約 2,307,481 件
https://w.atwiki.jp/lucs/pages/1939.html
《鏡(かがみ)の迷宮(めいきゅう)-ミラー・ラビリンス》 フィールド魔法 自分フィールド上にレベル5以上のモンスターが存在せず、 自分フィールド上にレベル4以下のモンスターが1体のみ存在する場合、 そのモンスターは1度のバトルフェイズ中にもう1度だけ攻撃する事ができる。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1657.html
武装神姫のリン 外伝"J dreamer" dream 00 紅の戦乙女 鋼鉄と鋼鉄が己の存在意義を賭けてしのぎを削る血闘。 そう表現することしか出来ない。 今行われているのはセカンドランクの頂上決戦。 ランク暫定1位と2位のどちらか、勝った方がファーストへの昇格を果たす。 コレを逃せば半年は昇格が不可能なこの試合。 両者共にまさに誇りと、己の全力を持って相手にぶつかるのである。 今も刃同士がぶつかる甲高い金属音が会場に響く。 観客は声援を忘れて固唾をのんで見守る。 というのも、戦っているお互いが美しすぎるためだ。 それは決して容姿のことを言っているわけではない。 姿だけ見ればお互いにボロボロ。砂埃にまみれ、"血"を流して戦い続ける。 お互いに悪魔型、そして装備もほぼ同じデフォルト状態+α。 しかもαの部分はすでに使い物にならず、初期武装のアングルブレードであたかも殺陣を演じているかのように戦っている。 「…ハ!!」 「やらせない!!」 またしても金属音…しかし。 ガサン 片方の悪魔型の手からアングルブレードがこぼれ落ちた。 もう一方はチャンスとばかりに蹴りを叩き込み、攻勢に出る。 サブアームで力強いパンチを見舞い、一気にサブアームにバサーカという重装備の相手を吹き飛ばす。 もう勝負は決まるのか?と観客も息をのむ。 優勢になっていた方。 名をキョウという。 フィールドにやむを得ず捨てていたグレネードランチャーを持ち上げると、無造作に最後の1発を発射。 吹き飛ばされた悪魔型。 名を燐と呼ぶ。 がぐったりと倒れているはずの場所にグレネード弾が着弾。 大きな砂埃と共に炎が舞い上がる。 己の勝利を確信したのであろう、キョウは振り返ろうと…己の目を疑った。 炎の中から現れたるは、深紅のスーツに身を包む…いや。 先ほどまで身体の表面を覆っていたと思われる、黒いボディスーツがボロボロになり、焼け落ちインナーである赤いスーツが表面に出ている。そして装備もまたグレネードの炎に触れた影響か、深紅を思わせる色に変色している。 そんな状況にも関わらず彼女の瞳には力強い意志が感じられた。 燐。 黒衣の戦乙女という2つ名を持つ神姫。 彼女もまた、勝負をあきらめるということを知らない神姫であった。 右腕はだらしなく垂れ下がり、もう動かないことを悟ると上腕からイジェクト。 多少ぎこちない動作ではあるが、サブアームの右腕を接続。 左手には何も持たず、そしてサブアームが接続されていたバックパックを切り離す。 両者が同時にサバーカの脚力を存分に発揮して詰め寄る。 最後の激突。 誰もが次の瞬間に勝負が決まると確信している。 「ハ!!」 「…th!!!」 お互いの最初の1撃、キョウの斬撃を燐が紅の爪で受け止める。 2撃、お互いに回し蹴りを繰り出すが、ぶつかり合った左足が互いに動かなくなった。 しかし、 「…な!!」 キョウの足場が崩れる。そこには…先ほど燐の手からこぼれたアングルブレードが。 「……終わりです。」 「やらせない!!!」 燐が紅の爪を繰り出す。 キョウがアングルブレードを突き出す。 交差。 「…上で待っていろ。 すぐ、追いつく。」 「はい。待ってます。」 アングルブレードは燐の左頬を切り裂き、紅の爪はキョウの肩口に食い込んでいた。 そのままキョウは意識を失い、燐の勝利というジャッジが会場に響く。 直後、燐はフィールドから出るやいなや力なく俺に寄り添う。 「勝ちました。これで、ファースト。ですよね?」 「ああ、よく頑張ったよ燐」 「じゃあ…ご褒美、くださいね。」 「OK 今は、休め」 「…はい。」 こうして燐、そして藤堂亮輔はファーストランクへの昇格を果たした。 あの戦いの後、燐の2つ名が「黒衣の戦乙女」から「紅の戦乙女」へと変更になったは当たり前だったのかもしれない。 あの日から5年。 この物語の幕が上がる。 つづく
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/144.html
[部分編集] アーク オーメストラーダ製神姫、ハイスピードトライク型アーク。名の由来は俊足の英雄、アキレス。今作の紳士淑女にとって武装胸は標準装備である。彼女のシナリオには前作も語り草となったバトマス屈指の難度を誇る厳しいハンデ戦がある。(Mk.2の仕様変更により難易度は下がったが)乗り越えられるかはマスターである貴方の愛次第。フィギュアは本体抜きの武装単独(ただしダミーフレーム使用)でトライク「パトロクロス」に変形できるが、本作では未実装。 あーちる アーティルの俗称の一つ。 アーティル アキュートダイナミックス製神姫、ヤマネコ型アーティル。DL神姫。基本人格は根性と特訓を好むスポコン少女……というかタ◯ヤノ◯コ。3rdsmall素体に大きな胸部パーツという、初のロリ巨乳神姫。姉貴分のラプティアスより大きい アームズインポケット 武装神姫世界におけるメーカーのひとつ。略称はAIP。もともとはミリタリートイメーカーだったらしい。ゼルノグラード、フォートブラッグのメーカーでありアルトレーネやアルトアイネス、ジルリバーズやエストリルなどの武装部分の制作、スタルクリーゲル&シスターリーゲル(DLC)などの武装セットや、ぜるのんシナリオでおなじみアトミック・ジャベリン等の単体の武装も多数開発もしている。 アーンヴァル フロントライン製神姫、天使型アーンヴァル。旧アーンヴァルを指すが、バトマスでは旧アーンヴァル本人は登場しない(一部武装は出ている)ため、アーンヴァルMk.2の事を指すことが多い。両者は性格の違いが少なく、混同してもあまり困らない。ショップ店員曰く、自分の嫁候補にさせたらNo1らしい。アークに言わせれば「堅物」だそうだ。 アーンヴァルMk.2 フロントライン製神姫、天使型アーンヴァルMk.2。本作および前作から登場する、旧アーンヴァルの正統後継機。ちなみにロボットアニメやゲームでMk.は後継や次世代という意味で使われる事が多いが、本来は「第〇世代目の変種」という意味の言葉であり、新しいものを指す言葉ではない。 アーンヴァルMk.2黒 DLC「武装神姫 Moon Angel」全話DL特典として登場する黒いアーンヴァルMk.2。同機のリペイント版であるテンペスタと色が酷似しているが、ボディペイントは通常版の色違いで、テンペスタのデザインではない(腹部の数字が無いなど)。どういう機体なのかを知りたい紳士淑女は、「Moon Angel」を視聴されたし(というか、入手している時点で全話購入済みなのだが)。 相方 武装神姫的には、同時に発売された組み合わせの片割れを指す場合が多い。同期とも。使用例:アーンヴァルの相方はストラーフ。 アイネス 戦乙女型アルトアイネスの略称。 アヴァンフィジーク 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。紗羅檀とベイビーラズのメーカー。元々はスピーカーメーカーと楽器メーカーの合併でできた会社。ベイビーラズ開発にロックバンドのドラマーに監修を頼んだり、紗羅檀にヴァイオリン用木材を使用するなどのこだわりが特徴で、そのためか作中「あそこはブランドからしてプライドが高い」「高級神姫」と言われていたりもする。両神姫共、基本的にマスター運に恵まれていないのも特徴である。・・・合掌。 アウタスキン MMSの素体の設計者である浅井真紀氏が製作しているMMS用の服。通称「浅井服」。ソフビ製。和三盆、呼子鳥、玉兎、州浜の4種類があり、そのうち和三盆はバトマスにもDLCで実装されている。 明貴美加 神姫デザイナーの一人。ヴェルヴィエッタとリルビエートのデザインを手掛けている。女性のような名前だがれっきとした男性。1980年代後半のMS少女ブーム時代から活躍している、メカ少女の第一人者ともいうべき存在である。20年前からあの萌え絵を描いていた、偉大なる先人といえよう。美少女だけではなくメカデザイナーとしても知られている。主に携わった作品としては、機動戦士ガンダムZZ、同0083、機動戦艦ナデシコ、サクラ大戦シリーズ(3~5)、銀河お嬢様伝説ユナ、スカイガールズ等等。それだけに、神姫デザインを手がけることになったのを知ったファンからは、「あの大御所が!?」と驚きを持って迎えられたという。 アキュートダイナミックス 武装神姫世界におけるメーカーのひとつ。ラプティアスとアーティルのメーカー。らぷちーのお姉様設定といいあーちるの根性娘設定といい、開発スタッフは何かを狙っている模様。火と火が合わさると炎・・ってまんまじゃねーーか!いっそ立ち絵も腕組んで仁王立ちにすればよかったのに。 浅井真紀 神姫のMMS素体のデザイナー。女性とも思える名前だがれっきとした男性(名前は「まさき」と読む)である。他にグッドスマイルカンパニーが展開しているfigmaシリーズの基本コンセプトデザインも手がけている、可動フィギュアの第一人者。1st素体の時代から、商業ベースの可動フィギュアで、しかも無改造で「体育座り」を実現させたことは今でも語りぐさになっている。 飛鳥 フロントライン製神姫、戦闘機型飛鳥。前作では武装のみ登場していたが、今作ではDL神姫として参戦(DLC第4号で配信)。みこーき。武装脚を見てスト○イ○ウィッ○ーズのパクリと思う人もいるが、こちらが先に登場したので注意(あちらのOVA版は2007年で飛鳥の発売(2008年4月)より早い。有名になったのはTVアニメ版の放映からで、そちらは飛鳥より後だったので誤解されやすい)そもそもデザイナーが同じなのでパクリも何もあったものではない。イベントではなぜかセピア調の背景になり、別世界の雰囲気が醸し出されている。 アセンブル 装備の組み合わせのこと。純正、キメラの項目も参照のこと。アセンブ「リ」が組み合わせたセットのことを指し、それを組み合わせることをアセンブ「ル」(する)という。 アタックチェイン SPを消費して攻撃後の隙をキャンセルし、別の攻撃につなげる方法。ACと省略して記載する。レールアクションをアタックチェインで繋げたりする事もでき、身につけると戦闘を有利に運べる。前作ではSPの続く限り連携できたが、今作では2回まで(例:○→△→○、△→○→RA)連携できる。 アテナ 「武装神姫 Moon Angel」で登場した自立式汎用人型兵器。大きさは人間とほぼ同じで、自立戦闘用オートマトンであるアーンヴァルMk.2を模したかぐや(01)とストラーフMk.2を模した02のCSCを制御ユニットとして起動するようになっている。バトマスの続編が出たら、神姫サイズにダウンサイジングされるかもしれないな。 アフォンソファクトリー 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。エストリルとジルリバーズのメーカー。とはいっても担当は素体部分のみで、武装部分はアームズインポケット社が手掛けるという共同開発の形となっている。 油揚げ 蓮華の好物。神姫が食べ物を食べるのかと聞かれるとあれだが。ちなみに薄切りにした豆腐の揚げ物で、中に豆腐部分が残っているものは厚切りの豆腐が使用されており名称も厚揚げという。 アポカリプス荷電粒子砲 DLCリアパーツ、ランチャーを兼ねる。荷電粒子砲とはようするにいわゆるビーム砲。一応真面目に研究されているが現状はフィクションの域をでていない。 アホ毛 頭から一房もしくは数房、触覚のように跳ねている髪のこと。実は古くからある美容業界用語で、言う事を聞かない(セットが決まらない)跳ね毛を指すが、近代では前述の萌え要素デザイン記号の意味で使われる。神姫では、なぜかバイク系神姫(アーク&イーダ、エストリル&ジルリバーズ)が全員装備している(じるりんのはポニテにまとめた髪の一部が跳ねているだけだが、アホ毛に見えなくも無い)他にはエウクランテ、ヴェルヴィエッタ等が装備。 あまかけるてんしのきば アーンヴァルMk.2専用レールアクションのひとつグランニューレ使用時に発する台詞。「天駆ける天使の牙」と間違われやすいが、実際は「牙」ではなく「騎馬」。どちらもあまり天使とは関係ない気がしないでもないが、要するにアーンヴァルが乗っかっている武装組み換え支援機ラファールの事だと思っておけば合点がいく。 あらあら 主にリアクションとして口をついて出る言葉。語調によって感嘆にも悲嘆にもなる。「あらあら、…」とやや咎める様にはじまり「うふふ、…」と容認する話し方をするキャラをさす「あらあらうふふ系」を成す言葉でもある。主に年上設定の女性キャラに見られる。本作登場キャラではイーアネイラの口癖。 アラストール ドレス・メカニカ製神姫、鴉型アラストール。コナミが2011年にイベントと通販のみで発売した神姫で、レジンキャスト製ガレージキットのEXウェポンセット相当品。ガレージキットは組立に専用知識が必要なのに加え、綺麗に完成させるには最低でもガンプラ全塗装仕上げは朝飯前位の技術および専用工具が要求される。模型は基本素組み、やっても墨入れまでというレベルの人、単にブンドドしたいという人には絶対にお勧めできない。バトマスには素体は登場していないが、その武装セットがDLC第3号で登場するキュクノス同様、リアパーツをジールベルンに装備し「黒鳥型ジールベルン」を再現した紳士も多いのではなかろうか。 アルトアイネス ディオーネコーポレーション製(素体部分)神姫、戦乙女型アルトアイネス。アルトレーネの姉妹機。漆黒の鎧を身に纏う菫色の髪と深紅の瞳の戦乙女。武装そのものはほぼレーネと同じである。少々生意気だが、戦闘中のミスにはフォローを入れたりと割と常識的な性格のボクっ娘。設定上、「性格が扱いづらい」となっているが、ぶっちゃけ姉の方が別の意味で扱いづら(ryアルトレーネと同型の武装スカート部は、姉同様に翼にすることも可能だが、残念ながらバトマスでは再現できない。 アルトアイネスボイスパーツ 武装神姫TVアニメの最終回のエンドカードを飾ったアルトアイネスフィギュアの写真を投稿した人。いったい、何橋さんなのだろうか? アルトレーネ ディオーネコーポレーション製(素体部分)神姫、戦乙女型アルトレーネ。純白の鎧を身に纏う金髪碧眼の戦乙女で、素体も抜群のプロポーションを持ちつつも上品にまとめられており、高貴な雰囲気を持つ…口を開くまでは。その実態は、牛丼にこだわり、語尾に「なのです」と付ける天然娘で、多くのマスターをズコーとさせた。だが、それがいい。雑誌企画「ぼくらの神姫をつくろう!」での読者応募作品がベース。もっとも、製品化までに変更になった部分も多い。特徴的な武装スカート部は専用RA時のように組み換えで翼になるだけでなく、アイネスの専用RA同様に展開してクロー状のアームとしても使えるが、バトマスでは見せてくれない。 あんこ ゲームセンターに登場するマスター「ダーリン」の相方のアーンヴァルmk.2。公式サイトに連載されていた漫画「ヒブソウシンキ」の登場神姫(漫画ではアーンヴァルだったが、ゲームではmk.2になっている)で、晶&零や玲人&まお達同様他媒体からのゲストキャラである。わざわざ通常より一回り小さい立ち絵が用意されている。ダーリンとのやり取りはほぼすべての神姫を魅了し、「何か特殊な装置を積んだテスト型なんじゃないの?」とまで言わせたあげく、「手加減なんてしないよ」と普段言っている神姫にさえ「ちょっと照準がずれちゃうかも」「ギリギリで勝てればいいんだから、あの子に攻めさせてもいいんだからな!」と言わせてしまう恐ろしい子。「呼んでみただけでした~。えへ~」 あんばる アーンヴァルの俗称の一つ。 イーアネイラ マジックマーケット製神姫、マーメイド型イーアネイラ。マジックマーケットの方向性を象徴する胸部パーツが特徴。本来武装脚は人魚のような形状だが、専用の移動モーションを作るのが面d…大人の事情によりRA専用となっている。正直、空間潜行という荒業をやってのけるのだから、地面スレスレを浮遊してくれても良かった。本作ではパラメータ設定ミスにより下位の専用RAに必要な武装のコストが異常に高く、実用はほぼ不可能という問題点を抱えている。幸いEXRAに必要な武装のコストは正常のため、終盤からは問題なく人魚姿を見ることができる。「あの胸はバラストタンク。大事なことなのでもう一度いいますけど、あの胸はバラストタンク…ですわ」「あらあら」 イーダ オーメストラーダ製神姫、ハイマニューバトライク型イーダ。高飛車可愛いお嬢様型神姫。名の由来は俊足の神、韋駄天。「全神姫最薄の胸」という準公式設定を持ち、事実発売当時は群を抜く薄さを誇った。現在は類似コンセプトによる軽量・省スペース型の神姫も増えたが、それでも薄型胸部装甲の代名詞と言えばイーダ型であr(通信が切断されました。余談だが、イーダ嬢の固有武装はあのリアに付いたでかい腕のクローと、でかい大剣、そしてカービンであり、バトロンではスキルの大半は殴打である。華麗さってなんだろう…フィギュアは本体抜きの武装単独(ただしダミーフレーム使用)でトライク「ヴィシュヴァ・ルーパー」に変形できるが、本作では未実装。 飯田 ハイマニューバトライク型イーダの俗称の一つ。「イーダ」→「いーだ」→「いいだ」→「飯田」 イー姉/イー姐 イーアネイラの俗称の一つ。名前の略としては「イーあね」だが「イーねえ」のほうが読みとしては自然。姉、なのは彼女が他より年上っぽさを感じさせるためか。 犬子 犬型ハウリンの俗称の一つ。 イベントログ 自宅で利用できる機能の一つ。ログという名称だがどちらかと言うと神姫の個別イベントに対する主人公の感想のようなもの。見れば解るが、突っ込み所満載。次のイベントを起こすためのヒントも兼ねているが、大抵の場合LOVE値の上昇が条件となるので「とりあえずバトルしにいこう」といった意味合いの文で終わることが多い。上記の理由から「バトル大好き人間」という印象を主人公に抱くプレイヤーも少なくない。最近ではヴェルヴィエッタ型のイベントログが何かと話題に。ログを削除する事でその神姫のイベントを最初からやり直せる。 イラ姉 イーアネイラの蔑称。比較的マイナーなのは、かつてフィギュアがまだ製作段階にあった折に公開されたサンプルが、デザイン画に似てないだけならまだしも全く可愛くなかったため、思わずもらした「いらねえ」が始まりというネガティブなものに由来するためか。もっぱらこの単語の後に「あらあら」とどこかから聞こえてくるのがお約束。 ヴァルハラ クラブヴァルハラの事。 ヴァローナ フロントライン製神姫、悪魔夢魔型ヴァローナ。ヴァローナはロシア語でカラスの意味。素体は未登場だが、武器(アマラジェーニとバトルスタッフ)、装備(ヴァルナ―・テイル)が登場。常に眠そうでポヤヤンとしたキャラだが、完全に目覚めるとどの悪魔型よりも苛烈な性格。 ウェスペリオー マジックマーケット製神姫、コウモリ型ウェスペリオー。AIはノリのいいお調子者気味な性格。少し牙が見える、ファンタジーで言うとヴァンパイアガール的な外見をしている。(が、カラーリングからして紗羅檀の方がヴァンパイアガールっぽく見えるのは内緒だ)素体は未登場だが武器(ニンブス・グロブス等)だけ登場。同ブランド内では小さいほうだが、他ブランドと比べるとやはり胸部パーツは豊か。あと、神姫では珍しい三つ編みお下げの持ち主である。同時期に開発されたグラフィオス同様武装をリアに集中しているのが特徴で、武装を組み合わせてコウモリ型ビーグルメカ「ルブルム」に変形させることも可能。また他神姫との武装を合体させるシステムに対応し、グラフィオスの武装と合体させることでドラゴン型メカ「ゼオ」を作り出せる。ウェスペリオーという名は、ラテン語でコウモリを意味するウェスペルティーリオー(vespertilio)から名付けられたと思われる。 ウエディングドレス カタログ16号で配信されたコスプレ衣装。通常のコスプレ衣装の二倍値段ではあるが、公式大会では全員に専用台詞が用意されていたりする。アームに経験値+のアビリティがあり、アクセサリを圧迫せずに経験値を増やせるが、武装ランクが7の為、使用できるようになるのはLOVE27からと遅めで、イヤリングと効果も重複しないので、実用性は微妙なところ。パーツ自体の性能は高いが。当然これを着てバトルをするのだが、ウエディングドレスを着て大股を開き、爆弾を投げたりRAを使わせたりするのもまた趣があって宜しいかと。公式大会の相手は給料シーフや霧崎メルヒオットのような一線を越えたメンツかと思いきや、対戦相手は全て女性マスター。どうやら純粋にコスプレファッションとして楽しんでいるようである。 ヴェルヴィエッタ マーヴァインダストリーズ製神姫、ビックバイパー型ヴェルヴィエッタ。DL神姫。ビッ「グ」ではなくビッ「ク」。名前のとおりVVであってBVやVBではない。ぶっちゃけ機体を背負ってるだけとか、主力兵装のウィザークを足にしてどうするとか、突っ込んではいけない。前進翼が特徴的だが、原作に前進翼を採用したビックバイパーはグラディウス・ザ・スロット(パチスロ)しかなく、インテーク形状をはじめ、そのほか様々な意匠を鑑みるにアニメ「スカイガールズ」版のデザインと思われる。同作はキャラクター原案・メカデザインが島田フミカネであったり、MMSのフィギュアが発売されたりしている等、武装神姫と関連する部分があり、よく見ると主人公の部屋に飾られている模型も同じデザインであることから、パロディ的な意味合いも含め、武装神姫の世界におけるビックバイパーはこのデザインが基本とされているのかもしれない。 ウェルクストラ フロントライン製神姫、天使コマンド型ウェルクストラ。通称:量産型アーンヴァル。素体・装備は未登場だが武器(アサルトライフルやミサイルなど)だけ登場している。量産型としての自身の個性の無さに悩める神姫。 羽音たらく アルトレーネ/アイネスの素体部分のデザイナー。苗字は「うおん」と読む。後述の柳瀬氏とは逆にメカは苦手。ネームバリューの割には表立った仕事が少ない不思議な人。スタジオオルフェに所属しており、ゲームに登場するマスター倉田音羽は氏の名前を逆から読んだもの。使用神姫のオルフェの名前ももちろんここから。ちなみにオルフェには倉田英之が所属していたり、担当作品のヒロインに倉田雅世をよく採用したりと、妙に倉田に縁がある。 エアパスタ エアギターのごとく空想上のパスタを食す動作を行い空腹を満たす(ごまかす)方法。上級者は茹でる所から始めその姿は輝いているとかいないとか。神姫マスター、ニーヌさんの得意技。 エウ子/エウ/エウエウ セイレーン型エウクランテの俗称。 エウクランテ マジックマーケット製神姫、セイレーン型エウクランテ。同ブランドのイーアネイラと比べて、性格・スタイル共にネタになる部分が少なく、いささか目立たない。しかし、その癖の無いストレートな魅力故にファンは多いようだ。あくまで「イーアネイラと比べて」であり、他ブランドと比べるとやはり胸部パーツは豊か。 エス子 エストリルの俗称。 エストリル アフォンソファクトリー製(素体部分)神姫、モトレーサー型エストリル。スピードにこだわりを見せるが純正武装に固執すると枠の関係で最速の座を逃すことになる…スピードにはこだわるがバトルの勝敗にはこだわらず、果ては勝負なんてどうでもいいとか言い出すことも。戦闘前会話では語尾に「っしょ」と付けるがイベント時などでは付けない。エストリルという名は、ロードレース世界選手権が開催されている、ポルトガルのエストリル・サーキットが由来と思われる。ジルリバーズもそうだが、アフォンソファクトリー製の神姫は笑顔がとっても可愛い。「乾くんだよねぇ↑心がさぁ↓」 オーキド/オーキド博士 神姫マスターかつ主人公のダチの大木戸甚平の事。苗字部分が有名な某「モンスターをパートナーにするゲーム」に登場する博士と似ているためそう表記する場合がある。同様に「オーキド博士」と表現したりも。 大木戸甚平 主人公の親友にして神姫マスターとしては主人公よりも長い、ゆえにシナリオへの登場は最多の男。親友である主人公には無条件で力を貸してくれる頼りになる奴である。パートナーはマオチャオ型のたま子。作中では星になったり、「空気が読めないマスター」だの言われる。一応、ゲームセンターでは上位ランカーのようである。前作では主人公から始終「たま子のマスター」と言う扱いでしかなかったが、本作ではめでたく名前で呼ばれるようになった。ただし襲われた際には「たま子!甚平!」で、優先順位は低い。何気にカスタム武装作者の一人であり、"+JO"は彼の作品である。レザーアーマー+JOのコスト0と言う脅威の性能。またコアな知識を持つ人物との人脈も広いようで、主人公と神姫の危機を何度も救う。実は凄い奴なのかもしれないが、その性格ゆえ、三枚目を演じることの方が多い。 オメガスターロード プロキシマさんの専用RA。名前はプロキシマの名の由来となった恒星「プロキシマ・ケンタウリ」と同じくケンタウルス座にある「ω星団」に由来していると思われる。また、彼女の武装「サジタリウス」及び「ケイローン」は、同じくケンタウロスをモチーフとした射手座(及びその神話)に由来しているが、射手座には「オメガ星雲」の名称を持つ散光星雲M17があるため、こちらも念頭に置いたネーミングであろう。 オーメストラーダ 武装神姫世界における神姫製造メーカーのひとつ。シンボルマークは、ギリシャ文字のΩ(オーム)を図案化したもの。アークとイーダのメーカーだが内部では前者を開発したウエストラボと後者を開発したイーストラボで対立関係にある。社名は、デザイナーのCHOCO氏によると、青梅街道(オーメ=青梅・ストラーダ=イタリア語で「道」)からきているとも。 オールベルン フロントライン製神姫、剣士型オールベルン(パール)。前作では武装のみ登場し、今作ではDL神姫。元は島田フミカネ氏がHPにアップしたラフスケッチを元に、同人作家がレジンキャストで作成・販売し、それが公式本に取り上げられ、鳥Pが製品化を希望しゲームにも武装を追加した、という数奇な過程を経ている。なお、電撃ホビー誌上では当初「白鳥型」(対してジールベルンは「黒鳥型」)と表記されていたが、前述のレジンキャストキット版が便宜上オールベルン白鳥・オールベルン黒鳥と呼ばれていた(ジールベルンという名称はまだ無かったため)なごりで、公式には「剣士型」である。カラーバリエーションの多さは神姫随一で、現時点で6種類(ただし、うち3種類はジールベルン系統なので、オールベルン系統に限れば3種類)が登場している。詳しくはベルン姉妹の項を参照。彼女のフィギュア販売時のキャンペーンで付いてきた栞のデザインで話題になった。どんな栞だったのかは、このせいであだ名が「おっぱいベルン」になったところから想像していただきたい。電撃ムック、武装神姫アーカイブスにキャンペーンの栞の絵が掲載されているので、興味のある方はどうぞ。ちょっとお高いが。バトマスに実装された際のイラストからも、流石にイー姉とまではいかずとも、レーネと並ぶクラスの堂々たるものをお持ちの様子であり(ここで記録は途切れている) オフィシャルショップ アイテムを購入する場所。一部神姫のイベントはここに行かないと発生しない。プレミアムショップが出現して以降疎遠になるが、改造品の無いアクセスコードアイテムやDLCコスプレ衣装はここでしか買えない。公式大会の場所にあるので、神姫バトルの運営直営の印象を抱きやすいが、どうやら個人経営の店らしい。ショップの店員はなかなか話に絡んでこないが、神姫の知識や工作技術はかなりのものらしい。 お迎え 神姫達を購入して手に入れる行為をこう呼ぶ人がいる。もともとはドールのオーナーが使う言い回しで、一歩人形側に踏み込んだ感情によるもののため、同好の士以外には共感を得られる言葉ではない。使用する場合は話す相手を選ぼう。ツガルのイベントで実際に使われている。
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/3360.html
迷宮壁-ラビリンス・ウォール-(OCG) 通常モンスター 星5/地属性/岩石族/攻 0/守3000 ラビリンス・ウォール 上級モンスター 地属性 岩石族 関連カード 迷宮の魔戦車(DM8) 迷宮変化(OCG)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2102.html
ウサギのナミダ ACT 1-1 □ 廃墟の街に砂塵が吹き抜ける。 裏通りの路地にも、砂埃がたまっており、黒い影が高速で走り抜けると、砂煙で路地はいっぱいになる。 駆け抜ける黒い影は、少女。 愛らしい顔立ちに、バニーガールを思わせるボディカラー。さらに黒光りする、ごつい機械の両足が不釣り合いだ。 彼女は、俺の武装神姫。 廃墟の路地を、機械の両足首に装備されたランドスピナーで疾駆する。 これが彼女のメイン武装。陸上での機動性に特化した脚部パーツである。 彼女は細い路地裏を駆け抜けながら、メインストリートをうかがう。 朱色のエアバイクが一台、爆走を続けている。 「よくアレを振り回すな」 半分感心、半分あきれた口調で、俺はつぶやいた。 あのエアバイク「ファスト・オーガ」は公式装備であるが、バトルで好んで使用する神姫はあまりいない。 地上での高速機動には適しているが、取り回しがしづらく、接近戦には向かない。空中戦も、飛行タイプの装備と比べると能力は数段劣る。 戦闘機動においては中途半端なのだ。特に武装神姫のバトルにおいては。 しかも、高速域に達するようなレーシングタイプに組み替えてある。 あれでは操作系も相当にじゃじゃ馬なはずだ。 それでも、ファスト・オーガを使いこなそうというのは、よほどの物好きなのか……。 俺は、対戦筐体の向こう側でエキサイトしている、相手のマスターを見た。 派手に染めた髪に、革ジャン、銀のアクセサリーをこれでもかと身につけた、いかにもヤンキーと言った感じのあんちゃんである。 きっとバイクが好きなのだろう。 そういえば、この店の外にも派手なバイクが止まっていた。いかにも相手のマスターが乗り回してそうなやつだ。 そんなことを考えながら、エアバイクに仕掛けるタイミングを探る。 少し耳からずれた、片耳用ワイヤレスヘッドセットをつまんで、位置をなおしながら、俺は指示を出した。 「ティア、次のT字路。ビルの上からジャンプして、直上から撃て。そのあとは背後から追撃」 『はいっ!』 はきはきとした声が短く応答する。 ティアは直後に軽く地を蹴ると、そのまま朽ちたビルの壁面を斜め上に走る。 そのまま、交差点の角にあるビルの屋上に躍り出る。 ◆ 「やべえ、やべえ、やべえやべえっ!!」 エアバイク「ファスト・オーガ」に乗る、ティグリース・タイプの神姫は、悪態を風に流しながら逃走していた。 こんなのは想定外だ。 バトルを始めてこれまでに五戦五勝。 いずれも、相手の神姫を追いかけ回し、背後から重火器で撃ちまくって勝利してきた。 図体の大きなファスト・オーガであるが、マスターの教えてくれたライディングを駆使すれば、思った以上の小回りを発揮できる。 巨体に目を奪われて、動きが鈍いと判断した浅はかな相手こそは格好の獲物だった。 彼女に言わせれば、飛行型のアーンヴァルやエウクランテの方が、ターンするのが鈍い。大きな弧を描いてターンしてくる相手を、様々なバイクのターン技でかわして背後をとる。 そして、重くなるのもかまわずに「これでもか」と積んだ武装を撃ちまくる。 あなどった相手を手玉に取る、最高に気分がいい必勝パターンだった。 接近戦メインの猫型や武士型はもっと簡単だ。全開で走り回って撃ちまくれば、それだけで勝てる。 今日の相手も、そういう楽でおいしい相手だと思っていた。 『虎実』 「アニキ!」 彼女は自分マスターをこう呼んでいる。 「アニキ、話が違うじゃねぇか! 今回もラクショーとか言ってなかったか!?」 『文句垂れてんじゃねーよ。武装じゃこっちが勝ってるんだ。文句言う前にあのバニーガールに当ててみやがれ』 バニーガールのところで声が甘くなった。 アタシというものがありながら、ケシカランことを考えていたに違いない。 虎実は不機嫌をさらにまき散らす。 「マトが小さくて、あったんねーんだよ! なんかいい手はねーのか、バカアニキ!!」 『ふむ……なら、誘い込んでやるか』 「なんか手があるのか?」 『こういうのはどうだ……』 虎実のマスターは、声を潜めて策を授けた。 それを聞いて、虎実はニヤリと笑う。 アニキはバカでエロで喧嘩っ早いが、ことバイクを使っての勝負になると悪知恵が働く。 虎実がアニキを一番気に入っているところだ。 「いい手だね」 『あのちょろちょろうるさいウサギちゃんに一発かましてやれ』 「よっしゃぁ!」 虎実はさらにアクセルを踏み込んだ。 先はT字路。 狂ったようなスピードで、朽ちたビルの壁が迫り来る。 虎実は、最小限のブレーキングをかけると、エアバイクの左舷から身を乗り出した。 ハングオンで美しい弧を描き、ハイスピードのまま左折した。 瞬間、左手のビルの上から、小さな影が虎実の上に出現した。 「来たな……」 小さな敵影を確認すると、虎実は猛然とアクセルをふかす。 ■ わたしがビルの屋上から飛び出したとき、エアバイクはちょうど左折したところで、真下に来ていた。 対戦相手の神姫は、虎実さん、という名前だったか……が見上げていたところから、ある程度奇襲を予測していたようだ。 わたしは空中で狙いをつけ、両手に持ったサブマシンガンの引き金を絞る。 サブマシンガンが火を噴くのと同時、エアバイクがさらに加速する。 はたして地面に弾着し、小さな砂埃を上げた。 その砂埃を踏みしめるように、着地。膝のクッションで衝撃を殺して、その反発を利用して、上体を前に出す。 一気に加速、虎実さんの追跡を開始する。 エアバイクは、道幅の広いメインストリートを猛スピードで駈けてゆく。 次第に小さくなるエアバイクに追いすがるため、わたしは全力滑走した。 重心を身体の前に出した軸足に乗せ、反対のけり足で自分の後方の地面を蹴る。上体は前傾姿勢。腕は左右に大きく振る。 スピードスケートの選手と同様のフォームだ。 左右の足が地面を蹴る度に、軸足のホイールが回転数を上げ、加速する。 エアバイクとの差は徐々に詰まってきた。 ライダーの虎実さんが、ちらりとこちらを振り返る。 さらに差が詰まった。 サブマシンガンの射程には十分な距離。 わたしは走りながら、右手のマシンガンを構え、撃った。 ファスト・オーガがひらりと横滑りして、銃撃を回避。車体をストリートの右側に寄せる。 相手の左翼にスペースが出来る。一気に追いつくチャンス。 わたしはさらに加速し、そのスペースへと飛び込もうとした。 その時。 わたしの瞳に、不適に笑う虎実さんの顔が映った。 確信のある笑い。 虎実さんがファスト・オーガを一瞬だけ加速した。 少し前に出ると、なんと機首を持ち上げ、後方のフローティングユニットを中心にして、駒のように回転する! 「ふきとべええええええええ!!」 ファスト・オーガの機首部分が金属バットのごとく振り出されてくる。 虎実さんに並ぼうと加速していたわたしは、進路を変えることができない。 ファスト・オーガの大きな機首部分が、ものすごい勢いで、わたしの眼前に迫った。 □ まったくもって、無理矢理な力技である。 まさか、エアバイクをウィリーさせて、前方部分で吹っ飛ばそうとは。 思いもかけない接近戦の奇襲に、俺も肝を冷やした。 ティアは速度を落とすも、勢い余ってエアバイクの攻撃に吸い込まれていく。 二つの影が交差する。 しかし、ティアは、虎実の一撃をすり抜けた。 接地しているホイールをグリップさせながら、身体を地面すれすれまで倒しこむ。 スキーで言うビッテリーターンの要領だ。 ウィリーしていたファスト・オーガは、ティアの身体の上を通り過ぎる。 「ちょ……まっ!」 相手の神姫、ティグリースの虎実があわてた声を出す。 彼女にとっては起死回生、必中の一撃だったのだろう。 エアバイクの前部を持ち上げたまま、その場で勢いよく駒のように回りだした。 チャンスである。 指先はサイドボードのコントロールパネルを操作し、俺が望んだ武器を、バーチャル空間内のティアの手元に送り込む。 「ティア」 『はいっ』 同時に短く指示を下す。 「そいつをエアバイクの底面に向けて撃て」 ティアは即座に指示を実行する。 ティアの右手には、大きなハンドガンが握られている。 ただのハンドガンではない。先端に大きな弾頭があり、グリップからはストックも延びている。 ロケットランチャーガン。 装弾数は一発きりだが、威力は破格である。 機動性重視のティアにとっては、虎の子の一発だ。 ティアはランチャーガンを構えると、数瞬を待たずに引き金を絞った。 ファスト・オーガがウィリーターンしていたのも、ほんの数回転だったろう。 虎実がファスト・オーガを押さえ込むよりも早く、まっすぐな白煙を描いた弾頭は、その前方部の底面に直撃した。 『うわ、うわわわわぁっ!!』 虎実が素っ頓狂な声を上げる。 前方部をはじかれたエアバイクは、後部を支点に反転。 そのままひっくりかえった。 俺が思い描いたとおり。作戦は成功した。 命中を確認したティアは、実弾のなくなったロケットランチャーガンを捨てる。 俺はすぐに新しい武器をティアに送り込んでやる。 ティアはランドスピナーでゆっくりと滑走すると、転覆しているファスト・オーガの反対側に回り込んだ。 ◆ ひっくりかえったファスト・オーガから、いままさに虎実が這いだしてこようとしていた。 「くっそ……」 まさか、あの一撃をかわされるとは思わなかった。 奴の速度も乗っていたし、コースも予想通り。ファスト・オーガを回転させたときに視認したティアは、間違いなく直撃コースだった。 しかし、姿がかき消え、予想していた衝撃は来なかった。 ティアを吹き飛ばした衝撃を利用してブレーキをかけるつもりだったために、勢い余って駒のように回ってしまったのだ。 そして、その隙をつかれ、このありさまだった。 虎実はバイクから這い出そうと力を込める。 バイクはもう使い物にならないだろう。だが武装は健在だ。ありったけの武装を引っ張りだして、それから…… 考えている最中の虎実の前で、甲高いホイール音が停止する。 虎実は顔を上げる。 目の前に、ちょっとすまなそうな顔をした、黒い兎がいた。 「チェックメイトです……」 ちょっと申し訳なさそうに、バニーガールの格好をした神姫が告げる。 虎実は不機嫌になりながら思う。 なんでこいつは、こんなに自信なさげなんだ? 両手でサブマシンガン構えながら言う口調じゃねぇだろ。 虎実はティアを侮ることにした。 無駄なあがきとわかっちゃいるが、こんな奴に素直に降参するほど、虎実はおとなしくもない。 「そうか……」 虎実はちょっとうつむいて表情を隠す。 端からは、さもギブアップしそうに見えるだろう。 「しかたがない……なっ!!」 車体の下に差し入れていた右手。 最後の一文字を口から発すると同時、掴んでいた剣を地面スレスレに滑らせた。 自慢のレッグパーツをねらう。 しかし。 虎実の剣が届くより早く、ティアの両手のマシンガンが火を噴いた。 虎実の繰り出した剣は、柄の根本から破壊された。 地面に穴をうがち、バイクに風穴をあけ、弾着が点線を描き出す。 虎実は小さな悲鳴を上げて、頭を抱えた。 弾着の点線は虎実の身体を囲うように円を描いていた。 ティアが静かに告げる。 「降参してください……」 またしても申し訳なさそうな顔をしている。 それが虎実には無性に気に食わなかった。 でも、それをどうにかする術はない。 ティアの銃口はぴたりと虎実向けられている。 「ちくしょ……ちくしょう、ちくしょーーーーーっ!!」 虎実の叫びが廃墟の彼方に消えていく。 やがて、ファンファーレとともに、フィールド上に巨大な立体文字の列が浮かび上がった。 『WINNER:ティア』 ■ バーチャルバトルが終了し、周囲の廃墟が消えていく。 わたしの認識はリアルに戻され、ゆっくりと目を開く。 暗く、狭いポッドの中。 こわい、と認識するまもなく、目の前の壁に一筋の光の線が引かれ、やがて大きく開いた。 溢れてくる光。現実の光。 わたしは目を細めながら、ゆっくりとポッドから身を乗り出して振り向く。 「か、勝ちました。マスター」 わたしは自らの主の姿を見上げた。 どんな表情をしているのか、とてもとても気になる。 彼は、やっぱりいつものように事務的な無表情で、自分のモバイルPCのキーを叩いている。 わたしはちょっとだけ落胆する。 でも、 「うん。よくやった」 マスターがわたしを見て、かすかに笑ってくれたから。 わたしは嬉しくなって、思わず笑みを返した。 わたしのマスターは、あまり表情を変えない人だ。 だから、時々見せてくれる笑顔は、わたしの大切な宝物だった。 その時だ。 「おいおいっ! 今のは反則じゃねえのか!?」 大きな声でマスターに近づいて来る人がいる。 バトルの相手、ティグリース・タイプのマスターだ。 「なにがだ」 マスターの声は至って冷静……それどころか、わたしが身をすくませたほどに冷たい声。 「だってそうだろ! そっちのバニーちゃんの装備なんざ、見たことも聞いたこともねぇ! しかも、バトル前にフィールドまで指定しやがって……。 勝つためには何をしてもいいってのか!? あぁ!?」 「はじめに確認を取ったはずだ。君はそれを了承しただろ」 確かにマスターは、バトル前に確認をしている。 わたしは武装の特性上、市街地や廃墟のステージでしかバトルしない。 それは有利になるからというよりも、他のステージではパフォーマンスを発揮出来ないからだった。 「だけど、てめえの神姫の武装は公式じゃねえだろが!」 「確かに、ティアの武装はオリジナルだ。 だが、君の神姫の武装に勝っているとは思えない。 こっちはライトアーマー並みの軽量武装で、装備は手持ち武器をサイドボードから送り込んでいるだけだ。 単純な火力は君達の方が圧倒的だと思うけどね」 「ぐっ……」 マスターは冷たい視線で相手を見る。 体の大きな相手のマスターがあきらかにひるんでいる。 マスターは淡々と言葉を紡ぐ。 「それに、ここは公式の神姫センターじゃない。 ゲームセンターの非公式の草バトルだ。 パーツがオリジナルだろうが、武装が非公式だろうが、どんな相手が出てきたって文句は言えない。 ここにはそういう神姫が集まっている。 公式装備のバトルがしたければ、神姫センターに行けばいい」 マスターの言葉は冷たく、事務的で、しかも正論だった。 会話を聞いていた、周りの神姫マスターのみなさんも、口々に言う。 「そうだそうだ! ここじゃ武装は何でもありだ!」 「公式武装バトルがお望みなら、他へ行け!」 「負けたからって見苦しいぞ!」 「だいたい、火力で勝っているのに、いいわけがましいったらないよな」 「文句言うより、装備見直す方が先なんじゃね?」 そして、マスターがとどめの一言。 「それに、いまのバトルは、君から申し込んできたんだろ」 その一言に、周りがどよめいた。 相手のマスターは反論も出来ずに、うつむいている。 けれど、いきなり顔を上げると、びしっとわたしのマスターに人差し指を突きつけた。 肩の上のティグリースも一緒に。 「こ、これで勝ったと思うなよ! おぼえてろおおおおおぉぉ!!」 そう言い捨てて、相手のマスターは駆け足でお店を出ていった。 マスターを見上げると、彼は肩をすくめて軽くため息をついた。 「まったく、うるさいやつだったな……心配するな」 最後の一言でわたしを見て、マスターは右手を差し出した。 後かたづけが終わった証拠。 わたしはマスターの右手の甲に乗る。 すると、マスターの右手はわたしを乗せて、左胸のシャツのポケットに到着する。 わたしは右手から降りて、マスターの胸ポケットに滑り込んだ。 ここはわたしの定位置。 「よし、帰ろう」 ゲームセンターの、武装神姫コーナーの周りは、さっきの騒ぎの名残で、まだざわめいていた。 マスターはそれが気に入らないのだと思う。 他のバトルを観戦もせず、すり抜けるようにコーナーを離れ、店を後にした。 次へ> トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2563.html
ここには「美咲さんと先生」のいろいろな設定などを書きたいと思います。 人物 「先生」 :名字は竹田。齢四十に近い男性。常に敬語で話すために真面目な人間かと思いきや、中身は変人である。だが、オリジナル装備製作やプログラムの組み立て、神姫のメンテナンス等をこなせることからかなりの知識人であると思われる。株式会社「カサハラテクニカル」の神姫用玩具開発部門の主任。結果重視の会社であるため、特定の拘束時間はないが出勤日数は二十日間以上と決められている。まれに一日五分しか会社にいないこともあるらしい。フブキタイプ・美咲のマスター。メガネはかけていない。 「カエデ」 :本名・一条 楓(いちじょう かえで)。どこにでもいる普通のOL。薄給から何とかやりくりして神姫を楽しんでいる。会社の休日は火曜、日曜。アーンヴァルタイプ・エルスのマスター。幸薄感に溢れている。 「ケイゴ」 :本名・柏木 圭吾(かしわぎ けいご)。ニートに近いフリーター。親が甘いので神姫もほぼ親の金で楽しんでいる。ただ、嫌味のないさわやかな性格であるため、あまり疎まれてはいない。触手好き。マリーセレスタイプ・ステルヴィアのマスター。ぽっちゃり系。 「エンドウ」 :本名・遠藤 健太郎(えんどう けんたろう)。大学生。先生を師として仰ぎ、尊敬している。アルバイトをしながら大学生活と神姫を満喫している。セカンドリーグのトップクラスに在籍してるので、金銭的に余裕がある。大学生特有の自由時間を生かして全国各地を回り武者修行をしている。ウェルクストラタイプ・『弾丸』のフェフィーのマスター。精神面は幼め。 「ケイイチ」 :本名・東雲 慶一(しののめ けいいち)。高校生。四人の神姫を維持するための電気代や経費を稼ぐため、言うことをあまり聞かない姉妹を引き連れ日々放課後バトルに明け暮れる。バトルセンスはピカイチであり、特に多対多でのチーム戦や混戦においてその真価を発揮するタクティカルコマンダー。今現在は親元を離れて一人暮らしであるが、騒がしい毎日を送っている。アルトレーネタイプ・イール、マオチャオタイプ・アルマ、アークタイプ・マリネ、アルトアイネスタイプ・ネムのマスター。女難の相ならぬ神姫難の相が出ている。 「タチバナ」 :本名・立花 菊子(たちばな きくこ)。先生と同じ「カサハラテクニカル」の社員。神姫武装開発部門の若き主任(年齢は二十代中盤らしい)。立花財閥のお嬢様だが神姫に没頭するあまりに勘当される。彼女が開発する武装はどれも派手さや見た目に重点を置いたものであるが、それに詰め込めるだけの性能を詰め込んだ、高性能だがピーキーなものがほとんど。故にカサハラ製の武装は目立ちたがりの玄人が好む傾向にある。苦いものが大嫌いで、タバコは吸えないがくわえるのは好き。ジュビジータイプ・ホムンクルス、他「カサハラテクニカル」の社員神姫のマスター。残念美人。 「ムースのマスター」 :本名・柊 麻昼(ひいらぎ まひる)。女子高生。明るく元気な女子高生だが、時々ブツブツと独り言を呟いてはニヤリと笑うちょっとアレな子。ゲームの類が大好きで、それが高じて武装神姫に手を出した。友人に機械に強い人が居り、武装の製作を委託している。 神姫 「美咲さん」 フブキタイプ。初期に販売された神姫。比較的角ばった作りの初期素体のままなことをちょっと気にしている。より人間の少女らしい丸みを帯びた新型に換装することを先生に申し出たが、「今のままがいいです」と却下された。どんな武装も使いこなし、どんな間合いにも対応するオールラウンダー。比較的高次元な戦いにも対応できるが、並列処理能力は低いので臨機応変には戦えない。先生の的確な指示が勝利の鍵。 「エルス」 アーンヴァルMk-2タイプ。美咲のギターの副作用の媚薬プログラムのせいでおかしくなったと皆は思っているが、実は初めから百合属性。今までは抑えていたが、プログラムによって解放されただけ。アーンヴァルの標準通り飛行特化の射撃重視装備を施されている。回避以外特に目立った性能はないバランス型。マスターであるカエデ自身があまりいいセンスではないため、実力はサードリーグクラス。だが本人達は気にしていない。 「ステルヴィア」 マリーセレスタイプ。自称地区一の触手使い。マリーセレスの標準装備の触手をカスタマイズし長くしている。触手マイスターになるのが夢。装備はマリーセレスの標準装備にカスタマイズした触手のみの近接格闘型である為、飛行型の敵には弱い。が、地上戦ならばかなりの戦闘力を見せる。マスターであるケイゴはステルヴィアに指示を与えるより、ステルヴィアに敗北しチョメチョメされる相手を見ることに力を注いでいるらしい。 「フェフィー」 ウェルクストラタイプ。『弾丸』の二つ名をもつ。一度CSCを破損し交換されているため、今のフェフィーは記憶を継承した二代目である。コアとCSCの相性が悪かったようで、知らぬ相手には無愛想になり、BL好きになってしまった。さらに、全ての神姫がBL好きだと思い込んでいる為、知り合った神姫に普通にBL話を持ち掛け、どん引きされるのだそうだ。故に友好関係はあまりよろしくない。格闘特化のCSCに合わせて、装備も格闘特化型である。足に備えたバッタの足のようなシリンダーは瞬発力を増加させるための装置で、バネのように足を弾くため高機動用モーターよりもバッテリーの消耗は低い。が、素体への反動は大きい為、こまめに整備をしないと素体自体が破損する恐れがある代物。手足に装備している武装は、エネルギーを内部にて圧縮し、攻撃時に解放させることにより威力を数十倍させることができる。冷却装置は付いているが、すぐに熱を持つので一度の解放ごとに表面を開き熱を逃がさなければならない。スカートバーニアは加速力増加と空中での姿勢制御を兼ねている高出力低持続性の小型バーニアである。内部には小型のエネルギータンクを備え、戦闘時の稼働時間を僅かに延長させている。ちなみにこれは本戦仕様であり、軽い手合わせ等の手加減用装備も別に存在している。 「イール」 アルトレーネタイプ。仲良し四姉妹(笑)の長女。標準のアルトレーネの性格であり、マスターであるケイイチに従順である。が、熱しやすい性格で「牛丼」と呼ばれることを何よりも嫌い、頭に血が上ると冷静さを欠く。武装は近接特化で、紅黒のダークカラーに塗装されたアルトレーネの標準アーマーに七つの細剣を装備するのみ。一対一では勝率はあまり高くないが、多対多の混戦時には無類の強さを誇る。その強さの秘密はアーマーにあるらしい。待て次回!(←未定)末妹であるネムが可愛くてしょうがない。 「アルマ」 マオチャオタイプ。仲良し四姉妹(笑)の次女。性格は捻じ曲がっており、常に他人に突っかかる。ケイイチに起動させられたわけではなく、色々あって人の手から手に渡り歩き、最終的にケイイチのところにたどり着いた。武装は紅黒のダークカラーな標準装甲にカスタマイズされたドリルとレーザー刃の切れ味抜群なレーザーソー。攻撃力はとても高く、さらにマオチャオ特有の機動力の高さで地元神姫センターのトップに君臨する。特に妹のマリネとのコンビは強力で、一部ではそのカラーリングと強さに『夕闇の旋風』と呼ばれている。普通のマオチャオと違って辛いものを好む。末妹であるネムにデレデレである。 アルマ語講座。 「~無い」という否定形は「~にゃー」となる。例「馬鹿じゃないよ」→「馬鹿じゃにゃーよ」 一人称・二人称・三人称。「おまえ」は「おみゃー」。「私」は「あちし」。「あいつ」は「きゃつ」。「こいつ」は「こやつ」 語尾ににゃーをつけるかどうかは気分らしい。「な」を「にゃ」にするかどうかも気分らしい。 「マリネ」 アークタイプ。仲良し四姉妹(笑)の三女。性格は粗暴。一人称は俺。恐ろしく口が汚く、言語矯正プログラムによって規制音が鳴り響く。普段マスターであるケイイチの言うことには馬耳東風だが、バトルの時には忠実である。武装は紅黒のダークカラーなイーダのトライクのカスタム品である。走行可能ギリギリまで積載した火器による砲撃が得意で、地元神姫センターで二位の実力を誇る。アルマとのタッグでは負け知らずで五十連勝以上はしているらしい。末妹であるネムにゾッコンである。 「ネム」 アルトアイネスタイプ。仲良し四姉妹(笑)の四女。仲良し四姉妹(笑)が仲良しでいられるのは彼女のおかげ。性格はかなり幼く甘えん坊で泣き虫ではあるが、芯は強い。武装は紅黒のダークカラーで姉妹たちとおそろいになるように塗りなおされているが、彼女はバトルすること自体は嫌なので装備したことは無い。強いて言うなら、相手の母性や保護欲を掻き立てるその性格が最大の武器。実質一家の支配者だが自他ともに自覚はない。 「ムース」 ストラーフタイプ。クールな印象をあたえるしゃべり方をするが、頭の足りない子。普段から黒いロングコートを愛用している。武装はストラーフの標準装備である強化脚とサブアームに、昔のゲームの主人公が使用していたケルベロスと呼ばれる大型二丁拳銃とデスホーラーという火器満載の棺桶を装備する。それらの火器を自在に使いこなし、セカンドリーグの上位に在籍しているが、そんな装備よりも歌のほうがより強力で凶悪である。 「ホムンクルス」 ジュビジータイプ。派手好きで自意識過剰で自信過剰で自己中心的でポジティブでハッタリ屋。ファーストリーグランカーだが順位は高くないらしい。詳しい記述は未登場なので避ける。 その他 「ギタにゃん」(CV若本規夫 推奨) 『ニャンたるロック』ギター担当にしてリーダー。音楽に対して固有の価値観を持ち、それにそぐわないものには容赦がない。 「にゃんベース」(CV千葉繁 推奨) 『ニャンたるロック』ベース担当。ノリがいいともっぱらの評判。 「ぬこドラム」(CV大塚明夫 推奨) 『ニャンたるロック』ドラム担当。性欲はもてあましてない。 「にゃんセイザー」(CV子安武人 推奨) 『ニャンたるロック』シンセサイザー担当。超クール。
https://w.atwiki.jp/busou_bm2/pages/42.html
入手条件 性格 声優 デザイナー 機体解説 素体性能プラス補正アビリティ マイナス補正アビリティ ライドレシオMAX時の上昇能力 固有レールアクション入手先 固有武装装備時ステータス イベント EXカラー髪 瞳 入手条件 F3制覇 性格 現代っ子的な性格。バトロンの丁寧口調こそなくなったものの、根本的な「背伸びをする子供」という特徴は残っている。 「~じゃないんだからね!」が口癖だが、その文意や性格から一概にツンデレという訳でもない。 むしろ言動には「背伸びをする子供」という部分が前面に押し出されているため、 あまりツンデレという印象を受けるシーンは少ない。 少々ドジで焼き餅焼きなところはあるが、優しく思いやりがある一面も見る事が出来る。 またサンタ型という設定のためか、年下(?)の子供に対してお姉さんぶることも。 + 戦闘前セリフ一例・ネタバレ要素有り。 「可愛い少年相手でも、お姉さんは手加減なんてしないわよー! 全力でかかってきなさいっ!!」(vs柴田勝) 「ハウリン型もマオチャオ型も、まぁまぁ可愛いけど 一番魅力のある神姫は、アレだよ、そのー、ねぇ ちょっとマスター、最後まで言わせないで!!」(vs犬童太) 声優 釘宮理恵(鋼の錬金術師:アルフォンス・エルリック、ハヤテのごとく!:三千院ナギ、他。「ツンデレの女王」の異名を持つ) デザイナー GOLI(beatmania IIDX) 機体解説 名称:サンタ型MMSツガル(MMS Type Santa Claus TSUGARU) メーカー 素体:Studio Roots 武装:Studio Roots 型番:SRX03 フィギュア発売:2006年12月7日(武装神姫第3弾EXウェポンセット) 主な武装:フォービドブレード("フォービドン"ではないので注意。レインディアバスター時はそりのレール部になる、というよりはレール部分を外して刀代わりに使っているという方が妥当か。バトマスの分類ではダブルブレード) ホーンスナイパーライフル(レインディアバスターでは操縦桿になる。) ハイパーEML(EMLはエレクトロ・マグネティック・ランチャーの意味。ツガル武装形態でのリアユニットの左右に配置されている逆三角形のあれ。なぜかバトマスでは未登場) レインディアバスター(武装を変形合体させたそり。ツガルの武装のほぼすべてを使用した、武装神姫史上初の「変形合体して別形態となる」武装である) サンタクロースをモチーフとし、赤・白・緑のクリスマスカラーを効果的に用いたカラーリングが印象的なStudio Roots社の開発した神姫。 バリエーションとして、青を基調としたクールなカラーリングの「Blue X'masバージョン」も存在する。 2丁のスナイパーライフルを駆使した長距離射撃や、高機動力とロングブレードを組み合わせた一撃離脱戦法を得意とし、 身にまとった武装はトナカイのそりを思わせる高速移動形態「レインディアバスター」へと変形する。 基本的に出自など固有のバックボーン設定を持たないのが神姫だが、例外的に彼女には担当デザイナーの裏設定として「モデルになった人物」が存在している。 + ... その「モデルになった人物」はある理由で仮死状態に陥っており、彼女を愛していた若き科学者「D」が寂しさを紛らわすため彼女の精神構造を元にAIを作成、彼女に似せた神姫のボディに搭載したのが、武装神姫でのツガルである、というもの。 担当デザイナーの出身元である音ゲーをある程度知る人であれば、その姿、名前、そしてデザイナーからモデルとなった人物や若き科学者の正体を推し量ることができるだろう。 ただし、上記はあくまでも「デザイナーによる裏設定」であり、KONAMI側が公式に明言したり設定として取り入れたものではない点には注意。 AIの性格はノリのいい現代っ子気質で、少し子供っぽく扱いづらい一面も。 マスターの年齢によってはジェネレーションギャップに悩まされる可能性も。 時速30㎞で何かと話題になる胸だが、フィギュアでは元々胸どころか素体がなかった(コアユニット+武装のみだった)。ゲーム中の素体は「Blue X'masバージョン」の際に設定されたもので、ロード画面のTIPSでの絵で素体が白一色なのはそのためである。(あの絵が描かれたよりも後に今の素体カラーになった為。PC版とも微妙にデザインが異なる) 素体性能 LP ATK DEF DEX SPD 450 40 40 4 6 プラス補正アビリティ Dブレード+1 ライフル+1 マイナス補正アビリティ 投擲-1 ライドレシオMAX時の上昇能力 防御力 スピード ガードブレイクダメージ 固有レールアクション入手先 固有武装装備時ステータス + プレゼント・フォー・ユー! LP 5982 SPD 65 DEX 63 CHA 308 DEF 621 火器 0% 光学 0% COST 497 アビリティ 防御力+2 溜め時間短縮+1 ジャストガード-1 武器エネルギー回復+1 ブースト性能+3 ジャンプ性能+2 二段ジャンプ+1 急上昇、急降下+1 ロック範囲-1 スピード+1 DEX+1 CHA+1 LP+3 Dブレード+1 投擲-1 ライフル+1 ビット+1 空いている武装:武器2つ、アーム、シューズ、シールド、アクセサリー2つ + プレゼント・フォー・ユー!EX LP 9874 SPD 107 DEX 103 CHA 498 DEF 1028 火器 0% 光学 0% COST 886 アビリティ 防御力+3 ジャストガード-2 武器エネルギー回復+1 ブースト性能+5 ジャンプ性能+2 二段ジャンプ+1 急上昇、急降下+1 ロック範囲-1 スピード+2 空中ターン+1 DEX+1 CHA+2 LP+4 Dブレード+1 投擲-1 ライフル+1 ビット+1 空いている武装:武器2つ、アーム、シューズ、シールド、アクセサリー2つ イベント + ネタバレ 発生条件 イベント名 備考 Love2 自宅 サンタクロース Love5 ゲームセンター バトル後 缶コーヒー Love7 ゲームセンター 二人のマスクマン バトル有り(vsヘルマスク メドゥーサ) Love10 ショップ ガキンチョとお父さん Love12 ゲームセンター Lマスクとのバトル バトル有り(vsライオンマスク ディアナ)/トリアイナ・ハスタ入荷の可能性あり Love15 ゲームセンター 父ちゃんの正体・・・ Love17 マップ もう一つの正義 Love19 自宅 作戦会議 Love20 ゲームセンター 乱入! 専用RA解禁 Love22 マップ 難しい年頃 Love23 ゲームセンター 神姫バトル指南 Love25 自宅 お買い物にお付き合い Love27 ゲームセンター 新人のヒーロー Love29 ゲームセンター 正義の味方! ライオンマスクと組んでのタッグバトル(vsヘルマスク メドゥーサ+啓太 キウイ) Love30 ショップ サンタクロース! 専用RA解禁 EXカラー 色は編集者からみた色で、人によって見え方は異なります。 髪 A ライムグリーン(デフォルト) B 赤紫 C 水色 瞳 A.赤(デフォルト) B.鈍金色 C.水色
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2611.html
与太話8 : ロストデイズゲーム 注1)ライトノベル『武装神姫 LOST DAYS』のネタバレがあるかもしれません。 注2)一ノ傘射美:第三章登場キャラ。見た目は姫乃のロリバージョン。 「マスター。正直なところ、ダメだと思うんです」 エル操るマルスにネスが吹っ飛ばされたところで、エルは唐突にぽつりと呟いた。机の上にペタンと座り込み、ゲームのコントローラを構えて必死になって画面を目で追うアルトレーネ。その姿に、バトルで見せてくれる凛々しさは皆無だった。 残機も残り僅かとなったこの『スマブラ99機耐久戦』は今のところ、エルが大差をつけてリードしている。COMは早い段階で姿を消した。俺の隣で必死にコントローラをガチャガチャやっている一ノ傘ロリ姫、もとい射美は残機が一桁になった段階で逃げに徹し、今は遠くからファイヤーボールをばら撒いてばかりいる。 俺はといえば、今日は調子が乗らないらしく自滅が多いのだが……まさかスマブラでエルにダメ出しをされるとは思わなかった。 「弱っちくてすみません……精進しますんで、はい……」 「パパをいじめちゃメーよエル! ママに言いつけるからね!」 「あ、いえ違うんです。スマブラのことじゃなくて、武装神姫のことでちょっと、よくないなぁ、と思いまして」 声はどこか上の空でぼんやりとしたエルだったが、画面上のマルスはステージ上を颯爽と駆けてマリオに接近し、慌てて放たれたマリオのスマッシュに上手くカウンターを合わせた。また残機を一つ減らした射美は俺の膝の上で暴れた。小学校高学年程度の体格とはいえ、耐久戦の間ずっと居座られているもんだから、もう脚の感覚なんてとっくに無くなっている。さらに射美が暴れる度に俺の腕を揺さぶって邪魔をされる。 姫乃、早く帰ってこないかなぁ……。 「一昨日マスターが買ってきた神姫のラノベ、ちょっと読んでみたんです。表紙のとおり、といいますか案の定アーンヴァル型がメインで、ライバルにストラーフがいて、アルトレーネの『ア』の字すらなくて……ここまではいいんです。ええ、いいですとも。アニメ化も含めて、どーせ主役を張れるのはあの二人だけですから」 「パパ、こういうのを『卑屈』って言うんでしょ?」 「そういうことを本人の前で言うな」 「私が物申したいのは、ストーリーのほうなんです。せっかく本になったのに、中身は刑事さんが神姫がらみの事件を追う無難な話ですよね。もうちょっと捻って欲しかったです」 「無難って……」 「ぶっちゃけSSWikiの中にありますよね、似たようなお話」 「パパ、こういうのを『メタフィクション』って言うんでしょ?」 「難しい言葉を知ってるなぁ射美は。良い子だ、偉いぞ、だから少し静かにしてような」 話しながらも、スマブラの試合は淡々と進んでいく。 射美の最後の一機が落とされ、ネスとマルスの一騎討ちになった。エルが三六機、俺はあと十三機残っているが、いい加減面倒になってきたので、コントローラを射美に渡してやった。嬉々として受け取る射美だが、マリオと違って扱いづらいネスでは数分と持たないだろう。 「研究所から脱走したり、小学生とかに拾われたり、悪い人に悪用されたりするのは、もうお腹いっぱいです。つまり何が言いたいかというとですね、いくら万人向けのメディアを作ろうとしても、武装神姫で今以上のものを作るのは難しいのではないかと思うわけですよ私は」 「パパ、『めでぃあ』って何?」 「メディアより先に卑屈とかメタを覚える女の子って、将来大丈夫なのか……」 「MMSの軍事利用が最たる例だと思うんです。確かに私達神姫自身ですら簡単に想像できますよ。小さくて、心を持つけど忠実で、おまけに大量生産できる神姫が戦争に向いてることくらい。でも、だからこそ、簡単にそんなお話を作ってほしくないんです。もっと私達の可能性を探ってほしいんです。といいますか――」 長時間小さなコントローラを握っているにもかかわらず、エルは疲れるどころか、むしろ熱弁するほどマルスの技はキレを増していった。射美操るネスのパーセントは3ケタに到達することもなく、次々と残機を減らされていく。 「神姫って基本、ロクなことに使われてませんよね。ロボット三原則とかガン無視じゃないですか」 「エルだって、俺の眉間に爪楊枝刺したじゃん」 「うわっ、エルひどーい」 「そ、それは手が滑ったといいますか、ノリといいますか……と、とにかく! ゲームのプチストーリーみたくイチャイチャしようにも、身長差のせいで見ていて虚しくなりますし、それなら、小さな神姫が世界を破滅から救ったりするほうが壮大で良い感じだと思うんです。プレデターとかやっつけたいです」 「世界を救う、ねぇ」 「ちなみに、勿論私はイチャイチャは大歓迎ですよ」 「射美の前で変なこと言うな!」 「大丈夫だよパパ、あたしは何も分かってないから。ママにもちゃんと内緒にするね」 「子供が変な気を回すな!」 マルスがネスの最後の一機を撃墜して、長かった対戦がエルの圧勝でようやくの決着を迎えた。膝の上の射美が次をやろうと言い出す前に、ゲーム機本体の電源を切った。なぜ99機耐久戦なんて始めたのかは忘れたが、もうスマブラは暫くやらなくていい。 「世界を守るのが無理でも、マスターを守るために戦いたいです。『マスターには指一本振れさせません!』とか、どんな神姫だって憧れる台詞なんです。でも身長が違いすぎますから、マスターを後ろに庇ったりできなくて、想像の中でしか実現できないんです。この全神姫の葛藤から解放してくれるような小説やアニメがあると、私は嬉しいなーと思うわけですよ」 「ははあ。その神姫愛好家以外に受けなさそうなストーリーは世に出ないから、神姫はダメだなんて言ったのか」 「です」 「パパとエルが一緒の大きさになればいいの? あたし知ってるよ。あれ、ほら、ライオン? だっけ。ゲームのやつ」 「ライドオンのことですか? あれは言葉の響きがエロいからダメです」 「だから射美の前で変なこと言うなや!」 「大丈夫だよパパ。パパだってママによくライドオンしてるじゃない」 「誰だ射美をこんな子に育てた奴は! ぶっ飛ばしてやるから出てこい!」 「もういっそのこと、アダルトなシナリオを作ったほうが知名度の向上に繋がるんじゃないでしょうか」 「18禁から離れろぉっ!」 世界とマスターを守ってみたい、というのならば、そうさせてみることにした。 「結局ゲームですか。コンティニューできる世界じゃあんまり緊迫感がないです」 「コンティニュー禁止の一発勝負だ。1回500円もするんだからな。いいか、これ1プレイしたら帰るぞ」 筐体でのバトルをするばかりが神姫センターではない。別フロアには、神姫達が遊ぶための設備がある。今俺とエルが使っているのもその中の一つだ。 普通のゲームセンターによくあるガンシューティングの神姫バージョン、といったところか。仮想空間上に神姫と、ライドシステムにより仮の素体を操るマスターが乗り込み、ステージを攻略していくのがこのゲームだ。二人のどちらかのLPが尽きたらゲームオーバー。ただしマスターが使う素体に攻撃能力はなく、神姫はマスターを守りながら先へと進まなければならない。まさに、エルが望んだ通りのシチュエーションだ。 二組でのプレイも可能だが、姫乃は残念ながら射美のおもりをしている。 「大丈夫ですよマスター、私一人で十分です。マスターは私の背中だけを見て進んでくれればいいです」 「でもなあ、この手のゲームって大体コンティニュー前提で作られてるはずだぜ。何ステージあるか知らないけど、最初のステージで即ゲームオーバーとかもあり得るからな」 「マスターは私の剣が信じられませんか?」 エルは剣を軽く横に振った。小さな腕で振るわれた一閃は、エルの成長が一目で見て取れるくらい、ブレがない。 ニヤリと笑みをこぼしたエルは俺の手から500円玉を奪い取って、投入口に入れた。 「あなたの戦乙女は、あなたが思っているよりちょっぴり強いですよ?」 意識が仮想空間に飛ばされ、仮の体を与えられた。 降り立った場所は、木造の建物が規則正しく立ち並ぶ街だった。ただし、どこもかしこも、火の手が上がっている。人の姿が見当たらない代わりに、いかにも「凶暴だぞー!」と言わんばかりのモンスターがうろついている。 一直線に伸びる道の遥か先に、大きな教会らしきものが見える。このステージでのやるべき事は非常にシンプルだ。 モンスターを倒しながら、教会を目指せ。 前に立つエルは背を向けて、教会を見据えている。身長が同じくらいになったからだろうか。ロングコートをはためかせ、ゆったりと二本の剣を構える後ろ姿は、そこにいるだけで俺に安心感を与えてくれる。 「フフッ、マスターが後ろにいてくれるだけで、なんだか力がみなぎってくるみたいです。じゃあ行きますよ、しっかり付いてきてください!」 順調だったのは、最初のオオカミ数匹を切り崩したまでだった。 あれよあれよという間に多数のモンスターに囲まれ、パニックに陥った俺達はがむしゃらに走り、気がつけば中ボスらしき巨人の前まで来ていた。既に精根尽き果てていた俺達は、二人仲良く巨人の棍棒に薙ぎ払われ、倒れるのだった。 仮想空間から戻ると、目の前のスクリーンにコンティニューのカウントダウンが表示されていた。カウントダウン解除には、500円玉が必要になる。 「ふう……じゃ、帰ろうか」 「もう一回! もう一回だけお願いします!」 「ダメだ。一回きりって約束したろ」 「さっきは惜しかったんです! 次は必ずや! 必ずやマスターをお守りしてみせます!」 「どこに惜しい要素があったんだよ……あの調子じゃ全クリまでに諭吉が飛ぶぜ」 「マスターの鬼ー! けちんぼー!」 「フハハハハハハ! なんとでも言うがいい、俺は500円のためならプライドをも捨てられる男!」 「器が小さ過ぎますっ!?」 懇願するエルを無視して帰ろうとした、その時だった。 「あれ? 背比やん。へぇ、背比もこんなゲームで遊ぶんやね」 ばったり竹さんと出くわした。肩から下げるトートバッグからはいつも通り、 「鉄子ちゃん、まさか弧域が来てることを知ってて……」 「下種の勘繰りはよしなさい、コタマ。久しぶりですね、エル殿。あなたもあのゲームを?」 コタマとマシロが顔をのぞかせている。 エルはゲームをやっていたかと問われても、「ええ、まぁ……」と歯切れの悪い返事をすることしかできなかった。ステージを1つもクリアできなかった、とは口が裂けても言えないんだろう。 「アタシも今からやるところなんだけどさ。で、エルは何分だった?」 「は? 何分?」 「クリアした後にクリアタイムが出るじゃん。覚えてない?」 「そ、そうですね、そういうのは、ちょっと……」 「コタマったら、マシロの記録を今日こそ抜くんやって息巻いとるんよ。ほら、あれ」 竹さんが指差した先、さっきまでコンティニューのカウントダウンが表示されていたスクリーンに、今度は歴代ランキングが表示されていた。 1.MASHIRO 00:09:44:20 Continue,00 2.KOTAMA 00:13:36:49 Continue,00 5位までコタマの名前が並んでいて、それ以降から他の名前が登場するが、どの記録も数十分、コンティニュー数回が記録されている。最下位のコンティニュー回数など、見るだけでゾッとしてしまった。 このゲームの本質はえげつないものだった。コタマやマシロは別として、これは、攻略専用に対策した装備を用意できて、好きなだけコンティニューできるだけの財力を持ったブルジョワマスターだけが楽しめるゲームだ。 「お遊びにそこまで熱くなることはないでしょう。妹君に付き合っていただくのもこれで最後にしなさい」 「お遊びで10分切っといて勝ち逃げ!? あームカつく! 今日こそギャフンと言わせてやる! ほら始めるよ鉄子ちゃん、アタシが言った通りに動いてよね!」 「へいへい」 「あ、そうだ。せっかく二人プレイできるんだし、エルと弧域もやらない? 足速いエルが先行して面倒くさい奴倒していけば、かなり時間短縮できるよね。弧域のことは心配しなくても、アタシが【指一本振れさせないからさ】」 「…………こ」 「こ?」 「コタマ姉さんなんて大っキライですうううううううううっ!」 フロアにいる人達の足の合間を縫って、エルはフロアから出ていってしまった。竹さん、コタマ、マシロは呆気にとられて固まっている。 「ねぇ弧域。アタシ、何か悪いことした?」 「察してくれ、色々と」 「なんか、ごめんね背比。私もエルのこと探しに行こうか?」 「いや、大丈夫。こっちこそ突然すまん。じゃ、俺達は帰るわ」 この後、エルはすぐに見つかった。 一階で店員として働く神姫達がエルを慰めてくれていて、俺の顔を見るなり「お客様といえど許さん! そこになおれ!」と説教モードに入った。 店内のど真ん中、普通にお客さんがいる中で理不尽な罵詈雑言を浴びせ続けられること十数分、俺は帰りの電車賃として取っておいた500円玉を出すことで、ようやく解放されるのだった。 じゃあ貴様、にゃーは面白いストーリーを作れるのか、と指摘されると、ゴメンナサイと言う他ありません。 LOST DAYS をディスりたいわけではなく、もうちょっとコアな神姫ファン向けのストーリーを作ってもいいと思うんです(ただし携帯以外の媒体で。Forget-me-notのコミック早う)。 また、帯の【メカ×少女×ハードボイルド】、可愛らしいあんばる、そしてボリューム増し増しのおっぱい、と明らかに新規さんウェルカムな感じを醸しだしていますが、それなら中身も、もうちょっとあざとくしたほうが良かったのでは? と思わなくもありません。 15cm程度の死闘トップへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/883.html
第7幕「意思の同調状態」 TEPY SAMURAIのボディーを使用してはいるが、コアパーツにはTEPY DOGの物を取り付けている。ならばTEPYで呼称するのであればその神姫はハウリンであろう。 例えその殆どを紅緒のもので武装したとしても、やはり顔がハウリンならばそう呼ぶのが妥当ではないか。 大本がどうであれ、判別する為の材料としてまずコアパーツを見るのであれば、いくらその個体の大部分がTEPY SAMURAI 紅緒だとしてもそれは紅緒になりえない。 結城セツナの所有する武装神姫、焔はそういう位置に立つ神姫である。 そのバトロイは、圧倒的で劇的な、そんな結果を伴って終了に向かっていた。 戦いには相性というものが少なからず存在する。簡単に言ってしまえばジャンケンの様なもの。 グーはチョキに勝てるが、パーには勝てない。 実際はそこまで単純な話ではないのだが、それでも相性というものは戦いにおいて重要だ。 そしてそれは何も相対する敵との相性に限った事ではない。 個体間に差異の大きい武装神姫であるなら、組む相手との相性もまた重要である。 ティキと焔の相性は、元々一つであった何かが再び出会ったのかと言う位良好であった。 M・D・U『シルヴェストル』を装備したティキの姿を見たときは、さすがにセツナも焔も驚いた。 今までのティキとは明らかに違うそのシルエットは、その変化に見合うだけの力を持っていることが窺い知れる。 決して洗練されてはいないのだが、そこには様式美ではない美しさが見て取れた。 一方焔は相変わらずオフィシャルな武装を組み合わせた姿である。それでも今までの装備とは違っていた。 外套を外し、黒き翼、悪魔の翼を装備する事をやめ、ツガルの背部ユニット、レインディアアームドユニット・タイプγに差し替えてあった。起動性能が落ちた分は、鎧の各所にスラスターを増設して補っている。 まるで武者なんとかみたいな有様ではあるが、そこにはある種の洗練されたまとまりが感じられた。 「索敵と援護射撃は任せて欲しいのですよぉ♪」 ゲーム開始直後、焔に自信満々でそう言ったティキは、その言葉を証明して有り余るほどの働きを見せる。 高速で移動し、位置をそのつど変えながらも的確に攻撃。その間にも次の敵を正確に察知する。 その援護を受けながら、焔は自身の得物、斬破刀“多々良”を振るい効率よく敵を殲滅していった。 焔もセツナも、正直二人の成長に驚いていた。もちろん焔は自身の中にある海神の残したデータと比べて、ではあるが。 わずか二月の間に性能任せの力押しはなりを潜め、的確な状況判断の下に行動する姿がそこにはある。 それでも武装は多分に趣味的ではあるのだが。 目の前の敵は、ティキの援護の甲斐もあってか一刀の下に両断された。 焔は初めて実感として経験するティキとの協力プレイに、今まで神姫相手に感じた事の無い頼もしさを得る。 「?」 神姫相手に始めて感じる感情。でもその感情そのものは、決して初めてのものではない。 それに思い至り、焔はしばし動きを止める。 「うに? 焔ちゃんどうかしたのですかぁ?」 不意に動きを止めたパートナーにティキは声をかける。 「あ、あぁ。大丈夫……」 ごく普通の、相手を気遣った当然過ぎるやり取り。 当たり前の反応で、当たり前すぎる行動。 お互いに信頼しあう間柄で交わされる、他愛も無いもの。 だけど だけど……? 『結城さん』 セツナにのみ届けられる雪那の声。インカムを通した、極めてパーソナルな通信。焔にも、ティキにもその声は届いていない。 「……何?」 ゲームが終了した訳でもなく、実際にまだお互いの神姫は他の敵と戦っているが、この調子ならしばらく指示を出す必要もなさそうだった。 実は雪那は最初からこのタイミングを狙っていた。焔やティキに話を聞かれない時機を窺っていたのだ。 『いや、僕で結城さんの力になれるのかな、って』 あまり頼りになりそうには聞こえない、弱気な口調。 セツナは少しだけ逡巡する。 そして少しだけの決意をこめて、言葉を紡ぐ。 「うん、ありがとう。……唐突なんだけど、実はもう海神はいないの」 『…………』 インカムの向こうで、息を呑む音。 「それで、新しく焔を起動したんだけど、私あの娘にどう接して良いのかわからなくて、ね」 『……うん』 「別に、海神の代わりにあの娘を起動させた訳じゃないわ。言い訳に聞こえるかもしれないけど」 わだかまっていた感情が、決壊しそうになるのを感じる。 頭の隅にいる冷静な自分が「無様」と言っている。けど、感情が迸るのを止められない。 「ねえ、私があの娘を好きな様には、あの娘は感じてくれないのかな?」 普段とは違う、少し幼い口調。 「私、焔に嫌われてるのかな?」 声に湿り気が混じる。 常識は「神姫がオーナーを嫌う事はありえない」と告げる。が、焔はあの海神のCSCをそのまま使っているのだ。ならば焔が「オーナーに対して好意的な関係を望む」とは限らない。 海神とは、そういう存在だった。 だから だから……? だけど自分はご主人にその当たり前をしていたのか? だから自分は焔を常に信じ切れなかったのか? ただ決め付けて ただ望みすぎて 本当の意味で、自分の事だけしか思いやれずに 私は ワタシは 『きっと色々思い出して、考えたらそんな事無いってわかるはずですよ』 インカムを通して聞こえる優しい声。 『嫌っている相手のために何かを頑張るなんて事は、人間だって神姫だって出来っこないんですよ? だったら、焔も結城さんも、お互い好き合っているに決まってます!』 そうだ。焔が何で海神のデータを欲しがったのか。 それは焔自身の為ではなかったのだと、セツナはようやく思い至った。 きっとそれは私の為。 「あ……」 「? やっぱりどこか怪我でもしたですかぁ!?」 ようやく焔は思い至る。 「違う。そうじゃない」 ワタシに海神のデータを入れることになんであれだけ躊躇したのか。 それは焔が海神では無いから。焔は焔でしかない。焔にしかなれない。 だからセツナが見せたあの躊躇は、海神の為ではなかった。 それはきっと焔の為。 「本当に、嫌われて無いかな?」 答えは見つかったのに、わざと甘えるように聞く。 自分以外の誰かに、口にして欲しくて。 『当たり前です。こういう言い方は失礼なんですけど、二人とも相手を気遣いすぎなんですよ。……不器用すぎです』 雪那は笑う。 その笑い声も耳に心地よい。 『だから結城さんはいつかのゲームのときに海神に見せた、あの誇らしげな顔で焔を迎えるだけで良いんです』 私はその時どんな顔を彼に見せていたのだろう。 初めて雪那と出会った時の事を思い出しても、うまく思い返すことは出来ない。 『海神の事、信頼していたんでしょ? そして焔の事も信じたいんでしょ? なら考えすぎないで、感じたままに接すれば良いんですよ』 言われて初めて自覚する。 私は海神をパートナーとして信頼を寄せていたんだ…… セツナの目には一筋の涙。 焔、ごめんなさい。私は海神をちゃんと大切に思っていた。 次いでもう一方の目からも涙が零れる。 そして焔。私、貴女の事も負けないくらいに大切に思ってる。 友人として新たな関係を築かねばと、そこに囚われすぎていた。本当はそんな事を深く考える必要など無かった。 「いきなりで申し訳ないが、ティキ。ワタシは焔以外の誰かになれるだろうか?」 振り返り、焔は真っ直ぐティキの目を見る。 「? 焔ちゃんは焔ちゃんなのですよぉ? 焔ちゃん以外の誰かになんて、なっても意味が無いのですよぉ~♪」 意味が解らないながらも、ティキははっきりと答える。 「ティキはそう思うのですよぉ♪ それに……」 ティキは少しだけ間を開ける。 「海神ちゃんも、そう言ってたのですぅ☆」 焔の内に海神の『記録』はあっても『記憶』は存在しない。だから、その『記憶』は焔の中には存在しない。 だが だが、海神がそう言ったのであれば、それはセツナの意思と同じなので、それは焔の中にも受け継がれているのではないのか。 思い至り、そして焔は思い出す。 『正式名称の方はただの飾りだから』 その言葉は一番初めにセツナが言った言葉。 それは何よりも焔が海神とは違う存在だと宣言していた。 セツナが焔に望む事。それは焔が焔でいるという事だった。 「は……ははは。ワタシはただの飾りに振り回されていたのか」 到ってみればその答えはあまりにも単純で。 ゲームの最中だと言うのに焔は声を上げて笑った。 最初から、セツナと焔はお互いを思いやり、大切に思っていた。 そして、だから、どうしても、どうしようもなく、すれ違ってしまった。 絆は初めから判りやすい位に堂々と存在していたのに。 「『ありがとう』」 セツナは雪那に 焔はティキに その同じ刹那に同じ言葉を送る。 雪那は照れたように笑い ティキは満面の笑みを浮かべて 『『まだゲームは終わって無いですよ』ぉ♪』 「そうね」 『その通りだ』 そう、まだゲームは終わっていない。 『敵機確認したですよぉ~♪』 そういうなりティキは再び空へと舞い上がる。 そのティキを確認することなく、焔は迎撃体勢に移った。 セツナと焔はやっとスタートラインに立つ。ゲームは、これから。 トップ / 戻る / 続く
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1573.html
過去と流血に囚われし、嘆きの姫(その二) 第三節:怨霊 ゆっくりと、幽鬼の様な動きでその姿を見せたのは……神姫ともその他の MMSとも判断しがたい、軍隊風の装束に身を包んだ12センチの少女だ。 否……軍隊風、というのは正確でない。どちらかというと“戦闘機”だ。 流暢な日本語で捲し立てるその娘を見て、私は率直にそんな印象を抱く。 「来るなって、言ってるでしょ!?……貴女、やっぱり当局なのね!」 「日本語が分かるのか。いや、私達は権力を持たぬ……只の民間人だ」 「嘘よ!アタシを叩き壊す為に来たのよ、奪う為なんだわ!そうよ!」 「マイスター、この娘……脚が……ううん、腕も全部……武器ですの」 ロッテが青ざめた様な表情で呟く。彼女の言う通り、私達の眼前に居る MMSの姿は酷く歪だった。両脚が、無骨な武器に置換されていたのだ。 左脚は、膝にパイルバンカーらしき杭が見える。脛にもシリンダー風の 構造物があるが、これも恐らくは何らかの武装だろう。足は人のそれと 違い、ソリの様な板状の装置になっていた。右脚も同様だが、こちらは 膝にアンカーの様な物とリールが見て取れた。ワイヤーランチャーか? 両腕には重火器風の鉄塊がぶら下がっており、掌も無骨な鉄拳である。 「絶対そうだわ……そんな眼でアタシを見て、貴女も憎いのよッ!!」 「憎い、かどうかは分からぬ。そなたは、コレと関係があるのか……」 「そんな事どうでもいいでしょ!?どうせ全部分かってるクセにッ!」 彼女はストイックかつ無骨な姿とは裏腹に、ヒステリックな声で叫ぶ。 背にセットされている二本の曲剣には深紅の染みが幾つかこびりつき、 その腰には鉄で出来たスカートと……無骨な拳銃が二挺下がっていた。 更に肩胛骨の辺りには、巨大な二枚のバインダーと三角形のユニットが セットされていた。先程は、これを利用して飛んでいたのだろう。だが そんな武装と胸元の装甲板を揺らして、彼女は尚も狂った様に吼えた。 「そうよ!“ドクトル”や“マヨール”を殺して“妹”達も壊して!」 「……マイスター、この娘ひょっとしたら……アレかもしれないもん」 「アレって何!?人間の味方気取ってるんじゃないわよ、ガラクタ!」 クララが私に耳打ちするのを、彼女は聞き逃さない。しかし、ここまで 過敏になっているというのはやはり“AIPTD”か何か……ともかく 超AIに対して強いプレッシャーが掛かっているのは、疑い様がない。 単に凶暴化しているにしては、被害妄想が強い気がするのだ。無理矢理 そういう調整をされたのかもしれんが、ともあれ彼女は何かおかしい。 単純に殺人の命令を受けている、という訳でもなさそうだが……むぅ。 「……ガラクタなんかじゃないです!あた……この娘達は違います!」 似た様に一度人間を拒絶した茜……アルマが、咄嗟に叫んだ。慌てて、 『あたし達』という言葉は呑み込んだが、彼女は既にお見通しだった。 小刻みに震える手で茜を指差し、彼女はキッパリと言い切ってみせる。 「何言ってるのよ!声や動きで分かる、アンタもその玩具達と同じよ!」 「うっ……そうです、あたしも武装神姫。貴女だって、そうでしょう?」 「違うわよッ!!あたしは……あたしは“ロキ”!あたしは……ッ!!」 アルマの正体を看破した所まではいい。だが彼女は、その後の言葉が全く 続かない。ロキという名を告げた所で、激しく肩を振るわせ始めたのだ。 ……数秒の沈黙を破って、呪いを吐き出す様にロキは己の正体を告げた。 「“戦略級殲滅型MMS”……“ハザード・プリンセス”の零号機よ!」 「ハザード……プリンセス?“ラグナロク”が創った、MMSの名か?」 「ッ!?やっぱりアンタ、知ってるのね!絶対、壊しに来たのよッ!」 私の呟きに、ロキが再び烈火の如く激昂する……歩姉さんを殺したMMS。 そんな“予感”に囚われる意識を振り払い、私は彼女を見据えた。躯は、 武装神姫と何ら代わらないサイズである。これをテロや暗殺に用いようと 企んだ“ラグナロク”の邪心に、吐き気さえ催す……が、ここは我慢だ。 「落ちついてくれ、私達は壊しに来た訳ではないのだぞ……ただな?」 「嘘だッ!!そう言って人間は、アタシ達を騙して壊したのよ!!?」 「えと……さっきから、壊した殺したって……話が見えてきませんの」 「トボけないでガラクタッ!人間は、飽きたら玩具を棄てるのよ!?」 錯乱しているのか何なのか……至極真っ当なコミュニケーションさえも 成り立たないまでに、ロキは怒り狂っていた。いや、むしろこれは…… そう、“憎悪”。世の全てを恨み、嫉み……憎み、蔑む。そんな姿だ。 神姫にも“心”がある以上、そういう感情に支配される可能性はある。 だが、いざ目の前にすると……これ程まで憎悪の力は強いのかと思う。 「ロキ、と言ったか……そなたを使役する“ラグナロク”の……」 「いないわよそんな奴ッ!?もう誰も、アタシの側にはいない!」 そんな彼女を目の前にして、私達の心によぎったのは……哀しみだった。 歩姉さんの仇かもしれないMMSなのに、何故そこまで世界を憎むのか…… そうまでに歪み腐れ傷ついた“心”の存在が、とても哀しく思えたのだ。 「……私は本当に、お前の身に起きた出来事を知らぬ。話してくれぬか」 「ふん!何処まで嘘ばかり言えば気が済むの!?良いわ、言ってあげる」 「お願い、なんだよ……それを知れば、ボクらにも何かできる筈だもん」 「無理ね。むしろアンタ達も、“人間”から今すぐ逃げたくなるわよ!」 ──────何が、あったのかな……道化の神に……? 第四節:憎悪 “道化の神”の名を冠するMMSは、シェードの深奥に隠された瞳で私達を 睨み付ける。表情こそ見えぬが、明らかに殺気の混じった視線を感じる。 そして、一拍置いてから彼女は語り始めたのだ……己の呪わしき宿業を。 「アタシは、“ラグナロク”の博士……“ドクトル”に作られたのよ」 「……そう言えば、戦略級とか零号機と言っていたな。試作型なのか」 「そうよ。アタシは後に産まれた十二人の“妹”達……その姉だった」 私は話を聞きながら、納得する。彼女の装備は、全て人間社会に対する “兵器”なのだと……そう、彼女は『人間を殺す為の兵器』なのだと。 しかし、必ずしもそれだけではなかったという痕跡も……見えてくる。 「人間の顔なんてないカメラアイの妹達もアタシも、皆大事にしたわ」 「大事にって……商品のサンプルだからって意味、じゃないのかな?」 「違うわ!それもあったかもしれないけど、色々遊んでくれたのよ!」 ロキは語る。自分達の閉じた世界で、なお創ってくれた人間……そう、 “ラグナロク”の面々は人間味溢れる態度で、彼女らを愛したのだと。 クララの抉る様な質問を、血を吐く勢いで否定したロキの態度が証拠。 「イタリアで、電車を“プラズマ・ボマー”で壊した後だってそうよ」 「ッ!?……い、イタリア……?その時に、創造主はなんと言った?」 「何も言わないわ!でも、撫でてくれたのよ……笑ってくれたのよ!」 神姫は須く『マスターの為にある事』を第一義として生きる。ならば、 神姫の試作品を元として産み出されただろうこの娘も、神姫達と同じく 『自分を使ってくれる人の為に働く』事を、その喜びとしていたのだ。 目の前のロキが歩姉さんを殺した……その事実と、神姫としての因子を 受け継いでいた哀れなる姫。二つの事象が、私の中で渦を巻いていく。 「最初は“ベルンハルト”も“マヨール”も、冷たかったけど……でも」 「でも、その内に笑って貴女を抱きしめたりしてくれた……んですか?」 「そうよッ!他の人間なんか知らない、アタシ達の大事な人だったわ!」 「例えどれだけの人間を殺しても、その人達が笑ってくれるなら……?」 「構わないわ!だから……だから、アタシは望まれるままに戦ったの!」 彼女の腰に下がる血塗れのマチェットが、その歴史を証明する物だろう。 神姫のサイズならば、爆破工作だけと言わずに様々な裏の仕事が出来る。 ……残酷な様だが、理論上は非常に効率的だった。唯一の誤算は、作った “ラグナロク”の連中自身に、制御し切れない感情が産まれた事だろう。 そしてその“想い”は、知らず知らずにロキを“道化”へと換えたのだ。 「でも……でも、そんな事をした為に“ラグナロク”は壊滅しましたの」 「そうよ!アタシは皆に笑ってほしかっただけなのに、他の人間がッ!」 ただ愛するが故に屍山血河の道を突き進んだロキは、しかしその行いが 遠因となって、愛する人達を永遠に喪ってしまったのだ。自分がいくら 悪を為していたと認識しても、“想い”はそう簡単には精算出来ぬ物。 「あいつらは、あいつらは……何も言わずに皆を撃ち殺したのよッ!」 「……そう言えば“妹”さんは、その時どうしていたんですの……?」 「八人が人間達に壊されて……四人が、何処かに連れて行かれたわッ」 ロキの声が震える。彼女の脳裏に浮かぶのは、楽しかった思い出か…… それとも“悪”として滅ぼされた、愛する人々と“妹”達の断末魔か? “神々の黄昏”という名に相応しい、苦い余韻を伴って組織は滅びた。 だが唯一この世に遺されただろう彼女の“心”は、果たしてどうなる? 「“ベルンハルト”は、自分を盾にしてアタシを逃がしてくれたのよ」 「……そして、この東京まで逃げてきたのかな?たった一人で……?」 「一人じゃないわ!運び屋が持ってきたの!でも、でもアイツら!!」 そして……そんなロキの傷心に毒を塗り込んだだろう“運び屋”。やはり その者は二流……神姫を扱う者としては、三流以下のゲスだった様だな。 ……そう。私はこの時、ロキが最早『神姫と同じ娘』に見えていたのだ。 私の心を揺さぶる様に……ロキが、己に降りかかった最期の災厄を語る。 『畜生、ベルンハルトの奴!こんな玩具を俺に寄越しやがって……ッ』 『な、何するのよ!?やめて、こんな暗い所に押し込めないでよ!!』 『煩ぇ!お前の運び先なんて教えられてねぇんだ!人形が喋るなッ!』 『嫌!なんて突然、皆怖い顔してるのよ!?“マヨール”だって……』 『黙りやがれ!お前がはしゃいだ所為で足が着いたんだろうがッ!!』 『ぁ──────ッ』 あくまでもその運び屋は“荷物”としてロキを認識したのだ。恐らくは、 それまでロキが触れる事の無かった、組織の末端だったのだろう。信じる “ラグナロク”の構成員に、邪魔な玩具として扱われるという仕打ち…… 彼女に産まれた“人への憎悪”を増幅したのは、間違いなく彼らだろう。 そして恨みを払拭する事もなく……彼らはロキのシステムを停止させる。 彼女はスリープ状態でも記憶・記録を整理し続け……憎悪を、純化した。 「……気が付いたら、箱の中。それを破壊して出てきたら、ここよ!」 「自分でも知らない内に、秋葉原まで持ち込まれて……なの、かな?」 「そう、アタシはここで“棄てられた”!人間なんて、そんな物よ!」 ──────人間の為に、生きて……人間に、殺されたんだね……。 第五節:疑念 彼女は……ロキは、泣き叫んでいた。無論だが、涙を流す機能は備わって いないだろう。仮に備わっていたとしても、このヘルメットでは見えぬ。 下手をしたら、シェードの下にあるのは単なるカメラかもしれない。だが 私は……私達“四姉妹”は、強く感じていたのだ。哀しき“神の涙”を。 「アタシは、だから……自分が壊れるまで、復讐する事にしたのよ!」 「復讐?……人に、ううん。人間の存在する文明全てに……ですの?」 「そうよッ!もう、人間なんて信じない!だから、全部壊すのよ!!」 モノトーンの躯を揺らし、彼女は強い怨嗟の声を上げた。己を裏切った この世全ての悪となり、何もかも打ち砕くと吼えたのだ。しかし……。 「どうして、ですか?もう一度、誰かを信じてみる気になりません?」 「なるわけないでしょ!そう言う人を皆殺しておいて、何を言うの!」 「しかしだ……お前が愛して信じていたのも、また同じ人間なのだぞ」 もし彼女の語った事が全て真実ならば、私は彼女を止めねばならない。 無論、それは彼女を壊して『正義の為に戦う』等という、偽善に満ちた お題目を吐く為ではなく……私のエゴとして、彼女に止まってほしい。 「違うわ!同じ人でも、あの人達と他は違う!違うのよッ!そう……」 「ッ!?マイスター、下がって!拳銃を抜いた……撃たれるんだよ!」 「アンタも違うッ!冷たくてゴミみたいで、居る価値もない人間ッ!」 しかし憎悪に振り回されていたロキは、初めて遭った私の言葉を聞かぬ。 腰に下げていた両手の拳銃を抜き、私達にその照準を合わせたのだ……! いや、違う!この銃口の向きは……ロッテとクララか!?私は、焦った。 「そうね、このガラクタを壊せばハッキリするでしょ!そうでしょ!?」 「だ、ダメです!この娘達を撃つなら、まずあたしから撃って……ッ!」 「嫌よ!まずこのガラクタから壊して、それから殺してあげるわ……!」 『だめッ──────!!!』 ロキの厳つい指が動き、拳銃の引き金を引いた。先程の爆発と同じ様な、 プラズマの波紋が空気中を伝わり、文字通り光の速さで弾が飛んでいく。 ……最早、思考さえも追い付かない刹那の瞬間。私は、無意識に動いた。 「……ぐ、ぅぅ……!?……くぅ、手が……痛い……なッ」 「え……嘘?マイスター、何を……してるん、ですか……」 「……そんな、マイスターの手が……血が、流れてますの」 「ボクらを、庇って……手で、弾丸を受けたの……かな?」 皆が気付いた時、私は二つの弾丸を手に受けていた。咄嗟に両手を伸ばし 茜の肩にいるロッテと、己の肩に座ったクララを庇ったのだ。幸い、指は 全て付いている。激痛で意識が消し飛びそうになるが、深い傷ではない。 だが伝う血は涙の様に零れて、地と私の手を濡らす。そして彼女は……! 「嘘よ……嘘、嘘よ嘘!嘘よッ!?何故、そんなのを庇うのよ!?」 「……彼女らが、私の大切な“妹”だからだ。護るのは、当然の事」 「嘘ッ!人間なんか、アタシ達なんてどうでもいいんでしょ!!?」 「……誰が何時、ロキ……お前をガラクタと言った。全くもう……」 他ならぬ彼女……撃ったロキ自身が狼狽えていた。私だって、何故こんな 無謀な事をしたのか、と問われると……これしか応え様がない。しかし、 これで分かった。彼女は、己を“要らないガラクタ”と思いこんでいる。 となれば、彼女の憎悪を解きほぐす糸口も……見えて来るという物だな。 「……わからないわ。わからないわよ!何故、人間なのに何故ッ!?」 「マイスター、血が出てます!これ、早く止めないと……拙いです!」 「気をしっかり保ってほしいんだよ、マイスター!……今は、退いて」 「マイスターを、やらせはしませんの……ここは、退いてください!」 ロッテもクララも、私の身を思い量って“魔剣”を手に盾となる。茜は、 HVIFを纏っているのも忘れ“アルマ”として、私を抱きかかえる…… 血の流れに意識が遠のきつつも、“妹”達の勇姿はしっかり見えていた。 「なんでなのよ!?人間なんて身勝手で怖くて、庇っても意味無いわ!」 「意味は、ありますの……この人は、わたし達の“愛する人”ですのッ」 「愛する人の為に戦ってきたのは、他ならぬ貴女がやった事なんだよ?」 「だから、あたし達は……マイスターの、晶さんの為に戦うんですッ!」 「……わからない。アタシ、人間が分からない!貴女達も分からない!」 明らかな怯えの色を見せつつも、ロキが背中の翼を広げる。悪魔のそれを 想起させる変形を見せたバインダーを使い、彼女は東京の空へと消えた。 追い掛ければ届くのかもしれないが、今の私に追い縋る事は叶わぬ様だ。 「行っちゃいました……それより、マイスター!?大丈夫ですかッ!?」 「これは……一応掛かり付けの外科医さんが近所にいますの!そこへ!」 「分かったんだよ!マイスター、気をしっかり保って。傷は浅いんだよ」 「すまないな、皆……痛ッ!何、かすり傷だ……大した事は、ない……」 ──────哀れな姫様を、きっと助けてあげるからね……? 次に進む/メインメニューへ戻る