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リリカル遊戯王GX 第四話 潜水艦の罠! 打ち破れディバインバスター! 十代達は潜水艦の内部へと入り込む。 予想していた通り、人の気配がまったくしないその通路で十代は薬のメモを取り出し……顔を顰める。 「全っ然わかんねぇ」 「……貸せ、薬は俺が探す」 呆れたようにヨハンがメモを受け取り、医療関係の施設がある方向にあたりをつける。 「みんなは食料とか、他にも何か使えそうな物を探してくれ」 「なら私達はそれぞれの護衛を兼ねて分散、私はヨハン君と行くことにするよ」 各自分かれての探索、危険ではあるが、この世界ではむしろ時間をかけることの方が危険度は高いかもしれない。 だが、ティアナにとってそれはまずかった、アモンを監視することができなくなる。 ならば多少不自然になっても、先にアモンと一緒に行くことを宣言するべき―― 「ガンナーガール、毛布とかを探そうと思うんだが、ガードを頼めるかい?」 「え、あ、は、はい……」 ここで断るのは無理だ、仕方なく残るスバルに望みを―― 「じゃあ、俺は食料を探すぜ、な、相棒!」 「クリクリ~♪」 「あ、私も一緒についてくよ!」 託す以前の問題だった。ティアナは危うく頭を抱えそうになる。 誰も気づいていないがなのはも頭を抱えている、ティアナと同じ考えだったようだ。 「お、オブライエンさんとアモンさんはどうします? 危険ですから誰かと一緒に――」 「いや、俺は大丈夫だ、何かあれば生き残ることを優先する」 「僕もこう見えてデュエルだけじゃなく腕っぷしにも自信がある。心配いらないよ」 後でスバルを殴りつけようと心に堅く誓いながら、ティアナは仕方なくアモンのことを諦める。 何かをすると決まった訳ではないのだ、自分の勘違いという可能性に賭けるしかない。 そうと決まれば今は時間が惜しい、早速それぞれが目的の物を探すために分かれる。 「ここは、医療施設か?」 「そうみたいだね、保健室よりも簡単な作りだけど……あ、薬品棚はこれみたいだよ」 なのはとヨハンはメモと薬品を一つ一つ見比べながら、慎重に必要になりそうな薬品を置いてあった医療パックに入れていく。 そんな作業の中、なのはは疑問に思っていたことをヨハンへと尋ねる。 「ねぇ、ヨハン君」 「はい?」 「どうしてあの時、十代君を止めてデュエルをしたの? 私達が来る前にもヨハン君はすでにバトルをしていた、 なら消耗をより深くするのは得策じゃない、それぐらいなら、ヨハン君は気づいてたと思うの」 なのはの問いにヨハンは沈黙する。 しばらく薬品を選別する作業が続き――口を開く。 「この世界でのデュエルは危険を伴う事は気づいていたんだ」 「だから、他の人が傷つくより自分が傷つく方がマシだ、って?」 「結局スバルを傷つけちまったけどな、俺の力が足りなかったせいで……」 「違うよ、ヨハン君の考え方は違ってる」 なのはの言葉にヨハンは首を傾げる。 「今のヨハン君みたいな考え方、自分の事を蔑ろにして仲間を守ろうとする人、私は知ってる……その人は、一度壊れて落ちてしまった」 どこか遠くを見つめながら話すなのはに、ヨハンは目を奪われていた。 悲しげなその表情を止めたいと思いながら、どうすることもできない。 「ならどうしろって言うんだ、仲間が傷つくのを黙って見てろっていうのか?」 「やる事は簡単だよ、仲間を信じるだけ」 「……信じる?」 気づいたらなのはは自分の事を笑顔で見つめていた、 その笑顔の中に、なのはが伝えたい思いが全て詰まっていることをヨハンは感じ取る。 「簡単でしょ? 仲間を信じる、初めはそれだけでいいんだ」 「おーい、そっち何かあったかー?」 「んー……これも空っぽ、こっちは……あ、あった!」 十代とスバルは苦労しながらも少しずつ食料を集めていく、 はねクリボーも手伝い、十分な量とはいえないもののそれなりの量が確保できた。 「よしっ、とりあえずこっちの方はこれぐらいで戻ろうか」 「ああ……あの、さ」 「ん?」 十代に呼び止められてスバルはキョトンとした顔で振り返る。 「その、まだお礼言ってなかったからさ、ありがとな」 「お礼……ああ! そんなに気にしなくていいのに、当然の事をしたまでだよ」 「だけど、俺を助けたせいで怪我をしちまったんだ!」 「怪我なら治ってたじゃない」 笑いながら謝罪をまともに受けようとしないスバルに、十代は焦れて思わず睨みつけるように見てしまい――気づく。 スバルの表情は声とは裏腹に暗く、触れれば壊れてしまいそうに見えた。 「私は、守れなかったんだ」 「え?」 「大事な人、とっても大切な……私のお姉ちゃん」 スバルのこんな姿を見るのは初めてだった、出会ってほとんど時間は経ってないが、 どんな時でも明るく、周りの人間もどんどん明るくさせていく……そんな印象があったのだ。 「ティアやマッハキャリバーのおかげで、ギン姉は助け出すことができた」 「えっと……なら、守れたってことになるんじゃないのか?」 十代の言葉に「結果的に見れば、ね」とどこか自嘲気味に答える。 「私はまだ、あの時の気持ち、絶望感や怒りを忘れられない……その感情に任せてしまったことによる、代償も」 『……』 「あの時、私はもう少しでいくつもの笑顔を奪うことになったかもしれない。私は守れてないんだ、自分自身の思いを」 マッハキャリバーが無言で光る、十代にはその意味はわからなかった。 だからこそ、言えたのかもしれない。 「そんなの、引きずることなのか?」 「え……?」 「だってさ、スバルは姉ちゃんも助けられたし、その笑顔っていうのも結局は奪ってないんだろ? ならそれでお終い、その後は関係ないじゃん」 「そ、それは、その……そうかも、だけど」 「俺、難しい事はよくわかんないけどさ、スバルは良い奴だと思う。 過去に何があったかとかじゃなくて、今のスバルは俺を助けてくれた、それで十分だろ?」 「あ……」 スバルは何度も沈み込み、そのたびにティアナによって、マッハキャリバーによって励まされた。 その時と同じ、優しく自分の心を諭してくれる輝きを十代から感じていた。 「よっと、こんなもんだな」 「はい、それじゃあ戻りましょう」 仮眠所から持てるだけの布団や毛布を集め、ティアナとジムは元の場所へ戻ろうとする。 「……」 「どうしたんだ? ガンナーガール」 「あ、いえ、何でもないです」 ジムに呼ばれティアナは慌てて思考を目の前に戻す。 今さらアモンについて考えていてもどうしようもないのだ、下手な行動で摩擦を起こしては目も当てられない。 「……確かにアモンには俺達も掴めてない部分がある」 「――っ!?」 唐突に放たれたジムの言葉にティアナの動きが凍り付く。 ――気付かれていた? でもいつ? 憶測だけでこんな危うい言葉を言える訳がない、だけどそこまで決定的な動きは見せてないはず…… 「俺の目とカレンの勘を甘く見てもらっちゃ困るぜ」 「わ、ワニの勘……!」 一年以上かけてフェイトから学んだ執務官として必要な、自身の思考を悟られないようにする術、 それがワニの勘に敗れ去ったことにティアナはショックでその場に膝を付く。 ――ああ、やっぱり私は凡人止まりなの? なのはさんに諭された時から前に進めていないのかしら…… 「お、おい、大丈夫か?」 「あんまり……」 「ドントマインド! そんなに気にするな、このことは誰にも言う気はない」 見当外れな方向へ慰めるジムにティアナは項垂れたままだったが、かろうじて情報整理をするだけの思考能力は残っていたようだ、 「どうして言わないんですか? 疑いを持たれたままじゃ、信頼関係も築けないと思いますよ?」 「それはお互いがその本質を理解できていない時の事さ」 「……ジムさんは、私たちを理解していると?」 「Yes! もちろん全てを見たわけじゃないさ、だけどガール達は良い奴だ、それもとびっきりのな! それが判れば信頼することはベリーイージー!」 無茶苦茶だ、そりゃあ自分たちを悪人だと言う気はないが、善人だと思える部分しか見せていなかったとしたらどうする気なのだ。 無防備すぎる、こんな考えでは敵に付け入られる隙も多くなってしまう……だが、悪い気分ではなかった、信じてもらえるということは。 アモンは一人、潜水艦の情報端末を操作している。 画面には幼い頃からのアモンのデータが表示されていたが、一瞬にして消去されてしまう。 データが完全に消えたことを確認し、アモンは静かに笑みを浮かべた。 「ヨハン! そっちはどうだった!?」 「ああ、ちゃんと薬を見つけてきたぜ」 十代達は互いの収穫を確認しあい、それぞれそれなりの収穫があったことに満足する。 遅れてやってきたアモンとオブライエンに視線が集中するが、アモンはすまなそうに首を振る。 「すまない、僕はこの潜水艦がどこの物か調べようと思ったんだけど、データが破壊されていてわからなかったよ」 「そっか、でもまぁ、食糧も少しだけど手に入ったし、帰ろうぜ!」 ――情報端末に入った? 軍の物にパスワードもなく? 十代達は気にしていないようだが、ティアナはやはりアモンに疑いを持ってしまう。 しかし、幸か不幸かその疑問を行動に表す暇はなかった。 「ふふ……タイタンのカードは、一枚だけじゃないんだよ」 アカデミアの図書室、そこでマルタンは新たなカードをディスクにセットした。 潜水艦の外、そこにマルタンによって召喚されたタイタンが現れ、ディスクを構える。 「今度こそ止めを刺してくれる、行け! デビル・スコーピオン!」 タイタンがカードをセットすると、大量のサソリが現れ潜水艦の内部へと侵入していった。 ―デビルスコーピオン― 攻撃力900 守備力200 通常モンスター 「何だ!?」 「モンスター!?」 今まさに潜水艦から出ようとしていた十代達は、その入口から侵入してくるデビルスコーピオンの群れに慌てて下がる。 なのは達が迎撃するが、デビルスコーピオンは次々と侵入してきてキリがない。 「くそっ、こんなの相手にしてられるか! 守備モンスターでいくぜ、頼むぞクレイマン!」 十代が前に出て、一体のモンスターを召喚する。 ―E・HERO クレイマン― 攻撃力800 守備力2000 通常モンスター そのモンスターを盾にし、十代達は近くの部屋に駆け込み扉を閉じた。 「まずいね、出口を塞がれた……ここにもいつ来るか」 「へへ、クレイマンの防御力は2000! デビルスコーピオンの攻撃なんて効きやしないぜ……ってあれ!?」 「マジックカード、月の書! モンスター一体を守備表示にする……そして、行け、八つ手サソリ!」 ―八つ手サソリ― 攻撃力300 守備力200 効果モンスター 「どうなってんだ、クレイマンが裏守備表示になっちまった!」 「いかん!? あれは八つ手サソリか!」 オブライエンが扉の窓から様子を見て声を上げる。 デビルスコーピオンの増殖は止まったが、変わりに巨大なサソリが通路へと現れた。 「まずいぞ、八つ手サソリは裏表示のモンスターには攻撃力が2400に上がる、クレイマンでは持ちこたえられない!」 「嘘だろぉ!?」 思わず叫んだ次の瞬間、八つ手サソリの攻撃でクレイマンは吹き飛ばされ、その衝撃で十代達がいる部屋の扉も破壊されてしまう。 一斉にデビルスコーピオン達が部屋に入り――無数の魔力球に撃ち抜かれる。 「スバル、ティアナ、なんとか通路まで押し返して、一気に仕留める!」 『了解!』 なのはの指示で二人がデビルスコーピオン達を次々と吹き飛ばしていく、 所詮は雑魚モンスター、数だけでは激戦を潜り抜けてきた彼女達を止めることはできない。 そして、それほど時間が立たない内に相手は全て通路へと押し戻され、なのはが一歩前にでる。 「いくよ、久し振りの長距離砲撃!」 『Divine Buster Extension』 「ディバイーン……バスター!!」 なのはの魔力砲撃がモンスターをなぎ払っていく。 しばらく待ち、もう襲ってくるモンスターはいないことを確認してほっとする――間もなく、潜水艦が揺れ始める。 「こ、今度は何だ!?」 「もしかして、今のなのはさんの砲撃で!?」 「ふぇぇ!? 私のせいなの!?」 パニックになる一同だったが、入口から大量に入ってきた砂に表情を凍らせる。 もしかしなくても――潜水艦が砂に沈もうとしているのだ。 「や、やばいぜ、このままじゃ!」 「とにかくこのままいては砂に呑まれる、逃げるぞ!」 入ってくる砂から逃げるように逆方向へと駆け出していく。 そこで十代はある事を思いつき、内部構造を調べていたオブライエンに問いかける。 「なあ、どこか入口以外に外に繋がってる場所ってないのか!?」 「……魚雷の射出口なら、あるいは」 「それでいいや! どこかわかるか!?」 「ああ、逆方向だ」 さらっと告げたオブライエンの言葉に一瞬十代の動きが止まる。 一応振り向いてみるが、すでに砂に埋もれて向こう側へは行けそうになかった。 「ちっくしょー! せっかくいい手を思いついたってのに!」 「十代君、外と繋がればいいの?」 「ああ! そうすりゃネオスでなんとかできるんだけど……!」 「わかった、任せて!」 悔しそうに言う十代になのはは自信たっぷりに頷いて答える、 どうする気か問いかける前に、ある部屋でなのはは壁に向かってレイジングハートを構えた。 「十代君、準備ができたら合図をお願い!」 「あ、ああ!」 「……まさか、壁を撃ち抜く気か?」 「馬鹿な! そんな事できるわけ……」 オブライエンとアモンが不可能だ、といった顔をしているのを、スバル達は複雑な表情で見る。 ――できちゃうんです、この人。それもこれよりずっと強固な壁を何枚も同時に。 「よし、なのはさん、いつでもいいぜ!」 「うん、レイジングハート、カートリッジロード!」 なのはの声に応えてレイジングハートが薬莢を排出し、そのたびに魔力が跳ねあがっていく、 魔力を扱えないはずの十代達もなのはの力がどれだけ凄いのかを本能的に感じ取っているようだった。 そして……なのはは溜まった魔力を一気に解き放つ! 「ディバインバスター、フルバースト!」 「ネオスとグランモールを召喚! コンタクト融合! グランネオス!」 なのはが潜水艦の外壁に穴を空け、その穴目がけて十代が召喚した二匹のモンスターが融合しながら突撃する! タイタンは沈んでいく潜水艦を見ながら笑みを浮かべていた、 八つ手サソリ達を退けたのは中々の腕前だったが、こうなってしまってはいかな力を持っていても脱出することは容易でないだろう。 つい大笑いをあげて――硬直する。 潜水艦が持ち上げられていた、 モグラの力を持つモンスター、グランモールと融合したネオスという十代のフェイバリッドモンスターが砂を掘り進んで潜水艦を砂の中から救い出したのだ。 あまりの光景に呆気にとられたままのタイタン目掛け……潜水艦をぶん投げる! 「ばっ――!」 成す術もなく――タイタンは潜水艦によって潰される。 「やったぜ! グランネオス!」 「十代……お前なぁ……!」 一人喜ぶ十代だったが、他のメンバーは投げ飛ばされた衝撃でめちゃめちゃになっていた…… 「くっ……」 タイタンのカードが消滅し、マルタンは顔を歪めるが、すぐにその表情は笑みになる。 「嬉しいよ十代……この痛みは、君の僕への愛なんだ……」 続く 十代「薬も手に入ったし、戻ってきたぜ、翔! ……あれ? 翔?」 翔「兄貴……戻ってきたんすねぇ……」 十代「しょ、翔?」 なのは「気を付けて十代君、様子が変だよ!」 フェイト「みんな、デュエルをしたらダメ! 逃げて!」 次回 リリカル遊戯王GX 第五話 ゾンビ生徒の恐怖! 駆け抜けろライトニング! フェイト「こんなこと、私は絶対に許さない!」 翔「デュエルしようよ~!!」 なのは「今回の最強カードはこれ!」 ―ディバインバスター― 魔法カード 手札をランダムで一枚捨てる。 場のモンスター一枚を破壊し、相手のデッキの一番上のカードを除外する。 十代「ど、どんだけ威力があるんだよ……」 なのは「次回もよろしくね♪」 前へ 目次へ 次へ
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魔導新世紀リリカルなのはXtrikerS―エクストライカーズ― クロス元:機動新世紀ガンダムX 最終更新:08/04/24 プロローグ「かつて、戦争があった」 第一話「月は出ているか?」 第二話「あなたに、力を…」前編 第二話「あなたに、力を…」後編 TOPページへ このページの先頭へ
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アースラ艦橋。 「大型モンスターの反応を確認、現在はやてちゃんと手塚さんが迎撃に向かっています!」 こちらでもディスパイダーの出現はキャッチしていたようだ。 なぜ念話はダメでレーダーは使えるのかは気にしてはいけない。 「それと…手塚さんとは別のライダーの反応が!」 「別のライダー?手塚が話していた13人のうちの一人か…?」 別のライダーの存在を聞き、少し考えるクロノ。 読者の皆様には分かるだろうが、その別のライダーとは龍騎のことだ。 「はやてさん達に『別のライダーがいるから、話が通じるようなら協力を頼んで』と伝えて」 はやてが何かを話している。 「え?別のライダー?…はい。」 『はやてちゃん、どうかしたんですか?』 「ああ、エイミィさんから念話や。別のライダーがおるから、話通じるようなら協力頼めって」 そんなことを話している間に目的地へとついた。 「ああ、出たの私らの家の近くやったんか」 はやての家の近くにはアパートが二つある。そのうちの一つが榊原のアパート…つまりディスパイダーが現れた場所である。 ミラーワールドへと入ろうとするが、車の前で何かを見つめている女性がいる。 ここで変身や甲冑の装備をしたら見られてしまう可能性がある。 だから近くの路地に行き、そこからミラーワールドへと入った。 そして今に至るというわけだ。 「お前…ライアの手塚海之!?」 「俺はお前を知らない…だが、どうやらお前は俺を知っているらしいな」 エビルダイバーを引きつれ、ライアが現れる。 さらに遅れること数秒、はやてが路地から現れた。 その事で龍騎がさらに驚く。 「はやてちゃん!何でこんな所に…しかも生身でいるんだ!?」 「え…その声、真司君?そのカッコどしたん?」 どうやらこの二人は知り合いのようだ。 龍騎にしたって知り合いが生身でミラーワールドにいたら驚くし、はやてははやてで知り合いがライダーになってミラーワールドにいたら驚くだろう。 「ああ、もう!この際事情の説明は後だ!とにかくコイツを何とかするぞ!」 全員それで納得し、臨戦態勢を取る。 戦闘再開である。 第五話『龍騎』 『SWINGVENT』 ライアがエビルウィップを手に、ディスパイダーへと向かっていく。 そして例のごとく叩く。先ほどのライドセイバーと違い、結構効いているようだ。 そんな様子を見て龍騎も先ほど取り出したカードを装填しようとするが、腕の痛みが響く。 「真司君?もしかして腕を…」 「いや…大丈夫大丈夫!」 はやてが心配して声をかけるが、真司は心配かけまいと強がる。 そして腕の骨折であることを思い出した。 「そうだ…手塚!」 声に反応し、龍騎の方を向くライア。すると一枚のカードが飛んできた。 飛んできたカードをキャッチして見ると、『STRIKEVENT』と書かれている。 「それをベントインしてくれ!」 ストライクベントを手塚のバイザーに装填させようとする。 ちなみにカードをバイザーに装填することを『ベントイン』と言うのだが、便宜上装填とさせていただいた。 ライアは指示通り受け取ったカードをエビルバイザーに装填する。 『STRIKEVENT』 上空からナックル『ドラグクロー』が飛来する。 そして飛来したドラグクローは龍騎の右腕に納まった。 一部のカード以外は誰が装填しても持ち主に効果が現れるのである。 「っしゃあ!」 ドラグクローという武器を得て、ディスパイダーへと突撃する龍騎。 『マイスターはやて、私達も!』 「わかっとる。二人ともよけてや!」 はやての声を聞き、思い思いの方向へと飛ぶ龍騎とライア。 「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け!石化の槍、ミストルティン!」 魔法陣から7本の光の槍が飛ぶ。そしてそれらは全てディスパイダーに直撃した。 この魔法の名は『ミストルティン』。光の槍を飛ばし、当たった相手を石化させる魔法である。 着弾箇所からどんどん石化するディスパイダー。それを見て龍騎が驚く。 「何だよこれ…」 「驚いている場合か!終わらせるぞ、合わせろ!」 『COPYVENT』 他のライダーの武器をコピーするカード『コピーベント』で龍騎のドラグクローをコピーするライア。 そしてそれを龍騎とともに構える。 「ハァァァァ…」 構えると同時にドラグレッダーが飛来。口の中に炎を溜めこみ、それが球体となる。 その瞬間、龍騎とライアの動きが同調した。 「「食らえ!」」 二人同時にドラグクローを突き出す。それと同時にドラグレッダーが火球を放つ。 これが、ドラグクローを前に突き出すことにより、ドラグレッダーの火球を叩き込む大技『昇竜突破』である。 昇竜突破を二人同時に放ったのだ。破壊力も増大するのは自明の理である。 炎が直撃し、爆発。ディスパイダーが木っ端微塵に砕け散った。 決着の後、彼らはミラーワールドを出て、現実世界へと帰ってきた。 帰ってからいろいろ真司に問い詰められたが、「アースラに着いてから全て話す」と言って口を封じた。 で、現在位置はアースラの艦橋である。 「――――ということなんだ」 「…まあ、鏡の世界とかモンスターとか時間を戻すカードとか、そんなのがあるんなら魔法もあるよな」 どうやら事情の説明が終わったところのようだ。 というかライダーバトルという非常識すぎる事に巻き込まれているのだから、今更この程度の非常識では驚きはしないだろう。 「ってちょっと待った。時間を戻す…って、どういう事なん?」 「…13人目のライダー『オーディン』は、時間を戻すカードを持ってて、それで時間を戻して戦いを調整してるんだ。 多分オーディンが勝ち残るまでやり直し続けるんだと思う」 「…なるほどな、あの次元震もそのカードの影響だと考えれば納得がいく。だが、なぜそれを知っている?」 「多分、何度も戻されてるから耐性が出来たんだと思う。このデッキを見つけたら、時間が戻る前の記憶が戻ったんだ」 「それなら手塚さんのこと知っとってもおかしくあらへんな。多分時間が戻る前にどこかで会っとったんやろ」 手塚のことを知っていた件はこれで納得がいったようだ。 納得したところで真司が手塚に話を振る。 「手塚、お前は確かライダーの戦いを止めたいんだったよな? だったら時間が戻るカードのことは覚えておいたほうがいいんじゃないか? 他のライダーにも、教えれば止められるかもしれないしさ」 それを聞き、すぐさまユーノが理解する。というか、ユーノいたのか。 「それって、いくら戦っても願いは叶わないって分かるから、戦う理由も無くなるってこと?」 「そうそう、そういうこと」 その後、手塚のときと同じようなやりとりの末、真司もアースラに協力することになった。 「せや。真司君医務室どこだか分かる?」 突然はやてに話しかけられる。 「医務室?何で?」 「ほら、真司君左腕痛めとったやろ?治療してもらったほうがええんとちゃうかって」 「いやだから大丈夫だって」 やはり気付かれていた。だが、心配させまいと再び強がる。 …近くにいたクロノがノックする要領で左腕を叩く。 「!!!!!!」 もの凄く痛そうな反応だ。というか折れているのだから実際痛い。 「…ただの強がりだったようだな」 「ああやっぱり。ほら医務室行くで」 はやてに連れられ医務室へと向かう真司。どっちが年上だか分からない。 そして医務室 「あら?はやてちゃん、どうしたんですか?」 医務室に行くと、そこにはシャマルがいた。 「私はただの付き添いや。真司君がモンスターに片腕やられてるみたいやったから」 「…ども」 入りにくそうに医務室に入る真司。 「…え?真司さん?何でここに…」 「真司君も手塚さんと同じやったんよ。ライダーやった」 「…えぇ!?」 あからさまに驚くシャマル。まあ、知っているのはさっき艦橋にいたメンバーだけだから仕方ないといえば仕方ない。 とにかく腕の治療をしてもらう真司。 さっきありえない方向に曲がっていたからまさかと思ったが…やはり折れていた。 この後真司は「骨折しとったのに何で無理して戦ってたん?」とはやてに問い詰められて四苦八苦していたのは別の話。 ちなみに治療魔法『静かなる癒し』をもってしても全治1週間程度まで治療するのがやっとだった。 ギプスを使わずに済むだけまだマシといったところか。 アースラから帰ってきた真司は、まだ仕事の真っ最中だということを思い出し、急ぎOREジャーナルへと戻った。 途中で抜けたの怒っているだろうと思いながらバイクを運転しているといつの間にかOREジャーナルに着いていた。 すぐに編集部に行き、ドアを開ける。 「すいません、編集長。戻んの遅くなりまs「真司、お前ちょっとこっち来い」え?あ、はい」 多分途中でさっさとどこかに行ったことでどやされるんだろうな。真司は最初そう思った。 だが、聞かれた内容でそれは違うと確信する。 「城戸君、あれはどういう事?」 質問してきたのは令子だった。 「え?令子さん、『あれ』って…何のことですか?」 「とぼけないで、私見たのよ。あなたが特撮ヒーローみたいな姿に変身して窓の中に消えたのを」 見られていた。いつ?どこで? 決まっている。ディスパイダーを倒すために変身したあの時だ。 「真司、お前何か隠し事してるな?」 …言い逃れは不可能。ばれている。 「…分かりましたよ。話します。けど、これは絶対内緒ですからね!」 「なんか…一昔前の特撮ヒーローみたいね」 エンジニアの島田奈々子がそうつぶやく。 「真司、嘘つくならもっと現実味のある嘘にしろ…って言いたいところだが、令子が見たのも合わせるとどうも本当みたいだな」 「そうですね編集長。それなら行方不明事件も『全員モンスターに食べられた』で解決できますし」 「行方不明事件の真相がこんなとんでもない物だとはな…」 全員渋々ながらも信じたようだ。 「それで、お前はこれから先もその仮面ライダーとして戦うつもりか?」 「…はい。モンスターと戦って人を守れる、そういう力があるんです。ならそのために使いたいんです」 真司の決意は固い。 もはや誰が何を言っても止まらない、大久保はそう感じ取った。 「よし、分かった。やってみろ!」 「ありがとうございましたー」 OREジャーナルの近くにあるコンビニ。真司はそこにいた。 「早く戻らないと編集長がうるさいからな…えっと、俺のバイクは…」 今回の締め切りが近いので、全員揃って残業である。 ならばなぜ真司はコンビニにいるのか?その答えは簡単、夜食の買い出しだ。 そして全員分の夜食を買い、OREジャーナルへと戻ろうとした… キィィィン…キィィィン… どうやら戻る前に一つやる事ができたようだ。 モンスターだと思い周りを見る真司。だが近くにモンスターの気配は無い。 気のせいだったかと思い、バイクに乗ろうとその方向を見ると、サイドミラーに神崎が映っていた。 『仮面ライダー龍騎…城戸真司か』 「神崎士郎…お前、こんな戦いを何回繰り返すつもりだよ!」 それを言い終える頃には、神崎は映っていなかった…。 それもそのはず、真司の後ろにいたのだから。 『ほう、タイムベントの記憶があるのか。そのまま同じように繰り返すといい』 「残念だったな、もう前と違う進み方してるんだよ!」 『どういう事だ?』 「前はディスパイダーとの戦いで蓮に会った。でも今回は蓮じゃなくて手塚に会ったんだ」 言い終える前に、神崎は再び鏡に戻っていた。 「それだけじゃない。この時点では前は誰にもばれてなかったのに、今回は何人かの人にばれているんだ」 『すでに前と違う進み方をしているのか…それもいい』 「神崎士郎!俺は絶対に、ライダーの戦いを止める!誰一人死なせたりしない!」 『それがお前の願いか。いいだろう。そのために戦え…戦え!』 言い終えると、神埼が消えた。 (そうだ、誰かに死なれてたまるかよ…!) 次回予告 「はやてちゃん、真司さんと前から知り合いだったみたいだけど…」 「いやー、アパート追いだされちゃってさ」 「イライラするんだよ…」 「何ですって?浅倉が!?」 仮面ライダーリリカル龍騎 第六話『蛇と蟹』 戻る 目次へ 次へ
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『大きな魔力反応、来るよ!』 そのエイミィの言葉とともに、翠屋付近の空間が歪んだ。 そして、その歪みから現れたのは…P.T事件の関係者なら知っている、しかしこの場にいるのが信じられない存在だった。 「母…さん…!」 そう、現れたのはプレシア・テスタロッサだった。 「これで全部か…全く、これは何なんだ?」 その頃、翠屋から数百メートルほど離れた位置。蓮とヴィータ、ザフィーラが傀儡兵を殲滅したところのようだ。 「さっきも言ったろ?『傀儡兵』っていう魔力で動く鎧だって」 「魔力…か」 蓮は未だに半信半疑のようだ。目の前でこの二人(?)の戦闘…魔法を見たというのに。 「我らは主はやてを探す。お前はどうする?」 この日、はやてはなのは達との用事で出かけていた。その最中に傀儡兵の襲来である。 今どこにいるのかが分からない今、手分けして探したほうがいいと言う事になり、二班に分けて探していたのである。 「俺は一度翠屋に戻る。ちょうどモンスターも出たようだからな」 なるほど、確かに翠屋の方から例の金属音が鳴っている。 「…ザフィーラ、あたし達も翠屋に急ぐぞ」 「何?どういう事だ?」 「はやてだよ!念話で聞いたんだけど、今翠屋にいるんだ!」 そして場所は翠屋へと戻る。 「プレシアァァァァァ!!」 怒りをあらわにし、プレシアへと飛びかかるアルフ。 そして張っていたバリアをぶち抜き、プレシアの胸倉を掴んだ。 「フェイト、あなたの使い魔はずいぶん教育がなっていないわね」 「黙れ!あんたがフェイトにしてきた仕打ち、あたしは忘れてないよ!」 そしてアルフが殴りかかろうとする。 だが、横から出てきた何かに右腕を絡めとられ、拳を封じられた。 「な、何だ!?」 驚き、その右腕の方を見る。すると、緑色の何かが舌のようなものを伸ばし、アルフの腕を縛っている。 「紹介するわ…私の契約モンスター、『バイオグリーザ』よ」 第十二話『プレシア・テスタロッサ』 「このモンスター、高見沢の!?」 見覚えがあった真司が驚く。 「知っているの?真司君」 「ああ。以前高見沢グループの社長が殺された事件があったよな? あのモンスターは…その社長がライダーとして使ってたモンスターだ!」 それを聞き、全員がある結論に至った。 プレシアが高見沢を殺し、新たにライダーとなったという結論だ。 だが、フェイトはそれを信じたくないらしく、プレシアに聞く。 「母さん、まさか…」 それを皆まで聞かぬうち、プレシアが笑う。効果音があったら「にたぁ」という音だっただろう。 「ええ、そうよ。あの人を殺し、ライダーになったの。 これもアリシアを生き返らせるため…そのためならいくらでも殺すわ」 「ふざけるなぁっ!」 アルフが激昂する。だが… 「うるさいわね…バイオグリーザ、やっておしまい」 命令を受け、バイオグリーザが舌を振り回す。 右腕をその舌で縛られているアルフも、一緒に振り回されている。 「やめて…そんな事したら、アルフが死んじゃうよ…」 フェイトが言うが、プレシアは止める気配が無い。 「やめてよ…!やめて!」 言うが早いか、バルディッシュを構え、プラズマスマッシャーを放とうとする。 だが、それより早くバイオグリーザから火花と衝撃音。舌がほどけ、飛ばされるアルフ。 「ザフィーラ!」「任せろ!」 その火花を起こした張本人、ナイトが合図をする。 それと同時にザフィーラがアルフをキャッチし、降りてきた。 「蓮、お前…」 「勘違いするな、俺はそのライダーを倒しに来ただけだ」 そう言いながら、バイザーでプレシアの方を指す。 「ふうん、ここでライダーに会えるなんて…今日は運がいいわ」 「アルフッ!」 ザフィーラがアルフを抱えて降りてくる。それと同時にフェイトが駆け寄った。 「心配は無用だ。見た目のケガこそ酷いが、大して血も出ていない」 ザフィーラの言葉にほっと胸をなで下ろす。だが、新たな傀儡兵が現れ、安心する暇も与えない。 「くっ、まだいるの!?」 そう言い、身構えるフェイト。だが、そのうちの一体が爆ぜ飛ぶ。 「あたし、参上!なんてな」 グラーフアイゼンを手に、見得を切るヴィータ。どうやら今の一発は彼女が放ったシュワルベフリーゲンだったらしい。 「二人とも、来てくれたんやな」 「たりめーだろ。もうすぐシグナムとシャマルも来るはずだ」 「あのプレシアという女は、ライダー達が片付けるようです」 「ならうちらの仕事は…傀儡兵を叩き返す事やな?」 そう言うと、蒼天の書を開くはやて。 「いくで、リィン!」 『はいです!』 そしてシュベルトクロイツを構え、数体の傀儡兵めがけて攻撃魔法を放った。 「刃もて、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー!」 先代のリィンフォースが使っていた魔法、ブラッディダガー。それは、赤い短剣を高速で操り、そして撃ち込む魔法。 それが今、数体の傀儡兵を撃ち抜き、そして爆散させた。 『マイスターはやて、今のはなんなんですか?』 「前のリィンが使ってた魔法や。試しにやってみたんやけど…何とかうまくいったわ」 そう言ったはやては、どことなく嬉しそうな表情をしていた。 「主はやて、何故今になって傀儡兵が?」 片っ端から鋼のくびきでなぎ払いながら、ザフィーラが問う。 縛る気がないだろうという突っ込みはこの際ご遠慮いただきたい。 「えぇと、プレシアやったかな?あの女の人が操ってるらしいで」 シュヴァルツェ・ヴィルクングで叩きのめしつつ、はやてが答える。 「何だって?じゃあ、傀儡兵呼んでたのこいつだったのか!」 今気付いたのか、ヴィータ。 「ライダーに会えたのが幸運とは…どうやらお前も戦う気らしいな」 「ええ…それじゃ、さっそく戦いましょうか」 そう言うと、プレシアが翠屋の窓ガラスにベルデのデッキを向け、右腕を左に振る。 「変身!」 そしてVバックルへとデッキを装填、ベルデへと変身した。 「ついていらっしゃい。ライダー同士の戦いはミラーワールドで、でしょう?」 それを挑発と受け取ったのか、ナイトが先にミラーワールドへと入った。それに続いてベルデがミラーワールドへと入る。 「あっ、おい!待てよ蓮!」 それを止めようとする真司だが、時既に遅し。すでに二人ともミラーワールドへと入ってしまった。 「どうする?城戸」 「決まってんだろ、止めに行く!」 「…お前ならそう言うと思っていた。行くぞ」 そして真司と手塚もまた、ミラーワールドへと飛び込んだ。真司は傀儡兵を一体持って。 ナイトがウイングランサーを手に、ベルデへと向かっていく。 そのベルデは、足のバイオバイザーからワイヤーを引っ張り出し、一枚のカードを挟んで離した。 『HOLDVENT』 「なるほど…これがこのライダーの武器なのね」 そのカードで出たバイオワインダーを見て、感心するベルデ。その隙にナイトが一撃を見舞おうとするが… 「ぐッ!?」 爆発魔法『フォトンバースト』が飛んだ。さすがに至近距離からのは効いたらしく、多少ふらついているようだ。 「それじゃあ…死になさい」 『FINALVENT』 バイオグリーザの舌を足に巻きつけ、デスバニッシュの体勢に入った。そして、ナイトを空中ブランコの要領で掴もうとする。 だが、その軌道上に一体の傀儡兵が飛び込んできた。 「な!?」 慌ててかわそうとするも、間に合わない。やむを得ずその傀儡兵にデスバニッシュを食らわせる羽目になった。 それを喰らった傀儡兵だが、ぐちゃぐちゃに砕けていた。 もしこれを喰らったのが人間だったらと思うと…いや、考えるのは止めておこう。 「ここに傀儡兵を出した憶えは無いのに…どういう事?」 その理由はすぐにはっきりした。飛んできた方向を見ると、龍騎とライアがいたのだ。 しかも龍騎は何かを野球のピッチャーのようなフォームで投げたような格好をしている。 「…さすがに3対1は不利ね。やめましょう」 ベルデはそう言うと、さっさとミラーワールドから出て行ってしまった。 残されたナイトが龍騎・ライアの二人に聞く。 「城戸、手塚、どういうつもりだ…ライダーは敵同士だと分かっているだろう」 「そんなの関係ない。助けたいと思ったから助けただけだ!」 「それで、あの人は一体何者なん?」 事情を知らないメンバーを代表し、はやてが問う。 プレシア撤退後、それに呼応するかのように傀儡兵も退いていった。 そして現在、翠屋であれが何者かを聞いていたところだ。 「フェイトちゃん、やっぱり私が話したほうが…」 「いや、いいよ。この事は私の口から言わなきゃいけないんだと思うから」 そう言うと、フェイトが話し始めた。 「あの人は…私を造った人です」 「なるほどな。あの女の娘のクローン、それがお前ということか」 「…はい」 事情の説明がちょうど終わったところだ。 話を要約すると、フェイトはプレシアの娘・アリシアのクローンで、そのアリシアを蘇らせるためにジュエルシードを集めていたということだ。 しかも集めていた当時はその事を知らなかったという。 「多分、母さんがライダーになったのも、アリシアを生き返らせるためだと思います。 ライダーになって、最後の一人になるまで生き残れば、願いが叶うって聞きましたから」 「そうか…それで、お前は次にあの女が出たとき、どうするつもりだ?」 シグナムの疑問ももっともだ。 その女に作られたクローンだったとはいえ、一度は母として慕った存在だ。 次に会ったとき、戦うことが出来るか。それを疑問に思っているのである。 「その時は…私が止めます。あの人は、私が止めなくちゃいけないから」 次回予告 「弁護士の北岡秀一を呼べ」 「嘘だろ…?またこうなるのかよ…」 「一体何故こんな要求を…?」 「浅倉ァァァァッ!!」 仮面ライダーリリカル龍騎 第十三話『集結』 戻る 目次へ 次へ
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地球を狙う悪の手から地球を守る為に地球の各地に正義超人達が駐屯していた。 その中にキン肉マンⅡ世ことキン肉万太郎と言う超人がいる。そして今日も彼はお目付け役の アレキサンドリア=ミートに連れられてトレーニングに励んでいたのだけど… 「ハァ…ハァ…疲れたぁぁ~…! 休ませてよぉ~!」 「Ⅱ世! まだトレーニングメニューは全て消化していませんよ!」 トレーニングの途中でバテて倒れてしまった万太郎をミートが叱る。 「そんな事言ったって疲れたんだもん! 今日一日くらいサボっても良いじゃん…。」 「ダメですよ! それでまたサボり癖が付いて以前の入れ替え戦みたいな事になって良いんですか!?」 このキン肉万太郎と言う男。外見こそムキムキの筋肉で覆われているが…精神が伴っておらず かなりの根性無し。だからこそ少し疲れただけでこの様に音を上げてしまうのである。 だが…このくらいならもはやミートとしても何時もの事だったし、この後ミートが 機転を利かせて万太郎に無理矢理トレーニングメニューを全消化させたりするのだが… この日は何時もと違っていた。 「わー! 空がゴロゴロ言ってるよ! 雷が落ちてくるよ! 雷怖いよ! 練習中止しよ!」 「ダメですよⅡ世! 雷くらいで何ですか! 雷なんてボルトマン戦で経験済みでしょう!?」 「だって怖い物は怖いんだもん!」 空が雷雲で覆われ、雷鳴が響きだした時にその様に万太郎は怖がっていたが、 それでもミートはトレーニングを止めさせようとしなかった。 そしてその時…二人のいた場所にかなり大きな雷が落ちた。 さらにその落雷によって空間に穴が開き、二人は忽ち消滅してしまっていた…「この世界」から…。 「大変だー! 時空漂流者を二名発見したぞー!」 「何だと!? 急いで収容しろ!」 様々な次元世界を管理するミッドチルダ時空管理局に所属する時空航行艦の一艦が 時空間を巡航中に二名の時空漂流者を発見し、救出した。その二名の時空漂流者は 気を失っていたものの、生命は無事であった為に医務室のベッドに寝かされ、 二名を乗せた時空航行艦は管理局へ帰還した。だが、この二名に何か嫌な予感を感じた 管理局上層部はこの手の何かヤバそうなのの相手は連中にやらすべきだろ? と考え、 機動六課へ押し付けて来たのであった。 「と…言う事で…本日時空間で救助した時空漂流者を元の世界に帰す目処が立つまで ウチで面倒見る事になったんや。」 「そ…そうなの…?」 「そうや…。」 機動六課隊長である八神はやてからの辞令を聞いた後、機動六課のメンバー達は 苦笑いをしていた。無論辞令を下したはやても含めて…。 「でも何故機動六課が時空漂流者二名の面倒を見なければならないのですか?」 「その二人って何かヤバい人だったりするんですか?」 機動六課のメンバーの一人であるスバル=ナカジマとティアナ=ランスターはそれぞれそう言う。 「いや…その類の報告は受けてへん。やたらに体格の良い豚面の男と眼鏡をかけた小さい子供の二人や。」 「…。」 何だその組み合わせは…と皆は突っ込みたかったが…そこを突っ込みたいのは きっとはやて自身なんだろうなと悟った皆はあえて言わなかった。 「ま…とにかく…上からの命令やから仕方あらへん。しっかり面倒見いへんとね。」 「りょ…了解…。」 高町なのは一等空尉を初めとする機動六課のメンバー達達はすぐにその二人が 寝かされていると言う医務室に行く事になるのだが… 「美人のお姉さん…この僕と…カルビ丼でも一杯どうですか?」 「あの…困ります…。」 「何…この人…………。」 医務室ではその場にいたシャマルを口説こうとしている万太郎の姿があった。 そう、管理局が回収した時空漂流者とは万太郎とミートの事なのである。 そして女たらしな万太郎がシャマルを口説かないはずが無く、その光景は なのは達にとって相当異様な光景に映ったに違いない。 「うわぁ! 美人のお姉さんがいっぱいいる! ここは天国か!? 天国なのかぁ!?」 「え!? 美人って…。」 なのは達の存在に気付いた万太郎はさらに狂喜乱舞し始めてしまった。 なのは達は自覚していないが、機動六課の女性陣はかなりの美人揃い。 元々前述の通り女たらしな上に美人に弱い万太郎が狂喜乱舞しないはずが無い。 故に早速歯を輝かせながら万太郎がなのは達に迫ろうとしていたのだが、 そこでミートに天竜チョップされてしまった。 「Ⅱ世!! そんな事より先に聞く事があるでしょう!?」 「うわぁぁ!! 天竜チョップはやめい!!」 「こ…この人達の世話を…しなきゃならないの?」 「み…みたい…。」 なおも万太郎の首下に天竜チョップしまくっているミートの光景を 呆れた目で見ながらなのは達は呆然としていた。 なのはは万太郎とミートに対する状況説明をスバルとティアナに頼んで(押し付けたとも言う) はやてのいる場所に戻った。するとそこにはフェイト=T=テスタロッサ執務官の姿もあった。 「なのは…何かかなりアレな人の面倒見なきゃいけなくなったみたいだね…。」 「そ…そう…。実際見てくればわかるけどかなりアレだよ…。」 なのはは苦笑いするしか無かったが、そこではやてが何枚かの紙を取り出していた。 「とりあえず本局の方からあの二人の身元について送られて来たから説明しとくね。 あの二人は私達同様に第97管理外世界の出身みたいや。」 「え!? そうなの!?」 はやてはやや呆れながらも首を縦に振る。 「一口に第97管理外世界の出身言うても地球出身や無いみたいや。地球から500億光年 離れた第キン肉星雲第五番惑星キン肉星から地球に来て暮らしてたんやと。」 「え!? って事は宇宙人!?」 「ま…厳密にはそうなるけど…ただの宇宙人やあらへんみたいや。この報告書によると… 超人って言われる特殊な種族の一種みたいやな。何か私らがミッドチルダにいる間に 地球の方でも色々あったらしくてな、それで地球を守る為に沢山の超人が 地球に来てるらしいんやけど、あの二人も元々それで地球に来てたらしいんや。」 「そ…そんな事が…。」 「知らなかった。」 まるで特撮ヒーローものみたいな非現実的な事実になのはとフェイトも唖然としていたが、 自分達もまるで魔法少女ものみたいな事やってるのでそこまでバカに出来なかった。 「まずあのやたら体格の良い豚面の男の名前はキン肉万太郎言うてな、キン肉星の キン肉族って言う全宇宙の超人の中でも特に名門的民族の王子様なんやて。」 「ええ!? あれが王子様!? 信じられない!?」 「なのはがそこまで驚くなんて…よっぽどアレな人なんだな…。」 なのはの驚き様にフェイトも唖然としていたが、はやての報告は続く。 「確かに性格面がアレなのはこの報告書にも書いてあるけど…あれでも結構実績は あるみたいや。地球を壊滅させようとしてたデーモンメイキングプラントとの戦いで 活躍したみたいやし、全宇宙の超人が集結して超人宇宙一を競うって言う 超人オリンピック・ザ・レザレクションでは準優勝。 他にも色んな戦いで地球の平和に貢献してたらしいんよ。」 「え…そんなに凄い人なの? 本当に信じられないんだけど…。」 「信じられへんのはウチも一緒や…。」 「あの…本当にそんなアレな人なの?」 お互いに呆れた顔をするなのはとはやてにフェイトは唖然としていた。 「でな、そのキン肉万太郎と一緒にいた小さい眼鏡かけた子供はアレキサンドリア=ミート言うて、 キン肉星のシュラスコ族って民族の出身。万太郎のお目付け役をしててな、あの歳で超人界随一の 頭脳を持つと言われてるらしいんや。何しろその頭脳を敵に狙われた事もあるくらい…。」 「へ~…あの子って何かチョップばっかりしてたけど結構しっかりしてるんだ~…。 案外ユーノ君と気が合ったりして…。」 なのはの表情も万太郎に関しての報告の時に比べて温和となっており、 それにはフェイトもやや安心していた。 「でもその二人がどうして時空漂流なんてしてたのかな?」 「何かたまにあるらしいんよ。自然現象的に時空の穴が開いてしまう事が。 それに運悪く吸い込まれてしまったらしいんよね。普通の人間なら生身で 時空間に放り込まれてしまった時点で死んでしまうんやけど…超人って種族は 生身で宇宙空間にいても平気なのが当たり前らしいから気絶くらいで助かったみたいや。」 「ふ~ん…でもとりあえず出身が97管理外世界って分かってるんなら さっさと送り返しちゃえば良いんじゃないかな?」 フェイトは言うが、はやては困った顔で首を左右に振った。 「残念やけど上の方でそれが出来へん問題があるらしくてな、元の世界に帰せる目処が 立つまで当分ウチで預からなならなくなったんや。」 「あ…やっぱりそうなの…。先が思いやられるな~。」 現実の厳しさになのはも呆れるしか無かった。 一方その頃、万太郎とミートの方はスバル&ティアナから状況の説明を受けていた。 が…元々そこまで頭が良くない万太郎は説明の意味が理解出来ず、スバルとティアナの 二人にちょっかいばかりかけていたりする。 「そんなワケの分からない事言ってないでお嬢さん…僕とカルビ丼一杯どうだい?」 「黙れこの豚男!」 「ギャヒィ!」 万太郎はスバルに殴り飛ばされた挙句、壁に叩き付けられてのびてしまっていたが、 ミートは真面目に状況説明を聞き、理解出来ていた様子であった。 「つまり僕達は何らかの原因で発生した時空の穴に吸い込まれてしまい、 その後で貴女達の所属する時空管理局と言う多次元組織に救助されたと言う事ですね? でもまさかその様な物があったとは驚きです。時間超人が普通に見えてしまいますね…。」 「貴方はあっちの豚男と違って賢いみたいで助かりました。 それなのにあの豚男の方は何とかなりませんか…?」 「Ⅱ世に関しては僕の方からキツク言っておきますから…その辺にしといてください…。」 やはり部屋の隅で倒れてのびている万太郎の姿に皆呆れるしかなかった。 [目次へ ◆e4ZoADcJ/6氏][次へ リリカル万太郎2話]
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魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物1巻 魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物2巻 魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物3巻 魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物4巻
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魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~ 第八話「戦国最強がいなくなった世界/戦国最強が戻ってきた世界」 「・・・・」 すっかりただの瓦礫となった機動六課本部。 その部隊長室だった場所に佇む部隊長、八神はやて。その手にはかつて本多忠勝が背負っていた紋章。 しかしその紋章もボロボロになる。肝心の本多忠勝は、死亡者扱い。はやてはやりきれない気持ちでいっぱいだった。 誰もいないその場所で、紋章を抱いて崩れ落ちるはやて。 「・・・守るって・・守るって約束したはずやのに・・・・したはずやのに・・・守れん・・かった・・・!!」 紋章に雫が一つ、それは優しき夜天の王の目から流れ落ちた、涙。 「さすがの俺様でも、こういうときは見守るに限るね・・・。」 元親に連れられ六課に来た佐助は物陰に隠れ、ポツリと呟く。 「で・・貴方達は忠勝さんの・・知り合いなんですか・・・。」 フェイトは一人の男と話をしている。が、非常に話しにくそうにしている。 理由は、その男が大きすぎるのだ。その身長は軽く行っている。 「うむ・・・。しかし本多が・・死んだだと?」 その男、豊臣秀吉はまだ疑っていた。 戦国最強であるはずの男が死んだ。にわかには信じられないことだ。 フェイトは目を逸らし、語るのも辛そうにしている。 「えぇ・・・。ガジェットドローンの大群にたった一人で挑んで・・・。」 「すまない、古傷を抉ってしまったようだな。」 「いいんです・・事実ですから・・それより、私と一緒に来てください。」 「応。」 秀吉、フェイトは長い廊下だった場所を、歩き始める。 「えっと・・じゃあ元親さんは忠勝さんの知り合い・・で、鬼ヶ島の鬼・・と?」 「見かけは人間に見えますが・・。」 「オイオイ、鬼ヶ島の鬼は通り名だ。意味を鵜呑みにするんじゃねぇよ。」 エリオ、キャロと話しているのは長曾我部元親。 彼はなのはに言われ、エリオとキャロをお見舞いに行って緊張をほぐしてきてほしいと言われここに来た。 ちなみに元親、子供は苦手だ。 (ったく・・・なんで俺がガキの相手を・・第一今落ち着くべきはアンタの方だろうが・・・) 心の中でぼやくが彼は気づいていない。 元親のおかげで少し、二人の表情は何か吹っ切れたような感じをしていた。 病院の一室に、風魔小太郎とスバルはいた。 だが、どちらも話そうとはしない。むしろ、この静寂が気持ちよかった。 スバルは風魔がお見舞いに来てくれたのでなんとか元気な姿を見せようと振舞った。 風魔のほうはスバルの言葉に耳を傾け、窓を開けて風景を眺めていた。 で、自分も何があるんだろうと思い、風景を眺めている。わずかに吹くそよ風、ゆれる木々、舞う葉。 「ねぇ、風魔さ・・・あれ?」 横を見ると、誰もいなかった。 「スバルー、入るわよー。」 同時に入ってきたティアナ。ティアナはスバルの顔を見るとちょっと意外そうだった。 「どうしたの?なんか、顔色、よくなってるわよ?」 「え・・ええ?そうかなぁ・・・?」 きっとそれは、風魔独自の励まし方・・・なのかもしれない。 結構無理やりだが。 「・・・かつ・・・ただ・・・・ただ・・・!」 どこからか自分を呼ぶ声が聞こえる。その声は懐かしく、聞きなれたもの。 声はだんだんと大きくなり、自分の視界も明るくなる。 「忠勝!!おぉ、起きたか忠勝!!はっはー!!」 大喜びで叫ぶ黄色い鎧を着けた男。それは自分もよく知ってる男であった。 主、徳川家康。主がここにいるということは、自分は戦国時代に戻ってきたのか? そんなことはありえない。自分は今敵と戦っている。早く起きて殲滅せねば!!ヴィヴィオが連れ去られる前に!! 「おわっ!?どうした忠勝!?」 現実は無情であった。見慣れた木造の壁。・・・本当に戻ってきたみたいだ。 何故だろう、いい気分が全然しない。 よく見ると体は上半身右半分、そして頭だけだ。喜ぶ主には悪いが、今自分はとても虫の居所が悪い。 だが、主は 「落ち着け!今この町一番の技師を呼んできて新しい体と武器を作ってやる!!そしたらもう一度オメェが行ってきた世界で、守りたいものを守るのだ!!」 やれやれ、主、私の頭の中を探りましたね。 「ただし!!条件がある!」 条件?何のことだろうか。主は満足げに三つの宝石を取り出した。 黒、金、桃の三つの宝石。 「まだ実験段階だが・・・持っていけ。きっとあっちでオメェの役に立つはずだ!」 新しい兵器ですか。わかりました。その条件、飲みましょう。しかし、早くしてくれると・・・ありがたい。 早く・・・ヴィヴィオを助けにいかねば!! その頃ミッドチルダでは機動してしまった聖王のゆりかごを止めるために戦艦、アースラに六課メンバーとHERO、つまり 風魔小太郎達が集められていた。途中で映し出されたニュースの映像、スカリエッティの犯行声明だった。 そこに映るは助けを呼ぶヴィヴィオ。ゆりかごの船首に仁王立ちする第六天魔王。 ガジェットドローンの大群。・・・そして、量産された戦国最強、本多忠勝。 アースラメンバーはその映像に驚愕しながらも、それぞれの戦場に赴く。 戻る 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~ 第一話「忠勝、ミットチルダにて起動」 「・・・・・!!」 忠勝は目を覚ました。あたりを見回すと今までの騒がしさはなく、静かな場所で。 しかしその風景は違和感がありすぎた。数多の鉄の城が建ち並び、灰色の川が流れている。 そしてその灰色の川の上を異形の船が高速で通り過ぎる。戦国の世を生きてきた忠勝にとっては見るものすべてが異形のもの。頭を抱え、地に膝を付く。自分の武器はちゃんと自分の手に握られている。 「・・・・・」 彼は必死に考えている。この世界からどうやって戦国の世に戻るのか。その前に、戻れるのか。ここの者達はどんな容姿なのだろうか? 少なくとも頭のてっぺんの毛だけを綺麗に剃った愛を与えると見せかけて殺戮行為を仕掛ける南蛮人ではないことを願う。 ゆっくりと立ち上がり、自分にどこか異常がないか立ちながらの瞑想で確かめる。 (ない。) そう確認したかの如く、忠勝の眼が赤く光り、関節から熱を排気。煙が吹き上がる。 __________戦国最強「本多忠勝」、始動。 巨大槍を数回、回転させると背中の紋章から筒が二本飛び出す。俗に言う「ロケットブースター」というものだ。 筒から蒼白い炎が出る。低く構えて数秒、再び眼が赤く光り、空へと飛び立った。 しばらく飛行していると一つの奇妙なものを見た。空を飛ぶ奇妙な船だ。 上には何かが回転している。あれで空を飛んでいるのだろうか?どちらにしろ忠勝にはその原理はわからない。 そして地上では何か騒がしい。 何が起こっているのかは理解するつもりはなかった。だが、遠方から見えた光で忠勝は大体のことを理解した。 しかし、自分の体は勝手にあの船を「守ろうと」飛び出していた。 なんでそういう行動に出たのかは自分でもよくわからない。そして今まで戦国の世に身を流していたときの記憶を思い出した。戦の跡、そこには自分の手で命を絶ってしまった兵。 死体から鎧などをひっぺはがす農民達の姿、一人の兵にすがりつくように泣いている子供、そして女。こちらが近づくと石を投げてきた。 「しんじゃえ人殺し!!」 その時は自分は何も思わなかった。しかし主である徳川家康は悲しそうな顔をして、自分に問うた。 「忠勝・・・ワシは・・・間違っていたのか・・・?」 「・・・・」 その問いに答えることはできなかった。 しかしこれだけはわかった。戦で死んだ敵兵のことを想い、主は泣いているのだと。その日から、兵の命を自分の手で絶つたびに、苦しくなった。 もしかしたら自分は「必要以上に人が死ぬのを見たくない。」と感じるようになっていたのかもしれない。 「・・・・・・!!!」 意識を現実に戻す。そう、自分が今やるべきことはすでに決まっていたのだ。 紋章が開き、二枚の巨大な盾を腕に装着。箱と光の間に立ち、両手を交差させて光を真っ向から受けた。 _____忠勝、防御形態 間接が軋むほどの衝撃が走る。しかしこのまま引き下がるほど自分は落ちぶれちゃいない。何しろ戦国最強なのだから。 腕を上へと思い切り振り上げた。光は上空へと飛び、爆発した。 自分は守ろうと思った命を守った。命を絶つことしかできなかった自分のこの手で。 「・・・・え・・?」 私、高町なのはは唖然としていた。シャマルさん達が乗っていたヘリを守ろうとしてヘリの前の立とうとした時、全身を黒い鎧で身を包んだ人(?)が盾で砲撃を防いでいた。 ここには民間人はいないはず。だとしたら、こんなバリアジャケットを持つ管理局員がいただろうか? いや、いない。じゃあ・・・誰が? 「あの・・・あなたは・・・?」 その人は何も答えなかった。こちらを見てホッとしたような雰囲気を出すと背中のブースターを噴出して砲撃が発生した地点へと飛び出していた。 (フェイトちゃん・・・はやてちゃん・・・) 不安でたまらなかった私は二人の親友に念話を行っていた。 (うん、こっちでも確認したけど・・・誰だったんだろう?) (しかしどえらいバリアジャケットやったなぁ・・・。あんなバリアジャケットであれほどの速度・・・人間とは思えへんわ。) 親友のフェイトちゃんとはやてちゃんの答えは同じだった。助けてくれたのに不安がぬぐえない。 (と・・・とりあえず私あの人追ってみるね!) (あ、わ、私もいく!) 無意識のうちに私はあの人を追っていた。 正体が何なのか知りたかったのが半分、お礼が言いたいのが半分。 私はひたすらあの人の後を追う。姿は見えなかったけど、必死で追いかける。途中でフェイトちゃんと合流した。 急がなきゃという思いが、何故か頭の中で駆け巡る。 「・・・・・・」 「い・・いつの間に・・・?」 「あ・・・あらぁ・・・」 一方、三人はお互いに驚いていた。 忠勝のほうはあんな砲撃をしていたのが少女だったということだ。自分の知り合いにも銃を使う女性がいたが、あそこまで大きくはない。 槍を構える動作はしていたものの驚きで攻撃に移るという意思はどこかに吹っ飛んでしまった。 そして忠勝と対峙する二人の少女。一人はディエチ。砲撃を行った張本人だ。そしてその隣に立つはクアットロ。 二人とも砲撃を防がれたと思いきやいきなり目の前に黒い鎧に身を包んだ巨人が降り立ったからだ。 逃げることも忘れ、ただただ唖然として立ち尽くしている。 「・・・・・!!」 いち早く我に帰ったのは忠勝。 巨大な槍を二人の少女めがけ振るう。もちろん先端は回転してないから刺さない限りダメージは打撃だけで済ませられる。 「う・・・わっ!!」 ディエチはなんとか避けるも自らの武器、イノーメスカノンを吹き飛ばされてしまった。 忠勝は次にクアットロへと右斜めの振り下ろし攻撃を行った。クアットロは慌てながらもシルバーカーテンで姿を消す。 そして忠勝が混乱している間にディエチはIS、「ヘヴィバレル」を発動。変換時間は無いに等しいため威力は期待できそうにない。 魔力で生み出された弾丸を盾で防御する。お互いに離れ、また静寂が流れる。また忠勝が槍を振るい始めた時・・・・ 「IS発動!ライドインパルス!!」 突然現れた紫の髪の少女に一撃が防がれた。乱入者の名前はトーレ。ディエチとクアットロの姉のような存在だ。 忠勝の槍とトーレのインパルスブレードがぶつかり合い火花を散らす。しかし力の差は目に見えていた。 (こいつっ・・・できる・・・!!) 次第に押され始めるトーレ。しかしディエチの援護射撃で忠勝は大きく吹き飛ばされた。 「今だっ・・・!!」 インパルスブレードの連続攻撃が忠勝を襲う。 「トライデント・・・・スマッシャァァァァァァァッ!!」 「エクセリオォン・・・・バスタァァァァァァァァッ!!」 「「「!?」」」 トーレの連続攻撃は新たな乱入者により中断された。 一方は亜麻色の髪を両サイドで結び、白いバリアジャケットを纏った女性、高町なのは。 もう一方は長い金髪をなのはと同じように両サイドで結び、黒いバリアジャケットに身を包んだ女性、フェイト・T・ハラオウン。 「・・・チッ、退くぞ!!二人とも!!」 「は・・はい!IS発動!!シルバーカーテン!!」 新たな乱入者の姿を見て不利を悟った少女達は姿を消し、逃げた。 しかし二人の女性は三人を追うことはなかった。 視線はすでに黒き鎧の巨人、本多忠勝へと移されていた。 「あ・・・あの・・大丈夫ですか・・?」 「差し支えなければお名前などを教えてほしいのですが・・・」 「・・・・・」 彼女達の問いに答えることはできなかった。 何しろ彼は「喋れない」のだ。喋れないものに答えろといわれてもいかがなものかなと。 言葉の代わりに機械音が唸る。 忠勝は立ち上がりまた飛行を開始しようとする前に・・・ 「・・・!?」 体が床に沈み、また意識を失っていた。 これはたぶん、エネルギー切れというやつである。 戻る 目次へ 次へ
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