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前へ 「ようこそ、フルーティーズ2名様!」 ・・・怖。 キュートの楽屋に入ると、超不自然な笑顔の舞美が出迎えてくれた。目が笑ってない舞美スマイルは恐ろしい。 無意識なんだろうけど、左手をバタバタさせて、奥にいる千聖を私達の視界から遠ざけているようだ。 「桃ちゃん、久しぶり!舞、桃ちゃんに話したいことがあるんだ!」 「えー?珍しいねぇ。何の話?」 「・・・なんだろう。別にないかも。」 「・・・」 キュート、嘘つけなさすぎ! 私はともかく、梨沙子はもうおなかを抱えて笑い出しそうになっている。 あわててお尻をペチンと叩くと、うらめしそうにこっちを見ながら、なんとかこらえてくれたみたいだ。 「こっちおいでよ梨沙子。この雑誌、梨沙子の好きそうな魔女グッズが載っててさあ」 「うん!」 こちらは自然な感じで、愛理と栞菜が梨沙子を呼び寄せた。 さてと。 千聖は年長組と舞ちゃん、なっきぃに挟まれている。 全員でさりげな・・・くないけど、身を挺して千聖を守っているようだ。 何だろうこれ。ミーアキャットの群れみたい。もしくは、カバディ。 こんなに仲良しで結託しているキュートを見ていると、ちょっとだけ意地悪してやりたくなってきた。 「千聖、ももと2人で話そう。ちょっと相談に乗ってほしいの。」 「ももちゃんが私に?全然役に立たないかもしれないよぉ?」 きょとんとした顔で、千聖が小首をかしげた。 へー・・・。 全然、前の千聖と変わらないじゃない。梨沙子から情報がなければ、こんなふうに千聖の態度をいぶかしむこともなかっただろう。 もし本当に人格が変わっているのだとしたら、かなりの役者だな、千聖は。 ただし。 「あーちょっちょっ待って.。むしろその相談にはウチがのりたいなあ。」 「いやいや、ももち!普段まったくかかわりのない私の客観的な意見こそ参考になるよ!キュフフ!」 「いや、ここはお姉さんズで話すべき!小娘はひっこんでな!とかいってw」 「みぃたんひどい!なっきぃのことハブんなよ!」 千聖じゃなく、周りの演技力がヒドすぎる。 愛理はもはや天を仰いでいるし、栞菜はオロオロしている。 梨沙子はもういいでしょももー。と目で訴えかけてきていた。 「ももちゃん。あっちで話す?」 その時、千聖がスッと前に出てきて、ごく自然な仕草で私の腕に手を絡めてきた。 「へへ。久しぶりだねー」 屈託のない表情。キュートのメンバーの保護をあえて辞してまで、私のところに来てくれたと思ったら、ちょっと嬉しくなった。 「ちょっと、千聖ぉ。」 「ももちゃんと2人で話すんだから。絶対誰も聞いちゃだめだよ!」 千聖、結構チャレンジャーだね。 奥のソファまで移動すると、千聖はさっそく「相談って、なに?」と少し表情を改めた。 「うーん・・・ないっ!」 「えっ!」 「千聖と2人になりたかっただけ。だから、相談は、ないっ!」 ふはっ えりかちゃんが噴出した後、一瞬間をおいて、千聖が抱きついてきた。 「ももちゃぁ~ん!何だーびっくりしたぁ!」 「ごめんごめん!だって今日なんかキュートみんな怖い顔してるからぁ~ちょっと嘘ついちゃった!」 まっすぐ私を見つめていた深い茶色の瞳が、長いまつげに縁取られた瞼の中にキュッと仕舞いこまれた。 私はこの笑顔が大好きだった。 たとえ全てが演技だったとしても、この笑顔は邪悪な人間ができるものじゃない。 「ねえ、千聖。ももは、千聖が好きだよ。昔も、今も、これから先の千聖のこともずっと好き。どんな千聖でも、ももは大好き。」 「ももちゃ・・・・」 私の名前を呼びかけた唇が、とまどいに震えて、静かに閉じられた。 私の知らない表情をした千聖が、そこにいた。 千聖の被った仮面が、壊れかけた瞬間だった。 次へ TOP
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前へ 「千聖。ちょお~っと後ろ向いてて。」 肩を掴んでくるりと反転させると、私はおもむろにワンピースを脱ぎ捨てた。 「これ、使って。」 後ろから手を回して、自分がつけていたブラを千聖の胸にあてがう。 「えっ!で、でも、これ・・・えりかさんの・・・」 「大丈夫。私は、えーっと、よく考えたらもう一枚持ってた!だから気にしないで、つけて?」 背中のホックを止めてあげる間、ちょっと下に首を傾けて大人しくしてくれる姿が可愛らしい。 もし本物の妹がいたら、こういうふわふわした子がいいな。 お嬢様の千聖はこちらが困ってしまうほど従順で柔らかくて素直で、何でもしてあげたくなってしまう。 ああ、こんなに可愛いならもっと早く新しい千聖と接しておけばよかった。 一人で悶々としてる時間は無駄だった。 私はどうも、考えすぎて二の足を踏んでしまう傾向があるみたいだ。 私だけはみんなと千聖を客観的に見守るだなんて単なる口実で、結局ヘタレえりかだから千聖から逃げていただけだったんじゃないか。 これからは、もっとこっちの千聖とも積極的に関わっていこう。可愛いし。 「んー・・・ちょっと、アンダーが、緩い?あんまり動かなければ平気かな。」 体格差がかなりあるから仕方ないけど、最近お菓子の食べすぎを自認している身としてはちょっとへこまされる。 胸の形を整えてあげて、洋服をかぶせると、見事なお椀が2つできあがった。 「おぉ~いいね!千聖、隠すよりこうした方が絶対いいよ。女らしくて綺麗。」 「そ、そうですか。あの、ありがとうございます。」 もともとブラに備わっているぬいつけパット的なもののせいで、立派なおっぱいがさらに立体的になっているのは仕方ない。(舞美のに比べたら偽装にもならない程度!) 「えりかさん、本当にいろいろご迷惑をかけてしまって。」 「いいって~キュートの仲間じゃないの。これからも何でも言ってよ。」 「はい。」 前の千聖も、今の千聖も、やっぱり笑顔が抜群に可愛い。 この顔を見せられると、つられてにっこりしてしまう。 皆がお嬢様千聖に甘くなってしまうのがなんとなくわかる気がした。 楽屋に戻るとすぐ、私はマネージャーの元へ急行した。 「ちょっと、お耳を拝借・・・・」 「・・・・というわけなんだよ、なっきぃ。いろいろ心配かけてごめんね。」 衣装合わせを終えた私は、なっきぃを誘って、隅っこの方で私と千聖の空白の数十分について説明をした。 目線の先には、胸元を押さえてうらめしそうにこちらを見るマネージャー(巨乳)。 「う~ん。それはいい話だねといいたいところなんだけど、1個言ってもいい?」 「はい。」 「別に、えりかちゃんが千聖にブラジャー貸す意味なくない?その行動ムダじゃない?えりかちゃんはそのまま自分のブラつけてればよかったんじゃない?」 「うっ」 「ていうか、すぐ近くにスーパーあるんだから買いに行けばよかったと思うんだけど。何もマネージャーから剥ぎ取らなくても。頼んでくれればなっきぃが行ったよぅ。」 「ぐっ」 「もーびっくりしたよ。えりかちゃんいきなりマネージャーに脱いで!とか言い出すんだもん。ちょっと冷静になればさぁ・・・ってえりかちゃん!そんなへこまないでよぅ。」 「1個じゃなくていっぱい言ったね・・・」 本当におっしゃるとおりすぎて、さっきまでの得意げな気分はしぼんでしまった。 要領がいい悪い以前に、判断がめちゃくちゃじゃないか、私。 いつもより心もとない胸元に、余計に風が吹きすさんだ。 「ごめんごめん。なっきぃつい言いすぎちゃうね。でも、千聖が嬉しそうだからこれで良かったんだと思うよ本当に。うん。それに、えりかちゃんが千聖のこと気にかけてたってわかってなっきぃも安心した。」 「・・・本当?」 なっきぃが指差す方向を見ると、ちょうど千聖がサイヤ人のような衣装を合わせているところだった。私となっきぃの姿を確認すると、軽く手を振ってきた。 「明るくなったよね、お嬢様。きっとえりかちゃんのおかげだよ。」 「なっきぃ・・・」 お姉ちゃんみたいな口調でなっきぃに励まされて、じんわり胸が熱くなった。 「あーでも、あの胸はちょっとヤバいね。えりかちゃんのパットのせいだ。キュフフ」 「・・・もうしわけありませんでした。」 数日後、私のプチ偽装ブラを気に入ってくれた千聖が、ライブトークの時にまでそれを装着して【ロケットおっぱい】【メロンπ】【( 三 ) 】などと話題をかっさらうことになったのはご愛嬌。 次へ TOP
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管理人は、「アメーバピグ」にて池袋晶葉ちゃんのなりきりピグをやっています。(管理人のピグの部屋はこちら) 細かな個所で一致していないけど、大体似ているでしょ? 逆立ち中。「頭の体操だ!」 居眠り 「今日は機械部品を買いに行くぞ!」 成宮由愛ちゃんっぽい子がいたので一緒に ピンク好きで和テイスト好きな池袋ちゃんはこんな傘差しそう 「ウサミン星にやって来たぞ!」 「ウサミン星人…一度じっくり話してみたいな。謎の技術とか…ないか」 実は池袋ちゃん自身が巨大なロボだった説
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番号 MW10026 名前 葵ちゃん 読み あおいちゃん Lv 4 スター R☆ 種別 ユニット BP 6500 SP 1000 【仕事してくだサーイ!!】○プランゾーンにこのカードがあるなら、あなたはプランできない。○気合(登場した時、あなたに1000ダメージ!)○親切‐黒([1エネルギー支払う]ターン中プレイする黒のユニットのレベル-1。1ターン1回起動可)○苦労(プランでめくれた時、嫌なことが起きる)『自分の手札を2枚選び、捨てる。』 移動方向 ↑↓ 属性 ♀ ブロック メディアワークス 作品 ケメコデラックス! レアリティ R 気合、苦労とデメリット能力を二つ備えた、低レべ大型スペックユニット。 利点の方が大きく取られたのか、人気があるカード。場に出すのに工夫がいる。 効果の都合上<奴ら>からフィールドに出ることが多い。早めの展開では、親切も活きてくる。
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775 名前: 1/2 [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 19 07 51 ID ??? なんか暇だから投下。 最初に言うと先輩GMと友人が少し困った人だったって話。 俺が高校生の時でかなり昔なんだが、 友人数人と一つ上の先輩(この人がるるぶ持ってた、おれたちはるるぶ持ってない)で、 TRPGやってたのよ。 趣旨は理解してたし、全員CRPGはやってて、先輩も熱心に布教してたから俺たちも 新しい遊びに夢中になってやってたんだ。 で、やたらと騒いだ奴がいて、仮にBとするが、 B「私の名はボルドヘッド、ただの医者です」 GM「さすがにそれはまずいwwwそもそもお前の名前はロバートだろうがwwww」 と最初は愉快にやれてたんだ。GMもある程度までならネタ拾って許容してくれたしな。 だが、こいつの困ったところはすぐに殺すだの殴るだの言うところで、バレバレの罠があろうが 「突っ込む!殺す!」だし、 NPCの少女が助けを求めて来ても 「お前、高く売れそうだなぁ?」と、そこらの山賊と変わらんRPをする始末。 776 名前: 1/2 [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 19 08 33 ID ??? そんなBにだんだんGMが疲れを見せ始めたんだ。 GM「……おまえら頼むからいい加減にまじめにやってくれ」とか、 シナリオの趣旨から逸脱しまくる俺たちに懇願するくらいだった。 俺たちもBに乗っかってかなりカオスなプレイングをしてたんで、反省してやめたのよ。 だけどBだけはやめなかった。それで、なんかGMは張り付いた笑顔でシナリオを進めてたんだが 最期の最後で GM「じゃあボス戦だよー」 と、コマを配置し始めた。問題はその数。なんかやたらと多い。しかも包囲されてる。 戦闘が始まると、GMがBのキャラ(盗賊)を優先的に狙うようになって、 あっという間に前線が落ちた。雪崩式にPTが半壊して そこで俺たちは降参。重要アイテム奪われて、ミッションは失敗。 GMもBもなんか我に返ったらしくしょぼんとしてた。 そのあと、何回かBとGMと一緒にセッションやる事あったんだけどBは相変わらず 騒ぎまくって場を荒らすんだが、GMは耐える、流す、笑い飛ばすを駆使してセッションを進めるようになった。 暴れたとか喧嘩したとか、そういう困ったやつらじゃないんだが、 何が困ったって当時のGMメモ(先日見せてもらった)に「コロスリスト:B」って書いてたことなんだけどなw 777 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 19 22 35 ID ??? 俺も一時期ながいながい処刑リストを持っていたことがあった。 779 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 19 40 51 ID ??? 殺すリストって目的を達成したら氏名に斜線を引くんだよね。 780 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 19 41 53 ID ??? いや、書いた時点で相手が死ぬ事が確定するんだよな? 781 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 20 24 53 ID ??? この前子供が落書きして遊んでたぜ 782 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 20 31 11 ID ??? ああ、あのぶたがふってくるノートな 783 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 20 35 18 ID ??? ドリムノートテラナツカシス 784 名前: NPCさん [sage] 投稿日: 2009/07/16(木) 20 41 51 ID ??? 晴れときどき困ったちゃん スレ229
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「ら・・・ランチ!」 「ち?血祭り」 ひぎぃ! 「キュフフ、ほら、えりこちゃんの番だよ。」 バスは走り出してしまった。もう引き返すことはできない。 私と千聖となっきぃは後部座席に3人で座って、しりとりをはじめた。 千聖は可愛らしく 「YES!幸せ!」とか「き・・・℃-ute」とかにこにこ笑顔で答えているのに、なっきぃときたらさっきから選ぶのは 「制裁」 「投獄」 「処罰」 と言った明らかに私に向けた言葉。 「早貴さんたら、怖い言葉を選ぶのね。」 「キュフフ。劇ハロの役作りだケロ♪」 なっきぃめ。お嬢様にはいつもの調子で対応しているくせに、私のことはギラギラ目を光らせて監視しているみたいだ。 よーし・・・ 他のメンバーも同じ車内にいるから、私はさっきほど恐怖心に支配されていない。 ここは年上の意地見せたる! 「えっと?り、だっけ。じゃあ、りんかん。ちさとを」 「ギュフ!り、輪っ」 なっきぃの手の中で、ミカンがぶちゅっと潰れた。 「う・う・うめ・・・おま、うめっ・・・・・・」 キョトンとしてる千聖お嬢様の手前、激怒できないなっきぃは山姥みたいな形相で私をにらみつける。 「あっごめんごめん千聖を林間学校に連れて行きたいな、の林間学校!あれあれなっきぃ、どうしちゃったのかな?鼻息が荒いですぞ?」 へっへーん、どうだまいったか! なっきぃは顔を真っ赤にして、不敵にニヤリと笑いながらみかんまみれの手をペロリと一舐めした。 ごめんなさいやっぱり怖い。 「林間学校?楽しそうね。じゃあ、う・・・後ろ前で。」 「後ろ前?」 千聖はいたずらっこの表情になって、私となっきぃにだけ聞こえる声で耳打ちしてきた。 「うふふ。えりかさん、そのキャミソール、後ろ前ではなくて?」 「うわっ!本当だーえりかちゃん恥ずかしいーキュフフフ」 うぐっ・・・・! どうりで首が詰まってると思った。せっかく優位に立てような気がしたのに、千聖め。後でHなお仕置きだ! 「させねえよ。」 なっきぃが笑顔のまま、私にだけ聞こえる声で呟いた。 何だ、何なんだ。なっきぃはサトリなのか。 「じゃあ、次なっきぃね。え、だよね。え・・・援交!援交援交援交えりかちゃんが援交」 「ちょっ!何言ってんの!」 とっさになっきぃの口に、さっきのみかんをガッと押し込む。 「モギュ!・・・・あ、すっぱいみかんもおいしいね。モコ゛モコ゛。・・・・ところでえりかちゃん、どうしたの? なっきぃは、落語家のさんゆうていえんこう師匠のことを言ったんだけど?キュフフフ」 嘘つけnksk!落語の話なんてしたことないだろうがあああ 「ふ、ふふ、そう。落語ね。圓好師匠、ね。」 「キュフ、キュフフフ」 血で血を洗うしりとり合戦。なっきぃも私もヒートアップして、いつのまにかお嬢様をおいてきぼりにしていた。 「・・・えりかちゃん、なっきぃ。」 急に名前を呼ばれて我に帰る。 前に座っていた愛理が、千聖の耳を手で押さえながら、こんな顔州;´・ v ・)で私たちを見ていた。 「・・・・すみませんでした。」 「うん。」 何も言われないで、困った顔をされるのが一番堪える。 さすがに反省した私たちは、その後は健全なしりとりに興じることとなった。 なっきぃの眼光は、相変わらず私を捉えたままだったけれど。 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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[#VASPオーディション] 基本情報 ルーム https //www.showroom-live.com/VCHETVASP_0673 名前 ぁちゃん 番号 673 ニックネーム ファンネーム ルーム挨拶(入室) ルーム挨拶(退出) Twitter https //twitter.com/nyan__a_ マシュマロ YouTube 配信タグ ファンアートタグ Twitter以外のSNSなど項目も適宜追加してください 目次 詳細情報自己紹介 配信タイムテーブル 活動の記録スタートダッシュ期間 予選イベント期間 決勝イベント期間 本選後の消息 用語・名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ 詳細情報 自己紹介 ぁちゃんです❕ ォラ負けない❕❕❕ 配信タイムテーブル 日付 配信開始 配信終了 星集め 星捨て 備考 活動の記録 スタートダッシュ期間 予選イベント期間 決勝イベント期間 本選後の消息 用語・名言集 ファンのブログやnote、togetterまとめ Twitter用画像です。本画像はページ最下部に配置してください。
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登場キャラクター(アニメ版) アニメ版の設定。原作との設定混同はしない方針で。 設定や紹介文は基本的に苺ましまろ完全ビジュアルブックに記載の内容等から引用 マンガ版設定はこちら メインキャラクター伊藤 千佳(いとう ちか) 松岡 美羽(まつおか みう) 桜木 茉莉(さくらぎ まつり) アナ・コッポラ(あな・こっぽら) 伊藤 伸恵(いとう のぶえ) その他のキャラクター笹塚(ささづか) 矢田恵子(やだけいこ) 5年2組の担任教師 6年2組の担任教師 紺野愛子(こんのあいこ) レストランの店長 アナのママ おじいさん 動物サタケ ジョン フルシアンテ リチャードとジェームズ メインキャラクター 伊藤 千佳(いとう ちか) 声 千葉紗子 年齢:12歳 誕生日:5月11日 星座:おうし座 血液型:A型 身長:142.5cm 紹介文 伸恵の妹で、小学6年生。料理が得意で、みんなのためによくお菓子を作っている。5人の中では一番の常識人で、幼なじみの美羽の面倒を見ながら鋭いツッコミをする。伸恵いわく、特徴がないのが特徴。 原作との差異 それほど原作との違いはない。やや音楽好きなところが強調されている 松岡 美羽(まつおか みう) 声:折笠富美子 誕生日:9月8日 星座:おとめ座 血液型:B型 紹介文 伊藤家の隣に住む、小学6年生。独特の感性の持ち主で、突拍子も無い行動をとり、周囲を混乱の渦に巻き込む。実はさびしがり屋で、伸恵のことが大好き。なぜかいろんな衣装を持っている。ペチャパイが悩み。 原作との差異 設定はそれほど差がないが原作よりも傍若無人さが強調されている節がある 桜木 茉莉(さくらぎ まつり) 声:川澄綾子 年齢:11歳 誕生日:1月25日 星座:みずがめ座 血液型:O型 紹介文 伊藤家の近所に住む、小学5年生。純粋無垢のおっとりした性格で、騙されやすい。スポーツと早口言葉が苦手。アナのために英語の勉強を頑張っていて、簡単な会話はできる。フェレットのジョンを飼っている 原作との差異 性格など基本的なキャラ設定にはほとんど違いはない TV版のキャラクターデザインでは左目の泣きぼくろが省略されている。OVA版やEncore版にはちゃんとある アナ・コッポラ(あな・こっぽら) 声:能登麻美子 誕生日:6月18日 星座:ふたご座 血液型:AB型 紹介文 茉莉のクラスに転校してきたイギリス人。日本に来て5年になり、日本語もぺらぺらで日本の文化にも詳しい。英語が話せないことと、コッポラという名字を秘密にしている。味噌汁や納豆が好きで、ブロッコリーが苦手。 原作との差異 日本文化への造詣がより深くなっている 伊藤 伸恵(いとう のぶえ) 声:生天目仁美 年齢:20才 誕生日:10月17日 星座:てんびん座 血液型:A型 紹介文 千佳の姉で、短大生。ヘビースモーカーで、お酒とかわいい女の子が好き。つねに金欠で、千佳にタバコ代を借りることもしばしば。ものぐさな性格だが面倒見だけはよく、4人の小学生たちを温かく見守っている。 原作との差異 原作の法律ガン無視キャラが問題となり年齢が16才から20才にアップ さらに高校生ではなく短大生になっている その影響からか千佳たちのお姉さん的役割がより強くなっている その他のキャラクター 笹塚(ささづか) 声:皆川純子 紹介文 5年2組の男子生徒で茉莉・アナとはクラスメイト。 勉強はできるが、なぜか先生に目をかけられ、理不尽なことを言われる。 原作との差異 原作同様のかわいそうなキャラ 矢田恵子(やだけいこ) 声:伊藤静 紹介文 美羽と同じ日に日直当番になる。当然のように仕事をしない美羽に苦情を言う。 原作との差異 アニメ版オリジナルキャラクター 5年2組の担任教師 声:近藤孝行 紹介文 何かあると笹塚を立たせる。アナが日本語ができないと思い、気を遣っている。 原作との差異 アナに対してより甘くなっている 6年2組の担任教師 声: 紹介文 傍若無人な美羽がいるために苦労が絶えない。必殺技はチョーク投げ!? 原作との差異 それほど差異はない 紺野愛子(こんのあいこ) 声:福圓美里 紹介文 伸恵の友達。一緒にファミレスでアルバイトをしていた。 原作との差異 伸恵が短大生になったことで登場シーンは大幅に減ってしまった レストランの店長 声:近藤孝行 紹介文 伸恵がバイトしていたファミレスの店長 原作との差異 メガネをかけて厳しそうな印象になっている アナのママ 声:皆川純子 紹介文 食べ物の好き嫌いを許さない厳しい面がある。アナ同様、朝は和食が基本。 原作との差異 おじいさん 声:長島雄一(チョー) 紹介文 ファミレスや銭湯で、ことごとく美羽たちのために災難にあう。 原作との差異 原作ではepisode.21で一度出てきただけだがアニメ版では大幅に登場シーンがアップして準レギュラー並の扱い。特にアナとの絡みが多い 動物 サタケ 紹介文 伊藤家で飼っている日本犬。犬小屋は庭にあるが、なぜか室内にいることも多い 原作との差異 原作では割とリアルなタッチだがアニメ版ではぬいぐるみのような可愛い風貌に ジョン 紹介文 茉莉の飼っている、フェレット。普段はおとなしいが、たまに暴れることも。 原作との差異 特に無し フルシアンテ 紹介文 アナの家の愛犬。名前が長いので、美羽には「フーちゃん」と呼ばれる。 原作との差異 特に無し リチャードとジェームズ 紹介文 千佳がお祭りの金魚すくいで手に入れた金魚 原作との差異 アニメオリジナルペット 名前の由来はミュージシャンのRichard David Jamesから
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千咲ちゃん、アイドルになる 内容 本文 感想コメント 内容 タプリスがガヴリールとすれ違いながらも、困難を乗り越えてトップアイドル「紗藤すず」となり、一番大切なものを見つけるお話。 本文 ――――――――――――――――――(00/37)―――――――――――――――――― ―夜 街中― タプリス「ふふっ、いい本が買えましたぁ」 タプリス(ずっと本屋にいたせいか、すっかり遅くなってしまいましたね) タプリス(ああ、もう外も暗いです。早く帰らないと……) 『うっ、うぅ……』 タプリス(ん? なんでしょう……誰かの声?) タプリス「って、女の人が座り込んでます!」 タッタッタッ タプリス「だ、大丈夫ですか? 気分が悪いのですか?」 女性「……ぐすっ、ご、ごめんなさい。何でもないですから」 タプリス「そんなっ、何でもない人が、泣くはずありませんよ」 タプリス「何があったんですか? わたしでよければ、聞きますから」 女性「じ、実は……」 ――――――――――――――――――(01/37)―――――――――――――――――― タプリス「そうですか……お仕事にやりがいが持てなくなってしまったと」 女性「はい、今までがむしゃらにただ、突き進んできましたが」 女性「不意に自分のやってきたことは、なんだったんだろうって思って」 女性「不安になってしまって」 タプリス「……それは、確かにお辛いですね」 タプリス「でも、意味のないことなんて、この世の中にはありませんよ」 女性「えっ」 タプリス「あなたにもちゃんと、向かうべき目的地があったんですよね」 タプリス「でしたら、どのようにそこへ向かったとしても」 タプリス「そこまでの繋がりを知ることは、決して無駄にはならないと思います」 タプリス「それどころか、より深く、目的地のことを知ることができるんです」 タプリス「だから、不安になることなんてないんですよ」 女性「……ッ」 タプリス「ごめんなさい、生意気を言ってしまって」 タプリス「これは、わたしの尊敬する人の言葉の、受け売りなんですけどね」 女性「あ、ありがとうございますっ。そうですよね……」 女性「なんだか、自信が湧いてきました」 タプリス「少しでもお力になれたのなら、よかったです」ニコッ 女性「あっ……」トゥンク ――――――――――――――――――(02/37)―――――――――――――――――― 女性「あ、あなた……その、かわいいですね」 タプリス「えっ、そ、そうでしょうか。そんなことは……」 女性「いえ、絶対にかわいいです。今まで、何人も女の子を見てきた」 女性「私が言うんですから!」 タプリス「な、何人もですか?」 女性「私、こういうものです」スッ タプリス「これは名刺ですか? えっと……、アイドル事務所?」 女性「あなた、アイドルになりませんか? いえ、なるべきです!」 タプリス「ア、アイドルって、あの歌って踊ったりするアイドルですか?」 女性「ええ、そうです」 タプリス「む、無理です! 絶対無理です!」 タプリス「わたし、ただでさえ人見知りなのに、人前に出るなんて……」 女性「世の中には、人生に疲れた人がたくさんいるんです」 女性「でもあなたの笑顔は……そんな人たちに生きる希望を与えてくれる」 女性「現に、私はあなたに希望を貰いました」 タプリス「で、ですけど……」 女性「悩み、困っている人たちを、救済してもらえませんか?」 女性「あなたならきっと、大勢の人たちを救えるはずです」 タプリス「……ッ」 ――――――――――――――――――(03/37)―――――――――――――――――― タプリス(たしかに天使としての、理にはかなっている気がします) タプリス(だったらわたしは……) タプリス「あの、わたし……何をやってもダメダメですけど」 タプリス「それでも本当に大丈夫ですか?」 女性「はい、そのあたりは私たちもプロですから」 女性「きっちりサポートさせていただきます」 タプリス「わかりました、期待はずれだったら」 タプリス「いつでもクビにしてくれて、いいですからっ」 タプリス「こちらこそよろしくお願いします!」 女性「はい、よろしくお願いしますね」 ―翌日 事務所― タプリス「お、お邪魔します……」 女性「あ、千咲さん。よく来てくださいました」 女性「ささ、座ってください」 タプリス「あ、ありがとうございます」 タプリス「なんだか綺麗でおしゃれなところですね」 女性「ふふっ、ありがとうございます」 女性「内装には、これでも気を遣っているんです」 タプリス「それに、他の方もみなさん、女性ばかりなんですね」 ――――――――――――――――――(04/37)―――――――――――――――――― 女性「ええ、ここのスタッフは全員、女性ですよ」 タプリス「え、全員ですか。それは少し、安心といいますか……」 女性「ふふっ、よかったです」 女性「それでは早速ですけど、今日は広報用の写真撮影と」 女性「あとは書類作成、芸名の選定、くらいですかね」 タプリス「は、はい! よろしくお願いします!」 女性「そんなに畏まらなくても、大丈夫ですよ」ニコッ 女スタッフ「社長、撮影の準備ができました」 女性(以下女社長)「わかりました、今行きますね」 タプリス「な、ななななっ!?」 女社長「どうしました?」 タプリス「社長さんって、一番えらい、あの社長さんですよね?」 女社長「ええ、不肖ながら務めさせていただいています」 タプリス「す、すごいです……そんなすごい方に」 タプリス「わたしは昨日、あんな偉そうなこと言ってしまって……」 女社長「お気になさらないでください」 女社長「大切なのは、相手に気持ちが届いたかどうか」 女社長「手段や方法など、些細なことです」 タプリス「あ、ありがとうございます」 女社長「では、写真撮影に行きましょうか」 ――――――――――――――――――(05/37)―――――――――――――――――― タプリス「うぅ、疲れました……」 女社長「ふふっ、お疲れ様です、撮影はどうでしたか?」 タプリス「あんなひらひらしたお洋服を着たのは、初めてだったので……」 女社長「とても可愛らしかったですよ。やはり、私の目に狂いはなかったです」 タプリス「あはは、だと良いんですけど……」 女社長「それでは次は、芸名を決めましょうか」 タプリス「芸名、ですか」 女社長「本人が本名を強く望むケース以外は、基本的に芸名を採用しています」 タプリス「芸名といっても、全然思いつきません……」 女社長「そういう時は、本名をモジッて決定することが多いですね」 女社長「例えば……、千咲=タプリス=シュガーベルさん」 女社長「シュガーベル、可愛らしいお名前です」 タプリス「あ、ありがとうございます」 女社長「シュガーベル、シュガー……砂糖。ベルは……」 女社長「そうですね、さとうすず、さん」 タプリス「さとうすず?」 女社長「漢字を使うとこんな感じでしょうか、紗藤すずさん」 タプリス「す、すごい、可愛い名前ですね!」 女社長「気に入っていただけましたか?」 タプリス「はい! これでお願いします!」 女社長「ふふっ、決定ですね。それでは、次はレッスンの予定を――」 ――――――――――――――――――(06/37)―――――――――――――――――― ―数日後 ガヴリールの家― ガヴリール「おいおい、それ本当に大丈夫なのか?」 タプリス「え、何がですか?」 ガヴリール「お前が騙されてないかって、言ってるの」 タプリス「そんなことないですよ! 社長さんをはじめとして」 タプリス「スタッフのみなさんも、とても、わたしに良くしてくれてますし」 ガヴリール「始めは油断させといて、あとから……っていう手口」 ガヴリール「よくあるからな。で、名刺とかはあるの?」 タプリス「ありますよ。はい、どうぞ」 ガヴリール「ふぅん、リリィプロダクション、ね」 ガヴリール「ちょっと調べてみるか」 タプリス「まったく、疑り深いんですから……」 ガヴリール「まぁ別に、お前が本当にやりたいなら、止めはしないけど」 ガヴリール「何か危ないなと思ったら、すぐに言えよ」 タプリス「は、はい。わかりました」 タプリス「その……ありがとうございます、天真先輩」 ガヴリール「それに、お前がアイドルなんて、見世物として面白そうだからな」 タプリス「もうっ、酷いですっ! これでもちゃんとレッスン受けてるんですから!」 ガヴリール「へいへい。まあ、体だけは壊さないようにな」 タプリス「はぁい」 ――――――――――――――――――(07/37)―――――――――――――――――― ―数週間後 スタジオ― 女スタッフ「はい、1、2、3! 1、2、3!」 タプリス「……ッ」 女スタッフ「すずちゃん! ステップ遅れてる! もっと集中しなさい!」 タプリス「は、はい! すみません!」 ―― タプリス「はふ……」 女スタッフ「お疲れ様、すずちゃん」 タプリス「は、はい。ありがとうございましたっ!」 女スタッフ「ふふっ、最近、だいぶ動けるようになったわね」 タプリス「そ、そんな……わたしなんてまだまだ失敗ばかりで」 女スタッフ「いえ、伸び率だけでいったら、私が見ている中でNo1よ」 女スタッフ「まぁ、正直最初は不安だったけどね」 タプリス「あはは……ですよね……」 女スタッフ「でも、すずちゃんはとても真面目だし、礼儀正しいし、かわいいし」 女スタッフ「このまま続けていけば必ず、努力は実るわ」 女スタッフ「一緒に頑張りましょう!」 タプリス「あ、ありがとうございます、がんばります!」 ――――――――――――――――――(08/37)―――――――――――――――――― ―事務所― タプリス「わ、わたしがステージに、ですか?」 女社長「ええ、先輩アイドルのバックダンサーとして、ですけど」 タプリス「そんな……わたしにできるんでしょうか」 女社長「ダンスの技術は、ギリギリで問題ないとスタッフから聞いてますから」 女社長「あとは、すずちゃんの心持ち次第ね」 タプリス「でも、その先輩さんに迷惑をかけそうで……」 女社長「大丈夫よ、そんなの気にする子たちじゃないから」 女社長「リラックスして、ね」 タプリス「は、はい、頑張ります!」 ―数週間後 ステージ― タプリス「今日は、あ、足を引っ張らないように」 タプリス「頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします!」 先輩アイドルA「あなたが、すずちゃんね。よろしく!」 先輩アイドルB「初々しくてかわいい……食べちゃいたいくらい」 タプリス「えっ、えっ?」 先輩アイドルB「ねえ、これが終わったら、お姉さんのお家に来ない?」 先輩アイドルB「手取り足取り、いろいろ教えてあげる……」 先輩アイドルA「ちょっと、あんたねぇ。そうやって何人の新人を……」 先輩アイドルB「ふふっ、冗談に決まってるでしょ。よろしく、すずちゃん」 タプリス「は、はい、よろしくお願いします」 ――――――――――――――――――(09/37)―――――――――――――――――― 『ありがとうございましたっ!』 ―ステージ裏 控室― タプリス「お、お疲れ様でした!」 先輩アイドルA「お疲れー! すずちゃん、よかったよぉ!」 タプリス「うぅ、必死すぎて、あまり覚えてません……」 先輩アイドルB「本当にかわいかったわ。どう? この後……」 先輩アイドルA「こらこら、また!」 先輩アイドルB「もう、うるさいわねぇ……」 タプリス「あははは……それにしてもお客さん、女性の方ばかりでしたね」 タプリス「すごい盛り上がりでしたけど」 先輩アイドルA「あれ? 聞いてないの?」 タプリス「えっ?」 先輩アイドルB「ここのライブのお客さんはね、女性会員限定なのよ」 タプリス「そ、そうだったんですか……」 先輩アイドルA「ふふっ、安心した?」 タプリス「えっと、す、少しですけど……」 先輩アイドルB「こんなかわいいすずちゃんを、男の目の前に晒すとか」 先輩アイドルB「猛獣の前に霜降り肉を置くのと同じだわ」 先輩アイドルA「その例えはどうなのよ……って、いけない、もうこんな時間」 先輩アイドルA「それじゃあね、すずちゃん。また、一緒にステージあがろっ!」 先輩アイドルB「バイバイ」 タプリス「はい、今日は本当にありがとうございましたっ!」 ――――――――――――――――――(10/37)―――――――――――――――――― タプリス(こうして、いつかわたしも、ああなりたいと思いながら) タプリス(より一層レッスンにレッスンを重ねる日々が続いて) タプリス(いつの間にか、数ヶ月が過ぎていました) ―事務所― タプリス「わ、わたしが、ソロライブですか!?」 女社長「ええ、厳密には複数人のローテーションでプログラムを組むんだけど」 女社長「20分間、あなただけの時間が取れそうなの」 タプリス「……ッ」 女社長「客観的に見れば……」 女社長「今まで努力を積み重ねてきた結果は、しっかりと出ている」 女社長「あなたの実力自体に、問題はないわ」 女社長「あとは……あなたのやる気次第ね」 女社長「どう? やってみる?」 タプリス「……はいっ」 タプリス「わたしに、やらせてください! お願いします!」 女社長「ふふっ、いい返事ね。頑張りましょう、すずちゃん」 タプリス「はい!」 タプリス(そして、準備と特訓に明け暮れて) タプリス(ライブまでの時間は刻々と過ぎていき……) タプリス(ついに、ライブ当日を迎えたのです) ――――――――――――――――――(11/37)―――――――――――――――――― ―初ライブ当日 ステージ裏― タプリス(き、緊張します……でも、やれるだけのことはやりました!) タプリス(ならわたしは、全力を尽くすのみです!) 司会「では続いては、期待の新星! 妹系アイドル!」 司会「紗藤すずちゃんです! どうぞ!」 タッタッタッ タプリス「さ、紗藤すずですっ! よろしくお願いしましゅ!」 タプリス(うぅ……か、噛んじゃっいました! って……) シーンッ タプリス(お客さんが全然……いない) タプリス(……そっか、そうだよね。やっぱり、わたしなんか) タプリス「……ッ」 タプリス(ち、違う。よく見たら、三人くらいお客さんが) タプリス(わたしのステージを、見てくれる人が、いるんだっ) タプリス(だったら、わたしは……!) タプリス「今日は、わたしのライブに来てくれて! ありがとうございます!」 タプリス「本当に本当に、涙が出るくらい嬉しいです!」 タプリス「それでは……聞いてくださいっ!」キラッ ――――――――――――――――――(12/37)―――――――――――――――――― 司会「以上、紗藤すずちゃんでしたー!」 タプリス「あ、ありがとうございました!」 パチ パチ パチ ―ステージ裏 控室― タプリス「はぁ……はぁ……」 女社長「お疲れ様、すずちゃん」 タプリス「あ、社長さん。お疲れ様です! ありがとうございました!」 女社長「えっと……ごめんなさいね」 タプリス「えっ、どうして社長さんが謝るんです?」 女社長「もう少しお客さんを呼べる見込みだったんだけど」 女社長「予想以上に人数が集まらなくて……」 タプリス「いえっ! 何人であっても、わたしのことを……」 タプリス「見に来てくれたお客さんがいたことが」 タプリス「本当に嬉しかったですからっ」 女社長「すずちゃん……、そうね、これからも頑張っていきましょう」 タプリス「はい! よろしくお願いします!」 ――――――――――――――――――(13/37)―――――――――――――――――― タプリス(しかし、その後も……) タプリス(何度かライブに出させてもらえる機会には恵まれましたが) タプリス(一向に人気の出ないまま、時間だけが過ぎていきました) ―ガヴリールの家― ガヴリール「どうした、そんなぼーっとして」 タプリス「えっ、そ、そんなことないですよ。元気元気です!」 ガヴリール「……順調なのか? アイドル活動は」 タプリス「はい、順調です! もう何度もライブを開いてもらって」 タプリス「着実に実力を上げてるんですからっ」 ガヴリール「……お前がつらいのなら、やめてもいいんだぞ」 タプリス「……ッ」 ガヴリール「お前がアイドルをやめても、困るやつは誰もいない」 タプリス「……どうして」 ガヴリール「えっ」 タプリス「どうして、そんなこと言うんですかッ!」 ――――――――――――――――――(14/37)―――――――――――――――――― タプリス「わたしにだって……、わたしのことを見てくれる人が、いるんですッ!」 タプリス「だったらわたしは、その人たちに少しでも元気になってもらいたい!」 タプリス「笑顔になってもらいたいから、頑張るって決めたんです!」 ガヴリール「おい、落ち着けって……」 タプリス「それなのに……ぐすっ、ひどい、です……」 ガヴリール「……」 タプリス「……天真先輩なんて、大っ嫌い!!」 バタンッ ガヴリール「……はぁ、余計に焚き付けたか」 ― 一週間後 事務所 ― タプリス「はぁ……」 タプリス(あれから天真先輩とは、一度も連絡を取ってませんけど) タプリス(やっぱり、わたしの言い過ぎ、でしたよね……) タプリス(でもあんな風に、やめろだなんて言わなくても) タプリス「……はぁ」 女社長「どうしたの、ため息なんてついて」 タプリス「あ、社長さん。す、すみません」 女社長「別に良いのよ。それより、すずちゃん、最近悩んでるみたいだから」 タプリス「やっぱり、わかりますかね……?」 女社長「ええ。でも、そんなすずちゃんに朗報よ」 タプリス「えっ?」 ――――――――――――――――――(15/37)―――――――――――――――――― タプリス「ファンレター、ですか?」 女社長「ええ、あなた宛てに。たぶん、初めてよね?」 タプリス「はい、初めてです」 女社長「はいこれ。もし、余裕があるのなら」 女社長「返事を書いてあげると、相手も喜ぶかもね」 タプリス「わ、わかりました!」 ―タプリスの家― 『あなたの眩しい笑顔を見ていると』 『私も頑張ろうっていう気力が湧いてきます』 『これからもお体にだけは気をつけて、頑張ってください』 『陰ながら応援しています』 タプリス「……ッ」 タプリス「うっ……うぅ……」ポロポロ タプリス「……よかった」 タプリス「今まで、続けてきて、本当によかった……」 タプリス「……がんばらないと」 タプリス「もっともっと、頑張らないと!」 タプリス「……お返事、書かないといけませんね」 ――――――――――――――――――(16/37)―――――――――――――――――― タプリス(それからも、精力的にライブ、握手会、イベントの数をこなしていった結果) タプリス(わたしの人気は、徐々にではありますが、上がっていきます) タプリス(ファンレターもそれに比例して増えていきましたが) タプリス(最初にいただいた方とは、その後も、やり取りを続けて) タプリス(何度も何度も、つらい時に励ましてもらいました) ―数ヶ月後 事務所― 女社長「あ、すずちゃん。SNSのコメントへの返信、お願いね」 タプリス「は、はい!」 女社長「あとこれ、ファンレター」ドサッ 女社長「全部に目を通すのは難しいから、目についたものだけでね」 タプリス「わ、わかりました」 タプリス(……あ、この封筒、あの人だ)スッ 女社長「あと、来週の単独ライブの準備は順調?」 タプリス「はい、バッチリだと思います!」 女社長「うん、いい返事! 期待してるわね!」 タプリス「はい!」 ――――――――――――――――――(17/37)―――――――――――――――――― ―単独ライブ当日 ステージ― タプリス「今日はみなさん、来てくれてありがとうございます!」 キャー キャー タプリス「思いっきり、楽しんでいってくださいねー!!」 ワァー ワァー スズチャーン タプリス「それでは一曲目ぇ……スタートですッ!!」 ―数時間後 ステージ裏― タプリス「はぁ……疲れましたぁ……」 先輩アイドルA「お疲れ! すずちゃん!」 タプリス「あっ! お久しぶりです! お疲れ様です!」 先輩アイドルB「すごい盛り上がり方だね」 タプリス「ええ、本当にありがたいです」 先輩アイドルA「さすがすずちゃん。いつの間にか私たちに追いつき、追い越して」 先輩アイドルA「もう今では、うちの稼ぎ頭だし」 タプリス「そ、そんなことは……」 先輩アイドルB「やっぱり、あの初々しい時に、手を出しておけばよかった」 先輩アイドルA「こらこら……また、そんなこと言って」 タプリス「またみなさんと一緒に、ワイワイしながらライブをしたいですね」 先輩アイドルA「ええ、私も!」 先輩アイドルB「私とワイワイ、夜のお泊りでもいいのよ?」 タプリス「あははは……」 ――――――――――――――――――(18/37)―――――――――――――――――― ―数週間後 タプリスの家の前の夜道― タプリス(うぅ、だいぶ遅くなってしまいました) タプリス(帰ったらシャワーを浴びて、すぐ寝ないと) ガサッ タプリス(ん?) ガサガサガサッ タプリス(ひっ、な、何の音!?) タプリス(と、とりあえず、逃げないと……) タッタッタッ ―タプリスの家― バタンッ タプリス「はぁ……はぁ……、なんだったんでしょう、今の」 タプリス「野良犬か何かですよね、きっと」 タプリス「気にしすぎ、気にしすぎ……」 ――――――――――――――――――(19/37)―――――――――――――――――― ―数週間後 事務所― 女社長「すずちゃん、何かあった?」 タプリス「えっ、どうしてです?」 女社長「何か浮かない顔をしているような気がして」 タプリス「そ、そんなことないですよ」 女社長「そう、それなら良いのだけど。何か相談ごとがあったら」 女社長「いつでも言ってね、どんな些細なことでもいいから」 タプリス「……えっと」 女社長「やっぱり、何かあるのね……話して、お願い」 タプリス「わ、わたしの気のせいかもしれないんですけど……」 ―― 女社長「最近、誰かにつけられている気がする、と」 タプリス「はい……」 女社長「わかったわ。とりあえず、仕事時には送り迎えのスタッフを常時つけるわね」 タプリス「あ、ありがとうございます」 女社長「あとは警察に……」 タプリス「そ、それは、ちょっと。わたしの勘違いかもしれないので」 女社長「でも……」 タプリス(天使である以上、警察と関わりをもつのは) タプリス(あまりよろしくないですよね……) ――――――――――――――――――(20/37)―――――――――――――――――― タプリス「もう少しだけ、様子を見させてもらえませんか?」 女社長「……わかったわ。でも危ないと思ったら、すぐに言うこと」 女社長「良いわね?」 タプリス「は、はい。あ、それでは、歌のレッスンに行ってきます」 女社長「ええ、行ってらっしゃい」 ―― 女スタッフ「社長、すずちゃんのSNSの件で相談が……」 女社長「どうしたの?」 女スタッフ「特定のアカウントからの誹謗中傷が、最近ひどくなってきまして」 女社長「……すずちゃんに見せる前には、削除しているのよね?」 女スタッフ「ええ、もちろんです」 女社長「わかったわ。引き続き、監視をお願い」 女社長「あと、あまりにも過激な内容が送られてきた場合は」 女社長「すずちゃんの保護を優先して、即連絡を」 女スタッフ「わかりました」 女社長「……」 女社長「私の大事な子たちには、指一本触れさせないわ」 ――――――――――――――――――(21/37)―――――――――――――――――― ―数日後 住宅街― タプリス「す、すみません、毎晩ついて来てもらって」 女スタッフ「いえ、良いんですよ。これが私の仕事です」 女スタッフ「それにすずちゃんは、スタッフのみんなから」 女スタッフ「妹のように可愛がられてますし。もちろん、私もそう思ってます」 女スタッフ「だから守ってあげたいという気持ちは、みんな同じです」 タプリス「あ、ありがとうございます。わたしもみなさんのこと」 タプリス「お姉さんのように思ってますから!」 女スタッフ「あははっ、そう言われたら、俄然、張り切っちゃいますよ」 ブロロロロロッ キキーッ 女スタッフ「ん?」 タプリス「えっ?」 ガチャ ドスッ 女スタッフ「かはっ……」 バタンッ タプリス「な、なななっ……」 女スタッフ「……す、すずちゃ、……逃げ、て」 女性ファン「みぃつけた」ニタァ ――――――――――――――――――(22/37)―――――――――――――――――― 女スタッフ「……はやく、逃げ――」 ドスッ 女スタッフ「あがっ……」 女性ファン「うるさい」 タプリス「ひっ! ご、ごめんなさい!」 タッタッタッ 女性ファン「追いかけっこ? いいわよ?」 ―― タッタッタッ タプリス(ど、どうして、どうしてこんなことに……) タプリス(やっぱり社長さんの言うとおり、警察に連絡していれば……) タプリス(わ、わたしのせい、だ……) グキッ バタンッ タプリス「いたっ! あ、足が……」 女性ファン「ふふっ、もう追いかけっこは終わり?」 タプリス「ひっ……」 女性ファン「そんなに怯えなくてもいいのよ、すずちゃん」 女性ファン「だって、私はあなたのことを、愛しているのだから」ニタァ ――――――――――――――――――(23/37)―――――――――――――――――― タプリス「わ、わたしは……あなたのことなんて、知りませんっ!」 女性ファン「そんなはずないじゃない。あれだけ会って、お話もしてるのに」 タプリス「えっ?」 女性ファン「あんなに二人で視線を交わしたじゃない。面白い冗談を言うんだから」 タプリス「し、視線? まさか、わたしのライブに……」 女性ファン「ええ、もちろん。あなたの熱い眼差し、ずっと感じていたわ」 タプリス「……ッ」 女性ファン「だから今日は、一緒になりにきたの、あなたと」 女性ファン「ね、すずちゃん。愛しているわ」ガシッ タプリス「やめてください! わたしはあなたのことっ!」 タプリス「愛してなんかいませんっ!」 女性ファン「え?」 タプリス「わたしの大事な人たちを傷つけるような人なんて……」 タプリス「大嫌いですっ!!」 女性ファン「……ッ」 タプリス「……」 女性ファン「……フフ」 タプリス「……ッ」 女性ファン「あはははははははははははははっ!!!」 ――――――――――――――――――(24/37)―――――――――――――――――― 女性ファン「どうしても、私のものにならないって言うのね?」 タプリス「そ、そうですっ! 誰があなたなんかに……」 女性ファン「そう、じゃあ……」 ガシッ ギュゥ タプリス「かはっ……く、くるしい……」 女性ファン「あなたを殺して、私も死ぬわ」 女性ファン「だって、私のものにならないんだったら」 女性ファン「誰にも渡したくないもの」 女性ファン「あっちの世界で、一緒になりましょう?」ニタァ ギュゥゥゥゥッ タプリス「……ッッ」ジタバタ タプリス(だめっ、い、息ができっ……) タプリス(……わ、わたしが、アイドルになったからっ) タプリス(あの時、諦めていたらっ) タプリス(ごめっ……ごめんな……さい……) 女性ファン「ふふっ、最後が醜い顔になるのは、さすがに可哀想ね……」 女性ファン「このナイフで、ひと思いに殺してあげるわ」 キラッ 女性ファン「死ねぇぇぇ!!」ブンッ タプリス(て、天真先輩っ!) ――――――――――――――――――(25/37)―――――――――――――――――― グサッ ポタッ ポタッ ポタッ ガヴリール「……ッ」 タプリス「……えっ?」 女性ファン「なっ!? あんた……」 ガヴリール「……おらぁっ!」 ドゴォッ 女性ファン「がはっ!!」 ズサァァ ガヴリール「大丈夫か、タプリス」 タプリス「て……天真、先輩?」 ガヴリール「遅くなって、悪かったな」 タプリス「せ、先輩! 腕がっ、先輩の腕が!」 ガヴリール「ああ、これか? こんなの大したことない」 タプリス「でも血が、たくさん血が出てっ!」 ガヴリール「……私が来たからには、もう大丈夫だ」 タプリス「先輩、ぐすっ……天真先輩ぃ……」 ガヴリール「タプリス。ちょっとだけ、ここで待てるか?」 タプリス「は、はい……」 ガヴリール「いい子だ」ナデナデ ――――――――――――――――――(26/37)―――――――――――――――――― 女性ファン「いたたっ、あ、あんた何者よ」 ガヴリール「……」スタスタスタ 女性ファン「答えなさいよ! 何者だって聞いて――」 ガヴリール「お前」 女性ファン「……ッ」 ガヴリール「死にたいんだってな」ギロッ 女性ファン「ひっ!」 ガヴリール「……なぁ、お前たちも聞いたよな?」 女性ファン「えっ?」 ドドドドドドッ 女ファンクラブ会員たち「……」ギロッ 『裏切り者は滅せよ』 『万死に値する』 『裁きの時間だ』 女性ファン「ひぇっ、た、助け……」 ガヴリール「今更、命乞いしても遅い。やるぞ、みんな」 ドカッ バキッ ボコッ ――――――――――――――――――(27/37)―――――――――――――――――― 女性ファン「」チーン ガヴリール「ふぅ、ここまでが限界か」 タプリス「て、天真先輩、この方たちは……」 女クラブ会員「私たちは、すずちゃんファンクラブの会員ですよ」 タプリス「わ、わたしのファンクラブ?」 女クラブ会員「ええ。それにしても間に合って、本当に良かった」 女クラブ会員「というか、会長! 腕の怪我、早く治療しないと」 タプリス「えっ?」 ガヴリール「なっ、しーっ、しーっ」 女クラブ会員「あ、オフレコでしたっけ、すみません」 ガヴリール「い、今のは、この人の冗談だぞ。な、何でもないからな、タプリス」 タプリス「は、はい……」 ガヴリール「とりあえず、警察に病院と、少しだけ忙しくなるぞ」 ガヴリール「話はその後、ゆっくりな」 タプリス「は、はい。でも、これだけは言わせてください」 タプリス「本当に……ぐすっ……本当にありがとうございました、天真先輩」 ガヴリール「ああ、別にいいよ。お前が無事だったのなら」 ――――――――――――――――――(28/37)―――――――――――――――――― タプリス(その後、わたしたちは各所をたらい回しにされ) タプリス(事務所の方たちからは、怒涛の詫び言葉を浴びてしまい) タプリス(ようやく一息つけたのは、三日後のことでした) ―病室― ガヴリール「こんなので入院しないといけないとはな」 ガヴリール「暇で仕方ない……」 タプリス「そう言わないでください、先輩」 タプリス「もし後遺症が出てしまったら、大変です」 ガヴリール「心配しすぎだって、もう片手でもネトゲはできるし」 タプリス「天真先輩……」 ぎゅぅ タプリス「……」 ガヴリール「……どうした? まだ怖いか」 タプリス「先輩、わたし……」 ガヴリール「……ん?」 タプリス「アイドルをやめます」 ガヴリール「……」 タプリス「今回の件でわかりました」 タプリス「たしかにアイドルは、たくさんの人たちに」 タプリス「元気を与えることができる存在です」 ――――――――――――――――――(29/37)―――――――――――――――――― タプリス「でも、それと引き換えに……」 タプリス「大事な人たちが傷つくのはもっと嫌なんです」 ガヴリール「……そうか」 タプリス「先輩、言ってましたよね」 タプリス「わたしがアイドルをやめても、困るやつは誰もいないって」 ガヴリール「ああ」 タプリス「その意味が、ようやくわかりました」 タプリス「……アイドルは、わたしの他にもたくさんいますから」 ガヴリール「そうだな」 タプリス「でも……」 ガヴリール「……」 タプリス「天真先輩を想うわたしは、一人しかいません」 タプリス「だから、わたしは……」 タプリス「アイドルを、やめます」 ガヴリール「……わかった」 ガヴリール「お前が決めたのなら、私は止めない」 タプリス「ありがとうございます、先輩っ」ニコッ ――――――――――――――――――(30/37)―――――――――――――――――― ―事務所― タプリス「今まで本当に、お世話になりました」 女社長「こちらこそ、何度も言うようだけど、本当にごめんなさい」 タプリス「いえ、あれが起きなかったとしても、いずれわたしは」 タプリス「こうしていたと思いますから」 女社長「そう、あなたにとって一番大切なものを……見つけたのね」 タプリス「……はい」 女社長「それなら、私からは何も言うことはないわ」 女スタッフ「すずちゃんが自分で決めたのなら、仕方ありませんね」 タプリス「あっ、怪我の方はもう……?」 女スタッフ「ええ、軽傷でしたし、もともと体は頑丈ですから」 タプリス「よかったぁ……わたしのせいで、本当にごめんなさい」 女スタッフ「すずちゃんのせいじゃありませんよ。むしろ私たちが……って」 女スタッフ「このやり取り、何回しましたかね。も、もうやめましょうか」 タプリス「あはは……ですね」 女スタッフ「戻ってきたいなぁって思ったら、すぐ言ってください」 女スタッフ「私たちはいつでも、あなたの帰りを待ってますから!」 女社長「みんな! 今日は早めに切り上げて、すずちゃんの送別会をやるわよ!」 みんな「おー!」 タプリス「あ、ありがとうございます、みなさん!」 タプリス「本当に本当に……お世話になりましたっ!!」 ――――――――――――――――――(31/37)―――――――――――――――――― タプリス(送別会では、事務所のスタッフさん、そして……) タプリス(先輩アイドルのみなさんから、とても温かいお言葉をいただき) タプリス(いかに自分が恵まれていたのかが、よくわかりました) タプリス(本当に、かけがえのない経験をさせてもらいました) タプリス(そして、数日が経ち、天真先輩は無事に退院して) タプリス(わたしたちの日常が帰ってきました) ―ガヴリールの家― タプリス「はい、あーん」 ガヴリール「別に、反対の手でも食べられるっての」 タプリス「ダメですよ。治るのが遅くなっちゃいます」 タプリス「ほら、お口をあけて、あーん」 ガヴリール「……」パクッ タプリス「まだまだ、たくさんありますからね」 ガヴリール「はぁ……勘弁してくれ」 ―― タプリス「あ、ついでに掃除もしてしまいます」 ガヴリール「別にいいよ、昨日もしてくれただろ……」 タプリス「こういうのは、毎日やらないとダメなんです」 ガヴリール「へいへい」 ――――――――――――――――――(32/37)―――――――――――――――――― パタパタパタ タプリス「お掃除お掃除、ふんふんふーん♪」 タプリス「棚のホコリも、とっちゃいます♪」 ガタンッ ドサッ タプリス「あっ」 ガヴリール「おいおい、物を壊すんじゃないぞ」 タプリス「だ、大丈夫です、壊れてないですから」 ヒラヒラッ タプリス「ん? これは……写真?」 ペラッ タプリス(えっ? 写ってるのは、わたし?) タプリス(というか、これ、ライブの時の……) タプリス(ッ!? この衣装……見覚えがあります) タプリス(……これは、初ライブの時の衣装です) タプリス(天真先輩がどうしてこんなものを……) タプリス(だって、あの時、お客さんは数人しか……) タプリス(ま、まさか……) ガサガサッ タプリス(……この封筒、わたしがあの人に出した手紙だ) ――――――――――――――――――(33/37)―――――――――――――――――― ガヴリール「おい、何見てる……って!!」 タプリス「せ、先輩……これ」 ガヴリール「いや、その写真はだな! ちょっと知り合いにもらったもので!」 タプリス「……この手紙もですか?」 ガヴリール「そ、それは……」 タプリス「先輩が……あのファンレターをくれた方だったんですね」 タプリス「そして、わたしの初ライブにも、来てくれた」 ガヴリール「……」 タプリス「先輩」 ガヴリール「……ああ、悪いかよ」 ガヴリール「心配だったんだよ、お前が!」 ガヴリール「いきなりアイドルやるなんて、わけのわからないこと言い出してさ!」 ガヴリール「内気で人見知りなお前が、だ!」 ガヴリール「それでもお前は、アイドルになるために一生懸命、頑張ってて」 ガヴリール「悩んでも苦しんでも、ずっと前に進み続けて」 ガヴリール「そしたらいつの間にか、トントン拍子で話が進んでさ」 ガヴリール「お前がなんだか、遠くに行っちゃうような気がして」 ガヴリール「正直言って、寂しかったんだよ……」 タプリス「天真先輩……」 ――――――――――――――――――(34/37)―――――――――――――――――― ガヴリール「でも、お前が決めたことだからさ」 ガヴリール「せめて私は、お前のこと応援してやろうと思ったんだ」 ガヴリール「変装してライブに行って、ファンレターも本気で書いて」 ガヴリール「ファンクラブの会長にまでなってさ」 ガヴリール「笑えるだろ? お前にアイドルやめろって言った奴が――」 タプリス「笑ったりなんかしませんッ!!」 ガヴリール「……ッ」 ぎゅぅぅ ガヴリール「……タ、タプリス?」 タプリス「笑うはず……ないです」 タプリス「わたしがどれだけ、ライブのお客さんに元気をもらったと……」 タプリス「わたしが何度、あのファンレターに救われたと、思ってるんですか」 ガヴリール「……」 タプリス「なんなんですか、先輩は……どうして、どうしてそんなッ」 タプリス「わたしがしてほしいことを、してくれるんですかッ」 タプリス「これ以上わたしを、ぐすっ……どうしたいんですか……」 タプリス「わたしは先輩に、何をしたらいいんです……」 ガヴリール「……私のそばにいてくれ」 ぎゅぅ タプリス「……ッ」 ガヴリール「だめか?」 タプリス「……そんなの」 タプリス「決まってるじゃないですか」ニコッ ――――――――――――――――――(35/37)―――――――――――――――――― ―数日後 ガヴリールの家― タプリス「社長さんに無理を言って……」 タプリス「初ライブの時の衣装、借りてきちゃいました、てへ」 タプリス「天真先輩、どうですか?」クルクルー ガヴリール「あ、ああ、その……」 タプリス「その、なんですか? せーんぱいっ?」 ガヴリール「……か、かわいいよ、良く似合ってる」 タプリス「そうですかそうですかぁ」 ぎゅぅぅ タプリス「先輩……」 ガヴリール「お、おい」カァァ タプリス「……初ライブの時、あの場所に先輩がいてくれたから」 タプリス「わたしはアイドルとして、あそこまで成長できたんです」 タプリス「今のわたしがいるのは……先輩のおかげなんです」 ガヴリール「タプリス……」 ――――――――――――――――――(36/37)―――――――――――――――――― タプリス「だから先輩、わたしは……あなただけのアイドルになります」 タプリス「先輩がかわいいって言ってくれた、わたしを……」 タプリス「先輩は……独り占め、しちゃってください」 ガヴリール「ああ、わかったよ。お前は、私だけのアイドルだ」ナデナデ タプリス「えへへ、先輩……」 スッ ガヴリール「タプリス?」 タプリス「……というわけで、ミュージックスタートです!」 ガヴリール「え?」 ~♪ ~♪ ~♪ ガヴリール「ちょっ、タプリス! 近所迷惑だって!」 タプリス「あとで、一緒に謝りに行きましょう!」 タプリス「わたしの、この想い、あなたに届け!」 タプリス「紗藤すず、天真先輩のために歌いますっ!」キラッ おしまい ――――――――――――――――――(37/37)―――――――――――――――――― SS一覧へ このページのトップへ 感想コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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534 名前: NPCさん 2006/01/06(金) 20 01 04 ID ??? 困った奴がGMだったとき。 「キャラの設定考えてくれないと、ハンドアウトが作れない……」 ハンドアウトってキャラの方向性決めるものじゃなかったっけ? 「7個もダイス振ってるんだから、クリティカルくらい出せよ」 悪意はなさそうだったけど凄く癇に障った。 537 名前: NPCさん 2006/01/06(金) 20 48 19 ID ??? 534 「キャラの設定考えてくれないと、ハンドアウトが作れない……」 おいらはその逆の状況を経験した事ある。 ハンドアウトを渡したら、「そういう設定はGMが押し付けるものじゃないだろ!」って怒られた。 538 名前: NPCさん 2006/01/06(金) 21 01 25 ID ??? 537 キャラクターの感情を規定していなかった? おおまかな感情はいいけど、 「~~と思った」という独り言系のハンドアウトは嫌なものよ? 鳥取のキャンペーン第2話で渡されたハンドアウト 「朝、学校に行くとそこにはもうクラスメイトのA子(第1話でさらわれた)はいない。 悪友だったクラスメイトのB助(第一話で死んだ)もいない。 彼らのいない学校は寂しく、物足りない。 せめてB助だけでも帰ってきてくれれば、君はそう思った」 こういうのじゃないなら、 そのPLが「自分の設定が一番! 自キャラ愛!」なやつだったのかもね 539 名前: NPCさん 2006/01/06(金) 21 03 55 ID ??? 537 ワシもそんなのに遭遇した事あるぞ。 何処にでもいるもんだな。 先ずは、ハンドアウトの意味合いから説明せにゃいかんのだがの。 たまにハンドアウトの指示が出来ない自分を 誤魔化すための逆ギレだったりするから たまらん。 540 名前: NPCさん 2006/01/06(金) 21 23 34 ID ??? ハンドアウト困ったちゃんと言えばこの前のクリスマスの日。 萌えヒロインを必ず出し、ラブコメしなければならないという自虐セッションを徹夜で遊んだのだが、 あるGMの出したヒロインが… システムは何故かD&D(古いほう)。 PC1(? ありがちなHFO)の幼馴染…という設定までは良いのだが、 ヒロインには好きな男がいて、そいつに珍しいものをプレゼントするためにダンジョン探索ということで PCはその手伝いをした。 そしたらそのヒロイン、自分勝手に突撃して罠を作動させるわPCに毒入りケーキを食わせるわ 味方を巻き込んで魔法ぶっ放すわ暴言吐きまくりだわで開始1時間もしないうちにPCが4人死ぬ。 しかもヒロイン自体はなんかしらんが魔法のアイテムを持ってるとかで何やっても無傷。 そのヒロインのことが好きだとハンドアウトに書いてあったPC1、君のそんな姿は見たくないとか 一応ロールの上でヒロインを縛り上げてダンジョン探索をすると宣言したところ… DMがムギャオー。 いわく、ハンドアウトに書いてあるのになんで守らんのだとかそんな感じ。 こりゃやばいと思ったが、酔っ払ったPC1、いきなり 「じゃあシステムをパラノイアにしてください」と言い出し、何故かそれが通り、ブルー様である彼女の 横暴につきあうごく普通のシナリオ(ついでに恋愛は反逆ですZAP!)となった。 あとは普通に盛り上がったので困ったチャンはいない。なんだったんだ。 スレ87