約 707,367 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8459.html
前ページ次ページゼロのペルソナ 隠者 意味…思いやり・邪推 名城と謳われたニューカッスル城はいまや廃墟と化していた。 反乱軍レコン・キスタが大挙して攻め込んだ結果である。 そしてレコン・キスタが反乱軍であったのはその時までだった。 アルビオン王家がこの世界から消滅した現在、レコン・キスタはアルビオンの正式な政府である。 廃墟となった最後の王家の城を眺めている一人の男が居る。レコン・キスタの総司令官であった男、オリバー・クロムウェルである。 彼は今や皇帝となり、アルビオンの支配者となった男だ。そうだと言うのに、皇帝クロムウェルの顔に浮かんでいるのは苦々しいものであった。 攻撃の際に受けた損害が莫大だったのだ。たった300足らずの王軍に対して、死者は三千、怪我人も含めるなら倍になる。 王軍の士気が異常なほどに高かったためだ。 「あのトリステイン貴族め、ウェールズをしとめるなどと言っておきながら……!」 クロムウェルは吐き捨てるように言った。 彼が言うトリステイン貴族とはワルドのことである。ワルドはトリステイン貴族にして、レコン・キスタに加わった男だ。 彼には聡明だと名を轟かせていたウェールズを始末するように命じていた。しかし、彼は仕損じ、ウェールズは最後の最後まで前線に立ち、兵士たちと戦い続けた。 そのため王軍の士気は異常なほどに高く、すでに勝利した気分になっていたレコン・キスタの兵に対し善戦を続けた。 ちなみにワルドは捕虜としての扱いを受けて牢屋に入れられていたのを助け出され治療中だ。体中に火傷のような痕があったためその治療である。 「いらぬ損害が出てしまったが……よしとするか。必要なものは手に入ったのだから」 彼はポケットから小さな箱を取り出した。開けた中には美しい宝石の指輪が入っていた。 ウェールズが身につけていた風のルビーだった。彼の死体から剥ぎ取ったものだ。 「これがなくては同盟が成立しないからな……。しかし、ジョゼフはどうしてこれをそこまで欲しがるのか……」 クロムウェルは美丈夫であるガリア王国の王の顔を思い浮かべた。 まあいい。彼は自分に力を与えてくれた。ならば従う他ない。 「死者に鞭打つようで悪いが働いてもらうぞ、ウェールズ皇太子」 クロムウェルは与えられた力、アンドバリの指輪を見た。 アルビオンから無謀に近い航海(航空という方が正確か)を遂げたのちに、ルイズたちはトリステイン国の騎兵たちに発見され、その後、王城に連れて行かれた。 秘密の任務のために事情を説明できずに困っていたが、アンリエッタの口利きのために開放されて、今はトリステイン学院に帰ってきていた。 ちなみにアルビオンの十人の船員たちのこともアンリエッタは保障してくれるそうだ。亡命者として手厚く保護するという。 そして学園に戻った三人の魔法使いと三人の使い魔はそれぞれの日常に戻っていた。 その内、使い魔たちは現在、あるものを鋭意政製作中である。 完二が料理長マルトーに頼み、使わなくなった大きな鍋を貰ってきた。それで完二たちは風呂代わりにしようとしているのだ。 時刻は夕刻を過ぎたころ、学校の校舎から遠いところで、火を焚き、水を入れた大なべを3人がかりで沸かせていた。 「なあ、これもういいじゃねえのか?」 陽介が待ちきれないとばかりに言う。 「そっスね。煮立ったら入れねーし」 完二の返答を聞いて陽介は嬉しそうな顔を隠せない。 彼らが彼らの世界でいうマトモな風呂にこの世界に来てからは入っていない。 この世界の風呂は一種のサウナ風呂のようなものであり、風呂が好きな日本人である彼らにはとても我慢できないというのが共通の見解だった。 クマは日本人どころか人間と呼べるか怪しいものだが、クマ曰く心は日本人らしい。 「んじゃ、俺一番風呂いただきな」 「あっ、センパイずりー」 「クマも入りたいクマー」 二人の抗議の声を気にせず、陽介は服を脱いで、さっさと鍋に浸かった。 「くぁー、たまらん!疲れが吹っ飛ぶつーの?やっぱ日本人だなあ、俺」 気持ち良さそうな声を上げる陽介を見てクマが我慢できなくなったようだ。 「クマも入るクマ」 そういうとクマは球型の体の頭の部分をとった。頭を取った着ぐるみからは金髪碧眼の美少年が現れた。 「オマエ、パンツ一丁だったのかよ……」 クマは人間の姿のときには真っ白なカッターに黒いズボンを合わせているのだが、キグルウミの中から出てきたクマはトランクス一丁の姿であった。 「だってだって最近、クマずっとこの格好だったし」 「確かにクマ、最近ずっと着ぐるみのまんまだったな」 「だからってそりゃ変質者だろ……」 「カンジ、今からお風呂クマ。和のココロ、それは細かいことを気にしないこと」 「や、意味わかんねえし」 完二と陽介のツッコミを気にせず、クマはすぐに一糸纏わぬ姿になって、陽介と同様腰にタオルを巻いて、風呂釜とかした鍋に文字通り飛び込んだ。 「おまっ、狭いだろ」 陽介が抗議する。 「そーでもないクマよ」 たしかに鍋には二人ならそれほど狭くないほどにはスペースがあった。大人数の魔法使いの子供たちの食事を作るための鍋だっただけあって大きい。 「たくっ、しゃーねーな。暴れんなよ、さっきオマエが飛びこんだせいでただでさえ湯が溢れたんだから」 「わかったクマ。だからクマ、この異世界に負けないように日本人の風呂の入り方をします」 そういうとクマは「あー、ババンバン!あービバビバ」と調子っ外れに歌い始めた。 陽介と完二は「なんだそりゃ」と笑った。 それから陽介とクマは30分近く風呂に入っていた。 「ったく、長風呂過ぎんだろ……」 完二は服を脱ぎながらぼやいた。クマがのぼせきってふらふらしていたために陽介はそれを送っていって今は完二一人である。 外にいても風邪を引くだけなので寮塔に戻るのは正解なのだろうが、一人残る完二には少しさびしい。 そう入浴前は思っていたが、いざ湯に浸かれば、そんな細かいことはどこかに吹き飛んだ。 「あー、キモチいいぜ……」 久しぶりの入浴は格別だった。満足いくまで浸かっていようと心に固く決める。陽介とクマが長風呂をしてしまうのも仕方がないだろう。 「あーびばんばんばん……へっ」 「あのー、カンジさん」 背後からの声に完二は体をびくりと震わして驚く。下手な鼻歌を歌っていたのでなおさらだ。 「だ、誰だ……ってシエスタじゃねえか!」 太陽が地平に姿を消し光が抜けていく空間にシエスタが立っていた。 「お、おま……なんでここに!?」 完二は狼狽する。何しろ今の彼は裸なのだ。目の前に女性が現れれば慌てるのも道理だろう。 「ヨースケさんに聞いたらここに居るって聞いて」 「あんのヤロー……!」 「あ、ヨースケさんを悪く思わないで下さい!わたし、どうしてもカンジさんにご馳走したいものがあったんです」 「えっ、ご馳走?」 大食漢の完二はこの状況でも素直にご馳走という言葉に惹かれてしまう。 「はい、東方、ロバ・アル・カリイエから運ばれた珍しいものとか。『お茶』というそうです」 慌てていてシエスタがそこにいることしか認識していなかった完二も、ようやく落ち着きを取り戻す。 シエスタは確かにティーポットとカップを載せた盆を持ったことに気付いた。 そして同時にご馳走といっても完二の予想するご馳走とは違ったことにがっかりする。 「んだよ、お茶かよ……」 「あれ、もしかして飲んだことあるんですか?」 「まあな、オレの居た場所じゃ、よく飲んだぜ」 「そうなんですか……」 シエスタはしょんぼりとした様子になってしまった。完二は慌てて取り直す。 「い、いや、でもよ。ここに来てから全然飲んでねえからよ。飲みてえと思ってたんだよ」 シエスタは顔を上げてにっこりと笑った。完二の言ったことを信じたというより、気を使ってくれたということが嬉しいのだろう。 「ありがとうございます。それじゃあどうぞ」 「おう」 渡されたティーカップを取り、湯に浸かりながら啜った。 彼の世界の味だった。母が二人分とは思えないほど作った料理を食べたあと、出してくれた熱いお茶を思い出す。目頭が熱くなり、目元を拭う。 「ど、どうしたんですか?」 「な、なんでもねえよ」 さきほどの言葉はシエスタを気遣ったものだったが、どうやら自分でも気付かないうちに完二は故郷が恋しくなっていたようだ。 おふくろどうしてっかな……。 「その『お風呂』って気持ち良さそうですよね」 「ん、まあな」 郷愁に浸っていた完二の意識はシエスタに呼び戻される。 たしかに風呂は良い。この世界のサウナ風呂と比べれば天と地の差だ。 「わたしも入ってみたいです」 「いいぜ、別に」 完二に良い物を独占するような気質はない。きっとシエスタも、今まで入ってきたこの世界の風呂とは格段の気持ちよさに驚くであろう。 「ありがとうございます」 シエスタはそう言うと服のボタンに手をかけた。 「ちょ、ま、待て!おま、何して……」 慌てふためく完二とは対称にシエスタは何事もないかのように素のままである。いや、少し頬が赤い。しかしボタンを外す手はとまらない。 「なにってお風呂に入ろうと」 「オレが出てからに決まってるだろ!」 風呂に入ってもいいとはいったが今は考えてもおかしいだろう。 「そうなんですか?まあまあ、いいじゃないですか」 「よくねえよ、おま……!」 完二は言葉をつぐんだ。服を脱ぎ始めたシエスタの肌がわずかに見えたからだ。健康的でそれでいて艶やかな肌。 完二は顔を真っ赤にして体ごとシエスタから背ける。お風呂にのぼせたわけではない。 「そんなに恥ずかしがらないでくださいよ。わたしまで恥ずかしくなってくるじゃないですか」 「ならやめろってんだ!」 完二が叫ぶと同時に彼の背後でストンと何かが落ちる音がした。 「それじゃあ、失礼しますね」 どうやらさきほどの音はシエスタの身につけていた最後の一枚が落ちた音のようだったらしい。 やばいやばいやばいやばいやばいやばいと念仏のように同じ言葉が完二の頭の中で繰り返されていた。 一糸纏わぬ姿になったシエスタはドキドキしていた。シエスタも自分の行為がおおよそ常識的ではないのは分かっていた。 これは完二の気を引くためのアプローチなのだ。 貴族から自分を守ってくれた完二、メイドである自分より優れた裁縫の技術を持つ完二。 彼女は完二が荒っぽく見えて本当は優しいことをよく知っている。 つい先日戻ってきた完二だが、いつかまた完二はいなくなってしまうのではないかとシエスタは怯えている。 完二自身が消えてしまうような儚さだとかを持っているというわけではない。ただ彼は来るときが来たら帰る場所に帰ってしまうような気がするのだ。 妙な言い方だがまるで彼はまるで別の世界の人間のように感じることがある。 シエスタは背を向けた完二が浸かっている湯を見る。少し重なった双月の光が水面を赤く照らしている。 「えっ、赤い……?」 シエスタは湯が赤くなっているという事実に戸惑う。ついさっきまでは透明色をしていたはずなのに。 よく見てみると赤さは濃度勾配をなしている。そして最も濃いのは背を向けた完二のいるところだ。 そろっと首を出して、完二の横顔を見るとシエスタは「うっ」とうなった。 完二の鼻からは、滝のように、とはどう考えても言い過ぎだが、ともかく鼻血としてはおかしな勢いで鼻血が出ていた。 シエスタは思わず、引いてしまった。 「あ、そういえばマルトーさんから仕事頼まれてたんでした」 「えっ!?」 若干棒読み口調で言うとシエスタはパパっと服を着てその場を去る。 背後で完二がポカンとしているのを感じる。 少しして「うおっ!んだコリャア!」という大きな声が聞こえてきた。やっと鼻血を出していたことに気付いたのであろう。 次の日、完二は午前中、広場を歩き回っていた。 普段は厨房なり、使用人たちのいるところにいて談笑したり裁縫をしたりしているのだが昨夜のシエスタのことを考えてしまうと、どうも顔をあわせづらいのだ。 自分が悪いわけではないし、シエスタが悪いわけでもない。そもそも昨夜の出来事をどう考えればいいのかもわからないが、なんとなく気まずい。 「どうっすかな……」 どうするとは何のことであろうか。シエスタとのことか、時間の潰し方か、それとも元の世界に帰る方法であろうか。 完二自身もなにをどうするか判然としないままぶらぶらと歩き回っていた。 「ありゃあルイズじゃねえか?なにやってんだ?」 ルイズは手になにか持ってこまごましく何かをやっているようだった。 完二はすることもないので自分のご主人とやらの元へと歩いて行った。 「はあ……」 ルイズは溜め息をついて、自分の作品を見る。 彼女の手には編み棒と、そして彼女の作品である毛糸の塊があった。そう、毛糸の塊という言葉が最も似合う物体だ。 好意的に見る人がいれば捩れたマフラーくらいには言ってくれるかも知れないが、ルイズはセーターのつもりで編んだのであった。 「はあ」とルイズはもう一度溜め息をついた。 完二はワルドを倒し、クマは致命傷を負った皇太子の命を救い、 タバサと陽介は船をアルビオンからトリステインまで飛ばして一行の命を救った。キュルケだって自分を守ってくれた。 しかし自分は何も役に立たなかった。トリステイン魔法学院に帰還し、安心もようやく戻ってきてから、その考えがルイズの頭に貼り付いて離れなかった。 自分は魔法の一つも使えない。今回の旅に何の役にも立たなかった。アンリエッタの願いを意気揚々と引き受けておきながらなんというザマだろう。 それがルイズが編み物をし始めた理由だ。ルイズは魔法が出来ないからその分、手先が器用になるようにと母に教え込まれたが、それもこの有様である。 ルイズが三度目の溜め息をつこうとした時、目の前に彼女の使い魔が現れた。 「なんだこりゃ」 ひょいっと完二はルイズの作った毛糸のオブジェをつまみ上げるように持ち上げた。 「ちょっとバカ、返しなさいよ!」 ぴょんぴょんと跳び上がり、ルイズはマフラーのようなものを取り返そうとする。 完二はルイズの作ったものをしげしげと見ながら呆れたように言った。 「オマエ、不器用だなあ……」 ルイズの頭の中で何か音がした。 「悪かったわね」 ルイズはねじれたセーターを強引に奪い返す。 「どうせわたしは魔法も使えない、編み物もできない、何の役にもたたないゼロのルイズよ!」 ルイズは、言うだけ言うと広場の出口へと駆け出した。 「お、おい!」 完二の呼び止める声がするが、当然足は止めない。 完二も自分をバカにしている。 そのことがどうしようもなく腹立だしく、そして悲しかった。 それから数刻経つ頃、完二はシエスタと会い、あるものを渡していた。 「昨日のワビっつーのも変だけどよ、コレ」 「これ……ぬいぐるみですか?」 「編んで作ったからあみぐるみっつーんだ」 それは完二の作ったたぬきのあみぐるみだった。あみぐるみは様々な編み物や縫い物の中でも完二が最も好きで、得意とするものである。 メイド顔負けの裁縫技術を持つ完二の得意分野なのでその出来はこの世界の貴族相手に商品にできるほどであろう。 「すっごくお上手ですね、このたぬきさん。でもなんでたぬきなんですか?」 「シエスタのイメージってなんとなくたぬきっぽいだろ」 「わたしってたぬきっぽいんですか……?」 シエスタはしゅんとなる。 完二に他意はなかっただろうが、それでも妙齢の少女にたぬきっぽいというのは喜ばれるものではない。 完二は自分の失言に慌てた。 「あ、違げーぜ。深い意味はねーし、シエスタの声がたぬきっぽいセンパイに似てるっつーか、たぬきって案外かわいいし、んな気にしねーで……」 完二は取り繕うように必死で弁解する。 するとシエスタは顔を上げ、いたずらっぽく尋ねてくる。 「わたしってかわいいですか?」 「ばっ、そ、そんなんじゃ……」 「かわいくないですか?」 またシエスタはしゅんとしたように顔を下げる。 「な、いや、シエスタはかわいくないこたあ……」 完二は顔を赤くしきっている。あたふたとしていると顔を下げたシエスタがクスクスと笑い始めた。 やっと完二はからかわれていたことに気付く。 「んだよ、くそっ!」 乱暴な言葉を口にしてもその顔にはまだ赤みが残っていた。 シエスタもクスクス笑うのをやめて編みぐるみを胸に抱いて感じを上目使いで見つめた。 「大切にしますね」 「おうっ、大切にしてやってくれ」 いじけた態度をから一転して完二は笑った。素直というか根が単純というか完二は自分のしたことで喜ばれることを好む性質なのだ。 「ところでもう一つ持ってますけど、それは?」 「ああ、こっちはワビの品かもな……」 完二がシエスタにあみぐるみを渡してからさらに時間が経ち、夜。 完二はルイズの部屋の前にいた。本来ならこの時間は部屋でルイズと適当な会話をしたり、会話をしなければ裁縫に没頭していたりする。 いつもは軽いドアノブがなかなか今日は回せない。 なんとか意を決し完二はドアを開ける。 部屋の中にルイズはいた。彼女はベッドの上に腰かけ宙を見ている。心ここにあらずというか、何か考え込んでいる様子である。 しかし完二が入ってきたことに気付くと、きっと視線を向けてくる。完二は背中に手を回して歩み寄った。 「あ、あのよ」 「なによ?」 いつもより弱い声量の完二に対し、ルイズはとげとげしい声を投げかける。 「今日は悪かった」 「なんのことよ」 わかってるのであろうがルイズはわざわざ尋ねてくる。完二としてそういう回りくどいことは嫌いだが、今回は自分が全面的に悪いと思っているために殊勝に答える。 「オマエの編み物を見て……あれだ、不器用って言ったことだ」 ルイズはふんと不機嫌そうに顔を逸らす。 「別に気にしてないわよ。わたしが編み物が下手なのも、わたしが役に立たないのも事実じゃない」 完二は首を振ってそれを否定する。 「んなこたあねえ。てめーが好きなモンを下手だなんて言われていい気がするはずがねえ」 「だからそんなこと気にしてないって言って……」 ルイズの声は徐々に大きくなり始めた。それが途中で切れたのは完二が背中に隠し持っていた物を差し出したからだった。 「なによこれ?」 ルイズは完二が差し出してきた物を指差す。 「オレが編んだあみぐるみだ。ルイズ、オレがこれくらい編めるように教えてやる」 あみぐるみを突き出したままの姿勢で完二は固まった。 謝っておきながら教えてやるとはおかしな言い方かもしれない。しかしこれが完二が散々頭をひねって考えた最良と思うアイデアだ。 裁縫の腕が良くないなら成長すればいい。そう考えたのだ。 しかし、いざその場面になってくると嫌というほど緊張する。 なんだか嫌な汗が出てきそうな気分だ。 ルイズに似合うと思って黒いネコのあみぐるみを作ったのだが、彼女は許してくれるだろうか。許してくれなくても、あみぐるみだけでも受け取って欲しかった。 気勢を削がれた様子のルイズはしばし黙り込んでいたが、それからむっつりとした表情のまま完二に向かって両手を開くように伸ばしてきた。 「んっ」 それが渡せと要求していることに気付いて、完二は黒い細身のネコのあみぐるみを手渡す。 ルイズはあみぐるみをぎゅっと抱いた。そして完二をじっと見つめて言う。 「あんたが作ったって本当?」 「お、おう!」 ルイズが質問に完二は若干あせったように答える。とりあえず話をしてくれることに安心した。 「あんたが教えてくれるって……本当に?」 「おう。これでも元の世界じゃ教室開いて、編み物とか教えてたんだぜ?」 完二は自信を持って答える。への字に曲がっていたルイズの口が今夜初めてゆるんだ。 「似合わない」 ルイズはころころと笑った。 完二は反論しつつも笑ってくれたことにほっとした。 ルイズが邪推もなしに思いやりを受け入れたことは彼女の性質からすれば珍しいものなのかもしれない。 あるいは彼女は完二が来てから変わったのかもしれなかった。 何はともあれ、ルイズは素直に完二の素直な謝意を受け入れた。 そしてそれから数日、完二はルイズにあみぐるみの手ほどきをした。 ルイズの裁縫の腕は高いものではないが彼女は真剣に取り組み、完二の教えを真剣に聞いて、数日で成長の萌芽が姿を見せ始めた。 だがそれが芽吹く前に二人だけの手芸教室は中断されることになる。 王室からルイズにあるものが送られてきたためだ。 送られてきたのは一つの古びた本と一つの勅令。 古びた本は始祖の祈祷書、そして勅令とはアンリエッタ王女とゲルマニア皇帝の婚姻の儀の詔を作成することだった。 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/p2kwsk/pages/128.html
しょくいん 神話 燭陰。 あるいは燭龍とも呼ばれる。 紀元前6世紀頃に成立した古代中国の系譜書「山海経」に名を残す龍神。 インド神話の蛇神・ナーガが中国に伝わったものといわれる。 北の果てに存在する鐘山の頂上に住む人頭の龍で、右の目は炎より紅く、左の目は闇を表すかの如く蒼い。 身体は赤黒く果てしなく長大で、少なくともその長さは千里にも及び、山頂に頭を載せたまま眠る事も食べる事もせず、延々と天地の全てを見渡している。 紅き右目と蒼き左目はそれぞれが太陽と月の象徴であり、交互に開く事によって毎日の朝と夜が到来し、その呼気によって寒気と暖気が訪れるという。 ステータス(異聞録) アルカナ-WORLD 大属性-Physical 属性-Gravity Level-97 消費SP-63 ○習得スキル フォッグブレス ファイアブレス アイスブレス 極楽落とし どくガスブレス メギドラオン ステータス(ペルソナ2罰) アルカナ-WORLD 属性-地変 Level-88 消費SP-51 ○習得スキル ポイズンブレス ファイアブレス ミラージュブレス ブリザードブレス メガトンプレス 大地の怒り(変異によってのみ習得可能) 関連項目 ウォンロン
https://w.atwiki.jp/trpg-originative/pages/56.html
妖魔 LV22 ヤヌス LV22 ヤヌス 「初期」 HP(生命力)+80 MP(魔力)+200 STR(力)+15 VIT(耐久力)+10 TEC(技術力)+25 AGL(素早さ)+25 LUK(運)+50 MDF(魔法防御力)+5 MAK(魔法威力)+44 「同調」 HP(生命力)+100 MP(魔力)+300 STR(力)+30 VIT(耐久力)+20 TEC(技術力)+50 AGL(素早さ)+50 LUK(運)+80 MDF(魔法防御力)+8 MAK(魔法威力)+44 「最終覚醒」HP(生命力)+150 MP(魔力)+450 STR(力)+45 VIT(耐久力)+30 TEC(技術力)+70 AGL(素早さ)+80 LUK(運)+100 MDF(魔法防御力)+12 MAK(魔法威力)+66 <装着相性> 全員と最高相性 虚実を察知する(言動だけでなく、行動や表情などからも察知可能) <ペルソナを装着するだけで使える能力> 鏡の自分 性格が反転する(どう反転するかはプレイヤーにお任せ)。もう一度使えば戻る。 MP消費無し <ペルソナ降臨で使える能力> 終わりへの扉 敵全体に即死攻撃、ただし成功率は低め。 消費MP30 始まりの扉 味方全体の行動成功率を30%アップする。効果は1ターン(または一回) 消費MP30 マカラカーン 1ターンの間、敵の魔法攻撃をすべて反射する。 消費MP 50
https://w.atwiki.jp/trpg-originative/pages/2.html
メニュー 過去ログ キャラクターデータ 販売物など 全ペルソナ一覧 その他 別ゲームリプレイ
https://w.atwiki.jp/persona3ds/pages/4.html
ストーリー・世界観 ストーリー・世界観ストーリー 備考 ストーリー 今回、ペルソナ使いたちが挑む舞台は、八十神高校の七不思議になる。 八十神高校七不思議の中に、時計塔の鐘の話がある。 その鐘を聞いた人は、死んでしまうという。 時空を超えて、ペルソナ使いたちが出会う。 知られざる物語が、いま、始まる 備考 今回は、ペルソナ3とペルソナ4のキャラクターが3DSで共闘することになる。 実際にペルソナシリーズを体験したことがない方であっても、楽しめるゲームになっている。 そのため、このゲームをプレイしてみて、元ネタでもあるペルソナ3やペルソナ4をプレイしてみるのも良い。
https://w.atwiki.jp/persona4sub/pages/63.html
LV 名前 物 火 氷 雷 風 光 闇 力 魔 耐 速 運 初期スキル 取得スキル 備考 59 アヌビス - - - - - 無 - 38 41 37 37 31 ハマオンマカラカーンムドオン ポイズンアロー(60)マスタードボム(61)メギドラ(62)マハンマオン(64)ハマ成功率UP(65) 67 トランペッター - - 吸 反 - 反 無 40 47 39 45 37 メギドラジオダイン電撃ハイブースタ マハラクカジャ(68)勝利の息吹(69)メギドラオン(70)ランダマイザ(73)ヒートライザ(74) ヒランヤスプレッド継承不可スキル:ランダマイザヒートライザ 72 ミカエル 耐 無 弱 無 45 42 43 48 45 空間殺法メギドラハマオン メギドラオン(74)マハンマオン(75)闇反射(76)天軍の剣(79) 76 サタン 反 弱 反 45 60 47 40 43 メギドラオンマハラギダイン 大治療促進(77)大気功(78)光からの大生還(80)漆黒の蛇(81)疾風無効(82) 継承不可スキル:漆黒の蛇 83 メタトロン 無 反 弱 54 55 53 46 48 マハンマオン天軍の剣 メギドラオン(86)氷結反射(87)電撃反射(88)火炎反射(89) 90 アルダー 耐 無 無 62 52 64 41 58 イノセントタックゴッドハンド メギドラオン(91)気絶防御(92)防御の心得(93)メディアラハン(94)大天使の加護(95)物理無効(96) 特殊合体? 93 ルシファー 耐 - - - - 弱 無 62 69 61 52 51 ブフダインブレイブザッパーコンセントレイト 氷結ハイブースタ(94)魔術の素養(95)光反射(96)電撃吸収(98)勝利の雄たけび(99) コミュ解禁ペルソナヒランヤスプレッド
https://w.atwiki.jp/dokusen/pages/27.html
ペルソナ3 フェス いくつもの仮面をつけかえて主人公モテモテ。ただ敵のゴスロリは順平とくっつく。 会長は政略結婚云々のシナリオだけど、進めてくうちに解消。 無印の最後で主人公が死に、フェスではその後日談も語られるけど 主人公のことは忘れようみたいなシナリオなのが不満
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/54815.html
マリーが可愛すぎてもう… -- 名無しさん (2013-10-13 22 28 16) 後付の追加キャラをよくぞここまで違和感なく物語の核心へ当てはめたものだ。スタッフすげえ。 -- 名無しさん (2013-10-13 23 20 28) ニャルラトホテプがいるだろうペルソナの世界では、また妙なことの接合点に使われそうで少し怖いな・・・ -- 名無しさん (2013-10-14 00 57 58) ペルソナ5でベルベットルーム住人で出てくる…訳ないか -- 名無しさん (2013-12-19 16 00 19) あの強制ポエム飛ばせないのかな。最初は笑ってすむんだが、段々と鬱陶しく感じてくんだよな -- 名無しさん (2013-12-19 16 58 27) ベルベットルームでのポエムは痛い子だなーって思いながら聞き流していいよ。虚ろの森でまた違った印象を受けるだろうから -- 名無しさん (2013-12-19 20 33 24) 「ばかきらいさいてー」が可愛い。一週目の嫁だったわ。 -- 名無しさん (2014-02-22 03 34 05) 番長マジでモテるよな でも分かる気がする いわゆる没個性キャラ(という設定)なのに奇妙に惹かれるところがあるのだ -- 名無しさん (2014-02-22 06 10 54) 菜々子と並んでヒロインとして美味しいキャラ -- 名無しさん (2014-03-02 02 30 39) アニメであのポエムが爆発するのか… -- 名無しさん (2014-05-04 18 06 24) アニメでは出番が増えるだろうな PV見て確信した まぁ好きだから大歓迎な訳だが -- 名無しさん (2014-05-04 21 00 42) アニメどうすんだろね。マリー部分以外はほぼP4Aと流れ一緒だし -- 名無しさん (2014-05-04 22 21 34) 見た目が好きだからなんとかカグヤの弱点や味オ強めのスキルを粘り頑張って付けたのは良い思い出 -- 名無しさん (2014-06-14 14 42 02) 山手線罰ゲームで本人の知らないところでディスられまくっててワロタ -- 名無しさん (2014-06-27 14 17 36) ガソスタ店員の方のイザナミの存在意義ェ… -- 名無しさん (2014-07-04 00 35 45) アニメで真EDルートが放送しなきゃいけないわけだが編集して入れるのかな -- 名無しさん (2014-07-04 00 48 00) PQではいたるところで公開処刑(パトスの叫びを音読)をくらってるお方 -- 名無しさん (2014-07-04 01 04 12) ↑P4GAでは自分から披露してくれたぞ。 そして番長の真顔である。 -- 名無しさん (2014-07-13 12 14 20) 何故かハイカラまでサイテー呼ばわりされてしまった… -- 名無しさん (2014-07-13 12 46 44) P4U2出演決定!ポエムが楽しみです。 -- 名無しさん (2014-07-17 09 37 32) ということは、P4Gのほうでは、「イザナミが分離」→「イザナミがガソリン店員に化けて+マリーがスパイして、人々の望みを探る」→「都合のいいことしか見えない世界が望みか! よしそうしよう」って流れになるのかな。 -- 名無しさん (2014-07-17 12 03 46) 1話から早速ポエム音読したのは笑ったwwwwwwそして番長の真顔である。 -- 名無しさん (2014-07-17 21 31 16) 今週マリーに萌えた -- 名無しさん (2014-07-19 02 22 02) P4U2でマリーって出していいの?時系列的に居なくなってる頃じゃないの? -- 名無しさん (2014-07-19 13 17 03) ↑いや、普通にいるよ。 前までの「マリー」ではなく本来の力を取り戻した感じ。 後、番長への愛を公共の電波で流すほどの番長LOVE。 -- 名無しさん (2014-07-19 13 57 55) ↑×2 確かにED後に姿を消すけど、春から天気予報士として働いているから、P4U2の頃はちょうど再会するか再会した後らへんになる -- 名無しさん (2014-07-20 08 30 04) あらそうなの?イマイチP4U2の時系列を理解してなかった。サンクス -- 名無しさん (2014-07-20 15 20 40) ポエムばっかり注目されてるけど、予告にしれっと紛れてたマリーが紛れてる。ゲーム内では見られなかった水着姿で。 -- 名無しさん (2014-07-20 15 32 03) そしてカグヤで参戦である -- 名無しさん (2014-07-23 10 48 12) EDのマリーさんの裸体がエロすぎてループ必須だわ -- 名無しさん (2014-07-26 13 53 25) パトスレコーダーとかやめたげてよぉ!! -- 名無しさん (2014-08-08 20 26 23) P4G未プレイでP4GA見てるんだけど、彼女ってこんなに出番多いの?なんか少々優遇されすぎに見えるのは気のせいだろうか… -- 名無しさん (2014-08-14 20 34 49) P4Gの追加要素をやってるんだからマリー中心になるのは当たり前。 -- 名無しさん (2014-08-14 20 38 11) というか明日足立コミュ回だから共犯者ENDにならないか不安 -- 名無しさん (2014-08-14 20 45 22) ↑ 流石に共犯者エンドはないだろ… あるとしても、ギリギリで決心して告発すると予想。 ↑3 仲間とのイベントには本来絡んでない。 P4GAのメインヒロインはマリーだからその影響で出番が増えてるだけ。 個人的にはこれくらい絡んでくれた方が、追加ダンジョンでのイベントのアクセントにもなる。 -- 名無しさん (2014-08-14 20 48 10) 原作だと仲間達とマリーは顔見知り程度なんだよね。直斗なんて仲間になる前にマリーコミュMAXに出来るし。でも接点が無いと追加イベントで違和感感じるからアニメで出番増えたんだと思う -- 名無しさん (2014-08-14 20 59 47) ざーさん歌うまくなったな→ざーさんじゃねーじゃねーか! ニコニコでのこの流れにいつも草生えるw -- 名無しさん (2014-08-24 22 55 27) さらばマリー… -- 名無しさん (2014-08-30 17 26 47) P4U2追加キャラでは現時点では一番厳しい性能かもしれん。まぁ研究進めばわからんけど。 -- 名無しさん (2014-09-16 13 28 46) 結局、イザナミはマリーの影的なもんだったんかな? そのうちペルソナとして使ったりして。 -- 名無しさん (2014-09-20 00 20 53) ↑影つか半身。ただし力のほとんどを持ってってる形。 -- 名無し (2014-09-20 00 51 54) 力の関係だけ見ると魔人ブウのデブとガリの関係にそっくりだな -- 名無しさん (2014-09-20 00 56 15) が~んばってねっと ってあんなぶりっ子ポーズだったんだ… -- 名無しさん (2014-09-28 12 48 10) 最終回がバージンロードで草不可避 -- 名無しさん (2014-10-11 23 09 54) P4U2の没データに、シャドウマリーがあったらしい。 -- 名無しさん (2015-07-12 06 54 49) P4Gの温泉ムービーのマリー見てて改めて巨乳だと思ったけど直斗とマリーどっちが大きいかな -- 名無しさん (2016-06-28 19 52 18) 61.21.8.182が無断でコメント全消ししてたので復元しました -- 名無しさん (2016-09-13 08 01 11) 誤って消してしまいましたすいません -- 名無しさん (2016-09-13 08 17 31) ダンスのときのダブルピースクソかわいい、プレイ中は見てる暇なんてないけどな! -- 名無しさん (2016-10-05 20 58 34) アニメ版のポエム見てみたけど、そんなにイタイとは思わないけどなぁ。 -- 名無しさん (2016-10-13 13 37 11) さらにいうと、それ以上に、マリーの慌てぶりが笑えるww -- 名無しさん (2016-10-13 18 01 42) 普段だんまりなマリーがポエムの時はノリノリなのがミソ -- 名無しさん (2016-10-22 13 37 55) アニメDVD売ってありませんか? -- 名無しさん (2016-11-07 10 11 47) P5でカグヤ使うとジョーカーが異常なハイテンションで笑う。スキル取得時のセリフまでノリノリという力の入れ具合。 -- 名無しさん (2016-11-07 23 48 46) 2014年か。 当時見てたよ、新巻鮭のあたりから消えたのでしょ -- 名無しさん (2017-02-07 20 10 15) 「マリー」としては良くて数年程度の意識しかないであろうこの子を「自己中」とか「ワガママ」と言うのはちょっと違うんじゃないかなと思う。言ってしまうと本編や本編中時間軸の派生だと正に自我会得中の子供なのよな。 -- 名無しさん (2020-01-23 22 20 51) ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2023-08-17 12 59 10) ログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-08-25 20 53 11
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8576.html
前ページ次ページゼロのペルソナ リコード 虚無魔法“記録”から目覚めたとき、誰も喋ることができなかった。 時はジョゼフがトリステインに火石を落とし、それがルイズのディスペルによって打ち消された後。 場所はトリステインの王城のある一室。 そこに集まっていたのは王女アンリエッタ、枢機卿マザリーニ、ガリア新王を称するタバサ、ルイズとキュルケ、彼女らの使い魔陽介、完二、クマ、そしてイザベラもいた。 9人はリコードにより、トリスタニアを襲撃したヴァリヤーグの槍の記憶を見た。 人間が恐れたやまないエルフたちを次々と餌食にしていく嘘のような、そして凄惨な光景。 エルフたちを襲う光景の中にはルイズをさらおうとした巨大な火竜と、王都を襲った巨大な金属ゴーレムの姿もあった。 しかもそれらは1体ではない。数十、もしかしたら数百かそれ以上の数がいたのだ。 それから銀色の鏡のようなものを通りジョゼフの使い魔となったことも知る。 「おめーらが今、リコードで見たバケモノどもがブリミルの力なのさ。ブルミルはむかしその力で人間の住む世界を統一した」 部屋の中にいる9人のどの人間のものでもない声が響く。 それは完二の背中にある剣から発せられている。 デルフリンガーは前回、王女たちとの話し合いの場に武器は持ち込めないために参加できなかったが、本人たっての希望で参加している。 自分はブリミルに作られた剣だと言って。 「ゴーレムみたいなのはヨルムンガンド、亜人をヴァリヤーグ、それに巨大種の火竜。それぞれをブリミルはガンダールヴ、ミョズニトニルン、ヴィンダールヴと呼んだもんさ。つってもブリミルにみんなまとめてエルフたちの住む土地の東に行かされたけどな」 話を聞いていた中で、比較的落ち着きを取り戻していたタバサは尋ねる。 「どうしてそんなことを?」 「そりゃ、オメエ、ブリミルが死んでコントロールを失った使い魔たちが人間を襲わねえようにするためさ。だから使い魔たちの住む場所を、人間の住む国より東にあるエルフの土地の更に東に置いた。そうしとけばエルフたちが壁になってくれっだろ」 それはこの世界で生きてきた人間にとっては衝撃的なことであった。今の今まで恐るべき、そして憎むべき敵とも思い、実際に何度も戦火を交えてきたエルフたちは人間を怪物から守ってくれていたのであった。エルフたちは自衛のために戦ってきただけだとしても。 「つってもエルフたちも限界なんだろうな。ジョゼフがエルフと繋がってるみてえだが、エルフが虚無の担い手と接触するって言うならまず使い魔たちをどこか別の場所にやってもらおうっていう魂胆なんだろうよ」 今までの話からジョゼフが虚無の担い手であると推察はできたものの、初めて明言されたアンリエッタとマザリーニも戸惑う。もっともそれ以外の、ルイズを除く全員はそのことについてちゃんと話を聞いていなかったのだが。 「ジョゼフ王は虚無の継承者なのですか……?」 「ま、たぶんまちがいねーだろ。それより俺はどこか別の場所にやってもらおうって部分に驚いて欲しかったんだけどな」 「どこか別の場所……。まさか我々の国々にですか!?」 思案したのちに思いついたアンリエッタの言葉が響くとともに緊張が走る。 もしあれだけの怪物が人間たちの世界に放たれればどのような惨事になるか想像もできない。 何せ一人で人間10人以上の戦力になるといわれるエルフたちが一方的な虐殺を受けるほどのバケモノだ。 たとえ全ての国の軍事力が結集しても勝てるかどうかわからない。 「そうだろうな」 「ですが使い魔を呼び出せるのは一人一体のはずでは?」 マザリーニの質問は魔法使いにとっての常識中の常識である。たとえ命令することが出来ても呼び出せないならば意味はない。 「正当な虚無の使い手なら特別に3体、一種につき一体呼べんだけどな……。 ま、それでも足りねーよな。 しっかしそこはさすがブリミルというか、自身の力を引き継ぐ者が現れたときにちゃんと使い魔を呼び出せるように大規模な召喚のゲートを開ける場所を用意してんのさ」 「ど、どこなのよ?」 イザベラは焦りから身を乗り出す。先に抑えることが出来れば使い魔の軍団を呼び出すことはできないはず。 「聖地だ」 聖地とはブリミル教にとってもっとも重要な土地とされる場所である。それは果たして使い魔の召喚の場所であったのだ。 この世界で育った人間たちには常識が壊れていくような音が聞こえた。 「つっても場所は、人間とエルフの住む国境近くにあるって以外俺も知らねーんだけどな。 エルフたちはシャイターンの門って呼んでるらしいが、門って言ってるだけあっちの方が正確かもしれねー。 あれは使い魔を呼び出すための門みてーなもんだし」 聖地はエルフたちが現在領有していると言われている。 言われているというのはブリミル教が聖地はどこにあるかを知らないためだ。どこにあるかわからないがエルフたちの所有している土地を奪い返すことなど不可能である。 6000年も続く戦いの中でエルフたちと戦って得た土地など微々たるもの。それどころか反攻で、奪われた土地のほうが多いだろう。 そして人間たちが攻撃しても、エルフたちが人間を追い出す程度に止めていたのは正反対の場所に使い魔たちがおり、それらが後患の憂いとなっていたからなのかもしれない。 「勝算は?」 マザリーニがデルフリンガーに真摯な瞳で尋ねる。 実質的宰相とも言われる枢機卿が真剣に頼みごとをする姿は滑稽といえるかも知れないが、彼もそしてこの場にいる全員が固唾を飲んで始祖の作った剣の言葉を待つ。 「ルイズだ。ルイズはもともとそのために虚無の力に目覚めたんだからな」 言われた当の本人は、覚悟していたようにその言葉を受け止める。 「ブリミルもな、虚無の力がとんでもねえ悪人に渡ったら、って心配したんだよ。 虚無の魔法を使うために1つの秘宝と1つの指輪。 使い魔たちを呼び出すのに、一種の使い魔につき一個、つまり3つの指輪が必要にと厳重な制限をかけてもまだ心配だった。 だから虚無の力を分けた。つまりルイズ、お前さんはカウンターなのさ」 場の視線はルイズに注がれる。 「わかってた……っていうとちょっと違うけどその話を聞いて納得したわ。わたしはあいつを敵だと感じたわ」 「だろーな。だが、問題は使い魔だった。 たとえ同じ虚無の力を持っても使い魔の軍団がいる以上、その対抗する担い手に勝ち目はねえからな。 なにせあいつらはこの世界で最強の存在だ。だからこの世界の他のどんな幻獣を呼び出しても勝てるはずがねえ。 だからブリミルは自分も知らねえ、虚無の4種めの使い魔を作った」 不思議なことを言うとみな眉をひそめた。 「デルフ、それってどういうこと?ブリミルは4体の使い魔を率いたって言われてるはずよ」 「じゃあキュルケ、その4番目の使い魔の名前わかるか?」 キュルケは首を振った。尋ねるように視線を向けてもみな同じようだ。 始祖が4体の使い魔を引き連れたというのはよく知られた話であり、少し書物を引けばガンダールヴ、ミョズニトニルン、ヴィンダールヴの名はすぐに知れる。 だが4番目の使い魔の名を知っている者はこの場には、それどころかこの世界にいない。 「そりゃそーだ。ブリミルが率いたのは4番目の使い魔なんていねーんだからな。 ブリミルは正当な虚無の担い手に対抗するために生まれる担い手の召喚の扉に細工をしたのさ。 扉が異世界で開くようにな。それで呼び出されたのが4種めの使い魔だ。」 今まで少し話についていけなくなっていた陽介、完二、クマが話に注意を引かれる。自分たちが呼び出された原因というのは始祖という人物だったのだ。 「な、なんでそんなことを?」 「虚無の使い魔はこの世界最強だ。だからこの世界でどんな使い魔を呼び出しても対抗すらできない。 なら、異世界から強いヤツを呼び出してソイツに戦ってもらえばいいとブリミルは考えたのさ」 全員が押し黙った。 沈黙の中、答えを返された陽介は言った。 「ブリミルさんテキトー過ぎじゃね?」 ルイズは伝説の始祖をないがしろにしたことを言う陽介を睨んだが、それだけで何も言わない。ルイズも意識したにしろ無意識にしろ陽介の言ったことを思ったからだ。他の全員も同様だ。 デルフリンガーは笑っている。 「確かにそのとおりでえ。しかもどーいうわけか、娘っこの使い魔だけじゃなく、そこのねーちゃんとちびっこの使い魔までそうしちまったってわけだ。 ジョゼフが一回で3体の使い魔を呼ぶように娘っこも3体呼んじまったんだろうな。それも不完全で、他の魔法使いの召喚に割り込む形で」 ルイズが驚いたように目を少し見開き、それからうつむいたのをキュルケは見逃さなかった。 「今、ジョゼフは姿を消してるそうじゃねえか」 「確定した情報ではないが、ガリアは現在混乱状態にあります。おそらく王が姿を消したように推測されますが……」 「あいつは門に行って使い魔を呼ぼうとしてるんだろうよ。あいつはもう3つのルビーがあるしな」 「ロマリアを攻めたのも、始祖の時代から伝わる指輪を手に入れるためなのですか……?」 「それ以外ないと思うぜ」 重い沈黙が流れる。 イザベラは目を伏せてスカートを強く握る。タバサは手をイザベラの手にそっと重ねる。 沈黙を切り裂いたのはアンリエッタの力強い声だった。 「次にジョゼフ王……いえ、もう王ではないですね。 ジョゼフが攻めてくるときは恐ろしい使い魔を連れてくるでしょう。 わたしたちは戦わなければいけません。どれほど絶望的であろうとも」 それから三人の使い魔に姿勢を向ける。 「あなたたちは別の世界から来たといいます。きっとそうなのでしょう。 この世界はあなたたちの世界ではありませんが、始祖ブリミルのご導きで出会えました。ぜひともお力添えをお願いします」 アンリエッタは深々と頭を下げる。 「ちょっ、頭さげるとかやめてください!」 彼女の行動に陽介は慌てた。 アンリエッタは顔を上げた。 「協力してくださるのですか?」 異世界から呼び出された3人は顔を見合わせる。 「実を言うとこのために呼び出されたとか言われてもよくわんないし、たぶんそれじゃあ命かけて戦おうなんて思わないっす」 それは言うまでもなく、彼らと同じ立場に立たされた者なら誰もがそういうだろう。しかし陽介の言葉はそこで終わらない。 「でもこの世界に来て一ヶ月程度だけど、仲間が出来た。大切な仲間が。そいつらをほっとくなんてできることじゃねえ」 陽介はタバサの肩に手を置いた。彼女は彼の顔を見上げた。じっと見つめてくる少女に笑うことで答える。 「オレもだ。世話になったやつもいる。ダチがアブねえってのに知らん顔なんて男じゃねえ」 「クマもこの世界の人を守りたい。クマはみんな大好きだから」 それぞれの主は使い魔の言葉に感銘を受けたようだ。 アンリエッタは全員の顔を見回してから言った。 「戦いは苛烈なものになるかもしれません。それでもこの世界を守りましょう」 全員が強く頷く。 ハルケギニアの権力者たちがグラン・トロワの一室に集まっているとき、その宮殿の庭にある噴水の外円に腰かけている二つの姿があった。 その一つは丸みをおびていて大きい。 「最近ちょっと暑くなってるけど、夜は涼しいわね」 時刻はすでに深夜であり、噴水の水面には美しい双月が映し出されている。 「そうクマね……」 キュルケは隣に腰かけているきぐるみ姿のクマを見る。 球型の体で細い噴水の縁に腰かける様子は危うい。前から押したら抵抗することもなく水面に後頭部からダイブだろう。 だがそれよりも気になるのはクマの様子だ。 「何か悩みごとがあるの、クマ?」 クマの様子は眼に見えて混乱を見せた。あたふたと動き、バランスをくずして水辺に落ちそうなのが心配だ。 「べ、別になんでもないクマよ!」 「あら、わたしに隠しごと?」 「むっ……」 しばらく黙って後、クマは観念した。 「この間、デルフが言ってたことを考えていたクマ」 「不安になったの?」 「そーなんだけど、たぶんキュルケチャンとは別のことクマ」 「どういうことよ?」 「デルフは強い人を呼び出すって言ってたクマ」 「あなた人なの?未だによくわからんないんだけど」 「ガク」 クマはおおげさに前のめりに倒れるフリをする。 「もう、キュルケチャン!イジワルはやめて欲しいクマ!今クマ真剣な話してるクマよ!?」 「ごめんなさい」 イジワルだけってわけじゃないんだけど。それは口に出さず謝る。もっともクマのどこかコミカルな動きに少し笑いながらだが。 「だから、クマは強いから呼びだされただけなんじゃないかって……。 クマはきっと何か理由があってキュルケちゃんに呼び出されたんだと思ってた。でもクマじゃなくたって強ければ誰でもいいんじゃないかって……」 じっと真面目に話を聞いていたキュルケが口を開いた。 「あなたって本当にバカね」 「ななななんですと!?」 立ち上がってキュルケはクマを正面に回って、見据える 「バカって言ったのよ。えい」 つんと軽くクマの体を押す。 「あ、あわわわわ」 腕を振りながらなんとかクマは噴水への落下を防いだ。 「な、ナニするクマ」 「だってあなたがあんまりにもバカだから」 「だからクマのどこがバカだっていーんですか!?」 「今からたっぷり教えてあげるわ」 「なんだかカンビなヒビキ…」 「みんなも来たしね」 「えっ?」 キュルケはクマの向こう側、噴水の向こう側へと片手を高く上げて振っている。 クマも噴水の縁から降りて振り返るとたしかにそこには4人の人物がいた。 ルイズと完二、タバサと陽介だ。 「あんたたちこんな夜中に何してるのよ?」 「あら、ずいぶんな言い方ねルイズ。お話が終わるのを待ってたのよ。 ずいぶん長い時間かかってたみたいだけどどうだった?」 「協力を取り付けられた」 「そう良かったじゃない」 ルイズはそんなことはないという風にオーバーリアクションで首を振る。 「みんな質問が多すぎるのよ。虚無の魔法使いだからって何でもわかるわけじゃないのよ!?」 よほど質問詰めにされたのであろう。おそらく喋らせたら朝まで愚痴をこぼすかもしれない。 「そんなことより聞いてよ、クマったらさっき何て言ったと思う?」 「そんなこと!?」「キュルケチャン!?」という二つの制止の声は無視する。 「この子ったら、強い使い魔が呼び出されるなら別に自分じゃなくてもよかったんじゃないのかって、偶然呼び出されたんじゃないかって悩んでたのよ?」 「はあ?んだソリャ、イミわかんねえ」 言葉の通り、完二はなぜそれが悩みの種になるのか理解できない様子だ。 「い、イミわからんて……」 「お前はよくどーでもいいことで悩むよな」 「どーでもいい!?」 クマは陽介の切捨てる言葉に驚愕の声を上げる 「どーでもいいだろーが。別に俺らが呼び出された理由なんて。 どんな理由で俺たちがこの世界に来てもこの世界での体験したことが嘘になるわけでもねー」 「それはそークマ……」 「よーするにお前がこの世界に来てよかったかどうかだろ?」 陽介はクマを片目をつぶってみて来る。 「俺はよかったと思うぜ。タバサに召喚されて」 タバサが自分の使い魔に顔を向ける。 「ヨースケ……」 呼ばれた使い魔はへへっと照れくさそうする。 しかしタバサは親友キュルケを指差し、言った。 「でも、サビエラ村では彼女に呼ばれたかったと言ってた」 「えっ、アレ、そんなこと言ってたっけ?つーかよく覚えてましたね、タバサさん?」 突然、吸血鬼退治を行った村のことを言われてあわてる。 たしかに油断しきった魔法使いのフリをするためにお酒を飲んでいたときにポロっと何か言った記憶が…… 「しょーじきなトコロ、おんなじご主人様にするならクマみたいにボンッキュ……」 一字一句違わぬ言葉をタバサは淡々と紡ぐ。 まぎれもなく自分が言った言葉に記憶が想起されて陽介も焦る。 「わーっ!!ちょっ、マジやめて!つーかもしかして怒ってる?根に持っちゃってる系?」 陽介は自身より小さな少女に必死に言い訳を考え、刺激された記憶中枢からそれより昔のことを思い出す。 たしか召喚されて次の日の朝にタバサに召喚されて良かったと言ったはず。 「あっ、でもホラ。それより前にルイズよりタバサのほうがいいって言ったぜ?」 「それは床で食べさせようとしなかったというだけ」 ルイズも慌てた。なにせこの二人の主従が言っているのはまさに自分のことだからだ。 「む、昔の話じゃない!今はさすがにそんなことしようとしないわよ!」 完二が来た次の日、ルイズは彼を床で食べさせようとした。 その結果として完二が怒ってどこかへ行ってしまったりしたが、あとで自分と一緒に食べようと言ったはずだ。 もっともその後の完二の失言のためにその言葉は撤回されて、なんだかんだで彼は厨房で平民たちと共に食事をとるのを日課にしている。 慌てる二人と、落ちついて言葉数少なく反論するタバサたちを脇にクマが言う。 「クマは…ヨースケやカンジみたいな活躍してないクマ」 「何人もあなたの魔法で助けたじゃない」 「そーだぜクマ。ルイズがボヤっとして惚れ薬なんて飲みやがって、あの時は……」 「ちょっとあの時の話はやめなさいよ!あーもう、なんなのよ今日は!」 タバサや陽介に昔の話をしないように釘を刺しながらしっかりと自分の話は聞いていた。 完二はしまったと頭をかき、ルイズはぎゃいぎゃいと文句を言っている。 タバサと陽介、完二とルイズがそれぞれ白熱しているなか、クマは傍らに立つ自分の主を見る。彼女の目は優しい。 「キュルケチャンはクマが使い魔でよかったクマか?」 「当たり前じゃない。わたしにとって最高の使い魔よ」 その言葉を聞き、クマは感極まり泣き始め、抱きついた。 「おーよよよ、クマ、キュルケチャンの使い魔でよかったクマ!」 「ほらほら泣かない」 使い魔の肩というか背中らへんをぽんぽん叩いてやる。 「だからルイズも」 「今度は何よ?」 完二に文句を言っていたルイズがどうせまたろくでもないことだろうと思ってきっとキュルケをみる。 「わたしの使い魔があんたのせいで変わったからって巻き込んだとか思わなくていいのよ?」 「なっ——」 不意を打たれた、そういう顔をする。おそらくルイズも思うところがあったのであろう。 だがキュルケに言わせるなら何も気にすることではない。 それはタバサも同じようだ。 「気にしないで。ヨースケはわたしにとって最高の使い魔だから」 「タバサ…!」 気にかけていたことを二人にフォローされて、少し戸惑いながらルイズは虚勢を張った。 「ふ、ふん当たり前よ。むしろ感謝して欲しいくらいだわ!」 「いや、感謝はちげーだろ」 言い過ぎた感のある言葉に使い魔の冷静なツッコミが入る。 ルイズの顔は赤くし、キュルケや陽介、そしてクマが笑う。 「わ、笑うじゃないわよ!」 「む、ムリよ。あなたたちのコンビも息ぴったりなんだもの……」 さらに使い魔二人の笑い声が大きくなる。 「あ、今、タバサも笑ったでしょ!」 「笑ってない」 「うそ!今クスって……」 「笑っていない」 どうやら意地でも認めないということをルイズは悟る。 「もういいわよ……。そういえばタバサ、アンドバリの指輪返してもらったけどいいのよね?」 タバサはこくりと頷いた。 アンドバリの指輪はかつてウェールズを操ったレコンキスタにあったと思われていたものであり、タバサたちが入城を果たしたときにジョゼフの寝室にあったものだ。 レコンキスタにもジョゼフの影があったのであろう。 「水の精霊に返すって言ったけどとりあえず戦いが終わってからになりそう」 「みんなでラグドリアン湖に行ったことも、なんだか懐かしいわね。2、3週間くらいしか経ってないはずなのに」 「近くにいたけど俺らは別だったんだよな」 陽介とタバサはラグドリアン湖の畔にオルレアン公宅、つまりタバサの実家を訪れていたが、ルイズたちと同行したわけではなかった。 「あのときはギーシュとかモン……なんだっけか?まあいいや、モンモンも一緒にいたな」 「ん、誰だ、それ?」 「ほら、アレよ。カンジが来てすぐに食堂でつるし上げてたのと、その彼女」 「へー」 ん、何でそんなやつらと一緒に行ってたんだ?という陽介の質問は無視してルイズが言う。 「今度は6人で行けたなら、いいのに……」 ルイズは手の中にある指輪を見ながらポツリと呟いた。 「いいんじゃなくて、やればいいじゃない?」 「そーだぜ」 「クマもサンセークマ」 6人で指輪を返しにラグドリアン湖へ行く。それは誰にも魅力的な提案に見えた。 しかしこの約束が果たされる日は来ることはない。 その次の日、ヴェルサルテイル宮殿でガリア新王、シャルロット・エレーヌ・オルレアンそしてアンリエッタ・ド・トリステインの戴冠が行われた。 二人の戴冠式は同時に行われたのだった。 本来、戴冠はロマリア教皇が執り行うものである。しかし彼女たちは互いに冠を授けあった。 教皇が空位の場合や、来訪できない場合は戴冠は教皇の代理人が行うのが慣例であったが、あえて二人はこの選択肢を選んだ。 それはトリステインとガリアの強い結束を示すだけでなく、6000年前から続いてきた世界の変わりつつあることを示していたのかもしれない。 審判の日は近い。 前ページ次ページゼロのペルソナ
https://w.atwiki.jp/persona2batsu/pages/160.html
|消費アイテム|CD|貴重品|タロットカード|マテリアルカード|スキルカード|インセンスカード| LV32噂悪魔カシマレイコ(エリールート)の報酬でインセンスカード全種を入手できる。 地図作成の報酬でインセンスカードを入手できる。 時間城に登録することでインセンスカードを購入できるようになる。 名称 買値 売値 解説 入手方法 STRカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【力】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 宝箱 蝸牛山裏道:エリア4 魔晶変化 LV12剛毅リュウメLV48女帝リノク 悪魔 LV40運命オルトロスLV84仮面党員カメーンブラック(EX) VITカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【体】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 魔晶変化 LV29剛毅クエレプレLV31月マイア・改 悪魔 LV78仮面党員カメーンレッド(EX) TECカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【技】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 宝箱 スマイル平坂2F 魔晶変化 LV22死神ヘルLV54月天野 舞姫 悪魔 LV75仮面党員カメーンイエロー(EX) AGIカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【速】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 宝箱 地下鉄工事現場:エリア1 悪魔 LV73仮面党員カメーングリーン(EX) LUCカード 30,000 15,000 召喚するペルソナの基本能力【運】を10上昇させるカード カジノ 2,500枚 魔晶変化 LV23法王ウマヤドノオウジ 悪魔 LV76仮面党員カメーンブルー(EX) ALLカード 125,000 62,500 召喚するペルソナの基本能力を全て5上昇させるカード 宝箱 珠閒瑠城7F-B 魔晶変化 LV16杖ホテイLV36塔ロキLV58太陽周防 辰之進LV88世界ショクインLV90刑死者アザゼル 上へ