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罪と罰 “そいつ”の見てくれは、とりあえず人の形をしてはいたが、しかし人間ではないと断言できる代物であった。 一言で言えば、看護婦である。 ナースキャップを頭に乗せ、ボタンが外れて豊満な胸元を派手に曝け出す看護服を身に着けており、やや短めのスカートからは、モデルを思わせる長く美しい脚が伸びている。 男なら、下心をくすぐられても無理はない体型である。 しかし真冬はそういった色事には興味が無かったし、よしんば健康的な青少年であったとしても、そいつの顔を見れば、特殊な趣味嗜好を持つ男以外は、下心など軽く吹っ飛んでしまうであろうと確信する。 その信じ難いご面相に、真冬は思わず息を呑んだ。 ――顔がない。 そいつの頭部は、目も鼻も口も存在を確認できないほど、腫瘍のようなもので腫れ上がっていた。 でたらめに捏ね上げた粘土細工で頭を覆っているかのようで、ナースキャップが無ければ顔の前後が区別できないほどである。 大きな瘤をいくつも膨らませた頭を小刻みに、時には苦しみ悶えるように大きく震わせながら、ぎこちない足取りでこちらに向かってくる様は、真冬の身体を石にするのに十分な破壊力であった。 雑誌には鬼と説明されているが、それを無条件に鵜呑みにできるだけの状況では、まだなかった。 電車の中を顔面を腫らした看護婦がうろつくなどという、おおよそ気違いじみた光景だけに、あまりにも突然な目の前の現状を、真冬はまだ受け止めきれずにいた。 どうするか?話しかける?否、話が通じる相手にはどうしても見えない。では攻撃か? 答えはすぐに決まった。なぜなら、その看護婦の手には、鈍く光を反射する黒い鉄の塊――拳銃が握られていたからである。 真冬は看護婦を刺激しないよう、少しずつ足を後ろへ踏み出して後退して行く。 目指すは車両を連結する扉だ。扉を隔てれば、とりあえず生身で銃弾を受け止めるよりははるかに生存率が上がる。 そして他の車両の中にいるかもしれない生存者を確認し、車掌に接触するなり何なりして事態を打開しよう。頭をフル回転させてそんな方針を固めた。 後になって考えてみれば、この異常な車両を果たしてまともな車掌が操作しているのか、非常に疑わしくはあったのだが、とにかくこの時は、目の前の危機を回避することで頭が一杯だったのだ。 前進する看護婦に合わせて、一歩、また一歩と後退していく。連結扉までの短い距離を、気が遠くなるほど長く感じるような時間をかけ、その動作を繰り返していく。 そして数メートルほど後退した頃、ようやく背中がひんやりとした板に触れる感触がした。 反射的に身を翻しかけて、その寸前で思い留まる。 不用意に行動を起こせば、看護婦を刺激して銃弾を浴びる可能性が高い。一瞬、ほんの一瞬でいい、あの拳銃を封じることができれば―― 真冬は手に握り締めている湾曲した車両のパーツを見つめ、振り回すのに最適な質量を持つそれを手放すか否か、ほんの僅かに逡巡した。 その間にも、看護婦は拳銃を持つ手を水平に持ち上げる。金属が起こす冷えた摩擦音が聞こえた。 迷っている暇はない。真冬は手にしていた車両のパーツを、看護婦が構える拳銃めがけて投げつけた。 湾曲したラインを持つそれは真冬の狙いを大きく逸れ、一直線に看護婦の肩に直撃した。 それでも投げた甲斐はあった。看護婦の華奢な二の腕が大きく横にぶれ、体勢がやや斜めに傾く。パァンと乾いた破裂音が車内に鳴り響いたが、銃弾はあさっての方向に飛び出した。 チャンスだ。もはや一刻の猶予もない。弾かれたように連結用扉にかじりつく。 握り締めたドアノブに全身全霊の力をかけ、真冬は渾身の怒号と共に扉を押し開いた。 「うわあああああああっ!」 パァン。乾いた破裂音が列車内に響き渡り、熱の塊がちりっと頬を引っかく。 パァン。脇腹を熱い何かが掠めた気がするが、気にする余裕はない。身体を扉の向こうに押し込み、再び全力をもって鉄の扉を閉じた。 パァン。パァン。もう一枚、次の車両の扉を急いで開けた瞬間、2回破裂音が響いたが、一発目は扉にめり込み、二発目は分厚いガラスを貫いて床にその破片を撒き散らすに止まった。 最後の扉は閉まったが、不安はまだ治まらない。あの看護婦がドアを開閉する知性が無いという保障はどこにもないからだ。 座席の陰に転がり込み、縋るように周囲を見渡す。 最悪なことに、この無人の車両には、看護婦を撃退できるだけの素材は全く見当たらなかった。 やはりあれを投げるべきではなかったか?じりじりと後悔の念がせり上がってくる。 しかし、ふと、先ほどから銃声が聞こえてこないことに気が付いた。 頭をなるべく出さないように気をつけながらドアの向こうを見てみると、思考回路を持たないロボットのように、ドアの前で立ち往生している看護婦の姿が見えた。 真冬が身体を強張らせていると、看護婦はスイッチが切り替わったように突然踵を返し、よろよろと車両の奥へ戻ってしまった。 どうやら、あの異形の看護婦にはさして高い知能が備わっていないらしい。 真冬はようやく危機が去ったことを実感し、浅く呼吸を繰り返して安堵と不安を吐き出しながら、床の上にすっかり脱力した腰を落とした。 ◆ 少し落ち着いてから、真冬は改めて周囲を見渡した。 車両は閑散としており、窓から見える空も真っ暗で、まるで終電のようである。だが、真冬の見慣れた日本の電車とは明らかに様子が違った。 吊り下げられた邪魔な広告が見当たらないし、立っている乗客を支えるのは、日本ではポピュラーな吊り革ではなく、先ほど真冬が手にしていた湾曲したパーツ――壁に取り付けられた持ち手である。 一体何がどうしてどうなって、こんなどこかの外国のような車両で目が覚めたのだろうか。 真冬は眠る前の記憶を思い起こしてみるが、思い浮かぶのはたった一人の肉親である妹、深紅のあどけない顔と、慣れ親しんだ自宅、そしてごくごく当たり前な車両の風景のみで、やはり答えは見つかりそうになかった。 とりあえず立ち上がろうと腰を浮かすと、脇腹がずきりと痛み、咄嗟に座席に手を突いてよろめく体を何とか支える。 気が付けば真冬の白い上着には真っ赤な染みが広がっており、その下に着込んでいる黒いシャツを捲り上げて脇腹を確認すると、横一直線に皮膚がざっくりと抉れていた。 4センチほどの裂け目からは、目も眩むような赤い鮮血が溢れ出している。 真冬は現実から逃げるようにぱっとシャツを戻した。 ほんの少し掠れただけなのに、熊に引っかかれたかのような威力。もし命中していたらと思うとぞっとする。 銃という文明の利器の破壊力を身をもって体感し、背中に嫌な汗が流れた。 車両の座席を一つ一つ確認しながら進んでいくと、まるで負傷した真冬のためにあつらえたかのように、座席の上に救急箱が置かれていた。 無人の電車に、ぽつんと放置されている救急箱――あまりに不自然だ。使っても大丈夫なのだろうか? 恐る恐る中身を確認する。 包帯、ガーゼ、消毒液、鋏、ピンセット、シート状の綿…至って普通の医療品が入っている。まだ真新しく、使っても問題なさそうだ。 小ビンに入ったアスピリンもあるが、流石に飲む勇気はなかった。 一体誰が?何故こんなものを? 得体の知れない存在によってばら撒かれたチーズに、何も知らずホイホイ吸い寄せられるネズミのような気分だ。 この餌の向こうに待っているのは、果たしてネズミ捕りか、それとも―― とりあえず傷の手当てをした後、真冬は車掌に会うべく先頭車両を目指した。 誰かいないかという期待は、扉を潜るたびにことごとく空振りする。車内は人っ子一人おらず、異界の住人にすら遭遇しない。 こんな夢、早く冷めてしまいたい。 閑散とした電車の中を、真冬は孤独感と戦いながら進み続けた。 次の車両の扉に手をかける。そしてノブを捻ろうとして、真冬の体が硬直した。 次の車両に――いる。異形の気配をはっきり感じる。 窓から次の車両の中を確認してみると、先ほど遭遇した異形の看護婦と全く同じ、頭を腫れ上がらせた看護婦が、車両のど真ん中で棒立ちになっている後ろ姿が確認できた。 しかし、この看護婦の場合、得物は拳銃ではなく、バールのようなものであった。 これは不幸中の幸いだ。拳銃を相手にするよりは、いくらか勝てる見込みがある。 向こうはこちらに気が付いていない。この隙を突けば勝機が掴めるが、どうする?失敗は許されない。自分にできるか? 自問自答を繰り返し、真冬は静かに決断を下した。 ――やるしか…ない。 なるべく音を立てないよう、静かにドアノブを捻り、慎重にゆっくりと扉をスライドさせ、身体を車両の連結部に滑り込ませる。 次の車両にいる看護婦に、どこもおかしな動きはない。気づかれていないようだ。 そして、次の車両のドアノブに手をかけ、今まで以上に慎重にノブを捻る。 まず指一本分開く。気づかれない。 さらに開き、手が通るくらい開く。まだ大丈夫だ。 もう一息。ついに肩までが通るくらいまで開いた。 …いける! 次の一押しで、真冬は勢いよく車両の中に飛び込んだ。そのまま反応しかけている看護婦の背中めがけ、渾身の当て身を食らわせる。 吹っ飛ばされた看護婦はもんどりうって床に倒れこんだ。 体勢が崩れたのを狙って、真冬は看護婦の上半身に跨り、そいつが持っていた得物――バールと思っていたが、実際は鉄パイプだった――を奪い取った。 服に掴みかかろうとする看護婦の手に構わず、真冬は目をぎゅっと閉じて鉄パイプを振り下ろした。 鉄パイプから伝わる、柔らかい肉と、その下の硬い骨を叩く感触のあまりの生々しさに、頭の中が真っ暗になりかける。 頼む、早く動かなくなってくれ…! ひたすら強く願いながら、真冬は無我夢中で鉄パイプを振るい、看護婦が完全に動かなくなるまで、力の限り打ちのめし続けた。 ようやく看護婦を叩きのめすと、真冬はもはやただの肉塊と成り果てたそれの横に腰を落とし、肩で息をしながら、闇に引き篭もろうとする意識と必死に格闘した。 元より真冬は誰かを攻撃することは苦手だ。まして異形とはいえ、血肉を持つ生身の生き物が相手なら尚更である。 こうして血の通った生き物に力を振るうなど、今までなら考えられない行為だった。 たとえ相手に、こちらを殺そうとする意思があったとしてもだ。 とにかく、このままじっとしているわけもいかない。 真冬は血まみれの鉄パイプを支えに、震える足腰を無理矢理動かしてゆっくりと立ち上がった。 黒い窓に映り込む自分の顔は、まるで亡者の仲間入りをしてしまったかのように、すっかり血の気が引いて憔悴しきっていた。返り血も少し付いている。 こんな格好、深紅にはとても見せられない。あまりの気まずさに、黒いシャツの裾で顔の返り血を拭う。 さて、ようやく先頭まで辿り着いた。早く車掌に会って、この電車が見舞われている異常事態を話さねばなるまい。 そこまで考えながら操縦席の扉のノブを握り、ふと、真冬はある違和感に気が付いた。 これだけ大騒ぎしたのに、一向に車掌が出てくる気配がない。 それどころか、車掌がいるはずの扉の向こうに――人の気配が、ない。 まさか、いや、そんなはずは。 勇気を振り絞り、真冬は扉のノブを捻った。鉄の重い摩擦音を響かせながら、操縦席の扉がゆっくり口を開く。 突然、凄まじい突風が顔面を直撃した。何が起こったのか解らず、真冬は反射的に手で顔を覆う。 「…一体…どうなってるんだ…!?」 目の前に広がる光景に、真冬は瞬きすら忘れて呆然と呟いた。 扉の向こうには何もなかった。 ただ一本のレールのみが、真冬の未来を突きつけるかのように、暗闇の彼方に向かって真っ直ぐ伸びているだけであった。 ◆ **** 鬼特集その8~闇人~ 零式・甲式・乙式の三種類いる、冥府からのお客さんだよ。 とっても賢い人たちなので、騙されないように気をつけてね! 彼らにとって光は大敵。その敏感な肌を守るため、常に厚着をしている苦労人だ。 可哀相なので、良い子のみんなはライトの光を当てないように。カメラのフラッシュも厳禁だ。ロビー君との約束だよ! 今回取り上げた鬼は、まだまだほんの一握り! これからもドンドン追加しちゃうから、参加者のみんなは楽しみに待っててね! **** あれから時間を持て余し、しかたなく車内で拾った薄気味の悪い雑誌に目を通し終えた直後のこと。 車輪がレールと擦れあう金きり音が鳴り響き、真冬はぱっと顔を上げて外を見た。 窓の外には相変わらず厚い闇のカーテンしか見えないが、体が後ろから圧される感覚からして、どうやらこの電車はようやく停止するらしい。 圧迫感がなくなったのに合わせ、車両の出入り口が一斉に口を開く。 それと同時に、外からむわっと車内に雪崩れ込んできたむせ返るような瘴気に、真冬はたまらず顔を顰めた。 酷い空気だ。この車両内のなんとも言えない圧迫感も不快だったが、外の空気はそれ以上だ。吐き気すら感じる。 駅に到着しさえすればなんとかなるかと思っていたが、とんだ思い違いだった。 ここはもはや、真冬の知っている日本ではない。この駅を出たとしても、電車に戻ったとしても、氷室邸に辿り着くことも、家に戻ることも決してできないだろうと確信できた。 あの異形の看護婦がたむろする電車で目覚めた時点で、既に真冬は、虫かごに放り込まれた哀れな虫けらに過ぎなかったのだ。 とりあえず出入り口の前に立ち、ショルダーバッグの中から懐中電灯を取り出して足元を照らす。 想像していたコンクリートの足場はなかった。代わりに、赤茶けた鉄で構成された金網の床が広がっていた。 ライトの光をあちこちに移してみても、真冬が期待していたまっとうな駅の風景はどこにもない。 あるのは錆びついた金網の仕切りと、ところどころで蠢く異形の影、そして―― それが目に入った瞬間、真冬は心臓を握り潰されるような感覚を味わった。 博物館に展示された本物の人体標本のように、それは骨や内臓の断面図を曝け出している。 恐らく白人だろうか。金髪の“彼”は、頭の天辺から下半身にかけてをスイカのごとく左右真っ二つにかち割られ、飛び散った血と肉片の上に横たわっていた。 なんてことだ…! 一体どうすればこんな人間離れした真似ができるのだろう。人間を、それも大の大人を、頭から真っ二つにするなど! 喉から酸っぱい臭いがこみ上げる。思わず口元を手で覆い、今まさに逆流せんとする消化液を必死で押さえ込む。 こんな所からは一刻も早く離れたい。いや、なんとしても離れなければならない。 手足が震えて言うことを聞かないが、それでも動かねばならない。 左右別々に分かたれた虚ろな目から顔を逸らしつつ、とにかくなんでもいいから出口を探そうとした、その時だった。 『かわいそうに…』 誰かを哀れむ男性の小さな囁きが、真冬の背中に降ってきた。…真っ二つになった、白人男性の方からだ。 そのあまりに悲哀に満ちた響きは、頭の中を支配していた吐き気をもよおすほどの恐怖を僅かに薄れさせた。 普段なら、滅多なことでは自分から異界の者にコンタクトは取ることないのだが、この状況に陥って始めて遭遇した“心ある存在”を、どうしても無視できなかった。 意を決して振り返る。予想通り、あの真っ二つにされた亡骸の主がぼんやりとした輪郭で佇んでいた。 顔を鮮血に染めてはいるものの、さすがに真っ二つのままではなく、それが真冬にとって救いであった。 「…僕の言葉、解りますか?」 真冬の問いかけに、彼は「ああ」と小さく頷いた。 日本語で話しかけておいてなんだが、外国人と普通に意思疎通できるのが不思議だった。 「貴方は、どうしてここに?」 『…メアリー…妻に会いに来たんだ…』 彼――ジェイムズ=サンダーランドは、おぼろな声で、ぽつりぽつりと自らの半生を語り始めた。 不明瞭な声から紡がれる記憶の一つ一つをなんとか繋ぎ合わせてみるに、どうやら彼は、死んだ妻から手紙を受け取ったと思い込み、彼女との思い出が詰まったこの街へ再びやって来たらしい。 そして妻と過した懐かしいあの場所で、この手で殺したはずの彼女――もしかすると、それすらも彼の妄想の産物かもしれないが――と再会したことで、それまで忘れていた、否、逃げていた現実を思い出し、全ての贖罪のために湖へ己の身を沈めた。 ――ところが、どうも彼は死にきれなかったらしく、気が付くと湖の岸辺に横たわっていたという。 『これは私の妄想の続きなのか…それとも、これこそが私の煉獄なのか…』 「…それで、なぜこんな姿に?」 真冬の問いかけに対し、ジェイムズは己の無残な体を見下ろしながら、何かを悟ったかのような、諦めたような、絶望したような、そんな酷く穏やかな声音で呟いた。 『私は罰を受けたんだ』 「…罰?」 『そう…妻をこの手にかけ、その上彼女の意思を…裏切ってしまった罰だ。…君は、どんな罪を犯したんだ?』 「僕は…」 ――何もしていない。そう声に出す寸前で、真冬は喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。 「…分かりません。ここに来てから解らないことだらけです。もしかしたら、本当は知らないうちに誰かを傷つけたり、犠牲にしたりしているかもしれない…」 『そうか…』 気のせいかもしれないが、彼のぼやけた表情が、少し哀しげに揺らいだように見えた。 真冬が会話を続けようと口を開きかけた直後、駅の構内に設置されているスピーカーが、突如として耳障りなノイズを発し始めた。 ここには自分しかいないと思い込んでいたが、どうやら他にも誰かがいるらしい。 ノイズは次第に鮮明になっていき、この血と錆で彩られた世界観にはおよそ不釣合いな、賑やかな歓声が聞こえてくる。 酷くシュールな歓声が収まると、ラジオのDJよろしく陽気な男性の声が、ご機嫌な挨拶口上を述べてから、クイズに参加する幸福で不幸な挑戦者と称して、3名の名前を読み上げた。 その中には、今こうして会話を交わしているジェイムズの名も含まれていた。…つまり、死亡者リストというわけだ。 クイズ形式を取ってはいるが、その問題と選択肢はまるで、たった今ここに辿り着いたばかりの真冬に向け、この街におけるルールを解説しているかのようであった。 たった一人になるまで、殺し合いをする――そんな日常からかけ離れた、たった一つのおぞましいルールが、この街――サイレントヒルを支配している。 信じ難い。が、今まで次々と経験した怪異の数々が、そしてジェイムズの目を覆うような骸が、そのルールを否応にも信じざるを得なくするのだった。 挑戦者として名を呼ばれたジェイムズは、果たしてどうするのか?真冬は彼の反応を待った。 『いいか…君は絶対に、この世界の馬鹿げた掟に…囚われてはいけない…』 彼にとっては、もはや褒賞などどうでもいいことなのだろう。ジェイムズは放送を全て無視し、真冬に向かって諭すように語りかけた。 ――私のようには、決してなるな。 最後の言葉には、そんな願いが込められているような気がした。 ご機嫌なDJの爽やかな挨拶と共に放送が終わると、ジェイムズは輪郭の虚ろな瞳で真冬を見つめながら、暗闇の中へ溶け込むように消えていった。 真冬は、今度こそ独りになった。 「…ありがとう、ございました」 ここで心を折るわけにはいかない。目を背けるわけにはいかない。 なぜこんな異常な事態に巻き込まれているのかは解らないが、きっと何か重要な意味があるに違いない。 それを確かめるまでは、決して逃げてはいけない。 そして何より、今ここで挫けてしまっては、たった一人で自分を待っている深紅のもとに、二度と帰れなくなる――そんな気がするのだ。 暗闇にたった一人残された真冬は、ジェイムズの亡骸にそっと別れを告げる。 彼の言葉を胸の奥に秘め、闇を切り裂くたった一つの懐中電灯と、血に濡れた鉄パイプを強く握り締めながら、吐き気をもよおす瘴気の漂う血と錆の世界に、力強く一歩を踏み出した。 頭の片隅で、この先に待ち受けている、ジェイムズがあの壮絶な最期を迎えるまでに味わったであろう救いのない悪夢を予感しながら。 【D-5駅構内/1日目夜】 【雛咲真冬@零~ZERO~】 [状態]脇腹に軽度の銃創(処置済み)、未知の世界への恐れと脱出への強い決意 [装備]鉄パイプ@サイレントヒルシリーズ [道具]メモ帳、射影機@零~ZERO~、クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル、ショルダーバッグ(中身不明) [思考・状況] 基本行動方針:サイレントヒルから脱出する 0:ジェイムズさん… 1:この世界は一体? 2:とにかく駅から出る 3:街で生きている人を探す back 目次へ next 愛と罪が集う街(前編) 時系列順・目次 暗闇通り探検隊 愛と罪が集う街(前編) 投下順・目次 暗闇通り探検隊 back キャラ追跡表 next 暗中模索/臨戦態勢/カンニング 雛咲真冬 猫歩肪当(猫も歩けば棒に当る)
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トリプルハンバーグ弁当 おかずはハンバーグ3つのみという、男らしいというか子供向けというかそんな弁当。950円。 小暮宗一郎の好きな食べ物がハンバーグだということなのでそれから連想したもの。
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■レオン・S・ケネディ……8 007 老頭児&Rookie 048 DEEP RISING 100 噛み合わない「世界」 101 リセット 112 PITCH BLACKDEAD SPACE 134 The FEAST 1The FEAST 2 137 Against the Wind 145 最後の詩 ■シェリー・バーキン……2(1) 015 惑う子羊 048 DEEP RISING 088 エレル――ELEL――
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悪鬼がとおる 地獄だった。 誰1人として成仏できず、 全ての骸が得体の知れない力に怯え、 何故こんな事にと私を訊ねて群れをなし、 行きどころの無い憎しみをぶつけてくる。 ――――そんな地獄。 『悪鬼がとおる』 (ギャアアアア!!) 長い石造りの廊下に苦悶と憎悪を織り混ぜたかのような悲鳴が響き渡る、彼女はかつてこの場にいた巫女の1人であった。 霧絵が初めてその霊に遭遇した時、彼女は目を疑い困惑した。 自分が門を封じた時確かに全員天へと登って逝った筈だ、それは朧気ながら記憶しているし確かに見たはずなのに・・・・・ 何より攻撃してくるということは既に治まったはずの障気がいまだに存在するということなのだが、門からは漏れていなかった、あの怪物が抑えているし・・・・・ おかしい、全てがオカシイ、ただ判るのはまた人を殺してしまった事だけ 「ごめんなさい・・・・・」 彼女は霊体だった、だから『殺した』ではなく『封印した』なのだが、それでもついこの前までの自分と同じ存在を消した事に変わりはない。 正当防衛だったとはいえ言い様の無い悲しみが込み上げ、ともかく屋敷を出たくなった。 井戸の外に出ると、漂って来るのはやはり障気ではない、それどころか懐かしき我が家の空気ですらない。これこそ、この異質な霊力こそが異変の理由だと直感した。 それは今まで感じた事の無い邪悪の気配。 自分の知らない外界、異国の空気。 「どうか、これ以上は誰も出てこないで・・・・・」 しかし、そんな想いとは裏腹にまだ苦痛は追いかけてくる。灯籠の灯った薄暗い廊下を逃げ出す途中に様々な人を見た、目の潰れた者もいた、首の折れた者もいた、もはや人としての原形を留めていない者もいた。 それぞれがそれぞれの敵意を持って此方に向かって来る。その度に縄を振るい、彼らを極力傷つけぬよう退け、やっとの想いで門の入り口までたどり着いた。 目の前に、鳥居が見える。・・・・・そして。その下にあの男は立っていた。 すぐにどれほどの悪意の塊かを理解することになる、あの最悪の男が・・・・ 「大丈夫ですかお姉さん、こんな夜道に一人じゃ危ない。今そっちに行きますから!」 鳥居にも灯りが取り付けられ一応相手の顔が見える程度には明るい。 眼鏡の下の知的な目、いかにも人が良さそうな表情 普通の人間から見た彼、日野貞夫は、とても優しげな好青年にしか見えないだろう。 だが霧絵はその青年に何か嫌な既視感を覚えた、初対面のはずなのに幼い頃から知っているような・・・・・ 「待って!それ以上は近寄らないで」 気がついたら声が出ていた自分でも何故こんなに彼が嫌なのか解らないがともかく近くにいたくなかった。 「ん?あぁ、こんな状況だし、警戒するのも当然だよな。それじゃ、このまま情報交換します?」 「・・・・それくらいなら」 すると彼はにっこりと笑みを浮かべ深々と礼をし、そして英国紳士の様に丁寧な口調で話し始めた。 「まず自己紹介から始めましょう、俺の名前は日野貞夫。貴女のお名前は?」 「霧絵、氷室霧絵です」 「霧絵さんか、いい名前だ。さて本題に移りましょう、霧絵さんはコレを見聞きしましたか?」 日野と名乗った青年は学生鞄からラジオを取り出し霊石を入れる。するとラジオからもはや聞き慣れてしまった霊の声が聞こえてきた、しかし内容は聞きなれない単語ばかりが飛び出してくるばかり。 サイレントヒル? 新たなルール? 殺し尽くせ? 「『この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になれ』だ、そうですよ。全く、馬鹿げてる・・・・」 日野は片手で眼鏡をクイと上げ、憎々しげに何かのチラシを読み上げ首を横に振り、これまでの経緯を話し始めた。どうやらこの知らせを聞いて仲間を集めて脱出する事を決意したらしい。 最初に感じた違和感も気になるが、その後もいくつか質問をして、その身振り手振りや口調から本気でこの異常事態を解決しようとしているという気概を読み取り、歩み寄ろうとした。 だが、どうしても譲れないことがある。それはこの氷室邸の管理、そして自分自身の過去。 「私は・・・・一緒には行けません、この家を放ってはおけないし。それに既に何人も・・・・」 自分にこの地獄から抜け出すような資格は無い。 過去、この氷室邸で故意にではないにしても門を閉じる際に既に何人もの命を―――― すると男は鼻歌の1つでも歌い出しそうな清々しい声で言い放った。 「あ~殺しましたか、人を!」 うつ向きながら暗い表情をしていた霧絵はビクリと身体を震わせ、硬直する。 「どんな方法で殺したんだ?毒殺か?銃殺か?あぁわかったぞ、その縄で絞め殺したのか!いいよなぁ、特に首を締め上げてから死ぬまでの苦しみの表情は感動物だ」 何が起きているのかまるで解らず混乱するしかない。一体なんだこれは?さっきまで勧善懲悪をうたっていた人間は何処へ行ったのか?日野は休まず話し続ける 「溺死させたり、焼き殺したり、感電死を眺めたり、スタンダードに撲殺もいいよな。殺しは実に面白い、中でも俺は刺殺が好きだ、刃を向けられた哀れな犠牲者の命乞いは魂が震え心が踊る」 大袈裟な仕草で雄弁に語るその姿、それはまるで地獄の軍団長が語る大演説を思わせる。 「いったい・・・・何を・・・・!」 霧絵は顔を上げ日野の顔を直視し、そして確信した。これこそがあの男の本性、 すべてを引き裂く野獣のような、あの嫌な目。 頬の肉を無理矢理引き上げたかのような、あの嫌な口元・・・・ とても先程まで普通に話をしていた人間には思えなかった。 「やはりね、反応を見ておそらく、と、思ったが。目を見て確信したよ、やはりお前は人殺しだ。しかもまだまだ罪悪感なんてモノに振り回される尻尾もとれないオタマジャクシだ。ヒャハハハハ!」 この男は歪んでいる、それは明らかであり、この一触即発の空気の中ではきっとあっという間に殺し殺されになるだろう。霧絵は命の重みを知っている、沢山の人々の嘆きをあまりにも長い年月聞き続けてきたから。それもこの様な障気モドキの充満した中で死ねば相手も自分も碌な事にはならないことも重々承知していた。 だからどうしても目の前の鬼畜生にすら見える男を改心させたかった、もしかしたら最初は何か理由があって外道に落ちたのかもしれない。もしそうなら説得できるかもしれない 「・・・・何故人殺しなんて」 「よくぞ、聞いてくれた。人間はな、ストレスというものがたまる。だけど、エリートはストレスが溜まってはいけないんだ。そのためには、どうする?そう。ストレスになりそうな存在を排除する。 腹の立つ人間は一人残らず殺してしまうのさ。そうすれば、ストレスもたまらないし、自然とストレスも解消できる。楽しいぞ。こんなに素晴らしい方法、他にあるか?」 「けれど人間には魂があります、それが肉体から離れればもう二度と人生を送ることはできないのですよ。一寸の虫にも五分の…」 「それがどうしたというんだ?人を殺すのに、深い理由が必要か?」 日野は喫茶店でウェイターに珈琲を頼むように落ち着き払った態度で言い放った。霧絵にとってそれは完全に理解の外、止める言葉も見つからず、もはや呆気にとられるしかない。 日野は更に続ける。 「その様子じゃ無理だろうが。どうだい、俺の仲間にならないか?殺人クラブの」 「な・・・・・!」 「俺ならあんたを苦しみから解放する事ができるかもしれない。何、案外殺人を許容するなんて簡単さ、受け入れるだけでいい、恐怖心を、傲慢を、狂気を、卑屈さを、残忍さを、理不尽を、愛しい恋人を受け入れるようにだ。それで人生はもっと楽しくなる。さぁ・・・・・どうする?」 一瞬の空白、気味の悪い夜風と共に、何処からか警報の音が響いてくる。そういえば目覚めてからずっと聞こえている。この音の意味も、自分の知らない邪悪な空気も、目の前の人物の言うことも どれ1つとして理解不能、何もかもが不可解。 しかし1つだけ判別のつく事がある。この男の持っている空気は既に普通の人間のそれではなくなっている。 障気だ、この禍々しくて残酷な気配は小さくても紛れもなく、障気。 問いに対する答えは出ている、相手が障気に近しい者ならば縄の巫女として逃げる訳にはいかないだろう。 「お断りします、貴方の仲間にはなりません」 「・・・・残念だ、これからでも殺っていけば、きっと理解してくれると思うんだが。それに、一人で街1つ潰すのは楽じゃないからな、どうだ考え直さないか?」 なおもしつこく聞いてくる日野にため息と共に答える。 「貴方は考え直す気はないのですね・・・・これからも人を殺していこうというなら。私は貴方を・・・・・」 そう、門を閉める事もまた人々の驚異を取り去るためのものだった。ならば日野貞夫についても同じことが言えるのではないだろうか?霧絵は覚悟する。命をかけて目の前のドス黒い悪意を止める事を。 「強情っぱりだなぁ。ま、仕方ない。諦めよう。さて、それじゃそろそろ終わりにしようか」 言うが早いか日野がアイスピックを取り出し一直線に此方に向かって走り出した。しかし霧絵も黙ってはいない、手に持つ縄を振るい応戦する。が、日野はそれを悠々と避けるが――――― ボゴァッ!! 「何ぃ!?なんだ!?」 土煙と共に石畳が弾け飛ぶ。とはいえ少し抉れた程度なのだが縄を当てた程度でこれ程の威力を出すことは日野に衝撃を与えた。 彼女の持つ縄はただの縄ではない。目隠しの儀を経て17年の歳月を座敷牢で過ごし果てには自らの肉体を引き裂き死をもって完成する彼女の世界において最強の神器。 本気を出せば人間一人程度の四肢をバラす事など造作もない。 「面白い。獲物はやっぱり暴れてくれないとな」 そこで日野は作戦を変え、アイスピックを三本ほど投げた後行動に移る。 霧絵は縄で撃ち落とすが、それが仇となり捕まえるべき対象を見失ってしまった。黒のシルエットが不気味な木々が四方でざわめき、その中から声が聞こえてくる。 「姿が見えなきゃご自慢の縄は当てられないだろ?ちょっと特別な物を持ってるくらいで、あまり調子に乗るなよオバサン!」 木の間で声が反響し音はすれども姿は見えず。だがきっと不意討ちを狙ってくるはずだ。 何処にいる?何処に・・・・・ その時、カツンッと石畳の音がした。 即座に反応し攻撃するが誰もいない、靴が片方置いてあるだけ・・・・・ 「そこまでか?」 背後から声が聞こえるも時既に遅し巨悪の高笑いが木霊する。 「ヒャハハハハ!!喜べ!お前が記念すべき殺人ゲームの餌食一人目だ!!」 そして無惨にも腕は振り上げられ、目の前は真っ暗になった。 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ………………? なんだ?お次は何が起こった? そうか!分かったぞクソめ!あの一瞬のうちに縄で俺を後ろに引っ張り、ついでに鳥居の灯籠を全て消したって訳だ。 してやられたぜ、霧絵。まさかここまでできるとは・・・・ だが条件は同じはず ヤツもこの暗闇では何も見えはーーーー 『ハァ゙ッ、ハァァァァーーーー 見 え な い 』 「ぐっ!?」 いきなり首を絞められ空中停止する、それと同時に視界がハッキリした。目の前にあの女が困惑した顔で突っ立っている、という事は後ろにいるのは第三者。最初から仲間が援護していたわけだ。 「貴様・・・・・謀ったな!」 それには答えずあの女は生きた蛇のように蠢く縄で手足を縛り始めた。いつの間にか後ろのヤツも消えているようだ、いくらじたばたしても縄はウンともスンとも言わない。きっとこのまま有無を言わさず殺されるに違いない。まだ殺し足りないというのに・・・・・!! 「・・・俺の・・・殺人クラブ・・・・選ばれし者達の・・・・・・・」 そう呻くと、辛そうにも哀しそうにも、または怒りも混じっているような複雑な表情であの女は言った。 「貴方には・・・・本当に選ばれてしまった人々の気持ちなんて、理解できない・・・・ッ」 そうすると俺を思い切り屋敷の中へと放り投げた。受け身も碌にとれず、地面に衝突しトタン板に重い石を落としたような音が辺りに響いた 「ぐえぇっ!!」 体の何ヵ所かにヒビが入ったのか身体中が痛い。奴め中途半端な事しやがって・・・・しかし家の中に入れたのは好都合だ。奴等が全て持って行ったかもしれないが銃や刀があるかもしれないからな。 この殺人ゲームに招かれた事といい、階段の下にいた気の効いたオモチャといい、確実に運は此方に向いてきている。この程度の怪我ならなんとかなるだろ、案外主催者に気に入られているのかもしれないな。まぁいい、思うように埒を開けようじゃないか! 『これからも人を殺していこうと言うのなら、私は貴方を・・・・・』 「ククク、グッ・・・・!こんなに楽しい事を、止められるか・・・・」 しかし彼は気が付かない、自分の手首に刻まれた刻印の意味に・・・・・ 【C-4氷室邸中庭:夜】 【日野貞夫@学校であった怖い話】 [状態]骨にヒビ、興奮状態、殺人クラブ部長、縄の呪い [装備]:学生服 [道具]:学生鞄(中身は不明)、アイスピック数本@現実、霊石ラジオ@零~赤い蝶~ 薄赤茶色に光る鉱石@オリジナル、チラシ [思考・状況] 基本方針:殺人クラブ部長として、殺人を思う存分楽しむ。 1:とりあえず武器と治療具の収集 2 皆殺し 3 霧絵に復讐 ※裂き縄の呪いに架かっていますいつ死ぬのかは分かりません 裂き縄の呪い@零~zero~ 霧絵が怨霊だった頃(零~zero~本編)に使っていた呪い。時間経過と共に縄のアザが腕から足最終的には首に表れ、首にアザが出た後しばらくすると四肢を縄でバラバラにされ死に至る。 さて、ピンと来た人もいるかもしれないが日野を押さえ付けたのは目を隠された霊である。しかし何故視界の閉ざされたしかも自縛霊である彼女がここまで来れたのか? それには二つの理由がある。一つはサイレントヒルの魔力によるものが大きかった、これにより彼ら自縛霊は呪縛から解かれ氷室邸から出ていってしまえるからだ。 もう一つの理由はなんということはない、騒ぎすぎたのである。 目隠し鬼はここにいる、氷室邸の玄関口に、苦しそうに鳴きながら元仲間だった者へとすがり付く。 「ありがとう・・・・・助けてくれて」 たとえ助けるつもりが相手に無くとも、言わずにはいられなかった。過去に自分のせいで天に還れなかった人がそれでも助けてくれたのだから。しかしどうあれ鬼は鬼、ここで何とかしなければきっとまた自分の意思を歪められ、あの男と同じように人を殺すだろう。この場所では成仏もさせてやれないならばこの裂き縄に封印してしまえばいい。その方がまだうかばれる。 「人が、自分のせいで死ぬのは辛いと思う・・・・・だから、ごめんなさい・・・・さようなら」 縄で思い切り締め上げると、聞くに耐えない音を立て断末魔をあげて化け物は消えた。霧絵の頬に、一筋の雫が流れた---- しかし悲しんでいる暇はない、こうなっては何時までも霊がここに留まっているはずはないのだから。 鳥居から一つ提灯を取り、霧絵は走る。 「急がなくては、一人でも多くの人に危険を伝えるために」 【C-4氷室邸玄関前階段】 【氷室霧絵@零~zero~】 [状態]健康、使命感 [装備]浴衣、裂き縄@零~zero~ [道具]童話の切れ端@オリジナル、提灯@現実 [思考・状況] 基本行動方針:雛咲真冬に会いに行く 1 まずは周囲の人々に霊と日野の危険性を伝える 2 いなければ霊を封印しつつ真冬を探す ※チラシの内容を聞きました ※アイスピックが玄関口に三本落ちています ※氷室邸から自縛霊@零~zero~が大量に解き放たれました それにしてもオバサンか・・・・・私はこう見えても17なのだけれど(生前は)・・・・・浴衣が古くさいのだろうか? そんな事を考えながら階段を降りて行くと一番下の所に何か見える。なんだろうアレは?蛇にしては頭が大きすぎるのだが・・・・・ 近寄って提灯で照らすとソレが何か理解できた、それと同時に吐き気を催す邪悪を感じた。それは自分の行動は正解であったと心から理解できる光景。もし、あの時日野が止まらなければ、もしかすると自分もこんなふうにオモチャにされていたかもしれないと思うとゾッとする・・・・・ そこにはもはや、ゾンビとすら呼べない内臓と骨と頭だけになった音の鳴る腐ったモノがあるだけだった----- ※氷室邸の階段下にゾンビだったモノが落ちています back 目次へ next Creep 時系列順・目次 咆哮 Significant Commitment 投下順・目次 咆哮 back キャラ追跡表 next 笑う死神 日野貞夫 Deadly Belief 怪物と縄の巫女さまの童話。 氷室霧絵 菊花の約
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じぇいむず -- 暴犬 (2011-04-15 23 54 43) 名前が微妙に間違われるのは仕様ですかジェイムスさん。気合い充分な格好ですがあなたは見せしめですよ! -- 名無しさん (2011-04-16 00 20 35) 名前など飾りです。いつしか、このマッスルボディが炸裂すると信じております -- 暴犬 (2011-04-16 11 06 12) 名前 コメント
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カメラ コンパクトカメラ「コニカ・ビッグミニ」。フィルム型。 トワイライトシンドローム探索編では使い捨てカメラ「写るんだよ」をしていたが、究明編で進化した。 心霊現象の視覚的な要素を撮影するためのアイテム。 岸井ミカ秘密のアルバイトで稼いだ裏金で購入。
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教団 サイレントヒルに古くから存在するとある宗教集団、 しかしその実態は『神』の復活を目論み児童施設の子供達に虐待や洗脳を施す、 麻薬の売買を行うなどの黒い噂の絶えない組織 教団における神とは『かつて楽園を作ろうとして力尽きた神が、再び甦り楽園の扉を開いて人々を救う』存在。 しかし、それには世界の破壊が含まれるために邪神とカテゴライズされる。 復活の方法により派閥が異なり 儀式を行い特殊な資質を備えた女性(聖女)の胎内に 神を宿し、これを出産させることにより神の復活を目指す。 聖女派 術者と呼ばれる人間を育成し儀式を完成させることによって 神の復活を目指す。 聖母派 などがある 神は人の負の感情を吸い込み成長するとされる
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ハリー・メイソン 出典:サイレントヒル 年齢/性別:32歳/男性 外見:ダークブラウンの髪を後ろに流した白人男性。 環境:本名ハロルド・メイソン。妻に先立たれ、残された一人娘のシェリルと暮らすフリーライター。 ある日休暇でサイレントヒルへ行くことになったが、車の運転中に黒髪の少女と遭遇して事故を起こしてしまう。 気がつくと周囲は霧に包まれ、助手席のシェリルが姿を消していた。 性格:行方不明となったシェリルを溺愛しており、誰かに会うと必ず彼女のことを尋ねるほど心配している。 娘のためなら怪物との戦闘も辞さない、強い父親である。 能力:ごく普通の成人男性と変わらない。…はずだが、原作内において彼の蹴りはクリーチャーへの止めに使われるほどの威力を秘めている。 口調:ライターという職業柄か、癖のない落ち着いた口調。一人称は「私」。 交友:時間軸の関係上、ヘザー・モリスはもちろん、シビル・ベネットやマイケル・カウフマンとも面識はない。 備考:原作のゲーム開始直後から参加。姿を消したシェリルを探している。
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ラクーンポリススーツ 出典:バイオハザードシリーズ 防弾機能付きの半袖つなぎタイプのラクーン市警の制服。 服は厚手の綿製で、胸、肩、上腕部を防弾防刃繊維で防護されています。 前後にR.P.D.のロゴ、両肩にR.P.D.記章があります。 備考 機動性を考慮したためか、背中や防弾素材の隙間など防護されてない場所があります。 防弾性能に関して、ハンドガン程度は防げると考えられますが、貫通は防げても衝撃によるダメージは防げません。
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ギャンブル・トランプ 外見は普通のトランプだが、カード背面のイラスト部分が半分人間半分骸骨の絵柄になっている。 男女対になっており、分岐によって効果が変わるがこれは『骨董品屋』で買った使っても『特に実力の変わらなかった』時のトランプとしてください。 その際のトランプの効果は女の方は『幸運を呼び込む』 男の方は『単体では普通のトランプだが、女の方と一緒に持つとこれまでトランプで得た幸運をそれ相応の不幸をもって支払わなければならない』 というものです。