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Q&A Q. 15Rの曲名教えて下さい。 A.「終わらない夜」です。ちなみにパチンコオリジナル曲で原作には使われておらず、未だCDなども発売されていません。 Q.ジャックフロストが金玉持ってきたのに、当確じゃなかった… A.金、銀、白銀は必ず入りますが、どの色も同じく2R以上が確定するのみで、当確や確確というわけではありません。潜伏もあります。 赤玉は玉入れ失敗報告有。激アツですが、まれに外れるみたいです。 Q.保2消化の玉入れは成功確定? 激アツですが、失敗する事もあります。 Q.玉入れ演出で失敗するとその時の保留分はハズレ確定なの? A.ハズレ確定ではありません(当たり報告有り)。ただし信頼度は大きく下がる模様。 Q.何か背景がいつもと違ったけど熱いの? A.夜の後の背景は、影時間・美鶴の別荘(噴水)・遠景(町全体)・朝があります。熱くはありません。 Q.ラウンド中テレッテカットインが入ると負け確定ですか? A.テレッテや天コロでも昇格はあります。 Q.オルギア疑似がなかったのにリーチ後オルギアが回るのは当確? A.リベンジ中などよくあります。当確ではありませんし、激熱というわけでもなさそうです。 Q.遅れ飛ばしオルギアってなに? A.変動後遅れて横っ飛びのアイギスが出てくる疑似の事。当確。 ちなみに変動後遅れて横顔アップの疑似は遅れオルギア。熱い。 Q.遅れSUってなに?熱いの? A.普通のステップアップと違って遅れて出てくるステップアップ。 普通は暗転→ステップアップだが、ステップアップ→暗転や暗転とステップアップがほぼ同時に出てくる。激熱だけど外し報告あり。 Q.潜確中にペルソナバトルに勝利したけど、確変じゃなかったよ? A.ペルソナモード中、タルタロス潜入モード中のみペルソナバトル勝利で確変確定です。潜確中は勝利しても単発の可能性あり。 Q.擬似った時に、台詞キャラも出ないのにボタンが光っていたけど? A.消灯擬似後の回転は、なぜかボタンが光ります。特に意味無し。 Q.画面の左下にオレンジのEマークが表示されてるけど何? A.台エラー表示です。枠フラや下皿エラーで出ることもあるので気にしなくてよし。 キャラ紹介&スレ内用語集 肉、肉彦…0図柄、真田明彦。プロテイン好きだったり、ペルソナが肉っぽい。本人も脳筋なところから 会長…1図柄、桐条美鶴。まんま生徒会長だから テレッテ…2図柄、伊織順平。レベルアップ時の台詞より。チャンスタイム突入時にも アイギス…3図柄、実はロボ、ロケットパンチも可能。テレッテ、肉、キタローでナンパしたことがある。 動力源は蝶々 ショタ、天…4図柄、天田乾。中の人は逃げちゃダメな中学生と一緒。確中ストッパーなところまで似せないで下さい 能登…5図柄、山岸風花。中の人の名前から。さやさやした声がとても耳に優しい 犬、コロ……6図柄、虎狼丸(コロマル)。何故かさん付けで呼ばれることが多い キタロー…7図柄、主人公。髪型が某ゲゲゲみたいだから。ちなみに中の人はカヲル君と一緒 ガキさん…8図柄、荒垣先輩。微妙に待遇がいい理由はゲーム本編で明らかに ゆかビッチ…9図柄、岳羽ゆかり。愛称「ゆかりっち」のもじりでネタ
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PSソフトの容量の限界の為かボツになったものが多々存在する そのまとめ 罰のエルミンメンバー選択は南条、エリー以外にも考えられていたが容量の限界でボツ。(マーク√があった?) 罰本編は舞耶視点の物語だったが達哉視点の罰本編も構想されていた →PSPペルソナ2罰にて達哉視点の新シナリオ追加決定! Q:最初にいただいた資料には、詳細な人物設定がなされていました。 これを読んで、ゲームをクリアした結果、僕の中にいくつかの疑問が生まれてきました。 例えばそのひとつは、何故達哉が父を憎んでいるのか、という部分の説明がゲーム中に なされていない。達哉の兄が、いつまで親父を憎んでいるんだ、とか言うだけで。 里見 実はですね、最初は達哉が主人公になっている視点と、 舞耶が主人公になっている視点という2本立てで考えていたんですよ。 それで、舞耶のほうを主人公に選んだ時には、 達哉が舞耶の立場になるわけです。バンバン喋ってパートナーになるっていう形で。 その時に、達哉がなぜそういう風になってしまったのかという設定の答えを出していく予定ではあったんです。 淳のコマンドの朗読(星の王子様)
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名称 シングルショット トリプルダウン - ペルソナ(ランク) LV1正義ヘリオス(2) LV26女帝ネメシス(5)LV41刑死者バルバトス(6)LV63正義ヒューペリオン(5) - 名称 刹那五月雨撃 - - ペルソナ(ランク) LV73太陽ヴィローシャナ(5)LV75法王ヤマオカ(3)LV78女帝ガイア(7) - - 名称 フレアショット ねらいうち ジャスティスショット ペルソナ(ランク) LV63正義ヒューペリオン(1) LV41刑死者バルバトス(変異) LV63正義ヒューペリオン(8)
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神獣 LV32 アヌビス LV45 ??? LV32 アヌビス エジプト神話に登場する冥界の神で、リコポリスの守護神。「聖地の主人」、「自らの山に居る者」、「ミイラを布で包む者」などの異名を持つ。 「初期」 HP(生命力)+250 MP(魔力)+200 STR(力)+150 VIT(耐久力)+100 TEC(技術力)+80 AGL(素早さ)+80 LUK(運)+50 MDF(魔法防御力)+100 MAK(魔法威力)+32 「同調」 HP(生命力)+350 MP(魔力)+300 STR(力)+250 VIT(耐久力)+200 TEC(技術力)+100 AGL(素早さ)+100 LUK(運)+80 MDF(魔法防御力)+180 MAK(魔法威力)+64 「最終覚醒」 HP(生命力)+400 MP(魔力)+400 STR(力)+350 VIT(耐久力)+300 TEC(技術力)+180 AGL(素早さ)+150 LUK(運)+100 MDF(魔法防御力)+150 MAK(魔法威力)+96 <装着相性> 全員と最高相性 <ペルソナを装着すると使える能力> 即死系魔法をすべて無効化 「最終覚醒」1戦闘中3回まで死亡状態にならない(HP1で残ってる) 「同調」ヘルマニビスの智慧 何かをひらめいたり、疑問に思ったことの答えがするっと出たりする。 簡単に言えばGMから答えを引っ張り出す。 成功率は20%。 消費MP50 <ペルソナ降臨で使える能力> 「初期」ラーの天秤 敵の業の重さを量り、その業を本人に与える。 簡単に言うと、自分に喰らったダメージをそのまま相手にも与えるということ。 自分がダメージ軽減したら相手のダメージも軽減。 ラーの天秤を通してのダメージのため、どんな属性でもダメージに変換して敵に与える。 全体攻撃だったら自分に喰らった分のみ。 持続時間は3ターン。 消費MP30 「同調」神秘の布 戦闘不能状態(HP0)になった味方1体に対して行う。 神秘の布を巻き付け、それ以上の追加攻撃をまったく受けなくなる。 戦闘不能から回復すると布は消える。 ペルソナ破壊を防ぐことが出来る。 消費MP30 「同調」リカームドラ 味方全員のHPを全回復する代わりに、自分のHPが0になる(戦闘不能状態) 消費MP20 「最終覚醒」死を告げる遠吠え 全体に、即死効果のある遠吠えを聞かせる。 相手は耳を塞ぐか、LUK-300%で抵抗出来る。 失敗するとHP0の戦闘不能状態に。 味方にも効くので注意。 また、「音を聞く機能が存在しない」タイプのアクマには効果が無い。 消費MP100
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ペルソナ3フェス(アペンドディスク版) 【メーカー】アトラス 【発売日】2007/4/19 動作報告 HDA3.0 SCPH-50000 WINHIIP1.7.6 起動およびプレイには問題ないが、最初の本編のディスクチェック時のみ、ちゃんとしたディスクがないと進まない。チェック記録をメモリーカードにセーブした後はディスク不要。 商品の説明 《"究極のペルソナ3"、ここに登場!!》 「ペルソナ3」ユーザーからの多くの意見や要望を取り入れた様々な要素を詰め込んだ"お祭り"な内容です。 さらに深く、面白く遊んで頂ける要素が満載! ●ペルソナ3"本編" 「ペルソナ3ファンの為の追加要素」を満載し、リニューアル! →「ペルソナ3」のセーブデータをお持ちの方には充実の引き継ぎ要素も! →本編中に新規コミュイベントや要望の多かったアイギスとのコミュを追加! →23体追加された新たなペルソナで合体が更に充実。ペルソナのレベル調整も実施。 →シリーズファン垂涎の「合体剣」システムを追加!! →様々な「新しい依頼」を追加。依頼クリアによっては、エリザベスとも…!? →ハードコアな"メガテニスト"に向けたハードモードを追加 ※この他にも、様々な細かい部分で更に遊びやすくチューンナップ!! ●「後日談(アイギス編)」 アイギスが主人公の新規シナリオ。本編シナリオでは語られなかった各キャラの過去や、エンディング後の 彼らなど、更に奥深く描かれる"ペルソナ3ワールド"で、真のエンディングに到達することが出来ます。 ※本製品については、初回起動時に「PS2/ペルソナ3」の製品ディスクを必要とします
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ワイルドと愚者に関しての考察 ワイルドという呼び名に関して ワイルドカード(万能カード、トランプではジョーカーに当たりジョーカーのルーツは愚者と言われている)から来ているものと思われるワイルドはワールドではないです(何か名前が似ているけど)P3で21番目のカードはThe Universe(宇宙)詳しいことはトート・タロットでググると良し 疑問点 まとめでは愚者=ワイルドとあるがワイルドと愚者は関係なくワイルドはペルソナチェンジ能力だけを指すという声もあるがそこんとこどうなのか ※設定関連考察のワイルドの項も参照してください 愚者がなんにでもなれる=ペルソナ付け替え能力はそもそも何処情報? →江戸川の講義「最初の0番、”愚者”のカードは、始まりを意味し、無限の可能性を示唆します。→イゴールの言葉何にでも変われるが、何にも属さない"力"言わば、数字のゼロのようなもの…からっぽに過ぎないが、無限の可能性も宿る。でもそれらは「愚者が何にでもに変わる事が出来る」と言うのを示しただけでそれ=ペルソナ付け替え能力である事の証明はされてないんだよな イゴールの発言内容について ポリデュークス>カエサルとかみたいに進化する折に、皇帝>皇帝 みたいな同アルカナ進化だけじゃなく愚者>魔術師 とか、魔術師じゃなくても 愚者>宇宙 とか、そういう何にでもなれる進化の可能性 とも取れる・デスの影響=ワイルドにしても怪しいんだけどなイゴールは最後「デスを身に宿したのも運命ならワイルドに目覚めた「のもまた」運命」って因果関係の無い2つの事を並べた上で結果を得てから結果に対して必要だったって関係性を説くような言い方してるしユニバースにはワイルドとデスの影響この2つの別の事が必要だけど運命的にこれを揃えられたあなたって感じで「デスを身に宿しワイルドの力を得たのは運命」ってのなら意味通じるけどキタローの中に居た時点でのデスの力ってアルカナチェンジではなくアルカナシャドウ取り込むような力だから同じく心の力取り込むコミュの方な気もするしまぁその方がユニバースが1年やそこら人と仲良くしただけで作れる安っぽいもんじゃなくて10年仕込みが必要で体に封印されたキタローだけが作れたもんだって因果の重要性も出てくるし妥当な気がするんだけどな
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前ページ次ページゼロのペルソナ 隠者 意味…思いやり・邪推 名城と謳われたニューカッスル城はいまや廃墟と化していた。 反乱軍レコン・キスタが大挙して攻め込んだ結果である。 そしてレコン・キスタが反乱軍であったのはその時までだった。 アルビオン王家がこの世界から消滅した現在、レコン・キスタはアルビオンの正式な政府である。 廃墟となった最後の王家の城を眺めている一人の男が居る。レコン・キスタの総司令官であった男、オリバー・クロムウェルである。 彼は今や皇帝となり、アルビオンの支配者となった男だ。そうだと言うのに、皇帝クロムウェルの顔に浮かんでいるのは苦々しいものであった。 攻撃の際に受けた損害が莫大だったのだ。たった300足らずの王軍に対して、死者は三千、怪我人も含めるなら倍になる。 王軍の士気が異常なほどに高かったためだ。 「あのトリステイン貴族め、ウェールズをしとめるなどと言っておきながら……!」 クロムウェルは吐き捨てるように言った。 彼が言うトリステイン貴族とはワルドのことである。ワルドはトリステイン貴族にして、レコン・キスタに加わった男だ。 彼には聡明だと名を轟かせていたウェールズを始末するように命じていた。しかし、彼は仕損じ、ウェールズは最後の最後まで前線に立ち、兵士たちと戦い続けた。 そのため王軍の士気は異常なほどに高く、すでに勝利した気分になっていたレコン・キスタの兵に対し善戦を続けた。 ちなみにワルドは捕虜としての扱いを受けて牢屋に入れられていたのを助け出され治療中だ。体中に火傷のような痕があったためその治療である。 「いらぬ損害が出てしまったが……よしとするか。必要なものは手に入ったのだから」 彼はポケットから小さな箱を取り出した。開けた中には美しい宝石の指輪が入っていた。 ウェールズが身につけていた風のルビーだった。彼の死体から剥ぎ取ったものだ。 「これがなくては同盟が成立しないからな……。しかし、ジョゼフはどうしてこれをそこまで欲しがるのか……」 クロムウェルは美丈夫であるガリア王国の王の顔を思い浮かべた。 まあいい。彼は自分に力を与えてくれた。ならば従う他ない。 「死者に鞭打つようで悪いが働いてもらうぞ、ウェールズ皇太子」 クロムウェルは与えられた力、アンドバリの指輪を見た。 アルビオンから無謀に近い航海(航空という方が正確か)を遂げたのちに、ルイズたちはトリステイン国の騎兵たちに発見され、その後、王城に連れて行かれた。 秘密の任務のために事情を説明できずに困っていたが、アンリエッタの口利きのために開放されて、今はトリステイン学院に帰ってきていた。 ちなみにアルビオンの十人の船員たちのこともアンリエッタは保障してくれるそうだ。亡命者として手厚く保護するという。 そして学園に戻った三人の魔法使いと三人の使い魔はそれぞれの日常に戻っていた。 その内、使い魔たちは現在、あるものを鋭意政製作中である。 完二が料理長マルトーに頼み、使わなくなった大きな鍋を貰ってきた。それで完二たちは風呂代わりにしようとしているのだ。 時刻は夕刻を過ぎたころ、学校の校舎から遠いところで、火を焚き、水を入れた大なべを3人がかりで沸かせていた。 「なあ、これもういいじゃねえのか?」 陽介が待ちきれないとばかりに言う。 「そっスね。煮立ったら入れねーし」 完二の返答を聞いて陽介は嬉しそうな顔を隠せない。 彼らが彼らの世界でいうマトモな風呂にこの世界に来てからは入っていない。 この世界の風呂は一種のサウナ風呂のようなものであり、風呂が好きな日本人である彼らにはとても我慢できないというのが共通の見解だった。 クマは日本人どころか人間と呼べるか怪しいものだが、クマ曰く心は日本人らしい。 「んじゃ、俺一番風呂いただきな」 「あっ、センパイずりー」 「クマも入りたいクマー」 二人の抗議の声を気にせず、陽介は服を脱いで、さっさと鍋に浸かった。 「くぁー、たまらん!疲れが吹っ飛ぶつーの?やっぱ日本人だなあ、俺」 気持ち良さそうな声を上げる陽介を見てクマが我慢できなくなったようだ。 「クマも入るクマ」 そういうとクマは球型の体の頭の部分をとった。頭を取った着ぐるみからは金髪碧眼の美少年が現れた。 「オマエ、パンツ一丁だったのかよ……」 クマは人間の姿のときには真っ白なカッターに黒いズボンを合わせているのだが、キグルウミの中から出てきたクマはトランクス一丁の姿であった。 「だってだって最近、クマずっとこの格好だったし」 「確かにクマ、最近ずっと着ぐるみのまんまだったな」 「だからってそりゃ変質者だろ……」 「カンジ、今からお風呂クマ。和のココロ、それは細かいことを気にしないこと」 「や、意味わかんねえし」 完二と陽介のツッコミを気にせず、クマはすぐに一糸纏わぬ姿になって、陽介と同様腰にタオルを巻いて、風呂釜とかした鍋に文字通り飛び込んだ。 「おまっ、狭いだろ」 陽介が抗議する。 「そーでもないクマよ」 たしかに鍋には二人ならそれほど狭くないほどにはスペースがあった。大人数の魔法使いの子供たちの食事を作るための鍋だっただけあって大きい。 「たくっ、しゃーねーな。暴れんなよ、さっきオマエが飛びこんだせいでただでさえ湯が溢れたんだから」 「わかったクマ。だからクマ、この異世界に負けないように日本人の風呂の入り方をします」 そういうとクマは「あー、ババンバン!あービバビバ」と調子っ外れに歌い始めた。 陽介と完二は「なんだそりゃ」と笑った。 それから陽介とクマは30分近く風呂に入っていた。 「ったく、長風呂過ぎんだろ……」 完二は服を脱ぎながらぼやいた。クマがのぼせきってふらふらしていたために陽介はそれを送っていって今は完二一人である。 外にいても風邪を引くだけなので寮塔に戻るのは正解なのだろうが、一人残る完二には少しさびしい。 そう入浴前は思っていたが、いざ湯に浸かれば、そんな細かいことはどこかに吹き飛んだ。 「あー、キモチいいぜ……」 久しぶりの入浴は格別だった。満足いくまで浸かっていようと心に固く決める。陽介とクマが長風呂をしてしまうのも仕方がないだろう。 「あーびばんばんばん……へっ」 「あのー、カンジさん」 背後からの声に完二は体をびくりと震わして驚く。下手な鼻歌を歌っていたのでなおさらだ。 「だ、誰だ……ってシエスタじゃねえか!」 太陽が地平に姿を消し光が抜けていく空間にシエスタが立っていた。 「お、おま……なんでここに!?」 完二は狼狽する。何しろ今の彼は裸なのだ。目の前に女性が現れれば慌てるのも道理だろう。 「ヨースケさんに聞いたらここに居るって聞いて」 「あんのヤロー……!」 「あ、ヨースケさんを悪く思わないで下さい!わたし、どうしてもカンジさんにご馳走したいものがあったんです」 「えっ、ご馳走?」 大食漢の完二はこの状況でも素直にご馳走という言葉に惹かれてしまう。 「はい、東方、ロバ・アル・カリイエから運ばれた珍しいものとか。『お茶』というそうです」 慌てていてシエスタがそこにいることしか認識していなかった完二も、ようやく落ち着きを取り戻す。 シエスタは確かにティーポットとカップを載せた盆を持ったことに気付いた。 そして同時にご馳走といっても完二の予想するご馳走とは違ったことにがっかりする。 「んだよ、お茶かよ……」 「あれ、もしかして飲んだことあるんですか?」 「まあな、オレの居た場所じゃ、よく飲んだぜ」 「そうなんですか……」 シエスタはしょんぼりとした様子になってしまった。完二は慌てて取り直す。 「い、いや、でもよ。ここに来てから全然飲んでねえからよ。飲みてえと思ってたんだよ」 シエスタは顔を上げてにっこりと笑った。完二の言ったことを信じたというより、気を使ってくれたということが嬉しいのだろう。 「ありがとうございます。それじゃあどうぞ」 「おう」 渡されたティーカップを取り、湯に浸かりながら啜った。 彼の世界の味だった。母が二人分とは思えないほど作った料理を食べたあと、出してくれた熱いお茶を思い出す。目頭が熱くなり、目元を拭う。 「ど、どうしたんですか?」 「な、なんでもねえよ」 さきほどの言葉はシエスタを気遣ったものだったが、どうやら自分でも気付かないうちに完二は故郷が恋しくなっていたようだ。 おふくろどうしてっかな……。 「その『お風呂』って気持ち良さそうですよね」 「ん、まあな」 郷愁に浸っていた完二の意識はシエスタに呼び戻される。 たしかに風呂は良い。この世界のサウナ風呂と比べれば天と地の差だ。 「わたしも入ってみたいです」 「いいぜ、別に」 完二に良い物を独占するような気質はない。きっとシエスタも、今まで入ってきたこの世界の風呂とは格段の気持ちよさに驚くであろう。 「ありがとうございます」 シエスタはそう言うと服のボタンに手をかけた。 「ちょ、ま、待て!おま、何して……」 慌てふためく完二とは対称にシエスタは何事もないかのように素のままである。いや、少し頬が赤い。しかしボタンを外す手はとまらない。 「なにってお風呂に入ろうと」 「オレが出てからに決まってるだろ!」 風呂に入ってもいいとはいったが今は考えてもおかしいだろう。 「そうなんですか?まあまあ、いいじゃないですか」 「よくねえよ、おま……!」 完二は言葉をつぐんだ。服を脱ぎ始めたシエスタの肌がわずかに見えたからだ。健康的でそれでいて艶やかな肌。 完二は顔を真っ赤にして体ごとシエスタから背ける。お風呂にのぼせたわけではない。 「そんなに恥ずかしがらないでくださいよ。わたしまで恥ずかしくなってくるじゃないですか」 「ならやめろってんだ!」 完二が叫ぶと同時に彼の背後でストンと何かが落ちる音がした。 「それじゃあ、失礼しますね」 どうやらさきほどの音はシエスタの身につけていた最後の一枚が落ちた音のようだったらしい。 やばいやばいやばいやばいやばいやばいと念仏のように同じ言葉が完二の頭の中で繰り返されていた。 一糸纏わぬ姿になったシエスタはドキドキしていた。シエスタも自分の行為がおおよそ常識的ではないのは分かっていた。 これは完二の気を引くためのアプローチなのだ。 貴族から自分を守ってくれた完二、メイドである自分より優れた裁縫の技術を持つ完二。 彼女は完二が荒っぽく見えて本当は優しいことをよく知っている。 つい先日戻ってきた完二だが、いつかまた完二はいなくなってしまうのではないかとシエスタは怯えている。 完二自身が消えてしまうような儚さだとかを持っているというわけではない。ただ彼は来るときが来たら帰る場所に帰ってしまうような気がするのだ。 妙な言い方だがまるで彼はまるで別の世界の人間のように感じることがある。 シエスタは背を向けた完二が浸かっている湯を見る。少し重なった双月の光が水面を赤く照らしている。 「えっ、赤い……?」 シエスタは湯が赤くなっているという事実に戸惑う。ついさっきまでは透明色をしていたはずなのに。 よく見てみると赤さは濃度勾配をなしている。そして最も濃いのは背を向けた完二のいるところだ。 そろっと首を出して、完二の横顔を見るとシエスタは「うっ」とうなった。 完二の鼻からは、滝のように、とはどう考えても言い過ぎだが、ともかく鼻血としてはおかしな勢いで鼻血が出ていた。 シエスタは思わず、引いてしまった。 「あ、そういえばマルトーさんから仕事頼まれてたんでした」 「えっ!?」 若干棒読み口調で言うとシエスタはパパっと服を着てその場を去る。 背後で完二がポカンとしているのを感じる。 少しして「うおっ!んだコリャア!」という大きな声が聞こえてきた。やっと鼻血を出していたことに気付いたのであろう。 次の日、完二は午前中、広場を歩き回っていた。 普段は厨房なり、使用人たちのいるところにいて談笑したり裁縫をしたりしているのだが昨夜のシエスタのことを考えてしまうと、どうも顔をあわせづらいのだ。 自分が悪いわけではないし、シエスタが悪いわけでもない。そもそも昨夜の出来事をどう考えればいいのかもわからないが、なんとなく気まずい。 「どうっすかな……」 どうするとは何のことであろうか。シエスタとのことか、時間の潰し方か、それとも元の世界に帰る方法であろうか。 完二自身もなにをどうするか判然としないままぶらぶらと歩き回っていた。 「ありゃあルイズじゃねえか?なにやってんだ?」 ルイズは手になにか持ってこまごましく何かをやっているようだった。 完二はすることもないので自分のご主人とやらの元へと歩いて行った。 「はあ……」 ルイズは溜め息をついて、自分の作品を見る。 彼女の手には編み棒と、そして彼女の作品である毛糸の塊があった。そう、毛糸の塊という言葉が最も似合う物体だ。 好意的に見る人がいれば捩れたマフラーくらいには言ってくれるかも知れないが、ルイズはセーターのつもりで編んだのであった。 「はあ」とルイズはもう一度溜め息をついた。 完二はワルドを倒し、クマは致命傷を負った皇太子の命を救い、 タバサと陽介は船をアルビオンからトリステインまで飛ばして一行の命を救った。キュルケだって自分を守ってくれた。 しかし自分は何も役に立たなかった。トリステイン魔法学院に帰還し、安心もようやく戻ってきてから、その考えがルイズの頭に貼り付いて離れなかった。 自分は魔法の一つも使えない。今回の旅に何の役にも立たなかった。アンリエッタの願いを意気揚々と引き受けておきながらなんというザマだろう。 それがルイズが編み物をし始めた理由だ。ルイズは魔法が出来ないからその分、手先が器用になるようにと母に教え込まれたが、それもこの有様である。 ルイズが三度目の溜め息をつこうとした時、目の前に彼女の使い魔が現れた。 「なんだこりゃ」 ひょいっと完二はルイズの作った毛糸のオブジェをつまみ上げるように持ち上げた。 「ちょっとバカ、返しなさいよ!」 ぴょんぴょんと跳び上がり、ルイズはマフラーのようなものを取り返そうとする。 完二はルイズの作ったものをしげしげと見ながら呆れたように言った。 「オマエ、不器用だなあ……」 ルイズの頭の中で何か音がした。 「悪かったわね」 ルイズはねじれたセーターを強引に奪い返す。 「どうせわたしは魔法も使えない、編み物もできない、何の役にもたたないゼロのルイズよ!」 ルイズは、言うだけ言うと広場の出口へと駆け出した。 「お、おい!」 完二の呼び止める声がするが、当然足は止めない。 完二も自分をバカにしている。 そのことがどうしようもなく腹立だしく、そして悲しかった。 それから数刻経つ頃、完二はシエスタと会い、あるものを渡していた。 「昨日のワビっつーのも変だけどよ、コレ」 「これ……ぬいぐるみですか?」 「編んで作ったからあみぐるみっつーんだ」 それは完二の作ったたぬきのあみぐるみだった。あみぐるみは様々な編み物や縫い物の中でも完二が最も好きで、得意とするものである。 メイド顔負けの裁縫技術を持つ完二の得意分野なのでその出来はこの世界の貴族相手に商品にできるほどであろう。 「すっごくお上手ですね、このたぬきさん。でもなんでたぬきなんですか?」 「シエスタのイメージってなんとなくたぬきっぽいだろ」 「わたしってたぬきっぽいんですか……?」 シエスタはしゅんとなる。 完二に他意はなかっただろうが、それでも妙齢の少女にたぬきっぽいというのは喜ばれるものではない。 完二は自分の失言に慌てた。 「あ、違げーぜ。深い意味はねーし、シエスタの声がたぬきっぽいセンパイに似てるっつーか、たぬきって案外かわいいし、んな気にしねーで……」 完二は取り繕うように必死で弁解する。 するとシエスタは顔を上げ、いたずらっぽく尋ねてくる。 「わたしってかわいいですか?」 「ばっ、そ、そんなんじゃ……」 「かわいくないですか?」 またシエスタはしゅんとしたように顔を下げる。 「な、いや、シエスタはかわいくないこたあ……」 完二は顔を赤くしきっている。あたふたとしていると顔を下げたシエスタがクスクスと笑い始めた。 やっと完二はからかわれていたことに気付く。 「んだよ、くそっ!」 乱暴な言葉を口にしてもその顔にはまだ赤みが残っていた。 シエスタもクスクス笑うのをやめて編みぐるみを胸に抱いて感じを上目使いで見つめた。 「大切にしますね」 「おうっ、大切にしてやってくれ」 いじけた態度をから一転して完二は笑った。素直というか根が単純というか完二は自分のしたことで喜ばれることを好む性質なのだ。 「ところでもう一つ持ってますけど、それは?」 「ああ、こっちはワビの品かもな……」 完二がシエスタにあみぐるみを渡してからさらに時間が経ち、夜。 完二はルイズの部屋の前にいた。本来ならこの時間は部屋でルイズと適当な会話をしたり、会話をしなければ裁縫に没頭していたりする。 いつもは軽いドアノブがなかなか今日は回せない。 なんとか意を決し完二はドアを開ける。 部屋の中にルイズはいた。彼女はベッドの上に腰かけ宙を見ている。心ここにあらずというか、何か考え込んでいる様子である。 しかし完二が入ってきたことに気付くと、きっと視線を向けてくる。完二は背中に手を回して歩み寄った。 「あ、あのよ」 「なによ?」 いつもより弱い声量の完二に対し、ルイズはとげとげしい声を投げかける。 「今日は悪かった」 「なんのことよ」 わかってるのであろうがルイズはわざわざ尋ねてくる。完二としてそういう回りくどいことは嫌いだが、今回は自分が全面的に悪いと思っているために殊勝に答える。 「オマエの編み物を見て……あれだ、不器用って言ったことだ」 ルイズはふんと不機嫌そうに顔を逸らす。 「別に気にしてないわよ。わたしが編み物が下手なのも、わたしが役に立たないのも事実じゃない」 完二は首を振ってそれを否定する。 「んなこたあねえ。てめーが好きなモンを下手だなんて言われていい気がするはずがねえ」 「だからそんなこと気にしてないって言って……」 ルイズの声は徐々に大きくなり始めた。それが途中で切れたのは完二が背中に隠し持っていた物を差し出したからだった。 「なによこれ?」 ルイズは完二が差し出してきた物を指差す。 「オレが編んだあみぐるみだ。ルイズ、オレがこれくらい編めるように教えてやる」 あみぐるみを突き出したままの姿勢で完二は固まった。 謝っておきながら教えてやるとはおかしな言い方かもしれない。しかしこれが完二が散々頭をひねって考えた最良と思うアイデアだ。 裁縫の腕が良くないなら成長すればいい。そう考えたのだ。 しかし、いざその場面になってくると嫌というほど緊張する。 なんだか嫌な汗が出てきそうな気分だ。 ルイズに似合うと思って黒いネコのあみぐるみを作ったのだが、彼女は許してくれるだろうか。許してくれなくても、あみぐるみだけでも受け取って欲しかった。 気勢を削がれた様子のルイズはしばし黙り込んでいたが、それからむっつりとした表情のまま完二に向かって両手を開くように伸ばしてきた。 「んっ」 それが渡せと要求していることに気付いて、完二は黒い細身のネコのあみぐるみを手渡す。 ルイズはあみぐるみをぎゅっと抱いた。そして完二をじっと見つめて言う。 「あんたが作ったって本当?」 「お、おう!」 ルイズが質問に完二は若干あせったように答える。とりあえず話をしてくれることに安心した。 「あんたが教えてくれるって……本当に?」 「おう。これでも元の世界じゃ教室開いて、編み物とか教えてたんだぜ?」 完二は自信を持って答える。への字に曲がっていたルイズの口が今夜初めてゆるんだ。 「似合わない」 ルイズはころころと笑った。 完二は反論しつつも笑ってくれたことにほっとした。 ルイズが邪推もなしに思いやりを受け入れたことは彼女の性質からすれば珍しいものなのかもしれない。 あるいは彼女は完二が来てから変わったのかもしれなかった。 何はともあれ、ルイズは素直に完二の素直な謝意を受け入れた。 そしてそれから数日、完二はルイズにあみぐるみの手ほどきをした。 ルイズの裁縫の腕は高いものではないが彼女は真剣に取り組み、完二の教えを真剣に聞いて、数日で成長の萌芽が姿を見せ始めた。 だがそれが芽吹く前に二人だけの手芸教室は中断されることになる。 王室からルイズにあるものが送られてきたためだ。 送られてきたのは一つの古びた本と一つの勅令。 古びた本は始祖の祈祷書、そして勅令とはアンリエッタ王女とゲルマニア皇帝の婚姻の儀の詔を作成することだった。 前ページ次ページゼロのペルソナ
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しょくいん 神話 燭陰。 あるいは燭龍とも呼ばれる。 紀元前6世紀頃に成立した古代中国の系譜書「山海経」に名を残す龍神。 インド神話の蛇神・ナーガが中国に伝わったものといわれる。 北の果てに存在する鐘山の頂上に住む人頭の龍で、右の目は炎より紅く、左の目は闇を表すかの如く蒼い。 身体は赤黒く果てしなく長大で、少なくともその長さは千里にも及び、山頂に頭を載せたまま眠る事も食べる事もせず、延々と天地の全てを見渡している。 紅き右目と蒼き左目はそれぞれが太陽と月の象徴であり、交互に開く事によって毎日の朝と夜が到来し、その呼気によって寒気と暖気が訪れるという。 ステータス(異聞録) アルカナ-WORLD 大属性-Physical 属性-Gravity Level-97 消費SP-63 ○習得スキル フォッグブレス ファイアブレス アイスブレス 極楽落とし どくガスブレス メギドラオン ステータス(ペルソナ2罰) アルカナ-WORLD 属性-地変 Level-88 消費SP-51 ○習得スキル ポイズンブレス ファイアブレス ミラージュブレス ブリザードブレス メガトンプレス 大地の怒り(変異によってのみ習得可能) 関連項目 ウォンロン
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♪苦悩 ---刑務所 面会室--- ギイィィ… 薄暗い部屋の中、一人の男が俯きながら座っていた。 その手には重苦しい手枷が嵌められている。 ミーナ「・・・お久しぶりです。閣下。」 マロニー「よせ。私はもう軍人ではない。」 そう言って男は顔を上げる。 トレヴァー・マロニー元ブリタニア空軍大将。 以前見た時よりもやつれた姿の彼がそこに居た。 俺(あれが・・・マロニー大将・・・) マロニー「今更この老いぼれに何の用があるというのだ・・・」 眉根を寄せ不機嫌そうに訊ねる。 ミーナ「先日、我々の前にグレゴリと名乗る2人組みが現われました。」 ミーナ「彼らは、死を呼ぶもの・・・『デス』を復活させるために暗躍していたようです。」 マロニー「デス・・・だと・・・!?」 『デス』と言う単語に反応を見せるマロニー。 この男もどうやらこの件について関わりを持っているようだとミーナには見当がついた。 ミーナ「ご存知のようですね。デスについて。そしてグレゴリと名乗るネウロイの力を使う2人組みについても。」 マロニー「ネウロイの力・・・まさかあの時の孤児達か!?」 ミーナ「ええ。彼らは実験に利用され、半ネウロイ化してしまったそうです。」 マロニー「そうか・・・彼らは生きていたのだな・・・」 どこか悔しそうに、マロニーが歯を噛み締める。 ミーナ「教えていただけませんか。彼らの施された研究と・・・そしてデスについて・・・」 マロニー「・・・・・」 しばらく黙った後、マロニーが再び口を開く。 マロニー「デスの核心については私も詳しくは知らない。だが、君たちが知ろうとしている計画の首謀者の男は知っている。」 ――――――――― ―――――― ――― 私にはかつて大学時代の同期の友人がいた。 そいつは非常に有能だった。他に類を見ない天才とまで言われた。 それに、奴は自分の夢のためにはどこまでも真っ直ぐなやつだった。 そいつの名は・・・『アレイスター・クロウリー』。 時が経ち、私は軍事職に、奴は軍からスカウトされネウロイの研究員として動員された。 奴と再会したのは12年前。 ネウロイ研究の成果の一部を軍に導入しようという案件があり、その交渉のため、私は奴の研究所を訪れていた。 私とアレイスターはそこで再会した。 奴は既にネウロイ研究の権威となり、その研究所の所長へと昇格していた。 しかし過去に見たアイツの面影はどこにも無かった。 奴は研究を続けるうちにネウロイの力に魅入られ、その力を利用しようと企んでいた。 そしてその力で何か途方もないものを造り出そうとしていた。 芳佳「途方も無いもの・・・?」 そう、時空間を操る神器だ。 ミーナ「時空間操る神器・・・」 言葉の通りだ。時の流れや空間さらには次元までもを操作し、あらゆる事象を意のままに操る道具だ。 奴はネウロイの時空や次元に干渉する力に心酔し、それを我が物とし、世界の全てを支配しようとした。 俺「や・・・野望のスケールがデカい・・・」 本来ネウロイの弱点を探り出したり、その力の一部を軍事利用するためだけのはずだったその研究は、アレイスターの指示によりおかしな方向へ進んでいった・・・ アレイスターがおかしくなったのは、奴が最愛の妻を失ってからだと言う話を聞いた。 それからの奴は生きる目的を失い、己の空虚な心を満たすためだけに研究を続けた。 次第に奴の目的も歪み始め、遂には単なる支配力の追求ををはずれ、滅びを求めるようになった。 アレイスターはとり憑かれたかのように研究員にネウロイのコアを集めさせた。 そして、奴はその集めたネウロイの力で人工のウィッチと人工のネウロイを造りだしていた。 全て、世界を滅ぼすための道具とするために・・・ だが、人工のウィッチの開発に使われたのは行き場を失った孤児たちだった。 研究員の一部は疑問を感じていたようだがそれを止める事は出来なかった。 ある日、もう一度私がアレイスターの元を訪れ、その事実を知った時・・・ クロウリー「君は実に有能なサンプルだ・・・」 マロニー「これ以上はやめろ、アレイスター!」 私は奴の研究をやめさせようとした。 奴の人としての間違いを正すために。 クロウリー「なぜやめる必要があるのだ、マロニー。」 クロウリー「この研究が成功すれば、もはやネウロイなど恐れる必要もなくなるのだぞ?」 マロニー「ふざけるな!そのためにこの子達の命が奪われるのはおかしいだろう!お前は命をなんだと思っているんだ!?」 クロウリー「命など・・・無意味だ。」 マロニー「なに!?」 クロウリー「無意味なのだよ。生きている以上人はいつか死ぬ。その時期が少し早いか遅いかの違いだけだ。」 マロニー「血迷ったか、アレイスター!!」 クロウリー「血迷ってなどいない。私は正常だ。」 マロニー「いや、お前はおかしい!今のお前は紛れもない悪魔だ!」 クロウリー「なんとでも言うがいいさ。」 マロニー「くっ・・・このわからずやめ!」ツカツカ… その後も何度も説得に訪れた。だが・・・ クロウリー「戦争に利を見出すような腐りきった世界は、一度滅ぼさなければ救われないのだよ。」 何度訪れようとこの台詞の一点張りだった。 ・・・私は奴の説得をあきらめた。もう奴に私の言葉は届かない。 そう確信したからだ。 ・・・私が最後の説得に訪れたた日、ふと一人の女性研究員に声をかけられた 白髪の女性「少し、よろしいでしょうか・・・」 マロニー「あ・・・ああ、構わない・・・」 私はその女性に別の研究セクションへ案内された。 そこにはデスとは別の人工ネウロイがいた。 そのネウロイは人のような姿をしていた・・・かと思えば急に鋭角状に形を変えたりと不思議なネウロイだった。 マロニー「これは・・・」 白髪の女性「それはヒュプノスです・・・」 女性の研究員は私にそういった。 マロニー「ヒュプノス?」 白髪の女性「この話は所長にはご内密に・・・」 その後、私はそのネウロイ、ヒュプノスについて話を聞いた。 ヒュプノスは元々アレイスターによって作られた最初の人工ネウロイだった。 初め、奴は世界を滅ぼす手段としてネウロイを操り、自らの力にしようとしていた。 そこで開発されたのが「コアコントロールシステム」。 ミーナ「たしか・・・それは・・・」 そう、私が開発させたウォーロックにも搭載されたものだ。 元々この技術はアレイスターによって開発されたものだ。 ヒュプノスは、そんなコアコントロールシステムが搭載された初の人工ネウロイだった。 だが、アレイスターはより確実に世界を滅ぼす方法としてデスの存在を発見した。 それからのやつは人工的にデスを開発しようと躍起になり、同時にヒュプノスは廃棄される事になったそうだ。 だが、ヒュプノスは別のセクションへと移され、アレイスターの思想に疑問を抱くものたちによって秘密裏に改造された。 そして、新たにヒュプノス与えられた目的。それは集めたネウロイ、そしてデスが暴走した際の保険。 その改造のきっかけは、宮藤博士にあると聞いた。 芳佳「お父さんが・・・」 博士はどうやら新たなストライカーの開発を行うためにアレイスターからネウロイのデータを提供してもらっていたそうだ。 だが博士はアレイスターがこんな危険な研究をしてるとは知らなかったようだな。 研究所を直接訪れて初めて、博士はアレイスターの恐ろしい研究の内容を知ったそうだ。 そして、デスを見た宮藤博士はこのネウロイの危険性をいち早く察し、裏で別の研究員にデスを止めるための手段を開発するよう提案したそうだ。 そこでアレイスターに疑問を抱いていた研究員達は、廃棄されそうになっていたヒュプノスを再利用する事を決めた。 あくまでデスを鎮圧するための手段としてな。 宮藤博士の提案どおりヒュプノスの再開発は秘密裏に進められ、時折博士自身も様子を見に来ていたそうだ。 開発に携わった研究員達は、ネウロイに学習能力があることを利用し、まだ自身をネウロイとも認識していない無垢なヒュプノスに、自らの役割を認識させるために何度も刷り込みを行った。 その後もヒュプノスはそのまま見つかることなく開発が進められた。 そして9年前の事故。 表向きでは単なる爆発事故として報道されたが、本当は研究所で開発された人工ウィッチのサンプルによる暴動。 俺「・・・・・」 事実とはいつも隠されるものだ・・・ その事故で偶然生き残った研究員から聞いた話では、その時にアレイスターは死んだそうだ。 そしてヒュプノスについて話してくれた彼女も・・・ 暴動の際、デスの入っていた容器がサンプルによって破壊され、デスは不完全な状態で暴走した。 だが、同時に研究員の誰かの手によってヒュプノスが起動した。 そして、ヒュプノスによりその場でデスは鎮圧された。 だが、同時に役目を終えたヒュプノスは完全にネウロイと化した。 元々ヒュプノスは純度の非常に高い、ネウロイに近い存在だった。 与えられた役割を失ったヒュプノスは自らをネウロイと認識し、同胞の元へ帰るために飛び去ったという・・・ そして今から約2年前、ヒュプノスは我々の前に再び現われた。 完全なネウロイとしてな。 芳佳「まさか・・・」 そう、君が接触したあの人型ネウロイこそヒュプノスなのだよ。 当時の私はアレイスターの事など殆ど忘れ去っていた。 大将の座についてからの私は権力に溺れ、世界的なイニシアチブを握る事に躍起になっていた。 そしてその実現のために無意識の内にアレイスターの研究に手を出し、ウォーロックを作り出した。 だが、そんな中ヒュプノスの存在を君たちより少し早く観測した。 そこで私は我に返った。ヒュプノスもいわばアレイスターの研究の一部だ。 それが世界に知れれば、瞬く間にその研究の技術は浸透し、再びアレイスターのように滅びを求めるものが現われるかもしれなかった。 私はウォーロックの開発を急がせた。ヒュプノスを撃滅するために・・・アレイスターの研究を後世に残さないために・・・ だが、それ以前に私自身もアレイスターの研究に手を出していた事に気がついた・・・ 自分の愚かしさに腹が立った。だが、ヒュプノスはどうしても撃滅せねばならなかった。 そしてウォーロックを出撃させた日・・・まだ調整が必要だったウォーロックはそれでもヒュプノスを撃滅する事に成功した。 更には、開発の目的の一つであった、ネウロイの巣の単機での破壊も難なくやってみせた。 だが、何の理由かウォーロックは暴走し、君の乗っていた赤城や扶桑皇国艦隊を襲い始めた。 芳佳「・・・・・」 完全に誤算だった。巣の破壊を終えた後、早急に廃棄するつもりが赤城と融合してしまったのだからな・・・ ――――― ――― ― マロニー「それでもウォーロックは君たちの手により撃破された。」 マロニー「正直な話、君たちには感謝せねばならない。私の罪すらも取り払ってくれたのだからな・・・」 ミーナ「深入りは禁物・・・以前あなたが寄こした手紙に書いてあったこと・・・」 ミーナ「あれはこの事を知られないためのものだったと言うことですか・・・?」 マロニー「その通りだ。君達はあまりにもアレイスターの・・・ネウロイの研究に近づきすぎていた。」 マロニー「ヒュプノスの存在を君達が上層部に明かせば、いずれ誰かがそれを回収し、その技術で別の者が再びネウロイの研究を始めたかもしれない。」 マロニー「それだけはダメだ。あんな危険な研究は二度とあってはならない。」 マロニー「だが聞いた話では、ロマーニャでの作戦の際もコアコントロールシステムが使われたそうだな?」 ミーナ「ええ。魔道ダイナモという改良した形でですが・・・」 マロニー「・・・結局、私のせいでアレイスターの研究は残ってしまったというわけだな・・・」 マロニー「権力の追求に溺れていたのが愚かだったのだ。全く、あの頃の自分を殴ってやりたいものだ・・・」 マロニー「君たちには謝っても謝りきれない。今更だが、本当にすまないことをした・・・」 芳佳「マロニーさん・・・」 一度マロニーは一度ため息をつく。 マロニー「済まない・・・もう疲れてしまった・・・私に話せるのはこのくらいだ。」 マロニー「そういえば私の家に当時の研究員が残した音声記録があったな・・・」 マロニー「恐らく今は連合国側に押収されているはずだ。君の上層部の人間に旨を伝えればまわしてもらえる筈だ。」 マロニー「もしかしたら君達の役に立つかもしれない。私が君たちに出来る罪滅ぼしはこのくらいだが、よければ役立てて欲しい。」 ミーナ「閣下・・・」 芳佳「あの、一つ聞かせてください!」 マロニー「なんだね?」 芳佳「お父さん・・・いえ、宮藤博士が亡くなったのもちょうど9年前なんです。」 芳佳「もしかして、博士もその日、研究所に居たんでしょうか・・・?」 マロニー「すまない、私もそこまでは知らないのだ・・・」 芳佳「そうですか・・・」 ガックリと肩を落とす宮藤。 俺「宮藤さん・・・」 看守「そろそろ時間です。」 ミーナ「貴重なお話、どうもありがとうございました。では、失礼します。」 マロニー「ああ。」 三人はその場を後にした。 数日後・・・ 夜 ---バルト海上空--- エイラとサーニャの二人は夜間哨戒の任務に出ていた。 ブロロロロロロロロ… サーニャ「・・・!」ヴン 突然、サーニャの魔導針が点滅を繰り返す。 エイラ「どうした、サーニャ?」 サーニャ「帰ってきた・・・」ブロロロロロ サーニャは急いでミーナ達の乗っている輸送機へと向かう。 エイラ「お、オイ!サーニャ!まってくれヨ~!」ブロロロロロ 次いでエイラも後を追い、二人が輸送機へと近づく。 サーニャ「おかえりなさい。」 エイラ「なんだ、そういうことかヨ・・・」 ミーナ《ご苦労様、サーニャさん。エイラさんも一緒ね。誘導、お願いできるかしら?》 サーニャ「了解。」 サーニャは誘導のために歌を口ずさみ始める。 芳佳《ほら俺さん、サーニャちゃんとエイラさんですよ?》 俺《うぇっぷ・・・すいません・・・それどころじゃ・・・》 芳佳《いいから!》グイッ 俺《ぬおぅ!》 宮藤は俺の上体を無理やり起こし、窓を向かせる。 サーニャがそれに気づき、手を振る。 エイラ(サーニャ・・・いつもより嬉しそうダ・・・しっぽもあんなに立てて・・・) 芳佳《サーニャちゃーん!エイラさーん!ほら、俺さんも手、振ってください!》フリフリ 俺《あはは・・・》フリフリ サーニャ「ふふっ・・・?」 サーニャが向けた視線の先で、エイラが俯いてどこか暗い顔をしている。 サーニャ「エイラは手、振らないの?」 エイラ「・・・・・」 サーニャ「エイラ・・・?」 翌日 ---ブリーフィングルーム--- 聴取へと向かっていた3人は先日マロニーから聞いたことを一通り隊員に話した。 皆、各々思うところがあったようで、マロニーへの認識を改めていた。 そして夜、持ち帰ってきた約束の音声記録を再生する事になった。 ミーナ「では、再生したいと思います。」 音声はレコードに記録されていた。 早速レコードをかける。 雑音が混じりながらも悲鳴や爆音のような音が聞こえてきた。 ザザ…ザザザ・・・ ?「この記録が、心ある人に聞かれていることを願います・・・」 聞こえてきたのは女性の声。 俺(この声・・・) ?「所長は忌まわしい思想に魅入られて変わってしまいました・・・」 ?「この実験はやはり、行われるべきではなかったんです・・・」 ?「今日、あの子達が解放され、今、研究所を破壊しています。」 ?「その衝撃で・・・先ほど・・・デスが不完全な状態で覚醒してしまいました・・・」 ?「不完全であったデスは12のネウロイを飛散させました・・・」 ?「この飛び散ったネウロイが後世に悪影響を及ぼすのは間違いないでしょう。」 ?「お願いです・・・よく聞いてください。」 ?「飛散したネウロイに決して触れないでください!」 俺(たぶん・・・いや・・・間違いない・・・) ?「この研究、私にはとめることができませんでした・・・」 ?「所長には私ごときの声は届きませんでした・・・」 ?「あのネウロイは互いを食い合い1つになろうとします・・・そうなれば、世界は破滅してしまうでしょう・・・」 ?「もう一度言います!ネウロイには決して触れないでください!!」 俺「おふ・・・くろ・・・」 ?「私はもう助からないでしょう・・・」 ?「いま私の息子が、この研究所の避難用シェルターにいます。」 ?「私は・・・所長に脅しをかけられ息子をここへ連れてきてしまいました・・・」 ?「私は最低の母親です・・・息子を・・・実験のサンプルにしようとしたのだから・・・」 ?「・・・この記録を聞いた誰か・・・もし、できるならば・・・シェルターを開けて息子を助けてください・・・」 ?「おねがザザ・・・ザ・・・ザザザ・・・」 ここで音声は途切れた。 俺「そんな・・・おふくろ・・・」 俺「う・・・ぐ・・・くっ・・・」ボロボロ ゲルト「俺・・・?」 俺「うああああああぁぁぁぁぁぁ!!」ボロボロ そのまま泣き崩れ机に顔を伏せた。 俺「なんだよ・・・おふくろは・・・母さんはこんな研究のために死んだってのかよ!!」 俺「くっそおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」ガンガンガン!! 俺は泣き叫んだ。 母を失った時の悲しみと苦しみ、そして今生まれたやり場の無い怒りを全て吐き出すように。 何度も、何度も机を殴打する。慣れないことをしたせいで、次第に彼の拳からは血が滲み始めた。 ミーナ「俺さん・・・」 ルッキーニ「おれ・・・泣かないで・・・」グスッ 皆が哀れむような目で俺を見つめる。 ルッキーニは今にも嗚咽しそうだった。 トン… と、俺の背中に暖かい熱が伝わる。 サーニャ「もう・・・やめて・・・」 エイラ「・・・・・」 サーニャがそっと俺の背中に体を寄せ、宥めていた。 俺「うぅ・・・くっ・・・」ボロボロ サーニャ「・・・・・」 しばらく机に突っ伏した後、俺は徐々に落ち着きを取り戻した。 俺「・・・すみません・・・サーニャさん・・・もう、大丈夫っス・・・」グスッ サーニャがゆっくりと離れる。 俺は顔を上げて服の裾で涙を拭った。 俺「・・・取り乱してすみませんでした・・・その・・・今の声、多分・・・おふくろのだったんで・・・」グスッ ミーナ「そう・・・あなたのお母さん、研究員だったのね・・・」 俺「はいっス・・・まさか、ネウロイの研究だとは思わなかったっスけど・・・」 坂本「さっき、息子がシェルター内にいるといっていたがあれは・・・」 俺「俺のことっス・・・当時のことはショックでよく覚えてないんスけど・・・」 俺「あの日はいままで散々おふくろにわがまま言って、やっと研究所につれてってもらった・・・ずっとそう思ってました・・・」 俺「でも俺、実験台にされようとしてたみたいっスね・・・はは・・・」 サーニャ「・・・・・」 俺「それで、その時、あいつらの襲撃にあって・・・おふくろは死んだっス・・・」 全員が黙ってしまった。 俺「ごめんなさい・・・俺のせいで空気悪くしちゃって・・・」 ミーナ「謝ること無いわ。あなたの気持ち・・・よく分かるから・・・」 嘗て最愛の人を失ったミーナにも、彼の気持ちが痛いほどよく分かっていた。 ミーナ「今日はもう、解散にしましょう。」 この日のブリーフィングは解散になった。 ---巌戸台--- 俺「・・・・・あれ?」 一度眠りについた後、再び巌戸台の地に降り立っていた。 しかしどうも様子がおかしい。 街のあちこちに棺桶のようなオブジェが幾つも並んでいる。 夜空は奇妙な緑色の燐光を湛え、その頂点に不気味な程巨大な月が佇んでいた。 俺「なんだよ・・・これ・・・」 更に、地面に目を向ければ血のような赤い水溜りがそこら中に出来ている。 目を疑った。今までとはあまりにも違いすぎるその景色は妙な悪寒をそそった。 そこへ突然誰かに声をかけられる。 一郎「君は・・・俺君?」 それは、以前接触した宮藤博士だった。 俺「宮藤博士!?」 一郎「久しぶりだね・・・」 俺「博士・・・これは一体・・・」 一郎「ああ・・・これはこの世界特有の現象でね、午前0時を過ぎると1時間だけこの時間が発生するんだよ。」 一郎「この時間は『影時間』と呼ばれているらしい。」 俺「影時間・・・ですか・・・」 一郎「うん。それで、この時間は普通の人間には感じ取ることの出来ない時間らしいんだ。」 一郎「この時間を認識できるのは適性を持つ者だけ。」 一郎「つまり私と君は適性を持っているということだね。」 俺「はぁ・・・」 と、生返事を返す事しかできなかった。 一郎「いきなり言われても分からないよね。でもここはそういう世界なんだ。」 俺「あの・・・博士・・・」 一郎「なんだい?」 少し表情を硬くし、博士に今の世界の状況を伝える。 俺「今、俺らの世界で異変が起きてるっス・・・」 一郎「それはどういう・・・」 俺「突然街中にネウロイが現われて、そいつに襲われた人は無気力になっちゃう病気とか・・・」 俺「デスっていう滅びを呼ぶ者が復活しそうになったりだとか・・・」 一郎「デスだって・・・!?」 思わず博士が声を荒げた。 俺「はいっス。先日、マロニー元空軍大将から人工ウィッチと人工ネウロイの話を聞きました。」 俺「その時、ヒュプノスの開発に博士が携わっていたと・・・」 一郎「・・・その通りだ。私はヒュプノスの開発を手伝っていた。」 否定する様子も無く、宮藤博士は続けた。 一郎「デスの研究・・・勿論人工ウィッチの研究もだが、それが危険なことはあまりにも明白だった。クロウリー博士はデスの強大な力を利用してこの世界を滅ぼそうとした。」 俺「はい。それは、マロニー元大将から聞いたっス・・・」 一郎「そうか・・・それで、人工ウィッチが暴動を起こした日、私はヒュプノスの最終調整を見るためにその研究所にいた。」 俺「博士が・・・あの日・・・」 一郎「襲撃にまき込まれた私はかろうじて生き残った。そしてデスは私の予想通り不完全な状態で暴走した。」 一郎「ヒュプノスは私が開放した。そして、ヒュプノスは研究者達が刷り込んだようにデスを倒すために動いてくれた。」 一郎「正直そのときは、意識が朦朧としていたからあまり詳しいことは覚えていない・・・」 一郎「私が最後に見た光景はヒュプノスが何者かにデスを封印していたところだ。」 一郎「それが誰だったかはよく見えなかったけど、デスは間違いなく封印された。」 一郎「そのあと意識を失って気がつけばこの巌戸台にいたんだ。」 一郎「おそらく、ネウロイのもつ時空間に干渉する力が、元々ネウロイの中でも特殊な存在であるデスとヒュプノスが衝突した際に発生したんだろう。」 ネウロイの力は、宮藤博士自身の体にも影響を及ぼしていた。 博士の体は、この世界に来てから空腹や眠気といった人間が感じるはずの生理現象の一部を一切感じなくなったという。 つまり、博士自身の体の時間が止まっていたのだ。 俺「ん?ちょっと待ってください・・・妙に話がかみ合うんですけど、これもしかして夢じゃなくて・・・現実・・・?」 一郎「夢?何を言ってるんだい?」 俺「だって俺、この前だって目覚めたらちゃんと基地に戻っていたし・・・」 一郎「君はここを夢として訪れている・・・と言うことかい?」 俺「そのはずっス・・・」 一郎「そうか、道理で君が別の人間には認識されていないわけだ。あの後私たち遭遇しなかったのも合点がいく。」 一郎「一つ言えるのはこれは紛れも無い現実だってことだ。」 俺「そうか・・・現実・・・なのか・・・」 一郎「・・・ところで、私たちの世界で無気力症の人がいるという話だけど・・・」 博士が話題を元の路線に戻す。 俺「はいっス。ネウロイに襲われた人が次々に・・・」 一郎「そうか・・・実は、この世界にも似たような現象が起こってるんだ。」 俺「はい。前に見たことあるっス。」 そうだったのかと博士が一言言った後に続ける。 一郎「この世界にはネウロイではなくシャドウという存在が蔓延っていてね、それに襲われた人は無気力になったり場合によっては死んでしまうんだ・・・」 俺「シャドウ・・・」 一郎「ああ・・・おっと、そろそろかな。」 直後、異様な存在感のあった月の気配が薄れる。 そして、天を彩っていたはずの緑色の燐光は消え失せ、月は白くなり、星が瞬き始める。 つまるところ、影時間が明けたのだ。 棺桶のようなオブジェも消え、その場所から人が次々に現われる。 一郎「私はそろそろいくよ。君も元の世界に帰るといい。」 俺「はいっス。あの、博士。」 一郎「何かな?」 俺「俺、きっと博士をこの世界から元の世界に連れもどす方法見つけるっス。だから、待っててください。」 一郎「ありがとう。私も引き続き戻る方法を模索する。家族もきっと待ってくれているだろうからね。」 一郎「それじゃあ、またいつか。」 俺「はいっス。」 段々と意識が遠のいて行く・・・ 続き→ペルソナ15