約 1,012,518 件
https://w.atwiki.jp/shinsen/pages/4843.html
陰陽師 攻撃術 式神召喚・壱 目録 召喚術・壱 必要気合 420 必要アイテム 呪符 ウェイト 2 効果時間 式神が倒れるまで 発動準備 なし 使用場所 戦闘専用 効果 ランク1の式神を召喚し、ともに戦わせる。 特徴 憑依攻撃(敵単体に若干ダメージと確実に呪い。ウェイト?)が使える 敵の攻撃の対象になる その他情報 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2853.html
俺の名前は平賀才人。ルイズの『二人目』の使い魔だ。 元々俺は地球の日本にいたのだが何の因果かハルケギニアっていう場所に呼び出されちまった。 召喚されたときはそりゃ泣いたりしたが『住めば都』っていう言葉通り結構環境が良かった。 ご主人様であるルイズは以前までは結構厳しい性格だったらしいが。 『最初に召喚した使い魔』のおかげでその性格を改善したらしい。恩に着るよ。 俺がルイズに怒ったことは、初めてルイズの部屋に入った時にドアを開けたら本の山が俺に襲いかかってきたことだ。 そのとき俺は本の中に埋まって危うく死にかけるところだった。 部屋の中も凄まじく、ところせましに本の塔が建てられていた。 俺はルイズに少しは片づけたらどうだって言ったらルイズは返事をしただけで以来ちっとも片づけようともしない。 しょうがなく使い魔として掃除しようとしたら乗馬用の鞭で叩かれちまった。痛かったぜ…。 そんなあくる日のこと、ルイズのいない部屋でのんびりしていたらふとある物が目に入った。 それは『帽子』だった。よく魔法使いが被る黒い帽子、それがベッドの横に置いてある。 俺は何故かそれが気になったので帽子を手に取ってみると帽子の下に日記が置いてあった。 タイトルが書かれてあったがこの国の言葉はまだわからなかったら何なのかさっぱりだった。 俺は気になったのでページを開いてみると…そこには懐かしい日本語が書かれていた。 俺はプライバシーに関わりそうな事を理解して、日記を読む事にした。 ○月○日 (これは私が元いた世界の日にちだが) 私を召喚したルイズって奴から日記を借りた。 こんなに珍しい事は無い、珍しい事があったら日記に書き取っておこう。 しかしルイズから聞いた話だけだがこの世界には珍しい物がたくさんありそうでワクワクするぜ。 ▽月⊿日 今日ルイズやキュルケ達と一緒に『土くれ』のフーケとか言う奴を退治しにいった。 そいつはでかいゴーレムを作って襲いかかって来たが私の『マスタースパーク』であっという間に倒してやったぜ。 その後にノコノコと出てきたフーケの正体はなんと学院長の秘書だった。あの時は驚いたぜ。 『破壊の杖』は手に入れたかったが学院長が断固として断ったため代わりに『遠見の鏡』をもらった。 ★月★日 アルビオンから久方ぶりに帰ってきた。 まさかあのワルドって野郎が敵だったとは知らなかった。まぁすぐに倒してやったけど。 後帰るついでにアルビオンの宝物庫からいろいろと拝借してきたぜ。 でもそのせいでお姫様の愛人をむざむざ見殺しにしてしまった。 あの時気づいていれば助けられたのに…本当に情けないぜ。 ☆月☆日 やっと元の世界に帰れる方法を見つけた。 ルイズはそれを聞いて帰らせまいと私にしがみついたが仕方なく自作の眠り粉をかがせた。 この日記は置いておこう、短い間だったがルイズは私のことを本当の親子か何かのように慕ってくれた。 だから私がここにいたことをここに残しておくぜ。後、名残惜しいが良く喋る剣も残しておこう。 本当ならすぐにでも帰りたいがなんかこの国にレコン・キスタとかいう連中が近づいているらしい。 どうせ最後だ、この霧雨魔理沙がハルケギニアにいたことを記録に刻んでやるぜ。 追伸、恐らく次に召喚される奴。人間で日本語が分かる奴に伝えておく。 私の代わりにルイズの世話を見てくれ。 『タルブ会戦』の折、箒に跨りたった一人でレコンキスタの旗艦『レキンシントン』号を沈めたうえに竜騎兵を全滅させたメイジがいた。 その者の名は……キリサメマリサ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔、霧雨魔理沙。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8508.html
前ページ次ページアウターゾーンZERO 皆さん、こんにちは。私の名前はミザリィ。アウターゾーンのストーカー(案内人)です。 今日ご紹介するのは、アウターゾーンの一つ、ハルケギニアで起きた出来事です。 公爵家の娘、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 彼女はメイジ、いわゆる魔法使いでありながら、魔法が使えないというコンプレックスを抱いていました。 召喚の儀式で、何度も失敗を繰り返した末、やっと召喚できたのは見知らぬ少年。 しかも、魔法が使えない『平民』。彼女は愕然としました。 一方、日本から突然召喚された高校生の少年、平賀才人は訳がわからないまま使い魔にさせられてしまいました。 ルイズに仕えろと言われても、納得できるわけがありません。 当然、主人と名乗る少女、ルイズに反発します。 そして……召喚の日の夜更けのことです……。 学院の寮。 ルイズの部屋から喚き合う声が聞こえてくる。 「あんたは使い魔なんだから、黙って言うことを聞いていればいいのよ!」 「だからって殴ることはないじゃないか! さっきからおとなしくしてれば、いいかげんにしろよ!」 「平民のくせに……貴族に逆らう気!?」 「平民も貴族も同じ人間だろ、どうして殴るんだ。まず口で言えばいいだろ」 「教えてあげましょうか……バカ犬のあんたには言っても無駄だからよ!!」 「うわっ!!」 振るわれた鞭を避けようとして、才人は後ろに転倒した。 壁に頭がぶつかった。 鈍い音がした。 崩れ落ちるように才人は倒れた。 「サイト、どうしたのよ?」 しかし、才人から返事はない。 「サイト……!?」 首を掴んでこちらを向かせると、才人の目は大きく見開かれている。 「……じょ、冗談でしょ!? ねえ、起きてよ、起きてったら!!」 ルイズは必死に才人の頬を張ったが、反応はない。 「死んでる……」 才人の首が、ガクリと下を向いた。 結局、この一件は才人に乱暴されそうになったための正当防衛だった、ということで決着した。 召喚そのものは成功しているので、進級は認められることになったが、使い魔を死なせてしまったので、新しい使い魔を召喚しなくてはならない。 召喚のやり直しをする日が決定するまで授業を休ませる、いわば謹慎処分をルイズは言い渡された。 「フン! だから平民の男ってのは軟弱で嫌いなのよ! おかげでえらい迷惑だわ」 ルイズは反省するでもなく、寮の部屋でふて腐れてワインを飲んでいた。 周囲の目は好意的ではない。 生徒や使用人たちがヒソヒソと、人殺し、使い魔殺しと聞こえよがしにささやいている。 気にしないようにはしていたが、やはり言葉が言葉だけに、耳につく。 「そりゃあ、やり過ぎはあったかも知れないけど……」 その時だった。 [ごめん下さい] ノックの音に続いて、ドアの向こうから声がした。 「誰よ!!」 [ちょっとお話したいことがありまして] ルイズが渋々ながらドアを開けると、そこには見知らぬ女性が立っていた。 「な、何なのよあんた」 つり目にウェーブのかかった長い髪。軍の士官服に身を包んだ、豊満なスタイル。 その妖艶な美しさは、キュルケがかわいく見えるほどだ。 [あなたがルイズさんですね?] 「そうよ、だから何!? 私のことを捕まえに来たの!? もう決着がついたはずでしょ!?」 ルイズは喚く。 [いいえ、そうではありません。私はミザリィと申します。トリステイン総合学院の教務をしている者です。あなたを当学院の生徒として招きたいのです] 「トリステイン……総合学院!?」 [あなたを非難する人も多数いますが、あなたの頭脳は素晴らしい。学業成績では常にトップとのことですね。あなたにぜひ来てほしいという学院があるのです] 「私に? 使い魔を殺したこの私に?」 [そうです、当学院は魔法より学業に重きを置いておりまして、あなたのような生徒を求めているのです。興味があればこちらへどうぞ、勉強熱心なあなたにはぴったりの学校ですわ……] ミザリィはルイズに学院の地図を手渡すと、不気味な笑みを浮かべた。 [よろしければ明日にもどうぞ。いついらっしゃってもいいように、手はずは整えております] ミザリィは帰っていった。 「何なのかしら……でも、魔法より学業に重きを置くって……」 そんな学院のことは聞いたこともない。新しくできた学院なのだろうか。 だが、もしかしたら、魔法が使えないことで誰にもバカにされなくなるチャンスかも知れない。 ルイズの好奇心は膨らんでいった。 翌日。 謹慎を破って寮を抜け出し、ルイズは地図に示されたトリステイン総合学院へとやってきた。 「はあ、やっと着いた……」 朝から歩き続けて、もうそろそろ昼になるところだ。 周囲は山奥で、きつい坂道を歩くのは疲れる。 「これが学院……?」 学院を囲む塀は高く、門は固く閉ざされており、監獄のようだ。 門の脇に立っていた門番に要件を告げた。 「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと申します。ご紹介を受けて参りました」 「そうですか。お待ちしておりました、どうぞ」 ゆっくりと門が開いていく。 ルイズは早足で門をくぐった。 [お察しの通り、彼女は今、アウターゾーンのゲートをくぐり抜けました……さて、彼女はアウターゾーンから無事帰ってこれるでしょうか?] 前ページ次ページアウターゾーンZERO
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2834.html
前ページ次ページ爆炎の使い魔 教室に入るなり、ヒロはほう、と思わず声を出す。 学校といったものに行ったことがなかったヒロは、教室とはこういうものなのか。と部屋を見回した。 ヒロとルイズが入っていくと、先に教室にいた生徒が振り向くなり、くすくす笑い始める。 先ほどのキュルケもいた。男に囲まれている。 (まあ、ああやって色気を振りまいていれば男も寄ってくるだろうな) そう思い、ネバーランドにいた頃の自分を思い出す。 思えば自分は戦いの日々だった。しかも単なる戦いではなく戦争レベルのものがほとんどだった。 そんな中で周りにいた男と言えば、サトー、チク、ザキフォン、大蛇丸、シンバ、ソルティ、アキラ、スカーフェイス。 ザキフォンは筋肉の自慢をよくしてたし、チクはよく変わった発明をしては私に見せていた。大蛇丸にはよく尻を触られた。 シンバとソルティは何時も2人一緒だった。きっとホモだったに違いない。アキラとスカーフェイスはすでに相手がいたし、 サトーはどうだろうか、よく自分を見つめてたりしてた。実は自分に好意を持っていてくれたのではなかろうか? 少し頬を染めるヒロ。しかし現実は残酷だ。 そう考えると、自分ははすでに色んなものを逃してしまったんじゃなかろうか・・・ しかし、伴侶を見つけてキャッキャウフフしてる自分を想像してちょっと嫌になった。 自分もすでに100近い年齢まで達している。種族的に長寿なので見た目は若いままだが、実は中身はおばあちゃんと言われてもおかしくない。 彼氏いない暦100年。ちょっぴり切なくなってため息をつくヒロであった。 気を取り直して周りを見ると、なるほど、確かに周りの生徒は色々な使い魔を連れていた。 フクロウやカラス、ヘビといった普通の動物レベルのものからバジリスクやバグベアーといったモンスタークラスのものまでいた。 ルイズは1番後ろである自分の席に座る。椅子は1つしかなかったので、ヒロは立っていることを選んだ。といっても壁に背を預けている状態だが。 扉が開いて中年の女性が入ってくる。紫色のローブに身を包んでいる。見る限りでは人の良さそうな女性だ。 彼女は教室を見回すと、満足そうに微笑んで言った。 「皆さん、春の使い魔召喚は大成功のようですね。このシュヴルーズはこうやって春の新学期に、様々な使い魔を見るのがとても楽しみなのですよ。」 ルイズはバツが悪そうに俯く。 「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴァリエール」 シュヴルーズのその一声を皮切りに、教室がどっと笑いに包まれた。 「ゼロのルイズ!召喚できないからってその辺を歩いてた平民を連れてくるなよ!」 その声にルイズが立ち上がろうとするがヒロに肩をつかまれ立ち上がれない。 「ちょ、何するのよ!」 「わめくな。程度が知れるぞ。雑音など聞き流せばいいではないか」 「うぐ・・」 「ははは、使い魔に諭されるなんてとんだ主人だな」 そんな声もどこ吹く風か、なおも立ち上がろうとするルイズを押さえつけ、ヒロはシュヴルーズのほうを向く。 「おい、そこの女、ここは託児所か?たかだか小事ですぐ五月蝿くなる。私の知り合いの孤児院の子供たちのほ うがよっぽど躾がなっているぞ。教師なら教師らしく、さっさと静めて授業に入れ」 少し、殺気が滲み出るヒロ。 「そ、そうですね。さあさ、皆さん静かにしてください。授業を始めますよ!」 シュヴルーズの一声で静かになる教室。ルイズももう立ち上がるのを諦めたようだ。 シュヴルーズの授業が始まる。ここでヒロは1つ学ぶ、この世界の魔法には系統があり「火」「水」「土」「風」の4つと失われた 「虚無」という系統の魔法があるということだった。 ヒロはネバーランドの魔法を思い浮かべる。「火」「水」「土」「風」「雷」「光」「闇」に分かれていた。 「雷」はおそらく「風」に「光」と「闇」が「虚無」に該当するのだろう。 また、この世界では建築や鋳造なども魔法によって行うという。魔法が発達している代わりに科学の発達は遅いようだ。この辺もネバーランドとは違うようである。 (なるほど貴族だのメイジだのが、ここまで偉ぶっているのは技術のほとんどを握っているからか。それなら合点もいくな) シュヴルーズが杖を振ると机の上に石ころが現れる。 「さてみなさんには『土』系統の魔法の基本である『錬金』をやっていただきます。1年生のときにできるようになった人もいるかもしれませんが、おさらいということでもう1度やってみましょう」 シュヴルーズは短くルーンを唱え、杖を振る。すると石ころは光りだした。 光が収まると石ころがピカピカの光る石に変わっていた。 「ゴ、ゴールドですか?ミセス・シュヴルーズ!」 「いえ、これはただの真鍮ですわ。ゴールドを錬金できるのは『スクウェア』クラスのメイジだけです。私はただの『トライアングル』ですから。」 ゴールドを錬金できると聞いて呆れるヒロ。そんなことをすればこの世界のゴールドの価値や貨幣制度などは崩壊してしまうのではないか?と 思ったがどうやらゴールドを錬金するには相当の時間と技術が必要な上に大した量も作れないようだ。 「さっきからスクウェアやトライアングルとはなんのことだ?」 知らない単語が出てきたのでルイズに小声で聞くヒロ。 「系統を足せる数のことよ。それでメイジのレベルが決まるってわけ」 「なるほどな、『火』と『土』を足したりできる技術のことか」 ネバーランドではそこまで珍しい能力ではなかった。いや、単に自分の周りにそのクラスの連中ばかりがいただけなのかもしれない。 「ミス・ヴァリエール!授業中の私語は慎みなさい!」 「すいません」 「おしゃべりをする暇があるのなら、貴方にやっていただきましょう。この石ころを貴方の望む金属に変えて御覧なさい」 「わ、わたしが、ですか」 困ったようにもじもじするルイズ。 「ご指名だ」促すヒロ。 「あ、あんたのせいでしょうが!」 「ほら、ミス・ヴァリエール。早くしなさい」 シュヴルーズが呼びかけるとキュルケが手を上げる。 「先生、危険です」 「どうしてですか?」 「先生はルイズを教えるのは初めてですよね?」 「ええ、でも彼女が努力家だという話は聞いています。さあ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやって御覧なさい。失敗を恐れていてはなにもできませんよ。」 「ルイズ。やめて」 キュルケは顔を蒼白にしている。 なんだこれは?ルイズは今から魔法を使うというだけだ。まるで良くないことが起きるかのような雰囲気である。例えば、彼女の魔法の威力が大きすぎて周りにすごい被害でも起こしてしまうと言うのだろうか?だがそれならば恐れられることはあっても馬鹿にされることはないはずだ。 しかも、今から行うのは錬金、単に石ころを別の金属に変えるだけのはずだ。 「やります」 緊張した面持ちで石の前に立つルイズ、生徒のほとんどが机の下に隠れてしまった。 ルイズはシュヴルーズに教えられた通りに短くルーンを唱え、杖を振った。 すると石が光り、大爆発を起こした。 光った瞬間ヒロは舌打ちし、一瞬のうちに術式を完成。『トルネード』を自分の周りに発動させ、爆風を防いだ。 一瞬のことだったので周りはヒロが魔法を使ったことに気がついていない しかし、爆発の影響をモロに受けた教室は悲惨なものだった。 ルイズの1番近くにいたシュヴルーズは吹き飛ばされたのだろう、気絶していた。周りの使い魔たちもその爆発に驚き、暴れだす。 火を吹くトカゲ、窓ガラスをぶち破る怪鳥、他の使い魔に襲い掛かる使い魔、暴れる使い魔を抑えようとして逆に襲われてしまう生徒たち。 もはや教室は阿鼻叫喚の嵐と化していた。 そんな様子を見て、ヒロはため息をつく。 「者共、静まれ!!!!」 ヒロの怒鳴り声が教室に響き渡る。すると暴れていた使い魔たちだけでなく生徒たちもピタリと動きを止めヒロのほうを向いた。 ジロリとにらむと生徒たちは机に座りなおし、使い魔たちはのそのそ主人の下へ帰っていった。 シュヴルーズと同じように気絶していたルイズも目を覚ます。ルイズは起き上がると顔についた煤をハンカチで拭きながら淡々と言った。 「ちょっと、失敗したみたいね」 静かになっていた生徒たちもさすがに猛反撃をする。 「ちょっとじゃないだろ!なにしてくれるんだゼロのルイズ!」 「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないか!!」 (なるほどな。だから『ゼロ』のルイズか。) 特に気にしていたわけでもなかったが、どうしてルイズの前に『ゼロ』と付けられるのかヒロは理解したのだった。 前ページ次ページ爆炎の使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5386.html
前ページ次ページTHE GUN OF ZERO ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは杖を突き出した体勢のまま、震えていた。 場所は、トリステイン魔法学院のすぐ側。 進級試験の一環として、使い魔の召喚と契約の義が行われていたのだが、自身はことごとく失敗を続け、担当教官のコルベールより最後のワンチャンスという宣告を受けていたのにも関わらず、突き出した杖の先で起きたのは、爆発。 「ハハハハハ!」 「やっぱり、ゼロはゼロだな!」 「これで留年だな、留年!」 (そんな……) 脱力し、力なく腕を下ろす。……後ろから投げつけられる罵声が痛い。 うっすらと、涙ぐむ鳶色の瞳が、爆発跡に立ち上る爆煙を睨み付けていた。 そこに、動く者が居る。 「へ?」 何とも間抜けな声を上げてしまったが、煙が晴れるより先にそいつは近づいてきて、ルイズの前に立った。 「俺を呼んだのは、お前か」 そこにいたのは銀髪で翠色の瞳を備え、銀色銀色を基調とした全身を覆う奇妙な服を着た少年だった。 「え……え?」 「助けを呼ぶ声が聞こえた。窮状に陥っていて、どうしようもないから助けて欲しいと懇願していて、ゲートを開いたのは、お前か」 「げ、ゲート?ていうかそれは……」 確かに、助けを請うたかも知れない。他の生徒にバカにされるのが悔しくて、もはや何でも良いから自分の所に来てくれと願ったかも知れない。 「見ろよ!ルイズの奴、平民を召喚しやがったぜ!」 「あはは!流石はゼロのルイズだな!」 「ルイズにはお似合いの使い魔だ!」 散々に笑い飛ばす面々に、ルイズはハッとして担当教官を振り返った。 「ミスタ・コルベール!召喚のやり直しを!平民を使い魔にするなど、前例がありません!」 ルイズの言葉に、ゆっくりとコルベールは首を振った。 「ミス・ヴァリエール。使い魔の召喚は神聖なモノだ。やり直しをする訳にはいかない。それに何より、今の口ぶりでは彼は正に君のために召喚に応じたと言うことになる」 言われて、銀髪の少年に向き直る。 当の彼は首をひねっていた。 「済まない。正直あまり事情が飲み込めていないんだが……」 「君は呼ばれたんだよ。この、ミス・ヴァリエールの使い魔としてね。そしてここは、トリステイン魔法学院だ」 「魔法?そうか、ここは魔法がある世界か」 よく分からない言い回しを少年は口にした。 「だが、必死に助けを求めていたにしては、ここは平和に見えるが」 「うむ。ミス・ヴァリエールにしてみれば必死だっただろう。何しろ、使い魔を呼び出すことが出来なければ、彼女は進級出来ないのだから」 「そうか。話には聞いていたが、大変なんだな、学生は」 しみじみと頷く。 「……では、俺がここに来たと言うことは彼女の危機はもう去ったということか?」 「いや」 コルベールが首を左右に振る。 「使い魔を呼び出した上契約まで果たすことによって初めて、召喚の儀式は完成する」 「契約……つまり、俺が彼女に仕えるということか?」 うむ、とコルベールが頷くと、少年はじっと考えこんだ。 「……わかった。少々条件は欲しいがお前の使い魔に成ろう」 顔を上げ、ルイズの方を見る。コルベールも促すようにルイズを見た。 だが、ルイズの方はそう簡単ではない。そりゃあ、せっぱ詰まったせいで何でも良いから来てくれと願ってしまったが、平民だなんてのは考えの外だ。 第一、契約の方法が方法である。 (そんな……私のファーストキスよ!?ファーストキス!それが……) 平民などに奪われるなど、全くもって冗談ではない。 「うううううぅぅぅ……」 小さくうなり声を上げつつ少年を睨み付けてやる。 「どうした?何か調子が悪いのか?」 全くこちらの葛藤を理解もせずに、脳天気にもこちらの心配などしてきている。 「ええ、そうよ!調子が悪いのよ!アンタみたいな平民を呼んじゃうだなんて!」 「嘘付くなよ『ゼロのルイズ』!」 「失敗ばかりなのはいつものことだろう!?」 「煩いわね!?」 外野のヤジに噛み付く。 「『ゼロ』?」 少年が、その言葉を繰り返した。 「な、何よ……」 「ルイズ、というのがお前の名前か。それに『ゼロ』……えらく強そうな呼び名だな」 「はぁ……?」 何とも的外れな少年の言葉に、怒るよりも先に呆れてしまう。 「それで、契約とはどうするんだ?どうすれば成立する?」 「う……」 唐突に本題を振られ、苦い表情になるルイズ。再び少年を睨み付ける。 「……どうした?」 せめてもの救いなのは、顔は良いことか。 ふかーくため息をつき、ルイズは一歩、少年に近づいた。 「ちょっと屈みなさい」 「こうか?」 片膝を付く少年の頬を掴み、こちらの顔を近づける。 「感謝しなさいよね。普通ならこんな事、されることは無いんだから」 「なに?」 心中、必死に「これは使い魔だからノーカン、これは使い魔だからノーカン」と唱えながら口では契約の呪を紡ぐ。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 そっと交わされる口付け。 少年は一瞬面食らったような顔をしていたが、ルイズが離れる時には元の表情に戻っていた。 「成る程、キスが契約のキーか……っつ!」 ルイズが立ち上がったところで、少年は左手を掴んで呻く。 「何だ、これは……っ」 「契約のルーンが刻まれているのよ。すぐに痛みも止むわ」 「ルーン……?」 怪訝な顔で尋ね返しつつ、自身の胸の辺りを弄る少年。するとその体から空気の抜けるような音がし、ガバと彼は胸元を開いた。 「ちょ、ちょっとあんた何考えてんのよ!?」 顔を手で覆いながら、それでも指の間から意外と厚い胸板をしっかり見つつ、批難する。 後ろの女生徒達からも悲鳴が上がっていた。 「ルーンとは、これか?」 袖から腕を引き抜き、調度遠山桜を晒すような姿になりつつ、左手を掲げた。 「随分と脱ぎにくそうな服だね。……それにしても、珍しいルーンだ。私も見たことがない。スケッチしてもよろしいかな」 コルベールがしげしげとそれを見つめる。少年が頷き返すと、そそくさと書き写した。 「ふむ。ではこれにて、春の使い魔召喚の義は終了とする。各自、次の授業に向かうように」 コルベールから解散の礼を受け、教師と生徒達は召喚したばかりの使い魔を伴って学院の方へと飛ぶ。 「ルイズ!お前は後から歩いて来いよ!」 「そうそう!お前はフライもレビテーションも使えないんだからな!」 「その平民の使い魔と一緒にな!」 わざわざ言わずもがなの事を言い残しつつ遠くなっていく生徒達を睨みながら、ルイズは奥歯を噛み締めていた。 服を着直しつつ、ルイズの見ている方向を一緒に見ていた少年は、ルイズが振り返ると少し間を空けて語りかけた。 「――自己紹介がまだだったな。俺の名はクォヴレー、クォヴレー・ゴードンだ」 前ページ次ページTHE GUN OF ZERO
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3994.html
我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン! 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ! もうもうと立ち込める砂塵があたりを覆わなくなったころ、爆心地には奇妙なものがあった。 「・・・なによこれ」 サモン・サーヴァントがようやく成功し、歓喜に満ち溢れていたルイズは自分が召喚した それ を見て表情を曇らせた。 「ミスタ・コルベール!やり直しをさせて下さい!!」 「だめです。儀式は神聖なものです」 「でっ、でも! あれ どうみても生き物じゃありません!」 「早くコントラクト・サーヴァントを行いなさい。そうでなければ進級できませんよ」 「そんな・・・」 我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 五つの力を司るペンタゴン この者に祝福を与え、我の使い魔となせ ルイズは召喚した それ に対して契約を行った。 それ は人よりもはるかに大きく、四角く、白かった。 それ は人ではなかった。触れてみるとひんやりとしていた。 それ は人を多く収容できるほどの空洞と屋根を持っていた。 「本当になんなのよ これ ・・・ あら、なにかしらこれ」 ルイズは それ の近くに一枚の紙が落ちていることに気がついた。 その紙にはこう書かれていた。 「やっぱりイナバ百人乗っても大丈夫!」 株式会社稲葉製作所より「イナバ物置」を召喚
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8426.html
前ページ次ページMaximusな使い魔 教室に入り、マキシマとルイズを待っていたのは、好奇の視線だった。 平民を召喚したルイズ、平民で見た事もないような大男。 どちらかというと、後者に向けての視線が多いのだろう。 生徒たちの視線は若干高い。 二人を見て、クスクスと笑う者やひそひそ話をし始める者もいる。 そんな連中を一瞥すると、ルイズは視線を避けるように一番後ろの席に座り、マキシマはその後ろで腕を組み壁に背を預けた。 「なぁ。俺は教室の外で待ってた方がいいんじゃないか?」 「ダメよ。さっきも言ったでしょ?使い魔は主人に付き添うものなの。それに、今日の授業には使い魔をつれて来いって言われてるのよ」 聞けば、使い魔同士の顔合わせも兼ねているらしい。 「生徒の人数と外の人外の数が合わないんだが……」 教室を見回して生徒たちの使い魔を観察しながら思った事を口にする。 「大きくて教室に入れない使い魔もいるけど…ほら、外を見て」 言われるままに窓の外を見ると、なるほど。教室に入る事の出来ないような大きな使い魔達は外で一箇所に固まっていた。 「…俺も結構大柄な方だろ?外でもいいと思うぞ?」 「いくらなんでも無理があるでしょ…。と言うより何でそんなに外がいいの?」 渋りまくるマキシマに、ルイズは怪訝な目を向ける。 「……いや…何だか場違いな気がしてならないんだが…」 その言葉に「あぁ~…」っと呟くルイズ。 確かに平民の巨漢が、学院の教室に居るというのは違和感が凄い。 様々な動物や幻獣がいるが、マキシマは特に目立つ。 周りの生徒たちも「何食ったらあんなにデカくなるんだよ…」「2メイルはあるぞ…?」等マキシマについて話しをしている。 「とにかく!あんたはここに居なさい!それに、あんたの居た所って魔法が無いんでしょう?ならここで少し勉強しておいたらどうかしら」 ふむ。と考えるマキシマ。 確かに居心地は良くないが、魔法がどのような物かを知っておいて損は無いだろう。 「りょーかい。それじゃあ俺もお勉強させてもらうかな」 諦めたらしいマキシマを見て、ルイズは満足そうに椅子に深く腰掛けた。 「そういえば、あんたのいた所にも魔法みたいなものがあるって言ってたじゃない?どういうも のなの?」 思い出したようにルイズは聞いた。 「厳密には違うんだろうが…。まあその話はまたの機会にな」 教室に入ってきた教員と思われる中年の女性を見て、話を中断する。 温厚そうな見た目の女性は、近くにいた生徒達に笑顔で挨拶をしている。 「むぅ…」っと残念そうな顔をするルイズであったが、授業ならば仕方があるまいと諦める。 それまでおしゃべりに夢中になっていた生徒たちも席に座り始め、全員が席に着いたのを確認すると、女性は生徒達に激励の言葉をかけた。 「さて皆さん。春の使い魔召喚は全員成功したみたいですね。私も、この教室で再びあなた達に会えたことを、とてもうれしく思います」 マキシマがどういう事かルイズに聞くと、どうやら使い魔を召喚する事が出来なかった場合、進級する事が出来ないそうだ。 「まあ、実際に召喚が出来なかった事があったなんて話し、聞いた事がないけどね」 そう続けるルイズに、マキシマは「そういうもんなのか」と納得する。 教員の女性はマキシマに目を留めると、興味半分、驚き半分というような顔で、ルイズに声を掛ける。 「こ、これはまたずいぶんと珍しい?使い魔を召喚したものですねぇ。ミス・ヴァリエール」 「は、はい。私自身かなり驚いています…。アハハハ…」 落ち込んだような笑い方をするルイズの耳に、聞き覚えのある声が飛んできた。 「おい!ゼロのルイズ!召喚に失敗したからって、その辺にいた平民を連れてくるなよ!」 昨日ルイズと言い争いをしていた小僧だ。確か名前はマリコルヌだったか。 そんなマリコルヌの言葉を、ルイズは屁とも思ってないようだ。 「先生!グランドプレ君は気分が優れないみたいです!誰かが医務室に連れて行かないと 倒れてしまいます!その証拠に、昨日あった事も覚えてないみたいで…」 ルイズが心底心配そうな顔を作って言う。 その言葉に「まぁ!大変!」と慌てる女性。 当の本人は何が起きているのかが理解出来ていないようで、首をかしげている。 「昨日から心配してたんです。声が枯れてて、風邪じゃないかって言ったんですけど…」 ようやく自分が馬鹿にされている事に気づくマリコルヌ。 「おい!ゼロ!僕は風邪なんか引いてないぞ!?いい加減な事いうな!」 「聞きましたか先生!今のガラガラ声!昨日より酷くなってますよ?」 ルイズの演技に、女性は完全にルイズの言う事を信じてしまった。 「ミスタ・グランドプレ!貴方がどれだけ勉強熱心でも、風邪を引いていてはいけません。今は十分休養を取って、風邪を治してから授業に出ましょう。それまでは医務室から出てはいけませんよ?」 「そ、そんな!?僕は風邪なんか!」 そんなマリコルヌの悲痛な叫び声にも、教師は首を振る。 「その言葉は、まず喉が治ってから聞かせてください。医務室からここまではそんなに離れていませんから、そこのあなた。彼を医務室まで連れて行ってあげてください」 そう言って本を読んでいた青い髪の小柄な少女を指名する。 少女はコクリと頷いて、片手で本を読みながらマリコルヌの襟首を掴んでズルズルと引きずって行ってしまった。 引きずられてゆく最中、マリコルヌは何かを叫んでいたが、何を言っていたかは誰も聞き取れなかったようだ。 「さて。ミス・ヴァリエールの使い魔さん…じゃ呼びづらいですね。私はこの学院で教師をしているシュヴルーズといいます。あなた、お名前は?」 「マキシマだ。魔法の事について詳しくご教授していただくと助かる」 「まぁ!私の授業に興味が?そうですね。それでは皆さん。今日の授業は、昨日の召喚の儀式をひとまずの区切りにして、これまでの授業のおさらいにしましょう。では彼の主人であるミス・ヴァリエール。魔法の四大系統をお答えください」 シュヴルーズがルイズを指名して、問題を出す。 「火、水、風、土、です。メイジはそれぞれ自分の得意な系統を持ち、使い魔はメイジの得意系統にあったものが召喚される事が多いです」 自信たっぷりに答えるルイズに、シュヴルーズはパチパチと小さな拍手を送った。 「その通り。そしてメイジにはドット、ライン、トライアングル、スクウェアというようなクラスがあり、クラスが上がるごとに 使える系統が一つ増え、魔法に必要な魔力の消費量が減っていきます」 ルイズの説明にそう付け足すと、シュヴルーズは懐から小石を取り出して教卓の上に置く。 「私の系統は土。土系統は汎用性に優れていて、とても便利です。代表的なものが、錬金ですね。『イル・アース・デル』」 唱えながら杖を振るうシュヴルーズ。 すると教卓の上にある小石が黄金色に輝いた。 「ゴ、ゴールドですか!?ミス・シュヴルーズ!」 キュルケが思わず身を乗り出すが、シュヴルーズは首を横に振った。 「残念ですがこれは真鍮です。ゴールドを錬金するとなると、それこそスクウェアクラスの技量と魔力が必要になりますからね」 シュヴルーズの回答に、キュルケは本当に残念そうな顔をする。 (結構現金な性格してるんだな…) (そうね…) マキシマが小声で話し掛け、ルイズが同意。 キュルケが振り向いてルイズとマキシマを見たが、二人はあらぬ方向を見て目を逸らす。 「それでは誰かにこの『錬金』をやって貰いましょうか」 そういうと教室を見渡すシュヴルーズ。 「ではミス・ヴァリエール。お願いできますか?」 「ま、また私ですか!?」 まさか二度も指されるとは思っていなかったルイズは驚いたように聞き返す。 「ええ。自分の使い魔にいい所を見せるチャンスですよ。さあ、こちらに来てください」 言われるがままに教卓に向って歩き出すルイズ。 しかし、生徒の一人が声を上げた。 「先生!危険です!そいつに魔法を使わせちゃダメです!」 他の生徒達も必死にシュヴルーズに抗議したが、ルイズの魔法を見たことがないシュヴルーズには、何故生徒達がこんなに騒ぐのか理解できなかった。 「心配ありませんよ。錬金は土系統でも初歩の魔法ですから」 「先生は知らないだけなんです!ゼロのルイズが魔法を使うと…」 教卓に向うルイズの背中を見送りながら、マキシマは何故自分の主人が『ゼロ』と呼ばれているのかを考えていた。 (良い意味ではないんだろうが…なぜ『ゼロ』なんだ?) マキシマの疑問は、その後すぐに解消した。 「それではミス・ヴァリエール。この石を何でも良いので何か別の金属へ錬金してください」 「は、はい…」 ルイズの返答に、教室の生徒達が青ざめ、ざわつきだす。 そしてルイズが杖を取り出すと、生徒達が皆教卓から離れたり机の下に隠れたりしている。 「さあ、落ち着いて。大丈夫。あなたはとても勤勉な生徒です。きっとうまくいきます」 一度だけ深く深呼吸をして、ルイズが杖を振り上げた。 そのタイミングで、教室の扉が開いた。 「先生!僕が風邪じゃない事は、医務室の先生に証明してもらいました!」 「「あ」」 意気揚々と教室に戻ってきたマリコルヌが、光に包まれる。 石が、爆発した。 「こんな筈はぁぁーーッ!!」 シュヴルーズは黒板に叩きつけられ、マリコルヌは廊下へと消えていった。 飛んでくる破片を手で払いながら、マキシマは考える。 (何故失敗したんだ?確かにあの教師と同じようにスペルを唱えていたはずだ…) 「このゼロ!またやりやがった!」 「いつになったらまともに魔法を使えるようになるんだ!」 「一生無理だろ?」 「言えてる」 生徒達は、机の下から出てくると、ルイズに向って野次を飛ばし始めた。 悲しそうに俯き、こぶしを握り締めるルイズ。 (なるほどな…。成功率『ゼロ』パーセントってことか…) 爆発音を聞きつけた数人の教師達がやってきて、爆心地のすぐ近くにいたルイズを見てため息を漏らす。 授業を中止させて、ルイズに教室の後始末を命じると、生徒達と一緒に教室を出て行った。 教室に残ったのは、ルイズとマキシマだけだった。 二人は黙々と破片を拾い集め、煤だらけになった床や机を拭いていく。 「…分かった?私がなんで『ゼロ』なんて呼ばれてるのか」 「…ああ」 不意にマキシマに声を掛けるルイズ。 「私ね、一度も魔法が成功したことがないの…。一度もよ?ドットにもなれない、一にも満たないゼロ…。笑っちゃうでしょ?」 自嘲気味に語るルイズには、普段の覇気がまったくない。 聞いてる方が悲しくなるような声で、ルイズは続ける。 「失望したでしょ?笑いたければ笑っていいのよ?」 ポロポロと涙を零しながら喋るルイズの頭に、マキシマが手を乗せる。 「…ゼロじゃないだろ?」 「え?」 鼻をすすりながら、聞き返す。 「ゼロではないだろう。現に、俺を召喚したのは嬢ちゃんだ。違うか?」 マキシマの言葉に、呆気に取られるルイズ。 「まさか、励ましてくれてるの?」 「いや、事実だろう?だから、俺は今ここにいる」 それに と続けるマキシマ。 「見返してやるんだろ?嬢ちゃんを笑った連中を」 その言葉に、ルイズは頷いた。 「そうよ。確かに今は魔法が使えないかもしれない…。でも、諦めないわ!絶対に偉大な貴族になってみせる!」 胸を張り、そう宣言したルイズは、服に付いた汚れを払う。 「さっさと終わらせるわよ!昼食に間に合わなくなっちゃう」 そういって作業に戻ろうとするルイズ。 「その前に、やる事があるだろ?」 「…何よ?」 「顔。洗ってきたらどうだ?」 ガラスの破片を見せると、ルイズは「うっ…」と唸った。 ルイズの顔は、煤と涙の跡で酷い事になっていた。 「ち、違うのよ!別に泣いてなんかないんだから!」 そういうと、教室の外へと走ってゆくルイズ。 その姿を、マキシマは微笑ましそうに見送った。 前ページ次ページMaximusな使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1905.html
一覧へ戻る / 次のページへ 私にはお父様の望みをかなえる事はできない。 私にはそれだけの力が無いから。 だから私はお父様を眠らせようとした。 ひとつに戻ったお父様も眠る事を選んだ。 それでいい。 私もまた眠ろう、この子の中で。 願わくば、二度と目覚める事が無いように。 私が目覚めるという事は、お父様もまた目覚めるという事だから。 けれど。 「カミュちー?」 親友の少女が、この子に話しかける。 この子は故郷の方角の空を見上げ、呟いた。 「……おじさま?」 少女から渡された蜂の巣のカケラを、この子は地面に落としてしまう。 そして、この子の中で、私はひっそりと目を覚ました。 転移術? ううん、違う。それとはもっと異質な力の流れを感じる。 何が起きているのか、ここからじゃよく解らない。 けれど、ひとつだけ、なぜか確信できた事がある。 だから。 「……さようなら、お父様」 私はこの子の口を借りて、お別れを言った。 親友の少女も、理屈ではなく、本能的に何が起きたのかを察する。 「おと~さん……!」 それは誰の目にも留まらず、聞こえぬ場所で起こったはずの出来事。 けれどお父様に関わった人々は、親友の少女のように、それに気づく。 双子を従え、鉄扇を手に旅をする若者が空を見上げる。 「兄者……?」 戦場を渡り歩く美しき傭兵二人が空を見上げる。 「主様……」 「聖上……?」 皇の代理を務める武人が業務のかたわら、ふと窓から空を見上げる。 「……聖上」 無邪気に花畑で遊ぶ少女が空を見上げる。 「おろ~……?」 小さな村で墓参りをしていた少女が空を見上げる。 「……ハクオロ、さん?」 第1話 呼び出されるもの トリステイン魔法学院にて、春の使い魔召喚の儀式が行われていた。 二年生になった生徒達が、次々に自分に相応しい使い魔を召喚していく。 しかし、彼女の出番になった途端、儀式は滞りを見せた。 学院内の広場の中、多くの生徒と、教師のハゲ頭が見守る中、 彼女は一人前に出て、恥をかきながらも懸命に詠唱を繰り返し、爆発を起こしていた。 もう何度笑われたのか解らないし、もう彼女の失敗に飽きてそっぽを向いてる者もいる。 それでも、まだ嘲笑を浮かべて彼女を見ている生徒は何人かいた。 しかしその中に、嘲笑ではない表情を浮かべてルイズを見守る赤毛の美女や、 彼女のがんばりを重々理解しているハゲ頭の教師などは、 彼女の成功を半ばあきらめながら、成功するという奇跡を期待して見守っていた。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール……」 この詠唱で、もう何度目だろうと彼女は杖を握りしめる。 「五つの力を司るペンタゴン!」 これを失敗すれば留年か落第か。 「我の運命に従いし」 今まで色んな魔法を唱えてきて、そのたびに成功して欲しいと強く願っていた。 けれど、今ほど強く願った事はない。 これで失敗してしまったら、もう、ここにいる事すら許されなくなってしまいかねない。 「"使い魔"を召喚せよ!」 だから、どうか使い魔を呼び出せますように。 神聖でも強力でもなくていい。 犬や猫でも構わない。 いっそネズミでもいい。学院長のオールド・オスマンの使い魔もネズミだし。 ホント、もう、何でもいいから、召喚されなさい! と、彼女は強く願った。 銀の光。 鏡のような、丸い銀の光が、彼女の前に現れる。召喚のゲートだ。 鳶色の瞳にその光を映してルイズは、純粋な驚きに目を見開いた。 感動は無かった。 強く強く願っていた事が起きたのに、それが信じられない。 信じていないから感動もできない。 それは赤毛の美女や、ハゲ頭の教師も同じだった。 赤毛の美女の異変に気づいて、その隣で本を読んでいた青髪の少女も顔を上げる。 だから真っ先に何が起きたのか理解したのは、その青髪の少女だった。 続いて、ルイズと、赤毛の美女キュルケと、ハゲ教師コルベールも理解する。 「成功、した……」 と、口にした瞬間、ルイズの胸に感動が湧き上がった。 キュルケも、コルベールも同様だった。 異変に気づいた生徒達は、感動ではなく、ただ驚くだけ。 小さな胸を震わせながら、ルイズは杖を握りしめて真っ直ぐにゲートを見つめる。 召喚の、サモン・サーヴァントのゲート。 後は、あそこから出てくる自分の使い魔をコントラクト・サーヴァントをすれば完璧だ。 いったい何が出てくるのか、自分の使い魔はいったい何なのか。 不安は無かった。期待と、すでに成功したも同然という歓喜が胸中を渦巻く。 そしてルイズの頬がほころぶと同時に――ゲートから、黒い霧が噴出した。 「えっ!? な、何っ!?」 黒い霧はあっという間にルイズの周囲に広がり、彼女を覆い隠す。 通常の召喚ではありえぬ異常事態にコルベールは慌ててルイズの元へ向かおうとする。 「ミス・ヴァリエール!」 だが黒い霧に阻まれ、中に入る事ができない。 魔法を詠唱しても黒い霧に呑み込まれるだけだった。 黒い霧の中で、いったい何が起こっているのか? ルイズは――いったい何を召喚したというのか! 空も地面も、周囲にいるはずのクラスメイト達や教師の姿も、黒い霧によって隠される。 外でコルベールが叫んでいるが、その声すらルイズの元には届いていなかった。 「な……何なの? 何なのよこれ? まさか、また……失敗しちゃったの?」 期待も歓喜も、不安という霧に呑み込まれて消え去り、ルイズは後ずさりをした。 「み、ミスタ・コルベール! あの、どうすれば……ミスタ・コルベール!?」 助けを求めて声を張り上げても応えるものは無かった。 いや――あった。 「我ガ眠リヲ妨ゲタノハ汝カ、小サキ者ヨ」 重厚な、聞くだけで気圧される人外の響きにルイズは肩をすくめる。 「だ、誰!?」 「我ガ眠リヲ妨ゲタノハ汝カ、小サキ者ヨ」 声は、頭上から聞こえた。 ハッと見上げてみれば、黒い霧の中、光る一対の双眸が自分を見下ろしていた。 十メイルはあろうかという巨躯が、ゲートのあっただろう位置に立っている。 つまり、この声の主は、自分が召喚した――使い魔? 「そ、そうよ。あんたをここに呼んだのは、私よ」 「……我ガ眠リヲ妨ゲタ理由ハ何ダ」 「そ、それは……つ……」 使い魔、って言ったら怒るかな? と、ルイズは怯えた。 だって、何か知らないけどこのデカい奴、怖そうだし。 「……魔、として、召喚して……契約を……」 だからつい、使い魔という単語をどもらせてしまった。 そして、使い魔という単語が聞こえなかったため、 呼び出されたそれは『契約』という自分にもっとも係わりの深い単語に反応した。 「我トノ契約ヲ望ム。ソレガ汝ノ願イカ、小サキ者ヨ」 「え? け、契約してくれるの!?」 「ヨカロウ」 黒い霧のせいでよく解らないけど、こんなに大きくて、 しかも人語を操るとなれば、そりゃもうとんでもない幻獣か何かだろう。 不安や恐怖がすべて吹っ飛び、ルイズはガッツポーズを取った。 こんな規格外の幻獣を使い魔にできるなんて、それなんて勝ち組? メイジの実力を見るには使い魔を見ろ、だなんて格言もあるし、 こんなすごい使い魔の主なんていったら、もんのすごくどえらいですよ自分。 「じゃ、じゃあ早速――」 コントラクト・サーヴァントを、と続けようとした。が。 「ナラバ、我ニ汝ガスベテヲ捧ゲヨ」 「……はい?」 「ソノ身体、髪一本、血ノ一滴ニ至ルマデ、ソノ穢レ無キ無垢ナル魂。 汝ノスベテヲ、我ニ差シ出セ」 「…………」 このデカい奴、いったい何を言ってるんだろう? だって、サモン・サーヴァントは使い魔を呼ぶための魔法。 なのに、呼び出された使い魔に、ご主人様がすべてを捧げるって何? 普通逆でしょ。 とはいえ下手に文句を言って、機嫌を害しては契約できないかもしれない。 「……じゃ、とりあえず契約するから、しゃがんで、顔をきちんと見せてくれない?」 ルイズの言葉を肯定と受け取り、黒い霧の中で、その巨体が膝をつき腰を折る。 そしてルイズの頭上に、光る双眸と鋭く生え揃う牙が近づく。 大きな口。ジャンプすれば、何とか届くかな? 「契約は成立シタ。汝ガ願イ、確カニ――」 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 早口に詠唱し、ルイズは力いっぱいジャンプすると、 獰猛な牙の並ぶ大きなそれに口付けした。 「娘、コレハ何ノ真似――」 疑問の声が途中で途切れ、巨躯は突然立ち上がる。 「グオオォォォォォォッ!?」 腹に響くほどの大声で吼えながら、そいつの顔の下、胸の辺りが輝いた。 「落ち着いて。使い魔のルーンが刻まれてるだけよ。 ……うふふっ、契約しちゃえばこっちのものなんだから!」 呼び出された巨躯の幻獣の咆哮が小さくなるにつれ、 ルイズの周囲を包む黒い霧も次第に晴れていった。 ルイズはみんなの反応が見たくて、自分の召喚した使い魔の姿を見たくて、ニヤニヤと笑う。 巨体を誇る幻獣。 いったいどんな姿をしているのか? ワクワクが止まらない。 そして黒い霧が晴れた。 ルイズは前方を見上げていた、そこに自分の呼び出した使い魔の顔があると信じて。 「……あ、あれぇ?」 だが、霧が晴れた時、ルイズの前に使い魔の巨体は無かった。 青く晴れ渡った空が広がっているだけである。 使い魔の姿を探して、視線を降ろしてみる。 男が、仰向けに倒れていた。 白と青を基本としたゆとりのある奇妙な服を着ていて、 顔の上半分を隠す形の白い仮面が不気味であった。 ……誰? これ? 呆然とするルイズ。その周囲で、失笑が、続いて爆笑が巻き起こる。 「見ろよ! ルイズの奴、平民を召喚したぞ!」 「何だあの恰好、大道芸の奴か何かか?」 「さすがは"ゼロのルイズ"だ!」 笑われて、ルイズはハッと正気に戻った。 「ち、違……これは、私の使い魔じゃ……あいつは? あの大きい奴はどこ!?」 慌ててキョロキョロと周囲を見回すが、あの巨体が隠れられるような場所は無いし、 姿形などどこにも見当たらない。何で? 何で!? 困惑するルイズを無視して、コルベールが倒れている仮面の男に歩み寄る。 男が胸元を押さえているため、手をどけて奇妙な服の胸元をはだけさせてみる。 仮面の男の胸には、くっきりと使い魔のルーンが刻まれていた。 「ふむ……珍しいルーンだな。ミス・ヴァリエール。あの黒い霧の中で契約したのかね?」 「え? は、はい。でも私が契約したのは――」 ルイズの説明を聞きながらコルベールは杖を振るい、光の粒子を舞わせた。 ディテクトマジック(探知)で男を調べるが異常は感じられない。 あの黒い霧の正体は不明で、まだ問題が無い訳ではないが、契約の成功は事実。 「人間の使い魔など前代未聞だが、ルーンも刻まれているし、成功だ。おめでとう」 「違っ……」 ルイズが否定しようとすると、倒れている仮面の男が頭を押さえながら半身を起こした。 「う、う~ん……」 その瞬間、ルイズの怒りが爆発する。 大股で詰め寄り、ギラギラと血走った双眸で睨みつけながら、仮面の男の前に立つ。 「ちょっと! あんた、誰? 私の使い魔は、どこ?」 声をかけられた仮面の男は、虚ろな目でルイズを見上げた。 「……ムツ、ミ?」 「寝惚けてんじゃないわよ! あんたいったい何なの? とりあえず、その仮面を外しなさい。貴族の前で無礼だわ」 ルイズに怒鳴られ、仮面の男はぎこちない仕草で顔に両手を当てた。 「仮面……?」 自らのかぶる、白い硬質の仮面の感触を確かめると、男は虚ろな瞳を、ルイズに向ける。 「……私は…………」 そして、言った。 「私は、誰だ」 二度ある事は三度ある。 この人、実は記憶喪失になりやすい体質なんじゃなかろうか? とはいえこうしてハルケギニアの地に、彼は降臨した。 禍、元凶、解放者、大神(オンカミ)……うたわれるものが。 一覧へ戻る / 次のページへ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/11.html
ゼロの使い魔の二次創作スレ、及びまとめへのリンク あの作品のキャラがルイズに召喚させました 多重クロス。本スレの100スレ突破記念企画です http //noname.mydisk.jp/aniversary/anniversary.html ゼロの奇妙な使い魔 まとめ ジョジョの奇妙な冒険全般 http //www22.atwiki.jp/familiar_spirit/ 新世紀エヴァンゲリオン×ゼロの使い魔 ~想いは時を越えて~@ ウィキ 新世紀エヴァンゲリオンの碇シンジとエヴァンゲリオン初号機 http //www10.atwiki.jp/moshinomatome/ ベイダー卿がゼロのルイズに召喚されたようです @ ウィキ STAR WARSのダース・ベイダー http //www33.atwiki.jp/darthvader/ ハガレンのエドがルイズに召還されたようです@まとめサイト 鋼の錬金術師のエド http //www34.atwiki.jp/fgthomas/ ゼロの傭兵 フルメタル・パニック!の相良宗介 http //www31.atwiki.jp/zeronosousuke/ ゼロの保管庫 Wiki 【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合のSSまとめページ。成人向け注意 http //zerokan.g.ribbon.to/ ゼロ使×型月クロスSSスレまとめwiki TYPE-MOON http //www13.atwiki.jp/zeromoon/pages/1.html ガンダムキャラがルイズに召喚されました@ウィキ http //www8.atwiki.jp/gundamzero/pages/1.html ダイの大冒険のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ http //www33.atwiki.jp/dai_zero/ イチローがルイズによって召喚されたようです@wiki メジャーリーグの(伝説化した)イチロー http //www39.atwiki.jp/ichiro-ruiz/ 社長がゼロの使い魔の世界に召喚されたようです@ ウィキ 海馬瀬人社長と嫁達(および一部の科学の結晶) http //www30.atwiki.jp/shachozero/ 謙虚な使い魔@wiki FF11(ネ実)キャラのブロントさん http //www40.atwiki.jp/kenkyotsukaima/ もしゼロの使い魔の○○が××だったら まとめwiki (非クロスオーバー) http //ifzero2.herobo.com/
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8321.html
ギルガメッシュ召喚 タバサの任務につきあってミノタウロスを両断 ギルガメッシュ「弱い!俺の世界で聞いたミノタウロスってのはこんなもんじゃなかったぜ!」 タバサ「…スクウェアメイジのミノタウロスより強い…?どんなの?」 ギルガメッシュ「そうだな、俺の聞いた話じゃあ… 力の塔ってとこにいる最強の聖なる魔法ホーリーの番人で! 魔法禁止といっておきながらやばくなるとそのホーリーを持ち出そうとし、 しかも脳筋野郎なせいかMP不足で唱えることができない結局通常攻撃オンリーな芸の無い野郎 それを隠すためにあらかじめ戦場にミュートをかけておくという反則技は俺も大いに見習いたいところだ ついでにご自慢の腕力はすべてをしるものとか言うリターン厨な魔法使いのボケジジイに完敗しているという…」 タバサ「………」 ギルガメッシュ「…いや、でもコイツよりは強いはずだ、多分」