約 4,039,855 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/26686.html
登録日:2013/12/22 Sun 01 16 12 更新日:2024/09/17 Tue 23 17 53NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 MGS MGS4 REX ステルス メタルギア メタルギアREX メタルギアソリッド レールガン 核兵器 核搭載二足歩行型戦車 試作機 スネーク!この歴史的な兵器を拝みながら死んでゆけ!兄弟へのせめてもの気遣いだ。 今から見せてやる!21世紀を導く悪魔の兵器をな!! □概要 メタルギアREX(レックス)とは、METAL GEAR SOLIDに登場する核搭載二足歩行戦車。メタルギアシリーズに関わってくる『メタルギア』の一体。 「REX」という名称は第二次世界大戦中に連合国が日本の戦闘機「強風」につけていたコードネームが由来だが、 有名なティラノサウルス・レックスを髣髴とさせる威容を誇る。 当時はMG1のTX-55、MG2の改Dに続く3機目のメタルギアだったが、シリーズが続くにつれて先輩がどんどん増えていった。 なお時系列上純粋な「核搭載二足歩行戦車としてのメタルギア」は、本機が最後である。 この機体以降メタルギアは獣のように咆哮するが、これは二足歩行の為に大量に存在する各パーツ同士が、 ある特定のポーズをとった際に干渉しあって生じる、軋み音とでも言った物。ぶっちゃけ威嚇と言うより機体的には悲鳴に近い。カワイソス □武装 レールガン 詳細は後述するが、右肩部分に搭載されたこの戦車の肝。 全長28mの超大型砲の戦略兵器で、基本的には機動兵器や歩兵との戦闘用ではない。 使う弾頭の威力について詳細は分かっていないが、MGS4において「軌道上の衛星を狙った場合の加害半径はせいぜい300m」と言及されている。 30mmガトリング砲 射撃管制装置で制御された、防衛用の火器。機体上部に左右対称に2基搭載されている。 恐らくは30×173mm弾を65発/秒で撃ち出すGAU-8 Avengerと思われる。 本来人間にぶっ放すような代物ではない。 対戦車ミサイル 作中では人間めがけて5発程連射してくる。 ゲームだから超至近距離でセミアクティブ式なので命中率は高く超人には回避出来るが、ゲーム中でも意外とかわし難く、調子ぶっこいてると食らう。 自由電子レーザー砲 レールガン以上にオーパーツ。 チ○コ砲機体下部に設置されており、完全に対地用兵装。 凄まじい電力を要するレーザー砲の仕様上、当然と言えば当然だが。 そのためか連射もせず近距離でしか作中で使用しないが、後輩のウォーターカッターよりも威力は数段上。 パイルバンカー 脚部に爪のように設置されており、レールガン発射時のスパイクとして用いるのが主用途。 作中では敵を踏みつぶす為だけに存在する。 格闘プログラム(MGS4のみ) 近距離戦闘で敵を蹴る、踏みつぶす、体当たりする等の動作がプリセットされている。 未完成の機能であり、汎用性に欠ける・機体への負担が大きい・そもそも搭載火器で十分…といった理由で封印されていた。 が、REX建造時にオタコンがこっそりデータだけ残しておいたらしい。理由はただ一つ。趣味。 更にオタコンの弁ではどうも対人だけでなく、同等のサイズの相手を想定した動作も作っていたらしい。 MGS4ではメタルギアRAYとの戦闘で使用を解禁され存分に威力を発揮、勝利に貢献した。 □設定 冷戦期には業界2位の規模まで上り詰めていたアメリカの兵器開発企業アームズ・テック社の経営は、冷戦終結と共にみるみるうちに悪化していた。 参加していたSDI計画(*1)が中止され多大な損失を被ったばかりか、業界随一のステルス技術を持っていたにもかかわらずコスト問題から次世代主力戦闘機開発計画の権利も獲得し損ねてしまい、苦肉の策としてメタルギア計画を持ち出した。 一見、思い切り時流に逆行している計画にしか見えないが……あながちそうとも言い切れない。 この時代はソ連が解体して以降、第三世界やテロ組織にソ連が保有していた核弾頭が流出したとされており、 専守先制の思想から、核ミサイルの発射位置や攻撃した主の存在を気取らせず敵対組織を丸ごと「消し飛ばす」ことが可能な戦力を求めるタカ派も存在したのだ。 そうした理由から、かねてより同社と癒着もしていたDARPA(国防高等研究計画局)は共同開発に踏み出した。 場所はアラスカ、フォックス諸島沖の孤島、シャドーモセス島。 現地の漁師も気味悪がるうってつけの場所で、核兵器廃棄所を設置したというカモフラージュも出来、研究開発にはおあつらえ向きの土地である。 その性質上、当然というべきか国家予算に計上されない極秘(ブラック)プロジェクト。 主要な開発メンバーにさえ真相は伏せられており、あくまで「移動可能なTMDシステム(*2)のプラットフォーム」として開発が進められた。 AT社「DARPAさんから降り注ぐ国民の税金美味しいです。」 …ということに表向きはなっているが、首謀者の真の動機は別にあり、これが全ての理由という訳ではない。 更に、最早説明不要ならりるれろの創設者の一人が協力者なので彼らの全面的なバックアップが得られているのかと思いきや、 実際はあの組織にとっても完全に寝耳に水だったため、不興を買った。 尤も、あの組織は誰が構成員かも分からない名簿無き同好会状態なので、隠密裏のプロジェクトに関して意思疎通がままならないのも当然だが。 この機体の全高は、機能停止時の所謂お座り状態では全高17.3m。 限界まで脚部を伸長させて起立すれば、26.5mにもなる。メタルギアの中でもでかい部類。 他のメタルギア同様、「極力目立たないよう単独で、目的の座標まで移動した上で核を発射する」ことを前提している。 不整地等あらゆる地形を二足歩行で走破する為に搭載した強力なモーターによって、 10m程の高さまでならこの巨体でも跳躍出来、その脚力で疾走してのける。 更に、この出力で上記の武装を扱い、シュミレーション上で何度もテスト・検証を繰り返した結果、高い気密性と強固な複合装甲に全身を覆い、直接戦闘力も極めて高い。 HEAT(成形炸薬)弾の中でも高性能のものでもない限り損傷を負う心配も無い。 対空火力に不安はあるが、対地戦に限って言えば無双状態に近い。 後述の「弱点」を除けばスネークであっても倒す手段は皆無に近く、シリーズが進んでメタルギアが多数登場した後も、(MGS1のパラレルワールドにあたる)GBに登場したメタルギア・ガンダーと並び最強のメタルギアと名高い。 だが、この機体の最大の特徴はその戦闘力ではなく、歴代のメタルギアの中でも特殊な要素と言える「ステルス核」にある。 核弾頭自体に様々なレーダー攪乱措置を施してあるのは無論だが、レールガンで「投射する」ことで 通常の核ミサイルのように噴射するロケットorジェット推進を熱源探知では補足できず、迎撃や報復に打って出ることすら出来ない。 しかも念入りなことに地中貫通核弾頭でもあるため、標的が核シェルターに籠もっていようがお構いなし。 狙われたが最期、敵対勢力はWhat以外の5W1Hの殆どを悟ることもないまま消し炭にされてしまう。 MGS1作中で言及のある戦略兵器削減条約(STARTⅡ、STARTⅢ)はあくまで大陸間弾道ミサイル等従来の戦略核兵器のみを対象としているので、 ロケット噴射がなくレールガンを大砲代わりに核弾頭を放り投げるだけに等しい(戦艦の核砲弾に相当する)この方式なら対象外というおまけ付。 そのため、このメタルギアREXは歴史の中に複数存在したメタルギアの中でも異質な存在で『悪魔の兵器』と称される。 メタルギアZEKE?サヘラントロプス?…うっ………頭が…… こんな洒落にならない機体本体の開発主任はアームズテック社の社員、当時はまだムサくて冴えなかったガチヲタ。 当人は、ミサイル迎撃に用いる防衛用兵器と言う建前を馬鹿正直に信じていた。 「戦域ミサイル防衛用にこんな兵装要る訳ねーだろ」 「そもそも防衛用兵器なら単独での走破性とかいらねーよ」 という突っ込み所のある口実だが、辛い現実から逃避する為の夢を実現する手段として兵器開発を選んだ彼にとっては、 そう深く考えるような問題ではなく(というか考えたくもなく)、ホイホイ開発してしまった次第。 だがこんな超兵器にも、致命的な問題点がある。 情報収集の手段を機体上部左側面に設置されたレドームのみに頼っており、光学カメラなどの目視する方法が無い。 このため、人間程度の熱源が物陰に隠れて音も碌に立てずにいると、半径数十m内でも簡単に見失う。 こんな性能な影響で、チャフグレネードを喰らっただけでも10mも離れてない対象への標準も大幅に狂ってしまう (まぁこれはゲーム上の都合でもあるが)。 そして、このレドームは全身を覆う複合装甲と異なり、他と比較すると装甲が薄い。 流石にスティンガーミサイル一発で粉砕する程脆弱ではないが、この箇所を破壊されるとパイロットは情報収集が不可能になる。 そうなれば最早、恐竜の口にあたる部分に存在するコクピットのハッチを開けて、直接肉眼で敵を探さなければならない。 当然射撃管制システムなぞ頼れず、敵に照準を合わせるのも勘頼り。 Q「そんな弱点を残したまま開発してたのか?」 A「人間みたく弱味があってこそ魅力がある。完全無欠なメカなんてつまらないさ」 敵の機動兵器等と交戦中に生身を晒さなければならない上に突き出すなんざ正気の沙汰ではなく、ぶっちゃけポンコツメカ一歩手前である。 更にこうした機体性能もあって、2005年(MGS1)時点のREXの性能では、 レールガンで核弾頭を発射しても狙った場所を正確に狙い撃てる程の命中精度はまだ無いらしい。 明言された数値はないが、少なくとも仕様では射程距離5000kmの中距離弾道ミサイル並みの射程を有した上でCEP(*3)は最新ICBMに匹敵する50mであり、それを踏まえて"かなりの問題があった"(シャドーモセスの真実より)となると、1988年には廃棄された車軸輸送型のパーシング中距離弾道ミサイルより劣悪ということになる(パーシング IIのCEPは30m。さらにいうと地中貫通弾頭も装備可能)。 そしてステルス技術を駆使した慣性誘導も備えた核弾頭をレールガンという複雑極まりない投射システムで飛ばすことも考えるとメガトンクラスの大威力弾頭とも考えにくい。(*4) と、すると本来の開発仕様である先制核攻撃(地下に建造された硬化サイロや隠蔽壕の有効範囲内に確実に命中し破壊する)の用途としてみると、近接戦闘以外は20年近く前に廃棄された兵器より低性能、高価で信頼性がない最新兵器という感じに・・・ 露見したら民間はおろかタカ派からも失望されかねない状態で、兵器プロジェクトとしてはポンコツ以前の問題である。(よくて上述の条約回避の詭弁が通るぐらい。) むしろオタコンが思い込んでいた戦域ミサイル防衛用として運用したほうがまだ有用ではなかろうか?(国土防衛用では不必要でも、前線に近い戦域司令部において使用するのであれば、走破性もそこそこ有用であるし、迎撃目的ならレールガン弾頭のステルス技術等も当然必要ないし、上記で無用の長物とされた武装や装甲も、前線での非常時の自衛用としてなら筋が通る。むしろ先に挙げられた索敵システムの欠点は、迎撃用という偽りの仕様でオタコンが設計していたが故に盛り込むことができたとも推測できる。もっとも「じゃあレドームをもっと強固にしろよ」「周囲監視用のキューポラぐらいつけろ」という話になるので、結局ポンコツには変わりないのだが・・・) だがAT社は、そんなDARPAの要求する進捗計画や納期を満了出来そうもないために、虚偽申告してきた。 まぁ、よくある話だが。本当はよくあったら困るんだけどな! 流石にこのままではAT社もその他関係者はあかんと思っていたために実施されたのがシャドーモセス島における発射実験であり、本来ならここでの実験データをもとに改修される予定だったと思われる。 □作中の活躍 METAL GEAR SOLID 件の地シャドーモセス島に於いてハイテク特殊部隊FOXHOUNDが、表向きただの軍事演習と偽ってメタルギアによる核弾頭発射実験に随行した際に武装蜂起。 メタルギア計画の主要人物を人質にとって要求をつきつける籠城事件が勃発。 ロイ・キャンベルは、過去に2度メタルギアを無力化した伝説の英雄ソリッド・スネークを召喚、というか拉致し、この部隊の無力化を命じた。 何も知らされないままピエロの如く転げまわりつつメタルギアREXの起動及び核発射能力を無力化しようと試みたが、 結局リキッド・スネークの策略によってREXは起動してしまい、スネークは単身この鋼鉄の巨竜に挑んだ。 REX相手に奮戦するも、パイロットとしては超エース級の腕を持つリキッドが操るこのメタルギアの強さは尋常ではなく、 スネークでも歯が立たず窮地に追い込まれる。 その窮地を救ったサイボーグ忍者が決死の特攻を仕掛け、 スティンガーミサイルでも破壊出来なかったレドームに謎のロックバスター的装備をしこたま撃ち込み (TTSでは高周波ブレードの投擲も加わる)傷をつけ大健闘を繰り広げるも、自由電子レーザー砲の一撃により左腕を切り落とされ形勢を逆転される。 REXの頭部で壁に挟まれ圧死されかけながらも決死の攻撃を続けたことでようやくレドームは破壊されるが、 最早抵抗する力はサイボーグ忍者にはなく、踏み潰されて落命。REXに踏みつぶされる彼の台詞はシリーズでもかなりの名シーン。 サイボーグ忍者のお陰でリキッドは生身を晒すしかなくなり、リキッドが生身を晒したところで、 その頭上にスティンガーミサイルをかましてREXはその活動を停止した。 その後、破壊されたREXの上までわざわざ気絶したスネークを運ぶタフなリキッドと、運搬されたスネークによって肉弾戦の死闘が繰り広げられる。 METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY 作中に名前だけ登場。シャドーモセス事件の後、オセロットの手で設計図が流出、世界中にREXモドキが氾濫してしまったことが語られる。 配備した国の数など具体的な情報は無い。(多少劣化したとしても製造・配備にはそれなりの資金・技術力が必要なはずであるが…) これが反メタルギア団体「フィランソロピー」や、対メタルギア兵器である「メタルギアRAY」が誕生するきっかけとなった。 なお、作中で閲覧できる「シャドーモセスの真実」では、メタルギアについて国防総省の高官が「アメリカでメタルギアを開発する価値はほぼない。むしろ第三世界のごろつき国家にとってこそ価値が高く、そうなったら大混乱となる」とMGS以前に語ったとされており、皮肉にもアメリカにとって価値が低いとされたメタルギアの技術がアメリカから流出した結果、その通りの事態が起こってしまったといえる。 METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS リキッド・オセロット一派より早く、REXのレールガンを確保する為に再び駆けつけたスネークと雷電。 レールガンの確保には失敗したが、崩壊する基地から脱出する為、一か八かでREXに搭乗する。 この瞬間、一時的に本ゲームのジャンルがステルスアクションから重厚なロボットアクションに切り替わる。 「こいつ、まだ使える!?」 何と、かつての戦いではREXは計器を破壊されただけに等しく、 メタルギアMk.Ⅲを介してオタコンがOSや操縦系統の再編成を行えばまだまだ操縦可能だったのだ。 ………いや、無理だろ。確かにコクピットの中をスティンガーミサイルで粉砕したぞスネークさんは。 ……リキッドといい頑丈ってレベルじゃねーぞ。 流石に長年の無整備や戦闘の余波によってガタは来ているものの、 オタコンの必死のリアルタイムリプログラミングによって稼働状態を維持し続けた。 その時の状況は、空中で自壊し続ける飛行機を、修理しながら無理矢理飛ばし続けるようなもんだったという。 無数のヤモリを蹴散らし、どうにか搬出口を経て基地から脱出するまで全力疾走をしてのけたが、 出口である港湾部にはリキッド・オセロットが駆るメタルギアRAYが待ち伏せていた。 そこで再度の兄弟対決、それも今度はメタルギア同士の鋼鉄の怪獣決戦に突入する羽目に陥る。 言わずと知れた天才パイロットであり、なおかつオセロットとしてのRAYの操縦訓練も備えたリキッドが駆る、REXの天敵とも言える対メタルギア兵器のRAY、 というどう考えてもスネークに勝ち目の無いシチュエーションだが、タダでやられるREXではなかった。 ぶっちゃけ思考だけリキッドごっこしてるオセロット相手ですし。 ロボアニメ大好きロボヲタのオタコンが秘かに仕込んだ格闘戦用プログラムに加え、外部(ガウディ)からの制動補助のお陰で旧式でありながら互角と言える戦闘力を発揮、死闘の末辛くもRAY撃破に成功する。ミサイル迎撃、または戦略核兵器という目的はどこいった? それと同時に、元々ガタが来ていたREXにも限界が来て、とうとう稼働停止したのだった。 ちなみに小説版MGS4ではリキッドのRAYは2に登場した試作機ではなく、無人型を有人型に無理やり改造したものという設定になっている(*5)。 統合管制に基づくAI制御が前提だった量産型RAYに無理矢理コクピットをねじ込んだために動作がちぐはぐなRAYに対し、REXは元から有人型として開発されていたために操縦面でのアドバンテージも発揮できたようだ。 □パロディ PWではモンスターハンターシリーズとのコラボレーションで、スネークを使いモンスターと戦うサブイベントが盛り込まれている。 大空を舞うチキン野郎・火竜リオレウス、地獄から来た轢殺マシーン・轟竜ティガレックスを撃破すると、今作品オリジナルモンスターとして、鋼鉄の牙王・核竜ギアレックスが出現。 名前で分かる通りREXがモンスターになったデザインであり、右肩にはレールガンを模したような器官があり、酸を射出して攻撃してくる。 モンスター島ことイスラ・デル・モンストルオで撃破してしばらくすると大型の個体がマザーベースを襲撃し、迎撃に出たスネークとG殲滅作戦を繰り広げることとなる。 ちなみに製作段階ではRAYもモンスターとなる予定だったが、没となったそうな。 □関連商品 玩具としては、1/48サイズとそのハーフサイズの塗装済みフィギュアと、1/100のプラモデルが存在する。 フィギュアの完成度は極めて高く、ポージング次第で36~55cmという可動域と設定に忠実に再現した細かいディテールで、 忠実に重厚感も再現されている。お値段高いけどね。 強いて言えば、劇中交戦した格闘庫は暗いこともあって、見本共々その色合いにより重厚感を増していたが、 実際の商品は色が明るめでそこで少々重厚感を損なう点と、 バカでかいレールガンとレドーム(特に前者)は強度の関係上可動範囲が存外狭めな点が欠点か。 プラモデルはコトブキヤから発売され、MGS版・黒版・MGS4版の3種が発売。 メカに定評のあるコトブキヤだけあって稼働は良好でミサイルハッチも差し替えなしで展開、自立可能だが台座が付属するため長時間の展示も問題ない。 しかし成型色はグレー一色なため劇中仕様再現には塗装必須、リキッドなども付属するがこちらも白一色で塗装が必要。 黒版はデザイナー指定により成型色の変更と各種マーキングデカールが付属している。 MSG4版はレールガンがないものの劇中通り破損した各部再現のために破損したレドームなどは新規パーツで再現されている。 フィギュアに比べればプラモなため再販され入手機会はあるものの2020年11月時点ではMGS版は3月に再販したものの公式通販では完売しており店頭在庫を探すしかなったが、2022年4月に再版。 黒版は一度だけ再販されたものの2016年だったため入手困難になっている。 MGS4版は同じ2016年に発売され再販はされていない、しかし他のREXが数年先に出て価格差があるにしても本編同様の再現された影響でレールガンや機体の各部が 欠損しているにもかかわらず定価が他のREXよりも高いこともありネットでは半額近くまで値下げになった店もあり店頭在庫も意外と探せば見つかる。 スネーク!! この歴史的な項目を拝みながら追記・修正してゆけ。 兄弟へのせめてもの気遣いだ。 今から見せてやる、 21世紀を導くアニヲタWikiをな!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 4のREX操縦最高だったわ もうメタルギアでアーマードコア的なのがやりたい -- 名無しさん (2013-12-22 02 16 23) この世界の金属は一体どんな強度なんだw下手すりゃガンダムのルナ・チタニウムよりヤバイぞw -- 名無しさん (2013-12-22 09 13 43) ↑歩兵用のスティンガーミサイルだから余り効かなかったが、オタコン曰く98年時点の高性能HEAT弾なら破壊し得るらしいから、そこまで馬鹿げた防御力でもない -- 名無しさん (2013-12-22 09 20 31) あれほど苦しめられたREXを操縦出来た時は物凄く興奮した。量産型メタルギアたる月光をREXが蹴散らしながら進むあのシチュエーションを考えた監督は本当に素晴らしい -- 名無しさん (2013-12-22 18 31 48) 4のRAY戦始まったとこで△押すと、リキッドの「スネーク!」に対してスネークが「リキッドォ!」って叫ぶんだよな。トロフィーの存在で初めて知った -- 名無しさん (2013-12-22 19 30 46) REXをMGRの時代の技術で改造したら如何なるのだろうか? -- 名無しさん (2014-08-09 09 12 00) 火力は更に上がるんだろうが、雷電とかサムとか上院議員みたいのが相手だと刺身にされちまうんじゃね? -- 名無しさん (2014-08-09 10 23 11) ↑生身でメタルギアぶん投げる雷電と素手で装甲粉砕する上院議員じゃ相手が悪すぎる -- 名無しさん (2014-08-09 10 44 27) レックスVSレイを実現するために無整備の大型兵器が平気で動くってのは正直ムリがあったが…それでも胸アツなシチュエーションなことは間違いないな。 -- 名無しさん (2014-11-06 13 03 34) 今まで破壊する側だったのが…最初の最後で乗り込んで戦えるとかテンション上がらない訳がないっ! -- 名無しさん (2015-01-07 20 58 18) 一番好きなメタルギア 後シリーズの機体のような洗練された感じゃない、あのゴテゴテ感がたまらん 主人公機にして、ライバル機でもあり、友の血を吸った仇でもある因果な機体 -- 名無しさん (2015-01-24 13 34 18) MGRの続編でサニーが密かに修復していて、雷電の危機に送り届けるとかは……ないか -- 名無しさん (2015-01-24 13 35 56) 核弾頭をレールガンでぶん投げるって発想がすごいなぁ・・・しかも条約の抜け穴をうまくくぐり抜けてるし -- 名無しさん (2015-01-24 16 15 33) 核の移動砲台にコックピットブロックで噛みついて叩き付ける格闘ロジックを入れた変た・・もといオタコンの浪漫兵器 -- 名無しさん (2015-05-10 20 58 29) 多分本気で冗談のつもりだったんだろう、REXの用途からしたら内蔵火器で十分のはずだし -- 名無しさん (2015-08-28 03 58 20) イーライはTPPのサヘラントロプスを参考にしてるよな。 ところどころサヘラントロプスに似てるし、頭部なんかそのまんまだし。 -- 名無しさん (2015-09-25 18 41 32) ただまあサヘラントロプスから繋がってると考えると色々と退化しまくってるけどなw つーか冷戦時代のメタルギア関連兵器はみんなおかしいw -- 名無しさん (2015-09-30 08 20 47) ↑ いや、その辺は予算の差だろ。 -- 名無しさん (2015-09-30 08 32 23) ↑予算もあるだろうけど、根本的な技術面を愛国者達が秘匿したからじゃない? -- 名無しさん (2015-10-07 13 31 52) サヘランはマンティスの念動で無理やり動かしてるだけだからね。いろいろ無理有りすぎたから二足にしといたんだろ。後付って言われたらまぁその通りなんだけど -- 名無しさん (2015-10-07 14 37 59) REXもサイコマンティスが動かしてたら生身をさらけ出さずに操縦できてたのかw -- 名無しさん (2015-10-12 21 32 01) サヘラントロプスと言い、REXと言い、どうして親子揃って納期を守らんのかね…。 -- 名無しさん (2015-10-12 22 26 59) ↑完全にハリボテだったのを念力でむりくり動かしてるサヘラントロプスと開発当時の2足歩行兵器として最高水準の性能を確保してたREXとでは相当に違うと思うけどね。こっちはパイロット次第とはいえ、手榴弾で戦車倒す化け物兵士が勝ち目ないレベルだったし。 -- 名無しさん (2015-11-06 21 10 48) 過小評価されがちだけど、同じ方向向いたまま(=攻撃しながら)八方向に歩き回れるのはこれだけだし、メタルギアではMGR勢除けば最強なんじゃなかろうか 格闘戦はサヘラントロプスがやりたい放題してるけど -- 名無しさん (2015-11-08 12 53 02) 核攻撃を前提としたメタルギアでは最強でしょ。RAYは対メタルギア用メタルギアだし、サヘラントロプスの核攻撃は自爆だし、月光は局地戦用だし。 -- 名無しさん (2015-11-08 13 01 00) ピースウォーカーもZEAKも核攻撃はレールガンじゃ無くミサイルだった筈…… -- 名無しさん (2015-12-24 14 39 34) 意図的に弱点を残した理由の一つに敵に鹵獲された場合の対処もあったからじゃないのかなぁ...完全無欠な存在だった場合、敵側に使われたら非常に厄介な存在になるだろうな..。だからあえて弱点を残したのとも考えられないかな? -- 名無しさん (2016-02-19 12 51 33) ↑敵に捕捉されずに核ぶっぱできるんだから鹵獲される心配なくね? -- 名無しさん (2016-02-29 23 58 08) ↑いや、そうじゃなくて、↑x2は稼動中とかじゃなくて、格納庫とかに停めてる状態とかだったらスネークとか、敵の工作員に盗まれる可能性とかあるんじゃという意味では?今思えば、オタコンが趣味とかの私情を持ち込まず、弱点もしっかりカバーして本気で開発できたら最強のメタルギアのはず。ZEKEは核がステルスじゃないし、出来て間もないこともあって信頼度が低い。そもそも試作機の実質未完成、ST-84は超能力で動かす他なく、最悪敵に操作を握られる。そして核攻撃手段が自爆特攻しかない。そして試作ryだから実質上、メタルギアとしてREXはかなり高い完成度を誇ってる。そうなったらスネークのような化け者でも4のようにREXに匹敵するメタルギアで対抗せざるを得なくなる。MGRの面々?知らんな、そんな黒歴史連中。 -- 名無しさん (2017-01-06 15 50 45) MGR版RAYには無傷 ガウディ補助ありでも勝てなさそう。CNTで防御力も機動性も大幅に上がってるし、ウォーターカッターに耐えた装甲もプラズマ砲相手は分が悪そう -- 名無しさん (2017-05-14 07 35 31) レールガンの加害半径300mは宇宙空間で炸裂した場合の話じゃなかった?大気圏内ならばもっと広いはず -- 名無しさん (2017-05-24 10 50 25) とはいえ、ついにメタルギアが実用段階に入ってしまったという衝撃は当時ハンパではなかった -- 名無しさん (2019-08-26 19 27 10) 「核拡散」ドクトリンの究極形であり、こいつが歩き出すと「沈黙の艦隊」は存在意義が消滅する。まさに恐竜。 -- 名無しさん (2019-09-30 04 27 00) 「メタルギアソリッド」のタイトルを初めて見たときはロボットに乗って戦う作品だと思ってたから、4でようやくタイトル回収した気分になった -- 名無しさん (2020-05-10 01 00 32) 操縦席内部にミサイルしこたまぶち込まれてから、メンテナンス無しで数年放置されてたわけだが…何で動くの?ってレベルや… -- 名無しさん (2021-05-02 23 29 09) 下馬評では戦闘能力に関してはREXとガンダーがトップらしい。 -- 名無しさん (2021-07-05 02 53 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/miamivice1984/pages/17.html
メタルギア スペシャルディスク 機種 ゲームキューブ 配布元 コナミ 開発元 コナミ 配布年 2004年 配布数 不明 備考 限定版同梱品 概要 FC「メタルギア」の移植作品。 GCソフト「メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス」の限定版「メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス プレミアムパッケージ」に同梱。 このプレミアムパッケージはツインスネークとメタルギア スペシャルディスクの他、オリジナルデザインのGC本体や特典冊子もついた限定品。 そんな記念作品であるにも関わらず、肝心のファミコン版メタルギアはシリーズ制作監督の小島秀夫氏曰く「良くはなかった。いや、クソゲーでしたね(笑)。」 コナミの公式サイト内でも「メタルギアシリーズにとっての禁断の果実」と称されるクソゲーである。 なぜ誰もが認めるクソゲーが収録される事になったのか。当時、日本国内において任天堂の据え置きハードで出たメタルギアシリーズはこの1作のみであり、その辺の事情もがあるのかもしれない。 ゲーム内容はオリジナルの完全移植でありGC独自の追加要素等は無い。また、おまけとして「ツインスネーク」のプロモーション映像が収録されている。 ちなみにファミコン版メタルギアはバーチャルコンソール等でも配信されていないので、そういう意味では貴重かもしれない。 リンク集 METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES PREMIUM PACKAGE 公式サイト。本ディスクについてくわしく言及。 http //www.konami.jp/gs/game/mgs_tts/japanese/limited_0206.html 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/niconicojikyouplay/pages/684.html
【ゲーム】メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(PS3) 【作者名】ユニ 【完成度】完結(08/06/12~08/07/14) 【動画数】132 【ニコニココミュニティへのリンク】http //com.nicovideo.jp/community/co3109 【備考】 現在は一般非公開、コミュニティ限定動画となっているようだ。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/1330.html
『愛国者へのアクセス及びスプリガンの再起動を開始するよ!用意は良いかい?』 がコード中継をかねているMk2からメンバーに声をかける。 「いつでも来い!やってやらぁ!」 律がスティックを振り上げ合図する。 『10カウントから開始するよ!10、9、8、7』 メンバーがごくりと唾を飲む。 『6、5、4、3、2,1』 スプリガンから起動音がスタートの合図だ。 唯がゆっくりと口をひらく。 「どもー放課後ティータイムです!いやーいきなり世界デビューって事になっちゃってぇ~えへへへへ。 自分でもビックリしてるんだけど、あ!コレ世界に聞こえてるんだよね! 英語じゃないとまずいよね!え、え~と、ハ、ハロー!アイアムジャパニーズ!アイライクお菓子」 「うぉおおい!MCからやるんかい!」 律が突っ込む。 「みんな寝てるとは言え世界にこの痴態は恥ずかしすぎます……」 「ああ……」 澪と梓はガックリ肩を落とした。 唯はえへへと舌を出す。 「つい、何時もの癖で~。ほいじゃ早速いきますよ!準備いい!?」 メンバーの顔つきが変わる。 演奏前のあの心地よい緊張感だ。 「放課後ティータイム!曲はカーペンターズで、SING!!」 * ミラーは足を引きずりながら桜が丘高校体育館前に着いた。 大破したトラックから1人脱出しやっとの思いでココまでたどり着いたのだ。 肋骨と足の骨がやられているのが分かる。頭部からは血が流れ、時折意識が飛びそうになる。 つい先ほど街の町内放送用スピーカーからコントが聞こえてきた。 敵はスプリガンの乗っ取りに成功し、あまつさえ愛国者にアクセスを開始したのだ。 世界中に今のコントが配信されたと思って間違いはないだろう。 『放課後ティータイム、曲はカーペンターズでSING!!』 スピーカーから聞こえる唯の声。 間違いない、彼女らは唯の歌の性質を利用して眠っている人間を起こす気だ。 「しかし……よりによって……この歌とはな……」 手に持つXM8アサルトライフルをぐっと握る。 キーボードの心地よい前奏の後、次々に音が重なる。 ミラーは体育館の入り口でへたり込んだ。 血を失い、足ももう既に言う事を聞いてくれない。 この歌を止めなければ世界は目を覚まし作戦は失敗してしまう。 『sing,singasong singoutloudsingoutstrong singofgoodthings,notbad singofhappy,notsad』 唯の歌声だ。優しく、包み込むような声。 ミラーはライフルの銃口を唯に向けた。この歌を止めさせるには彼女を殺すしかない。 愛国者へのAIへはアクセス出来なくなるが、この際仕方が無い。 『sing,singasong makeitsimpletolastyourwholelifelong』 膝を立て銃を固定する。 『don'tworrythatit'snotgoodenough foranyoneelsetohear』 ドットサイト内から唯を覗く。 スコープ越しに見るその姿はさながら世界に愛を降りまく天使のようだ。 『justsing,singasong……』 耳に聞こえるこの曲は40年の時を越えてミラーの心に染み込んでゆく。 ピースウォーカー、いや、ザ・ボスがこの歌を愛したその意味をミラーは感じた。 『lalalalalalalalalalalala』 メンバー全員の歌声が唯の声と交じり合った。 世界が平和であることを望む為に、ミラーは彼女に銃を向ける。 「動くな」 ミラーの後ろで声がする。 見なくても判る。伝説の英雄ソリッドスネークだ。 『sing,singasong lettheworldsingalong』 照準は合っている。後は引き金を引くだけだった。 『singoflovetherecouldbe singforyouandforme』 「スネーク、俺は引き金を引く。そのために俺はここにいるんだ」 ミラーは銃を構えたままそう呟く。まるで自分に言い聞かせるかのように。 『sing,singasong makeitsimpletolastyourwholelifelong』 「マスター、アンタには撃てない。その気があるのなら俺が銃を向けた時、その引き金を引いてたはずだ」 『don'tworrythatit'snotgoodenough foranyoneelsetohear』 「これからは、PMCの時代でも、核の時代でも、戦争の時代でも、ましてや俺たちの時代なんかじゃない。 これからは彼女達の時代だ。 俺はこの螺旋から降りる。俺たちが突き付けあった銃を降ろさない限り、彼女たちに未来はやってこない」 後ろで銃をしまう音がする。 戦場で敵に情けをかける。 伝説の英雄もなんてことは無い、感情に身を委ねてしまう愚か者だ。 『justsing,singasong』 ミラーの握っている手から力が抜け、銃口が下を向いた。 あらゆるしがらみからの開放。ミラーが得た感情はそれに近かった。 リキッドに殺されたあの日、自分は自由になったのだと思っていた。 けれど実際は戦いに身を起き、殺し合いの上になる世界で同じ事をしていたに過ぎない。 『justsing,singasong』 涙を流したのは何年ぶりだろう。 ミラーはふとそんな事を考える。本当に自由になれた気がした。 通信機を手に取り世界中で戦う仲間たちに回線を開く。 「カズヒラ・ミラーだ。作戦は失敗、現時刻を持って各部隊は撤退を開始しろ。だが、心配するな、時代は変わる。 俺は……そう確信した」 『lalalalalalalalalalala,,,,,,,,』 唯が、放課後ティータイムのメンバーと一緒に歌を口ずさむ。 全世界に向けてこの歌を歌っている事を唯は遠に忘れていた。 歌おう、歌を歌おう 生涯を共にできるように やさしい歌にしようね 誰かに聞かせる程上手くない、 なんてそんなことは心配しないで ただ、歌を歌おうよ この歌詞の意味を唯は深く考えた事がない。 けれど、優しげなこのメロディーと、幸せな気分にさせてくれる雰囲気が好きだった。 ギターを鳴らし、前のめりに歌う。 これからも、ずっとこのメンバーで歌っていけたらと思いながら。 傍でザ・ボスが笑った気がした。 * 今事件において後に語り継がれる記録は、曖昧なものであり多くの謎を残した。 国境なき軍隊は各作戦地域から撤退し、組織はそのすぐ後に解散、消滅。 各国の見解によれば事件の首謀者であるカズヒラ・ミラーの消息は生死も把握されておらず、 桜が丘高校の体育館の玄関にカズヒラ・ミラーの血液がついたアサルトライフルが1つ残っていたというのが 最後の手掛かりであった。 スプリガンの中にあるG・W識別コードは何者かが感染させたウィルスによって破壊されており、 愛国者と人を繋ぐ唯一の道は失われた。 一説によればこのウィルスの件にソリッド・スネークとハル・エメリッヒが関与しているという不確定な情報があるも、 日本政府はこれを拒否。 事件の最重要参考人である平沢唯と放課後ティータイムの証言はCIAと日本政府のごく一部の人間が知るのみで、 国際連合アンチテロ組織最高司令官に任命されたロイ・キャンベルの情報封鎖が主な原因であると言われている。 密に世界を救った放課後ティータイムはその後、半月にも渡る聞き取り調査と現場検証で 心身ともにクタクタな日々を送る羽目になった。 事件の全容は無論他言無用であり、それを条件に街の復興と生徒たちの心のケアを目的とした医師団と 復興作業班の派遣で彼女達は合意。 英語教師ジョン・コジマはその姿を消し、放課後ティータイムのメンバーは彼が何者だったのか知らされないまま 後に「スリーピングビューティー」と呼ばれる今回の事件は幕を下ろした。 エピローグ 事件から3ヵ月後、改装工事が終わったばかりの体育館には生徒や地元住民が溢れかえっていた。 街の復興とそこに住む住人に元気になってもらおうと桜が丘高校と地域の自治体、 それに国連の復興作業班が協力して「復興祭」なる催しを行ったのだ。 学校を取り囲むように屋台が並び、校内でも様々な催し物が行われていた。 「あわわわわ……律、むりだよ……学園祭の比じゃないよ」 舞台袖で澪が目を白黒させている。 「何言ってんだよ澪、お前の歌全世界に発信されたんだぞ?これぐらいの人数で怖がってどーすんだよ」 「あの時は私たちしか居なかったんだ。今は体育館に入りきらないぐらい人が入ってんだぞ」 澪が必死に訴えるもココまで来たら引き返すわけにはいかない。 「澪先輩、大丈夫ですよ。あれだけの事、乗り越えたんですから今回もきっと平気ですって」 梓が澪をなぐさめる。 「ハァ……そうだな……いつまでもこのまんまじゃジョン先生に示しがつかないもんな」 ふと澪が横を見る。 「聞かせてあげたかったね……新しい曲」 ギー太を抱えた唯はいつもより少し元気が無かった。 今回の「復興際」にあわせ彼女達は新しい曲を作ったのだ。 けれど一番聞いてほしかった人はここには居ない。 「唯ちゃん」 唯の肩に紬がそっと手を置く。柔らかくそれでいて暖かい。 「大丈夫よ、きっと届くわ……あの時のようにね」 唯はその言葉を聞くと曇った顔をほころばせた。 「そうだよね……そうだよね!」 目をきらきらさせる唯はいつもの唯だ。 「うん、だから頑張りましょう」 紬がそういうとメンバー全員が頷いた。 『それでは桜が丘軽音部、放課後ティータイムのミニライブです』 放送の後、幕がゆっくりと上がる。 今まで経験した事の無い拍手の波が彼女達を包んだ。 唯は用意されたマイクに向かってお辞儀をする。 勿論、おでこをぶつけ観客の笑いを誘うのはいつもの事だ。 「あわわ!ごめんなさい、えっと、放課後ティータイムです」 唯がギー太をジャジャンと鳴らす。 再び沸きあがる拍手。 「えへへへ、みんな今日は来てくれてありがとう。 私たち放課後ティータイムは桜が丘高校でバンド活動を行っています。 体育館も綺麗になってなんだかホッとしています。 3ヶ月前に起こった事は今でも実感が湧きません。 私たちもその場に居合わせてすッごく怖かったけど、未来を変えようと頑張った人達のお陰で こうやってまたステージに立つことが出来ました」 唯はそう言って頭を下げる。 「今回の事で、テロだとか戦争だとか誰かのせいだとか、そういう事を私はあまり言って欲しくないなって思います。 みんなが未来を良くしようとして、それが誰かとぶつかっちゃって、その…… 何ていえばいいのか分からないけど、みんな一生懸命だったんです」 唯は下げた頭を上げる。 彼女なりに何かを訴えようとしているのだ。 「私は歌を歌う事しか出来ません。スポーツも駄目だし、勉強もあんまり得意じゃありません。 お料理も憂が全部やってくれてます。 けど、そんな私にも出来る事があるんだって それで何かを変えられるんだって…… 今私たちが出来るせいいぱいいの事を、放課後ティータイムはしていきたいと思います。 だから……」 不意に体育館のドアが開き3つの影が姿を見せる。 「だから……」 白髪に白いひげ。英国紳士のような出で立ちの男。 隣にはメガネをかけ少しウェーブのかかった髪が特徴の如何にも研究者らしい出で立ちの男。 そして青い薔薇の花飾りを頭につけた小さな女の子。 唯は一瞬目を丸くしてメンバーの方を振り返る。 皆小さく頷くと笑みを見せた。 唯は大きく頷くと振り返り腕を突き出し彼らにVサインを決めた。 ひまわりのような笑顔が眩しい。 「だから皆さん!私たちの歌を聞いてください!」 世界中のみんなに、この歌が届きますように 「放課後ティータイムで SAY-Peace!!!」 おわり 長々と半日かけてうpしてきましたが自分の妄想を読んで下さった皆様お疲れ様でした。 会社で暇な時にしていた妄想を活字にするのは難しかったです。 製作は何だかんだで半月ちょいかかりました。 ピースウォーカーに感化されて勢いで書きましたがまた何か機会があればまたうpしたいと思います。 規制支援も助かりました。 また似たような感じで妄想して書きたくなったら頑張ります。 ではまたその時まで~ごきげんよう さようなら~ 戻る
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/5887.html
メタルギア ゴーストバベル 機種:GBC 作曲者:日比野則彦、村岡一樹 開発元:コナミコンピュータエンターテイメントジャパン、トーセ 発売元:コナミ 発売年:2000 概要 メタルギアシリーズの外伝作で初の携帯機作品。 システムやグラフィックは『メタルギア2』を踏襲しているが、キャラクターの設定などは『メタルギアソリッド』をベースにしている。 ゲームボーイながら本家に劣らないほどの作り込みの細かい作品で、ファンからの評価は高い。 日比野氏が初めて担当したメタルギアシリーズの作品でBGMの方も高評価だが、サントラは未発売。 収録曲(仮曲名) 曲名 作・編曲者 補足 順位 Title Screen タイトル画面 Mission Start ステージスタート Infiltration 1 監視塔・兵舎・発電所など Infiltration 2 ジャングル・基地前など Encounter アラート時 Stage Clear ステージクリア Mission Failed ミッション失敗 Game Over ゲームオーバー The Sewer 排水路 Duel ボス戦 Conveyor Belt ベルトコンベア Retribution ヴァイパー登場 Escape 砲撃から逃げるシーンなど Regret ジミーの後悔/クリスの謝罪 Deception クリスへの疑惑 Helicopter Duel ハボック戦 The Past ソフィーの過去 Maintenance Base 地下基地 Black Chamber ブラックチェンバーの真実 Descent メタルギア格納庫 Gander Stage 1 メタルギア・ガンダー戦 Gander Stage 2 メタルギア・ガンダー(後半)戦 Finality ヴァイパーとの対峙1 Preparation ヴァイパーとの対峙2 Ascent 最終ヴァイパー戦 ゲームボーイ187位 The Future ソフィーのこれから Metal Gear 真の黒幕 Optimism スネークの決意 Departure スタッフロール Intimidation Reminiscence Barrel Canyon VR Training Start 『初代メタルギア』の「OPERATION INTRUDE N313」→「THEME OF TARA」 VRトレーニング VR Training (Weapon Mode) VR Training (Advanced Mode) VR Training (Sneaking Mode)
https://w.atwiki.jp/monhanmorio/pages/71.html
ストーリー 舞台は「メタルギアソリッド3」から10年後の1974年、南米コロンビア。 コロンビアの地で国境なき軍隊を率いていたスネークが、あるコスタリカからの客人に軍隊を持たないコスタリカから非公式な組織(軍隊)を追い出してくれと依頼された。 それに応えたスネークは現地に潜入する・・・ 攻略情報どしどし募集します⇒攻略掲示版 発売前情報 4/2NEW! ゲームシステム ストーリー進行方法 協力プレイ 称号 デモムービー マザーベース 共闘 キャラクター紹介 操作方法 攻略情報 攻略チャート1 商品情報 タイトル METAL GEAR SOLID PEACE WALKER 発売予定日 2010年4月29日 ジャンル アクション プレイ人数 1~6人 価格 UMD版:5,229円 ダウンロード版:4,700円 機種 PSP 公式サイト http //www.konami.jp/mgs_pw/jp/index.html
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/2652.html
METAL GEAR 機種:MSX2, FC メインサウンドエフェクト (MSX2):水谷郁 サブサウンドエフェクト (MSX2):たけのうちしげひろ、古川元亮 サウンドエフェクト (FC):村岡一樹 発売元:コナミ 発売年:1987年 概要 小島秀夫氏による「メタルギア」シリーズ第1作目。 「敵に見つからずに進む」というステルスアクションゲームの先駆けとなった作品。 ファミコン版の移植作があるが、こちらは小島氏が関わっておらず出来はあまり良くない。 続編に『メタルギア2 ソリッドスネーク』と海外限定で『Snake s Revenge』がある。 収録曲 (MSX2版) 曲名 作・編曲者 補足 順位 OPERATION INTRUDE N313 オープニングBGM THEME OF TARA 潜入BGM(地上) -!- RED ALERT 戦闘BGM KONAMI118位1980年代115位 SNEAKING MISSION 潜入BGM(地下) MERCENARY ボスBGM TX-55 METAL GEAR METAL GEAR戦BGM ESCAPE -BEYOND BIG BOSS- ラストバトル ~ 脱出BGM RETURN OF FOX HOUNDER エンドデモ JUST ANOTHER DEAD SOLDIER ゲームオーバーBGM 収録曲 (ファミコン版・仮曲名) 曲名 作・編曲者 補足 順位 PASSWORD パスワード画面BGM OPERATION INTRUDE オープニングBGM JUNGLE THEME 潜入BGM(屋外) -!- ALERT 戦闘BGM SNEAKING MISSION 潜入BGM(屋内) MERCENARY ボスBGMMSX2版と同じ TX-55 METAL GEAR(SUPER COMPUTER) スーパーコンピューター戦BGMMSX2版「TX-55 METAL GEAR」のアレンジ ESCAPE -BEYOND BIG BOSS- ラストバトル ~ 脱出BGMMSX2版と同じ RETURN OF FOX HOUNDER エンドデモMSX2版と同じ JUST ANOTHER DEAD SOLDIER ゲームオーバーBGMMSX2版と同じ サウンドトラック ソリッドスネーク メタルギア2 (KICA7501/キングレコード) Metal Gear/Metal Gear 2 Solid Snake Music Collection
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/743.html
メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット 概要 特徴・評価点 国産PS3ソフト最高レベルのグラフィック 変更された操作系統 アクション・システム シリーズファンには嬉しいステージやネタ ストーリー その他 賛否両論点 多彩な武器 「ドレビンショップ」の存在 旧作ネタの多用、それを把握しても分かりづらいストーリー 「オクトカム」の性能の良さによる難易度低下 ムービーの仕様 キャラの一部の扱いについて 問題点 ストーリー・エンディングに対する評価 史上最長とも言われるムービーの長さ テンポの悪さ 宣伝とのギャップ シリーズ未経験者への不親切さ 小ネタや無線の激減 没個性的なボスキャラクター 無理のある設定とやりすぎな演出 全体的な描写不足 声優の変更 イベント類 メタルギアオンライン2 総評 余談 メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット 【めたるぎあそりっどふぉー がんず おぶ ざ ぱとりおっと】 ジャンル タクティカル・エスピオナージ・アクション 対応機種 プレイステーション3 発売元 コナミデジタルエンタテインメント 開発元 コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション) 発売日 2008年6月12日 定価 通常版 8,800円スペシャルエディション 9,800円プレミアムパック 51,800円(全て税込) 廉価版 PlayStation3 the Best 2009年6月18日/3,800円 判定 なし レーティング CERO D(17才以上対象) コンテンツアイコン 暴力、犯罪 ポイント 『メタルギアソリッド』シリーズの完結編プレイ時間の約半分以上を占めるムービー新規を置き去りにする内容、後半のボリューム不足シリーズファン以外にはオススメできない メタルギアシリーズ 概要 『メタルギアソリッド』シリーズの第4作。小島監督曰く、ソリッド・スネークを主人公とした最後のシリーズ作品。Act1~Act5の全5章編成。 その宣言通り、シリーズメイン主人公だったソリッド・スネークの最後の戦いと、「メタルギアサーガ」の結末が描かれる。 今作のテーマは「SENSE」。主に「感覚」を意味する言葉だが、本作ではそれに加えて「意志」や「遺志」と言った意味合いで用いられる。 前評判に違わず、当時のPS3ソフトにおける最高の売り上げを記録し、海外では2008年 Game of the Yearを受賞する程の評価を得た。 膨大な設定を抱える「メタルギアサーガ」を無事に完結させた反面、今までの以上のムービー多用やシリーズ未経験者への不親切さなどから、より人を選ぶ作品にもなってしまった。 通常版以外にも、特典映像ディスクが付いた「スペシャルエディション(*1)」と、特典映像ディスクとオリジナルカラーのPS3本体が同梱された「プレミアムパック」も同時発売された。 2012年8月6日に配信されたパッチでトロフィー機能に対応し、キャッシュデータの一括インストール機能が追加。 また、8月上旬よりパッチを適用済みの廉価版が順次出荷されている。 特徴・評価点 国産PS3ソフト最高レベルのグラフィック 発売は2008年とPS3では前期にあたるが、グラフィックはかなり美しい。 Act3の東欧市街地などは、実際に現地で取材を行っており、かなり細部まで作り込まれている。歩き回ってみるのも楽しい。 Act4では懐かしのシャドー・モセス島が美麗に復活。 開発チームによると、これでも微妙な出来だとか。 変更された操作系統 ボタン配置が今までのシリーズから変更。ボタンのアナログ感圧を使用しない、普通のTPSと同じような操作方法になった。 例えば、「武器を構えて発砲する」という動作を従来作では□ボタンの押し込み具合で構える・発砲する判別していたため、構えを下ろそうとして発砲してしまった、ということがありがち。本作では構えボタンと発砲ボタンが別になっているので(ホールドアップなどで)構えてすぐに下ろすという動作が行いやすくなっている。 『MGS2』や『MGS3』ではボタン1つで行えていた主観カメラへの切り替えは構えボタンを押しながら△ボタンという操作に変更された。ただし、本作では三人称視点でも狙いがつけやすくなっている。 アクション・システム 特殊なアクションを行える場所で画面上にアイコンが表示されるようになった(壁への張り付き、段差を登る、エルードなど)。 横ローリング・バックステップ・ホフクでの転がりなどが追加された。 いずれも戦闘時の緊急回避などに使える。転がりはホフク移動に比べて多少カムフラージュ率は劣るものの、体勢を低く保ちつつ素早く移動ができる。 体勢を低く保っての移動(しゃがみ歩き・走り)が可能 前作に比べて、走行時のカムフラージュ率減少量が多くなったため、普通に走っているとカムフラージュ率はマイナスになり、あっという間に発見されてしまうので、うまく利用したい。 以前の作品ではしゃがみ中はホフク移動になるため、その場で遮蔽物に身を隠すぐらいの使い方しかできなかった(*2)。 『MGS PW』『MGS3D』など本作以降の作品にも採用された。 スナイパーライフルや重火器を装備した状態、主観視点での移動が可能 三人称視点(肩越し視点)では、照準(射撃武器)や着地点の目安(投擲武器)が表示されるようになり、主観カメラを使わなくても扱いやすくなった。 また、ライフルや重火器は自動的に構えないようになり、装備すると視界が狭くなるという欠点もある程度解消された。 クイックチェンジによるタクティカルリロードが完全に不可能になった(ただしリロード時間の短縮程度なら可能)。 新カムフラージュシステム「オクトカム」 壁に張り付いたり地面に這うなどして1秒程度静止すると、その環境に最適なカムフラージュパターンを読みとり、スニーキングスーツの色彩・質感が変化する。これにより、その場その場で最高のカムフラージュ率を保つことができる。 顔用のオクトカム「フェイスカム」を併用することでさらにカムフラージュ率を高めることも可能。また、お遊び要素として若い頃のスネークやオタコン、雷電といった登場人物の顔を模したフェイスカムも手に入る。 前作『MGS3』では時代設定もあり、場所ごとに迷彩服を交換する必要があったが、本システムの導入で遥かにテンポが良くなった。 数は少ないが固定パターンもある。あらゆるダメージを半減、静止していればカムフラ率99%を保つ、前作の仮死薬(*3)のような効果を持つもの(当然ながら、使用回数無制限)などかなり強力なものもあるので、ご利用は計画的に。 ただ、前作のスニーキングスーツやスネーク迷彩のような、どんな場所でも高いカムフラージュ率になるようなものがなく、こまめに読み取りを行う必要がある。 前作は難易度を上げても足音に反応する距離は変わらなかったが、本作では難易度を上げると足音にも敏感になる。 前作では、足音を感知されないためには、歩き移動よりもさらに遅いストーキング移動をする必要があったが、本作ではストーキングは廃止され、歩き移動で足音がしないようになった。 前作では、潜入フェイズなら足音に気づかれて振り向かれてもすぐにアラートにはならなかったが、本作では即座にアラートになる(*4)。敵が後ろを向いていてもCQCでの強行突破がやりにくくなった。 ホールドアップした敵からのアイテム奪取はボディチェックに変更された。立ち状態なら2個、伏せ状態なら4個まで入手できる。 伏せホールドアップのタイミングと有効範囲が調整され、拘束後投げ以外で倒しても行い易くなった。しゃがんでいる敵に行うとそのまま伏せホールドアップになる。 シリーズファンには嬉しいステージやネタ Act4は『MGS』の舞台であるシャドー・モセス島。 10年近く放置されて廃墟と化してはいるものの、PS3の性能でリアルに表現された核廃棄施設を探索できる。さらには昔を懐かしむスネークとオタコンの会話や、『MGS』のセリフが随所で聞ける。 章開始時にはスネークの夢と言う形で、『MGS1』の施設前のマップをそのままプレイできる。 章のラストにはメタルギアREXも登場し…。 ラストバトルはラスボスの体力に応じて『MGS1』~『MGS3』のLIFEゲージとBGMが順に再現されるという、シリーズファンには涙ものの演出である。 LIFEゲージの所に表示される主人公名とラスボス名もそれぞれの原典に準拠したものになっているが、エンディングで明らかになる真実を加味すると、ファンサービスに加えてラスボスの状態を示した粋な演出になっているとも取れる。 そして最後は本作のタイトル曲をバックに、満身創痍のスネークとラスボスがゲージも何も表示されない画面で決着を付ける…。 『スナッチャー』や『ポリスノーツ』と言った『メタルギア』シリーズ以外の小島監督作品に関するものが様々な場面で登場。『メタルギア』シリーズにとどまらず、氏のこれまでの作品すべての総決算といってもよい。 ストーリー 「これで最後」「シリーズの謎が明らかになる」という宣伝がなされた『MGS3』においてさえも結局謎は残り、エンドロール後に黒幕の通信音声が聞こえるパターンが常態化してきた『メタルギア』シリーズだが、本作では正真正銘、ソリッド・スネークの戦いにまつわるすべての謎が明かされる。 「愛国者達」に纏わる謎をはじめ、これまでに登場したキャラクターが一体どのような思惑を抱きどう行動してきたのか、そしてそれがどのように世界に影響していったのかが明かされる。 色々と強引なうえに矛盾点もないわけではないが、重要な組織・人物・事件の謎から、個々人の登場人物に至るまで、暗い含みは一切といっていいほど残されない。 ゲームの謎をほぼすべて回収した上、「蛇」を巡る因縁などシリーズの芯ともいえるエピソードが決着し、ソリッド・スネークにも救いがもたらされる。これ以降は『MGR』の雷電などのように、若い世代が新たな戦いを始めるのみとなる。 ただ、その矛盾点はやはり無視できないものも含んでいる。これについては問題点の部分も参照。 ソリッド・スネークの父親に相当するビッグボスは、声優もスネーク役の大塚明夫氏の実父である大塚周夫氏が演じる等、声優ファンにも嬉しい配役である。 その他 クリア後に所持していた武器弾薬にアイテムを引き継いでの2周目プレイが可能。 『MGS』『MGS2』とは違い、ユニークアイテム以外も引き継ぐ。 ただし、クリア時に高評価を狙う場合は封印しなければならない武器・アイテムもある。 クリア時にはプレイ内容に応じた称号が貰える。あまりに内容が酷いと「PIG」「COW」「CHICKEN」といった、明らかに揶揄の意味合いが込められている称号が付けられてしまう。 目立ったバグや不具合は無い。 シリーズお馴染みのカムフラージュアイテムとして「ダンボール」だけでなく、『MG2』に登場した「バケツ」を彷彿とさせる「ドラム缶」が登場。 重量があるが、転がって敵に体当たりすることが可能。この「ドラム缶アタック」はコミカルながら、高難易度の敵でも1発で気絶するほど強力。 なお、調子に乗って転がり続けると急停止し、嘔吐してしまう。気力が大きく減退し、また隙だらけとなる。 後述されている長いムービーだが、ムービーそのものは良質。 STARTボタンを押して一時停止することも可能にもなった。 賛否両論点 多彩な武器 旧作を遥かに上回る合計70種類。 オリジナル武器も登場。異様にリロードモーションの凝った種子島や、『ボクらの太陽』の太陽銃などのネタ武器も存在する。 SOCOMやM1911A1など過去作で登場した武器も登場する。これらの武器はパスワードを入力することでも入手できる。 『MGS2』のAN94が登場しているのにスパス12が無い、先述のSOCOMがあってファマスが無い、PSG-1が無い代わりに原型モデルであるG3A3と、それを機関銃として改造したHK21が出てくるなど、そのチョイスに首をかしげる武器も多数。 ただし、これらの武器は5つまで携行できるが、M4 CUSTOMとOPERATORの2つを外していた場合、ムービーの度に強制的にそちらに置き換えられてしまう。必然的に使用武器が固定化されてしまい、それらの武器を使う機会がろくに与えられていない。この点は『MGS PW』で改善されている。 「ドレビンショップ」の存在 戦場から回収した武器を武器洗浄人「ドレビン」に渡すことで、武器に応じたDP(ドレビンポイント)が得られる。これを用いて武器・弾薬・アイテムが売買可能なシステム。 本作では各地を転々とするため同種の弾薬を入手し辛い。それを救済するシステムとも言えるが、シリーズの特徴であった「現地調達」の面白さが失われたとも言える(*5)。 さらに、弾薬の所持上限数が従来作と比較してかなり多くなっている。EASYではなんと9999発、NORMALでも893発(*6)。 前作ではアイテムボックスから入手していたサプレッサーもDPに糸目を付けなければ上限まで購入できる。そのため、実質的に『MGS』『MGS2』のように使用回数制限はない。また、最も使用頻度が高いと思われる麻酔銃のサプレッサーは使用回数無制限となっている。 ボスとの戦闘中にも買えることに不自然さがある(*7)。一方で、旧作でもボス戦中に弾薬が底を突くとアイテムが周囲に現れることを考えれば、突っ込んだら負けとも言える。ただし弾薬を探してウロウロしている間にやられるということは無くなったため、幾分難易度は下がった。 このシステムのおかげで2周目以降の武器・アイテム等引き継ぎプレイがはかどるという意見もある。 旧作ネタの多用、それを把握しても分かりづらいストーリー 本作は旧作に関連するネタ(特に『MGS2』や『MGS3』のネタ)が非常に多い。シリーズ経験者がニヤリとできる要素でもあるのだが、「あまりに多くて食傷気味」「未経験者を置き去りにしている」という意見もある。 これだけ長大になったシリーズの謎を、本作のみで回収しようとする姿は評価できうるものだが、それに終始しすぎた感が否めない。結果として後半のゲーム部分のボリュームが薄くなってしまったため、ムービーを入れるより本編をもっと作り込めという声も多い。 過去編の『MGS3』や現代編の『MGS2』の話を含めた謎が明かされる場面はシリーズを知るファンからすれば嬉しい謎解きだが、当時『MGS4』だけプレイした層からは意味不明とも言われた。 しかしまた別の問題として、新規ファンは現代編の『MGS1』『MGS2』『MGS4』のソリッドスネークと、過去編の『MGS3』『MPO』のネイキッドスネークを同一人物だと勘違いしがち(*8)であり、本作はこれに対する理解が重要なのにもかかわらずあまり分かりやすい説明がされていないという点が挙げられている。 「オクトカム」の性能の良さによる難易度低下 本作はオクトカムのカモフラージュ性能が歴代でも高く、なんと場所によっては敵の目の前であっても全く見つからない場合がある。 これ自体は初心者への敷居が低くなった一面もあるが、シリーズファンからは簡単すぎて物足りない部分も。 この便利すぎるオクトカムがボリューム不足に拍車をかけているような部分もあり、結果的にもう少し性能を低くしても良かったのではという気がしなくもない。 ムービーの仕様 ムービー中にSTARTボタンを押すことでポーズをかけられるようになったが、ボタン一つでスキップできなくなったという不満意見もある。 キャラの一部の扱いについて + ネタバレ注意 死んだと思われていた登場人物が結局生存したという展開が多く、これにしらけるプレイヤーも多数存在した。 スネークも自らを抹消して世界を守るという悲壮なエンディングの方が、作品が引き締まり、これらのプレイヤーを納得させられたというやや過激な意見のファンも。 問題点 ストーリー・エンディングに対する評価 + ネタバレ注意 変異したFOXDIEの暴走を防ぐため、スネークが自殺したかと思ったら踏み止まっており、そこにビッグボスが突然登場。 そして彼の口から『MGS4』及びシリーズの謎が解き明かされる…という展開が唐突すぎるという意見がある。 そもそもこのシーン自体が長い。語られる内容自体は相応に濃いが、既にゲーム部分が終了して最後のムービーパートに入って久しいところからさらに長々と展開するため、いい加減うんざりというプレイヤーも多かった。 また、ここまでに謎自体は充分に明かされているため、要らないという意見も非常に多い。 さらに、ビッグボスは『MG2』以後から人工的な脳死状態で保管され、愛国者達のAIが滅びたこと(つまりつい最近)でようやく覚醒した浦島太郎状態だったというのに、どうやって物語の真相を事細かに語れるほどの情報を得ていたのか…という脚本的な意味での違和感も禁じ得ない。 ビッグボスの話を含め、物語の密度についていけないプレイヤーの間では最後まで何が何やらさっぱり理解できないという声もちらほらある。それはゲーム側のシナリオの問題だが、シリーズファンでこれなのだから、旧作未経験者はもはや完全においてけぼりである。 実際これらの話には今作で急に明かされる、飛躍した設定などが数多く、それまでのシリーズをプレイしているとしても全てを理解するのは難しい部分が否めない。 リボルバー・オセロットは『MGS2』の時点では実際にリキッドに憑依されていたのだが、本作では憑依の原因となっていたリキッドの腕を切り落とし、人工筋肉の義手をつけていることが最後の殴り合いのシーンで確認できる。 そして、このオセロットの真実を含め、ここでビッグボスが明かす内容は、要は『MG』から本作に至るソリッド・スネークの戦いはすべて、「愛国者達」オリジナルメンバーの戦いに巻き込まれ続けていただけであったということである(*9)。 要約すれば、『MGS』シリーズは「愛国者達」と離反したメンバーによる壮大な茶番劇とも言える(*10)。シリーズを通してスネークは事情も知らず彼ら(特にオセロット)に振り回され、今作も完全にオセロットの計画のコマとして働かされていたという事実に、プレイヤーによってはひどい徒労感を感じる(*11)。 スネークには、ビッグボス達がついに手に入れられなかった真の自由=「フリーダム」を与えられるという救いが最後にもたらされた、とビッグボスは語る。確かにそれ自体には矛盾はなく、綺麗に物語を締めくくっているが、これだけでは徒労感が拭いきれなかったプレイヤーもいる。 小島監督は本作を「スネークのサーガ」と語っているが、前述のとおり今作は今までのシリーズの謎の種明かしに焦点がおかれているため、結局その中心から外れているソリッド・スネークは『2』同様に若干蚊帳の外という扱いなのも批判の声が大きい。 全体的なストーリーの流れを見るとソリッドでは無くビッグボスとその周りに焦点が合わせられている感じである。 史上最長とも言われるムービーの長さ 恐らく世界一ムービーが長いゲーム。その長さはなんと約9時間。「ムービーの合間にゲームがある」とまで言われるほど。 特に最終章のAct5は大半がムービー。潜入パートに至っては最初の1マップだけ。 しかもそれに反比例して特にストーリー後半のゲームプレイ時間が少なく、ムービーを飛ばした場合は前述の難易度の低さもあって普通にプレイしても6時間程度、熟練者は4時間ほどでクリアできたという報告があるぐらいボリュームが薄い。 ただし、これまでの『メタルギア』シリーズと比較してそこまで密度が薄いというわけではない。それでもボリュームは短めで、物足りないのは否めないが。 ちなみに、クリア時にプレイ成績に応じた「称号」が手に入るが、最長の称号にはプレイ時間35時間を求められる。安全地帯で放置でもしない限り無理である(*12)。 ワンシーンを妙に引き延ばす演出(例:ライデンが月光を振り回すシーン等)も多用されているため、ムービーの長さを助長している。 評価点に述べたとおり、操作やゲームシステムには非常に意欲的な新要素が多いのだが、そもそもそれを活かせるプレイパート自体が少なすぎる。 例として、フェイスカムはストーリーの前半部分が終わった後にようやく使える。いくらなんでも遅すぎである。 スタッフロールがとても長い上にスキップできない。これは前作までも同様だが、本作は称号やトロフィーといったやりこみ要素のコンプリートに最低8周のプレイが必要(*13)であるため不満が多い。 携帯機作品である『MPO』や『MGS PW』では一度見ればスキップできるようになっている。 テンポの悪さ 老化が進んでいるため仕方ないのだろうが、過去作に比べてスネークの移動速度が遅い。 何も装備しなければ普通レベルだが、武器を多く装備するとかなり遅くなる。マップも広いので移動に時間がかかる。 全5章編成だが、章が変わるたびに3~6分程度のインストールが必要。2周目以降も。 総インストール容量が推定20GB近くもあり、発売当時はPS3のHD容量が最大60GB(北米では80GB)しかなかったため、分割インストールは仕方なかったのかもしれない。 ディスク交換の手間を無くすために1枚に収めたというのに、ディスクを交換するよりも時間がかかってしまうというのは、皮肉な結果である。 2012年8月に配信されたパッチで一括インストールが可能になり、周回時のテンポははるかに良くなった。ただし、インストール容量も10GBと多いため、初期型のPS3ではHDDの換装が必要になるかもしれないので注意。 ロードも地味に多い。特に、場面が変わるときに長めのロードが入る。 目立った処理落ちは無いが、フレームレートは30~5の間を絶えず変動する。『MGS2』のように60fpsとまではいかなかった。 宣伝とのギャップ 「戦場に潜入する」と謳っているが、実際にステージが戦場なのはAct1とAct2だけだったりする。 Act3には(レジスタンスを尾行する目的はあるものの)潜入要素がほとんどない。変装していれば敵兵に見つかっても問題ないし(前作では変装を見破るキャラがいた)、銃器・CQCも使用できる。制限はステルス迷彩が使えなくなる程度(*14)。 街には夜間外出禁止令が出されているため、PMCに見つかるとレジスタンスは問答無用で連行されていくが、片手にナイフを持つあからさまな不審者はお咎めなし。それでいいのか、PMC。 レジスタンスは変装をして撒いてきたり、敵の車が急に走ってきたりなど頻繁に尾行の妨害がされるため簡単にクリアはできないが、Act3の大半がこの内容で後は強制戦闘 ボス戦という構成はやや物足りなさがある。 Act4に至っては、ボス戦以外兵士が出てこない。いるのは最新型のメタルギアである月光と仔月光という無人兵器だけ(*15)。 ただし、「無人兵器の目を掻い潜って潜入する」というスニーキングミッションはある。聴覚や視覚は人間の敵に劣るが、警戒態勢になると仔月光が大量に集まってくるので厄介。 無人兵器に有効なチャフグレネードは入手箇所が少なく、ドレビンショップでも販売されていない貴重品となっている。 Act5は後半のステージでも特にゲーム内容の薄さが指摘されており、前述の通り潜入パートは何と最初のエリアのみ。後はボス戦と間にただステージを駆け抜けるパートがあるのみである。 「戦場というシチュエーションに潜入する」というテーマに則り、プレイヤーの行動如何で兵の感情が変化し、潜入難易度が変化するというシステムがあるのだが、このシステムに至っては作りが浅く、ほぼ存在意義がない。そもそも、ゲーム前半で、このシステムが活用される戦場ステージが終了するのである。 武装勢力に味方すると「英雄度」というパラメータが上がり、スネークに対して友好的になる。お礼にアイテムを貰えたりするのだが、存在を知られてはいけない潜入作戦なのに顔を晒していいのだろうか。 逆に英雄度が低いと武装勢力からも攻撃される。武装勢力は無線で増援を呼ぶことはないが、ノーアラートで進むなら英雄度を高くしておいた方が楽。 また、発売前のインタビューでは「戦場に2つの勢力が存在したとして、どちらに協力するか」といったような、2つの勢力の中でプレイヤーの位置が行動によって変化し、それによって戦場の状況が変化する、と言われていた。 戦場にはPMCと民兵の2つの勢力が存在するが、PMCはナノマシンで感情を制御されているため、いくら協力してもスネークには好意は持たない。感情が変化するのは民兵の方のみである。 つまり、隠れながら先に進むより民兵と一緒に戦った方が手っ取り早い。これではステルスアクションの意義が…。 シリーズ未経験者への不親切さ シリーズ未経験者への補足は一切ない。 この点は電撃プレイステーションのレビューでも、真っ先に欠点として挙がっており、本作から初めて『MGS』をプレイしたユーザーからは、「意味の判らないムービーを長々と見せた挙句、ろくに遊ばせてくれないクソゲー」とまで言う人もいた程。 発売前のプロモーションでは「シリーズを知らなくても楽しめる」と豪語されていたが、ハッキリ言って詐欺としか言い様がない。 ここまでにも何度か述べているが、シリーズの謎を回収する姿勢が裏目に出てしまっているといえる。 一応、発売後に配信された「METAL GEAR SOLID4 DATABASE」という無料DLCで今作までの各種データを確認する事はできた。ただし2012年に配信終了。 小ネタや無線の激減 今までのシリーズ作と比べると、よりシリアスな作風となっており、シリーズ恒例の任意無線は大幅に少なくなった。 そもそも、こちらからコールできるのもオタコンとローズだけと少なく、セーブもメニューから行うように変更されてしまった。 理由は、従来作の豊富な無線を考えた人は小島監督ではなく共同脚本の福島智和氏であり、かつ彼が前作を最後に退職したため。 これにより本作はもちろんのこと、後の『MGS PW』や『MGSV』からも、『MGS1』~『MGS3』のような豊富な無線が無くなる結果となってしまった。 没個性的なボスキャラクター ボスキャラクターであるBB部隊の評判が、『MGS1~3』のボスと比較して芳しくない。 あまりにも人間離れしたデザインから、『MGS』の世界観にはそぐわないという批判がある。 旧作のボスキャラクターが概ね個性的だったのに対し、BB部隊は全員同じような容姿と過去を持った女性である。 それぞれの暗い過去も、勝利後にある人物から唐突に無線で簡潔に説明されて終わりである。スネークとの熱い会話などは無い。 また、戦闘終了後はさらに本体を表した彼女達とのイベント戦があるのだが、これを入れる必要性が特になくただエロいだけのバトルと言われた。 ストーリーにも特に大きく関わるわけでも無いからか、後述の小説版ではBB部隊は未登場となっている。 次回作の『MGS PW』でもボスはAI戦車とのバトルのみ、『MGSV TPP』ではボス戦自体余り無かったりとこの点はシリーズの最後まで改善されなかった。 無理のある設定とやりすぎな演出 + ネタバレ注意 旧作との整合をとるために、無理矢理感のある設定や、後付ゆえの様々な矛盾が存在している。 スネークはCQC(*16)を使えるが、今まで使わなかったという設定が少々強引すぎる。 『MGS』で名前だけ出てきたクラーク博士と『MGS3』のパラメディックが同一人物であることが明かされるのだが、旧作の発言と矛盾している。 パラメディックは女性であるはずなのに、『MGS』にてナオミから「彼」と呼ばれている。ちなみに小説版『MGS』では「彼女」に訂正されている。 後のシリーズではクラーク博士は経歴不明で滅多に人前に出ない事で有名と語られている。 『MGS2』から登場したアメリカを影から支配する謎の組織「愛国者達」の正体が、『MGS3』に登場したキャラ達だったという真相(*17)も、「狭い人間関係で完結してしまった」としてスケールダウンを感じさせることになった。 『MGS2』では、そのトップに立つ12人が100年前に死んでいたなど、得体の知れなさを押し出して描写されていたのに、本作であっさりと偽情報だったとして流されてしまう。 特に、『MGS2』に登場したA.I.は「愛国者達」が手に入れた新たな力の1つのように表現されていたが、本作ではこのA.I.自体が「愛国者達」なるA.I.ネットワークの根幹をなすものであったことが明かされる。この事実も同様であろう。 本作発売と同時に、全作分の資料集である『METAL GEAR SOLID4 DATE BASE』がPSストアから無料配信され(現在は配信終了)、さらに『MGS2 バンドデシネ(*18)』も発売されたが、これらも細かい部分で相互に矛盾しあっており、結局何が真実なのか分からない。 『MGS』にてFOXDIEに感染したスネークであったが…。 長年潜伏した事によってより凶悪な殺人ウィルスに変異しており、もはやスネークそのものが歩く細菌兵器と化している事が発覚する。 よって、最善手を取るならスネークは今すぐ隔離か死を選ぶ方が良いという絶望してくれと言わんばかりの話になる。いくらなんでも負の御都合主義が過ぎるだろう…。 なお、後述の気力ゲージが活躍するシーンでもある。空気を読んでくれ 演出面にもやりすぎな部分や不自然な点が見受けられる。 代表的なものは、戦闘の最中に愛の告白とキスをするメリルとジョニー、重大な話をしているナオミのパンツを覗こうとするスネークなどが挙げられる。 劇中で雷電がスネークの身代わりになり巨大戦艦に押しつぶされるのだが、その際に誰がどう見ても死亡したと思われるような演出が入る。しかし、その直後のムービーのスネークとオタコンの「雷電は?」「一命は取り留めたが到底参戦は無理だ。休ませてあげよう」という会話で生きていることがアッサリ告げられる。プレイヤーからすると肩すかしを食らった気分になる。 雷電は「あのまま死亡する」か「死亡したと見せかけてスネークの危機に再登場する」方が良かったのではという意見が当然ある。 実際、この後でスネークのピンチに駆けつけるシーンがある。前述の会話が無かった方がプレイヤーに与える衝撃が大きかった事だろう。 新たなタイトルの主人公たりえるキャラクターなのだからもちろん殺すわけにはいかなかったのだろうが…。 これに加えて、エンディングの項目で述べたスネークの最期など、全体として人の生死が少ない。過酷な戦場の様子が序盤から繰り返し描写されるにもかかわらず、「実は生きていた」「やっぱり死んでなかった」といった形で重要キャラクターが生き残るという展開が、作品を弛緩させてしまっている。 最終決戦はオセロットとの殴り合いだが、始まるまでのムービーが例によってとにかく長い。 それを乗り越えると、『MGS1』のBGMとともに当時の体力ゲージが表示されるという非常に熱い演出が入るのはいいのだが…。なんと同じ事を『MGS』シリーズの本数分繰り返すというとんでも演出にそのまま突入する。 旧作から登場している人物の出現や後半のとあるステージで多用される旧作ポリゴン演出。 該当のシーンに入ると当時のローポリがオーバーラップするという演出なのだが、演出としては不自然さのほうが目に付く。 「懐かしさ」を推しだす胸の熱くなる演出という意図なのだろうが、それにしてもやたら出てくるのでくどい。 気力ゲージについて。 スネークのメンタルを表現する演出としてムービーシーンでも登場するが、かなりシリアスなシーンであっても問答無用で表示されSEが鳴りながら増減する様はもはやギャグである。 作中時系列において、兵士は皆ナノマシンを体内に注入しており、戦闘に特化した様々な恩恵を受けているという設定。 この中に「殺人に対する忌避感(罪悪感)を無くす」という物があり当然のように敵に利用されるのだが、例によって演出が過剰で味方の兵士が苦しみ藻掻いて行動不能になるシーンが数回ある。いくらなんでも罪悪感や忌避感で誰も彼もがそんな事にはならないだろう。 ほぼ全員なので当然、その中には歴戦の強者といった人物も含まれる。 「よくこれで10年も生き延びてこれたな。」 (*19) 小島監督が前に出過ぎ。 作中、「コジマ・カミナンデス」という像が登場する。無論、制作者である小島監督のことを言っているのだが、「やりすぎ」「見ていて痛々しい」「自画自賛も度が過ぎる」等といった批判の声もある。 ちなみに、このネタは『MGS PW』でも登場人物の名前や無線で再度使われている。 兵士役でカメオ出演していたり、隠し要素として彼の「久夛良木さああん!(*20)」という絶叫が収録されていたり……。特に、兵士役としては終盤で結構な量のセリフを担当するのだが、お世辞にも演技が上手いとは言えない上に存在意義がない。 本作のシナリオの出来から、発売当時は「無理に本作で決着させなくてもよかったのではないか?」という意見が相次いだ。 風呂敷を広げ過ぎたが故にムービーで強引・長々と説明せざるを得ず、結果ディスクの容量を食い、ボリュームが激減、未経験者へ配慮も無し…これでは本末転倒だろうというものである。 「本作である程度話を終わらせて次回作で決着させる、というやり方でもよかったのでは」という意見も結構な頻度で出ていた。 細かく存在する矛盾や粗、後述の描写不足を見ても、「広げ過ぎた風呂敷を無理矢理畳んだ」という印象が強くファンとしてはあまり納得のいかないものだった。 全体的な描写不足 『MGS2』にて登場したメタルギアRAYの開発理由は、「メタルギアREXのデータ流出によって世界中に拡散したメタルギアの亜種を駆逐する」というものであった(本作でも無線で言及されている)。 本作は『MGS2』の5年後を舞台にしており、世界各地の戦場を転々とすると宣伝されていたため、未だ見ぬ「メタルギアの亜種」たちに出会えるのではないかと多くのプレイヤーが期待していた。 しかし、本作に登場するメタルギアは月光・RAY・REXの3種類のみ(要するに新規はたったの1種)。「世界各地の戦場」も実質2ヵ国であり、亜種は確認できず。結果的に設定倒れとなってしまった。 ナオミとオタコンの関係が、事前に匂わせるような描写もなくいきなり始まるので唐突に感じる。 『MGS2』から5年後を舞台にしているが、ゲーム開始時のスネーク達の置かれている状況が分かりづらい。 「フィランソロピーはどうなった?」「雷電は何をしてたんだ?」等々。 特に雷電については、トラウマ、サイボーグ化した理由、サニーを助け出した経緯などが一切説明されてないので、プレイヤーは置いてけぼりを食らってしまった。 本来ならこの空白を埋める『メタルギアソリッド ライジング』という作品が作られるはずだったのだが、開発トラブルの末に「本作の数年後の物語」に変更されてしまい、語られることはもはやなくなってしまった。 声優の変更 ヴァンプの声優が『MGS2』の置鮎龍太郎氏から塚本晋也氏に変更された。 「元々『MGS2』の時点でヴァンプの声優は塚本氏が担当するはずだったのが、諸事情により出演できなくなり置鮎氏が急遽代役を務めた」という事情のため、「本来の声優に戻した」という形ではある。また、本職の声優ではないものの演技力は悪くない。 とはいえ、重要な役割のキャラに声優ではない人間を起用したことや、既に置鮎氏の印象が強いのに声質の違う人物に変えてしまったこと、小島監督の友人である塚本氏の起用といった理由から、「わざわざ変える必要があったのか?」と言われている。 また、こういった理由で変更した割には後に発売された『MGS2バンドデシネ』ではヴァンプの声は置鮎氏が続投しており、ますます塚本氏に変えた意義が分からなくなってしまった(*21)。 ジョニーの声優が旧作の今村直樹氏から福山潤氏に変更されており、『MGS』及び『MGS2』の経験者からは不満の声があった。 こちらはヴァンプとは違い、変更された理由は不明(*22)。憎めない下っ端兵としてちょい役を演じてきた前シリーズまでと違い、今作ではガッツリシナリオにかかわってくる上に見せ場も相応にある。 今までの長年の下っ端ネタキャラが報われた形になるのだが、「その扱いは違うだろう」とちょい役としての彼の活躍を期待していたユーザーの声も見られた。 声優変更、性格が『MGS』『MGS2』と比べ明らかに変わっていることや主にアキバと呼ばれることから、旧作のジョニー佐々木ではないと考える人が多かったため、同一人物と判明してから当惑したプレイヤーも多い。 『MGS3』ではジョニーの祖父が登場しており、声優も今村氏が担当するなどのこだわりを見せただけに、余計に変更した理由が謎である。 英語版ではあるが、リキッド・オセロットの声優がリキッド・スネークを担当していたカム・クラーク氏ではなく、リボルバー・オセロットの声優であるパトリック・ジマーマン氏に変更されている。 日本版では、『MGS2』の頃からオセロットの中でリキッドの意識が覚醒したと思われる状態になると声もリキッドのもの、すなわち銀河万丈氏の声に切り替わっていた。 本作では終始、リキッドが覚醒した状態ということで銀河氏が一貫して担当している。それが英語版では、リキッドが覚醒してもオセロットから声が変わらないままという形に。 ただ、設定を考えると肉体はオセロットなのだからオセロットの声のままの方が自然であり、寧ろ英語版の方はそれを考慮して変更したと思われる。 実際、後の小説『サブスタンスII』では「オセロットの声」と明記されている(*23)。 しかし、日本版ではオセロット役の戸谷公次氏が本作発売前の2006年に亡くなってしまっており、同じ仕様に変更するのはそもそも不可能であった。 この理由で変更できなかったのか、『MGS2』の仕様を意図的に引き継いだのかは不明だが、いずれにせよ日本語版と英語版とでこのような差異が生まれている。 とはいえリキッドの声が聞けるのはこれはこれでアリとのファンの意見も多く、そこまで不満の意見はない。代役を用意するにしてもいきなりまだプレイヤーが聞きなれない声で出てくることになるため、やはり難しい所ではある。これでも上手く落とし所を見つけたといえるだろう(*24)。 イベント類 連打イベントは旧作と同様に健在。だが本作は連打しなければならない時間が非常に長い上に移動もしなければならないため、プレイヤーの指とコントローラのボタンに旧作以上に負荷が掛かる事になった。 最初から始めると暫く架空のテレビ番組を見る羽目になる。もちろんスキップはできない。ちなみにボタンで番組変更が出来る。 番組はジャンル問わず色々とあり(クッキングや動物番組等)『メタルギア』シリーズとは関係ないもの。番組終了後に、PMCのCMが放送される。 これが、「戦争」が経済活動として日常化した作品世界を表現している他、ストーリーを暗喩している(*25)のだが、初見時のプレイヤーにとっては意味が解らない上にグロいだけであった。 ちなみに、英語版でスネークの声を担当しているデヴィッド・ヘイター氏の他、やっぱり小島監督もちょっとだけ出演している。 メタルギアオンライン2 『MGS4』に同梱し、単体版も存在。2012年6月13日サービス終了。 『MGS4』本編の世界線やシステムはそのままに、最大16人で対戦できるマルチプレイヤーモードである。 『メタルギア』シリーズのマルチプレイ続編としては『MPO+』以来、ナンバリングとしては『MGO1』以来である。 SOPシステム 本編にも存在する戦場管理システム。主にチーム戦でSOPシステムの特徴をつかみやすく、SOPシステムをリンクした味方の位置や状況を壁越しに把握できる。 敵のSOPシステムに侵入し、戦いを有利に進めることもできる。 ドレビンポイント(DP) 敵をキル・スタンしたり、ルールに沿った行動をすると獲得できるDPも設定可能で、拠点やリスポーンのたびにDPを消費して武器やアタッチメントを購入可能。 スキル 対戦前のブリーフィング画面にて設定可能な、プレイヤーキャラクターの能力。銃の扱いに影響するスキル、CQCや移動速度、SOPシステムに関連するスキルなどを選択可能。 対戦ルール ほかのFPS・TPSにあるような「デスマッチ」「チームデスマッチ」に加え、メタルギアでお馴染みの「ステルス迷彩」を装備して戦う「ステルスデスマッチ」「チームスニーキング」もある。全12種。 マップ 『MGS4』本編にある中東や南米、シャドーモセスや、過去作の復刻マップも複数存在する。 評価点 基本無料の割りに高い完成度 『MGS4』のシステムをほぼそのままに、うまくマルチプレイゲームとして落とし込めている。SOPシステムに関しては本編の一兵士を体感できるようになっており、前述のように味方を把握しながら連携を取れたり、敵のSOPシステムに侵入し敵の位置をスキャンしたり、本編のように感情制御で一定時間行動不能にする、フレンドリーファイア時にはSOPでロックを掛けられるという体で数秒間武器を発砲できなくなったなど、かなり高く本編を再現できていると言えよう。 武器を発砲するだけでなく、罠を設置したりSOPシステムを駆使し、戦い方はそれぞれであっても勝利を目指すこともできた。 充実したコミュニケーション 男女それぞれ8種のキャラクターボイスが存在し、個性のある声で戦場を華やかに飾ってくれる。プリセット無線で意思疎通を行えるのはもちろん、テキストチャットも可能である。 あまりの人気ぶりに本来のサービス終了日より1年長く続くこととなった(参照)。 また、サービス終了日である2012年6月12日、想定外のトラフィックの多さにサーバがパンクし、日本のみサービス終了日が1日延長された。 賛否両論点 武器バランス このゲームのマップの広さは他のFPS・TPSに比べてやや狭めな傾向にあり、それ故にアサルトライフルが万能武器と化していた。その中でもM4 CUSTOMの使用率が著しく、誰が言ったか「M4オンライン」と呼ばれていた。 近距離での戦闘はアサルトライフルよりサブマシンガンやショットガンに軍配が上がることもあるが、ロックオンという機能で胴体撃ちを行い、無理やりキルする場面も散見された。 サービス開始初期はSVDやM14EBRといったスナイパーライフルも武器スキルなしでアサルトライフルとほぼ同等で扱えるほど強力であったが、反動の増加や必要DPの増加で弱体化を受けた。 問題点 ゲームの重さ 場面やマップによってはfpsが著しく低下する状況があり、操作に難を生むこともあった。強武器であるM4をこの状況で持つとエイム時の視点操作性が悪くなってしまうことから、移動しながら撃てるサブマシンガンなど敢えて他の武器を持つプレイヤーも一定数存在したほど。 ラグ 同じ地域のプレイヤー同士でもかなりの頻度でラグが起こっていたのは否めない。グレネードでふっ飛ばされた敵が行動可能になった瞬間にワープすることが頻発していた。 プレイヤーの質の悪さ ルールや使用可能武器などを設定できるフリーマッチではある程度制御できたものの、それ以外のクイックマッチや他ゲームのランクマッチにあたる「サバイバル」ではスマーフが横行していた。 テキストチャットが可能な故に暴言を吐くプレイヤーが多数存在していた。 サービス期間中盤以降はLANケーブルを加工したラグスイッチおよびゲームサーバへのDDoSが流行し、対戦を一方的に有利にする行為を行うプレイヤーが存在した。 総評 2008年 Game of the Year受賞は伊達ではなく、PS3のハード性能を存分に活かした丁寧なゲームグラフィックは圧巻である。 ある程度の描写不足や展開への賛否はあれども、『メタルギアソリッド』という難解な一大シリーズに一応の決着をしっかりつけた点も、ファンにとっては快いだろう。 ただ一方で、様々に目に付く過剰な演出や突飛な設定とちぐはぐな新要素やゲームデザイン、さらにはムービーの多用とシリーズ初心者への不親切さなどは決して無視できないマイナスポイントである。 特にムービーの多用については、そういった作風を理解しつつも追従してきた古参ファンにすら、同様の苦言を呈されてしまった事態はやはりいただけない。 「ムービーゲー」は本作を表現するものとしてよく使われる名称であるが、それが単なる特徴を捉えた名称ではなく、欠点を揶揄するものであることは明らかである。 とはいえシリーズファンならば押さえておいて決して損は無い集大成的な作品なので、欠点を把握したうえでソリッド・スネーク最後の戦いを体験して欲しい。 シリーズ初心者は、1本で4作(PS3版は5作)を収録した『メタルギアソリッド HD エディション』や、PS3のみとなるが本作を含めたほぼ全ての『メタルギア』シリーズが収録された『レガシーコレクション』などで十分に予習してから本作をプレイしてはどうだろうか。 余談 本作以降、『インテグラル』『サブスタンス』『サブシスタンス』に相当するいわゆる完全版が発売されていない。 『メタルギアソリッド ポータブル オプス +』には本作に先駆けてオールド・スネークがユニークキャラクターとして登場している。 コラボアイテムとして『リゲイン』と『iPod』とユービーアイソフトのゲームである『ASSASSIN S CREED』の服装が登場。『リゲイン』はコラボCMまで作られた。 前者は回復アイテムとして、後者はスネークのスペシャルコスチュームとして使用できる。 『iPod』では歴代小島秀夫作品のBGMだけでなく、攻略ポイントやマップの見どころを紹介するMGS4ツアーや制作秘話など盛りだくさんの内容となっている『Guns of the HIDECHAN! radio.』(DLCとして無料配信)を視聴できる。 本作は後に同じ小島秀夫作品『Castlevania Lord of Shadow』の特別版で半ば抱き合わせと言うべきセットで再販された。 本作を原作としたタッチシューティングゲームであるiOSアプリ『Metal Gear Solid Touch』が過去に配信された。スマートフォン向けゲーム創成期の作品であるため、2017年現在の最新ゲームと比べると非常に見劣りする。 伊藤計劃による小説版も発売されている。 『MGS』の有名ファンサイトの管理人であり、かつ「小島原理主義者」を自称するほどの小島監督作品ファンであった氏の作品だけあって、ゲームのノベライズとしては非常に良質。 また、SF界で非常に高い評価と注目を集めた作家ではあるが、デビュー後早期に亡くなってしまっており、氏唯一のゲームノベライズ作品、数少ない長編の1つとしても貴重な作品である。 本編で抜きにされていた歴代シリーズの説明やマニアックな小ネタの追加から、評価は高い。 本編でいきなり使えるようになっていたCQCへのフォローや、ゲーム中では全く分からないリキッド・オセロットの右腕についても言及されている。 ちなみに、氏のオリジナル長編『虐殺器官』は、本作と非常に似た描写が多く、「SENSE」を巡る物語としてある程度共通してもいる。本作を遊んだ人はこちらを読んで損はない。 本作は発売から15年以上経った現在も他機種版が存在しないPS3完全独占タイトルだが、開発段階では360への移植も検討されていたことを元開発者のRyan Payton氏が明らかにしている(参照)。 なんでも、検証チームが360で本作を動作させたところ「美しくスムーズに動作していた」とのことだが、最終的には容量の問題で移植を断念したとPayton氏は語っている。 これは、PS3はBD-ROMが使用されていたのに対して360はBDより容量が少ないDVD-ROMが使用されていたので、もし360版を発売する場合は複数枚のディスクに分ける必要があるからである(*26)(*27)。
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/1327.html
ノーマッド機内でオタコンは愛国者のAIが国境無き軍隊に掌握されるのを確認した。 しかし、それだけでは彼らの勝ちではない。 この先にまだ何かあるのだ。 「ハル兄さん……」 「大丈夫だ、サニー。何とかしてみせる、希望を捨てちゃいけない」 オタコンはサニーを心配させないよう、優しく微笑んだ。 『こちら、ロイキャンベルだ。聞こえるか?』 ディスプレイ上のウィンドウに大佐の顔が映る。 「大佐、愛国者のAIが!」 『こちらでも確認した。それと、どのネットワークでもいいチャンネルを開いてみてくれ』 オタコンは言われるがまま適当なニュースチャンネルを開く。 そこに写ったのは崩壊しかけのショッピングモール内にある吹き抜けの屋内広場だった。 奥にはソリッドスネークらしき人物が横たわっている。 「何なんだ……これ……まさか……メタルギアの視点か!?」 『おそらくな。そしてこれは全世界の全メディアに流れている。 我々は専用のホットラインを解し、愛国者のシステムの外で通信を行っている。 だが他は、一般市民は愚か軍内部の一般事務コンピューターやテレビまでも完全に乗っ取られ この映像が流れている。各交通機関、ガスや天然資源の一部のエネルギー供給もストップしている。 医療機関、一般航空は最低限運航出来るだけの余力は与えられているようだが、 それ以外は全てストップしていると考えていい』 テレビ画面の映像に事件の首謀者カズヒラ・ミラーが姿を現す。 『マスター……ミラー』 かつて同じ機関に所属したミラーを目にし大佐は言葉を失った。 画面の中のミラーがゆっくりと口を開く。 『かつて……ザ・ボスと呼ばれる1人の兵士がいた。 特殊部隊の母、伝説の兵士、祖国を売った売国奴、ソ連の地に核を撃った狂人……人によって解釈は異なる。 しかし彼女は確かに歴史を変えた。 かつて……ビッグボスと呼ばれる1人の兵士がいた。 ザ・ボスを殺し、祖国を捨て、あらゆるものに縛られない本当の意味での自由国家を作った。 彼は確実に歴史の流れを作った。 かつて……ゼロと呼ばれる男がいた。 愛国者なる組織を形成し世界を合理的なシステム下に置こうとした。 やがてその思想はAIへと引き継がれ戦争経済による需要の上に世界を構築した。 彼は確実に歴史の支配者だった。 しかし今俺達は、全てを失った。 冷戦が再び復活するのか、それとも世界大戦が始まるのか、誰も分かりはしない。 行く先を照らしてくれる指導者もシステムももはや存在しないんだ。 戦争経済は破綻した。 世界は新たな在り方を模索する』 『俺達は怖い。資源を求め、このどさくさに紛れ大国に飲み込まれるのが。 俺達は怖い。独立と報復を仰ぎ、小国に反旗を翻されるのが。 俺達は怖い。報復と報復の螺旋が。 俺達は怖い。不安定なこの片足立ちの世界が。 今、この世界に必要なものは何か? それは混沌とした世界を法の下に裁ける公平かつ強力な力だ。 一言で言うなら そう……抑止力だ。 かつてコールドマンが唱えた抑止力論とは違う。 機械が核を撃つんじゃない。人間が核を持つ事に意味がある。 人は核を……報復の為に、核を撃てるんだ。 皮肉にもコールドマンはそれを証明してしまった。 そしてその力を持つものは真の意味で公平でなければならない。 愛国者達が目指した完全な支配とは違う、国家と抑止力の完全なバランス。 ……俺達は手に入れる。 国家間の政治的理由に左右されない国家と同様の……いや、それ以上の力を!』 オタコンはぎゅっと拳を握り締めた。 「何を馬鹿な事を……僕達は…僕達は銃を突きつけあう為に戦ってるんじゃない……」 『俺達が力を得るには愛国者のこのシステムと、もう1つ……必要なものがある』 オタコンがごくりと唾を飲み込んだ。 『世界中に点在するメタルギアの亜種、それらを強奪する』 「大佐……」 『ああ、一般回線は死んでいるが軍同士のネットワークは生きている。 直ちに国連軍を派遣し国境なき軍隊をこの世界から排除しなければならない』 大佐はすぐにでも連合軍を組織する勢いだ。 『と……その前にやっておかなければならないことが1つある』 ミラーはサングラスをくいと上げた。 『ここまで大口を叩いてきたが俺にとってはココからが正念場だ。 俺達が世界の法となるか、ただの笑いものになるかは「眠れる森の美女」に全てを託すしかない』 「何のことを言ってるんだ……」 『火の始末はちゃんとしたか?車は車道の脇に止めているか? それが出来たなら次にお前たちが目覚めた時、世界は新たな時代を迎えた後だ』 ESP、ネットワークシステムの掌握、ゼロAI、平沢唯 そして……眠れる森の美女。 ピースがオタコンの中でカチリとはまる。 「駄目だ!大佐!!今すぐ家のブレーカーを落とすんだ!!!」 ディスプレイの中でミラーはチシャ猫のように、にやりと笑う。 『それでは皆様……良い夢を』 スネークがその重い体を起こしミラーの方に向き直る。 ミラーはスプリガンの方を向いていたが彼もまたスネークに視線を戻す。 『アーイースゥー!アーイースゥー!』 スプリガンが大音量で謎の言葉を発した途端ずしりとスネークの体が重くなる。 殴り合いのせいではない。 強制的に脳が動かなくなるという感覚だ。 強烈な脱力感にまぶたが痙攣する。 目を閉じれば確実に意識を失う自信があった。 「驚いたな、スネーク。ESP洗脳対抗訓練を受けているとは言えたいしたもんだ」 「何を……した……」 「平沢唯の脳の状態と、この声を聞いている全ての人間の精神状態を強制的にリンクさせる。 ゼロAI、そして愛国者のネットワーク、彼女の声が持つ能力をフルに使ってな」 「な……何だ…と?」 「平沢唯のESP能力はお前も知っているだろう。 自分の脳波を他者に同調させる声を持っていると。 彼女の能力は微弱だがゼロAIを介すことで出力を調節する事が理論上では可能だった。 メタルギアRAXAのデータが生きたんだ。 機械とESP能力者の相互運用に成功した数少ない事例だからな。CIAには感謝しなきゃならない。 ぶっつけ本番だったが……行動しない手は無かった」 より一層体へ睡眠への欲求が体を蝕む。 スネークは咄嗟に耳を塞いだ。 「無駄だ。この声は聴覚神経を骨伝導により刺激する。 その信号は脳の腹外側視索前野を介して入眠ニューロンの活性化を促す。 さらにニューロン間の低周波での同期を利用し、平沢唯が置かれている浅い眠りノンレム睡眠状態へ一気に移行させる。 俺達MSFには聴覚神経にこの信号が入った時それを遮断するナノマシンが注入されてる。 この世界で今起きてるのは一部の医療関係者と航空旅客機のパイロットそれに俺たちだけだ」 スネークは白目を向いていた。 ミラーが何を言っているのかもはや理解できない。 限界だった。 「彼女が眠れば世界も眠る」 ミラーは倒れたスネークの前に立ち見下ろした。 「スネーク、俺はこの世界を変えてみせる。目覚めを楽しみにしておけ」 そう言うとミラーはスネークの前から姿を消した。 その後ろ姿を見たが最後、彼の意識は深い闇の中へと落ちていった。 * サニーはパソコンの前に突っ伏して眠っているオタコンを見上げていた。 画面上ではロイキャンベルが同じように机の前に突っ伏して寝息をたてている。 オタコンと大佐が眠っている理由は今も尚、世界中に流れ続けているこの平沢唯の声のせいだというのは分かる。 しかし、サニーは何故自分が起きていられるのか不思議だった。 幸いノーマッドは自動飛行中である。 しかしこの状態をほおっておくのは不味かった。 「ま、まずは……ハル兄さんをお、起こさなきゃ……」 オタコンの服のすそを持ち、ぐいと引っ張る。 ぐにゃりとオタコンがサニーに覆いかぶさりそれを必死で受け止めると よたよたとした足取りでオタコンを床に寝かせた。 オタコンが座っていた席にサニーは座り平沢唯の声紋と分析データを解析する。 原因と思われる複数のファクターを除去するフィルタープログラムを突貫工事で進めた。 データには既に目を通していた事もあり見る見るうちにプログラムが組みあがった。 システムをスパコン内ですぐさま実行すると今度はオタコンの横へ行く。 「ハル兄さん……起きて……ハル兄さん」 「う……サニー……目玉焼きはもう食べられないよ…むにゃ」 オタコンは体をゆすっても起きなかった。 口から出るのは寝言ばかりである。 GABA作動系神経が抑制状態で固定されているのが原因なのだろう。 サニーは機内の奥からメタルギアMk2の予備機Mk3を持ち出した。 赤いカラーリングのMk3のコントローラーを持ち動作確認をする。 「これなら……いけるかも」 Mk3からマニュピュレーターが伸び青白い火花をぱちぱちと鳴らす。 「え、えいっ!」 オタコンにマニュピュレーターが触れ、陸に打ち上げられた跳ねる魚のようにビクンと体がうねった。 「うわぁああああああああ!!」 「ハル兄さん!」 「え……あ……あれ?僕は何してたんだっけ?あ、サニーおはよう」 「おはようじゃない、大変。みんな眠っちゃった」 「眠ったって……僕は……そ、そうだ!ミラーは!?」 オタコンはずれたメガネを直しモニターを確認する。 『ショートケーキィー、モンブラーン。アハハハハァー、ウフフフゥー』 テレビのチャンネルはどの局からも呪文のような声が流れていた。 スプリガンはショッピングモール屋上にて不気味な笑い声を上げ続けている。 急いでオタコンは世界の状況を確認した。 メディアが溢れかえる各国の首都圏は完全に沈黙し 軍事基地も満足に機能しておらずパニックを起こしている状態だ。 あの演説は軍関係者を釘付けにする罠だったのだ。 考えうる中で最悪に近い状況である。 スネークが意識を失う直前までの会話も勿論耳を通す。 「何てことだ……」 いくつかの基地は襲撃が始まっているらしく、運良く催眠放送を聞かなかった兵士も 音響装置と共に進軍するテロリストに手も足も出ない。 対生物兵器装備でも音の攻撃には成す術が無いようだ。 今すぐに状況を打開しなければ世界はミラーが望む世界が待っている。 人類の歴史のターニングポイント、今まさにオタコンの肩にそれが圧し掛かっていた。 「考えろ……考えるんだ……」 オタコンは頭を抱えた。 スネークならこの状況にどう立ち向かったのだろう、そんな事を考えてしまう。 「ハル兄さん……どうなっちゃうの?」 サニーにはいつも心配を掛けてしまう。 自分が彼女を守らなければならないのに、先ほども彼女の手によって目を覚ます事が出来た。 サニーがいなければ今頃は…… 「……あれ?」 おかしい。 1つの疑問がぶくぶくと音を立てて膨れ上がる。 オタコンはサニーの方を見た。 サニーはきょとんとしている。 「サニーは……どうして眠らなかったんだ?」 * 平沢唯は白い空間にいた。 空も床も周りの空間も全て白い。 ただ1つ白いテーブルがありその上には色とりどりのケーキと紅茶が並んでいる。 「もぐもぐ、あぁ~幸せぇ~!こんなに沢山のケーキがあるなんて夢みたいだよぉ」 ケーキはいくら食べてもなくならず、お腹もまったく膨れない。 彼女にとっては夢のような場所だった。 口元がクリームまみれの唯が顔を上げると、テーブルの向かいに凛々しい顔をした女性が座っていた。 体にフィットするその白いスーツは普通の服には見えず、戦闘用に開発されたもののようだ。 そして床を見ると緑のイグアナがぺたぺたと地面をはっている。 「相互リンク各AI安定化、現状態デ固定シマス」 イグアナが急に口を利き唯は目を輝かせた。 「わぁ!このイグアナ喋るよ!凄いね!」 「彼はレプタイルよ、スプリガンを動かしているのは彼」 向かいに座った女性が口を開いた。 「へぇーそうなんだー。 すぷりがんが何なのか良くわかんないけど……あ!これ美味しそう!あむっ、もぐもぐ」 唯はシフォンケーキを頬張る。 「もぐもぐ、あなたの名前は?」 唯はテーブルに身を乗り出す。 ケーキと紅茶カップを乗せた皿がカタンと踊る。 「私はザ・ボス」 「変わった名前だねぇ~。えっと、私は平沢唯!よろしくね」 にへらと笑うと唯はまたケーキやアイスクリームの虜になった。 * サニーはあの平沢唯が発信源の催眠音波を聞いても眠らなかった。 その原因をオタコンはひたすら考える。 世界中の人間とサニー、何がこの結果を生んだのか。 生まれ持った体質なのか、それとも別の要因か。 オタコンが考えを巡らせていると桜が丘高校の校門前で自動待機モードにセットしていたMk2のカメラが 生徒を偶然映した。 眠っているのではない、4人が何やら話し込んでいるようだ。 少し距離があり映像が鮮明ではなかったが、明らかに彼女らにはこの洗脳放送が効いていないようだった。 「何……だって?どういう事なんだ?」 オタコンはすぐさまMk2の待機を解除する。 カメラをズームし彼女らの輪郭を捉えたとき、オタコンは1つの答えに辿り着いた。 4人の生徒、それは律、澪、紬、梓だった。 「そうか……歌だ……」 オタコンはサニーに向き直る。 「サニー、君は彼女らの歌をずっと、それこそ何十回も聞いていたよね?」 「……うん」 「君が眠らなかったのは彼女たちの歌が原因だったんだよ!」 オタコンは興奮した様子でボイスサンプルを引っ張り出す。 「彼女の歌はノルアドレナリンやセロトニンの分泌を促すんだ。 彼女の歌を聴き続ける事でGABA作動神経回路が組み変わったんだよ! だから同じ部で活動していた彼女たちも平気なんだ。 毎日彼女の歌声を聞くことで抗体をつけていたんだ」 「けど……それだけじゃ状況は変わらない……」 サニーは冷静だった。 「あ……そうか……そう、だよね」 そう、オタコンとサニー、女子高生4人ではどうする事も出来なかった。 各国で戦闘は既に始まっている上に愛国者の強大なネットワークはMSFの手中にある。 「いや、まだだ……諦めるもんか!」 オタコンはMk2のステルス迷彩を切る。 「出来る事をしよう!僕たちに出来る事を探すんだ!」 7
https://w.atwiki.jp/pakemon/pages/694.html
その他 小ネタ 称号 DEMO OPS OUTER OPS ヘッドパーツ集め 小島監督を仲間に! モンハンコラボ詳細 敵兵の警戒レベル