約 2,188,129 件
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/310.html
ここ、とある世界のイタリアと言う国・・・ 僕、クロノ・ハラオウンはこの地に立っていた、勿論、旅行やバカンス・・・と言う意味合いもあるが仕事も兼ねてだ。 まあ、少々長めの休暇なので、じっくり腰をすえて仕事もしろという裏の意味はちょっと気が重い。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「艦長、お呼びですか」 アースラの艦橋に呼ばれた僕に 「クロノ、手短に言うわ、仕事を含めてバカンスに行く気は無いかしら?」 母さ・・・リンディ提督は有無を言わさず予定を告げた。 「・・・自分にも執務官の業務があるのですが・・・」 「それを含めて、よ、取りあえずこれを見て、エイミィお願い」 「はいはい・・・これ・・・だっけか?」 コンソール上に複数の風景や街並み、文化レベルや政治形態のデータがまとめて表示される。以前見たなのはの世界と似たような世界であったが・・・犯罪計数や治安を含めて、多少粗野な印象を受けた。 「これは?」 「管理外世界、その中でもかなり奇妙・・・というか文化レベルのおかげで介入が非常に難しい世界よ」 「汚職政治がまかり通ってる所為で管理局も全然手をつけられないし、魔法なんかぶっ放せばさらに大騒ぎ・・・それをネタにゆすり、たかり、etcetc・・・」 エイミィがやれやれと言った感じで首を竦める、確かに好き好んで臭いものに手をつけるのは酔狂か物好き位だろうか。 「この世界は放置しても構わない・・・と思っていたんだけど・・・これね・・・」 画面上に一組の弓と矢が表示される。かなり特異な形状でただの狩猟道具では無い様だ・・・加えて我々が目をつける物体と言えば・・・ 「ロストロギア・・・ですか・・・」 「ええ、詳しい効果や能力は不明だけど・・・これに関わった人間が奇妙な行動を取ったり、謎の死を遂げたりしているわ・・・その中でもこの例・・・」 画面に奇天烈な髪形をした学生制服の男と、スーツを着た男が向き合っている。写真は少々画質が荒いがかなり緊迫した状況なのが見て取れる。 「エイミィ、これに魔力スキャンをかけてくれる?」 「了解、ペコポコペンと・・・」 「・・・これは!?」 魔力スキャンをかけると、男達の魔力反応・・・に加えてその身体の傍にもう一つ人型の強力な魔力反応が見えた。 「これは魔法をこの世界の体系で使用した例のようね、関係者は『スタンド』と呼んでいるわ・・・動画を」 魔力スキャンのまま男達が動く、いくつかの動画が撮影されていた様で、スーツの男はいくつかの魔力弾を飛ばし、学生服の男は仲間の傷を治している・・・更にはもう一人の男はいきなり信じられない速度にまで加速したり、移動したりしている。 「馬鹿な・・・魔力操作、治癒魔法・・・?に・・・転移、じゃない、時間操作!?」 「そう、こんな高レベルの様々な魔法が何の法整備も無く使用されている・・・これはかなり危険だわ」 「原因は・・・ロストロギアですか」 「全部ではないわ、でも何らかの組織が意図的に魔術士を量産した、と言うのが私達の推測」 成程、と言う事はある程度そのロストロギアは管理、運用されていると言う事になる、しかしそこが良心のある組織と… 「そしてこの影響が顕著なのがこの世界のマフィア、ギャングの溢れる地域、イタリアと呼ばれているわ」 …良心とは程遠い単語がいくつか飛び出した・・・少々落胆しつつ話を続ける。 「ロストロギアなら多少文化レベルの低さに目を瞑っても介入する必要がある・・・ですか」 「かしらね・・・それともう一つ、ここ最近起こっている魔術士襲撃事件・・・あちこちの世界に被害が散らばっていて加害者の居場所すら発見できなかったんだけど・・・」 「この世界に介入した魔術士数名と魔力を持つ一般人が被害を受けてさ、その事件発生までの速度から犯人はこの世界に潜伏していると断定されたよ」 ここらへんで話が読めた・・・つまりは・・・だ。 「僕にこの世界への潜入捜査をしろと・・・内容はロストロギアの監視、連続魔術士襲撃事件の解明及び逮捕・・・そんな所ですね?」 二人は軽く微笑 「かなり危険な任務となるわ、場合によってはアースラも外部待機として同世界に乗員が支部を構える用意も出来てる・・・それと現地のとある組織と交換条件でね・・・これを」 一枚の写真、それには黒髪の少年が写っている。 「汐華初流乃、その人物の皮膚、血液なんでもいいから体組織を持ってきて欲しいそうよ・・・その代わり、現地の拠点を用意してくれるらしいわ」 「体組織・・・?何者なんですか?この少年は・・・」 「『それを調べている・・・危険な人物ではない、だがなるべく接触を避けて欲しい』・・・だそうよ・・・」 「先ほど話した・・・『財団』・・・と言う組織の人員ですか?」 「うん、通話だけのやり取りだったんだけどね、ついでにグレアム提督が上層部に掛け合ってくれて、この件に関わる人員にはあらゆる権限を約束する・・・つまり、有事の際には本気モードでいいって事だよ、クロノ執務官?」 「茶化さないでくれ・・・捜査は単独でしょうか?」 「人員補充は随時可能、条件は『君の信頼できる人材』だそうよ?」 信頼できる・・・僕は武装局員や一般局員を信頼していない訳ではない・・・が、戦力的な信頼と言う点で自分と同等もしくは自分以上の戦力なら、数は非常に限られる。 それに、個人的な付き合いは自慢じゃないがあまり無い。やはり、思い浮かぶのは彼女・・・それと周りの人間・・・今は義理の妹。 「ロストロギアの捜査はともかく、襲撃事件の犯人と交戦の可能性を考えると・・・戦力は高い方がいい、協力者を呼んでいただけますか?」 「妹さんと、彼女だね?」 僕は無言で頷いた。 「高町なのはと使い魔・・・じゃなかったユーノ・スクライアに交信を頼む」 場所は変わって クロノの向かう筈の世界のとあるマンション、障害者が多く住むイタリアではまだ珍しいバリアフリーのマンションの一室 「到着~八神特急終点です~」 「ちょっと遅延やったけどな、ありがとシャマル」 「お帰りなさいませ主、帰りが遅いので心配いたしました」 「お帰りはやて!」 車椅子に乗った少女にそれを押す女性、駆け寄ってくる赤髪の少女と大型の喋る犬 八神はやてとその家族は財政支援を受けつつ慎ましく暮らしていた。 「シグナムは・・・今日は遅いんか?」 その場に居ないもう一人の家族を案ずるはやて。 「ん~、なんか散歩、周囲の警戒も兼ねてるんだって」 「あまり此処は治安が良いとは言えませんからね・・・マンションは個別に鍵掛けてるから大丈夫ですけど」 「そか・・・でも気つけてほしいな・・・心配や」 「だいじょーぶだよ、シグナム怒るとおっかねぇしさ」 「うん・・・ん?・・・あ、留守電か?」 メッセージが三件入っている、一つ目は通院している医師の物で、既に聞いたものだったが・・・ 『あ・・・その、ドッピオです・・・昼頃その・・・あ、いや、ちょうど留守の時みたいだったんで・・・夜頃お伺いしても、良いでしょうか?・・・お電話待ってます』 「ドッピオさんですね、まめに気遣ってくれてありがたいです」 「そやな~おっちょこちょいだけどいい人や」 「あ・・・やべ」 「どしたん?ヴィータ」 二件目のメッセージ 『えと、あ・・・ドッピオです・・・ヴィータちゃんに聞いたら六時頃みんな帰ってくるのでその時に・・・と言うので・・・ちょっと遅いですが、七時ごろお伺いにさせてもらいます・・・』 現在時刻、六時四十五分 「あかんー!ザフィーラ、ヴィータ部屋片付けてー!シャマルは料理手伝ってぇな!!」 「ヴィータちゃん!どうして勝手に呼んじゃうのー!」 「だってさー!遅れるなんて思わなかったから」 一瞬にして騒然となる八神家にシグナムが帰ってきた。 「主、遅れて申し訳ありません・・・外でドッピオ殿が時間を潰していた様なので家に来ていただきましたが・・・」 全員が凍りついた。 海鳴市、高町家なのは自室にて 「と言う事だけど・・・どうする?」 フェレット姿から、人間の姿に一時的に戻り、ユーノ・スクライアが携帯からの魔道文書に目を通しつつ、なのはに聞く。 「危険なんだよね・・・時間がかかるかもしれないなら、学校もお休みだし・・・お父さんやお母さんにも心配かけちゃう・・・」 「フェイトは嘱託魔導師試験をクリアしたらしいから・・・もしかしたら会えるかも」 「そうだね・・・会いたい・・・」 胸元のデバイスを握りこみ、腰掛けていたベッドから立ち上がる。 「うん!行くよ!レイジングハートも・・・頼りにすると思うけど・・・」 『No problem』 「わかった、後日リンディさんが理由付けにこっちに来るって・・・しばらくの滞在だからそれなりの理由が必要だしね」 決定の是非は問わなかった、が、ユーノ・スクライアにはなのはが何かに引かれているようだと言う事をなんとなく感じていた。 そう、スタンド使い(魔法少女)はッ!魔法少女(スタンド使い)に惹かれ合う!! 魔法少女リリカルなのはGE(黄金体験!) 始まります 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/187.html
魔法戦記リリカルなのはViVid 第1巻後書き 魔法戦記リリカルなのはViVid 第2巻登場人物 魔法戦記リリカルなのはViVid 第2巻後書き 魔法戦記リリカルなのはViVid 第3巻登場人物 魔法戦記リリカルなのはViVid 第3巻後書き 魔法戦記リリカルなのはViVid 第4巻登場人物 魔法戦記リリカルなのはViVid 第4巻後書き
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2308.html
―――――私は勇者なんかじゃない。 偶然に世界の命運なんてのを託された、運が悪いだけの一般人さ。 私に任された仕事は、本当は私以上に適任の奴がいるはずなんだ。 例えば伝説の英雄とか、聖なる騎士とか、本当の勇者とか、な。 だが運の悪いことにそいつは現れない。 もしかしたら、はじめっからそんな奴はいないのかもしれない。 だから勇者のふりをするのさ。 強くもないのに、強がりながら。 空が燃えていた。 大地は裂け、炎が荒れ狂い、街を呑み込んでいく。 通りを駆け抜けるのは名状しがたい異形ども。 禍々しい鎧兜を纏った戦士達や、冒涜的な姿の怪物たち。 誰の眼にも明らかだ。 かねてより警告されていた通り『門』が開いたのだ。 そして彼らは『門』を通って、地の底より這い出た存在。 ――極めて古典的な名前で呼ぶならば、 『悪魔』 そう形容されて然るべきものであった。 多くの住民が家に閉じ篭って全てが終わるのを待ち、 或いは逃げるのに間に合わず、悪魔どもに無残にも殺されていく。 そんな中、ただ一つの目的を持って駆け抜けていく者がいた。 男だ。男が二人。 1人は様々な苦脳を秘めた厳しい面構えの、平凡な男。 身につけた衣服は僧侶か何かを思わせる、装飾の少ないそれだ。 目前に立ちはだかるのは、つい先ほどまで市民を貪り食っていた怪物ども。 その数は1匹や2匹ではない。あまりにも多すぎる。 「ダメだ、此方の道は奴らが多い! 回り道を――」 「そんな時間があるものか! マーティン、私が切り開く!」 その男――マーティンと呼ばれた男の脇を、一陣の風が擦り抜ける。 身を低くして一瞬にして通りを走り抜けたのは、まるで影のような男だった。 黒い鎖帷子を纏い、頭をすっぽりと外套で覆った彼は、手にした武器を振り抜く。 片刃の長剣――遥かな東方から伝来したと言われる、切れ味の鋭い代物である。 皇帝直属の親衛隊のみが携帯を許されるそれを持っているという事は、この影は親衛隊なのだろうか。 そう思う者がいるならば、あえて言おう。答えは断じて否だ。 護ることよりも殺すことに長けた剣、とでも呼ぶべきか。 およそ真っ当な剣術ではない。どれほどの敵を斬れば、このようになるのだろうか。 断じて、親衛隊などという組織に所属する者の剣技ではない。 凄まじい速さで縦横無尽に振るわれた刃が、次々に怪物どもの命を刈り取った。 彼らは男の攻撃を受けるまで、その存在に気付くことすら無かったのだろう。 あまりにも呆気なくバタバタと斃れ、屍を晒した。 だが、それで終わりではない。 終わりの筈がなかった。 騒ぎを聞きつけた鎧武者達が、具足を鳴らして迫り来る。 その数は遠目に見ただけでも――あまりにも膨大だ。 男は躊躇しない。 マーティンを背に庇い、悪鬼どもを睨みつけ、叫ぶ。 「行け、マーティン! ここは私に任せて、お前はアミュレットを神殿へッ!」 「しかし……ッ!」 「馬鹿者ッ! お前が死ねば其処で終わりだが、お前が神殿につけば此方の勝ちだ! 何も奴らを殲滅するわけではない。『門』が閉じるまでの間だ。 お前の鈍足でも、どうせ五分かそこらだろう。安心しろ。その程度ならば防ぎきってみせる」 マーティンの顔に迷いが浮かんだのは明らかだった。 それなりに長い付き合いだ。この人物の心根の優しさは、よく知っている。 だが、彼は影のような男を見やり、そして押し寄せてくる悪魔どもを見やり、 その全てに背を向けた。 「…………感謝する。アルゴニアンよ。君は、良き友だった」 「ああ。そうとも、マーティン」 「……」 「お前は良い友だった」 会話はそれで終わった。マーティンは走り去り、影は残る。 そうして影は外套の内側で薄く笑うと、それを跳ね除けた。 露になったのは人の頭ではない。似ても似つかぬ蜥蜴の其れだ。 アルゴニアン――辺境に多くが暮らし、帝国人から忌み嫌われる種族。 遥か昔には奴隷として使役された事もあるアルゴニアンだったが、 それでも尚、彼は人々が好きだった。 何よりも、あのマーティンという男は気に入っていた。 躊躇わずに命を賭け、こんな場所にまで付き合うほどには、だが。 刃を構える。 なぁに、不可能な事ではない。難しいことでもない。 このくらいの窮地ならば、過去に幾度となく乗り越えてきた。 「さあ来いデイドラどもッ! 生きてれば一度は死ぬものだッ!!」 アルゴニアンの挑発に対し、悪魔――デイドラの軍勢が雄たけびを上げた。 そして幾度と無く彼らの野望を打ち砕き、今この戦いに終止符を打とうとする男を滅ぼすため、 幾百ものデイドラがこの路地へ押し寄せ、そして―― ――――世界を光が包み込んだ。 ――五年後。 新暦68年 某月某日 日本 海鳴と呼ばれる土地。 深夜。時計の短針が十二を通り過ぎ、一を示す頃合。 喫茶店『翠屋』には多くの人物が集まり、そして眠っていた。 ある者はカウンターに突っ伏すようにして、 ある者はテーブルの下で丸くなり、 ある者は大きな犬にしがみついて。 『高町なのは復帰記念パーティ』 ようやく復帰した少女――彼らの大事な存在の帰還を祝うため、 殆ど朝から晩まで騒いだ結果が、これである。 「もう、みんな酷いなぁ……。好き勝手に騒いで、勝手に寝ちゃうんだもん」 「仕方ないよ、なのは。それだけ皆、なのはが帰ってくるのを待ってたんだから……」 「うん、それは……わかってるんだけど、ね」 今起きているのは、この二人。 主賓である高町なのは。 そして彼女の一番の親友であるフェイト・テスタロッサ・ハラウオン。 悪戯っぽく笑いあいながら、幸せそうに眠りこけている仲間達を見やる。 本当に幸せだ。 自分達には家族がいて、友達がいて、仲間がいて。 こうして何かにつけて祝って、騒いでくれる。 だが、それもしばらくは見納めだ。 「なのは、その――」 「もぅ、心配性だなあフェイトちゃんは! クロノ君もだけど……。 ひょっとして、お兄ちゃんに似た、とか?」 「なのはぁっ!」 にゃはは、と笑って誤魔化すなのはを、フェイトは怒りながらも心配そうに見つめた。 彼女がとてつもない大怪我をしたのは、一年前になる。 だが、一年もかけねば治らないほどの負傷だったのだ。 そして――まだリハビリを終えたばかりなのだから。 「私のことなら気にしなくて良いよ、フェイトちゃん。 もうすっかり元気だし、前みたいな無茶はもうしない。 それに――フェイトちゃんの執行官試験の方が大事なんだから!」 そう、執行官試験。 今まで二度受けて、フェイトは二回とも不合格になっている。 本人は頑なに否定するだろうが、なのはの事故が影響しているのは間違いない。 だが――……だからと言って、果たしてこのような事になっても良いのだろうか。 ―――――話は数日前、高町なのはが退院する、その直前にまで巻戻る。 退院準備の為、荷物を鞄に纏めていた彼女とフェイトの前に、クロノ・ハラウオンが現れたのだ。 勿論、彼にとって最も大切な目的は、友人であるなのはの退院を祝う事だったが、 それ以外にもう一つ、極めて重要な用件を抱えていた。 「「タムリエル?」」 「そう、第23管理外世界。現地の言葉で『タムリエル』と呼ばれている。 文明ランクは――地球やミッドチルダよりもだいぶ低い。中世クラスだろう。 ただ魔法に関しては正直想像がつかない。これまで、さして注目もされてなかったからね」 「これまで、って事は……今は注目されているの?」 ああ、とクロノは頷いた。 タムリエルは地球など他管理外世界と同様、次元宇宙に接触する技術を保持していない。 そう思われていたのだ。――これまでは。 「事件が起きたのは新暦63年。なのはやフェイトと逢う二年前だ。 タムリエルで大規模な次元震が確認された。 その規模は――恐らく、史上最大。 まず間違いなく『二つの世界が完全に繋がった』ような状態だった筈だ」 それほどの大事件でありながら、事件の詳細は確認されていない。 いや、できなかったのだ、とクロノは語った。 「次元震動が確認されてから一時間と経たず、それは消滅してしまったんだ。 単なる偶然なのか、或いは人為的なものなのか、まるで判らないまま。 そして、その後の調査も不可能だった。 結界……とでも言うのかな。外部からの干渉を遮断するバリアが張られていたのさ。 まあそんな事が可能な魔法技術があったなんて思いもよらなかったから、 管理局のこれまでの調査が如何に杜撰だったか、って問題にもなったけど、 とにかく、その世界への干渉は不可能だったんだ。ところが――三日前に、そのバリアが消滅した」 「それって……つまり、また同じ事が起こるかもしれないの、クロノ君?」 「ああ、そうだ。これは極めて重大な調査になる」 「でも、何で私と、なのはにその話を?」 「……つまり、なのは。君のSランク取得試験内容は『管理外世界タムリエルの調査』。 そして、フェイト。君の執行官資格試験もまた『管理外世界タムリエルの調査』なんだ」 ――魔法少女リリカルなのは The Elder Scrolls 始まります。 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/161.html
魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物1巻 魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物2巻 魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物3巻 魔法戦記リリカルなのはForce 登場人物4巻
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/198.html
魔法戦記リリカルなのはForce 魔導事典1巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第1巻後書き 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導事典2巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第2巻後書き 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導事典3巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第3巻後書き 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導事典4巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第4巻後書き 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導事典5巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第5巻後書き
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/75.html
魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第一話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第二話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第三話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第四話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第五話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第六話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第七話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第八話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第九話 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典 第十話
https://w.atwiki.jp/a_nanoha/pages/158.html
魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典1巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第1巻後書き 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典2巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第2巻後書き 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典3巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第3巻後書き 魔法戦記リリカルなのはForce 魔導辞典4巻 魔法戦記リリカルなのはForce 第4巻後書き
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2315.html
この広い世界には幾千、幾万の人達がいて。 いろんな人たちが、願いや想いを抱いて暮らしていて。 その願いは時に触れ合って、ぶつかりあって。 だけど、その中の幾つかは、 きっと繋がっていける。伝え合っていける。 これから始まるのは、そんな出会いとふれあいのお話。 ――――魔法少女リリカルなのはThe Elder Scrolls はじまります タムリエル。 正確に言えばニルンと呼ばれる世界に複数存在する、大陸の一つ。 その全土を支配している、セプティム朝タムリエル帝国の事を示す。 つまり管理局の見解による『第23管理外世界』とは、この世界の一部でしかない。 とはいえ、このタムリエルのみを『管理外世界』とする判断も、決して間違っているわけではない。 何故ならタムリエルと他大陸の間に広がり、互いの交流を阻む「ムンダスの大海」とは、 我々の認識する「水によって満たされた海」ではなく、異世界と半ば地続きとなっている「精神世界」だからだ。 管理局風に呼ぶならば「ムンダスの大海」は「次元空間」と置き換えても良いのかもしれない。 最も、非常に危険が伴うとはいえ通常船舶で航行が可能な以上、やはり厳密な意味で「次元空間」とは別物なのだが。 結界に揺らぎが見られた時点より密かに調査を実施した結果、上記の通り、ある程度以上の情報収集に成功している。 この世界の文明レベルは中世の封建社会に酷似しており、それほど進歩した技術などは持っていない。 石造りの街並みが広がり、機械類は未だ出現せず、よって世界は「剣と魔法」によって支配、運営されている。 しかしながら魔法技術に関しては、時間や様々な技術的要因から調査は難航しており、現在の所は何も判明していない。 だが、外部世界からの接触を遮断する結界。それも管理局に感知、解除できない結界。 このような大規模魔法を行使できることから、その魔法技術は詳細不明なれども高度であると予想される。 本任務は、その結界の基点であると思われるタムリエル中央、シロディール地方へと降下し、 結界の揺らぎ――即ち大規模次元犯罪の前兆と思われる要因を調査し、可能ならば対応する事である。 この異世界タムリエルは前述の通り、極めて未知の世界に等しく、その調査は多大な危険が伴うだろう。 「――――故にくれぐれも注意されたし、か」 深い森の奥で、なのはとフェイトは出立前にクロノから言われた忠告を思い出し、小さくため息を吐いていた。 成程、確かに注意力散漫であったかもしれない。 タムリエル――シロディール地方に広がる森林の風景は、とても素晴らしいものだった。 他都市に比べて多少なりとも自然の多い海鳴町は元より、ミッドチルダでも、こんなに綺麗な森は無いだろう。 彼方此方から小鳥達の歌声が聞こえてくるし、青々と茂った木々の隙間から差し込む木漏れ日は、とても暖かだ。 目を凝らせば林の奥には鹿の姿も見て取れた。周囲を探せば野兎なんかもいるかもしれない。 そして何よりも、なのはが復帰したばかりであったし、二人っきりでの任務なんて本当に久しぶりだったのもある。 ピクニック気分、とまでは言わなくとも浮かれていたのは事実だった。 そしてこの世界で初めて人影を見かけて、ウキウキと話しかけてしまったことも認めて、なのはは頷いた。 「クロノ君、確かに私達が悪かったかもしれない」 でもね。 だけどね。 「こんな猫さんみたいな人に襲われるっていうのは、注意しようがないと思うの」 「猫じゃねえっ! カジートだッ! 良いからさっさと金を出せ! 無けりゃ親御さんに出してもらうんだなッ! それも嫌だってんなら、ぶっ殺して身包み剥ぐだけだ! どっちにしたって手間は大して変わらねぇんだぞ!」」 一方、吼える猫さんみたいな人――もといカジートの山賊は酷く頭が痛かった。 カジートとは、つまり判りやすく説明するならば『猫の獣人』とでもするべきか。 獅子か猫のような頭部を持ち、その体を覆う毛皮や、尻に生えた尾も獣のそれだ。 そして何より特徴的なのは、その頭部に見合った瞳――暗視の力を持っているという事。 その為、多くのカジートが盗賊や山賊へと道を誤ることが多いのだが、 彼もまた、そうして犯罪者へと成り果てた――新米の山賊である。 基本的に山賊、追剥の類は街道沿いの砦跡や、野営地に居座ることが多い。 街道を行く旅人や何かは旅費を持っている事もあるし、良い稼ぎになるのだが―― その一方で、山賊にとって酷く危険な場所でもある。 数時間間隔で街道を巡回している帝都兵は、駆け出しの山賊にはとんでもない脅威なのだ。 何せ帝国軍正式採用の鋼鉄鎧は酷く頑丈であり、その技量は並々ならぬものがある。 まともに戦ったのでは当然太刀打ちできないし、隠れていても見つかるのが関の山だ。 当然、駆け出しの山賊である彼にとって、街道沿いはリスクが高い。 そこで彼は帝都南方に広がるグレートフォレストの、更に街道から南に外れたあたりを根城としている。 洞窟や遺跡が点在し、新米の冒険者が訪れるこの辺りは非常に良い『穴場』なのだ。 なにせ駆け出しの冒険者というのは新米の山賊と、たいして力量の差が無い。 更には身に着けている装備は高く売れるし、上等な品だったら自分の物にしても良い。 勿論、返り討ちにあう可能性だってあるのだが――今回に関しては、その心配はなさそうだった。 何せ上等そうな衣服を身に着けた少女が二人、だ。 杖を持っているのを見た所、魔術師の類かと思って警戒したが……呪文を唱えてくる気配も無い。 というか、このシロディールでも見たことのない形の杖だ。 噂に聞くMOD(意味は知らない。彼はモロウウィンド産だろうと見当をつけているが)とかいう品だろうか。 何にせよ、高値で売り飛ばせるのは間違いあるまい。 「なのは、なのは。ひょっとしたら猫じゃなくてライオンなんじゃないかな」 「そっか……ごめんね、ライオンさん。間違えちゃったよ」 「だーかーらーっ!!」 ああもうやり難いなァッ! まったくもって緊張感が無い。――どこぞの箱入り娘か何かだろうか。 カジートの存在すら知らなかったようだし、そうと見て間違いは無い筈だ。 噂じゃあ、レヤウィンの伯爵夫人は酷い異種族嫌いだとかで、 折りを見ては異種族人を拷問にしかける――のだそうだ。 まあ、其処まで過度じゃないにしろ、差別主義者に育てられた良いところの娘達。 ――なんてところだろう。 こうして威嚇の声を上げて斧を振り回してもまったく動じない辺りを見ても、 やっぱり世間に慣れてないに違いない。 ――そうやって声を荒げるカジートに対し、なのは達もまた途方に暮れていた。 いや、確かに強盗に襲われるなんてのは二人とも初めての経験だったが、 今までの人生――特にここ数年で――それに倍する程の修羅場を潜り抜けている。 それに第一……その、何だ。持っている武器がデバイスでも何でもないただの鉄の斧では……。 正直、バリアジャケットや防護シールドを抜けるとは思えないし……。 彼の纏っている革鎧だって、此方の砲撃魔術に耐えうる品だとはとても……。 「どうしようか、フェイトちゃん?」 「この世界のお金なんて持って無いし――……」 「……泥棒さん相手だったら、お話を聞いてもらうのも、良いと思うの」 「それはちょっと、物騒なんじゃないかなぁ……」 「てめえら、何をごちゃごちゃ喋ってやがるッ! うるさ「いや、五月蝿いのはお前のほうじゃないか?」 その声は、なのは達の背後から、本当に突然響き渡った。 驚き、振り返った二人の前にいたのは――――影のような男。 本当に今の今まで、彼が存在する事にまるで気がつかなかった。 果たして何処からか転移してきたのだと言われても、疑う事は無かっただろう。 或いは、ひょっとするとそれは、このカジートの山賊も同様だったのかもしれない。 明らかに視線の先――視野に入っていたはずの空間に、突如現れた人物を、 彼はこの世のものでない物を見るように見つめていた。 何故なら、その腕には既に弓が引き絞られていたからだ。 この距離だ。弓に矢をつがえる前ならば斧を持つカジートに分があった。 だが、既に矢をいつでも発射できるのなら……話は別だ。 よほど下手な射手でもない限り外すことはないだろうし、 そしてこの男が『よほど下手な射手』である事に賭ける勇気は無い。 だがカジートの山賊は、それでも精一杯の虚勢を張って叫んだ。 「なんだ、てめぇっ! 俺の獲物を横取りする気か!?」 「特段、そんなつもりは無いが。 此方としては彼女達を見逃すのと、少し夢味が悪くなりそうでね。 なので止めに入らせて貰った。 良いから早く逃げ出す事をお勧めする。さもなければ君の頭を射抜くだけだ。 ――どちらにしても、手間は大して変わらない」 その最後の言葉――つまり『いつでも殺せた』という一言が、決定打だった。 カジートは泡を食ったように斧を放り出すと、一目散に街道のほうへと走り出していく。 当然の判断だったろう。それは、なのはとフェイトにも良く理解できた。 この影のような男は、最初から見ていたのだ。一部始終を。 そして――……三人が三人とも、その存在に気づかなかった。 どれほどの力量の持ち主だというのか。 ――若干12歳の二人には、とてもじゃないが見当がつかない。 「……やれやれ、まったく。 ガードの奴ら、鹿狩りには熱心な癖をして街道外の山賊退治は……。 君達、二人とも怪我は無いかい? どこの出身だか知らないが、街道や街から離れない方が良いぞ」 そう言いながら近づいてくる男に対して、二人は礼を言うべくその顔を見上げ――そして固まった。 クロノ君。確かにクロノ君の言うとおり、この世界は色々とわからないことが多いみたいです。 だって、その、さっきの猫さんにも驚いたけど――この人。 助けてくれたし、すっごく優しそうな声なんだけれど、そのお顔が――……。 「「……蜥蜴さん?」」 ……アルゴニアンだ、と蜥蜴頭の男は、苦笑しながら訂正した。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/989.html
リリカルなのはFeather 第0話[天女たちの事情] 機動六課隊長室は緊迫した空気に包まれれている その原因は機動六課部隊長、八神はやてが発してる怒気のせいである [もう、どないせ~ちゅうねん」 そして隊長室のテーブルに置かれた沢山の報告書が宙を舞った 「落ち着いて下さい、はやて隊長、暴れても何もなりません] 其処にはやての副官であるグリフィスが必死にはやてを止めていた [離してグリフィスくん] 此処に至るまでの過程は先日機動二課がなのは達の世界でロストロギアの確保をして時ある宝石も付いてきた ついでに宝石も分析した結果ある事実が出たそこにはある文明の事が断片的に記されていた 管理局は余り気にしてなっかたが ある問題が出た、管理局のホストコンピュータがハッキングされ翌日マスコミにアルハザードの手掛かりとして報道された為に人々はこの事に異様な関心を占めていた 管理局もこの失態を隠すため選りすぐりの部隊を派遣する事になった そこでどの部隊なら世論を納得出来るかの会議が開かれていた 正直どの部隊の隊長も選ばれたくないそれが本音であった はっきり言ってこんなの生贄でしかない 魔法文明の無い世界で調査で信頼性が殆ど無い情報、こんなの成功するはずがない 時間の無駄そして経歴に傷を付ける様な物、醜い擦り付け合いが加速して来たころにレジアス・ゲイズ中将がある進言をした [やはり此処は出身者が居る機動六課に行って貰いましょう] その発言に居あわせた人達から一斉に賛成の意見が沸いた 元々六課に不満を懐いてた者達はレジアスの発言で勢いだし 他の人達もその勢いに乗りだした所に総務統括官つまりリンディ・ハラオウンがとめ様とした [いい加減にして下さい、機動六課はまだ設立したばかり部署なのですよそんな部署には荷が重過ぎます] となるべく客観的に抑えようとしてた、だが心無い一言が言われた [良かったじゃないですか、フェイト・T・ハラオウンはプレシア・テスタロッサ の娘なんでしょ母親のアルハザード探しの手伝いが出来るじゃなですか] その意見に溜まらずリンディは声を荒げた [なっ、そんな事あなた方には関係の無い事です] そこにレジアスが場をなだめ様としてた [皆さん少し落ち着いて下さい、リンディ・ハラオウン総務統括官、私達は別に六課を憎んでいる訳じゃありません数々奇跡を起こした者達が設立した部署に期待しているのてす] その意見にリンディ・ハラオウン以外の喝采が起きた レジアスは辛そうな顔をしてたが内心は良い厄介払い出来た事で喜んでいた 翌日には機動六課に正式に第97管理外世界の調査が言い渡された そして今に至る この怒気の一番の理由は六課にこの調査を言い渡された時に言われた一言である [良かったね、親友の母親のお手伝いが出来て] [あー今思い出しても腹が立つわ] また暴れだした [もういい加減に落ち着いてください] やっとはやての怒りが治まった [何時までも此の侭とゆう訳にはいかヘんからな悪いけどグリフィスくん、なのはちゃん達呼んで来てくれる] [はい、分かりました] ボロボロになったグリフィスの声が響いた 数十分後なのは達が隊長室に来た […あんなぁ、なのはちゃん、特にフェイトちゃんには悪いけどアルハザードの手掛かりの調査を言い渡されたんや] はやては落ち込んでる顔で言った [はやて、私は気にしてないよ、もしこの手掛かりが本当にアルハザードに繋がるなら私は知りたい] フェイトは力強く言った [うん、そうだねみんなでがんばろう] なのはも力強く言った [ありがとうホンマにありがとう] 三人は抱き合った 数日後 XV級艦船「クラウディア」に必要な物資を詰め込んでいる所に元気な青髪の少女の声が響いてる [ねぇねえティア、この宝石なんだよねアルハザードの手掛かり言われてるの凄いよね] [スバル、一応この宝石は大事な物なんだからね] とツインテール少女が言った [うん、あれ?] [如何したのスバル] [今なんかこの宝石光った様なしたんだけど] [気のせいじゃ無いの] 一方そのころ 地球ではある事が起きていた [瑠璃] 学校の屋上で落ち様としてた宮坂瑠璃を必死に救おうとしてた鷲崎飛翔の腕が遂に解けた [飛翔くん] そして宮坂瑠璃は落ちた 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2328.html
――平凡な小学生だった私、高町なのはに訪れた突然の事態。 渡されたのは赤い宝石。手にしたのは魔法の力。 出会いが導く偶然が今、光を放って動き出していく。 繋がる想いと、始まる物語。 それは魔法と日常が並行する日々のスタート。 だけどそれは、決して私だけに訪れた事態じゃなかった。 彼に渡されたのは護符。手にしたのは自由な世界。 日常と冒険が並行する日々の始まり。 でも彼が手にした出会いは、本当に儚いもので。 その事を私達が知るのは、もっとずっと後のことで。 ――今はただ、この偶然が導いた出会いに、感謝するばかり。 魔法少女リリカルなのはThe Elder Scrolls はじまります。 「……ふむ。とすると君達は、そのミッドチルダとかいう場所からシロディールまで旅をしてきたのか」 「ええと、まあ……そんな所、なのかな?」 「聞いたことがない地名だが……モローウィンドよりも遠い所って言うんじゃ、仕方ないか。 それにしては旅慣れていないように見えるが……。 山賊やらカジートやらもいないような所なのかい、そのミッドチルダは?」 「にゃははは……うん。そんな所です」 それはまた随分と辺境なんだなと呟くアルゴニアンに、なのは達は苦笑いを浮かべた。 実に奇妙な一行だった、と思う。 女の子二人にアルゴニアンが一人。 タムリエル広しと言えども、好んでアルゴニアンと接したがる人はそういない。 かつては奴隷であり、未だに多くが泥沼の近くで原始的な生活を営んでいる、被差別種族なのだから。 勿論おおっぴらに差別される事は無いが、見目の悪さと相俟って潔癖症な帝国民からは嫌われている。 先ほど彼女達が出会ったカジートの山賊も知っていたように、レヤウィンの伯爵夫人に関する噂もある。 曰くレヤウィン城の地下には秘密の拷問部屋があるだとか、 曰く目をつけられたアルゴニアンやカジート達は生きて帰れないだとか、 曰く血の淑女なる人物が全ての拷問を取り仕切っているだとか、 まあ、多くの人は噂話だとして片付けているのだけれど。 そう言った噂が流布すること事態、如何に異種族を嫌う人間が多いかということの証明と言える。 なのはとフェイトが出会ったアルゴニアンは、奇妙なことに自らを行商人と名乗った。 何でもブラヴィルで仕入先の人と、取引をした帰りだったそうだが――……。 アルゴニアンの行商人なぞ、滅多にいるものではない。――人に嫌われている種族だからだ。 とはいえ、二人はその事を『奇妙』と思わずに受け入れた。世界の常識にはとことん疎い。 それに何よりこのアルゴニアン。不思議なことに人を惹き付ける何かがあった。 こうして共に並んで旅をしていると、それが良くわかる。 仕立ての良い緑色の衣服。動きやすそうな革のブーツ。 首から下げた宝石や、両手の人差し指に一つずつ嵌めた指輪も、 あまり自己主張をせず、綺麗に纏まっている。 背中に弓矢を背負い、腰に剣を吊るしているとはいえ―― 先ほどのように盗賊に襲われることを鑑みれば、当然と言えた。 「シェイディンハルまで品を運ばなきゃならないんだがね。 久々にレヤウィンから大回りしようかとも思ったが、まあ帝都に向かって良かったよ。 まったく、街道から離れたところを旅するなんて――女の子のやる事じゃあないぞ」 つまり二人にはブラヴィルもシェイディンハルもレヤウィンも、どんな都市なのか見当もつかない。 それにしても、話を聞くだに物騒な世界である。 山賊が蔓延り、怪物が闊歩し、世間に危険が満ち溢れていて。 ミッドチルダや地球といった、治安の良い世界に暮らしていた二人には、ちょっと想像できない。 「にゃはは……。道を五分も歩けば山賊に出会うって、ちょっと大げさな気もするけれどねー」 「大袈裟なもんか。私が旅に出たばかりの頃は、それはもう酷かったんだぞ。 まあ、さすがに帝都の近くまでくれば治安も良いが――衛兵が巡回しているからだな、結局は」 「……………あの、アルゴニアンさん?」 「うん? どうかしたか、フェイト」 「地図とかって、持って無いですか? シロディールの」 「そりゃあ私は持ってるが――そうか。二人は持ってないのか」 はい、と頷くフェイトに対し、ふむと考え込むアルゴニアン。 「別に見せるのも、渡すのも構わんが――どちらにしろ、もう少し後にした方が良いだろうな」 そう言って彼は、ちらりと視線を空に上げる。 つられて二人も見上げると、もう夕焼けも過ぎ去り、夜が迫ってきているのがわかった。 また、その空の美しさに息を呑む。 夕焼けが端の方から暗くなっていき、煌く星の瞬きが徐々に鮮明になっていく。 その数は、とてもではないがミッドチルダや海鳴の比ではない。 文字通り『満天の星空』と言ったところか。 そして何よりも目を引くのは――大きな二つの月。 彼女達が知っている月というのは勿論一つで、白や黄色なのが普通だったが、 このタムリエルで見える月は二つ。それも様々な色が混じり合った、奇妙な美しさを持っているのだ。 「う、わぁ……」 「凄い――綺麗」 「……もう遅い。この先に私の行き付けの宿がある。 どうせ今から帝都に向かうには夜通し歩くか、途中で野宿だろう。 其処に泊まろうと思うのだが、どうだ?」 二人から拒絶の言葉がでる筈もなかった。 ―――宿屋『不吉の前兆』。 あまりにも、あまりな名前である。 ましてや、かつてその宿で凄惨な殺人事件が起きたとなれば、だ。 何でも泊まっていた老人が、何者かによって刺殺されたのだとか。 その鮮やかな手並み、そして老人が何かに怯えたような素振りを見せていた事から、 此度の殺人事件は、ある集団の手によるものだと実しやかに囁かれている。 曰く――暗殺組織『闇の一党』の仕業だ、と。 だが、そんな事情があるとなれば、宿屋の辿る運命は二つに一つ。 つまり寂れるか、栄えるか、という至極当然の二択であり、 幸いにも『不吉の前兆』が辿ったのは後者であった。 近くにある宿屋『ファレギル』が街道から少し逸れた場所にある事も手伝って、 この小さな、個人経営の宿屋はそれなりに繁盛をしているらしい。 ランプの明るい橙色の光に照らされた室内は、活気に溢れていた。 食堂には数人の客が思い思いに食事を楽しみ、酒を飲み、 店主はその光景を楽しそうに眺めている――と言った具合だ。 新たな客の存在に意識を奪われた店主は、其の人物が常連客であることを認めると、 その顔に満面の笑みを浮かべ、両手を広げて迎え入れた。 「やあアルゴニアン、よく来てくれたね!」 「ああ、相変わらず盛況なようで何よりだ。――二部屋頼めるかい?」 「二部屋? そりゃ構わんが――ああ、後ろのお嬢ちゃんがたは、あんたの連れか」 「そういう事だ」 「…………娘か?」 「馬鹿を言え、アルゴニアンにインペリアルの娘がいるものか」 そんな和やかな会話の末、あっという間に宿泊の手続きが進むのを見て、 なのはとフェイトはある事実を思い出し、慌てて口を挟もうとした。 理由は明白だ。 『この国のお金が無い』 それを言うと、アルゴニアンは笑った。 「子供がそんな事を気にするものじゃあない」 という訳で、あっという間に二人は寝室に放り込まれていた。 『子供は寝る時間だ』という事らしい。 12歳ともなれば、九時や十時に眠るという事に多少なりとも抵抗は感じるのだが、 ――とはいえ、其処は女の子が二人。パジャマに着替えた後は自然にお喋りの時間となる。 寝台――小さなものが一つ。とはいえ少女二人ならば十分な大きさだ――の上に座り、 先ほどアルゴニアンから手渡されたシロディールの地図を広げ、興味津々といった様子で覗き込む。 「ええっと……帝都は、この真ん中の湖に浮かぶ島、だよね」 「たぶん。それで街道を南東に下って――川沿いのブラヴィル。海まで行くと、レヤウィン」 「其処から川の対岸に出て、ずーっと北上すると――帝都の東側に、シェイディンハル、かー。 アルゴニアンさんって、こんな長い距離を歩くつもりだったんだね」 大雑把な地形の上に街道と、各地の大都市の位置だけが記された地図を見ながら、 移動中に彼の語った土地の場所を確認していく。 『空を飛ぶ』という概念の無いらしいこの世界において、この距離を歩くのは中々に堪えそうだ。 とはいえ行商人ともなれば、やっぱり方々を歩き回るのだろうし、然程の苦労でもないのだろうか? 「……そうだ。ねえ、なのは。気づいてた?」 「うん? 何のこと?」 「あの人、行商人って言ってたけど――『売るほどの荷物』を持ってなかった」 「…………」 言われてみれば、だ。 仕入先の人と取引をした、という事はそれなりの『商品』を持っていなければならない。 だが――彼はそんなに大量の荷物を持っていただろうか? 否だ。勿論、旅人の常として背負い袋は持っていた。 だが……その中に売り物が入っているとは、到底思えない。 「……それに、助けてもらった時もだけど。 ただの行商人が、あんな風に気配を消せるのかな……」 「……でも、この世界は物騒だって言ってたよ。 それにアルゴニアンさんが何を売ってるのかにもよるんじゃないかな? ひょっとしたら、凄く軽い物なのかもしれないの」 「それは……そうだけど」 押し黙る二人。 やがて出た結論は『まだこの世界の事をよく知らないから』だった。 違和感は感じる。奇妙だと思う。 だがそれは、この世界では普通なのかもしれない。 ――それに悪い人じゃなさそうだし。 「……そう、だね。少し考え過ぎてたかもしれない」 「そうそう、一日歩いて疲れちゃったんだよ、きっと。 ――今日はもう、寝ちゃおうか」 「うん……おやすみ、なのは」 「おやすみなさい、フェイトちゃん」 フッと蝋燭の火が吹き消され、 二人にとって『初めての日』は、ゆっくりと過ぎて行った……。 戻る 目次へ 次へ