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このページでは【ペーパーマリオRPG】のキャラクター、 ユーノ を解説する。 【ファイアーエムブレム 封印の剣】のキャラクターは【ユーノ(ファイアーエムブレム 封印の剣)】を参照。 プロフィール 作品別 関連キャラクター コメント プロフィール ユーノ 他言語 種族 【テレサ】 性別 女 職業 ショップ店員 初登場 【ペーパーマリオRPG】 ゴロツキタウンのショップ・ウエストサイドの店員の【テレサ】。 ゆうぎ場の【テレナ】は姉。 作品別 【ペーパーマリオRPG】 ショップの店員をしている。顔はややきつめだが話し方は普通。 「しなびたキノコ」→「グルグルめまわし」の順で買うと、【モンテオーネ】のアジトへ続くドアを開ける為に質問を投げかけてくる。 日本版ではバニーガール風のウサミミのヘアバンドをつけているが、日本国外版ではネコミミ風のヘアバンドに差し替えられている。 【ペーパーマリオRPG(Switch)】 言語問わずに姉のテレナと同様にネコミミ風のヘアバンドを付けるようになった。 関連キャラクター 【テレサ】 【テレナ】 コメント 名前 全てのコメントを見る?
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流れを読まないユーカリSS zFIarXJC とりあえず流れを読まずユーカリSS投下するぜ JS事件が終結し、レリックについての報告会が教会で行われることになり、 八神はやて部隊長以下分隊長、副隊長陣が集まっていた。 そして、それに加え管理局側からはロストロギアの専門家であるユーノ・スクライアが召喚された その後、報告会も無事に終わったわけであるが、事件はその時に起こったのである 「騎士カリム、お久しぶりです。」 「あら、スクライア司書長。私は貴方とは初対面のはずですが。」 ユーノがカリムに話しかけたのだが、それに対するカリムの返答はそっけないものであった。 「何やユーノ君、ふられてしもたなぁ。というかナンパとしちゃ古典的やで?」 「スクライア司書長!貴方という人は・・・・・・品行方正な殿方と聞いていたのに・・・・・・」 そして、その光景をみたはやてはユーノをからかい、シャッハは額に青筋を浮かべてしまった 「え?いや、ナンパとかじゃなくて、その騎士カリム、私です、ユーノ・スクライアです!」 「知りません。」 必死で訴えるユーノとにべにもないカリム。 「何やユーノ君。しつこい男は嫌われるで? カリムが好きなんやったらちゃんと手順をふんでやなぁ、 ってなのはちゃんお願いやからこっちにらまんといて。というか何で私がにらまれるんや!?」 「奸賊、ユーノ・スクライア・・・・・・覚悟はいいのでしょうね?」 そして、はやしたてるはやてとブチ切れかけるシャッハさんと、その後ろで魔王になっているなのはさん 「私のユーノはそんな可愛らしくない物言いはしません。」 そこに、拗ねた様なカリムの言葉が入る 「えと、騎士カリム?」 だが、カリムはユーノのその言葉に対し拗ねたように顔を背け返答をしなかった 「あー、その、カリム。その、もしかして怒ってる?」 「当然です。昔あれだけ可愛がってあげたのに、連絡の一つもよこさず。」 あまりに唐突に変わった話の流れについていけない周りを置き去りに ユーノとカリムは二人の世界に入っていっていた 「貴方がジュエルシードの発掘のあと、 暫く行方不明になっていたと聞いたとき、私がどれだけ心配したかわかっているんですか!? 昔からユーノは何でもかんでも自己完結して、 少しは回りを頼りなさいとあれほど口をすっぱくしていっていたのを聞いていなかったんですか?」 「ごめん、カリム・・・・・・その・・・・・・・」 「言い訳なんて聞きたくありません!・・・・・・本当に、心配したんですよ?」 と、怒涛のようなカリムの説教に、ユーノ自身もまったく口を挟めないで居た 「でも・・・・・・再びこうしてまたカリムと話すことが出来て僕も嬉しいんです。」 「見え見えのお世辞なんて聞きたくないです。アレ以来一度も会いに来てくれなかったのに。」 「ごめん・・・・・・でも、僕はJS事件の後、すぐに管理局入りしちゃったから・・・・・・あまりカリムに会いにいくとさ まわりからあらぬ噂を立てられるかもしれなかったし・・・・・・ 君の地位目当てだって言われるのもいやだったから・・・・・・」 「まったく・・・・・・昔から変なところで回りに気を使うんですから、ユーノは。いいです、許してあげます。」 「ありがとう、カリム。」 どうやらようやくカリムの許しを得られたようだとユーノが胸をなでおろした そんなユーノの手を、カリムの手が掴んだ 「さ、久しぶりに一緒にいろいろ楽しみましょう。 シャッハ、何時までもデバイスを構えていないで早く車を。」 「え?あ、は、はい。」 「ちょ、カリム引っ張らないで!」 「ささ、ユーノ。早くいらっしゃい。」 そうして引っ張られていったユーノと、慌ててついていったシャッハ その光景にあっけにとられ、管理局組がなんとか反応できたのはそれから暫くして、 カリムたちが車で出てしまった後だった 同じような設定で書きたいという酔狂な人がいたら、自由にこの設定使ってくれてかまいません 23スレ SS カリム・グラシア ユーノ×カリム ユーノ・スクライア
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◆Ltg/xlcQkg 氏が手がけた作品 話数 タイトル 登場人物 048 戦いは始まる 左翔太郎、ユーノ・スクライア、佐倉杏子、フェイト・テスタロッサ、ゴ・ガドル・バ 登場させたキャラ 1回 左翔太郎、ユーノ・スクライア、佐倉杏子、フェイト・テスタロッサ、ゴ・ガドル・バ コメント 名前 コメント
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【151〜200】 No. タイトル 作者 登場人物 151 白き覚醒 ◆HlLdWe.oBM 天上院明日香、ユーノ・スクライア 152 I Would Be the ***** in This Battle Royale ◆Qpd0JbP8YI L 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード、柊つかさ、万丈目準、浅倉威、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 154 ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない一人分の陽だまりに 僕らは居る ◆vXe1ViVgVI アンジール・ヒューレー、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、泉こなた 155 貴重な貴重なサービスシーン・なのはロワ出張編 ◆Vj6e1anjAc ユーノ・スクライア 156 現れるブルーアイス 破滅をもたらす「白夜天の主」風の中にあるもの ◆7pf62HiyTE 八神はやて(StS)、天上院明日香 157 D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVED.C. ~ダ・カーポ~ 戦いは終わるD.C. ~ダ・カーポ~ 予兆 ◆HlLdWe.oBM 浅倉威、柊かがみ、相川始、キング、金居、ヴィータ、キース・レッド、アレックス、L、高町なのは(StS)、天道総司、ヴィヴィオ、エネル、新庄・運切、アーカード、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 158 Kな魔王/ダークナイトKな魔王/ミライノヒカリ ◆gFOqjEuBs6 キング、ゼスト・グランガイツ、ヒビノ・ミライ 159 進展!? ◆HlLdWe.oBM クアットロ 160 余波 ◆WwbWwZAI1c 相川始 161 E-5涙目ってレベルじゃねーぞ!! ~自重してはいけない・なのロワE-5激戦区~(前編)E-5涙目ってレベルじゃねーぞ!! ~自重してはいけない・なのロワE-5激戦区~(後編) ◆jiPkKgmerY キース・レッド、アレックス、天上院明日香、八神はやて(StS) 162 波紋 - a divine messenger of the two. ◆WwbWwZAI1c ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ 163 第三回放送 ◆Vj6e1anjAc プレシア・テスタロッサ、リニス、オットー、リインフォース、アルフ 164 破滅へのR/血染め の ヴィヴィオ破滅へのR/なまえをよんで ◆7pf62HiyTE ヴィヴィオ 165 Round ZERO ~KING SILENT ◆HlLdWe.oBM ヴィータ、アーカード、八神はやて(StS)、金居、アレックス、プレシア・テスタロッサ、リニス 166 燃える紅BRAVE PHOENIXわがまま ◆Vj6e1anjAc ヴィータ、アーカード、八神はやて(StS)、金居 167 Lを継ぐ者/SinkLを継ぐ者/あなたがいるから ◆7pf62HiyTE ユーノ・スクライア 168 Aの残光/強襲ソルジャーAの残光/夢と誇りをとりもどせ ◆gFOqjEuBs6 アンジール・ヒューレー、クアットロ、高町なのは(StS)、天道総司、ヒビノ・ミライ 169 突っ走る女 ◆HlLdWe.oBM 相川始、柊かがみ、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、泉こなた 170 きみのたたかいのうた(前編)きみのたたかいのうた(後編) ◆Vj6e1anjAc ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、相川始、柊かがみ、ヴィヴィオ 171 Round ZERO ~GOD FURIOUS ◆gFOqjEuBs6 八神はやて(StS)、金居、エネル 172 Iの奇妙な冒険/祝福の風Iの奇妙な冒険/すたーだすとくるせいだーす ◆7pf62HiyTE 泉こなた 173 絶望の暗雲 ◆HlLdWe.oBM アンジール・ヒューレー、クアットロ、高町なのは(StS)、天道総司、ヒビノ・ミライ、キング 174 H激戦区/人の想いとはH激戦区/ハートのライダー誕生、Hカイザー/NEXT BATTLE誕生、Hカイザー/神と聖王 ◆gFOqjEuBs6 ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、相川始、柊かがみ、ヴィヴィオ、八神はやて(StS)、金居、エネル 175 Yな戦慄/烈火剣精は見た!Yな戦慄/八神家の娘 ◆7pf62HiyTE ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、八神はやて(StS) 176 散る―――(前編)散る―――(中編)散る―――(後編) ◆Vj6e1anjAc スバル・ナカジマ、相川始、ヴィヴィオ、金居、エネル 177 A to J/運命のラウズカード ◆7pf62HiyTE スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ 178 Mの姿/鏡Mの姿/マイナスからのリスタート ◆gFOqjEuBs6 アンジール・ヒューレー、キング、高町なのは(StS)、天道総司、柊かがみ 179 こなたとリインと男の娘 ◆LuuKRM2PEg ユーノ・スクライア、泉こなた 180 Ooze Garden(軟泥の庭) ◆WwbWwZAI1c 金居、プレシア・テスタロッサ 181 第四回放送/あるいは終焉の幕開け(前編)第四回放送/あるいは終焉の幕開け(後編) ◆Vj6e1anjAc プレシア・テスタロッサ、リニス、リインフォース、アルフ、オットー、ドゥーエ 182 闇よりの使者 ◆LuuKRM2PEg アンジール・ヒューレー、キング 183 救済N/EGO~eyes glazing over救済N/Destiny s Play ◆7pf62HiyTE 高町なのは(StS)、柊かがみ、天道総司 184 罪罪(状態票) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、柊かがみ 185 Round ZERO ~MOONLIT BEETLES ◆7pf62HiyTE 金居、キング、アンジール・ヒューレー 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 187 解ける謎!!(前編)解ける謎!!(後編) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、キング、金居、アンジール・ヒューレー 188 分かたれたインテルメッツォ ◆WwbWwZAI1c 高町なのは(StS)、八神はやて(StS) 189 戻らないD/スバル・ナカジマ戻らないD/柊かがみ ◆gFOqjEuBs6 スバル・ナカジマ、柊かがみ 190 S少年の事件簿/殺人犯、八神はやてS少年の事件簿/フリードの来訪にヴィヴィオの涙 ◆7pf62HiyTE ヴィヴィオ、ユーノ・スクライア 191 抱えしP/makemagic抱えしP/DAYBREAK S BELL ◆7pf62HiyTE 高町なのは(StS)、八神はやて(StS) 192 ……起きないから奇跡って言うんですよ ◆HlLdWe.oBM 八神はやて(StS)、柊かがみ 193 Zに繋がる物語/白銀の堕天使Zに繋がる物語/サティスファクション ◆7pf62HiyTE スバル・ナカジマ、柊かがみ、八神はやて(StS) 194 Masquerade ◆gFOqjEuBs6 天道総司、アンジール・ヒューレー、キング、金居 195 Revolution ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ 196 Uを目指して/世界が終わる前に ◆gFOqjEuBs6 金居、キング 197 Round ZERO~AMBITION SECRET(前編)Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、スバル・ナカジマ、天道総司、キング、金居、ウーノ、ドゥーエ、オットー 198 魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 ◆19OIuwPQTE 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居 199 魔法少女、これからも。(前編)魔法少女、これからも。(中編)魔法少女、これからも。(後編) ◆Vj6e1anjAc 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、ウーノ、ドゥーエ、セッテ、オットー、ディード 200 Beautiful Amulet(前編)Beautiful Amulet(中編)Beautiful Amulet(後編) ◆gFOqjEuBs6 高町ヴィヴィオ、ジェイル・スカリエッティ、トーレ、ノーヴェ、セイン、ウェンディ
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ユーノ×オーリスというよりは、ユーノ×レジアス+オーリスって感じだけど pA65icAi 「失礼します。頼まれていた資料をお持ちしました」 「ああスクライア司書長。申し訳ないな、忙しい所をわざわざ来てもらって」 「いえ、これも仕事ですから」 そう言ってユーノは微笑む。つられてレジアス中将の顔にも笑顔が浮かんだ。 ユーノの元にレジアスからの資料請求が来たのはつい数日前の事であった。 その際に、レジアスから話したいことがあるので資料を直接持ってきてはもらえないか、と頼まれたのだ。 高官に提出する資料は極秘扱いのものも多く、 直接の受け渡しを要請される事も多かったため、ユーノはそれを了承した。 そして資料が完成したのでやってきた、という訳なのである。 「それで中将、僕に話とは?」 そう問うユーノにレジアスは真剣な顔になって言った。 「それはもちろんこの間話した件だ。どうだろう、考えてみてくれたかね?」 「あの件、ですか……。」 そう言ってユーノは目を伏せた。暫く室内を静寂が支配したが、やがてユーノはゆっくりと口を開いた。 「……折角の申し出ですが、断らせて頂きます。中将には、本当に申し訳ないのですが……」 その答えを聞いたレジアスは、深い溜息をつくと、椅子に体を深く沈めさせた。 「そう、か。……まぁ君ならそう言うとは思っていたのだが、な。しかし、本当に残念だ」 レジアスがユーノに話した事。それは、地上本部の特別情報管制官への就任要請であった。 海に比べて人材も装備も劣る地上において、 レジアスはせめて、情報だけでも充実させておきたかったのである。 そして目をつけたのがユーノであった。彼は局員待遇の民間協力者であったが、 その功績は下手な将官クラスよりも大きい、とレジアスは考えていた。 そして、今の無限書庫に対する扱いも不当で低すぎる、と常々思っていたのである。 そのため、レジアスは直々に無限書庫に赴き、ユーノを説得したのである。 もちろん無限書庫司書長は続けてもらうが、その代わりに無限書庫への人員を大幅に増やすし、 司書達への待遇も向上させると。その熱意を受け、ユーノも考えてみる、とは言ったのであるが……。 「やっぱり僕は……立場的に気楽な、今の方が性に合っているようでして……」 そう言ってユーノは微笑む。だが、レジアスは苦笑しながら言った。 「何を言うか、私には分かっているぞ? 特別情報管制官になったら、大切な幼馴染達のフォローをしにくくなる……。 それが本音なのだろう? スクライア司書長。」 そう言われたユーノは思わず苦笑し頭を掻いた。 「参りましたね、やっぱり中将には敵いませんね。……確かにその通りです。 まぁ、今の六課では僕の力なんて必要無いかもしれませんけれど、 それでも、フォローしてあげたいんです」 はにかみながら言うユーノを見上げて、レジアスは苦笑した。 「全く君という男は……。不器用過ぎるな、相変わらず。もっと上手く立ち回れば良いだろうに。 君ならばそれくらい簡単に出来るだろう?」 「出来るか出来ないかではなく、そういう性分なんですよ。それに、それはお互い様でしょう、中将?」 そう言うユーノに、レジアスは思わず声を出して笑った。 「はっはっはっ! いや全くだな。私達は似た者同士なのかもしれないな。 まぁとりあえず、無限書庫への人員の増員と司書の待遇向上はやらせてもらうとしようか」 そのレジアスの言葉に、ユーノは驚いて言った。 「中将! 僕はさっきの申し出を断ったんですよ!?」 「それは関係ない。元々私がやりたかった事だ。 君が話を受けるにしろ受けないにしろ、これはやるつもりだったのだよ」 穏やかな笑みを浮かべてそう言うレジアスに、ユーノは深々と頭を下げた。 「ありがとうございます、中将。司書の皆も喜びますよ!」 それに笑みを浮かべながらうんうんと頷いていたレジアスであったが、顔を引き締めると言った。 「だがスクライア司書長、これだけは忘れないでいてくれ。 優れた能力を持つ者は、それを行使する責任を持つ。 そしてスクライア司書長、君は無限書庫司書長をやっているだけではその責任を果たしているとは言えない。 君はもっと、『上』に行くべき人間だ。民間協力者だろうが関係なく、な。 ……少なくとも私はそう思っている、という事を、な」 その言葉に、ユーノはゆっくりと頷いた。 「分かりました。貴方の期待に添えられるとは言えませんが、今のお言葉は忘れません。……絶対に」 そう言うユーノにレジアスは頷きを一つ返すと、破顔した。 「さて、固い話はここまでだ。スクライア司書長、昼食はまだかね? 良ければ一緒に……」 そう言いかけたレジアスの言葉を、落ち着いた女性の声が遮った。 「……申し訳ありませんが中将、この後も予定が入っております。昼食をとるのはもう少し先です」 事務的にそう告げたのは、レジアスの娘であり秘書でもある。オーリス・ゲイズであった。 娘のその物言いに、レジアスは苦笑しながら言った。 「おいオーリス、少しくらい良いだろう。お前だってスクライア司書長と昼食をとるのを……」 「お言葉ですが中将、中将の本日のスケジュールはつまっております。 スクライア司書長との昼食は、またの機会に」 オーリスの言葉に、レジアスは苦笑しる。そしてユーノに向き直ると言った。 「済まないなスクライア司書長。本当は君ともっと話をしたかったのだが……」 「いえ、お気になさらないで下さい。中将はご多忙の身ですからね。 貴方やオーリスさんと昼食をとれないのは残念ですけれど、またの機会に」 それでは、と言ってユーノはレジアスの部屋を後にした。 それから暫く経つと、オーリスが体を小刻みに震わせ始めた。 それをやれやれといった様子で見ながらレジアスは言った。 「……もう大丈夫だよ、オーリス。我慢する事はないよ」 それを聞いたオーリスの顔が、くしゃり、と歪んだ。 その目から大粒の涙が零れだし、彼女は大声で泣き喚きながらレジアスに縋り付いた。 「ふぇぇぇぇ───────んッッッ!! おどうざまぁ──────ッッッ!! わだし、またやっちゃいました──────ッッッ!!」 そう泣き叫ぶオーリスを抱きしめて頭をなでながらレジアスは言った。 「おお可愛いオーリス。大丈夫だよ、スクライア司書長はあんな事でお前を嫌いになったりしないよ」 「でもぉ、でもぉ……!!」 「大丈夫だよ、スクライア司書長だって言っていたじゃないか、 お前と私と昼食をとれないのは残念だって。またの機会にって。」 そう言ってやると、オーリスは鼻をずずっと啜り上げると眼鏡を外し、ハンカチで目元を拭き始めた。 その様子をレジアスは慈愛に満ちた表情で見つめていた。 オーリスは、基本的にはとても落ち着いていて仕事も出来る有能な女性なのだが、 好意を持った男性に厳しく接してしまうという癖を持っていた。 それは好意と羞恥心の裏返しなのだが、 それが相手に伝わる事などあるはずもなく、恋人が出来たことなどなかった。 そしてその反動で、幼児退行というか、子供っぽい部分が噴出してしまうのである。 レジアスは娘をとても愛しており、信頼もしていたが、唯一この部分のみが気がかりであった。 娘のこういう難しい性格を受け止めてくれる男性など、そうは多くは無いと思っていたからである。 だが、彼は見つけた。娘のそんな性格も、優しく包み込んでくれそうな人を。 一見頼り無さそうであるが、しかし彼ほど頼りになる男はそうはいない、そういう人物を。 無限書庫司書長、ユーノ・スクライア。 彼ならば文句はない。いやむしろ、彼が自分の息子になってくれたらこれ以上の喜びは無い。 オーリスも初めて出会ったときに一目惚れして以来彼にぞっこんであるし、こちら側には何の問題も無い。 今すぐ結婚してくれても良いくらいだと、レジアスはそう考えていた。 だが問題はユーノの方である。 彼自身もそういう恋愛関係には極めて疎そうであるのも問題だが、何より周りに居る女性たちが強力過ぎる。 レジアスも自分の娘の女性としての魅力は大いに認めている。 親の贔屓目もあるだろうが、 ああ見えて料理洗濯など家事全般をそつなくこなすし、何より尽くすタイプである。 だが、ライバル達も強力だ。 無限書庫には休みの度に、彼の幼馴染やら生徒やらがわらわらと押しかけているようである。 実はユーノを特別情報管制官にしようとした理由の一割くらいは 彼とオーリスの距離を縮めてやろうという親バカ……もとい親心であったのである。 だがそれも断られてしまった。かくなる上は……。 「……オーリス。スケジュールの確認をしたいのだが、いいかね?」 父のその言葉に、すぐに秘書としての顔に戻ったオーリスは答える。 「はい、何でしょう中将?」 「実は重大な話し合いをしなければならないのを思い出してな。 どこか、丸一日空けられる日はないか?」 「丸一日、ですか……。」 そう呟いて携帯端末を操作していたオーリスは、やがてレジアスに向き直った。 「大分先になりますが……何とかなりそうな日があります。それで中将、その話し合いとは?」 そう問うオーリスに、レジアスはいたずらっぽい顔をして言った。 「ふふ、その話し合いか。 そう、とても大事な話し合いだな、何といっても、お前とスクライア司書長のお見合いなのだから、な」 その言葉に、オーリスは目を大きく見開いた。そんな娘の様子を楽しげに眺めながらレジアスは言った。 「……不服かね? お前が乗り気じゃないのなら、やめておくが……」 そう言いかけたレジアスの言葉を、オーリスの言葉が遮る。 「……必ず空けます。空けてみせます。中将も余計な仕事はお入れにならないようお願いします……!」 力強い言葉に少し驚いたレジアスが見上げると、そこには凄まじく気合の入ったオーリスがいた。 目にはまるで超新星の如き力強い輝きが宿り、 携帯端末を持った手には、力を入れすぎで青筋が浮かんでいる。 その娘の様子を満足気に眺めると、レジアスは心の中で呟いた。 (さて、特別情報管制官の話は蹴られてしまったが、こちらはそうはいかんぞスクライア司書長。 ふふ、君の驚く顔が目に浮かぶようだよ……!) この後、ユーノとオーリスのお見合いが行なわれるのであるが、 それを野獣の如き第六感で察知した様々な人達がお見合い会場に乱入したため 会場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化したのであるが、それはまた別のお話。 32スレ SS オーリス オーリス・ゲイズ ユーノ・スクライア レジアス・ゲイズ
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クビになった司書長 作者:VOfbCR3q 「やはり、お辞めになるんですか?」 ここは時空管理局無限書庫司書長室。 部屋の主、無限書庫司書長ユーノ・スクライアは部下の声に、引越し支度の手を休め彼のほうに向き直る。 「そうだね。君も11年間ご苦労様」 怒りなのか悲しみなのか、自分でも解らないであろう複雑な表情の司書長補佐の肩書きを持つ青年を、 ユーノはいつもと変わらぬ笑顔でねぎらいの言葉をかける。 苦しくつらい11年間であった。 少なくとも司書長補佐にとっては。 少ない人員に割に合わない蔵書数、区画整理だけでも無理があるのにその上資料請求。 司書長がいなければとうの昔にココ、いや管理局を辞めていたであろう。 いやその場合ココは倉庫のままか。 『ココには全ての情報が眠っている。 だが、その情報を得る頃には成功失敗はとかく事件そのものは終結しているのだ』 かつてそう評された無限書庫は、 ユーノ・スクライアの手によって『資料を請求すれば期限以内に必ず情報が届く』までに生まれ変わった。 その間、実に11年。 無駄飯ぐらい、モグラなど悪い噂は絶えることなく、 資料を届ければ遅いと罵倒された日々は司書たちの心を痛めたが、 だからこそ無限書庫を正式稼動させるのだと団結させた。 それらの日々がありココの正式稼動を迎える事ができた。 ユーノ・スクライアの司書長解任の辞令と共に。 「あんまりじゃないですか! 最大の功労者に対する仕打ちとは思えません!」 憤る司書長補佐。 司書長を解任されたユーノに宛がわれたのは管理局の閑職中の閑職、 総務第8資料室。そこの室長補佐である。 これが機密情報を知りすぎたと言う理由ならまだ納得できようものだが、 スクライア一族がミッドチルダ市民権を持たない放浪の部族という理由だから、 管理局のミッドチルダ至上主義にも呆れたものである。 すなわちレアスキルと大火力の持ち主は実戦部隊で出世させてやる。 それ以外は全部ミッドチルダ出身が貰うということだ。 「まあ、管理局の体質はそう変わらないよ。それに僕がココの司書長である必要はないんだから」 皮肉な事に、無限書庫の正式稼動がユーノから司書長という役職を奪っていた。 もはや書庫での資料検索は、魔導士であれば誰もが可能な技術として確立してしまったのである。 「それに、ココに僕が求める新たな発見は無くなってしまったよ。 次は知識だけ理解した事を目で見に行きたいからね」 当然ではあるが、ユーノは室長補佐の任は断り辞表を提出している。 この辞表に、リンディ総務総括官と人事部のレティ提督は上層部への意見具申とユーノへの説得を行うが、 両方とも失敗している。 上層部への具申失敗はともかく、ユーノへの説得の失敗は二人にとって誤算であった。 二人は上層部の用意した閑職ではなく、 再度結成される機動6課への編入を考えていたのだがユーノはそれを固辞している。 二人にとっては誤算であろうが、ユーノにとっては嘗てはなのはへの恋慕から、 恋敗れた後は無限書庫への探究心だけが管理局で働く理由であった。 それがなくなった以上、ユーノにここで働く理由は皆無に等しい。 もともと少ない私物と大量の資料・蔵書で成り立っていた司書長室の整理は数十分程度で終わってしまった。 「コレの完成が、あなたを必要としなくなってしまったのでしょうか?」 そういって掲げるのは本型デバイス『百科事典』。 無限書庫と連動し、検索した情報を即座に資料としてまとめるストレージ・タイプのデバイスである。 製作者はユーノ・スクライアその人。 これが管理局上層部に無限書庫の縮小を決意させると言う結果となってしまった。 実際、無限書庫の占める管理局予算は相当の額で、現場はもちろん後方からのやっかみも上がるほどで、 だがそれだけの給与でなければ無限書庫司書などという職に付きたがる人間は皆無に近かった。 無限書庫の区画整備の完了と『百科事典』の完成は、 書庫の機能はそのままにその莫大な予算を浮かせられるという事だった。 ユーノの解任と共に、司書の給与が通常局員と同等まで下げられている。 司書長補佐や数名の司書局員はともかく、ユーノのスカウトした民間協力者たちは皆司書を辞めるだろう。 無限書庫で司書を務めた彼らの能力は管理局はあまり必要としないが、企業は必要とする能力だ。 次の職を探すのに困難は無い。 「それはあくまで結果だね。少なくとも僕はココで一生、資料を探すだけの人生なんてゴメン被るね」 司書長補佐もそれには頷かざるを得ない。 そんな人生自分だってイヤだ。 「司書長は、どうされるのですか?」 最早事態を変えることなどできないできない。 ユーノとの会話でようやくソレを自分の中で処理できた彼は、今後について尋ねる。 「先ずは、スクライアの方に戻るかな。久しぶりに遺跡発掘なんかやりたいしね」 ユーノは笑顔でそう答える。 それは追われる者ではなく、仕事をやり遂げた男の笑顔であった。 18スレ SS オリキャラ ユーノ・スクライア 追放系
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流れを読まないユーカリSS zFIarXJC とりあえず流れを読まずユーカリSS投下するぜ JS事件が終結し、レリックについての報告会が教会で行われることになり、 八神はやて部隊長以下分隊長、副隊長陣が集まっていた。 そして、それに加え管理局側からはロストロギアの専門家であるユーノ・スクライアが召喚された その後、報告会も無事に終わったわけであるが、事件はその時に起こったのである 「騎士カリム、お久しぶりです。」 「あら、スクライア司書長。私は貴方とは初対面のはずですが。」 ユーノがカリムに話しかけたのだが、それに対するカリムの返答はそっけないものであった。 「何やユーノ君、ふられてしもたなぁ。というかナンパとしちゃ古典的やで?」 「スクライア司書長!貴方という人は・・・・・・品行方正な殿方と聞いていたのに・・・・・・」 そして、その光景をみたはやてはユーノをからかい、シャッハは額に青筋を浮かべてしまった 「え?いや、ナンパとかじゃなくて、その騎士カリム、私です、ユーノ・スクライアです!」 「知りません。」 必死で訴えるユーノとにべにもないカリム。 「何やユーノ君。しつこい男は嫌われるで? カリムが好きなんやったらちゃんと手順をふんでやなぁ、 ってなのはちゃんお願いやからこっちにらまんといて。というか何で私がにらまれるんや!?」 「奸賊、ユーノ・スクライア・・・・・・覚悟はいいのでしょうね?」 そして、はやしたてるはやてとブチ切れかけるシャッハさんと、その後ろで魔王になっているなのはさん 「私のユーノはそんな可愛らしくない物言いはしません。」 そこに、拗ねた様なカリムの言葉が入る 「えと、騎士カリム?」 だが、カリムはユーノのその言葉に対し拗ねたように顔を背け返答をしなかった 「あー、その、カリム。その、もしかして怒ってる?」 「当然です。昔あれだけ可愛がってあげたのに、連絡の一つもよこさず。」 あまりに唐突に変わった話の流れについていけない周りを置き去りに ユーノとカリムは二人の世界に入っていっていた 「貴方がジュエルシードの発掘のあと、 暫く行方不明になっていたと聞いたとき、私がどれだけ心配したかわかっているんですか!? 昔からユーノは何でもかんでも自己完結して、 少しは回りを頼りなさいとあれほど口をすっぱくしていっていたのを聞いていなかったんですか?」 「ごめん、カリム・・・・・・その・・・・・・・」 「言い訳なんて聞きたくありません!・・・・・・本当に、心配したんですよ?」 と、怒涛のようなカリムの説教に、ユーノ自身もまったく口を挟めないで居た 「でも・・・・・・再びこうしてまたカリムと話すことが出来て僕も嬉しいんです。」 「見え見えのお世辞なんて聞きたくないです。アレ以来一度も会いに来てくれなかったのに。」 「ごめん・・・・・・でも、僕はJS事件の後、すぐに管理局入りしちゃったから・・・・・・あまりカリムに会いにいくとさ まわりからあらぬ噂を立てられるかもしれなかったし・・・・・・ 君の地位目当てだって言われるのもいやだったから・・・・・・」 「まったく・・・・・・昔から変なところで回りに気を使うんですから、ユーノは。いいです、許してあげます。」 「ありがとう、カリム。」 どうやらようやくカリムの許しを得られたようだとユーノが胸をなでおろした そんなユーノの手を、カリムの手が掴んだ 「さ、久しぶりに一緒にいろいろ楽しみましょう。 シャッハ、何時までもデバイスを構えていないで早く車を。」 「え?あ、は、はい。」 「ちょ、カリム引っ張らないで!」 「ささ、ユーノ。早くいらっしゃい。」 そうして引っ張られていったユーノと、慌ててついていったシャッハ その光景にあっけにとられ、管理局組がなんとか反応できたのはそれから暫くして、 カリムたちが車で出てしまった後だった 同じような設定で書きたいという酔狂な人がいたら、自由にこの設定使ってくれてかまいません 23スレ SS カリム・グラシア シャッハ ユーノ×カリム ユーノ・スクライア 八神はやて
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明日に架ける橋 ◆Qpd0JbP8YI 「それじゃあ、スクライア」 ブレンヒルトは銀色の艶やかな髪を後ろに撫で付けながら、話し始めた。 「まずはあなたのことについて話してもらおうかしら」 「ぼ、僕?」 彼女の見た目に似合わぬ流麗な様に多少見惚れながらも、 ユーノは質問にハッキリとした声で答えた。 「僕はユーノ・スクライア。時空管理局内の無限書庫の司書長をやらさせてもらっている」 「無限書庫?」 「うん、無限書庫というのは、あらゆる次元世界の書物やデータを集めたデータベースのこと。 世界の記憶を収めた場所とも呼ばれていて、そこにない情報はないとも言われているところだよ」 その言葉を聞いて、ブレンヒルトは心の中で笑みを浮かべた。 今まで足りないと思っていた情報。 それをフェレットが山のように抱え込んできたのだから、それも当然といえるだろう。 「なるほど、それなら司書長さん、ずばり聞くわ。あなたはこのゲームをどう考えているのかしら?」 ブレンヒルトの瞳が真っ直ぐとユーノに注がれる。 死と隣接するゲームに直面し、それでも抗おうとする真摯な目。 しかしその視線を受けて、ユーノは僅かに冷や汗を浮かべた。 殺し合いが始まって、既に半日が経過。 その間、何をしていたかと言えば、彼自身余り思い出したくないもの。 そこから何かしらの考察を得るというは、幾らユーノとはいえ、無理なことだった。 とはいえ、ユーノ自身、素直に何も考えていなかった、と言うのも憚られる。 「た、確かなことは、まだ何も言えない。情報が足らなさ過ぎる」 「スクライア、あなたは無限書庫の司書長なのでしょう? 情報は足りているんじゃないのかしら? それとも怪我のせいで思い出せないのかしら? だとしたら、大変ね。 その傷が頭に影響を与えているとは考えづらいけれど、 念の為にその傷がどうなっているいるか調べたほうが、やっぱり良いわよね?」 そう言いながら、ブレンヒルトは自らの手をニギニギとさせ、 ゆっくりとユーノのお腹へと近づけていく。 「ちょ、ちょっと待って! 幾ら司書長だからって、 全ての情報を記憶出来るわけないだろう? だ、だから、薄ら笑いを浮かべながら、こっちに来ないでくれ!」 悲鳴とも言えるユーノの声を聞いて、ブレンヒルトは盛大に溜息を吐いた。 「じゃあ、あなたはこのゲームについて、本当に何も知らないの?」 「う、うん。まだ確かなことは何も……」 使えないわね。 心の中で呟きながら、ブレンヒルトはユーノを見下ろす。 これならまだバルディッシュのほうが役に立つというものだ。 「じゃあ、あなたはこれからどうするつもりなの?」 「なのはと明日香と……ルーテシア、それにジュエル・シードを探そうと思っている」 恐らくは高町なのはを意味するであろう名前を声にする目の前のフェレットを ブレンヒルトは幾分か不思議に感じたが、今はそれに勝る疑問が彼女にはあった。 「そう……それであなたは無事に全部見つけたとして、どうするつもりなの?」 その質問には沈黙を返すユーノ。 その居ずまいに、思わずブレンヒルトの額に青筋が浮き立つ。 無限書庫と言われる何だか壮大な所に勤めておきながら、先を見通そうとしない浅慮。 ブレンヒルトの苛立ちに限界が来るのは当然のことだった。 「このバカフェレット! 今の状況が分かっているの? それじゃあ、あなたの目的を果たしたところで、全てが解決するというわけじゃないのよ。 今、私たちはデスゲームの真っ只中にいるの。 このゲームに対して、何かしらの解決策を導かなきゃ、あなたもあなたの探し人も全部終わりよ。 それともスクライア、あなたは優勝でも目指しているのかしら?」 波濤の如く押し寄せるブレンヒルトの言葉。 その波に飲み込まれて、平常心を保つのは難しい。 だけどユーノは平然と佇立し、思いがけない方法で、その波を受け返した。 「いや……ここからの脱出の手段なら、ないこともない……」 「何ですって!!?」 その言葉を聞いたブレンヒルトは、 思わず怪我をしているフェレット姿のユーノのムギュッと両手で掴み、詰め寄った。 「さっさと答えなさい、スクライア!」 「ちょ、痛い、痛い! ブレンヒルト、痛いよ!」 見てみれば、ユーノの傷からは僅かに血が滲み出ていた。 「あ、あら、悪かったわね、スクライア。つい興奮してしまって……」 「いや……うん……いいよ、ブレンヒルトの気持ちも分かるし」 ユーノはフィジカル・ヒールの魔法を新たに発動させながら答える。 その様子に若干の居た堪れなさを感じながらも、ブレンヒルトは未だ興奮を隠せずにいた。 「それでスクライア、その方法は何? それは今すぐに出来ることなの? というか、さっさと私を元いたところに返しなさい!」 「いや……えっと……」 「ほら、さっさと答える!」 まくし立てるブレンヒルトにユーノは思わず怯み、言葉を失う。 その様子に痺れを切らしたブレンヒルトは威嚇するかのようにモギュッとユーノの身体を掴んだ。 「ちょっ、痛いって! 痛い! 話すから放して、ブレンヒルト!」 「よし! それじゃとっと話しなさい」 そう言ってブレンヒルトはユーノをベッドの上に放った。 そんな手荒な扱いに内心文句を募らせながら、 ユーノはブレンヒルトの興奮を治めるように、ゆっくりと説明を始めていった。 「まず最初に言っておきたいんだけど、これは安全で確実な方法じゃない。一種の博打みたいなものなんだ」 「随分と剣呑な言い方をするのね。それじゃあ、失敗したら、私たちの身に危険が及ぶような口ぶりじゃない」 「うん、実際、危険な方法なんだ。そしてやる価値があるのかも、今は分からない。それでも聞くかい?」 「ええ、聞くわ。どの道、今の私にはここを脱出する手段なんて何も思い浮かばない。 それなら何もない道を進んで迷うよりかは、危険だと分かっていても、 今にも切れそうな吊り橋を渡った方が、よっぽど安心できるわ。 何てったって橋の先には明日が見えているんだからね」 「そうだね。そうかもしれない」 ブレンヒルトの言い回しに、ユーノは同意した。 「それで、その危ない橋を渡る方法は何かしら?」 「ブレンヒルトはジュエル・シードというものを知っているかい?」 「ジュエル・シード? さっきあなたが探しているものって言ってたわね?」 「うん」 「残念ながら知らないわ。説明をお願い出来るかしら?」 「うん。ジュエル・シードはロスト・ロギア、古代遺産の一つで、何でも願いを叶える宝石と言われているものなんだ」 「ちょっと、待って、スクライア。あなたの言う脱出手段って、 もしかしてそのジュエル・シードに、願いを叶えてもらうってことなの? それともこれは何かしらのジョークなのかしら?」 ブレンヒルトは何とも呆れた顔でユーノに聞いた。 期待して質問してみたら、返ってきた答えは、何ともメルヘンチックなもの。 そんな現実感を感じさせないご都合主義的なもので、彼女は到底納得できるはずもなかった。 「いや、ジョークじゃないよ、ブレンヒルト。大真面目さ」 侮蔑の眼差しを送るブレンヒルトに、 ユーノは至って真面目な視線を送り返し、更なる説明を加えていった。 「ジュエル・シードに願いを叶えてもらうってことで間違いはないけれど、厳密には違う」 「どういうこと?」 「結論から言えば、ジュエル・シードの力を解放させる」 「解放?」 「うん。ジュエル・シードは願いを叶えるという側面もあるけれど、その実体は次元干渉型のエネルギー結晶体。 そのエネルギーを解放させれば、次元震が起きて、このフィールドを覆う結界が壊れると思う。 また壊れないにしても、次元震が周りに与える影響は大きい。 恐らく……というより、十中八九、時空管理局がその反応を捉えて、ここにやって来ると思う。 そうなれば、プレシアもこんなゲームを続ける余裕はなくなるだろうし、僕たちも無事にここを脱出することが出来る」 ブレンヒルトはユーノの説明を聞き終えると、指を顎にあてながら、じっと考え始めた。 そしてその時間が終わると、すぐに彼女は口を開いてきた。 「スクライア、幾つか質問があるわ」 「なんだい?」 「まず最初にそのジュエル・シードがこの会場にあるかということ。 そんなゲームの盤台をひっくり返すようなものを、 あの腹黒そうなオバサンが私たちに支給するとは思えないわ。 二つ目は、その次元震とやらが、私たちにどういった影響を与えるか。 結界に覆われていても、尚、反応を確認できるようなエネルギーを目の前にして 果たして私たちは無事でいられるか。 そして三つ目。これは一番肝心なことよ。 スクライア、あなたの考えには首輪のことが欠落しているわ。 あなたは一体この首輪をどうするつもりなの? 取り敢えず、以上の三つよ。答えてもらえるかしら、スクライア」 「まず一つ目の質問だけど、答えは、ある。 実際ルーテシアのバッグに入っているのを僕が確認した。 恐らくはプレシアは殺し合いの促進を目的として、配ったんだろうね。 ジュエル・シードの願いを叶えるというのは、ものすごくあやふやなものなんだ。 上手く扱わなければ、ジュエル・シードは暴走して、持ち主を取り込んで、モンスターとなる。 そうなれば参加者の間に友好的な関係が出来るはずもなく、自然と戦闘が生じてしまう。 そういった事を考えれば、多分だけど、 他の参加者にも支給されている可能性も高いんじゃないかな」 「なるほど、ジュエル・シードがあるというなら安心だわ。 だけど、スクライアはそんな危ないものを上手く扱えるのかしら?」 「どうだろうね。ジュエル・シードの力を解放することは、僕でも出来ると思う。 だけど、それを完全に制御するとなると、僕一人じゃ、やっぱり難しいかな」 「一人……ね。というと、複数なら可能というわけね。 それでそのメンバーに入るのに、何か資格は必要なのかしら?」 「資格というわけではないけれど、補助系の魔法に長けた人物が欲しいね」 「それはこのゲームの中にいるの?」 「うん、僕の知る限りではシャマルとザフィーラの二人かな。 彼らがいててくれれば、何とか制御はできると思う」 「そう。それでその人たちは殺し合いに乗るような人かしら?」 「普段の彼らを見る限りでは、そういったことは考えられない。 でもこの場でなると、正直、分からないところがある」 「まあ、そうでしょうね。それにその人たちが脱出に必要というのなら、 どちらにしろ、会ってみないことには何も始まらないしね。 それじゃあ次の二つ目の質問の答えをいいかしら?」 「その答えは、何ともいえない。言っただろう、博打だって? 上手く制御できれば、何も問題はない。 だけど制御できなければ、次元震によって、この世界は崩壊。 そして、それに巻き込まれて僕たちは死ぬことになると思う。 勿論、全員ね」 「そう」 「そう、って……驚かないんだね」 「十分驚いているし、嘆き悲しんでいるわ。 でも、このままここにいても、死ぬという可能性は絶えず付き纏う。 だから、あなたのいうことは、今と大して状況が変わらないということなの。 なのに、それを今更、他人に分かるように驚いてみせる必要はないでしょう?」 「まあ、そうかもね」ユーノは苦笑した。 「それで三つ目は?」 「三つ目の答えは、僕自身、まだ何も考えていない」 「はー!? あなたは何を言っているの!?」 「いや、待って、落ち着いて! お願いだから、ブレンヒルトはこっちに手をのばさないで!」 「……ふん、あなたがそう言うとなると、まだ先に答えがあるというわけね?」 「うん。首輪の方は、多分、Lが考えていてくれていると思う」 「L?] 「僕のパートナー……というのかな? 探偵をしている人間だ」 「探偵ね~」 「そんないぶかしむ必要はないよ。彼の能力の高さは僕は保証する。 それに彼自身も名簿を見て、僕と同じ結論に達したと思うしね」 「結論? それは一体どんなものなのかしら?」 「結論といっても、そんな大げさなものじゃない。 ただ単に自分の役割を認識したというだけのことだよ。 僕がこのフィールドを覆う結界をどうにかして、 Lが首輪を解除の手段を模索するということを。 一応、僕が結界魔導師と呼ばれていることを、彼は知っている。 そしてその名の通り、僕は他の魔導師よりかは、結界について一日の長があると自負している。 そんな僕に彼が期待することは、勿論、決まっているだろう?」 「結界の解除、もしくは破壊といったところね」 「それにLには戦う能力はなく、また結界についての知識もない。 だとしたら、彼が選び取る行動の選択肢は予想がつく。 つまりは、首輪の解除。 Lがそう動いてくれるなら、僕は安心して他のことに専念できる」 「随分と信頼しているのね?」 「まあ、そうだね」 「信頼も結構だけど、スクライア、あなたはやっぱり今という状況を失念しているんじゃないかしら? あなたはさっき言ったわね。Lに戦う能力がない、と? そんな人がこんな所で無事に生き残っていられると思う?」 「う~ん」 ユーノは腕を組み、首を傾げながら、唸り声を上げた。 あの濁りきった目をした人間が、死ぬということが、上手く想像できなかったのだ。 寧ろ死んだとしても、そのまま普通に動き出しそうで怖い。 「どうだろう。 彼は頭も良いし、行動にも抜け目がない。 恐らくは生き残っていると思う。 でもそれについは、次の放送で分かるんじゃないかな」 「そうね。そういえば、放送も近いわね」 結果がすぐに分かるというなら、もしものことについてわざわざ頭を悩ます必要はないだろう。 「そういえば、あなたはジュエル・シードを持っているの? 見せてもらえるかしら」 「いや、ルーテシアに預けてあるよ」 ブレンヒルトは思わず眉をひそめた。 ルーテシアは先程、ユーノの腹を刺した張本人。 しかも、ゲームに乗っているという最悪な人物だ。 そんな人間の手に肝心なジュエル・シードが渡っているというのでは、 折角見えてきた脱出という文字が、遠ざかっていくのを感じずにはいられない。 そこで彼女が気になるのは、先程言っていたユーノの言葉。 「スクライア、あなたはさっきルーテシアを探すと言っていたわね。彼女を探して一体どうするの?」 「彼女と会って……うん……話をしてみるよ」 ユーノは言葉を選びながら、ゆっくりと答えた。 ゲームに乗ったものと対峙する。 ブレンヒルトはユーノとルーテシアの関係など、想像もつかなかったが、 それでもユーノの答えは危機感を放棄した馬鹿な考えとしか思えなかった。 「スクライア、確認するけれど、あなたは何故ルーテシアがあんなことをしたのか、ちゃんと分かっているの?」 ブレンヒルトの台詞を聞いて、ユーノはその答えを探す。 思い返せば、ユーノは出会って早々にルーテシアの裸を視姦し その次には彼女のいじらしい胸をまさぐっていた。 何とも破廉恥な行いをしてきたものだ。 それでは彼女が怒るのも当然といえる。 今まで無事だったのは、ひとえにユーノがフェレットという認識がルーテシアにあったからに過ぎない。 しかし、ユーノはミスを犯してしまった。 先の襲撃の際に、ユーノは咄嗟に変身を解いてしまい、人間体へと戻ってしまったのだ。 ルーテシアはマフィアだ。 そしてマフィアはプライドや面子を大切にするという。 あのナイフを持ったアクションは自分に不義を働いた人間ユーノに対して、 ルーテシアなりのケジメをつけたのだろう。 ユーノはそう判断する。 無論、何をするにしても、あんな状況ですることとは思えないが、ルーテシアはマフィアの跡目。 流石は肝が据わっている、ということなのだろう。 そんな彼女に対してユーノとて恐怖が湧かないわけではないが、 ここでちゃんと謝っておかないと、後々尾を引きかねない。 もし眼帯をした少女やそのファミリーにルーテシアの怒り、ユーノの正体がばれたらどうなるか。 それではこの会場における自身の危険性が遥かに増すし、 ユーノの関係者も見せしめとして処分されかねない。 またここを無事に脱出できたとしても、その後の命に保障がもてない。 やはり一番に解決すべき問題なのだろう。 「うん……分かっているよ」 ユーノは頼りなくはだが、しっかりと答えた。 「そう、分かっているのね」 今までとは違った優しい声が、辺りに響いた。 ユーノはてっきり軽蔑されるのかと思っていた。 自らの猥褻行為を省みれば、それも当たり前。 だけどユーノの目の先には、何とも柔らかな眼差しを送るブレンヒルトがいた。 「あなたがそこまで言うのなら、私からは何も言えないわ。 ただし、約束なさい。ちゃんと彼女を、ルーテシアを説得すること。いい?」 「えっ、う、うん、約束するよ」 ユーノの戸惑いをよそに、ブレンヒルトは感心していた。 ルーテシアはゲームに乗っていて、ユーノを傷をつけた。 それなのにユーノは彼女の行いを許し、説得しようというのだ。 全く馬鹿げた奴だ、とブレンヒルトは思う。 だけどそれと同時に、ユーノへの信頼が自分の内に湧いてくるのを、 彼女は感じずにはいられなかった。 【1日目 昼】 【現在地 H-8 畑の隅にある小屋】 【ブレンヒルト・シルト@なのは×終わクロ】 【状態】健康 【装備】1st-Gの賢石@なのは×終わクロ、バルディッシュ・アサルト(カートリッジ4/6)@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、双眼鏡@仮面ライダーリリカル龍騎、首輪(矢車)、ランダム支給品0?1 【思考】 基本:ここからの脱出。 1.ジュエル・シードの捜索 2.L、シャマル、ザフィーラの捜索 3.残り15人になったら車庫の中身を確認してみる(信用できる人以外に話す気はない)。 4.キース・レッドとの約束は一応守るつもり。 5.戦闘には極力関わらない。 6.フェイトの生い立ちに若干の興味。 【備考】 ※自分とバルディッシュに共通する知人に矛盾がある事を知りました(とりあえず保留、別世界の可能性を考慮)。 ※キャロ、金髪の青年(ナイブズ、危険人物と認識)、銀髪の青年(殺生丸)の姿を遠くから確認しました。 ※車庫を無理に開けようとすれば首輪が爆発すると思っています。中身は単体で状況を変え得る強力な兵器だと思っています。 ※ルーテシアの話の真偽は保留。 ※ユーノ・スクライアのことを信用しました。 ※ルーテシアのことはユーノにまかせるつもりです。 【ユーノ・スクライア@L change the world after story】 【状態】魔力消費(中)、腹に刺し傷(ヒーリング中)、フェレットに変身中 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本:なのはの支えになる。ジュエルシードを回収する。フィールドを覆う結界の破壊 1.ルーテシアと話をする 2.ジュエル・シードの捜索 3.シャマルとザフィーラの捜索 4.Lや仲間との合流。 5.首輪の解除。 【備考】 ※JS事件に関連した事は何も知りません。 ※プレシアの存在に少し疑問を持っています。 ※ルーテシアがマフィアや極道の娘だと思っています。 ※ルーテシアに刺されてから小屋に着く途中まで気絶していたのでルーテシアや明日香がどうなったのか知りません。 ※ルーテシアに刺されたのは、自分が破廉恥な行いをしたからだと思っています。 ※結界を壊す一つの手段として、ジュエル・シードの力の解放を考えていますが、実際にやるかどうかはまだ分かりません。 Back かがみとバクラが堂々とホテルで休憩するそうです 時系列順で読む Next The people with no name Back かがみとバクラが堂々とホテルで休憩するそうです 投下順で読む Next The people with no name Back Reconquista(後編) ブレンヒルト・シルト Next 誇りの系譜(前編) Back Reconquista(後編) ユーノ・スクライア Next 誇りの系譜(前編)
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名称:【TA神話】ユーノ・アスタディール レアリティ:☆8 属性 木 一覧番号 1773 入手先 入手先1:入手先2:入手先3: レベル 1(99) HP 5767(9414) 攻撃力 696(1136) 治癒力 181(295) コスト 8 売却価格 ??? 進化必要素材 (進化)【TA神話】ユーノのビジュー(進化)【TA神話】ユーノのビジュー(進化)【TA神話】ユーノのビジュー(進化)【TA神話】ユーノのビジュー(進化)【TA神話】ユーノのビジュー 進化先 【TA神話】アンジェラブラン 必殺技:ミョルニルの魔槌 必要ターン数 28(13) 効果(Lv1) 発動したターン、このターンに発動した必殺技数×50%味方木属性の攻撃力が上昇する。 効果(Max) 発動したターン、このターンに発動した必殺技数×75%味方木属性の攻撃力が上昇する。 リーダースキル:不思議な転校生 木属性攻撃力4倍、HPと治癒力1.5倍。最終R開始時PC1回復。 最終Rに限り、敵から受けるダメージを20%軽減する。
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決意のT/少年の使命 ◆XksB4AwhxU 「くそっ……!」 鳴海探偵事務所の私立探偵、左翔太郎は悔しそうな表情で悪態をついていた。 加頭順。 奴は自分達の手で倒したはずだ。 なぜ生きているのか。 いや、それだけならまだいい。 奴が何を考えてこんなふざけたゲームを開催したのかは知らないが、また倒せばいいだけだ。 問題は… 「フィリップ……!」 フィリップ。 先日1年ぶりの再会を果たした唯一無二の相棒。 その相棒が、奴らによって捕らえられているというのだ。 「待ってろよフィリップ…こんなふざけたゲーム、すぐにぶち壊してお前を助けてやるからな!」 強い決意を胸に、翔太郎は相棒に誓う。 殺し合いに乗るという選択肢は彼にはない。 奴らが素直にフィリップを返してくれるとは思えないし、大体そんなことはフィリップ自身が望まないだろう。 「それに…仮面ライダーは人々を守る正義の味方だからな!」 だから彼は決意する。 殺し合いを打破し、相棒を助け出すことを。 地図を見ながら、翔太郎はここから一番近くにある施設、図書館を目指すことにした。 殺し合いを打破するために必要なのは同じ志を持つ仲間だ。 もちろん真っ先に出会いたいのは仲間である照井竜だが、あてがなくては探しようもない。 殺し合いに乗った参加者と出会う可能性もあるが、その時はその時だ。 「グダグダ考えてても仕方ねえしな。行くとするか!」 一方、そんな図書館には一人の少年…ユーノ・スクライアがいた。 彼はデイバックの中身を一通り確認し終えると、館内をぐるりと見渡す。 図書館の規模はそれなりにあり、無限書庫などと比べると比べ物にならないがそれなりに蔵書数も多いようだった。 後に無限書庫司書長となる彼はざっと本を調べてみた。 「プリキュア……テッカマン……ウルトラマン?」 聞いたことない言葉だ。 ミッドチルダや地球とは違う他の管理世界に存在するものなのだろうか。 そういえば、加頭という男が話していた仮面ライダーという言葉も聞きなれない言葉だ。 「そういえば、あの人が使っていたあれは…」 ユーノはあの会場でのことを思い出す。 あの男は、ガイアメモリというものを用い、異形の姿へと変貌した。 「あれはまさか…ロストロギア?」 確証はないが、もしそうだとしたら黙って看過するわけにはいかない。 仮にロストロギアでなかったとしても、どのみちあのような危険なものを放置はできない。 一刻も早くこの殺し合いの企画者たちを逮捕し、回収しなければならない。 だが、管理局とは連絡ができないし、この会場のどこかにいるだろうなのはやフェイトとも念話ができない。 状況はかなり厳しいようだ。 「とりあえず、まずはここにある本を調べてみようかな」 加頭という男の言っていた仮面ライダーやガイアメモリ、この図書館の文献のいくつかに見られる謎の言葉。 確証はないが、これらについて知ることができればこの殺し合いを止めるための突破口を見つけることができるかもしれない。 もちろんここにあるすべての本が有益な情報源になるとは思えない。 ある程度の取捨選択をしながらでないといつまでたっても調べ終えることができない。 だが、自分には検索魔法がある。 検索魔法を使えば、ある程度効率よく必要な情報を手に入れることができるだろう。 「よし、やるぞ!」 それから30分後。 ユーノは苦悶の表情で検索魔法を行使していた。 (く…どういうことだ!?魔力の消耗が…いつもより激しい!?) 先ほども言ったように、ここは無限書庫などと比べれば蔵書数は圧倒的に少ない。 だから調べるといっても、そんなに時間がかかるとは思っていなかった。 だが現実はそう甘くなかった。 普段検索魔法を使う時より明らかに魔力の消耗が激しいうえに、調べる速度も著しく落ちていた。 むろん消耗が激しいといっても短時間の行使ならそれは微細なものだ。 だが既に30分以上も続けているために、大分疲れがたまってきていた。 なにしろ以前闇の書事件で無限書庫での調査をした時のように、ただ一つの事柄を調べればいいわけではなく、今回は情報の量を手当たり次第に増やしていくのが目的だ。 魔力消費による疲労と次々入ってくる情報の整理で心身ともに負担が大きかった。 ユーノは検索魔法の展開を止める。 このまま消耗し続けながら調査を続けていくのはさすがに無理がある。 時間はかかるが、自力で調べた方が良さそうだ。 検索魔法を止めた瞬間、一気に疲れが出たのかその場に倒れてしまう。 「少し休んだら、また調査を再開しよう…」 こうしている間にも参加者が凶刃に倒れているかもしれないのだ。 あまり休んではいられない。 ユーノは自分と同じくここに呼ばれた高町なのはやフェイト・テスタロッサほどの魔法の才能はない。 支援系の魔法ならそこそこに自信があるが、攻撃魔法はてんでだめだ。 だからこそ、彼は決めたのだ。 前線で彼女たちを守るのではなく、後方で裏方に徹し彼女たちのサポートをすることを。 その結果彼は、無限書庫でその調査能力を存分に発揮し、地味ながら闇の書事件解決に貢献したのだ。 なのはやフェイトも、きっと今ごろ殺し合いの打破のために動き出しているだろう。 それなら自分の仕事は、彼女たちがまっすぐ飛ぶためのレール作りをすることだ。 「そうだ…これが僕、ユーノ・スクライアにこの殺し合いの場で与えられた……使命だ!」 ガチャ その時、突然図書館のドアが開く音がした。 ユーノはすかさず起き上がろうとするが、かなり疲れがたまっていたためか、体が動かなかった。 (まずい!この状態で襲われたりしたら…!) 「おい!大丈夫か!」 ユーノの懸念とは対照的にその声の主は心配そうにしながらこちらに駆け寄ってきた。 良かった。殺し合いに乗ってはいないらしい。 「あ、ありがとうございます…えっと」 「俺は左翔太郎。風都って街で探偵をやってるんだ。立てるか?」 「あ、はい…迷惑をかけてすいません」 翔太郎に手を引かれ、どうにか立ち上がるユーノ。 「気にすんな。俺は人々を守る正義の味方…仮面ライダーだからな!」 「仮面ライダー……あなたが?」 加頭が話していた仮面ライダーという存在。 目の前の男こそが、その仮面ライダーらしい。 彼に話を聞けば、詳しい話が聞けるかもしれない。 「…あー、それより君の名前も教えてくれねえかな?何があったのかも聞きたいしよ」 「あ…はい。僕はユーノ。ユーノ・スクライアです」 探偵は決意する。殺し合いを止め、相棒を助けることを。 少年は止まらない。自らに課された使命を全うするために。 それぞれの想いと出会いが、この殺し合いの場に何をもたらすのか。 それはまだ分からない。 【1日目/未明 I-5 図書館】 【左翔太郎@仮面ライダーW】 [状態]:健康 [装備]:ダブルドライバー@仮面ライダーW [道具]:支給品一式、ガイアメモリ(ジョーカー、メタル、トリガー)、ランダム支給品1~3個 [思考] 基本:殺し合いを止め、フィリップを救出する 1:ユーノから話を聞く 2:仲間を集める [備考] ※参戦時期はTV本編終了後です 【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】 [状態]:体力消費(中)、魔力消費(中) [装備]:無し [道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3個 [思考] 基本:殺し合いを止め、企画者たちを捕らえる 1:翔太郎と話をする 2:図書館の本を調べる [備考] ※参戦時期は闇の書事件解決後です ※ガイアメモリはロストロギアではないかと考えています ※検索魔法は制限により検索スピードが遅く、魔力消費が高くなっています ※他世界の情報についてある程度知りました。 (何をどの程度知ったかは後続の書き手さんに任せます) 時系列順で読む Back 不幸のバトルロワイヤル! 幸せを取り戻せ!!Next 天下無双の方向音痴 投下順で読む Back 不幸のバトルロワイヤル! 幸せを取り戻せ!!Next 天下無双の方向音痴 左翔太郎 Next 彼らは知らない ユーノ・スクライア Next 彼らは知らない