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ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【カウンターサイド】リセマラ当たりランキング - カウサイ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ウィキペディアを作ったiMacが箱付きで競売に登場。予想落札価格は約96万円!(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」:時事ドットコム - 時事通信 マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - PR TIMES 篠原悠希×田中芳樹が明かす「歴史ファンタジー小説ならではの悩み」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】ソラのコンボと評価【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ”(オリコン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? 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https://w.atwiki.jp/dai0212/pages/18.html
とどろく空の眠る地65 14Fドラゴンウーオンリー (78)ダイ あらぶる空の水脈67 13F無無無からドラゴンウーオンリー (30)ダイ 残された夢の眠る地67 14F無無無からドラゴンウーオンリー (0B)ダイ とどろく獣の眠る地70 14Fドラゴンウーオンリー (57)ひまわり あらぶる大地の眠る地79 11F敵無からドラゴンウーオンリー (8A)ダイ あらぶる運命の世界80 14F敵無からドラゴンウーオンリー (07)ダイ 見えざる神々の眠る地89 11Fドラゴンウーオンリー (88)ひまわり 残された風の世界55 10F敵無からあんこくまじんオンリー (18)アイザック (81)アイザック 見えざる空の氷河64 13F敵無からあんこくまじんオンリー (8E)ダイ あらぶる大地の氷河73 13Fあんこくまじんオンリー (88)ダイ 大いなる影の凍土77 10F敵無からあんこくまじんオンリー (25)コハル 大いなる獣の世界80 12Fあんこくまじんオンリー (01)ダイ 大いなる影の世界80 10F敵無からあんこくまじんオンリー (25)ダイ 見えざる空の凍土83 14F敵無からあんこくまじんオンリー (74)ダイ 大いなる神々の墓場83 10F敵無からあんこくまじんオンリー (25)ダイ 残された魂の凍土94 13F敵無からあんこくまじんオンリー (7E)アイザック とどろく悪霊の眠る地88 14Fまかいファイターオンリー (57)アイザック 呪われし大地の巣77 14Fれんごくまちょうオンリー (0B)コハル 放たれし闇の巣71 10Fナイトリッチオンリー (4C)ダイ
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とどろく空の眠る地65 14Fドラゴンウーオンリー (78)ダイ あらぶる空の水脈67 13F無無無からドラゴンウーオンリー (30)アイザック 残された夢の眠る地67 14F無無無からドラゴンウーオンリー (0B)ダイ とどろく獣の眠る地70 14Fドラゴンウーオンリー (57)ひまわり (7E)コハル あらぶる大地の眠る地79 11F敵無からドラゴンウーオンリー (8A)ダイ あらぶる運命の世界80 14F敵無からドラゴンウーオンリー (07)ダイ 見えざる神々の眠る地89 11Fドラゴンウーオンリー (88)ひまわり 残された風の世界55 10F敵無からあんこくまじんオンリー (18)アイザック (81)アイザック 見えざる空の氷河64 13F敵無からあんこくまじんオンリー (8E)ダイ・コハル あらぶる大地の氷河73 13Fあんこくまじんオンリー (88)ダイ 大いなる影の凍土77 10F敵無からあんこくまじんオンリー (25)コハル とどろく運命の雪原78 15Fあんこくまじんオンリー (69)ダイ 大いなる獣の世界80 12Fあんこくまじんオンリー (01)ダイ 大いなる影の世界80 10F敵無からあんこくまじんオンリー (25)ダイ 見えざる空の凍土83 14F敵無からあんこくまじんオンリー (74)ダイ 大いなる神々の墓場83 10F敵無からあんこくまじんオンリー (25)ダイ 残された魂の凍土94 13F敵無からあんこくまじんオンリー (7E)アイザック
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大いなる空の墓場58 14Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (19)ダイ 残された夢の世界61 14Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (47)コハル 残された風の世界64 14F敵無からゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (8B)ダイ 大いなる空の遺跡72 14Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (7D)ダイ 残された影の迷宮74 13Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (7F)アイザック 見えざる獣の迷宮74 15Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (5F)ダイ とどろく大地の迷宮81 13F敵無からゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (0B)アイザック とどろく空の迷宮82 13Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (14)ダイ (7D)ダイ・アイザック (93)ダイ 見えざる運命の遺跡85 16Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (79)アイザック とどろく獣の迷宮86 16Fゴールドマジンガ+ファイナルウェポン (64)ダイ
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迫る7万の大群を見据えながらルイズは禍々しい鞘に入ったままのデルフリンガーを構えて「アムド」と唱えた。その瞬間、鞘が蟹の様に広がってルイズの体を包む。変形した鞘は頑強な全身鎧へと変わっていた。兜に仕込まれたデルフリンガーが軽妙な口調でルイズに喋りかける。 「いやぁ~何回見てもすげぇよなその鎧。おまけに魔法を無効化すると来たもんだ。おかげで俺涙目」 「でもライトニングクラウドの雷は防げなかったじゃない。おかげでワルドの時は随分苦しめられたわ」 「あんときゃ俺の独壇場だったねぇ。雷バンバン吸い込んでやったらしまいにゃワルドが泣きそうな面になってたし」 そう言って一人の少女と剣は笑い合った。これから行う決死の大仕事をしばし忘れるかの様に。 ひとしきり笑った後ルイズは兜のデルフリンガーを取り外した。そのまま剥き出しの魔剣を右手に構える。 「さぁお喋りは終わり。この鎧に『彼』の技に喋る魔剣。伝説尽くしのこの凄さをたっぷり味合わせてやらないとね」 「きっと敵さんビビリまくるだろうねぇ。まぁ任せとけって、どんな魔法が来たって俺が全部吸い込んでやるからよ。相棒!」 「頼りにしてるわね、デルフ……。――来たわ!」 デルフリンガーにキスをしてルイズが叫んだ。右手のデルフリンガーを地面と水平に持ち上げ右肘を引き、開いた左手を剣先に置く。突きの構えになったルイズが敵の軍勢に狙いを付けた。 ルイズの左手に刻まれたルーンが眩い光を放ち。そのまま捻りを加えた猛烈な一撃を敵に目掛けて解き放つ。 「狙うは指揮官のみ!さぁ行くわよ!!ブラッディースクライドぉーーー!!」
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怒れる魂の坑道55 9Fラストテンツクオンリー (3C)ダイ 怒れる影の巣73 無無無から16Fマポレーナオンリー (2B)ダイ 放たれし闇の巣68 10Fナイトリッチオンリー (4C)アイザック 放たれし闇の巣71 10Fナイトリッチオンリー (4C)ダイ とどろく悪霊の眠る地88 14Fまかいファイターオンリー (57)アイザック けだかき運命の雪原77 11Fアカイライオンリー (4D)ダイ 呪われし大地の巣77 14Fれんごくまちょうオンリー (0B)コハル
https://w.atwiki.jp/dai0212/pages/23.html
見えざる風の世界61 9F即ソーマ×2 (03)ダイ・アイザック (1A)ダイ 見えざる岩のじごく71 9F10F11F即ソーマ×3 (40)ダイ とどろく花の世界71 9F11F13F即ソーマ×3 (4B)ダイ とどろく光の墓場84 9F11F13F即ソーマ×3 (36)ダイ 見えざる闇の世界95 デビルナンバー(SAB666) (2E)コハル (45)ダイ 見えざる魔神の奈落87 金のなる地図発見者違い (43)ダイ 大いなる夢の世界69 15F乳首 (59)ダイ とどろく夢の巣71 14Fイケない通路 (71)ダイ
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残された夢のアジト55 13Fレジェンドホースオンリー (61)ダイ 残された夢の道61 13Fレジェンドホースオンリー (61)アイザック (8E)アイザック とどろく岩の墓場63 15Fレジェンドホースオンリー (8F)ダイ 見えざる風の世界68 14Fレジェンドホースオンリー (54)ダイ あらぶる影の世界73 16Fレジェンドホースオンリー (4E)ダイ 見えざる運命の世界77 14Fレジェンドホースオンリー (72)ダイ 大いなる闇の奈落82 13Fレジェンドホースオンリー (24)ダイ・アイザック (51)ダイ 見えざる光の世界90 15F敵無からレジェンドホースオンリー (3B)ひまわり 見えざる獣の巣56 10Fアンドレアルオンリー (4C)アイザック 残された空の巣59 13F無無無からアンドレアルオンリー (10)アイザック (3D)アイザック 大いなる獣の巣62 11Fアンドレアルオンリー (88)ダイ けだかき影の巣79 16Fアンドレアルオンリー (18)ダイ 見えざる大地のじごく85 (5F)アイザック 大いなる獣の世界62 14Fゴールドマジンガオンリー (2D)ダイ 見えざる岩の墓場63 (84)アイザック 見えざる影の迷宮65 13Fゴールドマジンガオンリー (02)アイザック 見えざる空の迷宮69 16Fゴールドマジンガオンリー (3B)ダイ・アイザック とどろく大地の迷宮77 13Fゴールドマジンガオンリー (27)ダイ 残された魂の遺跡86 16Fゴールドマジンガオンリー (43)ダイ
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前ページゼロの竜騎衆 トリステイン魔法学院が日輪に照らされる。心地よい日の光が人々に起床を促す。 まぶたに光を感じたラーハルトは、おぼろげな意識を覚醒させてゆく。 釣られて目を開けるのは逡巡する。床に敷いてある板の感触を確かめる。就寝時と同じ感触。 あきらめて瞼を上げる。高級さが感じられるクローゼットが目に映った。 右手を握り締め、胸をたたく。そこから伝わる痛みが、ここが夢の中でないことを物語る。自分が異世界にいると確かに認識する。 体にだるさがあるが、無視して起き上がる。窓から差し込む日を受けて、鈍く光を反射する机が目に入った。机の上には黒光りする本が置いてある。 ラーハルトは机に近づき、その本を手に取る。パラパラとページをめくって、ため息と共に本を閉じた。 読めるわけがない。当たり前のことだ。 この世界の文字を習得するほど長居はしたくない。書籍の分析はコルベールたちに任せる他ないようだ。 自身の立場を理解して協力してくれるありがたい存在だ。無論、それだけの存在であり、全幅の信頼を寄せているわけでもない。 まだ、あらゆる可能性を排除していないからだ。だからほとんどの情報は隠したままだ。 そこで思い立つ。ルイズにはある程度の情報を話しておくべきか、だ。 異世界から召喚されたと言っても信じてもらえる可能性は薄い。ラーハルト自身も、俺はこの世界の人間じゃないんだよ、などと告げられても、証拠なしには信じられない。 ラーハルトは証拠になるものなど持ち合わせていない。 ならばダイ様の行方を捜していることだけでも伝えるのはどうか。 ダイ様の母上は一国の王女だ。自身はその方に仕える騎士と説明すれば、嘘にはならない。ルイズは貴族、それも公爵家の人間だ。王女のご子息を探すために隠密行動を取っている、といえば信じてもらえるかもしれない。 証拠はない。しかし、それを見せられないことが証拠とすることもできる。 なかなかの案だと、ラーハルトは手ごたえを感じた。しかし、本当に実行に移すかどうかは踏ん切りが付かなかった。 その原因は、ルイズにこの事実を信じさせる自信がないからではない。ルイズがそれでも使い魔になれと要求する可能性についてだ。 こうなった時、もし、ルイズがダイ様を侮辱するような発言をしたら……自分を制御できる自信はラーハルトにはない。 ルイズは二度と、太陽が天高く上る光景を見ることはないだろう。 現状を動かすには大きすぎるリスクだ。ラーハルトは様子を窺う以外の選択肢を持つことが叶わないのだ。 目を落とすと、自身をこんな場所に閉じ込めた原因がスヤスヤと寝息を立てて眠っていた。 ルイズは、カーテンの隙間か見える太陽に照らされているが、一向に起きる気配はない。 起こす義理もないか、と考えたラーハルトだが、昨日のように怒らせたらまた面倒なのでベッドのほうに体を向ける。 完全に熟睡しているルイズに視線を落とす。その寝顔は、年相応のあどけなさが見て取れる。昨日、あれだけ暴れたとは思えない顔だ。 「ルイズ、朝だ。起きろ」 声を掛けるが、まったく反応しない。もっとでかい声を出そうとして…寸でのところで止める。隣室の住人に迷惑だ。 よって毛布を引っぺがした。これなら迷惑はかからない。寝ている当人以外は。 「な、なによ!なにごと!」 ルイズは突然の出来事に体を跳ね起こした。きょろきょろ首を振ると、寝ぼけた頭では記憶に浮かばない人物が立っていた。 「だ、誰よ、あんた!」 ルイズは枕を胸に引き寄せて、身を守る体制に入った。 枕をギュー、と抱きしめた格好とふにゃふにゃした顔のせいで何かいけない雰囲気を放ってる。 無論、ラーハルトがそれを意識することはない。それよりも、自分の認識の低さ加減にムカつきを覚えている。 「ラーハルトだ。忘れたか?」 ルイズは、一時、記憶を探る仕草になる。召喚した責任を感じていない少女に、ラーハルトは気が滅入りそうになる。 「ああ、使い魔ね。き、昨日召喚したんだっけ」 「そうだ…」 相手のことなど意に介しない言い方に、拳を握り締めるが、それだけにしておく。 そこに、イラついた心を少し和らげるものが見えた。ルイズの瞳が、昨日のように漆黒ではなくなっていたのだ。とりあえず、危険は去った。 もっとも、その時間はすぐにでも儚く散ってしまうかもしれないが。 意識がはっきりしてきたルイズは起き上がると、ベッドの上に仁王立ちした。偉そうに腕も組んでいる。 「あんたに命令。服を用意して、私に着させなさい」 人に服を着せるなど、下僕と同等の扱いである。ラーハルトは眉間にしわを寄せる。危険はないが、イラつきに耐える必要はあるらしい。 「そのくらい自分でやれ」 「ダメよ。貴族に下僕がいる時は自分で服なんか着ないのよ」 ラーハルトの眉毛が小刻みに振動する。 「どうしたの?早くしなさい」 ルイズはずいっと体を前に出して己が強いと言わんばかりにラーハルトを見下ろした。 ルイズに譲歩の意思がないことは、昨日のことで脳味噌に染み込んでいる。ラーハルトはため息をついて、クローゼットに足を向けた。 「わかった……どこに何があるか指示を出してくれ」 ラーハルトがクローゼットから服を出して振り返ると、両腕を胸の前で振っているルイズが見えた。どうやらガッツポーズらしい。 ラーハルトはこの場に武器がなくてよかったと思った。あったらルイズの体が中心から二つに分離している。 ルイズとラーハルトが部屋を出ると、同時に隣室の扉も開いた。中から出てきたのは、燃えるような赤い髪の女性、昨晩部屋に怒鳴り込んできた人物である。 褐色の肌と男ほどもありそうな背丈。たいていの男にとって、魅惑の光線を放つ大きなバスト。服装からも、その物腰からも、艶かしい魅力が見て取れる。 女は、ルイズがいるのを見ると、わざとらしいほどに大きなあくびをした。 「ふあぁぁ~~~~。誰かさんのせいで眠いわ」 そう言われても仕方がない、と思ったのはラーハルトだけだった。 「睡眠妨害はあんたでしょ。いつも男連れ込んでいちゃいちゃして」 ルイズは平気で地雷を踏んだ。キュルケは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。 「それもそうね。毎日大変なのよ。男が寄ってこないヴァリエール家がうらやましいわ~」 ルイズにとっては忌まわしき、ヴァリエール家の歴史を皮肉られて、顔が真赤に染まる。 「うるさいわね!色ボケのキュルケ!」 「どうしたの?そんなに怒っちゃって。ゼロのルイズ~」 ルイズは両拳を、手が真っ白になるほど握り締めている。ルイズが手に力を入れれば入れるほど、言い返すことができなくなってゆく。 ルイズの姿を楽しそうに見ている女性、キュルケはルイズの傍らにいる亜人に目を向けた。 「あんたがこの娘の使い魔?亜人なんて珍しいじゃない」 「らしいな」 キュルケはラーハルトの言葉を聞き流し、スッと人差し指を唇につけた。 「そういえば、ルイズ。あんたこいつと契約できたの?なんか揉めてたみたいだけど。ず~~と」 ルイズの顔が苦々しくなる。ラーハルトと同じ部屋にいたのだから契約は済ませたと思われてる、なんてことは楽観論だと思い知らされる。 「で、できたわよ。こいつは私に忠誠を誓っているわ」 ルイズ自身、嘘はつきたくなかった。でも、ばれたら終わりだ。最悪退学になる。それだけは絶対回避しなければならない。 だから、偽りの関係を認めるしかないのだ。 当然、釈然としない気持ちは残る。それが表に出てしまった。 胸を張って、堂々とした格好だけでは人を信じさせるには至らない。 そのため、キュルケは使い魔の証明を確認しなければならなくなったのだ。 「なら、使い魔のルーン見せてよ」 ルイズの体が石化する。最もまずいことを問われたからだ。何も知らないラーハルトは静観しているだけである。 「どうしたの?契約したなら、使い魔の体のどこかにルーンが刻まれるでしょう?」 ラーハルトの額に冷や汗が流れているのが見えた。どうやらあっちも話を理解したらしい。 石化したルイズが首を回す。錆びた歯車の音でも聞こえそうなくらい滑らかさがない。 「あああああああるわよ。あるあるある。ね、あああ、あんた」 「ああ、あるぞ」 ラーハルトの表情に変化はない。冷や汗も、もう流れていない。見事なポーカーフェイスだ。一方、ルイズは内心がそのまま表に出ている。 「ほ・ん・と~?」 完全に疑われている。このままでは、ばれるのは時間の問題だ。妙案が出てこない。その場の機転もゼロかと、意識が底なし沼に沈んでいく。 「見せてよ~。ルイズ~。つ・か・い・ま・の・ル~ン~」 完全に追い詰められたルイズは生まれたての小鹿のようにぷるぷる体を小刻みに振動させている。 どうにか誤魔化さないといけない。でもそんなものは…その時、あるものが目に入った。 それが脳に伝わった瞬間、ルイズに頭に閃光が走った。閃光はルイズの嵌った泥沼を吹き飛ばす。 目が覚めたように思考がぐるぐる回転する。回転が激しくなるにつれ、パズルのように打開策が組み立てられてゆく。 しかしここで待ったをかけるものがあった。 私は王家とも繋がりのある名高きヴァリエール家の三女。こんな卑猥なことを口にしていいのか。 ここで組立作業がストップした、に思われたが、すぐさまリスタートしろと、津波のように誰かが叫んだ。 ここで止まったら必ず嘘が暴露される。そうなったら、馬鹿にされ、教師呼ばれて落第確定、そして退学である。 ルイズにとって死ぬより恐ろしい三連コンボ。そうなったら名誉もへったくれもない。 ルイズの中で天秤が揺れる。 あきらめて、正直者として死ぬか、嘘をついてでも貴族の体面を守るか。 ルイズはトリステインの貴族、嘘をつくなど心が許さない。それもゲルマニアの、因縁深いツェルプストー家の人間には。 でも、真実を明かしたら、ルイズの貴族としての生活は終わる。あの家は、退学をした恥さらしを迎えることはない。 貴族は貴族の地位にあってこそ貴族。それを捨てることはできなかった。 最後のワンピースが嵌る。ルイズは意を決して、自分は貴族だ、と誇らんばかりに胸を張った。 「キュルケ!使い魔のルーンはあるわ!ここにね!!」 左手で、ビシィィッ、と指したその先にあったのは…… 「…おい…」 ラーハルトの口から愚痴がこぼれる。ルイズの指の先にあったのは、ラーハルトの股間だ。 「ここよ!ここに使い魔のルーンが刻まれたの!」 天高らかに大変いかがわしいことを叫んだ。 ラーハルトの眉毛がひくついている。キュルケに至っては顔が埴輪のようになっている。開いた穴から感情がすっ飛んでいったかのようだ。 「キュルケ!使い魔のルーン見たいんでしょ。なら見せてあげるわ!!」 埴輪に人間らしい顔のパーツが戻った。この場を犯罪現場にすると同義の発言が、キュルケの理性を復活させた。 「いいいいい、いいわ!うん。ご、ごめんね、変なこと聞いちゃって」 常に余裕の衣をまとっているキュルケの呂律が回っていない。額から大量の脂汗が流れている。 「見せろって言ったのはあんたでしょ!逃げることは許されないわよ!」 実際に逃げている、ルイズの目は本気だ。このままではこの場にいる全員が登ってはいけない階段に足を踏み入れることになる。 ルイズがラーハルトの下腹部に手を伸ばしたのと、キュルケが逃げの体制に入ったのは同時だった。 「あ、あ、そうだ。も、もうすぐ朝食よね~。はは、早く行かなきゃ~」 「なによ!逃げる気ね」 「フ、フレイム~。行くわよ。早く出て来なさ~い。うん、早く、早く!」 キュルケの部屋の扉から、真っ赤な体と尾に炎を宿す大きな火トカゲが現れる。 キュルケは使い魔と共に一目散に逃げていった。 「ふん。せ、折角ルーンを見せてあげようと思ったのに。何よ、あの女」 ルイズに悪びれた様子はない。むしろしてやったりと思っていそうだ。 「他にやりようはなかったのか…」 表情こそ崩していないものの、発している殺気は竜をも殺せる。へたな侮辱よりよっぽど失礼なことをしたのだから当然である。 「うっさいわね!これはあんたのせいなんだから!」 ルイズに人の怒りを感じる神経はない。ラーハルトがそう判断するほど、ルイズは見事に逆切れした。 今までルイズの傍若無人な振る舞いに耐えてきたラーハルト。その我慢もそろそろ限界だ。 ラーハルトが右手を振り上げる。ルイズに平手打ちをかまして、自身の行いを省みさせるために説教をしてやろう。 ルイズの性格なら、手を上げたことに激怒するだろう。 それも喧しいカラスの程度だ。女一人黙らすことは造作もない。 「ルイズ……」 子供を諭すような、叱るような、暗い響き。 ルイズはまだ何か叫んでいる。ラーハルトの耳には入らない声。彼は右腕を振った。 「よくも私に嘘なんかつかせたわね!絶対許さないんだからぁ……」 ルイズの金切り声に似た叫び声が響き渡る。叫んだ拍子に、ルイズに瞳から何かが飛んだ。それが、ラーハルトが振り下ろす腕をせき止めた。 ルイズの鳶色の瞳が震えている。瞳が震えるたびに、涙があふれ出てくる。瞳は涙で満ち、今にもそれはあふれそうだ。 「あんた最低よ!使い魔のくせに自分のことばっかぁ……」 ルイズの声が震えている。何を言っているのか判別できないほどに。 ルイズの言葉が、振り乱した桃色がかったブロンド髪が、そして、悲しみで歪んだ顔がラーハルトの胸を突く。 自分のことばかり考えている。 この世界に飛ばされてからの自身の言動を思い返す。 なぜ、ルイズと契約を結ばない。なぜ、他者を欺くことを許容した。 それは自分が本来いるべきに世界に脱出するためだ。それが竜騎衆の使命だからだ。そのために多少の犠牲も厭わない。 それで心を痛める人間がいても、やむを得ないことだ。運が悪かった、と諦めてもらうしかない。 だが、ラーハルトの腕は動かない。 自分のことばかり考えているのは、むしろルイズのほうだ。それでもラーハルトは体が言うことを聞かない。 ルイズの何かに気圧されたのか、自身の中に枷を掛けるものがあるのか、ラーハルトにはわからない。 ラーハルトの右腕が力なく落ちてゆく。 ルイズはラーハルトの視界の中にはすでにいなかった。 辺りを見渡すと、廊下の遥か先をルイズが歩いているのが見えた。 ラーハルトは行き足の鈍い体にに活を入れる。ルイズを追いかけるために力を込めて歩き始めた。 ルイズの露出魔的な凶行から逃げ出したキュルケは、疲れを和らげるため壁にもたれ掛っていた。 キュルケの額から大量の、一種類ではない汗が流れ続けている。それに、動悸が早くなって、体が火照っている。心配そうに近付くフレイムの熱気が鬱陶しい。 キュルケは体温を冷やすために、ブラウスにボタンを外す。一度でいいから顔をうずめてパフパフしたい、キュルケの胸の谷間があらわになる。 流れる汗と少し湿気を帯びて肢体に張り付くシャツがなんとも扇情的だ。 キュルケはボリューム満点の胸に手のひらを合わせ、呼吸を整えた。 頭の熱も取れてきた。冷静になったので、キュルケは先ほどの出来事を思い返す。 数秒もしないうちに、今度は別の熱がキュルケを沸騰させた。 「何が使い魔のルーンはここよ!あんなの嘘に決まっているじゃない!」 キュルケの怒りの炎はフレイムまで焼き尽くさんばかりに猛っている。 ルイズに騙されたこともそうだが、ヴァリエール家の人間相手に退却したなど、キュルケのプライドが許すはずもない。 「やってくれたわね、ヴァリエール。この借りはきっちり返すわよ……」 微熱が激しい情熱に変わる。キュルケの目が狩人のそれに変貌した。 ルイズは大扉の前で足を止めた。そこが目的地のようだ。 ここの到着するまで、ルイズとラーハルトは一切の会話どころか、顔を合わせることすらなかった。 ルイズは扉の脇でだんまり。ラーハルトはルイズに近づくことすらできないでいる。 ただならぬ様子を感じたのか、何人かの貴族が様子を窺っている。 「何をしている。朝食の時間だぞ」 扉から姿を現したのは黒いローブで身を包んだ若い男だ。年齢はルイズたちよりずっと高く見える。ここは学校なのだから教師なのだろう。 催促された貴族たちは、次々と扉の中に消えていった。男の発言から推測するに、この部屋は食堂らしい。 廊下にいる人間がまばらになる。それでもルイズは凍りついたように動かない。 ルイズはその場に誰もいなくなっても佇んだままだ。 ラーハルトは、さすがにまずいと思い、横たわる壁をこじ開けるように声を掛けようとした。 「ラーハルト……」 その気配を察知したのか、ルイズが口を開く。その声は、昨日の夜のように暗く沈んでいる。 「なんだ……」 つられるようにラーハルトも応対する。 「あんた、私と契約する気ある……」 ラーハルトの答えは決まっている。できるわけがない。なのに、彼は口を閉ざしてしまった。 「何よ、黙っちゃて。悪いことしたとでも思ってるの。今さら遅いのよ」 ラーハルトは言われるがままだ。いまだに感じる妙な圧迫感が、彼の反論を奥底に閉じ込める。 「何か言ったらどうなの。都合が悪くなると口も利かないのね。あんたって本当に勝手だわ」 ルイズはラーハルトの食事を抜くことを告げた 食事を抜かれたラーハルトは外にいた。食堂で食べれないのなら、自ら調達するまでの話。 歩調がやや速いことに気づき、歩みを止めて顔を上げる。顔にかかる光が眩しい。 太陽が照らしてくれるのは目に見えるものだけ。暗く霧の掛かった心は晴れることはない。 どこの世界でも太陽は同じだ。 前を見据えてまた歩き出す。食料は学院の外で調達する。土地勘は、あるわけないので遠出はしない。 出入り口を探すのは面倒なので、そびえ立つ石造りの塀を飛び越えることにした。 そろそろ助走を付けようと、歩みを速めようとしたら背後に人の気配を感じた。 振り返って視線に入ってきたのは、少女だった。 「どうなさいました?」 ラーハルトの後ろに立っていたのは、ルイズより幾分年が上に見える女だった。 黒髪をカチューシャで纏めている。服装からして、位の高い家で働く、メイドと呼ばれる使用人だ。 「主人に飯を抜かれてな。食料調達だ」 「主人?あなた、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になったていう……」 「らしいな」 「やはりそうでしたか。召喚の魔法で亜人を呼んだって。噂になってますわ」 女はにっこりと笑った。それが一歩引いた笑顔であることをラーハルトは見逃さない。 異世界から召喚されたのだから、珍しいのは当たり前だ。そもそも自分は招かれざる客なのだ。 「それで、何か用か?」 「い、いえ。亜人の方が学院にいるので気になって……」 「そうか。邪魔をしたな」 用もなさそうなので、ラーハルトは踵を返して脚部に力を溜めた。 「あ、ま、待ってください」 女が再び呼びかけてきた 「なんだ」 「あの、これからお食事なんですよね?」 「そうだ」 食料を探すのを手伝うというつもりなのだろうか。ラーハルトにとってはありがた迷惑である。人間の力を借りたとしても、足枷になるだけだ。 「なら、厨房で召し上がりませんか?私が頼めば聞いてくれるはずですから」 シエスタの申し出は、ラーハルトにとっては嬉しい期待外れだった。 なんと食事を振舞ってくれるらしい。ありがたい話なので、ラーハルトは好意に沿うことにした。 「なら、案内してくれ」 「はい!」 女は元気良く返事をして、ラーハルトを厨房へ連れて行った。 「旨いな」 ラーハルトが食べているのは、パンと冷たいスープだ。どちらも余り物らしい。 「よかった。お代わりもありますから。ごゆっくり」 女の名前はシエスタという。トリステイン南部の村出身で、この学院で貴族の奉公をしていると言った。 「ご飯、貰えなかったんですか?」 「主人の機嫌を損ねたようでな」 「まあ!貴族を怒らせたら大変ですわ!」 大変だからここにいる、とラーハルトは口には出さない。 先ほどと違い、シエスタはずいぶん親しくラーハルトに接している。脅威でないとわかれば、余り細かいことは気にしない性格なのかもしれない。 完食したラーハルトは空の皿をシエスタに返した。 「旨かったぞ。感謝する」 「よかった。お腹が空いたら、いつでも来てくださいな。私たちが食べてるものでよかったら、お出ししますから」 この先、食糧事情に困るラーハルトには都合のよい話だ。よって、二つ返事で願い出ることにした。 食器を洗い終わったシエスタは、片づけがあると言って厨房を後にした。 ラーハルトも後を付いて行き、食堂へと続く扉の前で別れた。 シエスタの話によると、貴族は朝食後、教室に移動して魔法の授業を受けることになっている。その際、可能ならば使い魔も同席するようだ。 教室がどこかわからないので、ラーハルトはルイズの下へと歩いてゆく。 ラーハルトは先ほどの出来事を思い出していた。 事実無根のデマを言わざるを得なかったルイズは泣いていた。自分勝手だと、ひたすら自分を非難した。 ラーハルトからすれば、ルイズも相当利己的なことをしている。 しかし、ルイズにそう指摘することはできなかった。今も、ルイズに何か言う気にはなれない。 自分勝手。 そうだ。ルイズはなにも知らないのだ。俺は一切の情報を与えていない。ならば、ルイズから見れば…… ラーハルトは思索に耽るのをやめた。それを認めたら、自分の心を支えているものに傷かつくと思えたからだ。 俺にはやらねばならぬことがある。そう、心に強く刻み込んだ。 それでも、ラーハルトの心は霧で包まれている。 前ページゼロの竜騎衆
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前ページ次ページ虚無と獣王 13 虚無と怪盗 「ちょっと気になってる事があるんだけど」 ウルの月、フレイヤ、虚無の曜日。 休日という事で訓練は無し、と言っていたにも拘らず夕食後になるといつものメンバーが集まってきていた。 虚無の曜日には唯ひたすら怠惰に過ごすと公言して憚らないギーシュまでもが来ていたが、訓練自体は行わず雑談に興じている。 ルイズが王都で買ってきた戦斧用の革紐を渡したり、それを見たキュルケが茶々を入れたり、長大だが流麗なデザインの戦斧をギムリたちが見たがったり。 そんな中で、レイナールがルイズに向かって話し掛けたのが、冒頭の台詞である。 「何?」 「ひょっとして愛の告白?」 「ななななななに言ってるのよキュルケ!」 いつものキュルケのからかいに反応したのはルイズだけで、レイナールはさらっとスルーした。反応すれば相手の思うつぼなのは判っている。 「怒らないで聞いてくれよ。ちょっと言いにくいんだが、ヴァリエールは魔法を使っても常に爆発してしまうんだよな?」 「今わたしはケンカを売られているのかしらよし買ったわ」 キキギ、とルイズの周囲で空気が軋むような錯覚を覚えたレイナールが慌てて言い繕う。 「売ってないものをいきなり買わないでくれないか最初に怒らないでって言ったのに!?」 ルイズは表情を全く変えずに答えた。 「つまり決闘を申し込んでいるのねよし買ったわ」 このままでは話が全く進まないと判断したクロコダインがため息交じりのフォローを入れる。 「少し落ち着けルイズ。それでレイナール、何が気になるんだ」 「なんでそんなに胸が小さいんですか、とか?」 混ぜっ返す事に関しては他の追随を許さないキュルケが絶妙のタイミングで口を挟むが、横で本を読んでいたタバサに杖で軽く頭を叩かれた。 「言い過ぎ」 キュルケは、普段はこういう会話に入ってこない親友がどんな形であれ参加してきた事に驚き、同時に喜びを感じる。 「ごめんね、そりゃタバサも聞いてて余り愉快じゃなかったわよねー。でも大丈夫、タバサはまだ成長期アイタ」 この謝罪はお気に召さなかったようで、また頭を叩かれた。今度はさっきよりも強い。 「続き」 「ん、ああ、えーと、みんな爆発するって言うんだけど、見た事がないからどうも信じがたいんだ。だって魔法理論から言ったっておかしいだろう?」 唐突かつ強引なタバサの路線修正に若干戸惑いながら、レイナールはようやく本題に入る事が出来た。 「おや、君はまだルイズの爆発を見た事が無かったのかい? 違うクラスでも一度くらいは目撃していてもおかしくないだろうに。一度見ておくと危険回避の重要性が理解できるよ」 「正直ぼくたちは見慣れちゃってるからなあ。君の疑問がかえって新鮮だよ。緊急時の対応とか身をもって覚えちゃったし」 同じクラスのギーシュとマリコルヌが好き勝手な事を言うので、ルイズは取り敢えず2人にローキックを放っておいた。 「あいたぁっ!」 「ぼくのふくよかなふとももに鞭のようにしなる蹴撃が!?」 たった一発のローでもんどりうって倒れる様を見て、クロコダインはいい蹴りだと感心するのと同時に仲間の女武闘家を連想した。そういえば髪の色も一緒だな、と。 使い魔にそんな感慨を抱かれているとは露知らず、ルイズはレイナールに向きなおった。彼がからかい目的ではなく純粋に疑問に思っているのは判ったので蹴りは出さずにおく。今のところは。 「あんたが疑問に思うのは当然よ。当のわたしも訳がわからないんだから」 どんな呪文を唱えても爆発してしまう。 四系統魔法はおろかコモンスペルですら例外ではないこの現象は、レイナールが言う通り現在の魔法理論を真っ向から否定するものだ。 そして、そんな事は当のルイズが一番よく理解している事でもあった。 幼い頃は母や姉、雇った家庭教師からもあり得ないと言われ、一縷の希望を託した魔法学院の教師すらも解説できない現象。 入学してから丸一年、自分でも時間の許す限り調べてはみたが、これまで失敗魔法が爆発を引き起こすという事例は見つける事が出来なかった。 そんなルイズにとってレイナールの質問は、理性では理解できても感情では「なに喧嘩売っとるんじゃボケぼてくりこかすぞワリャア」としか反応できないものである。 実際の発言が幾分ソフトなのはまだ理性が働いているからといえよう。 一方のレイナールは、ルイズには悪いと思いながらもどこか納得のいかない表情だった。 実際に目にしていないのに常識外の減少を鵜呑みにするのはどうにも抵抗がある。ルイズたちが嘘を吐いていないのは判っているのだが。 教科書に書いてない事が起きるのはおかしい、そんな頭の固い部分があるのに本人は気付いていない。割と内心が表情に出やすい事にも。 ここで微妙に空気が悪くなるのを感じたキュルケが話題を変えた。 「そういえば聞いた? アルビオンの内戦の話」 「ああ、王党派と貴族派に分裂しているらしいね。戦力は拮抗しているというじゃないか」 ローキックの痛みが和らいだのか、先日の食堂の一件で空気の読めない同級生に煮え湯を飲まされた(あくまで主観上では)ギーシュが話に乗る。 因みにもう1人の犠牲者はまだ転がっていて「たった一言でこの仕打ち! 痛い、でも、ああ……ああ……!!」とか呟いていたが、敢えて無視されていた。 ツッコんだら負け、という認識が何故か全員に行き届いている。VIVA・チームワーク。 「ちょっと、それいつの話よ? 国からの手紙じゃ、貴族派が圧倒的な数で王党派を押してるって話よ。軍人の家系ならもう少し情報を集めた方がいいんじゃない?」 肩をすくめるキュルケにギーシュが反論した。 「待ってくれ、ぼくがこの話を聞いたのは大体2週間くらい前だよ? キュルケこそ、その手紙はいつ貰ったんだ」 「一昨日ね。情報については間違い無い筈よ、実家の商売にも関わる事だし」 2人は顔を見合わせる。お互いの情報が正しいとして、こんな短期間で一方の軍勢が勢力を伸ばせる理由が思いつかないのだ。 「ねね、アルビオンて内戦状態だったの? そんな話聞いてなかったけど」 「ぼくも初耳だよ」 ルイズやギムリの質問に、キュルケはふう、やれやれ的な表情で答える。 「他国相手の商売している連中はとっくに警戒してるわ。まあ学生レベルにはまだ降りてこない情報かしら」 言外に「へー知らないんだーヴァリエール遅れてるー」と優越感を込めつつルイズの愉快な反論を楽しみにしていたキュルケであったが、期待した反応は帰ってこなかった。 つまんないわねどうしたのかしらとそちらを見ると、ルイズは目を点にし汗を流しながらキュルケの後ろを指さしている。 何か言おうとしている様だが口をパクパクさせているだけで言葉が出てこないようだ。 全くもうなんなのよ、と振り向いて、キュルケはルイズと同じ表情になった。 彼女の眼に映ったのは、30メイルはあろうかという巨大なゴーレムが本塔めがけてのっしのっしと歩く姿だったのである。 『土くれ』のフーケは、自らの作りだしたゴーレムの肩に身を伏せながら本塔を睨みつけていた。 神出鬼没の怪盗として名を売る彼女であったが、今回の様に派手な騒ぎを起こす事はこれまでの仕事には無く、正直に言えばモットーに反する。 闇を駆け、影の如く忍び寄り、獲物を捕らえた後は風の様に去る。 盗みに入られる側としてはふざけんなと言いたくなるモットーであるが、一応目撃者を少なくする事で口封じの可能性を減らしたり、護衛に怪我を負わせるのを防いでいる一面もあったりするのだ。 それが何故こんな派手にも程がある行動に出ているのかというと、早急に魔法学院を立ち去らなければならなくなったのである。 当初の予定としては学院の内部に入り込み、ある程度の時間をかけて内部構造を調べ上げた上で、芸術の様に盗んで行く筈だったのだ。 ところが義妹の住む国に内乱が勃発してしまい、色々訳ありの義妹を放置しておく訳にはいかなくなってしまった。 それでも宝物庫から何かちょろまかす時間位はあるかと思っていたら、馴染みの情報屋から「あー、アルビオンな、多分来月まで保たないで、いや王党派ボロ負けやぞ」と今朝がた聞かされた。 もはや一刻の猶予もない、とっとと盗んでさっさとアルビオンに帰らなければとフーケは判断した。 宝物庫の壁にはやたら強力な『固定化』の魔法が掛けられているのはこれまでの調べで分かっている。 その分物理衝撃には弱い、多分弱いと思う、弱いんじゃないかな、まチョット覚悟はしておけと、自分の親くらいの年の癖に変なアプローチをしてくる学院教師から聞き出したのは今日の昼休みの時間。 夕食の後こっそり壁の厚さを確認してみたが、流石に国内有数の宝物庫だけあって自分のゴーレムで破れるかどうかというところだ。 本当ならこの条件下で仕事はしないのだが、もうそんな事を気にしている時間は無かった。 ゴーレムのパンチで壁が破れればそれで良し、破れなくてもこのまま姿を消して故郷に帰ろう。金は無くとも義妹と、共に暮らす孤児たちの護衛くらいは出来る。 そんなことを考えながら、フーケはゴーレムの腕を鉄に『錬金』させた上で塔に殴りかからせるのだった。 「なななななななななによあれ───────────っ!」 ルイズが声を出せるようになったのは、ゴーレムが本塔を殴り始めてからである。 「なんだってあんなゴーレムが魔法学院を攻撃してくるのよ!」 「ぼくが知るもんか!」 ルイズの大声のお陰でキュルケ達も茫然自失状態から復活した。復活しただけで動けはしなかったが。 「ひょっとして『土くれ』のフーケか!?」 そう言ったのはギーシュだが、「でもあんな派手な事するか? 仮にも怪盗だろ」とギムリからの疑問には答えられない。 「ゴーレムが攻撃しているのは多分宝物庫の外壁」 ゴーレムの動きを冷静に観察していたタバサの指摘に、ルイズとレイナールが反応した。 「じゃあやっぱりフーケ!? わたしたちでなんとかしないと!」 「じゃあやっぱりフーケ!? 急いで先生たちに知らせないと!」 180度違う意見に2人は顔を見合わせた。 「ちょっと待って先生たち呼んでくる間に確実に逃げられちゃうわよダメでしょそれは!」 「じゃあ僕たちに何が出来るんだ相手は最低でもトライアングルクラスのメイジなんだぞ!」 がるるるる、と言わんばかりの剣幕のルイズに一歩も引かないレイナール、そんな2人にキュルケが話し掛ける。 「言い争ってる間に動いたら?」 見ればタバサとギムリ、ギーシュは既にゴーレムの方へ向かっており、マリコルヌは逆方向に走っていた。 クロコダインはルイズが動くまで判断を保留しているのか、ゴーレムを警戒しながら主を守るように立っている。 「行くわよクロコダイン!」 ルイズが走り出すのと同時にクロコダインも動く。 「ルイズ、判っているだろうが」 「無茶はしないわ! でも背も向けないわよ!」 フーケは焦っていた。 ゴーレムに渾身の力で攻撃させているにも関わらず、壁には亀裂すら入っていない。 近寄ってきた学生達が魔法で攻撃してくるのは大した妨害にはならないが、逃げ出す時の精神力を考えるとこれ以上時間を掛けたくはない。 教師達を呼ばれて退路を塞がれるのも面倒だ。次の一撃で突破できなかったら逃走しよう。 フーケはゴーレムの手を槍の様に変化させ、助走をつけながら塔へと突き出した。 30メイルもの巨体に通じる魔法は少ない。 ルイズ達はそんな現実を早々に突きつけられていた。 ドットメイジのギーシュ達はともかくとしても、トライアングルクラスのキュルケやタバサの攻撃も碌なダメージを与えられないでいる。 正確にはダメージを与えても、土を補充する事ですぐに回復しているのだ。 一番ダメージを与えているのがクロコダインの戦斧で、振るう度にゴーレムの体が爆発するかの如く吹っ飛ぶのだが、流石に一撃で体を消滅させる事は出来ない様だった。 「まずいね、一旦退いた方がいいんじゃないか?」 「珍しく意見が合うじゃない!」 ギーシュとキュルケの掛け合いに、ルイズは顔を歪ませる。 啖呵を切って駆け付けたものの、魔法の使えない自分はここでは足手まといだ。 クロコダインもゴーレムと戦いながらもこちらを気にしているせいか、全力を出せないように見える。 だが、背を向けて逃げ出すのは嫌だった。若い頃戦場を駆け、数多くの武勲を誇った母親の子として、弱きを守る者こそが貴族と教えてくれた父親の子として。 そんなルイズの目に、ゴーレムの手が鋭く尖って塔に突き出されるのが見える。 ルイズは咄嗟にありったけの力を込めて、フレイムボールの呪文を唱えた。 学院に大きな爆発音が轟く。 「何なんだい!」 悪態をつきながらフーケが前を見ると、塔に突き出した筈のゴーレムの腕が肘から消失していた。 「嘘だろ!? 鉄製に『錬金』しておいたってのに!」 どんな魔法かは判らないが相当な威力なのは確かだ。これはヤバいかともう一度前を見て、しかしフーケはこちらに運があると確信した。 ゴーレムの一撃が効いたのかさっきの爆発のおかげなのか、難攻不落だった宝物庫の壁に見事な大穴が開いていたのだ。 フーケはゴーレムに時間稼ぎを命じると、フードをかぶって宝物庫へと飛び込んだ。 ゴーレムの腕が吹き飛ぶのを、ルイズは信じられない気持ちで見ていた。 自分が唱えたのはフレイムボール、しかし杖から炎は出現しない。だが失敗した筈の魔法は元の魔法とは比べ物にならないほどの凄まじい威力を発揮している。 「ちょっと、やるじゃないの!」 笑顔でキュルケに言われるが、正直実感が湧かない。 「凄いな、でもあれを教室で披露はしないでくれよ? 命に関わるからね」 ギーシュが皮肉交じりに、しかし感心した様子で話しかける。 「やりすぎ」 タバサが無表情に、でもどこか焦った様子で指摘する。 「やりすぎ?」 ルイズ達はそこでようやく壁の大穴に気がついた。 「…………」 一瞬の沈黙の後。ルイズはゴーレムを見上げながら叫ぶ。 「学院の宝物庫に穴を開けるなんて! 敵ながら凄い実力の持ち主だわ!!」 うんまあそういう事にしておこうか、と学友達は思った。 「遊んでいる場合じゃないぞ、気を付けろ!」 再び動き出したゴーレムを見てクロコダインが注意する。 「間合いを取って、魔法で攻撃」 「もう一回派手な失敗頼むわよ、ルイズ!」 「いちいち引っかかる言い方ね!」 颯爽と、機敏に、あたふたと、生徒達はゴーレムから一定の距離をとるのだった。 薄暗い宝物庫の中、フーケは素早く辺りを見回す。人の気配なし、宝物が衝撃で壊れた様子なし、OK、今のところ問題なし。 取り敢えず片っ端から盗んで行く訳にはいかない。大量の盗品を捌いている余裕はないのだ。 だからと言ってサイズの大きな物を持ってはいけない。何か、適度に小さくて尚且つ高く売れそうな物はないか。 そんな彼女の眼に、ある物が映った。30サントほどの黒い筒状の何か。 学院長の秘書をしていたフーケは、それがオールド・オスマンが個人的に納めたというマジックアイテムだという事を思い出した。 使い方は分からないが、マジックアイテムという物は魔力を通せば動くと相場が決まっている。 フーケは筒を懐に入れ、レビテーションで下に降りようとして、 「おでれーた! まさかこんな所に盗みに入る奴がいるたぁ思わなかったぜ!」 突然声を掛けられ動きを止めた。 杖を構えて周囲を見渡すが、人の姿も気配も感じられない。 「おーい、どこ見てんだ。ここだよ、ここ!」 声のする方を見ると、そこには一本の剣があった。 おそらくは壁に飾られていたのだろうが、先ほどの衝撃のせいか床に落ち、鞘から刀身が半ば抜け落ちている。 「なんだ、インテリジェンス・ソードか」 フーケは溜息をついた。武器に意識を与えたインテリジェンス・アームズは別に珍しいものでもない。 「いやいや、そう言わねぇでくれよ。ちょっと姉ちゃんに頼みがあんだ」 「何よ」 「ついでと言っちゃあなんだが、俺も盗んでってくれね?」 「……ハァ?」 フーケがマジックアイテムを盗み出すようになってそれなりの月日が立っていたが、自分から盗んでくれと言いだすお宝は初めてだった。 「ほら、俺ってば見ての通り剣だろ? 斬ってナンボの商売なのにこんな蔵の中にいても仕方ないと思わね?」 言ってる事はもっともだが、刀身に思いっきり錆びの浮いている長剣を盗むメリットをフーケは思いつかなかった。 大体150サントはあろうかという剣など邪魔にしかならない。特にこれから逃げようという時には。 故にお喋りな剣は無視していこうと背を向けたのだが、剣はわざとらしい口調でこんな事を言った。 「あー、このまま置いてかれちゃったらあんたの特徴とかペラペラ喋っちゃうだろうなー、俺」 速攻で床ごと『錬金』してやろうかと思ったが、そんな時間も精神力も惜しい。 フーケは無言で剣を拾い上げると最後に1つお約束の仕事をして、壁の大穴から飛び降りたのだった。 突然ゴーレムが音を立てて崩れ始めた。 30メイルのゴーレムが土の塊に戻るのだから、当然大量の砂埃が舞い上がり、離れた場所にいるにも拘らずルイズ達の視界が塞がれる。 「なによ突然!」 叫び声を上げる彼女達に駆け寄るクロコダインだったが、予想外の現象は更に続いた。 周囲の土が盛り上がり、ドーム状になって彼らを閉じ込めたのである。 「きゃっ!?」 それまで塔から洩れる明かりや月の光で薄明るかったのがいきなり真っ暗になって、ルイズ達は悲鳴を上げた。 「ったくもう!」 キュルケが短く呪文を唱えると、拳大の火の玉が三つ浮かび上がり、辺りを照らす。 攻撃に加わっていた全員が10メイル程のドームの中にいるのが判る。幸い誰も怪我などはしていない様だった。 タバサがドームを杖で叩くと硬質の音がかえってくる。 「多分、鉄製」 土メイジのギーシュもドームに触って材質などを調べ始める。 「これは結構ぶ厚いぞ。土とかに『錬金』するのも時間がかかりそうだ」 「そんな! フーケに逃げられちゃう!」 そんな中、クロコダインは拳で何回かドームを叩いた後、ルイズ達に忠告した。 「今からこいつを破るから出来るだけオレから離れていてくれ。それと耳も塞いでおいた方がいい」 「判った、任せるわよクロコダイン」 主からの信頼の言葉に、クロコダインは太い笑みを返す。 彼女達が反対側の壁まで下がり、タバサが『サイレント』の魔法を唱えるのを見届けると、クロコダインは愛用の戦斧を逆手に持って逆袈裟に斬り上げた。 「唸れ!爆音!!」 グレイトアックスが壁にぶつかるのと同時に魔宝玉に秘められた爆裂系呪文が発動し、鉄製のドームを1/3程も吹き飛ばす。 「うええええええ!?」 「な、なんて威力なの……!」 感心する同級生を尻目に、タバサがドームの外へ出る。 既に外に出て周囲の気配を探っていたクロコダインに、「中を見て来る」と言い残し、『フライ』で宝物庫へと飛んだ。 半ば予想していた事だが宝物庫の中に人の姿は無い。 ぐるりと周囲を見渡して、タバサは壁に何か書いてあるのに気がついた。 [ 神隠しの杖と伝説の剣、確かに領収致しました。 土くれのフーケ ] 流麗な書体で書かれたその署名を見て、タバサは小さく呟いた。 「目立ちたがり」 前ページ次ページ虚無と獣王