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代々剣龍・ヴァルキリア・四代目 SR 火 (14) 進化クリーチャー:フォース・コマンド・ドラゴン 17000 進化―サード・コマンド・ドラゴン1体の上に置く。 ■このクリーチャーが攻撃するとき、次のうちいずれかひとつ選ぶ。または両方を選んでもよい。 ►コスト9以下の進化ではないクリーチャーを1体自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。 ►バトルゾーンにあるコスト10以下のカードを1枚選び墓地に置く。 ■T・ブレイカー ■このクリーチャーを相手が選ぶとき、自分の山札を見てもよい。その中から名前に《ケンゲキオージャ》または《超剣龍》、《神剣龍》とあるクリーチャーを1体選び、このクリーチャーの上に置いてもよい。その後、山札をシャッフルする。《ケンゲキオージャ》を選んだ場合、このクリーチャーは名前に《ゴウケンオー》を追加する。 作者:viblord フレーバーテキスト 評価 汚いデザイン。《ケンゲキオージャ》絡みの効果のせいで。 -- 名無しさん (2015-09-10 01 22 18) ↑1まぁ分からなくもない。けど、いきなり「汚いデザイン。」はどうかと思うよ。 -- 808 (2015-09-11 00 21 17) 名前 コメント
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萩原さんが生前上刊された詩集を刊行の年次に従って列記してみると次の如くである。 「月に吠える」(大正六年二月十五日 感情詩社 白日社出版部共同刊) 「青猫」(大正十二年一月二十六日 新潮社刊) 「蝶を夢む」(大正十二年七月十四日 新潮社刊) 「純情小曲集」(大正十四年八月十二日 新潮社刊) 「萩原朔太郎詩集」(昭和三年三月二十五日 第一書房刊) 「氷島」(昭和九年六月一日 第一書房刊) 「定本青猫」(昭和十一年三月二十日 版画荘刊) 「宿命」(昭和十四年九月十五日 創元社刊) 別に「月に吠える」の再版(大正十一年アルス刊)、「現代詩人全集」第九巻(昭和四年新潮社刊)、その他の重版本合著選抄等数種があるが本文庫本の編輯に当ってはそれらは全く関聯するところがないから略する。本書の編纂に底本として用いたのは右に挙げた初版本八冊であった。さてその八冊の刊行年次は先の順序であるが、その内容の創作年次はそれとは別にいささか錯綜しているので、本書においては「蝶を夢む」を二つの部分に分ち、「純情小曲集」を同じくまた二つの部分に分って、それぞれその創作年次に従って、他の間に組み入れることをした。 即ち「純情小曲集」の前半「愛憐詩篇」を第一に置き、「月に吠える」を第二に、「蝶を夢む」(詩集)の後半「松葉に光る」を第三に、「青猫」を第四に、「蝶を夢む」(詩集)の前半1これを「蝶を夢む」という題名の下に第五に、次に第一書房版「萩原朔太郎詩集」に初出の部分を「桃李の道」1とこれは三好が仮りに題名を設けたもの、同書においては「青猫(以後)」と萩原さん自身が一括して区切っていられる部分であるーこれを第六に、そうしてこの第六には「定本青猫」に初出の二篇をさらに追加し(その箇所における註記参照)、「純情小曲集」後半「郷土望景詩」を第七に、この第七には「萩原朔太郎詩集」(第一書房版)から一篇を追加し(註記参照)、「氷島」を第八に、最後の「散文詩」は「宿命」からとってこれを第九に、以上の如き順序に配置した、それによって読者はほぼ萩原さんの作品を本書においては刊本の年次によらず直ちにその創作年次順に通読されることになるであろう。断っておくが「宿命」からとった「散文詩」は年次からいうと第九に位置するものではないがこれは便宜巻末に一括した。それらの制作年次がまちまちの間隔をおいてあまりに飛び飛びになっているからである。だからこれはまあ全巻の附録とくらいに見てもらいたい。 いまその「散文詩」を別にしていっても、それまでの分をかくの如く八段に区切りをつけて概括をしたところで、細部について精密にいうとなお年次的に多少の出入がある。即ち第六の「桃李の道」のある部分たとえば「吉原」「郵便局の窓口で」等(1はいま発表年次がはっきりしているから指摘しうるのであるが、その他は作風から考察してもらいたい、三好の考えでいうとその前後の数篇をも含めて)は第七の「郷土望景詩」(1ないしはその一部)よりもかえってやや後来の作かと考えられる如きである。かくの如く細部については他にも多少の疑問を残しているがここには精しく考えない、篤志の方は創元社版「萩原朔太郎全集」第八巻巻末の伊藤信吉君による作品年譜-今日ではこれが最も精備しているーを参照されたい。以上のような多少の問題を存してはいるが、ともあれだいたいの制作序次は本書の段落によって概括するのが便宜であってかつ大過はないであろう。もう一度断っておくが、これらの九つの部分それぞれの埒内での作品の配列順序は、それぞれの初版初出の際のままに則り従って、(それが時間的配列になっているというのでない、年譜参照)、たとえば「月に吠える」「青猫」の場合でいうと、第一書房版「萩原朔太郎詩集」「定本青猫」等はその点では何ら拠りどころとはしていない、その他の場合も同断。 さて次に、本書の校訂について、卑見にやや錯綜した点があるのでこれを断っておきたい。テキストについては初版初出の原形、即ち最初に挙げた八冊の刊本のそれぞれの原形を最も尊重して第一の準拠とした。標題、句読、空劃、空行、行分け、用字、仮名つかい、すべて原形に力めて忠実ならんことを旨とした。それらの点で、後出のもの(主として第一書房版「萩原朔太郎詩集」)の改訂は萩原さん自身の手に出でたもの眼を通されたものといえども、それが明らかな誤謬の訂正としてなされているのでないかぎりは、本書においては原形につく建前で改訂を重んじないこととした。辞句の改作推敲に類するものは僅かな場合にすぎなかったが、句読点、空劃、空行等の、先には存したものが後に無視され追こまれあるいは省略されている箇所は枚挙に遑がなかった、iこれは萩原さん自身の作風が「月に吠える」から「青猫」へと移行するに従ってそういう風に推移していった跡が既に著しいのであって、「青猫」からさらに数年の後に出た第一書房版(昭和三年)当時において、「月に吠える」(大正六年)を悉くその流儀で加筆訂正されたのは、著者自身の当時の理由はともあれ、もとの「月に吠える」そのものとはひとまず切離して考えるのが、後来の私ども読者にとってはむしろ一応必要なことでもあろうかと考えられたからである。故に萩原さん自身の改訂をそれらの点では僭越のようだが姑《しば》らく卑見に従ってお預りとしておいた。次に仮名つかいの点については、原来萩原さんには不注意からの誤謬と意識的な独特の個人的用法(非文法的な)とが二つながら混在していて、にわかに私一箇の考えで校訂あるいは統一することを許されない場合が往々であった。但し萩原さん自身が先の非文法的用法を後に文法的に正しく改訂していられる分は(たとえば第一書房版においてそれが多い)、幸いにそれを拠りどころとすることができるからその分は、原形を惜まず本書においては著者の訂正に従うこととした。しかしながらなおその外に、原形においては文法的に正当であったのを、後に例のその独特の個人的用法に従って(むろん意識的に)非文法的に使い直された分は、これは少々困った問題であるが、やはりこの際は原形を重んずることとして後年の改訂はお預りとしておいた。凡そ以上の如き目安を以て仮名つかいは訂正に従いあるいは原形に従った。萩原さんの作品が一面極度に感覚的な性質によって強く支えられている点を考えるならば、文法的正否を以てのみ一律に統一整理しようとするのはどうかと考えられたからである。(第一童旦房版の改訂は概ね該書の校正者からの申出をどうやら承認された形のものであって、それとてもともと萩原さん自らの積極的な発意からのものでなかったのは、当時私が眼のあたりにした事実であった。これは余事ではあるが書き添えておく。用字の訂正もほぼそれと相似たぐあいで、もとめられて訂正はしつつも決して御機嫌はよろしくなかった。)以上のような理由から、ある一つの仮名つかいあるいは用字が、本書中においてもしばしば場所によって一致統一を欠くのは、そういう点で正確と整理との趣味のもともとなかったこの著者のものとして、姑らくやむをえないものとしておこうとする、校訂者の意の存するところをも併せて本書の読者には含んでおいていただきたいのである。 要するに本書を通じて、原形における明かな誤謬と、ともあれ著者が後に改訂を認められた非文法的仮名つかい(及び不適切なる用字、あるいは誤字)との外、校訂者一個の考えからその外に積極的に改訂を加えることは力めて差控えて、初版初出の形式姿態をなるべくそのままに存することを旨とし方針としたのである。その方針において同時にいささか折衷的でもあったのは、先にいった如くである。 ただ書中「愛憐」「恋を恋する人」(一四〇、一四二頁)の二篇は、当局の忌諱によって初版本「月に吠える」から刪除を命ぜられたものであるから、ここには再版本によって採録したのと、同じく「月に吠える」中の「山に登る」(一五六頁)の末尾一行は、初版本によらず第一書房版の改作によることとしたのとは、小さな例外であるのを附記しておく。 萩原さんの作品は、本書巻頭の「愛憐詩篇」(ほぼ大正二三年頃の作)十数篇においてひとまず最初の完結を示した。それより以前の夥だしい試作「草稿詩篇」と、これと同じ頃の作品にして後にいずれの刊本にもとり容れられずにそのままとなった「拾遺詩篇」(雑誌「創作」その他に発表されたもの)とは、併せて創元社版全集第二巻に収録されているが、それらはすべて「愛憐詩篇」を以て代表して凡そ遺憾のない作ぶり品質のものであった。その「愛憐詩篇」は北原白秋主宰の雑誌「朱欒《ザムボア》」その他に発表を見たもので、当時「朱欒」誌上にこの人と儕輩として名を連ねた青年詩人に、室生犀星、吉川惣一郎(後の大手拓次)等があった。萩原さんは最初白秋の「邪宗門」「思ひ出」あるいは「東京景物詩」あたりから詩作の感興と多分の示唆をうけ、同時に同僚先の二氏からもいっそう身近な同時代者として同じく何がしかの感化を蒙った、とこれは後に萩原さん自身も筆にしていられるが、「愛憐詩篇」に関するかぎり、「抒情小曲集」あるいは「青き魚を釣る人」当時の室生犀星との交渉、両者の共感相互作用がなかんずく際だって顕著に見うけられる。「室生と僕とはどちらがどの部分でどう暗示し暗示されたか、互に影響があって、後には見境いがつかなくなってしまった」と萩原さんは後年語っていられたのを記憶する。初期白秋詩からの少くともその一面の系流に立つものとして、さらにいっそう新時代的な自意識切実感をそれに畳みこんだ推し進めを以て、室生萩原の新しき出発点を意味づけ特質づけるものと見るならば、その新発足は当時にあって恐らくは彼らの力を尽した協同作業でもあったことがほぼ推察されるであろう。詩誌「卓上噴水」は大正四年三月に、同じく「感情」は大正五年十月に、いずれも萩原室生の盟約によって創刊された。後者「感情」には後に大手拓次、山村暮鳥が加わり、他に多田不二、竹村俊郎、恩地孝四郎等が参加した。萩原さんの詩風は、最初の「愛憐詩篇」に到るまでにやや足踏みし比較的手間どったかに見えるのに引かえ、その一応の完結仕上げの後直ちに引続いて、その到着点がそのまま実はこの人の最初の真の出発点に外ならなかったといっていいような形に、質的切換点とそれがなって、時日をおかずそこから局面を新らしく転換した。即ち萩原さんの最も重要な詩集の一つ「月に吠える」及び本書においてその拾遺とした「松葉に光る」(大正三四五年に亘る作)は、先の「卓上噴水し「感情」を主要な舞台として比較的短い期間に発表された。その刮目すべき飛躍、展開、その輝かしい成功は、先ほどの協同作業をもはや遠い過去の小さなエテユードとくらいのものに顧みしめたであろう。初期白秋詩からの袂別もここでは既にきっぱりとしたものとなった。その自由な、ほとんど奔放な用語(日常口語の親近性を駆使した)の不思議な波うち、多分に病的な幻想幻覚の一種逆説的詩美、その奇妙に普遍的な内的実感、温熱、近代心理的錯綜と直截なリリスム、詩中の時間的空間的常理の解体倒錯、そのまた何やら得体の知れない暗示性浸透性、昏冥の微妙な深さ、それらのある部分ある性質は、ずっと後年第一次大戦後に移入されたダダイズムとも、さらに後のシュールレアリズムとも、ないしは近頃問題のエキジスタンシアリズムとさえも、今日顧みてなお多少の程度において無縁ではないところの、所謂近代性を以て、その点では全く意想外の斬新さを以てそれは当時の詩壇に登場した。その出現はたしかに驚異に値した。「僕は一夜にして名声を獲た」と時たま萩原さんは酔後に愉快げに放言されることがあったが、放言に罪がなかったとともにそれは決して虚言でも壮語でもなかった。「月に吠える」はそのようにして、この国の現代詩に一つの際だった眺望をもった近代的見渡しの窓口を開いた点で全く独創的であった。それはおしなべて従前の詩のおおかたを何か空々しい綺麗ごとかの如くにもともすれば感ぜしめかねない、いわば機構の裏がえし、何かの裏側に突き出た点から読者に背後をふりかえらしめる如き、ある重要な価値顛倒を伴うところの、一種革命的魅力で以て当時の青年たちを強く捉えた。 * いずれも室生犀星の最初期を示す小曲集、前者は大正七年感情詩社刊、後者は大正十二年アルス刊、かく刊行の年次を隔てているが内容は共にこの著者の発足を語るものである。 「月に吠える」の後、萩原さんには評論感想集「新しき欲情」(大正十一年四月アルス刊)の著があった。「青猫」はそれに続く大正十二年一月の上梓であって、同拾遺「蝶を夢む」以下をも含めて、その内容は大正六七年及び同十一二年にその大部分が出来上っているところを見ると、両度の制作期間の中間に介して「新しき欲情」は生れたものと考えてほぼ間違いあるまい。「青猫」は「月に吠える」の継続進展として、その語彙語脈はいっそう手慣れて豊かに変幻を極め、意の赴くところ手従う自由な詩技の円熟に達するとともに、一面艶媚なエロティスムの歌いあげと、一面独自な思索の影のようやくに深まらんとする揺曳とを伴って、後者の点ではとりわけこの詩集が「新しき欲情」との双生児でもあった事実に表裏符合している。その表裏の組合せは、後来エッセイスト思索者として特異な面目を示したこの詩人の、生来の人となりを明らかに語っているものでもあった。萩原さんは思考の上でも、慎重な推理と学術的精確とを喜ぶ風ではいっこうになかったけれども、そうして結論をやや肆《ほしいま》まに偏らせる慊いをしばしば伴ったけれども、その自由な着想と詩的な直観とには超凡な深さと鋭さとが常にあった。故にその考察判断には、ことの当否の外に、時にとってやや過剰な一種の風味を伴うのをまた常とした。ある時にはそれが極端に捷路をとった形に圧縮され、いっそう形象化されて発揮された。本書巻末の散文詩数篇は凡そそのような性質をどこかに備えているであろう。それらのあるものは評論感想中の一部をなしていたものが、後に抽出され、著者によって散文詩と改称された。おかしな置替えであるが、それでもいっこう差つかえなく、むしろその方がいっそう適切な名称を得て落ちつきよくさえ見えるのである。 話頭が脇にそれた、先の「月に吠える」「青猫」の独自な詩境に関して、萩原さん自身は雑誌「感情」に後に同人でもあった山村暮鳥、大手拓次両氏から嘗て何がしか示唆を得た旨を、後年両者の歿後久しく年を経た追憶文中に語っていられる(創元社版全集第七巻参照)のは、一応注目に値するであろう。暮鳥には大正四年既に詩集「聖三稜玻璃」の著があった。拓次には後に「藍色の蟇」に収められた多量の作が、古く「朱欒《ザムボア》」当時からの引続きを一まとめに今日我々に残されている。ついて見られたい。追憶文中にいうところは後年の回憶である上にそういう文中の辞令をもいささか含んでいるだろうから、虚仮ではないまでもなお精しく考えるを要するからこれをいうのである。近頃上梓を見た北原白秋宛書翰集「若き日の欲情」(昭和二十四年角川書店刊、木俣修編)はその点についてのみならず、当時大正三四五年頃の消息環境を察する上に最も貴重であるのを参考までに附記しておく。 さて二つの主著「月に吠える」「青猫」の後に、後者の拾遺に引続く「郷土望景詩」十一篇(「純情小曲集」後半、大正十四年作)は、その簡潔直截なズタイルと現実的即事実的な取材において、従ってまたその情感のさし逼った具体性において、この詩人の従前の諸作から遥かに埒外に出た、篇什こそ乏しけれ一箇隔絶した詩風を別に鮮明にかかげたものであった。この独立した一小頂点の標高は、あるいは前二著に卓《ぬき》んでていたかも知れない。しかしながらこの詩風の一時期は、極めて短小な時日の後に終熄した。それはそういう性質のものでもあったから、それが当然でもあったが、その事自身はまた萩原さんの胸裡に後にはその事自身への何か渇きのようなものをさえ持越させはしなかったであろうか。かくいうのは仮そめの私の推測をいうのであるが、私にはどうもそういう感じがする。二、つの主著の時期に、それぞれ窮まるところのない豊かな制作力を示したこの詩人は、この際は閃光的な燃焼の後にふっつり久しく沈黙した。そうして久しい沈黙の後に、それが再び詩集「氷島」(昭和五六年ー八年頃の作)に再度その爆発的表白を試みた時には、しかしながら既に何かしらそこにはもはや取りかえすすべもなく失われ変質されたものが私には感じられるのである。萩原さんの詩に終始「愛憐詩篇」の昔から通じて見られたあの非論理性《イロジスム》の魅力、あの独自の魔術は、それのみが露わに、ここでは何か秘密の調和を欠いて、ついにその歌口はただ索莫として私の耳には聞える。百木揺落の粛殺たる声に私の耳はついに耐ええないのかも知れない。余人にはいかがであろうか。 昭和二十六年十一月記
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※あてんしょん※ ノリと勢いで書き上げたシロモノです 拙いです 一部改変が有ったり、設定をよく知らずに使ってます キャラ崩壊が著しい気がします ダークというかグロテスクな表現が含まれます 等など、あくまでパラレルな話としてお楽しみください 初めて書いたSSだからね、期待しても損するからね 1話「在りし日の思い出」 大陸の西側に位置する工業大国【マキナポルタ】の辺境には尖った耳とふさふさの尻尾を持った獣人族、狼族の里のひとつがある。 この里で生まれ育った者は密偵として国に雇われ、【プロメテンの火】という技術に関して争っている魔導大国【スピノー】へのスパイ活動を行う。 里の西端に位置する木造の小さな家には腕利きの密偵として里の住民から慕われるひとりの男とその家族が住んでいた。 男の妻とその息子と思しき年端もいかない少年、そしてその少年より何歳か年上に見える猫獣人が丸いテーブルを囲んでいる。 弟「ねえお兄ちゃん、この世界はいつ生まれたの?」 母「あなたもそういう事に関心を持つようになったのね、兄さんにそっくり」 弟「えへへ、それで、いつなの?」 兄「難しい質問だね…研究所の学者さん達も答えには辿り着いてないみたいだよ」 弟「えーっ、それじゃあ分からないの?」ショボン 父「でも、文明が生まれた時を世界の誕生とするならそれは間違いなく【フルゴル神】が降臨した時だろう」 弟「フルゴル……ああ! 毎日朝のお祈りを捧げる神様だよね!」 兄「よく知ってるな、えらいえらい」ナデナデ 弟「えへへー、僕だって里長さんから色々教わってるんだよ」 兄「へえ、どんな事を習ってるんだ?」 弟「色んなご本読んでもらったり、掟のこととか教えてもらうんだ!」 それを聞くと、父親は意外そうな顔をする。 父「お前、もう掟について教わったのか?」 弟「そうだよ! まだちっちゃいけどお父さんの息子だから特別だって教えてくれたんだ、【人知れず、静かに依頼を遂行する】でしょ!」 父「そうだ、偉いな……お前は俺以上の密偵になるよ」 そう言って頭を撫でる偉大な父を、少年は尊敬の思いで見上げていた――― 数年後 12歳となった兄は里で成人の儀を行い、正式に国雇の密偵として里を出て行った。 父も息子に修行を付けるために休んでいた密偵稼業を再開した。 弟「ねえお母さん、お兄ちゃんとお父さんはいつ帰ってくるの?」 母「今は二人共スピノーに潜入して情報を集めている筈だからしばらくは会えないって、知ってるでしょ?」 弟「うん……でも、寂しいよ。 このテーブルも、二人で使うには広すぎるよ……」 母「そうね、もうすぐお父さんの仕事が一段落つくから、久し振りに帰ってくるって役人さんが言ってたわよ」 弟「ほんとう!? もうすぐお父さんに会えるの!?」パアァ 母「だからもう寝なさい、お父さんに眠そうな顔で会いたくないでしょ?」 弟「うん! おやすみなさい!」 母「おやすみなさい……本当に良いの? あなた」 視線の先の箪笥から出てきたのは、毅然とした顔をした夫だった。 寝室に戻り布団に潜り込んだものの、久し振りにお父さんと会えるという興奮で、少年は中々寝付けずにいた。 弟「早く会いたいなぁ、お父さん! 早く帰って来ないかなぁ……」 ようやくうとうととしてきた頃、寝室の扉が開いた。 弟「ん……もしかしてお父さ……」 そこに居たのは全身を灰色のローブで覆い隠し、右手に大振りなナイフを持った人影。 弟「誰……?」 ??「…………」 恐怖で顔を歪ませる少年に無言で襲いかかる男。 少年は殆ど無意識に修行用の短剣でナイフを弾いていた。 弟「うわぁぁぁ! 助けて、お母さん! お父さん!」 絶叫しながら振るった短剣が男のローブのフードを掠め、一瞬男の顔が顕になる。 弟「お父さん……? 嘘だ、嘘だぁぁぁ!!」 状況を飲み込めないまま、少年は無我夢中で逃げた。 里を飛び出し、意識のある限り走り続けた。 東の空が僅かに白み始めた頃、少年は意識を失った。 =========== ==== == 次に少年が目覚めた時、目に映ったのは教会の天井だった。 シスターからの説明で昨日の夜中にうちがマキナポルタの役人によって燃やされた事を知った。 それから少年は教会で密偵の修行を積み、12歳で成人の儀を終えて国雇の密偵となった。 少年が密偵になって3年 少年は密偵の中にスピノー側の二重スパイが居るという情報を秘密裏に貰い調査をしていた。 そして、遂に二重スパイを捕らえることに成功した。 弟「これから貴方を尋問する…………兄さん」 兄「……麻痺毒の使い方が上達したな」 弟「何で……なんで兄さんが二重スパイなんか」 兄「答えるよ……そうだな、まずは俺がギルさん…父さんに拾われた時の話しをしようか」 弟「……聞くよ、早く」 兄「俺は今から15年前、スピノーの路上で父さんに拾われた」 弟「知ってる、それがどうかした?」 兄「それが、俺が密偵として最初に遂行した任務だ」 弟「えっ……そんな事って」 目を見開き後ずさりする弟に、麻痺で身体も動かせない状態の兄は静かに語り始める。 兄「俺は元々スピノーの教会に捨てられた孤児だ。 そこで催眠暗示を掛けられた」 兄「それは起爆スイッチを入れると『スピノーに雇われてマキナポルタの密偵の家に潜入したスパイだ』という記憶が蘇る暗示だ」 兄「暗示を掛けられた記憶を消されて俺はマキナポルタの密偵が潜入していると思われていたポイントに置き去りにされた」 兄「父さんはただの捨て子じゃないってことには気付いていただろう。それでも本当の息子のように育ててくれて、本当に感謝している」 兄「そしておれはスピノーの連中の思惑通り、密偵の手解きを受けてスピノーに潜入した」 兄「潜入先の高官に催眠暗示のキーワードを囁かれ、俺はマキナポルタの密偵に偽の情報を掴ませた」 兄「つまり俺は最初からスピノー側の人間だったのさ」 兄の独白を聞いて尚、少年はそれを受け入れられずにいた。 弟「そんな……嘘だ、だって兄さんはずっと優しかった!」 兄「そうあることが俺への命令だった、それだけのことだよ」 弟「それじゃあ、うちが焼かれた理由って……」 兄「ああ、俺に掴まされた虚偽の情報を伝えたことと、裏切り者を育てた罪だ」 兄「お前はとうとう親の仇をとっ捕まえたんだよ、やったじゃないか」 弟「こんなの、全然嬉しくないよ……あの優しくて、何でも知ってて、色んな事を教えてくれた兄さんがスパイなんて……信じたくない!」 兄「そうか……なら、もうお前に会うのも最後になるだろうから、ひとつ教えを授けてやるよ」 弟「教え……?」 兄「自分が本当に信じたいと思うものを信じろ……それだけだ」 少年はそれを聞いて、躊躇いがちに宣言する。 弟「なら僕は、僕は優しかった兄さんを信じるよ!」 兄「優しかった俺、か……良い台詞だ、感動的だな」 兄「……だが無意味だ。 お前はまだ甘い」 弟「僕は……」 兄「ゆっくり答えを探すがいいさ、お前にはまだ先がある」 少年は拷問の末に兄を殺害した。 =========================================== ================================ 弟「僕は、もう家族が死ぬのも、家族を殺すのもうんざりだ……」 そして少年は里を抜け、放浪を始める。 ====================== ================ マキナポルタを出て、何処までも歩いて行く。 ========== ====== フルゴル神信仰派の本拠地ともいわれる【スペロ】という国に入り、しばらく 遂に少年は力尽き、倒れた。 === == 少年が目覚めた時、そこは建物の中で、目の前には仮面を付けた青年が立っていた。 ??「俺はイグニス、ギルド【ファイアワークス】のマスターをやってる。 どうだ、行き場がないなら俺達の仲間にならないか?」 こうして少年は生産ギルドファイアワークスの一員として、新たな日々に身を投じていく事となる。 2話「イネルヴァの涙」 夕刻 ファイアワークスの本部にある個室で、狼族の少年「ペガ」は戸棚から分厚い紙束を取り出す。 紙束を机に乗せると、顕微鏡の様な道具を覗き込む。 ペガ「これがイネルヴァの涙か……流石に水の神様がくれたものだけあって、見たことも無い様な魔導構造をしてる」 イネルヴァの涙、それは若返りの効果を持つ秘薬である。 飲めばたちまちの内に身体が若返る、まさしく魔法の薬だ。 ペガ「これの構造を解明すれば延命の薬が作れるかもと思ったけど、中々難しいな……そっちはどうだい、鼠くん」 鼠「チュー…」 籠の中の鼠は弱々しい鳴き声を上げる。 ペガ「昨日2回目の経口摂取実験してからずっとこの調子だね、1年毎じゃあスパンが早すぎたかな?」 鼠「……」 応える声はない。 すでに鼠は息絶えていた。 ペガ「……っ!」 ペガ「やっぱり駄目か、所詮は若返りの薬、不死には程遠いって事かよ……」 少年は悔しそうに歯を噛みしめる。 そもそもの始まりは、少年がこのギルドに加入して間もない頃の事だ。 ギルドに居た不死鳥の末裔ともいわれる鳳凰族の男と長寿で知られるエルフの女が結婚し、ペガを養子に招き入れたのだ。 身寄りのなかったペガはとても幸せだったがある日気付いてしまった、長命種でない自分だけが先に老いて死んでしまう事に。 そしてペガは長い寿命を手に入れる術を探し始めた。 若返りの薬は上手く使えば不老の薬にならないかと思ったのだが、どうやら空振りの様だ。 ペガ「くそっ……こんなんじゃあ僕の寿命の方が先に尽きちゃうよ……親父にも、おかーさんにも、悲しい顔なんてさせたくないのに……!」 悲痛な声に返事はない。 と思っていたのだが、答える声があった。 ?? 「そんなことしたって、朱雀もフォートレスも喜ばないんじゃないかな……?」 ペガ「……蓬さん?」 そこに立っていたのは希少種族で心ない人達に狩られることもあるという、半蛇の少女……と言っても、両性具有だが。 蓬 「やめた方が良いよ、こんなことをしたって誰も救われやしない」 ペガ「そんな事っ! 蓬さんに何がっ」 そう言いかけて思い出す。 まだペガがファイアワークスに加入する前の話だが、かつて蓬の住む里が滅んでいる事を。 ペガ「……ごめんなさい、不謹慎でした」 蓬 「別に良いよ、大切な人達と死に別れる気持ちはよく分かる」 あくまで蓬は静かに諭す様な口調で喋る。 蓬 「でも、こんなことをして、何の意味があるの?」 ペガ「だって、僕はもう……家族と死に別れるのは御免なんだ!」 子供が我儘を言うように、少年は反論した。 蓬 「このことは誰にも話さない……もう一度考えて、それで本当に良いか」 そう言って蓬は部屋を出て行った。 少年はぽつんとひとり、部屋に取り残された。 ペガ「くそっ! どうしろって言うんだよ……」 ペガ「僕が親父やおかーさんよりも先に死ぬのはどうしようもない事じゃないか……」 ペガ「それをどうにかしたいって思うのが、そんなに悪い事かよッ!」 ペガは誰にぶつけることも出来ない思いを噛みしめる。 未だ成果は上がらず、どうすれば良いのか分からない状態だった。 果たして長命の術を手に入れるのが先か、 はたまた自分の寿命が尽きるのが先か、 焦りは増すばかりである。 ペガ「イネルヴァの涙も駄目……なら一体どうすれば……!」 【最後のアムリタ】をはじめとした『不死』に関する記述はこの世界にも多々ある。 しかしその殆どが架空の存在で、現存するものは何ひとつとして無かった。 ならば仕方ないとそれらの文献を調べて自作してやろうと思ったのだが、これが上手くいかない。 当然といえば当然なのだが、何度試作を繰り返しても実験用の鼠の死骸が量産されるだけだ。 もう駄目か、と思うたびに両親を悲しませる訳にはいかないと自分を奮い立たせる日々だ。 ペガ「いや待てよ、そういえばずっと昔に里長さんに読んでもらった本に確か……」 ペガ「駄目だ、思い出せない」 少年が望んでいることは果たして両親のためか自分のためか、もう分からなくなっていた。 ?? 「おい、小僧」 ペガ「……誰?」 知らない声だ。 ?? 「ここだここ、見えないのか?」 目線の先に居たのはひょろりとした立ち姿の男だ。 ペガ「誰だよ、あんた」 ?? 「あんたとは失礼な、俺はしがない外神だよ。 お前、不死になりたいんだろう?」 3話「銀狼の森の伝説」 狼族の青年は、実に10年程振りに故郷へと足を踏み入れた。 狼族の里は今も変わらずその営みを続けている。 門番「何者だ……」 ペガはローブのフードを脱いでみせた。 門番「お前まさか……ギルダーさんのところの坊主か? 10年振りくらいになるか」 ペガ「ええ、長い間留守にして申し訳ありません」 門番「良いんだ、お前の親父も災難だったな」 門番の男は笑顔で通してくれた。 里の中は以前と変わらない。 少年「兄ちゃん、見ない顔だな! 狼族だろ?」 ペガ「うん、ここの出身なんだ。 戻ってくるのは10年振りくらいだけどね」 少年「へぇー、それじゃあ会ったことない訳だ! 特に変わり映えしないだろうけどゆっくりしてけよ!」 ペガ「そうするよ、ありがとう」 見たこともない少年だが、昔よく通った雑貨屋のリンドさんの面影が有ったから、きっとその息子だろう。 ペガは少年を見送ると、里長が住む石造りの建物へと向かった。 ペガがここに来たのには理由があった。 昔里長に読んでもらった本、それが何か思い出したのだ。 本の名は【銀狼の森の伝説】確か狼族の青年が不死の力を授かる……そんな内容だったはずだ。 ペガはこの里で唯一の石造りの建物へと足を踏み入れた。 ペガ「久し振りですね、里長さん」 里長「……ペガ、か?」 ペガ「はい、里長さんはお変わり無い様で」 里長「大きくなったのう……何歳になった?」 ペガ「……25、です」 里長「そうか……お主が戻ってきてくれて嬉しいよ」 ペガ「ありがとうございます……今日は、訊きたいことがあって来たんです」 里長「ほう、それは何だい?」 ペガ「昔読んでもらった、銀狼の森の伝説って本のことなんですけど」 里長「懐かしいのう、今でも里の子供達に読み聞かせておるよ。 それがどうかしたか?」 ペガ「この本に書いてあることって、実話なんですか……?」 里長は目をぱちくりさせたが、ゆっくりと答えた。 里長「所詮は伝説、本気にすることではないよ」 ペガ「そう……ですか」 肩を落とすペガに向かって里長は続ける。 里長「しかし、お主が本当に真実を知りたいのなら……【リロリ村】に行ってみると良いかもしれんな」 ペガ「リロリ村? 聞いたことないですね」 里長「そこに地図がある、持って行くと良い」 ペガ「ありがとうございます」 地図を手に建物を出ようとするペガに向かって、里長は無邪気な笑みを浮かべた。 里長「ところで、儂がいつから里長をしているか知っているか?」 ペガ「何ですか、いきなり。 知りませんけど、いつからなんです?」 里長「秘密じゃよ」 そう言って里長は再び無邪気に笑った。 ペガ「リロリ村、行ってみないとな……」 ペガは地図を頼りに件の村を目指して歩みを進めた。 とうとう辿り着いたリロリ村。 長期休暇を取っていたとはいえ、相当な日数を費やしてしまった。 門を潜ったペガの目には、異様としか言えない光景が飛び込んできた。 男性が居ないのだ。 ひとりとして。 更に不思議な事に、村にいる女性は高く見積もってもても10歳程にしか見えなかった。 不思議そうに周囲を見渡していると、ひとりの年端もいかない少女がこちらに歩いてきた。 少女「ようこそリロリ村へ、儂がこの村の村長じゃ」 子供が村長の真似事をしていると思うだろう。 しかしその少女には外見には不釣り合いな凄みがあった。 少女「不思議か? しかしこの姿こそが、かつてこの地に【不死身の魔女】が居たことの傍証なのじゃ」 ペガ「それじゃあ、ここの人達は本当に……?」 少女「ああ、年を取らない。 それも何故かおなごだけ、な」 ペガ「その不死身の魔女さんは今何処にいるんですか!?」 少女「そうカッカするでない……そうじゃな、儂にも分からん」 ペガ「そんな……あ、そういえばここで年を取らない仕組みってどうなってるんですか?」 少女「儂も詳しくは知らん、じゃが不死身の魔女が不死の薬を零したらしい……そう伝わっておる」 ペガ「その薬はここにあるんですか?」 少女「見つかってはおらん。 じゃが、昔魔女が使っていたといわれる小屋が残っておる。 行ってみるか?」 ペガは一も二も無く頷いた。 魔女の書斎は混沌としていた。 大量の実験道具に試験管、膨大な資料が散乱している。 ペガ「この中から探せってことですか?」 少女「それも構わんが、もう調べた後じゃ」 ペガ「えっ……それじゃあ」 少女「不死に関係する資料は残っていなかった。 あったのはこれだけじゃ」 少女の手にあったのは、見る角度によって様々に色彩を変化させる美しい宝石だった。 ペガ「何ですか? それ」 少女「【心写しの石】というんじゃが、簡単にいえば持ち主の記憶を石の中に封じ込めるマジックアイテムじゃな」 ペガ「なんでそんな物がここに?」 少女「研究成果を記録しようとしたんじゃろう、中身の入った石はひとつも残ってなかったがな」 ペガは肩を落とす。 少女「そう気落ちするでない、永遠の命など詰まらないものよ」 ペガ「でも……どうしても、欲しいんです」 少女「強情な奴じゃのう……後悔するぞ」 ペガ「でもっ! ……それでも、僕は……!」 少女「まあよい、自分の生き方を決めるのは自分なのじゃからな。 ……これも何かの縁じゃ、持っていけ」 少女はそう言って宝石を差し出してくる。 ペガ「でもこれ、貴重なものじゃ……」 少女「良いんじゃ、これに大切な記憶を封じておけば、何時でも思い出せるんじゃから」 そういう少女の左手の薬指には、心写しの石が埋め込まれた指輪が嵌められていた。 ペガ「……分かりました、ありがとうございます」 ペガは石を受け取ると村を後にした。 そんな時、脳内に直接話しかけてくる声がある。 ?? 「おい小僧、収穫は有ったか?」 ペガ「なんだよ、外神」 外神「フーゼントーチ様と呼べ! ……そろそろ俺の力を借りたくなったんじゃないか?」 ペガ「……お断りだね」 外神「チッ ……釣れねぇ奴」 4話「花火の証」 初老の狼族は頭を抱えた。 時は流れ、ファイアワークスとして共に数多の冒険を繰り広げた仲間達はその多くが天寿を全うした。 ウォークさんはシャルちゃんに婿入りしてからたまにしか帰ってこなくなり、 ギリギリまで現役を続けていたイグニスさんもつい去年病に倒れ、逝った。 若い世代も力を付けてきているものの、今や古参組と呼ばれる猛者達は朱雀家の3人だけになってしまった。 次は自分だ。 そう思うたびに焦りに駆られる。 しかし、それは抗いようのない事実だ。 本当にそうだろうか? ずっと昔、少年の頃から考えていた方法。 だが、ずっと考えないようにしてきた方法でもある。 それはつまり、長命種の両親の身体を分析して長命の術を見つけようというものだ。 そもそもの目的に反すると、ずっと避けてきた方法だ。 しかし、それを選択せざるを得ない程に、彼は追い詰められていた。 ペガ「親父、おかーさん…………ごめん」 ペガは長年に渡って愛用してきたショートソードの刀身に麻痺毒を念入りに塗る。 そして、親父こと朱雀の寝室へと向かった。 音を立てない様に扉を開けたつもりだったが、朱雀はある程度見越していたかの様に言った。 朱雀「……ペガか」 ペガ「よく分かったね、親父」 朱雀「足音で分かるよ。 ……俺を殺しに来たか?」 冗談とも本気とも取れない口調に、ペガは狼狽える。 朱雀「お前に殺されるなら本望さ……息子の死ぬ姿は見たくない」 あくまで穏やかな調子を崩さない。 ペガ「…………ごめん」 そしてペガは足を踏み出し……いや、踏み出せなかった。 かつて自らの死を受け入れ、息子を逃がした父親と、 今ここで自らの死を受け入れ、息子を待つ父親。 ふたりの偉大な男を前に、足が動かない。 それどころか、ペガの頬には涙が止めどなく流れている。 ペガ「僕には……出来ないよ……」 弱音を吐いたのはいつ以来だろうか。 朱雀「そうか、俺もお前やフォートレスが悲しむのは嫌だよ」 ペガはそれ以上は何も言えずに朱雀の寝室を立ち去った。 ペガは懐からひとつの石を取り出した。 見る角度によって様々に色を変える不思議な宝石だ。 ペガ「まさかこれを使う日が来るとは思わなかった……」 ペガは宝石をじっと見つめる。 ペガ「本当に……これで良いんでしょうか」 応える声はない。 ペガ「大丈夫、きっと思い出せる……きっと」 自分に言い聞かせる様に呟く。 ペガ「心写しの石よ、その瞳を開き給え」 かつて教わった起動ワードによって、宝石が輝きを帯びる。 宝石に映り込むのは、4人の人影が仲良く食卓についている様子。 それが消えると同時に現れるのは、2人の人影が、1人の人影をもふもふしてる様子。 ペガ「ありがとう……父さん、母さん、兄さん、親父、おかーさん」 その呟きを聞き入れたかの様に、表面に文字が彫られる。 『愛おしい、大切な思い出』 ペガ「…………さよなら」 翌日は快晴 目を覚まし廊下に出たペガと鉢合わせたのはフォートレスだった。 フォートレス「あらペガちゃん、今日は早いね!」 これ程の時が過ぎても出会った時から全く変わらない美貌は、いつもペガにちくりとした痛みをもたらしていた。 しかし今日は不思議と何も感じなかった。 フォートレス「どうしたの? ペガちゃ……」 最後まで言い終わらない内にフォートレスは崩れ落ちる。 麻痺毒を塗った刃が腹部に突き刺さっていた。 別の部屋の扉が開く。 出てきたのは朱雀だ。 朱雀 「お前、なんて事を!!」 しかし朱雀は構えた剣を振り抜けない。 ペガ 「俺はもうあんたの知っているペガじゃない」 フォートレスに刺さっていたショートソードで抜き様に逆袈裟斬り。 朱雀も麻痺して倒れこむ。 そして、異常を察したファイアワークスの若い団員が廊下に出てきた。 団員 「ペガさん? ……あんた、何やって」 団員はおでこから血しぶきを上げて仰向けに倒れた。 魔導銃の弾丸が頭を撃ち抜いたのだ。 銃声を聞きつけて、多くの団員が駆けつけてくる。 しかしその多くがこの異常な状況を理解できていない様だった。 ペガは彼等に向かって無言で魔導銃を突き付けた。 最後に残ったものは、麻痺したまま倒れ伏す朱雀とフォートレス、 折り重なって倒れる死体の山、 そして、独りの殺人鬼だった。 これが絶望か。 自業自得、自分が招いた結果だ。 しかしそれを受け入れがたいと思う自分がいる。 足元で悲痛な表情を浮かべるふたりを見ても、最早何の感情も湧いては来なかった。 「こんなことをしたって誰も救われやしない」 ずっと昔に蓬にいわれた言葉が重くのしかかる。 でも、もう後戻りはできない。 する訳にはいかなかった。 トーチ「ったく派手にやったなあ、小僧」 ペガ 「……ああ」 トーチ「そろそろ俺の力を借りたくなったか?」 ペガ 「……何故」 トーチ「どっちみちここの設備じゃ研究は進まねぇし、もう少ししたら建物自体封鎖されるだろ」 ペガ 「……それで」 トーチ「お前の故郷にでも行って俺達の楽園でも作ってノンビリ暮らそうぜ?」 ペガ 「……楽園?」 トーチ「お前、こいつらの記憶封印したんだろ? だったらそれを元にクローンでも作りゃあ良い」 ペガ 「……そんなこと」 トーチ「出来るんだよ、俺ならな」 ペガ 「……そうか、それも面白いかもな」 最終話「置き土産-time-」 痩せこけた頬の狼族の青年は、ファイアワークスの本部で家族に囲まれて幸せに暮らしていた。 ペガ 「ねえおかーさん、この世界はいつ生まれたの?」 フォートレス「あなたもそういう事に関心を持つようになったのね」 ペガ 「えへへ、それで、いつなの?」 フォートレス「難しい質問ね…研究所の学者さん達も答えには辿り着いてないみたいだよ」 ペガ 「えーっ、それじゃあ分からないの?」ショボン 朱雀 「でも、文明が生まれた時を世界の誕生とするならそれは間違いなく【フルゴル神】が降臨した時だと思うよ」 ペガ 「フルゴル……ああ! 毎日朝のお祈りを捧げる神様だよね!」 朱雀 「よく知ってるね、えらいえらい」ナデナデ そう言って頭を撫でる偉大な父を、少年は尊敬の思いで見上げていた――― ?? 「ねえ」 ペガ 「親父ー! 今日も剣術教えてよ!」 ?? 「ねえってば」 朱雀 「良いぞ、今日は【エクスカリバー・モルガン】を教えてあげよう!」 ?? 「聞こえてないの?」 ペガ 「うるさいなあ、邪魔しないでよ。 折角楽しい夢を見てるところなのに」 マキナポルタの辺境にある狼族の里。 その西端にある焼け落ちた民家のすぐ側に、今は砦が建っていた。 砦には夜になると青い篝火が灯り、怪しく輝くという。 砦の中では独りの狼族が鳳凰族の男とエルフの女を使って不死の実験をしているらしい。 聞いた話では実は不死になることには成功していて、里の住民を攫って作り変えたクローンを相手に家族ごっこをしているらしい。 そんな噂がまことしやかに囁かれるようになったのは何時頃だっただろうか。 元々は狼族の里から逃げてきた少年が、老いて亡くなる間際に語り始めた話だっていわれている。 なんでも調べに行った連中はひとり残らず【オルフェ】とかいう化物に変えられちまうんだとよ。 そりゃあ実際に調べに行かれたら嘘がバレるからじゃあないのか? いやいや、実際に調査隊が組織されたことがあるらしいんだよ。 それでどうなったんだ? 誰一人帰って来なかったってさ。 まあ本当かどうかなんて分かんないけどさ。 ははは、そんなのただの作り話に決まってるさ。 いっそ俺たちで嘘を暴いてやろうぜ。 何言ってんだ、本当に化物にされちまったらどうすんだよ。 そんな訳ないだろ。 その里ってこの近くだろ、行ってみようぜ。 ったく、死んでも知らねぇぞ。 おいあれ……なんだ? 黒い……鳥人? おいおい、嘘だろ…… ほら、言わんこっちゃない! 神様ぁ……居るんなら助けてくれぇ! ?? 「やっと返事してくれたね」 ペガ「君が邪魔するからだよ。 また説教でもしに来たの? 蓬さん」 蓬 「違うよ、結局ペガくんが幸せになれたのか聞きたくて」 ペガ「同じじゃないか、でも残念だったね。 これ以上ないくらい幸せだよ」 蓬 「本当に?」 ペガ「決まってるだろう!? 親父やおかーさんとずっと一緒に居られるんだよ、こんなに幸せなことはない」 蓬 「……そっか、ならもう何も言わない」 ペガ「早くそうしてくれれば良かったのに」 蓬 「でも最後にもうひとつだけ言わせて欲しいんだ」 ペガ「何だよ、早く言えよ」 蓬 「あの外神に心を許したりしてないよね……」 ペガ「……解ってる。 あいつのことも、なんで蓬さんがそれを訊いたのかも」 蓬 「そっか。 なら安心だ、もう私が言うことはないよ」 ペガ「大丈夫だよ、向こうにはまだ【ファイアワークス】が居るんだから。 ……僕は皆を“信じたい”」 蓬 「そうだね、じゃあ、さよなら」 ペガ「さよなら」 そう言葉を交わすと、あの頃と寸分違わぬ姿の“少女”はペガの前から姿を消した。 トーチ「そろそろ虚しくなってきたんじゃねぇか? 首領サン」 ペガ 「何の用だよ、フーゼントーチ」 トーチ「おおっと、初めて俺の名前呼んでくれたか!? 俺ぁ嬉しいぞ!」 ペガ 「そんなことはどうでも良い、要件を言え」 トーチ「相変わらず冷たいねぇ……首領、お前は【あらゆる奇跡が収束した世界】が有ったら、行ってみたいと思うかい?」 ペガ 「なんだよ、それ」 トーチ「そのままさ。 あらゆる可能性が存在する世界さ」 ペガ 「……で、それがどうしたって言うんだ?」 トーチ「そこには手術台で寝転んでるお前の両親も居るはずだぜ、クローンなんかじゃない、な」 ペガ 「そうか……それは興味深いな」 トーチ「そこで、だ。 この【異世界渡航装置】を使ってそこに行かねぇか?」 ペガ 「そんなもんがあるなら早く言え……さっさと行こう」 トーチ「それじゃあ早速スイッチを入れるぜぇ!」 トーチ(馬鹿め! これで邪魔なファイアワークスの“最後のひとり”を異世界に送っちまえばこの世界は俺のモンよ!) トーチ(お前のお陰で量産出来たこの大量のオルフェを使って世界征服してやるぜ! ザマーミロ!) グサッ トーチ「…………グサ?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!! トーチ「何故……っ! 何故だ! 何故“砦ごと”ワープしてやがる! ま、まさか……お前! 裏切ったなぁ!!」 フーゼントーチの鳩尾には、かつてペガの父親が振るった剣【置き土産】が突き刺さっていた。 ペガ 「折角ここまで一緒に来たんだ。 楽園に辿り着く時も一緒が良いだろ? 相棒」 トーチ「ち、ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 フーゼントーチはペガに取り込まれ、その瞬間を以ってこの世界から砦は消滅した。 =============================================================================================================== ============================================================================================================ 蓬「ゆーきやこんこ、あられやこんこ」 ===================================================================================================== ================================================================================================== 砦が消えると、その残骸が青い火の粉と灰の雪となって降り注いだ。 ========================================================================================= ===================================================================================== 蓬「ふってはふってはずんずんつもる」 =========================================================================== ====================================================================== マキナポルタに降った【灰の雪】は、一大ニュースとして大陸中に広がった。 ========================================================= =================================================== 蓬「やーまものはらもわたぼーしかぶり」 ======================================== ================================= しかし、灰の雪に纏わる悲しいエピソードを知るのはただひとりだけ。 ======================= ================= 蓬「かーれきのこさずはながさく」 ========= ====== 雪が止んだ後に残ったのは、清々しい程の青空だった。 === == 蓬「さて、この空を守ったのはいったい誰なんでしょうか? ……ねぇ、ペガ」 -Fin-
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PASSION カードの名前 写真 進化段階 コスト スキル:自ターン増加 ダンサー ☆ 15 行動を速める踊り、敵より2ターン多く行動できる/開戦時15% ハーピー ☆ 16 大音量で怯えさせる。敵全体が1ターン行動できなくなる/10% シーフ ☆ 16 目にも止まらぬ早業。敵より1ターン多く行動できる/10% 羊飼い ☆☆☆☆ 16 敵が羊を数え始める。敵全体が1ターン行動できなくなる/10% ウィッチ ☆ 17 魅了の魔法で心を奪う。敵全体が1ターン行動できなくなる/10% ランブラーローズ ☆☆☆☆ 18 棘の蔓で行く手を遮る。敵全体が1ターン行動できなくなる/10% 稲刈り娘 ☆ 20 米の重みを味わわせる。敵全体が1ターン行動できなくなる/10% ティーチャー ☆☆☆☆ 20 個人レッスン 先生が教えてあ・げ・る/戦闘経験値+10% ハンター ☆☆☆☆ 24 調合 薬草を調合して回復。自身の兵士を50%回復/窮地25% ドラゴンナイト ☆☆☆☆ 24 エア・アサルト 空から奇襲。敵単体に攻撃力150%のPASSIONダメージ/開戦時20% 戦士 ☆ 19 スラッシュ 亀裂な斬撃を放つ。敵単体に150%のダメージ/10% ビーストマスター ☆☆☆☆ 24 獣の咆哮:獣の雄叫びで戦意喪失。敵全体の攻撃力25%ダウン/5% アンタレス ☆☆☆☆ 24 どくばり 敵を仕留める猛毒の一刺し。敵単体に即死級のDARKダメージ/3% ドワーフ ☆ 19 ヘヴィアクス 巨大な戦斧の一撃。敵単体に攻撃力150%のPASSIONダメージ/10% 水虎 ☆☆☆☆ 22 がぶがぶファング 虎がガブガブ噛みまくる。敵全体に攻撃力120%ダメージ/10% ライフセーバー ☆☆☆☆ 22 ライフセービング 溺れた味方を救助する。単体の兵士を30%回復/窮地15% ガイドマスター ☆☆☆☆ 24 神界弾丸ツアー 強行スケジュールでぐったり。敵全体の防御力25%ダウン/15% メカニック ☆☆☆☆ 22 レーザービーム 発明した武器で攻撃。敵単体に攻撃力150%のPASSIONダメージ/10% リリパット ☆☆☆☆ 24 これこそミッション 偵察して情報を集める。部隊攻撃力+5% 蛇使い ☆☆☆☆ 22 スネークマジック 蛇壺から宝箱発見!戦利品の入手を確定する。/10% 木こり ☆☆☆☆ 24 チェーン・ソウ チェーン層で真っ二つ!敵単体に攻撃力150%のダメージ/10% ミノタウロス ☆☆☆☆ 24 新鮮ミルク 新鮮ミルクでおなかいっぱい。自身の兵士を50%回復/15% ボディーガード ☆☆☆☆ 24 エアシールドガン 【オートスキル】空気銃で味方を援護。部隊攻撃力+3% ストーリ-テラー ☆☆☆☆ 24 呪いの腹呪術 魔人形を使った呪いの術。敵全体の防御力25%ダウン/15% 漁師 ☆☆☆☆ 24 一本釣り 自慢の竿で釣り上げる!敵単体に攻撃力150%のPASSIONダメージ/15% アノマロカリス ☆☆☆☆ 24 アノマロジョーズ 強靭な顎で噛みつく。敵単体に攻撃力150%ダメージ10%/ マイナー ☆☆☆☆ 24 特別製のツルハシで標的に一撃!敵単体に攻撃力150%PASSIONダメージ/15% エレメンタリスト ☆☆☆☆ 18 属性防御 【オートスキル】エレメントで防御する。部隊攻撃力3% トレジャーハンター ☆☆☆☆ 17 危機回避 危険を素早く感知する。自身の防御力100%アップ/15% #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ / #ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 ☆ /
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916 名前:reden 投稿日:2006/12/29(金) 23 03 41 [ b6zK/Sj2 ] 投下終了です。 ……自分でも無茶なもの書いてるな~と思いますが、どうか大目に見てやってください(汗) 知識などで至らないところも多々あると思いますが、おかしいと思う点があったらどんどんご指摘願います! それでわ。 917 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 45 16 [ Hk0pjdRA ] ソ連の大地を召喚とかすげースケールでかいな 918 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 54 38 [ zQTyC6vk ] reden様 間違っていたらすいません もしかして堕ちた天使の世界で投稿されている方でしょうか? 921 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 32 18 [ nu1wmIz. ] 赤い羆がF世界に解き放たれるのか?((((;゚Д゚)))ガクブル 922 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 36 39 [ BSPacu0Q ] カラフトはどうなるよ? 923 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 01 02 42 [ Nr85GkIo ] 召喚陣には我が国で最も強力な従属魔術が付与されておる。 たぶん意味無いとおもわれw 異世界にも共産主義の幻想がww 924 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 05 32 12 [ jgfSg0sY ] やっべ超面白そう!>ソビエト連邦召喚 召喚された大地そのものを目的とするケースは初めてですね。 これによりF世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなるわけで F世界のショボい軍隊でT-34やらJS-3やら冬将軍と戦わなければならなくなる、 これはF世界側の視点で書いたら絶望的な撤退戦を描けそうでもあります。 平成日本召喚に虚無の砲弾に第三帝国召喚に続きソビエト連邦か、 このスレやたらクオリティ高い作品が揃ってるなぁ。 928 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 11 08 41 [ DUErFeR2 ] 月影さん、投下乙です。 レーダー総司令官、お疲れ気味ですね。まあ、1隻も沈まなかっただけ御の字です。 redenさん、投下乙です。 初めて見るソ連召還、今後の展開を楽しみにしています。 陸士長さん、投下乙です。 少尉、かなり精神が参ってますね。 残り15発ですか…。大物以外は銃で倒すか、キャタピラで轢くしかないかなあ。 930 名前:長崎県人 投稿日:2006/12/30(土) 13 13 58 [ CDVnjlgM ] 月影さん投下乙! しかし駆逐艦に20~50・・・パンツァーファウストぐらい?艦より戦車に使われたらエライ事になりそうな・・・ redenさん 投下乙です!紅い世界が遂にF世界に・・・!ファンファン大佐の活躍に期待です・・・! 陸士長さん 投下乙です・・・15発、燃料も考えると・・・猫の亡霊でも取り付かせt(ry 931 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 28 55 [ b6zK/Sj2 ] 陸士長さん投下乙です。 >917さん、928さん。 感想ありがとうございます。既にアメリカとドイツ、日本が出揃い、後召喚して面白い国はないかと考えた結果この国に行き着きました。 まあネタとしてはフランスなんかも有りですけど(汗) >918さん。 え~と、そちらでは二次創作を中心に… >921さん。 F世界国家にとっては災難。ソ連が消えた地球では主にドイツが喜ぶでしょう。東方生存圏が(ry >922さん。 基本的に転移したのは大陸の国土のみです。 よって樺太や(小さいけど)コトリン島などは元の世界に取り残されてます。 932 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 29 38 [ b6zK/Sj2 ] >923さん。 間違いなく、あらゆるF世界国家からハブられるでしょうね。 王様はNG。宗教もNGですから。 >924さん。 >>F世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなる ですね。しかし史実のおドイツ様のような奮戦は流石に無理でしょう。 北の熊をそこまで追い込もうと思ったら、それこそラノベ級の魔術師を大量に出したり一発逆転のトンデモ魔法とかが無いと……(汗) >長崎県人さん 木造船主体のファンタジー世界においては『あの』ロシア海軍も世界の先端を行く大海軍扱いでしょう。 ……激しく分不相応な気がしますが。
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341 :reden:2012/04/04(水) 20 03 54 ID wlaiBnjM0 327-331さん モラヴィア側としては認めたくないでしょうね。 国土に大ダメージを与えるような大魔術使って呼び出した相手に滅ぼされかけてるわけですから。 といいますか、ソ連を召喚して先制攻撃を仕掛けた時点で既に詰んでたり… 陸士長さん 338-339さん 質・量ともに兼ね備えたドイツ陸軍が仮想敵ですから……ファンタジーの魔法王国には流石に荷が勝ちすぎましたね。 たぶん本国が事態を把握する頃には属領の大半に赤い旗が翻っているかと。 333さん 捕虜となった魔術師についても少し書こうかと思います。 閑話という形で……って本編が牛歩の如き進み具合なのに閑話とか(ry 334-337さん 初戦で下手な勝ち方をしたせいで一部の軍人は未だに赤軍の能力を軽視しています。 特に、魔術師や魔道軍が幅をきかせるこの世界で魔道技術を持っていないというのはそれだけで文明国とは看做されませんから。 ネウストリアの場合、最初の接触で下手な魔術より優れた技術力を見せつけられた為に、高圧的な態度で交渉に臨むことはありませんでしたが。 340さん 王侯貴族のいない国も一応この世界にはありますので、現時点では思想面でそこまで脅威は抱いていません。 とはいえ、この世界にあるのは富裕階層による寡頭制の商業都市国家とかですから……ソ連の来歴や革命の輸出云々について知ったら皇帝卒倒するかも。
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―――靴跡から見て、こっちだ。 もし、スパイや破壊工作員なら手も足も出ないだろう。 それはわかる。 やはり、警備隊に通報するべきだったか? 美奈代は内心、かなり逡巡しながらそれでも不審者の後をたどり、そしてハンガーの前でその不審者を見つけた。 相手は、あの都築と山崎だった。 二人は、すでに入り口がロックされたハンガーの通気口を破って中に入ろうと四苦八苦しているところだった。 「何をしている!」 突然、背後からかけられた誰何の声に、二人が飛び上がって驚いたのが美奈代には手に取るように分かった。 「……な、何だ。泉か」 恐る恐る振り向いた二人が、相手が誰かわかったせいか、その場にへたり込んだ。 「び……びっくりしましたよ。泉さん」 「お、脅かすなよ。泉」 「何しているかと聞いたんだ」 「黙っていてくれ」 「じゃあ警務隊に通報しよう」 美奈代はポケットからホイッスルを取り出した。 「ま、待てっ!」 都築が慌ててその手を止める。 「わかったよ!」 「何だ?」 「―――メサイアだ」 「メサイア?“幻龍(げんりゅう)”は」 「バカ。T(トレーナー)タイプ改修騎じゃねぇ。単座騎だ」 「教官用に回されてきたのか?」 「性能評価だろうな。ここの教官達は、性格は最悪だがパイロットとしての腕はピカ一だ」 「お前、何という恐ろしいことを……」 「ところが、そんなメサイアだが、整備から聞いた限りでは、俺達には公開されないと来た。明日からしばらく、演習場が閉鎖されるのはそのためだ」 「だからお前」 「ああ」 都築はニヤリと不敵に笑った。 「向こうが来ないなら、こっちから訊ねてやる。道理だろう?」 「だからといって、進入禁止区域に入るバカがあるか!貴様、分隊長だろうが!」 「バカッ!」 都築の手が美奈代の口元を抑えた。 「声がデカイ!」 その時だ。 「誰だ!?」 マグライトの強い灯りが辺りを生き物のように蠢く。 警備兵だ。 「誰かいるのか!?」 「やばいっ!」 とっさに物陰に隠れた都築は美奈代を抱きかかえると、山崎に言った。 「山崎、あそこから入るぞ!」 「はいっ!」 「ちょっと待てっ!冗談じゃない!シャレにならないぞ!」 「シャレで済まないのはお前の目方だ!」 「なんだとぉっ!?」 「じ、冗談じゃない」 通気口から忍び込んだハンガーの中、美奈代は半泣きになっていた。 「よりによってこれじゃあ、謹慎モノじゃないかぁ……グスッ」 「分隊長資格取り消しモノだな」 「ふざけるなっ!」 美奈代は都築にくってかかった。 「私は今、人生の大事な時なんだ!貴様と一緒にするなっ!」 「おいおい」 都築は肩をすくめた。 「たかが分隊長資格位」 「ううっ……こ、今度の休みは……グスッ……生まれて初めてのデートなんだぞ」 「何っ!?」 都築が目を見開いた。 「い、泉?そ、それはまさか!」 「染谷候補生とオペラを見に行くんだ……精一杯お洒落して、ご両親に気に入られて、玉の輿に乗るんだ……グスッ……ううっ……」 「よ、欲望丸出しだぞ……じゃなくて!」 「ん?」 こんっ。 美奈代の頭に何か固い物が当たった。 床に落ちたそれを手にしてみる。 ビスだ。 「何だ?」 ハンガーの中を見回してみる。 中を見回すのに必要な最小限度の明るさだが、それでも大体の所はわかる。 自分達が隠れているコンテナの反対側で、白い手がヒラヒラと動いていた。 手がひっこめられ、そこからのぞいたのは――― 「に、二宮教官っ!?」 とっさに、山崎と都築が逃げ出そうとするが、 「待て」 二宮はそれを声だけで止めた。 「別に罰しはしない。安心しろ」 「へ?」 「何だ。お前も来ていたのか?」 二宮の背後からの声。 それは、宗像だった。 「宗像?それに、早瀬に祷子!美晴まで!?」 「私達もいますよ?」 罰の悪そうな顔を出したのは、牧野中尉達MC(メサイアコントローラー)の女性士官達だ。 「い、一体?」 「開戦以来、動きがあわただしくなっている中、搬入された新型騎と聞いた。興味が湧いた所で、忍び込む寸前の宗像達と牧野中尉達に出会った」 「泉に言うと通報されるそうだったからな。あと、MC(メサイアコントローラー)は必須だから……」 誘わずに悪かった。宗像は小さくそう言った。 「それにしても、何?本当に染谷とデート決行する気!?」 さつきが興味津々という顔で美奈代に詰め寄る。 「下着の新品、用意してある!?アレは大丈夫!?」 「だぁぁぁぁっ!」 喚きだした美奈代の口を、二宮が押さえた。 「ばかっ!ここにいることがバレたら大目玉なんだから!」 「き、教官?」 「私達も、忍び込んできたのよ」 「中佐、警備兵ノシてね」 美晴が殴る素振りを見せた。 「え……営倉入り」 「ばれなきゃいいの!モトは取るわよ!?」 腰に手をやり、仁王立ちになった二宮が見上げた先。 そこには、3騎のメサイアがあった。 1騎は先の訓練で使われた“幻龍(げんりゅう)”そのもの。 「“幻龍改S3(げんりゅうかい・エス・スリー)”。内親王護衛隊(レイナガーズ)仕様の最新バージョン騎だ」 美奈代が見たことのないメサイアが2騎。そこにあった。 一騎は、近衛実戦部隊独特な海洋迷彩に包まれた威圧感のある精悍なデザインに包まれた騎。 決してマッシブではなくむしろメサイアとしては線が細い部類に入る。 しかし、見れば見るほど、美奈代はむしろ不思議と男性らしさを感じた。 「“鳳龍(ほうりゅう)”だ」 「“鳳龍”?」 「そう。αタイプメサイア最新鋭騎。来週から、宗像はS3。都築は“鳳龍”の搭乗訓練が始まる。二人の進路に関わる重要な訓練だ。二人とも、気合いを入れろよ?」 「―――え?」 美奈代は思わず二宮の顔を見つめた。 何でもない。という顔をしているが、言っていることは滅茶苦茶だ。 新兵に最新の騎が与えられる? その破格な処遇は何だ? 「じゃ、さっそく乗ってみるか」 腕まくりしながら“鳳龍”と呼ばれたメサイアのキャットウォークに近づくのは、そんなことに頓着しない都築だ。 「こらっ!」二宮がその腕を掴んだ。 「こういうのは教官からだ!」 「いえ!」 都築は直立不動で怒鳴るよう言った。 「教官は、泉候補生のデートに関して、指導教官として指導する方が先であると考えますがっ!」 「……むう」 ジロリ。 二宮とMC(メサイアコントローラー)達の目の色が変わった。 「そういえば、さっき何か聞き捨てならないことを言っていたな。泉」 「め、めっそうもないっ!つ、都築っ!貴様ぁっ!」 二宮達に取り囲まれる美奈代を後目に、さっさとキャットウォークを動かす都築は、心底面白くないという顔だ。 「ねぇ、山崎君」 美晴が横に立つ山崎に尋ねた。 「都築君、どうしたの?」 「それが……」 山崎はその巨大な肩をすくめた。 「泉候補生と染谷候補生がつき合いだしたって聞いてから、思い出すたびにああなんです」 「ああ。ヤキモチやいてんだ」 「ははっ……そうですね」 「それにしても」 美晴は口元をとがらせた。 「男らしくないよね?都築君、一度でも美奈代さんに好きだって、自分の気持ち伝えたのかな」 「それは……」 そんなこと、山崎が知るはずもない。 「それしないで、ヤキモチやいてるなら、都築君は最低だよ?」 「そういう……ものなんですか?」 「覚えていてね?」 美晴はイタズラっぽくウィンクした。 「私、そういう男は嫌いだから」 「……え?」 「警察かっ!?い、今、何かデカいモンが俺ん家吹き飛ばしていきやがった!……デカイもんって何かって!?デカイもんはデカイよ!……そうそうっ!メサイアだ!メサイアをエライ低く飛ばしてやがるんだ!近衛は一体、なにしてやがるんだ!警察、文句言ってよ!」 「セツナ、ついてきているか?」 「左20時、距離350」 「よし。注意しろ?メースの存在が確認されている」 「シュナー少佐。本当なんですか?その……人類が、メースを作り上げたって」 「事実だ。すでにミラン隊がアフリカで交戦している」 「うへぇ……」 「隊長。メースと接触した場合は捕獲ですか?それとも破壊?」 「捕獲を目指せ。不可能な場合は破壊してもかまわん」 「こいつでですかい!?」 驚きと不平をまぜたような声が通信装置に響く。 「コイツは、メーカーが廃棄物扱いでおいていった試作騎ですよ!?」 「不満を言うな。現状、稼働出来るメースに限りがある。むしろ水陸両用騎を回してもらえただけでも感謝しろ」 「じゃあ、隊長。とにかく適当にあしらえと?」 「そういうことだ。ただし、施設は徹底的に叩け。目指すは門(ゲート)解放だ」 「―――了解。ブルーダ。チルダ。わかっているな?」 「了解です」 「あいよ!―――目に物みせてやりましょうや」 「よし……目標視認!―――開演(ショータイム)だ!」
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ぼうこくのう゛ぁるきりあ【登録タグ ねこざね ほ 和音マコ 曲 道交P】 作詞:道交P・ねこざね 作曲:ねこざね 編曲:ねこざね 唄:和音マコ 曲紹介 北欧神話風ファンタジー楽曲 歌詞 (動画歌詞より転載) 戦火燃ゆ悲しみの地 いま舞い降りし戦乙女 麗しき仮面の下に 真名を隠して かつての平和な この地を求めて 冥府に下りて得し力を 民に捧ぐ 亡国の皇女 兵を率いて 迫り来る敵に いざ向かわん 穢れなき魂に 纏うものは 人の名と引き換えた 不死身の体 氷の刃 雷の槌 大地を焦がし 天を揺るがす 何も恐るることなく いざ進め 己が手で切り開き 勝ち鬨を上げん 血に塗れし乙女は泣く 人知れず仮面の中で 失くすまいと足掻く度に 誰かを傷つける かつての平和な この地を支えた 数多の命と 犠牲があると知って 安息の日々の 望みは遠く 少女は戦場を駆け抜ける 荒廃を憂うたびに 思い出すは 遠き日に奪われた 憩いの記憶 紅蓮の巫女 黒い魔法士 (巫女=ヴォルヴァ 魔法士=ドルイド) 英霊と契り 災いを呼ぶ いかな 呪いも受けぬと 歩を進め この胸に誇り持ち 闘い続けん いつの日か 満ち溢る 平和を願いて コメント 名前 コメント
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#blognavi 閃一と流々が来たが聞き分けのない子供に構っている場合ではない。 悟と譲の諍いだとか、決斗と楯がとかそんないつものことで いつもいつも俺が仲介する理由などないからだ。 アースガルドでヴァルキリー同士が殺しあおうとしていると連絡があった。 そちらのほうがはるかに重要で緊急性が高い。ノルンも困っていたようだしな。 現場に着くとテレサ、シィルを中心としたグループとファーガ、マリアを中心としたグループで 本当に相手を殺す気で争っていた。一番生き生きと殴って回っていたのは止めるべき立場の流馬だったが。 いつもは争うことのないだろうシェルとシィルが別陣営だった。 ディーンがガングリルに味方し、ルーシィがそれに敵対するという事態も起こっていた。 俺が着いたことを察知すると双方一旦戦闘を中止し会話のテーブルについてくれたが、 どうにも問題の根源はアースガルドにおける自分達の就労形態にあるようだった。 テレサ達は出来る限り就労時間を長くし、一人一人の負担を軽減するべきだと主張し、 マリア達は効率のいい就労形態で個人が自由に動ける時間を増やすべきだという考えだった。 俺はどちらかと言えば四角四面に囚われない柔軟な対応ができるマリア達の主張に近い考えだ。 固すぎる考えの組織はこの思考を崩されれば脆い。そう意見を述べておいた。 しかし結局意見は纏まらなかった。再度の戦闘は起こっていないが一瞬即発の事態は残った。 不毛な言い争いだ。もっと誰もが自由に生きればいいのに。 中州に戻るとルセリアに睨まれた。俺が何かしたのかと尋ねると子供の話を聞かなかったのが どうにも許せないらしかった。そんなことは時間のある時だけにしてくれ。 甘やかし過ぎたか。少しきつく言っておいたほうがいいかもしれん。 カテゴリ [普通] - trackback- 2010年10月02日 00 09 52 #blognavi
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「農」(農業、農民、農村)にとって、日本の近代化とは、いかなるものであったのか。例外的見方はあろうが、それは恐らく、貧と破壊[そして所有地の没収]を強要する妖怪的存在であったに違いない。 中央集権化、工業化、合理化、都市化などといった言葉に象徴される日本近代の急襲によって、「農」の多くは軽視され、後退、圧迫の道を余儀なくされ、ついには抹殺されんとするところまで、追いやられていった(これは18世紀のイギリスで起きた農村の大変化と基本的構造を同じくする)。「農」は瀕死の重傷を負いながらも、生き残りをかけて、近代化への同化、忍従を受け入れた。時として、変革、反逆の道を選択することもあった。しかし、いずれの道を選んだところで、それは嵯鉄と悲哀の時間を刻むことでしかなかったのである。 その過程で、「農」の救済のために反応する思いが、「農本」と呼ばれる思想の原点となったことはいうまでもない(これもまた、ロバート・オーウェンに代表される空想社会主義者を生んだ18世紀イギリスの構造と同じ)。原点は一つであっても、「農本」は、状況如何によって、様々な思想を抱き込んでゆく。思想だけではない。強弱はあるにしても、その時々のいろいろな政治、社会運動をかたちづくることにもなる。 皇道国家建設のための革新運動の動機にもなれば、農民組合運動の支柱になったりもする。国家的事業、政策となった農山漁村経済更生運動、満州開拓などとも結びついてゆく。また、日本人の修養、倫理、道徳の背骨としての役割も演じ、農民教育、農民文学にも大きな影響を与えることとなった。 周知のごとく、日本の近代主義と呼ばれるものが、思想生誕の根源に触れることもなく、外国の思想の表面を輸入し、放心状態のまま、異常なまでの関心を示し、内容のない形式的思想を、己のものと錯覚していった。その結果、人間の深層心意世界に潜んでいるところの、「悪」や「闇」、つまり、人間の心の深層に宿る非合理的なものへの強力にして、厳しい照射と解明が出来ず、やすやすとファシズムにいかれてしまった。いかれただけではなく、その後のファシズム理解にも、極めてぶざまな結果をもたらすこととなった。 降って湧いたような近代的「知」を前面に押し出しさえすれば、人間の持っているドロドロした陰湿な部分は、霧散するかのような幻想は、いまもって消えてはいない(近代的知性の祖として位置づけられているデカルトも、ちゃんと『情念論』を書いて知性にかんするものと道徳に関する議論をわけているというのに)。ひからびた抜けがらを、後生大事にしている「知識人」の姿は後を断たない。 「農本」にかかわる思想に関しても、戦後民主主義は、ファシズム体制を支援した反動思想だとの焔印を押し、軽くいなし、放榔した。「農本」に関する固定観念が生れるばかりであった。この固定化した認識、理解に対し、私などは、はやくから強い疑いを持っていた。遠い昔のような気もするが、昭和四十年頃から、私は「農本」思想の多様性、多元性について言及してきた。この「農本」がはらむ思想は、いかなる時に、いかなる場で、いかなる形象化をたどるのか。 今日、「農本」思想に関する研究は、決して多くはないが、それでも様々な角度からの接近が試みられている。好論文もあるが、著書として公にされているものには、岩崎正弥の『農本思想の社会史 生活と国体の交錯』(京都大学学術出版会 平成九年)、武田共治の『日本農本主義の構造』(創風社平成十三 野本京子の『霊前ペザンティズムの系譜 農本主義の再検討』(日本経済評論社、平成十一年)、西村俊一の『日本エコロジズムの系譜- 安藤昌益から江渡狄嶺まで』(農山漁村文化協会、平成十二年)などがある。いずれも先行研究をよく精査し、それらを超克せんとする力作である。 もとはといえば、人間の徹慢がもたらしたものではあるが、生産力向上を至上命令とした資本の論理のなかで、人間性喪失が極限に達した観のある現代社会において、自然と人との共存、一体化を主張してきた「農本」思想は、いかなる有効性を持ち得るのであろうか(生産力の向上を最優先事項と見なすことの弊害を「サバイバリスト」としての環境思想家たちは説く)。それとも、自然回帰や自然との一体化など、夢のまた夢で、単に牧歌的な原初の唄を憧慢し、太古の美の幻想に酔いしれることに終わるのか。 かつて丹野清秋が提起してくれた次の視点は、極めて重要なポイントとなるであろう。 農本主義思想が、現代の状況において有効性をもつには、資本の論理にもとづく支配、被支配の社会構造を告発するという論理性をもつことにおいてである。つまり、それが、近代合理主義思想に反対する思想たりうるには、単なる自然回帰としての牧歌的な生活の回帰としてではなく、反商品経済反資本主義lしたがって反権力という側面において捉へ、疎外された状況のもとにおける人間の自然性復帰という人類の本質的な権利の奪われたものの奪還という点において、現代的に継承されていく必要がある。」(「農本主義と戦後の土着思想」「現代の眼」昭和四十七年二月 この丹野の揚言は、「農本」にかかわる思想の生き残りを賭けた一つの基本的問題点として受 けとめる必要があろう。 浮いては沈み、沈んでは浮くテーマではあるが、戦後民主主義とナショナリズム、愛国心といった問題が、また脚光を浴びてきた。たしかに、きな臭いにおいがしてきた。戦後民主主義によって、足腰立たぬほど叩きのめされたかに見えた、この愛国心やナショナリズムは、いわば一時的に嵐のまえで、首をすくめていただけのようにも思える。家族、郷土の実態が変容することにより、その喪失感が、逆に国家、民族への郷愁と依存度を増してきている。パトリオテイズムとナショナリズムは、幻想のなかで結合し、一つの実態創造の礎となる。 かかる状況のなかで、「農本」思想のキーワードともいうべき、権藤成卿(1868-1937)らの「社稷自治(しゃしょくじち)」の思想は、今後、どのような意味を持ち得るであろうか。中央集権的強権国家による民衆統制の不十分さを補完するものとして、その生命を売ってしまうのか、それとも人間生存の根源に、徹底的に執着することによって、国家の統制権力を相対化し得るのか、ここにも、「農本」の持つべき究極的エネルギーをめぐる一つの大きな課題がある。国家権力に吸引されることのない、人間の根源的自然性、土着性というものは、どこに、どういう形で存在し得るのか。余計なことかもしれぬが、日本民俗学の課題の一つも、このあたりにあるのではないか(もちろん、それは農業に限ったことではない→網野善彦『日本中世の非農業民と天皇』)。 宗教的権威としての天皇制と、「農本」思想の関係は、日本列島に住まいする人間にとっては、依然として難題の一つである。 天皇制の持っている祭儀行為のなかで、主要なものに、天皇の即位の後に執り行われる大嘗祭大嘗会)があるが、この宗教的祭儀行為のなかで、農耕儀礼の果す役割が大きいことは周知の通りである。 昭和七年の五・一五事件に深くかかわった農本主義者橘孝三郎は、大嘗祭について、次のようなことを強調している。 「大嘗祭は一般的に、天皇が、その即位の初頭、新穀を天照大神以下の天神地祇、謂は弐八百万神の神前に供へ奉って、その即位を神々に報告し、且つ感謝し、且つ諸の常盤、堅盤の守護を祈 願する。(略)天皇は御膳即ちみづほ(瑞穂)を潅酒の礼を以て、之をいつきまつる。而して、後に、之を頗る頭を低くしたまひて最敬礼、礼拝し、手を拍ち、称唯して、嘗めたまふこと三度する。天皇は、稲を生命とする稲の国の稲の日本人すべての幸福のために、みづほをかくまつりかくおるがむのである、ここに天皇職のすべてが厳存する。(『皇道文明優越論概説』天皇論刊 行会、昭和四十三年、九九四〜九九六頁。) 制度や機構、あるいは法律などとは無関係なところで呼吸している多くの日本人の天皇信仰を生み出す基盤の一つに、長期にわたって継続してきた農耕社会の習俗が大きくかかわっていることは間違いなかろう。つまり、天皇制は、「農本」国家と共に存続してきたように思える。 日本列島から稲が消え、日本人の食生活から米が完全になくなる日が到来するであろうか。否、ということであるならば、今後、いかなるかたちで、この稲作、米と天皇制は、絡みあってゆくのであろうか。今日も、「農本」にかかわる思想は、決してその存在理由を喪失してはいない。 ■和辻哲郎と農本主義の関係性