約 657,874 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1126.html
※れいむを多少愛でますが、それ以上に無意識に虐待します。 ゆっくり童話シリーズ 第一回 「赤い靴」 あるところにれいむという名の若くてかわいいゆっくりがいました。 れいむは、すっきりー!しすぎて腰を痛めたおかあさんありすのためにまいにち食べ物を探しにいきます。 ですが、若いゆっくりに2匹分の食料を集めることは出来ません。 しかたがないので自分の分を巣の外で食べ、残ったほんの少しの食べかすをおかあさんありすに持って帰ります。 おかあさんありすは栄養が足りなくて日に日に弱っていきます。 痛めた腰も直りません。退屈紛れに泥団子で作ったまりさとすっきりーしようとするせいです。 ある日、れいむはおかあさんありすに言いました。 「れいむもおおきくなったから、ごはんがたりなくなってきたよ。 れいむはあたらしいおうちをさがしにいくけど、うごけないおかあさんはここでゆっくりしていってね!」 「どう゛じでぞんなごどい゛う゛の゛おおお!!!!いっじょにすっぎりじょうよおおおおおお!!!!」 おかあさんありすは別れを惜しみますが、れいむの足を止めることはできません。 無理をして飛び跳ねたので、着地したときに腰が破けて中のカスタードクリームが勢いよく飛び出します。 「ゆぎゃああああああああ!!!ずっぎりじずぎだげっががごれだよ!」 その言葉を最後におかあさんありすは動かなくなりました。ですが、れいむはもう巣から出て行った後でした。 巣を出たれいむはもっと食べ物があるという人間の町に行くつもりでした。 それはおとうさんれいむが生きていたころにお話してくれたとてもゆっくりできる場所です。 途中で出会った子まりさや子ありすをおやつにして、れいむはようやく町にたどり着きました。 地面が土から大きめの石になっていましたが、若くてぴちぴちなれいむのお肌はその上でもゆっくりできます。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー♪ゆっ!ゆっくりしてたらまちについたよ!さすがれいむ♪とってもゆっくりしてるね☆」 もう夕暮れ時なので、見える範囲には殆ど人間は居ません。 れいむは町に着いたらおうちと食べ物がすぐ見つかると思っていたので、自然と喜びの声が出てしまいます。 「ゆ~ん、ゆ~ん。かわいいーれいむの、おうちとごはん♪ま~ってーてねー。」 気持ちよく歌いながら歩いていると、近くの窓から頭と骨だけになった生魚が飛んできました。 べちっ「ゆぶふっ!?」 れいむはその勢いで路地へと転がります。ころころ。 「れいむにぶつかったわるいこはおしおきだからね!いますぐあやまってね!」 魚はなにも答えません。死んだ魚の目でれいむをみつめるだけです。 「ゆ!はんせいしないなられいむにもかんがえがあるよ!・・・むーしゃむーしゃ・・・い゛だいいいいいい」 謝らなかった悪い魚はれいむにたべられてしまいました。 ですが、そのするどい骨はれいむの口の中に深く突き刺さってれいむをくるしめます。 舌より奥の餡子に入ればすぐに骨は餡子になるのですが、刺さっているので飲み込むこともできません。 しばらく路地でぎゃあぎゃあと醜い悲鳴を上げていると、れいむに声をかける人間が居ました。 「あらあら、たいへん。あなたどうなさったの?」 それは丸い老眼鏡をかけた白髪のおばあさんでした。 助けが来たとれいむは喜んでおばあさんのほうへ駆け寄ります。 「ゆぎゃあああああああ!!!」 口の中に刺さった骨は飛び跳ねることによってより深く刺さり、れいむの餡子へものすごい痛みを伝えます。 大きく口を開けて叫ぶので、おばあさんも鷹の目(ホーク・アイ)で魚の骨を見つけました。 「すぐにとってあげますからね。ほら、大丈夫ですよー。」 やさしくれいむを抱きかかえるおばあさん。 れいむはようやく痛みから解放されると思って脱力しました。 おばあさんは裁縫が得意なので、刺さった魚の骨を抜かずに押し込んで背中から取り出します。縫い針みたいですね。 全部抜き終わるころにはれいむは静かになっていました。口から泡を吹いて安らかな顔で眠っています。 このままここに置いていくのもかわいそうだと思ったおばあさんは、れいむを家につれて帰ることにしました。 次の日、目を覚ましたれいむはとてもゆっくりしていました。 なぜなら、れいむが寝ていたのはとてもやわらかいクッションで、かわいい人形がいっぱいの部屋だったからです。 部屋の真ん中にはお皿が置いてあり、中にはクッキーが入っていました。 昨日はとても疲れたような気がしたのでれいむはそのクッキーを一息に食べます。 「むーしゃむーしゃ。しあわせー♪あまあま、おいしー☆おとうさんのいったとおり、まちはとってもゆっくりだね。くすくす。」 幸せそうな笑顔を浮かべるれいむを昨日のおばあさんが見つめています。 おばあさんは家族が居なかったので、クッキーをおいしそうに食べてくれるれいむを飼ってもいいな。と思いました。 れいむがおばあさんと暮らし始めて最初の日曜日、おばあさんはれいむに贈り物をしました。 それはとても綺麗な赤い布でできた靴でした。 町は石畳なので、全裸のれいむが飛び跳ねるには少々危険なのです。 靴を装着してもらったれいむは鏡をみて驚きました。 そこにいたのはれいむの赤いリボンとおそろいの模様が付いた靴のとてもかわいいれいむ。 ”とーたるこーでぃねーと”とでも言いましょうか。 ゆっくりの丸い体の下半分を覆うその靴はすぐにれいむの宝物になりました。 「おばあさんありがとう!ちょっとそとのゆっくりにかわいいれいむのくつをじまんしてくるよ!」 言うが早いか、れいむは一人で飛び出します。 おばあさんの家は猫用のドアが扉に付いているのでゆっくりでも自由に出入りができるのです。 でていくれいむをおばあさんはゆっくりと見つめていました。 「あの子、一人で戻ってこれるかしら・・・まあ猫みたいなものだし、大丈夫よね。」 外に出たれいむは改めてみる人間の町の美しさに見とれてしまいます。 硬くてゴツゴツしているけれど跳ねやすい道。おばあさんの赤い靴のおかげで全く痛くありません。 いたるところに植えられた色とりどりの花。れいむのためにおやつとしていっぱい用意してあるのでしょう。 町の中心には大きな噴水がありました。れいむはそこでお水を飲みながら、靴を自慢するため他のゆっくりを探します。 「ゆぅ~ん。れいむのきれーなくつをみせたら、どんなかわいいゆっくりだってれいむにめろめろだよねー。」 一人で身をよじらせてクネクネしている様を人間がくすくすと笑いながら見ていますがれいむは気づきません。 夕方近くになって、ようやく路地裏からみすぼらしい姿のありすが噴水までやってきました。 れいむはおなかもすいてきたのでそろそろ帰ろうと思っていましたが、待ってましたとばかりに言いました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりすっきりしていってね!」 ありすは発情ありすでした。ものすごい勢いで噴水まで駆け寄ると、噴水の淵に乗っていたれいむの所まで一跳びで上りました。 れいむはかわいいだけでなくかしこいれいむなので、ありすはおかあさんありすと同じようにすっきり中毒だと見抜きました。 ですが、ゆっくりそんな分析をしていてはありすからは逃げられません。 「はぅーん、あかいくつをはいたれいむはとてもとかいはだから、きれいなありすのおよめさんにしてあげるねえええ!」 「ゆ゛う゛う゛っ!みにくいありすはかわいいれいむとはつりあわないよ! かってにれいむにさわらないでね!ばかだね!どろにんぎょうとでもすっきりしたらいいよ!」 かしこいれいむもゆっくりなので自分が先程言った言葉も忘れています。 一方、ありすはきれいに着飾ったれいむにめろめろで辛抱たまらん!といった様子で強くれいむを押さえつけます。 ゆっくりが一匹乗るだけの幅しかない噴水の淵ではれいむはありすを振りほどくことができません。 間違って噴水に落ちればゆっくりできなくなってしまうのですから。 れいむはもぞもぞと抵抗にもならない力でありすを押し返しますが、それはありすを興奮させるだけです。 「まぁ!れいむはありすのためにじぶんでうごいてごほうししてくれるのね?いじらしいわああああああ!!!」 ありすは嫌がるれいむをお構い無しに責め立て、すっきりへの快感をむさぼっていきます。 れいむはなすすべも無く蹂躙される屈辱に、涙を流しながら耐えるしかありませんでした。 「んほおおおおおおおおおおお・・・・すっきりー!」 「・・・すっきりー・・・」 激しい野外プレイもようやく終わりを告げ、ありすは去っていきました。 自分さえすっきりできれば別に誰でもよかったようです。 取り残されたれいむは自分がすっきりー!させられたことによって子供ができてしまうことを悲しみました。 まだ若くてかわいいれいむなのに子持ちになったら自由などありません。 それどころか、できる子供の数によっては栄養を吸い尽くされてれいむは干からびてしまうかもしれません。 きれいな噴水に沈んだらゆっくりできるかなーと思って水面を覗き込んだときにれいむは気づきます。 水に映るれいむの頭には蔓は生えていません。おばあさんの赤い靴がありすの邪悪なすっきりー!から身を守ったのです。 むりやりすっきりー!させられた悔しさは残りましたが、れいむはまだゆっくりできるのです。 こんなすばらしい靴をつくってくれたおばあさんに、れいむはごほうびをあげたいと思い、いそいでお家に帰ります。 れいむは最初に町に来た日以来、ずっとおばあさんの家でゆっくりしていたのでどこがおばあさんの家かわかりません。 いつの間にか日が暮れて真っ暗になってしまいました。おばあさんもきっと心配してれいむをさがしているでしょう。 真夜中になってもれいむはおばあさんの家を見つけることができません。おばあさんは探しにも来ません。 人間の家は全部同じに見えるので、体当たりすれば中に入れる不思議なドアだと思って、れいむは何度も硬い扉にぶつかりました。 れいむはその度に、来客を確認しに開かれたドアによって顔面を強打しました。 もはやれいむの顔は凹凸がなく、絶壁といってもいいくらいに平らになりました。 「ゆぐぅ、こんなゆっくりできないおうちにはようはないよ・・・」 おなかもすいて、心身共にボロボロになったれいむは、ふらふらと町をさまよいます。 とりあえずゆっくりできるところを探して、ついにゆっくりできそうな丁度いい大きさの穴が、レンガの家の壁にあいていました。 しかもその穴からはとてもおいしそうな香りが漂ってきています。 その穴の横にはイスとテーブルがあり、それに登れば穴の前の足場までいけそうです。 「・・・あそこなられいむがひとりでゆっくりできるよ。さがしにこない、いじわるばばあもはいってこれないね・・・」 れいむは痛む体を早く休ませたい一心でイスを、テーブルをよじ登り、壁の穴へ飛び移ります。 べちゃん! かわいそうなれいむは足を滑らせ、石畳へ落ちてしまいました。足の皮が破れ、そこから餡子がもれ始めます。 ですが、なんということでしょう!おばあさんの赤い靴は、れいむの足をきれいに包んでいるので餡子は殆ど漏れ出しません。 もはや悲鳴を上げるのも疲れてしまったれいむですが、硬い石の路上で眠れるほど田舎者のゆっくりではありません。 二度、三度と同じことを繰り返して、ようやく壁の穴までたどり着きました。 「もう、つかれたよ。かわいいれいむはこのおうちでゆーっくりしていってね。」 一人でゆっくりしていってねを言うと、れいむはおいしそうな香りの中で深い眠りに落ちていきました。 翌朝目が覚めると、れいむの足の傷はふさがっていました。おばあさんの赤い靴はれいむの命を何度もつなぎました。 「ゆっくりしたけっかがこれだよ。さっすがー」 喜びの声を上げるれいむ。と、同時におなかがなります。先日の昼食以来、水しか飲んでいません。 れいむは思い出したようにあたりを見回します。おいしそうな香りの出所を探しているのでしょう。 入り口は狭い穴でしたが、中は以外に広々としている一部屋の石造りになっています。 れいむはその穴の片隅に、平べったく焼けた物を見つけました。 「むーしゃ、むーしゃ。うっめ、まじうっめ、これちょwwwぱねぇwww」 はしたない声を上げてれいむはそれを食べます。食べます。食べます。 「ゆふーん。しあわせー!」 平べったいものを全部食べつくしたれいむはそのままとてもゆっくりして、二度寝を始めてしまいました。 余程疲れが溜まっていたのでしょう、その寝顔はだらしなく伸びきって、時々いびきのような音が漏れます。 熱い。れいむは足元から来るあまりの熱さに飛び起きました。 飛び起きたつもりですが、れいむは飛び上がることはできません。 なぜなら、れいむの足は既にこんがりと焼かれ、固まってしまっていたのです。 れいむの周りには、寝る前に食べた丸くて平べったいものが一杯置いてあります。 そう、そこは伝統のピッツァ窯の中。れいむはそんなものは全く知りませんが。 「ゆぎゃあああああ!ゆっくりしないでここをでるよ!!」 跳ねようと足に力を込めるれいむ。足はぴくりとも動きません。 (熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、いたいいたいいたいいたいいたいいたい・・・・) 深い眠りによって、れいむは起きるのが遅くなってしまいましたが、おばあさんの赤い靴はまだれいむを守ります。 熱く焼かれた石のオーブンの上で、れいむの足の皮が石に張り付いていないのは赤い靴のおかげです。 ただし、動くことができなくなったれいむにとって、それは何もありがたいことではありませんでしたが。 「どぼぢでれ゛い゛む゛のあじうごがな゛い゛のおおおおおおお」 れいむは泣き叫びますが、誰もその声には気付きません。そうしているうちにも、どんどんれいむは焼かれていきます。 足の皮が火ぶくれを起こし、爆ぜ割れました。 そこから、れいむの餡子が飛び出します。 けれど、おばあさんの赤い靴はれいむの命の餡子を外へ逃したりはしません。 ぱちん、ぱちん、ぱちん・・・・・ 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・」 餡子が沸騰して、皮が破れ、普通のゆっくりならばとうに原型をとどめていないでしょう。 赤い靴はとてもいい布でできているので、そう簡単には燃えたり、破れたりはしません。 おかげでれいむは全身がぐつぐつと煮えたぎっているにもかかわらず、まだ生きているのです! ついにれいむの頭の皮が破れました。長い苦しみももう終わり。 しかし、赤い靴は形を変えません。熱によって固まった靴は、今や鍋のようです。 口も溶け、目も、髪も、リボンも餡子のスープに沈みました。 ですがれいむの苦しみは続きます。餡子はまだ一滴もこぼれていないのですから。 全身を、生きながらに焼き尽くされても死ねない事に、れいむは恐怖しました。 判るのは、窯の奥で固まっていた物のように、れいむはこれから毎日焼かれ続けるだろうということだけです。 参考文献:世界名作アニメ絵本14 赤いくつ 書いてるのがドン詰まりしたので気分転換です。カーレンタソの可愛さは異常。 シリーズとか書いてますが、続くわけが無いと思っている。 あと、この町はお年寄りばかりなので積極的にゆっくりを虐める人はいません。しかもズボラ。 羊の羽 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/732.html
あるところにゆっくりれいむが居て、お母さん達と仲良く過ごしていました。 でもゆっくりれいむはあるとき怖い犬さんに襲われて家族をみんな食べられてしまいました。 ゆっくりれいむも犬さんに食べられそうになりました、その時です。 「おいやめろ!」 通りすがりのお兄さんが棒を振って犬さんを追い払ってくれました。 「れいむひどりぼっぢになっぢゃっだあああああああ!」 「なんだよ、せっかく助けてやったのに感謝のことばも無しか まあいいけど、行くとこないなら家に住むか?」 「…ゆ?ほんとに?ありがとうおにいさん!ゆっくりしていってね!!」 こうしてゆっくりれいむはお兄さんのもとで幸せに過ごしました。 めでたしめでたし これはその、先のお話です。 「ゆ~♪ゆ~♪」 ゆっくりれいむはお兄さんの下でとてもゆっくり過ごしていました。 れいむはお兄さんが大好きです。 二人はいつも一緒に遊んでいました。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆっくりしていげほっ!ごほっ!」 「おい、大丈夫かれいむ?」 「ゆー、だいじょーぶ、ちょっとおくちがゆっくりしてなかったよ もっとゆっくりしゃべるね!」 でも幸せな時間は長くは続きません。 れいむは自分に寿命が迫っていることを悟っていました。 でもまだそれはお兄さんには話せません。 「おにいさんおなかすいたよ!ごはんいっぱいもってきてね!」 「はいはい、わかってるわかってる」 れいむはたくさん食べて、体においしい餡子を蓄えました。 そうしてれいむはとてもとてもおいしいゆっくりまんじゅうになりました。 なのでれいむはいいました。 「おにいさん!れいむをゆっくりたべてね!」 お兄さんはびっくりしました。 「な、なにを言ってるんだよれいむ!?」 れいむは言いました。 「れいむはもうすぐてんごくにいくの だからそのまえにおにいさんにたべてもらってゆっくりてんごくにいきたいの!」 お兄さんは言いました。 「そ、そんなのってあるかよ!?せっかく…せっかく仲良くなれたのに!」 れいむは諭すようにやさしくいいました。 「おにいさん、れいむはこのまましぬよりおにいさんにたべられて、てんごくにいきたいの ゆっくりりかいしてね」 お兄さんはその言葉を噛み締めながられいむと見つめあいました。 「わかったよ、れいむ ちょっとまっててくれ」 お兄さんはれいむの気持ちを理解してくれたようです。 台所に何かを取りに行きました。 「ゆっくりしてるね!」 お兄さんが食器を取りに行くまでの間、れいむは最後のゆっくりをしました。 「待たせたな」 お兄さんは、お皿と太目のストローを持ってれいむの所にやってきました。 「ゆ?おにいさんそのすとろーなんにつかうの?」 れいむは不思議に思って尋ねました。 「ああこれはれいむの餡子を吸うために使うんだよ」 お兄さんは事も無げに答えました。 「ゆ!?なにをいってるの!?なんでれいむのあんこすうの!?」 れいむはびっくりして尋ねました。 「俺饅頭はまず中の餡子を吸って少しだけ餡子がこびり付いた饅頭皮を食べるのが好きなんだよ 行儀が悪いから封印してたけど、一番おいしい食べ方をしないとれいむに失礼だもんな」 お兄さんは優しい笑顔で言いました。 「ゆうううううううううう!?そ、そんなゆっくりできないたべかたやめてね! ふつうにむしゃむしゃしてね!!!」 れいむは大慌てでやめるように伝えます。 「お前もきっと一番おいしい食べ方をされた方がゆっくり出来るって 俺を信じろ」 お兄さんは全く取り合わずにれいむの頭にストローを突き刺しました。 「ゆぐううううう!!!」 れいむは餡子を吸われる恐怖で逃げ出そうとしましたがすぐにお兄さんの手に押さえつけられました。 「いただきまーす♪」 ずぞぞぞぞ、とれいむの頭から餡子が吸われていきました。 今まで感じたことのない悪寒がれいむの中を駆け巡ります。 どんどんれいむは心も体もひんやりしていきました。 餡子が半分ほど吸われた頃、れいむはもうすぐ自分が死んで天国に行くのだとわかりました。 「ずびゅびゅびゅびゅ」 「ゆぱぺっぽおおおおおおおおおおおおお!?」 その時です、れいむの中にお兄さんの口に入った餡子が逆流してきました。 「ぱぱっぱぱぱあ!?な゜、な゜に゜を゜す゜る゜の゜お゜お゜お゜お゜!?」 れいむは上ずった声で言いました。 「唾液混ぜてやわらかくなった餡子がまたうまいんだよ なあに、自分の唾だし昔は離乳食代わりに親が咀嚼した食べ物を赤ん坊に食べさせてたし 全然汚かったりはしないから」 「き゜た゜な゜い゜よ゜お゜お゜お゜!ゆ゜っく゜り゜で゜き゜な゜い゜い゜い゜!!」 れいむはおにいさんが戻した餡子でどんどんふくらんでいきました。 唾液の分量が増えてれいむの皮はぱんぱんになりました。 唾液が体の中を駆け巡る悪寒がれいむの心もぱんぱんにしました。 「ゆ゜ぺっ、ぽっぴっゆ゜っぴ♪ぺぺぽっぺっぺぽ♪ぺぺぺぺぺ♪」 れいむは訳のわからない言葉を喋りだしましたがお兄さんは気にせずに吸っては戻し吸っては戻しました。 れいむは気が狂いそうでした、いえ狂っていたかもしれません。 れいむの支えはもうすぐ全て食べられて天国にいけるということだけでした。 「ふぅ…」 お兄さんは息が切れて、ストローから口を離しました。 れいむはそれを見て、やっと齧って全部食べてくれるんだと歓喜しました。 「すぐに食べちゃもったいないしれいむに悪いな 三日くらい時間かけてじっくり食べよう」 お兄さんはそう言ってれいむにラップをかけると冷蔵庫にしまいました。 呆然としていたれいむは冷蔵庫の中ではっと気付いて叫びました。 「ゆ゜っぴいいいいいいいいい!!ぱやぷ!ぱやぷこ゜ろ゜ち゜ぺゆっぷりさ゜ぺぺよおおおおおおおおおおお!!!」 体の中の唾液が冷たくなっていき、れいむはこれまでで最悪の悪寒を感じました。 冷蔵庫の中からではれいむの声はお兄さんに届きませんでした。 おしまい ※私はこんな汚い食べ方しません。by作者 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4323.html
「ぷくー!」 れいむは頬を膨らませていた。 威嚇である。 邪魔してはいけない。 頬は通常の倍ほどの大きさにまで膨れ上がっている。 これだけぷくーすれば皮は伸びに伸びて、れいむは痛みの余り頬が本当に張り裂けるのではないかと不安に思った。 それでもこのぷくーをやめるわけにはいかない。 目の前にはゆっくりまりさがれいむと同様にぷくーして威嚇をしていた。 まりさは悪しき人間の手先であった。 理由はわからない、まりさは一言も喋らずにただ人間につき従っていた。 まりさのぷくーは恐ろしいほど威圧的なものだった。 全身は愚か帽子までもが均等に膨れ上がりその全体の体積を二倍三倍にまで膨れ上がっているというのに 未だにより膨れることをやめない。 その威圧感は対峙するだけで餡子が強張りかなちーちーが股間からだくだくと漏れ出すほどである。 だがいまれいむはかなちーちーする訳にはいかない。 かなちーちーすればそれだけ体積が減って威嚇効果がなくなってしまう。 何故これほどのまりさが人間に従っているのか。 れいむには理解出来ない。 守るべきもののためか、恐怖で支配されているのか、さもなくば欲のためか。 だがれいむには関係のないことだった。 絶対にこのぷくー勝負で負ける訳にはいかないのだ。 「おかーしゃんがんばっちぇ!」 「がんばっちぇ!」 何故なられいむには家族が居た。 かわいいかわいい子れいむが二匹。 お歌がうまくて優しくてお母さん思いで れいむにとって目に入れても痛くないほどかわいかった。 今、自分がぷくーをやめればまりさは瞬く間にれいむに襲い掛かり かわいい子れいむ達も惨たらしい目にあわされることだろう。 れいむは絶対に退かず媚びず省みずの強靭な精神でもって限界を超えつつあるにもかかわらずぷくーをし続けた。 既に息を出来なくなって久しい。 呼吸困難で既に顔は真っ青だ。 それでもぷくーをやめまいと噛み締めた唇からは餡子がにじみ出て顎に伝っていた。 目も閉じてしまおうと思ったが、それでは威嚇にならない。 閉じるまいと生理現象を拒否し続けた瞳は逆に飛び出して赤く血走り涙が流れ続けているにも関らず乾ききっていた。 だが、限界を超えたれいむのぷくーは、れいむからその意識を一瞬で奪い去った。 眼球がぐるんと上へ動き白目を剥いた。 意識が消える。 そしてれいむのぷくーもそこで終わりを迎える、はずだった。 「おかあしゃーん!」 「もうちょっちょだょ!もうまりしゃはげんかいだょ!」 子どもたちの声がれいむを現実へと引き戻した。 「ぷっくっくー!!」 れいむは最後の力を振り絞りぷくーをしなおした。 しかしもう5秒ともたないだろう その終焉は間近だった。 4 3 2 …1 パァン。 れいむ達は自分の目を疑った。 限界を超えてぷくーし続けたまりさが、破裂したのだ。 れいむは呆気にとられて思わずぷくーをやめた。 「ちぇっ、俺たちの負けか」 「お前が空気入れすぎるから」 「帰ろうぜ」 悪しき人間達は、まりさに繋いでいた道具を片付けるとそそくさと引き上げた。 後には、小さくしぼんで小指より小さくなったまりさの皮だけが残っていた。 不思議なことに中身はどこにもなかった。 残ったものは皮ばかり その皮も、ためしに伸ばしてみるとゆっくりのものとは思えないほど伸縮自在。 そして何故か少し苦い味がした。 れいむは身震いした。 「おかーしゃんやったね!」 「おかーしゃんちゅごい!」 その時は、子れいむ達の言葉が全てを忘れさせてくれた。 だがれいむは心の底で、これがぷくーをし続けた者の末路かと恐れたのだ。 それから数日後、今度は流れ者のゲスまりさがれいむの巣へと略奪をしかけた。 もちろんれいむはぷくーでまりさを威嚇し、まりさも負けじとぷくーで威嚇し返した。 「ぷくー!」 「ぷ、ぷくー!」 まりさのぷくーは貧相で、れいむに負ける要素は見当たらなかった。 まりさは既に負け戦を悟り顔面蒼白で油汗を垂らしている。 れいむはぷくーしながら心の中でニヤリと笑う。 「おかーしゃんちゅよい!」 「しょんなまりしゃやっちゅけちゃっちぇね!」 もう一踏ん張りして追い払おうと顔に力をいれようとして 視界の隅にまだ片付けていなかったこの前のまりさの残骸が入った。 それはちょうどまりさの目が付いている部分だった。 あの時のまりさが脳裏を過ぎる。 このまま力をいれたら、れいむも、あのまりさみたいに 「ぷふー、!?」 れいむのその迷いが、力を入れるべきところで逆に力を抜かせてしまった。 自分でも信じられない思いでれいむは慌ててぷくーしなおそうとした。 「!ちゃんすだぜ!」 だがまりさはその隙を逃さない。 まりさはさらにぷくーしてれいむを威嚇し、ぷくーしてないれいむは思わず竦みあがってしまった。 「ゆっ」 「いまなのぜ!」 そしてまりさに隙だらけのところを体当たりされて、後はもう悲惨の一言だった。 散々乗っかられて押しつぶされて、泣き喚く子れいむ達の前でたっぷりと時間をかけてれいぷされた。 そしてれいむが足腰立たない状態のまま、今度は子れいむ達が巣の中で犯された。 れいむは何も出来ずにその光景を見るしかなかった。 胸が張り裂けそうになった。 目から餡涙がにじみ流れ出た。 叫び声はただただ掠れきっていた。 そしてまりさが犯すのに飽きた時、子れいむ達は殺された。 れいむは憎悪の余りそのまま憤死しかけた。 その時風が吹いた。 ふわりとれいむの目の前にひらひらとしたものが舞い込んだ。 あの時の、破裂したまでぷくーしたまりさの皮にはりついた絵みたいに薄く薄くなった瞳と目が合う。 れいむは最後の瞬間その瞳に尋ねた。 まりさはだれのためにぷくーしてたの? このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1773.html
ゆっくりいじめ系1534 シャッターチャンスのれいむが可愛過ぎたので、ついゆっくりした。 ツェさんにはすまないと思ってる。 でも、やるならやってやれってきもけ――Caved!!!! シャッターチャンス勝手に後日談 れいむが大好きで写真好きのこの男、最近「ぶろぐ」というものが流行っていると聞いたので自分もやってみることにした。 ぶろぐの内容はもちろん、可愛い可愛いれいむの写真である。 先日の撮影会で撮りまくった画像もすでに公開済み。 これで、れいむ好きの人たちとの交流がさらに広がるといいな、とわくわくしていた。 撮影会の画像を公開した翌日に、早速感想のメールがきていたので読んでみることにした。 --------------------------------------------- subject:れいむちゃんの写真の感想です from:れいむめでにぃ 写真好きおにいさん殿 はじめまして、れいむめでにぃと申します。 ぶろぐを拝見して、可愛いれいむちゃんの写真をいっぱい見せていただきました。 可愛いれいむちゃんの写真に癒されましたが、気になることがあるのでお伝えしたいと思います。 もし、既に知っていらっしゃるようであれば聞き流していただいてかまいません。 --------------------------------------------- 「なななな、なんだろう? もしかして僕が気付いていないだけで、可愛いれいむに怪我でもあったのか!?」 と男は慌てて先を読み進んだ。 --------------------------------------------- れいむちゃんはリボンが無いようですが、これは生まれつきでしょうか? 私も詳しくは知らないのですが、ゆっくりにとって髪飾りにはとても大事な物みたいです。 先日、うちのれいむのリボンが破けてしまったので、新しいリボンを買うまでほどいていました。 その間ずっと、れいむは外に出ることを非常に嫌がっていました。 ゆっくりが髪飾りをしないということは、とても恥ずかしいことのようです。 稀に生まれる髪飾りのないゆっくりを他のゆっくりから離して育てると、そのことを知らずに育ってしまうことが有るそうです。 写真好きおにいさん殿のれいむちゃんは大丈夫でしょうか? ぶろぐの写真を拝見すると、先日の撮影会のあとからの写真は、れいむちゃんが恥ずかしがっているような気がするのですが? もしかしたら、撮影会の時に初めて他のゆっくりと会わせたのではないでしょうか? もしよろしければ、れいむちゃんにリボンを付けてあげてみてください。 それでは失礼いたします。 From れいむめでにぃ --------------------------------------------- メールの内容に男は驚いた。 「な、なんだってーーーー!!」 そういえば最近れいむは、写真を撮ろうとすると逃げようとするようになった気がする。 僕に対しても微妙に目線をあわせようとしない気が…… これはいけない、早速確かめなければ!! 男は部屋の隅に鎮座した、猫ハウスならぬゆっくりハウスの前に腰を下ろした。 「おーい、れいむ! おにいさんはれいむに聞きたいことがあります」 と、ゆっくりハウスに引き篭もっているれいむに呼びかける。 「ゆっ、 おしゃしんとろうとするかられいむはでないよ!」 入り口を覗きこむと、れいむは奥で丸まって――もともと丸いが――出てこようとしない。 「れいむ、もしかしてさいきん機嫌がわるいのは、おリボンが無いからなのかい?」 「ゆゆっ! おにいさんやっとわかってくれたんだね!」 「そうだったらおリボンを買ってあげるから出ておいで。どんなのが良いか一緒に選ぼう」 「ゆ~ん、れいむはかわいいおりぼんがほしいよ!」 ゆっくりハウスから這い出したれいむは、ゆゆ~んと男の膝の上に飛び乗った。 「それじゃあ、どんなおリボンがれいむに似合うかみてみようか」 男はれいむを抱え上げると、パソコンの前に座ってブラウザを立ち上げた。 「えーと、”ゆっくり リボン”とかで検索すれば――っと、いっぱいあるな」 「ゆ~ん、きれいなおりぼんがいっぱいだよ!!」 「うーん、れいむにはこの白いリボンが……いや、それともこちらの黄色いリボンの方が……」 男が、マウスをくりっくすると画面に次々とリボンを表示されていく。 「ゆゆゆっ!! れいむこのおりぼんがいいよ! ひらひらでかわいいよ!」 れいむが身をのりだして「ゆっくり! ゆっくり!」と言い出したリボンは、黒のシルク生地に綺麗なレースが付いたリボンだった。 「れいむはこれがいいのかな? うん、黒いリボンもお嬢様って感じでれいむによく似合うあうな」 リボンの値段を確認すると少々値が張ったが、れいむの初めてのリボンになるのでこれぐらいなら良いだろうと購入することにした。 「――ん、これはゆっくり用じゃないな。」 どうやらゆっくり専門店ではなく一般の服飾店だったみたいだが、べつに問題ないだろうと男は購入ボタンを押した。 「よし、明後日には届くからな、たのしみにしてろよ!」 「ゆ~、まちどおしいよぉ~♪」 久しぶりの「ゆっくり~♪」の声とれいむの満面の笑顔に、男は思わずカメラに手を伸ばしシャッターを押していた。 パシャッ! 「おにいさぁああああああん!! なんでしゃしんとるのぉおおおおおおおお!!!!」 数日後、男が手に提げたゆっくり移動用のバスケットの中から、「ゆゆゆ~♪」というれいむの歌声が流れていた。 男にリボンをつけてもらったれいむはご機嫌だった。 今日は近所の公園というところで、この前会ったゆっくりたちと会えるらしい。 前のときと違って今度はしっかりとおリボンをつけているので、きっとみんなとゆっくりできるはずだ。 「ゆー! 今日はみんなといっぱいゆっくりするよ~♪」 男が公園に着くと、前回のメンバーが既に数人集まっていた。 自分のゆっくりたちを離して、目の届く範囲で思い思いに遊ばせている。 「すいません、遅くなりまして」 と挨拶をして、男はバスケットかられいむを取り出した。 「おや、今日はれいむちゃんはリボンをつけているんですね」 「ええ、どうやらリボンをしていないと恥ずかしいらしくって」 「いやぁ、よく似合ってますよ」 「ありがとうございます。――ほら、れいむ、遊んでおいで」 男がれいむをやさしく地面に下ろすと、れいむは他のゆっくりの所へと飛び跳ねていった。 「ゆっくりしていってね!!」 れいむは遊んでいるゆっくりたちの前に来ると元気に挨拶をした。 「・・・・・・」 「ゆゆっ、きょうはちゃんとおりぼんをつけてきたよ。みんなゆっくりれいむとあそんでね!!」 そう言って、れいむがぴょんと跳ねると、ゆっくりたちはれいむから一歩後ずさった。 「ゆゆっ、みんなどうしたの?」 「ゆっ、またあのゆっくりがきたよ」 「あんなえっちなかみかざりをつけてるなんて、はずかしいわ!」 「わかるよー! いんらんなんだねー!」 「むきゅ! まりさいったいどこをみているのかしら!!」 「まりさはなにもみていないんだぜ! ほんとだぜ!」 「おお、ひわいひわい」 「ゆうーっ!! どうしてそういうこというのぉおおおおおお!!!!」 れいむには皆の反応が理解できなかった。 自分はちゃんと綺麗なおリボンをつけているのに、なぜこんなことを言われるのだろうか? 実は、赤ゆっくりのころから男に飼われていたれいむの感性は、ゆっくりの感性とは少しずれていた。 男と同じテレビをみて、人間の読む雑誌を読んで育ったれいむの感性は、ゆっくりよりも人間よりになっていたのである。 れいむが綺麗で可愛いと思った黒いシルクとレースのおリボンだが、ゆっくりの感性からするとまるで勝負下着のようなえっちな姿だったのだ。 れいむを見たゆっくりたちの目には、れいむはまるでコールガールのように映っていたのである。 「ゆぇえええええええん!! ゆっくりしてよぉおおおおお!!!!」 昼下がりの公園に、れいむの叫び声がむなしく響き渡るのだった。 #おまけーね 「ゆゆぅぅうう……」 楽しそうに遊んでいるゆっくりたちから少しはなれたところに、れいむはポツリと佇んでいた。 その目じりにはうっすらと涙が浮かんでいる。 れいむの飼い主の男は、サークル仲間とのゆっくり談義に気をとられて気がついていない。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっ?」 と、そのれいむに一匹のゆっくりありすが声をかけてきた。 ありすはれいむより年上で、手入れの行き届いた綺麗な金髪でゆっくり目にみてもかなりの美ありすだった。 その様子を見た他のゆっくりたちは「またありすのびょうきがでたんだぜ!」とひそひそ話していたが、れいむは気がつかなかった。 「どうしたのれいむ、ゆっくりできてる?」 「ゆうぅう、ゆっくりできないよぉ。せっかくおりぼんつけてきたのに……みんなゆっくりしてくれないのぉおおおお!」 「あらあら、そんなことなわよ。とってもとかいはなおりぼんですてきよ ――ハァハァ」 「ゆっ! ほんとう? ありすおねえさん……」 「ええ、だからないていないでいっしょにゆっくりしましょう」 「ゆ~ん、れいむはありすおねえさんとゆっくりするよ!!」 れいむはうれしくなって、ありすに頬を摺り寄せた。 「ゆ~♪ ゆっくり~♪」 「かわいいわよれいむ、ありすおねえさんとす~りす~りしましょうね ――ハァハァ」 「ゆ~ん♪ す~りす~り♪」 「ありすおねえさんがやさしくしてあげるわ。 す~りす~りす~りす~り ――ハァハァ」 「ゆゆぅ~? れいむなんかへんなきぶんになってきたよ?」 「とかいはなりぼんのれいむかわいいわぁ ――ハァハァハァハァ」 「ゆゆっ! ありすおねえさんちょっとす~りす~りとめてね!!」 「そんなこといっても、あんこはしょうじきよぉ~ ――ハァハァハァハァ」 「ゆぅうううううううう!! もうやめてぇええええええええ!!」 「こわくないからだいじょうぶよぉ、いっしょにすっきりしましょうねぇ!! す~りす~り ――ハァハァハァハァハァ」 「どしてやめてくれないのぉおおおおお!! おにいさぁあああああああん、たすけてぇえええええええええ!!!!」 ゆっくり談義を楽しんでいた男は、今日はまだ写真を撮っていないことに気がついた。 「写真を撮るのを忘れてましたよ。僕のれいむはどこかな?」 「あそこでうちのありすとじゃれ合ってるみたいですね」 男が目を向けた先には、話し相手の飼いゆっくりありすと、頬をよせあっているれいむがいた。 ゆっくり主観では、年上のお姉さんありすがまだ若い蕾のれいむを手篭めにしている真っ最中である。 だが、男の目には二匹が仲むつまじくじゃれあっているようにしか見えなかった。 「おおっ! これはシャッターチャンスですね! れいむー、こっちむいてー!」 と男がカメラを構える。 「ゆぇえええええん!! おにいさんたすけでよぉおおおおお!!!」 パシャッ! 「どぉしてしゃしんとるのぉおおおおおお!!!」 パシャッ! 「いやあああああああああ!! れいむのはずかしいしゃしんとらないでえええええええ!!!!」 「みられたほうがよいなんて、れいむはいけないゆっくりね!! す~りす~り」 「ゆぁああああああ!! ちがうのぉおおおおおおおおおお!!!!!!」 昼下がりの公園に、再びれいむの叫び声がむなしく響き渡るのだった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2892.html
その5より 「おおおにいさん!! きょきょきょうは、れれれいむをぎゃくたいしてね!!!」 翌日、れいむは男の足音が聞こえてくるや、男の言葉を待たずして、精一杯の声でそう叫んだ。 そうでもしないと、奮い起した勇気がいつ萎んでしまうか分からないからだ。 現に、今のれいむは朝から一度も震えが止まらなかった。 しかし、言ってしまった以上、後戻りはできない。する気もない。 自分の存在意義がかかっているのだから。 「ほう、ようやくお前の出番が来たか。待ちくたびれたよ」 男はさも嬉しそうに、扉越しに声をかける。 対して、まりさとありすは、何を馬鹿な事を!! と言わんような口調で、れいむに詰め寄ってくる。 「れいむ!! なにをいってるの!! ゆっくりばかなことはいわないでね!!」 「そうよ、れいむ!! れいむがぎゃくたいされることはないわ!! ここは、まりさととかいはのありすに、まかせておけばいいのよ!!」 まりさもありすも、予想通り、れいむを止めにかかる。 しかし、ここで虐待を止められるわけにはいかないのだ。 まりさと対等になるためにも。 ありすより先に、まりさにプロポーズするためにも。 「まりさ、ありす、ゆっくりありがとう!! でもれいむはへいきだよ!! きょうは、ゆっくりしていってね!!」 「ゆぅぅ!! うそつかないでね、れいむ!! こえがふるえてたよ!! れいむがいじめられることなんてないんだよ!! きょうはまりさにまかせてね!!」 「もうきめたんだよ、まりさ!! それに、いつまでもまりさとありすにたよってばっかりじゃいられないよ!! ゆっくりりかいしてね!!」 「れいむこそゆっくりりかいしてね!! れいむがいじめられること、ないんだってば!!」 「なんといわれても、れいむのかんがえはかわらないよ!! おにいさん!! ゆっくりはやく、れいむをつれていってね!!」 埒が明かないと感じたれいむは、さっさと男に連れて行けと要求する。 いつまでもまりさやありすと話をしていると、せっかく奮い立たせた勇気が萎えてしまいそうになるのだ。 そのため、多少強引ではあったが、れいむは二匹との会話を切り上げた。 「ふふ、久しぶりに、れいむを苛め倒すことが出来るよ。楽しみで仕方がないぜ」 男はれいむの部屋の鍵を開けると、扉を開けた。 その手には、一月ぶりに見る、恒例の箱が収められている。 この部屋と虐待部屋を行き来するのに、かつて男が使っていたものだ。 れいむはそれを見るや、体が委縮してしまう。これから虐待をされるのだと、否応なしに思い知らされるのである。 「さあ、れいむ。この箱の中に入れ」 男が木箱の蓋を開けて、命令してくる。 両壁からは、突然まりさとありすの声が聞こえなくなった。 何を言っても無駄だと気づいたのだろうか? それはそれで好都合だが、いざ声が聞こえてこないと不安になってくるのも事実だ。 生物(?)の心理とは、本当に不思議なものである。 れいむが完全に入ったことを確認した男は、木箱の蓋を閉める。 そして、れいむに一言言葉をかけた。 「お前だけは、利口なゆっくりだと思っていたのに、どうやら俺の見込み違いだったようだな」 利口なゆっくり。 この場合、頭がいいという意味ではなく、卑怯・狡猾という意味であろう。 二匹に虐待を任せ、一匹気楽に過ごしていたれいむに対する皮肉であろうか? 何とでも言うがいいと、れいむは心の中で反発した。 男は知らない。 虐待されることこそが、れいむの望みであることを。 これこそが、自分がこれから生き残る上での最善の方法であることを。 虐待されることは、すなわち将来への布石なのだといういことを。 自分が勝者だとおもっているであろう男は、れいむから見たら自分に従って動くピエロのようなものであった。 男の規則正しい足音が聞こえ始めた。移動を開始したのだろう。 これから一か月ぶりに、れいむは虐待を受ける。 れいむは、再度耐えしのぐ決意を固めた。 およそ一月ぶりに受けた虐待は、予想通り、死んだ方がマシといえるほど苦しいものであった。 それでもれいむは必死に歯を食いしばり、男の責苦に耐え続けた。 悪魔の拷問ような一時間が過ぎた時、れいむはあまりの激痛に意識を手放してしまった。 それでも男はきっちり時間どおり終えて、部屋に戻してくれた。 れいむが目を覚ましたのは、翌日の朝方であった。 虐待を受けてから、丸々20時間近く眠っていたことになる。 昔は虐待を受けても、ここまで長く休息を取ったことはなかった。 やはり、久しぶりの虐待に、体が付いてこなかったのだろう。 れいむは起き上がると、未だ痛みの引かない体を引きずりながら、ドッグフードと水の置かれている部屋の隅に向かい、もそもそと食べ始めた。 まりさとありすはまだ寝ているのか、物音一つ聞こえなかった。 少し残念ではあるが、れいむももうひと眠りしたいので、好都合でもあった。 何しろ、れいむは今日も男の虐待を受けるつもりなのだから!! まりさやありすに言えば、絶対に反対されるだろう。昨日の様子を見て入れば、考えるまでもない。 しかし、虐待を一回受けた程度でまりさと対等になったなどというおこがましいことは、さすがにれいむも考えていなかった。 まりさの受けた回数と同じとまではいかなくとも、少なくとも一週間分くらいは虐待を受けなくては、まりさと同じ位置に並べない。 だからと言って、ありすがいつまりさに告白するか分からない以上、三匹で順番に虐待されるなんて、悠長なことは言っていられない。 ほんの一月前までは、毎日のように虐待をされ続けてきたのだ。 それでも、れいむは生きている。悔しいが男の加減は、それだけ正確なのだろう。 これで障害が残ったりするなら考え物だが、そんなこともない以上、れいむは今日も明日も明後日も虐待してもらわなければならない。 そのためには、まず体力を回復させることが、何をおいても重要である。 れいむは食べ終わると、再び男がやってくるまで、眠りについた。 「れいむ!! いいかげんにやすんでよ!!」 「そうよ、れいむ!! これいじょうむりはやめてね!!」 れいむが虐待される決意をしてから、一週間が経過した。 まりさとありすは、2〜3日はれいむを説得し続けたが、れいむが以前のありすのように意志を曲げないと分かると、次第にれいむの心意気をくんでくれるようになった。 しかし、それでいて二匹のこのセリフ。れいむを行かせまいと必死で止めている。 納得したというのに、二匹がれいむを止める理由。 それは、れいむがこれで一週間連続で虐待をされ続けているためである。 どんなに止められようと、れいむは虐待され続けた。 男もそんなれいむの狂気じみた様子に、何か思うところがあったのだろうか? れいむの言い分を聞いて、毎日虐待をし続けてくれた。 しかし、虐待を受けているというのに、れいむは嬉しかった。 自分の思い通りに事が運んでいることに満足していた。 れいむにどんなにやる気があろうと、目下最大の懸念は、男がれいむを指名してくれるかというものであった。 如何に自分から名乗り出ようと、れいむを心配するまりさとありすも必ず名乗りを上げてくる。 心配してくれるのは嬉しいのだが、この時ばかりは、二匹のお節介も鬱陶しいと思わざるを得なかった。 気分屋の男だ、その日の気分次第ではれいむを虐待してくれないかもしれない。まりさやありすを選ぶかもしれない。 しかし、れいむには時間がないのだ。最短でまりさと対等にならなければならないのだ。 それを男は見据えているかのように、れいむを虐待してくれる。 れいむは、すんなりと事が運ぶことに満足し、今日も虐待の痛みに必死で耐えた。 虐待が終わり、れいむは部屋に戻された。 いつもなら食事をしてすぐに寝付くのだが、今日のれいむは中々寝られなかった。 嬉しかったのだ。 れいむの目安としていた一週間が終わったのだ。 これでやっとまりさとありすに、負い目を感じることはなくなる。 まりさと同じ高さに立てる。 そう考えると、ついついニヤケ面になってしまい、体の痛みも忘れてしまいそうになる。 そんなれいむに、両隣から声が掛って来た。 「れいむ!! だいじょうぶなの!?」 ありすの声である。 余程心配だったのだろう。 れいむの企みを知らぬありすは、必死にれいむの名を呼び続けてくる。 「れいむ!! あしたはぜったいにまりさがぎゃくたいされるからね!! これいじょう、れいむがいくんだったら、ぜっこうだよ!!」 まりさの言葉。 絶交とは、温和なまりさがよく口にしてきたものである。 危なかった。ノルマが達成した後で助かったものだ。 まりさと一緒になるために頑張っていたのに、そのまりさに嫌われてしまっては、本末転倒である。 「ゆっ……わかったよ、まりさ……あしたは……まりさにまかせる…ね……」 「ゆっ!?」 今まで頑として、まりさの言葉に耳を傾けなかったれいむが、いきなり素直になったのを受け、まりさは言葉を詰まらせた。 しかし、れいむの言葉はまりさにとっても、嬉しかったのだろう。 久しぶりに、まりさの声が落ち着きを取り戻した。 「ゆうぅ!! やっとれいむが、まりさのいうことをきいてくれたよ!!」 「ごめんね……まりさ………しんぱいばっかり……かけて」 「まったくだよ!! ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆっくり……はんせいするよ……」 「れいむ!! あしたはまりさだけど、そのつぎはありすがいくからね!!」 「ゆっ……ゆっくり…りかいしたよ……ありす……がんばってね……」 「まったく、しょうがないわね!! あとはとかいはにまかせなさい!!」 「おねがいね、ありす……でも……そのつぎは………またれいむがいく……からね」 「なにいってるの、れいむ!! れいむはしばらくおやすみよ!!」 「そうだよ、れいむ!! あとは、まりさとありすにまかせてね!!」 「だめだよ……れいむだって……まりさとありすの……やくにたちたいよ……ゆっくりなかまはずれは……やめてね」 「ゆぅぅ……やっぱりれいむはいじっぱりだよ!!」 まりさは最後に困ったような言葉を吐きながらも、最終的にはそれを認めてくれた。 元々、れいむが虐待をされることに反対だったわけではなく、れいむの行き過ぎる行いに対して苦言を呈していたのである。 れいむがしっかりと順番を守ってくれるのなら、まりさはれいむの意志を尊重してくれるつもりなのだ。 やはり、まりさは最高のゆっくりである。 この一週間、地獄の苦しみに耐えたかいがあったというものだ。 これで、準備は整った。 後はありすより先に、まりさに告白をするだけ。 しかし、物事にはタイミングというものがある。 少しでも確率を上げるためにも、その時に告白するのがベストだろう。 あの呑気でお人よしのれいむは、この時もうすでに存在していなかった。 世の物事すべてを損得の計算で考えられるように変わってしまったのである。変わらざるを得なかったのである。 それだけこの異常な空間が、れいむを変えてしまったのである。 しかし、れいむは自分が変わってしまったことに気付きもしない。いや、例え気づいていても、どうも思わないだろう。 すでに賽は投げられたのだ。 もう振り直しは出来ない。どの目が出ようと、突き進無以外道はない。 れいむは、そのまま少しの間二匹とお喋りをし、その後すぐに意識は深い深い海の底に落ちていった。 自分の成功を信じながら。 れいむの無茶苦茶な一週間が終わり、まりさとありすを含めて、三匹でサイクルを組んで虐待される日々が始まった。 すでにまりさ→ありす→れいむと一回り虐待は終了しており、今日はサイクルが始まってから、れいむが二回目の虐待を受ける日であった。 それと同時に、れいむが例の作戦を実行に移し出すと決意した日でもあった。 今日、男の虐待から戻ってきたら、まりさに告白しよう。 れいむはそう決めていた。 そのタイミングを選んだ理由はいくつかある。 一つ目は、虐待帰りだということである。 普通に告白をするより、虐待を受け心身ともに疲れている方が、まりさの気を買えるだろうという、れいむなりの考えである。 それなら、虐待一週間を終えたすぐの方がいいのではと思うかも知れないが、これについても、れいむなりに思うところがあった。 あの場で告白してしまったら、れいむの考えを見透かされる可能性があったからである。 見透かされるとは、虐待を受け続けた理由が、まりさに告白するためだとバレテしまうことを意味する。 そんなことを知られては、計算高いゆっくりだと、逆に引かれてしまいかねない。 しかし、数日置けば、さすがにそこに結びつけることはなくなるだろう。 二つ目は、あまり悠長に構えている時間もないということである。 作戦はただ告白するだけでなく、ありすより先にするというのが根幹の部分にある。 れいむも出来ることなら、もっと時間を置きたいのだ。 虐待のノルマを達成したといっても、それは所詮れいむだけが考えていることである。 まりさからすれば、れいむなんてまだまだ苦しんでないよと感じられるかもしれない。 だからこそ、今後もっと虐待を受け続けていけば、それだけまりさに近づくことが出来るのである。 しかし、悠長に構えていてありすに先を越されてはたまらない。 そういった様々な要素を考えまとめ、れいむは今日まりさに告白することを決意したのである。 男に虐待部屋に連れてこられ、今日も虐待が始まった。 その日れいむに怯えはなかった。 いざ告白を決意しても、ちゃんとまりさに伝えることが出来るか不安でいっぱいなのだ。 それに、ちゃんと告白できたとしても、まりさがれいむの告白を受けてくれるかどうかも分からない。 その気持ちが、虐待の不安を押し退けてしまったのである。 体が虐待に慣れてきたことや、虐待内容が以前行われた事の繰り返しであるということも、れいむにあまり不安を与えない要因となったのだろう。 れいむは、虐待の痛さに必死で耐えながらも、頭の中では今後のことばかりを考えていた。 虐待は終了し、れいむは部屋に帰された。 いよいよ告白の開始である。 痛さと疲れはあるものの、ゆっくりのくせにアドレナリンでも出ているのか、れいむはそれをほとんど感じなかった。 ゆっくりは思い込みの生物であるという学説がある。 思考のすべてを今後のプロポーズに費やしたれいむは、自分が痛いということを忘れてしまい、それが体にも影響しているのかもしれない。 ある意味羨ましい体である。 と、れいむがどういうふうに切り出すか悩んでいると、当のまりさの方かられいむに声をかけてきた。 「れいむ!! ゆっくりだいじょうぶだった?」 「ゆぅ!! ゆっくりだいじょうぶだよ!! ぜんぜんへっちゃらだよ!!」 いつも通りのやり取りであるが、れいむは言葉にしてからしまったと思った。 虐待後を狙ったのは、苦しみながらも告白することで、まりさの気を最大限引き寄せる効果を狙ってのつもりだったのに、うっかりと普通に話をしてしまった。 考えに夢中で痛さを感じないのも良しあしである。 こうなったら作戦実行日を変えるか? いや、やはりそれは出来ない。 ありすがいつ告白してくるか分からないのだ。あまり時間はかけたくない。 それに、せっかく今日に計画を合わせてきたのだ。 れいむは気持ちの面でも最高潮に達している。今なら、れいむの有りっ丈の気持ちをまりさに伝えきることが出来る。 れいむは、無駄な事を考えることは止めた。 最初から出鼻を挫かれたのだ。もう怖いものなどありはしない。当たって砕けろ!! いや、砕けたくはないけど、そんな意気込みで言え!! 本心をまりさにぶつけることにした。 「まりさっ!!」 「ゆっ!? なあに、れいむ?」 「れいむは、まりさがだいすきだよ!! まりさのことを、ゆっくりあいしているよ!! れいむといつまでもゆっくりしていってね!!!!」 「!!!」 言った!! 言ってしまった!!! もう後には引けない。賽は投げられた。 れいむの愛の告白に、まりさは何も返事を返してくれなかった。 しかし、一瞬、言葉に詰まった様子を見せた。相当驚いているのだろう。 こんな場合だというのに、告白なんてしてくるんだ。無理もない。 れいむは緊張で、喉(?)が乾いて仕方がなかった。 一刻も早く、水を飲みたい。 しかし、まりさの返事を聞くまでは、なんとか我慢するつもりだった。 壁越しの告白のため、姿は見えないのだが、水を飲んでしまったらまりさに振られる気がしたのだ。 様は願掛け、気分の問題である。 30秒が過ぎ、一分が経過しても、まりさは一向に口を開かなかった。 さすがにれいむも焦りだした。 やはり、まりさはれいむのことを好きじゃないのか? れいむじゃ、まりさには釣り合わないのか? 様々な感情が去来する。 しかし、ようやくまりさが口を開いて来た。 考えが纏まったのだろう。 「れいむ……れいむのきもちはうれしいよ」 「ゆっ……」 「まりさもれいむがだいすきだよ……」 「ゆゆっ!!」 「……」 そう言って、まりさは再び沈黙してしまう。 大好きだよ。 愛の告白をして大好きを言われたのだから、普通に考えれば、れいむの気持ちを受け止めたと考えていいのかもしれないが…… その後の間が嫌な気分にさせる。 なんとか傷つけないように断る手段を考えているような気分を感じさせる。 れいむは、やはり自分ではダメだったのかと弱気になった。 しかし、次の瞬間…… 「だから!! だから、まりさといっしょに、いつまでもゆっくりしていってね!!!」 …… ……… ………… れいむは唖然としてしまった。 もう十中八九、玉砕を覚悟していた。 それなのに、まりさはれいむの気持ちをしっかりと受け止めてくれた。 れいむは、ただただ感情を整理できず、言葉を詰まらせた。 「れいむ、どうしたの?」 何も話してこないれいむが気になったのだろう。言葉をはさんでくる そんなれいむの心情に気付かないのが、まりさらしいと言えばまりさらしい。 れいむは、とにかく何か話さなければ、言葉を掛けなければと、考えを纏め上げようとしたが…… 「ゆ……ゆゆ………ゆゆ……」 「ゆっ?」 「ゆ……ゆあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあぁぁ――――――――――――んんんんんん!!!!!!!」 「れ、れいむ!! どうしたの!!」 一気に感情が爆発してしまった。 爆発は涙となって、れいむの目から止めどなく溢れてくる。 嬉しかった。まりさが自分を選んでくれたのが。 嬉しかった。あの虐待された日々が、無駄ではなかったことが。 嬉しかった。れいむにはっきりと居場所が出来たことが。 れいむは、今までの自分の行動を振り返り、延々と泣き続けた。 「れいむ、なきすぎだよ!!」 「ゆぅ……ゆっくりごめんね、まりさ!! でも、れいむ、すごくうれしかったんだよ!!」 「まりさもうれしかったよ!! れいむがすきといってくれて!!」 「まりさ!!」 「れいむ!!」 ようやくれいむは泣きやんだ。泣きやむまで、実に10分もの時間を費やしてしまった。 れいむは水が飲みたかったことも忘れ、まりさとの話に興じ始める。 「れいむ!! いまはできないけど、けっこんしきはここをでられたらゆっくりしようね!!」 「ゆぅ!! そうしようね!!」 「それから、れいむはまりさのおうちにゆっくりくるといいよ!!」 「ゆゆっ!? いいの!!」 「あたりまえだよ!! れいむのおうちはまだできていないんでしょ? それに、れいむはまりさのおよめさんだもん!! いっしょにくらすのは、ゆっくりあたりまえだよ!!」 「ありがとう、まりさ!!」 「まりさのおうちはおっきいよ!! にんげんさんのおうちみたいにおっきいから、ゆっくりたのしみにまっててね!!」 「ゆっ!! ゆっくりたのしみだよ!! ゆっくりはやく、まりさのおうちにいきたいよ!!」 「あと、おちついたら、はねゆーんにもいこうね!!」 「ゆっくりたのしみにしてるよ!!」 人間のお家と同じくらい大きいとは、まりさも大げさに出たものだ。 まあ、所謂物の例えだろう。 しかし、れいむは「うそつかないでね!!」なんて、無粋なセリフを吐くつもりはない。 まりさは、れいむを喜ばせるために言っているのだろう。れいむだって、そのくらい分かるつもりだ。 こんな幸せなひと時を、自分から壊す必要はない。 自分の居場所が出来たばかりか、出会ったときからずっと好きであったまりさと、これからは永遠にゆっくりすることが出来るのだ。 れいむの頭の中は、まりさとの会話でいっぱい幸せいっぱいで、何にも考えられなかった。 しかし、次にまりさが言った言葉が、れいむに重要なことを思い出させた。 「ありす!! ありすも、まりさとれいむを、ゆっくりしゅくふくしてね!!」 「!!!」 そう、作戦が完璧なほどに決まったことで浮かれまくってしまい、すっかりありすのことを忘れていたのである。 れいむはなんと言葉をかければいいか分からなかった。 そもそも勝者であるれいむが、敗者であるありすにかける言葉なんて、どれも陳腐に聞こえるだろう。 裏切ったれいむの言葉なんて、都合のいい言葉としか感じないだろう。 事実、れいむの心の中は、ありすへの優越感で満たされている。 何とか考えずにいようとしても、すぐに思考の中に入り込んできてしまう。 とても甘美な麻薬のようなものだ。 れいむの口から出る言葉も、自然とありすを見下すものになってしまうだろう。 しかし、ありすへの背信行為をしておきながらも、ありすとは親友でいたい。嫌われたくない。 これもまたれいむの本音だった。 それは、勝者だからこそ持ち得ることが出来る、自分に甘く都合のいい考えである。 ありすのことを全く考えてない、自己中心的な思考である。 しかし、例えそれが分かっていようと、れいむはありすとの友情も諦めきれなかった。 それだけありすのことが好きだったのだ。 ありすは、まりさの言葉に、なかなか返事を返さない。 一体、どんな心中でいるのだろう。 自分を裏切り、まりさを手に入れたれいむに、仕返しでも考えているのだろうか? それとも、まりを諦めきれず、虎視眈々とまりさを奪う算段でも整えているのだろうか? 何とかありすに言葉を掛けなければならない。 親友でいてもらうためにも。 れいむが、なんて声をかければいいのだろうと、頭を悩ませていると、ようやく当の本人から反応が返ってきた。 「おめでとう!! れいむ!! まりさ!!」 その言葉に、特に棘があったようには聞こえなかった。 いつものやさしさに満ちたありすの声に聞こえたきがする。 心から祝福しているような気がする。 「ゆっ!! ありがとう、ありす!!」 まりさが祝福を受け、感謝の意を示す。 「けっこんしきには、ぜったいにありすをよんでね!!」 「あたりまえだよ!! ゆっくりかならず、ありすをよぶよ!!」 「ゆっくりれいむをたいせつにしてね!!」 「ゆっくりやくそくするよ!! れいむをいつまでもかわいがるよ!!」 その後、まりさとのやり取りを終えると、ありすはれいむにも声をかけてきた。 「れいむ、おめでとう!! まりさとゆっくりしてね!!」 「ゆっ……ありがとう、ありす……」 「けっこんしても、ありすとはしんゆうでいてね!!」 「ゆぅぅ……」 ありすはれいむを祝福してくれた。 そればかりか、れいむに対して、親友でいてくれとまで言ってくる。 れいむは自分でありすを裏切っておきながら、ありすの寛大な態度に居たたまれなくなった。 それと同時に不審に思った。 ありすは悔しくないのだろうか? 悲しくないのだろうか? れいむがありすの立場なら、決して自分を許さないだろう。 なのに、ありすは祝福してくる。れいむが最も望んでいた言葉をかけてくる。 腑に落ちなかった。自分に都合がよすぎる。 昔のれいむなら、その言葉に何ら疑問を抱かなかっただろう。 しかし、今のれいむは、物事を計算で見るようになってしまっている。 ありすの言い分は、そんなれいむを納得させるには、あまりにも納得の出来ない言葉だった。 折角想いに想っていたまりさと一緒になることが出来たのだ。 なのに、つまらないことで将来への希望を壊されるようなことは、絶対にあってはならない。 本当にありすは自分たちを祝福してくれているのか? 何か不穏当な考えを持っているのではないか? もしありすが何らかの手で自分を陥れようとしているのなら、何が何でも防がなくてはならない。 例え、今後ありすとの友情が壊れようと。 れいむは、ありすの真意を測ることにした。 一夜明けた翌日、今日はまりさが虐待される日である。 男はまりさを虐待部屋へと連れていった。 今がありすと話す絶好の機会である。 れいむは、ありすのいる壁際の方に行くと、真意を質すべく、核心をぶつけた。 「ありす、おきてる?」 「ええ、ゆっくりおきてるわ!!」 「ありす!! れいむ、ききたいことがあるよ!!」 「なにかしら?」 「きのうのことだよ!! ありすは、れいむにまりさがとられて、かなしくないの?」 「……」 「まりさがすきじゃなかったの?」 「……」 「れいむをうらんでいないの?」 「……」 「ねえ、どうなの、ありす!!」 れいむの問いに、ありすは中々反応を示さない。 れいむはゆっくりとありすが言葉を出すまで待ち続けた。 ようやくありすが口を開いて来たのは、一分後であった。 「……くやしいわよ!! かなしかったわよ!! ありすはまりさがすきだったんだもの!!」 ありすは、自分の隠していた感情のすべてをぶつけるかのように、大きな声で叫んできた。 これには、さすがのれいむも、少なからず動揺した。 ありすがこうまで生の感情を出してくるとは思わなかったのだ。 「それじゃあ、どうして……」 「……だって、しょうがないじゃない!! これはこいのかけひきなんだもの!!」 「ゆっ?」 「れいむは、じぶんのことをどうおもってるの? ありすのことをうらぎったとおもってる?」 「ゆぅぅ……それは……」 「さいしょはありすもそうおもったわ!! れいむにうらぎられたって!! でも、じっさいはそうじゃない!! まりさはだれのものでもないんだもの!! まりさにこくはくするのは、れいむのじゆう!! それをうけるのもまりさのじゆう!! そこのありすのはいるよちはないわ!!」 「……」 「ありすがまりさにさっさとこくはくしなかったのもいけなかったしね!! まりさのあいてが、れいむならなっとくだわ!! それに、まりさはれいむのことがすきだったみたいだから、こくはくしてもたぶんふられていたけどね!!」 「ありす……」 「だからありすはあきらめたの!! かこをふりむかないことも、とかいはのたしなみよ!! だから、れいむがきにすることはないわ!! これからもありすのしんゆうでいてね!!」 「……ありす!! ありがとう!! ありがとう!!」 「かんしゃすることなんてないわよ!! ここからでられたら、まりさいじょうにすてきなゆっくりをみつけてやるんだから!!」 「ありすならきっとみつけられるよ!!」 「ありがとう、れいむ!!」 れいむはここに来て以来、三回目の衝撃を受けた。 自分はなんて小さいのだろう。ありすと言葉を交わし、嫌というほど思い知らされた。 自分は決してそんな風に考えられない。 ありすの立場なら、絶対に嫉妬をせずにはいられない。 しかし、ありすはどこまでいってもありすだった。 優しく他人を思いやれるゆっくりだった。 本当に心の底から、れいむとまりさを祝福してくれていたのだ。 れいむは、ありすを疑ったことを悔いた。 そして、同時に感謝した。 こんな最高のゆっくりと知り合えたことを。 ありすと親友になれたことを。 「ありす!! れいむとありすはいつまでもしんゆうだよ!!」 「もちろんよ!!」 れいむは、今最高に幸せだった。 隣には愛するまりさと、親友のありす。 例え姿は見えなくても、スリスリ出来なくても、心が繋がっている。 それが感じられるだけで満足だった。 しかし、今日の幸せはそれだけに留まらなかった。 まりさが虐待を終えて帰ってきた。 それと同時に、壁越しに男からとんでもない一言が飛び出してくる。 「お前たち。今日でお前らの虐待は終了する」 「!!!」 突然の男の発言に、れいむは驚きのあまり、餡子を吐いてしまいそうになった。 何とか飲み込んで、事なきを得たが。 「ゆっ!!! ほ、ほんとうなの!?」 「ああ。飽きてきたしな。明日、部屋から出してやるよ!!」 「ゆうううぅぅぅぅぅぅぅ―――――――!!!!!」 れいむが雄たけびを上げる。 まさか、婚約した翌日に、この辛く苦しい虐待まで終わることになるとは!! 人間でいえば、盆と正月とクリスマスがいっぺんに来たようなものである。 「やったああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!!」 遂に、遂にここから出られるのだ。 まりさとありすに会えるのだ。 スリスリ出来るのだ!! 隣では、二匹とも感無量なのか、一言も言葉を発しなかった。 「それじゃあな」 そう言って、男の足跡は遠ざかっていく。 れいむは、すぐさま二匹に声をかける。 「まりさ、ありす!! でられるんだよ!! やっとここからでられるんだよ!!」 「ゆう!! ながかったよ!!」 「やっと、ここからでられるのね!!」 「まりさ!! あしたはいっぱいすりすりしようね!!」 「ゆっ!! そうだね。れいむ!!」 「あしたがたのしみね!!」 「ゆっくりたのしみだよ!!」 れいむの頭の中には、男が嘘を付いているという考えは一切ない。 別に昔の純粋なれいむに戻ったという訳ではなく、単に嬉しすぎて頭が回らないのだ。 もっとも、男はちゃんと出してやるつもりなので、考えたところで、れいむの杞憂に終わるのだが。 早く明日が来ないだろうか? れいむは浮かれて、なかなか寝付けなかった。 その7へ
https://w.atwiki.jp/kart_only/pages/57.html
第3回カート王決定戦 開幕戦 名前 成績 1st 2st 3st ニヤニヤさん 117 35 53 29 カノさん 97 36 23 38 ポニョーポニョさん 95 28 30 37 るんさん 90 26 21 43 れいむさん 83 37 20 26 KOHさん 38 13 18 7 かみよ 25 6 17 2 だいくん 19 7 6 6
https://w.atwiki.jp/mkwkopipe/pages/32.html
あきいち あっとぅー 石田マン エクサス おいてか かずたか かももん くれいもあ(タコソン) くろす(Cross、962) げんきママ けんじ こまてる しょぺたん&みずなし&ばろこ すみれ だいず タケミ ダンくん チルン テレみ なぎさ ばろこ(林 あい) バニラス ひなえもん フィンファンネル フェンリル マサト マサト&かなクリ まつもとひとし link_anchor plugin error 画像もしくは文字列を必ずどちらかを入力してください。 みくちん ミト みなこり メジロマックイーン メロン ゆうな ゆうへい ゆったん らいね&メロン らおこ るにお れいむ ろってん Dεvιλωιng G3&725 Haarp J boy NOBUO Pua tewi Wyvern 4rin 50%裏オフ会 本スレオフ会 725 あきいち あっとぅー 石田マン エクサス おいてか かずたか かももん くれいもあ(タコソン) くろす(Cross、962) げんきママ けんじ こまてる しょぺたん&みずなし&ばろこ すみれ だいず タケミ ダンくん チルン テレみ なぎさ ばろこ(林 あい) バニラス ひなえもん フィンファンネル フェンリル imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (fen4.jpg) マサト マサト&かなクリ まつもとひとし imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (matsumoto.jpg) imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (まつもと2.jpg) みくちん ミト みなこり メジロマックイーン メロン ゆうな ゆうへい ゆったん らいね&メロン らおこ るにお れいむ imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (reimu.jpg) ろってん Dεvιλωιng G3&725 Haarp J boy NOBUO Pua tewi Wyvern 4rin 50%裏オフ会 本スレオフ会 725
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3765.html
「ほらっ、もうおうち宣言なんてするなよ」 とある民家からまるでゴミのように丸い物体が三つ投げ捨てられた。 それはゆっくりの一家だった。投げ捨てられたのは成体れいむとまりさの両親と、一匹の子れいむ。 つい数十分前までどこにでも在るありふれた存在であったが、今は違う。 それはゆっくり達の状態。 なんと面妖か。まず親まりさには顔がなかった。当然生まれつきではない。先ほどおうち宣言をした民家の主によって改造されたのだ。 目も口もくりぬかれた上で餡子と小麦粉の皮で補修され、のっぺらぼうのようになってしまったのだ。このまりさはもう何も見ることは出来ぬし、食べることも喋ることも出来ない。 更には底部も火傷を負っていた。二度と動けぬほど炭にはなっていないが、僅かに這うことしか出来ずに自然治癒も不可能なまでには焼かれていた。 そして子れいむもまりさと同じような状態だった 目も口もなくのっぺらぼう、更にはまりさと違って髪もリボンも無い。ただ幸いだったのは底部には何もされておらず自力で動ける点か。 そしてこの中で一番まともな状態だったのは親れいむだった。 民家の主によって全身に打撲を負ってはいるが、それも生きる上には何も支障はなく、ゆっくりの自然治癒能力で治る程度だ。 「ゆぐっ……えぐっ、ばりざぁ……」 れいむは全身を殴られた痛みをこらえながらも、ずりずりとのっぺらぼう状態のまりさにすり寄った。 れいむはまりさがこんな状態にさせられた地獄を目の前で見てしまった。生きたまま目をくりぬかれて、面影もないほど顔を改造されるというこの世のものとは思えぬ光景を見たれいむは激しい恐怖を覚えた。 その上で恐怖だけでなく、れいむを散々痛めつけた人間から少しでも逃げるようにと、れいむはまりさを連れて逃げようとした。 まりさはもう自力では歩けない。だから自分が連れていくしかない。 髪を引っ張ってずーりずーり。まりさも子れいむも音を聞くことは出来る。だかられいむがかけた「ゆっくりかえろう」という声も聞こえていたはずだ。 子れいむはれいむがそう声をかけた瞬間、何かから逃げるように(いや、実際に人間から逃げている)全力で、あさっての方向に跳ねはじめたので、慌ててれいむが捕まえて親まりさの帽子の中に入れた。 しばらくそこでゆっくりしててね、と言ったら傍らに親まりさのぬくもりを感じて安心したのかおとなしくなった。 今やまりさも子れいむも、かつての姿は似ても似つかない。身内以外が、いや身内でも改造される場面を見てなければ個の判別がつかないだろう。 しかし、それでもれいむにとってはかけがえの無い家族なのだ。れいむは自身の体力を振り絞って、今や二度と治らぬケガを負った家族を、かつての巣へと引っ張っていった。 そして、治らぬケガを負っていたのはまりさと子れいむだけでは無かった。れいむもまた、心の傷という治らぬものを負っていた。 翌朝。おうち宣言する前の、子供が生まれて手狭に感じるようになった巣でれいむは目覚めた。 そこは木の根のあたりに出来た、地面の穴だった。れいむはもぞもぞもと起きて、「ゆっくりおきるよ」と小さく呟いた。 そして、家族へと視線を移す。そこにあったモノを見て、昨日のことは夢では無かったのだと今再び再確認し、落ち込んだ。 傍らにいるのは、もはや起きているのか寝ているのかも分からない、表情を浮かべることも、何かを美味しく食べることも、優しい言葉も発することが出来なくなった、最愛の伴侶の最愛の我が子の姿。 れいむは嗚咽をこらえながらも、静かに涙を零した。れいむは、自分一人で家族を支えなければならない。もはや何かを聞くことしか出来ず、何をすることも何かも伝えることも出来なくなった家族を。 こんな存在、当然野生ではお荷物以外の何物でもない。 しかしながら、れいむにとってまりさと子れいむは、お荷物だからといって切り捨てることが出来る存在ではなかった。 「まりさ、おちびちゃん、ゆっくりまっててね」 れいむはそう二匹にそう囁くと、巣を飛び出た。エサを探しに行ったのだ。 れいむが身ごもってからは毎日まりさがやっていた仕事。それを今日からはれいむがしなければならない。 出来る、出来るはずだ。れいむはそう言い聞かせて、森の中を駆けまわって朝食を集めた。 だがれいむは、あまりにも現実感のない事だから忘れていた。 もう、まりさと子れいむに食事は必要無いのだと。 「ゆ゛ぅ……」 れいむは困惑した。嘆いた。再び泣いた。 もう二度と「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~」が出来ぬまりさと子れいむ。そしてその現実を再び目の当たりにしてしまった。 子れいむは動けるはずだが、危ないからとれいむが再三に渡って動かぬように言っておいた。だから、子れいむは動かぬ。自身もまた、何も見えない恐怖に苛まれているのだから。 れいむはのっぺらぼうの伴侶と我が子の前で食事をした。二匹は食事が出来ぬとも、れいむはしなければならないからだ。 れいむは昨日暴行によって負ったケガと、体力を回復させるために、久しぶりに自分が集めた食事を口に運ぶ。余分に集めてしまった、家族の分も。 「む~しゃ、む~しゃ……」 その口から「しあわせ~」が出ることなど、二度とない。 そのまた次の日。れいむの生活サイクルは昨日の時点で確立された。 れいむが巣の外へ出るのは一日三回のエサ集め。それも一匹分のみ。 あとはずっと、巣にこもってまりさと子れいむの相手。まりさも子れいむも、当然ろくな反応も示さない。 だがれいむは、相手に伝わってるはずと思い、す~りす~りをしたり、歌を歌ったりした。 そんなれいむに、子れいむは光がない恐怖から少しだけ小さく跳ねて、まりさはろくに動かせない体を身じろぎさせて反応してくれた。 れいむは、それだけで嬉しかった。 そんな二日目。れいむが昼食を食べ終えた後の、まりさと子れいむへのお歌タイムをしている時だった。 「やぁ、れいむちゃん元気かな?」 この一家を、こんな地獄へと叩き落した張本人が、巣に現れた。 れいむは絶叫した。絶叫し、泣き叫び、狭い巣の奥へと引っ込んだ。 そのれいむの叫び声に混乱し、それまで動かなかった子れいむがにわかに跳ね始めた。顔も髪もなく、ただの饅頭と化したそれは、方向もわからず逃げようとした。 それは偶然出口へと向かっており、人間に巣の中へと殴り返されて、その後ぐったりとして動かなくなった。 その間もずっとれいむは、半狂乱に陥ったまま巣の奥に逃げていた。それ以上奥にはいけないというのに、更に奥に、より遠くへ逃げようと。 「ゆ゛ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! だずげで、だれがだづげぇぇぇぇぇ!!! ゆっぐりでぎないおにいざんがいるよ゛ぉぉぉぉぉぉ!!! いやだっ、でいぶゆっぐじじだい゛ぃぃぃぃぃぃ!!! だじゅげでぇぇぇぇぇぇ!!! いやじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 その叫び声を、まりさも聞いていたはずだった。 だが、まりさにはどうすることも出来ない。れいむを慰めることも、人間に立ち向かうことも、逃げることも涙することも。 ただぷるぷるとわずかに震えるのみの饅頭として、そこにあることしか出来なかった。 しかし、しかしだ。それでもまりさは愛するれいむの泣き声を聞いて、ずりずりとみっともなく這って、人間の声を頼りに立ち向かおうとした。 そんなまりさを、人間は殴り飛ばした。殴って、殴って、殴って、なおもずりずりと這ってくるまりさを喜々として殴り飛ばした。 その後もれいむは、人間が立ち去ってれいむに見つからなず巣を観察出来るポイントに行くまでずっと泣き喚いたままだった。 そして一度泣きやんだ後、巣の中で横田たわるボロボロのまりさと倒れている子れいむを見てまた泣いたのだった。 ある日れいむが巣に帰ると、そこにはボロボロになったまりさと子れいむがいた。 人間によって虐待された傷ではない。明らかにそれ以外の者による傷だった。 のっぺらぼうのただの饅頭が二個、巣の中に転がっていた。至る所ケガだらけ。餡子もわずかに漏れていた。 まりさは自身で起き上がることも出来ない。子れいむは起き上がっていてもただの髪も顔もないので、分からない。 「ばりざぁぁぁぁぁぁ!!! おぢびぢゃぁぁぁぁぁぁん!!! どぼじだのぉぉぉぉぉぉ!!!」 れいむは泣いて二個に駆け寄った。涙をボロボロと流して、すりすりと頬をすり合わせる。 目も見えない二匹でも、これなられいむが傍にいることが分かるだろう。もっとも、二匹がそれを伝える術は殆どないのだが。 かろじて、子れいむが拙い動きですりすりを返したぐらいだった。 それだけだったが、れいむは泣いて喜んだ。光を失ってからピンチの時以外ろくに動こうとしなかった子れいむが、動いてれいむにすりすりを返してくれたのだから。 傷ついた体にも関わらず。それで、嬉しくないはずがない。 ちなみに、二匹をこんな目にあわせたのはとある野良まりさだった。 一人立ちして自分の巣を探していた野良まりさは、ちょうどよくのっぺらぼう饅頭が留守番していた巣を見つけた。 当然そこでおうち宣言をしようとしたが、そこにいたのは気味の悪い饅頭だった。 その饅頭を野良まりさはゆっくり出来ないものとして暴行をくわえた。 散々体当たりをしたり踏みつけたりした挙句、ここはゆっくり出来ないといって巣を立ち去って行ったのだ。 なお、その野良まりさは現在、虐待を行った一家のその後を観察している人間に捕まって玩具兼おやつになっていた。 頭をくりぬかれて中の餡子を攪拌されて、小刻みに痙攣している。 人間は野良まりさの餡子を一割ほど食べたところで、「飽きた」と言って放り捨てた。 命である餡子を削り取られ、頭を切り取られた野良まりさはその場でずっと痙攣したまま動かず、そのままアリのエサとなった。 日に日にまりさと子れいむは衰弱していった。当然だ。何も食べることが出来ないのだから、餓死するしかない。 生命維持のための餡子が消費され、体が小さくなっていく。皮も薄くなって、中の餡子が透けて見える。 一日、一日と、刻一刻と死へと近づいていく日々。かつては少しは跳ねたり身じろぎして反応を返してくれたまりさも子れいむも、やがてはそんな反応も示さなくなった。 そして、ある日を境に二匹は微動だにしなくなった。 顔が無いため一見しては分からなかったが、二匹とも死んだのだった。 れいむは大声をあげて泣いた。涙が枯れるほど泣いた。流した涙で体が溶けて流れるのではないかというほど泣いた。 泣いて、泣いて、悲しんで、ゆっくり出来ていた日々と人間に合された地獄、とそのあとの苦しい生活を思い返した。 そんな、そんな不幸のどん底にいるれいむに、またあの人間が現れた。 人間は狂乱に陥ったれいむを捕まえると、しかと目を見開かせ、その状態でまりさと子れいむの死骸を踏みつぶした。 顔がなくても、まだ原形を、カタチを保っていた家族の体が跡形もなくつぶれる様を見て、れいむの精神は壊れた。 しかし、人間の手によってまた再生された。 れいむが正気を取り戻したのは、人間の家だった。ゆっくりは、精神崩壊を起こしても中の餡子をかき回せば正気を取り戻すのだ。 そしてれいむは、正気を取り戻して、恐怖の記憶を呼び起こして、もはや言葉ですらない声をあげて人間の家の中、人間から逃げ惑った。 しかしそれは徒労に終わり、地獄を見た。 それでもれいむは生還した。 ただし、まりさや子れいむと同じく、のっぺらぼうの状態で。 のっぺらぼうれいむは人間の家の表通りに捨てられた。底部は無事だから、自分で動ける。 しかし、れいむには我が家に帰還する術は残っておらず、助けてくれる者もいなかった。 のっぺらぼうれいむは、その無表情の顔のまま、あさっての方向へと跳ねていった。 その後のっぺらぼうれいむがどうなったのかは、誰も知らない。 END
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/308.html
「ゆっ! ここはなかなかゆっくりできるところだね!!」 「かぜさんもはいってこないし、ぽかぽかさんだよ~!」 「ここならえっとうっ! もらくしょうだね! れいむ!!」 「ゆゆっ!! そうだねまりさ!! ここをれいむたちのゆっくりぷれいすにするよ!!!!」 冬の直前にれいむとまりさの番が見つけたのは、 積み上げた石で囲まれた穴だった。それは冷たい風をさえぎり、中の気温を上げる。 石は固まってるようで、れいむとまりさがぶつかってもびくともしなかった。 おまけに床は藁や枯れ草、枯れ木、落ち葉などが敷き詰められている。 少し暗いけど、出入り口をけっかいっ! で覆えばえっとうっ! には困らない。 「ゆゆ~ん!! さいっこうっ! のゆっくりぷれいすだよ!!!」 「れ、れいむ!! まりさはもう……もうっ!!!」 あたらしいおうちを手に入れた喜びのあまり、まりさは興奮し、 れいむとすっきりー! し始めた。れいむはまんざらでもなく受け入れる。 「んほっ!! んほぉぉっ!!! すっきりーっ!!」 「んほっ!! んほぉぉっ!!! すっきりーっ!!」 光悦の表情を浮かべるれいむとまりさ。 れいむの額からは蔦が伸び、そこに赤ゆっくりが1、2、3、4、5、6…… ……張り切りすぎたようだ。 「ゆゆ~んっ!! かわいいおちびちゃんだよっ!!!」 「ゆへへ!! まりさはさっそくえささんをとってくるんだぜ!!!」 ・ 「……? あれ?中に何かいるぞ」 「ほんとだ! ゆっくりじゃねーか!!」 まりさが最後の狩りに行ってる間、お昼のすーやすーやタイム中、 外から聞こえた声にれいむたちは目を覚ました。 「ゆ~っ!!!! だれだかしらないけど!!! かわいいれいむのすーぱーすーやすーやたいむをじゃまするなぁぁぁぁ!!!!」 「しょうじゃしょうじゃ!!!!! ぷきゅぅぅぅぅぅ!!!!」 「ぷきゅー!!」 目が覚めたれいむと、先立って生まれた2匹の子、赤れいむはにんげんを見るや否や ぷくーを始める。このれいむたちは人間の脅威を知らないらしい。 あるいは知っていたが、「こんなにゆっくりしたおうちうをもっているれいむたちに にんげんがかてるわけない!!!!」と思っているのか。 「まずいなぁ……おーい、はやくでてこい」 「おいおい、そんなやつら放っとけよ」 「ほっとけんよ。一応生きてんだろ、こいつらも」 中をのぞいていた青年は手招きしてれいむたちに外に先導する。 その後ろにいる青年は呆れた顔だ。 「ゆぅぅぅぅぅ!!! れいむのゆっくりぷれいすをうばうきだね!!!!!! くずなにんげんはゆっくりしないでしぬといいよ!!! でもそのまえにあまあまもってきてね!!!!! たっくさんでいいよ!!!!!!!」 「れいみゅわきゃっちゃよっ!!! にんげんしゃんは、れいみゅたちに『しっと』 しちぇるんでしょ!!? おおあわりぇあわりぇ!!!! ぎぇらぎぇらぎぇら!!!」 「ゆーんなんてかしこいおちびちゃんなんだろうね!!! さすがれいむのおちびちゃん!!!! そこにきづくなんてやっぱりてんさいだねぇぇぇぇ!!!!」 「おねーちゃんしゅぎょい!!! たいしたゆっきゅりじゃねぇぇぇ!!!」 「最後褒めてんのか、それ?」 出てくるどころか体をねじらせてすーりすーりぺーろぺーろし始めたれいむを見て、 青年たちは息をついた。 「無駄だな。こりゃ」 「だから言ったろ」 「自分で選んだんだ、しゃあねぇか」 青年はその場を後にした。 それすなわち、れいむのかちである!!!(れいむの脳内で) 「ゆっ!!! かったよ!!! かわいいれいむがにんげんにかったよ!!!!」 「しゃしゅがおきゃあしゃんだね!!! ゆっきゅりー!!!」 うれちーちーをしながら尊敬の目で母を見る子れいむ。 帰ってきたまりさのごちそう「らむねさん」を、そのことを肴にしながらたべ、 家族は深い眠りに就いた。 ・ 「ゆっ? なんだかさわがしいよ?」 れいむは目を覚ました。外が騒がしい。 けっかいっ! の隙間から外を見る。そこには何人もの人間がいた。 「ゆぷぷ……れいむにかてないからって、おおぜいひきつれてきたんだね。 そこまでしょうねがくさったにんげんははじめてだよ。おおあわれあわれ……」 れいむはわらう。追い払ってやってもいいが、眠気が強い。 「れいむがほんきになればくずにんげんなんてけちょんけちょんにできるけど、 めんどくさいからみのがしてあげるよ! かわいいれいむにゆっくりかんしゃしてねっ!!! そういうとベッドに戻ろうとして―――― ぼっ! 「ゆっ?」 何かが投げ入れられ、れいむはふりかえった。 視線の先ではけっかいっ! を突き破って、火のついた棒が床に落ちていた。 「ゆっ!!!! あついよ!!! れいむをゆっくりさせないめらめらさんは ゆっくりできないよ!!!!! ゆっくりしないでどっかにいってね!!!!!」 れいむは床に広がる落ち葉や枯れ木をもみ上げできれいに巻き上げ、 火に向かって投げ入れた。消そうと思ったのだろう。しかし 「どぉしてめらめらさんひろがるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!?」 火は空中で見事に引火し、それが地面に落ちて床に敷き詰めた落ち葉や 枯れ木に燃え移る。あっという間に出入り口は火の海になった。けっかいっ! などもう燃え尽きている。 「ゆっくり!! ゆっくりしていってね!!! ぺ~ろぺ~ゆぎゃぁぁぁ!!! あ゛づい゛ぃぃぃぃ!!!!!!」 火付きの床をぺ~ろぺ~ろで消そうとして、れいむの舌先が焼け落ちた。 それだけではなく、しゃがんだことで実ゆっくりに引火した。 「ゆがああああああああ!!!!! れいむのあがぢゃんがぁぁぁぁぁ!!!!!!」 言葉も発せぬまま炎に包まれる実ゆっくりたち。 れいむは火を消そうと振り回し、そして。 すぽーん! 「ゆっ!!?」 実ゆっくりは蔦ごと引っこ抜け、炎の中に消えた。 「あがぢゃあああああああああん!!!!!!!!!!!!! ゆぐっ!!!? ゆぐえっ!!!!!!」 れいむがあんこを吐きながらも叫ぶと、実ゆっくりが突っ込んだところから ぱぁんと返事が聞こえた。実ゆっくりと蔦の中の空気が熱で膨張して破裂した音だ。 「ゆはっ!!!! そうだぁぁぁ!!!! までぃざぁぁぁ!!!! おぎろぉぉぉぉ!!!!! れいむをだずげろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」 眠っていたまりさを思い出し、渾身の力で体当たりをかます。 しかし、まりさは起きない。子れいむも赤まりさも同様。ラムネのせいだ。 「ゆっ!!! てんじょうさんがあいてるよ!!!! でいぶだずがるよぼぉぉぉぉ!!!!」 ふと煙が上に逃げていくのに気づき、れいむは今までふさがっていた天井が ぽっかり空いていることに気づく。 炎が燃え移っても一向に起きないまりさと子れいむ赤れいむはすでに諦めた。 (まりさやおちびちゃんなんて、どうでもいいよ!!! でもれいむは世界でただいっぴきっ!!!! にんげんにもかてるとくべつなゆっくりなんだよ!!!) 言うや否やまりさを踏み台にし、飛び跳ねようと試みるれいむ。 熱で溶けやすくなっていたまりさの皮がはがれおちる。 さすがの激痛に、まりさは目を覚ました。 「ゆっ? なんなんだぜ……!? なんなんだぜぇぇぇぇ!!!!!? こればぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!!?」 「ゆっ! いまごろきづくなんてどんかんなまりさだね!! そんなぐずまりさは れいむにふさわしくないよ!!!!! りこんのいしゃりょうさんにれいむだけたすけて まりさはさっさとしんでね!!!!!!!!」 「ど……うじでぞん……なご……どいぶ……の…………!!!!!!」 れいむはまりさを見下し、げらげら笑うととんだ。 その衝撃でまりさは潰れ、永遠にゆっくりした。子れいむ赤れいむはすでに火の球で 何やら暴れていた。 「よいしょっと!」 「ゆっ!!!!? なにしてるのぉぉぉぉぉ!!」 れいむがもうすぐ外に出ようとした時、大量の火付き棒がれいむに ――正確にいえば穴の中に――向かって落とされた。 れいむは落石事故にあったように棒に正面衝突し、火の海と化した “おうち”にたたき落とされた。 「ゆぎゃぁぁ!! なんでぇぇぇ!!!! めらめらさんはゆっくりできないぃぃぃぃ!!!!」 煙と火のせいで叫ぶこともままならない。それでもれいむは叫んだ。 「もう……や……だ……おう……ちか……え……りゅ!!」 れいむはそのまま燃え尽きた。 ・ 「うおーっさいこーっ!! れいむの断末魔でメシがうまうま!」 外の人間たちは自作の釜の上で作ったおもちを食べていた。 そのおもちは何もつけずとも不思議と甘く、一段とおいしかったそうな。おしまいおしまい。 ――――ハッピー・エンド! …………あれ? Q、描写薄いよなにやってんの!? A、息抜き ゆっくりを燃やして作るモチってすげー甘くてうまそう 今まで書いたモン anko1000 ゆ anko1298 ゆっくりにかけるかね
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/53.html
とある都市の一角にあるペットショップ。 やや古びた建物であるが内装は綺麗で、清潔感がある。ゆっくり専門のお店であるが、 一見するとどこにでもあるごく普通のペットショップだ。にもかかわらず、ペットショップへ入っていく人の数は多い。 そして、入店する人々の身なりもよい。それなりに高価なゆっくりをおいているお店なのだろう。 ショーウィンドウを覘いていた一人の少女が店員に問いかける。 「店員さん。このれいむの値札のところについている、お花のマークは一体何なの?」と。 店員は少女と同じ目線になるようにしゃがんで言う。 「これはね、菊の花なんだよ。この子達が飼い主さんをどれだけゆっくりさせられるのかを表しているんだ。 この子はね、みんなをとってもゆっくりさせられるゆっくりだよ。」 「れいむはれいむだよ!ゆっくりしていってね!」 「へぇ~!確かにこのれいむはなかなかかわいいね!」 「ゆっくりありがとう!おねえさんもすてきだよ!ゆっくりー!」 ゆっくりは生き物である。機械のように正確なデータを取れるわけではない。 ましてや感覚的な指標である、【ゆっくりしている】なんてものを計ることは不可能である。 これは実験的に得られたデータではもちろんない。 では、この菊の花は何を示しているのだろうか? ふかふかのベットで横たわっているれいむ。こいつとは6年の付き合いだ。 初任給で買ったはじめてのゆっくり。育て方がよく分からず、たびたび辛い思いをさせた俺に、文句も言わず優しい笑顔見せたれいむ。 その目がもう開くことはない。視覚を維持する力を既に失っているのだ。 俺はれいむの頭を撫でる。俺達とれいむは最期まで繋がっているということをれいむに伝えたいから。 れいむの長女であり、わさわさしたもみ上げが特徴的な通称わされいむが、れいむの頬へしきりにすーりすーりを繰り返している。 どんなゆっくりであっても、すーりすーりをすれば心があったかくなる。 しかし、わされいむの目からは涙が止まらない。これから起こることを考えれば当然だ。 いくら理屈を聞いたって、感情で生きているゆっくりが溢れ出る悲しみを抑えることなんてできないのだ。 「ゆぐっ・・・ゆぐぅ・・・お゛かぁじゃぁぁぁん・・・」 「なかないでね・・・おちびちゃん・・・。れいむはゆっくりしているよ・・・」 「れ゛いむ゛はおぢびちゃんじゃな゛いよ!れいむはおかあさんだよ!ふたりのおちびちゃんもいるよ!!!」 「おかあさんからみるとね・・・おちびちゃんはいつでもおちびちゃんなんだよ・・・。 おちびちゃん・・・。こどもたちをりっぱなかいゆっくりにそだてるんだよ・・・」 「ゆ゛っぐちわがったよ゛!!!」 「それとね・・・おにいさんに・・・ゆっくりしてもらうんだよ・・・」 「も゛ちろんだよ!!!れい゛むはかい゛ゆっぐりだよ!!かいぬ゛しのおに゛い゛さんをゆっぐり゛させるのは、とうっぜんのぎむさんだよ!!!」 「ゆふふ・・・。おにいさん・・・」 「どうした、れいむ。」 「おちびちゃんをよろしくね・・・」 「もちろんだ。安心してくれ。」 「ゆふふふ・・・。おにいさん、ゆっくりありがとう・・・それとね・・・」 「いままでれいむといっしょにいてくれてありがとう・・・。 おにいさんのかいゆっくりで、れいむはとってもしあわせだったよ!・・・」 「俺もれいむみたいなゆっくりと過ごせて本当に良かったと思っているよ」 「ゆっくりうれしいよぉ・・・。こんどうまれるときもおにいさんにゆっくりあえたらいいなぁ」 「会えるさ、俺達なら。そんときもれいむをゆっくりさせてやるよ!」 「ゆっくりきたいしてるよぉ・・・。それじゃあ・・・おにいさん・・・」 「ああ」 「もっと・・・ゆっくり・・・することは・・・ないよ・・・・」 「・・・さようなら、れいむ。」 長い静寂が訪れる。ここにいる者が皆、れいむの死を受け入れようとしている。 「おがぁじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!」 わされいむが泣き叫ぶ。2匹の赤ゆが見ているのもお構いなしだ。れいむと離れるのが嫌で唯一里子に出さなかったれいむの子供だ。 れいむに対する思いは誰よりも強いのだろう。泣きじゃくるわされいむをそっとしておいてやり、俺はある場所に連絡をする。れいむの最期の晴れ舞台のために。 れいむの遺体を頑丈な木箱に安置する。もちろんれいむの遺体が傷まないように綿を敷き詰めて。これはれいむの棺となるものだから。 ―翌日・午後15時ごろ れいむを入れた木箱を家の前に現れた、ゆっくり専用の霊柩車、通称【れいうーしゃ】に載せる。 れいうーしゃの速さは人間がゆっくり走る程度なので、俺はわされいむと赤ゆっくり達を抱えてとある建物へ向かう。 看板には「ゆっくりとむらっていってね」という文字が書かれている。そう、ここは葬儀場だ。それもゆっくり専用の。 建物の中に入ったら、わされいむ達を控え室において、俺は葬儀屋の人と打ち合わせを行う。 今までゆっくりさせてくれたれいむのためにも入念に打ち合わせを行う。そうだ、俺達とれいむの最期の大仕事だ。 ―午後17時ごろ 参列者が集まってくる。里子に出したれいむの子供達とその番、もちろん飼い主の方々もいっしょだ。 つややかな毛並みが印象的なまりさがぽいんぽいんと跳ねてくる。喪服を来た女性がまりさの後を追うように近づいてくる。 「おにいさん!おひさしぶりだぜ!おかあさんがえいえんにゆっくりしちゃってまりさもかなしいけど、 おにいさんとすごせておかあさんはしあわせーっ!だったとおもうから、まりさはなかないんだぜ!!!」 「そうか・・・。相変わらず元気だなぁ、まりさ。お姉さんには迷惑かけてないか?」 「も・・・もちろんだぜ!!!まりさはきんばっじもとれたかいゆっくりなんだぜ!!!おにいさんもしってるはずだぜ!!!ほんとうだぜ!!!」 「まぁ、まりさが根はいいやつだってことは知ってるさ。それより向こうで番と子供達が待ってるぞ。行かなくていいのか?」 「だぜ!?うっかりしてたのぜ!!!ありがとうなのぜ!おにいさん!!!じゃあむこうにいってるのぜ!!!」 「ああ、じゃあちょっとだけ待っててくれよ。」 心配そうに俺達の方を見ていたありすとその子供達。彼女達はまりさの番のありすとその子供達である。 ありすは飼いゆっくりコンテストで優勝したことがあるほどの美ゆっくりで、 まりさとありすが番になることを報告しに来たときのまりさの鼻の下の伸び具合(鼻なんてゆっくりにはないが)がとても印象的だったことを覚えている。 見たところ夫婦円満で、非常にゆっくりしていると傍からみてもよくわかる。彼女達の努力もあるが、今俺の目の前にいる女性の教育が功を奏しているのだろう。 「お久しぶりですね」 「ええ、まりさのけっこんしき以来ですね。」 「まりさ、迷惑かけていませんか?さっきちょっと怪しい素振りを見せたので」 「いいえ、まりさちゃんはいい子ですよ。ただ、昨日れいむちゃんが永遠にゆっくりしたという話をまりさにしたら、ずっとふさぎ込んじゃって・・・。 今は何とか持ち直したのですけど、寝るときにかなしーしーをしたりして・・・」 「ああ、まりさってショックなことがあるといつもそうでしたから。うちにいたときはれいむが慰めて初めてかなしーしーが止まったんですよ。 成体になってからは全然しなくなったって聞いたんですけど、昔のことを思い出したんですかねぇ・・・。」 「かもしれなせんねぇ・・・。れいむちゃん本当にいいゆっくりだったんですね。」 「そう言って頂けるとれいむも天国で喜んでくれると思います。」 「ふふふ・・・。じゃあ、まりさちゃんのところに行ってきますね」 「それでは、また」 れいむの子供は3匹いる。我が家で飼っているわされいむ。今喪服の女性が飼っているまりさ。どちらも 新しい家族を持っている。そして、わされいむの番はちぇんであるが、けっこんっしてもなお、飼い主の人がちぇんを飼いたいと 言うことでわされいむとは別居している。ただし、毎週会っているのでれいむもちぇんも子供達も幸せそうだ。 もう一匹の子供はれいむ種だ。しかし、れいむ種であることは彼女にとって苦痛だった。 彼女は生まれながらにして子を成す能力を持たない。 ぺにぺにを使ってもも、まむまむ使っても、すーりすーりを行っても、何をしたっておちびちゃんは生まれなかった。 れいむ種は子育てを生き甲斐にして日々を過ごす。己のアイデンティティを喪失した日々はどれだけ苦痛なのか? 赤ゆっくりから子ゆっくりになる頃、里子に出す前に連れて行った健康診断で、その事実は判明した。 長女であった心優しい彼女は、その日から妹達に当り散らす乱暴な姉へと豹変した。 乱暴にもみ上げを振り回し、妹達に八つ当たりで何度もぷくーっをしていた。 れいむはもちろん止めた。子ゆっくりごときの力では成体であったれいむには逆らえない。 押さえつけられてもなお彼女は暴れる。「どうしてこんなことするの?」というれいむの問いに対して、彼女―ふくれいむは 「おま゛えがこんにゃふうに゛うんだがらだぁぁぁぁ!!!げずなばばぁはじねぇぇぇ!!!」 と酷く罵った。そのとき偶然帰宅した俺が見た、あのれいむの悲しそうな表情は決して忘れることはないだろう。 何度も癇癪を起こすふくれいむと、れいむは何度も向き合った。どれだけ罵倒されても。どれだけ暴力を受けても。 ふくれいむも結局里子に出したのだが、最後までれいむはふくれいむのことを心配していた。 彼女の飼い主には連絡をした。飼い主の方は行くつもりだが、ふくれいむが葬式に来るかは彼女次第だと、彼は言っていた。 ふくれいむは来てくれるのだろうか? クイクイ ズボンの裾を誰かが引っ張る。若干力加減が分かってないこの引っ張り方は・・・ 「ひさしぶりだよ・・・おかあさんのおにいさん・・・。」 「ふくれいむ・・・。元気だったか?」 「いまのおにいさんはとってもゆっくりしてるから、れいむはとってもゆっくりしてるよ。」 れいむは元気といったが表情は曇っている。そういえばさっきれいむのことを・・・ 「なぁ、ふくれいむ。いまおかあさんっていったよな?」 「ゆっくりいったよ・・・。」 ふくれいむは里子に出す最後の日もれいむのことをばばあと罵っていた。そんなふくれいむが無き母のことを呼んだ。 「・・・・・・母親のこと、もういいのか?」 「・・・いいもなにも・・・。れいむがまちがっていたんだよ・・・。 おにいさんからきいたよ。おちびちゃんをうめないでゆっくりしてないゆっくりだったれいむのことを おにいさんにひきとってもらうために、おかあさんがなんどもなんども、おかあさんのおにいさんとたのみにいったことを。」 「おにいさんからきいたよ。いつだっておかあさんはれいむのことをきにかけてくれていたって・・・。 な゛のに・・・なの゛に゛・・・。れ゛いむ゛は・・・れ゛いむ゛は゛・・・!!!」 下唇を噛み、必死に涙を堪えるふくれいむ。後悔の念がひしひしと伝わってくる。 そうだ、誰だって喧嘩別れはしたくない。 「ふくれいむ」 「・・・ゆ?」 「安心しろ。ふくれいむのかあちゃんはいつだってふくれいむを信じていたよ。 れいむはな、お前をゲスなのかと疑った俺に対してこう言ったんだ。『おちびちゃんにひどいことしないでね! おちびちゃんもすきでああなったわけじゃないからね!!!きっと、ゆっくりできなくてつらくなったんだよ!!!れいむがはげましてあげるから おちびちゃんとれいむのことをしんじてね!!!おねがいします!おにいさん!!!』ってね。 どんなにお前が罵倒しても、れいむにはそれが祈りの声に聞こえた。 どんなに暴力で訴えようとも、れいむはそれがSOSだと感じ取った。いつだってれいむはお前の苦しみを分かろうとしていたよ。」 「そして、今やっと気持ちの整理が付いたわけだ。ゆん生最大といってもいい難題に立ち向かった娘を、れいむはきっとあの世で誇っているだろうな」 「ゆん・・・・。あじがどう・・・おかあじゃんのおに゛いざん・・・」 「どういたしまして」 「じゃあ、れいむはおにいざんのところにいぐね・・・」 れいむはのそのそと這って進む。跳ねるような気分ではないのだろう。 さて、そろそろ始まるな。 ―午後18時頃 ちぇんの飼い主が葬儀の10分前に到着した。忙しい方なので来れたことが奇跡だった。 葬儀は家族葬であり、あまり大きな部屋を使うことはない。人間が4人。ゆっくりが9匹とごく少数で行われるためだ。 祭壇が既に出来上がっている。れいむの遺影の周りには菊の花が添えられている。ゆっくりは花が大好きだ。れいむも喜んでくれるだろう。 れいむが生前好きであったお菓子がいくつも並べられている。俺が御供えしたものの他にもいくつかれいむの大好物がある。 オレンジジュース、コーンフレーク、ショートケーキ、ノースマンなど色々なものがある。 立てられた線香からはいい匂いがする。用いられる線香は一般的に使われる杉線香ではなく、甘い匂いのする匂い線香である。 ゆっくりは一般的に杉線香の匂いを好まないためである。彼らの世界観に合わせてあまあまの香りが充満していた。 葬儀に参った人、ゆっくりは皆着席している。 司会のゆっくりしょうが、厳かな雰囲気の中の開式の辞を始める。 「ただいまより、ゆっくりれいむさんのごそうぎっをはじめさせていただきます!」 「では、どっきょうっ!をはじめたいとおもいますっ!どうし、びゃくれんさまおねがいします!!!」 「なむさん!ではゆっくりどっきょうっ!をはじめます!なむさん!」 ゆっくりとお経を唱えるびゃくれん。お経とは言うものの、びゃくれんの読むお経は人間の葬式で読まれるお経ではない。 漢字だらけの意味のつながりがよく分からない呪文を聞いたところで、ゆっくり達が安心してあの世に行ける訳じゃない。 それぐらいならば、ゆっくりの分かる言葉を、ゆっくりが有難がるびゃくれんにゆっくり出来るように読んでもらったほうがいい。 そういった考えで、ゆっくりのための読経は生まれた。あまあま、ゆっくりぷれいす、けっかいっ、しんっこんっなど ゆっくり達がよく聞く言葉で、そのお経は書き綴られていた。俺には全く意味の分からない言葉だが、れいむがあの世でゆっくりするためのものなので気にしない。 じっと座り、お経を聞いていたわされいむが、ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・と泣き出した。 れいむの遺影を見て、悲しみがこみ上げてきたのだろう。何も言わずハンカチを差し出す。わされいむはハンカチに顔を埋める。 葬儀をちゃんと終わらせるため、この雰囲気を壊さないため、ゆっくりという空気を読めない種族であるにもかかわらず、わされいむは必死に耐えていた。 長い読経が終わる。 お経を読み終えたびゃくれんはこちらを向いて、位牌を持ち、装重な雰囲気を出しながら言う。 「ゆっくりれいむさんのかいっみょう!はたくっさん!ぼせいゆっくりれいむながながです!なむさん!」 かいっみょう。これはいわゆる戒名のことを指す。ゆっくりにも死後の名前をつけようということらしい。 「このたくっさん!というぶぶんは、かいぬしさんをたくっさんゆっくりさせることができたといういみです。なむさん!」 もちろんだ。れいむは俺に多くのことを残してくれた。感謝してもし足りない。 「このぼせいというぶぶんは、おちびちゃんたちのことをだいいちにかんがえた、しんのぼせいをもったゆっくりであるといういみです。なむさん!」 れいむの子供たちが頷く。彼女達皆がれいむの愛に包まれて健やかに育った。 「ゆっくりれいむというぶぶんはれいむさんがゆっくりれいむであったことのしょうめいです。なむさん!」 「そして、ながながというのはれいむさんはながくいき、おおくのものたちとであい、おおくのしあわせーっをもたらしたゆっくりであるといういみです。なむさん!」 ここにいる皆が全て頷く。そうだ、れいむがいなかったら俺達は全くの他人、他ゆんであった。れいむはみんなと繋がっている。 これが最後の作業になる。 れいむとお別れしなければならない。 木箱の棺に入れられたれいむをみんなでのぞき込む。 幸せそうに笑っているれいむはもう二度と動くことはない。受け入れたはずの現実は、俺をしつこく攻め立てる。 動悸が早くなる。焦点が合わなくなる。今になってれいむを失った悲しさがどんどんどんどん溢れ出てくる。 気分が悪くなり、しゃがんだ俺をわされいむが涙を溜めた双眸で、必死に曲線を描いて笑顔を作る。 まりさも俺のことを心配そうに見つめる。ふくれいむはじっと俺のほうを見て、コクリ頷く。 わされいむは言う。 「おにいさん、ゆっくりおかあさんをみおくろう」 れいむの面影がある、れいむの子供達の母への愛と強い意志を目の当たりにして、 「そうだな、ゆっくり・・・そしてしっかりと見送ろう」 この葬式においての遺体の処理方法は食葬である。 れいむの体を毟り、饅頭となったれいむを食す。食したら少しずつ棺の中に清められた餡子を詰めていく。 葬儀に参加したもの全員でれいむを食べ、れいむを思い出し、れいむを忘れないように心に刻む。 「む゛ーちゃ!む゛ーちゃ!」 「むーぢゃ゛!むーぢゃ゛!」 「むーじゃ!!むーじゃ!!」 れいむの餡子を食べる子供達は誰も幸せとは言わない。 母の一部を少しでも感じ取れるように必死で喰らう。最期の繋がりを逃さないように。 俺もれいむを喰らう。一口、二口とれいむを口に含むたび、楽しかった思い出、辛かった思い出、れいむと過ごした日々が浮かび上がる。 飼育ケースから初めて出たれいむに、ボールを与えたときのこと。 何時に無くはしゃぐれいむを見て、つい調子に乗った俺がれいむをボールに乗せて怪我をさせてしまったこと。 生まれて初めての他ゆんに緊張しているれいむをリラックスさせようと、キタキタ踊りを踊ったら場が白けてしまい逆効果だったこと。 でも、その話題のおかげでれいむはけっこんっ!することができたんだ。 我が家で行われたけっこんっしきの事は今でも忘れない。近所の飼いゆっくりを入れるだけ入れて、やったから、足の踏み場もなくなってたな。 れいむと番のまりさにナイフを持たせて、れいむとまりさを持ち上げて巨大ケーキを切ったのもいい思い出だ。 後で、実際には俺が切ったんじゃねえかという近所のぱちゅりーの指摘で、ショックを受けていた2匹の顔は本当に良い表情だった。 れいむ達の子供が生まれるときのことも忘れてないぞ。れいむが必死に息んでいたのに俺とまりさはずっと狼狽していたな。 れいむが赤ちゃんを受け止めてって俺らに言ったとき、テンパった俺達は何をしたんだっけ? 確か、おれはキャッチャーミットを持ってバッチコーイ!とかいった気がする。 まりさの方はゆっくりうけとめるのぜ!!!って言いながらティーカップを持ってきていた気がする。 何もあんな時にボケなくてもいいが、思い返せば本当に笑えるなぁ 子供達が生まれてすぐに、侵入してきた野良ゆっくりと戦って、まりさが永遠にゆっくりしちゃったことがあったな。 三日三晩悩んだれいむが俺に告げた言葉の重さが今になってやっと分かる 『れいむはしんぐるまさーじゃないよ!えいえんにゆっくりするまでまりさのつまだよ!!! それにれいむはおちびちゃんをひとりでそだてないよ!!!おにいさんといっしょにがんばるよ!!!よろしくおねがいします、おにいさん!!!』 母性の塊であるれいむ種が、一緒に育てるという言葉を発するということはどれくらいの重みをもっているのか。 れいむの子供達の生き様を見た今ならわかる。れいむは俺が思っている以上に俺を信頼していた。 俺もれいむが思っている以上にれいむを信じていたつもりだ。 れいむの体がリボンと中枢餡のみとなる。棺の中は餡子で満たされている。 「では、親族のゆっくりの方は前へいらしてください」 係りのゆっくりしょうが、れいむの子供達の前に三分割した中枢餡をおく。 別れの言葉を告げながら、中枢餡を食らっていく。 「おがぁじゃぁぁぁぁぁん!!!れいむ゛がんばるよぉぉぉぉ!!!」 「り゛っぱなおっとになるんだぜぇぇぇ!!!おどうざんみだいになる゛がらきたいじてぼしいんだぜぇぇ!!!」 「おがぁじゃんごべんねぇぇぇ!!!!れい゛む゛ぜっだい゛じあわ゛ぜになるよぉぉぉぉ!!!」 中枢餡を食べ終えた子供達は涙を流し叫び続ける。我慢し続けた思いが全て放たれる。 誰もそれを咎めない、最後はゆっくりなりの弔い方をしても別に構わないだろう。 「おにいさん、棺の中にこの花を」 しょうから渡されたのは紅色の菊、白色の菊の2輪であった。 れいむのリボンを棺のなかで敷き詰められた餡子の上におく。 棺の前に立ち、紅白の菊を棺の餡子に差し込んでいく。これが俺がする、飼いゆっくりとしてのれいむの弔い方だ。 れいうーしゃが現れる。建物に隣接している霊園にれいむの棺を送り届けるためだ。れいうーしゃにれいむの棺を渡す。 れいむだったものはもうリボンしか入っていないが、それでもれいむの棺だ。 俺達はれいうーしゃの後についていく。 れいむの墓に棺を入れる。棺はゆっくりの大きさに合わせたものであるので、お墓にある空洞に棺を入れる。 棺を入れたら空洞に蓋をする。これでれいむは安らかに眠れる。 ふくれいむはつぶやく 「おかあさん、ゆっくりねむってね・・・。」 今まで本当にありがとう。れいむのことは死ぬまで・・・、いや死んでも忘れないよ。 これからはれいむの家族と、俺のことを見守っていてくれ。 さようなら。 <おまけ> 「せんぱーい!知ってるっすか?知ってるっすか?」 「君のテンションが高い理由なら知らないよ。」 「ちがうっす!人気のあのペットショップのことっす。あの菊の花のマークがついてるっていうやつっす。」 「まぁ、一応はね。」 「友達のなかで話題になってるんっすよ!是非知りたいっす!」 「ふーん、あそこねぇ。いいとこだけど学生が行くようなとこじゃないよ。 ゆっくりの品質に関してはかなり上質なものばかり売ってるし。」 「自分は別にゆっくりを飼おうと思っているわけじゃないっす!あのマークがなんなのか知りたいだけっす!」 「はいはい、仕方ないなぁ。あのマークは餡統の良さを表しているんだよ。」 「餡統の良さを表すのに菊のマーク?なんか変っすね?」 「あの菊の花のマークはね、その餡統のゆっくり達に対して行われた葬儀の回数を表しているんだ。 ペットの葬式ってのはお金がかかるだろう?それを敢えてやってもらえるようなゆっくりは、飼い主をゆっくりさせたといっても過言ではない。 そういう判断から葬式の数を餡統の指標として使っているんだ。」 「ふーん・・それって当てになるんだかわかんないっすよね?」 「まあね。普通の餡統表も当てにならないから、人によってはこっちを重視するんだよ。」 「そんなもんっすかねぇ。」 「そんなもんだよ。人は歴史をありがたがるから」 <あとがき> 前回は愛でよりHENTAIが前面に出てしまったので今回はちゃんとした愛で作品です。 にしても真面目な物語を書くのは意外と難しいですね。ところどころボケやギャグを入れたくなる衝動に駆られました。 今作品に関係ない話ですが、 のすたるじあき様、挿絵ありがとうございました。 かわいいみすちーの絵も含めてとてもゆっくりさせていただきました。ありがとうございます! 後書きはこれくらいにして・・・ 以上シリアスを書くと筆が遅くなるドナルドあきでした。 菊の花言葉は・・・? 過去作 anko1066 ゆくドナルド anko1166 ゆくドナルド2 anko1304 れいむと・・・ anko1384 豆れみりゃとこうまかん anko1395 ゆくドナルド3 anko1404 お前のゆん生30点 anko1432 幸福マスベ 挿絵:車田あき