約 1,765,766 件
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/101.html
Story ID zOptExS00 氏(14th take) 「Rolero」 Lyrics ID zOptExS00 氏(14th take) いつになく真剣に1通の手紙に目を通す水銀燈の姿が楽屋にあった。 ~こんにちは水銀燈様 私は去年の夏から病院にずっといます。 去年のクリスマスに看護婦さんがくれたローゼンメイデンの 歌が好きになりました。特に水銀燈様が好きです・・~ そのファンレターの差出住所は水銀燈が住むマンションから100mも 離れていない病院からだった「00ホスピタル」口に出してつぶやく。 「あら、どうしたの水銀燈どこか悪いの?」と病院名を聞いた真紅が 心配そうに水銀燈の顔を覗き込む。 「いやぁね~真紅。どこも悪くないわ、それより外の空気を吸ってくるわ」 とレコーディングスタジオから出て行った。水銀燈は知っていた、この 病院は重病患者が多く入っていることを いつもと少し様子の違う水銀燈に気付いた真紅が少し時間を置いて後を 追いかけるとロビーのソファーに深く腰を掛けている水銀燈を見つけた。 「どうしたの水銀燈、あの手紙を見てから様子が変だわ」 無言で手紙を真紅に手渡す水銀燈、真紅も無言で手紙の内容を見る。 水銀燈にこの病院、とくに小児科病棟は重病患者が多いと聞かされる。 「水銀燈、この病院は近いわね、今から行くのだわ」と真紅は水銀燈の 腕を掴みながら言うとそのまま玄関先にあるタクシーに飛び乗った。 「バカねぇ、今消えたらレコーディングはどうなるの?」 「大丈夫よ水銀燈、貴方のパートはほぼ終えてるわ、歌入れは後からでも できるのだわ、それに翠星石は居ないし・・」それを聞いた水銀燈も 「そうねェ」とだけ言うと昼食を食べてくると言い残しフラリと遊びに 出かけた翠星石のことを思い出しているとタクシーは病院前で止まった。 不意に現れた真紅と水銀燈の姿に一時ロビー内が騒然となったが機転を 聞かせてくれたナースがすぐに関係者用のエレベーターまで案内する。 「まさか5分前に貰った電話が本当だったとは・・彼女の病室は」と 案内されたのは一番奥の個室であった。ただ薬で眠っているらしく今回は そっと部屋を覗くだけに留まった。ファンレターどおりのローゼン、特に 水銀燈のファンらしく病室にはポスターやグッズなどが目に付いた。中でも 水銀燈が気に入ってつけているピアスなどが綺麗に枕元に並べてあった。 そこに2人でサインをしそっと病院を後にする。帰りの車内で口にだす。 「水銀燈、あの子は・・」「真紅ぅ、あの子は」2人同時にでた言葉だが 後にはなにも続かなかった。 1週間後メンバーはそろってお忍びで彼女の病室を訪問した。サプライズと いうことで何も知らない彼女は最初は戸惑っていたが水銀燈が彼女のベッド に腰掛て彼女が好きだという曲を弾き他の病室の迷惑にならない程度で 歌った。雛苺がすかさずデジタルカメラのボタンを押す。その後は薬の時間 なので彼女はやがて眠ってしまった。またすぐにメンバーで会いに来る 約束をして・・・・ 3枚目の最新アルバムからハードな曲、可愛いポップス調の歌、切ない バラードを次々と披露していくメンバー。真紅のビブラートと水銀燈の 切り裂くようなチョーキングでステージは終えた。数万の「アンコール」 が数分間続いた後に真っ暗に照明を落としたステージに一人スポットライト の中に水銀燈の姿があった。手にはアコギを持って。 「Rolero」 ~1stアルバムからの曲~ Lyrics Music 水銀燈 ブラインド越しの外は 時の渦に飲み込まれて 銀のピアス 薔薇のシルエット ガラスの微笑み チープな夢に踊らされ 堕ちた天使の羽は折れ 何かを求め 夜の街で舞おう 崩れた天秤の上で Oh 傷だらけの言葉よ Oh 迷路のような魂よ Oh Oh Ah ウソを付いた傷口が奏でる 涙のように 刹那のキラメキに癒されて 黒い羽が遊ぶ 瓦礫の町並みに 微妙なジョークからませて 誘惑に濡れて 月明かりに揺れる私のフィクション シルクの波と ワインの海に 酔わされて Oh 光と影が世界を映し Oh 夢の狭間で消えていく Oh Oh Ah 廻る世界は 出逢いと別れ 背中合わせの物語 いつもならこの曲は薔薇水晶の暗く神秘的なイントロで始まり水銀燈のギター と翠星石のドラムが一気に入る激しくも幻想的な曲なのだが、今回は 水銀燈がアンプラグドで歌っている。元々が幻想的な曲が少し哀愁と 悲しみをミックスさせたような雰囲気を出し、ホール内を満たした。 後にこのコンサートを収めたライブCDのジャケットには雛苺が取った 病院のベッドに腰掛て優しい顔をした水銀燈の写真が使われた。 そのアルバムにはそっと「この曲が好きだといってくれた私たちの 親友に贈ります」とのメッセージが書かれていた。 コラボ作品保管庫へ
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/792.html
――本当に、困ったお姉様 乳白色の泡沫、眠りの世界は廻り、暗転。 人工精霊だってそんなに簡単に用意できる物じゃ無い……ローゼンメイデンの人数を容易く変更して困るのは私ですのに…… 目の前にはロングの髪を纏い、左目には薔薇模様の眼帯。 しきりに辺りを見回すその姿は、何かを警戒しているのと、何が起きたのかを確かめようとしているのが入り混ざったような姿。 くるくると辺りを見回しながら新しいメンバーは染まっていく、恐らく初めて見るだろう色に、深く、深く。 「暗いの……やだ……銀ちゃん、銀ちゃん……」 お姉様には何か考えがあったのだろうか……? 見たところ彼女は特に強い訳でもなく、目に涙を浮かべながらお姉様の名前を呼んでいる。 正直……頼りが無い、何か特別な何かでも無ければ……何より私だって忙しいのだ、人工精霊の分まで働く価値が無ければ動く気は無い、だから―― 「初めまして、ですわね」 「――!!」 彼女から価値を、意味を……知るのだ。 「……誰」 「相手が誰かを知りたいときはまず、自分が誰かを先に説明するべきですわよ」 怯えた目の先にある確かな警戒。 彼女は体を少しすぼめながらじっと私の目を見、逸らす。 ……こう見えてなかなか勘のいい方なのかもしれない、現に一目で彼女は気づいたのだ。 “どちらが見ているか”という事に 「あっち……いって……」 気付いた彼女は私からさらに恐る恐る視線を逸らす、細い肩のラインはまるで見習い職人が作ったガラス細工のようだった。 それは今にも壊れそうに小さく震え、崩れそうに未完成で……不安定。 「怯えなくてもいいのですわよ……薔薇水晶」 名前をピタリと言い当てられ、壊れそうな肩をビクリと震わせる薔薇水晶。 目には小さく恐怖と涙が映り、それが彼女をより小さくさせた。 「そんな……どうして……」 「あら、ちょっとは気付いているのではなくて?」 彼女が俯き、私は微笑む。 無言のやりとりが無数に繰り返されているかのような静かな空間。 先に切り裂くは―― 「私の……おもいで?」 ――彼女 私はニヤリと口を緩ませながらどろどろの右手を暗黒の虚空に掲げ、乾いた音を高らかに響かせた。 「扉……」 音もなく、動きもなく、ただ暗黒を裂き現れたのは沢山の扉。 「これが……私の」 面白い子……頼りない見た目とは裏腹に、なかなか――鋭い 「そう、これがアナタの記憶の扉。アナタが作り、私が管理するメロディーの根幹」 「私から言いたいのは一つ、アナタがローゼンメイデンに入った事で、記憶の扉は私が管理することになりましたの、だから作るからには最高の―― 「おもいでが……必要」 ――! 「……ちがう?」 まだ僅かな会話しか交わしていないはずなのに……彼女は単に勘がいいのか……それとも 「……ええ、その通りですわ」 全くおかしな事だ、これではどちらが見ているかわからないではないか。 確かに感じる違和感、私はその原因とも言える彼女を見る、そして… 「ねえ……どうしてアナタは……どろどろなの? アナタの……名前は何?」 私の視線の先には彼女の……どこか哀れむような視線。どこか潤み、泣き出しそうな雰囲気に私は思わず眉間を歪ます。 「ふぅ……まったく変わった子ですこと……」 私は静かに目を瞑り、呆れか疲れか、何ともとれない何かを小さく吐き出した。 本当に……掴めない子 「……いいですわ、話しましょう……どろどろの理由を」 「まずは……私の名前からですわね」 私は指先を自分の髪の毛に通しながら、まるで椅子に座るかのように暗黒に腰を降ろした。 「私は雪華綺晶……といってもこれは大した問題ではありませんわ、これは単に私を指し示すためだけにあるのですから……」 「では私の“問題”とは何か、それは至極単純で至極複雑なこと……」 ――私は、誰なのか 凍る世界に凍てつく表情、今の肌が感じてるモノは言葉で言い表せるはずもないのは互いに深く理解していた。 言い表せない世界での言葉に出来ない感覚。 ――アナタが、誰なのか? 「えと……あなたは雪華綺晶で……おもいでを、守る……人で、えと……その……」 必死に冷たさに耐えながら薔薇水晶は胸の前で手をあわせ、俯く中でちらちらと私を見ながら言葉を絞り出していく。 「そういう事ではありませんわ」 「……えっ」 肩をビクリと震わせ凍る彼女、必死に私のために答えを出そうとしてくれるのは痛い程わかる……それこそ、砕けてしまうくらい。 「私が今している事、つまり記憶の管理は……そうですわね、アナタでいう呼吸と同じなのです」 「生きるために呼吸をする……ローザミスティカを作るために管理をする……そう、私には“自分”が無いのです……“自分”がわからないのです……」 私は静かにこちらを見つめる彼女に、どろどろの右腕を突き出す。 「だから……私はどろどろなのです、私がやりたいことも上手く見つからず……自分が何かさえわからないから」 「なぜ私はこの姿で生まれたのか、私のしている事はわかる……でも、なら私のやりたい事は何なのか……考えても、考えても廻るだけ、暗闇をさまよってさまよって……?」 「……えぐっ……ぐずっ…うぅ……」 ポタリ、と響く結晶と止まらない嗚咽。 私の目の前、彼女は力いっぱいに自分の手を握りしめ、立ち尽くすかのように泣いていた。 「わ……ぐずっ……わた、し……と…おん…な…じ……」 薔薇水晶は必死に、嗚咽の中から覗くかのように話を続けていく。 「わた、し……も……目が……生まれ、つぎ……ぐずっ」 「で……も……えぐっ……ピア、ノど……銀ちゃ…が……」 「う……うわぁぁあああん!」 「薔薇水晶……」 ……なぜ、水銀燈が彼女にしたのかが分かった気がする。 彼女はひたむきに真っ直ぐ、果てしなく白く、気持ちはいつも優しく…… 「えぐっ……うぅ……だか、ら……雪華綺、晶が……な、いなら……私が……あげ……る」 「銀……ちゃ、から……ズッ……私……いろん、な……大、切な……もらっで……えぐっ……だか、ら……今度、は……私、が……誰か……に」 ぐしゃぐしゃの顔を必死で拭い、薔薇水晶は崩れた瞳で私を見つめる。 強い、そんな瞳だ。 「でも薔薇水晶……その気持ちはありがたいのですが……やりたい事は私が見つけなければいけないのですよ?」 そう、確かに彼女の気持ちは嬉しい。でもそこから手に入れる何かは必ずしも、私の欲しい物と一致してるとは限らないのだ。 「グスッ……私、が……あげれ……る、のは……“形”だけ、だから……」 「気持ちは……雪華綺、晶が……さがして」 「……形?」 彼女は少し落ち着いたものの、まだ嗚咽を少し残し、それでも変わらぬ瞳で私を見つめ、静かに近付いてくる。 「うん……今日ね、ちょっとだけお昼寝した時に……ウサギさんの夢をみたの……」 「それでね……形が必要なコがいるって、形の渡し方も教えてもらったの……だから……」 ――ラプラスの魔 本当にあのウサギは何を考えているのか……いきなり新しいメンバーに勝手に事情を話して、しかも形だなん――!! 憂鬱な思考が完全に止まる。 何が起きたかを知るにはそう時間はいらなかった。目の前の彼女は今一番近く、涙の跡が見える距離で――私と唇を重ねている。 「……ふぅ」 彼女の唇は優しく私から離れ、そして彼女は笑った。 「エヘヘ……いつか、一緒に演奏しよう……ね?」 「ふふ……私達は世界を違えてますのよ?」 私もまた、はっきりとした手で自分の唇をなぞり、笑った。 「……さて……そろそろ夢から覚める時間ですわ」 「――!」 ガクリ、と薔薇水晶は左足を呑まれバランスを崩す。一瞬ビクリとしたようだが、特に騒ぎ立てる訳でもなく……ただ、静かに 「想いは……越えるよ……なんだって」 「………」 静かな時が再び訪れる、その静寂の向こう側、薔薇水晶が朝を迎えた変わりに現れたのは……鏡のような無意識の海の水面。 「私の……形……」 立ち尽くす私の向こう側、そこに映っていたのは紛れもなく私、ただ……限りなく似ているのだ、白く優しく真っ直ぐな……彼女に。 確かな形はここにある、残った問題は……私の、やりたい事。 そう……ですわね……いつか、あの子達と一緒に―― 揺れる水面、移される心。 揺れる心、移される私。 「ここに映っているのは……どっちなんでしょうか」 「ふふ……私、としておきますわね」 静かに浮かべた笑顔、そしてそれは確かに見た彼女の笑顔でもあった。 fin 長編SS保管庫へ
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/1694.html
379 :長月:2013/05/20(月) 11 33 04 憂鬱pedia 靖国同人誌問題 日本軍の軍人の同人作家が、出陣する際に自身が戦死した場合、遺作を靖国神社に奉納してほしいと遺言した問題。軍人作家を中心とする奉納の許可を求める推進派と、神職や他の戦死者の遺族を中心とする反対派に分かれ、30年にも渡って激論が交わされた。 日本軍と同人誌 戦闘行為によって増大した凶暴性が性衝動に転化されることは古来より知られており、元来、戦争に付随して略奪や暴行が行われることは当然のことと考えられていた。一方で、そういった行為が占領後の統治に支障を及ぼすことも当然であり、政治的な配慮から厳格な軍規を持つ軍隊も存在し、特に近代以降、それらを取り締まる軍規は世界的に厳格化しつつある。 大日本帝国軍は発足当初より、世界的に見ても極めて厳格な軍規を持ち、またそれが厳守されていたことから、高潔な軍隊として評価が高かった。これは日本人のルールには従うという国民性による部分が大きいと考えられるが、日本軍の軍人も人間である以上、上記のような欲求は当然存在し、規律と欲求の鬩ぎ合いの中から、自然発生的に同人誌制作が開始されたものと考えられている。 日本軍内部で同人誌制作が行われるようになった時期については諸説あり定かではないが、印刷会社に残る注文書等から、日清戦争の頃には既に自費による出版が為されており、肉筆回覧の形ではそれより以前から行われていたものと考えられる。 時期的に『我楽多文庫』を皮切りに各種文芸同人誌が創刊された時期と符合しており、これらを模倣する形で始まった可能性が高い。 『文学界』『新思潮』『白樺』などの文人の同人誌制作が人文芸術を志した物であるのに対して、軍人の同人誌制作は上述の通り、より現実的な欲求に基づいて行われた。そのため、表現もより直接的、かつ過激なものが求められ、露骨な性描写が非常に多かった。文章よりも漫画が圧倒的多数を占めたのも、そのためである。 軍内部での同人誌制作は徐々に大規模化していき、日露戦争の頃には互いの同人誌の物々交換や金銭での取引が行われていた記録がある。こうした動きは、当然のことながら、軍の綱紀粛正の俎上に上ったが、制作者側は訓練や任務に支障を来していないこと、他者には迷惑をかけていないこと等を主張し、強硬に反発。 同人誌が軍人の性処理に貢献していたことは事実であり、極めて厳格な軍規と合わせて、性犯罪やそれに準ずる問題の抑止効果を挙げていると考えられる。統計的に見ても、日本の軍人が犯罪や問題を起こした件数は、他国の軍人と比較して非常に少ない。 こうした事実の裏付けもあったことから、伏見宮博恭王などが擁護に回り、最終的には容認された。 1923年、嶋田繁太郎が海軍大学校教官に就任し、陸海軍合同文化祭が開催されるようになると、これらの活動は急速に規模を拡大。1926年に民間人の展覧が許可され、1928年には軍民合同文化祭と改名し民間人の出展が許可されると、成人向け以外の分野も質的・量的に向上し、本職の漫画家の出展や、出展作品の商業出版なども行われるようになった。 380 :長月:2013/05/20(月) 11 33 35 靖国問題 こうした動きの中で、軍人の同人作家の中に、軍人であることと同時に創作者であることに誇りを持つ者が現れ始めた。彼らは自身が戦死した際には靖国神社に祀られることを望んだが、同時に自身の作品も靖国神社に奉納されることを望むようになった。 太平洋戦争が勃発すると、当時世界最強の国家であったアメリカとの戦争ということで、戦死の可能性も高いと考えた彼らは、それを出撃前の遺書に記した。このことが、神職や戦死者遺族からの猛反発を受けることとなった。神職からは「穢れ」に相当する描写が多数含まれていること、遺族からは不謹慎、破廉恥と受け取られる描写が多数含まれていることが、特に問題とされた。 伏見宮博恭王や近衛文麿といった有力者が仲介に入り、これらの遺作を収めるための社殿を別に建立する社内分祀案などの妥協案が示されたが、嶋田繁太郎や杉山元らが「英霊達は肉体の欲求から解放された存在であり、これらの作品の奉納が彼らに喜ばれるとは考えにくい」として神社側に立ったことから、受け入れられることはなかった。 その後、太平洋戦争の戦死者の遺作は、コミックマーケット運営委員会などからの寄進によって建立された「戦没者御遺作仮社殿」に一時預かりとされ、この問題は30年にも渡って激論を交わされることとなる。なお、伏見宮や近衛などの奉納推進派だけでなく、嶋田や杉山などの奉納反対派も、「靖国への奉納には反対だが、彼らの遺作は等閑に扱って良い物ではなく、両者が最善と思える解決策が見いだされるまでは丁重に保管されるべきである」との見地から、寄進に参加している。 嶋田神社への奉納 太平洋戦争終結後も、世界情勢は完全に安定したとは言えず、海賊などとの交戦により殉職する者や、環太平洋圏の盟主として度々出兵を余儀なくされた紛争で戦死する者などがおり、戦死者御遺作は増え続け、問題はより複雑になっていった。 この問題が解決したのは、嶋田繁太郎の死去によってである。嶋田は自身の神格化を拒み、神社の建立を拒否したが、生家である○○神社が「嶋田神社」とみなされ、自然発生的に神格化されていった。嶋田は太平洋戦争勝利の功績から軍神とされるだけでなく、コミックマーケットの創始者として、また手塚治虫などの著名なクリエイターを発掘した人物として、創作の神としても敬われることとなった。 このことから、コミックマーケット運営委員会より、この嶋田神社に遺作を奉納してはどうか、との提案が為された。靖国神社奉納賛成派、反対派ともに、この案に賛同。これによって、靖国同人誌問題は解決を見ることとなる。 影響 この後、軍人の同人作家は出撃する際に、戦死した場合に遺作は嶋田神社に奉納することを遺書に記すことが通例となった。 また、生者であっても、自作の成功を祈念し、印刷所より納品された完成品の一冊目、または肉筆の原本を奉納することが通例となった。嶋田が出世の神ともされたことから、作家としての成功と画力向上を祈念し、自筆で絵を描いた絵馬を元旦に奉納するとともに、昨年の絵と比べる「絵馬比べ」も流行した。
https://w.atwiki.jp/lasteden/pages/176.html
アイデンメイデン 生息地 デロデロ沼 外見 ステータス HP 201 MP 52 攻撃力 68 守り 106 魔防 46 素早さ 26 武器 [炎]炎の書Lv.2 所持金 344G 技 鳴き声 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/978.html
金糸雀ファイルのテーマ 心霊編 ※クリックで演奏開始 Music ピコピコ 氏 一流と言われる名人、達人、または野球選手やサッカー選手も影では血の滲むような努力を行っている。 ある有名なゴルフプレイヤーなどは毎回のように自身のスイングフォームをビデオに撮り、チェックを欠かさないと言う。 人気ロックバンド、ローゼンメイデンのメンバーもそんな努力をしている。 「あれ、このテープは何かしらぁ?」 テレビ収録がひかえた楽屋のテーブルに1本のビデオテープが転がっている。 番組スタッフの忘れ物なのかと思った金糸雀はメンバーに声をかけた。 すると思いもかけない人物から答えが返ってきた。 「……それ、私の…テープ…」 なんでも薔薇水晶はピアノを弾き始めた頃に自身の指の動きをテープに録画していたらしい。 そんな懐かしいテープが引越しの際に見つかったのだ。 後で見ようと思いバックの中にテープを入れたまま忘れて、この控え室まで持ってきていた。 「それは面白いテープかしら~~、こんどのPVの1コマに使えそうかしらぁ、良かったら貸してもらってもいいかしら?」 「……別に…かまわない、でも……レンタル1泊2日で3万円…」 「レ、レンタルかしら~~?」 「…そう、でも…会員に入れば…1泊2日で2万8千円…かなりお得…」 「ぼ、ぼったくりかしらぁぁぁ~~~」 薔薇水晶の冗談と思っていた金糸雀だったが、テープを手にした途端に薔薇水晶から手渡された手書きの会員証を見て驚愕すると共に、新曲のPVには欠かせない映像かもしれないテープのためにサイフを出した。 「……延長1泊につき……9千円……」 「あ、悪徳かしらぁぁぁぁ」 薔薇水晶の闇金なみの説明に震える金糸雀をよそにメンバーは番組撮影のために控え室を後にした。 一人残された金糸雀は撮影終了まで控え室に設置されているビデオデッキにテープを入れた。 「あぁ~~あ、これで2万8千円はもったいないかしらぁぁぁ~」 画面に映し出された映像は、お世辞にも綺麗とは言いがたく、しかも薔薇水晶の肘から先しか映っていない代物であった。 「こんなものは即、返却かしらぁぁぁ~~~~!!」 そう言いながら、もう一度よく映像を見た金糸雀は何かを発見した。 「な、なにかしらぁ~~?」 巻き戻しをして違和感を感じた場面を注意する金糸雀はつい声を上げた。 「こ、これは!!!!!(注・NGワード心霊 ダメな人はスルーするかしら~)」 見終わった金糸雀はしばらく呆然とするだけ、そのに番組収録を終えたメンバーが帰ってきた。 「ば、ばらしー、このビデオは返すかしら~」 「……当日返却は……もっとお得……」 そう言うと薔薇水晶は金糸雀の手に40円だけ返した。 そしてその夜、金糸雀は恒例の日記にこう記した。 7月28日 土曜日(晴れ) 薔薇水晶のビデオに写りこんだのは確かに人の顔に見えた。 いったいあの霊は薔薇水晶に何のメッセージを伝えたかったのか気になる。 本来ならテープを友人の稲川淳二氏に見てもらいたかったのだが、 いかせんレンタル料金が高い、しかも当日返却で40円しか得にならない とはどういうことなのだろう? しかし気になる映像ではある、近いうちに薔薇水晶の部屋に侵入して問題の ビデオテープを手にいれたいと思う。 そう書き終わると金糸雀はレンタルに対する不当に高い金額に腹を立てながら、短くフゥ~~と息を吐いて日記を閉じた。 短編連作SS保管庫へ
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/1371.html
ローゼンメイデンを乗せたバンドワゴンは大阪へと辿りついた。今回のライブ会場は大阪BIG CATだ。 …で、例のごとくワゴンの中では… 「あぁ!また雛のうにゅ~がぁぁぁぁ!!」 …雪華綺晶、反省する気は無いのだろうか? 「いえ、今回は私じゃないですよ?」 おや、違ったようだ… 「うゆ?そうなの…じゃぁ…翠星石ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛? (デス声)」 「い!いやいやいや!チビ苺!!翠星石じゃねぇですよ!!?前回もそうだったけど、どうして翠星石はいつもこう損な役回りなんですかぁぁぁぁ!!?」 前回の名古屋に続き翠星石はDEATH苺の犠牲となった…合掌。 ちなみに例のごとく金糸雀は口をもごもごさせている薔薇水晶をミラー越しに確認しているのだが、面白いので黙っている。 そして、やはり例のごとく薔薇水晶は高級苺大福12パックを購入する羽目になるのだった。 ライブハウスにはやはり午前中のうちに到着し、メンバーの自由行動の時間となった。 「真紅ぅ…今回は紅茶を買いに行かないようにねぇ」 水銀燈は真紅に釘を刺しておく。 「しっ失礼なのだわ水銀燈!!…それに…ちょっと今回は用事があるから、大丈夫なのだわ…」 「?…そぅ…」 真紅の表情に違和感を感じ、水銀燈は首を傾げた。 …と、そんな水銀燈の袖を誰かが掴む。 「ん?どうしたのばらしぃー?」 「…銀ちゃん…一緒にアメリカ村…行こ?」 目をキラキラさせる薔薇水晶。水銀燈は凄く癒された気分になった。 「いいわよぉ~。あそこには私の御用達ブランドがいっぱいあるしぃ…行きましょ、ばらしぃー」 「…うん!」 水銀燈と薔薇水晶は仲良く手をつないでアメリカ村へと歩いていった。 「ばらしぃーちゃん…羨ましいですわ…」 「ほらほら、きらきーそんな寂しそうな顔しないのぉ~!そうだ!一緒に郊外にある心霊スポット巡りに行くの!!ね!きらきー?」 「雛苺ちゃん…えぇ、行きましょう!」 こっちはこっちで仲良く遊びに行った…遊びに行った先が問題有りだが… 「じゃぁ、僕達もどっか行こうか?」 「そうですねぇ…じゃぁ、きらきーじゃねぇですけど、くいだおれでも行って大阪名物を食べまくるですぅ!!さぁ、行くですよぉ蒼星石!!」 「あっ!ちょっと待ってよぉ!!…やれやれ…」 駆け出す翠星石を苦笑いしながら追いかける蒼星石。まったく、仲良しな双子だ。 「…じゃぁ、私も行くのだわ…」 「…真紅…ひょっとして今から行くのは…これかしらぁ?」 金糸雀が取りだしたのはライブハウスMUSEのパンフレットだった。 「…気づいていたのね…金糸雀…」 「メンバーのことを把握するのも…マネージャーの仕事かしらぁー…入り時間は金糸雀が楽しくズルして何とかしておくから…行ってくるかしら!」 「…恩に着るのだわ。金糸雀」 微笑みを残して真紅は走っていった。 「…ふぅ、さってと!これから大変かしら!」 金糸雀は真紅に見せたパンフレットを見た。 「しかし…話に聞いてた雰囲気と全然違うかしらぁ」 パンフレットには安全ピンだらけの革ジャンを着込み、口と耳に痛々しいほどピアスをつけたパンクスタイルのロックバンドの姿が載っていた。 最近名前が売れ出したインディーズのロックバンドだ。悶々とした少年期の憂鬱やネガティブな妄想を描いた詩を、まるで狂気に取り付かれたように歌うボーカルのカリスマ性が多くの若者にうけている。 「…真紅、ちゃんと会えるのかしらぁ?」 金糸雀は不安げな声を漏らし、ライブハウスへと入っていった。 第七話に戻る/長編SS保管庫へ/第九話に続く
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/969.html
水銀燈の長編の走馬灯~MANY MEMORYS~から続いてる話なので先にそちらを読むことをお勧めします。 哀歌~HUNT MEMORYS~ 思い出とは儚い物・・・故にそれは美しくもなるのです。 これは大事な親友が死んだとある乙女が “思い出“の意味を違う意味で捉えてしまい 狂気に染まり、やがて双子の姉をも巻き込んでしまう物語です。 では彼女が捉えた“思い出“ 哀れなこのお話を皆さん暫しご覧あれ。 -真夜中 夜の路地に彼女は立っていた。 蒼「よし・・・あの人・・にしよう。」 蒼星石は角に隠れて人が通り過ぎるのを待つ。 そして通り過ぎた瞬間蒼星石は人の背後から 鋏を頭にへと突き刺す。 そして突き刺した所から鋏を一気に下へと下げる。 人は血を吹き流しながら二つへ分かれていく。 やがて両断されると人だった物体は声をあげる事もなく静かに倒れた。 蒼「ふふ・・これでこの人の“思い出“は貰ったね。」 蒼星石は笑いながら鋏をマントの内ポケットへ直し着ていた紺色のマントを脱ぐ。 蒼「今夜もこれで満たされたね。ふふ・・・あは・・。」 蒼星石はそう笑いながら言うと帰路についた。 蒼「ただいま。」 翠「遅いですぅ!唯でさえ通り魔が居て危ないのだから早くかえるですぅ!」 蒼「御免御免、おじいさんと話してたらついね。」 翠「もう~ですぅ!毎日毎日あんなじじいの元に行きやがってですぅ!」 蒼「御免よ・・。じゃあお詫びに今度デートでもしようか?」 翠「な、なに言うですぅ!すすす翠星石はそんなの嬉しくなんかないですぅ!」 蒼「じゃあ行かないの・・・?」 翠「い・・・行くですぅ。」 蒼「ふふ・・・じゃあもう寝るね。」 翠「おやすみですぅ。明日は早く帰るですよ。」 蒼「わかった。」 そう言い蒼星石は部屋に戻る。 蒼「ふぅ・・・疲れたな・・。」 蒼星石はバッグからコートを出すとこっそりドアを開けて風呂場へ向かう。 そして紺から真紅の色へと変わったコートを洗っていく。 蒼「これで・・・7人目か・・。」 蒼星石はそう嘆きながらマントにシャワーの水をかけ続ける。 思えば4週間前、親友の一人が死んでから蒼星石の“思い出奪い“が始まったのはそれからだ。 そしてその4週間前の日は友達が死んだ日でもある。 -4週間前 とある町の火葬場近く。 僕はベジータ君らが帰ったのを見て真紅達より先に帰った。 翠星石には一人になりたいと言っておいた。 蒼「(緊張するな・・。)」 蒼星石は夕日が輝く道を歩きながら考える。 思えばこれを考えたのはつい昨日の事だ。 ジュン君が死んで通夜の日、ふと考えた。 彼は病気じゃなかったらこれからまだ何十年も生きた。 そして一杯の“思い出“を手に入れてっただろう。 しかし彼はこんな歳で死んで思い出は少ししか得られなかったろう。 僕はどうだ? 病気じゃない、それでも一生は少ない。 何十年というのはほんとに短い。この一瞬一瞬が過ぎ去っていき あっという間に年月が流れる。 僕はその間にいくつもの“思い出“を作っていくだろう? そして今ジュン君が死んで少ない思い出の欠片が無くなった。 唯でさえ少ない一生の思い出の欠片が減ったのだ。 足りない・・・満たされない・・・。 思い出がもっと欲しい・・・。 そうだ・・・なら奪えばいい。奪えばいいんだ。 命と共に人の命を奪って同時に思い出を全てかっさらうんだ。 そうしていけば・・・僕は満たされるんだ。 染めよう、この手を血で、かけがえのない思い出で。 そう考えていた時蒼星石の歩いてる前の方向に学生が見える。 蒼「(ジュン君と同じくらいの歳だろな・・。)」 蒼「・・・あの子にしようか。」 蒼星石は足音を殺してその学生に近づく。 学生は無論、自分を殺そうとしてる人間など居るなどとは思わず 呑気に歩いて警戒などしていない。 蒼「さぁ見せてくれ、君の“思い出“を。」 学生は自分に声が掛けられたと思いふっと振り向いてみる。 そこにはボーイッシュな可愛い子が立っていた。 そんな事を思ったのも束の間、激痛が走る。 学生「あ・・・あ・・・。」 声も出ない、苦しんでるみたいだ。 しかし死んでない、そう思い僕は腹に刺した鋏を抜く。 抜いた瞬間血が飛びちり学生はふらつく。 ふらついてる学生の頭を狙う。 しかし相手がふらついてたせいで肩の方にへと刃は刺さる。 学生「ああ・・あ・・痛い・・げぼっ!げぼっ!痛い・・・よぉ。」 学生は先程よりも更に苦しみ遂に倒れる。 そして倒れた学生の頭にと蒼星石が鋏を突き刺す。 学生「やめ・・・あ。」 それが学生の最後の言葉となった。 蒼星石はすぐさま鋏を引き抜きマントを脱いで鞄にいれ走り出す。 走っている蒼星石の顔は笑っていた。 蒼「(ああ・・・いい・・・満たされていく・・・心が・・。)」 ここまで楽しいものだとは思わなかった。 顔についた血を名残惜しく舐めとる。 マントを着ていたので顔以外に返り血は付いていない。 そして空き地で一休みする。 蒼「あはは・・・ははは!!!!」 蒼「やみつきになるよ・・・この快感!」 蒼「(短い人生・・・この喜びと奪い取った“思い出“で心を満たそう・・!)」 そう思った蒼星石の目の赤がいつもの綺麗な赤でなく 狂気の赤へと変わる。 蒼「さて・・そろそろ帰ろうか・・。楽しかったなぁ・・。」 蒼星石は再び帰路へとつく。 ふとジュンの事を思い出し涙を浮かべる。 蒼「君は死んだけど新しい“思い出“を手に入れたよ・・・ジュン君・・。」 蒼「そして僕はこれからも“思い出“を手に入れ続ける。」 夕焼け空に狂気の乙女が語った。 そんな事があってから蒼星石はずっと“思い出奪い“、 つまりは通り魔殺人を行っている。 それはニュースにもなってるが蒼星石には関係の無い事だ。 歓喜の前には些細な事など気にもならない。 蒼「(ふぅ~ようやく血が取れたなぁ。)」 返り血を浴びるため返り血から自分を守るため蒼星石はこの マントを着ている。なんで毎回こうやって洗っているのだ。 そして蒼星石はマントを部屋に持っていき室内乾燥させる。 その後暫くは宿題をやりやがて電気を消した。 蒼「(楽しかった♪次はいつしよう?)」 乙女の狂気は続く 蒼「ふぁ~・・・あ・・。」 欠伸をしながらベッドから起き上がる。 蒼「朝かぁ・・・翠星石起こさないと・・。」 半分寝ぼけながら蒼星石は廊下を進み、翠星石の部屋に行く。 寝相が悪く布団を被っていなくパジャマがはだけていた。 蒼「翠星石~起きて。」 返事がない。寝ているようだ。 蒼「起きないならこうするよ。」 蒼星石は寝ている翠星石の上へとのしかかり唇を奪う。 蒼「~♪。」 翠「・・・ん・・んん!!!!?」 蒼星石が唇を離すと唾液の橋が出来、翠星石の口へと落ちる。 蒼「やっと起きたね、翠星石。」 翠「な、ななななななにするですか!」 蒼「アフリカじゃよくある事だよ、それに毎朝してるじゃないか。」 翠「(///)」 蒼「さ、起きて。」 翠「はいですぅ。」 二人はリビングへと向かう。 蒼「朝食はヨーグルトでいいかな?」 翠「いいですよ。」 そう言われ冷蔵庫から二つのヨーグルトを取り出し テーブルにへと置く。スプーンはプラスチックのが容器に張り付いている。 蒼「はい。」 翠「ありがとですぅ。」 朝食を食べ終え二人は玄関へと向かう。 翠「行って来ますですぅ。誰もいないけど・・。」 蒼「ふふ・・・行ってきます。」 そう言い蒼星石は翠星石の唇をまたもや奪う。 翠「!・・・・ん~・・・。」 蒼「ぷはぁ・・・じゃあ行こうか。」 翠「はいですぅ。」 二人は扉を開け通学路へと向かう。 翠「おはようですぅ。」 蒼「おはよう。」 雛「おはようなのー!」 三人はアウト挨拶をし、一緒に行く。 雛「二人は朝から熱いのー!」 翠「なななにいいやがるです!オバカ苺!」 蒼「事実だしいいじゃないか。」 蒼星石が微笑みそう言うと翠星石は真っ赤になる。 蒼「(ほんとかわいいなぁ・・。)」 そんな事を考えてると学校にへと着く。 教室へ入ると水銀燈が挨拶をしてくる。 水「おはよぉ。乳酸菌とってるぅ?」 水銀燈は指輪をはめた左手でヤクルトを差し出す。 翠「ヨーグルトを食べてきたですぅ。だけどヤクルトはいらんですぅ。」 水「あらぁ、残念。」 そう言うと水銀燈はヤクルトを飲み干す。 蒼「相変わらずよく飲むね。」 水「乳酸菌は生活の基本よぉ。」 蒼「ふふ・・・そうだね。」 翠「しかしですぅ、もうあの時から一ヶ月は経ったんですね。」 水「そうねぇ・・・一生忘れられないわ。」 雛「うゆー。二人の仲人も忘れられないのー。」 水「そうねぇ。あなた達がやるとは思わなかったわw」 翠「もうあの事は言わないでですぅ(///)」 蒼「ふふ・・。」 約五週間前、ジュンの結婚式がこの学校で行われた。 もう死してはしまったが水銀燈はいつかまた会えると信じ 泣くのをやめていた。 -五週間前 翠「薔薇のブーケがやっと無くなったですぅ。」 蒼「そうだね、ほんと多かったよ。」 J「凄い量だったな・・肩が痛いよ。」 水「そうねぇ、いい運動になっちゃたわぁ。」 J「それもそうだなw」 蒼「そうだ二人とも、あと2つだけやる事があるよ。」 J「なんだ?まだあったっけ?」 翠「お前達がするんじゃないですぅ。翠星石達がお前らに祝福のスピーチをするですぅ。」 蒼「仲人としてね。」 翠「蒼星石(///)」 水「いつみてもラブラブのカップルだわぁ。」 J「僕らに負けないぐらいにね。」 翠「なな・・何いいやがるですぅ!」 蒼「ほんとなんだしいいじゃない、僕も結婚式を挙げたかったよ。」 翠「そそ蒼星石(///)」 蒼「ではそろそろスピーチを始めるよ。 水「お願いするわぁ。」 蒼「ジュン君、そして水銀燈はとても優しい人でした。」 翠「水銀燈もジュンも面倒見が良かったですぅ。」 蒼「お互いが優しいせいか二人とも二人のそんな所に惹かれていった。」 翠「そして愛し合ったですぅ。」 蒼「優しくそして愛しあってる二人もいつかは結婚するとは思ってたけどまさかこんな早くとはね。」 翠「凄く驚いたですぅ。そしておめでとうですぅ。」 蒼「この結婚式で君達は永遠を誓い合った。」 翠「それも神様にじゃなく薔薇と相手と私達にですぅ。」 蒼「神様なんか信じないって言ってたね、けど僕らは信じてくれてる。」 翠「信用してくれて本当に嬉しいですぅ。」 蒼「そして僕らも君らを信じてる。」 翠「ですぅ。」 蒼「僕らは君らが永遠を誓ってくれたので僕らも誓う。」 翠「私達はこれからずっと二人の幸せを祈るですぅ。」 蒼「だからずっと・・・朽ちない愛を君達は堪能してくれ。」 翠「幸せになりやがれですぅ。」 蒼「以上でスピーチを終わります。」 翠「聞いてくれてどうもありがとうですぅ。」 そう言い舞台を降りていく。 J「ありがとう・・凄く嬉しかった。」 水「私達はこの永遠をあなた達にも誓ったもの、ずっと楽しむわぁ。」 J「だからさ、約束しようぜ。」 蒼「何をだい?」 水「あなた達はずっと私達の幸せを祈ってくれる。」 J「だからいつか僕達にも君達の幸せを祈らせてくれ。」 翠「な・・・(///)」 蒼「ふふ・・・わかったよ。僕らはいつか君達に永遠を誓うよ。」 翠「蒼星石(///)」 水「まだあの人は私の心で生きてるわぁ。だからいつか私に誓ってねぇ。」 雛「翠星石達の永遠をー!」 蒼「勿論さ、いつか必ず誓うさ。」 翠「ち、近い内にでも誓うですぅ(///)」 蒼「さて、チャイムが鳴ったね、授業の準備をしようか。」 蒼星石がそう言うと皆は授業の準備をしだした。 -放課後 蒼「・・・。」 今日は翠星石が追試の為に一人で帰ってるのだ。」 蒼「(地獄なんてのはあるのだろうか・・・?)」 蒼「(あの二人は永遠を誓ったがジュン君が死んでそれで終わりかもしれない。)」 蒼「(生きる事とは平等じゃない、だからこそ死は公平な“無“かもしれない。)」 蒼「(僕にそんな事はわからない、けどジュン君が死んでよくわかる。)」 蒼「(ジュン君は死ぬ間際まで幸せだといってたそうだがほんとはもっと幸福になり“思い出“が欲しかったに違いない)」 蒼「(だから僕は死ぬまでに沢山の“思い出“を手に入れよう。)」 蒼「(奪 う ん だ 。 思 い 出 を 。 )」 そう考えてた蒼星石の手にはいつの間にか鋏が握られている。 蒼「(こんな事考えていたからもう“思い出“が欲しくなってきたよ・・。)」 蒼「(一人やるか。)」 蒼星石の目は再び狂気に満ちる。 蒼「(今日はコートを持ってないから違う方法でやらなきゃな。)」 なぜなら返り血を浴びる為である。 蒼「(そうだ・・・!)」 突然蒼星石は何かを思い浮かべる。 それと同時にバッグからもう1つ鋏を取り出す。 蒼「(さて・・・誰にするか・・・あの老人でいいか。)」 蒼星石はターゲットを睨むとある一定の距離を保ち 他に人が居なくなるのを待つ。 そしてやがて二人以外の人は居なくなる。 蒼「(よし・・!今だ!)」 蒼星石は思うと同時に鋏を二つ投げる。 老人は動きが少ないようなので比較的当たりやすいようで 鋏は見事に心臓と頭を貫いた。血が流れていく。 老「ヴ・・・あ・・。」 老人は倒れる。 蒼「あなたの“思い出“はもらったよ。」 そう言うと蒼星石は場から笑いながら逃げ出す。 顔には満面の笑みが広がっている。 蒼「ふふ・・・満足満足♪」 逃げると同時に蒼星石は帰路へとついた。 蒼「ただいまー。まだ帰ってないのか。」 家にはまだ誰もいないようだ。 翠星石はいつもこんな中自分を待っているのだろうか。 蒼「(今度からは早めに帰ろう・・。ごめんね翠星石)」 蒼星石はそう思うと夕飯を作り始める。 いつもは交代で作っていて今日は翠星石の番だが 蒼星石はいつものお詫び代わりに作り始める。 蒼「ふぅ~なんとか出来たね。」 蒼星石はそう言うとソファーに腰掛ける。 帰ってくるまで宿題をやっておこう。 そして数十分後、宿題が終わると同時に翠星石が帰ってくる。 翠「ただいまですぅ!」 大きな声をあげると同時にリビングに駆け込んでくる。 翠「あれ?なんで蒼星石が作ってるのですか?」 蒼「いつも遅く帰るお詫びだよ、今日一人で待ってたら君の気持ちがよくわかってね。」 翠「そ、蒼星石~。わかったなら次からは早く帰るですよ。」 蒼「ふふ・・わかってるよ。」 そんな会話をしながら二人は夕飯を食べていく。 その後は一緒にお風呂に入ったりしながら過ごしていく。 翠「蒼星石ー。今日は一緒に寝るですぅ。」 蒼「そうだね、襲っちゃおか?」 翠「ななななに言うです!今日は駄目です!」 蒼「残念だなー。今度の楽しみにとっておくよ。」 そう会話しながら二人は寝室にへと向かっていく。 蒼「じゃあおやすみ。」 翠「おやすみですぅ。」 シングルベッドで少々寝にくい中二人は眠りについた。 蒼星石の顔は幸せで満ちていた。 -土曜日 蒼「翠星石ー。でかけないかい?」 翠「なんでですぅ?」 蒼「前デートに行こうって言ったじゃないか。」 翠「なななにいってやがるですか!」 蒼「じゃあ行かないの?」 翠「い、行くに決まってるですぅ!」 蒼「そうこなくっちゃ。じゃあ“ローゼンメイデン“でも行こうか。」 そう言うと蒼星石は玄関へと向かう。 翠「ま、待つですぅ!」 翠星石も急いで後を追う。 蒼「あのマスターに会うのも久々になるね。」 翠「ですねぇ。あの兎店主今度は何をほざいてくれるかなぁですぅ。」 そんな会話をしながら双子はドアを開け喫茶ローゼンメイデンへと向かう。 翠「そういえば怖いですねぇ。」 蒼「何がだい?」 翠「通り魔に決まってるですぅ。」 蒼「あー確かにね。まぁ一人ずつ殺していってるのなら僕らは二人だし大丈夫だよ。」 翠「そうとも限らないですぅ。念には念を入れて走っていくですぅ。」 蒼「あ!ま・・待って翠星石!(僕が通り魔だからそんな事はないのにな・・。)」 そして二人とも急いで喫茶店へと向かう。 -ローゼンメイデン カランカランという鈴の音と共にドアが開かれる。 白「やぁようこそローゼンメイデンへようこそ。この紅茶はサービスだから・・・って。」 白「バカップルの二人じゃないですか。」 翠「バカとはなんです!バカとは!」 蒼「言い返す方もバカだよ・・・翠星石。」 白「まぁ紅茶でも飲んで落ち着いてくださいな。」 そう言う白崎の言う通りに双子はカウンターへ座り サービスの紅茶を飲み始める。 蒼「いつ来てもおいしいね。」 翠「ですぅ。兎店主の紅茶は美味ですぅ。」 白「はは。お褒めの言葉感謝します。」 白「しかし兎って言うのは・・。」 翠「兎は兎ですぅ。兎に何言っても兎なんですぅ。」 白「とほほ・・。」 マスターの白崎は好んで不思議の国のアリスなどの本や人形や薔薇を飾っている。 そんな中で兎の人形が多いので翠星石はいつからか兎と呼ぶようになる。 白「しかしお二方が最近来ないので忘れられたかと思いましたよ。」 蒼「ふふ・・・そんな訳ないですよ。寂しかったんですか?」 白「まぁ少しは。しかし別れとは出会いの始まり。」 白「死は復活の始まり復活は死の始まり表は裏、裏は表。」 白「一見逆に見える二つの意味も実は隣合わせなのですよ。」 白「あなた達と別れても新たな出会いがある。そう考えれば寂しさは少しは紛れますよ。」 翠「相変わらず御託を並べるですねぇ。」 蒼「けどいい詩のようじゃないか。」 白「ふふ・・しかし今言ったのは詩ではなく真理を述べただけですよ。」 蒼「あなたらしいですね。」 翠「変わってないですぅ。」 白「ふふ・・。」 蒼「そう言えば今新たな出会いがあるって言ったですよね?何か出会いはあったんですか?」 白「出会いも別れもこのローゼンメイデンには溢れていますよ。」 白「こういう稼業やってると色んなお客さんが居ていろんな出会いと別れが楽しめるのですよ。」 翠「もしかしてそれが理由ですか?この店を開いた。」 白「それも大きな理由ですね、他にも理由はあるんですがね。」 そう言いながら白崎は紅茶の葉を整理する。 蒼「そうだ、マスター。何か詩でもなんでも言ってくださいよ。」 翠「ですぅ。御託を聞きたいですぅ。」 白「ほうほういいでしょう、どんなテーマがいいですかね?」 蒼「んーそうだね、翠星石はどんなテーマがいい?」 翠「そりゃ勿論“愛と花“ですよ。」 蒼「君らしいね。」 白「では・・・そうですね。」 愛とは花のよう、綺麗な愛のような花もあれば儚い愛のような花もある。 では儚い花には愛のように永遠がないのだろうか?いや 見てくれる人がいる限りその心にどんな花にも永遠がある。 花は朽ちてもその姿はずっと満開で心に咲き続けるだろう。 だから心に花を、愛の花を。 白「ぱっと思いついたのですから出来はいまいちですよ。」 翠「いいですぅ。」 蒼「うん、相変わらずいい詩だよ。」 白「お褒めの言葉に感謝。」 翠「じゃあちょっと翠星石はトイレにいってくるですぅ。」 蒼「わかった、早く戻ってきてよ。」 翠「わかったですぅ。」 そう言い残し翠星石は走り去る。 蒼「ふぅ・・・そういやマスター。聞きたい事があるんだ。」 白「ほう・・・なんでしょうか?」 蒼「地獄って・・・あると思う?」 白「ほう・・・またそれはどういう事で?」 蒼「生きるって平等じゃないと思うんだ、それはマスターもわかるよね?」 白「ええ。確かに生とは平等ではありませんね。」 蒼「だからこそ死は平等だと思うんだ。そして平等故に死は“無“。」 蒼「死んだら何も無いと思うんだ、マスターはどう思う?」 白「ほうほう・・・その意見には同意できますね。」 白「死んだら何もない平等だからこそ生きるという事は不公平な事ですしね。」 蒼「やっぱりマスターもそう思うんだ。」 白「ええ。ただ・・・。」 蒼「ただ?」 白「もしかしたら地獄という物は作れるものかもしれませんよ。」 蒼「と言うと?」 白「“愛“があれば何でもつくれるんじゃないですかね。」 白「わかりはしませんがこの世界だって神様の愛によって出来たのかもしれません。」 白「だから極楽地獄にしろ無間地獄にしろ人の愛があれば作れるかもしれません。」 蒼「なるほど・・・。」 白「あのジュンさんはきっと極楽地獄で生きてますよ、あの人は水銀燈さんへの愛があった。」 蒼「ですかね・・。僕も彼が地獄で生きてる事を祈っときますよ。」 白「僕も・・・まぁ死んだらわかるかもしれませんがね。」 蒼「ふふ・・・まだまだわからないですよ。」 そう話してた所に翠星石が戻ってくる。 翠「何の話してたですかー!?」 蒼「ちょっとねw」 翠星石が帰ってき三人は暫く話す。 そして夕方にせまった頃に 翠「そろそろ帰るですぅ。」 蒼「そうさしてもらうか。マスター、お勘定。」 白「はい・・・ではお気をつけて、夕闇に飲み込まれぬよう・・。」 白「蒼星石さん。生の真理ははっきりとはしてませんが生とはかけがえのないものという事は確かです。」 白「それをお忘れにならないように・・。」 翠「?」 蒼「・・ですね。どうもありがとうございました。」 そう言い出て行く。 翠「ふぅ・・・久々に来たから楽しかったですぅ。」 蒼「だね、まだ元気で良かったよ。」 翠「そんなもうすぐ死ぬような言い方やめるですぅ。」 蒼「それもそうだねw」 二人は談笑しながら帰っていく、そんな中蒼星石はある事を考える。 蒼「(愛が地獄を作るかもしれないか・・。僕も翠星石との愛の地獄を作れるのか?)」 蒼「(もしそうなら今までやっていた“思い出奪い“はなんだったんだ?)」 蒼「(今まで僕は儚い人生の思い出を手に入れたい一心にやってきた。)」 蒼「(それも愛の前では意味の無い事だったのか?)」 蒼星石は帰る途中ずっと考える。しかし答えは見つけれなかった。 蒼「(くそ!くそくそくそ!どうなんだ!)」 蒼「(結局は何も死んでからじゃわからないじゃないか!)」 蒼「(愛を信じるだけじゃわからないじゃないか!)」 翠「蒼星石ー。何考えてるですぅ?」 蒼「ん?いや何でもないよ。そうだ翠星石。先帰っておいて。」 蒼「ちょっと買い物があるから。」 翠「私もついていくですぅ。」 蒼「そんな大した物じゃないよ。来てもつまらないだろうし先帰って夕飯作っておいてよ。」 翠「わかったですぅ。おいしい食事を作って待ってるですねぇ。」 そう言うと翠星石は家へと向かう。 蒼「ふぅ・・・。ストレスが溜まり過ぎたな・・。一人やっていこうか。」 蒼星石はそうつぶやくとターゲットを探す。 懐から鋏を取り出すと蒼星石は友達と別れ帰路へと向かう子供に目をつける。 蒼「隙だらけだしコートもいらないね。」 蒼星石は歩く子供にむかって走る。 そして背後にぴったりくっつくと鋏を心臓へと刺す。 そして素早く離れる。すると子供は声も出さず倒れた。 蒼「(・・・生きる事はかけがえのない事か・・・じゃあこの子は・・。)」 蒼「(な、何も考えるな!他人の事なんて気にしないでいいじゃないか!)」 そう考えていると蒼星石は人影に気付く。 通行人「ん・・?え・・?う、うわあああああああああああ!」 蒼「(しまった!)」 そう思うと蒼星石は子供の体から鋏を抜き取ると通行人へと向かう。 腰を抜かし倒れている通行人の眉間にそれはあたる。 蒼「ちっ!逃げなきゃ!」 そう言いながら蒼星石は急いで帰路へついた。 翠「何買ってたですかぁ?」 蒼「君に花をプレゼントしようとしたんだけどいいのが無くてね。」 翠「そ、蒼星石(///)」 蒼星石は家に着いてようやく落ち着いてきたようだ。 蒼「ちょっと具合が悪いみたいだから先に寝るよ・・。」 翠「大丈夫ですかぁ?あの兎の紅茶が悪かったんじゃ・・。」 蒼「それはないよ。疲れだと思うけど・・。じゃあおやすみ。」 翠「しっかり寝るですよー。」 翠星石のそんな言葉を後ろに蒼星石は部屋に入り電気を消してベッドに潜り込む。 蒼「(こんなミス初めてだ・・。僕の心が迷ってるのか?)」 蒼「(これからどうすればいいかを・・。)」 蒼「(“思いで奪い“をしたのに喜べない・・。)」 蒼「(今さらになって抵抗を覚えたのか?)」 蒼「(僕が奪った命もかけがえのない生・・。それを奪ってた僕はなんだんだ?)」 蒼「(地獄があるとしたら・・・どうなんだ。彼らは地獄で僕を憎むのか?)」 蒼「(限りある生を堪能するのにこれは間違ってるのか?)」 蒼「(・・・寝よう。ゆっくり考えるとしよう。)」 蒼星石は眠りについた。しかしいつもと違い 喜びには満ち溢れてはいなかった。 その日通り魔被害者が10人に達したニュースが流れていた。 -翌日の朝 蒼「結局眠れなかったな・・。」 蒼星石はそう呟くとベッドから起き上がる。 翠星石に少し旅に出ると書いた置手紙を残し蒼星石は ドアを開け、一日だけの自分探しの旅へと出掛けた。 向かう場所は近くにある大きな公園。 暫く歩き公園に着くと芝生へと寝転がり蒼星石は考え始めた。 蒼「(僕のやってきたのはなんだったんだ?)」 蒼「(生きる事はかけがえの無い事、短い人生を堪能しようと“思い出奪い“を始めた。)」 蒼「(それは果たして正しかったのか?)」 蒼「(地獄があるだなんてわからない。地獄が愛で作れるかなんてわからない。)」 蒼「(愛で地獄が作れるなら僕は一体何をやってきたんだ?)」 蒼「(作れるとしても僕は何をやってきたんだ?)」 蒼「(作れたとしても生はかけがえの無い物には違いない。)」 蒼「(僕はそれを奪ってきた。)」 蒼「(それな何はどうあれ許されざる事なのか?)」 蒼「(僕は極楽地獄でなく無間地獄へ行く運命なのか?)」 蒼星石はその日ずっとその事を考えていた。やがて答えが出る。 蒼「(やはりかけがえの無いものを奪うのは許されざる事なのかな・・。)」 蒼「(ジュン君が仮に殺されたとしたら悪いには殺した方と僕は思う・・。)」 蒼「(それは僕が殺した人も同じ、死んだら周りの人も悲しませる・・。)」 蒼「(やはり・・・僕は罪人だったんだな・・。)」 蒼「(自首しよう。そして僕は罪を償いジュン君がいる地獄へと落ちれるようにしよう。)」 蒼「(信じよう、愛は地獄だって作り出せる・・・地獄はあると。)」 蒼星石は今までの罪を償うべく警察へと向かう。 蒼「(ごめんね翠星石・・。一日限りの自分探しの旅は長い償いの旅にへとなりそうだ。)」 その時蒼星石はパトロールをする警察官を見つける。 こんだけ通り魔事件があればそりゃパトロールは厳しくなっている。 折角だ。この人にでいいから自首し警察へと連れてってもらおう。 蒼「すいませーん。」 警「なんですか?この辺は危ないですよ。通り魔がいるのですから。」 蒼「その事でお話が・・。」 蒼星石は全てを打ち明ける。 自分が今まで十人もの人を殺してきた通り魔だという事。 そして自首するので警察に連れて行って欲しい事。 蒼「という訳なんです・・。僕を警察に連れてって下さい。」 警「・・・わかった。」 パトロールをする警察官は手錠を蒼星石へとかけ連行する。 警「・・・だよな。」 蒼「へ?」 警「お前が罪をやった証拠は今の自白であるけど俺がお前を犯したってばれないんだよな!」 蒼「!」 すると警察官は蒼星石を襲い始める。 警「償いと思って大人しく犯られてろ!」 警察は蒼星石を押し付ける。 周りはすっかり暗くなり助ける人はいない。 蒼「や・・・やめて!」 警「そう言われてやめるのは馬鹿のする事だ!」 警察官は蒼星石の服を脱がそうとする。 必死に抵抗するが手錠をされてるのでうまく動けない。 蒼「や・・やめて!」 やがて警察官は上のTシャツを脱がし終える。 その時に蒼星石の服ごしに蒼星石は蹴りをいれる。 油断してたのだろうかその蹴りは鳩尾へ入る。 警「うっ!貴様・・。」 警察官はうずくまって震えている。 その隙に蒼星石はズボンの後ろポケットから鋏を取り出す。 手錠をされてて使いにくいがしょうがない。 蒼星石は腕を前に突き出して走り出した。 そして倒れている警官の頭へと突き刺す。 さらに突き刺さった後それを豪快に上に振り上げる。 警官の頭は真っ二つになり蒼星石の体は血まみれになる。 蒼「はぁ・・はぁ・・・どうして・・・償おうと思った時に・・。」 そう言い警官の腹へと鋏を突き刺すと警官は仰向けに倒れる。 蒼星石は涙声になり嘆く。 その時後ろから声がする。 蒼「(通報されるな・・・。けどいいんだ、これで・・・これで・・。)」 しかし蒼星石はここで疑問に思う。 聞こえた声が聞きなれた声だったからだ。 そう思いぱっと振り向く。 翠「あ・・あ・・蒼・・星石・・。」 そこには旅をすると書かれた手紙を見つけ心配で探しに来た我が愛しの恋人が居た。 蒼「す・・・翠星石・・・これは・・。」 翠「あ・・あ・・うわああああああああああああ!」 翠星石は泣きながら蒼星石を叩く、叩く。 蒼星石はじっと殴られていた。 翠「なんで・・なんで蒼星石が・・・!」 翠星石は問い詰めた。 蒼星石は答えた。 ジュン君が死んでから生きる事が儚く思え“思い出奪い“をした事。 通り魔は自分だと言う事・・。 過ちに気付き自首しようとした事・・。 そして今警官にそれを言うと犯されそうになり殺した事・・。 全てを話した。 蒼「御免ね・・・翠星石・・・御免ね・・・。」 翠「蒼星石は馬鹿ですぅ・・・ひっく。」 翠「何があっても殺す事は人を不幸にするから駄目・・ですぅ・・うう・・。」 翠「思い出は手に入れるものじゃないですぅ・・・ひっく。“作るからかけがえが無いんですぅ“・・・ひっく。」 翠「人を殺して幸せになろうなんて・・・ひっく・・・馬鹿のする事ですぅ・・。」 蒼「御免ね・・御免ね・・・ほんと馬鹿だよ僕・・。」 いつの間にか蒼星石も泣いていた。 翠「うう・・・最後に反省してくれたのが・・・少しは嬉しいですぅ・・。」 翠「けどこんな下衆のいる警察になんかに・・妹は出さないですぅ・・。」 翠「最後に・・・姉妹として・・・双子として・・・蒼星石を殺して自分も死ぬですぅ!」 そう言うと翠星石は警官の腹から鋏を抜き取り蒼星石の所へと歩く。 翠「・・ひっく・・・地獄で・・・また会うですぅ・・。」 蒼「す・・・翠星石?」 鋏は振り落とされる。 -殺す気は無かった。 ただ反射的に鋏を振り下ろす手をずらした。 そして鋏は鋏を持つ翠星石の腹へ- 蒼「す・・・翠星石!」 翠「ほんと・・・お前は馬鹿ですぅ・・。」 蒼「そんな気は・・・そんな気は無かったんだ!」 翠「ふふ・・・わかってるですよ・・・・今のはたまたまだって・・・。」 蒼「翠星石・・・御免・・・御免・・・。」 翠「なら約束をするですぅ・・・・。」 蒼「ひっく・・・・なん・・だい・・?」 翠「罪を償ってきたらまた・・・地獄で・・会うですぅ・・・。」 翠「それまで暫く・・・さよならですぅ・・・。」 翠星石の体から力が抜ける。 蒼「翠星石?嘘だろ?嘘と言ってくれ!うわあああああああああああああああ!」 蒼星石は泣いた。泣き続けた。 その後蒼星石は警察署にへと向かう。 血まみれの姿で鋏を持った蒼星石が警察の入り口で呟く。 蒼「僕は・・・罪深き通り魔です。自首しに来ました・・。」 そう呟くと蒼星石は走り出す。 すぐさま警察は蒼星石を追う。 蒼星石は公園の恋人の前で立ち止まった。 周りは警察によって包囲されている。 蒼「翠星石・・・僕は自分の地獄で償いの“哀歌“を歌い続ける。」 蒼「“哀歌“を歌い終えたら・・・君の地獄へと行くよ。」 蒼「ちょうど僕で13人目・・。まるでキリストの処刑だな。」 すでに死んだ翠星石を抱きしめながら言う。 そして 蒼「さよならこの世よ・・・!僕は地獄で償いの哀歌を歌う!」 警察に囲まれる中蒼星石は鋏を握り自分の胸へと突き刺す。 周りで警察の喧騒が聞こえるがやがて聞こえなくなっていく・・・。 世間を騒がした通り魔事件は13人目の死亡者、通り魔自身という終わり方となる。 蒼星石は地獄で歌い続けた。 自分を苦しめ罪を悔い何年も何十年も 自分の地獄で償いの“哀歌“を歌い続けた。 そして気が遠くなるような年月が過ぎ 蒼星石は歌を歌い終え約束を果たしに行く。 久しぶりだな 久しぶりぃ? 久しぶりジュン君、水銀燈、そして愛しの人よ 待ちくたびれたですぅ!罪は償ったですか!? 勿論、約束は守る主義だからね そして僕はもう1つの約束も果たしに来た 翠星石、僕は君を愛している 君との永遠を約束どおり誓いたい そ・・・そんなのOKに決まってるですぅ! ふふ・・・じゃあ早速誓ってよぉ? ああ、約束通り僕らに誓ってくれ うん・・翠星石、僕は君を・・・永遠に愛する 翠星石もですぅ・・私も愛してるですぅ そう言うと二人の唇が重なる この口付けは永遠へのスタート “哀歌“を歌った哀しい乙女の愛が終わらない道を歩み始める fin
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/1946.html
https://w.atwiki.jp/dojinshi/pages/21.html
同人誌を愛読している人は多い割に、街で専門に扱っている本屋さんは少ないものです。 特に、地方だとほとんど無いのが現状でわざわざ遠くまで足を運ばなくてはなりません。 好きだけれど、店で直接買うのは少し恥ずかしい方も居ます。女性向けの同人誌を専門とする 通販サイトが沢山あります。 あらゆるジャンルが揃っており、選び放題です。 新品だけではなく中古販売もあり、一度に沢山読みたい人や大量に買いたい人は満足します。 中には買い取りをしているところもあり、繰り返し読まない人には便利。 女性向けなので、サイトめ見やすく可愛いのが多いです。送料も比較的お安いですし、 まとめ買いで無料になるサービスもあるので店へ直接足を運ぶ事を思えば楽な買い物になります。 春になり、新刊がぞくぞくと登場しています。 イベントなどで、人気のある本はすぐに売り切れてしまいますので、通販サイトをこまめに覗くと、 探していて欲しかった本が見つかるかもしれません。
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/1311.html
「真紅もロック聞くのねぇ…知らなかったわぁ」 「それはこっちのセリフなのだわ」 再会して最初に交わした会話がこれである。 一見何の変哲もない会話だったが、真紅の声は動揺を隠しきれていなかった。 真紅は激しく動揺していた。水銀燈との突然の再会に…ではなく… 「(これが本当に水銀燈!!?)」 同じ中学校に通っていた頃の水銀燈と今自分の目の前にいる水銀燈。 その雰囲気は180°変わっていた。 黒いタンクトップに破れジーンズというハードな服装。 昔からの特徴だったねこなで声は、何故か人を威圧するような力強さを感じさせる。 そして、目は鋭く、何もかもを見抜くような鋭い釣り目。 しかし、その白銀の髪と紅色の瞳は間違いなく水銀燈のものであった。 「ふふ、私がロック聞くようになったのは貴方に会わなくなってからぁ、当たり前よぉ」 水銀燈がそう言うと、真紅は胸を締め付けられるような心地悪さを感じた。 それは、自分の罪悪感によるものだとすぐに分かった。 「す…水銀燈、あの時は!!」 真紅が言いかけると、水銀燈は人差し指を真紅の唇にあてて黙らせた。 「…ここじゃなんだから、喫茶店でも行かない?」 そう言う水銀燈の目は、優しいものだった。 「何より、ちょっとここ居づらいわぁ」 と言って、水銀燈は親指で背後を指差す。そこにはCDを試聴しつつ、思いっきりヘドバンする少女の姿があった。 …彼女たちはまさかその少女が、後にローゼンメイデンのコーラス兼デス声担当になるとは予想もしていなかっただろう。 「た、確かに…分かったのだわ。いったん出ましょう」 二人は近場にある喫茶店へとやってきた。 「ここ、私がよく来る喫茶店でねぇ。紅茶もおいしいから、気にいるわよぉ」 「そ、そうなの…」 笑顔で話す水銀燈に対して、真紅の表情は晴れなかった。 水銀燈は入ってすぐに頼んだ乳酸菌飲料を一口飲む。 「…気にしなくて良いのよぉ?」 「………」 水銀燈はそう言うが、真紅はやはり何か引っかかってる模様。 「…私ぃ、あの後別の施設に移されたの…それは知ってるわよね?」 「…えぇ」 水銀燈は話し出した。 自分が新しく入った施設では、みんな自分を受け入れてくれたこと。 その仲間達のおかげで、学校にも復帰できたこと。 そして、今は施設を見学しに来たある人物の養子になったこと。 「槐さんって言うんだけどねぇ、よくしてもらってるわぁ」 その槐の娘と本当の姉妹のように仲良くしていること。 彼女の影響でロックに興味を持ったこと。 最近エレキギターを始めたこと。 「…ねぇ、水銀燈…」 楽しげに話す水銀燈を見ていて、真紅は口を開いた。 「…今、幸せなの?」 真紅は、やはり不安そうな顔のまま聞いた。 水銀燈は優しそうな笑顔で真紅を見る。 「当たり前じゃなぁい。毎日が最高よぉ…だからぁ」 水銀燈の手が真紅の頭に伸びる。 「同情なんかしないでほしいわぁ」 水銀燈がそう言ったことに、真紅は涙ぐんだ。慌てて顔を隠す。 「そ…それは良かったのだわ」 真紅はそう言って、すっかりぬるくなった紅茶を啜る。 そんな真紅の様子を、水銀燈は微笑みながら見ていた。 その日から、再び水銀燈と真紅の交流は始まった。 主に音楽の話で意気投合した二人は、共に同じ高校を受験し合格。 その後蒼星石達に出会い、現在に至るわけである。 「…これで、水銀燈と私の昔話はおしまい」 「…」 真紅の話は終わり、沈黙が病室を包んだ。 「…じゃぁ、私はもう帰るのだわ」 真紅はそう言って帰っていった。 残されたのは、何かを考え込むめぐと、穏やかに眠る水銀燈だけだった。 (以下執筆継続中) (3)へ戻る/長編SS保管庫へ/(5)へ続く