約 4,593,543 件
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/434.html
ヤンデレの小説を書こう! 0001dat (Page1 Page2 Page3 Page4 Page5) ヤンデレの小説を書こう! 0002dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0003dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0004dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0005dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0006dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0007dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0008dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0009dat (Page1 Page2 Page3 Page4) Page5) ヤンデレの小説を書こう! 0010dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0011dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0012dat (Page1 Page2 Page3 Page3) ヤンデレの小説を書こう! 0013dat (Page1) ヤンデレの小説を書こう! 0014dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0015dat (Page1 Page2 Page3 Page4 Page5) ヤンデレの小説を書こう! 0016dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0017dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0018dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0019dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0020dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0021dat (Page1 Page2 Page3 Page4) ヤンデレの小説を書こう! 0022dat ヤンデレの小説を書こう! 0023dat ヤンデレの小説を書こう! 0024dat ヤンデレの小説を書こう! 0025dat ヤンデレの小説を書こう! 0026dat ヤンデレの小説を書こう! 0027dat ヤンデレの小説を書こう! 0028dat ヤンデレの小説を書こう! 0029dat ヤンデレの小説を書こう! 0030 ヤンデレの小説を書こう! 0031 ヤンデレの小説を書こう! 0032 ヤンデレの小説を書こう! 0033 ヤンデレの小説を書こう! 0034 ヤンデレの小説を書こう! 0035
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/439.html
801 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 56 50 ID sVWolwVr だからこそこの関係を早く終わらせようと思ったし、告白する勇気も持てた。 それなのに、こんなことになるなんて。 「辞めないで・・・せんぱい。やめないで・・・ 私は、うなばらせんぱいが、いないと・・・もう、だめなんです・・・ 好きです・・・好きです・・・好きぃ、で、すぅ、う、ふぇぇぇ・・・」 ならなぜ告白をしなかったの?毎日そのチャンスがあったのに。 後悔してももう遅い。そう思うともっと悲しくなる。 「なんでぇ。なんでこんなことに、なっちゃったのよぉ・・・ ふぇ、えぇぇぇぇぇん・・・こんなの、やだよぉ・・・ どうしてせんぱいは、変なおんななんか、かばって・・・・・・、ぇ?」 ・ ・ ・ 女? そうだ。変な女が轢かれそうになっていて、それを先輩が助けて、そして怪我をした。 涙が止まる。 意識が覚醒する。体が軽い。心も軽い。 そう。あの夜。 「その女が、居なければよかったのに・・・」 いまさらその女をどうにかしても先輩の左手はすぐには回復しない。でも。 「その女に、報いを・・・」 助けてもらった恩も忘れ、立ち去るような人間には。 「その女に、■を・・・」 まずは探さなければ。その女を。 「・・・誰、なのかしらねぇ・・・」 802 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 57 48 ID sVWolwVr 妄想が浮かんだので書いた。 正直、仕事中にも少し書いたことに対して・・・反省していない。 このお嬢様には 左手が動かない→剣道をやめてしまう とインプットされています。マネージャーでもいけるのに。 予告:ハッピーエンドにします。 ただみんなが納得するかは分からない。 803 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 23 36 49 ID FWYlzihh 802 こいつぁ期待の新人がきたな! 俺はあんたの作品を読み続けるよ! 804 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 23 37 46 ID fF6rd5LU 802 GJ! テンプレ案も感謝感謝 450KB越えたしそれで立ててきます 805 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 23 40 06 ID fF6rd5LU 立ててきましたよん ヤンデレの小説を書こう!Part2http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1169476735/ 806 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 23 51 43 ID QjGT9OPQ 602 これはクオリティが高くてGJな小説でつね 807 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/01/23(火) 22 14 34 ID +4orXTIq それだけが願いだったのに それだけが叶わなかった。 愛されたくて愛されたくて。 愛してるだけでいいと思った日もあったよ。でも笑ってる顔を毎日みて。 いつの間にか会いたいと思うようになった。会いたいよ。 必死に隠したけど会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい。 鏡に映った私は酷い顔してた。濁った瞳。あははは、仕方ないね。般若の気持ちがわかったよ。 私はきっともう壊れちゃったんだろう。壊れたんだね。あなたのせいだよ。 愛して。ねえお願いだから愛して。 会いに行くから。そしてもう離さない。待っててよ。あなたの胸にこの刃を突き立てて桜の木の下に埋めてあげる。 みんなこのスレ埋め立てようぜ。 808 名前: ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/23(火) 22 50 48 ID bYCtaPEW じゃあ、最終回のあとで大河内ネタ投下してもおk? 809 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/23(火) 22 54 26 ID 2PeEq9pZ 808 大河内と主人公に救いをヨロ 810 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/23(火) 23 06 48 ID pi8YjqwB 808 ぜひお願いしますm(_ _)m 811 名前:トリップテスト ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/25(木) 22 42 02 ID VgLGiMfZ トリップテストです。 812 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/25(木) 22 43 18 ID VgLGiMfZ ~血に染まる桜~ 偶然早起きして、いつもより早く学校に着くと下駄箱の中に便箋が入っていた。 周囲を見回して、誰もいないことを確認してから手紙の内容に目を通す。 『海原君へ 私は同じクラスになったときからあなたのことが好きでした。 一度でいいから、二人きりで話がしたいの。 もしこの手紙を読んで、会ってもいいと思ってくれたら、』 「『お昼休み、屋上に来て。』か・・・・・・」 苦節17年、ようやく俺にもモテ期が到来したようだ。 一ヶ月前に桜と恋人同士の関係になっているから当然返事はNOなわけだが、 誰が俺のことを好きになったのかということには興味がある。 「ちょっと話をするだけなら、いいかな。」 付き合いだしてから桜は一気に嫉妬深くなり、女子部員と話しているだけでも目に見えて不機嫌になる。 でもクラスメイトからラブレターを受け取ったのに、それを無視したらクラスの女子全員を敵に回す可能性もある。 学生生活を円満に送る秘訣はテストで赤点をとらないこと、友人を作ること、そして女子を敵に回さないことだ。 手紙をポケットに入れて教室に向けて歩き出すと、突然背中に針が突き刺さった――ような感じがした。 振り返っても誰もいない。気のせいにして、再び教室に向かって歩き出した。 813 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/25(木) 22 44 22 ID VgLGiMfZ 昼休み。桜は用事があると言って弁当を渡すと、どこかに行ってしまった。 あいつが俺と一緒に食べないだなんて珍しい。今日は学食で食べ放題パーティーでも開催しているのだろうか。 あいつも女の子だから、俺の前でガバガバ食っているところを見られたくないのだろう。――とっくにバレバレだが。 今日のおかずは豚肉の生姜焼きだった。ハンバーグだけでなく、他の料理も上手い。 大河内母といういい教師がついているから、上達も早いのだろう。 弁当を完食してから、さっそく屋上に向かうことにした。 このとき、昼休みは20分が経過していた。 『・・・・・・ガ、・・・・・・ド、・・・・・・ドス、・・・・・・ドンッ・・・・・・』 屋上へ向かう階段を上がっていると、音が聞こえてきた。 それは一段一段上がっていくたびに近づいてくる。 何か、柔らかいものを叩いているような・・・・・・肉を叩いているときの音に似ている。 一定のリズムで聞こえてきたその音が止まると、今度はどこかで聞いたことのある声がした。 「ぁは・・・・・・こ・・・で、この泥棒・・・は動・・・・・・く、なったわ・・・・・・」 桜の声、だった。――嫌な予感がする。 俺を待っている女の子。桜。肉を叩く音。 心が警鐘を鳴らしている。鳥肌がたつ。 階段を駆け上がり、屋上へ続くドアを開けた俺が見たものは―― 屋上の床一面を染める鮮血と、 制服を血に染めて、ありえない方向に体の関節を曲げて動かない女生徒と、 血に染まった木刀を持ちながら、笑い声をあげる少女の姿だった。 814 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/25(木) 22 45 01 ID VgLGiMfZ 桜が狂った。そうとしか思えない。 いくら嫉妬深いとはいえ、まさか人に危害を加えることはないと信じていた。 だが目の前にいる少女は、俺に告白をしようとした女の子を木刀で動かなくなるまで殴った。 俺の方を振り向いた桜は、返り血を浴びたまま笑顔を浮かべていた。 「ああ、先輩。ちょうど良かった。今終わったところでした。」 「っ・・・・・・終わったって、何が・・・・・・だよ。」 「泥棒猫の退治ですよ。猫らしく逃げ足だけは速かったですけど、膝の骨を砕いたら倒れて動かなくなりました。 そこからはすぐに片がつきましたよ。もう、息の根を止めちゃいました。」 「・・・・・・さ、く、ら・・・・・・」 「ところで先輩。お弁当の生姜焼きは美味しかったですか? 今日の出来はかなり良かったからお母さんも褒めてくれたんですよ。 だ・か・らぁ、先輩も褒めてください。」 「おまえっ・・・・・・!」 今回ばかりは、俺の堪忍袋も緒が切れた。 「桜ァァッ!!」 床に置かれていたのモップを手に取り、桜めがけて突進する。 突進の勢いをのせた横薙ぎの一閃は、木刀で受け止められた。 「せ、先輩?! いきなり何するんですか!」 「何も言うな。もうお前は――寝てろ!」 モップを離し、みぞおちに向かって全力で拳を叩き込む。 桜はそのまま脱力して、床に倒れこむ――――ことなく、前かがみのまま喋りだした。 「・・・・・・そうですか。ここで、私と手合わせをしたいっていうことですね。 いいですよ。じゃあ――――死合い、開始です。」 そしてその体勢のまま左手で木刀を腰溜めに構えて、――――まずい 右手で木刀の柄を振り抜くのが見えた。――――しゃがめ! ビヒュッ! 木刀を振る音ではなく、鋭い刃物が空気を切り裂く音が耳元で聞こえた。 床に落ちたモップを拾い、続く袈裟切りを転がって避ける。 右手には、真剣が握られていた。 815 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/25(木) 22 46 23 ID VgLGiMfZ 「おまえ、そんなものまで・・・・・・」 「綺麗な刀でしょう?昨日道場の倉庫の中で偶然見つけたんですよ。 先輩に見せようと思って持って来たんですけど・・・・・・ まさか先輩と死会うことができるとは思いませんでした。」 「俺も、殺すつもりなのか・・・・・・」 首を傾げて考えるような仕草をしながら、正眼の構えで俺と向き合った。 「ちょっとだけ、違います。 先輩は、私と離れたくないって言いましたよね。もちろん私も同じ気持ちですよ。 でも先輩は私というものがありながら、泥棒猫のところに行こうとした。 私はずぅっとずぅぅっと欲しかった先輩を手放す気は、全くないんですよ。」 俺と正面から向き合った刀の切っ先は微動だにしなかった。 だからその凶刃が俺に向かってきても、気付くことができなかった。人と人が歩み寄るように日常的に、自然に近づいてきた。 ――――気付いたときには、すでに俺の左胸から刀が生えていた。 「そのためにはどうすればいいか、必死で考えました。 先輩と一つになってしまえばいいんです。物理的な意味で。」 桜が抱きついてくる。優しい抱擁だった。俺の心臓から流れ出してくるものを全て受け止めるような。 「大丈夫です。私と一緒になれば喜びも、怒りも、哀しみも全てが楽しみに変わります。 これからは何も心配しなくていいんですよ」 ――魅力的な誘惑だ。そしてこの誘いに対する拒否権は与えられていない。 じゃあもう、いいや。あきらめて、ねてしまおう。 おやすみ。さくら。 あはっ、あはっ! あはははは! あぁっははははははははははっ! ・ ・ ・ 816 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/25(木) 22 47 21 ID VgLGiMfZ ・ ・ ・ 「・・・・・・という夢を見たんだ。」 「・・・・・・そうですか。」 「お前、まさかそんなことを考えてないよな?」 「・・・・・・・・・・・・」 「なぜ目をそらす。」 「・・・・・・ちっ」 「なぜ舌打ちをする。」 桜は木刀を竹刀袋の中に入れた。 血に染まる桜・終わり 『ひどいよ!おおこうちさん』のネタはあと四つほどあります。 三日、もしくは四日連続で投下する予定です。 817 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/26(金) 00 05 54 ID 206hWlB1 ちょwwwwwひどいよ!おおこうちさん! てかGJ!大河内さんテラモエス(*´д`*)ハァハァ 818 名前:ひどいよ!おおこうちさん訂正 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/26(金) 00 19 43 ID 2vX2aLwM 814 床に置かれていたのモップを手に取り、桜めがけて突進する。 床に置かれていたモップを手に取り、桜めがけて突進する。 でした。 (てか、のモップってなんだよ!俺!orz) 819 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/26(金) 01 17 32 ID +j6uJi3S さいこうだ! あんた神だよ! 820 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/27(土) 01 45 51 ID E+rnGFh2 それ何てエロゲ? 821 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/27(土) 04 46 57 ID N3CylHm4 819 神は死んだ!私の正体は超人めsゲフンゲフン 意外と好評らしいので続きを投下します。大河内はちょっとだけ出てきます。 ↓ ~ある同級生の回想録~ 私が彼に対して想いを寄せるようになったのは、一昨年の春のことだった。 ・ ・ ・ 入学式が終わって、一年A組の教室で初めてのHRが行われた。 クラス担任の自己紹介の後は、クラスメイト全員の自己紹介が始まった。 こういうときの自己紹介というものはたいていつまらないし、平凡なものだ。 前の席に座っていた男子生徒の自己紹介も内容は平凡なものだったが――、 「宮内(くない)中学校出身、海原英一郎です。 中学校では剣道部に入っていました。これから一年間、よろしくお願いします」 含まれていた単語は無視できるようなものではなかった。 私が居た岩戸(いわと)中剣道部の先生と宮内中剣道部の先生は 姉妹の関係で、揃って勝負事が大好きだった。 その影響で、両校の剣道部は月一のペースで代表五人を選出し、練習試合を行っていた。 対戦方法は勝ち抜き方式。先鋒が一人で五人抜きをすることもできるルールだ。 両校のポイント差は、私が二年生になった時点で15まで開いていた。 しかし、三年になったときにはポイント差は3にまで縮み、 七月に行われた最後の試合で、とうとう逆転されてしまった。 弱小剣道部に脅威の16連勝をもたらした選手の名前は海原英一郎。 中学時代、一度会って話してみたいと思っていた人間が私の前には座っていた。 822 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/27(土) 04 48 04 ID N3CylHm4 私の勝手なイメージでは荒々しくて粗暴な男だったが、 目の前にいる男子生徒はそのイメージとは違い、話しやすそうな相手だった。 心の準備を終えて話しかけようとした瞬間、先手を打たれた。 「えーと、違ってたら・・・・・・ごめん。 もしかして君、岩戸中の剣道部にいた?」 どこか申し訳なさそうな感じで話しかけてきた。 「え、と――うん。そうだよ。 それで、君が本当に海原君? なんだかイメージと違うなぁ。 そぼ・・・・・・じゃなくて、武士みたいな人なんだと思ってたよ」 「武士って・・・・・・俺、そんな風に思われてたの?」 「うん。部員全員がそう。だってそうでも思わないとこっちはやってらんないもん。 『宮内中の海原には合戦で無念の死を遂げた侍の霊が宿っている』っていうのが 卒業前に一番流行っていた仮説だったね。今頃は『武田信玄』とかになってるかも」 「んなあほな・・・・・・」 冗談なのに。どうやら彼は真面目な人間らしい。 「それでさ・・・・・・恨まれたりは、してなかったのかな」 「二年生の夏ごろまでは私も・・・・・・ちょっとだけ。けど、三年生になるころにはもう皆あきらめてたね。 だからそんなに気に病む必要はないよ」 「そっか・・・・・・良かったぁ。 いつか後ろから刺されるんじゃないかって内心びくびくしてたからさ」 そう言って彼は安堵したような笑顔を浮かべた。 その表情は、先刻まで彼に対して抱いていたイメージとは大きなギャップがあった。 その笑顔に不覚にもときめいてしまった私を誰が責められようか。 ・ ・ ・ それから海原君と私は剣道部に入部した。 そのまま一年間彼と部活での仲間兼クラスメイトとして過ごして、そろそろ 次の関係にステップアップしようと思っていた四月。 入部してきた後輩にいきなり彼の隣のポジションを奪われた。 823 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/27(土) 04 49 34 ID N3CylHm4 ・ ・ ・ 忌々しい。そして今まで行動しなかった自分自身が恨めしい。 あの泥棒猫は校外練習という理由で練習好きの海原君を誘惑し、 同時に一緒に帰るという約束まで取り付けてしまったようだ。 貧弱な体しか持ち合わせていないが、頭だけは回るらしい。 このままでは突き放すということを知らない彼はずるずるとあの女と親しくなっていき、 帰り道に突然振り出した雨の日なんかに、 「先輩。もう夜も遅いから泊まって行きませんか」 とかなんとか言われて無理矢理家に連れ込まれてちょうどその日は家の人が居なかったりなんかして 「先輩。まるでこの世界に二人だけしかいないみたいですね」 とかなんとか言われて本当に二人だけの世界にくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」 まずい。それだけは防がなければいけない。 今まで海原君を満足させるために色々な本でアッチ系の勉強をしてきたというのに、 全てが水の泡になってしまう。 よし・・・・・・今日の練習が終わったあと、泥棒猫と一緒に帰る前に 明日彼とデートする約束を取り付けよう。 彼の心を先に奪ってしまえばあの女も強引なことはできないはずだ。 彼は私の数歩先を行きながら練心館へ向かっている。 私はその背中に視線で念を送りながら、歩く速度を上げた。 今日の校外練習ではくじびきで決めた相手と試合をすることになった。 私の相手は運のいいことに泥棒猫だった。 (あなたの弱点は、お見通しなのよ。) 824 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/27(土) 04 50 29 ID N3CylHm4 『はじめ』の合図前から、わたしは勝利を確信していた。 しゃがんでいる泥棒猫の右膝が私の方に真っ直ぐ向けられている。この体勢は 『開始直後に突きを繰り出す』という合図だ。 そして『はじめ』の合図と同時に私も突きを繰り出せば、リーチの長い私の突きが カウンターで泥棒猫の喉に突き刺さることになる。 「はじめ!」 きたっ!全力で私の突きを喉元に―― 居ない。消えた。 いや、居た。開始の合図と同時に左へ跳躍し、私の突きをかわしていた。 体勢を崩して隙だらけの私に向かって、竹刀が走る―――― ――さて、みなさんは剣道をしたことがありますか? ――そして、籠手の手首部分だけを思いきり打たれたことがありますか? ――私はあります。たった今、ポニーテール頭の後輩に打たれました。痛い。 その後は右手の握力が戻らず、一本目の籠手に次いであっさり面を打たれ、試合終了。 結局右手の痛みで海原君をデートに誘うことをすっかり忘れてしまい、 早々に帰宅してしまった。 現実は、予想通りにはいかない。 ・ ・ ・ 825 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/27(土) 04 51 28 ID N3CylHm4 そして現在、私は屋上で海原君を待っている。 先月、海原君と泥棒猫と付き合いだしたということをひとづてに聞いてから、 彼を奪うために練ってきた作戦を実行するためだ。 作戦名は『寝取る』。 作戦の内容は『彼と二人きりの状況に持ち込み、強引に既成事実を作り出す』。 うふふ。残念だったわね。泥棒猫さん。 彼は強引に私のものにするわ。 あなたには無い物――自慢の体――を使って、ね。 『ガチャ』 後ろからドアを開く音が聞こえた。ターゲットが到着したようね。 「うな・・・・・・っばらくん?」 振りむいても誰も居なかった。おかしいな。風で開いたのかな? 『迷子の 迷子の 子猫ちゃん♪』 歌が、聞こえた。 『あなたの お家は どこですか♪』 あの、泥棒猫の声。 『お家を 聞いても答えない♪ 名前を 聞いても答えない♪』 後ろから、聞こえる。 『だって その子 生きてないもの♪ 血を流してる子猫ちゃん♪』 ――作戦名変更。『逃げろ』。 『町の 保健所さん♪ 困ってしまって ズンドンドドン♪ ドンズンズドン♪』 ――――膝が、砕けた。 826 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/27(土) 04 54 01 ID N3CylHm4 「――ハッ!ハッ、ハッ、ハッ、・・・・・・ゆ、夢・・・・・・?」 私は今、自分の部屋のベッドに寝ていた。 「・・・・・・そりゃ、そうよね。あんなの、夢に決まってるわ」 まさかあの子でもあそこまでしたりはしないでしょう。・・・・・・たぶん。 それよりも早く寝ないと。 明日は早起きして海原君の下駄箱に手紙を入れないといけないんだから。 「海原君。おやすみなさい」 写真立ての中で笑顔を浮かべる同級生を胸に抱きながら眠りについた。 ある同級生の回想録・終わり 気付いたら、朝いつも起きる時間になっていた。 正直、今日が土曜日だということにとても感謝している。 今までの書いてきたもののなかで一番時間がかかりました キャラ設定が甘いと苦労するということを身を持って味わいました 827 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/27(土) 07 19 52 ID z+bpXimj GJ! 怖カワイイヨ大河内さん((( ;゚∀゚)))ガクブルハァハァ 828 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/27(土) 16 18 07 ID kKCDeWwi 結果的に振られなかったしいい人だな。>大河内さん 829 名前:ひどいよ!おおこうちさん訂正 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/27(土) 17 03 11 ID N3CylHm4 825 先月、海原君と泥棒猫と付き合いだしたということをひとづてに聞いてから、 先月、海原君と泥棒猫が付き合いだしたということをひとづてに聞いてから、 でした。ごめんなさい。 830 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/28(日) 07 11 04 ID wFSh9mQ6 ~一月末、海面の上昇により桜前線北上~ 八月末の土曜日。ツクツクボーシが最後の力を振り絞り、 その役目を終えようとしていたある日のことだった。 私の期待を裏切り剣道バカに育った娘の桜が、 「お母さん! 明日部活の先輩が来るから、先輩の分のお昼も用意してもらっていい?」 と言ってきた。 桜は元気な娘に育ってくれた。 夫と私は長男にだけ稽古をつけていたから、 親の愛情を知らない子供に育ってしまうかもしれないと 心配していたが、杞憂に終わってくれた。 家にもよく女の子の友達を連れてきたし、 仕事で家を空けることの多い私の代わりに家事もこなしてくれた。 桜は私にとって――こう言うと親馬鹿に聞こえるが――自慢の娘だ。 しかし、心配なこともあった。 それは、全くと言っていいほど男の話をしたことがないということ。 容姿は私に似て愛らしいし、身長も夫に似ることなく 上目遣いをしたら男のハートを射止めることができる絶妙の高さ。 男にもててもおかしくないはずだ。 もしかしたら男に興味が無いのでは、と心配したこともあるが、 家に連れてくる女の子たちを見る目は友好の眼差しだった。 とはいえ、変な男がくっついてきても困ると思い、 そのまま放っておいたある日のことだった。 831 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/28(日) 07 12 04 ID wFSh9mQ6 ・ ・ ・ 高校の剣道部に入部してから二日経った日の夕食の席で、こんなことを言い出した。 「今日ね、練習で対戦した男子の先輩とね――」 驚いた。桜が男の子の話をし始めたのだ。絶句してしまうのも無理はない。 しかし、夫と長男の反応は一味違った。 長男は鈍器で頭を殴られたように呆然としているし、 夫にいたっては焼酎を吹いた上椅子から転げ落ちた。 嬉々として部活の話を終えた娘は、夫に向かって 「校外練習をするために練心館を使わせて欲しい」と頼んできた。 剣道バカではあるが、桜は校外練習をするほどのめり込んではいなかった。 それなのに校外練習のために道場を貸してくれと頼んできたということは、 その先輩と少しでも一緒にいたいという考えなのだろう。 しかし、それでは練習を終えて帰宅するころには夜八時を過ぎてしまう。 そう思い反対しようとしたら、また驚かされる言葉を返してきた。 「大丈夫。そんなに家から離れてないし、毎日先輩に家まで送ってもらうから」 ・・・・・・どういうことだ。今まで男と縁の無かった娘がここまで積極的になるとは。 もしやその先輩とやらに惚れ薬でも飲まされたのか。・・・・・・いや、さすがにそれはないか。 娘の成長を嬉しく思った私は、校外練習をすることに賛成したが、夫と長男は反対した。 心配するのはわかる。しかし、娘の恋を成就させるため(同時に夫の娘離れと長男のシスコンを治すため)には 賛成させるしかない。 一時間の議論の末、「あんたたち、いい加減に(桜から離れ)なさい!」という私の一喝で 娘の校外練習は了承された。 ・ ・ ・ 832 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/28(日) 07 12 59 ID wFSh9mQ6 それから四ヶ月が経ち八月になった今、ようやくその先輩を 我が家に連れてきてくれるらしい。 そういうことなら私も張り切らないわけにはいかない。 一番の得意料理である特製豚汁を用意して娘の夫――もとい恋人候補を 出迎えることにしよう。 ただ、やけにご機嫌な様子でご飯を食べる夫と長男が不気味ではあった。 翌日の日曜日。 桜が剣道部の先輩だという男の人を連れて家に帰ってきた。 もしかしたら夫のような巨漢か、長男のように痩身の男でも連れてくるかもしれないと 内心覚悟を決めていたが、拍子抜けするほど普通の男の子だった。 中肉中背。くっきりした二重まぶた。そしてなにより、若い。 じゅるり。 いやいや、37才にもなって年がいもなく興奮している場合ではない。 今日は娘と我が家に対する心象をよくするために努力しなければいけないのだから。 午前十時に家族全員が参加して、彼――海原英一郎君の実力を見ることにした。 打ち込みを見ている限りでは、桜が話にするだけあっていい筋をしている。 体の使い方も上手だ。高校生にしては、だが。 一時間ほどして一通りの基本練習を終えたので、 お茶でも飲みながら英一郎君を質問攻めにしたい気分だったが、 長男が彼と試合をしてみたいというのでやらせてみた。 正直、やらせなければ良かったと後悔した。実力差がありすぎた。 833 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/28(日) 07 14 28 ID wFSh9mQ6 長男の放つ威圧感は、喩えるなら『壁』である。 その細身の体からは想像できないほどの広い『壁』。 前進するたびにその『壁』は押し寄せてきて、 気がついたら逃げ道を塞がれそのまま仕留められてしまう。 実力が上の人間なら壁を押し返すなり横に抜け道を見つけるなりして 自分の土俵で勝負をするのだが、高校生である彼には無理だったようだ。 『壁』に追い詰められて白線の外に出て、トイレまで誘導されてから閉じ込められた。 ちょうどその時点でお昼の時間になったので、道場から引き上げることにした。 長男は足首を縄で縛って、カロリーメイトを与えてから更衣室に閉じ込めて鍵をかけておいた。 当然、水抜きで。 お昼に私がふるまった豚汁を英一郎君は何杯もおかわりしていた。 「ものすごくおいしいです」と言いながら食べるその姿を見ていたら、 まるでもう一人の息子ができたような気分になった。 可愛い。食べてしまおうか・・・・・・ と不埒なことを考えたが、正面に座っている桜が今までに見たことのない目で睨んでいたので、 早々にごちそうさまをしてから道場へ向かうことにした。 午後の練習は一時から始めることにした。 今度は英一郎君と夫が試合を行った。 夫の実力は長男でさえ歯牙にかけないほどのものだから、 当然内容は一方的なものになる。 しかし夫よ。さすがに全力で突きを出すことはないだろう。 英一郎君は突きを受けて、腰を軸に体を4分の1ほど回転させてからそのまま落下した。 彼が機嫌を悪くして二度と家に来なくなったりしたらどうやって私――じゃなくて、 桜に謝るつもりだ。今夜の晩酌は焼酎だけ与えてつまみは無しだ。 834 名前:ひどいよ!おおこうちさん ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/28(日) 07 16 41 ID wFSh9mQ6 試合を終えたあと、英一郎君はすぐ帰ることになった。 首を痛めたという理由ではなく、最初から練習をするためだけに来たらしい。 桜も晩御飯までご一緒する約束を取り付ければよかったのに。 ・・・・・・まあ、異性の先輩を連れてきただけでも充分な進歩だと言えるだろう。 「じゃあ、今日は本当にありがとうございました」 そう言って英一郎君は背を向けて帰っていった。 いいえ。また来てくれたら同じ料理をごちそうしますよ。 だから今度はお義母――おばさんと試合しましょうね。 ――たっぷり可愛がってあげるから。 と不埒なことを考えていたら桜が色の無い目で私を睨んでいたので、 すぐさまきびすを返して家の中に入ることにした。 ・ ・ ・ それから英一郎君が道場へ練習に来なくなってから一月になり、 剣道協会の仕事から夫婦と長男揃って朝帰りしたら桜からこんな台詞で出迎えられた。 「おかえりなさいお父さん、お母さん、お兄ちゃん! あのね、私海原先輩と付き合うことになったから!」 その後で私は喜んだり、桜が足に包帯を巻いていることに気づいて慌てたり、 夫が叫びだすやら、長男が気絶するやらで朝からてんやわんやの事態だった。 それから、桜は毎日花が咲いたような笑顔を浮かべるようになった。 我が家の桜には一足先に桜前線が到来したようだ。 ありがとう。海原英一郎君。 一月末、海面の上昇により桜前線北上・終わり 835 名前:あとがき ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/28(日) 07 18 26 ID wFSh9mQ6 本当はあと二つネタがあったんですが、ボツにしました。 書いてみようとはしましたが、どうやったら結末まで持っていけるかが浮かびませんでした。 (メモ帳に『結婚』とか『桜の木の下に埋めてあげる』とか書いてどうする気だったんだろうか>俺) 『ひどいよ!おおこうちさん』はこれで終幕です。 同時に『ヤンデレ?娘』と『恥ずかしい男』のお話もおしまいです。 大河内と海原を愛してくださったみなさま。 本当にありがとうございました。 また私の埋めネタも尽きましたので、 どうぞみなさん存分に埋めてください。 ↓↓↓↓↓↓↓↓ 836 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 10 22 23 ID oqk/Q3rB 乙です。内容もGJですけど 短期間でこれだけ書けるエネルギーも尊敬。 次回作も期待しておりまつ 837 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 10 31 53 ID +4XyCBC7 ほのぼのしてるなGJ 838 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 10 47 55 ID fRy+f1sw ヤンデレ部分が少なめだったけど面白かったぜ GJ 839 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 12 26 26 ID cUTalHFJ GJでした 次回作もwktkしてお待ちしております 840 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 18 38 12 ID SQxqzpns 埋めネタで「ルートC・姉に唄えば」を投下します 841 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 18 49 39 ID SQxqzpns 「……考えとくよ」 それだけ言って――僕は如月更紗のベッドから離れた。彼女の生腕が名残惜しそうに離れる。 別に、一緒に帰ることが嫌なわけではない。 神無士乃との約束を破るのが嫌なわけでもない。 如月更紗を、嫌いなわけでもない。 それが、問題なのだ。 そう――僕はもう気付いている。ここ数日のやり取りの中で、気付かずにはいられなくなっている。 神無士乃に対してそう思ったように――如月更紗にもまた、ある種の居心地のよさを感じていることに。 一緒にいると疲れる。それには変わりはない。 けれど―― 一緒にいて、楽しいのも、また事実だ。 偽ることのできない――事実だ。 だから、怖い。 楽しくて、楽しくて、楽しすぎて――姉さんのことを、忘れてしまうのが、怖い。 深く情を入れてはいけない。 自分にとって、何が一番なのか、忘れるな。 何を最も優先すべきなのか、忘れるな。 お前は――姉さんが、好きなんだろう。 お前は――姉さんの、仇が取りたいのだろう。 なら、それを一番に考えろ。 死んでいる姉さんと、生きている神無士乃や如月更紗を天秤にかけて。 いない君と、いる誰かを秤にかけて。 迷わずに――姉さんを選べなければ、ならない。 迷っては、いけない。 「なあ如月更紗」 僕はベッドを離れ、保健室のベッドを囲む白いカーテンに手をかけながら、如月更紗に話しかけた。 如月更紗は「ん?」と、枕の上で器用に首を傾げてみせた。何かを心待ちにするような、楽しそうな 表情。 そんな如月更紗に、僕は尋ねる。 「お前――いつから僕のこと好きなんだよ?」 どうして、と聞くべきだったのかもしれない。 けれど、直接的に聞くのが何となく恥かしくて、そう訊ねた。 如月更紗は―― 「ああ、ああ、そんなことか」 応えて。 微笑みながら、僕の問いに、楽しそうに答えたのだった。 「勿論秘密だよ。秘密だけれども――夜にベッドの上で教えてあげなくもないわよ」 「そういう物言いが胡散臭いんだよなあ……」 答えを期待していたわけではないけれど、こうもはぐらかされるといい気分ではない。 まあ、夜を期待しておこう。 ひょっとしたらひょっとすると、何かの気まぐれで、如月更紗自身のことを話してくれるかもしれないから。 「それじゃあ――またな」 「また、ね」 挨拶をして、僕は如月更紗と別れて保健室を出る。 また、という約束は――果たされることは、なかったけれど。 842 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 19 16 57 ID SQxqzpns 太陽が遠い。 夜も夕方もまだ遠い。真昼の太陽は、かなりの高さにあって手が届きそうにもなかった。季節柄暑いけれ ど、我慢できないほどでもない。坂道の下から吹いてくる風が制服の下に入り込んで気持ちが良かった。 誰もいない坂道を下るのは、かなり気分がいい。 「皆がサボりたがる気持ちも少し分かるな……」 独り言を呟くが、独り言を聞く人がいないというのは、中々いいものだった。教室で独り言をぶつ ぶつと呟けば変人だが、ここでは聞く人は誰もいない。坂道をのんびりと歩いているのは僕だけだっ た。いつもならば蟻のように行き来している中学生や高校生も、今は一人だっていやしない。 どことなく、静かな気がした。 遠くからは車の走る音や、町の声が聞こえてくる。背後にある学校からは、グラウンドの歓声が聞 こえてくる。それでも、周りには音がないように思えた。 近くに、何もないからだ。 全てが遠い――別のセカイでの、音だった。 「たまにはこんな静かなのも悪くないよな……」 いつも、賑やかだから。 登下校は、神無士乃が一緒だから。 最近は、とくに賑やかだから。 学校や家に、如月更紗がいるから。 こんなに静かなのは――姉さんといるときくらいだ。 「どこにも行きたくねえなあ……」 そんな、不健全のような、不健康のような台詞を吐きながら、 僕は歩く。 家へと、歩く。 三十分ほど歩いて家まで辿り着く。郊外まで来ると、静けさはより一層深くなっていた。住宅街に 存在するせいで、道路からの音が聞こえずらい。学校の声も聞こえない。夕方になればそこそこ賑わ うが、この時間に家にいるのは、暇を持て余している専業主婦くらいだろう。 あるいは、家から出ることのできない事情を持つ者だけだ。 姉さんもその一例だよな――そんなことを思いながら、胸ポケットから鍵を取り出して扉を開ける。 ノブをひねると、鍵がしまっていた。 「…………」 あれ――おかしい。 もう一度鍵を差し込んで、ノブを回す。今度は抵抗なく扉が開いた。無人の玄関が、いつも通りの玄関が 目の前に広がる。 「…………」 843 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 19 17 41 ID SQxqzpns 鍵が壊れていたのではない。 最初から――開いていたのだろう。 扉の鍵が、開いていた。 「…………」 可能性は二つ。 閉め忘れたか、誰かが開けたかだ。 前者はいかにもありえそうだった。今朝はどたばたとしていたから、閉め忘れていてもおかしくはない。実際、きちんと 閉めたかどうか、記憶は曖昧だった。神無士乃や如月更紗にかき乱された朝だ、鍵を閉め忘れていてもおかしくはない。 おかしくは無いが、違和感がある。 そんなはずはないと、頭のどこかで警鐘が鳴る。 後者の可能性について考えてみる。家の中にいる人間が扉を開けた、というもの。 それは、あり得ない。 家の中には確かに姉さんがいるけれど――姉さんは、物理的にはもう何もできない。 なら。 家の外にいる人間が、扉の鍵を開けて、中に入ったことになる。 「…………」 考えられる可能性を更に考える。こういうことをしそうなのは、間違いなく如月更紗だ。僕らが家を出た後で、 タイミングを見計らって如月更紗がこの家に侵入、トランクケースを置いて学校へ向かった――そう考えれば辻褄 はあう。如月更紗は既に一度ピッキングを行っているから、実行することは可能だ。 可能なだけだ。 辻褄があうだけだ。 何かが――何か、嫌な予感がする。 蟲のしらせ、なのかもしれない。 ――これ以上考えても、答えはでない。 考えすぎかもしれない――そんな甘い考えを捨て切れなかったが、それでも念のために、 足音を殺して家へと上がる。なぜ足音を殺すのか、考えもしなかった。 静かに、静かに。 家へと入って。 居間への扉を開けて―― 居間では。 「雨に――唄えば――」 見知らぬ男が、小声で歌を口ずさんでいた。 844 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 19 59 37 ID SQxqzpns 「――誰だ、お前」 思わず、言葉が口を割って出てきた。 見たことのない男だった。 見たことも聞いたことも無い男だった。 上から下まで黒一色の服装。暑さを感じないのか、長袖に黒の靴下まではいているせいで、首から上まで しか肌色が見えない。怪我でもしているのか、松葉杖を使っていた。 男が見ていたのは、居間に飾ってある、何の変哲もない写真たてだ。 姉さんの写真を――男は、見ていた。 男は、唄うことを止めることもなく、写真を見るのもやめようとしなかった。僕がきたのを、まったく意に介して いなかった。まるでそこが自分の居場所であるかのようにくつろいでいる。 ここは。 この家は、僕と姉さんの場所だというのに―― 「――誰だお前は!」 今度こそ、意志を持って怒鳴った。怒鳴られて初めて気付いたように、男はゆっくりと、振り向く。 優男にしか見えなかった。 不法侵入をするような男には見えなかった。どこにでもいる男にしか見えなかった。 ただ一点。 姉さんのように。 如月更紗のように。 変質した神無士乃のように。 あるいはそれ以上に――暗く暗く暗く暗い、何処までも沈むような、黒い瞳だった。 黒い意志を持つ、瞳だった。 「……ああ」 男は僕を見て、興味なさげにいう。 「君が弟か」 「…………!」 その言葉に、感情が沸騰しそうになる。 弟。 それは僕を主体にとらえた言葉ではなく――あくまでも、姉さんを主とした場合の呼び名だ。 つまり、こいつは、姉さんの知り合いで―― 「お前は――誰だ」 僕は三度、如月更紗に対してそうしたように、誰だと、男に尋ねる。 姉さんは、学校に知り合いなどいなかった。まともな友人などいなかった。 まともでない知り合いが、まともでない方法でここにいる。 それは、つまり。 この男は―― 男は、惑うこともなく、淡々と応える。 「特に誰でもないよ――先輩から貰ったウサギの名は、後輩に譲ってしまった」 ウサギ。 先輩。 後輩。 ウサギ。 三月ウサギ―― 「――お前か!」 頭の中で幾つもの単語が浮かび上がり、一瞬でくもの巣のように繋がっていく。家にいた男、姉さんのことを知っている男、 ウサギ、譲られたウサギ、譲られたものを譲ったウサギ、三月ウサギの次。 五月生まれの三月ウサギ! こいつが――姉さんを殺した男! 奇妙な確信を持って僕は松葉杖をつく男へと飛び掛り、 845 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 20 28 47 ID SQxqzpns 「あら、駄目ですよ」 後ろからかかる声と共に――止められた。 無理矢理に、脚を止められた。 止めざるを得なかった。 横薙ぎに脚を包丁で切られれば、誰だって足を止めるだろう。 右足から感覚が消え、うまく走ることができずに右半身から床に倒れこむ。受身を取ることすら できなかった。どうにか手をついて頭を床にぶつけるのだけは防ぐ。 遅れて――痛みがくる。 脚に、痛みが。 痛い。 それ以上に――熱い。脚が熱い。熱いのに、冷えていく。 脚から血が、抜けていく。 「兄さんに乱暴しようなんて――私が許しません」 上から声がする。さっき後ろで聞こえていた声が、今度は上から聞こえてくる。高い、女の子の声。 聞いたことのない声は、笑っている。 楽しそうに、笑っている。 「兄さんに触れるなんてとんでもない。触れていいのは、私だけです」 笑い声が近づいてくる。同時に、きぃ、きぃと車輪の音が聞こえる。 何の音だ――疑問に思いながら、力を振り絞って、身体を仰向けに戻す。 車椅子に乗り、血に濡れた包丁を手にした少女が、楽しそうに笑っていた。 「男の方も、女の方も、関係ありません。兄さんの側にいていいのは私だけです。 私は兄さんだけのもので、兄さんは、私だけのものです。 そうでしょう――兄さん?」 最後の言葉は、僕ではなく、松葉杖をついた男に向けられたものだった。 男は、目の前で起きた惨劇に眉一つ動かすことなく、退屈そうに答える。 「お前が言うなら、そうなんだろ」 「ええ、その通りです。だから――貴方は、邪魔者です」 退屈そうな男と対照的に、少女はどこまでも楽しそうだった。 おかしそうに、笑っている。 犯しそうに――笑っている。 「お前、は……」 脚の傷を手で押さえる。ぬるりと、血に濡れる感触がする。それでも血が止まらない。フローリングの床に、血が だくだくと、だくだくだくと広がっていく。的確に、これ以上ないくらいに正確に動脈を切られたのだろう。 急いで手当てをしないと、間違いなく死ぬ。 いや、手当てをしても怪しい――そして、それ以上に。 目の前の少女が、それを許すようには見えなかった。 「ごめんなさい。ここは貴方の家なんでしょうけど……今は、私と兄さんのための世界なんです」 くすくすと、車椅子の少女は笑う。血塗れの包丁にはそぐわない、純粋無垢な笑みだった。 少女は笑う。 男は笑わない。 僕は―― 「は、はは」 僕は、笑った。 「はははははははははははははははははははははははははは!」 笑うしかなかった。 なんだ――これは。 一体なんで、こんなことになっている。理不尽だ。曖昧だ。唐突すぎる。伏線も前ぶれも何もなく、理由も意味もなく、 ――僕は、殺されるのか。 姉さんを殺した奴にですらなく。 その妹に――邪魔だという、それだけの理由で、死ぬのか。 馬鹿げている。 狂っている。 どいつもこいつも――狂ってやがる。 「はははははははははははははははははははははははは!」 僕は笑い、笑い、笑って、 「煩い」 喉に包丁が突き刺さって――それ以上、笑うことはできなかった。 846 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/01/29(月) 20 37 52 ID 3P1G75il GJ!! 幹也生きていたんだ…… 良かった。 ………ん、誰だアンタ? アナタに兄さんを心配する権利はない? ちょ…タン……マ……… レスはここで終わっています。 847 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 20 43 59 ID SQxqzpns 少女の投げた包丁は――まっすぐに、僕の喉へと突き刺さっていた。 惑いも迷いもない、微塵の躊躇もない、真っ直ぐな一撃だった。 刺さってから、初めて投げられたことが気付くほどに。 つまりは、何をしようが、手遅れだったのだろう。 「兄さんと、私の、邪魔をしないでください」 少女が憮然とした声でいう。人を殺したばかりとは思えない、可愛らしい嫉妬めいた声だった。 態度と――やっていることが、一致していない。 それとも。 これが、彼女にとっての、日常なんだろうか。 邪魔なものを、残らず排除するのが。 「兄さんも兄さんです。こんな所、こなければいいでしょう? 二人だけでいいじゃないですか」 「思い出めぐりをしたかっただけだよ。またしばらくここから離れるんだから」 「私は――兄さんがいれば、思い出も何もいりません」 「そうかい」 兄妹の会話が、遠くで聞こえる。 彼らが遠くに行ったんじゃない――僕の意識が、遠ざかっていく。 喉に刺さった包丁を、抜く力もない。脚を押さえていた手から力が抜ける。 力が、抜ける。 血が、抜ける。 命が――抜ける。 抜け落ちる。 「…………あ、」 暗くなる視界の中で。 男も少女も見えなくなっていく視界の中で。 姉さんが、笑っているのが見えた。 ああ――姉さんが笑っている。 僕も、それだけで十分だ。 十分、なんだ。 姉さん。 僕も、今。 ――そっちにいくよ。 《TYPE・C BAD END》 848 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/29(月) 20 45 16 ID SQxqzpns 埋めネタ、以上で終了です 誤爆すいませんでした…… 849 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 20 57 06 ID 5R6LJCHq 激しくGJ! 前作の主人公は生きていたのか…… 本編がより楽しみになりました 更紗たんと主人公はこのヤンデレ兄妹に対抗できるのか?((( ;゚Д゚)))ガクブル 850 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 21 16 40 ID kdxvy8W1 選択肢Cがトゥルーだと思ったのにw 主人公から考えればBADなんだが、妹が可愛過ぎる。 自分はB派だけど、果たしてどっちが生存ルートなのやら…。 851 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 21 17 28 ID kwE6Wb+R ちょ……GJ!! 素晴らしいまでの病みっぷり… 852 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 21 19 04 ID tjkq8L2/ GJ! すげぇぜ、ウサギさん、貴女に惚れそうだ。 853 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 21 20 26 ID jPqRTP/r とにかくGJです! Aルート派の俺としては更紗の妹を上回るヤンデレ化を期待してしまいます 854 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 21 22 48 ID Hz0zFcUy 生きてたのか! 855 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 22 45 46 ID GflRSjlw 文章が型月っぽいな もしかして意識してる? 856 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/29(月) 23 36 15 ID 1OVEbNPH むしろ本人 857 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/30(火) 00 28 22 ID p01L77KA むしろ当人 858 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/30(火) 00 33 06 ID qVVstKTU むしろ本人以上 これからも良い作品を期待しております(-人-)
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/438.html
601 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/10(日) 10 22 56 ID FIWtjQkX そうしたら兄さんは頷いてくれた。 「うん、わかってくれて嬉しいよ。ごめんな、大きな声出したりして。」 あはっ、あははっ。 兄さんの返事が嬉しくてたまりません。 やっぱり兄さんもおんなじ気持ち。私と兄さんは愛し合ってる。 「私も、ごめんなさい。わがままいって。」 あはははははっ。 嬉しさのあまり兄さんの腕に飛び付く。 兄さん兄さん兄さん兄さん。愛してます。心から。 兄さん兄さん兄さん兄さん。愛してます。一生。 卒業するまで、少し長すぎるけど我慢します。 だってその後にあるのは理想の楽園。そうでしょ、兄さん。 602 名前: ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/10(日) 10 24 36 ID FIWtjQkX 短めです。すいません でもきりがいいのでここまでです。 603 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/10(日) 10 47 22 ID W8xp8WEs GJ!!!これからのキモウトの行動に期待w つか 596のまとめ見てたらいきなりwikiが消滅したんだぜ。 久々にツボったのによぉ… 604 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/10(日) 16 16 41 ID j4pmxuR7 598-602 GJ! キモウトの病んだ内面描写いいね。 596 「新ジャンル ほのぼの純愛」 ちょw ほのぼのって・・・・ww 女「ねぇ、開けてくださいよ男くん。今日はせっかくの休日ですよ。家に籠もってないでお外に行きましょう?」 男「……」 女「いるのは知ってるんですよ。男くんは恥ずかしがり屋だから、きっと返事するのを躊躇ってるんですよね」 男「……っ」 女「ふふふ……可愛い男くん。大丈夫ですよ、私は男くんが出てくるまで、ず~~っと、ここにいますから」 男(もう嫌だ……!) ttp //www21.atwiki.jp/honobonorennai?cmd=upload act=open pageid=21 file=uporg586524.png 605 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/10(日) 17 35 44 ID mbQn8RgQ 兄と妹のずれっぷりがいいなw キモウトの更なる攻勢に期待 606 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/10(日) 20 52 31 ID GwGIHX7H 596 ほのぼのしねぇwwwww 607 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/11(月) 01 28 35 ID HnJ/8tRb 独占欲が強いというか、ヤンデるとこういう発想になるんだなw p //strawberry.noob.jp/1/src/1165745657485.jpg 608 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/11(月) 22 13 19 ID mZqhccSN もういったいどの辺りがほのぼのなのかww 609 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/11(月) 22 23 24 ID SPWHscII 607 あれは途中でへたれるのが惜しかった 610 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 19 40 49 ID 3FYAX7KC 607 これなんて作品? 611 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/14(木) 20 02 15 ID wPrs63z7 蛸壷屋さんとこの「キング・アーサー」かな? 間違ってたら詳しい人訂正頼む。 612 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/12/16(土) 20 43 51 ID XWv31u3E 保守 tp //www5c.biglobe.ne.jp/~nyu/COMIC/2428/20061210_2428_4_20.jpg 613 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/18(月) 20 39 52 ID 9+IXavYQ 612 これがヤンデレと認められるのなら(ry 614 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/19(火) 06 56 46 ID /bgQ67zk ideal氏の続編待望 615 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/12/19(火) 19 04 06 ID lEq9wGx7 このスレも過疎ったな・・・ 保守あげ・・・ 616 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 06 30 ID 3ouRB9kS 数年後。 兄さんは中学三年に、私は五年生になった。 私と兄さんは今も元気だ。 「ただいま。」 家の中には誰も居ないけど私は挨拶をする。 生活の中の挨拶をしっかりしよう。 これは兄さんに言われたことだ。 私にとって兄さんは絶対。兄さんに言われて以来欠かしたことは無い、はず。 おかげで先生にも褒められたこともある。 兄さんじゃない人に褒められてもあんまり嬉しくないけど。 そんなことを考えながら時計を見ると、三時半。 兄さんが帰ってくるまであと1時間ほどだ。 私は机の引き出しをあけて小さな鍵を取り出した。 617 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 08 02 ID 3ouRB9kS あれは半年くらい前のこと。 私は兄さんに鍵付きの日記をプレゼントした。というより押し付けた 「毎日じゃなくてもいいから日記はつけたほうがいいよ。 私もつけてるんだからさ、兄さんもやろうよ。」 そういうと、兄さんは少し笑って頷いてくれた。 鍵付きの日記なら兄さんは安心して本当のことを書くだろう。 でも、私は、買った時に付いてきた予備の鍵を、 兄さんにその存在を、伝えていない。 何故か? そんなことは簡単だ。 これは、私の、秘密兵器。 兄さんの本当の気持ちを、文章で表してくれる素晴らしいものだからだ。 618 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 09 29 ID 3ouRB9kS もちろん、毎日事細かにチェックするなんてことはしない。 兄さんは私を愛しているのだし、私はそれ以上に兄さんを愛している。 互いに信頼し合っている。 だからこれを使った記憶があるのはまだ一回だけだ。 その一回は、兄さんと父が口論をした夜の何日か後。 私はあんな奴、親とも何とも思ってないが、兄さんはどうだろう。 それが気になって仕方が無くなった時の一回だ。 その時日記には、親に裏切られた悲しみが書きなぐってあった。 それから私は父を心底憎んだ。 兄さんを悲しませるような人間は死んだほうがいい。 619 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 11 07 ID 3ouRB9kS それで今回が二回目の秘密兵器の登場だ。 昨日の日曜、明らかに兄さんは変だった。 まず午前中、私を家に残して兄さんは出掛けて行った。 せっかくの、休み、なのに、だ。 …こんなこと今まで無かったのに。 帰ってきてからも兄さんはどこかおかしかった。 何か、あったに違いない。 調べなくちゃいけない、兄さんの身に何があったのか。 ふと気が付くと鍵を見つめたまま思いの外時間が経っていた。 いけない、あと30分しかない。 私は、兄さんの机から日記を取り出し、鍵を差し込んだ。 カチリと小さな音が鳴り、表紙が開く。 620 名前: ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 13 34 ID 3ouRB9kS 間があきました 文も短いです 年末は忙しいなぁって言い訳しときます 申し訳ないです 621 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 14 24 ID JR5NhEOH ぐっじぶ 622 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 21 22 ID 0vJMcGaz 早熟ヤンデレだな 623 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/20(水) 00 40 54 ID 1cIYmf/P GJ! 続きが待ち遠しいが、年明けになりそうだね。 気長に待つよ。 624 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/20(水) 02 47 17 ID TNwq/ZzR これは将来有望なヤンデレですね 625 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/21(木) 03 51 02 ID n8hklq6u やばい、この先の展開を想像するとwktkがw 626 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/21(木) 05 14 45 ID JBxpbnLv 鈴香被告そっくり… “鬼母” 進藤美香容疑者の素顔 //hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20061114-OHT1T00028.htm 96年には、JR奥羽線の後三年駅などに火をつけて有罪判決を受けているが、 その動機は「消防隊員だった当時交際中の男性の気を引くため」というものだった。 男の気を惹く為、放火っすか・・・ 627 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/21(木) 07 38 01 ID a5B46cTm 626 江戸時代の天和の大火とかそんな感じだよ。 628 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/21(木) 08 32 02 ID JBxpbnLv 八百屋の娘お七か。 江戸時代からヤンデレはいたんだな、とシミジミ。 629 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/21(木) 15 01 18 ID K2YcCa1A 過疎ったと言った瞬間にSS来た!奇跡か? 630 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/24(日) 23 28 46 ID LLrbHodb 5月17日(木) 今日、学校の行事の一つ、職場体験学習なるものの正式な日時が連絡された。 それは次の日曜。 あまりにも急な日程にクラスはざわついたが、 学校側のミスで連絡が遅れたらしい。 連絡の遅れはどうでもいい、休日というのが困る。 理由はただ一つ、美奈だ。 休日に出かけることを美奈が快く見送るなんて有り得ないからだ。 美奈を不機嫌にさせたら大変だ。 美奈の僕への甘えようは普段でもかなりのものだが、不機嫌状態の美奈は格別だ。 納豆なんかめじゃないくらい粘っこく絡み付いてくる。 この前なんかトイレの中まで…… 631 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/24(日) 23 30 09 ID LLrbHodb 本来読むべきは昨日の日付、つまり日曜日の日記なんだけど… 延々と続く5月17日の日記は凄かった。 いや、感動したと表現したほうが正しいかもしれない。 なんてったって私と兄さんの愛のスキンシップが克明に綴られているんだから。 書き出しのところでの書き方であたかも私が兄さんに甘えてるだけ、 という印象を与えられるけどそれは兄さん得意の照れ隠しだろう。 日記の中でも照れ隠しするなんて、 兄さんのそんな可愛い一面が更に私の愛を倍増させる。 あぁ、兄さん、日記だけで私をこんなにメロメロにさせるなんて… 人が悪いですよ。 632 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/24(日) 23 31 34 ID LLrbHodb とにかく私は有頂天になっていた。 だからかもしれない。 問題の日曜日の日記を見て、自分を見失わないでいられたのは。 もしも、木曜日の日記を見ないでこの忌まわしい事実を目の当たりにしたら、 私はこの場で日記をバラバラに引き裂き、 なんの躊躇いもなく灰にしていただろう。 ここはなんとか踏み止まった私に拍手だ。 しかし、気を抜けば直ぐにでも狂ってしまうんじゃないだろうか という程に心には暴風雨が吹き荒れている。 とにかく、今わかることは、これ以上日記を見てはいけない、ということだ。 だから、私は、日記をしまう。 633 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/24(日) 23 33 01 ID LLrbHodb 日記をしまい、私は脱衣所に向かう。 身体が、心が兄さんを求めている。狂おしい程に。 ……気が付けば私は兄さんの布団の中に居た。 今の私は裸……じゃなかった。 兄さんの下着を身につけている。 頭まですっぽり布団の中に入れて深呼吸。 すぅぅっと兄さんの匂いが肺の隅々まで染み渡っていく。 何回も、何回も、何回も、何回も繰り返す。 異世界的な気持ち良さがあるがまだ足りない。 もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、 もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、兄さんが、欲しい。 634 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/24(日) 23 34 27 ID LLrbHodb もっと欲しい。 その思いで私は身につけている兄さんのシャツとパンツを、 自分で自分にこすりつけた。 兄さんの下着を身体に擦り付ける両手が股と胸にきたとき、 「っっっっ!!」 訳の解らない快感に私は動きを止めた。 もう一度、今度はゆっくりと擦り付ける。 「あぅっ…」 自然と声が出る。 「兄さん……兄さん兄さん!!」 もう、止まらない。 動かせば動かすほど、気持ち良い。 動かせば動かすほど、呼吸が乱れ、その分兄さんの匂いが身体に染み込む。 「兄っさっっんん!!」 私は最後の格段の快感に意識を持ってかれた。 635 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/24(日) 23 35 40 ID LLrbHodb 5月20日(日) 今日、クラスメイトの女子に告白された。 返事は、明日にした。 どうすれば、いいんだろうか…… 636 名前: ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/24(日) 23 39 31 ID LLrbHodb 今回はここまでです 今回、エロといえるものじゃないですがエロは苦手です…… 637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/25(月) 01 57 14 ID 3GU5eN36 クリスマスプレゼント乙 キモウトかわいいよキモウト 638 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/25(月) 21 52 02 ID NaFZ+zKM 聖夜に素晴らしい贈り物GJ 639 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/26(火) 00 10 51 ID a5dxOddH 盛り上がってきたよぉ( A`*) 640 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/26(火) 01 17 25 ID dhmYnoCn 妹が歳相応の語彙を使ってくれると、もっと物語に入っていけるかな~ 641 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/26(火) 04 22 27 ID nbSG+LCf 590 おま、てめ 642 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/26(火) 13 21 21 ID ZDt/86nD 636 エロなんて飾りです。 それが偉い人には(ry たっぷりのヤンデレ成分さえあれば、後10年は戦えます。 643 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/27(水) 07 55 37 ID lVmjft53 249 名前: 本当にあった怖い名無し 投稿日: 2006/11/05(日) 09 31 45 ID npSkKftkO 俺は東京在住。ある時大阪からメル友が遊びに来た。 ホテル(ラブホテルじゃないよ)に行って、話をしていたら知らないアドレスからメールが届いた。 「見てたから」 一瞬驚いたが、すぐに、ははあ、なるほどと思った。 俺には彼女はいないし、仲の良い子すらいない。 これはきっと、相手がメール時間設定であらかじめ用意しておいたんだ、本当に彼女がいないかこちらの顔色を探っているに違いない。 そのまま小一時間話して、彼女がコンビニに買い出しに行った。最初は一緒に行こうとしたが、良いからと言うので、じゃあ下着チェックでもしてやるかと、見送った。 早速あさっていると、非通知で電話がかかってきた。 「……」 「……もしもし?」 「ん……見てたから」 「えっ?」 「……プツ」 またメル友の悪ふざけかとも思ったが、夜になっても男と女の雰囲気にもならなかったし、違うようだった。 なんとなく気味が悪かったが、もう忘れていた。 昨晩、帰宅途中に妹が後ろから走ってきた。 「お兄ちゃん、コーラちょっと頂戴」 「なんで知ってるんだ?」 カバンからコーラを出して渡してやった。 「ん……見てたから」 何故かゾッとした。 644 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/27(水) 16 17 47 ID qYBhrlDc 643 今頃そのスレの249は・・・wkwk 645 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/27(水) 23 04 05 ID eqxIo6ft 転載 743 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/12/23(土) 23 32 18 ID +HXf9s5V 9巻よんでオリンピックの後タズサを誘導したヤンデレリアが 欲しい物を全て手に入れた後に上り詰めていく物語を妄想した タズサが壊れる様に誘導しながら愛情を注いでいくリアを誰か書いてくれ 646 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/30(土) 01 34 46 ID DMCGvKZ3 これは別の意味で病んでないか?w 自分のウンコをタッパーに詰めて3100円で売っていた女(24)を逮捕http //news18.2ch.net/test/read.cgi/dqnplus/1166982633/ 「自分のわいせつ画像と排泄物をネット販売していた24歳女」を逮捕 インターネットの掲示板で手広く、自身のわいせつ画像を販売していたとして、愛知県警保安課は 11月8日までに北海道函館市港町の函館大学職員、佐藤梢容疑者(24)を逮捕した。佐藤容疑者は、 わいせつ画像販売目的所持で逮捕されたわけだが、売っていた物は自身のわいせつ画像だけではなく、 自身の排泄物や下着類など数種類。 佐藤容疑者は取調べに対し「遊び感覚だった」と供述しているが、自身が運営するネット上のブルセラ ショップでは、他の「売り子」の指南役としての役割も果たしており、とても遊び感覚とは言えず、 風俗店営業に近い状態だった。 ttp //adnet-news.com/syakai/news149320061208.htm 647 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/31(日) 11 55 41 ID InCnAhzP ところでみんな もうアクアノックス2はプレイしたよな? 648 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/01(月) 08 30 23 ID iXobG6Kw サキュバスの巣ってサイトの女王様の壮大な愛ってのヤンデレかな? 649 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/02(火) 19 52 23 ID zw9iZ9Tb 無駄な描写多くない? 650 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/03(水) 20 07 39 ID qLOV5sU8 648 元々携帯サイトの方に置いてあった妹に電車の中で犯されるやつのほうがこのスレ向きじゃない? 数年かけて男を落とそうと画策するあたり萌える つか個人サイトが晒されると叩かれそうで嫌だな… 651 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 17 49 55 ID zpAEyOdJ 「というわけで、貴方の身の安全は私が保証したわ」 クラスメイトの如月更紗は、僕の眼前に長い――長い長い長い長い長い長い長い鋏をつきつけてそう言った。 長い、なんてもんじゃない。長すぎる、でもまだ足りない。それはもう冗長としか言いようが無い長さだった。 そんなに長くても使い道なんて一切合切ありえないだろうと、こんな状況でもなければ僕は断言していただろう。 それくらいに、長い。 一般的に使いやすい鋏の長さは手首から中指までの長さだと言われているが、 そんな常識など「知ったことではない」と主張するような長さだった。 30センチものさしを二つくっつけたような――長方形の鋏。 持ち手の部分は二等辺三角形で、その鋏には所謂曲線というものが存在しなかった。 それは、丸みを帯びた「優しさ」とか、そういったものを根こそぎに否定したがっているような、 どこまでも暴力的な鋏だった。こんな鋏がモノをきっているところを想像できるはずがない。 じゃあ、何を斬っているのか――できれば想像したくなかった。 とくに、眼前にその鋭い切っ先が突きつけられている今は。 「ああ、これ?」 僕の視線に(といっても、眼前に鋏がある以上、どこを見ようとソレが視界に入るのだけれど)気付いたのか、 如月更葉は視線を鋏と、僕と、交互に移ろわせて、笑った。 照れたような、恥かしそうな、頬を赤らめて顔を背ける笑いだった。 ほんのちょっとその仕草がかわいいと思ったけれど――そんなことを素直に口に出せる状況でもない。 如月更紗は、そんな照れ笑いを浮かべたまま僕に告げた。 「これ私の手作りなの。似合うでしょう?」 「殺人鬼とか死神とかが持ってるならともかく、制服きた女子高生に似合うようなもんじゃないだろ」 「あら。貴方ってば、女子高生よりも殺人鬼や死神の方が好きなのね。不健全だわ」 「誰がそんなこと言った!?」 思わず突っ込みを入れて、僕は慌てて口をつぐんだ。突っ込みを入れた反動で、身を起こしかけたからだ。 こんな状況で身を起こせば、ズブリ、といくこと間違いない。横に逃げようにも、仰向けに寝転がった僕の上には、 如月更紗の細い体が馬乗りになっている。 ……普通、こういうのは男女が逆なんじゃないのか? 脳内で突っ込むに留める。そりゃ普通男が女を押し倒すものだが、生憎と押し倒してきたのは如月更紗の方だった。 押し倒してキスでもされるのか――なんて甘い妄想を抱いたのは一瞬のこと。次の一瞬には、問答無用の勢いで更紗はするりと背中から鋏を抜き出して―― 僕の眼前へと、突きつけた。 ……。 これのどこが、身の安全の保証だ。 脅かしているのはお前じゃないか、如月更紗。 不遜な僕の眼差しに気付いたのか、更紗はこほんとひと息入れて、 「言い直すわね」 「どうぞ」 「不健康だわ。顔色が悪いわよ」 「それはお前のせいだ!」 僕は思わず、ではなく、意識して突っ込み、 ――しゃきん、と。 僕の目の前で、音を立てて開いた鋏の前に、沈黙せざるを得なかった。 一つが、二つ。 片目のみに押し当てられていた鋏が――開くことによって、両目に押し当てられることになった。 危機感、二倍。 652 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 18 06 21 ID zpAEyOdJ 「慌てないで。何も顔色が紫になって口から緑色の血を吐いたわけじゃないのよ」 「それは不健康を通り越して重病人だ」 緑の血は吐かずとも。 鋏が落ちれば――赤い血は噴き出る。 自分の体の中を流れる血の色くらいは知っている。15年も生きてりゃ怪我の一つや二つは三つはしたことがある。 怪我をさせられたことも――させたことも、ある。 流石に眼球に鋏を突きつけられたことはないけれど。 「とにかく」 如月更紗は前置いて、 「死神や殺人鬼よりは、女の子の方が好きよね?」 ……。 そっちを訊くのか……。鋏なんてどうでもいいと言わんばかりの、確信に満ちた、核心に触れるような問いだった。 如月更紗の中においては、鋏を他人に突きつけることは日常茶飯事なのかもしれない。そんな噂を聞いたことはないが、 それだってただの一人も証人が生き残っていないだけかもしれない。 夜な夜な街を彷徨って眼球を抉る女子高生。 ……殺人鬼と大差ないじゃねぇか……。 「野菜よりも果物が好きかという意味で答えるなら、イエスだ」 「野菜を食べないから不健全になるのね?」 「なるのは不健全であってそもそも僕は不健全でも不健康でもない!」 「なら――貴方は、健全で健康で身に潔白があり恥じるものなど一つもないと、そう言うのね?」 「……う――」 言葉に、詰まる。 妙に――迫力に満ちた言葉だった。 先までの多少冗談の混じった言葉とは違う。『君は聖人君子というものの存在を信じるのかね』と遠回しに言われたような、 そんなものが存在するというのならば今すぐにもで殺してやると言いたげな、物騒で不穏当で危険で不均衡な――危うい、言葉だった。 いや、 危ういのは、言葉じゃない。 どこか赤みがかかったような、爛々と輝いているようにさえ見える、如月更紗の瞳が――最も、危ういのだ。 獲物を狙う、蛇のような。 満月に狂う、狼のようだ。 その眼で、如月更紗は――僕を、見る。 「そんなことはあるわけがない。そんなはずがあるわけもない。そんなことがあっていいはずもない。 そうでもなければ――私がここに来ることはなかったんだから」 「ここに、来る?」 「鋏を持ってまで、ね」 愛嬌たっぷりに如月更紗はウィンクをした。いや、決して愛嬌が必要な場面ではない。 むしろそのナンセンスさが、この場に不釣合いで――不釣合いだからこそ、怖いとすら、思えた。 653 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 18 07 05 ID zpAEyOdJ 相手のやりたいことが、まったくわからない。 クラスメイトに屋上に呼び出されて、告白かと思ってのこのこついていったら、『鋏』だ。 わけが、わからない。 「わけなんてわかるはずがない。わけなんてわかるはずがないわ」 僕の心を読んだように、如月更紗は滔々と語った。舞台の上で台詞を読む演劇役者のように、澄んで通る声だった。 教室の隅で本を読んでいる印象しかなかった更紗が、こんな風に喋るなんて――想像もできなかった。 それをいうなら。 そんな相手に、鋏をつきつけられているなんて、想像どころか妄想すらできなかったわけだが。 「……どういうことだよ」 なんとなく無駄だと思いつつも、一応訊いてみた。 如月更紗は、口紅を塗っているかのように赤い唇をつぅぅ、と吊り上げて、 笑った。 「貴方に原因はないわ、貴方に理由はないのよ」 笑って――嘲って。 おどけるように、微笑んで。 道化るように、微笑して。 満面の笑みを、顔面に浮かべて。 笑いと共に、呪いのように、言葉を吐き出した。 「原因は――死んでしまった、貴方の姉にあるのだから。ねえ、里村冬継くん?」 それは、正しく。 言葉のような、呪いだった。 ・二話に続く 654 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 18 28 39 ID zpAEyOdJ 里村春香についてのあれこれ。生きていれば19歳。生きていれば、というのは他でもない、何の身も蓋も伏線もトリックも関係なく、 れっきとした事実として、里村春香は死んでいるからだ。死んだのはもう一年も前になる。18歳の里村春香は受験のストレスに耐え切れずに 学校の図書室から飛び降り自殺した――ということで一応の決着がついている。彼女が受験生だったことは事実だし、18歳だったことも、 思春期だったことも、そして図書室から飛び降りたことも、全て事実だ。覆しようのはない。ただし、その単語群の間を=で埋めるのは残された 人間たちの創造力でしかなかった。そして、里村冬継は、創造力を持ち合わせている人間ではなかった。 だから、事実だけで考えれば。 姉が――死ぬ理由が、分からなかった。 死ぬ前日まで、姉は、とても幸せそうに、笑っていたから―― 「…………」 不意に意味のある単語を投げかけられて、僕は意図的に黙り込んだ。ただの突発的な通り魔的犯行かと思っていたのに (それはそれで厄介なことだけれど、単に『変な奴』に絡まれた程度だと思えばいい)、いきなり姉さんのことを言われるとは、思いもしなかった。 つまり、相手は。こちらの事情を、少しは知っているということになる。 問題は、一体どこまでを知られているのかということで…… 「その顔は図星といったところね」 「…………」 如月更紗は僕に馬乗りになったまま、得意げな顔で、僕を見下ろしていた。 ふふん、と鼻で笑ってもいいだろうに、微笑むだけで、鼻を鳴らそうとはしない。 馬鹿にするのも、馬鹿馬鹿しいのだろうか。 如月更紗は僕を見下したまま話を続ける。 「貴方はやっぱり――シスコンなのね」 「何がどうなってそんな図星が導き出された!?」 「自明の理よ。姉の存在を話題に出されて押し黙るのはシスコンか、」 「か?」 「姉に対して鬱屈したコンプレックスを抱いているシスコンだと、友人が言ってたわね」 「誰だよそんな歪んだ情報をお前に教えたの!」 「貴方はさしずめ後者なのだろうね」 「それはお前の偏見だ!」 しゃきん、と。 再び、鋏が鳴って、僕は押し黙る。なんだか、脅迫というよりは、一方的に話を進めるためだけに鋏が存在するような気がしてきた。 遠回しな、コミュニケーション手段。 それにしては、物騒すぎるけれど。 「とにかく、とにかくよ――貴方がシスコンであることは知っているわ」 「否定していいか」 一応言った僕を無視して、如月更紗は言う。 「それから、貴方の姉が、どんな人間だったのかも」 「…………」 「今度は、否定しないのだね?」 くすり、と如月更紗は笑った。どこか見透かしたような笑みだった。 いや、実際に、見透かしているのだろう。 姉さんはクラスの中で目立つような、そういうタイプの人間ではなかった。端で本を読んでいるような人だった。 そんな人が、それ以外の場所では、どんな人だったのかを――僕は知っている。 奇しくも、僕の上に座す、如月更紗のように。 人間は、一面からだけでは、計り知れないのだ。 「だからこそ、貴方の安全は私が保証してあげる」 「お前の頭は間違いなく壊れてる。『だからこそ』と『=』の使い方をもう一度勉強しなおせ」 「使い方を間違ってはいないけれど?」 「なら使い手が気違っているんだ」 「ああ、つまり貴方はこう言いたいのね――馬鹿と鋏は使いよう」 「この状況を巧いこと言ったつもりなら正直にお前は天才だと褒め称えてやるよ!」 「つまり、貴方が馬鹿、と」 くすり、と如月更紗は笑った。完全に馬鹿にされている。弄ばれている。 鋏を突きつけられていなければ、相手が女だろうが構わずに突き飛ばしているところだ。 が、圧倒的弱者であることには変わりはない。ともかく、鋏がどかないことには話にならない。 「なあ如月更紗、」 問いかけた僕の言葉を遮るようにして。 「貴方は――命を狙われている」 不思議なほどにきっぱりと、如月更紗は断言した。 655 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 18 47 31 ID zpAEyOdJ 「……狙われてるも何も、今まさに死にそうなんだが」 「眼を抉られても、死にはしないよ」 くすり、と更紗は笑う。 「眼を抉られても、指を切り落とされても、足をもぎられても、手を焼かれても、 爪先から順にすり潰されても、首を落とされても、頭を潰されても、心臓に杭が刺さっても、死にはしないよ」 「……いや、それは死ぬだろ」 「殺されない限りは、死にはしない」 奇妙な――断言だった。 この女、如月更紗の言葉は、なぜか、どれもこれも力に満ちた断言だ。世に対して一片たりとも退くところがないと主張しているような、 世界の全てを敵に回して胸を張っているような――いや、違う、そうじゃない。 世界なんてどうでもいいと、笑っているような。 そんな、態度だった。 「だから貴方は死に掛けているのよ。あの恐るべきチェシャの奴が殺意を持って貴方を 狙っている以上――貴方は、このままだと、殺される」 「殺される……」 その言葉はどこか非日常で、非現実で、だからこそすんなり頭に入ってきて、疑問の浮かびようもなかった。 それよりもむしろ、如月更紗がさりげなく口にした「チェシャの奴」という言葉に意識が向く。それは確か、 あの古くも有名な童話に出てくる、にやにや笑いの悪趣味な猫の名前で―― 意識がまとまるよりも速く。 如月更紗は、きっぱりと、断言する。 「だから、貴方の身の安全は、私が保証するわ」 「つまり……」 頭の中で、情報を整理する。他人事のように、無関係のように。 「姉さん関係で、誰かが僕を殺そうとしていて――そいつから守るために、お前が?」 お前が――なんだというんだ。 そいつから守ることが、どうして、眼球に鋏を突きつけることに繋がるんだ。 「ああ、これ?」 僕の視線を手繰ったのだろう、如月更紗は、彼女曰くお手製の鋏をちらりと見て、 「手作りなの。似合うでしょう?」 「ボケの焼き直しをやれと誰が言った!」 「あら。繰り返しは素敵なことよ」 繰り返し、繰り返し、繰り返す――何かの唄の歌詞なのか、リズムをつけて更紗はそう言った。 繰り返し、繰り返す。 日常のように。 「突拍子もない話を信じるには、突拍子もないことをするのが一番なのよ」 非日常を続けて、日常にするように。 さらりと、如月更葉はそんなことを口にした。 「……ようするに」 この十数分間のことを思い返しながら、僕は結論を口にした。 「お前の趣味なんだな?」 僕のその言葉に、如月更紗は満面の、悪意なき笑みを浮かべた。図星をさされたのが嬉しかったのだろう。 イエス、イエス、その通り――なんて、はしゃいだように、笑っていって。 「だけど、これも私の趣味」 文節を勉強しなおせ。『だから』の、間違いだろう――そう突っ込むよりも先に。 鋏がすぅ、と退かれて――入れ違うように、更紗の体が前のめりになるように倒れてきて。 誰もいない屋上に仰向けになって、雲ひとつない青空を見上げながら――僕は如月更紗に唇を奪われたのだった。 ・第三話に続く 656 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 19 55 20 ID zpAEyOdJ ヤンデレ作品投下 例によって妹とか妹とか姉とか妹とかが病んだりデレたりします 全何話かはまったく未定 657 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 20 30 08 ID nx7pzAvC これも一つの愛の形(*´Д`) 658 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 20 41 37 ID vcOInZZb どう転ぶか先が全く読めないですね wktkして続き待ってます 659 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/01/04(木) 22 30 53 ID KjfSYVID 656 お茶会の人ですか!?GJです!! 660 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/04(木) 23 22 39 ID XHHa1pFB 651ナレフ! きまさハルヒシリーズを読んだことがあるなっ!? 661 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 00 16 50 ID ZRyBoQwo 谷川ちんはもちっとくどい比喩を使ってるから、それが無い分するする入っていけたかな。 何はともあれ先の展開を待つ。 662 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/01/05(金) 00 29 03 ID 98mIRqg3 いや、ハルヒゆらむしろ戯言を読んでるだろう。 文体が非常に酷似している 663 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 03 09 08 ID ykvUuhwS 中学の頃に書いた小説がキモ姉ものでした ただそれも西尾風味 664 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 03 51 01 ID kY7XQF4J お茶会の人かな 665 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/01/05(金) 03 59 28 ID kY7XQF4J かなって言うか完全にそうか。里村春香だもんな。 666 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 07 51 48 ID 7bQDaAOh 656 GJ! 続きが楽しみです。 ./ ;ヽ l _,,,,,,,,_,;;;;i <いいぞ 654! l l |~___;;、_y__ lミ;l 姉の存在を話題に出されて押し黙るのはシスコンだ! ゙l;| | ` ",;_,i` "|;i | 姉に対して鬱屈したコンプレックスを抱いている奴はよく訓練されたシスコンだ! ,r i ヽ, ~rーj`c=/ ,/ ヽ ヽ`ー"/ `ヽ / ゙ヽ  ̄、 ゙l, ホント シスコンは地獄だぜ! フゥハハハーハァー |;/"⌒ヽ, \ ヽ _l_ ri ri l l ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / | ゙l゙l, l,|`゙゙゙ ―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l | ヽ ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=  ̄ノ /"ヽ j_/ヽヽ, ̄ ,,,/" ⊃r‐l 二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙ "゙゙゙ ̄`" / ヽ ー── ""(;;) `゙,j" | | | 667 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 12 41 14 ID w9uu+67R 664 お茶会の人です。トリップメモが見つかったらトリップつけます 普通の三姉妹とかハーレムとか書いてみたいなあと修羅場スレを見てると思う さて三話投下します 668 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 13 04 35 ID w9uu+67R ・三話 如月更紗についてのあれこれ。当年とって15歳。ただし正確な誕生日は不明。同じクラス、同じ学年だから15だと思っているだけで、本当は16歳かもしれない。 実際のところ内情について知っているのはほとんどない。クラスメイト――それはクラスが同じというだけで、なんら共通項を得るようなものじゃない。 例えば彼女がどこの中学校の出身だとか、どこに住んでいるのだとか、野菜と果物のどちらが好きかとか――そんなことが、僕に知り得るはずもない。 分かることといえば、それこそ外見的なことと、彼女の立ち居地だけだ。 こうしてみる限り校則違反はしていない。紺のプリーツスカートは極端に上げたり下げたりはしていないし、白の半袖シャツの下に柄物が見えることもない。 もっともこんなバカでかい鋏を持っている時点で、校則違反以前に法律違反だが――今のところ、誰も気付いた様子はない。かくいう僕もこうして突きつけられる までは彼女がそんなものを持っていようとは夢にも思わなかった。 長く伸びた艶のある黒髪は、こまめに手入れしてあるのか腰のあたりで綺麗に切りそろえられている。その几帳面さが、日本の古い幽霊映画に出てきそうな雰囲気を かもし出していて、何ともいえないくらい絶妙に……似合っていた。学校にいる間中、ぼぅと窓の外を見て一言も喋らない、どこを見ているのか分からない如月更紗と いう少女の雰囲気をひきたてるのに、それは適格だったのかもしれない。あるいは、本人が意識してそうしていたのかもしれない。 そんなことを、つらつらと。 口内を蹂躙されながら、思った。 「ん、ん――! んんん――!」 口の端からだらだらと如月更紗の唾液がたれ始め、呼吸困難を憶える頃になって、僕はようやく抵抗を開始した。 というか、この女。 普通こういうときは触れるだけのキスをするだろうに、まるで攻撃でもしてくるかのように、無遠慮に舌を入れてきやがった。 あまりもの衝撃に突き飛ばすのも驚くのもキスに対して何かを思うのも忘れて、現実逃避してしまった。 しかし一度現実に戻れば、当たり前のように抵抗する。なぜって、それは舌を入れられたことよりも―― 「暴れないで欲しいものだね……」 つぅ、と唾液の糸を引きながら如月更紗の唇が離れた。ぬらぬらと、放課後の光を浴びて輝く液体は扇情的で、未だ唇と唇が繋がっていたことをその身で証明していた。 エロスティックというか、エロいというか、マロいというか、そういうのを否定するつもりはない。 どこか潤んだような瞳で僕を見てくる如月更紗の姿を見ていると、こう、ぞくぞくと背筋にくるものがある。 が、それとこれとは別だ。僕は如月更紗の瞳をしっかりと見返して、言った。 「この――下手糞」 「………言葉遣いが悪いわよ?」 「なら言い直してやる! この下手れ!」 「それはまた別の意味よ。まったく困った同級生だわ」 あっけらかんと、自分に非がないように髪をかきあげる如月更紗。その仕草に再びどきりとさせられるが、意識を総動員して無視する。 「いきなり何すんだって言いたいが……他に言いたいことがあるんで先に言ってやる。歯をがんがんぶつけんじゃねぇ!」 そう――そうなのだ。てっきりいきなり舌を入れてくるくらいだから上手いかと思ったのに、この女ときたら、舌を動かすたびに頭を押し付ける せいで歯ががんがんと当たるのだ。おまけに痛みなんて気にしないかのように続けるから、延々とがち、ガチとぶつかる音が脳内で響く。 最悪だった。 何が最悪かって、キスにわずかに期待してしまった自分が最悪だった。 「仕方ないのよ。慣れてないんだから」 「慣れてないならいきなりキスなんてするな!」 「勘違いしないで。キスには慣れてるのよ」 「……? じゃあ、何に慣れてないんだよ」 僕の問いに、如月更紗はクラスでは絶対に見せないような、そのくせこの屋上では何度も見せた、にたりとした笑みを浮かべて、 「生きてる相手とするのには、慣れてないのよ」 なんてことを、さらりと言ってのけた。 「………………」 冗談か本気か、その妖しい笑顔からでは判別できない。 判別したいとも――思わない。 669 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 13 34 09 ID w9uu+67R 「とにかく」 こほん、とわざとらしく如月更紗は咳払いした。上体を起こしていないせいで、口から漏れた息が直接顔にかかる。 生暖かいような、甘いような吐息だった。 「何だよ」 問い返すと、如月更紗は、それが当然だと言わんばかりの口調で、はっきりと言った。 「慣れていないのだから、慣れさせてよ」 「なんでそうなる!?」 「あら、あら! 当然の理屈だわ、当然の理屈よ――アインシュタインもニュートンも団鬼六先生も賛同してくれるに違いないわ」 「物理学者と官能小説家を同じラインに並べるのかお前は!?」 恐ろしい女だった。 ある意味、人類平等を体現しているのかもしれない。 「貴方がファーストキスもまだだと言うのならば、やぶさかではないけれど」 ため息と共に、如月更紗はそういった。なんとなくバカにされているようで癪に触る。 「貴方がファーストえっちもまだだと言うのならば、諦めるけれど」 深い深いため息と共に、如月更紗はそんなことを付け加えた。 「いや、それは付け加えなくていい」 「そう?」 大体キスをしたことがあっても初体験もまだだというのは世の中には一杯いるだろう、と思ったが言わないでおくことにした。 余計なことを言えば藪をつついで鬼を出す嵌めになることくらいは想像できる。 どうも、如月更紗という相手は――未知数だ。 何が返ってくるのかわからない。 何を思っているのかわからない。 何のためにここにいるのか、まだ、分からない。 「…………」 そのことに多少の警戒はあれど。 「如月更紗」 「何かな?」 「眼、つぶれ」 僕は――思春期なのだった。 言われた通りに素直に子供のように、如月更紗は眼を瞑った。そのまま微塵も動かない。僕の方から、何かをするのを待っているように。 殉教者のように、如月更紗は待つ。 「…………」 その耳の側から、如月更紗の髪に僕はそっと右手を差し込んだ。手で触れることで、彼女の髪のきめ細やかさがよくわかる。 いつまでも触っていたいような、それだけで幸せになれるような触感だった。 「……動くなよ」 一応、そう前置いて。 手で、ゆっくりと、如月更紗の頭を引き寄せる。如月更紗は何も抵抗することなく、僕の手に導かれるままに顔を寄せて、 眼を瞑り、唇を横一文字に閉じる如月更紗。 その顔に、歯がぶつからないように――そっと、キスをした。 血の味が、するような、気がした。 670 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 13 56 46 ID w9uu+67R 今度は歯がぶつかることはなかった。もっとも如月更紗のように舌を入れるようなことはしない。 唇をそっと触れて、相手の唇を舌でなぞるだけの、簡単なキスだ。それでも、痛みがないというだけで先よりもずっと良かった。 痛くはない。血の味もしない。温かく、柔らかい、 人間との、キス。 「ん……」 小さな吐息と共に如月更紗の唇が離れていった。気付けば、自分から彼女の頭に差し込んでいた手を話していた。 人の胸板にのしかかるように身を寄せて、如月更紗は僕を覗き込む。至近距離で見る彼女の瞳は、どこか猫のように笑っていた。 「確かに――上手ね」 良し、よし、よし、と子供をあやすように如月更紗は幾度か繰り返した。 上手いと言われて悪い気がするはずがない。僕は思わず微笑みかけ、 「貴方のお姉さんと、練習したからかしら」 微笑みが、固まった。 意識してか、意識せずか、そんなことはどうでもいい。 どうだっていい。 問題は彼女が、如月更紗が何げなく、何事でもないように口にした、軽口のようなその一言にしかない。 僕は押し黙り、恐らくは、明確な敵意を持って――如月更紗を睨みつける。 この距離で、睨みつけられても。 如月更紗は――微笑んでいた。 「どうやら――姉に対して鬱屈したコンプレックスを抱いているシスコンで、正しいみたいね」 くすくす、と笑う。僕は笑わない。僕は笑わずに、黙って、彼女を見遣る。 如月更紗を、見る。 「とはいえ言い過ぎたわ、口が崖から落ちていったようね」 そう言って、如月更紗は唐突に僕から身を離した。両足で立ち上がり、鋏を制服の背中に隠す。 さっきまで濃厚な彼女の匂いに包まれていたことに、僕はようやく気付いた。彼女が離れたことで その甘い蜜のような匂いの存在に、ようやく、気付けた。 脳が痺れるような――如月更紗の匂いだった。 「今日は色々考えてくださいな。色々と、色々と――思い起こして思い返して考えてね、冬継くん」 それでは、また明日。 そう言って、如月更紗は、寝そべったまま身を起こせないでいる僕をまたいでつかつかと歩き去った。 人の顔面の上を通り越していったせいでスカートの中身が見えたのにまったく気にした様子がない。 用は済んだのだとばかりに、振り返ろうともしない。 振り返らず、何も言わず。 がちゃん、という音と共に、如月更紗は屋上から出て行った。 「………………」 今日一日と、昨日のことと、明日のことと、如月更紗のことを思って。 屋上に寝転がったまま、僕は深く、深く深く――ため息を吐いて、舌で唇を舐める。 キスの感触が残っていた。 ・第三話 了 671 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/05(金) 19 54 46 ID CqhSHgex 1番乗りGJ!イイヨーイイヨー 672 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/06(土) 00 41 02 ID fGQtsdjx GJ!なんか素質有りそうなオトウトだな!!続きwktk 673 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/06(土) 20 11 38 ID yoIymAIa 「先輩先輩! 遅くなりました!」 神無士乃はいつものように校門前の坂道を降りたところで待っていた。下校ラッシュの時間からは少しずれているせいでにしか人がいない。 部活動をやっている生徒が帰るにはまだ時間がかかるから、もうしばらくは校門前も混雑しないだろう。わずかに通りかかる帰宅組がちらりと 横目で神無士乃を見ていくだけだ。さすがに中学校の制服を着ている神無士乃は目立つ――とはいえ、もう見慣れているのかあまり気にしていない。 神無士乃は、いつだってそこにいるのだから。 「あれ、今来たの?」 「いえ、先輩が遅くなりました。遅いです」 「そうだよお前はそういうやつだったな……」 頬を膨らませて言う神無士乃の髪をくしゃくしゃとかき回して、僕は彼女の横に並んだ。何を言うでもなく一緒に歩き出す。 高校に進学してからほぼ毎日こうなので随分と慣れたものだった。 ん、と嬉しそうな顔をした後、神無士乃は僕の左手をとって歩く。教科書は学校にでも置いているのか、左手に持っている鞄は やけに薄っぺらかった。まあ、僕も同じことをしていたので何も言うまい。 「あー……待たせた?」 「いえ、今来た所です!」 「さっきと言ってることが違うじゃねぇか」 「いえ、先輩が今来たところです」 「前後の文が繋がらない返答をするなよ!?」 ひひひひひ、と神無士乃は悪人のように笑った。こいつ、顔はかわいい系のくせに、こういう小悪人的な仕草が妙に似合うんだよな……。 小学校の頃はそうでもなかったんだが、いったい誰の影響を受けたんだ。 「とにかく、行くぞ」 「らじゃーっす!」 びし、と鞄を持った手を振りかぶって神無士乃は答えた。危うくぶつかりそうになった鞄をすんでのところで避けて、僕も彼女の手を引くよう にして歩き出す。やけに急な坂を下り終えて、ゆるやかに曲がる道を行く。先の曲がり角が、中学校と高校の分かれ道なので、帰る姿は中高様々だ。 手を繋いで歩いているが、そんなもの学生町では珍しいことではないので気にしない。たまに道行くオバちゃんに指をさされてくすくすと笑われるだけだ。無視。 「でもどうして遅くなったんですか?」 神無士乃が僕を見上げて問うてくる。視線は少しも外さずに、瞳を、真正面から覗きこむようにして。 「あー……」 呟きながら考える。嘘をついたらバレるだろうなあ、と思うが、正直に本当のことを話すわけにもいかない。学校の屋上に呼び出されて刃物突きつけられた あとキスしてましたなんて言ったら正気を疑われるか狂気を疑われるかのどっちかだ。実際僕だって、先あったことが現実だとは思えない――嘘を言うのはやめよう、 現実だと思いたくない。かなり。切実に。出来れば夢であって欲しかった。 唇に残る感触だけが、夢ではないと主張している。 「あー――」 さらに呟きながら考え、視線をさまよわせる。僕を真っ直ぐに見てくる神無士乃を逆に見返す。身長が20センチは低いせいでかなり見下ろす形になっていた。 いくら中学生、二歳後輩とはいえ小さすぎないかと思う。昔からまったく変わっていない気がする。 「神無士乃、前にならえをやってみるんだ」 「こうですか?」 唐突な言葉にも堪えず、神無士乃はきちんと前へならえをやった。ただし、両手を腰にあてて胸を張るポーズだ。 「はっ、やっぱりな」 「何ですかその勝ち誇ったかのような笑みは! 意図不明かつ意味不明ですよ!」 「いや、特に意図も意味もないんだ」 「じゃあ話を逸らしただけですね」 あっさりと真相をつく神無士乃。さすがに鋭い。鋭いが、自分がクラスで一番身長が低いことを吐露してしまったことには 気付いていないらしい。これが人間経験の差か……ちなみに僕は一度クラスで一番背が低い時代があった、そのとき間違えて 両手を前に伸ばして以来、前へならえというものを憎んでいる。 そう、神無士乃は小さいのだ。ただし小さいのは背だけで、その分の栄養が胸と尻にいったと見える。それを指摘すると叱られる ので言わないが、クラスではさぞかしセクハラの的になっているに違いない。 「神無士乃、牛乳は出るか?」 「? うちの学校給食ですから出ますですよ」 「ああそうだったな、自分の出身校なのに忘れてたよ」 バカなことを言ってみるが肝心の質問の答は見つからない。 674 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/06(土) 20 21 55 ID yoIymAIa 現実逃避にさらに神無士乃の姿を上から下までなめるように見てみる。 小さな背と大きな胸。ツインテールが兔の耳みたいに直立している。太くも細くも無い手足と、丸い瞳。小動物系というの だろう。最近の流行はよく知らないので断言はできないが、案外こういう安産型が人気なのかもしれない。守ってあげたく なるような――といえば聞こえはいいが、それはようするに独占したいだけなのか? 正直よくわからない。 モスグリーンのチェックの制服は――男女差こそあれ――去年まで着ていた奴だ。懐かしい、と思ってしまうのは、高校に慣れてきたからだろう。Y シャツのボタンが弾けるところを一度でいいから見てみたい、そんな体型だった。さっきから僕体型についてしか考えてないな。 「何見てるんですか?」 どことなく恥かしそうに神無士乃が言うので、正直に答えることにした。 「ニュートンの法則が横方向にも適用されてるか考えてたんだよ」 「しってます。林檎から木から落ちて砕けた例のヤツですね?」 「砕けるのはピザの斜塔から落としたヤツだろ?」 「ピザの斜塔ってとうとう崩壊したんですか?」 「…………」 いまいち話が通じてない気がするが、問題はない。問題の箇所から話がどんどんずれていくからだ。 「それで――」 神無士乃は前置いて、僕の腕を強くつかみ、見上げて笑った。 「どうして遅くなったんですか? 解答時間は残り三十秒をきりましたよ」 「数えていたのか!?」 「ちなみに制限時間三分です」 「余計なことばっかり考えて時間無駄にしてた!」 まあ、でも。 そろそろ誤魔化すのも限界なので、答えることにした。 「学校の屋上に呼び出されて青春してきたところだ」 「校舎裏がラブレターだから、屋上は決闘ですね?」 「そうだ決闘だ。命をかけた戦いだった」 嘘は言っていない。ある意味命はかけている。一方的な上にかけたのは僕だけだが。 ……そもそも告白するなら――あれが一応でも告白というのならば――如月更紗のヤツ、校舎裏に呼び出せばよかったのに。 そしたら一発で何が目的かわかる……ああ、駄目なのか。校舎裏で告白なんてしたら、他人に見られるかもしれないからな。 そういう意味では扉が閉まる屋上が一番あいつの目的にかなっていたわけだ。 鋏を突きつけ、 危機が迫ってるとつげ、 キスをする、目的に。 「………………」 「ちなみに敵はどんなヤツです?」 「シザーメンだ」 「複数人ですか!」 「ああ、恐ろしい男だちだったよ。両手に鋏と糊を持って襲い掛かってくるんだ」 「なんだか図画工作の先生みたいですね」 「僕の母校の先生はそんな奇妙なヤツなのか……? おい、木頭先生はどうなったんだ」 「木頭先生は……いえ、ここから先は言うのはよしましょう先輩」 「何だその『あいつはもういないんだ』みたいな台詞は!? 不謹慎だぞおい」 「木頭先生は生徒と駆け落ちしていなくなりました」 「…………」 不謹慎だった。 というか、生徒って、よく考えるまでもなく中学生だろ……? 知らなきゃ良かったことが世界にはたくさんあることを 今改めて再確認してしまった。あの楽しい図画工作の時間の思い出が薄汚れた感じに染まってしまう。 「とにかく」 「強引な話題転換ですね。そうそう、木頭先生といえばですね、」 「いいから話題を変えさせろよ! いつまでも木頭先生を引っ張ってるんじゃねえ!」 両手が塞がっているので兔耳のような頭目掛けて頭突きをする。高低差のおかげで楽にできた。痛いですよう、と呻く 神無士乃を無視して話を戻す。 「ようするにホームルームが長引いて遅れたんだよ」 「面白味のない答えですね」 「お前はいちいち返答に面白さを求めなきゃ気がすまないのか……?」 「面白味のない人生ですね」 「言うな! 悲しくなるようなことは言うな!」 先輩に対してまったく尊敬とか、それに類するものがない奴だった。 まあ……結果的にきちんと話は逸らせたからよしとしよう。 675 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/06(土) 20 35 56 ID yoIymAIa 「しかし神無士乃、先に帰ってても別にいいんだぞ。お前の方が終わるの早いんだし」 「そんな先輩、気にしないで下さい。それに迷子になったらどうするんですか」 「そりゃ結構歩くけどさ、電車使うわけじゃないんだから迷いはしないだろ、地元だし」 「いえ、先輩の方向音痴さを鑑みるに有りえ無い話ではないかと」 「勝手に人の設定をつけくわえんな! いつから僕が方向音痴になったんだ!」 「運動音痴よりはマシじゃないでしょうか?」 「どっちもどっちって気がするけどな……そういや知ってるか、運動神経っていう神経はないんだぜ」 「マジですか! ということは反射神経とか末端神経とかもないわけですね!」 「あーないない。間違ってテストに書かないようにしろよ」 なんて話しながら歩きつづける。学校から家まで大体歩いて三十分くらいだ。ぎりぎり中学校の校区――自転車通学許可が出ない場所―― に済んでいるので、神無士乃は自転車を使うわけにはいかない。それにあわせて、僕もこうして歩いている。 小学校以前からの幼馴染だ。それくらいはしてやってもいいだろう。 可愛いし。懐いてるし。 何気ないやり取りは面白いし。 ちょっとバカだけど。 それでも――いきなり、刃物を突きつけられることは、ないしな。 「先輩先輩、明日の予定はありますか?」 「学校いって帰る」 「勉強はしないのですか!」 「僕くらいになると勉強しなくても大丈夫なんだよ」 「さすが先輩です! でもそれって学校行く意味あるんですか?」 「…………」 こいつ……世の中の学生の大半に喧嘩売りやがった。そんなことを言ってただですむと思っているのか。 意味がなくてもとりあえずで進学するやつが大勢いることをしらないのか。 しかしここで現実の厳しさを教えてもむなしいだけなので、「あるよ」とだけ答えた。 「つまり、放課後の予定はないんですね?」 「一緒に帰るくらいだな」 「じゃあそのまま一緒に遊びに行きましょう」 前後の関係もなく言われるが、いつものことだ。僕はさらりと答える。 「門限を守るならな」 「らじゃーっす」 びし、と手をあげて神無士乃は返事をした。 いつものような口約束を終えて、いつものように適当にお喋りしながら三十分を歩き続けた。他の学生たちがまったく 見えなくなったところで神無士乃は「それじゃあまた明日です、冬継さん」と言って駆けて行った。 自分の家へと。 神無士乃の姿が見えなくなるまで見送ってから、僕は、深く、溺れてしまいそうなほどに深くため息をついた。 やりとりは、楽しい。 楽しいが――疲れる。 安らぎなどない。 安らぎを与えてくれる人は、一人しかいない。 「まったく……今日は疲れることだらけだ」 世界を憎むようにそう言って、僕は自分の家の門をくぐる。胸ポケットから鍵を取り出して開けて家の中へ。 そして。 いつものように玄関で僕の帰りを待ってくれていた人に、親愛と友愛と愛情を込めて、ただいまの挨拶をする。 「今帰ったよ、姉さん」 姉さんは。 一年前に死んだ里村春香姉さんは、にっこりと微笑んで、「お帰りなさい」と言った。 ・第四話(了) 676 名前:いない君といる誰か[sage] 投稿日:2007/01/06(土) 20 37 18 ID yoIymAIa というわけでヒロインは ・死んだ姉 ・奇妙なクラスメイト ・明るい妹 です。誰エンドにいくかは未定。 あと一人くらい出そうかと思うけれどまったく思いつきません 677 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/01/06(土) 21 17 25 ID JH2fa6u9 乙! 読めば読むほど妹、あや取り上手そうだ 678 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/06(土) 23 37 31 ID oCwLvBbv 訂正。妹じゃなくて幼馴染だ…… そして 652の誤字修正 「なるのは不健全であってそもそも僕は不健全でも不健康でもない!」 は 「なるのは不健康であってそもそも僕は不健全でも不健康でもない!」 でした 679 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/07(日) 00 56 56 ID Jnnzv0LW GJ!!死んだ姉! 680 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/07(日) 04 15 48 ID 384o1NQ9 死んだ姉が出てきた!? 681 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/08(月) 00 53 03 ID nxdo25K6 ・第五話 里村春香姉さんは弱い人だった。他人を傷つける強さも、他人から傷つけられる強さも持っていなかった。 誰かと深く関わって傷つくのが怖くて、誰かと深く関わって傷つけるのが怖くて、いっそのこと誰とも関わらない ことを選ぶような、そんな人だった。けれど姉さんはどこまでも弱くて、独りぼっちでいることに堪えられなくて、 それどころが他人を傷つけないことにも、他人から傷つけられないことにも堪えられないほどに――弱かった。 圧倒的に弱かった。 致命的に弱かった。 弱い、か弱い、女性だった。 自分自身の腕に傷を刻み込んで安堵するような人だった。生きることが怖くて、生き続けることも怖くて、 死にたがっていた。そのくせ死ぬのが怖くて、自分では死ねなくて、誰かに殺されるのを願っていた。 『冬継。姉さんを殺してくれないかしら』 時折何の前触れもなく呟いていたその言葉は、間違いなく姉さんの本音だったのだろう。 けれど――殺せるはずもなかった。 姉さんが、生きることに堪えられないほど弱い人なら。 僕もまた――姉さんが死ぬことに堪えられない人間なのだから。 姉さんを殺すことなどできるはずもなかった。僕が首を横に振ると、姉さんは『そう』とだけ応えて、どこか遠くを見るような眼をした。 あれは、今にして思えば……姉さんは待っていたのだろう。 いつか、自分を殺してくれる人を。 腕に傷を刻みながら――ずっと、待ち続けていたのだろう。 そして姉さんは一年前に、学校で飛び降り自殺をした。最後に、今まで一度も見たことないような、穏やかな微笑みを見せて。 今、僕の前にいる姉さんは、そのアルカイック・スマイルを浮かべている。 生きている間は一度しか見せてくれなかった幸せな笑みを、惜しみなく見せてくれる。その笑顔を見るたびに、僕は不思議な感覚 に襲われる――姉さんの笑顔を見れて嬉しいという気持ちと、その笑顔を浮かべさせる原因となった《誰か》に対する嫉妬が入り混 じった、胸の奥がざわめきながらも安堵するような、奇妙な心地だ。 それでも、此処に姉さんがいること以上に、望むことがあるはずがない。 たとえ――死んでいても。 姉さんは、今、ここに居るのだ。 「姉さん、今日は疲れたよ。色んなことがあったんだ」 靴を脱いで玄関にあがる。横に立って並ぶと、姉さんの方が少しだけ背が低い。 三つ編みを三つ作った髪型に銀縁メガネ。図書室にいるのがよく似合いそうだった。もっとも、 年代の関係で僕は姉さんと同じ学校に通ったことはないけれど。 進路を同じにしたのは――せめて、同じ学校を卒業したかったからだ。 「お疲れさま。今日はゆっくり休みなさい」 姉さんは淡々と抑揚なく言う。それでも、その声は優しさに満ちていた。 優しさに満ちているような気がした。 「うん、そうするよ」 僕は答えて、姉さんにキスをした。 いつものように。 姉さんはとくに抵抗しなかった。初めからそれを待っていたのか、眼を瞑り、くいと顎をあげて待っていたほどだ。 唇をそっとつけて、それから姉さんの後頭部を手で支える。初めは弱く。それから、唇で唇を押しつぶすように強く。 舌でその間をかきわけ、姉さんの中へと先を侵入させる。歯をなぞりながら舌を伸ばすと、姉さんの舌が僕のそれを 待ち構えていた。唾液をまとって、絡み付いてくる。 「っん――」 姉さんの吐息が漏れるのを聞きながらも舌を動かすのをやめない。挨拶にしては長すぎるキス。 それでも、それはいつも通りだ。 いつもの、挨拶のキスだ。 ちゅぱ、と唇の隙間から空気が漏れる。唾液が下に垂れたかもしれない。毒のように甘い、姉さんの唾液が。 ああ――キスをしながら思う。如月更紗。お前が言っていたことは正しい。僕は確かに、キスの練習を姉さんとしている。 もっとも僕は練習だとは思っていなかった。ようするにそれは、姉さんが練習に僕を選んだのだろう。 僕は練習ではなく――本気だったのだから。 初めて姉さんとキスをしたのも。 初めての相手が姉さんだったのも。 全ては――単純に、好きだったからだ。 682 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/08(月) 01 06 57 ID nxdo25K6 それは死んでしまった今でも変わらない。たとえ逸脱していようと、相手が僕にしか見えない幽霊だろうと――構わない。 独占できることを、喜ぶだけだ。 「んぁ……」 唇を離すと、姉さんと僕の間を唾液で糸がひいた。粘質があるものの、重力があるのですぐに垂れる。それを拭うようにして もう一度軽くキスをした。 血の味が、するような気がした。 それはもちろん幻味だ。姉さんが死んでいるから、そんな気がするだけに過ぎない。死人とキスをする背徳感が、キスに血の味を 付加させているに過ぎないのだ。 キスをやめる理由にはならない。 いつもよりも短くキスを終えたのは、そんな理由ではなかった。 唇に、まだ、感触が残っているような気がしたからだ。 姉さんのものではない――あの女の感触が。 「……冬継?」 あっさりとキスをやめた僕を、姉さんが気遣うように見てきた。不審げに、ではない。姉さんが僕を疑うはずもない。 姉さんと僕の間に疑いが入るはずもない。姉さんは、純粋に僕を気遣ってくれているだけだ。 「ん、なんでもない」 姉さんの唇を指の先で拭って答える。ついでとばかりに、そこに軽く唇をあてて、後頭部にあてた手を離した。 名残惜しいと思ったけれど、思うだけだ。 キスはいつでもできる。 いつまでもできる。 「それとも、姉さんがもっとしていたかった?」 「バカなことを言わない。弟を心配しただけだ」 笑顔でそう言って、姉さんは僕の手を握った。家に居る間はずっと触れていたいという僕の願いを叶えていてくれるのだ。 それは嬉しいが――姉さんも、多分、それを望んでいるのだろう。 今の姉さんは、学校にも、どこにも、行けないのだから。 そう。 今の姉さんは家の中にしかいない。 どこにもいけない。 『狂気倶楽部』なんてところに、行けるはずもない。 「今日は少しだけ遅かった」 「ごめん姉さん。……姉さんが望むなら、学校なんていかなくてずっと家に居ようか?」 「いや、それは駄目だ。弟がしゃんとしているのを見るのは私も嬉しいよ」 「寂しくない?」 「寂しいさ。でも、今は違う」 姉さんはちょっとだけ背伸びをして僕にキスをする。僕もキスをしかえす。 いつものように。 そう、何が起ころうと、いつものように過ごすだけだ。如月更紗のことも、神無士乃のことも、家族のことも今は考えたくない。 姉さんとご飯を食べて姉さんとお風呂に入って姉さんと寝るだけだ。いつものように、いつものごとく。ただそれだけだ。 それだけでいい。 だから僕は、今日も姉さんとご飯を食べて姉さんと風呂に入って姉さんと寝た。 そして翌日。 僕は鋏の音と共に目を覚ますことになる。 ・第五話(了) 683 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/08(月) 18 25 53 ID 968/Bzj7 「いや、それは駄目だ。弟がしゃんとしているのを見るのは私も嬉しいよ」 「寂しいさ。でも、今は違う」 こ、この口調は……。 684 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/09(火) 16 46 12 ID xKdAERBY 今女王の教室見てたが真矢先生ってヤンデレだよな? 685 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/09(火) 20 25 15 ID Tsc9Oxpq 684 いや、あれは生徒に対する確固とした新年と愛情だろ。 686 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/10(水) 23 09 32 ID B28hlr6U 六話投下します 687 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/10(水) 23 26 38 ID B28hlr6U しゃきん、という音で目覚めたら、全裸の如月更紗が隣で寝ていた。 「――姉、」 さん、といつものように言いかけた言葉が途中で止まる。口から出かけていた言葉が、衝撃のあまりに無理矢理停まらされたのだ。言葉 と一緒に思考まで固まってしまいそうになる。 眠気なんて、わずかも残りはしなかった。どんな目覚まし時計で叩き起こされるよりも、それは効果的な起こし方だったらだろう。眠気 をさますためのあくびさえ必要なかった。目を見開いて、もう一度閉じることすらできない。開きっぱなしの瞳は、意識から放れて目の前 の非現実を凝視していた。 如月更紗が寝ている。 全裸の如月更紗が寝ている。 目をこすって、もう一度見た。 全裸の如月更紗が寝ていた。 「……嘘だろ?」 思わず呟いてみるが、目の前の現実は生憎と嘘でも幻でもないようだった。三十センチと離れていない如月更紗からは 確かな息遣いが聞こえてくるし、人の身体状に膨らんだタオルケットは幻覚にしては生々しすぎた。 先のしゃきん、という音は、夢の中で聞いた音だったらしい。 朝起きて蜘蛛になった男の気分が、少しだけ理解した。 理解したくなかったものを理解してしまったが、グレゴリーなんとか君は間違いなくこんな気分だったに違いない。奴 には可愛らしい妹がいて彼女だけが理解者になってくれたが、僕に妹はいない。 いるのは――姉さんだけだ。 「…………」 視線を部屋の中へと彷徨わせてみるが、姉さんの姿はどこにもなかった。勉強机とベッドしかない、殺風景すぎる部屋。 隣の姉さんの部屋には本棚が三つもあるが、比例するかのように僕の部屋には何もない。無趣味もいいところだ。 如月更紗はまだ寝ている。目を瞑り、規則的に薄く息を吐いている。そのたびに、わずかな膨らみのある胸が上下して―― ああ、これ以上直視していると自分が犯罪者にでもなった気分だ。それでも視線は止まらない。夏が近いということもあって、 僕はタオルケット一枚しか使っていなかったが、その半分以上を如月更紗に奪われている。もっとも、それで隠せているのは 下半分だけで――くっきりと形の見える鎖骨から緩やかな胸丘を通って、小さなヘソ下から腰の下あたりまで、何も隠すもの なく見えている。 こいつ……寝間着どころか、下着すらつけてねぇ。 「悪夢だ……」 思わず呟くが、現実が現実でしかないからこそ、悪夢より悪夢的なのだろう。朝起きたら隣に全裸で女子が寝てるなんざ、一昔前の 漫画でしかありえない光景だ。 現実で起こると、欲情よりも、呆れが先にくる。 何も着てない如月更紗を見るのはこれが始めてだが――何度もあってたまるか――確かにこいつの姿は良いと思う。それは認めよう。 女性的な膨らみとは彼方の関係だが、その代わりに絵画的な綺麗さがある。美術の教科書にのってる非人間的なプロポーションをした 少女肖像画からそのまま抜け出してきたような格好だった。そう考えれば、裸婦画を見ているようなものだ。欲情なんてするはずがな い――いや、待て。 そもそも。 ようやく僕は原初的な、まず最初にたどり着かなければならないはずの疑問に辿り着く。あまりの光景に脳が停止していたのは事実 だったらしい。普通ならば、まず大声で叫ぶと同時に警察に電話しなければいけないはずだ。 事象だけ捉えてみれば――寝ている間に不審者が家屋侵入して同衾していたのだから。 追い出すか叫ぶか逃げるか頭の中でサイコロを転がし、 「おはよう、冬継くん」 なんて、目を瞑ったまま、如月更紗が挨拶をした。 688 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/10(水) 23 50 26 ID B28hlr6U …………寝てたんじゃなかったのか。 僕の目の前で、全裸の如月更紗は細く目を伸ばしながら、そのしなやかな腕を伸ばした。制服を着ているときでもその 腕は“生”で見ているはずなのに、こうして他の部分まで見えていると、妙に艶やかに見える。指の一本一本までそう見 えてしまうのは、健全な学生としては無理もないことだろう。 僕が健全な学生なのかは、ひとまず置いておく。 如月更紗はその腕を僕の枕の下へと差し込み、何をするのかと問うよりも早く再び腕を引き抜いた。 手には、長い長い、三十センチもありそうな長方形の鋏が握られていた。 「…………」 「しゃきん」 自分で言いながら、如月更紗は鋏を開け、閉じた。しゃきん、という金属のすれる良い音がする。どうみても 違法改造の異常な鋏なのに、音だけは耳に心地良い。 「しゃきん、しゃきん、しゃきん」 「繰り返すなよ! 一度で満足しろ! 何がやりたいんだお前は!」 「朝から元気ね冬継くん」 「誰のせいだと思ってるんだ!」 平然と言う如月更紗に突っ込んでしまう。こいつ、平常心とか平静とか、そういう言葉がやたらとよく似合うな…… 普通『寝てる間にベッドに忍び込んでいる』なんてホラー映画の一シーンにしか過ぎないだろうに、こいつがやたらと 堂々としているせいで、恋人同士が行為のあとに惰眠を貪ったようにしか見えない。 いや――恋人、なのか? そんなことを承知した憶えは一切ないが、あるいは、如月更紗は勝手にそう思い込んでいるのかもしれない。昨日の 言動を思い返せばありえそうなことだった。 だとすれば……訂正しなければ。 そのことを言おうとした僕の機先を制するように、如月更紗はくすりと笑い、 「下の方が元気ねと言ったのよ」 「朝から下ネタをふるなよ!? ただの生理現象だ!」 「朝以外なら生理現象じゃなくて欲情になるわね」 さらりと言って、如月更紗はくすくすと笑う。その視線は、僕の下半身へとそそがれていて…… 「……ッ!!」 自分で言った通りに、朝の生理現象が起きているのを確認してしまった。迂闊だった……不健全かもしれないが、 別に不能というわけでもないのだ。起こりえて当然だろう。 慌てたまま、深く考えずにただただ隠したい一心でタオルケットを腰に寄せる。が、一枚しかないタオルケットで そんなことをすれば当然―― 「あら」 不思議そうな、如月更紗の声と同時に。 彼女の下半身を隠していた布切れが、すべて剥ぎ取られた。 「…………ッ! ……!?」 完全に――本当に一糸纏わぬ姿になってしまった如月更紗を真正面から見てしまい、何も言えなくなってしまう。 隠したり恥かしがったりしてくれればやりやすいものの、如月更紗は横になったまま、身じろぎすらしようともしない。 普通手で隠したり叫んだりするものじゃないのか。 むしろ僕が叫びたい。 全裸でベッドに寝る如月更紗は、タオルケットを剥ぎ取った僕を見て、笑顔のまま言った。 「――見たかったの?」 「断じて違う!」 「じゃあ脱がせたかったのね」 「更に違う! そんなことがあってたまるか」 「じゃあ……」如月更紗はさらに考え込み、これは間違いないぞとばかりにいい笑顔を見せて、「襲いたいのね?」 「お前が僕のことをどう思ってるか、なんとなく分かった気がしたよ……」 「シスコンの駄目人間?」 「あってるけどさ……」 合ってるけど。 言うなよ、そういうこと。 後者はともかく――前者は、簡単に口にするな。 689 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 00 02 43 ID VQEobuYl 僕の気配が変わったのに気付いたのか、如月更紗は神妙な顔をして視線をそらした。最も全裸なのでまったく様にならない。 一瞬で気まずくなった空気の中、如月更紗がぽつりと、 「舌が滑ったわね」 「口が滑るんじゃないのか……?」 「キスをしたせいだわ」 「昨日のことだろう、それ」 「いいえ、いいえ」 如月更紗は器用にも、寝たまま首を横に振った。彼女の裸体を隠すように伸びている髪が蠢く――ああ、その光景を艶かしいと 思ってしまっても、罪はないのだろう。白い肌に黒い髪は良く映える。 「つい一時間ほど前にも」 「不法侵入した挙句に寝てる人間にキスをしたのか!?」 「冬継くん、無用心よ」 「寝るたびに警戒するなんて非日常的なことできるか!」 「いえ、いいえ。そうでなくて戸締りがよ」 「戸締り……?」 つまり、どこか窓なり扉が開いていたのか……? そりゃ今のこの家には盗まれるものも襲われるものもない。両親もいないし、何よりも 大切な姉さんは――僕以外には見られない。姉さんの部屋には誰も入ることができない以上、放火でもされない限り、どんな泥棒が入ったと しても大した被害は受けない。 そういった事実もあり、戸締りがおざなりになっていたのも事実だ。ひょっとしたら、鍵をかけわすれていたのかもしれない。 まあ……それでも夜中に人の家にまで来て忍び込む理由の正当化にはならないが。 如月更紗はしゃきん、と鋏を鳴らし、確信的に断言した。 「シリンダーは新しいのに交換するべきね」 「ピッキングだな!? ピッキングしたんだなお前!」 「窓を割られなかったことは僥倖というべきね」 「そう言うってことはお前割る気だったんだな!?」 確かに如月更紗が持っている鋏をつかえば、窓の一つは二つ破壊は容易いだろう。しっかりとしたつくりをしているから、長い だけでなく破壊力も十分にあるだろう。それを片手で振り回せるということは、如月更紗は意外と力があるのかもしれない。見た 限りでは、箸しかもてないような細腕なのに。 「しかし、シュールだな……」 思わず口から出た僕の言葉に、如月更紗は目だけで《何が?》と問いかけてくる。 「でかい鋏持った全裸の同級生と添い寝してる事実がだ」 言って、未だおきようとしない如月更紗を置いてベッドから身を起こした。身体にまとわりついていた タオルケットを如月更紗の身体に投げつけてやる。いくら“裸婦画のような”裸身だとはいえ、クラスメイト の素肌をじっと眺め続けているとおかしくなりそうだ。 ただでさえおかしな頭が、さらに壊れてしまいそうだ。 ベッドから離れ、部屋を横断して勉強机に座る。着替えようかと思ったが、今こいつの前で着替えなんて隙を 見せたくないのはやめた。ぼろぼろのGパンにシャツのみという姿だが、全裸やパジャマよりはましだろう。 如月更紗は、僕と同じように身を起こし――けれどベッドから離れず、立ち上がることもせずに御姫様座りを した。タオルケットを被ってはいるものの、前を閉じていないせいでほとんど見えている。胸と鎖骨の一部が髪の毛 で隠れているのがやっぱり艶かしい。 というか……今更気付いたが、こいつ生えてないのな…… 脇と股間に流れかけた眼をむりやり如月更紗の顔に固定する。 阿呆なことは、抜きだ。 そろそろ――真面目になろう。 全裸の衝撃からようやく抜け出し、僕は如月更紗を睨みつけるようにして、問うた。 「それで――納得のいく説明をしてもらおうか」 自分でもきついと感じるような声を前にしても、如月更紗は少しもひるまなかった。 妙に印象に残る、嘲うような、笑うような、微笑むような、楽しむような――曖昧な笑みを浮かべて、如月更紗は言う。 「私がその気になれば――冬継くんは死んでいたよ」 ・六話(前)了 690 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 00 04 43 ID VQEobuYl 一時中断です 677 他で指摘されてるよう、わざと作風を変えて「コミカルさ」の練習も兼ねてます が、どうもいまいちな気がして、元の深く沈む感じの文章に変えるかどうか悩み中 とりあえずそろそろ病みはじめたり、エロが入ったりします 691 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 00 09 10 ID aA8tVlPY 最高っすわ。続き、楽しみに待ってます。 692 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 04 47 47 ID zAx+jDpc 因みにグレゴリーではなくグレゴールだったと思います。 693 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 12 26 19 ID MhCwlwlb 蜘蛛ではなく毒虫(原典の表記からすると芋虫もしくはムカデ系)だったと思います。 694 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 12 27 31 ID MhCwlwlb 面白いから別にかまいはしないと思いますが、一応。 695 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 17 09 56 ID RYdu6W/M 694 ご指摘ありがとうございます 前者は作中の人物の勘違いとして、後者は小さな伏線としての意図的な間違いです 分かりにくくて申し訳ありません 696 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 17 39 38 ID RYdu6W/M ――死んでいた。 それは言われるまでもないことだ。寝ている間は誰だって無警戒だ。寝首をかく、という言葉があるくらいだ、『その気』さえあれば、 子供にだって殺すことことは容易い。そうした危険性を普段意識しないのは、《その気》になるような人間が周りに存在しないからだ。も しもそういう人間が大多数を占めていたら、僕らは眠ることすらできなくなるだろう。 けれども現実は違う。そもそも家とは、そういった外敵から身を守り、安眠するために存在するのだから。 「そういった言葉は、危険性の低い人間が言うことだ」 「私はその気にならなかった。私は冬継くんを殺さなかった。それでは不満?」 「ああ、不満だね」 吐き捨てるように僕は言う。朝起きて隣に鋏があるのに、不満を覚えない奴は聖人君子か狂人だけだ。 「そんな忠告をするだけなら――わざわざ忍び込むことはないだろう」 おや、という顔を如月更紗はする。馬鹿にされたような気がしたが、無視した。 そう――言われずとも、それくらいは気付いている。如月更紗はようするにこう言いたいのだ。 『私がこうして入ってこられた以上、他の悪意を持っている誰かが同じように忍び込むことも可能なのだ』、と。 けれど。 「お前以外の誰がそんなことをするっていうんだ」 確かに夜寝ている間に忍び込まれたら身の危険は危ういだろう。それは理論だけのことで、実際に忍び込まれたのは、 十何年と生きていて今日が始めてた。比較的無茶苦茶な性格をしている神無士乃だって、夜訪れるときはインターホンを 鳴らす。窓を割ったりピッキングして侵入した挙句、全裸で添い寝をされたことなど一度もない。 もっとも、ピッキングも窓を割ることもせず、隣に寝ていた姉さんが夜部屋に来ることは――多かったけれど。 そのことは顔に出さないように努め、僕は如月更紗を睨む。睨むが、相手が全裸なのでいまいち睨みづらい。 如月更紗はその身体を隠そうともせずに、言った。 「――チェシャ」 その言葉に、思考が一瞬だけ止まる。 チェシャ。 不思議の国のアリスに出てくる、にやにや笑いだけが残った透明猫。 物語の中の、登場人物。 けれど、今如月更紗が口にしたのは、間違いなく――物語の外の登場人物のはずだ。 《チェシャ》と呼ばれる、誰かの話。 固まってしまった僕に対し、如月更紗は愉悦の笑みを浮かべて言葉を吐いた。 「言ったでしょう? チェシャの奴が貴方を狙っていると。そして、私は貴方の安全を保証すると」 「……なあ、昨日もその名前が出てきたんだが、誰なんだそれ」 チェシャ。ソレが、殺意を持って僕を狙っていると――如月更紗は言った。 つまりは、敵だ。 敵がいること自体に問題はない。生きていれば敵は勝手に増える。問題は、どうして敵なのかということだ。 如月更紗は、朗々と、唄うように話を続けた。 「チェシャ猫は探索係。姿を消して、《敵》がひっかかるのを待っている。アリスと森の中で出会ったように――異邦人に対する、警戒役。 向こう側に入ってしまえば、向こう側に接触しようとすれば、必ずチェシャの縄張りに触れることになる」 「……マークとセンサーとトラップが一緒になったような奴か」 「無粋な言い方だけれど、そういうことね」 索敵と、警戒と、罠。 道を行こうとすれば触れてしまい、姿も見えぬままに後を尾けられる、か。 だから、チェシャ猫。 成る程――と、僕は如月更紗に気付かれないように、心中で納得した。チェシャが誰かは分からないが、 どうして狙われているのかは何となく分かった。 ようするに、調べ物の最中に僕はチェシャのセンサーに引っかかったのだ。『立ち入り禁止』と書かれた向こう側 に入ってしまった人間を、中にいる番犬が食い殺すように。 「つまり……そいつが僕を殺しにくる、と?」 「少し違うわね」 如月更紗は指をぴんと僕に突きつけた。その際にタオルケットが肩から落ちて再び裸体がはっきりと見えてしまうが、 今はそんなことを言っている場合ではない。如月更紗も、タオルケットを被りなおそうとはしなかった。 僕を指差したまま、如月更紗は――笑うことなく、言う。 「チェシャは探索係。チェシャは呼び水。貴方が奴に見つかれば、きっと彼女がやってくるわ」 「彼女?」 「そう――」 如月更紗は、僕の問いに。 笑うことなく、最後まで笑わないままに、どこか憂いを帯びた瞳で、告げた。 「――裁罪のアリスが、やってくる」 697 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/01/11(木) 17 46 30 ID ZrXA2zGW 690 コミカルなら、もう少し地の文を抑えた方が良いかも。会話メインで進めていくと少しテンポがよくなる希ガス。書いたことないけど。 なにはともあれGJ 698 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 17 53 18 ID RYdu6W/M その名を聞いたとき、僕の背を走ったのは――まごうことなき怖気だった。 名前を聞いただけで、心が揺さぶられる。 名前を言われただけで、恐怖を覚える。 《裁罪のアリス》のアリスとはそういう存在だったのだ。その名前を、僕は知っている。調べ物の最中に、 幾度か突き当たった、幾度となくめぐり合った、忌避すべき噂話。 噂。 そう、噂だ。噂の中にのみ、『裁罪者』は存在する。その名を口にする少女たちは、あるいは誇らしげに、あるいは 忌避すべき者として、あるいは恐怖と共に――その名を告げる。そのくせまるで実体のない、色鮮やかに心に浮かんでは 消えていく、亡霊のような噂話だった。 それでも、彼女たちは確信していた。『裁罪者』がこの町のどこかにいることを。 ――『裁罪のアリス』は殺人鬼だ。 噂では、そういうことになっていた。 裁罪のアリスは殺人鬼であり、救世主であり、唾棄すべき敵であり、敬愛する仲間であると。人を守ることも 人を襲うことも人を救うことも人を哂うこともない。願いを聞かなければ導きもしない。 愛しもしなければ――憎みもしない。 年齢も名前も分からない。顔も姿も知られていない。黒い傘を持った少女で、黒い猫を連れているということ くらいしか、話の中では正体が伝わっていない。 はっきりと分かっていることは、ただの一つだけだった。 『裁罪のアリス』は――亡霊のように現れ、名前の通りに、罪を裁くのだと。 《ソレ》に関わるものの罪を、容赦も微塵もなく裁く。その基準も意味も彼女しか知らない。 『貴方は有罪』と告げて、何の容赦も何の慈悲もなく、相手を殺す。 『貴方は無罪』と告げて、何の躊躇も何の嫌悪もなく、相手を殺す。 何の指針もない、滅茶苦茶な裁判が行われるだけだ。それはさながら、不思議の国のアリスの終盤で出てきた、 あのおかしで理不尽な『裁判』のように。 《ソレ》に関わるモノ全ての上に平等に訪れる、都市伝説の殺人鬼のような――そういう、噂だった。 だからこそ、僕は思う。 ――上等だ、と。 「アリスが――僕を?」 「その様子だと、知っているみたいね」 如月更紗がくすくすと笑う。僕の態度から、僕が《裁罪のアリス》のことを知っていると読み取ったのだろう。 それはあまり歓迎すべき事態ではなかった。その噂は、普通の人の間で噂にあがるようなものではないのだ。学校 で誰とも話さずに一人片隅で本を読んでいるような、そういう無口で《噂話》とは縁遠い孤独な少年少女の間に密 やかに広まる噂話なのだから。 例えばそれは、姉さんのように。 例えばそれは、如月更紗のように。 周りと会合できないような人間の中で広がる噂なのだから。それを知っているということは――知ろうと努力 したのだと認めることに他ならない。 「けれど里村冬継くん? 狙われるのは、貴方が悪いのよ」 けれど、如月更紗は。 そんな僕の心配を全て吹き飛ばすかのように、決定的な一言を。 《ソレ》の名前を、告げた。 「貴方が狂気倶楽部について調べようとするから――チェシャの縄張りに引っかかったのよ?」 699 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 18 08 32 ID RYdu6W/M 「………………」 その言葉を聞いて――もう、ふざける気はなくなった。 不法侵入も全裸も明日のことも昨日のことも、全ては後回しだ。 どこまで知っているかは分からないが……そこまでを知っている相手が目の前にいるのだ。 他の全てを差し置いてでも、向かい合わなくてはならない。 話を聞かなければならないし、 場合によっては――殺さなくてはならない。 「如月更紗」 僕は彼女の名前を呼びながら、座った机の引き出しを開けた。そこに入っているのは、鈍く銀色に光るナイフだ。刃の長さは二十センチほどで、 如月更紗の持つ鋏よりも短いが、使い勝手なら彼女のソレよりも良いだろう。 魔術単剣だ、と姉さんは誇らしげに言っていた。 これは儀式に使うのよ、と言いながら、姉さんはこのナイフで自分の手首を切っていた。 今では、ただの遺品だ。それでもこれが、他人を殺すことのできる道具であることには違いない。 「――どこまで知っている?」 「貴方が狂気倶楽部について、こっそりと調べたこととか?」 如月更紗は笑っている。突然ナイフを取り出した僕に対して惑うこともなく、常と変わらない笑顔を浮かべている。 ああ――そうか。 全裸とか、不法侵入とか、そういったレベルの話ではなく。 この女も、向こう側に居るのだと、今更ながらに僕は実感していた。恐れるべきは突然鋏を取り出したことでも、鋏を振り回すこと でもない。それこそを日常としている点だ。 如月更紗にとって、誰かが突然ナイフを取り出したり、誰かが突然鋏を取り出したり――その挙句に刺したり刺されたり殺されたり 殺したりするのは、何ら特別なことではないのだ。 だからこそ、彼女は《いつものように》笑っている。 「貴方の姉さん――里村春香の死について調べるべく、あちこちを探りまわっていたこととか?」 笑ったまま如月更紗は続ける。 その言葉には迷いはないし――その内容に、間違いはない。 春香姉さん。 僕の愛していた姉さん。 一年前に学校から飛び降りた姉さん。 狂気倶楽部というわけのわからない団体に身を置き――12月生まれの三月ウサギと呼ばれていた、姉さん。 他人と触れ合うことを怖がっていた姉さんは、僕の知る限りいつでも一人だったはずだ。僕以外の人間と触れ合う こともなく、《集団》に所属することもなく、一人で生きていた姉さん。 そんな姉さんが、狂気倶楽部というものに属していたことを、僕は姉さんが死んでから初めて知った。それ自体は 別にかまわなかった。姉さんの社交性がほんの少しだけ広がろうが、姉さんが僕の姉さんであることに変わりはなかっ たからだ。 問題は、死んでしまったことだ。 死ぬなんておかしい、とは思わなかった。姉さんはいつだって死にたがっていたから。 自殺なんておかしい、とは確信していた。姉さんはいつだって死を怖がっていたから。 なら。 姉さんを殺した奴が――狂気倶楽部の中に、いるに決まっているのだ。 だからこそ僕は、それについて調べ出したのだから。 「よく知ってるな」 「貴方は、隠そうとしなかったから」 くすくすと如月更紗は笑う。その笑いが疎ましく、同時に心地良い。 彼女は、知っている。 僕の知らない何かを知っている。それが嬉しくてたまらない。 姉さんを殺した犯人を知っているなら――殺してでも、教えてもらう。 「一応隠してはいたんだけどな。それでも、動いていれば《向こう側》から何らかのリアクションがあると思った。 こんなにも早いとは思わなかったがな」 「あら、あら、あら。つまり私は、」 如月更紗は意外そうに、そして楽しそうに笑う。 「貴方がチェシャにひっかかったように――私は貴方に引っかかったのね?」 「そういうことだ」 言って――僕は、机を離れた。ベッドまでは五歩もない。 ナイフを持ったまま、如月更紗との距離を詰める。 700 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 18 50 56 ID OS6AtQFQ 連投規制にかかっているのか? 701 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 18 57 21 ID bfGI7nrl 日本語がおかしいおかしい 702 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 19 25 26 ID RYdu6W/M 五歩は近いようで、遠い。間を詰め切ってしまえば、足ではなく腕を動かす必要がある。振うのか、振わないのか。 それを決めなくてはいけない。五歩を歩くという、短い時間の間に。 一歩前へ出て、如月更紗に問う。 ・・・ 「如月更紗。お前は――誰だ?」 確信を込めて、核心を問う。 里村春香姉さんが、12月生まれの三月ウサギだったように。 如月更紗は《誰》なのかと、僕は問う。今ここに至ってまで、彼女が無関係な人間だとは思わない。 そこまで知っているからには、彼女は関係者のはずだ。そうでなくとも、向こう側の存在であるのは間違いない。 敵なのか、味方なのか――そんなことはどうでもいい。 問題はただの一点。姉さんを殺したか否かということだけだ。 如月更紗は、近づいてくる僕にも、僕の持つナイフにも構わずに、笑いを浮かべた。 楽しそうな――笑いだった。 笑みを浮かべて、如月更紗は言う。 「君の姉さんと、君の姉さんが、君の姉さんに、最も仲が良かった人を知っている」 それは――まるで別人のような、皮肉に満ちた言葉だった。冗談を言っているときとも違う。 さながら、《そんなことはどうでもいいのだ》と言いたげな、投げやりすぎる言葉だった。 如月更紗ではなく。 如月更紗の姿を借りた、誰かが言っているような、そんな口調だった。 だが今はそれを気にしている暇はない。彼女の言った内容こそに、注意するべきだ。 「何――?」 最も仲が良かった。 それは――僕よりもか。 僕よりも、姉さんと仲が良かった存在が、いるというのか。 二歩目を踏み出し、僕は如月更紗に問う。 「そいつが、姉さんを殺したのか?」 「さあ」 如月更紗は肩を竦めた。むき出しの肩が上へと上がり、鎖骨が蠢く。 「私は知らない。貴方も知らない。でも、《彼》なら少なくとも知っているでしょうね」 くすりと、笑い。 「何せ、《彼》は『12月生まれの三月ウサギ』の最後を看取ったのだから、ね」 ――それは、つまり。 ソイツは姉さんの死に、直接的にも間接的にも関わっているということじゃないか。 「そこで何があったのか、あるいは何もなかったのか、私は知らないわ。知っているのは《彼》だけ。 だから貴方がそれを知りたいというのなら――《彼》に聞くしかないよ」 その言葉に、僕は三歩目を踏み出した。 ベッドまではあと一歩。ベッドの上にいる如月更紗までは、あと二歩。 二歩で、手が届く。 「その《彼》は、《誰》だ?」 もっとも重要な問いに、如月更紗はあっさりと答えた。 「『5月生まれの三月ウサギ』」 703 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 19 30 48 ID RYdu6W/M 「…………」 「里村春香さんの、《次》」 ――次。 その意味を僕は知っている。狂気倶楽部の代替制度。いなくなった穴を誰かが埋めて延々とお茶会を続ける遊び。 姉さんを殺したかもしれない奴が、姉さんの居場所を奪って、今もなおそこにいる。 「もっとも、もう更に《次》になったけれど」 「……どういうことだ?」 「ウサギの寿命は短い、ということよ」 如月更紗は意味ありげに笑った。ウサギの寿命は短い――その言葉を心中で咀嚼する。 12月生まれが、五月生まれに引き継がれて。さらに、別の人になったということだろうか。 入れ替わり、入れ替わる。そうしてお茶会は続く。なら、ソイツもまた、姉さんと同じように死んだというのだろうか? 姉さんの後を、追うように? 四歩目を踏み出すと、如月更紗は何を訊くよりも早くしゃべり出した。 「彼に会わせることはできるけれど、今はまだ難しいわ。彼もまた、貴方と同じようにゲームの途中だから」 そろそろ、終わりそうだけれど――そう付け加えて、如月更紗は笑った。 ゲームの途中。 そいつもまた、僕と同じように、チェシャに追われているのだろうか。代替わりしたということは、狂気倶楽部 から抜け出したということだ。そこで何があったのか、少しだけ気になった。疑問だけはいくらでも浮かんでくる。 が、それは、僕には関係のない話だ。僕と姉さんには、関係のない話だ。 「お前が殺したんじゃないんだな?」 「私は誰も殺せはしないわよ」 笑いながら如月更紗は言う。殺人者ではないことを誇らしげに。 人殺しの道具にしか見えない鋏を持ったまま、誇らしげに如月更紗は言う。 「貴方こそ――今、私を殺すのかしら?」 足が止まる。 如月更紗までは、あと一歩だ。 あと一歩で、手が届く。 あと一歩で――ナイフが届く。 夜中に家に忍び込んできた不審者を返り討ちにした。それは、果たして正当防衛になるのだろうか。 殺すことにためらいがあるはずもない。 けれど――殺したことで、目的が達せないのは、困る。 僕は人殺しになりたいのではない。 人を殺したいのではない。 姉さんの死について、知りたいだけなのだから。 そのことに如月更紗もまた気付いているのだろう。鋏を向けることもなく、逃げること もせずに、悠々と僕を見たまま彼女は言う。 「自殺ということになっているけれど、真相は彼しか知らない。それを知りたいのは私も一緒よ。 なにせ――彼女は、オトモダチだったのだから」 オトモダチ。 その言葉ほどうそ臭いものはなかったが、とりあえず聞き流すことにした。 「《五月》を紹介するのは吝かではないわ。ただし、そのためには貴方は乗り越えなくてはならない」 何を、と問いかけて気付いた。 ここで、話が元に戻るのだ。 「真に知りたければ、チェシャの手を逃れないといけない。だから言ったでしょう、里村冬継くん。 貴方は命を狙われていると。そして、貴方の安全を私が保証すると」 しゃきん、と鋏を一度鳴らし、如月更紗は笑みを浮かべたのだった。 704 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 19 30 53 ID gm7y/I3X (´,_ゝ`)プッ 705 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 19 46 41 ID RYdu6W/M その笑みを見ては、何も言えない。 如月更紗はいつだって、僕に向かって親愛の笑みを向けている。時にその笑みが変貌することがあっても、 殺意に変わることはない。敵対する意志を見せようともしない。 彼女もまた、狂気倶楽部の一員であるはずなのに。 その確信があったからこそ、屋上であんなことをされても、拒否することも逃げることもしなかったのだ。異常 な相手が近づいてくることは避けるべきことではない。僕はまさにそれを待っていたのだ。 もっとも、それがクラスメイトだとは思わなかったが。 世界は狭くて近いものだ――それとも、狂気倶楽部は山のように存在して、その中でクラスメイトだという 理由で近づいて来たのだろうか? 「出来すぎていると思わないか、状況が」 その疑問を、如月更紗に向けてみる。特に意味もない。考える時間を埋めるためのような質問だ。 それでも如月更紗は律儀に答えてくれた。僕を指差していた手をすっと降ろし、 「そうでもないわ、そうでもないの。貴方が自分の姉がいるという理由で高校を選んだように、私 も似たような理由で進学したのだから。遭遇率は、遅かれ早かれあったのよ」 同じクラスだったのは、奇遇だったけれどね。 そう言葉を結んで、如月更紗はしゃきんと鋏を鳴らした。 姉さんの友達だと、如月更紗は言った。 なら、こいつはきっと―― 「……チェシャは」 「え?」 「チェシャは、もう僕のことを知っているのか?」 僕は、ナイフを下ろして、彼女に問うた。向けられたナイフが外されても、彼女は笑い続けている。 ただ、その笑みが――少しだけ嬉しそうだったのは、きっと僕の気のせいなのだろう。 「さあ?」 「…………」 「本当よ。チェシャに会うなんて私にだって出来ないわ。けど――動いている以上、すぐに現れると思う」 「だから、か」 「…………?」 「だからお前は、夜中に侵入なんてまでしてまで襲撃を警戒していたのか。 律儀に学校帰りに尾行までして」 「あら」如月更紗は目を丸くして「気付いてたの?」 「いや、ひっかけてみただけだ」 本当に気付いていなかった。 ただ、昼にあんなことを言って、夜にまで訪れたのに、その《下校時間の空白》は不自然だと思っただけだ。 家を知られていることも説明がつく。恐らく、正直に訊ねても教えてくれないだろうと思ったから、そういう手段 をとったのだろう。あるいは離れてチェシャを警戒していたのかもしれない。 僕の身の安全を保証すると、如月更紗は言った。 「……どうしてだ?」 「何が?」 目を丸くしたままの如月更紗に、僕は問う。それはこの状況で、たった一つだけ残った疑問だった。 「お前が僕を殺しにくるならまだ分かる。けど――お前に守られる理由がわからない」 706 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 20 01 31 ID RYdu6W/M そうだ。狂気倶楽部の一員であるはずの如月更紗が、狂気倶楽部と敵対する行動をとる僕を 始末しにきたのなら納得できる。彼女が持っている鋏でさえ、その説の補強になるだろう。こ いつが僕を殺すために送り込まれてきた人間だとしても、僕は驚かない。 それを返り討ちにして真実に辿り着こうとすら思っていたのだから。 けれど訪れたのは、キスの下手くそなクラスメイトだった。その上、自分の所属している狂 気倶楽部を裏切って僕を守ると、そう言っているのだ。 わけがわからない。理由がわからない。 納得が――いかない。 「それだけ説明してくれたら――僕はお前を信用するよ、如月更紗」 信用して、仲間になってやる。信用して、守られてやる。 僕と、姉さんのために。 「ああ、なんだそんなこと……」 如月更紗は、僕の問いを《そんなこと》と切り捨てて笑った。言葉と一致しない ちぐはぐな嬉しそうな笑み。その問いを待っていたのかもしれない。 「言ったでしょう? 里村春香とは、オトモダチだったのよ」 「……それで?」 「貴方の話も聞いている。姉に狂った素敵な弟がいると」 「…………」 言われたくないが、聞き流す。それは、如月更紗の評価ではない。姉さんが、僕に下した評価だ。 そしてそれは――その通りだ。 「そんな愉快な弟に、私は興味を持っていたのよ。一度会いたいと。 だからこそ進学したし――貴方と同じクラスになれたとき私は悦んだわ」 「…………つまり?」 要領を得ない発言に、僕は先を、結末を促す。 如月更紗は僕を見たままに、鋏をニ度しゃきんしゃきんと鳴らして、彼女の理由を口にした。 「――惚れたら悪い?」 「…………」 「好きな人を守りたいと、思ったらおかしいかしら?」 それが。 それが――お前の理由か、如月更紗。 屋上でのやり取りも、ここでのやり取りも。行動も、理念も。それが理由なのか。 好きだからそうするという、単純な答え。 そんな馬鹿げたことが、お前の行動理念か。 なら――お前は、僕と一緒だ。 死んだ人間に恋し続ける馬鹿な僕と、お前は同じだ、如月更紗。 「まったく……どいつもこいつも」 僕はナイフを床に放り投げ、部屋の片隅を見た。如月更紗もつられたように見るが、彼女には何も見えないだろう。 部屋の隅には、姉さんが立っている。 目を覚ましてからずっと……いや、如月更紗がきてからずっと、姉さんはそこで僕らを見ていた。僕にしか見えない姉さんは、 いつだって側に居る。僕が姉さんのことを想っている限り。 姉さんは、僕と、裸の如月更紗を見て怒っていない。笑っている。 なら――もう少しだけ、僕はやり続けられるだろう。姉さんが微笑んでくれている限り。 「如月更紗」 名前を呼んで、僕はさらに一歩を踏み出し、ベッドの上にあがる。 如月更紗に手が届く距離だ。けれど、もう手にナイフは持っていない。如月更紗が鋏を持っているだけだ。 「なぁに、冬継くん?」 楽しそうに如月更紗が答える。ああ畜生、こいつはきっと、僕の答を知っている。僕の取りえる道はそれし かないのだから。知っているからこそこんなにも楽しそうに笑っているのだ。 いいだろう、如月更紗。 僕はお前の提案に乗ってやる。 「目ぇ潰れ」 昨日そうしたように、僕は如月更紗に言う。彼女は順々に目を瞑った。 全裸のクラスメイトが、ベッドの上で少しだけ顔を上げて、目を瞑っている光景。 ぞくぞくるのは、これからのことを考えているせいか、それともこの状況のせいか。 分からぬままに、僕は如月更紗へと手を伸ばし、 ぴんぽーんと、間の抜けた音をインターホンが吐き出した。 707 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/11(木) 20 04 33 ID RYdu6W/M 以上で少し長めの六話が終了です。 読んでくれてる人ありがとうございます 《終わらないお茶会》と繋がっていますので、先にそっちを読んでいただけたら幸い。 597 あーそうか、地の文が多いからか…… 今度試してみます 次は、幼馴染襲来。 708 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/11(木) 20 31 15 ID fI/Ij39B 化物語にそっくりというのが残念。 709 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/12(金) 12 09 44 ID +LATI9LY age房にかまうことないと思うが 710 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/12(金) 22 49 39 ID J8cR6X3g 709 ごめん 697でした 711 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/12(金) 23 10 40 ID 924GIdja 707 如月さんも「誰か」なんだろうか…? とにかくGJです!でも確かにコミカルさではマッドハンターの時とあまり変わらないw 712 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/12(金) 23 34 25 ID J8cR6X3g 七話投下します 713 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 00 04 41 ID +bXpdwYt 神無士乃についてのあれこれ。カンナシノ、とカタカナで書くとどこまでが苗字でどこまでが名前なのか 分からないな、とからかうと怒られたことがある――なんてささやかなエピソードはここでは置いておく。 神無士乃がクラスで神無ちゃんと呼ばれていようが士乃ちゃんと呼ばれていようが僕にはまったく関係ない からだ。二歳も違うと世代が一つは違うと考えていい。神無士乃と同じ学校に通うのは僕が三年生で士乃が 一年生、という形にしかならないので、彼女が中学校でどんな扱いを受けていたのか知らない。高校に入っ たとしても知らないままだろう。もっともそれは、神無士乃が僕と同じ高校に進学すればの話だけれど。 20センチは低い身長。小さな背と大きな胸。兔の耳みたいなツインテール。丸い瞳と、女性らしい体つ き。如月更紗が人間味のない彫刻だとすれば、神無士乃は人間味に溢れる少女だった。行き帰りに着ている モスグリーンのチェックの制服が印象深いけれど、結構な数の私服も持っている――それを知っているのは、 休日に共にどこかに遊びにいくからだ。姉さんと予定がないときは、神無士乃と遊ぶ。それが僕の日曜だっ た。 何せ、神無士乃は幼馴染なのだから。 仲がよくも悪くもない。ただ神無士乃は僕から逃げないし、僕も神無士乃から逃げることはない。余計な 気をつかう必要もないし、疲れるけれど気を遣う必要もない。他の人間というよりは居心地がいい。それが、 僕にとっての神無士乃だった。こっちに引っ越してきた小学校の頃からその関係はずっと変わっていない。 毎朝一緒に登下校をするのも――昔から変わっていないのだ。 「チャイムが鳴ったわ」 裸のままの如月更紗が言う。こいつ、一向に隠そうとも服を着ようともしない。お陰で同級生の裸に見慣れてしまった。 この歳でそれはさすがにマズい。それ以上に、今この状況がまずい。 朝から部屋に裸の同級生がいるという状況は、とてもマズい。 「鳴ったな」 「そろそろ始業開始かしら」 「学校からうちまでどれだけ離れてると思ってる! インターホンに決まってるだろうが!?」 「案外下校開始かもしれないわね」 「一日!? こんなやり取りで一日が終わったのか!」 最悪な一日だった。 というか、こんな馬鹿なやりとりをしている暇はない。まったくない。インターホンが鳴ったということは、 玄関前に人が来ているということで、それはつまり―― 「先輩ー! いないんですかー!」 玄関の外から、そんな神無士乃の声が聞こえてきた。 「…………」 まずい。この状況を神無士乃に見られるのは非常にまずい。いくらなんでも不名誉すぎる噂をたて られるのは確実だった。嫌われるのは別に構わないが、侮蔑されるのは僕のみみっちい尊厳が許さな い。最悪学校にバラされて、同級生と朝から同衾した男という不名誉な名称を戴いてしまう。 「……如月更紗」 「何?」 「今すぐ服を着てここからいなくなれ。話の続きは昼休みにでも聞いてやるからどこでもドアでもワープでも 『あっちからこっち』でも何でもいいからとにかくここからいなくなれ」 「切羽詰まってるわね」 「誰のせいだと思ってるんだ!」 お前のせいだ。 如月更紗を今すぐ蹴り出したい衝動を必死でこられる。狂気倶楽部とか三月兔とか姉さんを殺した奴とか チェシャとかアリスとかそういった様々なことを全て後回しにしたくなる。思想がなくても生きていけるが パンがなければ生きていけないというやつだ。 食うだけなら動物以下だ、とも言うが。 「とにかく、この状況を見られるわけにはいかないんだ」 「この状況?」 小首を傾げて、唇に人差し指をあてる如月更紗。くそ、お前なんで今この瞬間に至ってそんな可愛げのある仕草をするんだ。 「この状況、だ」 念には念を入れて言う。この状況――いうまでもない。ベッドの上で裸のクラスメイトとキスをしようとしていた状況だ。 もし神無士乃がこなければ、そのまま行為に及んでいたかどうかは……神のみぞ知る、ということだ。 「とにかく僕は神無士乃をごまかしてくるから、お前はとにかく服を着ろ。まずはそれからだ」 問題はドウ誤魔化すかだが――最悪ぱっと着替えるだけ着替えてこいつを家に置いていけばいい。遅刻をして 困るのは如月更紗だけだ。留守を預ける、というのには非常に抵抗があるが、ピッキングをするような奴に言っても 仕方がない。 神無士乃を誤魔化す算段を頭の中でまとめていると、 ――がちゃん、と。 玄関の方で、扉の開く音がした。 714 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 00 21 21 ID +bXpdwYt 次いで、 「先輩ー! いないんですかー!」 なんて、神無士乃の声が、家の中から聞こえてくる。 「…………」 「…………」 如月更紗の顔を間近で見つめる。というか、睨む。如月更紗は飄々と、 「ピッキングしてそのままにしていたようね」 「無用心なのはお前の方だ!」 この女……人の家にピッキングして入った挙句、そのまま扉を開けて放置していたのか。侵入者相手に言うのも変だが せめて夜の戸締りくらいはやってくれ。不審者や暴漢魔が入ってきたらどうする気あったんだ。お前の目的はチェシャ猫 から僕の身の安全を保証することじゃなかったのか。それともあれか、社会的地位を抹殺するために送り込まれた刺客か。 そう、突っ込みたいのは山々だったが――全て我慢した。今この状況でそんなことをしている余裕はない。状況は先よ りも切迫している。なぜなら―― 「先輩ー! もしかしてもしかするとまだ寝てますかー! 永眠ですかー!」 そんなことを怒鳴りながら、二階への階段を昇ろうとしている神無士乃がいるからだ。 いっそ、今すぐ部屋から飛び出て神無士乃をぐるぐる巻きにして浴槽にでも叩きこんで しまおうか――そんな物騒なことを、半ば本気で考えてしまう。 「冬継くん」 そんな僕とは対照的に、如月更紗は落ち着き払っていた。この鉄の度胸は少し羨ましい ものがある。 「何か起死回生のアイデアでも思いついたのか?」 「ちゅー」 口で言ってから、キスした。 目を瞑る暇もなかった。 さっき寸止めされたのが不満だったのだろうか――如月更紗は両手を僕の後頭部にあてて、無理矢理 頭を引き寄せてキスをした。また歯がぶつかるのか、と心配したが、衝突の寸前で減速したらしく痛み はなかった。その代わりに、柔らかい唇の感触があった。 目を瞑る暇も余裕もなかった――だから、はっきりと目を開けたままキスをしてくる如月更紗と、目 があってしまった。キスの最中に目があうことほど気まずいことはない。如月更紗の瞳は、はっきりと 僕にも分かるくらいに、笑っていたのだから。 トン、トン、トン、と二階へと昇ってくる足音が聞こえてくる。それでも如月更紗は手も唇も離さな い。初めてのキスでもないのに、頭の中が真っ白になってしまう。くるくると回り進む現状に思考がつ いていかない。 如月更紗は、唇を離そうとすらしなかった。押し入るように、分け入るように。昨日教わったことを 忠実に実行し、歯をぶつけないように――そのぬるりと長い舌を、僕の口内へと差し入れてきた。 715 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 00 31 37 ID +bXpdwYt 抵抗ができるはずもなく。 今まで出来なかった分の鬱憤を晴らすかのように、如月更紗の舌はどんよくに蠢いた。一回目のキスが失敗で、 二回目のキスは僕からで。三回目のキスは寸止めで――四回目のキスは、如月更紗からのディープキスだった。 トン、トン、トン、と足音が聞こえてくる。その音に会わせるようにして、如月更紗の舌が上へ下へ奥へと動 く。唇からちゅぱ、ちゅぱと水音が漏れるのが聞こえた。 シーツに、雫が落ちる。 とん、とん、とん―― ぺちゃり、ちゅぱ、べちゃりと―― 頭がくらくらしてくる。キスをしている相手はクラスメイトで、何一つ身にまとっていないのだ。その上 今にも部屋に幼馴染が乱入しかけていて、それでも目の前の相手はキスをやめない。間近ではっきりと如月 更紗の甘い匂いを感じる。こうして裸だとよく分かる――それは彼女の体臭だ。汗臭い自分の身体とは違う、 まるでお菓子か香水で身体ができているかのような、理性をとかしていく匂いだ。 すぐ真下に、如月更紗の白い裸体がある。手を伸ばせば届く。 僕は。 僕は、更紗に手を―― 伸ばそうとしたところで、部屋の隅に佇む姉さんと、目があった。 「…………ッ!」 力ずくで――如月更紗の身体を引き剥がした。 716 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 00 51 06 ID +bXpdwYt 今――僕は何をしようとしていた。 如月更紗を抱こうとしていたのか? 彼女を、名前で呼んで。 姉さんの前で――抱こうとしていたのか。 姉さんを抱いたベッドと同じベッドで、同じように如月更紗を抱こうとしていたのか。 それは――許されるのか。 それを、許していいのか。 僕は思う。 抱き終わった後――果たして。 部屋の隅に、姉さんの亡霊は見えるのだろうか? 「…………」 如月更紗から身を離し、姉さんと視線を絡めたまま僕は後ろへと下がる。何も見なくても、部屋の位置くらい は把握している。たとえ後ろ向きでも、扉に辿り着くことは容易い。 背中で、部屋の扉を、押さえつける。 トン、トン、トン――背後で神無士乃が階段を昇ってくる音がする。寝ているであろう僕を脅かすつもりなの か、もう呼びかけてくることはしない。それでも一段おきに音は近づいてくる。あと13段もあれば二階へ辿り 着くだろう。 今すぐ部屋から出て、彼女を誤魔化すべきだろうに。 僕はそれができない。振り向くことができない。扉から出ることができない。 姉さんから、視線を逸らすことができない。 視界の端で如月更紗が僕と、僕の視線の先を見比べている。彼女にはただの部屋の隅があるようにしか見えな いだろう。姉さんの姿は、僕にしか見えない。 もう僕の心の中にしか――姉さんはいない。 僕が忘れてしまえば。 姉さんは、今度こそ本当に、居なくなってしまう。 「……姉さん」 僕が呼ぶまでもなく、姉さんは、笑っていた。微笑んでいた。 姉さんはずっと微笑んでいる。 死んでからは、ずっと。 死んだことで幸せそうに微笑んでいる。 死ぬ前日、僕に初めて見せた、あの寂しくも嬉しそうな笑みを、ずっと浮かべている。 ――ああ。 今にして分かる。あのアルカイックスマイルは、きっと――自分を殺してくれる誰かを見つけた喜びの笑みだ ったんだろう。 死にたがっていた姉さんは。 自分で死ねない姉さんは。 自分を殺してくれる誰かを見つけて――自身の死を確信して、あの笑みを浮かべたのだ。 姉さんは微笑んでいる。 姉さんは、僕に向けて微笑んでいる。 でも、その笑みは――――僕に向けられたものではないのだ。 「今すぐ出て行け、如月更紗」 小声でそう言って、僕は逆に大声で廊下の向こうへと「神無士乃!」と呼びかけた。 トン、トン、トン、という足音が止まり、 「はいはい何でしょう~♪」 という声が聞こえる。お気楽そうなその声に、僕はできるだけ感情を押さえつけて叫ぶ。 いかにも焦っているように、叫ぶ。 「いいか、絶対に入ってくるなよ! 今着替えてるんだから入ってくるなよ! 扉開けるなよ!」 「ははあ、朝の処理中でしたか」 「どうしてお前はそういうことを平気で言うんだ!」 いつもの――いつも通りの、やりとりだ。 これでとりあえず問題はない。 717 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 01 09 04 ID +bXpdwYt ちらりと部屋の中へと視線を戻すと、如月更紗は既に動き出していた。部屋の隅にきちんとハンガーにかけて あった――いつのまにそんなことをしていたんだ――制服に袖を通し、身嗜みを簡単に整える。その間にもトン、 トン、トン、と近づいてくるが、如月更紗の着替えは早い。早着替えになれているのかもしれない。 そして如月更紗は着終えると、部屋の片隅にあったトランクケースを手に取った。 ……トランクケース? トランプの、トランクケースだった。赤のクイーンと白のクイーンを両面に模した、そこそこ重量のありそうな トランクケース。キャリーケース、と呼ぶのかもしれない。長方形のでかい箱に車輪がついた例のアレだ。 勿論、僕の物ではない。姉さんのものでも、家族のものでもない。つい昨日まで、部屋の片隅にそんなものは置 かれてはいなかった。 となると、アレは如月更紗の私物ということになる。形はどうあれ、《泊まり》に来たので荷物が多く、全てを 詰めるために必要だったのかもしれない。 普段からあんな鋏を持ち歩いていることを考えれば――他にもろくでもないものが入っていそうだが。 最後に如月更紗は、その物騒な鋏を制服の後ろへと隠し仕舞った。後ろの席に座ってる奴でさえ、彼女がそんな ものを制服の下に隠しているとは思わないだろう。体育の時とかどうしているんだろう。 「それじゃあ、冬継くん」 如月更紗は別れを惜しむように、寂しさの入り混じった微笑みを浮かべた。その笑みの意味が、今ここを去るせ いなのか、キスを無理矢理に中断してしまったせいかは――僕には判別がつかない。 僕はまだ、如月更紗を完全に信用しているわけではないのだから。 如月更紗が僕に一目惚れしたというのを――信じているわけでは、ないのだから。 トン、トン、トン、という音がようやく途切れる。それはつまり、神無士乃が二階へと辿り着いたということだ。 ともかく今は神無士乃を引き下がらせ、部屋に入れないようにしなければならない。 そう思う僕に対し、如月更紗は笑んだまま、 「また学校で会いましょう」 と言って――二階の窓から、平気で飛び降りた。 スカートが風でめくれあがるのだけが見えた……というか、あいつ最後まで下履いてないのか。履く時間がおし かったのかもしれない。そういえば、上も下も下着をつけているようには見えなかったから。 なんてことを考えたのは、勿論現実逃避だ。目の前で、飛び降り自殺をされたら誰だってそうなる。 「如月更紗!?」 思わず彼女の名を呼びながら、慌てて窓まで駆け寄ると、芝生に着地し、さらにキャリーケースをうまく使って 塀を乗り越える如月更紗の姿が見えた。平然と、平気で、そのまま立ち去っていく。制服の後ろ姿が、家の影に隠 れて――見えなくなる。 影も形もなく、如月更紗はいなくなっていた。 窓から入ってこようと言ったのは、冗談でもなんでもなかったのかもしれない。 「先輩、先輩――!」 扉の向こうから神無士乃の嬉しそうな声。この声は間違いなく部屋に入ってくる声だ。 僕は慌ててズボンを脱ぎながら、 「待て着替えてるって言っただろ――!」 そんな抵抗の振りもむなしく、予想通りに神無士乃は扉を開け放った。躊躇が微塵もない。その顔は喜色満面と いう言葉に相応しかった。 「あらあら先輩は着替え中でしたか――!」 トランクス姿の僕を見て、神無士乃は嬉しそうに笑い、その予想通り過ぎる反応に僕は内心で安堵しながらも慌 てたように脱ごうとしたズボンをはいて、 「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――あれ、この匂い?」 予想外に……神無士乃の、笑みが固まった。 718 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/13(土) 01 09 46 ID +bXpdwYt 以上で七話終了です 719 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 01 14 16 ID VOdhezk2 GJ!! しかし、すごい気になるところで終わってしまうとは!! あなたは鬼畜ですか!? 720 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 01 18 06 ID xJRYJdjc カチンコチンコ 721 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 10 41 59 ID 4FkeZULk 718 じ…GJ…! 明らかにただ者じゃなくなった神無志乃にわくてか 722 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 11 40 44 ID bRr60mXu 突然だが「涼宮ハルヒ」のヤンデレ漫画やSSを最近見かけたが・・・ 原作そういう話なの? 723 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 14 10 39 ID p5HwsCfx ある意味狂ってるが、流血沙汰を期待すると凹むぞ 724 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 14 31 46 ID aDaq/Pwy ヤンデレではないよ、ハルヒは。 725 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 20 19 24 ID /pnX+o7g 722 DQN女のワガママを叶える為に登場人物全員が頑張るお話。 726 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 20 21 28 ID 6A/JoJrU ところで 634のキモウトの続きはまだかね 727 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 22 47 25 ID bRr60mXu 黒楓事件依頼、ヤンデレ自体がはやったんだな、うん、そうにちがいない、そう決めた 俺がそうだし 728 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/13(土) 23 25 53 ID cKX5fbQ6 そういやSHUFFLE地上波でやってるな。黒楓ソフトになっちゃうんだろうか? 729 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/14(日) 18 46 25 ID XLR1Rr1S GJす。続き楽しみにしてますわ。 730 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/14(日) 20 40 48 ID /HFMWtP9 書き込みテスト 731 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 02 37 20 ID 7hTAJdsAhttp //yandere.web.fc2.com/ ヤンデレスレの繁栄を願って、保管庫を作ってみました。 これを機に、職人さんが増えたら良いなぁ……。 732 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 04 10 38 ID +cYN0q5s 731 おぉ!!GJ!! ヤンデレはまだまだ成長していくジャンルだと俺は思ってる!! 733 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 09 55 12 ID NOOh+xVz 731 激しくGJ! 734 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 19 08 07 ID 2lppWWhM 731 乙です 八話投下します。これで全体の三分の1は終わるはず…… 735 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 19 22 18 ID 2lppWWhM 僕の動きは固まった。そして、神無士乃の笑みもまた固まっていた。 いや――正鵠をきすなら、それは固まったとはいえないのだろう。神無士乃の笑みは、彼女の張り付いたような笑みは 全て抜け落ちていたのだから。仮面を無理矢理に剥がして素顔をさらけ出したような、そんな印象があった。いつも浮か べている、あの楽しそうな小悪魔の如き笑みは、今の神無士乃の顔にはない。 笑っていない。 怒っても、いない。 泣いてもいなければ喜んでもいない。一切の感情が抜け落ちてしまった顔で、その虚ろな瞳で、じっと僕を見ている。 僕から――眼を逸らそうとしない。 大きな丸い瞳が、じっと、じっと、僕を見ている。 瞳の中には僕が映っている。ズボンに手をかけ、寝起き姿の僕自身が。その顔は、苦笑いのままで固まっている。 ――固まっていては、いけないのに。 着替え中に突如として部屋の扉を開けられたのだから、大騒ぎして追い出さなければならないというのに。 それが、出来ない。 ナメクジに見据えられた蛇のように、動くことすら、できはしない。 じっと、一心不乱に見つめてくる神無士乃の瞳から、逃れることができない。 それでも、どうにか。 口だけを動かして、どうにか、取り繕う。 「神無士乃! いつまで見てるんだ――」 「何の、匂いでしょうね?」 にべもなかった。 神無士乃は僕の言葉を聞いていなかったし――聞こうとすらしていなかった。彼女はきっと、僕を見てすらいない。 彼女の瞳が見ているのは、僕の周りを漂う、誰かさんの残り香なのだ。 ――あの女。 最後まで厄介事を持ち込んでくれた……と思うが、それが筋違いの恨みであることは十分に承知していた。普通なら ばいるはずがないのだ。わざわざ部屋に乗り込んでくる幼馴染なんてそういないだろうし、その幼馴染が、匂いにここ まで反応するだなんて、誰も考えはしないだろう。 いや――シャンプーを変えたことを気付いたり、香水の匂いで人間を判別したりもできるのだ。それくらいはやって も当然なのか……? しかし、着の身着のままだった如月更紗は、何の香水もしていなかったし、風呂に入ったわけで もない。 なら、やっぱり体臭だ。 如月更紗の匂いを、神無士乃は嗅ぎ付けたのだ。 それは――どうなんだ? 異常だと、一言で切り捨てるべきなのか? それとも、これくらいの芸当は僕にできないだけで、 他の皆は誰だって出来るのだろうか? いつもと違う何かを感じ取る力は、獣だろうが人間だろうが 十分に備わっているはずだ。 いや、違う。 そうじゃない。 そうじゃないんだ。問題はそんなところにはない。匂いをかぎつけたこと云々を今問題にしている暇 はない。 そんなことでは説明がつかない。 神無士乃の豹変に、説明がつかない。 「先輩、この匂いは、一体何の匂いなんですか? 私、かいだことないですよ」 くすくすと、神無士乃は声だけで笑う。瞳どころか、口元すら笑っていない。 真顔で、笑う。 可笑しいそうに。 犯しそうに。 神無士乃は、声だけで、笑う。 「――――」 僕は何も答えない。答えられるはずもない。 神無士乃は――こんな奴だったか。僕は必死で記憶を探る。神無士乃。ずっと昔からの幼馴染。いつだって楽しそうに 笑っていて、僕をからかうように、僕にからかわれるように、笑って過ごしていた。 神無士乃は、いつだって笑っていた。 なら、それは。 笑っていないのと、そう違いはないんじゃないのか……? 736 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 19 35 41 ID 2lppWWhM 僕はこの時になって初めて――狂気倶楽部でも、鋏を持ったクラスメイトでも、家族の幽霊にでもなく――ただの 幼馴染でしかなかった神無士乃の裏側をかいま見たような気がした。 そして――その原因は、僕にもあるのかもしれない。 朱も交われば赤くなる、どころの話ではない。 子が親を見て育つように、昔からずっと側にいる幼馴染に、影響を受けたとしても、ありえない話ではないだろう。 きっと僕はまともな人間ではない。それは認めよう。 なら。 その僕の側にずっと居た神無士乃がまともであると――一体どこの誰が保証してくれるのだろう? 異常。 異常とは――なんだ? 狂っていることだろうか。 里村春香は、狂っていた。 如月更紗は、狂っている。 里村冬継も、狂っていて。 神無士乃も――狂っているのかもしれない。姉さんを殺した奴だって、姉さんと共にいた奴だって、 名前だけしか知らないチェシャやアリスだって、狂気倶楽部だろうが誰だろうが、皆狂っている。 なら。 なら――それは。 異常も正常も意味もなく、狂っている人間など、一人もいないのではないのだろうか。 ここが極点なのではなく。 普遍的な、ただの出来事。 世界のどこかで、毎日のように行われている、ただの日常なのではないだろうか。 笑わない幼馴染を目の当たりにして、僕はそんな、子供じみた――いや、思春期じみたことを 考えてしまった。考える必要などまるでないというのに、頭の中にするりと入り込んでくる。 足をすくわれた気分だった。 足元が、揺らぐ気分だった。 今までの日常が、まったく別のものであったと、再認識させられたかのような――明確な、恐怖だったのかもしれない。 737 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 21 01 14 ID 2lppWWhM 「いったい、何の臭いなんでしょうね――」 言いながら、神無士乃は一歩、部屋の中へと踏み込んでくる。 こちら側へと、踏み込んでくる。 いけない。 それは――いけない。 それは、駄目だ。 日常と非日常が入り混じってはいけない。異常と正常の垣根をなくしてはいけない。 そんなことになれば。 そんなことになれば――意味がなくなってしまう。 異常だからという理由で死んでしまった姉さんの、死の意味が、なくなってしまう。 だから。 日常は、正常で。 非日常は、異常で。 そうでなければ、いけないのだ。 「見るなぁ神無士乃ォォ!」 そう叫びながら、僕は思いっきり、腰まであげかけていたズボンを――そのままトランクスと一緒に、一気に引き下ろした。 先の如月更紗とのアレコレで大きくなっていた股間が、あられもなく神無士乃の目前にさらされる。もう、これしか手段がない とはいえ、発作的な行動とはいえ……大切な何かを捨てた気分だ。 神無士乃は。 突然叫びながらトランクスを降ろした僕を見て、それから丸出しになった股間を見て、丸い瞳をさらに大きく見開いた。 沈黙が一秒ほど。 そして神無士乃は、トマトよりもなお赤く顔を染めて、「うひょわぇ!」と叫んだ。 ……うひょわぇ? その叫び声はどうかと思う。 だが――無表情は、消えた。真っ赤になった神無士乃は、恥かしそうに眼を逸らし、前ではなく 後ろに一歩下がった。 「着替え中だから入ってくるなって言っただろうが!」 「ただの露出狂じゃないですか!」 「自分の部屋で脱いで何が悪い!」 言いながらさらに上着まで脱ぐ。こうなったらやけだ。 「他人の前で露出してるから露出狂なんですよ!」 「もっとこう気品のある名前で呼べよ! ストリッパーとか!」 「大して変わりません! 破廉恥先輩のバカァ!」 叫んで、神無士乃は後ろに飛び退り扉を思い切り閉めた。いっそ全裸でリンボーダンスでもやってみせるか とすら覚悟していたので、その行為には非常に助かるものがあった。 人として大事なものを、捨てきらずにすんだ。 半分くらい、捨てたような気もするけど。 「破廉恥先輩って名前みたいでいやだな……」 僕はぶつくさと言いながら、換気のために窓を全開まであけ、制服に着替えなおした。部屋の外ではとんとんとん と神無士乃が下まで降りる音がした。扉の前で待っている、ということはないだろう。 とりあえず、誤魔化せた。 その場しのぎとも言うが。 738 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 21 35 56 ID 2lppWWhM 誰もいなくなった部屋で、深呼吸をした。制服を適当に着終え、カバンをひったくるようにして持つ。 そのまま部屋の外へと駆け出ようとノブをつかみ、 足を止めて、振り返った。 部屋の隅で、姉さんは笑っていた。笑って、学校へ行こうとする僕を送っていた。 姉さんが笑っていることに、僕は安堵する。 姉さんが笑っていてくれる限り――僕は、大丈夫だ。 姉さんのために、がんばる。 「行ってきます、姉さん」 僕がそう言うと、姉さんは笑ったまま、ひらひらと手を振って送り出してくれた。 さあ――今日も一日、頑張ろう。 意気込んで玄関に下りると、神無士乃が体操座りをして床にのの字を書いていた。すねているらしい。 「楽しそうだな」 「嫌味ですよ!」 「なんだ。てっきり神無士乃のことだから、うきうき気分でやってるものだとばかり」 「先輩、それ死後です。そして楽しくないです」 「それを楽しんでやる奴とは、ちょっとお知り合いになりたくないな……」 言いながら僕は座ったままの神無士乃の横を通り過ぎ、革靴を履いて、玄関の扉に手をかける。 「じゃ、そういうことで」 「何がそういうことでですか!?」 「いや、ほら。遅刻するし」 「遅刻ぎりぎりまで待ってたわたしの立場があまりにないと思うんですが」 「僕は全速力で行けば間に合うけど、お前は遅刻決定してるからなあ」 「外道! 町内の皆さん、ここに外道がいますよう!」 立ち上がり、街宣カーのように宣言する神無士乃。うん、いつもの神無士乃だ。 これでいい。 いつもの、朝だ。 「冗談は置いといて、本気で遅刻するから急ごうか」 「朝ごはんはどうします?」 「明日の朝に食べる」 「意味ないです!」 「じゃあ神無士乃が代わりに食べといてくれ」 「私はもうハンバーグ食べてきましたっす!」 「何ィ!?」 こいつ……朝からハンバーグなんて高価なものを! ひき肉をこねるのが面倒で僕でさえ滅多に 造らないというのに……ブルジョワジーにとっては朝から肉でも構わないというのか。そんなこと だから乳ばっかりでかくなるんだ。 「先輩。今セクハラいことを、」 「考えてないよ」 「その身で実行しようとしましたね。セクハラーのように」 「してねぇよ! そして誰だよそいつ!」 アホなやりとりだった。 「まあ、しいて言えば朝の爽やかな運動ってところかな」 「乳を揉むのが?」 「いいや、ゴミ箱に貴重な栄養を与えるのがだよ」 「先輩……部屋のにおいってもしかして……」 「あー爽やかな朝だなー!」 叫びながら扉を開け、一気に駆け出す。学校まで走れば十五分ほどでつくだろう。一人遊びのどこが 爽やかなんですか! と後ろから叫び声が聞こえるがとりあえず無視。 もうしばらく走ったら立ち止まって、それから、いつものように一緒に学校にいこう。たまには手をつない でもいい。平和なんだから、それくらいしたってバチはあたらないだろう。 楽しい一日の、始まりだ。 楽しい楽しい――最後の日なのだと、この時の僕はまだ知らなかった。 739 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/01/15(月) 21 36 55 ID 2lppWWhM 八話終了です。 間があいてすいません 740 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 21 43 16 ID Q+tATxcI 乙 741 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 22 30 43 ID D+ZPxaOc 738 GJ!!! 742 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/15(月) 23 44 19 ID Q+tATxcI サキュバス、まとめサイトのリンクに入ってるw 743 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/16(火) 02 47 04 ID lWwVlqPG GJ!! 神無士乃がどういう感情を持っているのか読めない……。 普通に狂っているのか、はたまた主人公への異常な好意で病んできているのか。 これから大きく化けそうな予感がします。 744 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/16(火) 02 48 20 ID lWwVlqPG ふと思ったけれど、「冬柴さんの話」に出てくる 冬柴さんを崇拝してる男ってヤンデレかなぁ? 745 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/16(火) 18 11 14 ID O0RXD3+g 742 誰だよあそこをリンクに入れたのw 全く、けしからんけしからん 746 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/16(火) 20 45 45 ID WkNs/s6s 冬柴さんってヤンデレじゃないだろ、病んでるだけだよ 747 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/16(火) 23 11 12 ID r0kO9ThB ヤンデレって難しいな…NHKにようこその岬も病んでるよな? あれもヤンデレなのかな~と漫画読みながら考えてた 748 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/17(水) 18 47 17 ID CxiCrdiD 745-746 「サキュバスの巣」「冬柴さんの話」を削除しました。 749 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/19(金) 19 15 18 ID KY2u9QCt ttp //news21.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1169186471/l50 何かヤンデレのにほいがしないか? 750 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/19(金) 19 53 52 ID GzcrSwBv 749 萌えたが向こうのスレでは散々な評価だなあw 751 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 00 31 21 ID klXI5mvv / \ 、\ -=彡 , { . ヽ \丶 / / . ノ !l、\ . 、_,ヽi lイ . / ノ 、丶ニ=‐ . ヽ‐ ´ `.ニ=‐ ,  ̄ 丶、 l /_ イ/l !ハ l .ヽ ! ! . ! l ヽヽ /ニニ. 、 > ._ -≠ l l| l r|=l∧ },| | ト、 | l l . lヽi . / 彡 /l ヽニ.lム l | llリ 、 (;)ヘ l//ソ l|/=l l// l ゝ , ∧, ,. ´ . イ l | | トトトl` 三´彡 ノノt;¬!// l ハ`\ . ハ/. -‐ ィ | | | |ヽヽ〉  ̄「{ ミ、彡 / l l/ {、/ 三三イ ¬ l | | |レ 〉ス ,. 、_ ノ ムルl/ /lム どっちもうざいんだよおおおおおお 三三 / / /人 // |/ヘ.ヽ`__一 _ 、< ′ ̄ ´ ヽ ___l / └ _ // / 〉 /`>ヽ< / __ ハ , / / `` ‐-、/ /_// l レ/,. ニニニニ ¬ | {ム l/ / ∧i´ f // | l ヽ} r/ / / ̄ l / l \/ / ゝ\_ム l / /  ̄ l 、 ∠ニニニ二 `ー、__}_ | / l l ゝ二.\__/ ̄\――――--- L._ └―‐ | | ... , 7ーァ ´ 丶、 ;;; \ | | ,r彡 / `ヽ、 `丶、 | | // / ヽ、 \ __ / | //ァ ´ 丶、 \__ . / |r彡 { `丶、  ̄ ̄`丶 752 名前:彼が望むなら死んでもいい1[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 02 49 24 ID RkuWxsmM 749 彼と知り合うきっかけは幼馴染であるリンからの紹介だった。 リンは私と違いかなりもてる。 その理由はおそらく性格にあるのだろう。 男女分け隔てなく明るく接し、辛いことがあっても それを周りに悟らせない彼女を嫌う人間はいないと思う。 それに対して私は男性恐怖症で男と全く縁が無い。 自分ではすでに恋人を作ることはあきらめていたが、 そんな私を世話好きの彼女が放っておくはずが無かった。 「レイ!紹介するわ。同じサークルのフェイ君よ。」 大学の中庭で一人食事をとっていたらリンがやってきた。 いきなりそんなことを言われてもどうしたらいいのだろう。 しかも連れてきた相手は男だった。当然固まる私。 「それじゃああとは若い二人で仲良く・・・ね?」 そう言ってリンは去っていった。 753 名前:彼が望むなら死んでもいい2[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 02 52 28 ID RkuWxsmM 私は地面を見ながらこれからどうしたらいいのか必死で考えていた。 何か話しかける? 却下。男の人を前にするとロレツが回らなくなる。 何も言わずに立ち去る? 却下。そんなことをしたら後で男の人に何をされるかわからない。 そうだ。とりあえず挨拶してみよう。 こんにちはと言うくらいならなんとかなるはず。 このままずっと固まったままいるほうが辛い。 そのあとは適当な返事をしておけばこの状況を切り抜けられる。 (こんにちは。こんにちは。こんにちは。) よし、言うぞ・・・ 「こっ、こ。こんにゃっちは。」 恥ずかしい。噛んでしまった。 どうしよう。笑われる。からかわれる。いじめられる。 いやだ。嫌だ。こわい。怖い・・・ だけどしばらく待っても反応がなかった。 おそるおそる顔を上げると男性の顔が目の前にあった。 恐怖で体がこわばった。 しかし男性の表情を見ているうちに恐怖は少しずつ消えていった。 なにを言おうか迷っているような表情と なにかを決意した眼差しが私に向けられている。 一分ほど待ってから彼の口が開いた。 「僕と付き合ってください!」 至近距離であげられた大声と、 その言葉の内容に驚いて、 手に持ったままの弁当箱を落としてしまった。 754 名前:彼が望むなら死んでもいい3[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 02 53 36 ID RkuWxsmM その場での返事は保留ということにした。 生まれて初めての告白で、嬉しい気持ちと男性に対する潜在的な恐怖心が混ざり合い まともな返事ができなかったからだ。 自宅で告白されたときのことを思いかえしてみる。 あの時、男性とあれだけ近くで話したというのに恐怖心が少しずつ消えていった。 別れ際の時点ではほとんど無くなっていたと言ってもいいかもしれない。 あれだけ怖かった男という生き物なのに。 暴力の象徴だと思っていた存在なのに。 それからは大学で毎日話すようになった。 彼と話しているときだけは恐怖心は全くなくなってしまう。 今日の講義の内容、今日のニュース、好きな本の話題。 私のする楽しくない話を彼は真剣に聞いてくれる。 いつしか彼と話すことだけを楽しみに大学に行っていることや、 自宅で一人になると彼のことを思って寂しくて泣いてしまうことを自覚したとき、 私はこれが恋なのだと知った。 翌日、彼に交際したいと伝えた。 告白から二ヶ月以上経っていたが彼は満面の笑顔で私を受け入れてくれた。 その笑顔がこれからも私だけに向けられると思うと 喉が締め付けられるかと思うほどの幸福感が私を襲った。 私とフェイが付き合いだしたことを知ったリンは 「よし!二人が付き合いだした記念のコンパしよ!コンパ! あ、大丈夫。私の知り合いの女の子だけ連れてくるから。男は連れてこない!」 と言い出した。 断る理由もなかったので参加することにした。 今思うと参加しなければよかったのかもしれない。 あのコンパから少しずつ歯車が狂いだしたのだから。 755 名前:彼が望むなら死んでもいい4[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 02 54 30 ID RkuWxsmM コンパには本当に女の子だけが参加していた。男はフェイ一人だけだった。 私達二人が主役なのだから当然質問攻めにあった。 私のどこに惚れたのかという質問にフェイは 「はっきり言っちゃうと一目惚れなんですけど・・・ 理知的なところに惚れたって言うのかな?」 いますぐ押し倒してやろうかと思った。 色々な質問がされていくうちにフェイの好きなものを聞くことができた。 どうやら彼は自動車が好きらしい。 しかし欲しい車は手が届かない金額らしく、夢のまた夢と言っていた。 そのときのフェイの顔はまるで幼い子供のようでまた押し倒したい気分にさせた。 コンパが始まって二時間ほど経つとすでに私も含め皆できあがっていた。 不愉快なことに彼の右に座っていた女が肩にもたれかかっていた。 私がじっと見ていることに気づいたフェイは女を引き剥がすが、 数秒もするとまたもたれかかってくる。 何度も繰り返すものだからいい加減に頭にきた。 その首をへし折ってやりたいがフェイの手前そうするわけにもいかない。 なるべく感情を抑えて注意したところ、挑発するように 「あら、私のほうが彼にふさわしいと思うんだけど? だって私のパパは○×商会の社長だからお金には困ってないもの。 今すぐ彼を養うことだってできるわ。」 安い挑発だ。素面の状態なら軽く流せるのだが、このときの私は 酒で判断力が欠けていたのだろう。 大手不動産会社の社長の娘であると大嘘をついてしまったのだ。 女はすぐに嘘を見抜き私を鼻で笑った。もう我慢の限界だった。 手元にあるアイスピックをその女の顔に振り下ろ―― 振り下ろせなかった。リンが私の腕をつかんでいた。 暴れようとする私と女をいさめたリンはコンパを解散させた。 756 名前:彼が望むなら死んでもいい5[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 02 55 11 ID RkuWxsmM 翌日、これ以上ないほど後悔した。 二日酔いになるほど飲んだこともそうだが、フェイの前で凶暴な一面を見せてしまったからだ。 あのときリンが止めてくれなければ、間違いなくあの女の左目を貫いていた。 恋人の凶暴な一面を見てもフェイは私のことを好きでいてくれるだろうか? フェイは私のことを好きだと言ってくれた。それは事実だ。 しかし酒の席で前後不覚になっていたとはいえ人を殺しそうになった恋人を 好きでいてくれる保証などどこにもない。 どうしたらいい? 彼の思いを繋ぎとめることができて、同時に私のこの愛を余すことなく伝えるためには 何をしたらいい? 考えろ。考えろ。考えろ。 そうだ。フェイが欲しいと言っていた自動車だ。 あれを贈ればフェイの愛も受けることができるし、私がどれだけ愛しているのかということも わかってくれる。 幸い彼は私の家族がどのような生活を送っているかということは知らないはずだ。 少なくとも私は喋っていない。 コンパで言った嘘を信じてくれていればきっと受け取ってくれるはず。 彼を騙すのは気が引けるが仕方がない。 私達の未来のためには仕方がないのだ。 757 名前:彼が望むなら死んでもいい6[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 02 56 08 ID RkuWxsmM その後、大学の陸上部の知り合いから元オリンピックメダリスト二人を紹介してもらった。 偽造した名刺を使い、嘘の説明で二人から合わせて180万元を手に入れた。 その金で車を買い、フェイの自宅に納車するよう手続きをとった。 納車日当日、フェイから「すぐに来てくれ」と連絡があった。 ああ、すぐにでも私に会いたいなんて・・・やはり車を贈ったのは正解だったようだ。 部屋に入った途端襲い掛かられるかもしれないから覚悟していかないと。 しかし、フェイの自宅の玄関を開けたときに目に飛び込んできたのは怒りの表情だった。 「?どうしたの?なんで怒ってるの?」 「どうしてじゃないだろ!なんで僕のところに君の買った車が届いたんだよ!」 どうしておこってるのかな。 「だって、このあいだ欲しいものだって、夢だって言ってたでしょ。だから、プレゼント。」 「どうやって買ったんだ!とても手が届くものじゃないのに!」 そんなことどうでもいいじゃない。 「それはお父さんに頼んで・・・」 「リンからもう聞いてるよ!君の父親は社長じゃないってことくらい!」 なーんだ。ばれてたんだ。 「えっとね。友達の友達に『お買い得の物件がありますよ』って言ったらくれたのよ。 ちょっとお話しするだけでお金くれるなんてお金持ちよねぇ。」 「物件?お話?くれた?・・・まさか、詐欺で!?」 そういえばそうともとれるわね。 「いいじゃない。騙されるほうが悪いんだし。」 「騙されるほうが、悪い・・・?」 ねえ、なんでさっきよりおこっているの? 758 名前:彼が望むなら死んでもいい7[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 02 56 56 ID RkuWxsmM 「君には言ったことなかったね。実は僕の家はあまり裕福じゃないんだ。 大学に通っているのだって両親の仕送りと僕のバイト代を合わせてギリギリなんだ。 なんでこうなったかって言うとね。」 フェイは一拍置いて叫んだ。 「君みたいな人間のせいだよ!君みたいな考えの人に騙されて父さんも母さんも 辛い思いをすることになったんだ! 何が騙されるほうが悪いだ!騙す人間が悪いに決まってるだろ!」 その目には明らかな敵意の色。 「もう君とは一緒に居られない。二度と僕の前に姿を現さないでくれ。」 「え?なに言ってるの?好きだってこの間言ったばかりじゃない。」 「そんなのは昔の話だ!」 私は、 「僕はお前が、」 何かが壊れるのを、 「大嫌いだ!」 聞いた。 あは、あはっははは、アハハハハハハハ!アハハハハハハ、はははははははは!! ねえ馬鹿言わないであなたはそんなこと言っちゃいけないのよあなたが言っていい言葉は『愛してる』だけよ 真剣な顔で熱い視線で私を見つめて『愛してる』って言わないとダメよだめ駄目打目打め駄目 早朝も朝も朝ごはんのときも昼も昼ごはんのときも夕方も夕ごはんのときも夜も深夜も寝ているときでも 私のことを愛して壊れるほど愛して普通の人の三倍三十倍三百倍三千倍三万倍いいえもっと だから嫌いなんて言っちゃ駄目なのようん絶対に言っちゃだめ拷問にかけられようが死にそうだろうが あなた私のこと好きだっていったじゃない好きだっていったじゃない好きだっていったじゃない 一度言ったことは消せないのよよく言うじゃない男に二言は無いって男なら守らなきゃ もし守ってくれたらなんだってしてあげるええなんでもよどんなものだって手に入れるわ 死ねって言われたら死ぬし殺してくれって言われたら残念だけど殺してあげるし うふふ好きよ大好きよ超好きよ愛してる超愛してる世界一愛してる宇宙一愛してる あ な た の こ と 愛 し て る 759 名前:彼が望むなら死んでもいい8[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 00 18 ID RkuWxsmM そのあと、僕の家に踏み込んだ警察によって彼女は取り押さえられました。 彼女はとり抑えられながらもまだ壊れたように僕に向かって叫び続けていました。 僕の前から姿を消す最後のときまで。 カレンダーを見ると1月19日。 僕が彼女に告白した日から三ヶ月経っていた。 終 勢いに任せて書いた 正直、反省していない 設定なんかは適当です。 中国の大学とかはわからないので日本と同じようにしてみました。 760 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 03 03 17 ID fOVtuk0s やばい、ここに本物の職人技を見たっ…… 761 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 06 06 03 ID 5BvuamDw 759 GJ むしろ、彼女がコンパのときの女に彼を取られて 発狂するんじゃないかと予想してた俺は鬼畜だなww 762 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 06 48 04 ID TIkPs9C9 759 神あらわる GJ! 763 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 10 27 49 ID ZIt8iqO9 半日(8時間)足らずで構想浮かんで1時間で書いただと!? 天才か! 764 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 12 53 28 ID O0LrP3k8 759 GJで御座います 765 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 13 13 45 ID xOsayo99 いいねぇ。実際に起こった事件を元に、また何か書いてほしいなぁ。 766 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/20(土) 19 30 44 ID AJBlDoDk やったッ! さすがID RkuWxsmMッ! あれだけの大作を平然と書いてのけるッ! そこに痺れる憧れるゥッ! 767 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/21(日) 01 42 13 ID YBByPdQk やったッ! さすがID RkuWxsmMッ! あれだけの大作を平然と書いてのけるッ! そこに痺れる憧れるゥッ! 768 名前:トリップテスト ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 13 48 ID Kcf6rTXR トリップテストです。 スルーしてください・・・ 769 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 16 32 ID Kcf6rTXR テストしてすまない。 お礼にSSを投下する。 ↓ 季節は冬。 道場には剣道部員の掛け声と踏み込みの音、面を打つ音が響いている。 その音が一旦止まり、 「籠手打ち、始め!」 部長の掛け声をきっかけに、再び音が道場に響く。 夕方7時、ここ練心館で始まる校外練習は二時間続く。 770 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 17 22 ID Kcf6rTXR 練習が終わり着替えを終えて、外で部員全員が出てくるまで待つ。 早く帰りたいが、道場に施錠をして鍵を返すまでは帰るわけにもいかない。 いや、本来はそれすらもしなくていいのだが。 何せ道場の持ち主の娘がここに来ているのだから。 一人を除き部員全員が帰ったことを確認した俺は、鍵を閉めることにした。 「ちょ、海原先輩すとっぷすとっぷ!」 「あーなんか幻聴が聞こえるな。まるで女の子の声みたいだ。」 「ばっちり聞こえてるじゃないですか!幻聴じゃないですよ! すぐに出ますから待ってくださ~い!」 声の持ち主が出てから再び施錠する。うん。確認OK。 「さて、帰ろうか大河内。」 「先輩。いつも言ってますけど、私が出てないのに鍵閉めないでくださいよ。 いやがらせですか?それともいじめですか?」 「不器用な部長なりのスキンシップだ。」 「へー、そんなこと言うんですか。じゃあ今日お父さんに言っておきます。 『海原先輩がお父さんとスキンシップしたいって言ってた』って。」 まずい。いつもより怒っている。 しかも彼女の父親との『剣道でのスキンシップ』は『死合い』と同義になる。 本人は遊んでいるのだろうが警察で剣道の指導をしている人間と高校生とでは実力差がありすぎる。 ライオンがウサギにじゃれついているようなものだ。 771 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 18 09 ID Kcf6rTXR 「すまん。それは勘弁してくれ。もうむちうちになるのは御免だ。 今度学食でカツ丼特盛か牛丼特盛をご馳走するから。」 「両方です。」 「両方かよ!・・・いや、わかった。わかりました。 ご馳走させていただきます。大河内桜嬢。」 「わかればよろしい。ようやく身分をわきまえたようね海原。」 腰に手を当てて高笑いしている。しかし竹刀袋を持ったままだから全然似合わない。 「さて!じゃあ帰りましょうか先輩!」 やれやれ。 このお嬢様の機嫌を損ねるたびに奢らされているというのに 俺も学習能力が低いものだ。 しかし、それがわかっていても何故かこいつにちょっかいをかけてしまうのだ。 それはこの少女の性格がそうさせてしまうのだろうか。 それとも単純に俺がいたずら好きだからだろうか。 それとも、俺がこいつに対して異性としての好意を持っているからか。 ――たぶん全部だな。 左で歩くたびに左右に揺れるポニーテールを見ながらそう思った。 772 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 19 02 ID Kcf6rTXR すっかり暗くなった夜道を先輩と歩く。 四月に剣道部に入部してから毎日のように繰り返されていることだ。 でも一度も飽きたとか一人で帰りたいとか思ったことはない。 なぜか?理由は簡単。 私が先輩のことを好きだから。 ・ ・ ・ 剣道馬鹿の両親と兄を持つ私は物心つくころにはすでに竹刀を握っていた。 別に強制をされたわけじゃない。 両親の期待を受けた兄が小学六年生のときには全国大会に出場し、 中学に入ってからは高校生も打ち負かすほどの実力者になっていたからだ。 そのため私は両親に稽古をつけてもらったことがない。 見よう見まねでただなんとなく竹刀を振るようになっていたのだ。 そのことが影響したのか、中学校では全国大会にも出場し、部員の推薦で部長に任命された。 だからだろう。私は調子に乗っていた。 家が近いという理由で入学した県立高校の剣道部は 過去に大きな成績を残すほどでもなく、弱小と言ってもいいところだった。 入部一日目の感想はそんなものでしかなかった。 しかし入部二日目。この感想は変わることになる。 773 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 19 51 ID Kcf6rTXR 経験者ということで早速その日から練習に参加することになった。 基本練習を終え、次に実力を見るために練習試合が行われた。 私の試合は最後に行われた。その相手が海原先輩だった。 海原先輩は昨日は練習に来ていなかったらしい。 (練習をさぼる人が私の相手をできるの?早く終わらしちゃお。) そう思い『はじめ』の合図とともに繰り出した突きは、 先輩の喉ではなく空を突いた。 (うそ!突きがくることがわかってたの?) 予想外だった。どうやら本気でやる必要があるようだ。 先輩に向かって再度構える。 しっかり向かい合って分かる先輩の威圧感。 兄ほどではないが油断できない相手であることが感じ取れる。 そして自分の持てる最高の速度で突きを繰り出した―― ・ ・ ・ 774 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 22 22 ID Kcf6rTXR 「引き分け!」 両者一本ずつの引き分けの結果に終わった。 私の突きを先輩が避けて胴を打ち、先輩に一本。 先輩の面打ちに対して籠手を打ち、私に一本。 その後はお互い決定打を打てずに引き分けに終わった。 終わってから私が感じたのは高揚感だった。ものすごく楽しかった。 ジョギング中にいつまでも走り続けていられるような、 プールでずっと泳いでいられるような感覚と似ていた。 今まで竹刀を握っていてこんな気分になったことはなかった。 練習後、対戦した先輩に興味を持った私は先輩が一人で帰っているところを見計らって話しかけた。 「海原先輩!」 「へ?あ、おー、こー・・・皇王池さんだっけ?」 「大河内です!お、お、こ、う、ち!」 最初の会話がこんなだった。まさか名前を間違われるとは。 なんだかとぼけた先輩だと思った。 妄想が浮かんだので書いた。 正直、反省していない。 とりあえずここまで。 次の投下は脳がスパークしたら今日中に。 遅くても・・・今週中には。 775 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 28 09 ID tzOD2uWN 774 GJ! 今はまだ普通の女の子に見える大河内さんが どんな風に病んでいくのか楽しみにしてます 776 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/21(日) 21 39 33 ID IlYYgP25 ちょw 高校の初稽古でいきなり突きとか、なかなか外道なヒロインですね。 戦闘に躊躇いの無いヤンデレに期待させていただきます!! 777 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 00 52 56 ID sVWolwVr その帰り道でいろいろと聞いた。 名前は海原英一郎(うなばらえいいちろう)。 剣道を始めたのは小学三年生。段位は二段。 意外なことに今まで大会で優勝したことはないらしい。 気になったので突っ込んで聞いてみたところ、 「・・・笑わないって約束してくれる?」 「笑いませんよ。でも、まさか『大会に出るのが馬鹿馬鹿しい』とかじゃないですよね?」 「違うって、逆。出たくても出られなかったんだよ。 ほら、大会前って練習に力が入るでしょ。 俺の場合はやりすぎて体調崩して寝込んで、ってパターンが多いんだ。」 「でもさすがに七年間続けてっていうのは変じゃないですか。」 「大会前日に練習しなかったりしたら今度は体がうずうずして 寝られなくなったりとか、風邪とか怪我もあってね。結局出場したことがないんだよ。 嘘みたいだけど本当。」 「・・・ご愁傷様です。」 「いいえ、亡くなった私のために悲しんでくださって本当に・・・って違う! ノリ突っ込みさせないでくれ。」 「いやいや、今私ボケてないです。」 「そういやそうだった。ごめん。」 そんなことを話しているうちに私の家に着いてしまった。 残念。もっと長く話していたかったのに。通学路の短さを恨んだのは始めてだ。 先輩と別れの挨拶をして、その背中を見送っていると急に寒気を感じた。 寒さからではなく、これが寂しさから来るものだとこのときの私は理解していなかった。 778 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 00 53 36 ID sVWolwVr 風呂に入り、遅めの夕食をとる。明日は弁当を持っていって練心館に行く前に食べるようにしないと。 歯磨きをして、布団に入る。 今日一日のことを思い返してみる。そして真っ先に思い浮かぶのは、海原先輩のこと。 私と互角の実力者。いや、私は全力だったが先輩は本気だったとは限らない。とすると互角以上と考えるのがいい。 しかし今まで私と張り合えるような人間はみんながみんな両親や兄のような遠い存在か、 年が近くても威張り散らしているような人ばかりだった。 しかし先輩は違った。とぼけているような感じがするけど実際は剣道好きでまじめな人。 初めて会う後輩に対しても親しく接することが出来る人。 短い髪。私より頭一つ分高い身長・・・。 「ん・・・」 なんだろう。むずむずする。もどかしい。パジャマの上から下半身に手を当てる。 「ひぁっ・・・!」 秘部のあたりに手を当てた途端、腰がくだけた。 「なに、これ・・・」 いままで経験したことのないものだった。 物足りないようで満たされないような感じ。でも、 「きもち、いい・・・ふぅ、ん・・・あっ!」 さっきより強く手を当てるとさらに強い刺激が襲ってきた。 甘い。手を出してはいけないとわかっていても手を出してしまうほどに。 そういえば中学生のころに聞いたことがある。 自分で性器に触って快感を得ようとする自慰行為。 今まで一度もしたことがなかったけど、 「これが、そうなんだ・・・」 でもどうして?今まで一度もこんなことしようなんて思わなかったのに。 なにが違うの?なにか悪いものでも食べた?なにか考えて・・・あ。 779 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 00 54 16 ID sVWolwVr 「海原、せんぱぁい・・・」 そうだ。あのとき先輩のことを考えていたらこうなったんだった。 でも、たしかこういうのは好きな異性のことを思い浮かべるものだって聞いた。 と、いうことは。 「ふぅ、ん・・・あ、あんっ!わたし、せんぱいのこ、と・・・ふぁっ!好き、なの・・・?」 本当にそうなんだろうか。今日会ったばかりの人に? でもなにもしなくても先輩の姿を思い出すだけで甘い痺れが襲ってくる。 「だめぇ、こんなの・・・せんぱいにしつ、れぇ・・・はぁん!」 そう思っても指は止まらない。妄想は止まらない。 先輩の指が私の秘部をいじっているところを想像した瞬間、 「あ!ひ、・・・なにこれ、とまらないよぉ・・・ふあ、あ、ああああああンっ!」 止めようのない大きな波が全身を駆け巡る。その波は私の体をしばらくの間痺れさせたあと、引いていった。 そして今度は脱力感に襲われた。なんだか芯に力を入れられないような感じ。 「はぁ、はぁ、はぁ・・・せんぱい、先輩、センパイ、私・・・」 初めて想い込めてこの言葉を口にします。 「好きです・・・海原先輩。」 これが先輩と初めて会った日の記憶。 それまでの人生で一番楽しかった日。 780 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 00 54 49 ID sVWolwVr 翌日、私は一本の鍵を持って学校に行った。 実家とは少し離れた位置にある道場の鍵だ。 この道場はかなり昔、祖父か曽祖父が師範をしていたころに建てられた道場で、名前を練心館という。 現在では剣道の大会などで時々使用するだけで、ほとんど使われていなかった。 そこで父に部活の校外練習に使うという理由で頼み、許可を得た。 だが校外練習というのは理由の一つに過ぎない。 本当の理由は海原先輩と少しでも一緒にいたいと思ったからだ。 正直に言うと、先輩だけ来てくれればいい。 顧問と部長に校外練習をする提案をした。 顧問は道場の持ち主が近くに住んでいるということを話すと許可してくれた。 部長もはじめは渋い顔をしていたが、最後にはOKの返事をしてくれた。 部員には希望者のみ参加してくれればいい、と説明した。 先輩にはその日の校外練習が終わった日に頼みごとをしてみた。 「海原先輩。お話があります。」 「ん?なに?まさかこくはk」 「もう夜九時です。遅い時間ですよね? 外は真っ暗ですよね? 女の子が一人で帰ったら危ないですよね? だから先輩。練習の後に私の家まで付き合ってくれませんか?」 「ああ、もう九時だ。たしかに遅い時間だ。夏でも九時には真っ暗になっているな。 女の子が一人で帰ったら暴漢にあうかもしれない。 だが大河内。練習の後は俺もすぐに家に帰って寝たい。だから断る。」 「なんでですか!私が暴漢に襲われてあんな目やこんな目にあってもいいと言うんですか?」 「むしろお前があんな目やこんな目にあわせてしまっ・・・ いや、すまん。前言撤回する。だからそんな目で見るな。」 全く失礼な先輩だ。会って二日目だというのにこのやりとり。まるで昔からの友人みたいだ。 でも――嬉しい。こんなに早く先輩と仲良くなれるなんて。 これからは毎日先輩と二人っきりで話すことができる。 もっと先輩のことを知ることができる。先輩のことをすべて知りたい。 ただ先輩がものすごく怯えているように見えるのはなぜだろう。 781 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 00 55 36 ID sVWolwVr それからは学校での部活動が終わった後に練心館での稽古が行われるようになった。 参加する部員は十人前後ではあったが、海原先輩は毎日来てくれた。 狙い通り。昨日の話で先輩が練習大好き人間だということが分かっていたから来ると思っていた。 校外練習の成果だろうか。剣道部は地区で行われた春の新人戦で団体戦で準優勝を飾った。 同時に行われた二・三年の先輩達の試合も第三位という快挙を成し遂げた。 このときに海原先輩も参加しており、初めて手にする銅メダルを感慨深い眼差しで見つめていた。 第三位という成績をおさめ、練心館はさらに活気付いた。 部員の八割が校外練習に参加するようになり、大会でも好成績を記録していった。 それには――海原先輩の参加が影響していると思う。 私が入部して以来、先輩は『大会の日に必ず体調を崩す』というジンクスが嘘のように消え去った。 参加する大会ではほぼ負け無し。夏の県大会で全国大会の優勝校のエースと対戦したときだけが例外。 その戦績で部員達の信頼を得た先輩は夏に三年生が引退するときに部長を務めることになった。 剣道部も先輩の調子も順風満帆。ただひとつだけそうは行かないのが―― ・ ・ ・ 782 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 00 56 19 ID sVWolwVr 「俺はいまだに脱皮する必要があるのかわからない。 最初からあの状態で高速戦闘したほうがいい。 あれは設定ミスだろう。」 「最終回が終わったっていうのにいまさら何言ってるんですか。 だいたい先輩は分かってません。脱皮したら敵を吹き飛ばせるんですよ? それにいきなり高速戦闘するだなんて情緒がありません。 あれが美学というものです。」 これだ。私と先輩の関係。未だに『部活動の先輩・後輩』のままだということだ。 半年以上一緒に帰っているというのに先輩は全く私に色気のある話を切り出さない。 まあ、そういう話を振らない私も悪いのだけど。 だけど、いつまでもこの状態でいるわけにはいかない。私の恋には敵が多い。 剣道部の女子の数人も時々先輩を潤んだ瞳で見ていたりするし、 先輩の下駄箱には毎週ラブレターが入れられている。 今までは女子部員の籠手の手首を狙って打ったり、 ラブレターを別の生徒の下駄箱に入れたりしてきたが、 直接言われたらもう止める術はない。 「よし、決めました。決戦は月曜日です。」 「それを言うなら金曜日だろ。あれもいい歌だよな。たしか・・・」 「あ、着きました。じゃあ先輩。送ってくれてどうもありがとうございました。」 「あ、ああ。じゃあまた来週部活でな。」 「はい!」 この戦い、必ず勝利して、そして・・・今までの先輩との関係の壁を壊します。 コーヒーで脳がスパークしたので書いた。 正直、エロシーンがこれでよかったのか反省している。 PS.私の属性は『後輩』。 783 名前:あなたと握手を訂正 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 01 02 15 ID sVWolwVr 780 先輩にはその日の校外練習が終わった日に頼みごとをしてみた。 先輩にはその日の校外練習が終わった後に頼みごとをしてみた。 でした。ごめんなさい。 784 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 01 10 19 ID x5FIbsvX 日本語がおかしいぞ きちんと文章を書いてくれないか? 785 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 01 10 33 ID i4qMGm2H 大河内さんエロいよ大河内さん(*´Д`)ハァハァ 裸で待っててよかったw GJ! 786 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 01 36 08 ID +Sn+XoUr GJです! 続きの病みの描写に期待 787 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 02 35 42 ID sXcPKANe 高校から許される突きを初っ端からぶっ放したり、 籠手の手と手首の間の布地だけの部分を狙って打ったり……。 非道いw 非道過ぎるよ、大河内さん!! (* ´Д` *)ハァハァ 788 名前:あなたと握手を訂正2 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 06 46 58 ID sVWolwVr うわぁぁぁぁぁ! また誤字発見! 779 初めて想い込めてこの言葉を口にします。 初めて想いを込めてこの言葉を口にします。 『を』が抜けてました。ごめんなさい。 789 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 14 04 12 ID fF6rd5LU >今までは女子部員の籠手の手首を狙って打ったり、 >ラブレターを別の生徒の下駄箱に入れたりしてきたが、 既にかなり黒いよ大河内さん(*´д`*)ハァハァ そろそろ次スレじゃないかな? テンプレ案とかある? 790 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 14 13 10 ID PXbJp60Ohttp //www.4koma.com/yohsuke/lll/index.html どうこれ 791 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/22(月) 15 42 33 ID or+YVF78 790 百合だが確かにヤンデレだ ep9の4コマ目の表情が秀逸w 789 とりあえずまとめサイトのURLは必須だろう。 792 名前:テンプレ案 ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 20 46 21 ID sVWolwVr 789 1やスレの頭で語られた内容を自分なりに整理しました。 気に入らなかったらスルーしてください。 ・このスレッドはヤンデレの小説を書くスレッドです。 ・既存のキャラの使用アリ。 ・プロット投下やニュースなどのヤンデレ系のネタ大歓迎。 ・ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ・作者のみなさんはできるだけ作品を完結させるようにしてください。 ヤンデレとは ・主人公が好きだが(デレ)その過程で心を病んでしまう(ヤン)状態の事をさします。 (別名:黒化、黒姫化など) ・ヒロインはライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつ確実に病んでいく。 ・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することがある。 ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫http //yandere.web.fc2.com/ 793 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 48 40 ID sVWolwVr 続けてレスしてすまない。投下する。 ↓ 大河内の自宅の周りには塀が建てられている。 自宅の敷地内にも道場が建てられているらしく、次の曲がり角までその塀は続いている。 塀に沿って歩きながら、別れ際に大河内の言った言葉を思い出す。 「決戦は月曜日ね・・・」 その言葉はおそらく、『交際の申し込みを月曜日にする』ということだろう。 確信は持てないが、なんとなくそんな気がする。 大河内が俺に対して好意を持っていることは薄々感づいていた。 『練習のあとに一緒に帰ってほしい』と頼み込んできただけだったら、自分の勘違いだと思っていただろう。 しかし大河内はいろいろな面で俺に関わろうとしてきた。 ときどきではあるが俺に弁当を作ってきてくれたこと。 メールアドレスを交換してから毎朝おはようのメールを送ってくること。 休日に大河内家の道場で家族と一緒に剣道の練習をしようと頼んできたこと。 あのときは大河内兄に防具をつけたまま便所まで追い込まれた挙句閉じ込められたり、 絵に描いた様な巨漢である大河内父から、高速の突きを受けてむちうちになったりと散々だった。 あの日、唯一嬉しかったことは大河内母の作る昼食の豚汁が言葉にできないほど美味だったことだけだ。 まさにアメとムチ。豚汁とむちうち。 一回行ったきりだが、また今度行ってみるとしよう。今度は医者同伴で。 それは置いておいて。 そんな大河内の姿勢に俺も段々惹かれていき、気づいたら異性として好きになっていた。 なぜ今まで告白しなかったかというと、一緒に練習をして談笑しながら帰るという関係が心地良かったからだ。 だがそれも月曜日で終わらせる。こっちから先に告白して、あいつの驚いた顔を拝むことにしよう。 もし俺の勘違いだったとしても構わない。 俺は大河内のことが好きだから告白するのだ。 794 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 49 40 ID sVWolwVr 俺の家は大河内の家から国道を挟んで向こう側にある。 国道とはいえ俺の住む町は都市部とは違い九時ごろになるとほとんど車が通らない。 だからいつもは横断歩道が赤でも車が来なければ渡っていた。 その日は右側百メートルくらい向こうから車が来ているだけだったのでいつものように渡った。 『ドサッ』 向かい側の歩道に着いたときに後ろから物音がした。 振り向くと、同じ高校の女生徒が手提げバッグの中身を落としてそれを拾っているのが見えた。 右からは車が迫っている。止まる様子は、ない。 (ズクン。) 心臓が締め付けられるのを感じた。 引き返すな。間に合わない。このまま止まっていろ。そう言っていた。 それでも恐怖で上手く動かない足を動かし、引き返した。 もしかしたら助けられるかもという小さな望みが体を動かした。 女生徒の左側で急停止。 腰を落として、しゃがんでいる女生徒の腰に右手を回し、引き寄せる。 この時点で車は二メートル前に迫っていた。視界が光で埋め尽くされる。 考える時間はなかった。 反射的に道路についた左手を軸にして両足で地面を蹴り、 体を移動させることができたのはまぐれ、もしくは運が良かったと言うべきだろう。 車が一瞬前に自分たちのいた空間を通り過ぎる。と同時に俺は衝撃を受けた。 最初にゴォンという音と一緒に頭に激痛が走り、 次に鉄の匂いときつい香水の匂いがして、 最後に左手から、骨を伝って嫌な音が脳に届いた。 『ぐきゃ』 その音を最後に、 俺は意識を手放した。 795 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 50 37 ID sVWolwVr 月曜日。 大河内桜は早起きして台所で料理しながら変な歌を歌っていた。 「うっなばら♪ うっなばら♪ うっなばらせ~んぱい♪ きょうのおかずはハンバーグ~♪ ポテトサラダもたっくさんいれて~♪ ニ~ンジンもいっぱいいれました~♪ ぜ~んぶ た~べてくださ~いね~♪ さ~いごはわたしをたべちゃって~♪」 歌の内容のとおり、憧れの海原英一郎の心を射止めるための弁当を作っているのだ。 メインのおかずは一番得意なハンバーグ。 以前手作り弁当を食べてもらったときに一番の好評を得ていた。 食卓では定番のメニューだが時間がかかるため、朝作ることはほとんどない。 だが今日だけは別である。愛の告白という最重要イベント。 少しでも勝率をあげるためにはどんな労力も厭わないのだ。 「じゃあ、行ってきます!」 母に見送られ大河内桜は勇み足で歩き出した。 憧れの人が待つ学び舎という名の決戦場へ向かって。 796 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 52 49 ID sVWolwVr 今私は屋上で先輩を待っている。 学校の屋上と言えば昼食をとる学生たちで賑わうものだというイメージがあるが、 この高校は安くて美味しい料理を出す学食や、テーブルが設置されている中庭もあるので人が滅多にこない。 告白するには絶好の場所だ。 朝、先輩の下駄箱に 『屋上で待ってます。一緒にお弁当を食べましょう。 桜』 と書いた手紙を入れておいたから先輩はきっと来てくれる。 でも、さすがに先輩も今日この場で告白されるとは思わないはずだ。 もし、告白したら・・・ 「先輩。私は、先輩のことが好きです。初めて会った日から好きでした! 私を先輩の恋人にしてください!」 「えぇっ!え、あ、いやなんでていうかそういうのはもっとこう 長くお知り合いになってからのほうがいいのではないかと思うのだが。」 「もう私たちが知り合ってから10ヶ月目です。十分にお知り合いですよ。」 「し、しかしだな今月号の保健便りにも思春期の恋愛ではキスを許してしまうと 男が発狂してその先へ行ってしまうということが書いてあってだな つまり何が言いたいかというとだな俺とお前がそういう関係になった場合 俺が狂人にならないとは言えないわけでだな。」 「いい、ですよ。」 「ぇ?」 「私のファーストキスも、初めても、全部先輩にあげます。 ・・・先輩。私、本気ですよ。」 「・・・・・・・・・。 ・・・大河内。実は、俺もお前のことが―――――― 797 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 53 20 ID sVWolwVr 「大河内?来てるのか?」 「『そして私たちは顔を寄せ合い』って、へぁっ!?」 先輩の声が後ろから聞こえた。振り向くと左肩を壁に当ててもたれかかっている先輩がいた。 心臓が高鳴る。顔が紅くなるのがわかる。 まずい。いざとなると頭が回らない。えーと、『私のファーストキスも、』じゃなくて! そう!まず一緒にご飯を食べるんだった。告白はそのあと。 「手紙、呼んでくれたんですね。じゃあ、一緒にお弁当食べましょう。」 「待ってくれ。その前に言っておきたいことがあるんだ。」 「ぇ?」 まさかさっきの妄想が本当に? 嘘、え。やだ、嬉しい。どうしよどうしよ。 いや、落ち着け私。先輩の告白の言葉を脳に永久保存するために耳を澄ますんだ。 「大河内。実は俺な・・・」 くるっ! 「この間の夜、事故った。」 ・・・じこった? なんですかそれ。どこの国の言葉ですか?もし日本語だとしたらどの地方で流行っている告白の言葉ですか? しかし次の瞬間私は凍りついた。 先輩が体の後ろに回していた左手を私に見せる。 左手が、包帯でぐるぐる巻きにされていた。 798 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 54 22 ID sVWolwVr あの夜にあった出来事を大河内に話すことにした。 こいつには話しておいたほうがいいだろう。 「国道でうちの高校の女生徒が車に轢かれそうになってて、俺が助けようとしたんだ。 どうにか女生徒は無事だったけど、俺は左手をタイヤに踏まれて、この通りさ。」 明るい口調で喋ったつもりだったが、大河内の表情はさらに険しくなった。 「女をかばって、先輩が怪我をした、ってことですか」 「まあ、そういうことだ。」 事故のあとに目を覚ました俺は病院のベッドに寝ていた。 目を覚ました俺を見て両親は緊張の糸が切れたように座り込んだ。 聞くところによると、ガードレールの柱に頭を打って倒れていた俺を見て救急車を呼んでくれたのは 俺がかばった女生徒ではなく、散歩途中のおばさんだったらしい。 横断歩道に潰れた携帯電話や化粧品が転がっていただけで 女生徒らしき人影は見当たらなかったそうだ。 車はそのまま走り去ってしまったらしく、警察が調べてはいるが 人を直接轢いたわけではないので特定は難しいとのこと。 怪我の具合を聞いてみたところ、脳波や頭蓋骨・脊椎などに異常は無かったらしい。 「ただ・・・」と言葉を切った母の視線が俺の左手に向けられていた。 それにつられて見た自分の左手は、包帯に包まれて楕円形になっていた。 それを見て嫌な予感がよぎる。 軽く人差し指を動かしてみようとするが、動かない。ああ、やっぱりか。 左手が、まったく動かなくなっていた。 799 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 55 15 ID sVWolwVr ここまでの話を聞いた大河内の表情は、絶望の色に染まっていた。 「右手は動くし、左手は薬を飲んでおけば日常生活に問題はないから学校には通うことにしたんだ。 ちょっと不便だけどな。」 「・・・・・・・・・そうですか。」 いつもの明るい声も暗く沈んでいる。 何を言っても元気を出してくれないのではないだろうか。 「・・・完治は、するんですか?」 「医者の話では骨は元通りになるそうだ。 ただ以前のように動くかは経過を見ないとわからないってさ。」 「・・・・・・・・・そうですか。」 声を聞くたびに俺の気分まで落ち込んでいく。 こいつのこんな顔は見たくなかった。 (今告白したら元気、出してくれるかな。) 馬鹿か俺は。 ここまで落ち込んでいる人間にそんな話をしたら嫌われるに決まっている。 「あー、とりあえず弁当食べないか?作ってきてくれたんだろ?」 「・・・はい。すいません先輩。 私、急用を思い出しました。・・・失礼させていただきます。」 そう言って大河内は俺に弁当の包みを渡すと屋上から去っていった。 あとには俺一人が残された。 その弁当は確かに美味かった。 ハンバーグまで入っているということは相当に力を入れて作ったんだろう。 でも。 「二人で食べたらもっと美味しいんだろうな。」 誰もいない屋上でそんなひとり言をつぶやいた。 800 名前:あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/01/22(月) 22 56 06 ID sVWolwVr 先輩を屋上に残し、ゆっくり屋上のドアを閉めて、・・・そしたらもう我慢の限界だった。 (なんで!なんでなんでなんで!どうしてこんなことになってるのよ!) 声には出さないけど心の中では絶叫が響きわたっている。 いま自分がどんな表情をしているのかわからない。でも、きっと子供が見たら泣くのは間違いない。 絶望と、怒りと、悲しみが混沌を生み出している。なにがなんだかわからない。 くらくらする。眩暈がする。足がもつれて、階段を踏み外してしまった。 「いっっつう・・・うく、くぅ・・・うっうぅぅ・・・」 泣き出してしまった。痛みからではない。悲しみが堰をきって押し寄せてきたからだ。 先輩の左手が動かなくなった。そのうえ、元通りになるかはわからない。 直る可能性もある。でも、もし直らなかったら。 「そんな・・・そんなこと、考えちゃ、だめ・・・うぅぅ、く、ふ・・・ いや、そんなの・・・いや。だ、って、もしそんなぁ、ふぁ・・・ことに、なったら・・・」 先輩は剣道部をやめてしまう。 つまり、先輩とのつながりが無くなってしまうということ。 今まで私は先輩と『剣道部の後輩』としてしか付き合ってこなかった。 お弁当を作ることができたのも『後輩』だったから。メールでの話題も『剣道』のことばかり。 家に呼べたのも一緒に『剣道の練習』をすることができたから。 それは先輩が剣道部員だから成り立っている関係だった。 先輩に対して学校の上級生として接することもできるのかもしれない。普通の女の子なら。 でも私には無理。今までの人生で男の子とは『剣道』を通してしか関わらなかった。 そう。『剣道』が無ければ何もできないような臆病者なんだ。私は。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/436.html
201 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 18 43 43 ID LFkaEtXe とりあえず死の館は修羅場スレに行ったぞ 202 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/26(月) 19 01 19 ID OW4cXkow スカホモ期待age 203 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 21 28 18 ID PGH3ZGET ホモSS意外に秀逸だから新しくスレ立てたらどう? 204 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/27(火) 02 46 31 ID pta+JYpw ヤマネの作者さん、トリップ付けて頂けませんか? 205 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/27(火) 02 59 46 ID SjVy2vUJ あんま調子こいってっと潰すおw 206 名前:テスト ◆tr.t4dJfuU [sage] 投稿日:2006/06/27(火) 19 26 48 ID XBVld2ca ☆トリップのつけ方☆ 名前欄に#の後ろに適当な文字列を入れるとトリップが表示されます。 例えば、名前欄に テスト#1234って入れると、ここの名前欄みたいになります。 |ω・`) ヤマネの作者様と柚姫の作者様楽しませてもらってます 207 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/27(火) 23 26 56 ID Ra4CJZgD ・・・耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る 「お、おにいちゃん、ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!! 大漁だった?」 「ああ、んはああーーーーっっっ!!!ウッ、ウンッ、ウンコォォォッッ!!大漁だったよ」 「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、いやああああっっっ!!見ないで、お願いぃぃぃっっっ!!! な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ! 」 「…鯛とか、、、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!! ヒラメがいっぱい捕れたよ」 セリフを聞き、オジサンはびくんびくんと身体をひきつらせた ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!! 「はっ!はぁぁぁあんっ!おおっ!ウンコッ!!ウッ、ウンッ、ウンコッッ!!! ウンコ見てぇっ ああっ、もう イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」 チンコをしごく 「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ。」 「大漁っ!!イサキぃぃ!!ウンチぃぃぃぃウンコおにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう! ぶびびびびびびびぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!! ぁあ…ウンチ出るっ、ウンチ出ますうっ!! ビッ、ブリュッ、ブリュブリュブリュゥゥゥーーーーーッッッ!!!ボトボトボトォォッッ!!! 」 実話です。。きっと漁師の人との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。 208 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 00 12 57 ID cQkm5URQ 208 混ぜるなw 209 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 00 15 09 ID 5KKhGnG9 ドーマウスマダー? 210 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/28(水) 22 08 38 ID +IqfZxg9 このスレ終わったな 211 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/29(木) 00 20 08 ID wsJR1IXp なんならあげるか 212 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/01(土) 01 01 19 ID 7ks+ByZ+ スカトロホモSSおもろい 213 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/01(土) 18 12 38 ID BemoHQxQ なさけないが俺に出来る事は待つだけだ。 214 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 13 58 58 ID +DGhgtVy ではオレも待とう 215 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/06(木) 15 58 12 ID K+Tkpq5D スカホモSSきぼんぬ! 216 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 19 12 08 ID zbzpk0td 三月ウサギのモデルはひょっとしなくてもヒィーヤッハァ!電波だよぉ!電波電波電波ぁーー!の人? 217 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 19 48 37 ID JKeN3p5I 190の続き 「決まってる、決まってる、決まってるだろうとも。 君は知っているし、私も知っている。 なぜなら――私はあそこにいたんだよ?」 確信をつく言葉を、この上なくさらりと、マッド・ハンターは吐いた。 その言葉は、つまるところ、 「全て、知ってるってことか」 幹也の言葉に、マッドー・ハンターは両手をあげ、おどけたように笑う。 「全て、全て、全てと! 全てを知るものはいないよ。 私が知っているのは、君とヤマネ君の顛末くらいだ」 「僕にとっては、それがすべてだよ」 「そうとも、そうとも、そうともさ! 君は全てを失い、全てを手に入れた」 言って。 マッド・ハンターの顔から、笑みが消えた。 初めて――幹也が知る限り、初めて――真顔になったマッド・ハンターは立ち上がる。 手にもった杖で、こつん、こつん、と床を鳴らしながら、彼女は歩き始めた。 まるで、名探偵が解決編を始めるかのように。 「あの日、君とヤマネは、手に手をとって逃げ出した――」 唄うような言葉を聞きながら、幹也はその光景を鮮明に思い出す。 血と汚濁に塗れた少女を抱き寄せた夜のことを。 月明かりの中、二人で手を繋いで歩き出した。行くあてなんてどこにもなかった。 「もちろん簡単に逃げ切れるものじゃない――」 ヤマネも幹也も、お金も何も持たなかった。 お互い以外には何も持たず、駆け落ちのような逃避行だった。 218 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 19 50 07 ID JKeN3p5I 「私たちみたいな人間が好む場所、廃ビルや廃工場。その一つで、君たちは身を休めた――」 出来かけたままの鉄筋ビル。朽ちることもないのに、終わってしまった場所。 始まる前に終わった世界。 そういうものを彼女たちは愛していた。 幹也は、どちらでもよかった。退屈をしのげるのならば。 むき出しのコンクリートの上に座って、二人で身体を休めた。 「ヤマネは当然のように愛を求めて――」 お兄ちゃん、抱きしめてっ! ぎゅって! ヤマネはそう言って抱きついてくる。 「君は当然のようにそれを受け入れて――」 幹也は抱きしめる。いつものように。 強く抱きしめて、舌を動かす。食べるように。 けれど―― 「けれど、ヤマネは、そこから先を求めた――」 抱きしめていたヤマネが身を離す。 その顔は、すこしだけ膨れたような、恥かしそうな顔。 首を傾げる幹也に向かって、ヤマネははっきりという。 ――ちゃんと、抱いて。ね。 そして、スカートをたくしあげる。 初潮がきたかのような、返り血で濡れた、下着のない下腹部。 そして―― 「そして――君らは、一線を越えた」 219 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 19 56 35 ID JKeN3p5I 幹也は、ヤマネを抱いた。 初めての性交。返り血とヤマネ自身の血が混ざり合い、白い太腿を伝っていく。 身体から血が零れるかのように。 抱きしめた身体は柔らかく、細く、壊れてしまいそうだったことを幹也は覚えている。 痛いはずのなのに、最後まで、ヤマネが笑っていたことを覚えている。 そして。 一線を越えて。 「ヤマネは一線を越えて、さらなる幸せを得た。 問題は君だ――君もまた、一線を越えてしまった」 一線を越えて。 一線を越えて。 一線を越えて。 一線を越えて。 一線を越えて―― 「――一線を越えて、君が、ヤマネを愛してしまった」 こつん、と、杖の鳴る音が、すぐそばで止まった。 見上げる。すぐそこに、マッド・ハンターがいた。 口元は笑っていない。それなのに、その瞳は、堪えようもなく笑っているような気がした。 「勿論、勿論、勿論のこと――これは推測だよ。 君の中で何があったのか、私には判らないしね。 あくまでも傍から見た、私の推測。 それを踏まえたうえで聞くけど――君、彼女の事を、愛したんだろう? さんざん遊んでおきながら――初めて、本当に、心の底から愛したんだろう?」 幹也は。 心の中に退屈を飼う、誰に対しても情動を抱かないはずだった少年は。 マッド・ハンターの顔を見返して、はっきりと言った。 「――その通りだよ」 衝撃的な告白にも、マッド・ハンターはたじろぐことはない。 むしろ、何事でもないかのように、さらりと答えた。 「だから、君はヤマネ君を殺したんだね?」 そして、幹也もまた。 何事もないように、さらりと、「そうだよ」と答えた。 220 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 20 14 37 ID RUc4hVbb リアルタイムktkr 221 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 20 18 03 ID JKeN3p5I マッド・ハンターは続ける。 「愛しまったから、殺した。それとも、殺したから愛した?」 幹也は答える。 「一緒だよ。僕にとってはね。自覚したのはここ一年だけど」 「シザーハンズみたいな男だね、きみは!」 そう言って、マッド・ハンターは笑う。 幹也は笑わず、思い返した。 あの日、あの夜のことを。 自分の胸の中で喘ぐヤマネ。身体を突き入れるたびにがくがくと揺れる小さな身体。 ――自分のことを好きだから、他の全てを排除しようとした。 ――自分のことを好きだから、家族を殺した。 ――自分のことを好きだから、彼女は今、ここにいる。 身体を重ね、彼女の心について考えて、初めて――愛しいと思った。 そしてその瞬間には手が伸びていた。いや、その瞬間より前に、手は伸びていた。 ヤマネの首へと。 そして、愛しいと思った瞬間は。 自分の胸の中で、ヤマネが動かなくなった瞬間なのだから。 自分のために生きた少女。自分のために死んだ少女。 その骸を抱きしめて、幹也は初めて――彼女を好きだと思ったのだ。 好きだと思えた。 退屈でないと、思ったのだ。 「君は、ヤマネのことが好きだったのかな?」 「好きだよ」 幹也は答える。 過去形ではなく、今も好きだ、と。 その言葉を聞き、マッド・ハンターは鬼の首でもとったかのように言う。 「君の『先代』――12月生まれの三月ウサギに対しても、君は同じように言ったね。 好きだ、って。それはつまり、つまるところ、そういうことなの?」 嘘を言っても意味がないので、幹也は正直に頷いた。 それだけで、充分だった。 その意味に気づいているマッド・ハンターは、ここでようやく、けたけたと笑い出した。 もはや笑いを堪えることができなかったのだろう。 222 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 20 22 06 ID JKeN3p5I 「傑作、傑作、傑作だ! 彼女を殺したも君か!」 「半分は事故だけどね」 いつものように、窓辺で会って。 いつものように、首をしめて。 いつもと違って、転落した。 それだけのことだ。 「文字通り『退屈しのぎ』か! だから君は彼女を好きになったわけだ。 そして、次の三月ウサギになったのね。 シザーハンズよりも質が悪いじゃない!」 「人のこと言えるのかよ。質が悪いのは一緒だろ、マッド・ハンター。 話聞く限りじゃ、後つけて死体始末したんだろ。 僕は放置して帰ったのに」 その言葉に、マッド・ハンターはわざとらしいため息を付いた。 やれやれ、とばかりに肩を竦める。 その仕草が少しばかり気に入らなかったけれど、幹也はつとめて無視した。 マッド・ハンターは子どもに言い聞かせるかのように、 「仕方がない、仕方がない、仕方がないよ。 私は『首切り女王』のために働く、しがないマッド・ハンター。 狂気の帽子屋、兇器の狩人。死体専門だけどね。 『狂気倶楽部』の『外』で起きた問題の後始末係さ」 「いやな役だよな、それ。楽しいか? できれば――僕に関わってほしくない役だ」 「『裁罪のアリス』のような処刑人を送り込まれないだけありがたいと思いなよ。 それにもちろん、役得もある」 言って、マッド・ハンターはくるりと踵を返した。 幹也から離れて、さらにもう一回転する。 距離を取り、向かい合って、マッド・ハンターはポケットに手を突っ込んだ。 そこから取り出したのは、小さな透明のペンケース。 ただし、中に入っているのは筆記用具ではない。 入っているのは――長い、栗色の髪の毛。 「という、というわけで、ということだよ。私も私なりに役得がある。 君は私より、自分のことを考えるべきだと思うよ。 また逃避行を続けるのかい?」 マッド・ハンターの言葉に、幹也は「あー」と厭そうな声を漏らす。 「どうせ退屈だし……しばらくここにいてもいいけど。 日本の警察って有能らしいし、」 また逃げるかな、そう言おうとした。 その言葉が――言えなかった。 223 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 20 24 35 ID JKeN3p5I 「――大丈夫だよっ、お兄ちゃん!」 言ったのは、幹也でもマッド・ハンターでもなかった。 二人のどちらでもなく、この場にいる最後の一人の声。 場にそぐわない、能天気なほどに明るいグリムの声。 その声に、続いて。 ――ズド、と。 厭な、本当に厭な音がした。 「え――あ、?」 幹也は、ゆっくりと、ゆっくりと顔を下ろす。 そこにいるのは、グリムだ。生きている少女。 けれど。 揺らぎ始めた視界のせいで、その姿が、なぜだかヤマネとかぶさって見えた。 そう――視界が、揺らいでいった。 思考と同じ速度で、景色が歪んでいく。 その原因を、幹也は、不安定な中で確かに見た。 ――自分の腹に突き刺さった、小さなナイフを。 おかしなことに、痛みはまったくなかった。ナイフは確かに腹に刺さっているのに、痛いとも思わない。 ただ、熱い。ナイフの柄を伝ってぽたり、と血が流れ出る。引き抜くまで、血は大量に流れはしない。 熱い。ナイフが熱を持ったかのように熱い。どうしようもないほどに、熱い―― そして、目の前には、温度を感じさせない――能面のような、グリムの笑み。 「だって、お兄ちゃんはもうどこにもいかないんだもんっ! ずっと、ずっとグリムのものだよ」 グリムは二本目のナイフを取り出す。 そのナイフが、股間ぎりぎりの太腿に、ホルスターのようにしまわれたものだということにようやく気づく。 倒錯行為は、性行為ではない。あくまでも、相手を捕食するかのような愛撫。 普通の性行為をしていれば気づいたであろうそれに、幹也は気づかなかった。 気づいたときには、遅かったのだ。 幹也の視線に気づいたのか、グリムは二本目のナイフをちらりと見て、 「最近物騒だもんねっ! でも大丈夫、お兄ちゃんはグリムが守ってあげるよっ!」 言って――グリムは、二本目のナイフを、幹也の脚に突き刺した。 ――今度こそ、激痛がきた。 224 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/06(木) 20 26 07 ID JKeN3p5I ちと小休憩 206氏 トリップ参考ありがとうございます タイトルとともに、トリップつけてみました 225 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/06(木) 20 26 11 ID JahDVCLU 「一発やっかぁ」 カーキ色の詰襟を脱ぎ捨てると、縦じわでよれよれの前垂れを整えた。操作パネルの前に立ち股を開く。 既に燃料を充填し、俺のテポドンは俺の合図を待つ。 身体を横にして鏡に映すと、前垂れを持ち上げて、金剛山がそこにあった。 「俺の外交カード一本のテポドンだぜ」声に出していう。 「男はやっぱテポドン」 やおら前袋の脇から、ズルムケ状態のミサイル発射キーを取り出す、手にオイルをたっぷり取り、逆手で鍵をこね回す、 「ヌリュッ、ヌチョッ」音が日本の政府中枢を更に刺激する。 「テポドンたまんねぇ」扱きに合わせて、身体を上下させる。 「男のテポドンにゃあこれだよ」人参茶を吸い込む。 「スッ、スッ、スッ、スッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。 「ノドン、ノドン」「高麗のテポドン」 頃合いをみて前垂れを引き抜く。俺は自分のこの格好が好きだ。 38度線だけが地図に残り、孤立した祖国のバックに、ロシア・中国控えて、国旗を振り、左手で外交ルート引っ張り、右手でヌルヌルと発射キーを扱く。 ミサイルサイトの中の俺は、朝鮮一の伊達男になっていた。 「ちきしょう誰かに見せてやりテェよ」発射時間が近付くと、いつもそう思った。照準をもう一度効かせ、燃料を追加すると、東海へ向かってまっしぐらだ。 「男になってやる」「テポドン一本のほんまもんの男」 「うりゃ、そりゃ」「ズリュッ、ブチュッ」しぶきを飛ばしながら、クライマックスをめざす。 「たまんねぇよ」サイトの奥から、激しいうねりが起こった。やがて轟音となり、俺を悩ます。 -だしてぇ- -もっと扱きてぇ-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。 「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、それに備える。轟音は堰を切ろうとしていた。 「男一匹 ! 」「ぶちっ」 発射口を押し分けて、白い塊がしゃくり出される。 真っ白い時間が過ぎ、目の前が現実に戻る。 226 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/06(木) 20 27 14 ID JahDVCLU 「もういっちょ男になってやろうじゃねぇか」 ミサイルの上から、核弾頭を装備する。爪で引っかくように、信管の部分を擦った。 チリチリとしたガイガーカウンターの反応に、鏡の中のグラサン野郎が顔を歪めた。 左手は、操作パネルに突っ込み、発射ボタンを掴んだ。そのまま腰を落としももを割る。 「おやじの主体思想最高だぜ」声に出す言葉で、自分を挑発する。 「民族服一丁朝鮮男児のテポドンだぜ」「俺のこの男っぷり見てやってくれっ」 辛抱たまらなくなって、前垂れを抜き取る。右手にオイルたっぷりで、左手に発射キー構える。 「おうっ」弾頭の先から、ミサイルの根元へ、ヌルンと扱き下ろす。 「スッ、スッ、スッ、スッ、ス-ッ」きつめに人参茶決めたら、暫く呼吸を止める。 血圧が下がり、脳の中を テポドン だけが、支配する。 「ピチッ、ヌチョッ、クチャッ」弾頭の辺りを通過する度、くぐもった擦過音が響いた。 先ほど来動かし続けていた照準を、ギュッと南方へ引っ張る。 国交正常化の議論が引き延ばされ、緊張がテカテカに突っ張る。逆手で発射キーを握ると、グリグリと回転させる。 「これが俺の日本攻めだぜ」強い刺激に腰が砕けそうになる。国旗を前後に振ると、一層感じる。 燃料を追加し、改めて人参茶を吸い込む。 「スッ、ス-ッ、スッ、ス-ッ」一旦止めて効果を待つ。 滴る程の燃料と、やけに効く人参茶で、男入りまくり状態だ。 「テポドン、テポドン男のテポドン」「高麗一番男のテポドン」 言葉が快感を呼び、刺激が男をくすぐる。 「スッ」軽く吸う。蟹股でサイトの中を歩く、 「ス-ッ」男気が溢れ、どうしようもなくなってくる。 「ス-ッ」反り返り脈打つ発射キーを、渾身の力を込めてひねる。 「たまんねぇ、勘弁してくれ」 「スッ、ス-ッ」 「きたぜ、くるぜっ」 そんきょ の体制で、日米の防空システムに備えた。押し寄せる国際世論の批判は、もはや留まることを知らない。 「おりゃっ男一匹」 いつもの決め言葉で、噴出が始まる。その回数に合わせ国旗を振った。 やがて東海の潮が引き、ヌルヌルと日本政府の抗議を楽しむ。 次第に呼吸が整ってくる。 227 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 20 46 27 ID Hf/Ddept 224 くぁあああ―――!!!!!? なんてこった!?主人公死亡!?妹は!? 228 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/06(木) 22 11 19 ID RUc4hVbb なんかアレだ、西尾維新風味 229 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 00 16 35 ID 75kkItTs 225 226 まさしくオナニーですな 230 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 00 57 14 ID cvRvkhCJ 224 うは、そう来たか…… 主人公の生死が気になるところだけど、妹が一切出てこないところも気になるな 続きをのんびり待ってるよー 231 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 02 47 26 ID o2ZDRdQd キタキタキタ━━━━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━━━━━━━!! どうなるんだ主人公!? 232 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/07(金) 03 10 44 ID Glt+jWen 今でもあるかどうか解らんが電・・・某大手広告代理店の宴会ゲイ(芸)は 凄いらしい。人の頭にチンポをのっけて「ちょんまげ」や、水を口に含んで 仰向けに寝て、そいつの顔の上にケツ丸出しでしゃがんで菊門に水を拭き 掛けられる「ウォシュレット」なんかはまだ甘い。 電・・・某大手広告代理店には「おでんやさん」と言う宴会ゲイ(芸)が あるらしい。その内容は・・・・・・・ まず、下半身全裸にエプロンを付けた男が店のオヤジ役で客役の男が店に 入ってくる。親父「いらっしゃい!!何にします?」 客「わかめ有るかい?」 親父「おでんやにわかめはなぁ・・・」 と言いつつ親父のエプロンを捲くり上げ親父の陰毛を箸で・・・以下略。 客「餅入り巾着有るかい?」 親父「へい、餅入り巾着お待ちっ!!」 と、親父のエプロンを捲くり上げ親父の玉袋を箸で摘み・・・以下略。 客「ちくわ有るかい?」 親父「へい、ちくわお待ちっ!!」 と、親父のエプロンを捲くり上げ親父のチンポを箸で摘み口に咥えた瞬間 女子社員「キャーーッ!!」と言う悲鳴が宴会場全体に響き・・・以下略。 これで就職活動中のゲイ学生達からの人気が上がるな。 233 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/07(金) 03 12 06 ID Glt+jWen テポドンといえば、斜め上をいく国の将軍様が発射する、 勇壮なミサイルとして、この地方に知られている。 発射のあと、ミサイルは予測のコースをはずれ、日本海に落っこちて、放置される。 ミサイルは、激しい発射でドロドロボロボロになるから、使い捨てで、ゴミとして出される。 俺はいつもそれが狙いだ。 捨てられているミサイルの、できるだけ汚れてる奴を10数本ほど、 こっそりさらって家に持ち帰る。そして、深夜、俺一人の朝鮮戦争が始まる。 俺はもう一度汚れたミサイルをまたぐらに挟み、部屋中にかっさらってきたミサイルをばら撒き、 ウォーッと叫びながら、ミサイルの海の中を転げ回る。 汚れたミサイルは、腐食した燃料の臭いがムンムン強烈で、俺の性感を刺激する。 前袋の中のマラは、もうすでに痛いほど勃起している。 ミサイルの中に顔を埋める。臭ぇ。 汗臭、アンモニア臭や、独特のキムチ臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。 臭ぇぜ、ワッショイ! テポドンワッショイ!と叫びながら、前袋ごとマラを扱く。 嗅ぎ比べ、一番キムチ臭がキツイやつを主食に選ぶ。 そのミサイルには、キムチ汁の染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。 そのミサイルの燃料注入した奴は、発射台で一番威勢が良かった、五分刈りで髭の、40代の、 ガチムチ朝鮮人だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、 思いきり嗅ぎながら、テポドン臭ぇぜ!迎撃してやるぜ!と絶叫し、マラをいっそう激しく扱く。 他のミサイルは、ロケット発射基地のようにあちこちに立たせ、ガチムチ野郎のテポドンを口に銜えながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながらマラを扱きまくる。 そろそろ限界だ。 俺は前袋からマラを引き出し、テポドンの中に、思いっきり種付けする。 どうだ!燃料注入してやったぜ!もう一度撃ち込んでやるぜ!と叫びながら発射し続ける。 本当に燃料を入れてる気分で、ムチャクチャ気持ち良い。 ガチムチ野郎のテポドンは、俺の雄汁でベトベトに汚される。 金成日さんよ、貴様はもう俺のもんだぜ! 朝鮮戦争が済んだあと、他のミサイルとまとめて、ビニール袋に入れ押し入れにしまい込む。また今度、ミサイルを手に入れるまで、オカズに使う。 押し入れにはそんなビニール袋がいくつも仕舞ってあるんだぜ。 234 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/07(金) 03 14 16 ID Glt+jWen 何日も穿き続けて野郎の染みが付きまくったケツワレやボクサー、 六尺なんか着けたまま、「クッセェクッセェ」言いながら俺とやんねーか? 3日ぐれぇ風呂入ってねぇ男臭プンプンな状態でよぉ。 オレ的には六尺褌が好きなんやけどよぉ、汁汚れだったらなんでもいいぜぇ。 俺が今穿いてんのは2ヶ月ぐれぇ洗ってねぇボクサー。 しょっちゅう穿いては ズリこいてんぜぇ。 雄汁とションベン染みでかなり臭っせぇ。 これから六尺も育てるつもりだぜぇ。 お互い臭せぇの穿いたまま普通に会ってぇ、そとに匂ってもかまわねぇ。 服脱いだら 溜まってた匂いがモワっと飛び出すぐれぇがいい。 あとは野郎同士対等に股ぐら押し付けあってぇ匂い嗅ぎ合ってぇ、 野郎のすべてをさらけ出そうぜぇ。 そのままションベン漏らしてもいいなぁ。 ぶっかけ合ってもいい。 なんならでっけぇクソも出すぜぇ。 臭っせぇの穿いたままションベン・クソ漏らし。 たまんねぇな。 男臭せぇな。 そんなん好きなやつおるか? 170×60×33 坊主 竿(ちんぽ)もでかいぜぇ。 235 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 23 41 09 ID g7+EvTYW 白い湯気が立ち上ぼる中に、湿った音が響く。 白いタイルが敷き詰められ、すこし値の張りそうな石で出来た浴槽に二つ、絡み合う志摩と柚姫がいる。 「あぁ…ん…あは、志摩くんとお風呂…入る…の久し振りだね」 形の良い胸を押し当てて、顔を赤くした柚姫が呟く。志摩は無言で柚姫を抱き締めると、そのまま柚姫の口を塞ぐ。 「ん…ふ…」 舌と舌を絡ませて、二人の身体が更に近付く。 「し、まくん」 切ない表情で柚姫が瞳を除き込む。その顔は、これからを期待している。志摩と柚姫が普段よりもっと自分達を近付ける行為を。 志摩は無言で柚姫の腰を持ち上げると、そのまま自分のモノを挿入した。 「あぁ!…はぁ…あ、き、気持ち良いよぉ…しまくん…」 そのまま身体を揺らす。湯船に大きく波紋が広がり、浴室にいやらしい音が鳴る。形の良い乳房が震えて、それが志摩の欲情を更に掻き立てる。 236 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 23 42 55 ID g7+EvTYW 「ん…ぁ…しまくん…」 柚姫が切なそうに志摩を眺める。瞳は、もう彼を映していない。どこか遠くの何かを見つめている。 「キス…して…ん!」 身体が熱い。唇が溶けそうになるくらいに柚姫の口を塞ぐ。舌が絡み付いて、指を繋ぎ会って、目と目は互いを結んでいる。 志摩は白い湯気を邪魔に感じた。それが二人を阻む壁みたいに思えたから。 「…っあ…あぁ!」 柚姫の身体が震え始めた。まるで心を押し出すように、感じる快感をより味わうように、そして志摩ともっと触れ合う為に。 「はぁ…あっ!し、志摩くん…す…きぃ…あぁ!」 もう、何もかもが良くなって、志摩は腰の動きを速める。 「しまくん!あっ、あぁ!んっ…し…ま…あぁぁ!」 柚姫が一際高い声をわずかに出して、静かになる。身体は浴槽に投げ出されて、長い髪が水面をそっと泳いでいる。 惚けた顔の柚姫の顔に、志摩は堅くなったものを近付けた。 「あぁ、志摩くん。まだ…イッてないの?それ…じゃあ…お姉ちゃん…のおくち…使って?」 そして、だらしなく開いた口に志摩はそれを差し込んだ。 「んむっ!はむ…ん…」 口の周りから涎が溢れて、卑猥な音を立てる。オレンジの光がそれを卑しく照らした。 237 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 23 43 56 ID g7+EvTYW 「くぅ、柚、姫っ」 口内と舌のはい回る感触と、志摩を美味しそうに咥えた柚姫の顔。紅がさした頬に、先に当たる喉の感覚。視覚と触覚に信号が走る。 「柚、姫っ、もう…」 自分が達したのを感じる。多少のためらいは在ったが、柚姫の柔らかさがそれを流した。 「ん…」 柚姫は更に深く咥えると、喉を刺激するものを飲み込んで行く。 「ふぁっ」 ひとしきり飲み込むと、ゆっくりと口から志摩を出す。そうしてまた先をアイスを舐める様にして舌を這わすと、うっとりとした様子で志摩を見つめる。 「ごちそうさまでした」 愛らしい口元と、綺麗な瞳を歪ませた姉を見て、志摩は静に額を撫でた。 天井から落ちた水滴が、水面にゆっくりとした波紋を描いた。 238 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/07(金) 23 50 02 ID g7+EvTYW とりあえず以上です。 少し私生活がドタバタしていて、執筆が遅れてしまいました。 未だにヤンデレっぽくなっていませんが、なんとかそうなる様にしますので、しばらくお付き合いしていただけたら、と思います。 239 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/08(土) 00 56 25 ID 4n3gBSgU <雄のスケベ>の基本は<センズリ> 複数・乱パ・ケツマンもこなしてみたが、やっぱり<雄のスケベ>は<<センズリ>> そこいらのオナニーイベントでチンコ起てても満足できねえマジなズリ野郎で、野郎の センズリ・テメエの変態さらけだしてヤリてえ奴、できる奴。 雄ズリ・変態センズリがかませる自信のある奴のみ書き込みをしてくれ。 <マッ裸にリング重連>は当たり前でズリやり放題、ぶっ倒れるまでヘロヘロでやってる 奴のみ歓迎だ。 <鏡>の前で、乳首つまんで腰落としスケベ言葉吐きながら腰ふってセンズリ! <窓際>で、とにかく見せつけ願望爆発「ほら、見ろよ」「見られて~」連呼ズリ。 <野外>で、マッ裸にリングかましてマラおっ起て、露出徘徊、見せ合い・濃き合い。 <部屋>で、変態ズリやってる所へいきなり来るなり服を脱ぎ捨て、オラオラ見せ合い。 <連呼ズリ>とにかくチンコ・マラ・センズリ連呼しっ放しで雄マラ扱き上げ。 <体育会>複数の先輩の前でセンズリ披露。最後は全員から雄汁あびせまくり。 <亀頭責め>手足拘束、目隠し、縛り、寸止め、強制連射であえぎ放題。 <複数>で、ヘロヘロでマラリンおっ起て、濃き上げ、ぶっかけ合い集会。 <リング>重連かまして、ギンギンマラ見せつけ合い、金属音たててマラ扱きまくり。 <変態>仮面つけて極限まで変態さらけだし、金玉に錘ぶらさげてオス連呼のマラ扱き。 <テレセ>でド派手に一発! 240 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/08(土) 00 57 10 ID 4n3gBSgU 久々に褌を締めて短ラン・ボンタン姿で野郎と気合いを入れあった。 野郎は褌が初めてで、きつく締め上げると「つぶれるー。」と絶叫。 そして、俺の長ラン・ドカンを貸して着せてやると、もうビンビン。 一応、俺が後輩って形にして気合いを入れてもらった。 野郎はすでにハイテンションで、俺の毛を剃り、竿を舐めまわした。 俺は逝きそうなのをひたすら我慢。「押忍!押忍!」を連呼。5分後に昇天した。 「おい、優(仮名)。そんなに俺のが欲しいか?」 裕紀(仮名)が言い出した。要領を得たようだ。 「押忍。先輩のが頂きたいです。」と、答えた。 「よし、脱がせろ。」と言われ、俺は優のドカンのチャックをゆっくりと降ろした。 チャックの向こうには白の褌がある。勃起している。 我慢汁が少々出ている。 全裸の俺は右手で撫で回した。すると、当たり前のことだが、裕紀の竿はますます勃起。 裕紀のドカンをひんむいて、夢中で褌をはずした。 そして、裕紀を押し倒し、竿をひたすら上下に口で扱く。 「おお、優。いいぞ。あー。」裕紀はあえぐ。 昇天。 「押忍。先輩のをありがたくちょうだいいたしました。 ごっつあんです。押忍。」 また、褌を堅く締めてやる。 241 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/08(土) 00 57 50 ID 4n3gBSgU いつもオナニーする時は、素肌に短ランとボンタンを着る。裏地が肌に触れる瞬間が、たまらない。ボンタンのシルク地の部分が冷たくてたまらない。準備ができた俺は、家を 出ていつものコンビニへ入る。夕方、人で混んでいる時しか行かない。人の目が必要だ。 短ラン、ボンタンを見せ付けながら歩く。店内の客は、なんだこいつ?みたいな目つきで 俺を見る。興奮する。勃起する。ボンタンにテントが張る。ガマン汁が出るのを感じる。 俺の短ランはボタンが4つしかなく、背中が見える。ボンタンは袴のようで、歩くたび 布が擦れる音がする。尻の部分は、すりきれて光っている。何年も使っているからだ。 一通り人の目で感じた後、缶コーヒーを買い店を出る。一口飲み、残りは短ランの襟首か ら流す。コーヒーが背中を伝わり、股間に達する。再度感じる。再度勃起する。しかし、 決して触らない。次に本屋へ入り、店内を歩く。視線を感じる。いい年こいて何着てんだ こいつ? ばかじゃねえの? 消えろ!! 俺を見下すような視線が来る。そんな奴の隣 で立ち読みする。再度感じる。再度勃起する。限界が近い。短ランボンタンを見せ付け、 店を後にする。家に着き、内側に大量のローションをかける。冷たい、感じる。ぬるぬる する感触がたまらない。限界だ。しごく、しごく、しごく。出そうになり、止める。シャ ワーを頭からかぶる。濡れた短ランボンタンが肌に張り付き感じる。しばし放心状態にな る。また、しごく。やがて体の芯から感じてくる。限界に達し、発射する。発射する。 発射する。全身がだるくなり、力が抜ける。だるい。 こんな俺は、おかしいのか・・・。 242 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/08(土) 00 58 45 ID 4n3gBSgU 5年くらい前の話。夜中に駅前で酔っ払って寝ている学生を見つけ、タイプだったんで部屋に連れ帰った。 意識朦朧の学生をベッドに寝かしつけ、ジーンズを脱がしてチンポを弄んだ。 その日はそれだけで終わったが、それから学生とはちょくちょく飲むようになり、 飲む度に俺の部屋に泊まっては夜中にイタズラをしていた。 学生もそれを知っていることは明白で、半年もすると夜這いを待つようになっていた。 寝たふりする学生にフェラやローションでの手コキとやりたい放題を楽しんだ。 そのうちアナルに指を入れても抵抗しないどころか、体をくねらして快感をあらわにしたんで、 「感じるのか」と耳元で聞いた。すると目を開けて大きくうなづくと俺にしがみついてきた。 風呂場に連れて行って、シャワ浣してやり、ゴメを仕込んでプレーを再開したら、 いままで寝た振りしておとなしくしていたのが嘘のようにもだえ出した。 ノンケが快感に苦しむ姿は最高だった。キスも自分から進んでやるくらいにまでゴメもきいてきて、 いよいよ生で学生のバックに挿入した。 学生は大きく息を吐くと、俺の背中に腕を回してしがみついてきた。 ゆっくりそして早く俺が動くと、涎をたらしながら自分から腰を振ってきた。 チンポは半立ち状態ながら、先からは我慢汁がたらたら流れていた。 マッハピストンすると、学生は大きな声で叫びながらチンポから精液をだらだら流した。 俺もそれを見てアナルからチンポを抜き取ると、学生の腹の上に精液をぶちまけた。 その夜は精液でまみれた体のまま、抱き合って寝た。でも学生とはそれが最後となった。 俺が電話しても、もう怖いからと言って会おうとしなかった。 去年、久しぶりの電をしてみると、学生は結婚していた。 243 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/08(土) 06 17 58 ID PWJMlDdn 238 志摩エロス! ヤンデレ化をwktkしながら待ってる! 244 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/08(土) 15 07 11 ID 9GWliHWX 神スレだ。 終わらないお茶会 由貴作品ヲタの私にはたまりませんな。 童話、倒錯、殺戮、最高です。 かまいたち風味の死の館が気になるので修羅場スレでも覗くかな 245 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/08(土) 23 57 06 ID 0aKP1kMy さっき、国道でやったねずみ取り凄かったです!ガチムチの色黒警官が止まりなさい連呼で スピードガン車にぶちこみ旗振ってました。俺も飛ばしすぎて停車命令食らい無様に 停車さらしました。違反キップ出されたときは一瞬怒ったけど、警官の「いやなら 留置していいんだぜ!」の一言で覚悟決め、生まれて初めて罰金取られました。そ の後、嫁に違反ばれてビクビクの顔、思いっきりしばかれ派手にコワモテ 嫁の顔に返り血飛ばしました。スッゲー男らしく気持ちよかったです。もうしないんで 勘弁して下さい!帰ってから丸刈りにして、また反省しまくってます! 246 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/09(日) 00 38 23 ID 4LprU5lj 今一から全部読んだ お茶会がとてもおもしろい でももう終わっちゃうのかな? 247 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/09(日) 02 32 12 ID fIs+//23 妹もまだ生存してるしまだ終わらないと期待! ぜひキモウト化してほしい 248 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/09(日) 09 25 14 ID JTvDRLKc キモウトは重要だよな 249 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/09(日) 14 43 14 ID vI9fEzVX ,、ァ ,、 ";ィ ________ / /l l ─- 、 ;;;;;;;;;`゙゙ ‐ 、 __,,,,......,,,,_/ / !| . `゙ ヽ、 ゙ヾ´ `゙゙゙ ‐ 、. l| 、、 . r " ノ ぃ ヽ ヽ! .ヽ ゙ヽ; ノ /" \- 、 . \ ゙、 ./ (・ ) ,...,(・ ) 、 で ? 248 r、r.r ヽ 、 / _ `゙ ‐ " __,, ,,,,___ r |_,|_,|_,|`ヽ、 ;;;、、--‐‐ ,,iニ- _| 、-l、,},,  ̄"" ¬- |_,|_,|_,|_,|、-‐l "´ ,、- " ,.X,_,,、-v " ゙ yr-ヽ / ゙゙ ヽ、, |_,|_,|_人そ(^il ;、- " ,.- ゙、""ヾ r-;; l 冫、 ヽ、 | ) ヽノ |l;、- ゙ ,/ ゞ=‐ "~゙゙ ) ./. \ | `".`´ ノヽ ..,.r ゙ ,,. ,r/ ./ ヽ 入_ノ ン;" . "´ ゙ ´ / ゙、 \_/ // {. V / / ./ , / / / . ,. 250 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/10(月) 16 03 32 ID Lbz4mgYo むしろマッドハンター萌え。 251 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/10(月) 22 01 27 ID vXuk/tlv このスレ見てると荷電粒子砲や高出力レーザーを思い出すのは漏れだけですか 252 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 00 42 18 ID EZmKUEih 251 あ、俺がいる。 マッドハンターと聞くと、まずそっちが思い浮かぶなぁ…… 253 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 00 54 22 ID hLZ81WVJ 天使禁猟区のベリアルを思い出します。 254 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 18 57 10 ID /EufeoYV 「雨に――唄えば――」 いつものようにいつもの如く幹也は歌う。唄のワン・フレーズ。雨に唄えば。 狂ったオルゴールのように、退屈を紛らわせるかのように、幹也は歌う。 「――雨に――唄え、ば――」 唄うたびに腹と足が痛む。抜くと血がこぼれるせいで、刺したまま抜いていない。 放っておけば死んでしまうだろう。 抜けば致命傷になるだろう。 適切な治療をすれば、助かるだろう。 けれど、幹也は、そのどれもを選ばなかった。 椅子から転げ落ち、本棚に背を預けて座り、ただ唄う。退屈しのぎの唄を。 「あ、めに――うたえ――ば――」 腹に力をいれず、喉だけで唄うので声は小さい。 それでも身を動かすたびに、腹と足の傷が痛んだ。 足に刺さっているせいで、動くこともできない。 そして――地下図書室にいるもう一人。 マッド・ハンターは、にやにやと笑ったまま、動こうとはしなかった。 助けることもなく、ただ、見ている。 見ている、だけだ。 「どうして、どうして、どうしてなのかな? 君がその唄を好きなのは」 椅子に座ったままマッド・ハンターが問う。 幹也は顔だけを動かして、 「あの映画でさ……唄いながら蹴り殺すシーンがあるんだよ」 シンギング・イン・ザ・レイン、ではなく。 時計仕掛けのオレンジ。 主人公が「雨に唄えば」を口ずさみながら、まったく無関係の、罪もない人間を、愉快げに蹴り殺すシーン。 その情景を思い浮かべながら、幹也は続ける。 「あれが楽しそうでね――全然、退屈そうじゃなくて。 そう思ったら、癖になってたんだよ」 「そうかい、そうかい、そうなのかい。それで、君は退屈から逃げられたの?」 「まさか」 幹也は笑い、 「退屈だよ。今もね」 255 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 18 59 03 ID /EufeoYV マッド・ハンターも笑って、「死に掛けてもそれなのね」と笑った。 幹也は顔をマッド・ハンターから逸らす。 視界にあるのは、本棚だ。 かつて狂気倶楽部にいた人間が書いた小説。あるいは日記。 自分も何か書こう。そう思った。 ただし、すべては生き延びればの話で――このままだと自分が死ぬことを、幹也は自覚していた。 「君はどうするんだ」 ふと思い立って、幹也はそう問いかけた。 顔を再びマッド・ハンターへ向けると、不思議そうに首を傾げているのが見えた。 「なにが、なにが、なにがだい? どうすると言われても。 もう少ししたら、『盲目のグリム』よろしく帰ろうかな」 「あの子……やけにあっさりと帰ったけど。なにがしたかったんだ?」 「君を殺したかったんだろう、殺したかったんだろうね。 そうすれば、自分だけのものにできるから。 ……いや、でも違うかもしれないわね。 単に君の両足をぶった斬って、二度と離れなくするのかも」 ――どちらにしろ、彼女じゃない私には判らないよ。 マッド・ハンターはそう言って、言葉を切った。 幹也を刺したグリムは、あっけないほどに外へと出ていってしまった。 帰ったのか、何か用事があるのか、幹也には分からない。 ただ、ああまで言っていた以上、戻ってくるのだろう。 そして、戻ってきたときに幹也が死んでいても――それでも構わず愛するのだろう。 「――で、きみはどうするんだよ。 ヤマネにしたみたいに、死んだ僕の髪の毛でも持っていくのか?」 「まさか、まさか、それこそまさかだよ!」 両手をあげてマッド・ハンターは笑い、 「私は死人の髪を集めて『帽子』を作る 狂った狩り人(マッド・ハンター)にしてイカレ帽子屋(マッド・ハッター)だけどね。 あいにくと、狩られるのはごめんです」 「狩られる……? グリムにかい」 マッド・ハンター答えずに、ただ笑うばかりだった。 幹也は肩を竦めようとして、腹に刺さったナイフが動き、痛みに「う、」と声を漏らしてしまう。 できることなら、大声で叫んで、痛みに泣きまわりたい。そう思った。 そうしなかったのは、それが単に――面白くないことだからだ。 そんなことをしても、退屈は紛れない。 殺したいなあ、と幹也は思った。先輩のように。ヤマネのように。 256 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 19 00 17 ID /EufeoYV 「愛したいなあ……」 けれど、口から漏れた言葉は、まったく別の言葉だった。 あるいはそれは――幹也にとっては、同じ意味だったのかもしれない。 「ああ、うん。そうだね――愛したい」 幹也の心を占めるのは、退屈だ。 けれど、その退屈に混じって――その思いがあった。 今更ながらに、理解する。 愛が欲しいのだと。 そして、愛されたからこそ、里村・春香は死んだのだと。 今更ながらに、理解する。 「雨に――唄えば――」 再び唄い出す幹也。 その唄を聴きながら、さりげなく、本当にさりげなく、マッド・ハンターが言った。 「そういえば、そういえばだけれどね。最近グリムの他にもう一人、新人が来たわよ。 君と同じように、その唄が好きな人」 へぇ、と幹也は気なく返事をする。 マッド・ハンターも、さぞかしどうでもいいことのように、言う。 「『女王知らずの処刑人』。八月生まれの三月ウサギ。君の後輩だよ」 その言葉に、答えるかのように。 喫茶店『グリム』の入り口扉。 その扉が、ゆっくりと、開いた。 257 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/11(火) 19 02 28 ID /EufeoYV 気付けば結構長くなっていました。 ここまで読んでくださってありがとうございます。 残り一話で、とりあえずは終了……予定です。 258 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 20 46 54 ID LZQ4n925 キモウトktkr 259 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/11(火) 22 36 52 ID hLZ81WVJ お茶会キタ━━(゚∀゚)━━ 260 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/12(水) 02 19 29 ID eQcAtJ1k もう残り一話なんて・・・ 最後まで期待して待ってます(*´д`*) 261 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/12(水) 22 59 57 ID GBAuVGIe お茶会は良作。 262 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 01 28 04 ID qgx3ESrx blogか何かに保存しておきたいな かなりの良作 263 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 02 04 28 ID 2fZxUnTz お茶会のためにココに来てる。 264 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/13(木) 02 27 21 ID hHpxm+e/ 正直ほかの職人の邪魔なんでよそでやって欲しい 265 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 03 03 26 ID WzJtl63V 邪魔以前にお茶会以外に職人がすでに居ないけどね。 他の職人の方の作品も投下して欲しいのに・・・ 266 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 17 05 59 ID IZic1Vbg お茶会が終わると職人のいないこのスレは落ちちゃうんだろうね そのまえに誰かお茶会保存よろ てかマッドたんは最後までなんか達観してますね 267 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 18 32 42 ID GXffaKv/ 個人的には他の方のも読みたかったり。 嫉妬スレは人が多くていいなぁ というわけで最終話です 268 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 18 34 00 ID GXffaKv/ 夜の路地を歩きながら、グリムは楽しそうに口笛を吹く。 その曲は『雨に唄えば』の一節で、壊れたラジオのように、サビの部分だけをループしている。 それは、厳密には彼女の癖ではない。 彼女の『お兄ちゃん』の癖だ。 「、、、――、……、――♪」 お兄ちゃんの名前を、グリムは知らない。 五月生まれの三月ウサギ。その通り名しか知らない。 名前だけではない。それ以外のことについても、グリムは殆ど知らない。 どこに住んでいるのか、とか。 どんな人間なのか、とか。 そういった、普通真っ先に知るべきであろうことを、グリムは知らない。 知ろうともしなかった。 初めて会った瞬間、『あの人がお兄ちゃんだ』と決めたのだ。 そして、グリムにとっては、それで十分だった。 ようするに、一目ぼれだったのだろう。 ほんの少し、歪なだけで。 「――――――、……、、……♪」 狂気倶楽部に来てよかった、とグリムは思う。 半年前に死んだ従姉妹、その子の日記帳から、グリムは狂気倶楽部のことを知った。 日記帳というよりは、それは――小説だったけれど。 歪な愛情を記した小説。 そしてグリムは、その小説に出てくる『お兄ちゃん』という人物が気に入ってしまった。 従姉妹同士、趣味が似ていたのかもしれない。 そういうわけで――グリムはこっそりと喫茶店『グリム』を訪れ、狂気倶楽部の一員となった。 マッド・ハンターに話したことも嘘ではないけれど、本当でもない。 ただ、そんなことはやっぱり――どうでもいいのだ。 彼女にとって一番大切なのは愛情であり、それ以外はどうでもいいのだから。 「……、……♪」 唄いながら、グリムは考える。 お兄ちゃんのことを。 もう何人になるか判らない兄のことを。 本当の兄は死んでしまったし、その次の兄は死んでしまったし、その次の兄も死んでしまった。 ヤマネと同じように――自分だけのものにしなくては、気が済まないのだ。 かつての兄のことを、グリムはもう覚えていない。 今頭にあるのは、新しいお兄ちゃんのことだけだ。 足を両方とも切ってしまって、どこにもいけないようにしよう。そう思った。 「――、……、、、――♪」 グリムは歌い、 ――その歌が、途中で途切れた。 269 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 18 34 55 ID GXffaKv/ 何が起こったのか、グリム自身にも分からなかった。 唄っていたはずだ。今も唄おうとしている。けれど、口からは声がでない。 ひゅう、ひゅうという、かすかな息が漏れるだけだ。 何が起きたのか、グリムには分からない。 夜の路地は暗くて、街灯の光は頼りなくて。 その少女が持っているナイフは、まるで血がこびりついたかのように真っ黒で。 だから――自分の喉にナイフが刺さっていることに、グリムは、すぐには気付かなかった。 「その歌は――私と、兄さんだけのものです」 声は、ずいぶんと下から聞こえた。 グリムは、首を動かすこともできず、視線だけで声のした方を見る。 ――闇色の少女が、そこにいる。 黒い髪、黒いセーラー服、黒いプリーツスカート。手に持つ細く長いナイフも、また黒い。 全体的に黒いせいで、闇夜に違和感なく紛れ込んでいる。 声が低い理由は簡単だ。その少女は、車椅子に乗っていた。 両足は義足。左手も義手。 ただ一つ、唯一右手だけが生身で――その右手で、ナイフを持っていた。 「だから、最初は喉」 言葉と共に、その右手が閃く。 喉に刺さっていたナイフが横に引かれ、皮膚と肉と動脈を根こそぎながら抜けていった。 一瞬の、間。 心臓が一回鼓動する時間。 その時間が過ぎた瞬間――グリムの喉から、一気に血が噴き出た。 角度の都合上、当然のように少女にも血は注ぐ。常人なら噎せ、吐いてしまいそうな血を浴びても少女はどうじない。 薄く、笑っている。 黒い服が血を吸い、さらに黒くなる。 「初めましてグリムさん。私は八月生まれの三月ウサギ。 ――知ってましたか? 兄さんを、兄さんって呼んでいいのは、私だけなんですよ。 あなたと違って、本当の妹なんですから」 その言葉に、グリムは答えられない。 噴出す血と共に――彼女の意識もまた、ほとんど消えかけていた。 命の灯火は当然のように消え去り、もはや考えることなどできるはずもない。 うろんな瞳で、三月ウサギをグリムは見る。 その視界が、かしいでいく。 自分が倒れていくことに、グリムは、もう気付かない。 270 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 18 36 00 ID GXffaKv/ 「その腕で兄さんに触れたんですね――だから、次は腕」 倒れ掛かったグリムの脇に、三月ウサギはナイフを沿える。 そして、地面に倒れようとする体の勢いを利用し――ナイフを力の限り上へと切り上げた。 三つの力が同時に働き、グリムの腕がもげる。歪んだ間接でかろうじて繋がっているくらいだ。 倒れるさいにその腕を背中側に巻き込み、ほとんど千切れてしまう。 腕を失っても、グリムに痛みはない。熱いとも、寒いとも感じない。 少し身体が軽くなった――そんなことを、ぼんやりと思う。 「足がなければ兄さんのところにいけないですよね――だから、次は足」 車椅子から三月ウサギが降りる。義足はうまく動かないのか、四つんばいになってグリムに近付いた。 右手には、変わらず、ナイフがある。 それを一度ぶん、と振い、こびりついた血と肉片を払って――そのまま、突き下ろした。 グリムの、足へと。 手の力だけなので、足は千切れはしない。たとえ生きていても、二度と使えなくなるだけだ。 切り口からは、血がほとんど零れない。 それはもう、心臓に蓄えられていた血が、あらかた喉から出て行ってしまったことを意味していていた。 何もしなくても、グリムは死ぬだろう。 それでも、三月ウサギは、止まらなかった。 血たまりの中を四つんばいで歩き、グリムの身体に山乗りになって見下ろした。 「いやな目ですね。私をこんな身体にした、あの子もそんな目をしていました」 グリムは、三月ウサギを見上げている。 その目は、ほとんど死人のそれだ。何も映すことのない、ガラス玉のような瞳だ。 その瞳に見えるように、三月ウサギは左手を掲げた。 黒い義手。神経の通わない、動かすことのできない、左右のバランスを保つだけのような――意味のない義手。 その指先は、まったく不必要なほどに、鋭い。 三月ウサギは左手を高く掲げ、 「だから、次は、目です」 力の限りに、振り下ろした。 グリムの瞳に向かって。 尖った指がグリムの瞳に突き刺さり、そのさらに奥にまで突き進む。 グリムも、三月ウサギも、痛みを感じない。 痛みを感じるような機能は、もはや残されていない。 ゆっくりと、三月ウサギは左手を引き抜く。つぶれた眼球と千切れた神経がついてくる。 グリムの顔に、二つの穴が開いていた。 その姿を見て、三月ウサギは「盲目的な『盲目のグリム』が、本当に盲目に――」と嘯いた。 「あの子のこと、怨んではないんですよ。死を見て、私は兄さんと同じところへといけた。 愛する兄さんを、本当に理解することができた。 だから、あの子には感謝すらしているんです――私の手で、殺してあげたかったくらいに」 その言葉を聞く、もう、グリムはすでに死んでいたけれど。 その心臓、心がある位置に、ナイフを突き立てた。 最後の『心』を殺すかのように。 横に倒して落としたナイフは、肋骨の隙間をすべり、心臓に突き刺さり――反対側へと貫通した。 まるで昆虫のように、グリムの身体が、コンクリートへ縫い付けられる。 両手両足をもがれ、喉を切り裂かれ、地面に縫い付けら、大量の血に塗れる死体。 その上にまたがって――血まみれの三月ウサギは微笑んでいた 271 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 18 38 01 ID GXffaKv/ 「あなたは代わり。兄さんにとって『私』の代わり。 あなたは代わり。私にとって『ヤマネ』の代わり。 そしてあたなは死体に変わる。 さようなら、誰でもないあなた」 別れの言葉は、それだけだった。 そこにはもう、グリムはいない。 誰のものでもない――ただの死体があるだけだ。 「――雨に、唄えば――」 三月ウサギは楽しそうに唄い、ぴちゃぴちゃと、音を立てながら四つんばいで歩く。 まるで、雨の中を歩いているかのようだった。 紅色の水溜りの上を、唄いながら、三月ウサギは行く。 「雨に――唄え、ば――」 唄い、再び車椅子に乗る。特注の、漆塗りの車椅子。両親の保険金で買ったものだ。 右手だけで操作できるようになっているのは、正直にいえば楽だった。 あの事件の後遺症で、満足に動くのは、右手だけだった。 それでも、別に構わなかった。 自分は生きていて――生きている限り、兄と愛し合うことはできるのだから。 「――雨に――唄えば――」 唄いながら、車椅子を動かす。 目的地は、喫茶店『グリム』――そしてその地下図書室だ。 マッド・ハンターと名乗る女性にお礼を言おう、と三月ウサギは思う。 狂気倶楽部までたどり着いたのは実力だけれど――その後の顛末などを教えてくれたのは、彼女だからだ。 あれが、何の目的を持っていたのか、三月ウサギは知らない。 知ろうともしない。 兄と自分の間を邪魔するなら殺す。それだけしか思わない。 女王――誰か――に命令されたからではなく。 自分と兄のために、処刑をする。それが八月生まれの三月ウサギなのだから。 「――雨に――――唄え――ば――」 唄いながら複雑な路地をさらに奥へと進み、三月ウサギは扉の前に辿り着く。 喫茶店『グリム』の入り口扉へと。 その先には、兄がいる。 地下には、マッド・ハンターと、愛しい兄が、テーブルを囲むようにしてまっている。 ――愛しい兄さん、今行きます。 心の中で、そう呟く。 扉の向こうには――まるで、お茶会でもするかのように、彼らが待っている。 一人欠けて、また一人。 減って増えて同じ数。 何人死のうと――お茶会が終わることはない。 三月ウサギは思う。自分もその一員になるのだ、と。 ――だから――愛して、くださいね。 紅色の唇が、艶やかに微笑み。 血に濡れた指先が、扉のノブへとかかる。 そして三月ウサギは――狂気倶楽部へと扉を開けた。 272 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 18 38 33 ID GXffaKv/ お茶会は、終わらない。 《続かない》 273 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 19 17 26 ID NomlNmlc うぁああああああああああああああ(||゚Д゚) 最後でキモウトかぁああああああああああ!!! 274 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 19 46 36 ID vxzbaCS8 キモウトGJ 最後の最後で輝いてくれた! 275 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 19 57 35 ID ljo4e5aa 時計仕掛けのオレンジもキャロルも好きな俺のツボを攻めまくりだよ。 感動した。 276 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/13(木) 22 43 09 ID mZ9pZacb ヤーンーデーレー― 最っ高ぅ!! 277 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/13(木) 23 10 45 ID KdnqYC6i お疲れ様でした!! GJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJ 278 名前:終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/13(木) 23 23 51 ID GXffaKv/ ・蛇足かもしれないけどあとがき。 ――お茶会は終わらず、続かず、コーカス・レースのようにぐるぐると回り続けます。 なんだかんだで70kbほどの長い作品、最後まで読んでくれてありがとうございました 気付けばヤンデレというよりは、青臭く発狂した少年少女のサイ娘な恋愛話に。 途中間があいたりしたけれど、最後まで書けてほっとしてます シチュエーション的には修羅場嫉妬でもおかしくはないけれど…… 個人的にはサイ娘な登場人物たちがメインなのでここで最後まで書きました 主人公が狂ってたり妹はやっぱりキモウトだったり、書いてて楽しかったことは確かです 今後は未定。まったくの新作を書くか、なにも書かないか。 あるいは『帽子屋』や『キャプテン・フック』、『グリザベラ』などの別キャラメインの同世界話を書くか スレ落ちるのももったないないので、他の神がくるのを待ちつつ、多分のんびり書きます。 最後に。 こんな最後まで読んでくれた人ありがとう! 乙! 279 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/14(金) 00 18 41 ID kkRsaLT9 もっとよみたいよおぉぉおぉぉぉおぉぉぉお 280 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 00 46 24 ID c57XrEjx うおおおおおおおおおおおおお!! お疲れ様でした!!続編を凄まじく楽しみに待ってます!!! 281 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 01 54 46 ID R1SphgAw この世界観は一つの話で終わらすには惜しいな 是非続編ORスピンオフを 282 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 03 49 46 ID v6wbVNuE 結局主人公は死んだんだろうか……と蛇足的かつ無意味な考察をしてみる。 …なにはともあれ。GJGJGJGJGJGJGJ!!個人的に貴方の文体が好きでしょうがない!是非とも同一世界の別モノを!! これだけ世界観が統一されてるならもったいなさすぎる!! 283 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/14(金) 17 11 06 ID MIra5z9z ヤマネぇええええ!!! 作者様お疲れ様でした!! 284 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 19 03 24 ID t/ZIy26r ヤマネとキモウトとマッドハンターがいかすね。 主人公もいい。 終わっちゃうのが惜しい… 285 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 19 04 24 ID R1SphgAw 裁罪のアリスも是非出して欲しい 286 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 23 51 06 ID kkRsaLT9 もっとマッドたんを むしろマッドたん視点で何か物語を・・・ 287 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/15(土) 00 08 55 ID UY7kjI6n 主人公は死んだのか・・・? 288 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/15(土) 02 49 16 ID /oO7xalw 設定が神すぎ 俺には絶対浮かばないよ(´・ω・`) 289 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/17(月) 08 40 21 ID XtvwlYKl ほす 290 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/18(火) 14 43 02 ID agGBjwgP 続かないね 291 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/18(火) 22 03 21 ID gI/yEY1A 誰か・・・誰かはやくスレが落ちる前に 保存を・・・ 292 名前: ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/18(火) 23 47 41 ID CxhPH15s 新規プロット書いたらヤンデレというか病んだプチミステリに。 とりあえずまた実験として書いてみます 狂気倶楽部 一卵性姉妹 ヘンゼルとグレーテル による カーニバルの夜に 293 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/18(火) 23 55 54 ID 9DOxb6Mm スレの私物化も大概にして下さい 調子に乗ってると本気で潰しますよ? 294 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 00 06 17 ID KP9UO9wd 293の本気なSSに超期待。 295 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 00 06 28 ID Azkg/Zza 293 馬鹿はお帰り下さい。 296 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 00 10 22 ID TQcCzleM 292 楽しみです! 293 ここホモスカだってあるじゃん あ、ホモスカの人の新作も、ずっと待ってます 面白いです 297 名前:カーニバルの夜に ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 00 24 47 ID 1/djX81y 彼らがどこに行ったのか、マッド・ハンターは実を言えばほとんど迷わなかった。 行き先は限られている。血塗れの二人旅で、遠くまで行けるはずはない。 直接見てはいないものの、ヤマネは殺戮のかぎりを尽くしたはずであり、五月生まれの三月ウサギはその手を引いて逃避行をしたはずだ。 長い付き合いから彼らの人格を知り尽くしているマッド・ハンターは、そのことを理解していた。 ヤマネが三月ウサギの家族を殺し、独占しようとすることも。 三月ウサギが、そのことを責めようともせずに、その存在を許容するであろうことも。 となると、二人は今にも手に手をとって逃避行を始めるはずであり――彼女の予想が正しければ、ヤマネは、今夜にも死ぬ。 というわけで、喫茶店『グリム』を抜け出し、マッド・ハンターは夜の街へと繰り出した。 明確な目的を持って出かけるのは久しぶりだった。 入れ替わりの激しい狂気倶楽部の中で、長く生き、居続けるのには理由があった。 けっして深く関わらず、傍観の立場にいること。 関わるときは、物語が終わり――エンドマークが打たれるときだけだ、とマッド・ハンターは心に決めている。 そして、今夜。ヤマネという少女の、物語が終える。 町の外れにある、出来かけたままの鉄筋ビルにマッド・ハンターは足を踏み入れる。 鉄骨と、所々が未完成のコンクリート製の足場。町の中心部から外れたせいで、開発が途中で止まった高層ビルの成れの果て。 世界に置いていかれて、ゆっくりと朽ちていく場所。 こういう場所は町のあちこちにあり、『グリム』に通うようなゴスロリ少女たちからは、『聖域』と呼ばれている。 その退廃的な雰囲気が、彼女たちを魅了するのだろう。 そんな感慨はマッド・ハンターにはなかったし、恐らくは三月ウサギにもないだろうと思っていた。 それでもここに来たのは、三月ウサギの家から人目に通らない裏路地を取って行ける、人気の存在しない場所がここだったからだ。 居るとしたら、ここに居る。 いなければ、夜の間に、街を出て行ってしまっている。 半分は賭けだった。 マッド・ハンターは、賭けに勝った。 298 名前:カーニバルの夜に ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 00 42 23 ID 1/djX81y そこにあるのは、惨劇の後ではなかった。 幹也の家のような血塗れではない。 吐瀉物に汚れる、小さな死体があるだけだった。 首を絞められ、酸欠するよりも先に骨を折られたのか、首がくの字に曲がっている。 口の端からは胃の内容物と血が交じり合ったものが垂れ流れている。 どう見ても死んでいて――その死に顔は、この世の誰よりも、幸せそうだった。 ヤマネの、死体だった。 マッド・ハンターは、廃ビルの中をもう一度見回す。 ヤマネの死体がある。 そして――三月ウサギは、どこにもいない。 「……そうか、そうか、そうなのだね。もう、行ってしまったのね」 ヤマネは醒めない眠りにつき。 ウサギは逃げ出して。 全ては、完膚なきまでに、終わっていた。 マッド・ハンターは薄い笑みを浮かべ、杖に体重をかけつつ、ポケットの中から携帯電話を取り出す。 何のアクセサリーもついていない、機能重視の薄い携帯電話。 ボタンを押さず、ダイヤルを回し、登録してある番号にかける。 相手は、直ぐに出た。 『はいはぁい、』 『はいはいはい、お仕事ですよ『壱口のグレーテル』ちゃん。西区の聖域、廃ビル、」 相手の言葉を遮ってマッド・ハンターは言い、グレーテルと呼ばれた相手もまた、言葉を遮って電話を切った。 ツー、ツー、という音だけが虚しく響く携帯を耳に当てながら、マッド・ハンターは無言で肩をすくめる。 この調子だと、三十分もかからずに相手はすっとんでくるだろう。 壱口のグレーテルと、人朽ちのヘンゼル。狂気倶楽部の、お仲間が。 ――その前に、やらなければならないことがある。 マッド・ハンターは携帯をしまい、しまったそこから魔法のように鋏を取り出す。 鋏を手に、ヤマネの死体へと近寄りながら――右手でしゃきん、と一度鳴らす。 それ以外に、音はない。 死に果ててしまった場所で、生きているのは、マッド・ハンターだけだった。 299 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/19(水) 00 59 23 ID FuNVCbIS 馬鹿じゃねぇのw 調子に乗ってんなコイツww 300 名前:カーニバルの夜に ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/07/19(水) 01 07 53 ID 1/djX81y ――予想に反して、グレーテルは十五分二十五秒でやってきた。 「はぁい。元気ぃ? あたしとしては、元気じゃない方が嬉しいんだけどぉ」 ふらふらと揺れながら、グレーテルは廃ビルへと現れた。 足元がおぼつかなく揺れている。 ここまで走ってきたせいなのか、常日ごろからそうなのか、見ただけでは判別がつかない。 ぱっと見は酔っ払っているように見えるが、しかし、年齢で言うのならばマッド・ハンターより年下なのだ。 もっとも、二人とも未成年であることには変わりないけれど。 「やぁ、やぁ、やあ! 私は元気でしたよ。ヘンゼルくんは変わらず不元気かい?」 「不元気ぃ?」グレーテルはわざとらしく唇に人差し指をあてて、「不健康、不健全、不満足、ねぇ」 笑って、グレーテルは髪が短くなったヤマネの死体に近寄っていく。 その手には、普通に生活している分には絶対に見ることのない、ボディバッグと呼ばれる緑色の大きな袋を持っていた。 袋というよりは、完全密封式の寝袋に近いかもしれない。 死体を詰めるという、その目的のために存在する、通称『死体袋』である。 その袋をずりずりと引きずりつつ、 「何ぃ? まーた髪が短いじゃない。なんであんたから連絡がくるときって、いっつもこうなのよ?」 「きっと、きっと、きっとだね、短髪者を愛好する殺人鬼がいるんでしょうね」 さらりと嘯くマッド・ハンターを、まったく信じていない目つきでグレーテルは見る。 その瞳は、ヤマネが零した血のように赤く、禍々しい印象を人に与えかねない。 そのくせ髪は新雪の雪のように白く、前は鎖骨、後ろは肩甲骨のあたりで切りそろえられていて、 見るものに清楚な印象を与えるという、二律反したイメージがそこにあった。 レトロなキュドパリ・ジャンパースカートは黒で、モノクロの世界から抜け出してきたような雰囲気がある。 ジャンパースカートの下には何も着ていないせいで、肩口から腕にかけては完全にむき出しになっていた。 その細い腕で死体袋のチャックを降ろしつつ、グレーテルは妙に間延びした口調で、 「まぁ、あたしとしてはぁ、新鮮なのが手に入れば文句は言わないけどねぇ」 マッド・ハンターはその様子を斜に構えて見つつ、「新鮮な方がいいの」と訪ねた。 首だけで振り返り、笑ってグレーテルは答える。 「兄さまはぁ、それが好きなのよぉ?」 もう一度笑って、グレーテルはヤマネだったモノを袋の中に詰める。吐瀉物の掃除は彼女の仕事ではない。 すべては分担されている。 自分の役目をこなすだけだ。自分の役割をこなすだけだ。 誰もが、自分という役を演じているだけだ。 つらつらとマッド・ハンターがそんなことを思っている間に、グレーテルは作業を終えた。 そして、来た時と同じくらい唐突に、挨拶もなく踵を返した。 マッド・ハンターはため息をもって別れの挨拶とし、こつん、と杖で一度床を叩く。 そこにはもう、本当に、何もない。 ヤマネも、三月ウサギも、そこにはいない。 もう一度だけ――あるいは最後に――マッド・ハンターは、器用にも、笑いながらため息を吐いた。 そうして、一つの物語は終わりを告げて。 新しい物語は、ゆっくりと始まっていた。 <二話に続く> 301 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 01 08 16 ID /yb72Omz 299はヤンデレ 302 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 01 11 30 ID Loap2mcT 300 キャラの立て方、濃い内容、洗練された文章、うまいなあ。 303 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 01 11 56 ID j+uafUFn どうみても西尾維新です 304 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 01 18 17 ID mrfwmyr6 中二病のおれがはまったいいssです もちろんいい意味で 305 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/19(水) 08 42 38 ID aS1iYljI 299 つまんないと思ったら、読まなきゃいいんだよ。 【スレログを一覧から消去しつつ】 306 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/19(水) 17 41 49 ID 4vVc5oJC 前のスカトロホモの時みたいにスルーよろ 307 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/19(水) 18 37 00 ID 1epRo0cX そうだな。お茶会の作者様に失礼だ。 308 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 02 10 21 ID TqM2+bVx 病んで自傷癖がついちゃうヤンデレもいいなぁ、行き場のない怒りとか嫉妬を自分自身にむけちゃう これじゃただのメンヘラか 309 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/21(金) 06 44 42 ID c/JBPjpl そこを『落とした消しゴムを拾ってくれた』レベルの親切をしてくれた クラスメイトにゾッコンLOVE ∧_∧ ∧_∧ (´ _` ) 『運命の人』と思い込み ( ´_ゝ`) / ⌒i 朝な夕なにつけまわす / \ | | / / ̄ ̄ ̄ ̄/ | __(__ニつ/ FMV / .| .|____ \/____/ (u ⊃ ( *´_ゝ`) やべ、ちょっと興奮してきた!! (´ _` ) そうか? 310 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 06 16 27 ID r02npZwF 狂気倶楽部はグリム童話のキャラなので 「偏頭痛持ちの孫悟空」とか今思いついたけど使えませんねw 311 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 07 36 38 ID eRcIhcIg 悟空wwwwwwwwww 312 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 13 18 06 ID A0JjsJjy 308 つhttp //n2ch.lazy8.info/moe/part24/525.html 313 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 20 06 22 ID 0ZtDWa6A 友達の話かと思ってしまった・・・・・ 名前一緒だし母子家庭だし・・・・・・ 314 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/24(月) 21 47 36 ID W0VD1VT4 で? 315 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/07/31(月) 02 40 52 ID SGS1opNA ほす 316 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/31(月) 17 23 31 ID wmtpz+Zx 狂気に走ったりするわけではなく、 ただひたすら主人公のことを愛して、 日常生活に支障を来すような娘はヤンデレに入るのだろうか 家族を見て「あの人に比べてなんて醜いんだろう」と吐き気を催したり 香水の匂いを嗅いで「あの人と比べてなんて臭いのだろう」と吐き気を催したり 食事してて「あの人と比べたらこんなの生ゴミだ」と吐き気を催したり こんな感じなのは有りかな? 317 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/31(月) 23 12 59 ID FpMF20xm 316 十分狂気だwwwwwwww でも俺のツボにジャストミート 318 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/08/02(水) 17 43 03 ID GBl2pbPg チェックメイイイイイイイト!!!!!!!!!! 319 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/04(金) 17 45 20 ID lxACFFUB どうしたw 320 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/07(月) 13 08 56 ID 6OCb/hDc 他のスレにこんなのがあった 1:穂村愛美(拉致監禁)型 好意の対象を自分の思い通りにしないと気がすまない自己中心的タイプ。 愛情表現が特に偏執的で好意の対象を拉致監禁調教し心身ともに追い詰めていく。 2:桂言葉(粘着ストーカー)型 依存心が強すぎるために愛情を極端に肥大化させてしまう恋愛依存タイプ。 好意の対象を神聖視し、問題の原因を周りに転嫁して狂気に走る。 3:芙蓉楓(可愛さあまって憎さ百倍)型 恋愛依存と自己中心的を掛け合わせたアンビバレンスタイプ。 愛の欲求が強ければ強いほど憎しみの強さもますます強くなる。 相互依存の関係が崩れた時、好意の対象すら凶行の対称になる。 321 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/07(月) 17 09 36 ID bZuO0Zb8 じゃあ園崎詩音は2ですかね 322 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/07(月) 19 30 12 ID T6ChUAiC お茶会最高潮の時に誰もヤンデレラとうまいこと言ってくれなかったことについて小一時間監禁して説教したい 323 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/08(火) 00 48 50 ID QzuSxDAU 322 暇だったらから書いてみたお>ヤンデレラ 腰に回された手は柔らかく、とても優しい。毎日のように床に這いつくばっているシンデレラには、とても遠いものだった。そうして、目の前で微笑む王子の顔は美しい。すっきり通った鼻筋、きらりと透き通る青い目、ふわりと揺れる金髪。あぁ、なんて素敵な王子さま! ゆらゆらと踊りながらシンデレラは、堪らない幸福に包まれていた。王子さま、ねぇ王子さま、わたしは床を舐めながらあなたをいつも思っていたの。 (わたしだけの王子さま、) (誰よりもあなただけを愛しい) 「ねぇ、王子さま…」 シンデレラの顔がとろりと溶けていくのを、王子は見てしまった。恍惚に濡れた瞳。蜜を煮詰めたような声。紅潮した頬。清楚で純粋そうなシンデレラが、そういう表情をするのは酷く欲情を誘う。背徳の、うつくしさ。 「私のことを、愛していただけますか?」 324 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/08(火) 00 51 10 ID QzuSxDAU 「――勿論だよ」 気が付いたら答えていた。ふわりと、シンデレラは笑った。これ以上ないほど溶けて崩れた幸福の中を、シンデレラは泳ぐ。この人の腕の中、今ここで死にたいと思った。あぁでも、まだだめ…。まだ、死んではいけない。 (この人をほんとうに手に入れるまで) 「嬉しい」 控え目に、けれどしっかりシンデレラは王子に抱きついた。王子はそれに応えて、シンデレラをきつく抱き締める。その流れはあまりに滑らかで、ただ、幸せだった。 「私のことだけを」 じんわりと染み込むように、王子の耳元で囁いた。背徳と淫靡を溶かして、欲情を誘う甘い声。ぞくりと王子の背中を走ったのは、間違いなく本物、だ。 「愛してくださるのなら」 ――ゴーン、 鐘の音が響く。12時を告げる、それは魔法の解ける死刑宣告にも似た。 けれどもシンデレラは笑っていた。笑って王子の腕から抜ける。あまりにも美しく自然に笑うので、王子は腕を伸ばすことも忘れてしまった。 「私を見付けて」 (あなたの愛で) 動きを止めてしまった王子を尻目に、シンデレラは駆け出した。その姿が見えなくなってからようやく、王子は我に返る。シンデレラが走っていった階段を見下ろせば、綺麗なガラスの靴だけがひとつ、きらりと光っていた。 325 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/08(火) 00 55 37 ID QzuSxDAU むしゃくしゃしてやった。今は反省している。 いやほんとまじごめん(´・ω・`) なにこの厨な文章… 326 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/08(火) 19 20 52 ID Rj8uS41S どこらへんがヤンデレラなのかと小一時間(ry 327 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/09(水) 13 59 25 ID QohHQzap チェックメイイイイイイイト!!!!!!!!!! 328 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/08/11(金) 04 01 46 ID V541l980 幼い頃読み聞かされてた話が…いい! 329 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/11(金) 14 17 24 ID i2YZmlv1 312って続きないの? 330 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/11(金) 17 11 48 ID obrSGzJu 好きなキャラがヤンデレだなと思った今日この頃 女体化擬人化すればの話だがな 331 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/08/14(月) 06 30 17 ID g6pHmYii キモウトのまんこ 332 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/14(月) 10 35 19 ID O42aY1DR イワンの馬鹿 333 名前:名無しさん@ピンキー[。*゚sage゚*。] 投稿日:2006/08/17(木) 12 23 07 ID DbKC6Aog キモウトかキモ姉きぼん 334 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/08/19(土) 23 14 06 ID F9MZ2Std 保守ウウゥゥウ!!!! オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!!! 335 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 14 36 08 ID DL0O42Z7 実の弟が好きです。エッチしたいんだけど、弟が近親相姦を嫌悪してるみたいなので言えません。 高校初めての夏休みで、浮かれているのか家から離れて旅行に行ってしまいました。友達と行くと言ってたけど、多分その中に女がいます。くやしい。 336 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 19 47 36 ID KSeEXJ1j なんだっt(ry 337 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 22 16 33 ID dl3vaczS http //moemoe.homeip.net/view.php?article_id=871 ref=new 338 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 22 38 33 ID K2V+VpQj 未来日記のユッキー凄かった… 339 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/22(火) 20 34 33 ID MZ2UQul0 ユッキーがすごいの? 340 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/22(火) 22 19 39 ID WXfq/3UM すごかったのは由乃だと思う 341 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/24(木) 20 21 01 ID xn9Yjmwg ____ / \ / \ / (●) (●) \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / _____________ |__/⌒i__________/| | `-イ ./⌒ 三⌒\ | おやすみユッキー・・・・ | ヽ ノ /( ●)三(●)\ | | ,| / ⌒(__人__)⌒ \ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ____ /ノ ヽ、_\ /( ○)}liil{(○)\ / (__人__) \ | ヽ |!!il|!|!l| / | \ |ェェェェ| / 342 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/25(金) 00 57 06 ID HKDNkSyQ ちょwwww 343 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/25(金) 04 25 20 ID /8y8WdBr 341 麦茶吹いたwww 344 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/27(日) 00 57 15 ID aAF1r6qp 今月号も由乃凄かった… 平然と一般市民(操られてるとはいえ)を斧で頭からぶった切る胆力はラオウ並 目が逝っちゃってるところも高ポイント 345 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/08/27(日) 08 31 40 ID xLbzvysa 保守 346 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/28(月) 00 33 02 ID xqo4ZqOz 【未来日記】我妻由乃【ストーカー少女】 http //comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1156349226/ 347 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/28(月) 03 13 37 ID t4vnGuAg そういやかってに改蔵の名取羽美ってヤンデレだっけ? 348 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/08/30(水) 16 14 14 ID rWoaS5Pw デレはなかったような・・・ 349 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/09/02(土) 00 07 34 ID xZkjxBea 携帯だと途中のホモ小説がウザくてほかの小説が見にくいからアンカーで小説ごとに示してくれるとありがたい 350 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/02(土) 02 17 07 ID Y1pvjnZ5 今、お茶会を読んで感動した。 主人公はGOTHの神山に、 マッドハンターは谷川の学校を出よう!の真琴に 何となく似てると思いますた。 351 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/02(土) 07 47 05 ID xZkjxBea 俺はマッドハンターは君と僕の病院坂黒猫だな 352 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/09/06(水) 01 11 27 ID 2T7BK3kE 今更ながらお茶会に感動 353 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/06(水) 23 33 43 ID 2T7BK3kE こういう雰囲気の小説ってどんなのがある? 354 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/08(金) 18 19 14 ID SPXerW9e エヴァのアスカが精神崩壊を起こす所で萌えたんだけど これってもヤンデレになるのかな? 355 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/10(日) 14 31 57 ID CJP+Y3Am 『境界崩し』のキャラって、ヤンデレ? 356 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/10(日) 20 30 27 ID mdtGwnst 355 話の内容に混乱して途中で読むの挫折したが……ヤンデレだらけだったと思うぞ 357 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/11(月) 18 37 50 ID +iLi+ljv おお、サンクス。 やはり、俺の目は間違ってなかった!! 358 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/11(月) 20 35 43 ID oarUVCiI 「愛の流刑地」はヤンデレに含まれますか? 359 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/12(火) 19 04 29 ID AdPdK7vV 354 おいおいアスカはツンデレでヤンデレなのかよ すげぇな 360 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/13(水) 20 48 33 ID TufgCfly 359 つ魔界都市日記 361 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/09/13(水) 23 14 31 ID kARZs0mv 主人公はずっと苛められ続けていてそれでもそんな彼を愛しているという人が出てくるんだけど、 ずっと苛められ続けたからそんな好意とか優しさも後からくる苛めの伏線とか、からかいとしか思えなくて、 というか信じられなくてその彼女を拒絶する。で、彼女のほうは、好きだという気持ちを信じてもらえないうえに、 ひどい拒絶をされて、どうして私を信じてくれないの、とだんだん病んでいく。というのはこのスレ的にはどうでしょうか? 362 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/14(木) 00 04 14 ID VGL3/rxe ストライクだと思います。 363 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/09/14(木) 01 11 48 ID VepB2FXz 362 うんこっこw 364 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/14(木) 03 06 28 ID DDOslpke このスレを読んですっかりヤンデレの虜だわ~ 境界崩しは読んだことあるけどあれもヤンデレだったのか… ヤンデレ初心者の私にヤンデレ作品を教えてください!! 365 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/14(木) 10 42 21 ID ltDP/g37 364 Astral 柚たんの休日 366 名前:僕と彼女の恋事情 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/09/14(木) 15 39 30 ID iRL1fkGP 1/彼の場合 友人曰く、幼馴染のユーナは『電波女』だそうだ。 「……ユーナ。これって実はアンテナだったりするのか?」 ユーナの頭頂部より少し後ろから、尻尾のように生えている髪の毛を掴んで俺はそう訪ねた。 腰まで伸びた髪の毛は見た目よりも軽い。梳いてもらっているのだろうか。 もっとも、四六時中一緒にいるが、ユーナが美容院に行くところを俺は見たことがない。 多分、自分で切ってるんだろう。 真夜中に、電気もつけない真っ暗な部屋で、一人ハサミをチョキチョキ動かすユーナの姿を想像してみる。 中々面白かったので、つい笑ってしまった。 「ヘンなマー君。なんでアンテナなのかな? なんで笑ってるのかな?」 そう言って、制服姿のユーナは手に持った荷物をぶん、と振りながら振り返った。 俺は髪を持ったまま一歩下がって、 「友人曰く、ユーナは電波女だそうだ」 そう言うと、ユーナは「けたけた」と口に出して笑った。 「やだなマー君。『曰く』なんていう人、わたし始めて見たよ」 ユーナは笑ったまま、さらに半回転して歩き出した。 手で掴んでいた髪がすり抜けていく。スカートの裾がわずかに円を描いた。 俺はため息を一つ吐いて、その後に続く。 もう夜も更けているので、辺りは足元が覚束ない程に暗い。 田舎の裏道には街灯もなければ、通行人もいない。驚くべきことに車のヘッドライトすらないのだ。 だというのに、ユーナは見ているこっちが危なく思うくらいに、ふらふらとした足取りで進んでいく。 「――ユーナ。こけるぞ」 「ねぇマー君。わたしがこけたら泣くのかな?」 「……泣きはしないが困るな」 我ながら面倒くさそうな口調で言うと、ユーナはぴたりと足を止め、 すすすすすすすと、後ろ向きにすり足で寄ってきた。夜道でそんなことをやられると妖怪に見える。 俺の隣まで戻ってきたユーナは、荷物を左手に持ち替え、右手で俺の腕に抱きついて、 「なら、一緒に歩こっ」 上目遣いでにっこり笑ってそう言われたら、何も言い返せない。 決して、腕にあたるふくらみに惑わされたのではない。本当だ。 「いいけど。腕掴んだままこけるなよ、頼むから」 「マー君は心配しょうだなあ。お姉ちゃん心配だぞ」 「ぬかせ。そもそもユーナ、お前の方が年下だ」 「マー君と三百六十四日違うだけじゃない、それくらいいいでしょ?」 「前後の文が繋がってない」 他愛のないことを話しながら、全体重をかけて抱きついてくるユーナを引きずるようにして歩く。 俺はどうして――こんなことをしているんだろうな? 367 名前:僕と彼女の恋事情 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/09/14(木) 15 49 04 ID iRL1fkGP 2/彼女の場合 わたしの見る限り、幼馴染のマー君は殺人鬼だ。 「マー君っていっつも真っ赤だよね」 わたしがそう言うと、マー君は「俺は郵便ポストじゃない」なんて低い声で呟き返してくれた。 わたしの何気ない言葉にも、マー君はぜんぶ答えてくれる。学校だと、みんな何にも言わないのに。 みんなの耳が悪いのか、マー君の耳がいいのか。たぶん、どっちかだと思う。 「でも、赤いマー君はかっこいいよね」 そうか、とマー君は頷く。十センチ高いところにある瞳が、わたしの方をちらりと見た。 腕に抱きついたまま、わたしが「にこっ」って笑い返すと、マー君は恥かしそうに視線をそらした。 うん、こういうところは昔から変わってない。 昔からマー君は、無口で、ぶっきらぼうで――なにより、赤い。 小一のとき、階段から落ちたわたしを庇ってくれたマー君は、頭から血を出して真っ赤だった。 小三のとき、お母さんが死んじゃいそうなときに助けてくれたマー君も、真っ赤だった。 小五のとき、火事になった家から助けてくれたマー君は、火に照らされて真っ赤に見えた。 いつだってマー君は助けてくれたし、そのたびにマー君は真っ赤だった。 だから、好きなのだ。 ――彼が殺人犯だとしても。 「マー君はいつだってマー君だねー」 「ユーナはユーナのままだな」 「そうかな?」 「だよ」 「えへへ、そっか。マー君は、いっつも一緒だもんね」 右手でしっかりと、マー君に抱きつく。本当は左手でも抱きつきたいけど、荷物を持ってるから無理。 掴んだマー君の手は、真っ赤な血で濡れてたけど、気にしない。 マー君の白いシャツは、血で真っ赤に染まってたけど、気にしない。 だってわたしは、赤いマー君が大好きなんだから。 真っ赤に染まったマー君は格好よくて、いつでも私を助けてくれる。 「ねーねーマー君」 「んだよ」 「わたしねー、マー君のこと好きなんだよ」 思い切ってそう言うと、マー君はわたしを見て、 「知ってる」 その返事が嬉しくて、わたしは思わず笑ってしまう。 マー君は殺人鬼だ。 けど、マー君を通報しようとか、逃げようとか、そんなことは思わない。 いつかマー君に殺されるかもしれないけど、それでも、いいのだ。 ――しょうがないじゃない、惚れたんだから。 368 名前:僕と彼女の恋事情 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/09/14(木) 16 00 41 ID iRL1fkGP END/彼と彼女の場合 ユーナ曰く、俺は殺人鬼らしい。 まあそれでもいいと思う。腕に抱きついて、「えへへ」と幸せそうに笑うユーナを見てるとそう思う。 いつまでたっても成長しないような童顔に、昔から変わらないポニーテール。 長い付き合いで気心が知れているし――いや、そうじゃなくて。 単純に、惚れているのだろう。俺が、こいつに。 「なんで好きなんだ?」 腕にしがみつくユーナに、投げやりに言葉を投げかけてみる。 どうせ答えはわかっている質問だった。 案の定ユーナは、一度俺のシャツを見て、それからまた俺の顔を見て、笑って答えた。 「マー君には秘密ー」 そうか、と答えて、俺も自分の胸元を見る。 シャツは真っ赤だ。血のりやペンキじゃなくて、他人の――しかも、さっきついたばかりの血。 確かに、この光景を見られれば、殺人鬼と思われても仕方がないだろう。 実際、こんな人気のない道を通るのは、見つからないようにするためなのだから。 けど―― ――そんなことは、ユーナだって同じことだ。 俺は、俺以上に真っ赤に染まったユーナの、左手に持つ荷物を見ながら言う。 「ソレ」 「うん?」 「重くないのか」 「ひょっとしちゃったらマー君、心配してくれてるの?」 「まあな」 「大丈夫だよー、これくらい。わたし、平気」 そう言って、ユーナは荷物を――大型の肉切り包丁をぶんと振り回して、へらへらと笑った。 成る程、この笑い顔は、確かに電波と思われても仕方ないかもしれない。可愛いからいいが。 セーラー服と鞄ならともかく、セーラー服と肉きり包丁はなかなかシュールだが、見慣れれば気にならない。 ユーナはいつだって凶器を持っていたし、いつだって同じくらいに赤かった。 小三のとき、自分の母親を切り殺したときだって。 小五のとき、自分の父親と義母の家に火を放ったときだって。 いつだって、ユーナの傍には、凶器と赤がある。 「早く帰ろっ。マー君、今日のご飯は何かな?」 「ミートソース」 「やったっ!」 ぴょん、と跳ねて喜ぶユーナ。たった今人を解体してきて、よく食べれるな――と思うが、それは同じだ。 第一、ユーナはきっと、人を殺したとは思っていない。 俺を赤く染めようと思っているだけなのだから。赤い俺が大好きなのだから。 赤く笑うユーナを見てると、どうしても俺は思わずにはいられない。 ひょっとしたら――小1のときのあれは、ユーナに突き落とされたのかもしれない。 けど、別に構わない。ユーナを通報しようとも、逃げようとも思わない。 たとえ、いつかユーナが俺を真っ赤に染めるために、俺を殺そうとしたとしても――構わない。それでも、いい。 ――仕方ないだろう? 惚れてるんだから。 369 名前:僕と彼女の恋事情 ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2006/09/14(木) 16 01 51 ID iRL1fkGP ヤンデレカップルってこんな感じかなあ 370 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/14(木) 16 25 27 ID ZGWopTLY イイヨイイヨー 371 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/14(木) 22 12 12 ID ltDP/g37 アアン(*´Д`) 372 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/09/14(木) 23 43 20 ID SY9ZcJzr 初めて苛められたのはいつの事だったか正直覚えていない、だが確か小学校の頃からだったと思う その日何時も通りに学校に行くとなぜか机が無く訳が解らずおろおろしている僕を見てクラスメイトが笑っていた。 その中には幼馴染で幼稚園に入る前から何時も一緒だった、猛と麻紀の姿も在った。その日から苛めが始まった。 何故苛められるのか僕にも解らなかった。物を隠されたりするのが多かったと思う。 中には仲の良かった子からも苛められ僕はどうしていいのか解らなかった、ただ漠然と耐えていれば苛めも無くなるのではないかと思っていた。 学年が上がるごとに苛めはエスカレートしていった小5の時給食のスープにミミズを入れられた、小6の時いきなり後ろから後頭部に石を投げられた。 中学に上がれば苛めは無くなるのではないかと思っていたが甘かった、中学に上がったある日あこがれている人から呼び出しの手紙を貰った喜び勇んで行き、1時間待って来たのは 小学校の頃の苛めっ子だった。その時また苛めが始まるのだと確信した。事実また苛めは始まった前よりもひどい形で。 集団リンチにあった。机に死ねなどと彫られた。上靴に大量のカミソリが入っている事もあった。そして高校に入る頃には誰も信じられなくなっていた。 そんなある日のことだった彼女に出会ったのは。 373 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/09/15(金) 00 12 14 ID GTObeYBf あの人を始めて見たのは彼が苛められている所だった。 大抵の人は苛められると、その目には怯えが走るものだ。実際私もそうだったから。 だけど彼の目にあったのはそんな物ではない冷たさだ苛めているもの達を見るあの冷え切った蔑んだ様な目 まるで自分が苛めているかの様な目をしていた。その目を見た瞬間私の中に何かが走った。 その日からその人を調べる毎日が始まったあの人の好みのタイプを調べその通りになる様努力し、 彼の好きな食べ物を調べてはその料理を猛特訓した。たぶん最初は単なる興味だったのだろう。 だが彼を調べていくうちにそれは変化して行ったそう私は彼を愛しているのだ。 だからこそ今日私はこの胸の内を彼に伝えた。だが、返ってきた言葉は予想だにしていなかった言葉だった。 「別にいいんだよ無理しなくても何かの罰ゲームか何かでしょ。大体から僕を好きだなんてありえないんだからさ。」 ショックだっただって彼の目は何時も私に伝えてくれたのに僕を愛していいのは君だけだって、僕は待ってるからって そう、愛しているって!!なのにどうして何故私を拒絶するの!!何故何故何故何故何故何故何故!!! あぁそうか解った貴方は、あいつ等の事を心配してるんですね。僕と付き合ったら君にも迷惑がかかるからって。もうそんな優しい所も大好きですよ。 待ってて下さいね。もうすぐ私が貴方の不安を取り除いてあげますからね☆ うふふふふふふ、あははははははははははははははははは。 ひまだっので書いてみた続かないと思う。 374 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/15(金) 00 12 49 ID oypVb07s wkwktktk 375 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/15(金) 00 25 42 ID yKneCG4j 365 柚たんの休日はもう読めないんだよね? 376 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/15(金) 21 07 01 ID HW+ti/yx 電撃だからもしかしたら「あすとらる」とかで一冊出るかもしれない 377 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/15(金) 21 45 37 ID tXpNIszl http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151146736/352 378 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/09/18(月) 22 29 38 ID 9xJZd1Op 近親相姦の話はこのスレ的にはOK? 379 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/09/18(月) 23 53 16 ID WR82gIQr おK過ぎる 380 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/19(火) 21 33 50 ID SZvFrgbT てst 381 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/20(水) 19 52 39 ID LlNS1xFr ヤンキーがデレデレするスレじゃないのか… 382 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/20(水) 22 24 47 ID dlZG1y8O 381 俺も最初見たときは一瞬そう思ったけど、 そっち系ならツンデレスレ行った方がいい 383 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/20(水) 23 41 08 ID Di0PzoZG ヤンキーがアンパンのやりすぎで妄想バリバリとかヤンデレじゃね? 384 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/21(木) 01 33 49 ID wCdE/Q+d 人形を偏執的に愛する姉の気を引こうと人形になろうとして徐々に人間らしさを失ってしまう少女 ってのはヤンデレっぽいかな 385 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/21(木) 07 42 53 ID uW0/XXEf 384 いいね 386 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/09/25(月) 18 14 18 ID 90vN4p8I 近親モノだったら、血がつながっていることを気にして 「他人になりたい!」 という願望が強い。強すぎて、 兄貴(弟)の彼女と自分の体内の血液を交換しようと奔走する… 映画サイコなみのメッタ刺しで笑いながら 「私、あなたになりたい…そうすれば兄(弟)を堂々と私のものに…」 うん、わかってる。修羅場or猟奇スレにいけ(ry 387 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/25(月) 23 54 35 ID L0nw57pw 384のネタで書こうとして資料に人形の写真集買った ずっと見てたら精神病んでしまいそうなんですが・・・ なんか新しい世界の扉開いてしまいそう 388 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/26(火) 01 26 16 ID 6RIqK5RW 387 その扉開けてごらん 清々しい、いい気持ちになれるから… 389 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/09/26(火) 21 05 29 ID wPNvRlNg 勧誘すんなWWWWW 390 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/26(火) 21 47 51 ID pDI3p1Uz 久々に嫉妬スレから来たが・・・人居ないな 391 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/27(水) 23 46 18 ID mfgujogm あそこ早いけど似たようなのばっか…というか予定調和的展開が多すぎて食傷気味だわ まぁシチュエーション系のスレでは避けて通れんことかもしらんけど 392 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/29(金) 13 37 30 ID XUrQyPPl ____ / \ / \ / (●) (●) \ | (__人__) | \ ` ⌒´ / / ヽ / ヽ / ヽ / ヽ / ヽ、――――――/ !|. __,,,__ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; __,,,__ .|! .!|,; `,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ,,; .`,|! !|;; 。 ;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; ..。 ;;|! .!| ;,___,,; ;, ;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;,, ;,,___,,; .|! !| ;,,_,,_,,,、,‐ ;;;;;;;;;;;;;;; ‐,,_ ;,,_,,; ..|! i| ;;;;;;;;;; .くO ;;;;;; O ;;;;;;;;;;;; .|i ..i| ;;;;;;;;;; ,, ` ;; ; ;; ;;;;;;;;;;; |! おやすみユッキー ____ /ノ ヽ、_\ /( ○)}liil{(○)\ / (__人__) \ | ヽ |!!il|!|!l| / | \ |ェェェェ| / 393 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/29(金) 18 27 23 ID NOM/YtB6 はい、おやすみ 394 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/30(土) 16 47 13 ID W66q6LKp 「\ __ __ │ト、l、 /´, `⌒ ´ `ヽ ヾヽ!lV/ / ,/ / , ハ、 ,ィニ≧ゝレ / / ,./ / , ハ 男を思って刺すのはヤンデレだ! く -‐7´ _」] l l/_,∠/ / / / い 女を嫉妬して刺すのはよく訓練されたヤンデレだ!  ̄ノ/ f r l l /レ /、_/‐ト 、/l| li l ホント、修羅場は地獄だぜ! フゥハハハーハァー! {ハ |{(l|y==ミ _ノ、/ソリ ll | ヽヽ |、lハl、゙ ⌒ヾlノリ ll l jl // V\ヽ、 `ー ゛ノルんイリノ l || ヽ \/ ,.--、_ハ`-r=ニ--、′ノ | || ゝ / ,,,-彡_,r " ̄ 「/ ̄/ ̄/;二"二"二((二((三三C≡=─ _,-| r " 二 ==i ニニ二/\/ccccccc//_ヽ ) ヽ 、、゙l - ̄ ̄C=] ノ;ヾ / ⊂ニニニ二二ソニニニソノ/⌒ヽ\ ,l゙゙ l、 」ニニ二二〈ー;; \/二L_」 j / l /; /{ ̄`)ノ ーーー \ / 修羅場スレより、コピペ。 395 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/30(土) 20 07 03 ID +flVGC5b 373 頼むから続き書いてくれ! 396 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/30(土) 20 29 59 ID e4RfrRzT 例えば、好きだった男が不慮の事故とか病気とかで死んで 彼が死んだのは世界のせいだとか言って、 なんで彼が死んだのにお前がのうのうと生きてるのと 死んだ彼の友達や兄弟を刺すのはアリですか? 397 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/30(土) 22 42 14 ID pKjrPxnw 何その園崎詩音。 398 名前:ヤンバル[age] 投稿日:2006/10/01(日) 12 42 26 ID sZd/waCh 投下します 399 名前:ヤンバル[age] 投稿日:2006/10/01(日) 12 51 56 ID sZd/waCh 次の日学校に行くと何時もならば上靴が無い等の慣れてはいるが正直気分の悪くなる 苛めの類いが無かった。珍しいこともあるものだと思ったが、ほっとさせておいて、凄まじい反撃を食らったことの有る ので過度の安心と期待はせずに何時も通り教室に入った。どうやら俺を主に苛める三人はまだ来てないようだ。 ホームルームが始まり担当教師から聞かされたのは喜んでいいのか正直判断に迷う物だった。 俺を主に苛めていた三人が昨夜事故で死んだという事だった。偶然とは怖いなと俺は思っていた。 そう、彼女にまた会うまでは・・・・・ 400 名前:ヤンバル[age] 投稿日:2006/10/01(日) 12 54 17 ID sZd/waCh 373の者です。少しだけ続きが思い浮かんだので書いてみました。 続きを書ききれるか解らない新参者ですがよろしくお願いします。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/437.html
401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 19 43 06 ID aBOh/Doz 初めて嫉妬スレから来て見たら向こうに張ったAA( 394)が転載されてたw ガチムチの荒らしももういない見たいだし、短編を書いてみようかな… 402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/02(月) 00 18 50 ID Kpr2z8P0 wkwktktk 403 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/02(月) 22 38 13 ID N4z94EwW 鏡の前で変態言葉浴びせ合いながら 「ホモ!ホモ!」連呼「男好き好き!男大好き!男!男!男!」連呼で、 サカリ狂って涎垂らしまくった変態馬鹿顔を見せ合い、獣みたいな変態顔さらけだし合いながら 鏡の前で、変態ポーズを競うように見せ付け合い、部屋中徘徊しながら気違いみたいに 変態ホモズリ「雄の気違いセンズリの見せ合い」に狂い合いたい。 (厳格なセーフのみ。バックなし。肛門を舐めたり、触ったりもしません) チンポ!チンポ!連呼、男!男!男!男!の大連呼は当たり前。 変態顔の表情、変態ポーズの動き、変態ポーズまでもシンクロし合って ホモり狂い合おう!オナニーカップにチンポ刺し込んで、モロ感乳首摘んで 「気持ちいい~!あ~気持ちいい~!男好き好き!男大好き!」って声を上げてヨガリ狂い合い白状し合おう! その他の変態言葉連呼もOKです。 セーフであればその他の変態プレイもOKです。 プロフと好きな変態気違いセンズリプレイを書いてメールくれ! 180.104.33歳.筋肉質.東京在住 404 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/02(月) 22 38 57 ID N4z94EwW 402 「地上最強のホモを見たいかーーーーッ」 「オーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 「ワシもじゃ ワシもじゃみんな!!」 「全兄貴入場です!!!!」 エロガキ探しは続いていた!! 更なるカキコを繰り返しコキコキボーイが来た!!! 46歳!! kazuyaだァ――――!!! テレズリ相手とのズリ比べではすでに我々が連呼している!! オラオラ、チンポチンポ、セィヤセィヤだァ――――!!! 吸い付きしだいしゃぶりまくってやる!! 吹奏楽部代表 軟弱野郎です! 六尺の真剣勝負なら我々のラッシュがものを言う!! 超スケベの取っ組み合い 六尺タイマン淫乱相撲 淫乱・正幸!!! 真のテレズリを知らしめたい!! 金玉の底からザー汁がクツクツ シュウジ兄貴だァ!!! 鏡に向かって盛る毎日だが数日に1回の射精だ!! 金玉の底からザー汁がクツクツ 地下足袋手甲・兄貴だ!!! 前袋のニオイは完璧だ!! 坊主ヒゲ有六尺常用 ヤロウぜ政褌!!!! 全ホモズリのベスト・連呼は私の中にある!! 雄の気違いセンズリの神様が来たッ 男好き好き!男大好き兄貴! タイマンなら絶対に敗けん!! ズリダチとのズリ勝負見せたる 野郎うなぎ責め ズリ舎弟だ!!! 405 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/02(月) 22 39 38 ID N4z94EwW 402 六尺狂い(なんでもあり)ならこいつが怖い!! 褌角刈り兄貴のチンポコをしゃぶりたいぜ! 押忍!!! ハッテン公園から内気な男が上陸だ!! お、お、俺とハメ狂わねえか?!!! 壁に開いた穴で交尾がしたいからハッテン場(公衆便所)に行ったのだ!! ガチのプレイを見せてやる!!深夜25時!!! 祭の土産に六尺とはよく言ったもの!! 盗人の宝物が今 部屋でバクハツする!! 臭ぇぜ、ワッショイ 六尺兄貴だ―――!!! スゲーやらしい交尾で地上最強にヒクヒクしてるっすよ!! まさか超タイプの男が掘ってくれるとはッッ ヴォー・スゲー!兄貴!!! ヤリたいからハッテン場までまできたッ キャリア!!!! ヤバリバのポジ(陽性)ファイター 元彼へのリベンジだ!!! オレは六尺譲るつもりはない交換相手を募集なのだ!! 御存知ヘンタイ 激臭汚穢褌!!! スカトロの本場は今や岡山にある!! わしを満足させる浮浪者はいないのか!! 変態・糞親父だ!!! いくぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ説明不要!! 大漁だよ!!! おにいちゃん!!! イサキ兄貴だ!!! 六尺は実戦で使い込んでナンボのモン!!! 超雄臭六尺!! 本家日本からうぉっ!いいぜ兄貴の登場だ!!! お前はオレのもの 命令に従わないやつは思いきり浣腸し思いきり虐めるだけ!! バイト・奴隷同時募集中 本屋の店長wave 406 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/02(月) 22 40 36 ID N4z94EwW 402 チンポをシゴキに冬の公園へきたッ!! チンポ全露出センズリ 俺のズリ舞台!!! 丸出しチンポに更なるリングをかけ ”我慢汁トロッ”結構でかい兄貴が帰ってきたァ!!! 俺のチンコに火がついたッッ!! ガッシリ30代の怒涛 津波!!! 穿き続け2ヶ月の雄臭で今ケツワレを脱ぐ!! クッセェクッセェ 竿(ちんぽ)もでかいぜぇ!!! おやじさんの前でならオレはいつでも発情期だ!! 一発やっかぁ 越中褌闘記 長編で登場だ!!! 機動隊の仕事はどーしたッ ホモの炎 未だ消えずッ!! 捕縛も制服も思いのまま!! 現職K官だ!!! 特に関係はないッ なんとなく文体が似てただけ!! 実際にはノンケだ!!! コピリンコ! 小泉武夫がきてくれた―――!!! 男色下宿で磨いた実戦ホモ!! 「俺も仲間に入れろッ!」のデンジャラス・大家 金田氏だ!!! キメションだったらこの人を外せない!! 超A級スジ筋体型 三超兄貴だ!!! 超一流応援団の超一流の上下関係だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 学ラン好きの先輩の命令!! ゴラァ~~~大石立たんかい?!!! 兄貴コピペはこの男が完成させた!! ガチムチの切り札!! 六尺兄貴だ!!! 若き王者が日本に帰ってきたッ どこへ行っていたンだッ メジャーリーガーッッ 俺達は君を待っていたッッッ多田野数人の登場だ――――――――ッ 407 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/03(火) 03 15 06 ID HonB891c お久しぶりです 408 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/03(火) 14 34 10 ID SVjgCAxh 噂をすれば影か、いなくなったと思ったらまた現れたな 409 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/03(火) 18 28 29 ID kZYXJuW3 こうまで粘着してるといっそヤンデレだな 410 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/03(火) 19 43 49 ID IvkP10LV 409 好評みたいだしな ずっと駐在してるぜ? またわけのわからん勘違い馬鹿が投下したら ストックから10以上連続投下して消毒してやるから安心しろ ヨロシクな!!! 411 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/03(火) 21 59 30 ID HxZ2mm53 a 412 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/04(水) 00 29 49 ID U/11H4ix 勘違い馬鹿ってお前だろ(プ 413 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/04(水) 01 16 37 ID WA7w6TNX またわけのわからん勘違い馬鹿が投下したら 自分の事をよく分かっているじゃあないか。 414 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/04(水) 20 12 11 ID 9qkfujl3 410 あんたは801板に池谷 415 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/04(水) 21 37 09 ID k9aYA4Au 414 801板住人としては来て欲しくないです。 こんな状況では投下しても感想レスもらえなさそうで鬱・・・ 416 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/04(水) 22 08 46 ID WWk3omhM スカホモ板立てたらどうでしょうか? 立てる勇気もなさそうですが。 417 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/04(水) 23 36 35 ID GLoKQEEz ヤンデレなスカホモカップルキボンヌ 別にヤンデレが男でも問題ないんで 418 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/04(水) 23 57 52 ID c5Zow5QJ 透明機能で消せば問題なしヽ(´ー`)ノ 投下wktk 419 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/06(金) 19 47 26 ID yvs87iNo ホモをNGワードにすりゃ問題ない 420 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/06(金) 20 44 10 ID CpjdNkMX 419 こっちはこっちで勝手にやってるから 勝手にNGワードにしてろ 読みたい奴だけ読めばいい チンポ!チンポ!セイヤ!セイヤ! 421 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/06(金) 21 45 29 ID Wgd0ijNN 420 板違いはすっこんでろ 422 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/06(金) 21 53 21 ID 5pyW95DM 420 板違い・スレ違いって言葉知ってる? 423 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/06(金) 22 25 44 ID Xy10wSlM 板違い・スレ違いだからあえてやってんだろうと思うよ。 適当な該当スレに投下しても「ハイハイ、駄作乙」で終わっちゃうから。 424 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/06(金) 23 03 44 ID D/anA41h つかただのコピペ 425 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 11 09 09 ID TnbWrzdN ガイドライン板にスレあるしな 426 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/07(土) 16 04 20 ID wvqJuQ3z 誘導 【オールジャンル】エロパロ板801総合スレhttp //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139754709/ 427 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/09(月) 09 02 56 ID YlQlHneh wktk wktk 428 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/09(月) 19 20 51 ID w2Rvrdw2 trtktrtk 429 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/10(火) 02 01 25 ID RUcF1PDr 俺は鳶やってる33歳ガッチリ。 昨日現場が俺のタイプの後輩と一緒だった。側にいるだけでドキドキした。 そいつは25歳、中田英寿似の引き絞った体の髭の奴だ。足場作業していくなか資材運ぶのに どうしても上下作業にならざるおえず、俺が下、奴は上で連携して仕事すすめた。 下から見ると奴の白い寅一が透けてチンコの膨らみが見えて、俺のチンコはビンビンに… 現場は二人だけだがまじやべぇ…マラ勃起させたまま作業していたら、後輩に気付かれて、 どうしたんすか?て聞かれた。もうがまんデキネェ ♂無言で寅一から上着から全部脱いで現場でオナニ-始めた。♂奴はスゲー引いていた… それから口聞いてくれねぇ-。一応誰にも言わないっす…とは言ってくれた。 430 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/10/10(火) 04 19 47 ID s6N+GrX4 アンギットゥの雪国にある素子inloveが結構ヤンデレです。 431 名前:softbank219176046007.bbtec.net ホモ[age] 投稿日:2006/10/12(木) 18 42 27 ID xH4RIuZX 保守あげ 432 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/12(木) 23 10 35 ID jIBpDte2 ttp //up2.viploader.net/pic/src/viploader325093.jpg 433 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 11 19 25 ID HEoGee1c 九之郎のおねいさん #160;ver.1 「のろちゃ~ん」 あーい、なに? 「ちょっとそこの『バールのようなもの』取ってぇ~」 え”~、いま新聞読んでんですけどぉ~。 「はやくぅ~」 はぁー、あいあい。わかりましたよっと。バールバール…… おっ、あったあった。はいよっ。 「あはっ、ありがとう、のろちゃんっ」 っつーかコレ『バール』だよね。『のようなもの』って必要なくない? あぁ、ってか何に使うの? 「ひみつぅ。じゃ、おねえちゃんちょっと一丁目の十二番地にいってくるね」 それ持って? 何しに行くのよ。強盗? 「ひみつぅ。たとえるならぁ……ネコ退治、かな」 ? わけわかんね。ま、いいや。暗くなる前に帰ってきな。 「はぁーいっ、今日の夕ごはんは豪華だからねっ」 おっ、そりゃ楽しみ。でも今日なんかあったっけ。 「んふふっ、これからあるのぉ~。じゃ、いってきま~す」 あーい、いってらっしゃい。あっ、あの辺に銀だこあったからタイヤキ買ってきて、クリームのヤツ。 「はーーーーいっ」 ふむ、バールにネコ退治ねぇ……なにげに危ない響き。ま、いいか。おねえちゃんに限って ネコ殺したりはしねーだろ。ネコ好きだし。それより今日の番組はっと。 ~10分経過~ 『コンビニ強盗多発 覆面男バールのようなもので店員脅す』 だから『のようなもの』ってなんなんだよチクショウッ。イラつくぜこの新聞記事ィ~~。 バールなのかそうじゃねぇのかはっきりしろってんだボケッ! コケにしてんのか俺を! クソッ! クソッ! ……っつーかおねえちゃんホントに強盗じゃねぇだろうな。なんか怖くなってきたわ。 一丁目の十二番地だっけっか。あのへんは確か住宅街だったよな。商店街も近くにあるし。 あ、そういや美音子ん家があの辺にあったな。銀だこもあいつの家で食ったんだっけ。 『エッスキィモープッシィズメェーリコー ウングッ ユゥグッ』 あ、電話。あい、もしもし九之郎です。 434 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 11 20 36 ID HEoGee1c 『あ、九之郎。あたしだよん。いま大丈夫?』 ああ、美音子か、別に大丈夫だけど。っつーかタイミングいいね。 『そうなの? よかった。ねね、今日の夜空いてる? 10時に映画観にいかない。レイトショーで面白いのやるの』 へ~、レイトショーねぇ。うーん、内容によるかな。どんな感じ? 『すっっっごい面白い!! 時をかけるjojoってヤツ! 最近口コミですごいよ』 いや、内容をきいてんだけど。ま、いっか、暇だし。行きますか。 『え~~なにそれ暇だしってぇ、あたしと映画いくのは暇つぶしなの~ひど~い』 あいあい悪かったよごめんなさい。美音子と映画みたいッス。っつーか実は俺も今日 誘おうとおもってたとこ。……ラブホに。 『……さいあく、笑えないし。ほんっとにスケベなんだから、まったく。』 ゴメン。今のはつまんなかった。あやまる。最近寒いギャグばっかしでこまっちゃうわ。おわびに映画とメシおごるから。 『別にいいよ。九之郎、貧乏だし。それに、今日は親いないから、その、うん、まあ、ね?』 なんだよ、そっちもスケベじゃん。……ははっ 『なぁにぃ~? 九之郎ほどじゃないもんねっ! ……ふふっ』 あいあい、じゃあ10時にね。遅れんなよ。 『そっちこそ、いっつも遅刻してき、あ、お客さん。ちょっと待ってて』 うん? いやもう俺切るぞ。お~い切ってからいけよ、もしも~し。 『 はぁ~ぃ ぁ …… !? ……ッ …… ……ぇ? ドンッ!』 ったく、後から掛けりゃいいじゃん。別にまたせなく 『 ゴガン!! ……ぃゃぁぁああっ!!!! ゴヅン”!! ……ヤッ ゴッ! ……ヤメテェェ!!』 !? なに? なになに? なんだよ? おい美音子? 美音子! おいっ! なんだどうした!? もしもし! 『 ゴヅッ! ゴヅン! ガヅ! ガヅ! ガヅ! …… …… ……ク、ロ ガヅン!! 』 なんだよ!? なにかあったのか美音子! 美音子!! 電話でろよおいっ! どうしたんだよ美音 『だいじょうぶ。なぁんでもないよ、のろちゃんっ』 ……えっ 435 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 11 21 45 ID HEoGee1c 『んふふっ、のろちゃんの必死な声。カワイイ』 ……おねえちゃん? え、なんでおねえちゃんが? え、え、どうなってんの? なんなのこれ? 『んふふっ、あのね、今ね、おねえちゃんはね、ネコを退治したんだよ。』 退治? え、あ、美音子、を? バール、バールで?、美音子を、うそだろっ!? おい!! マジかよ!! 『んふふふっ、マジだよ大マジ。泥棒ネコを退治しちゃいましたぁ~~、あはっ! ほめてほめてぇ~~』 お、おいおいおいおい!! なに笑ってんだよ! おいっ! 何考えてんだマジでぇ!! おいっ!! 『やぁだ~、怒らないでぇ~のろちゃぁん。おねえちゃん悪くないよぉ、のろちゃんを盗ったこの泥棒ネコが悪いんだよぉ~』 マジ!! ちょっとまてよいいから! 救急車呼べまず! 救急車ァ!! はやくゥ!! 『ヤダ。ヤダだしもう死んでるしぃ。んふふっ、じゃ、おねえちゃんこれから帰るからね。夕ゴハンはすき焼きだよぉっ』 ハァ!? わけわかんねぇこといってんなっ!! いいから救急車呼んでくれ!! 美音子助けろ!! 『ちゃぁんとタイヤキも買って帰るからね。いい子でまっててねっ』 待てってぇ!! 待ってくれってぇぇ! 美音子助けてくれよぉぉ! 美音子ォ!! 呼んでくれよォォ!! 救急車ァァ!! 『大好きだよっ。のろちゃんっ』 おねがいしますからぁぁ!! おねがいだからぁぁ!! 助けてくれよぉぉ! 美音子ォォ!! おねがいですってぇぇ!! みねこぉぉ!! 『 ツー ツー ツー ツー ツー 』 う”あ”ー! う”あ”あ”ー!! うそだろ”お”!! うそだっていってくれ”よぉぉお”お”!! 美音子ぉぉお”!! み”ね”こ”お”お”ー!! 436 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 18 39 57 ID 1DsKyoco …ヤンデレっていうか只の怨恨じゃ…。昼ドラか 437 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/15(日) 16 39 46 ID hp0gfNrS 436 まあ昼ドラを2次元化したら禿げ萌えなんだけどな俺は だけどそんなのありえないからシャッフルやらひぐらしに萌えてるわけだ 438 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/10/16(月) 16 04 39 ID MRdxDn3n 昼ドラは見てると結構面白い でもヤンデレというより修羅場じゃないか? 439 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/17(火) 18 00 25 ID rlGdGgV/ 修羅場スレ向けだな。 ヤンデレというなら、むしろ盗った盗られたという認識ではなく 相手の女と自分を同一視し、姉弟だから結ばれない自分の代わりに 神様が作ってくれた自分の分身体だとか本気で信じる姉だとか。 で、その女(姉認識では=自分)をレイープして ああ、私はあの子はこういう風に感じてこのカラダを通じてあの子がどうしたのかよくわかって ええ、気持ちいいのねあの子はこのカラダは私はこんなに気持ちよかったのね とか、こんな感じで。 440 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/17(火) 19 56 25 ID 2q2KsFT+ 日本語でおk 441 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/18(水) 13 48 33 ID I7/8ozo1 姉は弟が好き 弟には彼女ができた(そして肉体関係も) その時の姉の認識は、「弟を彼女にとられた」ではなく、 「私は弟とは血が繋がっててエチーできないから、神様が私のかわりに エチーできる存在(弟の彼女)をつかわしてくれたんだわ!」 で、 (このへんが病んでる) 弟とエチーした彼女の体をレイープして、「弟とエチーしてこんなふうに感じたのね!」 と彼女が感じた弟との肉体の感覚を自分にとりこもうとした。 と解釈した。 442 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/18(水) 17 12 40 ID PhmrcjbA 441 ((((((゚A゚:)))))ガクガクブルブル 怖すぎだな姉 ヤンデレ通り越してる 443 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/19(木) 23 49 03 ID FaQjMaMn 441 なるほど。 いい病みっぷりだ。 444 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 13 22 27 ID r1QKYGbx 441 兄弟とか姉妹でもよさそうだね。 兄が弟の彼女をとか姉が妹の彼氏をとか 姉が妹の彼女をってのもありうるか。 兄が弟妹の彼(ry いやなんでもない。 445 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 14 06 58 ID r1QKYGbx 妹がレズで彼女ができた 妹がスキな兄が、妹とは血が繋がって直接は無理。 中継をお与えくださった神に(ry もありうるな、と思ったら アメリカのバイブルベルトで現実に近い事件があったの思い出して欝に 正確には、神に背くレズが可愛い妹を誘惑し汚した。 呪われしレズに鉄槌を! と言うことで妹の恋人を兄が仲間とよってたかってもて遊んだあげく殺した事件だけど。 446 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 15 49 37 ID kF3G356D 兄弟だと、精神的には801にならんか? 447 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/20(金) 18 30 45 ID nWM319R7 レズは苦手ずら・・・ 448 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/21(土) 00 46 14 ID aDVRjsK7 妹がお姉ちゃんの彼女をとかもいいな。 母親が息子のガールフレンドをってのは妙に現実味があって怖い。 449 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/21(土) 21 55 33 ID go2Dx5ow それはともかくFMJの着メロ欲しい 450 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 19 18 36 ID 3UySaR/phttp //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1159710321/ 嫉妬スレのほうが盛り上がってる 451 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 19 20 44 ID odHqBJ6u 450 ヤンデレの方が状況とか精神状態とか難しいからなぁ……。 452 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 19 49 17 ID rNF9b/md 一番の問題はホモ荒らしがいることだと思う 453 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 19 57 26 ID odHqBJ6u そういや、そんなのもいたな。 あまりに過疎ってて忘れてたよ……。 454 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 21 12 30 ID JYDjWrZU お茶会をどこかに保存してほしいんだ このスレが落ちる前に 455 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 21 23 48 ID 03NLBpBK 嫉妬スレのまとめサイト管理人にお願いしたらどうだ 456 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 00 59 03 ID sfgs1s+c 空気を読まずに投下。レズ嫌いな方は避けて。 457 名前:終わるその時に1/7[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 00 59 52 ID sfgs1s+c いつでもあなたは花を携えやってくる。 いつも通り、ひどい仏頂面。可愛いのだから笑っていればいいのに。 私がそう言うと、あなたは眉をぴくりとひそめて窓辺の花瓶に手を伸ばす。 何の言葉も交わすことなく、てきぱきとした手際の良さでカサカサに乾いた花を捨て 見舞いに持って来た花束をその花瓶へと移しかえる。 私が好きだといった白い花。 あなたは不器用だから、一度気に入ったと私が告げればそればかり買ってくる。 そのくせ不快そうな表情を湛えたままでいるあなたが滑稽で仕方無い。 ――いつもありがとう、嬉しいわ。 私は決まって最上級の笑顔を返す。 そうするのがあなたにとって一番不愉快だと分かっているから。 ――ああ、そう。 投げ捨てるようにあなたは言う。向けられた背が、私の事が嫌いなのだと雄弁に物語る。 458 名前:終わるその時に2/7[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 01 00 34 ID sfgs1s+c あなたは私を嫌いだと言った。この世で一番嫌いなのだと言った。 それは私も良く分かっている。 あなたが好きで大切で、世界の誰より愛していると簡単に言ってのける私。 そんな嘘じみた―私にとってはまごう事無き真実なのだけれど―セリフを 鵜呑みにしてしまうあなたを、素直に嬉しいとうなずけないあなたを、 そして自分もそうだと、私の事を愛してくれていると言葉に出来ないあなたを あなた自身が嫌っているのでしょう。 よく分かる。だからそれは構わない。 だから――…私はあなたの嫌う事を繰り返す。何度でも、何度でも。 何度だって愛の言葉を囁いて、あなたの顔をしかめさせてやりたいと思う。 加虐的な悦び。そうして苦悩と共に私の事を忘れられなくなればいい。 私が乾いて朽ちて消えてゆく前に。 459 名前:終わるその時に3/7[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 01 01 32 ID sfgs1s+c 寒々とした隔離病棟の3階。その行く末が見えている患者達には、看護師でさえ訪れない。 なのにあなたはこうやって、週に何度か私を見舞う。 大層不機嫌そうにむくれて、それでいて私の好きな花と 以前に私が勧めた文庫を持って私の個室を訪ねてくる。可愛い子。 ブラインドを薄く開けた窓から差し込む日の光を頼りに、一心不乱に本を読んでいる。 ――何故、来てくれるの? 前に訊いてみた事があった。それは私の加虐趣味の一環でもあったのだけれど。 本を抱えたあなたは少し驚いて、それから極めて冷静な風を装い答えてくれた。 ――ここは静かで、読書には最適だから。 その口調には昂りが隠しきれずに表れて、私はそれが可笑しいと思った。 今もそうやって読書のふりを続けているの? 私は知っているのよ、あなたが文庫のページを押さえながら私の様子を見ているの。 私に天使の羽が届かぬように。私に死神の鎌が届かぬように。 だけど、もうそろそろ限界が近い。 永らくベッドに横たわったまま冷え切った私の体は瓦解を始めようとしている。 これで最後。だから、私の最後の意地悪に付き合って。 願いを込めて私はあなたに目を遣る。見ているあなたなら気付くでしょう。 ――こっちに、来てくれる? 460 名前:終わるその時に4/7[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 01 02 24 ID sfgs1s+c しかめっ面を崩さぬままで、あなたは窓際のパイプ椅子を立ち 私のベッドの端に腰を下ろした。 ――何? 面持ちとは裏腹に、心配そうな響きを伴った声。 私のただならぬ雰囲気を察してくれたに違いない。 ――もっと、顔をよく見せて。私に 私は自分の声が思ったより震えている事に、そう話しながら驚いた。 あなたは無言で私の顔を覗き込む。私はどんな風に写っているのだろう。 病床に疲れきった末期患者の貌をしているのだろうか。 私はあなたに笑ってみせる。今なら最高に儚く微笑える筈だ。 ――何で。 きつく結んだあなたの口元が、堪え切れない激情に歪む。 ――何でそうやって笑うの。お姉ちゃんはいつもそう。 ――いつだってそうやってあたしに微笑んで、優しくして、そうして最後に離れていくんだわ。 ――だから嫌いなの。いつもあたしを玩具にして。面白がって。卑怯だ。この卑怯者! 吐き出しながらあなたは私に縋りつく。双眸から涙を零して私を叩く、叩く。 弱った体には些か堪えるが、その痛みは幸福と同義だ。 ああ、愛しいあなた。私の可愛い妹。 私の為に泣き崩れるその頭をそっと撫でると、石鹸のいい匂いがした。 461 名前:終わるその時に5/7[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 01 03 22 ID sfgs1s+c ――お姉ちゃ…ん? 私は妹の頬を抱き、未だ止めどなく溢れ続ける涙を唇で拭った。 ひとの体はこんなに温かなものだったかと私は思う。 ――許して、ね 返事を待たずに私は唇をそのまま妹のそれに重ねた。 突然の事で妹は目を白黒させている。 驚いて弛緩した口の隙間から、舌をねじ込んで口内を舐る。 何が起こったか分からないままの妹は、ただ私の良い様になっていた。 互いの唾液が絡まり合う水音。合わさった口の端から甘く漏れる吐息。 何と温かいのだろう。 ふと唇を離して私は妹の顔を見る。 整った顔立ちは恥辱に歪み、凛とした眼差しは未だ濡れていた。 妹は我に返って唇をごしごしと拭った。 ――なんで、こんなこと、するの…! 私は答えない。その代わりに笑った。 あなたを愛しているからよ。 病床の私の上にへたり込む妹の、シャツのボタンは思いの外脆かった。 462 名前:終わるその時に6/7[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 01 04 21 ID sfgs1s+c 必死に振り回される妹の腕をかいくぐってブラジャーのホックを外すと、 形の良い乳房が露わになった。 ――嫌、嫌。お姉ちゃん。止めて、離してよ…! 双丘の膨らみに触れて、撫でて、その度に妹の体がびくりと跳ねる。 その初々しい仕草が可笑しくて、私は堪えるのに精一杯になる。 ――慣れてないのね。男の子とは寝た事無いの? 胸の先端を舌で転がして弄ぶ。固く強張っていくのが感じられた。 ――そ、そんなの…無い、…っ!あぁっ、んっ…やぁ…! 最後の方は嬌声に取って代わっていた。妹の喘ぐ声が耳に心地良い。 もっと聞かせて。私は首をもたげた欲望に身を任せ、妹の体に舌を這わせていった。 スカートを弄り、下着を剥ぎ取る。 柔らかな茂みに囲まれた秘部はもうぐちゃぐちゃに濡れて卑猥だ。 ――じゃあ、私がはじめてね。 私が浮かべたきっと残虐な笑みに、妹は畏れを示した。 ――っ!! やめて、おねえちゃん。もう、いやぁ…っ! 妹の中は酷く暖かくて、私はこのまま溺れて果てたいと願った。 463 名前:終わるその時に7/7[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 01 05 34 ID sfgs1s+c ああ、私の可愛いあなた。 最期まで傷付けてごめんなさい。 嘘もついたわ。本当は許して欲しいなんて思ってない。 ただ私の為に泣いてくれればそれでいいから。 私を時折思い出しては恨んで、憎んでくれさえすれば、それで私は満足するの。 さようなら、愛しい人。 こんな稚拙な方法でしか愛せなくて、ごめんなさい。 私の意識はそこで途切れる。 (了) 464 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/23(月) 01 29 58 ID 0IS3E+cp 「一発やっかぁ」 ス-ツを脱ぎ捨てると、縦じわでよれよれのジャージを整えた。犬小屋の前に立ち股を開く。 既に瞳を濡らし、俺のワンコは俺の愛撫を待つ。 身体を低くして覗き込むと、お尻を持ち上げて、散歩のおねだりがそこにあった。 「ご主人様一筋のワン公だぜ」声に出していう。 「犬はやっぱ柴犬」 やおら犬小屋の中から、ズルムケ状態の換毛期ワンコを取り出す、手にリードをたっぷり取り、逆手で頭をこね回す、 「ワンッ、ワンッ」音が俺の愛犬中枢を更に刺激する。 「ワン公たまんねぇ」ワン公に合わせて、ペースを上下させる。 「犬の散歩にゃあこれだよ」ラッシュを吸い込む。 「スッ、スッ、スッ、スッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。 「ワンコ、ワンコ」「自慢の日本犬」 頃合いをみてリードを引き抜く。俺はワンコのこの格好が好きだ。 白い首輪だけが首に残り、ぶらぶらのベロのバックに、ヨダレ垂らして、尻尾を振り、四脚で大地を蹴って、口でガブリとフリスビーをくわえる。 公園の中ののワンコは、世界一の愛犬になっていた。 「ちきしょう放し飼いしテェよ」最高潮が近付くと、いつもそう思った。ラッシュをもう一度効かせ、褒め言葉を追加すると、愛犬家へ向かってまっしぐらだ。 「愛犬家になってやる」「飼い犬一本のほんまもんの愛犬家」 「うりゃ、そりゃ」「マテッ、こっち来いッ」リードをつなぎながら、目立たない場所をめざす。 「ウンチ袋ねぇよ」こころの奥から、激しい罪悪感が起こった。やがて奔流となり、俺を悩ます。 -やめさせてぇ- -もっと出させてぇ-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。 「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、それに備える。奔流は堰を切ろうとしていた。 「犬一匹 ! 」「ぶちっ」 ※を押し分けて、茶色い塊がしゃくり出される。 真っ白い時間が過ぎ、目の前が現実に戻る。 465 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 02 19 29 ID BY0yucbH 463 グッド 466 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 12 56 53 ID A0TMqcjK 463 病んでるのに読後が切ないなんて反則だ GJ 467 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 14 46 09 ID IU9nfV9V 463 GJ!!!!!!!!!!!! おかしいなあ・・・モニターがにじんで見えるよ・・・ 468 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 19 28 19 ID DpUubx4o 空気が読めないのは寧ろ 464だな。 469 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/23(月) 20 00 20 ID k3ICmmc/ 皆が無視してるのにわざわざ触れるな。 470 名前:463[sage] 投稿日:2006/10/24(火) 01 31 12 ID 3xUY8zzj レスありが㌧! ついかっとなって初めて書いた。描写がいろいろ中途半端で悔しい。 お茶会の人再臨激しく待ってます。ハッター萌え! 471 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/24(火) 01 32 37 ID 3xUY8zzj ハッターじゃない、ハンターだ グリムに刺されてくるorz 472 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/24(火) 02 02 57 ID miGdKv+l うんこっこw 473 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/24(火) 10 51 08 ID XCBF19Rh 帽子屋かw 474 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/24(火) 23 39 35 ID rFSJrRGO もしかして嫉妬スレにまでスカホモ荒らしが出没し始めたのは 450にリンク張られたからか? 475 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/24(火) 23 46 56 ID 9xgwb26Y そうかもしらんけど今更 450を糾弾してもどうにもならんだろ ほっとけ 476 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 00 41 19 ID OkPzSJih メイド服+敬語+地下室でイジメられたい #3http //pie.bbspink.com/test/read.cgi/sm/1138373977/ 女性上位で優しく愛撫される小説ver4http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1135775671/ 477 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 01 23 48 ID CariOzEL おい、嫉妬スレ荒らしているのはこのスレのせいか? せっかく、神が投稿しているときに妨害して 本当に頭大丈夫か? ここの住人は 478 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 01 30 10 ID WFSrqLvP ここの嵐があっちにいったんだよ 頭までヤンデルと思われては心外だ 479 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 01 34 49 ID CariOzEL ブラッド・フォースという神作品投稿中に妨害されたら 誰だって怒りますよ とりあえず、言葉様を置いておくから頭を冷やすんだ ,. -───ー- 、 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ /. . . . . . . . . . ,. . . . . .;、. . . . . . . .`ヽ ____ //. . . . . / . / i. ./ ||ヽ. . . . . 、. . . .`, | /;/. . , . . /. . . / /. / || ヽ. . . . .ヽ. . . l |-, |/ /i i. . ./. || . . ./ /;/ || i. . . . . .i . . . l |-| ヽ、 /,l |. . i. ,/||. ;/ リ ,||、._l . ;. . . l. . . .| i l. .|;;;|/,.j.|、l___ / ====、 ,.r ̄l |. . . .|. . . i | | . 、ーー、. ,  ̄ || |. |. . . .|、 . .! |,ヘ、_, ヾ ヾ、 || || / /|. . . .| ヽ i ヾ i ー---- ァ // |. . . .| }ヽ | ! ! ,|\ i i / |. . . .|, /| ヽ ヽ、__ / ト、 ヽ ヽ、 / __,. -|. . . |. |. . ! ヽ _i_i、 / i. . |`lー------t t-- ". . . .l. . . l. .|. . .} ヽ | i l . | !. . . . . . ,/~lニl`` . . . . .l. . . l. . i. .. .| ヽ __l___ | l;. ! |. . . . . . ./7 ハ~ハ;. . . .l. ./. .i!;|. . . | ,/ l ;l l. . ハ. . l \| V i. . . l /. ./i|ヽ. . ! /^ヽ、, i| ヾj i. . l;;; メ i、. .リ . . ! l| | / i! ヽl_|;;;;;;;:|;;;;;;;lソ. . ,/、;| リ ヽ/ /"~メ{___,.ゝ;/ /,、ケ ` | l | | ´ `` i l i l 480 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 01 46 22 ID OsnulfCW ヤンデレスレの住人さん、すいませんでした。 CariOzELの代わりに謝らさせて頂きます。 嫉妬スレにはこんな馬鹿もいますけれど、偏見の目で見ないでやってください。 481 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 01 48 03 ID WFSrqLvP 480 その言い方は…どうかな… 482 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 02 04 45 ID OkPzSJih 大勝利確定記念age みたいな事他スレで書き込んでた奴だろ、路線変更? 確かラックとか言う奴に粘着してるって自分から言ってた記憶が・・・・・・・・ 483 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 11 12 03 ID IfGNAAuV ホモ野郎なんか ,. -───ー- 、 /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . .ヽ /. . . . . . . . . . ,. . . . . .;、. . . . . . . .`ヽ ____ //. . . . . / . / i. ./ ||ヽ. . . . . 、. . . .`, | /;/. . , . . /. . . / /. / || ヽ. . . . .ヽ. . . l |-, |/ /i i. . ./. || . . ./ /;/ || i. . . . . .i . . . l |-| ヽ、 /,l |. . i. ,/||. ;/ リ ,||、._l . ;. . . l. . . .| i l. .|;;;|/,.j.|、l___ / ====、 ,.r ̄l |. . . .|. . . i | | . 、ーー、. ,  ̄ || |. |. . . .|、 . .! |,ヘ、_, ヾ ヾ、 || || / /|. . . .| ヽ i ヾ i ー---- ァ // |. . . .| }ヽ | ! ! ,|\ i i / |. . . .|, /| ヽ ヽ、__ / ト、 ヽ ヽ、 / __,. -|. . . |. |. . ! ヽ _i_i、 / i. . |`lー------t t-- ". . . .l. . . l. .|. . .} ヽ | i l . | !. . . . . . ,/~lニl`` . . . . .l. . . l. . i. .. .| ヽ __l___ | l;. ! |. . . . . . ./7 ハ~ハ;. . . .l. ./. .i!;|. . . | ,/ l ;l l. . ハ. . l \| V i. . . l /. ./i|ヽ. . ! /^ヽ、, i| ヾj i. . l;;; メ i、. .リ . . ! l| | / i! ヽl_|;;;;;;;:|;;;;;;;lソ. . ,/、;| リ ヽ/ /"~メ{___,.ゝ;/ /,、ケ ` | l | | ´ `` i l i l 484 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/25(水) 20 20 18 ID Hw1ZMUac 483 あははは、あははははははは、あははははははははは、 あははははははははははは 485 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/25(水) 20 44 38 ID KMhnI6cW かなりマイナーだがもとジャンプノベルでのちに一般書籍化した『ジハード』はヤンデレの宝庫だぞ。 両手両足切り落として自分に依存するしかない状態にしたいという望みを持ったやつとか色々いる。 最も一番精神病んでるの作者だと思うが。 486 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/26(木) 06 32 16 ID q2kYtXOU 485者 あの本、巻によって同じキャラでも性格が違う ∧_∧ ∧_∧ (´ _` ) 時々同じ巻でも違うときがありましたね ( ´_ゝ`) / ⌒i / \ .| | / / ̄ ̄ ̄ ̄/ | __(__ニつ/ FMV / .| .|____ \/____/ (u ⊃ 487 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/28(土) 02 54 39 ID 5qIapL5e ガンスリのヘンリエッタは程よく病んでると思う あのままエスカレートしていってジョゼに・・・な展開期待してたのにいつの間にかレギュラー落ちorz 488 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/30(月) 14 21 34 ID KcUwZ8au 狂った果実最高。まぁ小説ではないが。 489 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/30(月) 17 42 23 ID 9LpbhiJB 488 僕の脳みそも猫と一緒にとろけそうでした。 490 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/30(月) 21 24 45 ID Zk8PK4A8 やっぱり神様なんていなかったね 491 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/30(月) 23 51 50 ID lKPQLT0y うむ。神は死んだからな。 492 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/31(火) 00 03 58 ID MTB42ccD 諸君、我らの愛したヤンデレ神は死んだ、何故か? 493 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/31(火) 00 12 13 ID D4iQgGcu 坊やだからさ。 494 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/31(火) 00 26 10 ID UcvP2JCw さっき、車で事故って公衆トイレでやった六尺兄貴凄かったです! 俺のインテグラがガチムチの色黒兄貴の乗っていたプレジデントに側面衝突して、来いよ連呼で 近くのにトイレに連れて行かれて免許書ブン盗られたあげく 張型ケツにぶちこまれ腰振ってました。俺もくわえさせられて浣腸食らい無様に 排便さらしました。脇差出されたときは一瞬引いたけど、兄貴の「いやなら 止めていいんだぜ!」の一言で覚悟決め、生まれて初めて丸刈りになりました。そ の後、脇・チンゲも刈られてビンビンのマラ、思いっきりしごかれ派手にガチムチ 兄貴の顔に飛ばしました。スッゲー男らしく気持ちよかったです。また行くとき カキコして下さい!帰ってから丸刈りの頭見て、また感じまくってます! 495 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/31(火) 00 27 37 ID SO4a7GaO 今の人間では、創造できるヤンデレシチュエーションに限りがあったからさ……。 そう、いつか、また……。 このスレに職人さんが常駐する時代が、きっと……。 496 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/31(火) 00 32 23 ID igJbWdy+ 495 チミがなればいいんだよ! 497 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/01(水) 14 15 36 ID vu7OFLff 自分の好きな萌えシチュはあれども、文章にしようとしてみると 難しいもんだしな 498 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/01(水) 23 33 06 ID /UNRP+Fl 45 : ◆q8Bs81Gv1M :佐賀暦2006年,2006/10/28(佐賀県と談合) 16 02 17.39 ID o6x9QPQV0 「突き指」 恋につき指 突然現れるんだもん つきつきつっきききん つきつきつっきつっつき 骨折れたよ 責任取ってね マイスイートラバー・TAKATOU・・・破廉恥(はれんち)!! 96 : ◆q8Bs81Gv1M :佐賀暦2006年,2006/10/28(佐賀県と談合) 16 06 08.42 ID o6x9QPQV0 「イナズマ」 ライライライライフル回転!! 恋は転落死 ライライララライライララライ 消しゴムの門で 脅迫まがい 好きっていって ほしいのよ たまには 二人で フル回転「地獄まで!」 ライライライライハンニバル ランララララライ雷鳴轟く 恋は イナズマ 738 : ◆q8Bs81Gv1M :佐賀暦2006年,2006/10/28(佐賀県と談合) 17 06 42.94 ID o6x9QPQV0 「心」 ココロコロコロマシンガン 死ぬよ? 避けろ! 一・撃・必・殺!(必ずお前を殺す!) 恋なんてそんなもの 狙われたら 逃げられないv 逃がさないv 許さないv ファンタジー・ラブモード・フィフティーン・ソロモン・ユビワ! いいよ 逃げなさい コロコロ逃げろ 切腹! 499 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/01(水) 23 34 13 ID /UNRP+Fl 798 : ◆q8Bs81Gv1M :佐賀暦2006年,2006/10/28(佐賀県と談合) 17 11 05.57 ID o6x9QPQV0 「三時間」 体育なんだ 見てるよ 窓から 見てる がんばって 走って! ランニング! 汗をかいたら ふけばいい 足の指の間までふくのはちょっとやかなぁ でも好きだよ 本当だよ でも見たくはなかったかなぁ でも好きだけどさちょっといやだったなー 862 : ◆q8Bs81Gv1M :佐賀暦2006年,2006/10/28(佐賀県と談合) 17 16 34.49 ID o6x9QPQV0 「ラブティーチャー」 先生・・・ 恋、教えてください 胸がどきどきするの 息できないの マウストォーマウス? ゥイエッス!!! よろこんでーお引き受けしますーv 先生・・・ 恋、教わっちゃった・・・v ↑ これって、ヤンデレ? 500 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 18 25 38 ID iut2h+Ip なんか過疎ってんな・・・ ここの作品は嫉妬スレの保管庫に入れてもらって 嫉妬スレ行こうか?職人さんまったくいないし・・・ 501 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/05(日) 19 03 42 ID KOyS9ntw 理想郷の SS投稿 その他 にある雨迷子ってヤンデレ? 俺はあれくらいなら悶えるほど萌える 502 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/05(日) 19 07 20 ID q1HkNzoB 嫉妬スレも最近は過疎っているけどな 大物のSS作者さんが次々に最終回を迎えてしまった 503 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 12 12 24 ID 5DbzdXY1 まあぶっちゃけあっちも最近は 疾走とミスターくらいしか見るものなかったしね 504 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 13 31 45 ID JGokgOsE ぶらっでぃまりぃやブラッドフォース、モカさんや凍結してるけどたぬきなべやら 山本君やらで近所にお裾分けするくらいあるじゃないか 505 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 03 34 42 ID DOLghGe+ 前半はともかく、後半は糞だろ 506 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 10 39 20 ID q/ed9fOB 特に雪桜の舞う時には稀にない嫉妬スレの中では駄作中の駄作であった あんな作品をGJとか叫んでいるのは作者トライデントの自作自演としか考えられないわけだが なんで、俺はあいつを追放しないのか考えられん 507 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 13 48 16 ID QBsuRi83 ここは避難所じゃないんだぜ? 508 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 14 08 45 ID x/jRktTV 506 嫉妬スレに湧いてた自治厨か? ヤンデレスレにまで火種を持ってくるんじゃねぇっての。 509 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 18 12 44 ID bw87rCFW しかし燃え上がるものがないという罠 アパム!ヤンデレ持って来いアパーム! 510 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 20 06 45 ID FyYh6zD8 たしかにトライデントの作品は微妙だな 511 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 21 27 12 ID DOLghGe+ 粗悪な出来のSSはいらん いちいち自演で賞賛レスいれる作者もうざい 512 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 22 00 03 ID JMPg2e9G 本気で自演だと思っているのだろうか。 513 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/07(火) 22 02 16 ID vaoAtvSD 512 反応しない 514 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 15 11 01 ID 9UKZfZ6f つーかなんでここで愚痴ってんの? 言うなら本スレで言えよ 515 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/10(金) 18 43 06 ID lzaOPqr6 514 どうせあっちじゃ叩かれるからこっちで愚痴言ってんだろ 516 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/10(金) 19 56 13 ID PHnm/Uwc なんで、SSの神が叩かれているのかよくわからない 自分で書いてから文句言えって感じだよ 517 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/11(土) 07 13 23 ID rlrQSIe6 別にいいじゃんw 518 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/11(土) 07 56 38 ID lp3yoQhb お前らもっとヤンデレっぽく会話しなさいよしなさいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお 519 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/11(土) 20 21 09 ID JX/SO8Sd 518 萩原朔太郎は言っていた 「おわあ、こんばんは」「おわあ、こんばんは」 「おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ」 「おわああ、ここの家の主人は病気です」 こうですか、わかりません!! 520 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/12(日) 00 07 53 ID 8GaC8k8S 「…見つけましたよ、お兄さん。 ダメじゃないですか、こんなところに隠れたりしたら。 まったく、お兄さんは私が居ないと何も出来ないんですから…。 私が居なかった二日間どうでしたか? 外出、出来ました?食事、出来ました?掃除、出来ました? 洗濯、出来ました?身体、洗えました?一人で、眠れました? でも、安心して下さい。私が来ましたからもう大丈夫ですよ。 私がお兄さんの隣に居さえすればお兄さんは生きていけます。 全てを私に任せて下さい。 統てを私に委ねて下さい。 ……ほら、震えないで、私が来たからもう安心ですよ。」 521 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/12(日) 00 10 04 ID 8GaC8k8S これがヤンデレと認められるならば遠い未来に一個書いてみたい今日この頃 522 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/14(火) 18 56 53 ID yD4gzdJL 521 こここここれがあああああヤンデレとおおおおおお 認めるならあああああああああああああ遠いいいいいいいい 未来にいいいいいいいいいいいいい一個書いてええええええええ みたいいいいいいいい今日このころおおおおおおおおお これがヤンデレとみとめるならばとおいいみらいにかいてみたいきょうこのころ 523 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/15(水) 12 28 58 ID xK6oczOM ・・・レミオロメン? 524 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/15(水) 20 13 12 ID 4OTvJPXJ 522 とりあえずモチツケ 525 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/15(水) 20 55 20 ID 1bIJVg+Ehttp //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151146736/649 微妙にそれっぽい 526 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/16(木) 00 02 47 ID LznV2QS5 言わずにはいられないから言わせてもらう。 522≠521 527 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/16(木) 00 15 34 ID ZBxFvAUH ふふふふふふふふふふふふふふ お馬鹿さん 同じ人だって私には分かってるんだから 528 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/19(日) 09 26 36 ID pgngASn/ 逝っちゃってる系ヒロイン分類マトリックス ttp //d.hatena.ne.jp/a-park/20061115/p2 529 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/19(日) 12 01 07 ID e18YBLey かなり適当だな。 530 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/20(月) 03 17 48 ID 1R89Bezn ヤンデレ作品どっかに落ちてないかね? 531 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/20(月) 12 08 34 ID 0nxVgBWu 好き嫌い分かれるだろうけど、涼宮ハルヒものならそこそこ探せば散らばってるかと。 532 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/21(火) 02 37 09 ID Sx/XHp4v 531 アニメも小説も見てないからきっと理解できない… 最近心踊る物に出会ってないなぁ~と思う今日この頃 533 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 15 48 20 ID 3lqbU3Je ◎シーン1:主人公罰ゲームで負けて、学校で一番根暗といわれている冥子に告白 「あの、好きです。入学式の時から好きでした、あんの、そ、つ、付き合ってくださいっ」 『・・・・・・』 「え、あー、あの、ダメ? ははっ、まー……ね? だよね。にゃはっは」 『わたしも、好きでした』 「!?」 ◎シーン2:取り合えず付き合い始め深い仲になり 『お弁当、作ってきた。いっしょにたべよ♪』 「お、おーんっ、いいねぇ。たべましょたべましょ(なーんかなぁ)」 ◎シーン3:最初から乗り気でなかった主人公、彼女の拘束はだんだんキツくなり 『ねぇ、景子ってだれ?』 「ちょっ! ケータイみたの? 酷くね!?」 『ねぇ、景子。景子って誰なの? すごく気になるの。』 「いや、ただの友達だって。つーかケータイチェックやめてよマジで(ふざけんなよコイツ)」 ◎シーン4:主人公景子に告白、で成立。冥子を振る 『どうして、ねぇ、どうし、どうして!! どうしてよぉ!! 私のこと好きっていったじゃない!!』 「ゴメン、でもそれが一番いいから。お前とはもう一緒にいられないんだよ。」 『いやっ、いやよ絶対!! あんなに愛してるってぇぇ!! 愛してるっていたじゃない!!」 「っせぇーーなぁ!! うぜぇんだよてめぇはよぉ! 大体付き合ったのも罰ゲームだったんだよ!」 『!?』 「好きで付き合ってたわけじゃねぇーんだよ! 気づけよそんくらい。つーかもう行くから、じゃあな」 534 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 15 49 51 ID 3lqbU3Je ◎シーン5:ストーキングを始める冥子、主人公の家族に取り入る 「ただい――ま゙!?」 『おかえりなさい』 母「あらあらお帰り。まったくもう、こんなカワイイ彼女を待たせるなんて、ダメねぇ」 『あ、いいんですお母さん。私がいきなり来たんですから」 母「んま~~ごめんなさいねぇ、うちの子気が利かなくて、嫌いにならないでやってね」 「・・・・・・(マジかよ)」 ◎シーン6:夜這いをかけられた主人公、一部始終をビデオに押さえられ脅迫される 『景子さんと別れてください。でないと、このビデオテープ、警察に提出します」 「ハアッ!? なんで警察なんだよ!? 意味わかんねーよ!」 『あなたにレイプされたって。どうなると、おもいます?」 「……てめぇ」 ◎シーン7:冥子宅にて主人公、冥子を拘束レイプ、証拠のビデオを発見、焼却 「はっは!! これでもう何もできねーだろ!! ニ度と俺に近づくなよテメェ」 『フフフ、こういうプレイが好きなんですね、あなた』 「ハ、ハア? マジうっぜぇんだよ! キメェんだよテメェ!!」 『うぐぅ!? ……ぅふっふふ、もっと、してもいいんですよ? もっと、もっと」 「ハァハァ、うっせ! 死んどけ!(怖ぇぇ、本気で怖ぇぇコイツ)」 535 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 15 50 33 ID 3lqbU3Je ◎シーン8:主人公景子とデート中、地下鉄で 「あ、ゴメンちょっとトイレ」 景「うん、わかった」 ・主人公景子の傍を離れる 『こんにちは』 景「え? あ、えーっと?」 『冥子っていいます』 景「!! あ、彼の……こ、こんにちは」 『ええ、こんにちは』 ・電車がホームに進入 『そしてさようなら』 景「えっ?」 ・ホームは波紋が広がるように悲鳴の嵐となる 『人の恋路を邪魔するやつは……ふふっ』 ◎シーン9:主人公ブチ切れて冥子宅へ乱入、しかし返り討ちに 「あ、が、がぅぁ」 ・バチバチと火花を散らす改造スタンガンを手にした冥子 『大丈夫です、死にはしません。そんなこと絶対させません』 「て、めぇぇ、ぅぁ、ち、くそぉぉ」 『これをずぅっと脊椎に当て続けると、どう、なるとおもいますか?』 ・火花が散るスタンガン 「!? ちょ、ぉおいっ」 『大丈夫です。だいじょうぶ、ぜぇったい死にはしません。ただ、』 「ま、まって、まってくれぇぇ、おねが、まってぇぇ!!」 『ただ、私がいないと、生きていけない体に、ね? でもだいじょうぶ』 「ッッッ!! ぎゃぁあ!! あぎゃぅ、ぅがえ! うげぁぁあ!!」 『だぁいじょぉぶ♪ ずーっといっしょに居てあげます♪ ずぅーっと、ずぅぅぅぅっと!!』 ◎シーン10:教会でライスシャワーを浴びる二人の男女、男性は車椅子 『うふふっ! 幸せっ、いま私すぅっごく幸せよ! あ・な・たっ♪』 「あ、あ、ああ、うあ」 『うふふふ!! うん! そうだねっ! 幸せだねっ私たち♪』 「う、あ、ああ、ううう」 『(チュッ)あははっ!! うふふふっ!! あはははっ!!』 ・参列者の拍手と歓声を浴びながら車に乗り込む二人 『愛してるよ♪ あなたはもうすべて、体も、心も、人生も』 ・車椅子の男には、頬に一筋の涙 『 わたしのもの 』 END 536 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 16 30 51 ID nualdiDv rule of roseのウェンディーが実にいいヤンデレだったよ。 537 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 18 47 51 ID F4zqrmO6 533-535 一途な想いって素敵な事なんですね(*´Д`) 538 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/24(金) 02 05 10 ID BwOzkcPM 533-535 全米が抜いた GJ 539 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00 05 58 ID dWlM3zuU 俺は理想的な家庭に生まれ落ちた。 優しい母親に尊敬出来る父親。何不自由なく育てられた。 しかし、五歳の頃にその理想は崩れた。 断片的な記憶だが、最近は頻繁に思い出す。 始まりは母親が出産祝いに、と伯母夫婦に送った二枚の旅行券。 伯母は生まれたばかりの娘は置いて行けないと最初は遠慮したが、 母は『何言ってんの、これから忙しくなって夫婦水入らずなんて出来なくなるんだから! 美奈ちゃんのことは私達に任せて、楽しんで来なさい!』と強く勧めたこともあって 伯母夫婦は出掛けていった。 540 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00 07 26 ID dWlM3zuU その帰り道。 旅行バスの崖からの墜落。生存者はいなかった。 母は責任を感じていたのか、後を追うように急死した。 遺されたのは俺と親父と…美奈だった。 親父は俺に告げた。 『修治、俺は親として情けないことを頼もうとしている。聞いてくれるか? 俺の仕事は帰りが遅いことは知っているだろう? だが俺は今の仕事でしか金を稼げない。 生後間もない美奈の面倒を見ることが出来ない。 だから、美奈の母親がわりに面倒を見てやって欲しい。 五歳のお前に言うことじゃないとわかっている。が、 やって、くれるか?』 541 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00 09 28 ID dWlM3zuU 『美奈は、誰かに愛されている、存在を必要とされている、ということが 教えられなくてはいけないんだ。それが出来るのはお前だけだ。修治。』 「うん、わかった!」 俺は素直に答えた。別に深く考えていたわけじゃない。 ただ、尊敬していた父に頼まれたという事実が嬉しかった。 自分が親父に近づいたような気がして、大人になったような気がして嬉しかった。 だから俺は、自分がもてる精一杯の力を統べて注いで、美奈の世話をした。 美奈の母になろうとした。 美奈が必要不可欠な存在だと、実感させようとした。 542 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00 14 08 ID HVXoRnLe 支援 543 名前: ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00 15 00 ID dWlM3zuU とりあえずプロローグ的なものだけ投下 ・携帯からで一つ一つが短くて読みづらい ・エロが無い作品になる可能性大 etc.. このような欠点を誰か一人でも認めてくれるのなら のんびり連載するかも 544 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00 16 46 ID HVXoRnLe 認めるとか認めないじゃなくて 投下しろ 545 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/11/25(土) 00 54 38 ID WjeCMvbI 543 能書きうざいよ? プライドがないのか? 物書きの端くれなら作品だけで勝負しろボケ! 546 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 00 57 19 ID /o1iSC/Q やっぱ人間て餓えてるとピリピリすんのな。 547 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 01 01 14 ID tkgxq7pn 新手の焦らしプレイ? 548 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 01 15 40 ID /9F9VuKN 5歳の息子に「母親代わりになれ」と言い出す親父、ちょっとキモイな……。 549 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 21 05 16 ID DTDEOF98 超キモイ 550 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 21 06 16 ID 4g94J9Ty そこから先を投下してくれたら気にならない 551 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 21 40 34 ID dWlM3zuU それからというもの俺の生活の大半は美奈との生活だった。 親父が調べてきてくれてわかりやすく書き直してくれた資料をもとに 俺は必死に美奈を育てた。 食事、風呂、排便、夜泣きの対処。 たかが五歳の子供が何故こんなにも育児を続けられたのか? やはり全ては親父への尊敬からだった。 親父のようにかっこいい男なりたい。その一心で俺は動いていた。 さすがに俺が小学校に入学すると昼過ぎまでは美奈の世話は出来なくなった。 そこで親父と俺は美奈を日中は家の近くの保育園に預けることにした。 552 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 21 42 04 ID dWlM3zuU 美奈は見知らぬ場所に置いてかれると思ったのだろうか。 俺が美奈を保育園に預け、学校に行こうとするといつも泣き叫んだ。 俺の服を掴んで離さない美奈をなだめるのには毎朝手をやかされた。 3時頃に迎えに行くと美奈は待ってましたと言わんばかりに抱き着いてくる。 そんな美奈を俺は、親父のような男になるための道程の一つとしての存在ではなく 妹として、素直に可愛いと感じた。 また、美奈の兄として、美奈を絶対に幸せにしようと思い始めたのはこの頃だろう。 美奈と会話が成立するようになってからはその思いは一層強くなった。 553 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 21 43 24 ID dWlM3zuU 「兄さん!オセロやろ!オセロ!」 「兄さん、兄さん!今日のご飯は?」 「お風呂入ろ!兄さん!」 「見て見て!ね、これ、すごいでしょ!」 美奈が居た。 苦労したかいがあったと思う程に美奈は俺に懐いてくれた。 美奈はいつも俺の隣に居たがり、俺と遊びたがった。 「兄さん…今日も学校?」 だから美奈が"学校"という単語に不快感を示すのは俺が美奈の側に居なくなるからかなぁ と、その時は自惚れだと思っていた考えを抱いたものだ。 そして、美奈が成長するにつれて親父の帰りは少しずつ遅くなった。 554 名前: ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/25(土) 21 47 48 ID dWlM3zuU 今回はここまで さて、父キモい、と微妙な先読みをされた訳だが… 言い訳するとまた怒られるので読み手の意見は一切無視する方向性で 555 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 22 40 49 ID N2cTDUFt GJGJ 556 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 22 55 27 ID tkgxq7pn もっと一回あたりの投下量は多くしたほうがいい。 と思ったがスレが途切れないようにするためには小刻みなほうが良いのか。 557 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/25(土) 23 48 14 ID HVXoRnLe 中々にやるじゃないか 少しづつでも読めたほうがいいかな 558 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 01 29 08 ID ABqvSnUB 554 つーかお前さ、自分から擦り寄ってきてるくせになんでそんなに偉そうなんだ? なんかうざいんだが 559 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 01 42 58 ID ZuDmHvZb 558 職人が居ないこの状況で、 なんで職人を潰す様な書き込みをする? つーか職人が気に入らないなら 自分で書いて投下すればいいじゃない。 560 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 01 47 38 ID gUzeXOM0 GJ!!!俺ももうちょい量あったほうがいいと思うけど、それで間隔があきすぎるのもあれだしな。 ここは作者さんには頑張って量も多くし頻度も早くしてもらうという方向でw 561 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 05 41 59 ID zU41I0Je 投下するのはいいが、作者のコメントは目障りなんで禁止な? 黙って投下だけしてくれ 過疎スレだから競合相手がいなくて神になれるからここを選んだんだろ? 手放しで歓迎されると思ったのか? 562 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 06 12 25 ID z+TP11cn 父親に死亡or失踪フラグが立ちました。 563 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 07 54 26 ID TMAcOw0O 投稿者に喧嘩売るやつって何なのかね スレ潰したいのか 564 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 08 44 13 ID mGIbofsj 554 むしろこいつの態度が反発を招いてるな 565 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 08 51 15 ID 6ZZJO5eq ガチムチ兄貴コピペ貼ってたアホが別な方法で荒らしてきたか 566 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 09 02 31 ID GPgeF5Gj ガチムチ兄貴コピペ、あれはあれでちょっと面白かった 567 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 14 08 27 ID MLcdEMOd 書き手に対するううううううう一種のおおおおおおおお ヤンデレじゃないかとおおおおおお思ううううううううううううううううう 568 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 14 34 22 ID MSoTU7gE 567 もちつけ 569 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 14 56 51 ID xvNHjTPD 567 新ジャンル:ヤンデレヒート 570 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 44 09 ID PInRSSth 春、美奈は小学生になった。 学校に行くことになる、と美奈に言った時の喜びかたは強烈だった。 「本当!?兄さん、私も学校に行っていいの?あはっ!これでお昼の間も一緒だね!」 予想以上の美奈の上機嫌に、同じ学校に通っても一緒に居られる訳じゃない、 と言えなかった。 自身の言葉で美奈を落ち込ませるのが恐かったんだと思う。 案の定、学校に行くまではうきうきしてた美奈だったが下校時には目に見えて落胆していた。 「…やっぱり学校なんて……… あ!ねぇ、兄さんって何年何組だったっけ?」 俺は特に考えずに質問に答えた。 571 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 45 49 ID PInRSSth 驚かされたのは次の日だ。 一時間目が終わり教室でのんびりしていると聞き慣れた声が聞こえた。 「えへへ、兄さん、来ちゃった。」 姿を確認するまでもない、美奈だ。 「へぇ、よく場所がわかったね。」 この時は美奈のことを褒めた。エラいエラいと頭を撫でた。 授業間の休み時間は短い。 その短い時間に小学一年の美奈が俺の教室を見つけ、やって来たことを単純に凄いと思ったからだ。 しかし、 美奈は毎時間毎時間やって来た。 授業が終われば飛んで来て、開始ぎりぎりまで粘っている。 これは、間違ってる。そう感じた。 572 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 47 17 ID PInRSSth 兄バカかもしれないが、美奈は賢い子だと思う。オセロだって強い。 間違ってることをしているのならば早めに修正すればよい。 何事にも悪くなり始めがある。そして悪くなり始めのうちは案外簡単に手が打てる。 というのが俺の持論だった。 先手先手を取っていけば取り返しのつかない事態にはならない、 そう思い、その日の下校時に俺は美奈に言った。 「美奈、もう教室には来ちゃいけないよ。」 美奈は信じられないといった顔でこちらを見てきた。 「なんで!?教室に行かないと一緒に居られないよ?」 「そうじゃないよ、美奈。」 573 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 48 51 ID PInRSSth 俺は続けた。 「美奈、学校っていうのはね、兄妹で仲良くする場所じゃないんだ。 勉強したり、友達を作ったり、クラブに精一杯になったり、そうゆう所なんだよ。 だから、休み時間を僕と一緒に居るのに使ったらいけない。 今のうちはいいかも知れない。でも、将来困るのは美奈なんだ。わかる?」 「わかんない、わかんないよ。 だって…兄妹なんだよ?一緒に居ないなんておかしいよ。そうでしょ?」 「美奈、学校に兄妹を持ち込んじゃ駄目だ。兄妹でいるのはそれ以外の場所。」 「なんでなんで?そんなの、変だよ!!それに」 「美奈!!」 574 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 50 22 ID PInRSSth 美奈に対して大声を出したのはそれが初めてだった。 思えばむきになるような事でもなかった気がする。 しかし、美奈にあんな風に食ってかかられたことが無かったから、つい興奮したんだろう。 俺の声に美奈は震え、俯いた。そんな姿は俺を後悔させるには十分すぎた。 気まずい沈黙がどれくらい続いたのだろうか。 どうやって謝ろうか思考を巡らしていたところで 美奈は小さな声で、囁くように喋り出した。 「……わかった。兄さんが、そう言うなら……………そうする。 でも……………………………のは、………までだよ。」 575 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 52 08 ID PInRSSth 「うん、わかってくれて嬉しいよ。ごめんな、大きな声出したりして。」 最後のほうは殆ど聞き取れなかったが、美奈が応じてくれたことに安心して言葉を返した。 「私も、ごめんなさい。わがままいって。」 そう言って美奈は笑い、腕に抱き着いた。 家に着く頃にはいつもどうりの仲の良い兄妹に戻れた、と思った。 いや、"仲の良い"兄妹だと思っていたのは初めから俺だけだったかもしれない。 いずれにせよ、今も昔も、美奈の黒い瞳の向こうがわを読み取ることなど 俺には不可能であり、 先手を取ったと思った時にはとっくに手遅れだった。 576 名前: ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 53 43 ID PInRSSth 以上です。 次からしばらく美奈サイド 577 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 20 57 12 ID z+TP11cn 片鱗が見え始めktkr 578 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/26(日) 22 40 35 ID gUzeXOM0 小学一年で既にヤンデル妹w 俺にもクレヨーーーーーーーーーーーーーー!!! 作者さんGJ 579 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/28(火) 06 35 58 ID 2yL8ez9f うっはw wktkしながら続きを待ってますw GJ!! 580 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/11/30(木) 09 59 05 ID av0NtVJn ほす 581 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 21 59 00 ID mF3XkySr 兄さん……兄さん………… なんて素敵な響きだろう……言葉として口に出さずとも、 頭の中で繰り返すだけで心が、身体が、暖かくなる。 他の誰もが発することの出来ない、私にだけ許された言葉。私の人生そのもの。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 私の側にはもの心ついた時には兄さんが居た。 私の記憶があるのは、私が二、三歳くらいの時からだ。 兄さんは私のことをいつも気にかけていてくれた。 私を愛してくれた。私は兄さんの愛に包まれて育ったのだ。 兄さんを愛さないはずがない。 582 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 00 28 ID mF3XkySr 私は小さい頃から学校が嫌いだった。 兄さんが学校に行っている間、私は何をして過ごしていたのか覚えていない。 ただ淋しかった。そして私から兄さんを引き離す学校を恨んでいた。 日が傾き始めてからが私の時間だった。私と、兄さんの時間。 兄さんが居て、私が居る。ただそれだけのことだったが、 私はそれが嬉しくてしかたがなかった。 だから、兄さんから、私も学校に行くことになる、ということを聞いて、喜ばない訳がなかった。 これからは一日中兄さんと一緒だ。 嫌いだった学校を一気に好きになる程に私は有頂天になった。 583 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 02 30 ID mF3XkySr 幸せの真っ只中にいた私だが、それはいとも簡単に破られた。 期待を粉々に打ち砕かれ学校に裏切られた私は、この時一つの教訓を得た。 兄さん以外には、信ずべき存在など有り得ない。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今日は色んなことがあったなぁ。 兄さんの手を繋ぎながら今日のことを思い出す。 まず学校を楽しみにして、でも学校は思ったようなとこじゃなくて、 やっぱり私の味方は兄さんだけだなぁ…って確認した。 じっと兄さんを見つめる。 うん、やっぱりカッコイイ! 584 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 04 01 ID mF3XkySr 「…どうかした?」 私が見つめているのに気が付いたのか、 兄さんはテレビから私のほうに顔を向けてきた。 「ううん、なんでもない。」 そう言って兄さんの腕に抱き着く。 あはっ、兄さんの匂いがするよ… 次の日、 私は今、1時間目の授業が終わるのを待っている。 早く兄さんに会いに行きたいのだ。居場所は昨日聞いた。 十分くらいしか一緒に居られないけど、それでも早く会いたい。 身体がうずうずする。 時計を見る。授業の終わりまであと少し。 チャイムが鳴る。 私は矢のように飛び出した。 兄さん、いま、会いに行きます。 585 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 05 55 ID mF3XkySr 廊下を駆け抜け、目指す場所まで一直線。 見えた、兄さんだ。 「えへへ、兄さん、来ちゃった。」 兄さんは少し驚いた顔をして、少しして笑った。 「へぇ、よく場所がわかったね。」 当然だよ、兄さん。だって私は兄さんの妹なんだから。 兄さんは近づいて来て私の頭を撫でてくれる。 あは、あははっ、あはははは! 気持ちいいなぁ…兄さん、すごく、気持ちいい…。 兄さんに撫でられているとこからとけちゃいそうで、 触られてるだけなのにすごく甘い。よくわかんないけど、なんだか甘い。 兄さん、もっと、もっともっと撫でてくれる? 586 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 07 32 ID mF3XkySr その後も、授業が終わる度に兄さんに会いに行った。 短い間だけど、昼の間、全く会えなかった時より最高に楽しかった。 その日の帰り道、兄さんと並んで歩いていると、兄さんが喋り出す。 「美奈、もう教室には来ちゃいけないよ。」 …なんで?疑問はそのまま口から出てくる。 「なんで!?教室に行かないと一緒に居られないよ?」 すると兄さんは答える。 「そうじゃないよ、美奈。美奈、学校っていうのはね、………」 ……ねぇ兄さん、何を、言ってる、のかな? 私、全然わかんないよ。兄さんの側に居るより大切なこと、あるわけないよ。 587 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 10 09 ID mF3XkySr 「わかんない、わかんないよ。 だって…兄妹なんだよ?一緒に居ないなんておかしいよ。そうでしょ?」 ……そう、おかしいよ…兄さん、なんでこんなこと言うの? 「美奈、学校に兄妹を持ち込んじゃ駄目だ。兄妹でいるのはそれ以外の場所。」 兄さんの言葉を聞きたくない… 「なんでなんで?そんなの、変だよ!!それに」 「美奈!!」 ッ!!!!!!! ……心臓が跳ね上がった…………息が吸えない………胸が……ドキドキして…… ……頭がガンガンする…………気持ち…悪い… ……身体の中のものを……全部……吐き出して……しまいそう… 588 名前: ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 12 38 ID mF3XkySr 中途半端なところですがここまで。 申し訳ないです。 589 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/03(日) 22 25 56 ID rZg9JSNt GJ!! そこで反省するのが普通の人。 しかしヤンデレは 590 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/04(月) 00 36 34 ID at2boQ6R 小学5年生のとき、入学してきたばかりの妹に授業中窓の外から「おにいちゃーん!」と叫ばれ、 恥ずかしいから無視してたら思いっきり名前を連呼されて大恥かいたのを思い出したぜw 591 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/04(月) 00 49 15 ID KX71P3F5 待ってましたw妹がいない間そこには・・・ 592 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/04(月) 22 48 06 ID 5vim64yX GJ杉 続きが気になるZEEEE!! 593 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/12/07(木) 23 47 48 ID P+4E1y1y 続きを期待しながらホシュ 594 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/09(土) 21 16 45 ID 1deKMf72 このスレは本当に寂れているな 嫉妬スレとは大違いだよ 595 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/09(土) 21 20 50 ID 7jjnnEOU よそはよそ、うちはうち 596 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/12/09(土) 21 32 24 ID i+pmeC4N 新ジャンル ほのぼの純愛 ttp //www21.atwiki.jp/honobonorennai/pages/1.html 597 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/12/10(日) 06 55 04 ID GNx+rJEn age 598 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/10(日) 10 16 27 ID FIWtjQkX ……どれくらい時間がたったのかな。 兄さんはそのまま私のことを怒ると思った。 でも、兄さんは黙ったままだ。 頭に浮かんだ不思議さにさっきまでの気持ち悪さも少し軽くなった。 私は、兄さんの顔をばれないように覗く。 兄さんは、困ったような、辛そうな顔をしてた。 こんな顔、前に一回見たことがあったのを急に思い出す。 どれくらい前のことかは忘れちゃった。でも、何があったかは急に思い出した。 あれは、いつもどうりの朝だったはず。 でも、私は兄さんが学校に出掛けて行くのを見送るのがどうしても我慢出来なくなった。 599 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/10(日) 10 17 54 ID FIWtjQkX だから私は、兄さんにしがみついて叫んだ。力の限り。 「兄さんっ!行っちゃやだ!!私のそばに居てくれなきゃやだ! ずっと一緒に居てくれなきゃやだ!お家に居てよ!!私も連れてってよ!!」 兄さんは、困ったような、辛そうな顔で私を撫でながら言った。 「美奈、ごめん。僕も、美奈のことが心配だよ。なるべくなら側に居たい。 でも、しかたないんだ。お願いだから、わがまま、言わないで。」 わがまま、か。 兄さん、妹が兄さんのそばに居たがることはわがままなのかな。 ううん、絶対、そんなことないよ。そんなことあるわけない。 600 名前:ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] 投稿日:2006/12/10(日) 10 19 29 ID FIWtjQkX だって兄さんと私は愛し合っている。一緒に居るのは当然だ。 じゃあ、なんでわがままなんだろう。 答えは意外とすぐに見つかった。 なんで気付かなかったんだろう。 学校だ。学校が悪いんだ。 学校が私と兄さんを引き離す。学校が兄さんに辛い顔をさせる。 兄さんのことば、やっと、わかった。気持ち悪さもいつの間にかさよならしている。 見つけた答えを軽くつぶやく。 「……わかった。兄さんが、そう言うなら……………そうする。 でも兄さん、私達、我慢するのは、学校卒業するまでだよ。」 ね、そうだよね、兄さん。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1082.html
1 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/02/29(金) 14 09 30 ID kAnF2FVb ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。 ○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど) ○ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ■ヤンデレとは? ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。 →(別名:黒化、黒姫化など) ・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。 ■関連サイト ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫(本保管庫) http //yandere.web.fc2.com/ ヤンデレ臨時保管庫 @ ウィキ(臨時保管庫) http //www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/ ■前スレ ヤンデレの小説を書こう!Part13 http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199940017/ ■お約束 ・sage進行でお願いします。 ・荒らしはスルーしましょう。 削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、 削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。 ■投稿のお約束 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため) ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。 ・版権モノは専用スレでお願いします。 ・男のヤンデレは基本的にNGです。 2 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 14 31 12 ID uZFpKqF/ *、 *、 。*゚ *-+。・+。-*。+。* / ゚+、 ゚+、 *゚ ・゚ \ 。*゚ ∩ *。 *。 +゚ ∩ * (´・ω・`) +。 +。 ゚* (´・ω・`) と ノ *゚ *゚ ・ 。ヽ、 つ と、ノ ・゚ ・゚ +゚ * ヽ、 ⊃ ~∪ *゚ *゚ * +゚ ∪~ ☆ +′ +′ +゚ ゚+。*。・+。-*。+。*゚ 3 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 16 17 26 ID WxCWaQYG 真面目に 1乙! 4 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 16 59 40 ID mGGiUOrW 近い内に 1がヤンデレっ娘に監禁され(ry 5 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 17 01 54 ID tF9j5nMa 1乙かれー。。チョコレートを分けてあげよう 6 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 19 19 12 ID 1Dk0Mh6B ドラえもん 7 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 22 09 27 ID QLVbbkNH 1乙 夜まで待っても良かったと思うけど、テンプレは特に問題ないね、たぶん。 あと、さっきお前の家を探してる女がいたから住所教えてあげたぞ。 8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 22 22 49 ID 5bUVAZI+ 1乙 しかし何で 7が 1の住所知ってたのかが問題だn 9 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 22 45 59 ID T4ok4ffd 7も 1を追いかけてるヤンデレで 1を追いかけてる女がいると知らせることで 1にその女を拒否らせる魂胆なんだよ!! 10 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 23 03 28 ID mGGiUOrW 受け入れたらどうする 11 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 23 17 01 ID T4ok4ffd だから 1に恐怖心を煽っておきながら 裏でその女の邪魔をするんだよ・・・ 12 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/02/29(金) 23 30 20 ID E+pkxIV6 とりあえず 1に合唱 13 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 01 39 44 ID lTvcSv8V ららら~♪ 1乙~♪ 14 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 03 23 04 ID smF8rn47 1 乙です☆ 15 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 09 12 06 ID s1JwMypw 1、よくやった、うちに来て妹とファックしていいぞ 16 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 12 23 04 ID d6409hKN 武装練金のパピヨンが女だったらいい感じのヤンデレなのになあ、と思う俺。 17 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 12 55 55 ID PEuN+CIb デレどこだよw 18 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 13 08 55 ID d6409hKN うーむ……カズキだけにしか本名を呼ぶのを許さないところ、とか。 19 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 13 36 49 ID EOOwjyYi なんだかんだ言って、白い核金つくったところとかも? 20 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 14 07 10 ID OgO2lNzb 元病弱で薄幸の美少女が 蝶マスクと魔法少女風ボンテージを身に着けた ヤンデレ女王様に早代わりかw 21 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 21 22 05 ID mMeCAGTm 15 お前の妹がすごい目でお前を睨みつけてたんだが・・・?大丈夫か? 22 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/01(土) 21 58 19 ID 7U0YnrLK 15 訓練教官殿! 微笑みデブがM14にヤンデレているようですが大丈夫でありますか!? 23 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 22 05 42 ID IVw6YlOT 22 このスレのお約束は… ・ヤンデレヒロインは美女か美少女 ・ヒロインの幸せこそがハッピーエンド なんだよ… 何?ヒロインが可愛くないだと。 それは妄想力と気合とヤンデレ萌えで補うんだ!! どうしても駄目ならヤンデレの女神様に祈れ!! 24 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/01(土) 23 00 08 ID u/QvdIJX かわいくないヤンデレか・・・ そこで整形ヤンデレだ。 一度愛しの彼に振られてしまった。理由は容姿がジャイコや花沢さんタイプだったから そこで、彼女は就職後は給料のほとんどを整形資金の貯金に費やし、ついに多額の金銭と引き換えに美貌を手に入れた もう一度彼にアタックしようとする彼女だが・・・ 惜しむらくはこの妄想を文章へ昇華できないことだ 25 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 01 30 56 ID GjX6mpLa 24 整形と聞いて余り良い顔をしない人もいるだろう。 「作り物の顔」 そう言われた事もある。だけど、私にはこれしかなかったから……藁にも縋る想いで「作り物」を求めた。 「私の事。覚えてますか?」 「貴方に言われたから、私は生まれ変わったの」 「待たせてしまってごめんなさい。でも、これからはずっと一緒です」 「手始めにあの醜い雌犬を消してしまいますね。」 26 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 01 35 11 ID 7Khp71eJ 整形ネタか。 こんなのも考えられる。 自分の容姿に自信がなく、告白出来なかった女の子が整形+ダイエットで 誰もが認める美人へと大変身。元々性格も良かった彼女はたちまち人気者。 しかし…意中の彼は 「前の君が好きだった」とつれない返事。 しかも自分の親友(普通の容姿)といい雰囲気に。 「私は死物狂いで努力したのに!!なんであの子と付き合うの!!」 とヤンデレ覚醒。 悲しいかな、俺には文才及び根気が足りない。 27 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 01 44 55 ID +8gK+cDQ レディコミにありそうだな 28 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 01 52 16 ID EJU70vyD 26 某バーローな漫画でそれとそっくりな話があったよ。 最終的に男は整形女に毒殺される。 29 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 09 33 ID REqIrwkK 第五話、投下します。 30 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 12 09 ID REqIrwkK *** 何処からともなく、焦げくさい臭いが狸の鼻をくすぐる。 狸は火事かと思って飛び起きると、兎が台所から呆れた顔を覗かせた。 「本当に、狸さんは落ち着きがないですね」 兎は包丁を握ったままこちらを向いたものだから、狸は少しびくりとした。 「ひぇ、殺される」 兎は何も言わずに台所へと戻る。 落ち着いて狸は気が付いた。そうか、兎は料理をしているんだなと。 狸は地べたにあぐらをかき、暫くの間、狸は兎が料理しているのをじっと見ていた。 その姿を見て、いっそのこと火事だったら良かったな、と溜息をついた。 兎はこじんまりとしたちゃぶ台に、半分墨になった焼き魚を並べると、 二匹は向かい合って手を合わせる。 狸は、兎のところに料理が無いのを見て、すこし不思議そうな顔をした。 「兎さんよお……兎さんは何も食べないのかい?食べないと力が出ないよ……」 兎さんは少し苦い顔をする。 「いえ、狸さん、私は先ほど味見してお腹一杯なんですよ」 狸は再び溜息をついた。 狸は辛うじて食べれるご飯を中心にかきこむ。 31 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 12 59 ID REqIrwkK 「そういえば、狸さん、昨日は何処へ行っていたのですか?」 狸は一瞬、ご飯が喉に詰まるのを覚え、豪快にせきをした。 兎はあら、大変と背中をさする。 「いや……少し月が綺麗だったから散歩し……」 「嘘ですね」 兎は強い口調で否定した。狸は口ごもった。 「嘘だと言うのは、貴方の体から若干、線香の臭いがするのですよ。 貴方の家で線香を焚いているところを見たことがないのですよ。 とすると、他の場所で線香を焚いてある場所に行った筈ですね。例えば……」 少しくすと笑う。その笑い声に、狸はびくりと驚く。 「娘さんの家、とかですね……性懲りも無く、笑われに行くために」 狸は俯く。 そして恰も地面に話かけているかのように呟く。 「実は……言い難いことなんだけど…… 俺、やっぱり兎さん、あんたとは付き合えないんだ」 兎は耳をぴくぴくと動かす。 「あのよお……あの晩、確かに娘のところへ言ったよ、 で、やっぱり俺、娘のことを忘れられないんだよお…… 俺も、見ての通り、そんな出来た奴でもねえし、 すっぱり忘れられるほどの男らしさもねえよ…… だから、兎さん、あんたの好意は嬉しいのだけど」 32 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 15 44 ID REqIrwkK 兎は途中で笑い出す。狸はまたびくりとして言葉を詰まらせる。 「あはははは、何を、何を言い出すかといえば、またそんな戯言ですか? お腹、お腹が苦しいですね」 狸は少しむっとした様子で口をつぐむ。兎は自信たっぷりに述べる。 「いいですか、遠くの薔薇より身近なたんぽぽです。 天高く飛んでいるように見える青い鳥もまた家の中で鳴いているわけです」 そう言うと、兎は狸と距離を詰める。狸の頭を両手で押さえ、唇を重ねようとする。 狸はそれを押しのける。 「いや……俺は頭が悪いからよくわからんけど、 そうじゃないんだよ……俺の、俺なりのけじめだよ」 兎は少し哀しそうな寂しそうな表情を浮かべる。 兎のことだから演技かもしれないが、と狸は思う。 だが、それでも、兎の哀しそうな顔を見るたびに、何処となく、兎のことを傷つけてしまったのではないか、 という罪悪感を覚えてしまう。 「じゃ、俺は……芝刈りに行ってくるからさ……」 狸は相変わらず不恰好な歩き方で出て行く。 一人残された兎は唇を噛み締め、袖をきゅっと握った。 「忌々しい……忌々しい…… あの小娘、まだ私のことを邪魔しようって言うの……」 そのときの顔といったら、禍々しい魑魅魍魎でさえも、恐れて逃げ出していたであろう。 33 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 16 34 ID REqIrwkK *** ところで、娘のほうはといえば、爺様と並んで、鍋で煮込んだ芋粥を仲良く食べていた。 爺様は、その老体のせいか、なかなか外へと出られず、かといって日々貧しい生活であったから、何もしないわけにもいかず、黙々と草履を作っていた。 爺様はふうふうと粥を冷ます娘を見ながら、少し申し訳なさそうに話を切り出した。 「なあ、娘や。もうお前も年頃じゃ。もうそろそろ嫁に出る事を考えてもよかろ」 その言葉を聞いて、娘は芋粥を食べる手を止める。 「ええ、解ってます、御爺様。でも、私は既に嫁になる相手は考えています」 爺様は少し目を丸くする。 一人娘が既にそのようなことを考えていたとは思ってもいなかったからだ。 「ほほう、娘や。その相手というのは…… 働き者なのかね?品性や行いが良いものなのかね? 若い者に騙されてはならんぞ、若いうちはなかなか落ち着かないものだから、 気が気で心配ならんからな」 娘はにっこりと微笑む。 「その人は、働き者で品性もよく、 私のことを一番考えてくれていて、一番愛してくれています。 ですから、そんな心配はいりませんよ、御爺様。 それに若い人のような魅力で誘惑出来るならば、他の人たちみんな誰でも誘惑されていますわ」 爺様は少しほっとしたのか、顔をしわくちゃにして微笑む。 34 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 19 22 ID REqIrwkK 「そうだそうだ、わしの一人娘だから賢く育てたつもりじゃ。 ご免のう、年寄りは少し愚痴っぽくてかなわんくなる」 娘はただただ相槌のように頷くと、空っぽになった鍋に茶碗を入れて、 井戸へと向かった。たらいに水を汲むと、鍋と茶碗を浸し、へちまで擦る。 ふと横を見ると、娘は庭の入り口に一匹の兎が立っているのに気が付いた。 「あら、兎さん、どうしたのですか?道にでも迷われましたか?」 茶碗を洗う手を止め、そのように呼びかける。 その呼びかけに答えるかのように、兎は丁寧に深々とお辞儀をする。 「どうも、こんにちは。いつも私の主人がお世話になっております」 娘は少し考える。何故なら、娘にとって雄兎の知り合いは思い当たらないからだ。 「失礼ですが、多分、人違いをなさっている気がするのですが」 兎は作り笑みを浮かべる。 「いえいえ、あなたも随分と頭の中が古いのですね。 私が申し上げているのは、誠実で真面目で、 ただ何処か頭が抜けていて身形が醜悪な為にみなから嫌われている人のことですよ」 女性の勘というものは恐ろしい。娘はただそれを聞いただけで漠然と理解した。 この兎が何の為にここにいるのか、ということも。 「あの、失礼ですが、何か勘違いされていませんか? 確かに、私と恋仲に成っている人がいるのは確かですが、 貴方みたいなべっぴんの方をお嫁さんに貰っているとは聞いておりませんが」 35 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 20 43 ID REqIrwkK 兎は表情を崩さずに微笑み続けている。 但し、目は全く笑ってはいないが。 「ええ、勿論、解っております。 私も現在独りの身で御座いますし、彼のも独りの身で御座いますが、 何時しか二人は固く結ばれることになるのです」 娘は茶碗を手に取り、鍋をぶら下げると、 先ほどの様子とはうってかわってぶっきらぼうに言葉を投げつける。 「で、何のようですか?そのようなことを伝えにだけ来たわけじゃないでしょう?」 兎は何事も無いかの如く、淡々と続ける。 「いえ、今日は挨拶というくらいですよ。また何かの縁で出会うこともあるでしょうしね……」 娘は何も言わずに家の中へと入っていく。 兎は家のほうへと向き直り、誰も見ていない場所でただ頭を下げ、歩きだした。 「なるほど、あのような娘が言い寄って誘惑していたのですね。 確かに……あれほどの美人でしたらくらりと来ても仕方ないですね」 兎はくすくすと笑う。 「いえ、いざとなったら消してしまえばいいだけの話。 私以外を好きになったならば、それを消してまた向きなおせばいい話。 簡単なこと、簡単なこと……」 恋は人を盲目にする、とは良く聞くことではある。 兎が如何なる目を奪われているのか、それは恐らく神か仏にしか解らぬことであろうということ、なのかもしれない。 36 名前:恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 21 48 ID REqIrwkK 第五話投下終了です。 37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 06 26 41 ID 0808zc04 GJ!! つ、ついに直接対面したか…… 38 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 07 14 41 ID LlmhJJpr 36 GJ! 遂に始まった…女の戦いが ゾクゾクしてきたぜ! 39 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 08 59 19 ID vBTVNF33 GJ! オラ、何だかゾクゾクしてきたぞ! 40 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 13 30 21 ID BmtleZg7 GJ! 娘さんもヤンデレ化するのか? 41 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 20 12 38 ID zqxLJyrG GJ! 兎が正面から宣戦布告したのに萌えた もう結婚してるから近付くな、とか言うのかと妄想した俺はヤンデレに刺される資格もない 42 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 20 55 56 ID 7Khp71eJ 41 後ろでお前を暗い目で見ている子がいるぞ。 等と言うと思ったか。 そんな根性なしはヤンデレ少女にペニバンで掘られて、地獄ならぬ 天国でも見てこい。 43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 21 45 12 ID uQ4T/+sU 42 後ろ後ろ 44 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 21 57 10 ID iBHvJNzm 43 後ろ後ろ まったく、少しは自分の身の回りにも注意を向けたまえ 45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 22 04 36 ID EYZQCmL0 44 後ろ後ろ 46 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 22 07 52 ID os3K1Pbw 右向け右 47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 22 58 30 ID 3IYMkssz 46 お前・・・、足下・・・ 48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23 18 26 ID giQJlCmt 47 おい・・左斜め・・・ 49 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23 20 53 ID 2l8+L1wq 47 危なーい!上だぁー!! 50 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23 22 05 ID 7GMk7qgy 48 馬鹿!それどころじゃねぇ!!天井見ろ天井!! 51 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23 22 28 ID GST5Rnjj ・・・残像だとッ・・・・!? 52 名前:42だが[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23 35 21 ID 7Khp71eJ この中で一人でも ヤンデレ少女に襲われてるといいね… ちなみに俺は普段の行いが悪いのか無事だorz 53 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/02(日) 23 45 18 ID 3vyDFnuw 52 なぜ、あなたが平穏無事なのか、考えたことはありますか? 私が毎日毎日、どれほどの苦労をして、あなたに擦り寄ってくる泥… ・・・いえ、何でもございませんわ。お気になさらず・・・。 54 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 00 15 35 ID YDxvYK1P こういうレスが帰ってくるからこのスレはいいよな ヤンデレっ子に愛されるのを疑似体験できる…… 55 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 00 22 41 ID s59JTe+D 54 君は何を言ってるんだ?さっぱりわからないYO 56 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 00 28 45 ID Pz1LPWMB 54 あなたは病んでいる 57 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 00 31 31 ID kFRfNJUn お前達は最高すぎるな なのになんでまだ無事なんだ? 58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 00 53 42 ID YDxvYK1P 56 病んでいるって、ヤンデレっ子に愛されたいと思うのは人として基本的な欲求だろ? 59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 01 01 25 ID lmTSvE38 なんという数珠繋ぎ 立体位置を脳内マッピングしようとしたら絶望した 60 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 01 03 21 ID T7Y5e1dT 57 俺たちは皆、ヤンデレっ子を愛している。 だが俺たちを愛してくれるヤンデレっ子がいない、ただそれだけだ。 さーて・・PC閉じて課題をさっさと終わらせるか・・・ 61 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 08 03 59 ID nHh+8dh6 それが…60を確認できた最後の言葉でした(60の母) 60は「最近誰かに監視されてるみたいだ」とよく口にしてました。 まだ…見付からないんですか? (60の親友♀) お兄ちゃんを早く見付けてよぉ!!あの女が犯人に決まってるじゃない!! (60のキモ…妹) 60は無事ですよ。姉だから分かります。 ふふ…もう我慢しないから60ちゃん。 (60の姉) 60に付きまとっていた人?クラスの女の子みたいです。 私?べ、別に彼に興味無いんで。 (60の同級生・ツンデレ?) 60くんをストーキング?はい…よく後を付けたり、彼の持ち物で自慰を行ったりはしてましたが…彼の行方までは。 (60のクラスメイト・ストーカー) 60が行方不明になって一月。早くも捜査本部には諦めの空気が 漂っていた。 だが私は諦めない。必ず60を見付け、そして… (刑事・60の先輩♀) ??「無駄よ… 60は私だけのもの。誰にも渡せないの」 「 60拉致事件」 拉致ヤンデレは誰だ? (母除く) 62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 09 00 51 ID pZfgoFVr 姉が一番怪しい 63 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 10 26 06 ID rwVxyX5z と見せ掛けて、普通を装う親友が怪しい 64 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 11 51 19 ID s59JTe+D 実は身の回りの女性を覚醒させるための、 60の狂言だった! 65 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 13 02 02 ID scYb9SfW 犯人はヤス 66 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 17 12 00 ID RjkjOooO 放課後、一通のメールが届いた 今日病欠した恋人からだ 『看病しにきなさい』 おーい、生きてるかー? 「やっと来た、私がいない間に他の女に手出してないでしょうね」 出してねぇ そう言うお前も病人なら病人らしく寝てろ。 何ソファーでくつろいでんだよ 「ゆっくり寝てらんないわよ!」 はい? 「貴方が私以外の女とイチャついていると考えるだけで、ゲファッ!」 あー!服に血が・・・ 汚ったねぇなぁ~も~! 「そうよね、私の血なんて汚いわね、それに比べあの女の初めての血はさぞ綺麗だったのでしょうね!」 あの女って誰だよ!あーもう力むから、鼻血が ほら、ベッドまで抱っこしてやるから 「うふふ、貴方はそうやって私をお姫様抱っこしてればいいの」 はいはい 「もし、他の女にもこんな事したら、私死ぬから、さっきみたいに血ヘド吐いてとても見れたものじゃないようなガハッ!」 はいはい、そうで御座いますかお姫様 「死ーぬーかーらー!」 分かった!分かったから耳元で叫ぶな!・・・・ほら、ついたぞ 「ん、もっと優しく下ろしなさいよ病人なのよ」 ごめんごめん ってもお前、元気そうじゃねぇか 「あ、そっか、まだ本当のこと言ってなかったけ・・・」 ・・・え 67 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 17 22 34 ID RjkjOooO 「病気の事、私ね・・・」 ・・・ 「・・・・・・」 ・・・・・・ 「・・・・・・恋の病なの」 ・・・・・・ 「・・・・・・」 ・・・・・・ 「・・・・・・好きー」 照れるぐらいなら言うな! 68 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 17 47 47 ID m8hkpdJ2 …グッド。 IDに丸が多いなw 69 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 19 51 31 ID RjkjOooO なんか読みにくくなってしまった 次から気を付けます 70 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 20 42 46 ID YDxvYK1P 俺……今朝の夢、ヤンデレっ子の夢だったんだ…… 夢に見るまでに恋焦がれているのに、どうして現実では縁がないんだ…… 71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 20 43 21 ID Q4KJ57EP なんかライライの吐血ヒロイン椿を思い出した 72 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 20 44 46 ID AONcBmaJ 71 また懐かしい作品を 73 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/03(月) 21 12 29 ID foxZk8OH 67 ナイスジョブ これは……ツンヤン?ヤンヒート? 判別が難しいぜw 74 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/04(火) 01 20 35 ID sdyPKjD9 70 そんなことないよってお前の美人の母さんが言ってたよ。気をつけてね^^ 75 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/04(火) 07 58 42 ID Cdbtffjt 74 そう言えば 70とは本当の親子じゃないんだってさ。 年も八つしか違わないって、うちのねーちゃんが言ってた。 76 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/04(火) 16 53 59 ID sZaS8L3F つまり腹違いの種違いの勘違いの人違いの親子というわけだな ところで 70の母さんが 75の姉についていろいろ聞いてくるから教えちゃったよ なんか秘密がどうとかバラしたらどうとか言ってた。ちょっと刺されて怖かったから…… 77 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/04(火) 19 43 14 ID A8TywC6/ 流れぶった切って小ネタ。ヤンデレとは違うかもだが、まあ小ネタですから。 ------------------------------------- 「ヤンデレになりなさい」 「は?」 そんな唐突に訳の分からぬ四文字を含まれたことを女友達に言われた私。 そういえば彼が出来たのだとか。いいなあ。でも何その単語。 「何を言ってるかさっぱりなのですが」 「ヤンデレはいいぞぅ・・・ああいいぞぅ」 「・・・ヤンデレってそもそもなんなのはぶ!?」 殴られた。裏拳だった。ひどい。 「全く。そんなこと言うなんて。 そんなことだから好きな人にも告白も出来ないのよ!」 「___!!ななな、何言って。べ、別にあの人のことなんか・・・」 「分かりやすい反応ね・・・ま、いいけど」 その後、ヤンデレについてのトークを友人にみっちり受ける。 聞いていた周りの女の子が逃げたりしていたが、私は逃げ切れなかった。 「で、でも・・・愛という名目でそこまで行っちゃうと・・・やっぱり駄目なんじゃ」 「ふふふ・・・甘い。GEKIAMAよ!」 「何故にローマ字」 「そこにメリットがあるからさ・・・くくく」 「な、何よ・・・」 不敵な笑みを浮かべながら、友人は高らかにこう告げた。 78 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/04(火) 19 44 00 ID A8TywC6/ 「ヤンデレヒロインであることの良さ、それは・・・ずばり、どちらに転んでもハッピーエンド!!」 「な、なんだってーーーー!!」 「監禁して二人の世界に入ってもハッピーエンド(主にヒロインが)だし、 たとえ愛する人が彼女の症状を元に回復させても二人ともハッピーエンドだから、 ヒロインにとってはとてもおいしいってことなのよ!!」 (ええーーーー) 「でも・・・好きな人が拒絶したり別れる話だってあるんじゃ・・・」 「あ、大丈夫、その後絶対笑顔で泥棒猫を抹殺したり愛する人を調教しちゃってるから♪」 (ええーーーー) 「い、いや、しちゃってるから♪、じゃなくて」 「愛のためなら手段は関係ないの」<最高の笑顔で 「う・・・今の笑顔・・・凄く素敵だった」 「ゲームならエンディングカットの一枚絵になるわね」 「又訳の分からないことを・・・」 「ちなみに、私はヤンデレで幸せになれました、てへ♪」 「え、ええ!?どういうこと?はっ、そういえば 貴方の彼の幼なじみの子が登校していないような?」 「転校・・・したんだよ」<遠い目 「なにその意味深な発言と態度!?」 「さあ、分かったでしょ?ヤンデレになりなさい!幸せはすぐそこよ!」 ・・・どないせーと。 追記。 「これを読んでいる貴方。貴方の恋愛は、本当に純愛ですか?」 「何不安あおるようなことを言ってるの!?」 「ヤンデレは疑心暗鬼から生まれるものでもあるのよ・・・くくく」 終わり 79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/04(火) 19 44 34 ID WJpbeD99 70の弁当って誰に作ってもらってるんだ? 70に彼女はいなかった気がするが 親の弁当でハートマークってのはなぁ・・・ 80 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/04(火) 23 03 30 ID Yge3S0le いいなぁ旨そうな弁当作ってもらえて 俺の妹が料理上手いから今朝頼んだら海苔だけぎっちり詰まっていたんだが・・・ なんか怒るようなことしたかなぁ? 81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 00 54 00 ID //wo0E4N 80 それ本当に只の海苔か? もしかして薬g いや、すまん。ここで言う事じゃなかったな。 82 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 01 16 57 ID /jrTrKt7 80 作ってくれるだけいいじゃないか。 俺なんて作る側なんだぜ。ありがとうって言われたことすらないな。 弁当箱を洗って返してくれる辺りはマメだなぁとは思うけども。 83 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 01 48 15 ID M79jUxI0 すまん、キモ姉やキモウトはいけるが、母は無理だ 82 お前弁当箱の匂いかいでみろ 微かに変な匂いしないか 唾液のような…… 84 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 01 59 14 ID c8yFKoev 唾液の匂いなんか普段から嗅いでなきゃわかるわけないだろ、馬鹿だなあ 85 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 02 01 12 ID jHT57ydR 80 わかるぜ、妹は色々と面倒だ だが、お前の場合、髪の毛を愛液で似たものだった可能性がある。臭いを嗅いでみ? 86 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 02 46 20 ID kmiWmijS 80の弁当を見たがちゃんとした海苔だったぜ。俺の姉ちゃんが作ってくれる弁当に入ってるやつと同じだし だいたい髪の毛と海苔なんて間違えねーよw 海苔はこう、くちゃくちゃっとしてるけど髪の毛はもっとストレートだろ。それに海苔の方が毛がみじk・・・ 87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 07 55 50 ID vgCQvtGX 86 やあ、おめでとう。 姉ルート確定だね。 今回君の選択は正しかったのか僕には分からない。 でもね、君の回りには妹、同級生、幼馴染み、先輩、教師、バイト先の同僚… 数多くのヤンデレが存在するんだ… ここにやり直しボタンがあるけど。 どうする? ヤンデレ愛人生をやり直しする? ⊃ ・ はい ・ いいえ 88 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 11 29 40 ID DrWfq1/5 ネタを伸ばすのもいいがまずは職人にレスを付けろ。 78GJ 89 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/05(水) 14 26 09 ID 5zoHZaBl 90 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 16 44 29 ID RUx16DMJ いやいや、趣味嗜好の合わない作品にレスをつける必要は無いでしょう。 91 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2008/03/05(水) 17 35 03 ID PRmuNKjz http //jun.2chan.net/b/res/6932775.htm 92 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 22 21 11 ID jHT57ydR 90は 78に取り入ろうとする泥棒猫を駆除して 78を独占しようとするヤンデレ娘と見た 93 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 23 49 32 ID vgCQvtGX 92 気を付けて!! 90の狙いに気付いた君を狙う怪しい人影が……!! 94 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/05(水) 23 51 38 ID r62Gulj9 ネタ引っ張り過ぎ… もういいよww 95 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 00 30 18 ID 19sHNNBM ほ う ち ょ う を も っ た さ ゆ り が な か ま に な り た そ う に こ ち ら を み て い る ! ! 96 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/06(木) 00 47 37 ID NJKuZsWb http //www.getchu.com/soft.phtml?id=520805 これは……私もそろそろエロゲデビューの時ですかな 97 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 00 52 26 ID NJKuZsWb ごめん、あげちゃった…… 反省してる だから許して いや本当に反省してるって… いやおまえちょっ(ry 98 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 01 21 35 ID rYw0Ep3s 97 どうしてageたりしたの……? そんなことしたら私と彼だけの秘密の場所が秘密の場所じゃなくなっちゃうじゃない…… そんなに私と彼とを引き裂きたいの? ユルセナイ…… ってことか まあどんな形であれ、ヤンデレっ子に関われるとはうらやましい限りですねw 99 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 02 44 40 ID /SpvI+Zv 前スレでやれ。 100 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 10 52 15 ID U+t+PbmU 気持ち悪い流れだな 101 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 12 02 21 ID pRnUsj8f みんなのヤンデレ覚醒って何が原因? 102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 13 07 06 ID Y+ipy+63 7~8年程前の小6か中一の頃、ある漫画の主人公が監禁される夢を見たあたりかな 性についての知識が乏しかったから、一緒に縛った恋敵の前でキスしたりマーキングする程度 本格的なヤンデレに目覚めたのは二年前、修羅場スレまとめとスクイズの存在を知ってから 103 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 13 17 08 ID D+YGcxEh 狂った果実 俺、オサーンorz 104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 13 35 18 ID 5s06Ypad このスレと嫉妬スレの住人って大半が被ってんの? 105 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 13 43 09 ID MlzEOkny 少なくとも俺は違う てかどーでもいい、いちいち他スレを引き合いに出されてもウザイ 106 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 15 09 47 ID GfsY6QAw 修羅場スレは荒れてたから見てないな 107 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 16 31 04 ID GR1j7q+9 紅の夕乃さんがストライクだった 108 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 16 32 42 ID 24AbCcCy 夕乃さんってヤンデレか? 109 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 16 40 13 ID 5F5TK1ty つーか、いつまでも炎上し続ける上に一向に学習能力がつかないアフォどものせいで廃墟スレと化した あそこの連中どもと一緒くたにせんでくれ 荒らしに魅入られてしまったスレのなんと哀れなことか 110 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 16 41 59 ID WrX+6JER キモ姉系の嫉妬要員じゃない? 111 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 17 15 09 ID HEzNUhxn 俺は間違いなくSHUFFLE!の楓 112 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 17 50 58 ID z+4NLXTz かなりマイナーだが、「死者の呼ぶ館」の葵。 113 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 18 33 15 ID SO0Jror+ 109 いちいちお前もそういうこと言わないといられないアフォなのかね 他スレの悪口はチラ裏にでも書いてろ 114 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 18 47 36 ID UOeyR9F3 そろそろ、むこうで勝利宣言するからこっちにくるのかい? 115 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 19 12 37 ID rYw0Ep3s 前から色々あったけど、決定的だったのが未来日記の由乃 116 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 20 34 39 ID qYEKESi8 110 そういやブレンパワードの伊佐未姉さんもヤンデレだったな 117 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 21 12 33 ID z+4NLXTz ブレンに出てきたママンはヤンデレなのかな? 118 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 22 04 20 ID dz8itgqZ 俺はマナマナだな 最初は引いたけど数ヶ月後に急に愛され過ぎる事の魅力に気づいた 119 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 22 36 41 ID n3D1WDVo マナマナはいいね 実に良い 俺はクロスチャンネルの支倉曜子 120 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 22 44 39 ID lg87B77N じゃあ俺は田中ロミオ繋がりでゲーティア 121 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 22 51 00 ID 3csouloF 笑うなよ?絶対笑うなよ? 夢野久作の 「ドグラマグラ」のモヨ子 「瓶詰地獄」の兄妹 他の文学作品では川端康成の「青い海、黒い海」の 「私」ときさ子の関係はヤンデレカップルとしては理想的 122 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 22 55 48 ID 3csouloF 121間違えた りか子だった・・・ あと、エロゲだったら「ハードラヴ」に適うモノは無いな 123 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/06(木) 23 48 35 ID L48Eefkr みんな ○○を読んで目覚めました って流れなのか… 私は異端だな。 私は 一見大人しそうな女の子が実は暴走娘 というスラップスティック物が大好きで、 それを集めてたらいつのまにかコメディの内容にホラー系が混じるようになって、気がついたら ヤンデレ属性になっていた。 だから これを読んで目覚めた というものがない。…異端すぎるぜorz 124 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 00 00 28 ID 5s06Ypad 俺の場合は軽い嫉妬が好きだったが ネットを使うようになってからヤンデレにのめりこんでしまった。 ちなみに最初、ヤンキーデレと思ってた。 125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 00 12 08 ID yu/IFjyA 124 「あぁん?何見つめてんだこの野郎!……もっと、好きになっちまうじゃねーか……ばかやろぉ」 こうですか、わかりません>< 126 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 00 49 36 ID A/SI3krG ジャンプスクエアの屍鬼の主人公につきまとう女キャラはヤンデレなんだろうか 127 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 01 06 29 ID 340ZjLQE 俺も何で目覚めたってのはねえな…… ラムちゃんで嫉妬に目覚めたのは確かだけどヤンデレは特に無い 嫉妬と独占欲の余りおかしくなるのってエロマンガには昔から沢山あったからたぶんそういう積み重ねで 128 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 01 14 39 ID hVP0t4J3 南極条約の姉さんのSSを読んだせいで目覚めてしまった…… 129 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 02 42 45 ID OLB5gSsT 俺はニコニコでスクールデイズの鮮血の結末?で覚醒しt 130 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 04 04 27 ID XycoIvJc 今思うと絶望の世界かなー 131 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 04 42 32 ID BCwrCpEJ きみとぼくの壊れた世界の櫃内夜月(目覚め) と SHUFFLEの楓(確定) かな。 132 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 05 07 33 ID IEEjhbXZ ハーレムスレ→女の子の嫉妬ってかわいくね? ↓ 嫉妬・三角関係・修羅場スレ→ハァハァ、でも嫉妬って女のエゴだよな ↓ ヤンデレスレ、キモ姉妹スレ→これだ 133 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 08 07 02 ID zAwglNBM 絶望の世界にヤンデレなんていたっけ? 134 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 08 54 12 ID n25IBRZ9 36 GJ!!もしかして娘もヤンデレなのか?そうすると狸は両手にヤンデレだな……。 がんばれよ、狸。 135 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 12 44 07 ID fpPl5CpC 前スレ梅て来たぜ 新しいヤンデレ娘を楽しむとするか 136 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 13 04 54 ID JePMSbW+ 俺は「ほの純」かな 以前からこんな娘がいいなってのはあったが ほの純読んで完全に覚醒した 137 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 14 00 48 ID IEEjhbXZ ああ、そういえば気になってたんですけどカチカチ山のやつって、世界観どんなのなんですかね レコードでてきたりするし、あと狸とかウサギって普通に擬人化して考えていいものなのかどうかとか 138 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 16 14 31 ID FQnw00h1 そこらへんは読者の想像でいいと思う 変に決めつけるのもアレだし 139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 22 23 13 ID MZ1mTdQC ところでここに投下する作品にはどれだけヤンデレ分があればいいのだろうか? 1.ヤンデレキャラが出てくる 2.ヒロインの一人がヤンデレ 3.メインヒロインがヤンデレ 4.ヒロインは全員ヤンデレ 140 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/07(金) 22 41 59 ID zAwglNBM そんなもん規定されてねえよ 141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 00 33 21 ID kK0+9Pi2 139 ヤンデレが出ればそのじてんでここのスレに投下してもいいってことだ! が、しかし男のヤンデレはNG。 142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 00 35 11 ID vXtcok0I 139 ヤンデレメインの話じゃないとアウトだろ…jk 143 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 00 45 11 ID tIQvxoIO 142 いや、ヒロインに覚醒ヤンデレがいると、必然的にヤンデレメインになるからいいんじゃないか? まあ最終的にはヤンデレyじゃないのとくっつくかもしれんが 144 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 01 09 07 ID bIaNvlsa どこかで『ヤンデレは料理でいうカレー粉』って言ってる人がいたねぇ。 他を全部キャンセルして食感をカレー風味にしちゃうっていう 145 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 01 12 14 ID tIQvxoIO 的確だなあ 146 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 01 58 39 ID vXtcok0I 143 なら1,2の区別が分からん そのヤンデレがヒロインかどうかなんて分からんだろ それともマルチにするってこと? 147 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 02 29 27 ID tIQvxoIO 146 ヒロインじゃなくても、主人公の周りにヤンデレキャラがうようよいたらそれはそれで面白くないか? そもそも、ヤンデレがほとんど絡まない話をこのスレに投下したりする奴がいるだろうか 148 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 02 38 54 ID vXtcok0I 147 ならヤンデレキャラがメインの話でFAだな 149 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 09 55 08 ID tGCL4Ykz 俺の想像力では、ヤンデレとのHシーンは監禁のち逆レイプしか思い浮かばん。 150 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 10 11 52 ID f2DDkF51 男の性欲につけ込んで付きまとうとか・・・ 151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 10 32 58 ID g7n08d0j ヤンデレとのHシーンだったら、 ・エッチ最中は普通の女の子 ・普段は普通、エッチ最中はヤンデレ パターンは? でも面白くはないか。 152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 12 46 27 ID EKhYBOF+ 151 どっちも美味そうで困る。 153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 13 15 29 ID /dMe3Mmv 主人公のことばかり考えて生きてきたために性の知識が不足していて、 いざ逆レイプしようとしたところで何をしていいか分からず戸惑う。 とかどうだろう? 154 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 13 34 50 ID XnA1neIe 151 下の方は、男がショタ、女がお姉さんみたいなのしか、想像できない。 155 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/08(土) 20 48 34 ID L5Xt3WDe 151 会社員の女上司と男部下 会社内では女上司が男部下を叱りまくってるが プライベートだと女上司が男部下に甘えまくってる そんな二人にかわいい後輩女部下が近づいてきて・・・ っていう妄想をした 156 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 05 30 ID eJyQK2pi 155 書いてみた。 全然推敲してないし、上司がまったく可愛くないけどね。 157 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 06 18 ID eJyQK2pi 「横島くん、例の書類まだなの?」 眉を吊り上げて鋭い目で睨んでくるのは俺の上司の三上レイさんだ。 「あ、はい。あと三十分だけ待ってください」 そして答えたのが俺、横島忠綱。去年、大学を卒業して、ここの会社に就いたばかりのサラリーマンだ。 「その台詞は一時間前にも聞いたわよ!ろくに仕事も出来ないなら辞めてしまいなさい!この亀男!」 部屋中に聞こえるほど大きな声で罵られる。 俺は確かに仕事は出来ていない、でもこの書類をほんの数時間でやれって言う方がおかしいだろ… そんな不満を腹の中にしまいこみながら黙って仕事を続ける。 周りの人間は憐れみ半分無視半分だ。 そりゃそうだ。 三上さんは仕事ができるが性格がキツイで有名な女傑で、わずか28という年齢で部長の地位に上り詰めた人で変に触らないことがここでの暗黙のルールとなっていたのだ。 しかし、そんなことをまったく知らなかった四月、新入社員歓迎会で俺はやってしまったのだった。 結論から言おう。 その夜に俺は三上さんを抱いた。 お互い酔っていたし、俺は女の子が大好きなのだ。 そして朝になって気づくシーツの紅い点。 トドメは目が覚めた三上さんの一言。 「……責任とりなさい」 そんな理由で三上さんと恋人になるハメになった。 158 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 06 57 ID eJyQK2pi 「愛してる」 そう言って遠慮なく俺の口の中を貪っていく彼女。 「好きよ」 誰もいない社内では二人の声しか聞こえてこない。 (…今日もか) これで何日連続だろうか? 俺は今、俺の唇を強引に奪う女、つまり三上さんに無理矢理残業させられているのだ。 そして夜が更けて二人っきりになると強引に愛を求めてくる。 まあ、それだけならいいんだがこの女は休みの日になると勝手に人の家に上がり込んでくる。 はっきり言ってウザいことこの上ない。 恋人がいる人ならわかるだろうが、恋人といえど他人なのだ。 取るべき最低限の距離というものがある。 しかし彼女はそれを知らなかった。 現に彼女は今、上司という特権を利用し俺を長時間拘束している。 前に同僚に手伝ってもらって与えられた仕事を全て終わらせて先に帰ったことがあった。 すると泣きながら朝まで説教をされた。 また別れ話を切り出したこともあった。 すると彼女は包丁を自分の首筋に当てて「別れるくらいなら死ぬわ!」と叫んだ。 なんという地雷女だ。 俺は自分の不幸を呪いつつ彼女の求めに無気力に応じるのだった。 159 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 07 32 ID eJyQK2pi 「あの……もしかして横島先輩ですか?」 四月、俺が入社して一年目になった日、社内で俺は知らない女の子から声をかけられた。 「はぁ……確かに俺は横島だけど……君は?」 失礼かもしれないが知らない人は知らない。 こういうのはオレオレ詐欺や宗教の勧誘かもしれんからはっきり言った方がいい。 「ヤダなあ。私、蛍です。昔、隣に住んでた」 蛍? いや、あいつは丸っこいメガネをかけててダサい三編みしてた女だぞ。 しかし、俺の目の前にいるのはショートカットでくりくりした瞳の美少女だ。 うん、間違いなく別人だ。 「悪い、俺は宗教や詐欺に引っ掛かる馬鹿じゃないんだ。騙すなら雪之丞あたりがオススメだぞ」 そう言って立ち去ろうとしたがかなわなかった。 「…マザコン」 ボソッとした黒い声。 「…中2まで一緒にお風呂」 こ、こいつは…… ニタリと笑う少女。 「やあ、蛍くん。積もる話もあるし一緒にランチでもどうだい?」 「わあ、素敵。私、駅前のフレンチレストランがいいです」 こいつ…… そして俺は二人の諭吉を失った。 160 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 08 01 ID eJyQK2pi ※※※ やっと見つけた。 わたし随分探したんだよ。 でも忠にぃが悪いんだよ。 忠にぃが色んな親戚の家を転々としてたから探すの大変だったんだから。 忠にぃ、覚えてる? ちっちゃい時にね、私たち結婚の約束してるんだよ。 今はうるさいハエがたかってるみたいだけど安心していいよ。 すぐに潰すから。 アナタのお母さんみたいにね。 161 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/03/09(日) 00 08 40 ID memk7XIy 「いじめ特派員」 毎日いじめに悩まされる中学生健二。 毎日いじめを行う中学生源藤。 この凹凸コンビが突然特殊秘密機関にGLNA(グルア)に 「いじめ特派員」として任命される。 任務は健二が源藤以外のいじめを行う者(TEPテップ)に わざといじめられるように日々を過ごしTEPを特定する。 源藤は健二を含むいじめを受ける者を目標とし 肉体的苦痛を与えないようにいじめて共犯者を いじめを行う者(TEP)として健二と源藤が一緒に 秘密特殊機関GLNAに報告するのが任務だ。 GLNAへ報告後TEPは翌日からいじめを行わなくなるか あの世へといくの道しかない。その排除の基準を知らない 健二と源藤は徐々に不安を募らせてゆく。強制的にいじめられる 健二。強制的にいじめる源藤。共に精神もやられはじめ 無差別な報告になっていくのだった・・・・ 162 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 10 29 ID XLkIzPEp 以上です。 理由あってPC使えなくて、後日もっとちゃんとした文のやつを投下できたらなぁと思います。 お目汚し失礼。 163 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 18 22 ID llHaRyu3 162 GJ!! お目汚しなんて、もっと自信持とうぜ! 164 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 20 28 ID bV+kCuFH 161 なにこのくう(ry 165 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 23 03 ID P/gsxe62 162 結婚してください 166 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 26 58 ID 1JGvYCqC とりあえず一言 名前はちゃんと考えような。 いくらなんでも、漫画のキャラクターの名前を引用するのは良くない。 分かる人は分かるぞ。 でも、こういう話は好きだぜ。 167 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 46 19 ID XLkIzPEp 166 わかる人がいてくれてすげぇ嬉しいw 実は母親の名前は絹代にするつもりだったのは秘密だw ツッコミ入ったし名前は変えときますね じゃあもう消えます 168 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 00 52 03 ID H5VSucGj まさかゴーs… 169 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 01 06 58 ID hF7FhsuH 162 おああああ!ほんとに書いてくれるとは!GJ! 170 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 01 07 30 ID llHaRyu3 見慣れない部屋で目が覚めた俺はベッドに縛り付けられていた ハッキリしない意識の中、身に起こったことを必死に思い出す 今日は学校を休んで一日部屋にこもっていて 夕方にクラスメイトの今日子がプリント持ってきてくれて…… 「あは、やっと起きた、このまま死んじゃうのかと思ったよ」 そうだ……この女、今日子にスタンガンのようなものを押し付けられて 「おはよう、って言ってももう夜中だけどね」 そう言って今日子は俺にまたがった いわゆるマウントポジションというヤツだ 「ねぇ、なんで今日休んだの、一緒にお勉強したかったのに、お弁当だって作ったんだよ?」 「……ここはどこだ?」 「ここは私の部屋、ねぇ、なんで休んだの? 答えてよ」 彼女の手がじわりじわりと俺の首に近づく 「言えないんだ、それとも忘れちゃったのかな?」 「な、なにを……?」 手が首にかかり 「じゃあ教えてあげるね、昨日、あなたは、私を、犯したんだよ!」 「ぅぐっ!」 一気に締め上げる 「無理やり!無理やり!私をレイプしたの!覚えてないの!?」 俺は手足を縛られているせいで抵抗できない 「自分が何したか分かってるの!? 女の子の人生メチャクチャにしちゃう最低な事したんだよ!?」 「やめ……」 急に彼女の締め付ける手の力が抜け解放された 「やめて……?」 「げほっ、はぁはぁはぁ」 「やめてって、私も言ったよね、言ったのに、止めてくれなかった……」 パシーン! 「っつ!」 突然の平手打ちに、頬が熱く痛む 「何度も、何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度もやめてって言ったのに!」 パシーン!パシーン!パシーン!パシーン! 繰り返される往復ビンタに頬の感覚がなくなってきた 171 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 01 08 18 ID llHaRyu3 「はぁ、はぁ、どう?思い出した?……じゃあ証拠見せてあげるね」 そう言うと彼女は上着を脱ぎだした お世辞にも大きいとはいえない胸のふくらみ、その頂点の桃色の乳首、そして…… 痛々しいほどくっきりと刻まれた歯形が見えた 「この歯型が誰のものか、わかるよね? ……言い逃れできないよ こんな痕つけた歯にはお仕置きしなきゃ、ね」 彼女はポケットからペンチを取り出し口元へと運ぶ 「どの歯からにしよっか、前歯がいい?それとも奥歯?犬歯にする?」 「ぅう……ごめ、なさい…ぅ…ごめんなさい」 「あはは、泣いちゃったね」 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 「許さないよ、絶対。その代わり、条件飲んでくれたら警察行かないよ」 俺は首を縦にふった、何回も 「私以外の女と話さないで、私以外の女に触らないで、私以外の女と遊ばないで 私以外の女と食事しないで、私以外の女と仲良くしないで、私以外の女とSEXしないで 私、あなたに傷物にされたの、その責任、死ぬまでとりなさい」 選択の余地はなかった、俺は泣きながらその条件を受け入れた その日、放課に英語の補習を終えて教室に一人残っていた 教師は戸締りをするようにとだけ言って先に帰ってしまった 電気を消した薄暗い教室、さあ帰ろうとしたその時 「補習お疲れさま、ジュース買ったのはいいけどお腹いっぱいになっちゃって、飲む?」 いつの間にか後ろに立って缶ジュースを差し出す今日子がいた 彼女は補習を受けなかったから、とっくに帰ってるはず もしかして俺をまって……なわけないか、委員会の仕事でもしてたんだろう 「サンキュー、いただきまーす」 これって間接キスだよな…… ジュースを飲む時、一瞬だけ彼女が見えた 笑顔だった、口元だけ笑っていて、目が笑っていない笑顔 その目に何か暗く淀んで見えたのは教室が暗かったからだろう 俺はジュースを飲み終えて…… END 172 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 01 15 26 ID llHaRyu3 あ、タイトル考えてないや…… 寝る前にレイプネタ思い浮かぶ俺どうかしてるぜ おやすみ 173 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/09(日) 09 43 08 ID P/gsxe62 テラ策士ww 174 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/10(月) 00 01 10 ID cHVr7ICR 167 GSはそれなりにSSサイトが残ってるから読んでる奴も 多いだろうよ 175 名前:ヤンデレジャンケン ◆ZUUeTAYj76 [sage] 投稿日:2008/03/11(火) 01 18 23 ID yB8LhmHR 『テレビの前のよいこのみんな~!』 『テレビの前の恋する乙女たち~!』 『『ヤンデレジャンケン、はっじまっるよ~!』』 「……なにアンタ、いまだにそんなの見てんの?」 「おいおい、コレ結構おもしろんだって、見りゃ分かるよ」 『こんにちわ!ヤン助お兄さんと』 『こんにちわ!ヤン美お姉さんの』 『『ヤンデレジャンケンの時間だよ!』』 『初めて見る子のためにお兄さんが説明してあげよう!』 『ルールは簡単、 ・ノコギリは包丁に強くて ・包丁は主人公に強くて ・主人公はノコギリに強いぞ! 後は普通のジャンケンと一緒だ!』 『それじゃあいっくよ~!』 『『ヤンデレジャ~ンケンジャンケンポン!』』 ヤン助お兄さん:包丁 『主人公の子はおめでとぉ~! 負けちゃった子は次もがんばってね!』 『2回戦いくぞぉー!』 176 名前:ヤンデレジャンケン ◆ZUUeTAYj76 [sage] 投稿日:2008/03/11(火) 01 24 45 ID yB8LhmHR 「……ってさっき主人公じゃジャンケン負けてなかった?」 「なに言ってんだよ、主人公は刺されるもんでしょ、勝ちだよ勝ち」 「はぁ?」 『『ヤンデレジャ~ンケンジャンケンポン!』』 ヤン助お兄さん:ノコギリ 『包丁出した子おめでt』 『――ちょっとカメラ止めて』 『ど、どうしたのヤン美お姉さん!?」 『どうして……どうしてノコギリなんて出したのよ』 『どうしてって言われても、その』 『最初は包丁出してくれたのに! なんでノコギリなんか出すのよ!』 『取り合えず落ち着こうよ、ね、本番中だよ』 『昨日は何度も愛してるって言ってたくせに……裏切るんだ』 『え、ちょ、本番中になにを』 『本番本番って、そうやって誤魔化そうとして、ノコギリをかばってるのね!許さない……』 『ちょっと!包丁どっからだしたの!?待って待って待って待って!あぶな』 『ああああああああああああああああああああ!!!!』 しばらくお待ちください 177 名前:ヤンデレジャンケン ◆ZUUeTAYj76 [sage] 投稿日:2008/03/11(火) 01 34 03 ID yB8LhmHR 「うわー、なにコレ、放送事故?」 「毎週こうさ、先週は危なかったなぁ」 「……」 「さて、しばらくはこのままだ、いまのうちにトイレトイレ」 10分後 『もうっ、ヤン助お兄さんったらカメラの前なのに恥ずかしい』 『はは、あははははははは』 『よいこのみんなと恋する乙女たち!まった来週~!』 「……なんかお兄さん服ボロボロだったんだけど」 「先週なんてスタジオに血だまり出来てるのが映ってるだけだったぞ」 「よく放送できるわね、こんなの」 「いいなぁ、またお兄さんの一人勝ちかー」 「あんた、こおいうのが好きわけ?」 「映ってない時いったいなにが起こってるのか、気になるぅ!」 「ねぇ、ちょっと、人の話を」 「録画した先週分もう一回見ようかな、一緒に見る?」 「……っ!」 「ん?どした?」 「そんなに好きならヤってみる?……ヤンデレジャンケン」 END 178 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/11(火) 09 15 04 ID kmW8ZNGj 177 乙!! 一瞬ヤンデレジャクソンと読んでしまったww 179 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/11(火) 12 38 17 ID FUoV5NLu これが初カキコなのになんで俺がいるんだw>ヤンデレジャクソン 180 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/11(火) 12 49 43 ID pENwhtK6 177 GJ! この番組みてぇwww 181 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/11(火) 21 07 10 ID AsR2DN5Y good job. ノコギリ=桂○葉 包丁=西園寺○界 主人公=ま(ry ということかな? 182 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/11(火) 22 43 01 ID PXPA1bQM 181 それだと包丁対ノコギリで包丁出した子おめでとうってなるのはおかしくないか? いや、だからおねえさんはキレたのか 183 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/11(火) 22 50 31 ID pENwhtK6 182 包丁はノコギリに殺られるからじゃね? 一回戦だと殺られる主人公おめでとうだし 184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/11(火) 22 52 56 ID PXPA1bQM 183 そうか、主人公がま(ryならな ついついヤンデレ好きの心情として、殺される=ハッピーエンドって考えてしまって 185 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 13 00 16 ID 9gHmvUsg 全裸でカチカチ山待ち 186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 17 38 54 ID TlcK85tY 185 靴下と眼鏡は外すなよ 187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 20 31 39 ID qveVhmfQ いいんだよ、PS2版の事もあるし 188 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/12(水) 23 24 35 ID hEdQJQa/ 185 俺もカチカチ山待ってるぜ 兎がどう出るか楽しみだ それよりいいのか?おまえの家の前にいるあの娘、ずっと外で待ってるみたいだが... ま 俺はおまえらがヤンデレっ娘とイチャイチャしてるの見るしか出来ねぇけどな ちくしょう...何で俺の所にはヤンデレっ娘がこないんだ... 189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 00 33 06 ID YkpcPe80 さっき 188の家の前で女の子を見たんだがなんかうつむいてブツブツ呟きながら往復してんだよ まるで夢遊病のようだったし・・・・・・まさかなぁ・・・ 190 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 05 18 27 ID Jy49iAmm ヤンデレと付き合ってたことがあるんだが http //urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-329.html うらやましい・・・うらやましい・・・。 191 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 06 34 18 ID yeXvQjW/ ああ、リアタイでみてたよそのスレ 最後は思いっくそ釣り臭くなったのが嫌だったけど VIPのスレなんてみんな釣りかもしれないが、 どうせ作り話ならヤンデレとのハッピーエンドにしろよな 192 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 08 52 13 ID kb7QG1bR 俺もリアルタイムで見てたわ 後半は釣り臭かったがまぁ面白かった 193 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 09 32 32 ID m5OBLQz3 190 これ続きますと言いながら、続いてないけどまさか……なんてことはないよね?よね? 194 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 10 35 32 ID yeXvQjW/ 続いてるよ。パー速に移ってた 195 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 15 33 29 ID YkorIoS1 その1しかみれないんだが続きはどちらに? 196 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 18 26 00 ID m5OBLQz3 195 ヒント: 194 197 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 19 37 34 ID FPs/tD9G 臭い 198 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/13(木) 20 58 47 ID 55MfvYIT 泥棒猫の悪臭が… 199 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 16 05 00 ID TdwlTOq8 今日はホワイトデーか。 ヤンデレなあの子はどんなお返しを望んでいるのかな 200 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/14(金) 18 35 08 ID CYtbKJlC 相手が一般人なら俺には分からんが、ヤンデレなら考えるまでも無いじゃないか 自分にリボン巻いて、「お返しは、ワ・タ・シ(はぁと」って言って来いw
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/435.html
1 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 13 39 59 ID o/bu76WH このスレッドはヤンデレの小説を書いてみるものです このスレではヤンデレとは主人公が好きだが(デレ)その過程で心を病んでしまう(ヤン) 状態の事をさします(別名:黒化、黒姫化など) 既存のキャラを使うもよし、オリジナルキャラを作るもよし、です 未完にさえしなければぶつ切りでもいいのでどしどし書き込んでみてください 2 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 13 58 47 ID j2t7ssuz 2 3 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 14 18 34 ID URRAIFRK 1 乙 嫉妬スレくらいのびて欲しいな 4 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 14 49 32 ID c4RDrkV7 3 5 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 16 05 52 ID Qt52YLWc というか、修羅場スレとの線引きが難しいな。 向こうも修羅場への過程上、ほぼヤンデレ化してしまうから。 6 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 18 52 02 ID w22gTeDZ 嫉妬スレは対抗馬がいて激しいバトルを繰り広げるが こっちは特定の対抗馬がいないのに勝手に病んでいくみたいな? 7 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 19 15 18 ID D0sTtARY 1 こうですか?わかりません! o∝,;r " ̄ ゙゙゙̄ ‐ ;,, o9 .i ゙ ゙i △8 i .. | 8▽ .| . .. | 8 . r !; ー- ;,,; . ;;,; -‐ | 8 . l !lli r "゙゙lア゙ i; ゙゙"lア | ilii .ヾ, l!; ゙i | <いいですとも! ゙ ゙ lli; . ,- ;;,,_,!、 l .| ゙i;; i .i゙; ―― ;゙i. / .| ;!゙ ii;.゙ ゙/l , ‐,| ヾ ヾiii;;;;;;;― ゙ ,゙‐ 、 8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 20 21 24 ID P1AXZkLo 質問があります ヤンデレは、最初から病んでる子が病んだままデレるのでもいいのでしょうか? 9 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 20 53 55 ID mEYw7okH おれは、病んでさえいれば何でもいい。 10 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/05/27(土) 21 25 40 ID y/7XZU1c 8 悪くはないが、下手をするとただの痛い系キモ女になってしまう諸刃の剣。 やっぱ、段々と病んでくのがいいとおもう。 主人公への思いの強さ故に・・・という感じがよく出るし。 6 同意。 例えば克服したはずの過去のトラウマ・・・幼少時の愛の無い家庭や 両親の離婚、自分を引き取った方の親の虐待からくる精神の不安定さが 主人公と付き合いだすことで再覚醒するとかアリかも。 11 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23 29 14 ID V38lmzl/ 石田敦子の漫画がそんな感じかね 作者の精神が心配な作品がたまにある 12 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/27(土) 23 51 14 ID P1AXZkLo 10 最初から発狂しているサイ娘を愛するスレかと思った 13 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 00 05 47 ID qACkzsxA 7 ヤンゴルじゃん つまり、ヤンガスデレデレなSSですな 14 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/28(日) 02 19 48 ID adrkbpWP ヤンダルゾックとデレデレ。 15 名前:名無しさん@ピンキー[dere] 投稿日:2006/05/28(日) 10 14 12 ID a5rt+aiw 6 つまりこんな感じか? nana14071 [やすいひろさと] ポチっぷり 16 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/05/28(日) 23 19 57 ID TY0hKG1f ヤンデレの定義というのがいまひとつ分からないのだが、とりあえずプロットを投下してみる。 ・姉は実の弟に家族以上の想いを抱いているが、道徳観が邪魔をして一線を越えられない。 ・他の女に弟を取られるのは嫌だが、それと同時に仲の良い姉弟の関係を壊したくないので身を引く。 ・弟に彼女ができた。幸せそうな弟を見て、これで良かったと思う反面、どうしようもない苛立ちをおぼえる姉。 ・弟への想いを打ち切るため、姉は他の男を付き合う。 ・しかしその男が女を食い物にする悪いやつで、姉を性欲処理の玩具としか見ていなかった。 ・姉に飽きたその男は、自分の連れに輪姦させる。 ・精神が病んでしまった姉。弟は甲斐甲斐しく看病する。 ・何とか立ち直った姉だが、結果的に大切なものが壊れてしまっていた。 ・「私は弟を愛してる。だから弟も私を愛してる」 ・「私がこうなってしまったのは弟以外の男と付き合ったから。だから私以外の女と付き合ってる弟もいずれ酷い目に遭ってしまう」 ・「何とかして弟を守らなければ、それが姉としての義務だ」 ・「……そうだ、弟を躾ければいいんだ」 ・「私以外の女に興味を持たないように調教してあげればいいんだ」 ・このような脈絡のない思考の元、弟の寝込みを襲う姉。 ・自分の上で腰を振る姉にショックを受ける。やめてくれと頼むが効果なし。 ・「ほら……お姉ちゃんのマ○コ気持ち良いでしょ?エッチならいくらでもさせてあげるからお姉ちゃんだけを見て……」 ・それでも頑なに拒む弟。 ・「○○(弟の名前)!マ○コ気持ち良いって言いなさい!!お姉ちゃんを愛してるって言いなさい!!!」 ・結局姉の中で果てた弟。近親相姦に罪悪感を抱くが、幸せそうな姉を見ると責めることができなかった。 ・それ以来日常的に関係を結ぶ(逆レイプ)。こんな関係はいけないと思いつつも姉を拒むことができない弟。 ・そのうち姉は弟に暴力を振るうようになる。他の女に近づかないための躾として。 ・だが暴力を振るわれた後、いつも謝ってくる姉。 ・「ごめんね……○○ちゃんが心配だから……つい手が出ちゃうの……お姉ちゃんを許してね……」 ・しかし日に日に酷くなっていく暴力。「また他の女のこと考えて!!○○ちゃんは悪い子ね!!!」 ・度重なる暴力と、それと同じだけの愛情を注がれて、弟はどうしようもなくなっていた。 駄文スマソ。こういうのもヤンデレって言うのかな? 17 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/05/28(日) 23 36 38 ID 9ZO5D1xf 16 イイね!まさにヤンデレって感じ 18 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00 08 29 ID EQRf+40f ヤンデレって書くの難しいと思うな 19 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00 16 30 ID rT8pwRrthttp //1go.it/kwsk 20 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/29(月) 00 22 26 ID W96BxYC0 書いていると嫉妬スレのほうで発表すればいいかというかそんな出来に。 誰も書く人出てこないけど、このスレって職人さんとか別にいないのに勢いだけで立てられたの? 21 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00 13 11 ID W56qDLe3 誰も書かないので駄文で埋める。ただしヤンデレと同時にただのサイ娘である。実験。 須藤幹也は狂気倶楽部の一員である。 しかし、彼は狂気倶楽部には一体何人いるのか、そもそも倶楽部が何をするところなのか。 そんなことすら知らない。知ろうとも思わなかった。 彼にとって狂気倶楽部は暇つぶしでしかなかった。 無論、長い長い人生が終わるまでの暇つぶしである。 「雨に――唄えば――」 古い歌を歌いながら幹也は階段を降りる。街の片隅、路地にひっそりと立つ喫茶店「グリム」の地下へ。 グリムの地下は基本的に開放されているが、誰もそこに行こうともしない。 そもそもグリムはごくきわまった趣味を持った少年少女しか集まらず、その地下にある「書架」ともなると 狂気倶楽部の面々しか立ち入らないのだった。 「雨に――唄えば――」 同じフレーズを延延と唄いながら幹也は降りる。古い板の階段が、一歩足を下ろすたびにかつんと鳴る。 地下へと降りる階段は、きっちり13段だ。 毎回幹也は数えながら降り、そのたびに幹也は一度としてみたことのないマスターのことを思う。 彼は――あるいは彼女は――一体何を考えてこんな店を作ったのだろう? 病んだ少年少女、ゴスロリ少女や歪んだ少年ばかりが集う喫茶店を。 考えても仕方のないことだ、と幹也は割り切る。特定の何かに、彼はこだわりをもたない。 だまって、十三段の階段を折り終え、 「あ。お兄ちゃんだ――っ!」 地下に辿りついた幹也に、聞き慣れた、舌足らずの声が届いた。 人に甘えるような、生まれたばかりの子猫のような声。 幹也はあえて声にこたえず、奥へと進み、一番奥の椅子に座ってから声の主を見た。 22 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00 25 14 ID W56qDLe3 声の主は、声の通りに少女だった。十と七を迎えたばかりの幹也よりも、ずっと年下に見える、幼い声と同様に幼い容姿。 長い栗色の髪は膨らみ、彼女が動くたびにふわりと揺れた。 裾にフリルのついた白いワンピースを着て、靴下も靴も何も履かずに裸足だった。 栄養が足りず、細くなった手と足がむきだしになって見える。 両の手首には、プレゼント用の包帯が巻かれている。 幹也は知っている。その下に、醜い傷跡が残されていることを。 椅子の隣、本棚から適当に本を選びつつ答える。 「ヤマネ。僕は君の兄じゃないと、何度言えばいいんだ?」 「えぇ――? で、でもぉ、」 ヤマネと呼ばれた少女は首をかしげ、戸惑うように言葉を切った。 幹也は構わず本を抜き出す。背にはこう書かれている。 ――『黄金に沈むお茶会』。 かつて狂気倶楽部にいた人間が書いた本の一冊である。 「お兄ちゃんはー、兄ちゃんだよね?」 「お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど僕は君のお兄ちゃんじゃないからお兄ちゃんじゃないんだよ」 「でもお兄ちゃんはヤマネのお兄ちゃんよね?」 「あーもうそれでいいから静かにしてろよ」 呆れたように幹也が言うと、ヤマネは満面の笑みを浮かべた。大きな瞳がにっこりと閉じられる。 幹也の『それでいい』だけに反応したのだろう。 ゆったりとした安楽椅子に座り、本を広げる幹也。 その幹也へと、裸足のままヤマネは近寄り、 「えへっ」 頬に手を当てて笑ってから、ごそごそと、幹也の膝の上に上りこんだ。 小柄な身体がすっぽりと幹也の胸に収まる。椅子の上でだっこをするのは、なれないと難しい。 そして、幹也はもうそれに慣れていた。 制服のすぐ向こうに、ヤマネの体温を感じた。 23 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00 34 30 ID W56qDLe3 細い足が、安楽椅子の下を蹴るようにぶらぶらと揺れる。 そのたびにヤマネの小さな身体が揺れ、幹也の身体に振動を伝えた。 すぐ真下にある髪から、シャンプーと、少女の臭いが混ざった、甘くただれた香りがした。 「お兄ちゃんっ、今日は何のご本?」 「『黄金に沈むお茶会』。いつもの変なご本だよ。『ご』をつけるほど大層なものじゃないけどね」 「読んで読んで読んでっ!」 膝の上でばたばたと手を動かしながら嬉しそうにヤマネが言う。声は大きく、普通の喫茶店なら叱られるだろう。 が、そう広くもない、椅子が12個と長い机が一個だけ置かれ、壁は全て本棚で埋め尽くされた図書室に人はいない。 いつもの面子はおらず、今は、ヤマネと幹也しかいなかった。 本を遮るように動く細く白い腕と、その手に巻かれた紅いリボンを見ながら、幹也は言う。 「読んでやるから、手は動かさないでくれ。読めない」 「はーい!」 がっくんがっくんと頷き、ヤマネは手をばんざいし、幹也の首に絡めた。 そのままくるりと半身をひねり、猫のように全身で幹也に抱きつく。 とても、三つ下の少女とは思えなかったが、幹也は特に気にしない。これも『いつも』だ。 首筋に触れる髪を感じながら、幹也は表紙をめくった。 声に出して、幹也は読み始める。 最初のページには、たった一行だけ、こう書かれていた。 『むかしむかし。でも、むかしっていつだろう? 少なくとも、明日よりは近いのよね 』 24 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00 40 19 ID W56qDLe3 『 むかしむかし。でも、むかしっていつだろう? 少なくとも、明日よりは近いのよね。 明日は永遠に来ないけど、少なくともむかしは記憶にはあるもの。 あら、でもそうね。永遠に手が届かないという意味では同じかしら。 わからないわね。 でもきっと、この本を誰かが読むときは、私は「むかし」になってるのよ。 できれば、そのときに私が生きていないことを祈るわ。だってそうでしょう? 無事に死ねたのなら、それが一番の幸せですもの! それで、むかし。手が届かない昔ね。 一人の女の子と、独りの女の子がいたの。 二人の女の子は決して出会うことはなかったわ。だって、お茶会には椅子が一つしかあいてなかったから。 一人の女の子は、お茶会で、楽しくお喋り。 独りの女の子は、お茶会で、独り寂しくお茶を飲む。 そのうちに、独りの女の子は考えたの。 一人の女の子がいなくなれば、自分は一人になれるんじゃないかって。 というわけで、思い立ったら吉日よね。独りの女の子は、紅茶のポットに毒を入れたわ。 黄金色に輝く毒を。とってもおいしそうな毒を。 次の日のお茶会で、一人の女の子は、そのおいしそうな毒を飲んだわ。 でも残念なことに、お茶会のメンバーは、あんまりにもおいしそうだったから、その毒を全員飲んじゃったの。 そうして、独りの女の子は、一人の女の子になれたけど。 やっぱり、お茶会では、独りだったの。 独りきりでお茶会をしている女の子は、ある日、一つ残ったティーカップに、黄金色のお茶が残ってるのに気づいたの。 それが何か独りの女の子は知っていたけど、あんまりにもおいしそうだから。 独りの女の子は、それを飲んじゃったの。 それで、おしまぁい。お茶会には誰もいなくなっちゃった 』 25 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00 53 37 ID W56qDLe3 短いその本を読み終えて、幹也は小さくため息を吐いた。 何のことが書かれているのか、まったく分からなかった。 分からなかったが、少なくとも、暇は潰せた。 あとは、そのわからないことを考えて暇を潰せばいい。全てはその繰り返しだった。 「お見事、お見事、大見事。さすが朗読が上手いわね、三月ウサギ」 ぱん、ぱん、ぱん、と。 なげやりな拍手の音と共に、少女の声がした。 ヤマネの声ではない。ヤマネよりも冷たい感じのする、鋭い声だ。 拍手と声のする方向を幹也は見る。 13階段の傍。本棚に背をもたれて、長く艶のある黒髪の少女が立っていた。 少女は男物のタキシードを着て、小さなシルクハットをかぶり、おまけに黒い杖まで持っていた。 彼女もまた、狂気倶楽部の一員であり、幹也――今この場では三月ウサギだが――とヤマネの知り合いだった。 「……マッド・ハンター。着てるのならば声をかかえればいいのに」 「あら、あら、あら。ごめんあそばせ。あんまりにも仲がいいから邪魔をするのも悪くてね」 つ、と紅色がひかれた爪先で、マッド・ハンターは幹也を指差す。 そこには、幹也に抱きつくようにして甘えるヤマネがいる。朗読中はずっとこうだった。 幹也は小さくため息を吐き、 「言っとくけどね、僕は発情期じゃないよ」 「あら、あら、あら。でも、発狂期なのでしょう?」 「……ハ」 「あら、あら、あら。違ったかしら? そうね、違うわ。永遠の発狂を『期』とは言わないもの」 「君に言われたくはないな、イカレ帽子屋め。何人の帽子を集めりゃ気がすむんだ」 「それは、それはもう!」 マッド・ハンターは言いながらくるりと回り、ステップを踏みながら、かろやかに椅子の背を引いてそこに座った。 幹也とは対角線上。長机の一番端に。 座り、足を組み、肩に杖を乗せてからマッド・ハンターは答えた。 「全て、全て、全ての帽子を集めるまで、ですよ!」 「その前に君が死ぬのが先だと思うがね」 「あら、あら、あら! そしたら私の帽子が手に入るわけね。すばらしいわ」 言って、マッド・ハンターはくすくす笑った。 処置なし、と心の中で呟き、幹也は手持ち無沙汰になった手をヤマネの髪に伸ばす。 栗色の毛を、手ですきながら、幹也は言った。 「ヤマネ。今日はお前一人か?」 「うん? うぅん?」 「どっちだよ」 「えっとねぇ。お兄ちゃんがいる」 「……。他には?」 「お兄ちゃんがいれば、それでいいよっ!」 マッド・ハンターと幹也は同時にため息を吐いた。聞くだけ無駄、というやつである。 仕方なしに、幹也はマッド・ハンターに尋ねる。 「『眼球抉りの灰かぶり』はどうした? あいつ暇なんじゃなかったのか」 「あの子は、あの子の、あの子なら最近新しい子に熱中中中中よ」 「繰り返しはいいよ――ああ、じゃあ今日は狂気倶楽部というより、『お茶会』だな」 「うふ、うふふ、ううふふ。ヤマネにマッド・ハンターに三月ウサギ。穴から転げる子は来るかしら?」 「『裁罪のアリス』は無理だろ。あいつがいちばん忙しいだろ」 幹也はいいながら立ち上がる。誰もこないのなら、自分がやるしかない。 26 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 00 59 51 ID W56qDLe3 椅子から立ち上がり、幹也は上へと向かった。飲み物を取りにいくためだ。 マスターの存在しないこの店では、自分たちでやるしかない。 「わ、わ、にゃ! お兄ちゃん落ちるっ!」 「落ちたくないならつかまってろよ。それが嫌なら落ちろ」 幹也の言葉に、ヤマネはさらに手に力を込め、両足を腰に回し、全身で幹也にしがみついた。 意地でも歩く気が存在しない。 軽いので問題はなかった。幹也はヤマネを抱えたまま階段まで行き、 「紅茶、紅茶、紅茶をお願いね」 後ろから聞こえる声に、手をひらひらと振って答えた。 十三の階段を着合いで昇り、喫茶店『グリム』のカウンターへと真っ直ぐに進む。 中で優雅に茶を飲んでいるゴスロリ少女たちが不審げな――あるいは羨ましげな――瞳で見てくるが、全部無視した。 狂気倶楽部とは、格好から入る少女にとって、敬愛と侮蔑と尊敬と憎悪の対象でもある。 「他人と違う」ということに憧れる少女は狂気倶楽部に入ろうとし。 「誰とも違う」ということに気づいて、狂気倶楽部を怖れ憎むのだ。 その視線を全て幹也は無視する。ヤマネはそもそもまったく他を見らず、ただ幹也に甘えるだけだ。 手早く、適当に紅茶とコーヒーとホットミルクを用意して、盆につぎ、零さないように地下へと戻る。 地下の図書室では、マッド・ハンターが本を読みながら待っていた。 「おお、おお、おお! お疲れさまだね、三月ウサギ」 「そう思うなら少しは手伝ってくれ――はい、紅茶」 「どうも、どうも、どうもありがとう」 お礼を言うマッド・ハンターの前に紅茶を置き、残る二つを手に幹也は下の椅子へと戻った。 ヤマネは、今度は、背を幹也にもたれて座った。 三人は手に飲み物を取り、掲げ、声を揃えていった。 「――『狂気倶楽部に乾杯』」 (続) 27 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 01 24 11 ID W56qDLe3 極めて意図的に中二病向けなサイ娘が書きたくなった 読み返したら本気で中二病っぽかった プロット考えたら嫉妬スレ向けになった こっそり早く書き上げよう 28 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 01 56 25 ID tf4jy+E/ 27 中二病患者でサイ娘好きの俺はワクテカしながら読んでました 続き期待してます しかしあれだね 嫉妬スレの包含するものは大きいし向こうは人も作者も多いから ここは病んでればそれでいいスレにした方が住み分けになると思うんだ そもそも住み分ける必要があるのかどうかは分からんけども 29 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02 17 43 ID W56qDLe3 狂気倶楽部とは、つまるところ「ごっこ遊び」である。 誰が言い出したのか、誰が作り出したのかすらはっきりしない。 ただ、その『始まり方』だけははっきりと伝わっている。なぜならば経緯を記した地下図書室にあるからだ。 元々喫茶店「グリム」は少し変わった喫茶店であり、古いアンティークと雰囲気が合わさって ゴスロリ少女が集まる、通向けの喫茶店だった。 そのうちに、集まる少女の誰かが言った。 『ごっこ遊びをしましょう』 集まる少女の誰かが賛同した。 『本名を隠して、「お話し」の名前を借りて。ごっこ遊びをしましょう』 集まる少年の誰かが賛同した。 『キャラクターをなぞらえて。二つ名をつけて。楽しい楽しいごっこ遊びをしましょう』 集まる少女と少年が賛同した。 『私はアリス』 『あたしは赤頭巾』 『僕はピーターパン』 『わたくしはシンデレラ』 こうして、童話と元にした、『ごっこ遊び』が始まった。 始めは他愛のない、あだ名の付けあいのようなものだった。 けれども、ゆっくりと、それは変質していった。 本名も何も知らない、喫茶店だけで通じるあだ名。 それは選民意識を伴い、やがては、『ごっこ遊び』から『物語』へと変わる。 異端な登場人物。真似、ではなく、本物になっていた。 初代シンデレラは親友の目を抉って自殺した。 初代アリスは、その存在を特別なところへと押し上げた。 初代ピーターパンは、永遠を求めるあまりに発狂した。 初代赤頭巾は、親戚に地下室に閉じ込められて堕ちてしまった。 そうして。 その名は受け継がれ。二代目たちは、最初から異端なものたちで構成され。 名前を受け継ぎ、二つ名をつけられる彼女ら、彼らは、いつしかこう呼ばれた。 喫茶店に来るだけで、名前を受け継がれない「観客」たちから、こう呼ばれたのだ。 ――「狂気倶楽部」と。 30 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02 30 06 ID W56qDLe3 そして今、三代目「三月ウサギ」こと、『五月生まれの三月ウサギ』須藤幹也は優雅にコーヒーを飲んでいる。 彼の本名を、この場にいる人間は誰も知らない。 幹也も、今この場にいる二人の本名を知らなかった。 あくまでもこの場だけの付き合い。死ぬまでの暇つぶし。 虚無的で刹那的な空間を、そしてそこにいる異常な、この場ではあるいみ通常な少女たちを気に入っていた。 居心地がいい、とすら思った。久しく飽きることはない。そう感じた。 「お兄ちゃんっ! 今日はもうご本読まないの?」 膝の上に座る、ヤマネ――何代目かは知らない――『眠らないヤマネ』は、顔を上げて幹也にそう問いかけた。 ぴちゃぴちゃと猫のように舐めていたホットミルクが、いつの間にか空になっていた。 逆しまになった瞳を見つめて、幹也は答える。 「本は飽きたよ。一日一冊で十分だ。たまにはヤマネが読めばいいじゃないか」 「やーだよ。ヤマネは、お兄ちゃんに読んで欲しいんだもんっ!」 言って、コップを机に置き、ヤマネは再び反転した。 猫がそうするように、幹也の膝の上で丸くなった どこが『眠らない』だ、と幹也は思う。二つ名をつけるのは一代前の人間か、あるいは『名づけ親』と呼ばれる倶楽部仲間で、本人の意思ではない。 回りがそう感じたからこそつける名前が二つ名だ。 眠らない――活発に動き続ける、ということだろう。 死ねば動かなくなるかな。そう思いながら、幹也はヤマネの頭をなでた。 「今日も今日も今日とて仲がよさそうだね。いやはやいやはや妬けてしまうよ」 呆れるように、からかうようにマッド・ハンターが言う。『首刈り』という物騒な二つ名を持つ少女だ。 もっとも、幹也は彼女をそう恐れてはいない。マッド・ハンターの趣味は、大抵同年代の少女へと向いているからだ。 幹也にとってはお喋りで面倒な相手でしかない。 それでも構うのは、やはり暇だからだろう。 「焼けるっていうのは、二枚舌でも焼けるのか」 「いやいやいや。残念ながら私の下は一枚だもの。焼けてしまったら困る」 「焼けて静かになった方が世界のためだ」 「君の世界はどうか知らないが、私の世界はこれで幸せだよ」 マッド・ハンターは、満足げにそう言って、手にしていた本を机の上に投げ置いた。 しおりも何もはさまっていない。読み終えたのか、続きを読む気がないのか。 恐らくは後者だろう、と幹也は思う。 31 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02 45 04 ID W56qDLe3 無視して、ヤマネの頭をなでながら思考に戻る。 今日の暇つぶし的な思考は、先ほど読んだ本についてだ。 少女が片方を毒殺し、毒殺することで独りになり、最後には誰もいなくなる話。 出来の悪いマザーグースか何かのように思えた。これを作った奴はそうとうにひねくれているに違いないと幹也は思う この本は、書店に流通している本ではない。 喫茶店「グリム」の地下の「図書室」に存在する本。 それらは全て、過去の「狂気倶楽部」のメンバーが書いたものだ。 基本的に著者は乗っていない。文体でこの本とこの本は同じ人が書いたな、と思うくらいだ。 本は、誰かに見せるための本ではなかった。 ただ、暗い嫌い自分の内面を吐露しただけの、怨念のような本だった。 それを、幹也は、何を気負うこともなく毎日読んでいた。 学校から還って、寝るまでの時間を、幹也はここですごす。 居心地がいいのでも、合いたい人間がいるのでもない。 一番『マシ』な秘密基地だから、とでもいうかのような理由だった。 「ヤマネは本は好きかな?」 幹也の問いに、ヤマネは丸まったまま即答する。 「お兄ちゃんの方が好きだよっ!」 それは嬉しいことだ、と幹也は思う。 たとえ出会った瞬間に「お兄ちゃんっぽいからお兄ちゃんっ!」と言われ、それ以降依存するかのように つねにべったりと甘えられているとしても、好意を向けられていることは嬉しかった。 好意を向けられれば、少なくとも暇つぶしはできるから。 依存と調教。ヤマネと幹也は歪な関係であり―― 32 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02 45 54 ID W56qDLe3 「今日も、今日も、今日とて君はやるのかな?」 マッド・ハンターの楽しそうな声。 「まあね――どうせ、暇だし」 幹也は答え、ヤマネの頭をなでていた手を、おなかの下へと回す。ヤマネの小さな身体を抱きかけるように。 「うぃ? お兄ちゃん?」 ヤマネの不思議そうな声。嫌悪はにじみ出ていない。 幹也は片手でヤマネを持ち上げる。満足に食事をしていないのか、酷く軽かった。 持ち上げて、机の上からコップをどかし、広くなった机にヤマネの身体を置いた。 丸いヤマネの瞳が、幹也を見上げている。 「うぃ、お兄ちゃんやるのっ?」 「暇だしね」 「いつものようにいつものごとく、見させてもらおうかな」 そう。 狂気倶楽部においては、歪こそが正常である。 『元ネタ』が共通しているせいか、ヤマネとマッド・ハンターと幹也は、比較的話す機会があった。 ヤマネが依存し。 幹也が壊し。 マッド・ハンターが薄く微笑みながらソレを見る。 異常な光景が通常に行われる場所。それが狂気倶楽部の集い場だった。 そして、幹也は、いつもの如く、 「――それじゃあ、暇つぶしだ」 机に押し倒した、小さなヤマネの細い首に、手をかけた。 (続) 33 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 02 47 47 ID W56qDLe3 28 ありがとう 嫉妬や修羅場分が少ない、サイ娘少女による異常な純愛とか そういうのなら修羅場スレよりこちら向きかもしれない 34 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 21 35 58 ID L2vHHL9M ヤンデレ抜きで普通におもしろげだな 35 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/30(火) 23 54 32 ID dUdy7Kor 幹也が先代三月ウサギ――『12月生まれの三月ウサギ』に出会った場所は、実を言えば狂気倶楽部やグリムではない。 そもそも、『三月ウサギ』として出会ったのではない。 学校の図書室に残る、二つ年上の三年生の先輩。二つ名のない、普通の学生である「里村・春香」と出会ったのだ。 出会った場所は、陽が暮れかけて、赤く染まった図書室。 誰もいなかった。図書室は閉館時間を向かえ、図書委員である春香を除いて、誰もいなかった。 幹也がいたのは完全に偶然である。ただ暇つぶしのために本を読んでいて、気づけば閉館時間になっていたのだ。 気づけば、誰もいなくなっていた。 誰もいなくなっていることにさえ、幹也は気づいていなかった。春香が声をかけなければ、永遠にそこで本を読み続けていたかもしれない。 「ねぇ」 幹也が顔をあげると、三つ編みの髪を三つ作った、銀縁眼鏡の先輩がいた。 叱られるかな、そう思った。 別に叱られても構わないな、そう思った。 どんな事態になれ、暇つぶしにはなるからだ。 「……何ですか?」 問い返す幹也の持つ本を指差して、春香ははっきりと言った。 「その本、死ぬほど詰まんないわよ。読むくらいなら死んだ方がマシね」 意外な言葉だった。 そんな言葉を言われるとは、少しも思っていなかった。 せいぜい、「閉館時間ですよ」と言われるくらいだと思っていた。 興味がわいた。 だから、幹也も正直に答えた。 「つまる本なんてあるんですか?」 その言葉が、そのときはまだ名前も知らなかった里村・春香の興味を引いたのだと、 幹也は数ヵ月後、春香の二つ名と共に知ることになる。 36 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00 09 07 ID ju7bF4dq そして今――幹也は『三月ウサギ』を里村・春香から受け継ぎ、グリムの首を絞めている。 数ヶ月の間、暇つぶしの相手になってくれた里村・春香はもういない。 狂気倶楽部において、名前を継ぐというのはそういうことだった。 里村・春香はどこにもいない。 幹也は彼女から二つ名と、喫茶グリムの存在と、狂気倶楽部での椅子を受け取り。 暇を潰す場所を、学校の図書室から、グリムの図書室へと移した。 「あ――っ、う、あ、」 首を優しく絞められて、グリムは嬉しそうに呻いた。力を込めていないので、普通に喋れはする。 力を込めれば死ぬということに、代わりはないけれど。 遊びを思いついたのがグリムだったのか幹也だったのか、あるいは他の誰かだったのか、幹也はもう憶えていない。 気づけば、こんな関係になっていた。 幹也は思う――これくらい普通だ。自分は普通だ。みんなしたいと思っている。する相手がいないだけだ。いい暇つぶしだ。 平然と首を絞める少女こそが狂っていると、幹也は思う。 「お兄ちゃんっ、もっと、もっとぉ、」 甘えるようにグリムが言う。 本人曰く、首を絞められるのは、たまらなく心地良いらしい。 殺意を以って支配されている感覚が、死を以って繋ぎとめている感触が、相手の全てを共有している気分が、 寂しがり屋で甘えん坊で、独占欲と依存癖の塊であるグリムにとっては、何よりも心地良いらしい。 「言われなくてもやるさ――暇だからね」 首を絞める手に力を込める。 グリムの細く白い首に、ゆっくりと、指先が食い込んだ。そのたびにグリムは嬉しそうに笑う。 その気持ちは、幹也にはまったく分からない。 首を絞められて何が楽しいのかわからない。他人を支配も共有も共存もできるはずがないとすら思う。 こんなのは暇つぶしだ。リアルに還ってくる相手の反応が楽しいだけだ。 冷めて冷静な心とは反対に、身体は、熱を持ったように動き始めた。 37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00 30 10 ID ju7bF4dq 首を絞めながら、幹也は身を近づける。グリムの小さな身体を押しつぶすように。 顔を近づけ、グリムの小さな耳を優しく噛む。こりこりと硬い感触があった。 そのまま噛み千切ったら、この少女はどんな反応を示すだろうか。そんなことをふと思う。 「あ――、あっ、あは、あはっ」 首を絞められ、身体を端から食べられかけながら、グリムは嬌声と笑い声が混ざり合った声を漏らす。 心の底から楽しそうだった。虚ろな瞳は妖しく笑っている。 独占と依存を背負うグリムにとって、食尽というのはある意味究極のあこがれなのかもしれない。 そして、幹也にとっては。 そんな憧れなど、知ったことではなかった。 「楽しいね。楽しいと思いたいものだよ、本当に」 口から漏れる言葉に意味はない。まったく意味のない、ため息のような発言だ。 けれども、グリムはその言葉を聞いて、さらに嬉しそうに笑う。 「お兄ちゃんっ、楽しい、たのし、いのっ! やったっ」 首を絞められ、途切れ途切れの声で、それでもグリムは嬉しそうに言う。 幹也は片手で首を絞めたまま、右手をゆっくりと下へと這わせた。 むき出しになった鎖骨をなぞり、さらに下へ、下へ。 フリルのついた裾まで辿りつくと、手は服の下へともぐりこみ、今度は上へと上がった。 ふくらみのない胸――ではなく。はっきりと形の分かるアバラを、一本一本幹也はなぞっていく。 「あ、あは、あはっ、あはははっ、あははははははははははははっ!」 くすぐったいのか。楽しいのか。気持ちいいのか。嬉しいのか。 首を絞められ、鎖骨をなぞられながら、グリムは笑い続ける。 その笑いを塞ぐかのように、幹也は耳をかんでいた唇を、グリムの唇へと移した。 38 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00 43 03 ID ju7bF4dq 重ねた唇から舌を伸ばしてきたのは、グリムの方だった。 八本、九本とあばらを数えながら、倒錯した行為を続けながら、幹也も舌を絡ませる。 意志を持った触手のように、二対の舌は勝手に蠢き、口の端から唾液が漏れた。 倒錯した行為に没頭しながらも――幹也の頭は冷えていた。 どうしてこんなことをしているのだろう、と自問して。 暇だからだ。時間つぶしにはなるからだ、と自答できるほどには。 「ん、っん、んぁ――、う、あ、」 少しだけ、手に力を込める。首を絞める手に。 繋げた唇の向こうで、グリムが苦しげに息を履いたのが分かった。 唾液と下に混ざって、吐息が口の中に入り込み、幹也の肺腑を侵食していく。 首を絞め。細い身体を好き勝手に弄びながら、幹也はキスをしたままグリムを見た。 目をつぶるなどという、殊勝な行為はしていなかった。 グリムは瞳をしっかりと開け、身体をすき放題にする幹也を、じっと見ていた。 その瞳は笑っている。その瞳は物語っている。 獲物を絡め取った蜘蛛のように笑うグリムの瞳は、こう言っている。 ――楽しい、お兄ちゃんっ? もっと楽しんでいいの。でも――その代わり。 篭絡する瞳で、歳にあわない妖艶な、狂った瞳で、グリムはこう言うのだ。 ――ずっと愛してねっ。ずっと、ずっとグリムのお兄ちゃんでいてねっ。 幹也は唇を離す。ぬるりと舌が滑りながら、グリムの唇から抜け出る。 顔を離すことなく、間近で幹也は言う。 「楽しいよ――ありがとうグリム」 手を離すことなく、心中で幹也は思う。 ――楽しくはない。退屈だ。ああ、暇が此処にある。 倒錯した二人は、そのまま、倒錯した行為に溺れていく。お互いを食い合うような行為に。 その行為を、口を挟むことなく、マッド・ハンターは見ていた。 異常な二人を、にやにやと、にやにやにやと笑いながら、異常な笑みを浮かべながら、ずっと見ていた。 倒錯した行為は終わらない。 倒錯したお茶会は、どこまでも続く。 (続) 39 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 00 45 57 ID ju7bF4dq 大体のストーリーは考えてはいるものの、考えながら書いてるので変なところがあったら申しわけない。 エロはなし。倒錯行為だけで。 タイトル考えてないことに今更気づいた……とりあえず、一応は幹也とグリムの話です。 ヤンデレでサイ娘で嫉妬で修羅場で死亡なお話し 40 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02 04 40 ID GMOaiQZQ サイ娘キタコレ! 続き期待して待ってます 41 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02 12 06 ID M/ahUCy2 もはやヤンデレとかサイ娘とか抜きで面白い 更にその味付けが深くなった日には恐ろしく上質なものが出来るなぁ 流石です、作者様(*´д`*) 42 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02 37 50 ID uTAUNG6e ヤマネなのかグリムなのか 何かのトリックの可能性もある というわけで続きが + + ∧_∧ + (0゚・∀・) ワクワクテカテカ (0゚∪ ∪ + と__)__) + 43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 02 41 17 ID ju7bF4dq 里村・春香と出会ってから分かれるまでの数ヶ月の間、幹也は春香を好きだと思ったことは一度もなかった。 ただ、彼女の左手に隠すことなく刻まれた細く数多い傷跡は、幹也の興味を惹くだけのものがあった。 幹也には自傷癖も他傷癖もない。そういうことをする人間に対する興味はあった。 なぜそうするのか――それを考えていれば、正しく暇つぶしになった。 「どうしてこういうことをするの?」 夕暮れの図書室。紅く染まった、本と埃の、時の積み重なったにおいのする部屋。 二人だけの世界で、幹也は、春香の手首を舐めている。 手首につけられた傷跡を、穿り返すかのように、丹念に舐めている。 春香は光悦とした表情とともに答えた。 「人による。狂気倶楽部には、手首を切る人は多いけど、みんな理由が違う」 狂気倶楽部、という名前を、幹也は図書室で「遊ぶ」ようになってから幾度となく聞いていた。 それが何かと聞いても、春香は決して教えようとはしなかった。 いつか教えてあげる。それまで誰にも秘密。その二つだけしか言わなかった。 幹也もそれ以上尋ねようとはしなかったし、誰にも話すつもりはなかった。 そもそも、学校では「可もなく不可もなく特徴のない」生徒だった幹也には、そういうことを話す相手はいなかった。 家でも、学校でも、彼は普通である。ただ、退屈していただけだ。 何の理由もなく、何の原因もなく、生まれつき彼は――ただひたすらに、退屈していた。 だからこそ、こうして退屈しのぎと称して、退廃的で倒錯した行為にふけっている。 手首から舌を外して、幹也はもう一度尋ねた。 「なら――春香の理由は?」 幹也は、学校では『12月生まれの三月ウサギ』ではなく、名前で呼んでいた。 春香がそう懇願したのだ。まるで、特別な絆を作るかのように。 春香は微笑んで、答えた。 「死にたいから。死にたいけど怖くて、手首しか切れないの」 分からなかった。 どうして死にたいのか。 だから、幹也は尋ねた。 「春香は、どうして死にたいの?」 笑ったまま、春香は答えた。 「生きるのが怖いから」 この答えの25日後、里村・春香は言葉どおりに、屋上から飛び降り自殺をした。 そしてその遺言に従い、幹也は暇をもてあましながら、喫茶店「グリム」を訪れたのだった。 44 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 03 08 51 ID ju7bF4dq 退廃的で倒錯的な行為を終えて、幹也はグリムの身体から離れた。 机の上で、グリムは、ぐったりと力を失って気絶している。 フリルのついた、黒いワンピースが乱れていた。 色こそ違うものの、その姿は、いつかの日のヤマネに似ていると思った。 それもそうだ、と幹也は内心で頷く。ヤマネにやったようなことを、グリムへやったのだから。 行為を終え、椅子に深く座りなおした幹也に、マッド・ハンターがにやにや笑いと共に話しかけた。 「やぁやぁやぁ。『盲目のグリム』は有望な新人でしょう? 排他的でも自傷的でもない、誘いうける依存者は久しぶりだよ」 幹也は、眼前の机の上で横になるグリムと、昔と変わらず対角線上の端に座るマッド・ハンターを見つめて言う。 「喫茶店の名前はつけないものとばかり思ってたよ。分かりにくいことこの上ない。 途中から喫茶店に向かって話しかける気分になった」 「まぁ、まぁまぁそれも仕方がないよ。この子、どうにもマスターの関係者らしいよ。 会ったことはないそうだけれどね」 随分と曖昧で適当なことだ、と幹也は思う。久しぶりに来たが変わりはない。 あの頃。 春香を失い、暇をもてあまし、マッド・ハンターとヤマネと過ごしていた頃と、何も変化はない。 きっと、永遠に変化しないまま、唐突に終わるのだろう。 まったく変わらないマッド・ハンターは、やはり変わらない笑いを浮かべながら幹也に言う。 「しかし、しかし、しかしだね。三月ウサギ君はどうにも、『妹』に好かれやすい節があるね。 ヤマネの時もお兄ちゃんと呼ばれていただろう? 懐かしいね。 君の本当の妹も、お兄ちゃんって呼んだのかな?」 「狂気倶楽部の外の話は、ここではナシだったはずだろう? そのルールも変わったのかい、マッド・ハンター」 「いやいやいや。変わってないよ。ただし、君の場合は有名になりすぎたからね」 ――有名。 マッド・ハンターの言葉は間違っていない。 ヤマネと分かれ、狂気倶楽部からしばらく離れるきっかけになった事件で、幹也は有名になった。 マッド・ハンターも、その事件を知っているし、本来秘密のはずの幹也の本名も知っている。 それでも二つ名で呼んでくれるのは、マッド・ハンターの優しさなのかもしれない。 「それで、それで、それで? 君はまたしばらくここにいるの?」 「いや――」 幹也は言葉を斬り、失神したまま動かないグリムを見る。 今は失神しているだけだ。 けれど、いつかは死ぬかもしれない。 里村・春香のように。 そして――ヤマネのように。 「この子を愛せるようになったら、またどこかに行くさ」 グリムの黒い服と白い足を見ながら、幹也はふと思い出す。 ヤマネのことを、春香のことを。 忘れることのない、一瞬だけ退屈から救われた事件のことを。 (続) 45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 22 17 28 ID VAe4dHpS 後から後から微笑がこぼれてくる。 46 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/05/31(水) 23 51 29 ID 4mtc8WIK 読み直すと苦笑いが出てくる。 書きたいサイ娘シーンまで頑張ろう俺 時空軸の表記がないので判りにくいことに気づきました 一レス内で時間が跳ぶことはありません 春香時代と、ヤマネ時代と、グリム時代の三編が絡み合ってます 47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02 02 09 ID zXEahP8G 狂気倶楽部の数少ない原則の一つに、外での関わりを持たないというものがある。 外で話すな仲良くなるな、ということではない。 他の人間に、狂気倶楽部という存在を知られるな、ということである。 一対一でこっそりと密談するのならばいい。けれども、横の繋がりを、外に知られてはならない。 そういった、排他的な面が狂気倶楽部にはあった。 それは、狂気倶楽部の面子が――事件を起こしやすいという一面を持つからだ。 自殺なり他殺なり。 何かの事件を起こしやすく、起こしたときに、個人ではなく狂気倶楽部を責められないように。 あくまでも喫茶店グリムとその地下図書室を除いては、彼ら、彼女らは他人同士だった。 本名も住所も分からない、二つ名と異常性だけのつながり。 だから―― 里村・春香の葬式には、狂気倶楽部の面々は来なかった。 そのときはまだ幹也は狂気倶楽部の一員ではなかったけれど、そのことだけは断言できる。 「学校代表者」を除けば、春香の葬式には、幹也しか来なかったからだ。 誰もいない葬式。 両親と、義理でくる人以外には、誰もいない葬式だった。 誰もかもがおざなりに泣いていた。 幹也は泣かなかった。 泣かずに、ただ、 ――ああ、彼女は本当にこの世に未練などなかったんだな、と思った。 そうして、生前ただ一人の友人とった幹也は、葬式から帰るその足で喫茶店「グリム」へと向かったのである。 48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02 20 56 ID zXEahP8G そして今、『五月生まれの三月ウサギ』という二つ名を得て、幹也は地下図書室で暇を潰している。 膝の上には白いワンピース姿のヤマネ。 情欲と肉欲と食人と他傷を混ぜ合わせたような行為を経て、ぐったりと力を失って幹也にもたれかかっている。 その目に光はなく虚ろだが、幸せそうに笑ってもいた。 幹也はその細い両手首を掴み、普段は隠されている手首の傷を、抉るように撫でていた。 普段傷を隠してるプレゼント用のリボンは、今は何かの冗談のようにヤマネの首に巻かれている。 まるで、絞めた跡を隠すかのように。 「雨に――唄えば――」 手首の傷を撫でながら、子守唄のように幹也はワン・フレーズを繰り返す。 手首の傷。 春香は死に損ねた結果としての傷だった。 ヤマネは、「お兄ちゃんに会えなくて寂しいときにつけるのっ!」と言った。 幹也には自殺をする人間の気持ちも自傷をする人間の気持ちも分からない。 そういうこともあるか、と思うだけだ。 暇を潰すために、傷口を唄いながら撫で続ける。 「前から、前から、前から思っていたのだけど。君、映画に何か思いいれでもあるの?」 「映画?」 幹也の問いかけに、反対側の椅子に座るマッド・ハンターは「雨に唄えば」と言った。 幹也はああ、と頷き、 「そっちじゃないよ」 ん? と首を傾げるマッド・ハンター。 幹也は掴んだヤマネの手首をぷらぷらと揺らしながら答える。 「『時計仕掛けのオレンジ』の方」 「なんともなんともなんとも――悪趣味なまでに良い趣味だね君は」 「そうかもしれないね。でも、あれは退屈しのぎとしては楽しそうだよ」 映画の中。暇な遊びとして、唄いながら暴行を加えるシーンを幹也は思い出す。 そして、今こうしてヤマネにしているのも、同じようなのかもしれないな、と思い、自嘲げな笑みを浮かべる。 愛情を受け止める手段として、首を絞め、身体を弄ぶ。 それが、暴行と殺害に代わったところで、意味は変わらないだろうと思うのだ。 首を絞められても喜ぶヤマネは。 たとえ殺されても、喜ぶだろう。 その瞬間、相手を独占できるのだから。 49 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02 35 30 ID zXEahP8G 「うあー? うぃ、お兄ちゃん……?」 マグロのように虚ろだったヤマネの瞳に、ようやく意志の色が戻ってきた。 全身を幹也に預けたまま、顔だけを上げて幹也を見る。 丸い瞳と目が合う。 ふと目を突きたくなった。きっと、時計仕掛けのオレンジの話をしていたからだろう。 目を突く代わりに、その栗色の髪をなでてやった。 「ひゃはっ! お兄ちゃんっ、くすぐったいよっ!」 ヤマネは嬉しそうにそう言って、身体をねじり、首を伸ばした。 幹也の首を、顎を、頬を嬉しそうに舐める。 「……何してるの?」 「スキンシップっ!」 幹也の問いに嬉しそうに答え、ヤマネは舌を這わせる。 マーキングをする犬と対して変わりはなかった。 その二人を見て、マッド・ハンターが「やれやれ」とでも言いたげにため息をついた。 「まったくまったくまったくね。君たちは獣のようだ獣だケダモノのようだ」 呆れてはいるが、楽しそうでもあった。 傍から見れば異常であるはずのスキンシップを、楽しそうに見つめている。 歪んだ少女の愛情は続き、愛情を持たない少年は、暇を持て余しながらも、愛情に対して行為で返す。 それを、残る少女が笑いながら見つめている。 これが、ここしばらくの幹也の日常だった。 ヤマネとマッド・ハンターとの三人で過ごす狂気倶楽部での日々。 退屈だけれど、暇つぶしにはなる日々。 異常だけれど、それが平常となる日々。 歪んだままに穏やかな日々だった。 ――それが崩壊したのは、狂気倶楽部の外に、その狂気が持ち込まれたのが切っ掛けだった。 (続) 50 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02 37 26 ID zXEahP8G 47 の『 そうして、生前ただ一人の友人とった幹也は、』 は『友人となった』ですね 掲示板でSS書くのは初めてで、色々勝手がわからず難しい限りです。 嫉妬修羅場スレの人たちは凄いなぁ…… とりあえず明日には事件が起きて一気に崩壊まで加速します 51 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/01(木) 02 53 11 ID 3ZDBu5zu いつもながらGJ。どんな崩壊が待っているのかwktkだよ。 ところで一つ確認させて頂きたいのだが「マッド・ハッター」ではなく「マッド・ハンター」なのは 首刈りにかけてあるんだよな? 52 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/02(金) 04 04 01 ID zdEZTGLI 51 ですね、「マッド・ハンター」です。 多少言葉遊びも含まれています オチまでにちゃんと回収できるよう頑張ります 53 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 02 49 59 ID +eT8KhQA 里村・春香がいなくなって数ヶ月、幹也の生活は完全に固定していた。 学校が終わると、図書室に行くことなく、喫茶店グリムへと向かう。 部活動が終わるくらいの時間までは、グリムで、マッド・ハンターやヤマネと過ごす。 そして、二人を置いて、家へと帰る。 ヤマネは先に帰る幹也を恨みがましい目で見つめたが、無理矢理に引き止めようとはしなかった。 代わりに、 「お兄ちゃんっ、明日、明日も来てねっ! 絶対だよっ!」 と約束の言葉を投げかけるのだった。 幹也はその言葉に頷きつつも、内心ではどうでもよかった。 学校は嫌いではない。勉強もそこそこで、話し相手もいて、平穏な日々。 ただし、退屈だった。 家族は嫌いではなかった。父がいて、母がいて、妹がいて。平和な一軒家。 ただし、退屈だった。 狂気倶楽部は嫌いではなかった。マッド・ハンターやヤマネ、時にはその外の少女との異常な付き合い。 ただし、退屈だった。 面白いことがないから退屈なのではない。 退屈だと思うから退屈なのだと、幹也は自覚していた。 ヤマネを抱くことに楽しさを感じることもなければ、首を絞めるのに背徳感もない。 ただただ、退屈だった。 だから、 「――兄さん、明日暇ですか?」 と、家で妹に言われたとき、幹也は迷わず「暇だよ」と答えた。 頭の中ではヤマネとの約束を憶えていたが、どうでもよかった。 退屈だったのだ。 その結果、どんなことになろうが、構いはしなかった。 54 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03 07 24 ID +eT8KhQA 妹。 その姿を見るたびに、最近の幹也はヤマネのことを思い浮かべる。 勿論ヤマネと妹は似てもつかない。 妹は物静かで口数が少なく、ほとんどの時間を鴉色の制服で過ごしている。 髪の色は幹也と同じ黒で、膨らむことなく真っ直ぐに伸びている。 背は幹也の肩に並ぶくらいだが、全体的に細く、大人びた感があった。とても中学生には見えない。 同じく鴉色のプリーツスカートには皺一つない。丁寧で几帳面だな、と幹也は思う。 学校帰りに買い物に行く時でさえ、制服を着ているのだから。 もっとも、幹也とて、同じく制服を着ているのだから妹に何を言えるはずもない。 「どれがいいですか?」 幹也の隣に立つ妹が小さく言う。ぴったりと横に寄り添い、腕をくっつけるようにして立っている。 いつものことなので幹也は気にしない。ウィンドウに並ぶケーキの山を見定める。 母親の誕生日ケーキだった。 ――プレゼントは既に買っているので、みんなで食べるケーキを買いたい。兄さんも好きなケーキを。 そう妹に頼まれたのだった。 好きなケーキ、と言われても、幹也にはぴんとこない。好きなものも嫌いなものもないからだ。 「――これは?」 適当なチーズケーキを指差して幹也が言うと、その手を掴んで、ぐい、と妹は降ろした。 「指差してはいけません」 そのまま、指を差さないように、ぎゅ、と腕を掴んで離さなかった。 幹也は仕方なく、目線だけでケーキを見て、 「あのロールケーキは?」 「それがすきなのですか?」 「好きでも嫌いでもないよ」 正直にそう言うと、妹は少しだけ頬を膨らませた。 「それではだめです。好きなものを選んでください」 「好きなの、ね……」 幹也は悩み、すべてのケーキを見る。好きなものも嫌いなものもない。 が、一つだけ、ピンと来るものがあった。 55 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03 08 07 ID +eT8KhQA ごくありきたりな、生クリームのイチゴケーキ。 けれど、その上には、お菓子で出来たウサギが乗っていた。 妹に話していないものの――『五月生まれの三月ウサギ』として、興味が沸いた。 「これ。これにしよう。これがいい」 「これですね」 幹也の視線を正確に読んで、妹は店員にケーキ名を告げる。 すぐに、箱に入れたケーキを手渡された。 妹は、幹也に片手を絡ませたまま、器用に残った手で財布からお金を取り出そうとした。 そして、それよりも早く、 「はい、どうぞ」 「ありがとうございましたー!」 幹也が、ポケットから千円札を取り出して、店員に渡した。 お釣りを受け取る幹也を、妹は、微かに嬉しそうな、怒ったような、どちらともつかない顔で見ている。 「……兄さんはずるいです」 「みんなずるいのさ」 妹の言葉の意味がわからなかったが、幹也は適当にそう答え、絡ませていない方の手でケーキを受け取った。 頭を下げる店員から目を離し、踵を返す。 そして。 「――――――――――」 鏡張りの向こう、店の外に。 手首にラッピング用のリボンをまき、栗色の髪の毛で、フリルのついた白いワンピースを着て、裸足の少女がいた。 少女は――ヤマネは。 泣きそうな、それでいて笑い出しそうな、不思議な表情で、幹也と、手を絡める妹を見ていた。 56 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03 28 22 ID +eT8KhQA ヤマネとはっきりと目があった。 泣き笑いを浮かべ、口元をへらへらとゆがめるヤマネと、はっきりと目があうのを幹也は感じていた。 幹也は考える。明日も来てね、と約束して、来なかった自分を探して、街をさ迷うヤマネの姿を。 いつもの格好で、裸足のまま、街をうろつくヤマネの姿を。 そして思うのだ。 幹也が約束を破ったのは、これが始めてではない。いつもは、約束を破って、家に帰っていた。 けれど、今日はたまたま――妹と、町に出た。大人びて、幹也と似ていない妹と。 そして、たまたまではなく、いつものようにヤマネは街をさ迷って、幹也の姿を見かけた。 そして、ヤマネは、仲が良さそうに手を組み、ケーキを買う幹也と妹を見て、こう思ったに違いない。 ――いつも、あの子と一緒にいるんだ、と。 幹也と妹が店から出ても、ヤマネは一歩も動かなかった。 へらへらと笑っている。 へらへらと、壊れたかのように笑っている。 その姿を妹は不審げに見ている。幹也は、真顔で見つめている。 笑ったまま、ヤマネは言った。 「お兄ちゃんっ! ヤマネのこと、好きっ?」 妹が不審げな顔を深める。 幹也は、感情を込めずに、あっさりと答える。 「ああ、好きだよ」 その言葉を聞いて、ヤマネは、へらへら笑いではない、満面の笑みを浮かべた。 「そっかっ! じゃあ、お兄ちゃんっ、また明日ねっ!」 言って、笑ったまま、どこかへ去っていった。 裸足で去っていく姿から、幹也はあっさりと視線を外し、言う。 「帰ろうか」 「兄さん」 歩き出そうとした幹也の腕を掴んだまま、妹は不審げな表情のままに、尋ねた。 「今の人は知り合いですか?」 幹也は、平然としたまま、あっさりと答えた。 「知らない子だよ」 その日は、それだけで終わった。 そして、全てが終わり始めたことに、幹也はまだ気づいていなかった。 (続) 57 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 03 38 08 ID UCmT86MI いい感じに病んできましたなー。 妹にも期待 58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/03(土) 23 06 36 ID xM4iJZ1Z 作者様GJ(*´д`*)ハァハァ 時間軸をそろそろ自分の中でに整理しないと 俺の頭では理解が限界、折角の良作を楽しむためにも ちょっと脳年齢上げてくる 59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 01 11 44 ID qc8UBzFa 58 氏 わかりづらいので一応補足をば。 里村・春香時代(回想) 35 43 47 ヤマネ時代(ほぼメイン) 21-26 29-32 48-49 53-56 グリム時代(現在) 36-38 44 60 名前:58[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 01 49 35 ID cByhBQ4R 作者様の手を煩わせてしまい申し訳ない(*_ _)人 改めて良作ップリを味あわせていただきました(*´д`*) 61 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 03 32 06 ID sVLyjdlB ヤマネもいい病みっぷりだが 妹に期待しちゃう… キモウトだとええなあ 62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 05 58 40 ID 1U8Y5B+2 俺もキモウトがいいなぁ。 63 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02 23 08 ID HVNZGBN/ 翌日。幹也は学校が終わると同時に、喫茶店「グリム」へと向かった。 ヤマネが「明日」と言ったからではない。 単純に、退屈だったからだ。退屈だったからこそ、いつものようにグリムへ行き、地下の狂気倶楽部へと向かった。 いつものように、そこには二人の少女がいた。 マッド・ハンターと、ヤマネだ。 幹也は唄いながら十三階段を降り終え、二人に挨拶した。 「おはよう」 「ん、ん、ん? おはようと言った所でもう夕方よ」 「授業中退屈で寝てたんだよ――おはようヤマネ」 言葉を向けられると、ヤマネの顔に、満面の笑みが浮かんだ。 脳が蕩けたかのような笑顔を浮かべながらヤマネが言う。 「おはよっ、お兄ちゃんっ! 今日はなにするっ!?」 にこやかに挨拶をするヤマネに笑いかけ、幹也はいつもの指定席に座る。 長机の一番奥の椅子に。 いつもと違う事があるとすれば――幹也が本をとるよりも早く、その膝の上に、ヤマネが乗ってきたことだ。 まるで、昨日の分も甘えるとでも言うかのように、ヤマネは全身で幹也にすりよる。 臭いをつける猫に似ていた。 ヤマネが、二つ名の通りに『ヤマネ』ならば、今ごろ幹也は穴だらけになっていただろう。 「今日はずいぶんと甘えるね」 幹也もそう感じたのか、言いながら栗色の髪の毛を撫でる。 撫でられたヤマネは気持ち良さそうに微笑み、言う。 「――お兄ちゃんっ、昨日のコって誰かなっ!?」 64 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02 32 12 ID HVNZGBN/ 唐突なその問いに、幹也の手が止ま――らなかった。 まったく動揺することなく、頭をなでながら、幹也は言う。 「妹だよ」 「妹?」 逆に、ヤマネの動きが止まった。 その答えをまったく予想していなかったのか、瞳はきょとんとしていた。 何を言っているのかわからない、そういう顔だ。 家族がいないとでも思っていたのだろうか――そう思いながら、幹也は言う。 「妹。家族だよ」 「仲」惚けたまま、ヤマネは問う。「良いのかなっ?」 見ての通りだよ、と幹也が応えると、ヤマネは「そっかぁ。えへへ」と、笑った。 楽しそうに、笑った。 楽しそうに笑う場面ではないというのに。安堵の笑みなら分かる。幹也を取られないという安堵ならば。 けれども、ヤマネの笑いは違った。 どこか被虐的な――自嘲じみた、歪に楽しそうな笑みだった。 「家族かぁ! いいなぁ、いいねっ! お兄ちゃんも、ヤマネの家族だよねっ、だってお兄ちゃんだもんっ!」 楽しそうに笑ったままヤマネは言う。 幹也は「そうだね」と適当に頷き、ヤマネの軽い体を机の上に置く。 退屈だった。 妹もヤマネもどうでもよかった。退屈を潰せるのならば。 いつものように――幹也は、ヤマネの首に手をかける。 「うふ、ふふふっ、うふふふふっ! あは、あはっ! お兄ちゃん、楽しいねっ!」 ヤマネは笑っている。 いつもとはどこか違う、歯車が一つ壊れたような笑み。 幹也は構わない。歯車が壊れても遊べることには変わりない。 歪な、歪な今までとは違う歪さの二人。 その二人を見ながら、マッド・ハンターはひと言も発さず、楽しそうに笑ってみている。 65 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 02 39 15 ID HVNZGBN/ 結局、その日は、いつもよりも早く帰ることになった。 ヤマネの反応が、いまいち面白くなかったからだ。常に笑っているだけでは、壊しがいがない。 反応を返してくれるからこそ、退屈しのぎになるのだ。 そう考えながら、幹也は一人、家へと帰る。 ごく普通の一般家庭の中に、普通の子供として帰る。 肌に少女の臭いが残るだけだ。家族は情事としてしか見ないだろう。 まさか首を絞め、異常な交わりをしているとは、少しも思わないだろう。 「雨に――唄えば――雨に――唄えば――」 ワン・フレーズを繰り返しながら幹也は歩く。 頭の中には、もうヤマネのことはない。あるのは、里村・春香のことだ。 図書室から飛び降り自殺をした春香のことを考える。 今もなお考えるのは――死んだ瞬間、春香のことが好きだったからだと、幹也はなんとなく考えている。 一瞬だけ退屈がまぎれるような――人を好きになれるような――幸せだと感じるような―― 不思議な感覚が、『あの一瞬』にはあった。 人にとっては異常とも思える思考と記憶にたゆたいながら、幹也は家へと帰る。 「雨に、唄えば――」 唄いながら扉を開け、家へと入る幹也は気づかない。 ――電柱の陰に隠れるように少女がいる。ワンピースをきて、栗色の髪の毛をした少女が。裸足のまま、じっと、幹也が入っていった家を見ている。 ヤマネに、後をつけられ、家を知られたことに、幹也は気づかない。 幹也の家を知り、幹也の部屋に電気がついたことを確認したヤマネは、楽しそうに笑いながらその場を去っていく。 ヤマネの頭にある考えは、一つだけだ。 ――お兄ちゃんは、ヤマネだけのものなの。 (続) 66 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 15 27 00 ID k8WbBjNn ヤマネVSキモウトの予感…! 67 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/05(月) 21 27 56 ID +jTKkPfr 今書いているのが有るんだが、登場人物紹介だけ。 南校生徒、山岳部 1 井田 敦也(イダ アツヤ)二年三組。 無愛想で、友達は少ないが、その友達の質は高い。いつも冷静沈着。 2 高田 翔太(タカダ ショウタ)二年三組。 自称、敦也と親友関係。もてたいがそれが前に出過ぎるため、もてない。童貞。学園卒業前に、脱童貞を目指す。 3 桐谷 美保(キリヤ ミホ)二年三組 敦也の幼馴染みであり、唯一敦也が普通に話せる相手。敦也の事が好きだが、その事に疎いためヤキモキしている。影の学園アイドル。 4 市原 奏(イチハラ カナデ)二年四組 自他共に認める学園のアイドルだが、少し我が儘なとこが玉に傷。容姿端麗、頭脳明晰と、完璧なタイプ。それを鼻にかけるのがまた厄介。 5 神崎 光(カンザキ ヒカリ)二年四組 活発で、男勝りな所があるが、美少女の部類に入る。翔太とは喧嘩友達といった辺りだが、互いに好意があるかは不明。 6 神崎 明(カンザキ アカリ)二年二組 光の双子の妹だが、性格は正反対でおとなしく、地味。そのため、双子でも簡単に見分けられる。昔目の手術に失敗し、眼鏡が無いと何も見えない。 68 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/05(月) 21 30 09 ID +jTKkPfr 7 楠木 絵理(クスキ エリ)二年一組 昔の事故により、片足が不自由な女の子。既に治っているのだが、精神的なもので動かないため、筋力が衰えてしまった。読書が大好き。 8 高田 由良(タカダ ユラ)一年二組 翔太の妹。兄譲りのお調子者な性格で、ムードメーカ的な存在。翔太の友人である敦也が好きだが、美保の気持ちを知っているので抑えている。 9 馬場 隆(ババ タカシ) 25歳。筋肉質で、いわゆる体育会系教師。山岳部顧問であり、今回の部活旅行の引率。生徒からの評価は、ごく普通。 ~~~~~~~~~~~~~ 洋館の主 春川 知奈美(ハルカワ チナミ)本名かは不明。 今回山岳部に招待状を出した、奏の親戚。とはいえ、奏も見たことがなく、どんな人なのかも不明。噂では、若くて美しい女性だとか。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ グロって有り? 69 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 22 42 05 ID KfB8sfCy |ω・`) グロの度合いがわからないけど寝取られ系でなければ基本大丈夫 まぁ読者が私一人じゃないからなんともいないけど・・・ グロだからどうこうってことはないと思います とりあえず設定だけで(*´д`*)ハァハァ 10人近い人物がどう動くのか期待 70 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 22 53 34 ID tFgb8qQG メッタ刺し位なら平気 69 俺は、女が男を寝取るとかなら割とすきだなぁ 71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 23 26 04 ID ivcG0IBK 最初に明記すればなんでもありじゃない? スレタイが【ヤンデレ】なんだしさ 72 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/05(月) 23 34 23 ID hz8qZhvt 俺は別にグロでもいいと思うけど、あんまり行き過ぎると・・・ 登場人物が多いと大変だろうと思うけど頑張ってください。 期待してます!! 73 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 02 28 32 ID bJP1ejAS 63 やばい!!ヤマネがなんかツボすぎる。 そしてまだ攻めには転じていないキモウトにも期待w 個人的に 「お兄ちゃんっ、昨日のコって誰かなっ!?」 が相当キタw 作者さんGJです!! 74 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13 33 27 ID yF1KkMww 投下します。 心臓の弱い方、妊婦はご遠慮(ry 75 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13 34 22 ID yF1KkMww ――敦也 きっかけは何気ない一言だった。 「夏休み、みんなで旅行に行かない?」 奏の提案だった。俺達山岳部……とはいえ、ほとんど活動はしてない……が、奏の親戚の家に招待された。俺は面倒だと言ったのだが、美保に強引に連れられてしまった。 そして今はバスの中。日も暮れて来た時間、山中を進む。かなり高い所まで来た。隣りでは美保が熟睡して居る。無防備なもんだ。 外の味気無い風景を眺めていると、前に座っていた翔太が、イスから身を乗り出して話しかけてくる。 「おう、敦也。実はな、今回の旅行、俺には計画があるんだ。」 「…計画?」 面倒に思ったが、一応返事はする。 「人里離れた洋館……たくさんの美少女達……この条件から導かれるのはただ一つ!脱・童・貞!だぁぁぁぁ!!!!」 お前が報われないのはそこにあるんだぞ?といいたくなるが、黙っておく。言っても無駄だし、自分で気付かないと無意味だろう。 「な?お前も乗るだろ?」 「断る。」 俺にとっては、完全に無意味なことだ。この後、そんな余裕もない程悲惨な旅行になるとは、俺も含めて誰も知らなかった……… 76 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13 35 27 ID yF1KkMww ――由良 「脱・童・貞!だぁぁぁぁ!!!!」 兄さんがまた変な事を叫んでいる。妹として、兄のイメージ低下は避けて欲しい……でももう手遅れみたい。みんな引いちゃってる。 はあ、なんであんなのが兄なんだろう。ほら、敦也さんにだって軽くあしらわれちゃってる。……かっこいいなぁ。 でも、そんな敦也さんの肩に頭を乗せながらぐっすりと寝てる美保さんを見ると、胸が痛くなる。 『私、あっちゃんが好きなんだ、幼馴染みとしてじゃなくて……男の子として。』 それを相談されたとき、本当に泣きそうになった。でも、私も敦也さんが好きだと言ったら、きっと美保さんは身を引いてしまう。優しすぎるから。 そんな事をさせてまで、敦也さんに好きだと言える事なんて無理。だから私は黙っていた。美保さんも好きだから、二人には幸せになって欲しい。 私が……私さえ我慢すれば、全部丸く収まるんだ。だから我慢…………でも、黙っていれば、離れて見てていても構いませんよね? 兄さんを避けるように顔を背けた敦也さんと目が合い、苦笑いされる。ああ……また、私の胸が疼く……敦也さんがイケナインデスヨ? 77 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/06(火) 13 36 37 ID yF1KkMww ――翔太 俺の懇願虚しく、周りからは色のいい反応はもらえなかった。 「な?お前も乗るだろ?」 無理やり敦也を誘ってみる。わが親友ならわかってくれるはず…… 「断る。」 と思ったが、こいつはそういう奴だったよ。ちょっと腹癒せにからかってみる。 「お前はいいよなー。もうかわいい候補がいるからさぁ。」 敦也の隣りで寝てる美保ちゃんを見ながら言う。どうみても美保ちゃんが敦也に好意を持ってるのはバレバレだ。だから俺としても二人がくっついてくれるのはありがたい。 だから絶対に美保ちゃんには手を出さないようにする。ただ一つ問題なのは…… 「候補?誰が?なんの?」 敦也本人が爆発的に鈍感って事だ。わざとか?と思うほど、色恋ざたははぐらかす。 「美保ちゃんが、さ。」 「まさか。」 苦笑いしながら顔をそらす。その目線の先には由良がいた。……む、こいつ、もしや俺の妹狙いか。もし由良と敦也が結婚までいくとなれば…… 『今後ともよろしくお願いします、兄さん。』 『兄さん』『兄さん』『兄さん』 それを想像しただけで吐き気が………… 78 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 22 52 53 ID lVzMyppW |ω・`) 一体誰が病むのかワクテカ それにしても兄貴、結構キてるなぁ((;゚Д゚)ガクガクブルブル 79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/07(水) 21 43 54 ID yONoAegT 保守だ。 80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/07(水) 23 28 25 ID P9556osH ヤマネマダァァァァァ?? 81 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 00 41 43 ID ghfOlPng 76 (;´Д`)ハァハァ つ、続きを早くヤンで 82 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 06 50 22 ID S6xMSoai あぁ、由良がいい感じで病んでるなぁw 美保が出てきてないけど……ワクワクしながらまってますぉ! 83 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 10 38 35 ID 4nKORfYh よく分からんが、定義としては S県月宮みたいな奴のことをいうのか?>ヤンデレ 84 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13 43 23 ID RqCur5RQ ――美保 とても心地良い、あっちゃんの肩。寝たフりしてるけど、本当は最初からずっと起きてる。ドキドキして寝れないから。 考えてみれば、あっちゃんが居る旅行なんて初めて。無理やり連れて来てもよかった。翔太君が変な事を叫んでいたけど、私も似た様なことを考えている。 この旅行の間に、あっちゃんと……… そんなことを考えていたら、体が暑くなってきちゃった。いけない、いけない。私は変な子なんだろうか? 誤魔化そうと薄目をすると、あっちゃんが私を見ていた。一瞬似して体が硬直してしまった。な、なんでこっちを見てるの!? 「こいつ……」 なにか呟いてる。 「面白い癖っ毛だな。」 ガクッ はぁ、なんか期待外れ……まあ、あっちゃんに期待するのも無駄かな。私が引っ張っていかないとだめだからね。 そろそろ起きようかと思った時……… ガタン 「んん?」 バスが少し揺れ、運転をしていた先生が声を出す。 「おかしいな……ガソリンはまだあるし、故障か?」 周りから不満の声が上がる。 「いいじゃない、あれが目的地なんでしょ?あれぐらい歩いて行きましょうよ。」 奏ちゃんがそう提案した。 85 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13 44 14 ID RqCur5RQ ――奏 私が提案したように、皆で森を抜け、歩いて洋館まで向かう。 まったく、こんな不便な所に別荘を建てるなんて理解できない。しかも余り知らない親戚から招待されるなんて、なんかおかしい。 でもまあ、みんなそれなりに楽しみ似しているようなのでよしとする。 少しだけ舗装された道を歩くこと数十分。やっと正門までたどり着いたけど…… 「で、でけぇ~~!!」 翔太君がみっともなく大声で叫ぶ……無理もない。本当に大きいのだ。山の森に隠れていたためか、近付くまでわからなかったが、正門から見ただけでもウチの学校の校舎ぐらいはある。 こんなところに住むなんて、とても疲れそうだ。 「あ、あれ何?」 エリっちが不思議そうに指差した先には…… 「時計塔、か。」 あら、珍しい。敦也が答えるだなんて。 確かにそこには時計塔があった。ちょうど私達の居る正門とは正反対で、洋館を線対称に分けるように中央にそびえたっている。 夜の闇にライトアップされたそれは、妙に不気味に見えた。その上…… 「つ、つめたい!」 雨まで降り出した。敦也君が珍しくしゃべるからよ! 86 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/08(木) 13 45 56 ID RqCur5RQ ――絵理 「ほら、冷えてきたから、さっさと入るぞ。」 先生が促すと、皆で正門に入る。松葉杖をついている私を、光ちゃんが、しっかりと支えてくれる。こんな私が山岳部なんかに入った理由がこれだ。 障害があり、なかなか部活に入れなかった私を、カナちゃん(奏)が誘ってくれた。ちなみにカナちゃんが山岳部に入った理由は、『暇そうだから』らしい。 それから私とカナちゃんは親友になった。カナちゃん以外も皆優しくてとても助かっている。 庭の中央まで来た時、異変は突然起こった。 ガシャン! 大きな音がして振り返ると、鉄の正門が閉じていた。 「風かな?」 光ちゃんが言った直後……… ガルルルルル……ワンッ!! 犬の吠える声が聞こえた。よく見ると、庭の隅の穴から、五匹ぐらい這い出ていた。その私たちを見る目は、餌に飢えた獣のようだった。 「あ、あれって!軍用犬じゃない!みんな逃げて!」 そうカナちゃんが叫ぶと、皆スイッチが入ったように混乱し、玄関へと走り出す。そんな中私は…… 「いよっと!」 翔太君におぶられていた。………そんな翔太君の横顔が、なんとなくかっこよく見えた……… 87 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/08(木) 17 00 30 ID XG2Ju9NL なんかサスペンスの臭いが((;゚Д゚)ガクガクブルブル これはいいヤンデレ洋館ものですね(*´д`*) 88 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06 16 24 ID 8ZzyCs2Z 七月十日 拝啓、お元気ですか? こちらは元気です。 湿った六月も明け、七夕を経て、半端な時期に梅雨も終わって、ようやく夏がやってきそうです。 先日、一人暮らしをしていた弟が私の住む実家に帰ってきました。 半年間メールでしか連絡を取っていなかったので、久々に弟と顔を合わせて話せたので心臓がどきどきしています。まるで恋する乙女の様です。弟は夏休みの間はこちらにいるようなのでその間、何をして弟と過ごすか色々と考えている今日この頃。 七月十五日 今日は弟と一緒に映画館に行きました。内容はあまり覚えていません。ずっと弟の横顔を眺めていたので。 帰りに弟とショッピングモールで買い物をしました。弟が付けている地球をモチーフにしたピアスがあったので、それを購入。 おそろいですね。と言うと少し頬を紅くして、照れていました。可愛いです。 だけど、家に帰る途中に弟の友達と名乗る妙な女が弟を連れて行ってしまいました。そこは今日という素晴らしい一日の唯一の汚点で、どうもいただけません。 死ねば良いのに。 八月九日 今日は弟と一緒に海に行きました。 本当は人前に肌を晒すのは嫌なのですが、弟に見られるとなると話は別です。散々胸元を弟の元を弟の前で見せびらかす事に成功。 やりました。 少しはこちらを意識してくれたでしょうか? 帰りの電車でつい、うとうとしてしまったのですが、弟の視線がちらちらと私の胸にいっているような気がします。 早く襲ってくれればいいのですが。 89 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06 20 45 ID 8ZzyCs2Z 八月十九日 今日は弟と家でごろごろとしていました。たまにはだめ人間になるのも良いものです。 朝はトースト。お昼はパスタ。夜にはカレーを作って食べました。 この調子で弟も食べてしまいたくなります。 ずっと二人でこの家で、誰にも阻まれず、弟と心逝くまでとろけてしまいたくなります。 弟の滞在期間もあと半分です。その間に理性は保ってくれるでしょうか?崩れるのも一興ですが。 八月二十五日 最近、弟がよそよそしいです。家に帰る時刻が遅く。前までは遅くなるとその旨を伝えるメールが来るのですが、それさえもありません。 何だか寂しいので今夜も一人、体を慰めながらの就寝です。 八月三十日 悔しい。弟と同じ血が流れるこの体が恨めしい。あの女。よりにもよって私の弟と繋がったようです。 決め手は弟の体から女の臭いがして来たからで、私は今すぐにでもその臭いをわたしの臭いで多い被せたくなりました。 しかし、人の良い弟の事です。どうせあの女が何か泣き落として無理やりに抱かせたに違いありません。 先月にあった時に直感で理解しました。ろくでもない発情した動物と同類だと。 殺してやりたい。 九月四日 弟の瞳は私のもの。 指は喜ばせ、唇は私を震わせる。耳に届く声は甘い呪いの呪文。舌は否応にも私を濡らせ、抱き締める腕でさらわれてしまいたい。 体の全てで弟を感じて、想いの全てで弟を受け入れました。 しあわせ。 もう、はなさない。 九月十八日 今日も一日中弟と繋がり合いました。 朝起きて、私の奉仕で目覚めそのまま一回。 午前は居間で飽きるほどに互いの秘所を舐め逢いました。 昼食の準備の最中に襲われ、はしたなく食事中も私の中に弟は挿さったままでした。 午後になって私の胸で一回。今まで私の胸で興奮した事があるそうです。嬉しい。 夕方になって夕飯の買い物の帰り近所の公園の御手洗いで一回。 夕飯を食べた後、御風呂の中で二回。浴場で弟と洗いっこ。どんどん元気になって行く弟が印象的でした。 私も隅々まで洗われて、絶頂まで連れて行かれてしまいました。恥かしいです。 90 名前:十月五日午前三時の君達へ[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06 24 06 ID 8ZzyCs2Z 九月二十日 弟はこちらに残るそうです。あまりの嬉しさに泣いてしまいました。最近泣いてばかりです。アノ時も泣きっ放しです。姉としての威厳が。 夕飯の買い物を一人で済ませ、帰り道の途中にあの女と会ってしまいました。 泣きはらしたような目でこちらを見て、 変態。 と、静かに呟いて去って行ってしまいました。 負け犬の遠吠え。思わず笑い出しそうになるのを押さえるのに必死でした。 これからずっと弟と一緒だと考えると淫らな気持ちになってしまいました。 帰ったらうんと恥かしい御仕置をしてもらわなくてはなりません。 九月二十九日 しにたい。 十月一日 きょうはわたしたちのなかをじゃまするふたりをやっつけました。 おとうともわたしのかんがえにさんせいしてくれました。なつのあいだかれにあたえていたくすりのせいかです。 いいぐあいにかれのこころをてにいれることができました。 いまでわたしたちのりょうしんがふたつならんでしんでいます。 どうでもいいことです。 さて、いまからまたおとうとときもちよくなってきます。 十月五日 拝啓、お元気ですか? 私はあまり元気ではありません。昨日から弟がベッドから起き上がってくれないのです。 ベッドの上には相変わらず弟から流れた血で紅く汚れています。 早く起きて欲しいです。私を驚かそうとしているのですね?騙されませんよ。 さあ、早く起きて朝ご飯を食べましょう?朝に食べないと体に悪いんですよ?食べ終わって、それで早く私も食べてしまってください。 いつまで寝ているんですか?さあ起きましょう。天気も良いですよ。二人で久し振りに外に出かけましょう? ねえ、起きましょう…? ねえ、はやく… ねえ… ベッドの上には相変わらず手首に傷をつけた弟がいつまでも横になっていました。 91 名前:作者[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06 28 21 ID 8ZzyCs2Z 眠れなくてふと、書いてみました。 勢いで書いたので気に入っていただけるか… 携帯からの書き込み、失礼しました。 それでは名無しに戻ります。 92 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 06 57 09 ID XoOrus3h サスペンスと言うよりむしろ、ホラー……? これからどうなるのやらw 93 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 09 34 19 ID xeKRSHZm やべぇなんて良スレを発見しちまったんだ……! 94 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 10 47 20 ID E+NqHkk+ キモアネは人類の至宝 95 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 18 44 19 ID bgN0fkZe 愛に溢れるキモ姉ものが読みたい。 キモ姉こそ、人類最後の希望。 96 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/09(金) 22 00 55 ID 8ZQ++sLn このスレと修羅場スレは俺にとって聖地。 97 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23 24 41 ID 3KxOvOB5 ――敦也 「ハァ、ハァ、ハァ」 皆急に走ったため、息が切れている。なんとか走り抜き、ドアを閉め、犬を追い払う事ができた。 「か、奏!なんであんなのがいるんだよ?」 「知らないわよ。私だって聞きたいぐらいだわ。」 さすが自称アイドルを誇るぐらいだ。もう息も整え、平然と返事をしている。 「あ、あっちゃん!大丈夫?怪我なかった?」 「おまえな…俺の事より自分の事心配しろよ。お前こそ、怪我してないか?」 「うん…ありがと。」 そう言うとホワッと笑う。 「しかし許せんな。あんな凶暴な犬を放し飼いにしておく上、迎えも無いとは……ここの主と話をつけてくる。」 「私も行きます。私がいないと話にならないでしょうから……とりあえず、適当にこちらに行ってみましょう。」 言うやいなや、先生と奏は十数枚あるドアのうちの一つを開け、さっさと行ってしまった。 「あっちゃん……どうする?」 「散歩でもしながら適当に時間つぶすさ……一緒に行くか?」 「うん!」 それを聞き、俺は美保と一番入口から遠いドアを開け、入っていった。それは……地獄の幕開けだ…… 98 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23 26 12 ID 3KxOvOB5 ――光 「ひ、光ちゃん……やめようよ……勝手に入ったら怒られちゃうよ?」 「なぁーに心配してんのよ。大丈夫だって。」 私は明と洋館を探索し始めた。あの様子だと先生達が戻ってくるのは遅くなりそうだ。それに…… 「こういう広い家……私の冒険家としての魂が燃えるわよ!!」 「だからまずいってば~。」 まったく、相変わらず弱気ね、明は。私達は双子だってのに、こうまで違うのかしらね。 「なによ、あんただって図書室があるかも、っていったら喜んだじゃない。同罪よ。」 「そんなぁ~」 「それに、あんなめにあったんだから、これぐらいは許されるわよ。」 おどけながらもしっかりとついてくる。見掛けによらず、本に関しては貪欲だ。本が嫌いな私とは、本当に正反対だ。 やっぱ本なんか読むよりスポーツよねー。 「それにしても…本当に広いわね…」 廊下だけでも、相当な長さだ。電気は着いているが、小さな豆電球が等間隔で点いているだけなので、全体的に薄暗く、廊下の先もよく見えない。 ……正直に言えば、不気味なのだ。 「ほら、この部屋なんか面白いドア……あれ?」 振り返ると、いつの間にか明が居なかった。さっきまではいたはずなのに……… 99 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/09(金) 23 27 13 ID 3KxOvOB5 ――??? あなたがついにやってきた。私が招待した洋館へ。でも、正確にはこの洋館にすんでいいのはあなただけ…… 他の人は皆消すだけ。私とあなたは一生をここで過ごす……最初の犬に、誰も食い殺されなかったのは残念……でも安心して。 邪魔者を消す方法なんて、いくらでもあるから……私にまかせてくれれば、きっと……いえ、絶対うまくやってみせる。 「ん?おお、――か。こんな所でどうした?」 馬場隆……あなたの通う学校の先生…邪魔な人… 私は誤魔化すため、道に迷ったと言う。あたりに人はいない。殺るなら今。 「そうか、じゃあ俺と一緒にホールに戻ろう。この洋館に住んでる人が見当たらん。」 そう言うと、なんの疑いもせず、背中を向ける。……馬鹿な人。背中に隠していたネイルハンマーを取り出し、振りかざす。…もちん、釘抜きの方を向けて………振り下ろす! ガッ! 「ぐあ!?」 一撃で膝を突く。まだまだ足りない。消えてもらわないと。 ガッ!ガッ! 「やめ…――!な、にを……す……」 私の名前が呼ばれるが、構わない。私の名前を呼んでいいのはあなただけだから。他の奴等は……虫酸が走る。 ガッ!ドカッ!グバッ! 打撃音が水気を含む音に変わる。 「ふふふ…アハハハハハはははははは………」 グバッ!ドッ!グシュッ! もう完全に死んでいる。それてもまだ振り続ける。あなたのためにしていると思うと、快感で体が熱くなり、止まらなくなる。 「まっててね……私の大事な大事な……なによりも大事な弟………――ちゃん…ふははは……あっはは………」 気付けばもう、叩くところが無くなっちゃった……残念……… 100 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00 07 12 ID 1Og+TXND サスペンスキタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!! 続きwktk!+(0゚・∀・) + テカテカ + 101 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00 30 03 ID M/U1Dsv6 イキナリ惨殺キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!! 最高のスレだ、ここは。 全部早く続き読みてー!! 102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00 39 49 ID uj/kMvwy ヤマネの方にもトリップつけたほうがいいのかな…… とりあえず死の館の続きを楽しみに待っています 103 名前:65の続き[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 00 56 48 ID uj/kMvwy その日、珍しいことに、幹也は学校に行かなかった。 その日、珍しいことに、喫茶店「グリム」にヤマネはいなかった。 地下図書室には、いつもの姿をした、マッド・ハンターだけがいた。 「おや、おや、おやまあ! これは珍しいわね。おサボリ?」 「おサボリのお欠席だよ」 言って、幹也はいつもの席に座った。いつもと変わらない制服姿。鞄には教科書と弁当が詰まっている。 本当は、学校に行くつもりだったのだ。 学校に行こうとして――そのまま、喫茶店「グリム」へと来たのだ。 完全な気まぐれだった。 完全な気まぐれだと、椅子に座るその瞬間まで、幹也自身もそう思っていた。 「それでそれでそれで? きみはどうして学校を休んだの?」 「同じように学校を休んでる君に言われたくないけどね――いや、そもそも、学校に『居る』の?」 幹也の問いに、マッド・ハンターは唇の端を吊り上げて笑った。 答える気はない、と笑みが告げている。 幹也はため息を吐き、「それならば僕も答える必要がないな」と呟いて、 ようやく、気づいた。 「ああ、なるほど。死んだからだ」 「――?」 幹也の突然の言い分に、マッド・ハンターが首を傾げる。 構わずに、幹也は独り言のように呟いた。 「『先代』が死んでから、ちょうど半年だ」 「ほう、ほう、ほう!」 楽しそうなマッド・ハンターの声を、幹也はもはや聞いてはいない。 頭の中にあるのは、『先代』との思い出だけだ。 先代。 十二月生まれの三月ウサギ――里村・春香。 ちょうど一ヶ月前の放課後に、彼女は、図書室から飛び降りて死んだのだった。 そして、それは、幹也にとっても特別な日だった。 先代が死んだから、でも、三月ウサギになったから、でもない。 生まれて初めて――『退屈でない』と思った日だからだ。 104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 06 52 ID uj/kMvwy 「君は、君は、君は――」マッド・ハンターが楽しそうに言う。「彼女が好きだったのかな?」「 「彼女?」 「『12月生まれの三月ウサギ』」 いきなりとも言えるマッド・ハンターの問いかけに、幹也は悩む。 傍から見れば、付き合っているように見えた――わけがない。 幹也と春香の関係は、図書館の夕暮れ、誰もいないところだけだったのだから。 今でも、幹也と春香の関係を知る人などいないだろう。葬式に出た、くらいだ。 そして。 実際の『関係』がなかったかといえば、NOだ。 ヤマネにするような関係を、幹也は、春香としていた。 12月生まれの三月ウサギ。 12月に生まれたウサギは――死にやすい。 その通りに、春香は、今にも死んでしまいそうな人間だったし、実際に死んでしまった。 彼女が死んだ瞬間を思い出しながら、幹也は言った。 「好きだよ」 好きだった、ではなく。好きだ、と幹也は言う。 その答えを聞いて、マッド・ハンターは笑う。 「ふぅん、ふぅん、ふぅぅぅん。それも嘘かい?」 「さあね」 幹也は肩を竦める。本を探す気にはなれなかった。 相変わらず退屈だ。 そして、退屈でなかった一瞬を、思い出していたかった。 里村・春香が死んだ瞬間を――唯一、退屈でないと思えた瞬間を。 「ふむ、ふむ、ふぅむ。私も見たかったわ、その瞬間。もう一つだけ質問いいかな?」 「駄目って言っても聞くんだろ?」 「まぁねまぁねまぁぁね。それで、自殺した先代は――君が殺したの?」 酷く核心的な、酷く確信的な問い。 全ての前提を覆すような問いを、笑いながらマッド・ハンターは吐く。 幹也は、その問いに、真顔で即答した。 「――さあね」 105 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 19 53 ID uj/kMvwy 結局、その日は、幹也は学校には行かなかった。 ほぼ一日中、本も読まず、楽しいと、退屈ではないと思えた一瞬のことを思い出していた。 思い出している間は――かすかだけど、退屈さが紛れるような気がしたからだ。 席を立ったのは、十六時前。 いつも喫茶店「グリム」に来る時間よりも、かなり早かった。 ヤマネもいないので、家でゆっくりと思い返そう――そう思ったのだ。 帰る道すがら、幹也は、ぼんやりと思考をめぐらせていた。 帰ったら妹がいるだろうか、一昨日買ったケーキがまだ残っているだろうか。 父と母は家にいるだろうか。時間が不定な家族は、いつ家にいるかわからない。 いなければいい、いてもいなくても退屈なのだから、いないほうが静かだ――そう幹也は思った。 そして、そんなことよりも、頭にあったのは。 里村・春香のことだ。 彼女の最後の言葉を、幹也は思い出す。 『――幹也くん、私はもう疲れた』 心の底から、疲れきった、生気の無い声。 いつものように首を絞められながら、春香はいった。 『――だから、お終いにしよ』 それが、最後の言葉だった。 その数秒後――春香は、図書室の窓から落ちて自殺したのだから。 その光景を思い出して、幹也は小さく笑う。 地面に咲いた赤い花。 肉と臓物と血で出来たきれいな華を思い出して、幹也は歩きながら笑った。 あの瞬間。 あの瞬間だけは、退屈でなかったのだから。 いまもなお退屈をかかえる幹也は、退屈でないときを思い返しながら、歩く。 あっという間に家へとたどり着き、チャイムを鳴らした。 ぴんぽん、という間抜けな音。 誰も出なかった。そもそも、誰かが出るとは思っていなかった。とりあえず鳴らしただけだ。 玄関を入り、ポケットから鍵を取り出し、ドアノブを掴み、 「……あれ?」 そこでようやく、幹也は異変に気づいた。 ドアノブが、回ったのだ。 鍵を差し込んでいないのに。 鍵は――かかっていなかった。 誰かいるのだろうか。チャイムに気づかなかったのか? そう思いながら、幹也はドアノブをひねり、 扉を、 開けた。 ――そして幹也は、むせ返るような赤を見た。 106 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 22 39 ID G1P/sHbL 乙 なんか主人公が1番のヤンデレみたい? ところでキミキススレにヤンデレが襲来してるな 107 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 26 49 ID uj/kMvwy 赤と紅と朱。臙脂、橙、茶。 思いつくかぎりの、この世に存在する限りの赤が、そこにあった。 それは、とある赤いものが、元からあった家具や壁や空気と触れ合って、変色した結果だった。 もともとは、くすんだ赤。 黒に近いような――赤。 家の中は、完全に、赤に染まっていた。 濡れた赤。 まだ、乾ききっていない。 幹也の家は、玄関に入れば、扉一枚向こうにリビングが見える作りになっている。 そして、その扉は今、開けっ放しになって――扉の向こうには、赤が広がっている。 赤に塗れた世界を見て、幹也はなるほど、と納得した。 ――これならば、チャイムに出ることもできないな、と。 扉の向こう。赤い水溜りに沈むように、ばらばらの何かがあった。 皮をはがれ、肉を抉り、骨を削り、臓物を取り出し。 必要以上に――否、必要がないのに、ばらばらにされた、父と母の姿を、幹也は見た。 そして、その奥。 手足から血を流す妹と――その妹の神を掴み、楽しそうに笑う少女の姿を、幹也ははっきりと見た。 普段の白いワンピースは、いまは赤く染まっている。 この部屋と同じように――――溢れる血で、ヤマネは真っ赤に染まっていた。 幹也は、いつものように、ヤマネに声をかける。 「やぁ、ヤマネ」 ヤマネは。 右手に分厚いナイフを持ち、左手に妹の髪を掴んでいたヤマネは。 まるで人形か何かのように、妹を放り投げ、血の海をばちゃばちゃと言わせながら、幹也へと近づいてきた。 そして、真っ赤に染まった体と、真っ赤にそまった顔で、ヤマネは笑う。 血に塗れ、右手に包丁を持ったヤマネは、死に囲まれた部屋で、満面の笑顔で言った。 「おかえりっ、おにいちゃんっ!」 (続) 108 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 28 43 ID uj/kMvwy 106 春香から妹にいたるまで全員の予定 主人公は 「君が一番狂ってるんじゃないのかい?」 と終わり際でネタにする予定 109 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 35 15 ID thi7MeHr ヤマネまったてよヤマネ ちょっ キモウトもうお亡くなり!?そんなのヤダヤダ! 110 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 37 53 ID 1Og+TXND 108 おおおおおお殺戮キタコレwwwww GJ!! トリップは別にいいと思うけど 投下するレス数は書いてもらえるとありがたい 割り込みとかへるし 111 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 01 58 37 ID GWU5lhqh 鬼、キモウトが死んでルー!! 112 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 02 03 47 ID HPh6ODlY 続きが気になって仕方が無い。 113 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 02 04 18 ID thi7MeHr ヤマネヤバスと思ったが 主人公が一番こわいお! 114 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 11 10 02 ID XKVYYFeK ――敦也 〈一階東側通路〉 「なんてこった……」 しばらく歩き進んで初めて気付いた。この通路には所々、廊下を区切る様にドアが設置してあった。 やたらと枚数が多いと思ったのだが…… 「一方通行とはな。」 ホールから見て奥へ進むと、その側のドアに取っ手が無かった。 「どうしよい、あっちゃん……戻れないよ…」 美保が泣きそうな顔ですがりついてくる。こういう時に慰める術を俺はよく知らない。 「戻れない事もないだろ。そんな家があってたまるか。…先に進んで一周でもすれば戻れるさ。」 どうしてかこう刺のある言い方になってしまう。人を拒絶する傾向があるからか。 「えぇ~。本当に?」 知るか。と口に出そうだが、喉で止めておく。……美保にだけは、俺を軽蔑のまなざして見てほしくない。 「大丈夫だ…いくぞ。」 「あっ……」 グイッと手を引っ張って行く。これぐらいしないとなかなか先へ進んでくれないからだ。そうやって手をつないだ途端、黙ってしまった。 「ん?」 そうしてまたドアを開けた途端、激しい違和感に襲われる。すぐにわかった。この通路だけ、横に部屋がないのだ。 ドアは突き当たりの一枚のみ……進むしかないか。 「なに?これ。」 そのドアにはドアノブが無く、一枚の紙が貼ってあるだけだった。 「えーっと……『スペインとサイパンの違いはな~んだ?わかったら大きく叫ぼう』……?」 その問題を読んだ瞬間…… ガコォンッ なに大きなものが外れたような音がし、振り返ると……… 「まじかよ…」 さっき閉めたドアが、ゆっくりと迫ってきた………… 115 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/10(土) 11 11 04 ID XKVYYFeK ――奏 〈一階西側通路〉 「もう……なんなのよ、ここ……」 私は完全に道に迷ってしまった。いや、この場合家に迷ったと言うべきか。 その上先生ともはぐれてしまった。……この歳で迷子だなんて勘弁だが、そうも言ってられない。 携帯を見てみるが、完全に圏外。いまどき電波の届かないところなんてあるのね……… とりあえず、ポケットにある飴玉を舐めて気持ちを落ち着かせる。甘い物は鎮静剤になる。 「落ち着け……常に冷静に。」 それが私の好きな人の口癖であり、モットーであった。もっとも、その人の事を考えると、落ち着いてもいられなくなるのだが。 適当にドアを開け、部屋に入ってみると、そこには幾つかの本棚と、机、その上には本が開いてあった。 「さしずめ書斎っつとこね。」 臆する事無くイスに座り、本を覗いてみると……… 『森鴎外、夏目漱石、芥川龍之介………いずれも世に名高い賢者である。だが、今の時代には欲にまみれた愚者と成り代わるものあり。 さて、その名を叫び、世に知らしめよ。わからぬ者、自然の恵みにあやかる資格なし。』 「……?」 まったく意味不明。これが一体なんだと…… ガチャ 席を立とうとした瞬間、横から出たベルトに体を固定される。 「な、なんなの!?悪ふざけもういい加減に……っ!」 少し叫んだ時気付いた。……酸素が…薄れてる…… 116 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/10(土) 19 09 30 ID oFeSDvUN クイズの雰囲気に蠅声の王を思い出した((;゚Д゚)ガクガクブルブル 最後1対1になったらどうなるのかな(*´д`*) 117 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 02 20 47 ID FUN6bYIy 何気に 16のプロットが秀逸だな 118 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/11(日) 22 55 58 ID 8vhck+0u うほっ いいスレ! 119 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/12(月) 20 42 01 ID D/p3jFsP 保守 120 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/12(月) 22 39 33 ID TNKxT41S クイズで失敗すると……ってのは怖いなw 121 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13 21 41 ID qDbR0HcX ――翔太 皆で洋館の探索に行っちまったため、ホールには俺と由良と絵里ちゃんが残っていた。 「由良、お前は探索に行かなかったんだな。こういうの好きそうじゃねぇか?」 「私はそんな子供じゃありまん。それに、絵里さんと二人っきりにしたら何をするかわからないので。」 「アホか。俺はそんな鬼畜と違うぞ。節度ある紳士で……」 「紳士はバスで叫びません。」 くっ!さすが我が妹。人の揚げ足をとるのがうまくなってきたな。これは要注意だ。 三人でしばらく雑談していると…… 「答…は……の数…!」 どこかのドアの向こうから、叫び声が聞こえた。あまり内容は聞き取れなかったが。 その瞬間、ドアの一つが開き、中から敦也と美保ちゃんが出て来た。 「めずらしぃな。敦也が大声出すなんて。ゴキブリでもいたか?」 「そんなんじゃないんだよぉ。大変だよ、この洋館……」 美保ちゃんが必死な顔で説明する。一方通行の通路。なぞなぞと迫ってくるドア。……まったく信じられなかった。 「おいおい……冗談だろ?それじゃあまるで、からくり屋敷どころか、殺人館じゃねえか!」 122 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13 22 40 ID qDbR0HcX ――由良 さすがに今回のことは信じられなかった。いくら敦也さんの言葉とは言え、人殺しの罠なんてないと思ったが…… 「はぁ、はぁ、み、みんな無事?」 足下がおぼつかない奏さんが、ホールに入ってかた。かなり息が上っているようだ。 そして奏さんからも聞いた。洋館の罠を。 「そう……敦也君たちも引っ掛かったのね…」 「ああ、なんとか解けたけどな。……あの庭の犬と言い、本当に冗談じゃすまされないな。」 目の前の会話がとても難解だった。実際自分が体験していないからなんだろうけど……… 「あれっ?みんな集まってなにしてんの?…先生居ないみたいだけど……」 明さんと光さんが一緒にホールへ来た。これで先生以外は揃ったことになる。 奏さんの話を聞いてから、恐怖感が込み上げて来て、寒気がした。今だけ……今だけなら。 そう思い、敦也さんに近付き、自然な形で寄り添った。 「なんか……怖いです。」 「大丈夫さ……なんとかなるさ。」 そう言ってもらうだけで気持ちが楽になった……そのとき。 「由良ちゃん!!」 いきなり美保さんが叫んだ…… 「誰かが殺人者かもしれないんだよ!!?あっちゃんから離れて!!」 123 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/13(火) 13 23 47 ID qDbR0HcX ――??? 結局、見回りだけでは誰も罠に掛からなかった。しかも、大切なあなたが罠にかかってしまったのは誤算だ。 あなたになにかあったら……私……。 でも誤解しないでね?あなたじゃなくて、その隣りに居る邪魔者を潰したかっただけなの……そう、自分の感情を押さえ切れず、後輩にキレてる醜い女を…… 「落ち着けって!美保!…由良ちゃんは悪くないだろ?」 あなたの怒気を含んだ声……少しこまった顔……それを見て、聞くだけで、体が熱くなってしまう……下着ももう、ビショビショなのよ? 「◆†≠…!……∮а#%〒!!?」 「@&*≒√だ…ろ!?」 あなた以外の声はすべてノイズになってしまう。聞き取る必要も無い。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。うるさい。 あなたがここに居なかったらみんな消してしまうところだ。でもそれじゃだめ。あなたの見ていないところでやらないと。 「くそっ……奏。先生はどうした?」 「…れが……≠∮а°+ー…」 何?あの男を探してるの?だったら見せたあげる……もう、直視できない様な形だけど、ね。 124 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2006/06/13(火) 16 52 09 ID yC4nLjWD キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!! 125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/13(火) 17 20 27 ID V/mWpM3x サスペンスキタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!!!! なるほど徐々に容疑者が減っていくのか…… 126 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13 22 52 ID e+FvKVEx ――敦也 「ね?あっちゃん、私の隣りに居れば安全だから……みんな…みんな危ないんだから!」 軽く美保が錯乱し始めていた。あんな目にあったからだろうか。あからさまに周りと接する事を避けて居る。 「ははは……や、やだなあ、美保ちゃん。俺達が危害加えるわけないだろ?」 翔太が慌てて仲裁に入る。確かに、今の美保の言ってる事はめちゃくちゃだ。 と、その時、ひゅっと風を切る音。 「え?」 ガシャーーン!!! 振り替えると、中央にシャンデリアが落ちてきた。誰もいなかったため下敷きにはならなかったが、そこには……… 「き、キャーーー!!イヤァーー!!」 一斉に飛び交う複数の叫び声。恐怖、驚愕、悲しみ……そこにはすべてが混じっていた。そう、そのシャンデリアには……… 「はは、あは……う、嘘だろ?」 フラフラと近付く翔太。目線はただ一つ……シャンデリアに巻き付く様になっていた死体だった。 それはもう直視出来る様な物ではなかった。頭は潰され、血は体中にべとべとと張り付き、強烈な死臭を放っていた。俺も込み上げる吐き気を抑え、何とか近付き、確認する……… 127 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13 23 34 ID e+FvKVEx ――奏 「これは……先生、だな。顔は潰されてわからないけど……服と言い、体格と言い、間違いないだろ。」 「……ドッキリなんだろ?なあ、敦也?」 そんなわけない。離れて見ても本物の死体だとわかる。こんな匂いを、偽造できっこない。 でもまずい。この状況で疑われるのは……私だ。 「奏ちゃん!?」 真っ先に美保ちゃんに呼ばれた。いや、名前を叫ばれた。ああ、違う。私じゃ……ないのに。 「奏ちゃん、先生と一緒にいたんでしょ?これ、どういう事なの!?」 「そんな……私じゃ…ないよ………私は……」 「奏ちゃんが……やったんじゃないの!?」 「違う!私だって、途中から先生とはぐれて……それで……」 いくら弁解しても周りの疑いの目ははれない。 「おい、よせよ美保。言い過ぎだ。」 「そ、そーだって……たはは……」 こういうとき、男子はフォローしてくれる。 「あっちゃん!いくら奏ちゃんだからって庇わないで!」 「そうよ……一番疑いがあるのよ?」 女子は醜さが露にされる。えりっちまでも私を疑う。酷い、酷い! 「私じゃない!!……あなたたちの中にだっているんじゃないの!?」 128 名前:『死の館』 ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/15(木) 13 24 54 ID e+FvKVEx ――絵里 正直、私も完全にカナちゃんが殺ったと思った。だって、他にできる人なんていない。でも、もしカナちゃんが犯人なら、理由が全く見当たらない。 少なくとも、カナちゃんが先生に殺意を抱いていたということは見えなかった。人の心は友達でもわからないけど… 「いやよ…もう、いや、イヤァ!!」 突然、明ちゃんが狂った様に叫び、一人で走りだして勝手にドアの向こうへ入ってしまった。 「あ、明!!」 呆然として立ち尽くす七人。この複雑な洋館に加え、館内を彷徨っているかもしれない殺人鬼のことを考えると、疲れるのも当然か。 「取りあえず……こうしててもなにもかわんねぇし、明ちゃん探すついでに、此所から出る方法も考えようぜ。」 翔太君が案を出す。普段はおちゃらけているけど、こういう時には頼りになるのかもしれない。 「そうだな……明を探す班と、脱出法を探す班。二つに分けるけど、いいか?」 それに続いた敦也君の提案に、他の人達もうなずき、賛成する。ただ、私と美保ちゃんは少し渋った。それもそのはず、殺人鬼が仲間にいるかもしれないのに……… 129 名前: ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/16(金) 13 32 47 ID oKE/zmL/ 今ヤンデレスレで投稿してるのが修羅場向けになりそうなんで、こっちに移ってよい? 130 名前: ◆PkDo3c3GM2 [sage] 投稿日:2006/06/16(金) 13 33 49 ID oKE/zmL/ 間違えた…orz…スマソ 131 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15 25 13 ID DRoLkIMx 穏やかな風が吹く、どこか涼しいその感触はどこからともなく現れる秋が来たことを告げている。もう二月もすれば、吐く息も白くなる冬が訪れるだろう。 アルバイトをこなし、疲れた風体で道を歩いている弥栄 志摩はぼんやりとした表情で陽が隠れた空を眺めた。 その表情は堅い。なにか思い詰めたそれは、選択を悩む子犬を連想させる。 歩きなれた道を進み、志摩は家にたどり着いた時にどのような態度で家族と接して良いかを悩む。 恐らく、家に帰れば多少行き過ぎた感のある過保護な姉がいるだろう。 今日、アルバイトに行く際に散々行かないでと駄々をこね、そのまま家を飛び出してしまった。志摩はその時泣いていた姉の姿が仕事中にちらつき、つまらないミスをいくつか起こしてしまった。 帰れば、姉はどういう態度で迎えて来るのか、そして自分は何と言えばいいのか。いい加減まとまらない思考が志摩の足取りを更に遅くさせる。 散らかされたゴミのように志摩の気持ちはバラバラになっていった。それが歩みを遅くさせ、最終的にジレンマとなって志摩に襲いかかる。 細いワイヤーを頭蓋に通すような痛みが心に走る。結局、その状況から逃れるために、その足は繁華街の方交へ向かっていた。 132 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15 26 38 ID DRoLkIMx 繁華街にある少し大きめのゲームセンターで時間を潰して外に出ると、大降りの雨が志摩を出迎えた。 ゲームをしていても、一向に気晴らしにもならなかった気分は、大降りの雨を前にして更に下がり気味になる。 いつ頃から降り出したかは解らないけれど、ゲームセンターに入ったのが二時間前。コンクリートに溜まる水溜まりの量から察すると、少なく見積もっても一時間は降っているだろう。 濡れ鼠になることを覚悟しようとしたが、迎えのコンビニエンスストアの傘立てに忘れられたようにビニールの傘があった。 雨を避けるようにしてその傘立てに近付き、その傘を手に取る。柄の部分を見て、名前がないことを確認すると、志摩はそれを広げて雨の中に入る。道徳心が痛んだが、それよりも傘立てに挿さったままの傘が寂しげで、その孤独感が自分に似ている気がした。 しかし、その傘にも持ち主がいるはずで、そのことに気がついて苦笑する。元に戻そうかとも思ったけれど、あいにく濡れるのが煩わしかったのでそのまま家の方向を進んだ。 足音は雨音に遮られて聞こえなかった。 133 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15 30 05 ID DRoLkIMx 雨の中、帰りの道を進み家がある方向の曲がり角を曲がると、家の前に一つの影が立っていた。 志摩の背中に冷たいものが伝う。 「志摩くん、おかえり」 あまりに場違いと感じるほど姉、弥栄 柚姫の面持ちは鬼気迫るものだった。長い間雨にさらされていたのだろう、髪は肌に張り付き、唇は紫に染まっている。寒さから来ているのか、身体は小刻みに震えている。何も言わずに志摩が立っていると、 「志摩くん、お疲れさま。こんな所で立ってないで、お家に入ろ?傘さしてても濡れちゃうよ?」 そう言って、志摩の手を握り家の中に引っ張って行く。何か言おうとしたけれど、手を握る柚姫の掌の冷たさに言葉は凍り、口から出ることは叶わなかった。 134 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15 32 44 ID DRoLkIMx 携帯から失礼しますよ。 少し短めを想定しています。どうかお付き合いのほどを。 135 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/16(金) 15 43 41 ID kuGBuGuf キモ姉きた! お姉ちゃんがどんな風に、壊れてるか、続き楽しみにして待ってます 136 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/17(土) 05 24 07 ID WaylaRvC キモ姉サイコー! 137 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 15 06 11 ID bKpBlPc8 投下します。 138 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 15 49 17 ID /1yrsfcI キタ━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!? 139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19 12 58 ID bKpBlPc8 「おなか空いたでしょ?お姉ちゃんが何か作ってあげる」玄関に上がるとすぐに柚姫が嬉しそうに言う。 その鬼気迫る雰囲気と話している内容の差に志摩は不思議な感情になる。 しかし、すぐに濡れた姉を着替えさせないといけない、と気がついた。 「柚姫、着替えないと。風邪を引いてしまう」 志摩はそのまま、柚姫の手を引くと浴室まで連れて行こうとする。けれど柚姫はその場から動こうとしない。志摩が柚姫を促そうと、声を出そうとするのを遮り 「私の作ったごはん、食べてくれないの?」 柚姫が少し拗ねたような声を出す。 「解った、外で知らない女と食べて来たのね?だから帰りが遅かったんでしょう?困った子ね、私の志摩くんが嫌がるのに、無理やり食事に連れて行かれたのね?」 柚姫の口は止まらずに言葉を溢れさせる。 「本当に笑えないわ。志摩くんは私が作ったものしか食べちゃいけないのに」 そう言うと、柚姫の顔が志摩に近付く、たがいの距離が限り無くゼロになる。 「柚姫、落ち着いて」 志摩がたしなめるように言うのを聞かずに、柚姫はその唇で志摩の口を塞いだ。 140 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19 20 28 ID bKpBlPc8 「ん…」 静かに唇を離すと柚姫は照れるように頬を朱に染めて、微笑んだ。 少し曲がる口から志摩は目を離せない。 「許さないんだから」 志摩の胸に顔を埋める形で柚姫は呟く。志摩はしばらくその感触を楽しみたかったが、それを振り放そうと口を開く。 「違う」 音のない空間に、その声は大きく響くように聞こえた。 「ん…」 柚姫が両手を志摩の身体に巻き付ける。 「誰とも、食事なんてしていない」 出してしまえば後は零れるように溢れ出る。 「柚姫が、泣いてたから。柚姫がバイトに行くのを止めたのに、俺がそれを聞かずに出て行ったから…それが気になって、帰るのが」 遅くなったんだ。と、言おうとして、再び口を塞がれた。 「ん…ふぅ…ぁ」 口から舌が伸びてきて、志摩もそれに応える。濡れた感触が広がり、それに思わず自分が反応して、柚姫の腕に力がこもる。 少し身体に痛みが走るが、志摩にはそれが心地良い。 唾液と舌の艶かな感覚を楽しんで、二人は口を離した。柚姫の唇についた唾液が、彼女の首元に落ちる。 慌ててそれを拭う。 141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19 25 01 ID bKpBlPc8 「ん…」 静かに唇を離すと柚姫は照れるように頬を朱に染めて、微笑んだ。 少し曲がる口から志摩は目を離せない。 「許さないんだから」 志摩の胸に顔を埋める形で柚姫は呟く。志摩はしばらくその感触を楽しみたかったが、それを振り放そうと口を開く。 「違う」 音のない空間に、その声は大きく響くように聞こえた。 「ん…」 柚姫が両手を志摩の身体に巻き付ける。 「誰とも、食事なんてしていない」 出してしまえば後は零れるように溢れ出る。 「柚姫が、泣いてたから。柚姫がバイトに行くのを止めたのに、俺がそれを聞かずに出て行ったから…それが気になって、帰るのが」 遅くなったんだ。と、言おうとして、再び口を塞がれた。 「ん…ふぅ…ぁ」 口から舌が伸びてきて、志摩もそれに応える。濡れた感触が広がり、それに思わず自分が反応して、柚姫の腕に力がこもる。 少し身体に痛みが走るが、志摩にはそれが心地良い。 唾液と舌の艶かな感覚を楽しんで、二人は口を離した。柚姫の唇についた唾液が、彼女の首元に落ちる。 慌ててそれを拭う。 「いやらしい…」 うっとりとした表情で呟くと 「そんなに、私が濡れてるのが気になるの?」 柚姫の口が耳に触れる。くすぐったい様な感覚に少し震える。 「それじゃあ」 これから続く言葉は、大体予想がつく。志摩は自分の鼓動が早くなるのを感じた。 そんな彼の心の裏を知ってか知らずか、柚姫は唇を歪ませながらささやく。 「志摩くんが、暖めて…」 言葉は、麻薬のように広がった。 142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/19(月) 19 42 07 ID bKpBlPc8 投下失敗orz 規制がかって時間が開いてしまいました。 お見苦しい所を見せてしまいました。 スミマセン(´・ω・`) 143 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/20(火) 00 24 35 ID yav7fLyZ じわじわとくる感じで、うまいなぁ…… GJです! 144 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/20(火) 10 02 08 ID wSNGe558 柚姫エロスw やはりキモ姉はいいものだ 145 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18 40 35 ID eOvBDNwj 109 名前:現役小説家兼漫画原作家 ◆4HhZSQd0HY [sage] 投稿日:2006/06/21(水) 18 00 34 最後に 漫画家や小説家は内職ですので、家にかじりついてる時間がつくづく多い仕事だと 思いますね。 それとですね、小池一夫先生がいつも言ってたけど才能というものは ・自分に対する自信 ・無駄の無い努力 この二つさえついてれば十分だといつもいってましたね。 確かにその通りです。 伸びの遅い人はほとんどがこの二つのどちらか、もしくは両方に当てはまっていること が多いです。 最終選考を超えられない壁と考えずに、後一歩のハードルと考えればかなり良い線に なるはずです。 それと、あなたの場合最終選考で残るということは、むしろ絵が下手なのより書く速度 のほうに問題があるのでは? 私が選考委員の手伝いをするときは最終選考で行き詰まる人は大概絵のほうは最低限 の連載レベルのハードルは、超えています。 編集部は得てして絵が下手と一蹴しますが、私達が落選と当選を分ける判断として決め ているのは、その絵のラインの引き方から出る、スピードです。 素人(いわゆる漫画読者)はどんなにデッサンがしっかり出来ている絵よりも、見栄えの良 い無難な絵のほうをプラスに表し、Gペンのダイナミックなラインよりも丸ペンの線の細いラ インのほうを美しいと言います。 146 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19 00 43 ID PwJN8CFo 誤爆ですか><? 版権ギャグ物しか書いたことのないヘタレでも、投下してみてもよろしいですか(`・ω・´;)? 大体九割ほど書き上がっているもので 147 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/21(水) 19 15 25 ID 4xnMVk4B もちろんですとも ささ、遠慮などなさらずに 148 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 01 59 42 ID L/arMpBo 遠慮せずにこいよ。 149 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/22(木) 02 47 04 ID L/arMpBo ヤマネの続きが読みたいなぁ。 150 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 20 14 36 ID +hl2L+4W 146 誘い受けと顔文字うざいっすw きもいんで遠慮して欲しいっす ここには既に神が居るんで、正直水差さないで欲しいっす 151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21 02 50 ID sgT2Wozz そう言う野暮は廃れる原因だぞ? 神は足りなくて困る事はあっても多すぎるに越した事は無い と言うわけで未だ見てたなら気にせずカモーン 152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21 28 04 ID 3UuvqBNQ 職人が増えると、信者同士のいざこざがスレを乱すからな… 既に連載を持っている身としては、平穏を乱すのは正直遠慮して頂きたいものだな。 153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 21 29 15 ID 2es/HUJu スレ住人の心までヤンデルからな 154 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23 12 17 ID x1FD+7ir もう投下しづらい空気になってしまったね。実に残念だ スレ速度が伸びないから、新しい職人が増えるのは願ってもいなかったのに 155 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23 16 03 ID vG1zlFG1 154 あまり開放的なのも面倒事が増えるきっかけなんで 多少閉鎖的で排他的なほうが平和で良い 156 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/23(金) 23 25 57 ID HG48fsAg そんなの投下がなくなったら平和も糞もあったもんじゃない 157 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00 29 48 ID f+v7Fphm わざわざ投下してくれるのを断る馬鹿は死ねばいいのよ ただでさえここ暫く投下がない廃れたスレなのに。 158 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00 44 41 ID PfoyDJsX で、ヤマネはまだなの? そろそろ放置プレイがきつくなってきたんだが… 159 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 00 54 24 ID 64HdAo9O ここの住民はツン期な奴が多いね 160 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 01 55 01 ID 7fiY42Gx 157 いや、くだらない投下で水を差されるのも萎えるし・・・ 別にいいんでない? 住人もも投下を餞別するくらいの権利はあるだろ。 161 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02 12 37 ID Ybks7DNa ねぇよ 162 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02 25 25 ID TcXogWyZ 161 んじゃ スカトロホモSSを、延々と住人の声無視で投下しても文句は付けられない訳だw 次に誰か投下したら割り込みで投下するんでよろしくw 163 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 02 27 23 ID TcXogWyZ さっき、川原でやった六尺兄貴凄かったです!ガチムチの色黒兄貴がオッス連呼で 張型ケツにぶちこまれ腰振ってました。俺もくわえさせられて浣腸食らい無様に 排便さらしました。バリカン出されたときは一瞬引いたけど、兄貴の「いやなら 止めていいんだぜ!」の一言で覚悟決め、生まれて初めて丸刈りになりました。そ の後、脇・チンゲも刈られてビンビンのマラ、思いっきりしごかれ派手にガチムチ 兄貴の顔に飛ばしました。スッゲー男らしく気持ちよかったです。また行くとき カキコして下さい!帰ってから丸刈りの頭見て、また感じまくってます! 164 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 02 53 41 ID lxvidNoI ヤンデレななごみんが見たいなぁ 165 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 09 42 59 ID Z9STkiMX 乞食がもらうものを選べるわけねぇだろ。 嫌なものはもらわないことはできるだろうけど。 てわけで嫌ならスルー 166 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 10 34 36 ID zL/nlMoL 客はレストランで出されたものをまずいという権利はある。 まずかったら金払わなくてもいいんじゃね? 金の代わりに感想上げてるわけだし、一方的に恵んでもらてるわけじゃねーべ。 思いあがりも甚だしいなw 167 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 11 27 29 ID Q0YKR+/z なんか粘着沸いてるな。このスレもうダメぽ。 168 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 12 27 41 ID PHi7Wac4 気持ち悪いのが一人で頑張っているよね。 169 名前:名無しさん@ピンキー[sage ] 投稿日:2006/06/24(土) 12 54 13 ID k4OAvRhc こいつのやってることはどうみても荒らしだね。 偉そうな態度を取って反応する奴らを虎視眈々と狙ってるきがする。 ってわけでなんか場を一掃するネタを↓の人どうぞ。 170 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/24(土) 13 51 55 ID xMiegZIh 糞スレage 171 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/24(土) 19 55 43 ID Ef6oQ2P3 七誌君がこんなところに目移りしちゃうのが悪いんだよ 七誌君が見ていいのは私だけ、それ以外の女なんて見たら 七誌君の目が腐っちゃうよ、だから七誌君に近づく女から守ってあげる あの女がヤリまくってる牝豚だっていう噂流したの私だよ だってそうしないと七誌君優しいからずっと付きまとわれちゃうもんね そんなの七誌君がかわいそうだよ だから私が排除してあげたの これからはずっと一緒、ずっと・・・ っていう目的の荒らしだったらヤンデレでいいねぇ 俺は未だに146殿の作品を待っているわけだが・・・ ヤンデレは発展途上だから色々見てみたい(*´д`*) 172 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 00 41 57 ID T2aHSS6C ゴミみたいな小説もどきしかないのな もう少し人生考え直したほうが良いと思うが。 173 名前:107の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02 32 12 ID +sD7Pgg/ ヤマネは――笑っていた。 どうしようもないほどに、どうにもならないほどに、満面の笑顔でヤマネは笑う。 その笑顔の向こうを幹也は見る。それ以外は見ようともしない。 血に沈んだ家族も。壊れて散乱した家具も。割れた窓も。 穏やかで、退屈だった日常の残骸を幹也は見ようともしない。 血に濡れた笑顔だけを見つめている。 「ただいま、ヤマネ。どうしてここに?」 幹也は問う。 どうしてこんなことをしたのか、ではなく。 どうしてここにいるのか、と。 その問いに、ヤマネは笑ったまま答えた。 「だって、ヤマネはお兄ちゃんの妹だもんっ!」 言って、ヤマネは包丁を放りなげてすりよってくる。 手から離れた包丁が宙を回り、中ほどまで床に突き刺さった。 血をぱちゃぱちゃと踏み鳴らしながら、ヤマネは幹也へと抱きついた。 すぐ真下にある髪からは、いつもと変わらない少女の臭いと、真新しい血の臭いがした。 その血の臭いも、部屋に満ちているそれと混ざり合い、すぐに分からなくなる。 「ヤマネねっ、お兄ちゃんのために頑張ったんだよ? お兄ちゃんを閉じ込める、ニセモノの家族を倒してあげたの! ね、褒めて、褒めてっ!」 傍から聞けば、錯乱しているとしか思えないヤマネの言葉。 けれど、この場には『傍』に立つものは誰もいなかった。 血に濡れた部屋に立っているのは、ヤマネと幹也の二人だけだ。 力の限り抱きついてくる少女を、幹也はそっと抱き返して言う。 「そう。――がんばったね、ヤマネ」 答える幹也の顔は、邪悪に笑って――などいなかった。 笑ってもいない。 怒ってもいない。 いつもと変わらぬ、退屈そうな表情のまま、幹也はヤマネを抱きしめていた。 174 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 02 33 35 ID 63vVoDMc 妨害工作自演職人キター! 175 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02 41 44 ID Xy0aiEkL 一レス分だけなんて酷いよ!お兄ちゃんっ! もっともっと! 176 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02 43 47 ID 0jmQoazG 遂に続きキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!! 主人公一番ヤベーがな!! 177 名前:173の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 02 49 15 ID +sD7Pgg/ 腕の中、ヤマネが猫のように喉を鳴らし、頬を摺りつけてくる。 ふと、幹也はその細い首に手をかける。 キスをしたい。そう思う反面、このまま首を絞めてしまいたくもなった。 そうすれば、少しは暇ではなくなるだろうから。退屈が紛れるだろうから。 この異常な状況においてなお――幹也は、どこまでも平常だった。 けれども、幹也が何をするよりも、ヤマネの動きの方が早かった。 「お兄ちゃん、そろそろ行こっ!」 幹也から離れ、首に添えられた手を握り、縦にぶんぶんと振ってヤマネが言う。 上下に振られた手を追いながら、幹也は呟くように答えた。 「行くって――どこに?」 当然といえば当然の言葉に、ヤマネは「決まってるよっ!」と前置き、 「こんなところ、もういらないよね? ね、ヤマネと一緒にいこっ!」 ――こんなところ。 その言葉を聞いて、幹也は部屋の中を見回してみる。 二人分の死体と、一人の死に掛けと、血と死と破壊で満ちた家。 すでに終わってしまった場所。 成る程、もうここは要らないな、と幹也は内心で納得する。 退屈な家から離れて、殺人鬼の少女と退屈な逃避行。 それも暇つぶしだ、とすら思った。 「そうだね。行こうかヤマネ」 ヤマネの手を握り返し、幹也は言う。 その言葉を聞いて、ヤマネは、これ以上ないくらい嬉しそうに笑った。 「うんっ! ここも、喫茶店もヤマネいらない! お兄ちゃんがいればそれでいいよっ!」 ヤマネは手を繋いだままぴょんと跳ね、幹也の隣に並ぶ。 繋いだ手の温もりと、血に濡れる感触を感じながら、幹也は踵を返す。 視界の端に、重症の中まだ動いている――最後の生き残った家族が見えた。 もはや家族ではなくなった少女に向かって、幹也は言う。 「――ばいばい」 それが、別れの挨拶だった。 幹也も、ヤマネも、振り返ることはなく。 「雨に――唄えば――」 「唄え――ば――」 二人仲良く歌いながら、家の外へ、夜の街へと消えていった。 178 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03 09 23 ID 63vVoDMc 【アッー!の由来】 サッカー部員に扮した多田野らがヤクザの車に追突 ↓ 「犬のまねしろよ」「四つん這いになるんだよ」「やれば返していただけるんですか?」 「何犬のくせにお前服着てるんだよ」「早くしろよ」などの会話を経て全裸に。 ↓ 「わんわん泣いてみろ」「まわってみろ」「よぉし、お手だ」の命令に犬を演じるも 「なんか犬っぽくねぇなあ」「なんかたんねえよなぁ」ということで首輪をはめられる。 ↓ 指でアナルをほじくられ、「汚ない穴だなぁ」などと罵られる。スパンキングに穴が反応。 「お前初めてかここは、力抜けよ」と後輩の目前でいじられ、長い尻尾をつけられる。 ↓ 「咥えてやれよ」と命令された後輩(DB)のフェラチオで「アッー アッー!」と悶える ↓ ヤクザに局部を見せながら2人の後輩に尻の穴を見せる。「気持ちいい!」と悶えながら 男性自身を勃起させる。このあと、後輩(HTN)がコンドームをつけ、多田野に背後から挿入。 「オフッ!」と唸るも、直後から「アッ、アッ、アッ、アッ!」と多田野は勃起させながら声をあげる。 ↓ ヤクザも加わり4Pが始まる。ヤラれるばかりだった多田野が一転、攻勢に出て、 ヤクザを下にして犯し始める。 小刻みに腰を振りながら「イグ!イグッ!イグゥ!アッー!、アッー!」 と叫んで、 多田野もヤクザの腹に勢い良く射精「…アッー!… アッー!… ァッー…」と虚脱の表情。 179 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03 10 37 ID 63vVoDMc ゲイの出会い系で知り合った10歳以上年上のオジサンの家へ。 そしたら「これ着て責めて欲しい」と言われて、レンコン掘りというか、 魚河岸の人が着てるような胸まであるゴム長を着させられ、捻りハチマキをさせられた。向こうは全裸。 まあこんなのもたまにはいいか、と愛撫してたら、オジサンが喘ぎ声の中、喋りだした。 「お、おにいちゃん…お、おかえりなさい…た、大漁だった?ねえ大漁だった??」 …オレは突然の、しかも想定の範囲を超えたセリフにポカーンとしてしまった。 オジサンは素に戻って、「…返事して欲しい」と恥ずかしそうにオレに言った。 プレー再開。・・・耳とかをなめつつ体中をさわさわと触る 「お、おにいちゃん、大漁だった?」 「ああ、大漁だったよ」 「あぁぁぁあぁすごいいいぃいぃ!、、な、なにが、、ハァハァなにが捕れたの?」 乳首を舌でやさしく舐めながらオレは答えた 「…鯛とか、、、ヒラメがいっぱい捕れたよ」 セリフを聞き、オジサンはびくんびくんと身体をひきつらせた 「はっ!はぁぁぁあんっ!イ、イサキは?イサキは、と、取れたの??」 チンコをしごく 「ああ。でかいイサキが取れたよ。今年一番の大漁だ。」 「大漁っ!!イサキぃぃ!!おにいちゃんかっこいいいいぃぃぃい ぃくううううう!」 実話です。。きっと漁師の人との幼い頃の体験というか、淡い恋心とかが あったんだろうなあ、といろんなことを考えさせられた一夜でした。 180 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03 14 01 ID 63vVoDMc ××の喧嘩祭といえば、六尺褌一丁の男達が、神輿を担いでぶつかり合う、 勇壮な祭として、この地方に知られている。 祭のあと、男達は集会所に集まり、普段着に着替え、飲み合う。 六尺は、激しい祭でドロドロボロボロになるから、使い捨てで、ゴミとして出される。 俺はいつもそれが狙いだ。 捨てられている六尺の、できるだけ汚れてる奴を10数本ほど、 こっそりさらって家に持ち帰る。 そして、深夜、俺一人の祭が始まる。 俺はもう一度汚れた六尺のみ身に付け、部屋中にかっさらってきた六尺をばら撒き、 ウォーッと叫びながら、六尺の海の中を転げ回る。 汚れた六尺は、雄の臭いがムンムン強烈で、俺の性感を刺激する。 前袋の中のマラは、もうすでに痛いほど勃起している。 六尺の中に顔を埋める。臭ぇ。 汗臭、アンモニア臭や、股ぐら独特の酸っぱい臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。 臭ぇぜ、ワッショイ! 雄野郎ワッショイ!と叫びながら、前袋ごとマラを扱く。 嗅ぎ比べ、一番雄臭がキツイやつを主食に選ぶ。 その六尺には、我慢汁の染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。 その六尺を締めてた奴は、祭で一番威勢が良かった、五分刈りで髭の、40代の、 ガチムチ野郎だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、 思いきり嗅ぎながら、ガチムチ野郎臭ぇぜ!俺が行かせてやるぜ!と絶叫し、 マラをいっそう激しく扱く。 他の六尺は、ミイラのように頭や身体に巻き付け、 ガチムチ野郎の六尺を口に銜えながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながらマラを扱きまくる。 そろそろ限界だ。 俺は前袋からマラを引き出し、ガチムチ野郎の六尺の中に、思いっきり種付けする。 どうだ!気持良いか!俺も良いぜ!と叫びながら発射し続ける。 本当にガチムチ野郎を犯してる気分で、ムチャクチャ気持ち良い。 ガチムチ野郎の六尺は、俺の雄汁でベトベトに汚される。 ガチムチ野郎、貴様はもう俺のもんだぜ! 俺の祭が済んだあと、他の六尺とまとめて、ビニール袋に入れ押し入れにしまい込む。 また来年、祭で六尺を手に入れるまで、オカズに使う。 押し入れにはそんなビニール袋がいくつも仕舞ってあるんだぜ。 181 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03 15 41 ID 63vVoDMc この前ズリダチとタイマン勝負したことを書くぜ。 互いに六尺姿でまずは威嚇、腕組みヤニ咥えガン飛ばし、 大股で筋肉と勃起誇張して、野郎比べだ。 雄臭ぇポーズで挑発しあう。腰突き出し勃起を振り回し、 オラオラ節で興奮に火が付く。 やわらオイルをタップリ仕込んで、いよいよズリ戦開始だ。 胴ズリ、逆ズリ、雁ズリ、玉ズリ、上ズリ、下ズリ。 野郎うなぎ責め、腰砕けの手マンコ、野郎泣かせの亀頭責め。 片手技と両手技の競り合いで、雄の粋と艶を比べ合う。 ズリ見せ根性丸出しでな。 一息入れる時にゃ、奴の胸板めがけて、勃起ションベン。 ビシバシ痛ぇくらいに、照射すりゃ、雄の征服感が全身を 快感となって駆け回る。 さらにオイルを仕込んで2R。 今度は俺のズリビデオ見せながらのダブルズリ攻撃さ。 ラッシュ飛ばして、ド淫乱野郎に変獣し、チンポ・センズリ・押忍の連呼。 俺達はまさに、チンポ、ズリ、男意気を激しく比べ合う戦闘士だ。 寸止めのエロい表情も相手を落とす神技、何度も食らう度に金玉の 引きつる痛みさえ新たな快感に変わる。 その時、ほんの少しの気の緩みで奴は快感のコントロールを失い 射精の痙攣に突入。 2回に渡るファイトはいずれも俺の勝利、最後は奴のチンポめがけて、 野郎征服の快感に酔いながら勝利の照射! 3時間勝負は俺達ズリ舎弟の絆を更に固めたぜ! 182 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03 16 13 ID 63vVoDMc 「一発やっかぁ」 ス-ツを脱ぎ捨てると、縦じわでよれよれの前垂れを整えた。鏡の前に立ち股を開く。 既に前袋を濡らし、俺のチンポは俺の愛撫を待つ。 身体を横にして鏡に映すと、前垂れを持ち上げて、ピラミッドがそこにあった。 「俺の越中一本のセンズリだぜ」声に出していう。 「男はやっぱセンズリ」 やおら前袋の脇から、ズルムケ状態の仮性包茎チンポを取り出す、手にオイルをたっぷり取り、逆手で亀頭をこね回す、 「ヌリュッ、ヌチョッ」音が俺の勃起中枢を更に刺激する。 「センズリたまんねぇ」扱きに合わせて、身体を上下させる。 「男のセンズリにゃあこれだよ」ラッシュを吸い込む。 「スッ、スッ、スッ、スッ」顔から熱くなり、やがて頭の中が真っ白になる。 「チンポ、チンポ」「越中のセンズリ」 頃合いをみて前垂れを引き抜く。俺は自分のこの格好が好きだ。 白い細紐だけがはらに残り、ぶらぶらのきんたまのバックに、前垂れ垂らして、腰を振り、左手できんたま引っ張り、右手でヌルヌルとチンポを扱く。 鏡の中のの俺は、日本一の伊達男になっていた。 「ちきしょう誰かに見せてやりテェよ」最高潮が近付くと、いつもそう思った。ラッシュをもう一度効かせ、オイルを追加すると、男へ向かってまっしぐらだ。 「男になってやる」「越中一本のほんまもんの男」 「うりゃ、そりゃ」「ズリュッ、ブチュッ」しぶきを飛ばしながら、クライマックスをめざす。 「たまんねぇよ」きんたまの奥から、激しいうねりが起こった。やがて奔流となり、俺を悩ます。 -だしてぇ- -もっと扱きてぇ-相反する気持ちがせめぎあい、俺は崖っ淵に立つ。 「きたっ」俺は膝を直角に曲げ、それに備える。奔流は堰を切ろうとしていた。 「男一匹 ! 」「ぶちっ」 鈴口を押し分けて、白い塊がしゃくり出される。 真っ白い時間が過ぎ、目の前が現実に戻る。 183 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 03 23 52 ID 63vVoDMc 「もういっちょ男になってやろうじゃねぇか」 布の上から、亀頭を刺激する。爪で引っかくように、エラの部分を擦った。 チリチリとした快感に、鏡の中の越中野郎が顔を歪めた。 左手は、前袋に突っ込み、きんたまを掴んだ。そのまま腰を落としももを割る。 「おやじの越中最高だぜ」声に出す言葉で、自分を挑発する。 「越中褌一丁日本男児のセンズリだぜ」「俺のこの男っぷり見てやってくれっ」 辛抱たまらなくなって、前垂れを抜き取る。右手にオイルたっぷりで、左手にラッシュ構える。 「おうっ」亀頭の先から、チンポの根元へ、ヌルンと扱き下ろす。 「スッ、スッ、スッ、スッ、ス-ッ」きつめにラッシュ決めたら、暫く呼吸を止める。 血圧が下がり、脳の中を せんずり だけが、支配する。 「ピチッ、ヌチョッ、クチャッ」亀頭の辺りを通過する度、くぐもった擦過音が響いた。 先ほど来揉み続けていたきんたまを、ギュッと下方へ引っ張る。 チンポの皮が引き延ばされ、亀頭がテカテカに突っ張る。逆手でそれを握ると、グリグリと回転させる。 「これが俺の亀頭攻めだぜ」強い刺激に腰が砕けそうになる。腰を前後に振ると、一層感じる。 オイルを追加し、改めてラッシュを吸い込む。 「スッ、ス-ッ、スッ、ス-ッ」一旦止めて効果を待つ。 滴る程のオイルと、やけに効くラッシュで、男入りまくり状態だ。 「センズリ、センズリ男のセンズリ」「越中一本男のセンズリ」 言葉が快感を呼び、刺激が男をくすぐる。 「スッ」軽く吸う。蟹股で部屋の中を歩く、 「ス-ッ」男気が溢れ、どうしようもなくなってくる。 「ス-ッ」反り返り脈打つチンポを、渾身の力を込めて扱く。 「たまんねぇ、勘弁してくれ」 「スッ、ス-ッ」 「きたぜ、くるぜっ」 そんきょ の体制で、備えた。押し寄せるものは、もはや留まることを知らない。 「おりゃっ男一匹」 いつもの決め言葉で、噴出が始まる。その回数に合わせ腰を振った。 やがて潮が引き、ヌルヌルと後戯を楽しむ。 次第に呼吸が整ってくる。 184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 04 56 06 ID kccRMrcs 177 ヤマネGJです! この後、妹が復活して暴走してくれればいいな……と思ってみたり。 185 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 10 34 58 ID qO4QxtZY 184 俺はセンズリの時は必ず六尺を締めてやる。 そのまま発射するから六尺には雄汁がたっぷり染み込む。 それを一回も洗濯しないからチンポが当たる部分は変色し茶ばんで、 臭いもすげぇ雄臭くなっている。 昨夜もその六尺締めてセンズリした。 臭いが逃げないように六尺は密封ケースの中に仕舞ってあり、六尺二丁が生乾き状態で、 蓋を開けただけでムワッと雄臭え臭い立ち昇ってきて俺の性欲を刺激する。 全裸になって素早く六尺を締める。縦褌がケツにギュッと食い込むほどきつく締める。 六尺一丁の姿を全身鏡に映して眺める。週4でトレして日焼けマシンで焼き込んでる ゴツクて浅黒い肉体が我ながら雄欲をそそる。 既に前袋の中では痛いほどチンポが勃起して盛り上がり先走りの染みがひろがっている。 俺はいろいろポージングして己の肉体美を観賞する。 雄臭ぇ。たまんねぇぜ。 俺は前袋ごとチンポを揉みしだく。 うぉっ!いいぜ。 長く楽しむために発射しそうになると手の動きを止める。 俺は交互に使ってるもう一丁の生乾きの六尺を顔に押し当て臭いを嗅ぐ。 臭ぇ臭ぇ。ギンギンのチンポからさらに先走りが溢れる。 こうやってじっくり楽しみながらいよいよ発射の時が来る。 褌マッチョ野郎!雄臭えぜぇー!と叫びながら六尺に中出しする。 六尺はドロドロベトベトになり部屋中に雄臭が漂う。 六尺を解いてすぐ密封ケースに仕舞う。今夜もまた世話になるぜ。よろしくな。 186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 13 21 38 ID CmEnv2PY ヤマネ待ってました!(b^ー°)。 187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 17 02 34 ID CDvp98fD ガチムチ待ってました\(^o^) 188 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 17 07 47 ID N7SFMt4o ある山奥の洞窟に、赤鬼と青鬼が住んでいました。 赤鬼と青鬼はとても仲良しで「兄貴」と、呼び合い、お菓子を持ち合ってお互いの家を訪ねたり、玉門を貸し合ったりしていました。 ある日、赤鬼が青鬼に悩みをうち明けました。 「青兄貴・・・」 「なんだい、赤兄貴」 「俺、村にいる、他の穴を持つ奴とも仲良くしたいっす・・・」 「私じゃ、不満かい?赤兄貴」 「いえ、そうじゃないっす。ただ、色々な穴を持つ人達と広く知り合いになりたいというか・・交流をもちたいっす」 「そうか。赤兄貴はやさしい性格だから、きっと、いろんな人達と穴友達になれるだろうね」 やさしい青鬼の言葉に、赤鬼は悲しげに首を振りながら言いました。 「だめっす・・!みんな俺の逞しい体と顔を見ると恐がって逃げていくっす。いつ、誰が訪ねてきてもいいように、お菓子も用意して玉門も毎日清潔にしているのに誰も来てくれないっす。乱暴なことはしないのに・・・」 肩を落として悲しげな様子の赤鬼を、青鬼はとてもかわいそうに思いました。 「そうだ、赤兄貴。他の人とも仲良くなれるかもしれない名案があるよ。」 「えっ、本当っすか!青兄貴、ぜひご教授おねがいしまっす!」 青鬼の名案というのは、自分が悪者になり村人をいじめ、そこへ赤鬼が現れ村人を助けるというものでした。 「そんな・・そんなこと出来ないっす!青兄貴を悪者にするなんて!」 「赤兄貴、一時的なことだよ。村人と仲良くなれたら君があとで誤解を解いてくれればいい」 赤鬼はとても悩みましたが、青鬼に説得されて実行に移すことにしました。 189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 17 46 25 ID G7CWR5Yn 177 お待ちしておりました。 ヤマネGJ! 190 名前:177の続き[sage] 投稿日:2006/06/25(日) 22 39 19 ID OwitErRI ――そして、半年後。 街へと消えていったはずの幹也は、今、喫茶店「グリム」地下の図書室にいる。 机の上でぐったりと放心している少女――グリムに覆いかぶさるようにして。 そこにいるのは、ヤマネではない。 机の反対側にはマッド・ハンター。胸の中にはグリム。 かつて幹也の傍にいたヤマネは、此処にはいなかった。 「ふむ、ふむ、ふぅむ! それにしても君は本当にどうしてここにいるのかな?」 行為が終わったのを見計らって、マッド・ハンターが口を挟んだ。 その声は、いつもと変わらない嬉々としたものだ。ヤマネがいたころから。あるいはその前から。 そして、これから先も変わらないであろう笑顔に向かって、幹也は答える。 「退屈になったから。それだけだよ」 簡潔な答えに、マッド・ハンターはあは、あはは、あはははと笑い、 「君はいつもそれだよね。退屈、退屈、退屈! ――その退屈を紛らせてくれたヤマネはどうしたのかな?」 確信的な、あるいは核心的な言葉を聞いて、幹也は微笑んで答える。 「君が知らないわけないだろ。ニュース見たよ。 『少年少女謎の失踪』。『殺人カップル』『少年死亡説』、他には何があったっけ」 「『悲惨な事件の生き残り・須藤冬華の賢明なリハビリ』。 ニュースに出たおかげで、三月ウサギ君の正体を知ったのよね」 「ここで名前を呼ばないのは嬉しいけどね。で、どういうことなんだよ」 なにがかな? とマッド・ハンターはとぼける。 とぼけた顔は笑っている。解っていて、彼女は笑っているのだ。 そのことを悟っている幹也は、ため息と共に言う。 「どうして――死んだはずのヤマネが、失踪扱いになってるんだよ」 その言葉に、マッド・ハンターはこの上ない笑みを浮かべた。 191 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/25(日) 23 57 03 ID CjdxWwkE 鏡に向かって地下足袋手甲姿で盛る毎日。 数日に1回の射精にしてるから、ほとんど毎日が寸止めズリ修行さ。 大股仁王立ち、マラ握り突き上げる腰つき、チンポセンズリ連呼、鏡の手前ぇにガン飛ばし、ラッシュで駈け登る。 何度も極楽彷徨い随喜の涙が糸引き飛び散る。いつも1時間位は修行でな、テレズリ相手とナマ中継もやったりな。 金玉の底からザー汁がクツクツ上ってきてよ、この感覚が最高なんだよな。 射精の日、最近はタッパに手前ぇのザー汁吐き出して速攻急速冷凍。 勿論貯めて時々解かしては胸板チンポにオイルとミックスして、マッパザー汁まみれ、勿論手前ぇの口でもタップリ味わってよ、至極のズリに酔い痴れる。 全国のズリ野郎、ビュッビュッと吹き上げようぜ!電話でのズリ戦対決、待ってんぜ! 192 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00 05 26 ID havn7b8g 柚姫お姉さんも楽しみだネ。 193 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00 09 06 ID OW4cXkow 越中兄さんも楽しみだネ。 194 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00 21 08 ID jNI9vZbM 192 作者自演乙w 195 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00 24 46 ID 8uwgQBmv 194 流石ヤンデレ容赦ないわね いくら七誌君を取られたくないからってそういう汚い手を使うのは お兄ちゃんどうかと思うな 196 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/26(月) 00 35 32 ID bdpix0Jr 紀州の南高梅といえば、六尺一丁の暇人が、我を忘れて仕込み合う、 薫り高い梅として、全国に知られている。 仕込みのあと、野郎達は集会所に集まり、去年の仕込み酒を持ち寄り、飲み合う。 南高梅は、梅酒にとてもよい青梅の旬の後、すぐ黄色や赤色になるから、 投売りでセール品として出される。俺はいつもそれが狙いだ。 投売られている南高梅の、出来るだけ肉付きのいい青めの奴を1kgほど、 こっそり購入して家に持ち帰る。 そして、深夜、俺一人の祭が始まる。 俺はもう一度熟した南高梅の身を摘み、流しの桶にばら撒き、 ウォーッと叫びながら、桶の中に流水を落とし回す。 汚れた南高は、日本古来より親しまれて来た臭いがムンムン強烈で、俺の性感を刺激する。 ザルに上げた南高は、もうすでに痛いほどアクが抜かれている。 梅の中に顔を埋める。臭ぇ。 梅臭、山臭や、南高独特の酸っぱい臭を、胸一杯に吸い込む。溜まんねえ。 臭ぇぜ、ワッショイ! 梅仕事ワッショイ!と叫びながら、ペーパータオルごと梅を扱く。 嗅ぎ比べ、一番梅臭がキツイやつを主食に選ぶ。 その南高には、虫食いの染みまでくっきりとあり、ツーンと臭って臭って堪らない。 その南高を食べてた奴は、里で一番威勢が良かった、五分の魂で一寸の、無脊椎の、 幼虫野郎だろうと、勝手に想像して、鼻と口に一番臭い部分を押し当て、 思いきり嗅ぎながら、南高野郎臭ぇぜ!俺が仕込んでやるぜ!と絶叫し、梅のヘタをいっそう激しく穿り取る。 仕込んだ南高は、兵馬俑のようにガラス容器に並び付け、 南高野郎のデカ梅を口に銜えながら、ウオッ!ウオッ!と唸りながら氷砂糖を置きまくる。 そろそろ限界だ。 俺は戸袋からブランデーを引き出し、南高野郎の容器の中に、思いっきりブチ撒ける。 どうだ!気持良いか!俺も良いぜ!と叫びながら1.8リットル程注ぎ込み続ける。 本当に美味しい梅酒を仕込んでる気分で、ムチャクチャ気持ち良い。 ガチムチ南高梅の容器は、俺の雄酒でベトベトに浸される。 南高梅、貴様はもう俺のもんだぜ! 俺の祭が済んだあと、他の容器とまとめて、ラベルを張って押し入れにしまい込む。 また来年、梅雨頃に南高梅を手に入れるまで、オカズには使えない。 押し入れにはそんな梅酒がいくつも仕込んであるんだぜ。 197 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 00 46 39 ID g6i1EULZ 196 コピペにレスするのもアレだが 今年梅酒仕込めなかったの後悔してたけど、南高梅探してみる ブランデー漬けもしたことなかったから試してみるよ、ありがとう! 198 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/06/26(月) 00 53 27 ID IRlUOfx8 このまえ、スゲーやらしい交尾したんで報告するっす。俺は176-65-28でジム週3行って、逆三体形。 ソフモヒで色黒競パン跡くっきりのヤラシー体してるっていわれる。その日はすげーケツマンがうずいて我 慢できなくて、ドイツの発展場へ行った。店内は結構混んでたんだけど、ジャニ系のカッコカワイイ子が手を のばしてきた。もちオッケーして個室へ。「すげーカッケーすね。超タイプなんで掘らしてもらっていいっす か?」うなずいてそいつのチンポさわったら超デケー!20はかるくこえてたかな。俺も夢中になってしゃぶる んだけど、口ん中先走りでべとべと。ようやく奴が「やらしーケツマンコっすね。ヒクヒクしてるっすよ。」って 言いながら指を出し入れしてきた。俺はもう早く入れてほしくて奴のチンポをせがんだ。「ヴォースゲー!」奴 の生チンポ入ってきたんだけど、そいつ若いからなりふり構わず腰振ってくるんだよね。30分くらいガンガン に掘られて、俺も気が狂うかと思うほど。そしたら奴が個室の鍵を開けて「みんなに見せ付けてやろうぜ」って 言う。体勢をバックに変えてガンガンに掘られてたら、程なくしてガタイのいい野郎っぽい奴が入ってきた。 「すげーやらしい交尾してんじゃん。俺リバだから3人でやろうぜ!」俺も掘られながら奴のチンポしゃぶったら こいつのもでかいのなんの。超硬い。そうこうしてたら、野郎の兄貴が俺のチンポにオイルをぬりたくって「三連 結やろうぜ」って言う。俺のチンポが野郎のケツマンコに生で入った瞬間すげーやばいくらい感じた。ラッシュガ ンガンに吸って「すげーすげー!」1時間くらい三人つながったままで盛り合ってたら、俺を掘ってるジャニ系の 奴が「やべーイキそう」って言って俺のケツマンコにドクドク種付けした。そしたら俺もやばくなって野郎のケツマ ンコん中にぶっぱなした。野郎の奴はトコロテンしやがって「こんどは俺が真ん中やるよ」て言って交代で交尾 し合った。またこういう交尾してー! 199 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 18 00 31 ID YUDNHltq 進んでるなぁ 200 名前:LION[sage] 投稿日:2006/06/26(月) 18 38 49 ID v/7+yLzE 進んでると言うより まさに病んでると言うべきだろう。 あぁヤマネも死の館も柚姫もきになるぅ
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1160.html
901 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 07 20 15 ID HxADrcs+ ネクタイはゆずれんな 902 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 07 22 37 ID 5QAoK2yw おや?俺のワキ毛の様子が…? 903 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/13(日) 07 23 57 ID tzLVULuf 俺陰毛そってくるわ 904 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 09 03 24 ID DohLAKDt ムダとはなんだ、ムダとは・・・ わが頭髪に一本の無駄なし!! 905 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 11 40 34 ID bOmMAH81 ヤンデレに嫌われるために一人剃毛プレイを見せ付けるんですね 906 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 12 55 03 ID oX3xLVnj その毛を捨てるなんてもったいない!! 907 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 13 14 30 ID Wxx0/fnZ 次の日、寝ないで作りました! と自毛100%のカツラを渡されると。 908 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 13 16 36 ID RVuC6OVn 陰毛100%だろフツー 909 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 13 46 29 ID nxgazyFK ヤンデレに追われてる男「ヤンデレ死ね」 910 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 14 26 01 ID 7CiTAa1b この勢いだとレナはヤンデレとかいいそうだな 911 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 14 37 50 ID oZvq860S ああ、ジャジャの滝沢レナさんね。 たしかにあの人はヤンデレの素質がある。 覚醒する可能性3パーセント未満だけど。 912 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 15 24 34 ID LGyBON+a ユッキー愛してる 913 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 15 54 20 ID KaRiABIz なんというか……このスレ新参が増えたよなぁ メジャーになったのはいいけど明らかに勘違いしてるやつとそいつを矯正したがる定義好きのやつが譲らない言い合いをしてるように見える あーはいはい、うだうだ言わないでSS書けとね 後三週間ほどしたら投下するからみんなも全裸+αの紳士でいてくれないか? 914 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 16 08 18 ID slNPMgUC 913 三週間だと? そんなことだから他の泥棒猫に先を越されるのだお前は 915 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 16 09 54 ID XTuWt6iT こうも暑いと常時裸でもなんの問題もないという 916 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 16 11 56 ID nRgkOeLd 915 あるだろw 917 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [] 投稿日:2008/07/13(日) 17 30 21 ID cF50TLel こんばんは、またまた久々にたずねてきました。 何だか荒れているようなのでSS投下…といきたいのですが弾がないので 書き始めてみたCGを投下します。 そろそろSSの方を描いて一周年近くなるので初ヒロインの月乃鞠を http //freedeai.com/up/src/up8474.jpg それではまた、久々の投下故失礼しました。 918 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 17 48 34 ID IfaOZ4cq 一番槍GJ だが、画像サイズでかすぎだろ、常識的に考えて…… 919 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2008/07/13(日) 18 07 33 ID cF50TLel すいません、少し小さくしてきました、不慣れなのでご迷惑おかけしました。 http //freedeai.com/up/src/up8475.jpg 920 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 18 45 55 ID oivVJVDO 919 お久&乙乙 色があると雰囲気かわるもんだね 921 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 20 38 58 ID Dy/bWU8z 917 ちょwデカスww 顔を捜すのに手間取ったw GJ 922 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 21 52 40 ID IRnnlKB+ 911 ここでJyaJyaの名前が出るとは思わなかったw ミヤギが誠化したら可能性あるな。 923 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 21 55 52 ID OI0YlLFB 919 画像の大きさ、その30%くらいでいいと思うよw 924 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22 12 26 ID P3CjY3aw というかなぜかJaneでみるとエラーでるんだが・・・ 925 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 22 47 41 ID DTPowi3K 毎週連載傍観者 リアルで忙しいのか 926 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 23 22 44 ID vM6fCgYT とりあえずこんなの見つけた 必要なら役立ててくれ ttp //yandere.web.fc2.com/list3.html 927 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 00 02 24 ID OOM2aohd 今日はヤンデレ家族来ないかもね… 928 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 00 20 34 ID d8ghMmJy そういう気持ちは心の中にしまえないかな。 929 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 02 48 00 ID xOLeMoxE そろそろ新スレの季節ですよ ヤンデレの小説を書こう!Part17 http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1215971239/ 930 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/14(月) 12 04 45 ID D5qh33mM 928 そのお前の気持ちを書き込むな。 931 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 13 13 07 ID w1VHP5MI ちょっとスレ建て早漏すぎやしないか? 932 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 13 15 02 ID Q1zKyLO8 最近沸点がやけに低いのやら不必要に煽るやつが多いな スルーすればいいだけのことなのに噛みついたり、揚げ足取ってみたり 雑談云々の前にこういう雰囲気のほうが職人さんが投下しにくい……というか職人さんの書く気力を奪う気がする 933 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 16 43 41 ID YaXV/Hhd お互いがお互いを尊重しあえばこんな空気になるはずないんだがな・・・ まあ、そんなことよりヤンデレと付き合ってるやつの親友視点ってこのスレの住民的にどうよ? いや・・・俺は書けないけど 934 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 17 06 22 ID k5CxXlZi 親友視点…男か女によって変わるからなんとも言えない。 男→男同士の付き合いが減り、女に振り回される親友にアドバイスしたりする。 女→彼女の牽制を受ける。男にアドバイスしよう物なら大変なことになる。 935 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 18 34 15 ID vvIRT0OW 934 それだ! 936 名前:保管庫の中の人[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 21 32 00 ID lREb+fpR 917 919 今来たら302だった件(´;ω;`) だ、誰か再うpを…… 937 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2008/07/14(月) 23 29 31 ID rrDYAEXd わかりました、店長では有りませんが一肌脱ぎましょう。 解像度もどうにかした完成版です。 http //www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5347.jpg.html 938 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/14(月) 23 48 36 ID lREb+fpR ありがとうです。 ちょw巨大さにビビッたw 939 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 00 00 36 ID fLIfM0F2 937 やっぱサイズなんとかしたほうがいいと思う 四分の一でもまだでかいってくらいなサイズだ 940 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 11 47 15 ID 4JjvOhnU 個人的にはサイズは1/5くらいでいい。 容量も1/10くらいになるし。 941 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 12 34 39 ID ORUkp2Xq やあ、俺新参。今ちまちまと文書いてる最中なんだが質問がある ヤンデレ要素薄くてもここに投下してもいいのか? 942 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 12 36 43 ID Y9eg71FZ 薄くてもヤンデレ分入ってるなら可だろ 943 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 12 41 08 ID mAkBQ1vc 941 今はヤンデレ要素0でも、長編でいずれ病むなら 944 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 13 46 30 ID R7jJ32DG でも、病むのが物語の中盤とか最終話直前とかはやめてくれ 945 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 17 26 43 ID hzsbe2cq 注文が多いな 946 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 17 51 37 ID IcEuTjvM 944 そこまで制限することはないだろ それすると病むまでの過程を描けなくなる 上で言われてるようにいずれ病むなら当初はなくてもいいんじゃない? 947 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 19 58 49 ID VZ9sG8t0 途中でぶん投げられることもありえるから完成してから投下してほしいね 948 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 20 11 31 ID mAkBQ1vc そんな注文ばかりつけてたら書き手なんていなくなっちまうわ 俺達はおとなしく全裸で待機してればいいんだ 949 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 20 55 21 ID 2mLoccaZ まったく!どうなんてんだよ!酢豚ひとつにいつまで待たすんだ!ええ?! 950 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 21 01 39 ID /zUYcw6G 「店長!豚が騒いでます!」 「お望み通り酢でもぶっかけてやれ!」 951 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 18 03 02 ID LvYhG8tg ハァハァ、わたしは醜いメ酢豚ですハァハァ、どうかは私めにご主人様の酢を!酢を! 952 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 20 31 05 ID Vq9VXCGX それはしょうゆです。 953 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 21 51 35 ID mHO148no かかってきた電話にかまけてヤンデレを長時間放置したい 954 名前:俺と妹[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 21 52 26 ID Vm59XHHt うちの妹は可愛い。誰がなんと言おうと可愛い。 高校生になってちょっと小生意気になってきたが、そこもまた可愛い。小生意気になったにもかかわらず、相変わらず俺のことを「おにいちゃん」と昔のままの呼び方で呼ぶ辺りが妹の可愛さを如実にあらわしている。 喧嘩をすると、夜中に俺の布団に潜り込んでくる妹は可愛い。クラスのなんとかちゃんがどうだか、と俺に一生懸命話してくる妹は可愛い。休みの日には俺に纏わりついてくる妹が可愛い。そのくせ、外で友達に会った時には繋いでいた手をぱっと放す妹も可愛い。 例えシスコンと言われようが、俺はそういう可愛い可愛いもう一つおまけに可愛い妹が大好きだ。 ――大好きなのだが。 この状況は少しおかしいと思うんだ、妹よ。お兄ちゃんは混乱の極みだぞ。 「お兄ちゃんとシたいの!」 俺のベッドに潜り込んできた妹は、そう言って頬を染めながら俯いた。うむ、今日も可愛いぞ、妹よ。でも、ちょっと問題発言だと思うな、それ。 目の前には、妹のふわふわした茶色の長い髪が妹のなだらかな肩の先で揺れていた。 俯きがちの白い頬のラインは素晴らしくキュートな曲線を描いてすっきりとした顎につながっている。神様が特別手を掛けて作り上げたらしい俺の妹は、今日も今日とてすんばらしい美少女だ。 この美少女兼俺の妹の瞳はぱっちりとしたアーモンド型で、きらきらとした薄茶色のそれはまるで宝石のように輝くので、俺は密かに「ジュエリー・妹」と呼んでいる。 そんなジュエリー・妹を瞬かせた妹が(ややこしい)、反応を示さない俺の肩に白い手を伸ばした。 ちっちゃな手は傷一つなく真っ白で、桜貝のようなピンク色の形のいい爪がその先にちょん、とついている。俺の妹の「ジュエリー・妹第二段」である。 「お兄ちゃん、聞いてる?」 「あー……聞いてた。聞いてたともさ」 「じゃ、いい?」 そう言って、妹は俺の言葉を待たずにうきうきとパジャマのボタンに手を掛けた。 すいすいと器用に動く妹の手が、可愛らしい黄色のパジャマを肌蹴させていく。白い肌が次第に外気に晒され――って、こら待て。 「こら、こらこらこら」 「…………お兄ちゃん、いや?」 こてん、と首を傾げて妹はそう俺に問いかける。可愛いなもう。いや、違う違う。 ――あのね、妹よ。 確かにお兄ちゃんお前が大好きだよ。だけどな、それはあくまで兄としてであってね。 「わたしもお兄ちゃん大好き!」 都合のいいとこだけ聞くんじゃありません。パジャマ脱ぐのをやめなさい。 む、胸が見えるから! 程よく育って……じゃないよ。乳首がほんのり桃色でジュエリー妹第四弾だなー、とか考えてる場合じゃないよ。 「だから、いいよね?」 よくないですぅー! という暇もなく、妹は俺の上に跨って、上半身をゆっくりと下ろしてくる。なんだこのシチュエーション。これなんてエロゲ? 「……んっ…………」 鼻にかかった声を上げて、押し付けられた妹の唇の感触は、とても柔らかかった。 ほぼ全裸に近い美少女に圧し掛かられ、あまつさえキスまでされて、ついさっきまでなんとか宥めていた俺の息子はついに俺を裏切る。 ――あああああ、妹でたっちゃったよ。 俺の苦悩を露知らず、妹はその柔らかい舌で俺の口内をまさぐり続けた。 955 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 21 53 57 ID Vm59XHHt 誤爆しました 申し訳ありません、スルーお願いします。 ほんとすみませんでした。 956 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 22 12 48 ID zIDwJ5+5 続きをどこのスレに投下したのかを言え さもなくばさらに脱ぐぞ…… 957 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 22 18 36 ID kykgFyyl おい、はやく続きを見せるんだ!さもなくば貴様の邪気眼を公開させるぞ! 958 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 22 52 00 ID lDVIolFB 956 いや、ネクタイまでとるのはイカン! デモを行うのが昨今の流れであろう。 959 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 23 04 47 ID Ba3djAHl キモウトのほうかな?w 960 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/16(水) 23 31 28 ID Vvfntise キモウトには投下されてねえな マジでどこのスレで続きが読めるのか知りたい もしキモウトスレへの誤爆で妹が病む展開なら、このままここに投下してほしいんだぜ! 961 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 00 10 28 ID ujSjvZff 妹!おっぱい! _ ∩ ( ゚∀゚)彡 ( ⊂彡 | | し⌒J 962 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 00 32 39 ID k5HHVfex 960 寧ろ違ったとしても同じ作者様に妹が病むバージョンを書いて欲しい・・・ 963 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 16 05 24 ID 4wQOgQlf (・∀・ ) 955 ( ・∀・) 955 964 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 22 47 09 ID R+G1nXJR 俺は次スレに引っ越すぜ! 埋めヨロシコ~ 965 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 04 50 52 ID zn5bN0Fx wikiのことのはぐるまって 3話から22話にとんじゃってるんだけど 間ないの? 966 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 05 18 01 ID XfpJ7idi 965 本保管庫管理人さんが引退して現在wikiの方が鋭意保管中です気長に待ちましょう なお待ちきれない場合は過去ログがあるのでそちらから自分で拾ってくることもできます 967 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 05 19 15 ID zn5bN0Fx そうですか お騒がせしました 968 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 10 38 36 ID 7efjt2ZX ちょっと話題に遅れたが長編で最初は病んでいないというのもカタルシスを感じて俺的にはすごくいい 969 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 10 57 43 ID WYriO8Qe 狂おしいほどまでの愛 愛ゆえに狂ってしまう女の子 一途な気持ちを抑えきれずに歪んでしまうその姿に 俺はもう・・・ 970 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/19(土) 13 34 46 ID V2cG/UWy みんな病んでるな。俺もだがorz 971 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 14 10 30 ID jq1T6HUz 男のヤンデレなど死ぬべきだというのに、ヤンデレっ娘を愛せば愛すほど、自身がヤンデレになっていく なんというアンビバレンス 972 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 15 34 30 ID 414fSbKG 965 暇だし編集しといた 973 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 15 39 34 ID 69PjIGrh ヤンデレを求める者自身がヤンデレにはならないと思う。 分かり易く言うと男という植物に、愛という特濃の液体肥料の原液を常にかけ続けるのがヤンデレだ。 そんな環境では普通根が腐って枯れてしまうわけだが、 中には栄養の吸収が滅茶苦茶悪くてそのくらいの栄養の方がすくすくと育つ植物がある。 これがヤンデレを求める者だ。 974 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 16 06 25 ID s69M7FRr 973 分かりやすい 975 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 16 37 28 ID WYriO8Qe うん? 俺は基本ヤンデレに愛されるより、誰かを愛しているヤンデレを第三者で傍観するのがすきなんだが 976 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 17 06 32 ID o0YM7E5p 972 965ではないが乙。 続きこないかなあ~ 977 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 21 42 40 ID f37Hy9Oh そういえばお茶会ももう一年ぐらい来てないな 作者さんがこの前、完結はするって言ってたけどな ・・・さて、それまで全裸で待ち続けるか 978 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/19(土) 22 43 56 ID UqbIsc3m ぶっちゃけ今んとこあの人は東方SSがメインっぽいしなー 文章書き続けてるってのは確かだからそのうち復帰してくれるかもな 979 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 00 50 02 ID hWvgbsbK そういやあの人、 ヲチ板に専スレがある東方ジャンル新参と交流始めたんだよな…… チャットやメッセでリクしまくって一人の絵師をジャンル撤退させたらしいけれど SS書きなら大丈夫なのか? 980 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 02 30 54 ID UcvEG4iD なんでお前らそんなに詳しいんだ……? ハッ、まさか…… 981 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 04 00 44 ID Yy9Mc0s9 思いつく病み ・地位、名誉、能力を完全に備えた私に惚れられているのはむしろ名誉じゃない。逃げたら殺すわ ・こんな私だけど、あなたのためならなんだってしてみせるよ。だから捨てないでください…… ・あなたの全てを知りたいの。あなたを独占したいの。別に悪いことなんかしてないよ? 愛だもん ・あなたを愛していたのに……私は愛されていなかった…… ・あなたと私はフォボス・イオ経由の赤色レーザー無線で前の宇宙から繋がっていて…… まあ、ヤンデレの可能性は無限大なんですけどね 982 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 15 24 52 ID ABpmWrKu 萌え 983 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 15 34 55 ID 2gJq+ANZ ことのはぐるまは九、十、十一話が面白いよな 984 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/20(日) 23 21 17 ID YpTGGmyn 982 1番上が好みなのは僕がヒモ願望を潜在的にもっているという表れなのでしょうか 985 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 00 57 48 ID asVpOMfh 981 一番上はただの高飛車に見える つーかヤンデレなら愛する彼を殺すなんて発想自体ができないだろ 986 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 02 17 54 ID 1p04acgb いやいや、一応殺す、とか脅しとくのはありだろ。プライドのせいで素直に好きだとかいえない。でも絶対に逃げて欲しくない。可愛いじゃないか 心中以外で本当に殺しちゃうのはなしだが 987 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/21(月) 06 32 18 ID 1anAetPR お前らどこまで病んでるんだよ(笑) 988 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 09 00 44 ID aG288+99 いつもよりやけに饒舌なヤンデレの弁当食べたい 989 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/21(月) 13 51 44 ID sGJ45j5D ウメ 990 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 14 45 53 ID 6sumNsDD 983 ことのはぐるまは主人公が誠レベルの基地外思考なのでもういいです 991 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 22 03 53 ID 19a0qjL3 981 一番下はヤンデレじゃなくてサイコさんだYO! 992 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 22 57 29 ID bHIdtKc0 ヤンデレとメンヘラってやっぱ難しいよな 993 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 23 05 20 ID Cp3b2Dm1 難しいも何も根本からして違う 994 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/21(月) 23 58 34 ID sGJ45j5D 1000なら監禁される 995 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01 16 37 ID WFWHnBpQ 1000なら姉の監禁から解放される 996 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 01 20 56 ID lWfcf9Ke 1000なら姉に監禁される 997 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 02 33 26 ID yAXA+nqm なんか好き嫌いの花占いっぽいな! 998 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 02 41 33 ID a7NXrIkN 998 踏み台 999 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 02 42 26 ID up4Q4y1j スリーナインげt 1000 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/22(火) 03 24 32 ID wbeYj1wZ 1000なら風音 1001 名前:1001[] 投稿日:Over 1000 Thread このスレッドは1000を超えました。 もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/476.html
501 名前:「お薬の時間」2/5[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 05 47 37 ID IPI2eMa3 「ねえ、これはヤバイって。いくらなんでも、これはない」 「テッチ、あの女と付き合ってから、ミキに全然構ってくれなくなったね。ミキ、寂しか ったな……」 「ミキ! 頼むから、これなんの冗談だよ! 注射って、意味がわかんない。危険すぎる。 シャレんならないって」 ミキはためらわなかった。 「はうっ……!」 あ。 あ……ああ。 「う、うう……うううぅぅぅッ」 声を上げたのは、哲生ではなかった。 痛みと恐怖で哲生は少しも声も出せず、ただただ針の先が埋められていく自分の腕を見 つめていた。 恍惚の声を漏らしたのは針を刺したミキの方で、興奮のあまり口元から涎をたれ流して いる。ううう、と小さく喘ぎながら、そのまま哲生の耳たぶを齧った。 「あ、ああっ……!」 哲生が初めてうめく。 「ん……テッチの耳たぶ、美味しい」 ミキは針を抜いたが、そのまま哲生の耳たぶをピチャ、ピチャと噛み続ける。ゆっくり と咥えて、歯と歯の間に挟んだまま、顔を上下に擦る。ほんの軽く噛んだり、時々強く齧 ったり。 痛みが瞬時に快感に変わっていき、哲生は眩暈がした。 「大丈夫、このお薬は、……少しも、痛くない。気持ちよくなる、る、んだよ。ミキもさ っき、自分でうったか、ら……」 大丈夫なもんか、全然ロレツが回っていないじゃないか、と哲生が訴えようとするが、 できなかった。薬の効き目は信じがたいほど早く、すでに彼もまともに口を動かせない。 腹の下からせり上がってくる快感に全身を包まれる。哲生のペニスは瞬く間に勃起し出 した。ブレザーの制服がはち切れそうになって痛む。どこを触れられてもすぐに絶頂に 達してしまいそうなほど体が熱い。 「テッチ、好き……」 そう言って、ミキは抱きついてきた。 いつの間にか、セーラー服を脱いでいた。 パステルブルーのブラジャーの上から小ぶりな胸の膨らみを露わにさせ、哲生を挑発す る。乳首の先はどちらも、何かの生物の角のように尖っていた。 502 名前:「お薬の時間」3/5[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 05 50 06 ID IPI2eMa3 「おっぱい、噛んで……」 ミキの声が耳に届く前に哲生はむしゃぶりついていた。 「あっ……」 ミキのブラが外れて、地面に落ちる。 膨張したペニスの痛みに耐えられず、哲生の頬に涙がこぼれた。 ミキがそれを見て、舌を絡めて哲生の目じりから水滴を舐め取った。そしてブレザーの ファスナーを下ろし、哲生のペニスを取り出した。勢いよく飛び出したそれの先端はぬら ぬらと輝き、掴んだミキの指先から糸を引いた。哲生はそれだけでイキそうになる。 「ふふふ。テッチの、すごく元気……」 あ、ああっ、と哲生は言葉にならない声でうめいた。 「テッチ。ミキのこと、好き?」 ミキはカウパーがあふれ出している哲生のペニスをぎゅっと握り締めたまま、それ以上 は少しも動かさずに尋ねた。 「ミキのことを好きって言ってくれたら、フェラしてあげる」 哲生は頭がおかしくなりそうだった。 あのミキが「フェラ」という言葉を使うなんて。その声だけで、勃起が加速する。 「お願い。言って?」と言いながら、ミキは綺麗な舌の先をペニスに、ぴと、とつけた。 でもそれ以上は動かさない。哲生の先端に伝わるのは、ミキの舌先のなめらかな感覚だけ だ。哲生はかすれた声で哀願する。 「す、……すき」 「あの女よりも?」 「あ、のおんな、って……」 「もう、テッチったら。本当はわかってるくせに」ミキはペニスに頬を押し付けたまま、 悪戯っぽく笑う。「だったら、呼んであげるわ」 503 名前:「お薬の時間」4/5[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 05 52 43 ID IPI2eMa3 ミキはそう言って、地面に伸びたコードを掴むと、そこについていたスイッチを押した。 2メートルほどしか離れていない、哲生のすぐ前のスペースに裸電球が灯った。 「真奈美さん……!」 そこには、哲生と全く同じ格好でソファに座らされた一人の少女がいた。二年に上がっ て、ミキと哲生と同じクラスになった真奈美だった。ひと月前から哲生と付き合っている。 彼女の眼鏡の奥にある両目から、大量の涙がこぼれている。ただ一つ哲生と違ったのは、 ピンポン球状の緘口具をきつく噛まされていて、少しも喋れないことだった。ミキの声で 目覚めた時、哲生はあまりの状況に混乱していて、すぐそこにもう一人いることなど全く 気づかなかった。 「テッチ、あの女とも、もうこんなことしたの?」 ミキはそう言って哲生を見つめながら、ゆっくりと小さな口をあけて、ペニスを含んだ。 ミキの口の中で糸を引いた涎が、哲生のペニスの先端に突き破られていく。 「ううっ!」 ミキは口の中で舌をモゴモゴとさせて、何か声を出す。おそらくは同じ質問を、亀頭に舌 を絡みつかせながら言ったのだろう。 「や……あっ、あっ!」 真奈美さんとはまだ付き合ったばかりだ。先週初めて映画を見て、ようやくキスをしただ けだ。もうやめてくれ。哲生はそう言い返そうとしたが、あまりの気持ちよさに言葉を搾り 出せない。 「テッチ、あの女よりもミキの方がずっと上手いでしょう?」 「ミキ……。や、め……」 「何回もバナナとかで練習したんだよ。でも実際にはまだ誰にもしてないの。ミキがこんな ことする相手はテッチだけだよ。だからテッチもミキだけにして。あの女にだって、もうさ せないから」 ミキは真奈美を振り返ると、これまでとは別人の口調で吐き捨てた。 「よく見てなよ、クソ女」 ミキは再び哲生のものにそっとキスしてから、根元まで口に含んだ。 504 名前:「お薬の時間」5/5[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 05 55 02 ID IPI2eMa3 「うううううっ!」 真奈美は哲生と、そして哲生の屹立したペニスを見ていた。ミキがそれがちゃんと見れ るように横からフェラチオをしていたからだ。真奈美の顔は、恐怖か快感か屈辱か、よく わからない感情に苦しそうに歪む。ミキはそれを楽しそうに眺めながら哲生のペニスに舌 を擦り付けてフェラチオを続けた。真奈美が泣き叫ぼうとしているのが哲生にはわかった。 でも緘口具のせいでその願いは叶わない。 哲生にはこれ以上耐えられない。だがそれ以上に何も考えられなかった。快楽だけが全 身と脳を犯していく。その快感に身を委ねることしかできなかった。ミキは哲生を見つめ ながら、右手でペニスを握り締めたまましゃぶり続ける。左手は尖った乳首に、自分で触 れている。ミキはそれであっ、あっ、と恥ずかしそうな声をあげる。ミキはイキそうな 哲生の顔を見て欲情しているのだ。哲生の口端からも涎が零れ落ちる。また涙が溢れてく る。ミキはフェラをとめない。今度は顔を横にしてペニスにむしゃぶりつく。それでも しっかりと真奈美から見えるようにして。涎とカウパーが尿道から湯水のように零れ落ち ていく。真奈美がガタガタとソファを激しく揺らした。 「あ……! イクッ、イクッ……!」 哲生は叫んだ。 ミキのまぶたと眉毛に、濃く白い液体が勢いよく飛び散った。何度も射精の快感が続く。 ずるずると粘着液が垂れ落ちて、ミキの綺麗な顔の上に広がる。やがて哲生の射精が止まっ た。ミキは目を開ける。ミキの口の中に精液が入っていく。ミキは哲生の顔を見つめたまま、 それを舌で舐め取る。 「おいしい……」 指先で拭い取って集め、それもまとめて舐めて、飲み込んだ。 「おいしいよ、テッチ」 完 割り込んでしまったらごめん。m(_ _)m 505 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 07 27 29 ID 4MJDcMy7 投下キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 498GJ! ヒロイン二人とも病みそうな展開にwktk 504 これは続きを期待です! 506 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 08 45 33 ID m51cOJNG 両方とも凄く勃起しますた (*´д`*) 507 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/02/23(金) 12 52 45 ID lzTARrcb 505 俺もだ。ぜひ続きを… 508 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 15 38 14 ID EkXpq62m 釣り橋効果で恋のドキドキを誘発させる為に、 恐怖のどん底に陥れるってのもありだよな。 509 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 18 03 16 ID qPKR7Ut1 508 調教とかで使えそうじゃない? 510 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 18 19 43 ID EkXpq62m まあ、昔サンデーであったネタなんだけどね。 511 名前: ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 21 24 35 ID cGyDgwpw おにいたん2までROMろうかと思ったんだけど、ネタ思いついたので投下。 あの最凶幼女と出会わなかったら耕治はどうなってたかって短編です 512 名前:いない『かぁる』に、いる『みいな』 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 21 25 22 ID cGyDgwpw <<<いない『かぁる』に、いる『みいな』>>> 白のブラウスに濃い緑色のミニフレアースカート。スカートは肩にかかる同じく深緑のサスペンダー状のものでつるす。 腰には白いエプロンをつけ腰の括れを強調。ぱっと見、アン○ラや神○屋風だが構造はまるで違う。 頭には赤いナプキンを帽子状にして身につけている。遠くから見たらチューリップに見えないこともない。 そう。そう見せてるのだ。なんせ、お店の名前も「チューリップ」なのだから・・・。 ファミリーレストラン『テュリパン』。ロシア語でチューリップを指すこの店が麻枝耕治の仕事場。 フロアマネージャーの要職にある彼は自分の仕事と称して(事実それが仕事なのだが)一人の女の子を観察していた。 (ミナちゃん、かぁわいいなぁ・・・) 彼女の名は禾森美衣奈(のぎのもり・みいな)。他のスタッフからはミナちゃんで通ってる。 俗に言う「小動物系」の女の子でみんなの人気者だった。しかし彼女には問題があり・・・ げしっ! 「おうっち!」 「またミナばっかり見て!」 問題。それは彼女の姉の存在だった。禾森あずさ。2歳年上の彼女の姉。 あずさはミナに言い寄る男に対し徹底的に攻撃した。 見てるだけで攻撃。仕事以外で話しかけても攻撃。 デートに誘おうものなら徹底的に妨害。 テュリパンはウエイトレスの質が高いので有名なのだが、 この店に関しては彼女のせいか、男の従業員の定着率が低かった。 大体、耕治も別の店で働いてたのを男手が足りないからという理由でこの店に赴任したのだ。 「あずさ、てめぇ、職員の仕事を観察するのが俺の仕事だっていってるだろ!」 「鼻の下伸びてた」 「ぐっ!」 真実を突かれたじろぐ耕治。 「大体!おまえ過保護すぎないか?!話しかけたりするだけで鉄拳制裁ってどういうことだ?」 「ミナはね!いい子過ぎるから、悪い男にころっとだまされるのよ!特にアンタみたいなのにね!」 「なぁにを~!」 「はいはい、落ち着いて落ち着いて」 手をパンパンと叩きながら店長が二人を仲裁する。 「店長・・・」 「二人とも、私語を謹んで仕事をお願いするよ」 「はい」 「はぁい」 心にわだかまりを残しながら、二人は仕事に戻った 513 名前: ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/23(金) 21 40 37 ID Bf5qw5eb スマソ、うぷする時間がなくなった。続きは明日昼に。 514 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22 06 36 ID 4ng4wpCo 嗚呼、生殺しかな。 515 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22 49 30 ID 4MJDcMy7 wktkして待ってます 516 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 00 08 34 ID Ka/ykNRC 488 そこにヤンデレがあるから…ではなく、 本ルート以外は全てバッドにしようと目論んでいるからですw 498 狂うのは好乃ですか? な、夏月ですか? もしかして両方ですか?ww 504 真奈美は放置ですかw 513 期待して待っています。 517 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 00 19 44 ID SKbtSsut >本ルート以外は全てバッドにしようと目論んでいるからですw んな作家的マジレス返されても困るw 518 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 01 38 13 ID YshK1P8u このスレにおけるHappyEndは普通の物語でのBadEndと解釈している。 519 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 01 43 21 ID 8Oa797CE いま518がいいこと言った! 520 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 01 53 10 ID kOeIO8yk 518 なんですとぅ?! 登場人物全員が生存したままでハーレムエンドを迎えるのが好きな俺はこのスレでは異端者なのか? いや、もち「あなたを殺して私も死ぬ」的エンディングもアリですが。 ・・・・・・でもやっぱし全員が生きているのが好きなんだよな俺。 521 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 01 59 29 ID oGdBaGgB 250 今まで死んだ敵と今まで死んだ仲間と今まで死んだ脇役と最後に死んだ主人公と最初から死んでたヒロインが ラストで全員集まってハーレムエンド こういうことですね 522 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02 05 15 ID 71ss1cZn 登場人物たちがハッピーだと感じているのなら、 それがハッピーエンドなのだと信じている。 523 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02 07 49 ID tTCpNNc+ ところでSS保管庫経由の新参で申し訳ないのだが、このスレのお陰でヤンデレにどハマリしてしまった。 感謝と尊敬の念を込めて、稚拙ながらヤマネ壁紙作ってきたんだけど、どうしよう。 保管庫BBSに勝手に貼ってきてもよいのかな? 524 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02 11 20 ID /9wBEobS あっちに張っておけば管理人さんが拾ってくれるはず。 525 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02 14 41 ID kOeIO8yk ここに書き込んでいる時点で既に『勝手』ではない件。 貼るのはいいんじゃないか。色塗った強者だっていたわけだし。 526 名前:504[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02 17 29 ID nlGVNHH7 516 実は真奈美の病み具合の方がディープだった、という話にしたかったんだけど、 長くなるからとりあえずミキ編だけでも、と。反応イマイチだったらやめる気でいたので。 時間できたら、続き書いてみまつ。 527 名前:523[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 02 32 54 ID tTCpNNc+ orz 保管庫BBSのアップロード画像サイズの規定を超えてるみたいだ…。 ろだ探すかサイズ縮小するかしてみる。 528 名前:523[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 02 27 ID tTCpNNc+ http //bbs11.fc2.com/bbs/img/_219000/218976/full/218976_1172252553.jpg 圧縮したら貼れましたありがとう。 全ての作者様方、絵師様に感謝を捧ぐー。 おいら英語超ニガテなんで、いろいろ間違ってたら訂正よろ。 504氏 続き心待ちにしてます! 529 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/02/24(土) 03 04 32 ID TtoUJojg 528 GJ!!早速壁紙にしたw 530 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 08 51 ID oGdBaGgB 523 氏 GJ!! 早速壁紙にさせてもらいました。可愛いなあ…… 伊南屋 氏 「時を見る者」が格好いい…… ifで兄妹がメインの話を描きたくなりますこれ見てると 297 氏 確かにここ最近展開が鈍っていたので、ここからちょっとラストまで突っ走ることになりそうです。 もう十分もしたら続き投下します。 531 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 22 52 ID oGdBaGgB ・十七話 発狂しそうな三日目と、圧死しそうな四日目が過ぎた。 正確に言えば六度の食事と二度の排泄だ。正確な日付も、正確な時間も、もう忘れてしまっ た。食事の回数を――いや、神無士乃が地下室を訪れる回数を数えることしかできない。『外』 をしる手段は、それ以外には何もない。 何もない地下室で、暗闇の中で、独りきり。 普通ならば、発狂しているだろう。 普通でないのならば、最初から発狂しているに違いない。 どちらにせよ狂ってしまいそうな空間。 いずれにせよ狂ってしまいそうな世界。 意識が白く消えてしまいそうな地下室。 そんな中で、わずかにでも正気を保てたのは。 「元気そうだね、冬継」 姉さんが、いたからだ。 「…………」 地下室には明かりがない。時折神無士乃が持ってくる蝋燭の炎は消されているし、電灯のス イッチは遠すぎてつけることにもできない。時折開く上への扉は、いまは完全に閉じている。 それでも、はっきりと見えた。 ――姉さんの姿が。 「てっきり、死にかけてるかと思った」 三つ編みを三つつくったような髪型。如月更紗のそれと同じ制服。狂気倶楽部に入ってから 見せるようになった笑顔を見せている。思えば、こんな口調になったのも、あの頃からだ。 どことなく――マッドハンターに似た喋り方。 どっちがどっちに似たのか、僕は、分からない。 それでも、姉さんのそんな喋り方を見るたびに、如月更紗のことを思い出してしまった。 「……どうにかね。正直、参ってるよ」 「そうだろうね」 姉さんはそう言って、僕の正面、反対側の隅に腰掛けた。何もなかったはずなのに、姉さん は椅子に座っている。心の中に、記憶の中にしかいない存在だからこそできる芸当だ。 今、そこにいる姉さんは、生きている姉さんでも、幽霊でもない。 僕の心の中に残る姉さんだ。 「姉さんが、いてくれたからだよ」 僕は言う。嘘偽りなく。 暗闇の、何もない地下室で……けれど僕は独りではなかった。 姉さんがいた。 姉さんがいてくれた。 独りでは、なかった。それだけが正気を保つ手助けになった。神無士乃がいないときを見計 らって、僕は姉さんと会話をし続けた。喉が痛くて声が出なくても、心で思うだけで、姉さん とは会話ができた。それだけが、暗闇の中で正気を保つ手段だった。 ――いや。 死んだ姉と会話をしている時点で――それはもう、正気ではないのかもしれない。 けれど。 今、ここでこうして考えている『自分』がある。 それで十分だった。 話し相手がいる。姉さんがそこにいる。それだけで、どうにか自己を保てる。 けれど。 532 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 23 33 ID oGdBaGgB 「本当に?」 椅子に座る姉さんは、微かに微笑みながら言った。 僕を、からかうように。 僕を、うたがうように。 姉さんは、そう、問いかけてくる。 「……本当?」 「何が――『本当』だろうね」 「…………」 「真実が何か、冬継は知ってる?」 意味の分からない、意図の分からない姉さんの問い。本当。真実。そんなものは――知らな い。考えてこともない。何かを考えようともしなかった。 今は、姉さんがいれば、それでよかったから。 そんな僕の心を読んだかのように。 「冬継が――」 微かな微笑みを消さないままに、姉さんは言った。 「冬継が、本当にいてほしかったのは、私なのかな」 一瞬だけ。 その微笑みが――酷く、寂しそうなものに思えた。 「どういう……意味だよ」 手足をつながれたまま僕は問う。本当は、今すぐに近寄って、姉さんにキスをしたかった。 姉さんを抱きしめたかった。けれど、神無士乃によって拘束されている今、そうするためには 姉さんのほうから近寄ってくる必要がある。 姉さんは、近寄ってこない。 僕と距離を置いたまま、話し掛けてくる。 まるで、心の距離を、そのまま表しているように。 「冬継はさ、」 椅子に腰掛けたまま、立とうとしないままに、姉さんは言う。 「私のこと、好き?」 「好きだよ」 質問の意図は、分からないままだった。 それでも、僕は即答する。 「士乃と比べて、どっちが好き?」 「姉さんの方が好きだよ」 「士乃のこと、好き? 嫌い?」 「好きでも嫌いでもないよ」 「他の誰と比べても、私のことが好き?」 「他の誰と比べても、姉さんのことが好きだよ」 矢継ぎばやに繰り出される質問に、僕は悉く即答する。 そんなことは、分かりきっていることだった。 訊かれるまでもない、ことだった。 じゃあ、と姉さんは前置いて、 「マッドハンターのこと、好き?」 そう、訊ねてきた。 533 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 24 40 ID oGdBaGgB 「…………」 「それとも冬継には、如月更紗と言った方がいいかい?」 姉さんの顔からは、あくまでも微笑みは消えない。微笑んだままに、そんなことを、僕に訊 いてくる。 僕は、その問いに。 答えることが――できない。 即答、できない。 如月更紗。僕のクラスメイト。 マッドハンター。姉さんの『仲間』。 如月更紗は、マッドハンターで。 マッドハンターは、如月更紗だ。 じゃあ。 僕にとってのマッドハンターは、何だ? 狂気倶楽部の一員ならば、敵だ。姉さんを殺した奴の仲間なのだから。けれど、姉さんを殺 した奴は、姉さんの仲間でもあった。僕を殺そうとしてきた奴も狂気倶楽部の一員なら、僕を 守ったマッドハンターも狂気倶楽部だし――こうして僕を監禁している神無士乃は、狂気倶楽 部でも何でもない。 パラドックス。 何が大切で、何がいらないのか。 誰が敵で、誰が味方なのか。 分からない。 分かるのは――いつからか。 あの昼の屋上からか。 あの朝の部屋からか。 あの夜の路地からか。 いつからかは、分からなくても。 神無士乃の存在が――深く心に焼き付いて、離れないということだけだ。 それだけは、ごまかしようのない、事実だった。 「私じゃなくてマッドハンターを待ってたんじゃないの? 助けにきてくれるって」 姉さんは、確信に満ちた口調で言う。 それは、僕が姉さんに喋らせているのか、姉さん自身が喋っているのか。曖昧で、判別がつ かない。 かつて、冬継は私のことを好きだよね、と言ったその口で。 姉さんは、それと正反対のことを、口にする。 「あの子を信じてたから――耐えられたのかい」 534 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 25 56 ID oGdBaGgB 「そんな――」 わけがない、と言葉が続かなかった。 まるで物語の中のヒーローのように、アリスから救ってくれた如月更紗。 今また助けに来てると、心の中で思っていなかったと、どうして断言できるだろうか。 もし、それが本当なら。 「……みっともねぇ」 心の底から悔恨の響きを載せて、僕はそう吐き出した。姉さんの片眉が微かに動く。 気にせずに、僕は続けた。 「情けない……僕は攫われた御姫様かよ」 「そのままだね」 「姉さん、そんなにばっさり言わないでくれ……余計に悲しくなる」 この状況。 口に出してしまえば、生殺与奪の権を他人に握られているこの状況が、ひどく滑稽なように 思えた。幼馴染に監禁されて、物騒な鋏を持つクラスメイトが助けに来てくれるのを待つ、復 讐に燃えるシスコン。 情けないやら、みっともないやら、複雑な気分だった。 楽観視できるような状況じゃない。 楽観視できるような状況じゃないのに――笑えてしまう。 思えば。 鋏を喉元に突きつけられたときでさえ、僕らは、笑っていた。あの状況に比べれば、まだこ れは『笑い事』なんじゃないかと、そう思えてしまう。 それもこれも、あのとんでもない女のせいだ。 人の迷惑も考えず、人の困惑も考慮せず、ずかずかと人の心の中に入ってきた――あのトン デモ女のせいだ。 「たまには、ヒーローの側に回ってみたいもんだよ」 「冬継は似合ってないよ」 「知ってるよ……竜にさらわれた御姫様を救いにいくなんて、ガラでもない」 正義で救いにいくのなんて似合わない。 嫉妬で竜の元へ僕に、ヒーローの役なんて似合うはずもない。 認めよう。 この四日間、暗闇の中では考えることしかできなかった。考えて続けて、はっきりしたこと がある。 僕は、姉さんを殺した奴に、復讐がしたいんじゃない。 姉さんを救った奴に嫉妬して、そいつに救われた姉さんに嫉妬して、置いていかれたことに 嫉妬して影を追っているだけだ。 救われてしまった姉さんが羨ましくて――救われずに置いていかれたことが、悲しいだけだ。 その一心で、周りも見ずに、復讐に走っていただけだ。 考えるのを、放棄して。 「……まあ、分かったところでどうにかなるもんじゃないけどな」 何を今更、というやつだ。 そんなことが分かったところで、やるべきことが変わるわけじゃない。 「姉さんの死の理由は――知りたいしな」 「そうだね。この私は、それは知らないから」 何せ、『私』は君の知らないことは知らないんだから――姉さんはそう言って笑った。 535 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 26 51 ID oGdBaGgB 姉さんは、此処にいる。 僕がそう望んだからだ。僕が望んでいる限り、死んだ姉さんはこうして現れる。どこだろう と。いつだろうと。望む限りに。 だから。 姉さんがいなくなったときこそ――全てが、終わったときだ。 姉さんを必要としなくなって、一人で生きれるようになったときだ。 過去を成算するか。 未来を会得するか。 姉さんの死の真相をしるか――姉さんよりも大切なものを見つけるか、それしかない。 嫉妬も、復讐心も、消えたわけではない。はっきりと心の中に残っている。燻ったそれは、 どう足掻いても消せないものだ。 だからこそ、立ち止まるわけにはいかない。 こんな場所で、監禁されている場合じゃないのだ―― 「……とは分かってても、自分じゃどうしようもないんだよなあ」 はぁ、と僕はため息を吐く。手足が封じられているので、それくらいしかできない。 意気込んだところで、囚われの身であることには変わりはない。神無士乃に屈服すれば外に 出れるのだろうが、屈服してしまっては何の意味もない。 ぎりぎりの寸止めを繰り返す神無士乃。 その意図は痛いほどに分かっている。神無士乃は、僕を抱こうとしているのではない。 僕に抱かれるのを待っているのだ。 僕の方から手を出して――僕から一歩踏み出すのを、誘っているのだ。無理矢理に襲っては 意味がない。無理矢理に襲われなければ、神無士乃の目的は達せられない。 愛情を手に入れるという、その目的は。 「どうするかな……本気で助けを待つだけって情けないよな」 四日。 本当に四日もたっているなら、外でも少しは噂になっているだろう……いや、それは楽観的 な観測なのかもしれない。家には僕と姉さん以外には誰もいないし、学校でも目立つタイプじ ゃない。如月更紗と似たようなものだ。ふらっといなくなっても、誰も気にしないだろう。 気にするのは、それこそ如月更紗くらいか。 ……。 …………如月更紗が助けにこなかったら、誰もこない? ちょっとだけ悲しくなった。 536 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 28 14 ID oGdBaGgB 「あいつ、身の安全保証できてないよなこれ……」 屋上で誓った言葉を思い出しながらぼやいてしまう。全てを頼るのはアレだと知りつつも、 ぼやかずにはいられない。 まあ、勝手に飛び出した僕が悪いんだから、自業自得か。 つながれたままうな垂れる僕を見て、姉さんはくすくすと笑う。 笑って、 「もし――」 笑ったままに、冗談でも言うかのように。 「マッドハンターが、私を殺したのだとしたら、どうする?」 わかっていて、考えないようにしていたことを、姉さんは隠すことなく口にした。 さらりと、あっさりと吐き出された言葉が、何を意味するのかすぐには分からなかった。 いや。 正確に言えば――わかりたくなかったのだろう。 好きか嫌いかはわからなくとも、心の中に深く存在が根付いてきた如月更紗。 彼女の言っていることが全て嘘で、如月更紗自身が姉さんを殺した可能性だって――零じゃ ないのだから。 限りなく少なくても。 決して、零じゃない。 そのことについて、僕は、何かを言おうとして―― 「――ひゃん!」 天井が開くと同時に堕ちてきた神無佐奈さんの悲鳴によって遮られた。 「……!?」 文字通りに、堕ちてきた。天井が開くと同時に、降り注ぐ光と一緒に神無佐奈さんのふくよ かな身体が落下する。梯子が下ろされるよりも早い。どん、と、むき出しの床にぶつかって痛 そうな音を立てた。 痛そうですむのか、今のは……? 受身が取れているとも思えない。そう高さはないとはいえ、下手に落ちれば、皹くらい入り かねないぞ。 そもそも、神無佐奈さんも上にいたのか。一度も姿を見ないから、すっかり存在を忘れてい た。 いや、そもそも。 この人は、僕がここにいることを、知っていたんだろうか。 「悲鳴がうるさいですお母さん」 次いで、言いながら降りてきたのは、他の誰でもない神無士乃だった。神無佐奈さんとは違 い、梯子を使って丁寧に降りてくる。かつん、かつんと、足音が狭い地下室に響く。 姉さんの姿は、もういない。光が入ると同時に、消えてしまった。僕が意識しない限り、僕 が必要としない限り、姉さんは現れることはない。 だから、今――地下室にいるのは、僕と、神無佐奈さんと、神無士乃だけだ。 537 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 29 18 ID oGdBaGgB 「神無士乃。食事か? それにしては間隔が早すぎるが」 皮肉の意味を込めて、痛い喉を駆使する。 床に降り立った神無士乃は、どこか優雅な仕草で僕を見て、 「おはようございます先輩」 なんて、とんちんかんなことを口にした。 「いつだっておはようだな」 「いつだって世界のどこかは朝です」 「知ってるか神無士乃、朝日に向かって走れば一日中朝なんだぞ」 「知ってますよ。それより知ってますか先輩、朝日と逆走したら昨日に戻れるんですよ?」 「それは知らなかったな」 「ただし、光より早く走る必要がありますけど」 「その時点で無理だと気づけ……」 いつも通りのやりとりだった。 いつも通り過ぎる、やりとりだった。 僕はこういう状況になれている。姉さんもそうだったし、如月更紗もそうだった。如月更紗 と異常な状況で普通に喋ることに違和感を感じるはずもない。 けれど、日常の象徴だった、《幼馴染》である神無士乃とこんなやり取りをするのには―― どうしても違和感を覚えてしまう。 こんな状況に陥った今でさえ、心のどこかで神無士乃が『まとも』なのではないかと、望ん でいる部分があった。 全て狂っていたなら――姉さんの苦しみに、意味はなくなってしまうから。 せめて、ここだけでも、まともであって欲しかったのに。 淡い希望を打ち砕くかのように、神無士乃は電気をつけ、倒れたままの神無佐奈さんと僕を 見比べて、薄く微笑んだ。 「ああ、『これ』ですか?」 神無士乃は、堕ちた衝撃で身を起こすことのできない実の母親を一瞥し、 「お仕置きの最中なのです。先輩は気にしなくていいですよ」 笑ったまま、蹴り飛ばした。 無造作な、一撃だった。造作もなく、爪先が神無佐奈さんの腹に突き刺さる。あまりにも自 然すぎて、何をしたのか理解できなかった。 「ぎゃん!」 飼い主に蹴られた犬のような悲鳴を、神無佐奈さんがあげる。痛みに身体を九の字にまげて、 げほ、げほと幾回か咳き込んだ。鳩尾にでも刺さったのかもしれない。見た限り、蹴った足に 手加減の様子はなかった。 急きこむ神無佐奈さんの身体を、神無士乃は、サッカーボールのようにもう一度蹴り飛ばす。 「いた、痛い士乃ちゃん、佐奈さん痛いの、やめて士乃ちゃん――」 「煩いですよ」 さらに一度。三度目の蹴りを神無士乃が放つ。胸板よりもすこし上にぶつかり、声が無理矢 理に中断された。げほげほと、咳き込む声だけが狭い地下室に満ちる。 なんだ――これ。 何が起きているのか、全く分からない。事態が人を放って勝手に進行している気がする。い ったい何がどうなって神無士乃が母親を蹴り飛ばしてるんだ。 何よりも。 なぜ、神無佐奈さんが――それを当然のように、受け入れてるんだ。 痛い、という神無佐奈さんは、けれど決して逃げようとはしない。甘んじて、神無士乃の蹴 りを受けているようにも見えた。それが分かっているからなのか、神無士乃は四度目の蹴りを いれるべく脚を振り被り、 「神無士乃! 何やってるんだお前は」 さすがに、止めた。 止めてしまった。 止める必要があるのかとか、そんなことは意識しなかった。ただ、目の前で起きている異常 な行為を止めさせたかった。それだけの一心で、制止の言葉を投げかける。 功を労したのか、神無士乃の脚が止まった。両足を地面につけ、倒れ伏して動かない神無佐 奈さんを無視するように振り返る。 538 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 30 44 ID oGdBaGgB 「先輩? こんなものを気にしないでください。私だけを――気にしてください」 微笑んだまま――神無士乃は、そう言った。 心からの、本心のように。 「……さすがにこれを気にするなってのは無理だろ」 「いえ、先輩ならできますよ」 妙に、断定するような口調だった。 断言するような言葉だった。 「だって――ずっと、気にしてなかったじゃないですか」 お姉さん以外のことを、そう神無士乃は付け加える。 その言葉に、反論できるはずもない。 見られている。 見透かされている。 長年側にいたのは、伊達ではないのだろう。僕は神無士乃を見てこなかったけれど――神無 士乃は、僕だけを見てきたのだから。そのことに気付かれていてもおかしくはない。 いや。 そのことに気付かれているからこそ――こうして、監禁されたのか。 ようするに、自業自得だ。 ……自業自得で監禁されるのって嫌だなおい。 「ならいまからちょっとだけ気にしてやる。お前、何やってんだよ」 「見ての通りです」 言って、四度目の蹴りを神無士乃は放つ。今度のは振り被っていない分だけ威力はなかった。 肩口を蹴られて、神無佐奈さんの体がひっくり返る。仰向けになった腹を踏んづけて、踏みに じるように神無士乃は言う。 「お仕置きの最中です」 「……お仕置き?」 「士乃ちゃん、痛い、痛いよ……お願いだからもうやめて、痛い、痛いの、佐奈さん、痛いの 嫌なの……」 「黙っててください」 ぐい、と脚を踏み込むと、神無佐奈さんはうぇ、と呻いて沈黙した。腹を踏みつけられて、 言葉を出すこともできないのだろう。 ないがしろにされている。 親子とは思えない行為だった。それとも、親子だからこそ、するのだろうか。 家の中で行われていることは、家族にしか分からないのだから。 僕と姉さんだって――外側から見れば、ただの仲が良い姉弟だ。 539 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 31 52 ID oGdBaGgB とはいえ、気にならないはずがない。僕はもう一度、「お仕置きって、何がさ」と質問した。 「お仕置きはお仕置きです。このヒトが、あんまりにも使えないからこうしてお仕置きしてる んです」 「士乃ちゃん、で、でも、佐奈さんちゃんとやったの……士乃ちゃんの言うとおり、佐奈さん 、ちゃんとやったよ? 士乃ちゃんがいない、って、冬くんに教えにいったし、冬くんのご飯 だって、佐奈さん、ちゃ、ちゃんと造ってる、じゃない。士乃ちゃんのしたいこと、全部、佐 奈さん、し、してあげてるでしょ?」 「だから――黙ってください」 途切れ途切れの神無佐奈さんの言葉を、神無士乃はさらに脚を踏み込むことで遮った。 ……というか。 今さらりと、とんでもないこと言わなかったか、この人。 いつも通りの弱々しい、悪気なんて、悪意なんて一切感じないような声で――なにか、看過 できないようなことを言ってのけた気がする。踏みつけられているインパクトで流しかけたが 、流していいことじゃないぞ、絶対。 「なあ神無士乃、今のって――」 「気にしないでください」 きっぱりと、断言された。 「……。あの日お前、ずっとあそこにいたんじゃなくて――」 「気にしないでください」 繰り返し断言された。 「気にしないで、ください」 さらに念押しされた。 「…………」 ここまでやってしまえば認めているのも同然だが、神無士乃はどうしても肯定したくないら しい。 勝手に想像をするならば――あの日、神無士乃は一旦家に返り、盗聴器で家の話を聞いた後 で――待ち合わせ場所に向かって罠をしかけた、ということだろう。 多分、如月更紗と引き離すためにだ。 あの物騒な女と僕を引き離して――監禁するためだろう。ある程度、僕の行動は神無士乃に 読まれているから……神無佐奈さんが家を訪れた場合、どういう反応を返すかも、神無士乃の 思惑通りだったに違いない。 我が事ながら、神無士乃の手の平の上でくるくると踊っているな。釈迦の掌から抜け出せな い孫悟空といい勝負だ。 「気にしないのは得意分野だからいいんだけどさ。神無士乃、何のお仕置きなんだよ。いくら お前が非力でも――やりすぎると、死ぬぞ」 人は、簡単に死ぬぞ。 蹴られた体の痛みじゃなくて。 蹴られた心の痛みで。 そう、僕が神無士乃に忠告すると、神無士乃は「知っていますよ」と笑った。神無士乃に満 面の笑顔はよく似合う。こんな状況でもなければ、それは見る人を魅了する笑顔だった。 「こんな役立たずは、死んじゃってもいいんです」 「役立たずって、何が」 「言い換えれば不能ですね」 「それは言い換えるな!」 「勃たない役立たず……」 「うまいこと言ったつもりか! うまいこと言いやがって!」 叫んだら喉が痛かった。 馬鹿か僕。 馬鹿なんだろうな、僕。 監禁されてて馬鹿だなんて、ちょっと救いがない。 「ああ……喉痛い」 「大丈夫です先輩、あとでシロップあげますから」 「ドロップですらねえのかよ」 シロップで喉の痛みが和らぐか。 「頼むからシリアスに行こう――神無士乃、一体何があったんだ?」 540 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 32 52 ID oGdBaGgB 僕の問いに神無士乃は。 「だからですね、この人が、よりにもよってとんでもない失敗しちゃったんです」 踏んづけていた脚を離し、離したその勢いのままで五度目のけりを放った。一際強い一撃に 、神無佐奈さんの体がごろごろと壁際まで転がる。壁に詰まれた箱にぶつかって、ようやくそ の動きは止まった。 ちょっとだけ、死んだかと、思った。 すぐに「ううう……」とか細いうめき声が聞こえてくる。かろうじて死んではいないらしい。 蹴ったのが非力な神無士乃だからだろう。 今は神無佐奈さんのことよりも、神無士乃の言葉の方が気になった。 「失敗……?」 失敗。 失い敗北すると書いて、失敗。 それは、不都合なことが起きたということだ。 僕を監禁している神無士乃に不都合なことが起きたということは――それは即ち、僕にとっ ては好機が訪れたということなんだろうか……? いや、わからない。もし警察がここにきたら、色々な意味で危なすぎる。 僕だって、潔白の身というわけではないのだ。 今、ここで中断するわけにはいかない。 一度始めたことを簡単に中断できるほど――器用な人間ではないのだ、僕は。 姉さんへの思いが真実であれ偽者であれ、死の真相を知りたいのは事実だ。それに、アリス なんてものが関わってきている以上、もう事態は他人事でもなんでもない。 それを、警察の介入なんてオチで締めくくるわけにはいかなかった。 考え込む僕を無視するように、神無士乃は、倒れ付す神無佐奈さんを蔑むように見て。 「言いましたよね――尾けられるなって。言われたことも守れないから、お父さんに捨てられ るんです」 そんな、突っ込みどころを満載した言葉を、口にした。 前者を追求するか後者に突っ込むか僕は迷い、 「ううう……」 迷った僕が何を言うよりも早く、神無佐奈さんが、唐突に泣き出した。 子どものように、頭を抱えて、泣き始めた。 「そんな、そんな酷いこと佐奈さんに言わないでよ……佐奈さんだって、佐奈さんだって捨て られたくて捨てられたんじゃないもん……士乃ちゃんだって、お父さん、欲しいでしょ? 佐 奈さんも欲しいのに……でも、あの人、佐奈さん、捨てて、捨てていっちゃって――う、うわ あ、うわああん……」 泣き始めたどころか、大号泣だった。 子どものように、泣き叫んでいる。そんな神無佐奈さんを、神無士乃は、やはり蔑む目つき で見下ろし、見下している。 ……後者に突っ込む必要はなかったみたいだ。 神無士乃の父親は見たことがなかったが――そうか、そういう理由があったのか。正直、ま ったく気にしていなかったから知らなかった。偶然会わないんじゃなくて、会う可能性が零。 まあ、たとえ気にしていても、捨てられたとまでは分からなかっただろう。 外から見ただけでは、中のことなんて分からない。 神無士乃と神無佐奈さんの関係を知るためには――もっと深く、中に踏み込む必要があった。 けれど僕は、その選択肢を選ばなかった。 神無士乃に歩む道を、選ばなかった。 だから――この話は、それまでだ。 僕の、気にすることではない。 541 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 33 41 ID oGdBaGgB 僕の気にすることは、ただの一つだ。 「神無士乃。尾けられた、って、何のことだ――誰に、だ?」 どこか確信を持って、僕は問う。 尾けられてた、と神無士乃は言った。 誰かに、この場所の位置を探られたということだ。 その誰かは、囚われている僕を探し出そうとしているのだろう。 思い当たるのは、一人しかいない。 「ええ、先輩の、想像している通りです」 神無佐奈さんから僕へと視線を戻り、苦々しい口調で神無士乃は言う。声の苦味を隠そうと もしていない。心の底から、嫌そうな声。 その声が、僕の予感を、確信に変える。 本当に、如月更紗は。 主人公のように。 ヒーローのように。 僕を助けにきたと、言うのだろうか―― 「あの女に――この場所を、突き止められました」 苦々しい口調のままに、神無士乃は、そう吐き捨てた。 「…………」 「先輩を、私から奪い去るためにです」 しくしくと響く神無佐奈さんの泣き声をBGMに、神無士乃は吐き捨て続ける。 呪詛のように、言葉を吐く。 「きっとすぐに、あの女はやってきます。だからお願いです先輩、それより早く、私を、」 「……私を?」 ぐ、と言葉を呑み込んで。 覚悟を決めるように、神無士乃は間を置いて。 呪詛でも怨嗟でもない、純粋な瞳で、僕を見つめて――懇願した。 「私を――抱いてください」 散々の絡め手から、打って変わったような正攻法だった。 真正面から、嘘偽りなく、神無士乃は言った。 ――抱いてください、と。 「…………」 「奪われる前に――私のものに、なってください」 神無士乃は懇願を繰り返す。昨日までの、からかうような、小悪魔のような余裕はない。必 死の懇願とさえいっていい態度だった。 きっと、予想外の展開なのだろう。 予想よりも、ずっと速かったのだろう。如月更紗が動き出すのが速すぎたに違いない。 予想よりも、ずっと遅かったのだろう。僕が、誘惑と暗闇に屈するのが遅すぎたに違いない。 一つだけなら、問題なかった。 二つ重なったせいで――致命的な、時間のロスになってしまった。 だからこそ神無士乃は、真っ向から僕に懇願してきたのだ。 抱いてください、と。 私だけのものになってくださいと、そう、言っているのだ。 542 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 34 20 ID oGdBaGgB 「私のものになってくれるなら、私も、先輩のものになります。私も、この人も、先輩の好き にしてもらって構いません」 神無士乃は、泣き続ける神無佐奈さんを指差した。いきなり名前を出されても、神無佐奈さ んは反応しない。 肯定も、拒否もしない。 決定権は自分ではなく娘にあるのだと、そのすすり泣く背中が物語っていた。 「先輩と一緒にいられるなら、私はどんなことだってします。どんな人にだって、負けません。 だから――お願いします。先輩は、私たちに、必要なんです」 監禁されている僕に対し。 神無士乃は脅迫ではなく、懇願する。 これじゃあ……どっちが場の決定権を握っているのか、分かったもんじゃない。 自由な身である神無士乃のほうが、よっぽど不自由で。 今にも、泣き出してしまいそうに見えた。 「頼れる人が、必要なんです」 涙を瞳に携えて、神無士乃は言う。 捨てられた小犬が、主人を求めるように。 神無士乃と、神無佐奈さんは、懇願する。 僕は。 僕は。 「僕は――」 僕は、泣く二人に対して。 「――お前の、父親にはなれない」 突き放すように、言った。 言うしか、なかった。 僕は、神無士乃を選ばなかった。 僕は、神無佐奈を選ばなかった。 僕の狭くて小さな、歪な心を占めるのは、一人しかいない。 それは、かつては姉さんで。 今はきっと――違う人だ。 姉さんでも、神無士乃でも、神無佐奈さんでもない。 今、僕を助けにきているという――物騒な鋏を持った、あの女だけだ。 僕は矮小な人間だから。 神無士乃と、如月更紗の、両方を抱きしめることなんて、できやしない。 543 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 35 11 ID oGdBaGgB 「恋人にだって無理だ。お前だけじゃない、お前以外の誰だって無理だ。僕は誰かを助けれる ほど――立派でもまともでもねえんだよ」 できるとしたら。 共倒れに依存して倒れるか。 手を繋いで――歩いていくか。 きっと、そのどちらかでしか、ないのだろう。 神無士乃を、神無佐奈さんを助けることだって、きっと出来たに違いない。そう望めば、た とえ道の先ががけっぷちでも、助けることはできただろう。 選びさえすれば。 そして僕は――選ばなかった。 それが、全てだ。 それしか、ないんだ。 「お前は幼馴染で、幼馴染でしかないんだ。馴染むだけで――同じにはなれない」 同じ穴の狢に馴染む。 同病相憐れむ。 脅威的な共依存。 どんな言い方をしても、それは同じことだ。僕は狂っているかもしれないが、そういう狂い 方は、きっとしていない。 それは、姉さんの狂い方だ。 それは、姉さんが僕に対してやった狂った愛情だ。 姉さん以上に――同一になれるものなど、ありはしないのだ。 「だから神無士乃。僕は、お前の思いに応えられない」 ごめん、とは言わなかった。 謝るべきことではない。 これは誤りのない、僕の本心なのだから。 「――――」 神無士乃の瞳から、涙が消える。 「――――」 神無佐奈さんの泣き声が途絶えた。 虚ろな。 涙が消えて、感情が消えて。 虚ろになった神無士乃の瞳が――僕の瞳を、覗き込んでいた。 ――殺される。 一瞬、そう覚悟した。 殺されるような状況に僕はいて。 殺されるような瞳を、神無士乃はしていたから。 けれどもその口から出たのは、呪詛でも殺意でもなく。 「――――――――――――――――――――――――――――――――――――そっか」 納得したような、呟きだった。 納得してしまったかのような……呟きだった。 「…………ッ、」 思わず息を呑む僕に対し、神無士乃は、笑った。 けたけたと。 けたけたけたと。 神無士乃らしくもない、壊れたような笑みを、浮かべた。 いや。 壊れたような、笑みじゃない。 けたけたけたけたけたけたけたけたけたけたけたけたと、完全に壊れた笑いを、神無士乃は 吐き出した。 「あの女がいるから――先輩は、私のものにならないんですね」 けたけたと笑いながらそう言って、神無士乃がゆらりと揺らめいた。幽かに風が揺らめく。 人魂のような動きで、神無士乃はふらふらと、踵を返した。 僕を見ずに。 動かなくなった神無佐奈さんを見ずに。 ゆらめきながら、戸口へと向かう。 544 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 35 57 ID oGdBaGgB その背中に声をかけようとして――声をかけることが、できなかった。 怖い。 神無士乃が、振り返るのが怖い。 今声をかけて彼女が振り返ったら、彼女がどんな表情をしているのか、見てしまう。 けたけたと笑う神無士乃の瞳に、見られてしまう。 今度こそ、殺される。 神無士乃の背中は、そう確信付けるだけの気配があった。 完全に、常軌を逸している。 かろうじて存在していたものが、ぐらぐらと、揺らいでいる。 こんな神無士乃を、僕は知らない。 まるで狂気倶楽部の一員であるかのような神無士乃なんて――知らなかった。 知らない人にかける言葉を、僕は持たない。 「なら――答えは一つです。応えは、簡単だったんですね、先輩」 ぞくり、と。 背筋に怖気が走るような、低く平坦な声だった。そのまま振り返ることなく、天井へと、上 へと繋がる梯子に脚をかけながら、神無士乃は言う。 「私が――――――――――――――――――――あの女を、殺してしまえばいいんです」 ――そうすれば、先輩は、私のものになるから。 振り返ることなく、そう言って。 かん、かん、かん、と、神無士乃は、上へと昇り始めた。 あの女を、殺すために。 あの女――如月更紗を殺すために。 「――待て、神無士乃!」 ようやく。 ようやく声が出た。神無士乃を引き止める制止の声を喉から絞り出す。けれど神無士乃は止 まらず、かん、かん、かんと音は連鎖して。 か、という、途切れるような音を最後に――神無士乃の姿が、上へと消えた。 そのまま、戻ってこない。 きっと、戻ってこないだろう。 如月更紗を、殺すときまで。 そう、思った瞬間。 じゃきん、と上から音がした。 開いた扉の向こうから、そんな金属同士をかみ合わせる音がすると同時に、ぼん、と物が落 ちてきた。サッカーボール大のそれは、先に神無佐奈さんが落ちてきたときと同じように、地 面にぶつかって――跳ねた。重量が軽いせいか、液体を撒き散らしながら一度跳ね、二度目は 跳ねずに床に転がった。 「…………」 開いた天井から降り注ぐ蛍光灯が、ソレを照らし出している。照らし出されたソレが、僕の 顔を、真っ直ぐに見つめていた。 神無士乃の、生首だった。 545 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 38 43 ID oGdBaGgB ◆ 以上で十七話終了です。 遅くて長くてごめんなさい。もう次スレか…… 散々じらしながらも、神無士乃ルートでないため本番はなしで申し訳ない。 ラストまで急速落下します 546 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 41 55 ID e/l4aHL7 GJ! 547 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 03 44 07 ID wU5XWDjJ 545 超GJ!!リアルタイムで読めて幸せです!! にしてもママ可愛いよ、ママ(*´д`*) 548 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 02 01 ID tTCpNNc+ GJGJ!! 初遭遇に興奮が抑えられなlp;士乃うわああああぁぁあ 549 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 04 45 46 ID 697spp/c GJGJGJ! わ、wktkが止まらないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ佐奈さん可愛いよぉぉぉぉぉぉぉ!! 550 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 05 36 21 ID Tld5KEcd 545 GJ!ママン可愛いよママン(*´Д`)ハァハァ そして志乃が……志乃が……((( ;゚Д゚)))アワワワ 551 名前: ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 07 23 35 ID 5fgpLZk9 514-516 待たせて申し訳なかった (_ _) 523 GJ!!センスいいなぁ。 530 msUmpMmFSs師 GJ!!!ていうか士乃ぉぉぉぉ!!orz 所詮は当て馬だったか。 しかし「彼氏を求めてる風で、実は父親を求めていた女」って構図を見て、 『逆襲のシャア』のクェスを連想したよ。 ならば冬継はシャアかハサウェイか。姉に母性を見出していたら確実にシャアだが。 では残り投下します。 552 名前:いない『かぁる』に、いる『みいな』 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 07 24 34 ID 5fgpLZk9 夜。お店閉店後、店の事務所内。 「いつもすみません!」 ミナは耕治に謝っていた。 「姉は私に対して異様に過保護でして・・・」 「いや、気にはしてないけど。いつものことだし」 目線をそらして、頬を指で掻きながら耕治は答える。 「しかし、あんなお姉ちゃんだと大変だね」 「はい・・・とは言っても、お姉ちゃん、ミナがいないとダメなんです」 「はぁ?」 「家では、食事・洗濯・掃除、ピオンの世話、全部ミナがやってます。お姉ちゃん、何も出来ないんです」 それは姉として以前に人間として失格だなぁ。耕治はふと思った。 「ミナとしては、お姉ちゃんの未来のほうが心配なんです」 「言えてる・・・」 「耕治さん!」 ミナは耕治の胸元にすがり、上目遣いに耕治を見た。 「お姉ちゃんと、付き合ってみませんか?!」 「はぁっ?!」 「今まで、ミナに付き合って欲しいっていってくれた男の人に、お姉ちゃん、それはそれはすごいことしてきたんです。 けど、耕治さんにはあまりきついことしてないみたいなんです」 「はい・・・」 「もしかしたらお姉ちゃん、耕治さんにはちょっと気があるかもしれません!」 「そうかなぁ・・・?」 「今度の休み、ミナの家に来てください!ミナがお姉ちゃんを説得します!」 「ミナちゃんがそういうなら・・・」 「ありがとうございます!」 ミナは耕治から離れ、深々とお辞儀をした。 「今日はもう遅いから帰ろう。お姉ちゃん待ってるんじゃない?」 「はい!」 「俺まだ残業だから」 「はい!耕治さんがんばってください!」 そしてミナは事務所を出て行った。 一人になった事務所内で、耕治は考えた。 (まぁ、店長から『あの件』の調査も頼まれてるし、一度行こうとは思ってたけど) そしてある事実に気がつく。 (・・・まて!俺とミナちゃんが話してる間、あずさはなにしてたんだ?!) (いつもなら途中で必ず乱入して会話に割り込むはずなのに?) 夜道、二人連れの女性の会話。 「・・・お姉ちゃん、これでいいの?」 「いいのよ。あたしだけの、かわいい美衣奈・・・」 553 名前:いない『かぁる』に、いる『みいな』 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 07 28 04 ID 5fgpLZk9 次の休みの日、耕治は禾森邸を訪問した。 ぴんぽーん。 「あら、いらっしゃい」 あずさのほうが出てきた。意外に普通な反応に戸惑いながらも耕治は玄関の中に入る。 「ここがあずさの家かー」 「中はいって」 「ん・・・」 耕治が靴を脱ぎ家に入ろうとした瞬間。 ごん。 後頭部に鈍い衝撃が走った。気を失う寸前、耕治が見たのは、金属バットを手に立つ美衣奈の姿だった。 「ご、ごめんなさい。ごめんなさい、耕治さん・・・」 目が覚めたとき、耕治は全裸でつるされていた。 手首は手枷がはめられ、枷から伸びた鎖は天井へ続いている。 足はひざをつく形になっており、やはり足首には枷が嵌められ動くことが出来ない。 そして目の前では--- ---あずさと美衣奈が痴態を晒していた。 「こ、耕治さん!み、見ないでぇ・・・」 「どぉう?耕治、いい眺めでしょう?」 美衣奈は全裸でベットの上に座らされていた。胸も、アソコも、見たい放題な状態。 あずさは美衣奈に後ろから寄りかかる形でいた。 あずさの左手は美衣奈の胸をもてあそび、右手はアソコをもてあそんでいた。 「お、おまえ、なにやってんだ!」 「い・い・こ・と(はぁと)」 「・・・!」 「美衣奈はあたしのものなの。この体も、心も。全部」 あずさは両手を動かし始める。目をつぶり、感じているらしいしぐさをする美衣奈。 「この膨らみかけの可愛い胸も・・・きれいなお腹も・・・ピンク色のお○んこも・・・ぜんぶあたしのもの」 「お、お姉ちゃ・・・あん♪」 「どぉう?このきれいなルビーみたいなクリトリス」 あずさは人差し指で美衣奈の秘核を包む薄皮をめくりあげる。小ぶりの、きれいな赤い宝珠が姿をあらわす。 「これも、あ・た・し・の・も・の♪」 そしてあずさは美衣奈の宝珠をつまみあげる 「いあっ!」 快感と痛みの混じった感覚に支配され悲鳴をあげる美衣奈。 「あんたなんかにあげるもんなんて、これっぽっちもないの」 「やめろ!いいかげんにしろ!」 554 名前:いない『かぁる』に、いる『みいな』 ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 07 28 44 ID 5fgpLZk9 耕治の声を無視し、あずさは話を続ける。 「あんたには犬なんかがお似合いね。ピオン!」 「ぴおん?」 すると、あずさの後ろからゆっくりと何かが出てきた。 「い、犬・・・?でけぇ・・・」 「うちの飼い犬。ピオンっていうの」 「へぇ・・・」 「ロシア語で石楠花って意味なの」 「あ、あっそう・・・」 「けどピオンはもう一つ意味があってね。ピオン、チンチン!」 ピオンと呼ばれた犬は後ろ足で立ち上がる。片方の前足はあずさの肩に置き体を安定させる。 あずさはピオンのペニスをぎゅっと握り、そしてしごいた。長さ20センチはあるだろうか。 「ロシアにはピオンって名前の戦車があるんだって。その戦車の大砲、世界最大なの。 その名に相応しいおちんちんだと思わない?」 「ま、まさか、おまえ・・・」 「もちろん二人とも味見済みよ。すっごくよかったわ。けどね、ピオンの大好物は別にあってね」 「な、なんだっていうんだよ?」 「男の人の、お・し・り♪」 ぶぅっ! いつの間にかピオンは耕治の後ろに回りこんでいた。 「ちょ、ちょっと、おい、やめろ!尻舐めるな!」 「うふふふふ!い・い・な・が・め♪」 「まさか、店長が言ってた、男の店員がことごとく気が触れてやめていったっていうのは・・・」 「おしり、気持ちいいのにねぇ。なんでだろ」 「お、おまえなー!!!!」 「さあ、ぴおん。たっぷり味わいなさい」 ばうっ 「や゛め゛ろ゛ーーーーー!!」 あんっ♪ 555 名前: ◆dkVeUrgrhA [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 07 32 35 ID 5fgpLZk9 以上です・・・またアナル姦オチかよorzしかも今回獣姦だしwww あと、『ロシア語の発音がおかしい』とか、 『2S7は戦車じゃなくて自走砲だろうが』とかの突っ込みは却下させていただきます。 本人も重々承知ですのでw では今度こそ、次スレ、『おにいたん2』にて会いましょう・・・ ノシ 556 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 07 42 05 ID SKbtSsut 545 えぇぇぇぇぇ、志乃さん死んじゃったよ! 監禁編から読み始めたから愛着あったのに! 続きはみますけど。乙ー 557 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 08 28 58 ID RDkoRDWi お前らウルトラダイナマイトを知らないな 558 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 08 35 19 ID Tld5KEcd 555 コーヒー吹いたw 耕治カワイソスw 559 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 00 44 ID nCaMXbKS SS執筆中にこんにちは。来てない間に容量が440まできたので、テンプレについて少し練りたいとおもいます。。 前スレではさっさか立てすぎてしまったので・・・すいません。 まず、ベースは1でいきたいと思います。文でこの文はいじった方がいいんじゃない?というものがあったらお願いします。 そして、最大の懸案事項が、関連スレ。今のところ修羅場と新ジャンルほのぼの純愛が出てる感じです。 自分としては、どちらも入れないほうがいいかと。無用な争い等は起こる前に避ける、というスタンスなので。 またその他の提案も募集します。よろしくです。すこし速過ぎな気もしますが、投下が一気にくるので、 今の時期に提案しといて、やばくなったら建てる・・・ということです。 545 GJ!というか士乃死んだー!しかもあっさりシャキーンで!マッドハンター好きの自分にはたまらない展開ですが。 555 GJだけど・・・・ウーロン茶返してくださいw耕治・・・残念w 560 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 11 17 ID SKbtSsut 555 レズ、シスコン、しかも>もちろん二人とも味見済みよ。 ・・・アレ経験済み。 ここまで病んだキャラは始めてみたwww 561 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 51 00 ID V+tYs2Uo テンプレは今スレと同じでいいんじゃないかな。 関連スレは 2みたいに誰かが他スレのリンクを貼る、という方法に ノ あと◆IPis68q5PUさん。 『慎』っていうのは名前として認識してもおk? 562 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 51 03 ID r4HEJtLa 投下しますよ 563 名前:『首吊りラプソディア』Take4[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 52 09 ID r4HEJtLa 心に多少の罪悪感を感じながらカオリを誤魔化し、手錠は趣味ではなかったと説明する こと十数分、俺は漸く誤解を解くことが出来た。サキの妨害が無かったら数分で出来たの だけれど、それでも不自然な部分はカバーして貰えたのでおあいこかもしれない。 「いや、違う」 よく考えたら、事の発端はこいつだった。 「何ですか?」 「後で覚えてろ」 同僚、しかも部下へのお仕置きなら余罪にはならない筈だ。その内に絶対後悔をさせて やると決心しつつ、俺は上着に袖を通す。カオリの仕事は三時からだというので、どこか 遊びに行こうという約束だ。しかし、未成年は保護手当てを貰えるし、それで生活をする ことも可能な筈なのに働いているなんて随分と真面目なものだ。裟場に出たときの心配が 一つ減って、何だか嬉しくなってくる。 「虎吉ちゃんは働かないの?」 どうしようか。公務員は基本的には副業は禁止されているが、今の俺の立場は罪人だし 表向きはクビになっている。確かに給料は入ってくるものの、働いている様子が無ければ 金があるのが不自然だし、無職扱いをされるのも非常に困る。カオリにだけは情けない姿 を見られたくない、いつだって頼れるお兄さんでいたいと思う。 「カオリは何をやってるんだ?」 「プロムラミング学の講師だよ」 「じゃあ俺もそれで良いや」 564 名前:『首吊りラプソディア』Take4[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 53 00 ID r4HEJtLa そこでの手当てや労働時間について話ながら歩いていると絶叫が聞こえてきた、しかも 聞き覚えのある声でだ。何事かと目を向けると、髪をポニーテールにした女性がのけぞり 悶えている。お陰で豊かな胸が強調される状態になり、視覚的に楽しめた。 だが彼女の場合、そこから先がヤバいのを俺は知っている。 「これ以上言うならば、斬る!!」 そう言って腰から刀を引き抜くと、何やら不味いことを言ったらしい占い師に切っ先を 突き付けた。どうやら悪い癖は全く治っていないらしい、寧ろあのヤバい目付きは悪化を しているような気がする。このままだと不味いと思い、俺は勢い良く彼女の髪を引いた。 「な、何するでござるか!?」 「その辺にしとけよ、フジノ。また給料減らされるぞ」 「おぉ、虎吉殿。久し振りでござるな!!」 一瞬涙を浮かべたが、フジノはすぐに笑みを見せた。そして刀を鞘に納めると、気さく に肩を叩いてくる。妙な言葉遣いが珍しいのか、それともフジノの格好がおかしいのか。 恐らく両方か、サキとカオリは不思議そうな目をしてフジノを眺めていた。無理もない、 俺だって最初に見たときは現代にこんな人間が存在したのかと思ったのだ。 奉梨・フジノの格好は、簡単に言えば浪人だ。簡素な木綿の着流しの上に厚手の上着を 着て、腰には左右三本ずつ刀を差している。以前見たときには五本だったから、つまりは 刀集めをきちんと終わらせることが出来たのだろう。それに加え、何故か今回は右目周辺 にバンダナを巻いている。それすらも、フジノの雰囲気の前では自然に見えた。 565 名前:『首吊りラプソディア』Take4[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 54 36 ID r4HEJtLa 「おめでとう」 「うむ、かたじけない」 これだけで通じるのが俺とフジノの仲だ。 「知り合いですか、先輩」 「あ、お前らは知らなかったか。紹介する、こいつはフジノ。第37監獄都市管理局探査部 所属の剣士で、俺の同期だ。腰の刀を集めていたんだが、今回で終了だな」 「うむ」 柄を撫でながら、軽く頷く。 「こっちは後輩のサキと、幼馴染みのカオリ」 フジノが刀の探査を開始したのとカオリがここに入った時期は丁度入れ違いだったが、 たまに話していたので覚えているらしい。フジノは目を細めるとカオリを見て何度か頷き、 続いて俺を見た。俺と年は変わらない癖に、こいつはこんな仕草がやけに様になる。 「虎吉殿が言ってた通り、可愛い娘でござるな」 「や、やだもう虎吉ちゃんたら」 カオリはいきなり指輪を起動させようとするが、 「あれ?」 それは上手くいかなかった。 理由は単純なもので、フジノがカオリよりも先に刀を起動させていたからだ。フジノが 持つ六悪刀の内の一本目である『邪』、俺と仲良くなるきっかけになったものだ。六悪刀 はそれぞれ個性を持っているが、個人的にはこれが一番やっかいだと思っている。他の刀 は攻撃に特化しているが、これはその真逆を行っているのだ。効果は至ってシンプルで、 これの周囲にある確率システムを全て強制的に止めるというもの。だからカオリの制御が どれ程に強力で早いものだったとしても、それ以前に刀を起動させれば無意味になる。 566 名前:『首吊りラプソディア』Take4[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 55 59 ID r4HEJtLa フジノは刀を鞘に納めると、苦笑を浮かべた。 「これも、虎吉殿に聞いていた通りでござるな」 「まぁな。それよりも、そのバンダナはどうした? 接近戦なら距離感大事だろ」 「いや、こいつを回収するときにやられたのでござるよ」 フジノは笑ってバンダナを外すが、そこには酷い火傷の跡があった。バンダナで隠れて いた部分、顔の右半分の殆んどが焼け燗れている。気楽に笑う表情とは対照的なその姿に、 訊かなければ良かったと少し後悔した。こいつは女だし、しかも美人だ。バンダナで傷を 隠していたということは、やはり見られたくなかったからだと思う。 「気にすることはない、これは拙者の不手際。『炎』が手に入ったのだから、この傷跡は 寧ろ名誉の負傷でござるよ。だから、笑ってほしいでござる」 肩を叩かれて、思わず苦笑を浮かべる。 こいつは強い、どんなに体が傷付いても笑っていられるというのは凄いと思う。それを 誇りに思って前に進むなんて芸当は、普通の人間には出来やしない。格好がどうとかでは なく、心が、魂が侍をしていると思う。 「格好良いですね、名誉の負傷ですか」 カオリに輝いた目で見られ、照れ臭そうにフジノは笑う。サキもやはり無表情ながら、 その中には尊敬の念が見えた。俺も何本か刀を集めるのに協力したし、三本目である『聖』 を取ってきたのは俺なのに、フジノとの差はどこにあるのだろうか。 567 名前:『首吊りラプソディア』Take4[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 57 04 ID r4HEJtLa 「虎吉殿、気を落と……何でござるかコレは!?」 「何が?」 フジノが凝視しているのは俺の首元、SSランク罪人の証である二つの黒い首輪だ。極秘 の調査なので他の部署には伝えておらず、それが例え仲の良いフジノであろうとも例外に 当てはまらない。カオリが居なければ少し誤解を解きたいところだが、何とももどかしい。 フジノは一旦肩を落とすと、しかしすぐに刀を抜いて俺を見つめてきた。未練を減らす 為なのか俺に向けられた刃は二本目である『舞』、第四惑星華西地区の軍技術を取り入れ 作られた刀で、本人の中に無理矢理狂った人格を作って暴走させるという極悪なものだ。 「待て、これには深い訳があってだな」 「虎吉殿が罪人になるなんて。いっそ、こうなったらいっそのこと拙者の手で!!」 何がだよ!! 降り降ろされた刀を白刃取りして、必死に堪える。こいつの技術は恐ろしい、その気に なればビルもサイコロステーキのようにしてしまうのだ。例え首輪が邪魔をしたしとても、 それごと簡単に真っ二つにしてしまうだろう。 「落ち着け、落ち着いて刀を離せ!! 二人も見てないで助けてくれ!!」 不味い、顔まで後10cmもない。 直後。 脇腹に衝撃が来て、吹き飛ばされる。激痛に滲んだ視界の端に映ったのは、指輪を構え ているカオリとサキの姿だ。どうやら二人とも衝撃波を出したらしいが、どうせだったら 刀かフジノを吹き飛ばしてほしかった。 「虎吉殿おぉォ―――ッ!?」 フジノの声が、辺りに響く。 568 名前:ロボ ◆JypZpjo0ig [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 12 59 53 ID r4HEJtLa 今回はこれで終わりです 幼女売春婦とかメイドロボとか美女カマ野郎が居る世界なのに、 それでも何だかゴザル剣士が浮いてますね? 不思議です 569 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 13 23 20 ID 6KawXrYg ,. ´ ヽ , ミ、 __,,....... _,. l, i 、゙` 、.ヾ ,` ` " ´ ´- -_ン ! l 、、_>` `ー-;...、 | | ,r` ,r ヽ、 / ,)、゙i | . | ,!,.┘ゝ- 、_ ヽ、l i ,. -‐ ",..ヽ、l | ! ィ-‐ "`ー;;=、ヽ、 ;i{、_; ;-;= ;‐´、,,_`ヾ, i なんなんだ ! | =、 ゙´( ),` `` ゙ ` 、ーゞイ-、=" | ,!.イ, ヽ | ` " ー ´ i . ` . |/rミヽ i´ i,i | . i 、} | このつまらない作品は!! !´ .,i l ! 〉 ;! リ . l ( l, ! i ; .ノ ヽヾ ;| _...__,,,,,_ |‐ ン ヽ、_l ,r ニ -;ヽ . / ´ ト、 ` ""´ ̄ ̄´ .. ;イ) ヽl\  ̄ ̄` . /; |-.、 ,r `‐、ヽ .. /.- ´ ,ノ ヽ;、, `ヽ、................ ;/.‐´,. ‐ "/ | `ヽ、 ヽ, ´/,/ ! | \ ヽ / / | ,| `, i;/ ./ |ー-、_ -‐  ̄ ´.| | | / ,.ゝ ヽ.`ー- 570 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/02/24(土) 13 25 26 ID 6KawXrYg ,. ´ ヽ , ミ、 __,,....... _,. l, i 、゙` 、.ヾ ,` ` " ´ ´- -_ン ! l 、、_>` `ー-;...、 | | ,r` ,r ヽ、 / ,)、゙i | . | ,!,.┘ゝ- 、_ ヽ、l i ,. -‐ ",..ヽ、l | ! ィ-‐ "`ー;;=、ヽ、 ;i{、_; ;-;= ;‐´、,,_`ヾ, i くっ・・・ ! | =、 ゙´( ),` `` ゙ ` 、ーゞイ-、=" | ,!.イ, 責任者を呼んで来い ヽ | ` " ー ´ i . ` . |/rミヽ i´ i,i | . i 、} | 日本語がおかしい物を追放処分にするのだ!! !´ .,i l ! 〉 ;! リ . l ( l, ! i ; .ノ ヽヾ ;| _...__,,,,,_ |‐ ン ヽ、_l ,r ニ -;ヽ . / ´ ト、 ` ""´ ̄ ̄´ .. ;イ) ヽl\  ̄ ̄` . /; |-.、 ,r `‐、ヽ .. /.- ´ ,ノ ヽ;、, `ヽ、................ ;/.‐´,. ‐ "/ | `ヽ、 ヽ, ´/,/ ! | \ ヽ / / | ,| `, i;/ ./ |ー-、_ -‐  ̄ ´.| | | / ,.ゝ ヽ.`ー- 571 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 13 25 50 ID +hXh19VI おいおいこっちにも来たのかwwwwww 572 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 13 27 37 ID kXFEXG8c 571 こっちは荒らして欲しくないんで、スルーお願いします。 573 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 13 29 28 ID 6KawXrYg // / /, , / ``ー-,‐ // / / / /__/ < ∠-/ / / / / 、-‐= ̄__ ノ | | ヽ /| / / / /| | 了 ̄ // /} 人 | 、 \| //| //| /|/ {| / | / / ///| |\{ `丶、\ l| | | { |/冫==| /___|/-/ノ≠ニ弌 ` |_ l`ーヽ ヽ{| || |{ 仁ヽ| /  ̄`__..-=≠ヽ. | / | / こんなつまらない作品なんて `ヽ\ ,└┴lヾ ´_{‐- } ミ | ノ } l / `、| /  ̄`¨ ̄ / / / / `、ヽ. /-‐ ´∠´ / さっさと追放すればいいのに ヽ `_ ノ / /レ \ `二‐ 、 , /ノ} \ _ - ィ戈 彳 ___ -‐== ̄r≧≦二_-─=彡冖 ト、 / / | | | ̄∧ l ヽ . / / V | |.,-ヘ/‐、 / `丶 / / / V | /⌒)乢⌒ / \ | / { { V | | {山} ´ \ | | // ‐- -//-‐´)( \ ヽ | |\ // l l 于 . | | || \ // // 574 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/02/24(土) 13 31 45 ID 6KawXrYg / ̄ // // / ... ヽl \ `ト-、_ .,イ //// / ./ / |/ _ l, ` l / / / // // / / ;;;;;;;; / /  ̄ l | | / / // ./ ./ l/ ̄  ̄⌒ =ニ、;二ミ l 人 λ l / / // | !、  ̄,) l;\ |./ l / |/ / /ll; | l, イ T 7 / l | //./ / l | |l | l,ヽ、_|ヽ|ヽ∨ | ____ } 人// ,,イ \ | .l,_从 t,. _ニ,=.r=、l, ーイ弐r=t、 イイソ ´イ イ l T ..`ヽ;\ ヘ《イヒ= c个` ´个= c l 》. ノ/ _ / l _ ...__ソ 丶.ヽ.ゝ== ゝ==メ /ノ /{ ロボさん T、 _/l.イ ; / T7  ̄| |l | || Tハ l;l |\ ! , /. ;f.| | l, ,l | /l | l;ゝ 丶、 (  ̄ ) ,.イ // | l l,l こんなつまらない作品を書いて恥ずかしくないんですか!!, /./イ人 | .l;;; - ´ |ミ丶、 ニ ,.イ /l \l { =-Y=、|l, l ,//ゝ,-ー┤ | 丶\` - ´ ヒ/ | |`ー-Yン{;l,.\ あなたのせいで荒れているんですよ!! _,.イ /__) . | | \`_,. / イ.| ソーイヽ、ヽ、 / Y(; l l | | _ノ (_ { ⌒ヽ、 イ | ヽ .. /./ - 、__ _| |- ) l ちゃんとした責任を取るべきです!! /| l, .,) // `` -、 ,. -ー ´ .l .l, ,イ | .| //| l, 丶// ` ´ l, l, ,つ l |\ // | l, // \\ / l l. \ 575 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 13 57 55 ID V+tYs2Uo 568 とりあえず置いていきますね。 つ GJ 576 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 14 02 49 ID 7zCNgWbd ちょ、GJが追いつかないw 559 本当に消費が早く、もう次ですね 関連は 561でいいかと思います あと、sage進行と荒しや趣味嗜好に合わないものはスルーをテンプレに加えて欲しいです 577 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 14 04 43 ID RROAaWwv 仕返しヨクナイ! ニホンの2ちゃんねらー、皆仲良くするヨロシ!! ……すいません。 578 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 14 27 43 ID eDpJ9zs+ 今日も作品が投下されていた 神々に感謝を(-人-) 555味噌ラーメン吹いたwヒドスw 568ロボ氏GJ! それにしても癖のあるキャラがまた一人w でも全員魅力的ですよ! 559基本的には 576さんに同意です。関連スレは入れなくてもいいかなあ、とは思いますが。 興味のある人はまとめサイトのリンクから自分で見つけるんじゃないかな 579 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 14 35 50 ID e/l4aHL7 置いときますね http //imepita.jp/20070224/524430 580 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 14 40 59 ID eDpJ9zs+ 579 これはGJ! 581 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 17 06 58 ID nCaMXbKS 561 名前ですね。認識してもかまいません。誰かが貼るというのがいいかもしれませんね。 関連スレは入れないという方向で。 576 sage進行は入れたいと思います。荒らしスル-、趣味嗜好スルーですね。そういえばないですね。入れたいと思います。 ではちと作ってみます。 582 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 17 19 47 ID nCaMXbKS テンプレ案 このスレッドはヤンデレの小説を書くスレッドです。 ・プロット投下やニュースなどのヤンデレ系のネタ大歓迎。 ・ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ・作者のみなさんはできるだけ作品を完結させるようにしてください。 ヤンデレとは ・主人公が好きだが(デレ)その過程で心を病んでしまう(ヤン)状態の事をさします。 (別名:黒化、黒姫化など) ・ヒロインはライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつ確実に病んでいく。 ・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することがある。 ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 http //yandere.web.fc2.com/ 前スレ ヤンデレの小説を書こう!Part3 http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171290223/ 約束事 ・sage進行でお願いします。 ・荒らしはスルーしましょう。削除対象ですが、反応すると削除人「荒らしにかまってると」判断され、 削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばしてください。また作者さんも苦手な人がいるかも、 というジャンルの場合は先に宣言してください。お願いします。 583 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 19 10 46 ID 7zCNgWbd テンプレはこれでOKだと思います 584 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 21 15 07 ID +HDNKhXk ちょっと見栄えを意識していじくった程度ですが、修正案。 ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。 ○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど) ○ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ■ヤンデレとは? ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。 →(別名:黒化、黒姫化など) ・ヒロインは、ライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつだが確実に病んでいく。 ・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することもある。 ■関連サイト ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 http //yandere.web.fc2.com/ ■前スレ ヤンデレの小説を書こう!Part3 http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171290223/ ■お約束 ・sage進行でお願いします。 ・荒らしはスルーしましょう。 削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、 削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。 ■投稿のお約束 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため) ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。 585 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 22 16 13 ID pko/Jgrd >568 GJ!! 首吊りラプソディアは一番心待ちにしていた作品なので、読めて嬉しいです。 586 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/24(土) 23 46 56 ID s3ZH7OkJ ヤンデレスレは! 587 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00 00 49 ID y9F5nFc4 エロエロよー! 588 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00 35 56 ID w+yJYVOK いきなりだけどムックのイタイ手紙って典型的なヤンデレだよね 行なってるのは男の方っぽいけど やっぱり女がやるからこそ映えるもんだね 589 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00 47 37 ID S4t41Ekl 584 の案がなかなかいいみたいなので、それで建ててきます。ちょっとお待ちを。 588 ググッてみた。・・・・これは確かにヤンデレ・・・でも男がやるとどうしてもストーカーチックになっちゃうという感じがしますね。 女のヤンデレのほうが、確かに映えます。というか女のヤンデレと男のヤンデレは違う気がするのは自分だけでしょうか? 行動や思考などが違うというか。 590 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00 53 31 ID rHhuUN8y 男であろうと女であろうと、ヤンデレってのは病んでない時の魅力が大事だと思うんだよね。 病んでる時がより引き立つか引き立たないかは、病んでない時にかかってる。 病んでない時に魅力が無いキャラが病んだところで、急に魅力が現れるとも思えないし。 591 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00 54 02 ID S4t41Ekl ヤンデレの小説を書こう!Part4 http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1172332198/ 建てました。テンプレに関しては、一応これで固定で。何か問題があれば、そのつど議論しましょう。 一応長編が投下されてもこれで大丈夫かな・・・いえ自分はまだ投下できないので・・・すいません。 埋めネタ考えてきます。今回はこれで。いつもながら職人の方々、お疲れです。 592 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00 55 29 ID AMJCUY6P 591 お疲れ様です! 593 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 00 56 39 ID 1GScpdDl ◆dkVeUrgrhA 氏 556 一月二十七日の分岐でBを選んでたら士乃or佐奈ルートに突入してました その場合話が大幅に変化する予定 伊南屋 ◆WsILX6i4pM 氏 GJ! 591 新スレ乙です。ちょっと埋め小ネタ投下します 594 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 12 34 ID 1GScpdDl すみません明日になりそうですorz 595 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 34 28 ID MlyMp9a6 528 今更ですがGJ!早速壁紙にさせて頂きました。 555 ◆dkVeUrgrhA氏、GJです! 会っても会わなくても不幸過ぎる耕治ww 568 ロボ氏GJ! 個性的なキャラが本当に多いですw 579 里村姉が可愛過ぎる件について…伊南屋氏GJ! 594 ◆msUmpMmFSs氏、楽しみにしています。 それにしても十七話は怒涛の展開でした。 という事で、 517への謝罪の意味を込めて予定より早く続き投下します。 上書き本ルートの7話です。 596 名前:上書き第7話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 35 26 ID MlyMp9a6 「誠人くんっ、早くしないと遅刻しちゃうよ?」 「いや、このままのペースで行けばいつもより20分は早く着いちまうぞ」 「え?誠人くんの時計壊れてるんじゃないの?」 「この腕に付いてる物が見えないのか?」 そう言って加奈に腕時計の付いた左腕を見せつける。 銀盤に曇り空から僅かに射す日光が反射し、いい具合に俺の目線を遮る。 長針と短針が微妙なバランスで共存し示してくる時間は、いつもの登校時間より遥かに早いものだ。 その腕時計を明らさまに興味なさげに流し見し、すぐにまた前を向く加奈。 しかし、こんな姿は”今朝は”何度も見ているので今更特別視しない。 特別視しないというのは”諦めた”という事ではなく、”認めるのが怖い”という事だ。 ”今日の”加奈はおかしいという事を。 加奈の異変は早朝のインターホンから始まった。 丁度俺が靴を履き終わりドアを開けようしたところでインターホンが鳴り、そのまま開けてみるとそこには加奈がいた。 いつもはやっと起き始める時間だというのに妙だとは思いつつ、今日は偉いなと感心し頭を撫でてやると加奈が顔を上げた…その顔を見て驚いた。 「どうしたの?」 はっきりとした口調で言った、一点の曇りもなく真っ直ぐ言った…顔に不釣り合いな位に。 「加奈!どうしたんだよその顔!?」 「へへ…ちょっと徹夜しちゃって…」 笑う加奈、その目の下には薄黒く隈が染み込んでいた。 色は大して濃くないがかなり広がっていた、塗り付けられた洗顔クリームのように。 陰気な感じを釀し出すその化け化粧といつもの明るい笑顔が融合を拒み、互いに居場所を主張するようにコントラストが目立っていた。 正直かなり不気味に思った。 顔のやつれ具合も不安だが、それ以上に不審に思ったのは加奈のさっきの言葉だ。 明らかにおかしい、だって、加奈が”徹夜”なんかする訳がないのだ。 合宿先でだって皆が馬鹿騒ぎしている中一人おとなしく寝ている加奈が、何も勉強していなくても試験勉強で徹夜する事のない加奈が、徹夜するなんて信じられない。 でも、実際眠れていない跡は色濃く刻まれている…何故だ? 確かに昨日は加奈と”あんな事”をしたから俺も中々寝つけなかったが、一晩中なんて信じ難い。 加奈が徹夜する程の理由って、何だ…? 昨日散々使い回した頭を朝からフル回転させて立ち尽くしていた俺をよそに、加奈は俺の腕に両手を巻き付け、急かすように歩き始めた。 「早く学校に行こ!」 「あ、あぁ…」 そんな加奈を見て、更に疑念が増す。 普段は学校なんて行きたくないって愚痴を溢すような奴なのに。 しかも俺がいつも昼飯を買う為に寄っているコンビニをも素通りしようとしてきた。 先に行けと言ったが”一緒に行きたい”と子供みたいに駄々をこねるし、何とか説得して店に入っても視線が気になってまともに選べなかった。 通学路でいつものように話ても軽く上の空だ。 そんなやり取りとはとても言えない状態が今も続いている。 加奈が言う事といえば学校に関する事ばかりだ。 しかも早く行きたいなどの催促しかしてこない。 一体昨日加奈に何があったのか…聞いてみたい気もするのだが、今の加奈の笑顔が崩れそうな嫌な予感がして思い止まってしまう。 「もう少しだから…」 頭の中が考え事で埋まっている俺に、突然加奈が口ずさんだ。 何かを言いかけたような気もしたが、また学校の事だろうと思ってたかをくくる。 「わかったよ」 返事はなかった。 597 名前:上書き第7話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 36 04 ID MlyMp9a6 結局学校へはいつもより30分は早く着いた。 つまらない話題で淀んだ俺たちの空気とは裏腹に相変わらず賑やかな感じだ。 この一見煩わしい雰囲気が俺は好きだ。 青春を思う存分楽しんでいる事を認識出来るからだ。 将来大人になってしまったら様々な事に追われてこんな風に騒ぐ機会なんてほとんどなくなってしまう。 勉強も含めて、”今しか”出来ない事は沢山ある、大抵の人間はそれに気付かないだけだ。 後で知って後悔したって後の祭り、俺はそんな人生絶対にご免だ。 勿論加奈にもそんな道を歩ませる気は毛頭ない、だからプライベートな話題は学校内ではなるべく避け、この一時を噛み締めて欲しい。 後ろからいつも学校の風景を見ると思ってしまう事を加奈の背中に訴えかけながら、そんな俺の願いを無視するように加奈は足早に校門を抜けていった。 途中ピカソ並に個性的な字体をした校名を書道した木片を日課のように流し見しながら。 そして俺も校門を通りすぐ先に広がる校庭を見たのだが、ここで妙な事に気付いた。 さっき聞こえてきた―勿論今も聞こえている―うるさい声が嘘のように、校庭には誰もいないのだ。 風が時々寂しそうに砂埃を舞い散らせるだけだ。 校庭に人がいないという事は全員校舎内にいるという事か、しかし今日は曇っているとはいえ雨も降ってないから校庭は使える。 いくら俺たちがいつもより早く来過ぎたにしても人っ子一人確認出来ないこの状況は明らかにおかしい。 加奈の事にしても今日はおかしい事が起こり過ぎだなと思いながら俺は頭を掻いた。 「とりあえず校舎に入ろうか…?」 いつもならこんなアホみたいな確認取る必要ないのに、ただならぬ雰囲気に包まれた今俺の警戒心はかなり高まっている。 客観視したらきっと大袈裟だろと笑うのかもしれないが、今の俺は本当にジメジメとした不安が頭にこべりつき離れてくれない。 そんな俺の心中を察してくれたのか、 「うん!早く入ろ!」 明るく答えてくれる加奈。 今日は今まで終始この態度だったからこんな返事も当たり前なのだが、それでも今の俺にとってはかなり救いとなった。 一瞬笑顔が溢れそうになった途端、突然校舎内から生徒らしい人物が出てきた。 かなり慌ただしそうな様子だが、人の存在を確認した事で俺のわだかまりは一気に消えていった。 安心して胸を撫で下ろしていると、その生徒が俺たちに気付いたからか、走って近付いてきた。 「沢崎に城井ッ!”やっと”登校してきたのか!」 接近してきて徐々に顔は読め声で確信した、こいつは同じクラスメイトの小松楢木だ。 席が近かった事で一年の頃から一番話す親友だ。 さっきの叫びに対して若干のツッコミを入れとく。 「馬鹿野郎、早過ぎて暇を持て余しちまうだろ。俺は運動部のお前と違って朝練はないの」 「そんな事はどうでもいいから!」 「そんな事ってお前なぁ…」 俺が呆れた感じでいると、小松が俺の肩を突然掴んできた。 俺より背は高いので見下ろされる形になる。 「お前まだ知らないのか!?」 鬼気迫る表情を見て、ようやく何か深刻な事態に直面しているんだという事に気付く。 もう最初感じた不安を忘れてしまったのかと頭の中で自らを叱咤しながら問う。 「何かあったのか?」 「やっぱりまだ知らないのか…!」 そう言うと小松は夏指定の若干茶味がかった制服の胸ポケットを探り一枚の折り畳まれた赤い紙を取り出した。 それを乱暴に開くと、文面のある側を無言で突き付けてきた。 「…は?」 本当にそういう声が漏れてしまった。 一度その文を眺めただけではその意味を理解出来ない。 目で一文字一文字を凝視しながら慎重に意味を読み取ろうとするが、やはり分からない。 自分が見ているこの現実を疑いたくなった、もしかして「現実は夢、夜の夢こそ真実」って奴なんじゃないかとさえ思った。 「何なんだよ…これ…」 もう一度だけ読み返し、表面上の意味だけは理解した。 「”別れろ”…だと?」 正確には、ドラマなんかの脅迫文めいた歪な字体で打ち込まれており、こう書かれていた。 『二年B組・沢崎誠人と二年C組・城井加奈、今すぐ別れろ』 598 名前:上書き第7話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 37 06 ID MlyMp9a6 「これが今朝貼られてあって…」 小松の言葉に答えられない。 代わりに俺が質問を投げ掛ける、今の俺の不安の根底にある素朴な疑問を。 「何でお前が”その紙”を持っているんだよ…?」 「そ、それは…」 言い渋る小松を素通りし、俺は夢中で校舎へ向け鞄を投げ出し走り出した。 小松が何か言ってきたがそれは俺を止める事は出来ない。 今すぐ確認したい事があったからだ。 冷静に考えればこれも”おかしい”事だ。 少なくとも小松の慌て様と学校内のざわめきはあの紙によるものだろう。 しかし、その紙が”一枚だけ”なら皆が校舎内にいるというこんな異変が起こる訳がない。 小松が一人あの紙を俺と加奈に見せれば済む話だ。 しかし、これ程の異変が起こっているなら小松の他にもあの紙の事を知っている人がいるはずだ、それこそ生徒の間に止まらず教師にも伝わっているはずだ。 教師にまで伝わるなら、誰がやったのか調べる為にその紙の掲示を求められるはずだ。 なのに小松は当たり前のようにあの紙を持っている。 その理由は”一つしか”ない。 息を荒げ校舎内に入った俺、そして… 「ハハ…」 笑ってしまった。 笑うしかなかった。 あまりにも想像通り過ぎる光景を前にして、それ以外の反応の仕方を俺は知らなかった。 校舎内で忙しく動き回っている生徒たちが呆然とした俺を見つめている気がしたが、目に入る光景に全ての思考が奪われる。 「何だこりゃ…」 やっと絞り出せたのはこんな言葉でしかなかった。 ”一つしか”ない理由…それは簡単、先生も生徒も持てる程”沢山”あるからだ。 俺の視界に広がる赤い世界…廊下一面に貼られている無数の”あの紙”という光景にただ気押されながら立ち尽くしていた。。 「沢崎!これは何なんだよ!?」 一人の生徒の叫びが廊下に響いた瞬間、土石流のように生徒の集団が俺の下へと集まってきた。 芸能人の記者会のように取り囲まれる、人口密度が急に上がり一気に体温が上がった気がした。 皆の物珍しいものを見つめるような視線が痛い。 「これ誰がやったんだよ」「お前ら付き合ってたの」、大体この二つを中心に皆が口を揃える事なく質問攻めを始めてきた。 生徒の波に押し潰されそうな中、初めてスキャンダルを収められた芸能人の気持ちを理解した。 俺が答えようとしても皆の質問でかき消されてしまう、こんなんでは一生この状況はいい方向に進まない。 頭を抱えたくなった瞬間、生徒の半分近くが俺から離れた。 僅かな解放感に浸りつつ振り向くとその理由が分かった。 「城井さん!沢崎と付き合ってたの!?」 「えへへ、まぁ…」 加奈がいたのだ。 きっと俺が勝手に走って行ったから追い掛けてきたのだろうと思いつつ視線を向けていると、さっきまでの俺のように取り囲まれ不自由そうな加奈が小さな体で人の隙間をくぐりながら笑顔で近付いてきた。 「誠人くん、忘れ物だよ」 「あ、ありがとう加奈…」 差し出された俺の鞄を受け取ると満面の笑みで応えてきた、今のひきつっている表情の俺と違って…笑み? 一瞬疑問に思いすぐにそれは”最悪な想像”へと変わっていった。 何で加奈はこの状況で笑っていられるんだ? 明らかな非現実的なこの空間で、何でそんなに心から笑っていられるんだ…? 俺でさえあまりの非常事態に戸惑っているというのに、加奈は何でこんなにも”当たり前”のようにしていられるんだ…? 「加奈、ちょっと来い!」 「え!?」 俺は名残惜しそうにしている加奈の手を強引に掴み取り、人混みをかき分け校舎から脱出していった。 途中様々な質問を何回もされたが、全て「後で」で済ませ、俺は”あの場所”を目指した。 599 名前:上書き第7話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 38 12 ID MlyMp9a6 「何?誠人くん?」 クスクス笑う、余裕そうに笑う加奈。 場所が場所なだけに島村の事を思い出さずにはいられなかった。 ここは体育館裏、昨日男として屈辱的な事をされた場所だ。 今更その事を思い出して苦笑しそうになった。 誰も来ない為さっきまでのざわめきが嘘のように静かだ、冗談じゃなく葉が落ちる音まで聞こえてきそうだ。 あの場所で昨日俺を見下すように笑った島村と今の楽しそうな笑いが重なる。 しかし今はそんな事はどうでもいい。 今は聞くべき事がある、朝加奈の笑顔が壊れるのを恐れ聞けなかった事…”昨日何をしていたか”という事をだ。 これを聞いて加奈の笑みが消えたらどんな事をしてでも謝る、寧ろそうなって欲しかった。 この質問にもし平然と答えてきたら…と考えると寒気がした。 頭の中で必死に祈る…自分の思い過ごしだという事を。 加奈の異変と学校での異常…この二つを繋ぐ一本の線をバッサリ切って欲しかった。 「加奈…」 「何?真剣そうな顔してるね」 ニヤニヤ笑う、しかし決して腹は立たない、寧ろ清々しい。 こんな悪戯好きな子供のように純粋な表情の加奈が”そんな事”する訳がない…揺らぐ予想を確信に変える為、俺は勇気を出した。 そして……… 「昨日徹夜で何をしていたんだ?」 「もう人が悪いなぁ誠人くんは!もう”分かってる”んでしょ、あはっ!」 聞いた事を死ぬ程後悔した。 ”純粋に”笑っているからこそ、加奈にかつてない程の恐怖を感じた。 「あの紙パソコンで作るの結構大変だったんだよ?自分で書いたら筆跡でバレちゃうから駄目だしね」 加奈が言っている事の意味を理解したくない…それでも残酷に俺の頭には繰り返しフラッシュバックのように事実を示す文字が浮かぶ。 信じたくない…信じられない…。 あの加奈が、”脅迫文めいた紙を作り、それを校舎中に貼った”という事実が。 だが、その事実を裏付けるように加奈はひたすら静かに笑っている。 事実は認めなければ先に進めない…観念した俺は、根本的な質問をする。 かなり慎重にだ。 「何であんな事をしたんだよ?」 それを聞くと加奈はキョトンとした。 大きな瞳が視線の行き場を失っている、俺の質問を予想だにしていない様子だ。 あたかも”何でそんな事が分からないの?”と言いたげな、そんな感じだ。 「決まってるよ、あたしたちの仲を知らせる為だよ?」 当たり前のように当たり前の事を言った。 しかし、”当たり前”というのは結果としてそうなっただけだ。 あんな文面の紙を大量に貼れば嫌でも皆俺たちが付き合っているんだと気付く。 そこじゃない、俺が聞きたいのはその更に奥、何で俺たちの仲を示さなければならないのかという事だ。 もう一度同じ質問をしようして、加奈に先手を取られる。 「だって、島村さんみたいな人が”あんな事”したのはあたしと誠人くんが付き合っている事を知らないからでしょ?」 「そ…」 「絶対そうだよ!」 ”そうなのか”と尋ねようとするのをまた加奈に遮られる。 俺の言おうとしていた事を先読みしたかのようなタイミングに驚いた。 いや、俺の意思は加奈に読まれているんだ…本気でそう思った。 「だから皆に手っ取り早く知らせたかったんだけど、誠人くんに”学校をやめる事になるような事はするな”って言われてるからストレートに伝えるのはマズイじゃない?」 加奈がやれやれといった感じで右手を大袈裟に額に当てた。 「だから”ああいう風”に書いたんだよ?ああすればあたしたち以外の誰かがあたしたちの仲を妬んでやったように見えるでしょ?」 「なるほど…」 思わず声を漏らしてしまう。 加奈がまさかここまで考えて行動するなんて予想だにしなかった。 普段はとぼけた態度のくせに、裏で何をやっているのかと思ってしまった。 感嘆してしまった俺の反応に心から喜んでいる加奈。 その笑顔に少しだけ言った事を良かったと思う自分が恨めしい。 「きっと皆あたしたちの仲を知ったら邪魔してこないよ。島村さんだってやめてくれると思う…でも…」 「ん?」 600 名前:上書き第7話 ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 39 10 ID MlyMp9a6 そこまで言って加奈はうつ向く。 それだけの事なのに、俺は嵐の前の静けさのようなものを感じた。 「もし…」 加奈が何を言い出すのか、聞くのが怖い。 聞いてしまったら後戻りがきかなくなるんじゃないかと根拠のない不安に駆られる。 体中から汗が溢れる、制服は軽くビチョビチョだ。 「もし、それでも誠人くんを苦しめようとする人がいたら、絶対に”守ってあげる”から…!」 ”守ってあげる”、この言葉の意味を加奈は果たしてどう捉えているのか? 間違った解釈をしてはいないだろうか? 臆病風に吹かれた今の俺には聞けない。 「島村さんは大切な事を教えてくれたんだ!」 突然空元気のように明るくなる加奈。 冷静な口ぶりからいつもの加奈に戻ったような気がしたが、安心は出来ない。 「あたし今まで誠人くんの事”上書き”する事考えていた…」 ”上書き”、その言葉に昨日の背徳的な行為が思い起こされる。 「でも違ったんだよ、簡単だったんだよ。”上書き”する以前の問題…誠人くんを傷付けさせなければ全て良かったんだ」 そう言いながら俺の下に歩み寄ってくる加奈。 そのただならぬ雰囲気に思わず一歩後退りするが、そんな事は気にしない様子だ。 「そうすれば誠人くんが”傷付く”事はない…」 やがて俺たちの距離差は縮まり、胸と胸がくっつきそうなまでになった。 加奈の小さな胸がこんなに近くに…いつもならドキドキすべき場面だが、今は別の意味でドキドキしている。 見上げてくる加奈は可愛い…どこまでも純粋に笑う加奈は可愛い…なのに、どうして俺はこの状況を楽しめないんだ? 自己嫌悪に陥る俺をよそに、加奈が背伸びし俺の耳元に囁いた。 「もう誠人くんを傷付ける”要因”を近付けたりはしないから、安心してね?」 加奈の言葉が俺の背筋を擽る。 加奈の吐息が俺の耳を真っ赤に色付ける。 赤ん坊をあやす母親のように加奈は優しく微笑んできた、その笑顔に不安を覚えている俺はどこまで不謹慎なんだ…。 「それじゃ、”また後でね”?」 そう言い残し、俺に背を向けた加奈に罪悪感を感じながら、俺は結局何も言えなかった…。 601 名前: ◆kNPkZ2h.ro [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 40 33 ID MlyMp9a6 投下終了です。 それにしてもこのスレも短命でしたね。 602 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 01 49 10 ID 47XAVE3V 601 怖っ、加奈怖いッ!じわじわと締め付けるような感じがGJです。 それにしても、ヤンデレヒロインと、鈍くない主人公の取り合わせは美味しいですね。 603 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 02 15 41 ID QkuHneqi 594 + + ∧_∧ + (0゚・∀・) ワクワクテカテカ (0゚∪ ∪ + と__)__) + 601 上書きキタワァ.*・゜゚・* .。..。. *・゜(n‘∀‘)η゚・* .。. .。. *・゜゚・*!!!!!☆ 加奈タン怖可愛いよ加奈タン((((;゚∀゚)))ガクブルハァハァ 604 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 02 26 45 ID rHhuUN8y 自作自演もここまで来ると見上げたものですな。 605 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 02 55 23 ID 5KWAuM7G 601 おぉう…風邪引いた身で読んでたら体中震えてきやがったぜ…。 島村さんの巻き返しがどうなるか楽しみだべこ。 606 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 03 29 43 ID mobXZ+r9 ∩___∩ | | ノ\ ヽ 604 / ●゛ ● | | | ∪ ( _●_) ミ j 彡、 |∪| | J / ∩ノ ⊃ ヽ ( \ / _ノ | | .\ “ /__| | \ /___ / 607 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/02/25(日) 03 54 08 ID c6resjfB 601 GJ!毎度ながら加奈のヤンデレぶりは素晴らしいです。 早く続きがよみやいです。 608 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 06 39 36 ID 8zf9hAup 詰め合わせ置いときますね。 http //imepita.jp/20070225/237440 http //imepita.jp/20070225/236660 http //imepita.jp/20070225/236110 幻影シリーズは作中では有り得ないイラストシリーズです。 609 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 06 52 54 ID 0X29IBbE 601 上書きで傷つけなおすぐらいならいっそ傷つかないようにするとは。 加奈ちゃんも進歩・・・いや、進化しましたな。デラGJ! 610 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 07 57 07 ID bBOlp17r 601GJ!加奈タンの病みが進み具合がすばらしいです 608GJ!ヤマネが可愛すぎる(*゚∀゚)=3ハァハァ 611 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 08 19 11 ID R8HjgYyd 何故ここまで文章上手くできるか 小一時間問い詰めたい。 え?才能…? 612 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 08 49 58 ID y9F5nFc4 ヤンデレスレは! 613 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 09 32 18 ID nhHuY3ed エロエロよー! 614 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 12 03 12 ID rHhuUN8y ああ、悪い。確かに今見ると釣りと読めるな。 アリスに裁かれてぇ(*´ρ`*) 615 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 16 46 54 ID tDVc7h/F 614 『――君は一つ勘違いしてるんだなあ、これが。 本物は有罪者を殺さないんだ。 聖痕を持ち、罪を抱えて生きる少女を殺したりなんてしない。 ――罪を忘れた無罪の者を殺すのさ。 自分が罪人であるのを忘れ、異端の道をさらに踏み外してしまった、そう――君のような、偽者を。 その服を着る資格のないものを、僕は殺すのさ 』 ↑らしい。 よし、今すぐ『アリス』の格好をして街を練り歩くんだ!! 616 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 19 53 06 ID YKFFduUp 電波を受信したのでプロットを投下。 ・主人公は中肉中背で、筋肉質なわけでもなく平平凡凡な体格 ・酒も煙草も女遊びもしない(童貞)ため、つまらない男として周囲から見られていた ・ところが突然絶世の美少女(超資産家の娘)に求婚されて、あれよあれよと婚約(結婚)に ・初夜のあと、突然彼女が語る家の掟と主人公が選ばれた理由 「家の掟? きみのお父さんやおじいさんたちは片足や片手だったけど、なにか関係あるのかい?」 「うん…うちは今でこそ資産家だけど、江戸時代はただの貧農だったの… でもね、ある年に飢饉が起こっちゃってご先祖様は妊娠中の奥さんを生かすために、 あるものを食べさせて飢えを凌いだの… ところが生まれた子は成人後、戦で武勲を立ててね。以来験(げん)を担いで同じことを するたびに事業が当たっただの戦争で武勲を立てただの家はどんどん大きくなったのよ… それ以来妊娠した妻に夫はある者を食べさせるのが我が家の掟になったの… だからね、私にも食べさせてほしいな……… あ な た の お 肉 を ・ ・ ・」 主人公が選ばれた理由。 それは 美 味 し そ う だったから。 以下釣り神様のAA禁止w 617 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 20 14 34 ID 8zf9hAup 詰め合わせ 里村冬継/私服 http //imepita.jp/20070225/720450 なんか王国の心じみてる気が…。バトル漫画とかそれっぽい感じ。 冬継、士乃/今は無き日々 http //imepita.jp/20070225/721310 神無士乃追悼イラスト。神無士乃ルートがあるのは分かってるが一応。 須藤冬華/姫巫女の幻影 日本人形→和服→和ゴスっていう発想。服は一応オリジナルデザイン。 618 名前:伊南屋 ◆WsILX6i4pM [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 20 17 41 ID 8zf9hAup ヤバい。三つ目リンク張り忘れ http //imepita.jp/20070225/722150 619 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 20 52 43 ID vvXpoPRs もういいっての 620 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 20 57 30 ID tDVc7h/F ここまでいっちゃうと、そろそろオリジナルの方が良いかなーなんて思ったり……。 621 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 21 00 28 ID y9F5nFc4 618 えらく変わっている、しかしグッドなデザインの服ですな。 そのすばらしいセンスを分けて欲しい・・・・・・。 622 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 22 17 22 ID 0X29IBbE 616 それはヤンデレじゃなくてキチガイだ!! 623 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 22 22 00 ID RMIjci7f 616 デレてないしな。 624 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 22 45 25 ID tYcc9EvM 俺はヤン9デレ1くらいの割合でもいいと思うんだぜ? 625 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/25(日) 23 06 35 ID 2DqJnu4d 背筋をゾクゾクさせてくれればなんでもいい 626 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 00 05 09 ID Y5p+bLjt だがそれでは素直狂うだ 627 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 00 15 42 ID nApWPF5e 626 それこそ極致! 628 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/02/26(月) 01 01 23 ID tvR6aIi5 ヤンデレのテンプレに追加しておけよ 〇SSスレのお約束 読者諸兄へ ・トライデント(荒らし)が投稿する作品にレスしないスルーすること ・日本語がおかしいSS作家(トライデント)は徹底的に無視 ・つまらない作品ははっきりとつまらない作品だと言いましょう ・女の子を犬や猫程度にしか思ってない最低人格破綻者トライデントを見れば、NGしましょう ・阿修羅様や管理人様方はトライデント氏の作品を保管庫に入れないようにお願い致します 629 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 01 13 42 ID tvR6aIi5 トライデントという最低人格破綻者がこちらに乗り換える前に先に手を打っておく 彼がこっちに来ても、レスと感想は絶対に送るなスルーするかNGしておけ これはヤンデレスレ住人の総意である 630 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 01 14 15 ID tz1U8FLP (笑) 631 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 01 16 08 ID 4MXA52DS なんというか、ここ破滅願望的なもの持ってる人間多いよなぁ。 632 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 01 27 44 ID tvR6aIi5 趣旨は分かっているようだな 頼んだぞオマエラ!! 633 名前:616[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 03 01 51 ID sc6TorN0 622-623 イメージは「食べちゃいたいほど愛してる」です。 プロットなんで具体的なデレ描写は書かなかったんですが、 「求婚」→「婚約(結婚)」の説明だけでは不足なんですか? だめなら少し変えてほの純スレに行ってきます。 あっちはカニバルもOKみたいだし。 634 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 04 34 34 ID MS8VuoBR 616 食欲だけで選んでたら単なるキチガイだな 血筋か教育のせいで愛情と食欲が一体化してるとかならヤンデレか? 635 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 06 23 30 ID CCwsVKqS 愛しているが故に掟に逆らえなくて 喰ってしまうってのがヤンデレじゃない? 636 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 06 37 24 ID 2tN8rlIp 掟とは関係なく愛しているところを見せればいいのでは? 637 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 09 15 08 ID wlAA2VU+ ほの純は女が疑似恋愛を楽しんで、逃げたくても逃げられない男が入れば成立するらしいから、どちらかと言うとほの純の方が合ってる気がするなぁ まぁ詳しくはほの純スレの95を見るといいよ 後、どちらのスレに投稿するにしても読ませて頂きますからw 638 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 10 24 58 ID q39byBT/ 愛があればおkって事か 617伊南屋氏いつもながらGJ 639 名前:616[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 10 54 33 ID sc6TorN0 みんなありがとう。 プロットだけ投下のつもりだったけど、ない文才を総動員して短編書いてみるよ。 640 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 10 58 22 ID HPJxhDAA ガンバレ、かなり応援してる 641 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 13 42 41 ID 3SxFHIVm /\___/\ / ⌒ ⌒ \ | (●), 、(●)、 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ,,ノ(、_, )ヽ、,, | < やるじゃん | ト‐=‐ァ . | \_____ \ `ニニ´ . / /`ー‐--‐‐―´´\ 642 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 15 24 50 ID H1OhoL/W 夜中の二時に目が覚めた。 悲しくて悲しくて悲しくて目が覚めた。 夢を見ていた。 あの人が私をおいていく夢。 私のことなんか振り返りもせず、一心に自分の望む未来に向けて努力するあの人。 なんど無理だって言われても、諦めるべき現実を突き付けられても必死に向かって行く。 私はそれを笑顔で応援する。時に一緒に苦しみ、時に明るく励ます。 笑顔の下で泣きながら。私を見て、と。 私のいない未来なんて追わないでと。 そしてあの人は私のいない望んだ通りの未来を手に入れて行ってしまう。 多分これは正夢。 現実でもあの人は未来を追っている。私のいない未来を。 私は一番近くでそれを見ている。必要ならば支えながら。 目が覚めても悲しくて悲しくて悲しくて泣いた。 この夢はただの夢じゃない。 実現する可能性の高い未来。 嫌だ、と初めて明確に思った。 あの人の未来なんて叶わなければ良い。 ……なんて醜い思考だろう。 643 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 15 25 48 ID H1OhoL/W 本当になんて醜いんだ。 あはは、あは、あはははははははははははは、は、は、は、、、、 笑いがこみ上げてくる。だって滑稽だ。これじゃ道化だ。 私はずっとこんな醜い感情であの人のそばにいたんだ。 あの人を騙して自分を騙して周りの全部を騙して。 そんなの全部間違ってた。 行かないで、そばにいて、私を見て、愛して、近くで笑って、手を握って、 声を聞かせて、明日も会って、出来れば私の話も聞いて、一緒に生きて、欲しい。 そうでないなら、嫌。 笑いが止まらない。なのに涙も止まらない。 明日、あの人に言おう。 行かないで、と。愛して、と。 きっとあの人は拒絶する。それは無理だと言う。 そしたらいったいどうしよう。 殺してしまおうか。手に入らないならいっそ。 それとも目の前で自殺してみようか。私のことを決して忘れないように。 ピピピピピピピピ そこまで考えた時、電話が鳴った。 ピピピピピピピピ こんな時間に……表示窓にはあの人の名前。 ピピピピピピピピ 出なくちゃ…… ピピピ 「もしもし…?」 恐る恐る電話を取った。 644 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 15 28 42 ID H1OhoL/W 夜中の二時に目が覚めた。 悲しくて悲しくて悲しくて目が覚めた。 夢を見ていた。 俺が未来を掴む夢。 じゃあ何が悲しかったんだ。考える間もなくすぐにわかった。あいつだ。 いつも俺のそばにいて、俺を助けてくれるあいつ。 諦めそうになれば俺の代わりに苦境を笑い飛ばし、一緒に打開しようとしてくれる。 あいつが泣いていた。夢を掴んだ俺を祝いながら、心から笑いながら泣いていた。 全身で悲しがっていた。 夢の中の俺は気付かず、あいつをおいて進んでいった。 この夢はなんだ。 実現する可能性のある未来だ。それも俺の望んだ未来だ。 じゃあなぜ、俺は悲しい。なぜ、あいつはあんなに悲しそうに泣く。 一番近くで俺を見ていたあいつなら喜んでくれるはずだ。 わからない。 わからないわからないわからない。 ああ。唐突に何かがわかった。 あいつ俺のこと好きなのか。 だから悲しそうだったんだ。 俺、あいつのこと好きなのか。 だから悲しかったんだ。 ……なんて簡単なことだろう。 645 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 15 29 49 ID H1OhoL/W 本当になんて簡単んだ。 あはは、あは、あはははははははははははは、は、は、は、、、、 笑いがこみ上げてくる。だって滑稽だ。これじゃ道化だ。 俺はこんな簡単なことにも気付いて無かったのか。 あいつが一緒にいてくれるのは単にいい奴だからと、俺とあいつは友人だと思ってた。 そんなの全部間違ってた。 これからもずっと、そばにいて、顔を見て、愛して、近くで笑って、手を握って、 声を聞いて、明日も会って、出来れば抱き締めて、一緒に生きて、いたい。 そうでないなら、嫌だ。 笑いが止まらない。なのに涙が溢れてくる。 あいつに言おう。今すぐ。 一緒に生きてくれ、と。愛してる、と。 きっとあいつは驚く。泣き出すかもしれない。 そしたらいったいどうしよう。 今から会いに行くと言おうか。抱きしめたいから。 俺も泣いていると告げてみようか。俺の方が嬉しいから。 ピピピピピピピピ 電話のコールが鳴る。根拠は無いがあいつは出るだろう。 ピピピピピピピピ こんな時間に電話するのは初めてだ。 ピピピピピピピピ 早く出ろ…… ピピピ 「もしもし…?」 恐る恐るあいつが応えた。 646 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 15 30 55 ID H1OhoL/W ↑埋めたかったんだ。 特に病んでもデレてもいないけど許してくれ。 647 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/26(月) 16 33 19 ID Y5p+bLjt 642-645 おおこれは あっさりしたヤンデレもいいもんだね 648 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/26(月) 17 24 29 ID dtdV5RQn 616 カニバリは愛情だったり同一視だったり死者への畏敬だったりするから 期待して待ってる 617 和ゴスもいいなあ……いつか新キャラで出してみたい 649 名前:慎 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/26(月) 23 52 02 ID Q0p7axqA 埋めネタ 219の続き。ギャグ。今回は病みなし。 タイトル・・「淳、屋上にて・・・」 650 名前: 291の続き「淳、屋上にて・・・」 ◆lPjs68q5PU [sage] 投稿日:2007/02/26(月) 23 54 21 ID Q0p7axqA うわ~とは叫んではみたが痛みがまったく来なかった。 あぁ死ぬときって痛みは感じないものなのか、なんて考えてみたが、実際は違った。 どういうことか、俺の目の前には、盛大にすっころんだ真紀の姿があった。 「あいててて・・・」 笑いが止まらない。なにせ、転ぶ要因になるような障害が何もないところで転んだのだから。 状況はちっとも変わらない。包丁を持ち襲い掛かってくる彼女がいる。しかしその彼女はドジっ子。 とうとう我慢できずに俺は声を出して笑ってしまった。 「うぅ笑うなぁ~!」 「いやだってさwww大体どうしてこんなことしようと思ったんだ?俺の手足切るなんて・・・」 「だって、お姉さんとか、幼馴染の愛さんとかが狙ってるもん、淳君のこと・・・」 「狙ってるってそんな・・・」 「だからさ、早く私のものにしなきゃって・・・そのためには私に頼るようにすればいいんだって。」 なんだそんなことか・・・よし。おれはおもむろに、真紀を抱きしめこう言い放った。 「大丈夫だ、俺はいつだってお前のもんだ。姉さんや、愛のものには絶対ならない。」 「ほんと?」 「あぁ、誓うよ。なんなら真紀と結婚したっていい。」 「うれしい!」ぎゅっ まぁ自分のものにするために彼氏の手足切る、なんていう風な考えは改めさせなければならないが。 なにはともあれこの件は丸く収まろうとしていた。しかし、突然勢いよく開いたドアがすべてを壊した。 どーん! 「話は全部聞いたわ!」 げぇ!姉さん! 「淳君の姉さんも真紀さんも考えてることは一緒なのね!」 愛まで・・・いやなにこの修羅場。 「「結婚相手はこのあたしよ!」」 お前らは何を言ってるんだ!そもそも姉さんは結婚できないでしょうが! 考えてみるとさっきからずっと追っかけてきてたわけかこの二人・・・執念恐るべし。 「淳君」 なんだ・・・っておい何脱いでんだ真紀! 「抱いて!この二人の前で!お願い!」 いやその・・・ってそこの二人も何脱いでるんだ! 「「ならあたしたちだって!」」 なんだってー!というか何でノリノリなんだ! まずい!俺の貞操の危機!とりあえず逃げる!・・・あれ屋上のドアが開かない・・・ あぁあの二人ドア壊しやがったな・・・なんてことを・・・ ・・・はぁ、もう終わりだ・・・もう好きなようにしてくれ・・・ 「「「うりゃー♪」」」 こうして俺は押し倒され3人の気が済むまで相手をする羽目になった・・・ 結局何発やったんだよ俺・・・ そして後日、俺は過労で入院することになってしまった・・・ 入院先の病院でまた気のおかしくなるようなことがあったがそれはまた別の話。 651 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 00 09 11 ID I/YQ/CHY とりあえず埋めときますか。 スレが立ってから二週間ですか。 このスレになってさらに活発化してきましたね。 これだけ勢いがついてきたのも職人さん・保管庫の管理人さん・スレ住人のおかげです。 次スレもマターリと行きましょう。 652 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 02 33 24 ID j8iv1xrN 梅 653 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/02/27(火) 02 34 21 ID j8iv1xrN 梅
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1077.html
1 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/12/02(日) 12 57 28 ID 0oW1eNWv ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。 ○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど) ○ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ■ヤンデレとは? ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。 →(別名:黒化、黒姫化など) ・ヒロインは、ライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつだが確実に病んでいく。 ・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することもある。 ■関連サイト ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫(本保管庫) http //yandere.web.fc2.com/ ヤンデレ臨時保管庫 @ ウィキ(臨時保管庫) http //www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/ ■前スレ ヤンデレの小説を書こう!Part11 http //sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1192890392/ ■お約束 ・sage進行でお願いします。 ・荒らしはスルーしましょう。 削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、 削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。 ■投稿のお約束 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため) ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。 2 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13 02 08 ID DSTE3Y0E 1乙 神速で2get 3 名前:3ゲトー[sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13 07 23 ID sMTf3PYX 1 乙 4 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/02(日) 13 57 37 ID hFeXMIuz 乙 5 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/02(日) 15 00 15 ID KdEHznFc 1乙 6 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/02(日) 19 51 21 ID EY/AN0IZ 1乙かれーチョコレートを分けてあげよう 7 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/12/03(月) 00 54 06 ID sGbJQqQv 乙 8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/03(月) 07 58 42 ID a103DU/b 「ふぅ、終わったぁ~」 一通り綺麗になった部室を見渡して、擦立一(すれたて はじめ)は仕事をやり終えた満足感に浸る 陸上部の部室は、部員たちが砂を運ぶので汚れやすく、誰かが定期的に掃除する必要がある 3年が引退し部長となった彼は、その仕事を後輩にやらせる事はできたし、 実際に彼の先輩はそうして来た しかし、彼は陸上をしに来ている後輩にそういう事まで押し付けるのはおかしいと思ったし、また、 自分に厳しくする傾向もあってそうすることを良しとしなかった (つくづく損な性格だな) そう思ったものの、自分はそういう性分なのだから仕方がない、と心の中で苦笑する 彼は再度備品などの点検をした後、部室のドアを開く 「もう終わったよ」 自分を待ってくれているであろう、まだ幼さの残る幼馴染みに声をかけながら 季節がら、暗く肌寒い風が吹く道を2人は帰る 擦立一と病坂理玖(やみさか りく)は歩いていく 「それにしてもおそーい! 凍え死ぬかと思ったよ」 「ごめんね、でも思ったより部室が汚れていたからさ」 実際に両手で自分の体を抱いて寒がってみせる理玖に、一は申し訳なさそうに言う 一はふと少女の手を掴んだ 「ななな何やってんの!?」 「いや、こうすれば少しは温かくなるかなって」 理玖は一がとった突然の行動にどぎまぎする 「もしかして、嫌だった?」 彼は手を繋いだ事が相手を不愉快にさせたかもしれないと、手を握る力を少し緩めようとする (あ……手を放さないで) 「嫌、じゃない……」 頬を赤く染めた少女は俯きながら離れようとする手をぎゅっと掴む 一はその様子を見て、安心を得たと同時に少し恥ずかしくなって視線を理玖から逸らす 目を合せないまま二人は暗い道を歩く 9 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/03(月) 07 59 34 ID a103DU/b 空腹だった一は答えを言い終える前にはチョコを口に放り込んでいた 口の中にとろける様な、しかし甘すぎない味が広がる 「美味しい」 自然と口から漏れた。 「ふふ~ん、私が作ったんだから当たり前だよ。さあ、私に感謝したまえ~」 「うん、ありがとう」 ドタドタッ ガタン 理玖は慌しく階段を上り自分の部屋に入ると、制服から着替えぬままベッドに飛び込んだ そしてそこにある熊のぬいぐるみに抱きつき、激しく身もだえする 「やった!やったやった! 一が美味しいって言ってくれたよぅ」 よほど美味しかったのか、あれから一は一言も喋る事無く全てのチョコを平らげてしまった それに呆れたような顔をしては見せたが、この幸せが表に出ないかどうか内心ヒヤヒヤしたものだ 「それに私に、ありがとうって……。っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」 その顔が、声が、頭に焼き付いて離れない 理玖は声無き声をあげる 「あっ……でも……」 声のトーンが急に下がったものとなる。 「どうしよう……もしかして気づかれたかも」 一は食べ終わった後聞いたのだ。「市販のチョコには無い不思議な感じがする。隠し味に何か入れたの か」と 理玖は制服の袖をめくる そこには赤い一本の筋が走っていた 「どうしよう、こんな事したってばれたらいくら一が優しいからって嫌われる……」 心に一滴の黒い水が落ちる 「そもそも自分の血を食べさせようなんて思う事自体がおかしいんだ。そうか、私はおかしいんだ。こん な私は一の優しさに触れる資格はないんだ。ううん、そう思う事すらおこがましい」 その小さな影はその領域を広げ、全てを黒く染め上げていく 「じゃあ私は一に置いてかれるの? ……そんなのはイヤ!!絶対イヤ!!」 そこに陽の光が射すことは無い 「一くん捨てないで下さい私を捨てないでなんでもするから許してごめんなさいごめんなさい ごめんなさいゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」 理玖は体を丸め、ぬいぐるみを強く抱きしめる 「私を1人にしないで……、はじめぇ」 10 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/03(月) 08 08 39 ID a103DU/b すいません、3つ目のブロックはこうでした 「そーだ!忘れてた!一、手を出して」 先ほどの恥じらいなどなかったように再び元気良く振舞いはじめる理玖 一はそれにほっとして、だけど少し残念に思いながら素直に従う 「頑張っている君にはコレをあげよう」 小さな胸を張りながら、仰々しくピンクのリボンでラッピングされた包みを差し出された手の上に 乗せる 一がそれを空けると星型やハートの形をしたチョコが無数に詰まっていた 「へぇ、チョコか~。食べていい?」 「モチロンだとも」 空腹だった一は答えを言い終える前にはチョコを口に放り込んでいた 口の中にとろける様な、しかし甘すぎない味が広がる 「美味しい」 自然と口から漏れた。 「ふふ~ん、私が作ったんだから当たり前だよ。さあ、私に感謝したまえ~」 「うん、ありがとう」 6 ネタにしてゴメンナサイ 結局何が言いたいかというと、 1乙 11 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/03(月) 09 32 17 ID Os24RyBN GJ! ところでヤンデレ同士が付き合ったら究極のバカップルが誕生しそう… 12 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/03(月) 10 02 41 ID yDRpN7bg 「男君があの女と手を繋げないように、手を切り落としましょう」 「そんな!それじゃあ女さんの頭をナデナデ出来ないじゃないか!」 「!」 「抱きしめることもできないし、あそこを指でいj(ry 男のバカ分を上げると フツーのバカップルになりそう。 13 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/03(月) 18 31 24 ID z6aLVTco 11-12 高い確立でそんな感じになる。 実際ウチがそうだし…。 14 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/03(月) 19 02 36 ID /z/b4Mgj はい突っ込んだら負け! 15 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/04(火) 13 35 57 ID haNbN0r3 ソフトヤンデレ ハードヤンデレ 16 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/04(火) 19 33 15 ID PXP7NpQ5 10 続き(´・ω・`) 17 名前:きゃの十三 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 00 24 30 ID D3UEbsz4 以前、書いた【お見舞い】の続きを投下します。 18 名前:【続・お見舞い】 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 00 26 01 ID D3UEbsz4 「ぶぁっくしょん!!」 昨日、風邪引いた高島さんと一緒に布団に入ったせいか僕も風邪を引いてたみたいだ 身体がダルくとても学校に行けそうにないので母さんに頼んで学校に休みの電話をかけてもらった。 風邪を引いた時、母さんはとてもやさしい なにより一人静かに過ごせるのがいい(ここ最近は、高島さんに振り回されっぱなしだったからなぁ) とにかく今日はゆっくり休んで風邪を治そう ピンポ~ン インターホンが鳴る なんかとっても嫌な予感がする…… 「努ぅ~、詩織ちゃんがお見舞いに来てくれたわよぉ~」 あぁ~やっぱり来ると思ったよ 元気いっぱいに階段を駆け上がってくる高島さん。昨日まで風邪だったのに 「大丈夫?今日、努くんが学校、来なかったから私とっても寂しかったんですよ」 多分、風邪の原因は、高島さんのせいなのだろうが高島さんの事だ あぁ見えて結構、繊細だからきっと大声で泣きながら謝ってくるに違いない 女の子の泣く姿は見たくない(っというか近所迷惑になりかねない) 「今日は、私をいっぱい心配させたからいっぱいハグハグしてますからね」 お仕置きって僕に何をする気だ高島さん!! って、なんで高島さん、服脱ぐの?で、なんで風邪で無抵抗の僕のズボンを脱がせるの? 「うぅ~本当に独りぼっちで寂しかったんだからね」 高島さんは、僕を強く抱きしめてると泣き出した。 もともと高島さんは、人見知りだからか学校では幼馴染の僕としか話す人がいない(奴隷として担任の前田がいるけど) 最近、ようやく他のクラスメイトと話ができるようになったが それは、僕が側にいてやっと話せるレベルである 僕は、いつか僕がいなくても人と話ができるようにさせなきゃっと 思いつつ高島さんの頭を撫でると猫のように目を細めてこちらを見ている あぁ~もう可愛いなぁ~ …っと思った瞬間、布団の中に潜って行き 「寂しくした努くんは、エッチなお仕置きをしちゃうんだからね」とお仕置き宣言をした。 あぁ~ん高島さん、あんまり僕のアレを見つめないで顔を近づけないで息をかけないで(感じちゃうからビクンビクン) 「これ私のお口に入れたら努くんのオチンチンどうなっちゃうかなぁ?」 「ちょっ!そんな汚いもの口に入れたらお腹壊しちゃうから辞めてよ…アメあげるから」 「そんな事ないよぉ~えへへ今、お口に努くんのオチンチン入れた気持ちよくしてあげるね」 万事休す!!高島さんが僕のアレを口に含もうとしたその瞬間――― 「詩織ちゃん、ケーキ作ったから食べてってちょうだい」 一番来て欲しくないタイミングで母さんが部屋に入って来た。 19 名前:【続・お見舞い】 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 00 26 51 ID D3UEbsz4 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 努の母・森野夕は、息子の部屋の惨状に唖然とした。 実の息子がお見舞いに来た幼馴染に口を犯している(ように見えた)からである ――さて、普通の母親ならばここで息子の行動を辞めさせるだろう しかし、夕は、違う なぜならば彼女は、日頃『愛とは、力づくに手に入れる』ものだと考えているからである それが証拠に彼女は、努の父を逆レイプの形で長女・涼子を妊娠し、責任を取らせる形で結婚させたのだ なので一瞬、唖然としたがすぐに立ち直り息子と未来の嫁に『がんばってね』とウインクすると 「ごゆるりと」と言いながらドアをゆっくりと閉めた。 20 名前:【続・お見舞い】 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 00 27 53 ID D3UEbsz4 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ちょっと待てぃ! もっとツッコむところがあるだろう!! 母さんは、いつもそうやって面倒な事から目を背ける もし僕が高島さんを性欲のあまりに犯してたらどうするんだ(本当は逆だけど) 母さんは、父さんの事ばかりじゃなくもう少し僕の事にも関心を持って欲しい 「ハァハァ…義母様から…ハァハァ…お許しがでたみたいですね…ではさっそく………」 あぁ~本当に万事休す!! しかし、高島さんは、後ろに倒れこみそのまま寝てしまった。 顔を見ると顔を真っ赤にしてとても苦しそうにしている どうやらまだ風邪が治ってないのだろう 僕は、高島さんに服を着せ布団をかけて一緒に寝る事にした。 ・ ・ ・ ・ ・ (3時間後) 私が目を覚ますと脱いだはずの服を着ていた。 きっと横で寝ている努くんが着せてくれたのだろう あぁこの人は、本当になんてやさしいのだろうか 小学生の頃、人見知りだった私に声をかけ一緒に遊んでくれたのが努くんだ 他の子は、私なんて見向きもしなかったのに それから同じ中学に入り人見知りだった私に友達を紹介してくれたよね そのおかげで小学校の時、学校にいるのが憂鬱だったけど中学では、そんな事微塵にも思わなかった。 きっとこれからも私は努くんにお世話になるのだろう いつか絶対に恩返しするねっと思いながら私は、寝ている努くんのほっぺに約束のキスをする 「さてと」 私は、無造作に努くんのベッドから女の人に裸が写っている本を数冊を取り出した 「夜はコレを見てするんだ…こんなもの見て一人でするなら私とすればいいのに…」 とりあえずこんなエッチな本は、努くんに悪影響ですので屋敷に帰ってゆっくり処分します。 私は、バッグに努くんの使ったであろうエッチな本を入れた。 あっそうそう忘れるところだった。 努くんの部屋を見渡しちょうどいい物を…っとあった。 私は、机に置いてあった玩具を手に取った。 努くんのお父さん…つまり私の義父さんになる人は、 こういう玩具を集めるのが好きでよくダブった玩具を努くんにあげるらしい 私は、玩具の中に盗聴器を仕込む 途中、サウンドギミックが作動し『あばばばばば』と鳴った。(努くん曰く『Im OptimusPrime』と言ってるらしい) 一瞬、驚いたが………努くんは、まだ寝ているようだ さてと、盗聴器も取り付けた事だし帰るか 私は、もう一度、努くんの寝顔を見つめる あぁなんて可愛い寝顔なの 襲いたくなってしまうが今日は、我慢しよう いつか君から襲ってくるのを待ってるよっと努くんに囁くと 今度は、唇にキスをして私は、努くんの家を後にするのであった――― 21 名前:きゃの十三 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 00 34 43 ID D3UEbsz4 投下終了です。 またヤン分が少ない作品になってしまった。 ついでに高島さんが盗聴器を仕込んだ玩具は、 G2期にアメリカで再販されたコンボイ(アメリカでは『オプティマスプライム』)です。 22 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 02 07 34 ID OBbcPU9/ 21 GJ 高島さんかわいいよ高島さん 23 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/12/05(水) 03 09 44 ID ZOXe+YXY 21ライトヤンデレGJ!!! そしてお母さんに吹いたwwwwwwww こうゆうほのぼのヤンデレ好きだから楽しみにしてる 24 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 06 48 52 ID e5xjjRIR 20 サイバトロン総司令に敬礼! (・ω・)ゝGJ! 25 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 07 50 09 ID uztMaZCj GJ。 持って帰ったエロ本を見て学習し、次に会う時に 「あの本みたいなのが好きなんですよね」と言って迫る高島さんを想像した。 あと細かいことだが、句点を打ってもらえるともっと読みやすくなると思った。 26 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 11 36 17 ID 0JNnIq+C ソフトヤンデレですな 27 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 12 00 03 ID ka6tLFWa GJ 28 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 01 00 ID bpwQF8ee 合わせ鏡・第2話です。 29 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 01 43 ID bpwQF8ee 鏡の向こうの自分は、自分と同じ顔をして、自分と同じ行動をする。 私が笑えば笑うし、私が泣けば泣いて、私が怒れば怒る。 私と同じ顔をした私は、やっぱり私。 「水樹!」 「瑞希!」 胸が熱いものでいっぱいになって、はじけた。頬を涙が滑り落ちる。 そう、3歳まで、私たちはいつだって一緒だった。半身だった。 瑞希も私を見て、しゃくりあげて泣いている。ゆっくり、二人とも同じタイミングで近づき、 しっかりと抱き合う。 「瑞希、瑞希、瑞希…」 「水樹、水樹、水樹…」 こーたのこともあり、母親は高崎家との繋がりを完全に絶っていた。 高崎家も、祖母が蛇蝎の如く母親を嫌っていたため、出て行った私達を完全に無視していた。 瑞希のことを忘れたことはなかった。本当に、記憶もないくらい小さな頃に別れた私達だけれども、 鏡に映る影のように、いつも気にしなくても自分の側に相手の存在を感じていた。 瑞希の顔を見た時に、瑞希もそうなのだとわかった。 涙と鼻水でぐしょぐしょの顔を見合わせて、照れくさそうに笑う。私も同じ仕草をしているのだろう。 私は、21年ぶりに再会した姉の顔を右手で自分の肩に抱きかかえると、玄関先でもらい泣きを しているこーたに笑いかけた。 その時、私は確かに幸せだった。 瑞希は私の半身だし、愛していた。自分のように愛していた。 信じて欲しい。それは、まごうことなく、本当の気持ちだった。 30 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 02 50 ID bpwQF8ee 私達は、21年の時間を埋めるように、一緒の時を過ごした。 二人でショッピングに行って、必ず一瞬驚いたような顔をする店員さんに笑って、同じ服を買った。 映画の話をして、お互いに好きな美味しいお店を教えあった。 3歳の時には同じだった私達は、しかし、今では別人であることもわかった。 研究発表以外の場で主張するのが苦手な私と違って、瑞希はどんな時でも臆さずに自分を主張した。 母親と倹約生活をしていた私と違って、お金持ちのお嬢様の瑞希は、金遣いが荒かった。 こーたのバイト先で正社員をしているけど、きっと、稼いでいるお金より、使っているお金の方が 多い。 瑞希のいつもの格好は、雑誌に出ているような流行の服や、芸能人が持っているようなブランド物で 飾られていた。 研究のために、いつも動きやすい簡素な服装で、黒髪を伸ばしっぱなしで、パーマもかけていない 私とは違った。 そのうち、瑞希は私達の家によく来るようになった。 こーたのバイトが終わったら、仕事先からこーたと一緒に家に来て、私の料理を三人で食べる。 そして、瑞希はこーたにべったりとくっつくようになった。 バイトの帰りでなくても、私達の家に来る頻度が増えた。 私を見る目に疎ましさが走るようになった。 私ではなくこーたにばかり話しかけるようになった。 ただ、実家住まいの瑞希が、泊まっていかないのが救いだった。 違うところもあったけど、私達はやっぱり同じだった。 だから、瑞希がこーたに恋しているのもすぐわかった。 でも、私達は、大きな違いがあった。瑞希はこーたが弟であることを知らない。 瑞希は、私と同じなのに、私と違って、何も苦しまず、こーたに恋している。 許せない。 そんなの許せない。 私は、こーたのために、「優しいお姉さん」でいるつもりだった。 こーたに恋人ができたって、こーたが結婚したって、ちょっと泣いて喜んであげる、普通のお姉さん でいるつもりだった。 でも、瑞希だけは許せない。瑞希がそこにいるのは許せない。 だって、瑞希なら、どうして私じゃないの? 瑞希が良くて、私が駄目なんて、そんなことはあるわけがない。 そうよ。瑞希だって、こーたのお姉さんなの。こーたに触れてはいけないの。お姉さんは、こーたを そんな風に見てはいけないの。恋しては、いけないの。 だから、言わなきゃ。 瑞希ハこーたノお姉サンダカラソンナコトヲシテハイケナイノデス。 「駄目だよ」 31 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 03 55 ID bpwQF8ee 瑞希にも姉弟だと言うべきだ、という私の提案は、しかし、思いもよらず、こーたの強い拒絶に あった。 「どうして?!だって、瑞希は…私と同じ、なのよ、だから、瑞希にも本当のことを」 「駄目だ!水樹、加奈子さん…俺達の母親がどれだけ苦労して、俺のことを隠したと思ってる? 本当のことを知っていいのは、俺と父さんと母さんと水樹だけだ」 「でも…!」 「確かに、もう、俺達の母親を苦しめたババアは死んだ。でも、俺が息子だって知ったら、 高崎家は俺を息子として迎えようとするはずだ」 こーたは、下を向いた。 「そんなことになったら、俺を本当の息子として育ててくれた父さんと母さんに、つらい思いを させることになる…」 「あ…」 こーたは、暗い顔をして、膝の上に置いた手を、ぎゅっと握り締めた。 そんな顔をさせたのが自分だと思うと、死にたくなる。 なんてことを私は言ったのだろう。母さんの願いも、伯父さんと伯母さんの恩も、こーたの思いも 無視して、自分の邪な思いだけを貫こうとしてしまうなんて。 「ごめん…こーた、ごめんね」 ゆっくりと俯いた。泣きたい。でも、泣いたら、同情してほしいみたいで、すごくイヤな女になって しまう。悪いのは私なんだから、こーたに気を使わせてはいけない。 でも、それならば、言わなきゃいけないことがある。 こーたは、ひょっとしたら、瑞希の思いに気づいてないのかもしれないから。 …もし、気づいてたら、どうする? その可能性に思い当たって、私は体をこわばらせた。 もし、気づいていて、こーたも、瑞希を、…だとしたら。 瑞希は、姉だけど、ずっと一緒にいた私と違って、ずっと二人は会ってなかったから、だから、 こーたも、瑞希を姉として見られないかもしれない。 だから、瑞希に姉弟だと言いたくないのだとしたら? 駄目。許せない。そんなの許せない! 私と瑞希は同じなのに、どうして私じゃないの。私じゃないの?!そんなの駄目。 だって、こーたと瑞希は姉弟なんだもの。姉と弟は恋をしちゃいけません。そう、しちゃいけない のです。だからこーたと瑞希は離れなければいけません恋をしてはいけません。 瑞希に言えないのならば、こーたを、何をしてでもこーたを瑞希に近づけちゃいけない。 …もし、こーたが嫌がったって、そんなの駄目だ。 そう、これは正しいことなのだから、私はこーたに言ってもいい。 こんなことを知ったら、伯父さんと伯母さんだっていっぱい悲しむはず。 私はこーたのお姉さんなんだから、注意しなきゃ、注意していいはずだ。 震える指を、ぎゅっと握り締める。 32 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 04 54 ID bpwQF8ee 「こーた、私、こんなこと言いたくなかったんだけど…瑞希は、多分、こーたのことが好きなんだと 思う」 言ってしまって、後悔した。こーたの顔から、一瞬で表情がなくなった。 軽蔑…された?変なことを言ってると思われてる? …でも、もう言ってしまった。だから、こーたに笑われても嫌われても、言わなきゃ。 瑞希ガこーたト一緒ニイルヨリハ、自分ガ嫌ワレタ方ガズットイイ。 「瑞希はこーたのこと、弟だって知らないから…ほら、こーた、カッコいいでしょ。私もさ、自慢の 弟ーってやつで、皆にうらやましがられるくらい…ってまあ、皆、従弟だって思ってるんだけど。 でも、ほら、瑞希は知らないから、お姉さんだって知らないから、だから、駄目だって、知らない だけなんだと思う」 こーたは、変わらず、私をじっと見ている。真剣な目で私を見ている。怯みそうになって、ぐっと こらえる。 そうよ、だって私が言ってるのは『正しいこと』なんだから。 「こーたが瑞希のことをどう思ってるかは知らないけど、瑞希…は私と同じだし、顔も似てるし、 そりゃ、雰囲気とかは全然違うけど、でも、お姉さんなんだから、わかるよね。姉弟だって わかってたらいいけど、このままじゃ、駄目だよ」 私は、ただ、瑞希が駄目で、私がこーたと一緒にいて良い理由を言っているだけなのかもしれない。 私をまっすぐ見ているこーたにそれを見透かされているのではないか、それだけが怖かった。 33 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 05 26 ID bpwQF8ee こーたは、ふっと私から視線を外した。そのまま、言う。 「水樹、心配させて、ごめん」 「あ…ううん、私も、変なこと言って、ごめん」 どうしてだろう、こーたは、本当に苦しそうな顔をしている。 「俺はただ、水樹が瑞希と会いたいのかと思ってたから。別に俺が瑞希と会いたかったわけじゃ ない」 「…ごめん、気をつかってくれてたのに、私…」 こーたは、本当にいい子だ。私がこんなに汚い思いを抱いているのに、私のために気をつかって くれていたなんて。 なのに、私が、こーたの気遣いを無にしてしまった。 こーたは、私のためにと思ってしたことが、私を苦しめていたと知って、こんなにつらそうな顔を している。こーたに、こんな顔をさせてしまうなんて。 …いや、違う。 私じゃない。瑞希だ。瑞希さえこーたに恋なんかしなかったら、こーたにつらい思いをさせることは なかったのに。私がこんなことを言う必要も、こんな思いをする必要もなかったのに。 姉で、いられたのに。 瑞希さえ、いなければ。 こーたは、私から目を逸らしたまま、搾り出すように言った。 「俺は瑞希のことを好きじゃないよ。瑞希とは、できるだけ距離を置く。バイトもやめる。 彼女ができたことにしてもいい。瑞希は、姉でしかないから、女としてなんて、見られない」 それは、待っていた言葉のはずだった。こーたが瑞希に恋していないのなら、許せるはずだった。 なのに、その言葉は、私を完全に打ちのめした。 瑞希のことを好きじゃないよ。瑞希は、姉でしかないから、女としてなんて、見られない。 水樹のことを好きじゃないよ。水樹は、姉でしかないから、女としてなんて、見られない。 わかっていたはずなのに、そんなこと、最初からわかっていたはずなのに。 どうやって、話をうちきったのか覚えていない。 どうやって、自分の部屋に戻ったのか、覚えていない。 ふらふらと平衡感覚をなくす三半規管。ベッドに崩れ落ちて、私は、声を殺して泣いた。 34 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 07 19 ID bpwQF8ee こーたは、「彼女ができて、誤解されるから遊べなくなった」と言ったらしい。 瑞希は、その日以来、家に来ない。あれから1週間、瑞希からは何の連絡もない。 元々、私は世間話やメールが得意でなく、研究で忙しい。私達の連絡は、基本的に瑞希からだった。 瑞希のことを忘れることはなかったが、会いたくないのも事実だったので、嬉しかった。 こーたに失恋して、ショックなのだろう。こーたと一緒に住んでいる私に会うのがつらいのだろう、 そんな風に思っていた。 いや、思おうとしていた。 私は理系で、実験が多いので、実験棟に泊り込んだり、そこまでしなくても帰りが遅くなることは よくある。私の家は大学から徒歩10分だけど、研究がたてこむと、ちょっと家に帰ってこーたに ご飯を作って一緒に食べるのも難しくなる時がある。 それはとても寂しい。でも私が忙しい時は、逆にこーたが夜食を作って残しておいてくれたり、 ちょっとしたおやつを冷蔵庫に入れておいてくれることがある。 もちろん「お疲れ様」のメモつきで。 それも、すごく嬉しいから、たまにはそういうのもいいかなって、頑張れる。 その日も最後まで残り、研究室に泊まろうか迷って、やっぱり帰ることにした。 ちょっとしんどいけど、やっぱり朝ごはんはこーたと食べたい、なんて理由だったりする。 夜中2時過ぎの大学は、閑散として恐ろしい。近くに住んでいる学生などの姿がないわけではないが、 基本的に、誰もいない。 廊下を歩いていると、いくつかの研究室から光が漏れていたので、まだ人がいるのだろう。 でも、扉の向こうは別世界。誰がいるのか、ただの電気の付け忘れかわからない。 大学ですごして6年目、最初は怖かった。今は、全く怖くないわけではないが、少し慣れた。 と言うか、慣れないとやっていけない。 最近改修されたばかりのエントランスホールは、闇に沈んでいる。 ただ、実験棟には不似合いなほどお洒落な照明が発する淡い橙色の光だけが、ぼうっと浮かび上が っていて。 その照明の下に、私がいた。 35 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 08 29 ID bpwQF8ee 「水樹」 人影は、生気のない顔をあげ、私と同じ顔で私の名前を呼んだ。雑誌のモデルのように綺麗に かかっていたパーマは見る影もなく、長い髪はすっかり乱れてしまっている。 まだ、たった1週間しか経ってないのに。 ごくり、と唾を飲む。瑞希は、この大学の学生ではない。実家だって、大分遠い。 それに今は、夜中の2時だ。 「瑞希…こんなところで、何をしているの?」 瑞希は、私の質問に答えなかった。瑞希の顔が、歪む。 瑞希が、ゆっくりと近づいてくる。 「水樹…ねえ、私達、双子だよね」 体中が震える。頭の中で、赤いアラームが点滅する。キケン、キケン、と。 「生まれる時に、ちょっと順番が違っただけだよね。だから、私が水樹でも、よかったんだよね」 コツン、コツン、と瑞希のヒールと床が不吉なリズムを刻み、私に近づいてくる。 「ねえ、水樹、私と変わって?私だって水樹なんだから、こーたくんと一緒に住んで、こーたくん にご飯を作ってあげるの。水樹じゃ、こーたくんを誑かす女からこーたくんを守れないでしょ? だから、私が水樹になって守ってあげるの」 どうして、私は逃げられないのだろう。ひたり、と私を見据える瑞希の目から、視線を外せない。 瑞希は私の肩を、突き飛ばした。受身もとれず、硬いエントランスの床で背中を強打する。 「…っ!」 一瞬、痛みに息ができなくなる。 瑞希が私に馬乗りになる。慌てて瑞希の体のあちこちを掴んで抵抗したけれども、恐怖のあまりか、 力が入らない。 なんて、情けない私。 「私が水樹になるんだから、水樹は二人いらないよね」 瑞希の手が何かを私に翳す。その手を掴んで、必死に防ぐ。 大きな衝撃と小さな音と共に、「私」の意識は、闇に沈んだ。 36 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 10 16 ID bpwQF8ee 私は、目を開けた。 荷物は全てなくなっていた→Aルート 荷物はなくなっていなかった→Bルート 以上です。 37 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 29 55 ID pl/F1/yf ここで選択か!? どっちも気になるが何となくBで!! 38 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 37 06 ID KsYkhhVa ルート分岐かね。 Aのほうは何となく展開が予想しやすい気がするのでBで。 39 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 22 43 28 ID lRNyD25n うへぇ血は争えないなぁ。 もちろんどっちも書いてくれますよね?ね? そしたらA→Bが良いです。 40 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/05(水) 23 32 12 ID KNsWHMmx 36 ちょw瑞希怖いお(´;ω;`) 彼女が先に病むとは思わなかった、でも姉スキーとしては主人公テラウラヤマシス。 とりあえず選択肢は rァA 41 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/06(木) 17 19 46 ID ExS0krN7 これは期待。一気に加速しましたな。 自分としてはAで、その後にBを願いたいです。 42 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/06(木) 22 25 44 ID 2U/WHIfF 清姫はヤンデレ 43 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/08(土) 11 17 22 ID tG+LNY3E 古い方埋めようぜよ 44 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/08(土) 14 08 05 ID QL0h+uVA ヤンデレ分が随分補給できました これでまた頑張って生きていけそうです ルート分岐は片方しか書かないならB、両方書くならA→Bでお願いします 45 名前: ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/09(日) 00 05 04 ID tW5I5qGT 皆様ありがとう。A→Bで書くことにします。 頑張ります。 46 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/12/09(日) 06 47 59 ID OUAE9Ea5 47 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/09(日) 12 31 50 ID XIArW4QP まだ前スレ落ちてないよ 48 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/09(日) 13 27 24 ID vm528EvP 45 ガンガレ。 ただ一つルートを書き終えると燃え尽きちゃったりしがちだから気をつけてくり。まあそれはそれでありなんだけど。 前スレは埋めネタ待ちか。 雑談で埋めてもいいんだけどね。 49 名前:タカシくんの好きなもの![sage] 投稿日:2007/12/10(月) 20 13 24 ID Gq+nQ0PF すんすん鼻を啜り上げる音が、すぐ隣から聞こえてくる。 「タカシくん、タカシくん」 恋人の名前を呼びながら泣いているのは、親友の愛美だった。長く艶やかな黒髪に包まれた穏やか な美貌が、今は涙と鼻水で台無しになっている。 「いい加減泣きやめよなー」 あんまり陳腐な言葉だとは思ったが、今まで散々慰めの言葉をかけてもなお泣き止まないので、も はやこうでも言うしかない。 案の定、愛美は「でも、でも」とぐずって、またわっと泣き出した。 (いつかはこうなると思ってたけど) 愛美の泣き声を成す術もなく聞きながら、わたしはぬるくなった缶コーヒーをちびちび啜る。コー ヒーは苦いからあまり好きじゃないが、こうでもしないと間が持たない。 件のタカシくんと愛美が付き合いだしたのは、およそ三ヶ月ほど前のことである。 タカシくんと言ったら、わたしの学年でも有名な遊び人だ。程よく染めた茶髪とそこそこ整った顔 立ち、ノリがよくて話題が豊富で、笑うと口元から覗く白い歯がチャームポイント……という、まあ 結構典型的なモテ男である。 そんなモテ男が、何を思ったのか唐突に愛美に告白したらしい。理由なんて「たまには初心な子を 食ってみてえなあ」程度のもんだろう。で、男に全く耐性のなかった夢見るお嬢さんは、あっさりと 彼の求愛を受け入れてしまったわけで。 「あのねきゅーちゃん、タカシくんがね、タカシくんがね」 そんな風に、愛美が無闇に嬉しそうな顔でタカシくんとの甘い一時をわたしに報告してきたのは、 大体一週間ぐらい前までだっただろうか。 その辺りから急に雲行きが怪しくなった。なんとなく表情が暗いなあと思っていたら、三日前ぐら いに沈んだ声で、 「あのねきゅーちゃん、タカシくん、浮気してるかもしれない……」 と打ち明けてきたのである。どうやらそれは真実だったらしく、わたしは今朝校門をくぐるなり愛 美に捕まって、人気のない体育館裏で泣き言を聞かされているのだ。 「だからあいつはやめとけって言ったじゃん。タカシくんは遊び人だって有名だったんだからさー」 「違うもん、タカシくん真面目だしとっても優しいもん、遊び人じゃないもん」 泣きじゃくりながらタカシくんを庇う辺り、これは相当重傷だなあと頭が痛くなった。 元々思い込みの強い愛美のこと、タカシくんの表面上の態度に騙されて、「真面目で優しいタカシ くん」像を勝手に作り上げてしまったんだろう。実際、愛美の口からタカシ君の悪口を聞いたことは ない。今でもそうだ。 「きっと、わたしの愛情が足りなかったんだよ」 「そりゃどうかなあ」 口ではそう言いつつも、内心では「そりゃ逆だよ」と呟いていた。 愛情は足りないどころではなく、むしろ足りすぎていた。はっきり言って過剰だった。愛美が惚気 ながら言っていたのだ。 「あのねー、わたしねー、タカシくん一人暮らしで大変だと思ってねー、毎朝起こしに行って毎朝ご 飯作ってあげて、毎朝……」 要するに一日中休むことなく甲斐甲斐しくタカシくんのお世話をしてあげたわけである。いかに愛 美が大和撫子的な奥ゆかしい魅力を持った美少女だと言っても、これでは鬱陶しくなってもしかたが ない。それに、ちょっとでも迷惑そうな素振りを見せれば、 「ごめんね、わたし、タカシくんのこと何も考えないで……」 とか何とか言って、涙ぐんでいたに違いない。長い付き合いだからこそ分かる。愛美はそういう女だ。 (あんたの愛情は重いんだよなー。多分、タカシくんが他の女に走ったのもそれが原因だろ) わたしはそう睨んでいる。無論、遊び人タカシくんのことだからいつかはこうなっただろうが、こ こまで早いのは愛美の愛情の重さにうんざりしたからだろう、と。 (だからって、本人に直接言うのもなー。親友は辛いぜ) そもそも恋人にタカシくんなんてのを選ぶのが間違いなのだ。ドラマや恋愛小説を見てみるがいい。 「恋人のタカシくん」なんて大抵ロクな男じゃないだろうが。つまり、恋人にタカシくんを選んでは いけないのは日本人全体の共通認識なのである――。 などとわたしが一人現実逃避していると、不意に愛美がぽつりと言った。 50 名前:タカシくんの好きなもの![sage] 投稿日:2007/12/10(月) 20 14 29 ID Gq+nQ0PF 「やっぱりタカシくん、ああいう子の方が好きなのかな」 「あん? どういうこった、『ああいう子』って」 涙の痕が残る愛美の横顔が、思いつめたように硬くなっていた。 「あのね、昨日、タカシくんが本当に浮気してるかどうか確かめようと思って、後をついていったの ……あ、それで本当に浮気してるってことが分かったんだけど」 「はぁ。直接確かめるとは、やるねえあんたも。ってか、やっぱあんたもタカシくんは遊び人なん じゃないかって疑ってたわけね」 「違うよ!」 愛美は勢いよく首を振った。 「タカシくんは真面目で優しいもん。浮気なんかしちゃったのは、きっとわたしが、わたしが……」 また愛美の目に涙が滲んでくる。せっかく収まったのにまた爆発しては大変だ、と思って、わたし は慌てて話題を戻す。 「で、その『ああいう子』ってのはどんなだったんだよ?」 「えっとね」 愛美は泣くのをやめて、少し考え込んだ。 「髪の毛が茶色くてね、お化粧が上手でね、すっごく短いジーパン履いてて、耳に大きなわっかつけ てて、元気で明るくて」 わたしの頭に、茶髪、ギャルメイク、ショーパン、キャミソール、ロングブーツ……という、いか にも遊んでそうな外見の女がギャーギャー喚きながらクチャクチャガムを噛んでいる姿が浮かぶ。 (うっわー、見事に正反対の女選んだな、タカシくん) よほど愛美のことがうざかったんだろうなあ、としみじみ考えてしまう。愛美もある種似たような 結論に達したようで、また涙ぐんでいた。 「やっぱり、わたしなんかじゃダメだったんだ。ああいう明るい子の方が好きだったんだ、タカシくん」 で、また「タカシくん、タカシくん」とすんすん泣き出してしまう。その様子があんまり悲しそう だったので、さすがにちょっと可哀想になってしまった。 (……わたしがもっと強く止めてれば、っていうのも、ないワケじゃないしなあ) わたしはボリボリと頭を掻いた。ちょうど缶コーヒーを飲み終わってタイミングも良かったので、 ため息を吐きながら立ち上がる。 「よし、じゃ、アドバイスしてあげるよ」 振り向きながら言うと、愛美が「え?」ときょとんとした顔でこちらを見上げてくる。 「え? じゃないよ。アドバイスだよアドバイス。タカシくんの心を愛美に戻すためのアドバイス」 「でも」 愛美は暗い顔で俯いた。 「タカシくん、わたしのことなんて……」 「それがよくないっての。いい? そもそも告白してきたのはタカシくんだったんだから、何かしら 好かれる要素があったのは確かなのよ。そうでしょ?」 「う、うん、そうかも……」 「だったら、あんた自身の魅力で勝負しなくちゃ。ね、タカシくん、何をしたとき一番喜んでくれた?」 「えっと」 愛美はもじもじと指をすり合わせた。何かを思い出したのか、少し頬を染めながら躊躇いがちに言う。 「お料理作ってあげたとき、かな」 「お料理。そっかー、あんた、メシ作るのうまいもんなー」 「それほどでもないけど」 愛美は謙遜したが、これは実際大きなアドバンテージだろう。偏見ではあるが、チャラチャラ遊ん でる女に、愛美ほど旨い料理が作れるとは思えない。 (とは言え、タカシくんは愛美にうんざりしてるわけだからなー。今更普通に料理作ったって、新鮮 味が薄いだろうし……) わたしは少し頭の中で戦略を練った。 「よっし、愛美、あんた、タカシくんとしばらく距離を置きな」 「え? どういうこと?」 「いいからわたしの言う通りにする。しばらく会わずにおいて、愛美のことを忘れかけた頃に、メ チャクチャうまい料理をご馳走してやんのさ。そうすりゃ『ああ、この子はこんな素晴らしい子だっ たんだなあ。忘れていたよ!』みたいに感動するはずさ!」 多少大袈裟に言ったが、こうでもしないと今の愛美は動かないだろう。案の定、 「そ、そうかなあ……」 と戸惑うように呟きつつも、その顔には希望と期待が戻りつつあるように見える。 51 名前:タカシくんの好きなもの![sage] 投稿日:2007/12/10(月) 20 15 32 ID Gq+nQ0PF (よっし、ひとまずは安心だな) わたしは心の中でガッツポーズを作りながら、具体的な作戦を愛美に告げる。 「じゃ、勝負は一ヵ月後だ。それまでは、タカシくんとはなるべく話をしないこと。あっちだって浮 気してるぐらいなんだ、愛美が静かなのはむしろ好都合だと思うだろ。で、その間にあんたはタカシ くんにご馳走するものを考えて、準備しておく、と」 「うん。でも、何を作ってあげたらいいのかなあ」 「そんなん、タカシくんの好きなものでいいじゃん」 「それはそうだけど、そういうのは大体作ってあげちゃったし……新鮮味がないんじゃないかな?」 「あー、そっか。確かにそうだな……じゃ、材料を豪華にするとかさ」 「材料……タカシくんの好きなもの、豪華な材料……」 愛美は口元に手をやってブツブツ呟いていたが、やがてぱっと顔を輝かせた。 「そうだ、これならきっと喜んでもらえる!」 「おお、何作ることにしたん?」 「えへ、秘密。あのね、豪華な材料っていうの、思いついたの。絶対絶対、ぜーったい、大丈夫だよ」 普段控え目な愛美に似合わず、えらく自信満々な様子である。わたしは意外に思いつつも、同時に 頼もしさも感じた。 「よっし、それならきっとうまくいくね。ところで、その材料ってのは、普通に手に入るもんなの? 豪華だって言ってたけど」 「うーん……どうかな。多分、一ヶ月もあれば十分、だと思うけど」 「なんだか、不安そうだね」 「わたしも、今まで扱ったことない材料だから……でも大丈夫、タカシくんのためだもの! 絶対成 功させてみせる!」 ぐっと拳を握りしめながら、愛美が立ち上がる。その背に炎が見えるような気がした。 (これなら大丈夫だろう) 自分の案のおかげでこうなったのだから、わたしは実にいい気分だった。 その日以降、愛美はあまり授業に出なくなった。 「あんな真面目な子に何が」と周囲が騒ぐ中、わたしは一人落ち着いていた。 愛美が一生懸命「豪華な材料」を用意しようとしている姿が、目に浮かんだからである。 そして一ヵ月後。 「上手くいったよ、きゅーちゃん!」 わたしの部屋の真ん中でVサインを決めてみせる愛美に、わたしは苦笑いしか返せなかった。 興奮して我が家に飛び込んできた愛美をどうどうとなだめながら、自室につれてきたところである。 「テンションたけーな、あんた」 呆れて言うと、愛美は両手を組んでうっとりと目を閉じた。 「だってね、タカシくん、震えるぐらい喜んでくれたんだよ!」 「震えるって……そんなに?」 「うん。震えながら、おいしいおいしいって涙流して笑ってた」 「どこの料理漫画だよそりゃ」 さすがに呆れてしまう。だが、愛美のはちきれんばかりの喜びオーラを見る限り、少なくとも嘘で はないようだ。 (あの遊び人タカシくんが、震えながら涙流して、ねえ) ちょっと想像できない光景だが、そうなってしまうぐらい愛美の料理が旨かったということなのだろう。 そう思うと、俄然興味が沸いてきた。 52 名前:タカシくんの好きなもの![sage] 投稿日:2007/12/10(月) 20 16 50 ID Gq+nQ0PF 「ねえ愛美。あんた、一体なに作ってあげたの?」 「ん? いろいろだよ。タカシくんの好きなものは、大体作ってあげたかなあ」 「それだけ? ああ、そういや、なんか豪華な材料を使ったんだっけ?」 「うん」 愛美がにっこり笑う。 「ありがとねきゅーちゃん、きゅーちゃんのアドバイスのおかげで、その材料使おうって思いついたんだ」 「そりゃどうも。で、実際なんだったんだよ、その豪華な材料っていうのは」 「それはひみつー」 愛美が人差し指を唇に当てて片目を閉じる。 「あー、ずるいぞあんた。わたしのおかげで上手くいったのにさー」 「えへへ、ごめんね。でもね、それはわたしとタカシくんだけの秘密なのよ」 「へん、そうかいそうかい。せいぜい二人の世界に浸ってろよバカ」 そっぽ向いてしっし、と手を振ってやると、愛美は困ったように笑った。 「拗ねないでよー。じゃあね、ヒントあげるね」 「おう、くれくれ」 「えっとねー、その材料はねー」 愛美は指を折って何かを数え始めた。 「切ってもいいし焼いてもいいし炒めてもいいし煮てもいいし……あ、あとね、ミキサーにかけて ジュースにしてもいいんだよ。でも、凄く臭いから、それをどうするかが調理のポイントかなあ。ち なみに、わたしは今挙げた調理法を、今回全部使いました!」 「なんだそりゃ」 ミキサーにかけてジュースにしてもいいって辺りは野菜や果物を連想させるが、凄く臭いっていう のはどういうことだろう。 (大体、あのチャラチャラしたタカシくんがそんなもん好きだとは思えないんだけど) 悩むわたしの前で、愛美は少し眉をくもらせた。 「でもね、ちょっと心配なんだけど」 「なにが?」 「タカシくんね、途中で吐いちゃったの」 「吐いたって、……え、なに、ゲロッたのあいつ?」 「うん」 「うわー、きったねー! っつーか恋人の料理吐くとか最悪じゃん」 「仕方ないよ」 愛美は穏やかに笑った。 「それにね、吐いちゃったタカシくんに駆け寄って、『大丈夫?』って声かけたら、必死に『大丈夫、 ごめん、許してくれ』って謝ってくれたんだよ」 許してくれ、というのは、つまり『折角作ってくれたものゲロっちゃってごめん』ということだろう。 「はー、あのタカシくんがねー。ずいぶん愛美に惚れ直したもんだ」 わたしは感心すると同時に安心した。これなら愛美とタカシくんも上手くいくだろう。自然と楽し い気分になって、冗談の一つも飛ばしたくなった。 「そのゲロッたってのも、案外『好きなものだからいっぱい食べ過ぎちゃった!』なんて、幸せな理 由なんじゃねーの?」 「そうかも」 愛美は嬉しそうに笑った。 「だってね、タカシくんが、とっても、とっても、とーっても、好きなものを使って作ってあげたから」 「へー、そんなにねー……まだ余ってんの、それ?」 「うん。あ、そうだ、きゅーちゃん」 「なんだ?」 「あのね」 愛美は首を傾げた。 53 名前:タカシくんの好きなもの![sage] 投稿日:2007/12/10(月) 20 17 59 ID Gq+nQ0PF 「目玉って、どう調理したらいいと思う?」 一瞬何を言われているのか分からず、わたしは間抜けにもポカンと口を開けてしまった。 「なにを、調理するって?」 「だから、目玉。ああ、あと、脳味噌も残ってたかな。どうしたらおいしくなるかなあ」 何の話をしているんだか、分からなくなった。 (目玉? 脳味噌? 調理? えーと、どういうことだ……?) 必死に考えて、わたしはある結論に思い至った。 「分かったぞ、愛美!」 「え、なにが?」 驚く愛美に、指を一つ立てて言ってやる。 「お前が使った材料って、マグロだろ!」 「……マグロ?」 訝しげに鸚鵡返しする愛美に、頷いてやる。 「そう、魚の。目玉とか脳味噌とか使えるって言うし、魚だから多分臭みもあんだろ? 切っても焼 いても食えるし……まあジュースにするってのは気持ち悪いけど」 タカシくんはひょっとしたらゲテモノ好きなのかもしれない。もしくは、吐いたのはそんな気色悪 いジュースを無理して飲んだせいだろうか。 少し考え込むわたしの前で、愛美は首を傾げた。 「うーん、マグロ、マグロ……ちょっと、いやかなり違うけど……」 呟いたあと、軽く首を振る。 「まあ、どうでもいいか。食材になっちゃえば大体みんな一緒だって分かったし」 「あ? なんか言ったか?」 「ううん、なんでもないよ。それでねきゅーちゃん、タカシくんがねー」 愛美は床にぺたんと座り、楽しげにタカシくんのことを話し始める。わたしも背もたれを前にして 椅子に座って、呆れ半分にのろけ話を聞く。 「タカシくんね、『俺が悪かった、許してくれ、もうお前以外の女は見ないから』って言ってくれた んだよ」 「へえ。調子いいこと言うねえ。そんなこと言って、また浮気すんじゃないの?」 「そんなことないよー。だってタカシくん、もう外に出ないって言ってたもん」 「外に出ない? どうして」 「外に出ると他の女の人見ちゃって、迷惑かけるからだって」 「うひゃー、驚いた。あのタカシくんがね。こりゃあんたにぞっこんほれ込んじまったんだね」 「えへへ、そうかなあ?」 まあさすがに外に出ないというのは冗談だろうが、幸せそうに笑う愛美を見ていると、茶化す気に はなれなかった。 (何にせよ、これにて一件落着ですかねえ) 深く息を吐きつつ、わたしはふと、窓に目を向ける。 狭い家の外は、春らしい暖かな日差しで柔らかく輝いている。 (外に出ない、なんて、勿体無いと思うけどねえ、タカシくん?) 肩をすくめるわたしを見て、愛美が文句を言った。 「ねー、きゅーちゃん、聞いてるー?」 「はいはい聞いてますよ」 「そう? あ、でねでね、きゅーちゃん、タカシくんがねー」 際限なく続く愛美の惚気話を聞きながら、わたしはようやく訪れた平和を一人噛み締めるのだった。 HAPPY END! 54 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/10(月) 20 19 25 ID Gq+nQ0PF ヤンデレもいいけどたまには普通の話も読みなよってことさ! 55 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/10(月) 20 24 21 ID /XhNErsM だが断る\(^o^)\ 56 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/10(月) 21 41 23 ID xAyK9HM4 HAPPY! d(^o^) 57 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/10(月) 21 52 33 ID 7dBO99VV 53 GJ こういうホラーチックな話は、好きだな 58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/10(月) 22 49 33 ID eLCwaClu 53 GJ!! レクター・ハンニバルを思い出した。 59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/10(月) 23 25 06 ID vg+lwlYY ハードヤンデレはきつい… ソフトヤンデレがいいな 60 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 00 38 17 ID iGJirhDP 59を見て「そうか?」とか思ってしまった俺は既に…\(^o^)/ 61 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 45 55 ID mLomD40f またまた投稿します、今回は一応男役がショタなのと…カブトボーグを見ながらノリノリで 書いたので、そこらへん注意です。 「爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」 「はあ~…なんでこんな仕事引き受けちゃったんだろう…」 二日酔いでふらふらする頭を押さえて私、小鳩 あずさはバスに乗り込んだ、目的地は海岸沿いにある イベント会場、舞浜アリーナだ。 勿論遊びに行くのではない、大切な仕事のためにその会場に向かうのだが…どうしても気乗りしなかった。 その理由はただ一つ…私の仕事が漫画家で…よりにもよって編集者から受けた新しい仕事の依頼が児童向け雑誌で 大人気のおもちゃ、ダイノボーグの漫画を描くことで…更に何故か今日開かれる全国大会に選手として出場する事が決定していたからだ。 「ノリで行けばいいのさ、会場で取材がてらに少し遊んで来いって」 何がノリだ、そう思った。 しかしせっかくもらった仕事な分、きっちりこなさないとプロとして恥ずかしいのも事実だ…必死に 改造マニュアルを読んで勉強し、何とか昨日酒で勇気を付けて…今日、二日酔いしながらもここまでたどり着いた…そんな感じだ。 「何が悪かったのかなあ」 そんなことを呟いて窓から見える景色を眺める。数年前、初めて原稿を持ち込んだときに、他に何が書けるのかと聞かれて某ミニ四駆同人誌を もって行ったのが今にしてみればもの凄くまずかったのかもしれない。 「おねえさん、どうかしたの?」 ふと、自分の横から聞こえた声に振り返る、そこには一人の少年がいた…その子はくりくりした目と少年特有の可愛らしさ そして元気いっぱいな表情をした…まるで私の理想を体現したかのような少年だった…そしてその腰には、ダイノボーグの ホルスターが装着されている。 「あ?ううん…ちよっと気分が悪くて…何しろ初めて大会に参加するから…」 「え!お姉さんもダイノボーグするんですか!?すごーい!かっこいい!!」 彼はまるでヒーローでも見ているかのようなきらきらした目で私を見つけてきた…その表情の可愛らしさに私の二日酔いは吹き飛んだ …可愛いなあ、話をふって正解だったなあ…こんな子に会えてよかった、と私は少しだけ担当に感謝した。 「うん、でももう大丈夫、会場も見えてきたし、お姉さんも緊張してられないもんね!!」 そう、もうバスはアリーナのすぐ近くまで迫っているのだ、おちおち二日酔いはしていられない。 「そういえば…君の名前はなんて言うのかな?同じボーグバトラー、小鳩 あずさとして知っておきたいんだけど」 「僕は流星、三剣 流星!小学四年生です!」 自信満々にその子…流星君は名乗りを上げた、その表情に私の心はとても癒された…ついでにこの子をモデルにして漫画の主人公を 描こうと、ついでにそんな打算的なことも考えた。 62 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 47 25 ID mLomD40f 「爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」② 会場に入って小学生学生達の軍団の中でゼッケンを付けると凄まじく恥ずかしかったが それでも取材をしなければしかたない、そう考えて、私は恥を忍んで会場で絶叫した。 「行きなさい!!ゾルダートメガテリウマー!!」 「いっけー!!ステゴライザー!!」 何でいちいちぶつかるたびに叫ぶんだろう、そんなことを考える…そもそもこのオモチャ ダイノボーグは紙相撲にモーターを付けたようなものだ…いちいち叫ぶな子供よ、そもそも 何で私の機体はメガテリウムなんだ、ようはナマケモノの先祖だぞ…。 そんなことを考えつつも相手の子供のダイノボーグを土俵から押し出して、リーグ戦で順調 に勝ち進んでいく…気がつけば私はブロック戦に突入して、Aブロックの代表として勝ち残っていた。 (あー、流星君にあいたいなあ、お話したいなあ…) そんなことを考えながら会場をうろつく。 「何だよあのお姉ちゃん、つよすぎるよ…」 「でも次の試合の相手…チャンピオンだから…」 そんな呟きが会場のあちこちから聞こえる、チャンピオンが相手とは運がないが…まあ 相手は子供だ、きっと簡単に勝てるだろう。 そう考えながらリングに上がる…その先には。 「お姉…ちゃん?」 「え…流星…くん?」 驚いた顔の流星君がいた、どうやら彼がチャンピオンだったらしい…私も同じように驚く …しかし、驚く彼の顔を見るとある考えがわいてきた。 (この子…泣いたらどんな顔するんだろう?) そんな思いを抱きつつも、ゴングの音と同時に私はリングにダイノボーグを放った。 「…くっ!!いけえ!ゾルダートメガテリウマー!!」 「…負けない!行くよ!!ティラノロート!!」 流星君はそう言うと同時にダイノボーグを放った、彼の使う機体はバランス型だ 一直線で私に向かってくればパワー型のこの機体の力には押し出しで勝てるはずがない…そう思っていた、が。 「いまだ!!レジェンドロジカルサイコストーム!!!」 どがあん!!と。 私のダイノボーグはあえなくリングアウトした…さすがチャンピオン、必殺技を持っているとは思いも寄らなかった…。 「お姉さんゴメンね…」 「ううん、大丈夫だよ…それよりさ、今度もっと勝てるような方法…私にも教えてくれるかな?」 「うん!いいよ!!教えてあげる、お姉さん強いからすぐに僕を追い越せるよ!!」 とりあえず試合には負けたが取材結果は上出来だったのでよしとしよう、それに…こんな可愛い少年とも知り合えたのだ、 きっとこれがいい出会いになるに違いない…。 そんなことを考え、私はできるだけ汚くないような、さわやかな笑顔を浮かべた。それに合わせるかのように流星君も にっこりと笑顔を浮かべた。 63 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 48 22 ID mLomD40f 「爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」③ 「それでね、今日学校でね…もぐもぐもぐ…」 「こーら!あわてないの!食べたかったらまた頼んであげるからね」 それから一月が過ぎた、その後流星君とケータイの番号を交換するまでの 関係にこじつけた結果、彼は意外にも私の近所に住んでいる事が判明、原稿が終わった あとや暇なときはこうしてしょっちゅう遊べるような関係にまで進展していった。 喫茶店で無邪気に好物のチョコパフェを食べる彼を見るだけで心が癒された、更に普段 の生活がどうだ、あの先生が嫌いだなんて話をしてくれているといったあたりは本当にたまらなかった…。 可愛い、もう食べてしまいたいくらいに可愛い…ああでも、この子にとっては、私はただのやさしい お姉さんどまりなんだろうなあ…なんて、そんなことを考えると寂しくなった。 「ねえねえ、あずさお姉さんのほうはどうなの?漫画のほうは終わったの?」 「うん!今日早速原稿を上げてきたんだ!だからこうして流星くんと遊べるんだよ」 「やった、じゃあまたボーグバトルしよう!」 こうしていつまでこの子は私と遊んでくれるのか、それが一番心配だった、だから漫画の連載の方も 頑張った…そう、この唯一の、二人の接点を切らないために…そしてこのオモチャの人気を出来るだけ 長く続けるために…そして。 「じゃあさっそくお店に行こう!あずさお姉ちゃん!」 この、彼の笑顔を見続けるために…。 64 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 49 31 ID mLomD40f 「爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」④ しかし、二人の関係に終わりが来るのも実に早かった、理由は簡単だった…私がバトラーとして目立てば目立つ ほどに雑誌上での扱いは大きくなり、それが流星君のプライドを…小学生特有の女の子と仲良くすると言う事に対 する抵抗を強めたのだ。 「お姉ちゃんと流星君はつきあってるんだって」 まあきっとそんな感じで語られたのだろう、噂は次第に大きくなり、彼は気恥ずかしさとチャンピオンのプライド から私を避け始めたのだ。 「お姉ちゃんとはもう会いたくないです、僕にもう話しかけないでください」 そんな手紙をもらっても、必死にそう解釈して自分の気持ちを抑えた、でももうそんな気持ちは長く続かなかった 今まで一緒にいすぎた分、猛彼がいないことに自分が耐えられなくなっていたのだ。 りゅうせいくんりゅうせいくんりゅうせいくん…あいたいあいたいあいたいあいたい…おねえちゃんはもう限界だよ 君がいなくなってから気づいたんだよ、もうお姉ちゃんは君がいなくちゃ駄目なんだよ…お願いだから、何でもするから…戻ってきてよ、流星君…。 「あ…んん…あああ!」 最後に流星君が遊びに来たときに置き忘れていったジャンパー、その臭いをかいで、私は締め切った部屋でオナニーを繰り返していた。 それから数ヵ月後、とうとうダイノボーグのアニメ化も決定したとき、担当からある話が持ちかけられた。 「敵がおなじ小学生じゃつまらないからさ、こう、もっと強い敵を出そうよ、ダイノエンペラーとかそんなかんじの奴、本当の試合の方 にも逆シードで登場させてさ…きっと盛り上がるって…」 ストレス性の不眠のために、目の舌に大きな隈をつくりながらも担当の話を聞いていた私は…ふと、あることに気づいた。 …そうだ、それを使えばいいのだ、そうすれば嫌でも流星くんは…また私を…。 「担当さん!了解しました!!ただし…その企画、私に預けてくれませんか?」 「へ…まあいいけど、どうしたの?」 このとき私はきっと…ものすごい下卑た笑顔を浮かべていたのだろう、でも構うもんか。 わたしは流星くんと一緒にいたいんだ。ずっとそのそばにいたいんだ。 65 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 50 45 ID mLomD40f 「爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」⑤ 「ホーッホッホッホッホ!この程度、この程度なのかしら!」 「うわーん、ぼくのディノレックスパーダが~!!」 泣き叫ぶ少年に対して、私、小鳩 あずさ…もとい、ダークネス レックスクイーンは容赦なく勝利、少年のダイノボーグをハイヒールで踏み潰した。 ダークネスレックスクイーン…それが今回私が提案した悪役だった、負けたダイノ ボーグを容赦なくハイヒールで砕く、ダイノボーグで世界征服をたくらむちゃっちい大人… もとい恐怖の女王、それが私の流星くんともう一度…このオモチャで遊ぶために考えた配役だった。 「許さないぞ!クイーンめ!!今日こそ僕が倒してやる!!」 「ホーホホホ!そんなことができるのかしら、君みたいな可愛い坊やに!?」 やっぱり子供だ、仮面とボンテージアーマーで隠しているせいもあるのだろうが、意外に彼は 私の正体に気づかずにノリノリで宣戦布告をしてくれた。 しかし、そこに予定外が一つ。 「大丈夫だよ流星、アンタは決勝で私と戦うんだから!」 天乃川姫香…なんだか私が傷心で一月ほど大会に出ない間に現れた、流星くんのクラスの転校生 らしい…年相応にツインテールを結い、流星くんのそばにいながらツンデレな態度をとる姿は…正直スゲエムかついた。 「言うじゃない…じゃあさっそく、行きなさい!ジャックザレオン!!」 とりあえず彼女の一回戦相手の四天王の一人に命令をする、正体は担当な分ある程度命令できるのが 今回の肝だ。 (容赦なくやってよね!)担当に冷たく言い放つ。 「な!何で俺がそんな事!?」 「…あ?…てめえ逆らうのか?ぶっ殺すぞ!!」 「は…はい!!」 多分普段を軽く超えるような気迫がこもっていたのだろう、担当は息を呑んでそう答えた。 その結果、彼女の使うビューティフルスミロダーは担当の獣装甲ダイノボーグ、ビルゲマスター による捨て身攻撃によってモーター部及び敵を押し出す部分に大ダメージを受け…結果、捨て身で 勝利するも、二回戦の私との対戦であっけなく敗退する羽目になった。 「いやあ!!やめてえ!!わたしの!私のダイノボーグが…いやあ!あああああああ!!!!!」 グシャリ!と音を立てて彼女のダイノボーグは砕け散った、私はこれ見よがしにそれを何度も砕く !砕く砕く砕く砕く!!!!よくもお前は…よくもお前は流星くんを!!許せない許せない許せない!!! そうやって流星くんのことを敵視するフリして!知ってるんだぞ!しってるんだぞ!!!ゆるさないゆるさないゆるさない!!!!。 「いやあー!!!いやあー!!!」 そう叫ぶと同時に彼女はがくりと倒れた、その空ろな表情を見て私はにっこりと笑う、だって…だって…また流星君が…。 「もう…絶対に許さない!!お前を絶対に倒してやるからな!!クイーン!!」 おこったかおでも、ソウヤッテワタシヲ、ワタシヲ…ミツメテクレルンダカラ。 66 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 51 58 ID mLomD40f 「爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」⑥ それから数試合後、足が痛くなるほどにダイノボーグを踏み潰した後、ようやく決勝戦が始まった。 相手側はもちろん流星くんだ、たった二人でリングに上がるとまるで結婚式か何かのようで胸が躍った しかしまあ…怒った顔も、こんなにも可愛いんだね、大好きだよ、いや、余計好きになりそうだよ…流星くん、大好きだよ。 「僕はお前を許さないぞ!クイーン!食らえ!クレイジージュラシック!狂い咲きサンダーダーロード!!!」 「許さないの、酷いなあ?りゅうせいくん?」 「え…あずさ…おねえちゃん!?」 流星君が必殺技を放つ瞬間、私は仮面を落として彼の気を一気にそらした、そしてその瞬間、一直線で向かってきた彼の マキシマムティラノロートは私のクリムラウザーを一気に場外に押し出した。 「決まりましたあ!!勝者!三剣流星ー!!!」 場内から歓声が響き渡る、私は悔しそうに捨て台詞をはいて自分のダイノボーグを踏み潰すと、会場を後にした…もちろん 流星くんには飛び切りの笑顔を浮かべて…だ。 勿論そのあと会場にはチャンピオンの勝利を怪しむ声が響き渡った…まあ大人ならある程度試合にもホンがあるのかと思うのだろうが 子供の世界ではそれは許されないのだろう…そして派手派手なメイクを落とし、地味な顔で流星くんの様子を見に行ってみることにすると …チャンピオンの控え室ではぱちいん!と派手な音を立てて、彼があの子…姫香ちゃんに顔をはたかれているのが見えた。 すかさず私はそれを止める、空ろな顔で涙を流し、裏切り者と叫んで流星くんをにらみつける彼女は…見ていてとても愉快だった。 「負けを認められないのは恥ずかしい事よ…そんなんじゃあ誰かを好きになる資格はないわ」 「…う…うわあああああああ!!!」 そういって泣き叫ぶと、彼女はどこかにむかって走り去っていった。 そして今にも泣き出しそうな顔の流星君を見つめる、その顔は私の心の中の加虐心を十分に満たしてくれた…。 そう、ここまでは計画通りだ、後はどうことが運ぶのか…うふふふふ、あははははははは!!! 67 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 53 12 ID mLomD40f 「爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」⑦ その夜、打ち上げもそこそこにマンションに帰って原稿のラフを書いていると流星くんからのメールが届いた …よかった、私のアドレス消してなかったんだ…おねえちゃんは嬉しいなあ…。 「今夜、公園で決着を付ける」 簡素な言葉だけのメールだけど、それでも凄く嬉しかった…彼からもらった初メール、いや、人生で始めて 自分に好意を向けてくれた男性からのメールだ、しっかり保存して大切に取っておこう。 そして私は公園にたどり着いた、そこには簡素なステージをセットして、ダイノボーグを持って待ち構える流星君がいた。 「お姉ちゃん…僕が勝ったら姫香に謝って…そしてもう、僕の前に現れないで!!」 「相変わらず可愛いねえ、流星くんは…じやあね、もしお姉ちゃんが勝ったら…一生、お姉ちゃんの言う事… 聞いてくれるかな?」 そういって彼を見つめて笑顔を浮かべる…やっぱり、お子様はそんな事いわれたら怖いのかなあ?流星くんは 唇まで青ざめている…寒いのかな?ならはやく暖めてあげなくちゃ…うふふ。 「ボーグファイト!ゴー!!」 二人が叫ぶと同時に、二体のダイノボーグが投げ込まれた、マキシマムティラノロートは一気に私の新型ダイノ ボーグ、レプテライダーに衝突して…そのまま横転、一気に場外に押し出された。 突然のことに何が起こったのかわからず、流星くんは立ち尽くす…そして数分後、彼は絶叫した。 「…うそだ、うそだ…うわあ、ああああああああああ!!!!!嫌だ!嫌だあああああああああ!!!」 「嘘じゃないよ…うふふ、うふふふふ…君はもう無敵のチャンピオンじゃないんだよ…じゃあまず最初のお願いは…」 ぐしゃり、と小気味いい音を立てながら私は彼のダイノボーグを踏み潰した。 「もうこのへんなオモチャで遊ぶのやめて…おねえちゃんの犬になってもらおうかなあ?」 「う…うわあああああああ!!!」 今までの栄光を奪われた分、敗北と言う現実を直視できないのか…逃げ出そうとした流星くんの足に足払いを決めると 私は彼を押し倒した、いやしかし簡単なものだな、パーツを鉛で重くしておけばこうも押し出しづらくなるとは…でもコレ ばれたら一気に人気も下がるだろうなあ。 「いやだよ、嫌だよお姉ちゃん!!止めてよ!おねがいだから!!!」 「やだよ…やだやだやだやだやだやだ…もうおねえちゃんは我慢しないんだよ、君が欲しいんだよ…ん…ちゅ…」 流星くんの体をがっちりと押さえ込んで、私はその唇を奪った。 「ん…むう…ぷはあ…」 すっかり抵抗する力を失った彼を縛り上げると、私は彼をそのまま担ぎ上げて家に持ち帰った。そうだ、彼をじっくり 家で暖めてあげなくてはいけないのだ…そう、じっくりと。うふふふふふふ…。 68 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 54 27 ID mLomD40f 爆走!!逆転シューターダイノボーグ!!」⑧ 「いひぃ!や!ああああああ!!!!もう許してぇ!おねえちゃああん!!」 「ん…だーめ、りゅうくんがちゃーんと誓ってくれない限り…やめないんだからね…ぷはあ!」 持ち帰った流星、いや、りゅー君の服を全部剥ぎ取ると媚薬をたっぷり飲ませて…そのままフェラ攻め を繰り返した…そう、誓いの言葉を言わせるために…。 「でもぉ…怖いよぉ…奴隷なんて…むち打ちとか…いやだよお…」 「大丈夫、お姉ちゃんが可愛いりゅーくんにそんなことするはずないでしょう?お姉ちゃんはりゅーくんが 可愛くて仕方ないから…もしも言う事聞いて…誓ってくれるのなら、もうこんなふうには苛めないよ?欲しいものは なんでも買ってあげるよ?行きたいところに連れて行ってあげるよ…だから…」 りゅーくんは渋った挙句、ついに快感に耐え切れなくなったのか…ようやくその言葉を口にした。 「ん…は、はいい…僕は…三剣流星は…もうダイノボーグなんかで遊びません…僕は…ぼくは、もうずーっと、いっしょうがい… あずさおねえちゃんの…奴隷として生きていきますぅ…だからあ…」 「はい、よく言えました…それじゃあさっそく…んん!ん!!」 私はりゅうくんのモノを手であそこにあてがって…一気に騎上位でのしかかる。 「ひい!あ!!!あああああああああ!!!」 彼はためにためていた精液を一気に放出して…私にしがみつくと、そのまま果てた。 「ふふふ…愛してるよ、愛してるからね…もうずっと、放さないからね…流星くん…ふふふ ふふふふふ…」 彼の寝顔にキスをして、私は笑った。 その後日、流星と共に失踪してしまったあずさのマンションで最終話の原稿を発見した担当は 泡を吹いて失神したと言う。 最終回では主人公が敵…クイーンに負けて制奴隷にされるまでの過程が全てねちっこく、という かリアルそのものな内容で書かれていたという。 fin 69 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/11(火) 00 56 36 ID mLomD40f 以上です、ノリで書きました、後悔はしておりません、それでは。 70 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 08 26 41 ID JRh/pXcs ttp //www.edge-records.jp/title/nemurenai/02yandere.php 71 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 08 45 36 ID cSDaspeL 70 俺の不眠症もようやく治りそうだ。 72 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 09 13 56 ID p/XJ06zZ 流星と聞いてメタルダーしかでてこないわ 73 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 09 15 16 ID tz7Xr0f9 69 GJっす このお姉さんに犯されたい俺は異端 74 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 10 22 37 ID JRh/pXcs 流星と聞いてスパロボのリュウセイ・ダテを思い出す俺は異端 75 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 10 42 22 ID CwLLoKIq このスレって既存小説のキャラクターを使った小説でも投稿おk? (具体的にはハルヒの朝倉涼子) 76 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 10 55 57 ID tLR1oZeH 二次創作はそのキャラのスレに投稿した方がいいぞ ハルヒのスレならある 77 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 10 56 34 ID CwLLoKIq 76 あり。そっちにいってみる。 78 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 13 04 01 ID Q8IMpLTd 74 ロックマンを(ry 79 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 16 38 35 ID au5dcblj VIPの新ジャンル「独占されたい欲」ってのがいい感じ 80 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/11(火) 22 08 09 ID Qg1NFOHH VIPナツカシス。最近は厨房の出会い系掲示板になってしまってみてないな~。 81 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/12/12(水) 02 28 09 ID NuCZcnMd 82 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 04 40 09 ID buAg1Gep この会話も十分厨臭い 83 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 12 17 07 ID hUh19mew お姉さんに犯される流星くんうらやましいなぁ… 84 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 12 38 59 ID zEWlfgDu 流星と聞いて、剣(ツルギ)流星を思い出す俺はもっと異端 85 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 13 40 19 ID H5YFd3Vp 82 って指摘してる時点でおまいも厨臭い 以下∞ループ 86 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 21 03 ID Fph0owpB 鏡の向こうの自分は、自分と同じ顔をして、自分と同じ行動をする。 私が笑えば笑うし、私が泣けば泣いて、私が怒れば怒る。 私と同じ顔をした私は、私のようで、私ではない。 エントランスで倒れていた私を助けてくれたのは、同じ棟のポスドクの先輩。 私もよく知っている人で、こーたと先輩は、同じ少林寺拳法のクラブで先輩とOBの間柄でもある。 女性の悲鳴を聞いて駆けつけてきたところ、争っていた二人のうち一人が自分に気づき、荷物を 持って逃げたのだと聞かされた。 確かに、私の荷物は、全て、なくなっていた。 突き飛ばされた時に打ち付けた体が、ズキズキと痛む。 慌てて先輩に事情を話し、先輩の携帯で家に電話をかけてもらう。私達の家が徒歩10分だった としても、その10分が惜しかった。 なのに、電話の呼び出し音はむなしく鳴り響くだけ。時間から考えて、瑞希はもう家についている はず。そして、彼女は家の鍵を持っているから家に入れるはずだ。 「水樹ちゃん、行こう。もしどういう状況だったとしても、電話に誰かが出る確率は低いかも しれない」 「でも、先輩、うちはオートロックなんです。鍵は瑞希にとられたし、もし、こーたが開けて くれなかったら、私達、入れません。管理会社もこんな時間じゃ連絡とれないし」 瑞希。もし、こーたに何かしたら。許さない。 でも、どうしたらいいの。私に何ができるの。こんなにも無力でどうしようもなく馬鹿な私。 声が震える。体がガタガタを音を立てて揺れる。焦燥感と恐怖で立っていられない。 そんな私の肩を、先輩は強く掴んだ。 「じゃあ、警察だ」 87 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 22 13 ID Fph0owpB 「え?」 ……警察?先輩の言葉が一瞬理解できなくて、思考が停止し、体の震えまで 止まった。 呆然と、先輩を見上げる。 「先輩、そんな、警察なんて、そんなオオゴト」 「水樹ちゃん、何を言ってるんだ。これはオオゴトだぞ」 先輩は、私の肩を掴んだまま、もう一つの手で私が握り締めている携帯をゆっくりはがした。 低い声で、子供に言い聞かせるように諭す。 「身内のことだからためらうのはわかる。でも、君は襲われて荷物を奪われているんだ。これは立派な 犯罪だぞ。それに、君の妹さんは、鍵を使って家に侵入するだろう。凶器だって持っている。 もしかしたら浩太に危害を加える可能性だってあるんだ」 「あ…でも、でも…」 「いきなりのことでパニックになるのはわかる。俺が連絡するよ。待っててくれ」 先輩は、携帯を操作すると、耳に当てる。そして、安心させるように笑って、余計なことを言った。 「浩太だってうちのクラブの主力だ。殺されることはないだろう」 「こ。ころ…」 こーたが、瑞希に、殺される。そうだ。例えこーたが武術をやっていても、寝ている間に縛られて しまったら、叶わない。 違う。瑞希はこーたに恋しているのだから殺さない。絶対に。 本当に? 当たり前だ。瑞希は私と同じなのだから、私と同じように考えるはず。私はこーたを殺そうと思った ことなど…。 先輩が警察としているのであろう緊迫した会話が、すうっと遠くなった。 自分のものにならないのなら、殺してしまえばよいと、思ったことは、本当に、なかったか。 ソファーで無防備に眠っているこーたを自分だけのものにするために、二度と目をさましてほしく ないと願ったことは、本当に、なかったか。 二人共に生まれ直せるよう、全てをリセットしたいと思ったことは、本当に、なかったか。 88 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 23 09 ID Fph0owpB 「あ…あああっ!」 体を衝撃が駆け抜ける。見たくない悪夢と認めたくない記憶、二つが入り混じって私を突き動かした。 行かなきゃ!こーたを助けなきゃ!こーたが殺される! 私は、はじけるように駆け出す。 「はい…あああ、こらっ!」 しかし、警察と話している途中だった先輩が、私の体をつかんで止めた。 必死でもがくけれども、瑞希一人でさえ跳ね除けられなかった私が、体育会系の先輩の腕から逃れ られるわけがない。 「は、はい。できるだけ早くお願いします。たちの悪いストーカーなので。はい。…水樹ちゃんっ!」 電話を切った先輩が、空いた腕で、私の頬を張り飛ばした。痛みと苦しみとぐちゃぐちゃの感情が、 出口なく私の中で吹き荒れる。わけのわからなくなった私は、立ってさえいられなくなり、 その場に崩折れた。 勝手に目から涙が出てきて、たまらずしゃくりあげる。 「もう少し冷静になってくれ。君が行ったところで、一体何ができるんだ?」 「あ…あ…ごめんなさ…」 先輩は、私から離れ自転車にまたがると、厳しい声で私に言った。 「わかったら、ここでおとなしく待っていてくれ。男二人なら、女性一人を取り押さえられる。 でも、君がいたら、邪魔だ。守らなければならないだけ、邪魔になる。本当に浩太のことが 心配なら、このままここで無事なままでいてくれ。…A204に刈屋がいる。そこで待って るんだ」 私の返事を聞かず、先輩はそのまま自転車で走り去った。 私はただ、何もできず、その場にしゃがみこんで、先輩を見送った。 89 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 23 53 ID Fph0owpB 警察が素早く動いてくれたのは、はっきりと先輩が言った訳ではないが、クラブのOBが警察に いたのと関係あるかもしれない。警察が家に入るにあたっては、私の承諾があったから、早かった。 こーたは、警官二人と先輩が家に入るまで、眠っていたというのだから、大物と言うか、なんと いうか。 瑞希は、こーたのベッドに入って一緒に眠っていたらしい。あっさりと取り押さえられ、高崎家 へと帰されたという。 先輩の冷静な判断のおかげで、大事に至らず、素早く事件は解決した。 「水樹、心配、かけたね」 俺はなにもしてないけど…。と照れくさそうに笑いながら、こーたは私に言った。 私は、ただうつむいて、何も言えなかった。 私が何もできなかったせいで、瑞希に荷物を奪われて、こーたを危険にさらした。 こーたの身に何もなかったのは、先輩の冷静な判断のおかげで、私一人だったらどうなっていたか わからない。 こーたを守るどころか、ただ、蚊帳の外で、泣いていただけ。 なんて無力で馬鹿でどうしようもない私。こんな私なんて、いない方がこーたのためかもしれない。 「でも、水樹に何もなくてよかった。これからは遅くなったら俺を呼ぶとかしてくれ。迎えに行く から。研究室に一人で残る時は、鍵をしっかりかけてくれ」 涙が出てくる。こーたが心配した様子で私を見る。ああ、今ショックを受けて大変なのはこーた なのに、私のことを第一に心配してくれるなんて。なんて幸せなんだろう。 「ありがとう。本当にこーたは優しいね…。ごめんね、お姉ちゃんなのに、こーたを守れなくて」 「水樹のせいじゃないよ。水樹が無事でいてくれることが一番大事なんだから」 こーたの笑顔。部屋に戻っても、一日中私は幸せなままだった。 あまりに幸福を感じすぎて、卒倒しそうになる。 90 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 24 37 ID Fph0owpB でも、瑞希のことを思い出した瞬間に、その感情は逆のベクトルへと噴出した。 どろどろと渦巻く怒りと憎しみが、臓腑を焼く。 私と、代わる?こーたを、守る?なんて馬鹿なことを言うのだろう、あの子は。 しかも、こーたと一緒に寝ていたなんて、何を考えているのだろう。 そんな方法でこーたが守れるものか。 瑞希は、こーたと一緒になりたいだけだ。でも、こーたは瑞希なんか、姉なんかと一緒になる わけがない。 こーたは、普通に恋をして、普通に結婚して、普通にお父さんになって、普通の幸せを掴むの。 それを見守るのが、姉ってものでしょう。それを望むのが、姉ってものでしょう!! 私はそれを望むことができる。瑞希にはできない。だから瑞希はこーたの側にいてはいけない。 本当に? あの日、私を襲った悪寒が、もう一度背筋を駆け抜けた。首を振る。 当たり前じゃない。私は姉。こーたの姉なんだから。 こーたの幸福こそ、私の望み。 私は役立たず。私は無力。でも、今度こそ、絶対に、何があっても、こーたを守り抜く。 どんなことをしてでも。 そう、どんなことをしてでも。 91 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 25 27 ID Fph0owpB でも、私一人がどんな決心をしても、世界は何も変わらないのだ。 そう、私一人の願いなんて現実の前には無力で、誰一人動かせないと言うことを、私はすぐに 知ることになる。 「水樹、父さんと母さんがこっちに来ることになった」 「え?どうしたの?」 「昨日、電話で相談した」 「…何を?」 夜ご飯を食べる間中、こーたはずっと暗い顔をしていた。頑張って盛り上げてみたけれども 嫌な予感はしていた。 食べ終わり、ごちそうさまを言った後、言いにくそうにこーたが切り出した。いい話であるわけ がない。 こーたの顔が強張っている。私の顔も強張っていく。 「昨日、高崎家から、俺を瑞希の婿に、という申し出があった」 宙に浮いていた手を膝に置こうとして、距離感をどうして間違えたのだろう、机の角に思い切り 手をぶつけてしまった。 派手な音を立てて机の上の皿が一瞬、踊り、その後はただ、静寂だけがその場を支配した。 92 名前:合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 26 08 ID Fph0owpB 以上です。 今回はつなぎなので、ヤンデレ分が少なくてごめんなさい。 93 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 28 49 ID H5YFd3Vp GJ! 94 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 31 36 ID hUh19mew ダイノボーグの健全な展開 三剣少年敗れる 貞操の危機! その時 「待て!俺が相手だ!」 そこに謎の少年登場 少年の使うドラゴンロートが重りをつけたレプテライダーに圧勝 少年「アントラースラッシュ!」 あずさ「そんな!重りをつけ…んぐ…!」 「やっぱりな…ぐらついていたからまさかと思ってたが… 大人のくせにちゃんとばれないようにできないのか? このショタコンババァ!」 あずさ「…!!覚えておいで!」 お決まりの台詞をはいて去っていくあずさ 流星「兄さん…そうでしょ!舞雷兄さんなんでしょ!…助けてくれてありがとう…」 舞雷「勘違いするな… 俺はお前を倒すために日本に帰って来たんだ!」 流星「そ、そんな…」 続く 95 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 32 43 ID hUh19mew 次の日、近くのおもちゃ屋で流星と舞雷の兄弟対決 流星「兄さんのドラゴンロートはパワー型! バランス型のマキシマムティラノロートが圧倒的に有利なはず!」 舞雷「甘いな…流星… これを見ろ!」 流星「!ドラゴンロートに鎧が…!」 舞雷「見たか!このドラゴンロートは鎧を装着して アーマードドラゴンロートになり超バランス型なる! いけ!アーマードドラゴンロート!アントラースプラッシュ!」 流星「そんな…!僕のマキシマムティラノロートが…!」 舞雷「これはまだほんのお遊びだ… 世界大会で待っているぞ流星…!」 続く 96 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 35 38 ID hUh19mew 世界大会で舞雷がアメリカ代表だと知る流星は日本代表になり 決勝でなんとか勝利 しかしそこにレプテライダーゾンビを持ったクイーン登場流星を圧倒 クイーン「さぁ…りゅーくん…私のものになってぇぇぇ!」 舞雷「流星これを使え!」 舞雷がアーマーパーツを投げる アーマードティラノロートになりレプテライダーゾンビに勝利 兄弟は和解するのだった 続く 97 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 36 29 ID hUh19mew orzマジですんません… 98 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 47 26 ID hUh19mew 舞雷が不治の病に冒されているのを知った流星は 兄と失った時間を埋めるように過ごすがそこに三度クイーン登場 舞雷がドラゴンロートでまたも新型のサタンレプテライダーに負ける そして舞雷は無理をして死亡 流星「にいさぁぁぁぁん!」 怒り狂う流星はアーマードティラノロートで挑むが負ける そして失意の流星は仲間の励ましにより 大破したドラゴンロート ティラノロートを合体させたダイノロートでクイーンもといあずさとの最後の決戦に挑むのだった 続く 99 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 48 24 ID hUh19mew あずさとの最後の決戦 流星「もうこんなことやめてよ!あずさお姉ちゃん!」 全員「な、なんだってぇ!」 あずさのサタンレプテライダータロスに究極のダイノボーグ アルティメットダイノロートの必殺技グランストライカーが命中、勝利 あずさ「どうして!?ど うしてりゅーくんは私のものになってくれないのぉ…」 流星「ごめん…お姉ちゃん… 僕が避けるようにしたばっかりこんな…!」 流星の必死の説得であずさヤンデレ浄化 姫香とハーレムエンド 終わり 100 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 19 49 56 ID hUh19mew すいません すいません… どうしても書きたかった…勝手に話作って許して下さいorz もはやヤンデレSSでもないし… 101 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 20 00 16 ID 9TGs/xJO 本物のカブトボーグばりに読んでて頭痛くなったわ!!wwww(誉め言葉) 102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 20 02 37 ID hw0TBWGF 92 こ……これはテラGJ! wktkが止まらないぜ、水樹ガンガレ! アータタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!!!! . ∧_∧ ハゥアゥアゥアゥアゥアゥアゥアゥアゥアゥ ∧剛∧ (Д`;iill)← 100 ( ・∀・)σσσ つ (っ 三σσσσそ ヽ チンチンチンチンチンチンチンチン して_)σσ (_,ノw(_) 独 指 百 烈 点 ネタはいいがタイミング悪すぎだろw 103 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 20 13 30 ID hw0TBWGF 100 てかよく考えたら勝手に改変はマズいだろ。 せめて作者さんに許可取ってから書きなさい(`・ω・´) 104 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 20 53 19 ID hUh19mew そうっすねorz すみませんでした… 105 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 21 20 24 ID hw0TBWGF 104 次はその才能をいかしてオリジナル作品を書けばいいのさ! 106 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 21 49 51 ID Ze6NPKjf ヤンドジってこのスレだっけ? 107 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 00 06 13 ID llb0U9qX 106 前スレて゛投下されてるから多分合ってる リッサ氏の埋めネタは寸止めでしょうか? できるなら完結させて欲しいです。 108 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 00 22 17 ID gx42wXL2 今日会社の先輩に「ヤンデレって知ってる?」聞かれた 咄嗟に知らないって答えたけどヤンデレもメジャーになったな… 109 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 01 04 33 ID g1Qhb9Ww 100 無雷www あんたロックマンやってるなww 110 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/13(木) 01 43 39 ID Ehhjl25M 100 拝見させていただきましたがものすごく面白かったです。殆どノリと 勢いで作ったような作品だったのに、このような番外編を作っていただけて うれしかったです。本当に感謝します、どうもありがとうございました。 …とまあそんな感じなのでお気になさらないでくださいね、ちなみにロックマン はよく解らないですが、自分の大好きなジュウレンジャーネタが出たときは同人の相方か 知り合いの仕業かと思ってかたっぱしから聞いてみたくらいです。 107 自分もそろそろ貼らなくてはなと思ったので、今から残り分を貼らせていただきますね 111 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/13(木) 01 55 35 ID Ehhjl25M それでは貼らせていただきます、ダイノボーグとはノリが違いますがあしからず。 ヤンデレ観測者③ やはり世の中は金と地位なんだろうか…暗がりでもよく生える聡明そうな顔のメイドさん…こんな人を そんな簡単にも雇えるなんて…なんてうらやましいんだ、と私は不謹慎にもそんなことを考えていた…。 「二人でいるときは本当に幸せでした、私ってドン臭いからよく先輩メイドさんに苛められたりもしましたけど …そんなのも全然苦にならなくて…でも」 少し彼女の声のトーンが落ちる、どうやら話は核心に迫ってきたようだ。 「幸せは長くは…続かなかったんです」 「あの日、私が雇われて一年ぐらいして…ようやくご主人様は私を…夜に、部屋に呼んでくれたんです…私…うれしくて …初めては、とても痛かったですけど…それでも、私…嬉しかったんです」 話終わると同時にぐう、と彼女のお腹がなった、恥ずかしがる彼女に私は無言で夕飯用に買っておいたタマゴサンドを差し出した。 「…はむ…ありがとうございます…」 「いえいえ、お気になさらずどうぞ…」 しばし彼女は食事を続け、一息をつくと話を続けた。 「でも、その日からだんだんご主人様はやつれ始めて…日に日に痩せこけていったんです…元々病弱な人だった分、心配はしていた のですが…最後には仕事も出来なくなって、山奥のお屋敷で、私と数人の使用人を引き連れて隠居生活をするようになって…」 彼女はぽろぽろと涙を流す、散々世知辛い人生を生きていた分、せっかく手に入れた幸せが壊れたと言う事は…未を引き裂かれる事 よりも辛かったのだろう。 「最後に彼はずっとわたしに謝ってました、妹と君を重ねてしまってすまなかった、って……ご主人様の初恋の人は血の繋がっていない 妹さんで…禁断の恋が妹さんの早逝で実らなかった分、容姿の似た私を、せめてもと思って、抱いていたって…ふふふ、あはははは、そんなこと 言わなくても、よかったのに……はははははは」 聞いていてとても辛い話だった、久々に胃が痛くなる…しかし、多分彼女がここまで私にこの話をしてくれていると言う事は…私にこのことを 話すことでなにかをはらす事になるのかもしれない…そう、私が一生好かれることはないであろう。人を愛する事で一線を飛び越えた少女たちの… その叫びを聞いてあげることで彼女たちが癒されるのなら、何かの踏ん切りがつくのなら…ある意味この観測も意味があるのではないか…なら、ここで 更にその話しの続きを聞いてあげるべきだ、胃の痛みをこらえて私は必死にそう思った。 112 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/13(木) 01 58 55 ID Ehhjl25M ヤンデレ観測者④ 「それでその後は…どうしたんですか?」 「色々調べました…ご主人様の死因と、ご主人様の周りを取り囲む状況を…結果、死因は毒殺で… 犯人はメイド長と…ご主人様の両親と、ご主人様の遺産と保険金目当ての親戚筋である事が解りまして… 私、やるせなくなって…ご主人様の、いいえ…彼の墓を掘り起こしたんです…だって酷いじゃないですか? そんな人たちが作った墓の中で、偽りの涙を流されて冷たい土の中に閉じ込められてるんですよ?そんなところ にいるのなら…私が助けなくちゃ、って…私と同じ、あんな金ごときで…家族に捨てられて、命も奪われた 可愛そうな彼を、せめて私が助けなくちゃって…」 「そうして彼を助け出して…今はこうして、きちんと防腐処理して、剥製にした彼と二人で復讐の旅に出てるんです… うふふ…もうこれで、永遠に、墓穴の中でも二人は一緒なんですよ」 そう言うと彼女はいとおしそうに…その、彼の入っているであろう死体袋を撫で回した。 113 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/13(木) 02 08 16 ID Ehhjl25M ヤンデレ観測者⑥ そうか、それで血まみれだったのか…私は頷くと、自分の分である缶コーヒーを飲んで一息ついた。 「それで…首尾の方は」 「ええ…もうそれは、常にできるだけ急所ををはずして、苦しめて惨めに殺してやったのですが… あと残り一人がどうにも…警戒を強めているようで…」 そういうと彼女はポケットに入れていたものを見せた。彼女の手に握られていたのは古びたコルト ウッズマンのロングバレルバージョンだった…。 「大勢のボディーガードを相手に…これ一丁でどこまでいけるのか…」 装備は拳銃一つのみ…確かにそれのみで大勢のボディーガードに囲まれた復讐相手を殺すのは大変 なうえに、精神的にも不安なのだろう。 …なら仕方ないな、協力してあげるとするか。 「コレ、少ないですけど使ってください…」 そういうと私はバッグのポケットから柄付手榴弾を二つほど取り出して渡した、この前やはりここで 知り合った「魔物と戦える、彼氏を食べてしまった少女」が私にくれたものだ。 何でくれたのかわからない上にちょうど持て余していたのだが、必要な人がいるのならその人にあげ るのが一番だろう。 「…いいん、ですか?」 「ええ…これはあなたにとって必要なものでしょうし…それに、貴方が死んでしまったら…またその 彼氏と…今度こそ永遠に引き剥がされてしまいますからね」 「…ありがとうございます、ありがとうございます…」 彼女はぽろぽろと涙を零すと何度も何度もお辞儀をした。 僕の手を握る彼女の手は冷たく、血なまぐさく…そしてかさかさに荒れていた。 本来ならとめてあげたかった、引き止めてあげたかった。 でも彼女はもうその未来を、死体袋に入った剥製と、握った拳銃と共に放棄し てしまったんだろう…それが何より悲しかった。 僕はそれからもう少し彼女と話をすると、その場所を後にした。 彼女は僕の姿が見えなくなるまで、手を振っていてくれるような気がした。 114 名前:リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] 投稿日:2007/12/13(木) 02 21 24 ID Ehhjl25M ヤンデレ観測者⑦ 数日後、急いでアパートに帰ると玄関先に彼女の持っていたウッズマンが、ホールドオープンしたままの状態で置いてあった。 きっともう、使う必要はなくなったから…多分そういう意味なのだと僕は思った。 文鎮代わりのそれの下に置かれた…南の島の写真と、ありがとう、二人はここにいます…そのうち、生きていればまた…と書かれた 文を見て、私は…そこまで思われているそのご主人様がとてもうらやましかった…。 ああ、いつか私もそんな目にあってみたいものだと。 そして、彼とやっと安住の地にたどり着いて、幸せそうに微笑む彼女の姿を想像して…私は少しだけ泣いた。 そしてそれから一年が過ぎたが、まだ私の前に私を愛してくれる素敵な女性は現れてはいない、しかし相変わらず アパートの前のバス亭には、一線を越えた女性達が現れて続けていた…。 「と、いうわけで…あの人を振り向かせるために、このバトルロワイアルゲームに参加したんです…なのに ゆーくんは振り向いてくれなくて…大変だったんですよ、40メートルもあるロボットに乗ってエイリアンと、ほかの子達と 戦うのって…しかもあと二人倒せば全ては終わるっていうのに…あの妹、あの妹…絶対いつか殺してやる殺してやる殺して やる!!!」 「あなたは…そう、とっても素敵ですねえ…自分の命も、人の命もかけて彼のために戦えるなんて…その彼氏がうらやま しいくらいだ…」 たとえそのロボットの攻撃で、私のアパートがぶち壊されても…バス停だけは偶然に残り…そして何故か、そこに私が住み 着いていても…彼女たちが途絶える事はなかった。 ああ誰か、早く素敵なヤンデレ女性に出会いたい…。 FIN 115 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 07 04 26 ID gOVOOWV3 GJ! まさか感想もらえるとは… 全くヤンデレSSでもなかったのに寛大さに感謝です… 116 名前:名無しさん@ピンキー[saga] 投稿日:2007/12/13(木) 08 19 34 ID A6Hojqiy GJっす! この傍観者にヤンデレの神の御加護と幸あれ 117 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 12 24 21 ID LGoO6KuO 遅ればせながら 92GJ! 水樹と瑞希、全く引く気がなさそうな二人の戦いがイイ。 114乙です 前スレが中途半端だったんで気になってましたw 118 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 15 20 04 ID JipJiSAf 92 今回も面白かったです。タイトルの通り合わせ鏡のような二人のヒロインが、主人公を 取り合う……ヤンデレ好きには堪らないシチュです。 それにしても瑞希は今回の一件でほぼ確実に前科者になっただろうに、彼女の両親の意図は……? 119 名前:きゃの十三 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 01 30 54 ID FFoatSrY 投下します。 ※本作は、『男のヤンデレ』が登場します。 お気になさる方は、NGワードをお使いください 120 名前:【後・お見舞い】 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 01 32 32 ID FFoatSrY 「ふぅ~ん、誰かの視線を感じるねぇ」 放課後の帰り道、同じクラスの南条が『最近、誰かに見られてる気がする』という相談してきた。 なるほど最近、南条が顔色が悪いはそのせいだったのか 「お前、疲れてるんだよ きっと休めばその視線を感じないさ」 僕は、月並みなアドバイスをした。 「…俺もそう思ったんだけど、どうやらストレスとかとは違うみたいなんだ」 そうだろうな。その視線の主は、ストレスから来る幻覚などではない。 なぜそう確信できるかというと僕は、その視線の主を知っているからだ 僕がその視線の主を知ったのは、2ヶ月前のことである――― ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「森野くん、ちょっと次の時間に使うボール持ってきてくれる」 っと僕は、休み時間が始まると同時に逃げ出した体育委員の南条の役割を後藤さんに押し付けられた。 やさしい僕は、後藤さんの命令に従い、ボールのある倉庫の鍵を取りに体育教務室へ向かった。 「ちわーっす、倉庫の鍵を取りに来ました」 …誰もいないようだ。っと中に入ろうとしたら机の影に人影があった。 「誰かいるんですか?」 「も・森野じゃないか!どうしてここに!?」 そこにいたのは、科学の大月先生だった。科学の先生がなんで体育教務室にいるんだろう? 「先生こそなんでここにいるんですか?」僕は、大月先生に近寄った。 よくみると大月先生は、片手にジャージを持っている。 さらによくみるとそのジャージは、新任の女教師・山村先生のものだった。 僕は、豚を見るような目で大月を見ると大月は、 「も・森野、これは…あれだ、世の中には色々な愛し方があってな…」っと痛々しい言い訳を言い出した。 こんな変態が学校の教師になれるなんて世も末だ これ以上、この男の見苦しい言い訳など聞きたくないので 「わかりました…その行為もまた人を愛す方法なんですね」 「わかってくれたか森野!!お前は、本当にいい奴だな!!」 僕は、「では、ごゆっくり」っと大月に言ってドアを閉めた。 体育教務室の中で何かをしゃぶるような音が聞こえるが聞かなかった事にしよう 121 名前:【後・お見舞い】 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 01 33 19 ID FFoatSrY …さてと、 僕は、生徒会室に立ち寄った。 「た・大変です!!体育教務室で大月先生が山村先生のジャージであんな事やこんな事を!!」 「何!やっぱりまたやらかしたかあの変態教師め!!」 そのセリフからするとどうやら大月は、何度かあぁいう事をしてたらしい 「直ちに風紀委員を呼べ!今日こそあの変態を学園から追放してやる」 これでよし!っと生徒会を立ち去ろうとすると 「えぇ~っと、森野くんだっけ?情報ありがとう」っと生徒会長であり、 さっき僕にボールを持って来いと命令した後藤さんのお姉さんの後藤真理子先輩が話しかけてきた。 「いやいや、僕は当然の事をしたまでっスよ」っと僕は、頭をかいて答えた。 10分して体育教務室は、風紀委員に取り囲まれた。委員長が委員達の真ん中に立った。 「正直なところ、事態は最悪だ。厳しい戦いになるだろう… 君らの多くは退学されるかもしれん だからと言って考えを変える君達でない事は百も承知している 君達は最高の風紀委員だ。その勇気を疑うべくもない。 あの狂人が我々の学園の風紀を乱すのであれば 『風紀』の本当の意味を教えてやろう!」 うわぁ~まるでハリウッド映画を見てるようだ。 そして、委員長の合図で一斉に体育教務室に入っていく風紀委員の皆さん 「御用だ!御用だ!」っという声が木霊し、数分が経つとボロボロになった大月が風紀委員と一緒に出てきた。 大月は、小さな声で「もっと…もっと…して」と何かを風紀委員長に催促していた。この真性の変態め!! このようにうちの学園は、少しでも風紀を乱すような変態行為をすると 教師だろうと生徒だろうと(理事長の孫娘である高島さん以外)、 あのようにボロボロになって学園の晒し者になる。あぁいう風にはなりたくない……… さて、大月のせいで遅れてしまったが次の時間は、体育だ。 僕は、着替えようと教室に戻るとなにやら窓ガラスに衣類に顔を埋める人影が見えた。……また高島さんか 例え、風紀委員長が許しても被害者である僕は、許さないのだ 僕は、勢いよく教室のドアを開けた。しかし、そこにいたのは高島さんではなかった。 そこにいたのは、後藤さんだった。 後藤さんは、南条の制服を着て中の匂いを嗅いでいたのだ。 後藤さんは、僕に気づくと顔を真っ赤にして 「も・森野くん、これは…あれよ、世の中には色々な愛し方があってね…」っと どこかで聞いたようなセリフを吐いて教室を逃げるように出ていった。 122 名前:【後・お見舞い】 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 01 35 40 ID FFoatSrY その日以来、学校を彼女は欠席するようになった。 欠席して1週間が経った頃、僕は先生から後藤さんと高島さんにプリントを渡すよう言われた。 「後藤さん家は、近いからいいけどなんで自分ん家と逆方向の高島さん家にまで行かないと行けないんですか!!」っと 先生に文句を言うと先生は、「お願いだ森野、俺には、養う家族がいるんだ」っと土下座をしてきた。 あぁ~教師って大変だなぁっと思いながら僕は、後藤さん家と高島さん家にプリントを渡す仕事を引き受けた。 1週間前の事もあるし、まず最初に後藤さん家に行く事にした。 僕は、後藤さん家のインターホンを鳴らした。数十秒してインターホンから 「…はい、どちら様でしょう?」っといつも聞く声とは違う弱弱しい後藤さんの声が聞こえた。 「えぇ~っと、森野だけどプリント渡しに来ました」 「…そう」っと無愛想に答えると数秒して家の玄関からボサボサな長い髪で顔色の悪い後藤さんが出て来た。 「えぇ~っと、これが今日渡されたプリントね」僕は、後藤さんにプリントを渡した。 後藤さんは、プリントを受け取ると「ねぇ、森野くん」っと話してきた。 「はい、なんでしょう」 「あの時の事…南雲先輩に話した」南雲先輩というのは、風紀委員長の事だ 「大丈夫、あの事は誰にも言ってないから」 「ねぇ…アイツって私の事、どう思ってるんだろう?」 アイツ…というのは多分、南条の事だろう。 僕は、「アイツから後藤さんの評価は、聞いてないなぁ」っと答えた。 「じゃ・じゃあ、アイツは、どんな女の子がタイプなんだ?」 「えっ?え~っと、あっ!そういえば修学旅行ん時に 『恥かしがり屋でいつも影で自分を見ている一途な女の子』にグっと来るって言ってたよ」 「そ・そうか、『恥かしがり屋さんでいつも影でジロジロと好きな男子を見つめる一途な女の子』だなアリガトウ!!」 う~ん、なんか違う気もするけど元気になったみたいだしいいか 「今日は、ありがとう」っと後藤さんは、僕に礼を言い家に入っていった。 さてと、次は、高島さんか… ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ それからというもの南条は、気づかないようだが後藤さんは、 暇さえあれば南条をジロジロと凝視するようになった。 そうそう、南条。 お前、気付いてないみたいだけど今もお前の後ろの席で後藤さんがお前を見てるんだぜ 【後・お見舞い】・終 123 名前:きゃの十三 ◆DT08VUwMk2 [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 01 39 17 ID FFoatSrY 投下終了です。 今回は、ちょっとホラーチックに書いてみました。 ついでに『制服を着ながら匂いを嗅ぐ』というシチュは、キミキスのパク…オマージュです 124 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 41 48 ID NdS3V1VX 投下します(13レス使用)。第五話です。 NGワード無し。 125 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 43 10 ID NdS3V1VX 今このときの俺が追い詰められているのだとすれば、それはどれほどのものだと言えるだろうか。 ちょっとだけ、考えてみる。 夏休みの宿題が終わらず、膝ががくがくと貧乏揺すりをするほどか? 違う。あれはただ、時間に追われているというのにいつまで経っても終わらずイライラしているだけだ。 今の俺はぐらぐらしてはいるが、がくがくもイライラもしていない。 では、修学旅行のバスの中で尿意をもよおした時、次の目的地まであと三十分はかかると知らされたときか? これも違う。さすがにあそこまで絶体絶命のピンチの状態にまでは至っていない。 中学の修学旅行で実際にそんな目に遭ったが、今の俺はあの時のように白い便器と四角のタイルを恋しく 思っているわけでもないし、周囲に異常を悟らせないように苦心しているわけでもない。 時間に追われているわけでも、危機的状況に置かれているわけでもない。 それなのに追い詰められていると言えるのか? と問われたら、イエスと答えよう。 なぜなら、今の俺はとても眠いのである。 昨今の秋と冬の混じり合った季節においては、日光の暖かさがとてもありがたく感じられる。 自分から陽の当たる方向へと向かっていって、両腕を目一杯広げて幸せを噛みしめたくなる。 今の俺には陽が射しているわけではない。 しかし、それを浴びているときと同じ恍惚状態に置かれている。 うっとりとしつつ、ぼんやりとしている。とでも言えばわかりやすい。 ずっと前から眠気を覚まそうと、背筋を伸ばしたり目を強くつぶったりしているが、効果無し。 ものの十秒もしないうちに、意識が抜け落ちて倒れそうになる。 睡眠というのは人間の本能的な欲求であり、古代より金をかけずに人を幸福にさせてくれるものだ。 もしかしたら寝ることを趣味にしている人もいるかもしれない。 そんなに素晴らしい、眠りへの誘いを俺がなぜ断り続けているのか。 それはもちろん、眠る以上に大事なことがあるからだ。 眠いのに、大事な用がある。大事な用があるから、眠れない。 だから、いくら眠たくても我慢するしかないのである。 以上を踏まえ、俺がどれほど追い詰められているかを喩えて言うならば、決して赤点をとってはならない 学期末テストにおいて一夜漬けのツケによる睡眠不足で眠りたくて仕方なくなってしまった状態、ということになる。 「お……お待たせ……」 衝動と理性による苛烈な意識の縄張り争いを脳内にて繰り広げていると、控えめな声が耳に入った。 声の主は葉月さん。彼女が風邪をひきでもして声に曇りがあらわれてしまわないか、時々俺は心配になる。 「目、開けてもいいよ……でも恥ずかしいから、その、……あんまりじろじろ見ちゃ、やだよ?」 ずるい。そんな台詞を言って俺の男心をくすぐるのもずるいし、じろじろ見るなというお願いもずるい。 そんなことを言われたら、まだ活動していない俺の目玉に向けて、反骨精神をむき出しにして葉月さんを 見つめ続けろ、という命令を下したくなるじゃないか。 俺は、同化してしまったようにくっついていた上下のまぶたをゆっくりと開いた。 126 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 44 34 ID NdS3V1VX 「! う……、むぅぅ……」 そして、目の前にいる葉月さんの、制服姿とは違う装いを目にして、目がはっきりと覚め、感嘆に呻いた。 葉月さんが身に纏っているのは、二年D組が文化祭の出し物として行う純文学喫茶の女性用衣装である、 振袖と袴、それに草履という組み合わせであった。 淡い紫色の振袖には白いカトレアの花が咲いている。 胸の下の辺りで着付けられた袴。こちらは濃厚な紫色に染まっている。 足下を飾るのは真っ白い足袋と鼻緒のついた草履である。 とどめと言わんばかりに強いインパクトを与えるのは葉月さんの髪型だ。 ポニーテール。髪留めは濃紺のリボン。 しかも葉月さんたら黒のロングをそのまま後ろに流すのではなく、両肩にちょっとだけ乗せている。 そんなさりげないところが小粋で、いやなんともお美しい。 「どう? 似合うかな? ちょっと地味じゃ、ないかな?」 決してそんなことはない。 もし袴姿の葉月さんを目の前にして似合わないなどという暴言を吐く人間がいるなら、そいつの美的センスは 著しく劣化していると言っても大袈裟ではない。 総じて地味な色の組み合わせではあるが、素材のいい葉月さんのような人が着ると、紫の着物が瀟洒なものに見えてくる。 ビバ、着物。 日本の文化、万歳。 「うん、とってもよく似合ってるよ。葉月さん」 言った後で、なんだか陳腐な褒め言葉だな、と思ったが他に言い様が無かったのでどうしようもない。 「そ、そう? えへへ、ありがと」 はにかんだ笑顔を葉月さんが見せた。 いつもより数段魅力が増しているように感じるのは、着物の魔力のせいだろうか。 それとも、二人きりの状態で着物姿を拝ませてもらっているという特殊な状況によるものなのか。 「ところでさ、葉月さん」 「ん? なあに?」 葉月さんが手を後ろに回して前傾姿勢を取り、上目遣いで覗き込んでくる。 抱きしめたい誘惑を問答無用で殴り飛ばし、努めて冷静な気持ちで問う。 「どうして、俺をこんなところに連れ出したの?」 「えっと……それは、そのね」 俺の喉元の辺りに視線を送りながら、葉月さんが答える。 「あなたに、最初に着物姿を見てもらいたかったんだ。クラスの、他の誰よりも先に」 ――しゃっくりが出そうになった。びっくらこいた。 どうして葉月さんは、俺の心の純な部分をピンポイントに責めてくるのだろう。 これが葉月さん流のアプローチなのか。回りくどい部分の一切無い、正攻法。 してやられた。この場が決闘場であったならば、間違いなく俺は絶命している。 127 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 45 45 ID NdS3V1VX 熱くなった心を抑えるため、状況を整理・確認してみる。 まず、俺がいる場所は校舎二階の女子トイレの前である。隣接して、男子トイレが設置してある。 俺をここまで連れ出したのは葉月さんだ。……と、葉月さんが言っていた。 なんと、葉月さんは教室からここまで、眠りこけていた俺の手を引っ張ってきたのである。 教室から連れ出されたときのことを、俺はまったく覚えていない。 だから、目を覚ましたときトイレの前に立っていたから驚いた。 そして、葉月さんがすぐ目の前にいたのにはそれ以上に驚かされた。 俺がなぜ教室で眠っていたのかというと、単純に寝不足だから。 なぜ寝不足かというと、昨日の夜から今朝の五時まで眠っていないからだ。 俺は、学校で一晩過ごしたのである。 今日から明日にかけて催される、文化祭の準備を終わらせるために。 文化祭の準備と言っても、俺のクラスであるD組はとっくに準備を終わらせている。 俺が準備していたのは、自分のクラスの出し物ではなく、弟のクラスの出し物だ。 コスチュームプレイ喫茶。略してコスプレ喫茶。それが弟のクラスの催し物である。 なぜ学年の違う弟のクラスを俺が手伝ったのかというと、その出し物に魅力を感じたからだ。 別にメイドさんや巫女さん、婦警さんや女騎士が好きなわけではない。 多種多様な衣装作りを楽しみたかった。ただそれだけの理由で弟の同胞に力を貸したのだ。 プラモデル作りを趣味にしている俺であるが、作りたいものも、作れるものもプラモデルだけではない。 小学校時代に家庭科の授業で裁縫の技術を身につけて以来、服の修繕などは自力でできるようになった。 それだけでなく、作成可能なもので、必要な材料さえ揃っていれば衣装だって作れる。 弟もそのことを分かっているから、安心して俺に任せたのだろう。そしてその判断は正解だった。 俺が弟のクラスを手伝いに行った時点では、衣装作成の作業は三割、よくて四割といったところまでしか 済んでいなかった。当然だ。裁縫に慣れている人間が片手で数えられる人数しかいなかったのだから。 おまけに段取りも悪かった。女子の中に一人だけ明らかに裁縫に手慣れている人がいたのだが、 彼女にばかり負担が強くかかっていた。 他の生徒は、彼女からの指示を聞いてから動いていたのだ。衣装作成の段取りを掴めていなかったからだろう。 その結果、彼女の作業も遅れてしまい、いつまで経っても作業が進まなかったのだ。 そこで登場したのが俺である。 初めのうちはそれこそ腫れ物扱いだったが、クラスメイト(弟)の兄であると知り、俺のミシン捌きや針捌きを 見ていくうちに考えが変わったらしく、いつのまにか頼ってくるようになった。 その後は簡単だった。俺が難しい作業を請け負い、代わりに手空きになった裁縫上手な女子生徒に クラスメイトへの指示を出してもらった。 力を合わせた甲斐があり、見事に文化祭前日の昨日の夕方、全ての衣装作りを終わらせた。 後輩の男女にお礼を言われる経験をしたのは昨日が初めてだった。 自分の欲求不満を解消することが目的で始めた手伝いだったが、昨日の後輩たちの泣きそうな笑い顔を 見ていると、ああ手伝って良かったな、という感想を抱いた。柄にもなく、心と目頭にジンときた。 まあ、そんなわけで衣装作成は終わったわけである。 が、どうしても俺には我慢できないことがあった。 顎の下にあるほくろから生えた毛が気になるくらいに、どうしても看過できないものがあった。 衣装作成班とは別の班が作った、鎧やブーツなどの金属系の小道具の出来が非常に悪かったのだ。 銀色のスプレーを吹くだけの仕上げなど、俺は認めない。 新品の鎧を着ている歴戦の騎士や、砂にまみれた痕の無いプロテクターを着たヒーローがいるわけがない。 俺は、あいつらを汚さずにはいられなかったのだ。 放課後に家へ帰り愛用のツールをひっつかみ、学校へ引き返して、一人で黙々と作業を進めていくうちに、 次第にハイなテンションになってしまい、気づけば日付が変わっていた。 家に帰るのも面倒になったので、そのまま作業を続行。 宿直の教師に小言を言われ、後になって夜食の差し入れを頂き、途中で何度か記憶を失いつつ、朝を迎えた。 納得のいく出来になった作品を眺めていたら弟がやってきて、強制的に二年D組に連行された。 自分の席に着くなり俺は眠った。そして次に目を覚ましたとき、トイレの前に居て、葉月さんに見つめられていたのである。 128 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 50 37 ID NdS3V1VX 葉月さんの着物姿を視覚で堪能していると、次第に眠くなってきた。 劣情を催すほどに美しいものでも、睡眠欲求をゼロにしてしまうのはさすがに難しいらしい。 葉月さんに教室へ戻る旨を伝え、一路教室へ向かう。 教室内では、着物を纏ったクラスメイトがちらほらと居り、室内を喫茶店として改装すべく動いていた。 クラスメイト――主に男子が、葉月さんの姿を確認して視線を向けてくる。 ……まあ、なんだ。気持ちはわかる。 今日の葉月さんは着物姿だし、それに普段はしていない化粧までしている。 近づいたらいい匂いもする。いや、俺が匂いフェチ、もしくは変態なわけではなくて、香水の匂いがするという意味。 他の女子も普段より綺麗になっているが、葉月さんは頭一つ飛び抜けて煌びやかだ。 しかし、だからといってじろじろ見ていいわけではないのだぞ、男子諸君。 葉月さんに失礼だ。それに、君たちの反応は周りにいる女子達に対する侮辱も同然だぞ。 ほら、我がクラスきってのイケメンである西田君を見ろ。 いつまでも葉月さんをじっと見つめているから、彼の恋人(を自称している)の三越さんがやきもちを妬いて 西田君の足を机の脚で踏みにじっているじゃないか。 西田君が悲鳴をあげてうずくまったところに、無言で後ろからケリまで入れている。 総員、即刻葉月さんを観賞することをやめたまえ。このままではクラス崩壊の危機だ。 それに、だ。他の女子だっていつもよりイイじゃないか。 袴姿というのは人をおしとやかに見せる効果があるらしい。 小うるさい女子グループでさえも、今日ばかりはその姿を拝みたい気分になってくる。 こうやって見回してみると、うちのクラスの女子って結構容姿のレベルが高い――――? 「ん……んん?」 おかしなものを見つけてしまった。教壇の上に立って、クラスメイトに指示を出している女。 誰だろう。女子が身につけている振袖とは違い、普段着のような印象を思わせる地味なものを身につけている。 日常を思わせる、数世代前の女学生のような着物姿である。 ただ、細いフレームの眼鏡をかけたその顔、どこかで見たことがあるような。……誰だろう? 教室の入り口近くで立ち止まっていると、クラスメイトの一人がやってきた。 他人に人畜無害な印象を与えるスキルにおいては俺以上のレベルを誇る、友人の高橋だ。 だがその印象は、話をしているうちに得体の知れない違和感と共に変わっていく。 もちろん、悪い方向にである。 「やあ、戻ったのか。モテ男」 「誰がモテ男だ。俺はいまだかつて彼女を作ったことさえないんだぞ」 ごく短い期間だけ似たような相手はいたが、あれはノーカウントだ。 「ほお……たった今まで葉月嬢とこそこそ逢引していたくせに、よく言えたな」 「ぐっ……」 「自分のいる位置というものをしっかり把握しておくべきだな、君は。自分のためにも、大事な人のためにも」 この男の台詞の中に毒は含まれていない。スーパーで売られている果物以上に毒素が薄い。 悪意がないのだ。からかっているだけなのだ。そして、だからこそ性質が悪い。 心に思い当たるもの――ちょっとした罪悪感とか――を自覚させる台詞を口にする。 しかも言っていることが正論だったり、時には荒唐無稽なものだったりする。 どの場合も同じ表情、平坦な口調で言うから、心が読めない。 本気か冗談か、喜んでいるか怒っているのか、ということさえわからない。 129 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 52 11 ID NdS3V1VX 「聞きたいことがある。あそこにいる眼鏡の――」 「それよりも、だ。こっちの質問に先に答えるんだ。今まで、どこに行っていた?」 「どこと言われても……」 一瞬隠した方がいいと思ったが、やはり正直に答えることにする。 「葉月さんに連れられて」 「ふんふん」 「トイレに」 「あーあー、もういいよ。皆まで言わずとも、わかった。つまり、そういうことか」 「何がわかったってんだ」 高橋は目をつぶりながら右手を自分の頭に当て、左手の掌を俺に向けてくる。 そこで止まれ、と言いたげな動作であった。 「朝から盛んだな、君は」 「……何を誤解しているのかわからんが、盛るようなことは何一つなかったと言えるぞ」 葉月さんの着物姿に心を震わされたが、あれは興奮したのとは違うだろう。 眼鏡をかけた勘違い高橋君は、俺に耳打ちしてきた。 「いいんだよ。僕は君の味方だ。それに僕は、他の皆みたいに葉月さんに執着しているわけじゃない。 だから、君と葉月さんがどこに行こうが、どこに逃避しようが、どこで心中しようが看過しよう」 最後のひとつは看過したら駄目だろう。クラスメイトというより、人として。 「だが、他の皆はどうだろう。君が葉月さんとどこかに行ったとき、葉月さんが君を連れ出したところは 皆が見ているが、そこは問題じゃない。 問題になるのは、葉月さんに連れ去られるほど思われている君の身の安全が、皆の手によって脅かされる かもしれない、というところにある」 脅しか、この野郎。いや……違うな。こいつの言っていることは――。 「脅しじゃなくて、事実と状況を踏まえたうえで僕が君に厚意で行う、警告だよ。 気をつけた方がいい。不幸にも今日は学校内に人があふれる一日だ。……と、明日もか。 とにかく、一人で行動するのは避けた方がいい」 どこぞのサバイバルゲームでは、危険な状況でも一人で立ち向かっているが、やっぱり真似したら駄目か。 俺の場合、あのゲームではあえて行動しやすくするために、敵を消しているのだが。 ――無理か。俺を取り巻く環境では誰が敵かわからないし、敵になりそうな奴が多すぎる。 「そうだ。君の今日の運勢を占ってあげよう」 「要らん」 お前の占いは占術に頼って出したものじゃない。状況を把握したうえで割り出した推測だろう。 「そう言うな。今日の僕は冴えているんだ。機嫌がいいからね」 人差し指の先を額の中心に当て、エセ占い師は答えを紡ぐ。 「――君は今日、危機的な状況に陥る」 「……」 当たるも八卦当たらぬも八卦って、便利な言葉だよな。何を言ったってごまかせる。 言い訳に使える言葉の中では、ランクの最上級に位置するんじゃないか。 「黒い……場所。夕方だな。君は、男……女? に、凶器をつきつけられている」 「夕方、気をつけていればいいんだな?」 「うん、そうだ。けど、けれど……多分君は、自分からその状況に関わっていく。そう、出ているよ」 「はあ……?」 「僕に言えるのはここまでだ。あとは君次第で、状況は変わっていく。君の無事を祈っているよ」 「ああ、そうかい。ありがとさん」 不吉なことを言い残し、高橋は俺の前から立ち去ろうとする――って、おい。 130 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 53 45 ID NdS3V1VX 「ちょっと待て。聞きたいことがあったんだ」 肩を掴み、強制的に動きを止める。 振り向いたときの男は、なんだか意外そうな表情をしていた。 「何だ? 君から俺に話を持ちかけてくるなんて珍しい。事件か? いつぞや口にしていた弟と妹が、 とうとう一線を越えてしまったのか?」 「違う。そっちじゃない」 仮にそうだったとしたら、今頃俺は学校になんて来ていない。 妹と弟を前にして、今からでも間に合うから普通の兄弟に戻ろう、とか言っているはずだ。 その後、妹によってどんな目に合わされるかはわからないけど。 俺の身――いや、命の安全も保証できないけど。 「ほれ、あそこにいる女の人」 教壇の上に立ち、クラスメイトの動きを見守っている女を指す。 「あの人、誰だ?」 極めて単純に、的確に質問したつもりだった。 だが、どうやら俺の問いかけは、珍しいことに高橋の逆鱗の袖に触れてしまったようだ。 高橋の不機嫌は隠されもせず、眉間に皺となってあらわれた。 「君は馬鹿なのか?」 いきなりそれかよ。 「……どうだろうな。馬鹿にならないために日々頭を使っているつもりだけど」 「いいや。君は馬鹿だ。君が馬鹿じゃなければ僕はなんだ? なんだと思う?」 なんだかその質問変だぞ、という言葉は飲み込む。咄嗟に浮かんだ台詞を口にする。 「知らねえ」 「そんなこともわからないのか。やはり君は馬鹿だ」 嘆息。 やっぱり飲み込まずに言っておけばよかった。たぶん聞いてきたこいつもわかっていないに違いない。 高橋はこうやってわけのわからない台詞を吐いて煙に巻くのだ。 シュールなギャグ漫画のネタみたいな喋りをする野郎だ。 でたらめな方向に会話を持っていってなんとか生き残ってやがる。 あえてこっちもペースに合わせてやっていいんだが、高橋はどうやら怒っている様子なので、下手に出る。 「すまん。お前の言う通り俺は馬鹿だ。謝る」 「気にするな。それに……僕はそんな馬鹿が嫌いじゃない」 「そいつは光栄だ。で、すまんのだが」 「ああ、さっきの質問の答えだな。教えてあげよう。 あそこにいるのは我が二年D組の担任にして守護女神――篤子先生だ」 ……とうとう女神にまで昇格したか、篤子女史。 昨日までなんたらエルとかいう天使の一人娘だったように記憶しているが。 ちなみに担任はれっきとした人間だ。全ては高橋の妄想である。 俺としては、担任が天使でも悪魔でも神でも魔界の王でも構うところはない。 美人だったらそれでいい。見ているだけなら目の保養になる。 「そうか、先生だったのか。見違えたよ」 「だろう。今日は眼鏡までかけている。あれは僕が貸したものだ」 流石、普段から「篤子先生には眼鏡が似合う。かけてくれないかな。かけさせたいなあ」とか言っているだけのことはある。 ばっちり担任の細面に似合うフレームを選んでいる。 あの眼鏡、今日のために高橋が特注したんだろうな。こいつならそこまでやりそうだ。 131 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 55 35 ID NdS3V1VX 「お前としては、あれで満足か?」 「……八十七点というところかな。あとは髪の毛を肩の辺りで切りそろえてくれれば完璧だ。 いつもの髪型も決して悪くはないが、僕の好みをジャストミートしていないんだ。 もちろん、どんな髪型であっても僕の気持ちは変わらないが」 「言ってみたらどうだ? 髪の毛を少し短くしたらもっと綺麗になりますよ、とか」 「既に言っている」 あ、言ってるんだ。いや、言っていないはずもないか。 「でも先生は……これぐらいの長さがいいと言っていたから、と断った」 「そうなのか?」 「いったい、誰に言われたんだ。もしかして……心に決めた男が居て、そいつに言われたのでは……」 断言してもいい。それはない。 おおかた、小説に出てくる好きな主人公が「髪の長い女が好きだ」と言っていたから、みたいなオチだろう。 そりゃ、担任のプライベートまで知らないし知りたくもないから、恋人の有無なんてわからない。 だけど、担任の身に纏うあの空気を見ているとわかる。 彼女は、恋人とのラブロマンスより、文字の群れが紡ぐ恋愛模様の方が好きだ。 なぜわかるのかというと、俺が担任と似ているから。 葉月さんと出会ってからは考えが変わってしまったが、昔の俺は恋人と乳繰り合うよりニッパーを繰っている方が ずっと楽しいんだ、それ以外に幸せなんてあり得ない、とまで考えていたのだ。 おそらく、数ヶ月前の俺みたいな奴が成長し進化を遂げたら篤子女史のようになるのだろう。 担任と俺は、趣味に生きる人間という点に於いて同類なのである。 ちなみに、高橋がここまで担任に執心しているのは、話を聞いていればわかるように、恋をしているからだ。 俺には、担任のどこが魅力的なのかが理解できない。 年はずっと離れているし、純文学オタクだし、口の滑りがちょっとばかし良すぎるし――良すぎて滑って転んでいるし。 だが、人が恋をするのは自由だ。相手が異性である限り、俺としては友人の恋を応援してやりたい。 もちろんエールを送るだけ。エールさえ邪魔かな。生暖かい視線を送るだけにしておこう。 ぶつぶつ言いながら立ち尽くしている高橋を置き去りにして、クラスメイトの元へ。 教室の後ろ側はカーテンで仕切られている。そこが店員の控え室になっているようだ。 薄布のカーテンの向こうからは、準備に追われている女子の声が飛んでくる。 そこまで急がなくても、今日学校に来るような人間の年齢層の好みにかすりもしない喫茶店が忙しくなりは しないと思うのだが。やる気を出しているのはいいことだけど。 いくら美麗な衣装を身に纏った女子がいるにしても、古本屋のしけった本の匂いがする店に入ってきてまで 見物しようとする物好きな男もいないだろう。もし居たら、そいつはどうしようもない女好きだ。 ナンパ目的の男が入りそうにないものを選んだという点では、担任の出し物のチョイスを評価してもいい。 しかし、利益をあげそうにない喫茶店であることは否めない。 茶と菓子を出すところ以外、小説のみを扱う図書館みたいなもんじゃないか。 担任はどんな客層をターゲットにしているつもりだ。 もしかして……純文学喫茶を経営するのが担任の夢、なんだろうか。 二日間だけでもいい、夢を叶えたい。そんな想いで、この出し物をやらせたのか。 夢を追う大人ってかっこいい――――なんて思わないぞ。やはり担任の行いは許し難いものだ。 ……今更だな。文化祭当日になって、許すも許さないもない。 132 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 03 58 10 ID NdS3V1VX しかし、喫茶店業務の各担当はどのように割り振られているのだろう。 弟のクラスを手伝い始めた日から、ずっと自分のクラスのミーティングをさぼっていたからさっぱりわからない。 確定しているのは、葉月さんがウェイトレスだということ、担任が窓際の席を占領して本を読みふける迷惑な客の役 だということ、だな。だとすると、高橋も教室に入り浸るだろう。 俺は何を任されているんだろう。壁に貼ってある、担当者の割り振りが書かれたプリントを見る。 ウェイター……はやっぱりないか。臨むところだ。 お茶を沸かす役、菓子を皿に盛る役……でもない。 消耗品の買い出し役……ですらない? おいおい、俺の名前がどこにも書かれていないぞ。 名前と役がずらりと書かれた一覧表を、上から下、下から上へと何度も見る。……が、俺の名前はない。 とうとう皆は一致団結して、俺に対してスルーで対応することにしてしまったのか? いや、それも違う気がする。 高橋と話した時もだったが、クラスメイトから感じる気配に不快なものを覚えない。 では、なぜ俺に何の役も任せていないのだ? やめてくれよ。なんか、こう――家にいるときみたいに、のけ者になった気分になるじゃないか。 「どうかされましたか?」 切なさのあまり、心の中の雪原で粉雪を浴びていたら、担任に声をかけられた。 ポーカーフェイスの篤子先生がパン屋の優しいおばさんに見えてしまった俺は、寂しがり屋なんだろうか。 そろそろカウンセリングでも受けた方がいいのかもしれない。 「先生、黄昏れたい気分になったこと、ありますか……?」 「ええ。ほぼ毎日です。なぜ私は、あれほど美しい小説の登場人物ではないのだろう。 私が着の身着のまま列車に飛び乗り、車窓から遠い故郷を思っても、彼らのように様にはならない。 所詮、私は現実に生きる人間でしかないのだ、と思うと……切なくなりますね」 ……なんか違う。むしろこっちが切ない気分にさせられた。 この三十路が担任だったという経験は、俺の人生にとってなんらかのプラスになるんだろうか。 反面教師にせよ、という天啓が俺の知らぬ間に下っていたとでもいうのか。聞いていないぞ、天の人。 「先生、これ、見てください」 「はい……皆さんの役割分担が書いてありますね。でも、あなたの名前はどこにも書かれていない。 なるほど。それで、沈んでおられるのですね」 「なんで俺の名前が書かれてないんですかね……」 ああ、ため息、また一つ。 「……まじめですね。準備期間中は毎日熱心に相談を持ちかけてこられましたし。 他の皆さんもそうです。出し物が決まったときは不満そうだったのに、今では全員で協力して喫茶店を 成功させようという気概が感じられます」 「当日になってまでごねる奴なんていませんよ。当日になって暇になる男はいますけど」 ちくしょう。なんで俺は担任を相手に弱音なんて吐いているんだ。情けない。 「時間があるのはよいことではないですか。今日と明日は文化祭です。退屈はせずに済むはずですよ」 「一人で回っても面白くないですよ」 「一人もそれほど悪いものではないですよ。自分の時間を、他人に邪魔されずに自分のペースで楽しめます」 「そう、ですかね……」 ええ、と言って担任は頷いた。 俺は一人。これから、一人で生きていくんだ。 目の前にいる独身、三十路、オタクの三拍子そろった担任みたいに。 133 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 04 00 00 ID NdS3V1VX 「先生、俺は――」 口を開こうとしたら、かざされた右手によって言葉を遮られた。 担任は俺の顔を見ていない。今まで目につかなかったところに貼ってあるもう一枚のプリントに目を向けている。 「……なんです、一体?」 「あなたの役は、きちんとあるじゃないですか」 「えっ!」 「ほら、あそこのプリントに、書いてありますよ。大事な仕事です。しっかりやり遂げてくださいね」 返事をせずにもう一枚のプリントの元へ向かう。 皆、疑って悪かった。俺のことをしっかり覚えていてくれたんだな。 どんな仕事だろう。なんでもやるぞ。客引きだって、店の用心棒だって喜んでやってやる。 福沢諭吉の印刷されてある紙幣よりも輝いて見える文書の元へ、俺はたどり着いた。 そして、そこに書かれている四行の文字の羅列を見て――へけっ、と笑った。 頬がひきつっている。初めこそ笑い顔だったが、不意打ちでがっくりさせられて表情をへし曲げられた。 プリントの一行目には、俺の名前が書かれていた。このプリントが俺のために作られたものだと一目でわかった。 だが、それはいい。問題は二行目から。次のように書いてある。 『上の者、文化祭一日目二日目共に、教室にて座して過ごすことを命ずる。 教室から出ることは一切許可しない。この命に背いた場合、”あのこと”を公開する。 なお、クラスメイトは上の者を教室から出さぬよう、全力を尽くすこと。 以上』 つまり、何もせずに座っていろ、と言いたいのか。こんな理不尽な命令なんか聞きたくない。 それに”あのこと”ってなんだよ。わざわざダブルクォーテーションでくくるんじゃねえ。 俺は、何もやましいことなんか――――あるじゃねえか! ちくしょうめ! 両親のことは一言も漏らしたことなんかないけど、こんな文章書かれたら自信がなくなるよ! 誰だ、これ書いた奴! お前なんか仲間じゃない――敵だ! くそったれ――こんなことなら弟のクラスにいればよかった。教室に戻ってくるんじゃなかった……。 右手を黒板に当て、よりかかる。すぐに腕から力が抜けた。体重を壁に預ける。 このまま床に座り込みたい気分だったが、クラスメイト(不特定の一名を除く)の前だから、自重する。 そのまま目を閉じて眠ろうとしていたら、お盆を手にした葉月さんがやってきた。 「大丈夫? プリント、私も見たけど……残念だったね」 「う……ん、い、いや。別に大したことないよ。きっとヘルプ要員として待機してろ、っていう意味だから」 よりによって葉月さんの前で弱音を吐くわけにはいかない。 プリントに書かれた文章を読んだ程度で落胆しているなんて、思われたくないのだ。 「んー……たしかに、そう読めなくもないけど。前向きだね」 「そんなことないって」 ただの虚勢だからね。 「……まさかそんな反応をするなんて。落ち込んだところで声をかけたのに……」 「あれ、俺、落ち込んで見えた?」 「え! あ、ま、まあね。いつもより元気がないのは一目でわかったよ」 バレバレじゃないか。しっかりしろ、俺。 しかし、さっきから葉月さんの挙動がおかしい。一体どうしたというのだろう。 134 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 04 01 26 ID NdS3V1VX 「葉月さん、緊張してる?」 「そりゃそうだよ。バレちゃったらどうしようか、とか……」 「え? バレるって……?」 「ううん! なんでもないよ。あー、ちゃんと接客できるかなー。緊張するなー。 誰か、励ましてくれないかな。誰でも……じゃなくて、誰かに応援してもらいたいなー」 ちらちらと俺の顔を見ながら葉月さんが言う。 そこまで露骨に誘われると躊躇ってしまうな。周囲の男女からの視線もあるからなおやりにくい。 だが――時には気合いを入れて一歩踏み込むことも必要だ。 俺と葉月さんの距離も、強引にでも詰めなければいけないんだから。 「葉月さん」 「は、……はい」 「葉月さんがいれば、売り上げが校内で一番になるのも夢じゃないよ、きっと」 「ほっ、ホント!?」 「俺はそう思う。出し物が出し物だからハンデありまくりだけど」 「それは、その……どういう意味……?」 思っていることを言うのが恥ずかしい。でも、顔を紅くした今の葉月さんを抱きしめるよりは恥ずかしくない。 ちゃっちゃと言ってしまおう。 葉月さんに近寄り、耳打ちする。 「……今日の葉月さん、すっごく可愛いから」 「か、可愛い……ど、どれぐらい……」 「惚れてしまいそうな程に」 「あ! ……あう、あぅ……ありがとうございます! が、がんばります! 見ててください!」 右手に持ったお盆で敬礼し、葉月さんは教室の外へ向かっていった。 クラスメイトの白い目と、火傷しそうな熱視線と、舌打ちの音が遠いもののように感じられる。 『可愛い』。『惚れてしまいそう』。 言うのは簡単なのに――どうして、こんなに心が重くなるんだろう。罪悪感を覚えるんだろう。 眠すぎて頭がいかれてしまったのか? 自分の言葉に、自分の気持ちに自信が持てないなんて。本当に、俺はどうなってしまったんだ。 135 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 04 02 54 ID NdS3V1VX ***** 彼がいる。先輩――お兄さんに作ってもらった衣装に着替え、仮面を被ったヒーローになりきって接客している。 彼は他の皆と違い、今日一日だけしかクラスを手伝わない。 その代わり、今日だけで二日分の働きをする、と彼は言っている。 なんでも、二日目を丸一日自由行動に使いたいらしい。 理由を聞いても、彼は困った笑みを見せるだけだった。何かを隠していることは明白だ。 一体それがなんなのか、アタシにはわからない。少しだけならわかるけど。 自分が許せない。誰よりも愛しい彼のことを、全て把握できない自分なんて、違う。そんなのアタシじゃない。 アタシは彼の世界なんだ――これから、そうなるんだ。 だから、今の彼に関することは全て知らないといけない。だけど、今のアタシは彼のことを知らなすぎる。 アタシの器が彼を受け止めきれるほど大きくないのか、彼の存在規模が大きすぎるのか、アタシが彼のことを 過大評価しているのか。あるいは、それら全てが理由なのかもしれない。 ――いけない。 また、彼と会う前の自分の気持ちを思い出してしまった。 忘れなければいけない。アタシは、自分を卑下していた頃とは違うんだ。 彼はアタシを救ってくれた。彼はアタシに自信をくれた。 『アレ』を人より上手く扱えるなんて、特技でも何でもないのに、彼は褒めてくれた。 目を輝かせながら、すごいすごいすごい、と言ってくれたのだ。 根暗なアタシは、それだけで自信が持てた。彼と会う回数を重ねていくうちに、声が大きくなった。 でも、純粋な気持ちでいられたのは数ヶ月だけ。 その後は、恋しい気持ちと、それからくる独占欲――以上に醜い支配欲で、心の中がドロドロだった。 アタシは、ちょっとだけ彼と会う機会を減らした。 だって、彼が心の中に踏み込んできたら、アリジゴクのように引きずり込んでしまいそうだったから。 その甲斐あって、アタシは彼に危害を加えずに済んだ。 代わりにやってきたのは、息を詰まらせそうなほどの切なさ。 彼の存在は、既にアタシにとってなくてはならないものになっていたのだ。 毎日、彼と一緒に登校したかった。 一日中ずっと、彼の机とアタシの机をくっつけて授業を受けたかった。 昼休み、彼の口にアタシの箸であーんしてあげたかった。 放課後、部活動に励む彼を見続け、一緒に帰りたかった。 そして、アタシの家に来てもらい、甘い台詞を囁きながら抱いてほしかった。 毎日毎日そんな妄想ばかりが浮かぶ。止めようがなかった。 止めてしまったら、現実の彼に想いをぶつけそうだったから。 思いの丈をぶつけてしまおうと思ったことは幾度もあった。でも、実行していない。 彼がアタシを受け止めてくれないだろうことは明白だった。 136 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 04 04 32 ID NdS3V1VX ――あなたが好きな人は、あの人だから。 あなたがどれほど彼女を思っているのか、アタシは知っている。 彼女の姿を確認するためだけに、彼女の教室の前を通り過ぎていること。 体育の時間や部活中、校庭から彼女の教室を見上げていること。 その時に見せるあなたの目が、最初からアタシに向いていてくれればよかったのに。 そうすれば、強引な真似をする必要なんかなかった。 わかってる。悪いのはアタシ。純粋なあなたを自分の色に染めたくて仕方なくなっているアタシ。 あなたは悪くない。悪いところがあるとするなら、誰にでも優しい、八方美人ともとれるその性格ぐらいのもの。 この想いがどこまでいくのか、どんな結末を望んでいるのか、アタシにはまったく見えてこない。 はっきり言えるのは、アタシがあなたを支配したいと強く願っていること。 あと、もう一つ――――目的のために具体的に行動すると決定したこと。その二つ。 明日、あなたはあの人に会うつもりでしょう? だから今日頑張ろうって、決めたんでしょう? あの人には、絶対に会わせない。二人きりでデートするなんて許せない。 本当は、あの人をあなたの前から消したいけど、あなたはきっと悲しむよね。 あなたの悲しみは、アタシに会えないときだけ湧いてくれればいいの。無駄遣いしちゃいけないわ。 先にあなたを手に入れれば、あの人を消さずに済む。あなたも悲しまずに済む。 一石二鳥でしょう? もうすぐ、今日の一般公開の時間は終わる。 それからはアタシの時間。あなたを狩るための時間。 少し骨が折れそうだけど、アタシはしっかりやり遂げる。 覚悟はもう済ませている。一線を越えることに、もはや躊躇はない。 さあ、行こう。アタシと彼だけが存在する世界で生きるために、最初の命令を下そう。 137 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 04 06 32 ID NdS3V1VX ***** 「ありがとう! また明日も来てくれ!」 マスクをしているせいなのか、いつもよりテンションの高い声で彼が最後の客を見送った。 教室を改装した喫茶店の中にいるのはコスプレしたクラスメイトだけだ。 皆、お互いの衣装を笑いあったり褒めあったりしている。 アタシは彼が誰かに話しかけるより早く、誰かが彼に話しかけるより早く、彼の肩を掴んだ。 振り向いた彼に向かって、労いの言葉をかける。 「お疲れ様」 「あ、お疲れ。いやー、マスクを被ってると疲れるね。動きづらいったらないよ。 スーツアクターの人の苦労がほんのちょっとだけわかった。君の格好もそうじゃない?」 「ん……そうでもないよ。ちゃんとアタシの体型に合わせて作ってあるから」 彼の着ているボディスーツはお兄さんの手作りだけど、アタシの衣装は違う。 今日の目的を達するために、実用性を重視した作りになっている。 喫茶店のウェイトレスとしての実用性ではなく、荒事に対応するためのそれだ。 動きやすく、軽装で――武器を隠し持てるように作っている。 実際、今も身につけている。けれど、ナイフとかメリケンサックみたいにわかりやすいものじゃない。 学校に通う生徒なら、誰でも手にできて、持ち運んでいても不自然じゃないもの。 仮にアタシが警察からボディチェックを受けても、絶対に引っかからない。 ――だけど、上手く使えば命を奪うことだって不可能じゃない。 どうやればいいのか、それもアタシには想像できる。 「いいなあ。僕も兄さんに頼んでおけばよかった」 「時間がなかったんだから仕方がないよ。今日家に帰ってから頼んでみたらどう?」 ――君は今夜から死ぬまで、家族の住む家には帰れないけどね。 「そうしてみようかな。でもなんだか兄さん、最近僕を部屋に入れたがらないんだよね……。どうしたらいいと思う?」 「アタシは一人っ子だからわかんない。でも、きっと大丈夫よ。いい人そうだから」 「そうだね。兄さんは本当、優しいから。僕と妹には……昔から」 彼に物憂げな表情をさせるお兄さんにちょっとだけ妬いてしまう。 お兄さんと妹さん、彼が居なくなったらきっと悲しむだろうな。 ……でも、予定は変更しない。今日こそ、彼の全てを手にするんだから。 「そろそろ帰ろうかな。じゃあ、僕、着替えてくるから」 「あ……ちょっと、待って」 「ん? 何か用?」 「うん。……あのね、今から、ちょっとだけ……」 やっぱり、いざ本番となると緊張する。けど、それを乗り越えないと目的は達成できないんだ。 「ちょっとだけ、この格好で歩かない? ほら、なんだかハロウィンみたいで楽しいじゃない」 練習してきた台詞をそのまま口にする。動揺を表に出すことなく、口にできたはず。 彼はアタシの顔を見ているみたいだ。どんな表情かはわからない。だってマスクを被っているんだもの。 「……ねえ、どう?」 アタシの催促に対し、少しの間を空けて、彼は頷いた。 それがこれからの人生の行く先を決定づける行動だとは知らずに。 続けて彼は、「いいよ、ちょっと歩こうか」と、言った。 138 名前:ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] 投稿日:2007/12/14(金) 04 10 05 ID NdS3V1VX 投下終了です。 24日までに、文化祭編を終わらせるつもりです(後2回)。 なので、次回は早めに投下します。 139 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 05 21 43 ID mzQSBM+k 138 超GJ!次回投下を全裸で待つぜ! ってか24日までって…もしやクリスマスは ヤンデレ彼女と監禁デートか!? 140 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 05 27 58 ID yOFKxKp9 来てた! 眼鏡をかけた勘違い高橋君のキャラがけっこう好きだww 141 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 06 13 15 ID bNu+7UVV 素朴な疑問でスマソ。 監禁デートってデートなのか? 142 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 07 23 19 ID WW3Vg5j8 123、124〉二人共GJ 次回を楽しみに待たせてもらう 143 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 08 48 22 ID iR8oZShW 二人でいればデートだろう。 一日中デート!なんて素敵なんだ。 144 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 09 04 28 ID +uB+kGM2 123 やはり男のヤンデレはただの変態にしか見えないのだなあ、と思ったり。 138 犯人の女子や葉月さんも可愛いが篤子女史に一番萌えてしまった俺はやはり異端。 145 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 09 19 26 ID mzQSBM+k 二人きりの空間でイチャイチャするんだな。 両手両足縛られて監禁されているから 彼女がチキンやらシャンパンやらケーキを口うつしで食べさせてくれたり 抱きあいながら借りてきた映画見たり クリスマスソングを口ずさんだり合体したり包丁で刺されたりと 甘いデートをするに違えねぇ! く、悔しくなんかないんだからね!(包丁を背中に隠しながら) 146 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 11 36 31 ID HRmYnIMk 体の弱い吸血鬼の彼氏に惚れたヤンデレな娘が彼の為に人を刈るとゆう電波を受信した。 書けないけどな 147 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 15 25 41 ID zsx5xo15 146 諦めるな!がんばるんだ! 148 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 16 04 34 ID iw/evy86 男勝りな女の子が毎日毎日好きな男に愛を語るのだが、男はそれを毎回受け流して無視をする。 そしてある日、転校してきた女の子が昔の男と隣同士の幼馴染だった。しかも、結婚する約束をしたから付き合ってと言いだす。 男は律儀にじゃあ付き合うかってなり、2人は付き合いだすが、男勝りの女の子はそれを快く思わず、ついつい男を監禁・・・ っていう、ベタな話の電波を受信した。 書きたいが面倒だな 149 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 17 05 29 ID k4R95RTI 面倒ですませるなよ・・・ ヤンデレは愛を得るためにどんな努力も惜しまないものだぜ? 150 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 23 12 38 ID a7krkGqP やあ(´・ω・`) 臨時保管庫の中の人だよ。 実は今度メニューに投下イラストを追加してみたんだ。 そこでお願いがあるんだが 本保管庫に未収録の伊南屋氏の絵、誰かうpしてくれないか(´;ω;`) まさかと思って保存してなかったんだ(´;ω;`) 151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 00 24 32 ID xo4ZSDV1 138 出遅れたけどGJ! へけって笑いで某ラノベのヤンデレ素質持ちの幼馴染みを思い出しちまったぜ。 続きお待ちしております。 152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 11 16 17 ID IEIlcPuZ 151 まーちゃんの事か!? まあ今俺の一番のお気に入りだがな。 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃんのSSてスレ違い? 153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 11 46 11 ID JTMg1bS5 152 1 154 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 11 53 35 ID +BTI7ubJ ヤンデレならなんでもおkだとは思うが このスレ的にというか ヤンデレズキーの間ではまーちゃんがヤンデレか否かで層がわかれてたりするからな あんま荒れるような内容は避けてほしいところ 155 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 11 53 40 ID 9IxAvsad まーちゃんはヤンデレじゃないからな。 156 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 11 57 16 ID NZpz5eyE なんだかんだでレナもヤンデレ四天王とかいわれちゃってるしな エセヤンデレだらけのこんな世の中じゃ 157 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 12 22 13 ID xo4ZSDV1 152 違うよ。もっとマイナーだろう作品。みーまーは読んでないっす。 今月新刊が出て有名エロゲンガーが絵描いてるやつ。 あとヤンデレ的に意見が分かれるようなのならラノベスレでいいんじゃない? 158 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 12 48 10 ID m/n+louB まーちゃんは由乃タイプだからな ただ、みーまーシリーズは各種ヤンデレを取り揃えてるから 普通の(!?)ヤンデレも登場するし スレ違いって事も、無いっちゃあ無いと思うが 159 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 13 01 46 ID EJReW775 由乃タイプじゃないよ・・・ 本質がまったく違うよ・・・ あんなのと由乃様を一緒にしないでくれまじで・・・ 160 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 13 18 56 ID m/n+louB いや方向性の話さ そんなムキにならんでも 161 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 14 37 40 ID d/TP36rt 方向性も違うしあの作品にヤンデレなんてでてこねぇよ ヤンデレっぽくみせてるだけ 読むならちゃんと読もうぜ 162 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 14 40 10 ID bt+PcfR1 そのラノベ知らんのだが、 158的にはどんなとこがヤンデレだと思ったんだ? 具体的に特徴を書けば、知らん人間も「それはヤンデレだ」「それはヤンデレじゃねえ」と判断しやすいんだが。 163 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 15 44 10 ID ZQotSCCo デレすぎて病むのがヤンデレ 病んだ人がデレるのはただの狂気系 164 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 16 17 38 ID l48AYiQj 163のおかげでヤンデレが何かを思い出した。 書いているSSの方向修正を実施。 165 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 16 30 53 ID IafieciR ■ヤンデレとは 好きな男のために狂気に走る(黒化、黒姫化)事、またそういったヒロインを指す。 狭義のヤンデレ:愛(デレ)ゆえに病ん(ヤン)でしまった状態、ヒロイン。 広義のヤンデレ:病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般。 角煮のヤンデレスレは延々議論した結果↑に落ち着いた……のかなあ? 166 名前:158[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 19 40 18 ID 106fplSV 162 俺的には 163の解釈だよ まーちゃんも由乃も「病んだ人がデレる」だからヤンデレ違うんじゃないかと考えてる こだわる人には怒られたけどw さっきいった「普通のヤンデレ」なキャラは 同じ女に男を二度も寝取られた女が寝取った女を鈍器で殴ったりする感じだけど これくらいだとインパクト足りないかな? 167 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 20 40 34 ID O5KPosxo もう狂人デレとかのジャンルを作った方がいいのかな イヤ、スレ立てとは別にして 168 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 20 42 21 ID bt+PcfR1 165 なるほど、前者の解釈の人と後者の解釈の人がいて、話が噛み合わないわけだな。 この場合、いつまでも前者の解釈だけに限定して話をする人を保守的と見るべきか、 それとも後者の解釈だけしか知らない人を適当すぎと見るべきか、どっちなんだろう。 169 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 20 52 41 ID d/TP36rt 166 真面目にもう一回ちゃんと読み直せ・・・ 作品としては俺もあの作品は好きだし今のところ全巻読んでるが ヤンデレとかじゃないだろ、なんていうか読むときに「ヤンデレフィルター」みたいなのをかけすぎだよ ちゃんと地の文読んでしっかり理解してればあれがヤンデレだとは思わないはず 162 部分的にそれっぽい行動はとるんだけどその行動にいたる経緯とか原因とかが所謂「恋愛感情」からくるものじゃなかったりする 下手に説明するとネタばれになるし、中途半端に説明すると「ヤンデレっぽく」見えてしまう 正直歯痒い 170 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 21 09 22 ID 106fplSV 169 「このキャラはヤンデレじゃないな、どっちかと言うとあっちの方が…」 くらいの考えなんで、そんな強く主張するつもりも無いし、取り下げるけど そのレスの下半分の >行動にいたる経緯とか原因とかが所謂「恋愛感情」からくるものじゃない に対する疑問を最後に聞きたい ネタバレに配慮しているようなのでyesかnoくらいで良いので頼む 寝取られた方の彼女の凶行は「恋愛感情からきた行動ではない」と言いたいの? 他の理由でヤンデレじゃないと言うなら引くけど、この理由なら、うーん… 171 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/12/15(土) 21 16 47 ID Xm8SBRoJ 163 でもそれってヤンデレ候補の過去話とかがないとわからなくね? ヤンデレの頂点の楓さまですらその判定だと病んだ後にデレたからヤンデレじゃなくなってしまうのだが 言葉さまはたぶん狭義でもクリアしてるだろうけど過去話がないだけに断言できんしな 172 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2007/12/15(土) 21 23 01 ID RtJu6cND 171 言葉様の愛(デレ)を信じられん奴なぞ、カレーの食えないインド人と同じだ 173 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/15(土) 21 27 46 ID IafieciR こんな感じで角煮は画像も貼らんとひたすら議論していたなあ…… まあ皆茶飲め( ´・ω・)つ旦~~ あと、sageような 174 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 02 29 26 ID bVo8Olaq 言葉様はサマイズを見ると、mと付き合わない限り病まないので、狭義クリアと 思う。 175 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 07 31 38 ID Rd+br2jD 百合ヤンデレって無いのな 176 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 09 37 15 ID 0GEAYpB6 ひぐらしスクデイ未プレイで泣く泣くアニメもスルーした俺にはおまえらの話がわからん 自重しろ 177 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 12 04 17 ID f6tfpR7z まーちゃんはな病む前からみーくんが好きで病んでからも恋愛感情が残ってるんだよ。いくらかは嘘だけど 178 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 21 02 10 ID /TTR8rFG 今さらだが、どこからが「ヤン」なんだ? 179 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 21 06 52 ID V5T6Cj27 日本国の法律に引っかかったら 180 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 21 22 00 ID 5Hxh9BWB とりあえずストーカー行為ぐらいからじゃないか 181 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 21 44 54 ID L8AdknLi 無理に定義付ける必要はないだろ 他人がどう思おうと、 このキャラはヤンデレだと思えば、 それは自分の中ではヤンデレだよ 俺も法律を気にしない行動をする位から ヤンデレだと思ってるかな 182 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 22 12 30 ID qI0r+ZS8 まあ逆に法律に触れない病み方とか考えると ・告白で渡すラブレターが便箋二十枚 ・キスの時、常に目を開けてガン見してくる ……やっぱりなにか違うな 183 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 22 18 42 ID 24VDMyb1 キスの時、常に目を開けてガン見してくるは、なかなか好いと思う 184 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 00 17 20 ID NAB5GJgR 食事中に 愛しの彼が使う箸にこれでもかという位に 殺意を送るとか 185 名前:キミノシアワセ[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 01 47 47 ID Rd1S27f/ 遠見の舌が僕の唇を押し割った、と思うや否や、彼女の口の中で咀嚼された食べ物が、僕の口の中に押し込まれてきた。 遠見が唇を離したので、僕は改めて、その食べ物を自分で咀嚼する。 目の前のテーブルに載っているのは肉料理なのだが、他人が咀嚼した後のものを口に入れられても、正直味がよく分からない。 「ねえ、おいしい?」 テーブルに頬杖をつき、かすかに顔を上気させた遠見が聞いてくる。その潤んだ瞳を見つめ返し、僕は微笑んで頷いた。 嘘ではない。確かに食べ物の味はよく分からないが、代わりに遠見の口の中の熱と、唾液の味を感じる。 それだけで、僕は十分に興奮していた。 遠見がこんなことをするようになったのは、同棲を始めて一週間ほどした頃のことだっただろうか。 同棲する前からも多少兆候はあったが、遠見は実に嫉妬深い女性だった。 他の女と僕が話をするだけで、相手を睨み殺さんばかりの凄まじい視線を送ってくる、ぐらいはまだいい。 同棲を始めるようになってから、彼女の嫉妬は空想の存在や無機物にまで向けられるようになっていた。 「隆明君。このマンガ、ヒロインが気に入らないから破いちゃった。いいよね?」 「隆明君。チラシに載ってる女、見てたでしょ? もう新聞取るのやめてね?」 「隆明君。あのニュースキャスター、そんなに美人だった? ごめんね、テレビ壊しちゃって」 「隆明君。他の女の歌声が、そんなにいい? iPod壊しちゃってごめんね。代わりに、これからはわたしが好きな歌を歌ってあげる」 異常な独占欲である。僕の関わるありとあらゆるものが、彼女にとっては嫉妬の対象になるのだ。 そして、極めつけ。 「隆明君。そのお箸、ずいぶん大事に使ってるのね? わたし以外のものが、隆明君の唾液に濡れるなんて許せない。 これからは、飲み物も食べ物も、全部わたしが口移しにしてあげるね?」 こうして、僕は自分の手で物を食べることを禁じられた。 今では、物を食べるのはもちろん、歯を磨くのまで全て遠見の口移しだ。 正直言ってかなり不便だが、僕は非常に満足している。 自分でも少し驚いているが、どうやら僕は、こういう風に独占欲を露わにされるほど、相手の愛情を実感できる性質だったらしいのだ。 「隆明君。そろそろ寝ましょ?」 遠見の誘いに、僕は一つ頷いた。お互い黙って服を脱ぎ、裸で地べたに横たわり、抱き合って眠る。 「隆明君。毛布が隆明君を暖めてるのが気に入らないの。枕が隆明君の頭を支えてるのがたまらないの」 そんな遠見の言葉がきっかけになって始まった眠り方だった。 互いの温もりを感じられるし、いろいろと面倒がないので、個人的には凄く気に入っている。 暖房代がかさむのが少し厄介といえば厄介だが、幸せに対する代価だと思えば安いものだと、僕は思っている。 数日経って、遠見が言った。 「隆明君。隆明君の脳味噌を、頭蓋骨が包んでるのが気に入らないの。だから壊しちゃうね」 遠見は微笑みながら、僕に向かってハンマーを振り下ろす。 彼女はきっと、この後は僕の脳味噌に話しかけ、微笑みかけながら生きていくのだろう。 自分の頭蓋骨が砕けるのを認識しながら、僕の幸福感はその瞬間に絶頂を迎えたのだった。 186 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 01 50 00 ID Rd1S27f/ 184からヒントをもらって書いてみた……が、ヤンデレの定義の話の後だと正直迷う。 これってヤンデレなんだろうか? 187 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 02 00 09 ID FbrPacHD 遠見は隆明のではなく、隆明の脳味噌を病むほどに愛しているということ? 188 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 02 01 07 ID RYJjrOpf 186 ヤンデレだと思う 二人とも 189 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 02 03 58 ID nwLYyqXK 最後はちょっと微妙だったな、頭蓋骨も彼自身の体なんだから ともあれGJです 190 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 02 25 44 ID biZdzSFy 同じく最後が微妙。これだと脳味噌大好きなサイコさんという感じがする。 191 名前:名無しさん@ピンキー[age] 投稿日:2007/12/17(月) 03 45 14 ID IfmbAJk9 192 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 03 59 46 ID 7owSQrJB 「わたしと隆明君が、別々に存在していることが気に入らないの」とか言い出して、 隆明君の手首切って血を飲んだり、隆明君に自分の肉を食べさせようとする……辺りがこの場合よくあるパターンだろうか。 でもこれでも充分ヤンデレだと思うよ。お話のテンポも読みやすくていい。 隆明君にはもう一度蘇生してもらって、長編SSの形で遠見の物語を是非! 193 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 07 25 26 ID NAB5GJgR うお よくプロットを書いている人達の気持ちが初めて分かった 自分が言った事から作品が生まれると かなり嬉しいものなをだな 凄くGJ! 194 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 07 36 52 ID qdrw7xQc 183 恐えってwww 195 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 09 41 14 ID dk96yvFh 理知的なヤンデレとかいいかも 196 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 10 37 16 ID qdrw7xQc ヤンデレをWikiってみた http //www21.big.jp/~wiki7/ 197 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 15 16 52 ID s6wjt2zr 画像検索の三番目、ドラえもんはヤンデレを予見していたのか…。 198 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 16 00 37 ID dk96yvFh やはりロボ子はヤンデレに分類されるのか… 199 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 20 03 53 ID hhf8Wu7g 私見で良ければ発言させていただきますがが、要は相手に精神的に依存してしまい、 相手から拒否されると自分の未来や将来をすべて擲ってでも、相手に依存する状態 をつくりだすことを行う、もしくはつくりだそうとあがく状態をヤンデレだと思って おりました。 血でまみれたり、死人が出たりするのはその状態を作り出そうとした結果起こったこと なのではと思いながら空鍋や学校の日々を見ていたのですが。 住民の皆さんはどう思いますでしょうか。 200 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 21 47 26 ID /z4YnT6a いまから投下