約 1,151,698 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4416.html
ルイズと不思議な魔法の本 トリステイン魔法学院に一人、嫌われ者の教師がいる。 教師と言うのは大概嫌われるものだが、しかしそのなかでも特筆に価するほど彼が嫌われているのは口を開けば「風」の系統の自慢しかしないからだ。 なにかあれば、やれ「風はすべてを吹き飛ばす」だの「最強の系統は風だ!」と授業そっちのけでのたまい、あまつさえそれが行き過ぎて生徒に怪我を負わせかねない行いをしたことすらある。 だが、今そんな彼のことを熱い瞳で見つめるものがあった。 キラキラと輝く、まさしく師を仰ぎ見るかのような視線の主は言うまでもなく某「ゼロ」のメイジである。 いや、それは正しくない。 彼女はこの人間としてどうかと思う教師に師事して以来、「ゼロ」の二つ名を返上したのだから。 「それではミスヴァリエール、君に問おう。最強の系統とは何かね?」 ギトーにとってもそんな視線を受けるのはけして不快ではない、故に少々――いやかなり彼女のことを優遇してしまっても仕方のないことだった。 「それは風です!」 「その通り、風は全てをなぎ払う」 ため息すら付きながら風の長所を延々と並べ続ける二人の変人、自己陶酔に浸る二人を処置なしと切って捨ててからキュルケは何故こんなことになったのか肩をすくめる。 思い出すのはあの日のこよ、キュルケが最愛の相方であるフレイムを呼び出し、そしてルイズが今フレイムの背中の上でマルトーが作ったシチューを鍋から直接がっついているおかしな生き物を召喚した時のこと。 ルイズが呪文を唱え杖を振ると、果たして強烈な爆発が巻き起こった。 また失敗か。そう思って唇を噛み締めるルイズとその失敗を嘲る周囲の者達。 だが爆発の煙が収まった後、そこには一冊の本が転がっていた。 「ゼロのルイズが本を召喚したぞ」 「生き物ですらないなんて、さすがゼロのルイズだな」 周囲の声など耳に入らなかった、ルイズは自らが召喚した本から目が離せなくなっていた。 「ミス・ヴァリエール!?」 ディティクトマジックを掛けたコルベールが止めるも間に合わない、ルイズはゆっくりとその本に手を伸ばした。 ――羽根の生えた獅子? カチン 本を留めていた留め金が音を立てて外れる。 ゆっくりと開いた本のなか本として在るべきはずの頁は存在せず、その代わりにたくさんのカードが収まっている。 ルイズはそのうち一枚を手に取るとゆっくり捲る、そこには騎士甲冑を着込んだの少女の幼い少女と言う図柄と、見たことのない文字が躍っていた。 「見たことのない文字ですが強力な力を感じますね、東方のマジックアイテムか何かでしょうか?」 ――あれ? 私これ読める……? 見たことのない筈の文字なのにルイズには何故かその言葉が理解できた。 「とにかく危険性も分からない以上、まずはオールドオスマンに相談してから……」 「ストー……ム?」 風が凪いだ。 「うわぁあ!?」 「ひゃああああ」 周囲のギャラリーが悲鳴をあげて逃げ惑う、ルイズを中心として発生したカッタートルネードもかくや猛烈な突風は様々なものを巻き上げていく。 土を、砂を、木々を、誰かの使い魔を、そしてカードを。 ばらばらと巻き上げ何処かへと吹き飛ばしていく。 「大丈夫ですか!? ミス・ヴァリエール!」 風が収まった後、呆然としていたルイズは自分の上に覆いかぶさっている人影に気づいた。 禿頭のこの教師は、異変を感じ取ってすぐルイズを庇う為に身を躍らせたのだ。 身近な相手の意外な勇敢さに驚くルイズの耳に、聞きなれない言葉が響いた。 「こにゃにゃちわー」 手に抱えた本のすぐ側に立つるいぐるみのような黄色い何か。 初めにルイズとコルベール、そして僅かにその場に残っていた生徒達の頭に浮かんだのは「何これ?」と素朴な疑問だった。 「やー、よー寝たわー」 そんなことを言いながら伸びをするナマモノに向かってルイズは疑問を投げ掛ける。 「あんた何?」 その問いかけにナマモノは誇らしげに胸を張った。 「よー聞いてくれたな、ワイは封印の獣ケルベロスや!」 見た目の割に随分大層な名前である、しかし仮にも封印の獣を名乗る以上きっと見た目以上の存在ではあるのだろう。 「封印の獣? と言うことは君は先ほどの強力な力を封印する精霊か何かだと言うことかね?」 「そや、この本にはクロウリードちゅう魔術師が作った特別なカードが封印されとってな……」 ケルベロスは誇らしげに振り向くと、そこには空っぽになった封印の本の姿。 ケルベロスは笑顔のままでだらだらと脂汗を垂れ流すと、大慌てで騒ぎ出した。 「ない、ない、ないない、ない! クロウカードが一枚もない!」 がっくりと肩を落とすケルベロスに向かって、さすがに気まずくなったのかルイズは言った。 「ええと、私がストームって言ったらみんな飛んで行っちゃって……」 「なにぃ!?」 物凄い勢いで顔を突きつけてくるケルベロスに向かって、自分のしでかしたことに慄きながらもルイズは精一杯虚勢を張る。 「な、何よ、あんた封印の獣なんでしょ!? ちゃんと封印しておきなさいよ」 「それ言われると辛いなぁ、けどお前にも封印を解いてもうた責任はある」 だからこーせーへんか、とケルベロスは手を叩いた。 「お前名前なんて言うんや?」 「ルイズよ、ルイズ・フランソワーズ・ルブラン・ド・ラ・ヴァリエール」 「なっがい名前やなぁ、なぁルイズ。クロウカード集めるの協力してくれへんか?」 もし、ルイズがどこぞの巨大な魔力を持った小学生のように素直な性格ならここでうんと頷いていただろう。 だが残念かな、ルイズは誇り高い貴族であり、そしてその手の中にはこれまで望み続けてついぞ手に入れられなかったものがあった。 「いっ、嫌よ。絶対、離したくない!」 目の前の珍妙な生物は“封印の獣”と名乗った。 ならばケルベロスはカードを集めて何をするのか? 決まっているもう一度この本のなかに封印するのだ、この協力な魔法を誰も使うことができないように。 だが同時にルイズは思ってしまったのだ、この本は自分が召喚した自分の使い魔。絶対に誰にも渡したくないと。 それは自らがとんでもないことをしてしまったと言う恐怖をやわらげようとする心の働きであるとともに、「ゼロ」と呼ばれ続けてきた少女の渇望そのものだった。 期せずして手に入ってしまった魔法、それも憧れ敬愛する母と同じく強力で理不尽なまでの風の魔法。 「五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 ルイズは手の中に残ったそのカードに呪文を唱えながら口付けた。 「あっーーーーーー!?」 ケルベロスの叫びと共にカードは強く光を放ち…… ――トリステイン魔法学院に、二人目の「風馬鹿」が誕生した瞬間である。 以後、ルイズは徹底的に手に入れた「嵐」のカードの力の研鑽に費やした。 その過程で風のスクウェアメイジであるギトーを師と仰ぎ、変わった風のメイジとして大成したと言う。 彼女のすぐ傍で文句を言い続けた奇怪な生物はこう語る。 「まぁぁったくルイズはクロウカード集めも全然せんかったからなぁ、それでもまぁ結局なんとかクロウカードは集まったし、マルトーのおっちゃんの料理も旨かったからなぁ。呼んでくれて感謝感謝や」 そう語るケルベロスの影には、母の治療の為長大な杖を掲げて蒼い竜と共にハルケギニア中を飛び回った一人の魔法少女の姿があったとかなかったとか。 END 「カードキャプターさくら」より「ザ・クロウ」を召喚
https://w.atwiki.jp/yaruoex/pages/205.html
【名前】 ルイズ へっぽこポケモン 【タイプ】 ノーマル/エスパー 【特性】 ゆうばく 【技:ねんりき、なきごえ】 【ステータス】 こうげきE ぼうぎょC とくこうB とくぼうB すばやさC 【備考】 東方のアリスと並び、やる夫の手持ちの可能性があったポケモン。 アリスと違い、こちらはまだ誰かの手持ちとしての登場もしていない(第七スレ目現在) 進化形がこの後出ないとも限らないので、ページを追加 AAすら登場していないので、この扱いです
https://w.atwiki.jp/sakuyataityo/pages/144.html
【Befor】 ____,. -―‐-- 、 / \ / ヽ \ / / \ \____, / / / ヽ ヽ ヽ__,ノ´ ,' / / / ヽ i \ \ | / i / | i ∨ ヽ. ヽ ! | | | \! ハ. ! ! 」 | |∨ | | レwリ`< V! // | | / | | | ィf伃テトミー ヽ /rえV /|/ | | | Vr少' |/ ヒソ ムイ あいつらのせいでおじい様は失脚したわ。 / 八 ', 、 ! | / __ハ. ', 人 | お父様もお母様もその立て直しで奔走して…… / /.......... ', ', -‐',. イ |\ / | ', ',>-、< V | ヽ 絶対文句言ってやるんだから!. / / / ̄ ̄ ̄`ヽハ ∨丕 ! { `ー ┴‐--、 | ノ | ... } ∨V} 人 \ 弋´ r' / Ⅳ.} / >―--、 _ノ \ V´ ̄ ̄ ̄`¨/ 人リ / \/ , <.【After】 ,. ' .ヽ / , 、 . , ' , / / ヽ . / / / . / . ../ ' | / | i 、 ', . /イ . . . / / , | { | | | | 、 l. ., . ' ., | { { |! ∨ { | | |! { ! | ! | | |! | | |{ ノ,ヽ{ 、! |∨ ト, | | | | | |Ⅵ!、T、 Tヾ } ∨` /ー/ }-!-/ | } | | |! | |_,ィ羊≧、 /イ / ,/ィ≦羊、}/ | } |{ | i . {イ! 廴,.ィ匕 }/ ´廴ィ七 斥 | ' { Ⅵ { ム r之こソっ r之こソ ' , , { もう、喋らないで…… | 从、 〉|ノ . . . . |! , {' . . . . }ノ / ,! .| |/ } `¨ |! ;! {| |! , /! ト、 消えてよ、お願いだから…… / | ム| |! ,.---、 |{ ;j/ ., | | .、 ,. ' | }\ j! ‘ ー ’ !! /イ , , \ / | | >/ . j' ィゝ'/ / .ヽ . / | | - 、r ┴、 ` ¨ ´,.-┴、, / \ . , /| |/// , ∨ 、 / { _ , . { //j }// / }! } { |/////ヽ , ! 、 ' /// // \ /,.-―-、 | |//////ハ | | ヽ /// //////ヽ/ _∧_ ∨! . . i |////////} / } ∨// //////// \ / }///∧ | {////////|/ / + 調教後 ┏──――――――――──―――┓│ 名前:【ルイズ】│l ステータス―─┳―――――――──────────────┓┗┤分類 │【奴隷】 ┣――――――┼─────────────────────┫ │体力 │【50/50】 ┣──────┼─────────────────────┫ │心 |【6/6】 ┣──────┼─────────────────────┫ │精神状態 |【従属】 ┣──────┼─────────────────────┫ │装備 |【なし】 ┣──────┼─────────────────────┫ │経験 |【有り(非処女)】 ┣──────┼─────────────────────┫ │調教 |【55/100】 ┣──────┼─────────────────────┫ │調教レベル .|【M:10 B:15 V:25 A:5】 ┣──────┼─────────────────────┫ |l アビリティ ─┴───────────────────―――――――――――┓ ┗┤なし ┗─────────────────────────────――――――─┛ ルイズ 地球人でワシズの孫娘。そのワシズは、地球側が敗北したため失脚したらしい。 実は作者がこの娘を”いぢめる”ために本スレを作成した。 なお、絶壁胸などの身体的特徴は成長させないと明言されている。 + メタ情報 実はワシズは宇宙人であるため、ルイズは宇宙人とのクォーターと言うことになる。 地球編14日目が初出。 ザンギャット帝国に文句を言うために密航を試みるが、スクデットに転送される。 スクデット侵略完了までに保護しないと・・・ スクデット編16日目第三学園で遭遇。『妹達』の12345号の能力でやる夫達に捕まる。 捕獲後調教室で一度やる夫と会話をするが、あまりの無知蒙昧かつ高慢であったため、やる夫のS心をすごく刺激した。 自身の膣と連動するオナホを仕掛けられ、不定期的かつ突然に快感が襲う調教を受ける羽目になっている。 (このオナホは解除するのを忘れたままになっているようである) 26日目の調教時に、「本音で答えろ」と言われた場合、 『捕獲時のルイズの人格』による「本音」が出るように羽衣狐によって催眠術がなされていた。 最終的には捕獲以前の人格をも壊され、淡い恋心を抱いていた相手の顔も思い出せなくなった。 + 主な悪行 祖父の権力を振りかざして好き勝手傲慢に振舞っていた。 勝手に避難所から出歩いて、はやてに窘められていた。 警護役であるはやての言うことをまったく聞かず、はやての心労を溜めた(地味に地球滅亡の危機の一因)。 フェイトの作ったホットケーキを気に入り度々作らせていたが、一度としてお礼を言ったことが無い。 それどころか「むしろ食べてあげるんだから感謝しなさい的」な態度で接していた(フェイトはよく分からないのでニコニコ対応したが、はやての心労が加速した) 地球侵略完了後、ワシズ失脚の文句(と言う名の逆恨み)を言う為にザンギャット基地の転送装置に密航。 その際、勝手に涼宮ハルヒを仲間認定し、強引に同行してハルヒのストレスを溜めた(ウェザードーパント暴走の一因) 勝手に同行したにもかかわらずハルヒやキョン子の言うことを全く聞かなかった。 スクデット第三学園に保護された後も好き勝手に振舞い、桜咲刹那に迷惑をかけていた。 とどめにやる夫に対しても傲慢な態度で応対したため、S気を刺激した。 やる夫の調教によって、過去の傲慢な自分に対して嫌気がさし、豹変したかのように従順な態度を取るようになった。 イジューレ温泉編で妊娠が発覚し、ボーイド編ではアーヴァロルに残留することになった。 お嬢様育ちなため非力で腕力はアコ以下なので雑用はできず、言うまでも無く家事も苦手。 それでもアコや友達になった美樹さやかから料理を教わっている姿が目撃されている。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/318.html
「さすがは魔法学院本塔の壁ね・・・・。物理衝撃が弱点?あの禿のオッサン適当な事言って・・・・」 そういって巨大な2つの月の下で舌打ちをしたのは『土くれのフーケ』、今最もトリステインで有名な神出鬼没な怪盗である ちなみに土くれとは盗みの技からつけられたものであり、その一例にまず『錬金』によって扉や壁を土くれに変えて警備を無力化、 そして巨大ゴーレムによる力技で兵士達を蹴散らし白昼堂々とお宝を盗む 最後に犯行現場自分のサインを置いていく、こんな感じである そして今回もこのトリステイン魔法学院に安置されているマジック・アイテムを頂きに来たのであった 「せっかくここまで来たんだから何としてでも持ち帰りたい・・・・、ん?」 人の気配を感じたのかフーケは『レビテーション』を小さく唱え、宙を浮き静かに中庭の植え込みに消えた そして代わりに現れたのはルイズ、キュルケ、風竜に乗ったタバサ、そして二本の剣を抱えたロムであった 少し時間を遡る 「あんた・・・・その剣はなんなの?」 「見ればわかるじゃない、ロムへのプレゼントよ」 「・・・・・・・・」「・・・・・・・・」 ルイズ達が街に買い物に行ったその夜、修羅場の第2ラウンドがルイズの始まろうとしていた 「どういう意味ツェルプトー?」 ルイズが両手を腰に付け天敵キュルケを睨む そしてルイズの問い掛けにキュルケが悠然と答える 「だから、私今日、ロムが欲しがっていた剣を街まで行って買ってきたのよ」 「おあいにく様、使い魔の使う道具くらい主である私が揃えてあげましたから」 二人が虎と竜の如くにらみ合いを始める 一方ロムは (レイナもこんな風に他の女性と喧嘩していたな・・・・、それにしてもこれではまた決闘になってしまう! 早く止めなければ) 「なあ二人ともそろそろ止めにしないか」 「ちょっと!あんたまたこの女に尻尾を振る気!?」 ルイズがロムを睨む 「いや、そうではないが」 「ねぇロム?あなたはゼロが買ったボロい剣よりも 私が買ったこのピカピカで大きくて太い剣の方がいいでしょ?」 キュルケがロムの腕に大きな胸を押し付けながら言う デルフリンガーがカタカタ震えているが今は気にならなかった 「だ~れがゼロですって!それにそいつから離れなさいよツェルプトー!!」 「嫉妬はみっともないわよ?ヴァリエール」 キュルケが勝ち誇った感じで言った 「嫉妬?誰が嫉妬しているのよ!」 「そうじゃない、ロムが欲しがってた剣をあたしが難なく手に入れてプレゼントしたから嫉妬しているのよ!」 「誰がよ!そんな勘違いやめてよね!ゲルマニアで男漁りし過ぎたからトリステインまで留学してきた癖に!!」 その一言でここまでまで優位だったはずのキュルケの顔色が変わった 「言ってくれるわねヴァリエール」 「何よ、本当の事でしょ?」 キュルケの変化に気付いたルイズは冷たい笑みを浮かべながら挑発を続ける そして同時二人は手に杖に手をかけた 「いかん!二人とも止めてくれ!」 ロムは二人を止めようとした所で二人の間につむじ風が巻き起こり杖が吹き飛ぶ 出所はタバサであった 「室内」 タバサが淡々と言った ここでやったら危険だと言いたいのだろう それでもルイズとキュルケはにらみ合いを続けた 「ねぇ、このままでは埒があかないわ、決闘をして勝った方の剣をロムが持つことにしない?」 「いいわよ、負けた後に泣きべそかかない用に努力しなさいよ」 「それはこっちのセリフよ!」 遂に恐れていた事が現実になった事にロムは落胆した 決闘の場所は中庭の本塔前に決まり四人は部屋を後にした ロムも二本の剣を持って部屋を出ようとした時こんな声が聞こえた気がした 「・・・・御愁傷様」 「何故こうなるんだ・・・・」 「これが一番早く決まる」 「君はひょっとして楽しんでいないか?」 ロムの問い掛けにタバサが小さく答える タバサは風竜に乗って飛んでいるがロムはロープで本塔に吊るされていた 「いいことヴァリエール!あのロープを切ってロムを地面に落としたほうが勝ちよ。勝った方の剣をロムが使う。いいわね?」 「いいわよ」 キュルケの問い掛けにルイズは硬い表情で頷いた 「使う魔法は自由、ただし、あたしは後攻、ハンデよ」 「いいわ」 「じゃあどうぞ」 「頼むぞマスター・・・・、また顔の前で爆発なんて事はナシだからな」 ロムが静かに呟くと同時にルイズは短くルーンを唱え始めた そして呪文詠唱を完了させる、そして気合いを入れて杖を振った 「えーーーい!!」 呪文が成功すれば火の玉がでるはず・・・・なのだが杖からは何もでない しかし一瞬遅れてロムの後ろの壁が爆発した 爆風に少し巻き込まれる 「マスター!」 ロムの叫びが響いた、しかしローブが切れた様子がなかった 「あはははは!流石ゼロのルイズ!ロープを切らずに壁を爆発させるなんて器用ね!!」 キュルケが笑うとルイズがとても悔しそうな表情を見せた 「次は私の番ね、それ!」 既に詠唱を終えたらしく付けから突然巨大な火の玉『ファイヤーボール』が出てくる それは高速でロープに向かって行き、切り裂いた ロムは地面に落ちるが見事着地、その瞬間上からパチパチパチと小さく拍手なようなものが聞こえた (まさか彼女これを見たいが為にこんな条件を・・・・) 上を見上げたらその彼女は無表情でロムを見ていた 一方フーケは中庭の植え込みから一部始終を見ていた ルイズの魔法で壁にヒビが入ったことにも気付いていた 一体あの爆発する呪文は何なのだろうと疑問に思ったが取り敢えず今は目の前のチャンスを逃さない為に詠唱を始めた そして長い詠唱を終えて地面に向けて杖を振り薄く笑う 音を立て地面が盛り上がった 「残念ねヴァリエール!」 勝ち誇ったキュルケは大声で笑った。 ルイズは勝負に負けたのが悔しいのか膝をついてしょぼんと肩を落としている 「マスター・・・・」 ロムはそんなルイズの姿を見て複雑な気分になった 「さてダーリン、今すぐに縄を解いてあげるわ」 そう言って嬉しそうにロムに近づくキュルケ、その時であった なんとルイズの後ろから突然巨大なゴーレムが現れた! 「なっ・・・・・・・・」 「な、何あれ、きゃあああああ!」 キュルケが悲鳴をあげる、ルイズは恐怖まだ膝を地に付けており立てないでいた 「マスターー!!」 ロムは力技でロープを内側からちぎり、ルイズを飛び込みながらゴーレムに踏み潰される間一髪の所で救出する そして地面に引きずられる 「マスター大丈夫か!」 「ロ、ロム・・・・」 ルイズは恐怖で震えていた「タバサ!剣をくれ!ルイズを頼む!」 既にキュルケを救出していたタバサはコクッと頷き、ルイズを風竜に掴ませ、キュルケが買ってきた剣をロムに渡す ゴーレムは既に宝物庫の壁を破壊しており、その穴から細長い箱を抱えた黒いローブの人間が出てきた そしてローブの奥の顔の笑みが深くなった 「さあ行くわよ」 「逃がすか!」 ロムは思いっきり剣を黒ローブを纏った人間に投げるがゴーレムに防がれ剣は折れてしまった そしてゴーレムは突然砂ぼこりを起こして崩れ去り、収まったころには既に黒いローブは去っていた 残ったのは茫然とする四人と風竜 そして壁に刻まれていたメッセージ 『巨人の剣』確かに徴収いたしました 土くれのフーケ
https://w.atwiki.jp/sinnerei/pages/953.html
【作品名】ゼロの使い魔 【ジャンル】小説 【名前】ルイズ 【属性】魔法使い 【年齢】17歳と5ヶ月 【長所】虚無の魔法使い 【短所】色々と年齢相応とは見えない 【備考】平賀才人を召喚した直後の年齢が16歳で、それから20巻までで1年5ヶ月経過しているので17歳と5ヶ月 vol.1 修正 vol.3
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/300.html
「・・・・」 失神しているルイズの前で、おとーさんは困っているように見えます。 すると、ドアが開いてある人物が顔をだしました。その人物はおとーさんにここに至った経緯を説明してくれました。 その人物は(こんなドアあったっけ?)と、家に新しく出来たドアに近づいてじろじろ見ていました。 すると、突然ドアが開いて、中を覗こうとした女の子と鉢合せをしてしまいました。その距離実に20センチ。女の子は固まっていましたが、その人物は吃驚することもなく気さくに話しかけました。 「やぁ、僕りすのターくん。カリフラワーじゃぁないんだよ」 その台詞をちゃんと聞いたかどうかは分かりませんが、女の子はターくんが話し終わると同時に失神して倒れてしまいました。 「旦那。と、言うわけなんですよ・・・」 おとーさんはその話を聞いた後、おもむろにベッドの方を見ました。 ター君はその様子をみてポンと手を叩き「なるほど」と呟きました。 二人はベッドへルイズを運びました。おとーさんはター君へこの部屋に入らないようにと告げるとそのまま自分の家にター君を帰しました。 「・・カリ・・フラワー・・・んんんん」 ルイズは少々うなされている様でした。 おとーさんはそんなルイズを見てしばらく待ってからルイズを起こしました。 ルイズは飛び起きると目の前にいるおとーさんを捕まえて 「あああ、あのドアの向こうは、どど、どうなってるのよ!!!」 おとーさんは不思議そうにルイズを見ています。ルイズはその様子を見て(あれは夢だったのかしら?)と考え 「な、なんでもないわよ」 と言い、おとーさんに着替えを手伝うようにいいました。おとーさんは服を取りに行く為にルイズに背を向けると「くすくす」 と笑っていました。 着替えが終わり支度を済ませたところで 「朝食にいくわよ。付いて来なさい」 ルイズはおとーさんにそういいました。 (なんかこの使い魔私をバカにしてるみたいなのよね。食事で上下関係をハッキリ認識させてやるんだから) ルイズはそんな事を考えながら部屋を出ました。 するとキュルケとばったり出会ってしまったのでした。 「あら、ルイズ。おはよう」 「・・・おはよう、キュルケ・・」 ルイズはあからさまに嫌そうな顔をしています 「この白いゴーレムがあなたの使い魔?よく召喚できたわね~」 「うるさいわねぇ。正真正銘、私が召喚したんだからケチつけないでよ!!」 「そんなに怒らなくてもいいじゃない。フフッ・・・これが私の使い魔、フレイム。サラマンダーよ。しかも火竜山脈の・・・。 好事家に見せたらきっとかなりの高値をつけてくれるでしょうね・・・。」 キュルケとルイズがサラマンダーを見ると、おとーさんとフレイムが見つめ合っていました。そのうちフレイムは滝のような 汗を流し始めついには地面に這い蹲りました。 「フレイムどうしたの?・・・まぁいいわ、行くわよ」 サラマンダーの行動に首を傾げるキュルケでしたがそのままどこかへ行ってしまいました。 「あんた、何やったの??」 ルイズがおとーさんに尋ねると、おとーさんは一言こういいました。 「おとーさん・・・にらめっこ強い」 それを聞いたルイズはその場で吹き出して笑い始めました。 おとーさんはそんなルイズをみてなんだか少し嬉しそうでした・・・
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8557.html
「ドラゴンクエストモンスターズ+」よりスラおを召喚。 ゼロのルイズと魔物の勇者-01 ゼロのルイズと魔物の勇者-02 ゼロのルイズと魔物の勇者-03 ゼロのルイズと魔物の勇者-04 ゼロのルイズと魔物の勇者-05 ゼロのルイズと魔物の勇者-06 ゼロのルイズと魔物の勇者-07 ゼロのルイズと魔物の勇者-08 ゼロのルイズと魔物の勇者-09
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/640.html
朝からルイズはそわそわしていました。いつも寝坊するのにおとーさんが来る前から起きていました。もっとも殆ど寝てないという方が正解ですが。 いつものように支度を済ませ朝食をとり・・・と行動したかったのですが手が震えます。それでも着替えはおとーさんがいつも通りに手伝ってくれるおかげでなんとかなりました。 食堂に行くとおとーさんに色々な人が話しかけてきました。コック長のマルトーはおとーさんの事を我等が剣と言い、メイド達はなぜかおとーさんを触りまくっています。 ルイズはちょっと怒りながらおとーさんをメイド達から引き離しましたが、今度は生徒達が触りまくっています。 「な、何なのよいったい・・・」 ルイズが不審に思っているとギーシュが現れました。 「やぁ、ミス・ヴァリエール。君の使い魔は・・・あぁ、やはりそうか」 指で顔を掻きながらギーシュが少し困ったような顔をしています。 「ギーシュこれはどういうことよ?」 この事態の原因がギーシュだと直感したルイズは詰め寄ります。 「おお。怒らないでくれミス・ヴァリエール。実はあの決闘の後、僕はモンモランシーに許してもらえてね仲直りする事が出来たんだ。 君の使い魔に負けたことで真実の愛がわかったんだ!!僕はモンモランシーをこれからもずっと愛していく!!」 いつの間にかギーシュの横に来ていたモンモランシーが頬を赤く染めています。そんな彼女をギーシュは優しく抱き寄せるとこう言いました。 「君の使い魔は僕たちのキューピットなんだよ」 「ふんふん、それを皆に言いふらしたのね」 ルイズはすこし眉をひくつけせながら言いました。 「あ・・いや、言いふらしたつもりは無いんだが・・・どうも違った方向に話しが広まった・・・かな?」 ギーシュはもみくちゃにされているおとーさんを見ながら弁解しました。 「と、とにかく僕は君の使い魔を憎んだりとかは一切無いよ。むしろ感謝してるくらいなんだ。このお礼は改めてさせてもらうよ」 ギーシュはそう言うとバスケットを持ったモンモランシーとどこかへ行ってしまいました。 取り残されたルイズは、ほとほと困っていましたが先生達が騒ぎを治めてくれたおかげでなんとか落ち着きました。 ルイズは朝食を取ろうとした時、おとーさんの食事を昨日と同じ質素な食事のままにしている事を思い出し自分の食事を分けようとしました。 ところが、おとーさんの食事はなぜかはしばみ草のフルコースでした。 (ななな、何よこれ!! 完全な嫌がらせじゃないの~~~!!) ルイズは真っ青になっていましたが、目の前からタバサが声をかけます。 「それは私から」 ルイズはタバサを睨み付けましたが、タバサは涼しげにこう言いました。 「喜んで食べてる」 ルイズは何を言ってとばかりにおとーさんを見ますが嬉しそうに食べてました。 (なんでタバサがおとーさんの好みを知ってるのかしら・・・) 腑に落ちないルイズでしたが、おとーさんが嬉しそうなので今度からはしばみ草をメインにしようかなとか考えていました。 朝食が終わってまた騒ぎになる前にさっさと部屋に戻ったルイズとおとーさんは扉の前に立っています。 「じゃぁ、おとーさん案内してもらうわよ」 朝の緊張もどこへやら、ルイズは貴族の威厳をかもし出しながら扉を開けました。 「え?靴を脱ぐの?なんで???」 おとーさんから靴を脱ぐように言われたルイズは困惑してしまいましたが、そういう風習なのかと考えて渋々扉の前で靴を脱ぎました。 扉の向こうは色々変わった部屋でルイズの興味を大いにそそりました。 草を編んだ物を敷き詰めた床 足が低く丸い形をしたテーブルとその周りに置いてある四角いクッション 木組みに白い紙を張っただけの扉 食料と冷気を中に閉じ込める白い鉄の箱 小さなドアノブの様な物を捻るだけで火が出る台 ネジの様な物を捻ると水が出る管 ジリリリリリリ~ン 黒いものが突然音を出すとおとーさんが近づき徐にその一部を持ち上げ耳に当てています。しかも何やら独り言を言っているようです。 「お、おとーさんそれなに??」 ルイズは訝しげにおとーさんに尋ねましたが「デンワ」と答えて終わりでした。 (黒い物の名前だと思うけど、どんなものだか教えてくれないとわからないじゃない) ルイズが少し不機嫌になっていると、おとーさんがテーブルの前のクッションに座るように言いました。 飲み物を持ってくるから待ってて欲しいとの事でした。おとーさんはさっきの白い鉄の箱を開けると何やらグラスに注いで持ってきました。 「お、おとーさんこれ飲めるの??」 グラスの中の液体は真っ黒でブクブク泡が出ています。以前にコルベール先生の授業で見せてもらったビンに入った液体を思い出したルイズは飲むのをためらっていました。 おとーさんから美味しいからと説明され意を決したルイズは一気に飲もうとして口と鼻から盛大に吹き出してしまいました。 「ゴホッゲホッ・・・やっぱり飲めないじゃないのよ!!!!」 咳き込みながら目から涙と鼻からコーラをたらしおとーさんに詰め寄るルイズでした・・・ その頃、キュルケは「犬が・・・破裂・・・触手・・怖い・・」と魘されていました
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/7749.html
前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝 第一章~旅立ち~ その1 ムサシ登場!! そして旅立ち 小規模なクレーターを前にへなへなと崩れ落ちる少女。 傍らには頭髪の寂しい男性、遠巻きに見つめるのはたくさんの少年少女。 その少女は幾度とない失敗により、爆風と嘲笑を浴びていた。 爆風、というのは彼女の発した魔法によるもの。 というのもピンクブロンドの少女、名をルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 名家ヴァリエール家の三女として、その才を遺憾なく発揮……していない生徒の一人である。 彼女の放つ魔法は、全て爆発という現象に現れる。 『開錠』を行えば扉ごと吹き飛ばし、『錬金』を使えば素材を粉微塵に破砕する。 それ故皆からの嘲りを浴び続ける学院生活を送っていた。 そして、長い一年が終わり進級試験、『春の使い魔召喚』の儀。 皆がルイズが再び一年生となるぞ、と囃し立てていた矢先のことだった。 いよいよ順番が最後、ルイズの番になり、杖を構える。 緊張の為か微かに震える手を振りかざし、呪文を唱え振り下ろし……虚空が爆発した。 まただ、ほらみろと嘲笑の声が飛ぶ。 何度となく、その光景が繰り返される。 次第に少女の慎ましやかながら可憐な容姿は土に塗れていく。 教師の静止も振り切り、傷だらけの体を奮い立たせて杖を振りかざした。 彼女の誇りが、諦めることを許さなかった。 「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ……神聖で美しくそして強力な使い魔よ!」 半ば涙目になりながら詠唱を行う。 決めたのだ。 ここで自分の忌まわしき異名を払拭するのだと。 初めての魔法はここで完成させる! その思いだけで、彼女は体を動かしていた。 「私の呼びかけに……答えてっ!」 杖を振り下ろすと、もう何度も体験した感覚。 目の前が白熱するだけ。 今までにない、一際大きな爆発だった。 いい加減にしろ、驚かせるなと心ない声が飛ぶ。 しかしややあって……皆が、沈黙した。 異様な静けさを感じたルイズが前を向くと、煙に遮られた何者かの陰。 「……やった……」 自分は成功したんだ。 このトリステイン王国の魔法学院に入学してから、ただの一度も成功しなかったこの自分が。 皆に不名誉な二つ名で嘲られ、幾度となく挫けそうになったこの自分が。 皆と同じ魔法を、使えたのだ。 失敗していたら留年となる所だったが、これで再び一年生をやらなくてもいい。 ひどく安堵し、よろよろと立ち上がる。 「……さあ、何なの……?私の、私だけの使い魔!」 期待に小さな胸を膨らませ、埃塗れのブラウスを叩く。 土煙が晴れ、その何者かの姿を初めてその目にした。 何か聞こえる、鳴き声だろうか。 いや、それにしては小さい、よく聞けば穏やかな呼吸音……いや、寝息? 「……子ども?」 驚愕する。 何しろ、目の前にいたのは眠りこけた少年。 小柄なルイズよりさらに頭一つぶんほど小さな少年だった。 しかも、なんともみすぼらしい格好の。 「おい、ぼろを着た子どもだ!」 「ゼロのルイズが物乞いのガキを召喚したぞ!」 「なっ……!」 異変に気がついた生徒達が、召喚対象である少年を見て囃し立てる。 ルイズは頭に血が上りかけたが、しかしよくよく見れば確かに言うとおり。 伸びっぱなしの長髪は頭頂部で束ねてあり、よれよれの上着に足にはボロ靴を履いている。 汚いベルトで留めた見慣れぬ装束を纏い、ひび割れた眼鏡を額にかけていた。 まず、いいところの出ではあるまい。 「おい!失敗したからってその辺の乞食を連れてくるなよー」 「さすがゼロのルイズ」 心無い言葉にきっと振り返るが、言い返すより早くルイズは教師に向けて叫ぶ。 「ミスタ・コルベール、やり直しを……!召喚のやり直しを、させてください!!」 「……残念ですが、それはできません」 「そんな!」 対してコルベールの返答は否定だった。 納得の行かないルイズは尚も迫る。 「人間を使い魔にするなんて、聞いたことも……!」 「だとしてもです。人間であろうと、召喚された以上は契約しなければなりません。 それにこのままではあなたは留年することになってしまいます。私としてもそれはとてもとても悲しいことです」 ルイズの悲痛な訴えにも、教師としてコルベールは首を横に振らざるを得なかった。 この春の召喚の儀式は神聖なもの、やり直しという特例は認められない。 彼女に残された道は、あの少年を使い魔とする他に無いのであった。 聡明な彼女はそのことを重々理解していた。 それ以上食い下がることもなくただただがっくり項垂れることしかできない。 やがて諦めたように、横たわったままの彼女の使い魔となる少年に歩み寄る。 「まったく、どこの子どもよ……なんでこんなチビっこなんかと、私が……」 サラマンダーやら風竜やらの素晴らしい使い魔を目にした後だからか、よけいに落胆は大きい。 やがて大きく溜息をつき、観念したように横たわる少年に顔を近づけた。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え我の使い魔と為せ」 唇と唇がそっと触れ合う。 異性とこんなことをするなんて生まれてこのかた初めてだったので、ひどく動揺する。 だが相手は子ども、それにこれは儀式上必要なことだ。 ノーカンノーカンとクールに振舞ってみるも、なんだかほかほかしてきた。 頬が熱くなっていることを自覚する。 自らぽかぽかと頭を叩いていると、少年が突然叫びをあげる。 「うわっちちちちちちぃーーーっ!!!」 「きゃ!」 思わぬ反応に思わずその場から飛び退いてしまうルイズ。 少年は熱の根源であろう左手を抑えて、熱さの余り転げまわっていた。 朱塗りの篭手を外すと息をふうふうと手の甲に当て続ける。 「だ、大丈夫?使い魔のルーンが刻まれているだけだから、すぐに済むわ」 「なんだぁ……?ここは、どこだ……?」 「ふむ、コントラクト・サーヴァントのほうは問題ありませんね。おめでとう」 やがて少年が大人しくなり、自分の手を見て目を見開く。 近くにいたルイズに気がつくときっと向き直り、ぴょんと軽い身のこなしで立ち上がった。 近づいてくるその身体はやはりルイズよりも小さい。 歳のころは10そこそこであろうか、意志が強そうな眉と瞳をこちらに向けた。 「やいお前!ここはどこだっ!おいらに何をしたっ!?」 「なっ……」 「……ああっ、よく見りゃ手にイレズミなんてしやがって!島流しにあった覚えはないぜっ!」 声変わりも澄んでいないであろうよく通る声で騒ぎ立てる。 明らかな年下、それも乞食かなにか身分の低いであろう者に怒鳴られたことに、 ルイズの頭はかっと熱を持った。 「へっ……平民の分際で、貴族にそんな口の聞き方を!」 「何ィ!?」 「ミス・ヴァリエール冷静に。ふむ、珍しいルーンですね」 肩の荷が降りたコルベールは、とりあえず目の前の少年に対する疑問はさて置いておく。 手早く少年のルーンを書き写して、見物していた皆に呼びかけた。 「これにて召喚の儀式は終了です。各自学院に戻るように」 呼びかけるとふわりと宙に浮かび、ここからも見える学院の大きな屋根に向かって飛び立った。 同じく生徒たちも空へと舞い上がるが、意地の悪そうな笑みを浮かべ口々に野次を飛ばす。 「ゼロのルイズ!お前は歩いて来いよ」 「『フライ』も『レビテーション』もロクに使えないんじゃあ仕方ないな!」 嘲笑を浴びるも、今は目の前の少年のことで頭がいっぱいなルイズは振り向きもしない。 しかし少年の方は、空中を見つめて驚いた表情だった。 「あいつら飛びやがった!妖術使いか?」 「……メイジが飛ぶのは当然のことじゃない」 「メイジだかショウワだか知らねえが、いよいよおかしいぜ!ここはどこなんだ?」 「はぁ……とりあえずついてきなさいよ、戻るから」 何も知らない使い魔に、やはり世間にも疎い乞食なのかと頭を抱え込む。 溜息を禁じ得ないが、頭から少しずつ説明してやりながら学院への帰路へついた。 「……でね、あんたは召喚されて、私の使い魔にならなきゃいけないの」 「召喚?おいら、また召喚されちまったってのかっ!?」 また?おかしなことを言うものだ。 そんなにしょっちゅう人間が召喚されるなんて聞いたこともない。 まあ、召喚を理解しているフシは説明が省けて好都合だ。 「物分りがいいじゃない、でね、あんたは私の使い魔として……」 「まあいいや。今度こそとっとと済ませて、こんな世界とはおさらばだぜ」 「ちょちょ、ちょっと。何言ってるのよ」 「ん?」 前言撤回。 自然と帰る流れになったのでルイズは慌てて止める。 この使い魔召喚が理解できていたり放棄する気でいたりといろいろおかしい。 ルイズのフラストレーションが積み上がっていく。 「あんたは私の使い魔をやってもらうのよ!何よおさらばって」 「だから、その用事を済ませりゃ元の世界に戻れるんだろ?」 「元の世界?ああもうわけわからないわね!あんたはずっと使い魔!ずっと!」 「なんだって!?ずっと!?」 「ずっとよ!」 「そんなバカな!」 「知らないわよ!こっちだって、あんたみたいなチビで! ヘンなモミアゲな奴なんか!召喚したくなかったわよ!」 「くっまたそう言われるのかよ!?なんだってんだこのチンチクリン!おてんば!」 「キィィィーーーーッ!」 爆発した。 小さいもの同士がぎゃんぎゃんと騒ぎ立てながら追い掛け回したり小突きあったり。 学院に帰るまで、それは続いた。 「……ぜい、ぜい、ぜい……」 「おい、大丈夫かい?」 「う、うる……さい……ぜんっぜん……大丈夫、よ……」 はたから見れば本当に子供の喧嘩のようなことを年甲斐もなく延々と続けてしまったルイズは、 やがてゼイゼイと息を整えながらルイズは立ち止まる。 少年はしばらく落着くのを待ってくれていたが、溜息をひとつ大きくついた。 「ま、いいや。終わっちまったことをいつまで言ってもしょうがねえ」 「へ?」 「使い魔だかなんだか知らないけど、おいらがやりゃあいいんだろ?」 「あ、ああそう……なによ急に」 実にあっけらかんと了承してくれたのは意外だった。 子供らしく聞き分けなく反発するか勝手にどこかに逃げ出したりするかと思っていたが。 彼は案外、さっぱりした人物だったのかと納得する。 とりあえずこれで留年する心配はなくなった。 「見たところ、空飛んだりなんだりで面白そうな奴らがいっぱいいるみてえだし」 「面白そうな……魔法をそんな言い方しないでよ、そりゃまいっぱいいるわよ」 少年の顔つきが変わる。 先程までの疑心を帯びたそれではない、もっと単純な感情。 心の奥から湧き出るような、原始的で直情的なその感情。 『楽しんで』いる。 ひとつの冒険は終わった。 しかし、彼の冒険が、また始まるのだ。 「妙にワクワクしちまうぜ!」 「……あんた変な奴ね……名前は?」 「人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るもんだぜ」 「……ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ」 少々ムッとしたが、これは正論だ。 若干ぶすっ面で返答する。 大して少年は、立派な髷をガシガシと掻きながら告げた。 後に伝説となる自らの名を。 「おいらはムサシ。よろしくなっ、ルイズ!!」 BRAVE MAGE ルイズ伝 >はじめから 前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1818.html
前ページ仕切るの?ルイズさん 数日後、生徒会結成の許可が下りて正式に認められたトリステイン魔法学院生徒会。 生徒会室は以前あった古い物置を改装した小さな部屋である。 「ここが私達の場所なのね……」 「部屋の手配も改装も全部学院長がやってくれたわ。学院長さまさまね。」 トリステインには桜の木というのはもちろん無いのだがいっそうと生い茂る若葉が春を感じさせた。 「春ね……」 ルイズが春の季節を感じていると、「ルイズ。あんた今日はスカートを履き忘れてないでしょうね? 昨日も一昨日も履き忘れてたわよ。大丈夫?」 「大丈夫よ! 私は日々(胸が)進化し続ける女なのよ!今日はスカートを忘れないようにしっかり確認して……」 そしてルイズはかばんの中から誇らしげに何かを取り出した。 「ちゃんとかばんの中に入れてきたんだもん!」 「ちゃんと履いてこいやボケェェェェェっ!!!」 すぱーん キュルケからハリセンの突っ込みが飛ぶ。 ちなみにハリセンは「お前にぴったりだから」という理由でモロヤマから貰った物らしい。 「はぁ……とりあえずこのことはさっぱり忘れてあげるから仕切りなおして次にいきましょう……」 「ねぇ、キュルケ見て見てー」 「ったく、何なのよそれは……」 「水戸黄門!」 「いいから、早く履きなさいよ! っていうか水戸黄門って何なのよ!わけわかんないわよ!」 「昨日モロヤマが見せてくれたジダイゲキって物らしいのよ。個人的には入浴シーンが一番好きだわ。」 「やあ、わしも入浴シーンは好きじゃぞ。それにしてもあのかげろうお銀は本当にうつくs…」 「ややこしくなるからお前は来るなーーー!!!」 「ひでぶっ」 ルイズの回し蹴りを食らったのは学院長のオールド・オスマンであった。 蹴り倒された表情が妙に嬉しそうだったので、生徒会メンバーはこの前の秘密が事実であると確信した。 「新入生お悩み相談所?」 「そう!右も左もわからない新一年生の不安を少しでも除いてあげようと思ってね。」 キュルケの質問にはきちんと答え 「でも魔法の事だったら一年生とどっこいどっこいっていうかむしろそれい…… あだだだだ!!!割れる割れる割れるぅぅぅ!!!!」 余計な事を言ったギーシュには制裁を加えた。 「というわけで明日から始めるわよ!新入生お悩み相談所!略して『新おじょう』!」 「ちょっとまって。『う』はどっからもってきたの?」 「……屋根裏から」 「タバサ!あんたも余計な事は言わないの!」 翌日― 「さぁて、記念すべき最初の悩めるバカ犬たちは?」 「ハァハァハァハァハァh」 「…オールド・オスマンです。」 「なんで学院長が来てるのよ! …まあ最初の相談だから軽い練習のつもりで。で、お悩みはなんでしょうか、オールド・オスマン?」 「実は君たち女生徒達の意見を聞きたくて……」 「うんうん。」 「おっぱいが大きいのってやっぱり女性にとってはうれしいものなのかな?かな?」 「………」 「…………」 「…………」 「……あれ? じゃあわしはこれd 「ちょっとマテや。まだ悩みの答えを言ってないでしょうが。」 「…イッペン、死ンデミル?」 蒼白とした彼女達の目からはかつてないほどの怒りが見て取れた。 「おっぱいなんてな、おっぱいなんてなぁ……」 「「ちっちゃくてよかった事なんて何一つないんだからああああああ!!!!!」」 ちゅどーん×3 「…この壊れた壁の修理は学院長持ちなのか?」 「あったりまえじゃないのよ。さ、次の相談に行きましょ。」 「……ところでさっきのタバサの台詞って何?」 「ああ、さっきタバサが見てたアニメで女の子がそんな台詞を言ってたらしいよ。」 当のタバサは嬉しそうに杖をくるくる回していた。 最初の相談者は風上のマリコルヌ(風邪っぴきと言ったら突っ込まれた)である。 普段はルイズの事を魔法が使えない「ゼロのルイズ」と言ってからかっているのだが 「クラスのみんながボクの事をデブって言っていじめるんです。なぜなのでしょうか?」 「……まあ、なんていうかその……とりあえずがんばれ!」 ルイズは生徒会長になって適当なことを言って励ますスキルを覚えた。 「多少は予想してたけど、全然まともな相談がないわよねえ……」 「『家族以外に女の子と話す機会がない』『上の部屋から水漏れがする』 『あなたの胸を大きくしてあげたい』……本当にろくな相談がねえな。」 「…類は友を呼ぶ」 「何それ?」 「…さっきモロヤマが教えてくれた。」 「ああ、そうなの。」 それがどんな意味なのかも聞く気になれずルイズは思わず溜息をついた。 「何かこう…甘酸っぱい感じの相談とかってないのかしらねえ……」 「いや、新学期始まって間もないこの時期にそんな相談あるわけないと思うんだけど……」 「あの……私、メイドをやっているシエスタと申します。 ここって恋愛相談にも乗っていただけるのでしょうか?」 「「「「それらしい娘キターーーーーーっ!!!」」」」 その娘はメイドだった。そして妙におっぱいがでかい。 「なんでも聞いて! おっぱいがでかいのは妙にムカつくけど。」 「そんな事でムカつくなよ。」 「実は……昨日の夜ある男の人にその……告白されたんです。」 シエスタは顔を赤らめながらもどこか嬉しそうに話す。 「それでその場でエッチしちゃったんですけど、あの人はその時危険日の私に何回も何回もなk」 「ストーップ! ストーップ! あんたの乳は18禁なのに心も18禁になっちゃだめなんだから!」 わけのわからないことを言っているルイズ。顔はシエスタに負けず劣らずまっかっかだ。 「そんな上級者の悩みなんて知らないわよ! あんたなんかビッチ王国のビッチ姫のビッチメイドになっちゃえばいいんだから!ヴァーカヴァーカ! 帰れ帰れ!!」 「きゃあああああ!」 ルイズはあっというまにシエスタを追い返した。 だが、これがきっかけで事態が急展開していくとは… 「……その時誰も思いもしなかったのです。」 「そこ!妙なナレーション入れないでよ!」 前ページ仕切るの?ルイズさん