約 891,133 件
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1677.html
カツラが参加者を殺す理由の身勝手さにディアボロモン達の怒りが爆発した。 「お前、そんな自分勝手な理由で参加者を殺してんのかで。なら俺はお前を許さねぇ。お前によって殺された者の苦しみを味わいながら死ね。」 「殺し合いを燃え展開にする為だと。そのようなエゴで生き物を殺すような者などこの世に生きる資格は無い。」 カツラはディアボロモン達の殺気にただ圧倒されるしか無かった。 「その罪を私達が断罪する。」 「容赦しねぇぞ。カタストロフィカノン。」 迫り来る二つのエネルギー弾を見てカツラは思った。 (なんて熱い心だ。彼等はこんな感情を隠していたのか。そんな事も解らない私は愚か者だ。せめて最期は彼等に手助けを…。) 二つのエネルギー弾はエンテイに直撃し、爆発した。煙が晴れるとそこにはかいふくのくすりを差し出そうとしたカツラの死体があった。ディアボロモン達はかいふくのくすりを半分ずつ使うと、ギリシャに移動し、そこで文章データを解析した。 「こっちは主催の名簿か…。妙に女性が多いな。」 「こんな事があって良いのか。」 「どうした?」 「主催は参加者を強制的にマーダーにする装置を開発した。」 ディアボロモンが何かを言おうとした。しかしそれは他の声で遮られた。 「それは本当か?」ディアボロモン達が振り向くと、そこにはシレン達が居た。「何者だ?」 「俺はシレン、隣に居るのがもょもと、そしてそこの書類を勝手に読んでいるのがシカマルだ。」 「その態度からしてゲームには乗ってないようだな。俺はディアボロモン、こっちはミュウツーだ。」 「そういや首輪はどうした?」 とさっきまで黙っていたもょもとが言った。 「そうだったな。ミュウツー、こいつらの首輪を解体してくれ。」 「もうやっている。」 ミュウツーは何時のまにかシカマルの首輪を解体していた。 【一日目・22時/ギリシャ】 【シレン中隊】 基本:対主催 【シレン@風来のシレンシリーズ】 [状態]Lv99、HP999/999、、力99/99、、満腹度200/200、首輪無し [装備]秘剣カブラスギ+99(金、三)、ラセン風魔の盾+99(金、と)(それぞれ追加効果不明)、罠師の腕輪、転ばぬ先の杖 [道具]大量の復活草、大量のデイパック(全てにアイテムが入っている)、リポビタンD、支給品一式×2 [思考]主催を退治する。 1:キョンとアカギを退治する。 2:マーダーを退治する。 【もょもと@ドラゴンクエスト】 [状態]左目消失、MP0、首輪無し [装備]王者の剣@ドラゴンクエスト3 [道具]大量の玄能、支給品一式×2 [思考]主催及びマーダーを倒す。 【奈良シカマル@NARUTO】 [状態]チャクラ少し消費、首輪無し [装備]日本刀 [道具]光玉@NARUTO、煙玉×5、支給品一式×3 [思考]主催及びマーダーを倒す。 【ディアボロモン@デジタルモンスター】 [状態]ダメージ(小)、真ゲッター1の羽が生えたので飛行可能、物を手で持てる、身体能力少し低下、首輪無し [装備]バトルアックス@ドラゴンクエストシリーズ、結婚指輪付きネックレス [道具]主催の名簿、支給品一式 [思考]主催を皆殺しにする。 2:マーダーを倒す。 3:そろそろ主催のメインコンピューターが火を噴くだろうな。 4:有希(暗黒長門)は何処に居るんだ? 【ミュウツー@ポケットモンスター ミュウツー我ハ此処に有リ】 [状態]ダメージ(小)、首輪無し [道具]首輪の設計図、マーダー化装置開発計画書、支給品一式 [思考]主催を皆殺しにする。 1:マーダーを倒す。 【21時40分/エジプト】 【カツラ@ポケットモンスターシリーズ 死亡確認】 死因:シャドーボールとカタストロフィカノン ※カツラのポケモンは全てボールごと消滅しました。(二人の怒りで技の威力が一時的に大幅に上がったから。)
https://w.atwiki.jp/moematome/pages/342.html
名前 フジ 種族 原作キャラクター(♂) うp主 なし 特記事項 ・萌えもんハウスの園長。 ・元研究者らしいが詳細は不明。 <公式設定> シオンタウンにある身寄りのない萌えもんを引き取って育てる「萌えもんハウス」園長。 幽霊騒動の際に行方不明となっていたが、ロケット団に立ち向かったために萌えもんタワー最上階で団員に軟禁されていた。 カツラとは親交があったようでグレンジムには彼と肩を組んだ写真が飾られている。 街の人の話では、かつては別の街にいた研究者の一人で、過去に起こった事件から現在の職についたらしい。 ちなみに、映画「ミュウツーの逆襲」に登場する「ミュウツーを作った初老の科学者」はフジ博士というのだが、フジ老人との関係は不明。 萌えもんの場合・・・ 扱い例
https://w.atwiki.jp/pkmnbw_db/pages/357.html
アルセウス No.493 タイプ:ノーマル 特性:マルチタイプ(持っているプレートでアルセウスのタイプと姿(色)が変わる。特性変化技、道具変化技を無効にする。) 体重:320.0kg(けたぐり・くさむすびの威力120) HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 アルセウス 120 120 120 120 120 120 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) かくとう いまひとつ(1/2) --- いまひとつ(1/4) --- こうかなし ゴースト ※とくせいマルチタイプにより、持たせたプレートによって弱点も変化する ご存知、オール120と言う最大の合計種族値を誇るポケモン。 持ち物なしならグランブル(物理)やトゲキッス(特殊)と同程度の火力を持つノーマルタイプである。 さらに素早さはあのフーディンと同じである。 そして耐久はクレセリアに匹敵する、という物凄いポケモン(種族値上は)。 ただ、禁止伝説は平均的に攻撃系種族値130以上、素早さ95なので実際は固い・早い・低火力である。 禁止級の中では攻撃面は一致で「ハイパーボイス」「しんそく」が打てる点を除くと若干貧弱ではあるが 補助技は積み技をはじめ味方の補助、相手の妨害など何をやっていいか解らないくらい、何でも出来る。 GSルールですら許可されていないポケモンではあるが、 禁止ポケモンにするには勿体無いくらい面白い技を色々覚えるので 仲間内などの特殊ルールなどで使ってみるのも一興である。 プレートを持たせることで好きなタイプにすることが出来て 「さばきのつぶて」による一致技も持つことができる。 他の持ち物を持たせることができず、相手にも持ち物が割れてしまうのが欠点ではあるが。 ゴーストや鋼あたりは単体のタイプとしても優秀なので持ち物固定のリスクを負ってでも採用する価値はある。 ゴーストとドラゴン、飛行と鋼、格闘と地面、草と虫 この辺りは色が似ていて良く覚えておかないと弱点を突いたつもりが違ったという事になる 特に飛行と鋼は弱点と抵抗力が真逆になっているので注意が必要となる。 以下タイプのメリットデメリット ノーマル…道具が自由になる。タイプ一致しんそく・ハイパーボイスが使える。競合する相手がいない。ただし実質特性がない。一致で弱点がつけない ほのお…一般の鋼枠に強い。ただホウオウでいいし、レシラムの扱いの時点で禁止級の炎の必要性はお察し みず…ふぶき半減。しかし基本的に水枠はカイオーガでおkなのでアルセウスでやる必要があるかは疑問 くさ…カイオーガ・グラードンに強い。しかしふぶきで弱点を突かれるし草枠は一般の方がむしろ強い でんき…カイオーガ・ルギア・ホウオウの弱点をつけ、ふぶきで弱点を突かれない。ゼクロムよりは強いが、対ドラゴンが不安 こおり…一致ふぶき。キュレムと同時に入れるつもりがなければこっちも道具固定なのでキュレムでスカーフ巻いた方が強い かくとう…ディアルガ・キュレムに有利を取れる。ミュウツーが重くなるのとコジョンド等で格闘枠は競合する いわ…キュレム・ルギア・ホウオウ・レシラム・レックウザと有利を取れる相手が多く、バンギの砂を生かせる。ただバンギを使った方が楽なことも じめん…グラードンより遥かに単体火力が高い。ただグラードンの方が特性がある分使いやすいか ひこう…ふぶきで弱点突かれるしルギアやホウオウ使えばいいので利点がない むし…ミュウツーの弱点をつけ、バンギラスやクレセリアやユキノオーにも刺さる。ジョウト組がやや重い エスパー…格闘に強いがミュウツーでやればいい上、耐性なら霊の方がいいのでこの姿になる必要性がない どく…ミュウツーやグラードン、大地持ちに弱点をつかれるだけで耐性もひどく、草しか弱点をつけずくろいヘドロも持てないので利点が無さすぎる ゴースト…格闘技、猫騙し、神速無効。一致シャドーダイブも使えミュウツーに有利でノーマルに次ぐ使用率。技によるが相手のノーマルアルセがやや辛いこともある ドラゴン…早いドラゴンだが火力が特殊型ゼクロムと同じ上プレート固定なのでこいつでやる必要性がない。素直にキュレム等を使った方がいい あく…ミュウツーに有利だが、格闘弱点の上ミュウツーははどうだんを持っていることが多いので基本的に霊の劣化で利点が少ない はがね…ふぶき半減のフォルムでは最も実用的。キュレムの弱点を突ける。ディアルガはふぶき耐性がないので問題ない 基本的にノーマル・ゴースト・はがねが使いやすく、いわ、むし、かくとうもそれなり。 ただ水や竜は他の禁止伝説が強いのでアルセウスの枠を使ってやる必要があるかは疑問。 どくやエスパー、飛行は競合する相手や環境のためなる必要性がない。 型サンプルしんそく物理型 プレート特殊型タッグ候補 対策 外部リンク 型サンプル しんそく物理型 特性:マルチタイプ 性格:いじっぱり/ようき 努力値:攻撃252 素早さ252/攻撃252 HP252 など 持ち物:いのちのたま/ラムのみ/ノーマルジュエル/ヨプのみ 確定技:しんそく 選択技:まもる/じしん/つるぎのまい/シャドーダイブ(映画配布のみ)/じこさいせい/いわなだれ など 全ポケモン中最高威力で放てるしんそくを使って無双する型。 タイプ一致ボーナスによってしんそくの威力を上げるため基本的にプレートは不要。 耐久力もあるためつるぎのまいを積むこともできる。 技マシンでほとんどの技を習得可能なためサブウエポンは好きなものを選べばいいが、しんそく無効のゴースト及び半減の岩・鋼に対抗できるものが望ましい。 ちなみにしんそくの優先度はいたずらごころより高い+2であるため、 「味方のいばるを受けてからしんそく」というコンボは不可能。 プレート特殊型 特性:マルチタイプ 性格:ひかえめ/おくびょう 努力値:特攻252 HP252 /特攻252 素早さ252 など 持ち物:プレート(鋼/ゴースト) 確定技:さばきのつぶて 選択技:まもる/かみなり/ふぶき/くさむすび/じこさいせい/ねっぷう/あくうせつだん(映画配布のみ) など 基本的にプレートはこの二つ。裁きの礫をベースに戦う。 鋼は流星群や吹雪受けに最適。ゴーストはミュウツーや格闘をカモに出来る。 タッグ候補 ポケモン名(未作成) 組ませるメリット、注意点など 対策 どの能力も非常に高く、技も豊富な上タイプも不定なので確実な対策は存在しない。 耐久は非常に高く、一致威力120の格闘技なら実数値156×1.5倍補正でやっとHP252アルセが確1。等倍技なら全ポケモン中最高の火力を持つデオキシスA(実数値255)の1.5倍補正サイコブーストでさえ68.8%の高乱数にかかる。 通常アルセであればディアルガやいかくカポエラー、テラキオンなどが有利に戦えるだろう。ギラティナも神速無効かつ鬼火を撃てるためタイマンで見れば有利。 固さと速さは屈指だが、積まれなければ火力は伝説の中では低い方なので、 そこそこ硬いポケモンであれば受け切って倒すこともできるかもしれない。 出られるルール上アルセウス以上の火力は簡単に出るのでスカーフ巻いたカイオーガやキュレム等の超火力で上から殴ると押し切れることも多い。 対応画像 + ... 無 炎 水 電 草 氷 闘 毒 地 飛 超 虫 岩 霊 竜 悪 鋼 外部リンク ポケモン第五世代・対戦考察まとめwiki - アルセウス ネタポケまとめwiki - アルセウス
https://w.atwiki.jp/katamematome/pages/50.html
作品データ タグ: 2010年代 アニメ ポケモン 児童向け 女の子 女性 展示される 庇う 瞳あり 石化 破壊なし 解除不可能 運ばれる ジャンル アニメ 種類 石化 性別 女 ポケモンシリーズ ポケットモンスター XY Z 第48話 XYZの伝説! ポケットモンスターSPECIAL 第26巻 第302話 ~ 第29巻 第333話 ポケットモンスターSPECIAL 第6巻 ポケモン・ザ・ムービーXY 破壊の繭とディアンシー ポケモン超不思議のダンジョン ミュウツーの逆襲 EVOLUTION 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 内容 カロス地方で伝説の石の瞳乙女像が発見された。 この乙女像はもとはアイラという村娘で、ジャンと身分違いの恋をしていた。ジャンがイベルタル討伐に向かうとすぐにイベルタルは現れ、ジャンに向かって石化光線を放つがアイラが庇って石化してしまう。 石化したアイラを救うために、ジャンは命を育むというゼルネアスを探すが、結局ゲットできなかった。 石像を洞窟まで持っていき、そこで木を植えているところにゼルネアスが現れるが、結局アイラが戻ることはなかった。 ジャンはその後死ぬまでアイラのそばにい続けた。 画像・動画 見つかった「石の瞳の乙女像」の写真 石の瞳の乙女像 探索班が入り「石の瞳の乙女像」を調査する もしかしたら伝説は本当なのかもしれない 細部があまりにも生きているように見える 調査は続く イベルタルの石化光線からジャンを庇おうとするアイラ 石化光線が命中する 「石の瞳の乙女像」が出来上がっていく 「石の瞳の乙女像」 石像の頬に触れるジャン 石像に抱きつき崩れるジャン 調査はまだ続く ゼルアネスを探せばもとに戻るかもしれないことを聞くジャン 調査はまだまだ続く 戦いを終えて帰ってきたジャン 「石の瞳の乙女像」に抱きつく 石像を設置場所まで輸送するジャン 石像を設置 ある日の石像 ゼルネアスが光を放つ しかし石像は石像のままだった ゼルネアスを見つめる まだまだまだ調査は続く やっと調査が終わり石像はその場に放置される ジャンはアイラのそばに生涯あり続けた。 タグ: 2010年代 アニメ ポケモン 児童向け 女の子 女性 展示される 庇う 瞳あり 石化 破壊なし 解除不可能 運ばれる 外部リンク Amazon Prime https //www.amazon.co.jp/%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-%EF%BC%B8%EF%BC%B9-Z/dp/B01LPMRW5M ポケモンシリーズ ポケットモンスター XY Z 第48話 XYZの伝説! ポケットモンスターSPECIAL 第26巻 第302話 ~ 第29巻 第333話 ポケットモンスターSPECIAL 第6巻 ポケモン・ザ・ムービーXY 破壊の繭とディアンシー ポケモン超不思議のダンジョン ミュウツーの逆襲 EVOLUTION 劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 批評・コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/217.html
◆TEF4Xfcvis氏が手がけた作品 NO. タイトル 登場人物 0012 魔術師と口先の魔術師 衛宮切嗣、前原圭一 0029 正しい選択は 古手梨花 0048 闘争と逃走と 衛宮切嗣、前原圭一、サー・クロコダイル 0059 吉良吉影は静かに過ごせない 吉良吉影、ウソップ、ミュウツー 0073 想いは簡単に届かない 真紅、橘あすか、ベナウィ、モンキー・D・ルフィ 0093 方針 御坂美琴、衛宮切嗣 0104 limitations 園崎魅音、ハクオロ、サー・クロコダイル、レッド、ライダー(征服王イスカンダル) 0119 図書館戦争 バラライカ、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一 0121 You can,t escape! ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、ミュウツー、園崎詩音、ラッド・ルッソ 登場させたキャラ 3回 衛宮切嗣、前原圭一 2回 サー・クロコダイル、ミュウツー 1回 古手梨花、吉良吉影、ウソップ、真紅、橘あすか、ベナウィ、モンキー・D・ルフィ、御坂美琴、園崎魅音、ハクオロ、レッド、ライダー(征服王イスカンダル)、バラライカ、アーチャー(ギルガメッシュ)、ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、園崎詩音、ラッド・ルッソ 作品に寄せられた感想 彼のSSは容赦が無い ウソップ大爆殺やからけ刺殺といったSSで、強者が弱者を順当に屠る様を存分に描写している これがバトルロワイアルというものだってな感じである 某魔術師殺しの出演率がやけに高い -- 名無しさん (2009-03-13 20 53 43) 初期から参加してくれている内の一人。 繋ぎも戦闘もこなせる頼れる万能型。 切嗣と圭一を書く事が多い。 -- 名無しさん (2009-06-02 00 46 35) 色々あった初期から○ロワを支えてくれた書き手さん。「闘争と逃走と」での切嗣VSクロコダイルは両者の特性が上手く噛み合ってて十分な読み応えがあるのでお薦めの一作。 -- 名無しさん (2009-07-05 14 14 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yanderemewtwo/pages/48.html
929 ID vr31m2nm0 投下しようと思った 続きがある上に長いですごめんなさい 私は、いつ、どこで生まれたのか覚えていない。 いつの間にかこの世界に存在していた。 だが、この時点での私の世界は狭かった。 何しろずっと何かの組織の実験動物として、檻の中に閉じ込められていたのだ。 どうやら私は特別な存在らしく、組織員の中には私を恐れる者もいた。 ある日から、私に専属の研究員がついた。 その研究員は博士と呼ばれ、周りの者よりも位が上のようだった。 博士は私を檻から出し、普通の生物として扱ってくれた。 仔犬に話しかけるように私に話しかけ、子猫を抱くように私を抱いた。 たくさんの事を教えてくれた。たくさんの本を読ませてくれた。 私はそんな博士が好きだった。 この気持ちが恋愛感情なのかどうかは分からない。 ただ、私はそれに近いものを感じた。 932 ID vr31m2nm0 そしてまたある日から、私は超能力を使う訓練を受けた。 最初はせいぜい鉛筆を転がす程度しかできなかったが、それでも博士は私の頭を撫でてくれた。 博士の期待に応えるため、私は可能な限り努力をした。 私の力が強くなるたび、博士は私の頭を撫でてくれた。 気付くと私は、大きな試験管の中にいた。 気味の悪い緑色の液体が私の体にまとわりついていた。 たくさんの細い管が、私の体からのびていた。 この中に入れられた理由は何となく分かる。 おそらく、私の力が強くなりすぎたのだろう。 この試験管では念力は使えなかった。 しかし、テレパシーなどは使えるようだった。 その為私は、近くにいる適当な人間の思考を読んで暇をつぶしていた。 この試験管に入ってから、博士に会える回数が少なくなった。 寂しくはあったが、それは仕方のないことだと思った。 私の力が強くなればなるほど、博士と会える回数が減る。 組織も大切な研究員を危険に晒したくないという気持ちがあるのだろう。 だから、仕方のないことなのだ。 935 ID vr31m2nm0 どうやら、私の力は日に日に強くなっているらしい。 博士はいつものように接してくれるが、他の組織員の態度を見ていれば分かる。 だから、唯一私に近付いてくれる博士に尋ねてみた。 ―博士、私は、何故生きているのでしょうか。 呼吸すら必要のない試験管の中。 生きている実感の持てない環境で、私はそう尋ねた。 「君は、そんなことを考えていたのかい?」 博士の返答。 もちろん、違う。 こんな質問、ただ話しかけるための口実だ。 私が考えていたのは、そんなことではない。 訊くんだ、博士に。 “貴方は私が怖くないのですか”と。 しかし、それは叶わなかった。 博士は時間を確認し、私を一瞥して部屋を出て行った。 とうとう訊けなかった。 何故? それはきっと、答えを聞くのが怖いから。 最悪の答えが返ってきたとき、私はどうなるか分からない。 きっと、この質問は、胸の内にしまっておくべきなのだ。 きっと、ずっと。 937 ID vr31m2nm0 ある日を境に、博士が私の部屋に来なくなった。 理由は分からなかった。 十日、二十日待っても、博士は来ない。 私の管理の役から外されたのか。 その頃は、その程度のことしか考えなかった。 そして、その一ヵ月後。 私がいる部屋にある、博士が使っていた机が撤去されようとしていた。 最初は、意味が分からなかった。 だから、机を撤去しようとしていた男の思考を覗いてみた。 断片的な単語しか見えなかった。 おそらくその男も困惑していたのだろう。 しかし、見逃せない単語が一つだけあった。 それは『死人の机』 そして私は、ようやく悟った。 それと同時に、理性は崩壊し、憎悪と本能が己の体を征服する。 は か せ は 938 ID vr31m2nm0 気付くと私は、半壊の建造物の中にいた。 何があったかはよく覚えていない。 ただ。 私は無意識のうちに、この机を守っていたようだ。 博士が愛用していたこの机を。 机の中には、博士の業務記録のノートのようなものが入っていた。 パラパラとページをめくっていく。 それはまるで私の成長記録のようだった。 読んでいくうちに、涙があふれる。 小さな雫は大きな粒に変わり、目から流れ落ちる。 それでも私は読むのをやめなかった。 しばらく真っ白なページが続いた。 そして、最後のページ。 そこには、こう記されていた。 939 ID vr31m2nm0 『親愛なるミュウⅡへ このノートを見ているということは、もう私はこの世にいないだろう。 今日、組織内である会議が開かれた。 内容は「ミュウⅡをどうすべきか」というものだった。 君の力は強くなりすぎて、もはや組織の手に負えるものではなかった。 そのため、君をどう処理するかを検討していた。 そして検討の結果、私が君を処理することになった。 もちろん私は断固反対した。 しかしそのせいか組織は私を厄介者と認識したらしく、私は明日処刑されることになる。 短い人生だったが、覚悟は決めている。 だから君は、責任を感じるな。 私はそんなことを望んではいない。 最後にこれだけは言っておく。 復讐に生きるな。 復讐なんて醜いだけだ。いいことなんて何もない。 復讐するなとは言わない。だが、復讐を正の糧にするな。 気楽に生きろ。 君は君の人生を歩め。 以上。 ―――1993年3月2日』 終了 40秒規制と改行規制がこよなくウザい
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/101.html
◆TEF4Xfcvis氏が手がけた作品 NO. タイトル 登場人物 0012 魔術師と口先の魔術師 衛宮切嗣、前原圭一 0029 正しい選択は 古手梨花 0048 闘争と逃走と 衛宮切嗣、前原圭一、サー・クロコダイル 0059 吉良吉影は静かに過ごせない 吉良吉影、ウソップ、ミュウツー 0073 想いは簡単に届かない 真紅、橘あすか、ベナウィ、モンキー・D・ルフィ 0093 方針 御坂美琴、衛宮切嗣 0104 limitations 園崎魅音、ハクオロ、サー・クロコダイル、レッド、ライダー(征服王イスカンダル) 0119 図書館戦争 バラライカ、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一 0121 You can,t escape! ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、ミュウツー、園崎詩音、ラッド・ルッソ 登場させたキャラ 3回 衛宮切嗣、前原圭一 2回 サー・クロコダイル、ミュウツー 1回 古手梨花、吉良吉影、ウソップ、真紅、橘あすか、ベナウィ、モンキー・D・ルフィ、御坂美琴、園崎魅音、ハクオロ、レッド、ライダー(征服王イスカンダル)、バラライカ、アーチャー(ギルガメッシュ)、ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、園崎詩音、ラッド・ルッソ 作品に寄せられた感想 彼のSSは容赦が無い ウソップ大爆殺やからけ刺殺といったSSで、強者が弱者を順当に屠る様を存分に描写している これがバトルロワイアルというものだってな感じである 某魔術師殺しの出演率がやけに高い -- 名無しさん (2009-03-13 20 53 43) 初期から参加してくれている内の一人。 繋ぎも戦闘もこなせる頼れる万能型。 切嗣と圭一を書く事が多い。 -- 名無しさん (2009-06-02 00 46 35) 色々あった初期から○ロワを支えてくれた書き手さん。「闘争と逃走と」での切嗣VSクロコダイルは両者の特性が上手く噛み合ってて十分な読み応えがあるのでお薦めの一作。 -- 名無しさん (2009-07-05 14 14 59) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/401.html
殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ◆SqzC8ZECfY 三回目の放送が終わった。 つい先刻行われた戦闘で巻き起こった銃弾の嵐、そしてそれ以前に度重なる戦闘で傷つき荒れ果てた駅の構内で、四つの影が佇んでいる。 日が沈み、薄暗闇となった空間は沈黙に支配されていた。 四つの影は静寂を保っている。 その時、壁に開いた破壊の傷跡からひゅるりと風が入り込み、影たちを撫でた。 ひとつの隙間風を合図とするようにそれらはようやく動き、そして音を発する。 「まずは情報を整理しましょう」 黒い外套を纏う灰色がかったブロンドヘアーの少女、ナインの提案。 他の3人は待合室の長椅子に腰掛けて、または壁に寄りかかりながら彼女に視線を集める。 この四人はそれぞれの理由のために手を組むことを決めた。 その理由は生き延び、勝ち残るための利害の一致。 それがなければ彼らは即座に互いを喰らい合う。 信頼の感情など誰も抱いていないし、それゆえに戦力として見切られれば即刻切り捨てとなる。 情報も力のうちであると考えれば迂闊に手の内をさらけ出すわけもない。 だがそれでは当面の敵である団結した集団相手に不利をこうむる事にもなりかねないので、そのあたりは妥協する必要がある。 残りの三人が寡黙であるがゆえに自然と議事進行役に収まったナインは、まずは自分からカードを切った。 「まず生存者は24人……私たちを除けば20人。そのうち私の知り合いが二人いてどちらも生き延びているわ」 「名は?」 ザンバラの金髪に鍛え上げられた巨躯を持つ青年、リヴィオが問う。 声は穏やかだが言いようのない威圧感をまとった男だった。 心の底でかつての仲間を売るも同然の行為に罪悪の念を感じたが、ナインはそれを振り切って答えた。 「佐山・御言、新庄・運切。二人はお互いをパートナーとして信頼し合っている。そして両名ともに腕は立つし、それなりの修羅場を潜り抜けているわ。 とくに佐山は抜け目なく隙を突く戦い方を得意としているから注意すべきよ」 そして二人の外見を簡単に説明した。 新庄の「男であり女である」という特徴を説明するのに多少の骨は折れたが、そういう人種なのだと無理矢理に近い形で押し切った。 佐山に関してはリヴィオがしばらく前に遭遇したという。 確かに抜け目のない男だったということだ。大分前だったので今は何処にいるか判断できないとも。 相変わらずあの悪役は人をくったような戦い方が好きらしい。だが敵として相対するなら相当に厄介なことは間違いないだろう。 「リヴィオ。貴方の知り合いや、ここに来てから遭遇した人間の情報を教えて」 「……こいつらも平等に情報を吐き出してもらう。それが条件だ」 そういって残りの二人、メイド服の女と異形――ロベルタやミュウツーを顎で指す。 ナインは小さく息をつき、 「当然よ。そうでなきゃ何のために組んだのかわかりゃしないわ。 あんたらも提案を呑んだからにはそのへんを納得してると考えていいわよね?」 ミュウツー、無言で頷く。 ロベルタ、「はい」と短い返事。 ナインはまた溜息をついてリヴィオに情報の開示を促す。 「……ヴァッシュ・ザ・スタンピード。ニコラス・D・ウルフウッド。後者はそのパニッシャーの本来の使い手だと言えば腕のほどが分かるか? そしてヴァッシュという男は都市を一つ灰燼と化し、月に穴を開けた化け物だ」 パニッシャー。 それは人ひとりを殺すには有り余る凶悪な威力を持つ破壊兵器。 ロベルタの手元に収まった巨大な十字架を指しながらリヴィオは説明した。 だがナインは別のところで彼の言葉に眉をひそめる。 「……月に穴?」 「そうだ。五番目の月に大穴を開けた伝説。知らぬものなど惑星中で誰もいない」 「……戯言を。ここで蜂の巣になるのがお望みならそうして差し上げますが?」 ロベルタの重く冷たい声がリヴィオを刺した。 地球に五番目の月など存在しない。まして穴を開けたなど。 偽りの情報を語るなら組む価値はないということだ。 確かにそれを戯言と言い切るのは無理もないが、ナインにはそれとは別の心当たりがあった。 「待って。惑星といったわね。その惑星の名前を言って頂戴」 「……どういうことだ」 「いいから! そういえばギラーミンが最初に言ってたわ……異なる世界から私たちを集めたって。 まさか……さらなる異世界があったなんて……あんたの言ってることが嘘でなければその証明になるってことよ」 「……ノーマンズランド」 聞いたことがない。 ナインの知る11の世界(ギア)のどこにもそんな世界はなかった。 名前からしてアメリカだが、それにあてはまる4th-Gにそのような惑星があったなどとも。 「なるほどね……道理で予想外のことばかりなはずよ。私たちの知らないギア……今までの常識は完全に通じないってことだわ」 「……異なる世界というものがどういうものかはよく分かりません。しかし世界が違えど銃弾と刃で殺せるのであれば、それで充分としましょう」 「…………ええ、そうね。その割に馬鹿みたいな再生力を持ったトカゲのしっぽの親戚みたいな奴がいるけど」 「「……」」 女性陣二人が冷ややかな視線でリヴィオ、ミュウツーを見据えたが、二人は無視。 ちなみにミュウツー、ロベルタの知り合いは今回の放送で全員死亡が確認されたという。 「ともかく……ヴァッシュという男は化け物ということですが、ならばどうやって倒すおつもりですか」 「出来る限りぶつかるのは避けたほうがいいだろうな。やるとなれば大詰めに差し掛かってからだろう」 聞くところによるとそのヴァッシュとやらは、あまりに強大な自分の力を怖れているのか、他人を傷つけることは自衛以外ではほとんどないらしい。 その気になれば辺り一帯にたちまち死の嵐を振りまく怪物――リヴィオの説明にナインは内心で息を呑む。 それでも勝たなければならない。そのために自分たちはこうして手を組んでいる。 それからさらにここで遭遇した敵について言及する。 「最初のホールで女を殺されて狂ったのか……イカれた嗤い方をする金髪に白スーツの男だ。放って置けば他の奴らを殺して回ってくれるだろうが……」 「……ラッド・ルッソ」 「こっちに銃を向けるなら別に……殺さなくてもいい理由はないわ。見境なしに暴れまわってるみたいだしね……」 ラッドについては放置。 だがどうやら個人的な恨みを持つ者が複数いるようで、砲火を交えることになれば容赦は必要ないという結論になった。 続いて真紅、御坂美琴の情報。橘あすかは放送で死亡が確認された。 「電撃使い、バラの花びらのような攻撃を放つ人形……」 「遭遇位置はD-5。二時間以上は経過しているから現在どこにいるかは不明。そして劇場から西へ向かったのが一人」 『単独で行動するからには腕に自信があるのだろう。実際に戦ったが要注意といえる』 「髯をたくわえた巨漢ね。名前はわからない……」 ミュウツーからの情報。 鉄の二輪車――おそらくはバイクに乗って西に向かった男。 近づけばおのずと排気音で目立つことになるが、それで見つかっても一向に構わないという自信の表れといえる。 ◇ ◇ ◇ 四人が円を作り、その前にそれぞれのデイパックが置いてある。 四つのそれを一つずつ横にずらすと、各自の荷物が別の人間の手元へと渡った。 「――さて、生存者の情報に関しては以上。次は武器、その他の装備品についてよ」 全員の荷物を平等に確認するための処置だった。 それぞれの主力武器――ロベルタのパニッシャー、リヴィオのソードカトラス、ミュウツーの機殻剣ははじめから除いてある。 ナインはARMSのブレードがあるため、荷物の全てを隣のリヴィオに確認させていた。 さて、まずリヴィオの交渉条件はロベルタの持つパニッシャーだ。 だが現在の所持者である彼女にしてみれば、わざわざ自分の最大戦力といえる武器を手放すメリットがない。 リヴィオの方は一見、何の変哲もない拳銃しか持っていないので、トレードなど成立するはずもなかった。 その拳銃に込められた弾丸の真価をロベルタが知れば話は違っていたのだろうが、リヴィオはそれを話さない。 取って置きのカードは伏せておく。いつ、どこで、誰が裏切るか判断のつかぬ現状では当然といえる判断だった。 「この武器に匹敵する威力の戦利品をどこかで手に入れたらリヴィオに譲る。これが妥協点よ。 どうせこのまま共に行動するんだから、誰かを仕留めることになればその時はロベルタに優先的に武装を回すわ」 「よろしいでしょう。こちらとしても無駄に大きいよりもっと手軽な方が扱いやすい」 「お前が使いこなせていないだけだ……パニッシャーは最強にして最高の個人兵装だ」 「……ならばこの本来の使い手であるウルフウッドこそが最強で、貴方はそれに劣るということでしょうか?」 空気が重く軋んだ。 すぐさま殺気のぶつかり合いにまでエスカレートしかねない険悪な空気に、すかさずナインが割って入る。 「やめなさい。強さなんてどうでもいいわ。勝って生き残った者が結果として強いということよ。たとえ弱いものが騙し討ちで強者に勝ったとしてもね」 『待て、このまま共に行動するということは二手に分かれたりはしないということか?』 「ええ、そう。戦力の分散なんて愚の骨頂。最大戦力で微塵の躊躇もなく敵を叩き潰すのが効率的かつ生存率の高い選択よ」 「……確かにこのまま禁止エリアが増加していけば、こちらとしても探索の手間は省けます。利にかなっているかと」 ミュウツーは飛行能力を持っている。 遊撃隊として利用する手もあるが、ナインはそれをしない。 なぜならば――、 「裏切らぬように互いを監視できるほうが安心でしょう? 二人きりになれば片方がもう片方を裏切っても対等だけど、四人なら裏切り者を三人で返り討ちにできるもの。 普通、そんなリスクを犯す真似はしないわよね。私としてはあんたにしてほしいけどね……ナナリーを殺した片割れであるあんたに」 それはまぎれもない憎悪だった。 ナナリー・ランペルージが死んだ要因となった者は三人。 園崎詩音はロベルタが仕留めたと聞いている。 だからその憎悪が向く矛先はラッドともう一人、ミュウツーだ。 睨むナインのその瞳に黒い感情が渦巻いていた。 「……で、どう動く。病院の東は封じられているから南下してそこから西か」 興味はないといわんばかりにそっけなくリヴィオが行動を促す。 あと五時間後には北も封鎖されるので、南から一周してそこから学校か古城へ向かえば会場の約半分を潰していくことができる。 さらにミュウツーが遭遇した単独で西へ向かったバイク。 集団の一人だったが、なぜかそこから分かれての行動。 決裂した可能性もあるが、それより考えられるのは陽動――その逆方向には病院、そこが本当の目的だとすれば。 「手負いの集団が治療のためにそこで休息をとっている可能性がございます。おそらく支給品も多く所持しているでしょう。当面の目的と合致します」 リヴィオに続いてロベルタが自らの荷物をまとめ、立ち上がった。 逃がす暇を与えるなという無言の意思表示だ。 放送前までで休息は充分。食事もとった。あとは獲物を狩りに赴くのみ。 猟犬は感情のない刃の眼でナインの決断を待つ。 やがて今までで一番長い溜息をつき、彼女はミュウツーから視線を外してからこう言った。 「……そうね。いきましょうか」 「ええ」 人の気配が感じられぬ空虚なビル街に荒れ果てた駅がある。 ひゅるり、ひゅるりと時折吹くビル風がやたらと大きく耳に響く。 瓦礫が散乱、廃屋も同然となった駅の構内から、やがて四つの人影は飛び出した。 黄昏時の日に染まった赤黒いアスファルトを高速で駆け抜けるその姿は、死を撒き散らす不吉な影。 死神たちが今、夕闇を往く。 ◇ ◇ ◇ ――リヴィオ・ザ・ダブルファングは考える。 自分は確かにあの人には勝てる気がしない。 だがラズロなら、己のうちに潜むもうひとりの鬼ならば勝てるはずだ。 今から向かう先に劇場で出会った連中がいる可能性が高い。 つまり、再戦の機会は意外と早く訪れるかもしれない。 もしロベルタから譲られる前にその時が来たのなら――、 (……そうなれば殺して奪うだけだ。俺の役目は決着の舞台を作り上げること) ――ロベルタは考える。 この四人の中で一番不利なのは自分だ。 リヴィオとミュウツーの再生能力はもちろんのこと、このナインも左腕で弾丸すら弾く防御が可能。 そして致命傷を受けぬまでも戦闘不能のダメージを受ければ足手まといとして切り捨てられるのは想像に難くない。 戦力は上がった。だが今まで以上に慎重に構えなければならない。 ざわりと体中におぞましい悪寒が走り始める。 また禁断症状だ。このままこの三人に隙を見せるわけにはいかない。 錠剤を取り出し、走りながら口に含んだ。 がりりと音を立て、歯で砕いて喉に流し込む。 頭脳が凍るように冷え切っていく。 殺人のための機械へと変わっていく。 全ての不義に鉄槌を叩き込むための撃鉄へと変わっていく。 あとは殺意という弾丸を込めて発射するだけ。 (サンタマリアの名の下に……我が前に立つ全ての者に、暴なる銃弾と血の刃を、そして……死の嵐を) ――ナインは考える。 ここまではどうにか思惑通り。 だがこの先、南西へ向かった先の病院に美琴はいるだろうか。 可能性はある。最後に会った時、すでに負傷していたからだ。 それにあれから橘あすかが死んだということは、敵に襲われたというケースがもっとも考えられやすい。 どうにか生きてはいるのだろうが、それならば怪我の具合がひどくなって治療のために病院へ、ということも充分ありえる。 ……手心を加えるつもりなど毛頭ない。 真紅も生きているとすればこの戦力でも油断はできない。 (恨むなとは言わないわ。私が貴女に願うのはただ一つ――――死になさい御坂美琴) ――ミュウツーは考える。 レッドとサカキが死んだ。 彼らが死んだことは正直いってショックだった。 特にレッドのことは自分を唯一ボールに収めたポケモンマスターとして密かに認めていた。 喋ることができないこの身があの瞬間はありがたかった。 こいつらに下手に感づかれてもいいことはありそうにないからだ。 だが……このままギラーミンのいいなりでいいのだろうか。 イエロー、レッド、サカキ。 カツラほどではないが自分に関わりのあったポケモントレーナーだ。 彼らの命は失われ、そして本当かどうかも分からないカツラを盾にした脅迫に屈したままで、果たして正解なのかどうか。 こちらが要求したカツラ生存の証、声を聞かせるという話も第一放送から音沙汰ないままだ。 ノルマは果たした。自らが仕留めた数はそう多くはないが。 だが何の連絡もなしというのはどう考えてもおかしいのではないだろうか。 ミュウツーの心中にいやが応にも疑念が渦巻く。 『――D-6へ向かえ』 声が聞こえた。 思わずミュウツーは足を止めて周囲を見渡す。 誰もいない。 ミュウツーが突然止まったことをいぶかしむ三人の他には、誰も。 (誰だ……!?) 『……とりあえずノルマを果たした褒美をくれてやる。D-6の湖を探してみるがいい』 (待て! なぜマスターの声を聞かせなかった!? 答えろ!!) 『“3つの湖に隠された力を解き放て”……』 (答えろ! マスターは……生きているのか!? 声を聞かせてくれ!!) 『優勝のリミットはあと30時間だ……勝ち残れ……己の戦闘生命としての存在意義を証明してみせろ……』 (待ってくれ――――!!) 声の最後の部分が遠く、聞こえなくなっていく。 必死の思いで懇願の思念を飛ばしたその時だった。 「突然立ち止まってどうしたというのですか」 (――!!) ロベルタだ。 どこかで見たことのあるMTBから足を下ろし、引いてこちらに近づいてきた。 後ろのリヴィオとナインも訝しげにこちらを見ている。 (……今の声は?) 「声? 誰も何も聞いてはおりませんが」 (……気のせいか。すまない、行こう) 「……? ならば結構でございます」 (…………………………D-6、か) ミュウツーは誰にも悟られぬように、自分の心の中だけでそっと呟いた。 【D-4/一日目 路上を高速で南下中】 【ブレンヒルト・シルト@終わりのクロニクル】 [状態]:疲労(小)、左腕欠損(ARMSで代替)、ARMS復旧 [装備]:汗で湿った尊秋多学院制服(左袖欠損)、ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS(左腕に擬態)、全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero アリス・ザ・コードギアスの衣装@ナイトメア・オブ・ナナリー [道具]:支給品一式×2(食料一食、水1/5消費)、アンフェタミン@Fate/Zero [思考・状況] 基本行動方針:優勝狙い 1:殺し合いに優勝し、優勝者の褒美でナナリーを含む全ての参加者を『蘇らせる』 2:望みが同じ参加者とは協力する 3:リヴィオ、ロベルタ、ミュウツーと手を組む。具体的な方策を話し合う。 全員蘇生についても話す予定。 4:佐山と新庄には注意(特に佐山) 5:1st-G概念を行使できるアイテムを手に入れる 6:ミュウツー、ラッド、詩音を許すつもりはない 7:御坂美琴、真紅、橘あすかは見つけ次第殺す 8:ARMSが完全に回復するまでどこかで休憩する。 ※ARMSコアの位置は左胸です。 ※アリスの衣装はネモが変化した姿です。ネモの意識、特別な力はありません ※髪を切りました ※ARMSは電撃を学びました、以後電撃を浴びても操作不能にはなりません。 【リヴィオ・ザ・ダブルファング@トライガン・マキシマム】 [状態]全身治癒中、左腕再生中・かなり復元、背中のロボットアーム故障 [装備]M94FAカスタム・ソードカトラス×2@BLACK LAGOON、.45口径弾×14、.45口径エンジェルアーム弾頭弾×4@トライガン・マキシマム [道具]支給品一式×6、 スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(残弾20発)@BLACK LAGOON、 ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険、.45口径弾24発装填済みマガジン×3、45口径弾×24(未装填) 天候棒(クリマ・タクト)@ワンピース、ミリィのスタンガン(残弾7発)@トライガン・マキシマム、三代目鬼徹@ワンピース [思考・状況] 0:ラズロが戻るまで必ず生き抜く。 1:参加者の排除。ウルフウッドとヴァッシュに出会ったら決着を付ける? 2:ウルフウッドを強く意識。 3:身体が万全になるまで戦闘は避ける。 4:ロベルタからパニッシャーを手に入れる。いざとなれば殺して奪う。 4:ナイン、ロベルタ、ミュウツーと手を組む。具体的な方策を話し合う。 【備考】 ※原作10巻第3話「急転」終了後からの参戦です。 ※ラズロとの会話が出来ません。いつ戻ってくるか、もしくはこのまま消えたままかは不明です。 【ロベルタ@BLACK LAGOON】 [状態] メイド服を着用 薬物依存、疲労(小) 右腕に切り傷(応急処置済み) 、肋骨にヒビ、眼鏡なし 、MTBで移動中。 [装備] パ二ッシャー@トライガン・マキシマム(弾丸数20% ロケットランチャーの弾丸数2/2) コルト・ローマン(6/6)@トライガン・マキシマム 投擲剣・黒鍵×4@Fate/zero、レッドのMTB@ポケットモンスターSPECIAL [道具] 支給品一式×3(食料一食、水1/2消費)、コルト・ローマンの予備弾35 グロック26(弾、0/10発)@現実世界 謎の錠剤入りの瓶@BLACK LAGOON(残量 50%) パ二ッシャーの予備弾丸 2回分、ロケットランチャーの予備弾頭1個、キュプリオトの剣@Fate/Zero 、首輪(詩音) [思考・状況] 1:殺し合いに優勝する。 2:必ず生きて帰り、復讐を果たす。 3:ナイン、リヴィオ、ミュウツーと手を組む。具体的な方策を話し合う。心を許す気はない。 4:パニッシャーに変わる武器を手に入れたらリヴィオに譲ってもよい。 【備考】 ※原作6巻終了後より参加 ※康一の名前はまだ知りません。(よって康一が死んだことも未把握) 【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】 【状態】:疲労(小)、 【装備】:機殻剣『V-Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル 【所持品】:基本支給品一式、どこでもドア@ドラえもん 【思考・行動】 1:生き残り、サカキを救う。 2:隙を見て参加者に攻撃を加える 3:ナイン、リヴィオ、ロベルタと手を組む。具体的な方策を話し合う。 4:イエローを殺した相手を見つけたらたとえ後回しにしたほうが都合がよさそうでも容赦しない。 5:機会があればD-6を調べる。 6:もしギラーミンの言葉に嘘があったら……? ※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。 念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。 ※念による探知能力や、バリアボールを周りに張り浮遊する能力は使えません。 ※ギラーミンに課せられたノルマは以下のとおり 『24時間経過するまでに、参加者が32人以下でない場合、カツラを殺す。 48時間経過するまでに、ミュウツーが優勝できなかった場合も同様。』 ※カツラが本当にギラーミンに拉致されているかは分かりません。偽者の可能性もあります。 ※V-Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。 使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、 理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。 第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。 ※ギラーミンから連絡のないことへの疑問、もしカツラが捕まっていないという確証を得られたら? ※なぜギラーミンの約束したカツラからの言葉が無くなっていたのかは不明です。 ・共通情報 ※佐山、新庄、ヴァッシュ、ウルフウッド、ラッド、真紅、御坂美琴、ライダー(名前は不明)の情報を共有。簡単な外見も。 ※ロベルタはヴァッシュが黒髪だったため、会ったことに気付いていません。 ※参加者が異世界から集められたことをほぼ確信。 ※四人の支給品を確認。AA弾はリヴィオのみが知っている。地下鉄と用水路の情報はまだリヴィオとロベルタが秘匿中。 ※まずは病院へ、そこから西? 時系列順で読む Back 第三回放送 Next 世界-The World- 投下順で読む Back 第三回放送 Next 世界-The World- Back Next Alliance for MASTER ブレンヒルト・シルト 砂鉄の楼閣(前編) Alliance for MASTER リヴィオ・ザ・ダブルファング 砂鉄の楼閣(前編) Alliance for MASTER ロベルタ 砂鉄の楼閣(前編) Alliance for MASTER ミュウツー 砂鉄の楼閣(前編)
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/367.html
前へ ドーム控え室。 「待ってよ!出木杉!」 無言で立ち去る出木杉を心配し、追いかけるのび太。 「うるさい!来るな!」 出木杉が大きな声で怒鳴る。 いつも温厚な出木杉にしては珍しかった。 「さっさと出ていってくれ!目障りだ!」 立ち尽くしているのび太を他所に、続ける出木杉。 彼は今、凄まじいほどの屈辱に襲われていた。 『なんで僕が……野比君に……』 出木杉は現実世界で何においてものび太より上だった。 勉強も、スポーツも、何もかも。 だが、あろうことか全てが自分より下回っているのび太に負けたのだ。 『なんで……なんで……』 のび太が手を差し出そうとするが、出木杉はありったけの力で振り払った。 「いいから……さっさと出てけよ!」 出木杉が怒鳴るのはこれで3度目になる。 のび太はしぶしぶ部屋を出ていった。 ドーム観客席。 「あ、のび太さん」 遠くから走ってくるのび太を見て、しずかが言った。 「はぁ……はぁ……」 全速力で走ったのか、ゼエゼエと息をつくのび太。 「のび太、しずかちゃん。スネ夫の試合が始まるぜ」 ジャイアンが首で促した。 ドーム闘技場。 「話はのび太から聞いた。お前は僕がここで倒すさ」 試合開始前から挑発するスネ夫。 「口だけなら何とでも言えるわ……本当に私を倒せるのかしら?」 リンは何事も無いように言い返した。 「これから証明してあげるよ。そんな口がきけなくなるようにね……」 「じゃあ、楽しみにしてるわね」 両者言い終えると、それぞれの位置についた。 『対策は万全。勝つのは僕だ!』 『あの威勢……いつまで持つのか楽しみね』 それぞれの思いを抱えながら、ボールを構える二人。 そして、試合開始のホイッスルが吹かれた。 「それでは、準決勝第二試合、始め!」 両者からボールが放たれる。 スネ夫はテッカニン、リンはファイヤーだ。 「身代わり!」 ボールから出てくるやいなや、テッカニンが身代わりを作り出す。 「火炎放射」 テッカニンの身代わりが破壊される。 その後も同じような光景が繰り返されていた。 『そろそろだな』 「テッカニン!」 頭の中で計算を済ませたスネ夫が叫ぶ。 すると、テッカニンが輝き始めた。 「チイラの実の効力さ。そして……バトンタッチ!」 そう、スネ夫の目的はバトンタッチで補助効果を引き継がせる事だったのだ。 「戻れテッカニン……そしていけ、ナマズン!」 満を辞して登場したのはナマズン。 それも数回の加速とチイラの実により、素早さと攻撃力が数段アップしている。 『このナマズンで一気に押し切ってやるさ』 次の指示で、ナマズンのがんせきふうじがファイヤーをとらえた。 「出てきなさい、フリーザー」 煌びやかに光る両翼を羽ばたかせ、フリーザーが現れる。 「一撃で散ってもらう!がんせきふうじ!」 ナマズンが先手を取って攻撃する。 だが、がんせきふうじはフリーザーを捕えきれていなかった。 「くそ、外したか!」 がんせきふうじの命中率は80パーセント。 リンのフリーザーにとっては危惧すべき技なのだが、リンは全く動じていない。 『どういうことだ……』 スネ夫が怪しく思ってフリーザーを見ると、案の定キラキラと光る粉が見つかった。 『光の粉か……。だけど、次は外さないさ』 「フリーザー、心の目!」 フリーザーがナマズンに照準を合わせる。 『心の目から絶対零度か……ここで外せば、間違い無くやられる!』 少し戸惑うスネ夫。 だが、すぐに指示を出した。 「何をしたのか知らないけど……決めなさい!絶対零度!」 突如、猛吹雪が発生する。 「さあ、終わりよ」 吹雪はナマズンを完全に捕えていた―― 「フン……甘いんだよ」 猛吹雪で姿が隠れているスネ夫が、嘲笑うかのように言い放った。 「これは……まだ倒れてないのね」 ナマズンはまだピンピンしている。 その周囲は青い防御壁で囲われていた。 「まもる、だよ」 吹雪が止み、うっすらとスネ夫の姿が現れた。 スネ夫は絶対零度が放たれる直前に、ナマズンにまもるを指示。 そして、見事に攻撃を避けたというワケだ。 「トドメだ!がんせきふうじ!」 二発目は当たり、フリーザーを一撃の下に降した。 ドーム観客席。 「スネ夫、すげえ……こんなに強かったのか」 驚きの声をあげるジャイアン。 それにのび太が反論する。 「ジャイアンはスネ夫と戦っただろ?今更言うことじゃないんじゃない?」 対して、ジャイアンはいつになく真面目な顔で答えた。 「いや、俺と戦った時よりも強い……これは、勝てるかも知れないぜ!」 「そうね……このペースなら、勝てる可能性は十分にあるわ」 しずかもジャイアンに賛同する。 だが、のび太はイマイチそんな気がしなかった。 『確かに、スネ夫は強いけど……アイツはまだ切り札を隠してる、そんな感じがする』 言うなれば、真っ暗闇の奥に何かがある……そんな感じだ。 一抹の不安を抱えながら闘技場を見つめるのび太だった。 「さあ、次は何を出す?」 試合の流れが自分に向いているからか、余裕のスネ夫。 対して、リンは顔色一つ変えずにボールを放った。 「ミュウツー!」 繰り出されたのは破壊神、ミュウツー。 「あなたもすぐに葬ってあげるわ……あの御曹司のようにね」 ナマズンが地震を起こすも、ミュウツーの体力は残ってしまう。 「サイコキネシス!」 ミュウツーから強力な念波が放たれる。 だが、これも同様に体力を奪いきることは出来なかった。 「もう一度、地震だっ!」 スネ夫が二回目の地震を指示する。 『これで倒れてくれ……』 だが、スネ夫の願いも虚しくミュウツーの体力は残っていた。 そのままミュウツーがサイコキネシスを放ち、遂にナマズンが倒れてしまう。 「ふふ、あなたの手持ちにミュウツーを倒せるポケモンはいるのかしら?」 ナマズンを倒したことにより、勝ち誇ったような笑みを浮かべるリン。 ミュウツーは絶対に倒されない――彼女はそんな雰囲気を醸し出していた。 ――だがこの男、スネ夫は違った。 『いくら強いミュウツーでも、僕の前では無力さ』 「いけぇっ!」 スネ夫が次なるモンスターボールを放った。 繰り出されたのは、モンスターボールさながらのポケモン。 その周りでは電気がバチバチと音を立てていた。 「これは……マルマインね」 リンが苦い表情をする。 「ふふ……先手を取って倒させてもらうよ」 マルマインのスピードはミュウツーのそれを上回っている。 スネ夫は、ミュウツーに攻撃される前に倒してしまおうというのだ。 『急ピッチで育てた甲斐があったってもんだよ……』 二日前―― 『ミュウツーか……どうやって倒そう』 先程のダイゴとリンの試合で、ミュウツーの圧倒的な強さを見せられたスネ夫。 彼は今、ミュウツーの対策法を考えていたのである。 『今のポケモンじゃ、間違い無く勝てないな』 ミュウツーは凄まじい破壊力に加えて、素早さも高い。 覚える技も豊富なので、弱点を突かれて一撃死ということも十分に考えられる。 『仕方ない……アイツを使おう』 スネ夫が考え出した対策法は、至極単純なものだった。 『こっちが先手の一撃で倒せばいいんだ。それをやるにはアイツしかいない』 スネ夫は大急ぎでビリリダマを捕まえ、育て始めたのだった。 舞台は戻る。 『今のミュウツーなら、大爆発を使わなくても倒せるな』 「マルマイン、十万ボルト!」 強力な電撃がミュウツーの体力を奪った。 無言でミュウツーをボールに戻すリン。 その顔は屈辱で歪んでいる。 さすがの彼女も、ミュウツーが倒されたことには動揺を隠せないようだ。 「……サンダー!」 リンが次に選んだのはサンダーだ。 甲高い咆哮をあげ、スネ夫を威圧する。 『サンダーならマルマインにあまりダメージは与えられないハズ……どういうことだ?』 スネ夫は疑問を抱く。 だが、既に彼の腹は決まっていた。 「マルマイン、大爆発!」 マルマインの体に光が集まっていく―― そして、次の瞬間……それは一気に弾けた。 「やったか!」 目をこらし、爆発のあった所を見るスネ夫。 彼の目は期待に満ちていた。だが…… 「……残念ね」 不意に、リンの声が聞こえてくる。 スネ夫は更に目をこらし、勝敗の行方を確かめる。 「これは……しまった!」 スネ夫が見たのは元気に羽ばたいているサンダーと、力尽きて倒れているマルマインだった。 落胆するスネ夫を嘲るかのように、空中を旋回するサンダー。 「あなたが大爆発を指示する前に、見切りをさせたのよ」 見切り……守ると同じく、相手の攻撃を無効化できる技だ。 「……くそ!」 自らの判断ミスを恨むスネ夫。 何せ、冷静になっていれば簡単に予測できた事なのだ。 「ふふ、勝負を焦りすぎたわね……」 リンがほくそ笑む。 ドーム観客席。 「ああっ!スネ夫のバカ!」 顔を真っ赤にしながら地団駄を踏むジャイアン。 それに、すかさずしずかがフォローを入れる。 「でも、スネ夫さんの優勢は変わらないわ。あっちは3匹も消耗しているんですもの」 舞台は闘技場へ。 「いけ、ユレイドルッ!」 大爆発の不発によって落胆したスネ夫だったが、落ち着きを取り戻してボールを放つ。 「鋼の翼よ」 サンダーの翼がユレイドルを切り裂く。 「負けるなユレイドル!原始の力!」 今度はユレイドルが反撃する。 その後、もう一度同じ光景が繰り返され、サンダーが先に倒れた。 「やったぞ、ユレイドル!」 歓喜の叫びをあげるスネ夫。 リンは愚者を見るような目でサンダーを見つめていた。 「戻りなさい、サンダー……」 サンダーをボールに戻し、ため息をつくリン。 そのままボールを取り出し、放り投げた。 「レックウザ!」 レックウザ……これまた伝説のポケモンだ。 「ドラゴンクロー」 即座に指示が降され、レックウザの鋭い爪がユレイドルを襲う。 先程の蓄積ダメージもあり、ユレイドルは耐えることが出来なかった。 「こうなったら……フライゴン!」 ボールからフライゴンが出現し、すぐさまレックウザに一撃を与える。 「ドラゴンクローね……なら、こっちもよ!」 レックウザも反撃する。 食らったダメージはフライゴンの方が大きかった。 「フライゴン、もう一度!」 またもやフライゴンが攻撃し、レックウザの反撃が待ち受ける。 フライゴンが次の攻撃を受け切るのは不可能だった―― 『敵のレックウザはかなり消耗している……ならば!』 今なら一撃でレックウザを倒せると悟ったスネ夫。 無造作にボールを取り出し、それを放った。 「ジュカイン!」 繰り出されたのは幾度と無くスネ夫のピンチを救ってきた相棒、ジュカイン。 即座にレックウザに飛びつき、必殺のドラゴンクローを浴びせる。 「どんなもんだい!」 思わずガッツポーズを決めるスネ夫。 だが、レックウザをボールに戻すリンの顔からは余裕さえ感じられた。 『奴の手持ちは残り1匹……こっちは体力全快のジュカインと、残り体力が僅かなテッカニンだ』 数では勝っているが、テッカニンは相手に一発当てるのが限度。 ジュカインでなるべく相手の体力を減らさねばならない。 「……もう、終わりね」 冷たい表情で最後のボールを取り出すリン。 その雰囲気から見るに、自分が負けるとは思っていないようだ。 「出てきなさい……」 リンがふんわりとそのボールを投げる。 「こ、これは……!」 繰り出されたポケモンを目の当たりにして、絶句するスネ夫。 現れたのは、赤と緑で彩られたなんとも奇妙な生き物だった。 その肩と思われる部分からは触手のようなモノが伸びていて、その異形をより引き立てている―― ――そんな異様な姿を露にしたそのポケモンの名は、デオキシスという。 「デオキシス……だって?」 口をポカンと開けたまま、立ち尽くすスネ夫。 その存在は知っていたが、まさか使うトレーナーがいたとは……。 「まさか、あなた如きに切り札を出す事になるとはね」 驚くスネ夫を他所に、嫌らしい笑みを浮かべるリン。 「冷凍ビーム」 「させない、見切りだ!」 デオキシスから氷の光線が放たれるも、ジュカインはそれを避ける。 だがこの時、スネ夫は悟っていた。 『ジュカインじゃデオキシスには勝てない……』 例え一撃目を避けたとしても、次なる攻撃が待ち構えている。 「冷凍ビーム」 スネ夫は見切りを指示したが、やはり失敗。 ジュカインはまともに冷凍ビームを受け、倒れた。 「お疲れ、ジュカイン」 ジュカインをボールに戻すスネ夫。 『後は……残り体力僅かのテッカニンだけか』 だが、スネ夫は安堵した。 『テッカニンのスピードは、デオキシスよりも上!この勝負、勝った!』 デオキシスの耐久力ならば、先制の一撃で倒せるだろう。 スネ夫は余裕の表情で最後のボールを放った。 「いけ、テッカニン!」 ブンブンと羽を羽ばたかせ、テッカニンが姿を現す。 依然無表情のままのリンを見て、スネ夫が口を開いた。 「僕の……勝ちだよ」 だが、リンは全く動じていない。 どこかスネ夫を哀れむような、そんな雰囲気を醸し出していた。 「何言ってるの?あなた」 挑発気味に言い放つリン。 それを聞いたスネ夫は、余裕をかまして言った。 「デオキシスなら、テッカニンは確実に先手を取れる。そして、デオキシスの防御力は極端に低い。これがどういうことかわかる?」 リンは鬱陶しそうにスネ夫の方を見ている。 その態度が気に食わなかったのか、スネ夫はテッカニンに指示を出した。 「それは……お前が負けるってことなんだよ!テッカニン、シャドーボール!」 テッカニンが漆黒の玉を作り出す。 そして、それをデオキシス向かって放ち―― 「どうしたんだ!テッカニン!」 テッカニンは黒い玉を作り出したまま、動かない。 先程ののび太と出木杉の試合を観戦していたスネ夫は、ようやくこの事態を悟った。 「テッカニンの方が遅いということは、まさか……先制技かっ!」 そう、スネ夫はデオキシスが覚える唯一の先制技の存在を失念していたのだ。 そして―― 「残念だったわね。先に動くのはデオキシスよ」 首を振って目の前の光景を否定するスネ夫を嘲笑うかのように、リンが囁いた。 「しんそくっ!」 リンの命令と共に、デオキシスが姿を消す。 「あ、あ、あ……」 依然首を横に振ったまま、狼狽するスネ夫。 焦点の定まっていないその目で、必死にデオキシスの行く手を探る。 そして―― 「デオキシス!」 リンの声が響き渡る。 その瞬間、デオキシスの姿で太陽が隠れた。 「テ、テッカニン!」 テッカニンの姿が、デオキシスの暗い影に覆われる。 だが、それと同時に闘技場全体――いや、観客席までもが暗くなっていた。 刹那、轟音を伴って雷鳴が轟く。 それは丁度デオキシスとテッカニンの居る位置を捕え、その周囲を照らす。 「決めなさい!」 眩い光を伴いながら、テッカニン向かってフルパワーで突進するデオキシス。 次の瞬間には衝撃音が聞こえ、テッカニンは鈍い音を立てて倒れた。 「勝者、リン選手!」 審判の声を聞くと、リンは満足げな表情で闘技場を出る。 「そ、そんな……」 テッカニンをボールに戻さず、天を仰ぐスネ夫。 その時、彼の顔に一滴の雫が落ちた。 「ああ……」 土砂降りの雨に打たれながら、ただただ立ち尽くすスネ夫だった。 「というワケで、決勝戦は明後日となります」 司会の声が会場に響く。 そして、それを神妙な顔で聞いていた少年が一人。 「明後日、か……」 その顔はいつものふぬけた顔ではなく、強い決意が表れている顔だった。 雨に打たれ、真剣な眼差しで司会を見つめている。 「そして、決勝戦に進めるのはこの二名です!」 観客席の上の方にあるボードに、決勝戦に出場する選手の名前が映される。 野比のび太 ― リン・サブラス それを見ると、少年は少し安堵したような表情を見せる。 すると少年は闘技場に背を向け、観客席と下の階を繋ぐ廊下を進む。 聞こえるのは、切なく響くトン、トンという足音だけだ。 少年は廊下を渡り終え、階段を下りていく。 明かりが全くついていない、暗い階段。 そして最後の一段を踏みしめた時、一階の明かりによって少年の顔が照らし出される。 その少年――野比のび太は真っ直ぐ扉を見据え、会場を後にした。 トクサネシティの宿。 のび太がここに戻って数時間、まだ雨は降り続いていた。 何のためらいも無く寝転ぶのび太だったが、彼には一つ気がかりな事があった。 『ドラえもん……』 そう、リンに奪われたであろうドラえもんの事だ。 ダイゴの日記にそう記してあったから、おそらく間違いはないだろう。 『そうだ!』 拳で手のひらを叩くのび太。 どうやら何かを閃いたらしい。 のび太は急いでレインコートを羽織り、宿を出てペリッパーに乗る。 その行き先は――サイユウシティ。 「はぁ……はぁ……」 ペリッパーから降りるやいなや、ドームへ向かって走り出すのび太。 そのままドームの扉を開け、中に入った。 「よし、行こう」 ゼエゼエと荒い息をつきながらも、のび太は走る。 彼が足を止めたのは、闘技場だった。 「やっぱり……」 のび太は数日前の事を思い出していた。 ここ、闘技場でリンに会った日の事だ。 そして、今も数日前と同じ――闘技場にリンが立っていたのだ。 「あら、あなたなの」 リンは、以前と同じ冷たい表情でのび太を見つめた。 のび太はゆっくりと口を開いた。 「ドラえもんをどうした」 その声は小さいものだったが、妙な威圧感が混じっていた。 リンは依然表情を変えない。 「ああ、あのロボットのことね」 まるで「忘れていた」とでも言いたげな感じだ。 「あのロボットは、御曹司さんが見つけたものを私が貰ったのよ」 「それは知ってる。そこからを知りたいんだ」 今の事は、ダイゴの日記に記してあった事と同じ。 のび太はその先を知りたいのだ。 「大丈夫よ。壊しはしてないわ」 「じゃあ、どうしたんだ」 間髪入れず、鋭く問うのび太。 「ただ……ポケットの道具を取っただけよ。ついでにそのポケットもね」 その言葉を聞くと、のび太は安堵した。 ドラえもんはまだ生きている、ということがわかったからだ。 「わかった。だけど、これで終わりじゃない」 のび太が、今度はハッキリと聞こえる声で言った。 「何?まだ何か用なの?」 鬱陶しそうに聞くリン。 それをのび太は厳しい表情で見据え、口を開いた。 「ドラえもんを……返せ!」 のび太の声が響き、リンが静まる。 だが、それも束の間だった。 「……アハハ!そんなにあのロボットを返してほしいの……」 「ああ、そうだ」 のび太が言い終えると、リンは意地の悪そうな笑みを浮かべた。 「ダメよ」 一瞬、その場が静まり返った。 そして、数秒が経つとのび太が沈黙を破った。 「何で!何でだ!」 「だって、面白くないもの。その代わり……私に勝ったら返してあげるわ」 のび太は悟った。 もう、バトルで勝つしかない。 それ以外にドラえもんを取り返す手段は皆無なのだ。 しかも、のび太が負けたらリンの望みが叶ってしまう。 世界が滅ぶなんて事になったら、最早ドラえもんどころの騒ぎじゃない。 「ああ、受けて立ってやる」 そう言うと、のび太はボールからペリッパーを出した。 「勝負は明後日……その時にケリをつけてやる!」 ペリッパーに乗り、雨に打たれながら飛び立つのび太。 彼は闘技場の方を振り向かずに、サイユウシティを後にした。 次へ
https://w.atwiki.jp/kaitakun/pages/17.html
エスパーのみ アグノム / アンノーン / エーフィ / エムリット / オーベム / クレセリア / ゴチルゼル / スリーパー / ソーナンス / チリーン / デオキシス / ニャオニクス / フーディン/メガフーディン / ブーピッグ / ミュウ / ミュウツー/メガミュウツーY / ムシャーナ / ユクシー / ランクルス ノーマル キリンリキ / メロエッタ(ボイス) ほのお ビクティニ / ヒヒダルマ(ダルマモード) / マフォクシー みず スターミー / ヤドキング / ヤドラン くさ セレビィ / ナッシー こおり ルージュラ かくとう エルレイド / チャーレム/メガチャーレム / メガミュウツーX じめん ネンドール ひこう ココロモリ / シンボラー / ネイティオ / ルギア いわ ソルロック / ルナトーン ドラゴン ラティアス / ラティオス あく カラマネロ はがね ジラーチ / ドータクン / メタグロス フェアリー サーナイト/メガサーナイト / バリヤード