約 891,149 件
https://w.atwiki.jp/pokemon-frlg/pages/16.html
伝説の簡単ゲット法 初代3鳥のサンダー、ファイヤー、フリーザーを簡単に捕獲する方法です。 マスターボールなら確実ですが、それだとすぐ終わっちゃうので普通に解説していきます。 伝説ポケモンとは 各地方の伝説に伝わるポケモンで、ほとんどの作品ではストーリーに関与してきます。 しかしFRLGでは、ストーリー攻略の途中で通過するスポットに置かれてるだけですw 伝説ポケモンは基本的に捕獲率が低く、HPを1まで減らして ねむりにしても、ボールが1回も揺れずに出てくるほどです。 カントー伝説のタイプと捕獲率は以下の通りです。 ポケモン タイプ 捕獲率 サンダー でんき/ひこう 3% ファイヤー ほのお/ひこう 3% フリーザー こおり/ひこう 3% ミュウツー エスパー 6% ミュウツーは捕獲しづらいイメージですが、捕獲率は3鳥の2倍です。 大体はボール乱発してれば行けるので、予備を多めに用意することをおすすめします。 サンダー さて、ようやく捕獲法についてですw サンダーはでんきタイプなので、じめんタイプでみねうち持ちのガラガラを用意しましょう。 別にガラガラの地面技が目的なわけではありません。じめんタイプは電気技を無効化するので、こちらが大幅有利になります。 とりあえずみねうちを打ちまくってHPを1まで減らし、ハイパーボールを投げまくりましょう。 私は10個ぐらいで捕まえられました。ちなみにリセット前のデータでは、グリーンのピジョットのためだけにマスターボール使って捕まえましたw フリーザー まずサンダーを捕まえておいた方がいいです。サンダーのレベルは50のままが望ましいです。 タマムシの景品交換所で手に入れた10まんボルトを覚えさせましょう。 そしてフリーザーに遭遇したとたんに放ちましょう。急所に当たったりして倒れたらレポ リセでやりなおしてください。 そのあとガラガラのみねうちでHPを1にしてください。 氷技はじめんタイプに効果抜群なので、難しいかもしれません。 そしてHPを減らしたら、モンスターボールを投げまくりましょう。 私は20個ぐらいで捕まえられました。モンボで伝説捕まえたのはRSEのレジスチル以来でしたw ファイヤー まずフリーザーを捕まえておいた方がいいです。フリーザーのレベルは50のままが望ましいです。 ファイヤーはほのお/ひこうなので、氷技は等倍になります。 効率が悪そうに見えますが、初期で覚えているれいとうビームがタイプ一致で強化されるので、効果抜群より少し下の微妙なラインで減らすことができます。 そしてガラガラのみねうちでHPを1にしましょう。ほのおのうずを使われると厄介です。 HPを減らしたら、スーパーボールを投げまくりましょう。 私は15個ぐらいで捕まえられました。ちょうどスパボの在庫が15だったので、ちょうどよかったですねw ミュウツー 私はマスボで捕まえたので、普通のボールで捕まえる方法を解説できる自信はあまりないです。 とりあえず自分の知っている限りのことを解説していきます。 まず威力高めの技で攻撃していきましょう。HPは半分より少し上にとどめておいた方がいいかもしれません。 そのあとなんらかの技でねむり状態にします。これでミュウツーがじこさいせいを使えなくなったうえに、捕獲率も上がるので一石二鳥です。 そのあとは威力の低い技で慎重にHPを減らします。途中でミュウツーが目覚めたら絶望します。 目覚められても根気よくねむり状態にしていきましょう。 そして減らせる限りHPを減らしたら、ハイパーボールを投げまくりましょう。 私はマスボで捕まえました。1匹いるだけで強化四天王を無双できるので本当に強いですw まぁ強化ワタル戦で儚く散りましたけどねw
https://w.atwiki.jp/pararowa/pages/297.html
少女よ立ち向かえ―進撃の狂戦士 ◆Z9iNYeY9a2 私は何も知らなかった。 ただ、与えられた日常を普通に生きて、それが当然のことのように過ごしてきた。 それが誰のおかげなのかも考えずに。 きっとお父さんやお母さんはそれでいいって言うんだと思う。 知らなくてもいいことまで知る必要はない、とか。そんなことを言ってくれそうな気がする。 それと向かい合わなきゃいけなくなったのはクロが現れてから。 私が本来背負うはずだった重大な役割と、それを代わりに背負った存在が現れて。 それでもまだ私は実感していなかった。その使命がどんなものだったのか。 そして私は、この殺し合いの中でその本来の役割を背負った私を知っているお兄ちゃんに出会って。 お兄ちゃんはそのイリヤじゃない”私”を守って死んでいった。 正直、この時の私はまだそんなことをそこまで意識はしていなかったかもしれないけど。 私は一つの真実から目を背けずに戦い続けなければならない時が迫っているのかもしれない。 お兄ちゃんに、衛宮士郎に守られた者として。 ◇ 広い庭を包む静寂の中。 昇った日も既に下りに入り影も長くなりつつある。 そんな空間に、一つの桃色の光が奔った。 直進する桃色の魔力の塊は庭に生えた木々の中になる一枚の葉を撃ちぬく。 そのまま焼け焦げ灰になった葉が地面に舞い落ちるまでに数秒の間。 そこでその葉がついていた枝が風切り音と共に鋭く切断。 そして地面に落ちる直前。 弾けるような音と共に、その枝に向かって放たれた複数の光弾に弾き飛ばされてバラバラに弾けて地面に落ちた。 『ふむ、魔力行使による体への影響も軽微、身体機能にも問題は見られません。 ダメージはほぼ完治したとも言っていいでしょう』 そんな、光の着弾した地点から10メートルほどの場所でステッキを構えているイリヤ。 ピンク色の衣装を纏い純白の髪飾りを携えたその姿は戦いに赴く際のそれそのものだ。 しかし今は敵と戦うためにその場にいるわけではない。 体の痛みもほぼ完治し、もしもの時が起こった際のために身体機能のチェックをルビーが行うためのもの。 だがイリヤの身体機能にはほぼ問題なく、現状であれば戦いに赴くことがあっても大きな問題は発生しないだろう。 少なくとも肉体的には。 「こうなるのが後2時間早かったら…」 『それ以上はいけません。その後悔には意味がありません』 怪我こそ治っている。しかし精神面にはまだ気負うところがないわけではない様子。 少なくとも先のチェック中には咄嗟の判断、機転に問題を残すようなものではなかった。 しかし実際の戦いになったらどうなるか、それがルビーにとって僅かに残った不安だった。 「ねえ、せっかくだし新技の開発とかしない?もしあの時戦ったゼロとかバーサーカーみたいなのと戦う時のためにさ」 『まあ確かに彼らに対する対抗打も必要ですが、今のイリヤさんがそれをするのは正直あまりオススメできません』 「…何でよ」 『戦うこと、倒すことではなく生き残ることを考えましょうイリヤさん。今のイリヤさんにはそうまでして戦わなければならない理由はないんです。 その時がもしくるようであれば私も考えますが、今のイリヤさんのように敵を倒すことに思考を囚われるのであれば協力しかねます』 「………」 『士郎さんがどうしてイリヤさんを守りぬいたのか、それを忘れないで下さい』 イリヤ自身も無意識でありながらもその通りである事実を指摘され口を噤む。 「でも、巧さんも美遊達もみんな出てるのに、私ばっかりこんなところで休んでていいのかな…?」 『あの時はイリヤさんは怪我人でしたし、それに万が一ここを誰かが攻めこんできた時ここを守れるのはイリヤさんだけですよ』 「………」 諦めて転身を解くイリヤ。 ルビーの言うことは事実であるし、皆が戻ってくるまでこの場を守るのも自分の役割だろう。 (『同じことはきっと美遊さんの連れてきた少女にも言えそうですけど、彼女の場合さらに複雑な事情があるらしいですしねぇ』) と、ルビーが向いた先にある屋敷の一室。 乾巧ともう一人の少女が出立する前に目を覚ました一人の少女が寝かされている部屋。 ◇ 「さて、落ち着きましたか、まどかさん?」 「Lさん……、草加さんは…?」 「今ここにはいません。もしかすると例の約束で病院にいるかもしれませんが、そちらには美遊さん達が向かっています」 ベッドの上に体を横たえているまどかと、そのベッドの傍に椅子を置き体操座りをしているL。 現状安静にしなければならない状態の続くまどかは下手に体を動かすこともできず。 しかし目を覚ましたのであれば聞いておかねばならないこともある。 「さて、今体調的にお辛いと思いますがお聞きさせてもらいたいことがあります。 さやかさん達の知っておられる魔女なる者の存在についてです」 「美遊ちゃん、話しちゃったんですか?」 「ええ、全て。しかし安心してください、これを聞いたのは私だけです。さやかさんはあくまでも織莉子という人物にまどかさんの命が狙われた、ということしか話していません」 その事実に心中胸を撫で下ろすまどか。 Lはそんなまどかの様子を見ながらも話を続ける。 「魔女、一応美遊さんから話は伺っていますが、もう一度教えてもらってもよろしいでしょうか? それも可能な限り詳細に」 「えっと…」 そうしてまどかは自分の話せる限りのことはLに話した。 が、案外真新しいといえるほどのことはなかった。 まどかの話したことは美遊や草加と同じことだった。 しかし美遊は記憶力が優れており、まどかの言ったことはほぼLに伝わっていたのだ。 問題というほどではないが、ただ若干の期待外れなところを感じる部分もあった。 まあそれはまどかの責任でもない。言ったところでどうにもならないだろう。 なら、その先の話を聞くべきか。 「なるほど、それが全てですか」 「はい…、私、魔法少女にもなれてないから魔女のこととか全然分からなくて…。 ごめんなさい…」 「まどかさんが謝る必要はありませんよ。 ところで、ではその魔法少女や魔女のことをもっと詳しく知っていそうな方に心当たりはありますか?」 「えっと、マミさんは魔法少女になってかなり経ってるらしいけど魔女のことは知らなかったらしいですし…。 ほむらちゃん、暁美ほむらって子なら何か知ってるんじゃないかって」 「なるほど」 (あとは、美国織莉子か―――) 暁美ほむらか美国織莉子。 この二人の魔法少女が魔女について他の鹿目まどかの知り合い以上の知識を有していると考えてもいいだろう。 今は手元にある情報から少しずつ推察していくしかない。 「ありがとうございました、まどかさん。 傷も痛むでしょうし、しばらく休んでいてください」 「………いいんですか?」 「?」 Lが退出しようとしたところで、その背にまどかから小さな声で疑問が投げかけられた。 「美遊ちゃんもさやかちゃんも、みんな頑張ってて、特にさやかちゃんなんて今も危ないのに、私はこんなところで…。 それに、美遊ちゃんから聞いてるんですよね?織莉子って魔法少女がどうして私の命を狙ったのかって……」 「はい、聞きましたね」 「なのに私は、こんなところで何もせずに待っているだけで…。 Lさんは、こんな皆に守られるしかできない私が、それで皆に迷惑をかけることになる私が、いてもいいんですか?」 「質問の意図がよく……、いえ、なるほど。そういうことですか」 鹿目まどかは現状の自分が何かを成すことができないこと、それどころか生き延びれば織莉子に言われたこと―世界に害を成す者であることを気にしている。 自身の本来そうありたいという姿と、実際に存在する自分のもたらすだろう姿の違いを受け入れられず、なおかつ現状の自分が理想と違い何もできていない現実に板挟みになっている。 だが、理由が分かったとしてもそれを解決できるかは別問題だ。 今のLには考えねばならないこともある。 かといってこのまま放置もできない。 どうしたものか、と思ったその時だった。 部屋の扉がコンコン、と鳴り開いたのは。 「私よ、まどかちゃんは大丈夫かしら?」 「だいぶ安定しています。あとは心の問題ですが」 「そう。少しお茶を入れたのだけど、まどかちゃんには大丈夫かしら?」 と、扉を開いて盆に乗った茶器を運んできたのはシロナ。 まどかには初対面だが、不安がらせないように優しい笑みを浮かべて安心させる。 「では、私は退室した方がいいですか」 「そうね、女の子同士の会話に割り込むのはさすがに野暮よね。 これ、あなたのぶんよ」 そう言って、Lに茶器を渡すシロナ。 「ありがとうございます。では」 受け取ったLは、シロナと入れ違いに部屋から出て行く。 そのすれ違い様に、小さな声で、 (まどかさんのことはお願いします) そう短く告げて。 残ったのはベッドの上に横たわったままのまどか、そしてそのベッドの縁に静かに座り込んだシロナのみ。 寝転んだまどかでも飲めるよう、タンプラー型でストローの刺さった容器をその手に渡しながら話しかける。 「鹿目まどかちゃんね、私はシロナ。あなたのことはさやかちゃんから色々聞いてるわ」 「さやかちゃんから…。何か言ってましたか?」 「大事な友達だって、ね。そう言っていたわ」 「そう、ですか……」 さやかからどういう評価を受けていたのかを聞くまどかはとても不安そうにしていた。シロナの回答で安心したようではあるが。 友達が言うことなのだ、普通なら悪く言うはずはないのだが。 「もしかして、さやかちゃんと最後に会った時に喧嘩でもしてたの?」 「……………、はい…。 さやかちゃん、自分が人間じゃなくなったことと上条くん…さやかちゃんが好きだった子と友達が付き合うかもしれないってことに挟まれちゃって。 なのに私、あの時さやかちゃんに何もできなかったから…」 まどかにとってのさやかへの引け目、その大きな一つがそんな喧嘩したまま別れたことが彼女との最後のやりとりになってしまったこと。 あの時のさやかの拒絶の表情と言葉は未だに脳裏から離れてはいない。 自分が怪我をしていたこともあり、もしかしたら自分の前ではそれまでのことを表に出さずにいてくれただけだったのかもしれないと。 そしてもし自分のいないところで別のことを言われていたら、とても耐えられなかったから。 「それなら大丈夫よ。 さやかちゃんはそのことを本当に気にしてないのかそれとも知らないのかは分からないけど、そんなこと全然言ってなかったわ。 まあ、ちょっと色々あってさやかちゃん自身迷ったりはしていたけど、それは彼女の問題。まどかちゃんのせいじゃなかったし」 シロナの脳裏に浮かぶ、ガブリアスに致命的な傷を負わせたことを謝罪するさやかの姿。 あの時の彼女はゲーチスにつけ込まれるほどに迷いを、精神的な弱さを露呈させていたのだと思う。 きっと、同じ魔法少女である佐倉杏子を殺したこと、そして巴マミに撃たれたこと。それが大きな原因だろう。 しかしさやかは今、その巴マミに会うために出立したのだ。その弱さと罪に向き合うために。 それに鹿目まどかという少女が原因となる要素はない。 「ただ、それでもそんなさやかちゃんをちゃんと支えてあげる友達っていうのはとても必要なものじゃないかしら?まどかちゃん」 「私に、さやかちゃんを支えることなんて…。私なんて何の力もない中学生だし、さやかちゃんみたいな魔法少女の力なんて…」 「ううん、そういうことじゃないのよ。支えてあげるってことは。 友達っていうのはね、隣にいてくれるだけで安心できる、嬉しい気持ちにしてくれるようなものなのよ。一緒に戦えるかなんてその一つの要素にすぎないわ。 まどかちゃんだって、目が覚めた時隣にいてくれただけで嬉しかったでしょ?」 まどかの怪我をどうにか治療できないかと四苦八苦している間、部屋の外でずっと待っていたのはさやかだった。 そしてまどかが目を覚ましたと聞いて真っ先にこの部屋に飛んできたのも彼女だ。 それだけでも、さやかにとって鹿目まどかという友人がどれほど大切なものなのか伺える。 そしてそれはまどかにも言えることだ。 「だから、ね。そんなふうに自分がいない方がいいとか、自分じゃ何もできないとか、そんなこと考えなくてもいいのよ。 さやかちゃんはあなたのこと、大切に思ってるんだから」 「それじゃあ、もし私が皆にとんでもない迷惑をかけるかもしれないことになる可能性があったら? 例えば、私が死んだら世界が滅びちゃうとか、そういうものだったりしたら?」 まどかの心中にある闇。 その大きな部分を占めているもの、自身の魔女化による世界への影響。 美遊にも言ったことだ。 もしそうであるならば自分の生は肯定されないのではないか?と。 まどかは自分なりに質問の理由をぼかすようにシロナにその問いかけをしていた。 そんな思いが残っている限り、まどかに生きようと思う意志など生まれるはずがないのだから。 「いつかきっと、みんなに迷惑じゃすまないようなことするかもしれない…、そんな子だったとしてもシロナさんは一緒にいたいって、本当にそう思いますか?」 「じゃあ逆に聞かせて欲しいんだけど、どうしてあなたは一緒にいちゃいけないって、そう思うの?」 「だって……」 少し言い淀み、まどかはシロナに返された質問に答える。 「うまく言えないですけど、なんかこう、嫌じゃないんですか?そういう人が一緒にいたら、皆に迷惑、どころじゃすまないことしちゃいそうですし…。 皆に嫌われるくらいなら、いないほうが……」 「まどかちゃん」 口を走らせるまどかを一旦止めさせるシロナ。 「とりあえず一回落ち着きましょう。そのお茶、飲んでみて」 シロナに促され、まどかはずっと手に持っていた容器のストローに寝転んだまま口をつける。 冷えたお茶が口の中を潤し、香ばしい紅茶の香りが広がる。 自覚していなかったが体は水分を求めていたようで、砂糖も入っていないはずなのにその味はとても甘美なものに感じられた。 「…おいしい」 「落ち着いた?」 「はい、少しは…」 「それじゃあさっきの話の続きだけど。 例えばの話ね。まどかちゃんとさやかちゃんの立場が逆だったと想像してみて。 魔法少女として戦っているのがあなたで、戦えないさやかちゃんを守る立場にいるって」 「…えっと」 憧れていた魔法少女として戦うのが自分で。 そしてさやかが魔法少女にならず一般人として戦いを見守っていたという想像。 いつもさやかに引っ張られてばかりのまどかには少し難しいものだったが、どうにか脳裏に浮かび上がらせる。 「それで、戦うあなたを見ていたさやかちゃんがもしも、今のあなたが言ったようなことを言ったとするの」 何もできない自分の無力を呪い、しかし魔法少女になってしまえば魔女を生んでしまい世界を終わらせてしまう。 そんな状況に陥ったのがさやかだったら。 きっと、彼女であっても絶望するだろう。 「ねえ、そんな時まどかちゃんはさやかちゃんを捨てられる?」 そんなさやかを、自分は見捨てられるかと。 「そんなわけ、ないじゃないですか」 まどかはその返答をすることに微塵も迷いはしなかった。 一人危険な戦いに身を投じる彼女にもずっと付き添ってきた。 最後にさやかに拒絶の言葉を投げられた後もずっと気にかけてきた。 魔女となった後でさえも、僅かな奇跡に希望を託してかつてさやかであった魔女の前に立ってきたのだ。 「そうなっても、私はさやかちゃんを見捨てたりなんてしません。 もしみんながさやかちゃんの敵になっても、私は絶対にさやかちゃんを守ります」 「それは、さやかちゃんも同じこと考えるんじゃないかしら?」 「……あ………」 「そんな状態でもしさやかちゃんが勝手に死んだりなんてしたら、あなたは当然悲しむでしょ? それはきっと、さやかちゃんも一緒のはずよ?」 シロナは話しながら考えていた。 この子は心優しい少女だ。他者を思いやる心はとても強い。 一方で、その優しさが自分に対して向いている比率がとても低いのだ。 そして詳細は分からないが、本人の意志とは無関係な何か重いものを抱えている。 罪を背負ってしまった事実に苦しんださやかとは別の危うさ。 それがこの少女にあるのだと。 「それでも、…私は―――」 「はい、この話はそれで終わり。今のまどかちゃんはとにかく休んで体力を回復させることを気にしていればいいの。 さやかちゃんだって、その方が安心できるんだから」 まどかの肩をポンポンと叩いて励ましつつ、傷の様子を確かめる。 現状止血はうまくいっているが、下手に衝撃を与えたりなどしたらまた開く危険がある。 「体、怠かったりとかしない?」 「…ちょっと動かしにくいような気は……」 「そう、じゃあもう少し待ったほうがいいかしらね。これを使うのは…」 まどかの傍に置かれた道具、薬らしきものととんがり帽子。 それはまどか自身に支給されていた道具だった。 「そうね、もう少しお話しましょうか。 そうすれば気分もきっと紛れるわよ」 「…………」 そう微笑みかけ、シロナはまどかの傍で話し始めた。 ◇ そうして静寂な時が過ぎるはずの間桐邸。 しかし、そこには確実に近づいてくる者がいた。 さながら暴風のごとく、過ぎ去った後には蹂躙跡以外何も残さなくすることすら可能な存在が。 ◇ それは何でもない、小さな思い出。 彼にとっては別段驚くべき強敵と戦った、ということもない。 ただ主の指示に従い他のマスターの元へと戦いに向かった後のこと。 戦いそのものには何の滞りもなかった。 敵は自身の力をもって圧倒し、敵マスターにも大きなダメージを負わせた。戦況そのものはこちらの圧勝だった。 しかし、マスターの行動――己のサーヴァントを庇い飛び出すという行為を見たマスターは気が変わったかのように撤退する指示を出したのだ。 無論こちらにはその指示に逆らう意志などない。トドメを刺すことなく静かにその戦場を立ち去った。 その日はそのまま眠りにつかれた主。 その次の夜だっただろうか。ベッドの上に寝転んだ主は、未だ解けぬ混乱のまま傍に侍っている私にぽつぽつと話し始めていた。 「何だったのよ、あれ?」 ベッドの上で足をバタつかせながら、傍で見守る自分に話しかける主。 「サーヴァントはマスターを守るものでしょ?何でマスターがサーヴァントを庇うのよ?」 分からない。理解できない。そうむしゃくしゃする思いを発散するかのように体をバタバタと動かし続ける。 いくら話しかけられようとも、私にはそれに応えることなどできない。 今できることは、この少女を見守ることのみ。 「あーもう!わけわかんない!」 それでもこうして私に話しかけているのは全くの無意味というわけではないのだろう。 意味すら分からなくても、それを大人しく聞き入れてくれる誰かに発散したい。 要するに王様の耳はロバの耳の葦のようなものなのだろう。 最も、今の自分はそれを伝達することもできないが。 「……いっそ一回会ってみたら、分かるかな?」 それが、主がその少年に対しある理由からの憎しみ以外の想いをもつことになるきっかけだったのかもしれない。 そうしてそれからしばらく後、一人街に出向くようになる主を一人城で待ち続けるだけ。 万が一の時にすぐに駆けつけることができるように。 それは何でもない、戦いの間にあった小さな出来事、その記憶。 ◇ 市街地に響き渡る破壊音。 その中心には2メートルにも渡る漆黒の巨体が、暴風の如き疾走を続けていた。 バーサーカーの走る先に家が、民家が、コンクリート製のビルがあろうとも。 速度が収まることはあっても歩みが滞ることは決してない。 進む先には、全壊、ないし半壊した建物が瓦礫の山となって増えていく中。 その進撃を続ける狂戦士を追う白い影があった。 その白い影、ミュウツーは宙を飛翔しながらもバーサーカーの後を追いかける。 速度ではバーサーカーに劣るものではないが、しかし目的が追い抜くことではなくその進行を止めることである以上必要以上の速さを出す意味は無い。 むしろ足止めする側に力を回さねばならないのだから。 「むぅん!」 念力を繰り、瓦礫の山をバーサーカーの進行方向に動かし道を塞ぐ。 しかしバーサーカーがそんなものをものともせずに進行を続ける。 視覚で認識する力を失っており、家屋すらも強引に突破しようとするバーサーカーには無意味に近い。 衝突すれば一瞬動きが鈍りこそするも、その肉体には傷一つつくこともない。 一瞬の土埃を舞わせ、全てが細かな粒子となるだけだ。 サイコキネシスでは抑えきることはできない。 ただでさえどこに向かうのかも分からぬまま爆走している相手だ。 (奴は一体、どこに向かって………―――!) と、ミュウツーが注視していたバーサーカーから視線を移し、そのバーサーカーが進行する先にあるものを目に映す。 たくさんの民家が立ち並ぶ住宅街の中に、ほんの一軒だけ特徴的な屋敷。 他の家と比較しても広大な土地の中に建てられた建築物だ。 それは地図にも載っていた。おそらくは間桐邸という家だろう。 「あそこか…!」 そこにバーサーカーの意志があるのか、それともただの偶然なのかは分からない。 ただ、進行方向にその屋敷があり、そしてこのまま進めば間違いなくあそこもバーサーカーの破壊に巻き込まれる。 それは事実だろう。 この狂戦士を止めることを優先すべきか。 それとも屋敷にいるかもしれない何者かに警告を発しに向かうべきか。 決断は一瞬。 ミュウツーはバーサーカーの前に舞い降り、その体をフォルムチェンジさせる。 進行方向に立ち塞がる存在を直感的に感じ取ったのか、勢いを止めることなくその手に携えた岩剣を一気に振り下ろすバーサーカー。 縦殴りに下ろされたそれを、ミュウツーは斜め上に浮遊することで回避。 間髪入れず振り下ろされた剣の上に、サイコパワーと自身の強化された筋力をもって一気に踏みつけるように舞い降りる。 コンクリートの地面に埋め込まれた剣。 剣から手を離さぬバーサーカーの動きが、剣を地面から引き抜こうと足を止める。 力を込めるたびに地面が激しい音をたてながら亀裂を作る。 ここでもし戦おうとしても、あの狂戦士は徒手空拳にて迎え撃つだけだろう。 しかし、あの剣だけは決して手放しはしなかったことは先の戦闘でも確認している。 ならば剣を止めれ移動の抑制は可能だ。 時間にして数分もつかどうかという辺りだ。 ミュウツーは剣を引き抜こうと唸り声を上げ続けるバーサーカーから離れ、一直線に間桐邸へと向けて飛翔していった。 ◇ 「何?近くで何かすごい音がしてるけど…」 『生体反応がこちらに向けて一つ近付いてきています。イリヤさん警戒を』 外に出ていたイリヤは、その手のステッキを構えルビーの警告した接近する何者かに意識を向ける。 やがて空から近付いてきたのは、一つの白い影。 人間ではない異形の体をした、すらっと長い体の生き物。 シロナの言っていたミュウツーという参加者だと推察する。 そしてうっすらとだが、イリヤはその容姿に見覚えがあった。 「あなたは…確かクロと一緒にいた…」 「…!お前は……、そうか、お前がクロエの……。 話は後だ!早くここから離れろ!」 「え、ど、どうして?」 「バーサーカーだ!奴がここに近づいている!」 「?!」 『げぇ!よりによってですか!?』 今ここにいる者はほとんどが戦う力を持たない。どころか怪我人すらいる。 そこにあのバーサーカーが辿り着けばどうなるか。 と、その時だった。 ここから離れた市街地において、岩を砕いたかのような轟音が響いたのは。 おそらくは音の主はバーサーカーだろう。 ミュウツーの足止めを破った、ということか。 「ち、この程度が限界か…! お前は中にいる者に逃げるように告げろ!」 それだけを告げて、ミュウツーは元来た方に向けて飛び去っていった。 「わ、私も行かなきゃ…」 『イリヤさん!その前に屋敷内の皆さんに知らせないと!』 「そ、そうだねよ。急がなきゃ…!」 屋敷内に駆け込むイリヤ。 その脳裏に浮かび上がるのは先の戦いでのバーサーカーの姿。 こちらの砲撃を突き抜け、こちらにあの巨大な剣を振り下ろした時の焼け焦げた体と、それでも衰えることない覇気で突き進んできた巨体。 かつて戦った黒化英霊のバーサーカーとも一線を画したその力。 (あれに本当に、勝てるの…?) それが近付いてきているという事実に、イリヤは恐怖を覚えずにはいられなかった。 ◇ 振り下ろされる大剣をサイコカッターで受け止めるミュウツー。 しかしいくら強固に練ったサイコパワーで作り出した刃であろうとも、バーサーカーの筋力はそれをやすやすと叩き潰す。 サイコカッターによる攻撃は諦めバリアーによる硬化を腕部に集中させ、己の拳でバーサーカーに肉弾戦を挑む。 幾度と無く振りかざされる剣は掠るだけでもバリアに亀裂を走らせる。 体に蓄積されたダメージはミュウツーの体を鈍らせるが、しかしミュウツーとて止まるわけにはいかない。 この巨人が戦う理由を知ってしまったから。 この戦士自身の戦う理由を殺戮の道具にされることなど、あってはならないのだから。 距離をとりシャドーボールを複数一気にバーサーカーに向けて投射する。 黒い球体が地面に、周囲の壁に、そしてバーサーカーの肉体に着弾し爆発を引き起こす。 同時に周囲を煙幕が包むが視覚にて物体を認識しないバーサーカーには無意味な現象だ。 当然のように、その攻撃にびくともすることなくこちらへと突っ切るバーサーカー。 しかし全くの無意味だったというわけでもない。シャドーボールの衝撃はほんの僅かにバーサーカーの勢いを抑えていた。 その僅かに落ちた勢いの一撃をバリアによる集中強化を行った腕で受け止め。 同時に衝撃を活かして後ろへと一気に後退。 さらに動きながらもそれまで使っていたサイコカッターを今度は射出攻撃として投射。 三つ飛ばしたそれは一つは剣に弾かれ、一つは肩に刺さり。そして残った一つが胸に大きな傷を作り鮮血を散らす。 「まだその命には届かないか…」 しかしそれでもバーサーカーは倒れない。 今の自分はたった一度だけ、奴に攻撃を届かせることができる手段がある。 しかし一度である以上おいそれと使うわけにはいかない。 慎重に、あの狂戦士の隙をつかねばならない。 (その隙を作り出すことができるか?今の私に…) 新しい姿を得て強化された肉体をもってしても尚、バーサーカーとは拮抗するのが精一杯。 このまま向かい来る狂戦士の前。 腕のバリアを強化し、地面を踏み抜き攻め込もうとするバーサーカーを迎え撃たんとした、その時だった。 「放射(フォイア)!!」 空から舞い降りた一筋の光が踏み抜こうとしたバーサーカーの足元に着弾、進行しようとしていたバーサーカーの足元を砕きバーサーカーの踏み込みのタイミングを崩す。 砕けた地面に足を取られたバーサーカー、そこにすかさずミュウツーは拳を叩き込みその巨体を大きく吹き飛ばした。 と、空を見上げるミュウツー。 そこには桃色の光を発しながら飛ぶ一人の少女の姿。 「何故来た。あそこの人間を逃がせと言ったはずだ」 「あそこにいた皆には伝えました!私も一緒に戦います!」 ステッキを前に構えてミュウツーの傍に着地しそう告げるイリヤ。 先は思わず声を荒らげたものの、今ここでの援軍は好ましいものだ。 『それで、ミュウツーさん、でよかったですっけ? バーサーカーを止める手段はありますか?』 「なら、一瞬でいい。私があいつの傍まで潜り込める隙を作って欲しい。それで現状私の使える最大の一撃を撃ちこむことができる」 「分かりました!」 態勢を立て直したバーサーカーは、一度吠えて再度の進撃を測った。 参入してきたイリヤを意識しているのかどうか、二人には分からぬままに。 ◇ 「まさかこれほどまでにすぐここを放棄しなければならないとは…」 バッグを拾い上げながら、Lは一人呟く。 予めこういった事態を想定しておけたのは幸運だろう。 移動に一段落ついたら、トランシーバーでの連絡も必要になるだろう。 ここから拠点を遊園地へと動かすことに。 だが現状の問題があるとすれば。 「シロナさん、まどかさんの傷は大丈夫ですか?」 「まどかちゃんの支給品にあった回復の薬を使わせてもらったわ。 少しは楽になったって言うし大丈夫のはずよ」 シロナはまどかをその背にかかえている。 辛そうではあるが、現状は移動が終わるまでは耐えてもらうしかないだろう。 「本当ならもう少しまどかちゃんの体力が回復してから使いたかったんだけど…。 ポケモン用の道具だから人間にはちょっと負担かかっちゃうみたいだし」 「仕方ありませんね。物音も近付いてきています、急ぎましょう」 せめてここに車の一台でも置いてあれば移動も滞り無く行えたのだが、ないものねだりをしていても仕方ない。 バーサーカーの接近を知らせに来たイリヤは今は外で迎え撃つミュウツーの援護に向かっている。 しかし、果たしてそれで勝てるかと言われれば正直分からない。 あれを止めるために残ったクロとガブリアスであっても倒せなかった相手なのだから。 「…シロナさん、私は―――」 「そういうことは言わないって言ったでしょ。ほら、あとのことは私達に任せて、ね」 不安そうな表情を浮かべるまどかをシロナが元気づけようとするが、やはり顔色は晴れない。 まあ状況が状況である以上仕方ないだろう。 早く彼女を安心させてあげたい、とシロナは背負った少女がギュッと服の裾を握りしめるのを感じながら思う。 一方で、外にいる襲撃者にもシロナは複雑な思いを抱いていた。 バーサーカー。 ガブリアスの仇とも言える相手。 それに全く思うところがないといえば嘘になるだろう。 しかし、今の自分にはそれを相手にする手段がない。 せめてここにいる皆を生かすためにここから一刻も早く離れること、それが今できることだろう。 そうして玄関を抜け庭に出た一同。 と、その時だった。 視認出来る場所で建物が崩れ落ちる光景が目に入ったのは。 Lやシロナとてこの殺し合いの中でもあれほどの力をもって他者をねじ伏せる参加者がいたことは知っている。 しかしそれを現状、怪我人を抱えた状態で見てしまうと、改めて認識させられてしまう。 現状の自分達が如何に無力なのかを。 今外に出てしまうとイリヤ達の戦いに邪魔をしてしまうことになりかねない。 かといって家の中に潜むだけでは現状の危険は回避できない。 せめてもう少しだけでもそのリスクを回避できる場所はないか。 例えば裏口とか、あるいは身を潜められるような空間か。 と、そこまで考えたところでこの屋敷を探索した時に見つけたものをLは思い出す。 「そういえば、この屋敷内には地下室があります。 下手に動かすとまどかさんの傷に万が一のことがないとも言えませんし、今はそこに身を潜めておきましょう」 「分かったわ」 Lの提案に従い、三人は屋敷の中へと戻ろうとし。 その時空を見上げたまどかの視界に、小さく桃色の何かが動いているのが映った。 目を凝らすと、それは一人の少女。 美遊と同じくらいの歳の、銀髪の子だった。 「あの、子は……」 「イリヤちゃんね。美遊ちゃんのお友達の子よ。 恥ずかしい話だけど、今ここにはあの子しか戦える人がいなくてね…」 「あんなに、小さいのに……」 「大丈夫よ、あの子は強いわ」 シロナ自身イリヤのことはそう知っているわけではない。 だが彼女はクロの妹で、そして兄の死も乗り越えた子だ。 きっと帰ってくるはずだと信じている。 しかしまどかが感じたのはそんなシロナの思いとは別のものだった。 バーサーカーの恐ろしさを一度はっきりと目の当たりにしたまどかにとって、それと戦うあんな小さな子の存在は。 一体どんな風に映っただろうか。 ◇ 「ルビー、お願い!」 『障壁展開!』 バーサーカーの動きを止めるために、イリヤは障壁をバーサーカー自身の腕に、足に、その他多くの場所に展開していく。 防御に用いる、空間に固定された防壁は狂戦士の動きを止めるための拘束具となる。 しかし、狂戦士の怪力はその多数の拘束をやすやすと突破。 体の各部に大量に展開してなお、もったのは二秒。 その二秒の間に、ミュウツーはバーサーカーの脇に潜り込み。 「――――…まだか…!」 サイコカッターをもってバーサーカーの腕を斬りつける。 左腕に赤い線が走り、肘から先がだらんと下がる。 その痛みを気に留めることもないかのように右手の剣を振り下ろすバーサーカー。 バリアをもってそれを受け止めることで拮抗する。 しかしバーサーカーは腱を切られて動かなくなったはずの左手を一気に振りかざして横殴りに叩きつける。 バリアの外からの攻撃に吹き飛ばられるミュウツー。 不意の一撃に驚きつつも追撃に備えるも、しかしミュウツーに向けて追撃が放たれることはなく。 「えっ、こっち?!」 『あのバーサーカーは魔力で相手を認識しているようです。イリヤさん危ない!』 「うわっ!」 なぎ払うように放たれた剣を、イリヤは飛び上がり回避。 その一撃はどうにかかわしたものの、バーサーカーの意識は宙に浮いたイリヤに向いたままだ。 そこにミュウツーが飛び蹴りをその体に向けて放つも、バーサーカーは動かぬ左腕を振り真っ向から受け止める。 『五感はなく魔力探知をもって相手を認識することしかできないようですが、しかしその体に染み付いた戦闘経験は敵意や殺気に反応して体を動かすようですね。 感覚がないという事実は戦いの中ではハンデにならないと考えたほうがよさそうです』 「ルビー、今の私達であいつに一撃入れようと思ったら…」 『今のイリヤさんの魔力では、かなり難しいと言わざるをえません。それこそカードの力を借りでもしない限りは…』 クラスカード、英霊の力。 確かにあの聖剣や神獣の力をもってすればバーサーカーに対する有効打も可能だろう。 しかし、今手元にあるカードは一度破られたキャスター、そして攻撃力には大いに不安の残るアサシンのカードのみ。 「ううん、でもここで止めなきゃ、皆が…!」 と、目の前でミュウツーを蹴り飛ばしたバーサーカーに向けてステッキを振り下ろす。 「散弾!!」 一発一発の威力は大きく減ったものの、大量に分散した魔力散弾を放つ。 バーサーカーに当たってもそれらの一撃は体に当たることなく弾かれる。 しかし、極小とはいえ大量の魔力反応が発生したことでバーサーカーの意識がそちらに向けて逸れる。 それも一点ではなく、バーサーカーの周囲に放った弾のごとく拡散して。 「ルビー、今のうちに!」 『了解です!』 そう言ってイリヤが取り出したのは一枚のクラスカード。 今のバーサーカーの反応が思い通りであるなら、この戦法は有効なはずだ。 「限定展開(インクルード)!」 と、宙で発生した魔力反応にバーサーカーの意識が向く。 がその瞬間を見逃しはせず、ミュウツーはバーサーカーの足にサイコカッターを振りぬく。 鮮血が舞うと同時にバーサーカーはその場に膝をつき。 そしてそんなバーサーカーに向けてイリヤが駈け出した。 そのままイリヤのステッキが魔力をステッキに収束させて放とうとしたところで、バーサーカーが剣から手を離してイリヤの体を掴み上げる。 「うあっ…!」 体を締め上げる巨人の握力に思わず声を上げるイリヤ。 その瞬間だった。 掴みあげていた体が、一枚のカードが飛び出すと共に消え去ったのは。 イリヤのいたはずの場所、バーサーカーの手の内から抜け出るのは星形のステッキ。 そして、地面に落ちたアサシンのクラスカード。 『今です!』 と、ルビーが叫ぶと同時に。 一つの紫色に輝く宝石を携えたミュウツーがバーサーカーの元に急接近。 拾い上げようとする剣をサイコキネシスで動かし弾き。 そしてその懐に潜り込んだミュウツー。 その体に、空いた左腕が振りぬかれるが、ミュウツーは持ち前の筋力をもって受け止める。 そして宝石が輝くと同時に、自身の最大の技を、サイコブレイクを発動。 一度はバーサーカーを殺したことで態勢を持っていたはずの攻撃、通用するはずはない。 だが。ミュウツーが持っていた宝石。 それはたった一度だけ、攻撃する際に使用することでその攻撃の威力を高めるもの。 偶然にもミュウツーの持つタイプと同じ色をしたそれはエスパージュエルというものだった。 本来ならば耐性により効かぬはずの、しかし一度は死に至らしめることができる威力をもった攻撃。 そこにジュエルにより上乗せされた威力で放てば。 それはバーサーカーの体に宿った宝具の加護をも突き破る。 「吹き飛べ!」 そんなミュウツーの叫びと共に。 至近距離からサイコブレイクを叩きこまれたバーサーカー。 「――――――――■■■■■■■■■■■■■■■!」 それでも抗うように大きく咆哮したバーサーカー。 その体に内側から弾けるような衝撃が走り。 大量の血を飛び散らせながらその胸に大きな穴を開けて、地面に倒れ伏した。 「やった!?」 『止めてくださいイリヤさん!敵に生存フラグ立てるのは!』 バーサーカーから離れた場所から様子を見ていたイリヤ。 その体はアサシンインクルードのためルビーを手放したことで転身は解けている。 しかし気配遮断の加護がかかったイリヤを今のバーサーカーが見つけることは困難だっただろうが。 「…ってうわっ、もうこんなところまで…」 ふと後ろに視界を向けると、そこにあるのは間桐邸。 戦いながらも移動していたようだが、それに気付かずここまで連れてきてしまったようだった。 しかしギリギリのところで止められたのは僥倖だろう。 「間に合ってよかった…。みんなは……」 『屋敷の地下室に避難したみたいですね。地下ならまあ屋敷の半壊クラスの戦闘には耐え切れるでしょうし』 「そっか…」 と、ほっと胸を撫で下ろそうとしたイリヤ。 そんな目の前で、ミュウツーが膝をつく。 「あっ…、あなた、大丈夫!?」 「…さすがに体のダメージがきつかったようだ」 フォルムチェンジによりこれまでよりも頑丈な肉体を得ていたとはいえ、いままでほとんど行ったことのない肉弾戦をあの狂戦士と繰り広げてきたのだ。 ミュウツーの四肢の骨にはいくつものヒビが入り、おそらくは内臓にもダメージがあるだろう。 加えて、フォルムチェンジによる戦闘が長時間続いた影響か肉体疲労も響いている。 しかしそんな疲労も全てが終わった後であれば、まだ戦闘後の一刻で済んだはずだ。 全てが終わっていた、ならば。 『―――!イリヤさん!』 ルビーが叫び、イリヤが咄嗟にバーサーカーに視線を向ける。 その時だった。 胸に穴を開けたバーサーカーが、ゆっくりとその身を起き上がらせたのは。 巨大な穴に向かい、膨大な魔力が集中し全身の傷を、欠損を、そして致命傷すらも元通りに蘇生しつつある。 全身の傷から順に治癒されているようで、胸の致命傷の治りこそ遅いが完全に元通りの肉体を取り戻すのも時間の問題だろう。 つまり、 「まだ、終わってなかったってこと…?」 「クッ…!」 思わず舌打ちをするミュウツー。 それまでの戦いでも手を抜いたつもりなどない。しかしそれでも最後の一手をもって攻めなければ打倒せなかった相手だ。 今のボロボロな体の自分たちに、こいつを相手に戦うことができるか? 「…………」 いや、手ならばある。 あるいは戦わずにことを終わらせることができる可能性のある手段が。 もしも隙があるとするならば、その胸の傷が完治するまでの間だろう。 『あの、ミュウツーさん?』 「今から私がこいつの脳に、記憶に直接呼びかける。 やつは狂気の意志に精神も支配され自我を見失っているだけだ。だがその自我を呼び覚ますことができれば、戦いを回避することも可能かもしれん」 ミュウツーの持つテレパシーは他者の心を、記憶を読み取るのみならず、その思考を操ることすら可能なもの。 ならば、その力を持ってバーサーカーの狂気を取り除くことも、あるいは。 「そんなこと、できるの?」 『無茶です!バーサーカーから狂気を取り除こうなんて! それに危険が多すぎます!このバーサーカーが自我を取り戻したとしても、それで戦いを止めてくれる可能性など――』 「いや、お前がいるのであればあるいは可能性があるのだ。 それに現状ではこうするしか手段がない。 何よりも、やつをこれ以上無意味な戦闘に駆り立てないために…」 言うが早いか、ミュウツーは胸の穴を防ぎ続けるバーサーカーに接近し。 自身の持つサイコパワーを、肉体強化に回していたものも含めて全てバーサーカーのテレパシーへと送り込む。 ミュウツーの中に流れ込んでくる膨大な量の記憶。 一度は見たはずの景色がさらに詳細にミュウツーの中に流れ込んでくる。 先に見たものから、そうでないはずの光景まで。 あるいは狂戦士ではなく小さな少女の想い出らしきものまで。 何もかもがごちゃ混ぜになりつつある意識の奥に確固として存在する、狂戦士の守らねばならないもの。 そして連なる、バーサーカーの意志を、狂気の縁から引きずりだそうとその意識を操る。 「―――――――■■■■」 胸の傷が未だ癒えぬバーサーカーが呻くように喉を鳴らす。 (くっ…、この意識の壁は……) 意識を呼び覚まそうとするミュウツーのテレパシーを阻むのは、バーサーカー―ヘラクレスを狂戦士たらしめているもの。狂気。 バーサーカーの自我を引きずり出すにはその壁は厚く、簡単には破れそうにはない。 これができるチャンスはおそらく今だけ。 傷が治ってしまえば戦闘になり、バーサーカーの意識に呼びかけることは不可能になってしまう。 だからこそ、ミュウツーは自身の強化の源である破壊の遺伝子によるサイコパワーの増幅をテレパシーに回す。 真っ黒で濃厚なモヤのような壁を、少しずつ突き崩す。 「ぬぅぅ……!」 念力をさらに込める。 頭にできていた傷が開き、血管から血が吹き出る。 だが、あと少しで届く。 あと一歩で。 「ミュウツーさん、頑張って!」 イリヤの声が響き。 その瞬間、一瞬だけ狂気の壁に僅かな綻びが生まれた。 (―――――今だ!!) 一気にテレパシーを送り込み。 バーサーカーの意識を覆う狂気を切り開いた――――――― しかし結論から言うと、その選択は間違いだった。 聖杯戦争を知らぬミュウツーにとってバーサーカーを狂気に落としたその感情の枷はそう簡単に取り除けるものではない。 令呪という、魔術師にとっても破格といえる奇跡すら可能にする刻印を用いても一時的に狂気を取り除き理性を戻すことが限度。 ミュウツーという最高クラスの超能力を持つ生物のテレパシーをもってしても、意識を完全に呼び覚ますことは不可能。 もって数秒間、理性を起こすことがせいぜいだった。 それでも、本来ならば問題などないはずだった。 聖杯戦争でもなく、目の前には自身のマスターと同一にして異なる存在がいる現状を目の当たりにすれば、戦いそのものを止めるというミュウツーの試みそのものは可能性ゼロというわけではなかったのだ。 ただひとつ、その体が悪意の泥によって汚染されていなければ。 五感を奪われ、全身を悪意の呪いに晒され。しかし自我を失うことなく抗い続けるヘラクレスには。 理性が解けたとしても周囲の出来事を認識できる状態にはならなかった。 結局は、戦いを続ける狂戦士でしかなかったのだ。 ほんの一瞬、理性を取り戻したという一点を除けば。 もしミュウツーがバーサーカーのみではなく、その体に巣食っている悪意にも意識を向けていれば、あるいは違ったかもしれない。 別の手段を取るか、あるいはバーサーカーにトドメを刺すか。 これはそんな、この場にいる誰のせいでもない、理由なき悪意、不幸故に起きてしまった出来事。 ――――――■■■■■■■■■■■!!! バーサーカーの目に理性を感じ取ったミュウツー。 しかしその口からこぼれ出たのは、それまでと変わらぬ狂戦士の叫び声。 体に取り付いたミュウツーを振り払うバーサーカー。 その体は間桐邸の門前まで飛ばされるも、ミュウツーは態勢をとる。 「……失敗したのか――?」 ミュウツーがそう呟いた瞬間、バーサーカーは地面に転がった岩剣を瞬時に拾い上げる。 『――――――――!!!?? イリヤさん逃げて!!』 「――――――えっ」 起こっている事態を真っ先に把握したルビーの叫び声が木霊したその時。 ミュウツーに向けて迫るバーサーカーの、いや、ギリシャの大英雄・ヘラクレスの一撃が振り下ろされた―――― ■ 倒さねばならない。 彼女を脅かしうる敵は全て。 あの黒い剣士も、暗殺者も、蟲の魔術師も、黒き影も。 自身の行く手を阻むものも全て。 しかしこの身にある武練だけでは届かない。 力と理を併せ持つ敵を打倒し得ない。 この身にあった命の数も既に尽きた。 どうすればいい? 簡単な話だ。 ―――――自身の持つ最大の『技』を叩き込めばいい。 かつて9つの頭を持つ毒竜を打ち倒した、あの斬撃を。 ■ その瞬間、大地が震えるかのような咆哮の中で、はっきりと1つの”声”が木霊した。 ナ イ ン ラ イ ブ ズ 射 殺 す 百 頭 ! ! ! ! ! 轟くような叫び声と共に、目にも止まらぬ高速の連撃が放たれ。 ミュウツーを、イリヤスフィールを、吹き飛ばし。 しかしそれで収まることない衝撃は大きくその背後まで突き抜け。 地面をも砕く衝撃を与えながら、その背後にあった間桐邸を一瞬にして崩落させた。 →
https://w.atwiki.jp/ncbr02/pages/104.html
no. タイトル 書き手 登場キャラ 時刻 現在位置 051 『Hallucination of a tragedy』 ◆ilZClmYqFI クリスタル、ディクシー、ヨッシー、クマトラ 昼 H-5 052 第一回放送 ◆2ZKOUYCe4Y カジオー 正午 ??? 053 『ボクにその手を汚せというのか』 ◆ilZClmYqFI スピン 日中 J-5 054 『力でねじ伏せる男』 ◆2ZKOUYCe4Y ガノンドロフ 日中 G-10 055 『誰も僕を責めることはできない』 ◆ilZClmYqFI ドロッチェ、ロイ、サトシ 日中 F-6 056 『Did you die really? 』 ◆ilZClmYqFI ウルフ、リンク、スリッピー 日中 D-4、E-3 057 『なにもかも なにもかも 』 ◆NZAAAAAAAA リュカ、ネス、アドレーヌ、ナインボルト、ポーラ、鷹丸、サムライゴロー、ボニー、カービィ 日中 A-4、D-5、C-4 058 『王女なのだから…』 ◆2ZKOUYCe4Y クッパ、ゼルダ、ミュウツー 日中 D-8 059 『We are this kinds?』 ◆2ZKOUYCe4Y ピグマ・デンガー、ルイージ 昼 J-6 060 『殺戮の跡地』 ◆CEVZ6OpPGg マリオ、ブラックシャドー、マルク 日中 D-9 061 『大魔王』 野良猫 クッパ、ゼルダ、ミュウツー 日中 D-8 062 『亀裂』 ◆ilZClmYqFI クマトラ、クリスタル、メタナイト、ディディーコング、ディクシーコング、デデデ 昼 H-5 063 『兄に勝る弟などいない!』 ◆2ZKOUYCe4Y マリオ、ブラックシャドー 日中 D-9 064 『道標』 ◆ZqxRMEDNEs クッパ、ミュウツー、マリオ 日中 D-8 065 『誓い』 ◆ZqxRMEDNEs マルス、マルク、ブラックシャドー 日中 D-8 066 『いわれなきリベンジ』 ◆d94UUrJtFg ルイージ、ピグマ 昼 J-6 067 『戒め』 ◆ZqxRMEDNEs レオン、Dr.クライゴア、サムス 昼 F-7 068 『決意』 ◆ZqxRMEDNEs ジーノ、ガノンドルフ 昼 I-10 069 『信じたくない虚実』 ◆d94UUrJtFg クマトラ、メタナイト、ディディー 昼 H-5 070 『昔の敵は今の友』 ◆d94UUrJtFg マリオ、クッパ、ミュウツー、ゼルダ 日中 D-8 071 『三者三様』 ◆LlYRrETCWQ クマトラ、メタナイト、ディディーコング 日中 H-5 072 『久しぶりの風景』 ◆kimuasu42 ピット 日中 H-4 073 『仲間の為に』 ◆kimuasu42 クマトラ、メタナイト 日中 H-5 074 『第七十四話』 ◆1TVDZc0Ct2 ピカチュウ、サムライゴロー、ジェフ 午後 C-4、F-4 075 『NEGATIVE ZONE(前編)』『NEGATIVE ZONE(後編)』 ◆LlYRrETCWQ ルイージ、メタナイト、クマトラ、ディディーコング、クリスタル、サカキ、ポーキー・ミンチ 夕方 H-5、I-5 076 『久しぶりの太陽は沈む事しかしなかった』 ◆S33wK..9RQ メタナイト、スピン、ピット 夕方 H-5
https://w.atwiki.jp/pokemoneer/pages/31.html
「イバンの実」大研究~シングル編~ この夏、解禁された「イバンの実」。 発動すれば先手を取れる画期的なアイテムですが、発動の条件やタイミングを含めまだ謎は多いです。 そこで、イバンの実についてまとめてみました。 尚、この考察は、DSでのシングルバトルを想定しております。ダブルバトルやPBRでの動作は未確認です。また、この記事の執筆は2008年8月のものです。 イバンの実の基礎 発動条件 ・最大HPの4分の1以下になった次のターン以降に技を使用 ※「ヤタピの実」等と違い、ターン中に発動しないので、引っ込めても問題は無い ・優先度が0以上の技を使用 ※「でんこうせっか」等を使用した場合でも条件を満たしていれば発動 ・自分の「みがわり人形」が残っているいないは関わり無く発動 ・もともとの素早さで先手を取れる取れないに関わり無く発動非発動条件 ・自分/相手が交換した場合 ・相手/相手が「まもる/みきり」を使用した場合(「こらえる」は未実証) ・相手が自分より優先度の高い技を使用した場合 ・自分が優先度0より低い技を使用した場合 ※「ゆきなだれ」等を選択した場合はイバンは発動せず 実戦でのケースバイケース ここからは、より実戦に即したケースでの発動の有無を見ていきます。 特に断りの無い場合は、最初に触れたイバンの発動条件を満たしているものとして進めていきます。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ○両者がイバンの発動条件を満たしている場合 結果: ・素早さの高い方のポケモンがイバンを発動し先制 ・素早さの低い方のポケモンはイバンが発動せず後手 ―――――――――――――――――――――――――――――― ○先制技に関して 状況:ゴウカザル@イバン 対 マニューラ (素早さは、ゴウカザル<マニューラ) ・ケース1 A:ゴウカザル→「インファイト」を選択 B:マニューラ→「こおりのつぶて」を選択 結果: 先手は「こおりのつぶて」 イバンは発動せず、後手でインファイト ・ケース2 A:ゴウカザル→「マッハパンチ」を選択 B:マニューラ→「こおりのつぶて」を選択 結果: イバン発動、先手でマッハパンチ ★イバンの実は優先度で勝る技を相手には発動しませんが(ケース1)、 互いの技の優先度が同じなら発動するようです(ケース2)。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ○トリックルーム下に関して ・ケース3 状況:ミュウツー@イバン 対 カビゴン (素早さは、ミュウツー>カビゴン、トリックルーム下なので実際は逆) 結果: イバン発動でミュウツー先制 ・ケース4 状況:ミュウツー@イバン 対 カビゴン@イバン (素早さは、ミュウツー>カビゴン、トリックルーム下なので実際は逆) 結果: イバン発動でミュウツー先制、カビゴンは後手でイバン発動せず ★トリックルーム下でも、イバンの発動条件を満たせば、先手を取れます(ケース3) ★トリックルーム下で両者がイバン発動条件を満たしている場合は、 もともとの素早さが高い方が先手を取ります(ケース4) ※トリックルーム下での先手・後手の関係がイバンの発動の優劣に影響はされないので注意 イバン持ちを警戒すべきポケモン イバンの実はまだまだ多く見掛けませんが、数匹ピックアップしてみます。 この他にも警戒すべきポケモンがいましたら、お教えください。 ・ソーナンス 「カウンター/ミラーコート」で減った体力でイバンの実を発動させ、「みちづれ」をしかけてきます。 “イバナンス”と命名されるほどハマった場合は凶悪です。 ・ドサイドン こちらの攻撃で倒しきれなかった場合にイバンを発動させ次のターンで先手を取ってきます。 攻撃力が高いため、不意の一発を食らうと危険です。 ・カビゴン/メタグロス まだ実戦で見たことはありませんが、素早さが遅く、爆発技も有しているため、 イバンの発動の恩恵を受けやすいポケモンだと思われます。 発動チャート 上記でまとめた発動条件やタイミングを図で表してみます。 視覚的な判断をしたい方はどうぞ。 最後に 今回、考察したところでは以上です。 イバンの実はまだまだ奥が深いので、新しい事を発見しましたら、追記していきます。 また、管理人はダブルバトルをやらないので、実戦的な状況が把握できません。 ダブルバトルに関して、考察をしてくださる/してくださった方がいましたら、情報をお願いします。 同様に、ポケモンバトルレボリューションを所持していないので、そちらでの情報もお願いします。 今回の考察が、皆さんのお役に立てれば光栄です。 >戻る
https://w.atwiki.jp/purakoro/pages/160.html
プラコロハンディバトルベース 基本データ プラコロ専用公式認定のバトルベース プラコロ専用に研究開発されたスペシャル仕様! 発売年:1998年7月 封入品 ミュウ ワザカード6枚 技名 エネルギー数 基本効果 追加メリット 追加デメリット しっぽでうつ 超超 20ダメージ 直立・仰向:追加で10ダメージ 俯せ:次の自分の番にふるエネコロを1個へらす。逆立:自分も10ダメージ サイコパワー 超超 次の自分の番にワザが成功してダメージを与えるたびに相手に与えるダメージに+10する。 なし 逆立:次の自分の番にふるエネコロを1個へらす。 みだれひっかき 超超超 10ダメージを与える。このワザは3回トライする。 直立:追加で10ダメージ 逆立:自分も10ダメージ サイケこうせん 超超超 30ダメージ 直立・仰向:次の相手の番にふるエネコロを1個へらす。 逆立:自分も20ダメージ せいめいのいずみ 超超超 30HPを回復する。 なし 逆立:このワザで回復するHPが10になる。 ゆびをふる 超超超 「ゆびをふる」が成功したら、相手のエネコロとワザカードとミュウを使って、もう一度ワザを使う。ワザカードは自由に選んでよい。 直立:相手のワザを使うときエネコロを1個追加してふる。 逆立:相手のワザを使うときエネコロを1個へらす。 ミュウツー ワザカード6枚 技名 エネルギー数 基本効果 追加メリット 追加デメリット するどいつめ 超超 10ダメージ 直立:追加で20ダメージ 逆立:相手に与えるダメージを10へらす きりさく 超超 このワザは2回トライする。10ダメージを与える。 直立:追加で10ダメージ 逆立:自分も10ダメージ サイコパワー 超超超 次の自分の番にエネコロを1個追加してふる。 直立・仰向:さらに次の自分の番にエネコロを1個追加してふる。 逆立:自分が10ダメージ サイコボール 超超超 30ダメージ 直立:追加で20ダメージ 逆立:自分も20ダメージ サイコ・キネシス 超超超超 40ダメージ 直立:追加で20ダメージ 逆立:相手に与えるダメージを20へらす サイコバスター 超超超超超 70ダメージ 直立:追加で20ダメージ 逆立:相手に与えるダメージを30へらす キャラコロ 2個 付属キャラコロ:ミュウ、ミュウツー プラコロハンディバトルベース 1台 従来のプラコロバトルベースよりも少しだけ小さい。 エネコロ 3個 ロングライフカウンター 2個 HPは180まで記載がある。 チップフォルダー 1個 シール 1枚 中敷き 1枚 クッション性はない。 両面テープ 1枚 ロングライフカウンターをハンディバトルベースの両端にある細長いくぼみに入れて固定するためのテープ。 備考 収録されているワザカードはレギュラープラコロで発売されているDXミュウ・DXミュウツーのワザAタイプとBタイプがミックスされたラインナップとなっている。 商品パッケージにも紹介されてるように、ミュウのワザ「せいめいのいずみ」とミュウツーのワザ「サイコパワー」はこのプラコロハンディバトルベースで初収録されたワザカードである。 従来のバトルベースと違い、ワザカードがそれぞれ6枚ずつ計12枚収録されていることからこの商品だけで一応公式ルールのプラコロバトルを遊ぶことができる。 ロングライフカウンターにはHPが180まで記載があるが180までのHPを持つキャラコロは存在していない。
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/84.html
佐山・御言 003 エレガントにまロく! ◆pAql.rh8P6 佐山・御言、蒼星石 0039 同盟 ◆o9OK.7WteQ 佐山・御言、蒼星石 0041 小鳥の遊び ◆/1LLBq1Ub2 ロロノア・ゾロ、小鳥遊宗太、佐山・御言、蒼星石 0066 剣士と悪役とバイトと人形と ◆YYVYMNVZTk 佐山・御言、蒼星石、ロロノア・ゾロ、小鳥遊宗太 0097 Prototype ◆Wott.eaRjU 佐山・御言、蒼星石、小鳥遊宗太 0107 変態×変態×変態×人形 ◆SqzC8ZECfY 吉良吉影、佐山・御言、小鳥遊宗太、蒼星石 0112 殺人鬼Kの献身 ◆YhwgnUsKHs 吉良吉影、蒼星石、リヴィオ・ザ・ダブルファング、佐山・御言、小鳥遊宗太 0122 180秒 ◆SqzC8ZECfY 吉良吉影、蒼星石、リヴィオ・ザ・ダブルファング、佐山・御言、小鳥遊宗太 0133 Radical Good Speed (前編) (後編) ◆b8v2QbKrCM リヴィオ・ザ・ダブルファング、佐山・御言、小鳥遊宗太、御坂美琴、ラッド・ルッソ、ストレイト・クーガー 0145 GO AHEAD ◆tt2ShxkcFQ 佐山・御言、小鳥遊宗太 0158 境界線上の小鳥遊宗太 ◆OQO8oJA5SE 小鳥遊宗太、佐山・御言 0168 偶然と必然のあいだ ◆b8v2QbKrCM 小鳥遊宗太、佐山・御言 0173 Free Bird(前編)(後編)Just wanna be(前編)(後編)call my name ◆YhwgnUsKHs ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、水銀燈、ロロノア・ゾロ新庄・運切、ハクオロ、佐山・御言、小鳥遊宗太 0187 罪と罰(前編)(中編)(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、水銀燈、ロロノア・ゾロ 0191 彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(前編)彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(後編) ◆OQO8oJA5SE 小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 0197 悪役(前編)悪役(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 新庄・運切 0043 匙は投げられた ◆UlsVMqbfYo 新庄・運切、伊波まひる 0054 君はボクに似ている ◆YhwgnUsKHs 新庄・運切、伊波まひる 0060 Believe ◆Wott.eaRjU 新庄・運切、伊波まひる、カズマ 0084 彼女の秘密と彼女の力と ◆UcWYlNNFZY 新庄・運切、伊波まひる 0116 合言葉はラブアンドピース(前編)(後編) ◆Wott.eaRjU ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、新庄・運切、ゼロ、水銀燈、土御門元春、サカキ 0128 ここにいていいだろうかとは尋ねない ◆SqzC8ZECfY ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、新庄・運切 0143 太陽-The Sun- ◆YhwgnUsKHs ロロノア・ゾロ、新庄・運切、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる 0156 知人の奇妙な行動 ◆yvUxRPre9c ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロロノア・ゾロ、ハクオロ 0160 Working×Walking×Warning ◆b8v2QbKrCM ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロロノア・ゾロ、ハクオロ 0173 Free Bird(前編)(後編)Just wanna be(前編)(後編)call my name ◆YhwgnUsKHs ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、水銀燈、ロロノア・ゾロ新庄・運切、ハクオロ、佐山・御言、小鳥遊宗太 0187 罪と罰(前編)(中編)(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、水銀燈、ロロノア・ゾロ 0191 彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(前編)彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(後編) ◆OQO8oJA5SE 小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 0197 悪役(前編)悪役(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ ブレンヒルト・シルト 0053 今はただ、顔を上げ ◆YYVYMNVZTk ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト 0069 コードギアス ナナリーと旅館三騎士 ◆YhwgnUsKHs ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、ミュウツー 0113 Give me a power! ◆b8v2QbKrCM ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、ミュウツー、ラッド・ルッソ 0121 You can,t escape! ◆TEF4Xfcvis ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、ミュウツー、園崎詩音、ラッド・ルッソ 0125 ――――――geass――――code geass――the code geassNine the code geass ◆Wott.eaRjU ナナリー・ランペルージ、ブレンヒルト・シルト、園崎詩音、ミュウツー、ラッド・ルッソ 0144 UN-SYMMETRY ◆b8v2QbKrCM 御坂美琴、ブレンヒルト・シルト 0165 誰かの願いが叶うころ(前編)(後編) ◆tt2ShxkcFQ 真紅、橘あすか、御坂美琴、ブレンヒルト・シルト 0171 Alliance for MASTER ◆YhwgnUsKHs ロベルタ、ミュウツー、ブレンヒルト・シルト、リヴィオ・ザ・ダブルファング 0175 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ◆SqzC8ZECfY ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ブレンヒルト・シルト 0178 砂鉄の楼閣(前編)砂鉄の楼閣(中編)砂鉄の楼閣(後編) ◆/VN9B5JKtM ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ラッド・ルッソ、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ 0179 あなたに会いたくて ◆b8v2QbKrCM ラッド・ルッソ、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/212.html
――――code geass ◆Wott.eaRjU 巨人だ。 其処には機械の巨人が居た。 力強さとしなやかさを内包した、全長4m程の躯体が聳える。 両肩に西洋の盾を思わせる装甲が覆われ、頭部を始め全身の至る所からワイヤーが伸びている。 風にたなびく度に人間の毛髪を思わせる。 二足歩行型可能な機動兵器、ナイトメアフレームを模した唯一無二の機体。 ナナリー曰く“新しい身体”――“マークネモ”が地に降り立つ。 そしてその心臓部とも言える操縦室にナナリーは居た。 但し、意識の主導権はネモの方へ。 マークネモに搭乗している間には、全面に出る人格の交代が起きるという事だ。 『やめて、ネモ!』 「未だそんなコトを言うのか、ナナリー! お前も感じたのだろう、奴らのおぞましさを……奴らの醜さを!!」 『そ、それは……』 マークネモはネモとの契約で得た力だ。 ナナリーが抱く負の感情――怒りや憎しみ等の感情を糧にする必要がある。 では、今回はどうだったのだろうか。考えるまでもない。 今、この場にマークネモが出現した事が何よりの証拠と言える。 確かにナナリーは感じた。 自分を売ろうとした詩音。意気揚揚と殺人に手を染めようとするラッド。そしてその状況に身を委ねるミュウツー。 それがわかった時、ナナリーは何よりも悲しかった。 こんな事をしている場合じゃないのに――その時、ネモが敏感に感じ取っていた。 ナナリーの中で芽生えた怒りと憎しみ。彼ら三人とこの状況全てに対する負の感情をネモは力という鎧に変えた。 この場に存在するどんなものよりも力強い、生身のナナリーとはかけ離れたものだ。 「……こいつはちょいと逃げた方がいいかもな」 「ちっ……!」 そして、流石の二人もこの状況で闘い続けるのは得策ではないと判断したのだろう。 機転を利かし、ラッドとミュウツーは直ぐにマークネモから走り去っていく。 しかし、当然、マークネモの一歩は彼らとはわけが違う。 跳躍――そこまではする必要もない。一、二歩だけ踏み込んで右拳を叩きつけようとする。 刹那。ネモは確かな違和感を覚えた。 (馬鹿な! マークネモの動きが……遅いだと!?) 衝撃が起き、大きなクレーターが生まれる。 其処はほんの一瞬前にラッドとミュウツーが居た場所付近。 ラッドとミュウツーは身を投げ出す事でどうにか難を逃れていた。 外れた。その事は勿論腹立たしいがそれよりも引っかかる事がある。 己の身体とも言える、マークネモに何か異変が起きている事についてだ。 しかもそれは決して小さなものではない。 自分の方には特に異常はないと思われるが心残りはある。 ギラーミンがマークネモに、自分に何らかの処置を施したのだろうか。 有り得ない。普通では有り得ない。 何故なら自分はエデンバイタルを司る存在、“魔王”だ。 あの魔女――C.Cの一部でしかない泥人形とはもう違う。 自分は自分の力で立つことが出来る、一つの存在だ。 そんな自分が知らぬ間に、他人に言いように弄られていたなど――ネモに認められるわけがない。 違和感などなかった。そう自分に言い聞かせるようにネモは意識を集中させる。 拳による打撃は外れてしまった。 だが、それがどうした。 マークネモが只、殴りつけるためだけのナイトメアフレームであるわけがない。 ナナリーとの出会いで、漸く手に入れた自分だけの力を発現する。 「ブロンドナイフッ!!」 全身に付属したワイヤーがまるで蛇のように動めく。 縦横無尽、一本一本が意思を持っているのかと錯覚する程に、その動きは複雑だ。 その先端にはナイトメアフレーム用のナイフ。 直撃すれば人間など刺すと言うよりも押し潰してしまうくらいに。 たとえ不死者や遺伝子改造によって生まれたポケモンでさえも、確実な死が訪れることだろう。 但し、本当に当ればの話だが。 「かああああああああああ! スゲぇ、こいつはスゲぇ!! 腕が刀になっちまう女、宇宙人野郎、んで次はバカみてぇなロボットか!! おいおいおいおい、どんだけ俺を飽きさせねぇんだよ――このバトルロワイアルってヤツはよぉ!!」 場違いな声が響く。 声の主は言うまでもなくラッド。 寸前のところでブロンドナイフを避けて、未だ致命傷を貰っていなかった。 ピョンピョンと、よくもまあこれ程までに柔軟に動けるものだ、と感嘆する程に曲芸染みた身のこなしを見せている。 「これほどとはな……」 一方、ミュウツーの方もラッドとは対照的に、碌に口を開かず黙々と身体を動かしている。 ミュウツーはエスパーポケモンだ。 得意中の得意とも言える超能力を用い、ブロンドナイフの軌道を僅かに変えている。 勿論、大きさの違いもあり、それだけで攻撃を避けているわけではない。 持ち前の身体能力、更にはいつの間にか右腕に握ったスプーンを駆使しながらなんとか凌いでいた。 共に余裕はないラッドとミュウツーの二人。 この殺し合いに呼ばれる前も、様々な経験を積んだ二人は共にかなりの実力者と言えるだろう。 だが、幾ら二人といえども、マークネモとのサイズ差をどうにか出来るものではない。 ならば何故二人は未だ致命傷を貰うまでに至っていないのか。 答えの一つは二人が専念しているためだ。 攻撃は考えず、隙を狙った反撃すらも一切考えていない。 流石のラッドですらも全くと言っていい程に。 不自然な話ではない。 ラッドはバズーカを持っているものの、狙いをつける瞬間に逆に狙われる場合がある。 あちらとは違い、こちらは常に一発を貰うだけで危うい。 周囲から殺人狂と称されるラッドだが、決して頭が悪いわけではなく寧ろ回転は速い。 特に喧嘩や揉め事に関する際の、頭の切れ具合は。 故に二人は全ての意識を回避行動に注ぎ、今、未だ己の命を永らえている。 そしてもう一つの理由は――マークネモの方だ。 (何故だ!? マークネモの動きだけじゃない、ナナリーのギアスの精度も明らかに可笑しい……。 どうなっているんだ、これは……?) 確かにネモの意識が通常よりも押し出されているといっても、その肉体はナナリーのものだ。 また、ネモがナナリーに与えたものはマークネモだけではない。 ギアス、簡単に言えば一種の超常能力とも言うべき力。ギアスを持つ者をギアスユーザーと呼ばれる。 ナナリーが受け取ったものは未来線を読む力を持ったギアス。 俗に言う未来予知とでも言った方がいいのだろうか。 相手の攻撃の軌道、そして相手が次に行うであろう行動の予測が能力の一端。 しかし、それは完全な予知というわけでもない。 事実、この殺し合いに参加させられる前も、とあるギアスユーザーのナイトメアフレームの動きを読み切れはしなかった。 只、問題なのはその誤差があまりにも大きい事について。 そう。今しがた打ち放ったブロンドナイフで仕留められなかった事実が苛立たせる。 同時にまたも思う。やはりマークネモには何か、自分の知らない力が働いている事に。 実際、マークネモのスペックは意図的に何段階も落とされている。 全長が約4m程のナイトメアフレーム。しかも、マークネモは特別なナイトメアフレームだ。 単純計算で起動時のエネルギーは、一般のナイトメアフレームのそれの50倍以上。 まさに化け物といえるマークネモが本来のスペックを発揮すれば、この殺し合いはあっという間に終わってしまうだろう。 そうさせないための処置なのだがネモに気付くわけがない。 マークネモに異常があるならば、尚更自分に気の緩みは許されない。 一切の反撃を許さずに、ラッドとミュウツーを釘付けにしている。 気休めにもならない。自分はマークネモまで持ち出しているのだ。 この時点で二人を、少なくとも一人は殺せないようではあまりにも不甲斐ない。 そう。ナナリーとは相容れない、明らかに敵だと断定できるこいつらを――しかし、障害は未だあった。 僅かな焦燥の念に駆られながらも、ネモがマークネモで追撃を掛ける。 『もうやめて、ネモ! 人間相手にマークネモを使うなんて……どんな事情があっても、私には出来ないわ!』 されども、その動きにはどうにもぎこちなさが目立つ。 マークネモの攻撃に精彩が欠けているにはナナリーの存在があった。 ナナリーは心優しい少女だ。かつては只人であった、一人の男が心の拠り所にしていた程に無垢な心の持ち主。 そしてナナリーは元来の大人しい性格から争いごとは好まない。 今まで、この会場に呼ばれる前までにマークネモを使用していたのは、そうする必要があったためだ。 避ける事が出来なかったナイトメアフレーム同士の戦闘を切りぬけるためには。 だが、今回は勝手が違う。 幾ら判り合えないかもしれない存在だろうと、ラッドとミュウツーは生身だ。 人とは言い難いがナイトメアフレームを相手にするのは明らかに訳が違う。 よってナナリーは嫌悪感を覚える。 あまりにも過ぎた力であるマークネモに乗って彼らを蹂躙する自分自身に。 故にナナリーは今も試みている。 マークネモの解除はどうにも出来そうにない、ならばせめて自分の意識で足止めを掛ける。 その意思の成果が、確かに現在のマークネモの状態に現れていた。 しかし、ネモは大声で叫ぶ。 「いい加減にしろ、ナナリー! 自分の感情に素直になれ! こいつらが許せないとお前は思った筈だ、それがお前の本音だ! 私に全てを委ねれば楽になれる、私に全てを任せてくれればそれでいい……!」 ナナリーに反抗するように、ネモはマークネモを懸命に動かそうとする。 揺るぎはしない、意固地なまでに強い意志の現れ。 その行動の理由は、ネモはナナリーを軽く見ているわけではない。 寧ろ逆だ。ネモがナナリーの意思に背く事を喜んでするわけがない。 「私はお前の騎士だ、だから私がお前を全てから守る……! 私だけを信じろ! どこの馬の骨かわからない奴らと関わるからこんな目に合うんだ……!」 『ネ、ネモ……?』 ナナリーの騎士という、ネモの自称は伊達ではない。 だからこそネモはここまでして、この状況をどうにかしたかった。 ナナリーがいわれのない危機に襲われ、その命を散らせてしまう。 許せる筈もない。もし、本当にそんな運命が待っているのだとしたら。 この身を賭してでも――全力で反逆を行う必要がある。 だが、まるでネモとナナリーを嘲笑うかのように状況は加速していく。 「う、動かないで!」 恐れを必死に押し殺したような、大声が響く。 マークネモの頭部を回し、ネモがそちらを確認する。 見れば人影があった。緑色のロングヘアーを生やした、園崎詩音と目線が合う。 マークネモの異形の顔を改めて認識してしまったのだろう。 心なしか詩音はマークネモから視線を逸らした。 但し、しっかりと己の腕で抑えつけている。 自分の前に、まるで盾にように立たせた少女を――ブレンヒルトを。 詩音はブレンヒルトを人質にした形で、言葉を突き付けていた。 「……こいつに死んで欲しくなかったら、さっさとその二人を殺しなさい!」 詩音は既に手段は選んでいない。 自分よりも弱い存在、最後の砦だと思っていたナナリー。 そんなナナリーが唐突にこの場で、最も強大な存在とのし上がったのだ。 堪らない。なんであの子がこんな力を、と悔しむよりもやることが先にある。 自分の身を守るために何をやればいいか。 迅速に、只、こんな場所では死にたくないという一心から詩音は選択した。 漸く立ち上がろうとしていたブレンヒルトの後頭部を殴りつけ、そのまま後ろへ回る。 ラッドとミュウツーの二人がマークネモと立ち回っていた間に起きた出来事であり、現在に至っている。 「キサマァ!!」 そしてマークネモが――ネモが吠える。 隠しようのない怒りを露わに、こうまでして醜態を晒す詩音に対する激情が一気に駆け上る。 今まで特に危険だと感じていたラッドとミュウツーに気を取られ過ぎた。 詩音は取り敢えず放っておいても碌な行動も起こさないだろう、と考えていた。 全てが自分自身の推測による、完全な判断ミスだ 二人を殺す事に躊躇いはないが、人質を取られてしまえばこちらの行動に支障が出る。 結果としてナナリーを更なる危機に追いやってしまった後悔の念。 やがてその感情も新たな怒りとなり、ネモの精神は更に興奮をきたし出す。 最早躊躇いはない。ラッドとミュウツーから離れ、一直線に詩音の方へ。 右腕を振り上げ、詩音に向けて一切の加減を行わずに振り下ろす。 『ネモ! ブレンヒルトさんが!!』 「くっ……ナナリー。奴の狙いはそれだというのに……!」 だが、マークネモの拳が詩音を叩き潰すことはなかった。 直前で、かなり際どい位置でナナリーの意思がマークネモを抑える。 直撃はなかったが、生じた風圧により詩音の身体がブレンヒルトごと後方へ跳んだ。 しかし、多少の恐れのような感情はあるものの詩音の表情に驚きはない。 きっと詩音はネモと同じく予想していたのだろう。 ナナリーの優しい性格を、言葉を換えれば甘い性格を。 ブレンヒルト前に出されてしまえば、ナナリーはなんとしてでも助けてしまう。 わかっていたものの、自分達が詩音のペースに乗せられている事に、ネモは人一倍歯がゆく感じた。 「ブレンヒルト・シルト……お前が!」 ネモにとって見ればブレンヒルトは所詮、この場で知り合った他人でしかない。 確かにナナリーの面倒を見てはくれたが、本心では何を考えているかは計り知れない。 裏切りや妬み、そういった感情は負の感情を力に変えるネモだからこそ良く知っているものであり、どんな人間でも有り得るものだ。 故にこの瞬間、ネモはブレンヒルトを邪魔な存在だと思った。 ナナリーの制止がなければ――死体がもう一つ増えた事になったかもしれない。 別段驚きもしない。そういうものか、と嫌に冷静に己を分析する思考が確かにあった。 されども、いつまでも考えに耽っているわけにもいかない。 詩音を相手にするよりは、ラッドとミュウツーの二人を相手にする方がやりやすいだろう。 心外ではあるが、それで詩音が示す条件を満たすことも出来る。 どうせ殺すのだ。ナナリーの敵は、どうせ一人残らず殺すのだから順番などどうでもいい。 マークネモのボディを翻し、ネモは再びあの二人へ狙いをつけようとする。 「なに!?」 「よそ見してんじゃねぇ!」 だが、その瞬間、マークネモの左肩辺りで何かが爆ぜた。 バズーカの、ラッドが先程まで投げ捨てていたバズーカからの砲撃の痕跡。 勿論、いつの間にかラッドはバズーカを手元に持っている。 一瞬とはいえ、注意を向けられなくなった途端に反撃を試みる。 改めて、ラッドという男の凶暴性には流石のネモも呆れかえるしかなかった。 更にネモはマークネモの違和感を自覚する。 どうせ同じナイトメアフレームによる攻撃でもなく、大した損傷ではない。 それでも予想以上には損傷が大きい。所詮、人間用の装備であるバズーカの筈なのに。 駆動系だけでもなく、装甲面についてもか――ネモは思わず表情を顰めるしかない。 極々自然な動作で、数本のブロンドナイフをラッドに向けながら。 速さは十分。ラッドが避けるのに必要な距離は不十分。 もらった――ナイフが行き着く先を見据えながら、ネモはそう確信した。 「――ッ!」 不意に一つの影がラッドを引っ掛け、そして跳んだ。 ブロンドナイフの射程外へ。ネモは慌てて追撃のブロンドナイフを放つ。 けれども結果は同じ。正確さを失ったギアスでは、その影の完全な軌道を読む事が出来ず、仕留めることは叶わない。 やがて影はラッドを肩に担ぎながら、地に降り立つ。 白色と紫の異形――ミュウツーが其処に居た。 「なんのつもりだ、てめぇ」 「勘違いするな」 ラッドの表情に感謝の色は見られない。 殺してやりたい相手に助けられる。 これほど屈辱的な事もないだろうが、ミュウツーは特に意に介してないようだ。 乱暴に、且つそれでいてラッドの身に危険が及ばぬように更に跳躍。 マークネモから距離を取り、ラッドから腕を放す。 ミュウツーがラッドの補助を行ったのは、単に善意からの行動ではない。 「……キサマにはもっと動いてもらわないと困る。 その方がオレにとっても……都合が良い。それだけだ」 ラッドの存在は貴重だ。 持ち前の価値観や倫理を見れば判る。 ラッドは常人という枠には、到底当てはまることはない。 此処で死なれるよりも、生き残った方が他の参加者の障害になり得る。 当に不死身とも言うべき肉体、人間離れした怪力と強力な武器。 何より殺す事に、なんら罪悪感を生じないラッドは人数減らしには最適だろう。 よって、ミュウツーはこの場ではラッドの生存を優先した。 たとえ自身の危険が及ぼうとも、少しでもマスターの生存に繋がれば構わない。 詳細な理由は口には出さない、きっとラッドの方も望んではいないだろうから。 そうだ。ラッドはそんな事は望んではいない。 「……ああ、わかった。てめぇは今、思ってんだろ? “俺はお前には殺されない”……だからこんな舐めたマネしてくれんだろ? いいねぇ、これでもかってぐらいにイラつかせてくれるねぇ……ホント、てめぇは俺をイラつかせてくれるわ」 ラッドが知りたい事は極めてシンプルなもの。 ミュウツーがどんな考えをしているか、自分に殺されるに相応しい存在か。 その答えは既に一回目の出会いから出てはいたが、更に確信は強まっていく。 胸中に滾る、全身全霊を掛けた殺意に答えるように両拳を握る。 今すぐブチ殺そうか、とラッドは嫌に冷めた頭で自然と感想を漏らす。 どう考えても余裕をかましているようにか見えないこの野郎を―― だが、ラッドは唐突に握り締めていた拳を緩め出す。 同時に浮かべるものは冷酷な眼差しを眼前のミュウツーに向けて。 そして歯車が噛み合ったかのように、ラッドが流暢に口を開く。 「決めた。俺はてめぇを必ずブチ殺す。最後の最後で、てめぇがあと一歩で最後の一人になるって瞬間にブチ殺す。 手段は……何でもいいか。まあ、そんなコトだ。 だからよぉ――」 つい数時間前に殺し合った相手に助けられる。 最大級の屈辱を与えられたと言っても過言ではない。 単に、殺してやるだけでは到底ラッドの気は収まらなかった。 最後の瞬間、ミュウツーを殺す状況に自分から新たな条件をつける。 それはきっとラッドなりの落とし前の付け方なのだろう。 誰にも理解出来ない、理解してもらうつもりもこれっぽちもない。 ラッドが準ずるものは己の価値観や理想――世間一般ではそれを“狂気”というのかもしれない。 只、自身の心に命ぜられるようにラッドは腕を伸ばしす。 高く、天高く――愉快さと不愉快さがごちゃ混ぜになった感情が見えた。 声を張り上げて、バズーカを肩に担いで、ミュウツーを呼びつける。 「先ずはこいつからブチ殺そうぜ。なぁ――この“クソ宇宙人野郎”!!」 跳び出した意味は、この場での一時休戦を示す言葉。 共同目的は――マークネモの破壊。 ◇ ◇ ◇ 「クソ……なんなんだ、こいつらはああああ!!」 マークネモ内部でネモが叫ぶ。 かれこれ5分、いやそれ以上の時間が経った事だろう。 マークネモの不調は今に始まった事ではなく、半ば諦めがついている。 先程から何度も問題の解決を試みているが無駄なのだ。 どこか落ちつける場所でもあれば話は変わるかもしれないが、直ぐには期待出来ない。 その事は今は置いていく。そうだ。ネモの叫びには別の理由がある。 視界に映る人影の全てがネモには気に食わなかった。 「ギアスが使い物にならないだけで、これほどとは……!」 ネモの視界に映る人影は合計四つ。 強者から潰そうと言うのだろうか。 急に連携を取り出し、しぶとい抵抗を続けるラッドとミュウツーの二人が特に眼につく。 次に銀色の奇妙な物体を展開し、必死に逃げ惑っている詩音の姿が。 そして何よりも厄介な存在、ブレンヒルト・シルトは未だ詩音の傍で意識を失っていたままだ。 厄介というより、寧ろ邪魔でしかない。 ブレンヒルトの存在が詩音への決定的な攻撃を鈍らせる。 ならばラッドとミュウツーの方をと思いたくもなるが、この二人も一筋縄ではいかなかった。 「おい、てめぇ! なんか良い手段でも考えろや。今回だけは乗ってやる」 「知るか」 一足す一は二となって一よりも大きい。 あまりにも判り切った事だが、ラッドとミュウツーの二人はネモの予想以上に善戦していた。 信頼関係もへったくれもない、綱渡りのロープのように不安定な関係ともいえる。 元々互いに単独での戦闘を得意とするせいなのだろうか。 それぞれ好き勝手に動き合い、それが功を奏して不思議と噛み合っていた。 偶然にも片方がマークネモに狙われた際に、もう片方が攻撃を開始するように。 「ああ? てめぇ、真面目に考えてねぇだろ。ちっとは努力ってモンを知りやがれ」 「……くだらん」 だが、それでマークネモにダメージがあるかと聞かれればそうとも言えない。 幾らミュウツーやラッドのポテンシャルが優れているといっても、彼らに2メートルを超す身長もない。 対してマークネモは約4メートル程。 三倍程の大きさの敵を相手にするのは容易い事もでないのは至極当然な事だ。 所詮あまり意味を成さない攻撃しか、ミュウツーとラッドには加える事が出来ない。 しかし、それでも全くの無意味というわけでもなかった。 マークネモの手元を狂わせるような、そのくらいの妨害ぐらいは可能だ。 そこにミュウツーとラッドの身体能力が加われば、致命傷を喰らうまでには届かない。 「あ、あはははは! そうです、その調子で早く殺っちゃってください!」 更に詩音の存在がマークネモの足枷になっていた。 詩音は流石に自分がマークネモを打ち倒す程の力を持っていると思っていない。 よって碌に戦闘に参加はせずに身の安全に専念している。 じっと、月霊髄液を駆使し、そしてブレンヒルトを盾に構える。 死にたくはないとう一心から詩音が見せる隙はあまりにも少なく、ネモの焦りを誘うのにはもってこいだ。 ブレンヒルトが傷つくことはナナリーの望みではない。 ましてやブレンヒルトが巻き添えで死ぬこととなれば――明らかな痛手となるのは言うまでもない。 己の主、守るべき主であるナナリーのためにネモはこの状況をどうにか打開しようと一人奮戦していた。 終わらない膠着状態。しかし、不意にその状況に変化が訪れてゆく。 「うらああああああああ!」 依然として続いていたブロンドナイフの掃射をラッドが切り抜ける。 尋常でないない速度で一気に突っ込んでくる姿は、大砲から撃ち出された弾丸のようだ。 身体の節々には大き過ぎる赤黒い傷が目立つ。かすり傷といえど大きさが大きさだ。 かなりの痛みを伴っているだろうが、ラッドに臆する様子はない。 未だ気づかぬ、不死者の恩恵を存分に享受しながら目の前の敵へ猛然と疾走。 更にラッドは右腕に持ったバズーカを放つ。弾丸から弾丸が飛んでゆき――爆発が起きる マークネモが左腕を振い、飛来した弾丸を叩き落としたためだ。 休める暇は与えない。そう言うかのように、マークネモから最早何度目かわからないブロンドナイフが射出。 十は超えているブロンドナイフの群れが我先にとラッドへ迫る。 「……わかんねぇのかな。俺はさ……こういう感じの方が燃えちゃうわけよ」 だが、ラッドの表情に焦りは見られない。 軽く首を回して、意味深なセリフを吐いて、そしてまるでバネのように宙へ身を投げ出す。 何故か自分から鋭い光を持ち続けるブロンドナイフの方へ。 そして――咆哮。 「こんな風に! 気ぃ抜いちまったらサックリ逝っちまうこんな状況がよおおおおおおおおおおお!!」 ブロンドナイフを蹴り飛ばし、ラッドが斜め上へ跳躍する。 時間差で離れた次のブロンドナイフに向かい、またもや同じように。 三角跳びの要領でラッドはどんどんと宙へ舞い上がる。 一瞬の判断、ブロンドナイフの軌道を読み間違えれば命はない。 たとえ不死者の身体を以ってしても、追撃の分も考えれば再生が追いつかないだろう。 しかし、ラッドはやって見せた。 リスクなど微塵も恐れぬ様子で、出来る事がさも当然のような様子すらも漂う。 「いい気になるな! キサマッ!!」 対してネモがマークネモの左腕を奮う。 チョロチョロと跳び回るラッドが心底憎らしく思う。 だから今回もまた遠慮なく拳を向けることが出来た。 楽々とラッドの全身を押し潰すことの出来るマークネモの左腕。 ナナリーの抵抗は未だ続いているが、ブレンヒルトごと詩音を殺そうとした時かは緩い。 好都合だ――同時にナナリーの悲しむ顔が浮かんだが仕方ない。 此処でラッド達を殺しておかなければ、間違いなくナナリーの障害となり得るためだ。 そんな時、ネモの視界に何かが映った。 「な……に……?」 それは銀色の逆向けになったスプーンだった。 マークネモの横を過ぎ、一直線に何処かへ向かっていく。 何処からやってきたのか。その疑問は直ぐに解けた。 問題はそのスプーンが向かう先だ。 やがてネモは知った。 スプーンの主、ミュウツーの恐るべき意図を。 そう。そのスプーンが向かう先には人影が二つあった。 「――ッ!?」 簡単な消去法だ。 ラッドでもミュウツーでもなければ残っているのはあの二人。 詩音とブレンヒルトの方へスプーンが飛んでいくのをネモは眼で追った。 このままラッドへ向けようとした腕を伸ばせば叩き落とせるだろう。 しかし、それではまたもラッドを仕留めきる事が叶わないかもしれない。 それにだ。幾ら詩音と言えども自分の身に危険が及べば何らかの手段を講じるだろう。 今までずっと展開させていた、銀色のあの奇妙な物体でどうにかするに違いない。 咄嗟にネモは思った。だが、そう結論づけた瞬間、唐突にビジョンが脳裏に浮かぶ。 何故かこの瞬間だけ、今までのどんな時よりも色濃く――ギアスがブレンヒルトの未来線を読み取った。 そこには胸からスプーンを貫かれ、口元から赤い鮮血を零す姿が。 詩音に身代りにされ、絶命の瞬間を迎えるブレンヒルトが居た。 「園崎詩音! キサマというヤツはああああああああああ!!」 何故ブレンヒルトの結末がハッキリと観えたのかは定かではないが心当たりはあった。 それはナナリーがブレンヒルトに抱いていた感情による所以のため。 決して恋愛感情ではないが、信頼を結んでいたのは確かだ。 この戦闘中にもナナリーは頻りにブレンヒルトの様子を気にしていた。 ネモから与えられたといえども、未来線を読むギアスはナナリーの力だ。 この一瞬だけでも、制限されたギアスの力がナナリーに答えのかもしれない。 ブレンヒルトを、死なせたくはない彼女に危機が降りかからないために。 だが、生憎ネモにとってはそれは都合が良いとは到底言えなかった。 「まさか、あいつはこれを狙って……!」 やられた。ネモは忌々しげに視線を飛ばす。 やがてミュウツーと視線が合う。特に変えようとしない、何を考えているかわからない表情。 いや、きっと観察しているのだろう。 ネモがどう動くか。ネモがブレンヒルトを見捨てるか否かを。 どう動こうとも隙があれば見逃さない。 言葉に出さずともミュウツーの眼を見ればそう言っているのは判る。 そしてこうしている間にも刻一刻とブレンヒルトの元へスプーンは近づいている。 『ネモ! ブレンヒルトさんを守って!』 「……くっ! ナナリー!!」 ナナリーの言葉が痛い程に伝わってくる。 命令ではない、必死に懇願する感情を確かに感じ取る。 腕だけでなく、身体ごとブレンヒルトの危機を消し去って。そんな願いを感じた。 自分はナナリーの騎士だ――ならばナナリーの言葉に逆らう理由などある筈がない。 しかし、ネモは納得がいかなかった、出来るわけがなかった。 「何故こんなコトに……」 ナナリーは優しい少女だ。 争いごとは好まず、きっと今もマークネモの中で身が引き裂かれる思いに違いない。 自衛のためとはいえ、破壊をもたらすナイトメアに乗って闘う運命を突きつけられたあの日が全てを変えた。 その事についてネモが言える事は特にない。 理由はどうあれナナリーを異常な世界に引き込んだのはネモ自身だ。 弁解はしないが、只どうにも腑に落ちなかった。 今も、自分の身を顧みずにブレンヒルトを助けようとするナナリーが。 出会ってから10時間程しか経っていない人間のために、ここまで出来る彼女が。 どうしてラッドやミュウツー、詩音のような存在よりも危険を背負わなければならないのか。 ネモにはどうしてもその現実が我慢出来なかった。 不満を抱えるだけでは駄目だ。 この状況は、この歪んだ世界は何も変わらない。 ネモは全ての意識をマークネモの左腕に注ぐ。 ブレンヒルトを奪い、その後全力を以って三人を皆殺しに――刹那、ネモは己の異変を感じ取った。 今までに襲ったどれよりも強く、そして決定的な違いを。 身の危険を覚悟させる、予想だにしなかった異常が唐突に顔を出す。 「こ、これは……?」 見ればマークネモの全身がドロドロと溶け出している。 10分間、この場でのマークネモに与えられた起動時間のせいだ。 再びマークネモを呼び出すには2時間の間隔を挟まなければならない。 ナナリーとネモにとって知りようもなかった事実だが、今更知ったところでどうにか出来るものでもはない。 仕方ない。咄嗟にネモはこの場からの離脱を試みようとする。 知らなかった事が多すぎた。 新たに知りえたマークネモの異常を次に生かすためにも、一旦体勢を整えるべきだろう。 ラッド達を仕留めきれない悔しさはあるが、ナナリーの安全とは換えられない。 しかし、ネモの意思に反するものがあった。 「ナナリー!?」 『ブレンヒルトさんを……死なせたくはない!』 マークネモの左腕が未だもブレンヒルトの方へしっかりと伸ばされていた。 もう、既に全身がボロボロと崩れ落ちているにも関わらずに。 やがてスプーンを代わりに受け、マークネモの左腕が音を立てて崩れる。 それほどまでにも時間が迫っているのだ。 直ぐにでもマークネモは形を止めることが出来なくなるだろう。 ナナリーもその事はわかっているに違いない。 判っている上での行動だ。ネモにもそれは良く判っている。 何故そうまでして――そんな疑問を問う事は出来ない。 ナナリーの性格故に、彼女がブレンヒルトを見捨てられないの事も予想がついた。 「ナナリー……私は、私は……!」 マークネモの崩壊が進むと共にネモの意識も薄れていく。 状況を考えればマークネモが居なければナナリーの命はない。 そんな事はさせない。絶対にさせるわけにはいかない。 視界の隅ではさも下品そうに笑い、そしてバズーカをこちらに向けたラッドの姿が見えた。 それでもネモは必死にマークネモの存在を確立させようとする。 避けられない運命に必死に足掻くその姿は――ネモの意思に反し、酷く哀れ染みたものであった。 「私はお前の騎士だ! お前は――私が守ってみせる、ナナリー!!」 そして状況は変わり出す。 マークネモの崩壊――それが全ての終わりきっかけでもあり、始まりの加速でもあった。 ◇ ◇ ◇ 時系列順で読む Back ――――――geass Next ――the code geass 投下順で読む Back ――――――geass Next ――the code geass Back Next ――――――geass ナナリー・ランペルージ ――the code geass ――――――geass ブレンヒルト・シルト ――the code geass ――――――geass 園崎詩音 ――the code geass ――――――geass ミュウツー ――the code geass ――――――geass ラッド・ルッソ ――the code geass
https://w.atwiki.jp/pokeani/pages/31.html
あ ※ノンクレジットは声等から判断しているので正確な情報ではありません。参考程度でお願いします。 (★はレギュラー、準レギュラー) ★愛河 里花子(あいかわ りかこ) 【所属】アトミックモンキー 【出身地】神奈川県 【誕生日】10月7日 役名 主な登場話 ★サトシのゼニガメ 【無印】第12-147話.267.268.272話【AG】第189.190話【BW2】第32話【映画】長編1.2作目・ミュウツーの逆襲・幻のポケモン ルギア爆誕【映画】短編1.2作目・ピカチュウのなつやすみ・ピカチュウたんけんたい【OVA】ピカチュウのふゆやすみシリーズ ★サトシのキャタピー 【無印】第3話 ★サトシのトランセル(※) 【無印】第3.4話 ★サトシのバタフリー 【無印】第4-21話 ★サトシのクラブ 【無印】第13-75話 ★サトシのラプラス 【無印】第84-113話.257話 ★タケシのロコン 【無印】第28-169話【映画】長編1.2作目・ミュウツーの逆襲【映画】短編1.3作目・ピカチュウのなつやすみ・ピチューとピカチュウ【OVA】ピカチュウのふゆやすみシリーズ ★カスミのコダック 【無印】第27話-273話【映画】長編1.2作目・ミュウツーの逆襲・幻のポケモン ルギア爆誕【映画】短編1-5作目・ピカチュウのなつやすみ・ピカチュウたんけんたい・ピチューとピカチュウ・ピカチュウのドキドキかくれんぼ・ピカピカ星空キャンプ【サイドストーリー】第2.5.11.16話【OVA】ピカチュウのふゆやすみシリーズ ★ケンジのコンパン 【無印】第84-116話【映画】ピカチュウたんけんたい ★コジロウのウツボット(2代目) 【無印】第95-261話 ゼニガメ 【映画】短編第7作目・メロエッタのキラキラリサイタル コダック 【DP】第87話【映画】短編第7作目・メロエッタのキラキラリサイタル ゲスト ゲストは「愛河里花子」に掲載(※)はノンクレジット ★相沢 舞(あいざわ まい) 【所属】青二プロダクション 【出身地】東京都 【誕生日】8月21日) 役名 主な登場話 ★ベルのチラーミィ 【BW】第13.24.25.40.49.62話 チラーミィ 【玩具】ポケモン いっしょにおはなしチラーミィ ★相沢 まさき(あいざわ まさき)【旧名:相沢正輝】 【所属】ベルプロダクション 【出身地】北海道 【誕生日】1月19日 役名 主な登場話 テレス 【無印】第260話 アオギリ 【AG】第97.98話 マスター 【DP】第165話 ゲーチス 【BW2】第話 ★青森 伸(あおもり しん) 【所属】シグマ・セブン 【出身地】青森県 【誕生日】10月20日 役名 主な登場話 市長 【BW】第22話 ★青野 武(あおの たけし) 【所属】青二プロダクション 【出身地】北海道 【誕生日】6月19日(2012年4月9日死去) 役名 主な登場話 バンクス 【映画】ミュウと波導の勇者ルカリオ ★青山 桐子(あおやま とうこ) 【所属】81プロデュース 【出身地】東京都 【誕生日】11月3日 役名 主な登場話 トサキント 【映画】ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ ★赤羽根 健治(あかばね けんじ) 【所属】青二プロダクション 【出身地】千葉県 【誕生日】10月31日 役名 主な登場話 アッキー 【BW】第70.72話 ★AKIKO(あきこ) 【所属】大沢事務所 【出身地】埼玉県 【誕生日】12月9日 役名 主な登場話 アキコ 【AG】第106話 ★秋元 羊介(あきもと ようすけ) 【所属】マウスプロモーション 【出身地】東京都 【誕生日】2月5日 役名 主な登場話 老人(ナツメの父) 【無印】第22.24話 ハギ老人 【AG】第18.19話 博士(ドクトル・フジ博士) 【映画】ミュウツーの逆襲【SP】ミュウツーの逆襲・完全版 フジ博士(ドクトル・フジ博士) 【ドラマCD】サウンドピクチャーボックス ミュウツーの誕生 ★秋山 竜次(あきやま りゅうじ) 【所属】吉本興業(コンビ名:ロバート)【出身地】福岡県 【誕生日】8月15日 役名 主な登場話 ダイ 【映画】ディアルガVSパルキアVSダークライ 兵士B 【映画】アルセウス 超克の時空へ ザブ 【映画】ポケモンレンジャーと蒼海の王子マナフィ〔韓国版〕 ★秋吉 徹(あきよし とおる) 【所属】81プロデュース 【出身地】熊本県 【誕生日】11月8日 役名 主な登場話 助手A 【DP】特別編第1話 ★浅井 清己 (あさい きよみ) 【所属】ディーカラー 【出身地】東京都 【誕生日】4月12日 役名 主な登場話 サカキの秘書(マトリ) 【DP】第191話【BW】第1.2.5.6.23話 アロエのヨーテリー 【BW】第15話 ミネズミ 【BW】第24話 ★朝田 実依 (あさだ みえ) 【所属】81プロデュース 【出身地】兵庫県 【誕生日】5月23日 役名 主な登場話 ウパ― 【映画】幻影の覇者 ゾロアーク ★浅田 葉子 (あさだ ようこ) 【所属】81プロデュース 【出身地】兵庫県 【誕生日】5月23日 役名 主な登場話 ★ボタン(カスミの姉) 【無印】第7.61.273話【サイドストーリー】第2.5話 ★浅野 真澄(あさの ますみ) 【所属】青二プロダクション 【出身地】秋田県 【誕生日】8月25日 役名 主な登場話 クレア 【AG】第57話 ツボミ 【DP】第25話 ★麻見 順子(あさみ じゅんこ) 【所属】フリー 【出身地】神奈川県 【誕生日】9月24日 役名 主な登場話 マナミ 【無印】第29話 ★阿澄 佳奈(あすみ かな) 【所属】81プロデュース 【出身地】福岡県 【誕生日】8月12日 役名 主な登場話 エミー 【BW】第27話 ★麻生 智久(あそう ともひさ) 【所属】青二プロダクション 【出身地】神奈川県 【誕生日】5月13日 役名 主な登場話 セバスチャン 【AG】第110.111話 爺さん 【AG】第139話 調査員 【映画】ミュウツーの逆襲 ★安達 忍(あだち しのぶ) 【所属】テアトル・エコー 【出身地】東京都 【誕生日】4月7日 役名 主な登場話 妻(アイの母、フジ博士の妻) 【SP】ミュウツーの逆襲・完全版 ★我妻 正崇(あづま まさたか) 【所属】マックミック 【出身地】東京都 【誕生日】1月25日 役名 主な登場話 ヒョウタ 【DP】第15-18話.第107.108話 ★尼子 真理(あまこ まり) 【所属】フリー 【出身地】大阪府 【誕生日】2月7日 役名 主な登場話 役名未表記(バタフリー※) 【無印】第21話 (※役名はノンクレジット) ★天田 真人(あまだ まさと)→ 四反田 マイケル(したんだ まいける) ★天田 益男(あまだ ますお) 【所属】青年座映画放送 【出身地】兵庫県 【誕生日】1月20日 役名 主な登場話 シルバー 【サイドストーリー】第16話 ★天野 由梨(あまの ゆり) 【所属】アーツビジョン 【出身地】京都府 【誕生日】1月5日 役名 主な登場話 ヒイラギ 【無印】第120話 ヨーコ 【AG】第53話 ★新井 里美(あらい さとみ) 【所属】フリー 【出身地】埼玉県 【誕生日】7月4日 役名 主な登場話 ツグヨ 【AG】第145話 ミル 【DP】第47話 ★荒木 香衣(あらき かえ)【旧名:荒木香恵】 【所属】フリー 【出身地】大阪府 【誕生日】11月6日 役名 主な登場話 ナツメ 【無印】第22.24話 ナツメの人形(※) 【無印】第22.24話(※ノンクレジット) ★有本 欽隆(ありもと きんりゅう) 【所属】平野企画 【出身地】鳥取県 【誕生日】2月11日 役名 主な登場話 フォード 【無印】第101話 デンジロウ 【無印】第164話
https://w.atwiki.jp/yomesis/pages/521.html
No.493/アルセウス ●属性 お姉さん メット ポニーテール スカーフ 長 唯我独尊 ●一人称 私 ●瞳の色 赤 ●つながり ホウオウ:友達 ミュウツー:部下 ランドロス:部下 イベルタル:部下 フーパ:監視対象 「私が一番えらくて尊敬される立場・・・のはずなんだけど・・・」 能力のある者達を率いて大勢の人々に指揮する立場にある、いわゆる管理職であり最高責任者。 実質彼女がトップなのだが、部下の一部が自由奔放なのであまり威厳は感じられない。 特にミュウツー、イベルタル、ランドロスは直属の部下なのだが、むしろ舐められている。 そろそろ普通の女の子になりたいとホウオウに愚痴っている。 コメント欄 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/24fami/pages/181.html
キャラクター名 ルゥ 性別 (精神的には)男 種族 ミュウツー 特記 引き篭もり。 口調・口癖 厨二らしい男口調。 詳細:ハナダの洞窟に引き篭もっていたミュウツー。ミィの実の子供。 人間の父親を持つが、両親を奪われたり追われたりしたせいで、人間は大嫌い。 ミィに諭され、とりあえず今はマルこに捕獲されて、世間に出るリハビリ(笑)中である。 その年齢は不明だが、表現するならば我侭な聞かん坊。生い立ちのせいもあるのだろう。 思いこむと、ちょっと人の話を聴かなくなる所がある。 尚、別に引き篭もってた訳ではなく、人間に会いたくなかったから隠れ住んでいただけである。 …同じか。