約 970,060 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1072.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (9)罪の自覚 暫く前、それはほんの暫く前の物語。 ナインタイタンズ。 ウルザ、テイザー、ダリア、フレイアリーズ、クリスティナ、ウィンドグレイス卿、ガフ提督、ボウ・リヴァー、テヴェシュ・ザットからなる九人のプレインズウォーカーの連合軍。 彼らの目的こそは、暗黒次元ファイレクシア、その九つのスフィアに精神爆弾を設置し破壊することである。 そうなればファイレクシアの次元は壊滅し、ドミナリアを侵略しようとするヨーグモスの野望は阻止される。 勇敢で偉大なるプレインズウォーカー達、しかし、彼らの中にも裏切り者がいたのだ。 邪悪なる黒きドラゴンの王テヴェシュ・ザットが彼らを裏切り、クリスティナとダリアを殺害した。 その裏切りを察知したウルザは、速やかなる反応でテヴェシュ・ザットを粛清する。 「ウルザ!あなたはザットが裏切ることを知っていた!なぜだ!?なぜ放置した!」 あまりに冷静に受け止めるウルザへ、仲間達の追及。 「ザットが我々を裏切るのを知ってたか?」 ウルザはさも面白そうに聞いた。 「それを当てにしていたのだよ」 そう、ウルザの目的はザットを粛清し、その魂を精神爆弾の燃料にすることにあった。 その為にクリスティナとダリアを犠牲にしたのだ。 「自分を正当化するな、ウルザ。お前は男が女を愛しているように、ファイレクシアを愛している。 この世界のラインを、機械達を、完成された設計を愛している。 お前はこの世界を破壊したくないと、自分の物としたいと思っている!」 テイザー、ウルザの仕掛けた罠により命を落とした、最も古き力あるプレインズウォーカーの語る真実。 ファイレクシア、第八階層。 そこでウルザを待っていたのは、ヨーグモスの誘惑であった。 アーティファクト使いとして、理想の世界ファイレクシア。 心の何処かで、それを求めていなかったといえば嘘となる。 いや、真実、ウルザはこの邪悪な誘惑に屈してしまう。 そしてヨーグモスのテスト。 ヨーグモスにつれて来られたそこで、ウルザは奇妙なものを発見する。 皮を剥がれ石にはりつけにされ、暗黒卿によって永遠の拷問を与え続けられている何者か。 「………ミシュラ?」 そこにあったのは実の弟、ミシュラの姿であった。 今はウルザの瞳に納まっている二つのパワーストーン。 それを互いに奪い合い争い、最後はファイレクシアに唆され、兄弟戦争を引き起こしたミシュラ。 彼の憎しみの原点である弟の哀れな姿であった。 『兄さん、助けてくれ………お願いだ、助けてくれよ兄さん』 夢か現か、哀れにも苦痛に呻き、助けを求めるミシュラ。 「………」 ウルザは己自身の罪を自覚した。 止まれない、止まることなど出来ないのだ。 『兄さん、お願いだ、お願いだよ…』 助けを求めるミシュラを無視し、進み始めるウルザ。 アルゴスの地を吹き飛ばし、弟ミシュラを殺した。 自らを匿った聖なるセラの次元を崩壊に導いた。 トレイリアの時間移動実験では多数の若者の命を奪った 親友であったバリンさえ、最後には利用し、死なせてしまった。 人造生命体メタスランの創造、キャパシェンの血統実験。 既に己の手は罪で血塗られている。 数々の罪、それらの声がウルザを苛む、けれどその歩み止めさせはしない。 後悔はない。 けれど本当に?後悔はしていない?もしもやり直せるとしても? 「宝箱でね」 ここはニューカッスルの城、その城内にあるウェールズの居室である。 空賊の黒船に偽装された『イーグル』号はニューカッスルの秘密の港に入港し、無事城へと辿り着くことができた。 そして今、ルイズはウェールズに連れられて彼の私室へと招かれているのであった。 ウェールズが取り出した小箱、彼はそれを開き、中から一通の手紙を取り出す。 まるで壊れ物であるように、丁寧に、そして愛おしそうに口付けたあと、開いてゆっくりと読む。 何度も読まれたのであろう、ボロボロになった手紙。 それを大切に閉じて、封筒に入れると、ルイズに手渡した。 「これが、姫から頂いた手紙だ。この通り、確かに返却したよ」 「ありがとうございます」 ルイズは深々と頭を下げると、アンリエッタの心であるその手紙を受け取った。 「明日の正午、この城に向けて反乱軍の大攻勢が行われる。我が軍は三百、対する敵軍は五万。 我々は全滅する。しかし、王家の誇りにかけて、勇敢に戦って死ぬつもりだ。 それに先立ち明朝、非戦闘員を乗せた『イーグル』号が、ここを出港する。 君はそれに乗って、トリステインにお帰りなさい」 ルイズは受け取った手紙をじっと見つめていたが、決心したように口を開いた。 「殿下…。失礼をお許しください。恐れながら、申し上げたきことがございます」 ウェールズの居室へ通されたのはルイズだけである。 ならばお付きであるところのウルザ・ワルドが何をしているかと言えば、居室の扉の前で衛兵のように左右に棒立ちしているのであった。 不動、まるで石のごとく揺らがない二人。 熟達の兵士であっても、平時にこの緊張感は無いだろう。 そんな中、ふいにワルドが口を開いた。 「私は明日、ルイズとここで結婚式を挙げるつもりだ」 「そうかね」 お互い前方を見据えたままの会話。 「この城は、明日墜ちる。その前に脱出するつもりだが、船には一人で乗ってもらいたい、ウルザ殿」 「分かった、ミス・ルイズがそのように言うなら私は一足先に船で出発しよう」 「ルイズは、僕が幸せにする。使い魔殿、あなたは、不要だ」 その後、部屋からウェールズと、何かを必死に堪えているルイズが出てきたことでこの話題は打ち切りとなった。 夜、城では華やかなパーティーが催された。 王党派の貴族達はきらびやかに着飾り、テーブルにはこの日のためにとって置かれた、さまざまなご馳走が並べられている。 全ては明日、終わりを迎える日のために。 貴族達は笑い、歌い、酒を飲み、明日のことなどどうということは無いかのように陽気を振りまく。 死を前に、明るく振舞うその姿はただ悲しさだけをルイズに突きつける。 愛する者を残して死ぬ人の気持ちが分からない、分かりたくない。 帰りたい、トリステインに帰りたい。 この国は嫌い、イヤな人達と、お馬鹿さんが一杯。 誰も彼もが自分のことしか考えていない、残された人のことなんて考えていない。 心の何処かでは分かってる、でも分かりたくない。 誰かに泣きつきたい、泣きついて、全てをぶちまけてしまいたい。 誰に?ウルザに?ワルドに? 違うと思った。 どちらにも、泣きついてはいけないと思った。 泣き付いたら、きっと立ち上がれなくなるから。 その日、ルイズは一人、部屋で眠りについた。 彼は狂人だが、機械ではない。そこに不幸がある。 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6004.html
前ページ聖剣と、ルイズ その日、世界は変わった。 ルイズはその兵器を使える唯一の人間だった。しかし、誰よりそれの恐ろしさを知っていた。だから使うのを嫌がった。 あれほど魔法に執着していたのに、あの日から私がいくらからかっても、軽くあしらうようになった。その頃の私は、魔法が成功して余裕ができた、その程度しか考えていなかった。だけど、そうじゃなかった。 「魔法が最高だと思ってるなんて、幸せね」 あの、疲れた表情と言葉が、未だに忘れられない。そのときは、私は無邪気に憤慨できた。あの兵器の威力を見る前は。 天空に放たれた光は、跳ね返るかのように地上に降り注ぎ、狙った大地を焦土にしてしまった。私はそれを、あの塔のモニターという遠見の鏡で見てしまった。 私は理解した。メイジがどんなに束になろうと、これには敵わないと。 キュルケの回顧録より ルイズは、エクスキャリバーを使う気はなかった。誰がどんなに請うても、首を縦に振らなかった。たとえアンリエッタが興味本位で撃つよう頼んでも、エレオノールが脅迫しても。アカデミーの人間がどんなに調べても、それを撃つどころか、一部の起動すらできなかった。 それの威力を知っている、そしてそれを造ったのが誰か知っているルイズは、魔法に固執しなくなった。平民でメイドのシエスタやコック長のマルトーなどとも親しくなり、よく話すようになった。同級生たちにそれをからかわれたりしたが、爆破してやるとそれもなくなった。キュルケは、それをいい傾向だと見ていたが。 しかし、そんな平和な日々は続かない。急遽決まったアンリエッタ姫の学院視察、その日の夜。 「ルイズ、力を貸して欲しいの」 突然の姫の訪問に、しかしルイズは驚かない。遥か天空の機械の眼から、彼女はアンリエッタが寮に向かってくるのを見ていた。 望む望まないに関わらず、ルイズは巨大な力を持っているのだ。 それは遺憾ながら、コルベールの滑らせた口からアカデミーのエレオノールを経て、王室に伝わっていた。『ヴァリエール家の三女が強力な兵器を召喚した』と。 「今、アルビオン王家に叛旗を翻している貴族たち、レコン・キスタをどうにかしないと、トリステインが危ないの。彼らは聖地奪還を掲げ、ハルケギニアの統一を目指しているわ」 アルビオンで内戦が起きているのはよく『見え』ていた。日に日に戦線を後退させ、今では浮遊大陸の隅にある城に篭城している。あれは、ニューカッスル城といっただろうか。 「そこで、トリステインはゲルマニアと同盟を結ぶことになりました。条件は、わたくしがゲルマニアに嫁ぐこと。成り上がりのあの国には、始祖の血という正当性がのどから手が出るほど欲しいものですから」 それを聞いても、ルイズの頭は冷静だった。かつての彼女なら憤慨していただろうが、異世界のあらゆる英知が詰まったその頭では、それが『しかたのないこと』と理解できてしまった。強大な勢力が統一を名目に宣戦布告してくるかもしれない、そして自国の国力ではそれに対抗できない、ならば力のある隣国と軍事同盟を結ぼう、しかし相手は政略結婚を条件にしてきた。それだけだ。幾度となく繰り返された歴史が、また繰り返されるだけの話。 「……アルビオンに、同盟を阻止できる何かがあるのですね?」 「――――っ。ええ、そうよ」 考えてみれば簡単な話だ。同盟ができなければ、トリステインはレコン・キスタに滅ぼされる。逆を言えば、レコン・キスタはトリステイン・ゲルマニアの同盟をなんとしても阻止したい。しかし、妨害できる材料がなければそのまま放置しておけばいいのだ。わざわざそれをルイズに話すということは―――― 「私に、その『何か』を取り戻して欲しいのですね?」 「……ええ。城には既にレコン・キスタの間諜が入り込んでいるらしいの。だから、信頼できるあなたに頼みに来たのよ。危険なのは判っているわ、だけどあなた以外に信じられる人がいないの……」 そして、彼女は、ルイズが一番触れられたくないことに触れてしまった。 「それに、あなたにはエクスキャリバーがあるじゃない。あれはとても強力な兵器と聞い」 「あれを、使えと言うのですか」 アンリエッタの笑顔が凍りつく。恐ろしく低い、今まで一度も聞いたことのない底冷えのする声。アンリエッタは一瞬、それが誰の声か判らなかった。 「そ、そうよ。平民の造った物とはいえ、あれもあなたの使い魔なのだから、あなたを護ることくらいなら……」 「姫様。あれの威力、レコン・キスタで試してみましょうか。二度とトリステインに楯突く国家は現れなくなるでしょう」 ルイズの表情は笑顔。しかし、アンリエッタはその笑顔を生涯忘れられなかった。世界の全てを呪ったような、そんな笑顔だった。 それから数日間、ルイズは学院とアカデミーの人間にエクスキャリバーの運用を叩き込んだ。エレオノールと学院の生徒は反発したが、アンリエッタとオスマンの命令が下達されると大人しく作業するようになった。 そして、後にD-dayと呼ばれるその日、ルイズとアンリエッタと、枢機卿マザリーニをはじめとする将軍や大臣が、トリステイン空軍旗艦メルカトールに乗り、アルビオンに発った。様々な問題や文句が大臣や将軍からあがったが、姫とヴァリエール家の三女の説得は、それを黙らせた。乗員の中にはヴァリエール公爵などルイズの家族がいたが、ルイズの一言でこれも黙らせた。 「お叱りは、結果を見てからでもできます」 そしてその日、歴史上最も短く、最も犠牲者の多い戦争が始まった。 風石を大量に消費し、メルカトールはニューカッスル城上空に現れた。トリステインによる突然の介入にアルビオン王家、レコン・キスタ共々驚いたが、たった一隻の援軍に、片方に絶望を、もう片方に嘲笑を与えた。 しかし、それは一回の手旗信号により変わる。 『レコン・キスタに告ぐ。我はトリステイン公爵ヴァリエール家が三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。即時降伏せよ。従わぬ場合は、光の鉄槌が諸君を襲うだろう』 レコン・キスタ側の空軍司令部、戦艦レキシントンの艦橋では、たちの悪い冗談だと思っていた。が、公爵家名義での通達だ、冗談では済まされない。 すぐに主砲をメルカトールに向け、返答を送る。 『こちらレコン・キスタ空軍司令サー・ジョンストン。その要求には従えない』 それが儀礼的なものとは、双方承知していた。 『了解した。トリステイン王国はレコン・キスタに宣戦布告する』 宣戦布告と同時に、ルイズはエクスキャリバーから持ってきた衛星通信機に声を吹き込む。 「作戦開始。目標、第一ポイント。敵旗艦」 外では将軍や大臣が敵主砲に怯えて騒いでいるが、すぐに大人しくなるだろう。今、艦橋にいるのは国の頂点に近しい者たちと最小限のクルーだけだ。即ち、アンリエッタ、マザリーニ、ヴァリエール公爵、ヴァリエール夫人、エレオノール、そしてルイズ。 「ルイズ、お前は、何をしたかわかっているのか?」 「もちろんです。ほら、お父様も敵艦を見ていないと。歴史の変わる瞬間を見逃しますわ」 「ちびルイズ! お父様に向かって……」 「あねさま。黙って見ていてください」 くるりとエレオノールに背を向け、エクスキャリバーに指示を出す。 「照射」 そして向き直り、 「これが、異世界の平民の力です」 その言葉と同時に、レキシントンは天空からの青い光に包まれた。 騒いでいた将軍大臣達、艦橋の人々、ニューカッスル城の王族貴族、そして、レコン・キスタ。レキシントンに乗っていた者と、光の下にいた者以外の、その場に居合わせた全ての人が、その光を見て唖然としていた。 たった数秒の、光の柱。それが、史上最大の戦艦を、消し去った。 「第二ポイント。敵主力戦艦群。照射」 時が止まったように動かない人々の中で、ただ一人、ルイズが淡々と通信機に命令を言う。 次に大きな戦艦が幾つか消え去った。 「第三ポイント。敵地上拠点。照射」 無慈悲にも、地上の野営地が焦土となる。 「後は指定ポイントを順次照射。民間人と市街には絶対に当てないよう注意すること」 その言葉は、さながら『元の世界』の軍人の様だった。 もう『照射』の声も無く、次々に光の柱が現れては消え、次々に人が、船が消えてゆく。 「どうです、姫様。私の言葉の意味が理解できましたか? 貴女は私に、『これを使え』と命じたのです」 ルイズは、震えていた。しかし、必死でそれを隠して、努めて平静を装い、アンリエッタに告げる。アンリエッタは、蒼白な顔で涙を流しながら、その光景を見ていた。 「これが、『所詮』と侮った異世界の平民の力、魔法の無い世界で造られた兵器。個人を護る為に使えるようなものではありません。大量殺戮と対空防衛の為の、文字通りの戦略兵器なのです。これが……私の、使い魔……エクスキャリバーの……真実……です」 「ああ……ルイズ……こんな、私は、こんなつもりじゃ……」 嗚咽と共に、アンリエッタは崩れ落ち、ルイズにすがりついた。 「ごめんなさい……ごめん……なさい……」 怖くて、泣きたかった。しかし、泣くわけにはいかなかった。ルイズは、強大な力を持ち、そして今、それを行使したのだ。泣いてしまったら、エクスキャリバーの威力を誇示するために人柱になった、消え去ったレコン・キスタの兵士に申し訳が立たない。戦争とはいえ、敵とはいえ、こちらのエゴで殺してしまったのだ。そして、この件に加担した学院の生徒、教師、アカデミーの人間に罪の意識を持たせぬために、ルイズ一人がこの殺戮の責任を負うために、ルイズ名義で宣戦布告をしたのだ。今ここで子供のように泣くわけにはいかなかった。 レコン・キスタの首謀者、オリヴァー・クロムウェル名義で降伏が宣言されたのは、それから十二分後のことだった。 前ページ聖剣と、ルイズ
https://w.atwiki.jp/thvision/pages/127.html
《俺の嫁》/俗語 コメント プレイヤーの熱く滾る魂の炎を言葉に現したもの。 その人物が最も愛するキャラクターに対して、 愛と尊敬と独占欲を込めて呼ぶときに用いられる。 しかし迂闊に人気絶頂のキャラクターに対して使うと その場で争奪戦が起きかねないので素人にはお勧め出来ない。 08年7月12日の第21回秋葉原YS公式大会において「俺の嫁」をサイドボードのトップに表向きに置く行為は違反でないと言う裁定が下され、スペック的に不遇なキャラも日の目を見るようになった。 ・・・のだが、2011年6月28日、Vision公式ブログである「幻視の夜明け」でまさかの裁定変更を下された。(以下引用文) (前略) 又もうひとつ。現状のサイドボードのルールだと、 旧ルールにあった一枚だけ表側表示にしてもいい、 いわゆる『嫁枠』ができないと聞いたのですが、これをできれば復活させてもらいたいです。 (前略) 後者に関しましてはその予定はありません。 そもそもサイドボードの公開を許可したルールというものは最初から存在せず、 本来ルールとして不適切だった物を黙認していたというものだったのですが、 残念ながら意図的にこれを悪用したケースが報告されています。 (サイドボード入れ替えの際に相手にそのカードを入れた事を示唆する行為) 特に最近ではその頻度が増えていた為、サイドボードを定義する際に不可としました。 関連 その他TCG用語・俗語集
https://w.atwiki.jp/pmvision/pages/1545.html
《俺の嫁》/俗語 コメント プレイヤーの熱く滾る魂の炎を言葉に現したもの。 その人物が最も愛するキャラクターに対して、 愛と尊敬と独占欲を込めて呼ぶときに用いられる。 しかし迂闊に人気絶頂のキャラクターに対して使うと その場で争奪戦が起きかねないので素人にはお勧め出来ない。 08年7月12日の第21回秋葉原YS公式大会において「俺の嫁」をサイドボードのトップに表向きに置く行為は違反でないと言う裁定が下され、スペック的に不遇なキャラも日の目を見るようになった。 ・・・のだが、2011年6月28日、Vision公式ブログである「幻視の夜明け」でまさかの裁定変更を下された。(以下引用文) (前略) 又もうひとつ。現状のサイドボードのルールだと、 旧ルールにあった一枚だけ表側表示にしてもいい、 いわゆる『嫁枠』ができないと聞いたのですが、これをできれば復活させてもらいたいです。 (前略) 後者に関しましてはその予定はありません。 そもそもサイドボードの公開を許可したルールというものは最初から存在せず、 本来ルールとして不適切だった物を黙認していたというものだったのですが、 残念ながら意図的にこれを悪用したケースが報告されています。 (サイドボード入れ替えの際に相手にそのカードを入れた事を示唆する行為) 特に最近ではその頻度が増えていた為、サイドボードを定義する際に不可としました。 関連 その他TCG用語・俗語集
https://w.atwiki.jp/ocg-o-card/pages/721.html
俺の嫁 通常魔法 相手フィールド上の「ブラック・マジシャン・ガール」のコントロールを得る。 Part13-417 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1804.html
トリステイン魔法学院の一室、ルイズとみかんが生活する部屋は、ここしばらく無人だったが、昨日その住人が帰ってきた。 主人が不在の間もメイドによって清潔に保たれ、出発する前と全く同じ様子の部屋とは逆に、ルイズの表情はあまりにも暗く変化していた。 最愛だったはずのワルドが王党派を毒殺したあの日、ルイズはギーシュの使い魔によってどうにか戦火から逃れることができた。 しかし、その思い出から逃れることができず、今だに苦しんでいる。 レコン・キスタとトリステインは和解をしたらしい。 それでも警戒を解くことはできないため、姫様の婚約の話はそのままだ。 手紙は、みかんが持って逃げ出していたために無事だった。 手紙を姫様に渡す際、ウェールズ皇子の最後を聞かれ、ついワルドと勇敢に戦って死んだと応えてしまった。 友を戦火に巻き込んだお詫びにと、旅立つときに預けられた指輪を頂いたが、その感動が理解できる状態ではなっかた。 いまでも目をつぶればあの冷たい目で自分を見つめていた皇子の死体が思い浮かんでしまう。 まだ明けたばかりの空をぼんやりと眺めていると、オルトロスが扉の方を向き、みかんを起こした。 あの日以来みかんはオルトロスに寄り添うように眠るようになったのだ。 扉が開くと、そこにはミス・ロングビルがいた。 「あら、もう皆さんお目覚めでしたのね。オールド・オスマンが呼ばれていますよ。朝食の前にこちらに来てほしいとのことです。それでは」 こんな朝早くに一体何だろうか? あのワルドとの決闘騒ぎで噂になってしまっていたみかんのシントウと呼ばれる魔法もみかんが実はメイジであったことやさらに異世界から来たことなども全て話合ったはずだ。 身に覚えのないルイズは、疑問に思いながらも着替えを始めた。 ついてこようとするみかんには「呼ばれたのは自分だけだから」と断っておいた。 扉をノックし、挨拶をする。 「ルイズです。ご用件とは一体なんでございますか?」 「おお、とにかく入りなさい」 促され入るとオスマンの机の上には一冊の本が置かれていた。 「おはよう、ミス・ルイズ。実は姫様からおまえさんに頼みがあると言われたのでな」 「姫様から?」 無意識に顔をゆがめてしまう。 また危険な目だろうか? 姫様への忠誠心こそ変わらないがあの恐怖を忘れることも無理だろう。 そんな感情を読んだのかオスマンは朗らかに続けた。 「明後日の結婚式のことは知っておるじゃろう?」 「はい」 この学園で知らないものがいるわけがなかった。 明後日は姫様の結婚式だ。 授業は午前までで、この学院の生徒は全員パレードに参加する。 特にルイズやみかんは特別席に招待されることになっている。 あの作戦に参加したギーシュやキュルケ、タバサもだ。 キュルケやタバサには作戦の詳しい内容は知らされていないが、一応国家のために尽力をつくしてくれたのだから招待しないわけにはいかないということだ。 表面上はルイズの特別親しい学友だからということになっている。 「それでじゃな、姫様はお前さんに結婚式の祝詞をたのみたいとおっしゃったのじゃよ」 「姫様が?!」 「うむ、つい先ほどいきなり使者の者が来おってな。この本をワシに預けて行ったんじゃ」 「そんないきなり…」 「いきなりじゃからこそなるべく早く知らせようと思ったのじゃよ」 それでこんな朝早くに呼び出されたのか、そんなことよりも自分がそんな一大事を?! 混乱するルイズにオスマンは説明を続けた。 「これは始祖の祈祷書と呼ばれるあの伝説の本じゃ。もっとも中身は白紙で偽物も甚だしいのじゃがな。祝詞を読み上げるものはこの本を手に読み上げる決まりになっておる。手放すなよ?」 「も、もちろんです!!手放したりなんてしません!!」 「ふむ、よろしい。ではもう下がってよいぞ」 あまりの急展開に頭がついていかないまま、ルイズはふらふらと部屋に戻って行った。 朝食を取り終えたルイズは祈祷書を眺めながらぼんやりと椅子に腰かけていた。 隣では自分よりも食べる速度の遅いみかんがパンをかじっている。 何人ものメイジがみかんに奇異の目を向けている。 おおよそすべての魔法を発動すら不可能にする先住魔法の使い手といてみかんは有名になっているのだ。 しかも決闘が目立ちすぎたために、グリフォン隊のワルドと行動を共にしていたこともばれてしまっている。 侯爵家であるルイズとその使い魔であるみかんがグリフォン隊の人間と行動を共にしていたとなれば噂にもなる。 今回のレコン・キスタとの唐突な和解にも何か関係しているのではないかという噂すらあった。 しだいに居心地の悪さを感じ始めていたルイズがみかんを急かそうかと思い始めたころ、コルベールが大声でみかんの名前を叫んだ。 「ミス・ミカン!!いますか!!」 「こるべーる先生?」 食堂で叫ぶという非常識な行動をとがめる声もあったが、興奮状態にあるコルベールはそれを無視して尚も叫んだ。 「早く!!早く君が召喚された広場まで来てください!!」 「ミスタ・コルベール、いったい何をそんなに騒いでおられるのですか?」 「ミス・ヴァリエール、大変なことが起こっているのです!!ミス・みかんの仲間を名乗る方が!!ミス・ホナミとミスタ・イバがミス・みかんを迎えに来られたのです!!」 「「えぇ?!」」 次からの投下は避難所で行います このスレの趣旨とはずれていくと思いますので
https://w.atwiki.jp/warata/pages/128.html
49 :名無しさん転載禁止@LR変更議論中@転載は禁止:2014/06/27(金) 22 04 20.27 ID 5GeeXGbj0 俺の嫁セレナたんの画像を妊娠にやるwwwwwwwwwwwwwwwwwwww http //www59.atwiki.jp/kusobunaninchinpo/pages/35.html 499 :名無しさん転載禁止@LR変更議論中@転載は禁止}:2014/07/05(土) 10 54 45.95 ID PmWN6DO7O 491 見落としてたはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww セレナたそは俺の嫁であってるはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww そんなロリベのコレクションをご覧ください imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。
https://w.atwiki.jp/oshi-mashi/pages/131.html
「ジンコウガクエン」における評価のうちの一つ。 最高評価のうちの一つで、最も高評価であると言える。 交際するまでにしっかりと愛を育んで、そののちにピュアピュアしく付き合うとたいていはこの評価に落ち着く。 この評価が出ているうちは安泰。ただし、浮気したりあんまり構ってやらないと評価が落ちたり、変な評価がつくので注意。 ちなみに女性キャラから男性キャラに対しての評価でも俺の嫁という表記になる。 なんか、間違った萌え文化を教えられた外国人の誤った使い方みたいになってるけど気にしちゃいけない。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6521.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ 3章 (54)虚空の大穴 全てを呑み込む穴の驚異は、ウルザを吸い込むだけに止まらなかった。 「うわああああああああ!!」 戦場に悲鳴が、こだまする。 ウェザーライト号のブリッジでは、アラートが騒がしくがなり立てていた。 それもそうだろう。今、ウェザーライトの船体は四五度近くの傾きをもって、船首を上にして斜めに傾いでいるのである。 ただ事ではない。 しかし、そのような窮状であるにも関わらず、周囲にウェザーライトを救おうというフネはない。 なぜなら、他のフネも大なり小なり似たような状況であるからだ。 艦隊は上空からの襲いかかる強力な吸引力に、必死に逆らっていた。 浮力を調整し、自重と重力で対抗する。 だが、重量級のフネなどはそれでいいが、船体の軽い船などは徐々にコントロールを失い、上空へと引き込まれて始めている。 フネは元来このような事態に対処できるようには作られてはいないのだ。 唯一幸いだったのは、このような状況の為に、両軍の戦闘行動が一時中断していることだろうか。 謎の力の影響を受けているのは、何も連合艦隊だけではない。アルビオン側のフネも同様である。 その証拠に、ベキベキという音を立てながら、一隻のアルビオン巡洋艦が、甲板を引きはがされて、破片をばらまきながら空中分解した。 両軍とも、現状を維持するだけで手一杯で戦闘どころでは無いのだ。 混乱の原因、それはプレインズウォーカー同士の戦いの余波に他ならない。 奇しくもそれは、象と蟻の例えを現実のものとしたのである。 ワルドが穿った奈落の大穴。 それはプレインズウォーカーであろうとも引き込んで捕らえる、恐るべきものであった。 だが、それだけの力が、周囲に影響を及ぼさないはずがない。 今のワルドにとってはささやかな余波でしかないそれが、戦場にある全てのものを大穴へと向かって引き込もうとしている力の正体だった。 「モンモランシー! ギーシュ!」 そんな混乱の中で、ウェザーライトのルイズは声を上げた。 ブリッジ内が強烈な風になぶられている。 ドラゴンに破壊されたブリッジの亀裂から、猛烈な勢いで空気が吸い出されているのだ。 吸い上げられる空気は濁流となって、周囲に激しい気流を発生させている。 外を見れば、フネ、人、飛竜、様々なものが上空へと巻き上げられているのが見て取れる。 そのような状況で、ギーシュは右手で必死にブリッジの縁に掴まり、自分とモンモランシー、二人分の体重を支えていた。 既にギーシュの体は浮き上がってしまっており、その手を離せば二人は直ぐにでも外へ放り出されてしまうだろう。 「モンモランシー! しっかりっ!」 「ギ、ギーシュ……」 そう、今や二人の命運は、ギーシュ一人の手にかかっているのである。 「ギーシュッ! 馬鹿なことは止めて手を放して! あなただけなら助かるわ!」 「馬鹿言っちゃいけないよモンモランシー! か弱い女性を見捨てて、自分だけがのうのうと生き残るなんて、そんなのはトリステイン貴族のやることじゃない!」 「でも、このままじゃ二人とも!」 「それこそ望むところだよ! 僕は君を守ってみせる、その為にここにいるんだっ!」 ギーシュ・ド・グラモンはこの戦場に、物見遊山で来ているわけではない。 彼は彼なりの決意を抱いて、この戦場に立っているのだ。 モンモランシーが最初、戦場へ出発するウェザーライトに忍び込むという計画を彼に打ち明けたとき、ギーシュは当然ながら猛反対した。 戦場の恐ろしさや死ぬかも知れないというということを、切々と訴えて説得しようとした。 だが、モンモランシーの決意は固く、彼女はその考えを曲げようとはしなかった。 これにはギーシュもほとほと困り果てた。 何が彼女をそこまで駆り立てるのか、モンモランシーは話してくれなかったが、ルイズが関係しているのだろうということは薄々察することができた。 だからといって彼女がこのまま危険に飛び込んでいくのを見過ごすことなどできはしない。けれど彼女は言って聞いてくれるような雰囲気でもない。 いっそ可哀想だが縄で縛ってでも阻止するべきだろうか、そんなふうに悩んでいるギーシュに、彼女はこう言ったのだ。 『それに、いざとなったらあなたが助けてくれるんでしょ? ギーシュ』 明らかに狙って言ったのは確実であろうに、その言葉はギーシュの頭にガーンときた。 モンモランシーが上目遣いに放った言葉に、ギーシュの頭とハートは一辺に打ち抜かれた。 考えてもみてほしい。 愛しい彼女が、危険な場所に行くのだという。 そしてそこでの頼りになるのは自分だけだと言うのだ。 自分だけを頼りにして、彼女は危険に飛び込むのだという。 自分はそれだけ彼女に信頼されているのだ。 迫る悪漢! モンモランシーのピンチ! そこに颯爽と現れる美しいナイト! ギーシュ・ド・グラモン! ぱぱっと華麗に悪漢を打ち倒し、震える彼女を抱き上げる! 『大丈夫かい? モンモランシー、君は僕が守ってあげるよ』 そう格好良くキメると彼女は 『ギーシュ最高! 素敵! 全部あげちゃう! 抱いて!』 と言ってくるのだ。 (悪くない、悪くないぞ、ギーシュ・ド・グラモン!) 正に英雄譚ではないか。 沸騰した頭で、そんなことを思う。 最初からギーシュに選択権は無かった。 結局ギーシュはモンモランシーの企てに力を貸し、今こうして彼女と一緒にいるのだ。 そんな彼が、掴んだモンモランシーの手を放すわけにはいかない。 だが、心の決意とは裏腹に、肉体は徐々に限界を迎えつつある。 先ほどから縁を掴んでいる右手に、感覚が無くなっている。一点で体重を支えていることで、しびれ始めてきているのだ。 まだしばらくは持つが、長々と耐えられる保証はない。 だからといって、掴んだモンモランシーの手を離すなどは論外だ。 「ギーシュ! 早く手を放して! 私は『フライ』で飛ぶから!」 「馬鹿言っちゃいけない……。『フライ』で飛んだって、こんな状況じゃ焼け石に水さ。どのみちすぐに巻き上げられる」 「でも……」 「ぐうぅ……」 苦しそうにギーシュが呻く。 その声で、モンモランシーにもギーシュに余裕が無いのが伝わってきた。 だと言うのに、この馬鹿な幼なじみは自分の手を掴んで離そうとしない。 元はと言えば、自分が無理矢理連れてきたようなものなのに…… そんな彼の姿を見るモンモランシーの目尻から、光るものが流れていった。 「ギーシュ……」 「モンモランシー……」 しかし、そんなやりとりは、二人以上に焦りを含んだ声に遮られた。 「待ってて二人とも! 今すぐ防御のための『膜』をそっちにまで広げるから!」 ルイズである。 ルイズの周囲には、ウルザが施した強力な防御機構が働いている。 今の彼女は、ウルザが望まない限り、外界からの影響を殆ど受けることがない。 例えギーシュ達が吸い出されるほどの吸引力であっても、ルイズの周囲だけはそよ風が吹いた程度にしか感じないのである。 その防御のための不可視の力場を拡大し、ギーシュ達のところまで広げようというのがルイズの考えた、二人の危機を救う方法であった。 だが、その計画には大きな落とし穴がある。 ルイズの計画を実行するためにはウルザの施した術式に手を加え、自らの手で操作しなくてはならない。 それはただの人間であるルイズが、プレインズウォーカーに立ち向かうという意味であった。 人間とプレインズウォーカーとの間に横たわる溝は深く大きい。普通なら永久に埋められない程の差だ。 しかし、ルイズの手にはそれを狭めることを可能とする道具があった。 ルイズはまず右手に嵌めた、水のルビーに集中した。 そうして、自身とルビーとの『接続』を試みる。 生身のままでパワーストーンを操作しようなど、尋常ならざる技であるが、それがパワーストーンへの高すぎる順応性持ち、すでにその毒に犯されている彼女の武器だった。 ルイズはまずイメージした。 自分自身の境界線を朧気にしていくイメージ。そうして指先にある巨大な力と少しずつ自分を重ねていくことを想像する。 すると一秒ほどで、指先にピリッという電流が流れるような感覚が来た。 これで『接続』は完了である。 『接続』は、呆気ないほど簡単に済んだ。 これでルイズのマナの許容量は拡大され、パワーストーンの莫大な魔力を自身の精神力の延長として行使できるようになった訳である。 勿論、パワーストーンの力を行使すること自体はウルザからは堅く禁止されていることがらだったが、今はそんなことには構っていられない。 そうして水のルビーとの契約を済ませると、続いて風のルビーとも同様の接続を済ませる。 一連の準備を終えると、ルイズは自分の席の前に据えられた平面映像が浮かんでいる磨かれた大理石の上に手を乗せた。 そうして粗くなった呼吸を少しの間整えて、そこに自分の魔力を流し込んだ。 ウルザが操作しているのを見たことはあったが、自分で操作するのは初めてである。そもそも『魔力を流し込む』ということ自体、彼女にとって初めての経験だ。 正直、すぐにうまくいくとは思っていなかった。 だが、意外なことにルイズはウェザーライトと繋がってから数秒で、その操作方法を理解が理解できてしまった。 一つ操作を行えば二つを、二つ操作を行えば四つを。 倍の倍で、操作を行えば行うほどどうやってこのフネを操作すればいいかがフィードバックされてくるのだ。 ウェザーライトの操作というのは、要は『自分の腕』と『魔法』との間のような存在だ。 マナ=精神力に命令を乗せて、それを端末から流し込めば思った通りに動かすことができる。 何も難しいことはない。メイジなら誰しもがやっていることだ。 ルイズはそれをルビーのバックアップを受けながらこなしていく。 一分ほどで表層的な操作について一通り試し終えたルイズは、顔を上げてギーシュ達を見た。 ギーシュは何とかまだ破損したブリッジ外壁近くの柵に掴まっていた。 だが、ルイズの霞む視界ではギーシュ達が今どのような状態にあるのかまでは判別できない。 あとどれだけそんな状況で耐えられるだろうか。 一分、二分? それとも三十秒? 兎も角、急がねばならなかった。 ルイズは再び目の前のコンソールに向き直る。 次はもっと高度な操作を行うつもりだった。 ウェザーライトの操作はある意味潜水に似ている。自分自身であるマナ/精神力を、深く沈ませていく、その深さによって捜査できる範囲が変わってくる。 高度な操作になるほど、より深い深度へと精神を潜り込ませるため、多くのマナを消費する。 だが、幸いにも今のルイズはマナ/精神力に関してなら無尽蔵と言っても良い。 余談であるが、ルイズ自身の精神力は、ロマリアで思い出すのもおぞましい『アレ』と対峙した晩以来、枯渇した状態が続いていた。 普通なら精神力は一晩ぐっすりと寝れば回復してしまうものなのだが、どういう訳か虚無の魔法を行使するための精神力はなかなか回復しなかったのである。 原理はよく分からないのだが、虚無に関する魔法を使用するための精神力の充足には特殊な条件が必要らしく、それが何なのか分からない彼女には回復する術が無かったのだ。 だが、パワーストーンの支援さえあれば、魔力は使い放題である。 無論、代償は必要ではあるが……。 正規の手続きを無視して、強引にウェザーライトの操作系統へと深く潜っていく。 途中、二つほどルイズを拒もうとする障害があったが、そんなものは強引に焼き切ってやった。 そうやってどんどんと潜り込んで、ルイズの脳裏に閃く直感。 あと一層で、自分の周囲を固めている防御の力に手が届く。 そう思い、逸る心のままに新たなマナを注ぎ込んだとき、異変は起こった。 「かっ、はっ!?」 頭の中が爆発したような強烈な頭痛、そして焼け付くような右目の痛み。 「――――――っ!?」 ルイズは声にならない悲鳴を上げて、その手で右目を押さえた。 途端に、 世界の半分がブラックアウトした。 (な、に……?) ルイズは脳裏に疑問を浮かべる。 ひどい頭痛は治まっていない。だが、それすらも凌駕して、ルイズは放心した。 突然世界の右半分から光が消滅したのだ。 いいや、そんなことではない。 ルイズにも本当は分かっている。 これは支払うべき代価だ。 驚くようなことではない。 右目が光を失った。 ただ、それだけのことだった。 そう、最初から分かっていてやったことだ。 「何よ……たかだか右目じゃない、何を驚いているのよ、私は。はん、ばっかみたい、ただそれだけじゃないの」 言って、ルイズは震える手をきつく握りしめると、それをそのままそれを、コンソールへと叩き付けた。 「少し、不便になっただけよ……!」 きつく結んだ唇が切れて、そこから血が一筋流れた。 ルイズは直ぐさま作業を再開する。 最後の門を破り、最深部一歩手前の領域のコントロールを掌握する。 それで十分。ルイズの目的を果たすには、それで必要十分なレベルだった。 (……艦内非常用保安機構。これね) ブリッジ内の様子がルイズの頭にイメージとして伝わってくる。 半径一メイル程度の円が自分を取り囲んでいるのが分かる。ルイズはそこに魔力の触覚を伸ばし、力場を発生させている術式に拡大の式を刻み込む。 すると、ルイズの耳にキーンという耳鳴りのような音が聞こえた。 続いて、ごうごうと鳴っていた風音が止み、バタンと何かが落ちる音がする。 ルイズが慌ててそちらを見ると、重なるように床に倒れているギーシュとモンモランシーがいた。 「た、助かった、のか、僕たちは……」 「どうやらそうみたいね……って、きゃあ! ギーシュッ! どこ触ってるのよっ!?」 「おお、モンモランシー。そうは言っても君が上に乗っているのだから僕からはどうしようもないよ……もっふもっふ」 「いやあ! 顔を動かさないでぇ!」 そんな声を聞いて、ルイズは徐々に緊張を解いていった。 思えば一人ウェザーライトに乗り込んで以来、これが初めて気の抜けた瞬間だった。 気を許せる友人、それがどれだけ大切なものか、初めて分かった気がした。 だが、次に聞こえてきた音が、ルイズに再び緊張を強いた。 「……っ!? 何この音っ、警告音が……変わった?」 再び艦内に鳴り響くアラート。 先ほどまでものとは全く別種の耳障りな音。 そして続いて響いた声に、ルイズは驚愕した。 『コアに対する第三深度の不正な侵入を確認しました。緊急時非常マニュアルに基づき、これよりウェザーライトⅡは精霊による自立航行モードに移行します』 無機質な、声。 この船には闖入者であるモンモランシーを除けば、ルイズの他に乗組員はいない。 つまり、今の声はウェザーライトⅡから流れたこととなる。 ルイズはウェザーライトⅡが喋ることなど、このとき初めて知った。 だが、次に発せられた声は、最初の衝撃を遙かに上回るものだった。 『ただちに不正な設定を破棄。艦内非常用保安に関する設定を復元します』 それはとてつもなく、冷徹な声のようにルイズには感じられた。 「待っ……」 ルイズが言い切る前に、弦を弾いたようなピンッという音が響いた。 それを契機に、拡大したはずの防御の力場が消滅した。 防御が消失したことで、ブリッジ内を再び強風が襲った。 猛烈な勢いで、再び空気が吸い出される。 「う、わっ、わ……」 「え、何? ちょっと……」。 抵抗する力も残されていないモンモランシー達の体が浮き上る。 そして、今度こそ何にも掴まることができず、二人の体は、外へ。 ルイズは呆気にとられながら、二人が外へと放り出されていくのを見ているだけしかできなかった。 そんな彼女に去来するのは (何で?) という疑問。 「モンモランシーッ! ギーシュッ!」 ただ、そう叫んで手を伸ばす。 二人は遠い。 腕は虚空にあって、何も掴まない。 その手に意味なんて無い。それで何かが変わるわけでもない。 二人の姿はすでに見えない。 そう彼女は失敗したのだ。 (何で、何でよ?) 悔しさと怒りで、涙がにじむ。 力を手に入れたはずだった。 それはみんなを救える力だったはずだ。 彼女が思う、立派な貴族が持つべき力。 何事にも背を向けず、誰かの為に戦い抜く力。 決して負けず、誰かの笑顔を守る力。 気高く、誇り高い、そんな力。 魔法が使えなかった彼女が夢見た、理想の力。 ルイズはそれを手に入れたはずだった。 けれどその力は、友達を助けることもできないものだった。 命を削ってまで手に入れたものは、理想とはかけ離れた、ちっぽけなものだった。 ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールはここに現実を思い知らされた。 自分の望んだものは、神様にでもならなければ手に入らないと、思い知らされた。 「ぅ……ああっ、うわあああああっ!」 頬を冷たいものが伝うのを感じながら、ブリッジに開いた穴に手を伸ばす。 友達が消えてしまったその場所に、手を伸ばす。 後悔と未練が入り交じった感情を持て余して、嗚咽する。 結局何もできなかった。 そうルイズの心が絶望に塗りつぶされそうになったそのとき、彼女の半分しかない視界に、一瞬だけ影が差した。 ただ一瞬の交錯。 もうはっきりとした焦点を結べないルイズの瞳。彼女にはそれがなんだったのか分からない。 けれど彼女はその影に、希望を感じた。 だから彼女は、直感だけでその名を叫んだ。 「タバサ!」 空がどんなものかだって? そりゃあ怖いところだよ。 誰だって落ちれば分かる。 ――ギーシュ 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/term/pages/29.html
俺の嫁(おれのよめ) 1・あるキャラクターに溺愛する様。またその対象となったキャラクターの事。 2・主に女性のキャラクターに使われるが、時にカッコイイ名シーン等で男性キャラに使われる場合も。