約 48,536 件
https://w.atwiki.jp/niko2/pages/367.html
StarsStrike(前編) ◆CMd1jz6iP2 (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第156話 1/2 第百五十五話⇔第百五十六話 第百五十六話⇔第百五十七話 ハルヒ(と名乗った永琳)の情報を元に、ハルヒ(本物)と名乗った女を殺すために進む富竹。 建物の影に隠れながら、慎重に進む。 (おそらくは、この先に多数の主催者側の人間がいる……敵地だ) その思考は正しい。実際に、主催者の居城へと繋がる電車が通ってたりする。 雛見沢症候群の発症者は、疑心暗鬼に陥ったり、支離滅裂な思考をする割には、なぜか真実に最も近い解答にたどり着く場合が多いようだ。 ……だとしても、大きく歪曲した思考の中に極一部に過ぎないのだが。 「ッ……誰か、来る!?」 物陰にじっと潜む。 塔の方角から、集団が歩いてくる。 (間違いない……主催者の仲間達だ!) 塔から来て、集団で行動している。それだけで主催者側の人間だと判断するには十分だった。 「それで……ケンタくんがね……」 暗く、遠目からでは良く見えないが、その声に聞き覚えがあった。 (レナちゃんの声だ!) 富竹は考える。主催者の仲間が、レナに何もしていないはずがないと。 (くそっ!既に投薬された跡か! 僕と同じ薬か、それとも本当に雛見沢症候群になってしまったのか?) どちらにしろ、周りの人間はレナの様子を観察してデータでも取るつもりなのだろう。 (それだけじゃない。きっと、僕のことを偽ハルヒから聞いて、殺しに来たんだな!) レナは騙され、富竹はゲームに乗ったとでも聞かされたのだろうと怒り狂う。 銃を確認する。残りは3発……3人しか殺せない。 富竹フラッシュも、あの人数に必ず効くとは限らない。 (レナちゃんを助けるには、それじゃあ駄目だ。どうすれば……) 再び見ると、なにやら立ち止まっている。 チャンスだというのに、助ける方法がない。 「……いや、これが使えるか?」 ディパックの中を開く。 ハルヒと別れて少し歩いたところで、民家の脇に転がっていた物。 「……思い通りになんてさせないぞ!」 「おっ、と」 「博之さん、大丈夫ですか!」 全員が立ち止まる。博之が転んだのだ。 「おお、スマンスマン。やっぱり目が見えんと歩くのも大変や」 「ちょっと、アキバぁ? 博之に肩貸してたんじゃないのぉ?」 「悪い、ちょっと水飲もうとディパック弄ってた」 博之に再び肩を貸すキバ。 「ちゃんとしてもらわないと困るわぁ。ねぇ、妹……」 ふと水銀燈は妹に話しかけるが、反応がない。 「……え、あ、うん」 「ちょっとぉ……大丈夫?」 「だ、大丈夫、なんでもないよ」 そういう妹だが、体調が悪いのは誰の目から見ても明らかだった。 「……ねぇ、ティアちゃん」 「……そうね」 そのやり取りだけで、レナとティアナは意志の疎通を完了したようだ。 「薬草、まだあったわよね? ちょっと簡単に治療しましょう」 「ティアナちゃん、わたしは大丈夫だよ!」 妹は、元気な素振りを見せるが、レナは首を横に振る。 「だ、大丈夫だよ! 今は、早くお城に……」 「ゲームに乗った人が襲ってきて……そんな状態じゃ、逃げ切れないわ」 ティアナがそう言うと、妹も黙った。 「……頭が、少しボーっとするの。で、でも……大したことないんだよ?」 「……あんな鉄の塊で、殴っちゃったんだもんね」 レナが顔を伏せる。 「ここじゃ丸見えね……どこか、奥の家の中で治療しましょう」 大通りに面した家では、狙撃される恐れもあると考えたからだ。 「そうねぇ……さっさと移動しましょ」 「あー、それなんだけどね。私とレナちゃんで、誰か来ないか監視することにするよ」 移動を開始する一行に、そう切り出すこなた。 「こなたさん?」 「ほら、朱い月、じゃなくて月の頭脳とか危なそうな人がいるかもしれないからさ。 誰か来たとき、すぐに連絡できるようにってね」 「こなたも、休まんと平気なんか?」 「ふっふっふ、貫徹当たり前のネトゲオタの力を甘く見ちゃあいけない。 日付が変わる前に疲れるなどという感覚は、小学生のときに通過しているッ!」 「い、威張ることじゃないでしょぉ?」 「私だけじゃ不安だしね。レナちゃんとコロネには、一緒に見張りをしてもらうけど、いいよね?」 「いいけど……それで平気?」 二手に別れるのは危険だと言い出したのはこなた自身だ。 一瞬、こなたが震えたのをレナは見逃さなかった。 「別れるわけじゃないよ。それに、見張りは必要じゃん?」 「そうね、家の周りに見張りを立たせるのは当然として…… ここからも見張っててもらえれば、危険人物が来ても、すぐ逃げる支度ができる、か」 大人数でここにいてもすぐ見つかってしまうが、少人数ならその心配も少ない。 「……わかった。それじゃあ、こなたさんとレナに任せるわ……気をつけてね」 ピッピや妹が時折振り返ったが、全員が奥の家の影へと消えていった。 こなたとレナは、大通りに面した家の中へと移動していた。 空からは、コロネが周囲を見張っている。 「こなたちゃん、聞いていいかな?」 「なんだね、レナちゃん。おねーさんに何か御用かな?」 「……うん。ちょっとだけ、聞きたいことがあって」 真面目な話だと、こなたもふざけた調子を戻す。 「……どうして、見張りになんて?」 「うん……なんていうのかな。自分がさ、本当にみんなのことなんて考えてるのかなー、なんて思ってさ」 「……どういうこと?」 こなたの言うことを、レナは理解できない。 「……つかさをね、助けたくなるんだ。みんなを放っておいてでも」 「こなたちゃん……」 「私が一人で暴走したって、何もできないのはわかってる。 つかさがどこにいるのか見当もつかないけど、助けたい。だけど、圭ちゃんの意志だって継ぎたい。 だから……こうやって、自分がいる理由を作ってるんだと思う。 ……こんなに迷ってる私がさ、みんなの輪の中にいていいのかな?」 こなたなりに、悩んでいるのだろう。 圭一が死んで、二つの思いに悩んで――― 「―――なら、出てっていいんじゃないかな?」 「―――え?」 最後に、こなたはレナに答えを求めた。だから、レナは答えを与えた。 「いいよ、行ってきなよ。つかさちゃん、大事な仲間だもんね。 あ、なら私も抜けようかな。はぅ~魅ぃちゃんを早く探さないと。 魔法使いのティアナちゃんがいれば、みんな守ってくれるもん、危ない鉈女なんか必要ないよね。 私達一般人に、救えるものなんて何一つありはしないんだから。 ほら、これで私達は晴れて役立たず。ここにいる「理由」なんてなくなったよ ―――あれ、喜ぼうよ。あっけなく、悩みは解決したんだよ、泉こなた?」 世界が凍りついたかのように、静かになった。 「私は……」 「―――ごめん、聞いてる暇はないや」 レナは、銃を二人が入ってきたドアに向ける。 そこには、何もない。何も―――なかったはずなのに。 「制限ギリギリまで、存在感を散らしたのに、あっさりと気づかれるなんてな」 迷彩を解いたかのように、そこに小さな少女は存在していた。 本来、伊吹萃香は自らの体を霧状に散らすことが出来る。 制限のかかった今、石ころ帽子をかぶった程度に、存在感の密度を変えるのが精一杯だ。 「お酒臭いのも、消すべきでしたね。それで、何のようですか? 私たちを殺すつもりなら、とっくに襲ってきてますよね」 「お前に用はない。用があるのは、そっちの胸の小さい子だけだ」 「わ、私?」 こなたは身構える。 「手荒な真似をするつもりはない。私は、つるぺ……小さな子を守るために集めてる。 悪の巨乳には用は無い。連れとの約束があるから、大人しく引くなら見逃してやる」 「鬼が子供を攫うのを、見逃すと思うのかな?かな?」 小さな体から溢れ出る強大な力を前に、レナは立ちふさがった。 「レ、レナちゃん?」 「コロネには、このまま見張りを。―――こなたちゃんは、後ろに下がってて」 「鬼に挑む模範解答だな。―――しかし良かった、大人しく引かれたら、どうするかと思ってたところだ」 レナは、銃をしまう。残り一発の銃弾で、どうにかなる相手ではないと感じ取っていた。 取り出したのは、鉈。 「こっちも、妖力魔力共に不足気味だ。肉弾戦とさせてもらうぜ!」 二人が床を蹴ったのは、ほぼ同時。 鉈を横薙ぎに振り切るレナ。 それを、萃香は左手に握ったミニ八卦炉で防ぎきる。 「うおりゃああ!」 鉈を制しながら、開いた右手に力を篭める萃香。だが ―――それを、散弾銃のような拳が中断させた。 「ち ッぃいい!」 避けて、避けて避けて、全て避けきるのは無理だと判断した。 後ろに下がろうとして……悪寒に身をよじる。 コンマ数秒前まで萃香の顔面があった場所を、拳が通過する。 二人の距離は、元に戻った。 「驚いたよ、巨乳女。お前、強いじゃないか」 「かぁいい鬼さん、レナには、竜宮レナって名前があるんだよ、だよ?」 「そうかい、悪かったな竜宮レナ。ちなみに私も伊吹萃香って名前がある」 お互い、一歩も動かず隙をうかがう。 構えたまま、レナは動かず、口だけを動かした。 「こなたちゃんは……悩んでいる自分が悪いみたいに言うけど、悩んでない人なんていないんだよ? 私も、こなたちゃんに、妹ちゃんに……本当はどう思われてるのか、怖くてたまらない」 こなたが黙ったままでも、レナは言葉を止めない。 萃香は、呼吸を整え、次の攻防に備える。 「私は言ったよね。疑心暗鬼になっちゃいけないって。 それは、他人を疑うことはもちろん、信念を得たなら、もう自分を疑っても駄目。 自分を、信じて。貴女は、どうしてここにいるのか、思い出して」 そう言い切って……二人は、先ほどのリプレイのように動き出す。 鉈の一撃は、やはり左手に握られたミニ八卦炉で防がれ、 「くッ――!」 渾身の拳は見切られ、その手を掴まれる。 レナを蹴り上げようという萃香の攻撃は 「フタエノ……キワミー!」 全力の防御を必要とする一撃に阻まれた。 「私の……私の仲間に手を出すな!」 それが答え。 自分には、誰かを助ける力などないと理由を探し出した時点で間違いだった。 「仲間」を守るのに、肩を並べるのに。「仲間」だからという他に何がいるというのか。 圭一の死に、仲間との結束と同時に手に入れた、間違った決意は氷解する。 「驚いたな、お前も強いつるぺたか。……でも、いいのか? もしお前が、私についてくるっていうなら……お前の仲間、探すの手伝ってやるぞ?」 「ううん、結構です。……多分、私はどうやったって後悔する。 ここで皆と別れても、私の知らないところでつかさが死んでしまっても。 だから、私はここに残るって「自分」で決めた。何も出来なくたって、私は仲間達と行くんだって」 他人に選択を求めて、その結果が最悪ならば耐え切れないだろう。 だから、自分で選んだ。どんな罪も後悔も、受け入れるために。 「振られた、か。……ますます気に入った、弱い人間に任せるわけにはいかないな」 「弱い人間って、誰のことかな、かな?」 くうき砲を構えたこなたの前に、レナが出る。 「レナちゃん、わ、私も」 「ううん、これは私が挑まれた勝負だから。そうじゃないと、納得してくれなさそうだもの」 「良いこと言うけど、殺されかけても同じことが言えるかね」 そういう萃香に、先ほどまでの殺気は薄れている。 「さっき、悪の巨乳とか言ってたけど、間違いじゃないかも。 だってほら、私……こんな状況なのに楽しくてしょうがないんだもの」 「ふん、胸に頭の養分吸われてるのか? この緊迫感……楽しまずにいられるか!」 三度目の激突。 レナが繰り出す音速の拳を萃香片手でいなす。 次に来るであろう鉈の一撃を防ごうとして、萃香に再び悪寒が走る。 鉈を握っていたはずの手は、徒手空拳。 鉈を用いる意味はない。 鉈が完全に防がれてしまうなら、鉈より速い一撃を繰り出せばいい。 八卦炉を持った左手を掻い潜り、「回避不能」と称された一撃が萃香に迫る。 ―――100年の経験。 それは、人間の人生とも同等の時間。 竜宮レナは、そしてその仲間達は、その長い時間の多くを死と隣り合わせに「繰り返してきた」。 全力を尽くして、遊んだ。殺し合いをしたことがあった、一方的な虐殺もあった。仲間との戦いがあった。 戦闘のプロである部隊から、逃げ、戦い、しかし死んでいったことが何度あっただろう。 それは、覚えていなくとも全て積み重ねられる。肉体ではなく、精神が全てを覚えている。 その100年は、達人の領域へとレナを踏み込ませた。 ―――だが、それすらも萃香は防いだ。 顔面へと迫る一撃を、片膝で受けきった。 100年など、鬼にとっては取るに足らない年月に過ぎない。 鬼の力は、レナが100年で得た領域で相手に出来るものではない。 修羅場を越えた数も、戦い得た経験も、レナの繰り返し濃縮された100年でようやく互角。 つまり、純粋な力の差がある限り、レナに勝ち目はない。 唯一あるとすれば、リーチの差。 萃香はそれを埋めるべく、懐へと飛び込む。 これで差は無くなった。 先ほどは、距離があったために拳の威力が完全には届かなかった。 だが、この距離ならば100%の一撃を篭められる。 ―――高町なのはを殺した時のように、貫くほどの一撃を。 (死んでも恨むなよ、竜宮レナッ――!) 全力全開。拳を放つことへの集中。 だから気づかない。レナの構えが違ったことに。 そして、間に合わなかった。 攻撃が、ではない。防御が、でもない。 「悪寒」が間に合わなかった。 萃香に悪寒……危険信号が届いたとき、萃香の体は宙を舞っていた。 接近戦に分があるのは、萃香だけではなくレナも同じことだった。 本気の拳、「知覚不可」とさえ称された一撃。 レナ フラッシュ インパクト R F I レナ本人は、そんな命名をされているとは露とも知らない、レナ非公認の必殺技。 レナの拳に慣れ親しんだ圭一ですら光としか認識できない光速の拳。 ―――だが、これはお遊びの一撃だ。 本来なら、ふざけて軽く(本人談)放つからこそ、この速さで打てる「軽い(本人談)」拳。 レナは、何故か今なら本気でも放てるような気がして……実際にやってのけた。 それを知る術は、レナにはない。 ―――身体能力に乏しいはずの圭一が、学校の屋上でレナと互角の死闘を演じられる力を得ていたことも。 ―――学校の爆発を阻止できなかった世界で、遠い未来に魅音が銃弾を切り伏せるほどの力を得ていることも。 今のレナの状態と関係しているのかもわからないし。 なにより、「今の」竜宮レナには、もはや永遠に関係のない世界の話だ。 「レナちゃん、大丈夫?」 「平気だよ、こなちゃん。……さっきはごめんね」 その呼び方に、こなたは一瞬つかさとレナが重なって見えた。 「う、ううん、こちらこそ。シリアスな展開に慣れてないから、考えすぎちゃったみたい ……騒ぎを聞きつけて、誰か来るかもしれない。皆に知らせに行こう」 「そうだね。でも、その前にこの人を……」 このまま放置するわけにいかないと、思った矢先。 「……え?」 そう遠くない場所から爆発音が響いた。 「レナちゃん!」 「みんなの向かった方角だよ!」 二人は家から飛び出す。 屋根から飛び降りたコロネが追いかけてくる コロネに誰か見たか聞くが、答えは否。 「見逃したのかな」 「ううん、単純にここを通ってないか……鬼の子みたいに、特殊な力があるか、かな。 それに、それなりにドタドタしてた私達を無視したってことは…… 町の外側から来た人か、始めからティアナちゃん達を狙っていた人がいたんだと思う」 考察なんて、今はどうでもいい。そう離れてはいないのだから、間に合う。 そう、信じて走る。 時間は、レナたちが萃香に会う少し前まで戻る。 「包帯、あったわよ」 ティアナたちは比較的周囲を確認しやすい民家へと入っていった。 外では、ヲタチとピッピが見回りをしている。 「ッ~!」 薬草を磨り潰したものを、妹の傷に塗りこむ。 「薬草磨り潰しながらイ~ヒッヒッヒ~……とか、翠星石辺りなら言いそうねえ」 「いや~、見えんけど水銀燈にも似合ってそうな台詞やぞ?」 無言で磨り潰した薬草を博之の傷口に塗りこむ水銀燈。 「ゴ――痛~、何すんぞー!」 「はぁ? 治療でしょうが、ばぁかじゃないのぉ? その様子をため息をつきながら見ていたティアナは、妹の前に座り、頭に包帯を巻く。 「どう、調子のほうは?」 「う、うん……良くなったよ」 「嘘だッ!……なーんて、ね。似てたかな、かな?」 「相変わらず、似すぎやぞ」 それはともかくとして、みんなが妹の様子を心配する。 「……軽い脳震盪かもね」 レナ本人が言っていたように、大人の身長ほどもある鉄塊で殴ったのだ。 あの状態のレナが、どれだけ手加減したのかも疑わしい。 頭へのダメージが、何時間もあとに出てくるなんてよくある話だ。 「ティアナちゃん、レナちゃんは悪くないよ!わたしが、レナちゃんのことを殺そうとしたから……」 「違うわ、妹ちゃん。どっちも悪かったのよ。だから、現地の判断で両成敗。 でも、それと妹ちゃんが無理するのは別の話よ」 「そうやぞ、それで倒れたり、最悪死んだりしたら、原因作ったレナが、病気抜きで壊れてしまうぞ」 シュンとなる妹。 「そう、だよね。それにわたしが死んだら……私が塔で殺したあの人への償いも、出来ないんだよね」 「そういうことだ。俺も、死んだ蟲野郎の分まで……いや、うーん……」 「どうしたのぉ?聞いた話だと、ろくでもない蛆虫みたいな奴だったんでしょ?」 「そうなんだよ。それに俺、あいつのことアニメでみたことある気がする。 アニメであいつのことを見たとき、痛い目に遭う姿を見て「ざまぁwww」とか思った。 でも、実際に目の前で死なれると……アニメ見てるときは、主人公に感情移入してたりするけど、本来は全然恨んでないわけだしなぁ」 アニメという言葉に、ティアナは何か考える始める。 「その、アニメの話なんだけど……あなたは知ってる?」 「ぼんやりとはな。……しかし、アニメもゲームも原作者がいるけど、どうなってんだろうなあ」 「そうねえ……単なる偶然って線を除けば……原作者本人は、気づいてないんじゃないかしらぁ?」 水銀燈の発言に、みんなが耳を傾ける。 「仮説に過ぎないけど、聞きなさい。夢の世界にはね、世界樹っていう大きな樹があるの。 その樹は、全ての人の夢と夢を繋いでいて、心が通い合った人同士の夢が繋がったりするときもあるのよ。 原作者とか、そういう人は……夢で見た世界のことを、無意識に描いてるんじゃないかしらぁ? 声優とか、そういう人も、ティアナやレナと繋がってて、だからイメージ通りだとかって理由で選ばれてるとか?」 たしかに、それだと辻褄があってるように思える。 実際見たものをお話として書くわけだから、アニメが現実と同じなのは当然ということか。 「妄想に過ぎないから、忘れていいわよぉ。あのピエロを締め上げれば、答えが出るでしょうしねぇ」 そういいながら、磨り潰していた薬草をビンにつめた。 傷薬の代わりになってくれるだろう。 「出来ることなら、妹ちゃんを安静にしておきたいけど……町を離れるのが先決よ。 ごめんね、背負ってってあげるから……ここから抜け出して、安全なところに行きましょ」 酷いことを言っていると、ティアナ自身反吐が出そうになる。 「うん、ありがとうティアナちゃん」 だから、笑顔でこう言ってくれた事が嬉しかった。 ガンッ 「今のは?」 右隣の家……その屋根の辺りから音がした。 「だ、誰か上にいるんか?」 緊張が走る。ヲタチとピッピが向かったようだ。 「妹ちゃん、私から離れないで」 「う、うん……ヒッ!?」 妹の悲鳴に、全員が振り向く。 妹の視線の先……窓の外に、誰かが立っていた。 「そこにいるのは誰!」 ティアナとキバが銃を構える。 だというのに、人影は微動だにしない。 「……?」 逃げるなり、襲ってくるなり、何の反応も無いことを不審に思いながらも、窓に近づいていく。 「……?」 無用心に、水銀燈が窓のそばまで寄り……口を開く。 「これ……ただのマネキンよ!」 ほっと、胸を撫で下ろした者と、戦慄した者がいた。 そのマネキンが、自分たちの注意を引くためのトラップだと気づいたか、否か。 ―――どちらにせよ、手遅れだった。 何かが、反対の窓から飛び込んできた。 飛んできた何か―――『インセクター羽蛾の首輪』に、隠れていた富竹の放った銃弾が命中する。 直後、周囲は白い閃光と、爆音に支配された。 作戦が成功した富竹は、だというのに進入して混乱していた。 (どうなってるんだ、レナちゃんがいない!?) 身を潜めながら、富竹は遠くから二手に分かれた彼女達の会話を聞いていた。 その内容は聞き取れなかったが、声の主だけははっきりしている。 (偽ハルヒめ、やっぱり混ざっていたな!) もちろん、この一団にハルヒなどいない。 暗闇で見えないため、こなたの声をハルヒの声と認識したのだ。 ―――雛見沢症候群である彼ならば、姿が見えてもハルヒだと信じたかもしれないが。 二手に分かれたのを確認する。富竹は偽ハルヒが見張りだと声で確認した。 (あいつは下っ端ということか……なら、こんな小物に構っている暇はない) ハルヒを殺したくて仕方のない富竹だが、彼はハルヒを地位の低い存在だと決め付けた。 (それよりも、今はレナちゃんを助けなければ。きっと、これから何かを始める気だ) そう、これが更なる間違い。 ティアナの声を、レナと勘違いしたのだ。 レナは、このときあまり多く喋っていなかったため、レナだと認識されなかった。 見張りがいる場所がわかっていれば、死角になる場所を探すことなど、自衛隊員である富竹には簡単なことだった。 尾行し、敵のアジトを突き止める。 見張りがいるが、ここで銃を使うわけには行かない。 持っていたマネキンの腕を天高く放り投げる。 富竹がいる場所とは反対の家の屋根にぶつかり、見張りのモンスターはそちらに向かった。 窓まで近づき、マネキンの本体を置く。 この暗がりなら、注意をひきつけることができるはずだ。 案の定騙された。その間に富竹は、違う窓の近くに移動した。 そして、この首輪を使うときが来た。 首輪が落ちているのを見たときは、どういうことか混乱した。 しかし、首輪と辺り一面の血しぶきが凄惨な何かがあったことを物語っている。 (主催者どもめ……随分と色々な実験をしているようだな) 首輪を拾い、その構造を確かめた。 残念ながら、自分の知識では首輪について理解できることは少ない。 だが、どうやら首輪は外周に比べて内周……首に面した部分は装甲が薄いらしい。 爆発した際、首を確実に吹き飛ばすためだろう。 首にぴったりフィットしているため、自分の首輪もそうなのかは分からない。 (そうか、そういうことか) なぜ、首を痒くする薬なんて作っているのか富竹は理解した。 首を掻くときに、首輪を誤作動させるためだ。 おそらく、フィットした内周に大きな刺激を――たとえば外そうと掴んで――与えると爆発しやすくなっているのだろう。 外周部分は、拳銃の弾ですら弾くだろう。 参加者を殺すのが目的なら、これを破壊するほどの一撃を与えるより、参加者自体を殺したほうが簡単だ。 反対に、内周部分に大きな衝撃を与えれば……爆弾として使えるということだ。 そして、僕は首輪を投げた。 拳銃で狙うは、首輪の内周部分……楽勝さ! 銃弾は、弧を描く首輪の内周部を打ち抜き……予想通り爆風が室内を包み込む。 内へと爆発力が向かう設計であるため、殺傷能力は低い。 だが、その爆風は、油断していた奴らを壁に飛ばす程度はあった。 部屋に突入し、レナちゃんを保護しようとして……いないことに気がついた。 「いない、だと! そんなはずはない!」 たしかに、レナちゃんの声を確認したのにと狼狽する。 部屋の中の誰もが、床に倒れるか、壁に激突し気を失っている。 だが、のんびりはしていられない。 すぐに見張りどもが、ハルヒもやってくるに違いない。 (どうする、逃げるか?) 「ヒッ……」 悲鳴。―――ああ、そうだ。ここまで危険を犯したんだ、奴らの手駒を減らすくらいしなければ、割に合わない。 「死ね」 蒼白の幼女に銃弾をお見舞いする。 脳天を直撃、するはずだった銃弾は、幼女を庇うように飛び出した誰かに当たった。 「くそ―――ぐあッ!?」 横から誰かが富竹に掴みかかる。 ほとんど体当たりのような形だったが、鍛え上げられた富竹を倒すことは出来ない。 「うおおおおおお!!!」 その男……爆発地点から最も遠くにいた博之は、爆発の衝撃で尻餅こそついたが、それだけだった。 何が起こったのか把握はできない。 それでも、「死ね」という声と、銃声がした方角に、全力で向かっていった。 「ガッ―――」 糸が切れたように、博之は倒れた。 バチバチと音を立てるスタンガンを、首筋に当てられたのだ。 顔面を蹴り飛ばし、銃の引き金に指をかける。 だが、この僅かな時間は爆発の衝撃から立ち直る時間としては十分だった。 炎を纏った羽が、メタルブレードが富竹を襲う。 それでも、富竹は目の前の男を射抜くことを試みて ―――そのどちらとも違う、正面からの銃弾に、その腕を射抜かれた。 「GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!」 銃弾は、見当違いの方向に飛んでいく。 もう、富竹の頭の中にレナや殺意はなかった。 生き延びることだけを考え、家から飛び出す。 外には、異変に気がついたピッピとヲタチがいた。 「機関車は無敵さあぁぁぁぁあぁぁ!!」 富竹は何も考えずに突進した。 ヲタチが炎を纏った拳を放つ。 ピッピは指をふる。 顔面に炎のパンチを浴び、酷い火傷を負うが、ヲタチを吹き飛ばして逃げる。 ピッピの指を振るは、効果が表わさず……富竹は走り去った。 こなたとレナが飛び込んできたのは、それとほとんど入れ替わりだった。 「いやぁあああ!あ、ァァアアアアア!!!」 半狂乱の妹の叫び。 その体は、頭から血で真っ赤に染まっている……もちろん、妹の血ではない。 「ティアナ!」 頭からおびただしい量の血を流し、倒れているティアナ。 荒い呼吸が、まだ生きていることを示すが……明らかな致命傷だった。 この傷で、富竹の腕を銃で射抜いたなど……誰も信じられなかった。 「いもお、ちゃ……ぶ、じ?」 妹がティアナの手を握る……冷たくなりはじめていた。 「だ、大丈夫だよ、ティアナちゃん」 安心させなければと、無理やり落ち着いた声を出した。 「だれか、いもうと、ちゃんがぶじ、……みんな……」 ―――気づいていない。 強く手を握っているのに、その目は妹も、仲間も映してはいない。 懸命に、目の前にいる仲間を探して、妹の安否を確かめようとしている。 「どうして」 こなたの悲痛な声。 これから、仲間と共に歩むと心に刻んだばかりなのに、その決意をあざ笑うかのように、仲間の命は終わろうとしている。 レナとて、同様だ。 萃香を撃退し、安心したところからの落差も激しい。 早く楽にしてあげるべきではないかとすら、考え……怖くて、そんなことは出来なかった。 タオルで傷口を止血しようとしても、止まる気配はない。 水銀燈が解放していた博之が、目を覚ます。 どうなったのか、説明を求めた博之に水銀燈は説明をする。 その絶望感を含んだ口調と内容に、博之は崩れ落ちた。 「くっそぉぉぉ……なんでぞ、なんで俺みたいな役立たずが生きて、ティアナが」 「わたしが死ねば、わたしみたいな役立たずが……」 パァン 博之の頬を水銀燈が叩く。キバが、妹の頬を叩く。 「二度と言ってみなさい。そんなふざけたことティアナの前で、よくも……!」 泣いているのか、水銀燈の言葉は続かない。 「……すまんかった、水銀燈」 キバも何も言わない。言葉にできないのだろう……ただ、泣いていた。 「ごめん、なさい。わたし……でも、わたしどうすれば……」 「ピィ!!」 戻ってきていたピッピの声、そしてヲタチも威嚇の声を上げた。 家の入り口に、人影があった。 これ以上絶望に追い討ちをかけるのかと、しかし全員が敵意を露にした。 入り口に立つ人影も、それに匹敵する戦意を露にして。 「な のは、さ ん?」 ティアナの声で、全てが掻き消された。 もう、自分は死んだのだと思った。 だけど、違った。 まだ、周りには結束を誓い合った仲間達がいることが感じられた。 そして、新たに入ってきた人の魔力を、私は忘れるはずもなかった。 近づいて、手を握ってくれて、それは確信へと変わった。 「いきていて、くれたんですね」 心のどこかで、信じていなかった。死体を見るまで信じることはできなかった。 だからこそ嬉しい。この最悪のタイミングで、最高の追い風が吹いたことが。 「わた、わたしのなかまを、おねがいしま、す。そ、それから……こ、こーじをいきかえらせてください」 呂律も怪しい、そんな言葉を、彼女は聞き取ってくれている。 「ゲームに、乗れってことなの?」 ああ、大変だ。勘違いさせてしまう。 「ちが、います。あ、あいつらをたおしたら、きっといきかえらせるちからも、みつか、る。 だ、だから、そのときに わたしはいいから、こーじのこと、を……いもうとちゃんのお兄さんも、みんな、を」 こんな違反を、なのはさんは許しはしないだろう。 駄目だよと。優しく、しかし厳しく私を非難するだろう。 「うん、任せて」 だから、この言葉を聞いて、私は安心してしまった。 もう、とても眠いのを我慢しなくて良いのだと、思った瞬間から眠くなってくる。 「すみませ、ん、なのはさん。あとは、おまかせします。 ほんの少しですけど、わたし、のまりょく……うけとって、ください。 ―――機動六課の意地……主催者どもに、見せてやってください、ね?」 ディバイドエナジー。魔力を他人に分ける魔法……多少なりとも役立てて欲しい。 「―――わかってる。ティアナは良く頑張ったね。少し、休憩するといいよ」 「はい……おやすみ、なさい」 疲れが、嘘のように取れた。 「ティア、よう頑張ったな」 聞きたかった声が聞こえて、自分がどうなったのかよくわかった。 迎えに来てくれたのいいけど、タバコの吸殻が足元に落ちまくっている。 死に待ちと思うと、あまり良い感じがしなかった。 「ポイ捨ては、罰金の対象よ。―――あれ?」 光の奥に、誰かが逃げるように消えていった。 なんだろう、なのはさんに似ていたような……そんなはずは…… 「ま、まあ深く考えるな、気にせんで行くぞ」 何か怪しい。 まあ、いいか。どうせ私に出来ることはない。 「レナ、博之、みんな……運命の打開を、夢で終わらせないでね」 そして、浩二と一緒に光の先へと進んでいった。 sm155:『殲滅計画YOKODUNA』(後編) 時系列順 sm156:Stars Strike(後編) sm155:『殲滅計画YOKODUNA』(後編) 投下順 sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) ティアナ=ランスター sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) 永井博之 sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) 竜宮レナ sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) 友人 sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) キョンの妹 sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) ピッピ sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) 泉こなた sm156:Stars Strike(後編) sm141:SECRET AMBITION(後編) 水銀燈 sm156:Stars Strike(後編) sm152:二人合わせばレッドベジーモンの知恵(後編) 伊吹萃香 sm156:Stars Strike(後編) sm148:Encount Modern or Ancient 富竹ジロウ sm156:Stars Strike(後編)
https://w.atwiki.jp/so2se/pages/92.html
PA中、旅の仲間にピックポケット 通常PA(プライベートアクション)中に、仲間から獲得できるアイテムを掲載仲間にしなくても街で出会えるメンバーや、街の人達はピックポケットで獲得可能なアイテム参照 難易度:★失敗するとコメントが返ってくる ☆の数=失敗回数(←運と腕によるので参考程度に) PA中、旅の仲間にピックポケットアーリア村 サルバの町 クロス城下町 港町クリク マーズ村 ハーリーの町 港町ヒルトン ラクール城下町 リンガの町 ラクール前線基地 エルリア集落 セントラルシティ ノースシティ ギヴァウェイ アームロックの町 ファンシティ アーリア村 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード アタックボトル レナ ☆☆ナックル セリーヌ リキュールボトル アシュトン ネックレス プリシス ☆アイアン ボーマン アセラス ディアス シルバーグリーブ レオン ヘルメスの理論 オペラ ワイン エルネスト 万年筆 ノエル キュアストーン チサト 万年筆 ウェルチ 神風トニック サルバの町 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード スエードブーツ レナ サファイア セリーヌ ★サキュバスコロン アシュトン シルバーペンダント プリシス ピヨピヨボム ボーマン ☆ラベンダー ディアス ファインシールド レオン ☆大地の秘密 オペラ シルバーペンダント エルネスト シルバーリング ノエル ペットの餌 チサト ウェルチ モータリアルカード クロス城下町 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード ラウンドシールド レナ ブーツ セリーヌ シンデレラグラス アシュトン ゴールドブレスレット プリシス ピヨピヨボム ボーマン ラベンダー ディアス ☆モータリアルカード レオン ☆ポケットミニ図鑑 オペラ ☆☆ビール エルネスト プリズムリング ノエル 舌平目の果実ソース チサト ☆☆ムーナイト ウェルチ ☆リバースドール 港町クリク 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード 練気の書 レナ 神秘の生き物 セリーヌ シンデレラグラス アシュトン × プリシス × ボーマン × ディアス × レオン × オペラ × エルネスト × ノエル × チサト × ウェルチ × ×不可能 マーズ村 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード 肖像画B レナ 肖像画A セリーヌ ☆シンデレラグラス アシュトン 10フォル プリシス マテリアルキット ボーマン ☆メープルシロップ ディアス ビターローション レオン 野草のすべて オペラ 美丈夫“うすにごり” エルネスト バトルスーツ ノエル ベレー帽 チサト RIRICA ウェルチ 肖像画M ハーリーの町 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード エクステンドカード レナ フェアリーズカード セリーヌ ☆ブルーベリィ アシュトン ☆シルバーペンダント プリシス ☆☆☆フレアボム ボーマン ホーリィミスト ディアス パラライチェック レオン 神秘の生き物 オペラ ドゥルフォール エルネスト リバースドール ノエル 神秘の生き物 チサト ゴールドアイドル ウェルチ うまい棒1 港町ヒルトン 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード ☆☆☆バンデッドメイル レナ 編み上げ靴 セリーヌ ☆パイルティア アシュトン ☆パラライチェック プリシス ☆フレアボム ボーマン メディカルリンス ディアス モータリアルカード レオン 大自然の生命 オペラ 美丈夫“うすにごり” エルネスト 妖精の像 ノエル 大自然の生命 チサト 万年筆 ウェルチ リバースドール ラクール城下町 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード ☆アイアングリーブ レナ ☆ハードナックル セリーヌ ☆クレストロッド アシュトン ガードリード プリシス アイアンパンチ ボーマン ☆☆☆滅菌てぶくろ ディアス ☆☆☆アルゴル レオン ☆☆バイエル オペラ ライトボックス エルネスト カエル ノエル 神秘の生き物 チサト 上質紙 ウェルチ お茶くみの合間に リンガの町 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード ファインシールド レナ ☆編み上げ靴 セリーヌ ☆シルクローブ アシュトン プレートメイル プリシス ☆☆フレアボム ボーマン 幸せの指輪 ディアス ☆☆☆☆絵画:叫び レオン ☆図鑑 オペラ ピンヒール エルネスト ☆☆バトルスーツ ノエル 森の仲間たち チサト 羽ペン ウェルチ ダマスクス ラクール前線基地 エルリア集落 セントラルシティ 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード ☆☆☆☆ミスリルメッシュ レナ ☆チョコクレープ セリーヌ ☆☆☆ホーリーロッド アシュトン ☆☆☆バトレイヤーリング プリシス カエル ボーマン ☆サワーシロップ ディアス ☆☆☆シルバーグリーブ レオン ☆☆辞典 オペラ イブニングドレス エルネスト ☆ディスカバリーカード ノエル 魚介類 チサト ショックガン ウェルチ レザードフラスコ ノースシティ 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード ビクトリアルカード レナ ハイヒール セリーヌ ミスリルドレス アシュトン ☆ドリームブレスレット プリシス ☆☆ウルトラパンチ ボーマン マンドレイク ディアス クレスティアガード レオン ☆☆☆森の仲間たち オペラ ピンヒール エルネスト 変なかたまり ノエル ★おおとろ チサト リヴァイバルカード ウェルチ 下克上ライフ ギヴァウェイ 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード ベイルピアサー レナ ペインセスタス セリーヌ ルビーロッド アシュトン ツインピックス プリシス ウルトラパンチ ボーマン ホーリィミスト ディアス ☆ワールウインド レオン ★★辞典 オペラ Xボックス エルネスト フレアウィップ ノエル 魚介類 チサト ☆ライトニングガン ウェルチ 操作マニュアル アームロックの町 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード イグニートソード レナ ☆ルーンフルムーン セリーヌ シルバームーン アシュトン ツインピックス プリシス ☆☆マテリアルキット ボーマン ☆アルテミスリーフ ディアス ブリーズホープ レオン 紋章学大辞典 オペラ αボックス エルネスト ライトウィップ ノエル ドラゴンクロウ チサト ☆エディター ウェルチ 玉手箱 ファンシティ 対象者 難易度・アイテム名 対象者 難易度・アイテム名 クロード タリスマン レナ レディフィンガー セリーヌ 紙くず アシュトン ペットの餌 プリシス チョコクレープ ボーマン リキュールボトル ディアス ☆☆ストーンチェック レオン 工学論 オペラ 船中八策 エルネスト ☆☆ヘキサグラムカード ノエル おおとろ チサト ☆上質紙 ウェルチ びっくり箱
https://w.atwiki.jp/meteor089/pages/175.html
岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑤ 前へ 戻る 次へ 31 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 20 37 06.78 ID 0Jt8Vstp0 神社から学校までは大した時間は掛からなかった。 もちろん、子供たちはその道のりも楽のしそうにお喋りしていたし、露伴も雛見沢の無邪気な子供たちと接するのは楽しかった。 沙都子「さぁ、露伴さん、ここが学校ですわーっ!」 露伴「うーん、学校と言うにはちょっと変わった建物だねぇ。 確かに公共施設っぽいんだが、学校には見えないなぁ。変なゲートもあるし。」 魅音「鋭いねぇ、露伴さん。ここは本来学校じゃないんだよ。 元々は営林署の建物だったんだけど、一部を間借りして学校にしてるんだ。 だからこの学校の正式名称は、鹿骨市立興宮小学校雛見沢分校と、同興宮中学校雛見沢分校ってわけ。」 露伴「へぇ、小学校も中学校も一緒なんだね。 それなら沙都子ちゃんと君らが友達なのも納得ってもんだ。」 レナ「私たちの歳になると、興宮の中学校に行っちゃう子が多くて同じ世代の子は少ないんです。 圭一君が引っ越してくる前は、魅ぃちゃんと私ふたりっきりだったくらいで。」 露伴「なるほどなー。よかったじゃないか圭一君。 こんなに可愛い女の子が二人もいて、ライバルがいないんだぜ。」 レナ「わわわわ、ど、どどど、どういう意味かな。かな。」 圭一「ちょ、やめてくださいよ露伴さんー。 レナはまだしも、魅音なんて男友達みたいなもんなんすからー。 露伴さんの前だからちょっと猫かぶってるんすよ、こいつー。」 魅音「どうせおじさんは可愛くないですよーだ。」 魅音がそう言ってむくれると、全員で大笑いするのだった。 32 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 20 41 45.53 ID 0Jt8Vstp0 その後、魅音の案内で教室へと向かう。鍵はかかっていなかった。 なんとも無用心な学校だ。魅音が言うには、日曜に鍵がかかっているかは五分五分らしい。 営林署の職員さんが最後まで残っているとよくかけ忘れるそうだ。 田舎らしいと言えば田舎らしい。それが雛見沢のいいところなのかもしれない。 教室に入るなり、魅音が指示を出し、机をくっつける。 4つの机をくっつけてその周りを囲むようにに全員で座る形になった。 34 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 20 45 25.89 ID 0Jt8Vstp0 魅音「さーて、本当は明日する予定だったんだけどねぇ。 まぁいい機会だし、今日やっちゃおうかな。 それでは、会則に則り、部員の諸君に是非を問いたいっ! 彼、前原圭一君を新たな部員として我らの部活動に加えたいのだが・・・いかがだろうか!!」 露伴「おいおい、いきなりなんだよ。」 レナ「レナは異議な~し!」 沙都子「をっほっほっほ!貧民風情が私の相手を務められるのかしら! それに露伴さんはどうするんでしてっ!?」 梨花「・・・・・・ボクも沙都子も賛成しますですよ。 露伴も混ぜてあげてほしいのです。」 レナ「うんうん、露伴さんもやろうね。やろうね。」 37 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 20 50 11.97 ID 0Jt8Vstp0 魅音「全会一致!おめでとう前原圭一くん。君に栄えある我が部への入部試験を許可する! 露伴さんにも特別ゲストとして参加を許可しよう!!」 圭一「順を追って説明しろ!何の部活だ?俺はまだ入るとは言ってないぞ!」 露伴「僕はおもしろそうだからなんでも大丈夫だがね。」 魅音「露伴さんノリいいじゃーん。 我が部はだね、複雑化する社会に対応するため、活動毎に提案される様々な条件下、 ・・・時には順境、あるいは逆境からいかにして・・・!!」 レナ「・・・レナは弱いから・・・いじめないでほしいな。仲良くなろうね。」 沙都子「レナは甘えてますわ!弱いものは食い尽くされるのが世の常でございますわー!」 梨花「・・・・・・つまり、みんなでゲームをして遊ぶ部活なのです。にぱ~☆」 露伴「僕はガキだからって手加減しないからな。やるからには勝たせてもらうよ。」 39 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 20 50 57.69 ID 0Jt8Vstp0 魅音「おおっ。露伴さん良い事言うねぇー。 会則第一条!!狙うは一位のみ!遊びだからなんていういい加減なプレイは許さないッ!!」 沙都子「会則第二条!!そのためにはあらゆる努力をすることが義務付けられておりますのよ!」 梨花「・・・・・・もちろんボクも頑張りますです。」 レナ「レナも弱いけどね、精一杯頑張ってるの。」 露伴「先に言っとくけど、強いほうだと思うよ。僕は。」 圭一「よし、俺も・・・本気でやってやるぜェーーー!!!」 44 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 20 56 25.97 ID 0Jt8Vstp0 露伴「それで、なんのゲームをするんだい?」 魅音「そうだねー。ちょっと待ってよー。」 そう言いながら魅音はロッカーへと向かった。 ロッカーを開けて中を漁り始めた。大分中身は多いようだ。 魅音「難しいゲームは圭ちゃんと露伴さんだけに不利だからね。今日は誰にでもわかるゲームにしよう。 スタンダードにトランプの・・・ジジ抜きはどうッ?」 露伴「僕はなんでもいいよ。圭一くんの入部試験なんだろ?」 圭一「いいぜ。受けてやるよ!」 魅音「もちろん、罰ゲームありだからね。露伴さんも。 今回は一位が罰ゲームを決めるっていうので、どう?」 露伴「あぁ、構わないよ。一位になるのは・・・僕だからね。」 圭一「へへっ、入部試験らしいからなぁ。露伴さんには悪いけど、俺が一位を取らせてもらうぜッ!」 沙都子「あーら、圭一さんはビリにならないようにするので精一杯ではありませんことーッ?」 レナ「あはは、私には手加減してほしいな・・・はぅ。」 47 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 20 59 55.16 ID 0Jt8Vstp0 魅音「ほーら、カードは切り終わったよー。 じゃあ、ジジを抜いてっと。ほら、配るよー。」 魅音は机の中央にジジを抜くと、カードを配りだした。 ジョーカーも抜いてあるようだった。 露伴と圭一以外はそのジジのカードを凝視している。 圭一「このトランプ結構傷物だな・・・もしかして・・・みんなにはその伏せてあるカードがわかる・・・なんてことないよな。」 沙都子「会則第二条ですわー。圭一さんも勝つために最善の努力をなさいませー。」 レナ「いくつかのカードは特徴的だから・・・圭一くんにもすぐ覚えられるよ。」 露伴「へぇ・・・そいつはおもしろそうだな。」 露伴はカードが他人にバレるのも気にせずに、自分のカードの表と裏を眺め、傷を確かめている。 他人のカードもジロジロと見て傷を探しているようだ。 圭一「じょ、上等だぜ!!この程度でハンデになると思うなよ!!!」 51 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 03 53.35 ID 0Jt8Vstp0 魅音「くっくっく!圭ちゃんの手札を右から言うぜ?3,4,9,J,Q。 露伴さんは右から、Q,7,2,9,K。」 露伴「やるね。正解だよ。」 圭一「ぐわああァァァアアッ!!」 梨花「ちなみに、ジジはダイヤのJなのです。」 圭一「うがァァァァアアッ!!」 沙都子「どうカードを入れ換えたって、見え見えですわ! あがりですのー!」 圭一「お・・・鬼だ・・・こいつらは鬼だ・・・! レナ・・・は・・・鬼じゃないよな・・・?」 53 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 08 22.37 ID 0Jt8Vstp0 レナ「ご、ごめんね圭一くん。・・・こっちがハートの3だよね?・・・あがり!」 圭一「おわァァァアァァァアァァアアアッ!!! 残るは・・・露伴さん・・・・・・ そうだ・・・露伴さんは、俺と・・・対当なはずだ・・・。」 露伴「レナちゃんがさっき引いたのが3ってことはだ。 魅音ちゃんが言ってたのは魅音ちゃんから見て右みたいだね。 すると、これがQなのかな?・・・うん、あがりだ。」 圭一「ヤッダーバァアァァァァアアアアアッ!!!!」 58 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 16 36.03 ID 0Jt8Vstp0 魅音「やるねー、露伴さん。ポイントは減点制ね。着順がそのままマイナス点。 トータルで一番少ない人が優勝!」 梨花「・・・では、魅音が1、沙都子が2、ボクが3で、レナが4、露伴が5で、圭一が6なのです。」 梨花がそう言うと、スコアボードを書きこんでいく。 露伴「おっと、減点5はでかいなぁ。じゃあもう、次からは手加減なしでいかせてもらうよ?」 魅音「へぇー。露伴さん自信あるんだ。いいよ、かかっておいで。この私が相手したげるよ。」 沙都子「露伴さん、この私も忘れてはいけませんのよー!!かかって来なさいませ。」 圭一「く・・・露伴さんまで・・・。」 レナ「・・・や、やっぱりさ、綺麗なトランプでやらないと圭一くんに不公平だよ・・・。」 魅音「いいのいいの。圭ちゃんだって男だし。 それに露伴さんはもう対応しはじめてるしね。」 露伴「対応しはじめてる?この岸辺露伴を舐めてもらっちゃ困るよ・・・。 フフフ。はやく次のカードを配ってくれ。」 61 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 20 22.14 ID 0Jt8Vstp0 次のカードが配られる。 露伴「それじゃあ、魅音ちゃん。 君から見て右から、5,7,3、Q,K。沙都子ちゃんも同じく右から、A,2,7,10,J,Q。 ちなみに、7は魅音ちゃんのがダイヤ、沙都子ちゃんのがスペード、 Qは魅音ちゃんのがクラブで沙都子ちゃんのはスペード、だろ。」 沙都子「な、なんですってぇぇぇぇえー。全部当たってますわっ!!」 魅音「・・・露伴さん、1回で全部覚えたっていうの!? それに私の持ってるクラブの5はダイヤのKと区別がつかないはず・・・。 でも、露伴さんはKはもってない・・・。」 露伴「見分けるのに使えるのは傷だけじゃないぜ? 今度、どっちが日焼けしてるかよーく見ておきなよ。」 沙都子「露伴さんッ!かっこいいですわぁー!」 レナ「すごいね。すごいね。レナにも教えてほしいな。」 圭一「・・・こんなの勝てるかァァァァァアアアアア!!」 67 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 25 38.25 ID 0Jt8Vstp0 ゲームの展開は露伴と魅音の一騎打ちになる。 とは言え、すべてのカードがわかる露伴に魅音は一歩及ばない様子だった。 魅音の焦りを感じ、圭一は考える。いましか自分が一矢報いるチャンスはないと。 魅音「ほら、圭ちゃん隠さない隠さない!・・・これが確かダイヤの2だったよね。 ・・・あれッ?!・・・圭ちゃん・・・あんた、まさかァッ!?」 沙都子「ダイヤの2を偽装したと言うんですのっ!?あ、味な真似をしまするでございますわぁぁぁああ!!」 露伴「へぇ、僕もダイヤの2かと思ったよ。ちょっと違和感はあったけどね。 やるじゃないか、圭一君。」 69 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 26 38.65 ID 0Jt8Vstp0 圭一「へへへ。まぁ俺のビリはすでに確定してるけど、魅音がこんなにうまく引っ掛るなんて最高だったぜ。 大満足だ。うぇっへっへっへっ~。」 魅音「むむむ、順位に影響はないとしても、こりゃぁやられたねぇ。屈辱だよ・・・。 ・・・圭ちゃんはこのあと1位をとってもビリだけど・・・嫌でしょ?」 圭一「当たり前だっ!!」 魅音「じゃあ、チャンスをあげようか。私と一騎打ち。 圭ちゃんが勝ったら、私と順位を入れ換えてあげるよ。」 圭一「へっ、リベンジってわけか。その話、乗ったぜッ!!! 負けてから、やっぱなし、なんて言うなよっ!!」 魅音「あたしは100%勝つからね。負けるなんてこと、これっぽちも考えたことないよッ!」 72 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 28 11.92 ID 0Jt8Vstp0 圭一と魅音の一騎打ちが始まる。 ルールは単純。魅音が両手に持ったカードのうち、どちらがジョーカーかを当てる。 ただそれだけだった。 圭一はかなり善戦するも、魅音の目論み通り罠に引っかかった。 他のメンバーもわざと演技をして圭一を誘ったようだった。 だが、圭一の善戦ぶりは評価されたらしい。 魅音「部長、園崎魅音の名において。前原圭一。 あんたの我が部への入部を・・・許可する・・・ッ!! これにて決着ッ!!本日の優勝は、特別ゲスト!露伴さん!! 栄えあるビリは・・・前原圭一ッ!!」 75 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 29 56.87 ID 0Jt8Vstp0 レナ「魅ぃちゃんが後ろ手で細工したとき、またやるんだーって思ってどきどきしちゃった!」 沙都子「圭一さんが、正解に触れる直前で止まったときにはかかった!って思いましたわー!!」 梨花「・・・見事にひっかかってくれましたです。」 露伴「僕みたいに全部のカード覚えてれば勝てたのにな。 まぁ、圭一君には無理だろうけどね。ふふふ。」 圭一「・・・え?ちょっと待て。 お前ら全員、最初から知っててあんなに真剣に盛り上がってたのか・・・??」 梨花「・・・楽しくなるようにみんなで盛り上げましたですよ。」 圭一「・・・。 お、お前らみんな鬼だァアアアアアアアア!人でなしィィイーーーッ!!」 78 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 30 57.64 ID 0Jt8Vstp0 魅音「さぁさぁ、露伴さん、罰ゲームを決めちゃってよ。 一位が決めるってことになってたからね。」 露伴「うーん、それじゃあ・・・、 罰ゲームじゃあないんだが、僕と魅音ちゃんが一騎打ちをするっていうのはどうだい?」 魅音「えっ、そりゃぁ願ってもない申し出だけど・・・、 露伴さんが負けたら、私が一位で露伴さんがビリになるよ・・・?」 露伴「僕が勝ったら、僕も入部するってことでいいかい? 入部しちまえば、罰ゲームさせ放題みたいだからな。」 魅音「露伴さんいい趣味してるねー。いいよ、その話乗ったッ! 誰か異議はあるッ!?」 一同首を横に振り、賛成の意を表しているようだ。 魅音「よしッ!全会一致ィイッ! じゃあ、露伴さん、ちょっくら部員で作戦会議するから隣の部屋に行ってくるよ?」 露伴「あぁ、僕を負かす方法を考えてきなよ。ふふふ。」 魅音「全員集合ーッ!!」 露伴以外「おぉぉぉおおおーーーッ!!!」 子供たちは全員で勢いよく教室を飛び出していった 83 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 35 27.00 ID 0Jt8Vstp0 数分後、沙都子を筆頭にゾロゾロと子供達が戻ってきた。 沙都子「露伴さん、覚悟はよろしいですことー? 流石の露伴さんも、これには一網打尽ですことよーッ!」 露伴「一網打尽っていうのはそういう意味じゃないんだが・・・。 まぁ、いいや。それで?何をしたらいいんだい?」 魅音「まず最初に言っとくよ、一応入部試験だから、私と一騎打ちというより、 部員vs露伴さんになるけど、かまわないね?」 露伴「かまわないよ。どうせ魅音ちゃんが罠を考えてるんだろ?」 魅音「何でもお見通しだなぁ、露伴さんは。 でも、こいつはそうは行かないよ。ふふふふ。」 86 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 38 47.01 ID 0Jt8Vstp0 露伴「前置きはもういいから、ルールを説明してくれよ。」 魅音「せっかちさんだなぁー、もう。 じゃあ説明するけど、一番大切なことを言っておくよ。 露伴さんはヤリ手だからね。質問は禁止させてもらう。 これ以降、露伴さんは言葉を発したらそれが解答だと見なす。 そういうことでいいッ?」 露伴「・・・。」 魅音「これもひっかからないか。今の返事だけ、していいよ。」 露伴「了解した。」 魅音「それじゃあルールの説明だね。 これから私、レナ、圭ちゃんの3人がそれぞれヒントを言うよ。 ただし、一人だけ本当の事を言っている。残りの二人は本当の事とは逆の事を言ってる。 露伴さんには誰がジョーカーを持っているのか当ててもらう。 簡単だから、わかるよね?オーケーならうなずいて。」 露伴は素直に頷く。 87 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 39 52.19 ID 0Jt8Vstp0 沙都子「それでは、ヒント開始ですわぁー!」 魅音「レナがジョーカーを持ってるよ。私は嘘ついてないからねっ。」 レナ「レナが嘘ついてないんだよ?だよ? レナはジョーカー持ってないしね☆」 圭一「いーや、レナは嘘つきだぜ。レナがジョーカー持ってるんだからな。」 梨花「以上でヒントは終了しましたです。」 魅音「さぁ、露伴さん、時間は無制限でいいからよーく悩んでねぇ。 うっひっひっひっひー。」 103 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 54 39.49 ID 0Jt8Vstp0 魅音の嫌らしい笑いを露伴の手が遮った。 今日も柔らかそうな達人の手だ。勃起しそう。 露伴がニヤリと笑う。 露伴「魅音ちゃんと圭一君。 ふたりともジョーカーを持ってる。1枚づつ。」 露伴が答えた瞬間、子供達が凍りついた。 魅音「く・・くくっ・あはははははははは。」 104 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 21 54 51.13 ID 0Jt8Vstp0 露伴「僕が魅音ちゃんか圭一君のどちらかを当てずっぽうで答えたら、もう一人がジョーカーを見せて不正解。 僕が深読みして沙都子ちゃんか梨花ちゃんを当てたら、そんなズルはしない、とからかう。 さっきやってたゲームがババ抜きに近いジジ抜きだし、圭一君の勝負のときはジョーカーは1枚だった。 僕がジョーカーを1枚しかないと思い込むのにはいい条件だ。いい作戦だったと思うよ。」 魅音「ちぇー、やっぱり沙都子と私で一枚づつ持っておくんだったなー。 冷酷になれなかったのが私の敗因だね。」 露伴「魅音ちゃんが優しい子でよかったよ。」 魅音「そりゃぁ部活のときは褒め言葉にならないよーだ。」 110 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 22 02 44.49 ID 0Jt8Vstp0 魅音「それじゃあ、露伴さん。 部長、園崎魅音の名において。特別に入部を許可するッ!! なお、学校生徒ではないので、特別部員とし、参加可能な場合のみ、参加するものとするッ!!」 沙都子「露伴さん、流石ですわぁー!やりましたわねっ。」 圭一「この作戦なら、露伴さんを見事だませると思ったんだけどなぁ。」 レナ「レナは露伴さんなら正解できるって信じてたよ☆」 梨花「ぱちぱち。露伴、すごいすごいなのです。」 魅音「露伴さん。私の完全なる負けだよ。私がビリになる約束はしてなかったけど。 一騎打ちで負けて罰ゲームしないわけにはいかないからね。 私と圭ちゃんに罰ゲームを決めてちょーだい。」 121 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 22 19 57.97 ID 0Jt8Vstp0 露伴「罰ゲームか、何も考えてなかったな。」 今日はもう、終わりで解散かい?」 沙都子「私と梨花はそろそろ夕飯の買出しに行かなくてはなりませんわ。」 魅音「そうだねぇ。今日はこのくらいで解散にしようか。」 露伴「それじゃあ決まったよ。魅音ちゃんと圭一君が手を繋いで一緒に帰る。 家の方向、逆だったりする?」 魅音「ちょ、ちょちょ、露伴さーん! それのどこが罰ゲームぅッ!?」 圭一「ろ、ろろろ、露伴さん、それは、あの、」 露伴「罰ゲームだと思わないくらいなら、楽でよかったじゃないか。 じゃあ、それで決定だな。」 レナ「ふぇ・・・二人だけ仲良しずるいな、ずるいな。」 露伴「おっと、レナちゃんも帰り道一緒かい? レナちゃんは一緒に手を繋いだらだめだぞ。二人だから意味があるんだからなぁ。」 その後も解散になるギリギリまで、圭一と魅音は口を揃えて文句を言っていた。 132 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 22 30 26.60 ID 0Jt8Vstp0 部屋を片付け、全員で校門の外まで来る。 魅音「それじゃー、ここで解散でっ!」 露伴「ほら、学校から出たんだから手を繋ぎなよ。」 圭一「露伴さん、人に見られたら困りますよぉ。」 露伴「だから罰ゲームになるんじゃないか。いいから繋げって。」 レナ「うふふふ。露伴さんは何でもお見通しなんだね。だね。」 魅音「わーわー、レナが何を言ってるかわからないー。」 沙都子「なんだかさっきから魅音さんの様子が変ですわ。 一位になれなかったのが相当悔しいのですわねぇ。」 梨花「沙都子もいつかわかる日が来ますですよ。」 そう言って梨花が沙都子の頭を撫でた。 139 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 22 34 52.94 ID 0Jt8Vstp0 沙都子「なんだか馬鹿にされている気がしますわ。」 梨花「そんなことないのですよ、沙都子がいい子いい子なだけなのです。」 圭一「じゃあ・・・魅音・・・。」 そう言って圭一が魅音のほうに手を差し出す。 魅音「う・・・うん・・・。」 魅音が申し訳なさそうに圭一の指を握った。 146 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 22 48 06.33 ID 0Jt8Vstp0 顔を赤くして手を繋ぐ二人に露伴が割り込んできた。 露伴「だめだめ、そんなんじゃあ手を繋いだうちに入らないぜ。 ほらっ、こうだよ、こう。」 そう言って露伴は二人の手をとり、貝殻にぎりにさせた。 魅音「はわわわわ、あぅ・・あぅ。」 圭一「ちょ、露伴さん、勘弁してくださぃよぉぉぉおお。」 露伴「魅音ちゃんの家に着くまで、このまま帰らないとだめだからな。 なんたって、罰ゲームなんだからね。レナちゃん、ちゃんと見張っといてくれよ。」 レナ「はーい、了解ですっ。レナもこんな罰ゲームがしたいな。したいな。」 露伴「それは、僕が一位のときにはないな。 レナちゃんじゃあ圭一君が恥ずかしがらないからね。」 レナ「うーん、じゃあレナが頑張って一位狙っちゃおうかなっ☆」 露伴「本気のレナちゃんと勝負できるのを楽しみにしてるよ。」 148 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 22 49 12.64 ID 0Jt8Vstp0 圭一「レ、レナァー、置いてくぞーっ! 恥ずかしいんだからさっさと帰るぞっ!」 魅音「はぅぁ・・・あぅ・・・。」 レナ「ふふふ。じゃあ帰るね。 露伴さん、魅ぃちゃんに気を使ってくれてありがとう。」 露伴「あれ?罰ゲームのつもりだったんだが、 もしかして・・・そういうことかい?」 レナ「はぅ・・・。レナは知らないよ☆知らないよ☆ それじゃあ、沙都子ちゃん、梨花ちゃん、露伴さん、さようなら。」 沙都子「また明日ですわーっ!」 梨花「また明日なのです。」 こうして年長組3人は帰って行った。 155 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 00 44.05 ID 0Jt8Vstp0 沙都子「さーて、私達は買い物に行きますわ。 露伴さんはどうなさいますの?」 露伴「よく考えたら、まだ宿を見つけれてないんだよな。 これから探そうかと思うんだが・・・。」 沙都子「それなら、うちに今晩も泊まっていくといいですわ。 ねぇ、梨花ぁ?」 梨花「露伴ももう部活の仲間なのです。好きなだけ泊まっていくといいのですよ。にぱー☆」 露伴「そうかい?それじゃあもう一晩お願いしようかな。 (沙都子ちゃんがいるときに聞けば、大体オーケーが出そうだな)」 沙都子「じゃあ、露伴さん、お買い物に行きますわよ。 また村をご案内しますわぁー。」 158 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 06 14.04 ID 0Jt8Vstp0 露伴「あぁ、買い物ついでにさ、自転車か何かが欲しいんだけど、売ってる店あるかい? 誰か借りれる人がいればそれが一番なんだが・・・。」 沙都子「自転車屋さんは興宮に行かないとありませんわね。 うーん、ダム工事現場のゴミ山に行けば捨ててあると思いますけど・・・」 露伴「そりゃあ丁度いい。こっちにいる間だけ使えればいいからさ。 じゃあそこに拾いに行くことにするよ。」 沙都子「でも、お店とダム現場は別の方向ですわよ。」 露伴「地図は持ってるって言っただろう?一人で行ってくるよ。」 沙都子「うーん。迷子になったら、どこかのおうちに道を聞きなさいませ。 梨花の友達だと言えばみんな案内してくれるはずですわ。」 梨花「みぃー。村の人はみんな親切なのですよ。 それより沙都子、そろそろタイムサービスに間に合わなくなるのです。」 沙都子「それはいけませんわッ!それじゃあ露伴さん、私達よりお先にお帰りになったら待っていてくださいましー。」 年下2人は本当に時間がないようで、自転車を取りに走って家に帰っていった。 露伴は一人、ダム工事現場を目指して歩き出すのだった。 174 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 48 26.45 ID 0Jt8Vstp0 ■TIPS 羽入の報告---- 羽入「ロハーン、待ってくださいなのですよー。」 露伴がダム現場を目指し、歩いていると羽入が走ってきた。 露伴「丁度いいところに来た。いまダム工事現場に行くところだったんだ。 案内してくれ。」 羽入「ダム工事現場というと、あのゴミ山のことですか?」 露伴「多分そうだ。自転車を調達したくてね。」 羽入「わかりましたです。案内しますです。」 176 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 49 14.00 ID 0Jt8Vstp0 露伴「ところで、今日はどこに行ってたんだ? 朝起きて服を受け取って以来見かけなかったが。」 羽入「今日はお休みしてたのですよ。 昨日の夜にロハンの服を取りに行って力を使いすぎたのです。 僕だって疲れたり眠くなったりするのですよ。」 露伴「ふーん。幽霊のわりにめんどくさいんだな。」 羽入「あぅあぅ。ロハンの為に服を取ってきたのにひどいのです。」 露伴「服を持ってこれるくらいなら、車も持ってきて欲しいもんだな。」 羽入「大きいものは無理なのです・・・。あ・・・。」 178 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 52 23.69 ID 0Jt8Vstp0 露伴「ん?なんだよ?」 羽入「そういえば、ロハンの車壊されちゃったのです。」 露伴「・・・なんだと・・?どういうことだ。 ちゃんと説明しろ。」 羽入「僕がロハンの服を取りに行ったらですね、神社に人がいたのです。 その人たちは僕が見えるのか、僕を追い掛け回したのです。 それで、急いで車から服を取り出そうとしてたら、石を投げつけてきて・・・。」 露伴「羽入が見えるということはスタンド使い・・・、そいつの特徴は?」 180 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 55 18.06 ID 0Jt8Vstp0 羽入「1人じゃないのです。4人いましたです。 一人は僕くらい小さい背の男。一人は真っ白なコートの男。 一人はハンバーグみたいなのを頭にのっけた男。 もう一人は、よく覚えてないのですが、気持ち悪かった気がしますです。」 露伴「康一君に承太郎と仗助か。最後の一人はわからないが・・・、 最初の3人は僕の仲間だ。」 羽入「仲間・・・ですか?」 露伴「あぁ、ハンバーグのやつは気に入らないが、みんな僕の町に住んでるスタンド使いだ。 多分、僕が行方不明になったんで調べに来たんだろう。 君は敵のスタンドか何かかと思われたに違いない。」 186 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 57 54.27 ID 0Jt8Vstp0 羽入「あぅあぅ。実体のない世界でよかったのです。 みんな容赦なく殴ったりしてきたのです。」 露伴「あいつらは僕と違って物騒な能力ばかりだからな。 承太郎の時を止めるのはすごいが・・・。」 羽入「そういえば、こっちの世界に戻ってくる前に時間が止まってた気がしますですよ。」 露伴「まぁいい。今度あっちの世界に行ってあいつらに会ったら、伝えてくれないか? 僕は無事でそのうち帰るから気にするなって。」 羽入「あぅあぅ・・・。 それが・・・だめなのです。彼らがロハンの世界で能力を使ったせいで、 ロハンの能力の余波をたどることができなくなったのです。 もうロハンの世界には僕は行けないのです。」 189 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/27(木) 23 59 42.60 ID 0Jt8Vstp0 露伴「ちッ・・・余計なことをしてくれる連中だ。 康一君は別にいいけどな・・・。 それじゃあ、僕はもう元の世界に戻るまでは彼らに連絡できないし、 物を持ってくることもできないんだな?」 羽入「はい。そういうことになりますです。」 露伴「まぁ、いいか・・・。だいぶ真相がわかってきたしな。」 羽入「本当なのですか?今日何かあったのですか?」 露伴「いや、今日は遊んだだけだが、その間に大分考える暇があった。 少し聞きたいことはあるが、それを聞き終えれば、真相がわかるかもしれない。」 羽入「聞きたい事というのは僕にですか?」 露伴「あぁ、昨日は祟りの話は聞いたが、学校篭城事件の話を聞いてなくてね。 それ以外は僕なりに考えがまとまったところさ。」 羽入「すごいのです。教えてくださいなのです。」 露伴「学校篭城事件の話のほうが先だ。 ゴミ山に着くまで話を聞かせろよ。」 羽入「わかったのです。やっぱりロハンはすごいのです。」 2人はダム工事現場跡へと向かうのだった。 36 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 02 46.23 ID vHg/mHq40 羽入と共にダム建設現場跡に着いた露伴は見覚えのある人影を見つけた。 露伴はその人影が自分の知る少年だと確認すると、ちょいと脅かしてやろうと考える。 露伴が足音を忍ばせて近寄ると、少年は突然振り向いた。 露伴「ぉっと、気づかれちまったか。」 圭一「露伴さん! 何しに来たんすか?罰ゲームはちゃんと終わりましたよ。」 38 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 05 16.41 ID vHg/mHq40 露伴「偶然だよ。君がいるとは思ってなかったさ。 それに、いい思いができたんだから、あんまり怒るなよな。」 圭一「いい思いって・・・、からかわないでくださいよ。 別に魅音と手を繋いだって・・・」 露伴「あんな男みたいなやつじゃあ、いい思いでもなんでもない。 ってかい?その割には恥ずかしがってたじゃないか。」 圭一「あ、あれは、村の人に見られたら勘違いされると思ったんですよ。」 露伴「ふぅーん。まぁ、そういうことにしといてあげよう。 でも、女の子と手を繋いで帰れるなんてうらやましいぞ、圭一君。 ちょっとは感謝してくれよ。」 圭一「ま、まぁ、そりゃ・・・ちょっとは魅音も女の子なのかなって思いましたけど・・・。 って、いやいや、な、何言ってんだ俺。取り消し、今の取り消しですよ。」 露伴「聞かなかったことにしといてやるよ。ふふふ。」 圭一「露伴さん、絶対ばらしてやるぞって顔してますよ・・・。」 39 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 13 11.27 ID vHg/mHq40 レナ「圭一くーん!しゃべり声が聞こえるけど、誰かいるのーッ?」 ゴミ山の奥からレナの声が聞こえてくる。 圭一「あぁーっ!露伴さんが偶然通りかかったんだってさーッ!」 レナ「そっかー!待たせちゃってごめんねー!もうちょっとだからッ!」 露伴「なんだ、レナちゃんも一緒だったのかい?こんなゴミ山で何やってんだ、彼女は。」 圭一「さぁねぇ。昔、殺して埋めたバラバラ死体でも確認してるんじゃないすか?」 露伴「レナちゃんが犯人だって言うのかい?圭一君はおもしろいことを言うなぁ。 残った右腕を確認してるってわけか。ふふふ。」 圭一「・・・え?」 パシャッ 突如シャッターを切る音がした。 43 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 21 40.11 ID vHg/mHq40 圭一「おわっ!」 露伴「おいおい、いきなり許可もなく写真を撮るなんて、こういうのを盗撮って言うんじゃあないか?」 富竹「あはは。すみません。 いつも野鳥の撮影をしてるもんで、断った試しがないんですよ。 いやぁ、夕闇に黄昏ながら何かを語り合う少年と青年。いい絵になってたんでね・・・。」 露伴「フンッ、お世辞はいいよ。次は撮影料を請求するからな、富竹さん。」 圭一「富竹・・・さん?」 富竹「いやいや、手厳しいなぁ。 えっと、そっちの子は初めて会うかな。君は雛見沢の人かい? 僕は富竹。フリーのカメラマンさ。雛見沢にはたまに来るんだ。」 レナ「圭一くーん!露伴さーん!お待たせー。待ったかな?・・・かな?」 レナがそう言いながらゴミ山から戻ってきた。 44 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 27 56.94 ID vHg/mHq40 富竹「おっと、もう一人いたのかい。こんにちわ、レナちゃん。」 レナ「あ、富竹さん。もう、こんばんわ、だよ。だよ。」 確かにレナが言うとおり、すでに夕日も沈みかけ、夜と言っても差し支えない時間となっていた。 露伴「おっと、もう日が沈んじまうな。さっさと用事を済ませないと。」 レナ「そういえば、露伴さんは何をしに来たのかな?かな?」 露伴「自転車が欲しくてね、雛見沢にいる間だけ使えればいいから、 ゴミ山に捨ててないか探しに来たわけさ。レナちゃん、使えそうな自転車見かけなかったかい?」 レナ「それなら、レナが見つけたやつをあげるね。 もし私のが壊れたら使おうかと思ってたやつがあるの。」 露伴「そりゃちょうどいい。そいつをくれよ。どこにあるんだい?」 富竹「それじゃあ、もう暗くなってきましたので、僕はこのへんで。 またお会いしましょう、露伴さん。レナちゃんも、「圭一くん」も、またね。」 露伴「あぁ、"また"な。」 レナ「またねー☆ ほら、露伴さん早くしないと暗くなっちゃうよ。こっちこっち。」 富竹が別れを告げ立ち去ると、レナと露伴は圭一を残してゴミ山に消えていった。 46 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 36 07.65 ID vHg/mHq40 無事に自転車を手に入れた露伴は、レナと圭一と途中まで一緒に帰ることにした。 露伴「そういえばレナちゃんは何をしてたんだい?あんなゴミ山で。」 レナ「レナはね、宝探しだよ。かぁーいいものを探すのっ。」 露伴「あのゴミ山でかい?よくわからないな・・・。」 レナ「あのね。あのね。今日はすっごいの見つけたんだよ! なんと、ケンタくん人形が捨てたあったのッ♪」 露伴「ケンタくん人形・・・あのケンタくんフライドチキンの前に置いてある、等身大の人形かい?」 レナ「・・・そう。ケンタくん☆ ・・・はぅ・・・かぁいいよぅ・・・お持ち帰りしたぃ・・・。」 47 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 38 57.54 ID vHg/mHq40 露伴「あれのどこがかわいいんだ・・・。」 圭一「俺もよくわかんないすけど・・・、でもあれはゴミ山だろ? お持ち帰りしたきゃしてもいいんじゃないか?」 レナ「他の山の下敷きになってるの。・・・簡単には掘り出せないし・・・。 あそこ、灯りがないからすぐ暗くなっちゃうし・・・。」 圭一「俺も手伝ってやるよ。今日のうまかった弁当の恩返しってことでさ。」 レナ「・・・はぅ・・・あ、・・・ありがとう・・・。」 露伴「僕も弁当と自転車の恩があるけど、二人のお邪魔はしないことにするよ。」 レナ「はぅ・・・圭一くんと二人っきり・・・はぅ・・・。」 圭一「ろ、露伴さん、もう、すぐからかうのやめてくださいよー。」 露伴「ははは。おっと、僕はこっちだけど、多分この辺でお別れじゃないか?」 気がつくと、ダム建設現場からの細い道を抜け、村の通りまでついていた。 48 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 39 35.46 ID vHg/mHq40 圭一「あぁ、俺らはこっちなんで、それじゃあ、露伴さん。また遊びましょう。」 レナ「また、部活しようね☆」 露伴「あぁ、またね。」 圭一「あ、露伴さん。聞きたいことがあるんですけど・・・今度教えてもらえますか?」 露伴「あぁ、さっきのことかい?別にいいけど。」 レナ「何のことかな?かな?」 露伴「ふふ。女の子には聞かせられない話なんだよ。 圭一君と僕の秘密さ。」 レナ「はぅ・・・二人だけの秘密・・・はぅ・・・。」 圭一「露伴さんッ!誤解される言い方しないでくださいよ。 ほら、レナ、置いてくぞーっ!!」 そう言ってレナと圭一は自分たちの帰路へと帰っていった。 50 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 40 23.20 ID vHg/mHq40 羽入「ちゃんと圭一やレナとも仲良くなれましたですね。」 露伴「レナちゃんは、マークしておく必要があるしね。 圭一君は、大石さんの話だと漫画の主人公にぴったりだと思ってさ。 取材したかったんだが、まぁ、予想通りにからかい甲斐のある子だったよ。」 羽入「レナも圭一もとってもいい子なのです。あんまりからかっちゃだめなのですよ。」 露伴「うーん、やっぱり、やめられないね。 ガキをからかうのはさ、カッハッハッハッハーッ!」 羽入「むぅー、露伴はもっと素直になったほうがいいのです。」 羽入と露伴は、古手神社へと向かう。 今日の晩御飯はどっちが作るんだろうな。 帰ったら沙都子ちゃんに何か絵を描いてやろうかな。 露伴は家に着いてからのことに思慮を巡らせた。 雛見沢の子供たちのおかげで、露伴は少し大人になってきたようである。 52 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 42 20.17 ID vHg/mHq40 ■TIPS 露伴のメモ---- 羽入からダム現場に行くまでの間に聞いたことをメモしておく 学校篭城事件について 学校篭城事件自体は、僕の知る通り竜宮礼奈が起こした立てこもり事件であり、 オヤシロ様の祟り等とはあまり関係がない 竜宮礼奈が34号文書を手にした その結果、雛見沢症候群の研究をしている自衛隊を、 なんらかのバイオテロを計画する組織と誤認し、事件を起こしたもののようだ 34号文書を竜宮礼奈に託したとされる、鷹野三四が死亡したのも、彼女が犯行を決意した背景にはあるようだ だが、この事件は羽入たちにとっては別の事件として捉えることができるらしい 53 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 43 29.14 ID vHg/mHq40 まず、羽入達にとって、この"竜宮礼奈により立てこもり事件"は常に起きる出来事ではないらしい 彼女達の転生?の経験上、比較的低い確率で起こる事件なのだそうだ しかし、視点をもうひとつマクロな視点に移すと、かなりの高い確率で起きる事件になる それは、"雛見沢の少年少女のいづれか、または複数が雛見沢症候群の発症を起こす"というものらしい 学校篭城事件の際に、竜宮礼奈には雛見沢症候群の発症を示す症状が出ていたらしい また、彼女らの転生の中では、他にも圭一、魅音、詩音が症候群を発症するケースがあるそうだ ちなみに、詩音というのは魅音の双子の妹らしく、僕は面識がない 彼女らは一卵性双生児のため、羽入達にはどちらが発症して何らかの凶行を行っているのか判断できないそうだ 54 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 44 04.53 ID vHg/mHq40 なぜ彼らが発症することが高確率で起こるのかはわからない 何か他の要因があるのだろうか? 思春期の彼らがもっとも精神的に不安定だということが発症に関与しているのだろうか または梨花の近くにいるために、何か影響があるのか? とりあえず、これに関しては僕には考えられないな 55 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 44 25.88 ID vHg/mHq40 結論を端的に書こう 僕は、昭和58年の雛見沢では、 富竹・鷹野・梨花の殺害、竜宮礼奈の学校篭城事件、入江京介の自殺、が起きると思っていた しかし、実際には、富竹・鷹野・梨花の殺害は起こるが、その他に関しては必ず起こるものではないらしい 入江京介の自殺は、梨花達が知らない出来事らしいので、常に起こるかまったくわからない そして、篭城事件の代わりに、誰かの雛見沢症候群の発症が起こる ちなみに症候群の発症は高確率だが、起こらない場合、または梨花たちが気づかない場合もあるそうだ 57 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 45 56.05 ID vHg/mHq40 さて、これらの話を聞いてある意味安心した 篭城事件がただの個別の事件であることが確認できたからだ これで僕の推理が正しければ、"常に"梨花を殺害する人間が誰なのかはほぼ推測できた しかし、別の問題も出てきたことになる 羽入の話では、雛見沢症候群を発症した人間に梨花が殺されることもあるらしい 記憶のノイズとやらで推測でしかないらしいが、多分そうなのだろう 僕のしばらくの行動目標が決まった まずは、梨花を殺害する人間の動機を探ること 殺害する人間の推測はできるが、動機はまったく思い当たらないからな そして、梨花を生き延びさせること 梨花が発症した人間に殺される等のケースは避けなければならない 逆に言えば、それらのケースを避けていれば梨花を殺す人間は必ず行動に移る そうすれば、僕の推理が正しいのか確かめることができる 58 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 46 40.23 ID vHg/mHq40 惨劇の足音?---- レナ「はぅ・・・圭一くんと露伴さんの秘密・・・はぅ・・・」 圭一「あーもう、変なこと想像すんなよなー。 別にそんなことじゃないんだって。」 そう言いながら、圭一はレナの頭を乱暴に撫でた。 60 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 53 12.01 ID vHg/mHq40 レナ「はぅ・・・。 でも、女の子には言えない秘密なんだよね。 魅ぃちゃんに教えてあげよーっと。」 圭一「おいおい、やめてくれよ、魅音にバレたら絶対言うまで聞いてくるもんなー。 まぁ、別に言ったっていいんだけどさ、露伴さんが言うとおり、女の子が好きそうな話じゃないんだよ。」 レナ「ふーん。 でも、圭一くんが本当に悩んでるなら、レナに聞いてくれても大丈夫だからね。」 圭一「そんな、悩み事なんかじゃないって。ちょっと気になることがあっただけだよ。」 レナ「気になること?レナが知ってたら教えてあげるよ?」 61 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 54 25.13 ID vHg/mHq40 圭一「うーん。あそこさ・・・、さっきのダムの工事現場。 あそこで昔、なんかあったのか?」 レナ「ダム工事をやってたんだってね。詳しくは知らないけど・・・はぅ・・・。」 圭一「たとえばさ、工事中になんかあったとか。事故とか。」 レナ「知らない。」 62 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 57 47.28 ID vHg/mHq40 レナ「実はね、去年までよそに住んでたの。」 圭一「え?レナも転校生だったのかい?俺はてっきり・・・」 レナ「だからね、それ以前のことはよく知らないの・・・ごめんね☆」 圭一「あぁ、そうなんだ、じゃあやっぱり露伴さんに聞いてみるよ。 露伴さん物知りだからなー。」 レナ「そうだね、露伴さんすごいよね。 魅ぃちゃんが完璧に負けるところなんて久しぶりに見たな。」 圭一「だよなぁー。あの魅音が完璧に負けてたもんなー。 それに絵を描いてくれたり、ちょっとからかうのが困るけど、また露伴さんと遊びたいぜ。」 レナ「そうだね。レナももっとかぁいいもの描いてもらおーっと。」 圭一「お、レナ、バイクだ、危ないぞ。」 63 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2007/12/29(土) 15 58 10.14 ID vHg/mHq40 圭一「痛ぇッ!くっそー、こんな砂利道で飛ばすなよなー。」 レナ「圭一くん、大丈夫?」 圭一「あぁ、石が飛んだだけだからよ。全然どーってことないよ。 さて、もう家だ。レナ、気をつけて帰れよ。」 レナ「うん、じゃあ、また明日。 待ち合わせに来なかったら迎えに来るからね。」 圭一「わーったよ。ちゃんと起きるって。 じゃ、またな。」 前へ 戻る 次へ
https://w.atwiki.jp/animesongs/pages/2630.html
ひぐらしのなく頃に ひぐらしのなく頃に キャラクターCD① 竜宮レナ×前原圭一と大石蔵人 ひぐらしのなく頃に キャラクターCD① 竜宮レナ×前原圭一と大石蔵人(Amazon) 発売元・販売元 株式会社フロンティアワークス 販売協力:ジェネオンエンタテインメント株式会社 発売日 2007.03.28 価格 1800円(税抜き) 内容 笑顔・はっぴぃ・ピース♪ 歌:竜宮レナ(中原麻衣) 圭一・大石の噂の事件簿 歌:前原圭一(保志総一朗)と大石蔵人(茶風林) オリジナルドラマ「レナのかぁいいもの」 笑顔・はっぴぃ・ピース♪ カラオケ 圭一・大石の噂の事件簿ABC カラオケ 備考
https://w.atwiki.jp/deruze/pages/350.html
生まれ変わったら双子がいいね あの腐った肉体に入り込んだ『同族』は、赤い涙を流す『眷族』に次々と駆逐されていった。 理由は明白だ。予想通りあの腐った肉体は、身体のどの部位もが動きが鈍い。修復も遅いようだ。 混戦地帯のど真ん中でもあるモールのロビー付近では、あの肉体に入り込んだところで修復も退避も間に合わずにやられてしまうのだ。 『殻』が無ければ脆い闇霊達。とはいえ、あの『殻』では満足に戦うことも出来ない。 少なくとも、今、この状況では。 その闇霊は、今の『殻』を得る前からその事を懸念はしていた。 故に極力混戦地帯から多少なりとも離れた位置にあり、そしてまだ新鮮な状態の肉体を求めたのだ。 とりあえず今の『殻』――記憶を辿れば名を「竜宮レナ(礼奈)」と言う――の損傷は酷いものだったが、 新鮮であることが幸いして修復速度は腐った『同族』に比べれば速いものだ。 半身以上がミンチの状態から、ごく最低限、何とか動ける程度までの修復は 『眷族』にも腐った死体にも気付かれること無く完了した。 しかし、まだまだ完治というには程遠い。まだまだ時間が必要だ。 (戦況も芳しくないし…………撤退するであります伍長殿! ……かな? かな?) 『殻』の思考としては、こんなところだろうか。 その闇霊/レナは武器を拾うと、治りつつある足を引きずりながらショッピングモールを後にした。 背後で絶え間なく続いている奇声や銃声は次第に遠ざかり、その内、風の中に掻き消えていった。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ レナがその気配に気付いたのは、この肉体に入り込んですぐの事だった。 カラカラと何かを引きずる何者かの音が、レナの方向に近付いてくる。 新たな『殻』だ。そう判断すると、レナは少しの間も置かずに開け放たれていた扉から外に出た。 着地すると同時に、暗闇でも昼間のように見通せるようになった視力で辺りを見回す。 視界の中には動く者の姿はない。だが音は聞こえてくる。後ろだ。 自分が今居た車が遮蔽物となっている為に姿はまだ見えないが、『殻』は後ろに居る。 「助けて!」 相手を油断させる為の、至極単純な騙し討ちの声を上げる。 拾ったバッグに入っていたナイフを服の中に隠し、レナは車の陰から飛び出した。 「……えっ!?」 そこに居たものは『同族』だった。 あまりにも意外な『同族』だった。 思わずレナは、今自分が出てきた『ワゴン車』のドアミラーで自身の顔を確認していた。 「わ、わたし?!」 目の前には、自分と全く同じ『殻』が居る。こんな出来事、一度として経験は無い。 二人のレナはまるで鏡写しのように、唖然とした顔を見合わせていた。 【E-2/ワゴン車付近/一日目深夜】 【クリーチャー】 【闇人(竜宮レナ1)】 [状態]:死亡時の損傷・火傷(回復中) [装備]:鉄パイプ [道具]:無し [思考・状況] 基本行動指針:地上奪還の為、『殻』を増やす 0:双子……じゃないよね? 1:自分の『殻』の修復 【闇人(竜宮レナ2)】 [状態]:死亡時の銃撃による損傷(回復中) [装備]:山狗のナイフ [道具]:山狗のバッグ(中身不明) [思考・状況] 基本行動指針:地上奪還の為、『殻』を増やす 0:双子……じゃないよね? 1:魅ぃちゃん達も早くこっちにこないかな? かな? back 目次へ next 今日も僕は殺される 時系列順・目次 復讐の女神 傀儡とキリングフィールド 投下順・目次 エレル――ELEL――
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/656.html
第452話:Tears どこからともなく響いている声の所為で、エリアは深い眠りから現実へと引き戻された。 声は何か短い言葉を感情無く紡いでいく。 『……ンカ』『ギルダー』『はぐ……』 エリアは考える気力が無かった。身体がだるいのも原因かもしれない。 この声の主や、放つ言葉の意味などを考える事はできず、冴えない頭で、つまらない音楽を聞いているかのように毛布の中で耳にしていた。 「レナ……」 バッツは静かに、目が合った相手の名前を呟いた。 「……良かった」 実のところ、レナが目を覚ましたら何をどんな風に言えばいいのかずっと考えていた。 だが考えても考えても良いと思う言葉は見つからず、ようやく訪れたレナの目覚めに、バッツはただ純粋に心から安堵した。 「…………」 レナは何事か言おうとして口を開くが、その唇はすぐに閉じられてしまった。 「起きれるか?まだ寝とくか?」 バッツが顔を覗き込みながら聞く。 わけがわからない。それがレナの正直な感想だった。 なぜ自分は温かいベッドの中で寝ているのか。なぜ隣にバッツがいるのか。 「喉渇いてねーか?それとも腹減ってるか?」 バッツはひどく心配そうな表情で話し掛けてくる。ああ、なぜ。 私はあなたに何をした?恐くなって、あなたを攻撃した。あなたと一緒に居た人を、この手で、私は……。 それから逃げた。全てから逃げたかった。なのに、どうしてあなたはこんなにも近くに居るの。どうしてこんなにも温かいの。どうしてこんなにも優しいの。 「みんな心配してるぞ。あのヘンリーとかソロとかいう奴らとか、変な綿毛とかリュックとか」 それとも全部ただの夢だったの?長い長い悪夢だったの?いいえそんな事ない。この身体の痛は確かな現実のもの。 そう。私は人殺しで、復讐鬼で、エリアを守るどころか傷つけて、何も出来ないただの臆病者なのよ。 「……エリ、ア……」 「大丈夫だ」 消え入りそうな呟きを聞いて、バッツは答える。 「あの子の傷は塞がって、今は別の建物で安静にしてる」 らしい。と心の中で付け足した。 「あー、何だ。詳しい事は知らないけど、ずっと一緒に居たんだってな。 きっと目が覚めたら、おまえに会いたいと思うんだ。 つってもお互い安静にしてなきゃいけねーから、その、ゴメンな」 レナはゆっくりと首を横に振った。 「……私、エリアを傷つけた……きっと恨まれてる」 じわ、と熱いものが込み上げ、レナの視界が歪んだ。 「良かった……無事で、良かった……」 「馬鹿だな」と呆れたようにバッツは呟いた。 「こんなに自分を心配してくれる奴を、恨める奴なんて居ると思うか?いや居ない」 たぶん。と心の中で付け足した。 ぐずぐずと啜る音を響かせながら、レナは毛布を深く被り直して顔を隠した。 先程、誰かが様子を見に来た時も動きたくなくて寝たふりしていたけれど、いいかげん頭が冴えてきた。 エリアはゆっくりと上体を起こした。すると感じる右胸の微かな痛み。 鮮やかに描き出される光景があった。レナがヘンリーに斬り掛かかろうとする場面。魔法、反射、回避。そして己に突き刺さる氷の刃。 かつて光の戦士をかばった時の痛みにも似ている。けれど今回は死んでいない。 「レナさん……」 エリアはぽつりと呟いた。 あの出来事はなんだったのだろう。考えても納得できる結論はでなかった。 必死で自分を手当てしてくれているみんなの顔が思い浮かんだ。が、その中にレナの顔は無い。全てを拒絶したかのような悲鳴だけが耳に残っている。 「……あ」 耳に残ってると言えばもう一つ。先程の声。ただ単調に言葉を紡ぐ、憎悪を感じる声。 今になれば考えなくても判る。あれは魔女の声だ。窓の外ではすっかり日も落ちてしまっている。時間的にも間違いない。 エリアは恐る恐る、傍らに置いてあるサックを引き寄せ、中から名簿を取り出した。 引っ掛かっている言葉があった。 『ギルダー』 聞き間違いであってほしい。勘違いであってほしい。空耳であってほしい。そんな事を思いながら、緊張した手付きで名簿をめくっていく。 「……あぁ……」 エリアは溜め息ともとれる、か細い悲鳴を上げた。そんな、まさか。そういった感情よりも、「やっぱり」という思いが強かった。 窓から差し込む月明かりに照らされた名前。ギルダーの部分には間違いなく緋色の斜線が引かれていた。 「あ、お姉ちゃん、おはようっ」 急に声がして、エリアは喉から心臓が飛び出るくらい驚いた。 視線を上げる。少し開けられた扉から覗いているのは、とんがり帽子の男の子。 時間的におはようは違うんじゃないかと考えつつも、エリアは記憶を辿った。 「あ、ええと……」 「身体、大丈夫?痛い?」 ベッドへと近付いてくる小さな身体。ええと、ええと。エリアは一生懸命記憶を巻き戻す。 「ええと……ビビちゃん、だっけ?」 「うん」 前の世界で一晩一緒に居た団体の一人。けど色々あったりお互い入れ違いで寝てたりと、あまり顔を合わせてないので、なかなか名前が出てこなかった。それでも思い出した私は偉い、とこっそり自分を誉めてあげたエリアだった。 ビビは傍らへと立つ。エリアの顔を間近で確認すると、少し目を見開いた。 「お姉ちゃん?……泣いてるの?」 「え?」 言われて気付いたが、エリアの頬は涙で濡れていた。指で触れて確かめる。 「だ、大丈夫?どこか、痛い?」 心配そうな目が覗き込んできた。エリアは涙を拭いながら、空いてる方の手を振って答える。 「ううん、大丈夫よ。ちょっとね、知り合いが亡くなったみたいで、泣いてたみたい」 みたい、という言い方はどこか変だが、ビビは気にしなかった。というよりは気付かなかった。 「でももう涙は止まったから、ね?心配してくれてありがとう」 急に声掛けられてびっくりしたおかげよ、と心の中で続ける。 「そうなんだ……」と、消え入りそうな声がエリアの耳に入った。 「お姉ちゃんの友達も、誰か死んじゃったんだ」 「ビビちゃん?」 うっすらとした記憶だけれど、今回もまた随分と沢山の名前が呼ばれていた。 この様子だと、この子の知り合いも誰か亡くなったのだろう。と、エリアは思った。 胸が締め付けられる。 今日だけでもどれだけの尊い命が散っていった?その間に私は何をしていた?何もしていない。 自分達だって決して楽じゃないだろうのに手当てしてもらって、ぬくぬくと温かい毛布の中で眠っていた。 こうやって何もする事ができず、皆に迷惑ばっかりかけて、時間が過ぎてゆくのを待っているだけ。 いつか死ぬのを、待ってるだけ? 「ねぇビビちゃん、つらい?」 「え……?」 急な質問に驚いて、ビビは目をぱちくりさせる。 「友達が、知ってる人が、知り合ったばかりの人が、みんなが死んでいってしまって、つらい? 武器を向け合って、魔法を撃ち合って、痛い思いをして、こんな世界にいるのは、つらい?」 それは私が思ってる事。こんな小さな子でもいいから同意してほしかった。私だけじゃないんだって、惨めな安堵が欲しかった。 「ボクは、あの……悲しい」 ビビは困った表情をしたが、精一杯の言葉でたどたどしく答える。 「みんなが戦ったりしてるのは、悲しいけど。 その代わりみんながいるから、お姉ちゃんたちがいるから、つらくない。 ボクが感じてるあったかい気持ちを、みんなにも分けてあげたい。 ボクはみんがいるから恐くない。だから、ボクは頑張れる」 返ってきたのは期待してた返事じゃない。けど期待なんかよりもずっと素敵な返事だった。 「ボクは、みんなと一緒に、帰りたい。だから……」 エリアは身体の動くまま、ビビに手を伸ばしてその小さな身体を抱きしめた。 小さいけど、強くて逞しい心の宿る身体。 「お、お姉ちゃん?」 「ありがとう……」 困惑するビビの肩に、顔を埋めてエリアは呟く。 「うん、私も、頑張らなきゃ……ね?」 お姉ちゃん、泣いてるの?耳元でそんな声が聞こえたが、エリアは抱きしめる力を強めるだけで、返事を返す事はなかった。 「レナ?」 「…………」 「レナー?寝たのか?」 「起きてる」 「ん、そっか。落ち着いたか?」 「…………」 「レナ?」 「うるさい!」 「え?」 がばっ。と急に毛布が勢いよく翻る。 起き上がったレナは全身の痛みで苦痛そうな表情をしたが、そんなことお構いなしといった風に枕をバッツに投げつけた。 「え?え?ええ?」 咄嗟に枕はキャッチしたが、突然の展開にバッツは混乱した。 「え、なん、え、なに?」 「どうせ私は馬鹿よ!救い様のない馬鹿よ!」 「えええええぇぇぇぇ!?」 なんだそりは、さっきの言葉をそんな風に捉えちゃった訳か?それでこんなキレてる訳か? バッツは慌てて手を振って弁解する。 「ちが、違う、あれは冗談めかした紳士的な慰めだ!」 「わかってるわよそんな事!紳士的じゃないけど敢えて突っ込まないわよ!」 「突っ込んでるじゃねーかよ!ていうか何なんだ急に!」 威勢良く反論してみたが、やはりちょっと恐いので枕を構えて盾にする。 「やつあたりよ!」 案の定レナは枕に拳を叩き込み、枕を奪い返す。そのまま枕を胸に抱えると、そっぽを向いて蹲った。 「????」 ぽかーん。と間抜けな表情で、バッツはレナの背中を見る。しばらくして、掛ける言葉を探す。下手な事を言って刺激したらまずいんじゃないか、と考えた。 「……ごめんなさい」 バッツが無言で唸っていると、レナはぽつりと漏らす。顔は相変わらず向こうを向いたまま。 「もう判らないの。みんな判らないの。……私、何をどうしたらいいのか判らないの」 「レナ?」 肩を震わせながら、レナが堰を切ったように喋り出した。 「ギルバートの声が聞こえたの。死んだはずの彼の声。だけど聞き間違いじゃない。あれは確かに彼の声だったのよ」 いや誰だよ。 「彼言ってたのよ、緑髪の男が自分を殺したって。だから私あいつを見て確信したわ。だってあいつしか思い当たる人なんていないんだもの」 だから誰だよ。 「だからギルバートの仇を取りたくて、魔法が、私が避けた所為でエリアに当たっちゃったの!」 先生、端折りすぎです。この辺の事情は他の人らに聞いたけどさ。 「エリアが死んじゃう、私の所為で死んじゃう、そう思ったら恐くなった。 自分が恐くなった。違う、全てが恐くなった」 割り込む隙がねぇぇぇ。 「あなたも恐かった、あの男も恐かった、まるで自分を見ているようだった。私は何もかも傷つける。 守りたいものもロクに守れず、全てを傷つけていってしまう!」 ……レナ、泣いてる?よな。 「どうしようもなかったの!彼を殺してしまった!許されない事をしてしまった! 遂に私は奪ってしまったのよ!」 命。あいつの、ローグの命。 「それだけじゃない、姉さんだって死んでしまった!どうして姉さんが死ななきゃいけないのよ? 私が彼を殺したから?だから神様は私から姉さんを奪っていったの?ねえ!」 やっぱり放送、聞いてたのか。 レナはやっと振り返る。目元を真っ赤に腫らしてボロボロと泣いている。 「私のせいで、あいつもエリアもあの人も姉さんも傷つけた!なのにっ……」 ドン。とバッツの胸元を震える拳で叩いた。俯き、涙を床に零して。 「なんで私は生きてるのよ!私に何をしろって言うのよ!私から全てを奪っていくのが罰だとでも言うの? 私は、どうしたらいいのよぉ……!」 ごめんね、ちょっとだけ一人にさせてもらっていいかな。泣いてたのは内緒にしてね。 ビビにそう頼むと、エリアはまた一人になった。 「……ふぅ」 名簿を見つめながら、溜め息をつく。もうつらいなんて思えなかった。いや、思わなかった。 そういえば。ふと思い出して、エリアはサックをあさる。取り出したのは一本の笛。 専門の腕がある訳ではないが、それなりに嗜んでいる。息を吸い込むと、そっと口を付けた。 ♪~♪──── 今あなたに出来る事といったら、どうか安らかに眠れるように、祈る事だけ。自己満足かもしれないけど、なにかしなくちゃいけない気がする。 だからこれは、私からの祈り。どうか、どうか安らかに。 あなたの分まで頑張る。そう誓った、強い心で奏でるレクイエム。 「おまえさ……やっぱり馬鹿だ。今度のは冗談じゃないぞ」 床にへたりこむレナに合わせて、バッツもしゃがむ。 「呆れて物も言えない。いや今言ってるけど。とにかくおまえは馬鹿だ」 レナは無反応。抱えた枕に顔を埋めて表情は判らない。 「おまえが泣いてるって事は、おまえの中に申し訳ないって思いがあるんだろ? だったらそれでチャラだ。ローグは話の判るやつだからな」 ぽん、とレナの頭に手を乗せる。 「大体、いつ誰がおまえを怯えさせたよ?ていうかおまえが何に怯えてるのかが判らねー。みんなおまえを受け止めようと手を広げてくれてんだぞ。 それにな、俺がいるだろ。別に神様に奪われたりなんかしねーよ。おまえのフレア食らって生き残ってるし。奇跡だよな。俺ってもしかして凄いのか?あー脱線した」 レナの頭をぽんぽんと叩く。しだいにゆっくりになっていき、やがて止まった。 止まった手が、震えてる。 気になってレナは恐る恐る顔を上げた。 「ファリスの事はさ、本当に、残念だよな……」 バッツが涙を堪えている。レナは釘付けになった。 「でもよ、あいつが今のおまえ見たら、悲しむだろ。妹を守れなかったって泣いちまうかもしれないだろ。 だからおまえはあいつの分まで生きるんだよ」 「……姉さんの分まで……」 「あいつの志を守れよな。言うなれば、それがおまえの成すべき事で、罰だ」 涙をぐっと飲み込むバッツは、情けないけど格好良かった。レナは枕を抱きしめながら思った。 「あ、レナぁ!よかったよぉ、ホント。みんな心配してたんだからー。そうだソロ達に伝えてこなきゃ! ねぇねぇお腹空いてない?おいしいスープあるよぉ!もおぉーホンドよがったぁーぅあー」 最後の方は殆んど涙声になりながら、魔法屋の前でリュックは二人を出迎えた。 レナはバッツに支えられながら歩く。にっこりと微笑んだ。 「ねぇ、さっきから、わたぼうがいないよ、ど、どうしよっ……」 宿屋をくまなく探していたビビだが、流石に事が重大だと思い、キッチンで深刻そうな顔で話していたターニアとエリアに助けを求めた。 「あ、それなら……」 大丈夫よ、とターニアはテーブルの下を指差した。 「いつの間にかここで寝ちゃってたみたいなの。やっぱり、ベッドに運んだほうが良かったのかな……」 「わ、わたぼう……こんな所にいたんだ」 ビビは気が抜けたのか、床にへたり込んでしまった。 エリアが吹いた妖精の笛の効果でわたぼうが眠ってしまった事など、当のエリアですらも(すっかり忘れてて)知らなかった。 「あのそれで、レナさんは今、別の家で安静にしているんですよね」 エリアがターニアに尋ねる。 ターニアがエリアの様子を見に行った時、もう大丈夫という事で一緒にキッチンに出てきた。そしてターニアがおおまかな流れを(人から聞いた情報も織り交ぜながら)説明していたところだった。 「あ、はい。……仲間の方が一緒に付き添って、目を覚ましたら話をするそうです」 「確かバッツさん、って言ってましたよね……」 レナに出会ってから、エリアは何度かこの名前を耳にしていた。だから心配いらない、とは思っているのだが。 「レナさん……会いにいっちゃ駄目、ですかね」 「それは……」 ターニアは言葉に詰まった。自分の口からは良いとも悪いとも言えない。そう素直に告げようとしたが、ターニアの言葉は突然の物音によって遮られてしまった。 ガタッゴトッ。 三人は心なしか緊張しつつ、固唾を飲んで扉を見つめた。程なくして、荒っぽく扉が開かれる。 「ただいま!」 バッツは片手を挙げて、晴れやかな笑顔を無理矢理作っていた。 しらじらしい。その場にいたわたぼう以外の全員が思った。 「だからそういうのはやめましょうって言ったのに……」 バッツの後ろでレナは呆れながら呟いた。その姿を見てエリアは駆け出す。 「レナさんっ!」 そして邪魔なバッツを突き飛ばしてレナに抱き付いた。 近くでドンガラガッシャンと激しい音が聞こえたが気にしない。 ターニアとビビも二人の感動的な再会を見守っていた。 「エ、エリアっ?」 「レナさんっ、よかったっ……もう離れちゃ嫌ですよぉ……」 「……エリア、ごめんなさい……ありがとうっ」 レナもエリアの背中をギュッと抱きしめる。二人ともこの際、全身の痛みなんてのはどうでもよかった。 「誰か助けてマジで」 倒れた戸棚の下でバッツは呟いた。 【バッツ(左足負傷) 所持品:ライオンハート 銀のフォーク@FF9 うさぎのしっぽ 静寂の玉 アイスブランド ダーツの矢(いくつか) 第一行動方針:行動方針の相談 基本行動方針:レナのそばにいる】 【レナ(体力消耗 怪我回復) 所持品:なし 第一行動方針:みんなに謝る/行動方針の相談 基本行動方針:エリア、バッツを守る】 【エリア(体力消耗 怪我回復) 所持品:妖精の笛 占い後の花 第一行動方針:休息 基本行動方針:レナのそばにいる】 【ビビ 所持品:毒蛾のナイフ 賢者の杖 第一行動方針:休息 基本行動方針:仲間を探す】 【ターニア 所持品:微笑みの杖 スパス ひそひ草 第一行動方針:休息 基本行動方針:イザを探す】 【わたぼう 所持品:星降る腕輪 アンブレラ 第一行動方針:睡眠中(時間が経てば勝手に目が覚める) 基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す 最終行動方針:アルティミシアを倒す】 【現在位置:ウルの村 宿屋内部】 【リュック(パラディン) 所持品:バリアントナイフ マジカルスカート クリスタルの小手 刃の鎧 メタルキングの剣 ドレスフィア(パラディン) チキンナイフ 薬草や毒消し草一式 ロトの盾 第一行動方針:ソロとヘンリーを呼びに行く 基本行動方針:テリーとリュックの仲間(ユウナ優先)を探す 最終行動方針:アルティミシアを倒す】 【現在位置:ウルの村 奔走中】
https://w.atwiki.jp/shineoflife/pages/291.html
レイン「赤羽は心配ないらしいし、お前ら休めよ」 基地長「レイン様、責任者がお会いしたいと・・・」 レイン「責任者?エジプトはジョニーだったっけか?」 いや、おれさ♪ レイン「ウッズ‼‼‼‼お前南極は?」 ウッズ「いやぁ、おおかた完成の目処は立ったし、ジョニーが本部建設の総指揮とるってゆーから俺がエジプト任されたの♪」 レイン「そういう事か、しかし、お前自分の歳考えろよ、なんだそのチャラい服」 ウッズ「かわいくない?・・・あ、もしかして君が10代目‼‼‼‼?会いたかったぜー♪」 進也「あ、ども・・・」 レイン「9代目の常任幹部、レイモンド・ウッズだ」 ウッズ「よろしくー♪えらく怪我してっけど大丈夫?」 進也「あ、はい、大丈夫です」 レイン「ジャパン人だからな、少々奥手なんだ」 ウッズ「へー、かわいいじゃん」 レイン「まぁお前ら、頼るならこいつ頼れ、BLOODのどの幹部より優しいぞ」 ウッズ「照れんじゃん♪」 坂城「まぁ・・・9代目の幹部といやぁラルクとジョニーだろ・・・うん、確かに・・・」 ウッズ「じゃー2人は部屋に案内するな、何かさっき廊下で見た2人組も」 レイン「よろしくな、俺は赤羽見てるから」 海上 夏希「・・・」 ケイ「ふぅ・・・とりあえず落ち着いたよ」 レナ「よかった・・・」 ケイ「夏希ちゃんは今活性で自分の体を強引に治療してる、確かに1週間程度でとりあえず治るが、生光の消費と体への負荷が半端ない」 レナ「え、だってそもそも夏希の筋力は・・・」 ケイ「そう・・・だから止めたんだけどな、どうしてもって言うからさ」 レナ「まぁそういう子だからね」 ケイ「出来るだけ航海には注意を払ってくれ、荒い航海で体に更に負荷がかかるとまずい」 レナ「分かった、じゃあ任せてもいい?ちょっと甲板行って伝えて来る」 ケイ「いいよ、俺ついてるから」 ミナト「エミー、行き先アブドゥルでー」 レナ「どうしたの?」 ミナト「何かさ、ルースさんが大怪我したとかで、あそこの医師じゃ処置できないんだって」 紫竜「ほぅ、ご指名か」 伝氏「で、ルースって誰?」 ミナト「うちの賞金稼ぎ、猛が中国襲ったときに来てくれた人」 伝氏「っほー、楽しみー」 蒼太「あの、赤岡竜さんですよね?」 竜「そうだけど・・・お前か、噂の新人幹部」 蒼太「ええ、もし暇なら勝負しません?」 紫竜「やめとけボーイ、こいつは加減とか知らねえぞ」 蒼太「あの貴族も恐れることなく斬り捨てたあなたとぜひ一度手合せをしてみたくて♪」 竜「いいぜ、刃無い刀持ってきてくれるか?」 紫竜「仕方ねぇなぁ・・・ちょっと待ってろ」 レナ「ちょっと待って‼‼‼‼‼夏希が中で・・・」 竜「刃ないから大丈夫だ」 レナ「でも・・・」 紫竜「ほらよ、怪我はすんなよ」 竜「ありがとよ、じゃあ先行は譲ってやるぜ」 蒼太「では遠慮なく」 レナ「もう・・・」 伝氏「戦闘始まるぞー、全員中入れー」 デルタ「マジかよ・・・船壊すなよお前ら」 竜「あぁ」 蒼太「では早速」 抜刀術・蒼燕‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 斬鮫‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 竜「ち」 バッ レナ「さっすが・・・」 翔平「竜が力で押し負けてんぞ‼‼‼‼」 紫竜「抜刀術か・・・なかなかの威力」 蒼太「初見でこれを受け切るなんて、さすがです」 竜「恐れ入ったよ、これは面白くなってきた」 ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 蒼太「ただの振り下ろしで・・・この威力・・・」 竜「攻めるぜ」 鬼鮫‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 梟之理‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 竜「受け流したか・・・」 チャキッ 竜「刀を鞘に・・・?」 蒼太「へへ」 斬鮫‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 抜刀術・蒼燕‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 竜「ち」 ガッ 竜「痛っ・・・鞘で攻撃とは・・・」 蒼太「使える物は何でも使いますよ♪」 スッ 竜(あの構えは‼‼‼‼) 蒼太「剣舞」 蝶之舞‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 竜「なるほどね」 蒼太「んな‼‼‼‼」 ギィン‼‼‼‼‼‼‼‼‼ 紫竜「勝負あったな」 竜「剣舞ってのは4~5発の振りを1括りにする剣技、流派ごとにそれは異なる為被るなんてことはまずない」 伝氏「んで?」 竜「今のお前の連撃は、レナのそれと酷似していた、それはつまり、お前らが同じ流派だということだ」 蒼太「そう・・・ですね」 竜「レナ、何で今までそれを黙ってた、お前も流派の継承者って事だろ」 レナ「それは違うよ、蒼太君の剣の師匠は私の兄・・・私は兄が蒼太君に教えてるのを見て真似てただけなの」 紫竜「だからか、初めて会った時、経験が無い割に剣技は綺麗だと思ったんだよ」 デルタ「今の最後の立ち合い、ガード出来たんじゃねえか?」 蒼太「防御技は習ってないんです・・・師匠に」 シオン「そんな状態でよく師匠はお前を海に出したもんだな」 レナ「もういいよ・・・これ以上隠しても仕方ないし」 蒼太「・・・分かりました」 エレン「ん?」 蒼太「僕の師匠で、レナさんのお兄さんは伊達蓮司、ついこの間の脱獄者で、国連を直接倒そうとしている桜組の総長です」 翔平「・・・・・・?」 ミナト「マジか・・・」 エミ「えー‼‼‼‼?」 伝氏「おっと・・・それは凄いな」 翔平「誰?」 デルタ「この半年で世界で最も力を付けた桜組、国連に恨みを持つ者を片っ端から集めて勢力を拡大した」 デルタ「その総長は元々国連陸軍の中将で、ジャパン支部長として仙台にいたわけだが・・・確か伊達政宗の子孫だったよな」 レナ「えぇ・・・私もそうなる」 伝氏「ま、マジかよ・・・」 彩香「それで、伊達蓮司には今や新世代と同等の1億の賞金がかかってるの」 翔平「何?同等って」 彩香「そっか、タイミング的に知らなかったかもね、新世代全員手配書が更新されたのよ」 ミナト「お、見せて見せてー」 『キャプテン』天野ミナト 懸賞金1億2000万円 『赤足』本郷翔平 懸賞金1億円 『オペレーター』光炎ユウ 懸賞金8000万円 『DEATH-FIELD』鈴原ナギ 懸賞金8000万円 『10代目BLOOD』神崎進也 懸賞金8000万円 『PHANTOM』星川玲斗 懸賞金1億2000万円 『銀竜』緑川大雅 懸賞金1億2000円 ミナト「億とは・・・随分国連も思い切ったな」 翔平「何だ、神崎やナギも名前と顔割れてんじゃん」 エミ「全員8000万円以上で、今までの事件を考慮してるみたい」 彩香「で、まぁこれ以上に問題なのが・・・」 『鬼鮫』赤岡竜 懸賞金1億5000万円 『黒獣』赤羽レン 懸賞金1億5000万円 デルタ「おっつ・・・」 竜「ハッハッハッハ、俺一番じゃんか」 蒼太「すげー‼‼‼」 クロ「貴族斬った件だろうな、赤羽は威加槌の件か」 レナ「で、それと同等って言われてるのが桜組ね」 『独眼竜』伊達蓮司 懸賞金1億4000万円 『狼忍』藤野半蔵 懸賞金1億4000万円 レナ「この二人が脱獄囚、それ以外にも桜組にはとんでもないのがいっぱいいるらしいよ」 志保「一応、桜組というのは昔からありました・・・クインテットもそこに加盟しています」 ミナト「っへー、あれ、でも伊達蓮司って国連中将だったのに何で掴まってたの?」 彩香「確か謀反の疑いがあったとか」 蒼太「それは違うんです‼‼‼‼」 翔平「違う?」 ゴロゴロゴロゴロ レナ「ん・・・この風・・・」 エミ「話はまた後で、全員配置について‼‼‼‼サイクロンよ‼‼‼‼‼」 レナ「アブドゥルまであと少し・・・突っ切るよ‼‼‼‼‼外輪だして‼‼‼‼‼」 エレン「はいはい」 シオン「翔平‼‼‼‼‼デルタ‼‼‼‼‼外輪回せ‼‼‼‼‼」 紫竜「竜、帆たため」 竜「おいメガネ‼‼‼‼‼お前やっとけ、俺はオール探してくる‼‼‼‼‼」 クロ「ち、分かったよ‼‼‼‼‼」 翔平「灯台見えたぞー‼‼‼‼‼」 ミナト「船ごと俺が飛ばそうか‼‼‼‼?」 伝氏「ダメだ‼‼‼‼‼そんな事したら夏希に負荷がかかる‼‼‼‼‼」 レナ「大丈夫よ、そんな事しなくても十分船は持つから」 ミナト「ならいいや、野郎どもー‼‼‼‼‼進め進め‼‼‼‼‼」 竜「いいから漕げお前も‼‼‼‼‼」 バシッ ミナト「はいはい」
https://w.atwiki.jp/83452/pages/5984.html
沙都子「あなたは琴吹紬さんではありませんこと?」 紬「沙都子ちゃんは沢庵好き」 沙都子「嫌いではないですけど、それがどうかしまして?」 紬「お腹、減っているんじゃない?」 沙都子「・・・少しだけ減っていますわ」 紬「これ、あげるね 白いご飯もどうぞ」 沙都子「驚きましたわ!額に沢庵を保存している人なんて雛見沢でも見たことありませんわ!」 紬「ご飯も炊きたてだから、きっと美味しいと思うの 美味しいうちに食べて?」 沙都子「それでは・・・頂きますわね」 ポリポリ・・・ 沙都子「おいしいですわ!おいしいですわ!」 ヒョイ パク ポリポリポリ・・・ 沙都子「おいしいですわ!とまりませんことよ!」 紬「ふふふ・・・♪」 魅音「あれ沙都子じゃん ・・・隣に居るのは誰だ?村の人間じゃあないねぇ」 レナ「沙都子ちゃーん!」 沙都子「魅音さんとレナさんではありませんか ごきげんよう」 紬「沙都子ちゃんのお友達の魅音ちゃんとレナちゃんですね こんにちわぁ」 レナ「こんにちわー 誰かな?誰かな? 魅音「あんた観光客かい?」 紬「はい お近づきの印に、二人もどうぞ」 魅音「何だい、これは」 紬「炊きたての御飯と、琴吹家特製の沢庵です」 魅音「・・・琴吹・・・家?」 レナ「はぁう~♪ この沢庵ちっちゃくてかぁいいよぉ~♪ いただきまぁぁーす!!!」 ポリポリポリ 魅音「レナ!?」 レナ「おいしぃよぅ~☆ おいしぃよぅ~☆」 沙都子「魅音さんも、ごはんは炊きたてが美味しいですことよ? 早く食べてくださいまし」 レナ「はぁう~☆ おいしいぃよぅ~☆ やめられないかな?止まらないかな?かな?」 ヒョイ パク ポリポリポリポリ・・・ 沙都子「レナさん一人で食べ過ぎですことよ! 私の分も残しておいてくださいまし!」 ヒョイ パク ポリポリポリポリ・・・ 魅音「二人とも、箸を止めるんだ!」 レナ「はぁう~☆ 魅音ちゃんも食べないとムギちゃんにわるいよぉ~☆」 魅音「で、でも・・・!」 紬「ふふふ・・・♪」 紬「魅音さん、さあどうぞ?」 魅音「くっ・・・! アンタ・・・この沢庵に何か細工したね!?」 紬「細工ですか?特に何も・・・」 魅音「それ、ちょっと貸しな!」 紬「きゃあ!」 魅音「やっぱり・・・アンタ、これは何だい?」 紬「パッケージがどうかしましたか?」 魅音「これだよ!ここに書いてあるこれはなんなんだい!?」 紬「酸化防止剤、酸味料・・・甘味料・・・それがどうかしましたか」 魅音「雛見沢で作る沢庵には・・・こんな物入れて作らないんだよ!」 紬「でも人気なんですよ? アニメイトでも絶賛発売中です」 魅音「ふざけるのも大概にしな! アンタなんかにこの村の漬物の何がわかる!?このよそ者め!」 紬「酷い・・・私はただ、美味しい沢庵とご飯をご馳走したいだけなのに・・・」 魅音「二人とも! もう食べるのはおわりだよ!」 レナ「はぁう~☆ おいしぃよぅ~☆」 ポリポリポリポリ 沙都子「おいしいですわ!おいしいですわ!」 ポリポリポリポリ 魅音「 終りにしろってんだよ!!!!!! 」 レナ&沙都子「!!!!!」 レナ「み、魅音ちゃん・・・美味しいのになんでかな?かな?」 沙都子「そ、そうでございますわ! 折角紬さんが遠路遥々来てくださったというのに・・・」 魅音「いいかい、二人とも? この沢庵にはね・・・」 紬「あら?あなたも食べる? はい、暖かいご飯と沢庵どうぞ?」 梨花「みぃ・・・☆ ありがとなのです」 ポリポリポリ 梨花「みぃ♪ みぃ♪」 紬「どう?美味しいでしょう?」 梨花「美味しいです♪ 美味しいです♪ 紬は沢庵作りの天才なのです」 ヒョイ パク ポリポリポリ 紬「ふふふ・・・♪」 魅音「梨花ちゃんまで!」 梨花「魅音は何で食べないのですか? 紬に悪いのです」 ポリポリポリ 魅音「だからその沢庵には・・・!」 レナ「わかったよ・・・」 魅音「レナ?」 レナ「私、魅音ちゃんの考えていることわかっちゃったかな?かなぁ?」 沙都子「私も、魅音さんの考えていること少し分かりましたわ」 魅音「な、なんだよ・・・」 レナ「魅音ちゃん・・・沢庵独り占めしようとしているんじゃないかなぁ?かなぁ?」 魅音「は・・・はあ!?」 沙都子「そうですわ!私たちには食べさせないで、紬さんを連れて帰って全部頂くに違いませんわ!」 梨花「みぃ・・・ 魅音・・・ずるいです」 紬「そうだったの~♪ 大丈夫ですよ魅音さん、まだ沢山あるから安心してね」 魅音「そんな・・・ち、ちが・・・」 レナ「そうなんだよね? 紬ちゃんの炊きたてご飯と一緒に・・・独り占めしようとしてたんだよね?」 魅音「わ・・・わたしは・・・そんなこと・・・」 レナ 「 嘘 だ ッ !!!!!!!!」 魅音「嘘じゃない・・・本当だよ・・・」 レナ「嘘だよね」 魅音「嘘じゃない!!」 レナ「じゃあ食べようよ みんなで紬ちゃんの沢庵と炊きたてのご飯食べよ?」 魅音「でも・・・」 レナ「食べよ?」 魅音「・・・・・・くっ! それよこしな!」 紬「はいどうぞ 炊きたてよ」 レナ「美味しいよ」 魅音「・・・!」 ポリ・・・ポリ・・・ 魅音「ん・・・くぅ!」 ヒョイ パク ポリポリポリポリポリ レナ「急いで食べると喉つかえちゃうよ? 言ったでしょう?紬ちゃんの沢庵、美味しいって」 魅音「うまい・・・!うまい・・・!」 ポリポリポリポリ 沙都子「レナさん!このままでは本当に魅音さんに全部食べられてしまいますわ!」 ヒョイ ヒョイ パクパク ポリポリポリ レナ「はぅ! だめだよ魅ぃちゃん!私たちの分も残しておいてよぅ」 ヒョイ パク ヒョイ パク ポリポリポリポリポリ 梨花「みぃ・・・☆ おいしいです おいしいです 紬は沢庵作りの天才なのですよ」 ポリポリポリポリポリ 紬「ふふふ・・・♪ ご飯のおかわりもまだあるから、安心して沢山食べてね」 魅音「おかわり!」 紬「はぁい、どうぞ♪ ふふふ・・・♪」 紬「美味しそうにご飯を食べている姿って可愛い・・・♪」 大石「んっふっふ・・・今日の雛見沢は漬物臭いですねぇ」 紬「刑事さんも食べますか? 炊きたてでおいしいですよ」 大石「高校生にご飯を頂くなんて、私もまだまだいけるみたいですねぇ」 紬「沢庵、お好きですか?」 大石「そうですねぇ 沢庵よりもっと臭いのキツい物もいけますよぉ・・・んっふっふ♪」 紬「それでは、はいどうぞ♪」 大石「紬さん、ありがとうございます それじゃあ頂くとしますかね んっふ♪」 ポリポリポリポリ 大石「これは・・・いけますねぇ いけますねぇ」 ヒョイ パク ポリポリポリポリ 大石「んっふっふ・・・ んっふっふ・・・お嬢さん、若いのにやるじゃあないですかぁ んっふっふ・・・♪」 紬「ふふふ・・・♪ 気に入って頂いて何よりです♪」 富竹「おや? あそこに居るのはレナちゃんたちじゃないか」 鷹野「園崎家の魅音ちゃんもいるみたいねぇ・・・今年の鬼隠しの話し合いでもしているのかしらぁ?」 富竹「はっはっは! 今頃僕らをどんなふうにして殺すか考えていたりね」 鷹野「僕ら?ジロウさんだけかもしれないじゃない?」 富竹「まいったな・・・ははは・・・」 鷹野「ふふふふ・・・♪」 富竹「それにしても、やけに漬物の臭いがしないかい?」 紬「そこのカップルさんもどうですか?おいしいご飯と沢庵、ありますよ」 鷹野「・・・口が上手い子ね」 富竹「それじゃあ折角だから僕らももらおうかな?」 紬「はい、お二人分の沢庵と、炊きたてのご飯です どうぞ」 富竹「ありがとう」 鷹野「ありがとう♪ ふふふ・・・針とか入っていたりするのかしら?」 鷹野「ふふ・・・冗談よ 冗談」 富竹「ああごめんね・・・気にしないでくれ」 鷹野「そんなことよりジロウさん 早く食べないとご飯が冷めるわ」 富竹「そうだな 紬ちゃん、いただくとするよ」 紬「どうぞ♪ 沢山あるから遠慮しないで食べてくださいね」 ポリポリポリポリ 鷹野「ジロウさん、どう? 美味しい?」 富竹「・・・うまい! うまいよ!」 ヒョイ パク ポリポリポリポリ 紬「鷹野さんも早く食べないと冷めてしまいますよ?」 鷹野「ふふふふ・・・そうね ジロウさんが食べ終わるまで待とうと思ったけど、大丈夫そうだからいただくわね」 ポリポリポリポリ 鷹野「ふふふ・・・♪ なるほどねぇ・・・♪ なるほどねぇ・・・♪」 ヒョイ パク ポリポリポリポリ 紬「ふふふ・・・♪」 入江「ん・・・何だ・・・? あの神社の前の人集りは・・・それに何だこの臭いは・・・?」 沙都子「監督! 監督もこっちにおいでなさいまし!」 入江「こんにちは、沙都子ちゃん 皆と今日はピクニックかな?」 沙都子「少し違いますわ けれど、とても美味しい沢庵を頂いていますの」 入江「沢庵? ・・・ああ、これは沢庵の匂いだね」 魅音「監督ぅ! 監督も食べなよ!美味しいよ!」 紬「はい、監督さんのです 白いご飯と一緒にどうぞ♪」 入江「ん・・・ああ、ありがとう キミは・・・?」 紬「琴吹紬です さあさあ、ご飯が冷めないうちに」 入江「あ、ああ・・・」 紬「どうしましたか?」 入江「いや・・・」 鷹野「ふふふ・・・大丈夫ですよ 毒は入っていませんから・・・♪」 入江「いや、そう言う訳じゃあないんだが・・・」 紬「沢庵、嫌いですか?」 入江「・・・あ! ああ!そうなんだ、実は沢庵が――」 沙都子「監督は沢庵が大好物なんですわよ!」 入江「さ、沙都子ちゃん・・・参ったなぁ・・・」 沙都子「本当のことではありませんの?」 入江「いや・・・その通りだよ」 紬「ふふふ・・・♪ お口にあえばいいんですけど さあさあどうぞ」 入江「うん・・・い、いただきます・・・」 ポリポリポリポリポリ 入江「・・・! ・・・!」 ヒョイ パク ポリポリポリポリポリ 入江「・・・う~ん美味しい♪ う~ん美味しい♪」 紬「ふふふ・・・♪」 紬「いいわぁ・・・♪ 美味しそうにご飯を食べる姿、いいわぁ・・・♪」 ポリポリポリポリポリポリ・・・・・・・・・・・・・ 富竹「・・・んぐぅ!!!??????????」 鷹野「・・・!? ジロウさん?」 富竹「・・・がはッ!ガはぁッ!!!ゴはッ!!」 紬「だ、大丈夫ですか?」 富竹「ごがぁ・・・ぐっぁ!!!!」 紬「喉につかえましたか? それなら・・・これ飲んでください!」 富竹「・・・んっく・・・」 ゴッキュゴッキュゴッキュゴッキュゴッキュ 富竹「・・・っぷは・・・ ははは・・・死ぬかと思ったよ」 紬「急いで食べたらだめですよ 麦茶もありますから、ゆっくり食べてくださいね♪」 富竹「ごめんごめん・・・ありがとう頂くよ」 鷹野「ふふふ・・・♪ つっかえた沢庵が苦しくて、指で首を掻き毟って本当に死んじゃうかと思ったわ・・・♪」 富竹「ははは・・・まいったな・・・」 紬「ふふふ・・・♪ 沢庵もご飯も、まだまだ沢山ありますから 遠慮しないで食べてくださいね」 魅音「もう一丁おかわり!」 沙都子「私もですわ!」 レナ「わ、私もまけないんだよ!おかわりかな!かな!」 梨花「みぃ・・・ボクもおかわりなのです」 大石「んっふっふ・・・皆さん見かけによらず大食いですねぇ・・・私も頂きましょうかねぇ・・・んっふ♪」 富竹「僕ももう一杯もらおうかな」 鷹野「ふふふ・・・ジロウさん、次に喉につかえたら今度は本当に死んじゃうかもしれないわよ?」 紬「鷹野さんと監督さんもおかわりどうですか?」 入江「うん・・・♪ こんなにおいしい沢庵は初めてだよ~ おかわり♪」 鷹野「ふふふ・・・私も頂くわ・・・♪」 紬「はい、いっぱい食べてくださいね♪ ・・・ふふふ♪」 2
https://w.atwiki.jp/rakdeadsfe/pages/78.html
竜宮家 竜宮レナ(礼奈) プロフィール 本名は礼奈(れいな)。 7月生まれ。 小学校に上がるときに、母の仕事の都合で雛見沢から茨城に引っ越し。 昭和57年に雛見沢に戻って来た。 母の浮気、両親の離婚に大きく関係あり。 趣味はダム工事現場跡の宝(かぁいいもの)探し(鬼・罪・昼編参照)。 母の浮気、両親の離婚に大きく関係あり。 特技はかぁいいモード時のれなぱん。 料理がとても得意。 母が仕事に出て、父が家事できなかった分を補助しようとした結果。 元々07th Expansionのマスコットキャラ。竜騎士07→竜宮レイナ 性格・人物像 すぐぼぉっとしたり赤面したりする。 ぼんやりした少女と知性・決断力・行動力とも優れた女性の二面性を有する。普段はあえて前者に徹しているのは、自分の望む幸せが前者にあるから「馬鹿の方が日々は楽しいのかもしれない。なら私は進んで馬鹿になりたい・・ほら、楽しいことで夢を満たそう?」 (罪滅し編『夕暮れ』) 自分を必要としてくれるような発言で赤面し喜ぶのは、母親に捨てられた経験と関連? 世話焼きで献身的 父や悟史を救えなかった後悔から、圭一は助けたいという気持ちがある。 (罪滅し編) その後悔による自己嫌悪から、必ずしも自分の命を最優先にできない心理があるようだ。 リナへの嫉妬はいけないことだ、親のいない沙都子や梨花の苦労に比べれば不満を言ってはいけない、等と自分に繰り返し言い聞かせるところからして、内実はかなり我欲に厳しい性格? → 普段は悲しみも苦しみも隠して、ほんわかした笑顔でいる理由か 望んでいることは仲間と楽しい毎日を送ること。 難解と言われるレナの行動だが、(1)惨劇の危機がなければ仲間の不和を治め、辛い立場の者をフォローする(2)惨劇発生あるいは危機状態では少しでも多人数を救う手段を取る、と上の目的から単純に整理できる。 圭一には好意を抱いているようだ。 「圭一くんはいっしょにいて楽しい」だけでなく、父も悟史も救えず自己嫌悪に悩んでいた自分を受け入れてくれた存在(手首をじっと見つめる描写)。 (罪滅し編) 鬼隠し編では誰よりも圭一を心配し、最後には捨身の説得を試みた。別の世界での救ってもらった記憶によるものという説がある←殺してしまった記憶の方が自然。 (罪滅し編) これらを背景に罪滅し編では ラストで告白もしている「どっちが勝ってもずっといっしょだね」「たとえ死んでも生まれ変わったら普通に恋をしよう」。 昼壊し編で 「本当に好きな人への想い」が描写されているが、手作りクッキーを食べた人とのことから圭一のことと考えられる ただ、綿流し編では、魅音に相談されて以降身を引いて応援する側に徹した(恐らく祟殺し編も)。→罪滅し編での リナへの嫉妬すら自己批判する描写からして、友情を優先して自分を抑えているのかも。 → 過去への後悔の念が強いレナでは、村や仲間を救うといった大義名分がなければ他人から幸せを奪うような行動はできないだろう。 → 母親の不倫〜両親の離婚から恋愛を蔑視してる節がある。恋愛は罪滅し編以降?→鬼隠し編では圭一にデートに誘われて喜んでいる → レナのことだからデートに誘われたら喜ばなきゃいけないぐらいは思ってるだろう。 → もしそうならデートに誘われたら喜んでみせるなんてデリカシーのない反応はせず、やんわりと断るはず。赤面しているし、圭一母にもまるで嫁に来るような発言をしており(恋愛を嫌悪するならいうはずもない冗談)、恋愛を蔑視しているとは考えられない。 悟史のことが好きだった? 鬼隠し編でレナの言った「悟史くんと同じような人が現われたら今度こそ助けようと・・・」の台詞があるが、それは、悟史が同じ「オヤシロ様の祟り」を経験していたためである。本当に好きなら、悟史を怖がらせる様なことはいわない筈。それに、悟史とレナが過した時間は、極めてすくない。それに、レナが転校してきた頃は、北条家は、村八分にあっていてそのような状況なるとは到底思えない。---圭一を助けようとしたのが恋愛感情からだとしたら、それは悟史にも当てはまるのでは?悟史もレナには魅音に相談出来ないようなことも相談していたようで流れとしては自然//むしろ出会って1ヶ月程度の圭一の方が無理がある。//→悟史との関係の詳細は蔵出し編でもみないとわからないが、そもそも一ヶ月で恋愛は無理というのはそれこそ無理があると思われる。常識的にももちろんだが、他の仲間の恋愛を見ればすぐわかるだろう。 かぁいいものを大小拘らずお持ち帰りする癖がある。 単にかぁいいものが好きなだけでなく、それを集めることで自分を慰める手段ともしていたようだ。 粗大ゴミがかぁいい理由は、母親に捨てられた自分同様に捨てられた存在への共感と愛情による。 (罪滅し編) 実はかぁいいモードになると超人化するのでなく、欲に負けて普段の自制心の枷が外れ、本来の能力を発揮している? 判断力・観察力・直感に優れる。大石も認める推理で「名探偵」の異名を得る。 皆殺し編では それらを生かしてかなりの活躍をみせた。 圭一の誤解を招いたり(鬼隠し編)、暴走したり(罪滅し編)、マイナスに作用するケースも。 人の感情の機微を察知するのが得意で、しばしば相手に脅威を与える(皆殺し編)。 「目を見れば嘘をついているかどうかわかる」(皆殺し編)。嘘に対してはときに過敏ともいえるほど鋭い。 綿流し編では 回覧板に書いてあった、醤油をお分けするという事などから梨花達の居場所を突き止める事も。 普段の振る舞いと激怒した状態の落差が大きい。 いわゆる「ひぐらしモード」の正体はこの「落差」による圭一の被害妄想と考えられる(詳細は罪滅し編やループ推理参照) ---自称「怒りんぼ(綿流し)」、魅音によると「普段はおちゃらけているけど怒ると怖い(祟殺し)」。 「嘘だッ!!」(鬼隠し編) → 鬼隠し編では圭一の疑心暗鬼を招いた。 魅音を女の子扱いできなかった圭一にそれとなく諭す。(綿流し編) 祭具殿侵入を隠していた圭一を叱る。(綿流し編) 沙都子保護を魅音に押し付けた圭一に啖呵を切る。(祟殺し編) 突如取り乱した沙都子を心配するあまりに余計に怯えさせてしまう圭一を一喝する。(祟殺し編) 児童相談所の鉄平への聞き取り内容を聞き、憤りを机にぶつける。 (皆殺し編) なぜ本名の礼奈ではなくレナと呼ばれることを望むのか? “いや”なことを忘れるために礼奈の“い”をとった。 (罪滅し編)→ 茨城での自分を捨て、気持ちを新たにするため? (罪滅し編) 死亡記録 鬼隠し編 前原圭一に撲殺される S58_6_25? 綿流し編 詳細記述なし (現在生存?) 祟殺し編 雛見沢大災害にて死亡 S58_6_22 暇潰し編 詳細記述なし (雛見沢大災害にて死亡? S58_6_22) 目明し編 生存(鹿骨市内在住) H16現在 罪滅し編 詳細記述なし ( 雛見沢大災害にて死亡? S58_6_26.興宮署に移送されたので生存という解釈もある ) 皆殺し編 行方不明 ( 鷹野三四に射殺され山狗に隠蔽される ) S58_6_23 レナの母(名称不明) 才能あるデザイナー。 元々興宮で仕事をしており、同じデザイナーの夫と出会い結婚。 会社の経営状態が悪くなる折、レナの母に独立の話が持ち上がり、家族で茨城へ引っ越す。 引っ越してからの仕事は母が中心。 茨城での有能なサポーター・アキヒトという男と関係を持ち、夫との離婚を決意。 レナをアキヒトに懐かせて、離婚の際にレナを引き取ろうとするが、父の献身的な姿を目にし、母を信じていたレナに嫌われ、見限られた。 レナの父(名称不明) 元デザイナー。しかし妻と違って才能が無かった。 才能のある妻の出世のため、仕事をやめて茨城へ引っ越し、主に家事に回る。 妻から突然離婚を突き付けられ、レナは引き取ったが以後無気力になり、レナの母が支払った多額の慰謝料で生計を立てる。 この後雛見沢へ引っ越し、 間宮リナに出会う(?)。 罪滅し編では リナと鉄平の美人局にかかって破滅しそうになり、それを知ったレナもリナに殺されそうになる。が、レナが反撃してリナ・鉄平を殺害。その後はデザイナーの仕事を再開 皆殺し編では レナが魅音に相談し、父と話し合いで穏便に別れさせて解決。その後、昔の仲間と仕事を始め、デザイナーとして再出発する 。祭囃し編も同様か? 料理が苦手。機嫌が良いときは創作料理に取り組むことも。
https://w.atwiki.jp/ar2e_large/pages/26.html
「任務達成、お疲れさまでした。それで、私にお土産はあったりしないのでしょうか?」 ■セレスティア・セレナ(Celestia Selene) 年齢:1000以上 性別:女 制作者:GM 種族:フェイ(ヴァルキリー) 外見イメージ:ジャンヌ・ダルク(Fate/GrandOrder) 概要 "花と門の浮島"ゲートアイランドの最高権力者にして独裁者。 島の妖精たちからは"セレスさま"、または"長老"と呼ばれて親しまれている。 島中の妖精をまとめる強大な力を持ち、その実力は竜種に匹敵するともいわれる。 しかし、そんな彼女は妖精の王族と言われるディナシーではなく、死者の魂ををアヴァロンへ運ぶと言われる妖精騎士ヴァルキリーだ。 見かけは若い女性の姿にも見えるが、生き永らえた年月は果て無く、火の時代の黎明期を生き抜いた戦士ならしい。 のほほんとした性格で、穏やかな物腰と喋りをする。 妖精らしく気分と表情はころころ変わり、その上権力も持ってるから笑顔で無茶を言ってくる。 基本的には優しい。 "長老"以外にも「しやくしょ」の"市長"、「さいばんしょ」の"裁判長"も担っている。 要するに、島での決め事に関しては基本的に彼女が一枚噛むようになっている。 甘いものが大好きで、特にパンケーキが好き。 10年前の役所再編成の際に、ツキギにだいぶ無茶を言い、「パンケーキ課」という課を作らせた。 コスモス区には「パンケーキ・ファクトリー」という名前の工場も作らせている。 やりたい放題の暴君であるが、島の住民からの信頼も絶対なのであった。