約 4,414,323 件
https://w.atwiki.jp/moonbasex/pages/114.html
名前 トランスフォーム なまえ とらんすふぉーむ Name TransFormm カテゴリ その他 トランスフォーマーが変形する行為の事。これは種族問わず共通で使われる。 作中では指令等で使われ、日本版では変形時の掛け声としても用いられた。 ビーストウォーズではこのトランスフォームとは異なる掛け声があり、 ビーストモードからロボットモードになるアクティベーションコードとして用いられた。 但し、変形するという意味ではトランスフォームと呼ばれる。 戻る
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/642.html
【匕首】 睦月透真の使っている匕首。 元は透真の父が持っていたものである。 【『死』@操り世界のエトランジェ】 闇宮冥の特注武器『刻死夢葬』の『死』の部分。 かなり大型のリボルバー。威力が普通の拳銃の何倍。 掠っただけでもアウトである。ちなみに二挺セット。 【黒の手袋@操り世界のエトランジェ】 一巻で闇宮冥がカタナとの戦闘で使っていた黒の手袋。 刀とも打ち合える代物。中に何か仕込まれているのであろう。
https://w.atwiki.jp/xpower/pages/55.html
SGTポイントランキング第2戦終了時点 順位 NO, マシン ドライバー ポイント ペナルティ、警告回数 1 3YELLOWHAT YMS トミカ GT-R porche 17p ペナ 0 警告 1 2 18 TAKATA DOME NSX kou 17p ペナ 0 警告 2 3 23 XANAVI NISMO GT-R tim 15p ペナ 0 警告 0 4 39 DENSO SARD SC430 kento 15p ペナ 0 警告 1 5 12 CALSONIC IMPAL GT-R amgc 8p ペナ 0 警告 1 6 24 WODONE ADOVAN GT-R silver 0p ペナ 0 警告 1 6 8 ARTA NSX nadeaki 0p ペナ 0 警告 1 6 22 MOTUL AUTEC GT-R nishi 0p ペナ 0 警告 0
https://w.atwiki.jp/sstoujyou/pages/220.html
オープニング・セレモニー 一日目・昼 絢爛舞踏祭コース コースA 一日目・夜 コースC(式神コース) 3日目・朝 絢爛舞踏祭ルート コースA 4日目・昼 絢爛舞踏祭ルート Aコース 5日目・昼前 絢爛舞踏祭ルート Aコース 7日目・朝 Aの魔法陣による大絢爛舞踏祭 A・G共同コース ボーナストラック レムーリアルート1 Hコース 9日目・深夜 絢爛舞踏祭ルート ボーナストラック1 Aコース 最終日 再生 浮上3 戦闘詳報5 戦闘詳報7 戦闘詳報9 戦闘結果&…… リプレイ Aの魔法陣によるクリスマス前夜 ヤガミ風味 BALLSボーナストラック ドランジ ライト板の奮戦 白いオーケストラ ライトパート1 戦闘詳報4 主戦線の崩壊 戦死10 大敗 行方不明・死亡リスト ヤガミ復活作戦(1) 敗者復活GAME その1 特別篇 Aの魔法陣による白いオーケストラ(2) 特別篇 Aの魔法陣による白いオーケストラ(3) 作戦名カウンターアタック 参加要綱(改定3) カウンターアタック 原型および参加NPCリスト(改定2) カウンターアタック作戦 戦闘詳報1 開戦前 NOTボーナス PS2版大絢爛舞踏祭 5日目(昼)14 大絢爛舞踏祭コース4(主人公不在の日) 13日目(昼)38 エステル&ドランジ(1) 最終日(昼)47 コウタロー&アプロー 違います 最終日(夜)54 コウタロー&アプロー ちゅどーん バレンタイン御礼2 ゲーム結果:イベント40 キノウツンの誇り(大勝) 物語で見るイベント40の結果 是空ぎゃふん ゲーム結果 イベント59 黄金戦争開幕(世界忍者国編) イベント62 ドランジ探し ゲーム結果:イベント62 ドランジ探し EV72 ゴロネコ藩国戦 裏マーケットボーナス 鍋の国 すぺしゃるイベント第3段階 全ニューワールドお見合いコンテストの妨害 イベント102 白いオーケストラ再びプレイログ(後編) まきの誕生日:7時間目舞花初デート ゲート開放率39% まきの誕生日:12時間目GENZと冴月の友情 ゲート開放率84% クリスマスプレゼントのお返事(5) クリスマスプレゼントのお返事(6) 【同一人物】 カール・T・ドランジ / カール・ヨウヘイ・ドラケン / カール・ドランジ
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2989.html
841 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 28 11 玉から陶器へ。 提督たちの憂鬱 支援SS 憂鬱英国コンピュータ事情 第2次大戦時、枢軸側に比べ戦力的に劣勢な英国は、少ない戦力を有効に活かすためにそれこそ死に物狂いで暗号の解読を行った。コンピュータの開発もその手段の一つであった。 事実、英国における最初の第一世代コンピュータは第二次世界大戦の期間中、ドイツの暗号通信を読むために開発されたコロッサス(Colossus)である。真空管を1500本使用した初期モデルのMk.1から、真空管を2400本使用のMk.2にまで発展し、枢軸側の暗号解読に威力を発揮した。 コロッサスは(極東のチートを別とすれば)世界初のプログラム可能な電子デジタルマシンであったが、プログラムは内蔵式ではなく、新たなタスクを設定するには、オペレータがプラグ盤とスイッチ群を操作して配線を変更する必要があった。それゆえに汎用性はなく、計数とブール演算という暗号解読に特化した存在であり、コンピュータと言うより単なる強力な計算機械といった存在であった。チューリング完全な真の汎用コンピュータが登場するのは戦後になってからである。 解読至難と言われたエニグマ暗号、そしてさらに複雑化されたローレンツ暗号をも解読することに成功した英国は、戦力を効率的に配分することによりバトル・オブ・ブリテンを戦い抜くことが出来たのである。その結末は停戦という名の実質敗戦であったが、ドイツ側との戦力差を考えると大健闘であった。 英国を存亡の危機から救ったとも言えるコロッサスと、その開発運用に携わったブレッチリー・パークの科学者達であるが、彼らは戦時中からある疑念を抱いていた。それは敵国ドイツではなく、友軍であるはずの日本軍に対してであった。 バトル・オブ・ブリテンを英軍と共に戦い抜いた日本軍であるが、遠く離れた欧州の地で作戦行動を行うためにある程度独自の裁量権を持たされていた。とはいえ、それでも本国との連絡は欠かせない。定時通信やその他諸々で、日本への通信量は膨大なものとなったのである。 日本軍の無線は英国側でも傍受しており、その中には明らかな暗号電文と思われるものも多数存在した。解読を試みたのであるが非常に強固な暗号であり、従来型のコロッサスでは解くことが出来なかったのである。 『日本はドイツはおろか、我が国よりも強力な暗号とその作成機を実用化している』 これが当時のブレッチリー・パークの科学者達の認識であり、また悩みの種でもあったのである。そのため、日本軍が使用している暗号と将来的に変更されるであろうドイツの暗号に対応するために、より高性能で使い勝手も向上させたコロッサスMk.3が開発が開始されることになる。 842 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 32 28 1943年初頭。 対日戦における度重なる敗北と、遅々として進まぬ巨大津波被害からの復興、さらに極めて致死率の高い新種の疾病(アメリカ風邪)と異常気象により多数の犠牲者が出たことで、合衆国民の不満は頂点に達した。米国東部で発生した反乱は拡大の一途を辿り、アメリカ東部は完全な無政府状態と言っても良い状況となった。内と外の両面から攻められたアメリカはここに崩壊したのである。 世界の工業生産の半分を占め、莫大な富を蓄え、さらに侮れない技術力、科学力、軍事力を持っていたアメリカが崩壊したことは世界中に衝撃を与えたのであるが、それ故に放置しておくことは出来ない問題でもあった。英国を含む欧州列強は、災害救助の御旗の元に旧北米大陸に進出したのである。 災害救助という大義名分があり、実際に被災者救助も行っているものの、実質的には欧州列強による崩壊したアメリカの資源と利権の切り分けであった。その際に問題となったのは、当然のごとく分け前の配分である。停戦したとはいえ実質的には敗北していた英国は、利権確保で強硬なドイツ相手に強く出れなかったのである。頼りにしたい日本も英国の過去の所業のために完全に中立であり、喉から手が出るほどに欲しかった資源や利権の確保に遅れを取ってしまったのである。 資源確保である程度の妥協を余儀なくされた英国であるが、その分人材の確保に力を入れていた。各地に散ったエージェント達が疎開していた人材を見つけ出してスカウトしたのである。 彼らの多くはナチス政権を避けてアメリカに移住していたため、英国からの誘いを断ることは無く、むしろ積極的に自分を売り込んできた。このときにジョン・フォン・ノイマンや、ジョン・マッカーシーを得ることが出来たのは僥倖であった。彼らが英国のコンピュータ開発に大いに寄与することになるからである。 英国の人材確保はその後も行われ、結果的にかなりの数の(チート級)人材が英国へ渡ることになる。既に国境が確定していた1950年代以降もブリティッシュコロンビアへ亡命してくる人材が後を絶たなかったのは、裏を返せばドイツに対する評価への裏返しともいえた。横紙破り上等で国際条約無視は当たり前、さらに奴隷制を制度化して周辺国から収奪する等の所業で、ドイツに対する評価は地に落ちていたのである。 1944年になるとコロッサスMk.3の開発が本格化した。旧アメリカ人技術者の助けもあってか開発は順調に進み、1945年初頭には稼動状態となった。Mk.3は真空管を3000本使用しており、Mk.2よりも使い勝手と性能が向上していた。しかし、Mk.3の性能をもってしても日本の暗号を解くことは出来なかったのである。 843 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 35 03 1945年7月。 全世界の数学者と暗号技術者達のSAN値を直葬させる情報が世界中を駆け巡った。 スイッチング素子に真空管ではなく、今まで全く未知の存在であったトランジスタを採用した従来の常識を覆す新型電算機。後に『トランジスタ・ショック』と言われることになるトランジスタ型コンピュータの発表である。 真空管とは違い、球切れすることなく延々と高速計算が可能であり、しかもプログラムを変更することで多種多用な計算に対応することが出来ることは当時としては画期的なことであった。前述のコロッサスとは、プログラミングで計算内容を変更することが可能な点では同じであるものの、コロッサスのプログラミングは外装式でプログラム変更に手間がかかるうえに、可能な計算にも制約があった。対して日本のトランジスタコンピュータのプログラムは内蔵式で、手元のコンソールから簡単に変更可能という点でコンセプト的にコロッサスよりも遥かに進んでいたのである。 さらに恐ろしいことは、この画期的なコンピュータが10年前に開発されて秘匿されていたことである。極論であるが、科学技術の発達は計算機の発達の歴史と言っても過言では無い。人間が計算するよりも遥かに高速で間違い無い計算結果を得られるということは、それだけで大きなアドバンテージとなるのである。 特に物作りでは計算は必要不可欠である。構想がまとまっても、それを形にするには膨大な計算が必要となる。設計現場では手回し式計算機や計算尺の導入によって高速化が図られていたが、それでも人的ミスは避けられず、納期の遅れや設計変更が頻繁に起こっていたのである。 しかし、この新型コンピュータならそのような煩雑な作業から開放されるのである。設計段階でのロスが大幅に減ることにより、開発スピードは格段に向上され、それが10年続けばどうなるか…。日本が異常な発展を遂げた理由としては十分なものではあった。もっとも、完全に納得したわけでは無く、未だに日本に対して不審や疑いの目を向けている者もそれなり以上に存在していたのであるが。 844 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 39 00 日本のトランジスタコンピュータの発表により、コンピュータの重要性に気付かされた英国(というより円卓)は、官民挙げて開発に邁進することになった。 英国のコンピュータ開発であるが、開発目標は日本のトランジスタコンピュータそのものであった。その秘密を暴くために英国情報部は総力を挙げたのであるが、彼らの最初の仕事はコンピュータ関連の特許の調査であった。調査先は当然日本が最優先であったが、旧北米の特許も調査対象とされた。日本が旧北米の特許や技術を接収していることを掴んでいたからである。 日本におけるコンピュータ関連の情報収集の場となったのは駐日英国大使館であった。先年の夏にやらかしたある事件のおかげで、本国人とは違って日本人からは概ね好意的な感情を持たれていた。そのため、欧州枢軸側に比べれば比較的自由な情報収集が可能だったのである。彼らは特許庁に日参してコンピュータ関連技術の特許調査に明け暮れる一方で、現物の見学もしていたのである。さすがに中身は見せてもらえなかったのであるが、外見からでも得られるデータは貴重であり、特に機器のレイアウトや操作方法などの情報は大いに参考にされたのである。 なお、日本で入手した情報を国外へ持ち出すのには、マイクロフィルムを用いていた。外交官特権で持ち出すのが一番安全かつ確実なのであるが、万が一バレると外交問題どころの話では無いので、その隠し場所には細心の注意が払われた。コイン型の隠し容器に入れて財布の小銭と混ぜたり、シャツのカフリンクスに偽装した隠し容器に入れたりと様々な工夫を凝らすことになるのである。 マイクロフィルムでは間に合わない、緊急性を要する情報については暗号電文が使用された。駐日英国大使館の大出力アンテナから発信された暗号電文は、いくつかの中継地を経て英国で受信されていたのである。 暗号電文に使用された暗号は、いわゆるシフト暗号の一種である。文章を暗号ブックと重ねて、アルファベット順で数値化したものである。例を挙げると、暗号ブックがAで文章もAの場合は0を、暗号ブックがZで文章がXの場合は-2となる。極めて簡単な暗号であり、暗号ブックさえあれば、素人でも簡単に解読出来るシロモノである。 ただし、この暗号ブックが曲者であった。この暗号に用いる暗号ブックは一般書籍であり、英国ならばどこにでも売っている物であったが、日本ではまず入手出来ない超ローカルな書籍であった。それでも、同じ暗号ブックで繰り返し通信すれば、コンピュータで全数検索と頻度分析にかければ解読は不可能では無いのであるが、この暗号では2度と同じ書籍を使用しないようになっていた。いわゆる使い捨て鍵暗号であり、バーナム暗号の一種であった。 見た目は(中身もであるが)完全な一般書籍のため、大使館関係者が日本国内へ持ち込むのは容易であり、実際に日本側のチェックも素通りであった。日本側の暗号解読者たちは、一時期躍起になってこの暗号の解読に励んだのであるが、結局のところ徒労に終わっている。 845 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 41 23 旧北米での調査は、特許を管理・管轄するワシントンDCが津波で消滅してしまったために、困難を極めたのであるが、調査を進めるうちにユダヤ人物理学者ジュライアス・E・リリエンフェルドの特許をつきとめた。その構造は史実の電界効果トランジスタ(FET)と呼ばれているものに近いものであった。 特許自体は日本が接収してしまっていたのであるが、同様の内容でカナダでも出願されていた。 こちらは1945年に期限切れとなっていたので、カナダ側の特許を使用することに問題は無かった。ここから英国のトランジスタ開発が本格化していくのであるが、全くの手探り状態からのスタートであり、開発は難航することになる。 ちなみに、ドイツでも発明家のオスカー・ハイルにより、同様のデバイスの特許が出願されていたのであるが、こちらは当初は見向きもされなかった。日本のトランジスタコンピュータの発表により慌てて開発に踏み切ったものの、日本や旧北米から情報を入手出来る英国よりも悪条件での開発だったために、開発は遅々として進まなかったのである。 その代わりと言ってはなんであるが、ドイツは小型高性能の真空管を安価で大量に入手出来た。 対日戦に備えて旧テキサス州(現テキサス共和国)に移転していた真空管メーカーとその生産設備を利用出来たためである。奴隷を使って人件費を抑えた結果、低価格で大量供給が実現したためドイツのコンピュータ開発は真空管が主流となったのである。 テキサス共和国で生産された真空管は、当時開発が急ピッチで進んでいた真空管式コンピュータにはもちろんのこと、軍用としても大量に使用された。特に旧アメリカ人技術者達が開発したVT信管は当時としては画期的であり、その生産のために大量に使用されたのである。後にVT信管は、ドイツの職人的な凝り性と精密加工技術により、さらに小型化(40mm砲弾用)されて海軍や陸軍の対空兵装用として大量生産されることになるのである。 846 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 43 19 日本と旧北米で入手した情報はブレッチリー・パークの科学者達に検証され、それを叩き台にして技術開発が行われた。トランジスタコンピュータの発表に先立ち、日本側は厳重な特許防衛体制を敷いていたのであるが、日本におけるコンピュータ開発は既に20年以上の年月が経過しており、一部の特許は期限切れとなっていた。そのため、期限切れとなった技術から検証と開発が進められた。ブレッチリー・パークで開発された技術は、日本側の特許に抵触していないか厳重に調べられ、問題無いと判断された技術は民間に流されたのである。 その代わり、民間で開発された技術はブレッチリー・パークへ提供されていた。官と民でお互いに技術をフィードバックし合うことで、英国のコンピュータ技術の開発速度の向上と、技術レベルの底上げを狙ったのである。 肝心のトランジスタの開発であるが、開発の拠り所となったリリエンフェルドの特許は原理特許であり、一から検証を始めなくてはならなかった。こちらはブレッチリー・パーク内で極秘裏に研究開発が進められた。 トランジスタ関連技術は日本が完全に押さえていたため、日本側の特許を回避しつつ開発するという無理難題を強いられることになった。特許を無視してとりあえず開発だけでもしようという意見もあったのであるが、技術差が隔絶し過ぎて解析出来なかったため、地道に開発せざるを得なかったのである。 847 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 45 31 ブレッチリー・パークでは、トランジスタとは異なるスイッチング素子も開発されていた。 旧北米でスカウトされた、ジョン・フォン・ノイマンが開発したC可変型パラメトロンである。 史実では1954年に特許出願されているのであるが、個性の強い同僚達の影響を受けたのか、はたまた英国面に中てられたのかは不明であるが、1944年に実用化されている。技術的隔絶(テクニカルハラスメント)と特許回避で開発が難航しているトランジスタと比較すると、技術的に極めて簡単で、信頼性の高いスイッチング素子であった。 当時のスイッチング素子として主流だった真空管と比較しても、非常に安価で小サイズであった。演算速度は真空管に比べて劣るものの、真空管と違って球切れすることが無いために長時間演算することが可能であった。 パラメトロンのもう一つの長所として、即時性がある。真空管はヒーターが温まらないと性能を発揮出来ないのであるが、パラメトロンは電源を投入した瞬間にすぐに動かすことが出来たのである。 真空管コンピュータが、設置してから電源を入れるまでに細かい調整が必要だったのに対し、パラメトロン・コンピュータは、何もせずとも設置して電源を入れればすぐに使用可能だった。今日からみれば、電源を入れてすぐ動くのは当たり前のことなのであるが、当時としては驚異的なことだったのである。 パラメトロンの数少ない欠点として、素子の量産性があった。開発当時は、一つ一つを手作りで製作していたのであるが、単純な構造ではあるものの、フェライトコアに巻くコイルの巻き方にも独特のノウハウが存在し、慣れない人間が作ると性能を発揮出来ないこともあったという。 パラメトロン作りは、当時の未亡人や戦災孤児達の仕事として貴重な収入源となったのであるが、後に自動巻線機が実用化されて品質の安定化と、さらなる低コスト化が図られることになる。 848 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 48 52 民間におけるコンピュータ開発は、大学が主導していた。一例を挙げると、マンチェスター大学が開発した通称『Baby』、正式名 Small-Scale Experimental Machineは(チートを例外とすれば)世界最初のプログラム内蔵式コンピュータである。これは同大学のフレデリック・C・ウィリアムスとトム・キルバーンが開発を指揮したが、ウィリアムスが発明したウィリアムス管の実用性を評価するために開発された試験機であった。 その後Babyを叩き台にして、実用的なコンピュータ Manchester Mark I が開発された。 ウィリアムス管と磁気ドラムメモリを使い、インデックスレジスタという概念を初めて導入している。また、ケンブリッジ大学で設計・開発されたEDSACもプログラム内蔵式デジタルコンピュータであった。 (くどいようだがチートを例外とすれば)世界初の商用コンピュータは、マンチェスター大学に納入された Ferranti Mark 1 である。Manchester Mark I を元に設計されており、主な改良点は、記憶装置の容量増、乗算器の高速化、命令の追加である。基本サイクル時間は1.2ミリ秒で、乗算を約2.16ミリ秒で実行した。真空管を4050本使っており、その4分の1が乗算器に使われている。2号機がトロント大学に納入され、その後さらに改良を施した Mark 1 Star が完成している。 上述のとおり、民間では当初は真空管式コンピュータが主流だったのであるが、パラメトロン素子が公開されると、瞬く間にパラメトロン・コンピュータが主流となっていった。真空管と違って球切れすることがなく長時間の計算に耐え、圧倒的に安価で信頼性の高いパラメトロンは、予算難に喘ぐ大学の研究室に歓迎されたのである。 パラメトロンは真空管に比べて安価で信頼性の高いというメリットの一方で、以下の欠点も持ち合わせていた。 トランジスタに比べて消費電力が大きい。 トランジスタ計算機に比べて動作速度が遅い。 発熱量が大きく、動作周波数を上げるとコアが焼けて動作に支障が出る。 上記の欠点を持ちながらも、安価で確実に動作するコンピュータを作れるパラメトロン素子は魅力的であった。技術的隔絶と特許問題でトランジスタの実用化が進まないなか、唯一の実用コンピュータであったパラメトロン・コンピュータは、コア水冷化や並列計算、プログラミング手法の改良等、あらゆる手段で高速化が図られることになる。 小型高性能化、さらに実装技術の進歩によって、小さいものはは卓上式電子計算機(アレフゼロ101相当)、大きいものはNC装置(MELDAS 3212、MELDAS 3213相当)にまでパラメトロンが用いられた。史実日本ではわずか数年で歴史の影に埋もれたパラメトロンであるが、憂鬱英国では長らく使用されることになるのである。 849 :フォレストン:2015/08/02(日) 13 53 15 あとがき というわけで、改訂版です。内容を大幅に変更したので、タイトルも変更しました。 最大の変更点は、『未知なる黒い欠片』が入手出来なくなったことです。アレがあったからこそ改訂前はICの開発が多少なりとも捗りましたが、それが無くなったことで英国のトランジスタ開発は史実よりも遅れることが確定となりました。まぁ、ドイツはそれ以上にヤバいことになりましたが…(汗 パラメトロンですが、史実では故後藤英一氏によって発明されましたが、ほぼ同時期にジョン・フォン・ノイマンにより特許が出されています。史実のパラメトロンとは異なり、リアクタンス(L)ではなく静電容量(C)のほうを変化させるパラメータ発振を利用する素子ですが、ほぼ同一と言っても良いものです。史実よりも登場を大幅に早めましたが、まぁ、ノイマン自身が英国面に毒されたということで…(オイ パラメトロンでも小さい物は卓上電子計算機から、果てはNC機械まで作れるので、速度に眼をつぶれば悪くないのです。史実ではトランジスタの急速な高性能化によって姿を消すことになりましたが、この世界では大活躍出来るはず…! オスカー・ハイルはドイツの発明家で、史実では1934年にリリエンフェルドと同じようなデバイスの特許を出願しているので、ドイツでもトランジスタの開発は不可能では無いと思います。ただし、憂鬱日本からトランジスタコンピュータの情報を収集するのは、かなり難しいというか不可能に近いので、その点は英国と比べると不利でしょう。 どのみち、トランジスタ関連技術は日本がガチガチに特許防衛しているので、一から開発しつつ特許回避もしなければならない悲惨な状況は英国もドイツも同じなのですが…(汗 ドイツは真空管コンピュータが主力となりますが、単純な演算速度ならパラメトロンよりも上なので、真空管を安価に大量に入手出来るなら悪い選択では無いでしょう。VT信管としての使い道もありますし。 真空管コンピュータの長時間稼動の障害となる球切れには、システムを二重化することと、予防保守で定期的に交換することで対応出来るかと。史実のSAGEシステムですね。 今後の方向性としては、英国はパラメトロンの小型化高集積化と、ドイツ側は真空管の小型高性能化と定格を減じて長寿命化ですかねぇ。英国とドイツのトランジスタの実用化は早くても1960年代以降になるかと。そのころには日本ではLSIが普及してそうです(汗 駐日英国大使館が日本でやらかした事件については、拙作の『憂鬱英国駐日大使館事情』を参照ということで。あのシリーズも書き足りないから、思い切って改訂しようかなぁ? 英国大使館が使用した暗号ですが、バーナム暗号の一種です。絶対に敗れない暗号ですが、いわゆる暗号鍵の配送コストの問題で史実では普及していません。コスト度外視で即応性を満たせるのは、この方法のみだったので採用となりました。 バーナム暗号は暗号を送信するために、その都度新しい暗号鍵が必要となるので、大量の暗号ブックが必要となります。なので、事実上の駐日英国大使館専用暗号です。バーナム暗号だと気付かなければ、日本側の暗号解読のリソースを浪費させることも出来るかもしれませんが、逆行者の誰かが気付いてしまいそうですねぇ。
https://w.atwiki.jp/nikaunit/pages/262.html
[部分編集] メイジスタッフ B(宿場町) 鉱石16000 特殊能力【魔法】のダメージ20%UP シールドの効果を20%増加 Bランクの杖。20%と更にダメージが増える。 ウイッチや魔術師と組み合わせよう。 鉱石が足りない場合はソウルスタッフの代わりにアークメイジに持たせるケースもある。 名前
https://w.atwiki.jp/virtualrowa/pages/148.html
「あはは! 妖精さんこっちこっち!」 「今度は鬼ごっこよ、うふふ」 「待ちなさい、この……!」 甲高い声が街を飛び交っていた。追撃してきた妖精と、追いつかれる度に気ままに転移を繰り返すありすたち。 エリアを縦横無尽に行き来しながら、彼女らは「鬼ごっこ」をしている。 少女と妖精の鬼ごっこ、その幻想的な構図と、舞台となるアメリカエリアの灰色のビル群がひどく不釣り合いに見えた。 「あの娘たちも少しは待ってほしいなぁ」 彼女らを追うべくミアは街を走っていた。 一応同行者であるところのありすらは、自分には全く配慮する気はないようで楽しそうに妖精と戯れている。 空を気ままに行き来する彼女らの軌道は読めない。一度でも見失ったら、探すのにはひどく骨が折れるだろう。 (まぁ、それならそれで仕方ないか。追いつけないものはどうしようもないしね) それよりも気に掛けるべきはあの妖精の方かも知れない。 ありすたちの「鬼」をやっている妖精――前に会った女性PCはアスナと呼んでいただろうか――を視界に入れつつ、ミアは思う。 先ほどは戯れている、などという表現を使ったが、しかし当のアスナにそんな意識はないだろう。 恐らく彼女は、本気であのありすたちを討つつもりだ。憎しみを持って。 彼女が追ってきたのは少し前のことだ。 陽が昇り出した頃、最初と同じようにエリアを気ままに歩いてたところをアスナが見つけ、すぐさま鬼ごっこという名の追撃戦が始まり今に至る、という訳だ。 同行者であるらしかったあの女性PCは居なかった。はぐれたのか、それとも…… 涼やかな朝陽の下、耳をつんざくような爆音が轟いた。 「何だい、一体?」 見上げるとあるビルの一角から煙が立ち上っている。そしてありすたちの笑い声が聴こえてくる。 それを見て苛立ちを露わにするアスナの手元には、巨大な剣が握られている。 その剣に見覚えはなかった。なかったが、ミアは何か厭なものを感じ取った。 剣そのものにではなく、それを覆うように何か異質なデータがあるような―― 「このっ!」 声と共にアスナが剣を振りかざした。途端、剣から弾けるように黒い衝撃波が発せられ、ありすたちが居るらしいビルに直撃した。 再度轟音と共に爆発が巻き起こるが、同時にありすたちの幼い笑い声も響く。当てることはできなかったようだ。 (成程、あの武器はああやって攻撃するのか。でも何だかバグみたいなエフェクトだったなぁ) どこか見覚えがあるような現象にミアは頭を捻った。 と、そこで合点が行った。ウイルスバグ。The Worldに巣食うあの妙なモンスターと、あの剣の様子が似ているように思えたのだ。 (いや、似ているっていうのも違うな。一見して同じだけど、根元の方は寧ろ完璧に別物って感じかな……うーん、よく分かんないや) そもそもウイルスバグのことをミアはよく知らない。 カイトたちがあの素敵な『腕輪の力』を使って退治していることは知っているが、どうやらそれも残りカスのようなもので、既に大本の原因は片づけてしまっているらしい。 ミアが彼らに出会った時には、既に事が終わった後だったのだ。 少なくとも彼女が知る限りは。 「妖精さん、おもしろーい。もう一回やって」 「こっちよ、こっち!」 ありすたちの挑発するような声が響く。彼女らにしてみればただ純粋に遊んでいるだけなのだろうが、アスナとしては屈辱以外何物でもないだろう。 すぐさま剣による砲撃を行うが、ありすたちもまた転移しするりと攻撃を避けてしまう。 あの調子じゃ何時まで経っても当てられないだろう。遠目にもそう思えた。 「……駄目ね」 アスナ自身もそう判断したのか、去ってゆくありすたち見ながら空中で制止した。闇雲に追い回すのは止めたらしい。 そして考える素振りを見せた後、振り向き鋭い視線を向けた。 その様子を見上げていたミアに、だ。 次の瞬間、アスナの姿が視界から消え失せた。 「うわっと」 突如として狙いを変えたアスナが急降下しミアに襲い掛かってきた。 振るわれた大剣を『誘惑スル薔薇ノ滴』で弾き返しつつ、ミアは彼女に向き直る。 彼女は冷徹な口調で言った。 「答えなさい、貴方はあのアリスたちの何? 返答によっては容赦しないわ」 「イタタタ……危ないなぁ、全く」 「その反応を見るに貴方は参加者のようね、あの娘たちのジャバウォックと違って」 アスナは剣をミアに真直ぐと向け詰問する。変なことを言えばすぐさま砲撃されるだろう。 さてどうしたものだろうか、とミアが考えていると、ふと自分の身体がひどく重くなっていることに気付いた。 見えない力で上から伸し掛かられているような感覚があった。ダメージはないが、指を動かすだけでも結構な力がいる。 「逃げられないわよ、『減速』を掛けたから」 「……成程、その剣、中々面白いね」 どうやらこの現象、アスナのあの剣のスキルらしい。剣を中心にして彼女に渦巻くオーラを見てそうミアは当たりを付ける。 何にせよ、厄介なスキルだ。この状態で砲撃を撃ち込まれれば一たまりもない それこそありすたちのように転移という特殊な移動方法でもなければ、回避することはまずできないだろう。 (まぁ肝心の相手には逃げられてしまうんだから、攻撃側としては歯がゆかっただろうけどね) アスナの苛立ちを想像してミアは苦笑する。逃げるのは中々骨が折れそうだ。 「そんなにカリカリしないでさ。ちょっと話を聞いてよ。僕は別に君をどうこうしようなんて――」 「前置きはいから早く質問に答えて」 「……せっかちだなぁ、まぁいいや、えーとあの娘たちと僕はね……あ、まだ名前を言ってなかったね、僕はミア、よろしく」 可能な限り友好的に告げたつもりだが、しかしアスナは気に入らなかったようで、無言で剣を揺れ動かし苛立ちを示した。 怖い怖い。これ以上怒らせると本当に撃たれかねない。そう思ったミアは、とりあえず意に沿っておくことにする。 「僕とあの娘たちの関係か……うーん、ただの同行者ってところじゃないかな。 こんな場所でたまたま会ったからパーティを組んでみた、てだけだよ」 「このデスゲームが始まってから会っただけの関係、てことね」 「うんまぁそうかな。たぶんあの娘……ありすたちからしてみればそうだろうね。 僕としてはありすたちともっと仲良くして、他の人と繋がるってことを知って貰いたいんだけど……あんまり話を聞いてくれないみたいだ」 感情を込めてやれやれと首を振ったのだが、しかしアスナは既に興味を失ったのか、腕を組んで何やら考え込んでいる。 「アリス……本当にそんな名前だったのね。 それにしても鏡合わせのアリスに、猫……童話ね、これじゃ本当に」 「ふーん、君はそう思うんだ。でもここは現実だよ」 「言われなくても分かってるわ」 アスナはキッとミアを睨み付けると、鋭い口調でそう口にした。 そして「ここは現実よ」と語気荒く言い、 「確かに童話みたいで、俄かには信じられないことが続いてるわ。けれどもここは夢じゃない。 たとえバーチャルな世界であっても、ここに居る人間が現実を生きる命である以上、そこに差はない筈よ。 だからこそ許せないの。何時までも夢の中で遊んでいるあの鏡の国のアリスが!」 「確かにあの娘たちは何時も夢見てるみたいだね。自分たちだけで完結している。でもそれはちょっと勿体ないんだ。だからもう少し僕と話してくれると嬉しいんだけど……」 「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないわ」 ミアの言葉を遮りアスナは突き離すように言う。 「あのアリスたちは危険よ。放っておけばどんどん犠牲者を出すかもしれない……トリニティさんだって信じたくはないけどもしかして――」 と、その時だった。 強制的にメニューウインドウが開かれ、GMからのメール着信を告げるメッセージが表示される。 突然のことにミアは目を丸くする。どうやらアスナにも同じメールが届いたらしく、虚空を見てきょとんとした顔を浮かべている。 迷いつつもメールを開くと、そこにはGMからの無慈悲な通告――脱落者を始めとする様々な情報が記載されていた。 「……っ!」 アスナが息を呑むのが分かった。 目を見開き肩を震わせる。彼女もまたメールを開いたのだろう。そして恐らく脱落者に知った名があった―― 「悪いね」 アスナの様子からそこまで読み取ったミアは、そう一言前置きして行動を起こした。 アスナがメールに気を取られたことで『減速』は解けている。 ミアの行動に気付いたアスナがぱっと顔を上げるがもう遅い。彼女は対応を誤ったのだ。 装飾に彩られた細剣――『誘惑スル薔薇ノ滴』がアスナの身を捉えた。 「何……っ!」 アスナが困惑の声を漏らす。そしてすぐさま剣を振るおうとしたのだろうが――しかしその動きは途中で止まることになる。 第六相のロストウェポン『誘惑スル薔薇ノ滴』の持つパッシブスキルが発動したのだ。 即ち、バッドステータス『魅了』の発生である。 これによりしばらく彼女はミアを攻撃対象にすることができない。 結果として彼女は動きを止める。無論一時的な効果に過ぎないが、逃げるだけなら十分な時間が稼げた筈だ。 そうして身体を翻し、ミアはアスナから離れてゆく。 「じゃあ僕は行くよ。君の剣はちょっと厭な感じがするからね」 ミアは悪戯っぽくウインクし、『魅了』により喋ることのできないアスナを尻目に去っていった。 ◇ 「悪いことしちゃったかな、でもあのままだと下手したら撃たれてたしなぁ」 アスナの拘束かも逃れ、自由の身になったミアは一人そうごちた。 恐らくはアスナにとって知った名があのメールに記されていたのだろう。 その隙に付け込むのは正直良い気がしなかったが、それでも拘束から逃れるまたとないチャンスをふいにする気にはなれなかった。 何となく、あのままアスナと居るのはとても危険な気がしたのだ。いや、アスナ個人ではなくあの剣が危ない。 遠目に見るだけでも何か厭な感じがしたが、近くでその姿を見たことで、ミアのあの剣に対する忌避感はより強固なものになっていた。 正体は分からない。しかし身体の奥底の、本能とでもいうべきものが警告していたのだ。 あの剣は敵だと。 「適当な方向に逃げてきちゃったけど、ここどこなんだろう。ありすたちも完全に見失っちゃったなぁ」 きょろきょろと周りを見渡すがありすたちの姿はない。どこかに行ってしまったらしい。まぁ彼女たちが自分を待っていてくれるとは思っていなかったので驚きはなかったが。 辺りは相変らず似たようなビル群が続いている。場所はとりあえずアメリカエリアからは出ていないようだ。 しかしそのビルとビルとの間の向こうに広い草原が見える。恐らくあれがファンタジーエリアという奴だろう。 「うーんこれからどうしようか」 ミアは腕を組んで考える。適当に歩いていればありすたちに会えるだろうが、またアスナと遭遇すれば困ったことになるだろう。 何か当てがある訳ではないし、しばらくどこかに身を隠しているべきだろうか。 (あのメールもちょっと判断に困るね、とりあえず森には近づきたくないけど) 今しがたGMから届いたメールのことを思いだす。 記載されていた脱落者の方は正直あまり目を引かなかった。 一応知った名もあったが、どれもカイトを通して何度か会ったことがある程度であり、あまり交流がなかった者たちだ。 だから寧ろ気になったのは同時に記載されていたイベントの方だ。 とりあえず今いるこのエリアでは『幸運の街』というイベントが進行しているらしい。 PKした相手のドロップするアイテムのレアリティが上がるという、『痛みの森』ほど直接的なものではないにせよ、ゲームを加速させる内容だ。 ゲームに参加する気のない身としてはあまりエリアを動かない方がいいかもしれない。 (しばらくはじゃあこの辺で休んで――) と、そこでミアは気付いた。 どこからか駆け寄ってくる足音がする。激しい足取りで、誰かが急ぐようにやってきている。 顔を上げ、音のした方向を見ると、 「ミア、ミア、ミア、ミアァァァァァァァァァ!」 自分の名前を連呼する端麗な顔をした男が居た。 全く知らないPCだった。そもそもThe Worldであんなエディットができただろうか。 しかし彼は何かに熱を帯びた叫び声を上げ、彼女に近づいてくる。 その異様な様に呆気に取られていると、その男が飛び込んできて――力強く抱きしめられた。 ぎゅっ、と。 その男はミアの身体を抱きしめたのだ。 もう離さない、とでもように。 強く、強く。 そうして押し倒される形で倒れたミアは困惑の声を上げる。 「うわっ、何だい君は……?」 「あはは、やっぱりミアだ、間違いない、君はミアなんだね!」 「だから一体君は――」 「やっぱり、やっぱり間違ってなかったんだ」 問いかけるミアを余所に、男は感極まったようにそう言った。 どうやら涙混じりになっているようだ。感動に震えているらしい彼は、ミアを抱きしめつつその胸に愛おしそうに頬ずりする。 「うん、ミア……本当に久しぶり」 「ちょっとちょっと。待ってよ、僕の話を聞いてくれよ」 「うん、なあに? ミア」 「君、誰? 僕は君のことなんか全然知らないんだよ」 言われた男はぽかんとした顔をしていたが、しばらくして理解が行ったのか「ああ!」と叫びを上げ、 「そうだったね、今はこの姿だったね、ちょっと待って、多分ここをこうすれば……」 彼は虚空に指を滑らし始めた。 ウィンドウを開いているのだろう。そして何やら設定を変更すると、耽美な顔をした長身の男は消え去り、ひどく見覚えのある顔が現れた。 その姿にミアは目を見開く。 「エルク! エルクじゃないか!」 現れたのは白い肌をした少年だった。濃紺の呪紋士ローブに、群青の髪、ともすれば少女に見紛うような中性的な顔立ち。 そのエディットは紛れもなくエルクであった。 彼にとって唯一無二の親友。こんなゲームに閉じ込められてから、先ず最初に会いたいと思った相手。 「うん、僕だよ、僕だよ! ミア」 「あはは、何だ、君も居たのか。僕も会いたかったよ、エルク」 「うんうん、僕も……!」 朗らかに笑うエルクを見て、ミアも釣られて笑った。 二人は顔を突き合わせ再会を喜ぶ。その間殺し合いの舞台だと言うことも忘れていた。 再会のひと時は、何よりも得難い温かい風を胸に吹かせたのだ。 「……ああ、ミア。本当に良かった……また、会えるなんて、嗚呼……嗚呼……ミア。 こんな時がまた来るなんて、もうずっと遠い過去だった筈なのに……」 「もうエルク、大げさだなぁ。昨日も会ってたじゃないか」 随分と極端なことをいうエルクに苦笑しながら、ミアもまたこうして出会えた幸運に感謝した。 こんなデスゲームに親友が居たと言うことを喜ぶのはおかしな話かもしれないが、やはり会えて嬉しいということに変りはない。 話を聞けば、エルクはここに来る途中、カイトに似たPCからミアがこのエリアに居ることを教えて貰ったそうだ。 「なるほどね。エルクはあのパーティと会ったんだ。やっぱり人には親切にしてみるものだね」 「うん……うん、そうだね」 「ねえところでエルク、さっきのPCは何?」 先ほどまでエルクが使っていたPC。あれは覚えがないものだった。 好奇心からそのことを聞いてみると、エルクは困ったように笑い「何でもないよ」と答えた。 「ふうん、まぁ別にいいけどね、ねえエルク、これからどうする?」 「うん? ミアと一緒にいるよ」 「ああ、いやそういうことじゃなくて、どこかに当ては――」 あるのかい、と問おうとした瞬間、ミアは空に浮かぶ一つの存在に気付いた。 それは見覚えのある青い妖精だった。彼女の掲げる黒い斑点蠢く剣先はまっすぐとその彼方――ミアへと向いている。 見つけた。そう唇が動いたのを見た瞬間、ミアはエルクを突き飛ばした。 「ミア――!」 爆音と破壊のエフェクトがまき散らされた。 その轟音に突き飛ばされたエルクの悲痛な叫びはかき消される。 次の瞬間、ミアは灰色のコンクリートの道に投げ出されていた。 「……今度こそ、話を聞かせて貰うわよ」 全身を苛む痛みに顔を歪ませつつ、ミアは冷徹な口調で紡がれるその言葉を聞いた。 青い妖精――アスナは地に降り立つと、こつこつと音を立ててミアへと近づいてきた。 その手には例の剣が握られている。あの厭な、黒い斑点の滲む剣だ。 「今度は逃がさないわ、あんな……あんな時に付け込むようなひどい真似はさせない」 見つかってしまった。大して離れていないところで騒いでいれば当然の事態だ。向こうは飛べるのだから尚のこと。 より硬化してしまったアスナの態度を見て、ミアは己の失敗に苦笑したい気分だった。 この一撃は先ほど意趣返しという訳だろうか。一応狙いは少し外したあったようだが、随分と荒っぽい威嚇だ。 メールに衝撃を受けているところに付け込む――その行動が余程彼女を怒らせたらしい。 全く、人には親切にするに限る。 「ミアァァァァァァァァァ!」 エルクの絶叫が響いた。 ミアは大丈夫、と目で示そうとする。 別にアスナはPKという訳ではない。先ほどの接触からそのことは読み取れた。 ありすとの確執で少々面倒なことになっているだけだ。だからPKされるということはないだろう。 今の一撃だって直撃という訳ではない。限りなく近い地点に着弾したことで吹き飛ばされただけだ。死ぬことはない。 「ミア、ミア……ああ、守らないと……守らないと……」 しかしその意図はエルクには伝わらなかった。 エルクはその肩を震わせ、ぶつぶつと呟き顔を俯かせている。 それはまるで、何かに憑りつかれているようだった。 ミアは知らない。今ここにいるエルクが、彼女が知る以上に隔絶と喪失の只中にいたことに。 そして、その末に彼が持つに到った力のことを。 「――待て」 エルクは降り立ったアスナに、極めて鋭い口調で呼びかけた。 アスナも訝しげにエルクを見た。冷たい視線が絡み合い、その下で剣に巣食う黒い斑点が蠢く。 「……貴方、誰?」 「ミアに、近づくな」 エルクの身体に奇妙な紋様が浮かび上がる。 そのPCを包み込むように現れたその現象に、ミアは覚えがなかった。 エルクがそんな力を持っているなんて彼女は知らない。知らない筈だった。 しかし、その様を見た時に彼女の胸に来訪したのはひどく覚えのある、まるで自身の映る鏡を見たときのような感覚だった。 そして、エルクは世界を上書きする言葉を唱えた。 「来て――マハ」 【F-8/アメリカエリア/1日目・朝】 【アスナ@ソードアート・オンライン】 [ステータス] HP60%、MP80% AIDA感染 [装備] 魔剣・マクスウェル@.hack//G.U. [アイテム] 基本支給品一式、死銃の刺剣@ソードアート・オンライン、クソみたいな世界@.hack// [思考] 基本:この殺し合いを止め、無事にキリトと再会する 1 アリスを討つ 2 殺し合いに乗っていない人物を探し出し、一緒に行動する。 3 ミアからアリスに関する情報を聞き出す。 [備考] ※参戦時期は9巻、キリトから留学についてきてほしいという誘いを受けた直後です。 ※榊は何らかの方法で、ALOのデータを丸侭手に入れていると考えています。 ※会場の上空が、透明な障壁で覆われている事に気づきました。 横についても同様であると考えています。 ※トリニティと互いの世界について情報を交換しました。 その結果、自分達が異世界から来たのではないかと考えています。 【ミア@.hack//】 [ステータス]:HP70%、剣(マクスウェル)に対する本能的な敵意。 [装備]:誘惑スル薔薇ノ滴@.hack//G.U. [アイテム]:エノコロ草@.hack//、基本支給品一式、不明支給品0~1 [思考] 基本:死なないように気をつけながら、ありす達に“楽しみ”を教える。 1:まずはアリス達に自分の名前を呼んでもらう。 2:岸波白野の協力を得たい。 3:カイト似の少年(蒼炎のカイト)から“マハ”についての話を聞きたい。 4:エルクと行動 [備考] ※原作終了後からの参戦です。 ※ミア(マハ)が装備する事により、【誘惑スル薔薇ノ滴】に何かしらの影響があるかもしれません。 【エンデュランス@.hack//G.U.】 [ステータス] HP50%、憑神『マハ』 [装備] なし [アイテム] 不明支給品1~3、基本支給品一式 [思考] 基本:「愛する人」のために戦う 1 ミアを守る [備考] ※憑神を上手く制御できていません。感情が昂ぶると勝手に発現します。 ※エルクの姿を取れます。 【???/アメリカエリアのどこか/1日目・朝】 【ありす@Fate/EXTRA】 [ステータス]:健康、魔力消費(中)、令呪:三画 [装備]:途切レヌ螺旋ノ縁(青)@.hack//G.U. [アイテム]:基本支給品一式、不明支給品0~2 [思考] 基本:アリスと一緒に“お茶会”を楽しむ。 1:新しい遊び相手を探して、新しい遊びを考える。 2:しばらくチェシャ猫さん(ミア)と一緒に遊ぶ。 3:またお姉ちゃん/お兄ちゃん(岸波白野)と出会ったら、今度こそ遊んでもらう。 [サーヴァント]:キャスター(アリス/ナーサリーライム) [ステータス]:ダメージ(小)、魔力消費(大) [装備]途切レヌ螺旋ノ縁(赤)@.hack//G.U. [備考] ※ありすのサーヴァント持続可能時間は不明です。 ※ありすとキャスターは共生関係にあります。どちらか一方が死亡した場合、もう一方も死亡します。 ※ありすの転移は、距離に比例して魔力を消費します。 ※ジャバウォックの能力は、キャスターの籠めた魔力量に比例して変動します。 ※キャスターと【途切レヌ螺旋ノ縁】の特性により、キャスターにも途切レヌ螺旋ノ縁(赤)が装備されています。 056 Liminality―境界線―(前編) 投下順に読む 058 矛盾 056 Liminality―境界線―(前編) 時系列順に読む 058 矛盾 043 走るような激しさで アスナ 065 マハ・誘惑の恋人―― 033 ありすと空飛ぶ妖精の夢 ミア 065 マハ・誘惑の恋人―― 047 霞む記憶の中に見上げた横顔―― エンデュランス 065 マハ・誘惑の恋人―― 033 ありすと空飛ぶ妖精の夢 ありす 070 Alice
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2990.html
852 :フォレストン:2015/08/25(火) 09 24 05 リレーから球へ。 提督たちの憂鬱 支援SS 憂鬱ドイツコンピュータ事情 地球の裏側で極東の小国が無双していたころ、独ソ戦はドロ沼の消耗戦に突入していた。 戦争に求められるのは、何は無くとも数であり大量の兵器を前線に送り出した側が勝利を手にすることが出来るのは、ある意味真理である。しかし、その兵器を製造するのにも運用するのにも結局のところマンパワーが必然なのである。 マンパワーの隔絶。 兵器の性能もキルレシオも圧倒的に上回りながらドイツが苦境に陥っているのには、そんな事情があったのである。それゆえに軍需大臣であるアルベルト・シュペーアは、独ソ戦遂行のために資材の管理と共にマンパワー確保のための手段も模索していたのである。 政治に関与するまでは元々数学者志望であり、紆余曲折を得て建築家の道を歩んでいたシュペーアは、あらゆる局面における膨大な計算から技術者を解放することがマンパワーの効率的運用に繋がると考えていた。そのためには高性能な計算機が必要と考えた彼は、軍需省主催で計算機とそのアイデアを広く募集したのである。 その結果、性能もさることながら抜群の安定性を示したコンラート・ツーゼの電気機械式計算機Zuse Z2が特別賞を受賞し、公的機関に大量に導入されることになる。史実以上に潤沢な援助を受けることに成功したツーゼは、独立して(日本を例外とすれば)世界初のコンピュータ会社を起業し、1942年にはZuse Z3を完成させた。 Z3はZ2の拡大発展バージョンであり、チューリング完全を達成していた。これまでのZ系列計算機の集大成と言えるものであり、ドイツの公的機関、企業のみならず、欧州枢軸内でも広く用いられ、兵器設計やダム等の巨大公共建築物の設計に力を発揮したのである。 Z3開発の副産物として、ツーゼは(くどいようだが、チートは例外として)世界初の非ノイマン型高級言語である、プランカルキュールを考案している。その後、欧州枢軸で広く使用されるプログラミング言語となり、後のプログラミング言語も、プランカルキュールから派生、発展していくことになる。 853 :フォレストン:2015/08/25(火) 09 27 01 1945年7月。 全世界の数学者と暗号技術者達のSAN値を直葬させる情報が世界中を駆け巡った。 スイッチング素子に真空管ではなく、今まで全く未知の存在であったトランジスタを採用した従来の常識を覆す新型電算機。後に『トランジスタ・ショック』と言われることになるトランジスタ型コンピュータの発表である。 真空管とは違い、球切れすることなく延々と高速計算が可能であり、しかもプログラムを変更することで多種多用な計算に対応することが出来ることは当時としては画期的なことであった。ツーゼの開発したZ3もセルロイド製フィルムに穴を開けることでプログラムとデータの記憶が可能であったが、日本のトランジスタコンピュータはコンソール上から簡単にプログラムの変更が可能な点でZ3よりも一歩先んじていたのである。 この当時、ツーゼはZ3の性能向上型であるZuse Z4を開発中であったが、日本のトランジスタコンピュータの発表を聞いて設計を全面的にやり直すことにした。機械式のリレースイッチでは高速化に限界があることを理解していたからである。そのため、Z4は機械式ではなく真空管を使用したデジタルコンピュータとして開発されることになる。 列強の関係者にとって恐ろしいことに、この画期的なコンピュータは10年前に開発されて秘匿されていた。極論であるが、科学技術の発達は計算機の発達の歴史と言っても過言では無い。人間が計算するよりも遥かに高速で間違い無い計算結果を得られるということは、それだけで大きなアドバンテージとなるのである。 特に物作りでは計算は必要不可欠である。構想がまとまっても、それを形にするには膨大な計算が必要となる。設計現場では手回し式計算機や計算尺の導入によって高速化が図られていたが、それでも人的ミスは避けられず、納期の遅れや設計変更が頻繁に起こっていたのである。 しかし、この新型コンピュータならそのような煩雑な作業から開放されるのである。設計段階でのロスが大幅に減ることにより、開発スピードは格段に向上され、それが10年続けばどうなるか…。日本が異常な発展を遂げた理由としては十分なものではあった。もっとも、完全に納得したわけでは無く、未だに日本に対して不審や疑いの目を向けている者もそれなり以上に存在していたのであるが。 確かにトランジスタコンピュータは画期的であったが、それだけではなかった。各国の数学者たちはこの画期的な計算機が暗号解読に使用できることを悟り、それを情報部に報告した。情報機関関係者と政府上層部が軒並み青ざめたのは言うまでも無い。ただちに新型暗号への切り替えと日本に対抗出来るコンピュータ開発が進められることになったのである。 854 :フォレストン:2015/08/25(火) 09 28 42 コンピュータというものは極論すると、論理回路が組み合わさったものである。この論理回路を構成出来るスイッチングデバイスが必要となる。リレースイッチを除けば、この時代では(極東のチートは論外として)真空管が一般的であった。しかし、この当時の真空管は高価であり、球切れによる寿命の問題もあった。数個使用するならともかく、大量に使うとなると真空管の調達に膨大な資金が必要となる。仮に真空管でコンピュータを作ったとしても、常にどこかの真空管が球切れを起こして正常動作が出来ない可能性が高かったのである。 コンラート・ツーゼも上述の真空管の欠点を理解しており、速度が遅くなるのを承知で信頼性の高い機械式リレースイッチをデバイスにしたのである。しかし、日本のトランジスタコンピュータに対抗するためには、多少信頼性に目を瞑ってでも高速を発揮出来る真空管をデバイスにするしかないと考え直し、開発中だったZ4のリレースイッチを真空管に置き換える形で再設計したのである。 真空管式のZ4は機械式に比べて圧倒的な演算速度を発揮出来るものと思われた。しかし、それを実現するためには大量の真空管が必要であった。このZ4の存在が伍長閣下の耳に入った結果、強権をもって真空管の調達を進めることになるのであるが、さすがにこれには国防軍が強硬に反対した。さすがのヒトラーも軍備に影響が出ると言われるとどうしようもなったのである。 軍需大臣であるシュペーアも調達に奔走したのであるが、民間用ならともかく、いわゆる軍用に用いられる高信頼管を大量に調達するのは予算的にも時間的にも不可能であった。しかし、思わぬところから福音が舞い込むことになるのである。 855 :フォレストン:2015/08/25(火) 09 30 39 テキサス共和国。 旧テキサス州とその周辺領土で構成された国家である。1944年のサンタモニカ会談で正式に承認された独立国であるが、実態はドイツの衛星国である。 アメリカ合衆国最後の大統領であるジョン・N・ガーナーの出身地であったため、荒廃した北米の地にあって比較的早く復興していた。豊富な資源があったことにより対日決戦のための後方基地としての役割を担うことを期待されていたためか、東海岸より軍需メーカーが多数避難してきていた。後に旧アメリカ財界の方針転換により、大部分の人材や機材が西海岸へ移動したのであるが、想定以上に早かったアメリカ崩壊により取り残された施設や人材が多数存在していたのである。 進駐してきたドイツ軍によって発見、確保された工場の中には、KEN-RADやRCA、GEなどの真空管製造メーカーがあった。ドイツ本国より派遣された技術者と現地に在留していた旧アメリカ人技師の協力で工場の稼動に成功したのであるが、テキサス共和国では奴隷を使って工場を24時間体制でフル稼働させた。その結果、高品質な真空管が安価に大量に入手することが出来るようになったのである。ツーゼのZ4には、テキサス共和国産の真空管が使用されたのである。 テキサス共和国で大量生産された真空管は優先的に軍需に回されたが、その後広く民生品として出回るようになった。ラジオは無線、後にTV放送にも使用され、ありとあらゆる電子機器に搭載されたのである。 真空管は性能はともかく重く嵩張り、寿命も短いのが常であるため性能向上が図られた。ドイツの変態技術と旧アメリカの大量生産技術が組み合わさった結果、目覚しい性能向上を遂げ、年を追うごとに、小型省電力、長寿命化を達成し、1940年代後半にmT管、1950年代にはサブミニチュア管とニュービスタ管の大量生産を開始することになるのである。 856 :フォレストン:2015/08/25(火) 09 32 11 ドイツ製真空管に比べてピーク性能はやや落ちるものの、信頼性が高いテキサス共和国産の真空管によりZ4は想定以上の、従来の機械式計算機の遥か上をいく性能を発揮した。その結果に関係者一同狂喜乱舞したのは言うまでもない。 Z4は当時としては(くどいようだがチートは除く)最強クラスのコンピュータであったが、真空管を用いているため球切れによる動作不良からは逃れられなかった。当初、真空管は毎日数本が壊れ、修理には毎回30分ほどかかっていたのであるが、この欠点を克服すべく以下の工夫が施されたのである。 電源を落とさない。 真空管のフィラメントを定格の10%未満で動作。 故障の大部分は電源の投入・切断時に起きていた。これは真空管のヒーターとカソードの加熱と冷却の際にもっともストレスがかかるためである。そのため、真空管のフィラメントを定格の10%未満という低い電圧で動作させ、加熱と冷却でフィラメントが膨張と収縮を繰り返さないよう電源は落とさないようにしたのである。他にも細かな工夫が行われ、それにより真空管の故障率を2日に1本という割合にまで低減させることに成功したのである。これに加えて予防保守の概念が導入され、球切れしそうな真空管は事前に交換されるようになった。さらなる信頼性向上を果たしたZ4は5日間連続運転を達成し、真空管コンピュータが実用可能であることを国内外に示したのである。 Z4は真空管の小型化に合わせるように、性能向上とダウンサイジングを達成し、欧州枢軸の商用コンピュータのスタンダードとして永く使われることになる。その一方で真空管の小型化には限界があり、高性能を求められる軍用コンピュータは大型化していくことになるのである。 857 :フォレストン:2015/08/25(火) 09 33 25 あとがき というわけで、改訂版です。 中身をだいぶ弄くったのでタイトルも変えてみましたw 日本はトランジスタ、英国はパラメトロン、ドイツ(欧州枢軸)は真空管と3つ巴になってしまいました。改定前だと、英国はトランジスタの欠片を入手して独自研究出来たのが、改定後だとそれが出来なくなってパラメトロン一筋に。ドイツは真空管を抱いて溺れ死ぬ運命が確定?な状況です。 真空管は軍用管で3000時間、MT管やニュービスタ等などの小型管で500時間くらいが寿命の目安です。これを大量に使用するとなると、予防保守(球切れする前に交換)とホットスタンバイ(同仕様の機械が常に待機)が必要不可欠でしょう。これにより真空管コンピュータの常時運用が可能となります。 真空管だけでも1960年代くらいまではなんとかなると思いますが、この後どうしましょうかねぇ…(汗
https://w.atwiki.jp/gods/pages/39671.html
オオトモノタケモチノムラジコ(大伴健持連子) オオトモノタケモチの別名。
https://w.atwiki.jp/kachan/pages/39.html
【 送信距離改良 】 トイラジ(CAR)において、遠隔操作可能な距離は、精々10mが限界と言われています。 距離を少しでも稼ぐためには、送受信用のアンテナを長くすることが有効ですが、悪戯に長くしすぎても、取り扱いが大変になるだけです。 カスタマックスのコントローラ(送信機)についているロッドアンテナは 「4段・30.5cm 取付ネジ:メス」のタイプです。 これに代用できそうなものがママーズのサイトに紹介されていました。 上段: T-10 (5段・49cm 取付ネジ:メス) ○ 中段: T-148(2段・28.5cm 取付ネジ:オス) X 下段: T-200(7段・95cm 取付ネジ:メス) ○ T-10 は、無加工で交換取り付け可能です。 T-200は、未確認ですが、一見するに標準より少々太くなりそうです。この場合、コントローラの差込穴を広げれば取り付け可能だと思いますが、1mもあったら邪魔でしょ・・・ アンテナ交換結果(T-10) ・室内(鉄筋コンクリートマンション内にて) 標準アンテナでは、2-3m離れたところで、チャタリングを起こしていましたが、4-5m程度まで操作距離が改善されました。 ・屋外(障害物・建物の無い公園にて) 標準アンテナでも、意外なほど電波は届き、25m程度まで操作することが出来ました。 その後T-10に変えてみると、40m程度まで操作可能となり、十分な効果を得られました。 ※この結果は、Normalモータを用いた場合です。 社外のハイパワーモータを使用している場合は、十分な効果が得られない場合が あります。 【 TURBOボタンの改良 】 Turboは常に働いたほうがいい! ボタン操作なんて面倒くさい! という場合は、コントローラの基板をちょこっと弄れば実現できます。 J1とJ2を適当な導線で短絡するだけです。 注)半田付けする際には、必ず電池を抜いておくこと。 Turbo信号は、ターン時やREV時には勝手にキャンセルされるので、短絡したままでも、何ら問題はありません。 この結果、FWD2速が1速になってしまいますが、豪快に走らせるのなら、こちらの方が楽しいかも… 【 Turboボタンの切り替えSW 】 Turboボタンの「常時ON」と「通常動作」が切り替えできるように、スナップスイッチを取り付けてみました。 フラット路面はTurbo全開!でもOKなのですが、悪路走行の場合は、TurboON/OFFできたほうが都合が良かったりもするので、通常モードも選択できるようにしました。 【 フルタイムTurbo情報 】 ターン時やREV時も含めて、文字通り「常時TurboON」にすることも可能です。 但しこの場合には、シャシ側の基板(受信機)を改造する必要があります。 作業自体は、さほど難しいことではありません。基板(下面)にある、J1(0Ω)のチップ抵抗を取り外すことによって、PWMの機能を解除することができます。 (データシートは こちら)