってしまう ようは失敗が怖いわけだ、アリスに子供だと言ったが、大人になれば失敗が怖くなる あの頃は失敗する為に生きてるんじゃないかって思うぐらい後先考えず行動できた でも今は、深く深く考えてしまう、それがイイコトなのかワルイコトなのか、俺にはわからない 「ねぇ○○・・・私は」 俺は臆病者だ、そして、莫迦だ アリスを強引に、抱き寄せる 「・・・俺でいいんだな?」 「それはコッチの台詞、私で・・・いいの?」 「もちろん、お前じゃなきゃ嫌だ」 「私も、○○じゃなきゃ絶対に嫌だ」 アリスが、少し上を向いて、目を閉じた この状況で俺がすべき事は 壊してしまわぬように、優しく、口付けを 「んっ、んちゅぷぁ、あんっ、んーぷぁっ」 「ぷはっ・・・下向くのも辛いな」 「私だってずっと上向いてなきゃいけないんだから」 「ねぇ○○・・・その・・・(ばきゅーん)とか(ずぎゅーん)とか・・・しなくていいの?」 「あー・・・先の楽しみに取って置こう、うん」 「なにそれ、可笑しいの」 まだ、アリスを壊しそうで怖いと思う 彼女を傷つけそうで、怖い 「○○?」 「なぁアリス・・・もう一回キスしようか」 色々と成長しなきゃいけないのは俺も同じらしい この腕に収まりきれてしまう小さな体の、愛しい女の子を、守っていけるように はぁ・・・課題は多いな うpろだ350 ─────────────────────────────────────────────────────────── 『アリスお前……林檎の皮むき上手かったんだな』 「一応人形作れるくらい手先の器用さには自信あるんだけど……」 彼女は俺が寝てるベッド傍の椅子に座り、しゃりしゃりと器用に林檎の皮をむいている。 『ウサギの形作るのとかもできそうだな』 「できるわよ」 『ハート型とか』 「手間だけど……できるんじゃない?」 『上海の似顔絵型』 「できてもどうせ『勿体無くて食べられない』とか言うでしょ貴方」 『よく分かったな』 「分かるわよ。……はい、どうぞ」 『お、さんきゅ』 アリスといつもの様なとりとめの無い会話をしていたが、その間に彼女は林檎の皮むきも済ませていた。 風邪ひいてここまで手厚く看病されるなんて、ここに来る前じゃ考えられなかったな。 食べやすい様に切り分けられた林檎を幾つか口に入れ、現金な事に少し調子が出てきた気がしてきた俺は アリスに "あの" 時の事を聞いてみる事にした。 『なあ、アリス』 「なに?」 『今日は、泣かないのか?』 「!? ななな何のこと、事かしら??」 ぎょっと目を丸くして、頬をひくひくと引きつらせるアリス。ああ、お前最高のリアクション王だよ。女王か。 『いやさ、お前、俺が床にぶっ倒れてる時に俺ん家来て、そんでそのまま介抱してくれたじゃん あの時さ、しんどくて身体は動かせなかったんだけど……意識はあったんだよなー実は』 「な、だ、だってあの時何度も貴方の事呼んだのに、貴方全然応えなかったじゃない!」 『いやそのまあ、だな、あんなボロボロ泣かれると思わなくて、あそこで応えたら気まずいかなって』 「そ、そこまで空気呼んだんならその話は胸のうちにしまっときなさいよ!」 『いやいやあの時の貴女もう本当に可愛くて、この感動を誰かに伝えたくて』 「こんな時までからかうこと無いでしょ!本当に心配したんだからっ!」 『うんまあ半分は本気でからかったんだが、感動したってのは本当。伝えたかったってのも本当だな』 「え……?」 『普段落ち着いてるお前があんなに取り乱すくらい、お前に想われてるんだな、ってさ。 心配かけてごめん。でもすげー嬉しかった。恥ずいからもう言わないぞ』 おーおー耳まで真っ赤だ。俺もだけど。こういう時のアリスはホント可愛いなあ。 皆さん見てください、これが俺の嫁です。えっへん。 「も、もういいから、そろそろ眠ったほうが良いわ。早く治してよね」 『へいへい、おやすみー』 **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** 「……とまあこの様に、季節を鑑みない春めいたやりとりを繰り広げているワケですが、解説の霧雨さん?」 「解説するぜ」 「アリスさんも魔法使いなんだから、人間の風邪に効果のある魔法とかあるんじゃないでしょうかね?」 「ブン屋よ、覚えときな」 「はい」 「時には魔法を使わないことが、魔法を生み出す事に繋がる事もあるんだぜ」 「意味は分かったんですが、その『今私ちょっと良いコト言ったぜ』的なオーラはしまって下さい」 「惚れてもいいぜ」 「惚れません!」 **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** **** うpろだ384 ─────────────────────────────────────────────────────────── -人形遣いと機械人形遣い- ティウン ティウン ティウン ティウン……!! 「く……くそっ…!!」 周囲には、役目を果たさなくなった金属の破片や機械部品が散乱していた。 そして、俺の目の前には人形をしもべとする少女がいる。 「ふふふ……無様ね」 人形遣いの少女は、俺に嘲笑のこもった言葉を投げかけて―――― 「これで、私の勝ちね ―――― 罰ゲーム決定よ!」 ――――俺を指差し勝ち誇った。 「だーくそ! なんで勝てねぇんだチクショウ……!」 「あなたの機械人形が弱すぎるのよ」 「く……っ!」 ……俺が何故アリスと決闘をやっているのかって? アリスが、半人半霊の剣士と、俺と同じく外の世界から来た白玉楼の軍師との試合に触発されて―――― 「ね、ねえ……あなた機械人形を作るのが得意なんでしょう? だったら、私と勝負しない?」 「え?」 「どっちが最高の人形遣いかはっきりさせておきたいのよ……拒否は認めないわ」 「フ、挑まれた勝負は逃げるわけにはいかないな……いいだろう!」 「あ、そうそう……妖夢と●●の決闘のように、勝者は敗者の命令を一つ聞くこと――――いいわね?」 「は?」 という経緯により、アリスと俺も 負けたほうが言うことを何でもひとつ聞く罰ゲーム付きの決闘を始めたわけだ。 そして、それからアリスとの決闘は通算100敗目…… 俺は彼女に一回も勝ったことがない。 「はぁ……妖夢と●●のようにはいかないわねぇ……」 「は?」 「な、なんでもないわよっ!!」 プイと後ろを向くアリス。 そして、彼女は俺に顔を見せないまま―――― 「ま、いいわ……それで、今度の罰ゲームは……」 「おう、煮るなり焼くなり好きにせいや」 「そ、そうね……私と……その……」 「?」 「デ……デー…」 「大丈夫か? なんか、耳はおろか首筋まで赤いぞ?」 「~~~~~!!!! デ、デ、『デヴィリーライトレイ』――――ッッ!!」 大量の人形がレーザーを地上に照射して 「―――― え?」 そしてその地点から爆発が生じる。 「ギャアアアアアアア!!」 俺はまた、吹き飛ばされた。 「で……≪ 私とデヴィリーライトレイ ≫ ってなんだよ? つーかそれ喰らうの5回目だぞ」 「う…うるさいわね! 今日の罰ゲームは今ので終わり! 次の勝負は10日後にここでやるわよ!! 遅れないでよね!! 」 と言い捨ててアリスは走り去ってしまった。 「……な、なんだったんだ?」 ・ ・ ・ ちなみにアリスは家に帰るなり バスン! ボスン!! バスン!!! クッションを両手でつかんで床にたたきつけながら―――― 「あーもう、私のバカバカバカぁぁ!! どうして、『私とデートして』の一言が言えないのよぉぉ……!!」 ……激しく後悔していた。 ・ ・ ・ 一方―――― 家に戻った俺は、今日戦ったときに収集したアリスの戦闘データを解析していた。 自作の発電機によって電気を供給し、パソコンのキーボードをパチパチ打ちながら、ニヤニヤ笑っている。 端から見たら恐ろしく不気味であろう。 「くくく……いつまでも負けっぱなしだと思うなよ、アリス」 アリスとの100回もの戦闘で、データ収集はこれで完了。 例のやつの思考プログラムと戦術プログラムも完成した。 後はボディの作成だけだ…… 「次は、お前を完璧に負かしてやるぜ……!」 俺の得意とするのは機械人形作成――――所謂、ロボット作りだ。 実際、元の世界ではさまざまなロボット大会に出て何回も優勝したこともある。 だが……アリスと渡り合うには、科学の力だけで作られた機械人形ではどうにもならない。 基本的にロボットはそこまで力が強いわけでもなく、強い衝撃を受けるだけで壊れてしまうし、それほど動きが速いわけでもない。 その戦闘力は、アリスの人形の足元にも及ばないだろう。 しかし、この幻想郷には魔法がある。 そして、その魔法の理論体系も粗方理解し、実践できるようになった。 材料も香霖堂で使えそうなのを買ってきたし…… あとは魔法と科学を融合させ 最高傑作と呼べる自動機械人形を造るのみ―――― 3日後―――― 「うーん、やっぱミサイルは外せないよなぁ……」 6日後―――― 「合体変形機能は漢の夢だよな……でも、さすがにまだムリだよなぁ……」 9日後―――― 「時間ねぇー!! つーか、間に合わねぇよコレ!」 10日後―――― そして、俺は勝負の舞台に立つ。 「……待たせたな、アリス」 結局、作成は間に合わなかった。 残る作業は充電だけで、終わり次第こっちに来るようにプログラムしておいたが…… それでもあと何十分かはかかる。 とにかくアレが来るまでは時間を稼がなくてはどうにもならない。 ……別に仮病使って休んでもいいのだが、休むとアリスが 「なんで休むのよ! 楽しみにしてたのに!!」 ――――と、烈火のごとく怒るんだ。 「それじゃ101回目の勝負……いくわよ!!」 「ちょっ、ま……そんな早す――――」 数分後―――― 「ッぐぁ!!」 必死で時間稼ぎをするものの、防戦すらままならない。 アレを作ることに気を取られて 手持ちの機械人形はろくにメンテもしてなかったため 自慢の機械人形はロクに動かないまま、次々とアリスの人形に撃破されてしまう。 「……呆れた、いつもよりも輪をかけてお話にならないわね……」 「ぬうう……」 「そろそろトドメ、行くわよ……」 その時 ゴォォォォォォォ…… 空から轟音が聞こえてきた。 「な、なに? この音……?」 「来たか――――」 「え?」 「予想より早かったが、それでもギリギリセーフってとこか……待ってたぞ ――――」 ゴオオオオオオ―――― 空からの轟音が大きくなって―――― 「――――“フルメタルアリス”!!」 ―――― ガシャコン……ッ! ○○と、アリスの間に、鋼鉄の少女が降り立った。 「( ^ ▽^)ノ マスター、オハヨウ~♪ 」 そのまま、可愛らしく俺に挨拶をする。 空を飛んでアリスの目の前に立った○○の切り札は―――― 「な……私?」 ――――アリスと、大きさまでもがそっくりに作られた機械人形だった。 「( ^ ▽^)ノ コンニチハ、オリジナルー♪ 」 アリスそっくりな機械人形は左手を上げて、アリスにも挨拶をした。 「なななななな…何なのよソレ――――!?」 何なのよ、この私そっくりな機械人形は!? なんで私にそっくりなの!? 顔もそっくり……いや、ちょっとだけ機械チックだけれど 服も堅そうな金属でできてるし って、そうじゃなくて―――― 「な、なんで、わたしそkk――――」 「これがオレの可愛い“フルメタルアリス”だ!! ワハハハハハハハ!!」 アリスの動揺と言葉を遮って、○○は勝ち誇る。この上なく勝ち誇る。 右腕を天にかざし、高らかに勝ち誇る。 ああ……楽しい。 切り札を見せるこの瞬間のドキドキといったらもう! マジ、テンションあがるわコレ! 「 (////⊿//) カ、“可愛イ”ッテー…」 「…………」 「 (//// _ //) アリガトウ…♪」 その女の子らしい もじもじ した仕草と、素直な心に少しドキッとさせられる。 「素直で可愛い……そんなお前を俺は気に入っているぞ! メカアリス!」 「( //// ▽//) ♪~」 当然、アリスはイチャイチャしている○○とメカアリスの姿が面白くない。 「 ち ょ っ と 、 い い か し ら …… ○ ○ っ !!」 「 ア … ア リ ス 、コ ワ イ ー ……」 獰猛な殺気を露にするアリスと、その姿に怯える人形たち。 しかし―――― 「フハハハハハハァァ――――! すごいぞッ! かっこいいぞォォォッ!!」 「いや聴きなさいよ人の話!!」 「さあ……ここからが俺とメカアリスの踏み出すロード! それが勝利への未来となるのだァァ!」 「いやだから、人の話を――――」 アリスは頭を抱えた。 (ああもう、そうだった……こいつ切り札を出す時には、なぜかハイテンションになって こんなになるんだった……) 今の○○の姿を一言で言うなら……誇大妄想狂だろうか? 「さあ、メカアリスよ! 我が永遠の宿敵 ―――― アリスを倒すのだァァ!!」 「( ^ o^)ゞ リョウカイー!」 メカアリスがアリスの眼前に立ちふさがる。 「 o( - _-)=O=O オリジナル……覚悟ー!」 「ああもう、本当に気に入らないっ! 粉々にしてあげるわ!!」 不機嫌そうにアリスは吐き捨てて、人形を自分の周囲に展開させる。 「〟〝 〟〝\( ^ ー^)ノ 〟〝 〟〝 ファンネルー!」 「!?」 鋼鉄のスカートの中から何体もの小型の機械人形が現れる。 それは、アリスの人形たちと酷似していた。 違いは、機械であるかそうでないかだけ―――― 「これがメカアリスの『ドールファンネル』だ!! ワハハハハハハ!!」 ○○のバカ笑いと同時に、小型の機械人形がめちゃくちゃな軌道を描きながらアリスに襲いかかる。 「……っ! 戦操『ドールズウォー』!!」 アリスは周囲に展開させた人形で、向かってくる機械人形をすべて迎撃し地に叩き落す。 そのまま、人形たちに弾幕を張らせてメカアリスに攻撃しようとしたが―――― 「(((((( \( ^ _ ゜)/ )))))) バリアー!!」 ガキィィィンン!! 「な――――!?」 人形たちの弾幕が全てメカアリスが展開した見えない防壁に阻まれた。 さすがのアリスも驚きの声を隠せない。 アリスノ ツンデレ 「これがメカアリスの『 A T フィールド』だァァ!! ワハハハハハハァー!! 俺以外のすべてに“ツン”とした無敵防壁を張り、俺にだけは“デレ”っとしt」 「―――― ああもう、うるさいわよっ!!」 耳障りなバカ笑いと解説に毒づく。 「……ッ!? こ、これは――――」 アリスはメカアリスのスカートの中から五寸釘型のミサイルが発射されていることに気づく。 ミサイルはそのまま弾頭をアリスの方向に向け、停止したままだ。 その時点になって、アリスはメカアリスの作戦に気づいた。 だが、気付くのがあまりにも遅すぎた。 五寸釘の形をしたミサイルに周囲を完全に囲まれてしまっている。 戦闘中に、アリスに気づかれないように鋼鉄のスカートの中からミサイルを発射し……配置していたのだ。 ……アリスを取り囲むように。 「これがメカアリスの『ごっすんミサイル360度全方位収束一斉掃射』だァァァァ――――!! ワハハハハハハァァァ――――――ッ!!」 そして、何発ものごっすんミサイルが―――― 「しまっ――――」 ―――― アリスの360度全方位から、襲いかかった 「きゃああああああっ!!」 辛うじて、人形で防御するが 膨大な数のミサイルはとうてい防御しきれるものではなく―――― 爆風に吹き飛ばされ、アリスはそのまま気を失ってしまった。 完全に動けなくなったアリスを確認し、○○とメカアリスは勝ち誇る。 「フハハハハハハァァァァ――――――ッ! 粉砕! 玉砕ィ! 大喝采ィィ!!」 「o( ^-^)o ヤッタァー!」 溢れ出る喜びのままに、勝ち誇る。 「よくやった! さすがは、我が自慢の娘だ!! フハハハハハハハッ!! ワ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ! ! ! ! ――――って、いや笑ってる場合じゃなくて、大丈夫かアリス?」 戦闘終わったし、いい加減テンション上げすぎるのも疲れてきた。 バカ笑いしてるのも飽きたし、何より笑ってる場合じゃない。 一応メカアリスの武装は、死なない程度に殺傷力を落としたモノを使ってはいるが それでも、全方位からミサイルを浴びて無事で済むとも思えない。 「う…うう……」 アリスを抱き起こし、その身体をざっと見回す。 目立った外傷もない。 「ぅぅ……いたた……え?」 「大丈夫か?」 「―――― ○○?」 次第に、アリスの目の焦点が合ってきて―――― 「――――ッ!?」 アリスは状況を確認し、なぜか一瞬で頬が真っ赤に染まる。 「きゃあああああああっ! ドコ触ってるのよっ!!」 パァァァンッ!! 派手な音とともに俺の頬が張られ、さらに突き飛ばされて尻餅をついてしまった。 「……無事みたいだな」 OK、これだけ強力な平手打ちできるなら問題ない。 まあ、アリスの目が覚めたところで早速勝ち誇らせてもらうか! 「今回は、俺の勝ちだな、アリス!」 「くっ……なんなのよ、その私そっくりな機械人形は! し、しかも言うに事欠いて、私そっくりな姿で、ス……スカートの中からミサイルや人形を射出するなんてっ!! なんてことするのよ、スケベ!!」 「何を言うかバカ者ぉぉ! 乙女のスカートの中には、愛と勇気と、未来への希望が詰まっているのだッ!! 故にメカアリスの全武装はすべてスカートの中から射出するようにしt」 「バ……ババババババカぁぁ―――――!!」 「痛ぇ!」 スカート談議に花を咲かせ痴話喧嘩を始める二人。 そこにメカアリスが―――― 「(ノシ /// ▽//)ノシ マスタ~♪」 ○○に抱きついてきた。 「うおっと! どーしたよ、メカアリス?」 「(ノ /// ▽//)ノ マスター、大好キー……」 ところで↓の場面を想像してみてくれ。 いつもツンケンしているアリスと同じ顔が「(ノシ /// ▽//)ノシ ○○ー、大好き♪」 と頬を赤く染めて抱きついて、甘えてくる姿。 こいつをどう思う? 「よしよし、可愛いな、メカアリスは~♪」 「――――っ」 それを見ていたアリスは、一瞬だけ泣きそうな顔になって―――― 「……お、覚えてなさいよっ!!」 ベタなセリフを残し、走り去っていった。 ・ ・ ・ 「うう――――」 バタン! 家に帰るなり鍵も閉めずに、近くにあったクッションを引っ掴んでその場にへたり込んだ。 涙を流しながら、クッションを両手に持ったまま床に何度も叩きつける。 それでも気は晴れない。 バスン! ボスン!! バスン!!! 「○○のバカ! バカっ! バカぁっ! 」 くやしい! くやしい!! くやしいっ!!! 「あんな……あんな機械人形なんかに――――」 ○○に、負けたことなんて もうどうでもいい。 あの男は、いつかは私を超えてさらなる高みへと進んでいく男だということを信じていたから。 涙を流すほどに、屈辱的で悲しかったのは あの男は、私がいながら―――― 「よりによって……あんな機械人形なんかを選ぶなんて――――!!」 ――――よりにもよって私そっくりの偽物をつくって、そっちを選んだ。 「どうして……?」 あの時、イチャイチャしていた2人を見て感じたのは胸が引き裂かれそうな嫉妬と悲しみ。 「どうして、私じゃなくて……私の偽物なんかで満足するのよぉ…… しかも、私の性格とは180度違う……素直で天真爛漫で女の子らしくて人懐っこい性格で……」 本物の私は、意地っ張りで素直じゃないけれど、あなたのコトがこんなにも大好きなのに…… あなたは、やっぱりああいう女の子のほうが――――? 「 ア リ ス … ゲ ン キ ダ シ テ ー ……」 「上海………」 「 ア リ ス ー ……」 「蓬莱………」 「 ア リ ス 、 フ ァ イ ト ヨ ー !!」 「うう……」 人形に元気づけられ、改めて自分と○○の関係を考え直してみる。 あの私の偽物は生み出されたばっかりで、まだ○○との付き合いも浅い。 だけど、私には2年前から、あいつと過ごしてきたというアドバンテージがある。 ……しかし 「考えてみれば……あの男、今あの偽物とイチャイチャやっているのよね……」 「 ア リ ス ー ……?」 そして、これからはあの男と偽物が一緒にいる時間はどんどん増えていくのだろう。 時間が経てば経つほど状況はどんどん不利になる…… 「――――っ!!」 こんなことしてる場合じゃないわ―――― 「 ア リ ス ー 、ド ウ シ タ ノ ー !?」 クローゼットを全開にし、大きなバッグを取り出す。 そして、クローゼットの中にある服や、洗面器具などの生活必需品を手当たり次第、大きなバッグの中に詰めていく。 「あいつの家に押しかけるの!! ○○は誰にも渡さないんだから!!」 10分後―――― 「……おう、いらっしゃい! どーしたよ、アリス?」 「え、えーと……そ、そうそう! あなた罰ゲーム忘れてるでしょ?」 「あ、そーいえば……いや、つーかその荷物は?」 「あ……あなたのことだから、しばらく長く続く罰ゲームを命令されると思ったのよ」 「罰ゲームの期間って1日だけじゃなかったか?」 「う、うるさいわね!! あなたにお情けをあげるの! 私に初めて勝ったあなたに、お情けで数日の間 罰ゲームに付き合ってあげようと思っただけよ!! い、言うこと聞いてあげようじゃない! 食事を作るとか……なんでも御座れよっ!」 「ん~、そりゃ嬉しいが……実は食事は――――」 その時、家の奥から機械人形の声が響く。 「 (ノシ ^▽)ノシ マスター、食事ノ準備デキター」 「……つーわけだ。すまねぇ、もう作っちまってたんだよ……よければ、喰って行くか?」 「な、なに言ってるの!? あんな機械人形の作ったものなんて――――」 きゅう~…… 「あ………」 可愛らしい音を立てて、アリスのお腹が鳴った。 「…………」 「…………(//// ⊿//)」 「…………」 「…………ッッッ!」 「ぼ、暴力反対……」 「バカぁぁ―――――――――――――ッ!!!」 「――――――!?!?!?」 悲鳴を上げることすらも許されずに、俺はアリスの鉄拳によって吹き飛ばされた。 俺は、彼女が意外に武闘派だという一面を薄れゆく意識の中で………ゲハッ ・ ・ ・ 結局、私は機械人形の作った食事を食べることにした。 それにしても、あんなところでお腹が鳴るなんて…… ああもう、恥ずかしい……顔から火が出そう 未だに自分の頬が赤く染まっていることがわかる。 「い、いただきます……」 「( ^ ▽^)ノ 召シアガレー、オリジナルー♪」 そして、機械人形の作ったカレーライスを一口食べる。 そのとたん、抱いていた羞恥心が消し飛ぶ。 文字通り言葉を無くした。 「う、嘘っ…美味しい……!」 信じられないくらいに美味しいのだ。 「だろ? さっき、メカアリスに紅魔館のコックや、白玉楼の板前の調理スキルデータをインストールしたんだ。 ……他にも、スキルデータをインストールしていけば、さらにメカアリスは完璧になっていくぜ」 正直、これ以上にうまく作ることなんて……できそうにない。 ああ……こんなことなら、もっとお料理の勉強しておけばよかった…… ……勉強しても、調理スキルのデータを注入するだけでレベルアップできる様な反則機械人形には全く勝てる気がしないけれど。 そんなこんなで食事も終わる。 「まあ、あれだ……罰ゲームについては考えておくよ。 あと、よくわからんが 今日は泊まっていくんだろ? 先に風呂入りな」 「ううん……私が押し掛けてきたんだから先に入って。」 「そっか……じゃあ、風呂入ってくるから適当にくつろいでてくれ」 「うん……」 浴場に入る○○を視線だけで見送り。 私は、ため息をつく。 完膚なきなまでに、あの機械人形に対して敗北感を味わっていた。 悔しいけれど、勝てない。 「……何か、ないかしら」 あの機械人形にはできなくて、私にはできること。 「……あるわけない…か」 大体、データ注入するだけで強くなれる相手にどう勝てばいいのだろう。 重い気持ちを抱いたまま、何気なくソファの上を見ると…… 「ん?」 書きかけのノートのようなものがあった。 「なに……これ?」 ノートを手に取り、開いてみる。 これ、メカアリスの作成日誌? 少し興味も駆られてパラパラと流し呼む。 その中に、一つだけ目を引く文章があった。 ≪―――― 耐水防護に課題が残る ――――≫ つまり、あの機械人形は水に弱いって言うことで…… ―――― こ れ よ こ れ し か な い わ ! ! 自分の勝利を確信し、アリスは思わず叫んでいた。 ・ ・ ・ 「ふー、いい湯だねぇ……」 俺は風呂につかりながら、本日の歴史的大勝利を噛み締めていた。 そして、アリスの言った「罰ゲーム」を思い出す。 正直、ついさっきアリスに言われるまで忘れていたものの どんな罰ゲームで、これまで受けた屈辱の溜飲を下げようか今から楽しみだ。 「罰ゲームかぁ……『今ここでアリスに背中を流してもらう』なんてのも良かったかなぁ……ハハ」 あのアリスが羞恥に頬を染めながら、俺の背中を流すシチュエーションはきっと殺人的な享楽だろう。 「そ、そう……じゃあ、失礼するわよ」 「おう、入れ入れー……は?」 振り返るとそこには、バスタオルを胸に巻きつけ、そのほかは何一つ纏わないアリスが立っていた。 バスタオルの端から見える膨らみかけの柔らかそうな胸。 やや内股気味なすらっとした滑らかな脚。 紅く染まる頬に、羞恥に潤んだ瞳。 裸の俺に視線をまっすぐ向けられず、俺と余所を交互にチラチラ見ている仕草が殺人的に可愛い。 「そ、そんなにジロジロと見ないで…!! 恥ずかしいじゃない……」 なんだ、これは……夢か? 「わ、私は今日負けたから、あなたの背中流してあげるの!! か、勘違いしないでよね! あくまで、罰ゲームだからやってるのよ!!」 「いや、罰ゲームって普通俺が決めるんじゃ――――いやなんでもありません」 アリスに進言しようとしたが、妙な気炎を上げる彼女に水を差すと また殴られそうだったので黙っていることにした。 何より、これはこれでイイ。 「ほ、ほら…背中向けて」 「あ、ああ……」 アリスが俺の背中を石鹸をたっぷりつけたタオルで洗い始める。 力があまり込められておらず、どことなく洗い方がたどたどしくて……少しくすぐったい。 この慣れていないっぽさ っていったらもう……! 「ど、どう…? こんなこと、偽物にはできないでしょう……?」 「ま、まあ……あいつは防水加工してないからな…… ……てか、どうしたんだ、アリス? やけにメカアリスに対抗意識燃やして――――」 言いながら、背後を振りむこうとしたら、アリスに両手で頭をつかまれた。 「う、後ろを見ないで」 そして、泣きそうな声で彼女は続ける。 「は、恥ずかしいんだからぁ……!」 「わ、悪い……」 アリスの声は羞恥により僅かに裏返っているし 背中をタオルで擦る手は震えていた。 本当に緊張しているようだ。 ……ち、ちくしょう なんなんだ、何がどうなってるんだ。 今日のアリス……可愛すぎる。 「…………」 「…………」 正直、互いが互いを意識してしまって それでも、アリスはたどたどしい手つきで 汚れが洗い流した。 「あなたの背中、大きいわね……」 「え? あの…アリス?」 両手が俺の肩にかけられ、彼女の頭が軽く俺の背中に当てられる。 「……それにすごく温かい……」 ヤバい。 コレはグッと来た。 つーかこれはヤバい。 俺は彼女を襲ってしまいそうでヤバいし。 彼女は俺の背中になんかウットリしてヤバいし。 誰か……誰か、俺と彼女を止めてくれ! 「( ^ ▽^)ノ マスター!」 ガラガラガラガラガラ!! 「∑( ○ _ ○)ノ ……!」 風呂場の扉を開いてメカアリスが入ってきた。 瞬時に、メカアリスは硬直し赤面 一方、乙女アリスは 「……ッ、あなた……!」 殺人アリスへと変身する ……殺意の対象は人ではないけれど。 「(ノシ //// Д///)ノシ ァゥゥ…オリジナル、大胆スギルヨォ…」 「あ……あなた……」 「ε=( //// Д///)≡З プシュー……(エラー中)……」 「……?」 「(あまりの事態に)エラー中みたいだな、少し待ってあげてくれ」 そして、10秒ほど経つ 「( ^ ▽^)ノ ……(エラー修復完了)……復活ー♪」 「あなた、なにしに入ってきたのよ……!」 「( ° -^)b ア、ソウダッター……マスター マスター」 「どーした?」 いきなり入ってきたとはいえ、別にメカアリスは一緒に風呂に入りにきたわけではない。 大方、食事の後にセットした自動改造プログラムが終わったことを報告しに来ただけなのだろう。 「( ^ ▽ )ノ 防水改造 終オワッタヨー」 ・ ・ ・ ……え? 頭をガツンと殴られたような衝撃がアリスを襲った。 防水改造が終わったって言うことは、水が大丈夫になったと言うことで…… ただ一つあったはずのアドバンテージすらも完膚なきなまでに打ち崩された。 どうやっても、なにをやっても……私はこの機械人形には勝てない。 「…………」 ねぇ……○○ じゃあ……私は……もうイラナイの? この子に、防水改造をして一緒にお風呂に入るつもりだったの? あなたは……私のこと、なんとも思ってないの? 「ごめん、私…もう帰るわ……」 これ以上いたら、泣いてしまう。 ・ ・ ・ 「アリス?」 「……っ」 「ちょ、おい! アリス!?」 そのままアリスは風呂から走り去って行ってしまった。 俺も、急ぎ風呂から上がるが……そこには、アリスはいない。 彼女が持ってきた大きな鞄も無くなっている。 「……あいつ、泣いてた………」 急ぎ、濡れた身体のまま、服を身につけ、靴を履く。 「( ・_・) ……マスター、ドコ 行クノー…?」 「すまねぇメカアリス、留守番を頼む! ちょっとアリスを探してくる!!」 「( σ _σ) ………」 「くそ…見つかりゃしない……」 突然出て行ってしまったアリスを探し、俺はひたすら走り回っていた。 アリスの家、魔理沙の家、博麗神社、紅魔館の図書館、香霖堂…… 彼女の行きそうなところは、すべて探しまわったがどこにも彼女はいない。 探し始めたときはまだ頭上で輝いていた太陽も、すでに沈み切り、周囲には妖魔が徘徊する気配が漂っていた。 「やべぇな……さすがに戻らねぇとマズイか?」 メカアリスについて来てもらったほうが良かったかもしれない、と考えたその時…… ゴォォォォオオオオオオ―――― 周囲に轟音が響き 「ε=⊂( ^ o^)⊃ マスタ~」 続いて、能天気そうな声が聞こえた。 ガシャコンッ!! メカアリスが俺の目の前に着陸する。 プシュー…! 着地と同時にメカアリスは機体内の排気と熱を放出。 俺は彼女に歩み寄る。 帰りが遅い俺を心配して迎えに来てくれたのだろうか? 「( ・ _・)ノシ マスター、マスター」 「どーした? メカアリス?」 「( ・ _・)ノ□ コレガ、ポストニー」 メカアリスから一通の手紙を手渡された。 簡素な無地の封筒には、アリス=マーガトロイドと記されている。 急いで封を開け、中の手紙を見ると……これまた無地の便箋が そして、その便箋にはたった2行の文章が奇麗な文体で書き記されていた。 ≪ ―――― 10日後の正午に、私の家の前にて待つわ……最後の決着をつけるわよ ―――― ―――― アリス=マーガトロイド ―――― ≫ 「アリスからの『決闘状』…?」 でも、最後ってどういうことだ……? 「( ・ _・)ノシ マスター、マスター」 「ん?」 「( ・ o・)ノ 今日ハ、モウ戻ッタ方ガイイト思ウ―」 メカアリスに言われて、周囲を見回してみる。 確かに……これ以上探索するとこっちが危ない。 いくらメカアリスがいるとはいえ、アリスと戦ったときに以降、彼女には武器の補充をしてない。 下手をすれば、メカアリスともどもやられる可能性がある。 「そうだな……明日、また探すか」 「( ^ _^)ノ ウン!」 そして、暗い森の中を一緒に歩いて帰る。 「……にしても、決闘状に届けにきたってことは 行き違いになっちまってたのか? 」 「( σ _σ) ……」 「アリスのやつ……どーしちまったんだろうな……」 「( σ _σ) 私ジャ ダメナノカナー……」 「何か言ったか? メカアリス」 「( ° ▽ °; ナ、ナンデモナイー」 ・ ・ ・ そして……10日後の正午―――― アリスの家の前に、俺とメカアリスはいた。 「……お待たせ、○○」 「……? どうしたんだ? やけに顔色悪いぞ?」 「……ちょっとね、でも大丈夫よ」 「ったく……あれから、ここ10日間必死で探したってのに全く見つかんないし ……何やってたんだよ、お前?」 「……別に、私が何をしようとあなたには関係ないでしょう?」 ……? なんだろう……今日のアリス、妙に冷たい。 「だいたい、最後の決着ってなんだよ? 俺はまだ、お前に一回しか勝ってないってのに」 「言葉どおりよ。今日で決闘は終わり……もう、あなたの代わりがいるから、あなたとの勝負もおしまい」 「……なんだって?」 「見るがいいわ……ここ10日間で作り上げた 私の最高傑作……」 アリスが片手を高く掲げ―――― 「出てきなさい ――――!!」 ――――その呼び声とともに森の木陰から、影が飛びだす。 「――――!?」 「( °_ °) ……!?」 現われたのは白馬人形に跨った一体の人形。 背丈は俺と同じくらいだろうか? 腰には、一振りの剣を携えているおり、背にはマントが その人形の姿を見て、メカアリスと俺は息を飲む。 「呼ンダカ、マスター?」 その人形は白馬人形からひらりと舞い降りアリスのすぐ横に立つ。 「は……?」 「∑( ○ o ○) ……!」 それは…… 「初メマシテ。オリジナルと、メカマスター」 俺とそっくりな顔をした人形だった。 ・ ・ ・ 「紹介するわ……これが○○人形。 私の、新しいパートナーよ」 完全自律人形とまではいかなかったけれど それでも、その自律性は他の人形とは比べ物にならない。 「あなたなんかより、何倍も 強くて 優しいの」 「………」 「( ○ o ○) ………」 ○○とメカアリスは言葉も出せないようだ。 ふふん……あまりの事態に言葉もないようね、○○。 ○○人形さえいれば、もうあなたなんて―――― 「白馬の王子様を待つお姫様に、憧れていたのかッッ!?」 盛大にコケる。 この反応は、文字通り想像の斜め上だった。 いや、驚く所はそこじゃないでしょ!! 「…う、うるさいわねっ! いいでしょそんなことっ!!」 しかも、何気に……そ、その核心突いてくるし! 確かに白馬の王子様にちょっとは……ほんのちょっとだけ憧れたりもしてるし その王子様が、○○だったらとか…… ああああ、もう、私何考えてるんだろう! せっかく、○○人形を作って○○のこと吹っ切ったつもりなのに…… 「\( ^ ▽^)ノ ナカマー!」 「ヨロシク頼ムナ、メカマスター」 しかも、○○人形と機械人形は 「って、そこ! 何、敵と交流を深めてるのよ!!」 「フフ……怒ラナイ 怒ラナイ。イイジャナイカ 挨拶クライ」 穏やかな物腰で、やんわりと私に 「あっ……」 私を抱き寄せる 「○○人形……」 「愛シテイルヨ、マスター」 安心させてくれる。 どうしようもないくらい鈍感な○○よりも…… まるで○○のように。 ……ああもう! どうして最後まで○○のことが頭から離れないのよ私ってば! 「今日は私は動かない……人形だけの勝負よ……」 「だそうだ……メカアリス、いいか?」 「\( ^ ▽^)ノ ウン!」 メカアリスはドールファンネルを展開させ 「〟〝 〟〝\( ^ ー )ノ〟〝 〟〝 負ケナイヨー!」 ○○人形は腰に携えていた剣を鞘からスラリと抜き構える。 「ソレハ、コチラの台詞ダ」 メカアリス VS ○○人形 ―――― ―――― o( ° ー )=○|==≫ ☆〟〝 〟〝 ○(*σ 。σ)o ―――― ―――― 戦闘開始!! うpろだ386・389・393・413 ─────────────────────────────────────────────────────────── 一行告白 アリス、君の寿命と比べたら短いけれど。俺の命を、君の人生にささげさせてくれないか!? 一行返答 要らない。帰れ 7スレ目 759 ─────────────────────────────────────────────────────────── お前は孤独じゃない。だって俺がいる。 7スレ目 828 ───────────────────────────────────────────────────────────