約 1,988,400 件
https://w.atwiki.jp/nanoha_data/pages/46.html
高町なのは フェイト・T・ハラオウン 八神はやて スバル・ナカジマ ティアナ・ランスター エリオ・モンディアル キャロ・ル・ルシエ リインフォースⅡ シグナム ヴィータ シャマル ザフィーラ ギンガ・ナカジマ ヴァイス・グランセニック シャッハ・ヌエラ フリードリヒ ヴォルテール ルーテシア・アルピーノ アギト チンク オットー ノーヴェ ウェンディ 聖王ヴィヴィオ 高町なのは プロテクションEX(漫画版Episode-1) アクセルシューター(漫画版Episode-1) スターダストフォール(漫画版Episode-1) レストリクトロック(第1話) ディバインバスター・エクステンション(第1話) アクティブガード(第1話) ホールディングネット(第1話) ラウンドシールド(第4話) バリアバースト(第4話) アクセルフィン(第5話) ショートバスター(第5話) ディバインシューター(第8話) フローター(第8話) クロスファイアシュート(第8話) フープバインド(第8話) オーバルプロテクション(第11話) エクセリオンバスター(第12話) ストレイトバスター(第20話) A.C.Sドライバー(第22話) シーリングロック(第23話) チェーンバインド(第25話) クリスタルケージ(第25話) ワイドエリアサーチ(第25話) スターライトブレイカーex-fb(第25話) セイクリッドクラスター(聖王ヴィヴィオ使用魔法のオリジナル) インパクトキャノン(聖王ヴィヴィオ使用魔法のオリジナル) フェイト・T・ハラオウン プラズマランサー(漫画版Episod-1) サンダーフォール(漫画版Episod-1) ディフェンサープラス(第2話) プラズマスマッシャー(第2話) ソニックムーブ(第2話) ハーケンセイバー(第5話) ブリッツアクション(第6話) プラズマバレット(第12話) トライデントスマッシャー(第12話) ジェットザンバー(第21話) サンダーアーム(第22話) ライオットブレード(第24話) ライオットザンバー・スティンガー(第24話) ライオットザンバー・カラミティ(第24話) プラズマアーム(聖王ヴィヴィオ使用魔法のオリジナル) 八神はやて アーテム・デス・アイセス(第2話) フレースヴェルグ(第11話) デアボリックエミッション(第12話) スバル・ナカジマ リボルバーシュート(第1話) ウイングロード(第1話) バリアブレイク(第1話) ディバインバスター(第1話) ナックルダスター(第3話) アブソーブグリップ(第5話) プロテクション(第6話) シールドブレイク(第8話) ディバインバスター・ゼロレンジ(第11話) リボルバーキャノン(第15話) リアクティブパージ(第17話) キャリバーショット(第23話) ディバインバスターA.C.S(第23話) 振動拳(第26話) ティアナ・ランスター シュートバレット(第1話) オプティックハイド(第1話) クロスファイアシュート(第1話) フェイクシルエット(第1話) ヴァリアブルシュート(第3話) ヴァリアブルバレット(第5話) アンカーショット(第7話) シュートバレットF(第7話) ダガーブレード(第8話) ファントムブレイザー(第8話) シューティングシルエット(第23話) エリオ・モンディアル ソニックムーブ(第2話) スピーアシュナイデン(第3話) ルフトメッサー(第3話) スピーアアングリフ(第4話) スタールメッサー(第5話) メッサー・アングリフ(第5話) サンダーレイジ(第17話) 紫電一閃(第24話) キャロ・ル・ルシエ ブーストアップ『バレットパワー』(第3話) アルケミックチェーン(第3話) ブーストアップ『アクセラレイション』(第4話) 竜魂召喚(第5話) エンチャントアップ『フィールドインベイド』(第5話) ブーストアップ『ストライクパワー』(第5話) プロテクション(第12話) ブーストアップ『ディフェンスゲイン』(第14.5話) 竜騎召喚(第17話) ホイールプロテクション(第21話) シューティングレイ(第21話) ウイングシューター(第22話) ブーステッドプロテクション(第24話) リインフォースⅡ フリーレンフェッセルン(漫画版Episod-1) ヴァイヒ・スツーツ(第1話) フリジットダガー(第12話) シグナム シュランゲバイセン・アングリフ(漫画版Episod-2) 紫電一閃(第7話) パンツァーシルト(第7話) 飛竜一閃(第22話) 火龍一閃(第26話) ヴィータ シュワルベフリーゲン(第2話) ラケーテンハンマー(第9話) ギガントハンマー(第12話) コメートフリーゲン(第21話) ツェアシュテールングスハンマー(第25話) シャマル 風の護盾(第17話) 戒めの鎖(第23話) ザフィーラ 鋼の軛(第2話) ギンガ・ナカジマ シェルバリア(第2話) トライシールド(第11話) ナックルバンカー(第12話) ウイングロード(第12話) ストームトゥース(第15話) ディフェンサー(第15話) リボルバーギムレット(第22話) ヴァイス・グランセニック スナイプショット(第24話) ヴァリアブルバレット(第26話) シャッハ・ヌエラ 烈風一刃(第21話) 旋迅疾駆(第24話) フリードリヒ ブラストフレア(第3話) ブラストレイ(第5話) ヴォルテール ギオ・エルガ(第17話) ルーテシア・アルピーノ シュテーレゲネゲン(第7話) ブンダーヴィヒト(第7話) トーデス・ドルヒ(第12話) アギト スターレンゲホイル(第11話) ブレネン・クリューガー(第12話) 烈火刃(第17話) 轟炎(第17話) チンク ハードシェル(第17話) オーバーデトネイション(第17話) オットー プリズナーボクス(第21話) ノーヴェ エアライナー(第17話) ガンシューター(第17話) ウェンディ エリアルショット(第17話) フローターマイン(第17話) エリアルキャノン(第21話) 聖王ヴィヴィオ セイクリッドクラスター(第25話) インパクトキャノン(第25話) プラズマスマッシャー(第25話) プラズマアーム(第25話)
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3151.html
桐生水守が次に目を覚ましたのは、暗く閉ざされた狭い部屋だった。 まどろみから徐々に覚醒する意識につられ、伏せっていた寝台より身を起こす。 ……此処は?……それに私は何を……? やがてはっきりと取り戻されていく思考が思い出すのは気を失う直前の出来事。 ホーリー部隊隊長マーティン・ジグマール。 高町なのはの制止を振り切り、彼の執務室へと直談判に行き……。 そして知った………真実。 「……そう、これが真実を知るということ……」 ポツリと力なく呟きながら、結局は無力に捕らえられるという結果に終わった自身。 恐らくは、あれから意識を失いこの部屋へと監禁されたのだろう。 仮にも一介のスタッフとは言えども本土の大財閥の令嬢である自分に……否、機密扱いとなっていたあの『真実』を知らされた時点で、このような行動に相手が出るということは自分の処分も既に決まったようなものだろう。 秘密裏に謀殺……我が身に待ち受けるであろう未来に恐怖で怯えるのと同時に水守が考えていたのは、やはり結局彼のことだった。 ……そう、彼だ。自分がこの大地に再び舞い戻ってくることを決めた理由であったあの少年。 ただ想い出を確かめたかっただけ……自分は彼ともう一度逢いたかったのだ。 そう――― 「―――劉鳳」 ポツリと想い人のその名を儚く呼ぶ水守。 当然、この冷たく暗い閉ざされたこの部屋でソレに応える者は誰も居なかった。 けれどそれでも、ただ無意味なだけであろうとも想い人のことを只管に桐生水守は思い続けていた。 魔法少女リリカルなのはs.CRY.ed 第5話 ストレイト・クーガー あの日、桐生水守がマーティン・ジグマールの元へと直談判へ赴いて後に消息を断った後。 高町なのははいつまで経っても彼女が戻ってこない現状に異変を抱き直ぐに行動ヘと移った。 ジグマールの元へと訪れ、彼女が此処を訪ねて来たはずだがその後どうしたのかを問い質したものの返ってきたのは与り知らぬという応対でしかなかった。 「……確かに、桐生君が私の元を訪ねてきたのは事実だ。私が直接応対し話も聞いた。……ふむ、何を話したか? 悪いがそれを答えるわけにいかないな。こちらにも色々と守秘義務というものがあるのでね」 のらりくらりとしたそんな態度ではぐらかすジグマールに忌々しさを抱いたものの、こちらから強く出られるだけの証拠が無いのも事実だった。 結局、確たる成果も無く水守の行方は杳として知れないまま、ジグマールからは話を終えた後に出て行った彼女の行方は知らないとだけ言われた。 「まったく嘆かわしくはあるね。我がホーリーのお膝元でスタッフが神隠しに会おうなどとは」 そんなふざけた事を言ってきたジグマールに当然なのはは苛立ちを必死に抑えながら真面目に彼女を探す気は無いのかと抗議するも、返ってきたのはイーリィヤンに目下全力で行方を捜させているなどという本当なのかどうかすら疑わしい返答のみである。 むしろ彼の“絶対知覚”を用いながらも数日経ってすら成果が無いという現状そのものが疑いに足る証拠ともなるだろう。 だがなのはがどれだけそんなことを主張しようともホーリーからすればただの言いがかりのレベルでしかなく、まともに対応すらもしてくれない。 それどころか、なのはがジグマールより逆に厳命されたのはこの一件を他の者に広めないようにしろという実質的な緘口令だった。 無論、情報を開示して彼女の行方を知る新たな手がかりを求める方が重要だと抗議はした。 だが返ってきたのは消えた桐生水守が大財閥の令嬢であるという事実と、市街で人が消えたなどという物騒な噂を広めるのは徒に余計な混乱を生むだけであるという返答であった。 大スキャンダルにもなりかねない事実を隠蔽……どれ程言葉で飾ろうが結局はそれでしかないだろうとなのはは強く苛立った。 しかし結局、特例とした権限を与えられる身であれども自分たちが所詮は外様でしかないのは事実。 郷に入れば郷に従え……癪でしかないその言葉通りに表面上においては上からの圧力に屈する他になのはに道は無かった。 己の無力さを実感する悔しさを久しぶりに今、なのはは味わっていた。 『ホーリー部隊が行動を起こした以上、私の処遇は決定されたのも同然でしょう。 この事は、誰にも伝わらないかもしれませんが……私が生きていた証として此処に纏めます』 手元より没収されていなかった支給品のシステム手帳。 桐生水守は監禁をされている現在、コレに一縷の望みを託し最期の手記を覚悟して自分の辿ってきた全てを記入しようとしていた。 『“あの時”から始まった、この事実を………』 こうして、桐生水守は今……自身が知ったことの全てを此処に記し始めた。 二十二年前、自然現象ではありえないほどのエネルギーを放出し、半径約20km・高さ240mにも及ぶ大隆起現象が神奈川に発生。 これにより首都圏全域はその機能を失い、政治や経済も長期に渡り停滞を続けることになる。 本土に余力が出来るまで五年、結果的に放置され続けたその大地を人々は『ロストグラウンド』と呼び、忌み嫌った。 ロストグラウンドは復興した本土側や国連からの経済援助を受けて形成された『市街』と、未だ未開発の地域に大きく二分され、人々もその隔たりに否応無く区分されてしまった。 未開発地域に住む人々……通称『インナー』は本土の援助を受けつつも自給自足が成り立っており、戸籍の喪失もあってか本土への帰属意識は低い。 大隆起現象から八年、ロストグラウンドは日本で唯一の完全独立自治領『連(むらじ)経済特別区域』となる。 そんな特例処置が認められたのは、本土の経済力低下に伴う復興資金の捻出問題もさることながらこの土地にアルター能力者の存在が確認された為だ。 そこで一旦、水守は手帳に打ち続けていた指の動きを止める。 此処までのことは日本の現代史にも記されている、この世界ならば誰もが知っているロストグラウンド誕生の背景に過ぎない。 此処から先……触れる事を避けられないアルター能力にまで話が進んだのを確認し、水守の胸中は自然と重たくなってもいた。 アルター……かつて自分が魅せられ研究に明け暮れた未知なる力。 今尚を持っても探究への欲求はある。……が、それも前ほどに無機的とも呼べる研究者としての情熱はもう抱けそうに無かった。 だって自分は見て、そして知ってしまったのだ……この能力によって余りにも多くの人間が人生を狂わされてしまったというその背景を……。 アルター能力とは、精神感応性物質変換能力の総称である。 任意に物質を分解、再構成して己の特殊能力形態へと構築する力。 再構築された物体―――アルターは使用者によりその形状などがほぼ固定されており、自立行動ではなく、使用者の脳波と連動していることが確認されている。 ロストグラウンドに誕生した新生児に備わるこの能力は、発現率が年々増加しており、現在の予測値は5%である。 そしてアルター能力者の増加と身体的成長につれて災害からの復興を遂げようとしているロストグラウンドは新たな混乱に巻き込まれていった。 それは……荒野側にいる善悪の判断がつかないネイティブアルターたちの犯罪の増加である。 九年前、内戦状態に陥ったこの地域に対し各国の非難が集中する。 事態を憂慮した時の政府は、ロストグラウンドからの人々の流出を徹底的に阻止し始めた。 貨幣を地域限定とし、衛星からの監視も行うとし、問題を全て封じ込めようとしたのだ。 ………しかしそれから三年、復興しかけた市街がアルター犯罪に巻き込まれる。容疑者不明。 事此処に至って、政府高官たちは武装警察組織『HOLD(ホールド)』の中に、アルター能力者のみで構成された特殊任務用部隊を設立する。 部隊名―――『HOLY(ホーリー)』 ……アルター使いを倒せるのは、アルター使いしかいなかったのである。 ホーリー……自分がこの大地に舞い戻り、現在こうして所属してもいる組織。 ……そして彼が、己の信奉する正義を捧げた対象。 六年の時を経て、こうして舞い戻りこの部隊に所属し日々を過ごす中で、水守はこれまで生きてきて培ってきた価値観と現実との間に大きな隔たりを感じ、ショックを受けもした。 知り合い、言葉を交わしあい同じ職に就いているホーリーの部隊員たちにだってそれぞれ個別に様々なことを思うこともあった。 彼らとは相容れない価値観を有し、衝突による摩擦が生まれた事実もある。 けれど、それでも……未だ、彼らの事を水守はいつかは理解しあえる仲間だと信じてもいた。……否、信じていたかった。 その最大の理由……最も拘っている対象である彼ともいつかは――― こんなにも星空が近い、だからこの大地の夜空は綺麗なのだろう。 都市部の薄汚れた空しか知らなかった水守は、あの日、初めて父に連れられこの大地へとやってきて星空を見上げた時に感嘆の声を上げた。 傍らで共に見上げてくれていた同い年の少年は、大地が近いのだから此処では当たり前だという答を返してきた。 それでも水守は此処が綺麗なところであることは事実だと嬉しそうに笑いかけた。 だが少年はそれに沈痛な面持ちを浮かべながら、壁の向こうの人々が苦しい生活を続けているという事実に心を痛めていた。 優しい少年は、大隆起さえ起きなければ彼らが苦しむようなこともなかっただろうと言った。 けれど当時の水守にとって大隆起は人類がアルターを手に入れる切っ掛けともなった原因。その当時からアルターの神秘性に魅せられていた自分は、訳知り顔でアルターの素晴らしさを語った。 目の前の少年がそのアルター能力においてのある意味では犠牲者であったことも知らず。 普通に生きていくには邪魔なだけ、周りの人間に迷惑をかけてしまう力でしかない……そう苦しげに後に語った心優しき少年は遂に自分が語るアルターの話に耐え切れなくなり大声で制してきた。 興奮により力が咄嗟に発動し、水守の傍にあった壁の一部が砕け、小さな結晶が生まれて床に転がった。 物質の分解・変換による再構成……まさに最前まで己が訳知り顔で嬉々として語ったアルター能力だった。 不用意に能力を発現させ驚かせてしまったことに、少年は慌てながらこちらに謝ってきた。 だが水守にとっては目の前の自分と同い年の少年が選ばれたその力を持っていたことの方が驚きであると同時に、嬉しかった。 そして同時に、そんな素晴らしい能力であるはずのアルターを毛嫌いする少年が不思議であり、それ以上に彼の優しさに惹かれていった。 翌日に、彼の屋敷を訪ね、彼の母親や愛犬と庭先で戯れる彼自身の姿を見て、益々にそんな思いは強くなった。 だからこそ、水守は昨夜に拾っておいた彼が自分に初めて見せてくれたアルター能力発現の証であるその結晶を改めてプレゼントし直してもらうことで友達になった。 ……桐生水守にとって、彼―――劉鳳はそんな経緯で絆を深めた特別な存在だったのだ。 (……そんな優しかったはずの彼が) その後、暫くしてロストグラウンドを離れ本土で六年の時を過ごす内に、思い出を確かめる為に、もう一度彼と会うために自分はこの大地へと舞い戻ってきた。 だが再会を喜び合えると思っていた、水守がその優しさに惹かれていた成長した少年は、彼女の大切な思い出であったあの優しい彼からは一変した存在となっていた。 自らのアルターを嫌い、力を使うことすら望もうとはしなかったはずのあの優しい少年は、自らのアルターを暴力として振るう厳格で実直なホーリー隊員に様変わりを果たしていた。 無論、彼は無頼の輩ではなく、その力を振るう理由が市街の人々の平和を護る為であり、しいてはこのロストグラウンドそのものに秩序を齎すためであったのは理解している。 けれど、それは……余りにも優しかった彼らしくはない、そしてやり過ぎではないのかと思えるほどに過激なものだった。 彼が高潔な理想を抱き、信じる正義の為に戦っていることは理解している。 けれど……水守にはそれが、あまりにも厳しすぎ、そして些かに狭量なものではないのかとも思ってしまったのだ。 そして水守には劉鳳自身もまた無理を通し苦しんでいるようにすら見えた。 彼女には彼の姿が、わざと孤独に耐え、他者を拒絶しているようにしか見えなかったのだ。 それを堪らなく、桐生水守は悲しいと思ってしまった。 何が優しかった彼を変えてしまったのか。 その正確な理由は彼自身のみが知るところだろう、水守としても彼の母の死が原因の一旦であろうことは予想できてもいたが、彼の心の内までをも知りえているわけではない。 彼の実父……このロストグラウンドきっての名士たる劉大連とも面会し、話を聞きもした。 劉大連は息子である劉鳳の事を好きにさせる心算だと言っていた。 『手に入れてないのであろう。……あれが望む全てを』 劉大連は疑問に首を傾げる水守に対してそう言った。 女である自分には分からないかもしれないが、男とは元来そういう生き物なのだと……。 事実、未だに水守には劉大連が言っていた言葉の意味も分からなければ、劉鳳が何を望み手に入れようとしているのかも分からなかった。 分からなかったからこそ、分かりたいと思い……理解したいと願った。 けれど結局は劉鳳との間には溝が広がるばかりで、水守の思いが劉鳳へと届くことも、劉鳳の考えが水守に理解できるようにもならなかった。 ホーリー部隊の中で、一番大切だったはずの友達との和解も出来ず、彼と彼の信じるホーリーのやり方もまた理解出来ずに、水守は一人傷つき、孤独を感じる他になかった。 それを察していたかどうかは不明だが、クーガーがそんな水守を何かと気にかけたりフォローしたりもしていたのだが、劉鳳にばかり目を向けていた水守自身はそれに気づきもしていなかった。 そうして、ホーリーという部隊の中で理解者もおらず、孤独だった彼女の前に現れたのが……あの異世界から来た魔法使いだったのだ。 高町なのは。 本土からやって来たアルター能力者の部隊『機動六課』を取り纏める隊長でもある彼女。 最初は挨拶回りで顔を合わせ、自分と同じ本土出身ということに疑問を抱いた程度だった。 ロストグラウンドで生まれた新生児にのみ発現する異能であるアルター。それを本土出身の彼女たちが持っているということはどういうことだろうか。 ロストグラウンドの混乱期に本土に流れたアルター使い、それが考えられるケースとしては最も可能性が高い。 されど、劉鳳との模擬戦で見せた彼女の能力の特異性。アルター能力専門の研究者たる水守だからこそ気づけた違和感。 それをどうしても無視できず、駄目元を覚悟で彼女に直接接触し、真偽を問うた。 ―――貴女は何者なのか、と……… それに彼女は自分は異なる世界から来た魔法使いだと答えた。 何故、ジグマールとも並ぶ最高機密扱いの自身の正体を自分などに教えてくれたのかは水守には未だに分からない。 それどころか、それこそ最初は彼女が冗談を言っているのではないかと真剣に疑いもした。 だが真剣な彼女の態度、そして彼女が語る魔法という存在の明確な証拠。 それらを最後の言い訳として、水守はなのはの言葉を信じた。 本当は……本音で言えば、そう語った彼女の神秘性に何処かで惹かれていた気もしたのだ。 かつてアルターに魅せられた、あの時のように。 そして同じこの大地の上では余所者同士として、この大地をどう思うかを彼女と話し合った。 高町なのはは真摯な態度で、虚偽も含まず真剣にこの大地とそこに住む人々の未来を憂いてくれていた。 市街を開発するために虐げられている人々、内と外との貧富の差、アルター使いを捕らえ続けるホーリー………。 そんなロストグラウンドで行われている様々な矛盾が許せず、人が人を助けるのは当然だという考え方。 そんな自分の思いとまったく同じモノを、なのはは有してくれていた。 だからこそ、それが嬉しく、彼女は水守にとってこの大地において誰よりも信頼できる理解者となってくれた。 そして自分もまた、そんな彼女と一緒に戦いたいと思ったのだ。 だからこそ、自分たちは共に手を取り合った。 (……ごめんなさい、高町さん。そんな貴女の忠告も受け入れずに私は勝手な事をしてしまい、今のような状況になってしまいました) きっと優しい彼女は自分のようなものでも消えてしまえばきっと心配し、悲しんでくれるのだろう。 それに僅かばかりの嬉しさを抱く反面、それ以上に大きな申し訳なさを感じてしまう。 『だからこそ、私は此処に私の知った全てを記し、残します。例え私が消されても私の知った情報が少しでも貴女の役に立つことを信じて』 そう、この手記を記しながら水守がコレを託したいのは二人の人物だった。 一人はかつての友達であり想い人である、いつか分かり合いたいと願っていた劉鳳に。 もう一人は、この大地で初めて自分を理解してくれ、味方として共に戦ってくれた高町なのはに。 桐生水守にとって今、誰よりも大切なこの二人に。 己が生きていた証、この大地への思いを託す為に水守は記し続け――― ―――唐突に、手の中の手帳が粉々に砕け散る。 いきなりの事態に何事かとそれこそ驚愕する水守。 そして狭い室内の中、突如現れた枝の様なモノが目の前に迫り水守は悲鳴を上げながら壁際まで後退する。 背には壁、これ以上は逃げられないというその水守の目の前に突如空間から大きな黒球が出現し、それが膨張しながら中を開く。 水守は見た。その黒い球体の中からこちらを覗き見るイーリィヤンの姿を。 そして眼が合うと共に、彼はこちらを見てニヤリと嗤った。 その笑みが告げていた。全てお見通し、何をやっても無駄だ、と……。 やがて怯える水守を堪能したように、悪戯を成功させた少年の笑顔を残しながらイーリィヤンは消えていった。 イーリィヤンが去った後、彼が取った行動の意味を理解した水守の中に広がったのは徒労感と絶望だけだった。 手帳を分解され、自身はもう二人に残せる物は何も無い。 加え、彼が見せた行動がこちらを完全に監視しているという事実にも繋がり、それでも万に一つと思っていた希望の芽すらも此処に潰えた。 「……もう、私は此処から抜け出せない」 死ぬまで此処に監禁されるのか、それともいずれは殺されるのかは分からない。 けれど、行き着く先はもはや同じモノでしかない。 ……もう、彼らには会えない。 「………会いたい。………劉鳳………高町さん………」 叶うはずも無い願いを口にしながら、水守は悲しみと共に寝台に伏せるほかになかった。 『範囲内に特定対象の反応は感知できません』 「……うん、分かってる。でももう少し続けてみよう」 レイジングハートから発せられた言葉に高町なのははそう応えながら、もう一度エリアサーチを発動させる。 だが何度繰り返しても同じ……何がしかの正体不明な妨害を受けているかのようにサーチャーの動きが悪く、そしてそれ以前に投影されるべき映像自体が上手く繋がらない。 その事実に予想が出来ていたとはいえ、それでも歯痒さを感じずにはいられなかった。 「……十中八九、これはジグマール隊長側からの妨害工作なんだろうけど」 心当たりは一つ、あのイーリィヤンのアルター“絶対知覚”だろうとなのははあたりをつけていた。 高ランク魔導師の範囲系魔法、それもマルチタスクを併用した演算能力にこうも見事に対応され、妨害されようとは。 情報戦の敗北と同時に、改めて彼のアルターの脅威性とその絶対性を思い知らされた。 だがそれにいつまでも悔しさを感じているばかりでは駄目だ。そもそも水守の安否すらも未だ分からないのだ。もたもたしていては手遅れにとてなりかねない。 協定違反を覚悟で魔法を使用してまで収穫なし……手痛い事実この上ないがそれで諦めきる高町なのはではない。 むしろこの妨害で確信を得られたという事実もある。やはり水守を何処かへ攫ったのはジグマールに違いないのだ。 魔法で無理なら足で歩き回ってでも見つける、覚悟を決めてなのははこのホーリーの本営にして市街の中心たるセントラルピラーを見上げながら、其処へ向かって足を進める。 通常の仕事場でもあるこの建物内の何処かに水守が監禁されている、なのははそう当たりをつけていた。 街の外という可能性はほぼありえない。市街の近辺に集落や廃墟の類は存在しないし、そもそもジグマール自身の管轄外、それも不確定要素が発生するかもしれないような場所に人を隠すはずが無い、よってこれは除外していい。 次に市街の内部、何処かの建物という可能性……これは確かに考えた。だがこの可能性とて低いとなのはは判断した。理由は、どのような名義で場所を押さえるにしても足がつく可能性が高いというもの。 それに彼のようなタイプが、手駒を懐に残しておかないはずがないとも考えていたのが大きかった。人間の心理では大切なものほど手元に置きたがる習性にある。 ましてや此処は彼の城、彼しか知らぬ場所の一つや二つ、そこに人間を一人監禁することなど造作も無いはずだ。 最後の理由は、やはり先のエリアサーチへの妨害。 あの時なのはは、サーチャーを飛ばす際、市街各所とこのセントラルピラーにそれぞれ分散して飛ばした。 そして真っ先に異常を発して反応しなくなったサーチャーが、このセントラルピラーへと飛ばしたものだった。 最優先で反応するほどに、なのはには見られたくない何かがこのセントラルピラーの中に存在している。 ならばそれが桐生水守である可能性が高いのは事実。自分と彼女が同士であることは周知の事実としてジグマールもまた知っているはずだ。 ―――桐生水守はこの建物内部の何処かにいる。 それは間違いないはずだ。 だからこそ、必ず見つけ出し助けねばならないとなのはは思い行動に移る。 例えその結果が、問題行為として後で取り立たされ自分や部隊の皆に迷惑をかけることになったとしても。 仲間の皆には申し訳なさを感じる一方でそれでもこれを止める事はなのはには出来ない。 何故ならなのはにとって桐生水守もまた大切な仲間の一人なのだから。 大切な仲間を見捨てることなど、絶対に出来ない。 この手で護れるもの、護り切れるものは必ず護り通す。 絶対に何一つだって掌からは零れ落とさない。 十年前からいつだって、自分はそう誓って戦い続けてきたのだ。 「だから待ってて水守さん。―――直ぐに助けに行ってみせるから」 「ああ、そうだ。桐生水守の件については全ての情報を封鎖してくれ。特に高町なのはの動向からは目を離さぬよう、そして間違っても本土に知られることがないように」 部隊長室にて眼前のモニターに映っている己の腹心……イーリィヤンへとジグマールはそう指示を飛ばす。 実際、彼は上手くやってくれている。桐生水守に関する情報の封鎖、そして秘密裏に動いている高町なのはへの妨害。多忙極まるこれらの仕事を失態も無く平行して継続してくれている。 「君ならば出来る……頼むぞ、イーリィヤン」 もっと別の言葉をかけてやりたい、一瞬そんな欲求に駆られかけるもジグマールは自制心でそれを抑え込む。 あくまでも部隊長として、彼には接して任務を言い渡さなければならない。 それが自分の責務であるとジグマールは自分へと言いきかせる。 一方、画面の向こうのイーリィヤンはといえはそれにただ無言で頷き、了解を示して通信を終えてきた。 画面から彼が消えて一瞬、ジグマールが憂うような表情を鉄面皮を崩して見せてしまったのは彼にとって唯一の隙だったのだろう。 だが鋼の自制心でそれも抑え付け、ジグマールは直ぐに部隊長としての顔へと戻る。 「……しかし上司が上司なら部下も部下、か。困ったものだな、彼女たちにも」 珍しい僅かばかりの苛立ちを含む呟きを零しながらジグマールが次に画面へと映した映像は、ホーリーアイが記録したあのカズマとエマージーとの戦闘映像だった。 そこに映っている件の人物―――我が隊の人員を攻撃してくれたヴィータへと視線を向けやれやれだと溜め息を吐く。 直接的な勝敗を決したのはやはりカズマだ。だがエマージーのアルターにトドメを刺し、粉砕したのはヴィータだった。 十分にこれは問題行為として機動六課側に抗議として取り上げられるカードだ。 だが……… 「……中途半端というのも困りものだ」 しかし最終的にエマージーを助けたのもまた一応はヴィータである。 ジグマールとしては矛盾した彼女の行動をまるで理解しかねていた。 高町なのはといい彼女といい、戦力としては申し分ないにも関わらず、こうも扱いづらければ実質的には邪魔でしかない。 元より利害関係により締結している協力体制。その裁量権もまた本土の方にある彼女たちをジグマールが部隊長の権限としてどうこうすることもできない。 それが問題であり、目障りに感じ始めていたのも事実だ。 「……いい加減、手を打つ必要もあるな」 本土側のロストグラウンドにおける最高顧問の令嬢である桐生水守に手を出すという蛮行にまで手を染めてしまったジグマールだ。 どれ程非道な手を用いようが、もはや躊躇いも後戻りもする心算は無い。覚悟は既に決まっている。 或いは、追い詰められ退路を塞がれかけているのは己の方ではなかろうか、そう微かに胸中で懸念する己もいたが、もはや止まれないのも事実だ。 ならば――― 「……まぁ今はまだ彼女たちの事はいい」 目障りになりかけ放置が過ぎればいずれはこちらにとっても致命的な毒ともなりかねない存在だが、今は色々と時期が悪い。手出しは控えるべきだ。 本音で言えば、彼女たち程度に一々構っている余裕がそれ程無いというのも事実だ。 だからこそ、戦力としては不安定であれ有用性が証明されている彼女たちを手放すには早いと考えていたのだ。 あの男を……あの男の力をこの手で手に入れるためにもまだ彼女たちの協力は惜しい。 「そうだ。この男の力を手に入れる。その為には捨石など幾らあっても困ることは無い」 そう呟きながらジグマールが目にしている映像は、カズマがその右腕を掲げて咆哮し、エマージーへと立ち向かおうとしているその姿。 美しい、純粋に魅せられる様にその光を食い入るように見つめる一方で、そしてだからこそ是が非でも手に入れたいという欲求が益々に湧いてくる。 この輝き……そう、この輝きこそ『向こう側』にこの男がアクセスしたという確たる証拠。 物事の進展に拍車を掛け、時代を変える可能性のある……希望の光だ。 だからこそ、この男と劉鳳がジグマールにとっては必要だった。 例え、外道と罵られ死後に地獄とやらに堕ちるほどの悪逆非道を重ねてでも、ジグマールには彼らが必要だった。 だからこそ、手に入れるためには手段を選ばない。どれ程の犠牲を生もうとも必ずに手に入れる。 それこそが己の責務だ、そう自分に言いきかせる一方で…… 「………だというのに、私は矛盾しているな」 そう既に覚悟を決めているはずなのに、部下とて全て道具と割り切っているはずなのに、それでも捨てたはずの良心が痛む事をジグマールは自覚していた。 酷く無様で滑稽で、決して許されない姿だというのに………。 ジグマールは悼むように目を閉じ、溜め息を吐きながら一度だけ言葉にならぬ謝罪を呟いていた。 最後にそれでも残る己にとって酷く邪魔であるはずのこの良心。これをどうにかして排除しようとでもするように………。 心無き道具のような扱いから抜け出す為に、アルター使いの人間としての権利を取り戻す為に自分は戦っているというのに。 こうも必死で心あるべき人間である己を殺そうとしているなどとは皮肉としか言い様が無い。 「……高町君、私は君たちを羨ましくも思うよ」 滑稽な無い物ねだりを承知の上で、それでも誰に聞かれるわけでもない無様な呟きをジグマールは気づけば漏らしていた。 「おやおや、血相変えてどうしたんですか? なのかさん」 急に呼びかけられたその声に高町なのはは振り向いた。 其処に立っていたのは予想通り(名前を間違えられた為)の人物であるストレイト・クーガーだった。 「“なのは”ですよ、クーガーさん」 無駄であることは一応は予想できていたが訂正の言葉を彼へと向ける。 「いやはや、すいません。どうも人の名前を憶えるのが苦手なもので」 申し訳ない、などと軽薄そうな態度で頭を掻きながらお決まりの対応をしてくるクーガーだが、生憎と今のなのはに彼に構っている暇など無かった。 「すいません、クーガーさん。私、用事がありますので―――」 「みのりさんなら探したところで無駄ですよ」 それこそおざなりな態度でそう言いながら背を向けかけていたなのはだが、彼がいきなり言ってきたその言葉に驚き食いつくように彼の方へと振り返る。 そのこちらの様子を見てニヤリと笑うクーガー。奇妙なサングラスに隠されたその視線までは分からないが己の食いつきように上手くいったとでも笑っているのかもしれない。 「彼女は“みもり”さんですよ。……それより、さっきの発言はどういう意味ですか?」 律儀に水守の名前も訂正した後、なのはは自身に冷静になるように言いきかせながら慎重にクーガーへとそう尋ねる。 あまり接点こそ無く、付き合いも短いが何度か彼と会話する内に彼もまた相当な食わせ者であることはなのはも見抜いていた。 だからこそ、異常なテンションの高さで物事をはぐらかされない様にと真剣に対処しながらなのははクーガーへと対峙する。 「言葉通りの意味ですよ。彼女を探しているようだが……残念ながら、貴女では見つけられない」 「どうしてですか? やってみなければわかりませんよ」 「そうですか? でも現に今の状況がそれを証明してはいませんかね」 「それは………」 クーガーのこちらの現状を言い当てた言い分になのはも思わず言葉が詰まる。 そんなことはない、ムッとした苛立ちも顕に態度で示しながらクーガーを睨むなのは。 だがそう強がる一方で事実その言葉通りであることは朧気な無自覚な中でも認めかけていた。 クーガーもそれは分かっているのだろう、相変わらずのあののらりくらりとした態度で不敵に笑いながらこちらへといきなり詰め寄ってきた。 いきなり密着するギリギリにまで接近され、反射的に飛び離れようとするも彼がその前に囁いてきたその言葉になのはの動きはピタリと止まった。 「……私なら彼女を助け出すことは出来ます。どうです、手を組みませんか?」 「こっちですよー、なのかさ~ん」 太陽がそろそろ傾き茜色へと染まった空。黄昏時の市街の一角、指定された駐車場へとなのはは足を踏み入れ、そしてそこで大声を上げながらこちらに手を振っているクーガーを発見した。 「だから“なのは”ですってば」 水守が彼の事を苦手としていた理由が分かるようなウンザリとした訂正を入れながらなのはは彼と車の元へと近付いていく。 「いやはや、すみません。どうにも人の―――」 「もういいです。それよりさっさと行きましょう」 繰り返されるやり取りを遮ってなのはは自分から先に車の助手席へと乗り込む。 クーガーもまたそれに応対して自身も運転席へと座り、エンジンをかけるためキーを回す。 ……因みに、先に断っておくと高町なのははストレイト・クーガーのアルター能力自体は知っている。 だが悲しいかな、知識として知っているのと実際にソレを体感するのとではその開きは天と地ほども差がある。 残念ながら、彼女はクーガーの運転する車が以下にキ○ガイ染みたものかをこの時、露ほどにも理解していなかった。 だからこそ、後に振り返った高町なのははクーガーの運転する車をこう評したという。 遊園地のジェットコースーターがいかに健全な乗り物かが心底理解できるようになった、と………。 さて、話はまだなのはが地獄を体感する前、車の発進直後へと戻る。 「それで、頼んでいた物は用意してもらえましたか?」 「ええ、一応全部このバッグに纏めておきました」 そう言ってなのはは手荷物であるそのバッグをクーガーにも見えるように示した。 クーガーもそれを確認し、それは良かったと頷いた。 「いやぁ、すいませんねぇ。みのりさんの私物を纏めてきてくれなんて頼んじゃって」 「いえ、着の身着のまま女性を送り返すなんて出来ませんし、クーガーさんの配慮は正しかったと思いますよ」 桐生水守の奪還。それを誘われたなのははこのクーガーという男の言葉を本当に信じて良いのかを実は迷いもした。 しかし事前に水守から以前助けてもらったことがあると話を聞いたことがあり、そして現状自分だけでは何の進展も見込めない事を自覚して、この協力を受け入れた。 そしてクーガーがそこから話したのは、水守を助け出した後に本土へと逃がすという作戦だった。 『みのりさんは恐らく知るべきでは無い事を知ったんでしょう。そしてジグマール隊長に捕らえられた。彼女を救い出すのに成功しても、此処に居たままじゃいずれはまた捕まってしまうかもしれないし、それどころか生命の方が危険かもしれない』 だから捕らえられている水守を救出したら、そのまま本土へと返した方が良いとクーガーは提案してきた。 確かに、ジグマールの権限が及ぶのはロストグラウンドのみだ。水守の安全を考えるなら彼の手の届かぬ本土へと帰すのが最も確実な手だ。 『みのりさん自身は今は実家とあまり折り合いが宜しくないようですが、それでも彼女の実家は本土有数の大財閥である桐生家。あそこなら確実に彼女を護ってくれます』 そう言ってきたクーガーの言葉に反論の余地も無く、なのはもまたその案を受け入れた。 協力者である水守が居なくなること……それを思えばこれから先が大きな痛手となることは事実だ。だが水守自身の身の安全には代えられない。 元々、自分が付いていながらみすみす彼女を危険にさらせてしまったという負い目もある。何よりも、大切な仲間が危険に巻き込まれることの方があってはならないこと。 だからこそ、水守を助け出して本土へと帰そうとなのはは決めた。 そうして水守奪還の大まかな作戦目的を決めた二人は次に準備へと移った。 彼女を奪還後にスムーズに本土へ逃がせるよう、飛行機の手配と彼女の私物の類を纏めておくこと。 前者をクーガーが、そして後者をなのはが担当することにした。 『本当なら俺が私物纏めをしたかったんですがね……ほら、下着とか色々と。おっと、怖い顔しないでください、そのくらい役得があったっていいんじゃないかってだけですって! あ、いえ! 冗談ですよ、冗談! こう見えて俺は文化を愛する紳士ですよ? そちらはなのかさんの方にお任せしますよ』 そんな何処まで本気か分からぬようなことを言いながら、クーガーは準備を進めてくれたようであった。 決行は今夜、日が落ちてから……そんな取り決めをして夕暮れに落ち合う約束をして今に至るというわけである。 「けどクーガーさん、どうして市街の外へと向かうんですか?」 その意味が結局分からず、車が走り始めたのと同時くらいになのははクーガーへと尋ねていた。 クーガーはそれに対し、相変わらずに愉快に笑いながら、 「いえね、その方が色々と面倒でなくていいし、距離も必要ですしね。後は……美人とドライブもオマケで出来るというのが理由ですかねぇ」 そんな事を上機嫌に言ってくるクーガーに、今更になってなのはは本気で大丈夫なのかと心配しかけてもいた。 だがそんな表情を見せているなのはにすらクーガーは、 「ほらほら、なのかさん。仮にもドライブなんですからもっと笑って。あ、そうですよね、チンタラ走ってててもテンションなんて上がるはずがありませんものねぇ。 いいでしょう! 良い機会です、このストレイト・クーガーのアルター“ラディカルグッドスピード”をご披露しようじゃありませんか!」 いきなりそんなことを言い始めるクーガー。なのはは話の変遷に付いて行けず、それこそ「え? ちょ―――」と言葉を発しかけるもソレも途中で遮られる。 何故なら次の瞬間、彼が発生させたアルター能力が見る見るうちに普通乗用車を紫色の厳つい車へと変えてしまったからだ。 「では―――行きますよぉ!」 ひゃっほう、とでも叫びだしそうな上機嫌でそうクーガーが宣言すると同時、爆発的な加速で自身の体が引っ張られるのをなのはは体感した。 それも一瞬ではない、信じられないことに速度と勢いはぐんぐんと上昇していっているのが分かる。 まるで、法定速度? 何だソレ喰えんのか? 的なレベルである。 常軌を逸したスピード違反に、なのはは悲鳴を上げる余裕すらも失っていった。 だがそんな中、そんなイカレタ暴走車を運転している当人と言えば…… 「私は何でも速く走らせることが出来まーす!」 最高にハイって奴だ状態に大絶賛突入中であった。 「この世の理は即ち速さだと思いませんか? 物事を速く成し遂げればその分時間は有効に使えます。 遅いことなら誰でも出来る! 二十年掛ければ馬鹿でも傑作小説が書ける! 有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家! 週刊よりも日刊です! つまり速さこそ有能なのだ! 文化の基本法則! そして―――俺の持論ですぅぅぅううううううううううううう!!」 よく早口にマシンガントークで、しかもこんな速度の中で流れるように叫び続けられるのか。 心底疑問に抱くべき箇所なのかもしれないが、なのはにはそんな事を考える余裕すら存在していなかった。 管理局でも有数の高ランク魔導師、若手筆頭、№1のエースオブエースの誉れが高い彼女ですら、数多の潜ってきった修羅場とは違うベクトルで現状の脅威に圧倒されていた。 それこそもうどうにでもなれという意識の中で思ったことはたった二つだ。 二度とクーガーの運転する車には乗らないこと。 そしてスバルがクーガーに憧れるのはほどほどに止めさせた方が良い。 という事だった。 「なのかさん、俺はこう思ってるんです。旅は素晴らしい、と! その土地にある名産・遺跡・暮らしている人々との触れ合い! 新しい体験が人生の経験となり、得難い知識へと昇華する。……しかし目的地までの移動時間は正直面倒です。その行程を俺ならば破壊的なまでに短縮できる! だから俺は旅が大好きなんです! 聞いてますぅ? なのかさぁん? なのかさぁぁぁああああああああああああん!!」 正直、聞こえていない……というより聞きたくない。 もはやこれは暴力のレベルだろうとなのはは絶望と共に嘆いていた。 市街の踏切を突破し、荒野に出てからもクーガーの運転する暴走車はその勢いと速度を収めるどころか更に上昇させていた。 止まれの標識も無い延々と続く荒野、恐らくはクーガーにとっては最高のドライビングコースに違いない。なのはにとっては最悪だったが。 誰かこの水を得た魚のような馬鹿を止めてくれ、そう心の底から願わずにはいられなかった。 そんななのはの願いが通じたかどうは知らないが、紫色の暴走車は目的地に到着したのか、無理矢理にいきなりその速度を落とし止ってしまった。 尤も、急に止めたものだから勢いが殺しきれず車が思い切り傾いたのは言うまでも無い。 シートベルトはしていたものの、急な衝撃になのははドアに叩きつけられた。痛い……でもそれ以上に吐きそうだ。 一方、クーガーの方はと言えば車が停止するのとほぼ同時のタイミングで運転席を飛び出し華麗に着地を決め込んでいた。 「……あぁ、一時間五十分三十六秒……また世界を縮めたぁ」 などと歓喜に震えて呟いているこの男に、本気でディバインバスターを撃ち込んでやりたいとなのはが思ったのはここだけの秘密だ。 ハンカチで口許を押さえ、吐き気を必死に抑えて呻きながら出てきたなのはを見てクーガーはサングラスを外しながら心底不思議だとも言わんばかりの態度で尋ねてきた。 「体調でも悪かったんですか? なのかさん」 ………訂正、スターライトブレイカーを撃ち込んでやりたいとなのはは思い直した。 「……な……“なのは”……です……ッ」 それでも何とか名前の訂正だけは入れたのは、もはや意地と言ってもいいレベルだった。 「………それで、こんな所まで来てどうやって水守さんを助けるんですか?」 漸くに酷い車酔いから回復したなのはは、この市街から遠く離れたうち棄てられた廃橋を見渡しながら尋ねる。 しかしクーガーの方はと言えば、そんな彼女の当然の疑問に対しても何ら問題ないとでもいった態度を崩す様子も無く、 「な~に、此処なら覗かれる可能性もありませんしね。みのりさんの救出の前に少し貴女とお話したいと思いましてね」 などと言ってくる始末だ。 なにを悠長なと思ったのも事実なら、その為だけに態々こんな場所にまであんな思いをして自分は連れてこられたのかとなのはは思った。 「……信用がないってことですか? 私は」 なのはの言葉にクーガーはいえいえと首を振りながら告げてきた。 「貴女のことは信用していますよ。たとえ貴女が何者であれ俺としてはそんなことはどうでもいいんです。……ただね、正直これはヤバイ橋を渡ろうとしてるのも同じです。貴女は本当にそれで良いのか、と思いましてね」 老婆心のようなものですよ、とクーガーは言ってくる。 そう言われて初めてなのははクーガーが己の立場上の問題を心配してきてくれているのだと気づいた。 存外に優しい人だな、そう思う反面で確かにクーガーの懸念だって尤もだとは思う。 機動六課は仮にも出向とはいえホーリーに現状は所属している部隊。自分はその部隊の責任者であり代表としてこのロストグラウンドへと来ている。 そんな自分が一時の私情を優先し、協力関係を結んでいる組織の長に反抗、対立の恐れのある要因を生み出しかねない行動を起こそうとしている。 ……無論、想像するまでも無く始末書で済むレベルではないのは明らかだ。 自分は責任を問われ、この部隊の指揮権を剥奪され地位を追われ、ミッドチルダに帰還してからは降格や査問などという事態も避けられないかもしれない。 そうなれば多くの者に迷惑が掛かることになる。部下たちをはじめ、部隊長であるはやて……六課の後ろ盾でいてくれている面々にだってそれは及ぶかもしれない。 ………彼らに迷惑をかけられるのか? 答えは否、それは論じるまでもないはずのこと。 入局当時から……否、リンディたちに至っては入局以前からの世話になった恩人たちだ。 大切な、自分が護らなければならないはずの人々。 そんな恩人たちとこの大地で出会いさして時を重ねた友誼を結んだわけでもない桐生水守とを天秤に掛ける……それは許されることなのだろうか? (……違う、そうじゃない。そうじゃないよ、私。それは単なる言い訳だよ) 脳裏に過ぎる疑問、それを打ち消すようになのはは激しく首を振る。 論点を間違えるな、本質を捉えろ、と………。 (これは取捨選択なんかじゃない。さっきの疑問は全部単なる言い訳……そう、私自身が大切な人たちをダシにして言い訳しようとしてるだけだよ) 逃避や諦めの理由に、仕方が無かったという拠り所に自分は恩人や仲間達を使おうとしていたに過ぎない。 それこそそれは仲間達に対しての本当の侮辱であり裏切りだ。そんなこと……他の何よりもなのは自身が許さない。 そうだ、迷うな。決めたんだろう? ならばその道を迷わずに進めよ高町なのは。 自分自身に対して、今一度強く言いきかせる。 “どちらを選ぶ”のではないのだ。自分は“どちらも護る”のだ。 もう二度と、大切なものを、護るべき存在を……掌から零しはしない。 必ず、絶対に護り通す。 もう誰かが悲しむ顔を見たくないから、誰も悲しんで欲しくないから。 その悲しみを消し飛ばす、その為に自分は戦うことを選んだのだ。 青臭いだけの子供染みた理想論、実現性の欠片も無い夢物語。 そう言われ、或いは鼻で嗤われ様と……その生き方こそ、自分が常に抱いてきたもの。 いつの間にか、かつての日々に失ってしまっていた自分の原点。 (……それを取り戻す。きっと手遅れなんかじゃない……私はそう気づいたはずだ) 由詑かなみを前に、あの誓いと思いを確かに思い出した事を振り返る。 そして脳裏に浮かぶのは、あの少年を前に自分自身で告げた覚悟だ。 そう、覚悟……自分は既にそれを決めたはずではないか。 ならば――― 「私は水守さんを助けます。それが今の私にとってしなければならない、私自身が選ぶべき行動だと信じていますから」 無茶な行い、身勝手な行動。きっと他の皆には迷惑が掛かるだろうし、酷く怒られもするだろう。 それでも仕方ない、勝手で……我が儘で悪いが、そんな自分と関わってしまったのも運が悪いと思ってもらう他に無い。 (私は迷わない。今はただ目の前の壁を越える……そうだよね? カズマ君) 脳裏に浮かぶあの反逆者の少年の姿。 何故か、彼がそんな自分に向かって不敵に笑っているような気がした。 目次へ=www38.atwiki.jp/nanohass/pages/3108.html 前へ=www38.atwiki.jp/nanohass/pages/3158.html 次へ=www38.atwiki.jp/nanohass/pages/3159.html
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/19759.html
繁栄のマンモスドン帝国 C 自然文明 (5) D2フィールド ■自分の「W・ブレイカー」「T・ブレイカー」「Q・ブレイカー」のいずれかのみを持つカードを召喚した時、手札またはマナゾーンからそのカードと同じ名前を持つカードを一枚選び、バトルゾーンに出してもよい。 ■自分の「パワーアタッカー」のみを持つカードは、すべてのバトルに勝つ。 ■Dスイッチ:自分のターンのはじめに、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。そうした場合、自分の山札を見る。その中から、名前に《長鼻類マンモスドン》を好きな数コストを支払わず召喚してもよい。その後、山札をシャッフルする。 作者:はんむらび お前結局どうなったんだシリーズ外伝 お前結局何だったんだシリーズ第三弾 みんな大好きマンモスドン帝国 準バニラサポートカード。 フレーバーテキスト マンモスドン帝国の繁栄の裏には、数があった。 関連 お前結局なんだったんだシリーズ第一弾 《偽りの名 ドキドキ・チャップリン》 お前結局なんだったんだシリーズ第二弾 《サイバー・H・チューブ》 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/992.html
魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry クロス元:Devil May Cry3 ※完結。ただし番外編有り 最終更新:08/02/08 第一話 「降臨」 第二話 「邂逅」 第三話 「なまえをよんで」 第四話 「試合、転じて死合」 第五話 「闇の剣士の休日(前編)」 第六話 「闇の剣士の休日(後編)」 第七話 「Devils Never Cry」 第八話 「その日、機動六課(前編)」 第九話 「その日、機動六課(後編)」 第十話 「闇の剣士の離脱」 第十一話 「竜巫女と氷結の獄犬 槍騎士と時の魔界馬」 第十二話 「双銃の使い手と似姿たる魔影 鉄拳の少女と白滅の魔獣」 第十三話 「闇の剣士の帰還」 第十四話 「Devil Strikers(前編)」 第十五話 「Devil Strikers(後編)」 第十六話 「悪魔は泣かない」 最終話 「Dance With Devil」+Epilogue 「Crazy Wedding」 ニニンがリリカル・グレイヴMay Cry 「聖夜~それはきっと神の与えた特別な~日だ。だからセクハラしても良いよな!? な? 良いだろう!?By音速丸」 番外編 「Bad End(前編)」 番外編 「Bad End(後編)」 番外編 「Bad End 回避シナリオ」 番外編 「Bad End 回避シナリオ Side Signum」 番外編 「詰め合わせ」 番外編 ギャグ短編 「緊急警報」 番外編 「永劫に語られし魔剣士の系譜」 魔法少女ニニンがなのは伝 クロス元:ニニンがシノブ伝 最終更新:08/01/17 1 「音速丸襲来!!」 2 「女風呂…それは神が与えた最後の楽園(エデン) by音速丸」 3 「看病と聞いてエロイことしか考えられない……そんなお前は俺の兄弟だ~ by音速丸」 魔道戦屍リリカル・グレイヴ Brother Of Numbers クロス元:ガングレイヴ、トライガン 最終更新:08/10/13 第一話「ビヨンド・ザ・グレイヴ」 第二話「黄昏の破壊者」 第三話「死人と姉妹」 第四話「蠢く野望」 第五話「地上本部襲撃(前編)」 第六話「地上本部襲撃(中篇)」 第七話「地上本部襲撃(後編の1)」 第八話「地上本部襲撃(後編の2)」 第九話「夢」 第十話「BETRAYAL」 第十一話 「二人の隻眼」 第十二話 「DOCTOR」 第十三話 「脱出(前編)」 第十四話 「脱出(後編)」 第十四,五話 「音界の覇者と金の閃光」 第十五話 「Tomb Stone」 第十六話 「再開」 外伝 鮮血のバレンタインデイ 番外編 「ツギハギと幽霊と女の子」(前編) 番外編 「ツギハギと幽霊と女の子」(中編) 番外編 「ツギハギと幽霊と女の子」(後編) エイプリルフール編 「魔道戦屍 リリカル・ファンゴラム 魔法の呪文はケルベロスなの♪」 妄想戦士リリカル・ヤマモト クロス元:妄想戦士ヤマモト 最終更新:08/02/13 第一話「嗚呼! 魔法少女は今何処!?」 第二話 「関西弁萌え!!」 第三話「萌えっ娘のためならば……捨ててくれようこの命!!」 Bullet Witch Sister Of Fate クロス元:バレットウィッチ 最終更新:08/01/28 第一話「銃弾の魔女と金の閃光」 魁!! 魔法学園リリカル男塾 クロス元:魁!男塾 最終更新:08/03/23 第一話「大波乱!! 男塾VS機動六課!!!」 リリカル・ニコラス クロス元:トライガン マキシマム 最終更新:08/11/26 第一話「牧師と騎士」 第二話「パニッシャー」 第三話「聖王教会」 第四話 「Lightning Boy」 第五話 「金の閃光とやさぐれ牧師」 第六話 「懺悔」 第七話 「再開」 クリスマス番外編「テロ牧師の聖夜」 リリカルVSプレデター クロス元:プレデターシリーズ 最終更新日:08/09/18 リリカルVSプレデター前編 リリカルVSプレデター中編 リリカルVSプレデター後編 短編 「狗と少女」 元ネタ:ガングレイヴOD 「魔法マスター リリカルアジア!!(前編)」 元ネタ:機動武闘伝Gガンダム 「魔法マスター リリカルアジア!!(後編)」 元ネタ:機動武闘伝Gガンダム 「魁!! 非魔法少年(!?)リリカル源次」 元ネタ:魁男塾 「魁!!非魔法解説者リリカル雷電」 元ネタ:魁男塾 「機動六課にとんでもない野郎共が来たようです」 元ネタ:グラップラー刃牙、花の慶二、その他多数 「蛇さんの美食講座」 元ネタ:メタルギアソリッド3 「蛇さんの美食講座その二」 元ネタ:メタルギアソリッド3 「蛇さんの美食講座 終章」 元ネタ:メタルギアソリッド3 「狼と運命の挽歌」 元ネタ:トライガン リリカルなのはStrikers×HELLSING×TRIGUN 「ヴィヴィオと十字架な先生達」 クロス元:トライガン・ヘルシング 「リリカルが如く」 クロス元:龍が如く 拍手感想レス :いつも楽しく読ませて頂いております。これからも頑張ってください :ついに現れた最強の悪魔狩人の登場には狂喜乱舞しました!! :SMC完結おめでとうございます。グレイヴの方、頑張ってください :SMC氏GJです。グレイヴ、漢はやっぱり黙って重火器ですね。 :楽しんで読ませてもらっています。応援しています! :3話でグレイヴの背負っている物が十字架になってます :あなたにスパーダの加護のあらんことを。GJです :リリカルグレイブGJ! なんていうか、ゼストとレジアスの最後が、アニメ版ガングレイブの最終話風味になりそうな予感だ。 :魔道戦屍リリカル・グレイヴこれは良いものだ♪続きを期待しています :レジアス勢がなんか攻勢に出てます♪物語も佳境ですね頑張って!!! :リリカル・グレイヴ最高!十二とRBが好きです!頑張って下さい! TOPページへ このページの先頭へ
https://w.atwiki.jp/bankna/pages/16.html
魔法少女リリカルなのはA s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY- キャラゲーと侮るなかれ。ストーリーもしっかり練られた新感覚格闘ゲーム EDRTA 自己ベスト…1:06:22 (2012/10/5) 放送ベスト…1:09:43 (2012/6/26) ルール 計測開始 PSPトップ画面でUMDを選ぶ瞬間 計測終了 【ファイナルシークエンス】クリア表示 各種記録 2012年 日付 タイム 乙箇所 備考 6/7 1 33 09 6-3 3乙 6-4 1乙 11-2 6乙 放送外 6/9 1 21 23 6-3 2乙 6-4 3乙 11-2 4乙 放送初通し 6/11 1 11 56 6-2 1乙 11-2 1乙 6/26 1 09 43 6-4 2乙 11-2 1乙 現状放送ベスト 6/28 1 14 26 6-3 4乙 6-4 2乙 実質お通夜 8/22 1 18 36 6-2 1乙 6-3 4乙 11-2 2乙 放送外 久々すぎてgdgd 8/29 1 17 53 6-3 3乙 6-5 1乙 11-2 2乙 放送外 9/4 1 07 45 6-4 2乙 放送外 10/4 1 07 06 6-4 1乙 放送外 10/5 1 06 22 8-4 1乙 11-1 1乙 放送外 現状自己ベスト ユーリRTA 自己ベスト…1:41:55 (2012/6/14) ルール 計測開始 PSPトップ画面でUMDを選ぶ瞬間 計測終了 【ユーリ・エーヴェルヴァイン】が選択可能になりました の表示 各種記録 2012年 日付 タイム 乙箇所 備考 6/12 1 59 39 6-3 2乙 6-4 4乙 10-2B 1乙 11-2 2乙 放送外 6/14 1 41 55 6-3 1乙 10-2B 1乙 11-1 1乙 放送唯一の通し 現状自己ベスト スキップ禁止EDRTA 自己ベスト…4:00:17 (2012/6/24) ルール 計測開始 PSPトップ画面でUMDを選ぶ瞬間 計測終了 【ファイナルシークエンス】クリア表示 各種記録 2012年 日付 タイム 乙箇所 備考 6/24 4 00 17 6-4 1乙 現状自己ベスト 6/30 4 13 58 6-4 2乙 第5回RTA売名祭り CG100%RTA 自己ベスト…3:02:38 (2012/6/12) ルール 計測開始 PSPトップ画面でUMDを選ぶ瞬間 計測終了 100%コンプリートにしたCG Galleryを表示 CG DESTINY100%RTA 自己ベスト…4:24:31 (2012/6/12) ルール 計測開始 PSPトップ画面でUMDを選ぶ瞬間 計測終了 CGとDESTINYをコンプリートしタイトル画面に戻った瞬間
https://w.atwiki.jp/anime_impression/pages/216.html
魔法少女リリカルなのはStrikerS レビュー (ジャンル:魔法少女、SF、ファンタジー) 全26話 監督:草川啓造 アニメーション制作:セブン・アークス 評価 ストーリー キャラクター 声優 映像・作画 2点 2点 15点 14点 合計33/100点 感想 とにかくキャラクターが多すぎる。この一言に尽きます。 キャラそれぞれの色々な境遇を明らかにされて表面的な事が分かっても、 中身の描写がありません。一度説明してさっさと流してしまうので。 というか、この作品のテーマが分からないのでそれ以前の問題ですね。 これが描きたい!という強いものは何も感じませんでした。 (いままではロリコンの為の作品という事だったけど…。 正直なのは は「少女」というのも無理がある貫禄。(笑)) このシリーズの特徴である、どうでもいい会話が無駄に長く、 設定や自分の感情等を全部キャラに説明させて終わり。という構成は変わっていません。 2クールの情報を知ったとき、 説明セリフが減るから面白くなるかもしれないと期待していましたが、 キャラもストーリーも2クール用(笑)になり、 この無能な製作者達では放送期間が2年あってもまともな作品が作れないでしょう。 「魔法少女リリカルなのはStrikerS」アニメ公式サイト
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2708.html
「田舎マフィア程度がっ!管理局の魔導師なめんなよ!!」 「暴魂チューボ、いざ参るっ!!」 二人の武装局員、クラッドとキールはユーノを安全なところまで下がらせ、眼前の敵を迎え撃とうと していた。 魔法帝王リリカルネロス第4話 「守れ! 秘密基地」 まず、勢いよく啖呵を切ったクラッドは牽制用に散弾型の攻撃魔法をばらまこうとした。だがチューボの 踏み込みはクラッドの想像を超えて速かった。魔力を収束させて射撃魔法を撃つ暇など存在しない。 上段から振り下ろされるチューボの刀に身の危険を感じたクラッドはたまらずシールド魔法を発動する。 そして次の瞬間彼は己の目を疑った。円形の盾を作る標準的なシールド魔法『ラウンドシールド』、 その盾が半ばまで叩き割られていたのだ。何の魔力も込められていない刀を使って、 魔力による肉体強化を受けていない人間の手で、ただ物理的に。 「ウソだろオイ!?」 自分の中の常識を覆す光景に思わずクラッドは叫んだ。声にこそ出さない物のキールも驚愕している。 シールドを叩き割って目の前に突きつけられたチューボの太刀は、刃こぼれ一つしていなかった。 ミッドチルダにおける防御の概念として、バリア、フィールド、シールド、物理装甲の4つがあげられる。 ここから分かるように、魔法を介さない純粋に物理的な障壁も魔法に対する防御能力を持っている。 では逆に、純粋に物理的な攻撃は魔法を打ち破れるのだろうか。可能なのである。 頑丈さで知られるシールド魔法より更に強固な物質で作られた刀、それを振るうは改造処置と飽くなき 訓練で鍛え上げられた肉体、この2つが組み合わされば魔法でさえ斬れないわけがなかった。 魔法文明の恩恵にあずかる管理局の誰もが想像し得なかった現実がここにある。 ラウンドシールドはチューボに向けた杖型デバイスの先端から発生していた。もしシールドの発生位置が もっと体に近かったらそのままクラッドの胴体は袈裟懸けに叩き斬られていただろう。シールドさえも 切り裂く攻撃をバリアジャケットで防ぎきれるとは到底思えない。 「ちっ…!」 一撃で仕留めるつもりだったのかチューボは悔しげに舌打ちをする。 そしてラウンドシールドに深々と食い込んだ刀を持ち前の剛力で引き抜き、再び上段に構えた。 「サイドワインダー!!」 だがチューボがクラッドに斬りつける前に、キールの魔法が完成する。捕らえがたい蛇行軌道を 描く強力な射撃魔法がチューボの意識を刈り取らんとして迫って来た。 「ちょろちょろと目障りな!」 チューボはその魔法を事も無げに斬り払う。迎撃のやりづらい蛇行軌道の魔法を寸分の狂いもなく斬った 事も驚きだが、刀で斬られた魔法そのものが分解していくのはもっと驚くべき事だった。 またしても魔導師としての常識を疑う光景だったが、今度は呆気にとられずクラッドとキールは 今最も必要な行動をとることが出来た。 「ヤバかった……助かったよ相棒」 「礼は無事に帰ってからにしてください」 即ち、飛行魔法である。 チューボが射撃魔法を迎撃した瞬間を狙って、クラッドとキールは10メートル程浮き上がった。 接近戦を得手とする者がそう多くないミッドチルダ式の魔導師としては、そもそも会話できる距離まで 近づかれた状態から戦闘開始というのが大きな失敗である。故にこういった状況下で必要なのは出の速い 魔法で相手の動きを止めつつ距離を取ることだ。まして相手が接近戦に特化したタイプなら尚の事である。 「卑怯だぞ貴様ら、降りてこい!」 「冗談じゃねえ、このまま安全なところからガンガン撃たせてもらうぜ!」 その発言内容から相手が飛べないと判断したクラッドはやや調子に乗りつつ、宣言通りに射撃魔法を 発動させる。 「スプレッドショットォ!」 クラッドは魔力はそこそこにあるが精密な射撃が苦手なため、小さな魔力弾を大量にばらまき点ではなく 面で攻撃することを得意としていた。リンカーコアを持たない普通の人間なら数発で昏倒するような 魔弾がチューボに雨霰と降り注ぐ。 「どうだどうだどうだぁっ!」 「ぬ…!」 数え切れないほどのスプレッドショットがチューボの鎧にぶつかっていく。鎧越しに伝わる衝撃、 振動は機関銃で撃たれたのにも匹敵するだろう。つまり―――― 「効かんわ!」 「何ィ!?」 つまり、チューボには効果がなかった。その名が示す通り、ヨロイ軍団の軍団員は大半が強固な鎧を 身に纏っている。その鎧はネロス帝国の、ひいてはこの地球で最高の技術で作られた物だ。 それらの鎧は、管理局の常識では計れない恐るべき強度を持っている。 魔法の運用をはじめとする多くの技術で管理局に遥かに劣るネロス帝国だが、ロボット工学、 生体工学など管理局を上回る技術はいくつもある。2人の武装局員は今その一端を垣間見ているのだ。 「マジで化け物か!?」 「そのまま続けててください!」 スプレッドショットは効果が薄くとも足止めにはなっている、そう判断したキールは捕縛用のバインドを 仕掛ける。弾雨の中ゆっくりと歩を進めるチューボに、狙い澄ました一撃が放たれた。 「ボールパイソン!」 狙い違わず、キールオリジナルの捕縛魔法はチューボを捕らえる。 「何!?これは…」 キールの仕掛けた捕縛魔法ボールパイソンは、1本のバインドが大蛇のように相手の全身に巻き付き 締め上げるという物だ。魔力を込めれば捕らえた相手の骨をもへし折るというバインドとしては危険な 部類の魔法だが、今これを使うことに彼は躊躇がなかった。 「よっしゃ!こいつが決まればもうこっちのもんだな」 「どうでしょうかね…」 勝ったつもりでいるクラッドとは対照的に、キールの顔色は優れなかった。強力な魔法をかけ続けて いるためだけではない。不安が拭えなかったからだ。 (本当に効いているのか…?) 巻き付いたバインドはミシミシと骨の軋む音を立てて―――――――いなかった。 チューボの鎧は変形する素振りすら見せていない。キールの全魔力を込め、人間なら気絶していても おかしくないほどの力を加えているというのに。 「さて、被疑者も確保したしアースラに連絡して転送を……」 「クラッド、とどめをお願いします」 「へ?」 キールの発言にクラッドは思わず間の抜けた返答を返してしまった。彼は模擬戦でボールパイソンをかけ られた事があるため、その威力をよく知っている。出は遅いが脱出は不可能、それがこの魔法の恐ろしさ だと考えていた。それゆえに相棒のこの発言は理解し難い。 (慎重すぎるにも程があるだろ……) アースラに転送して更に厳重にバインドをかければ十分だろうと思っていたクラッドは、意識を奪って おくことにそこまでこだわらなくてもよいだろうと感じた。だが、キールの慎重さはしばしばこのコンビの 危機を救ってきたのも事実である。故にクラッドはこの状況に最適なとっておきを使うことにした。 「ブラストスピア!!」 クラッドの持つ杖型デバイスの先端から1メートルほどの赤い魔力刃が飛び出し、名前の通り槍の ような姿となる。ボールパイソンがキールの切り札なら、クラッドのとっておきはこの槍であった。 魔力の大半を一箇所に集中させたこの槍の威力はかなりのもので、A+ランク魔導師のシールドも 突破できるだろうと言われている。ただし術者自身がそれほど槍の扱いになれているわけではないので 動く敵になかなか当たらないという致命的な欠点があるのだ。故に彼はこの魔法を、仲間が完全に相手の 動きを封じたときしか使わないことにしている。 「食らいやがれ俺の必殺の一撃いいいっ!!」 叫びながら魔力を全身に漲らせ、自らの体を弾丸のように発射させてチューボに突っ込んでくるクラッド。 それを見て、今までおとなしくしていたチューボが僅かに身じろぎした。さすがに怖じ気づきやがったか、 とクラッドは嗜虐的な笑みを浮かべる。 強力なバインドで相手を縛り、大技でとどめを刺す。その戦術自体は間違いではなかった。 唯一点の致命的な誤算を除いては。 槍の穂先とチューボの距離が2メートルというところである。それまで無言だったチューボは裂帛の 気合いと共に全身の筋肉をフル稼働させた。 「ぬりゃあああああ!!!」 瞬間、チューボを縛るバインドが弾け飛ぶ。 「え?」 「な!?」 ボールパイソンを力ずくで破る人間がいるなど想像もしていなかったクラッド、鎧そのものは破壊 できなくとも動きを封じることは出来ると考えていたキール、2人の思考が一瞬停止する。 だが加速していたクラッドの体は止まらない。そしてチューボは突っ込んでくるクラッドを避けよう ともせずに刀を腰だめに構える。 「ちっくしょおおお!!」 激突の瞬間、チューボが迎撃に選んだのは突きであった。一方半ばヤケになりつつも、下手に進路を 変えて隙を作るよりはこのまま突撃した方がマシだと考えたクラッドは槍を構えてそのまま突っ込んで 行った。体を右側にねじり、突きを放つための力を溜めるチューボの左肩にリーチの差からクラッドの ブラストスピアがずぶりと突き刺さる。鎧を貫通した魔力ダメージがチューボの全身に 激痛を走らせた。必殺の一撃が相手に突き刺さり、勝利を確信するクラッド。 「どうだぁっ!」 (痛い、痛いな……) だがチューボの強靱な意志と肉体は魔力ダメージによる昏倒など許さなかった。 (しかし、ヨロイ軍団員に……) クラッドの槍が自分の体に突き刺さったこの瞬間こそ、彼が待ち望んだ瞬間なのだ。 中空に浮いていた敵が彼に間合いに飛び込んでくる、この瞬間こそが。 「痛みなど関係ないわ!!」 引き絞られた弓が放たれるように、強化された筋肉の力でもって渾身の突きが放たれた。 「カ…ハッ……!」 血飛沫が飛び散り、クラッドの口から苦悶に満ちた空気が漏れる。 チューボの刀は本来ダメージを防ぐはずのバリアジャケットを唯の布きれ同然に貫き、 クラッドの脇腹に致命的と言える一撃を穿っていた。傷口からあふれ出した血が2人の足元に 血だまりを作っていく。勝利の女神は、肉を斬らせて骨を断ったチューボに微笑んだのだ。 「あ、ああ……クラッドォォー!!」 その結果を見たキールは己の判断の愚かさを呪いながらクラッドの名を叫んだ。 ボールパイソンの威力を過信していなければ、突撃ではなく射撃を指示していれば、と 普段理性的に働く頭脳が様々な『もしこうしていれば』の結果ばかりを映し出し思考をかき乱す。 「さて、次は……どんな手品を見せてくれる…?」 刀を引き抜き、仮面の下で凄絶な笑みを浮かべながらチューボはキールの方に向き直った。 支えを失ったクラッドの体が血だまりの中にべちゃりと音を立てて崩れ落ちる。 「うあ、あああ……こんな、事が…」 恐慌状態になったキールは何事かを呟きながらその様子を見ているばかりであった。 アースラのように辺境の管理外世界を中心に活動している次元航行艦は、管理局と同等の戦力を持った 相手と戦闘になることはあまりない。戦いはいつも格下相手、幾重にも張られた防御魔法と数々の 医療魔法は局員を手厚く守ってくれている。そんな状況が長く続いているため、武装局員の中でも ギリギリの死線をくぐっている者はほとんどいない。 特に管理局員としての経験が短いクラッドやキールのような若手はその傾向が顕著で、敵の力量を 推し量ることも出来ず、また差し迫った死にパニックを起こすのである。 動く様子のないキールを見て好機と思い、歩き出そうとしたチューボの足を弱々しく掴む物があった。 「舐めんな……オレは…まだ……」 「ほう、まだそんな力があったか」 出血で意識を朦朧とさせながらも、クラッドがチューボの足にしがみつく。 (キー…ル……お前…逃げて……報…こ、く…) (クラッド……?クラッド!?何を馬鹿なことを、あなたも帰るんですよ!?) クラッドから届いた途切れ途切れの念話が、キールの頭に冷静さを呼び戻し、現状を再認識させる。 放っておけば相棒の死は確実、だが敵は強大すぎる。距離の空いている今なら自分だけなら逃げられる だろう。だが。普段冷静沈着なキールにしては珍しく分の悪い賭けを行おうとしていた。 目の前のこの敵を、潰す! 「あなたを見捨てはしません…よ……!?」 魔力を収束したその瞬間だった。視界の端を横切る銀色の輝き。一瞬遅れて右肩に感じる熱さと、 腕から力が抜けていく感触。デバイスを取り落としながらキールが見たそこには、ざくりと肉を 切り裂かれたような傷痕があった。 (あ…れ……?) 一体何が起こったのか。眼前の敵を見てキールは合点がいった。チューボは、兜に付いていた 三日月の鍬形と同じような形状の刃物を手に持っている。 (投げたのか…!) キールが混乱したり立ち直ったりしている暇を待ってやる道理などチューボにあるわけがなかった。 宙に浮いている敵が大きな隙を見せているなら彼がやることは決まっている。唯一の飛び道具での 攻撃だ。一見すると鍬形は1つしか無いように見えるが、そこには何枚もの三日月手裏剣が 格納されている。 (こっちの赤毛より防御が薄いな……) チューボは身軽な方ではない。むしろヨロイ軍団の中でも一、二を争う重量級だ。地面の上を駆ける だけならまだしも、何メートルもジャンプして浮いている敵を斬りに行く、というのは現実的ではない。 杖を取り落としたキールがもはや盾も満足に出せないというなら、手裏剣でその命を絶とうとするのは チューボにとって当然の選択と言えるだろう。今まで使わなかったのは数に限りがあることと、 シールドを警戒していたという理由からだ。 「でえいっ!!」 「ぐぅっ!」 さらに2発目の手裏剣を投げるチューボ。キールは必死で回避するも太股が切り裂かれていく。 悲鳴と共に血が噴き出し、痛みでキールの動きが更に悪くなる。 「こいつでとどめ……」 「チェーンバインド!!」 「うおぉっ!?」 しかしチューボが3発目を投げることは出来なかった。 戦力外と思われていた、伏兵が参戦したからだ。チューボの周辺に浮かぶ4つの魔法陣、緑色に輝く そこから飛び出した4本の魔法の鎖がチューボの四肢を絡め取る。 「キールさん!クラッドさんを早く!!」 「ユーノ君!?……分かりました!」 早々に逃げてどこかに隠れていたはずの金髪の少年が、不意を打って放った捕縛魔法は見事チューボを 捕らえていた。 (逃げていた小僧か、不覚!しかもこいつの魔法、これは…さっきの蛇みたいなやつより……強い!) 民間協力者ユーノ・スクライア、彼は魔法戦闘における花形と言える攻撃魔法には全く適正がなかった。 それこそ、多様な攻撃魔法を搭載したデバイス、レイジングハートが失望するほどに。だが攻撃偏重主義の 魔導師が軽視するサポート方面にこそ彼の天賦の才があったのだ。防御、回復、結界、調査……そして捕縛。 攻撃に特化したレイジングハートを手放した今こそ、少年は真価を発揮しようとしていたのである。 「ぐおおお…!千切れん…!!」 いかにチューボが力を入れようとも鎖は千切れる素振りを見せなかった。それどころか、ばきり、ばきりと 不気味な音を立てながら鎖に巻き付かれた部分が変形を始めている。 (馬鹿な!俺の鎧にダメージを!?) 驚愕するチューボを後目に、倒れ伏すクラッドの元に辿り着いたキールは応急処置用の回復魔法を 発動させた。どこかでデバイスを落としていたが拾いに行く間も惜しかった。右腕と左足の痛みと 出血も忘れてひたすらに回復魔法に力を注ぐ。クラッドは自分よりもはるかに重傷なのだから。 その様子を見ながら、何故いつまでたっても助けが来ないのかと怒りを感じたユーノはアースラに 念話を送りつけた。 『エイミィさん、聞こえますか!アースラ、応答してください!もしもし!?』 『どうしたのユーノ君。何か動きがあった?』 『転送の準備を早く!!重傷者二名!クラッドさんが特にヤバいんです!』 『……えええっ!?何でそんなことに!?ていうかそっちでも戦闘!?』 会話しながらユーノは頭痛を感じていた。クラッドさんとキールさんは戦闘状態になったのに 報告もしていなかったのか、と。 (僕がさっさと通信しとけばよかった……) 現場では局員の指示に従うこと、というリンディのお達しを守ったのが徒となってしまった。 エイミィがそっちでも、と言っているのが気になったが、死人が出そうな今追求することではない。 実は同時刻、クロノ・ハラオウンもネロス帝国と交戦しており、アースラのクルーはそちらで出現した 敵の解析、転送先の算出に尽力していたのだ。もちろんユーノ達がいるこのエリアにもサーチャーは 配備されていたのだが、この時運悪く別の地点を映していたのである。クラッドとキールのどちらかが ネロス帝国と接触したことを報告していればこうまで事態が悪化することはなかったので、この点に 関しては完全に彼ら2人の手落ちと言えるだろう。相手を舐めてかかっていたこと、舐めていた相手が 想像を遥かに超えて強く通信どころでなくなったことが災いしたのである。 『時間がないわエイミィ、直ちに回収を!』 『了解!ユーノ君、あとちょっとだけそいつ捕まえといて!』 『分かりました』 これでどうにか、そう思ったユーノだったが事態は尚も彼の思惑に反した方向に動いていく。 身動きがとれずもはや万策尽きたかに見えるチューボは森の奥にわずかに視線を向けると、 自信ありげに言葉を紡いだ。 「ふん。愚かだな、小僧」 そのセリフに、ユーノは自分の魔法に縛られているチューボを見た。威圧的なフォルムの甲冑に鉄の仮面。 ユーノには見えなかったが、その仮面の下でチューボは笑っていた。自分の苦境などどうということも ないとばかりに嘲笑っていたのだ。 「あのまま隠れていれば死なずに済んだものを」 ダンッ―――― 「うわぁっ!?」 ユーノがその意味を問う間もなく、火薬の爆発する音が響いた。同時にユーノの視界を塞ぐ何か。 離れていたキールにはその光景がよく見えた。炸裂音と共に森の中から撃ち出されたのは投網。 強化繊維で編まれた捕縛用ネットである。そして間髪入れずに飛び出してくる人影。高いカモ フラージュ性能を持つ森林迷彩を施された装甲の持ち主が、肉厚のサバイバルナイフを片手に 網の中でもがく少年に襲いかかっていった。 ナイフは一切の容赦なくネットに突き刺さり、貫いた。そのまま2人はもつれあいながら地面に落下する。 ヨロイ軍団爆闘士ロビンケン、それが彼の名だった。森林迷彩とヘルメット、ガスマスクのような 仮面はどこか特殊部隊を思わせる。トラップの名手で、地形を生かした様々なトラップで敵を 追い込む様は密林の狩人と呼べるだろう。生真面目な性格で下らない娯楽に興味はなく、チューボと 同様に暇なときには鍛錬を欠かさず行っていた。 チューボが仮面の下で笑ったのは、訓練中に奇妙な音を聞きつけ近くまで様子を探りに来ていた ロビンケンの存在に気が付いていたからだ。 「そんな、ユーノ君まで………ヒィッ!!?」 チェーンバインドが消滅し自由の身となったチューボがキールを見下ろしていた。 思わず悲鳴を上げ防御魔法を使おうとするも、間に合わない。 「まったく手間をかけさせてくれる」 サクリ、と軽い音がする。 ゴミを片づけるような気安さでチューボはキールの体に刀を突き立て、 彼は相棒であるクラッド共々、仲良く血の海の中に倒れた。 「助かったぞロビンケン。…………どうした?」 礼を言うチューボだったが、がさごそとネットを探る ロビンケンの不審な動きに疑問を持つ。答えはすぐにロビンケンが教えてくれた。 「いない…」 「何?」 「あの小僧がいないんだ!やつめ、どこに消えた!?」 ロビンケンの言葉通り、網の中は空っぽだった。確実に仕留めたはずのユーノが綺麗サッパリ消えて いたためロビンケンは狼狽を隠せない。 「俺のネットはあの小僧を確実に捕らえたはずだ!だがナイフを突き立てたときにはもうどこにも いなかった、一体何がどうなっている!?」 「落ち着けロビンケン、あの小僧は魔法使いだ。何かオレ達の知らない技を使ったんだろう……ん?」 ふと、小さな黄色っぽいものがチューボの目に映った。ロビンケンの足元、ネットの端から顔を出した それはきょろきょろとあたりを探る内に、チューボと視線をハッキリ合わせてしまう。 顔しか出してないがイタチの仲間だろうか。チューボと目が合ってしまったイタチは石になったかの ように動かなくなる。 (………イタチ?) チューボの脳内に閃くものがあった。ブルチェックが持ち込んだ生物、魔法の存在、その生物を ゲート6から外に捨てに行ったブルチェック、帝王の危惧、魔法を使う敵、全てが今一つの線で繋がる。 「そいつだあああぁぁぁぁぁ!!!」 「キュウウウウ!!!」 チューボの叫びに呼応するかのように、イタチもまた叫びながら駆け出す。 「そのイタチだ、そいつを捕まえろロビンケン!いや、殺せ!!」 「了解した!」 ちょろちょろと逃げ回るユーノ。行われているのは捕まったら命はない死の鬼ごっこだ。 もはや魔法を使うことすら忘れて命がけで逃げ回るユーノの動きは、ここに来て鋭さを増す。 チューボとロビンケンが刀やナイフを振り回し、その命を絶とうとするもとにかく逃げ回って 捕まらない。そしてチューボとロビンケンがフェレットに変身したユーノに気を取られたこの時、 管理局側の撤退のシナリオは完成に近づいていた。 「バインド……!」 血だまりの中でキールが小さく呟くとともに、2人のヨロイ軍団員にバインドが巻き付く。 「何だこれは!?」 「貴様まだ生きていたか!」 瀕死の人間がデバイス抜きで放ったその捕縛魔法に大した威力はなく、彼らの筋力からすれば足止めに しかならないのは明白だ。だが今は、その足止めが出来ればそれで十分だった。 『ユーノ君、急いで!』 「はい!」 エイミィからの念話がユーノに最後の一滴まで力を振り絞らせる。 倒れ伏すキールとクラッドの元へ、早く、一刻も早く! 『所定位置に全員揃いました!』 『回収!』 『了解、回収します!』 一瞬の閃光の後、そこに2人と1匹の姿はなく残っていたのは血の海だけだった。 「消えた!?あいつら、瞬間移動を行ったのか?あれほどの傷で!」 「おのれっ!ここまで追いつめておきながら取り逃がしたなどと、帝王になんとお詫びをすれば いいのだぁぁぁ!!!」 戦いの終わった山中に、ロビンケンの驚愕の声とチューボの叫びが響き渡る。その声は、近隣の 野鳥や獣が恐れを成すほどであった。 「救護班、急いで!」 リンディの命令であらかじめ待機していたアースラの医療スタッフは、回収した2人の局員に 救命処置を行っていた。彼ら二人はまさに一分一秒を争うほど危険な状態だった。 「輸血、急げ!」 「脈拍が下がっています!」 クラッドとキールが医務室に運ばれていく様子を見ながらユーノは自分を責めていた。最初から 二人と協力していればこんなことにはならなかったかもしれない。網で捕らえられたときに驚いて チェーンバインドを解除しなければ、少なくともキールが致命傷を負うことはなかったはずだ。 (僕がもっとちゃんとやっていれば……) ユーノ・スクライアは責任感が強い。時に病的なほどのそれは、彼の育った環境に原因がある。親が いないユーノは部族皆の子として育てられた。その環境は決して不幸な物ではなかったが、幼いユーノ の心には常に不安が付きまとっていた。 『もし自分がいらない子供なら捨てられるのかもしれない』 スクライア一族の者が聞けば激怒するかもしれないことだが、ユーノは本気でそう思っていた。故に 彼はいつでも『よい子』であろうとした。自分のことは自分でやり、他人の助けとなれる様々な魔法を 覚え、遺跡発掘について必死で学んだ。その働きぶりは素晴らしく、大人達は彼を褒め、ついには 若干9歳にして発掘現場を一つ任されるほどであった。 ここで彼らにとって不幸なことが4つある。1つ目は、幼いユーノの練習用にと任せたごく小さな 発掘現場からジュエルシードという一級品のロストロギアが出土してしまったこと。2つ目は、 発掘されたそれが運搬途中で事故に遭い流出してしまったこと。そして3つ目は、ユーノがその 責任感からジュエルシードの回収に、スクライア一族秘蔵のデバイスであるレイジングハートを 持って一人で飛び出してしまったこと。最後に最も不幸なことは、ジュエルシードが流れ着いた 世界が地球であったことだ。多数の生物、人間が存在する世界でジュエルシードは容易にその力を 発揮し、恐るべき怪物を生みだして攻撃能力に乏しいユーノの命を奪いかけた。もはや独力での 解決は不可能だろうと判断したユーノは管理局に助けを求めたが、今度は地球に存在する恐るべき 組織、ネロス帝国によって二人の武装局員が瀕死の重傷を負わされた。 (全部僕のせいだ……僕がちゃんとやらなきゃいけなかったのに……) 前述の通り強い責任感の持ち主であるユーノは、クラッドとキールが死にかけているのは全て自分に 責任があると考えていた。あの時こうできていれば、という考えがいくつも頭をよぎり、最終的には 自分がジュエルシードを見つけてしまったばかりにこんな事になったのだ、という考えに行き着いて しまい、少年は自分を責め続けていた。 「ユーノ君、あなたの方はどう?怪我は?」 「僕は怪我なんてしてません、クラッドさんとキールさんをお願いします」 「何言っているの!あなたも危なかったんでしょ?さあ早く診せて…」 「僕はいいんです!!」 そういったわけで、酷く落ち込み憔悴した様子のユーノは自分に怪我がないか診ようとした局員を 振りきって走り去ってしまった。実際、彼には本当に怪我はなかったし、この場には居たくなかった。 床に残った血の跡が、『お前の罪だ』と言っているような気がしたからだ。 ネロス帝国本拠地ゴーストバンク、帝王が降臨した謁見の間ではガラドーによる任務報告が行われ ようとしていた。帝国初の魔法の実戦投入ということもあって一同興味津々であったのだが、 帝王も含めその場にいた者は全てガラドー達の様子に首を捻っていた。 「あいつら、なんであんなにボロボロなんだ?」 「確かガキ一人殺すだけだろ?一体何と戦ったっていうんだ」 ガラドーの装甲はいくらか損傷を受け、アルフもまた疲労した様子。影の1人に至っては仲間から 肩を貸してもらってようやく立っているという有様だった。 「ガラドーよ、報告せよ。一体何があった!」 「かしこまりました帝王!本日、我々は目標である伊集院唯をアルフの魔法によって拉致し、 これを抹殺しました。しかしその直後、時空管理局と名乗る魔法を操る者者に襲撃を受けたのです」 「何だと!?」 ガラドーは宙を舞うクロノ・ハラオウンを睨み付けながら、その戦力を測っていた。 (これが屋外なら空を飛べる奴が圧倒的に有利だが、ここは屋内だ。足場も多い、交戦も十分可能 だろう、だが…) ガラドーが警戒するのはクロノの攻撃能力だ。軽闘士に過ぎないとはいえ、影は仮にもネロス帝国で 強化と訓練を受けている戦士だ。それを初撃で3人まとめて倒すなど、尋常の腕前ではない。 それに、幼い外見に反しクロノからは一流の戦闘者のみが纏うオーラのような物を感じる。 紛れもなく強敵であった。 「これが最後通告だ。降伏する気はないんだな?」 いちいち癇に障る上から目線の物言いも、おそらくは実力に裏打ちされたものだろう。 「その前に聞いておこう、時空管理局執務官とは何だ?」 「時空管理局っていうのはこっちでいうケーサツみたいなもんだよ。……多分ジュエルシードを 回収しに来たんだと思う」 「それを知っている君はこの世界の住人じゃないな?結界もミッドチルダ式だったし、大方次元犯罪者に 作られた使い魔といったところか」 ガラド-の質問にはアルフが答える。だがその後に続いたクロノの言葉はアルフに到底承服できる物 ではなかった。 「ふざけんな!あの子は次元犯罪者なんかじゃ…」 「アルフ!!余計なことを口にするな!」 ガラドーの怒声は、頭に血が上ったアルフを一気に冷却した。 (そうだ、こっちの情報を管理局にもらしたらフェイトがどんな目に遭うか…!) 最悪の結末が脳裏をよぎり青くなるアルフ。その言動にクロノは大いに興味を持ったが、現状降伏する 様子のない相手、それも殺人犯とこれ以上問答する必要はないと感じたため実力行使に移ることにする。 「まあいい、話は後でゆっくり聞かせてもらう。……スティンガースナイプ!」 クロノ愛用のデバイス、S2Uの先端から発射された光弾が、不規則な螺旋を描きつつアルフに襲い かかる。敵は魔導師とそうでない者のコンビだが、まずこの場で先に倒しておくべきは重火器などを 持っている様子のないガラドーではなく、使い魔であるアルフだと判断したからだ。 「このっ……」 当たるとヤバイと判断したアルフはかわそうと大きく跳ねた。が、その瞬間である。 バチィッ! 「んなっ!いつの間に!?」 アルフの体をクロノの仕掛けておいたバインドが捕らえる。いったいいつ使っていたのか、それすらアルフには 分からなかった。 「やばっ!!」 誘導性能の極めて高いスティンガースナイプが身動きのとれない相手を外すことなどないが、 それは何の邪魔も入らなければの話だ。スティンガースナイプがアルフを撃ち抜こうとする最中、 ガラドーはクロノに攻撃を仕掛けていた。だが思考を並列処理し、戦場での多角的な対応を 可能とする執務官はそれを喰らうようなことはない。 「ラウンドシールド!」 キィンと甲高い金属の衝突音が響く。投げ放たれた4発の十字手裏剣はクロノが片手間に張った シールドで防がれていた。が、その結果はクロノを驚かせるには十分だった。ほぼ同時としか思え ない速度で立て続けに投げつけられたその小さな金属片は、ラウンドシールドに弾かれることもなく 突き刺さっていたのだ。 (どんな強度の物質だ?いや、どんな力で投げれば……) ドオォンッ!! 「うわあっ!?」 瞬間、クロノの思考は衝撃に揺さぶられた。ラウンドシールドに刺さっていた手裏剣が爆発したためだ。 シールドの破壊には至らないもののかなりの衝撃を受けたクロノは、シールドごと弾き飛ばされる。 同時に魔法の制御が乱れ、アルフに迫っていたスティンガースナイプはあらぬ方向へ曲がって床に激突し、 消滅してしまった。この隙にゆるんだバインドを破壊してアルフは自由の身となる。 (今のは何だ、爆弾か!?あの小ささでなんて威力だ!) 恐ろしい威力の質量兵器。ユーノから話には聞いていたが、実際受けてみるとその威力に戦慄を禁じ得ない。 立て続けに喰らえばその衝撃はバリアジャケットを貫いて、クロノの体をずたずたにするだろう。 「やはり相当の手練れのようだな……」 一方攻撃を防がれたガラドーには驚いた様子はなかった。この程度でやられるようなら彼の直感が 『強敵』と認識するはずはないからだ。だが、小手調べはここまで。ここからは本気だ。 「だが、この技はどうだ!」 その瞬間、ガラドーの姿が一気に増える。クロノだけでなくアルフもその光景に目を見開いた。 「幻術か!?いや、魔法は使っていない!これは一体!?」 「ぶ、分身!?」 ミッドチルダ式の魔法には、虚像を作り出して相手の目を惑わす幻術といわれる魔法が存在するが、 ガラドーの分身はそういった類の物ではない。肉体の改造と飽くなき鍛錬のみが為し得る奇跡の ような業だった。 「くそっ!魔力も無しにこんな真似を!」 クロノの驚愕をよそに、5人のガラドーは少しずつタイミングをずらしながらクロノに飛びかかった。 身軽なガラドーにとってクロノの浮いている『高さ』はアドバンテージとはならない。 虚実織り交ぜた短刀での攻撃が四方八方からクロノに襲いかかる。 (チャンスだ!) ここぞとばかりにアルフも攻撃を仕掛ける。ガラドーの攻撃の隙間を縫うように、二十発ほどのフォトン ランサーが発射される。図らずも上手くいった連携にアルフとガラドーは勝利を期待した。だが―――― 「この程度で落ちるほど執務官は甘くない!」 通じなかった。フォトンランサーはフィールドで受け流し、さらにはガラドーの分身を見切り実体のある 攻撃のみをシールドで弾く。並の魔導師ならば為す術もなく落とされるであろう連携をクロノは防いで みせたのだ。 (今のを防ぐのか!?) (畜生、やっぱり執務官には歯が立たない!どうにかして逃げないと…) 執務官クロノ・ハラオウンは恐るべき敵である。今のガラドーでは勝てぬほどに。 事ここにいたってついに彼は撤退を決意した。 「アルフ、脱出の魔法はあるか?」 「一応……でもあいつが許してくれるかどうか」 「許すわけがないだろう。君達は危険すぎる」 小声で交わしたガラドーとアルフの会話に、しっかり聞こえているのかクロノが割り込んでくる。 おそらくは視覚や聴覚といった感覚を強化する魔法を使っているのだろう。 「だから…完全に無力化してから連行する!」 その瞬間廃屋の中に漲るクロノの魔力。 「ウソだろ!?」 「これは…!」 まるで室内全てを貫かんとするがごとく、100以上の魔力刃が出現する。 あとは呪文を唱えれば魔力刃が雨のように降り注ぎ、目標を制圧するだろう。 全ての虚像もろとも撃ち抜けば、どれだけ分身しようが関係ない。 「スティンガーブレイド・エクスキューショぐッ……!」 魔法を放つ直前、いきなりクロノの呼吸が詰まった。紐のような物が首に巻き付き、クロノを絞め 殺そうとしている。同時にS2Uを持つ右手と左足にも何かが巻き付く。 「ガラドー様!ここは我らに任せてあなたは脱出を!」 「お前達!」 昏倒していたかに見えた3人の影が、隙を見て特殊ロープを投げつけクロノを捕らえたのだ。 「馬鹿な、もう目覚めて…うわああぁっ!!」 影達がスイッチを押すと電流がロープを伝い、クロノの体にダメージを与える。 その威力は装甲の厚い戦闘ロボットにもかなりのダメージを与えるほどだったが、バリアジャケットで 守られたクロノにはそこまでの効果はない。だが、集中を乱し大規模な魔法の行使を妨げる程度の 痛みは与えていた。 「くそ、このガキ化け物か!」 「構うな、時間を稼ぐんだ!」 3人の影は含み針や手裏剣でさらに攻撃するも、クロノは電流の痛みに耐えながら防御魔法で的確に 自分の身を守っていく。バリアジャケットを解除せず徐々に耐電撃仕様にシフトしていくことで、 その動きは目に見えてよくなっていき、影の攻撃は時間稼ぎにもならなくなりつつあった。 影達にも分かっていた。目の前のこの少年は今の自分達では勝てないと。そして彼があと少し呪文を 唱えれば魔法が完成し、頭上を埋め尽くす刃が降り注いで自分達が全滅することも。 「ガラドー様、お早く!」 「馬鹿な、お前達を見捨てて俺だけ逃げられるか!」 と、そこで何かを呟いていたアルフがガラドーに小声で話しかける。 「ガラドー。一瞬でいい、あいつに隙を作ってくれれば全員で逃げられるよ」 「……任せる」 「魔法陣が出たらあたしの周りにあいつらを集めてくれ」 「応!」 ガラドーはアルフの言葉を聞くと、指先を軽く何度か動かして影達に指示を送った。 一方バリアジャケットのプログラム切り替えが完了し、電撃のダメージがほとんど通らなくなった クロノは速やかに魔法を発動させようとしていた。詠唱が中断されいくらかの魔力刃は消滅したが、 大半はまだ頭上に残っている。 「スティンガーブレイド…」 その時クロノの眼前に丸い何かが投げつけられた。爆弾の可能性もあるため、シールドとフィールドを 二段重ねで張る。今度はどんな攻撃があっても魔法を発動させるつもりだった。 「エクス…」 その丸い何かが炸裂する。クロノの体に爆発の音も衝撃も来ない。ただ、もうもうと広がる真っ白い 煙が彼の視界を埋め尽くす。 (な、何だ!?) 「キューション…!?」 質量兵器と呼べるかも定かではない原始的な忍の道具、煙玉。想像以上のローテクで攻撃された クロノは、一瞬視界同様に頭の中も真っ白にしてしまう。爆薬仕込みの十字手裏剣のような部分的に 管理局の技術力を超えた武器や、使い魔のような魔法文明の落とし子を相手にしていたため その落差によるショックは大きい。 そして煙が広がると同時にクロノの体に巻き付いていたロープを引く力がなくなり、煙の向こうで アルフの魔力反応が強まるのを感じる。 (視界をふさがれても隙間無く攻撃すれば同じ事……いや、こいつら逃げる気か!) 「…シフト!」 敵の目的に気付いたクロノは慌てて魔法を発動する。だが、気付くのが遅すぎた。 スティンガーブレイドの着弾とほぼ同時に魔力反応と気配が消え失せる。 『転移魔法か!エイミィ、追跡は!』 『転移先は……ダメ!多重転移してる、追いきれない!』 スティンガーブレイドの何発かは手応えがあった。だが転送で逃げ切られては何の意味もない。 煙が晴れたそこには、もう敵の姿はなかった。 「くそ。なんて奴らだネロス帝国…」 アルフによって命を奪われた少女の亡骸だけが残る現場を見下ろして、クロノは苦々しげに呟いた。 みすみす犯罪者を取り逃がした悔しさが胸を占める。 ネロス帝国との最初の戦いは敗北であると、彼は思っていた。 「……それでお前らはおめおめと逃げ帰ってきたっちゅうんか。帝国の恥さらしやな!」 ガラドーの報告が一区切り吐いたところで、ゲルドリングが嫌味満点な口振りで糾弾を開始する。 この男は他の軍団に失態があれば、自分の所は棚に上げてその非をあげつらうことを常としていた。 「待て、ガラドーは伊集院唯の暗殺という目的は達成している。未確認の敵の情報を持ち帰った 点を鑑みても責められるいわれはないはずだ」 「帝国に刃向かう敵が出てきたら、命に替えてもそいつを仕留めるんが筋……」 「報告いたします!!」 ゲルドリングの言葉をぶった切って、暴魂チューボの大声が謁見の間に響き渡った。 「いきなりなんや、おい!」 「今し方、ゲート6付近で時空管理局と名乗る魔法使いどもと交戦しました!」 突然乱入してきたチューボの言葉に、どよめきが広がる。 「詳しく報告するのだチューボ!」 「はっ!本日、自主トレーニングの途中ゲート6付近で不審者を発見、これと交戦しました。 奴ら自身の語るところによれば時空管理局は異世界の官憲に当たる存在で、使い方次第では 地球を滅ぼす兵器にもなり得るというジュエルシードの回収任務にあたっているようです。 また奴らの中にはブルチェックが以前回収した小動物らしき輩がおり、帝国の情報も漏れている物と 考えられます。ゲートの付近に来ていたのがその証拠かと」 「ぬうう、やはりあの時の奴が!」 帝王は怒りを露わに声を荒げる。ブルチェックがこの場にいれば回路に掛かる負荷が増大しすぎて ショートしていたかもしれない。 「ロビンケンと協力し、3人のうち2人は深手を負わせましたが、奴らは瞬間移動を使用し脱出。 取り逃がしてしまいました」 「チューボ!お前は帝国の秘密を知る者を取り逃がしたというのか!」 「申し開きの言葉もありません!」 チューボは帝王の前に平伏しながら、懐から1枚のカードを差し出した。 「これは敵の所持していたデバイスです。管理局の技術を知るには良き品と考え、奪取して参りました」 「む……」 思わぬ戦利品に帝王の激昂は少しなりを潜める。 「現在ゲート6付近ではロビンケンが警戒を続けています。帝王、おそらくゲート6はその所在が 知られているはず。一刻も早い破棄を進言いたします」 「ふむ、そうだな……チューボよ、ロビンケンを呼び戻し、直ちにゲート6を抹消せよ」 「ははっ!」 帝王の命を受け、チューボは急ぎ足で退室していった。 「さて……」 帝王は右手でレイジングハートを弄び、左手に持った汎用ストレージデバイスを眺めながら思案していた。 (作戦の修正が必要だな…) 帝王ゴッドネロスは天才的な頭脳の持ち主である。それはネロス帝国の戦闘員の殆どが彼の手で作られて いることからも分かるし、また世界経済の大半を牛耳るに至った経営手腕からも分かる。その頭脳が今 高速で稼動し、新たなプランを生み出そうとしていた。 まず彼は機甲軍団の軍団長ドランガーに命を下す。 「ドランガー、ジュエルシードの探索はどうなっている?」 「発見の報は入っておりません」 「ならば機甲軍団は一旦全軍を呼び戻せ」 「はっ!」 続いて帝王はアルフに声をかけた。 「アルフよ」 「えっ!?あ、はい!」 「時空管理局がいかなるものか皆に説明せよ」 「わかっ…分かりました」 ともすれば普段の言葉遣いが出そうになるが、「貴様、帝王に対して不敬だぞ!」などと言われる羽目に なってはたまらないのでアルフは精一杯丁寧に返答する。 「ええと、まず時空管理局っていうのは……」 帝王自身はレイジングハートからある程度の情報を得ていたが、アルフの口から語られる管理局の姿は また違った角度から見たもののため、帝王の好奇心を十分に満たしてくれた。 そしてアルフの説明が終わった後である。戦闘ロボット軍団烈闘士ザーゲンが進み出て発言した。 「恐れながら帝王、このアルフが時空管理局と通じている可能性があるのでは?」 ドクロのような頭部に左手の大鎌、死神の異名を持つ男はアルフに冷ややかな視線を向ける。 だが助け船は意外なところから出された。爆闘士ガラドーである。 「いや、アルフに奴らと通じている様子はなかった。むしろ恐れている様子だったな」 ザーゲンはそれを聞いてガラドーとアルフを交互に見ていたが、やがて忍びのガラドーがそこまで 言うならば、と発言を取り下げた。それを見たアルフは、全員連れて脱出できたことでガラドーに 恩を売れたのではないかと思い内心で喜んでいた。 帝王は最後に、ゲルドリングを呼ぶ。 「ゲルドリングよ、お前達モンスター軍団には特別任務を与える」 「へえ、なんでもしまっせ」 「犬を連れてこい」 「は?」 一瞬、帝王が何を言っているのか分からなかったゲルドリングは目をぱちくりとさせる。 「犬、でっか?」 「そうだ、試したいことがある。早急に捕まえてくるのだ」 「お任せ下さい帝王。おうお前ら、帝王直々のご命や、気合い入れて行くで!」 そう言うと、ゲルドリングは配下を引きつれて謁見の間を出ていく。 「それでは本日はここまでとする。各員、時空管理局との戦いに備えて体を休めておけ」 『ははっ!!』 帝王の姿が消え、その日の会議はそれで閉会となる。 内容の濃すぎる1日を過ごしたアルフは、ようやく休むことが出来そうだった。 「まさか、ここまでやられるなんて……」 リンディは唸った。ユーノの話を聞きネロス帝国が恐ろしい相手であると認識していても、 正直ここまで武装局員が一方的にやられる程とは思っていなかった。 「完全に私の判断ミスだわ……。エイミィ、二人の様子はどう?」 「クラッド君はまだ予断を許さないそうです。出血が多すぎたそうで……。 キール君は峠を越えたようです。現場への復帰は当分無理ですけど」 「……そう。他の局員は?」 「すでに帰投しています。残念ながら成果はなかったそうですが」 「構わないわ、今は安全を最優先になさい」 そこまで報告を聞いてリンディはふう、とため息を吐いた。 「手痛い犠牲を払って得た成果が出入り口1つ、か」 「でも艦長、ここを監視してればネロス帝国の動きも掴めますよ」 「そうだといいんだけど…」 リンディにはそう思えなかった。見かけこそ若いもののリンディも管理局ではかなりのベテランだ。 長年培ってきたその経験が彼女に警告する、そんな甘い相手ではないと。 「艦長!目標に動きがありました!」 オペレーターであるランディの報告で、ブリッジクルーの視線がモニターに集まる。 モニターには、地中に格納中のゲートと、その付近で警戒を続けるロビンケンが映っていた。 ロビンケンがしゃがみこみ地面に向かって何かをやると、ゴーストバンクへと通じるゲートが 地表に姿を現す。 「へっへーん、一旦捕まればもうアースラのサーチャーからは逃げられないよ」 言いながらキーボードを叩くエイミィ。一挙手一投足も見逃さないつもりであった。 「どうやら向こうも帰還するようですね」 迷彩カラーの装甲がゲートの中に消えていくのを見ながら、アレックスが現況を語る。 「まあしばらくはここを見張って…」 ドオオォォォン!!! アレックスの言葉を遮るように、突如響き渡る轟音。画面の中ではゲートのあった場所から土煙が 立ち昇っている。 「一体何!?……ええ!?これって、まさか!」 「何があったのエイミィ、報告して」 サーチャーが集めたデータを整理して、エイミィは頭を抱えた。そこに示されているのは、苦労して 発見した監視対象の消滅だったからだ。 「地中より激しい振動を感知、おそらくは爆薬によるものと思われます。威力から見て、あの 出入り口を丸ごと爆破したのではないかと。……ホント、なんて奴らよ!」 「ばれそうになったから出入り口そのものを消滅させたってことなの…?」 そこに、扉を開けてクロノがブリッジへ入ってくる。 「どうやら、ネロス帝国というのは相当の曲者らしいな」 「クロノ君大丈夫?こっちから見る限り結構苦戦してたみたいだけど」 「クリーンヒットは1発も貰ってないよ。1発でもくらってたら今頃僕も医務室の世話になってる ところだが」 元気そうな息子の様子にホッとするリンディだったが、すぐに表情を引き締め『母親』ではなく 『艦長』としての顔でクロノに問いかけた。 「クロノ・ハラオウン執務官、ネロス帝国と交戦してみてあなたはどう思いましたか?」 「彼らは危険です。まず殺人という行為を当たり前のように実行に移すその精神。それに武装の レベルや戦闘技術も侮れません。ユーノの奴が言っていたとおり、質量兵器を中心とした一部の 技術では管理局を上回っている可能性は高いです」 そこで一旦クロノは言葉を切る。続けて何を言うべきか、彼にしては珍しく迷っている様子だった。 「だけど、どうにも妙でした」 「妙、というのは?」 「使い魔の存在が浮きすぎています。あの組織に次元犯罪者が絡んでいるとしたら、あまりに魔法への 備えがなさすぎる。あいつら、腕は立つのにまるで初めて魔導師と戦ったみたいにちぐはぐでした。 それにあの使い魔が何を言おうとしていたのか気になります」 「魔法を知らない現地の犯罪組織が、たまたまこの世界に来てた魔導師を捕まえた、なんてことないよね」 偶然とは言えエイミィの当てずっぽうな推理はかなり核心を捕らえていた。 もっとも今の彼らにそれを知ることは出来ないのだが。 「いや、まさかそんなことは…」 「肯定は出来ないけど否定する事も出来ないわね。まだ分からないことだらけよ、可能性を狭めるのは やめておきましょう。ところでエイミィ、ユーノ君はどうしているかしら」 「あー……部屋にいるみたいです。いきなりあれじゃあショック大きすぎですよね」 「同行した二人は瀕死の重傷、本人も殺されかけたわけだし……きっとひどく傷ついているわ。 あの子のケアのことも考えないと」 リンディ、クロン、エイミィはそろって深々とため息を吐いた。 「ホント、世界はこんなはずじゃないことばかりだ」 アルフは今ある理由で途方に暮れていた。 「腹減った…」 昼食は車の中でガラドーに分けて貰っていたのだが、夕食をどこでもらえばいいか分からず困って いたのだ。人ではないのだからモンスター軍団で食事をとるのが妥当でしょう、と秘書Kに言われて モンスター軍団のエリアに来てみたものの、「はあ?下っ端に食わせる飯なんかねえよ」「犬なんや からそのへんでネズミでも捕まえて食うたらどうや」などと心ない言葉を浴びせられた揚げ句食料を 得ることが出来なかったのだ。どうもいきのいい犬を捕まえるのに苦労しているらしく、同じイヌ科 であるアルフへの風当たりが厳しい。 (でもまあ、どっちみちあれは食べたくなかったしねえ) 思い出すのはモンスター軍団員がうまそうに食べていた食料。いや、あれを食料と呼んでいいものか、 モンスター軍団は大皿に山盛りになった白い泡のような物をうまそうに食っていたのだ。 (こうなりゃホントにその辺の山で何か捕まえて…) 「おおアルフ、ちょうどいいところにいたな。お前を捜していたところだ」 「…ガラドー?」 外出許可はどこでもらえばいいのか、と考え始めていたアルフにいきなり声をかけてきたのは 今日一日ですっかり見慣れた感のあるガラドーだった。相変わらず気配は感じなかったが。 「ついて来い」 「え?ああ、うん」 理由も言わず歩き出すガラドーに、反論する術を持たないアルフは仕方なくついていく。 その行き先は、ヨロイ軍団のエリアだった。 「よし、入れ」 「いったい何……え、これって」 ドアの中には広々とした空間があった。そこにはヨロイ軍団勢揃いか、と思うほど大勢のヨロイ軍団員と、 大きめのテーブルがいくつか、そしてなかなかに豪勢な肉を中心とする料理がたくさん用意されていた。 「こりゃ、いったい…」 「今日の戦い、お前がいなければ俺は影を犠牲にして逃げねばならんところだった。 これはせめてもの感謝の印だ」 「え…マジ?」 その時アルフ達が入ってきたのとは別の扉を開け、銀色の甲冑を纏う戦士が姿を現した。 その男、軍団長クールギンが食堂に入ってきた瞬間その場にいた全員が雑談をやめ、佇まいを整える。 クールギンは静かになった室内を通り過ぎると、何が起こるのかと内心ビクビクしているアルフの前 で歩みを止めた。 「私は凱聖クールギン、このヨロイ軍団の長を務めている。アルフよ、我が軍団の影を救ってくれた こと深く感謝する。我がヨロイ軍団は恩義には報いる主義だ。何か困ったことになったときは我が 軍団の者に相談するがいい。帝王の御意志に反しない範疇で力になろう」 「あ…その……ヨロシクオネガイシマスデス」 秘書Sから帝国のシステムについて簡単に説明を受けていたアルフはかなり驚いていた。凱聖といえば 帝王に次ぐ位置にある最高幹部のはず、その人物がわざわざ奴隷同然の扱いであるアルフに礼を言いに 来るのはアルフの常識では考えられない。相手が想像以上のVIPだったこともあってかなり緊張して しまったアルフは、使い慣れない敬語を使って片言の挨拶を返すのが精一杯だった。別段アルフは偉い 人間が苦手というわけではない。ネロス帝国の偉い人間の機嫌を損ねるわけにはいかない、という思い がアルフに緊張を強いたのだ。 「皆の者、今宵はアルフを虜囚ではなく客人として遇する。異議はあるか!」 『異議なし!』 「よし!ならば今宵は思う存分飲み、食らうのだ!新たな敵、時空管理局との戦に備え英気を養え!」 『応!』 かくして、アルフを交えての宴がヨロイ軍団で開かれたのであった。 「俺は暴魂チューボだ。お前達が戦った相手は若いが腕利きだったそうだな」 「ああ。執務官てのは管理局の中でもよっぽど腕の立つ奴でなきゃなれないエリートなんだ。 あの歳で執務官やってるってことは、あいつは天才ってやつだと思うよ」 「俺の戦った奴は腕はさほど大したことがなかったが、とにかく空を飛んでいるのがやっかいでなあ。 魔導師との戦い方を考えねば……。そうだ、アルフ。今度修行に付き合ってくれるか?」 「あたしで役に立てるなら喜んで」 「爆闘士ロビンケンだ。管理局という組織についていくつか聞きたい」 「あたしもあんまり詳しくは知らないけど、分かる範囲でいいなら答えるよ」 「助かる。まず、奴らの戦力規模はどれくらいだ?」 「管理局は次元世界に手を広げすぎて慢性的な人手不足らしいから、ここみたいな辺境の管理外世界には 次元航行艦単艦で来てると思うよ。一隻にどれくらいの戦力が乗ってるかまではちょっと……」 「雄闘バーロックだ。よろしく頼む」 「こちらこそよろしく」 「管理局が使う魔法について聞きたいんだが……」 「しかし、飯食うときでも仮面外さないのが結構いるんだねえ」 「別段不便はないさ、慣れているからな。口元さえ開けば食事はとれる」 「へえ……。そういや軍団長って人は全然食べてないみたいなんだけど」 「軍団長はいつもご自分の部屋で食事をとられる」 「そりゃまたなんで?」 「忠告しておこうアルフ、地球には『好奇心は猫を殺す』という言葉がある」 「ありがと……余計なことは考えないようにしとく」 「それでいい。特に帝王の身辺を探ろうなどとは考えんことだ。恩人を手に掛けたくはない」 「肝に銘じとくよ。……ええっと、あんたはなんて呼べばいい?」 「我々は影だ。個人を識別する名前など必要ない」 このように多くのヨロイ軍団員と交流を深めていたわけだが。 自分の手元にある大きな肉の塊を眺めながら、アルフはふと呟いた 「あたしだけこんないい思いしてていいのかな…」 宴に招待され今がチャンスとばかりに顔を売っていたアルフだが、未だ牢の中のフェイトを思うと 胸が痛む。 「どうした、好きなだけ食っていいんだぞ」 「フェイトのことが心配なんだよ。あの子、一人で寂しくしてないかな…」 その言葉を聞いて、一人の影が進み出た。 「軍団長、ビックウェインに差し入れを持っていこうと思うのですがよろしいでしょうか」 「なに、ビックウェインに?……ふ、そういうことか。いいだろう、許可する。奴も単調な任務で 暇を持て余しているだろう。退屈を紛らわせるものも何か持って行ってやれ」 「はっ!!」 言うが早いがその影はてきぱきと料理をまとめて部屋を出ていく。 「ガラドー、ビックウェインって…」 「牢の見張りをやっている戦闘ロボットだ」 「そっか。………ありがとう」 このネロス帝国を支配するゴッドネロスはまさに悪の権化だ。だけど、帝国を構成するメンバーは、 帝王ほど悪い奴らじゃないのかもしれない、そう思うアルフだった。 「なに、わしに差し入れ?」 「はい。もし必要なければ捕虜にくれてやるなり牢の中に捨てておくなり好きにしてくれ、 とのことです」 「ほう、これは……。分かった、好きにさせてもらう」 影の持ってきた包みを見て、大体の事情を察したビックウェインはそれ以上を聞かなかった。 「ところで、フェイトの様子はどうですか?」 「落ち込んではいるが今のところ健康状態に問題はないな」 「了解しました。それでは自分はこれで」 ビックウェインが呼び止める暇もなく、影はその場から姿を消す。 「あわただしい奴だな……。まあいい。フェイト、こいつはお前にやろう」 そう言ってビックウェインは、影の置いていった風呂敷包みを鉄格子の前に持って行った。 風呂敷をほどいた中からはタッパーに詰めた何種類かのご馳走と、数冊の本が出てくる。 「え?あの…だけど、これはあなたへの差し入れだって…」 フェイトには、何故自分がこんなものをもらうのかが理解できない。 「ロボットは飯を食わんよ。それにしても……わざわざこんなものが来るくらいだ、 アルフは上手くやっているようだな」 「アルフが!?」 「わしは今ここを離れられんが、今日何かしら戦闘があったことは聞いている。アルフがお前に 準じる強さを持っているというなら、働きを示せてもおかしくはない。もっとも、初日から 戦闘に駆り出された事には同情するがな」 目の前の少女がバーベリィを撃墜した事実を思い出しながら、ビックウェインは話し続ける。 「まあせっかくのもらいものだ。しっかり食べて体力を付けておけ」 「でも、その……私、こんなに食べられません……」 「食べられる分だけでいいから食べておくといい」 「……はい」 不自由極まりない身の上であったが、目の前のこのロボットが色々と自分に気を使ってくれて いることはフェイトにも分かった。無骨な戦闘ロボットらしく不器用ではあったが、その優しさが フェイトには嬉しかった。 (お父さんって、こんな感じなのかな…) ふと、知識でしか知らない単語がフェイトの脳裏をよぎった。それは母を裏切ってしまったと自分を 責め続ける少女に、ほんの少しだけあてられた暖かい光。あたかも血の池でもがく盗人が目の前に 垂らされた蜘蛛の糸に飛びつくように、フェイトはそこに縋ろうとしていた。母の下には帰れず、 使い魔とは連絡が取れず、世話係のウィズダムは悪い人間ではないがずっといるわけではない。 フェイトの閉ざされた世界には、他に救いがなかったから。 しばらくして、食事を終えたフェイトは風呂敷に入っていた本を開いてみた。 「………………………………」 「……どうした?」 無言で眉をひそめ、本とにらめっこするフェイトの様子を不審に思ったビックウェインは 思わず声をかけた。フェイトは何と答えていいのか迷っている様子だったが、やがて 僅かに頬を染めながらおずおずと答えた。 「……読めないんです」 「そういえば地球人ではないんだったな。なら本が読めないのも仕方なかろう」 どうやら字が読めないことを恥じているらしいフェイトを慰めると、ビックウェインは 1冊の本を手にとってみた。どうせ暇だし、子守の真似事をしてフェイトに本を読んでやるのも 悪くないかもしれないと思いながら。 「なんならわしが読んでやっても……」 タイトルを見て思わず絶句する。表紙には行書体で大きく『太平記』と書かれていた。 鎌倉幕府の滅亡から室町幕府の興り、南北朝の時代までを描いた軍記物語である。 「……ウィズダムにもう少し子供向けの書籍を手配させておこう」 「すみません……」 よく分からないが自分のせいかと思ったフェイトは反射的に謝ってしまう。これもプレシアによる 虐待の賜物だろう。ビックウェインがそのことに気付くことはなかったが。 「まったく、ヨロイ軍団の趣味は渋すぎていかん。せめて……」 小声で彼は怒りを露わにする。 「せめて現代語訳しておくべきだろうに!」 ――――論点が大きく間違っていた。 伝説の巨人ビックウェイン、戦闘以外は結構からっきしの3級品なのかもしれない。 ネロス帝国との初戦は管理局にとって苦い結果となった。 心に傷を負ったユーノは、全てを忘れるためにがむしゃらに働く。 だが、アースラの総力を結集しても帝国の正体は全く掴めなかった。 一方帝王ゴッドネロスは恐ろしい計画を着々と進めていた! 次回、魔法帝王リリカルネロス 「ここは地の底、ゴーストバンク」 こいつはすごいぜ! 提 供 桐原コンツェルン ヨロイ軍団 時 空 管 理 局 このSSは、野望をクリエイトする企業、桐原と 和の心を愛するヨロイ軍団、 ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/4501.html
最新話 我、使命を受けし者なり 契約のもと、その力を解き放て 風は空に、月は天に そして不屈の心はこの胸に——— この手に魔法を! レイジングハート、セットアップ! あらすじ 遠野家当主の遠野秋葉は、屋敷の書庫で見覚えの無い宝玉を見つけた。 秋葉をマスターと呼ぶその宝玉は、レンが危険な目に遭うと忠告をしてきた。 秋葉はその言葉を信じて魔法少女へと変身し、レンの元へと駆けつけるのであった。 解説 遠野秋葉を魔法少女にしてみたら・・・というストーリー。 タイトルからもわかるようにリリカルなのはが元ネタ。 ただ、原作に沿っているかと言われたら盛大にぶん投げていたり。 Aパート、アイキャッチ、Bパート、次回予告と、アニメ的な動画構成になっている。 出演キャラクター 主人公 + ... 遠野秋葉 高校生で遠野家当主。ひょんな事から飛散したジュエルシードを回収することに 知識が偏っているのはご愛敬。ある程度は原作準拠だし レイジングハートの力で魔法少女に変身する 遠野家 + ... 遠野志貴 秋葉の兄。伝奇茸成分は大幅削除の他は至って普通の志貴 琥珀 遠野の屋敷の使用人 翡翠 遠野の屋敷のメイドさん。 裏でこっそりと小説家をしている。 レン 黒い方だけど喋る。レイジングハートの本来の持ち主であったがドジっ子故に解約される。 メカヒスイ 琥珀の作るオートマタ アルクェイド 遠野家に転がり込んでくる女優。女優? レンとは過去に因縁がありそうだが……? 周囲の人々 + ... 月宮あゆ 秋葉の同級生。立場的にはなのは 本田飛鳥 秋葉の同級生。立場的にはすずか 朝倉涼子 秋葉の先輩。 弓塚さつき 秋葉の先輩。謎のはらぺこ属性付与 七夜志貴 遠野志貴の双子の弟。紅魔館在住 謎の組織 + ... 白レン 組織のボス。いわゆる社長 ネコアルク 普通の会社なら一般社員。下っ端だが猫 怪人蜘蛛男 動物愛護に燃える男 いさぎよく引き下がる男 アドラー 普通の会社では部長にあたる人。 社員が猫なので汚れ役は大体彼の元に エレクトロゾルダート いわゆる戦闘員 ムラクモ 普通の会社では専務にあたる人 05話において魔法少女に勧誘された人たち カティ タマラ 天海春香 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン その他 + ... 01話 + ... うどんげ 極東航空の添乗員。苦労をしている ネコアルク・カオス 飛行機の旅客 幾度となく騒ぎを起こしているようである リュウ ジュエルシードによって凶暴化していた格闘家 02話 + ... メイドさん 喫茶店「ル・マン」のメイド。ニコニコとした笑顔のままで過激で容赦のない言葉を言う 進藤さつき リポーター 犬走椛 ディレクター 03話 + ... 安栖頼子 翡翠の担当編集者。本来はアルカナムー希望 霧雨魔理沙 賞の受賞者 西行寺幽々子 ある時は大食いタレント、ある時は白玉楼ケーブルテレビの社長、またある時は墓地の管理人。しかしてその正体とは―― ナンバーナイン パーティ会場であるものを盗み出す、が… ルガール運送の人 倉田佐祐理 現・ルガール運送社長。 夫とは既に死別 マチュア バイス いわゆる社長秘書の二人 04話 + ... 紅魔館在住の人々 パチュリー・ノーレッジ 軋間紅摩 05話 + ... チルノ 博麗霊夢 マユラ ライバル枠 Unknown 06話 + ... 水橋パルスィ 地霊殿の案内役 古明地さとり 火焔猫燐 橙 八雲の使い 柏木千鶴 秋葉の旧知 姫海棠はたて 文々。新聞社の社員 因幡てゐ 射命丸文 舞台裏 + ... シエル先生 遠野四季 解説役はこの二人。要はネロア被害者友の会 コメント + ... 2話を見かけてついカッとなって作った。後悔はしてないが記事の出来は反省している。 -- 名無しさん (2010-05-15 09 23 29) よく作った。乙 -- 名無しさん (2010-05-15 10 39 48) 解説が増えてる。乙 -- 名無しさん (2010-05-16 02 07 34) どうでもいいが同級生がともにDカップなのは何故?偶然?それとも故意(秋葉イジメ)? -- 名無しさん (2010-05-16 03 10 14) ↑そこはお約束でしょ なのちゃんなのかと思ったらやっぱり魔砲少女の方なのね -- 名無しさん (2010-05-16 06 49 11) ↑しかし中の人はなのちゃんという矛盾。というかもしかしてネタ元これか? -- 名無しさん (2010-05-16 15 06 22) なるほどなるほど、歳はいっているが胸は少・・・・おや、誰か来たようだ -- 名無しさん (2010-05-16 16 55 22) 秋葉様はスレンダーかわいいからいいんだ 本人が気にしてるところがまたいいんだ -- 名無しさん (2010-05-16 18 38 14) 自分の作品のページが作られるとは、奇跡みたいだねぇ。あーうー。ただ、内容はちょいちょい修正するかも -- 柏原まるは (2010-05-17 02 34 25) ↑どうぞどうぞ。視聴者にはわからない匙加減とかあると思いますし -- 立てた人 (2010-05-17 03 10 35) だれかとらハなのはも作らんかねぇ。必殺技とかほとんど久遠任せになりそうだが。 -- 名無しさん (2010-07-18 14 40 58) ↑ストライカーで兄と姉と居候二名が乱入してくるんですね、わかります。12Pは画面内に全員いるとかのカオスを期待したいry -- 名無しさん (2011-06-25 01 33 34) 05話までの人物を修正、暫定版。 -- 柏原まるは (2011-09-24 02 24 52) 名前 コメント マイリスト マイリスト
https://w.atwiki.jp/bana/pages/276.html
目次 基本情報 概要 攻撃武器:マンモス大砲 ステータス 昇級データ 訓練コスト 治療コスト アップデート履歴 ギャラリー コメント 基本情報 マンモス戦車 英語名 Mammoth Tank 内部ID veh_mammoth_player_tank ユニットタイプ critter 属性 動物, 戦車, 金属 訓練施設 車両工場 プレイヤー必要レベル 45 訓練施設の必要レベル 1 遮断 遮断 防御 ベース 100% _85% _85% 125% 装甲 _25% _25% 100% _75% 耐性 極寒 概要 概要、使用感を募集中。 攻撃 武器:マンモス大砲 マンモス大砲 弾薬 4 リロード 6ターン + 続きを表示 戦車砲弾 内部ID tankGun_1shot 攻撃アイコン ダメージタイプ 射程 1-3 射程圏 第一線 攻撃対象 地上 使用火薬数 1 補給時間 2ターン 武器冷却時間 1ターン 装甲貫通力 75% 2ndDMG% 10% DMG_distraction 0.5, Bonus 0% 備考 遠距離攻撃低下 -10, ランク 1 2 3 4 5 6 ダメージ 149-182 163-200 178-218 193-236 208-254 223-273 攻撃力 30 35 40 45 50 55 基本大打撃率 5% 5% 5% 5% 5% 5% 【攻撃位置】選択可能マス 【攻撃範囲:選択】減衰率 1.00 【拡散範囲】なし 矢砲弾 内部ID tankGun_flechette 攻撃アイコン ダメージタイプ 射程 1-2 射程圏 第一線 攻撃対象 地上 使用火薬数 1 補給時間 2ターン 武器冷却時間 1ターン 装甲貫通力 25% 2ndDMG% 10% DMG_distraction 1.5, Bonus 10% 備考 ランク 1 2 3 4 5 6 ダメージ 44-54 (x3) 49-60 (x3) 53-65 (x3) 58-70 (x3) 62-76 (x3) 67-81 (x3) 攻撃力 30 35 40 45 50 55 基本大打撃率 5% 5% 5% 5% 5% 5% 大打撃% vs. 車両 45% 45% 45% 45% 45% 45% 【攻撃位置】選択可能マス 【攻撃範囲:選択】減衰率 1.00 【拡散範囲】減衰率 0.10 0.15 0.35 0.15 0.10 0.35 1.00 0.35 0.10 ステータス 昇級データ ステータス ランク 1 2 3 4 5 6 必要SP N/A 13,600 30,600 68,000 146,875 504,825 HP 450 490 (+40) 530 (+40) 550 (+20) 590 (+40) 620 (+30) 装甲 250 275 (+25) 300 (+25) 325 (+25) 350 (+25) 375 (+25) 勇敢さ 45 50 (+5) 55 (+5) 60 (+5) 65 (+5) 70 (+5) 防御 25 30 (+5) 35 (+5) 40 (+5) 45 (+5) 55 (+10) 回避 10 15 (+5) 20 (+5) 25 (+5) 30 (+5) 40 (+10) スロット 2 2 2 2 2 2 ダメージ 0% 10% 20% 30% 40% 50% 攻撃 0 5 10 15 20 25 大打撃率 0% 0% 0% 0% 0% 0% 昇級コスト N/A 4h46,2409,825 12h131,08011,700 1d333,44813,72513 2d792,73615,92535 2d1,467,52418,2756 昇級報酬 N/A 2,200 3,600 5,200 7,000 9,000 撃破SP 160 180 200 216 232 248 撃破Gold 800 900 1000 1080 1160 1240 PvPコスト 40 45 50 54 58 62 更新:2013/11/30 訓練コスト 検証中のため数値に誤差がある可能性があります。 車両工場 レベル 1 3 5 7 9 11 13 15 時間 23h24m 21h31m40s 19h30m 18h 16h12m 12h38m9s 8h46m30s 5h24m ナノポ 70 70 70 70 70 70 70 70 治療コスト 検証中のため数値に誤差がある可能性があります。 通常 レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 時間 4h30m 4h30m 4h30m 4h30m 4h30m 4h3m 3h36m 3h9m 2h42m 1h48m Gold 27,000 22,500 18,000 16,200 14,400 12,600 11,571 10,800 9,900 9,000 鋼 3,600 3,000 2,400 2,160 1,920 1,680 1,543 1,440 1,320 1,200 部品 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ネックレス 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ハイテク レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 時間 4h3m 4h3m 4h3m 4h3m 4h3m 3h36m 3h9m 2h42m 2h15m 1h21m Gold 23,400 18,900 14,400 12,600 10,800 9,000 8,100 7,200 6,210 5,400 鋼 3,120 2,520 1,920 1,680 1,440 1,200 1,080 960 828 720 部品 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ネックレス 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 更新:2013/11/30 アップデート履歴 x.x導入 ギャラリー コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 最新の10件を表示しています。 wikiタグ critter ユニット 動物 戦車 極寒耐性 金属
https://w.atwiki.jp/kattenisrc/pages/366.html
147 :名無しさん(ザコ):2011/10/30(日) 23 36 57 ID kWOhqc8c0 スパイダーマン(SPDT)(スパイダーマン) 東映とマーベルの権利契約の一環で誕生した和製スパイディ。 [[等身大]]の彼は神速+地形適応+2P縛をはじめとしたの突撃隊長的な縛り屋になる。HP回復はあるがかなり脆いリアル系。 必殺技を持たず、縛属性のない武装の攻撃力が低いため、フォローしてくれる仲間がいなければ少々撃破に苦労するだろう。 移動形態のGP-7は一転してスーパー系となり、数多くの武器を持ち、珍しく降りた時より攻撃力が高い。 HPやENなどが降りた時とは異なるため、数値の減少した時の変形では思わぬ消費具合になるかも。 この東映スパイダーマンのもう一つの特徴、それはラスボスをもひとひねりにした秒殺伝説レオパルドンであろう。 3コマ秒殺された強力チームの一員と同名なのは偶然だろうか(スパイダーマンの方が登場は先)。 この巨大基準ロボットは、強固な耐久力と強力なP兵器が目玉となる。 中でも最強武器のソードビッカーはEN消費が100と尋常ではないが、それだけに火力は強力。 スパイダーマン自身が神速気合を持ち、さらにSP高成長も付くので速効性も高い。 変形形態のマーベラーはレオパルドンより機動力と装甲が高くなるが、運動性は落ちる上に射程4の武器は最接近されると何もできないので使いどころには注意。 巨大基準のGP-7は飛行+移動5と機動性が高い。貧弱な武装には目をつぶろう。 レオパルドンなどと自在に変形できないのが残念ではある。