約 2,188,129 件
https://w.atwiki.jp/nenrei/pages/3023.html
【作品名】仮面ライダー555 【ジャンル】特撮 【名前】草加雅人 【属性】(首の骨が折れる音) 仮面ライダーカイザ 【年齢】21歳 【長所】乾巧って奴の仕業なんだ 【短所】長所の台詞は本編では実は1回も言っていない 【備考】享年 vol.6
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1709.html
「ん……?」 グレイがこの世界に現れてから二日が経った。 彼が目覚めたのはベッドの上。それも宿屋にあるような上等なものではなく、どちらかと言うと簡素なものだ。 しばらくグレイはその場で停止する。どうやら状況を飲み込んだ上で、これからの行動を考えているのだろう。 この状況になるまでに憶えている事は、エロールによってこの世界に飛ばされたこと。続いて燃え上がる建物の中での戦闘。それからの記憶は無い。 これがどういう事かを考え、戦闘後に建物から連れ出され、ここに運び込まれたのだと結論付けた。 あの場にいた中でそれができそうなのは、白服の女、高町なのはただ一人。あの後で誰かが来たのでなければ、なのはに連れ出されたのだろう。 ふと、近くに来ていた看護婦が気付き、話しかけてきた。 「あら、目が覚めたんですね」 そう言うと、看護婦がグレイへと歩み寄ってくる。対するグレイは、その看護婦に問い、看護婦もそれに答えた。 「ここはどこだ? 何故俺はここにいる」 「ここですか? ここは聖王医療院です。あなたはミッド臨海空港でモンスターと戦って、その後ここに運び込まれたんですよ」 実に簡潔な回答。おかげで先程の考えが正しかったと証明された。 さて、グレイの頭には現在、一つの単語が引っかかっていた。『ミッド臨海空港』という単語である。 ここで言うミッドとは、おそらく彼の目的地であるミッドチルダ。つまり到着時の状況はともかく、目的地には到達できたという事らしい。 と、ここで看護婦がグレイに一つ伝言を伝えてきた。 「ああ、そうそう。あなたが目を覚ましたら伝えるように言われていたことがあったんでした。 目が覚めて、もし動けるようになったら時空管理局本局に来てほしいって、高町教導官からの伝言です」 ……本局とは一体どこだ? Event No.02『高町なのは』 目覚めてから数日後、グレイが本局ロビーの椅子に座っている。受付の順番待ちである。 普段から腰に差している古刀は無い。どうやら管理局で預かっているようだ。 先日の伝言には、本局に来たときに返すとの旨もあった。だから刀を返してもらう意味でもこちらには来る必要があったのである。 ちなみに他の荷物は病院を出る際に返してもらっている。 と、そんなことを言っている間にグレイの番が来たようだ。受付カウンターまで移動し、用件を伝える。 「高町教導官という人物に呼ばれて来た。取り次いでくれ」 「高町教導官に……ですか? ただいま確認しますので、少々お待ちください」 そう言うと受付嬢は通信モニターを開き、なのはへと連絡を取る。 こう言っては悪いが、いきなり現れてエースオブエースとまで呼ばれるような有名人に呼ばれたといわれても信用するのは難しい。 待つこと数十秒、モニターの向こうになのはの姿が映った。 「あ、高町教導官。あの実は、教導官に呼ばれたっていう男の人が来ているんですが……」 『男の人? その人って、灰色の長い髪をしてませんでしたか?』 「え? あ、はい。確かにそうでしたけど……」 その言葉になのはがしばらく考える。対する受付嬢は反応の無くなったなのはに怪訝そうな表情だ。 (もしかして、空港の時のあの人じゃあ……) 「あの……高町教導官?」 『あ、すいません。じゃあ、その人に待合室で待ってるように言ってくれませんか?』 受付嬢の表情が変わった。本当になのはに呼ばれていたのがそんなに驚くような事なのだろうか? とにかく、すぐに了承して通信を切り、グレイにその旨を伝えた。 「遅い……」 十数分後の待合室。グレイが暇そうな表情でそこにいた。 近くの本棚から本を取り出して読もうとするも、マルディアスとは文字が違うために読めない。 かといって剣の練習もこんな狭いところではできないし、術の練習もまた然り。 それ故に暇潰しすらできずに椅子に座っているほかなかった。他にできる事があるとすれば集気法で回復速度を上げるくらいか。 と、待合室のドアが開く。そこから現れたのはグレイにとっても見覚えのある女性だった。もっとも今は服装も髪型も違っていたが。 「えっと……怪我の具合はどうですか?」 「見ての通りだ。動ける程度には回復している」 まずはその女性、なのはがグレイの具合を聞き、それに答えを返す。 もっとも、動ける程度に回復したら来るよう言われていたので、ここに来ている時点である程度想像はつくのだが。 それを聞き、なのはがほっとしたような表情を浮かべて礼を言う。 「そうだ、あの時はありがとうございました」 急に礼を言われ、頭に疑問符を浮かべるグレイ。どうやら例を言われる理由がサッパリらしい。 どういうことか分からないので、なのはに直接聞くことにしたよう。 「……? 何の事だ?」 「ほら、あの時命がけでモンスターと戦ってたじゃないですか」 「その事か……あそこを出るのにあれが邪魔だっただけだ。感謝されるいわれは無い。 それより、俺を呼び出して何の用だ、高町教導官?」 グレイがそう聞くと、なのはの表情が変わる。今までの優しい顔から多少厳しい顔に。 「一つ、あなたにとって重要な話をするために呼びました」 話は空港火災の日まで遡る。 「なのはちゃん、ちょっと話があるんやけど」 「どうしたの?」 空港火災の日、そこで指揮を執っていた茶の短髪の女性『八神はやて』がなのはを呼び止めた。 表情からすると、何か真面目な話題なのだろう。いつになく真剣な顔である。 「まず、これを見てくれへん?」 そう言ってはやてが出したのは、空港内で確認された何かの反応のデータが映ったモニター。 それは人間だったりモンスターだったり、あるいは炎だったり色々である。 少しずつ時間を進めるような形でデータを進め、そしてある所で一時停止をかける。 「……ここや」 はやてが指差した箇所。その箇所には一秒前まで何の反応も無かった。一秒前までは。 だが、そこに突如人間一人分の反応が現れた。同じように転移の反応も同時に。 これが何を意味するか、理解に時間はかからない。 「え? これって、もしかして……」 「せや。転移魔法かそれとも次元漂流者かは分からへんけど、この時間に誰かがここに転移して来てるって事や」 そのまま再生ボタンを押し、その反応を追う。その反応はどうやら出口を探しながら移動しているようだ。 移動した軌道上のモンスターの反応は少しずつ減っていっている。その反応の主が倒したのだろうか? そしてある程度進んだ時点で再び一時停止。 「そして、この反応がなのはちゃんや」 そう言いながら、その反応の近くにある別の反応を指差す。どうやらこれがなのはの反応らしい。 近くには子供一人分の反応と、大物モンスターの反応もある。 「はやてちゃん、これ……」 なのははすぐに感づいたようだ。その反応の主の正体に。 そう言ったなのはに対し、はやても頷いて返した。 「これは多分、なのはちゃんが助けた灰色の髪の人の反応やろな」 そして、その詳細や目的を確かめるためになのはがグレイを呼び出し、今に至るという訳である。 「えっと……」 そういえばなのははグレイの名を知らない。そのため少し言いよどむ。 それを察したグレイが、自分の名を名乗った。 「まだ名乗っていなかったな。俺の名はグレイ」 「それじゃあ、グレイさん……ここは、あなたがいた世界ではありません」 この後の反応はなのはにも予想はできている。おそらく驚くか、あるいは現実を受け入れるのに多少考えるかの二択。 今までの次元漂流者の場合は、ほぼ全てがそのどちらかだったと、データで見たことがあったし、今まで見てきたのも大抵そうだったからだ。 だが、グレイの反応はそのどちらでもなかった。 「知っている。ミッドチルダだろう?」 その事に逆になのはが驚いた。 ここが異世界だと知っている上で、それで猶ここにいる。それはどういうことか。 いくつか思い当たる可能性はあるが、直接聞いたほうが早い。もしかしたら犯罪目的で違法に転移を行った可能性もある。 表情を若干厳しいものに変え、その疑問を口に出した。 「それはどういう事なんですか? 場合によっては、あなたを拘束しなければいけなくなるかもしれません」 これはどうやら、グレイがエロールから聞かされていた真相を話す必要があるようだ。というより、そうしないと面倒になりそうである。 意を決し、その真相を話した。 「――――俺が聞かされているのは、それで全部だ」 その話は、なのはにとっては信じがたい事であった。 何せ異世界の邪神が復活し始め、完全な復活のための力を蓄えるためにミッドチルダに来ているなどと聞かされても、どう反応すればいいのか分からない。 だが、グレイの目は嘘をついている目ではない。おそらくは真実なのだろう。 「じゃあ、一人でそのサルーインと戦っているんですか?」 相手が神だというのなら、一人で戦うのは無謀。なのに一人でいる……という事は、まさか一人で戦っているのだろうか。 なのははそう思い、グレイへと尋ねる。そして返ってきたのは否定だった。 「いや、仲間があと四人いる。この世界に飛ばされる時に散り散りになったようだがな。 ……そうだ、時空管理局……だったか? お前達の方で同じように見つけてはいないのか?」 飛ばされる時に散り散りになった四人の仲間。それがこの世界に来ているのならば、管理局の方で見つけているはず。 その事に一縷の希望をかけて同じように質問を返すが、なのはから返ってきたのは否定。 「……残念ですけど、あの日に転移してきたのはグレイさんだけでした」 「そうか……分かった」 やはり落胆しているのだろうか、グレイは声のトーンを幾分落として返す。 そうして次の瞬間には、席を立った。 「仲間を探す時間は無い。俺はサルーインを探しに行く」 それはあまりにもいきなりな事。そのせいでなのはは面食らい、のけぞる。 そのまま椅子ごと後ろに倒れるのを何とか踏みとどまり、何とかグレイを引き止めようとした。 あても仲間もないのに出発するという自殺行為を止めたいという一心で。 「待ってください! 出発するって言っても、あてはあるんですか?」 沈黙。 やはりあては無かったらしい。 「それに、相手は神なんですよね? 一人で戦って勝てる相手なんですか?」 さらに沈黙。 「あ、これは絶対無茶だ」という思考が頭を支配しているのだろう。だからといって他の手など思いつかない。 そういう事を考えていたグレイに対し、なのはがとある提案を持ちかけようとした。 「……グレイさん、管理局に協力する気は『なのはさん!』 が、急にオペレーターからの通信が入り、中断せざるを得なくなった。 「どうしたんですか?」 『例の海賊たちです! 次元航行艦が一隻襲われました!』 海賊? この世界にも海賊がいるのだろうか。 そのような疑問を浮かべるグレイを尻目に、通信で二言三言話したなのはが椅子から立ち上がる。 そしてグレイへと向け、謝罪の言葉を口にして部屋を飛び出した。 「ごめんなさい、グレイさん! 急ぎの用ができました! 後で続きを話すので、ここで待っててください!」 部屋に残されたグレイは、一人考えていた。 会話の内容からすると、その急ぎの用とは海賊退治だろう。 ならばある程度役に立つことはできるだろうし、何より待たされるのは御免だ。 そして結論……なのはに同行し、手を貸す。話の続きは移動中でも可能だろう。 その結論を出したグレイは、荷物袋から予備として持っていた武器『アイスソード』を取り出し、それを背に負って駆け出した。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1271.html
リリカルなのはFeather 第二話 「天使VS戦乙女」 「……ねぇ、ティア……何なんだろう?……あれ?」 スバルがイーグルを指し、ティアナに答えを求める。 「知らないわよ、こっちが聞きたいぐらいなんだから?!」 ティアナは混乱していて、冷静な判断力が失われていた。 ( わからない。 いま、起こっているすべてが、あたしの理解を超えてる。) 「大丈夫だよね? エリオくん」 キャロはエリオの片腕をつかみエリオに問いかける、そのエリオは。 「……すごい……」 イーグルの気高さと強さに憧れと羨望の眼差しを向けてる。 そしてヴィータはこの状況を今ひとつ掴みきれてなかった。 「なんだ、あれ? どっかの特撮の撮影か?」 ヴィータは辺りを見て、ある筈の無いカメラがあるかどうか探し、コンサートホールの上を視た時、一瞬でイーグルがスバル達の上空に現れた。 「 ど、ど、ど、どうしよう?」 スバルは急にイーグルが現れた事に驚いていた。 「嘘でしょ? 何でいきなり……現れるのよ」 ティアナは悲愴の表情でイグールを見つめて言った。 「……カッコイイ……」 「ねぇ、エリオくん、エリオくん。 お願いだか聞いてよ!」 もうイーグルの事しか考えていないエリオにとってキャロの必死の叫びは届いてはいない。 ヴィータは正常な状態ではない、スバル達を落ち着かせようとしていた。 「いいか、もしあいつが敵だとしても、あたしらが敵わないって決まってねぇから落ち着け。 それともあたしがアイツに負けるとでも想っているのか?」 そう言って、ヴィータはスバル達を見つめる。スバル達も日頃から感じてるヴィータの強さがイーグルに対する不安や恐れを消してゆく。 そしてイーグルがスバル達に所に近づいて来た。 「来やがったな、よしお前らッ! デバイスを起動させるぞ!!」 「はい!」 「グラーフアイゼン」 「マッハキャリバー」 「クロスミラージュ」 「ケリュケイオン」 「ストラーダ」 「set, up」 半壊したコンサートホールにスバル達の声が響き、それぞれのバリアジャケットとデバイスを展開した。 デバイスを構え、イーグルを迎え撃とうした時、イーグルは、一瞬でスバル達の視界から消え、スバル達の後ろに回った。 「え、そんなのあり? 」 スバルが驚きながら、後ろのイーグルに向かって言った。イーグルは気絶してる、つばさを抱きかかえ、 淡い光を発しながら飛翔の姿に戻った。決して裸ではなく服を着た状態で戻った。飛翔は辺りを見回し、一際に目立つ格好をしてるスバル達の方を見つめ、 数秒の沈黙の後、つばさを地面に置き、飛翔は恐る恐るスバル達に問いかける。 「あのー、貴方達は、何なんですか?」 飛翔の問いにスバルが必死に説明をする 「えっと、 あたし達は時空管理局本局 古代遺物管理部 機動六課のスターズ分隊とライトニング分隊で、 あっちのから、ティアナ、エリオ、キャロ、ヴィータ副隊長で、あたしがスバルだよ」 スバルは満足そうに説明を終え、飛翔を見つめる、対する飛翔は恐怖が頭を渦巻いている、 普通の一般人の飛翔がこの説明を聞いても、とても理解出来るものではない、そこにヴィータが面倒くさそうに飛翔に言い。 「はぁ~。 とりあえず、一緒に来い」 言い終えた時、シグナムがバーサーカとの戦いで出来た天井の穴から現れ、その事により飛翔の恐怖は更に増した。 シグナムも飛翔の様子を見て、状況の確認と飛翔の事をヴィータに聞く。 「なぁ、ヴィータ。そいつは誰だ、先程から今にも死にそうな顔をしてるのだが。 あと、ここで暴れて居た怪物はどうした?」 「あぁ、コイツ?変身ヒーロで怪物もコイツが倒した」 ヴィータの答えにシグナムは困惑した。 シグナムの眼から見ると、怪物を倒せると到底理解出来る物では無く、更にヴィータの変身ヒーロとゆう言葉が寄り困惑を招いた。 「ちょと待て、ヴィータ。その変身ヒーロとは具体的に何だ?」 「えっと、めちゃくちゃ速いスピードと炎使いで剣も使ってたぞ」 「なに、それは本当か」 シグナムから困惑は消え、変わりに歓喜と好奇心がシグナムを支配した。 自分と同じ炎使いで剣も使う物、その言葉にシグナムはとっては行けない行動を起こした。 レヴァンティンを飛翔に向けた、その事により飛翔は錯乱状態に陥り、勝手に左手のゴッドフェザー が覚醒し、 飛翔をライディーンイーグルに成った。 「おお、これがお前の力か?なかなか強そうだな!」 そお言い、嬉しそうにレヴァンティンを構えるシグナムの視界からイーグルが消え、次の瞬間シグナムの騎士甲冑ごとを斬られいた。 「何しやがんだ、テメェ!」 ヴィータはイーグルを激しく睨んだ。対するイーグルは冷たい視線でスバル達を見つめ。 「貴様らは、敵だ」 虚ろな声で言い、イーグルは又スバル達の視界から消え、エリオ、キャロ、ティアナを炎を纏った拳で殴り、バリアジャケット でも吸収できない、衝撃が3人を襲い、気を失った。その光景を見たヴィータは怒りの儘にイーグルに向い、イーグルも天井の穴から屋外に出て ヴィータを迎え撃つ。 「テメェだけはゆるさねぇ!!」 ヴィータの怒声とコッキング音が響き、ハンマーフォルムからラケーテンフォルムへ変形し、イーグルに攻撃を仕掛ける。 「はぁぁぁ!」 「ハァッ!」」 ヴィータの怒りに任せた攻撃は全てイーグルにかわされ、隙を突いてヴィータの騎士甲冑を切り刻んでゆく、 その事にヴィータの怒りが増し更に隙が多くなるとゆう悪循環が続く。 スバルは斬られたシグナムに駆け寄り、シグナムを気遣った 「大丈夫ですか?シグナム副隊長」 「あぁ、大丈夫だ、斬られた傷もそれ程、深くはない。私達もアイツを倒す」 「は、はい」 シグナムとスバルはイーグルとヴィータが戦っている、コンサートホールの上空に向う。 イーグルはヴィータに止めを刺そうとしてた。 「イーグルフレアー」 そう叫んだ瞬間、背後からシグナムとスバルの攻撃を受け、イーグルフレアーは軌道を反れ、ヴィータに当たらなかった。 シグナムが叫んだ。 「ヴィータ、スバル一気に方をつけるぞ!」 「おう」 「はい」 そして3人、それぞれの必殺技に撃つ。 「飛竜……一閃」 「ラケーテンハンマー」 一撃、必倒! ディバイン……バスタァァー!!」 三つの必殺技がイーグルに迫る、イーグルは虚ろの声で囁く 「ゴッドバードチェンジ」 イーグルは一瞬で炎の鳥に変わり、その姿にスバル達も驚いていた。 三人の必殺技とイーグルのゴッドバードアタックがぶつかり合い、相殺して4人は気を失なう。 少し時間経ち、コンサートホールにロングアーチの隊員が証拠隠滅と気を失っている、スバル達の回収を行っている。 「急げ、時間がない」 上司の男が部下を命令してる時、ある隊員が飛翔を発見し上司の男に報告する。 「隊長、この者に魔力で攻撃された箇所が多数見受けられます」 上司の男も困惑気味で話す。 「と、とりあえず、この男をクラウディアに連れて行く」 部下は飛翔を運び出そうとしたがつばさを抱きしめてた腕が解けずに上司の男に相談する 「隊長、この男が抱きしめている女の子は如何すれば良いのでしょうか?」 上司の男は焦りながら 「もう時間が無い、一緒に連れてけ!」 そして飛翔はクラウディアの客室で眼を覚ました。 「おはよう、鷲崎飛翔くん」 はやては微笑みながら、飛翔の名を呼んだ。 「何で俺の名前を知ってるんですか?」 飛翔は平常心を装っているが内心は気が気ではない。 「別に、ただ、君のことを調べただけや。名前以外の事も知ってるよ」 はやては笑顔で飛翔の質問に答えた、その答えに飛翔は驚き、ある言葉が頭に浮かんだ、時空管理局。 「貴女もあの人達の仲間なんですか?」 飛翔はあの時の恐怖が甦り始めた。はやてはそれに気付き、飛翔に謝りだした 「あー、あれはこっちが悪いはかんにんな。あないな事が遭った、後にいきなり管理局やら剣を向けって、本当にごめんな」 不思議そうにはやてを見る飛翔。 「で、物は相談なんせやけど、時空管理局に入ってみない?」 飛翔は突然の勧誘に驚き、思考が数秒間停止した。 「あー、ごめんな、いきなりこんな事、言うて。でも良い話と想うけどな」 はやては飛翔に何か言いたそうにしている、それに気づき飛翔は、はやてに尋ねる。 「何ですか、良い話って」 「プライベートな事に口を鋏むのはあまりしたく無いけど……飛翔くんの両親、交通事故にあって 意識不明の重体でしょ。」 はやての言葉に飛翔は驚愕する、はやても話を続ける。 「そして、今は親戚の叔母さんの所に住んでるけど、あまり迷惑は掛けたくない? でも、つばさちゃんを面倒見るには衣食住とお金が要る、だから叔母さん家に居なきゃいけない、でも管理局に来れば お金と衣食住すべて手に入るんや、良い話と想わないかな?」 はやては問い掛ける、飛翔も叔母さんに迷惑をかけずに居られるならそれで良いと想い。 「分かりました、管理局に入ります」 「ありがとう、飛翔くん」 はやては飛翔と握手をして、満面の笑みであった、ただ一瞬、邪な笑顔がちらついていた。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/312.html
「それでは、フェイトちゃんの嘱託魔導師試験合格を記念して・・・」 「乾杯!」 アースラ艦内では、本局で試験を終えたフェイトのささやかな祝賀会が開かれていた。最低限のオペレーター以外は食堂に集合し、そ の主役のフェイトはその中で恥ずかしそうにしつつ、皆に持ち上げられていた。 「あ・・・ありがとございま」 「飲めー!歌えー!騒げー!デストローイ!!!」 「ハイ、ハイ、ハイハイハイハイリンディ提督のちょっといいトコみてみたーい!!!」 「YEAAAAAAAAAAAAAAAAAAHUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!」 ささやかと言うには騒ぎ過ぎである。この艦の理性でもあったクロノ・ハラオウンがいないと言う事はこれほどまでに混沌を呼ぶのか。 「どーしたのー?フェイトちゃんの為の宴なのに~」 「リンディ提督、いえ、その・・・うわ、酒臭」 「ぶふ~ん、リンディママに全部話して御覧なさ~い、っていうかなのはちゃんでしょ~?」 「・・・はい」 その時、通信音が響き、ヘッドセットをつけっぱなしのエイミィが出た。 「はいはい~ああ、クロノ君?」 通信に応対するエイミィのさりげない言葉に戦慄が走り、全員が一瞬で凍りつく。 「うん、今フェイトちゃんの試験終わって・・・え?組織の人と連絡取りたい?わかった・・・最寄の電話ボックスと組織の人を繋ぐから」 「組織・・・?」 フェイトがリンディに怪訝な顔をして尋ねる。リンディは少々顔を引き締める。 「ええ・・・クロノとなのはちゃんには今、捜査の依頼が来ていたからそちらに向かってもらっていたの、後数時間で定期連絡が来るだろう し、その時に一度戻ってもらうように言っておきましょうか?」 「いえ・・・大丈夫です、ですが」 フェイトは真っ直ぐにリンディを見つめ、言った。 「私の方から会いにいきます」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ネアポリス市内のケーブルカー 車掌の笛の音が響く。 「ふぇぇー!!待ってぇ!待ってください!」 ドアが閉まりきる前に間一髪滑り込んだなのは、周りの乗客の注目の的となり、軽く誤魔化し笑い。 「危なかったぁ・・・」 「もう少し待ってくれてもいいよね・・・外国の交通はしんどいよ・・・」 席を探すなのはとユーノだがその最中とんでもない人物を見つけてしまった。 「あ」 「あ」 「あ」 先程空港で自分達を騙した人物・・・ジョルノ・ジョバーナと聞いた彼がボックス席にいた。 「えと・・・座ってもいいですか?」 「え?いや、ああ、どうぞ・・・」 ジョルノと向かい合って座るなのは、荷物は通路側に置く。なのはの横の座席にユーノがちょこんと座る。 「君は・・・いや、覚えてないのか・・・?」 「さっき、空港で会った、ジョルノ・ジョバーナさんですよね?」 「・・・ああ、そうだけど・・・」 「荷物・・・無いんですか・・・」 若干落胆した顔を見せるなのは、ジョルノはそこで話を切り出す。 「その・・・さ、こう言うのは何だけど君は危機感が足りないように思えるんだ、僕が泥棒まがいの事をしていると知っているならわざわざ近寄ったりしないと思うし、荷物だって抱えて持つほうが安全じゃないか?」 「じゃあ、また盗むんですか?」 流石のジョルノも頭痛を覚えた。 「出来るなら今やってみてください」 「(なのは・・・ちょっと怒ってる・・・?)」 「(うん)」 念話での会話すら・・・いや、念話だからこそなのはの静かな怒りが伝わってきた。元よりなのはは曲がった事が嫌いであった、如何なる 理由があっても、どんな境遇であろうと、犯罪に手を染める事を許せない、頑固で真っ直ぐな性格であった。 「出来るのなら今すぐに、盗んでみてください」 「・・・なら、遠慮無く」 ジョルノは即座になのはの荷物を掴む、だが、そこまでだった。 「これは!?重い・・・!!」 出発前 「はいこれ、なのはちゃんは女の子だから色々入れなきゃいけないでしょ?盗まれたりするかもしれないし、特性のスーツケースを用意したのよ」 「なのはちゃんの魔力波動を登録すれば他の人には開けるどころか持つ事すら出来ないようにしてみたよ、開けっ放しには注意してね」 「ありがとうございます、エイミィさん、リンディさん」 「提督・・・僕には・・・」 「それじゃあいってらっしゃい」 「・・・はい・・・」 ジョルノは自分の判断が間違っていた事に気付いた。 この少女は・・・危機感が無いのではない。 危機感を持って、あえてこの場所にいるのだ・・・と 「そうか、お前がジョルノ・ジョバーナか・・・」 そんな中、唐突に話しかけてくる男がいた。ケーブルカーの上の方からゆっくりと歩いてくる、おかっぱ頭の男。 「・・・あんた、誰です?」 「あ、すみません、今ちょっと取り込み中なのでお話なら後にして・・・」 なのはの言葉が途切れる、そばで見ていたユーノは男がなのはに向かって手を突き出したのを見た。 「すまないが・・・ちょっと話したい事があってね、少し時間をもらうよ」 男がすぐに手を離した、にも拘らずなのはは口を塞がれたかの様に呻いている。 「むぐッ!?むぐう!!?」 『ジッパー』がなのはの口に縫い付けられている所為で喋れないのだ。 「ば、馬鹿な!?こんな事が・・・」 「ジョルノ・ジョバーナ、率直に聞きたい・・・このような能力を使う者を見た事は無いか?」 「この様な・・・他にも能力を持つ者がッ!!」 殴った。振り下ろすような拳がジョルノの顔を打ち抜く。 「質問はいらない、ただ答えればいい・・・ここ数日ギャングの中で腕に心得のあるやつが連続して狙われている・・・俺の仲間もその襲撃にあっている、それはどうやら特異な能力を持った奴らが、何らかの目的で集中してここ一帯を狙っている・・・という事なんだ・・・」 「・・・」 「お前が空港周辺で稼いでいるのは知っている・・・だから、妙な奴が来たなら一番お前が詳しいと思ってな・・・」 「・・・魔術士連続襲撃事件か」 「(ゆ、ユーノ君!)」 男が声の方向に向き直る、しかしフェレットであるユーノを当然無視してなのはへと。 「今のは君の声かい?オカシイ、な?口を閉じているのに喋るなんて・・・それに何やら・・・連続襲撃事件と聞こえたが気の所為かい・・・?」 「(ごめんなのは・・・!!)」 「・・・」 なのはは何も言わずじっと堪えた。男はそれを恐怖で緊張していると感じ取ったのか、少し優しい口調で 「じゃあ一つだけ答えてくれないかな・・・?俺の言ったギャングが連続して狙われている事件について、君は心当たりがある・・・イエスかノーか首を動かして答えてくれ」 イエスと応じれば、当然更なる追及を受けるだろう。 ノーと応じれば・・・解放してはくれないだろう、解放してくれたとしても背後関係を洗われる。 どちらも選べない状況で逡巡するなのは、顔に一筋流れる汗を ベロンッ! 男が舐め取った。 「!!??!?!?」 「(こいつ・・・!!)」 「・・・」 「俺ね・・・人が嘘をついてるかどうか汗の味で解るんだ・・・この味は答える事に嘘・・・つまり答える事を隠したい・・・って事」 今度はなのはの肩口から二の腕の辺りまでがジッパーで大きく開かれた。 「ムゥー!!ムグゥー!!」 なのははすっかり気が動転していた。無理も無い、こんな身の危機では成人男性ですら悲鳴を上げて逃げ出す程だ。 「もう少し、話を聞く必要があるようだな・・・俺の名はブローノ・ブチャラティ・・・あまりにだんまりが続くようなら質問を『拷問』に変える必要があるぜ・・・」 「(なのは!!目くらましと解呪をセットでぶつける!!この場は脱出だ!)」 念話の声に理性を取り戻すと同時に、閃光弾の様な光が炸裂した。 「ぐぅっ!!?」 「うああッ!!」 ジョルノとブチャラティが目を押さえて仰け反る。 解呪によって身体のジッパーが無効化した事を確認すると、脱出経路を探そうと目を走らせた刹那、なのはに見えた。 『Protection』 窓の外で鉄槌を振りかぶる少女の姿が 「おらあああぁぁぁ!!!!」 窓ガラスを突き破って来た少女の鉄槌がなのはのプロテクションに食い込み・・・ぶち破った。 衝撃でそのまま反対側の壁まで吹っ飛ばされるなのは 「っかはっ・・・」 瞬時にバリアジャケットを展開していなかったら壁に叩きつけられて気絶していただろう・・・同時にレイジングハートを展開し、対峙するなのは。 「誰なの!?」 「命はもらわねぇ・・・おとなしくやられてくれ」 to be continue・・・ 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/31.html
魔法少女リリカルなのはStrikerS 第5話 【星と雷】 キャロ「私の新しい居場所。大好きな人と、優しい人がいっぱいいる場所。 だけど、どこかでまだ迷ってる。きっと、自分のことが怖いから。 一緒に戦うパートナーと一生懸命な先輩たちと、きっと私と同じ思いを持った優しい子。 迷っていられない。決めたから。自分がこれから進む道。魔法少女リリカルなのはStrikerS…始まります」 なのは「ヴァイス君、私も出るよ。フェイト隊長と二人で空を押さえるっ!」 ヴァイス「うっす、なのはさん。お願いします」 なのは「キャロ。大丈夫、そんなに緊張しなくても。離れてても通信で繋がってる。一人じゃないから。 ピンチの時は助け合えるし、キャロの魔法は皆を守ってあげられる、優しくて強い力なんだから。…ね?」 リインフォースII「任務は二つ。ガジェットを逃走させずに全機破壊すること。 そして、レリックを安全に確保すること。ですから、スターズ分隊とライトニング分隊、 二人ずつのコンビでガジェットを破壊しながら、車両前後から中央に向かうです。 レリックはここ。7両目の重要貨物室。スターズかライトニング。 先に到達したほうがレリックを確保するですよ!」 リインフォースII「デザインと性能は、各分隊の隊長さんのを参考にしてるですよ。ちょっと癖はありますが、高性能です!」 局員「確かにすさまじい能力を持ってはいるんですが、制御がろくにできないんですよ。 竜召還だって、この子を守ろうとする竜が勝手に暴れまわるだけで。 とてもじゃないけど、まともな部隊でなんて働けませんよ。せいぜい単独で殲滅戦に放り込むぐらいしか」 フェイト「ああ、もう結構です。ありがとうございました」 局員「それじゃあ」 フェイト「いえ。この子は予定通り私が引き取ります」 キャロ「私はこれからどこへいけばいいんでしょう?」 フェイト「それは君がどこに行きたくて何をしたいかによるよ。キャロはどこに行って何をしたい?」 なのは「発生源から離れればAMFも弱くなる。使えるよ!フルパフォーマンスの魔法が!」 はやて「スターズの三人とリィンはヘリで回収してもらって、そのまま中央のラボまでレリックの護送をお願いしようかな」 リインフォースII「はいですぅ!」 グリフィス「ライトニングはどうします?」 はやて「現場待機。現地の職員に事故処理の引継ぎ」 次回予告 なのは「初出動を終えて、日々の訓練もちょっとレベルアップ」 フェイト「そして事件は少しずつ、ひそやかに、その姿を現していく」 なのは「次回魔法少女リリカルなのはStrikeS第6話」 フェイト「進展」 なのは&フェイト「Take off!」
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1527.html
新暦71年4月29日、この日、ミッド臨海空港が炎に包まれた。 それは初めは小さな火だったが、すぐに建物全てに燃え広がる業火と化した。 炎は逃げ遅れた人々を遠慮なく焼き、その命をデスの下へとへと引きずり込む。 この青い髪の少女『スバル・ナカジマ』もまた、その炎に包まれた空港の中にいた。 「お父さん……お姉ちゃん……」 スバルは泣いていた。 父を求め、姉を探し、既に火の海と化している空港内を彷徨いながら、ただ泣いていた。 死の恐怖や孤独、もちろんそれも泣いている理由には含まれるが、他にももう一つ理由がある。 先程炎の中で一瞬だけ見えた、炎を纏った人型の巨大な何か。それが辺りに火をつけながら移動するのを確かに見た。 おそらくあれが、ミッドチルダで最近確認され始めた異形……モンスターなのだろう。 モンスター達が多くの人々を殺す。その事実がスバルが泣くのに拍車をかけている。 自分も殺されるのだろうか? 瓦礫の爆発がスバルを吹き飛ばしたのは、ちょうどそんな事を考えていた時であった。 爆風は子供を吹き飛ばすには十分すぎるほどの威力。その爆発によって、スバルは天使像の正面まで吹き飛ばされた。 「痛いよ……熱いよ……こんなのやだよ……帰りたいよぉ……」 スバルはただ、泣いていた。 光がやみ、次にグレイが見たものは辺りを焼き払う炎。 彼は辺りを見回し、落ち着いて自分の今置かれている状況を確認する。 まず理解したのは、ここが建物の中だということ。広さはミルザブールの街にあった城と大体同程度だろうか。 次に理解したのは、どうやら今は何らかの理由で火事になっているということ。 真っ先にイスマス城での事件を思い出すが、あれはモンスター軍団の襲撃によるもの。これとはおそらく無関係だ。 続いて装備を確認。自分が使っていたディステニィストーン『邪のオブシダン』と『水のアクアマリン』がなくなっていた以外は万全の状態だ。 そして最も重要なこと……一緒に来たはずの仲間が周りにいないということを理解。 転移の時に事故でも起こって散り散りになったのか、それともグレイから見えないだけで近くにいるのか。今はそれを確認できる状況ではない。 「……全く、エロールもふざけた事をしてくれる」 とにかく出口を探すべく、すっかり手に馴染んだ古刀を手に歩き出した。 Event No.01『ミッド臨海空港』 ピシィッ。 天使像の根元にヒビが入る。それも不幸なことに傾いている方向は正面……すなわち、スバルのいる方向だ。 だが、当のスバルはそれに一切気付かない。今もこの場で泣き続けている。 「助けて……誰か、助けて!」 ここにはいない誰かへと助けを求めるが、それを聞き届けられる者は誰もいない。 さらに悪いことに、それを嘲笑うかのようにヒビが像の表面へと面積を広げていく。そして―――――ビキィッ。 スバルが音に気付き、後ろを見る。そしてその目に自分への直撃コースで倒れてくる像を見た。 自分の死が確実になっていると本能で理解し、とっさに目をつぶってうずくまる。そんな事をしても何にもならないと分かっているのに。 そして、その像はスバルを―――― 【レストリクトロック】 ――――押し潰さなかった。 「よかった、間に合った……助けに来たよ」 いくつもの光の輪が、倒れこむ天使像を縛り上げて落下運動を封じる。 その後ろ上方には、白い服に身を包んだツインテールの女性……『高町なのは』の姿。彼女の使った魔法が像を止めたのである。 そしてなのははスバルの所まで下りていくと、優しく笑ってスバルを安心させる。 「よく頑張ったね、えらいよ」 死を覚悟したときに来てくれた助け。それはスバルの緊張の糸を切り、再び泣かせるのには十分だった。 但し、今度の涙は先程までのものとは全く違い、恐怖ではなく安堵で流したものだが。 「もう大丈夫だからね……安全な場所まで、一直線だから!」 『上方の安全を確認』 防御魔法『プロテクション・パワード』で護られたスバルを背に、なのはが愛杖『レイジングハート』を構える。 レイジングハートが上空を確認。彼女(AIが女性の人格なので、彼女としておこう)が言うには、上は安全。 それはつまり――――思い切りブチ抜いても問題は無い、という事だ。 「レイジングハート、一撃で地上まで撃ち抜くよ!」 『All light. ファイアリングロック、解……』 空港の天井をブチ抜くべく、デバイスの制限であるファイアリングロックを解除しようとする。 だが、その寸前にレイジングハートが何かの反応を検知。一瞬の後にはその正体を理解し、なのはに報告していた。 『マスター、人間とモンスターの反応を確認しました』 「え!? レイジングハート、数と方向は?」 『数はそれぞれ一つずつ。うち一つはあの少女のいる方向から接近していまs「グオオオォォォォォォ!!」 レイジングハートがそれを言い終える頃には、既にそのモンスターが近くまで来ていた。 魔族系モンスターの中でも高位に位置する炎の魔人『イフリート』。それがそのモンスターの名だ。スバルが見たモンスターというのもこいつである。 「あ、ああ……」 スバルの顔に恐怖が蘇り、へたり込む。 だが、そんな事など知らぬとばかりにイフリートが拳を振り上げた。 【ヒートスウィング】 拳を思い切り横に振り抜き、炎を纏った拳撃を放つイフリート。それを見たスバルは反射的に目をつぶる。 だが、どうやら今日のスバルは「潰されそうになるが潰されない」というパターンに縁があるらしい。 あらかじめなのはが張っていたプロテクション・パワードがスバルを護る。いくらイフリートの攻撃でも、さすがに一発や二発では壊れはしない。 「グルルルゥゥゥ……」 防がれたことを本能で理解するイフリート。どうやらかなり苛立っているようだ。 だが、執念深いモンスターはその程度では諦めない。再び拳を振り上げる。 どうやら一度で駄目なら壊れるまで叩くつもりのようだ。 そして再び―先程までは気付かなかったが、斬撃の痕がついた―拳を振り下ろした。 「させない! アクセルシューター……」 それを視認したなのはが、すぐさま自身の周囲に光弾を形成。その数、およそ十。 目標、スバルへとヒートスウィングを繰り出そうとするイフリート。光弾の発射準備完了。 「シューーーート!」 そして、一斉発射。 その光弾は狙い過たず(外れていたとしても遠隔操作できるが)イフリートへと接近し、そして―――― 【アクセルシューター】 【強撃】 まるで示し合わせたかのようなタイミングで、なのはの魔法ともう一つの反応の主……グレイの斬撃が決まった。 時間は少し遡る。 グレイはこの世界に着いてから、ずっと空港からの出口を探していた……が、一向に見つからない。 まあ、彼はここの構造を知らない上に、出口に繋がっているであろう道も炎や瓦礫で閉ざされているのだから当然ではあるのだが。 おまけにマルディアスにいた炎関連のモンスターまで襲い掛かってくるのだから、そのせいでさらに時間が浪費される。 ……と、またモンスターが近寄ってきた。外見からしておそらくはイフリート。だとすればかなり厄介な相手である。 幸い、以前戦った時にイフリートは聴覚で相手を探しているということを知ったので、やりすごすのは楽だ。一対一でこんなものの相手をするのはかなり骨である。 息を殺し、身を潜め、イフリートが通り過ぎるのを待つ。そしてイフリートが通り過ぎ……る前に、あるものを発見。 グレイがその目に捉えたのは、泣きじゃくるスバルの姿。悪いことにイフリートの進行方向にいる。 彼は必要とあらば人殺しすら厭わない性格だが、さすがに目の前で子供が襲われるのを見過ごすほどの冷血漢ではない。 【光の腕】 だからこそ、刀からの光線をイフリートめがけて放った。 それは見事に直撃し、さらに着弾箇所がパァンと起爆。イフリートを怯ませる。 この行動は、スバルが助かったという意味では吉だったが、グレイにとってはおそらく凶。今のでイフリートに気付かれてしまった。 戦闘開始である。 【払い抜け】 先手を取ったのはグレイ。刀を構え、素早く横をすり抜けるように斬りつける。 そしてその勢いに乗ったまますぐに離脱。何せ相手がどれ程の怪力かは身をもって知っているのだ。喰らったら到底ただでは済まない。 ふと、熱と焦げ臭いにおいを感知。発生源である右腕を見ると、火がついていた。 「ちっ……なるほど、セルフバーニングか」 火を消しながら、この火の原因を理解する。そういえばイフリートは常時火の防御術である炎のバリア『セルフバーニング』を張っていた。 幸い火のダメージも、皮膚の表面が少し焼けただけで大したことはない。 いずれにせよ、下手に近付けばセルフバーニングで焼かれる。ならば離れて光の腕などで攻撃すべきか? そう考えていると、いつの間にかグレイの体が宙に浮いていた。そのままイフリートの正面へと引き付けられる。 (まずい……!) グレイは何度かこの技を見ていたし、受けたこともあったからその正体を知っている。 この技は高位の大型魔族が扱う大技『コラプトスマッシュ』。簡単に言えば目の前まで相手を浮かせ、ラッシュを叩き込むという技だ。 だからこそ、すぐに離れようとするが体が動かない。どうやら念力か何かで引き寄せているようだ。 【コラプトスマッシュ】 ズドドドドドドドドドォン! グレイの体にイフリートからのラッシュが入る。一発だけでも相当の威力があると音で分かるような打撃だ。並の人間なら軽く死ねるだろう。 そのままラッシュの勢いを殺さずにグレイを放り投げ、空港の床へと叩きつけた。その箇所を中心にしたクレーターの出来上がりである。 これで死んだだろうと思ったのか、イフリートがグレイへと背を向けてスバルの方へと歩いていった。 だが、イフリートは一つ大きな誤算をしていた。 「まだ、だ」 それは、グレイがこれで死ぬほどやわではないということ。 確かに普通ならこれで死んでいた。だが、グレイは長旅の間に大いに鍛えられていたのだ。それこそイフリートのような高位モンスターとも真っ向から戦える程に。 もっとも、これでダメージが少ないという訳ではない、というかむしろかなりのダメージを受けているのだが。 イフリートはそんなグレイに気付かず、スバルへと接近。そして咆哮。ヒートスウィングを繰り出すが、それはプロテクション・パワードで止められた。 一方のグレイは刀を杖代わりにして立ち上がり、再び構えてイフリートへと駆ける。 そして、イフリートが二発目のヒートスウィングを放とうとした時―――― 【アクセルシューター】 【強撃】 全くの偶然だが、なのはの攻撃と同時に強烈な一撃を見舞った。 「人……? レイジングハート、もしかして」 『先程キャッチした反応と一致。どうやら彼があの反応の主のようです』 なのはがグレイの姿を見て、先程のレイジングハートの報告を思い出す。そういえば人間とモンスターの反応が一つずつと言っていた。 すぐにその事を問うと、返ってきたのは肯定の意。どうやらもう一つの反応の主はグレイで間違いないらしい。 手に持っている刀と状況から察するに、おそらくイフリートの腕に斬り傷を付けたのも彼だろう。 そのような事を話している間にグレイがなのはに気付き、言葉を発する。 「あの子供とは別の人間だと……?」 グレイが知る限りでは、先程までなのはの姿は無かった。それなのにここにいる。 ならばスバル同様にここに迷い込んだか、もしくは何かの目的があってここに乗り込んできたか、である。 この火災を起こした張本人という可能性も一瞬考えたようだが、それを考え出すとキリがないのですぐに切り捨てた。 それに……今はそんな事を考えている場合ではない。なぜなら、 【ヘルファイア】 イフリートはこの二人の思考が終わるのを待つほど律儀な相手ではないのだから。 なのはとグレイ、この二人からの攻撃はイフリートをキレさせるには十分。怒りに任せて火炎弾を放った。 グレイはこうなることも予想していたのか、重傷の体にムチ打って回避する。 【プロテクション・パワード】 一方のなのはも、すぐさまプロテクション・パワードを展開。ヘルファイアを受け止めた。 このバリアはヒートスウィングでも受け止められる程の強度を持つ。ならば最下級クラスの攻撃術くらい、防げない道理は無い。 「魔法盾だと? イージス……いや、セルフバーニングか?」 それを見たグレイが驚く。このような術はマルディアスでは見たことが無い。 一瞬セルフバーニングや盾を作り出す土の防御術『イージスの盾』が頭に浮かぶが、どちらとも全く違う……ならばこの世界特有のものだろうか? いずれにせよ、こんな事を考えている場合ではない。それよりもイフリートをどうにかする方が先だ。 炎の中で炎の魔物を相手にする事ほどの下策は無い。外に放り出せば少しはマシになるだろう。 だが、グレイ一人では到底無理だ。今の満身創痍の状態はもとより、万全の状態でも厳しいだろう。 キレたイフリートの打撃を避けながら、どうやって放り出すかを考える。クリーンヒットを喰らうのと策を思いつくのでどちらが先かと思いながら。 【アクセルシューター】 「アクセルシューター、シュート!」 声とともに形成された五つの光弾が、イフリートの背に突き刺さる。声の主はなのはだ。 イフリートの出現により救助が遅れているので、いいかげんに何とかしないとここにいる二人も助けられないと思ったのだろうか。 そのままカートリッジをロードし、さらなる光弾を形成して立て続けに撃ち込む。何度も撃ち込めばさすがに参るはずだ。 ちなみに遠くからの攻撃なのでセルフバーニングの影響は無い。セルフバーニングで防げるのは炎のみなのである。 これらの攻撃は確かに効果はあった。だが、それは同時にイフリートの怒りを増幅させる。 次の瞬間、なのはの動きが止まった。その体勢のまま浮き上がり、イフリートの前へと引っ張られる。 これはもしかしなくてもコラプトスマッシュの予備動作。このままいけば徹底的にボコボコにされるだろう。 結果だけ言えば、なのははボコボコにはされなかった。 【かぶと割り】 初撃が打ち込まれる前に高く跳んだグレイが、そのまま頭をかち割るかのような一撃を見舞ったのだ。この体のどこにそんな力が残っているのだろうか。 さすがにこれには参ったのか、イフリートの束縛が外れる。その隙に距離を取った。 さらにその近くにグレイが着地し、なのはが礼を言うより前に問うた。 「おい、奴を遠くに吹き飛ばす術はあるか?」 「え……はい、それならいくつか持ってます(術……? 魔法のことかな?)」 術という聞き慣れない単語に首をかしげるも、おそらく魔法のことだろうと思って返事をする。 なのはの持つ魔法には『ディバインバスター』や『スターライトブレイカー』といった砲撃が存在する。これならばイフリート相手でも遠くへ吹き飛ばすくらいはできそうだ。 そしてその答えに満足したのか、グレイは先程思いついた策を話した。 「あの人達も、モンスターと戦ってくれてる……なのに、私は……ッ!」 スバルは未だ、泣いていた。但し、先程までの恐怖とも安堵とも違う理由で。 あの二人はあんな大物モンスターと戦っている。それも、なのはの方は間違いなく自分を助けるために。 それなのに自分は何も出来ない。それが悔しくて泣いているのだ。 もちろん、何の力も無い自分が行っても一撃でハンバーグにされるのは目に見えている。だが、それでもだ。 「もう嫌だよ、泣いてばかりなのも、何もできないのも……」 【腕力法】 気の補助術『腕力法』で腕力を高め、疾駆。後方ではなのはが杖の先端に魔力のチャージを始めている。 このまま斬りかかって来るかと思ったのか、イフリートが腕を横薙ぎに振るおうと構える。 が、その腕は結果的に空中を空振ることになった。 グレイが床に刀を突き立て、結果的にそれが軽いブレーキとなって減速。結果、そのままなら命中するはずだった腕はむなしく空を切った。 そして、それが大きな隙となってイフリートの命運を決めることとなった。 【天狗走り】 床から刀の切っ先が離れ、それが大きな反動を生む。 そして反動は巨大な運動エネルギーを生み、イフリートの体を直撃した。 エネルギーをその身で全て受け止めることになったイフリートは当然耐えられるはずもなく、空高く舞い上がった。 命中と同時に左腕が燃え上がるが、すぐに腕を振って鎮火する。 そして、その時こそがなのはの待っていた好機。すぐさまレイジングハートを空中のイフリートへと向け、そして叫んだ。 「ディバイィィィーーン…… 【ディバインバスター】 ……バスタァァァァァーーーーーー!!」 閃光。 レイジングハートの先端に集められた魔力が、光の砲撃となってイフリートへと飛ぶ。 砲撃はそのままイフリートを飲み込み、それだけでは飽き足らず天井をブチ抜く。 その結果、天井にはそのまま脱出路に使えそうな大穴が空いた。姿の見えないイフリートはおそらくそこから放り出されたのだろう。 一方の外……正確には空港付近の海面。 「グギャアアアアアアァァァァァァァ……」 海上へと浮かび、これから地獄に堕ちるような悲鳴を上げるイフリートがいた。 イフリートの体は大部分が炎でできている。それが大量の水でできている海に落ちたとすればどうなるか? 答えは簡単。今のイフリートのように体の炎が消え、そのままあの世へと逝く、である。 そうしてイフリートは消えていく体の炎とともに命も消した。 「こちら教導隊01、エントランスホール内の要救助者、女の子一名と男性一名を救助しました」 空港上空。なのはがグレイとスバルの二人を抱えて飛んでいる。ちなみにグレイの意識は無い。 コラプトスマッシュを喰らってボコボコにされ、さらにそこから無茶な戦闘。気の回復術『集気法』を使う間もなく気絶するのは無理もないだろう。 そして二人を抱えているなのはだが、その状態でも平気な顔をしている。一体どこにそんな体力があるのだろうか? 『ありがとうございます! でも、なのはさんにしては時間がかかりましたね』 相手の通信士がはずんだ声で答える。が、それと同時に疑問を返した。 救助に向かったのはエースオブエースとまで呼ばれる程の腕利きの魔導師。それにしては少し救助に時間がかかっている。 大方、要救助者がなかなか見つからなかったのだろうと思った通信士だが―――― 「……中にモンスターがいたんです。多分、かなり強力な」 ――――全く予想もしない形で返された。 『モンスター!? 何でそんなものが空港に……』 いくつかの疑問が浮かぶが、とりあえずそう聞き返す。 それに対し、なのはが返したのは沈黙。彼女にも理由などというものは分からない。 「……とにかく、西側の救護隊に引き渡した後、すぐに救助活動を続行しますね」 そう言うと、なのははすぐに救護隊の元へと飛んでいった。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/311.html
南イタリア ネアポリス空港 両替所にて、クロノはある程度まとまった金を両替した。 「すまない、市内までタクシー代はどれくらいかかるだろうか?」 「4000~5000ってとこかね」 「そうか、ありがとう」 金を財布に入れ、もう一人の同行人の元に戻ると、札束の半分辺りを手渡す。 「おおよそ、10、20万あるはずだ、ある程度雑貨品も買い込む必要があるし足りなくなれば言ってくれ」 「お金の管理はちょっと苦手かも…ユーノ君お願い出来るかな?」 「いいけど、持つときは複数の場所に分けてね、スられた場合の保険に」 肩にフェレット、ユーノを乗せた高町なのは。いつもの制服ではなく私服なので、多少は周りに溶け込めていた。 「こういう服はあまり着た事無いから…ちょっと慣れないな」 「似合ってるよクロノ君、普通の人みたい」 「いや、普通の人だが」 対してクロノはいつもの執務官服ではなく、黒の上下に藍色のジャケットを羽織っていた。 二人とも少々大きめのスーツケースを引いている。ぱっと見は単なる旅行者以外の何物でもない。 「普段は普通に見られていなかったのか…」 「さて、タクシーで拠点に向かおうか、なのは」 がっつりと落ち込むクロノはあえて無視する。 「そ…そうだね…」 「ねえ、タクシー探してる?」 二人(と一匹)に声をかける者がいた。 「アルバイトでこれから帰る所だから安くしておきますよ…8000でどう?」 服は胸元がハートの様な形に開いた、暗い配色の…制服…だろうか? 輝く様な金髪の前髪を3つ丸めて束ねている、年の瀬はクロノより少し年上なのだろうか。 「厚意はありがたいが、ちゃんとタクシー乗り場で乗る事にするよ…流石にそこまで暴利ではね」 「く…クロノ君…」 なのはは物言いを多少咎めるのと同時にタクシー乗り場に目をやった。 乗り場にはかなりの長蛇の列、タクシーが来る時間の割合を考えると1、2時間で済むだろうか…? 「…あっちの客には声をかけないのか?」 「君達が断るなら…これから…、じゃあ、2000円ならどうかな?」 「…いきなり安くなったな」 「チップは無しなんだから、荷物は自分で助手席に積んでくれ、そっちのレディは別だけどね…」 「…わかった、それでいい…なのはは後部に荷物と一緒だ、僕は荷物を前に載せて後ろに」 「うん」 かなり大きめの荷物を前に乗せるクロノ。 「ちゃんと指定の場所まで送ってくれよ?僕らはただの観光客じゃないんだからな…」 「正直に送り届けますよ」 そして、なのはとクロノが後ろに乗り込もうとした時 「ただし、空のバッグだけを、ですがね」 車が急発進した。 「…ふぇぇ!?ま、まだ乗ってないよ!」 「早速か…やれやれ…誰も手をつけたがらないのも納得だ…」 「止めるよ!」 少年はバックミラーで二人の表情を確認した。呆気にとられて慌てる少女と頭に手をあてやれやれと首を振る少年。 だが、追ってくる様子すらない、奇妙に思ったが振り切ってしまえば此方の物だ。 「チャオ」 だが空港を抜けようとしたその時、車がガクン!!と前につんのめり、止まった。 タコメーターはエンジンの不調を訴えてはいない、ガソリンも十分。だがタイヤは地面を空回りするばかりで前に進まない。 「ユーノ君……凄い…」 「一瞬でこれだけのバインドを編んだのか…」 一般人には見えないが、二人には見えていた。周囲にあるガードレールや電柱に縦横無尽に絡まり車を二重三重に捕縛したチェーン・バインドが。 「僕だって一応修行してるんだよ、ま、奴への引導は二人にお願いするけど」 クロノは焦る事無くゆっくりと車に近づく。運転している少年はまだ車を弄っていた。 「言っただろう?ただの観光客じゃないって…」 声をかけ、助手席の扉に手をかけると、流石に感づいた様で少年は運転席から飛び出した。 「荷物だけ置いていけばいい、追う必要もない…」 当然、クロノはこの少年が計画が失敗した事でパニックと罪悪と敗北の表情をするだろうと思った。 しかし…彼はそのどの表情もしなかった…少年は微笑んでいるのだ…… ただ平然ともの静かに微笑んでクロノを見ていた……… その表情には『光り輝くさわやかさ』さえある様にクロノには感じられた………。 少年はそのまま、さっと踵を返し何処へと消えた。 「クロノ君、大丈夫?」 「ああ…だがちょっと奇妙な奴だった…しかし、」 「二人とも…後ろの二人がちょっと面白い事を話してる…」 クロノの話を遮ってユーノが割り込んできた。二人はそのまま聞き耳を立てるが旨く聞こえない。 「念話で聞こえる様にするよ…」 「案外万能なんだな…」 「ユーノ君の一族遺跡発掘のプロだからね、言語、念話関連は凄く得意みたいだよ」 話の内容を漏らさぬ様に、急いだユーノのお陰ですぐに声が聞こえてきた。 「…ョルノの奴エンストして失敗したみたいだぞ」 「あいつ、半分日本人のくせして日本の旅行者をだまそうとするからバチが当たったんだ」 「もっとも、あの髪の色じゃあジョルノ・ジョバーナを日本人とわかる奴はいないがな…」 「いや…染めたんじゃないらしいぜ、黒い髪だったのがここ最近、急に金色になったらしいんだ、妙な体質だな…」 「本人はエジプトで死んだ父親の遺伝と言っている…」 「ジョバーナ…?」 クロノは胸元から写真を取りだした、黒髪の少年で、此方の組織と取引している条件…体組織の採取するべき少年だ。 「ジョルノ・ジョバーナ…汐華初流乃………初ルノ…シォハナ…」 「それ…さっきの人なのかな?」 なのはに言われて、先程の男の顔と当てはめてみる、確かに似てはいるが、まだクロノには今ひとつ確信が持てない。 「わからん…組織とコンタクトをとってより情報が手に入れば良いんだが…」 「クロノ、ところで君の荷物は…?」 言われて助手席に目をやるが、先程確かに自分で助手席に積んだ筈のスーツケースだが、それが今は影も形も無い。 「無い…だがさっきの奴は何も持っては……?」 よく見ると、助手席のところに何かへばりついている。粘性のボールの様な『それ』は更に内部に何かが入っている。 「これは…僕の荷物…なのか!?」 先程のクロノのスーツケースについていた名札『黒野』と言う文字が中に見える。 しかしそれは何度か鼓動を脈打ちながら別の物に変化…いや成長してゆく。 『それ』は呆気にとられているクロノの目の前で生物に変わってしまった。 『カエル』に 「魔法なのか…聞いた事もないぞこんな魔法はッ!!」 カエルはぴょいっとクロノの手にのっかる、ペトリとした粘性の手足の感触、重量、それは蛙に他ならない。 「生き物だ…変化魔法の類や幻術でもない…本物のカエルだ…」 「で、でも…最初はスーツケースみたいだったし、生き物だとしたらクロノ君の荷物は…?」 狼狽える二人を尻目に、カエルはクロノの手を飛び降り、そのまま排水溝から下水へと消えた…。 「…なのは、すまないが別行動だ僕はあいつを捜してみる、拠点の住所は覚えているだろう?そこに向かっていてくれ…なのはを頼むぞユーノ」 「はいはい」 「あまり無理しないでね…」 クロノはそのまま、市街へ向かって駆けだしていった。 「で、どうしようか、なのは」 「地図で見ると…少し歩くけどケーブルカーがあるみたい…そっちの方が良いかな」 二人は流石にこれからタクシーに乗る気は起きなかった。 ジョルノ・ジョバーナを探しに市街方面に向かったクロノだったが、その本人はまだ空港敷地内にいた。 滑走路の外れ、離陸する飛行機を眺めているジョルノ、待ち合わせしている様にもみえる。 相手はすぐに現れたようだ。先程のカエルが側の排水溝から、ジョルノの手の上に飛び乗った。 「よし…」 そのカエルは見る間に膨れあがり、先程のクロノのスーツケースへと戻った。 その場で中身を改めるジョルノ、だが容量の割に中身は少なく金になる物はせいぜい衣類か宿泊セット、目的のパスポートや財布は鞄の中ではなかったようだ。 「……やれやれ…無駄骨か…これだから無駄な事は嫌いなんだ、無駄無駄…」 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/40.html
魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第1話 魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第2話 魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第3話 魔法少女リリカルなのはMOVIE1st THE COMICS第4話
https://w.atwiki.jp/nanoharow/pages/682.html
魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 ◆19OIuwPQTE /09「星の輝き-ViVid-」 金居へと飛び掛かり、双剣を同時に振り下ろす。 掲げる様に持ち上げられたパーフェクトゼクターが、双剣の攻撃を阻む。 バク転するように跳びのき、突撃と同時にレヴァンティンを振り抜く。 金居は応じるようにパーフェクトゼクターで迎撃する。 それによりレヴァンティンとパーフェクトゼクターが鍔競り合う。 レヴァンティンからパーフェクトゼクターを通して、金居に稲妻が伝播する。手元の剣から伝わる雷撃に、金居の動きは鈍らざるを得ない。 そこへバルディッシュを槍のように突き出す。 金居は辛うじてそれを躱し、距離を取る。 パーフェクトゼクターを構える金居は、明らかに困惑の表情を見せていた。 なぜならヴィヴィオの剣筋は、金居にとって酷く見覚えがあるモノだったのだ。 「貴様、まさか……」 「あなたの戦い方、“覚えさせて”いただきました」 それもそのはず。 今のヴィヴィオの剣技は、双剣を使った自分の剣技そのものだったのだから。 それが常ならば、分は金居にあっただろう。 ヴィヴィオが使うのは自らの剣技であり、所詮は借り物。 その利点も欠点も、金居は熟知している。 その対処は容易に過ぎる。 だが、ヴィヴィオの持つデバイスがそれを覆していた。 ライオットブレードとなったバルディッシュ。 サンダーアームを受けたレヴァンティン。 この二機はその刀身に高圧電流を伴い、接触する度に金居に雷撃によるダメー ジを与えてくる。 ダメージ自体はたいした事はない。 だが、これにより金居は、ヴィヴィオの攻撃にまともな対処ができないでいた。 金居が剣を振り下ろす。 それを僅かに下がることで躱し、返すようにバルディッシュを振り下ろす。 返しからの切り上げで防がれる。 そこにレヴァンティンを突き出す。 回避と同時に右回転し、遠心力を加えた一撃が迫り来る。 マッハキャリバーで急加速し、前進することで回避する。 パーフェクトゼクターの一撃を受け止める事はしない。 金居のパーフェクトゼクターを使った攻撃は強力だ。 速度こそ双剣の時ほどはないものの、その威力はスバルのリボルバーナックル を、ただの一撃で大破寸前にまで追い込んだ事からも窺える。 故に、攻撃は常に私から。 もし受け手に回ってしまえば、戦いの形勢は逆転しかねない。 今の私の攻撃はライオットブレードとサンダーアームの効果により、接触する 度に相手に電撃を流し込む。 それにより、パーフェクトゼクターに力が乗る前にその攻撃をキャンセルする。 痺れを切らした金居が、バルディッシュによる一撃を左腕で直接受け止める。 高い切断力を誇るライオットブレードに、腕を半ばまで切り裂かれるが、それでも刃の侵攻は止まった。 バルディッシュから流れる高圧電流を耐え抜き、パーフェクトゼクターを大き く振り被る。 「バルディッシュ! レヴァンティン!」 『Load cartridge.』 『Schlange Form.』 バルディッシュがカートリッジをロードし、その魔力を受けたレヴァンティン がシュランゲフォルムへと変化して、パーフェクトゼクターを絡め取る。 サンダーアームの効果はまだ続いている。 パーフェクトゼクターを握る腕ごと拘束された金居は剣を手放す事が叶わず、 結果、両腕から高圧電流が流れ込む。 「ガア――――ッ!!」 金居は二重の雷撃によるダメージで動けない。 その絶対の隙にバルディッシュを引き抜き、金居の心臓へと突き出す。 だが――― 「言った筈だ! 俺を舐めるなとッ!!!」 「ッ―――! しまった!」 金居は雷撃に耐え、自らの腕に絡まったレヴァンティンを力の限り引っ張る。 私は堪らず体勢を崩し、レヴァンティンを手放してしまう。 そこへパーフェクトゼクターが降り抜かれる。 どうにかバルディッシュで防ぐも、バルディッシュがまたも弾き飛ばされる。 金居はレヴァンティンを振り解き、パーフェクトゼクターへとエネルギーを籠 め、今まさに止めの一撃を放たんとする。 そのパーフェクトゼクターの一撃は、壊れかけのリボルバーナックルでは、た とえ聖王の鎧越しでも防ぎきる事は出来ないだろう。 可能な限りの速さで体勢を立て直し、その一撃を回避する。 しかし、私が体勢を立て直すよりも早く、必殺の一撃が放たれた。 「死ねェッ!!!」 「ッ―――!!!」 稲妻の如く突き出された一撃。 体勢を崩した私では防ぐ事も避ける事も敵わない。 それでも諦めず、聖王の鎧に魔力を集中させようとした、 その時だった。 ふわりと、風に飛ばされてきたものがあった。 どこか見覚えのある、一枚の白い羽根が、一瞬だが金居の視界を遮った。 『Wing Road!』 その隙を見逃さず、マッハキャリバーが金居の一撃を迎撃した。 すぐにマッハキャリバーの狙いを看破し、その指示に従う。 『Calibur shot, left turn!』 ウィングロードで体を無理やりに回転させ体勢を立て直し、金居を蹴り飛ばす。 それによって、今度は金居が僅かに体勢を崩す。 『Shoot it!』 そこに渾身の力を籠め、スバルのリボルバーナックルを叩き込む。 金居はパーフェクトゼクターを盾に防ぐが、それでも十数メートルの距離を弾 き飛ばされる。 ――――それと同時に、右手からリボルバーナックルが壊れる音が聞こえた。 もともと壊れかけていたスバルのリボルバーナックルは、今の一撃で限界を超 え、ギンガの物と同じように大破してしまったのだ。 『……Thank you, and good bye. My best buddy.』 マッハキャリバーが別れを告げる。 それがどちらに対してのものか、などと考える意味はない。 だって彼女たちは、いつもずっと一緒だったのだから。 金居はまだ防御姿勢を崩していない。 おそらくこれが最後のチャンス。 金居に自分が知る限りでもっとも強力な拘束魔法を掛け、その体を固定する。 「レストリクトロック!」 「――――――ッ!?」 それでも金居を相手に拘束していられる時間は、僅か数秒。 ならその数秒の内に、私の最高の魔法を以って決着をつける! 「バルディッシュ!」 『Riot Zamber.』 すぐさまバルディッシュを回収し、カートリッジをロード。 バルディッシュをライオットザンバー・カラミティに変化させ、正眼に構える。 それと同時に、周囲の空間に虹色の輝きが次々に現れ、バルディッシュの刀身 へと集束してゆく。 星空から流星が落ちるように、それは集い、輝きを増していく。 その流星雨はまるで『星の光(スターライト)』 彼女の母と同じ、集束魔法特有の輝きだった。 金居に遠距離攻撃は効かない。 それはどれ程の威力のものであろうと変わりがない。 金居への攻撃は直接的なものか、ゼロ距離からのものに限定される。 故に攻撃の通用するゼロ距離へと肉薄し、 直接剣を叩き込む――― 「ッ――――!!」 だが金居は、もうすぐ全てのバインドを破ろうとしてた。 間にあわない。 このままでは振り抜く前に抜け出され、直撃を避けられてしまう。 かと言って、追加拘束は出来ない。 この魔法は制御が難しい。今は私自身の詠唱を必要とする魔法は使えない。 ――――ならばイチかバチか、金居の次撃に合わせて叩き込む! そう決意した直後だった。 緑色に輝く鎖が、金居を再び拘束したのだ。 「ヴィヴィオ! 今の内に!」 ユーノの言葉に頷き、大きく構えを落とす。 傍から見ればその体勢は、力を溜める肉食獣そのものだ。 刀身に集められた魔力が、臨界点へと達する。 ベースとなった魔法の名残か、虹色に輝く刀身に金色の雷光が迸る。 金居は必死で抜け出そうともがいている。 刀身に圧縮された魔力は、もはや暴発直前の様相だ。 マッハキャリバーのホイールが地面と摩擦し咆をあげる。 「行くよ、これが私の全力全開―――!」 ―――駆ける。 A.C.Sによる加速を得たマッハキャリバーが、彼我の距離を一瞬で零にする。 数秒と経たずに、金居の目前へと跳び上がる。 「スターライトザンバー―――!!」 その魔法(キセキ)の真名と共に、星の剣を振り上げる。 刀身が一際眩く輝き、昇り始めた太陽よりも強く、崩壊する世界を照らし出す。 交錯する視線。 ここに決まる勝者と敗者。 その差は、他者を利用し、自分だけを信じた者と。 他者を信じ、仲間との絆を紡いだ者との差だった。 「――――ブレイカー――――!!!!」 炸裂する虹の極光。 その輝きは、周囲の全てを飲み込み、長き戦いの終わりを告げる旭光となった。 体力は完全に底をついた。 マッハキャリバーは稼働限界を超えてスタンバイモードへと戻り、バルディッシュもアサルトフォームへと戻っている。 そして極光が炸裂した爆心地では、 金居が半壊したパーフェクトゼクターを支えに、再び立ち上がっていた。 ユーノさんが驚愕の声を上げる。 それも当然だろう。 あの一撃の直撃を受けて立ち上がれる者など、普通はいない。 しかも金居の胸にある大きな傷跡が、見る間に再生されていく。 ユーノさんはその事実に絶望感を顕わにする。 けど不思議と私は、危機感を感じなかった。 スバルのデイバックから、一枚のカードを取り出す。 それはジョーカーと書かれた一枚のトランプ。 このカードを取り出した理由は、自分でもよく解らない。 ただ、このカードが自分を使えと言っているように感じるのだ。 そしてそれは正しかったようで、金居は腹部のバンクルに手を当てた後、目に 見えて狼狽する。 それにどんな意味があったのか、私には分からないが、金居にとっては致命的 なことであるらしい。 ジョーカーのカードを片手に金居へと歩みよる。 「ア、アァアアアア――――!!!!」 追い詰められた金居が、パーフェクトゼクターを振り上げ斬りかかってくる。 だがパーフェクトゼクターは、聖王の鎧に阻まれるまでもなく、金居を拒絶す るかのように自壊した。 「………………ふん。 今回は、ここまでか」 それを目の当たりにした金居は、そう小さく呟いた。 ジョーカーのカードを押し当てる。 最後の武器を失った金居は、もう抵抗をしなかった。 ジョーカーは、彼の世界でケルベロスと呼ばれるカードと同じく、 金居――ギラファアンデッドを封印した。 /10「安らぎの場所に向かって」 クレーターの中央付近で、スペードのKと書かれたカードを拾う。 近くにはデイバックがあり、当然それも拾い、中身を確認する。 中にはハンドグレネードとRPG-7、天道さんの持っていた爆砕牙、それと先ほ ど拾ったトランプと同種の、ハートのAと3から10の9枚が入っていた。 ユーノ君の結界を出て行動しているのは、身体の調子を見る為と、私にも何か できる事がないかと、周囲を捜索していたのだ。 結果見つかったのは、金居が使っていた赤いレイピアと、仄かに魔力を感じる 青白く輝く鉱石。それとキングの物と思われるデイバックとカードだけだった。 今一ぱっとしない結果に、もう一度捜し回ってみようかとも考えたが、今はま だ無茶は出来ない。 もし探すのであれば、ユーノ君達と合流してからにする。 クレーターの外へと飛翔し、大きく息を吐く。 体の調子は悪くない。 まだあちこちが痛み、戦闘行動を執るのは難しいだろうけど、普通に移動する 分には問題ない。 問題があるとすれば――― 「レイジングハートは大丈夫?」 『自動修復可能範囲内ではありますが、時間がかかります。 現状、戦闘行動を行うのは厳しいでしょう』 「そっか。やっぱり……」 今戦闘を行えば、レイジングハートが壊れる危険があるという事だ。 この後にナンバーズが控えている今、レイジングハートと一緒に戦えないのは 非常に厳しい。 実家が古流武術の道場であるため、多少なら刀の心得もあるが、やはり自分は 魔導師なのだ。 自分の相棒が戦えないというのは、酷く心許ない。 その時だった。 何処からか、誰かの走る足音が聞こえた。 序で聞こえたのは、自分の名前を呼ぶ声だった。 「なのはママ!」 「なのは!」 「ヴィヴィオ! ユーノ君!」 声の方向へと振り返ってみれば、ヴィヴィオとユーノが走ってくる。 思わず体の痛みを忘れて駆けだした。 そしてある程度の距離まで近づくと、ヴィヴィオが跳び付いて来た。 それをしっかりと抱き止める。 「ただいま、なのはママ」 「お帰りなさい、ヴィヴィオ。 よく頑張ったね、えらいぞ」 「うん!」 お互いに抱きしめ合い、約束の言葉を交わす。 聖王になっても感情に飲まれる事なく、自分の意思で戦えたヴィヴィオを目一 杯褒める。 無事帰る事が出来たら、何かご褒美を上げなきゃいけないと思う。 「なのは、もう動いて大丈夫なの?」 「なんとかね。ユーノ君の方こそ、怪我してない?」 「ヴィヴィオのおかげで、なんとかね。 なのはが動けるんなら話が速い。 時間がないから手短に言うよ」 そう言うとユーノ君は座り込んで、自分のデイバックを目の前の地面に置いた。 私もユーノ君にならって座り込み、抱えていた三つのデイバックを地面に置く。 ヴィヴィオも同様に座り込んで、デイバックを地面に置いた。 それと同時にユーノ君が、ラウンドガーダー・エクステンドを発動する。 「ユーノ君、これは?」 「説明や作業の間、少しでも回復できるようにね。 大丈夫。僕は後方支援が基本になるからね。 戦闘ではなのは達ほどには魔力を消費しない。 て言うか、むしろこういう時こそ後方支援の出番だろ」 「それもそうだね」 そう言って思わず苦笑する。 そしてユーノ君は咳を一つ、真顔になって喋りはじめた。 「じゃあ始めるよ。 まず、全員の荷物を簡単に整理するんだ。 自分が持っておいた方がいいモノ、持っておきたいもの。 使える物や使えない物。全部だ」 「それはいいけど、一体なんで?」 そう聞くと、ユーノ君は一際真剣な声で言った。 「もうすぐ会場の大崩落が始まると思う」 「大崩落?」 「そう。この会場を維持していた核と言える部分が、既に機能していない。 今は余剰魔力でなんとか持ってるけど、それももうすぐ尽きる。 そうなったら、底の割れたバケツみたいに、一気に中の物が零れ出す。 つまり、この会場があっという間に崩落するんだ。 そうなる前に魔法陣で安全な場所まで転移する」 つまり、今は小康状態となっているが、会場に響いている振動や轟音は、この 世界の悲鳴の様なものなのか。 「よく分かったね、そんなこと」 「魔法陣を調べた時に、ついでにね」 「それで、安全な場所って? やっぱり、プレシア達のいた所?」 「いや、多分そっちには転移出来ない。 言っただろう、核がないって」 通常、転移魔法は使用者が目的の場所の座標を知らなければ、術者が望んだ場 所へは転移出来ない。 これは転移魔法を知る者なら誰でも知っている常識である。 当然、ユーノは勿論、なのはだって知っている。 そしてなのは達はプレシアのいた場所の座標を知らない。 ならば何故ここに来たのか。 それはここの転移魔法陣が“使用者の望んだ場所へと転移させる”機能を持っ ていたからだ。 そしてそれは、八神はやてが二度実践し、確かであると証明している。 一度目はヴィータの所へ、二度目はスバルの所へと。 そして当然、はやては二人の居場所――つまり座標など知らなかった。 ならば何故はやては望んだ場所へと転移出来たのか。 それはその魔法陣とこの会場、そして参加者に関係があった。 魔法陣があるエリアは【E-5】。つまり会場の中央に存在する。 そして会場の端と端はループしている。言い換えれば、端から端へ転移しているのだ。 この時点で魔法陣が会場のループに関係がある事は、容易に想像がつく。 そこから発展させれば、会場の構成そのものにもだ。 もし魔法陣が会場を構成する上で重要な機構であるならば、会場の中であるならばどこへ転移させるのも容易い事だろう。 なにしろ会場そのものだ。何処に何があるかなど、容易に把握できる。 後は使用者のイメージを受け取り、その人の望んだ場所、あるいは物の近くへと転移させればいいだけだ。 ユーノは魔法陣と会場を解析した際に、それらの仕組みを大凡ではあるが把握 したのだ。 魔法陣を維持するエネルギー源たる核が、同時にこの会場の核である事も。 そして既にその核が存在していない事も、また同時に。 もし核が健在であれば、そのエネルギーの流れを逆算して核の座標を割り出し、 そこに転移する事も可能だったかもしれないが、エネルギーの供給が断たれた 以上、それは不可能だ。 「じゃあどこに転移するの? この会場から出られないんじゃあ、何処に至って危険だよ」 その説明を大雑把に聞いた私は、目の前が真っ暗になるような感覚を覚えた。 「あるだろ、一つだけ。 衛星軌道上に上る事も可能で、次元跳躍も可能な空中戦艦が」 けどユーノ君は自身を持ってそう断言した。 それを聞いて私も、思い当たるモノが一つだけあった事に気づく。 「あ……そうか、“聖王のゆりかご”!」 「そう。ゆりかごなら、この会場の崩落にも耐えられるかもしれない。 もしかすれば、元の次元に帰る事だってね。 幸い、こっちには艦長役もいる事だし」 「へ……? それって、私のこと?」 いきなり話を振られたヴィヴィオが、困惑気味に聞き返してくる。 その様子を見て、私とユーノ君はクスクスと笑った。 「まあとにかく、そういう事だから」 「解った。でもなんで荷物の整理を? 時間がないならい出来る限り急いだ方がいいじゃないのかな」 「時間がないと行っても、別に一分一秒を争う訳じゃない。 時々、大きい振動が起こるから勘違いしやすいけどね。 この振動は、結界の核がなくなって、維持できなくなった部分。 つまり、ループ機能とかが壊れ始めているからだと思う」 それはつまり、先ほどまで繋がっていた空間が、いきなり断絶したという事。 いわば次元震に近いものなのだろう。 「それに転移が上手くいったとしても、“何が起こるか判らない”からね。 すぐに対処できるように、出来る限りの準備はしておくべきだ」 その言葉に頷く。 私達はこのデスゲームの開幕を始め、突発的な出来事に翻弄され続けている。 なら、今度だって何が起こるか判らないのだ。 「よし。これで多分大丈夫だと思う」 目の前には三つのまとめられたデイバック。 私達の手元にはそれぞれのデバイスや武器があった。 レイジングハートは現在、自動修復機能をフル稼働させてる。 当分は戦闘に出せない。 バルディッシュやレヴァンティン、マッハキャリバーはヴィヴィオが持ってる。 元々砲撃魔導師な上、まだダメージでまともに動けない私よりは、ヴィヴィオ の方が接近戦には適任だからだ。 ケリュケイオンは私が持っている。 最初はユーノ君に渡そうとしたんだけど、ユーノ君いわく、 「ケリュケイオンで使える補助魔法はもう覚えた。 アスクレピオスの補助があれば自力で使えるから、ケリュケイオンはなのは が使ってあげて」 との事。 ユーノ君はよく私を天才だって言うけど、ユーノ君だって十分凄いと思う。 ちなみにアスクレピオスは、私と合流する前にスバル達の遺品と一緒に拾った らしい。 蒼天の書はユーノ君が持っている。 ヴィヴィオは前衛だし、私では蒼天の書の魔法を使いこなせないからだ。 しかし、現在保有するデバイスの中で一番特異なのが、私の持つ紫紺色の宝玉 状態のデバイスだろう。 それはヴィヴィオに支給されたボーナス支給品で、十年前のレイジングハート と殆ど全く同じ形状の、色彩とAIだけが違うデバイスだった。 いつ、どこで、どうやって作られたのか。持ち主はいったい誰なのか。 ルシフェリオンと名乗った彼女は、自己紹介を済ませると黙りこんでしまって、 何も聞く事が出来なかった。 けど、力は貸してくれるようなので、レイジングハートの力を借りれない今は、 それだけでも有り難かった。 非常時用の武器は、刀の心得がある私が爆砕牙とデザートイーグルを、ユーノ 君は赤いレイピアを持っている。 ヴィヴィオは、いざとなれば素手でも平気、との事だ。 その他の道具は、私はスバルが身に着けていた指輪と天道さんが持っていた羽。 二人の形見に、と思ったのだ。 ヴィヴィオは壊れたデバイスと、キング達が変化した謎のトランプ。 ボーナスが支給された以上、死亡した事にはなっているのだろう。 ユーノ君が一番数が多くて、余ったデイバック二つに、それぞれ重火器と完全 に使い道のない道具を入れている。 道具の確認を終えたところでユーノ君が立ち上がり、デイバックを肩に担ぐ。 同様に私達も立ち上がり、自分の荷物を背負う。 「さあ、行こう」 その言葉に頷き、私たちは魔法陣の元へと移動した。 足元には淡く光る魔法陣。 その光は小さく明滅し、今にも消えそうだった。 この魔法陣が会場の維持に関係しているのなら、この魔法陣が消えた時にこの 会場も完全に崩壊するのだろう。 「みんな、準備はいい? だいぶ荒い転送になると思うから、気をつけて」 ユーノ君が魔法陣に手を当て、魔力を流し込みながら言った。 その言葉に私とヴィヴィオは頷く。 「僕が転送のサポートをするから、ヴィヴィオはゆりかごを強く思い浮かべて。 一度行った事のある君の方が、座標の特定がしやすいんだ」 その言葉に従い、ヴィヴィオはゆりかごを強くイメージした。 それと同時に、あの場所で死んだ、まだ幼かったフェイトを思い出した。 自分に、嫌いにならないで、と言った少女。 今の自分なら、彼女を助けられたのだろうかと考えて、首を振る。 助けられるかどうかじゃなくて、絶対に助けだすんだと。 会場の崩壊と共に罅割れていく空を見上げる。 もう二度と、あんな思いはしたくない。 そして同時に、誰にもさせたくないとも思う。 だから、全てを救う事は出来なくても、この手の届くところにいる人たちは、守って見せる。 そう心に誓う。 魔法陣の淡い魔力光が次第に強く輝き出す。 それはまるで、消える寸前の蝋燭の輝きのようだった。 「行くよ、みんな! しっかり掴まってて! 座標確認! 場所、聖王のゆりかご! 転送、開始―――!!」 その声の直後、魔法陣が一際強く輝き、光が私達三人を飲み込んだ―――― 【キング@魔法少女リリカルなのは マスカレード 封印確認】 【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード 封印確認】 【2日目 朝?】 【現在地 ?-? 聖王のゆりかごへ転移中】 【高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】全身ダメージ(大)、魔力消費(中)、バリアジャケット(エクシードモード)展開中 【装備】ルシフェリオン(6/6)@魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE-THE BATTLE OF ACES-、{ケリュケイオン、レイジングハート・エクセリオン(6/6、中破)}@魔法少女リリカルなのはStrikerS、爆砕牙@魔法妖怪リリカル殺生丸、デザートイーグル(4/7)@オリジナル、{翠屋の制服、すずかのヘアバンド}@魔法少女リリカルなのは 【道具】支給品一式、カートリッジ詰め合わせ(残り20発)@魔法少女リリカルなのはStrikerS、スバルの指環@コードギアス 反目のスバル、アンジールの羽根@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【思考】 基本:誰も犠牲にせず極力多数の仲間と脱出する。 1.聖王のゆりかごへ向かう。 2.ユーノとヴィヴィオと共に脱出する。 【備考】 ※ブラスター3を使用しました。何らかの後遺症が残っている可能性があります。 【ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】聖王モード、疲労(大)、魔力消費(小~中?)、ダメージ(小)、 肉体内部にダメージ(小)、騎士甲冑展開中、リンカーコア消失、強い決意 【装備】{バルディッシュ・アサルト(6/6)、レヴァンティン(3/3)、マッハキャリバー、レリック(刻印ナンバーⅦ、融合中)、St.ヒルデ魔法学院の制服}@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、{リボルバーナックル(右手用、大破)、リボルバーナックル(左手用、大破)、クロスミラージュ(破損)、フリードリヒの遺体(首輪無し)}@魔法少女リリカルなのはStrikerS、ラウズカード(ジョーカー、ハートのA~K、スペードK、ダイアK、クラブのK、スペードKとダイアKのブランク、コモンブランク)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【思考】 基本:みんなの為にももう少しがんばってみる。 1. なのはママの様に強くなる。もう二度と暴走しない。 2. 聖王のゆりかごへ向かい、起動させる。 3. みんなと一緒に、生きて帰る。 【備考】 ※現在使用している魔力は、レリック(刻印ナンバーⅦ)によるものです。 ※スターライトザンバーブレイカーを習得しました。系統は集束砲撃魔法です。 【ユーノ・スクライア@L change the world after story】 【状態】全身に擦り傷、肩に切り傷、疲労(大)、魔力消費(大)、強い決意 【装備】{アスクレピオス、シルバーケープ}@魔法少女リリカルなのはStrikerS、蒼天の書@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS、{バリアのマテリア、ジェネシスの剣@}魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使 【道具】支給品一式×2(食料有り)、支給品一式×2(食料無し)、ブレンヒルトの絵@なのは×終わクロ、双眼鏡@仮面ライダーリリカル龍騎、治療の神 ディアン・ケト@リリカル遊戯王GX、サイドバッシャー@魔法少女リリカルなのは マスカレード、キングと金居のデイバック(道具①②) 【道具①】RPG-7+各種弾頭(照明弾2/スモーク弾2)@ACE COMBAT04 THE OPERATION LYRICAL、ハンドグレネード×4@魔法少女リリカルなのはStrikerS、C4爆弾@NANOSING、クレイモア地雷×3@リリカル・パニック、バベルのハンマー@仮面ライダークウガA’s ~おかえり~、イカリクラッシャー@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER 【道具②】リンディの茶道具一式(お茶受けと角砂糖半分消費)@魔法少女リリカルなのは、砂糖1kg×5、ガオーブレス(ウィルナイフ無し)@フェレットゾンダー出現!、浴衣(帯びなし)、セロハンテープ、分解済みの首輪(矢車、ユーノ、ヴィヴィオ、フリードリヒ)、首輪について考えた書類 【思考】 基本:なのはの支えになる。 1.ここにいる全員を何としても支えて、脱出する。 2.聖王のゆりかごへ向かう。 3.ゆりかごに着いたら、今後の対策を考える。 4.ここから脱出したらブレンヒルトの手伝いをする。 【備考】 ※ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerSによって使用できる補助魔法を習得しました。アスクレピオスの補助があれば使用が可能です。 ※魔法陣は、この会場を構成する上での『要』である可能性があると推測しました。 【全体の備考】 ※【E-5 瓦礫の山】に中規模のクレーターが出来ました。 ※会場はもう間もなく崩壊します。 【カートリッジ詰め合わせ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 高町なのはに支給されたボーナス支給品。 名前通りの代物。 カートリッジ各種が、計30発入った箱。 【ルシフェリオン@魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE-THE BATTLE OF ACES-】 ヴィヴィオに支給されたボーナス支給品。 星光の殲滅者の所有デバイス。 性能は第二期(A's)のレイジングハート・エクセリオンと同程度。 性格は非常に無口と思われるが、詳細不明。 【スターライトザンバーブレイカー】 ヴィヴィオが戦いの中で習得した“集束砲撃魔法”。 なのはのスターライトブレイカーとフェイトのプラズマザンバーブレイカーを合体させたもの。 儀式魔法による雷のエネルギーではなく、周囲の空間の魔力をザンバーの刀身に集束し、強力な砲撃として一気に放出する攻撃魔法。 本来は定石道理に、“対象を拘束し、その後に砲撃する”のが基本である。 が、今回劇中で使用したのは、マッハキャリバーのA.C.Sを用いて高速突撃し、零距離砲撃を行う、“スターライトザンバーブレイカーA.C.S”である。 ちなみにイメージは某騎士王の聖剣。 Back 魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆 時系列順で読む Next 魔法少女、これからも。(前編) 投下順で読む Next 魔法少女、これからも。(前編) 高町なのは(StS) Next 魔法少女、これからも。(前編) ユーノ・スクライア Next 魔法少女、これからも。(前編) ヴィヴィオ Next 魔法少女、これからも。(前編) キング GAME OVER 金居 GAME OVER
https://w.atwiki.jp/hitosujinosenko/pages/27.html
《草加雅人/Masked rider Kaiza》 効果モンスター ☆12/光/悪魔/4000/0 このカードは特殊召還できない デュエル中に「草加君!早く来て!オルフェノクがきたの!」と電話がかかってきたら通常召還する このカードに「カイザギア」「サイドバッシャー」を装備することによって、攻撃力は100000になる。 このカードが「園田真理」「芳賀優里亜」を攻撃するとき、このカードの攻撃力は0になる 相手の手札が10枚のとき、「俺を好きにならない奴は邪魔なんだよ」と叫ぶことによって このカードのコントローラーはアクセス禁止を食らう 電話は誰かにかけてもらおう。 カイザギアとサイドバッシャーはアームズホールとか名工虎鉄で。 攻撃力が96000もうpするからカタパで飛ばせ^@^ シールつけてもいい^@^ 備考 ついこの前までHNは田中マー君であった。 草加雅人もマー君だからいいじゃないか。 仮面ライダー555みながらエタバトやってたら時間切れで負けたことあります^@^ 典型的なガイア厨でございます^@^ 火之迦具土厨でもあります^@^ 2008年になってからの戦績(1月5日時点) 4勝19敗 ↓ 7勝26敗(一月7日時点) ↓ 17勝28敗(一月8日時点) ↓ 34勝34敗(一月9日時点) やっと今年の勝率50%になりました。 今年は運が悪すぎる。運のせいにしちゃいけないけどね^@^ 初手にダムド3枚・・・過去2回 帝デッキなのに10ターンたっても帝が来ない・・・過去5回 思い切って6→7帝にしたら初手に帝4枚以上の事故・・・過去2回 相手が手札0、場0、ライフも残り僅かでダークコーリング、オーバーロードフュージョンを引かれる 過去2回 オワタ 変遷 2005年ぐらいにエタバトに登録。はじめは「闇の白龍」とかいう(明らかに痛い)HNを使っていた。 使ってたデッキは青眼デッキで勝率19%。労働者。文句なしのカモ。 120敗ぐらいしたところでお触れホルスを使うようになる。勝率は25%に上がる。 キャビアさんにチャットでいろいろ教えてもらいガジェ帝作成。連勝に連勝を重ね一等兵にあがる。 勝率50%になったところでHNを「ヤンジャンXYZ」に変更。ガジェ帝とダークカオスで連勝番付の常連に。 勝率が60%になったところで高校受験がきたため休止。 再開するもなんだか光と闇の龍とかゾンビマスターとか何じゃこれ^@^ってなって勝率58%に下がる。 しょうがないので名前を「田中マー君」に変えてプレイ。68%まで引き上げて現在に至る。 FAQ Q.変身はできるのですか? A.常にしています Q.ゴルドクラッシャーを撃つんですか? A.撃つことはできますが、PCが粉々になるので撃ちません。 Q.電話が電池切れになったら、それでも電波が届かなかったらどうなりますか?by 羽入 メンバー評価 彼がアンリアルトーナメントしている時にキーボードをいつも粉砕してたのはいい過去です(byコルヴィッツ)