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「ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!」 「おいおい、あんまり召喚が出来ないもんだから、そこらへんの平民を雇ったんじゃないのか?」 失敗に次ぐ失敗を繰り返すこと24回。 ルイズの召喚魔法で現われたのは、ほっそりした黒髪の美人だった。 「ミスタ・コルベール! やりなおしをさせて下さい!」 あまりの事にやりなおしを要求するルイズだったが、コルベール先生はにべもない。 春の使い魔召喚は神聖な儀式だ、やり直しは認められないの一点張り。 「でもっ、平民が使い魔だなんて聞いたことありません!」 「実は私、平民じゃなくて貴族なんです」 「ええっ!?」 「なんですと!?」 召喚された使い魔の突然の発言に驚くルイズとコルベール先生。 貴族を召喚したとなると、場合によっては国際問題にもなりうる大変な事件だ。 「ほ、本当に貴族なのですか?」 「ええ、嘘です」 困惑しながら聞いたコルベール先生に、しれっとした顔で答える女性。 「本当は私、エルフなんです」 「ええええええ、エルフー!?」 ズサッと音をたてて女性から離れるルイズ。 他の生徒も一様に数歩後ろに下がっている。それほどにエルフは恐れられているのだ。 「どどどどどうせまた嘘なんでしょう? だって耳が長くないじゃない!」 「私の父はエルフだったんですが、人間だった母と恋に落ちて、私が生まれたんです。 でも、二人の仲を認めない周囲の人達によって二人は……そして私もあわや……」 「そんな事があったのですか……おかわいそうに、ミス、えーっと……」 「ひとみです」 「ミス・ヒトミ。それでは本当に、あなたはエルフの血を引いているのですね?」 悲痛な表情で同情したようにコルベール先生が言う。 彼は基本的に平民にも分け隔てなく優しい人物だ。 もちろん、ひとみと名乗った女性が美人だからというのも無関係では無いが。 「ええ、もちろん嘘です」 「なんですかそれはーっ!!」 ガクっとこけるコルベール先生。 周囲の生徒達も一気に脱力してしまう。 その中からいち早く立ち直ったのはルイズだった。 「ミスタ・コルベール! やっぱりこんな嘘つきの使い魔なんて嫌です!! やり直しをさせて下さい!」 「ダメですよミス・ヴァリエール。きちんと契約しないと、進級できませんからね?」 「ううううう……仕方ないわ。こうなったらさっさと契約よ」 「契約……さては私にインチキな商品を売りつけて身包みをはがそうという魂胆ですね?」 「そーゆー契約じゃないわよ!」 「そうですか、安心しました。ではこの契約書にサインをお願いしますね」 「えーっと、ここで良いのかしら……って、ちがーう! 貴方が私と契約するんじゃなくて、私が貴方と契約するのよっ!!」 「まぁまぁ、べつにどっちでも良いじゃないですか」 「良くないわよ! 大体何よこの契約書は! 『私は貴方に全財産を譲渡します』? こんな契約するワケないでしょう!」 「ちっ」 「アンタ今『ちっ』て言ったぁ!!」 「しかたありません。お詫びに貴方と契約をしましょう」 「は、はじめっからそうすれば良いのよ」 「そのかわり、私の身の回りの世話と秘薬の原料を探してくる仕事、それと私の護衛は貴方がやって下さいね」 「逆でしょうがソレっ! って言うかなんでそんなに詳しいのよ!」 「ゼロの使い魔は全巻読んでますから」 「ナニよソレ?」 「もちろん嘘です。これなんてエロゲな小説なんか全然読んでません。 12巻なんか覗きとか百合とか大変な事になってるじゃないですか」 「キッチリ読んでるじゃないのーっ!!」 「タバサの冒険の2巻は今月発売なんですよね? この近くにライトノベルが置いてる本屋さんってありますか?」 「知るかーっ!」 「でもラノベって店員さんにオタクの人が居ないとレーベルの絞りが甘かったり、在庫の揃いが悪くて大変なんですよシャナさん?」 「そーゆーこと言うの禁止! 二重の意味で禁止よっ!」 「うるさい! うるさい! って言ってください。メロンパンあげますから」 「要らないから黙れ!」 「24のひとみ実写ドラマも10月放映なのでお見逃し無く」 「ますます知るかーっ!!」 凄い勢いでボケるひとみと突っ込むルイズ。 「い…いいかげんに……ゼイ……ハァ……そのしょうも……ない発言を、やめ……ハア」 「あら、それじゃあ私は必要ないって事ですよね? では失礼しますねー」 「え!? あ、ちょっと! ハァ、ハァ、ってゆーか、ゼイ、しょうもない発言が、ハァアンタの存在意義なの……?」 ついに息切れしたルイズがゼーハーと息を整え、周囲の誰もがポカーンと呆れているうちに、スタコラと逃げ出してしまった。 既に息が切れて追いかける体力も無いルイズ。 この後当然、クラスメイトから「召喚した使い魔に逃げられた」と馬鹿にされてしまうのだった。 こうしてルイズの春の使い魔召喚儀式は失敗。 失意に崩れ落ちそうな少女は、追い討ちのように学院長室へ呼び出しを受けてしまう。 「ああ、きっと留年を通告されるんだわ……お父さまやお母様やお姉さまになんて言おう……」 思い足取りで階段を登り、いっそこのまま何処か知らない国に出奔してしまった方が楽かと思い悩みながら、 ルイズは学院長室の立派で大きなドアをノックした。 「どうぞ、入って下さい」 中から女性の声が聞こえる。 しかし、それは秘書のミス・ロングビルの声ではなかった。 ついにセクハラに耐えかねて新しい秘書に代わったかと思いながらドアノブに手をかける。 「鍵はかかってますから。あと開けると爆発するトラップが」 「そんなワケあるかー! 見つけたわよ私の嘘つき使い魔!」 蹴破るぐらいの勢いで扉を開け、学院長室へ転がり込むルイズ。 「はい、嘘です」 「なんでこんな所に居るかは聞かないわヒトミ! とにかく私の進級のために契約しなさい!!」 「ダメですよルイズさん。先生をヒトミなんて呼び捨てにしちゃあ」 「誰が先生よ! もうアンタの嘘はお腹一杯なの!」 「いや、ミス・ヴァリエール。それは本当じゃ」 「え?」 ギギギと音がするような動きで首をめぐらせた先に居たのは、学院長のオールド・オスマン。 「ミス・ヒトミは今日から我が学院の教師になった。 それに伴い、ミス・ヴァリエールの進級は特例として認められたので、安心なさい」 優しく言葉をかけてくれる学院長。 しかし、ルイズにとってはもっと気になる部分があった。 「ヒトミ、先生?」 「はい」 あまりの理不尽な展開に目の前が暗くなる。 どうせオールド・オスマンは美人だからとかそんな理由で教師にしてしまったに違いない。 トリステイン魔法学院オワタ。 そう思いながら、ルイズの意識は暗転していった。 「ってお話が冒頭から全部嘘なんですけどね」 そんな声を遠くに聞きながら。 終わり 週間少年チャンピオン連載の「24のひとみ」から 嘘つき美人教師ひとみ先生召喚でした。
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「次の停車駅は~、惑星ハルケギニア~、惑星ハルケギニア~、停車時間は一ヶ月~」 鉄郎はその星で聖地と呼ばれた銀河鉄道ステーションに降りた直後、コントラクト・サーヴァントで召喚された ルイズの使い魔となった鉄郎は、盗難された学院の秘宝を奪還するためにフーケのゴーレムと対峙する 「テツロー!この秘宝『宇宙の竜騎兵』は取り返したわ…」 「ルイズ!それを"返せ"!」 鉄郎は戦士の銃コスモ・ドラグゥーンでフーケのゴーレムを撃ち砕き、勝利した 後に鉄郎とルイズは神聖アルビオンとの戦争に巻き込まれ、戦艦レキシントンの攻撃に晒されるが その時、タルブ村の地下での長い眠りから目覚めた宇宙戦艦ヤマトがやってきた(第二案、ハーロック) ルイズは戦艦ヤマトの艦首で虚無の魔法をエネルギー変換して、レキシントンに叩き込んだ 「…これは…波動砲…」 後に鉄郎はルイズを守るため、7万のアルビオン軍に戦士の銃一丁で立ち向かうが 深い傷を負った鉄郎はウエストウッド村に住む金髪で豊満な体型の黒服女性に助けられる 「…鉄郎…999に帰りましょう」 鉄郎はこの星を去った なお、メーテルや森雪、エスメラルダのような松本零冶作品の女性とは似ても似つかぬルイズは 鉄郎にとっては女でなく、恋愛対象にはなりえなかったとか ルイズが星野鉄郎を召喚
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「もうっ!なんでこんなことに!」 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは苛立っていた。 昨日のサモン・サーヴァントの儀式で現れたのが中年もいい所の軍人、 しかし元は大帝国の爵位持ちの高級将校だったというその男が現れた事が発端だった 当然使い魔として扱うわけにもいかず、如何しようかと学院長達と悩んでいた所、 「御付」と言う形でならばルイズに仕えても良いと「彼」が主張した為、そのように扱うことになっていた。 そこまでは良かった。 何しろメイジではないとはいえ、「元」とはいえ騎兵少将の男爵に忠を誓われると言うのは、ルイズとて悪い気分ではない。 下手な動物を使い魔にするより余程名誉な事だろう。 伯爵家の娘と言う事で『姫』と呼ばれる事は少しむず痒い気もするが、悪い気はしないし さらに身の回りの世話を命じるまでもなく、全ての雑事の手筈を整えるなど能力的にも満足。 これならば思い通りにならない面がある事も許容しよう。と、納得しかけていたところに事件が起きた。 ルイズになんの断りも無く、彼は決闘に応じてしまったのだ。 「ああ、余り怒られては美容によろしくありません。姫」 ヴェストリの広場に向かって歩くルイズの一歩後方を男が進言する。 「軽口を叩いている場合じゃないでしょクラウス! 何があったかは知らないけど、メイジじゃない貴方が一対一の決闘でギーシュに勝てるわけ無いでしょ! 謝罪してきなさい!今すぐに!」 「これは異な事を申される。これから行うのは単なる軍事教練に過ぎませぬ。 聞けばあのギーシュ殿はこの国の由緒ある軍人の家系。後進を教育するのも老兵の役割と言うものです」 片目を閉じて微笑みながらクラウス・フォン・メレンティンは主人の癇癪に応じた。 彼が仕えた東方辺境姫に対して行われたものと変わらぬ、諧謔をこめた軽口。 未だ諧謔の意味を解さぬルイズには単なる反抗にしか見えなかったが。 「―――ッ!なら勝手にしなさい!!」 「はい。申し訳ありませんが、しばらく私のわがままに御付き合いください」 騎兵将校としての勇気ならば十二分に持ち合わせているが、メレンティンとて決闘などを好む体質ではない。 ならばなぜギーシュの決闘に応じたのかと言えば、単に状況のおかげに過ぎない。 ギーシュが落とした小瓶を拾いそれが原因でとある事件が発生した。 その責任をギーシュがメレンティンに押し付けようとする。 気の利かなかった事に謝罪し、メレンティンがその場から引き下がる。 それだけで解決するはずの出来事はしかし、ギーシュの放った一言で発火した。 「―――ああ、あのゼロのルイズの使い魔殿か」 彼の一言をメレンティンはルイズには伝えなかった。伝える必要も感じなかった。 ただ、主人に付いている不名誉な称号だけは返上しておかねばならない。 なによりも、メレンティン自身のために。 故に、「軍事教練」を名目として決闘に応じた。ただそれだけの話である。 「クラウス」 「はい。姫」 「……やるからには勝ちなさいよ」 「はい。おまかせください」 命は下された。ならば後は進むだけである。 拗ねた様に顔を逸らしたままの主人に、 帝国 式の敬礼を行いメレンティンは前進を開始した 皇国の守護者より、ユーリア殿下の御養育係にして筆頭御付武官クラウス・フォン・メレンティンを召喚
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ルイズたちが教室に入ると、廊下まで聞こえていた賑やかさが消えうせ、牽制するかのような視線が向けられた。 そんな態度をとる理由、そして視線の向けられているであろう人物にルイズは検討がついていた。 十中八九間違いなく、シャオがその原因だ。 おそらく、昨日の儀式の終わった直後から噂になったのだろう。 ゼロのルイズが月の精霊を召喚したことが。 精霊と言えば水の精霊のように人間とは違う価値観でこの世に存在にして、あの恐るべきエルフたちの使う先住魔法の源。 そんなただでさえ畏怖すべき存在な上に、彼女は月という魔法にかかわりの深いものの精霊なのだ。 あとはまぁ、かわいい女の子がいたからつい見てしまった。というのもあるんだろう。 現に薔薇を持った少年がその彼女にわき腹をつつかれている姿もあった。 そんな教室に、一人の女性が入ってきた。ミス・シュヴルーズだ。 彼女は教室を見回すと-シャオの辺りで一瞬視線が止まったことは言うまでも無い-満足そうに微笑んで言った。 「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。特にミス・ヴァリエールは月の精霊を召喚したとか。 このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ」 そう言うと、そのまま授業に入った。 授業自体はほぼ問題なく進んでいた。錬金にルイズが指名されるまでは。 「では、この錬金をミス・ヴァリエールにやってもらいましょう」 その一言で教室の空気が緊迫したものに変わった。 「ミ、ミス・シュヴルーズ、彼女にやらせるのは止めたほうがいいと思います」 キュルケが困り顔で進言する。 「どうしてです?」 「危険だからです」 なにも知らないシュヴルーズにキッパリと言い放つ。教室のルイズとシャオ以外の生徒がそれに同意し頷く。 「危険?どうしてですか?たしかに彼女に授業を教えるのは初めてですが、彼女が努力家であることは聞いています。 さぁ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやってごらんなさい」 そう言いルイズに催促をした。 「あなた、危ないから机の下に隠れていたほうがいいわよ」 ルイズの後ろの席に座っていた生徒がシャオに避難をすすめる。 「? どうしてですか?」 「いいから。悪いことは言わない。ルイズが杖を振る前に隠れておきなさい」 そう言うと机の下に隠れてしまった。 「さぁ、錬金したい金属を強く思い浮かべ、杖を振るうのです」 そしてそのセリフの直後、教室に爆音が鳴り響いた。 その爆発に驚き、使い魔たちがパニックを起こして教室で暴れ始める。 「襲撃!?みんな、ご主人様をお守りして!!」 勘違いをしたシャオがそう叫ぶと支天輪を前にかざし、彼女は自身に仕える星神と呼ばれる中国星座の精霊たちを召喚する! 次々と現れる小人や鳥にペンギンもどきや鹿etc。 このとき、右手のルーンが輝いていたのだが、それに気づいた者は誰もいなかった。 なぜならパニックになる使い魔とそれを治めようとする生徒、そしてルイズを守ろうと翻弄するシャオたちのせいで、教室は阿鼻叫喚の坩堝となっていたからだ。 ルイズはそんな現実から逃避するために、シュヴルーズのように気絶した振りをするしかなかった。 「はぁ・・・」 小人達の手で修繕されていく教室の中でルイズは大きなため息をついた。 「ごめんなさい。私が早とちりをしてしまったばっかり・・・」 シャオが実に申し訳なさそうにルイズに謝った。 そんなシャオに、ルイズは慌ててフォローを入れる。 「べ、別にあなたは何にも悪くないのよ。使い魔としての役目を果たそうとしてただけなんだから」 ルイズたちには教師からこっぴどく説教を喰らった後、罰として教室の修繕を命じられていた。 もっとも、教室の修繕はシャオの呼び出した建物の建設・解体を担当する48人の小人からなる星神『羽林軍』がさっきからやっており、ほとんど終わっている。 「なんだかね、とっても情けないなぁって思っちゃっただけよ」 ルイズは少し寂しそうに呟き、心情をシャオに漏らす。 「わたしね、さっきみたいに他の連中と違って魔法が上手く使えないの。 もちろん努力は沢山したけど、いつも同じ結果だから『ゼロのルイズ』なんて呼ばれてる。 せめて人並みに魔法が使えるようになりたいんだけどね・・・」 そんな今にも泣き出しそうなオーラを出すルイズを、シャオは優しく包み込むようにそっと抱きしめる。 「私には、魔法を使えるようにしてあげることはできません。だけど、いつかそうなれるように応援することはできます。 私は諦めずに応援し続けます。だから、あなたも諦めないでください。夢を現実にすることを」 ルイズは抱きしめられる中で、彼女の雰囲気が自分の好きなほうの姉に似ていることに気づくのであった。
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前ページ次ページMaximusな使い魔 教室に入り、マキシマとルイズを待っていたのは、好奇の視線だった。 平民を召喚したルイズ、平民で見た事もないような大男。 どちらかというと、後者に向けての視線が多いのだろう。 生徒たちの視線は若干高い。 二人を見て、クスクスと笑う者やひそひそ話をし始める者もいる。 そんな連中を一瞥すると、ルイズは視線を避けるように一番後ろの席に座り、マキシマはその後ろで腕を組み壁に背を預けた。 「なぁ。俺は教室の外で待ってた方がいいんじゃないか?」 「ダメよ。さっきも言ったでしょ?使い魔は主人に付き添うものなの。それに、今日の授業には使い魔をつれて来いって言われてるのよ」 聞けば、使い魔同士の顔合わせも兼ねているらしい。 「生徒の人数と外の人外の数が合わないんだが……」 教室を見回して生徒たちの使い魔を観察しながら思った事を口にする。 「大きくて教室に入れない使い魔もいるけど…ほら、外を見て」 言われるままに窓の外を見ると、なるほど。教室に入る事の出来ないような大きな使い魔達は外で一箇所に固まっていた。 「…俺も結構大柄な方だろ?外でもいいと思うぞ?」 「いくらなんでも無理があるでしょ…。と言うより何でそんなに外がいいの?」 渋りまくるマキシマに、ルイズは怪訝な目を向ける。 「……いや…何だか場違いな気がしてならないんだが…」 その言葉に「あぁ~…」っと呟くルイズ。 確かに平民の巨漢が、学院の教室に居るというのは違和感が凄い。 様々な動物や幻獣がいるが、マキシマは特に目立つ。 周りの生徒たちも「何食ったらあんなにデカくなるんだよ…」「2メイルはあるぞ…?」等マキシマについて話しをしている。 「とにかく!あんたはここに居なさい!それに、あんたの居た所って魔法が無いんでしょう?ならここで少し勉強しておいたらどうかしら」 ふむ。と考えるマキシマ。 確かに居心地は良くないが、魔法がどのような物かを知っておいて損は無いだろう。 「りょーかい。それじゃあ俺もお勉強させてもらうかな」 諦めたらしいマキシマを見て、ルイズは満足そうに椅子に深く腰掛けた。 「そういえば、あんたのいた所にも魔法みたいなものがあるって言ってたじゃない?どういうも のなの?」 思い出したようにルイズは聞いた。 「厳密には違うんだろうが…。まあその話はまたの機会にな」 教室に入ってきた教員と思われる中年の女性を見て、話を中断する。 温厚そうな見た目の女性は、近くにいた生徒達に笑顔で挨拶をしている。 「むぅ…」っと残念そうな顔をするルイズであったが、授業ならば仕方があるまいと諦める。 それまでおしゃべりに夢中になっていた生徒たちも席に座り始め、全員が席に着いたのを確認すると、女性は生徒達に激励の言葉をかけた。 「さて皆さん。春の使い魔召喚は全員成功したみたいですね。私も、この教室で再びあなた達に会えたことを、とてもうれしく思います」 マキシマがどういう事かルイズに聞くと、どうやら使い魔を召喚する事が出来なかった場合、進級する事が出来ないそうだ。 「まあ、実際に召喚が出来なかった事があったなんて話し、聞いた事がないけどね」 そう続けるルイズに、マキシマは「そういうもんなのか」と納得する。 教員の女性はマキシマに目を留めると、興味半分、驚き半分というような顔で、ルイズに声を掛ける。 「こ、これはまたずいぶんと珍しい?使い魔を召喚したものですねぇ。ミス・ヴァリエール」 「は、はい。私自身かなり驚いています…。アハハハ…」 落ち込んだような笑い方をするルイズの耳に、聞き覚えのある声が飛んできた。 「おい!ゼロのルイズ!召喚に失敗したからって、その辺にいた平民を連れてくるなよ!」 昨日ルイズと言い争いをしていた小僧だ。確か名前はマリコルヌだったか。 そんなマリコルヌの言葉を、ルイズは屁とも思ってないようだ。 「先生!グランドプレ君は気分が優れないみたいです!誰かが医務室に連れて行かないと 倒れてしまいます!その証拠に、昨日あった事も覚えてないみたいで…」 ルイズが心底心配そうな顔を作って言う。 その言葉に「まぁ!大変!」と慌てる女性。 当の本人は何が起きているのかが理解出来ていないようで、首をかしげている。 「昨日から心配してたんです。声が枯れてて、風邪じゃないかって言ったんですけど…」 ようやく自分が馬鹿にされている事に気づくマリコルヌ。 「おい!ゼロ!僕は風邪なんか引いてないぞ!?いい加減な事いうな!」 「聞きましたか先生!今のガラガラ声!昨日より酷くなってますよ?」 ルイズの演技に、女性は完全にルイズの言う事を信じてしまった。 「ミスタ・グランドプレ!貴方がどれだけ勉強熱心でも、風邪を引いていてはいけません。今は十分休養を取って、風邪を治してから授業に出ましょう。それまでは医務室から出てはいけませんよ?」 「そ、そんな!?僕は風邪なんか!」 そんなマリコルヌの悲痛な叫び声にも、教師は首を振る。 「その言葉は、まず喉が治ってから聞かせてください。医務室からここまではそんなに離れていませんから、そこのあなた。彼を医務室まで連れて行ってあげてください」 そう言って本を読んでいた青い髪の小柄な少女を指名する。 少女はコクリと頷いて、片手で本を読みながらマリコルヌの襟首を掴んでズルズルと引きずって行ってしまった。 引きずられてゆく最中、マリコルヌは何かを叫んでいたが、何を言っていたかは誰も聞き取れなかったようだ。 「さて。ミス・ヴァリエールの使い魔さん…じゃ呼びづらいですね。私はこの学院で教師をしているシュヴルーズといいます。あなた、お名前は?」 「マキシマだ。魔法の事について詳しくご教授していただくと助かる」 「まぁ!私の授業に興味が?そうですね。それでは皆さん。今日の授業は、昨日の召喚の儀式をひとまずの区切りにして、これまでの授業のおさらいにしましょう。では彼の主人であるミス・ヴァリエール。魔法の四大系統をお答えください」 シュヴルーズがルイズを指名して、問題を出す。 「火、水、風、土、です。メイジはそれぞれ自分の得意な系統を持ち、使い魔はメイジの得意系統にあったものが召喚される事が多いです」 自信たっぷりに答えるルイズに、シュヴルーズはパチパチと小さな拍手を送った。 「その通り。そしてメイジにはドット、ライン、トライアングル、スクウェアというようなクラスがあり、クラスが上がるごとに 使える系統が一つ増え、魔法に必要な魔力の消費量が減っていきます」 ルイズの説明にそう付け足すと、シュヴルーズは懐から小石を取り出して教卓の上に置く。 「私の系統は土。土系統は汎用性に優れていて、とても便利です。代表的なものが、錬金ですね。『イル・アース・デル』」 唱えながら杖を振るうシュヴルーズ。 すると教卓の上にある小石が黄金色に輝いた。 「ゴ、ゴールドですか!?ミス・シュヴルーズ!」 キュルケが思わず身を乗り出すが、シュヴルーズは首を横に振った。 「残念ですがこれは真鍮です。ゴールドを錬金するとなると、それこそスクウェアクラスの技量と魔力が必要になりますからね」 シュヴルーズの回答に、キュルケは本当に残念そうな顔をする。 (結構現金な性格してるんだな…) (そうね…) マキシマが小声で話し掛け、ルイズが同意。 キュルケが振り向いてルイズとマキシマを見たが、二人はあらぬ方向を見て目を逸らす。 「それでは誰かにこの『錬金』をやって貰いましょうか」 そういうと教室を見渡すシュヴルーズ。 「ではミス・ヴァリエール。お願いできますか?」 「ま、また私ですか!?」 まさか二度も指されるとは思っていなかったルイズは驚いたように聞き返す。 「ええ。自分の使い魔にいい所を見せるチャンスですよ。さあ、こちらに来てください」 言われるがままに教卓に向って歩き出すルイズ。 しかし、生徒の一人が声を上げた。 「先生!危険です!そいつに魔法を使わせちゃダメです!」 他の生徒達も必死にシュヴルーズに抗議したが、ルイズの魔法を見たことがないシュヴルーズには、何故生徒達がこんなに騒ぐのか理解できなかった。 「心配ありませんよ。錬金は土系統でも初歩の魔法ですから」 「先生は知らないだけなんです!ゼロのルイズが魔法を使うと…」 教卓に向うルイズの背中を見送りながら、マキシマは何故自分の主人が『ゼロ』と呼ばれているのかを考えていた。 (良い意味ではないんだろうが…なぜ『ゼロ』なんだ?) マキシマの疑問は、その後すぐに解消した。 「それではミス・ヴァリエール。この石を何でも良いので何か別の金属へ錬金してください」 「は、はい…」 ルイズの返答に、教室の生徒達が青ざめ、ざわつきだす。 そしてルイズが杖を取り出すと、生徒達が皆教卓から離れたり机の下に隠れたりしている。 「さあ、落ち着いて。大丈夫。あなたはとても勤勉な生徒です。きっとうまくいきます」 一度だけ深く深呼吸をして、ルイズが杖を振り上げた。 そのタイミングで、教室の扉が開いた。 「先生!僕が風邪じゃない事は、医務室の先生に証明してもらいました!」 「「あ」」 意気揚々と教室に戻ってきたマリコルヌが、光に包まれる。 石が、爆発した。 「こんな筈はぁぁーーッ!!」 シュヴルーズは黒板に叩きつけられ、マリコルヌは廊下へと消えていった。 飛んでくる破片を手で払いながら、マキシマは考える。 (何故失敗したんだ?確かにあの教師と同じようにスペルを唱えていたはずだ…) 「このゼロ!またやりやがった!」 「いつになったらまともに魔法を使えるようになるんだ!」 「一生無理だろ?」 「言えてる」 生徒達は、机の下から出てくると、ルイズに向って野次を飛ばし始めた。 悲しそうに俯き、こぶしを握り締めるルイズ。 (なるほどな…。成功率『ゼロ』パーセントってことか…) 爆発音を聞きつけた数人の教師達がやってきて、爆心地のすぐ近くにいたルイズを見てため息を漏らす。 授業を中止させて、ルイズに教室の後始末を命じると、生徒達と一緒に教室を出て行った。 教室に残ったのは、ルイズとマキシマだけだった。 二人は黙々と破片を拾い集め、煤だらけになった床や机を拭いていく。 「…分かった?私がなんで『ゼロ』なんて呼ばれてるのか」 「…ああ」 不意にマキシマに声を掛けるルイズ。 「私ね、一度も魔法が成功したことがないの…。一度もよ?ドットにもなれない、一にも満たないゼロ…。笑っちゃうでしょ?」 自嘲気味に語るルイズには、普段の覇気がまったくない。 聞いてる方が悲しくなるような声で、ルイズは続ける。 「失望したでしょ?笑いたければ笑っていいのよ?」 ポロポロと涙を零しながら喋るルイズの頭に、マキシマが手を乗せる。 「…ゼロじゃないだろ?」 「え?」 鼻をすすりながら、聞き返す。 「ゼロではないだろう。現に、俺を召喚したのは嬢ちゃんだ。違うか?」 マキシマの言葉に、呆気に取られるルイズ。 「まさか、励ましてくれてるの?」 「いや、事実だろう?だから、俺は今ここにいる」 それに と続けるマキシマ。 「見返してやるんだろ?嬢ちゃんを笑った連中を」 その言葉に、ルイズは頷いた。 「そうよ。確かに今は魔法が使えないかもしれない…。でも、諦めないわ!絶対に偉大な貴族になってみせる!」 胸を張り、そう宣言したルイズは、服に付いた汚れを払う。 「さっさと終わらせるわよ!昼食に間に合わなくなっちゃう」 そういって作業に戻ろうとするルイズ。 「その前に、やる事があるだろ?」 「…何よ?」 「顔。洗ってきたらどうだ?」 ガラスの破片を見せると、ルイズは「うっ…」と唸った。 ルイズの顔は、煤と涙の跡で酷い事になっていた。 「ち、違うのよ!別に泣いてなんかないんだから!」 そういうと、教室の外へと走ってゆくルイズ。 その姿を、マキシマは微笑ましそうに見送った。 前ページ次ページMaximusな使い魔
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前ページ次ページ雇われた使い魔 大きな爆音と共に現れた奇妙な生物。 その生物を召喚したルイズといわれている少女は目をぱちくりさせていた。 後ろでルイズを煽っていたギャラリー達もルイズと同じような反応をしている。 『サモン・サーヴァント』という召喚の儀式でルイズが呼び出した生物は、 狐と人間が合体したような、なんとも奇妙な動物であった。 「……何これ」 ルイズは、自分が召喚した奇妙な動物におそるおそる近寄る。 爆風によって舞い上がった砂埃が晴れ、今はその謎の動物の容姿が手に取るように分かる。 顔は狐。よく見ると尻尾も生えている。しかし体は人間のような骨格をしている。 おまけに服も着ており、彼の顔にはよくわからないアクセサリーのようなものがついていた。 「おいおい、なんだよアレ? 狐じゃあ……ねえよな?」 「ルイズが召喚したから骨格がおかしくなっちまったんじゃねーの?」 「でも服を着ているしな……」 ギャラリーが騒然となる中、ルイズは自分の使い魔となるその動物をじっと見つめていた。 気絶しているのか、はたまた眠っているのか、その動物は目を閉じたまま動かない。 まさか死んでいるのではないだろうかと、ルイズの頭に嫌な予感が過ぎる。 何回、何十回と失敗をし、やっと召喚できた動物なのだ、死んでしまっていたらたまったものではない。 ルイズは生死の確認をするため、恐る恐る手を伸ばし触れてみた。……暖かい。 どうやら死んでいるということはなさそうだった。 ルイズがほっと胸をなでおろし、ため息をついた瞬間、その動物がムクリと起き上がった。 「うう……」 ルイズはビクッと体を反応させ、思わず後ずさりする。 起き上がった動物は、自分の身に何が起こったのか理解出来てない様子で、辺りをキョロキョロと見回している。 「や、やったわ…… 成功よ! ついに成功した! ついにやりました、ミスタ・コルベール!」 ルイズはあまりの嬉しさにカエルのようにピョンピョンと飛び跳ねた。 召喚したのは、人間のような謎の狐だが、自分の使い魔であることには変わりない。 いや、"人間のような謎の狐"なんてそうそう出会えるものではない。 もしかしたら自分は物凄い才能の持ち主なんじゃないかと思えるほどだ。 「なあ……あれって成功なのか?」 「絶対変だよな……あれ」 あれと言われた動物は、辺りをキョロキョロと見回したり、 自分の頬を抓ったり、自分の顔についてる奇妙なアクセサリをいじったりしていた。 そんな奇妙な動物の様子を興味深そうに見ながら、ミスタ・コルベールと呼ばれた男が呟いた。 「ふむ……これは珍しい。人間のような格好をした狐とは実に興味深い……」 「は、はい! きっと凄い使い魔となるに違いありません!」 すっかり興奮しきった様子でルイズが答える。 そんなルイズに、多少気圧されながらも、コルベールは話を続けた。 「ミス・ヴァリエール、興奮するのは後にして、早く契約をしたまえ。次の授業まで時間がないんだ」 「あ……。す、すみません……」 ルイズは狐人間に近づき、スッと顔を近づける。 「悪いけど、ちょっとの間だけじっとしててね」 「……!?」 狐人間はルイズに顔を掴まれ驚いたような表情をしている。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 すっと杖を狐人間の額に置き、そのまま唇を重ねた。 「終わりました」 ルイズにキスをされた狐人間はしばらく放心しているらしく、ピクリとも動かなくなった。 自分の体が妙に熱くなっているのを感じていたが、そんなものが気にならないくらい意識が飛んでいた。 なぜなら、この狐人間は宇宙空間に漂い、強大な敵に向かって戦闘機を走らせているからだ。無論妄想であるが。 「ふむ……珍しいルーンだな」 コルベールは魂が抜けている狐人間の左手の甲を見ながら呟いた。 「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」 コルベールはきびすを返すと、中に浮いた。 他の生徒達も中に浮き、それぞれ教室に向かって飛んでいく。 「ルイズ、お前は歩いて来いよ!」 「『レビテーション』がまともに使えないんだからな!」 「使い魔もまともじゃねえしな!はーっはっは!」 いつもなら罵倒を浴びせてくる生徒達を睨み付けるルイズだが、今回は違った。 なぜなら、自分の目の前に最高の使い魔が現れたからだ。 それに比べたら、幼稚な罵倒や、見る目が無いバカの戯言などまったく気にならなかった。 「ねえ、いつまで硬直してるのよ? あんたは私の使い魔なんだから早く私について来なさい」 そういって狐人間が着ていた服を掴もうとした瞬間だった。 「い、い、い、い、いきなり何をするだあーっ!!」 狐人間が思いっきり叫んだ。 思わず台詞をかんでしまったことを恥じる。 しかし、この狐人間にとってもっと恥じるべきことが先ほど発生した。 台詞をかんだことよりも、そっちの方が遥かに重大であった。 「……へ?」 「"へ?"じゃない! キミには恥じらいというものが無いのか!」 「あんた、喋れるの……?」 「……? 何を言ってるんだ、当たり前じゃないか」 狐人間がしゃべった。いや、狐"人間"なのだからしゃべって当たり前なのかもしれない。 しかし、この狐人間が喋るなんて毛ほども想像していなかったルイズは、驚きと同時に深い喜びを感じた。 「す、すごい! すごいわ! ねぇねぇあんた一体何者なの? 人間じゃないんでしょ? でも、狐でもないんでしょ? 一体何なの? どんな生物なの? 名前は何? どこから来たの? 歳はいくつ? 性別は雄……じゃなくて男……どっちでもいいわ!」 凄い勢いで質問攻めしてくるルイズに、狐人間は後頭部に大きな汗を流す。 そして、とりあえずルイズを落ち着かせることにする。 「ちょ、ちょっと待ってくれ。 オレだって質問したいことは山ほどあるんだ。 とりあえず順番にお互いのことを話していくってことでどうだい?」 狐人間の提案に、ルイズはなるほどといった表情で頷いた。 「そうね、それがいいわ。じゃあまず名前から聞くわ。ていうかあんた名前とかあるの?」 狐人間はむっとした表情で答える。 「あるに決まってるじゃないか、失礼な子だな……。オレの名前はフォックス・マクラウドだ。 雇われ遊撃隊、スターフォックスのリーダーを務めている。よろしくな」 フォックスと名乗った男は握手を求め手を差し出す。 「雇われ遊撃隊……? ナニそれ? ……ま、いいわ。フォックスって呼べばいい?」 「ああ、そう呼んでくれると助かるよ。オレの仲間も皆そう呼んでいるからね」 「そう。私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 ルイズが言い終えると、フォックスは頭に?マークを浮かべ、しばし考え込む。 「……それ、キミの名前かい?」 「当たり前でしょ」 「……な、なんだかずいぶんと長い名前だな……えーとルイズ・フランスソース……?」 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!!」 「……? ……そうか、よくわかった! よろしく頼む、ルイズ」 「あんた絶対分かってないでしょ……」 ルイズはあきれ返ったような表情でフォックスを見た。 さっきの最高の使い魔を手に入れたという表情はどこへやら。 ひょっとして自分はとんでもないボンクラを呼び出してしまったのではないかとさえ感じている。 「ところで、先に一つ言っておくことがあるわ」 「……なんだ?」 ルイズはフォックスが差し出している手をはたく。 「な、何をするんだ!」 「あのね、今日から私はあんたのご主人様なの。わかる? 握手するつもりなんだろうけど、ご主人様に軽々しく握手するなんて使い魔としてどうなのって感じでしょ?」 フォックスは自分が何を言われているか理解できてない表情で首を傾げる。 「あー、もう! つまり、あんたは私の部下ってこと! だから私と立場が同じと思っちゃだめなの! わかったら、"ハイッ!"って大きな声で返事をしなさい! これは私の最初の命令よ!」 フォックスは今となっては誰にも通じない通信機に向かって呟いた。 「コイツ何言ってんだ?」 その声はルイズにも聞こえ、ルイズは顔を振るわせながら両手を挙げる。 「あんた私に喧嘩売ってるの!? とにかくあんたは今日から私の使い魔なの! 分かったわね!」 「……言っている意味がさっぱりわからない。スリッピー、この子が言っていることを分析してくれ……」 今やそばにいない仲間に助けを求め、フォックスは頭を抱えた。 しかし、フォックスの苦悩はまだ始まったばかりなのであった。 前ページ次ページ雇われた使い魔
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ギルガメッシュ召喚 タバサの任務につきあってミノタウロスを両断 ギルガメッシュ「弱い!俺の世界で聞いたミノタウロスってのはこんなもんじゃなかったぜ!」 タバサ「…スクウェアメイジのミノタウロスより強い…?どんなの?」 ギルガメッシュ「そうだな、俺の聞いた話じゃあ… 力の塔ってとこにいる最強の聖なる魔法ホーリーの番人で! 魔法禁止といっておきながらやばくなるとそのホーリーを持ち出そうとし、 しかも脳筋野郎なせいかMP不足で唱えることができない結局通常攻撃オンリーな芸の無い野郎 それを隠すためにあらかじめ戦場にミュートをかけておくという反則技は俺も大いに見習いたいところだ ついでにご自慢の腕力はすべてをしるものとか言うリターン厨な魔法使いのボケジジイに完敗しているという…」 タバサ「………」 ギルガメッシュ「…いや、でもコイツよりは強いはずだ、多分」
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前ページ次ページつかわれるもの 第01話 呼び出されたもの ここトリステイン魔法学院では、現在二年生の「春の使い魔召喚の儀式」の真っ最中だ。 午後から始まったこの儀式だが、生徒達は順調に召喚に成功して行き、一人の女生徒を残すのみ。 しかしその女生徒が召喚の魔法を唱えても……聞こえてくるのは儀式を終えた生徒や使い魔の叫び声と―――爆発音だけであった。 その女生徒――ルイズはこれで16度目となる爆発にも決して諦めようともせず、ゆっくりと深呼吸を行って精神を集中させていた。 (今度こそ大丈夫だ、落ち着こう……) 周りから聞こえて来る罵声と悲鳴、教師がまた明日行えば……と言ってくるが、ルイズはもう一度だけやらせて下さい!と半ば強引に押し切った。 (今まで沢山練習したんだ、落ち着いてやれば成功するわよッ……) そして再び杖を掲げ、声を張り上げた。 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ!強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」 ――再び巻き起こる轟音を伴った大爆発、今までで最大の規模だ。 太った一人の生徒が巻き込まれ、焼き過ぎて焦げてしまった豚のように真っ黒になってしまった。 ルイズはついに地面に崩れ落ちた。 今までの努力は、勉強は、練習は、無駄だったのだろうか。 所詮「ゼロ」のルイズには召喚なんか無理だったのだろうか。 そう考えると涙が出そうになった……が、周りの叫び声で我に返った。 「お、おい!何か動いてるぞ!」 「あのルイズが成功したのか!?」 「マリコルヌ!傷は深いぞ!しっかりしろ!!!」 何かが、居る? 勢い良く顔を上げ、土煙の中を確認すべく目を凝らす。 そこには確かに何か動くものが存在し、ルイズは期待に胸を膨らませた。 (ドラゴン?グリフォン?この際だったら鷲とか、梟とか、何でも良いわ!) そして段々と土煙が晴れて行き、そこに居たのは…… 「あ、亜人!?」 獣の耳と尾を持つ女性と、鷲の翼のような耳を持つ女性の二人だった。 カルラが目を開いた時、目の前は土煙で覆われていた。 そして辺りからは罵声や悲鳴、そして驚愕の声が聞こえて来る。 落ち着いて周囲を見回すと、隣にトウカが倒れているのが見えた。 「トウカー、死んでませんわよねー?」 ゆっさゆっさとトウカの身体を揺する。 呼吸はしているようだから死んではいないだろう。 片手で顔を抑えながら、トウカはゆっくりと上体を起こした。 「んー……ここは?」 「良く判りませんけど、生きてはいるみたいですわねー」 「先程居た戦場では無いみたいだな……」 「どうやら"あの鏡"で何処かに飛ばされた、と考えるのが妥当ですわね……」 結論から言えば、カルラの読みは正しかった。 土煙が晴れて目にしたのは、珍妙な衣装に身を包んだ子供達であった。 それを見守っていた教師――二つ名「炎蛇」のコルベールは、目の前で起こった事態に困り果てていた。 何しろ亜人が召喚された、というだけで相当の異常事態であると言うのに、あまつさえそれが二人も居るのだ。困るのも当然と言えば当然なのだが。 試しに彼女達に『ディテクト・マジック』を使ってみたのが、結果として両方から魔力反応があった。 やはり先住魔法が使える、と考えるべきなのだろう。いきなり暴れ出そうものなら手が付けられない事は明白だ。 そして、コルベールを悩ませる理由は彼女達の存在だけでは無かった。 「ミスタ・コルベール……私はどうすれば良いのでしょうか……」 そう、彼女達を召喚したのが――ルイズだと言う事だ。 コルベール自身、彼女の努力は良く判っているつもりでいた。 そしてルイズに才能が無いのでは無く、まだ開花していないだけだ、と考えていた。 ルイズが今日の儀式の為に、毎日毎日努力をしていた事を知っていた。 だからこそ、この機会に召喚できずに退学、という事態だけは絶対に避けて欲しかった。 もしこれを認めなかったら、次に召喚する時に成功する保証は……無い。 コルベールは考える。 召喚される使い魔は、主にとって最も必要とされる存在だ。 恐らく何らかの理由で、彼女達は呼ばれたのだろう。 今更何をした所で、杖はもう振られたのだ。ならばこの流れに全てを任せよう。 もしこの女性達が暴れ出そうものなら、自身が全力で止めてみせる。生徒達を守ってみせる。 コルベールは意を決して、ルイズに声を掛けた。 「前例には無いが……例外は認めらない。春の使い魔召喚の儀式はあらゆるルールに優先する」 「彼女達のどちらか片方と、『コントラクト・サーヴァント』を」 前ページ次ページつかわれるもの
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ルイズはある城の地下深くにいた。ルイズの目の前には一人のメイジが玉座に坐っている。 悪魔のような恐ろしいあ人のメイジが・・・ 「よく来たルイズよ。わしが王の中の王、竜王だ。わしは待っておった。そなたのような若者が現れることを・・・。もしわしの味方になれば世界の半分をルイズにやろう。どうじゃ?わしの味方になるか?」 「あ、あの、なんで私はこんな所にいるんでしょうか?」 「何をいまさら。そなたはわしを退治しにこの城までやって来たのではなかろうか」 「あ、あなたのようなメイジを退治なんてとんでもないです!ぜひとも味方にさせてください!でも、ゼロの私に世界の半分なんて荷が重すぎます!」 「ほう、世界の半分は入らぬと申すか。まあ、そなたが望むのならそれもよかろう。ルイズよ。お前の旅は終わった。さあゆっくり休むがよい!わあっはっはっはっ・・・・・」 ルイズの視界は真っ暗になってしまう。数時間後、先ほどのメイジと同じ声がルイズの耳に響いた。 「ルイズ。起きるのだ。ルイズ」 ルイズははっと、夢から目覚めた。そして目の前には先ほどの夢の住人の姿があった。 「ひっ!夢の人!?せっ、世界の半分なんてとんでもないです!」 「何を言っておるのだ?わしはそなたに召喚された使い魔ではないのか?」 -すっかり忘れてた。昨日召喚したんだっけ。確か昨日夜に散歩に行ってたんだっけ。 「た、確かに召喚したわね。ちょうどよかったわ。じゃあ、この服を洗濯しといて頂戴」 「わしが・・・洗濯をか・・・?」 「そうよ!あんたは私の使い魔なんだからそれくらい・・・な、何よ、その目は・・・」 「王のわしにそのようなことをしろというのか・・・!」 竜王の魔獣のような眼光でにらまれたルイズはヒッと足がすくんでしまう。 「愚か者め!思い知るがよい!」 -なんで!?物探しのときは快く引き受けてくれたのに・・・ ルイズと竜王の考え方は違っていた。 物探しの件は、ルイズは使い魔なんだから主人の命令を聞くのは当然と思っていたのに対し、竜王は自分の部下の望みはある程度叶えてやるものだと考えていた。 もちろん部下の衣類の洗濯等は上の者がやるようなことではない。 「な、何よ・・・私はヴァリエール公爵家の人間なのよ・・・あんたみたいのがかなう訳ないじゃない・・・」 口では強がりを言って見せるが、足はガクガクと震え、目からは沢山の涙の粒があふれている。竜王はフッとルイズを嘲笑する。 「何がおかしいのよ!」 「哀れだな、ルイズよ。どうやっても太刀打ちできぬ相手に一生懸命強がりを言って見せる。自分がわしにかなわぬことは自身がよく分かっておるはずじゃ。いくらわしでもこんな間の抜けた相手と戦うのはちと気が引けるのぉ」 「も、もういいわ!洗濯は自分で行ってくる!」 そう言ってルイズは学院を出て広場に向かった。 「あの、ミス、ヴァリエールですよね?」 メイド服に身を包んだ少女が、後ろからルイズに声をかけてきた。 「確かあんたはここのメイドの・・・」 「はい。ここで働かせていただいているシエスタと申します」 「ねえ、シエスタ。あんたも洗濯しに行くんでしょ。私のもやっといてよ」 「そういえば、貴方の召喚した使い魔は人語を解す亜人だとか・・・」 「そうだけど、それがどうしたのよ?」 「誠に申し上げにくいのですが、洗濯なら・・・」 「あー、だめだめ。あいつったらかなり尊大なやつで、とても洗濯なんてさせられるようなやつじゃないのよ。そういうことで、あんたがやっといてよ」 「はあ、分かりました」 亜人の使い魔が来て、洗濯者が少し減ると思っていたがそうでもなかった。しかし、彼女は別に洗濯が嫌いという訳ではなく、気にはしなかった。 ルイズは部屋に戻って、いそいそと着替えを始めた。洗濯をしてくれない者が服を着替えさせてくれるとは到底思えないからだ。 ルイズと竜王は朝食をとるために部屋から出る。 すると、部屋を出たと同時に他のドアも開いた。 中からはルイズと同い年とは思えないほど大きな胸を持った艶やかな褐色色の肌で赤い髪の少女(といえないかもしれない大人っぽい女性)が出てきた。 彼女は竜王の姿を見た途端に顔が引きつってしまった。 「お、おはよう、ルイズ」 「おはよう、キュルケ。どうしたの、顔が引きつってるわよ」 「隣にいる彼が貴方の使い魔なの?」 「そうたけど、とっても尊大で全然使い魔とは成り立たないのよ」 「やっぱり、使い魔は普通は動物や幻獣だからねー。たとえば私のフレイムとか」 キュルケの部屋からは、真っ赤な巨大なトカゲが出てきた。しかし、何かにおびえるように震えている。 「あ、あら?どうしたの?」 「これってサラマンダーでしょ?」 「そうよ、火トカゲよ、召喚される前は暑い火竜山脈にいたから、風邪でも引いちゃったのかしら」 別にフレイムは風邪を引いたのではない。サラマンダーは竜に近い種族。 竜王の圧倒的な存在感に怖じ気づいている。 「ほう、これがサラマンダーか。古い書物に載っているサラマンダーとは外見が大きく違うようだが、まあ、あれは遠く昔のことだ。長い月日が立てば、生物の姿も変わるかもしれん」 「せ、生物の姿も変わる!?」 キュルケは竜王の言ったことに対し気ったことを、恐る恐る聞いてみた。 「確か書物に描かれていたサラマンダーはトカゲではなく龍の姿であった」 「タツ?タツとはいったい・・・」 「龍というのはだな、角は鹿、頭はワニ、体は大蛇、爪は鷹、掌は虎にており、魔力により空を飛べる生物のことだ。空を飛べる竜、すなわち飛竜と言われることもある。わしの住む世界ではすでに死滅しておるが、この世界にはまだ残っておるのか」 「じゃあ、この子のご先祖様も空を自由に飛び回ってたんだ・・・」 多分それはないと思う。 「それで、あなたのお名前を押し言えてほしいんだけど・・・」 「わしの名か、わしは竜王。王の中の王、竜王だ」 「とても偉大な名前ですね・・・」 キュルケの顔は先ほどにも増して引きつっていた。 「じゃあ私はこれで」 サラマンダーを自慢しに来たキュルケだが、なんだか焦りながら去っていったように見える。実はキュルケもルイズも、リューオーという名前が竜王を表すのだとはうすうす気づいていた。 しかし、認めたくなかった。どちらも誰もが認めるゼロのメイジのルイズに、そんな高等な生物を召喚できるわけがない。 そして、ルイズの方は「自分より使い魔の方が偉いなんてあり得ない」といった感情も持ち合わせていた。さすがにキュルケはそんな使い魔を召喚してしまうルイズをゼロとは呼べなかった。 「サラマンダーが昔は空を飛んでたって本当?」 「実物を見た訳ではないのだが、本にはそう記してあった」 「そっか、じゃあ、これから食事を取りに行きましょ」 「うむ、分かった」 食堂についたルイズと竜王は、料理の並べられた椅子に座った。 「あんたもメイジでよく分かんないけど王様みたいだから、一応きちんとしたものを食べさせてあげるわ」 「ふん、小娘が、生意気な口を聞きおって」 このようなことを言うルイズだが、本当は安物の固いパンなどを与えてしまうと恐ろしい魔法で処刑されることが目に見えていた。 そして、竜王は元いた世界では悪の化身として邪険にされていて、少なくとも人間から食事をもらうなどあり得なかった。 生意気だと思いつつも、その行為に少しだけだが揺れ動いた。 「ほう、これはかなりの美味だ。料理人の腕が食材のよさを活かしておる」 「そ、それはよかったわね」 食事が終われば次は学院での魔法の授業だ。これは竜王にとってかなりの好都合。この世界を我が物にするのは授業を通してこの世界のことを知るのが一番だからだ。
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【マスター】 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔 【令呪】 左手の甲。 ガンダールブのルーンに近似する。 【マスターとしての願い】 魔法の習得。 ただし今のところそれを聖杯に願うつもりはない。 【weapon】 杖 魔術行使のための霊装。 【能力・技能】 虚無の魔術 始祖ブリミルのみが行使したという失われた魔術形態。 地水火風の四属性いずれにも当てはまらないもののうち、人間が行使する魔術の多くをルイズの世界、ハルケギニアではそう呼ぶ。 空間転移、記憶操作、幻術、解呪、固有時加速など多彩な術がある。 しかし現時点のルイズは自らがこの使い手であることは自覚しておらず、術式の一切を行使できない。 僅かに『エクスプロージョン』の片鱗を暴走のように発動させるのみ。 それでも始祖直系の6000年続く魔術師の家系であり、優れた魔術回路を持つ。 特に強い感情によって励起する回路で、何もなくとも1日あればかなり回復するが、怒りや嫉妬などの負の感情を覚えると魔力を一気に生成できる。 【人物背景】 6000年前にハルケギニア式とでも呼べる魔術方式を編み出した魔術師、始祖ブリミルの子孫、ラ・ヴァリエール公爵家の三女として生を受ける。 父母も二人の姉も優秀な魔術師にして堂々たる貴族であり、ルイズも気高い精神と豊富な知識を持つ。 魔術学院において座学や理論においては優秀な成績を示すのだが、実践だけはうまくいかず、なぜかどんな術を行使しても爆発を引き起こしてしまう。 幼少期からそれは続き、魔術のできない「ゼロ」のルイズと蔑まれ、劣等感に苛まれる人生を16年送ってきた。 最後の希望として使い魔召喚の儀に臨んだ瞬間の参戦。 本来の時間軸においては使い魔の召喚に成功し、様々な経験を経て人間的に成長。 後にハルケギニアの多くの魔術師とは扱う術式が根本から異なるために魔術行使ができなかったことが発覚。 国でも有数の魔術師として目覚める。 長年のコンプレックスと貴族としての誇り高さが相まって若干面倒な性格。 特に宿敵のツェルプストー家の人間や、平民(魔法を使えないもの)、大切なものを奪おうとするもの(恋敵など)にはかなりきつく当たるところがある。 とはいえ根本にあるのは名門貴族の娘らしく、「貴族は平民(力のないもの)を守らなければならない」、「守るためには魔術という力が必要である」というノブレス・オブリージュからくるところが大きい、齢16にして立派な貴族である。 【方針】 なのはに師事し、魔術を学ぶ。