約 1,319,927 件
https://w.atwiki.jp/oper/pages/3315.html
目次 登場人物 第1幕ジークフリートの城の中庭 第2幕ゲノフェーファの部屋 第3幕シュトラスブルクの宿の一室 マルガレータの部屋 第4幕荒涼とした岩山 ジークフリートの城の中庭 登場人物 トリアーの司教:ヒドゥルフス(バス) ジークフリート伯(バリトン) ジークフリートの妻:ゲノフェーファ(ソプラノ) ジークフリートの従者:ゴーロ(テノール) ゴーロの元乳母:マルガレータ(メゾソプラノ) ジークフリートの家令:ドラーゴ(バス) ジークフリートの家来:バルタザール(バス) ジークフリートの家来:カスパール(バリトン) 舞台は8世紀、フランク王国はイスラム教徒に脅かされている。 第1幕 ジークフリートの城の中庭 トリアーの司教ヒルドゥフスが、イスラム教徒との戦いを呼びかけ、領主ジークフリートは国王カール・マルテルの命を受けて、十字軍を率いて戦場に行くことになる。 ジークフリート伯は、結婚したばかりの若い妻ゲノフェーファが心細がるだろうと、若い従者のゴーロを妻の傍に残す。密かにゲノフェーファを慕うゴーロは、いっそ戦場に行けたらと嘆く。 ジークフリート伯が別れの口づけをして出発すると、ゲノフェーファは気を失ってしまい、ゴーロはこっそりゲノフェーファに口づけしてしまう。 それを以前ゴーロの乳母をしていたマルガレータが見ていた。マルガレータは魔法を使うというので、この城から追放されたのである。マルガレータはゴーロに近づき、ゴーロの想いを叶えてあげようと、手助けを申し出る。 第2幕 ゲノフェーファの部屋 ゲノフェーファはひとり寂しく、夫の帰りを待っている。下僕たちが騒ぎ、不安になったところにゴーロがやって来る。ゲノフェーファはほっとして、ゴーロと一緒に歌う。ゴーロはその愛らしさに心を奪われて、想いを告白するが、激しく拒絶される。 傷ついたゴーロはゲノフェーファを恨む。そこへ家令のドラーゴが、若い副司祭がゲノフェーファと通じ合っているという下僕たちの中傷を諌めるようにと、ゴーロに頼みに来る。ゴーロは、自分の目で確かめたらいいとゴラーゴを言いくるめて、ゲノフェーファの寝室に忍び込ませる。 ドラーゴは下僕たちに見つけられて、密通の相手としてその場で殺され、ゲノフェーファは塔の中の牢屋で、ジークフリート伯の裁きを待つことになる。 第3幕 シュトラスブルクの宿の一室 ジークフリード伯は怪我をして、シュトラスブルクの宿の一室で床に就いている。マルガレータがかいがいしく看病しているが、実は毒を盛っている。ジークフリード伯は、その女が城から追放したマルガレータだと気がつかず、故郷に戻り、妻と再会することばかり考えている。 そこへゴーロが、偽の手紙を携えてやって来る。手紙には副司教との密通が書かれている。ジークフリート伯は、過去に起こったことが見られるとかいう不思議な鏡のことをあの女が言っていたことを思い出し、女に会いに行くことにし、ゴーロも同行する。 マルガレータの部屋 マルガレータは子殺しの悪夢にうなされている。そこにジークフリード伯がやって来て、魔法の鏡を見せることになる。そこには六ヶ月前、妻が家令のドラーゴと穏やかに語らう姿が見える。が、次から次へと見せると、ドラーゴがゲノフェーファの寝室に忍び込む姿が見え、ジークフリード伯は怒って鏡をたたき割ってしまう。割れた鏡から、殺されたドラーゴの亡霊が出て来て、お前は火あぶりになると、マルガレータを脅し、マルガレータは怖くなる。 第4幕 荒涼とした岩山 ゲノフェーファはカスパールとバルタザールの手で、死に場所として、荒れ果てた岩山に連れて来られた。ゲノフェーファは神に救いを求める。 ゴーロがやって来て、ジークフリート伯に裁きを命じられたと、ジークフリートの指輪と剣を見せる。ゴーロはゲノフェーファに自分と一緒に逃げれば助けてやると言うが、拒否され、姿をくらます。 カスパールが、十字架のもとでは殺したくないと躊躇していると、マルガレータとジークフリート伯の従者たちが現われる。マルガレータが悔いて、ジークフリード伯を連れて来たのだ。ジークフリート伯とゲノフェーファは再会を喜ぶ。 ジークフリートの城の中庭 勝利の行列を、人々は歓呼の声で迎え、二人を祝福し、神の恩寵を称える。 この日本語テキストは、 クリエイティブ・コモンズ・ライセンス の下でライセンスされています。@ Aiko Oshio Schumann,Robert/Genoveva
https://w.atwiki.jp/kirikiri/pages/6.html
プロローグ カニングの裏路地を、ジークはギャーギャー騒いでいるチンピラどもを無視して歩き回っていた。 ジークは、長身で美顔のためカニングの女性たちに非常に人気があった。 そのうえ喧嘩好きのジークは、自分に刃向かうヤクザやチンピラどもを蹴散らしていたので、 カニングの住人にとっては正義の味方以外の何者でもなかった。 そのため表通りを歩いているとキャーキャー騒がれるので、ジークはあえて裏路地で暇を潰していた。 カニングの住人から見ればジークは『正義の味方』であるが、逆にヤクザやチンピラ側から見るとジークは『一番邪魔な敵』だった。 黒い、羽根のようなコートに黒いズボン。 そして黒い髪に黒い瞳という全身真っ黒なジークは、ヤクザやチンピラから『黒い悪魔』と呼ばれていた。 ちなみに背中に掛けた武器も黒い魔法剣である。 まあそういった理由も重なって、チンピラたちも騒ぐだけでジークに迂闊に手を出せないでいた。 ジークはなかなか突っかかってこないチンピラどもを見兼ねて、両手を頭の後ろに組んで能天気に言った。 「意気地のねぇ糞野郎ばっかだな、ここは」 その瞬間、無数の殺気がジークに集中した。 が、誰一人としてジークに攻撃を仕掛けようとする者はいなかった。 ジークは立ち止まって頭の後ろに組んでいた手を離し、不意に地面に右手をついた。 そして、なぜかその場で片手で逆立ち。 こんな無防備の体勢の相手にも喧嘩売れねぇのか、と言わんばかりの傲慢な顔つきで辺りのチンピラたちを覗き込んだ。 「てめぇ、なめてんじゃねぇぞ!!」 ジークのその態度にとうとう痺れを切らした小柄なチンピラは、サバイバルナイフを片手にジークに斬りかかった。 それを見てジークは満足したように微笑み、小柄なチンピラのナイフが自分に届く直前に、長い足を上から頭にてっぺんに叩き落した。 小柄なチンピラはその場に倒れ、ナイフが転がる音が鳴り響いた。 「ドーン!チンピラA、戦闘不能。次はどいつだ?」 ジークは依然逆立ちしたまま、さらに挑発的な態度でチンピラたちを見る。 チンピラたちはついにブチギレて、今度は全員一斉に飛びかかってきた。 ジークは目の前に倒れているチンピラAの足を右手で掴み、向かってくるチンピラたちに投げ当てた。 そして今度は右手も地面について、まるで空中散歩をしているかのように足をバタバタと振ってチンピラたちを次々とコンクリートの上に沈めていった。 数十秒もしないうちに、残ったチンピラは一人だけになっていた。 「最後まで生き残ったことを褒めてやる、と同時に同情するよ。」 恐怖で膝を笑わせている最後のチンピラを尻目に、ジークは逆立ちをやめ立ち上がった。 小指から一本ずつ数えるように拳を握り、その拳を体の横で肩からグルングルン回している。 「なんせ、俺の鉄拳を受けちまうんだからな!」 鋭い殺気と共に放った拳は、チンピラの顔面の直前のところでピタッと止まった。 チンピラは気絶している。 ちょっとやりすぎたかなと思いつつも、あまりにも画になるもんで大笑いしてしまった。 が、その大笑いも一瞬で止んだ。 今までに感じたことのない強力な魔力を持つ者が突然背後に現れた気配を感じ取ったからだ。 ジークは後ろを振り向かないまま背中の魔法剣の柄を握った。 「まあまあ、落ち着いてください。私はあなたと殺り合いに来たわけではありません。取引しにきたのです」 確かに、全くとは言えないが殺気はない。 ただこれほどの魔力の者なら、殺気を隠す魔法も……いや、そんな魔法聞いたことないが。 ゆっくりと後ろを振り向く。 そこには眼鏡を掛けた、いかにも知的な男が立っていた。 黒いスーツを着ているところを見ると、どうやら殺り合いに来たわけではないというのは本当らしい。 ジークは柄から手を離し、顎を触りながら眼を細めて言った。 「ほほーう、この俺と取引だと?」 スーツの男はニッコリと微笑み、ずれた眼鏡を元の位置に戻した。 「私たちの仲間に加わっていただき──」 「断る」 手をピストルの形にしてスーツの男に向けながら、ジークは即答した。 人の話は最後まで聞くものですよ、と言うだろうと予測して少し吹き出しそうだったが、なんとか堪えて髪を掻き揚げて落ち着いた。 パァン、と手のピストルを打つ素振りを見せる。 「俺は組織とかそういう類に属することを善としない主義だ」 なんと傲慢な男。 こんな男、我が組織に入ったところではたして本当に役に立つのだろうか。 スーツの男は呆れた表情を見せ、趣味の悪いアクセサリーを掲げた。 髑髏に象られた趣味の悪いアクセサリー。 普通の人間なら見ただけでちょっと引くだろう。 「そうですか。しかし、我が任務は絶対に遂行せねばなりません」 その瞬間、趣味の悪いアクセサリーが突然輝き始めた。 髑髏のアクセサリーに似合わない黄金の光が、辺りを覆いつくす。 しまった。 ジークは、眩い光に眼の自由を奪われスーツ姿の男を見失った。 光が消え視力が回復してきたころ、さっきまですぐ目の前にあった強力な魔力が消えていることに気づいた。 ──逃げたか。 ジークは、何事もなかったようにその場を立ち去ろうとした。 その時、ジークの心の中に一つの声が響いてきた。 「その呪いを解いてほしければ、我らの仲間に加わることです。良い返事をお待ちしておりますよ、ジーク=フリード」 それは紛れもなく、先ほどのスーツの男の声だった。
https://w.atwiki.jp/tyataraba/pages/31.html
敵のメインスキルTSとES・HDの耐性について 参考ダメージ(無属性・無耐性で受けた場合) アーススパイク:10000~15000前後 ヘブンズドライブ:20000~30000前後 サンダーストーム:50000~80000前後 前衛は土耐性、後衛は風耐性が重要になってきます。 ジークフリード前提であれば、出来るだけ両方100%の耐性を持てるようにしましょう。 特に風耐性はベース全員100%の耐性を維持してください。 前衛は釣り中にTSを受けた場合、風耐性装備を整えていても大抵即死します。 スイッチが入っていない限りTSは使用はしないので、土耐性のみを考えましょう。 以下は後衛の耐性の一例です。 ベース一般 ガイアスのみ 土耐性:ジーク(80%)+土レジ(20%)+風レジ(-15%)+ガイアス(15%)=100% 風耐性:ジーク(80%)+風レジ(20%)=100% ガイアス+ダスティネスの場合 土耐性:ジーク(80%)+ガイアス(15%)=95% 風耐性:ジーク(80%)+ダスティネス(30%)=110% ガイアス+ホードの場合 土耐性:ジーク(80%)+ガイアス(15%)+ホード(30%)+風レジ(-15%)=110% 風耐性:ジーク(80%)+風レジ(20%)=110% 壁魔 ストロング有 土耐性:ジーク(80%)+盾(-20%)+土レジ(20%)+風レジ(-15%)+ガイアス(15%)=80% 風耐性:ジーク(80%)+盾(-20%)+風レジ(20%)+風肩(30%)=110% 角兜有 土耐性:ジーク(80%)+土レジ(20%)+風レジ(-15%)+角兜(-30%)=55% 風耐性:ジーク(80%)+風レジ(20%)+角兜(-30%)+風肩(30%)=100% ジークフリードが無い場合は100%耐性は無理なので、LPなど他の方法を考えましょう。 現状、ジークフリードが最も安定かつお手軽なことは間違いなさそうですが。 前衛はとにかく土耐性を揃えましょう。 コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/karakuri_ss/pages/224.html
オーストリア TV局(ビル) ー ビスケットカデンツ放映場所 ー 壁画の男は…。 「ん~~~~。」 倒立(逆立ち)をする事で起き上がる。 「ジークか。君の事も良く見ていたよ。」 ジーク。 「気軽にジークと呼ぶなピョン!」 壁画の男は気にせず。 「でもねぇジーク。君の事よりも、私はうたのおねーさんが気になるんだ。」 「いい年した女性がそんな野暮ったい格好をして、とてもサワヤカな事ばかりしている…。」 「それが堪らなく凌辱欲(りょうじょくよく)を高めてねぇ。」 「キャベツ畑やコウノトリを信じている可愛い女のコに、 無修正のポルノをつきつける時を想像するような下卑た快感さ…!!」 「そりゃあ勃起しますよ!乳首ビンビン丸じゃあありませんか!!」 ジークは吐き捨てる。 「クズがッ!」 壁画の男は倒立を止め、仁王立ちしながら、構わずこう言う。 「ジーク。君は私に倒されて、おねーさんがメス犬のよーな喘ぎ声を挙げるのを聞く。」 「さぁ…。S○X前の一運動だ…!!」 壁画の男が動き出した!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ○クロガネの賛歌 第5章 “オーストリアよ、こんにちは” 第 5 話 「 ジ ー ク フ リ ー ト = フ ォ ン = ラ ビ ッ ト 」 壁画の男は笑いながら近づく。 「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」 「アッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」 「ジーク!君は偉そうな態度をする中国拳法家や、 マナーのなってないカスどもの駆逐をするのを得意とするが…。」 「規格外の私にどこまで通じるかな…?」 ジークは答える!! 「クズは黙っていろッ!!」 壁画の男は左フックを繰り出す!! 「ほぅら!くらえ!!」 ヒ ュ ! ジーク!! 「馬鹿が!!」 左フックの内側に入り込み、そのまま壁画の男の左膝(ひざ)を巻き込む!! “ ビ ク ト ル 式 膝 十 字 固 め ” で あ る ! ! ガ シ ィ ジーク!! 「今考えていることの逆が正解だ。でもそれは大きなミステイク。」 「お前には打撃すら生ぬるい…!骨を折らせてもらう。」 「 私 が ア ン チ ェ イ ン だ ! ! 」 ジークは壁画の男の左膝を思い切り捻(ねじ)ったッ!! そ の 時 で あ っ た ! メ コ ゥ … ! ! 何とも間の抜けた音がする!! ジークは違和感を感じる!! 「折れぬだと?」 壁画の男は答える。 「私はね。超軟体生物なのだ。」 「骨あるが自分の体を折り畳む事が出来るぐらい柔らかいのだよ♪」 「残念だったねぇ、ジークくん♪♪」 ジークはこう言う。 「何を粋がっている?なら洒落にならんぐらいに捻(ひね)ってやるぜ…!!」 ス タ ! ジークは立ち上がり! グルグルグルグルグルグルグルグルグルグル!! 壁画の男の股関節を支点に左脚をグルグルと捻りに捻った!! 壁画の男! 「ほう、面白い。捻り続けてみろよ。」 然る後に!! ブ チ ィ ! 壁画の男の左脚は千切れた!! ジークはその左脚を捨てながらこう言う!! 「パワーこそが全てだ!見たまえ、この逆三角形を!!」 し か し ! ヒ ュ ン ! ! 捨てた壁画の男の左脚が、元の箇所へと飛び戻る!! そして!! シ ュ オ ン … ! ! 再 び 繋 が る ! ! 壁画の男は得意げにこう言う。 「超再生能力だ♪」 「四肢が千切れ飛んでも、くっつける事で元通りになるんだよ♪♪」 ス タ ! 壁画の男は立ち上がる。 「解ったろ?君は私には敵わない。私とおねーさんのS○Xを黙って見てろよ、兎。」 ガ シ ィ ! ジークが壁画の男の両肩を掴む。 そしてこう言う。 「 バ カ だ ぜ ア ン タ ! ! ! ! ! 」 ッ ッ ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! ) ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! ) ゴ” ッッッ キ” ュ”ウ”ウ”ウ”ウ”ゥゥ ウ ウ ウ ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ァ ァアア ア ア ッ ッ ! ! ! ) ジークは、その豪力にて! 壁 画 の 男 を ! 『 ジ グ ザ ク に、 押 し 潰 し た 』の で あ る ッ ッ ! ! ! 壁画の男は潰れた蛙みたいな声でこう言う。 「出た。ジャガる。だが残念ながら、大きなダメージは…!!」 ジークは更に潰し続ける!! ッ ッ ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ギ ” ュ ” ゴ ” ッ ッ ゴ ” ギ ” ュ ” ラ ” ッ ッ 壁画の男は! 「 グ ボ ォ ! ! 」 吐血する!! ジークはこう言う! 「そこを通すんだ!コイツを倒すにはここじゃ手狭だピョン!!」 「 ち ょ っ と 屋 上 に 行 っ て 来 る ! ! 」 ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ダム! ジークは潰れた壁画の男の体を、バスケットボールの如く、操りながら、 階段で、屋上へ向かい走って行った!! うたのおねーさん! 「頑張って~!ジークー!!」 ジーク!! 「任せるピョン!!」 子供達も応援する!! 「「「ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!ジーク!」」」 スタッフも応援する!! 「「「頼んだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!ジィィィィィィィィィィク!!!!」」」 皆の声援を後にして、ジークはビルの屋上へ向かった!! オーストリア TV局(ビル) ー 屋上 ー ベンキマンに肉団子にされた超人の如く球体になった壁画の男はこう言う。 「ダメージはある。」 「しかし、回復力が追いつくだろう。」 「私は規格外なのだよ。こんなトコロに来ても無駄だよ、ジーク。」 ジークはこう返す。 「君はとんでもないことをしてくれたね。私に殺意を感じさせたのだから…。」 「うたのおねーさんに対する、様々な卑猥(ひわい)な言葉の数々…。」 「 最 早 許 し 難 い ッ ッ ッ ! ! ! 」 ギ ” ュ ” ン ” (ジークは!) ギ ” ュ ” ン ” (壁画の男を!) ギ ” ュ ” ン ” (思い切り“ジャイアントスイング”する!!) ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ッ ッ ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” ギ ” ュ ” ン ” 何 回 転 も ! 何 回 転 も ! 何 回 転 も ! 何 回 転 も ! ギ ” ュ ” ウ ” オ ” ォ ” オ ” オ ”オ ” ギ”ュ” ル”ル” ル” ル” バ” ォ” ゥ” ゥ” ウ ” ウ ” ウ ” ウ ” ゥ”オ”ォ”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ” ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! ! ー それは凄まじい回転であった!! ー 竜巻でも起きんが如くの回転であった!! ー 回転は遠心力を生み!! ー 遠心力は臨界点に達しッ!! “パ” “ァ” “ン” “ッ” “!” 壁 ” 画 ” の ” 男 ” は ” 思 ” い ” 切 ” り ” 飛 ” ん ” で ” っ ” た ” ! ” ! ” ッ ッ ー ジークフリート=フォン=ラビットの恐ろしさは此処からである!! 「ピョン。」 ドッヒュォォオオオオオオオオオオオオ!!! ドッヒュォォオオオオオオオオオオオオ!!! ビルからビルへと! 跳びて移りながら、 己が放りて投げた壁画の男を追う!! そしてやがて追いつき…!! 「ピョン。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 壁画の男に頭突きを見舞う!! グォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!! 壁画の男は更に飛ぶ!! ドッヒュォォオオオオオオオオオオオオ!!! ジークはそれを追う!! 「ピョン。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 頭突く!その繰り返しである!! ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 最中こう言う…! ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「人は兎には勝てない…。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「太気拳もコマンドサンボもやってない兎にだ。」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「ならばどーする?」 ズドォォオオオオオオオオオオオオオオ!!! 「 な っ ち ま え ば い ん だ よ 兎 に ! ! ! 」 ズドォォォォォォォォオオオオオオ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! 壁画の男は、いつの間にか田舎町まで飛ばされていた!! そして、山の麓(ふもと)に達した時!! ジークはこう言う!! 「オーケーオーケー。これから君は大変なことになるがいいかね?」 壁画の男は!! 「フ…ゴ…!フゴ…ゴ…!!フゴ…!!!」 最早言葉すら発する事が出来ない!! ジーク!! 「 こ れ が お 前 の “ シ リ ア ス プ ロ ブ レ ム ” だ ぜ ! ! 」 ズ ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ” ッ ”ッ ” ド”ォ” オ”オ” オ” オ” オ” ォ” ゥ” ゥ” ウ ” ウ ” ウ ” ウ ” ゥ”オ”ォ”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ” ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! ! ー ト ド メ の “ 零 距 離 頭 突 き ” 哀 れ 壁 画 の 男 は 、 地 面 と 激 突 し … ! ! ドッッ ッッ ッ パ ァ ァァ ァ ァ ァ ァア アアアアア ア ア ア ア ア ア アアア ア ア ア ア ン ン ンン ン ! ! ! ! 破裂音がした。 そして次の瞬間。 真赤な液体と・・・。 千切れて、爆(は)ぜた無数の肉片が飛び散って。 霧散をする・・・。 これには、流石の壁画の男も死した…。 か に 見 え た ! ズリ… ズリ… ズリ… 肉片が集まる…!! 再び再生を始める!! ジーク! 「何度でも破壊してやるピョン。」 コキ!コキ! 首を鳴らして、近づこうとするその瞬間。 ??? 「ワシも手伝おうジーク。」 「ソイツが脱走した時点で、 壁画の男の始末を ルドルフより依頼されておる。」 ジーク! 「百文字か!」 百文字! 「気を付けよ。ヤツは“砂神嵐”と言う技を持っておるぞ…!!」 レゼルヴェ国の真の首相! “耐撃の百文字”の登場であるッッ!!! ーーーーーー 戻る リンク集に戻る ・・・続く。
https://w.atwiki.jp/karakuri_ss/pages/283.html
○現在 レゼルヴェ国 百文字宅 居間 休日である。 緊張感、漂(ただよ)う戦争中ではあるが…。 アフリカ南部に駐在していた、 ボギヂオ部隊が撤退をした事により、 少々ではあるが余裕が出来たのだ。 その為、今日と言う日を休日にあててみた。 「ハンドレッド。」 「ビスケットカデンツが始まるわよ。」 妻のレディ(・ミィラ)が呼ぶ。 そう。ワシは…! 『耐撃の百文字(たいげき の ひゃくもんじ)』!! サイボーグにして、レゼルヴェ国の支配者(オサ)であり…! 超巨大ロボット『ギガント28号』と共に、 外宇宙からの侵略者『アムステラ神聖帝国』と、 戦争を繰り広げる者である!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ○超鋼戦機カラクリオー外伝 クロガネの賛歌 第8.5章 ー ショートストーリー ー 最 終 話 「 百 文 字 の 休 日 」 ☆ビスケットカデンツ主題歌 『 ジャガってしまえ 』 なやみを、かかえてしまったら そこでたちどまらず いっぽふみだしてみよう きりむすぶ たちのしたこそ じごくなれ ふみこみ みれば あとはごくらく かべなんて ジャガってしまえ じんせいとは ゆうきのさんか ビスケッケッ ビスケッケッ ビスケットットッ カッデンツ ビスケッケッ ビスケッケッ ビスケットットッ カッデンツ ワシ。 「この『ジャガってしまえ』を聴く度思うのだが。」 レディ。 「なぁに、ハンドレッド?」 ワシ。 「この歌には『それいけアンパンマン』の歌詞に通じるモノがあると思うのだ。」 レディ。 「そうね。どっちの歌も幼児番組でありながら、人生をテーマにしているものね。」 ワシ。 「ビスケットカデンツが根強い人気を持つ一因であろうな。」 「ジークに目が行きがちだが、このような一面も持っている。」 レディ。 「ハンドレッド。『ジークチャレンジ』が始まるわよ。」 ワシ。 「此度(こたび)は何にチャレンジするか?ジークよ…!」 TVに集中するワシ等。 此度、ジークがチャレンジするのは…! 『 プ ロ レ ス 』ッ ! ! ゲストとして最近ブイブイ言わせているプロレスラー、 『 ン ー ・ ダ ム ン マ 』ッ ! ! がッ! 登場するッ!! ダムンマはこう言う。 「ヘイ!ジーク!!」 「この人気プロレスラー、 ンー・ダムンマ様が出演してやってるんだ!!」 「しょぼい事すんなよ、この兎野郎!!」 ジーク。 「人は兎には勝てない…。」 「太気拳もコマンドサンボもやってない兎にだ。」 ダムンマ。 「俺は勝てるなぁぁぁあああああああ~~~~~!!」 「プロレスラーってのはなぁ!『超人』なんだよ!!」 「俺にかかりゃあ“拳王”『李白鳳』だって片手で5分だぜ!!」 ジーク。 「エフッエフッエフッ。」 ダムンマ。 「何だぁ~?咳き込んでるのかぁ~??」 ジーク。 「嗤(わら)ったんだピョン。」 ダムンマ。 「嗤っただとう!この兎!!」 「この超人様に対して、馬鹿にしてるのかぁ~ん??」 ジーク。 「超人様なら、ファミレスでだべってろだピョン。」 ダムンマ。 「俺はスペシャルマンやプリプリマンじゃねぇんだよ!!」 「控え目に言っても、ロビンマスクだ!!コーホー!!!」 ジーク。 「馬鹿が。コーホーは、ウォーズマンだピョン。」 ダムンマ。 「う・うっせぇ!うっせぇぞ、コラァ!!」 「し・知ってんだよコラァ!!やんのかおい!!」 ジーク。 「その為の『ジークチャレンジ』だピョン。」 「『プロレス』。体験させてもらうだピョン。」 ダムンマ。 「へ…へへ。そうだなぁ~~~。」 「リング。上がれよ。この兎野郎。」 ダ ン ! ジークとダムンマ! 共にリングに上がる!! ダムンマ。 「さぁて。子供達に大人気なジークくんが…!」 「“超人”ンー・ダムンマ様の前に悲鳴を挙げる様をご披露しちゃおうかね!!」 カ ァ ン ! ゴングが鳴った!! ダ ゥ ン ! 跳んだ! ダムンマが跳んだ!! そ し て ! ダムンマ! 「“必尻(ひっけつ)ッ!”ダイナマイト・ヒップ・アタックーッ!!」 ッ ッ ダムンマの必殺技である!! ッ ッ ドッッッッッグシャァァァァアアアアアアアアア~~~~~!! ッ ッ ダムンマのヒップ・アタックが! ジークの顔面にHITするッ!! し か し ! ジーク。 「遊戯(ゆうぎ)に等しい。」 「これでは『プロレスの受け』を見せられない。」 ッ ッ ジークは微動だにしない!! ッ ッ ダムンマ。 「え…?ええ…??」 ッ ッ ダムンマは冷や汗をかく…! ッ ッ ジークは。 パ ン パ ン ! 己の頬(ほお)を叩き。 「ここを殴るんだピョン。」 と、挑発する!! ッ ッ ダムンマは…! 「オ・オキャァァァァアアアアアアアア!!」 ッ ッ 絶叫をするように叫び声を挙げ!! ッ ッ ドッッッッッガアアアァァァァアアアアアアアアア~~~~~!! ッ ッ ダムンマのグーパンチが! ジークの頬にHITするッ!! ッ ッ ジークはピクリとも動かずに。 「君はつまらん。」 ッ ッ と言い放ち…!! ガ シ ィ ! ジークはダムンマの両肩を掴む。 そ し て ! ! ッ ッ ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! ) ゴ” キ” ュ” ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ッ ッ ! ! ! ) ゴ” ッッッ キ” ュ”ウ”ウ”ウ”ウ”ゥゥ ウ ウ ウ ッ ッ ! ! ! ( ジ ャ ガ っ た ァ ァアア ア ア ッ ッ ! ! ! ) ジークは、その豪力にて! ダ ム ン マ を ! 『 ジ グ ザ ク に、 押 し 潰 し た 』の で あ る ッ ッ ! ! ! ッ ッ ダムンマは…! 「ほぎぃ…。ほぎぎぃ…。」 と呻(うめ)く。 ッ ッ ジークは言い放つ! 「今考えていることの逆が正解だ。でもそれは大きなミステイク。」 ッ ッ 「 私 が ア ン チ ェ イ ン だ ! ! 」 ッ ッ そう言うとジークは…! 『これ見よがしの逆三角形』を見せつける…! 此度の『ジークチャレンジ』も大成功であった!! ワシ。 「うぅむ、見事。」 「さすがはジークである。」 レディ。 「伊達にハンドレッドと互角のパワーを持っていないわね。」 「ちょっと、昔(地下プロレス時代)を思い出しちゃったわ。」 ワシ。 「うむ。ワシも昔(地下プロレス時代)を思い出した。」 「あの時は互いにガムシャラであったな。」 レディ。 「今も大概ガムシャラだけどね。」 ワシ。 「フッフフ。そうであるな。」 などと歓談(かんだん)をしながら、 ビスケットカデンツを視聴し続け…。 歌のおねーさん。 「それじゃあ皆♪まったねぇ~~~~♪♪」 ジーク。 「次も見るだピョン。」 と、番組が終了した。 ワシ。 「ふむ。面白かったな。」 レディ。 「これ見てると休日なんだなって気がするわ。」 ワシ。 「では、レディ。」 「一つ頼まれてくれぬか?」 レディ。 「『耳掃除』ね。」 「いいわよ。」 ゴロン。 ワシは横になり。 トン。 レディの膝枕に頭を乗せる。 ワシ。 「フゥゥウウウ………。」 レディ。 「ハンドレッドの耳は、 10km先の針が落ちる音すら聞き分けるモノね。」 「ちゃんと手入れをしなくちゃ。」 ワシ。 「頼む…。」 ワシの耳はいわゆる『カリフラワー耳』である。 ワシが人間であった時。 ワシの師『巴 二十八(ともえ にじゅうはち)』の柔道訓練の際、 耳介(じかい)という外耳道(がいじどう)と外耳で構成している部分の、 皮膚と軟骨の間に血液がたまって腫れ耳介血腫(じかいけっしゅ)となり…。 この耳介血腫が耳が腫れる、俗にいう「カリフラワー耳」になったのだ。 通常の耳より…。硬くて強い。 しかし、そんな耳を持ってしても、 超聴力『ハンドレッド・イヤー』は繊細(せんさい)な箇所だ。 時折掃除が必要になる。 敏感な箇所を掃除される事により…。 ワシは…。 「ムゥ…。」 「フゥ……。」 心地良さを覚えるのだ。 レディ。 「はい。終わりよ、ハンドレッド。」 ワシ。 「次はワシの番だな。」 ワシはブラシを持ち。 「獣化せよ、レディよ。」 レディ。 「この姿も久しぶりね。」 ヒュォオ…ン……。 レディはオオウ星人の姿。 『半獣半人。』 人と犬の合いの子。 世にも奇妙なその姿を、露(あら)わにする。 そんなレディの体毛を。 サァ…。サァ…。と。 優しくブラッシングをしてやるのだ。 レディは。 「ン…♪」 と心地良さ気な声を挙げる。 レディは白く綺麗な毛並みをしている。 ワシはレディのこのオオウ星人として姿こそ美しく感じるが…。 この地球。異形の者が生きていける程、平穏な星じゃあない。 包帯で身を覆った姿も美しくもあるが。 いつの日か。レディには…。サニー=グレーデンには。 オオウ星人として姿で生きて欲しい。 そう思うワシが居る。 「終わったぞ、レディ。」 レディ。 「この姿の時は『サニー』と呼んで…。」 ワシ。 「そうであるな。」 「終わりだぞ『サニー』。」 サニー。 「ありがとう、ハンドレッド。」 そして、サニーはレディ・ミィラの姿に戻った。 夕食である。 レディの食事は、出会った頃、ワシが教えた日本料理。 ワシの食事は…。 「慣れたとは言え味気ない物だな。」 「ガソリンと言うのは。」 そう。 ワシの食事は『ガソリン』のみ。 ワシの体に使われている『レアメタル・スターシルバー』は、 ガソリンを循環(じゅんかん)させる事により、 神経と同じ働きをし、その神経によって、手足を動かす事が可能なのだ。 故に食事は『ガソリンのみ』。 人間であった時好きであった『プリン』が恋しくもなる。 レディがこう言う。 「せめて、味でも付けられれば良いのにね。」 ワシ。 「甘い物が恋しくもなるな。」 「21世紀のプロレスラー『真壁 刀義(まかべ とうぎ)』のように、 ブログでスイーツを紹介する程好きと言う訳ではないが、 20年経っても味の記憶と言うのは残るモノだ。」 レディ。 「それじゃ、キスの味で忘れさせてあげるわ。」 ワシ。 「今のワシの口は『ガソリン臭い』ぞ?」 レディ。 「何言ってんのよ?『夫婦』じゃない。」 ワシ。 「レディ…。」 レディ。 「なぁに、ハンドレッド?」 ワシ。 「ありがとう。」 そうしてワシ等はキスをした。 翌朝である。 休日は終わり、多忙な日常へと戻る。 ワシは…。 この地球を守る為に戦う。 かけがえのない地球(ほし)だ。 数々の者達と“絆”を結んで来た星だ…。 それを傷つける者は許さない。 だ か ら ! ワシは力の限り戦う! レディと共に! ギガントと共に!! そして、かけがえのない仲間達と共にな!! ゆくぞ、ギガント!! ギガントが応える!! 「グ”ギ”ャ”オ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”」 ギガントの蛮声が轟(とどろ)き響いた!! ーーーーーー 最終話「百文字の休日」 ・・・完。 リンク集に戻る EXへ
https://w.atwiki.jp/maid_kikaku/pages/1736.html
(投稿者:怨是) 《初弾は帝都防空飛行隊が撃墜、地上の損害は無い。第二波の飛来に備えろ!》 《了解(ヤヴォール)》 スカートの邪魔な布と帯を千切り捨て、兵士より拝借した軍用バイクを疾走させつつ、ジークは空軍の通信を聞く。 結った髪を向かい風にたなびかせながら、ジークは改めて軍隊の強固さに心強さを感じた。流石によく訓練されたチームというものは強い。国民達を絶望させたV2ロケットをすぐに撃ち落としたのだから。だが、自分も空を飛べたなら真っ先に向かっていただろうに、という暗澹たる思いもまたジークの中に渦巻いていた。 《ジークよ、聞こえるか》 バイクに備え付けられた通信機から、聞き慣れた声が聞こえてきた。 「陛下……」 《空は、飛べる者に任せよ。彼奴らは恐らく、この混乱を狙って本命を横から出す腹積もりであろう。ジークはそれを迎え撃つのだ》 「了解」 皇帝は、こちらの感情を全て知っている。ジークがザハーラに遠征している間、何度も手紙を交わした。仕事の内容から個人的な悩みまで、様々な物事を、文字を通して吐き出したものだ。今年になるまで、そのような事は全くやっていなかった。だからその分を取り返そうと思ったのだ。心が、魂が、甘える事を渇望しているジークにとって、皇帝という存在はまるで父親のようなものに感じられた。 ジークは即座に皇帝の言葉に従い、バイクを反転させようとした。しかし、それは叶わなかった。 突如、マンホールの蓋が開き、そこからサンド・ワーム級のGが行く手を遮ったのだ。バイクは宙へ放り投げられ、ジークは地面に右肩を強く打ち付けた。痛みに霞む視界を何とかせねばと起き上がると同時に地下鉄の駅の入り口である階段からも悲鳴が響き渡り、暫くしてから見た事も無いGがわらわらと地上へ上ってきた。 「ワモン、なのか……?」 姿、形はワモン級に酷似しているが、全身にびっしりと生えた白カビを想起させる体毛がジークを戦慄させた。息が苦しくなるのは、このGより発せられる濃密な瘴気のせいか。ジークは体勢を立て直し、ワームのほうへと向き直る。まずは危険度の高いこちらから片付けねばならない。ジークが大剣バルムンクを構えると、ワームも威嚇するかのように口を大きく開いて応じる。 傍目から見れば勇ましく映るであろうジークの様子とは裏腹に、彼女の内心は陰鬱そのものであった。 帝都にGの侵入を許してしまった。その事実が、ジークの守護女神という看板と彼女自身の心に更なる暗い影を落とした。元よりその二つ名に対する矜持など殆ど持ち合わせてなどいないが、時折疎ましく感じるほどの信仰心を向けてくる国民達も、ジークにとっては大切な存在である。彼らには家族がいる。彼らには心がある。彼らは人生という軌跡を辿っている。それらが、食欲やイドのみに突き動かされる害虫の胃袋に収められてしまう事がどれ程に悲しい事か。 恐らく先程の悲鳴の主はもう事切れているだろう。もしかしたら守れたかもしれなかった命が、自身の視野の狭さに起因して失われる。その事実がジークの魂を強く打ちのめした。 ワームが向かって来るのを、ジークはバルムンクで迎え撃つ。切っ先をあの大きな禍々しい口へ向け、内側から両断した。再生する前に、何度も、何度も、無我夢中でバルムンクを振り回した。刃物と表現するにはいささか大きすぎるそれは、白い毛に覆われたワモンも退けていた。肉片と化したワームを踏み潰し、白い毛のワモンへと視線を向ける。それでも彼らは臆さず向かって来た。自分達より身体が小さいから、捕食できるとでも本能が判断しているのだろう。 肉片を手掴みで放り投げ、彼らの気を引いている傍らで、ジークは改めてこの愚かしい怪物達に対して憎悪した。Gさえこの世に湧いて出てこなかったら、そもそも自分達が生まれてくる事は無かった筈なのだ。こんな呪わしい無間地獄に生まれ出てこなければ、衆愚の激動を目の当たりにする事も無かったし、それを止める術を知らぬ自身を呪う事も無かったろうに。 ――待てよ? 瘴気を吸い込まぬよう息を止めて毛むくじゃらのワモンを叩き潰しながら、ジークは逡巡した。 「私が居なくても、代わりは居るのか……?」 もしも自分が生まれて来なかったとしても、英雄を求める人々の本質が変わらない限りは他の誰かが代わりに英雄として崇められる。そうして空虚な王座に引き摺り込まれ、羨望と侮蔑を一身に受け止め続けねばならないのではないか。それがたまたまジークフリートであっただけだとしたならば。 何とも馬鹿げた話だ。反吐が出る。百歩譲って役目は果たすとする。しかし、彼らの本質はどのようにして変える? 黒旗が生まれ、それを叩き、一度は火の粉を振り払った。ジークではない、皆の力で。それ以来ジークは独りでは戦おうとせず、仲間を信頼するようにしてきた。にも関わらず状況が一向に進展せず、ついにはこんな催し事まで行われ、結果としてプロトファスマを名乗る男からV2ロケットまで頂戴する事となってしまった。 最後の一匹を片付け、もう動かなくなったのを確認すると、ジークはハンカチで口を押さえながら瘴気の漂う地下鉄の駅へと走る。5番街道とシルワート通りが交差するこの地下鉄は、今や白い黴(かび)に覆われた非現実的な空間と化してしまっている。階段を降りて直ぐに亡骸はあった。身体のそこかしこを喰い破られ、全身に黴が生えた状態で。息はしていない。ジークはそのまま地上へと戻った。 ほんの少しでも望みを抱いたのが間違いだった。これだけの瘴気を吸い込んでしまったら、暫くは薬に頼らざるを得ないだろう。咳き込みながら、ふらふらとおぼつかない足取りで軍用バイクへ近付いた。これもひしゃげて使い物にならない。 《ランゲルドルフ市内にG発生、迎撃する》 《どこから湧いて来やがったんだ》 電柱に寄りかかりながら咽ていると、通信機からGの接近を知らせる遣り取りが鳴り響いた。きっとこの帝都にも、まだ居る。 ジークは身体中の血液に砂粒でも混じったかのような錯覚に陥りながらも、バルムンクを杖にして街道を緩慢な足取りで進む。あの黴のようなものを吸い込んでしまったのだろうか。肺も心なしか鈍痛を発し続けている。 五感が全てぼやけた中で、スィルトネートの姿が見えた。スィルトは、周囲の惨状に目を見開いていた。 「ジーク、こんな所にいた! ……何、このG」 「判らない。それより、ここには長居しないほうが――」 そう云いかけて咽返る。喉が張り裂けるように痛い。何か、小さな針――例えるならサボテンのような――が刺さっているのではと形容できる程の痛みに、目尻に涙が浮かぶ。咳が止まらず、肩が痛い。 「まずは営舎に戻りましょう。ほら。肩、貸しますから」 「いや、いい。敵は何処だ……倒さないと。私の前で人が、一人死んだんだ。これ以上、犠牲者を出したくない」 「でも、その状態じゃ戦えないでしょう?」 「私は嫌だ、こんな、私のせいで、色んな人が死んで……誰一人守れないなんて、嫌だ。それでも尚、戦えないなら……」 ジークにとって、守護女神は死んだ。物理的に死んだ訳ではないが、自身の存在が今この瞬間に至るまで災いをもたらし続けた事に対して、ジークは自らの看板を殺そうとせずには居られなかった。 「……守護女神は死ぬしかないじゃないか」 故にジークはバルムンクを地面に突き立て、一言だけ発して泣き崩れた。 既に多くの者がジークの死を望んでいるという確信はあった。が、実際、此れほどに惨めな状況になってしまっては、ジークからすれば死んだも同然だった。涙が止め処なく頬を伝い、ひび割れた石畳を濡らす。その様子にスィルトネートは出方を見失っているようで、口を固く結んで立ち尽くしていた。 《帝都内のGの掃討を完了、損害は軽微。繰り返す、損害は軽微》 《よし、これでパーティの続きを楽しめるな。シャンパンを用意しろ! Gに人間の真似事なんざ不可能だって事を証明した祝いだぜ!》 《ジークフリート万歳!》 《浮かれるな。V2ロケット第二波、来るぞ。 ――何だあれは》 《ロケットにフライがへばり付いて……くそったれ、何匹かこっちに来やがった》 《ロケットも一緒に来れば良かったのに!》 《V2はあっちに行っちまった。帝都防空飛行隊(NKVD)に任せて、せめて俺らはこのハエっ子を》 それでも、戦況というものは無慈悲にも流転し、脈動して行く。ひっきりなしに飛び交う通信がそれを端的に形容していた。彼らの多くはフライの餌食となるだろう。そしてそれを守る術など、ジークは持ち合わせては居ないのだ。 ジークが無力感に打ちひしがれている間に、スィルトネートは観測部隊に通信を繋いでいる。 「観測班、応答願います」 《こちら観測班。スィルトネートか?》 「お察しの通り。V2の情報を下さい」 《二発目のV2なら、噴射機の不調で高度、速度共に大幅に低下している。おそらく高射砲でも落とせるだろう》 「では、そちらの撃墜は別働隊に任せます。私は帝都を巡回し、残存しているGが居ないかの確認を。シルワート通り沿いの地下鉄にて未確認のGの目撃状況もありましたので」 《その情報なら既に作戦本部にも届いており、部隊の派遣も行っている。協力してやってくれ》 「了解。ありがとうございます。それでは、ご武運を」 通信を終えたスィルトネートは、膝を付いてこちらに目を合わせて来た。相変わらず、困り果てた表情でこちらを窺っている。対するジークも感情が鬱屈するばかりで、次の言葉を失ってしまっていた。慈悲深い戦場など、元より存在しえない事は理屈では解っている。しかし…… 《V2の迎撃に失敗。第六飛行中隊第三十七飛行小隊はフライ級と相打ちで壊滅した。V2の着弾に備えろ。弾等はシルワート通り付近への到達が予想される》 「ジーク。バルムンクを貸して下さい」 貸すとは云わず、むしろくれてやっても良かった。今のこの体調では何も出来まい。投げ遣りな心中を隠そうともしないまま、ジークはバルムンクから離れて座り込む。 「作戦本部へ。こちらスィルトネート。迎えの車を用意してください。五番街道、シルワート通りの交差点です」 《V2の着弾予想地点じゃないか! 無理だ、地下鉄の線路を使って退避しろ!》 「いいから用意してください! ロケットは私が何とかしますから!」 今更逃げても、瓦礫の下敷きになるのが関の山だ。故にスィルトは、ジークからバルムンクを借りた。スィルトはバルムンクを手に手頃な建物の屋根へと上り、鎖をバルムンクに巻き付けて遠方の空から近付いてくる黒点に狙いを定める。 「帝都を、やらせはしませんよ。やらせる訳には行かない……!」 ギーレンや国民達を守るという使命が自分にはある。帝都を守る理由を持つ者は、何もジークだけではないのだ。中身こそ違えど、スィルトネートとて誇るべき役割を持ち、その自覚と覚悟がある。 だからこそ、バルムンクでV2ロケットを打ち返すという無謀な行動へと出た。成功する保障は無いし、下手を打てば自分が死ぬかもしれない。それでも、やるかやらざるかで考えるなら、スィルトネートがやるしか無いのだ。 すぐそこまで迫って来ているV2ロケットを、スィルトは悪鬼の如く形相で見据えた。 「死ぬまで飛んでいろ!」 大剣バルムンクを、鎖付き短剣グレイプニールで持ち上げ、遠心力に身を任せてV2ロケット目掛けて投擲する。 この時だけは鼓動の音しか聞こえず、全ての動きがスローモーションに見えた。回転するバルムンクが遠くのV2ロケットへと命中し、拉げたロケットは方向を無理矢理変えられ、上空へと去って行く。そして終いに爆発し、周囲に破片を撒き散らした。 じりじりするような熱と、そこから少し遅れて鼓膜をつんざく雷鳴のような轟音が一瞬だけスィルトネートに降りかかる。それ以降、この屋根の上という空間は平穏を保っている。 一方スィルトネートの愛用しているグレイプニールは、バルムンクの重みに耐えかねてしおれた茎のように緩慢に降り、やがてずしりと重低音を短く立てて屋根から街道へと垂れ下がった。 《V2ロケット、消滅! 周辺に損害無し! 次のロケットが来る気配もありません!》 ――やりきった。 スィルトは全身に汗を滲ませ、肩で息をする。屋根から飛び降り、バルムンクに絡まった鎖を取り除くと、両手でそのバルムンクを地面に突き立てようとした。疲れた身体ではしゃがんでこの鉄の塊を掴む事が億劫になるからだ。しかし、バルムンクは地面には刺さらなかった。せいぜい石畳を少し削る程度で、手から滑り落ちたバルムンクは再び低い金属音を響かせ、石畳の傷を増やした。 「……バルムンク、こんなに重かったんだ」 もう一度突き立てる事は諦めてスィルトネートはジークフリートへと駆け寄り、肩を組んで持ち上げた。バルムンクの重さに反してジークの身体の何と軽いものか。この頼りない身体で、よくも軽々とあの大剣を振り回せたものだ。 「ジーク、歩けますか」 「何とか……」 ジークが青白い顔で頷く。どう見てもこのままでは持たない。空いた手でバルムンクを回収しようとも思ったが、そんな時間は無さそうだった。仕方なく、通信機で連絡を試みる。 「シルワート通りに迎えに来ている車は、応答して下さい」 《663号車です》 「今、どの辺りへ?」 《あと30分程で到着予定ですね》 そんなに時間がかかっては、ジークは助からない。スィルトネートは唇を強く噛み、声音を低くして663号車の運転手に催促した。 「遅い。アウトバーン並みに飛ばしてください」 《え? 既に脅威は去っているでしょう? じゃあそんなに急ぐ理由は――》 「ジークが瘴気にやられてるんだよ! これで理由は充分か!」 《い、りょ、了解! 充分です……》 「よろしくお願い申し上げます」 スィルトネートは右手を見つめた。先程スィルトが感じたバルムンクの重さはおそらく、ジークにとっての守護女神という言葉の、帝国最強という周囲の視線の重さに比例している。それがあってジークは、あの時バルムンクを地面に突き立てたのかもしれない。己に降り掛かる重圧に、ついに耐えかねたのだろう。 無理からぬ話だ。と、スィルトは溜め息混じりに胸中で呟いた。共に覚悟は持ってはいるものの、ジークの場合は注がれる眼があまりに多様すぎる。羨望も、嫉妬も、期待も、侮蔑も、どれもこれもが莫大な質量を以ってジークの全身に降り注いでいる。しかも、その多くがある種の病的な感情を伴って。それを考えれば、スィルトは同情を禁じえなかった。 「守らなきゃって思う心は、私だって同じだよ……ジーク」 車の到着が待てなくなったスィルトは、ジークを両手で抱えて屋根の上へと飛び移る。営舎の方角へ向かえば自動的に車を見付けられるという算段だ。スィルトは先刻のジークが発した「守護女神は死ぬしかない」という言葉だけは、誰にも語るべきではないと思った。彼女の鉄面皮の裏側は、彼女にとって信頼の置ける相手にだけ見せたほうがいい。 しかし後日、スィルトネートのその目論見は思わぬ形で崩れる事となる。
https://w.atwiki.jp/elvis/pages/962.html
エンディングのコマンド 左or右 ソフィーティア 封魔忍者 ザサラメール ロック(ヴァレリア?、ファリン?、リネット?) ラファエル セルバンテス 雪華 御剣(アーサー?) 吉光 ジークフリート アビス? ■ ■ ■ ■ ■ キリク マキシ タキ(グリード?) 吉光 ジークフリート アビス? ■ ■ □ カサンドラ(ドッペルゲンガー) アスタロス シャンファ マキシ タキ(グリード?) 吉光 ジークフリート アビス? ■ ■ □ ■ ■ ■ 吉光 ザサラメール アビス? - - ■ ■ □ ■ ■ ■ ■ アンノウンソウル ザサラメール アビス? - ■ ■ □ ■ ■ ■ ■ ■ オルカダン ザサラメール ナイトテラー ■ ■ ◇ ロック(ヴァレリア?、ファリン?、リネット?) ラファエル セルバンテス 雪華 御剣(アーサー?) 吉光 ジークフリート アビス? ■ ■ ◇ ■ ■ キリク マキシ タキ(グリード?) 吉光 ジークフリート アビス? ■ ドラゴン ソフィーティア 盗賊×2、ヴォルド(ウィル・オ・ウィプス) ザサラメール セルバンテス 雪華 御剣(アーサー?) 吉光 ジークフリート アビス? ■ ■ ■ アイヴィー(シャレード) ザサラメール リザードマン 雪華 御剣(アーサー?) 吉光 ジークフリート アビス? ■ ■ ■ ■ ■ キリク マキシ タキ(グリード?) 吉光 ジークフリート アビス? 関連 ソウルキャリバー3
https://w.atwiki.jp/maid_kikaku/pages/1016.html
(投稿者:LINE) 登録タグ一覧 【 LINE グラストン ルインベルグ】 刺すような視線に気が付いたジークフリートが、豪奢な鎧に包まれた体躯をゆっくりと翻す。 その右手にはエントリヒ皇帝より直接賜ったと云われる宝剣バルムンクが握られており、刀身が照りつける陽光によって鈍い輝きを放っている。 「誰……?」 振り返ったジークフリートの、紺碧の瞳が見つめる先には、赤を纏った人影が一つ。 巨槍グングニールを携えたガーベラが、ゆっくりとジークフリートの元へ歩み寄っていく。 村の広場の中央で対峙する両者。 「誰、ですか」 ジークフリートの問いに、ガーベラは鋭い視線を向けた。 その問いは寧ろ自分のものだと思っていたガーベラだったが、ややあって表情を和らげ名乗りを上げる。 「私はガーベラ。 ルインベルグ大公殿下の命により、この村の異変を調査しに来た者です」 ガーベラはスカートの裾をつまみ上げると、王侯貴族に対するのと同じように、恭しい一礼をジークフリートにしてみせた。 「……たしかグラストンMAID'sの」 「エントリヒの守護女神にお見知りおき頂いているとは光栄ですね」 ガーベラには皮肉を言ったつもりは無かったのだが、エントリヒの守護女神、という言葉を聞いたジークフリートの表情が僅かに陰った。 “エントリヒの守護女神”。“鉄壁ジーク”。“グレートウォールのトップエース”。 栄光を称えるそれらの賛辞は、彼女の人付き合いの苦手な性格と相まって、他者との隔たりを作る大きな障壁となっている。 それこそがジークフリートにとってのグレートウォール。望めども超えることのできない大きな壁。 ジークフリートとガーベラに直接の面識はなかったが、互いにエントリヒ帝国とクロッセル連合諸国が共闘する、グレートウォール戦線に身を置く者同士。轡を並べる友軍のことは、少なからず耳に入ってくるものである。 もっとも、大々的に戦果が広報される“英雄ジークフリート”は、ガーベラも含めて誰もが見知るものであるのに対して、ジークフリートの彼女に対する認識は、時折戦果を耳にするメード小隊の隊長の名前、という程度の差違はあったが。 「しかし、それなら話は早い」 それまで柔和に口元を綻ばせていたガーベラの表情が、鋭いものに切り替わると同時に、ジークフリートの鼻先にグングニールの矛先が突きつけられた。 ジークフリートは驚愕で目を見開いたが、自身に向けられたグングニール矛先の軌跡を目で追いこそしていたものの、体は微動だにせずにいる。 瞬時の出来事に反応が遅れたのか、はたまた反応はできたが敢えて動かなかったのか――― 恐らくは後者だと判断しながら、ガーベラは言葉を続ける。 「ねぇ、ジークフリート。 なぜ貴女がこの村に居るのかしら? この惨状は一体どういうこと?」 ガーベラは一気に確信を付いた。 凄惨な殺戮行為が行われた現場に、どういうわけか異国の―――エントリヒ帝国最強を謳われたメードが居る。 最初はGの存在を疑っていたガーベラだったが、今のところ村の付近にGの痕跡は見つかっていない―――それなら誰がこの惨劇を引き起こしたのか? 当然ながら疑いの目は、その場にいた異国のメード、ジークフリートに向けられる。 「……国境を……越えたことは知らなかった」 「どういう意味?」 「私達は……エントリヒ国内に出現した大型のGを追討するために……ここまでやってきた」 ガーベラから向けられる怪訝な眼差しに耐えながらも、ジークフリートはカタコトな小声を絞り出し、自分に掛けられた嫌疑を振り払った。 「なるほど……」 ガーベラはジークフリートに突きつけていたグングニールをそっと下ろした。 彼女とて最初からジークフリートが、意味もなく人間を傷つけるなどとは思っていないのだ。 だからジークフリートの説明は、自分が望んでいたものと一致していたと言っても良い。 「―――けれど、それではあまり説得力がありませんね」 しかしガーベラの思考の論理的な部分は、ジークフリートの説明を否定していた。 期待していた答えが、必ずしも理に適った答えとは限らないからだ。 「確かに、微かに漂う瘴気は私も感じています。 大型のGが出現したのであれば、これほどの破壊規模も説明が付きましょう。 ……ですが、貴女の言うような大型のGの姿は、どこにも見あたりません。 今、私の仲間達が森中に散って捜索を行っていますが、そんなGを発見したという報告は入ってきていません。 森の外周に展開しているルインベルグ軍からもです。 この点について納得のいく説明ができるのかしら?」 「……あのGは地中を潜って移動する。 ……姿が見当たらないのなら―――」 「土の中に潜っているから、だとでも?」 「恐らく……」 ガーベラは溜め息をついた。ジークフリートの話はどうにも都合が良すぎる。 ジークフリートが嘘をついているとは思えないが、彼女の話には現状の嫌疑を覆すだけの材料がない。 「―――残念ですが、貴女の話には確たる証拠がありませんね。 私が疑うのも仕方がないとは思いませんか?」 「ここに漂う瘴気は……Gが居る証拠にならないか?」 瘴気とはGが撒き散らす一種の毒のようなものだ。 人類のテリトリーを、人の住めない不毛な土地へと変えていってしまう。普通の人間であれば、瘴気を纏ったGには近づくことすら適わない。メードが対G戦の切り札と目される理由もそこにある。 瘴気の正体については病原菌とも未知の元素とも言われているが、それがG特有のモノであると言うこと以外何も分かっていない。 ―――そう、G特有の瘴気。 しかし、何事にも例外はある。 「こんな噂を耳にしたことがあります。 なんでも、エントリヒでは瘴気を利用したMAIDの研究をしているとか」 「!? それは……」 「私とて共に戦う同胞を疑うようなことはしたくありません。 ……けれど、この惨状はそれを許さない」 バッと振るわれたガーベラの腕が、壊滅した村の惨状に向けられる。 きつく噛み締められる奥歯。彼女の瞳には明らかな怒りの色が渦巻いていた。犠牲になった人々の無念を思えば、ここで理路整然としないジークフリートの話を鵜呑みにすることは、断じてあり得ないことであった。 「申し訳ありませんがジークフリート。 エントリヒ側からG追討任務の事実確認が取れるまでの間、貴女の身柄を拘束させてもらいます。 私と一緒に軍令部まで来て下さい」 「……それは……できない」 「―――なんですって?」 ぴくっとガーベラの眉がつり上がった。 この期に及んでジークフリートは何を言っているのか、という不満が一気に表情に表れている。 「……飛び出していった仲間がまだ戻ってきていない。 あの2人を置いて行くことはできない ……」 そうしてジークフリートは歩き始めた。居なくなった仲間を探しに行くために森の方へと向かっていく。 しかし、ジークフリートがガーベラの横を通り過ぎようとしたとき、水平に突き出されたグングニールによって彼女の行く手は遮られた。 「……頼む、行かせてほしい」 「できない相談ですね」 「……どうしても、か?」 「どうしても、です」 グングニールを握る手に一層力がこもる。 ガーベラは本気だ。立ちはだかる彼女の意志に、一分の揺らぎも無いことを確信したジークフリートだったが、それでも尚立ち止まるわけにはいかなかった。 己が歩を進める覚悟を決めたジークフリートもまた、バルムンクの柄を強く握りしめる。 鼻をつく瘴気を運ぶ風に木々が揺られざわめく。互いの得物が、互いを有効射程距離内に納めている。 張り詰める緊張。場を支配する沈黙が引力を伴い、永遠の静寂に変わるとも思われた刹那―――重い金属音が空間を震撼させた。 交差する大剣と巨槍。睨み合う2人のメード。 互いに望まなかった戦いの火蓋は、ついに切って開かれた。 <<HOME>> <BACK< >NEXT> 関連項目 グラストンMAID s ジークフリート ルインベルグ大公国 エントリヒ帝国
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/48380.html
登録日:2021/06/15 (火) 01 21 02 更新日:2024/06/23 Sun 16 26 51 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 28歳←ではない FE FEヒーローズ FE外伝 ほんわか もうひとりの英雄王 ゆるふわ アルム軍 シスター ジーク ティータ ドジ ドジっ娘 ポンコツ リゲル帝国 修道女 田村奈央 聖女 ああ、はやくジークに会いたい……。 出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS ■概要 『ティータ』とは『ファイアーエムブレム外伝』、『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』の登場人物。 初期クラスは聖女。 CV:田村奈央 リゲル城に仕えているシスター。カミ…ジークという恋人がいる。 外伝では外見も口調も髪色が緑色だという事を除けばニーナにそっくり。 Echoesでは緑髪というのは共通だが、性格と口調がゆるふわ系の少女というニーナとは対照的な女性となった。 これは外伝ではティータがニーナとそっくりという事がジークの正体の伏線だったのに対し(『紋章の謎』発売前)、 Echoesでは『紋章の謎』におけるジークのその後を踏まえニーナと対照的な女性に変更されたと思われる。 性格は外伝では優しい女性というくらいしか分からなかったが、こちらもEchoesでキャラ付けがされている。 ゆるふわ系の雰囲気をした女性であり、ドジでそそっかしい性格の持ち主。 教会の炊きだしでパンを焼けば固すぎるパンが出来てしまったり、ジークの傷に傷薬を塗れば、実は傷薬ではなく香辛料であわや殺しかけたり、 ソフィア解放軍のリーダーをクレーベやルカと勘違いしたり(アルムが若すぎるからだが。というかアルムが加入する前は実際クレーベがリーダーだった)……など。 孤児院で育てられたという悲しい過去があり、そこでシスターに良くして貰った事から自分も人を助けるシスターになりたいと望み、シスターになった。 恋人のジークとは彼を介抱した事をきっかけに付き合い始めた。 元々彼は何処からか重傷を負って漂流してきた記憶喪失の青年であり、それを偶然見つけたティータが看病した事で知り合う。 ジークが美形の好青年という事もあり面倒見る内に恋をしてしまい、ジークも自分を大切にしてくれる彼女を好きになっていた事から恋人同士に。 一見ティータは幸せそうだが悩みもある。 ジークには家族も大切な人もいるであろうし、記憶を取り戻せばその人たちの元へ帰るのが一番だと分かっている。 このため「彼の記憶が戻らない方がいい」と願ってしまうと同時に、そんな自分に自己嫌悪している。 本編ではヌイババの館に幽閉されていた所をアルム軍に助けられる。 ジークは戦争反対ながらも、記憶喪失の異国人である自分を庇護し名前を与えてくれた皇帝ルドルフへの忠義から参戦していたが、 それゆえに自国の村人を苦しめて私腹を肥やすジェロームとヌイババを見過ごせず、両者と敵対するようになる。 そんなジークを疎ましく思った二人がティータを捕え人質にする事でジークを従わせていたのだ。 Echoesでも大筋は変わらず、協力者のヌイババに頼みティータを捕えさせている。 こういった経緯のため、外伝・Echoes共にティータを救出すれば説得するまでもなくジークは友好的になる。 エンディング後日談は外伝ではジークが記憶を取り戻すことに怯えつつ、彼と幸せに暮らす。 実はジークは激しい戦いの最中に記憶を取り戻していたのだが、ティータに気を遣って黙っていたようだ。 ジーク死亡時は最愛の人の死亡に哀しみのあまり髪を下ろした(*1)という。 Echoesでは外伝のものに「ジークと離れる事はあっても、彼が帰って来る場所はティータの元」という文面が加えられており、 『紋章の謎』におけるシリウスの行動を仄めかす補完がなされている。 ただしジークがアカネイアに行くとハッキリ言及するのはティータ死亡時のEDのみ。この場合シリウスの言う「待っている者」とは誰の事なのか……。 ジーク死亡時はショックのあまり修道院に引きこもるが、旧友の一人に熱心に口説かれ一緒になる。 ■性能 初期クラスは聖女。加入は遅いが能力的に非常に優秀で、即戦力となり得るユニット。 ステータスはHPと守備の伸びが良く、魔防が18と魔戦士を除けば最高の数値を誇る。 また自軍で唯一、味方全員のHPを回復させる『リザーブ』が習得可能。その代わり『リカバー』を習得できない。 ■年齢 何故か日本では「ティータは28歳」と言う説が広まっているが、外伝・エコーズともに、公式には年齢の設定はない(ティータに限らず大半の人物がそう(*2))。 エコーズの内部データでは年齢が設定されているが(*3)、あくまで解析によって判明した物であり、ゲーム上では確認出来ない。 さらに、その内部設定年齢も21歳であり、28歳と言うのは完全なデマ(*4)。 しかし「ゆるふわ系の少女が実は28歳」と言うのにインパクトがあったのか、少なくないユーザーがこのデマを信じ込んでしまっている。 ■台詞 わたしの恋人のジークはリゲル騎士団の将軍なのです。だけどジークはこの戦いには反対していました。だから彼の裏切りを恐れたヌイババによって人質にされていたのです。わたしが助かった事を知ればきっと喜んでくれるはず。ああ、はやくジークに会いたい……。 はっ、そうだった! あなたたち、ここからリゲル城へ向かうんでしょう? リゲル平野にはきっとジークがいるわ。でも、お願いだから彼を殺さないで! ジークの上官のジェロームはすっごく嫌なやつでヌイババと一緒になってこのあたりの人々を苦しめていたの。ジークは、そんなジェロームに必死で抵抗していたわ。でも、私を人質にとられていまはおとなしく従っているの……。私が助かったと知ったら、きっとジークも自由になれるわ。 ジークは、自分は過去のない欠落した人間だなんていうの。でも私は、今のジークがいればそれでじゅうぶんよ。 ここには立派なシスターの方々がたくさんいるわ。参考にお話を聞かせてもらえないかしら……。 ジークとお茶会をするの。あなたも来ない? 任せて、お茶菓子は私が作るから! あっ、エクラ! 聞いてくれる? 実はみんなにお茶を出そうとしたらお茶葉を入れるのを忘れてて……何の味もしないお湯を出しちゃったの。みんな優しいから大笑いして許してくれたけど……あーーー恥ずかしい!! 私ってどうしてこうなのかな? もっと落ち着いた、大人の女性になりたいのに……え? そのままでいいって? うーん、ジークもよくそう言うんだけど…………面白がってない? ■ファイアーエムブレム ヒーローズ 海岸で倒れているジークを私が助けたの。まるで物語みたいな出会いよね。 出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始、(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS ヒーローズには21年6月にジークと一緒に参加。イラストはいちかわはる氏。 青属性の魔法使い。歩兵ユニット。 ジークはガチャで実装だが、ティータは『第5部後半記念ミッション』をクリアすることで入手できる配布キャラ。 6月の伝承英雄召喚イベント以後はガチャからでも出るようになる。 ミッションでは星5だが、ガチャから出るようになるのは星3~4の枠。 原作での職種は聖女であり、さほど戦闘能力が無くとも成り立つ配布・低レア枠にもかかわらず、なぜか杖ではなく魔法で参戦した。 武器スキルは『ブラーラビット+』 戦闘中、攻撃、魔防+5、かつ戦闘後、HP7回復。 (上記の効果は、各自軍ターン、各敵軍ターンそれぞれについて、このスキル所持者の最初の戦闘のみ) Aスキルに敵から攻撃された時、戦闘中、速さ、魔防+4にする『飛燕明鏡の構え2』 Cスキルにはターン開始時、自分を除く最も攻撃が高い味方の攻撃+6になる『攻撃の開放3』 ラビット系魔法は初登場だが、効果は水着シルヴァンの「メロンフロート」と同じものでレギュラー入り。 魔防がトップクラスに高く、攻撃もまずまずの伸びを見せるので、飛燕明鏡の構えと合わせて魔法ユニットへの受けに最適。 「献身の聖女」とあるように献身を使えるのでサポートにも向く。 だが守備は下から数えたほうが早いレベルのため、物理武器相手は避けるのが無難。 追記・修正はイケメンを拾った方がお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] あらゆる意味でニーナと対照的な女性 -- 名無しさん (2021-06-15 22 02 49) あくまで憶測だが、それまでずっと色々な重荷を守る側だった所をティータに「私が貴方を守ってあげる」と言われたのもカミュに刺さったのかもしれんね。失った記憶に凄惨な予感があった当時は相当に救われたんだろう -- 名無しさん (2021-06-16 06 36 23) ここの項目でいう話ではないかもだけど、ジークはティータと出会えて良かったと思うわ -- 名無しさん (2021-06-16 07 57 50) ↑2傷薬と間違えて香辛料塗った話をするとき苦笑まじりだけど楽しそうに言うよねジーク このシーンだけで黒騎士と言われた男の心はティータに救われたんだなって実感した -- 名無しさん (2021-06-16 21 47 40) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/48743.html
《アーク・スパーク》 R 光文明 (6) 呪文:アーク・スペル ■S・トリガー ■相手のクリーチャー全てタップする。 ■GR召喚する。もし自分のマナゾーンのカードが全てアークなら、さらに追加でGR召喚する。 作者:リース族 フレーバーテキスト GRの力に目覚めたアーク軍は、その力でジーク・ルピア達GR軍を撃破した 収録 DMXD-02 「超天爆発!!ツインヒーローデッキ104 機構龍VS英雄龍」 評価 名前 コメント