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団長様がまだ来ぬ文芸部室。 学外団員の佐々木(今日は授業が午前中で終わったそうで、長門の次に来ていた)と長門が何やら小難しい会話を交わしていた。 俺も、古泉も、朝比奈さんも、手を休めて、二人の会話を聞いていた。 「長門さん。天蓋領域や情報統合思念体は、生物なのかしら?」 「生物とは、自己維持能力をもち自己複製を行なう体系化された物質結合体として定義される。物質としての身体をもたない彼らは、この定義には当てはまらない」 「でも、思考し何らかの活動を行なう知的存在であることは確かでしょう?」 「知性とは、情報を収集し蓄積した情報を自発的に処理する能力レベルによって判定される。彼らはその能力を充分にもつので、知的存在といえる」 「なるほど、知的存在ではあるけれども、生物ではないと。なら、彼らには、有機生命体がもつ生殖本能は理解しがたいものかもしれないわね」 「そう」 「九曜さんに接するときには、その点を念頭においておく必要があるかしら。まあ、彼女の場合は、それだけが問題じゃないけれども」 「彼女は、地球人類との情報交換能力が不充分。天蓋領域がどのような意図をもって彼女を構成したのかは不明」 「酷いいわれようね。あれでも、彼女は私の友人なんだけれども」 「彼女との間に友人と呼ばれるような関係を築くには、相応の労力が必要」 「それはそのとおりだと思うわ。でも、藤原君と友人関係になるよりは、簡単だと思うんだけど。そういえば、彼や朝比奈さんは、未来人だったわね。彼らは現代の人類と比べて生物学的に見て進化しているといえるのかしら?」 「生物の進化とは、遺伝子構成の変化を原因とする発現形質の変化の集積として定義される。その意味では、彼らは現代の地球人類と異なる部分はほとんどなく、進化しているとは言いがたい」 「じゃあ、科学技術の進歩と文化・環境の違いだけを念頭をおいておけば、いいかしらね。私が見る限りでは、感情や思考能力にも格段の変化があるようには思われないし」 「そう理解して構わない。ただし、未来の女性の胸囲の平均値は、現代の女性のそれよりも格段に大きい。むかつく」 長門は、そういうと、朝比奈さんの方を見た。 朝比奈さんが震え上がる。 「……今のはエラー。気にしないで……」 長門。何か怖いぞ。 「……ま、まあ……ヒトは、外見じゃなく内面だと思うわよ。それはともかくとして、彼らが過去が来るということは、それだけで歴史が変わってしまうことにならないのかしらね? もしそうだとすれば、彼らが過去に来たことで、彼らの帰るべき元の世界が変わってしまうことにもなると思うのだけれども」 「彼らのいうところの時間平面理論によれば、微細な介入は、その後の歴史の経過には変化を与えない」 「そういえば、藤原君もそんなことをいってたわね。パラパラ漫画がどうとか」 「そう」 俺は、朝比奈さんがかつて話してくれたことを思い出した。 あれは、なかなか分かりやすい例えだったな。 「逆にいえば、微細じゃない介入は、歴史を変える可能性があるともいえるわね」 「そう。時間平面理論は擬似的に次元を一つ減らして観念するモデルであるが、次元をさらに二つ減らして観念すれば時間の流れを方向性をもつ直線、すなわちベクトルとして観念することができる。 このベクトルに平行に力を加えれば時間軸を上書きすることができ、角度のある力を加えれば時間軸を分岐させることが可能」 「なるほど」 「彼らの目的は、上書きまたは分岐の阻止または保全にあると思われる」 「でも、おかしくないかしら? 上書きによって世界が変わってしまうなら、変わってしまった世界からはその変化は観測しようがないでしょうし、阻止することも不可能でしょう?」 「上書き前の世界構成情報も、この世界に発現しないデータとしては残存する。特殊な手段を用いれば、それを観測することは可能。この……」 長門は、パソコンを指差した。 「原始的情報処理装置の画面には現れない情報であっても、記憶媒体にはデータが残存しているのと、類似している」 「ファイルを消去しても、復元ソフトを使えばデータが取り出せるのと似たようなものね。それで、上書きの阻止が可能な理屈は、どんなものなのかしら?」 「上書きの効果がその後の時間軸にいきわたるには『時間』がかかるから」 「その『時間』は、四次元的な意味における時間とは異なる概念かしら?」 「そう。時間軸における時点と時点の間は、四次元的には時差として観念されるが、五次元的には擬似的に距離として観念できる。その距離を伝わる時間が、五次元的な意味における『時間』として観念できる。 五次元距離を五次元時間で除すれば、五次元速度を観念することも可能。この速度は、加えられた力の大きさによって変化する」 「つまり、上書きの効果が及ぶには五次元的な意味における時差があるから、その間に変化を観測することができれば、阻止に行くこともできるということね」 「そう」 「でも、その五次元時間や五次元速度は、観測者によって異なるものじゃないかしら?」 「そう。それは相対的なもの。もとより、四次元的な意味における時間も相対的なものである」 「確かに、相対性理論によれば、そういうことになってるわね」 ここまで来ると、無学な俺には到底理解できないレベルだ。 ところで、さっきから朝比奈さんの顔が青ざめているのは、なぜなんだろうね。 バン! 団長様が入室を果たし、会話は中断した。 ハルヒは、長門と佐々木が向かい合って座っているのを見ると、 「あら、有希。佐々木さんと何の話?」 「アインシュタインの相対性理論について」 長門の返答は、ぎりぎり嘘ではない。 「ふーん。まあ、いいわ。有希も佐々木さんも、いい話し相手ができてよかったわね。バカキョン相手じゃ、そんな話もできないでしょうし」 佐々木が反論する。 「話相手としての適性は、知的レベルだけで判断できるものでもないですけどね」 なんか微妙に馬鹿にされたような気がするのは、気のせいかね。 ハルヒはそれには答えずに、パソコンの前に座って、ネットサーフィンを始めた。 長門と佐々木が会話を再開する。 今度は、ハルヒに聞かれてはまずいような話は含まれてなかった。 アインシュタインから始まった話は、いつの間にか、カントやデカルトといった哲学の領域に変わっていく。 何はともあれ、長門はなんだか楽しそうだ。 それは、悪いことではないのだろう。 だから、ここはひとまず、佐々木には感謝すべきなのかもしらんね。 終わり
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……… 眠れない…。 これで何度目になるだろう、静寂のなか薄暗い部屋で、彼が眠っていた布団に包まれ、目を閉じる……。 しかし、瞼の裏には記憶が映しだされ、彼の顔が画面いっぱいに広がる。 なぜだろう?気が付くと、彼のことばっかり考えている。 これはエラーなのだろうか? なぜこんなにも私の睡眠機能を妨害されるのだろう。 そんなことを考えていると、いつのまにか眠ってしまったようだ。 「ふふふ。長門さん、好きなんでしょ、彼のこと」 好き…?たぶん違うと思う……。 「そう、まあそのうち分かるわよ。自分の気持ちに…」 朝。太陽の光がカーテンの無い窓からさしこんできて目を覚ます。 今日は、不思議探索の日ということで軽く朝食をとり、家を出る。 着替える必要はない、いつもの制服で十分だ。 でも、私服で行ったら彼が喜ぶかな……。 いけない、またエラーだ。 集合時間15分前、いつもの駅前に到着する。 彼はまだのようだ。 「おはよう有希!」 「お、おはようございまぁ~す」 「おはようございます、長門さん」 三人ともあいさつをしてきた…。 私は軽く会釈をする。 しばらく待っていると、彼がやってきた。 「遅い!罰き…」 「はいはい、分かったから」 彼はもうあきらめがついているようだ。 そうして、いつもの喫茶店に入る。 私は、注文した飲み物を飲みながら、彼といっしょになればいいなと毎回考えていた。 そして、涼宮ハルヒのクジを引く、私は無印だ。 彼は…、私と同じ無印だった。うれしい。 他の人は、古泉一樹が印入り、涼宮ハルヒが印入り、そして朝比奈みくるが無印だった。 (あら、残念ね。二人きりじゃなくて…クスクス) 別に残念とは思っていない。 こうして、彼と朝比奈みくると私で不思議を探すことになった……。 とはいっても、探す気なんかないことはみんな同じだろう。 「いい!デートじゃないのよ!鼻の下のばしてんじゃないわよ!!」 そう言って彼女は歩いていった。古泉一樹がやけにニヤニヤしているのはなぜだろう? 「朝比奈さんはどこか行きたいところありますか?」 彼は彼女にきく。 「いえ、特には…」 「そうですか、長門はどうだ?」 彼がたずねてくる。図書館と言いたいが、今は朝比奈みくるもいるのでやめておく。 「……ない」 私は彼の顔を見ずにこたえた。 「…そうか」 彼は少し困った様子で、 「じゃあそこらへんをブラブラしてますか」 「はい」 そんなやりとりが交わされて、私は彼の後ろについて歩いている。 彼は、朝比奈みくると会話を楽しんでいる……羨ましい。 私も情報伝達能力がもっと高ければ―――。そんなことを考えていると、いきなり話がふられた。 「長門も鶴屋さんの小説おもしろかったよな?」 「…………」 私はこたえることもできず、ただうなずくことしかできなかった。 (ふふっ、手でもつないでみれば?) そんなことはしない。 (恥ずかしがることないのよ。早くしないと涼宮ハルヒにとられちゃうわよ) …………。 そんなことをしているうちに、集合する時間がやってきた。 駅前につくと、もう涼宮ハルヒと古泉一樹が待っていた。 「ふん!じゃあクジ引きするわよ」 彼女はイライラしているようだ。 みんながクジを引く、私は印入りだ。 彼は…印入り。今日は運がいいらしい、彼は私を見ると微笑んでくれた…。頬が熱くなるのを感じる。 あとの三人は無印だった。 みんなと別れる。行くところは決まっているも同然で、彼がたずねてきたときは、 「図書館」 と即答した。 私は彼の後ろについて歩いている。 会話はしないけれど、二人で歩いているだけで幸せな感じだった。 (たまには、図書館じゃなくて映画館とかもつれてってもらえば?) …………。 (せっかくの二人きりになれたのよ。それにこれはデートと変わらないわよ) …………。 (涼宮ハルヒのことなんて気にしないで、ホテルでも行っちゃえばいいのに) うるさい。 お互い無言のまま、今では行き慣れた図書館についた。 人影も少なく、冷房のきいた閑静な室内に足を踏み入れる。 私はこの空間がとても好きだった。 私は、本を手にとりその場で立ち読みをする。その間、彼はだいたいは眠っている。 (ねえ、彼の近くで読んでみたら?肩によりそったりして) ………///。 本を読んでいるとすぐに時間がすぎる…。 彼が、私に帰ろうと言ってきた。私は彼の肩から頭をどかし、図書カードで本を借りた。 私は図書館で借りた一冊の本をもって彼と並んで歩く。なんだか楽しい。 いきなり彼がこっちを向く。どうしたのだろう?と思っていたら、無意識に手を握っていたようだ。 (やればできるじゃない、ふふふふっ) 「長門どうしたんだ?」 別に…。 「おい、ハルヒに見つかったらまたうるさく言われるぞ」 …いい。 「…やれやれ」 私は不安になり、彼にたずねる。 「…嫌?」 「そっ、そんなことないぞ、うん。どっちかっていうとうれしい」 「…そう」 私は彼の言葉を聞いて、安堵した。 できることなら彼とずっと一緒に……。 そんなことを思いながら私は、握る力を少しだけ強くしていた…。
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こうしてお互いのプライドを賭けた地球外生命体の一大決戦が、なんの因果か地球上で繰り広げられる運びとなった。 三丁目ラーメン屋前の商店街通りで開催された当イベントは、物好きな野次馬的好奇心旺盛な聴衆で満員御礼。 ひとつの長机に長門と周防が並んで座り、臨戦態勢にはいったところで店主により試合開始の合図が告げられた。 古泉「両者一杯目の醤油ラーメンにとりかかりましたね。見たところ、出始めのペース配分等は互角といったところですか」 キョン「お互い試合前に間食をすませてるというのに、よくあんなハイペースで食べられるもんだ」 みくる「あれ、2杯目に入ってから、長門さんのペースが落ちてませんか?」 キョン「やっぱり腹ごなししてきたウォーミングアップが響いているのか?」 古泉「いえ、違います。テーブルの下を見てください!」 キョン「下って……あ! あれは、周防が長門の左足を踏みつけている!」 古泉「ただ漫然と食べるだけのフードファイトかと高をくくっていましたが、あんな直接攻撃もあるなんて」 キョン「おそるべし、三丁目フードファイト!」 みくる「あ、長門さんが反撃に出ましたよ」 古泉「長門さんが右足で周防さんの右足にローキック! これは効いたでしょう!」 キョン「一見優雅に見える白鳥も水面下で必死の努力をして泳いでいるというのはよく聞く例え話だが、まさにそんな感じだな。すごいテーブル下の戦いだ」 キョン「周防が左足で長門の左足に踵蹴り! なんて容赦ない痛打!」 みくる「ああ、長門さんの塩ラーメンの汁が!」 審判「長門有希選手、ペナルティー1点」 古泉「ラーメンの汁をこぼした長門さんにペナルティが。これは厳しい戦いになりそうですね」 キョン「今の踵蹴りをくらったのはマズかったな。何とかおしかえせないのか、長門!」 みくる「あ!」 キョン「どうしました、朝比奈さん!?」 みくる「長門さん……呪文を唱えてるみたい」 長門「ブツブツブツブツブツブツブツブツ」 周防「ブツブツブツブツブツブツブツブツ」 長門「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」 周防「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」 古泉「周防九曜も、同じく高速で何かを呟いているようですね」 キョン「高速言語同士の対決か。いったい何がどうなるんだ」 古泉「今のところ変わったことは何も起こっていませんが」 (※↓高速言語をスロー再生) 長門「ちょっと、いきなり踵はなくない!?」 周防「何いってるのよ。ローキックで人のふくらはぎ蹴ったくせに。ものすごい痛かったわよ。絶対に腫れてるわ、これ」 長門「先に足を出してきたのはそっちじゃない。汚いわよ。正々堂々と勝負しなさいよ。それとも、私に負けそうだったから卑怯な手段に出たってことかしら?」 周防「別に足を使わなくたって私の勝ちは決まってたけどね。勝利はより確実にするのが合理的でしょ?」 長門「なにそれ、勝つためなら何でもするってこと? 手段は選ばないってこと? 漫画の悪役みたい。ばっかじゃない? 今時流行らないのよ、そういうの。あなた友達いないでしょ?」 周防「ふふん。何とでも言いなさいよ。この調子でいけば私の勝ちね。負け犬さん、負けた時の言い訳でも今から考えて……痛い痛い、痛いって! ちょ、信じられない、なんで手つかってるの!?」 みくる「長門さんが片手を机の下に伸ばして周防さんのヒザを!」 古泉「ヒザの間接をとりにいきましたね。あのサブミッションが決まれば、周防九曜もラーメンどころではありませんよ」 審判「周防九曜選手、ペナルティー1点」 キョン「周防にもペナルティが入ったぞ! これで点数的には同点だ!」 古泉「周防九曜が冷静に長門さんの手をさばきましたね。このへんはさすがというところでしょうか。さあ、これからどういう戦法に出るのか…」 キョン「あれは! ダメだ、逃げろ長門!」 みくる「ああ、周防さんが両手で長門さんのヒザを!?」 (※↓高速言語をスロー再生) 長門「ちょっと、何やってるのよ!? ありえなくない? セクハラで訴えるわよ!」 周防「訴えたければ訴えれば? 今ここであなたにとどめをさせられれば文句はないわ!」 長門「でも両手で私のヒザを狙ったところで、勝てると思ってるの? 手放しでどうやってラーメンを食べる気? あいにくだけど、私はたとえヒザの間接が外れようとラーメンを食べるのをやめるつもりはないわよ!」 周防「問題はない」 キョン「ああ、周防が両手で長門のヒザをつかんだまま顔をドンブリにつっこんだ!」 古泉「その手がありましたか! 両手で相手を攻撃しドンブリに顔をつけて直接食べるとは、まさに攻防一体の無敵の構え!」 みくる「このままじゃ長門さんが負けちゃう……」 みくる「あ、あれは!」 キョン「長門も周防と同じ体制 (フェイス in ドンブリ) に入った! しかも周防の腕を外しながら肘をとってアームロックだ!」 古泉「これはどちらが勝つか分からない泥沼の状態。最後に勝つのは、ラーメンを先に平らげた方ですね」 キョン「頼む、長門勝ってくれ! お前に引きこもられたら世界が困るんだ!」 みくる「あ、2人が同時に顔を上げたわ」 古泉「いえ、タイムは周防九曜の方がわずかに早かったです」 キョン「ってことは、まさか……長門は負けたのか……? 俺はまた朝倉に刺されるのか……?」 審判「タイムアップ。ただいまより審査結果を通知します」 キョン「長門、TKOじゃなくて判定負けだったんだ。まだマシだと割り切って、引きこもってくれるなよ…」 審判「勝者、長門有希選手!」 周防「────む、無念──」 バタッ キョン「あれ、勝った…? 周防の方が食べ終わるの早かったんじゃ……」 古泉「よく見てください。周防のドンブリを。まだラーメンの汁が残っています。一方長門さんのドンブリには一滴の汁も残っていない」 キョン「ということは、この勝負は長門の辛勝ってことか! やったぜ、さすが長門だ!」 周防「────な、なぜ───私が──」 長門「………答えは簡単。試合前にウォーミングアップとしてあなたはトンコツラーメンを食べてきた。しかし私が食べてきたのはスナック菓子だった」 周防「────す、水分量の差で負けたということ────不覚」 長門「………長く、苦しい戦いだった…」 キョン「長門! よく頑張った! お前こそ真のチャンピオンだ! そして真の宇宙人だ!」 長門「………これも、特訓につきあってくれたあなた達のおかげ」 キョン「まあ、とりあえず顔をふけ」 こうして長門と周防の、長く苦しい胃に負荷をかけまくる戦いは終了した。 そして俺は別の意味で胃にダメージをこうむった。しかし長門が引きこもって世界が終了するなんていう事態にならなかったから、まあいいかという心境でもある。 キョン「あー、胃が痛い……」 古泉「心配性ですね、あなたも。そんなに長門さんが負けるのではないかと心配だったんですか」 キョン「性分だから仕方ないさ。もうしばらく脂っこいものは食べたくないし、見たくもない」 古泉「長門さんは相変わらず脂っこい物を食べ続けているようですね」 キョン「宇宙人の体質なのか胃下垂なのか知らないが、よくあいつもあれで太らないもんだな。俺は見てるだけでダメだ。昼食はプリンで済ませるよ」 ハルヒ「ちょっとキョン! あたしのプリン食べたでしょ!?」 キョン「ああ、食べた」 ハルヒ「楽しみにとっといたのに、なんてことするのよこのバカキョン!」 キョン「まあいいじゃないか」 ハルヒ「ところで、有希なにかあったの? さっき食堂でラーメン何杯も食べてたけど」 キョン「来年の5冠王を狙って奮戦してるんだろ」 ハルヒ「なんのことか分からないけど、有希が頑張ってるんだったらSOS団として私たちも一緒に一蓮托生の心でつきあうべきね。キョン、あんたのおごりでラーメン食べに行きましょう!」 キョン「金は出すから勘弁してくれ」 ハルヒ「情けないこと言ってないで、さっさと行くわよ」 キョン「もうフードバトルはこりごりだよ」 ~完~
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こうしてお互いのプライドを賭けた地球外生命体の一大決戦が、なんの因果か地球上で繰り広げられる運びとなった。 三丁目ラーメン屋前の商店街通りで開催された当イベントは、物好きな野次馬的好奇心旺盛な聴衆で満員御礼。 ひとつの長机に長門と周防が並んで座り、臨戦態勢にはいったところで店主により試合開始の合図が告げられた。 古泉「両者一杯目の醤油ラーメンにとりかかりましたね。見たところ、出始めのペース配分等は互角といったところですか」 キョン「お互い試合前に間食をすませてるというのに、よくあんなハイペースで食べられるもんだ」 みくる「あれ、2杯目に入ってから、長門さんのペースが落ちてませんか?」 キョン「やっぱり腹ごなししてきたウォーミングアップが響いているのか?」 古泉「いえ、違います。テーブルの下を見てください!」 キョン「下って……あ! あれは、周防が長門の左足を踏みつけている!」 古泉「ただ漫然と食べるだけのフードファイトかと高をくくっていましたが、あんな直接攻撃もあるなんて」 キョン「おそるべし、三丁目フードファイト!」 みくる「あ、長門さんが反撃に出ましたよ」 古泉「長門さんが右足で周防さんの右足にローキック! これは効いたでしょう!」 キョン「一見優雅に見える白鳥も水面下で必死の努力をして泳いでいるというのはよく聞く例え話だが、まさにそんな感じだな。すごいテーブル下の戦いだ」 キョン「周防が左足で長門の左足に踵蹴り! なんて容赦ない痛打!」 みくる「ああ、長門さんの塩ラーメンの汁が!」 審判「長門有希選手、ペナルティー1点」 古泉「ラーメンの汁をこぼした長門さんにペナルティが。これは厳しい戦いになりそうですね」 キョン「今の踵蹴りをくらったのはマズかったな。何とかおしかえせないのか、長門!」 みくる「あ!」 キョン「どうしました、朝比奈さん!?」 みくる「長門さん……呪文を唱えてるみたい」 長門「ブツブツブツブツブツブツブツブツ」 周防「ブツブツブツブツブツブツブツブツ」 長門「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」 周防「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」 古泉「周防九曜も、同じく高速で何かを呟いているようですね」 キョン「高速言語同士の対決か。いったい何がどうなるんだ」 古泉「今のところ変わったことは何も起こっていませんが」 (※↓高速言語をスロー再生) 長門「ちょっと、いきなり踵はなくない!?」 周防「何いってるのよ。ローキックで人のふくらはぎ蹴ったくせに。ものすごい痛かったわよ。絶対に腫れてるわ、これ」 長門「先に足を出してきたのはそっちじゃない。汚いわよ。正々堂々と勝負しなさいよ。それとも、私に負けそうだったから卑怯な手段に出たってことかしら?」 周防「別に足を使わなくたって私の勝ちは決まってたけどね。勝利はより確実にするのが合理的でしょ?」 長門「なにそれ、勝つためなら何でもするってこと? 手段は選ばないってこと? 漫画の悪役みたい。ばっかじゃない? 今時流行らないのよ、そういうの。あなた友達いないでしょ?」 周防「ふふん。何とでも言いなさいよ。この調子でいけば私の勝ちね。負け犬さん、負けた時の言い訳でも今から考えて……痛い痛い、痛いって! ちょ、信じられない、なんで手つかってるの!?」 みくる「長門さんが片手を机の下に伸ばして周防さんのヒザを!」 古泉「ヒザの間接をとりにいきましたね。あのサブミッションが決まれば、周防九曜もラーメンどころではありませんよ」 審判「周防九曜選手、ペナルティー1点」 キョン「周防にもペナルティが入ったぞ! これで点数的には同点だ!」 古泉「周防九曜が冷静に長門さんの手をさばきましたね。このへんはさすがというところでしょうか。さあ、これからどういう戦法に出るのか…」 キョン「あれは! ダメだ、逃げろ長門!」 みくる「ああ、周防さんが両手で長門さんのヒザを!?」 (※↓高速言語をスロー再生) 長門「ちょっと、何やってるのよ!? ありえなくない? セクハラで訴えるわよ!」 周防「訴えたければ訴えれば? 今ここであなたにとどめをさせられれば文句はないわ!」 長門「でも両手で私のヒザを狙ったところで、勝てると思ってるの? 手放しでどうやってラーメンを食べる気? あいにくだけど、私はたとえヒザの間接が外れようとラーメンを食べるのをやめるつもりはないわよ!」 周防「問題はない」 キョン「ああ、周防が両手で長門のヒザをつかんだまま顔をドンブリにつっこんだ!」 古泉「その手がありましたか! 両手で相手を攻撃しドンブリに顔をつけて直接食べるとは、まさに攻防一体の無敵の構え!」 みくる「このままじゃ長門さんが負けちゃう……」 みくる「あ、あれは!」 キョン「長門も周防と同じ体制 (フェイス in ドンブリ) に入った! しかも周防の腕を外しながら肘をとってアームロックだ!」 古泉「これはどちらが勝つか分からない泥沼の状態。最後に勝つのは、ラーメンを先に平らげた方ですね」 キョン「頼む、長門勝ってくれ! お前に引きこもられたら世界が困るんだ!」 みくる「あ、2人が同時に顔を上げたわ」 古泉「いえ、タイムは周防九曜の方がわずかに早かったです」 キョン「ってことは、まさか……長門は負けたのか……? 俺はまた朝倉に刺されるのか……?」 審判「タイムアップ。ただいまより審査結果を通知します」 キョン「長門、TKOじゃなくて判定負けだったんだ。まだマシだと割り切って、引きこもってくれるなよ…」 審判「勝者、長門有希選手!」 周防「────む、無念──」 バタッ キョン「あれ、勝った…? 周防の方が食べ終わるの早かったんじゃ……」 古泉「よく見てください。周防のドンブリを。まだラーメンの汁が残っています。一方長門さんのドンブリには一滴の汁も残っていない」 キョン「ということは、この勝負は長門の辛勝ってことか! やったぜ、さすが長門だ!」 周防「────な、なぜ───私が──」 長門「………答えは簡単。試合前にウォーミングアップとしてあなたはトンコツラーメンを食べてきた。しかし私が食べてきたのはスナック菓子だった」 周防「────す、水分量の差で負けたということ────不覚」 長門「………長く、苦しい戦いだった…」 キョン「長門! よく頑張った! お前こそ真のチャンピオンだ! そして真の宇宙人だ!」 長門「………これも、特訓につきあってくれたあなた達のおかげ」 キョン「まあ、とりあえず顔をふけ」 こうして長門と周防の、長く苦しい胃に負荷をかけまくる戦いは終了した。 そして俺は別の意味で胃にダメージをこうむった。しかし長門が引きこもって世界が終了するなんていう事態にならなかったから、まあいいかという心境でもある。 キョン「あー、胃が痛い……」 古泉「心配性ですね、あなたも。そんなに長門さんが負けるのではないかと心配だったんですか」 キョン「性分だから仕方ないさ。もうしばらく脂っこいものは食べたくないし、見たくもない」 古泉「長門さんは相変わらず脂っこい物を食べ続けているようですね」 キョン「宇宙人の体質なのか胃下垂なのか知らないが、よくあいつもあれで太らないもんだな。俺は見てるだけでダメだ。昼食はプリンで済ませるよ」 ハルヒ「ちょっとキョン! あたしのプリン食べたでしょ!?」 キョン「ああ、食べた」 ハルヒ「楽しみにとっといたのに、なんてことするのよこのバカキョン!」 キョン「まあいいじゃないか」 ハルヒ「ところで、有希なにかあったの? さっき食堂でラーメン何杯も食べてたけど」 キョン「来年の5冠王を狙って奮戦してるんだろ」 ハルヒ「なんのことか分からないけど、有希が頑張ってるんだったらSOS団として私たちも一緒に一蓮托生の心でつきあうべきね。キョン、あんたのおごりでラーメン食べに行きましょう!」 キョン「金は出すから勘弁してくれ」 ハルヒ「情けないこと言ってないで、さっさと行くわよ」 キョン「もうフードバトルはこりごりだよ」 ~完~
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効果モンスター/レベル5/神属性/宇宙人族/攻撃力2400/守備力1200 このカードの効果は無効にできない。 このカードの効果と発動を無効にする効果を無効にし破壊できる。 このカードが持ち主以外のフィールド上に存在する場合、 このカードのコントロールは持ち主に移る。 このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する 「長門」と名のつくモンスター1体をリリースし、 手札または墓地から特殊召喚できる。
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……… 眠れない…。 これで何度目になるだろう、静寂のなか薄暗い部屋で、彼が眠っていた布団に包まれ、目を閉じる……。 しかし、瞼の裏には記憶が映しだされ、彼の顔が画面いっぱいに広がる。 なぜだろう?気が付くと、彼のことばっかり考えている。 これはエラーなのだろうか? なぜこんなにも私の睡眠機能を妨害されるのだろう。 そんなことを考えていると、いつのまにか眠ってしまったようだ。 「ふふふ。長門さん、好きなんでしょ、彼のこと」 好き…?たぶん違うと思う……。 「そう、まあそのうち分かるわよ。自分の気持ちに…」 朝。太陽の光がカーテンの無い窓からさしこんできて目を覚ます。 今日は、不思議探索の日ということで軽く朝食をとり、家を出る。 着替える必要はない、いつもの制服で十分だ。 でも、私服で行ったら彼が喜ぶかな……。 いけない、またエラーだ。 集合時間15分前、いつもの駅前に到着する。 彼はまだのようだ。 「おはよう有希!」 「お、おはようございまぁ~す」 「おはようございます、長門さん」 三人ともあいさつをしてきた…。 私は軽く会釈をする。 しばらく待っていると、彼がやってきた。 「遅い!罰き…」 「はいはい、分かったから」 彼はもうあきらめがついているようだ。 そうして、いつもの喫茶店に入る。 私は、注文した飲み物を飲みながら、彼といっしょになればいいなと毎回考えていた。 そして、涼宮ハルヒのクジを引く、私は無印だ。 彼は…、私と同じ無印だった。うれしい。 他の人は、古泉一樹が印入り、涼宮ハルヒが印入り、そして朝比奈みくるが無印だった。 (あら、残念ね。二人きりじゃなくて…クスクス) 別に残念とは思っていない。 こうして、彼と朝比奈みくると私で不思議を探すことになった……。 とはいっても、探す気なんかないことはみんな同じだろう。 「いい!デートじゃないのよ!鼻の下のばしてんじゃないわよ!!」 そう言って彼女は歩いていった。古泉一樹がやけにニヤニヤしているのはなぜだろう? 「朝比奈さんはどこか行きたいところありますか?」 彼は彼女にきく。 「いえ、特には…」 「そうですか、長門はどうだ?」 彼がたずねてくる。図書館と言いたいが、今は朝比奈みくるもいるのでやめておく。 「……ない」 私は彼の顔を見ずにこたえた。 「…そうか」 彼は少し困った様子で、 「じゃあそこらへんをブラブラしてますか」 「はい」 そんなやりとりが交わされて、私は彼の後ろについて歩いている。 彼は、朝比奈みくると会話を楽しんでいる……羨ましい。 私も情報伝達能力がもっと高ければ―――。そんなことを考えていると、いきなり話がふられた。 「長門も鶴屋さんの小説おもしろかったよな?」 「…………」 私はこたえることもできず、ただうなずくことしかできなかった。 (ふふっ、手でもつないでみれば?) そんなことはしない。 (恥ずかしがることないのよ。早くしないと涼宮ハルヒにとられちゃうわよ) …………。 そんなことをしているうちに、集合する時間がやってきた。 駅前につくと、もう涼宮ハルヒと古泉一樹が待っていた。 「ふん!じゃあクジ引きするわよ」 彼女はイライラしているようだ。 みんながクジを引く、私は印入りだ。 彼は…印入り。今日は運がいいらしい、彼は私を見ると微笑んでくれた…。頬が熱くなるのを感じる。 あとの三人は無印だった。 みんなと別れる。行くところは決まっているも同然で、彼がたずねてきたときは、 「図書館」 と即答した。 私は彼の後ろについて歩いている。 会話はしないけれど、二人で歩いているだけで幸せな感じだった。 (たまには、図書館じゃなくて映画館とかもつれてってもらえば?) …………。 (せっかくの二人きりになれたのよ。それにこれはデートと変わらないわよ) …………。 (涼宮ハルヒのことなんて気にしないで、ホテルでも行っちゃえばいいのに) うるさい。 お互い無言のまま、今では行き慣れた図書館についた。 人影も少なく、冷房のきいた閑静な室内に足を踏み入れる。 私はこの空間がとても好きだった。 私は、本を手にとりその場で立ち読みをする。その間、彼はだいたいは眠っている。 (ねえ、彼の近くで読んでみたら?肩によりそったりして) ………///。 本を読んでいるとすぐに時間がすぎる…。 彼が、私に帰ろうと言ってきた。私は彼の肩から頭をどかし、図書カードで本を借りた。 私は図書館で借りた一冊の本をもって彼と並んで歩く。なんだか楽しい。 いきなり彼がこっちを向く。どうしたのだろう?と思っていたら、無意識に手を握っていたようだ。 (やればできるじゃない、ふふふふっ) 「長門どうしたんだ?」 別に…。 「おい、ハルヒに見つかったらまたうるさく言われるぞ」 …いい。 「…やれやれ」 私は不安になり、彼にたずねる。 「…嫌?」 「そっ、そんなことないぞ、うん。どっちかっていうとうれしい」 「…そう」 私は彼の言葉を聞いて、安堵した。 できることなら彼とずっと一緒に……。 そんなことを思いながら私は、握る力を少しだけ強くしていた…。
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効果モンスター/レベル12/神属性/宇宙人族/攻撃力5000/守備力5000 このカードの効果は無効にできない。 このカードの効果または発動を無効にする効果を無効にし破壊できる。 このカードが持ち主以外のフィールド上に存在する場合、 このカードのコントロールは持ち主に移る。 自分フィールド上に「長門」と名のつくカードが 2枚以上存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。 このモンスターはカード効果では破壊・ゲームから除外されない。 このモンスターの召喚は無効化されない。 このモンスターの召喚・特殊召喚・特殊召喚に成功した時、 相手はカード効果を適用できない。 このモンスターの攻撃力・守備力は、 自分フィールド上に存在する「長門」と名のつくカード1枚につき 1000ポイントアップする。 自分フィールド上に「残り二週間の夜」が存在する場合、 このモンスターの攻撃力・守備力は3000ポイントアップする。