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登録日:2011/05/15(日) 10 41 22 更新日:2024/06/24 Mon 18 18 11NEW! 所要時間:約 12 分で読めます ▽タグ一覧 1995年 HA☆GE Nintendo Switch PS4 PSVita SFC Steam Xbox One XboxOne アルテピアッツァ イトケン キサマがラスボスか! ゲーム サガシリーズ サラ、帰ろう スクウェア スクウェア・エニックス スーパーファミコン ドッターの本気 ロマサガ ロマサガ3 ロマンシング サ・ガ ロマンシング サ・ガ3 名作 四魔貴族 濡れ手に粟 王家の指輪 神ゲー 私が町長です 私は天才、私は万才、私は3‥いえ、20才よ。 『ロマンシング サ・ガ3』(Romancing Sa・Ga3)は、1995年11月11日にスクウェアから発売されたスーパーファミコン(SFC)のRPGである。 サガシリーズとしては通算6作目で、SFCで展開された『ロマンシング サ・ガ』シリーズとしては3作目にして最終作。 発売された1995年というのは、既に約一年程も前に本格的な第5世代ハードにして、従来のTVゲームの常識を変えたセガ・サターンとプレイステーションが発売されており世間ではすっかりとゲーム=3DCGなんかも使われたCD媒体のゲームになっていたSFC最晩年の頃であり、既にSFCは時代遅れと見なされていた時期であった。 その為、出荷本数こそ通例通り100万本を越えていたが実際の売上は(それまでに比べたら)今一つで、一部店舗ではワゴンセールの常連というかなり悲惨な扱いを受けた1本。 とはいえ、現在でも神作品と言われるタイトルを連発していたSFC時代のスクウェアRPGの三本柱(FF、ロマサガ、聖剣伝説)の一つにして、最後期の作品ということもあってかユーザーからの評価は非常に高く、後述のようにこれでも不完全な部分や没データも残るものの、不完全が故に尖ったバランスだった前二作と比しても贔屓目なしに名作と呼べる一本。 過去にも携帯アプリでやらバーチャルコンソールでの配信なんかがされていたが、SFC版の発売がらちょうど24年後となる2019年11月11日に、後述の通りオリジナルを損なわない程度の追加要素や未使用データの補完、周回での引き継ぎ要素を取り入れたリマスター版が発売された。 システムなど SFC末期の作品のためドット絵やBGMがとても秀逸。 しかしながら前述の通りシリーズでは最も完成度が高く、ロマサガどころかサガシリーズでも最高傑作と言われているにもかかわらず開発期間が短かったために未登場のマップやイベント、モンスターが存在してしまっている。 もはやロマサガの伝統であるフリーシナリオを採用しており、進行方法はプレイヤーの自由。 システム的には過去二作のいいとこ取りといった所であり、ロマサガのように8人の主人公の一人を選んでプレイを始めつつ、ロマサガ2のように道中で閃いた技や見切りを極意化して他の仲間達と共有したり、工房にて条件や貴重な素材を入手することで強力な武器や防具を量産化することが出来るようになっている。 戦闘で伸びるのは『2』同様にHPと技/術力、使用した武器系統と術の熟練レベルのみで、その他の基本ステータスについては前作同様に装備品等を用いなければ初期段階から変化しない。 その為、強いと評価されるキャラクターと弱いと評価されるキャラクターが極端に分かれたりするのだが、愛を持って育てれば弱いとか使いにくいとされるキャラクターでもちゃんと強くすることは可能。適性は無いとされるのに何故かステゴロで育てられるのが一般論になってるミューズお嬢様がそれを証明している。(*1) 特に、主人公8人は主人公に選んだ場合には宿星や得意武器も自分で選ぶことが可能であるので、その時点で基本的なキャラ評価を覆してしまえるのだ。 前作までは無かった要素としては技、若しくは術に偏重して伸ばしてやることで技王冠/術王冠が付くようになった。(*2) バランス的には技も術も使えた方がいいので付ける必要が無いとの意見もあるが、付けると技/術の消費ポイントが-1されるようになり、更に技を閃き易くなるという利点もある。ぶっちゃけ、ゲーム内だと術よりも技の方が単純で使いやすくて強力というバランスであるので、前作とは違い装備さえ充実させれば脳筋プレイも可能。 前二作ではゲームのバランスが尖っており敵が強過ぎた(というかいきなり強くなるというか)為か、本作では敵の強さの上がりかたがある程度は調整されているので、かなり遊びやすくなっている。敵味方のダメージ算出に調整が入ったのも本作からで、ロマサガ1から登場した敵味方のHPが大きく違う独特のバランスを無理なく成立させる試みが行なわれた。 しかし中には(主に前二作をやり込んだ人からは)敵に歯ごたえがなく、敵の成長も遅いためあまり緊張感がないと言う人もいる。 前二作では仕様上の都合から戦闘を繰り返しているだけでシナリオが否応なしに進んでしまっていたが、本作では序盤の一部(盗賊の本拠地とか)を除いてはプレイヤーが飽きる程にキャラクターを強くしてもシナリオをこなさなければストーリーが進まなくなった。 なので、寧ろ限界まで強くする方法とかレアアイテム取得とか、それにも飽きたら早解きとかの方面でやり込みが生まれていった。 また、一応は此方も調整のつもりだったのだろうが前作から閃きシステム等の基本的な要素を引き継いでいると見せかけて、各種武器系統の強さが見直されていたり、同名の技でも効果に変更が加えられたりと、寧ろ慣れているプレイヤーこそ引っ掛かってしまう要素も。(前作では最強だった大剣の強さの見直しとか剣技の残像剣の仕様の変化とかね。) また、術が補助含めて使い勝手が前作より落ちている・なんだかんだ技や見切りの極意化が大変であることなど、後の作品で是正された点も多く、全体的な完成度の高さがありつつ課題もまた多かった作品と言える。 世界観 死食と呼ばれる300年に一度「死の衛星」が太陽を完全に隠してしまう現象があり、それが起きると、同じ年に生まれていた人間や動植物、魔物をも含む全ての新しい生命体が死を迎える。 ……しかし、600年前に死食から生き延びた赤ん坊がいた。その子には特別な力があったが死の定めに魅入られアビスのゲートを開き、四魔貴族などのアビスの魔物を従えて魔王として世界を支配した。 その300年後、再び死食から生き延びた赤ん坊がいた。その子は死の定めに打ち勝ち、聖王として魔王の死後、変わりに世界を支配していた四魔貴族らをアビスへと追い戻し、ゲートを閉じた。 この伝説から人々は死食で生き延びた者を「宿命の子」と呼ぶようになった。 本作はそんな死食が15年前に起きた時代が舞台。 死食の影響でゲートが開き四魔貴族が再び現れたのでプレイヤーの当面の目標はゲートを閉じることとなる。 主人公 初代ロマサガのように主人公は8人から選ぶ方式となっており、それぞれが強烈な個性を持っている。 また、前述の通り選択した主人公はパラメーターと閃き適性のフラグに関係する「宿星」と「得意武器」を選択できる。 ユリアン・ノール 強い正義感を持つ20歳の青年。 ロアーヌ近くの田舎町であるシノンの開拓民で、緑色の長髪とオレンジのジャケットが特徴である。 OPではエレンに告白するがあっさりとフラれる。…が、それを経て漸く意識をされるようになるにはなるしエンディングでは(ルート次第だが)それなりに報われる感じ。 その後、シノンにやって来たモニカを介抱するが、エレンにフラれた直後で向かう速度がかなり速いので一部ではコウモリと言われている。 2人の美女との板挟みになった彼の決意は…本格的にそうなるのは寧ろ300年後の世界でだが。 筆頭主人公なのでデフォの宿星・武器ではバランス型にされてしまっているが、能力的には鈍足豪腕が本質の脳筋。というか明らかに能力値と設定が噛み合っていないので弄ってしまうべき。 裏設定なのだが、実は死食で妹を失っており、本作の主人公達の中では因縁は深い方だったりする。 サラ・カーソン 引っ込み思案だが一度決意したらその意思を曲げない16歳のシノン開拓民の少女。シナリオ的には真の主人公。 黄緑の髪が特徴で、とある秘密がある。 OPでモニカがシノンへやって来たことで人生を変えるチャンスが来たと思い、ある一大決心をする… 彼女を主人公にしていると初見プレイヤーはラストバトルで大いに戸惑うことだろう。 トーマス・ベント 男はなんでもこなすべきという家訓のベント家に生まれた22歳の青年。その通りで育成方針を定めないと器用貧乏気味。 シノン開拓民のリーダーであり、深緑の色をした髪と(ドットではわからないが)眼鏡 が特徴。 愛称はトム。 ベント家の男なので基本なんでもできる。 彼を主人公や仲間にする最大のメリットはトレードが遊べること。(割とマジ) また機転が利き、ユリアンにエレンと2人きりでいれるようにしてくれと頼まれた際には、サラに料理の手伝いをさせるという面目でうまく引き離させた。 OPで広い世界を知った彼は商業の道を志す… エレン・カーソン サラの姉で茶髪(ドット絵などでは緑髪)のポニーテールと豊満なおっぱいが特徴の20歳の女性。 腕っ節が強く、かなりのシスコン。 色恋沙汰には余り興味がないため、ユリアンの告白を断った。しかし、フった後には何故かエレンの方が嫉妬したような反応を示したり組んで旅を続ける場合には嬉しそうな反応を示す。 昔はお嫁さんごっこもしたらしい。 OPで仲間と旅することの楽しさに気付き、自分の道を見つけていこうとする… そして、サラと別れてしまうと特に因縁とかそういうのもない自由人…なのだが、終盤はサラの救出が目的になるため明確な因縁を背負って戦う事になる。 斧が自称得意だが優れた腕力と素早さから適性は体術。しかし閃きはイマイチ。 ちなみにデフォルトの宿星と武器を抜きにすると意外なパラメーターの持ち主だったりする。 ミカエル・アウスバッハ・フォン・ロアーヌ ロアーヌを27歳にして治める侯爵。 金色の長髪が特徴。 ナイトハルトに少し似ているがコレガワカラナイ。 民からは少し冷たい感じがすると言われているが皆平等に扱っているだけである。 聡明な人物で、ゴドウィン男爵の反乱を事前に見抜いていた。 あまりその面は表に出さないが妹思い。その妹思いっぷりはユリアン・モニカの駆け落ちEDで存分に発揮される。 彼の場合為政者なのでマスコンバットと呼ばれる戦争風ミニゲームが多く行われる。 OPでモンスターの軍に襲われたことによりアビスゲートが再び開いたことを確信し、民の平穏を守るためアビスゲートを閉じる旅に出る。 領主なのでいきなり倉庫に多数の在庫や資産が保有されていたりと色々と恵まれており、上記マスコンの他にも政治を行うことも可能。 主人公としては最強とも謳われるが、バランス型なので仲間としては扱い難いと言われる反面、隠しパラメーターで控えに回した時の伸びとパーティーにかかるバフ補正が高い。 尤も、ラスボス戦は5人パーティで挑む事になるため、控えに回すと4人でラスボスに挑む羽目になるが… 立ち位置上初期装備の質が異常によく、序盤どころか後半まで通用するため、特にオープニングで仲間に出来るハリードとカタリナにとっては装備が本体になっている感もある モニカ・アウスバッハ ミカエルの妹で19歳。 兄と同じく金色の長髪。ふともも。 誰にでも優しく接する性格。重度のブラコン。 しかし、OPでミカエルに政略結婚の提案をされてしまい色々と大変なことに。 自分を身近で守ってくれたユリアンへのほのかな恋心に従って駆け落ちするか、それとも… 初期能力値が殆ど平坦という一見すると最弱主人公だが、主人公としても仲間としても好きに成長させられるメリットがある。 ハリード ゲッシア朝ナジュ王国の元王族で33歳。 10年前にナジュ王国を滅ぼされ、それ以来王国を立て直すための金を集めるために各地を旅している。 守銭奴ともいえる性格で、リーダーシップを取りたがる性分。 伝説の曲刀の名を頂戴したカムシーンを持っており(単に曲刀にその名前をつけただけ)、その強さからトルネードと呼ばれることもある。 設定通りゲーム中で最強と言われる剣の使い手であり、主人公としても仲間としてもそのままの方向性で育ててOK。 唯一の欠点は装備枠の一つが曲刀で埋まってしまうことだけと言われる位に有能。 OPの後は10年前に行方不明になったファティーマ姫の捜索、真のカムシーン捜索も兼ねて旅を続ける。 主人公にした場合、進め方次第では姫か真カムシーンを入手出来る。……あくまでも得られるのは片方のみである。 カタリナ・ラウラン ロアーヌの貴族でモニカの侍女。 真面目な性格で意志が強い。 ピンク色の髪が特徴の24歳。 15歳のとき、その真面目な性格を買われミカエルにモニカの侍女に任命される。 それ以来ミカエルに淡い恋心を抱いている。 聖王遺物の一つ、大剣小剣マスカレイドの使い手であり、それを守る者でもある。 OPでマスカレイドを奪われてしまった彼女はマスカレイドを取り戻す旅に出る… そして、そのせいで彼女を主人公として使わないとプレイヤーは以降の彼女の姿を見る機会が無くなってしまうことに。どこに探しに行ったんだよ…… カタリナが主人公なら他の主人公(ユリアン除く)を仲間にすることも可能だが、ロアーヌに戻るにはマスカレイドを取り戻す必要がある。 シナリオの進行 冒頭の通り、本作はOPの固定シナリオが終了すればあとはひたすら自由。好きにやれ。 1度でも行った事のある町やダンジョンは地図に登録され、一瞬でそこへ行くことが出来るようになる。 冒険の舞台は砂漠を越えた東の果てだったり、町を陸ごと動かして向かう西の海の果てだったり様々。 ちなみに、到着してしまうとイベントを終わらせるまでは地図を使っても出られなくなる地域もある。 各地に点在するサブイベントも楽しいが、選んだ主人公や攻略の手順次第では挑むことが出来なくなることもあるので注意。 なお各地には、前述の8人以外にも主人公の仲間になってくれるキャラクターが大勢いる。 普通の人間以外に妖精、象、雪だるま、伊勢エb(ry、吸血鬼など変り種も多い。 加入条件が厳しい者もいるが、彼らを探して回るのも楽しめるだろう。 仲間を集めてパーティーを鍛えたら、世界のどこかにあるアビスゲートを閉じに行こう。 しかし、ゲートでは各四魔貴族がこちらの世界に送り込んだ分身と戦わなければならない。 各々が強力な攻撃を携えており、こちらも対応策を講じて挑まなければ勝つのは難し……くもないのも居るには居るが、まあやっぱり全員強く、そのため技が閃きやすい。 四魔貴族戦のみ全員倒れてもダンジョンの開始地点に戻されるだけなので臆せずアビスゲートの戸を叩いてみよう。 そして4つのゲート全てを閉じる時に判明する事実。 此度の宿命の子は何処に居るのか? 世界はアビスの脅威から脱することが出来るのか? ……などなど、素晴らしい音楽と共に最後の展開を楽しんで欲しい。 前作と並んで完成度が高く、バランスという点ではシリーズでも抜きん出ているのでら繰り返しのプレイも飽きさせることが無い名作。 未プレイの人は1度手にとってみることをお勧めする。 バグ・仕様の穴 仲間にする人数の限界 ロマサガ3は一度仲間にして別れたキャラを再度仲間にした時は、一定の成長率をかけてステータスをアップさせる以外は別れた時そのままで再度加入する。 従って装備品やパラメータの情報を保存しておくメモリ領域が必要なのだが、SFC版の場合これが有限であるため、仲間にできる人数に上限が存在する。 仲間にした事があるキャラの人数がこの上限に達している場合、今まで仲間にした事が無いキャラを新たに仲間にしようとしても、仲間にする条件を満たしていても仲間にできなくなる。 この人数制限の仕様には以下のような法則がある。 主人公8人は最初から加入扱い。他主人公だと絶対に仲間にできないカタリナも数に数えられる。 ヤーマスのイベントの時のロビン2人を除き、イベントで一時加入するキャラも仲間にした扱いで数に数えられる。 一度仲間にして数に数えられたキャラはLP0にして殺すと仲間になった情報が消える。 タチアナはどの偽名を名乗っていても全て同一人物扱い。ハーマンとブラックは同一人物扱い。ロビンの(細)と(太)は別人。 仲間にしたキャラが25人に到達するとティベリウスが仲間にできなくなる。24人でヤンファンが、23人でバイメイニャンとぞうが仲間にできなくなる。それ以外のキャラは仲間人数が22人になった時点で仲間にできなくなる。 シャール、ミューズ、少年、ハーマン、ブラック、ロビン(太)、ツィーリンは仲間にしたかしないかで通常通り数に数えられるが、制限に引っかかって仲間にできなくなる事がない。 この仕様に関連したもう一つの現象として、仲間にした人数が27人を超えると、いかなる場合でもパーティから仲間が離脱しなくなる。パブで任意で外すことはもちろん、イベントの強制離脱すら無視してパーティに残留するようになる。 最も制限の緩いティベリウスですら25人の時点で仲間にできなくなるため、普通にやっている限りは27人はまず無理な人数だが、イベントの進行順を吟味して上記の「制限にかからないキャラ」を後に仲間にするように工夫すると27人を超える事ができる。 これを利用するとサラや少年を無理やりラスボス戦に参加させる事すら可能。 なお、HDリマスター版ではこの制限は撤廃されており、登場する全キャラを仲間にする事が可能。 分身技 一部の攻撃技は俗に「分身技」と言われる特殊な仕様になっており、ロマサガ3きっての強力な技として知られる。 剣技の「分身剣」が特に有名なため分身技と呼ばれるが、該当技の中には別に分身してないものもある。 特徴としては「武器レベルに応じて攻撃回数が増え、ダメージが飛躍的に伸びる技」。 閃き難度や消費WPからすると中盤の技もあるが、いずれも武器レベルを極めると終盤の技を大きく超えるダメージを出すようになる。 該当するのは剣「残像剣」「分身剣」斧「ヨーヨー」「デッドリースピン」槍「ラウンドスライサー」「トライシューター」弓「連射」の7つ。 ただし残像剣とトライシューターは単体対象攻撃技ではないため、武器レベルを上げても1体当たりのダメージは増えない。攻撃対象の数が増える。 なお、斧技の「オービットボーラ」は見た目は分身しているがここで言う分身技ではない。 ここまででも十分に強力な仕様の技だが、これらの技に共通するもう一つの仕様として、 「ダメージ計算に用いる使用者の能力値が、本人の該当パラメータではなく敵味方合わせて直前の行動で参照された能力値を参照する」というものがある。 例えば腕力20のキャラが黄龍剣を使用した場合、参照される能力値は本人の腕力の20となるが、 同じキャラが分身剣を使用した場合、1つ前に行動したキャラが「15の魔力で玄武術のスコールを使用」だった場合、参照される能力値は20ではなく15となる。 通常のプレイでは、敵味方どちらの能力を参照しようとも概ね15~25の間に収まる能力値を参照する事になるため、違いを実感する事は少ない。 しかしRTAでも有名なテクニックとして「グゥエイン参照分身剣」がある。 グゥエインはビューネイ戦で共闘する場合、体力99のステータスを持ち、体力参照の技「炎」「冷気」「電撃」を持つため、この技の直後に分身技を使えば参照能力値99のバカ威力で分身技を放つ事ができる。 そしてこれらの技でこのビューネイに止めを刺して戦闘を終わらせるようにすれば、それ以降の戦闘も参照能力値99を引き継ぐ事ができるのだ。 味方だけでなく敵に分身技でない技を使われた場合はもちろん、装備変更をしても直前の参照が99である状態が途切れてしまうため様々な制限がかかる(*3)が、それを補って余りあるメリットが得られるテクニックである。 なお、様々なバグや不自然な仕様が修正されたHDリマスター版でもこの仕様は何故か残っており、グゥエイン発の能力値99分身技は引き続き実行可能。 ただし「残像剣」と「トライシューター」が自身の能力値を参照するように変更されており、このせいで剣技の「分身剣」を使ったRTAチャートが難しくなってしまっている(*4) HDリマスター版 2019年11月11日にて発売された。対応機種はスマホ・PS4・VITA・Switch・XBoxOneと非常に幅広い。 グラフィックが新しくなっている(さすがに3D化しているわけではないが)他、新イベントや新ダンジョンが実装された。 それに合わせて、元・没データも含めて新アイテム・新モンスターも実装。 ただし、全ての没データは採用されず、発売前に「ミンサガのような大幅な変更はない」と告知していたため、 SFC版のサンプルROMにあった東海などの開発中の町、マスコンバットの没指揮官やトレードの没物件などは採用されていない。 リメイク版ロマサガ2同様の強くてニューゲームも実装されており、アイテムやWP・JP・レベルの他にマスコンバットの戦術やトレードの資金なども引き継げる。 パーティ未加入キャラの上昇分もきっちり引き継ぐため、ハリードなどは数周後には剣技レベルが50になっている。HPは一部イベントトリガーになっているためかリセットされる。 本作の金策の少なさ故か、王家の指輪による金稼ぎはそのまま、一方、腐海の廃墟のショートカットは修正されている。 それどころかさらにアイテムの収取が楽になる裏技まで増えていたりする(楽々増殖という訳にはいかないが)。 新ダンジョン「暗闇の迷宮」 ミューズの悪夢イベントクリア後に挑むことが可能。マクシムスは無関係。 曰く、願いの欠片が集まっており、それを集めることでありえなかった可能性を垣間見ることができるという。 しかし、同時に凶悪すぎるために封じられた魔物も潜んでいる。 奥に進むことで、ハリード・タチアナ・少年の過去を垣間見ることができる。この過去を変えようとするとボス戦となる。 最終エリアのボスを倒すとサラの過去が見れるが、ラスボスさえも上回る程の強敵。しっかりと対策をしていないと瞬殺されてしまうだろう。 目玉はWPやJPの消費を半減させる指輪やハリードを強化できる首飾り、極意が発生しやすくなる指輪で、ボスを倒すと入手できる。奥では稀少な死のかけらを入手できる。 また、ボスの1体「トウテツ」は撃破することで強いアクセサリが作成可能になる他、強力なアクセサリを稀にドロップする。マラソンが面倒なのが難点。 エリアは5つあり、最終エリア以外はほとんどが真っ暗で各エリア5マップほどに分かれている。最終エリアはボス部屋のみ。 出現モンスターはマップごと・シンボルごとで完全固定。3マップと2マップとで出現するシンボルが2種類、1エリア4種類のシンボルが割り振られている。 通常エンカウントできる全種のモンスターがいるので、早々道場に利用したり、敵からのアイテム集めも少々楽にする事が可能。アスラも本家よりも楽に遭遇できる。 移動の仕方は特定のルートを延々ぐるぐるしているだけ。暗闇もなんのそのなので、移動ルートの看破にも使える。 ダッシュで接触しても背後から接触しても普通に戦闘が始まるだけ、という特殊ルールとなっている。 新イベント 四魔貴族の幻影を倒すと、追加イベントが発生。 夢の中で、聖王のメッセージを受け取るシーンと四魔貴族と魔王の会話シーンを見ることができる。 これにあたって、無印では謎だった5つ目のアビスゲートの正体が判明した。 曰く、魔王が四魔貴族を迎えに行くための物らしく、四魔貴族自身でさえ上記の会話のあたりで初めて存在を知った。 ここで1つおかしいことがある。それは「迎えに行く」という言葉である。 魔王が表舞台から姿を消した際、アビスゲートから現れた四魔貴族はいまだ現世に留まっており、聖王の時代にようやく封じられた。 つまり、魔王が生前四魔貴族を迎えに行く機会など存在せず、これはつい最近魔王によって開かれたものということになる。 さらに言えば、5つ目が出現したのは15年前の死食以降である。 もしそれ以前に出現していた場合、「4つのアビスゲートが開く前の星の運航」と「4つのアビスゲートを閉じた後の星の運航」に差異がなくなるため、5つ目の存在を察知できるはずがない。 聖王曰く、これは魔王の罠とのこと。 また、聖王も魔王も夢の中から主人公に対して語りかけており、生きているかはともかく現世においてもある程度の力と意志を持っていることがうかがえる。 「迎えに行く」という言葉は別の違和感も含んでいる。 四魔貴族は魔王が健在だった頃でさえそれぞれ異なるゲートから出てきているのに、それを迎えに行く、即ち連れ出すつもりがあるのに1つしか開いていないのだ。 となると、魔王は四魔貴族に限りなく近く四魔貴族と異なる一体の「何か」を連れ出す気だった可能性が考えられる。 ビューネイが戦う前から妙に後ろ向きだったのは、自分たちを世界破壊爆弾として利用しようとする魔王の目論見に気付いたと考えれば理屈が通る。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 没データに魔王の玄室があったりこれもリメイクして欲しいよなぁ -- 名無しさん (2013-05-23 00 32 25) サラって助けること出来ないのか? -- 名無しさん (2013-12-23 21 41 34) サラが少年に代わって封印になってしまったときはショックだった。 -- 名無しさん (2013-12-23 23 06 23) 雪だるまが仲間になると何か嬉しい。 -- 名無しさん (2013-12-27 13 39 19) SFC時代のサ・ガシリーズでまともにクリアできたのこれだけだ -- 名無しさん (2013-12-27 15 15 49) 一番リメイクして欲しいゲーム。 -- 名無しさん (2015-01-12 12 13 03) 隠しパラメータの「がめつさ」を知らず、適当に進めたら後半で誰も仲間にならなかったっけ… -- 名無しさん (2015-01-19 19 25 56) 練磨の書のやり込み募集企画が上から目線でイラッとくる。「その程度のやり込みはもう通用しない」「その程度では受賞は望むべくもない」 -- 名無しさん (2015-02-12 00 11 12) サガシリーズで唯一バランスが良いな -- 名無しさん (2015-02-15 18 03 50) 途中ででるウンディーネだかサラマンダーが強すぎて挫折した気がするが面白いとは思う。 -- 名無しさん (2015-02-15 18 05 52) ↑3 仕方ないんだ。あの頃のやり込みは異常だったんだ。 -- 名無しさん (2015-02-15 18 50 10) 他のRPGと比較するとそこそこ難しいんだけど、きちんとクリアできる難易度で、過去作でプレイヤー泣かせの問題をほぼクリアしてるのはシリーズ作品として大きいよな。 -- 名無しさん (2015-03-04 23 26 20) ↑次作のサガフロもバランスが良かったぞ -- 名無しさん (2015-03-07 00 16 09) ↑同意 けどサガにしちゃ何故か評価が微妙に見られがちなのがキズ -- 名無しさん (2015-12-20 21 32 20) マスカレイド(意味:仮面舞踏会)の固有技がムーランルージュって凄いシャレたネーミングだよなあ。 -- 名無しさん (2016-03-17 18 40 11) 未登場のマップやイベント等々があるけど完成度が高いのか・・・ -- 名無しさん (2016-04-12 10 28 38) シャール「世界の混乱と不幸を絶つ!」詩人「来てよかった、最高の詩が書けそうです!」←サブキャラのくせにカッコいいセリフでオイシイとこ持ってくよなあ・・・。 -- 名無しさん (2016-05-16 23 36 57) 舞台化かあ -- 名無しさん (2017-01-08 19 26 23) 決定ッ!リマスター決定! -- 名無しさん (2017-03-28 19 35 49) 仲間加入限界数と神王の塔のエージェントバグは直して欲しいところ -- 名無しさん (2017-03-28 21 56 58) リメイク版では「町長をしばけるようにしてほしい」って意見が多いみたいだな。すごくよくわかる -- 名無しさん (2017-03-28 22 02 02) ↑そして発生するギドランドのエージェントバグw -- 名無しさん (2017-03-28 22 04 49) 私が町長です -- 名無しさん (2017-03-28 22 08 53) サラを主役にして他メンバー全員人外のパーティを組んだのもいい思い出。パーティメンバー6人で人外キャラ5人とかすばらしいね -- 名無しさん (2018-07-19 14 53 01) きましたのうリマスター。元コードのない中はじめたもんなんで、開発は大変だったとか。 -- 名無しさん (2019-11-15 20 25 32) ミカエル「人間フエルミラーとは私のことだ」 -- 名無しさん (2020-02-08 22 52 03) ひらめき適性とか技王冠とか理解すればタイガーブレイクも地擦り残月も流星槍もあっさりひらめくんだなあ…SFC当時の苦労は一体 -- 名無しさん (2020-09-16 22 52 16) 前作と違って戦闘回数ではなく、勝利回数で敵がパワーアップしていく形式で前作よりも敵の攻撃力が下がり対策も取りやすくなったので理不尽さはないかな。ただ心なしか全体的にタフな奴が多いかな。 -- 名無しさん (2020-10-15 19 14 58) 別の作品でのエレンが自由の奴隷である一方で、ここのエレンは一番自由なシナリオというのがタイムリーな皮肉。 -- 名無しさん (2022-04-11 11 07 27) ストーリーに関しては序盤の四魔貴族討伐への動機づけ含めて割と投げっぱなしなのが惜しい -- 名無しさん (2022-08-09 10 37 58) ミカエルとハリードが固有ミニゲームや専用ダンジョンで一寸恵まれすぎてる気はするな。特に諸王の都はそこ限定の装備やボスまでいたんだからイベントはないにせよ他のキャラでも行くことだけはできるようにしてほしかった -- 名無しさん (2023-07-22 23 08 11) 2に比べると武器間のバランスが大分よくなっただけに分身技の存在がちょっと惜しかったな。武器が弱いフランシスカのヨーヨーだけ残して他はないぐらいでちょうどよかった気はする -- 名無しさん (2023-09-10 18 47 38) 分身技消したら体術一人勝ちになるから駄目だろ -- 名無しさん (2024-03-06 09 35 05) 名前 コメント
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ロマンシング サ・ガ ロマンシング サ・ガ2 ロマンシング サ・ガ3 ロマンシング サガ -ミンストレルソング- ○通常ルート プレイヤー 動画 タイム 投稿日 備考 Aチーム sm20843196 9 33 05" 2013年05月12日 Dチーム sm20843196 9 41 06" 2013年05月12日 Cチーム sm20843196 11 14 46" 2013年05月12日 Bチーム sm20843196 13 08 13" 2013年05月12日 名前 コメント すべてのコメントを見る
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本記事では、SFC版『ロマンシング サ・ガ3』をメインに解説しています。 移植・リマスター版であるPSV/PS4/Switch/One/Steam版『ロマンシング サガ3』は参考記述扱いで掲載。 「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。修正検討内容はリマスター版の節の総評追記・独立化です。 ロマンシング サ・ガ3 【ろまんしんぐさがすりー】 ジャンル ロールプレイングゲーム 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 スーパーファミコン メディア 32MbitROMカートリッジ 発売・開発元 スクウェア 発売日 1995年11月11日 定価 11,400円 配信 バーチャルコンソール【Wii】2010年9月21日/800Wiiポイント【WiiU】2014年2月26日/800円 レーティング CERO B(12才以上対象)アイコン:暴力、犯罪、麻薬等薬物※バーチャルコンソール版のみ 判定 良作 サガシリーズ 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 参考:リマスター版 特徴・評価点(リマスター版) 問題点(リマスター版) 余談(リマスター版) 魔王か聖王か、それとも…… 概要 自由度の高いシナリオを特徴とする人気RPG『ロマンシング サ・ガ』シリーズの第3弾かつ『ロマンシング』シリーズの最終作である。 プレイヤーは8人の主人公の中から1人を選び、アビスゲートから復活した「四魔貴族」を倒してゲートを閉じ、さらに真の宿敵をも倒すという流れ。 本作では主人公候補同士は何かの繋がりがあることが多く、最も大きな関わりとして序盤で8人全員が集まるイベントがある。 『1』・『2』のシステムを更に進化させており、シリーズ全作品でも屈指の人気を誇る。 ストーリー 300年に一度、死星が起こす日食「死食」。死食の年に新しく生まれたあらゆる命は死の運命を背負い、種族を問わず死に絶える。約600年前、死食を生き延びた赤子は人々に祝福されて育ったが、長じてアビスと呼ばれる世界に繋がるゲートを開き、アビスの魔物を従える魔王になり、破壊の限りを尽くした。魔王なきあと4体の強大な魔物である魔貴族が世界を支配した。約300年前、死食を生き延びた赤子は人々に恐れられ苛酷な人生を歩んだが、人々をまとめ上げる聖王となり、四魔貴族をアビスに追い返してゲートを閉じて、世界の復興に尽力した。そして15年前、再び死食が起こり、世界に様々な波紋を引き起こす。 時は流れ、ロアーヌ侯国の侯女モニカは男爵の反乱計画を知って、 侍女兼護衛のカタリナの助けで城を抜け出し、辺境の開拓村シノンに逃げ延びる。 そして村の若者ユリアン、トーマス、エレン、サラの4人とたまたま立ち寄っていた高名な傭兵ハリードに護衛されて、 兄であるミカエル侯爵に知らせに行った。 ミカエル侯爵は軍を率いて、男爵の軍を撃退、男爵と手を結んでいたアビスの魔物の討伐を果たした(*1)。 その後、若者の1人ユリアンはモニカの護衛部隊プリンセスガードへの入隊を勧められる。(*2)豪農の家のトーマスは家の方針に従って村を出て親戚を訪ねるため旅立ち、エレンとサラも今回の事件を機に、それぞれしばらく世界を見て回る旅に出ることにした。仕事を終えた傭兵ハリードも気ままな旅を再開。また侯女モニカはツヴァイク公子への嫁入り話が来る。侍女カタリナは宝剣マスカレイドを盗まれ、奪回のために旅立つ。ミカエル侯爵も影武者を立てて、たびたびお忍びの旅に出てみるのであった。 特徴 フリーシナリオシステム オープニングのイベントはほぼ固定イベントだが、それ故に『1』のようにいきなり1人で世界に放り出され戸惑う、という事は少ない。 また、『1』とは違いユリアンのプリンセスガードイベント、ミカエルの施政・マスコンバットイベント、ハリードのカムシーンイベントなど、エレン以外の主人公に専用イベントが用意されている。 エレンは固有イベントこそないが、立場上シナリオの根幹にあるキャラと密接に関係しており、終盤のストーリー展開に最も噛み合うのはエレンというのがファンの間の通説となっている。 「四魔貴族を打倒しアビスゲートを閉ざす」という大目的はあるが、ほとんどのイベントは自由に攻略できるため、アビスゲートを無視して本来終盤に行くはずの東方地域に進んだり、イベントをすっぽかしてレベル上げや武具開発に従事したりと様々な進め方ができる。 前作と比較してシナリオ数やボリュームは減少しているが、一方でプレイテンポ(キャラの成長速度など)が向上している。8人の主人公も相まって周回プレイが意識されており、これは後の『サガ フロンティア(以下サガフロ)』や『ミンストレルソング(以下ミンサガ)』にも受け継がれている。 『1』では23人のキャラがいたものの、特定の主人公のお供限定だったり、外すと二度と仲間にならなかったりで結局主人公候補の8人ぐらいしかまともに仲間にできなかった。しかし本作では、30人ものキャラの大半を自由に入れ替えることが可能(*3)。見た目も設定も個性的なキャラが揃っている。 能力値は『2』同様に固定となり、閃きやすい技にも違いがある他、キャラによっては特殊な能力を持つ者もおり、仲間選択によるプレイの幅が広がった。『1』では仲間選択の幅が狭い上、各能力の成長のしやすさの違いしかなく、素早さの高いキャラが有利というぐらいであった。 相変わらずラストダンジョンに進むと後戻りできないが、一応ラスボス直前でレベル上げはできるし、回復ポイントも用意されているので、LP0による死亡さえなければ詰む事は少ない。 技の極意 技(見切りを含む)をひらめいた後、その技を使用していると戦闘終了時ランダムに「極意」を取得することができる。 極意を習得するとその技はパーティ共有となり、自由に入れ替えができるようになる。また、極意を習得した技を閃くことはなくなる。 見切りの変更点 前作では技データ管理の関係上(*4)全ての技に見切りが存在したが、本作では決まった技のみ見切ることが可能。 また、ひとつで類似する複数の技を回避することが可能な見切りも登場。 通称「達人」システムについて キャラの最大WP・最大JP(*5)の差が一定以上(*6)になっている間はステータス画面で王冠が付き、戦闘では技or術のポイントが多い方の消費コストが1減少する。 技にはこれに加えて「閃きやすくなる」という特典もあり、また「術を一切覚えていない状態」だと閃きやすさは王冠が付いた時と同様となる。 前作では前衛にもひと通り補助術を持たせたほうが良いとされていたが、この達人システムによって技のみのスペシャリストを育てることにもメリットが与えられている。 地相 本作では地系統「蒼龍、朱鳥、白虎、玄武」と天系統「太陽、月、アビス」の7種類(地相なしとラストバトル限定アビス地相も含めれば9種類)の地相(地形効果)がある。 このうち、「蒼龍、朱鳥、白虎、玄武」の地相4種類(ラストバトル限定アビス地相も含めれば5種類)はターン開始時にシンボル(朱鳥なら火、など)が表示されるようになり、現在どの地相なのかがわかりやすくなった。 天系統の「太陽、月、アビス」の地相は表示されない。が、天系統と地系統は共存できるようになっている。同系統の地相は共存できず上書きになる。 「スコール」や「火星の砂」など、使用すれば地相を100%確実に変化させるものも登場。敵の得意地相から変えてしまうことで断然有利になるボスもいる。 「トレード」「マスコンバット」といったミニゲーム 「トレード」の目標は自社を成長させていくことにある。各都市に物件が設定されており、それらを買収することで自社が成長していく。 物件の分類は農業・工業・サービス業・運輸業など様々。ゲーム画面だけではわからないお金や物流の動きが見えてくる。経済面からファンタジー世界を描写するという意味で非常に画期的。 物件の中には 魔王殿まで存在する 。こういう採算の望めない物件は収入がマイナスになっており、単体では全く役に立たないどころか枷でしかない。 トレードに入るには、トレードイベント開始後に各町にいるエージェントと会話をする必要がある。 エージェントは普通の町人であり、話しかけてみないとそうとは分からない。一部には意外な人物がエージェントだったりする。 トレード後には決算画面に移り、トレードに使った金と買収物件からの収支で資金が変動する。この結果、資金が尽きてしまうとゲームオーバーとなり、トレードは行えなくなる。 「買収対象に贈り物をして心象を良くする」などの様々な効果をもたらす「かけひき技」もあり、こちらは買収終了時に閃く。 買収方法は単純。お金を積んで背景のメーターを動かし、相手側を押し切れば買収完了。資本力がモノを言う世界である。 基本的には保有物件から資金を出させ、自社資金は切り札として取っておく形になる。ただし、物件に繰り返し資金を要求すると不満が高まっていき、独立されてしまう危険性がある。 不満は「独立危険度」という名称で色分けされて表示される。初期値や上昇値は物件ごとに異なるが、どれだけ不満を溜めようが1回のトレードごとに初期値に戻る。 特定の物件に資金要請すると「グループ技」を閃くことがある。設定的に繋がりを持つ物件同士、同地域の物件同士、同種目の物件同士など複数の物件から一度に資金を出させるもので、物件ごとに資金要請するよりはるかに高額な資金を提供してくれる。よって強力なグループ技に入る物件を買収していくことが攻略のカギとなる。 当然のことながら、使用すると複数の物件の不満が高まり、まとめて離脱される危険が高まる。独立危険度の初期値や上昇値が高い物件が含まれているグループ技は使いにくくなる。 「マスコンバット」は軍同士による戦争に勝利するのが目的。どの主人公でも遊べるものもあるが、ほとんどはミカエル編限定(*7)。ミニゲームとは思えないほど作り込まれており、ユーザーからは非常に好評。 自軍は右、敵軍は左に陣取り、最大40部隊vs40部隊(1部隊100人なので4000人vs4000人)で互いに戦闘しつつ相手を押しやる。端まで押された部隊は残り体力に関係なく即死する。敵軍を全滅させるか、両軍に敵陣突破者が出ている状態で戦闘終了した時の生き残り数が敵より多ければ勝ちである。 兵士の士気を表わす「モラル」(morale)というパラメーターがあり、高ければ有利となるため、敵軍の攻撃をひたすら防御して敵軍のモラルが下がったところ所で反撃、前列が防御してモラルが温存された後列で攻撃、敵軍が列交代中に自軍は後退してモラル回復、などといった戦術が基本となる。 数多くの陣形・作戦が登場する。取得方法は戦闘後にランダムで覚えるか、施政で開発しておくかの二通り。戦闘後の閃きは通常1つだが、特定の条件を満たすとさらにもう1つ閃く。(*8) 作戦は「攻撃の兵法」と「防御の兵法」に分かれており、合計でどちらの作戦を長く使っていたかによって戦闘後閃くタイプが決まる。使用回数が限られる「奇策の兵法」は戦術開発によってのみ入手できる。 勝ち続けようと思ったらリセットして何度もやり直して、敵の行動を熟知するのが必須になる。初期の陣形と作戦だけで全勝することも可能ではあるが、操作量が多かったりタイミングがシビアだったりと、かなり難しい。そのためミカエル編で挑戦できるマスコンバットの終盤はプレイヤーによっては本編以上に難しく感じられるかも。一方で、著しく強い戦法がいくつもあるため、覚えた作戦次第でかなり簡単になる。 ミカエル編では他に「施政」というイベントも行える。 その名の通り他の国と外交をして国威を上げたり、様々な国内政策を行って産業を発展させたりして彼が治めるロアーヌ国を発展させてゆく。他に武器防具の開発や上記の通りマスコンバットの戦術の開発なども行える。 マスコンバットと施政を無視してもゲームクリアは問題なく可能だが、エンディングの分岐に影響する。 評価点 前作の長所の継承、改良点 前作から引き継いでいるシステムも多い。マップ間の移動・閃きシステム・LP制・陣形・技能レベル制と能力値固定によるキャラの差別化など、システム周りは前作を発展させたものになっている。 「ちゃんと説明通りの効果がある陣形」といったあたりは、前作の問題点がしっかり改善されており、作り込みの高さが窺える。陣形は前作からの引き継ぎが多いが、ターン毎に全員のHPを小回復する「玄武陣」の様な新しいタイプの陣形もある。 「敵のランクは戦闘回数に比例するが、退却すると回数がカウントされない」「敵シンボルの回避がしやすい」「防具の性能がわかりやすい(後述)」「着手したイベントがメニュー画面で確認可能」等も、前作と比べて遊びやすくなった点。 本作では、主人公が画面外から指示を出して戦闘を行うという新たなバトルシステム「コマンダーモード」が追加されている。 本作ではパーティーは最大6人・戦闘には5人参加で1人は控えとなるのだが、主人公を控えにすると戦闘はコマンダーモードとなる。これに対して主人公を控えにしない場合の普通の戦闘形式は「ファイターモード」と呼ばれる。 コマンダーモードでは、キャラごとのコマンド選択が行えない(行動前に戦略を選ぶことによって行動指針は決められる)代わりに、戦闘中に溜まっていく専用のポイントを消費して「陣形技」「合成術」と呼ばれる複数人での技・術を使用できる。陣形ごとに基本陣形技が設定されているが、より強力な陣形技も閃きによって習得できる。戦闘中に陣形を変えることも可能。 陣形技により複数のキャラが同時に攻撃して多大なダメージを弾き出す様は爽快であり、続編で「連携」のアイデアが出るきっかけとなった。 「バックパック」というコマンドが存在。通常は各キャラに装備させないと使用できない傷薬類や攻撃用アイテムを主人公が使用して仲間をフォローする。アイテムストックが許す限り使用することができる。ただし使用したターンは陣形技は使えない。 コマンダーモードではHPと状態異常がターン終了時に自動的に回復する(*9)。 後述する問題はあるものの「与ダメージ効率は落ちるが、パーティーの耐久性は高くなるモード」ともいえる。 トーナメントや術戦車バトルといった、通常のバトルとは違ったルールや条件下でのバトルが多数盛り込まれている。 BGM・グラフィック 伊藤賢治氏作曲のBGMも更に磨きが掛かり、非常に濃厚な音源を多く使っている。特に「四魔貴族バトル1」「同2」「ラストバトル」などは非常に人気が高い。 各主人公に個別にBGMが用意されているという豪華ぶり。粒揃いでどれも名曲として概ね評価が高い。 メタルロック調の「四魔貴族バトル」、ヒーローアニメ番組を思わせる「怪傑ロビンのテーマ」といった、従来のロマサガシリーズBGMとは趣が異なったBGMが多いのも特徴。 グラフィック面で見ても、各キャラの演出等パワーアップしている。特に敵のドットグラフィックはSFCのゲームとは思えないほど。 + 美麗な演出の数々 戦闘のエフェクトも飛躍的に進化。特に複数のキャラで発動する合成技・合成術の演出は息を呑むほどである。威力や性能はいまひとつな技や術も、これらの演出面を目当てに終盤でも練りこんでいる方も多いのではないだろうか? ただ、演出は派手になった分、動きがもっさり気味になり同じ技でも前作よりモーションが遅い。戦闘時のウインドウ切り替えもややテンポが悪く、プレーヤーの賛否が分かれるところだろう。 ゲームバランス サガシリーズの代名詞となっていた大量のバグも、本作では殆ど見受けられない。 一部裏技に近い仕様は存在するが、ゲームが止まる等というものはないので安心してプレイできる。 バグがないわけではないが、前2作と比べると発生条件が厳し目なものが多く、普通にプレイすると仲間加入制限以外は縁がないもしくは気付かないと思われる…が、そうしたものですら、遊び尽くして見つけるファンの執念もまたサガらしさか。 ただし「装備重量」「がめつさ」「増幅レベル(*10)」等、マスクデータは已然として少なくない。 難易度は前2作に比べてかなり下がり、『サガフロ』と共にサガシリーズ初心者にオススメの作品になっている。 前2作は「敵の攻撃一発で即死か瀕死」「全体技でパーティが半壊か全滅」といったかなりの高難易度だったが、本作では全体的に易しめである。 あくまでサガシリーズとしては難易度が低いだけであり、一般的なRPGとしては程よく歯ごたえのある難易度である。 ラスボスに関してはするべき手順を行い弱体化させた通常時では適度な歯ごたえの強さである。後述の強力な補助術を持っていれば有利に戦うことができ、強力技とアイテムによる回復手段に頼った力押しでも何とか勝てるバランスである。 しかしその「するべき手順」を一切せずに挑む完全体と言っても差し支えない、通称「真・ラスボス」は前2作のラスボスに比べても負けず劣らず非常に強い。かなりのレベル上げや最強クラスの技を用意するのは勿論、多彩すぎる強力な攻撃を誰がどう防ぐか・どういうポジションを担わせるかを見据えて緻密に装備品繰りしたり、補助術を的確に利用し陣形のポジショニングにも気を配る…等々、本作の戦闘システムへの知識に深く精通しないと一方的に蹂躙される熾烈なバランスになっている。また、その手順はラストフロアの見落としやすい場所にあるため、気付かず完全体に挑み続けては玉砕するプレイヤーが続出した。 武器格差の調整について 前作で格差が非常に大きかった武器の種別による威力が調節され、どの武器でも攻略しやすいようになっている。特に前作で威力の低さが問題となった小剣・弓は大きくテコ入れされ、終盤まで使用に耐えうるレベルになっている。 前作で特に強かった大剣は威力が抑えられたが、そのために後述の分身技のある片手武器である剣との逆転現象が起きてしまった。武器攻撃力も概ね違いがなく、盾の有用性が上がった本作では、剣は殆ど穴のない優秀武器となっている。ただし最強クラスの剣は個数限定のため全員に行きわたらせる事は難しく、剣だけ使わせていれば他はいらないというようなバランスでもない。 棍棒は武器攻撃力が全系統中最弱で、最強技の威力も最低と大幅に弱体化されている。しかし敵の能力値を下げる技が多い他、能力値上昇やHP回復を行える武器が豊富に揃っている等、威力とは別の強みを得ている。技能レベルが斧と兼用なので、威力を求めるなら斧、補助や命中率重視なら棍棒と使い分けができる。 槍と小剣は技能レベル兼用だが、依存能力値が別々のものを要求されるので使い分けは難しかった。しかし本作では腕力と器用さ両方に優れているキャラも存在し、使い分けは十分に可能となっている。 体術は新たに「投げ技」の概念が増えた。投げ技の威力は能力値に依存せず、腕力や素早さが低いキャラでもそれなりのダメージを出せる。打撃技のように素早さの下がる陣形や重装備で威力ダウンする事もないので使用者を選ばない。ただし命中率に若干難があるほか、投げられない敵もいる。 状態異常について 戦闘中の石化回復が可能になった。 ちなみに『1』では移動時にアイテム使用で回復、『2』では戦闘終了まで復帰は不可能で自動回復となっていた。 防具の性能について(装備画面の大まかな説明) 前作の防具には「斬打突射熱冷雷状8つの防御属性があり、防具毎に各属性防御が細かく設定されているのだが、表示されている数値は斬防御のみ」という結構な問題点があり、これがプレイヤーを大混乱に陥れた。 本作ではそれを踏まえ、8つの防御属性はそのままに、表示数値が物理防御と魔法防御に統一、非常に分かり易くなった。 例えば「物理防御8・魔法防御5」の防具の場合、斬打突射の防御力が8、熱冷雷状の防御力が5という意味である。特定の属性に強いor弱い場合は「×・△・○・◎・☆」の記号で記されており、防具の性能の確認が容易になっている。 ただし記号の説明はない。「×…0、△…半減、○…1.5倍or2倍、◎…3倍、☆…無効」となっており×は弱点になるわけではない。○(1.5倍)と○+(2倍)がゲーム画面上ではどちらも「○」としか表示されないため区別できず、攻略本等を参照しないといけない。 これによって、前作のように防具の性能を見誤ってしまう事は大幅に少なくなった。ごく一部、表示上と実際の防御力とが激しく違うというケース(*11)が存在するが、スタッフの意図的なトラップであろう。 装備重量に関しては数値化されていないが、装備画面上部に「素早さ-装備重量」がゲージで表現されており、そこで確認が可能。 「眠り・気絶」などの状態防御の表示がある一方で、「水・地上・投げ技・音波・凝視」攻撃への属性耐性は全て表示がない。恐らく性能解説欄のスペースの関係かと思われる。 一応、表示がなくてもアイテム名から有する特徴をある程度判断できるもの(*12)もあるが、有用性に気づかない場合がある。 賛否両論点 圧倒的な使い勝手の良さを誇る技の存在 最終的に敵側もかなり強くなるためゲームバランスが崩れるほどでは無いが、各武器のバランスを崩す程度には強力な技が複数存在する。問題点の欄で後述する通り、本作は術が大幅に弱体化されたため完全に「技>術」のバランスになっており、それを嘆くプレイヤーも存在する。 特定の武器種(*13)で使用できる「分身技」 技能レベルが一定数(*14)上がる毎に攻撃回数が増える。各「最強技」とされる特技より消費WPが少なめでありながら、該当の武器レベルを30台まで上げれば同等以上の威力になる。 とりわけ剣技の「分身剣」は攻撃回数の増加ペースが速く、他の分身技より閃きレベルが低く、武器固有技でもないとかなり優秀。加えて「七星剣」という剣は、固有技を使えば(その戦闘中のみだが)攻撃力が60にも上がるため、同技の価値を更に高めている。 もう一つの特徴として、「先に行動した者の能力を参照する」という特徴を持っている。これにより、腕力の低いキャラでも武器レベルを上げれば武器攻撃で大ダメージを与えることができるようになる。 ただし分身技も完璧ではなく、敵の盾防御の影響を極端に受けやすいという一応の弱点はある。 体術技「タイガーブレイク」 「超火力かつ必中」「防御力と盾を無視」「遠距離攻撃」「使用時に腕力・体力が上昇」と長所ばかり。 ただし閃き難度が極めて高く、習得に適した条件を限界まで煮詰めたとしても、僅か2%の確率でしか閃く事ができない。また、体術の「腕力だけでなく素早さもダメージ計算に影響する」という仕様上、使用キャラ・装備・陣形にかなりの制限が掛かる。 「達人」システムについての賛否 王冠(達人)システムの仕様上、物理系キャラクターが技の王冠を維持したければ、術を迂闊に覚えられない。 また、物理系の中でもデフォルトで術を習得済み・JPを一定量持つキャラクターが数人いる。そういったキャラに技王冠を付ける事は困難かほぼ不可能であり、当然そのキャラは他の王冠持ちと比較して技の閃きが鈍くなる。 この仕様のため、怪傑ロビン(術習得済み)は技の閃き確率が低く、元ネタと思しき怪傑ゾロから着想した小剣最強技「ファイナルレター」の閃きがほぼ不可能になっている。彼と同名の偽者については、JP0かつ閃きタイプが小剣型なので問題はない。 逆もまた然り。術王冠の獲得にはWPが0に近い方が良いが、大半の物理系キャラは勿論、一部術士キャラにすら加入時点でWPが存在する。後述する最大JPの伸びづらさ・上げづらさも相まって、術王冠を獲得できる術士向けキャラがかなり限られてしまっている。 術は閃きが無いため術王冠の利点が少ないが、後述するように術は基本術すらJPを1消費するため、これを0にできる事は確かな利点である。(*15)。 とはいえ「技・術の王冠維持」と「技と術の併用」は一長一短であり、王冠獲得の可否や獲得難易度はそのキャラの個性とも言えるため、一概に問題とは言い切れないものがある。 問題点 ストーリーの関係上、ラストバトルにおいての不自由な仕様 + ネタバレ注意 サラ以外が主人公の場合、ラストフロアに行く前に必ずパーティに”少年”というキャラを加入させねばならず、そして少年はラストバトル直前に離脱するため、5人パーティで挑むことになる。 このため、ラストバトルでコマンダーモードを使用すると必ず4人PTとなってしまい大きく弱体化する。また、ファイターモードでも控えメンバーの支援レベルによりダメージを増幅する効果が失われる為、一人抜けることによる戦力ダウンは免れない。 一定の手順を踏めばラストダンジョン突入前に少年を仲間にできる。そして少年含め5人でラストダンジョンに突入していた場合、ラストバトルは強制的に4人での戦闘となる。このためセーブ箇所によってはクリア困難な状況まで追い込まれる場合もある。 またその場合、サラが離脱するタイミングで少年がパーティに加入することになる。 逆にサラが主人公の場合、ラストバトルでサラは強制的にコマンダーモードの控えメンバーとなり、最終ボス戦では必ずコマンダーモードとなる。 サラ主人公時のラストバトルは、陣形技に参加しないキャラに行動が指示可能になるなどファイターモードに近い仕様になり、条件が揃えばサラと少年がラストバトルで使用していた技を自分で選択して使用できるなど、特殊な戦闘になっている。自動回復はないが回復アイテムで支援できる、確率で先制などコマンダーモードの利点も活かせるため、うまく利用できれば他キャラのラストバトルより楽になる。 ちなみにサラ主人公の場合、他の主人公と異なり少年を序盤から加入できるが、ラストダンジョンに入る前の段階で必ず離脱する(当然上記とは逆にサラは離脱しない)。いずれにしても通常の方法でサラと少年をラストバトルに参加させることは不可能であり、初見プレイヤーは混乱すること請け合いである。 余談だが、サラ1人でラストダンジョンに入ると、バグにより通路に障害物が発生して詰んでしまう。(仲間を加えておいてラストダンジョン内でLP0にして殺すことは可能。そうすれば、サラ自身がラスボスと戦うことができる) サラと少年の存在が物語の核心そのものであるために仕方のない部分もあるのだが、これらの仕様に対しての批判は多い。 後述の仲間を外せなくなるバグを意図的に発生させることにより、これらのイベントを回避することが可能。 術の使い勝手の悪さ 術は両手技扱いであり、使用ターンは(魔王の盾以外の)盾防御が発動しない。従って術士というだけで特に物理耐久力が低めとなる。 本作は攻撃術の威力が大幅に弱体化しており、ダメージソースにしにくくなった。回復術も消費JPの低い「生命の水」は素の回復量が低く、逆に回復量の多い術はJPの消費が激しい。 一応、術には魔力を上げると2次関数的に威力が増すという特徴があるので、元々魔力の高いキャラに魔力を底上げする防具を装備させればそれなりに、補助技・補助術で魔力を上げればかなりの威力を発揮できるが(*16)、やはり物理型には及ばず、結局は物理で殴った方が手っ取り早い。 魔王の盾を装備すれば盾回避が可能となり、術法による与ダメージ・HP回復量が25%上昇するという恩恵を得られる。しかし魔王の盾には「WP・JP消費量2倍」というデメリットと、「あらゆる魔法盾と形態変化系の術法が無効化される」という恐ろしく厄介な効果がある。セルフバーニングやダンシングリーフ等は勿論、後述する超強力なリヴァイヴァ・シャドウサーバント・龍神降臨・幻日をも無効化される。 技は極意を習得すれば任意のタイミングで入れ替えできるが、術は封印するとなくなってしまい、使いたくなった時は再度購入する必要がある。そして相反する別系統の術を購入すると、購入前の系統のレベルがリセットされる。 前作では3系統の術の同時所持ができたが、本作では天術(太陽・月)と地術(朱鳥・玄武・蒼龍・白虎)からそれぞれ1系統ずつの2系統しか同時所持できないため、前作と比較してJPが低くなりがち。 術を新たに覚えた時点では最大JPは5である。術レベルがマスターレベルとして共有されていた前作では戦士系が新たに術を覚えたとしても十分なJPを確保できたが、本作ではこの少ないJPで地道にレベルを上げる必要があり、非常に手間がかかる。 今作では「基本術」と呼ばれる、いずれかの術を覚えた際に自動的に習得する攻撃術があるが、それすらも消費JP1なので、JP0の状態では武器のように素振りすらできずレベル上げが不可能になる。そのため1から術士を育成するには、JPが尽きる度に宿に行くかJP回復アイテムの使用がほぼ必須となる(*17)。 デフォルトの玄武術保持者は4人、蒼龍術保持者は3人いるのに対し、朱鳥・白虎術保持者はたった1人しかいない等バランスも悪い。当然他の術を使いたければLv1から上げ直す羽目になる。 さらに玄武術保持者のうち2人、蒼龍術保持者のうち1人は他の術系統に変えることができない。 術士向けのキャラは高い魔力の代わりに素早さが低めなことが多い。素早さと魔力を兼ねた仲間キャラは1人しかおらず、しかも加入時期も遅く使いづらい。 この他に、前作ではボス戦等で効果覿面だった能力値上昇系の補助術/技も、全般的に上昇量が抑えられた上に、ターン経過で増加量が減少するように弱体化された。 術は地相の変化にも利用できるが、本作では一部の技・アイテムでも特定地相に変えられるため、術の専売特許とは言い難い(*18)。 前作とは違って合成術がコマンダーモード専用となっており、それには術士キャラが2~3人必要なためやはり使い勝手は悪い。しかも、よりにもよって「コマンダーモードでは補助術を使わない」という厄介な仕様があり、術のメリットが半分以上奪われてしまう。 なお、後半で習得できる各系統の「最強術」は、(流石に前作よりは性能が抑えられたが)いずれも強力なものが多く、これらの有無で終盤のボス戦の難易度が変わる事も。しかしこの最強術にすら、肝心のラスボス戦で「トータルエクリプスを使われる度に全補助効果が打ち消される」という問題が発生してしまう。 + 最強術の効果 朱鳥術「リヴァイヴァ」は仲間一人にかけておき、HPが0になると一度だけLPを消費せずHP全快で自動復活できるようにする。 玄武術「クイックタイム」は[全JP÷16]ターンの間必ず先制し、かつ使用ターンの敵行動を封じる。強力だが使用後はJPが0になり、連発はできない。 蒼龍術「龍神降臨」は自分の消費WP・JPを0にし、かつHPダメージをLP1で受け止めるようになる。つまりLPが尽きるまでは技・術を使い放題で無敵になれる。 白虎術「超重力」は一人で使う術としては最高の攻撃力を誇る単体攻撃術。物理属性なので陣形の攻撃力上昇効果も得られる。 太陽術「幻日」は様々な攻撃を30.7%の確率で回避する魔法盾を自分に付加する術。無属性攻撃に対しては無効。 月術「シャドウサーバント」は自分の分身を作り出し、二回行動する事であらゆる行動の効果が倍になる術。分身は物理攻撃を受けると身代わりになり消滅する。 極意化について 技の極意を取得していないものに関しては赤字で表示される。封印する前に極意を取得しなければ、再び閃かなければならなくなるため、簡単には消せず技欄を圧迫する。このため技が溜まる前に極意化しておくことが重要になるが…。 極意を取得する確率は 消費WPが多い技ほど低い 。高位の技の極意を取得するために何度も消費WPの多い技を使わされることになる。 補助術「龍神降臨」を使えば消費WP0となり極意を取得しやすくなるが、前述のとおり技の王冠は失うこととなる。ちなみにWP0の技でも極意化できる確率は12%程度で決して高い数値ではない。 一部の装備品には消費WPが2倍になるデメリット効果がついている。これを装備した状態では高消費WPの技の極意が絶対に取得できない。 パリイなどの防御技、カウンターなどの反撃技、および見切りの極意を取得する場合は、その技や見切りを持っているキャラが何度も攻撃を受けなければならず、極意の取得に手間がかかる。 対応する技を持っている敵を探し、実際に使われるまで待たなければならない見切りの極意に至っては、それだけでちょっとしたやりこみの域である。 とはいえ見切りの有無が生存性に直結してくる場面も少なくないので、覚えてしまうと極意を習得するまで消しづらい。通常の技と違って有用性の判断も難しく、消しても構わない見切りかどうか悩みがち。 結果、極意を未修得の見切りが技欄に溜まっていき、ただでもそう多くはない習得枠を圧迫するような事態に陥りやすい。 見切りと比べればはるかにマシだが、防御技や反撃技の極意化もかなりストレスの溜まる作業となる。有用性が低めな防御技はまだしも、反撃技はハマれば強いため切りづらくこれも悩ましい。 この極意システムは不評だったのか本作限りのシステムとなり、『サガフロ』からはひらめいた時点で自由に入れ替えができるようになった。ただしパーティ共有となるかどうかは作品によって違う。 出現しないモンスター 雑魚モンスターにはレベルキャップが設けられており、各系統の最上級モンスターの出現確率が低くなっている(*19)。 データ中には存在するものの正規の手順では遭遇できないモンスター(ザッハーク、トウテツ、蒼天女、ワンダーラスト、ヤマ、スフィンクス、ドラゴンルーラー青)もいる。 ザッハークとトウテツはエンディングで姿だけは見ることができる。トウテツに遭遇するとトウテツパターンという防具が開発可能になるのだが、通常出現しないのでどうやっても開発することはできない。 ヤマ、スフィンクスはそもそもモンスターの出現テーブルに組み込まれておらず、たとえ改造でモンスターレベルの上限を解除しても遭遇できない。スフィンクスは使用してくる技の名前がちぐはぐだったりと、開発中に未完成の状態でボツになったことが窺える。 ドラゴンルーラー青はボス敵としての設定だが、出現イベントがどこにも設定されていない。 後に河津ディレクターは、「制作中には自分も遭った事がある」「バグ修正の間に出なくなったと思われます」と振り返っている。 最高ランク技の修得 上述にあるモンスター出現の弊害を受け、最高ランク技を閃く手段が乏しい。(*20)。 閃き難度の高い技としては大剣技「地ずり残月」、小剣技「ファイナルレター」などが該当する。また、複数入手が難しい武器の固有技「ラウンドスライサー」や「オービットボーラ(*21)」も閃くのが大変。 ゲームクリアに必須ではないとはいえ、技閃きコンプリートを目指すプレイヤーは多く、特定の場所にいる高ランクモンスターが出現しやすい固定シンボル(*22)相手に延々と戦闘を繰り返し、最強技を閃くという作業感の強いプレイになってしまう。 技の閃きに関わるモンスターレベル自体がマスクデータのため、たとえモンスターが強いからといって閃くかどうかの目安がわからない。 発売当時はネット環境も普及しておらず、そうしたモンスターの情報についてもなかなか広まらなかったため、通常プレイでは技の存在こそ知りつつも全く修得ができずにエンディングを迎え、そこで初めて技のグラフィックを見るプレイヤーもいた。 ストーリー・シナリオ 主人公を「四魔貴族打倒」という大目的へ至らせる動機付けが弱い。 四魔貴族の存在自体は世界の危機であるが、それが表立って描かれる事が少なく、四魔貴族の打倒やアビスゲートを閉じる事を目標とする主人公も居ない。シナリオ面でも四魔貴族打倒に乗り出すまでの経緯付けも乏しい。その為、フォルネウスや王家の指輪の入手を筆頭に、四魔貴族の打倒に乗り出すイベントでの展開や主人公の台詞に唐突さが散見される。 + 折りたたみ 魔龍公ビューネイについては、棲家であるタフターン山から魔物の軍勢が麓のロアーヌ侯国を襲撃。ロアーヌ侯国の軍隊がタフターン山に棲む魔物の軍勢を追い払う隙にビューネイの巣へ突入する勇士たちを募集しているのを酒場の噂で主人公が聞いて参加するという、ロアーヌ侯国出身である(もしくは傭兵である)主人公たち自身が少人数で世界の誰もが知る伝説の魔物を倒すことになる流れがちゃんとある。ミカエルが主人公ならロアーヌを襲撃しようとするビューネイ配下の魔物の軍勢とのマスコンまである。 魔海侯フォルネウスについても、配下の魔物を使って300年前に因縁ある都市国家バンガードを襲撃。襲撃に居合わせた主人公が300年前に使われた設備の起動を市長に協力する流れにはなっている。そのまま流れで自分たち1~6人だけで敵本拠地に乗り込む必然性は特にないが。 残り2体は表立った行動は特に何もしていない。 300年前に四魔貴族を倒した聖王の姉の子孫である聖王家が四魔貴族を倒してアビスゲートを閉じる勇士を求めていて、突破すればOPデモにも登場している世界中の誰もが知ってるレベルの伝説の防具を貰える試練を開催していたり、主人公をふさわしい人物と見込んで同じくOPデモにも登場している装備の1つであり魔戦士公アラケスの所まで行くのに必須なカギでもある「王家の指輪」を託してきたりといったイベントはある。一応これにより、伝説の装備とともに使命を託されたと見れる状況にはなっている。 最終的に、全てのアビスゲートを閉じた後にアビスに向かうことになるのだが、何故か唐突に5つ目が存在したことになる。 リマスター版にて、このゲートの正体が少し明かされた。曰く、魔王が四魔貴族を迎えに行くために開いたという。 実際強制的に行くのではないため、プレイヤーが「倒そう」と考えて行くという意味なのかもしれない。 特にミカエルは城から単身で旅に出させる理由もなくて困ってしまい、影武者を置いて旅立つのすらプレイヤー任せにしてしまったとディレクターの河津秋敏氏が語っている。(*23) 本作に限った話ではないが、ゲーム中で説明されない設定が多く、雑誌や攻略本で前知識を得ていないと唐突に思える展開が多い(シャールと銀の手、魔王殿の扉など)。各々のイベントの会話や描写も必要最低限でかなり淡白。そのくせオープニングイベントだけはやたら力の入ったテキスト量となっており竜頭蛇尾のアンバランスさを醸し出している。 8人も主人公がいるのに、誰を選んでも中盤以降の展開はほぼ同じになってしまう。イベントで主人公ごとに展開や会話が変わるような事も少ない。エンディングもほぼ同じである。 さらに8人もいながら、4人は同じ村の開拓者で、3人はその村を統治する侯国関係者、と非常に狭い範囲に収まってしまっている。流れ者の残りの一人もオープニングイベントで合流するため序盤からの差異もほとんどない。(*24) そのため周回プレイをするメリットが薄くなってしまっている。主人公も「専用イベントが多く開発で優遇されるミカエル」「腕力が高く専用のダンジョンで強いアイテムが手に入るハリード」「素早さが高く他の主人公では仲間にできないカタリナ」などメリットの多いキャラクターを選びがちになる。 仲間キャラクター数に上限がある 仲間キャラクターはパラメータ情報を記憶するメモリ領域の都合で加入させられる人数に上限があり、全員を仲間にできない。 その為、何も考えずに色々なキャラを加入させていると、加入が遅めのキャラは上限に引っかかって加入できない、といった事態に陥りやすい。 話しかけるだけで勝手に加入してくる詩人、いろいろな街に出現し向こうから話しかけては勝手に加入してくる家出娘の二人には特に注意しなくてはならない。さらにこの二人は仲間から外すのにも条件があり厄介。 仲間にできる最大人数は初期カウントの主人公8人を含め26人であるが、細かい条件があるためたいていはそれ未満になる。やり方次第では27人以上加入させることができるが、仲間を外せなくなるバグが起こる。 外せないキャラクター 前述の通り詩人、家出娘、ハーマンは条件を満たさないとパーティーから外せず、初見プレイヤーほどハマりやすい。 家出娘はリブロフに行けば外れてくれるため被害は少ない。が、フォルネウス戦に連れていき勝利すると外せるようになるハーマン(ブラック)はヒントが一切なく不親切。更に詩人は四魔貴族のいずれかを撃破した直後しか外せないという推測困難な条件により、下手をするとラストバトルまで連れていく羽目になる。 故意にLP0に減らしての消滅は可能。だが、LP0になったキャラはアビスゲートを閉じると復活するという情報もまたヒントがないため、完全に消滅すると誤解して謀殺をためらうプレイヤーも多い。 詩人は各地のPUBで四魔貴族の背景を詩ってくれるが、この仕様により他の詩を聞く機会が失われてしまう。ただでさえ説明不足のストーリーを更にわかりにくくしている。 武器・防具の開発欄について 武具開発の際、防具は武器と比べて素材が必要なものが多いため、開発欄を圧迫しやすい。 そのうえ敵からのドロップでしか入手できない素材が4つもあるため、武器開発に職人を多く割り振ってしまったり(後からの変更は不可能)開発条件のフラグを早期に立ててしまう(特殊攻撃を敵から受けるなど)と、長期間開発が滞ってしまう。(*25) 「死のかけら」に至っては、1つしか手に入らないのに武器と防具の両方で必要となるため、必然的に武器か防具の二者択一になってしまう。当然、選ばなかったほうの武具は開発欄に残り続けることになる(*26) 最強クラスの武具が開発できる「竜鱗」は3つしか手に入らないが、要求される武具は「竜鱗の剣」「竜鱗の盾」「竜鱗の鎧」の3種類。剣・盾・鎧を一つずつ開発すれば開発欄には残らなくなるが、どれかを二つ以上入手するならば開発欄に残るものが出てくる。非売品素材の中には他にもこうしたものがある。 上記の武具のうち「竜鱗の盾」は、開発しても店頭に並ばない不具合がある(*27)ため、原則一つしか入手できない。 ミカエルが主人公の場合に限り、施政コマンドで材料を使わず開発できる(ただしお金がかかる)ので問題にならない。しかも玉座で受け取れば(ピドナで開発しても)2個貰える(*28)。 トレードのエージェントが街中の一般市民と兼用 このため、イベントのトリガーになっている人物がエージェント化すると、トレードを終了させない限りイベントを進められなくなってしまう。 逆にエージェントになっている人物がイベント進行により仕事をしなくなるパターンも1か所存在し、イベントを進めてしまうとその場所でのトレードはできなくなってしまう。 このエージェントの取り扱い物件には、ほぼ確実にトレードのクリア条件の対象に加わる物件があり、イベント進行前に買収できないとクリア不可能になる。また、強力なグループ技と関連する物件も多数含まれている為、非常に厄介。 さらにカタリナが主人公の場合、このイベントを進めなければ入れない別の町があり、計画的に買収していかなければ詰まる恐れがある。 所持金の上限が1万オーラムまでと少ない 上限まで金を持っていると敵から金を入手できなくなるという『1』の問題点が復活している上に、施設で代金を払う以外に所持金を減らす手段が無い。 宝箱やアイテム売却で入手した金額に関しては、『1』と違い超過分が自動で銀行に預けられようになっている。しかし合計でいくら預けているのかは確認できず、引き出す金額も指定できない。 店売り品の最高額は9999オーラムであり、それらの高額商品を複数買おうと思うと面倒。 ミカエルが主人公のときは銀行が使用できず、上限を超過した分は国庫に送られる。国庫からは金を引き出すことができないため、宝箱やイベントで入手した金が無駄になりやすく、買い物の時もいちいち換金用アイテムを用意する必要がある。また、国庫に金を送ったところで、施政に使う金は数万・数十万オーラムと桁違いのため、そこいらで入手できる程度の金額ではまるで意味がない(*29) 最終的にはアイテムドロップ狙いや資金の多い敵を倒すことで、金の問題は解決できるようになるため、ある程度無駄にしても大丈夫ではある。 コマンダーモードの設定ミスや不親切な仕様 2~5人で同時に繰り出す陣形技・合成術など新要素が加わったが、ダメージの最大値は前作同様9999。このため、2~3人技はともかく、終盤は4~5人技を出すよりも1人1人が各最強技を使った方が強い。 主人公は戦闘に参加しないため、HPしか成長しない。ずっとコマンダーモードで通そうとすると、主人公が弱いままになってしまう。 イベントの都合上、ラストまで弱いままでも問題ない主人公はサラだけである。コマンダーモードメインで進めるのならば、主人公は実質的にサラ一択となる。 陣形技に参加しないキャラが取る行動は各キャラ毎に設定されているが、その説明が一切ない。 この設定がチグハグなキャラもいる。術を覚えていないのに術師タイプなので術を覚えさせないと防御しかしない、腕力が低く魔力が高い術師キャラなのに戦士タイプで術を使おうとしないなど。 レオニードは戦略で「威力攻撃」を指定していなくても勝手に固有のアビス術を使用して個人WPを消費していってしまう。さらに敵の耐性を考えず、効かない相手であってもおかまいなしに使用するなど非常に扱いにくいキャラになってしまっている。 技・術のどちらも使う術戦士タイプのキャラもいるが、どちらを使うかを指定することはできない。極意を取るために技を使ってほしくても術を使用することもあるし、ボス戦で強力な技を使ってほしくても低威力の術を使うこともあるなど、行動がとにかく安定せず使いづらい。 戦士タイプでも合成術に組み込めば術を育てていくことは可能なので、相対的に術戦士タイプの価値は低くなる(*30)。 武器攻撃する場合は武器欄の一番上に装備した武器を使って攻撃するのだが、ハリードは曲刀しか装備できないため、強力な曲刀が手に入らない中盤以降は攻撃力不足になってしまう。武器を外せば体術を使ってくれるので実用的になるが、そうすると陣形技に参加できなくなる。 戦略で「威力攻撃」を指定すると各個人が習得している技や高位の術を使用するが、回避技・反撃技・回復技などは使用できず、閃く事もない。 能力上昇技やダメージを与えない即死技などは閃くが、通常使用しないため極意の習得が困難。 威力攻撃で使用する技は武器固有技も含まれている(*31)。「デミルーン」や「トライシューター」など低い威力の固有技を持つ武器を装備させた場合、強力な技を使ってほしくても固有技が暴発してしまい、与えるダメージが安定しなくなる。 合成術(スペルフュージョン)は術系統の組み合わせによって違うものが発動するのだが、本来は術師2人×術系統2種類の4種類使えるはずなのに、実際は2種類しか使えない。 使えるのは術レベルが高いものが優先される。このため術のレベルが逆転すると使えるものも変わってしまう。 反撃技の「ワームホール」「スペルディフレクト」はどうやっても発動しない。 合成術奥義は特定の術を覚えている参加者を特定の陣形の位置に配置する必要があるが、参加キャラの位置が入れ替わっていても使える。この説明がないため「太陽術師を最前列に置かないと使えない」などと勘違いしやすい。 戦闘不能者が出た場合、次のターン開始時にHP1で復活するのだが、そのターン中は陣形の狙われやすさや自動防御効果が失われてしまう。全員生存でターン終了を迎えない限り、この状態がずっと続く。 瀕死状態のキャラはなぜか戦略で「防御体勢」を指示しても従わずに通常攻撃をする。せっかく傷薬でHPを回復したのに大ダメージを受けてまた戦闘不能になるという事態になりやすい。 陣形技を出すキャラの組み合わせが「同性」「異性」「全員男性」「全員人外キャラ」などの条件で確定クリティカルを出せるはずだったが、バグにより「同性」しか機能していない。 陣形技・合成術の攻撃属性はそれぞれに設定されているが、「参加するキャラのうち最後尾にいるキャラの攻撃属性で上書きされる」というバグがある。 地震技なのに射属性だったり、どう見ても熱攻撃なのに斬属性だったりする。敵によってはダメージを大幅に軽減されてしまう事も。 弓の陣形技は全て「槍・小剣」の技能レベルを参照するというバグがある。 弓専門キャラで弓の陣形技を使うと威力が低くて使い物にならないというおかしなことになる。 その他、細かな点 前作までは武器レベル・技能レベルが上昇すると最大WP・JPも自動的に上昇したが、本作では戦闘終了後に成長していく形に変更になった。成長するかどうかはランダム(*32)、上がったとしても1ずつと上昇ペースがかなり遅い。 中盤以降に仲間になる技能レベルが全部0のキャラ(当然WP・JPも0)などもいて、成長させるには相当な回数の戦闘をこなさなければならない。成長するまではパーティーのお荷物である。 洞窟系のダンジョンでは、次のフロアに移動するための「横穴」が見付けづらいグラフィックになっている。 前作同様、エリアマップにアイコンが表示されない場所がいくつか存在する。従って、行けるようになっても気付きづらい。 プログラムの不備 一部のエンディングで、キャラクターの名前を表示し間違えている。 ミカエルの玉座コマンドで「情報操作L5」という作戦を開発できるが、実際に使う事はできない。 マスコンバットの作戦の「後列前進」は設定ミスで異様に攻撃力が高くなってしまっている。 総評 細かな不満点や未完成な点こそ多いものの、演出・ゲーム性・グラフィック・BGMとあらゆる点で大きく進化した作品であり、サガシリーズ最高傑作という声も多い。 その一方で未完成な部分がプレイヤーをもやもやさせたのは確かであり、『ミンサガ』の件もあって特にリメイクが望まれている。 また、電撃オンラインのリメイクして欲しいゲームランキングで3位にランクインした。 余談 とある町でのイベントについて ゲーム中に起こるキドラントの町のイベントは、不快なイベントとしてよく挙げられる。 簡潔にまとめると、町の近くの洞窟の魔物退治を町長から依頼され洞窟に入るのだが、ここで(魔物に苦戦する、忘れ物などの事情で)魔物を倒す前に入り口に戻ってみると、なんと町長に入口を塞がれてしまう。憤る主人公に対し「魔物を倒したら開けてやる」と無情極まりない返答。つまりは、主人公達を魔物の生贄にする気満々だったのである。そしてその後、進行によっては別の人間(しかも同じ町の住民)をも犠牲にしようとする。全てが解決した後、任意で町長宅を尋ねて町長に話しかけた際の台詞「私が町長です。」はあまりにも有名。 あたかも最初からイベントなどなかったかのような台詞に、更なる展開を期待したプレイヤーは悉く面食らった事だろう。その後どんなにシナリオを進めようと、町長はこの一言しか発さない。該当シナリオを最後まで描ききっている『ドラクエVII』や『WA』とはまた違う後味の悪さである。 この結末については様々な憶測を呼んだ。プログラムミス説、イベントがカットされた説、はたまた”アルジャーノンに花束を”の物語にかけた…など様々な説が出されたが、発売から20年後にしてシナリオ担当の河津氏より回答が出された(*33)。簡単に言うと 仕様 のようだ。 ちなみにこの町長は、なぜかトレードのエージェントも務める。その意味でも記憶に残りやすいキャラである。 また、ブラウザゲーム『インペリアル サガ』内のシナリオ『キドラントの魔物を倒せ!』ではこのイベントが再現されている。 ボツ要素 データ中には「魔王の玄室」「エデッサ要塞」「東海」等の没マップが存在するが、どうやら当初想定されていたイベントが幾つか未完成に終わったものと見られる。 本作のストーリーに関しては、何かイベントがありそうなのに、結局特に何も用意されていない地形やキャラクターが見られる(水晶の廃墟やルートヴィッヒなど)。魔王の消息など最後までわからない謎の部分も多いが、こういった未消化な部分に関係したマップだったのだろうか。 特に水晶の廃墟は汎用グラではなく美麗かつ神秘的な専用グラフィックで作られており、かなり広めなマップである。モンスターに囲まれた女性(に擬態したモンスター)や、ここでしか出現しない龍がうろついているフロアなど、イベントを作ろうとした形跡も多くあるだけに残念。 ミニゲームのトレードにもボツ物件が存在する。なかには海賊による人攫いが横行していたと語られる地域で「奴隷」を扱う「アケ移民あっせん所」や、怪傑ロビンのイベントでも描かれた「麻薬」を扱う「ヤーマスドラッグ」なんて危ないネタがあったり…。 同じくミニゲームのマスコンバットにもボツ陣形・軍団がある。夜戦のシチュエーションや、ドラゴンの騎兵や象など特殊なユニットも作られていた。 バグ・裏技 これまでに挙げたもの以外にも、仕様の穴のようなものからおかしな挙動まで多彩なバグ・裏技がある。 二度と仲間にできないキャラに持たせたまま別れても問題ないようにする為か、ゲーム進行に必須な「王家の指輪」と「イルカ像」は別れたキャラが装備していても店で買えるようになっており、増殖が可能。特に王家の指輪は防具としても優秀なので有用。 また王家の指輪は買い戻し価格も安いため、何度も売って買い戻せば手軽に金を稼げる。 金稼ぎのほうは裏技として設定されたものと思われるが、増殖のバグまでリマスター版でも残されている。あるいはこの増殖法は修正を加えるのが難しかったのかもしれない。 七星剣という武器が一時的に強化版に変化する固有技を閃いた際、2本に増殖可能。しかも1本は強化版の状態で入手できるため1ターンかけて強化版に変化させる必要がない。 全属性に対して100%発動して反撃する魔法盾が発生する装備を付けた状態で、攻撃を防ぐ効果の魔法盾の術を使うと上書きされる。しかしさらに魔法盾以外の補助術をかけると反撃の魔法盾が復活して2種類が共存、攻撃を防ぐ魔法盾が全属性に対して100%発動する形になる。 全滅してもゲームオーバーにならない戦闘で、主人公がLP0になると同時に全滅すると主人公が離脱してしまい、2人目が主人公に代わって固定の先頭キャラになる。移動グラフィックだけでなくBGMまで変わる。また、敵味方にダメージを与える術や毒で主人公をLP0にしつつ勝利した場合も同様に主人公が離脱する。 全滅してもゲームオーバーにならない戦闘で主人公だけでなく全員一度にLP0にして全員離脱したおかしな状態を起点として、戦闘を強制終了できるようになったり、デバッグルームに行ったり、敵専用の技を覚えたり、武器を防具欄に装備したり、倉庫に敵専用防具や没アイテムを発生させたりと、様々な現象を起こせる。ただしデータがメチャクチャな状態なので手順を踏んでうまく制御しないとちょっとしたことでフリーズする。 同じキャラが加入する増殖現象がいくつかある。なお追加された側のキャラの装備は初期装備品になる(後期版ROMでは一部修正)。 ターンの最後に発動する追加効果がある技や術だとポイントを2回消費してしまう(後期版ROMでは修正)。 2回消費バグの有利になる活用法もある。コマンダーモードの合成術「光の壁」で2回消費により0以下にオーバーフローして陣形技ポイントを最大値まで溜めることができる。 仲間のデータを記録する余裕がセーブデータにパーティ6人分+パーティ外21人分しかなく、加入制限以外にもいろいろ起こる。 仲間が離脱しなくなる不離脱現象。活用すれば最終決戦も6人好きなメンバーで挑むことなども可能。 パーティ外の領域が残り少なくなると仲間と別れてセーブ&ロード時に、パーティ外キャラが再加入時に成長するのに使われる値を失わせることができる。それを利用して外して再加入させるだけで0からの成長という扱いで急激なレベルアップを遂げさせられる。 術レベルがパーティー外成長するキャラは別系統の術を覚えさせておくことで、3系統や4系統の術を覚えることも可能になる。ただし術レベルは地1種類・天1種類しか保存されないので他の術系統はレベル0になる。 攻略本について 攻略本(出版 NTT出版 編集 エーワンオフィス)に例によって大嘘ばかり書かれている。 メーカー資料に依る物なので、上記にある通り設定ミスによって遭遇不可能になってしまっているモンスターもそのまま掲載されている。 下記ムックも同様だが、主人公8人以外の仲間キャラは得意武器記述がほとんど間違っている。 これはそのキャラの初期装備と内部得意武器が違いすぎるせいもあると思われる(例えば詩人は棍棒、ポールは弓を初期装備に持ち得意武器とされているが、実際はほとんど適性がない)。 装備品耐性の説明に騙された人も多い。そもそも耐性が表記されていないものもある。 誤植「ゼラチナマスター」→正しくは「ゼラチナスマター」である。ゼラチナス(=ゼラチン状)なマター(=物質)ということ。響きのせいもあってか前作2でも間違えた人が多数との噂。 『練磨の書』という攻略と設定資料&ネタが半々なムック(ファミ通編集)が存在するが、絶版により現在入手することは非常に難しい。 没イベントや没敵、ゲーム中の国家情勢、果ては「1オーラム(本作のお金の単位)が現実にいくらなのか、を傷薬で計算するとなんと5,000円になる」等、ファンには楽しい一品。開発スタッフによるものも多数。そのため復刊ドットコムでは9年経った現在でも復刊のリクエストが絶えない。 しかしこの本もまたデタラメがいくつも載っていたりして…。(当時のファミ通で一部のミスの謝罪&訂正があったりもした) スクウェアからゲーム雑誌や攻略本編集プロダクションに提供された資料では、体術技の解説文だけやたら詳しく書かれていたという。 そのため上記の『練磨の書』では体術の実演が行なわれた。 当時のスクウェアはプロレスに塗れていた。時田氏いわく「一部のスクウェアプロレス部の連中のせいですよ、サガも聖剣もだいたい同じ連中のせいです」とのこと。参考(56分頃) 1997年にデジキューブから発売されたシリーズ3作を扱った書籍『ロマンシング サ・ガ 大全集』に、初出な設定や年表などが掲載された。 聖王は「フルブライト将軍の養子でメッサーナ王国を含んだ諸国を束ねるゆるやかな帝政の聖王国の王」という設定が書かれてるのに、アウレリウスという人物の項には「聖王でありパウエルの養子でメッサーナ王」と書かれているなど、整合性の怪しい部分もある。 その他 術の名称に使われている「四神」や、各キャラにある宿星の「五星」、一部の仲間キャラなど、中華的な要素を多く取り入れた作品でもある。 もっとも、四神に関してはGBサガシリーズにて(一部名前は違うが)登場しているのでセルフオマージュだろう。 攻略本によると、「四聖獣の術」はアビス由来の術を取り入れて作られたもので、魔王時代の東方の人々は「陰陽術」(月術と太陽術)で対抗した背景設定がある。 また河津氏によると、アビスの力は四大属性(火水風地)であり地上の力は五行属性という設定とのこと。 ソーシャルゲーム『エンペラーズ サガ』で「ロマンシング サ・ガ3 ZERO」というイベントが行われた。 聖王アウレリウス(女性)が巨龍ドーラと共に四魔貴族ビューネイを討伐するシナリオ。オトマン(片腕を失い聖王遺物「銀の手」を使用していた)やソープといった本作の設定には影も形もない聖王の仲間も登場して、未出の聖王12将メンバーかとファンが反応した。 その後、イラストレーターの小林氏のブログにイラストと河津氏による聖王12将としての設定が掲載された。 『インペリアルサガ』で初代ロアーヌ侯妃ヒルダも聖王十二将だったことが確定し、未出の十二将は残り4人になっている。 ソーシャルゲーム『ロマンシング サガ リ・ユニバース』は本作300年後の次の死食が舞台となっており、そこに過去や別世界から歴代シリーズキャラが召喚される形となっている。 上記エンサガやインサガ設定も引き継いでおり、配信1年半後のハーフアニバーサリーにて聖王やそれに続くキャラもシナリオと共に追加された。 当時の任天堂の過酷な出荷体制のせいか過剰に入荷され、ソフマップでは大量の新品が100円で長期間販売されていた。そのためワゴンセールの話で名前が挙げられる事があるが、ゲームの内容は上記の通り前2作に負けてはいない。 とはいえ、出荷本数130万本に対し実売67万本と、ほぼ半数が売れ残る結果となった。10,000円オーバーの商品60万本分の被害は各小売店が請け負うこととなり、アフターケアなども行われなかった。そのため小売関係者からは蛇蝎のごとく嫌われている。 当時スクウェアとファミ通グループ共同で「『ロマンシング サ・ガ3』やりこみ大賞」という企画が行われた。 大賞受賞作は「セレクトボタンを押さずにクリアー」というもの(ロマサガ3はセレクトがメニューボタンなので、セーブや装備・陣形の変更などが一切行えない)。 『星をみるひと』のクリアが紹介されたのがこの企画である。 「ポカポカ」「ぬれてにあわ ぬれてにあわ」「ふる~いうた~」「お前の母ちゃんデ~ベソ~」「始め~い」など、サガシリーズ独特の特徴的なテキストは本作でも見られる。 2011年に吉本興業所属のピン芸人・佐久間一行氏が、ピン芸人専門の大会であるR-1ぐらんぷりにおいて、本作のステージ「最果ての島」のBGMを全編に渡って使用したコント「井戸のお化け」を披露し、見事優勝を果たしている。氏の代表作でありバラエティ番組でも頻繁に披露されているため、ゲームをプレイした事がなくても「井戸のお化けが歌っていた曲」といえばピンと来る人も多いのでは。 スクエニ公認でドラゴンクエストをモチーフ(パロディ)とした深夜ドラマ『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』に出演した際も上記のキャラで登場したため、「ドラクエの世界観でロマサガのBGMが流れる」というなんともシュールな映像が流れていた。 2014年8月20日にサントラリマスターが発売された。 2017年春に演劇舞台化された。 開発当時からあったものの未公表だった裏設定なども盛り込まれ、主人公8人全員が活躍する構成になっている。 シノンの全員が宿命の子について知っていて、宿命の子を狙ったモンスター襲撃もたびたびあり村をあげて守り続けてきたという形で、ロアーヌを狙うビューネイ以外についても四魔貴族を討伐しなければならない直接的な動機がシノン組主人公4人に付けられている。 なおストーリー進行としてはアビスゲートを4つ閉じて宿命の子を救うため旅立つところまでで、東方や第五のアビスゲート・四魔貴族本体・ラスボスなどのゲーム終盤展開は含んでいない俺たちの戦いはこれからだEND。 グゥエインに乗った空中戦描写用にリマスター版開発開始前から舞台版のため早期に用意されていた動くビューネイの戦闘グラフィックは、2018年12月にサービス開始したソシャゲ『ロマンシングサガ リユニバース』でオープニングイベントに使われることになった。 参考:リマスター版 2019年11月11日にリマスター版が発売。当初はiOS/Android/PSVのみの予定だったが、PS4/Switch/One/Windows(*34)でも販売された。 ちなみに「リマスター」と謳ってはいるものの、実は原作に可能な限り"似せて"作り直した新作・別物である。 特徴・評価点(リマスター版) NEW GAME+、通称「強くてニューゲーム」(以下強ニュー)が導入され、セーブデータの内容を一部引き継いでNEW GAMEが可能になった。引き継ぎ対象は各キャラクターのWP、JP、武器レベル、覚えた技、術、極意、入手したアイテム(イベント用を除く)など。 HPを引き継がないのがポイント。そのため単純にごり押しプレイができるわけではない。 竜槍スマウグ、水鏡の盾等も複数所持が(比較的)容易になり、レアアイテムをドロップするまで粘る行為の重要度が増している。 新規追加要素である「暗闇の迷宮」では主人公キャラ数人の過去の出来事を描くイベントがある。 主にストーリー面で未完成・描写不足だった部分の補完が期待されたが、良くも悪くもSFC版とほぼ変わりなく、大幅な変更はない。とはいえ、少年・家出娘・ルートヴィッヒ等、謎が多かった一部のキャラクターには「暗闇の迷宮」にてイベントが追加されている。 また、同ダンジョンにはSFC版で遭遇不可能もしくは困難だったレアモンスターも登場し、トリトーン以外はボスに据えられている。特にヤマは通常ラスボスを超えるほどに強化されて登場している(*35)。ただしドラゴンルーラー(青)だけは依然として没のまま。 戦闘面にも僅かながら変更点があり、「即死限定技でも敵がアイテムをドロップする」「ファイアウォールの効果が熱冷属性を含む攻撃を回避に変更」「ラウンドスライサーが盾防御されない」「術法の威力が全体的に上方修正」「魔王の盾の術増幅効果が他装備の同効果と重複する」あたりは比較的有効度が高い。 「暗闇の迷宮」以外は大きな変更点は無いが、五つ目のアビスゲートに関する下り等に僅かながら追加イベントがある。また、「キドラントの魔物」解決後にちょっとしたおまけが追加された他、バンガード殺人事件での出血描写の削除といった細かい変更点も。 SFC版では全く意味が無かった黄京城でのマスコンバットも、稼げた時間に応じて城内の宝箱を守る敵シンボルが無くなり、戦闘なしで宝箱を回収できるようになるという実利が生まれた。 「死のかけら」はSFC版では一つまでしか取れなかったが、リマスター版では暗闇の迷宮クリアでもう一つ入手できるできるようになった。また、SFC版では死のかけらを入手すると、成長や技の習得に役立つモンスター「アスラ」と戦えなくなる(*36)デメリットがあったが、本作では暗闇の迷宮で戦えるという改善が行われている。 問題点(リマスター版) 『2』では強力な武器・キャラクター・陣形が追加されていたが、本作ではそれらの追加は一切なし。例えば『2』では主に攻撃力が弱い武器系統に追加されていたが、本作にはそれがなく、術以外の威力の調整も行われていない。防具・アイテムはアクセサリー4つの追加(*37)と「死の欠片」が1つ多く入手できるだけで、それ以外の防具の追加は一切ない。 SFC版の不具合は概ね修正されたが、様々なリマスター版独自の不具合が発生している。 「強ニュー強化法」「盾に関する多数の不具合(*38)」「最終ボス戦で味方が味方にギャラクシィをぶちかます」「強ニューでブラックの能力値がハーマンに引き継がれない(*39)」「分身剣のエフェクト第3段階がLv32からになっている」「透明状態でも敵に狙われる」等。特に「銀の手」による二刀流は不具合がかなり多い他、サラコマンダーモードに至っては不具合の宝庫である。 逆に主人公交代や仲間を外せなくなるバグが修正されたため、好きなメンバーでラストイベントに挑むテクニックができなくなってしまった。バグなので修正は当然とはいえ、プレイスタイルの幅が狭まってしまっているのは残念。 UI面がSFC版より一部劣化している 持ち物欄で一度に表示されるアイテムがSFC版では8スロットあったのに対してリマスター版では4スロットだけになった。さらに持ち物が一杯になったときにSFC版では満という表示が右上に出ていたがリマスター版では無くなったことで持ち物欄の空きが確認しづらくなってしまった。前者はSFC版より細かい説明を画面下に表示しながらタップ操作で選択する必要のあるスマホ版準拠のUIを全プラットフォームに流用した結果と思われるが、後者に関しては単に機能をつけ忘れただけとしか考えられない。今作には一部イベントや戦闘で持ち物欄に空きがないと取り逃してしまう貴重なアイテムが複数ある(*40)ため、ただ不便というだけでは済まない改悪点である。 SFC版にあった「攻撃力」「防御力」「装備重量を含めた素早さ」を可視化したゲージは、本作では削除されている。前者2つはともかく、後者に関しては行動速度や体術の威力を測る指針になっていたため、各武器防具の重量が表示されるようになったとはいえ消していいシステムではなかったのだが…。また、竜鱗の鎧や宵闇のローブ等の「他と違って防御力ボーナスが確認できない防具」は、依然として本作でも確認できないまま。 戦闘面ではこちらが不利になるような調整・変更点もあり、特に「徐々に石化が術法やナースヒールで解除できない」「火炎・ヒートウェイヴで素早さ-5」「冷気・メガサクションで全能力-2」「スペキュレイションの斬打突ボーナスが術法に反映されない」「シャール(銀の手)の閃きタイプが変化し固有技以外ろくに閃かなくなる」等はかなりの逆風となる。先述したファイアウォールの変更も、どちらかと言えばこちらに対して不利な調整と言える。 セルフバーニングは、「熱属性攻撃を受けると魔法盾が解除される(*41)」という意味不明な改悪が施されてしまった。 加えてセルフバーニングとリヴァイヴァには、「効果発動時に使用JPと同じ量のJPを消費する」という不具合が存在している。おまけにリヴァイヴァには効果の発動時に朱鳥術の成長判定が行われるという更なる不具合があり、これによって「物理キャラのJPが成長して王冠が失われる」という厄介な事態になりかねない。一方で、リヴァイヴァバグを応用してエアスラッシュ+蒼龍術・白虎術・玄武術の4系統同時習得(もしくは蒼龍術を諦めて朱鳥術を含む3系統習得)も可能になっている。 通常戦闘はまだしもマスコンバットは完全な改悪であり、敵と接触した際に若干こちらが不利で負けやすくなっている。特に指示メニュー表示のレスポンスの遅さはかなりの痛手となる。素早い指示が出しにくくなっており、上記の問題も相まって強力な陣形・指示・戦術とその組み合わせへの依存が高まってしまった。 技・術のエフェクトは概ね綺麗になったが、一部の効果音やそのタイミングが無印版と異なっていたり(*42)、ショットウェイヴのエフェクトが無印版より地味になっていたり、細かなところで気になる点も。「熒惑」を「螢惑」と誤表記するなどのミスもある。 一部のマップで特定の技を使うと激しい処理落ちが発生して動きがスローになる。技のエフェクトに加えて背景が常にアニメーションで動いているためだろうか。 トレードにおいてはSFC版で資金額が高かった重工業系よりも軽工業・農業・食品系の成長率が高くなっており、進めていくと有力なグループ技もSFC版とは様変わりするようになっている。流石にイメージ的におかしいので設定ミスと思われる。 特定のグループ技を閃かなければ買収リストに登場しない物件が存在し、これがアビスリーグに加入してしまうと買収することもできず手詰まりになってしまう。情報なしで気が付くのは難しい。 SFC版でもこの物件は存在したが、アビスリーグには加入しないため特に問題はなく、知る人ぞ知る存在だった。リマスター版になって買収できないと嘆くプレイヤーが続出し、悪い意味で一躍有名になった。 また、アビスリーグはアビス物件の拡大速度が異常なまでに早くなっており、早期決着が不可能になった。どれほど早いかと言うと、20期の時には3つあったアビス物件が、21期には7つにまで増えているというレベル。これも恐らく不具合と推測される。 期を重ねるにつれ収支計算がおかしくなり、前述のような異様な収益を誇る物件が目立つようになる(*43)ほか、一部物件は収益額がマイナスに突入する。こういった不具合物件を買収しようとすると買収資金を積んでも金額がマイナスと判断され、逆に相手の勢いが加速する不具合が発生する。お金が役に立たないため実質かけひき技だけで買収、あるいは買収工作を防衛するしかない。 逆に言えば買収開始時は既に相手が不利とみなされている(*44)ためゲージがほぼこちら側へ動いてこない。よって一切お金を積まず、時代の風を吹かせたり教授のダンス等のかけひき技だけで0オーラム買収を成功させるというシュールな体験も可能。お金で買収するゲームとしては破たんしているが… 一度でも買収した物件は敵対的な行動をとらなくなる。そしてこの状態は強ニューでも引き継がれる。すなわち、二周目以降のプレイでは無害化した棒立ち状態の物件を、引き継いだ大量の資金でなぎ倒すだけの作業ゲーになってしまう。実質的にまともにトレードを楽しめるのはそのセーブデータで初回の買収のみとなる。 固定敵のグゥエインとの戦闘において、SFC版では共闘してビューネイを倒した後は戦闘BGMが通常の物からボス戦の物に変わって逃走も不可能になるのだが、リマスター版では何故かBGMが通常のもののままとなっている。 物語的にも共闘しながらも竜であるが故に略奪を止められないグゥエインを倒さなければならない、ということでBGMの変更や逃走不可という演出があったのにこれでは台無しである。 SFC版では文字設定だった人物の掘り下げや、散見された没データの復活等はなし、あくまで追加ダンジョン内での描写のみである。この問題は、開発資料の未公開設定を本作の追加要素にせず、ほぼ全て「ロマンシング サガ リ・ユニバース」に突っ込んだ事にある。本作の追加要素に使っていたら相当ボリュームあるものが作れ、未完成という批評を払拭できただろうに…。 四魔貴族撃破後の追加イベントも、SFC版当時に示されていた設定との齟齬や矛盾点が多く見られ、中途半端さ・作りこみの低さは否めない。 「魔王の罠がある」と言いながら実際は全くなかったり等、おかしな点が散見される。 『リユニバース』に基づけば破壊するもの誕生は自然発生ではなく魔王の罠だったことになる。それなら一応、聖王が東方の復興を断念して注意喚起のメッセージを残した理由付けにはなるが…。 暗闇の迷宮もレベル上げ・アイテム収集の面では極めて役に立つが、肝心の追加イベントは3人のキャラクターの僅かな掘り下げ程度。しかもやたらと台詞が冗長な上に、「死食後にシノンに移り住んだはずのユリアンが死食時に既にシノンにいる」等、SFC版の設定をこれまた間違えている。 さらに死食の最中の場面で生まれて1年も経ってないはずのサラが歩きながら言葉を発している描写がある、死食の影響が及ぶ時期が曖昧にしても違和感があり死食年産まれと言う設定を忘れていたのだろうか。 ゲームクリア時のスタッフロールは、SFC版と同じ「開発スタッフ数人の名前と戦闘デモを交互に表示していく」という演出である。 しかし本作の場合、当時より大幅に開発スタッフが増加しながらもSFC版と同じ演出なため、このスタッフロールが凄まじく長くなってしまった。しかも周回プレイが前提のゲーム性ながらスキップ不可能であり、クリアする度に毎回見せられる羽目になる。 また、長くなった分を他BGMのメドレーで雑に済ませているため、SFC版の「ラストバトル」→「エピローグ ~新たな旅へ~」→「エンドタイトル」→「オープニングタイトル」という見事な曲構成が失われてしまった。 余談(リマスター版) 発売前、新要素として四つの「NEW」が画面写真とともに公開された。 「A NEW ADVENTURE」新しいイベント。これは暗闇の迷宮などが実装された。 「A NEW PERSPECTIVE」新しい視点。グラフィックは作り変え直されて綺麗になった。 「A NEW HERO」新しいヒーロー。画面写真は聖王の後ろ姿だったので、聖王が新主人公になるのかと期待されたが、これは河津氏自ら「新主人公という意味ではなく、1回目、2回目、3回目と何度もプレイするたびに新しい見方、新しいヒーローを味わえるという意味です。『ロマンシング サガ3』の主人公は8人。そこは変わりません。」と否定した。 「A NEW LOBSTER」新しいロブスターという、やけに具体的な新要素。にもかかわらず、新キャラどころかロブスター関連のイベントは全く変更なし。これってもしかして広告詐欺なんじゃあ… ちなみにリマスター版CMについて現在公開されている物よりも前に公開されていたバージョンがあった。 違いはナレーションの音声のみで、現在のはサガスカのファイアブリンガー役をはじめシリーズ作品のCMナレーションでもおなじみ杉田智和氏によるもの。 以前のは別の人物によるものなのだが、そちらは安物のマイクを使用していたかのような低音質であり、恐らく仮録りした方のデータを誤って公開していたと思われる。 非公式ではあるものの、ファンがアップロードし直した以前のバージョンはこちらから見ることができる。 「ラスボス戦で味方が味方にギャラクシィを撃って全滅してしまうバグ」は、ロマサガ3やり込み勢によってリリース開始直後に発見され、そのあまりにもシュールな光景からSNSや動画サイト等で話題になった。
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■ロマンシング サガ -ミンストレルソング- ロマンシングサガ ミンストレルソング 真サルーイン 6ターン撃破 【作品の傾向】やりこみプレイ 【状況】完結(07/11/26) 【全動画数】1 【マイリスト】なし 【備考】 この動画情報を編集 【ミンサガ】連携解禁で真サルーイン単独撃破 【作品の傾向】やりこみプレイ 【状況】完結(07/04/12~07/04/14) 【全動画数】9 【マイリスト】なし(うp主コメから辿れる) 【備考】プレイヤーはうp主とは別人と思われます。 この動画情報を編集 このページの一番上へ タグ:PS2 RPG ろ このページを編集
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今日 - 合計 - ロマンシング サガ -ミンストレルソング-の攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月12日 (金) 13時12分55秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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ロマンシング サガ -Minstrel Song- 【ストーリー】 創造神マルダーが創りし世界、マルディアス。かつてこの地では、悪の化身である三邪神と神々の王との戦いがありました。永き戦いの果てに、邪神たちは王が生み出した十種の宝石「デステニィストーン」の力と、英雄の命と引き換えに封印されました。それから1000年…。「デステニィストーン」は世界中に散らばり、再び邪神の力が復活してきています。運命に操られるように、それぞれ旅にでる8人の主人公。広大なマルディアスの地で、彼らがどんな物語を紡いでいくのか…。それはプレイヤーであるあなた次第。 ■2ちゃん攻略まとめサイト(テンプレサイト) ■公式サイト ■関連リンク SaGaシリーズ総合ログ倉庫 家ゲーRPG板 ■レビュー amazon playstation mk2 ■攻略本 ロマンシング サガ ~ミンストレルソング~ アルティマニア (SE-MOOK) ■外部攻略サイト ロマサガミンストレルソング極限攻略データベース ミンサガメモ MINSTREL'SCAFE RomancingSaGa-MinstrelSong-攻略~極道~ ロマンシングサガ攻略ガイド
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本記事では、SFC版である『ロマンシング サ・ガ2』と、 移植・リマスター版であるPSV/PS4/Switch/One/Steam版『ロマンシング サガ2』を解説する。 判定はいずれも スルメゲー / 不安定 。 ロマンシング サ・ガ2 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 説明不足な数々の要素 数値の入力ミス・設定ミス・不具合等 その他 総評 ロマンシング サガ2(リマスター) 概要(リマスター版) 追加要素(リマスター版) 変更要素 評価点(リマスター版) 問題点(リマスター版) PSV版特有の問題点 総評(リマスター版) その他(リマスター版) 余談 その後の展開 [部分編集] ロマンシング サ・ガ2 【ろまんしんぐ さがつー】 ジャンル RPG 高解像度で見る裏を見る 対応機種 スーパーファミコン メディア 16MbitROMカートリッジ 発売・開発元 スクウェア 発売日 1993年12月10日 定価 9,900円(税抜) 配信 バーチャルコンソール【Wii】2010年3月23日/800Wiiポイント【WiiU】2014年1月22日/800円【New3DS】2017年8月23日/823円(税8%込) レーティング CERO B(12才以上対象)アイコン:麻薬等薬物※バーチャルコンソール版のみ 判定 スルメゲー ゲームバランスが不安定 ポイント 千年を超える戦いを描いた歴史ドラマ的RPG高い自由度と魅力的なボスキャラ・BGM敵の攻撃力が異常に高く、難易度はかなり高いシステム面にも不具合や粗が目立つ サガシリーズ 「ここに始まるは、遥かなる戦いの詩」 概要 数々の斬新なシステムを売りにするも、その酷いバグ振りで良くも悪くも話題となった『ロマンシング サ・ガ』に続くシリーズ第2弾。 システム的には前作から発展させつつ、更に斬新なシステムを多く盛り込んでいる。 ストーリー 古代、七英雄と呼ばれる集団は数多くの悪しき魔物を倒し、いずこかへ消えた。いつの日か、七英雄は戻ってきて世界を救うのだという。世界が乱れるたびに人々は伝説を語り、七英雄が戻ってくることを願った。平和な時代が訪れると七英雄の伝説は忘れられたが、人の世の興亡は繰り返す。安定した国々による平和な時代が終わり、分裂と闘争の時代が始まった。七英雄の名は再び語られ始め、そして、彼らは帰ってきた。だが… 千年の歴史を持ち、かつては世界中を傘下に収めたと伝説に語られるバレンヌ帝国も、今や支配圏は北バレンヌ地方の一部だけになっていた。バレンヌ帝国の皇帝レオンは領内に跋扈するモンスター鎮圧に次男ジェラールを連れて駆け回っていたが、帝都アバロンの東の港町ソーモンを占拠した七英雄の1人クジンシーによる、突然の帝都襲撃によって、留守を任せていた長男ヴィクトールを殺害される。七英雄は世界を救う存在などではなく、強大な力を持つ人類の敵だとレオンは悟る。かねてよりクジンシーの危険性を警告していた女魔道士オアイーブから志と能力を継承する術「伝承法」を教わったレオンは自らの命を犠牲にしてクジンシーの技を見切り、「伝承法」を受けた次男ジェラールはクジンシー討伐を果たす。 以降、皇帝に即位したジェラールもその後の皇帝も、同じように命尽きる時、伝承法によって次代の皇帝へと志と能力を託す。こうして、何百、何千年にも渡る歴代の皇帝達による、七英雄との戦いと世界統一の歴史は紡がれていく…。 特徴 ひらめきシステム 本作最大の発明と言っても過言ではない画期的なシステム。レベルアップ等の決まったタイミングで新たな技を覚えるのではなく、戦闘でキャラが行動する際に、突然技を閃くというもの。 このシステムは、閃き発生時の「頭上に電球が点る」演出も込みで愛され、以降のサガシリーズにおいてレギュラー採用されることとなった。 武器を使うことでそのカテゴリに「技術点」が加算され「技能レベル」が上がって技の威力や必要WPが増加するという、経験値を稼いで成長させる要素も残っている。 なお、「ひらめき」が発生すると、本来使うはずだった技の代わりに閃いた技を利用するため、戦闘の予定が狂うこともある。 閃く技は、主に敵の強さとキャラごとに設定された閃きタイプによって決まる。 基本的には強敵を相手にするほど強い技を覚えやすい。技によっては、特定のランクの敵に対して閃きやすいというものもある。 閃きタイプは数種類あり、全キャラにいずれかが設定されている。タイプによって閃くことができない技も多いため、コンプリートを目指すなら多くのキャラで試す必要がある。 「特定の技の使用」が閃きの条件に含まれるものもある。初期から使える弱い技が、カテゴリ最強クラスの技の前提条件になっているケースもある。 武器によってはその武器でのみ使用可能な技を閃く場合もある。この場合、技は武器に記憶され、他キャラに渡しても使用できる。 敵の特定の技を回避できる「見切り技」を閃くこともある。見切り技の閃きは敵から対象の技を受ける際に判定され、成功すると「○○を見切った!」と表示される。 見切り技をセットしておくと、麻痺、睡眠などで行動不能となっている場合を除き、対象の技を確実に回避できる。敵の攻撃が強力な本作では、非常に重要な要素になっている。 序盤のボス戦では、チュートリアル的に見切り技の重要性を強く意識させる展開が用意されている。 見切り技についても、強い敵の技を受ける方が閃く確率が上がる。技とは異なり、キャラの閃きタイプによる制限はない。 本作に登場する全ての技には見切り技が用意されている。 味方しか使えないにもかかわらず見切ることが可能な技や、味方の同士討ちでのみ見切ることが可能な技も存在し、見切り技コンプリートはやり込みの対象にもなっている。 味方しか使えない技の見切りに有用性はほとんどないが、同士討ちした場合のみ見切ることができる技には有用なものもあり、単なるやり込みに留まらず攻略に役立つことも。 一部、見切り技のデータは存在するが、閃くことができないというものも存在する。 技と見切り技を装備する技欄は共通であり、併せて8つまでしか装備できない。 この制限によって、攻撃技と見切り技の取捨選択が重要になっている。 なお、技欄がすべて埋まっている場合、武器の固有技以外は閃くことができないため、最低1つは空けておくのが定石になっている。 逆に、技欄をすべて埋めておくことで予定外の閃きを防止することも可能。 技と見切り技はいずれも一度閃くことで「技道場」に登録され、後述の「年代ジャンプ」が発生することで、次世代以降はどのキャラでも道場で装備できるようになる。 有用な技や見切りを早めに登録しておくことは攻略の鍵になっている。 ちなみに、技道場に登録され、年代ジャンプが起きると、以降それらの技や見切りの閃きは発生しなくなる。年代ジャンプ前であれば道場登録済みでも閃きは発生する。 LPシステム 『魔界塔士Sa・Ga』のパラメータの1つである「ハート」がアレンジされて復活したもの。 各キャラはHPとは別に「生命力」を示すLP(ライフポイント)を持つ。 LPはHPが0になって戦闘不能になったり、戦闘不能時にダメージを受けたり、LPに直接ダメージを与える「LPブレイク」技を食らったりすることで1ずつ減っていく。 「HP0」は「死亡」ではなく、上記の通り「戦闘不能」であり、HPを回復することで戦闘に復帰できる。「LP0」が「死亡」であり、蘇生することはできずキャラはパーティから離脱する。 この性質から主人公である皇帝がLP0になるとその時点で戦闘に敗北し、皇帝継承(後述)が発生する。 なお、一部を除いてパーティキャラはクラス(後述)ごとに8名がローテーションで登場し、死亡すると次のキャラが雇用可能になる。そのため、死亡を繰り返しても使用キャラが尽きることはない。 LPはキャラによって初期値(=最大値)が決められており、成長はしない。 おおむね戦士クラスは魔術師クラスより高い、男性は女性より高いといったように、LPにもキャラの個性が反映されている。 戦士として最高クラスの能力を持つがLP1のイーストガード「ソウジ」、LP99の自動人形「コッペリア」など、個性付けとして極端なLPが設定されたキャラもいる。 HPは戦闘が終了するつど完全回復するが、LPを回復する手段は限られており、いかにLPを削られずに戦うかが重要なバランスになっている。 LP回復アイテムは非常に稀少だが、それでも1しか回復できない。宿に泊まることで装備者のLPを全回復する装備品「魔石の指輪」もあるが、これは代償として仲間全員のLPを1奪う上に装備すると外せず、主に回復ではなくパーティメンバーを意図的に殺す用途で使われている。 なお、LP回復の手段は限られるが、前述の通りキャラは死んでも補充されるため、戦闘は厳しくともゲーム進行自体が詰むことはない。代替キャラがいない最終皇帝のLPが尽きても、救済する仕様が用意されている。 陣形 戦闘中のキャラの配置が、前作の「前・中・後列」のみの隊列設定から「陣形」として進化し、より大きな効果を持つようになった。 陣形ごとに、「行動前/行動後に防御状態になる」、「敵より先に行動できる」、「ポジション毎に狙われやすさや特定のパラメータが増減する」といった独自の性能が設定されている。 メリットのみの陣形はなく、強みと同時に何らかの弱点を抱えることになる。パーティ構成や戦う相手に応じて、有利な陣形を見極める必要がある。 皇帝以外のメンバーは陣形内で配置を変更することも可能。基本的に前に配置されるキャラは狙われやすいが、例外もある。 バレンヌ帝国以外に所属するクラスの多くは独自の陣形を保有しており、それらのキャラクターを皇帝にした上で、陣形道場の人物に話しかけることで新たな陣形を覚えることができる。 最初に選べる陣形は、最前列に攻撃を集めて後ろのメンバーを守護する「インペリアルクロス」と、縦1列に並ぶ「フリーファイト」の2種類。 陣形の性能はピンキリで、有用な陣形を早期に入手することも攻略の鍵となる。 パーティメンバーが4人に満たない場合は、陣形は「フリーファイト」で固定される。背後から敵に接触される、ダッシュ中に接敵するなどで陣形を乱された場合もフリーファイトとなる。 装備と属性 本作の攻撃は斬 / 殴 / 突 / 射 / 熱 / 冷 / 雷 / 状の8種類の属性に分類されており、攻撃技は一部を除いていずれかの属性を持つ。 無属性攻撃としては、術法「ペイン」や「ギャラクシィ」、槍技「エイミング」などがある。 防御力も属性ごとに設定されており、例えば斬属性のダメージは斬属性の防御力でしか軽減できない。 属性防御力は128になると対象の属性を無効化できる。熱 / 冷 / 雷の3属性については、装備構成によって防御力128を達成する方法がある。 無属性攻撃は軽減する手段がない。 防具の防御力として表示されるのは斬属性の防御力であり、他の属性の防御力は事実上のマスクデータになっている。 一応、斬以外にもある程度の値の属性防御力を持つ場合はその属性のアイコンが表示されるが、数値では表示されない。 言うまでもなく不親切な仕様であり、これを利用した罠のような装備、逆に無価値なようで特定属性には非常に強い装備もあることから、実態が明らかになってから大いに非難された(後述)。 複数の属性を持つ攻撃に対しては、防御力が最も低い属性を基準にダメージが計算される。 例えば斧技の多くは斬+殴属性であり、殴属性に高い防御力を持つ無機質系のモンスター相手であれば斬属性でダメージが計算される。 地相 バトルフィールドにも「地相」という火 / 水 / 風 / 地 / 冥の5つの属性が適用される。 前作にもマイナーな仕様として存在していたが、今回は仕様が一新され、戦闘に以下の影響を与えるようになった。 地相と同属性の術の攻撃力が増す。 地相がそのキャラ、モンスターの得意属性である場合、HPの自動回復効果(再生)が発生する。 地相は術を使うことで変動するため、プレイヤーに有利な属性に変更することも重要な戦略になる。 地相は「水 / 火」「風 / 地」「冥」とグループ分けされており、「火+風」や「水+風+冥」といった別グループの複合地相も存在する。 幾世代にも渡る戦いを演出する「伝承法」と「年代ジャンプ」 本作では、初代皇帝レオンが魔女オアイーブから授かった「伝承法」を用いて、皇帝の意思と力を次代へと引き継ぎながら歴史を紡ぐという物語が展開される。 序盤にはレオンとジェラール親子の物語が描かれるが、ジェラールの次代以降はバレンヌ帝の血筋からも離れ、プレイヤーが選んだキャラを皇帝に据えて、自分だけの帝国史を紡いで行くことになる。 ゲーム開始時に性別と名前を決めたキャラクター(最終皇帝)が主人公的な位置付けになるが、最終皇帝がパーティを率いるのはゲーム上の一時代でしかなく、そもそも登場させずにクリアすることも可能。「歴代皇帝を中心としたバレンヌ帝国の歴史」こそが物語の主役と言える。 プレイ中に「皇帝のLPが0になって死亡する」、「戦闘でパーティが全滅する」、「年代ジャンプ(後述)が発生する」のいずれかが発生すると「皇帝継承」が発生する。皇帝継承で選ばれた1名が新皇帝となり、物語は続いてゆく 新皇帝は先帝の覚えていた技 / 術 / 技能レベルを受け継ぐ。 新皇帝の方が高い技 / 術 / 技能の各レベルについては、継承されずに新皇帝の値が維持される。 新皇帝と先帝の持つ術の属性が相反する場合は、先帝のものを継承する。 腕力などの能力値は引き継がれない。 皇帝継承の候補者は、皇帝のLPが0になった場合はパーティメンバーから、それ以外では先帝と同クラスから1名、クラス毎に決められた特定のパターンからランダムで3名の計4名から選ばれる。 候補者は皇帝未経験のキャラから選ばれ、現在仲間にできるクラスの全てのキャラが皇帝経験者となった場合は、最終皇帝のみが候補者として出現する。 この仕様により、本作では最終皇帝パーティの全滅以外ではゲームオーバーにならない。 敗北時の皇帝継承では「先帝の無念を晴らす!」というセリフが表示され、本作を代表する名文句となっている。 先帝に無念の死を与えたのはプレイヤーでもあることも多いのだが。(後述) ゲーム内のイベントには時代を進めるフラグが設定されており、一定のフラグが立つと「年代ジャンプ」が発生してゲーム内時間が大きく経過する。 年代ジャンプによる経過年数は戦闘回数によって決まり、最大で250年経過する。 年代ジャンプが発生した時点でそれまでのパーティメンバーはリセットされ、皇帝継承により新たな皇帝が即位する。 時間経過により新たなイベントが発生することがある。 前時代に閃いていた技や見切りが技道場で習得可能になる。 前時代で発注していた合成術が完成する。 前時代で開発した武具が量産されて購入可能となり、次の段階の武具が開発可能となる。 年代ジャンプはまとまった強化に繋がるが、発生回数は有限であるため、イベントクリアにはある程度の計画性が必要になる。 例えば、それ以上年代ジャンプが発生しなくなるまでゲームを進めると、武具開発はストップしてしまい、未開発武具が残っていた場合は入手できなくなる。 「技道場への登録」や「合成術の開発」については、特定のイベントクリアで完了できる救済措置がある。 パーティー構成の選択の幅が広いクラスシステム 本作のパーティキャラクターは、一部を除いて何らかのクラス(職業や種族)に属している。 クラスごとに得意な武器の種類や覚える術も異なっているため、パーティの戦術やバランスを考えた上でメンバーを選定する必要がある。 クラスごとの得意分野などは、キャラに話しかけると大まかに説明してくれる。 ただし、同クラスのキャラクター全員が統一されたステータスを持つ訳ではない。クラスの特徴にない固有の長所を持つキャラもいれば、得意武器と閃きタイプが一致しない、技能レベルは高いがその技能に関わる能力値が低いといったキャラもいたりする。 1クラスは8人のキャラで構成され、死亡したり年代ジャンプが発生したりするとローテーションで次のキャラが登場する。ローテーションは1周すると最初に戻るため、キャラが尽きることはない。 レオンやジェラール、最終皇帝のように、個人で1クラス扱いで代替キャラがいない者もいる。 ローテーションで再登場したキャラは成長がリセットされ、前回パーティに参加した際の成長値は反映されない。 クラスごとに特定の場所で待機しており、パーティメンバーが4人以下の状態で話しかけると仲間に加えることができる。 パーティに加えられるのはクラスごとに1名。ただし、「帝国猟兵男/女」のように、性別によって別クラスとして扱われるものがあり、これらは一度に起用できる。 ちなみに、同一クラスは性別が異なっても似たような能力傾向を持つが、男性は剣や槍が得意な前衛タイプ、女性は棍棒と天術が得意な術士タイプの「ホーリーオーダー」のように、全く傾向が異なるものも。 初期状態では帝国軍所属のクラスのみ仲間にできるが、ゲームを進めることで、聖騎士、遊牧民、ハンター、海女、船乗りといった異国のクラス、果ては人魚や火トカゲ族、モグラ人間といった人間以外のクラスまで仲間にできるようになる。 固有のイベントを持つのはジェラールなど一部のキャラだけだが、各クラスに「性格」が設定されており、「普通の男性・女性」「ワイルドな男性・女性」の4種類に大別できる。同じイベントでも、皇帝の性格が違うと一部の展開や喋るセリフが異なるので、クラスの違いによるストーリーの変化をある程度楽しめるようになっている。 なお、キャラ名にはクラスごとに命名規則がある。例えば、帝国重装歩兵は「ベア」「ライノ」などの動物名、宮廷魔術士男は「ジェミニ」「カプリコーン」などの星座名といった具合。 以下のように、名前の意味や元ネタがステータスに反映されているキャラもいる。 宮廷魔術士男「サジタリウス」:魔術師だが「射手座」を意味する名前の通り弓矢も得意。 宮廷魔術士女「サファイア」:手塚治虫の漫画『リボンの騎士』のヒロインと同名。魔術師だが、元ネタのキャラと同じく小剣も得意。 イーストガード「ソウジ」:肺病により若くして死んだ剣の天才・新撰組隊士の沖田総司から。高ステータスながらLPが1。 軍師「コウメイ」:三国時代の天才軍師としておなじみの諸葛孔明から。術の威力が全キャラでトップクラス。 格闘家「ライガー」:プロレスラーの獣神サンダーライガーから。閃きタイプが特殊で、格闘家の中で唯一「活殺獣神衝」を閃き可能。ちなみにサガスタッフはプロレスネタをよく仕込むことで知られる。 成長システム 本作では前作のように「キャラを好きなように育成できる」わけではなく、腕力や体力などの能力値は完全に固定であり成長による変化は一切ない。したがって、キャラが元々持つ個性を逸脱した運用をするのは難しい。 成長する要素はHPと各種技能レベルのみであり、利用した武器、術法の種類に応じて倒した敵の「技術点」が配分(複数の武器や術法を使った場合按分)され、一定量になると技能レベルが上がる仕組み。技能レベルが上がると当該技能が強化される他、技を使う際に必要となるWPや術を使う際に必要となるJPも増える。 HPについては技能レベルは存在しないが、現在のHPに依存した技術点を稼ぐことで上昇する。 初期の技能レベルについてはキャラ毎に所持技能と補正値が定められており、マスクデータである「マスターレベル」と補正値によって初期技能レベルが決定する。 戦闘で技術点を獲得すると、その技術点に応じてマスターレベルの技術点も加算されていく仕組みで、マスターレベルが上がることで、次回以降に加入するキャラクターの技能レベルが底上げされていく。マスターレベルは全キャラに共通するデータとなる。 やや仕様的な話として、戦闘で獲得できる技術点は使った技能の数に応じて按分されるが、マスターレベルに加算される技術点は按分されないため、単純にたくさんの技能を使えば使うほど多くの技術点が加算される。 実際に加入する際はマスターレベルに対して、補正値が加減算され技能レベルが決定される。なお、適性がない技能についてはマスターレベルにかかわらず技能レベルが0になるためマスターレベルを上げればどの技能も満遍なく使える……というわけではない。ただし、術の技能レベルについては新規で術を覚える際に技能レベルに応じた初期レベルになるため上げておくと術を新規で覚えさせてもそこそこ強い状態で開始できる。 マスターレベルはマスクデータではあるが、補正値などの存在さえ知っていれば正確な値を割り出すことは容易である。 マスターレベルの仕様のため、新たなキャラを利用する際にも最初から育成し直し……というような事態にはならず、本作のようにパーティメンバーを頻繁に入れ替えていくことに上手く対応したシステムといえる。 なお、加入時のHPについては総戦闘回数によって決まるため、戦闘から逃げてばかりいたとしても加入時のHPだけは上がっていく。 お金について 通常のRPGのように戦闘に勝利した際敵がお金を落とすというシステムではなく、戦闘する度に戦闘結果にかかわらず現在の税収に応じた金額が国庫に入るという仕組みになっている。税収は、領土が増えることで上がっていくが、イベントの結果によって増減することはある。 なお、本作のお金の単位は「クラウン」である。 税収は領土によって異なるため、収入の多い地域を早めに領土にすると資金効率は良くなる。 戦闘結果にかかわらずお金が増えていくため、戦闘から逃げてもお金は入手できる。もっとも、後述の通り逃げてばかりだと地獄を見ることになる。 国庫に納められたお金は様々な場面で必要となる。 新しい武具の開発、帝国大学などの施設の建設、新部隊の結成などの際には数百万単位のクラウンを要求される。 そのため、各地のダンジョン内の宝箱から入手できる金額も数万以上、大抵は数十万とかなり高額である。もっとも、必要な金額もかなり高額なので中盤までは資金繰りにはなかなか苦労させられることだろう。 年代ジャンプや戦闘回数で敵が強くなるため、全方位に投資しようとすると金はいくらあっても足りないが、どこに投資すべきかを取捨選択していくと決してやりくりが無理というわけではない絶妙なバランスとなっている。 国庫とは別に皇帝も財布に1万クラウンまでポケットマネーとして持ち歩くことができる。 とはいえ、領土内の店で買い物する場合は一部例外を除き皇帝特権でタダであるため、利用する場面は領土外で買い物する時を除けばイベント時のみである。 武器や防具は領土内でいくらでも揃えられるが、回復薬などの消耗品は売っていないため、ポケットマネーを使ってアイテムを買い漁ることはできない。 なお、消耗品については年代ジャンプの際に倉庫内にいくつか補充される仕様。 ポケットマネーは1万クラウンより減っている場合は、アバロンにいる国庫管理の大臣に話しかけることで補充できるほか、宝箱からクラウンを入手した際は、まずポケットマネーが補充される仕組み。 その他、タダで手に入れたものを売っても金は手に入る。ただし、入手手段問わず、アイテムの売却で入手できるお金は一切国庫に入らないため、ポケットマネーに入らない部分は全部切り捨てとなる。 開発システム 装備については店で買う・宝箱で手に入れる・敵のドロップアイテムとして入手のほか、自帝国内で何十万クラウンとお金を投資することで武具の「開発」も可能。 最終的には剣と重鎧を除く系統において、開発される武器・防具が最強の性能になり、自由で店で購入することができるようになる。 開発は、段階的に高性能のものが開発可能になっていく。開発に必要な資金も40万、80万、120万と高性能になるほど増加する。ただし、一世代で一段階しか開発できず、「年代ジャンプ」を経ずに序盤から一気に最高の武器まで開発するといったことはできない。なお、武器種によっては2段階目が存在せず1段階目→3段階目と開発する武器もある。 術(魔法)は戦闘を重ねて技能レベルを上げると新たな術を習得できるようになる他、「合成術」と呼ばれるものはお金を投資することで開発が可能。 術の習得、合成術の開発のどちらにも「術法研究所」の建設が必要。この建設にもお金がかかる。 戦闘システム 本作では、シナリオの進行が自由であるため、敵の強さは戦闘回数によって決まる仕組みとなっている。 モンスターの種類毎に16段階のランクのモンスターが設定されており、戦闘回数が増えると下位のものが出現しなくなり、上位のものが出現する。 戦闘回数によって決まるため、戦闘から逃げた或いは敗北したとしても回数が増えていき敵が強化されていく。敵が強くて倒せないからと逃げてばかりいると更に敵が強くなるという悪循環となる。 また、年代ジャンプするとジャンプした年数に応じて戦闘回数が加算されるという仕様があるため、年代ジャンプが発生した後はキャラを強化しやすいが、敵もその分強くなっているということになる。 評価点 自由度が高いイベント構成で、プレイヤー独自の帝国史を作れる プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝を操作し、世界の統一と七英雄打倒を目指していく。基本的には世界各地の問題(イベント)を皇帝直々に解決し、お礼にその地域をちゃっかり帝国の領土にすることで世界を平定していく。問題の多くは七英雄と繋がりを持つ事が多く、実際は世界の平定より七英雄打倒が主目的である。 世界各地のイベントや、七英雄を倒す順番はある程度自由に行える。また、1つのイベントに複数の攻略法が用意されているため、プレイヤー個人個人によって違った展開となるのが魅力。 例えば要塞の攻略でも、「正面から強行突破」「お金を払って道を教えてもらう」「あるクラスに依頼して秘密の通路から楽々攻略する」という3つのルートがある。同じイベントでも着手した時期や所々の行動によって展開が変わったり、さらに皇帝の「性格」によっては強硬な手段に訴えたりと細かい分岐パターンは数多く、全容は把握しにくい。それだけに色んな進め方が可能で複数回プレイに耐える内容である。 反面、選択や行動次第でクラスを仲間にできない、領土に加えられないなど不利な結果に終わってしまうこともある。全体的に取り返しがつかなくなる恐れのある要素は多めだが、一応、基本的に個々の要素はもし入手できなくてもゲームクリア自体に著しく影響することはないという設計ではある。 ある地域のイベントをクリアしてから何百年か経つとまた次のイベントに派生したりと、年代経過を生かした壮大なストーリー展開である。帝国の領土の拡大や、帝都に大学や新市街が建設されたりと帝国の発展する様も楽しい。 そして、エンディングではクリアまでにプレイヤーが作り上げた帝国の年表が表示される。ゲームクリアまでにはプレイヤーそれぞれの違った帝国史が完成したはずであり、長い戦いを振り返る演出は感動的である。 + フリーシナリオの真髄ともいうべき選択肢(ネタバレ注意) 魅力的な敵キャラ 主要な宿敵である七英雄もそれぞれのキャラが立っており、単純な悪党と言うよりはこの物語の名敵役として見る動きもある。 物語の節々に七英雄に関するエピソードがはさまれており、それにより七英雄がモンスターとなってしまった悲しい境遇が暗示されている。これを踏まえて「七英雄こそ真の主役」と解釈するファンもいる。 演出面 本作では戦闘とフィールドのキャラグラフィックが統一されている。 実は新機軸であり、戦闘シーン時の多彩なモーションが、マップ画面でのイベントのキャラのリアクションやステータス表示画面のモーションとしてよく使われる。 この仕様が、以後のドット絵のスクウェアRPG作品に多大な影響を及ぼしているのは言うまでもない。 現在でもネタにされている独特なセリフ。 「やめろー!卵をよこせー!」「アリだー!!」「うりうりビチグソだぞー」 「やめてよーやめてよー」「はたらげー」「ほ、ほぎー」「あ う お」などシュールな言い回しはサガシリーズを象徴していると言える。 前作から引き続き、伊藤賢治氏がBGMを担当。「クジンシーとの戦い」「七英雄バトル」といったバトル曲はもちろん、「皇帝出陣」などのダンジョン曲も好評。何千年にも渡る戦いの帝国史という本作のテーマに合った重厚かつ哀愁あるサウンドである。 キャラや技エフェクトなどのグラフィック面やフォントの改善など、前作より進化した部分も多々ある。 術が劇的に強くなった 前作では術による攻撃と武器による攻撃のダメージの差があまりに激しく、攻撃用の術はほぼ役に立たないといわれていた。 これに対して本作は修得が厳しい分攻撃力が非常に高く、武器の技と同等か、それ以上の役割を見出せるようになった。 中でも、敵全体に大ダメージを与えられる「ストーンシャワー」や「ギャラクシィ」、敵単体が対象ながら、先に上げた二つ以上の破壊力を持つ「クリムゾンフレア」は非常に強力。いずれも、雑魚戦、ボス戦の両方で非常に役立つものとして認められている。 補助術も便利なものが多く、反則的な強さとして特に話題に上がる術法が、水術「クイックタイム」。使用するとそのターンの敵側の行動を封じ、更に以後数ターン味方に先制攻撃効果が付加されるというもの。 クイックタイムの消費JPは高めだが連続使用も十分可能。また、システム上パーティー全員への習得も容易であり、ラスボス相手でもこれを交代で唱え続ければ全く行動させずに簡単に勝ててしまう。 高難度に対処できないプレイヤーへの救済措置として用意された可能性もあり、プレイ体験でも「クイックタイムを使ってなんとかクリアできた」という話は結構見られる。そのため、ラスボスは「クイックタイムがなければ攻略不可能」というやや誇張気味の意見も出ている。後述の術を敵が行動する前に唱えることができるため、先制攻撃効果も地味に強力といえる。 他にも、HP全快で自動復活させる火術「リヴァイヴァ」、斬属性攻撃を100%無効化する天術「ソードバリア」、全物理攻撃を2/3近い確率で無効化して一部の複合属性なら100%無効化する地術「金剛盾」、分身を作り出すことで2倍のダメージを与えられるようになる冥術「シャドウサーバント」、1ターンのあいだ、敵のすべての攻撃の威力を半減させる「光の壁」等が強力。これらを活用すれば、ラスボスをクイックタイム抜きで完封に近い形での勝利も十分に可能である。 その他 後述のように設定ミスやバグが多数存在するが、ゲーム進行に係わるような重大なバグはほぼ発生しない。 そのような重大なバグが存在しないわけではないが、意図的に行わない限り普通にプレイする限りではまず遭遇しない。 また同様に作りかけで放棄されたイベントやダンジョンも見当たらない。(*1) 詰みポイントも基本的には存在せず、どのようにプレイしても(難易度が高くて諦めてしまわない限りは)ラスボスまで辿り着けるようになっている。 最終皇帝を出さないプレイなど、一見すると仕様の穴を付いたようなプレイもしっかりと想定されている。フラグ管理が失敗してるのではないか、という挙動を見せてしまう場面がないわけではないがゲーム進行上詰むようなことはないため、むしろ、イベントでどのようにフラグ管理しているのかを探究するプレイヤーすら生み出す魅力にもなっている。 賛否両論点 非常に尖った戦闘バランス 本作の戦闘は一言で言ってしまうと、非常に尖ったものとなっている。敵の攻撃がかなり苛烈である一方で、味方にも対抗出来る手段が用意されているという「敵も味方も強すぎる」といった一種の世紀末バランスといえる。 敵の火力が全体的に高い。 ゲーム開始直後のパーティであれば、陣形前衛であるベアはまだしも、テレーズやジェラールといった打たれ弱いキャラが攻撃を食らうと最初期の敵相手ですらほぼワンパンで戦闘不能になる。 そのベアでさえある程度ゲームが進み、敵が強くなると数発攻撃を食らうだけでやられるようになる。前衛キャラがただただ物理攻撃に耐えながら戦闘をこなすというのはよほど対策をしなければまず不可能である。 ゲーム中盤以降になると、防御力が高くても一撃でやられることが普通に発生する。最終的には味方HPの上限である999を超える4桁ダメージを普通に出してくる敵すら現れる始末。 なお、本作の技の多くは敵味方で共通であり、あからさまな大技を使ってくるという敵はあまりいない。強敵の多くは味方でいえば下級~中級程度の技で無慈悲な大ダメージを叩き出してくる。 武器無しの通常攻撃である「パンチ」に毛が生えた程度の威力である「キック」でオーバーキルされる様は非常にシュール。また、他のゲームであればそれ程強くない「触手」については中盤以降多くのキャラクターを一撃で葬り去る高威力であり、「触手」という技名が表示されただけで絶望を感じさせられるプレイヤーが多い。 本作の防御力の仕様は体術を除く武器技は防御力の影響が多少強く出るのに対し、体術技、術法については防御力1につき一律で5ダメージしか軽減出来ず、素の攻撃力が高くなると防御力による軽減はほんの気休めにしかならない。防御力を128にしてしまえばダメージは無効化できるが、物理属性についてはそもそも防御力128にすることができない。 状態異常攻撃も序盤から激しい。 1ターン行動を潰されるスタンや、軽度であれば時折行動しないことがあるだけだが、重度になるとランダムに行動してしまう混乱や、味方を攻撃する魅了など危険な状態異常が序盤から容赦なく登場し、敵だけでなく味方の攻撃であっさり死ぬことも多い。 混乱については軽度だと影響が少ないためか、全体混乱技も序盤から普通に登場する。軽度の混乱が重なるとどんどん深刻化する仕様なので気付くと手の施しようがない状況になってしまうことも。 状態異常を回復する手段はあるが、耐性防具等は少ないため、後手後手になってしまいやすい。 HPもそうだが、状態異常についても戦闘終了後は全て解除され、戦闘被害は(LP消費以外は)一切引き摺ることがない仕様となっており、その分1回辺りの戦闘を激しくしているともいえる。 確かに、全く戦闘不能が出ないようだと本作のLP絡みのシステムが事実上死に要素となってしまうため、激しい戦闘内容は不可欠といえるのかもしれないが、全滅まで至ってしまう程に激しいため、好みは分かれるところ。 なお、本作では皇帝さえ無事であれば他のメンバーがどのような状況であろうと退却は即時で確実に成功(もちろんボス戦など退却出来ないケースは除く)するため、皇帝さえやられていなければいくらでも立て直せるバランスとはなっている。 ただし、安易な退却についてはリスクもある。詳細は次項で。 戦闘回数によって敵は強化される。 本作ではストーリー進行が自由であるためか、敵の強さは戦闘回数によって決まっている。 注意したいのは戦闘回数というのは戦闘に勝利した回数ではなく、純粋に戦闘を行った回数であるということ。つまり、戦闘を行った場合、勝利しようと敗北しようと、退却しようと敵は徐々に強くなっていく。 年代ジャンプが発生した際も「ジャンプした年数÷4」の戦闘回数が加算される仕様がある。ジャンプ年数が多いということは戦闘回数が多いということなので、二重に敵が強くなってしまう。年代ジャンプによって開発武具の量産化や閃いた技の共有化によるパーティ強化が行われることに対する調整だと思われる。 本作で一番陥りがちなのは「雑魚敵ですら強いため、下手に戦って消耗したくない」と考えて戦闘から退却しまくってしまい、味方が成長できないまま敵がひたすら強くなっていくという悪循環である。 同時期に登場する敵の中でも明らかに強さに差があるため、グラフィックが大きい敵が単体で出てきた場合には危険信号(とある中盤の強雑魚)(*2)であり、実際逃げた方が良いと言われる敵もいるにはいるが、「こんな奴らと戦ってられない」と考えて全ての戦闘から逃げてしまうとやはり成長できない。 敵も強力だが味方も強力であり、全力で戦えばなんとかなるケースも多いし、状態異常も意識して戦うことで意外と楽に倒せるケースもある。少なくとも一般的なRPGのように「雑魚戦ではとにかくWPやJPを節約し、ボスに備える」といったスタイルはかなり厳しいといえる。 この仕様から「逃げまくってしまい、敵が倒せない状況に陥ってしまい詰んでしまうこともある」と言われるが、後述の通り強敵相手だと強力な技を閃きやすい、強力な相手であっても即死技が効く者もいる、といった理由から「もはやどうにもならない」という事態は基本的に起きない。 もっとも、そこからの挽回が難しいのは確か。意図せずこの状況に陥ってしまった初心者プレイヤーが、仕様を理解して挽回を図れるかと言うと、無茶な話である。 雑魚敵を避けにくいため、操作が上手くないと雑魚敵回避もなかなか難しい。 前作同様シンボルエンカウントだが、キャラクターが大きい上、当たり判定も大きいため、特に狭い通路では避けるのが難しい。 ダッシュをすれば敵を回避しやすくなるが、ほとんどのダンジョンではダッシュ中は自キャラ周囲の円形範囲より外の敵が見えなくなる上、ダッシュ中に敵に当たると陣形を乱される(+1ターン目の行動速度に大幅ペナルティ)(*3)ため、敵を避けるためのダッシュはかなりリスクが高い。 もちろんダッシュ中に戦闘になったとしても退却して再度回避を試みたり、普通に接敵しペナルティーなしで再戦したりすることは可能だが、戦闘回数は着実に増えてしまう。 一応、「ダッシュ機能なし」「フロアの敵全員がこちらを追尾」という仕様だった前作に比べれば、こちらが近づくまで追ってこないだけでも格段に避けやすくなってはいる。 序盤の難易度がかなり高い。 オープニングイベントであるクジンシー討伐(北バレンヌ制圧)が終了してからはマルチシナリオが始まるが、この後向かうことになる南バレンヌ地方がかなりの初見殺し。 直前の会話から大抵のプレイヤーは運河要塞の攻略に進むと思われるが、運河要塞の攻略は複数の攻略方法がある結構複雑なシナリオとなっている。 分岐条件を理解した上で突入したとしてもボス(正確にはその取り巻き)の火力が非常に高いため、多くのプレイヤーが全滅に追い込まれることになった。 運河要塞を回避すると、モンスターの巣を攻略することになるが、ここのボスも強い。 特に初期の陣形であるインペリアルクロスだと苦戦させられる仕様であり、フリーファイトを選べば多少楽に戦えるが、まだまだ初心者の状態でそれに気付くのは難しい。 どちらも慣れたプレイヤーならそれまで無茶なボスというわけでもなく、攻略法もいくらでも思いつくだろうが、ゲームの仕様に慣れていないとかなり強い。そして、このどちらかを攻略しなければ他のエリアには進めないため、折角のマルチシナリオの序盤の序盤で詰んでしまったというプレイヤーも少なくないだろう。 ちなみに運河要塞クリア後に訪れるカンバーランドも、戦闘難易度はそれほどでもない割にシナリオ分岐が複雑かつ、いわゆるバッドエンドとなる結末に陥りやすく初見でそうなってしまったプレイヤーも多い。(ルートによって)収入や仲間が得られなくなるだけでゲーム進行に支障はないが、後味はとても悪い。 戦闘難易度が高い本作の極致ともいえるのがRPG史上最強と一部で評されるラスボスである。 七英雄を始めとした道中のボスは強敵であるが、ラスボスはそれらの強敵と比べても段違いに強い。 それまでのボスのHPは多くとも35000程度であるのに対し、ラスボスは複数形態で合計が10万を超える。そのため、速攻で一気に沈めるのも難しい上、WPやJP切れを起こしやすい。 これまでのボスと比べると長期戦になるため、やられる前にやってしまう、という戦略は難しい。 これまでのボス同様に攻撃も熾烈を極めるが、「男性キャラ全体を魅了」「全LPロスト技」など、見切りがなければお話にならない技も使ってくる。加えて1ターン中に最大7回行動する場合もあるため無対策だと一瞬でパーティが壊滅してしまう。 更に追い討ちを掛けるのがラスボス戦周りのイベント。というのも、ラスボス戦直前になるともはや引き返すことができないため、ラスボス戦直前でセーブをしてしまった場合は文字通り詰んでしまう事も有り得る。 完全な詰みポイントは少ない本作における数少ない詰みポイントがまさに最後の最後に仕掛けられている。セーブデータは複数作れるが分けていなければもはやどうしようもない。 直前に「この先は引き返せないぞ」と警告が出るポイントはあるものの、この警告を超えたとしてもこの時点ではまだ引き返すことができるため、単なる雰囲気作りのための警告だろうと高を括ってしまうケースが多い。実際にはこの警告を超えた後ラスボスの前座となるボスを倒した時点で本当に引き返せなくなってしまうのだが、前座のボスを倒した際に戻れないことを確認しないままセーブするケースが多いと思われ被害が拡大する傾向にある。 初見ではまず太刀打ちできないような熾烈な攻撃とタフさから「クイックタイムによるハメをしなければそもそも倒せない」と解釈するプレイヤーもいたほどである。とはいえ、クイックタイムハメをするにしても、技能レベルが低いとそのタフさから「クイックタイムハメで倒そうとしたらJPが尽きて倒しきれなかった」という結末を迎えがち。 危険な技は見切りで対策したり、補助術で軽減したりし、攻撃が緩やかな初期の段階で、敵の攻撃力を下げたり、味方の防御力を上げたりするなど万全に準備すれば技能レベル35程度でも倒せるように設計されており、決して無理ゲー・運ゲーといえるようなボスではないのだが、これまでのボスが強力な技で一気に押し切ってしまえる難易度となってしまっているため、これまで補助術の有用性などに気付かずにラスボスに辿り着いてしまうケースが多い。 また、 ゲーム内の情報が少ない ため、有用な技や術についても分からない・気付く余地が少ないのが現実である。 一方で、ネットで情報が手に入る現代で、しっかりと情報を得て戦うと、「かつて苦戦したのが嘘のように楽に勝てた」という話も聞かれる。やり込みプレイヤーによっては「皇帝1人でラスボスを倒す」「それに加えてノーダメージでラスボスを倒す」という偉業を達成している者もおり、多くのプレイヤーにとって正攻法での攻略が困難と言わしめつつ、対策さえすれば指一本触れさせずに倒すことができる絶妙なバランスとなっている。 故に今作では「次のダンジョンのボスをどうやって倒すか」といった短期的な対策を超えて、装備の開発や技や見切りの獲得、術の強化等をゲーム開始からラスボス戦に至るまでにどうやって進めるか、といった長期的な見通しが求められる。ウォーシミュレーションゲームで言うなら「戦略級」レベルの攻略が問われる。だが、 そもそも先の展開を知らない初見プレイでそんな戦略が立てられるはずもない 。 初見プレイの場合、死に覚えながらラスボス直前まではどうにか進められる事も多いが、術の開発を怠っているとどうしようもなくなってしまう場合も多い。ここで気づいてもどうしようもなく、結局最初からやり直しになってしまったプレイヤーも多い。 一応、前述の引き返し不能セーブの罠にさえかからなければ絶対にクリア不可能と言う事はないが、ここまで来て取り返すのはかなり難しい。 ここまで理不尽に強い敵について述べてきたが、本作ではその対抗策も少なくなく、その高い難易度や独特のシステムを魅力と感じているプレイヤーも多い。 そもそも、本作ではキャラクターは使い捨てが可能なシステムである。 仲間キャラクターはもちろん、物語の最序盤、終盤を除けば主人公である皇帝でさえ敗北したとしても代わりがいる。戦闘は厳しいが、仲間が死んだり全滅したりしても基本的に次の仲間を補充したり、皇帝継承したりして冒険を続けていける。 最終皇帝になると、全滅はゲームオーバーになるが、皇帝のLP0は仲間を犠牲にして冒険継続可能。 敵が強ければ強いほど成長しやすい。 確率で技を覚える「ひらめきシステム」は敵が強ければ強いほど強力な技を閃く。敵との強さが広がってしまっても、強力な技を覚えて対処可能。 敵の背後から接敵すれば敵は1ターン行動不能になるため、強力な技を閃いても、反撃で普通に死ぬという事態に陥らずに済む。 固定ボスは戦闘回数によって強くならないため、戦闘回数を増やして強力な技を覚えてボス戦で楽をするテクニックもある。やり方さえ知っていればいっそのこと、さっさと退却を繰り返し敵を強くし、強力な技を覚えて冒険するといった遊び方も可能。 プレイヤー側も状態異常を活かしやすい 特にスタン効果を付与する攻撃は序盤から習得可能で消費WPも0の物が多い。 陣形による最速行動や素早さの補正を活かせば、状態異常が効く相手であれば封殺も可能。 一部陣形が非常に強力 前列3人に行動後防御を付与し攻撃力と素早さを飛躍的に上げる「アマゾンストライク」、中央の皇帝が囮となり周囲全員の直接攻撃力を増強する「鳳天舞の陣」、必ず先制攻撃できる代わりに回避不能になる「ラピッドストリーム」、自動防御で被ダメージを半減できるが敵に先制される「ムー・フェンス」、この4つの陣形を戦術に応じて使い分けるのが基本となる。 先制陣形+「使ったターンは被ダメージを半減する術」等、補助術との併用によってより強力な戦術となりえる。こうすれば敵の苛烈な攻撃も比較的抑えられる(こうでもしないと抑えられないとも言えるが)。 なおアマゾンストライクなどの「行動後防御」は、後述するバグの産物である。そのため意図されたバランスよりも強い陣形になっている。 問題点 説明不足な数々の要素 本作の難易度が高い理由の大きな部分として、複雑な仕様の割に、その説明がゲーム内でほとんどされていない点が挙げられる。 防御力に関する仕様 既に述べた通り、本作では「斬・打・突・射・熱・冷・雷・状」の8属性が存在し、防御力についても属性毎に定められており、一般的なRPGでよくあるような全ての属性或いは物理攻撃全般、術攻撃全般に対して普遍的に有効な防御力は存在していない。 本作では装備品によって、これら8属性のそれぞれの防御力が定められているわけだが、ゲーム内で防御力として表示されるのはこの内の「斬属性」の防御力のみであり、他の7属性の防御力についてゲーム内で知る方法は一切ない。 斬属性の防御力しか表示されないことももちろんだが、ゲーム内で防御力として表記されるのが斬属性の防御力であることも一切説明がない。 ステータス画面では特定の属性に対して防御力を持つ(防御特性と説明される)ことを示すアイコンが表示されることで、斬属性以外の防御力があることがある程度分かるものの、具体的にアイコンが付与される統一的なルールはないようで、防御力5でアイコンが付与されるものがあれば、防御力10なのに付与されていないものもある。 物理属性である「打・突・射」は概ね、斬属性の防御力が高ければ高いケースが多いため、まだいいのだが、「熱・冷・雷・状」の術法属性の防御力は斬属性の防御力と連動しないケースが多いため、防御力が高い装備品をセットした結果、術法にかなり弱くなってしまうケースは普通に起こりうる。 更に術法属性は特化した防具も存在し、例えば表示防御力4の足装備「ラバーソウル」は雷防御力が64、防御力1の腕装備「なべつかみ」は熱防御力25など表示防御力からは予想だにできない高防御力を発揮するものもある。アイコンでは防御力の違いまでは分からない上、アイコンが付与されているのに大した効果が無いものもあるため、ゲーム内で実際に装備して攻撃を食らって初めて性能が分かるというのは不親切といわれても仕方ないだろう。 そもそも、敵の攻撃が苛烈すぎるため、調べる余裕もほとんどないのが現実であり、情報が簡単に手に入る現代になって初めてこれらの装備品の真価を知った者も多い。 これだけ不親切な仕様なのに、「斬防御しか表示されない」仕様を逆手に取った「最強の帽子」という罠ともいうべき装備品が存在する。 表示される防御力は13と頭防具の中では固定装備のアイアンウィルを除くと確かに最強(*4)なのだが、他の防御力は1であるため、総合的な性能はかなり低い(なお、他の頭防具は基本的に斬属性防御力<殴属性防御力なので、表示防御力以上の性能を持つものが多い)。 斬属性以外のアイコンがないことがヒントにはなっているが、不親切な仕様を利用した罠まで用意しているというのは嫌がらせ以外の何物でもないだろう。 防具欄の仕様 前作では体の各部位に1個ずつ防具を装備できたのだが、本作では「防具は3つしか装備できない」という仕様になってしまった。 正確な仕様を述べると、防具毎に「頭」「体」「腕」「足」「アクセサリー」のどの部位に装備するかが決められており、同じ部位の装備品は複数個装備不可(後記例外あり)で3箇所まで装備できる仕様。 例外として「『鎧』と『戦闘服』は同時に装備可能」、「アクセサリーは同時に複数個装備可能(同じアクセサリーでもOK)」、「全身鎧は1つで『頭』『腕』『足』の部位も占有する『鎧』として機能(『服』は装備可能)」といった特徴がある。 頭の防具は殴属性に強い、鎧は物理属性全般に強いが、かなり重い(重量については後述)といった具合に特徴があるため、どの種類の防具を装備するかというのも重要な戦略……なのだが、如何せん本作のゲームバランスを考えると明らかに少ないと言わざるを得ない。 全身鎧は1つで鎧+兜+小手+具足を一纏めにしているため、装備部位を節約出来るメリットはあるが、開発がかなりの手間であること、かなり重いこと、術法防御は低くなりがちというデメリットがある。また、後述する不具合もある。 上記の仕様と防具の装備欄が少ない事も相まって、本作は防具による防御力のやり繰りが極めて難しくなっている。流石に少なすぎると判断されたためか、次回作はデフォルトで4箇所となり、この仕様は『サガフロンティア2』まで続いた。 一部のクラスは欄外に4箇所目の専用固定装備を持っており、合計4つの防具を装備できるという大きな特徴・長所を持っている。ただ、固定装備の装備部位のせいで本来装備したい装備品が装備できない可能性もあるが。 盾・ガーダーの仕様 盾を装備すると防御力表示に盾の防御力が加算されるが、実際に盾の防御力が適用されるのは戦闘中に盾が発動した場合のみである。 しかも実際に発揮される防御力は表示されている数値の2倍と、極めて不可解かつ分かりづらい仕様となっている。 最序盤でベアが盾で防御した時だけダメージが大幅に軽減されていることに気付いたプレイヤーは多いだろうが、発動してない時もある程度の効果ありと勘違いしているプレイヤーも多い。 ガーダーは盾より回避率が低いが発動するとダメージを完全にカットできる。開発が進むと盾の回避率は下がりガーダーは上がるため差は縮まってくる。さらに防御状態ではガーダーの回避性能は2倍となるため、「ムー・フェンス」などの行動前防御が自動でつく陣形と組み合わせると発動率は盾を上回る。なお行動後防御では一部の陣形を除いてこの特性は発揮されない。 また、表示されている数値はあくまで目安に過ぎず、発動率は敵の攻撃によって補正が掛かるため変動する。実際には多くの攻撃で数値以上の発動率を発揮し、逆に小剣技の場合は特殊補正が掛かって発動しなくなる。 両手武器・体術技・術を使用するターンは盾が発動しない。ただし、これに当てはまらない例外の技・術がいくつかある。 8属性のどの属性が防げるかは盾によって決まっているが、「熱・冷・雷・状」に該当する攻撃の殆どは盾では防げない術等である。従って盾の術法属性は殆ど意味がない。赤竜波や月影等、大ボスが使う強烈な全体攻撃に対してピンポイントで活躍させられなくもないが…。 盾・ガーダーは防具欄に装備しなければならず、貴重な防具欄の一つを潰さねばならない。 不確実な防御力アップのために防御力を犠牲にせざるを得ず、そのために僅か3箇所しかない防御装備欄の1つを使う事になる。 あえて使うなら全身鎧との併用がよいが、雑魚戦で有用な陣形「ラピッドストリーム」では盾が発動せず、限定的な場面でしか活用できない。 一方で、土術「金剛盾」による魔法盾は、射属性以外の物理属性のみならほぼ2/3、斬打突+その他の属性なら100%の確率で敵の攻撃を回避できる。更には両手が塞がる行動や回避不能の陣形でも発動し、小剣技などの攻撃すら防げる高性能となっている。 同様に天術「ソードバリア」は斬属性を含む攻撃を確定回避できるなど強い。これら魔法盾がかなり強力であるため、通常の盾の地位はあまり良い物と言い難い。 もっとも、魔法盾は前提として作るのに1ターン必要となるため、片手武器を主流とするならば通常の盾であってもかなり有効。 土術「金剛盾」によって形成される魔法盾は、物理属性のみなら65%、斬打突+術法属性なら100%の確率で敵の攻撃を「回避」する。更には両手が塞がる行動や回避不能の陣形でも発動し、小剣技等の通常の盾では防げない攻撃や、一部の術すらも無効化してしまう。 その他防具の隠された仕様 装備品には防具が設定されており、防具の総重量の半分だけ素早さが下がる(小数点以下は切り捨て)仕様がある。 素早さは行動順、回避率、陣形の素早さ補正、斧以外の武器命中率、体術の威力とかなり重要性・影響力が高い。その素早さが下がってしまうという重要かつ致命的な要素であるにもかかわらず、重量により素早さが下がる要素、というよりも重量そのものの存在は一切説明や表示がない。 防御力に優れた鎧、特に全身鎧は総じて重量が高く素早さが大きく下がってしまう。素早さを活かしたい格闘家などに知らずに装備させてしまうと敵の先制攻撃を許してしまうわ、体術の威力も大きく下がってしまうわと良いことなしである。 「腕」の防具を装備する(全身鎧も含む)と弓の命中率が下がるという無駄にリアルな隠れた仕様がある。 こちらも一切ゲーム内で説明されない。結果的に弓の防御力が他の武器より低いと誤解される原因となった。 なお、武器にも重量が設定されており、弓、小剣以外は腕力と重量次第で命中率にペナルティがあるというやはり無駄に凝った仕様がある。もちろん説明などない。 器用さが高ければ弓は小剣並に命中するようになるものの、弓技そのものの命中補正は斧技に次いで低いので器用さ次第では命中しづらいのは満更間違いではないのだが。 術に関する仕様 術の技能レベルがある程度高くなると新たな術の習得や合成術の開発が可能となるのだが、どの程度上げればいいかはゲーム内で一切確認できない。 そもそも、正確に言えば、術の習得や合成術の開発の際に参照されるのは個人の技能レベルではなくマスクデータであるマスターレベルである上、条件を満たしたかどうかを示唆するような告知はないため、ある程度成長したと思った段階で研究所を訪れて確認するほかない。 術の中には使用者の技能レベルによって攻撃範囲が拡大されるもの(ファイアボールなど)、追加攻撃が発生するもの(炎の壁など)、状態異常の回復効果が追加されるもの(生命の水など)など様々なものがあるのだが、基本的に説明されないため、気付きにくい。 ファイアボールは中盤以降敵が使ってくるものが範囲攻撃となっているため気付きやすいが。 術の威力を決定する「魔力」の他にマスクデータである「理力」(正式名称であるがゲーム内で一切触れられなかったため、「冥力」「冥才」「術補正」「魔力補正値」などと呼ばれていた。移植版で正式名称公開)が存在し、術のダメージに影響を及ぼすのだが、やはり一切触れられない。 「理力」が高ければ高い程、通常の術の威力が減り、「冥術」の威力が増える。冥術は隠し要素である上、攻撃術として有効なものが皆無であるため、基本的には「理力」が高ければ高い程術士としては活躍がしづらくなる。 例外的に風術の「体力吸収」は理力依存のダメージになるため、理力が高い程効果が上がり、火術の「黒点破」の命中率も理力に依存。 この「理力」については術の威力を決める上でかなり重要な要素であるにもかかわらず、攻略本ですら触れられなかった要素である。 まず、術の威力を決定する上では魔力から理力を減算する形で計算される。そのため、ステータスとして表記される魔力の値は術の得意/不得意を示す以上の意味合いはほとんどない。 ゲーム内では一切説明されないものの、明らかに同じ魔力なのに威力が異なることから、ある程度本作をやり込んだプレイヤーであれば何らかの威力補正があることはすぐ分かるのだが、ゲーム内の魔力が術威力を反映していないのはかなり不親切といえる。 + ゲーム内の具体例 例えばクラス「フリーメイジ(女)」は魔力平均が19.6とかなり高いのだが、平均理力が14.6もあるせいで実は術士としては最弱クラス。 クラス内でも「宮廷魔術師(男)」のカプリコーンが魔力-理力5なのに対し、ライブラは魔力-理力12と大きな違いがある。魔力そのものは4しか違わないのに理力のせいで術の威力が大きく変わってしまう。 逆に魔力が低くても理力が低いおかげで術士としての適性を持つ意外なキャラも存在する。例えば「帝国猟兵(女)」のイザベラは魔力-理力が9あるため、宮廷魔術師やフリーメイジと比べても術の適性が高い。とはいえ、レアケースなので余程知り尽くしていなければ活用は難しいが。 本作のキャラクターは男性は腕力・体力が高め、女性は器用さ・魔力・素早さが高めという調整だが、女性は理力も高いケースが多い(例外はホーリーオーダー(女)ぐらいしかいない)ため、術士として女性を採用すると結果的に損するケースが多い。 合成術「クリムゾンフレア」は魔力低下効果があると説明されるが、実際には理力を低下する効果である。 つまり、冥術の威力は低下するのだが、冥術以外の威力は逆に上がってしまうというデメリットを受ける。 冥術はそもそも威力が低めなので脅威になりにくく、術が脅威と思われる相手に「クリムゾンフレア」をしてしまうと、結果として自らの首を絞めてしまう結果になることも。 腕力、魔力等と同様理力ボーナスのある防具もいくつか存在するが、画面上で魔力ボーナスと判別ができない。 例として魔力+3の防具と理力+3の防具が存在するが、能力値画面では前者のみ「魔力+3」と表記され、後者は表記がない。 冥術は威力が低い上、隠し要素がほとんどなので、理力アップは事実上は「術法威力ダウン」のデメリットとなってしまっている。 流石に混乱が大きかったためか、扱いづらかったためか本作より後の作品では「理力」は存在しなくなった。 その他説明不足な点 以下の点もゲーム内では説明されない。気付きやすいものの、気付くまでは勘違いしやすい。 勝利・退却・全滅を問わず、資金は戦闘一回ごとに収入分が国庫に入る。 武器防具開発は1回の戦闘ごとに開発できる種類が変わり、戦闘5回で開発が終了する。重鎧・兜・篭手・具足を一通り開発すると、その段階ごとの全身鎧が開発された状態となり、次世代から流通させられる。 各施設は発注後に戦闘を15回行う事で完成し、年代ジャンプでは完成しない。逆に合成術は年代ジャンプでなければ完成しない。 各陣形の効果は開発時に大まかな説明が一度あるだけで、それぞれの詳しい効果を知る事はできない。 数値の入力ミス・設定ミス・不具合等 「画面に表示されている攻撃力」と、「実際の戦闘中に発揮する攻撃力」が異なっている武器が多数存在する。 多くの場合は、1,2程度の誤差なので大した問題とならないが、棍棒は、中位・上位の開発品でそれぞれ5の差がある(どちらも表示攻撃力より5低い)ため、与ダメージにそれなりの違いが出る。 最もひどいケースは大剣の「オートクレール」だろう。表示攻撃力は50なのだが、実際の攻撃力は35であり、かなり威力が低くなってしまう(*5)。 合成術「妖精光」は素早さと術法防御力の上昇効果があると説明があるものの、実際には前者しか上がらない。 冥術の「デッドリードライブ」は敵にダメージを与え能力を下げるという説明があるが、実際には後者の効果のみでダメージはない。 こちらは「妖精光」の場合と異なり、敵がよく使ってくる術なので説明誤りに気付きやすい。 新しく防具を開発すると、完成品を受け取った瞬間に、現在流通している全身鎧がランクダウンしてしまう(*6)。 全身鎧は物理防御だけを考えると便利なので、結構厄介なことになっている。年代ジャンプすれば正常な状態に戻るが、年代ジャンプ出来ない状態で退化させてしまうとショップで買える全身鎧のランクダウンを是正することはできなくなってしまう。 一部の陣形では、能力値ボーナスや行動ボーナスが機能していない。 「ホーリーウォール」には、ゲーム中の説明とは裏腹に何のボーナスもない。本来は前衛に行動後防御ボーナスが付くはずだった。後衛2人の被弾率が僅か1%しかないという特性を持つため、一応「後衛の2人を守る」というコンセプトは守られているが。 「パワーレイズ」は皇帝の術法威力を増幅する陣形だが、実際には術法4属性の内の状属性しか上昇しないため使いにくい。一応、最強術「クリムゾンフレア」を強化できるため、皇帝が強力な術士なら使えなくもないが、やはり実用性は薄いと言う他ない。 ゲーム内では実際には入手できない没陣形が1つあるのだが、エンディングのスタッフロールでは当たり前のように登場する。 当時のプレイヤーからは「一体どうやったら入手できるのか」と物議を醸すこととなった(後の移植版・リマスター版では入手可能となった)。 ひらめきで習得した一部の技が技道場に含まれないものの、登録済みとなってしまう。 当該技が8つの武器系統のいずれにも含まれない特殊な技として扱われているのが原因である模様。 表示こそされないが、道場への登録そのものはしっかりと機能しているため、他の技や見切りと同様再度閃くことができなくなってしまい、年代が経過してしまうと2度と閃くことができなくなる。 対象となる技は「ベルセルク」と「シャッタースタッフ」の見切りと、「地獄爪殺法」の見切りと、「ファイナルストライク」の見切りの4つ。特に「地獄爪殺法」は強力な技であるため、見切りの有用性が高いため、見切りが利用できないのは痛い。 腕力+2や魔力+1など能力値ボーナスを持つ防具は、実際のボーナス値が表示されている数値より1低い。装備画面では正しく表示されるのに戦闘では適用されないため余計気付きにくい。 特に「〇〇+1」と表示されている防具は、装備しても戦闘時には能力値が一切増えない。 稀に表示通りの効果がある防具もあるが、これは「表示される数値より設定数値が1大きいミスの結果、互いの不具合が相殺された産物に過ぎない。 どうやら数値設定は間違ってないのだが、能力上昇値がデータより1低い値として適用されているのが原因のようである。なお、装備毎に適用されるためか、「魔力+1」の防具を3つセットすると、実際の効果は+0となってしまう。 ここまでプレイヤーに不利な不具合を見てきたが、プレイヤーに有利な不具合も数多い。 陣形の素早さ補正1.25倍もしくは0.75倍があるポジションには、自動防御を指定するフラグミスの恩恵により、全て行動後防御が付与されている。このフラグミスの存在が、陣形「アマゾンストライク」を最強クラスの性能に押し上げたと言っても過言ではない。 ただし素早さ補正がないと行動後防御も付与されない。このため、上記の「ホーリーウォール」は仮に行動後防御ボーナスのフラグがあったとしても素早さ補正がないため機能しない。 陣形「鳳天舞の陣」の皇帝も同様に本来あるはずの行動後防御ボーナスがなくなっているが、代わりに行動後に防御状態に移行する特殊な措置がある(*7)。 有名な設定ミスとして、本来射属性を100%回避するガーダーである「ワンダーバングル」は設定ミスで全属性を100%防御できる最強の盾と化している(*8)。 防御力もかなり高く設定されており、他の防具込みで完全防御となる防御力128に到達出来るため、盾が発動する攻撃であればほぼ無敵を誇る。不具合であるが初心者の救済措置とさえいわれ、逆に縛りプレイでは封印が半ば前提とされている。 ただ、盾回避の成功率は技によって異なるため、盾回避できる技でも完全に防げないケースもあったり、盾回避不可能な技・術もあるため、ワンダーバングルがあれば絶対にダメージを受けないということにはならない。 敵を殺さず退却させる大剣技「活人剣」には、使用したターン中は「一部を除くほぼ全ての攻撃を回避する」という効果がある。---ところが活人剣を選択してキャンセルし、別の行動を選び直しても回避効果が得られるという、前作の隼キャンセルに近い不具合がある。尤も、この技は習得が非常に難しいので、習得した頃には裏技が必要ないほど自軍が強くなっているケースが大半だが。 シティシーフが民家から金を盗むイベントで、シティシーフの隠れ家にある宝箱から何度でも資金を入手できる不具合がある。これを利用すれば序盤から大量の資金を獲得可能。 これを利用したとしても、資金上限に引っかかるため、以後金欠に悩まされることは一切ないとはならないが。 いくつかの武器で能力上昇系の固有技を使用できるが、これを閃いた際に使用する最初の1回だけ異常に効果が大きくなることがある。 特に特殊な操作をせずとも、最序盤に最高ランクの植物系モンスター「ナイトヘッド」と遭遇できてしまう。勿論撃破は事実上不可能であり、全滅の危険すらあるが、上手くやれば初代皇帝の代で中堅クラスの技を習得する事も可能。 以下の2つは不具合というより、テストプレイ時に発見できなかったチェック漏れである。発生条件が偶然ではなく、通常プレイではまずしないような特殊操作が必要で、どちらかと言えば裏技に近い。 ワールドマップ上である動作を続けた後、町やダンジョンに入ると様々な異常現象が発生する、通称「マップチェンジバグ」。かなり危険な裏技だがキャラクターが壁抜け可能になり、通常プレイでは見られないユニークなものを確認できる事も。 何もかもが色々とおかしいバグった皇帝、通称「石化皇帝」「来々帝」。ある特定の条件を満たすと、皇位継承候補を選ぶ時に技能レベルや能力値、名前やグラフィック等が異常なキャラが候補に登場する。複数の武器/術法の技能レベルが最大値の50を超えていたり、没になった武具・アイテムや敵専用の技を所持していたりする。 その他 武具・アイテムの調整不足 武器は多数存在するが最強武器は剣以外全て開発装備、宝箱等で手に入る伝説の武器よりも開発武器の方が普通に強い(*9)。 非売品には固有技が存在するものも多いが、役立つ固有技はごく僅か。殆どの固有技は通常技より弱く、補助技しか役に立たない。 サンダーボルトや退魔神剣等の優秀な固有技も一応あるが、そういった技に限ってダメージ計算が特殊であり、妙にひねくれている(*10)。 一応、開発品が揃わない序盤に入手できるものもあり、その場合は「(その時点では)高い攻撃力と固有技の恩恵を得る」という事は可能。ただし、逆に言ってしまうと、マルチシナリオであるため、入手時期が遅くなると、「苦労して入手したのに開発品より弱く、固有技も閃き済みの通常技より弱い」という逆の事態も起こり得てしまう。 武器の固有技そのものは強いのに、武器の性能が低いせいで結局活かしにくい技もある。槍のレア武器「竜槍ゲイボルグ」や大剣のレア武器「オートクレール」の固有技が該当するか。 特に槍のレア武器「竜槍ゲイボルグ」は、全槍技最強の固有技を持つものの、武器攻撃力の関係で結局開発品で使う技と大して変わらない。 アクセサリーは例によって全て非売品。宝箱から得るか敵のドロップを期待するしかなく、しかも内3つはレアドロップ限定。 全身鎧を装備する場合は、全身鎧+服+アクセサリーor盾という装備構成がよく採用され、耐性など理解していなくても穴埋め的にアクセサリーはよく使われる。 斬防御が高い防具は多い一方で、殴防御が高い防具は兜の開発品のみ、射/突防御が高い防具は宵闇のローブのみ、雷防御が高い防具はラバーソウルのみと、防具の防御力設定にも杜撰な点が非常に多い。 仮に斬防御だけでなく全属性防御が表示される仕様だとしても、このような防御力設定では、敵の苛烈な攻撃への対処は困難。 その証左としてか、後述の移植版では「特定の術法防御が高い防具」が多数追加されている。 「防具に頼らなくても補助術でなんとかできるので構わないのでは?」という意見もあるかもしれない。この意見は概ね間違ってない(*11)のだが、結局のところ「回復や防御などの補助を能動的手段である術に依存しすぎており防具による受動的な対処が困難」ということである。この辺りはやはりバランス調整が不十分と言わざるを得ないだろう。 石化は戦闘中に回復する手段がなくなってしまった。 戦闘不能は楽に回復できるのに対し、石化はアイテム、術を含め回復できる手段がない。長期戦だと戦闘不能以上に厄介な異常になってしまう。 次回作では回復手段が復活した。 前作にあった石化/状態異常回復アイテムは、本作では削除されており、特に石化は戦闘中の回復手段がない(次回作で復活)。 仲間の使い捨てが可能なシステムである一方で、一度仲間に加えたキャラを任意に外す手段は一切ない。同様に、皇帝を入れ替えるためには皇帝のLPを0にするか、戦闘で全滅するしかない。 皇帝継承時も候補として登場するのは4クラスだけなので皇帝にしたいクラスが決まっている場合には、無駄に全滅させるか、皇帝のLPを尽きさせる必要が出てくる。 更に、特定クラスの特定キャラを仲間にしたいという場合はより面倒くさい。各クラスのキャラは決まった順番にしか登場しないため、登場するまで何度もキャラを殺すなり、全滅するなりする必要が出てくる。 特定のクラスを仲間にする方法としては皇帝のLP0によるパーティメンバーの皇帝継承が楽だが、面倒くさい場合には皇帝即位→即全滅→皇帝即位……を繰り返すプレイヤーも多い。 このような行為は「謀殺」「ルドン送り(*12)」と呼ばれネタとして愛されている。 なお、これらの謀殺行為は無理に行う必要はないものの、「仲間にしたキャラが思ったより性能面で劣っていた・想定した技能を持っていなかった」「ひらめきタイプが異なるせいで想定した技を覚えてくれなかった」など仲間を入れ替えたくなる理由は様々であり、任意で仲間を外したいと思ったプレイヤーは多いだろう。 恐ろしいことに「謀殺」は、書籍『ロマンシング サ・ガ大全集』において「スキルを効率よく上げるには、皇帝を早く交代させろ」「仲間は使い捨てが可能だ。いらなくなったら遠慮なく殺せ」と書かれており、公式に推奨されている行為である。 最高の人材をパーティに集めたり、やり込みでどの時代でも同じキャラでイベントを進めて永世皇帝による帝国史を作ったりとキャラを入れ替えたい願望は他にも生じがち。 最終皇帝の代になると、全滅=ゲームオーバーになるのでこの手法は使えないが、最終皇帝のLPが減らないように注意して仲間を謀殺して、厳選したり、最終皇帝がLP0になると2番目の仲間が代わりに犠牲となる仕様を利用して仲間を入れ替えていくことは可能。 本作では体術まで含めると8系統の武器が存在するが、武器威力の差、技威力の差等の他に、武器技能LVから算出される係数の計算式も系統毎に異なり、使い勝手の差はかなり大きい。 大剣は武器威力が他より一回り高く、技能LV由来の係数も最大で使いやすい。「全体攻撃がない」という欠点があるが、剣装備+その全体攻撃でフォローが可能。 両手武器は盾を使えないという欠点があるが、大剣はそれを補って余りあるほど火力が高く、そもそも本作は先制陣形・術の強さ・装備欄等の関係で、盾装備の利点が次作以降ほど高くない。 剣はコスパのよい高威力の多段攻撃技や全体攻撃技を持ち、盾使用可能かつ命中率も高く、大剣との技の閃きなどで互換性もあるので、大剣と切り替えながら効率的に進めることができる。 しかし開発費用の関係で武器は1種を集中的に開発して皆で使うほうがお得なため、使い勝手が良い剣・大剣レベルだけしかレベルが上げられてないという状況になりがちである。また終盤は術のレベル上げに人数を割かなければならなくなる事もこれに拍車を掛ける。 斧は入手が他の武器より遅く、初期は武器威力と命中率に難があるため扱いづらいが、中盤に強い武器が手に入るころから本領発揮し、強力な技も早めに閃けるため、中盤における最大火力系統となる。技のコスパや全体即死攻撃(*13)にも優れ、最強武器の攻撃力こそ控えめだが、技能LV由来の係数は剣や大剣並に高く、技の場合は斬・殴両属性を持ち敵の弱点を突きやすい。 棍棒は「眠り」攻撃を序盤から持ち「防御力半減」の技がある点が魅力だが、殴属性しか持たずスライム系などの鬱陶しい敵に全く歯が立たなかったり、序盤の技のコスパの悪さと多段攻撃の命中率の低さにより扱いにくい印象が付くうえ、 中盤以降もコスパの良い多段攻撃技も技名から推察しにくく、それを活かす強い武器が入手しにくく火力面で不遇。 槍は攻撃力・命中率が高く、特に序盤は強い。しかし計算式の関係でそれ以降伸びが悪く、遠距離攻撃や全体攻撃の有無、攻撃属性の関係で斧や剣に劣るようになる。とは言え強力な武器を(開発品も含めて)早期に揃えやすく、終盤では高威力の技や強力なデバフ技も習得できるため、斧と並んで十分にパーティを支えてくれる。 小剣は技能LV由来の係数が最弱で、同じ威力の武器と技と技能LVでも、他の系統に比べてダメージが弱くなる。武器の攻撃力自体も、第3段階まで開発しても最弱の36である。ただ強力な多段攻撃技があるため中盤までの威力は槍に劣らない。 盾防御不能かつ、「スタン」「麻痺」の効果のある技や蛙即死の技などもあり、上手く使えば敵の行動を阻止することができる。 最強技のファイナルレターは、耐性を持たない敵単体を約8割の確率で即死させるが、それを覚える頃には他の武器や術で叩いた方が早い。 弓は序盤の非常に早い段階で全体攻撃を取得できる点が魅力。この全体攻撃の上位技もあり、必ず先制できる技があったりと中盤までのサポート役にとても適しているが、腕防具や全身鎧を装備すると命中率が下がる点、盾も使用できない点に注意が必要。 中盤以降は武器が第2段階までしか開発できず、その攻撃力も37な点や最強技の威力の弱さが目立つ。 体術は上記陣形での素早さ増減効果や装備の重量によりモロに影響を受ける。有用陣形「アマゾンストライク」との相性がよく前列に配置すれば増幅効果が他より高く十分に主力となれる火力が出せる。一方で素早さが半減する陣形「ラピッドストリーム」と「ムー・フェンス」との相性が悪く、陣形選択の幅が狭められる。終盤は腕力や素早さを陣形や補助術で強化すれば、体術最強技「千手観音」が大剣をも凌駕する最大ダメージを出せる。 総括すると剣・大剣は最初から最後まで安定しており、中盤は斧が強いが命中率は安定しない、終盤はそこそこ強いのが斧・槍、補助技が使いやすいのが小剣・棍棒・弓、体術は使い方次第となる。 術レベルが上げにくい 初期のメンバーは皇帝であるレオンが天術を使えるだけであり、少し進めると任意のイベントでジェラールが火術を覚えられるくらい。他の術はメンバーチェンジができる時期まで使えない。 ジェラールの火術は任意習得となっている上、特にヒントもないため、気付かずにイベントを進めてしまうともはや覚えるチャンスがない。 レオンは剣術が強力である一方で、初期から使える天術のライトボールは全体攻撃であるものの威力はそれ程でも無いため、使わずに進めてしまうと術を鍛えるチャンスがほとんどないままゲームが進んでいく。 こうなってくると、術をある程度強化しなければ発生しない「術法研究所」建設もできず、更に術の育成が疎かになる悪循環に陥ってしまう。 水術や地術は初期に攻撃術がないため、「やられる前にやる」スタイルの本作では鍛えることを念頭に使っていかないと育成がほとんどできない。 風術は初期術の5レベル毎のダメージ増幅が大きいため序盤こそ頼れるが、攻撃術としてそれ以上に使えるものがなく、やはり最終的には補助術頼みになりレベルを上げづらくなる。 合成術を開発すれば全属性で攻撃術が使えるが、合成術そのものがある程度両属性の術レベルを上げる必要があるためそこまで到達することがそもそも大変。 WP回復アイテムはパーティ全体を回復するのに対しJP回復アイテムは何故か単体回復である。そのため、全員で技を使う方が消費効率が上がるのに対し、全員で術を使うと効率がかなり悪くなってしまう。 そして、特に深く考えずとも技は強力なものを閃いていけるのに対し、術は自分でしっかりと覚えさせておかなければならないということも相俟って、初心者ほど術を軽視しがちなゲームデザインになっている。 これまで述べた通り、上位の術はかなり高性能なものも多いのだが、そこに到達することがなかなか大変であるため、術の有用性を知らないままゲームを進めてしまうケースが多い。そして、ラスボス以外はそういった強引な戦法でもなんとか突破可能なバランスとなっているため、本当の最後になるまで術を軽視してきたツケを感じにくい。 これまでに述べたとおり、ラスボス直前でセーブすると引き返すことができなくなる。つまり、ダンジョンを脱出することができなくなってしまうため、ラスボスに敗北し対策をしようとしたとしてももはやどうしようもない状況に陥る。 ラスボス前に警告が出るのも述べた通りであるが、「警告が出てもその時点では戻れる」「キャラのセリフとして警告が表示されるため、あくまで最終決戦の緊迫感を出す演出だろう」と考えた結果、この状況に陥ったプレイヤーは数知れず。せめて前座ボスを倒した後に警告が表示され、実際にそこを通過した後は戻れなくなるという状態であればハマる人は少なかったと思われるが……。 ラスボスがそれまでのボスと比べ遙かに強すぎるということと相俟って結果的に多くの青少年が犠牲になってしまった。数十時間のプレイの果てで詰んでしまうという意味では配慮不足は否めないといえるだろう。 隠し要素として本来敵専用である「冥術」が利用できるようになるが、敵が使うことを前提に調整されているためか、使い勝手はなんとも微妙なものが多い。 まず、攻撃術については尽く威力が低い。理力が高いキャラを上手く調整したとしてもダメージは2000に届かず、ギャラクシィが上手くやれば4000以上のダメージを与えられることを考えれば半分以下の威力である。 補助術も混乱(重度)を付与出来るもの、能力を一度だけ減少させるもの(一応重ね掛け可能であり、2回以上かければ能力を大幅に落とせるが、行動されると何回分まとめていようと効果は全部解除される)、爪を生み出し攻撃手段を増やすものなど、習得可能となる時期にはあまり有用性を見出せないものが多い。 合成術についてもあまりパッとしないものが多く、派手なエフェクトの割にクジンシーのフリーズバリアを解除する以外の用途がないヴォーテクスのような産廃といっていいものまである。 冥術は天術の対になるが、強力な天術を捨ててまで覚える価値があるものはほとんどない。ただ例外的にシャドウサーバントという一度だけ攻撃回避+分身がいる間は2回攻撃ができるので事実上ダメージ2倍となる唯一無二といってよい効果をもたらすものがあり、冥術の最大の価値といってもいいレベルで強い。 難点が多い冥術だが、実際に活用するのもかなり大変である。 入手には特殊手段が必要かつ、基本的にはイベントであまり好ましくない結末を迎えることが前提となる。そのため、ハッピーエンドを目指しながらプレイしようとするとまず入手できない。 いくら早く入手しようとしても基本的にはゲーム中盤以降で、大抵は終盤となる。この時点で新たに習得できるようになるわけだが、この時点で冥術レベル1から育てていかなければならない。 冥術は天術の対になる術であるため、序盤から育てやすく、かつ強力な術の基軸となりやすい天術が利用不可となる。 全体最強術である「ギャラクシィ」や単体最強術である「クリムゾンフレア」はどちらも天術が必要となるため、冥術を覚えると術士としての火力はかなり落ちてしまう。 いっそのこと冥術は「シャドウサーバント」しか使わないのであれば冥術の技能レベルはあまり気にしなくて良いのはメリット。術士以外の方がむしろ活用できると思われる為、天術不要のアタッカーに覚えさせておくというのは悪くない……が、逆に言うとこれくらいしか活用法が見出せない。 最大の難点は「利用可能になるのがゲーム中盤以降であること」と「天術を利用できないこと」である。 また、冥術はそのストーリー展開上「サラマンダー」というクラスと併存はできない(どちらも入手できなくなる可能性はあるため注意)。「サラマンダー」は物理攻撃面ではトップクラスに近い優秀なクラスであるため、尚更冥術は選ばれにくくなってしまっている。 もっとも、上手くやればカンストダメージが出せるシャドウサーバントもまた魅力的であり、「冥術(特にシャドウサーバント)とサラマンダーのどちらを取るか」というのはプレイヤーの間では意見が分かれるところである。 総評 雑魚戦ですら命がけのバランスのせいで、著しく特殊効果の強い一部の技・術以外は火力重視での速攻が安定するという結論に到達しやすい点が理解の難しさにつながっている。 他にもマスクデータやバグ等の問題もあり万人向けと言い難いのは確かだが、その自由度とゲーム性の高さから「シリーズで一番好き」と評する人も決して少なくない。 選択の自由度が幅広く、色々な遊び方が可能なため、一度クリアしただけでは飽きたらずに何度もプレイしたという人も多い。 高い難易度や独特のシステムが魅力的に感じたプレイヤーがいるのも確かで、現在においてもやりこみプレイを続ける人も少なからず存在する。 「年代ジャンプを最大まで発生させ帝国歴を4000年以上にする」「EDの年表を全て一人のキャラの業績にする」「序盤の皇帝ジェラールの時代に七英雄ロックブーケを倒す」などのやりこみ・制限プレイも多く行われた。 理解しにくい点や粗は多いため万人に勧められるゲームではないが、同時に「合う」人にはその癖を乗り越えて深く嵌まらせる魅力を持ったゲームとも言えるだろう。 [部分編集] ロマンシング サガ2(リマスター) 【ろまんしんぐ さがつー】 対応機種 プレイステーション・ヴィータiOS(7.0(*14))Android(4.2.2)プレイステーション4Nintendo SwitchXbox OneWindows(Windows10、Steam) メディア ダウンロード販売 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 アルテピアッツァ 発売日 【PSVita/iOS/Android】2016年3月24日【PS4/Switch/One/Win10/Steam】2017年12月15日 定価 【PSVita/iOS/Android】2,200円【PS4/Switch/One/Win10/Steam】3,259円(税込) レーティング CERO B(12才以上対象)アイコン:麻薬等薬物 判定 スルメゲー ゲームバランスが不安定 ポイント ガラケーアプリ版ベースの移植グラフィックを大幅強化やり込み要素も多く追加PSVITA版は多少劣化気味 概要(リマスター版) 1993年に発売された『ロマンシング サ・ガ2』(以下『原作』と表記する)のリマスター作品。 『魔界塔士Sa・Ga』『ロマンシング サ・ガ』がワンダースワンカラーに移植された際には、『原作』も移植する予定となっており、ゲーム雑誌でも情報が掲載されていたが、いつの間にかお流れになってしまった経緯がある。 その後、2010年に『原作』に追加要素を加えて携帯アプリとしてリリースされた(以下『アプリ版』と表記する)。 その後、2016年に『アプリ版』をベースとしてグラフィック面の向上等を行ってPSV/iOS/Androidでリリースされたのが『携帯機版』である。 この『携帯機版』はその後、高画質化した上で、PS4、Switch、XboxOne、Windows10及びSteamといった『据置機版』が2017年にリリースされることとなった。 したがって、『原作』のリメイクとしてはこれら3つのバージョンが存在するが、『アプリ版』を基準として『携帯機版』『据置機版』についてはグラフィック要素等の変化が主であることから、これら3つのバージョンを一括して『リマスター版』として扱うこととする。 なお、『アプリ版』についてはスクエニモバイルサービスが終了した際に配信終了となっているため、現時点で新規にプレイすることは不可能。 なお、『リマスター版』では『原作』と異なりタイトルの中点がない『ロマンシング サガ2』が正式タイトルとなっている。 追加要素(リマスター版) 以下、特に注記がない場合は『アプリ版』における追加要素を指す。なお、『アプリ版』においては追加要素は有料の追加コンテンツとなっているが、『携帯機版』以降ではデフォルトで含まれている。利用するかどうかについては、任意に選択可能。 追加ダンジョンとして「追憶の迷宮」が追加された。 南ロンギット地方に出現する追加ダンジョンで、北ロンギット地方で話を聞くとマップに出現する。 追加ダンジョンであるが、クリア後でないと挑めないというわけではなく、ストーリーの最中で普通に挑戦可能である。実際最短で出現させようと思えばかなり早い段階で出現させられる。 このダンジョンは更に4つのダンジョンで構成されており、『原作』で語られなかった古代人の新設定が語られるほか、新規追加アイテムや新規クラス、『原作』で没となった陣形が入手可能。 このダンジョンでは敵の強さは戦闘回数に依存せず、奥に進めば進むほど強敵が出現するという一般的であるが、本作においては特異な性質を持っている。 そのため、ダンジョンの浅いフロアなら序盤のモンスターが出現するし、深いフロアまで行けば最終盤でないと出現しないようなモンスターが出現する。この性質を活かすことで終盤で序盤のモンスターのドロップ品を狙うことも可能。 ダンジョンで全滅した場合は、本編同様皇帝継承が行われるが、ボス戦では伝承法が無効となる特殊仕様であるため、ボス戦で敗北するとゲームオーバーとなる。 ダンジョン内の宝箱からは『原作』で登場しなかった追加アイテムが登場する。深部で入手出来る装備品は『原作』のものよりも強力なものが多い。 主に、原作で弱かった武器種において、てこ入れされたものが多い。 アクセサリの中には属性防御を大幅に上げるものや、ドロップ率、技術点(経験値)を増加させるといったものもあり、『原作』では出来なかった攻略や、入手が面倒だったアイテムも入手しやすくなっている。 新武具の名前は『前作』の最強装備から取られているが、全てがあるわけではない(例えば最も有名な最強武器といっていいアイスソードはない)。 追加ダンジョンの4つのダンジョンでボスを倒すと、隠しボスと戦闘することが出来る。この隠しボスはかなり強力である上、『原作』におけるハメ技ともいうべき「クイックタイム」の対策を持つため戦略なしで勝つのは困難となっている。 それ以外の4つのダンジョンのボスも、通常のボス敵と比べると高いHPを持っているため、序盤で手を出すとあっけなくやられることになる。 隠しボスはクイックタイム対策を持つものの、単純な手数や技の種類はラスボスより少ないため、原作でクイックタイム以外で攻略したプレイヤーにとってはラスボスより楽に倒せるかもしれない。 追加ダンジョンでは「陰陽師」と「忍者」の新規クラスを加入させることが出来る。 陰陽師は『原作』では隠し術法となっていた冥術をデフォルトで修得している。これにより、『原作』ではサラマンダーと二者択一であった冥術を限定的ながら両立させることが可能になった。 もっとも、冥術研究所を設立しなければ他のキャラで冥術を使えないし、冥の合成術も開発できない。また、陰陽師自身も初期で覚えている2種類の術以外は使えないなど制約は大きいため、真価を発揮したければ冥術研究所の設立は事実上必須といえる。 設定上冥術が強力になる「理力」が高い者が多い。 忍者は体術が得意な女性専用クラス。腕力と素早さの両方が高く、格闘家以上に高い威力の体術技(*15)を素早く繰り出すことが可能。 その代わり体力は低く、戦士系としてはLPも低め。皇帝にしてHPを底上げしたり、陣形の行動後防御ボーナスを得ないと辛い。 強くてニューゲーム(「NEW GAME+」)が可能となった。 手持ちや倉庫アイテムの大半、技や術のマスターレベル、完成させた合成術、閃いた技や見切り、所持金を引き継いで最初からプレイ可能。 武器・防具の開発は引き継げず、戦闘回数、陣形、加入クラス、イベントアイテムは引き継げない。 任意のセーブデータを選んでそのセーブデータの時点の状況を引き継ぐことが可能。 強くてニューゲームを利用するに当たってゲームをクリアする必要はない。そのため、『原作』で事実上の詰み状態となった場合の救済にもなっている。 なお、装備品等は引継可能なので、唯一品を複数個所持することも可能である。例として、最終皇帝の装備は男女で異なるが、引き継げばどちらの装備品も入手できる。 魔石の指輪等を複数所有することで『原作』では出来なかった攻略も可能である。 ただし、冥術修得に必要なアイテムについては引継不可なので、サラマンダーと冥術の複合は(上記、陰陽師を除けば)不可能であることに変わりはない。 建造物として果樹園が追加された。 クジンシー(初回)を撃破後に玉座に座ることで作れ、アバロンの左下のエリアが追加される。 効果としては収入が増える……それだけである。 もう少し詳しく説明すると、収入がある程度増えるのだが、戦闘回数が増えることで果樹が生長(『アプリ版』では果樹の本数が増える)し、その都度収入が更に増えていく。 戦闘回数が一定数になった段階で果樹園を更に大きくする提案が出る。追加費用は発生するが、更に収入を増やせる(逆に、果樹園を更に大きくしない限り、収入はそこで頭打ちになる)。 最終的な収入は12,800クラウンであり、『原作』の収入の最大31,600の1/3以上にも及ぶ。全領土の税収の1/3以上も収益をもたらす果樹園とは……。 果樹園はクリア後の年表には載らず、金欠を改善するための追加要素と思われる。なお、『アプリ版』においても本コンテンツは無料で利用可能であった。 イベントが追加された。 陰陽師、忍者を含めた全てのクラスを仲間にし、全ての領域を領土とした上で最終皇帝になった際に一定条件を満たすことで特別なイベントが発生するようになった。 このイベントをクリアすることでかなり強力なアクセサリを入手出来る。強くてニューゲームを使えばパーティ人数分集めることも出来る。 『原作』でもそうであったが、サラマンダーと冥術は両立できないため、『アプリ版』では冥術を取ってしまうとこのイベントが起こせないという難点があったが、『携帯機版』以降はサラマンダーは条件から除外された。 なお、陰陽師、忍者を含めたクラスを仲間にしなければならない都合上、『アプリ版』では追加コンテンツの購入が必須である。 『携帯機版』以降(スマホは除く)においてはトロフィーや実績が追加された。 各機種で内容はほぼ同じ。 細かい違いとしてSteam版では他の全ての実績を入手するタイプの実績が存在しなくなっている。 ゲーム内で得られる情報が増えた。 原作では大量のマスクデータが存在したが、様々な情報を確認できるようになった。 装備画面で武具の説明(盾の回避率等)を追加、戦闘中に選択中の技の説明を追加。 陣形選択後に各ポジションのボーナスが明示されるようになった。 装備の重さは倉庫の体重計で、理力は術法研究所で確認可能。 戦闘回数を教えてくれる大臣の追加。 変更要素 『原作』のバグの多くは修正された。 プレイヤーに有利なもの・不利なものを含めて多くのバグが修正された。 プレイヤーにとって有利なものとしては、「シティシーフイベントの資金の無限増殖」「ワンダーバングルの超性能」「沈んだ塔への強引な侵入」は修正された。 プレイヤーにとって有利とも不利ともいえるものとしては、「ナイトヘッドが序盤に出現する」も修正されている。 装備品の性能が表記と異なっているものについては、表記通りの性能に改められている。 エルブンスキンについては装備から外せるようになった。ただし、魔石の指輪は『原作』同様不可。 陣形効果が正しく出ていなかったものについても修正された。これによりホーリーウォールの実用性は増している。 本来は想定外だった「素早さボーナスに付随する行動後自動防御」については仕様化された。 一方で、「全身鎧の退化」「ベルセルクの技、地獄爪殺法等の見切りが道場に登録されない」といった不具合は修正されていない。 『アプリ版』のみ、防具の具体的な性能(属性ごとのパラメータ)が表記され詳しく分かるようになった。 しかしながら、『携帯機版』『据置機版』では再びマスクデータに戻ってしまった。 『携帯機版』『据置機版』では、グラフィック描写が更に進化している。 フィールドのグラフィックが一新された。 一方で、キャラや敵キャラのドット絵は敢えて変更されていない。 ダッシュ時に視界が狭くならないようになった。 ただし、ダッシュ中に戦闘になると、陣形が乱されるのは変わっていない。 本作の仕様ではそもそもダッシュしても陣形が乱されないエリアが(数少ないが)存在するものの、『携帯機版』以降ではどこがそれに該当するかは分からなくなった。 一部の敵がアニメーションするようになった。 アニメーションするのはボスキャラや固定ボスとして登場する雑魚敵(ゼラチナスマター等)のみ。 雑魚敵については色違いであっても色違い先はアニメーションしない(例として、ゼラチナスマターと色違いであるゴールドバウムはアニメーションしない)。 冥術の威力が増えた。 冥術が攻撃面で弱すぎることによる措置と思われ、冥術の攻撃術は全て威力が上方修正されている。 特にサンドストームは威力が大幅に増え、敵が使ってくる全体術としては最大の威力の術に格上げされている。 味方が利用する上で冥術が弱すぎたということでのテコ入れと思われるが、冥術を入手しないプレイングであれば単純に脅威が増しただけといえる。 評価点(リマスター版) 詰み対策が増えた 『原作』では育て方や武具の開発方針・増えすぎた戦闘回数等によって事実上詰み状態になってしまうことが普通にあり得たが「強くてニューゲーム」によってそれまでのプレイが完全に無駄になることがなくなった。 武器、防具の開発状況は引き継がれないが、合成術は引き継ぐことが可能。 前のプレイで合成術を作っておけば次のプレイの資金繰りが楽になる。 武具の開発状況そのものは引き継げないが、開発後にパーティ人数分の武具を購入しておけば事実上、次の周回で開発せずに済む。 追加ダンジョンでは、戦闘回数に依存しない強さの敵が出現する。そのため、逃げすぎて敵が強くなりすぎた場合でも育成がしやすくなっている。 逆に、戦闘回数に依存しないため、対策さえ用意しておけば、序盤の段階で強敵相手に育成することも可能。 ドロップアイテムの収集が行いやすくなった。 追加ダンジョンでは序盤の敵も出現するため、雑魚敵のドロップアイテムに関して言えば弱い敵のドロップアイテムも狙いやすくなった。 追加ダンジョンでドロップ率アップのアクセサリを入手すると、アイテムドロップ自体がしやすくなる。 これによって一度しか戦えない相手のドロップアイテムも狙いやすくなったといえる。 また、強くてニューゲームを使えば、再度入手することももちろん可能である。 マスクデータが一部開示された事で遊びやすくなった。 特に陣形のボーナスは良い方も悪い方もはっきり表示されるようになったので、誰をどこに置いたら良いかという判断をしやすくなった。 ただ、上述の通り防具の性能表記については『携帯機版』以降で再びマスクデータに戻ってしまった。 冥術が強力になり味方が使うメリットが増した 冥術は全体的に威力が強化され、実用に耐えうる威力になった。 特に合成術のサンドストームは2倍近くに威力が上がり、術全体でも上位の威力となった。 冥術用の新クラス陰陽師のおかげで冥術の育成もしやすくなっている。 やりこみ要素の追加 追加ダンジョンは各ダンジョンの最下層には強力なボスが控えており、それらを全て倒すとさらに強力なボスとも戦えるようになっている。 最後に戦うボスはクイックタイムを使用するとクイックタイムで返される(プレイヤー側は無効化)というクイックタイムが強すぎた事への対策になっており、隠しボスにふさわしい強さになっている。 トロフィーもコッペリアの皇帝継承や最終皇帝以外でのクリア等、原作でやりこみの一環だった要素を拾っている。 問題点(リマスター版) UIが全機種で全て統一されているためか、画面上にタップボタンがそのまま表示されている。 一応、PSVなどのゲーム機では操作ボタンの解説が付いてはいる。 戦闘時のSE(=効果音)が全体的におかしい。 SFC版のSEが全て収録されておらず、足りない部分を他SEで代用しているため、SFC版に慣れ親しんでいるほど強い違和感が付きまとう。PSV/iOS/Android版発売時にも真っ先に問題視されていた。 例として、大剣の通常攻撃のSEが剣の通常攻撃のSEと同じ、クリムゾンフレアのSEがどういう訳かリヴァイヴァと同じである等。この点は開発スタッフ側も認識していたが、修正が難航したとの事でおかしいままリリースされたという。 一応、発売からかなりの時間が経ってからのアプデでいくらか改善されたが、それでも全てが修正された訳ではない。亀甲羅割りのSEがバグったノイズのようになっている等、依然として多数のSEがSFC版と違っている。これはPS4版やOne版も同じ。 追加ダンジョンにボスとして登場するようになった「オーガバトラー」のグラフィックがロマサガ3のものに変更されているが、ステータス等はそのまま。 グラフィック上は剣を持っているのに棍棒技を使ってきたり、盾を構えているのに回避することがない(*16)などちぐはぐであり、違和感のある変更。 追加ダンジョン以外で普通のオーガと一緒に出てくることもあり、見比べると余計に違和感が増す。 操作性がSFC版と微妙に違っており、やはりSFC版に慣れ親しんだプレイヤーほど誤操作を起こしやすい。キーコンフィグもなし。 Steam版ではコントローラサポートを利用することで擬似的にボタン配置を任意に割り当てることができるが、ゲーム内に用意されたものではないので当然画面上のUIの表示は変化しない。また、ボタンを割り当てたところで後述のようにSFC版の操作自体を再現できない箇所も多い。 一部の技が道場に登録できないバグがそのまま残っている。 本作では「強くてニューゲーム」が存在するため、「一度閃くと引継ぎプレイを続ける限り2度と閃けない」という移植前以上に後を引くバグになってしまっている。 果樹園の使い勝手が悪い。 序盤~中盤の一番お金が必要な時期に建設費として多額の金額を要求される一方で序盤の収入はそれ程でもないため、むしろ窮乏する。 段階的に増築費も要求されるため、実際に「建築費+増築費<収入」となるのは戦闘回数が増えてきた終盤ということになってしまう。 終盤になって建築が一区切りついた頃に収入が多くなるが、全種類の武器・防具開発をするといった完全プレイを目指さない限り金が余りがちになる。 おそらく、『原作』において序盤から中盤の資金繰りが難しい(SFC版では上述した「シティシーフイベントの資金の無限増殖」を序盤の資金繰りの救済措置と揶揄する声もあったくらいである)ことから追加された要素のはずなのに、序盤~中盤の一番金が必要な時期に建設料を要求され、SFC版以上に窮乏化する。そして、戦闘回数の増える終盤にはただでさえ支出よりも収入が増える状況で更に収入が増えてしまうだけで結局金が余ってしまう。 SFC版では普通の斧技だった「高速ナブラ」の参照値がおかしくなった。 RS3の分身技と同じく、前回行動したキャラの参照値がそのまま引き継がれる形になっている。戦闘をまたいで引き継ぐ事も可能。本作には能力値を直接アップする術法が存在するため、予め重ねがけで超強化した攻撃を使用しておくと、その次の戦闘で1ターン目から9999ダメージを5連発できるという壊れ技になってしまった。なお、プレイ開始後すぐには参照値がないので、低いダメージしか出ない。 冥術の強化で敵の冥術の脅威が増した。 元々威力が低くダメージは大したことない(がスタン効果がある)ペインは、ダメージも普通に受ける術になり序盤の脅威が多少増している。 ただ、最大の脅威は威力が大幅に増えた全体術のサンドストームであり、敵が使う全体術としては最強の威力に躍り出ることとなった。つまり、『原作』で脅威とされるファイアストームやストーンシャワーよりも高威力である。 幸い、サンドストームは利用頻度が低いため、使われることはあまりない。もっとも、『原作』では脅威でなかったこともあり、ほとんど脅威と思われない敵から予想外のサンドストームで全滅、といった事故が発生することはままある。 1コマンドでできるソフトリセットが存在しない。 設定画面を呼び出してから「タイトルに戻る」を選択してリセットしなくてはならないので、手間が掛かる。サガシリーズはレアアイテム収集も楽しみ方の一つなので、一度しか戦う機会のない敵が多い本作では、この仕様はネックとなる。 同じく、戦闘時に1ボタンでできた退却/防御コマンドも、本作ではわざわざ歩行キー左右でスライドさせて入力する必要がある。SFC版が手軽な操作だっただけに、幾度となく戦闘を行う本作では気になる点である。 アニメーションの弊害 基本的にボスに動きが追加されたのだが、一部のボスは後に雑魚としても出てくる。その際、完全な雑魚戦闘にもかかわらず一部のモンスターだけが動き、しかも動くモンスターよりも強いモンスターは動かなかったりするので、通常戦闘では若干浮いてしまっている。 オリジナルより劣化した演出 年代ジャンプ時の字幕表示がSFC版では黒地に字幕のみという演出だったが、リメイク版で何故かメッセージウインドウが表示されてしまい、SFC版がもっていた雰囲気を若干損なっている。 『アプリ版』で表示されるようになっていた各種属性防御が、『携帯機版』以降でまたマスクデータに戻ってしまった。 防御力が分かりづらくなっていた原因なので、アプリ版で歓迎された最大の改善点の一つだったのだが…。 PSV版特有の問題点 画面切り替えが少し重い アプリ経由で作られた関係でUnityで開発されておリ、他のUnity開発ゲーム同様PSVにおいては少々挙動に重さを感じる。ロード時間も少々入る。 各据え置き移植版では改善され、ロードをほとんど感じなくなっている。 解像度の関係でキャラクターなど一部のドット絵が潰れたように表現されている。 VitaTVに非対応。 スマホにも対応した影響からか、VitaTVには対応していない。 この件について、発売日直前に公式Twitterで謝罪と批判コメントのような呟きが投稿された。 現在は後発のPS4版とクロスセーブできるようにアップデートされている。 総評(リマスター版) コアなファンがいる作品ということで追加要素を含めた移植は大いに歓迎された。しかしながら2010年当時はスマホ黎明期であるにも拘わらず携帯アプリということでプレイを諦めたファンも多かったが、それから6、7年という時を経て各現行プラットフォームとPC、スマホへの移植と相成った。 基本的な部分は変わらないものの、プレイヤーへの情報開示を増やしたり、どのタイミングでも使用できる「強くてニューゲーム」の追加をするなど、遊びやすさは間違いなく向上している。 七英雄に関する情報の追加など、少ないながらも新規要素も悪くない。 「SFC版が難しすぎて投げてしまった」「どんなゲームか一度やってみたい」と思ったプレイヤーにはお勧め出来るリメイクであるといえる。 その他(リマスター版) 上記の通り、各リマスター版は開発エンジンにUnityを採用している。しかしUnityはPSVと相性が悪くまたスマホのほうがPSVより高スペックなこともままあるため、iOS版、Android版に比べてロード時間が若干長くかかったりする。 ダウンロード配信以前のニコ生でもプロデューサーがこの点について言及していた。 ただしスマホは機種によりスペックは様々なので、Android版は特定の場面でメモリ不足で強制終了してしまうなどの不具合も引き起こされた。 これら処理の重さは据え置き移植版では軒並みクリアされている。 基本プログラムは同じはずなのだが、iOS版のみタップ操作とメモリ解放の挙動の違いから、初期Verにて様々なバグが引き起こされた。 バグを利用すれば別のセーブデータの倉庫にある古代魔術書を引き出して、サラマンダーと冥術の両立も可能だった。 このバグにより、陰陽師と忍者で開発できる予定だったとおぼしきボツ陣形の存在も明らかになっている。 後に、PC版でも使用できる「カーソルバグ」も発見された。 コントローラのボタン+マウスのクリックかタッチパネルのタップが必須なため、CS機種では不可。 何かしらの左右に2ページ以上あるメニューを開き、隣のページに移動するボタンを押した直後に、空欄になる場所をタップ(クリック)すると発生する。成功すると空欄が選択されてページ限界を超えて移動できるようになり、応用することで、通常選べない陣形やソウルスティール習得なども可能になる。 レオン皇帝から息子ジェラールへの死の淵での言葉に対する返答「はい、はい」と「はい」でテキトーな返事である前者を選ぶと、「もっと真剣になるのだ!」と怒られてしまうのだが、さらにPSV版ではトロフィー「父の遺志を継いで」が解除されないようになっている。 展開的にもそのような仕様だとユーザーも受け取っていたが、Ver1.01アップデートで「はい、はい」でも解除されるようになった。 イベントの進行などもかなりSFC版に忠実で、SFC版の時点でやや不自然だった進行ルート(スービエと二度戦える、最終皇帝以外のクラスでクリア)もそのまま残されていたりする。 余談 当時のTVCMは中世風の街中を色んな人がフキダシのセリフでしゃべるというロマサガ2の世界観を表現した実写映像。「ボタンひとつで歴史が変わる」というキャッチコピーをアピールしていた。 + CM動画 NTT出版から攻略本が3冊(冒険ガイドブック・基礎知識編・完全攻略編)発売されている。編集プロダクションはキャラメル・ママ。 が、またしても攻略本に大嘘ばかり書かれている(それでも前作よりまだマシだが)。 例を挙げると、データ上にのみ存在しているが実際のゲーム中では入手不能な没アイテムが数多く記載されている。 これらアイテムのほとんどは、上記アプリ版以降で正式採用され入手可能となった。 棍棒技「トリプルヒット」と小剣技「ライフスティール」が「敵も味方も使える通常の(=武器種さえ合えば使える)技」とされているが、実際には敵しか使えない。そのため攻略本を信じてひらめこうとしたプレイヤーは時間を浪費することになった。 なお棍棒技ですらないトリプルヒット(*17)と違ってライフスティールは小剣「ソウルセイバー」の固有技のうちの一つとして設定はされているのだが、ひらめき難度の問題で実際にひらめくことはできない。ひらめき難度の設定ミスか、それとも意図的にひらめき難度を上げて実質上の削除を行なったものの資料変更をされなかったのか……。 本作の発売に合わせ、漫画版が『ファミリーコンピュータMagazine』で連載され、後に単行本化されている。全3巻。現在は絶版で入手困難だが良作なので、中古屋で見かけたら是非読んでみよう。 作画担当は面堂かずき氏。原作担当は1巻が森本洋氏、2-3巻が葉月まゆみ氏に交代。 全3巻という都合上、ゲーム上では再現できない&しにくい変更点や大幅に簡略化された箇所もあるが、物語はおおむね原作に則った物になっている。(*18) ちなみにネット上では、この漫画における七英雄の過去を描いたシーン(*19)を素材にした 「七英雄コラ」 がネットミーム化して有名になっている。ワグナス! 七英雄の名前の由来は「山手線の駅名を逆さにして、もじったもの(池袋、上野、恵比寿、五反田、品川、新大久保、新宿)」だというのは割りと有名なネタ。 ちなみにノエルの友人「サグザー」も東京の地名(浅草)から取られているとのこと。 七英雄の名はその後、「クソゲーオブザイヤー2008の候補となった7本のクソゲーをさす別称(蔑称)」としても使われるようになる。また、これらの作品は「2008年クソゲー七英雄」とも呼ばれている。 2015年には佐賀県とのコラボである『ロマンシング佐賀2』にて、七英雄の元ネタになっている駅に該当の七英雄の広告が展示された。ダンターグとボクオーンに関しては形態毎の広告がある。 本作はロマサガ3部作の中で唯一、単独のムック本が発売されていない。ゲーム中で語られない「裏設定」があまり存在しないという事でもあるが、1や3と違って風呂敷を広げ過ぎず、そのソフト内だけで完結させたのだとも言える。 携帯版追加要素で古代の天変地異についての裏設定が語られる。 3部作を網羅したデジキューブのムック本「大全集」には、いくらかは裏設定が掲載。 その後の展開 スクウェア・エニックスより発売されたオンライントレーディングカードアーケードゲーム『LORD of VERMILION』シリーズに七英雄がゲスト参戦していた。 裏面カードテキストなどにより新たな設定も判明した。 2012年9月から配信のソーシャルゲーム『エンペラーズ サガ』およびブラウザゲーム『インペリアル サガ』は本作の世界観をベースとしている他、敵ドット絵などのグラフィックが流用もされている。 2017年春に舞台化されたロマサガ3の好評により、2018年秋には本作を原作とした舞台『SaGa THE STAGE ~七英雄の帰還~』が上演された。 そして原作の発売から31年の時を超え、 本作の3Dフルリメイク となる『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』が2024年10月24日に発売される。対応ハードはPS4/PS5/Switch/Win(Steam)(*20)。 かつて2007年に電撃オンラインで行われた「リメイクして欲しいゲームランキング」で7位にランクインしており、ようやくそれが実現した形になる。 2年前にリマスター版も発売された前作の3Dリメイク『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』と異なり、頭身の高いキャラクターモデルを採用している他、システム面でも「連携」「タイムラインバトル」といった近年のサガシリーズの要素が新たに取り入れられている。 2020年発売の3Dリメイク版『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』を手掛けたスタッフが関わっており、同作と同様にプロデューサーは田付信一氏、キャラクターイラストはあんべよしろう氏、開発は株式会社ジーンが担当している。
https://w.atwiki.jp/gabarta/pages/46.html
ロマンシング サ・ガ3(おやつ兄貴)
https://w.atwiki.jp/yaruoaaintroduction/pages/615.html
ヾ〃〃ミミミミ | ヾミミミ / ̄ ̄ ̄ ̄ |ト イ / ̄`l < パリイ! ○―ヽ_/´ ̄ `l \____ `‐( ヽ__/ 、_ _/〇__/ |ノ l / と.」と_」 名前:帝国重装歩兵 性別:男 原作:ロマンシング サ・ガ2 一人称:私 二人称:陛下(皇帝へ) 口調:男口調/真面目 さ行-さ-サガシリーズ-ロマンシング サ・ガ2.mlt RPG「ロマンシング サ・ガ2」でプレイヤーが操作する皇帝の国であるバレンヌ帝国の兵士たちの一種。 名前はベア、バイソン、ウォーラス、スネイル、ヘッジホッグ、トータス、ライノ、フェルディナントと守りが固そうな動物から採られている。 一行の先頭に立ち、全身鎧と盾の重装備で敵の攻撃を受け止める役割を担っている …のだがバレンヌ帝国伝統の陣形である「インペリアルクロス」は先頭に立つ者の行動後に守備補正がかかる陣形で、 重装備で動きの遅い帝国重装歩兵とはイマイチ噛み合ってなかったりする (先頭に攻撃が集中するので重装備の帝国重装歩兵が全く合っていない訳ではない)。 さらにロマサガ2自体が「やられる前にやれ」なバランスであることや、 帝国重装歩兵の面々の素質も微妙な事もあり積極的には使われない。 ただ一番初めのレオン皇帝御一行に参加しているベアは、 前面で攻撃を受け止めてくれる事や剣を用いて相手の攻撃を受け流す技「パリイ」を閃きやすく、 なんだかんだで印象に強く残るキャラクターである。 Wikipedia アニヲタWiki ニコ百 ピクペ 運用法 AAは小型AAがほとんどでモブ兵士役が基本線。 「ログ・ホライズン」の直継と特徴が合致しているので補間AAとして利用できそう。 トルメキア装甲兵やさまようよろいのようなキャラクターの兜脱ぎバージョンとして使うのも有りかと。
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【TOP】【←prev】【SUPER Famicom】【next→】 Romancing Sa・Ga タイトル Romancing Sa・Ga ロマンシング サ・ガ 機種 スーパーファミコン 型番 SHVC-RS ジャンル RPG 発売元 スクウェア 発売日 1992-1-28 価格 9500円(税別) 【TOP】【←prev】【WonderSwan】【next→】 Romancing Sa・Ga タイトル Romancing Sa・Ga ロマンシング サ・ガ 機種 ワンダースワンカラー専用 型番 SWJ-SQRC07 ジャンル RPG 発売元 スクウェア 発売日 2001-12-20 価格 5200円(税別) サガ 関連 Console Game SFC Romancing Sa・Ga Romancing Sa・Ga 2 Romancing Sa・Ga 3 PS SaGa Frontier SaGa Frontier 2 PS2 UNLIMITED Saga Handheld Game GB 魔界塔士 Sa・Ga Sa・Ga 2 秘宝伝説 Sa・Ga 3 時空の覇者 完結編 WS 魔界塔士 サ・ガ Romancing Sa・Ga 駿河屋で購入 スーパーファミコン ワンダースワンカラー