約 891,150 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/14915.html
631. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 07 26.09 ID lGdjiDTZ0 前回までの状況(トレーナとポケモン) 梓 ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ ニューラ ガルーラ ボックスミニリュウ ポリゴン2 澪 ゼニガメ エビワラー デンリュウ 律 リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ムギ フシギバナ カポエラー ギャラドス 純 うい タマムシシティ編? 「ただ、愛する1人のために」 以下、投下 632. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 07 55.21 ID lGdjiDTZ0 管理室 『何なのよ、突然に』 『まったく、意味が分からないわ』 『だいたい、カードなんてどうして……』 和達はミュウツープロトタイプの突然の行動に慌てふためいてる。 『……フフフ。やっぱり、あの子はすごいな』 その中で、ローブの女だけは面白そうに画面を見ていた。 633. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 08 57.87 ID lGdjiDTZ0 「「決闘(デュエル)」」 「先攻は私だよ。私のターン。カードドロー……まずは『あずにゃん』を召喚。攻撃表示」 あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 「そして、『平沢唯』を攻撃表示で特殊召喚。このカードはフィールド上にあずにゃんがいる時、手札から特殊召喚ができる」 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー 「そして、手札から、魔法カード『思い出のネコミミ』発動!このカードはフィールド上に『あずにゃん』と『平沢唯』がいる時、デッキから、装備魔法『ネコミミ』を手札に加える。そして、『あずにゃん』に『ネコミミ』を装備。カードを1枚セット。ターンエンド。そして、このターンのエンドフェイズに『平沢唯』効果発動。私のターンのエンドフェイズにフィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時、あずにゃん分の摂取で、このカードの攻撃力、守備力が500ボイントアップ」 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー 「さらに、フィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時 あずにゃん分の摂取で、LP1000回復する」 ゆいLP4000→5000 ゆい LP5000 手札2枚 墓地1枚 モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備) 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー マジックトラップゾーン リバースカード1枚 装備カード 1枚 ミュウツープロトタイプ(以下、P) LP4000 手札5枚 墓地0枚 モンスターゾーン0枚 マジックトラップゾーン0枚 634. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 09 29.93 ID lGdjiDTZ0 「よし!」 「まずまずの出だしね」 「なあ、2人とも、これってポケモンだよな。なんで、カードで遊んでるんだ」 「何を言ってるんだ。決闘(デュエル)は遊びじゃないぞ」 「そうよ、澪ちゃん。このゲームは闇のゲーム。このゲームで受けるダメージは実際のダメージになるのよ。つまり、このデュエルでダメージを受ければ受けるほど、ゆいちゃんにもダメージを受けるの。逆もまた然りよ」 「なるほど。……って、やっぱりおかしくないか」 「そんなことより、あいつのターンだぞ」 「一体、どんな戦術でくるのか」 「……また、スルーか」 635. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 10 31.87 ID lGdjiDTZ0 「私のターン、カードドロー。……私は魔法カード『おろかな埋葬』を発動。このカードはデッキよりモンスターカードを選択し、墓地に送る。私はデッキより『ミュウ』を選択し、墓地に送る。そして、手札から、魔法カード『遺伝子改造』を発動。墓地の『ミュウ』をゲームより除外し、デッキより、『ミュウツー(アーマー)』を特殊召喚」 ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 「攻撃力3000だと!」 「いきなりやるわね」 「このカードは戦闘、モンスター効果、魔法、罠により、破壊されることはない。さらに、私のスタンバイフェイズ時にカウンター1つをこのカードに乗せる。3つ乗せたこのカードを墓地に送り、『ミュウツー(パーフェクト)』を特殊召喚する」 「1ターン目から、すごいカードを……」 「ごめん、私には分からないんだが」 「そんなことより、梓ちゃんの様子は」 「大丈夫、少し、落ち着いてるよ。……ただ、あんまり長いと……」 「そう」 636. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 11 20.07 ID lGdjiDTZ0 「では行くぞ。『ミュウツー(アーマー)』で『平沢唯』に攻撃。『サイコブレイク』」 「リバースカード、オープン。罠カード『にゃあっ!』を発動。このカードは『ネコミミ』を装備した『あずにゃん』がいる時に発動。その可愛さから、相手モンスターの攻撃対象を『あずにゃん』に変更する」 「ならば、『中野梓』に変更するだけだ」 「甘いよ。『あずにゃん』の効果発動。『ネコミミ』を装備している時に攻撃対象になった時、相手モンスターの攻撃力は0となる」 「なにっ!?」 「反撃、『にゃー』」 『梓』の攻撃がとおり、ミュウツーにダメージを与えた。 「グハッ。だが、『ミュウツー(アーマー)』は破壊されない」 「だけど、戦闘によるダメージは受けてもらう」 ミュウツープロトタイプ LP4000→3500 「くっ。カードを2枚伏せ、ターンエンド」 ゆい LP5000 手札2枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン1枚 モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備) 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー マジックトラップゾーン 装備カード1枚 ミュウツーP LP3500 手札2枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 マジックトラップゾーン リバースカード2枚 637. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 11 46.01 ID lGdjiDTZ0 「まずまずの立ち上がりだな」 「それはどうかしら、澪ちゃん」 「え?」 「たしかに、今のターンは防いで、ダメージを与えたわ。でも、防いだだけ。このターンに『ミュウツー(アーマー)』に対応できないと、次のターンから、苦しくなるわ」 「しかも、3ターンで何とかしないと、新たなるカードが呼ばれるからな」 「……お前ら、詳しいな」 638. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 12 50.08 ID lGdjiDTZ0 「私のターンだね」 (ムギちゃんの言うとおり、私は前回の攻撃を防いだだけだ。とはいっても、私の手札には『ミュウツー(アーマー)』倒せるのカードはないんだよね。まあ、デッキから、カードを引いてみなくちゃ、分からないよね) 「カード、ドロー。……私は『正義の味方ゆいちゃんマン』を 攻撃表示で召喚」 正義の味方ゆいちゃんマン 光属性 けいおん族 ☆1 攻300/守300 私は『正義の味方ゆいちゃんマン』の効果発動。このカードはこのカードをリリースすることで、手札から、あずにゃん(中野梓)と名のつくカードを特殊召喚できる。私は手札にある『ネコミミあずにゃん』を特殊召喚。攻撃表示」 ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 639. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 14 34.43 ID lGdjiDTZ0 「『ネコミミあずにゃん』で『ミュウツー(アーマー)』に攻撃。『滅びのニャーストリーム 』」 「馬鹿め。攻撃力は同じ。だが、『ミュウツー(アーマー)』は戦闘で破壊することはできない」 「『ネコミミあずにゃん』の効果。このカードがバトルをする時、相手モンスターの攻撃力が半分になる」 「何だと!?」 「破壊は出来なくても、あなたにダメージを与えることは出来る」 「なるほど。……だが、リバースガード発動。永続罠カード『ミュウツーのバリアー』」 「!?」 「このカードは『ミュウツー』と名のつくカードがいる時、1ターンに1度だけ、戦闘を無効にする」 「何!?」 「よって、この攻撃は無効だ」 「やるね。私は『平沢唯』を守備表示にして、ターンエンド。そして、このターンのエンドフェイズに『平沢唯』効果発動。私のターンのエンドフェイズにフィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時、あずにゃん分の摂取で、このカードの攻撃力、守備力が500ボイントアップ」 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1500/守1500 チューナー 「さらに、フィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時 あずにゃん分の摂取で、LP1000回復する」 ゆいLP5000→6000 ゆい LP6000 手札1枚 墓地3枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン3枚 マジックトラップゾーン1枚 モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備) 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1500/守1500 チューナー 守備 ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 マジックトラップゾーン 装備カード1枚 ミュウツーP LP3500 手札2枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 640. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 15 08.21 ID lGdjiDTZ0 「私のターン、カードドロー。スタンバイフェイズにミュウツー(アーマー)にカウンターをひとつ乗せる」 ミュウツー(アーマー)0→1 「ゆいよ。お前はそこのツインテールのポケモンとツインテールは友達と言ったな」 「うん、そうだよ。皆、あずにゃんのために一生懸命だもん」 「ならば、そのお友達がツインテールを助けることを邪魔するんだな」 「?」 「私は『ガルーラ』を攻撃表示で召喚」 ガルーラ 地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200 「な!? ガル太」 「どういうことだ、これは。よく分からないんだが」 「澪ちゃんは分からないの? ガルーラは梓ちゃんのモンスターよ。今は一刻を争う時にカードとはいえ、『ガルーラ』がゆいちゃんに牙をむいてるのよ。つまり、梓ちゃんの仲間が梓ちゃんを助けるのを邪魔してるのと同じなのよ」 「はあ、なるほど(さっぱり分からん)」 641. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 15 49.40 ID lGdjiDTZ0 「『ミュウツー(アーマー)』で、『ネコミミあずにゃん』を攻撃。『サイコブレイク』」 「くっ。『ネコミミあずにゃん』の効果は私がバトルをする時にのみ、発動する。つまり、相手のターンでは発動できない」 「そして、攻撃力は互角でも、私のモンスターは戦闘では破壊されない」 バーン 「『ネコミミあずにゃん』……」 「まだ、私のバトルフェイズは終わってない。『ガルーラ』で『平沢唯』を攻撃。『ピヨピヨパンチ』」 『キャーーーーーーー』 「ああ、『平沢唯』が破壊されちゃった」 「私はこれでターンエンド。私は自分のターンのエンドフェイスに効果発動。『ガルーラ』が戦闘によって、モンスターを破壊した時、デッキから、カードを1枚ドローする」 ゆい LP6000 手札1枚 墓地5枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚 モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備) マジックトラップゾーン 装備カード1枚 ミュウツーP LP3500 手札3枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター1 ガルーラ 地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 642. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 16 21.42 ID lGdjiDTZ0 「まずいな」 「ええ」 「今度はなんだ」 「ゆいの手札は一枚のみ。最強の盾、『中野梓』がいても、いつ突破されるか分からないからな」 「そして、ライフは上でも、守ってるだけじゃ勝てないし」 「そうなのか(さっぱり分からん。何で普通に戦わないんだろう)」 643. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 16 58.90 ID lGdjiDTZ0 「私のターン、カードドロー。……君はポケモンと人間は共存できないと言ったよね」 「ああ」 「それは間違ってるよ。私は『りっちゃん』を攻撃表示で召喚」 田井中律 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 「でたっ!私のカード」 「『りっちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札にあるけいおん族を1体特殊召喚できる。私は『ムギちゃん』を特殊召喚」 琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 「私のカードよ!」 「『ムギちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドにいる、このカードを含めたけいおん族1枚につき、1枚カードをドローする。私のフィールドには3枚のけいおん族が存在する。この効果で、私は3枚カードをドローする。そして、手札から魔法カード『二重召喚(デュアルサモン)』を発動。このカード効果はこのターンに通常召喚を2回まで行う事ができる。私は、『澪ちゃん』を攻撃表示で召喚」 秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 644. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 17 26.33 ID lGdjiDTZ0 「あれ?何で私のカードが?」 「ああ。さっき、私が渡した」 「何で、勝手に」 「だって、仲間だろ?」 「……」 「澪ちゃん、顔真っ赤」 645. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 18 07.91 ID lGdjiDTZ0 「『澪ちゃん』の効果発動。召喚、特殊召喚に成功した時、墓地にあるけいおん族のカードを1枚手札に加える。私は『平沢唯』を手札に加える。そして、『平沢唯』を攻撃表示で特殊召喚。このカードはフィールド上にあずにゃんがいる時、手札から特殊召喚ができる」 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー 「まさか、このターンでここまでのモンスターを召喚するとは」 「これが絆の力だよ。私はカードを1枚セット。ターンエンド。そして、このターンのエンドフェイズに『平沢唯』効果発動。私のターンのエン ドフェイズにフィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時、あずにゃん分の摂取で、このカードの攻撃力、守備力が500ボイントアップ」 平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー 「さらに、フィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時 あずにゃん分の摂取で、LP1000回復する」 LP6000→7000 ゆい LP7000 手札0枚 墓地5枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン5枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター あずにゃん(中野 梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備) 平沢 唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー 田井中 律 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 マジックトラップゾーン 装備カード1枚 リバースカード1枚 ミュウツーP LP3500 手札3枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター1 ガルーラ 地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 646. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 18 37.48 ID lGdjiDTZ0 「よし、これで、ライフでは倍になった」 「でも、このままじゃ、『ガルーラ』にも勝てないわ」 「どうする、ゆい」 「……まったく、状況が分からない」 647. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 19 55.31 ID lGdjiDTZ0 「私のターン、カードドロー。スタンバイフェイズにミュウツー(アーマー)にカウンターをひとつ乗せる」 ミュウツー(アーマー)1→2 「さらに地獄は続くぞ。私は『ニューラ』を攻撃表示で召喚」 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 「今度はニュー太!」 「なるほど。ゆいを精神的に追い詰めるのが狙いか」 「私は手札から、魔法カード『サイコブレイク』発動。このカードはミュウツーがいる時にのみ発動。相手モンスター1体を破壊し、そのモンスターの攻撃力分ダメージを与える。対象は『中野 梓』」 「!?」 『キャーー、ゆいせんぱーい』 「あずにゃん」 「まだ、効果ダメージがあるぞ」 「うわーーー」 ゆい LP7000→6500 「なんで、ダメージがゆいに食らってるんだ?」 「最初にも言っただろ?これは闇のゲームなんだよ」 「言ってたけど、まさか、実際にダメージがあるなんて」 「こんなことで驚いていては駄目よ。違う世界にはこのカードで世界を救っている人がいるのよ」 「はあ?」 「そして、バトルフェイズ。『ガルーラ』で、『田井中 律』に攻撃。『ピヨピヨパンチ』」 「くっ。これ以上はやらせないよ。リバースカード発動。カウンター罠カード『攻撃の無力化』。相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手モンスター1体の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する」 「やるじゃないか。だが、お前の恋人のカードは墓地にいってしまったな。ターンエンド」 ゆい LP6500 手札0枚 墓地8枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン4枚 マジックトラップゾーン0枚 モンスター 平沢 唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー 田井中 律 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 マジックトラップゾーン ミュウツーP LP3500 手札2枚 墓地3枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター2 ガルーラ 地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 648. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 21 22.23 ID lGdjiDTZ0 「お前は現実だけでなく、このデュエルでも、恋人を殺してしまったな」 「ま、まだ、現実では死んでないよ。縁起でもないこと言わないでよ」 「時間の問題だろう。さっきのように心の闇に身を任せてはどうだ?」 「やだよ。あずにゃんと約束したもん。私はこのデュエルであなたを倒す」 「それもいいだろう」 「あんまり、舐めないでよ。私のターンだよ」 (とはいっても、現状じゃ厳しいよ) 「カードドロー。……私は『平沢 唯』に『田井中 律』『琴吹 紬』『秋山 澪』をチューニング」 ☆2+☆2+☆2+☆2=☆8 「集いし想いが新たに輝く嫁となる。光さす嫁となれ、シンクロ召喚『エンジェルあずにゃん』」 エンジェルあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター そんな口上とともに、白い羽をした梓の姿が。 649. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 22 04.31 ID lGdjiDTZ0 「お、おい、あのカードは……」 「あれは伝説のアズリストの持つ世界に4枚しかないといわれるカードのうちの1枚 、『エンジェルあずにゃん』だな」 「なんで、そんなカードをあいつは持ってるんだ」 「悔しいけど、今のところ、ゆいちゃんが伝説のアズリストだからよ」 (こいつらは一体何を言ってるんだ。梓、助けて) 650. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 23 16.03 ID lGdjiDTZ0 「『エンジェルあずにゃん』の効果発動。1ターンに1度、墓地に存在する『平沢唯』か『中野梓(あずにゃん)』と名のつくカードをフィールドに特殊召喚する。この効果で、私は『ネコミミあずにゃん』を特殊召喚。攻撃表示」 ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 「よし!」 「このまま、押し切れるわ」 「私は『エンジェルあずにゃん』で『ガルーラ』に攻撃。『エンジェルスマイル』」 『グハッ』 ミュウツープロトタイプは衝撃で吹き飛ぶ。 「グアーーーー。……貴様は仲間をも滅ぼすか」 ミュウツーP LP3500→2400(3000-1900) 「それはカードだしね。まだ、私のバトルフェイズは終わってないよ。『『ネコミミあずにゃん』で』『ニューラ』に攻撃。『滅びのニャース トリーム』」 「2度目は通じんよ。永続罠カード『ミュウツーのバリアー』の効果発動。このカードは『ミュウツー』と名のつくカードがいる時、1ターンに1度だけ、戦闘を無効にする」 「やるね。私はカードを一枚伏せてターンエンド」 ゆい LP6500 手札0枚 墓地11枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン1枚 モンスター エンジェルあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 ミュウツーP LP2400 手札2枚 墓地4枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター2 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 651. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 23 54.51 ID lGdjiDTZ0 「さて、最後のターンだ。私のターン、カードドロー。スタンバイフェイズにミュウツー(アーマー)にカウンターをひとつ乗せる」 ミュウツー(アーマー)2→3 「『ミュウツー(アーマー)』の効果発動。カウンター3個が乗った、『ミュウツー(アーマー)』をリリースし、デッキより、『ミュウツー(パーフェクト)』を特殊召喚」 ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 「このカードはモンスター効果、魔法、罠カードの効果で、破壊できない。また、フィールドから手札に戻すことができず、フィールドから除外することもできない」 「なっ!?」 652. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 25 49.57 ID lGdjiDTZ0 「おい、なんだよ、あのカードは!インチキ効果もいい加減にしろ!!」 「つまり、どういうことなんだ」 「あのカードはモンスター効果、魔法、罠カードの効果で、破壊はできないのよ。そして、手札に戻すこともできない。さらには除外することができない。つまり、ずーっと、フィールドに残り続けるのよ」 「攻撃力4000のモンスターが? なにか、手段は?」 「かなり厳しいがないわけじゃない」 「その方法は?」 「戦闘で倒すかデッキに戻すかだけど、厳しいな」 「へ?」 「あのテキストには戦闘で破壊されないとは書いていないからな。だが、永続罠カード『ミュウツーのバリアー』のカードがあるから現実的に相当に厳しい。デッキに戻すにしても、ゆいのデッキに入ってるかどうか」 653. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 26 30.47 ID lGdjiDTZ0 「では、バトルだ。『ミュウツー(パーフェクト)』よ、『ネコミミあずにゃん』に攻撃。『はどうだん』」 『にゃーーーーーーーーーーーーーー』 「あずにゃーん。うわーーーーーーー」 ゆい LP6500→5500(4000-3000) その攻撃を受け、コロコロと転がっていくゆい。 「大丈夫か、ゆい」 「う、うん。まだ、平気だよ」 「私は『ニューラ』を守備表示にして、これで、ターンエンドだ」 ゆい LP5500 手札0枚 墓地12枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚 モンスター エンジェルあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター マジックトラップゾーン リバースカード1枚 ミュウツーP LP2400 手札3枚 墓地5枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 654. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 27 04.70 ID lGdjiDTZ0 「くそっ。私のターン、カードドロー。『エンジェルあずにゃん』の効果発動。1ターンに1度、墓地に存在する『平沢唯』か『中野梓(あずにゃん)』と名のつくカードをフィールドに特殊召喚する。この効果で、私は『ネコミミあずにゃん』を特殊召喚。守備表示」 ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 「また、あのカードを復活させたか」 「でも、どうするのかしら」 「……私はカードを1枚セット。『エンジェルあずにゃん』を守備表示にしてターンエンド」 ゆい LP5500 手札0枚 墓地11枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター エンジェルあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター 守備 ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 守備 マジックトラップゾーン リバースカード2枚 ミュウツーP LP2400 手札3枚 墓地5枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 655. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 27 32.68 ID lGdjiDTZ0 「では、私のターン。カードドロー。私は『ミュウツー(パーフェクト)』に装備魔法『かいがらのすず』を装備。このカードを装備したモンスターが戦闘により、相手プレイヤーにダメージを与えた時、その数値の半分を私のライフに加える」 「これで、ライフ回復手段まで……」 「まだ、終わらないぞ。さらに、私は『ミュウツー(パーフェクト)』に装備魔法『メテオ・ストライク』を装備。このカードを装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える」 656. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 28 05.00 ID lGdjiDTZ0 「まだ、終わらないぞ。さらに、私は『ミュウツー(パーフェクト)』に装備魔法『メテオ・ストライク』を装備。このカードを装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える」 「なっ。これで、守備してもダメージが……」 「どういうことだ」 「本来なら、守備表示にしてれば、ダメージは発生しなかったけど、あのカードのせいで、守備表示にしても、ダメージを受けるわ」 「それだけじゃない。ダメージを受けるたびにあいつのライフが『かいがらのすず』の効果で回復する。ただでさえ、厳しいのに」 「ゴホゴホ」 「大丈夫か、梓」 「顔色がだいぶ悪くなっている」 「状況は最悪ね」 657. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 28 59.06 ID lGdjiDTZ0 「『ミュウツー(パーフェクト)』で『エンジェルあずにゃん』に攻撃。『はどうだん』」 「くっ、リバースカード、オープン。罠カード『くず鉄のかかし』 このカードは相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手モ ンスター1体の攻撃を無効にする。発動後このカードは墓地に送らず、そのままセットする」 「あまいな。 リバースカード、オープン。罠カード『トラップスタン』 このカードはこのターンこのカード以外のフィールド上の罠カードの効果を無効にする」 「えっ!?」 「このカードの効果で『くず鉄のかかし』の効果は無効。セットもされない。よって、『ミュウツー(パーフェクト)』の攻撃は『エンジェルあずにゃん』に通る」 『にゃーーーーー』 「くっ、『エンジェルあずにゃん』。う、うわー」 バーンと、ゆいの小さな体は飛ばされてしまう。 ゆい LP5500→4000(4000-2500) 「さらに、装備魔法『かいがらのすず』を装備。このカードを装備したモンスターが戦闘により、相手プレイヤーにダメージを与えた時、その数値の半分を私のライフに加える」 ミュウツーLP2400→3150(2400+750) 「私はカードを1枚伏せ、ターンエンド」 ゆい LP4000 手札0枚 墓地13枚(内、魔法罠6) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚 モンスター ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 守備 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 ミュウツーP LP3150 手札1枚 墓地6枚(内、魔法罠4) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン4枚 モンスター ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 装備2枚 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備 マジックトラップゾーン リバースカード 1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 658. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 29 35.44 ID lGdjiDTZ0 「……く、立たないと」 「……お前に勝ち目はない。諦めたら、どうだ」 「それは選択肢にすらないよ」 (とはいっても、全然勝機がないよ) 「私のターン、カード、ドロー。……これは!?」 「何を引いたんだ」 659. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 30 11.52 ID lGdjiDTZ0 「私は魔法カード『けいおん回収』を発動。このカードは墓地に存在するけいおん族のカードを2枚まで手札に加える。私は『りっちゃん』と『ムギちゃん』を手札に加える。私は『りっちゃん』を召喚する。」 田井中律 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 守備 「『りっちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札にあるけいおん族を1体特殊召喚できる。私は『ムギちゃん』を特殊召喚」 琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 守備 「『ムギちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドにいる、このカードを含めたけいおん族1枚につき、1枚カードをドローする。私のフィールドには3枚のけいおん族が存在する。この効果で、私は3枚カードをドローする。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」 ゆい LP4000 手札2枚 墓地12枚(内、魔法罠7) モンスターゾーン3枚 マジックトラップゾーン2枚 モンスター ネコミミあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 守備 田井中律 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 守備 琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 守備 マジックトラップゾーン リバースカード2枚 ミュウツーP LP3150 手札1枚 墓地6枚(内、魔法罠4) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン4枚 モンスター ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 装備2枚 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備 マジックトラップゾーン リバースカード 1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 660. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 31 22.13 ID lGdjiDTZ0 「私のターン、カードドロー。……さて、更なる絶望を見せてやろう」 「?」 「私は『ストライク』を召喚。装備魔法『メタルコート』を装備。そして、『メタルコート』を装備した『ストライク』をリリースことで、『ハッサム』を特殊召喚」 ハッサム 闇属性 はさみ族 ☆7 攻2600/守2000 「あれは、梓のエースモンスター」 「例え、ただのカードでも、いい気分はしないわね」 「『ニューラ』を攻撃表示に変更。バトルフェイズ、『ミュウツー(パーフェクト)』で『琴吹 紬 』に攻撃『はどうだん』」 『キャー』 「ムギちゃん。う、うわーーーーーーーーー」 ゆいは今までとは比べ物にならないほど、いきおいよく、飛ばされていく。 ゆい LP4000→500 (4000-500) ミュウツーP LP3150→4900(3150+1750) 「……ハアハア」 「それぞれ、2体で『田井中律』『ネコミミあずにゃん』を攻撃」 『『キャーーーー』』 「……ハアハア、 リバースカード、オープン。罠カード『奇跡の残照』 このカードはこのターン戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られたモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを墓地から特殊召喚する。私は『ムギちゃん』を選択し、特殊召喚。『ムギちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドにいる、このカードを含めたけいおん族1枚につき、1枚カードをドローする。私のフィールドには1枚のけいおん族が存在する。この効果で、私は1枚カードをドローする」 「無駄な抵抗だな。私はこれでターンエンド」 ゆい LP500 手札3枚 墓地15枚(内、魔法罠8) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚 モンスター 琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 守備 マジックトラップゾーン リバースカード1枚 ミュウツーP LP4900 手札0枚 墓地8枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン4枚 モンスター ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 装備2枚 ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 ハッサム 闇属性 はさみ族 ☆7 攻2600/守2000 マジックトラップゾーン リバースカード 1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』 661. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) 2011/06/25(土) 09 32 17.73 ID lGdjiDTZ0 (駄目だ、こいつ、強いよ。もう駄目だよ。あずにゃんとこいつを倒す約束をしたのに。……ここで、諦めてもいいよね。きっと、天国で褒めてくれるよね。『よく頑張りましたね』って、言って、ナデナデしてくれるよね) 「どうした、諦めたのか?諦めた方が楽になれるぞ」 (そうだよね。こんなの私らしくないし、諦めた方がいいよね) 「そうだ。素直に諦めたら、あの、ツインテールの女だけでも、助けてもいいぞ」 「え?」 「そのかわり、私のために働いてもらう。さしあたっては、あの女達から、倒してもらうぞ」 「ほ、本当に、あずにゃんを……」 (もし、本当に助けてくれるなら、いいよね。もともと、あずにゃんを通じての知り合いだし、そんなに繋がりもないしね。だから、あずにゃんのために犠牲になってもらっても……) 「……」 (なんてね。そんなことしても、あずにゃんは喜ばないよね。あずにゃんが喜んでくれるとしたら、最後まで諦めないことだよ) 「どうした?お前の答えは?」 17
https://w.atwiki.jp/maruno-mu/pages/24.html
視点 圭一 沙都子「な……なんですの!?」 突然、展望台の一部が爆発を起こし、真っ赤な火の手を上げた。 大石「あ~あ、遂に始まっちゃいましたねぇ」 大石さんは抵抗する術を失って諦めがついたのか、 手すりの下に腰掛けて、呑気にタバコをふかしている。 圭一「始まった……?、何がですか!?」 大石「はい?、私はあなたに説明する義理なんて 無いはずですよねぇ、前原さん」 クソッ、相変わらず、人の気に障るような受け答え方しやがって! 大石「まぁ、でも……」 大石さんはタバコをもみ消しながら話し出す。 大石「一応、説明しておきましょうかね、前原さん達にも……、暇だし」 視点 魅音 力の差は歴然だった……。ミュウツーの攻撃は、私達の一挙動一挙足を 瞬時に捉え、確実にダメージを与えてくる。 レナ「マリル!」 私のオニドリルに続き、レナのマリルも、 ミュウツーの圧倒的な攻撃力の前に崩れ落ちる。 アカギ「お前たちの力は、その程度か?」 加えて、ミュウツーの攻撃が、壁を貫き、床に穴を空ける。 精神的にも追い詰められていく私とレナ。 アカギ「どうした、園崎魅音、お前の力はそんなものじゃ無いはずだ。 私にお前の中の鬼を見せろ! タマムシシティで見せたあの鬼神のような目を!あの目を私は……、 ゴホッ……!?」 魅音「え……、吐血?」 もしかして、アカギ自身の体力に限界が近付いている……? 視点 圭一 圭一「そ……その話しって本当なんですか?」 俺は全てを知り、驚愕する。まさか、レナと魅音が、 そんな巨大な組織と戦っていたなんて……。 大石「ええ、全て事実です」 沙都子「レナさんと魅音さんが……まさか……」 こうしちゃいられねぇ。俺はレナと魅音を助けるために 急いで展望台の方へ向かおうとする、しかし…… 圭一「梨花ちゃん……?」 何故か、梨花ちゃんが、俺の服を掴んで放そうとしない。 圭一「なんだよ、梨花ちゃん!、早く行かないとレナと魅音が……」 梨花「2人を……、信じてあげて欲しいのです……」 圭一「はぁ?」 梨花「今は只、2人を信じて、この場で待っていてあげて欲しいのです 2人の邪魔をしないであげて欲しいのです。お願いなのですよ、圭一」 な……なんだよ、梨花ちゃんはそんなに、レナ×魅音が好きなのかよ! 圭一「放してくれ!」 俺は梨花ちゃんの手を振りほどき、展望台に向かって走り出す。 梨花「け……圭一」 沙都子「梨花、私達も行きますわよ!」 視点 サターン ギンガ団員「第3エンジン小破!、メインタンク大破!」 ギンガ団員「各部の機能が低下しています! 第2、第3スクリュー停止!」 ギンガ団員「し……浸水が始まったぞ!、この船はもう終わりだ!!」 もはやここまでか……。 ボス、申し訳ありません、私が至らないばかりに……。 サターン「船内放送をONにしろ」 ギンガ団員「は……はい!」 これが今、私に出来る最善の策だ。 私は、覚悟を決めて、通信機を手に取る。 サターン「全クルーに継ぐ、直ちに本船より脱出せよ! 繰り返す、直ちに本船より脱出せよ!」 視点 魅音 放送「繰り返す、直ちに本船より脱出せよ!」 参ったね。残された時間は、ほとんど無いみたいだ。 しかし、目の前のアカギは、血反吐を吐きながらも 攻撃の手を緩める事は無い。 アカギ「ガハッ……ハァハァ……、鬼を見せろォォォォ…… 」 ミュウツーのスピードスターが、無数に放たれ、私達を襲う。 レナ「きゃッ!」 魅音「くっ……!」 飛び退いてかわそうとするものの、いくつかの弾が 体をかすめ、切り傷を残してゆく。 レナ「ああッ!!」 魅音「レナ!!」 攻撃をかわしきれなかったレナが、その場に倒れ伏す。 私は慌てて、レナに駆け寄った。 魅音「レナ!、大丈夫!?、レナ!」 レナ「ご……ごめんね、魅ぃちゃん……、レナ、足手まといだよね?」 レナの目から、涙がこぼれ落ちる。 魅音「そんな事無い!、レナはいつだって、私の大切な……」 私の後ろで、ミュウツーが再び、攻撃体制に入る。 レナ「逃げて、魅ぃちゃん……、次の攻撃が……」 私は自分の両手でレナの両手を包み、 優しく微笑みながら自分の意志を告げる。 魅音「私はあんたのそばを離れたりしない……、絶対にだ」 レナ「魅ぃ……ちゃん……」 視点 ナツメ エリカ「大石さん!」 救命ボートで脱出を図る、多数の警察官とギンガ団の中に、 大石の姿を発見した。 大石「おや、エリカさんにナツメさん……と、 そちらの方は……もしや……」 エリカ「はい、この方がマサキさんです。 ギンガ団に捕らえられていたところを、救出して参りました」 大石「ほぉ、それはまた、感心な行いですなぁ」 エリカ「それで、大石さん、マサキさんは今、かなり衰弱していますので 職務質問などは、またの機会に……」 大石「あーはいはい、わかってます、わかってます。 私はどこかの次期頭首と違って、空気は読める方なんですよぉ、 んっふっふ」 エリカ「は……はあ……、それはそれは……」 大石「それより、皆さんも早く、ボートに乗り込んで下さい。 急がないと、船が沈んじゃいますよ」 エリカ「あ……!、そうでしたね」 私達は、慌ててボートに乗り込んだ。 視点 魅音 レナ「魅ぃ……ちゃん?」 骨が軋む……、内臓がめくれあがるような感覚……。 レナ「どうして……」 私の後ろにいるレナが、ボロボロと涙を流すのがわかった。 レナ「どうしてぇぇぇぇッ!!」 レナの悲痛な叫びが聞こえるが、後悔はしていない。 私はレナに向かって放たれた、ミュウツーの波動弾を食い止めた……、 そう、自分の体を盾にして……。 魅音「く……」 その場で崩れ落ちる私に、レナがよろめきながら近づいてくる。 レナ「なんで……、どうしてこんな事を……!!」 レナが私の肩を抱き寄せ、涙を流しながら問い詰めてくる。 魅音「言った……でしょ……」 私はレナの頬に軽く手を添える 魅音「私はあんたのそばを離れたりしないって……」 レナ「魅ぃ……ちゃん……うう……」 レナを失う痛みに比べたら、こんな怪我、なんともない。 魅音「たとえこの身が砕け散ろうとも……、 レナのこと……、絶対に守るから……」 その時、私の中で何かが目覚めた……。 心臓の鼓動がだんだん大きくなり、遂には、耳障りだと感じるまでになる。 体が熱い……、胸が焼ける……、 これが、地獄の炎で焼かれるという感覚? だけど、不思議と体は、重くない。いや……、むしろ軽い……、 まるで、自分に合わせて、時間が動いているような感じだ。 今の私に敵はいない……、何故かそう確信できた。 私は誰……?、私は……私は……、 私は……、鬼……? 私はゆっくりとその場から立ち上がる。 レナ「み……魅ぃちゃん?」 あの時と同じだ……、レナの声が遠い……、目の前の敵に意識が集中する。 私は顔を上げ、ミュウツーを、正面から睨みつける。 ミュウツーの方もしっかりと、私の事を見据えている。 先程までの恐怖は微塵も感じない、自分でも不思議だった。 アカギ「ハ……ハハハ……、その目……、 その目だ、園崎魅音ンンンンッ!!」 アカギの声も、今や遠い。私の意識は、ミュウツーだけに集中している。 私の中の鬼が、敵を倒す事だけに、意識を集中させる。 私は自分の正面に、オニゴーリとマルノームを繰り出した。 それに反応してミュウツーが身構える。 魅音「園崎本家頭首跡継ぎ、魅音。参ります」 前へ 次へ
https://w.atwiki.jp/marurowa/pages/400.html
【第三回放送】 話数 タイトル 作者 登場人物 0174 第三回放送 ◆SqzC8ZECfY ギラーミン、キース・ブラック、キース・シルバー、キース・グリーン、キース・ヴァイオレット 【夜】 0175 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ◆SqzC8ZECfY ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ブレンヒルト・シルト 0176 世界-The World- ◆YhwgnUsKHs クレア・スタンフィールド 0177 歩くような速さで ◆b8v2QbKrCM 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0178 砂鉄の楼閣(前編)砂鉄の楼閣(中編)砂鉄の楼閣(後編) ◆/VN9B5JKtM ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ 0179 あなたに会いたくて ◆b8v2QbKrCM ラッド・ルッソ、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ 0180 忘れてはならないもう一人 ◆/VN9B5JKtM トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 0183 あなたへの手紙 ◆yvUxRPre9c 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0187 罪と罰(前編)(中編)(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、水銀燈、ロロノア・ゾロ 0188 タイプ:ワイルド(前編)タイプ:ワイルド(後編) ◆/VN9B5JKtM クレア・スタンフィールド、トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 【夜中】 0182 裏表トリーズナーズ(前編)裏表トリーズナーズ(後編) ◆GOn9rNo1ts ラッド・ルッソ、御坂美琴 0184 三つの湖 Side-A ◆tt2ShxkcFQ ミュウツー 0186 首輪物語(前編)首輪物語(後編) ◆/VN9B5JKtM ラッド・ルッソ、御坂美琴、ゼロ 0189 悪魔-The Devil- ◆YhwgnUsKHs トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、ニコラス・D・ウルフウッド 0190 ブラック・エンジェルズ ◆/VN9B5JKtM ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈 0191 彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(前編)彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(後編) ◆OQO8oJA5SE 小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 0192 すくわれぬもの(You can not save me) ◆GOn9rNo1ts 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0193 When They Cry(前編)When They Cry(後編) ◆/VN9B5JKtM ミュウツー、北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0194 キミガタメ(I save you from anything) ◆GOn9rNo1ts ミュウツー、アルルゥ、ライダー(征服王イスカンダル)、ラッド・ルッソ、御坂美琴 0197 悪役(前編)悪役(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 【真夜中】
https://w.atwiki.jp/nenrei/pages/2215.html
【作品名】ミュウツーの誕生 【ジャンル】サウンドピクチャーボックス 【名前】カブトプス 【属性】こうらポケモン 【年齢】200万歳 【長所】ミュウツー誕生の話なのにまさか高齢のカブトプスが出てくるとは思わなかった 【短所】本家ゲームでは進化前のカブトのがずっと年上 【備考】ポケモン学会より世界で最も古いポケモンが発見され、 それがこのカブトプスであり200万年前そのままの姿だと言われている vol.4
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/365.html
【151~200】 話数 タイトル 作者 登場人物 0151 God&doG ◆SqzC8ZECfY クレア・スタンフィールド、レヴィ 0152 bitter enemies in the same boat ◆tt2ShxkcFQ バラライカ、無常矜持 0153 それは誰にも聞こえぬ歌――勇侠青春謳(前編) (後編) ◆Wott.eaRjU ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ゼロ、水銀燈、サカキ、土御門元春 0154 CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~CIRCLE RHYTHM ~ブレイス・オブ・ピリオド~CIRCLE RHYTHM ~光の空のクオリア~ ◆YhwgnUsKHs カズマ、竜宮レナ、トニートニー・チョッパー、レッド、グラハム・スペクター、ラッド・ルッソ、ギルガメッシュ、前原圭一、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 0155 Deus ex machina ―戦争―Deus ex machina ―殺人―Deus ex machina ―神々―Deus ex machina ―終演― ◆b8v2QbKrCM カズマ、竜宮レナ、トニートニー・チョッパー、ラッド・ルッソ、アーチャー(ギルガメッシュ)、前原圭一、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、バラライカ、無常矜持、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ミュウツー、ライダー(征服王イスカンダル) 0156 知人の奇妙な行動 ◆yvUxRPre9c ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロロノア・ゾロ、ハクオロ 0157 私のお墓の前で泣かないでください ◆YhwgnUsKHs クリストファー・シャルドレード、北条沙都子、アルルゥ、ゼロ 0158 境界線上の小鳥遊宗太 ◆OQO8oJA5SE 小鳥遊宗太、佐山・御言 0159 瞬間 ◆Wott.eaRjU ラッド・ルッソ、リヴィオ・ザ・ダブルファング 0160 Working×Walking×Warning ◆b8v2QbKrCM ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈、伊波まひる、新庄・運切、ロロノア・ゾロ、ハクオロ 0161 力-Strength-(前編)力-Strength-(後編) ◆YhwgnUsKHs カズマ、竜宮レナ、トニートニー・チョッパー、ギルガメッシュ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、ミュウツー、ライダー(征服王イスカンダル) 0162 within spitting distance ◆b8v2QbKrCM ロベルタ 0163 EPISODE163 疾走 ◆b8v2QbKrCM ミュウツー、ライダー(征服王イスカンダル) 0164 想いと涙と ◆UcWYlNNFZY トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 0165 誰かの願いが叶うころ(前編)誰かの願いが叶うころ(中編)誰かの願いが叶うころ(後編) ◆tt2ShxkcFQ 真紅、橘あすか、御坂美琴、ブレンヒルト・シルト 0166 的外れジャストミート SideA的外れジャストミート SideB ◆YhwgnUsKHs トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、真紅、橘あすか、御坂美琴 0167 Reckless fire拳 ◆Wott.eaRjU カズマ、アーチャー(英雄王ギルガメッシュ) 0168 偶然と必然のあいだ ◆b8v2QbKrCM 小鳥遊宗太、佐山・御言 0169 銃弾と力だけが真実さ ◆SqzC8ZECfY レヴィ、クレア・スタンフィールド 0170 バッドエンドは突然に ◆b8v2QbKrCM トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド、ラッド・ルッソ、橘あすか 0171 Alliance for MASTER ◆YhwgnUsKHs ロベルタ、ミュウツー、ブレンヒルト・シルト、リヴィオ・ザ・ダブルファング 0172 赤目と黒面(前編)赤目と黒面(中編)赤目と黒面(後編) ◆GOn9rNo1ts クリストファー・シャルドレード、北条沙都子、アルルゥ、ゼロ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0173 Free Bird(前編)(後編)Just wanna be(前編)(後編)call my name ◆YhwgnUsKHs ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、水銀燈、ロロノア・ゾロ新庄・運切、ハクオロ、佐山・御言、小鳥遊宗太 0174 第三回放送 ◆SqzC8ZECfY ギラーミン、キース・ブラック、キース・シルバー、キース・グリーン、キース・バイオレット 0175 殺意と鉄血が呼ぶは死の熱風‐Santana‐ ◆SqzC8ZECfY ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ブレンヒルト・シルト 0176 世界-The World- ◆YhwgnUsKHs クレア・スタンフィールド 0177 歩くような速さで ◆b8v2QbKrCM 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0178 砂鉄の楼閣(前編)砂鉄の楼閣(中編)砂鉄の楼閣(後編) ◆/VN9B5JKtM ミュウツー、ロベルタ、リヴィオ・ザ・ダブルファング、ラッド・ルッソ、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ 0179 あなたに会いたくて ◆b8v2QbKrCM ラッド・ルッソ、ブレンヒルト・シルト、真紅、御坂美琴、ゼロ 0180 忘れてはならないもう一人 ◆/VN9B5JKtM トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 0181 ※ B-2ルート専用話のため欠番 - - 0182 裏表トリーズナーズ(前編)裏表トリーズナーズ(後編) ◆GOn9rNo1ts ラッド・ルッソ、御坂美琴 0183 あなたへの手紙 ◆yvUxRPre9c 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0184 三つの湖 Side-A ◆tt2ShxkcFQ ミュウツー 0185 ※ B-2ルート専用話のため欠番 - - 0186 首輪物語(前編)首輪物語(後編) ◆/VN9B5JKtM ラッド・ルッソ、御坂美琴、ゼロ 0187 罪と罰(前編)(中編)(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、伊波まひる、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、水銀燈、ロロノア・ゾロ 0188 タイプ:ワイルド(前編)タイプ:ワイルド(後編) ◆/VN9B5JKtM クレア・スタンフィールド、トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、古手梨花、ニコラス・D・ウルフウッド 0189 悪魔-The Devil- ◆YhwgnUsKHs トニートニー・チョッパー、竜宮レナ、ニコラス・D・ウルフウッド 0190 ブラック・エンジェルズ ◆/VN9B5JKtM ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈 0191 彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(前編)彼と、追悼なる話(彼と対となるは、無し)(後編) ◆OQO8oJA5SE 小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 0192 すくわれぬもの(You can not save me) ◆GOn9rNo1ts 北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0193 When They Cry(前編)When They Cry(後編) ◆/VN9B5JKtM ミュウツー、北条沙都子、アルルゥ、グラハム・スペクター、ライダー(征服王イスカンダル) 0194 キミガタメ(I save you from anything) ◆GOn9rNo1ts ミュウツー、アルルゥ、ライダー(征服王イスカンダル)、ラッド・ルッソ、御坂美琴 0195 かいぶつのなく頃に~讐たり散らし編~(前編)かいぶつのなく頃に~讐たり散らし編~(後編) ◆GOn9rNo1ts 竜宮レナ、トニー・トニー・チョッパー、ニコラス・D・ウルフウッド、リヴィオ・ザ・ダブルファング、クレア・スタンフィールド 0196 あの忘れえぬ日々に(前編)あの忘れえぬ日々に(後編) ◆Wott.eaRjU ニコラス・D・ウルフウッド、リヴィオ・ザ・ダブルファング 0197 悪役(前編)悪役(後編) ◆tt2ShxkcFQ ヴァッシュ・ザ・スタンピード、小鳥遊宗太、佐山・御言、新庄・運切、ロロノア・ゾロ 0198 Wの再会/天使達には羽根がある ◆Wott.eaRjU ヴァッシュ・ザ・スタンピード、水銀燈 0199 恥知らずの破壊者たち ◆gYicWyTl/M ミュウツー、リヴィオ・ザ・ダブルファング 0200 Sの選択/仲間はきっとそこに居る ◆Wott.eaRjU グラハム・スペクター、北条沙都子 【201~250】
https://w.atwiki.jp/moemonss/pages/862.html
「じゃ、行こうか」 「うん!」 「うむ」 そう言って、シュウとエレブー、ミュウツーの三人は買出しへと出かけた。 シュウの戦い方は、基本的に、萌えもん達に怪我をさせない絶妙なものだ。ただ、予見し得ない出来事というのは付き纏うもので、 予期せぬ怪我をすることもある。そのため、治療薬の補充は欠かさない。備えあれば憂いなし、だ。 センターに着くなり、ラプラスとリザードンは体を洗うために風呂に直行したため、今回は付いてこられなかった。 最近はフレンドリィショップも多様化し、トレーナーアイテムばかりではなく、萌えもん対象の商品も置くようになった。 当然、店は拡大し、二階建てなど珍しくなくなり、所によってはタマムシデパートに肩を並べるほどの大きさの店もできた。 今シュウ達が滞在している町にも、デパート並の大きさのフレンドリィショップがある。 そのぐらいの大きさになると、内容もデパート張りになり、地下では食料品なども売っていたりする。 ショップに着くと、シュウが二人に言った。 「僕は薬の補充をしてくるから、もし行きたいところがあったら行って来ていいよ。どこかある?」 「ここには本屋はあるのか?」 行く先々で情報収集をしたがるミュウツーらしい質問だ。 シュウは壁に掲げてあった案内板を見やる。 「えっと、ああ、あるよ。五階だね」 「なら、わたしはそこに行くとしよう」 「分かった。エレブーはどうする?」 訊かれたエレブーは元気よくシュウの右腕に抱き付き、「アタイはご主人と一緒!」と返事をした。 「分かった。じゃあ、後で迎えに行くから、それまで本屋にいてね、ミュウツー」 「分かった」 返事をするなり、ミュウツーはさっさと階段を上っていった。 ミュウツーを見送ったシュウは、右腕に抱きついたままのエレブーに顔を向けて言った。 「じゃあ、僕達も行こうか」 「うん!」 元気良く返事をするエレブー。満足げな表情で、歩き出してもシュウの腕を放そうとはしなかった。 トレーナーアイテムの取り扱い店舗は二階にある。 買い物籠を手に持ったシュウは、くっついたままのエレブーをそのままに、店内を見て回り始めた。 買い物も程々に済み始めたときだった。 「シュウ?」 呼ばれた声に立ち止まる。 視線を向けた先にいたのは、懐かしい顔だった。 「やっぱシュウだ!俺だよ俺、ユウキだよ。覚えてないか?」 「ユウキ!?久しぶりだねぇ」 「ホント、久しぶりだなぁ」 ユウキと呼ばれた青年は、嬉しそうに言った。 二人は幼い頃、近所に住んでいた友達だった。ユウキが親の都合で引っ越してしまい、それ以来、会っていなかった。 ユウキの腰にもボールが付けられており、トレーナーであることがすぐに分かった。 「ユウキもトレーナーになったんだね」 「ああ。結構強いんだぜ、俺のパーティー。まぁ、お前には負けるけどな、元チャンプ。いきなり引退したのには驚いたぜ。何かあったのか?」 「まぁ、ちょっとね。力不足は本当だよ。今は、また一から修行のしなおしさ」 「そっかぁ。ところでよ、久しぶりに会ったんだし、これから飯でもどうだ?トモエとかエイジも一緒なんだ」 「トモエとエイジも一緒だったんだ」 「ああ、お前と一緒で、偶然会ってな。で、どうよ?」 トモエもエイジも、親しかった友だ。 久しぶりの旧友との再会。シュウも嬉しくないわけがなかった。 一瞬、肯定の返事を出そうとしたシュウだったが、腕に抱きついたままのエレブーを見て思いとどまった。 「いや、悪いけど、遠慮しておくよ」 「何か予定でもあるのか?」 「いや、予定って程でもないけど、この子と買い物の途中だし、センターには待ってくれている子もいるしね」 「付き合い悪いな、ったく。今度は付き合えよな。じゃあな」 そう言ってユウキはその場を後にした。 ユウキを見送った後、エレブーはシュウに顔を向けた。 自分の所為で友人との食事がダメになってしまったのではないかと心配していたのだ。 しかし、シュウは残念そうな顔一つせず、笑顔を見せた。 「早く終わらせて、ミュウツーを迎えに行かないとね」 「あ、うん……」 無理をしているのではないかと思ったエレブーだが、口には出さなかった。 買い物を終え、ミュウツーを迎えに行き、いざ帰ろうとした矢先、シュウはラプラスに頼まれていた物を買い忘れていたことを思い出した。 「ちょっと買ってくるから、そこで待ってて」 小走りに買いに走るシュウ。 二人は仕方なく、近くにあったベンチに腰掛けて待つことにした。 無言で待つ二人。 ふと、角の向こうの休憩所から声が聞こえてきた。 ユウキの声だった。 それが誰の声であるか知っていたエレブーは、ちょっとした暇つぶしのつもりで声に耳を傾けた。 「久しぶりに会ったってのに、付き合い悪いよなぁ、あいつも」 「しょうがないんじゃない?いきなりだし、それだけ、シュウにとっては萌えもんが大事なのよ」 「そうそう。そのぐらいじゃないと、チャンピオンにはなれないってことだよ」 初めて聞く女性と男性の声。恐らくは、話に出てきた二人だろうと推測する。 エレブーはそのまま、耳を傾け続ける。 「でもよ、久しぶりに会ったんだぜ?ちょっとぐらい付き合ったって罰当たらないだろう」 「まぁねぇ」 「あーあ、あいつにとって、俺は萌えもんより下かよ。ったく、友達止めるかな」 「そんな気ないくせに」 「へへ、まぁな。それにしても、もうちょっと付き合いよくなってくれってぇの。友達なくすぞー、なんつて」 巻き起こる笑い。しかし、最後の言葉が、エレブーの心に深く突き刺さっていた。 自分達の、自分の所為で、シュウが仲間外れにされるかもしれない。 そう思うと、どうしたらいいのか分からなくなり始めた。 シュウの元を離れたくないと思う。だが、それをすると、シュウが人間の間で一人になってしまうのではないか。 友達をなくしてしまうのではないか。 ぐるぐると廻る、答えの出ない問い。 エレブーは最後の頼みのように、ミュウツーに打ち明けた。 「………アタイ、どうしたらいいのかな?」 エレブーの話を黙って聞いていたミュウツーは、静かに言った。 「その答えは、わたしは出せない。正確には、わたしに答えを聞くべきではない」 「どうして?」 「それは、それぞれが出すべき答えだからだ。まぁ、これだけでは何だな。そうだな、一つ言えることは、お前のしたいようにすればいいんじゃないか? シュウならきっと、そう言うはずだ」 「アタイは……」 「おーい、お待たせ」 そのタイミングでシュウが戻ってきた。 「いやぁ、地下が思いのほか広くてさ、探すのに手間取ったよ。ん~と、どうしたの?」 立ち込めていた空気を感じ取ったシュウ。 エレブーはこのタイミングしかないと思い、今まで考えていたことをシュウに話した。 「ねぇ、アタイ、邪魔かな?」 「え、どうして?」 「だって、アタイ達が、アタイがいるから、ご主人はあの人達とご飯に行かなかったんでしょ?アタイがいるから、色んな事、我慢しているんでしょ!? だったら、アタイ、ご主人の邪魔、しちゃってる……。そんなの、嫌だよ………」 俯き、ギュッと瞼を閉じ、涙を溢れさせる。 何故、そんな考えに至ったのか。その原因が、ユウキとの会話にあったことは、すぐに察しが付いた。 エレブーは決して自棄になっている訳ではない。その心は、シュウのことを心配してのことだ。 それが伝わったシュウは、エレブーの耳元に口を近づけ、その頭を抱くように撫でながら言った。 「ありがとう、心配してくれて。でも、大丈夫。君は全然、邪魔なんかじゃない」 「だけど……」 「あれはね、ちょっとした嘘」 「え……?」 シュウは顔を離し、上げられたエレブーの顔、その瞳を真っ直ぐに見る。そして、苦笑いを浮かべながら話す。 「本当は、あんまり行きたくなかったんだ。だって、行けば必ず『何でチャンピオンを辞めたのか』って話になるから。それに、昔の話だってするだろうし。 僕、あまり昔の情けない自分の話は聞きたくないって言うか、思い出したくないって言うか。それで、断る口実にちょっと使わせてもらっちゃったんだ。ごめん。 だから、気にしないで、ね?」 「でも………」 「これも、我慢しているように見えちゃうかな?」 エレブーは無言で頷く。 シュウは苦笑いしながら、「そっか」と返し、微笑みながら言った。 「でもね、少しぐらい、我慢しても、それはお互い様、でしょ?だって、君達だって、我慢していることはあるでしょ?僕の至らない所を我慢してくれている。 だったら、僕だって、君達のために、何かを我慢することは当然だよ。自分にして欲しいことを相手にする、相手がしてくれた良い事を相手にする。 それは、とても大切なこと。僕はそういう人間でありたいと思うんだ。そして、君達にも、そうであって欲しいと思う。きっと、そうであると信じている」 「ご主人……」 まだ泣いたままのエレブー。 優しさから言ってくれたことが何より嬉しく、愛おしくなったシュウは、もう一度、エレブーを抱きしめ、頭を撫でる。 「優しいなぁ、エレブーは。ううん、エレブーだけじゃない。み~んな、僕と一緒にいてくれる子は、み~んな優しい。それが、僕はとっても嬉しい。 だから、もう泣かないで、ね」 「………うん」 シュウはそのまま少しの間、エレブーを抱きしめ続けた。 エレブーの顔は涙で濡れていたが、その表情は幸福感に満ちたものだった。 センターへの道すがら、エレブーはシュウに昔の話を聞いた。 「ねぇ、ご主人。ご主人は昔、どんな人だったの?」 「え?昔の話?うぅん、そうねぇ。他の皆には秘密だよ?ミュウツーもね」 聞き耳立てていたミュウツーにも釘を刺す。 ミュウツーは返答せず、ただ前を向いて歩き続けていた。 シュウは恥ずかしそうに言った。 「とにかく、泣き虫だった」 「え、ご主人が!?」 「うん。ちょっとのことでも泣くような子供だったね。よく泣いていたよ。何か、泣いていた思い出しかないぐらいにね」 「へぇ~」 「そういうわけだから、皆には内緒、だよ?」 「うん!」 満面の笑み。 自分(とミュウツー)だけしか知らないシュウの秘密が出来たことが、エレブーには嬉しかった。 一人先に走っていき、振り返って言った。 「早く~」 すっかり元気になったエレブーに安心するシュウ。 「はいは~い」と返事をしながら、小走りに走り出す。
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/201.html
You can,t escape! ◆TEF4Xfcvis がたがたと、人の手が届いていない山中を車輪が進む音がする。 舗装された道でない以上その音は舗装された道路とは比べ物にならない。 「ごめんねナナリー、また汗かくようなことになっちゃって……」 「いいえ、構いませんよ」 朝になり、日の光は森の木々を通り抜け遥かに明るくなっている。 だがしかしこういった森で聞こえるはずの鳥の声や虫の音は全く聞こえない。 すなわちこの場で音を出すのは彼女たちだけであり、その事実がより一層警戒心を際立たせる。 ゆっくりと静かに、それでいて迅速に彼女たちは行動する。 当てなどない。そもそも今は目的地と言うのが存在しない。 今はただ迫りくる敵から逃れることが重要なのだから……。 少し急な坂を下り、なるべくまっすぐに、まっすぐに進んでいく。 コンパスで方角を確認しながら木々を避けた時のズレを修正していく。 ブレンヒルトの頬を汗がつたう。 あの男は倒した。それで障害は消えたかもしれない。 だが、あの場に他に誰かがいなかった可能性が否定できるだろうか? それにいなかったとしても何時までもあの場に留まってはいられない。 死体を片づけたとしても痕跡は消せないだろうし、その場に留まっている者が疑われるのは至極当然だ。 その場合、事が穏便にいくとは考えにくい。 だからこそ温泉から離れる必要があったのだ。 今はナナリーを守ることを優先としている以上、なるべくリスクの少ない方法を選ぶ。 それがブレンヒルトの選択だった。 ネモは、ブレンヒルトの左腕を睨む。 不自然にそこだけ切れた袖。そこにこびりついた血は明らかに不自然だ。 付き方から考えて彼女の血であるのは間違いないだろう。 しかし、傷が見当たらないのはどういうことか。 ネモはそこから考えられることを推察した。 (おそらく温泉宿を出る前に何者かとの戦闘があった。その何者かがいないことを見ればこの女がどうにかしてそいつを行動不能にしたか 殺したか……いや、結果は問題ではない。問題は左腕の傷をどうやって治したかということだな) ブレンヒルトはネモの存在を知らない。 そのために左腕の痕は隠す必要はないと考えたのだがそれが逆に仇となり、当人の知らぬところでネモに不信感を抱かせることとなった。 だが、即座にネモはナナリーに知らせることはできない。 知らせたとしても、果たして聞き入れるかどうかは定かでない。 (言ったところで……だな。こんなものはナナリーにとっては瑣末な問題でしかないだろう。この女に対する信頼は揺るがないな) 半ばナナリーへの説得をあきらめかけていたネモはやれやれといった感じで目を潜める。 いずれにせよ行動が限られている以上ネモの出来ることはブレンヒルトの行動に気を配るしかない。 「ブレンヒルトさん、何か聞こえます……誰かの歩く音が」 「え?そんな……!」 想定内ではあるがあまりにも早い遭遇にブレンヒルトは内心で焦る。 温泉宿から出たのを尾行されていたならまだ救いはある。 しかしもし今近くにいるだろう存在が宿の中にいて自身の行動を見られていたならば。 「―――――……来ます」 ガサリ、ガサリと樹上から音がする。 ナニカが木を伝って近づいているのか。 ソレは、静かに彼女たちの目の前に降り立った。 彼女らがその姿に瞠目させられたのは言うまでもない。 フォルムとしては人型をとってはいるが、それでもなお人間とかけ離れた姿をしている。 いわば、ソレは異形の者だった。 話しかけようにも、言葉が通じるかどうかが怪しい。だが、するだけ無駄なことだろう。 なにしろソレは明らかに敵意を放っていたのだから。 ミュウツーは手に携えている十字槍の切っ先をブレンヒルトたちに向ける。 それに対し、ブレンヒルトは辛辣な面持ちで、ネモは冷ややかな目で十字槍を見つめた。 目の不自由なナナリーには知れぬことだがミュウツーが持っている十字槍は明らかにブレンヒルトが 所持していたものだった。それを今、ミュウツーが持っているということはブレンヒルトとミュウツーが 少し前に出会っていたという考えに至るのは難しくはない。そしてそこから想像できることはナナリーにとって プラスになるものでないのは確定的だ。 (とにかく今はナナリーを守ることを考えないとな。マークネモを召喚させれば危機は脱出できるだろうが……) 一方でブレンヒルトは自身の軽率さを悔いる。 武器を回収し忘れてみすみすそれを他の敵に奪われるなどあってはならないことだった。 (もう仕方ないけど……今はナナリーを守ることを考えないと。でも庇いきれるかどうか……) 結論に至る経緯は違えど、ブレンヒルトとネモの心情はナナリーを守ると言う意見で一致していた。 ブレンヒルトはゆっくりと左腕を前に突き出す。 ミュウツーはその動作を見ると、一歩前進した。 両者の距離はほんの4メートル。 再び、ミュウツーが左足を前に出そうとすると 「発ッ見ええぇぇぇぇぇぇーーーん!!」 この場にいる誰のものでもない声が響き渡る。 驚きはしたものの、声の方向をつかむや否や全員がそちらの方向を向いた。 ナナリー達の後ろの坂の上10程のところに、その男はいた。 間髪入れずに何かが発射される音がする。 それが男の持っているバズーカからの発射音だと気づいたときにはすでにブレンヒルトはナナリーの体を 抱きかかえて飛び退いていた。少し遅れて、ミュウツーもバックステップで後退する。 ドン、と。 激しい着弾音を響かせ四方八方に土塊が飛び散る。 出来たクレーターの深さからその威力の凄まじさが伺えるが傷を負った者はだれ一人としていない。 男が現れてから弾丸の着弾までわずか2,3秒しかなかったが、彼女たちの避難は実に速やかなものだった。 自身の身体能力に少し驚きながらも、ブレンヒルトは男の姿を再度確認して舌打ちをする。 (なんて異常な……どうやって倒せっていうのよ) そう思うのも無理はなく、ラッド・ルッソはピンピンしていた。傷はおろか血痕や服の汚れさえも残っていない。 四肢を斬られ、腹を抉られようとも彼が『不死者』である限りあの程度の傷では殺すことは敵わない。 何にせよ、これでブレンヒルト達の状況はさらに悪化した。 敵二人に対して動けるのは一人のみ。もう一人を守りながら戦うというのはどう考えても無理がある。 だが、幸いにもまだ道は残されている。 坂を滑り降りてくる男。 クレーターから離れた所にいるよくわからない生物。 そして車輪が壊れて横たわっている車椅子。 (今重要なのは、ナナリーを守ること……!!) ブレンヒルトはナナリーをナナリーの膝下と両肩を抱え込むと、咄嗟に彼方へと駆け出した。 (……逃がすものか) ミュウツーもすかさず少女たちを追いかける、が。 後ろから迫ってくる殺気に止まらざるを得なかった。 反射的に槍を両手に構えて迎え撃とうとする。と、強烈な振動を感じた。 男は狂喜を浮かべながらミュウツーに肉薄する。 あろうことか、男はバズーカの砲身で直接ミュウツーに殴りかかっていたのだ。 (くっ……貴様……!!) 「あの女も殺してぇけどよお……逃げられちまったし。まあ足跡追えば済む話だしなぁ! つーわけで今目の前にいるてめえをブッ殺す!!」 ラッドは一度ミュウツーから離れるとバズーカをミュウツーへと向ける。 至近距離からの砲撃。実際、避けるのはそれほど苦ではない。 ただし、現状障害物が大量にあるためにそれに当たった場合二次的な被害を避けられるかが問題だ。 二度目の発射音。 案の定、ミュウツーは回避できたが後ろの木に着弾した。 その衝撃により木端が飛び散り、周りの木の枝をも破壊していく。 ミュウツーも無傷ではいかなかったようでところどころ擦り傷が見られる。 「おーし上等!この程度でくたばっちゃあ面白くねえよなあ!ああ!? それにしてもテメエはなんだ?人間には見えねえし、かといって獣でもなさそうだ。 ならあれか、てめえも宇宙人か!?そうだよな!?いいぜ!なんだろうがぶっ殺してやるよ!!」 高らかに嗤う男を睨み、ミュウツーは怒りをおぼえた。 痕跡を消したうえでもなおこちらに向かってきた男。偶然ではあるだろうがそれでも許せないことだった。 だが、殺すわけにもいかない。この男にはまだ利用価値がある。 (仕方ない……追ってこれないような状態にしてやる) ※ ※ ※ ※ ※ 線路が見えてきた。 思いのほか遠くまで走ったものだと当人は感心していた。 ゆっくりとスピードを落とし、息を整えながら足を止めてナナリーを下ろした。 「ブレンヒルトさん……すごいですね」 「ん?そうかもね……」 うわ言のように返事をしたが確かに、ブレンヒルトは自身の体の異状を感じ取った。 人一人抱えて2キロ近くを走ったにもかかわらず、通常同じ距離を走った程度にしかバテていない。 (これの……せいかな) ARMSの核を移植した左腕。 ナナリーを守れたのだ。その点では嬉しくはある。 だが、自身が自身でないような気に襲われて何とも言えない気持ちになった。 「車椅子のことは……」 「いいえ、気にしてませんから……。でも、ありがとうございます」 「いいのよ、お礼なんか言わなくても」 しかし、これからどうするか。 行く当てなどない。この途方もないフィールドでの人探しもかなりの労力を要するだろう。 (あっちに行ってみようかしら……) 遠くに見えるのは住宅街やビル街だ。 あそこなら或いは……いや、誰も見つけられなくとも安全な隠れ家にはなりそうだ。 視点を変えると、人らしき姿が見えた。 川を越えようと自転車を押しながら鉄橋を渡っているようだ。 「ナナリー、誰かいるみたい。どうする?」 「えっ……どうすると言われても……」 「……とりあえず話しかけてみましょうか」 見る限りでは、危険はなさそうに見える。 辺りをキョロキョロと見回してはいるが、仕方のないことだろう。 ブレンヒルトは汗を拭うとナナリーを背負ってそちらの方に向かった。 ※ ※ ※ ※ ※ 戦闘が開始されてからすでに10分が経過していた。 ミュウツーが繰り出す槍は確かに相手の体を掠め、傷をつくっていくのだがそれがみるみるうちに治癒してしまい 体力を削るといったこともできない。 一方で、ラッドは自身の傷を省みることなく猪突猛進にミュウツーへと突撃する。 「どうした?普通じゃねえのは姿だけか!?」 相手は人間だというのになかなか隙を見つけることが出来ない。 あくまでも人間の範囲内だがこの男はそれなりに、強い。 とにかく、この男を止めるには大ダメージを与えるといった方法では間に合わない。 「あ」 ガクンとラッドの体勢が崩れる。 原因は、最初に撃ちこんだ時にできたクレーターに足を取られたからだった。 それは殆んどないに等しい時間だったが勿論その隙を見逃すミュウツーではない。 「んぶっ!!」 突如現れた巨大なスプーンがラッドの顎に直撃した。 骨の砕ける音と同時に彼の体が宙に浮き上がる。 それでもラッドは標的から視線を逸らさない。 かまわずミュウツーは今しがた召喚したスプーンを消すと両腕をラッドに翳す。 「!!?」 得体のしれない衝撃がラッドを襲う。 まともに声を出すことすらできず、彼は不可視の攻撃に全身を吹き飛ばされた。 木に叩きつけられ、彼の口からは血が零れる。 それは単にぶつかっただけの衝撃ではない。 彼の体には深々と木の枝が突き刺さり、背中から腹へと貫通していた。 (あーあ、予想以上に普通じゃなかった見てえだなぁ……) 突如現れたスプーンにクリ-ンヒットした。ここまではいい。 まだラッドの対処できる範囲内だ。 事実、隙を作ったのもわざとで、一発程度ならどんな攻撃でも耐えられると踏んだ上でバズーカの引き金を引いたのだ。 しかし結局、なにかよくわからない力によって砲撃もろとも弾かれて現在に至ったのだ。 ふと、ミュウツーが睨みつけているのがわかり、ごほ、と溜息をついた。 「あァ?何見てんだコラ。俺が串刺しになってんのがそんなに面白いか?」 ソレは地面に落ちている十字槍を拾うと、そのままラッドに踵を返して走り出した。 「は……?」 当然、ラッドにしてみればアレは自分を殺しに来ると思っていた。 だがその予想は簡単に外れ、そのままミュウツーは森の奥に見えなくなった。 まさか自分がこのまま死ぬと思ったわけでもあるまい。 ラッドの治癒力ははっきりとミュウツーにも捉えられている。 また、情けをかけそうにもない気迫をラッドも感じ取っていた。 「あー、つまり。この俺を利用したってことか」 とりあえずラッドを一時的に動けない状態にして、自身は追跡できないところまで逃げる。 後でラッドに出会ったとしてもその時は殺せばいい。 「ああそうかい、ハナからそのつもりだし、別にいいけどよぉ…… ……ただし宇宙人。次会った時テメエの命はねえってのはわかってるよなあ!?」 ラッドの咆哮が轟く。 無論、誰も応える者はいない。 「痛えなオイ……抜けるのに結構かかりそうだなこりゃ」 ラッド・ルッソは、未だ串刺しになったままである。 【B-7/ 森/一日目午前】 【ラッド・ルッソ@BACCANO!】 [状態]:腹部貫通(木に串刺し)、顎の骨骨折、全て再生中 不死者化 [装備]:ワイパーのバズーカ@ワンピース、風貝@ワンピース [道具]:基本支給品一式 [思考・状況] 1:あのギラーミンとかいう糞野郎をぶっ殺す。 2:そのためにこの会場にいるやつを全員殺す。とにかく殺す。 3:ギラーミンが言っていた『決して死ぬ事のない不死の身体を持つ者』(不死者)は絶対に殺す。 4:宇宙人(ミュウツー)も次に会ったら殺す。 5:左腕が刀になる女(ブレンヒルト)も見付けたら殺す。 6:ギラーミンが言っていた『人間台風の異名を持つ者』、『幻想殺しの能力を持つ者』、『概念という名の武装を施し戦闘力に変える者』、『三刀流という独特な構えで世界一の剣豪を目指す者』に興味あり。 【備考】 ※麦わらの男(ルフィ)、獣耳の少女(エルルゥ)、火傷顔の女(バラライカ)を殺したと思っています。 ※自分の身体の異変に気づきましたが、不死者化していることには気付いてません。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 混乱していた意識を冷静にさせたのは、一つの爆発音だった。 それはかなり遠くからのものだったがそれでも少女が意識を向けるには十分な大きさだったようだ。 自転車にブレーキをかけ、そして草原あたりで停止。 メイド姿の女が追ってきていないことを確認し、ほっと一息をつく。 彼女が思ったことは、とにかく森の中はこりごりだということだ。 街中であれば隠れ場所もいくらでも見つかるだろう。これだけ広いのだ。突然バッタリと出会う、なんてことも少しは減るかもしれない。 そうしてしばらくの間息を整え、街へ向かおうと目前の鉄橋へと向かった。 少女が走ってくる人間に気づくのは、そう遅くはなかった。 それが自分に向って走って来ているのだと気づいたとき、若干のパニック状態になる。 疲れが癒えていないのも気にせずすぐさま自転車に跨り、その場から逃げようとした。 ふと、そこで少女は思いとどまる。 (とりあえずは一緒に行動すればいいんじゃないかしら?) そう思ったのは、走ってくる人間の姿がはっきりと確認できた時だった。 自分とそれほど年が変わらないほどの女子が、それより少し幼そうな女の子を背負っている。 武器を持っている様子でもない。おまけに、遠くから気づかれるためであるかのように走ってきた以上目的は戦闘ではないだろうと踏んだのだ。 なにより、とにかく一人では心細かったし、数人でいれば囮にして逃げきることも可能かもしれない。 園崎詩音は、足を止めた。 自己紹介やその他もろもろの情報交換はスムーズに終了した。 詩音が見る限りでは、どちらも一般人に思えた。 しかしブレンヒルトと名乗った少女の方は体力面からして勝てないと判断した。 だが、武器らしい武器は所持していない。ならば隙をついてどちらも殺すことは出来る。 だが今はその時ではない。一番いいのは、彼女たちが囮になってくれるということだ。 詩音は自身の名前を名乗った。 姉の名前を語ろうかとも考えたが、万が一、次の放送で魅音の名が呼ばれることになっては堪ったものではない。 体力が回復するまで現状は穏やかに過ごしていたかった。 自身の武器については嘘をついた。 手を生やせる能力については語らなかったし、月霊髄液は見せることはしたもののあくまでも自身の防御にしか使えないと言った。 目の前の二人を利用する気はさらさらないし、そんな意味もない。 (安心して。次の放送が来るまでは、あなた達を生かしておいてあげるから……) 詩音にとって二人は町に着くまでの『盾』でしかない。 一緒に行動することになったとはいえ、向こうも少なからず警戒しているようだったがそれも問題ない。 然るべき時が来たら始末する。園崎詩音はそう決定した。 詩音の思惑はうまく行くかもしれない。 あくまでも、情報が交換した通りのものであればの話だが。 (腕のことについては話してないけど……別にいいよね) ブレンヒルトとて、こうしている以上自身の手の内を全て明かすようなことはしない。 おそらく向こうも何か隠しているのだろうと判断したうえでのことだ。 (この女も怪しい……) ネモはあからさまに詩音を睨み続けているが、気づかれることはない。 とにかく、会う奴会う奴が信用ならない。 6時間のうちに15人も死んでいるのだ。この女が、殺人者かもしれないと自然に考えてしまうのも当然だ。 そういう意味であれば、ブレンヒルトは詩音よりはまだほんの少しだけ信用のある人間だった。 鉄橋を渡り、彼女たちは町の方へと移動する。 それを見つめる者が、一人。 (見つけたぞ……) ミュウツーは今度こそという思いで鉄橋の方へ駈け出した。 【C-5/鉄橋/1日目 午前】 【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】 【装備】:レッドのMTB@ポケットモンスターSPECIAL 【所持品】:基本支給品一式 、月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)@Fate/Zero 【状態】:、疲労(大)、右肩に裂傷、出血(軽)、右腕に打ち身(軽)、能力者<ハナハナの実> 【思考・行動】 1:優勝して、悟史のところへ戻る。 2:街に行って安全な場所に隠れるまでブレンヒルトとナナリーを『盾』にし、次の放送以降に殺す。 3:魅音の名を騙る。 4:沙都子に対して……? 【備考】 本編終了後からの参加 ※ハナハナの実の能力を得ました。任意の場所(自身の体含む)に、自分の部位を生やす事ができる。 生やせる部位は、制限により『腕』のみ。 今は『腕』を2本、それも互いにそれほど離れた位置には生やせません。 ただし成長の余地あり? また、生やした全ての部位に意識を向けるので、慣れていない状態では単純な動作しかできていません。 生やせる場所は、使用者を中心に15メートルの範囲内に制限。 生やした部位がダメージを受ければ、本人にもダメージ。 ※ブレンヒルトとナナリーには本名を名乗りました。 ※ナナリー達と情報交換をしました。(ハナハナの実の能力については話していません。月霊髄液についても自身の防御しかできないと嘘をつきました) 【ナナリー・ランペルージ@ナイトメア・オブ・ナナリー】 [状態]:健康 [装備]:全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero、、ネモ [道具]:支給品一式 [思考・状況] 0:街へ向かう 1:ブレンヒルトを信じる 2:バトルロワイアルを止める ※ナナリーを守る。ブレンヒルトと詩音は信用しない(ネモの思考) ※参戦時期はサイタマ事変前 ※『全て遠き理想郷』はある程度の防御力の強化、受けたダメージのワンランクの軽減、治癒力の向上に制限されている。 【ブレンヒルト・シルト@終わりのクロニクル】 [状態]:疲労(中)、左半身に火傷(小)、左腕欠損(ARMSで代替) [装備]:汗で湿った尊秋多学院制服(左袖欠損)、ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS(左腕に擬態) [道具]:支給品一式、アンフェタミン@Fate/Zero [思考・状況] 1:詩音と街へ向かう。 2:詩音を警戒しつつ、ナナリーを守る。 3:1st-G概念を行使できるアイテムを手に入れる ※森林破壊者、男湯銃撃者を警戒しています。また双方とも別人だと思っています。 ※ARMSコアの位置は左胸です。 ※ARMSについては詩音には話していません。 【C-6/草原西端/1日目 午前】 【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】 【状態】:疲労(中) 【装備】:機殻剣『V-Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル、アデルの十字槍@BACCANO! 【所持品】:基本支給品一式、不明支給品0~1個(確認済み) 【思考・行動】 1:マスター(カツラ)を救う為、24時間以内に参加者を32人以下まで減らす。 2:女達(ナナリーとブレンヒルト)を追う。 3:男(ラッド)には殺害数を稼いで貰う。殺すのは後回し。 3:魅音かハクオロが細胞を移植し、自分を追ってきたら相手をする。 ※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。 念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。 ※念による探知能力や、バリアボールを周りに張り浮遊する能力は使えません。 ※傷は80%ほどまで治癒しました。 ※名簿を見ていないため、レッド、サカキの存在を知りません。 ※放送により、イエローの死亡を知りました。 ※ギラーミンに課せられたノルマは以下のとおり 『24時間経過するまでに、参加者が32人以下でない場合、カツラを殺す。 48時間経過するまでに、ミュウツーが優勝できなかった場合も同様。』 ※カツラが本当にギラーミンに拉致されているかは分かりません。偽者の可能性もあります。 ※V-Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。 使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、 理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。 第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。 ※男(ラッド)と戦った相手が「左腕が刀になる女」であると知りました。 ※車輪が破壊された車椅子がB-7の森にあります 時系列順で読む Back 合言葉はラブアンドピース(後編) Next 180秒 投下順で読む Back 忍び寄る悪意 Next 180秒 Back Next Give me a power! ナナリー・ランペルージ ――――――geass Give me a power! ブレンヒルト・シルト ――――――geass Give me a power! ラッド・ルッソ ――――――geass Give me a power! ミュウツー ――――――geass エル・ブエロ・ガザ・デ・フローレンシア 園崎詩音 ――――――geass
https://w.atwiki.jp/multiple/pages/211.html
――――――geass ◆Wott.eaRjU 三人の少女が街を目指している。 その内の一人――盲目の少女、ナナリーは別の少女により背負われている。 少女の名はブレンヒルト・シルト。 そして二人からほんの少し離れた位置に居る少女は園崎詩音。 とある事情から行動を共にする事になった三人の内、二人は視線を向けていた。 自分達が今向かおうとしている街中――ではなく、鉄橋の方へ。 たった今、自分達が渡り終えた其処を。 ブレンヒルトと詩音はそれぞれ見つめていた。 「まったく、しつこいのは嫌われるコトがわからないのかしら」 やがて溜息に似た呟きがブレンヒルトから漏れる。 どこか殺し合いの場所には似つかわしくないセリフ。 されども声色からは決して余裕の色は見られない。 人知れず冷や汗を流すブレンヒルトの表情は真剣そのものだ。 事実、ブレンヒルトは目の前に危機が迫っている事を認識している。 「……悪いけどナナリーを頼むわ。それと何処か安全な場所へ隠れて」 「え、ええ……」 暫しの逡巡を経てブレンヒルトは詩音へ託す。 実に憎々しげな表情は、事態があまりいい方向へ行っていない事による所以のものだ。 詩音の肩を借りて、ナナリーの小柄な躯体をそっと預ける。 フラフラと、おぼつかない足取りだがなんとか立つ事は出来た。 両脚の力を失っているナナリーにはきっと酷な事だろう。 なんとなくの状況は察しているのだろうが、不安は消えていない。 親鳥から見捨てられた小鳥のような、なんとも言えないもの寂しさがブレンヒルトの心を捉える。 ――止めるべきか。 詩音は未だ知り合ったばかりだ。 なにやら変わった力があるようだが、この場では珍しい事ではない。 自分の左腕に埋まっているものや、概念兵器の存在を忘れてはならない。 しかし、詩音が完全に信頼出来るかと聞かれれば自分は一体どう答えるか。 即答は出来ない。だけども仕方がないとブレンヒルトは自分に言い聞かせる。 流石にナナリーを抱えながらでは自分の行動に支障が出る。 その支障が重大な結果を招いてしまえばどうしようもない。 「ナナリー、少しだけ待っていて。直ぐに終わらせるから」 故に今、ブレンヒルトに求められているのは迅速に目の前の障害を取り除く事だろう。 使い慣れた鎮魂の曲刃はなく、1-stGの概念兵器すらもない。 だが、どうやら目の前の脅威は自分達を逃すつもりはないようだ。 この先も追跡を受けるなど、正直勘弁願いたい。 ならば、やらなくてはいけない。 ここで終わらせる。 想いと共に左腕に力を込める――いつでもいける。 それは固い意志の現れ。 「ブレンヒルトさん……あ、危なくなったら、絶対に逃げてください!」 ナナリーの精一杯の声が響く。 背中を向けながら、ブレンヒルトは小さく頷く。 有り難い言葉だ。心地よい感触が全身に広がっていくような感覚が走る。 続けて詩音がナナリーと共に駆けて行ったのが足音で判った。 どうやら詩音は何も声を掛けてくれないらしい。 まあ、特に期待はしていないか。軽く自嘲気味に口元を歪ませる。 しかし、その歪みは直ぐになくなり、口元はしっかりと閉じられる。 そして視線を突き刺す。 人間ではない。異形の、つい先程出会ったそいつに送るものは一つの言葉。 「待たせたわね」 律儀に待っていたところを見ると最低限の礼儀はあるらしい。 若しくは先ずは一人づつ始末しようという魂胆なのだろうか。 真実は実際に聞いてみなくてはわからない。 じっくりと聞きだすのもいいだろう。 取り敢えずは力を奪ってから自衛のために出来ることをするしかない。 「……気にするな」 目の前のそいつは憮然と答える。 余程この殺し合いに生き残りたい理由があるのだろう。 紫色に輝く瞳からは底知れぬ意思がひしひしと感じられる。 だが、ここで臆するようでは自分に未来はない。 左腕をゆっくりと正面へ翳す。 「逃がすつもりはない。ここで終わらせる」 そいつの声と同時に、ブレンヒルトの左腕の皮膚が捲れる。 ベリベリと、観ていて気分の良い光景ではない。 そう思っている間に全てが終わった。 一瞬の変化――剣の形を模した、ナノマシンの慣れの果てを己の左腕とする。 それはARMS“騎士”の第一段階の発現の証。 「じゃあ、始めましょう……手加減の程はあまり期待しないように、ね」 「……そちらもな」 そしてぶつかり合うのは互いの言葉。 演目は只人には過ぎた力を持つ者同士の、命の喰らい合い。 ギャラリーは周囲の景色だけ、身守る視線もない。 二人ぼっちの戦いが今、始まりを告げる。 ◇ ◇ ◇ まるで風と戦っているようだな。 数十分程か、はたまたそれ以上時間が経ったのかもしれない。 予めブレンヒルトから奪った十字槍を振いながらミュウツーは思う。 左腕の奇妙な剣も勿論の事、ブレンヒルトの立ち振る舞いがそう感じさせる。 ブレンヒルトの剣による斬撃はそれほど鮮やかなものではない。 恐らく普段は別の武器を使っているため、未だ慣れていないのだろう。 同情はしない。これは殺し合いだ、寧ろ好都合と言える。 こちらにも目的がある以上、つけいる隙があるならば容赦なく狙わせて貰う。 それに、使い慣れていない武器はこちらも同じ条件――気兼ねなどない。 己の意思を込めるように、ミュウツーが十字槍を前に突き出す。 そして己の身を後方へ飛ばしたブレンヒルトを見やる。 (そろそろ、か……追ってきたかいがあった) わざわざ此処まで追撃をしかけた訳は、あの忌まわしい契約のせいだ。 制限時間内に一定量の死亡者が出なければマスターの命はない。 自分が動かずともその条件が満たされる可能性はある。 しかし、万が一満たされないとしたら――不安を消すかのように、ミュウツーは過剰ともいえる追撃に身を費やす。 そして思った。自分の判断は間違っていないと。 先程駆けていった二人の少女はどうやら戦う力を持っていないらしい。 ならば、確実に癒されていく自分の力を必要以上に使う事もないだろう。 やがて腰の回転を加え、ミュウツーは右腕を後方へ引く。 ブレンヒルトの怪訝な表情が視界に映るが気にしない。 勢いを殺さず、そのまま十字槍を投げつける。 (一人ならサイコウェーブを使う必要もない。なら……いける) 撃突。ブレンヒルトは咄嗟にARMSを翳した事で刺突は免れる。 衝撃を押し戻すためにもに、力任せに押し弾く。 その瞬間を狙っていたかのように、ミュウツーが一気に距離を詰めた。 両腕に持つ武器は何一つない。 完全に素手の状態だが、ミュウツーに臆する様子はない。 何かある。ブレンヒルトの本能が警告の鐘を鳴らす。 瞬間。不意にミュウツーの右手からなにかが顔を見せた。 一本の、銀白色の大型のスプーンがそこにあった。 複数の敵を一度に相手にするサイコウェーブとは違う。 一個体を殴りつけるために用意した、念力の結晶ともいえるミュウツーの近接用の武器。 最早身体の一部といってもいい程に、使い慣れた武器がブレンヒルトを襲う。 (そうだ。これでいける……しとめてみせる!) 言葉は発さず、只、冷徹な殺気を乗せてミュウツーが地を駆ける。 ◇ ◇ ◇ 「……良い気になっては困るわ」 横殴りに振られたスプーンがブレンヒルトに迫る。 毒を吐きながらも左腕のARMSで受け止める。 間髪入れずに珪素を主成分とした、金属質の刀身が衝撃に対し僅かに揺れた気がした。 そう思えてしまう程に強大な力。 証拠に、ブレンヒルトの左腕に痺れのような感覚が今もこびり付いている。 食器を武器とするとは、と笑っていられない程の重み。 初めから使用していなかった事を見ると、何らかのリスクが伴うのだろうか。 それとも、単にタイミングを見計らっていただけか――そこまで考え、思考を止める。 一瞬だけ力を落とし、力の向きを変えた。 大質量のスプーンを真っ向から迎えるのではなく、下から弾き飛ばす。 ブンブンと、円回転を起こしながらスプーンがあられもない方向へ飛んでゆく。 だが、ブレンヒルトは碌な喜びを見せはしない。 只、極めて冷静に己の左腕をしなるように走らせる。 (やっぱり気のせいじゃない) 一閃。ARMSによる斬撃が空を切る。 大気のうねりが、一瞬前までミュウツーが居た場所を横断。 次にポタリと、小さな赤い雫が地面に落ちる。 左脚に小さな裂傷を貰いながらも、宙返りの要領で両断を避けたミュウツーと視線が合う。 振るった左腕を戻しながら、ブレンヒルトは確信にも似た思いで認識する。 しっかりとスプーンを掴んだ、ミュウツーの戦意は未だ削げ落ちていないことを。 そして自分の身体に生じた変化を―― ブレンヒルトとミュウツーが、それぞれ陸と空から前方へ身を飛ばす。 ARMSの刀身とスプーンが何度も何度もぶつかり合う。 (私の身体は……以前とは違う。このARMSというもののせいか……) 事実、ブレンヒルトが数時間前から立てていた推測に間違いはなかった。 ブレンヒルトの左腕に埋まっているARMSは単なる武器ではない。 炭素生命体と珪素生命体のハイブリッド生命体――人間を更なる高みに到達させるために生まれたと言われている。 ナノマシン集合体であるARMSは時間の経過と共に身体にナノマシンを増殖。 つまり移植者の身体に馴染めば馴染む程、その特性は上がっていく。 剣といった固有武器の発現 欠損部分の補修、自己治癒力と身体能力の向上、同じ攻撃への耐性反応――等々。 元々並みの人間よりも身体能力が優れているため、ARMSによる付加は大きい。 そして全身にARMSが広がった時こそ、爆発的な力が生まれる瞬間。 今のブレンヒルトの侵食状況ではそこまではいかないが、確実にARMSは彼女の身体に慣れ始めていた。 自分以外の存在と肉体を共にする感覚。 それは決して心地の良いものではないだろう。 しかし、ブレンヒルトには耐え難い程の嫌悪感があるというわけではなかった。 (今の私には絶望的に戦力がない……。 1st-Gの概念を利用出来るものがなければ、これほど無力だとは思わなかったわ。 でも、だからこそ私は……) ブレンヒルトは今は亡き、1st-Gに縁がある者だ。 1st-Gの概念を応用出来る武器でなければ彼女の本領は発揮できない。 だが、ブレンヒルトにはこんな場所で死んでやる理由はない。 故に降りかかる火の粉は払う必要がある――そのために必要なのは力だ。 だから受け入れるしかない。寧ろ喜んで使って見せよう。 この場所か脱出するのは元より、小鳥を――あの子を助けるためにも。 今の自分はいつもと違う。 手持ちの武器も、立ち振る舞い方も。 ならば、違う戦い方で攻めてやるまでだ。 想いを糧に、ブレンヒルトは左腕のARMSへ己の闘争本能を注ぐ。 「あああああああああッ!!」 自分らしくもない、まるでLow-Gの面々がやるように。 俗に言う気合いを己に焚きつかせて、左腕の速度を上げる。 先程までほぼ拮抗していた状況が変わり、徐々にブレンヒルトの方へ勢いが傾く。 いける。微弱ながらも、表情を険しく歪ませたミュウツーがブレンヒルトにそう思わせる。 ARMSは一個の生命体だ。きっとブレンヒルトの想いを鋭敏に感じ取ったのだろう。 まるで誰か心強い存在と共に戦っている感覚が、頭の中でチカチカと点滅する。 時間の経過と比例するかのように、銀色の刃がスプーンを削り取っていく。 このまま押し切る。その時、ブレンヒルトは視界の隅から何かが此方に迫ってくるのを確かに見た。 そして目の前に広がったものは――大きな花火。 「ヒャッハァ! 命中ッ!!」 耳障りな男の声、ラッド・ルッソの声であった。 ◇ ◇ ◇ 「やっぱ撃ってみるもんだわ。いや、俺も当たればいいなーとは思ったが……まさか本当に当たるとはな。 神様ってヤツが居るなら感謝してやるぜ、マジで」 バズーカを担ぎながら、ラッドがブレンヒルトとミュウツーの方へ歩き出す。 距離にして10メートル程の位置を我がもの顔で取った。 油断なくスプーンを構えるミュウツー。一方のブレンヒルトは蹲ったままだ。 それもその筈、バズーカの砲弾を真正面に喰らったせい――但し、直前にARMSで叩き斬る事は出来たが。 しかし、全くの無傷で済むわけがない。 爆風に巻き込まれ、ブレンヒルトの全身には痛々しい火傷が生まれている。 そんなブレンヒルトの様子を見てか、ラッドからは悪意に満ちた笑みが零れる。 「おいおいおいおいおい。まだくたばんじゃねぇぞ、女ッ! てめぇにちょん切られた分が残ってんだ。まさか忘れてねぇよなぁ!」 ブレンヒルトは何も答えない。 只、忌々しげにラッドを見返すだけだ。 抵抗の意思は消さない。諦めなどという文字はありはしない。 満足げに眺めながらラッドはぐるりと首を回す。 「それとてめぇだ、宇宙人野郎。 てめぇのお陰でまた痛てぇ思いをしてきたんだ……思い知ってもらうぜ、てめぇの命ってヤツでよぉ!」 その時になってミュウツーは悟る。 ラッドの胴が嫌に赤黒く、次第に傷が治っている事に。 ミュウツーはラッドの身動きを止めるために、確かに大木に彼の身を貫かせてやった。 だが、ラッドは万全の状態とはいえないまでもこの場に居る。 自然と行き着いた結論は――ラッドが自分の予想を越えていた事。 ラッドは持ち前の怪力を頼みに己の身を大木から引きちぎることで、その拘束から逃れていた。 勿論、想像を絶するほどの痛みはあっただろう。 どんな傷さえも瞬時に修復する“不死者”といえども、痛覚を消す事は出来ない。 しかし、ラッドは打ち勝った。 不死者元々を抜きにした本来のタフさ、そして何より―― 「ああああああああ!サイッコーーーーーーーーーーーーーーーーだ!! てめぇら二人、まとめてブチ殺すチャンスが回ってきたんだからなぁ、ヒャハハハハハハハハハハハ!!」 ブレンヒルトとミュウツーに借りを返す。 決して諦めるてやるつもりはない、強い意志がラッドを動かす。 更に距離は詰めた。もう目と鼻の先に、ブレンヒルトの姿がある。 ラッドはが右脚を振るう。道端に転がった石ころを蹴り飛ばすように。 但し、石ころには不相応な程の殺意を込めながら。 「がっ!」 衝撃。痛いと思うとほぼ同時にブレンヒルトの華奢な身体が吹っ飛ぶ。 何度も身体を打ちつけながら、やがてある程度の位置で止まる。 苦しげに肩を震わせるブレンヒルトをラッドが追う。 小さな子どもがサッカーボールを追っていくような足取りで、ブレンヒルトの様子など意に介さずに。 どうやら先ずはブレンヒルトの方に片をつけるらしい。 時折、もう一人の獲物であるミュウツーの方を見るが、ラッドは特に仕掛けようとはしない。 同じくミュウツーも自分に向けられた視線には睨みを返すが、行動を起こそうとする気配までは見られない。 不思議な事ではないだろう。ミュウツーの目的は一定量までの参加者の減少。 自分の手を使わずとも、参加者が減るというなら邪魔をするつもりはない。 だが、準備を怠っているわけではない。 次に狙われるのは自分だ。よってこの間に念力の補充に集中。 状況の成り行きには意識を向けて、ラッドがブレンヒルトに近づくのを見ながらミュウツーは次の出方を窺う。 そんな時、ミュウツーの両耳が音を捉え、直ぐに後ろを振り向く 其処にはミュウツーの予測した未来には描かれなかった光景があった。 「ブ、ブレンヒルトさんから離れてください……!」 その原因は盲目の少女、ナナリー・ランぺルージ。 ◇ ◇ ◇ 『なにをしている、ナナリー! さっさと逃げろ!!』 (ごめんなさい、ネモ。でも、私はブレンヒルトさんを助けたい……) ナナリーが此処に居る理由。 言ってみれば簡単な話だ。 とどのつまり、ナナリーはブレンヒルトだけを置いて逃げる行為がどうにもしたくなかった。 初めて会った時から優しく接し、車椅子でしか動く事の出来ない自分も見捨てないでくれた。 出会い方や性格は違うけども、まるであのクラスメートのように。 嬉しかった。同時に信頼できる人だと思った。 だから――ナナリーは今、此処に居る。 もう一人の自分であるネモの制止を振り切って。 ブレンヒルトの苦しげな声が聞こえ、思わず声を上げていた。 『ならばマークネモを呼ぶ! そして私が奴らを殲滅してやる、それで良いだろう?』 (ダメ! マークネモを使えば、ブレンヒルトさんや園崎さんも危ないわ!) 『ちっ!そうだ、そもそも――』 ナナリーの意思にネモは苛立ちを隠せない。 ネモはナナリーの守護により己の存在を自立させているため、彼女の指示に背くことは出来ない。 しかし、不満や不平をナナリーに届ける事は出来る。 故にナナリーにはネモが次に何を言おうとしているのかが何となく悟っていた。 自分が今、この場所に立てる理由にネモは矛先を向けようとしている。 『何故、園崎はお前の意見に従った!? ブレンヒルトが行けと言ったんだ、わたし達は彼女の意思を無駄にしないためにも逃げておくべきだったんだ!』 ネモは怒りの感情を、今、ナナリーに肩を貸している詩音の行動へ叩きつける。 ネモの声が聞こえる者は、この場ではナナリーただ一人。 当然、詩音にその意思が伝わる事はないため、代わりにナナリーがその疑問を受ける形となり、返答に困ってしまう。 そう。ナナリーもブレンヒルトが心配だと思うと同時に、出来れば彼女の言葉を尊重させたかった。 あの後押しがなければ、詩音がブレンヒルトが心配だと言わなければ此処には居なかったかもしれない。 「あん? これはこれはどうしましたか、お姫様? どうやら眼の方が少しばかし不自由してらっしゃるようですが、わたしめに何用ですか……なんてな」 怖い。先ず第一にナナリーが思ったのはそれだ。 面白がっているのか、変な言葉遣いで自分に言葉を掛けてくるラッドが酷く異質な存在に感じる。 きっとその近くに居ると思われるミュウツーも恐怖の対象の一つだ。 そして二人の傍にはブレンヒルトも居るだろう。 だが、自分には出来る事はこれといってない。 やはり姿を見せた事はあまりにも危険過ぎただろうか。 しかし、少なくとも今この時だけはブレンヒルトへの危機が免れているのは事実。 良かった――自分自身への危機を頭の隅に留めながら、内心ナナリーは思う。 そんな時――ふとナナリーは自分の首に何かが覆ったのを感じた。 「と、止まりなさい!」 なんだろう。急であったこともあり、ナナリーの思考が一瞬止まる。 例の如く両目に映るものは漆黒の闇だけだ。 両耳を頼りに――その声が詩音のものだとわかった。 途端にナナリーは嬉しさと申し訳なさで一杯になった。 きっと詩音は自分を庇いながら、ラッド達を牽制しているのだろう。 そうだ。もしかすれば誰かが通りかかるかもしれない。 兎に角、この状況では時間を稼ぐ――それが最善の策に違いはない。 詩音もそれがわかっているからこうしている。だが、ナナリーは気付ける筈もない。 詩音が浮かべる表情には別の感情が張り付いていた事に。 「……取引しませんか。私の持つ情報と――この子とその女、二人の命で」 それは酷く冷たい意思を告げる言葉であった。 ◇ ◇ ◇ 「へぇ、こいつはまたまた驚いた。嬢ちゃんはお仲間じゃねぇの?」 「誤解しないでください。別に私はこの子達とお友達……ってわけじゃありません」 表面上は冷静さを保っているようにも見える。 されども、内心、詩音の心境は気が気ではなかった。 確かにこの場に戻ろうと言いだしたのは自分だ。 いずれ殺す事になるブレンヒルトの力を知るためにも情報が欲しかった。 追撃者は一人、ならばナナリーを盾にしている間に十分に逃げ切れる。 そう思っていた筈であった。 (まさかもう一人増えているなんて……それにあの女ももうやられている。まったく、使えない……! でも、まだまだ……!) だが、目の前にはいかにも危なそうな男が居る。 園崎組でもこんな男は見たことがない、明らかに異常な存在だ。 人間をいとも容易く蹴り飛ばす男と戦いにでもなりにしたら――思わず冷や汗をかきそうになった。 支給品のお陰で、異能とも呼べる力を持ったものの、真正面からの戦いで必ず勝つ自信は生憎ない。 させない。思考をクールに、自分が戦わずに済む状況を呼び込む。 何故なら自分はこんな場所では絶対に死ねない。死ねない理由がある。 悟史君ともう一度会う――そのためにはどんなものも投げ捨てる覚悟は勿論だ。 だから、こんな卑怯染みた真似すらも取ることが出来た。 「……話を戻しましょう。この子、ナナリーちゃんとその女は貴方方の好きにしてもらって結構です。 それと私が持ってる情報も教えます。 これでも結構な人と会いましたので……貴方方の知り合いとも会ったかもしれませんよ」 俗に言う裏切り行為。 盲目のナナリーが軽く口を開け、呆然とした表情でこちらを見るが罪悪感はない。 だって自分には彼が居るのだ。彼の元に戻るためにもこの場を切り抜けなければならない。 その過程で、誰かを犠牲にする必要が出てくるなら喜んでやってみせよう。 魔女だの悪魔だのと罵られても構わない。 只、彼が居るならそれだけでいい。 狂気とも取れる、ありったけの愛情が今の詩音を支えている。 そうだ。恐れる者は何もない――暗示をかけるように己を励まし、ラッドへ言葉を突き付ける。 「だから、自分の命は助けろ……と言いたいわけだな。ふんふん、なるほどなぁ……悪くないんじゃね」 「そ、それなら――」 途端に詩音の表情に確かな喜びが花開く。 ホッとした。頭上に乗っていた、不安という重りが消えたような感覚がある。 ならばさっさとナナリー達を引き渡し、自分はこの場から立ち去ろう。 思わず気が緩む詩音。その瞬間、ラッドが狙い澄ましたように声を発した。 さも愉快そうな笑みを浮かべて。 「――ところがギッチョン! 俺は嬢ちゃんとの約束事に興味はねぇんだ!」 そこでだ、宇宙人野郎。ちょいと提案があるんだが」 この男は何を言っているのだろう。 顔を背けたラッドを凝視しながら詩音は思う。 詩音程ではないが、ミュウツーの方にも驚きはあったようだ。 無言でラッドの言葉に耳を傾け、そしてラッドは。 「俺とてめぇの二人。どっちがこいつら三人を多くブッ殺せるか勝負しねぇか? てめぇは只、ブチ殺すだけじゃつまらねぇ。どうせなら殺す前にてめぇの鼻でも明かしてやりてぇからな。 そんでその後は俺とお前の潰し合いだ……やろうぜ、俺の方はいつでも準備はオッケーってやつよ。 なぁ、やろうぜ――愉快に愉快に殺りまくろうぜ!?」 詩音の頭の中で何かが崩れる。 前提が間違っていた。交渉を行うのには最低限の条件がある。 相手が少しでも自分の話に関心を抱くかどうか。 そして今回のケースは――生憎、ラッドにはその気が全くなかった。 ラッドの口から紡がれた恐ろしい言葉に詩音は青ざめる。 「……良いだろう」 「ヒャッハァ! もの判りが良くて助かるぜ」 「な、なんでそんな話になるんですか!?」 「あー? だからお前はもういいわ、ちょいと黙っといてくれや」 ミュウツーにとってもラッドの提案はそれほど悪くはなかった。 どのみちラッドとの戦闘は避けられないだろう。 ならばその前に脱落者の数を増やしておくのは得策だ。 別に勝負の勝ち負けはどうでもいい。参加者を減らすことが目的だ。 先ずは三人を殺し、後は逃げるなりもしくは殺すなりしてこの場を終わらせる。 同情は捨てる。そんな感情は自身の破滅を招くだけなのだから。 しかし、必死に抗議の言葉を叫び続ける詩音から顔を背けたのは何故だろうか。 僅かな疑問を抱きながらも、ミュウツーは歩き出す。 顔を上げているものの、未だ立ち上がれそうにもないブレンヒルトの方へ。 そんなミュウツーを見て、ラッドも歩を進めていく。 「というわけだ。だから嬢ちゃんよぉ――さっさと死ねや」 ゴキゴキと両拳を鳴らしながら、ラッドは詩音に宣告する。 こんな馬鹿な。誰に言うわけでもなく詩音は心底思う。 何故、自分がこんな目に遭わないといけなのか。 自分は只、悟史に会いたいだけなのに。 もし、慈悲深い神様が居るならなんとかして欲しい。 既に人一人を殺した事実をまるで忘れたかのように詩音は切に願った。 だが、やはり何も助けは入らない。 ブレンヒルトもナナリーも当てに出来ず、何か出来たとしても詩音を助ける事はないだろう。 こうなればなんとか自分の力で切り抜けるしかないか。 絶対に出来る――という自信はどうにも持てなかった。 あまりにも暴力的な、経験した事のない恐怖を撒き散らすラッド。 そんな彼が、今から自分を殺そうとやってくるのだ。 落ちつけるわけがない。 只、一歩づつ近づいてくる死の足音に震える事しか出来ない。 そう思った瞬間――地割れが起きた。 赤子の産声を思わせる地響きがどこからか聞こえる。 なんだ。一体何が――何が起きた。誰もが思ったであろう疑問。 「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい……マジかよ」 逸早く反応したラッドが叫ぶ。 驚きを一切隠さない、純粋な感情がそこにあった。 何故か心躍るような声色で、何かに期待する様な眼差しで。 ラッドは“そいつ”に向けて言葉を吐き捨てる。 「どうなってんだ、こいつはよおーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」 二本の腕が見える。 只の腕ではない、人一人分くらいの長さは楽に越えている。 しかもその腕は地面から生えている。 咄嗟に詩音が慌てて跳び退いた。 詩音の直ぐ傍、何故かその場に立っていたナナリーの直ぐ下から、腕が出てきたのだから。 大地を突き破り、大空の元へ出てやろう――そんな印象を思わせる。 やがて、ナナリーの背後で六つの目を持った顔が浮かんだ。 「マークネモッ!!」 それは新たな可能性――未来を司る存在。 ◇ ◇ ◇ 時系列順で読む Back 伏せられた手札 Next ――――code geass 投下順で読む Back 伏せられた手札 Next ――――code geass Back Next You can,t escape! ナナリー・ランペルージ ――――code geass You can,t escape! ブレンヒルト・シルト ――――code geass You can,t escape! 園崎詩音 ――――code geass You can,t escape! ミュウツー ――――code geass You can,t escape! ラッド・ルッソ ――――code geass
https://w.atwiki.jp/itbanking/pages/19.html
耐久力の調整 ひとまず、GSルールで解禁された伝説の互影響を見てみましょう。(あくまでダメージ割合の目安として見てください。) ミュウツー C252 吹雪@珠→耐久無振りルギア(57.4~68.5%),D特化ルギア(42.2~49.7%)→耐久無振りグラードン(94.8~112%),D特化グラードン(61.8~73.4%))→耐久無振りギラティナA(57.7~68.4%),D特化ギラティナA(41.2~49%)→耐久無振りディアルガ(43.4~51.4%),耐久無振りパルキア(38.7~46%)雷@珠→耐久無振りカイオーガ(86.8~102.8%),耐久無振りホウオウ(77.3~91.7%),D特化ホウオウ(55.3~65.7%) ルギア C252 冷凍ビーム→耐久無振りレックウザ(102.2~122.2%) ホウオウ A252 ↑ 聖なる炎→耐久無振りディアルガ(46.2~54.8%)ブレイブバード→耐久無振りミュウツー(68.5~81.2%),耐久無振りルギア(50.2~59.6%)→耐久無振りカイオーガ(64~76%),耐久無振りグラードン(44.5~53.1%) カイオーガ C252 潮吹き@雨→耐久無振りミュウツー(96.1~113.2%)→耐久無振りルギア(60.2~71.8%),D特化ルギア(43.6~52.1%)→D特化ホウオウ(87.3~104.2%),D特化グラードン(130.4~154.5%)→耐久無振りディアルガ(45.1~53.1%),耐久無振りレックウザ(32.2~38.3%)冷凍ビーム→耐久無振りルギア(46.4~55.2%),D特化ルギア(32.8~39.4%)→耐久無振りグラードン(75.4~89.1%),D特化グラードン(49.2~58.9%)→耐久無振りディアルガ(34.2~41.1%),耐久無振りパルキア(31.5~37.5%)→耐久無振りギラティナA(46.2~55.1%),D特化ギラティナA(33.4~39.6%)雷→D特化ルギア・ホウオウ(42.2~49.7%),耐久無振りカイオーガ(65.1~77.7%) グラードン A252 ↑ 地震→耐久無振りミュウツー(46.9~56.3%),耐久無振りカイオーガ(48.5~58.2%)→耐久無振りディアルガ(76.5~92.5%),B特化ディアルガ(53.1~63.7%)→耐久無振りパルキア(47.8~56.9%),耐久無振りギラティナA(29.7~36%)岩雪崩→耐久無振りレックウザ(47.7~56.6%),耐久無振りルギア(35.3~41.9%) レックウザ AorC252(ワザニアワセ) 流星群@珠→耐久無振りミュウツー(103.3~122.6%),耐久無振りルギア(65.1~77.9%),D特化ルギア(47.8~56.3%)→耐久無振りカイオーガ(73.7~87.4%),耐久無振りグラードン(106.8~126.8%)→耐久無振りディアルガ(98.2~116.5%),D特化パルキア(121.8~144.1%)
https://w.atwiki.jp/83452/pages/2468.html
バッサバッサ 澪「すいません。アテナ隊長」 ふわ☆ふわ「ぴっぴ♪」 律「澪!」 アテナ「あなた、コルバットにつかまってピッピを抱えて・・・何しにきたの?」 バッサバッサ 澪「下から登ってくる時間がもったいなかったので飛んできて最上階の壁を破壊しました」 律「そんなこと言っちゃって・・・中に入るのが怖いからだろ?」 澪「うるさい!」 唯「澪ちゃん無事だったんだね!あの後大丈夫だったの?」 澪「馴れ馴れしいぞ。お前たちに心配される義理はない」 アテナ「で、なんの用かしら?というかあなたこの子たちとどういう関係?」 澪「なんの関係もありません。・・・アテナ隊長に、ポケモンタワー占領の中止を伝えに来ました」 アテナ「なんですって・・・!」 澪「ロケット団研究部は、例の電波に関して実用化には3年ほどかかるとの結論を出しました。 よって今このタワーを占領しておく必要はありません。それよりもヤマブキへの兵力集結を急ぐべきとサカキ様が決定しました」 アテナ「私の部隊の苦労は無駄だったってわけね・・・やってらんない。 こんなタワーからはさっさと撤収するわ」 澪「早急に部隊のヤマブキへの移動をお願いします。現在は本部もヤマブキへ置かれています」 アテナ「・・なぜ?タマムシは?」 澪「諸事情により撤退を余儀なくされました」チラ 唯律梓「・・・」 アテナ「そう・・・あなた達!もうやる気なくなったからとどめは刺さないであげる。 よかったわね」 スタスタ 澪「・・・行ったか」 唯「澪ちゃーん!」ガバッ 澪「な、離れろ」 唯「無事で良かったー」グリグリ 梓「心配してましたよ澪先輩」 律「澪・・・ありがとな。あのとき私たちを逃がしてくれて」 澪「礼はいい・・・そろそろ離れろ」グイ 唯「あう」 律「サカキには何もされなかったか?!」 澪「もちろんお叱りは受けた・・・だが許してれた。なぜかお前らのことは聞いてこなかった ただ『今までの功績に免じて今回は見逃す』と」 律「そうか・・・私たちのことは思い出せないのか?」 澪「・・・うん」 律「前みたいに強引に思い出させようとして苦しめたくないからな。今回はそういうことはしないよ。 でも、私たちと一緒に来る気はないのか?」 澪「悪いが私はロケット団の隊長としての責任がある。もうすぐ大きな戦いが起こるだろう・・・そんな時にロケット団を離れるわけにはいかない」 梓「大きな戦い・・・?」 唯「戦いってどんな?」 澪「何人かのジムリーダー達が、動き出したみたいだ」 唯律梓「!!!」 澪「ヤマブキシティを制圧する際、ジムリーダーのナツメを取り逃がした。 彼女が行動を起こしたのかもしれない」 澪「カントーのジムリーダーには横のつながりがほとんどないし、 セキエイのリーグ本部にはこちらのコネがあるからリーダーたちが結束することはまずないと踏んでいたんだが・・・」 唯「(エリカちゃん、うまくいったのかなあ?)」 澪「いつ大規模な戦闘が起こるかわからない状態だ。お前たちはヤマブキシティに近づかないでほしい・・・お前たちを戦いに巻き込みたくないんだ」 律「澪・・・」 澪「私がお前たちにしてやれるのはこのくらいだ・・・ばさ☆ばさ!空を飛ぶ」 バッサバッサバッサ・・・ 唯「あ!澪ちゃん!」 梓「また行っちゃいましたね・・・」 律「元気みたいで良かったよ。私らへの敵意もなくなったし・・・記憶は心配だけど」 フジ「おーお嬢ちゃんたち!君たちか!ロケット団を追い払ってくれたのは!」 唯「あ、もしかしてフジさんですか?」 フジ「そうじゃ。本当にありがとうな・・・そうだ何かお礼を!」 律「いえいいですよそんな!」 フジ「遠慮しないでくれ。そうだこれをあげよう。ポケモンの笛じゃ」 梓「笛?」 フジ「この笛の音色を聞いたポケモンはたちまち眠りからさめるんじゃ。 お嬢さんたちもトレーナーなら役に立つと思うぞ。」 ……………… シオンタウン フジ老人の家 唯「すいません。休ませていただいて」 フジ「いいんじゃよ。お嬢さんたちは命の恩人じゃからな。 いやー・・・また女の子に命を救われることになるとはのう」 律「また?」 フジ「ああ、30年ちょっと前じゃったかな・・・お嬢さんたちと同じくらいの年の女の子に助けられたことがあっての・・・」 「!!!」 梓「30年前!女の子!・・・もしかして」 律「フジさん!その子の名前は!?」 フジ「ああ、紬ちゃんという子じゃよ。初代ポケモンチャンピオンだから君たちも知ってるかもしれんな」 唯「やっぱり!・・・おじいさん!知ってる限りその子の話を聞かせてください!」 フジ「ふむ・・・少し長くなるがいいのか?」 律「はい!どんなに長くてもいいですから!」 フジ「30年と少し前・・・わしはグレン島のポケモン屋敷で研究者をやっておった。 今ではあそこは廃屋じゃが、当時はポケモンの研究施設だったんじゃ」 ……………… 31年前 グレン島 海岸 紬「・・・・・・うーん・・・」 ザザーン ザザーン 紬「・・・海・・・?私・・・なんでこんなところに・・・」 紬「そうだわ・・・唯ちゃんの家でパーティーしてた・・・みんなと・・・」 「ですから博士・・・」 「いやしかし・・・」 紬「・・・誰か来る・・・?でも・・・体が動かない・・・それに・・・意識が・・・」 「・・!博士!あそこに人が!」 「ん?君・・・!大丈夫か!」 ……………… ポケモン屋敷 フジ「・・・落ち着いたか?」 紬「・・・はい」 フジ「とりあえず自己紹介しておこう。 私はここの研究者のフジだ。そしてこっちの若者はカツラ君。私の助手だ」 カツラ「よろしく。君の名前は?」 紬「琴吹・・・紬です」 フジ「なかなか立派な名前だな。それで・・・なぜあんな所に倒れてたんだ?」 紬「・・・すいません。・・・頭が混乱していて・・・」 カツラ「無理に答える必要はないぞ」 フジ「そうだな。何か事情がありそうだし、こんな屋敷でいいなら好きなだけ休むといい」 紬「ありがとうございます・・・」 フジ「いいよ。話したくなったらいつでも話してくれ」 カツラ「さて・・・私はそろそろ訓練に行かせてもらいます」 フジ「おお。そんな時間か?」 紬「訓練・・・?」 カツラ「ポケモンバトルの訓練だよ」 フジ「カツラ君はここで私の研究を手伝いながら、ジムリーダーを目指してるんだ。 こんな海に囲まれた島で炎ポケモンの訓練なんて無茶だと言っているんだがね」 カツラ「逆境で訓練してこそポケモンが強くなるんです!」 フジ「ふふふ。君は相変わらずポケモンバトルのことになると熱いな」 紬「・・・えっと・・・ポケモンって・・・?」 フジ「ポケモンのことを知らないらしいぞ」 カツラ「もしかしたら何かの事件か事故に巻き込まれて記憶が無くなっているのかもしれません・・・」 紬「(・・・おかしい・・・この人たちもこの建物も・・・すべの雰囲気が異様というか・・・まるで違う世界みたい・・・話を合わせた方がいいかも・・・)」 紬「あの・・・カツラさんの言う通りかもしれないです・・・記憶が抜けているみたいで・・・」 カツラ「やはりそうか。ポケモンのことが思い出せないなら実際にポケモンを見た方がいいかもしれないな。 俺の訓練について来るか?」 フジ「いいかもしれないな。紬ちゃんが良ければだが」 紬「(ポケモンってなんなのか・・・ここが何なのか知らないと・・・) はい・・・じゃあご一緒させてください」 カツラ「よし。では博士、行ってきます。こっちだ。歩けるか?」 紬「はい」 フジ「さてと・・・こっちもエサの時間が過ぎてしまったな。早く行ってやらんと・・・」 フジ「待たせたな。ミュウ」 ……………… 海岸 カツラ「ここが俺の訓練場所だ。野生の水ポケモンがよく出るからな」 紬「はあ・・・」 カツラ「で、こいつらが俺のポケモンだ。出ろ!ガーディ!ポニータ!」 ガーディ「わん!」 ポニータ「ひひーん」 紬「(・・・これがポケモン・・・今まで見てきたどんな生き物とも何かが違う・・・)」 カツラ「君は、ポケモンを持っていた覚えとかはないのか?」 紬「いえ・・・全然覚えてないです・・・だから教えてもらえますか?ポケモンのこと・・・それに、この世界のこと」 カツラ「ああ、俺に教えられることならな。君の記憶が早く戻るといいな」 紬「はい(本当はパーティまでの記憶は完全に残ってるんだけど・・・こうしたほうがいいわよね)」 ……………… 1週間後 海岸 紬「ポニータ!ふみつけ!」 ポニータ「ひひーん!」 ポニータのふみつけ!野生のクラブは倒れた 紬「勝った・・・!カツラさんっ!」 カツラ「見てたぞ。やったな」 フジ「おーい!二人とも」 カツラ「博士。どうしたんですか?」 フジ「おや・・・?紬ちゃんがポケモンを?」 紬「実際に使った方がポケモンに慣れるからって、カツラさんがこの子を貸してくれたんです」 ポニータ「ひひーん♪」 カツラ「すごいですよ彼女は。とても飲み込みが早くて、教えがいがあります」 フジ「それはよかった。こんな時に悪いんだがカツラ君、一緒に研究所にきてくれないか?」 カツラ「何かあったんですか?」 フジ「ここではちょっとな」 カツラ「・・・わかりました。ポニータは預けておくから、一人で訓練できるか?」 紬「はい。大丈夫です」 フジ「では行こうか」 ポケモン屋敷 カツラ「やはり・・・ミュウのことですか?」 フジ「その通りだ。これを見てくれ」 ミュウ「・・・」 カツラ「・・・卵!?」 フジ「ああ。今朝見たら大事そうに抱えていたんだ」 カツラ「ミュウ一匹で卵を産んだんですか・・・?」 フジ「わからない・・・。ポケモンが卵を産んだことが正式に確認された例は今までないからな」 パキ パキ 「!!!」 フジ「まさかもう・・・生まれるのか・・・!?」 ……………… 研究記録 記入者:フジ 2月6日 ミュウが子供を産む。産まれたばかりのジュニアをミュウツーと呼ぶことにした。 ミュウとミューツー。この2匹の研究がうまくいけばポケモンの生体の謎を解明す ることができるかもしれない。ミューツーには生まれた直後から薬物の投与などの 実験を行い、潜在能力を調べていく予定だ。 助手のカツラ君はこのことを学会に報告すべきだと主張しているが、私はまだ今は その時期ではないと判断している。 2月13日 私的記録だが、紬ちゃんがここにやってきて2週間になる。 彼女の記憶はまだ戻らないようだ。 しかし、友達とはぐれたことを思い出したらしい。どこにいるのかは全く見当がつか ないようだ。 2月24日 ミュウツーへの実験はどれも予想以上の結果をもたらしている。 ミュウツーの成長速度はすさまじく、 あらゆる薬物投与や実験に余裕で耐え、自らの力として取り込んですらいるようだ。 なお、ミュウツーとミュウは別々の部屋で飼育しお互いの存在は認識できないように なっている。 3月4日 ミュウツーへの本格的な遺伝子改良実験を行った。 結果は成功で、ミューツーはさらに強化された。 しかしながら、最近はミュウが弱り始めたように思える。テレパシーでミュウツーを 感じ、作用しているのだろうか 3月10日 最近はカツラ君がジムリーダー試験のための準備で忙く、こちらにはあまり来なく なった。 だが、紬ちゃんが掃除をしてくれたりお茶を入れたりしてくれている。も はや紬ちゃんが助手のようだ 3月19日 久しぶりに、カントー本土への連絡船がやってきた。カツラ君はこの船でカントー 本土に渡り、ヤマブキのカントーリーグ本部でジムリーダー選抜試験を受けることに なる。カツラ君のポニータは正式に紬ちゃんに譲られた。 紬ちゃんは、友達を探すために本土に渡ることを検討していたようだが、 今回は見送るようだ 本土へ渡るのは一人で本土を旅できるくらいの実力を身につけてからと言っていた。 本当は友達のことが心配ですぐにでも飛び出して探したいだろうに・・・ とても賢くて強い子だ 3月20日 紬ちゃんに、研究の助手になってくれるようにお願し、快諾してくれた。彼女には ミュウの世話を頼んだ。ミュウツーの存在は伏せている。 彼女には薬物投与や遺伝子実験を知ってほしくない。 4月20日 新しい助手が来て一ヶ月。 紬ちゃんの丁寧な世話のお陰かミュウの体調は良くなってきている。 ミューツーは、すでに親よりも大きくなっている。どこまで成長するのだろうか 5月3日 カツラ君から手紙が届いた。ついにジムリーダー試験に合格し、 このグレンでのジム開設が認められたそうだ。 とてもうれしく思う。紬ちゃんも喜んでいた。 5月25日 カツラ君が本土からの連絡船に乗って帰って来た。私たちは歓迎会を開いた。 カツラ君は紬ちゃんがだいぶ強くなっていて驚いていた。 本土で一人旅しても十分大丈夫な実力だそうだ。 ただ、紬ちゃんは私に気を使ってか、しばらく本土には行かないと言っていた。 6月15日 グレンジムは盛況のようだ。 カツラ君は島民のポケモン技術向上に貢献していくだろう。 7月1日 今日、初めてミュウツーが私に反抗した。 いつものように注射をしようと思ったらいきなり突き飛ばされたのだ その後は普段通りに戻ったが、ミューツーに確実に強い自我が芽生えてきているよう だ・・・ 7月18日 ミュウツーの反抗が多くなってきた。私は何回も突き飛ばされた。 反抗がなくなるまで実験はしばらく中止にすることにした。 紬ちゃんは、急に傷が増えた私を不思議に思っている。知られるのも時間の問題か。 8月2日 ついに紬ちゃんにミュウツーの存在が知られてしまった。 ミュウツーが実験室の扉をこじ開けてうろついていたのを 紬ちゃんが発見したのだ。 ミュウツーはなんとか部屋に戻し閉じ込めることができた。 私はミュウツーのすべてを話し、今まで黙っていたことを詫びた。 紬ちゃんは、いいんですと言っていたがどこか悲しい目をしていた。 私を軽蔑しているのかもしれない。当然のことなのだが。 8月15日 カツラ君にこのことを話し、協力を頼んだ。 ミューツーに何重にも拘束具をつけ部屋に閉じ込め厳重に封鎖した。 カツラ君の腕をもってしてもミューツーを抑え込むのに相当苦労していた。 カツラ君は解決策が見つかるまでジムの仕事を休み警備をすると約束してくれた。 8月25日 ミュウツーは私が何もしなくても自ら成長し続けているようだ・・・ ミュウツーを拘束している部屋からは物音が日に日に大きく聞こえてくる もうすぐ拘束具すら完全に破壊してしまうだろう・・・ 今更過ちに気付いても遅すぎるかもしれないが・・・ 私はとんでもない怪物をつくってしまった。 紬ちゃんは、ミュウの世話を続けてくれているが、明らかに怯えている。 私もカツラ君も逃げるように行ったのだが聞こうとしなかった 9月1日 ポケモン ミュウツーは強すぎる。ダメだ…私の手には負えない! パタン フジ「この研究記録もいつまで書けることか・・・」 9