約 5,503,384 件
https://w.atwiki.jp/utapri_shininglive/pages/240.html
楽曲情報難易度・ノーツ数 解禁条件 備考 コメント 楽曲情報 曲名 DESTINY SONG 属性 シャイン 歌 愛島セシル 作詞 上松範康(Elements Garden) 作曲 藤間仁(Elements Garden) 編曲 藤間仁(Elements Garden) 難易度・ノーツ数 EASY NORMAL HARD PRO ★ 2 5 8 11 ノーツ数 141 231 409 621 解禁条件 メインストーリー/5章 備考 コメント
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/271.html
【名前】ユーノ・スクライア 【出典】L chang the world after story 【声優】水橋かおり(「魔法少女リリカルなのはStrikerS」のヴィヴィオ、セイン、「HELLSING」のインテグラ(少女時代)) 【種族】人間 【性別】男性 【年齢】 【外見】 【性格】 【原作での設定】 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 [[]] 【技能・能力】 能力名 内容
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/108.html
「く…!」 「何だよ…こんなもんか?」 やはり契約モンスターの力量が勝る王蛇が優勢だ。力でシザースを押し返した。 そのままベノサーベルを突き刺そうとするが、真横から別のライダーの攻撃が飛ぶ。それはゾルダが放った銃撃だ。 彼の持つ『マグナバイザー』は、連射式の拳銃としても使用可能。それを使った銃撃が王蛇を襲ったのだ。 ベノサーベルを使い、それを紙一重で防ぐ。そしてゾルダの方に向き直った。 「そう言えば、お前もいたんだったな…北岡」 「おいおい、呼びつけた張本人が忘れるなよ」 一方その頃、真司もまたミラーワールドへと到着していた。 先に入った三人を探し、そして見つける。 「もう戦ってる…止めないと!」 『GUARDVENT』 言うが早いか、ドラグシールドを手に戦いを止めに行く。 「うわっ!」 だが、それも見慣れたサイのモンスター…メタルゲラスに止められる。 「メタルゲラス…こいつがいるって事は!」 想像通り、ガイが近くにいた。しかもメタルホーンを用意して。 「空気読めないな。せっかく盛り上がったんだから、水差さないでよ」 それと同じ頃、外では警官隊が突入を始めていた。 突入から戻ってきた警官の一人が、須藤の後から来た刑事に報告する。 「警部、中に誰もいません!」 「何?どういう事だ。ちゃんと探したのか?」 誰もいない。どういう事か。普通の人間には分からない。 この場の人間でその理由を理解しているのは、僅か六人だけだ。 『はやてちゃん、まさか…!』 いや、リィンを入れれば七人か。 「…多分、それで正解や」 「うお、小人!?」 大久保らOREジャーナルメンバーが驚いている。リィンよ、出てくるなら場所を選べ。 「あ、いや、これは、その…」 「って、今はどうでもいいか。それより令子、確かメールには『浅倉もライダーだ』ってあったんだよな?」 「はい。私も最初は信じてませんでしたけど…全員いないって事は、本当だったんだと思います」 「そうか…って、おい!どこ行くんだよ!」 大久保の注意が逸れている間に、なのは達が店の裏手へと走り出していた。 そこからミラーワールドへと入るつもりなのだろう。 霧島美穂もまた、店の近くに来ていた。 「浅倉…!絶対あたしが…!」 その目は浅倉への憎しみで満ちている。 そんな状態だから、目の前でなのは達がミラーワールドに入ったのを見落としたとしても、誰が責められようか。 「今の…いや、今はそれより浅倉だ!変身!」 そして美穂もまたファムへと変身し、ミラーワールドへと踏み込んだ。 第十四話『砕け散る鎧』 「戦いを止めろって言ってんだろ!」 メタルホーンをドラグシールドで受け止めながら、龍騎が言う。 「は?何言ってんの?ライダーは戦うもんでしょ?」 だが、ガイは聞く耳を持たず。攻撃をさらに激しくする。 「はぁ…もういいよ。戦う気無いなら死んでくれる?」 そう言うと、ファイナルベントのカードを取り出して見せ、バイザーに放り込んだ。 『FINALVENT』 先ほどまで近くにいたメタルゲラスがガイに近づき、ヘビープレッシャーの体勢に入る。 そして、ヘビープレッシャーで龍騎の方へと突っ込んできた。 防げるとは思っていなかったが、ドラグシールドを構え、防御姿勢をとる。 …だが、次の瞬間ガイとメタルゲラスが消えた…いや、空間に出来た鏡(?)に突っ込んだのだ。 「上手くいった…はやてちゃん、なのはちゃん、準備はいい?」 「はい!」「うん!」 シャマルの前には、転移魔法『旅の鏡』のために作られた、クラールヴィント・ペンダルフォルムの輪があった。 旅の鏡でガイを店の外に引きずり出し、防御魔法でヘビープレッシャーを防ごうという策だ。 …もっとも、防御魔法うんぬんの件は、ガイがファイナルベントのカードを見せた時に慌てて打ち合わせたものであるが。 …と、ガイが出てくる。ご丁寧にヘビープレッシャーの状態で。 「二人とも、今よ!」 「盾!」『Protection Powered.』 同時に防御魔法を展開し、ヘビープレッシャーを受け止めた。 だが、さすがに250トンもの破壊力は伊達ではない。多少押されているようだ。 『Barrier Burst.』 このままでは破られる。そう判断したレイジングハートがバリアバーストを行い、ガイを吹き飛ばした。 「っはー…流石にファイナルベントを受け止めるのは骨やわ」 今のではやても結構疲れているらしく、その場に座り込んだ。 「そうだね。でも、まだ仕事が残ってるよ」 「ええ。あの人を止めないと…」 そう言い、ガイの方を見る3人。その当のガイはというと、立ち上がった後不思議そうに周りを見ている。 「あれ?さっき俺店の中にいたよな…」 「あいつが消えた?」 目の前からガイが消え、驚いて辺りを見回す龍騎。 外に目線が行った時、なのは・はやて・シャマルの3人がガイと対峙しているのが見えた。 「え…みんな何でここに?」 とにかく手助けに行こうとするが、その考えはすぐに中止された。 「浅倉!どこだ!どこにいる!!」 その声に振り向く龍騎。そこにファムがいた。 「お前かぁ!」 すぐに振り向いたせいで、ファムに浅倉と勘違いされてしまう。 そのままファムがブランバイザーで斬りかかって来た。それをドラグシールドで防ぐ龍騎。 「ちょっ、違うって!浅倉はあっち!あの紫色の!」 防ぎながら店の外を指差す龍騎。その方向を見ると、ゾルダ・王蛇・シザースが戦っていた。 「そう…悪かったね、間違えて」 そう言うと、ファムは攻撃をやめ、その3人の戦いに近づいていった。 「待てよ、どうするつもりなんだ?」 「決まってるよ。浅倉を倒しに行くんだ」 「そうか…だったら、行かせる訳にはいかない!」 この男は何を言っている。ファムはそう思った。 どちらが死ぬにしろ、ライバルが減って万々歳のはずだろう。それなのに何故止める? …まあいい、どういうつもりにしろ… 「どういうつもりか知らないけど、邪魔するんならあんたから倒すよ!」 そしてこちらはというと… 「須藤刑事、ここは一時休戦にしない?このバカ何とかしないといけないしさ」 「…いいですね、その話。乗りましょう」 ゾルダとシザースの休戦協定が結ばれたところのようだ。 「話は終わりか?」 その声に反応し、前を向く二人。すでに王蛇がベノサーベルを振り上げ、ゾルダの目の前に来ていた。 素早くバイザーを正面に向け、連射。さすがにこの至近距離では反応しきれず、王蛇に直撃する。 そして怯んだ隙にカードを装填した。 『SHOOTVENT』 ゾルダの両肩に大砲『ギガキャノン』が現れる。それを王蛇めがけて撃つ。撃つ。撃ちまくる。 王蛇もそれをかわしながら、バイザーにカードを装填した。 『STEALVENT』 武器カードを奪うカード『スチールベント』を使い、ギガキャノンを奪取したが、 「こんなものいらん!」 と、さっさと投げ捨ててしまった。 そしてベノサーベルで再び向かっていくが、ゾルダは失くした武器を別のカードで補填した。 『SHOOTVENT』 二枚目のシュートベントで特大のバズーカ『ギガランチャー』を取り出し、撃とうとする。 だが、その時には既に王蛇が目の前にいた。 「ハァァッ!」 ベノサーベルをゾルダへと振り下ろす。それを先ほどのギガランチャーで受け止めるゾルダ。 ギガランチャーで両手がふさがっている今、ゾルダに反撃は困難。それを隙と見たか、空いている左手で王蛇が殴る。 だが、突然王蛇の背中に衝撃とダメージが。驚いてゾルダから離れる。 「私を忘れてもらっては困りますね…」 シザースだ。バイザーとシザースピンチを使い、同時攻撃を仕掛けたのだ。 「なるほどね、魔法とかいうやつ?それで俺を外に出したってワケだ」 ガイがそう言う。3人とも驚くが、はやてとシャマルはすぐに納得した。 「あなただったのね、シグナムが戦ったライダーっていうのは」 「そーゆー事。それじゃ、あの赤い奴の代わりに相手してもらうよ」 そう言ってメタルホーンで飛びかかるガイ。標的はなのはだ。 「まずはお前だよ、白いの!」 そう言ってメタルホーンを突き刺そうとした。が、さすがにそう簡単にはいかない。 『Protection Powered.』 防御魔法『プロテクション・パワード』で、メタルホーンを受け止めた。 その時に出来た隙は一瞬。だが、はやてが打撃魔法『シュヴァルツェ・ヴィルグング』を叩き込むには十分な隙だ。 「このぉぉっ!」 シュヴァルツェ・ヴィルグングがガイを捉える。そして吹き飛ばした。 「ってぇ…さすがに3対1はきついかな」 そう言うと、どこからかメタルゲラスが駆け込んできた。 それを見つけたガイが、メタルゲラスに命令する。 「ちょっとあの二人の相手しててくれない?俺はこっちと戦ってるから」 そう言われると同時に、メタルゲラスがはやてとシャマルの方へと走り出した。 「な!?カードも使ってないのに何で来たの!?」 だが、そんな疑問には誰も答えず、その間にもメタルゲラスが近づいてくる。 誰も気付いていないが、モンスターの中にはライダーを契約者以上に見ているものがいる。例えば友人や主従としてだ。 メタルゲラスもガイを友人として見ているらしく、だから呼ばなくても危機を察知して現れたのだ。 「さて、コレで一対一だね?」 そう言うと、改めてなのはに向き直る。が、もうその方向にはいなかった。 高速移動魔法『フラッシュムーブ』で背後に回っていたのである。 「えぇぇぇぇいっ!」 そのままフラッシュムーブからの打撃『フラッシュインパクト』で吹き飛ばした。 「いくよ、レイジングハート!中距離砲撃モード!」『All right.』 レイジングハートを中距離砲撃モードに変形させ、構える。 『Divine Buster.』 「ディバイィィィィン!バスタァァァァァ!!」 『Extension.』 放たれるディバインバスター。そしてガイは、それに飲まれ、吹き飛んだ。 中距離とはいえ、射程は長い。かなり離れていた王蛇をも飲み込むほどに。 「ちょっと…やりすぎちゃったかな?」 『大丈夫でしょう』 「ハァァァ!」 持ち直した王蛇がゾルダへと突っ込む。 …だが、それは横から飛んできた桃色の閃光と、それに巻き込まれて飛んできたガイによって中断される。 「ぐお!?」 桃色の閃光に巻き込まれ、思い切り吹き飛ぶ王蛇。それを見たゾルダとシザースは驚き、その方向を見た。 そこには…その発生源と思われる、白衣の少女がいた。それも杖を構えて。 「冗談でしょう?あの距離からこれだけの攻撃を…」 「別に驚くことでもないでしょ?俺もギガランチャーならあれくらいの距離いけるし」 そう話している間に、王蛇とガイが立ち上がる。 まずいと思ったのか、ゾルダが一枚のカードを取り出し、バイザーに装填した。 『FINALVENT』 ゾルダの目の前の地面から、彼の契約モンスター『鋼の巨人マグナギガ』が現れる。 そして、背中のホルダーのような場所にバイザーを繋げた。 「そこのあんたら、死にたくないならどいてな!そこの銀色、お前もだ!」 そう言った直後、トリガーを引く。すると、マグナギガの胴体が開き、そこから無数のミサイルが飛び出した。 これがゾルダ最大の必殺技『エンドオブワールド』だ。 額からのビームが、胴や腕からの無数のミサイルが、攻撃範囲一帯を焦土へと変えた。 「危なかった…もう少しで巻き込まれるところだったよ」 空に避難したなのはが、降下しながら言う。 「せやな。あんなの喰らったらただじゃ済まなさそうやし」 同じくはやてが言う。 「…あ、あの人!」 シャマルが何かに気付いた。ガイだ。 ガイはエンドオブワールドの攻撃範囲に立ってい…いや、よく見ると少し浮いている。 その後ろには王蛇だ。よく見るとガイの首根っこを掴んで持ち上げている…今放り捨てた。 …つまり、ガイは王蛇が身を守るための盾にされたということだ。 「お前…せっかく俺がゲームを面白くしてやったのに…」 「近くにいた、お前が悪い…」 そう言ったとたん、ガイが王蛇へと殴りかかった。 だが、満身創痍のガイがほぼ万全の状態の王蛇に勝てるはずも無く、さっさと叩き伏せられてしまった。 …そして王蛇が一枚のカードを取り出し、装填した。 『ADVENT』 遠くから契約モンスター『ベノスネイカー』が現れ、ガイを喰おうと迫る。 だが、ガイもただではやられない。最後の力を振り絞って立ち上がり、カードを放り込む。 『CONFINEVENT』 ベノスネイカーが消えた。コンファインベントがアドベントを無効化したのだ。 「は、はは…やったぞ…!」 せめてもの抵抗ということか。だが、さすがに立つことはできてももう一枚のコンファインベントを使う余力は残っていない。 「それがどうした?」 『FINALVENT』 再びベノスネイカーが現れる。王蛇もそれに呼応するかのように、同じ方向へ、地を這うように走る。 そして、高く高くバック宙をし、ベノスネイカーのエネルギーとともに、ガイめがけて飛んだ。 王蛇最大の大技『ベノクラッシュ』である。 「させへん!刃もて、血に染めよ。穿て、ブラッディダガー!」 はやてがブラッディダガーで阻止しようとする。 十数本の短剣を飛ばし、ベノクラッシュの軌道上へと放った… だが、ブラッディダガーが王蛇に届くより早く、ベノクラッシュがガイに届いた。 そして、水泳のバタ足のようにガイを蹴る。とことん蹴る。徹底的に蹴る。 無理にブラッディダガーの軌道を変え、王蛇に撃ち込んでも止まらない。蹴る、蹴る、蹴る。 「ぐあ…ぁ…」 それが…ガイの断末魔となった。 何度も何度も蹴られ、ついには爆散してしまったのだ。 仮面ライダーガイ:芝浦淳…死亡 残るライダー:12人 (助け…られへんかった…) 「あ、ああ…あああぁぁぁぁぁ!!」 はやてが突如、声を上げて泣き出す。 助けられたはず、でも助けられなかったという罪悪感、そして目の前での人死にのショックに打ちのめされたのだ。 「どうしてそんな簡単に人を殺せるんですか!どうして!!」 精神的に打ちのめされたはやてに代わり、なのはが問い詰める。 すると、こともなげに王蛇が答えた。 「ライダーってのはこういうもんだろ?」 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/496.html
いきなりは変われない(後編) ◆HlLdWe.oBM 「だ、大丈夫ですか、こなた」 「うん、なんとか無事だよ。でもいったい何があったの?」 「リインにもよく分からないです。咄嗟に防御魔法を展開するだけで精一杯でしたから」 こなたとリインはお互いの無事を確認すると、周囲の様子を恐る恐る窺った。 まだ周囲には埃が立ち込めて様子は分からなかったが、辛うじて見えた近くの壁には縦横に亀裂が走っていた。 どうやらデュエルアカデミアの何処かで爆発か大きな衝撃があって建物に亀裂が入ったようだ。 つまり長居をすれば施設の倒壊に巻き込まれる可能性が高いという事になる。 「そうだ、ルルーシュとレイは!?」 「すいません。レイは離れていたので防御魔法の範囲外でした」 リインは己の未熟さを恥じるかのように弱々しい声で事実を述べた。 その答えを聞いた時、こなたの脳裏に最悪の状況が浮かんだ。 建物に亀裂が走って天井や壁が脆くなった挙句に瓦礫として降り注ぐ様が。 そしてその下にいたレイは為す術もなく潰れて、血だまりの中に肉片が――。 「そ、そんな……じゃあレイは……」 「……でも、どうやらあまり瓦礫は落ちていないみたいです。だから無事だと思いますよ」 「あ、そう言われてみれば……」 確かにリインの言う通りだった。 先程より少し埃が薄らいだために周囲の様子が分かるようになっていた。 一見すると縦横に亀裂が走って今にも崩れそうだが、意外だが今の時点で壊れている壁や天井は微々たるものだ。 周囲の様子を確認すると、こなたはほっと胸を撫で下ろした。 少なくともレイが死ぬという最悪の結果は見なくて済みそうだ。 そうなるともう一人の行方が気になってくる。 「ところでルルーシュは……」 「ルルーシュならこなたの足元で寝ているですよ」 周囲をキョロキョロと見渡していたこなたにリインが声をかけた。 どうやら周囲ばかり見ていたせいで足元を見落としていたみたいだ。 まさしく灯台もと暗し。 「あ、いたいた。ルルーシュ、もう大丈夫だ――」 ――ぴちゃ。 「へ?」 こなたは不思議に思った。 ルルーシュに目を向けるために少し足を動かした瞬間、水溜まりを踏むような音が聞こえたのだ。 だが周囲を見ても水道管が破裂している気配などない。 それならこの水溜まりはいったい――。 「こなた! それ血だまりです!!」 「え、ええ!? そんな、ルルーシュ! ルルーシュ! ねえ、起きてよ!!」 リインに遅れること数秒、ようやくこなたにも状況が分かってきた。 ルルーシュは真っ赤な血だまりの中に倒れていたのだ。 原因は右腕の傷口。 そこがさっきの衝撃で開いてしまったのだ。 その場しのぎの止血と応急処置だけで放置していた事が裏目に出た。 ずっと傷口を防ぐのに使っていたスバルの鉢巻きは長時間の使用で緩んでいたのだ。 「こなた、ルルーシュの右腕は化膿もしていたです! このままの状態が続けば命が危ないです!」 「それって結構ヤバいんじゃ。早く何とかしないと!」 「早く正規の治療を施さないと……ヒーリングだけではもう焼け石に水です!!」 リインの悲痛な叫びを聞いている内にこなたは今の状況に至る発端を思い出していた。 そもそもの始まりはこなたとレイが合流してルルーシュの元に戻っている最中に遡る。 途中いくつか今後について話しながら移動していると、廊下で倒れているルルーシュを発見したのだ。 エントランスで待っているはずのルルーシュがなぜ廊下で倒れていたのか不思議だったが、それ以上に大きな問題が判明した。 ルルーシュの右腕の傷口が化膿して発熱していたのだ。 おそらく応急処置だけでは細菌の侵入を食い止める事ができなかったのだろう。 しかも失血によって体力も相当弱っていたはずだ。 さらに右腕の傷口に巻かれたスバルの鉢巻きは未だに替えないまま今に至っている。 それでは細菌の良い温床になるばかり。 今までルルーシュはいくつもの緊張の中に身を置いていたので発熱の前兆を疲労だと判断して無視してきた。 それはただスバルを守りたいがため。 そのために多少の不調には敢えて目を瞑ってきたのだ。 だがそれが反ってルルーシュ自身の状態を悪化させる事となっていた。 実際は表面上の変化はないように見えたが、その実ルルーシュの身体は限界に達していたのだ。 ルルーシュの容態に気付いたリインが急いでヒーリングを施したが、リインの力もここでは制限されていて状態は芳しくなかった。 だが必死の治療が功を奏したのか、しばらくするとルルーシュは目を覚ましてくれた。 まだ焦点が定まらないのか目が虚ろだったが、意識を取り戻した時はほっとした。 しかしその後に事件は起こった。 なぜか目覚めたルルーシュはいきなり左目に紅い不死鳥の紋を浮かび上がらせたのだ。 それは絶対遵守の力であるギアスが発動する前兆だ。 なぜこのタイミングで、誰に、どんな目的で。 こなたとリインはその一瞬にいくつもの疑問が湧いた。 だからどうしていいか分からず結局ギアスの発動を止めさせる事ができなかった。 まさか化膿による発熱の影響で冷静な判断を逸しているなど思いもつかない事態であった。 だが結果的に『俺に従え』というレイへのギアスは不発に終わった。 あの瞬間に起こった爆発の影響で落ちてきた瓦礫によって。 それは今になってそれほど大きくなかったと判明したが、ギアスを遮るのには十分なものであった。 そして結果的にレイにギアスは掛けられなかったが、ギアスの発動自体は成立していた。 だから当然ギアスに掛けられた制限でルルーシュには多大な疲労が残る事になった。 それは辛うじて意識を取り戻していたルルーシュを再び昏倒させるのに十分だった。 しかも意識を失う際に無意識のうちに倒れる身体を支えようと腕を出したのが決定的だった。 身体の支えとして出した右腕は既になく、傷口をもろに床に直撃させる結果となった。 その衝撃で止血用の鉢巻きが取れて傷口が開くなど、まさに泣きっ面に蜂の状態だ。 これらの原因の一端がルルーシュにもあるとはいえ自業自得にはあまりにも不幸な出来事であった。 だがそもそもこなたとリインはルルーシュの行動の理由など知る由もない。 二人にとってはいきなり重症のルルーシュがレイにギアスを掛けようとした事ぐらいしか分かっていなかった。 だから二人は知らなかった。 「ルルーシュ……あなたのせいで十代様はアアァァァァ!!!」 ルルーシュが目撃した光景を。 レイが拳銃の銃口をルルーシュに向けている様子を。 ▼ ▼ ▼ もう迷わない。 ▼ ▼ ▼ きっかけは些細な会話だった。 リインが話していた時空管理局の救援に関する会話。 その中に出てきた一つの事実が他の内容を吹き飛ばすほどレイには衝撃的だった。 それは『パラレルワールドから参加者を連れてくるごとに時空管理局に発見される可能性が高い』という内容だ。 つまりプレシアにとってはパラレルワールドから参加者を連れてくる事は何らかのリスクを負う事になる。 しかも本来なら一度で済む作業を二度三度に分けるので手間もかかる。 ではなぜプレシアはリスクを負って手間をかけてまでそのような事をするのか。 それはもちろん参加者の間で誤解を生じさせて殺し合いを誘発してデスゲームを円滑に進めさせるためだろう。 だが参加者全員にそれが当てはまるだろうか。 確かに別世界の影響で知り合いだと思っていた者が自分の事を知らない、あるいは時間が違うせいで味方だと思っていた者が敵になる。 まさに誤解による殺し合いの促進だ。 だがこれによって殺し合いに影響を及ぼす者は何らかの力のある者に限られる。 例えばもし自分と十代の間に誤解が生じたところで大して力のない二人など他の参加者から見ればどうでもいい存在でしかない。 一応カードの扱いに一日の長があるが、そのような力はカードがなければ何の役にも立たない。 つまり自分達のような何の力もない一般人は誤解を生じさせてもあまり意味がない。 パラレルワールドから手間をかけてリスクを冒して連れてくるだけのメリットが無いのだ。 この結論に至った時、レイは絶望した。 先程の放送で呼ばれた遊城十代がレイの世界の十代で間違いないという事になるからだ。 本当はこのような結論など否定したかった。 だがどう考えても否定できる理由など見つからなかった。 だからレイは一人静かに恨んだ。 十代を殺した者を。 そして――。 ――レイの行動を阻んだルルーシュを。 ここに来てからレイは実に半分以上の時間をこのデュエルアカデミアで過ごしている。 その原因はルルーシュだ。 ルルーシュの疑いの目を警戒するあまり行動は慎重にせざるを得なくなり、結局のうのうと時間を浪費するだけだった。 確かにいくつか収入はあったが、それよりももっと会場を巡って十代のために何かできたはずだ。 ルルーシュさえいなければスバルやこなたを上手く言いくるめて別行動できたかもしれない。 だからこそルルーシュの存在が許せなかった。 だがいくら憎んでもレイの手持ちには人を殺せるような道具はない。 『レッド・デーモンズ・ドラゴン』は使用に関して不確定要素がありすぎる。 唯一確実な武器である拳銃はルルーシュに取られたままだ。 だからレイは一度生まれた負の感情を持て余していた。 だが好機は意外にもすぐ訪れた。 エントランスに向かう廊下の途中でルルーシュが倒れていたのだ。 しかも右腕の傷が化膿して発熱を引き起こすという重症になっていた。 すぐさまこなたとリインはルルーシュの応急処置に取り掛かり、レイはルルーシュやこなたの荷物を預かる事になった。 レイが治療に参加しないのはレイより年上のこなたの方が治療の助けには向いているからだ。 だから治療の邪魔になるようなデイパックや銃器を預かる役はレイになったのだ。 つまり図らずともレイの手に人殺しの道具が舞い込んできたのだ。 レイの目の前ではこなたとリインが床に救急箱やシーツなどを広げて必死の治療に当たっている。 もちろん二人が意識を向けているのは重症のルルーシュであって、仲間だと思っているレイは意識の外になる。 だからルルーシュから取り戻した銃を構えても何の反応もなかった。 もう照準は合わせたので後は引き金を引くだけだった。 だがいざ引き金を引こうとすると指が動いてくれなかった。 本当にこれでいいのか。 もしかして自分は間違っているんじゃないか。 こんな事をして結果的に何になるのか。 そんな疑問がレイの胸中に渦巻いた。 そもそもレイは十代を守るために危険人物を殺そうと決意したが、今に至るまで誰も殺していない。 しかも手違いで無害なフェイトを殺してしまったと思った時は一瞬たじろぎさえしていた。 誰かを殺す決意はしたが、まだ誰かを殺す覚悟は固まってはいなかったのだ。 だから銃口をルルーシュに向けたまでは良かったが、そのままの状態から一歩進む事ができなかった。 だが皮肉にもその最後の一歩を踏み出す一押しになったのはルルーシュであった。 確かにレイはルルーシュを撃とうとしたが、まだ覚悟は定まっていなかった。 だからルルーシュと目が合った時、自分の行動がばれたと思って身体が震えたのだ。 その時レイはもう全て打ち明けてしまおうかと思うぐらい実際には精神的に追い詰められていた。 しかしそんなレイにルルーシュは躊躇う事なくギアスを掛けようとした。 確かに銃を撃とうとしたレイに非がある。 だがただ銃口を向けただけでギアスを掛けるとは如何なものか。 こちらはまだ撃つ覚悟さえ固まっていなかったというのに。 しかもギアスの内容は『俺に従え』――レイを完全に従順させるものだ。 これがまだ『銃を捨てろ』や『撃つな』ならまだ納得がいく。 だが『俺に従え』などまるでレイがルルーシュの道具であるかのような言い草だ。 そしてレイは悟ったのだ――ルルーシュにとって自分は使い捨ての効く道具のような存在だと。 それに気付いた時、頭のどこかで何かが吹っ切れた気がした。 そして激しい怒りと憎しみが湧きあがってきた。 自分はこんな奴のために十代様を守る時間を浪費してしまったのかと。 だから二度目に銃を構えた時、もうそこに躊躇はなかった。 だがこの時は激情に突き動かされて声を上げたせいでこなたとリインに気付かれて失敗してしまった。 そして銃の反動に驚いている隙を突かれて、あまつさえ3人の逃亡を許してしまった。 一応逃げていった方角は北の裏口の方なのでどの方向へ行ったのかはだいたい分かる。 ここも自分が調べた範囲では目ぼしい物はなかったから長居する必要はない。 「ルルーシュ、あなたを殺して、次に十代様を殺した奴も殺す。そして――」 その時にはもう全てが終わるだろう。 「――私も死ぬ。ごめんなさい、十代様」 どうせ元の世界に十代はいない。 死者蘇生の可能性など先程考えた通り、期待するだけ無駄だ。 それなら生きているより死んだ方がいい。 もしかしたら天国という場所があって十代と再会できるかもしれない。 「……私――いやボクはもう恋する乙女なんかじゃない」 そこには恋する乙女の姿はなかった。 そこにあるのは悲しい復讐者の姿だけ。 【1日目 日中】 【現在地 G-7 デュエルアカデミア裏口付近】 【早乙女レイ@リリカル遊戯王GX】 【状態】健康、銃の反動で腕が少し痺れている、自暴自棄 【装備】SIG P220(8/9)@リリカル・パニック、 【道具】支給品一式×4、リインフォースⅡのお出かけバッグ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS、フリーズベント@仮面ライダーリリカル龍騎、光の護封剣@リリカル遊戯王GX、情報交換のまとめメモ、レッド・デーモンズ・ドラゴン@遊戯王5D's ―LYRICAL KING―、投げナイフ(9/10)@リリカル・パニック、バスターブレイダー@リリカル遊戯王GX、レギオンのアサルトライフル(100/100)@アンリミテッド・エンドライン、洞爺湖@なの魂、小タル爆弾×2@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、インテグラのライター@NANOSING、医薬品一式、メス×3、医療用鋏、ガムテープ、紐、おにぎり×3、ペットボトルの水、火炎瓶×4、ラウズカード(クラブのK)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ハイパーゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、シーツ数枚 【思考】 基本:目的(ルルーシュと十代を殺した者を殺す)を果たしてから死ぬ。 1.ルルーシュを追いかけて殺す。 2.十代を殺した者を殺す。 3.レッド・デーモンズ・ドラゴン……使えるかな? 4.フェイト(StS)、万丈目を強く警戒。 【備考】 ※フェイト(A's)が過去から来たフェイトだと思っています ※フェイト(StS)、万丈目がデュエルゾンビになっていると思っています(スバル達には「自分の世界のフェイトは敵に洗脳されているかもしれない」と説明しました)。 ※デュエルデュスクを使えばカードの効果をより引き出せると思っています。 ※カードとデュエルディスクは支給品以外にも各施設に置かれていて、それを巡って殺し合いが起こると考えています。 ※レッド・デーモンズ・ドラゴンが未来の世界のカードだと考えています(シンクロ召喚の方法がわかっていません、チューナーとチューナー以外のモンスターが必要という事は把握済みですがレベルの事はわかっていません)。 ※正しい召喚手順を踏まなければレッド・デーモンズ・ドラゴンを召喚出来ないかどうかは不明です。 ※レイの調べた範囲でデュエルアカデミアに目ぼしいものはありませんでした。 ※死んだ十代は自分と同じ世界の十代で間違いないと思っています。 ※かなり破滅的になっているので周りの話をあまり聞かない可能性が高いです。 ▼ ▼ ▼ 生き延びたいなら躊躇ってはいけない。 ▼ ▼ ▼ 「ダメですこなた! やっぱりさっきの衝撃で傷口が開いてヒーリングだけじゃ手に負えないです!!」 背中からリインの必死の訴えに危機感を募らせながらこなたは決死の逃避行に挑んでいた。 なんとか裏口からデュエルアカデミアを抜けて現在は先程確認した煙の方に向かっている。 大した理由はない、ただ咄嗟にその方角が思いついただけだ。 本当はスバルと合流したかったが、あの時デュエルアカデミアを襲った衝撃はエントランスの方からだった。 だからそこも安全とは言えない。 しかも今迂闊に戻ればレイと鉢合わせになる可能性もあるのだ。 今の状況は最悪だ。 まず近くに頼れる存在がリインしかいない上に、そのリインも治療で手が離せない状態。 ルルーシュは意識を失っていて右腕の怪我が悪化して急を要する事態。 そしてこなたはその重症のルルーシュを背負って懸命に走っている最中。 時々背丈が違い過ぎるから背負うのは大変だと泣き言を言いたくなるが、そんな暇などありはしない。 今は一瞬たりとも気を抜けない。 なぜなら気を抜けばたちまち背後から追いかけてくるレイに殺されるかもしれないからだ。 あの時なぜレイがいきなり発砲してきたのかは分からない。 だがレイの顔は相当追い詰められたものだった。 きっと何か深い事情があった事だけはなんとなく分かった。 おそらく今のレイに何を言っても聞く耳を持たないに違いない。 だから逃亡という選択をしたのだ。 最初の銃弾とその後の逃亡はリインのおかげで何とか上手くいった。 だがそうそう何度も上手い事いくわけがない。 今のこなたはデイパックさえ無い状態なのだ。 まさに頼れるのは己の身一つのみ。 【1日目 日中】 【現在地 G-7 北西部】 【泉こなた@なの☆すた】 【状態】健康、ルルーシュを背負っている 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本:かがみん達と共に家族の元に帰るため、自分の出来る事をする。 1.とにかく逃げる(一応煙の方を目指して)。 2.落ち着いてからルルーシュに外の煙や調査結果について報告。 3.リイン、レイ、スバルが心配。 4.アーカード(名前は知らない)を警戒。 5.後でフェイトとプレシアの関係を確認してみる。 6.かがみん達……大丈夫だよね? 7.おばさん(プレシア)……現実とゲームを一緒にしないで。 【備考】 ※参加者に関するこなたのオタク知識が消されています。ただし何らかのきっかけで思い出すかもしれません。 ※いくつかオタク知識が消されているという事実に気が付きました(スバル達に話すつもりはありません)。 ※かがみ達が自分を知らない可能性に気が付きましたが、彼女達も変わらない友達だと考える事にしました。 ※ルルーシュの世界に関する情報を知りました。 ※この場所には様々なアニメやマンガなどに出てくるような世界の人物や物が集まっていると考えています。 ※地図に載っていない施設が存在する可能性があると考えています。 ※PT事件の概要(フェイトとプレシアの関係は除く)をリインから聞きました。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 【ルルーシュ・ランペルージ@コードギアス 反目のスバル】 【状態】左腕裂傷、右腕欠損(傷口化膿・再出血)、疲労極大、発熱による若干の錯綜、強い決意、深い悲しみ、気絶中 【装備】ブリタニア軍特派のインカム@コードギアス 反目のスバル、リインフォースⅡ@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS 【道具】なし 【思考】 基本:守りたい者、守るべき者を全力で守り抜く。 1.レイは危険だ。 2.チンクが目覚めたら彼女と話をする。 3.スバルを守るために、たとえ汚れ役を買って出てもスバルにとって最善と判断した行動を取る(もしもの時は殺害も辞さない)。 4.ディエチやカレンの犠牲は絶対に無駄してはならない。 5.ギアスの制限を確かめたい。 6.戦力の確保及びプレシアの関係者の捜索、首輪の解析を行う。 7.C.C.、クアットロと合流したい。 8.ゲーム終了時にはプレシアに報復する。またその後でシャーリーに自らの命の決断を仰ぎ、それに従う。 9.左腕が刃の男(=ナイブズ)、赤いコートの男(=アーカード)、殺し合いに乗った頭の切れる参加者を警戒。 【備考】 ※プラント自立種にはギアスが効かない事が確認されました。 ※ギアスを使った際の疲労は命令の強さに比例すると考えています。同時にギアスが効かない参加者が他にもいると考えています。 ※こなたの世界に関する情報を知りました。もっとも、この殺し合いにおいて有益と思われる情報はありません。 ※「左腕が刃の男」が既に死亡したナイブズである事に気付いていません。 ※ここにいるスバルを“本物のスバル・ナカジマ”であると認めました。 ※レッド・デーモンズ・ドラゴンは現状では使えない可能性が高いと考えています。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。ご褒美の話をどう捉えているかは後続の書き手さんにお任せします。 ※シャーリーが父の死を聞いた直後から来ている事に気付きました。また一緒にはいられないと思っています。 【リインフォースⅡ:思考】 基本:スバル達と協力し、この殺し合いから脱出する。 1.はやて(StS)や他の世界の守護騎士達と合流したい。殺し合いに乗っているならそれを止める。 2.ルルーシュの治療に専念する。 3.落ち着いてからルルーシュに外の煙や調査結果、こなたと話した他の施設や隠し施設の事について報告。 【備考】 ※リインフォースⅡの参戦時期は第四話ではやてと会話する前(つまり眠っている間)です。 ※自分の力が制限されている事に気付きました。 【チーム:黒の騎士団】 【共通思考】 基本:このゲームから脱出する。 1.デュエルアカデミア内部を調べる。 2.首輪解除の手段とハイパーゼクターを使用するためのベルトを探す。 3.首輪を見つけた時には機動六課か地上本部で解析する。 4.それぞれの仲間と合流する。 【備考】 ※それぞれが違う世界の出身であると気付きました。 ※デュエルモンスターズのカードが武器として扱える事に気付きました。 ※デュエルアカデミアにて情報交換を行いました。内容は守りたいもの本文参照。 ※「月村すずかの友人」からのメールを読みました。送り主はフェイトかはやてのどちらかだと思っています。 ※チーム内で以下の共通見解が生まれました。 要救助者:シャーリー、ヴィヴィオ、万丈目(注意の必要あり)、明日香、かがみ、つかさ、ルーテシア 合流すべき戦力:なのは、フェイト、はやて、キャロ、ヴィータ、シャマル、ユーノ、クアットロ、チンク、C.C.、(フェイト及びクアットロには注意の必要あり) 危険人物:赤いコートとサングラスの男(=アーカード)、金髪で右腕が腐った男(=ナイブズ) 以上の見解がそれぞれの名簿に、各々が分かるような形で書き込まれています。 ▼ ▼ ▼ どんな事をしても私は生き残ってみせる。 ▼ ▼ ▼ そこには少し前までは立派なエントランスがあったはずだ。 だが今ではその面影は見る影もなく廃墟と呼ぶのが相応しい状態になっていた。 まだ爆煙が晴れていないので一部しか見えていないが、全貌も推して知るべしというところだろう。 そんな光景を見てもかがみは何も思わなかった。 ただ自分が行った成果を他人のような目で見るだけだ。 最初かがみはスバルが言っている事が信じられなかった。 だがバクラに確認を取ったところ、それが真実であると知った。 つまり自分とこなたは別々の世界から連れて来られたという事実を認めるという事だ。 またバクラになぜこの事を黙っていたかと聞くと、宿主つまりかがみにこれ以上心労を掛けたくなかったと答えた。 その心意気は嬉しかったが、本音を言うともっと早く言ってほしかった。 実はバクラの本心は別にある。 本当はキャロと出会った時のかがみの反応が心配だったために言わなかったのだが、この際仕方なかった。 とりあえずいざという時は時間を稼いで精神を乗っ取って解決しようと思っている。 そしてかがみはなのはがあのような反応を取ってもおかしくないという事に行き着いた――だが、それだけだ。 世界が違おうと、時間が違おうと、かがみの身に降りかかった出来事に変化はない。 エリオが死んだのも。 クワガタの怪人に襲われたのも。 ピンクの髪の女侍を殺したのも。 片翼の剣士に死にそうな目に遭わされたのも。 Lに監禁されたのも。 モンスターに追いかけられたのも。 万丈目にカードデッキを押しつけられたのも。 カードデッキを破壊されてモンスターに襲われたのも。 全て世界や時間の違いなどと関係のないことばかりだ。 結局のところ自分の不幸の原因に変化はない。 この事実を知ったからと言ってかがみの方針が変わる事などないのだ。 むしろ逆に踏ん切りが付いた。 なぜならここにいるこなたは自分の世界のこなたではない。 つまり優勝して元の世界に戻ればこなたは変わらずそこにいるのだ。 そうなるとこなたが別世界ならつかさも別世界だろう。 かがみは根拠もなくそう思っていた。 もうこなたとつかさを気に掛ける必要はないのだ。 だが可能なら自分の手で殺すのは避けたいというのが本心ではある。 つまりもう迷う事などないのだ。 だからこその選択、だからこその行動だった。 現状かがみの手持ちの武器で一番使えそうなのは王蛇のカードデッキだ。 だがそれにはいくつか制約があり、とりわけモンスターの暴走を止める餌の確保は急務だった。 だからかがみは餌としてスバルを選んだのだ。 こちらを警戒していないその隙に行動を起こせばいけると思ったのだ。 結果的にそれは失敗したが、代わりの餌は補充できたので結果オーライだった。 だがバクラの進言もあってこの際に殺しまおうと考え直して、外からEx-stでの砲撃を敢行した。 バクラがこのような誘導をかけたのはかがみに殺人を重ねさせて下手に説得されない事を狙ったからだ。 それに先程喰われた眼帯女が万丈目を襲った奴だと気付いた事も一因であった。 万が一でも眼帯女からの情報で自分の存在に辿り着けば厄介だからだ。 「このEx-stって使いどころ微妙ね……あ、これ弾の補充ってどうするの?」 『さすがに俺もそれは知らねえぜ。またあとで考えるか』 「そうね」 『ああ、それよりも……』 「ん?」 『気を付けろ、あの青髪まだ死んでないぞ』 「まだ、生きているんだ」 バクラの言う通りスバルは生きていた。 爆煙が晴れてエントランスの全貌が明らかになって初めてスバルが少し離れた場所に倒れている事に気付いた。 内心でこの隙にベノスネーカーを襲いに行かせれば良かったと思ったが、ベノスネーカーはあの一瞬で傷を負わされたらしい。 そのせいかスバルの服装が白の戦闘服っぽいものから茶色の制服に変わっていた。 『バリアジャケットが解けたのか? 何にせよ、チャンスだぜ』 「何か考えがあるの?」 『ああ、あの剣みたいなデバイスを今のうちに取り上げれば、後が楽になるぜ』 バクラはキャロと行動するうちに基本的な魔法の知識は身に付いていた。 だからスバルの姿の変貌を見た時にすぐにバリアジャケットが解けた事に気付いたのだ。 そしてまた魔導師にとってデバイスが必要な物である事も知っていたので今の内に奪取する事を提案した。 ざっと観察したところスバルのデバイスが剣だと盗賊王バクラの鋭い目は見抜いていた。 だがかがみはその意見に懐疑的だった。 「そんな上手い具合にいくわけ――」 『盗みのカードがあっただろ』 王蛇のカードデッキの中にあった「STEAL VENT」のカード。 確かにその盗みのカードなら首尾よくいきそうだ。 「じゃあ、さっさと済ませましょうか」 『ああ、俺と宿主でダブルライダーだな』 「それ、なんか意味違う気がするわよ」 かがみはバクラの軽口を適当に流しながらEx-stをデイパックに戻して、代わりに王蛇のデッキを制服のポケットから取り出した。 そして首に下げている千年リングにデッキを映した次の瞬間、かがみの腰にはライダーの象徴たるベルトが顕現していた。 「『変身!!』」 戯れで重ねてみた二人の声を同時にベルトにデッキが差し込まれる。 もうそこにいるのは柊かがみではない。 そこにいるのは戦う事を宿命づけられた戦士、仮面ライダー王蛇の姿であった。 そしてすぐさま左手に牙召杖ベノバイザーを、右手に「STEAL VENT」のカードを用意した。 (私は生き延びたい。誰だってそう思うわよ。だから私は間違っていない――) かがみはそう思いながら「STEAL VENT」を発動させた。 いや、そう思わずにはいられなかったのかもしれない。 異常な状況とはいえ少し前まで平和に日々を過ごしていた女子高校生が喜々として殺し合いに参加するなど普通なら考えにくい。 だが普通でなければ。 もしかしたらかがみは別々の世界や時間という免罪符の下で自分の行為を正当化しているのかもしれない。 本当のところは誰にも分からないが。 たとえ孤独でも命ある限り戦う、それがバトルロワイアルだろう。 「いったい、どうしてこんな事に……」 スバルは未だ状況が把握できていなかった。 紫の蛇が襲ってきた事も。 背後から放たれた直射系の砲撃魔法のようなものの事も。 かがみが紫のバリアジャケットのようなものを身に纏った事も。 頼みの綱のレヴァンティンがいきなり消えてかがみの手に現れた事も。 どれもスバルには分からない事ばかりであった。 だがこのままかがみを放っておけない事だけは分かった。 しかしスバルの状態は厳しいものであった。 チンクのデイパックは爆発のせいでバラバラになって中身があちこち散らばっている。 バリアジャケットの外装は爆発によるダメージを軽減するためにリアクティブパージして、アンダーも軽減できなかった衝撃で破損してしまった。 つまり今のスバルはバリアジャケット無しの上に、手元にあるのは爆発の最中掴んできた自分のデイパックだけ。 まさに頼れるのは己の身のみ。 それでもスバルは諦めようとはしなかった。 たとえどんな厳しい状況でも突破する、それがストライカーだろう。 ――そして静かに戦いの幕は上がろうとしていた。 【1日目 日中】 【現在地 G-7 デュエルアカデミア エントランス跡前】 【柊かがみ@なの☆すた】 【状態】健康、肋骨数本骨折、3時間憑依不可(バクラ) 【装備】ホテルの従業員の制服、ストラーダ(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、千年リング@キャロが千年リングを見つけたそうです、カードデッキ(王蛇)@仮面ライダーリリカル龍騎、サバイブ“烈火”(王蛇のデッキに収納)@仮面ライダーリリカル龍騎 【道具】支給品一式×2、Ex-st@なのは×終わクロ、ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ランダム支給品(エリオ0~2)、レヴァンティン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、カードデッキ(ベルデ・ブランク体)@仮面ライダーリリカル龍騎、柊かがみの制服(ボロボロ)、スーパーの制服、ナンバーズスーツ(クアットロ) 【思考】 基本:死にたくない。なにがなんでも生き残りたい。 1.バクラ以外の何者も信じない(こなたやつかさも)。 2.スバルを殺した後で映画館に向かう。 3.万丈目に対する強い憎悪。万丈目を見つけたら絶対に殺す。 4.同じミスは犯さないためにも12時間という猶予時間の間に積極的に参加者を餌にして行く。 5.メビウス(ヒビノ・ミライ)を警戒。 【備考】 ※デルタギアを装着した事により電気を放つ能力を得ました。 ※一部の参加者やそれに関する知識が消されています。ただし何かのきっかけで思い出すかもしれません。 ※「自分は間違っていない」という強い自己暗示のよって怪我の痛みや身体の疲労をある程度感じていません。 ※周りのせいで自分が辛い目に遭っていると思っています。 ※Lは自分の命が第一で相手を縛りあげて監禁する危険な人物だと認識しています。 ※万丈目の知り合いについて聞いたが、どれぐらい頭に入っているかは不明です。 ※王蛇のカードデッキには未契約カードがあと一枚入っています。 ※ベルデのカードデッキには未契約のカードと封印のカードが1枚ずつ入っています。 ※「封印」のカードを持っている限り、ミラーモンスターはこの所有者を襲う事は出来ません。 ※変身時間の制限にある程度気付きました(1時間~1時間30分程時間を空ける必要がある事まで把握)。 ※エリアの端と端が繋がっている事に気が付きました。 ※こなたとつかさの事は信用しないつもりですが、この手で殺す自信はありません(でもいざという時は……)。 ※千年リングを装備した事でバクラの人格が目覚めました。以下【バクラ@キャロが千年リングを見つけたそうです】の簡易状態表。 【思考】 基本:このデスゲームを思いっきり楽しんだ上で相棒の世界へ帰還する。 1.かがみをサポート及び誘導して優勝に導く。 2.万丈目に対して……?(恨んではいない) 3.こなたに興味。 4.可能ならばキャロを探したいが、自分の知るキャロと同一人物かどうかは若干の疑問。 5.メビウス(ヒビノ・ミライ)は万丈目と同じくこのデスゲームにおいては邪魔な存在。 6.パラサイトマインドは使用できるのか? もしも出来るのならば……。 7.かがみが自分の知るキャロと出会った時殺しそうになったら時間を稼いで憑依してどうにかする。 【備考】 ※千年リングの制限について大まかに気付きましたが、再憑依に必要な正確な時間は分かっていません(少なくとも2時間以上必要である事は把握)。 ※キャロが自分の知るキャロと別人である可能性に気が付きました(もしも自分の知らないキャロなら殺す事に躊躇いはありません)。 ※千年リングは『キャロとバクラが勝ち逃げを考えているようです』以降からの参戦です。 ※かがみのいる世界が参加者に関係するものが大量に存在する世界だと考えています。 ※かがみの悪い事を全て周りのせいにする考え方を気に入っていません(別に訂正する気はないようです)。 【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康、全身にダメージ小、若干の不安、軽い混乱 【装備】なし 【道具】支給品一式(一食分消費)、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、炭化したチンクの左腕、チンクの名簿(内容はせめて哀しみとともに参照) 【思考】 基本:殺し合いを止める。できる限り相手を殺さない。ルルーシュを守る。 1.かがみを止める。 2.ルルーシュに無茶はさせない、その為ならば……。 3.こなたを守る(こなたには絶対に戦闘をさせない)。 4.アーカード(名前は知らない)を警戒。レイにも注意を払う。 5.六課のメンバーとの合流とつかさの保護。しかし自分やこなたの知る彼女達かどうかについては若干の疑問。 6.もしも仲間が殺し合いに乗っていたとしたら……。 【備考】 ※質量兵器を使う事に不安を抱いています。 ※参加者達が異なる時間軸から呼び出されている可能性に気付きました。 ※仲間(特にキャロやフェイト)がご褒美に乗って殺し合いに乗るかもしれないと思っています。 ※自分の存在がルルーシュの心を傷付けているのではないかと思っています。 ※ルルーシュが自分を守る為に人殺しも辞さない及び命を捨てるつもりである事に気付いています。 でもそれを止める事は出来ないと考えています。また、自分が死ねばルルーシュは殺し合いに乗ると思っています。 ※ルルーシュの様子からデュエルアカデミアから出て行ったのはシャーリーだと判断しています。 ※自分に割り振られた調査エリアを調べ終えました。何かを見つけたか否かは後続の書き手さんにお任せします。 ※万丈目とヴァッシュが殺し合いに乗っていると思っています。 ※アンジールが味方かどうか判断しかねています。 ▼ ▼ ▼ 時として人は個人の思惑が錯綜する事で思わぬ結果を生む事がある。 またその影響で誤った道を進む者が現れたとしても責める事は出来ない。 なぜならそれを選び取ったのは他ならぬその者自身なのだから。 そして往々として人はそれが正しいものであると信じこもうとする。 だからありきたりな説得程度では戻る事など不可能だ。 坂を転がり始めた球が止まれないように。 いきなりは変われない。 【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS 死亡確認】 【全体備考】 ※デュエルアカデミアはもう一度強い衝撃を与えれば倒壊する可能性が高いです。 ※チンクが持っていたデイパックと支給品一式(共に高確率で使用不能)は砲撃の影響でバラバラになりました。 ※翠屋のシュークリーム@魔法少女リリカルなのはA'sは完食しました。 ※チンクの死体はバニースーツとシェルコートと一緒にベノスネーカーに喰われました。 ※スバルのはちまきと救急箱は一連の騒ぎの中で紛失・使用不能となりました。 ※ギアスの持続時間は2時間でした。 ※以下のものが【G-7 デュエルアカデミア エントランス跡付近】に散らばっています。 料理セット@オリジナル、被験者服@魔法少女リリカルなのはStrikerS、首輪×2(フェイト(StS)、ナイブズ)、大剣・大百足(柄だけ)@魔法少女リリカルなのはsts//音が聞こえる、ルルーシュの右腕 Back いきなりは変われない(前編) 時系列順で読む Next Nightmare of Shirley(前編) 投下順で読む Next Nightmare of Shirley(前編) ルルーシュ・ランペルージ Next Nightmare of Shirley(前編) スバル・ナカジマ Next 想いだけでも/力だけでも チンク GAME OVER 泉こなた Next Nightmare of Shirley(前編) 早乙女レイ Next Nightmare of Shirley(前編) 柊かがみ Next 想いだけでも/力だけでも
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1510.html
魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER 第九話「対面」 「じゃ、よろしく頼むぜ。できるよな?」 「ちょいと時間はかかるけど早めに仕上がるように努力してみるニャ。」 会話するジェイと武器屋のアイルー。彼等の隣にあるテーブルには大きな袋と二本の刀。ジェイは頷くと立ち上がる。 バン、と紙幣をテーブルに叩きつけるように置いていく。札束が三つと小銭が数枚、ジェイはそれを見てちょっと名残惜しそうな顔をしていた。 「まったく、ここに来ても金を払わなきゃならないのかい?」 「商売だからニャ。それにシャーリーさんに設備の使用費も払わなきゃいけないからニャ。」 「ご苦労なことで。」 ドアに向かって歩き、傍らに置いてあった太刀「鬼神斬破刀」を背負うとさっさと部屋から出て行く。このあとは確かミーティングだかなんだかがあるはずだ。 おそらく上からクエストでも受けたのだろうか。どんな相手と戦うのだろう、不安によく似た期待がこの胸を満たす。 歩きながらアイテムポーチの中身を確認して、会議室の前に立つと勢い良く扉を開けた。 会議室に入るとしかめっ面をしているはやてが目に入った。横には同じようなしかめっ面をしたフェイトとなのは。次にドクとゼクウ。 「はやて、これでハンター組揃ったぞ。用件を聞かせてもらおうか?」 「とりあえず、これを見て欲しいんよ。」 ゼクウが口を開くとはやては三枚の紙を取り出し、デスクに置いた。三枚の紙には別々の依頼内容が書かれており、場所もさまざま。 依頼の紙にクリップで留められてあったのはその場所に出現したモンスターの写真。どれもこれも見覚えがあってむしろ懐かしい。さて、どうやって写真撮って生き残れたんだ? 一つは地上本部地下施設に巣食ってしまったモンスターを討伐せよ。のことだ。続いてモンスターの写真に目を通す。 白い身体に伸びる首、目、鼻がないヒルのような不気味な顔を持つ飛竜、「フルフル」。 担当する小隊はライトニング。つまりフェイト達の小隊とともに狩りにいくというわけだ。後ろを向き紙をヒラヒラするとゼクウが頷いてから取る。 「では、このクエストは俺が受けよう。」 「よろしくお願いします。」 「うむ。」 二つ目は保護施設と監獄の防衛と言い終わる前に紙をドクに取られてしまった。代わりにドクが声を出して内容を読み上げる。 そしてそのクエストの紙に留めてあった写真を見ると白い鎧のような甲殻を持った竜が口から熱線を吐いて施設を破壊している場面が写っていた。 こいつは鎧竜、「グラビモス」だ。何故かドクの拳に力が入っているが特に心当たりはないためなにも言わないことにした。 担当小隊はいないらしく、かわりにそこの保護施設で更正プログラムを受けている者達が協力してくれる、と書いてある。 「このクエストは私が受ける。」 「はい、わかりました。」 「……あぁ。」 ドク、何か因縁でもあるのだろうか? さて、三つ目だ。こいつは…地上本部の周囲に巣食ったモンスターの討伐だ。 写真にはジェイが良く知っている相手が写っていた。橙色と青色のまだら模様をしていたその姿は四年前、雪山で見た飛竜。 ジェイは眉を顰めて写真をじっと睨みつける。どちらにしろ残ったのはこのクエストだから受けなくてはならない。 その相手、轟竜「ティガレックス」。 担当小隊はスターズ。なのは達の部隊、これは何かの因縁というやつだろうか?なのはを見るとやはり表情が暗い。確かヴィータもこの小隊だっけか。 「ということは俺がこのクエストを受けることになるな。」 「よろしく……お願いします。」 「こちらこそ頼む。」 全員の様子を伺ってからはやては立ち上がって口を開く。 「早速で悪いけど、一刻の有余もないんや。出撃するで。」 「「「「「了解……!」」」」」 五人の声が重なり、皆は会議室を出て行った。 会議が終わり数時間後にハンター組の一人、ドクは保護施設に降り立った。 「じゃあがんばってくださいね。ちゃんと、生きててくださいよ?」 「努力はするさ。」 アルトが操縦するヘリがドクを降ろすとプロペラを回し、空中に飛立つ。ヘリを見送り、あたりを見回してみる。 そこは写真で見る景色とはかなり違っていた。半壊した施設に何かで溶かされて穴があいている壁。これもグラビモスの仕業と考える。 おそらく溶けた跡が残る壁はグラビモス自慢の熱線でやられたのだろう。とにかく酷い有様だ。 気付けばドクの前に薄い紫の髪の少女が立っていた。 「あなたがドクさんですか?」 「本名ではないがね。まぁ、そうだ。」 「私は……」 「ふむ、ギンガ・ナカジマでよかったかな?」 「え?どうして私の名を……。」 「ミーティングで名前を聞いた。それだけさ。」 「はぁ……。では、こちらへどうぞ。」 自己紹介というよりかはただの名前の確認をするとドクはさっさと案内された道を歩く。もちろんギンガとは会話せずにただ歩く。 ギンガは時々不信感が溢れた視線でドクを見るがはやてが紹介してくれた人物なのだから何も無いと思った。というか、そう信じたかった。 一方のドクは表情に焦りが混じっている。歩調もギンガよりも速くなっているし辺りを何回も見回している。とある箇所に出ると歩を止めた。 視線の先には七人の少女。その姿を見た瞬間ドクの雰囲気は少しだけ和らいだ。だが少女達の表情は暗い。ドクは少し間をおいてから話しかける。 「やぁ、君等が現地の協力者かい?」 「あなたは……?」 まず最初に声を出したのは隻眼の少女、チンク。チンクもそうだが皆がドクに向ける視線は殺気にもよく似た警戒があらわになっている。 「ここら辺に出現したモンスターを狩りに来たハンターさ。」 「ということは貴方が八神はやての言っていた助っ人?」 「そういうことになるな。しかし、君等は武装していないようだが。」 チンクの隣にいた茶色で長髪の少女、ディエチが次に口を開ける。 「私達は、あくまでここに保護されてる身だから。」 後ろを向き、ギンガを見る。ギンガは「こればかりは……」とどこか辛そうな顔で視線を逸らした。ドクは彼女の言葉を理解した。ここにいる彼女達は保護下に置かれていて武装が 許されていない。たとえグラビモスが攻めてきてこんな状況でもだ。ふと想像してみる。ここにいる魔導士は全滅?見る限り修理しているものしか見当たらない。 「ここの戦力はどうなってるんだ?」 「ほぼ全滅です。」 「では聞こう、ギンガ。モンスターと戦ったときどんな状況だったかね?」 「はい、それは……」 ギンガの口から戦ったときの状況が話される。白い龍がいきなり現れて施設を破壊。口から発せられた熱線により人や壁が溶けて、まさに地獄絵図のようだった。 応戦し、なんとか倒すことに成功したが次に現れたのは白い龍と同じ姿で黒い甲殻をもった龍。恐るべき甲殻の硬さで魔導弾が中々効かずに苦戦。 右目を潰したが怒りが爆発。突然身体から発したガスで付近のものが火だるまになってしまったという。 撤退して今に至る……というわけだ。 一つ気付いた。狩りにいく相手はグラビモス。しかしただのグラビモスではない。黒い甲殻を持ち、かなりの防御力を持つ『亜種』だ。 戦力には期待できない。というよりは一人で戦うことになるのと等しい。……だとしたら?また少女達へ視線を移す。 ………ここは一人で戦うしか選択肢はないようだ。 夜、ドクは自室で刀を研いでいた。刀は自分の顔が見えるくらいに、実に美しく、そして切れ味も抜群になるほど研がれていたのだが彼はその行為を止めない。 自分でもわからないが作業をやめようという気になれない。研いでいるのは狩った相手から武具の素材を剥ぎ取る時だけに使用するナイフだったのだが何故か、 彼は研がないといけないような気がしていた。不安を紛らわす…というのも少しだけあるのだが。ライトの明かりが反射するほど光っても、止めない。 刃と砥石が擦れ合う音が部屋の中に響く。 自分が必要ないと言っているのに結局少女達全員と自己紹介するハメになっていろいろと説明していると次第に頭の中に何かが渦巻いていく。 「まぁ、私には関係ないと思いたいがね。」 ヒュン、と投げると数回転、落下して机に刺さる。次にアイテムボックスから自分がよく使用している防具「暁丸・覇」を取り出して装着しはじめる。 右手に籠手をつける前に鉤爪の付いたグローブをつけるのも忘れない。握り拳を作ると指の部分に通っている赤い線が発光、手の甲にある金色の宝石も光り始めた。 アイテムポーチに入れられるだけのアイテムを詰め込み、兜を被ろうとした瞬間ドクは何かを耳にした。 始めは雷鳴かと思った。しかしテンポが一定だ。 重く響く雷鳴によく似た音は近くなる。 途中で何かが崩れ去る音と、唸り声。 ドクは確信する。 「やれやれ、どうやら徹底的に潰さないと気が済まない性質らしいな…!!」 兜を被り、ガンランス「ディープフィッシャー」を取り出すと自動ドアが動く前に思い切り開け、走り出していった。 番外その6「グラビモス」 ふむ、たまにはこのドクが説明するとしよう。 グラビモスは竜盤目 獣脚亜目 重殻竜下目 鎧竜上科 グラビモス科 で別名は鎧竜。 主に火山域に住む大型の飛竜で成長にとともに外見が大きく変化するため、幼体はバサルモスと呼ばれ区別されているのだ。 …変える必要あるのかね? ほぼ全身が強固で耐熱性に優れた甲殻に守られており、短時間なら溶岩の中を潜行しても大丈夫なほど。便利なものだね。過熱した体を冷ます為に、 新陳代謝の一環として爆炎を体外に吐き出す。実は熱線も、体内に溜まった熱を排出することで形成されるんだ。以上の能力が一段と強い個体は甲殻が黒色化。 バサルモスは毒ガスを噴出するが、こいつは睡眠作用のあるガスを噴出する。どう変わったのかはまだ解明されていないのだが……。ククク、いつか解明してみせるさ。 どうやらバクテリアとの共生のおかげで鉱石までも食料にしてしまうらしいな。そのバクテリアの活性化のため、紅蓮石や爆発性のある火山岩を好んで食す。 原色の甲殻は灰色で亜種は黒…とされているが原種の黒化個体で厳密には亜種とはいわない。ようするにバサルモスからの成長過程で黒くなったというべきかな? ……そういえばどこかの誰かが生身で溶岩の中から出てきたのを見たことがあるぞ。人なのに。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/613.html
Aの残光/夢と誇りをとりもどせ ◆gFOqjEuBs6 (どっちも凄い……全くの互角だ) 二人の戦いを一言で表すならば、熾烈という言葉が相応しい。 大剣を操る戦士・アンジールと、最強の仮面ライダー・カブト。 アンジールが大剣を振るえば、カブトが斧で受け止める。 カブトが斧を翻せば、アンジールの大剣が弾き返す。 それらを、一般人では感知出来ぬ程のスピードで何度も何度も繰り返す。 お互いに決定打となる一撃を与えられぬまま、そんな攻防が繰り返されていた。 「どうした。我武者羅に剣を振るうだけでは、この俺には敵わんぞ」 「うおおおおおおおおおおッ!!」 「やれやれ。完全に頭に血が昇ってるな」 高速で刃と刃を交えながら、カブトの仮面の下からため息が漏れた。 アンジールが振り下ろした大剣を、今度は受け流さずに、回避。 その腕に自分の腕を組み、アンジールの動きを封じ込む。 肉薄して、カブトがアンジールの顔を覗き込んだ。 「おばあちゃんが言っていた。男はクールであるべき……沸騰したお湯は、蒸発するだけだ。ってな」 「何ィッ!?」 「答えろ。お前の家族は、本当にお前が殺し合いに乗ることを望んでいるのか?」 「俺もあの子らも兵士だ! 殺す事にはもう慣れた!」 それは、既に何度も口にした言葉であった。 一度目はヴァッシュに。二度目ははやてに。 スカリエッティの元で育てられた彼女らならば、なるほど確かに殺しに躊躇いは無いだろう。 だが、アンジールの返答は、天道にとってはどうにも腑に落ちない返答であった。 「ほう、それは可笑しな話だな。殺すことには慣れた筈のお前が、その剣には迷いを乗せている」 「何を――!」 「お前はどうしようも無い奴だが、平気で人を殺せるような奴じゃないって事だ」 果たして、カブトの言う事は正しい……が、それは既に過去の話。 確かに、かつてのアンジールならばより多くの人々の為に、より多くの命の為に戦っただろう。 だけど、道を違えてしまったアンジールには、そんな事は過去の幻想に過ぎない。 「お前に何が解る! お前に俺の気持ちが解るのか! 大切な家族を、友を失った俺の気持ちが解るのかッ!」 「解るさ。俺にだって」 「黙れぇぇッ!!」 もう一度カブトと刃を交えれば、アンジールは後方へと跳び退った。 ほんのひと跳びで、カブトの攻撃が届かない距離まで後退する脚力は、まさに驚異。 しかし、カブトに驚く暇など与えられはしなかった。 「ほう」 心を埋め尽くす激情を体現するかの様に、アンジールの身体に変化が起こった。 右の背中から、まるで蝶がその羽で蛹の殻を破るように―― 現れたのは、天使の羽と見まごうばかりの、純白の片翼。 「ウォォオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」 怒号と共に、その翼を羽ばたかせた。 たった一度の羽ばたきで生み出されるのは、弾丸をも超える超加速。 重厚な鎧を着込んだカブトに、そんな加速を受け止められる筈が無かった。 刹那、叩き込まれたのは化け物染みた怪力によって振り下ろされた大剣による一撃。 咄嗟の判断で、というよりも反射的に、斧を構えたカブトの腕を弾いて、大剣がカブトの胸部装甲を裂いた。 どすんっ! と大きな音を立てて、組み伏せられたカブトの身体が、周囲のアスファルトと共に地面へと陥没した。 こうなってしまっては、如何に強かろうが、もうどうしようも無い。 カブトの身体を踏み締めて、アンジールが叫んだ。 「俺の、勝ちだッ!」 戦いの結果は、アンジールの勝利。カブトの敗北。 ソルジャー“クラス1st”を相手に、カブトは良く戦った。 確かに手強い相手ではあったが、悲しいかな、カブトの力はアンジールには届かなかったのだ。 ともあれこれで、妹たちにとっての脅威を一つ、排除する事が出来た。 次は、そうだな。この男と一緒に居た高町なのはをどうするか。 何せ高町なのはは管理局のエース・オブ・エースだ。 戦力で言うなら、かなりものである事は間違いない。 されど、それ以上考える時間が訪れる事は無かった。 「甘いな」 「な――ッ」 声が聞こえた。 どこから聞こえた? アンジールの、真下からだ。 ――CAST OFF―― 電子音が響いた。 それからアンジールは、ようやく理解した。 自分が切り裂いたのは、カブト本体では無い。 自分が切り裂いたのは、カブトが着込んだ重厚な装甲に過ぎない、と。 片翼の突進力と、ソルジャーの怪力を以て放たれた一撃を食い止めるとは、何たる装甲か。 その装甲が、アンジールの眼下、カブトの身体から剥離しはじめた。 「く……ッ!!」 間もなく、カブトの身を包んでいた装甲が、弾け飛んだ。 拡散する装甲が生み出したのは、驚異的な加速力。 バスターソードが食い込んだままの胸部装甲が、カブトから離れる。 カブトの頭部や腕を守っていた装甲が、アンジールの身体を直撃する。 押し出される様に、アンジールの身体は後方へと吹っ飛ばされた。 されど、アンジールもさるもの。むざむざアスファルトに叩きつけられまいと、空中で純白の片翼を羽ばたかせた。 アンジールの身体は空中で一回転を加えて、減速。アスファルトへの着地に成功。 バスターソードを振り抜いて、食い込んだままの装甲を投げ捨てた。 ――CHANGE BEETLE―― 見れば、先程までの無骨な銀とは違う、赤の戦士がそこに居た。 メタリックレッドのスリムな装甲。輝きを放つ青い複眼。マスクの中央の一本角。 なるほど、確かにカブトムシは夜になってから行動を開始する。 まさにカブトを名乗るに相応しい、と皮肉を込めた印象を抱いた。 昼間まで寝たり、まともに戦えなかった天道の事を考えれば、あながちカブトムシという比喩も間違ってはいないのかも知れない。 何故なら雑木林に住む昆虫のカブトムシもまた、昼間は土の中や木の皮の裏で眠っているのだから。 まあ、そんな話はどうでもいいのだが。 「それが本当の姿か」 「それはこっちの台詞だ」 見下ろすアンジールに、カブトが崩れぬ余裕と共に言い返した。 純白の片翼を羽ばたかせ、宙に浮かぶアンジール・ヒューレー。 赤い装甲を煌めかせ、ライダーフォームへの変身を遂げたカブト。 二人の姿は、揃って先程までとは違っていた。 カブトの装甲に身を包んだ天道は、思う。 この男、殺す事に慣れたなどと言ってはいるが、それは正確ではない。 もしもこれだけの実力を持った男が最初から殺すつもりで挑んでいたなら、マスクドフォームのままで戦っている余裕など無い。 どうせ殺すつもりなのであれば、最初から片翼を解放して、最初の一撃で仕留めればいいだけの話だからだ。 片翼を最初から解放しなかった理由として、油断していた、というのも考えられるが、やはりそれも無いだろう。 この男は、激情に身を任せて我武者羅に剣を叩き付けて来た。 そんな“キレた”奴ならば、尚更最初から一撃で終わらせに掛っていた方が合理的だ。 (恐らくこいつは、放送で家族の名前を呼ばれているな) それが、天道が思い至った結論であった。 他の参加者を皆殺しにして、死んでしまった家族を生き返らせようとか、そんな事を考えているのだろう。 だからこそ、この男はこんなにも必死なのだ。だが、もしもそうだとしたら、こいつには手の付けようがない。 家族を失ってしまった者の行動は、ある意味天道が一番理解出来て居るからだ。 「なるほどな。参加者を殺して勝ち残れば、死んでしまった者を生き返らせる事が出来るとでも思っているのか」 「それだけじゃない。最後に残った“妹”を守る為にも――他の誰も、あの子には近づけさせん!」 「妹、だと……?」 仮面の下で、表情を歪める。 何たる皮肉であろうか、目の前の男が守ろうとしていたのは、妹だという。 あろうことか、こいつが戦う理由は、天道が戦う理由と同じ、妹を守る為だという。 それを聞いた瞬間から、心の奥底で、言い様の無い憤りが湧き上がるのを感じた。 「ハッ!」 「チッ」 カブトの狼狽を知ってか知らずか、先に打って出たのはアンジール。 再び先程と同じ要領で加速を得て、カブトへと突貫したのだ。 流石に装甲が無くなった今、正面から攻撃を受け止めるのは拙い。 横方向へと跳び退りながら、滑らす様にカブトクナイガンを大剣にぶつける。 突進の威力をそのまま受け流して、体勢を立て直す。 「「ハァッ!!」」 刹那、二人の掛け声が、揃った。 アスファルトを蹴って、駆け出したカブト。 片翼を羽ばたかせて、加速するアンジール。 きぃん! と、甲高い金属音を打ち鳴らして、二人の刃が激突した。 正面からの激突によって発生したのは、二人を襲う衝撃。 二人の身体は、正反対の方向へとふっ飛ばされた。 されど、みすみすコンクリートに身体を打ち付けはしない。 「ハッ」 「フンッ」 呼吸と共に、二人が蹴ったのはビルの壁。 それぞれ向かい合ったビルの壁を蹴って、再び跳躍。 加速を殺す事無く、二人の身体は再び舞い上がった。 「「ハァッ!」」 イオンビームを纏った刃と、誇りの象徴たるバスターソードとが、空中で激突した。 されど、この戦いは互角では無い。空中戦闘に於いては、翼を持ったアンジールの方が圧倒的に有利なのだ。 激突したクナイガンを弾き返し、アンジールは再びその翼を羽ばたかせた。 空中での推進力を失ったカブトに、これ以上の攻撃は不可能と判断したからだ。 ――CLOCK UP―― バスターソードによる追撃の一太刀は、しかしカブトには当たらなかった。 発動したのは、ZECT製マスクドライダーの標準装備――クロックアップシステム。 使用者を通常の時間軸から“空間ごと切り取る”事で得られる、光速に近い超加速。 クロックアップが相手では、例えアンジールと言えど太刀打ち出来る訳が無かった。 カブトが、突き出されたバスターソードの刃を掴んだ。 そのまま腕に力を込めて、自分の身体を持ち上げる。 ひらりと翻った身体で、バスターソードの上に爪先で着地した。 次に右脚を踏み出して、アンジールの肩を踏み締め、跳躍。 後方の雑居ビルへと跳び、その壁を蹴って、再びアンジールへと加速。 ――CLOCK OVER―― しかし、カブトの思い通りには行かない。 カブトの攻撃がアンジールに届く前に、クロックアップが切れたのだ。 クロックアップ中に飛び蹴りを当てる戦法、失敗か。 否、まだ失敗した訳ではない。クロックアップによるアドバンテージは大きい。 アンジールが感知するよりも速く、キックを当ててしまえばいいだけだ。 されど、戦いとはやはり思い描いた通りにはならないもの。 「――後ろかッ!」 アンジールが、片翼を羽ばたかせて、方向転換をした。 何と言う反射神経だ。この男は、クロックアップによる連携攻撃に生身で着いて来たのだ。 ライダーやワームですら、これ程の反射神経を持った者はそうはいまい。 アンジールは、その化け物染みた反射神経を以て、バスターソードを構えた。 横幅の広いバスターソードを盾代わりに、カブトのキックを受け止めようと言うのだ。 されど、カブトのキック力は凡そ7トン。当然、受け止め切る事など出来る訳も無く。 アンジールの身体は、後方へとふっ飛ばされた。 スーパーの屋上に着地したアンジールは、バスターソードを杖代わりに立ち上がった。 足場に突き立てたバスターソードの柄を握り締め、アンジールは思う。 この男は強い。文句なしに強いと認めざるを得ない。 何せ、クラス1stの自分と渡り合えるだけの力を持っているのだ。 戦闘におけるセンスは自分と同等か、それ以上だろう。 「強いな。大口を叩くだけの事はある」 「当然だ。何てったって、“俺が最強”なんだからな」 「ならば、尚更だ。“最強”のお前を倒せば、妹の安全はより保証できる」 「お前には無理だ」 その身体能力を以て、カブトが屋上まで駆け上がって来た。 俺が最強、と言う言葉を強調して、不遜な態度を崩す事無く嘯いた。 だが、最強を自負するにしては、この男の戦い方は少し甘すぎる。 「お前の攻撃には殺意が無い……本気で戦う気は無いのか」 「馬鹿馬鹿しい。俺は最初から本気だ。 最も、あの生け好かない女に従って誰かを殺すつもりは毛頭ないがな」 なるほど、この男は殺し合いに乗ってはいない。 ヴァッシュとはまた違って意味で、不思議な男だ。 それは、剣を交えたからこそ解る、一種の信頼にも似た感情。 だけど、そんな甘えは捨てねばならない。不安な要素は全て排除する。 最後に残ったクアットロを守る為にも、この男を叩き潰して前に進まねばならないのだ。 「殺す前に聞いておこう。お前の名前は?」 「俺は天の道を往き、総てを司る男――天道、総司」 「そうか。俺はソルジャー・クラス1st――アンジール・ヒューレー」 二人は再び、剣を構えた。 これで、思い残す事は何もないだろう。 戦士として戦い、戦士として葬ってやるまでだ。 魔晄の輝きを宿したその瞳に、再び殺意が込められた。 「ハァッ!」 アンジールはその片翼を羽ばたかせ、カブトへと突貫した。 振り下ろす大剣を、しかしカブトは難なく回避する。 そのままカブトの横を通過したアンジールは、振り向き様に片手を翳した。 刹那、アンジールの手から灼熱の業火が放たれた。 マテリアルパワーの一つ、ソルジャーが使う“魔法”。 「チッ」 「ハァァァァァッ!!」 仮面の下で、舌を鳴らしながら地面を転がって回避した。 しかし、ファイガは容赦なくカブトの周囲を焼き尽くす。 火球の直撃を避けた所で、周囲の炎による熱がカブトを蝕む事に変わりは無い。 炎を振り払う様に足掻くカブトに、アンジールは大剣を構え再び突貫した。 戦力を見誤ったのはアンジールであった。 マスクドライダーの装甲は、炎に焙られた程度で傷つきはしない。 それどころか、内部の装着者に熱は全く届かない。 ただ反射的に腕を振り払ったのを、アンジールは炎による攻撃が利いていると勘違いしたのだ。 きぃん! と、甲高い金属音が鳴り響いた。 アンジールの大剣を、カブトクナイガンが受け止めた。 そのまま大剣の刀身を滑らす様に、クナイガンを振り抜く。 切先が胸元を切り裂く前に、アンジールが上体を後方へと逸らした。 追撃の右回し蹴りを放てば、左腕の厚い筋肉で受け止められた。 マスクドライダーの蹴りを生身の筋肉で受け止めるなど、考えられない。 しかし、驚愕の暇など与えられる筈も無く、アンジールはその手で受け止めた脚を弾いた。 体勢を崩した一瞬の隙に、再び振り下ろされる大剣。 「プットオン」 ――PUT ON―― 咄嗟の判断だった。 アンジールの大剣がカブトに届くよりも先に、重厚な装甲がカブトに装着されていく。 先程アンジールの一撃を受け切ったマスクドアーマーが、再びカブトの身を包んだのだ。 腕を交差させ、その装甲でバスターソードによる一撃を受け止める。 ずどぉん! と、轟音を響かせて、カブトの身体と共に、コンクリートの地面が崩壊した。 「……全く、大した馬鹿力だ」 抱いた感想をそのまま口にした。 アンジールの怪力が、屋上のコンクリートの耐久力を増していたのだ。 だが、今更この程度の事で驚きはしない。こいつの馬鹿力は既に一度、身を以て体感しているのだから。 アンジールの大剣に押し切られる様に、カブトの身体が階下へと落下した。 そしてそれは、カブトの思惑通りなのであった。 「この室内では、貴様の翼も役には立つまい」 スーパーの中には、沢山の商品棚が並んでいた。 それはアンジールにとっては障害物となり、その動きは封じられる。 やがて屋上の炎は、天井に空いた穴からスーパーの内部へと侵食。 スーパー内は燃え盛る炎に包まれて、より一層身動きが取れなくなった。 「チッ……こんな事で、俺を止められると思うな!」 それでも、アンジールは翼を羽ばたかせた。 並んだ商品棚を吹き飛ばし、薙ぎ飛ばし、カブトへと迫る。 しかし、やはり外で戦った時程の加速は生み出せない。 アンジールの動きは、マスクドフォームのカブトでも捕捉出来た。 再び甲高い金属音を鳴らして、二人の刃が激突する。 「――ブリザガ!」 「何……ッ!?」 激突した瞬間に、唱えられた呪文。 それはアンジールが最も得意とするマテリアルパワー。 クナイガンを構えたカブトを、凄まじい冷気が襲った。 カブトの上半身が氷漬けになって、後方へと吹っ飛ぶ。 氷の塊となったカブトは、スーパーの壁に叩き付けられて、そのまま壁ごと凍結。 「これで、終わりだァァッ!!」 身動き一つ取れなくなったカブトに、アンジールが迫る。 このまま壁ごとカブトを突き刺して、その命を刈り取る。 これは、妹達を守る為の大きな一歩である。 夢も誇りも、何もかも投げ捨てて、アンジールは大剣を突き立てた。 「だから言っただろう。お前は甘いと」 「な……ッ」 カブトの右手が、僅かに動いた。それは大きな誤算だった。 マテリアルパワーを相殺するのもまた、マテリアルパワーだ。 氷漬けになったカブトの身体を、先刻自分が放ったファイガの炎が、僅かに溶かしていたのだ。 といっても、燃え移った炎で溶ける氷などほんの僅かでしかない。 されど、右腕がほんの少しでも動かす事が出来れば、それで十分。 ――CAST OFF―― 氷漬けになった装甲が、弾け飛んだ。 ほんの一瞬の動作で、全てのアドバンテージが帳消しにされたのだ。 しかし、加速を加えたアンジールの身体はもう止まらない。 弾け飛ぶマスクドアーマーの攻撃を受けながら、アンジールはカブトへと迫った。 それをカブトは寸での所で回避。脇腹を掠めた大剣は、スーパーの壁に突き刺さった。 たったの一撃でスーパーの壁は貫通し、周囲の壁に亀裂が走る。 「アンジールとか言ったな。お前は確かに強い」 「天、道ォォォ……ッ!!」 「だが、過去現在未来、全ての時代に於いて最強を誇る俺には敵わん」 アンジールの身体を、カブトが抱きしめた。 それはほんの小さな動きで力のベクトルを変える柔の技。カブトが最も得意とする戦術。 アンジールの身体を、亀裂の入ったコンクリートの壁に投げ飛ばした。 バスターソードが壁に突き刺さって、壁に亀裂が走る。これに一秒。 カブトがアンジールの身体を掴んで、その勢いを受け流す。これに一秒。 壁が轟音と共に崩れ去り、アンジールの身体が夜の闇へと投げ出される。これに三秒。 僅か五秒で、戦況は一変したのだ。 力で押し切る剛のアンジールと、力を受け流す柔のカブト。 お互いの実力は拮抗していたが、結果はカブトの勝ちに終わった。 アンジールは、焦り過ぎたのだ。 ――ONE,TWO,THREE―― ベルトを素早く三度叩き、眼下のアンジールへ右脚を向ける。 電子音と共に、タキオン粒子によって加速された稲妻が、カブトの身体を駆け巡る。 古今東西、仮面ライダーの必殺技と言えばこれに決まっている。 どんな悪であろうと、この必殺技の前には屈せざるを得ない。 全身を迸った稲妻が、右脚に集束されて行く。 「ライダーキック!」 仮面ライダーカブトの全身全霊を掛けた、最強の必殺技。 全力で放てば、対象を原子崩壊させる程の威力を秘めた絶大な一撃。 しかし、殺すつもりは無い。これ程の実力を持つ男であれば、咄嗟に大剣で対処するだろう。 突き出した右脚に、重力による加速が加わる。これで確実に、勝敗は決した。 ◆ 爆発音が鳴り響く。 空中で発生した爆発と爆煙の中から弾き出されたのは、赤の装甲。 一瞬の呻き声の後、アスファルトに叩き付けられたのはカブトの方であった。 落下を続けるアンジールは、何とかアスファルトに激突する前に、その片翼で体勢を立て直したのだ。 一体どういう事だ、とアンジールは思う。 つい一瞬前までは、カブトからの一撃を受けて、自分はこの戦いに負けると思っていた。 だけど、結果はカブトが空中で爆発して、そのまま落下……という形で終わってしまった。 原因は解らないが、とにかく自分のチャンスという事に変わりは無い。 「どうやら、天は俺に味方したようだな」 不敵に口元を吊り上げて、アンジールは立ち上がった。 天の道を往く者が、天に見放されるとは何たる皮肉であろうか。 大剣を振り上げ、横たわるカブトへと振り下ろそうとした、その時であった。 「――ッ!?」 V字型の光が、大剣を握るアンジールの手元で爆ぜた。 予期せぬダメージに、バスターソードを取り落としてしまう。 右手を押さえながら、光が飛んで来た方向に視線を向ける。 傍に居たカブトも何とか起き上がり、アンジールと同じ方向へ視線を向けた。 「もう止めるんだ! これ以上戦いを続けるというのなら、僕が相手をする!」 二人の視線の先に居たのは、銀と赤の戦士であった。 胸元には青く光り輝く水晶体。銀色の身体に、燃える炎の様な赤を走らせたボディ。 二つの銀色の目が、カブトとアンジールを鋭く睨んでいた。 「なるほどな」 カブトがぽつりと呟いた。 あの銀と赤の戦士を見た時、天道は全てを理解した。 ライダーキックの邪魔をしたのは、間違いなくこいつだ。 そしてこの男はカブトとアンジールの両者に攻撃を仕掛けて来た。 次いで発せられた先程の言葉。それらを考えるに、こいつは恐らくゲームには乗って居ない。 しかし、出会ったばかりの相手をすぐに信用する訳には行かない。 どうしたものかと思考するカブトの耳朶を叩いたのは、なのはの声だった。 「大丈夫ですか、天道さん!」 「……高町か」 その言葉を聞いた相手が、ぴくりと反応した。 なのはの姿に反応したのか。それとも高町、という言葉に反応したのか。 どちらにせよ、もっと情報を集める必要がありそうだ。 ◆ ミライが駆け付けた時、既にスーパーは炎上していた。 屋上からはごうごうと真っ赤な炎が立ち上り、夜の闇を照らしていた。 一体どうなっているんだ、なんて考える前に、再び轟音が鳴り響いた。 スーパーの壁が、何者かによってブチ抜かれた音であった。 「まだ、間に合う!」 再びミライは走り出した。 一つ角を曲がれば、目の前で繰り広げられて居たのは、壮絶な戦い。 赤い装甲の戦士が、落下を続ける片翼の男へと、キックをぶつけようとしていたのだ。 稲妻を奔らせた、只ならぬ勢いの一撃。あの一撃を、あの人に当てさせてはならない。 「メビウゥゥゥゥゥスッ!!!」 左手に装着したメビウスブレスに触れ、その名を叫んだ。 先程の変身から、一時間弱。問題無く変身できるかどうか不安ではあったが、どうやら杞憂に終わったらしい。 問題無くミライの身体は∞の光に包まれ、ウルトラマンメビウスへの変身が完了した。 矢継ぎ早に右腕でメビウスブレスに収まった宝玉をスライドさせ、両腕を頭の上に掲げる。 ∞の光を収束させる両腕を、眼前で十字にクロスさせた。 皮肉にも、古今東西仮面ライダーの必殺技と定められた攻撃を打ち破るのは、古今東西ウルトラマンの必殺技とされる攻撃であった。 大量のスペシウムを含んだ光線が、カブト目掛けて真っ直ぐに飛んで行く。 刹那の内に、威力を絞って放たれたメビュームシュートが、カブトを直撃。 スペシウムによる爆発が生じた後、カブトの身体はアスファルトに引かれる様に落下。 それから、目の前で未だ戦闘を続けようとする翼の男の戦力を、メビュームスラッシュで奪った。 そうして、現在に至る。 目の前に現れたのは、十代後半くらいの茶髪の少女であった。 だけど、その声には確かな聞き覚えがある。その声を、ミライが忘れる訳が無い。 そして何よりも、瞳と髪の色。それから、立ち居振る舞い……その全てが、“彼女”に酷似していたのだ。 そして極めつけは、赤の装甲の男から放たれた「高町」という言葉。 最早間違いない。この女の子は、きっと未来の「高町なのは」の姿なのだろう。 だが、もしそうならば一体この状況は何なんだろう。 赤の装甲の男は、なのはの味方で……だとするならば、悪人はこの翼の戦士だろうか? 何にせよ話をしない事には、状況が解らない。 だからメビウスは、高町なのはと思しき少女に、恐る恐る話しかけた。 「なのは、ちゃん……?」 「貴方は、銀色の……鬼……?」 「へ?」 果たして、帰って来たのはそんな訳の解らない言葉であった。 【1日目 夜】 【現在地 D-2 スーパー前】 【ヒビノ・ミライ@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】 【状態】健康、変身中(メビウス) 【装備】メビウスブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは、ナイトブレス@ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは 【道具】支給品一式、『コンファインベント』@仮面ライダーリリカル龍騎、ブリッツキャリバー@魔法妖怪リリカル殺生丸 『おジャマイエロー』&『おジャマブラック』&『おジャマグリーン』@リリカル遊戯王GX 【思考】 基本:仲間と力を合わせて殺し合いを止める。 0.これ以上誰も殺させたくない。誰にも悲しい涙を流させたくない。 1.赤い装甲の男(カブト)、翼の男(アンジール)、高町なのはから話を聞いて状況を整理したい。 2.銀髪の男(=セフィロス)からはやてを守る。 3.一刻も早く他の参加者と合流して、殺し合いを止める策を考える。 4.助けを求める全ての参加者を助ける。 5.なのは、ユーノ、はやて、と合流したい。 6.ヴィータが心配。 7.カードデッキを見付けた場合はそのモンスターを撃破する。 8.変身制限などもう少し正確な制限を把握したい(が、これを優先するつもりはない)。 9.ゼロ(キング)、アグモンを襲った大男(弁慶)、赤いコートの男(アーカード)、紫髪の少女(かがみ)を乗っ取った敵(バクラ)やその他の未知の敵たちを警戒。 10.自分の為に他の人間の命を奪う者達に対する怒り。 11.ブリッツキャリバーを高町なのはに渡し、ゼストの最期を伝える。 12.おジャマイエローに万丈目の死を伝えなければならないが……。 【備考】 ※メビウスブレスは没収不可だったので、その分、ランダム支給品から引かれています。 ※制限に気が付きました。また再変身可能までの時間については最低1時間以上、長くても約2時間置けば再変身可能という所まで把握しました。 ※デジタルワールドについて説明を受けましたが、説明したのがアグモンなので完璧には理解していません。 ※おジャマイエローから彼の世界の概要や彼の知り合いについて聞きました。但し、レイと明日香の事を話したかどうかは不明です(2人が参加している事をおジャマイエローが把握していない為)。 ※参加者は異なる並行世界及び異なる時間軸から連れて来られた可能性がある事に気付きました。またなのは達が10年後の姿(sts)になっている可能性に気付きました。 ※スーパーにかがみが来ていたことに気付きました。 また、少なくとももう1人立ち寄っており、その人間が殺し合いに乗っている可能性は低いと思っています。 ※第2回放送を聞き逃しました、おジャマイエローから禁止エリアとブレンヒルト、弁慶、万丈目、十代の生死は聞きましたがそれ以外は把握していません。またおジャマイエローもそれ以上の事は把握していません。 おジャマブラック、おジャマグリーンが放送内容をどれくらい把握しているかは不明です。 ※ナイトブレスを手に入れた事で、メビウスブレイブへの強化変身が可能になりました。 ※黒マントの男=ゼロ(キング)を倒したと思っています。 【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】疲労(大)、混乱、焦り、深い悲しみと罪悪感、脇腹・右腕・左腕に中程度の切り傷、全身に小程度の切り傷、セフィロスへの殺意 【装備】バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、チンクの眼帯 【道具】支給品一式×2、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:クアットロを守る。 1.クアットロを守る為に、参加者を皆殺しにしたいが…… 2.イフリートを召喚した奴には必ず借りを返す。 3.ヴァッシュと再び出会ったら…… 4.いざという時は協力するしかないのか……? 【備考】 ※ナンバーズが違う世界から来ているとは思っていません。もし態度に不審な点があればプレシアによる記憶操作だと思っています。。 ※レイジングハートは参加者の言動に違和感を覚えています。 ※グラーフアイゼンははやて(A's)の姿に違和感を覚えています。 ※『月村すずかの友人』のメールを確認しました。一応内容は読んだ程度です。 ※天道とヴァッシュの事はある程度信頼しています。 ※オットーが放送を読み上げた事に付いてはひとまず保留。 ※混乱している為に自分の気持ちを整理出来ていません。 【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康、疲労(中)、変身中(カブト) 【装備】ライダーベルト(カブト)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、カブトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式、『SEAL―封印―』『CONTRACT―契約―』@仮面ライダーリリカル龍騎、爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸 【思考】 基本:出来る限り全ての命を救い、帰還する。 1.アンジールを改心させる。 2.目の前の赤と銀の戦士(メビウス)の思惑を確かめる。 3.高町と共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを救出、何としても親子二人を再会させる。 4.天の道を往く者として、ゲームに反発する参加者達の未来を切り拓く。 5.エネルを捜して、他の参加者に危害を加える前に止める。 6.キングは信用できない。 【備考】 ※首輪に名前が書かれていると知りました。 ※SEALのカードがある限り、ミラーモンスターは現実世界に居る天道総司を襲う事は出来ません。 ※天道自身は“集団の仲間になった”のではなく、“集団を自分の仲間にした”感覚です。 ※PT事件とJS事件のあらましを知りました(フェイトの出自は伏せられたので知りません)。 ※なのはとヴィヴィオの間の出来事をだいたい把握しました。 ※アンジールは根は殺し合いをする様な奴ではないと判断しています。 ※ゼロの正体はキングだと思っています。 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康 【装備】とがめの着物@小話メドレー、すずかのヘアバンド@魔法少女リリカルなのは、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、弁慶のデイパック(支給品一式、いにしえの秘薬(空)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER) 【思考】 基本:誰も犠牲にせず極力多数の仲間と脱出する。絶対にヴィヴィオを救出する。 1.出来れば銀色の鬼(メビウス)と片翼の男(アンジール)と話をしたいが……。 2.天道と共にゆりかごに向かい、ヴィヴィオを探し出して救出する。 3.極力全ての戦えない人を保護して仲間を集める。 4.フェイトちゃんもはやてちゃんも……本当にゲームに乗ったの? 【備考】 ※金居とキングを警戒しています。紫髪の少女(柊かがみ)を気にかけています。 ※フェイトとはやて(StS)に僅かな疑念を持っています。きちんとお話して確認したいと考えています。 ※ゼロの正体はキングだと思っています。 【チーム:スターズチーム】 【共通思考】 基本:出来る限り全ての命を保護した上で、殺し合いから脱出する。 1.まずは現状確認。 2.協力して首輪を解除、脱出の手がかりを探す。 3.出来る限り戦えない全ての参加者を保護。 4.工場に向かい首輪を解析する。 【備考】 ※それぞれが違う世界から呼ばれたという事に気付きました。 ※チーム内で、ある程度の共通見解が生まれました。 友好的:なのは、(もう一人のなのは)、(フェイト、もう一人のフェイト)、(もう一人のはやて)、ユーノ、(クロノ)、(シグナム)、ヴィータ、(シャマル)、(ザフィーラ)、スバル、(ティアナ)、(エリオ)、(キャロ)、(ギンガ)、ヴィヴィオ、(ペンウッド)、天道、(弁慶)、(ゼスト)、(インテグラル)、(C.C.)、(ルルーシュ)、(カレン)、(シャーリー) 敵対的:アーカード、(アンデルセン)、(浅倉)、相川始、エネル、キング 要注意:クアットロ、はやて、銀色の鬼?、金居、(矢車) それ以外:(チンク)・(ディエチ)・(ルーテシア)、紫髪の女子高校生、(ギルモン・アグモン) 雑居ビルの物陰に身体を隠しながら、一同の行動を見守る女が一人――クアットロだ。 何とか走って追い付いたものの、スーパーは既に戦場と化していた。 まず間違いなく、アンジールがなのは達に喧嘩を売ったのだろう。 あちゃあ、手遅れだったか、と額を軽く叩く。 「いや、でも……まだやり様はありますわ」 そうだ。考え方によっては、この現状は非常に美味しい。 まず、高町なのは。魔道師としてはほぼ最強クラス。そして、アンジールは高町なのはのデバイスを持っていた筈。 それから、アンジール。セフィロスに対抗出来る戦力。おまけに唯一自分の力で味方に引き込めるであろう相手。 最後に、赤の仮面ライダー。アンジールを相手に勝利するだけの実力。しかも、どうやらあの高町なのはの味方らしい。 「それから、あの銀色の……どうやらアレも殺し合いには乗って居ないように見えますけど……」 次にクアットロの視線が捉えたのは、ウルトラマンメビウス。 戦闘の真っただ中にある二人を制するだけの力と、二人を前にしても臆しないだけの自信。 それでも追撃する様子が見られない事から、どうやら本当に戦いを止めたかったように見える。 となれば、上手く立ち回れば彼ら全員を味方に付ける事だって不可能ではない筈だ。 「――上手くいけば、この場の全員を仲間に出来る……?」 微かに見えた希望の光に、クアットロはにやりと笑った。 最早これ以上他の参加者を下手に騙すつもりは毛頭ない。 ただゲームから脱出する為に、一時的にでも手を組む為に。 自分の考えを伝え、共に行動する仲間を得る為に。 クアットロは、4人の元へと走って行った。 【クアットロ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】疲労(小)、左腕負傷(簡単な処置済み)、脇腹に掠り傷、眼鏡無し、髪を下ろしている、キャロへの恐怖と屈辱、焦燥 【装備】私立風芽丘学園の制服@魔法少女リリカルなのは、ウォルターの手袋@NANOSING、ツインブレイズ@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、クアットロの眼鏡、大量の小麦粉、セフィロスのメモ、血塗れの包丁@L change the world after story、はやてとかがみのデイパック(道具①と②) 【道具①】支給品一式×2、スモーカー大佐のジャケット@小話メドレー、主要施設電話番号&アドレスメモ@オリジナル、医務室で手に入れた薬品(消毒薬、鎮痛剤、解熱剤、包帯等)、カリムの教会服とパンティー@リリカルニコラス 【道具②】支給品一式、デルタギア一式@魔法少女リリカルなのは マスカレード、デルタギアケース@魔法少女リリカルなのは マスカレード、首輪(シャマル) 【思考】 基本:例え管理局と協力する羽目になったとしてもこの場から脱出する。 1.アンジールを説得して味方に付けた上で、残りの三人も味方に付ける。 2.自分の考察を話した上で、ゲームから脱出する為に協力して貰う。 3.条件(プレシアに対抗できるだけの戦力+首輪・制限の解除手段+プレシアの元へ行く手段)が揃わない限り首輪の解除は実行しないし、誰にもさせない。 4.デルタギアの各ツールを携帯電話、デジカメ、銃として利用出来るかを確かめたい、変身ツールとしてチンクかタイプゼロに使わせても大丈夫だろうか? 5.首輪や聖王の器を確保したいが……(後回しでも良い)。 【備考】 ※参加者は別々の世界・時間から連れて来られている可能性に至りました。 ※下手な演技をするよりも、ゲームから脱出するまでは生き残る事を優先。 ※アンジールからアンジール及び彼が知り得る全ての情報を入手しました(ただし役に立ちそうもない情報は気に留めていません)。 ※デュエルゾンビの話は信じていますが、可能性の1つ程度にしか考えていません。 ※この殺し合いがデス・デュエルと似たもので、殺し合いの中で起こる戦いを通じ、首輪を介して何かを蒐集していると考えています。 ※デュエルモンスターズのカードとデュエルディスクがあればモンスターが召喚出来ると考えています。 ※地上本部地下、アパートにあるパソコンに気づいていません。 ※制限を大体把握しました。制限を発生させている装置は首輪か舞台内の何処かにあると考えています。 ※主催者の中にスカリエッティや邪悪な精霊(=ユベル)もいると考えており、他にも誰かいる可能性があると考えています。 ※優勝者への御褒美についての話は嘘、もしくは可能性は非常に低いと考えています。 ※キャロは味方に引き込めないと思っています。 ※キングのデイパックの中身は全てはやて(StS)のデイパックに移してあり、キングのデイパックははやて(StS)のデイパックに入っています。 ※この殺し合いにはタイムリミットが存在し恐らく48時間程度だと考えています(もっと短い可能性も考えている)。 ※主催側に居るナンバーズ及びスカリエッティは敵として割り切りました。一切の情はありません。 【全体の備考】 ※スーパー内で激しい火災が発生しています。このままではいずれ焼け落ちます。 Back Aの残光/強襲ソルジャー 時系列順で読む Next 突っ走る女 投下順で読む Next 突っ走る女 アンジール・ヒューレー Next 絶望の暗雲 クアットロ Next 絶望の暗雲 高町なのは(StS) Next 絶望の暗雲 天道総司 Next 絶望の暗雲 ヒビノ・ミライ Next 絶望の暗雲
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1660.html
妄想戦士リリカル・ヤマモト 第三話「萌えっ娘のためならば……捨ててくれようこの命!!」 先日の八神家の面々との接触を経て山本一行は事件への介入を控えるようになった。 別に遠慮してるとかではなく、ただ単に萌える対象を愛でる変態的な理由からだがアースラスタッフには喜ばしい事だった。 そして彼らは今海鳴で有名な喫茶店、翠屋に来ていた。 もちろんコーヒーやスイーツを楽しむ為ではない。 「うっひょおおおお!!! 見ろあのめがねっ娘を!! なんという萌えっぷり!! ドジっ娘要素を持った天然系で声が白石涼○なんて素晴らしすぎじゃあああああ!!!」 喫茶店にあるまじき奇声を上げて狂喜乱舞するのはめがねっ娘教団教祖である南雲鏡二。 そして、そんな彼にその他の変態達も雄叫びを上げる。 「うむ! 正にめがねを掛ける為に生まれたような逸材だ!! 100モエー(萌えの単位)は軽く超えるな!!」 「あんまり声を出すんじゃねえ! フィギュアの原型が上手く作れねえだろうが!!」 山本と渡辺が南雲に応えるように吼える、その3人と席を同じくする松下は涙を流しながら嘆いていた。 「なんで俺まで、付き合わされてんだよ…」 嘆く松下をよそに変態萌え集団3人はウェイトレスのめがねっ娘でなのはの姉である美由希に生あったか~い視線と奇声を送り続ける。 「萌えるめがねっ娘のウェイトレスさん! めがねコーヒー御代わり!!」 「フィギュアの原型作るから、1ミリも動くんじゃねえ!!」 「とにかく萌える恥じらいとセリフ追加あああああ!!!!」 3人の凄まじい迫力に美由希は涙目になって怯えまくる。 無理もない、彼女は生まれてこの方、こんな変態的で萌え至上主義の珍生物を見たことは無いのだから。 「なんかこの人達こわいよ~!」 数分後、山本達が翠屋から追い出された事は説明するまでもない。 ちなみに松下は店長の高町夫妻にひたすら頭を下げて、常識人故の苦悩を味わった。 「さてこれからどうする?」 「もちろん素晴らしいめがねっ娘を探すのですよ、山本殿」 「フィギュアの原型にふさわしい女を見つける」 「黙って帰るって話は無いんかい!!!!」 もちろんだが松下の意見は全力で無視されて、山本一行は海鳴萌えっ娘探索へと移る。 ただの散歩と言う事なかれ、山本の萌えセンサー(原理不明、まあ鬼太郎の妖怪アンテナみたいなもんである)を頼りにしての探索であるが故に彼らは正確に萌えへと向かうのだ。 「むう!! 萌えセンサーが急反応しているぞ、これは良い萌えがあるな。では行くぞ者共!!!」 そしてセンサーが急激に反応、山本に引き連れられた一行は二人の少女に出会う。 美しい金髪に気の強そうなハーフの少女、そして軽くウェーブのかかった黒髪の少女である。 二人の少女は正に美少女といって差し支えない逸材であり、これに反応しない山本一行ではない。 「おおっ! 正にこの金髪っ娘はツンデレだな!! 二人合わせて240モエー!!!」 「めがねの似合いそうなお淑やか系のお嬢さんだ~♪ さあめがねを掛けなさい!!」 「今からフィギュアの原型つくるぞ! 一歩も動くな! 息もするな!!」 周囲の冷ややかな視線も何のその、山本・南雲・渡辺は一瞬で不審者街道まっしぐらな発言をぶちかます。 もちろんだが松下が涙を流しながら制止しようとムダに突っ込んだりもしたがそれは何の意味も無かったりした。 「ひいっ!! 何、この人達っ!?」 「ア、アリサちゃん…何か恐いよぉ」 「すずか、眼を合わせちゃダメよ……こういうのはいつ襲ってくるか分からないんだから」 二人の少女の名はアリサとすずかは山本達の異様な様に今まで感じた事のない恐怖を感じて震える。 その様子に常識人松下はさっそく助け舟を出す。 「ああ、もう! 恐がってるだろうが、これくらいにして帰るぞ!!」 「うっせええぞ松下あぁっ! 貧弱な坊やは黙ってな!!」 いつもの珍騒動を繰り広げる山本達、そんな時突如として周囲の空間が異様な沈黙を呈して人影か消える。 突然の事に驚く山本一行にアリサとすずか。 「ア、アリサちゃん…」 「な、何なのこれ?」 「これはまさか、結界?」 周囲の急変に思わず声を漏ら松下、そんな時彼らに聞き慣れた声がかけられた。 「そこの人…って! や、山本さん!?」 「おう、なのは。こんな所でどうした? また魔法少女の仕事か?」 「何なのは? この変態達と知り合いなの? っていうか何よ魔法少女って?」 「えっと…それは説明すると長くなるんだけど……ってもう追いつかれた!!」 なのはは後ろを振り返り、後方の敵を見据える。 そこには黒い羽根を持った銀髪紅眼の女性が宙を飛んでこちらに接近していた。 「なんだ? あのいかにも神話系なファンタジック美少女は!?」 「おお! 縁無しめがねが似合いそうですな!」 「っていうかフィギュア作らせろ!!」 お構い無しでいつもの変態発言をぶちかます山本一行、だがその女性は唐突に攻撃魔法を放ってきた。 「ブラッディダガー」 短い呪文と共に赤い魔力の剣が飛来する、その衝撃に爆音と煙が立ち込める。 だが煙が晴れて姿を現したのはボロボロの松下を掲げた山本の姿であった。 「“松下シールド”……役に立ったぜ松下、お前の死はムダにはしねえぜ」 「ま…まだ死んでない…」 あろう事か山本は近くにいた松下を盾にして攻撃を防いだのだ、正に悪魔の如き所業である。 「おい、なのはよアイツはなんだ?」 「えっと…闇の書っていう魔道書なんですけど、はやてちゃんって女の子と融合して…」 「はやて? 八神はやてって子か?」 「はい、そうです……知ってるんですか?」 なのはの質問に答える間もなく、山本は次の瞬間には闇の書の意思の下に跳躍した。 ちなみに20メートルくらいの高さがあったがこの男に常識は通用しない。 「こんのバカたれがあああ!!!」 「ぐわああ!」 そしてあろう事かぶん殴った、闇の書の意思を、グーパンチで。 恐らくは闇の書にこんな事をしたのは後にも先にもこの男だけであろう、常識で測れない妄想戦士それが山本一番星である。 「き、貴様…何をする…」 「“何をする”じゃねえええ!!!」 「はぐうう!!」 間髪入れずに2発目のグーパンチが唸りを上げて闇の書の意思に決まる、ちなみに瞬間的に張られえていた防御障壁は無理矢理ぶち抜いた。 殴られた闇の書の意思は鼻血までだして涙目になる、っていうか殴られたのなんて初めてだ。 「に、二度も殴ったな……主にも殴られたことないのに…」 「じゃかしいわいボケナス!! あの関西弁系、病弱属性な萌えっ娘を踏み台にして登場するなんてけしからん奴にはこれでもまだ足りねえっつうの!!!」 「訳の分からん事を!!」 さしもの闇の書も、この山本の理不尽っぷりに怒りを感じたのか表情を歪めて怒気を放つ。 そして山本の周囲に無数の雷撃の刃が出現する、それはフェイトの使う魔法フォトンランサーを蒐集したデータから応用したフォトンランサー・ジェノサイドシフトである。 即座に放たれた攻撃に爆炎が上がり、一寸の逃げ場もない攻撃を受けて山本が地に落ちた。 「山本さん!」 落下する山本になのはは悲鳴を上げる、だが彼女の心配は」杞憂に終わる。 「渡辺ブーメラン!!」 技名の雄叫びと共に渡辺がブーメランの如く旋回して山本をキャッチした、着地した山本は服こそ汚れていたが大事は無いようだった(あの攻撃で煤だけで済むところは異常だが)。 「大丈夫か?」 「ああ、大したことねえぜ」 渡辺の言葉にそう答えながら山本は上空の闇の書の意思を睨み付ける。 「おい闇の書とやら!!」 「お前もその名前で私を呼ぶのか?」 「それじゃあお前の名前はジョセフィーヌ! 設定年齢19歳の堕天使見習いでちょっぴりシャイな無表情系キャラだ!!」 「なっ……なんだその名前は!? 勝手に付けるな!!」 「俺の脳内設定だ! 文句あっか!?」 「あるに決まってるだろうが!」 「まあ、それは置いといてだ。早くはやてを解放しな、じゃないとかなり切ない目に合うぜ?」 「それは出来ない、私には主の願いを叶えなければならない…」 「暴れるのがはやての望みかよ? なら力ずくで止めさせてもらうぜ」 「……お前は何故戦うのだ? 魔道師でもないお前に勝ち目は無いぞ?」 憂いと悲しみに満ちた瞳で山本を見つめる闇の書の意思、覆しがたい戦力差だが山本は不敵な笑みを見せる。 「ふっ……俺を誰だと思ってやがる!! 萌えの申し子、山本一番星!! 萌えっ娘を守るためならば命なんぞいくらでも捨ててやるぜ!!!!」 こうして妄想戦士達と闇の書との壮絶な戦いが始まった。 続く。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/250.html
【名前】キャロ・ル・ルシエ 【出典】魔法少女リリカルなのはStrikerS 【声優】高橋美佳子(「魔法少女リリカルなのは」のクロノ・ハラオウン) 【種族】人間 【性別】女性 【年齢】10歳 【外見】 桃色の髪。 【性格】 まじめで素直でおっとりしている。多少うっかり。 【原作での設定】 6歳にして白銀の飛竜を従えるほどの召喚術の才能をみせたが、それ故に危険として(強い力は争いと災いしか呼ばないとされた)部族から追放されたという過去を持っている。 その後、管理局に保護されるが、強力だが制御できない力を局でも持て余していたところで、フェイトが引き取って面倒を見ることになった。 その縁があり、エリオ同様、フェイトの力になりたい一心で機動六課に自ら志願し、配属された。 【面識のある参加者】 名前 呼び名 関係 高町なのは(sts) なのはさん 同じ部署に所属する上司 フェイト・T・ハラオウン(sts) フェイトさん 同じ部署に所属する上司で恩師。「お姉さん」のような存在 八神はやて(sts) 八神部隊長 機動六課の部隊長 ヴィータ ヴィータ副隊長 同じ部署に所属する上司 シグナム シグナム副隊長 同じ部署に所属する上司 シャマル シャマル先生 同じ部署に所属する医務官 ザフィーラ ザフィーラ はやてやヴィヴィオのボディーガード スバル・ナカジマ スバルさん 同じ部署に所属する同僚 ティアナ・ランスター ティアさん 同じ部署に所属する同僚 エリオ・モンディアル エリオ君 同じ部署に所属する同僚であり、かなり親しい仲 ギンガ・ナカジマ ギンガさん スバル・ナカジマの姉 ルーテシア・アルピーノ ルーちゃん 敵だが、何故か気になる 【技能・能力】 能力名 内容 魔法 自身の魔力を用いて起こす技能。特にミッドチルダ式の補助系魔法、主にブースト系が得意。 デバイス操作 デバイスを扱う技能。特にケリュケイオンの扱いに優れている。 竜使役 キャロの竜、フリードリヒ・ヴォルテールを使役する能力 召喚魔法 キャロが使用する魔法。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/334.html
第三話「ハラオウン家へ(前編)」 光に包まれて、その光がふと消えた。と思ったら住宅街に立っていた。 2度目の転送を経験し、「メダロットもこんな感じなのかな」とか考えるイッキ。 メダロッチで転送されるメタビーの気持ちが少し分かった気がした。 「着いたぞ・・・おい、聞いてるのか?」 気に食わない声が聞こえる。 仕方なくそっちを見ると、『気に食わない』といった顔のクロノ。 彼は正面の一軒の家を視線で示す。どうやらここが目的地のようだ。 「なんだ、普通の家なんだな」 メタビーはほんの少し拍子抜けした。 「ああ。俺もてっきり、もっと近代的っつうかスゴイ家かと思ってた」 「あら、これでも十分近代的なんだけど」 失敬ね、とばかりにリンディは言うが、イッキにはそうは思えないようで、 「でも、やっぱり俺ん家とあんまり変わんないなぁ」 「そりゃあ、きみの世界となのはの世界の生活様式はほとんど相違ないみたいだからな」 クロノの言葉に、イッキは思い出す。 どうやら自分となのはの世界は非常に似たものであるらしいこと。 ならば、家の形や住宅街の造り方も似ていて不思議はないのかもしれない。 「それじゃ、私はこのへんで」 話の切れ間を見計らって、なのはは帰宅の意思を示した。 「そうね。早くご家族を安心させてあげて」 「はーい!それじゃリンディさんクロノくん、イッキくん達もさよなら~」 「ああ、お疲れさま」 パタパタと手を振りながら走っていくなのは。応えるクロノ。 「じゃ~な~」 メタビーも手を振り返して見送った。 夜道を女の子一人で危ないなぁとか心配するイッキをよそに、なのはは すぐ隣の家に「ただいまー」と入っていった。 「あれ?なんで隣の家に?」 イッキの頭に『?』マークが浮かぶ。 「なんでも何も、我が家は高町家の隣にあるんだ」 「はぁ?」 更にマークが増えることになった。 「数ヶ月前に色々とあってね。ハラオウン家はここに引越してきたの」 「色々と?」 「そ、色々と。管理局の事情ってやつね」 気になるイッキだったが、どうやら話してくれる様子ではないので諦めた。 「それはそうと、早く家に入ろう。その・・・イッキ、きみもだ」 気まずそうに促すクロノ。 先ほどまで敵意をむき出しにしていたイッキもさすがに怒りは引いていたが、 すぐに馴れ合うのも気に食わないのでブスッと無言で玄関をくぐる。 「あ、お帰りなさいリンディさん」 大人しそうな優しい声が帰宅者を出迎えた。 「ただいまフェイトさん、先に帰ってたのね?」 フェイトと呼ばれた少女は軽く微笑んで応えた。 「はい、クロノから今日はもう帰っていいって言われて。あ、クロノもお帰り」 「ああ、ただいま・・・おい、きみ達も早く入るんだ」 後ろの誰かに入るように促すクロノ。すると、 「へいへい」「ったくウルセーな」などと悪態が聞こえてくる。 「クロノ、誰かお客さん?」 「いや、まぁ客というか・・・」 爪先で立ち、言いよどむ義兄の肩越しにフェイトは謎の訪問者の姿を見た。 チョンマゲ。 このご時世にチョンマゲをつけた人がいる。 「お侍さん?」 それがフェイトの第一印象であった。 「ふふっ、そういえば素敵なチョンマゲね」 「え?いやぁ~それほどでも~」 リンディの言葉に表情が崩れるイッキ。チョンマゲも嬉しそうに揺れている。 「人の家の玄関でニヤニヤしないでくれないか? 気味が悪い」 「ああ!?なんだって!」 ジト目のクロノがチクリと言い、 ようやく収まりかけていた怒りが再燃したイッキは食って掛かろうとするが、 「はいはい、ケンカはそこまでにして頂戴ね~」 いがみ合う二人の頭を掴んで引き離すリンディ。 「そうだぞイッキ。ご近所様の迷惑だ」 メタビーも腕組みをしながら彼女に同意する。「それに・・・」と付け加えて、 「固まってんじゃねぇか、ほら」 何が?とメタビーの視線を追うと、口を半開きにして呆けるフェイトがいた。 まぁ知らない人が人ん家の玄関で口論を始めればポカーンともなるだろう。 「あの、リンディさん・・・この人は?」 訝しがりながら質問するフェイト。 「あらごめんなさいね。ほらイッキくん、自己紹介して?」 その間にもクロノに対してアッカンベーなどと子ども染みたことをしていたイッキは、 「へ?」 と間抜けな返事をしてしまった。 「こちらは私の娘のフェイトさん。初対面でしょ?ちゃんと自己紹介しないと、ね」 リンディにポンッと背中を押され、向き合う形になる二人。 「あ、え、えーと・・・俺は天領イッキ。よ、よろしく」 やけに歯切れの悪い自己紹介である。 「うん、初めましてだね。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。よろしくね」 打って変わってフェイトは落ち着いた様子で名前を名乗った。 そして軽くはにかんだ顔で微笑む。 「フェ、フェイトちゃん・・かぁ」 急に顔が赤らみ、鼻のしたが伸びるイッキ。 「ん? おい、どーした?」 つっ立ったまま動かなくなったイッキを不思議に思ったメタビーが声をかけるが、 「・・・・」 聞いていない。というか聞こえていないようだ。 (おいイッキ、何ニヤケてんだ。ホントに気持ち悪いぞお前?) 小声で言いながら相棒の肩を掴んで玄関の隅に引っ張りこむメタビー。すると、 (・・・か、可愛い・・・・!) 明後日の方向を向いたままのイッキが、呆けたように呟いた。 そんな彼の様子を見て、 (あ~~?またかよ・・・まったくカリンちゃんといいアイドルといい・・・) 「可愛い子に弱ぇんだから・・・はぁ」 カクッと頭を落とすメタビー。 「あの、それでキミは?」 隅っこでヒソヒソしている二人、特にメタビーが気になったフェイト。 リンディさんが「おまけもついてきた」と言っていたが、この子のことだろうか? その声に気付いたメタビーは、 「ん?何だ?」 聞き返した。えと、だから・・・と苦笑いを浮かべてフェイトは 「キミは誰?」 もう一度聞きなおした。 「ああ、オレのことか。オレはメタビーだ。よろしくなっ」 よう!といった感じで右手を挙げるメタビー。 「え・・・あ、メタビーっていうんだね。よろしく」 なのはと同様、ロボットがフレンドリーに話したことに少々驚いたが、 自分もインテリジェントデバイスを相棒にしているのでそれほど抵抗はなかった。 まぁそれは置いといて。 「あの、リンディさん。この人たちをどうして私達の家に?」 頭に包帯を巻いているあたり怪我人なのだろうということは分かるが、 見覚えのある顔ではないし、第一、我が家に連れてくる理由が分からない。 一体この子たちは誰なのだろう? 「ええ、それがね・・・滅多にないことなんだけど・・・」 と、リンディはそこまで言い、クロノに目線を投げる。と、クロノがその後を継ぎ、 「時空難民だ」 実に簡潔に告げる。 「難民・・・それじゃあ、つまり」 「ああ、何かの拍子に次元を越えてしまったらしい」 それを聞いたフェイトは、難民と称された二人に視線を向ける。 あいかわらず情けない顔をしたイッキと、それを人差し指で突っついている メタビーの姿があった。 (あれが、難民・・・?) にわかには信じられない光景である。別世界に来たというのになんともお気楽だ。 「で、とりあえずだが今日はうちで預かることになったから」 「え、本当に?」 「本当だ。まったく、母さんにも困ったもんだよ・・・」 他にも方法があっただろうに、などとコボしながら義兄がリビングへ行くのを 見送ったフェイトは、もう一度イッキたちの方を見た。 完全にフヌケになった少年はしばらく動きそうにない。 食卓には白米を主食とした様々な料理が並べられている。 「それじゃ、頂きましょうか」 リンディの合図で4人は『いただきまーす』と手を合わせた。 「イッキくんもお腹すいたでしょ?遠慮せずにたくさん食べてね」 「はーい!喜んでっ」 「本当は多少なり遠慮してほしいところなんだがな」 「何か言ったか?」 「別に・・・」 「ちょっとクロノ、大人げないよ?」 「やれやれだな・・・」 玄関での自己紹介が終わったあと、一同はリビングへと向かった。 夕食のためフェイトとリンディはキッチンへ入り、男性陣はソファへ。 分かりきったことであるが、料理が出来上がるまでクロノとイッキは(以下略 そんな2人をよそにメタビーはテレビの正面に座り、 「お、面白い・・・」 見たことのない番組に目を輝かせていた。 「そっか、それじゃ夕方の緊急の連絡はイッキたちのことだったんですね」 「ええ、そうよ。大型の生物が現れて大変だったけど、なのはさんが上手く処理して くれたわ」 「そうですか。すいません、駆けつけられなくて・・・」 箸を進めながら今日の出来事について話をしているリンディとフェイト。 ちなみに、長方形のテーブルには家長であるリンディの横にクロノ。 そして彼と向かい合ってイッキ、その隣にフェイトが座るという形になっている。 「気にしないで。あなたもクロノも、それぞれ仕事があったんだし」 「ありがとう、ございます」 申し訳なさそうにするフェイトにリンディはフォローを入れる。 そういえばメタビーは? というと、 「ふーん、ほぉ・・・なんだこりゃ?」 「なんだよメタビー、さっきからブツブツ言って」 「うるせぇな~。今新聞読んでんだよ、静かにしろ! えーなになに・・・?」 イッキの隣で夕刊を広げ、政治面に目を通していた。 それに対して、「あっそ」と大して気にすることなく再びご飯を頬張るイッキ。 元いた世界でも一緒に暮らしていた彼にとって、メタビーの新聞チェックは 言ってみれば見慣れた光景である。 がしかし、ここはハラオウン家。となれば、 「メタビーも新聞読むの?」 ロボットが朝のお父さんよろしく新聞を広げるところなど見たことのないフェイトは 当然気になった。 「なんだ、オレが新聞読んだらおかしいか?」 バサッと次の面をめくったところで、メタビーが言う。 「えっと、別におかしいとかじゃなくて・・・それ、こっちの世界の新聞だよ?」 「ああ、そうだが」 だからなんだよ、とメタビーは新聞に視線を戻す。今度はスポーツ面を読み始めた。 「内容、分かるのか?」 世界観がほとんど似通っているとはいえ、ここは彼らの世界とは別物。 新聞に書かれる記事も当然違ってくる。政治の動きから4コマ漫画まで。 そんなものをロボットが見て面白いのだろうか? クロノが疑問に思うのも自然といえば自然なわけで。 「ん~~、そうだな・・・」 腕を組み、改めて記事を見るメタビー。フェイトも興味津々で返答を待つ。 「分 か ら ん」 ドガシャッ! ドテッ 盛大な音を立ててクロノは椅子から転げ落ちた。 「あら、どうしたのクロノ?」 いきなり椅子ごと真後ろに倒れた息子を見て、リンディは首を傾げる。 それには応えず無言で椅子を立て直し、元の位置に座るクロノ。 「・・・内容も分からないのに新聞なんか読んでたのか?キミは」 「悪いか? せっかくこっちの世界に来たんだから色々知ってもいいだろ」 お茶を一服してから問う彼に、メタビーは相変わらず夕刊を広げながら応える。 まぁ確かに一理ある。 しばらくはここで暮らすのだ。それなら世界の情勢や時事的なことを知っておくことも 重要になる。郷に入っては郷に従えというべきか。 「いいことじゃない、ちゃんと新聞を読めるなんて偉いわ、メタビーちゃん」 「あ、う・・うん」 リンディに褒められ、メタビーは急に大人しくなる。 「なんか嬉しそうだな、お前」 「うん、私もそう思う」 「う、うるせぇ!」 ひったくるように新聞を手に取り、顔を隠すようにバサッと広げる。 そんなメタビーを見たフェイトとイッキは、お互いに顔を見合わせてから どちらともなくクスクスと笑いだした。 「おいコラ!笑うなー!!」 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/981.html
リリカル遊戯王GX 第一話「異世界デュエル!? ハーピィ・レディVS機動六課!」 「ふう……」 フェイトは深い溜息を吐く。 ジェイル=スカリエッティ事件が終わりを告げてから数年、 六課にいた時よりもきつい激務の毎日でさすがの彼女もかなり疲労していた。 何より、なのはやエリオ達ともまともに連絡が取れていないのもかなりのストレスになっている。 「フェイトさん、大丈夫ですか?」 「あ、ティアナ……ごめんね、平気だよ」 いつの間に居たのか、ティアナにフェイトは笑顔を無理矢理作る。 自分の補佐である彼女にあまり情けない姿を見せたくない、兄であるクロノのように常に冷静な人物でありたかった。 ティアナはまだ何か言いたそうだったが、少し思案して仕方ないといった様子で口を紡ぐ。 頭のいい彼女の事だ、自分の作り笑顔など見抜かれているだろう、 それでも深く言ってこないのは、この数年の間でどれだけ自分が頑固なのか悟っているからであろう。 「フェイトさん、無理だけはしないでください。スバルから聞いたんですけど、なのはさんも心配してるそうです」 「……うん、わかってる」 なのはの名前を出されると弱い、 無理をしすぎて危うく死にかけた親友と、今の自分は似ているところがあるのだ。 だからといって執務官の仕事を放っておくこともできない、ティアナもその辺りは承知しているのだろう、 これ以上何も言う気はないようだ。 『フェイトさん、ティアナさん、八神捜査官がお呼びです』 「え、はやて?」 「八神部隊ちょ……捜査官が?」 はやてとはなのは達以上にやりとりがなくなっていた、 フェイトと同じか、それ以上に忙しい立場についているのだからそれも当然かもしれない。 そんな彼女がいったい何の用なのか? 突然のシャーリーからの連絡に二人は戸惑いながらも指定場所へと向かう。 「あ、来た来た。お久し振りや、フェイトちゃん、ティアナ」 「にゃはは、フェイトちゃん久しぶり」 「フェイトさん、お久しぶりです!」 「え……は、はやて、これ、どういう……?」 「わー、ティア、直接会うの久しぶりだねー!」 「スバル!? それになのはさんにライトニング隊まで……!?」 部屋に入った二人は面食らう。 中にはヴォルケンリッターを除いた元機動六課のメンバーが勢揃いしていたのだ。 困惑するフェイトにはやては笑顔で説明を始めた。 「ある次元世界でかなり大きな反応をキャッチしたんや、それが何かはさっぱりわからへんけど、 レリックにも匹敵するほどの魔力反応を放っておくこともできへん」 「その調査と、危険な物だとしたら回収するのが今回の任務ですー」 「ま、リミッターもはずされてるみんなには簡単な任務やな」 「そ、それはわかったけど、どうしてなのは達も? みんな部署は別々なのに……」 「最近フェイトちゃんちょお疲れとったやろ? それで不謹慎ではあるけど、 同窓会っぽくして気分転換させたろかなーってな」 聞きたいのはそこじゃない、フェイトの視線の意味に気づき、はやては笑みを深くする。 「フェイトちゃんが聞きたいのは方法やな? リンディさんやレティ提督直伝の――」 「ごめんはやて、私が悪かったから聞かせないで」 聞いたらやばい、最初の二人の人物の名前を聞いた瞬間その場の全員が同じことを思ったという。 はやては少しつまらなそうにしながら、本題へと入る。 「この次元世界、どうにも実態が掴めへんのやけど……魔物らしき生物が大量にいることは確認されとる。 ウチも行けたらいいんやけど、シグナム達が別の任務で苦戦してるみたいでそっちに行かなあかん」 「こちらとコンタクトが取れそうな生物がいたら接触してみてください、これを機会に管理世界になるかもしれないです」 全員が頷いたのを見て、はやては立ち上がり真剣な表情で全員の顔を見渡す。 「機動六課が解散してからもう何年もたった、みんなあの時よりも成長してると思うし、心配はいらないと思う。 けど、絶対に無理はせんように、全員無事で帰ってくることを優先してほしい」 そこで一つ咳ばらいをし、はやては右手を突き出し数年ぶりの命令を出す。 「元やけど……機動六課、出撃!」 『了解!』 その次元世界は一面砂で満たされていた。 砂漠であるのは間違いないが、一般的な砂漠――例えば昔にフェイトとシグナムが一騎打ちをしたような――と比べると暗い雰囲気をだしている。 そんな砂の世界で、明らかに場違いな建造物が一つ立っていた。 ――デュエルアカデミア―― デュエルモンスターズというカードゲーム専門の学校である。 カードゲームの学校? と思う人も少なからずいるだろうが、甘く見てはいけない、 このデュエルアカデミアがあった世界では、このカードゲームによって莫大な金を得た人間や、莫大な金を使う人間などが大勢いるのだ。 そんなアカデミアの正門にあたる部分、そこに二人の人間が歩いていた。 「いったいここはどこなノーネ……?」 「さっぱりわからないのであ~る。一面砂ばかりなのであ~る」 「なんだか太陽も三つに見える気がするノーネ」 デュエルアカデミアの教諭、クロノスとナポレオン。 この二人の会話からも察しできる通り、このアカデミアは元々この世界の物ではない。 元の世界で起きたある事件によって、この世界へと飛ばされてしまったのだ。 「とにかく、救助を呼ぶのであ~る」 「わかってるノーネ。警察は110番、消防は119番と……」 クロノスが携帯を操作して耳に当てるが、すぐに表情をしかめてしまう。 「おかしいノーネ、どこにも繋がらないノーネ」 「それでは救助が呼べないのであ~る! ……ん? あれは何であるか?」 ナポレオンが空を見上げて何かを発見する。 三つある太陽の影になってよくわからないが、飛行機のようなシルエットに見えなくもない。 「おお! きっと上空からの救助部隊なノーネ!」 「助かったのであ~る!」 連絡が取れなかったのにこんなにも早く救助部隊が来るわけがない。 そんな当たり前の事にも気付かないのがこの二人の欠点であり憎めない点でもある。 その飛行機に似たシルエットは二人に近づいていき、だんだんとその姿が見え――二人は悲鳴を上げて逃げ出した。 「い、いったい何なのであ~る!?」 「し、知らないノーネ!」 その姿に二人は見覚えがあった、 ―ハーピィ・レディ― 攻撃力1200 防御力800 通常モンスター 美しい女性の姿をした、腕に翼が生えているデュエルモンスターズに出てくるモンスターの一匹である。 滑空してくるハーピィ・レディをその場に伏せてやり過ごそうとするが、そのかぎ爪にクロノスは捕まってしまう。 「つ、捕まったノーネ! 助けてほしいノーネ!」 「く、クロノス教諭!」 持ち上げられていくクロノスの足に咄嗟にナポレオンが飛びつくが、 ハーピィ・レディは気にもせずに――いや、獲物が増えたと喜んでいるか?――飛び立とうとする。 「痛いノーネ、離れてなノーネ!」 「は、放していいであるか?」 「あ、やっぱりダメなノーネ!」 こんな状況下でもどこか緊迫感のない二人に、数人の高校生ぐらいの人間達、アカディミアの生徒が近づいてきた。 「あれはハーピィ・レディ!?」 「まずい、クロノス先生達が!」 生徒たちが困惑する中、青髪の青年、ヨハンに何者かが語りかけてくる。 『ヨハン、ディスクを使って私を実体化させてくれ!』 「サファイヤ・ペガサス!? よし……!」 ヨハンが声に従い左腕に装着された機械、デュエルディスクへとカードをセットする。 次の瞬間、神話に出てくるペガサスのような生物がヨハンの側に現れる。 ―宝石獣サファイヤ・ペガサス― 攻撃力1800 防御力1200 効果モンスター 「頼むぞ、サファイヤ・ペガサス!」 「任せろ、ヨハン!」 ヨハンに応え、サファイヤ・ペガサスが飛び去ろうとしているハーピィ・レディへと飛び立っていく。 人間二人という重りを持っているハーピィとの距離はあっという間につまり、ペガサスはその翼をハーピィへと向ける。 「サファイア・トルネード!」 ペガサスがハーピィに向け、羽ばたいて竜巻を起こす。 狙いたがわず竜巻はハーピィの背中に直撃し、その衝撃でクロノスを掴んでいたかぎ爪を放してよろめきながら飛び去っていった。 「た、助かったノーネ?」 「いったいどうなってるザウルス!?」 「これはソリッドヴィジョンじゃないよね……?」 語尾が特徴的な青年剣山と、黄色の服を着た小学生と間違えそうな小さい青年翔が実体化しているサファイヤ・ペガサスを見て呟く。 デュエルモンスターズはソリッドヴィジョンシステムという、ホログラフィを使って行われるのが一般的である。 本当にそこにモンスターが実在するかのような映像で、デュエルを一層盛り上がらせるのだ。 しかし、今ヨハンが呼び出したこのサファイヤ・ペガサスは映像ではなく、実体があった。 「ハネクリボー? お前も実体があるのか?」 赤い服を着た青年、遊城 十代の目の前に翼が生えた毛むくじゃらの小さく愛らしいモンスターが現れる。 ―ハネクリボー― 攻撃力300 防御力200 効果モンスター 十代の問いかけに「クリクリ~♪」と鳴いて答え、はしゃぐように十代の周りを飛び回っている。 「ここは、カードの精霊が住む世界なのか……?」 「カードの精霊? 兄貴、何言ってるドン?」 「ヘイ、ダイノボーイ、どうやらそいつを信じなけりゃ話は進まなそうだぜ」 カウボーイハットを被り、何故か背中にワニ(しかも生きている)を背負った男、ジムが空を見上げながら言い、 剣山がその視線を辿ると先ほどのハーピィ・レディが上空を飛びながらこちらを狙っていた。 「危険なのであ~る! 早く逃げるのであ~る!」 「待って、いったい何人この世界に飛ばされたのか確かめないと……」 「体育館に生徒を集めてください、現状の確認を」 パニックに陥るクロノス達と対照的に、ヨハンやきつめの印象の女性、明日香は冷静に次にするべきことを考える。 だが肝心の二人はただ自分の身を守るのに精いっぱいのようだった。 「ダメだな、ここは僕らでなんとかしよう」 「時間をかけるほど危険性が増す、放送か何か使えればいいが……」 知的な男、アモンとこのメンバーで唯一の黒人、オブライアンはあっさりと二人に頼ることを諦める。 確かにこれでは何もできそうにない「こういう時って、大人は対応できないものなのよね」と明日香が冷たく言い放っていた。 「フェイトちゃん、行くよ!」 「うん!」 「ディバイン……バスター!」 フェイトがその場を離れた瞬間、その空間を高密度、高範囲の魔力砲撃が貫いていく。 フェイトを狙ってそこに集まっていた無数の機械仕掛けの蜘蛛達が一瞬で破壊される。 ―カラクリ蜘蛛― 攻撃力400 防御力500 効果モンスター 二人が大量の雑魚を息の合ったコンビプレイで倒していっている間、他の四人は一匹の大型のモンスターと戦っていた。 「キャロ、お願い!」 「はい! ケリュケイオン、スラッシュ&ストライク!」 キャロの補助魔法を受け、エリオは目の前の巨大な亀のようなモンスターに狙いをつけ、一気に貫こうと突撃する――が、 「固っ……!?」 「エリオ君!」 「そんな、キャロのブースト付きでも貫けないの!?」 ―3万年の白亀― 攻撃力1250 防御力2100 通常モンスター ストラーダの刃は甲羅をわずかに傷つけただけで、そのままエリオは弾かれてしまう。 だが、エリオの目は「それ」を捕えていた。 「サンダー、レイジー!!」 弾かれながらも、亀に向かって雷撃を放つ。 いかに甲羅が強固であっても雷までは防げず、その巨体をよじって雷撃の主を弾き飛ばそうとする。 「スバルさん!」 「おぉぉぉぉぉぉ!!」 魔力で作りだされた道、ウィングロードが亀の甲羅の頂点へと伸びる。 スバルは魔力を高めながらその道を疾走していく。 それを見た瞬間、ティアナは自らの周りにいくつもの魔力球を生み出した。 「スバル、クロスシフトD、行くわよ!」 「OK!」 機動六課にいるころは結局見せることのなかった新しいクロスシフト、 数年前に練習しただけだが、二人の目に失敗するかもしれないという怖れはまったくなかった。 「クロスファイア……シュート!」 「いくよ、マッハキャリバー!」 『All right buddy』 ティアナの魔力球がスバルの目の前、そしてターゲットの間近で収束し、大きく膨れ上がる。 魔力球同士がぶつかりあってはじけ飛ぶ瞬間、スバルはリボルバーナックルでその巨大な魔力球を雷に苦しんでいる甲羅へ叩きつける! 「一撃、必倒!」 甲羅が砕け、スバルは甲羅の内部で魔力球を解放する。 「クロスファイア……バスター!!」 「いいね、しばらく会ってなかったのに、チームワークとか凄くよくなってる」 「ありがとうございます!」 この世界にやってきた途端に無数の魔物に襲いかかられ、なのは達は止む無く戦闘に突入する事になっていた。 それを粗方片付けた後、なのはに褒められてスバルは嬉しそうに笑顔で返す。 「それはいいけど、あのクロスファイアバスターって何よ?」 「えへへ~、ティアのクロスファイアを、私のディバインバスターみたいに相手に叩きつけるからクロスファイアバスター、言い名前でしょ!」 「……あんたのネーミングセンスの無さはよくわかったわ」 「あ、あの、いつまでもここに留まっているとまずいのでは……」 「またモンスターが襲ってくるかもしれないですし……」 「うん、二人の言う通りだね。なのは、どうする?」 言いながらフェイトはある方向へ視線を向ける。 そこにはこの世界に不似合いな建造物――デュエルアカデミアがあった。 外にいてはいつモンスターに襲われるかわからない、だが、あからさまに怪しいあの建物は本当に安全なのだろうか? 思考を巡らしていると、近くから男の悲鳴が聞こえてきた。 「今のは!?」 「あそこ! 誰か襲われてる!」 戦闘機人ならではの視力でスバルが悲鳴の主を見つけ、ウィングロードで先行する。 なのは達もすぐにそれを追い、段々と男を襲っている正体が見えてくる。 「でっかい亀と機械クモの次は鳥人間!?」 「空中戦……私とフェイトちゃんで行くよ、みんなはあの人を!」 『了解!』 簡単に打ち合わせをし、先行していたスバルがウィングロードを男とモンスター……ハーピィ・レディの間に走らせ注意を向ける。 ハーピィはそのままスバルを狙おうとするが、フェイトがハーケンフォームのバルディッシュでかぎ爪を受け止めた。 「このぐらいの攻撃なら、私でも止められる……!」 自分の攻撃が効かないと気づいた瞬間その場から離れ、更にフェイトの横に並んだなのはを見て顔を顰める、 だが、次の瞬間その表情は笑みに変わり、次の瞬間ハーピィの背後が万華鏡のように輝き出す。 ――そして次の瞬間、二人はハーピィを見て驚愕することとなる。 「嘘……?」 「増えた……!?」 一瞬の間にハーピィが髪型だけを変えた三人に増え、更に金属質なボンテージを着こんでいた。 それを地上から見ていた襲われていた男は、なのは達に向かって叫ぶ。 「気をつけろ! 万華鏡―華麗なる分身―とサイバー・ボンテージを使ったんだ!」 ―ハーピィ・レディ三姉妹― 攻撃力1950 守備力2100 効果モンスター(サイバー・ボンテージの効果で攻撃力500アップ) 三匹のハーピィは息の合った動きで二人をかく乱していく、先ほどとはまったく違う動きに戸惑いながら、フェイトはなんとか反撃しようとする。 「プラズマランサー、ファイア!」 雷撃を纏った魔力球がハーピィの内一匹を襲うが、直線的なその攻撃は回避されてしまう、 だが、ハーピィが避けた先には桜色の魔力球が設置されていた。 「――!?」 「アクセルシューター!」 なのはの攻撃がまともに当たるが、ハーピィは多少ダメージを受けた様子を見せただけで倒れてはいなかった。 「そんな、なのはさんの魔力球を喰らって無事なの!?」 「は、ハーピィ・レディ三姉妹にサイバー・ボンテージを装備したら攻撃力2450……並大抵の攻撃じゃ、太刀打ちできない……」 「だから、さっきから攻撃力とか何なのー!?」 「……もしかして、あの魔物達って三匹で一匹、みたいな存在なんですか?」 男の言葉に違和感を感じたキャロが問いかける。 男は苦しそうにしながらも、それに頷いて肯定した。 「キャロ、どうするの?」 「三匹で一匹……なら、一匹だけでも切り離せれば! 連結召喚、アルケミックチェーン!」 キャロが鎖を召喚し、フェイトの背後から襲いかかろうとしていたハーピィを拘束する。 鎖をはずそうとハーピィがもがくたび、キャロの鎖はきしんでいく。 「なんて、力……なのはさん、フェイトさん、今です!」 「キャロ……ありがとう! バルディッシュ、サードフォーム!」 「いくよ、レイジングハート!」 捕らえられたハーピィへ二人は狙いをつけ、その隙を狙おうとした二匹のハーピィの目の前を魔力球が通り過ぎる。 「こっちの事も忘れてもらっちゃ困るのよ!」 ティアナに気を取られている間に、なのはとフェイトは準備を完了する。 「ジェットザンバー!」 「ディバイーン、バスター!!」 雷を纏った巨大な剣と魔力砲撃、二人の同時攻撃を受けてさすがのハーピィも倒れ伏す。 その姿を見て、残る二匹のハーピィも慌ててその場から飛び去っていった。 「やった! さすがなのはさんとフェイトさん!」 「……君たちは、いったい何者なんだ? デュエルモンスターズのキャラではないみたいだが」 「デュエ……? 私たちは時空管理局所属の魔道士です、私たちについて詳しい事は後でお話しますが、今はどこか落ち着ける場所に行きたいのですが」 こんな場所で話していてはまた何かに襲われかねない、だからといって安全な場所があるかどうかもわからないが、 わずかな期待を胸に問いかけると、男は「本当に安全か保障はできないが……」と呟いてある場所を指す。 その先には、デュエルアカデミアがあった。 続く 翔「変な世界には来ちゃうし、魔法使いなんて出てくるし、僕たちどうなっちゃうんだろう……」 十代「魔法かぁ、面白そうだよな! 俺も使ってみたいぜー!」 翔「兄貴は単純で羨ましいっす……」 次回 リリカル遊戯王GX 第二話 魔法とデュエルと謎の敵なの! 十代「ヒーローにも魔法使いとかいないのかなぁ!」 翔「素直に魔法使い族を入れるべきっす……」 十代「さあ、今週の最強カードは……って、なんかいつもと雰囲気が違うぞ!?」 なのは「今週の最強カードはこれだよ!」 サンダーレイジ 魔法カード 相手フィールドの全ての水属性か機械族のモンスターの攻撃力・防御力を半分にする。 なのは「それじゃあ、次回もよろしくね♪」 十代「あ、あんた誰だよ!?」 目次へ 次へ