約 2,307,456 件
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/123.html
登場人物(NPC神姫)OPムービーのアーンヴァルMk.2 てん 謎のエーデルワイス型 大型バグ・オメガ 闇神姫 種村ジュビ子 黒種ジュビ美 ミラージュ・シリーズ ハナ イバラ ユメ ドロシー ストラ 悪神姫 鎧原フォスター 剣崎フェスター 甲季 刀華 ノララーフ ジル ラズちゃむ エウエウ 藤田フブルン コメント 登場人物(NPC神姫) 本作に登場しているNPC神姫です。 多くの場合は、レイドボスバトルで登場する人物となります。 OPムービーのアーンヴァルMk.2 稼動当初から登場している、見ての通りの天使型アーンヴァルMk.2。個体名は不明だが、少なくともてんとは別個体。 とあるギタリストの動きを完全再現出来る程にギター演奏が得意。 ベイビーラズ「あたしも実装された事だし、そろそろ混ぜて欲しいじゃん…」 てん 天使型アーンヴァルMk.2。神姫ショップ神姫(SSS)の称号と、同型機よりも多いアホ毛を持つ。 公式コミックではほぼレギュラーだが、ゲーム本編には姿を見せていない…訳ではない。 実は、本作稼動当初はバトル終了後の神姫お迎え画面で登場している。「入荷した神姫にすぐちゅーする」悪癖のせいでかずっと研修中の身だったが、シーズン2では神姫ショップのアイテム購入画面へと「異動」させられたのと引き換えに(?)晴れて正社員へと昇格した。 どちらにせよ、単にモデリングの都合上アホ毛が見られないので分かりにくいというだけなのである。 謎のエーデルワイス型 「それはバグの仕業よ!」 猟兵型エーデルワイス。レイドボスバトル(第一回)~(第二回)、復刻(第六回/前半)、(第十一回)に登場。 どうやら「武装神姫R」がリリースされた世界線の存在であるらしく、かの世界から出現したバグを追ってこの世界に来訪し、プレイヤー側の神姫達と共闘する。 なお、現存するエーデルワイス型との関係は一切不明。 大型バグ・オメガ レイドボスバトル(バグ編:第一回~第二回)に登場したレイドボス。 メタルギア・シリーズの核搭載二足歩行戦車「メタルギアREX」またはグラディウス・シリーズの歩行型対空ロボ「ダッカー」のような姿をしている。 巨大な体躯で明らかに神姫ではないためか、部位破壊要素(弱点要素つき)が存在する。 なお復刻レイド(第六回および第十回、第十一回)にも登場しているが、これが残存していた個体なのかバグの性能を再現したエラーなのかは判然としていない。 (様々な状況証拠から後者である蓋然性は高いが、絶対とは言い切れない) 闇神姫 レイドボスバトル(第二回)に登場したレイドボス。 謎のエーデルワイス型曰く「いまだ目的も正体も不明な、マスターを持たない神姫」。バグを増殖させて「武装神姫R」の世界に悪影響を及ぼす存在との事。 悪影響を及ぼしたのはあちらの世界だけではなかったようで、後に第八回においてレイドボスの剣崎が「闇堕ち」した原因のひとつとも考えられている。 ちなみに、その後の復刻(第六回)には出現していない(大型バグ・オメガは登場し、これを倒すと闇神姫の装備をドロップした)が、復刻(第十回)において「小型/中型バグと同型のエラー達」を引き連れて久々の再登場を果たし、復刻(第十一回)にも引き続き登場する。 種村ジュビ子 種型ジュビジー。レイドボスバトル(第三回)に登場した、神姫NET管理局環境農業課所属の「お役所神姫」。 飛び道具が対エラー特効を持っている事が多く、また防御力にも優れるため雑魚戦では活躍してくれるが、その分対ボス戦では決め手に欠ける。 その後もスポット参戦ながら、第七回・第八回ついでに復刻(第六回/後半)&復刻(第十回)と度々エラー退治に駆り出されまくっているが、そもそもお仕事が大好きなので全然平気らしい。 黒種ジュビ美 種型ジュビジー(リペイント)。レイドボスバトル(第三回)および復刻(第六回)に登場したレイドボスで、種村ジュビ子の同僚。 元々周辺が見えなくなりやすい性格だった事もあり、ワーカホリックを拗らせた結果エラーに付け込まれ暴走してしまった(公式コミックでの示唆によれば、どうやら昇進したかったらしい)。 経緯が経緯だけに悪神姫に分類されたりする事はなく、事件後無事に夏休みを取れた様子。 ミラージュ・シリーズ レイドボスバトル(エラー編)に登場するレイドボス。エラー達を束ねる存在。 Naked素体をベースに数多の神姫用武装を寄せ集め、さながら阿修羅像のような外見に構築した武装を携える。 複数種の個体が存在し、それぞれカラーリングや手持ち武装等、果てはアクティブスキルに至るまで微妙な差異を持つ。 ホワイトミラージュ(第三回/第六回前半) ブラックミラージュ(第三回レア枠/第四回/第六回前半) ナイトミラージュ(第四回レア枠/第五回) サマーミラージュ(第五回レア枠/第六回後半/第七回レア枠) オータムミラージュ(第七回/第八回レア枠) バニーミラージュ(第八回/第九回レア枠) フレッシュミラージュ(第九回) なおサマーミラージュ以後、スタンする毎に武装を少しずつ除装していくようになったが、総合戦闘力の変化は一切ない。 ハナ 花型ジルダリア。レイドボスバトル(第四回)に登場した、花屋のアルバイト神姫。 本当は自分もサボりたかったらしいが、迫り来るエラーを前にプレイヤー側の神姫達と共闘する。 ちなみに公式コミックでは同型の「ジル」が存在するが、ゲーム中には出てこない。 イバラ 花型ジルダリア(リペイント)。レイドボスバトル(第四回)および復刻(第六回)に登場したレイドボスで、ハナのバイト仲間。 「仕事を全力でサボりたい」というだけの理由で、エラーと結託していた困った神姫。 その後こってり絞られ、かつハナやプレイヤーの神姫達とゲーセンでたっぷり遊んだ事で、エラーとは手を切れたようだ。 ユメ 悪魔夢魔型ヴァローナ。レイドボスバトル(第五回)に登場した、ご近所神友マスターの神姫。 アラーム機能の不調を解決すべく、迫り来るエラーを前にプレイヤー側の神姫達と共闘する。 ドロシー 悪魔夢魔型ヴァローナ(リペイント)。レイドボスバトル(第五回)および復刻(第六回)に登場したレイドボス。 お寝坊なマスターのためご近所神姫達のアラーム機能に干渉し、エラーと結託していた困った神姫。 その後神姫管理委員会に厳重注意を受け、マスター共々早起きすると共にエラーとも手を切った模様。 ストラ 天使コマンド型ウェルクストラ(リペイント)。なにげに共闘するNPC神姫達の中では初のリペイント神姫である。 レイドボスバトル(第七回)に登場し、オフラインレイドストーリーの4戦目では行き掛かり上レイドボスも務めた。 (当初は記憶を失った状態でプレイヤーたちに保護されたのだが、当該バトルでは悪神姫にコントロールされてエラーと共に暴れ回ってしまったため) ちなみに本来のマスターはコーヒーを好むキャンパーであるらしく、コーヒーを淹れるのが得意だという事を思い出したのをキッカケとして無事記憶が戻った。 悪神姫 天使コマンド型ウェルクストラ(リペイント)。レイドボスバトル(第七回)に登場したレイドボス。 ストラと同型機なので分かりにくいが、当該オフラインレイドストーリーの9~10戦目及びオンラインでのボスはこちらの方である。 悪いマスターの下でエラーを利用してはぐれ神姫を操り不法に働かせていた他、神姫誘拐にも手を染めていた。 ただし、その「悪事」の詳細および倒された後の処遇、そして個体名は一切不明。 鎧原フォスター 騎士型サイフォス。レイドボスバトル(第八回)および第九回に登場した、神姫NET管理局ネットワーク課のネットワーク担当神姫。 日頃からハードワークが多い職務に身を置いているためか、非常に強く頼れる存在だが、対ボス戦では手数不足に陥りやすい。 ちなみに本名は2023/04/01の公式キャンペーン「エルプリルフール特別号」で、剣崎のそれ共々判明した。 剣崎フェスター 騎士型サイフォス(リペイント)。レイドボスバトル(第八回)に登場した、鎧原の姉にしてレイドボス。 嘗ては神姫NET管理局品質管理課に所属し、ネットワーク品質を管理。その過程で種村ジュビ子の仕事を手伝ったり、闇神姫事件においても最前線で戦ったり…と真面目に働いていたのだが、いつしか悪堕ち。事件解決後は神姫NET管理局に連行されていった。 バリバリの武闘派な一方でうさぎ好きという一面もあり、その立場を利用して入手したミラージュ・シリーズのデータからバニーミラージュを造り上げた可能性が指摘されている。 ちなみに第九回でも懲りずに脱走、「漆黒の戦姫」副長として悪事の片棒を担いでいる。 ちなみに「剣崎」といえば特撮作品「仮面ライダー剣」の主人公の苗字だが、ルラギラレる方だったあちらとは逆に此方はルラギる方である。 甲季 侍型紅緒。レイドボスバトル(第九回)に登場。神姫NET管理局のエラー討伐アルバイト神姫。 ジェムバトルランキングの上位チーム「漆黒の戦姫」に入る事を志しており、そのための鍛錬目的でエラーを討伐している。 プレイヤー神姫の助けを得つつ、入団試験を受ける事になるのだが…… その「漆黒の戦姫」こそは、一連の事件を引き起こす「悪神姫」達の巣窟であった、というオチがついてしまった。 刀華 武士型紅緒(リペイント)。レイドボスバトル(第九回)に登場した、ジェムバトルランキング上位チーム「漆黒の戦姫」リーダーにしてレイドボス。 実は剣崎と結託し、はぐれ神姫を積極的にメンバーに加えて勢力拡大を図っていた。これは悪神姫を増やす結果になるらしいのだが、当の彼女達自身は純粋かつ真面目に「はぐれ神姫の保護」を謳っているので、なお始末が悪い。 事件終結後は、剣崎共々「悪神姫」として神姫NET管理局に連行されていった。 ノララーフ 悪魔型ストラーフMk.2。公式コミックでは常連だがゲームには出てこない。 てんの店に良く遊びに来る、ポーカーフェイスでハードボイルドなノラ神姫。 大体のトラブルを解決してくれるらしい。 ジル 花型ジルダリア。公式コミックにのみ登場(ゲーム中には別個体ことハナが登場している)。 ブタグッズ、特に「神姫をダメにするブタクッション」を愛用しているらしい。 ちなみにこの名前、巷ではジールベルンにも付けられている事が多い。 ラズちゃむ エレキギター型ベイビーラズ。公式コミックにのみ登場。てんの被害者 とはいえ、ほとんどが起動前で寝ている状態での出番だった…。 エウエウ セイレーン型エウクランテ。公式コミックにのみ登場。 いつも元気一杯だが、何らかの(おそらくはノララーフ絡み?)復讐心に燃えているらしい。 ちなみにシーズン1の頃、ジェムバトルにおいて「なぜか緑CPUの復讐心が高い」と言う現象が稼動当初から確認されており、修正を重ねてもなかなか収まらなかった…という経緯があったり。 藤田フブルン 忍者型フブキ。初出は2022年4月1日の「エルプリルフール」告知で、ポニーテールに白ビキニにて魅惑の姿を披露した。 その後毎年04/01の同告知で、サブモニターにメッセージを出していた様子(開催されなかった2024年も含む)。 果たして、ゲーム本編に現れる事はあるのだろうか……? コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/touhoukashi/pages/5929.html
【登録タグ ぼ 冬乃桜 天秤亭 星条旗のピエロ 曲 純化の定理、百合の花 -TABLETALK ROLE PLAY IN TOHO 9- 遥か38万キロのボヤージュ】 【注意】 現在、このページはJavaScriptの利用が一時制限されています。この表示状態ではトラック情報が正しく表示されません。 この問題は、以下のいずれかが原因となっています。 ページがAMP表示となっている ウィキ内検索からページを表示している これを解決するには、こちらをクリックし、ページを通常表示にしてください。 /** General styling **/ @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight 350; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/10/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/9/NotoSansCJKjp-DemiLight.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/8/NotoSansCJKjp-DemiLight.ttf) format( truetype ); } @font-face { font-family Noto Sans JP ; font-display swap; font-style normal; font-weight bold; src url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/13/NotoSansCJKjp-Medium.woff2) format( woff2 ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/12/NotoSansCJKjp-Medium.woff) format( woff ), url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2972/11/NotoSansCJKjp-Medium.ttf) format( truetype ); } rt { font-family Arial, Verdana, Helvetica, sans-serif; } /** Main table styling **/ #trackinfo, #lyrics { font-family Noto Sans JP , sans-serif; font-weight 350; } .track_number { font-family Rockwell; font-weight bold; } .track_number after { content . ; } #track_args, .amp_text { display none; } #trackinfo { position relative; float right; margin 0 0 1em 1em; padding 0.3em; width 320px; border-collapse separate; border-radius 5px; border-spacing 0; background-color #F9F9F9; font-size 90%; line-height 1.4em; } #trackinfo th { white-space nowrap; } #trackinfo th, #trackinfo td { border none !important; } #trackinfo thead th { background-color #D8D8D8; box-shadow 0 -3px #F9F9F9 inset; padding 4px 2.5em 7px; white-space normal; font-size 120%; text-align center; } .trackrow { background-color #F0F0F0; box-shadow 0 2px #F9F9F9 inset, 0 -2px #F9F9F9 inset; } #trackinfo td ul { margin 0; padding 0; list-style none; } #trackinfo li { line-height 16px; } #trackinfo li nth-of-type(n+2) { margin-top 6px; } #trackinfo dl { margin 0; } #trackinfo dt { font-size small; font-weight bold; } #trackinfo dd { margin-left 1.2em; } #trackinfo dd + dt { margin-top .5em; } #trackinfo_help { position absolute; top 3px; right 8px; font-size 80%; } /** Media styling **/ #trackinfo .media th { background-color #D8D8D8; padding 4px 0; font-size 95%; text-align center; } .media td { padding 0 2px; } .media iframe nth-of-type(n+2) { margin-top 0.3em; } .youtube + .nicovideo, .youtube + .soundcloud, .nicovideo + .soundcloud { margin-top 0.75em; } .media_section { display flex; align-items center; text-align center; } .media_section before, .media_section after { display block; flex-grow 1; content ; height 1px; } .media_section before { margin-right 0.5em; background linear-gradient(-90deg, #888, transparent); } .media_section after { margin-left 0.5em; background linear-gradient(90deg, #888, transparent); } .media_notice { color firebrick; font-size 77.5%; } /** Around track styling **/ .next-track { float right; } /** Infomation styling **/ #trackinfo .info_header th { padding .3em .5em; background-color #D8D8D8; font-size 95%; } #trackinfo .infomation_show_btn_wrapper { float right; font-size 12px; user-select none; } #trackinfo .infomation_show_btn { cursor pointer; } #trackinfo .info_content td { padding 0 0 0 5px; height 0; transition .3s; } #trackinfo .info_content ul { padding 0; margin 0; max-height 0; list-style initial; transition .3s; } #trackinfo .info_content li { opacity 0; visibility hidden; margin 0 0 0 1.5em; transition .3s, opacity .2s; } #trackinfo .info_content.infomation_show td { padding 5px; height 100%; } #trackinfo .info_content.infomation_show ul { padding 5px 0; max-height 50em; } #trackinfo .info_content.infomation_show li { opacity 1; visibility visible; } #trackinfo .info_content.infomation_show li nth-of-type(n+2) { margin-top 10px; } /** Lyrics styling **/ #lyrics { font-size 1.06em; line-height 1.6em; } .not_in_card, .inaudible { display inline; position relative; } .not_in_card { border-bottom dashed 1px #D0D0D0; } .tooltip { display flex; visibility hidden; position absolute; top -42.5px; left 0; width 275px; min-height 20px; max-height 100px; padding 10px; border-radius 5px; background-color #555; align-items center; color #FFF; font-size 85%; line-height 20px; text-align center; white-space nowrap; opacity 0; transition 0.7s; -webkit-user-select none; -moz-user-select none; -ms-user-select none; user-select none; } .inaudible .tooltip { top -68.5px; } span hover + .tooltip { visibility visible; top -47.5px; opacity 0.8; transition 0.3s; } .inaudible span hover + .tooltip { top -73.5px; } .not_in_card span.hide { top -42.5px; opacity 0; transition 0.7s; } .inaudible .img { display inline-block; width 3.45em; height 1.25em; margin-right 4px; margin-bottom -3.5px; margin-left 4px; background-image url(https //img.atwikiimg.com/www31.atwiki.jp/touhoukashi/attach/2971/7/Inaudible.png); background-size contain; background-repeat no-repeat; } .not_in_card after, .inaudible .img after { content ; visibility hidden; position absolute; top -8.5px; left 42.5%; border-width 5px; border-style solid; border-color #555 transparent transparent transparent; opacity 0; transition 0.7s; } .not_in_card hover after, .inaudible .img hover after { content ; visibility visible; top -13.5px; left 42.5%; opacity 0.8; transition 0.3s; } .not_in_card after { top -2.5px; left 50%; } .not_in_card hover after { top -7.5px; left 50%; } .not_in_card.hide after { visibility hidden; top -2.5px; opacity 0; transition 0.7s; } /** For mobile device styling **/ .uk-overflow-container { display inline; } #trackinfo.mobile { display table; float none; width 100%; margin auto; margin-bottom 1em; } #trackinfo.mobile th { text-transform none; } #trackinfo.mobile tbody tr not(.media) th { text-align left; background-color unset; } #trackinfo.mobile td { white-space normal; } document.addEventListener( DOMContentLoaded , function() { use strict ; const headers = { title アルバム別曲名 , album アルバム , circle サークル , vocal Vocal , lyric Lyric , chorus Chorus , narrator Narration , rap Rap , voice Voice , whistle Whistle (口笛) , translate Translation (翻訳) , arrange Arrange , artist Artist , bass Bass , cajon Cajon (カホン) , drum Drum , guitar Guitar , keyboard Keyboard , mc MC , mix Mix , piano Piano , sax Sax , strings Strings , synthesizer Synthesizer , trumpet Trumpet , violin Violin , original 原曲 , image_song イメージ曲 }; const rPagename = /(?=^|.*
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2425.html
第2部 「ミッドナイトブルー」 第1話 「night-1」 ミッドナイトブルー (Midnight Blue) は色のひとつ。直訳すると「真夜中の青」となる。 西暦2041年 5月20日 23:55 花博記念公園鶴見緑地(はなはくきねんこうえんつるみりょくち)は大阪府大阪市鶴見区と大阪府守口市の市境にある。そこには公園施設の一部を利用した武装神姫センターがあった。 真夜中ということもあり、利用している神姫やオーナーの数もまばらだ。 『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』 真っ暗な闇の中を、数隻の巨大な灰色の塊が轟音を奏でながら進む。 ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン・・・ チーム名 「灰色艦隊」 □巡洋戦艦型MMS 「アリスン」 Sランク □巡洋戦艦型MMS 「クローディ」 Aランク □巡洋戦艦型MMS 「ノザッパ」 Aランク □巡洋戦艦型MMS 「ナヴァリン」 Sランク □巡洋戦艦型MMS 「キャリスタ」 Aランク □巡洋戦艦型MMS 「オーレリア」 Aランク □巡洋戦艦型MMS 「エルヴィラ」 Aランク □巡洋戦艦型MMS 「ジェシカ」 Aランク □重巡洋戦艦型MMS 「マキシマ」 SSランク「ワルキューレ」 □重巡洋戦艦型MMS 「ヴィクトリア」 SSランク「砲女神」 オーナー名「野木 恵」♀ 24歳 職業 ネオニート マキシマ「嫌な夜だ・・・新月で真っ暗闇だ・・・星明りさえない・・・」 ヴィクトリア「こんな夜には、化け物が出るらしいな・・・マキシマ」 マキシマ「化け物か」 野木「化け物ですって?残念ながら私はそういうものは信じない主義でね。信じるのは金と力さ」 『灰色艦隊』 快速を誇る巡洋戦艦型神姫、10隻で構成された野木の誇るMMS艦隊である。ただでさえ高価な戦艦型神姫を10隻も所有している野木は変わったオーナーだ。 野木は親の遺産を元手に株のトレードで生計を立てている引きこもりのニートであり、神姫関連の企業について野木は詳しく、そういった点で投機をして荒稼ぎをしている。 そしてその儲かったお金で同型の戦艦型神姫を大量に保有して、自分の用心棒としているのだ。ただ、用心棒に艦隊を保有しているのは少々やりすぎな点もしないが・・・ ヴィクトリア「・・・マスター、こんな話を知っていますか?こんな真夜中の深い青の夜には、化け物が出て一瞬にして命を奪い取るという話を・・・」 野木「くどい!ヴィクトリア!!そんな非常識なものがいてたまるか!それにそんな化け物が出たら、お前たちの出番だろ!」 オーレリア「はっははは!たしかにその通りです。マイマスター・・・我々、灰色艦隊はそのようなよく正体も分からないような化け物にやられたりしませぬ」 ジェシカ「そうですね」 キャリスタ「んだんだ」 ノザッパ「ヴィクトリアさんの話は有名な都市伝説のアレですね」 野木「都市伝説?なんだノザッパ」 ノザッパは得意げなドヤ顔で話す。 ノザッパ「真夜中の日付の変わる午前0時ぴったりにいきなり現れるんだ真っ黒な神姫のことさマスター」 クローディ「その都市伝説は有名だよー」 ノザッパは続ける。 ノザッパ「夜のステージにしか現れない真っ黒な武装神姫で、その姿を見た神姫は一瞬にして命を奪いとられるんだってさー」 オーレリア「・・・・・」 ジェシカ「おい」 ノザッパ「な、なんだよ」 マキシマ「今、23:59だぞ」 ノザッパ「・・・・・」 野木が腕時計を見る。カチ・・・カチ・・・と時を刻む音が静かに聞こえる。 野木「5・4・3・2・1・・・」 カチリ 午前0時を指す時計。 野木「午前0時だ」 ヴィクトリア「・・・周囲に敵影なし」 ジェシカ「おいおい、わざわざ警戒する必要もないでしょ」 野木「異常無しか・・・」 ノザッパ「だから都市伝説ですってー」 そのとき、チカチカと上空から何かが光った。 マキシマ「・・・?なんだ今の光は・・・」 ガンッバキン!! アリスンの艦橋ブロックが青白い光に貫かれると同時に機関部分が真っ赤な炎を上げて吹き飛んだ。 □巡洋戦艦型MMS 「アリスン」 Sランク 撃破 ズズウズウウウウウンン・・・・ 野木「な・・・」 そして次の瞬間、大型の対艦ミサイルが先方を進んでいた4隻の巡洋戦艦型神姫に命中し次々と火達磨になって爆発した。 マキシマ「!?け、警報!!ミサイル多数接近っ!!!」 野木「な・・・なんだと!!」 キュン!! ドガン!!バギャン!!ズズズウン!!バゴオオオムウ!! □巡洋戦艦型MMS 「ナヴァリン」 Sランク 撃破 □巡洋戦艦型MMS 「キャリスタ」 Aランク 撃破 □巡洋戦艦型MMS 「オーレリア」 Aランク 撃破 □巡洋戦艦型MMS 「エルヴィラ」 Aランク 撃破 ノザッパ「う、うわああああ!!!ナヴァリンが・・・」 一瞬にして艦隊の半数が轟沈され、真っ暗な闇の中で花が咲いたように紅蓮の火球が燃え上がる。 クローディ「キャリスタ!轟沈!!くそオーレリアもエルヴィラもやられた!!」 ジェシカ「せ、先方のアリスン轟沈!!うわあああ!!」 野木「落ち着けェ!!状況を確認しろ!!マキシマ!!」 マキシマ「レーダー、センサー共には、反応なし・・・ど、どうなってるんだ!!」 ノザッパ「ば、バカな・・・せ、戦艦型神姫が一瞬にして撃沈されるなんて」 クローディ「敵は、ど、どこだ!!見えないぞ!」 ヴィクトリア「・・・・・右舷に反応有り、チラッとだが、レーダーに小さい影が映った」 野木「照明弾っ!!撃てェ!!」 ヴィクトリアは照明弾を打ち上げる。 キューーーーーーーーーン・・・・パアァーーーン!! 真っ暗な闇の中にギラリと光る赤い眼のようなモノが光った。 マキシマ「敵機捕捉!!こいつはステルスMMSだ!!レーダーに映りにくい!!」 ジェシカ「畜生ォーーーブチ落としてやる」 野木はマイクを掴んで叫ぶ。 野木「全艦、対空防御!!全砲門開け!!撃てェ!!」 ウーーーーウウーーーーーウーーーーウーーー 生き残った戦艦型神姫たちは、砲塔をゴリゴリと動かして正体不明の黒い神姫に狙いを定める。 正体不明の黒い神姫はぐんと速度を上げて雲海の中に隠れる。 マキシマ「雲の中に隠れたようです」 野木「ええい!!かまわん!!撃て撃てェ!!」 クローディ「主砲正射!!」 巡洋戦艦型神姫の艦隊が一斉に3連ヘヴィ・ターボレーザー砲を正射する。 ズンズズズン!!ビシューーン!!ビシュエエーーン!! 真っ暗な夜を青白い光の線が何百本と貫く。 ヴィクトリア「レーダーロスト、敵機を見失いました」 ジェシカ「どこに嫌がる!?」 ジェシカがサーチライトを使って雲の海を照らす。 野木「サーチライトなんか出すな!やられたいのか!」 ビシュエエーーーン!! 雲の海の中から強力なレーザービームがまっすぐ伸び、ジェシカに命中する。 ジェシカ「うわあああっああああああああ!!」 ズズウズウウウウウ・・・・・ンン ジェシカの巨大な船体が真っ赤な炎に包まれ高度を落とす。 ヴィクトリア「ジェシカ被弾!!ジェシカ被弾!!高度を上げろ!!墜落するぞ!!」 ジェシカ「ば、バカな・・・せ、戦艦型神姫を一撃で落とすなんてェ・・・あ、」 ジェシカの船内の弾薬庫に引火し、大爆発が起きる。 ズンズンズンズンンンン!! □巡洋戦艦型MMS 「ジェシカ」 Aランク ヴィクトリア「ジェシカ轟沈しました」 マキシマ「敵は我々と同じ威力の以上の大口径砲を搭載した重神姫のようです」 ノザッパ「うわあああ!!ジェシカ!!!」 野木「ぐっ・・・なんてことだ・・・あ、あっという間に艦隊の3分の1が轟沈とは・・・」 クローディ「レーダーに捕捉!!またちらりと影が映ったぞ!!」 野木「・・・・マキシマ!!艦首収束素粒子砲、砲撃用意!!」 マキシマ「は・・・目標は!?」 野木「下の雲海を主砲で吹き飛ばせ!!炙り出してやる」 マキシマ「了解!」 キュウウイイイイイイイイイン・・・・ マキシマの主砲が光りだす。 ノザッパ「マスター!?なにを考えているんです!!そんなことをすればマキシマが狙われ・・・」 野木「構わん!!」 ノザッパ「まさか、マキシマを囮に・・・」 野木「・・・・言うな!!」 マキシマはこくりとうなずく。 マキシマ「囮とは上等じゃんばいですか!来るならくればいい!!返り討ちにしてくれましょうぞ!」 ヴィクトリア「敵機!捕捉!!正面距離1000!!」 ドフッ!!! 前方の雲海がばっと割れて真っ黒な正体不明の神姫が飛び出す。 野木「マキシマ!!撃て!!」 マキシマ「充填率、30パーセント」 野木「十分だ!艦首収束素粒子砲!!撃て!!」 マキシマ「艦首収束素粒子砲っ!!テっ!!」 バゴオオオオオーーーーウウウンン・・・ マキシマの前方の雲海がばっと吹き飛び、まっすぐ真っ黒な正体不明の神姫に届く。 真っ黒な神姫はくんと体を大きくひねり、加速しながら攻撃を回避すると同時に、青白い強力なレーザーを放った。 ビッシュウーーーーーエンン!!! クローディ「う、うわああああああああああ!!」 ゴバアアンン!!クローディの艦橋部分を抉るように吹き飛ばし黒い神姫は一瞬にして通り過ぎた。 □巡洋戦艦型MMS 「クローディ」 Aランク 撃破 マキシマ「な・・・なんてヤロウだ!!すれ違いざまに一隻落としやがった!!」 ノザッパ「ひえええ!!!」 ヴィクトリア「敵機!捕捉!!主砲斉射!!」 ズンズンズズズッン!! 黒い神姫は再び雲海の中にもぐり姿を消した。 ヴィクトリア「・・・・敵機、急速離脱・・・離れていきます」 野木「・・・・・そうか」 ノザッパ「はあはあはあ・・・な、なんだったんだ!?今のは・・・」 マキシマ「現在、時刻00:05・・・正体不明機に襲撃を受けてわずか5分で艦隊の3分の1を失いました」 野木「これは夢なのか・・・ノザッパの言っていた都市伝説はこれなのか!?」 ノザッパ「あ・・・ああああ・・・化け物だ!!化け物神姫だァ!!!」 ヴィクトリア「マスター・・・この画像を見てください」 ヴィクトリアはさきほど偶然、カメラで撮影した画像を野木に転送する。 野木「こ、こいつは!?」 ヴィクトリア「さきほどのアンノウンの画像です。こいつは夜間戦闘に特化した重夜戦・・・重夜間戦闘機型神姫です」 野木は画像を凝視する。 野木「重夜間戦闘機型神姫・・・」 画像には真っ黒な重武装の凶暴なフォルムの神姫の写真がぼんやりと写っていた。 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>・第2話 「night-2」 トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/674.html
第五幕。上幕。 ・・・。 新京都国際会館大ホール。薄暗い照明、設置された数台の大型筐体。 交差する小さな影を見つめる瞳。 筐体のカップホルダー。そこに描かれたMBAというオフィシャルロゴの上。 無造作に置かれたレモンイエローのケータイには大小様々なストラップが賑やかに吊るされている。 そのプレイヤーシートに座る少女。染色された髪の前髪の一部にホワイトメッシュ。細い赤縁の洒落た眼鏡。インカムを付けている耳には右には2つ、左に1つ賑やかにピアスが踊る。 その筐体の中・・・アラートウィンドウと光が踊る戦場を見つめる横顔は、軽薄そうにも見えるが、その視線は真剣そのもの。その瞳には少しの不安と自信が宿るが、絆創膏が貼られた両手を祈るように組んで、彼女はそこをじっと見続けていた。 彼女の名は山県 光。アキと読む。 やがて。 砲台型神姫フォートブラッグが携えた、大きく形状を改造されたライフルの銃弾が悪魔型ストラーフの胸部急所に直撃した。 ドクロのマークのデッドマークが赤く表示され、悔しそうな顔を浮かべながらストラーフが膝をつく。勝利を収めたフォートブラッグはバイザーを上げ、特別感慨も無さそうに・・・それが当然と言うかのように敵であった者に一瞥をくれると。自身のバトルフィールドへの侵入ゲートへ足を向けた。 『バトルロンドエンド。勝者、フォートブラッグ『ルクス』。OFMBA・・・勝敗数・・・』 電子音声と、その戦いのギャラリーであった『ライバル達』の拍手が流れる中。 そのフォートブラッグ『ルクス』は、白と黒だけで彩られた世界を見回した。 いつも通りの視界。ノイズが少し混じっているままで。 「お疲れ様。ナイスやったで、ルクス!」 関西弁が強く混じった声。嬉しそうに、アキが自分のパートナーを迎える。 「・・・ありがとうございます」 そのマスターの祝福に顔さえ上げず、腕を組み。淡々と答えるルクス。 今の戦いに満足してはいないのか、目を軽く閉じ瞑想しているかのように口はそのまま噤まれた。その喜びを表現しようともしない姿に、困ったような笑みを浮かべながら、アキが慌てて付け加える。 「あ・・・うん。どっか、壊れたとか。調子の悪いトコとか無い?」 「マスター。異常ありません」 さらっと答え、ルクスは心配そうな彼女の声を無視する。 まだ何かを言おうとしたアキだが、先のストラーフのマスターが来て、挨拶と祝福への礼を言う事に追われ、それ以上の声をかける事は出来なかった。 自分は武装神姫である。 マスターと自分の誇りの為に戦い、勝利を収める為の存在。 特にフォートブラッグは本格的なショットバトルの為に設計された『砲台型』。主とは完全にバトルパートナーとして在るべきだと、彼女は『正しく認識』していた。 主が戦略を練り、自身が戦術で勝利を収める。それこそが正しい姿である。幸いにもアキは戦略という点では問題は無い。ならば自分にはそれに答える義務がある。 そこに間違いなど・・・。 それから一時間後。これで勝てばベスト4という試合が始まった。敵はアーンヴァルタイプ限定型のカスタムモデル・・・それも随分と神戸で名の知れた実力者。 しかし此処で負けているわけにはいかない。 その戦闘の途中。 彼女は一瞬、丘陵の段差に足を取られた。 ほんのワンミスでしかない。 しかし、この戦場には、『ここまで勝ち上がってきた者』しかフィールド内にはいないのだ。それを見逃すはずもないアーンヴァルのアルヴォが火を噴き、彼女のバイザーを跳ね上げた。幸い、直撃ではなかったが・・・。 「・・・っ!」 ヂヂッという音と共に、目の前に妙な火花が舞った。いや、目の中で舞った。 視界が急速な勢いで萎み、これまでの三分の一程度まで縮小する。ダメージアラートが表示されているはずだが、それを完全に見る事が出来ない。 (ダメージ数の把握が・・・!) 見えなくなりつつある事よりも、彼女は戦闘に支障をきたす事を悔やんだ。残った視界にも大きなノイズが走っている。最早、視界のほとんどが奪われつつる状況。それでもルクスは敵をスコープに入れようとする。 (負けるわけには!) が、目が見えない重砲撃タイプなど単なる的に過ぎない。 数秒後に放たれたレーザーライフルを回避する事が出来ず、ルクスは直撃をくらった。全身から力が抜けていく。高いブザー音と共に、彼女のボディに敗北を意味するドクロが舞った。 あちこちにガツ、ゴツとぶつかりながらも、何とかルクスはゲートに辿り着いて筐体から出る。火花はまだ目の中で散っていた。 「ルクス!?」 慌てたような声が聞こえる。そこにいるのだろう。 彼女はいつも通り、視線を主に向けずに首を振った。 「申し訳ございません、マスター。私のミスで敗北しました。弁明の言葉もありません」 「そんなんはえぇねん! それより・・・大丈夫なんか!?」 何が、いいのか・・・。 オフィシャル・プロを目指しているような方が。 「異常といえば、視力が奪われました」 恥だ。主の構想を裏切り、自身のミスで負けただけではなく。挙句故障とは。何という役立たずな・・・。 そこまで思った時には。アキはルクスを引っ掴み、メディックルームに走っていた。 「・・・ありがとう、ございました」 搬送された神姫センターから、暗い表情でアキがルクスを胸に抱いて出てくる。 「・・・」 結果は・・・『ノー』だった。 そもそもが、彼女の人工眼球が、武装神姫の物ではなかったという衝撃の事実付きで。 パーツの混入・・・数百分の一か、数千か、数万か。何が起きたかは解らないが、しかし確かに起こりえた。彼女の眼は旧型神姫タイプ『ミネルヴァ』の不良品であったのだ。 武装神姫のカメラアイ部は、従来の神姫よりもガードグラスが遥かに丈夫に出来ており、それ故に人工眼球とCSCセンサーとの結合も強固になっている。ルクスが・・・生まれながらに持っていた障害をアキに伝えていれば、その時点での良品への変更は可能であっただろうと。 彼女は当初から視界が色を認識していなかった。 だが、ルクスは別段それを主であるアキに言おうともしなかったし、不便とも感じなかったのだ。全てはバトルに、戦闘に・・・必要ないからと。 その『悪い眼』でずっと暮らし、戦ってきたルクスのCSCが既に『その規格の眼球』を自身の目とする認識を、終了してしまっていた。 新品の武装神姫の眼の規格では、彼女のCSCがデータを認識しない。 とはいえ『悪い眼』と同じ程度の格である『旧式の眼』はほとんどがハンドメイドの代物だ。色も違えば、一つ一つが微妙にセッティングが違い、合う物が見つかる可能性は限りなく低いと・・・そう、伝えられた。 「・・・なんで、言わんかったん?」 合う物が見つかれば、連絡をくれると気の毒そうにドクターは言ってくれたが。期待は出来ない。 アキの言葉に、抱かれたルクスは俯いたまま何も言わなかった。 「なんで・・・色が見えないって、言わなかったん? ルクス」 もう一度。それでもどこまでも優しく、アキは言う。それが妙に苛立たしく感じられ、ルクスは僅かながら乱暴に答えた。 「必要ないと判断しました。バトルに影響はなく。むしろ、色の彩度に目を取られないだけ便利であろうと」 酷くなっていくノイズは。既に視界のほとんどを奪っている。 「そっか・・・ごめんな・・・気付かへんで」 ポツポツと聞こえる声。何故謝るのか。全ての非は私にある。 「マスターは悪くありません。状態管理・報告の義務さえ怠った、私の責任です」 「ウチは、マスターやのに・・・」 聞こえていないのか、アキは尚も呟くように言うだけだ。 ルクスは溜息をつき、淡々と言った。 「・・・マスター」 「?」 「私のCSC破棄を提案致します」 ぴたっと、足が止まった。 「え・・・?」 アキの顔さえ見ずに、ルクスは続ける。 「マスターはオフィシャル・プロを目指し、それに近い場所にいらっしゃいます。状態管理を損ない、無様にも・・・恐らくは視力を失うような神姫では貴女への期待と、高いステータスに答える働きは出来ません」 それが当然だ。 「CSCを一度破棄し、新しい眼球に取替え、そして再度起動を行ってください。名はルクスでも構わないでしょう。同一ボディとヘッドパーツならば特例としてランキング継承が認められた例があります」 私は彼女の神姫・・・所有物であり、期待に答える義務があった。 それが出来ない愚かな存在が、これ以上、類稀なる才能を持つ方の側にいる訳にはいかない。 「何・・・言って」 アキの震える声。ルクスは首を振って溜息混じりにはっきりと言った。 (・・・何を感傷的になっておられますか) 「私と貴女はパートナー。片方が『裏切り』に近い行為を行った時、貴女には切り捨てる権利があり、私にはソレを受け入れる義務がある。今日とて勝てば、日本選手権への切符を手に入れることが出来たベスト4入りを逃したのは、私の責任です」 「『裏切り』・・・?」 「何よりも、マスターはフォートブラッグの戦い方・セッティングに慣れておられるでしょうし・・・」 そこまで言って、決定的に重要な事を言う。 「CSCと眼球のみでしたら、『コスト』も、抑えられますから」 「『裏切り』・・・? 『コスト』!?」 少し、語気が強められた。 「?」 「この・・・っ! ド阿呆おっ!!」 水がパタパタッとバイザーに降ってきた。きょとんとして、ルクスは見えなくなりつつある目を上に向けた。 白黒の、小さな視界に。泣いているアキがいた。 (・・・ぁ) そういえば・・・。 「ウチはルクスじゃないと意味がない! ルクスの代わりなんておらん!」 「代わりは・・・」 私は、武装神姫。大量に生産されているタイプ。代わりなんて。 「ルクスが、好きやから! 一緒に来たのに! 裏切りなんてありえへん!! ルクスはルクスやのに、何でそんな事言うん!?」 大粒の涙が眼鏡を濡らし、首を振った時に零れ落ちる。 (・・・好き?) 泣きながら叫ぶアキを呆然と見つめながら、言葉を反芻する。 そういえば・・・マスターの顔を正面から見たのは、はじめてだったっけ・・・。 紫電が舞った。耳に届くブチッという音と共に。 視界から光が、完全に失われた。 ・・・一週間後。 昨夜、『データ規格に一致するかもしれない』眼があると電話があり、そこに連絡を入れるや平日にも関わらず、アキはルクスを連れて早朝からリニアエクスプレスに飛び乗った。 新京都駅からの通勤の人たちに混じって揺られる事一時間と少し。中央ステーションからバスに乗り換えて。 そして。彼女達はそこに降り立った。 「きょう、こく・・・?」 この一週間。泣き腫らした目でアキは、その珍しい名前をした研究所の看板を読む。ルクスは無言で俯き、そのポシェットの中で座っている。 千葉峡国神姫研究所。それなりに大型の研究所らしい。 意を決して。彼女は呼び鈴を鳴らした。 この一週間。 ルクスは一人暮らしをしているアキの部屋、机の上。言葉さえ発せず、クレイドルの上にずっと座っていた。座らされていたし、そこから動こうともしなかった。 毎朝、声をかけながらアキは優しくルクスの身体を払う。 「ごめんな・・・ごめんな?」 そう謝りながら・・・学校には行っているか解らない。 時折、机に突っ伏しているのか、くぐもった涙交じりの声が近くから聞こえるだけで。 ただ。 ルクスは、何か一つのキーワードを探し続けていた。 この、胸を蹂躙する気持ちを、はっきりとさせるワードが。あるはずなのに。 「・・・。結論から言えば。移植は可能です。それで光が戻るかは確信はありませんが・・・確率的には半々と言った所でしょうか」 様々な機械でデータを取り、その後所長室に通されたアキとルクス。 その前に座った、堅苦しそうな雰囲気を漂わせる小幡 紗枝と名乗った初老の女性は、手元のデータファイルに目を通しながら事務的な口調で言った。 「半、々・・・」 アキはぽつっと呟いて。 「あの、それで・・・」 「無論。一人でも多くの神姫と、そのマスターをお救いするのが私達の使命でもあります。お譲り致しましょう。・・・治療費は、別途頂くかもしれませんが」 「ホンマですか?」 嬉しそうに言うアキに、しかし小幡は冷静・・・冷徹とも見える表情のまま一つ頷くと、机上に直立するルクスに視線を向けた。 「さて、ルクスさん。貴女に聞いておきたい事があります」 ルクスは顔を声のする方向へ向ける。 「視力を失う前兆は当初からあったとの事ですが・・・何故、貴女は。色彩を認識していない旨をマスターに伝えなかったのですか?」 ふっと顔を下を向けたまま、答える事が出来ない。彼女は質問を理解はしていたが、それどころではなかったのだ。 ずっと探している。その単語を。今も心中を漁って。 「ウチの・・・。ウチのせいです!」 何も言わない彼女に慌てたように、アキが叫んだ。 ゆっくりと、声がした方に顔を向ける。 (マスター?) 「・・・ウチが・・・ルクスに無理をさせすぎて」 一週間聞き続けた、涙声に変わっていく声。 「構ってあげれなくて・・・そんで・・・彼女の事を何も考えてあげれなくて。色が見えてないって事さえも、気付いてあげられへんかったのは・・・」 絞り出すような声。 (何の為に・・・) 「全部・・・」 どうして? 「なるほど。・・・今の話が本当として。さて、貴女には、彼女を恨む権利があります」 別の方向から、小幡の冷静極まりない声が聞こえた。 「・・・。・・・!」 ルクスは『恨む』という単語に驚いて顔を振り向ける。 「ルクスさん? 神姫の不調さえ気付かず、戦いを強い、視力を奪い去った彼女を。それでも赦すのですね?」 それは。 赦す・・・? 「当然ですよね。貴女は、彼女の神姫なのだから」 「そ、それは! ちゃいます! ウチは!」 驚いたような、アキの声。 「お黙りなさい、山県さん」 それを封じる、厳しく、冷たい声。 「・・・これは、貴女の問題でもありますが、同時に彼女の問題でもあるのですよ?」 情に流されぬ研究者の声。 「どうですか? ・・・ルクスさん」 「・・・」 アキの、漏れるような声だけ、聞こえている沈黙の中。 (・・・あ) ルクスは、ようやく『一つの単語』に辿り着いた。 「・・・『光を失う』事」 質問の回答になっていない言葉を、彼女は紡いだ。 「これは、私への罰。・・・マスターの顔さえ直視せず。その声から耳を塞ぎ・・・『それ』から逃げ続けた」 直立したまま、淡々と。感情がほとんど込もっていない声で続ける。 「私は・・・『それ』を受け止めようとしなかった」 ふっと、自分の声調が変わった。 「大好きなネイルアートをやめてしまわれた。・・・髪が、傷つくからと」 それは誰の為に。 「パーツを持った事も無いドライバーで分解し、綺麗に洗ってくれたのも。ハンドカスタムしようとして。絆創膏だらけになってしまった指先も」 一体誰の為だったか。 「初勝利のときに誰よりも喜んでくれたのも。時間が無いのにアルバイトをして、兵装をフルチェックに出してくれたのも」 全ては。誰の為だった? 「・・・。そんな事を、何も考えずに受け止め。それが当然だと甘えながら」 それら全ては。誰に向けられていた? 「マスターの声に耳を傾けず、その瞳を真っ直ぐ見る事さえ出来ない・・・こんな」 声が揺れていた。とめどない感情の奔流が口から流れ出す。 ルクスは膝から崩れ落ち、その場にへたり込んだ。 何も見えぬ闇の世界。冷たい机の堅さだけが、足から伝わってくる。 「本当に救いようの無い、愚かな神姫の為に」 マスターは。私に。 どれほどの『それ』を注いでくれていたのか。そんな事さえ考えもしない神姫の為に。 「私は・・・」 光を照り返さない瞳を天に向ける。それも空しき抗いに過ぎず、涙が目から零れ落ちた。 「私は、きっと。愛されていた」 『愛』。 そんな簡単な単語を導くために。一体、どれほどの時間が必要だったのか。 雫が落ちる音が聞こえる。それは、誰の涙なのか。ようやく彼女は、全てを認識した。 「この光を失う事は。その愛を踏み躙り、目を伏せ続けた。愚かな私への罰」 「・・・。受け入れると?」 冷たくこちらを刺す様な小幡の声。ルクスは小さく頷き。唇をわななかせた。 当然の罰。受けるべき刑・・・。 「・・・それでも」 メモリーを埋め尽くす、最後に見た映像。 彼女は・・・マスターは。 「それでも・・・私はっ!」 何も掴めぬ指で見えぬ目を閉じ顔を覆う。消えない。その映像は消えはしない。 はじめて・・・そう、はじめて真っ直ぐに見詰め合った、陽の如き愛を注いでくれたマスターは。 泣いていたのだ。 こんな、愚か者の為に。 「マスターの姿を・・・失いたくないっ!!」 泣いていたのだ! こんな、『愛』を『涙』にしか換える事が出来ない、ガラクタの為に! このまま光を失えば。自分は、ずっとずっと知らないまま。 泣いていない、哀しみに囚われていないマスターの顔を。 愛を与え続けてくれた、いつも自分へ向けてくれていたはずの、唯一無二のマスターの顔を! 「う・・・う、ひぐっ・・・。マスタ・・・マスタぁ!」 心が無茶苦茶に掻き乱されていく。氾濫する感情。 メモリーを埋め尽くすのはアキの泣き顔。姿を見る事さえ適わぬ主を、彼女は叫ぶように呼ぶ。 あの泣き顔が・・・与えてくれた愛に出した答え。あの涙が、愛の代価として私がマスターに与えた物だ! 身を引き裂くほどの後悔と懺悔。ルクスは両手を地に付いた。 「ごめん、なさい。ごめんなさい・・・っ!」 吐き出された『想い』。赦されるとは思っていない。赦されるはずなんてない。 自身がやってきた事。自身が口にした言葉。 その須らくが、愛への『裏切り』に他ならなかった。 何本の棘をマスターの心に叩き込んだ? 果たして、どれだけの愛を捨ててきたのか? どれほどの愛を踏み躙ったのか! 考えただけで心が押し潰されそうな罪。 身動きさえ取れないルクスを、誰かがそっと抱き上げた。 「・・・。マスター・・・?」 知っているコロンの香りに、彼女は、ぽつりと呼んだ。 「・・・」 しゃくり上げる声。何も言わず。アキはルクスをぎゅっと胸に抱いた。 暖かい。知っている匂いと温もり。 ・・・初めて起動した時に、抱き上げてくれた時と同じ。 あの頃から・・・この、こんな神姫に・・・この人は、『愛』を注いでくれていたのに。 彼女は咽び泣いた。ごめんなさいと、ただ繰り返しながら。 「小幡、さん」 泣き続ける彼女を抱きながら、自身も涙でボロボロの顔を、アキは小幡に向けた。 「・・・。解りました」 小幡は静かに頷き、微笑を浮かべた。 「彼女に・・・良い『名』を、お付けになりましたね。山県さん」 「・・・! はい」 ルクスを抱き締めたアキを、小幡は奥の部屋に誘った。 再起動音が自分の耳の奥で鳴っている。とすれば。これは、夢、だろうか。 ゆっくりと眼を開ける一瞬前。ルクスは不思議な光景を見た。 どこまでも続く、晴れた風吹く草原。そこに立つ彼女の前に、一人の美しい神姫が髪を風に揺らせ立っている。 翠の髪。そして、銀色の瞳。パールと草色のスーツカラー。 その神姫はルクスに優しく微笑みかけていた。 『・・・母様?』 ふと自然と出た、その言葉。 風が吹き、草原が消えていった。 高い電子音が一度鳴る。 その瞳の色は銀色に変わっていた。焦点が合い、部屋を視界に映し出す。 「ルクスっ!?」 覗きこむ、心配そうな顔。 ルクスは小さく頷いた。 ぱっと、アキが笑顔に変わる。 (あぁ・・・) 赤い縁の洒落た眼鏡。 染めた髪にメッシュが入って何と鮮やかな。 銀のピアスで賑やかな耳元。 どことなく日本人とは違う印象を与える、顔立ち。 「マスター」 私は、こんなに近くにあった愛を。長く、見ようともしなかったのか。 「見えるな? 見えるんやな!?」 「はい・・・」 これほどまでに。美しい愛の姿を。 「・・・はい、マスター。異常ありません」 そう言い終わったときには。強く、胸に抱きしめられていた。 空はどこまでも蒼く、遠く千切れたような白い雲。 グレーのアスファルト。走る色とりどりの電気自動車。街路樹は緑の葉を萌やし、金の木漏れ日を落としている。 歩く、黒い影。肩に小さな影。 目に映る、初めての世界の色。 「ゼリスさんかぁ・・・凄いヒトもいるねんなぁ」 「はい」 あの後ディスクを見て、この『瞳』が誰の物かを知った。 きっと。夢の中で思わず口走った言葉は・・・決して間違いではなかった。 「・・・重いね」 「はい」 「頑張らな、アカンね」 「はい。マスター」 こちらに向けられた視線を真っ直ぐに見返し、ルクスは頷いて見せた。アキも嬉しげに頷き返す。 ただそれだけ。こんなに簡単な事が。今まで出来なかったのか・・・。 胸の奥でCSCが揺れて、心が熱くなる。 「・・・ん? メール?」 開いたケータイに目をやったアキの表情が一変する。 「しもたっ・・・今日絶対受講の講義が七限にあるんやったっけ。間に合うかな!?」 「・・・。時間的に一時間後までにラピッド=エクスプレスに乗れば間に合います。急ぎましょう」 脳内で時間割を的確に展開、計算してルクスはアドバイスを送る。 「・・・マスター」 「ん?」 「私の名に・・・何か、意味があるのですか?」 恐縮するようにルクスは聞く。 小幡が言っていた言葉が気になっていた。『良い名』とは。如何なる意味なのか。 「あ・・・『ルクス』ってのはな」 ストラップだらけのケータイをポケットに捻じ込むと、アキは嬉しげに笑って見せた。 「ウチと、同じ」 「?」 「『光』っていう意味やねん」 風が、吹き抜けた。 「よし、バス停まで走るで!」 「・・・。はい、マスター」 しっかりと服に掴まる。放さないように。そして離れないように。 銀の瞳をビルの間に見える天に向け、涙を浮かべている事に、気付かれないように祈りながら。 ・・・。 この愛は私には大きすぎる。 この光は私には眩しすぎる。 それでも。 こんな愚かな、ド阿呆と・・・怒られるような神姫でも。 貴女の『愛』を、『笑顔』に換えられる様に。 ・・・愛していこう、ずっと。 光溢れる天よりの旋風。鳥、舞い降りるその一迅。 海には波を誘い。空には雲を呼び。その髪を遊んで吹き抜ける。 第五幕。下幕。 第五間幕
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1446.html
アンジェラスの愛を受け入れる。 こうなってしまったのもの俺の所為だ。 アンジェラスにとってこの罪とは愛情表現だ。 だから俺はこの罪を受け入れる。 「俺は愛してるよ、アンジェラス」 「ご主人様!」 アンジェラスの奴は俺の顔に飛びつきキスしてくる。 しかも狂ったかのように。 ちゅううっ…れろっ…くちゅくちゅくちゅっ…… 「…んふ…ん…じゅる………!」 「……んぅ………」 激しく唇同士ぶつけるアンジェラスと俺。 でも人間の俺に武装神姫のアンジェラス。 身長差が違うし唇の大きさも違う。 それでもアンジェラスは一所懸命にキスしてくる。 いや、キスというよりディープキスだ。 「ご主人様は私のモノ。この世の中でたった一人の…」 「………アンジェラス…」 「たった一人の愛しい人。殺したい程に…」 言い切り終わるとまたキスしてきた。 もう俺はアンジェラスに身体を預けていたので何されようがどうでもよかった。 そして明日から新しい生活が始まるのだ。 アンジェラスと俺だけの生活が…。 …。 ……。 ………。 「おい、ルーナ」 「あ、どうでしたダーリン?あたしの小説は??」 俺は神姫用のスケッチブックを机に置く。 そして一言。 「ボツ!」 「酷~~~~い!!!!」 俺の返事に困惑するルーナ。 どうやら期待していたみたいだ。 でも残念だったな。 結果はボツだぜ。 「ヤンデレなのはいいんだけど、なんで俺達がキャラなんだよ?」 「だって扱いやすいでしたんだもの」 「肖像権侵害で訴えてやろうか?」 「そんなぁ~…」 今度は泣きそうな顔をしながら俺に迫ってくる。 その時だ、ルーナの巨乳がブルンと動いたのは。 もう溜まりません。 性欲を持て余す。 「特盛り!」 「はい?」 「あぁーいや、何でもないよ!気にすんな!!」 「変なダーリン?じゃあ今度はオリジナルキャラクターで書けば大丈夫ですね」 「ん~まぁ、多少良くなるんじゃないのか」 「ではすぐに書きます!楽しみに待っていてくださいね、ダーリン♪」 「…おう」 できれば、書いて欲しくないがそんな事は…言えないよなぁ。 ルーナの心底悲しむ顔なんか見たくないしな。 でもなんでいきなり小説なんか書こうとしんたんだろう? 動機がさっぱり解からん。 まぁいいや。 俺はパソコンに向かいヤンデレが出てくるエロゲーを起動する。 えぇーと、確か三日前のセーブデータは…あれ? なんか知らないセーブデータがあるぞ。 試しにそのセーブデータをロードしてやってみた。 するとゲームはすぐに終わって画面はスタッフエンドロールになってしまった。 ちょっ!? もう終わっちまったぞ! 俺はここまでゲームを進めた覚えはないし…。 ん~! ちょっとまて、パソコン、ヤンデレ系のヒロインが出てくるエロゲー、そしてルーナが書くヤンデレ系の小説…。 あぁ~そいう事か。 ようやく解かったよ。 「ル~ナ~」 「な、なにダーリン?変な呼び方なんかしちゃって」 「五月蝿い!テメェ、また俺のエロゲーをやったろ!」 「ゲッ!?バレてしまいましたわ」 「『ゲッ』じゃねぇー!つーかぁ、毎回毎回俺のアカウントによく入れるよな。一周間ごとにパスワードを変えているんだぞ」 「ダーリンのパスワードなんてお茶の子さいさいですわ!」 「威張るな!今日という今日は許さん!!擽りの刑に処す!!!」 「キャハハハハーーーー!!!!ゆるじでーーーー!!!!」 俺の部屋でルーナの叫び声が響く。 その叫び声を聞きやって来たアンジェラス達。 そして俺とルーナが戯れている姿を見てクスクスと笑われたのは言うまでもない。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2236.html
ウサギのナミダ・番外編 少女と神姫と初恋と その4 ◆ 金曜日の放課後のことだ。 ノーザンクロスのバトルロンドコーナーで、美緒たち四人と安藤は対戦にいそしんでいる。 オルフェはまだ実戦というレベルでの対戦をしていない。 LAシスターズの神姫たちを相手に、いろいろと試している段階だ。 対戦用筐体を一台占拠しているが、常連たちは何も言わなかった。 LAシスターズはここでは顔が通っているし、話題の神姫・アルトレーネ・タイプの動きがじっくり見られるとあって、好きなようにさせていた。 そんな状況をありがたく思いながら、安藤とオルフェの戦い方について話している。 そのとき。 「よう、安藤。女にバトロン教わってるなんて、ずいぶん情けねーな」 「蜂須……」 筐体から顔を上げると、酷薄そうな笑みを浮かべた小男が、三人ほどの取り巻きを連れて立っていた。 その小男は蜂須英夫。ここ『ノーザンクロス』で『三強』の一人といわれる人物で、美緒たちと同じ高校の同級生でもある。 「お前に神姫のこと聞いても、教えてくれなかったじゃないか」 「……だいたい八重樫。オレの誘いを断っておきながら、なんでこんな男に付いてんだよ」 蜂須は安藤を無視して、美緒に視線を向けた。 美緒は身をすくめる。蜂須の視線はいつも、美緒の全身にからみつくように感じられた。 「そ、その話は……何度も断ったでしょう」 「何が不服だってんだよ。お前だって、バトロン強くなりてーんだろ。だったら、そんな初心者のお守りは他の連中に任せて、オレのチームに入れよ」 美緒は身を縮めて、蜂須の視線に耐える。 はっきり言って、美緒は蜂須が嫌いだった。 彼の、人を見下した態度が、どうしても好きになれない。 それに、あのとき。あの雑誌にティアの写真が載ったときだって、それをネタに大声でいやらしく笑っていた男なのだ。 好きになれるはずがない。 有紀が美緒の前に立ち、蜂須の視線を遮った。 「おい。美緒は断ったって言ってんだろ。しつこい男は嫌われるぞ」 「てめーとは話してねぇんだよ、このデカ女」 「んだと、このバカハチ!」 怒りを露わにした有紀を蜂須はせせら笑った。 「なんだよ、殴るのか? 殴るのかよ? バトロンじゃオレにかなわないからって、暴力に訴えるわけだ。 はははっ、まったくサイテーの女だよなあ!」 「くっ……」 有紀は拳を強く握り、震えを止めようとした。 蜂須の言うことは本当だ。 『玉虫色のエスパディア』とは、四人とも何度も対戦しているが、勝てた試しがなかった。 「強くなりてぇんなら、そんなオママゴトみたいな対戦してねぇで、オレのチーム『レインボー・ブレイカーズ』に来いよ。手取り足取り教えてやるからよぉ……」 蜂須は美緒をなめ回すように見ながら、舌なめずりした。 だが、 「うわ、厨臭いチーム名!」 の声に、視線を逸らさざるを得なくなる。 睨みつけたその先には、両手で口を押さえた梨々香がいた。 「江崎ぃ……バトルもまともにできねぇくせに、人のチームにケチ付けてるんじゃねーよ」 蜂須はここぞとばかりに、嫌みったらしい言葉を吐き出した。 「だいたい、見るに耐えねーんだよ。まともにバトルもできねー女どもが、キャッキャウフフとゲーセンでつるんでるのは。 ここはバトルで上にのし上がろうって野望がある連中のコロシアムなんだ。 いつまでもヌルいバトルしてたり、イロモノに走ったり、非武装派なんざお呼びじゃねーんだよ。 それとも何か。おまえら、武装神姫ネタにして、男漁りに来てんじゃねーのか?」 「てめっ……!」 さすがに頭にきた有紀だったが、涼子に腕を押さえられた。 暴力沙汰にするわけにもいかない。 有紀は憎悪すらこもった視線で、蜂須を睨みつけた。 「何怒ってんだよ。本当のことだろ。 お前たちのリーダーは、オレの誘いを断っておきながら、そんな初心者くわえ込んでやがるんだからよ」 「やめて……! もうやめてよ……」 美緒は悲痛な声で、蜂須の言葉を遮った。 これ以上は聞くに耐えない。 美緒は勇気を振り絞って、蜂須を見た。 視線が合う。 蜂須はニヤニヤといやらしく笑いながら、美緒に言う。 「やめてほしけりゃ、オレたちの仲間になれよ。そしたら、こんな連中、無視してやるからよ」 背後にいたチームメイトたちも低く笑い声を立てる。 その小さな笑い声さえもおぞましい。 美緒は思わず腕を抱いてうつむいた。 そのとき。 「おい、そのへんでやめとけよ」 そう言って、レインボー・ブレイカーズの笑いを止めたのは、安藤だった。 蜂須は眉を逆立てて、突っかかる。 「なんだよ、てめぇは関係ねーだろ」 「あるよ。彼女たちに俺の方からコーチを頼んだんだ。 俺を教えていて悪く言われるんなら、オレのせいだ。 それで彼女たちを侮辱されて、黙って聞いてられない」 「はっ……新型連れてるからって、調子こいてんじゃねーぞ、安藤。ここはゲームセンターだ。学校みたいにうまく行くと思ってたら、大間違いだぜ?」 「学校もゲーセンもあるもんか。女の子を侮辱して困らせたりして……それは人としてどうかって問題だろ?」 蜂須は安藤を睨みつけた。 その視線には殺意すらこもっているような気がする。 だが、安藤は一歩も引かず、その視線を受け止めた。 「だったら、バトロンで勝負だ」 「なに?」 「ここで言いたいことがあるなら、オレをバトルで負かしてみろよ。そしたら、お前の言うことに聞く耳もってやる」 「……俺が勝ったら、彼女たちにもうまとわりつかないって約束できるか?」 「ふん……賭けバトルってことか? いいだろ。そのかわり、オレが勝ったら、八重樫にはレインボー・ブレイカーズに入ってもらう」 その言葉に、安藤も思わず言葉を詰まらせた。 涼子が蜂須に言う。 「そんなの、無理に決まってるでしょう! 安藤のオルフェは、まだ起動して一週間なのよ!?」 「何言ってんだ、バーカ。先に言い出したのはそっちだろ」 「だからって、美緒の意志も聞かないで、そんなこと言い出すのはおかしいでしょう!」 さすがの涼子も大きな声を上げた。 しかし、蜂須は余裕の笑いを浮かべている。 「別に俺はバトルしなくたっていいんだぜ? そっちから言いだしたことなんだからな。 まあでも、念のため聞いてやるか。八重樫はどうだよ。この条件でオレと安藤のバトル受けるか?」 涼子はうつむいている美緒を見た。 彼女は蜂須の視線に耐えているようにも見える。 一瞬の間の後、美緒は絞り出すように言った。 「……いいわ」 「美緒!?」 涼子の声は悲鳴に近かった。 蜂須の後ろにいた誰かが、ヒュウ、と口笛を吹く。 「そのかわり、勝負は一週間後」 「なに?」 「まだちゃんとバトルもしたことのないオルフェに、あなたのクインビーが勝つなんて当たり前でしょう。……三強を名乗るなら、そのくらいの余裕を見せて」 「ふん……まあ、いいだろ」 クインビーは、蜂須の神姫であるエスパディア・タイプの名前である。 「それから、あなたが勝っても負けても、わたしたちと、わたしたちに関わる人たちを決して侮辱しないって約束して」 「いいとも……お前がチームに入れば、こいつらと関わる必要もないしな」 蜂須は鼻を鳴らして美緒を見る。 顔を上げた美緒は、今にも泣き出しそうな顔をして、蜂須を睨んでいる。 そう、この顔だ、と蜂須は思う。 嗜虐心をそそる美緒の顔が、蜂須はたまらなく気に入っていた。もっと泣かせてやりたい、悲鳴さえ上げさせたい。 その想いが、彼の嗜虐心をさらに煽る。 蜂須は、さらにいやらしく笑って、こう言った。 「八重樫に免じて、ハンデをやるよ。条件次第で、オレのクインビーをエスパディアのノーマル装備で戦わせてもいい」 「……条件?」 「八重樫が一日、オレに付き合うと約束できるならな」 蜂須が舌なめずりする。 これにはついに有紀が切れた。 「調子こいてんじゃねぇ! このエロチビ!! ずっと美緒にフられてきた憂さ晴らしのつもりかよ!」 「お呼びじゃねえんだよ、デカブツ。オレは八重樫と話してんだよ」 「ふざけんな! お前に付き合ったら、どんな目に遭うか分かったもんじゃ……」 激昂している有紀の腕に誰かがそっと触れた。 言葉を切り、その誰かを見る。 美緒だ。 彼女は泣きそうな顔をしながら、それでも言葉を絞り出した。 「……その条件を呑めば、ノーマル装備で対戦……絶対ね?」 「ああ。いいハンデだろ。どうよ?」 「……わかったわ」 「ちょ……美緒!!」 振り向きながら有紀は美緒をとがめる。 しかし、美緒の瞳には決意の色が宿っていた。 有紀はそれ以上何も言えず、腕の力を抜いた。 レインボー・ブレイカーズのメンバーのいやらしい笑いをバックに、 「ようし、決まりだ。一週間後、楽しみにしてるぜ、安藤。あーっはっはっは!」 蜂須はひときわ高く笑って、その場から立ち去った。 チームのメンバーもそれに続く。 LAシスターズは何も言えず、ただ彼らの背中を見送るばかりだった。 ◆ 蜂須英夫にしてみれば、安藤智哉は目の上のたんこぶだった。 蜂須は決して人気者ではない。むしろ学校では嫌われ者である。 それは彼の性格に因るところが大きい。 誰に対しても見下したような態度をとり、えらそうなのだ。特に成績がいいわけでも、スポーツができるわけでもないのに、である。 特に自分よりも立場の弱い者に対して態度が大きい。気の弱い男子生徒を顎でこき使っている。 女子に対しては、全員が自分の使用人と思っているのではないか。 背が低く、つり目で卑屈そうな顔立ちがいやらしい、と女子の間では噂され、評判はすこぶる悪い。 もちろん、そんな男が男子からも好かれるはずがなかった。 だが、ゲームセンターでは蜂須の天下だ。 ノーザンクロスでは三強の一角として君臨している。 『玉虫色のエスパディア』は、彼の神姫のファイトスタイルを揶揄した呼び名なのだが、蜂須は気にしていない。 蜂須は、実はとある中小企業の社長の息子で、小金持ちである。 その潤沢な資金を利用して、装備を買い込み、バトルロンドでふんだんに投入する。 何の装備で対戦するのか読めない、毎回サイドボードの中身が違う、だから対策も立てようがなく戦いにくい。 そして対戦相手を圧倒するバトルを展開する。 一定しない装備を『玉虫色』と揶揄しているのだった。 蜂須に言わせれば、そんなのは負け犬の遠吠えに過ぎない。 勝てないのは弱いからで、勝てる自分が強いのだ。 勝ちたければ、強い装備でも何でも持ってくればいい。 所詮、負けたヤツのいいわけに過ぎないのだ。 その点、負けても言い訳せず、自分と同程度の実力を持つ、三強の残り二人には一目置いている。 そんな調子であるから、ゲームセンターでも蜂須に好意を持つ者は多くない。 だが、装備に頼っているだけで三強の一角になれるほど、バトルロンドは甘くない。 ノーザンクロスの常連は誰しも、『玉虫色』の実力を認めている。 彼を認めたプレイヤーや、彼の装備の知識の深さに感心する者、気の合う友人たちが蜂須の仲間になっていた。 ゲームセンターは蜂須にとっての城と言っていい。 だがそこに、ヤツはやってきた。 学校でも人気者で通っている、蜂須が嫌いなあの男。 安藤智哉である。 安藤は学校の男子にも女子にも人気がある。 自分と何が違って、こうも人気の差があるのかさっぱり分からない。 だが、蜂須とて、自分とは接点のない男のことで愚痴を垂れるほど暇ではない。 蜂須にとって安藤を敵視せざるを得ない事態が起きたのだ。 理由の一つは、安藤が武装神姫を始めたこと。それも神姫がアルトレーネというのも気にくわない。 そしてもう一つの理由は、美緒が安藤を気にかけ、ゲーセンでそばにいるからだった。 蜂須は以前から、美緒に横恋慕していた。 ◆ 「美緒! なんであんなバカげた条件呑んだんだよ!」 「安藤も、なんであんなヤツに勝負ふっかけたりしたの。無茶もいいところよ」 ファミレスの六人席。 向かいに座る有紀と涼子に責め立てられて、美緒と安藤は並んで座ったまま、二人同時にしゅんとした。 「だってさ……あいつの言ってることがどうにも許せなくて……」 ぼそっと話した安藤を、涼子は激しく睨みつけた。 「今のあんたが、蜂須に勝てるわけないでしょうが!」 「……さっきから思ってたんだけど、蜂須ってそんなに強いのか?」 「あんたねえ……バトルロンドをなめるんじゃないわよ。 今の安藤と蜂須じゃ、合気道を習いに来て一週間の小学生と、道場で三番目に強い有段者くらい差があるわ。それで勝てると思う!?」 「……」 安藤はうつむいたまま押し黙った。 今度は有紀が口を開く。 「だいたい、美緒も美緒だ。なんであんなヤツの言うこと聞いてんだよ。あいつがアンタにずーっと横恋慕してることくらい、よくわかってんだろーが」 「……もう嫌だったの」 「なにが」 「嫌だったの。蜂須くんが、みんなのことを悪し様に言うのがもう耐えられなかったの! もうずっと……ティアや遠野さん、エトランゼさんたちのことを口汚く言ってるのが、聞くに耐えなかったの!」 「だからって、あんな条件呑むことねーだろが! アンディが負けて、あいつに一日付き合ったりしたら、何されるかわかんねーぞ!」 有紀は以前、蜂須とその取り巻きの会話を耳にしたことがある。 本人の前ではさすがに口にしないようだが、それでも大きな声で話していたから、嫌でも聞こえた。 つまり、蜂須は美緒の身体が目当てなのだ。あのグラビアアイドル顔負けの身体を弄び、あの美貌を羞恥に染め、泣き声を聞きたい。 そんなことを大声で言い放つ男なのだ。 最低の野郎だ。 有紀は心から美緒の心配をしていた。だからこそ、語気もつい荒くなってしまう。 「だって……ハンデがつくから……」 「はあ?」 「エスパディアのノーマル装備なら……安藤くんの……オルフェの勝率が少しは上がるでしょ……?」 うつむいた美緒から発せられた言葉に、有紀は深くため息を付いた。 美緒はLAシスターズきっての頭脳派プレイヤーだ。 だが、今回の判断はどうにもずれている。 美緒は感情に流されると、たまにこうした突拍子もない行動に出ることがあった。 それが今回でなくてもいいのに……と思っているのは有紀だけではないはずだった。 しばらくそこで話を続けたが、結局有効な案は浮かばなかった。 圧倒的実力差を覆す方法なんて、そうあるはずがない。 誰もが絶望的な思いで口を閉ざした、その時。 いままで黙っていた梨々香が口を開いた。 「それじゃあ……相談してみたら?」 「え? 誰に?」 「涼子ちゃんのお師匠さん」 そう言って、梨々香はストローに口を付ける。 彼女の澄まし顔を見つめながら、安藤は首を傾げた。 ◆ 「浅はかだな」 その一言で、彼女たちの相談は一刀両断に処せられた。 翌日土曜日の『ノーザンクロス』でのことだ。 遠野貴樹は、蓼科涼子にとって武装神姫の師匠である。遠野本人はそう思っていないようだが。 その遠野は、口をへの字に曲げ、いかにも機嫌が悪そうだった。 LAシスターズの四人は、その一言だけで恐縮しきってしまっている。 「浅はかって……」 かろうじて反論しようとした安藤の言葉を、遠野は遮った。 「そのとおりの意味だ。安藤くんと言ったか……君が玉虫色と賭けバトルををしようだなんて、無謀としか言いようがない。八重樫さんが不利な条件を受諾したのも間違っているし、蓼科さんたちがそれを止められなかったのも甘すぎる。 そもそも、バトルロンドにそういう賭を持ち込むこと自体、どうかしてる。自業自得、同情の余地もない」 遠野の言葉にはとりつく島もない。 だが、身を乗り出して助け船を出したのは、遠野の隣にいた二人だった。 「大丈夫! もしゲームに負けても、次にわたしが蹴散らしてやるわ!」 「聞き分けなかったら、俺に任せろ! ぶっ飛ばしてやるぜ!」 そう言って腕をまくってみせる菜々子と大城を、遠野は睨みつけた。 「君らがそんなことしてもその場しのぎにしかならない。意味ないだろ」 やはり一刀両断され、二人はしゅんと肩をすくめた。 今日の遠野は容赦がなかった。 それでも安藤は食い下がった。 「そ、それでも……ヤツに勝つ方法は……」 「ない」 「ないって……」 「バトルロンドを甘くみるな、安藤くん。 玉虫色だって伊達に三強を名乗っているわけじゃない。バトルロンド始めて二週間の初心者相手なら、一分とかからないだろう。 いいか。バトルロンドはただの対戦ゲームじゃない。 神姫の性能はもとより、その神姫の特性、性格を把握し、適正な装備と戦略を与える。相手の神姫の性能と戦略を試合の早い段階で解析し、自分の神姫でどう対応するか判断し、作戦を立て、指示を出す。 神姫の性能だけでも、マスターの戦略だけでも勝つことはできない。 すべての要素が噛み合って、はじめて勝利を手にすることができる」 意外にも熱っぽく語りはじめた遠野を、安藤は驚きながらも見つめていた。 目が真剣だった。 「それを可能にするのは、神姫とマスターの信頼だ。 君のオルフェは、起動してまだ一週間。すべての要素で玉虫色に劣る。それでどうやってヤツに勝つ? 無理だ」 「でも、マスターは間違ってません! 八重樫さんを、シスターズのみなさんを侮辱されて、何も言わないマスターなら、わたしはきっと軽蔑しています。 大切な者を守ろうとしたマスターを、わたしは尊敬しています! マスターへの信頼は、『玉虫色のエスパディア』に負けません!」 口を挟んだのはオルフェだった。 しかし、遠野は表情を変えずにオルフェを睨む。 「それで勝算があるならいい。だが、勝算もないのに、こんな条件で賭け試合に乗るなんて、愚かな蛮勇にすぎない」 「だったら、どうすればいいって言うんですか!?」 「謝ればいい」 遠野の一言に、その場にいた全員が顔を上げた。 「こんな試合は無謀でした、今回の試合はなしにしてください、と言って、謝ればいい。向こうも何か条件を付けてくるかも知れないが、そこは交渉次第だ。少なくとも、負けたときよりも状況が悪化することはない」 「た、戦う前から白旗揚げろって言うんですか……!?」 「それ以外に何がある。それができないのは、君たちのなけなしのプライドが邪魔をしているだけだ」 安藤は唇を噛んで、うつむいた。 遠野の言うことはもっともだった。 勝算がない限り、戦わないか、戦って負けるか、いずれかの選択でしかない。 しかし、感情が納得できない。 蜂須にあそこまで言われて、引き下がることはできなかった、あのときは。 安藤だけではなく、LAシスターズの四人もうつむいて、やはり悔しそうな顔をしていた。 ティアはみんなを見渡したあと、胸ポケットから自分のマスターの顔を見た。 相変わらずへの字口で、むっつりと押し黙っている。 しばしの沈黙。 ティアはマスターに何か言うべきだろうか、と考え、口を開こうとしたそのときだった。 「よお、安藤。みんなで来週末の作戦会議か?」 こんな普通の言葉でも、嫌みったらしく聞こえてしまうのは、本人の日頃の行いのせいか。 「蜂須……」 「結局、勝ち目がないことに気づいて、陸戦トリオに相談かよ。 は、みっともねえなぁ。 せいぜい、ない知恵絞って相談してろよ」 安藤も美緒たちも、反論できずにいる。 そして、蜂須は瞳に好色そうな色を浮かべ、 「八重樫、ちゃんと身体を磨いておけよ」 あーっはっは、と高笑いを残して去っていった。 これには菜々子も大城も色めき立った。 「なっ……あんなの、セクハラじゃない!!」 「みんなの前であんなこと言うなんて……サイテーな野郎だ!」 美緒は両腕を抱き、うつむいていて、表情は見えない。 だが、ティアは見た。 彼女の肩が小さく震えているのを。 と、そのとき。 ティアの背後の気配が変わった。 彼女の主の顔を見上げる。 いつもと変わらない、仏頂面。 だが、この雰囲気の激変は、いつもそばにいるティアだからこそ感じ取れたのかも知れない。 ティアのマスターは怒っていた。さっき、安藤をしかっていたときの比ではない。彼女にはそう感じられた。 遠野は壁から背を離すと、みんなに向かって言った。 「場所を変えるぞ。ファミレスに集合だ」 「え? な、なんで……?」 「気が変わった。……ヤツに勝つ方法、聞きたくないか」 安藤は目を白黒させて立ち尽くす。 大城はにやりと笑い、安藤の背中をたたく。 菜々子は苦笑を浮かべながら、シスターズに一緒に来るよう促した。 ティアは安藤の肩に乗っているオルフェを見る。 彼女もマスター同様、目を白黒させていた。 目が合う。 オルフェは困ったように小首を傾げた。 ティアは小さく微笑んで、頷いて見せた。 そう、きっと大丈夫。 ティアのマスターはこういう時、とても頼りになるのだから。 続く> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/4.html
ここは「マイティのひと」が作成した武装神姫ショートストーリー 『Mighty Magic』シリーズを掲載しております。 著/マイティのひと ※コラボレーション大歓迎也。 ※文字サイズを通常よりも一段階小さくしてご覧になると読みやすくなります。 ※本文は随時加筆修正されます。更新履歴をご参照ください。 ※現在諸事情により更新速度が激減しております。何卒ご了承ください。 - 昨日 - 今日 - 合計 神姫とそのオーナーたち 装備構成解説 設定解説 本文ページ(妄想設定準拠) マイティ編 Mighty Magic ・インターバトルO「アーキタイプ・エンジン」 ・強敵 ※『不良品』?とのコラボ作品 ・犬達の出会い ・バトリングクラブ ・インターバトル1「プレゼント」 ・変身! ※魔女っ子神姫☆ドキドキハウリンとのコラボ作品 ・主義 ※岡島士郎と愉快な神姫達より、鶴畑大紀ゲスト出演。 ・インターバトル2「誤情報」 ※パカパカ祭りより ・インターバトル3「エルゴより」 ※HOBBY LIFE,HOBBY SHOPとのコラボ作品 ・固執 ・戯れ(18禁作品) ・インターバトル4「親友」 ・インターバトル5「トレーニング・デイ」 ・信念 ・インターバトル6「変身! そのに」 神姫たちの舞う空 ・事前予告 某月某日2001時 ・開催前夜 二ヵ月後、某月某日2221時 ・参加手続および第一次作戦会議 *月*日1144時 ・エルゴ飛行隊(ERGO Spuadron)メンバー表 ・出撃~接敵 1223時~1236時 ・交戦~十五分経過 1236時~1245時 ・~三十分経過 1245時~1302時 ・戦況再変~戦術再考 1303時~1311時 ・コンタクトイエロー~第一ラウンド終了 1312時~1330時 クエンティン編 CROSS LO[A=R]D ※全編にわたって、岡島士郎と愉快な神姫達より鶴畑コンツェルンの面々が特別出演しております。 ・第一話「修正」 ・第二話「融合」 ・第三話「エイダ」 ・第四話「それぞれの正義」 ・第五話「相対」 ・第六話「恐怖の正体」 ・第七話「OFイクイップメント」 ・第八話「襲撃」 ・第九話「拉致」 ・第十話「知性」 ・第十一話「決意」 ・第十二話「回帰」 ・第十三話「脱出」 ・第十四話「アーマーン」 ・第十五話「上空戦」 ・第十六話「共鳴」 ・第十七話「憧憬」 ・第十八話「教育期間」 ・第十九話「逃亡」 ★The Latest Chapter★ シエン編 クレマチスの檻(タイトル決定) ※CROSS LO(A=R)Dが終了し次第連載開始。 Archives エロ妄想スレッドにて初期に書いた拙作二編。 For Adult only! ・ヴァッフェ装備のこと ・知識 参考文献 私が拙作を書く際おおいに助けていただいた書籍を紹介しています。 ※五十音順、敬称略 相田裕 『ガンスリンガー・ガール』電撃コミックス 押井守 『アヴァロン~灰色の貴婦人~』メディアファクトリー カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』早川書房 神林長平 『戦闘妖精・雪風《改》』 『グッドラック 戦闘妖精・雪風』 “火星三部作” 『あなたの魂に安らぎあれ』 『帝王の殻』 『膚の下』 いずれもハヤカワ文庫JA ※その他の作品も、機械知性を考えるのに役立ちます。 京極夏彦 “京極堂シリーズ” 『姑獲鳥の夏』講談社文庫 『魍魎の匣』講談社文庫 グレッグ・イーガン 『ひとりっ子』 士郎正宗 『攻殻機動隊 The ghost in the shell』 『攻殻機動隊1.5 Human-error processor』 『攻殻機動隊2 Manmachine interface』 いずれも講談社 藤田博史 『人形愛の精神分析』青土社 船木亨 『デジタルメディア時代の《方法序説》 機械と人間とのかかわりについて』ナカニシヤ出版 宮沢賢治 『新編宮沢賢治詩集』新潮文庫 ご感想などどうぞ。 サイドボードがタネとは、目からウロコでした。カードゲーム的発想ですね~ -- ねここのひと (2006-10-26 07 43 55) けっこう面白い話があるので、いつも楽しみにしています。 -- 名無しさん (2007-01-03 12 57 09) 面白い話とシリアスな話がそれぞれ展開していくのがいいですね。 -- 名無しさん (2007-01-04 16 06 00) 神姫たちの舞う空編、続きがむちゃくちゃ楽しみです! -- 神姫の父 (2007-01-13 21 10 23) 燃えますな大規模空戦!続きを楽しみにしております。 -- Gの人 (2007-01-16 00 24 46) いよいよ戦闘開始ですね! 次回も楽しみにしております! -- ドキ(ryの人 (2007-01-16 01 02 43) CROSS LO[A=R]Dがマジ熱い!! -- 名無しさん (2007-01-30 07 15 42) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1872.html
5.ショッキング・ショッピング 「へえ、結構賑わってるもんだねえ」 土曜日の夕刻、僕達はその筋では有名だと言われている神姫専門ショップへと足を運んでいた。一通りの説明を受けたあと、「やっぱり実際に扱ってる店に行ってみたいな」という僕の要望に応えて、若山さんが連れてきてくれたのだ。品揃えはもちろんのこと、サポート体制も充実しており、若山さんの一押しショップなんだとか。 『ホビーショップ・エルゴ』、それがこの店の名前だった。 「それにしても、年齢層とか性別とか……随分ばらばらだね」 正直に言って、僕が武装神姫に対して若干マニアックなイメージを抱いていたことは否定出来ない。いくら最先端のロボットとはいえ、元々は女の子の形をしたフィギュアなわけだし。だから、こういう店の客層も、もっと野暮ったい……そう、僕みたいな雰囲気の男性客が多いものと思っていた。 ところが実際にはそんなこともなく、下は小学生から上は老齢のお爺さんお婆さんまで、更に家族連れや女子高生、果てはカップルなんかまでいたりする。僕みたいな存在の方が逆に浮いて見えるくらいだ。 「イメージと違ったでしょ~。それだけ神姫の存在が世の中に浸透してきてるってことよね~」 考えてみれば、若山さんだって『女の子フィギュア』の世界からは程遠い人間に見える。即ち、武装神姫はもはやただの『女の子フィギュア』ではなく、小さな友達あるいはパートナーとして、世間に受け入れられているということなのだろう。 「ま、そんなことはさておき……ここに来て最初に見るものといえば、やっぱりアレよね~」 若山さんがスキップしながら店の一角へと向かう。右も左もわからない僕が一人で店を回れるわけもなく、とりあえず彼女の後についていくことにした。大地は「俺は見飽きたからいいよ」なんて手をひらひらさせていたけど、一体何なのだろう。 若山さんがやってきたのは神姫用の服飾売り場だった。人間用のそれに勝るとも劣らない、多種多様なデザインの衣装が所狭しと展示されている。ただし人間の着る服とは違い、一目見て奇抜なデザインのものが多いことがわかった。 「わ~、すごいですね」 初めて見る衣装の数々に、ノエルはミツバチのようにあっちへ飛んだりこっちへ飛んだりしている。そんなノエルの様子を、若山さんがにこにこしながら眺めていた。 「やっぱり女の子には可愛い服を着せてあげないとね~。さてさて、ノエルちゃんにはどんなのが似合うかしら~……」 若山さんの表情が一変し、職人の顔が現れる。服飾デザインのエキスパートである彼女だ、そのセンスに疑いの余地はない。僕が見繕うよりは遥かに良い物を選んでくれるだろう。 「じゃ~ん、これなんてどうかしら~」 若山さんが誇らしげに手にしたのは、レース生地をふんだんにあしらったふりふりドレスだった。なんというか、すごくふりふりである。徹底的にふりふりである。 ……うん、落ち着け僕。 っていうかこれ、センス云々じゃなくて、若山さんの趣味なんじゃないか? 「うわあ、可愛いです~」 そのあまりのふりふりっぷりに僕が呆然としているにも関わらず、ノエルはきらきらした目でそのドレスを食い入るように見つめている。まあ確かにノエルに似合いそうではある、が……。 「なんというか、すごいね……ノエルはそういうのが好きなのかい?」 ようやく絞り出した僕の言葉に、若山さんがちっちっち、と人差し指を振る。って、何故かノエルまでそれを真似してるんだけど。 「甘いわよ~狩野クン。女の子はね、生まれながらにしてお姫様ドレスに憧れるものなのよ~」 自信たっぷりに言ってのける若山さんに、うんうんと頷くノエル。僕にはよくわからないが、そういうものなのだろうか。 「ほらほら、ぼーっとしてないで狩野クンも選んであげなさいよ~」 若山さんが僕を急かすが、残念ながら僕に女の子の衣装を選べるような器量はない。僕が正直にそう告げると、何故か若山さんはにまーっと笑って僕に耳打ちしてきた。 「最初に買ってあげるものくらい、自分で決めた方がいいわよ~。センスなんかより、女の子にとってはそういう『気持ち』の方が大事なんだから。ノエルちゃんもきっと喜んでくれるわよ」 そう言いながらガッツポーズなぞ決めてる若山さん。どうにも何か企んでるような気がして仕方ないのだが……。 まあそれはともかく、確かに自分で決めるべきだという意見には一理あると思う。僕はない知恵を絞りつつ、ノエルに似合いそうな衣装を考えてみた。 「さ~て、じゃあ私もめろんに新しい衣装買ってあげようかしらね~」 意気揚々と歩き出す若山さんを、その右肩にちょこんと座っていためろんが慌てて止める。 「え、あ、いやご主人。儂はこの衣装が気に入っておる故、他の衣装など……」 「あら~嬉しいこと言ってくれるわね。でもそれとこれとは別なの~。さ、行きましょ」 「ちょ、待っ、みいやーっ!」 首根っこをつままれ、さながら本物の猫のように連行されるめろん。何だろう、そんなに困るようなことなのかな。 「暁人さ~ん、素敵な服がたくさんありすぎて迷っちゃいます~」 困ったような口調とは裏腹に、とっても嬉しそうな顔のノエルが僕の肩に着地する。そんなノエルの頭を、僕は軽く――やりすぎるとまたノエルが脱力して大変なことになってしまうので――撫でてやった。 「まだまだ時間はあるからね。ゆっくり選ぼうか」 「はいっ!」 そんな風に二人であれやこれやと物色しているうちに、一着の衣装が僕の目に留まった。 それは黒を基調にしたシンプルなデザインのドレスだった。煌びやかな装飾こそないものの、各所にさりげなく意匠がこらされており、決して地味さを感じさせない。なんとなくだけど、ノエルに似合いそうだと思った。 「ノエル、こういうのはどう?」 「わあ、素敵……あ、でも私に似合うでしょうか……?」 大人びた印象のドレスを前に、一度は目を輝かせたノエルだが、すぐに不安そうな表情になる。自分に似合うかどうかが、気にかかるのだろう。 「着てみればわかるよ。とりあえず試着してみたら?」 しばし悩むような素振りを見せていたノエルだが、僕がドレスを押し付けるように手渡すと、意を決して神姫用の試着室に飛び込んでいった。『神姫用の試着室』なんてものがある辺り、ここの店主は神姫に対して相当な思い入れがあるんだろうなあ、などと思う。 そんな事を考えていると、不意に後ろから馴れ馴れしく声をかけられた。 「あっれー、狩野先輩じゃん!」 誰だろう、会社の後輩に僕のことを『先輩』と呼ぶヤツなんかいたかな、などと思いながら振り返る。そこには、ボーイッシュな美人顔が目の前にあった……そう、目の前十センチの場所に。 「うわあっ!」 思わず飛びすさり、十センチの距離を二メートルまで引き離す。反射神経っていうのはすごいな、運動が苦手な僕でもこれだけの敏捷性を発揮出来るんだから……じゃなくて! 「おっしーい。もうちょっとで狩野先輩のキスゲット! だったのにー」 僕を脅かした張本人は、唇に指を当てながらそんなことをぼやいている。こらこら、公衆の面前でそんなことを開けっぴろげに言うんじゃない。 こほん、と一つ咳払いをし、冷静さを取り戻そうと努める……心臓が凄い速さで「そんなの無理だ」と訴えてくるが、そうも言っていられない。 「あー……うん、久しぶりだな、三潮」 どうやら心臓の訴えは正しかったらしい。何しろ、なんとか絞り出した言葉がこれだ。目の前の美人はそんな僕の様子にクスクスと笑っている。 「お久しぶり、先輩。変わってないねえ、色々と」 「お前の方こそ相変わらずだな。その何かにつけて人をからかう癖、いい加減直したらどうだ?」 「却下。先輩からかうの楽しいんだもん」 僕はこめかみを押さえて呆れた様子をアピールするが、全く意に介してないようだ。本当に、全然変わっていない。 彼女は三潮環(みしお たまき)、僕の大学の後輩だ。知り合ったきっかけは、確か研究室見学か何かで彼女が僕のところに来たことだったと思う。第一印象は「落ち着いた雰囲気の真面目そうな女性」だった。もっとも、その印象はわずか三十分で崩されたわけだが。 「それはそうと、お前何でこんな所にいるんだ?」 僕の疑問は、僕の立場からすれば至極当然のものだった。何しろ僕達が卒業した大学は、ここから特急を使っても四時間以上はかかる場所にあるのだ。 僕の出身はその大学がある地方なのだが、就職先がこちらだったので引っ越してきた。決して大きな大学ではないので、大半の卒業生は地元あるいは近郊都市に就職するのが常であり、僕みたいに遥か遠方へと出向く人間は極めて少ない。無論、可能性はゼロではないにせよ、この町に僕と同じ大学の卒業生がいるというのは非常に考えにくいことだったのだ。 「先輩を追いかけてきちゃいましたー」 「嘘をつくな。それから似合ってない」 語尾にハートマークでも付きそうな可愛らしい声でそうのたまう三潮。実際のところ、その様子は反則的なまでに可愛いのは事実であり、大抵の男はこの笑顔にころっと騙されてしまうだろう。だが、この笑顔に散々苦渋を舐めさせられてきた僕にはもはや通じない。 僕はすかさず斜め三十度の角度で三潮の前頭部にチョップを叩き込んだ。彼女を黙らせるにはこの角度が最適であるということも、大学で学んだことだ。いや、そんなことを学ぶ為に大学へ通っていたわけではないんだけど。 「いったー! ちょっと先輩、女の子に手上げるなんて酷いんじゃない!?」 「お前は例外だし、僕はもっと酷い目にあってるからいいんだ。で、本当の理由は?」 「だってアタシの家、この近所だもん。春に大学卒業して帰ってきたのよ」 恐ろしいことをさらりと言ってのける。 つまり何か、僕はこれからこの悪魔の棲息圏内で生活しなければならないわけか? 大学を卒業してから今日までの二年と数ヶ月は、仮初めの平穏に過ぎなかったということなのか? 瞬間的に脳内を妄想が駆け巡り、その直後、僕は彼女に向けて右手を掲げていた。 「じゃ、そういうことで」 「こら、逃げるな」 逃走失敗、僕の首は三潮の両腕でがっちりと絞められていた。く、苦しい……っていうか、体を密着させるな、背中にむ、胸が当たっ……! 「狩野クン~、こっちは終わったわよ~……って、あら?」 僕の意識が色んな意味で飛びそうになったその時、買い物を終えたらしい若山さんが戻ってきた。僕と三潮の様子を不思議そうな顔で眺めている。ちょっと待て、もしかして変な誤解をされてるんじゃないか。 「……ん? んんー?」 一方の三潮は何を思ったのか、僕を解放するとつかつかと若山さんに歩み寄っていった。前から横から若山さんを眺めては、「むー?」などと唸っている。一体どうしたというのだろう。 「ひょっとして……成海?」 「そうよ~、たまちゃん」 「その呼び方はやめてー!」 どかーん、と効果音でも出そうな勢いで両の拳を突き上げる三潮。そんな三潮のことなどお構いなしに、若山さんはニコニコといつもの笑顔だ。というか、何なのだろうこの展開は……。 「何、二人ってひょっとして知り合い?」 「高校の同級生なのよ~」 のんびりと答える若山さん。一方の三潮は、何を言ったものかといった様子で口をぱくぱくさせている。普段から怖いもの知らずの彼女がこれだけ動揺するとは珍しい。二人の過去に何かあるのだろうか。 「あ、あのー……」 控えめな声に振り返ると、ノエルが試着室から顔だけ出してこちらを見ていた。いかんいかん、三潮のペースに乗せられて彼女のことを忘れるところだった。 「どう、ちゃんと着れた?」 「はい……ちょっと、恥ずかしいですけど」 おずおずと姿を現すノエル……その姿に、僕は思わず息をのんだ。 僕が選んだドレスは、僕の想像以上にノエルに似合っていた。白の素体と淡い金髪が、その漆黒の生地によって一段と際立っている。蝶を模したリボンが幻想的な雰囲気を醸し出し、その姿はさながらファンタジーの世界から飛び出した妖精のようだった。 「へえ……狩野クン、なんだかんだ言ってセンスいいじゃない。ノエルちゃんの魅力がしっかり出てるわよ~」 「そ、そうかな」 まさか若山さんからそんなことを言われるとは思っていなかったので、僕は思わず恐縮してしまう。三潮も若山さんの言葉にうんうんと頷いている。よかった、とりあえず悪いチョイスではなかったみたいだ。 「よく似合ってるよ、ノエル。じゃあそれを買っていこうか」 僕がそう言うと、ノエルはちょっと恥ずかしがりながら、でもとても嬉しそうに頷いてくれた。 「折角だからさ、ちょっとバトルしていかない?」 暇そうにぶらついていた大地も合流して、一通りお互いを紹介しあった後、三潮がそんなことを提案してきた。彼女の言うバトルというのは、神姫関連のアミューズメントの一種である『神姫バトル』のことだ。ノエルもそうなのだが、『武装』の名を冠するだけあって、彼女達はそれぞれのモデルに応じた武器などを装備し、戦闘を行うプログラムが組み込まれている。この戦闘用AIと各種武装を用いて、多くのオーナーと神姫が力を合わせて戦う……それが神姫バトルと呼ばれるものの本質なんだとか。 「僕は構わないけど……ノエルはそういうの大丈夫なのかい?」 どれだけ説明を受けても、この小さな女の子達が武器を手にして戦う姿というのが想像できない。恐怖とか、そういうのはないんだろうか。そう思って問いかけた僕の言葉に、ノエルは意外にも胸を張って答えた。 「任せてください! 私も武装神姫として、戦いに赴く覚悟は出来てます!」 おお、頼もしい言葉だ。まあ、本人がやる気を出してるのを無理に止める必要もないだろう。バーチャルシステムによるバトルらしいから、怪我をする心配もなさそうだし。 「ま、案ずるより産むが易し、ってね。それじゃ、行こっか!」 意気揚々と歩き出す三潮の後についていく。正直に言えば、全くの新しい体験に、僕自身も心が浮かれているのを感じていた。僕の小さな天使は、一体どんな戦いを見せてくれるんだろうか……。 「あれ、そういえばめろんは?」 ふと、あの騒々しい猫侍の姿がないことに気付く。すると若山さんは、とても楽しそうな、それでいて何かを企んでいるような笑顔で、手に持ったケースを指差した。 「大丈夫、この中にいるわよ~。後でお披露目してあげるから~」 かくして、全身をふりふりの衣装にコーティングされた――大袈裟ではなく、そう表現するのが適当なくらいのふりふり具合だった――めろんの姿を目の当たりにしたのは、その五分後のことであった。 4.猫侍、見参 TOP
https://w.atwiki.jp/eu021alm/
ここは、 エウシュリー『天結いラビリンスマイスター』 攻略wikiです 誰でも編集することができます。より良いサイトにするために協力をお願いします。 【お知らせ】 『天結いラビリンスマイスター パーフェクトガイドブック』 がKADOKAWA様より発売中です! アペンドディスク付きです☆ 公式販促ページ(KADOKAWA) アペンド詳細 ■最新アップデート情報■ 2021/8/6 Ver1.03アップデート 現在Ver1.03アップデートファイルが配布されています。 公式サポートページ Ver1.03ダウンロード直リンク ●Ver1.03修正内容 APPEND02以降用の制御を追加 ユニットを「基本順」「加入順」でソートした時の表示パラメータをNoからLvに変更 編成画面でユニットのソートが正しく行われない場合がある不具合を修正 「行動前に戻る」実行時に味方ユニットのパラメータが正常に更新されない場合がある不具合を修正 ユニオンスキルの効果が正常に適用されない場合がある不具合を修正 簡易戦闘時に迷宮画面の表示が一部乱れる場合がある不具合を修正 誤字脱字を修正 その他、細かな不具合を修正 過去アップデート履歴 ■利用上の注意とお願い■ サイトの性質上、予期しない ネタバレ に遭遇する可能性があります このwikiでは、一部にJavascript及び機種依存文字(ローマ数字)を使用しています このwikiに記載されている情報は、基本的にゲームの 最新Ver についてのものです ゲーム攻略に関する 質問をする前に、wiki内を検索 してください 検索しても解決しなかったら 掲示板 で質問してください 編集する人向け 個人が運営しているサイト等からの転載は、トラブルの原因になる恐れがあるのでしないでください 他の人が書いたものを消したり修正するときは、十分気をつけてください 関連リンク 製品公式サイト(天結いラビリンスマイスター) https //www.eukleia.co.jp/eushully/eu021.html エウクレイア(エウシュリー&アナスタシア) http //www.eukleia.co.jp/eushully/ 天結いラビリンスマイスター パーフェクトガイドブック (KADOKAWA) https //www.kadokawa.co.jp/product/322109001031/ 製品情報 タイトル 天結いラビリンスマイスター[アダルト] ジャンル 異国探索+魔術構築+戦術SRPG 発売日 2021年7月21日発売予定 販売価格 10,780円(税別9,800円) 販売区分 パッケージ販売(18禁)・ダウンロード販売(18禁) 品番 EUDV-021 メディア DVD-ROM 原画 夜ノみつき・やくり・うろ シナリオ 花咲樹木・横比良こゆき BGM Emotional Union 主題歌 『innocent knots』歌:佐咲紗花
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/881.html
ヴァッフェドルフィンにジュゴンはどうかな? -- (名無しさん) 2010-12-18 09 30 23 オスしかいないポケモンは論外じゃないか -- (名無しさん) 2011-10-21 02 08 43 草案 フーディン:メリエンダ(スプーン型) 無理やりだが キュウコン:蓮華(九尾の狐型) レパルダス:アーティル(ヤマネコ型) ジュカイン:オールベルン(剣士型) エアームドorトゲキッス:ヴェルヴィエッタ(ビックバイパー型) -- (ユリス) 2016-03-04 22 30 18 草案 主題歌 OPテーマ ガラガラ:孤高のカタルシス EDテーマ ラブカス:か弱き十字架の愛 -- (ユリス) 2021-07-17 16 59 27