約 1,608,092 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4126.html
保護中 このページは、現在保護されています。 保護された理由はここを参照してください。 このページでは『ペルソナ3』、アペンド版『ペルソナ3 FES』及びアレンジ移植版である『ペルソナ3 ポータブル』、リメイク作『ペルソナ3リロード』を取り扱っています。判定は4作とも「 良作 」です。 ペルソナ3 概要 ストーリー(『P3P』ゲーム説明書より) 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 ペルソナ3 FES 概要(FES) 特徴・評価点(FES) 賛否両論点(FES)・問題点 総評(FES) 余談(FES) ペルソナ3 ポータブル 概要(ポータブル) 特徴・評価点(ポータブル) 問題点(ポータブル) 総評(ポータブル) ペルソナ3リロード 概要(リロード) 特徴・追加変更点(リロード) 評価点(リロード) 賛否両論点(リロード) 問題点(リロード) 総評(リロード) [部分編集] ペルソナ3 【ぺるそなすりー】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション2 発売・開発元 アトラス 発売日 2006年7月13日 定価 6,800円(税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 良作 ポイント 前作からシステム面を一新クール スタイリッシュな雰囲気の青春RPGに変化一方で、従来の退廃的な要素も受け継いでいる 女神転生シリーズ 概要 アトラスの代表作ともいえるRPG『真・女神転生』からの派生作品の1つである、『ペルソナ』シリーズの3作目で『ペルソナ2 罰』から6年ぶりの新作。メインテーマは「死」である。 『真・女神転生III』の制作チームが中心となって開発された。そのためか同作品のシステムが踏襲されていたり、グラフィックモデルが流用されていたりする。 キャラクターデザインは金子一馬氏から副島成記氏へ変更。金子氏は名義のみの参加にとどまっている。 世界観・システムもこれまでの『ペルソナ』シリーズのものとは一新、学園生活を送りながらイベントをこなしていくという、アドベンチャーゲームに近い様式を取り入れている。 戦闘システムは『真III』で採用されたプレスターンバトルの派生形である「ワンモアプレスバトル」を採用している。 音楽のメインコンポーザーは、『真III』のメインコンポーザーでもあり、『女神異聞録ペルソナ』でも一部作曲を担当していた目黒将司氏が担当している。 ストーリー(『P3P』ゲーム説明書より) 幼い頃に事故で両親を失い、親族に引き取られて郊外へ移り住んでいた主人公。家庭の事情で高校を移ることになり、10年ぶりにかつて居た街を訪れることになる。だが、入居した学生寮が怪物の襲撃を受けた事で、図らずもペルソナを覚醒する。その能力を見込まれる形で、同じくペルソナ能力を持つ仲間たちから、世界の裏に横たわる真実について知らされることになる。世界の真実――1日と1日の狭間に隠された時間が存在すること。そこに棲むシャドウと呼ばれる怪物。そしてシャドウが精神を食らうことによって、人間が次々と口も利けないほどの無気力状態にされてしまう事実。 実は、舞台となる“私立・月光館学園”の裏には、学園理事長である幾月修司の管理の下、ペルソナ能力者を1つの学生寮に集める形で特別課外活動部が結成されていた。 目的は「シャドウの被害から人々を守る」こと。 主人公はその一員として戦いに参加していくことになる。 特徴 雰囲気の一新 概要の通り、『異聞録』『2』で見られたオカルト的でおどろおどろしい雰囲気は薄まっている。特に後述するコミュに付随する雰囲気は、むしろ明るいくらいである。 もっとも作品全体がライト方向にシフトしたわけではなく、先述した通り死をメインテーマとしたストーリー本編ではメガテンらしいダークな展開が待ち受ける。 本作の敵は従来作のような悪魔そのものではなく、仮面をモチーフにした「シャドウ」と呼ばれる怪物である。そのデザインはそれまでの悪魔とは違った抽象的な不気味さを持ち、ダークな雰囲気を盛り上げる。 全体的な雰囲気は変わったが、『罰』以前の作品を連想させる要素も随所に存在する。 「タルタロス」という名のダンジョン及びラスボスの元ネタは『女神異聞録ペルソナ』の「雪の女王篇」へのオマージュである。小さい点ながら「影人間(*1)」「シャドウ」というキーワードも元々は『2』で作られた言葉である。 コミュニティシステム 通称「コミュ」で、主人公は毎日学校に通い、イベントをこなしてキャラとの好感度を上げて親交を深めていく。 本作はどちらかといえば学園での日常生活に重点が置かれており、これにプレイ時間の大半を費やすことになる。 平日と休日でキャラクターたちの生活パターンは異なるし、年中行事やテストといった時事イベントもある。 コミュにはランクがあり、交流を重ねると成長する。育っていくと、ランクに応じてRPGパートで使用するペルソナを作成した際に、経験値をボーナスとしてプラスしてくれる。 ランクが最大になると、通常では作れない強力なペルソナを作るためのアイテムが手に入り、合体が解禁となる。 対象キャラと険悪な関係になり、ランクが上げられない状態をリバース状態という。主人公と同じ学校の生徒とのコミュでのみ発生する。 ステータス 主人公固有のパラメータとして、SLGパートの進行に"のみ"影響する「学力」「魅力」「勇気」のパラメータが存在する。特定の行動をとることで6段階に成長し、一定ランクに達していないと進行・発生させられないコミュも存在する。 コンディション 今作はキャラクターの体調があり『絶好調』『普通』『不調』『風邪』4段階に分かれている。主人公だけでなく仲間にも設定されるステータスである。 タルタロスの探索に費やすと、体調が悪くなる。 戦闘ステータスに変化を及ぼす。疲労や風邪の時はタルタロスの探索を控える方が良い。 授業中の居眠りやトイレの利用で回復する。 評価点 コミュシステム コミュのキャラクターは同級生から先輩・後輩を始めとして町の小学生や老人、さらにはTVショッピングの社長に僧侶など様々な人間との交流が楽しめる。 どのキャラもメインキャラに負けず劣らず濃いキャラ付けをされており、彼らとの交流で発生するストーリーも様々。その中でも病気により余命幾許のない青年である「神木秋成」のコミュは本作のテーマと非常にマッチしている。 親交度を上げると、度合いに応じてキャラクター達が悩みを打ち明けてくれるようになる。かなり突っ込んだところまで吐露してくれるので、よりキャラクター達に感情移入することができる。 同時に、そのキャラ及び親交度に対応した機能・能力が開放されるため、本作・以降のシリーズの中核をなす重要システムである。 特に女性キャラは恋愛に発展し、本編とは違った魅力的なしぐさをとってくれ、コミュが終わった後でもデートができるなど、前作までよりキャラクターの魅力を感じやすい作りとなっている。 学生生活を満喫できるシステム タルタロスの攻略の他、勉強や部活、友人や仲間との交流に修学旅行といったなど身大の学生生活を体験できる。 主人公のステータスは勉強や街での活動によりどんどん上がり交友関係が増えてくので、レベル上げが楽しくできる。 キャラクター・シナリオ キャラクターたちは、高校生という年代特有の未熟さや青臭さが前作以上に細かく描写されており、より人間くささが増している。 主人公はRPGではお馴染みの「無口主人公」であるが、物語やコミュを進めると選択肢や反応で熱い心が垣間見えたり、仲間や友人たちを大切にし、そしてリーダーとして仲間たちを引っ張り支えるかけがえのない存在となっていることがプレイヤー視点でも見て取れる。 そのため、没個性的な「無口主人公」ではなく、プレイヤーごとにキャラクター像を思い描きやすい、魅力を感じやすいキャラクターとなっている。 魅力のパラメータを最大に高めると「カリスマ」になるが、老若男女から好かれる様は正にカリスマである。 スポーツ・学力やゲーム、カメラや絵画、衣服などの芸術面にも明るく、なんでもこなせる、皆が憧れるような超人になりきることも可能。 仲間達は皆暗い過去をトラウマとして抱えており、初めは八つ当たりや失言なども見られるややギクシャクとした関係が続いていくが、個々人が次第にそれを乗り越えて成長し心を開き、団結してゆく物語には独自の魅力がある。 そして、何よりもテーマである「死」において、仲間は多くの死に触れて、それが1つの問題となって迫って来るが、個々人がそれ向き合い答えを導く流れは巧みなシナリオ運びである。 続編『P4』は比較的和気藹々とした雰囲気であるが、本作『P3』は仲間同士が己の弱さやトラウマをお互いにぶつけあい、傷つきながら前に進んでいくというもの。 シナリオ全体としては、トラウマを乗り越えて絆を深めたキャラクター達が、それぞれ誰かに訪れる「死」に、それぞれの形で立ち向かっていくというシリアスな展開となる。 特にラストバトル後~エンディングは、上記のコミュニティシステムを最大限まで活用した演出が用意されており、システムとシナリオが上手く噛み合っている。 モブキャラ・サブシナリオの豊富さ モブキャラ達は単なる会話だけでなく、そのキャラクターのサブストーリーが1年に渡って綴られる。 代表的な例としては「ストーカー女子」や「担任が嫌いな小学6年生女子」などが挙げられるが、彼女ら以外もなかなか奥が深いサブシナリオとなっている。 平和になった町では彼らが少しづつ成長しているのが分かり、町を救ったご褒美となっている。 バトルシステム 今作の「ワンモアプレスバトル」は、『真・女神転生III』に登場した「プレスターンバトル(*2)」をアレンジしたものである。 ワンモアプレスは「相手の弱点属性に対応した攻撃」「物理攻撃でまれに発生するクリティカルヒット」によって相手をダウンさせると、ダウンさせたキャラクター自身がもう1回追加で行動できる「1more」が発生する。 その際、再度他の敵をダウンさせればさらにもう1回行動でき、最終的に敵全員をダウンさせれば耐性無視の大ダメージを敵全員に与える「総攻撃」が可能になる、というシステムである。 うまく攻撃すればどんどん連続行動を繋いで敵を圧倒することができ、爽快感が高いうえ、どのようにして全員ダウンさせ総攻撃を狙うかという戦略性も求められる。 ワンモアプレスは敵軍にも適用される。味方の弱点属性(*3)をつかれたりクリティカル攻撃を受けたりすると、その敵が追加行動を行ってくる。 今作も『真III』と同様に主人公が倒れた時点でゲームオーバーという仕様になったため、主人公が迂闊な行動で弱点をさらせば、敵の追加行動、ひいては即死を招く…と、適度な緊張感ももたらしている。 カットイン 主人公や仲間のスキルが敵の弱点にヒットする際、一定の頻度で仲間や主人公が「カッ」という目を開いた一枚絵のカットインが入る。 バトルシステム的に重要な局面で挿入される印象深い演出であり、今作以降のシリーズでもバトルを象徴する演出として定番化し、他作品の二次創作でもパロディとして引用されるほど有名になった。 音楽 ポップステイストのボーカル曲が全編通してふんだんに用いられており、これまでのシリーズはおろか当時のゲーム業界全体を見ても類を見ない斬新なスタイルであった。 個々の楽曲は完成度も高く評価され、今なお多くのファンから愛されている。 OP曲の『Burn My Dread』は音楽PVを意識したアニメーションムービーと相まって、クールでスタイリッシュかつシリアスな本作の雰囲気をよく表現している。 通常戦闘曲『Mass Destruction』はLotus Juice氏のラップと川村ゆみ氏のボーカルによるノリノリのダンスチューン。 RPGの、それも『メガテン』系列の戦闘曲とはとても思えない大人びた曲調で、プレイヤーに大きなインパクトを与えた(*4)。 ラストバトルで流れる『全ての人の魂の戦い』は『ペルソナ』シリーズ伝統のベルベットルームのテーマをアレンジしたもので、その演出ともども絶大な人気を誇るシリーズ屈指の名曲である。 ED曲の『キミの記憶』は物語に合わせて春と別れを意識した曲になっており、爽やかさと切なさを持ちあわせており、こちらもやはりファンからの人気は非常に高い。 ゲーム全編を通してボーカル曲を用いるという革新的な試みは功を奏し、以降『P4』『P5』やPSP版『Persona』でも受け継がれシリーズの定番となった。 戦闘中に聞き飽きて耳障りになることはなく、でもしっかりとボーカルが印象には残る、絶妙な音量バランスとなっている。 日常生活の明るい雰囲気に対するダンジョン探索時や敵との戦闘時の緊迫した雰囲気といったメリハリも付いており、演出面での評価も高い。 サウンドトラックもゲームのサントラCDとしては高い売り上げを記録している。 ボイス 『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2 罪』『ペルソナ2 罰』におけるボイスは、一部のイベント、ムービー、戦闘程度でしかなかったが、本作からイベントも含めてフルボイス化された。 その一方で、ボイスのエコー演出は廃止された。 演じる声優陣も抜かりない。主人公を演じる石田彰氏を始めとして有名どころを多数起用しており、各キャラへの没入感を満たしてくれる。 引継ぎ要素の豊富さ 2周目以降に主人公のレベル、ステータス(学力・勇気・魅力)、所持金、ペルソナ全書、装備品などが引き継げ、強くてニューゲームを行うことができる。 小ネタ テレビ番組のナレーションで過去作のキャラと思わしき人物の様子が伝えられることがある。往年のファンならニヤリとさせられることも。ちなみに、この過去作の様子を伝えるキャラも…? 賛否両論点 作風の従来作からの大きな変化。 先述の通り、『真・女神転生』ナンバリング作品や前作『2』までに見られたオカルト的雰囲気は鳴りを潜め、やや学園ファンタジー寄りの作風となった。 また、男女問わず友人との絆を深める「コミュニティ」がシステムの中心に据えられ、必須イベントではないものの女性キャラクターのお色気描写や男女関係の演出も含まれるなど、これまでの『女神転生』や『ペルソナ』とは異なる雰囲気が生じた。 RPGというジャンルでこういった対人交流システムを前面に押し出すのは異色であり、従来作のファンや恋愛描写が苦手な人を中心に、今作の作風は「ギャルゲー的」「ときメモ風」で受け入れられないという声も少なからず存在しており、シリーズファンの間でも論争の種になることがしばしばある。 戦闘システムにおいても「敵が悪魔ではない(故に交渉も存在しない)」「ペルソナチェンジは主人公以外不可能」「主人公が倒れると仲間が健在でもゲームオーバー(*5)」といった仕様に戸惑ったシリーズ経験者は多かった。 一方、それまでの『女神転生』ではありえなかった作風にシフトした今作及びその作風を正統に継承した後継作『P4』『P5』によって新たな、そして大きなファン層を獲得したことは紛れもない事実である。 シナリオとシステムの両面で根幹として重要な「コミュ」は、後作『P4』『P5(*6)』でも同じシステムが継続され、シリーズの顔ともいえる要素になっているなど、総じて受けが良かったことが窺える。 本作以降『ペルソナ』シリーズの販売本数は本家『真・女神転生』ナンバリングシリーズを大きく超え、メディアミックスも非常に盛んとなり、一躍アトラスの看板タイトルとなった。 今や『ペルソナ』シリーズは世界的な高評価を受けており、本作がアトラス自体の新たな活路を見出すきっかけになったといえる。 また今作や以降の『ペルソナ』シリーズが入口となって本家の『真・女神転生』シリーズも好きになったという声も少なからず聞かれ、『メガテン』シリーズ全体にとってもファンを増やす契機になっている。 もっとも、そうしたファンの流入が後に本家『真~』の作風をも変えてしまったとする従来ファンからの批判があるのもまた事実ではあるが…。 以上のように、本作における方向転換は 販売戦略としては紛れもない大成功であった と言えるが、シリーズファンからはその作風の路線変更が賛否両論分かれるところとなった。 なお、これを踏まえてか次作『P4』では冒頭がオカルトな噂話と殺人事件を発端とするシナリオになっており、『2』以前のようなオカルトテイストも意識している節がある。 『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2』のシナリオを担当した里見直氏は降板しているため、『ペルソナ』シリーズの立役者の1人であった氏が関わっていないことを惜しむ声も見受けられた。 一方で、すでにアトラスを退社して久しい(*7)ことや、本作がそれまでの作風から大きく方向転換していることから、無理に起用する意味は無いとする声もある。 桐条グループの援助が少ない 装備品、道具、武器などにかかるお金は全てタルタロスで稼いで、自費で賄っている。 桐条グループは日本の有数の企業でありタルタロス攻略に多大な費用をかけている部活動にもかかわらず主人公や仲間への支援が少ない。 ともあれ「ドラゴンクエストシリーズ」の王様にあるようなRPGのお約束とも言える。 問題点 探索面 飽きやすいダンジョン攻略パート。 今作のダンジョン攻略パートは、マップがランダムに生成されるダンジョン「タルタロス」の探索が大半を占めるが、階層を進めていっても背景と敵の強さ以外はほとんど変化がなく、特殊なギミックも一切盛り込まれておらず、途中で非常にダレやすい。 そのうえ「タルタロス」攻略中は疲労システムというものがあり、一定の回数戦闘を行うと主人公含むキャラクターが疲労して攻撃力が低下し、疲労状態でエントランスに帰還するとその日は出撃不能になってしまうという厄介なシステムで、攻略の足枷になっている。 疲労システムの問題点は『ポータブル』で改善され、『P4』では疲労システムそのものが撤廃されている(*8)。 一応、月に1回ほどタルタロス外の固定マップを探索しボスと戦うイベントが用意されてはいるものの、小規模であり探索要素としてはオマケのレベル。 お世辞にも好評とは言い難いランダム生成ダンジョンだが、後作の『P4』も概ね同形式のダンジョンを採用しており、メインで攻略するダンジョンは固定マップとなった『P5』においても「メメントス」という名称でやはり同形式のダンジョンが続投している。一応、シリーズを重ねるごとに改善されてはいるのだが…。 セーブ制限 セーブはタルタロスの入り口でしか行えず、一度ダンジョンに入ると脱出するまでセーブできない。 タルタロスでは、ある一定階層に行かないと戻ることができない。例えば10Fでセーブして、19Fで敗北したら10Fからやり直しである。 特に最終決戦のボス戦は直前にセーブがないため、敗北するといくつかの階層をまた登らなくてはならない。 後の『ポータブル』では最後に到達した階層まで一気にワープすることができるようになった。 移動用AIの判断能力が低い。 ダンジョン内では仲間を引き連れて移動する事になるのだが、段差や障害物、壁や敵味方ユニットの認識が甘く、ちょっとした障害でしばしばつっかえて動かなくなる。 しかも、後続の仲間があまりに離れすぎたまま戦闘に突入すると、その仲間が戦闘に参加できないこともある。 また、プレイヤーの進行方向に立ち塞がったりして邪魔にもなる。押して動かしたりも出来ないので、敵シンボルをスルーしたい時や敵の先制を回避するためアクションする時などは困る。 このあたりは『P4』では改善されている。 基本的に敵シンボルの移動用AIも同レベルであり、プレイヤーが強くなってくると弱い敵シンボルはプレイヤーを避けるようになるのだが、その移動方向が不規則で動きが予測できない。 そのため、むしろこちらを妨害するような方向に移動して来たり、逆にこちらから戦闘を仕掛けようとしても動きのランダム性が強すぎて捉まえられないといったことも起こる。 また敵シンボルが逃げる際に移動のたびに甲高い声で鳴くためうるさくもある。 戦闘面 仲間のAIの性能の悪さ。 今作は主人公以外はコマンド入力ができず、作戦指示を出して、その指示方針に従って仲間が独自に技を選択する形式になっている。しかしAIの状況判断能力はかなり低く、的確に動いてくれない。 特に問題とされたのが「意味も無く補助スキルを連発する」というパターン。その補助スキルの名前にちなんで「タルンダ(*9)先輩」「テンタラフー(*10)先輩」などといったアダ名まで生まれてしまうほど。 そんな頭の悪い戦いをする先輩に限って性能がいいため、活躍させるためには的確な作戦指示にこまめに変えることが必須。 『FES』以降は調整されており、『ポータブル』では直接コマンド入力が可能になった。 全体魔法の利用価値が乏しい。 全体魔法を使う場合、攻撃した敵すべての弱点を突かなければ1moreが取れない。 今作の戦闘は「いかにして敵の弱点を突き1moreを発生させるか」が最重要となるバランスであり、「敵がすべて同じ種族である」といったきわめて限られた場面を除いて全体魔法の存在意義が乏しくなってしまっている。 物理攻撃が不遇なゲームバランス。 物理攻撃には武器を使ったアタックとペルソナの物理スキルの2種類があるが、双方とも重大な欠点があり実用性に難がある。 アタックはHPやSPを消費せずに攻撃できるものの、弓以外の武器では攻撃ミス時に転んでダウン状態になってしまう。特に主人公がダウンすると、自然回復まで戦闘の立て直しが仲間のAI任せになってしまい、非常に危険。基本的に主人公はアタック封印、もしくは弓装備に限るかのどちらかを迫られる。 物理スキルはHPを割合で消費するが、魔法スキルと比べて性能に対する消費負担が大きく、バランスが悪い。また、仕様上レベルが上がるほど多くのHPを消費してしまうため、一部の極めて有用なスキル(*11)を除いてほとんど利用価値がない。 根本的な問題として先述のように敵の弱点を突くことが非常に重要な本作において、物理属性を弱点とする敵が少ないのも使いづらさの一因となっている。結果として、物理攻撃主体の仲間は活躍できる機会が少なくなりがちである。 魔法攻撃ができる順平はまだしも、物理攻撃しかできないアイギスと荒垣は特に深刻(*12)。 弱点のない敵に対しては物理攻撃のクリティカルしか1moreを取る手段がないため、物理攻撃に全く出番がないとは言えないが、ただクリティカルを狙って出せるわけではなく、ミスによるダウンのデメリットもあるため、あえて戦略に組み込むのは現実的でない。 戦闘演出の省略モードが無い。 従来作のAUTOコマンドのような通常攻撃のみの高速モードも一応あるが、物理を無効ないし反射する敵もいるのでその場合は使えない。 だが演出は長くても5秒程度でそれ以上はかからない。これを長いと見るか短いと見るかは人による。 余談だが、『メガテン』シリーズ全般においては何故か、戦闘演出の省略機能は搭載されないことが多い。 シナリオ面 メインストーリーの構成が全体的に練り込み不足。 物語の序盤から中盤にかけて、攻略パートにおける仲間同士のいがみ合いや疑心暗鬼といったギスギスとした展開がやたら目立つ。 同時期の学園生活パートが比較的ポップな内容にとどまっていることもそのギスギス感を際だたせており、大して仲良くない仲間とビジネス的に仕方なく戦っているように見えてしまう。 もちろんそうした展開になる理由はあるのだが、不十分な説明やストーリー進行の遅さもあり、途中で投げ出す要因になりやすい。 ストーリー終盤になってようやく、仲間達が互いを認め団結していく描写が描かれるようになるのだが、そこに至るまでのくどいほどのギスギス描写に対して融和の描写があまりにあっさりとしており、また性急な展開に感じられてしまうという意見は根強い。 女性メンバーについてはコミュを進めればある程度の背景が分かりシナリオ内の言動に納得が行きやすいが、後述のように男性メンバーはコミュがないため、描写不足である。 キャラクターをマイナス方向に掘り下げたまま、説得力のあるフォローをしていない・できていない事が多いのも問題である。 何かとツンツンし過ぎるゆかりや気の良い3枚目ポジションと思われた順平が主人公に対してたびたび敵愾心を燃やすくだりは、唐突に盛り込まれているように見えるうえ最後まで消化不良となっており、悪い意味で有名。 + ネタバレ注意 詳しい説明は省くが、順平が主人公に嫉妬して悪態をつくが、その後和解する……と思ったらまた仲間の危機に対して、主人公に暴言を吐かれると言うもの さらに、その後謝罪やフォローも無いので、プレイヤーは非常に嫌な思いをしがちである。 描写不足に感じられるキャラクターの存在。 中盤のあるイベント以外ほとんどストーリーに絡まない天田や、ストーリー上重要な立場であるにもかかわらずあまり掘り下げられずに終わる主人公達と敵対するペルソナ使いのグループ「ストレガ」の面々などがよく指摘される。 ネタバレになるため詳細は伏せるが、黒幕的立場の人物も具体的な目的や動機は不明のまま。 上述した順平も含め、こうした一部のキャラクター描写については『FES』や『ポータブル』で補完された部分もある。 退場キャラクター 詳細は避けるが、仲間の1人が仲間から離脱してしまう。 かなり中途半端な時期に離脱するため、離脱する仲間を鍛えたり、武器や装備を購入しているとと損したような気持ちになる。 日常面 日常生活パートのテンポが良くない。 コミュ育成をメインとする学園生活で多くの時間を割くことになる今作だが、「寝て起きた」や「午前の授業を受けた」などといった描写をそこそこ時間かけて毎日やるせいでテンポが悪くダレやすい。 RPG部分に専念したいプレイヤーにとっては、日常生活パートの占める割合が大きいというゲームデザインゆえ、テンポの悪さが大きなマイナスになりうる。 この影響で、当初は50時間程度を想定していたとされるクリアまでのプレイ時間も、下手をすれば100時間近くかかるほどになってしまった。 この点は『ポータブル』で改善され、『P4』と同様特別なことが起きない場合は上記の描写がスキップされすぐ操作可能になるといった改善がなされた。 コミュシステムの不満点 仲間キャラクターとのコミュは女性キャラを対象としたもののみ。そのため男性の仲間キャラとのコミュが欲しかったという意見が多い。 特定の女性キャラクターはコミュのランクをある程度上げると強制的に”特別な関係”、すなわち恋人関係に発展してしまう。つまり、複数の女性キャラとのコミュを進めていると自動的に浮気する仕組みになっているのである。 システム上でも問題があり、特別な関係になったキャラクターはリバース状態に陥りやすくなってしまう。 全コミュのコンプリートは可能でこそあるものの、限りなく不可能に近いレベル。極めてシビアなスケジュール管理が要求され、自由度の欠片もなくなる完全な「やり込み」の領域になってしまう(*13)。 コミュ最大の目的であるランクMAXの特典は2周目プレイでも引き継がれるため、そもそもが「周回を重ね、コミュ特典アイテムだけをコンプリートする」という方向性なのだろう。が、「できれば1つのセーブデータで全コミュをMAXに(コンプリート)したい」と考えていたユーザーも当然ながら存在し、不満の声が上がっていた。 コンプリート難度については『FES』で改善が図られたものの、コミュ対象キャラや”特別な関係”については『ポータブル』でようやく、それも女性主人公の特権という中途半端な形でしか実現されなかった。 また仲間のコミュを発生させるためのステータス条件が高く、しかも中盤以降なので非常に遅い。そのため何故ツンツンしているのか、何故ギスギスしているのか、キャラの背景が分からず悪印象を抱きがちになりやすい。 なお『P4』においては、これらの問題点は全て解消されている。 デザイン面 敵である「シャドウ」は、設定上仕方ないとはいえデザイン的には前作や前々作の悪魔達と比べてバリエーションが薄い(*14)。 キャラクターデザインが2Dイラスト・3Dモデル・アニメーションムービーそれぞれで差異が大きく、特にムービーパートではその差を感じやすい。 オープニングは演出と合っているので違和感は無いが、プレイ中のムービーだとキャラクターの造形が「会話時のバストアップキャラ」「操作している3Dモデリングキャラ」のどちらとも似ておらず、やや浮いてしまっている。 総評 シリーズにおいて大幅な方向転換を図った作品の常であるが、旧来の『女神転生』『ペルソナ』ファンの中には路線変更に反発する者も見受けられ、賛否両論が巻き起こった。 事前情報の時点から発売に至るまでまさかの「ときメモ風」になったことに難色を示すファンもいたが、一方で新たなファンを獲得しシリーズが躍進する大きな転換点となる。 荒削りな点もありながらも高い独自性を持つコミュシステムや魅力的なキャラクター、評判の高い『真・女神転生III』からより進化したバトルシステム、ボーカル曲を中心とした印象的なBGMなど、過去作とは違う新たな魅力を提示した作品である。 本作の要素を受け継いだ『ペルソナ4』はシリーズの人気を盤石なものとし、さらにその後を継いだ『ペルソナ5』は世界的なヒット作となり、和製RPGを代表するシリーズへと大躍進を遂げた。 これらの続編は『P3』の路線を継承して作られたこともあり、あらゆる点で『ペルソナ』シリーズの転換点となった作品である。 余談 前述の『FES』『ポータブル』のほか、ケータイゲームやパチンコ、TCG、テレビアニメ(*15)など関連商品が多い。 後述した本作を元にしたアニメである『PERSONA trinity soul』は製作されていたが、本作自体のアニメ化という形にはならなかった。しかし、次回作のアニメ版『Persona4 the ANIMATION』(P4A)の好評を受け、今作も『Persona3 the MOVIE』(P3M)として劇場アニメが製作されることが発表され、2013年から2016年にかけて全4部作が公開された。 また、『PERSONA3 the Weird Masquerade』という名で舞台化もなされた。こちらはポータブルで登場した女性主人公も男性主人公とのダブルキャストという形で出演している。 2019年4月18日に『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』がVer.3.0.0に更新され、『ペルソナ5』のジョーカーが有料DLCで参戦した。 ステージ「メメントス」では『3』の楽曲「Mass Destruction」「全ての人の魂の戦い」を設定可能。これらの曲が流れた際はステージが『3』のイメージカラーになる。 『ペルソナ』シリーズ共通のキャラクター「イゴール」もスピリットとして追加された他、『3』の主人公のMiiコスチュームが有料DLCで配信された。 今作のディレクター・橋野桂氏は前作から大きく路線変更した理由について、「『異聞録』と同じく新規ファンの獲得をメインターゲットとしたため、シリーズ未経験でも楽しめるものにした」と『ペルソナ倶楽部P4』で語っている。 売り出し方が「『真・女神転生IIIマニアクス』のスタッフが作った!」ことを前面に押し出していたので、ハードルがかなりの高さになってしまっている。 今作はそれでも良作なのだが、雰囲気や仕様が違いすぎて戸惑ったファンも多い。戦闘において難易度が高いことで有名な『真IIIマニアクス』の名を出したばかりに、まさかの『ときめきメモリアル』だと思わなかった難民を多数生んでしまった。 もっとも、この売り方だと「『真IIIマニアクス』スタッフの作ったペルソナ罪/罰」の様なゲームと思われても仕方ないのだが。 2019年10月30日に橋野桂氏へのインタビュー記事が電ファミニコゲーマーに掲載された。 当時のチート対策の一環なのか、今作でレベルMAXなどのチート行為を行っていた場合ナビキャラクターの美鶴か風花にその事を指摘されるボイスが搭載されていた。 手の込んだ演出だったのだが、この結果開発の思惑とは裏腹にそのボイスが聞きたいがためにチート行為を行うユーザーが出てくるという本末転倒な結果となってしまった。 問題点で記述されている桐条美鶴の「コンセントレイト→テンタラフー」の無駄行動が、『リロード』発売前の4コマ漫画でネタにされている。 その後の展開 2023年6月12日に開催された「Xbox Games Showcase」で、本作のリメイク『ペルソナ3 リロード』が発表。対応機種はPS5/XSX/PS4/One/Winで、2024年2月2日に発売された。 なお、このリメイクは無印版『ペルソナ3』に基づくものとされており、後述する『FES』『ポータブル』の内容は一部を除き本編には含まれず、代わりに新たなイベントやシナリオの補完が追加されている。 なお、ゼネラルプロデューサーである和田和久氏によると「拡張版の予定はない」らしく、完全版は出さない方向性で進んでいる。DLCを出さないとは言っていない。 [部分編集] ペルソナ3 FES 【ぺるそなすりー ふぇす】 ジャンル RPG 単独起動版 アペンド版 対応機種 プレイステーション2 発売・開発元 アトラス 発売日 2007年4月19日 定価 単独起動版 7,800円(税別)アペンド版 4,800円(税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 良作 女神転生シリーズ 概要(FES) 『ペルソナ3』の好評を受けてアトラスが発売した『ペルソナ3』のアペンドディスク。 大幅なゲームバランスの調整、さまざまな追加要素を加えて発売された。 特徴・評価点(FES) 追加シナリオ・Episode Aegis 2010年3月31日。閉鎖が決定した学園寮で過ごすことのできる最後の日、どことなくぎこちない空気の中、ささやかなパーティを開く特別課外活動部の面々。そしてその夜事件は起こった…。 3EDのその後のシナリオであり、ワイルドの能力に目覚めた機械の乙女・アイギスが主人公。アイギスの妹を自称する新キャラ「メティス」と共に地下のダンジョンを攻略する新シナリオ。 仲間の初期レベルは全員30。「しばらく闘っておらず衰えた」と最初の方で説明が入る。 本編ではコミュを進行しないと入手できないペルソナもアイギスの場合は手に入れられる。 本編の追加要素。 新規追加は主に、新規イベント、イージー/ハードモード、新ペルソナ、新コミュ、武器合体システムの5つ。 特に人気キャラクターであり、物語の中核に位置していた「アイギス」のコミュの追加と、サブキャラクターながら高い人気を誇っていた「エリザベス」とのデートイベントの追加はファンからの評判も良い。元々アイギスのコミュは無印で没になったという経緯があるので、ファン待望と言っていいだろう。 彼女のコミュを進めることで起こる修羅場イベントや監視カメラの様子でメンバーの日常の様子が追加された。また、主人公との交流の少なかった荒垣を含めた男子メンバーも映画を見に行くなどのイベントが追加された。 OPはEDの「キミの記憶」のアレンジが冒頭にあり、『3』の続きを意識している。 新規BGMも追加されており、そちらも好評。特に「Heartful Cry」はギターのテンポの良さとどこか悲しげなキーボードがキャラの心情をよく現していると高評価。 ユーザーの要望が高かった、装備する衣装に合わせたグラフィックチェンジも実装された。これにより、メイド服や水着などがバトルで使用できるようになった。 その他、ゲームバランスの調整。 最大の特徴として、コミュの進行難易度の調整が挙げられる。前述の通り、無印ではコミュのコンプリートは非常に困難であったが、今作以降では調整が加えられ、完璧なスケジュール管理をせずともコミュコンプリートが可能になった。 頭が悪いと酷評されたAIの行動が改善され、戦闘でストレスを感じずに済む。俺たちのタルンダ先輩はもういない。 無印セーブデータの一部継承が可能。 ある程度繰り返しになる部分はあるが、無印をプレイしたユーザーもストレスなく追加要素を楽しめる。 またロード時間の短縮なども行われ、細かい点にも手が入っている。 単独起動版とアペンド版の2種類が用意されたこと。 「もう一度フルプライスで買え」ではなく、前作のディスクを持っていれば比較的安価で購入することが可能だった。内容に差異はない。 賛否両論点(FES)・問題点 追加版のFESで用意された新規シナリオ「Episode Aegis」の内容が賛否両論で、大きな議論を巻き起こした。 議論の的となる点は大まかに分けて2つあり、1つは主人公の扱いについて。 + 賛否両論である点その1。ネタバレ要素を多く含むため注意。 最大の論点は、主人公が死亡していること。製作サイドとしては本編のエンディングとして主人公が死んだと表現したつもりだった。 だが、ハッキリと明言する形ではなかったためプレイヤー側は「どちらとも取れる演出をして、生死はプレイヤーの判断に委ねた」と判断した人が多かった。 制作サイドは、後日談の目的の1つとしてその辺をはっきりさせるという点があることを否定していない。 もっともどちらとも取れる演出とは言っても、最終決戦の演出やエピローグなどでは明らかに「死」よりの描写(*16)である。発売以後も死んでいるという推測のほうが主流だったことは留意されたし。 よって「死亡していた」という事実そのものに対する批判というよりも、「確定されないことで考察・議論の余地が与えられ深みのあった箇所を、公式が確定させてしまった」という点において批判が集まったということである。 主人公の名前は特に決まったものは無く好きな名前をつけることができるので、プレイヤーの分身としての意味合いでプレイしていた人や、純粋に主人公を好きだった人、プレイヤー生存説を取っていた人は追加版の『FES』で死んでいたと確定されてしまったことにショックは隠せなかっただろう。 この点についてプロデューサー兼ディレクターの橋野桂氏は「主人公が最高の充実の中で事切れるというハッピーエンド」「『ペルソナ3』は死の疑似体験ができるゲーム」と発言しており、これも賛否が分かれている。 橋野氏の発言についてはこちらのページにまとめられている。 + 賛否両論である点その2。こちらもネタバレ要素を多く含むため注意。 新規シナリオの終盤で、主人公がいなくなった後に残された仲間同士が戦いあうこととなる。 そういった展開になる理由は、大雑把に言えば「過去に戻って主人公を救う」か「主人公が自分自身の意思で生命を賭して世界を守ったことを尊重し、今を生きるか」で仲間同士の意見が真っ向から対立したため。 この争いの際、メンバーが感情のままに言葉をぶつけ合い争うため、「仲間に暴言を吐いていて、本編でのキャラの成長が感じられない」「キャラの言動があまりにひどすぎる」などといった批判が相次いだ。 またバトル面も、敵対する仲間が覚えてないはずのスキルを使ってくる、弱点が無くなっているなど、各キャラに慣れ親しんだプレイヤーほど見過ごしがたい矛盾が起こっている。 キャラクターの描写に関して、違和感を強く訴える声も少なくないが、一方で「感情が昂っているだけで発言内容自体は理解できる」との意見もあり、まさに賛否両論。 ゆかりは主人公を救うためにアイギスに辛く当たることが批判の対象になりがちだが、彼女のコミュを進めていればどれだけ主人公に依存しておりその喪失を埋めるのが難しいかは理解でき、主人公がいない世界で主人公の死を1ヶ月たらずで脱却できる方がおかしいという声もある。 彼の死から脱却できないゆかりの想いと、アイギスとの主人公に対する想いとを対比することでいずれにも感情移入しやすくなる、世界の破壊すら厭わない行動を取る点も彼女の元のキャラクター性から大きく逸脱はしていないと、ゆかりの描かれ方を肯定的に捉える意見もある。 また「主人公の意見を尊重する」という考えの天田と真田であるが、彼らはメンバー内ではどちらかといえば本編での主人公との関わりが淡白だった方であり、主人公の気持ちを深く理解するほどの絆を本編で築けていたのかという疑問の声もある。 「キャラの成長が感じられない」という批判に関しても、主人公が居たからこそ乗り越えられていた部分も大きく、成長した各メンバーであっても主人公が喪失した世界では自分を保てていないだけだ、とも解釈できる。 一方で、本編中盤で主人公に辛辣な態度を取る場面が目立ったためプレイヤーから嫌われがちであった順平は、FESシナリオにおいては仲間割れを仲裁するなど本編に比べて人間的成長が見て取りやすく、「『FES』で評価が変わった」「良い男になった」と好意的な意見が多い。 なお、このように真っ二つに分かれた仲間の描写だが、シナリオライターが変わったわけではない。 追加シナリオのラストも完全にすっきりとは感じられないもの。特に「今の段階では主人公を救えない」というオチであった点がよく批判される。 これに関連して「仲間たちが主人公を見捨てた」という批判もしばしばされるが、これは誤解によるもの。現段階で救出を諦めざるを得ない理由は作中できちんと述べられているし、それでも主人公を救うために行動を開始していこう、という意思はしっかりと示され「希望のある終わり」を意図して描かれている。 ただ、その方法が「困難すぎる」「具体的でない」ため、ぼやけたラストになっているという批判はある。「仲間たちが主人公を救うために俺たちなりに戦おう!」という前向きなエンディングを描こうとしながら、具体的な希望の光を最後に示さなかったことがこの賛否両論の原因であろう。 また、無口無個性ないわゆるプレイヤーの分身型主人公(*17)でありながら、後日談では仲間たちの口を通して本編における主人公の考えや想いについて「シナリオ担当者の考える主人公像」を押し付けてくるような傾向がみられる。 「シナリオ担当者の考える主人公像」を基に「主人公の遺志を無駄にする気か」等発言する仲間もいるため、自分の分身として主人公を操っていたプレイヤーにとっては「自分はそんなこと考えてないのに」と違和感を生じさせている原因となっている。 逆に主人公にそこまで感情移入していなかったり主人公を1人のキャラとして自分とは切り離してプレイしていた層ならそれほど違和感を覚えないため、プレイヤーの感情移入のスタイルが多様である点も賛否両論を招きやすい一因となっている。 結局、「後日談なんてなかった」とする批判的なファン、「面白かった、本編の深みが増した」とする擁護的なファン、「批判するにしても擁護するにしてもそこまでいかない」というの中立的な視点などがどの層もそれなりの数存在している。議論になると荒れやすいため注意が必要。 ちなみに、続編である『ペルソナ4』においては下記の通り、これらの点がすべて解消されたシナリオとなっている。 1 上記の仲間以外で『3』の主人公を救出すべく行動している人物がいることが明かされる。 2 『4』の主人公と仲間の仲の良さが強調されて、いざこざがあまり起こらない。 3 主人公がプレイヤーの分身として最後まで機能する さらに1で挙げた人物は当初『4』にも続投するはずだったが、直前で別キャラクター(当該人物の姉にあたるキャラ)に差し替えられたという経緯があったことが制作サイドから明かされている。 これらを鑑みると、後日談への批判的意見が制作サイドになんらかの判断を下させた可能性もある。 コミュでの内容が本編と繋がる。 ゆかりやアイギスなどのは本編とつながってしまうのは当然として、美鶴の婚約者や千尋のその後などを考えると、コミュを進めていることが正史となるが、後日談とではキャラの設定が違いすぎる。特に美鶴はゆかり以上に主人公に執着してもおかしくない。 後日談はやや難易度が高い。 エンカウントバトルは属性が同じキャラが出てくることはなく、一斉攻撃が使えないため攻略に時間がかかっている。 特にシナリオ終盤に出てくるとあるキャラの初見殺しぶりはただごとではない。 後日談はストーリー中心にみたいからサクサク進ませてくれ、という声も多く挙がっていた。高難易度に関しては本編のハードモードがあるのも一因。 総評(FES) 賛否両論な点は多々あるものの、無印と比べれば純粋なアップデート版と捉えて良い出来。 今現在は『FES』をベースとして、移植度も上々な『ポータブル』も発売しているので、購入の際は要検討。 ただ、PS2で無印か『FES』か……ということであればこちら一択だろう。 後日談「Episode Aegis」も賛否はさておき、プレイできるのは本作のみ。『ポータブル』には移植されていない。 余談(FES) 『FES』追加ペルソナの一つである「オルフェウス・改」を作成するためには、「同一周回内で全コミュニティをMAXにする」ことによって手に入るアイテムが必要。 前述の通り一部の女性コミュではランクを上げると自動的に恋人関係になってしまうため、二股どころか五股をかける浮気プレイをしないとオルフェウス・改の作成及びペルソナ全書のコンプリートは不可能となっている。 2024年9月に『ペルソナ3 リロード』のダウンロードコンテンツとしてエピソードアイギスが配信予定。 [部分編集] ペルソナ3 ポータブル 【ぺるそなすりー ぽーたぶる】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売・開発元 アトラス 発売日 2009年11月1日 定価 5,980円(税別) レーティング CERO B(12才以上対象) 廉価版(税別) PSP the Best 2011年8月25日発売UMD版 2,800円 / DL版 2,200円 判定 良作 女神転生シリーズ 概要(ポータブル) 今作のPSP移植版。新たに女性主人公の追加や『ペルソナ4』からのキャラのゲスト出演、『P4』のバトルシステムに変更といった多彩な追加、変更がなされている。 その一方、『FES』で描かれた後日談「episode aegis」は容量などの問題もあり収録されていない。 特徴・評価点(ポータブル) 女性主人公の追加。 今作は上記『FES』の「episode yourself」をベースにしており、男性主人公は『FES』のシナリオの再現となっている。 女性主人公でプレイするとコミュニティの一部が新キャラクターを交え、新規のものになっている。ストーリー上のキャラクター達の反応もギスギスとした描写が減っており、男性主人公と比べて柔らかく表現されたことで違った視点で楽しめる。 女性主人公では男性のパーティーメンバーともコミュニティを築くことができ、これによって全SEESメンバーのコミュを発生させることが可能になった他、男性編とは違うキャラの一面を見ることができる。 前述の通り空気であった天田や荒垣の掘り下げに成功している。またコミュニティのランクによっては男性編では死亡するキャラを生存させることができるなどシナリオにも小さいながら変化がある。強制的に二股以上になるという点も『P4』同様に改善されている(あえて二股以上にすることも可能)。 また、女性主人公限定で次回作『P4』の舞台である八十稲羽へ行くことができ、そこで「2年前」の『P4』の主要キャラクターがゲストで登場したり、音楽もそちらの楽曲に切り替わる。『P4』のファンならにやりとできる要素である。 一方で、男性主人公編でもとあるイベント中に『P4』のサブキャラクターが登場する。 バトルシステム 『P4』におけるワンモアプレスバトルの改善点が反映されており、複数対象の攻撃でも敵を一体以上ダウンさせれば追加行動が行えるようになった。これにより全体攻撃の使用価値が大幅に向上している。 当然だが敵側にも同じことが言えるため特定の場面で運ゲー化しがち。特に物理攻撃主体の相手で顕著。 AIの性能も向上しており、仲間の行動をコマンドで指定できるようになったためより戦略的に戦える。 パーティメンバーが主人公へのダメージを肩代わりする「かばう」と、HPが0になる攻撃を受けても一度だけ踏みとどまる「食いしばる」に加え、属性攻撃によるダウンを一度だけ防ぐ「防御」が『P4』から逆輸入された。 PS2版での主人公の武器はプレイヤーが任意に選ぶことが出来たのだが、今作では男主人公が「片手剣(*18)」で、女性主人公が「薙刀」で固定になった。 本作は見た目がユニークな武器も多いため自由度の低下を嘆くプレイヤーも多いが、戦闘面では相対的に物理スキルの価値が上がったとも言える(*19)。 日常パート 無印と『FES』は3D空間でキャラクターを操作してNPCと会話したりする方式であったが、今作はマップに表示されるカーソルを動かしキャラクターにポインタを合わせ会話する、という『女神転生』シリーズ伝統のものに変更。またイベントシーンもキャラクターの一枚絵が表示されて進行するといった形になり、テキストアドベンチャーに近い形式となった。 これにより日常生活でのテンポが大幅に向上。□ボタンでのショートカットマップ移動も追加され、移動の冗長さも無くなった。 その他要素 タルタロス内で失踪者を捜索する「失踪者探索」が追加され、タルタロス探索のダルさの緩和が図られた。 失踪者の中にはコミュ対象者もおり、救出するまでは該当コミュが中止となってしまう。期限を過ぎて救出失敗となると再開不能になるため要注意。 疲労システムも、その日のタルタロス内では疲労せず翌日に疲労するように改善された。 その代わりなのかエントランスに戻ってもHP・SPが回復せず、時計にお金を払わないと回復できなくなった。 ベルベットルームの受付担当にエリザベスの弟「テオドア」が追加され、女性主人公の本編序盤でエリザベスとの選択を迫られるが、ストーリーに変化はないので好みの方を選べる。ちなみに男性主人公はエリザベスで固定。 バトルに関するさまざまな問題を解く、強化されたストーリーボスと再戦する「ヴィジョンクエスト」追加。進行は『P4』のマーガレットが担当する。 パーティメンバーとのコミュニティレベルをMAXにした際のイベントにボイスが追加され、キャラへの感情移入度が高まった。 スキルカードシステム 新たに「スキルカード」と呼ばれるアイテムが追加され、これを消費することでペルソナに好きなスキルを覚えさせることができるようになった。自分好みのペルソナを作りやすくなったため高い評価を受けたシステムで、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』以降でも導入されている。なおスキルカードは神社で複製が可能だが、『P4G』と違い無料ながら日数がかかる上1回につき1枚なのでスケジュールにも気を配る必要がある。 難易度選択にイージーより優しいビギナー、ハードより難しいマニアクスが追加。 マニアクスモードは難易度のさらなる上昇の他、前周からの引き継ぎプレイが不可能となっている。 『P4』から4体のペルソナが逆輸入された他、コミュや総攻撃の演出が『P4』に合わせた仕様となっている。 問題点(ポータブル) イベント面 上記のようにテキストアドベンチャーに近い形になったことで、『FES』等であった3Dキャラの人形劇イベントやアニメムービーは無くなった。このためイベント面が少し寂しいと言われることも主にPS2版プレイヤーから聞かれた。 本作はUMD1.7GBのうち、約1.2GBの容量を使用している。これだけ容量に余裕があればムービーは何とかなったのではないか、と惜しむ声もある。 このあたりの容量がUMDの一層目と二層目の境であるため、これ以上入れるとローディングへの悪影響が懸念されるため仕方ない事ではある。また上記のようにテンポの向上やロード時間短縮のメリットもあり一概に否定も出来ない。 …とはいうものの、上記は発売当初、まだ解析が進んでなかった頃にささやかれていた考察である。現在はデータ内に多くの削除可能な項目が発見されており、また他タイトルでは圧縮しているデータ等も生で入っており、容量に関してはこれらを整理することで空けることが可能であったと考えられる。 実際の所としては、PS2版のムービーはそのほとんどに主人公の姿が写っているため、女性主人公が追加された本作では女性主人公用の新規ムービーを用意しなければならないというのが、ムービーが削除された一因であろう。 戦闘など 追加された要素や変更点、それらと元々のシステムとの組み合わせなどで戦闘バランスが大きく変わっているにもかかわらず、敵ステータスなどが調整不足なのか難易度を最高にしても『FES』『P4』などと比べてヌルい。 既プレイヤーはコミュの特性を知っている。新規でも、コミュに興味が沸かないor攻略をよく参照するプレイヤーは学力・魅力・勇気上げにあまりゲーム内時間と金を使わない。それによって余った日程と金銭は自然と戦闘面に注がれる しかし、戦闘面に反映される、日程と金を消費するコンテンツがアイテム購入とゲーセンでのペルソナステータス上昇くらいしか存在しない点はP3Pになっても改善されていない。 金銭面ではアイテム購入は・依頼報酬が十分強い・ただでさえ楽しみが少ないダンジョン内で拾う宝を、わざわざ店で買い揃える必要が少ないため、用途に乏しい。 ゲームセンターでのステータス上げは、魔・力・速の3項目しか上がらないので、火力に直結する魔、力が自然と上がってしまい、雑魚はおろか多くのボスでさえ数ターン以内には倒しきれる過剰火力を持ってしまう。(酷い場合、ボス固有のスキルすら拝まずに終わる) ゲーセンの上昇項目の少なさはFES発売の2007年の時点で結構指摘されていた(*20)。 クリアデータ引継ぎを行うと主人公のレベル・ステータス・所持金・装備品・ペルソナ全書などが引き継がれるのでさらに拍車がかかる。 慣れると真後ろから攻撃 → 先制 → アナライズで弱点探知 → 全体魔法から総攻撃で終了 → 戦闘後一定期間敵に見つからないためゴリ押しで後ろに回り先制 → 以下ループ、SPが尽きたらエントランスで回復…といった具合になる。疲労システム変更でいくらでもタルタロスに登っていられるようになったのも難易度低下の一因。 男性主人公の扱い 男性主人公を選択した場合、本作独自の要素が女性主人公と比べてとても少なく、PS2版とほとんど変わり映えがしない。 そのため既にPS2版をプレイ済みの場合、男性主人公を選ぶメリットはあまり無い。これを利点と取るか、欠点と取るかは人によるだろう。 総評(ポータブル) PS2版からさらに完成度が高まっており、多くの要素が追加された良移植である。 システムの格段な進化、テンポの向上などの理由から、今から『P3』をプレイする場合はこちらでも良いかもしれない。 演出面に不満があったり、後日談をプレイしたいなら『FES』を購入するのもいいだろう。上記変更点と併せて要検討である。 [部分編集] ペルソナ3リロード 【ぺるそなすりーりろーど】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション5プレイステーション4Xbox Series X/SXbox OneWindows(Microsoft Store/Steam) メディア BD-ROM/ダウンロードソフト 発売元 セガ 開発元 アトラス 発売日 2024年2月2日 定価 パッケージ:通常版:9,680円(税込)/豪華版:17,380円(税込)ダウンロード:通常版:9,680円/特別版:15,730円 /豪華版:12,408円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 ポイント 『ペルソナ5』ベースに遊びやすくリメイクオリジナル版で描写不足だった箇所を掘り下げ『P3F』『P3P』要素は部分的に統合ゲーム性はオリジナル版と変わらず 女神転生シリーズ 概要(リロード) アトラスを代表するRPG『ペルソナシリーズ』のターニングポイントにもなった人気作『ペルソナ3』を最新作である『ペルソナ5』感覚で遊べる作品としてリメイク。 特徴・追加変更点(リロード) オリジナルの『P3』がベース オリジナルの『P3』をベースにリメイクされている。 ベースこそオリジナル版だが、アペンドディスクである『P3F』でのアイギスのコミュやコロマルの散歩といった追加要素や監視カメライベントのような追加エピソードなどは搭載されている。 『P3F』の後日談である「Episode Aigis」についてはDLCとして2024年9月10日に配信。 『P3P』の要素についても男性主人公編に新規で追加された台詞やヴィジョンクエスト、失踪者探索と言った追加要素は搭載されている。 4K・60fpsの現行最新ハードに対応したグラフィック 原作や『4』のようにデフォルメされたものではなく、『P5』と同様にリアル頭身のグラフィックに変更されている。 街並みやタルタロス、アニメーションムービーやUI、キャラクターデザインにまつわるイラストも全て新規で作り直されている。 全編のフルボイス化 オリジナルの重要人物となるキャラクターのボイスは全て新録され、フルボイス化に伴いってボイス付きの台詞やイベントが増加した。 オリジナル版で担当声優が居なかったコロマルについては劇場版4部作からなる『ペルソナ3 THE MOVIE』で担当した高橋伸也氏が引き続き担当。 コミュで登場するキャラクターについては一部を除きオリジナル版から担当声優が変更されている。 メール機能 『P5』のSNSに相当する機能で、コミュメンバーなどからの呼び出しや施設の宣伝が来るようになっている。 リンクエピソード コミュのなかった男性メンバー+コロマルとのサイドストーリーが追加。 メールで呼び出されるが、シナリオの進行と紐づいているため見逃したりするとその後の展開がなくなってしまう点は注意。 エピソードを最後まで見るとペルソナ合体が解禁される。 寮のメンバーとの交流 夜の時間に一緒に料理したり、家庭菜園をしたり、本を読んだりといった交流をすることで仲間が新しいスキルを覚える。 スキルを覚えた後でも交流はでき、家庭菜園で収穫量がアップしたり、回復アイテムを得られるといったメリットもある。 各パーティキャラに専用の戦闘服が支給されるという設定が追加され、オリジナル版と違い学園生活時での恰好が異なるようになっている。 戦闘服のデザインは各キャラクター毎に異なる。 体調システムの廃止 絶好調でクリティカル率アップという恩恵もなくなったが、長時間の探索で疲労するということもなくなった。 テウルギア 中盤ごろになると解禁される必殺技のようなもの。 ゲージが貯まると発動が可能になる。ゲージの貯まりやすい行動はメンバーによって異なる。 主人公のミックスレイドはこちらに統合されたため連発できないようになったが、代わりにペルソナを両方保持しておかなくてもよく、好きなレイドを選んで発動できるようになった。 シフト 『P5』のバトンタッチのようにワンモアを取ると別メンバーに行動を譲ることができる。 しかし威力アップなどはスキルという扱いなので、行動を譲る以外の恩恵は少ない。 シャッフルタイム 戦闘終了後のシャッフルタイムはミニゲームが無くなり場に現れたカードを選ぶだけになった。 ブロークンで何の効果もなかったり死神が現れたりといったマイナスのカードは廃止。 ストーリーを進めると大アルカナも入るようになり、経験値アップや装備ペルソナのステータアップといった効果を得られる。 大アルカナを一定数集めると「アルカナバースト」となり、小アルカナの効果がアップする。バーストに必要な枚数は進行に合わせて増えてゆく。 風花の探索スキル シャドウに見つからなくなる「ジャミング」や階層のマップを開放する「タルタロスサーチ」など探索に便利なスキルを覚える。 サーチオブジェクト タルタロスに現れるオブジェクトを破壊するとことで換金アイテムなどが手に入る。 ダッシュ 単にスピーディーに探索できるだけでなく、ダッシュしながら攻撃することで戦闘開始時にシャドウが動揺していたりすることも。 モナドの扉 ランダムに現れる扉の奥に強力なシャドウが現れる。 クリアするとその階層と一つ上の階層のマップが開放される。扉を無視して他の階層へ移動すると入れなくなる。 境界の一つ手前の階層では「モナド通路」という連戦になるステージがあり、クリアするとシャッフルタイムでいい効果を得られるタロットが手に入る。 メンバーの派遣 戦闘終了後にランダムでメンバーを探索に派遣し、宝箱やサーチオブジェクトを回収させる。改修後は一つ上の階層で合流。 ついでにマップもある程度埋めてくれる。しかし鍵のかかった宝箱は回収されない。 モナドの扉に入る前に派遣するとメンバーが足りない状態になるので注意。 薄明の欠片 鍵のかかった宝箱を開けられるアイテム。箱によって1~3個必要。 また、エントランスの時計で回復する時にも7個必要になった。 欠片はコミュを進めるとエリザベスからもらえたり、タルタロスのサーチオブジェクトから手に入る。 一定数使うと主人公とレベルの離れた仲間を2人まで最大13レベル上げることができる。 巨大な希少種シャドウ 階層内の宝箱の中身を奪って逃走するので、左右どちらに逃げたかを選択し、追いかけて倒すことで大量の経験値とアイテムが手に入る。 選択肢を間違えて逃してしまうと何も手に入らないが、たまにアイテムを落とす。 風花が「タルタロスサーチ」を覚えると確実に追い詰めることができるようになる。 ダークゾーン 先があまり見えない代わりにシャドウからも見つからなくなり、サーチオブジェクトにレアアイテムである薄明の欠片が確実に現れる。 しかし短時間で「死神」が現れるため長居は禁物。 探索中の会話 『P5』のメメントス探索中のようにメンバー同士が会話する。 到達した階層やシナリオ進行に合わせた会話など、種類が豊富。 ただし、『P5』と違って探索メンバーでしか会話しないので全てのパターンを聞くには頻繁にメンバー入れ替える必要がある。 ロールバック 数日間分任意の日付に戻ることができる。コミュで選択肢を間違えた時などに便利。 言うまでもないが、戻した間のプレイ内容は消滅するので注意。 BGM 全編で流れるボーカルのBGMは歌手が川村ゆみ氏から高橋あず美氏に変更。 オリジナル版の曲は「P3Rver.」としてアレンジされ、新曲もいくつか追加されている。 評価点(リロード) 美麗でリアルになったグラフィック 本作で真っ先に上がる要素。そもそもオリジナルのユーザーからは「『P5』のグラフィックで『P3』をプレイしたい。」という意見が多かった為、その要望が取り入れられただけでも純粋な高評価である。 オリジナルで印象のあるシーンも全て美麗なグラフィックやモーションで表現されている為、これだけでも一見の価値がある。アニメーション部分も美麗に修正されている。 特に『P3P』では追加要素はあれど、ゲーム内の3Dグラフィックで表現されるイベントやムービー自体が削除されて全てテキスト表現になった事を残念に思うプレイヤーも多かった為、その要素が復活したことも評価に値する。 オリジナル『P3』を尊重したリメイク リメイク作品にありがちな無茶な改変要素は無く、あくまでもオリジナルからのブラッシュアップやストーリーの補完に焦点が置かれた造りとなっており、オリジナルのユーザーから概ね好評を博している。 オリジナルの完全版及び移植版にあたる『P3F』及び『P3P』の要素も全てとまではいかないが、しっかりと取り入れられていることも高評価。 リメイク作品によってはこれらの要素も無視される事がある為、発売前はファンから不安視されている面もあったが、開発陣もそこは理解しているようでそういった後年の作品の要素もオリジナルの『P3』を更に彩る要素として本作に取り入れられている。 物語はフルボイスになった事により印象的なシーンがより感慨深いものとなってキャラの魅力が一層増し、特にコミュキャラは印象が大きく変化した。 メインキャラのみとなるが、そもそも18年前と同じオリジナル版の声優陣を再び集結させて、オリジナル版と同じキャラの声を新録できる事自体凄いと言う声も聞かれる。 舞台設定やオリジナル版発売当時では少し先の未来であった2009年の世相はそのまま残されており、今となってはガラケーのような懐かしい要素が要所要所で登場している。 新たに追加されたメール機能ではメールの件名が「RE RE RE 」となっていたり、絵文字が多用されていたりとコチラでも2009年当時の文化を垣間見ることができる。 様々な点で快適になった 施設へのショートカットや検索合体など、後のシリーズで恒例になった要素を取り入れることでストレスなく遊べるようになっている。 ステージのタルタロスもカメラワークが『P5』に近いものとなったおかげでステージがより鮮麗、奥行きが感じられて見えやすくなり、ダッシュを使ってサクサク移動できるようになった事もあって飽きずに探索しやすくなった。 コミュではブロークンが廃止され、リバースを放置しても平気になった。リバースに陥る条件も大幅に緩和されている。 メール機能により、コミュのイベントを見逃したりする事は少なくなり、キャラクターとコミュニケーションを取りやすくなっている。 また、『P4』や『P5』のように女性キャラクターと恋人になるか友人関係のままでいるかを選択することができるようになり、強制的に浮気関係を強いられることはなくなった。 タルタロスのマップで階段や転移装置を見つけておくとショートカットですぐアクセスできる。 エリザベスから受ける依頼の「特定の日付に仲間からイベントアイテムを貰ってくる」系の依頼は、受注したその日に仲間から貰えるようになったので貰い忘れる心配がなくなった。 追加ストーリーなどでメンバーの絆が見られるように 後の作品である『P4』等と比べて寮のメンバーとの関係が希薄であると言われることがあったが、交流機会が増えたことで描写不足だった特別課外活動部についての補完、メンバーの意外な一面を見ることができるようになった。 細かいシナリオやキャラのフォローも追加されている。具体的には順平が本編で行う悪態へのフォローが多くなった。 単に話があるだけでなく、スキルを覚えたり、ペルソナ合体が解禁されたりするメリットもある。 テスト前にはロビーで和気あいあいとテスト勉強するイベントも。 新システム「シフト」ではメンバー同士の掛け合いも見られる。ストーリーの進行によって呼び名が変わったりする演出もある。 また、仲間だけでなく敵サイドである「ストレガ」との会話も追加されている。彼らは原作では描写不足で目的も分かりにくいという指摘がされていたが、キャラの掘り下げが行われたことで、しっかりと存在感を持つ敵となった。 「シフト」はSEESメンバーだけでなくストレガも使用してくる。 ダンジョンでの雑談というのも増えて、メンバーが恋人同士だとちょっとした修羅場のようなことになることも……。 エリザベスにもプレンゼントイベントなどが追加されている。 イゴールの登場 近年のシリーズではスタッフの意向により代役は立てられず、長らくオリジナルの田の中勇氏のライブラリ音声を用いた出演であったり、そもそも作品によってはイゴールが不在の状況で代わりに別のキャラが彼の役割を担うなど、違和感のある扱いをされることが多かったが、本作にてリメイクではあるが久々にしっかりと出番を与えられる形となった。 田の中勇氏は既に亡くなられているため、劇場版にて時価ネットのたなか社長を演じた島田敏氏がたなか社長との兼任の形で演じている。 島田氏は田の中氏の高いトーンをよく再現しており、聞き比べてみても全く違和感を覚えないほどそっくりなためシリーズファンのプレイヤーからも好評。 シリーズを象徴するオシャレでスタイリッシュな要素 リメイク版となる本作でもオリジナル版から続いたオシャレでスタイリッシュな要素は健在。 シリーズを象徴するポップなボーカル付きのBGMは新曲も携えながらもちゃんと続投しており、オリジナル版で人気を博した楽曲はそのまま収録されている。 オリジナル版の楽曲のボーカルは全て本作で起用された高橋あず美氏の声で収録されているが、どれもオリジナル版の川村ゆみ氏の声の雰囲気を大事にされており、原作のプレイヤーからも好評を博している。 新曲もどれも本作の雰囲気とマッチしており、オリジナル版『P3』を彩る新たな要素として本作に取り入れられている 『P5』譲りのスタイリッシュなUI・イラストも健在。 タイトル・メニュー画面に遷移する際に使用されるアニメーションや戦闘などで表示されるUIの文字や演出はどれもクール且つ一つ一つが洗練されて丁寧に作られており、見ていて飽きがない。それでいて『P5』とは明確に差別化が図られてオリジナル版『P3』の雰囲気も再現されている。 また、各キャラの総攻撃時のフィニッシュイラストや召喚器を使う仕草を用いたスキル選択画面、ペルソナ召喚時のカットイン・も各キャラの性格や特徴をよく捉えており、細かい所まで抜かりなく作り込まれている。 賛否両論点(リロード) 良くも悪くも当時のゲーム性 普段はランダム生成のタルタロスを探索し仲間やペルソナを強化しつつ、満月の日に出てくる大型シャドウを倒すという流れはそのまま。 モナドの扉など追加要素はあるがタルタロス探索にあまりテコ入れがされていないため単調に感じやすい点は変わっていない。 「変に追加要素を多くしたら作品の良さが半減する」「新鮮さを取り入れてもよかったはず」などオリジナル版からのゲーム性は賛否分かれる。 公式でも把握しているのか、タルタロス内での仲間のセリフに「車で走りたい」「パズルのような仕掛けがあったらな」など『P5』を意識したようなセリフも存在する。 疲労システムが排除されたため1回の探索で行き止まりまで行けるので夜の時間は余りがちになる。 大型シャドウ戦も一部はギミックのあるダンジョンのような場所もあるが、大抵は現れた場所に訪れてすぐ戦闘とあまり味気ないまま。 テウルギアが強力すぎる 今までありそうでなかったペルソナ使いとペルソナのコンビネーションは一見の価値あり。 タルタロスから帰還するまでゲージは溜めたまま別の戦闘へ持ち越せ、耐性無視で大ダメージをノーコストであたえられるので全員のゲージをMAXにしてから一気に使うことで強敵もあっという間に倒すことができる。 使用は任意な上、連戦もあるのでテウルギアだけでゴリ押しはできないようにはなっている。 大型シャドウ戦では事前に溜めておくことはできないが、割りとすぐゲージが溜まるので遠慮なく使える。 専用スキルが継承可能 「明けの明星」など、以前のシリーズでは専用スキルだったものが合体により継承できるようになった。 ペルソナ個性がなくなったとも、好きなペルソナに好きなスキルを持たせられるようになったとも言える。 オリジナル版『P3』から削られた要素 主人公の武器は片手剣のみに。これは『P3P』でも同様だった。 部活は運動部は陸上・水泳・剣道、文化部は美術・管弦楽・写真から選択することができたが今作では運動部は陸上、文化部は美術で固定。 劇場版となる『ペルソナ3 THE MOVIE』では主人公が剣道部に所属している描写があった為、オリジナル版や劇場版に馴染みがある人ほどややモヤモヤする点があるだろう。 どの部活を選んでも話の流れが変わらない上に、コミュもフルボイスになったのでルートが増えるとそれだけ制作負荷が増えるため仕方ないと言える。 ミックスレイドは18種類から7種類になった。 演出が凝っているためある程度は仕方ないが、属性や効果も偏っており選出には疑問も残る。 あくまでオリジナル版『P3』ベースのリメイクである点 スタッフへのインタビューで言及された通り、あくまでオリジナル版をベースにリメイクされているため、『P3F』や『P3P』の要素は部分的となっている。 『P3P』で追加された女性主人公も採用されていない。 その為、女性主人公編でのみ明かされるストーリーは無く、テオドアと言った女性主人公編でのみ登場するキャラクターや男性パーティキャラのコミュは一切登場しない。 『P3P』をプレイしたユーザーからは女性主人公編の追加を願う声もあるが、開発陣からはゲームをもう一本作る並の労力が必要になるためさすがにDLCでも対応はできないと断言されている。 『P3P』の方も本作の前年にほぼ同プラットフォームでリマスターされているため、どうしても女性主人公で遊びたい場合はそちらでプレイすべきだろう。 問題点(リロード) 全コミュMAXの難易度が高い シリーズを重ねるに連れて全コミュMAXの難易度は下がっていったが、原作ほどではないにせよ周回でも計画的にこなさないと全コミュMAXは難しい。 ほとんどのコミュが放課後に集中している上にテストや休み期間、追加イベントでコミュが進行できないことが原因。 クリティカルUP系が重複しないスキルであることの説明がない カウンター系など上位互換があるスキルは説明文に「重複しない」と書いてあるが、クリティカルUP系のスキルは実際には重複しないにもかかわらず説明文に「重複しない」と書いてないので、うっかり2個のスキル枠を使ってしまう事態が起きる。 散開の廃止。 タルタロス攻略の際のメンバーの指示である「散開」が廃止された。 そのため攻略に時間がかかるようになった。 シャッフルタイムのタイミングが悪い シャッフルタイムが行われるタイミングが何故か総攻撃のフィニッシュイラストの表示直前だったり、リザルト画面の遷移前に行われ、ゲームのテンポが悪くなってしまっている。 総評(リロード) 『真・女神転生』のダークな世界観とポップなデザインとキャラクター、時代を映したリアルな現代、ボーカルを取り入れたBGM、ADV要素のある日常などで一躍ヒット作品となった『ペルソナ』シリーズの基礎を作った『ペルソナ3』が美麗に刷新されたグラフィック、多数の変更点や追加要素によって大きく進化。 ゲーム性は良くも悪くもオリジナル版に沿ってそのまま残しているため、一部古臭さは残るものの日本のRPG史に残る名作を快適に楽しめる良リメイクとなった。
https://w.atwiki.jp/tsumaranai/pages/26.html
ペルソナ主 ペルソナを配信する主 マイクもないためレスがしにくくつまらない 3おわった
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4170.html
この記事ではPS2用ソフト『ペルソナ4』と、その移植であるPSV/Win(Steam)用ソフト『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』を扱います。 ペルソナ4 概要 ストーリー 特徴 前作からのシステム変更点 日常パート ダンジョン探索 戦闘 評価点 システム全般における前作からの改善 充実した日常パート キャラクターの魅力 質の高いストーリー・世界観 グラフィック 音楽 賛否両論点 ミックスレイドの廃止 シナリオの雰囲気 問題点 シナリオ ダンジョン探索 その他 総評 ペルソナ4 ザ・ゴールデン 概要(ゴールデン) 変更点・評価点 賛否両論点(ゴールデン) 問題点(ゴールデン) 総評(ゴールデン) 余談 その後の展開 メディア展開 ペルソナ4 【ぺるそなふぉー】 ジャンル ロールプレイングゲーム 対応機種 プレイステーション2 発売・開発元 アトラス 発売日 2008年7月10日 価格(税込) 7,329円 レーティング CERO B(12才以上対象) 廉価版(税込) PlayStation 2 the Best2010年8月5日/2,940円 判定 良作 女神転生シリーズ 概要 『ペルソナ』シリーズの4作目。通称『P4』。 ナンバリングとしては『4』だが、『ペルソナ2』(P2)は『罪』と『罰』の3部作、『ペルソナ3』(P3)は追加シナリオを収録したバージョンアップ版が発売されているので、実質6作目とも言える。 『真・女神転生III NOCTURNE』『P3』の開発チームが制作した。 プレイヤーは地方都市で起こる連続殺人事件と、まことしやかに語られる都市伝説「マヨナカテレビ」の真実を仲間と共に突き止めていく。 終始ダークな雰囲気のストーリーが展開された前作とは対照的に、本作のストーリーは和気藹々とした日常と、溌剌とした前向きな冒険譚とがメインとなっている。 ストーリー 家庭の都合で1年の間、都会からとある田舎の地方都市に引っ越すことになった高校2年生の主人公。主人公は叔父で刑事の堂島遼太郎の家に厄介になりながら、大手スーパー店長の息子・陽介、カンフー映画好きの活発な少女・千枝、旅館の跡取り娘・雪子と友人となり、楽しい学校生活を送り始めた。その中で主人公は、雨の夜に見られるという怪現象「マヨナカテレビ」の噂を知る。だが、主人公の引っ越しに呼応するかのように、濃い霧に覆われた街で奇怪な殺人事件が発生する。突如失踪し、死体となってテレビアンテナに吊るされる人々。次に行方不明になるのは誰なのか。犯人はどこに…。陽介が思いを寄せる先輩女子生徒が行方不明となったことをきっかけに、主人公とその仲間たちは正体不明の犯人と事件の謎の追跡を始め、ふとしたことから異世界への扉を開いてしまうことになる。その扉の鍵とは、心の力…もう1人の自分。 "ペルソナ"――。 特徴 本作は前作『P3』の2年後という設定で、世界観・ゲームシステムが『P3』と共通している。 とあるイベントで、月光館学園やポロニアンモール等の『P3』の舞台へ行けたり、『P3』のキャラクターが一部ゲストで登場するといったファンサービスもある。 前作同様『ペルソナ2 罰』までの作品と関連性は無いが、『女神異聞録ペルソナ』のようなジュブナイル系のストーリーや、『ペルソナ2 罪』で見られたような「もう1人の自分との対峙」といった共通点もいくらかは存在する。 「オカルトな噂話」から事件が幕を開けるという展開も『P2』を連想させるものとなっている。 その他にも、敵の名前が『P2』でのもう1人の自分の名称であった「シャドウ」という同じ語であるなど、前作の頃から旧シリーズを連想させるような要素は点在している。 イメージカラーは、前作のスタイリッシュでシャープな青から、お洒落で明るい黄色へ。 やわらかい感じでありながら、どことなく不安にさせるイメージも併せ持つ。 異世界を攻略する時は、パーティのメンバー全員が眼鏡を掛けている(1名だけ例外)。 この眼鏡は異世界の濃霧が視界から取り払われ、かつ心身の衰弱を和らげるという特殊なもので、ストーリー上も意味がある。 前作からのシステム変更点 基本的な仕様はほぼ前作と同じものを採用しているが、変更点も多くある。 これら変更点の一部は後発の『ペルソナ3ポータブル』(P3P)へと逆輸入された。 新たに「天候」システムが導入された。 天候は晴れ・曇り・雨の3種類。ストーリーに密接に関わっているため、ランダムではなくゲーム中の1日ごとに決まっている。 雨の日は特別な天気であり、ほとんどのコミュニティが行えなくなる代わりに、日常パート及びダンジョン探索の双方に以下のようなメリットが生じる。行動を判断する重要な要素となっている。 雨の日限定のレアイベント ショップのセール レア素材を落とすシャドウがダンジョンに出現する また、本作では「雨が数日続いた後の晴れの日は霧が出る」という法則がある。霧が出る日はマヨナカテレビに映った人が死体になる日であり、それまでにダンジョンを攻略できないとゲームオーバーとなる。 日常パート コミュニティシステムの変更点 キャラクターとコミュニティを築いて親交を深めていく。深まれば深まるほど、ペルソナ合体が有利になったり、キャラクターが悩み等を話してくれたりとより感情移入できるようになる。これ自体は前作と同様。 今作では女子とのコミュを進めると、キャラ毎に恋人になるか友人のままでいるか選べるようになった。前作にあった強制恋人化が無くなり、恋人を1人だけに絞る誠実なプレイも可能で感情移入しやすい。もちろん、望めば前作のように複数人と恋愛関係になることも可能。 また、前作では男子パーティメンバーのコミュが無かったが、今作はパーティーメンバー全員とコミュを築ける。 加えてコミュ進行を妨げる状態、リバース及びブロークンの発生が前作よりも大幅に少なくなり、初見プレイヤーにも優しい設計になった。 パーティーメンバーとのコミュは戦闘中の行動にも影響するようになった。後述。 前作ではコミュ攻略のメリットはペルソナ合体が有利になるのみであったが、今作ではコミュレベルに応じて(一部メンバーとはいえ)戦闘に直接関与する能力が追加されていく様になった。 主人公のパラメーター 主人公には、戦闘とは関係ない日常生活のパラメーターが設定されている。前作では「学力」「魅力」「勇気」の3つであったが、今作では「知識」「伝達力」「寛容さ」「勇気」「根気」の5つへ細分化された。 これらはアルバイトや読書、会話中の選択肢などで上げる事ができ、高くなるほど新たなコミュニティが発生する、釣りが長く出来るなどさまざまなメリットが生まれる。 「アルバイト」の新設 上記のパラメーターを高めつつ金銭が獲得できる「アルバイト」が日常パートへ追加された。 行動計画が建てやすくなったほか、アルバイトによって出会い、進行または派生するコミュニティもあるなど、日常パートに深みを与える要素となった。 ただし、アルバイトのみでパラメーターを上げ切る事は現実的ではないので、綿密な行動計画が必要なことは変わっていない。 このアルバイトも少々形は変わったが『P3P』に逆輸入された。 クエスト 特定の時期に街中の様々な特定の人と会話するとクエストを受けられる。 コミュニティの1つの隠者コミュもクエストを達成することで絆が深まる。 マップ移動 □ボタン1つで特定のエリアに飛べる機能が追加され、移動の冗長さが解消された。 ダンジョン探索 前作同様、ダンジョンはほとんどが自動生成式である。 前作は「タルタロス」という巨大な1つのダンジョンを全編通じて少しずつ踏破していく形式だったが、今作では救出・追跡する人物ごとに意匠コンセプトの異なる個々のダンジョンが独立して登場する形式となった。 前作にあった、パーティメンバーへの「散開・集合」の指示はなくなった。 「長時間経過による死神属性の強力なシャドウの出現」もなくなった。一応同名のシャドウは登場するが、「2周目以降に宝箱にまれに現れる」ように出番が変更されている。 疲労度のパラメータは削除され、やや自由に探索しやすくなった。 ただしSP回復に非常に高いコストがかかるため、同じ日に何度もダンジョンへ潜るのは現実的でなく、探索難易度が下がったというわけではない。 戦闘 前作に引き続きワンモアプレスバトルを採用。 これは弱点属性攻撃を与えたり、攻撃がクリティカルヒットすると、攻撃を受けたキャラクターをダウンとよばれる状態にでき、さらにダウンさせたキャラクターは追加行動が可能となるというもの。この基本は前作から変わらない。 今作での変更点は以下の通り。 全体魔法を使用した際、1体でも弱点を突くことができれば追加行動が可能となり、全体魔法の使用価値が前作より増した。ただし敵にも同じことが言えるため、下記の防御などを使いこなすことが要求される。 前作では「ダウン」した敵は次のターンを消費して復帰する(1ターンの行動不能が発生する)であったが、今作では復帰したターンに行動するようになった。前作のようにとりあえずダウンを狙って行動を1ターン封じるという戦法は不可能となった。 行動不能状態として「気絶」が新たに追加された。ダウンした敵が攻撃を受けると、通常時は50%の確率で、弱点を突かれるまたはクリティカルが発生した際は100%の確率でそれぞれ「気絶」状態となり、前作の「ダウン」と同じように次のターン行動不能となるというもの。2ターン目で復帰すると同時に行動可能となる。 「待機」コマンドが「防御」コマンドへ置き換えられた。 ダメージを軽減するほか、弱点が無くなり、クリティカルやバッドステータス(状態異常)を防ぐ。1度攻撃を受けると防御は解かれる。 味方への直接のコマンド指示が可能となった。 コミュレベルに応じた味方の追加行動が新たに設定された。 日常パートで仲間とのコミュレベルを上げることにより、「主人公が倒されそうな時に庇う」「HPが0になるダメージを受けても一度だけHP1で踏みとどまる」などの有利行動をとってくれるようになった。 ミックスレイドの廃止。後述。 評価点 システム全般における前作からの改善 ゲームのテンポの改善 前作『P3』では、日常パートと影時間パートの「ダンジョンアタック」を繰り返す中で、RPGとしては多めのプレイ時間が要求され、しっかりとプレイするならクリアに100時間以上要した。 特に影時間パートのダンジョン「タルタロス」は非常に多くの階層を登り続ける構造ながら「疲労ポイント」が設定され探索に制限があり、かつプレイヤー視点でもやや単調な構造が続きがちのため、あまりにも長く飽きるというユーザーも少なからずいた。 今作では日常パート、ダンジョン攻略の双方において全体的に細やかに調整されており、前作よりもスリムに、かつゲームとしての手応えはそのままにと、まさに「正当な後継作」を思わせる仕上がりになっている。 それでも基本的なプレイ時間は60~80時間程とそれなりに長いが。 先述の□ボタン移動など、細かなユーザビリティの向上により快適なプレイが可能となっている。 ワンモアプレスバトルシステムのさらなる充実 もともと完成度の高いバトルシステムではあったが、先述の通りシステムが変更され、さらに戦略性が高まった。 戦闘AIの改善 前作ではパーティーメンバーのAIがあまり賢くなく、無意味なタイミングで補助魔法をかけるなど雑な行動が多く見られた。 今作はAIの行動パターンが大きく改善され、加えてプレイヤーが味方に直接コマンド入力することも可能となったため、ストレスが激減した。 充実した日常パート コミュニティの充実。 先述の複数の変更点により、コミュニティ攻略を快適に進めやすく、またそのメリットを幅広く享受しやすくなった。 前作からの変更点でも述べたように、今作ではパーティーメンバー全員とコミュを築ける。また前作では仲間のコミュ解放が中盤~終盤と遅く、いまいちキャラクターの設定が掴みにくかったが、今作では序盤から順次解放されるようになった。 その悩みも、基本的に誰もが感じたことがあるであろう良い意味で青臭いリアルなものであり、キャラクターと同世代のプレイヤーはより感情移入でき、年齢層が上のプレイヤーは懐かしい気分に浸れること必至。 一方、ある程度年を取ったキャラクターのコミュニティでは社会生活上の現実的な悩みや個人の視点から見た社会問題に近いテーマなども扱っており、むしろやや年を重ねた人にこそ共感しやすいような描写も用意され、「若者にしか共感できない内容」にとどめず、作品全体へ深みを与える演出として一役買っている。 また仲間だけではなく、菜々子や堂島といった家族をはじめ、常に喪服を着る老婦人、親子関係に悩む中学生男子など老若男女の様々な人物と『P3』とはまた違った絆を築くことができる。 アルバイトの導入による行動計画のしやすさ。 前作では主人公のパラメーター上昇にお金と時間が必要(*1)だったため、金欠になったり時間をとられてコミュニティを進める時間が取れなくなる場合があった。 今作ではアルバイトなのでむしろお金が入る、アルバイト先のコミュも進行するといった形になり、「コミュのための能力を上げるために、コミュのための時間とついでに金も食われる」というストレスが大きく軽減された。ただし、先述の通り必ずしも「簡単にコンプリートできるようになった」わけではない。 難度を単純に軟化するのではなく、ストレスを感じさせない形へ転化した良調整。 天候システムによる、日々の過ごし方に対するメリハリのつけやすさ。 天候システムにより、「雨の日はダンジョンを攻略し、晴れの日はコミュニティ交流をする」などといった行動のメリハリがつけやすくなった。 進化した学生生活 ペルソナの戦闘や本編のシナリオだけではなく、学生生活も充実。勉強に部活、恋愛に釣りや読書などの趣味、アルバイトなどの等身大の高校生らしい生活が送れる。 特に海外からは日本の学生生活を送れると高評価。 キャラクターの魅力 主要キャラからサブキャラまで、多くのキャラが高い人気を誇っている。 主人公は自発的にしゃべることのないいわゆる無口系主人公でありながら、選択肢ではお惚けた台詞からカッコいい台詞まで様々。ダンジョン攻略だけでなく学業やアルバイトなど、彼を通して楽しい学園生活を満喫できる。 特に足立透や堂島菜々子の人気は高く、後続の派生作においてプレイヤーキャラやナビ役などに抜擢されるほど。 この評価の高さは、上記のコミュニティと同じように各キャラの所々にリアルな描写を交えつつ、分かり易い丁寧な心情描写、演出が行われている点による。 キャラクターとの会話では話し言葉が使われたり、どこか現実で見かけそうな言動などが多く、親近感が沸きやすい。 主人公達の絆が感じられる。 仲間たちは全員、ペルソナ覚醒時に心の内面をさらけ出し本心から打ち解け合える関係となっていて、主人公達の仲が良いというのも1つのポイント。 仲間全員のペルソナが日本神話をモチーフにしていることや眼鏡といった共通点にも、チームとしての連帯がみられる。 前作では、仲間キャラの誰もが暗い過去や深刻な事情を抱えており、各々の苦しい胸の内や仲間同士の確執が描かれていた。 一方で、本作ではキャラクターが乗り越える壁が「家族関係や人間関係、世間体」といった身近なものに変わったため、より共感しやすい、高校生の微笑ましい学園生活を見ることができる。 この路線変更により「マニア向け・メガテンっぽい」前作との差別化が図られており、本作はより「万人向け・親しみやすい」作風になったと言える。 加えて『P3』には無かった男子仲間コミュも用意され、よりシナリオとキャラが密接な関係へと進化している。 恋人候補達も前作から増えた。 + 登場人物 メインキャラクター 主人公(CV 浪川大輔) アルカナ:愚者(ワイルド) 初期ペルソナ:イザナギ 両親が海外出張するため、母方の叔父の堂島遼太郎の家に1年間居候することになった高校2年生。 周囲が認めるリーダーシップとカリスマ性の持ち主。 デフォルト名は無いがTVアニメ版や続編の『P4U』では「鳴上 悠(なるかみ ゆう)」が使われているため、事実上これがデフォルト名になっている。 初期ペルソナのイザナギの風貌や竹刀を持っている様子などからファンの間では「番長」で通っている。後に『P4U』でこのあだ名が公式化。 戦闘での武器は刀及び長剣。 花村 陽介(CV 森久保祥太郎) アルカナ:魔術師 ペルソナ:ジライヤ → スサノオ → タケハヤスサノオ(P4G) 主人公のクラスメート。市内にあるデパート「ジュネス八十稲羽店」店長の息子。 主人公同様に半年前に都会から引っ越してきている。誰にでも分け隔てなく接し、面倒見の良い性格。だが、下ネタ発言が多いため「口を開けばガッカリ王子」と称されている。 彼が思いを寄せていた小西早紀が連続殺人事件の犠牲者になったことをきっかけに「特別捜査隊」を結成する。 主人公を「相棒」と呼ぶ。 戦闘での武器は小刀の二刀流。 里中 千枝(CV 堀江由衣) アルカナ:戦車 ペルソナ:トモエ → スズカゴンゲン → ハラエドノオオカミ(P4G) 主人公のクラスメート。カンフー映画の大ファン。天城 雪子とは幼少からの幼馴染。 色気より食い気で好きな料理は肉。男友達も多いがあまり女扱いされない。 主人公たちに「マヨナカテレビ」の噂を教えた。 戦闘での武器は足甲および我流の足技。 天城 雪子(CV 小清水亜美) アルカナ:女教皇 ペルソナ:コノハナサクヤ → アマテラス → スメオオミカミ(P4G) 主人公のクラスメートで千枝の親友。高級旅館「天城屋旅館」の一人娘で次期女将。 いかにも大和撫子といった美貌で学内外問わず人気が高いが、アプローチを全て袖にしているため彼女を口説くことは「天城越え」と呼ばれている。 実はかなりの天然ボケでマイペースな性格の持ち主。気心の知れた仲間内では些細なことで笑いが止まらなくなる一面も。また、千枝と共に料理の腕前は壊滅的で林間学校で作ったカレーは「ムドオンカレー」と呼ばれている。 マヨナカテレビに映り、特別捜査隊の最初の救出者となる。 戦闘での武器は扇。 巽 完二(CV 関智一) アルカナ:皇帝 ペルソナ:タケミカヅチ → ロクテンマオウ → タケジザイテン(P4G) 主人公の1つ後輩になる高校生。中学時代に一人で暴走族を潰したと噂される札付きの不良。 根は素直で母親を大切にしている少年。暴走族を潰したのも母親を思っての行動だった。 手先が器用で裁縫や編み物が得意。可愛いもの好きなど見た目に反した趣味を持つ。いわゆるオトメンである。 戦闘での武器はパイプ椅子などの凶器。 久慈川 りせ(CV 釘宮理恵) アルカナ:恋愛 ペルソナ:ヒミコ → カンゼオン → コウゼオン(P4G) 短期間で準トップまで上り詰めたアイドルだったが突如芸能活動を休止し、地元である稲羽市の丸久豆腐店に越してきた(*2)。 無邪気で人懐っこく、人の感情を敏感に感じ取る感受性の持ち主。マヨナカテレビから救い出されて以降は主人公に好意を抱き、アピールを繰り返す。 ペルソナは情報支援に長けた探索系能力のため、戦闘には参加せずにサポートに徹する。 クマ(CV 山口勝平) アルカナ:星 ペルソナ:キントキドウジ → カムイ → カムイモシリ(P4G) 初めてテレビの中に入った際に出会うことになる生き物なのかどうかもわからない存在。きぐるみのような姿をしているが中は空っぽ。 テレビの中の世界に住んでいたが最近騒がしくなってきたため、中に入れる主人公と共に事態を解決するために協力関係を結ぶことになる。 白鐘 直斗(CV 朴ロ美) アルカナ:運命 ペルソナ:スクナヒコナ → ヤマトタケル → ヤマトスメラミコト(*3)(P4G) 主人公の1つ後輩。代々探偵を輩出している家系の5代目。「探偵王子」としても有名で、連続殺人事件の特別捜査員として稲羽市に現れ、八十稲羽高校に転校してくる。 探偵らしく頭脳明晰で強い正義感の持ち主だが、思い込みが激しく融通の利かない面もある。 戦闘での武器は銃。 サブキャラクター 堂島 遼太郎(CV 石塚運昇) 稲羽署に勤務する刑事。主人公の母親の弟で、主人公を1年間居候させる。 妻を交通事故で亡くしており、娘の菜々子を男手ひとつで育てながら、ひき逃げ犯の行方を追っている。 刑事としての能力は確かなもので、連続殺人事件の法則性を推理してみせていた。 堂島菜々子(CV 神田朱未) 堂島 遼太郎の一人娘で小学1年生。 家を空けがちな父親に代わって家事をこなすしっかり者。 同居することになった主人公とは当初距離を取っていたが、次第に打ち解け「お兄ちゃん」と呼ぶようになる。 その純粋無垢な性格からユーザーから男女問わず人気になり「ナナコン」と呼ばれるファン用語ができた。 足立 透(CV 真殿光昭) 本庁より赴任してきた若い刑事。堂島の部下として共に行動する。 捜査内容を主人公たちに漏らしたり、完二に気圧されたりするなど口が軽く間の抜けた性格。 給料が低いのかキャベツを愛食している様子。 質の高いストーリー・世界観 詳細はネタバレになるため伏せるが、数々の要素が絶妙に噛み合って描かれるテーマとそのストーリー構成の質は高い。 シリーズの中では全体的に明るく和気藹々とした雰囲気ではあるが、殺人事件を通して終りなき日常の裏側にある闇を感じさせるなどダークな要素も持ち合わせている。 仲間との絆やもう1人の自分との対峙のピックアップ、そのなかに「猟奇殺人事件の捜査」という推理物の一面も含んでシナリオは進行していく。 メインのシナリオは手探りの状態で進んでいくため、操作するプレイヤーも含め後手後手に回っていくのだが、全ての真相を知ったうえで2周目を始めると、実は事件の犯人の姿が伏線としてあちらこちらに出ていることに気付くはず。 その犯人を主人公達が追求するシーンでも1周目では冷静さを失った犯人からなんとか情報を引き出しているように見えるが、真相を知った後でこのシーンを見ると1周目とはまったく異なって見える。 このようにデータ引き継ぎの2周目という単純なやり込み要素だけでなく、新たな発見があるのもモチベーションを引き上げる。 この「もう1人の自分との対峙」は、誰もが一度は感じたことがあると思われる他人への劣等感など身近なものが多く、キャラクター達の魅力とあいまってストーリーへも感情移入しやすい。 「人には表と裏、様々な顔がある」というテーマがペルソナという人格を通してシリーズ内で描写されることが多いが、そのどの顔も現実にあってもおかしくないものとして描写されているのも今作の魅力である。 舞台となるダンジョンやもう1人の自分であるシャドウはそういった各キャラクターの一面、コンプレックスが誇張されたものになっている。 ダンジョンやシャドウのデザイン、設定などからキャラクターの内面を考察できるというのも今作の魅力の一つである。 例を出すと、花村陽介の思い人である小西早紀のシャドウは辛辣な言葉を発するが、シャドウの設定を理解していれば彼女の本当の気持ちがわかり、シナリオの奥深さを知ることができる。 ギャグ・ネタ的なイベント・ダンジョンも用意され(料理イベント、熱気立つ大浴場など)、ストーリーの良いアクセントとなっている。 「ペルソナ」や「マヨナカテレビ」といった非現実的な要素はあるものの、主人公達の敵は謎の連続殺人犯であり、堂島たち警察が無能なわけでもなく(*4)、情報収集に関しては主人公達よりも圧倒的に警察の方が上など、ストーリーの基本部分は非常に現実的。 細かいことかもしれないが、本作が「フィクションだけど本当にありそう」な感じに仕上がっているのはこういったものの積み重ねの賜物である。 加えて、「メガテンの系譜」らしく近年問題となっている「少年犯罪」「いじめ」「シャッター商店街」などの時事ネタも盛り込まれ、リアリティを感じさせる要素の1つとなっている。 日常と地続きの学園物・ジュブナイル物として完成度が高まった。 前作も学園物の要素を多く持っていたが、「世界に破滅を招く『影時間』の抹消」や「巨大企業の極秘実験」といった壮大な目的や背景となる設定があり、多くの登場人物が劇的な運命に翻弄される作風になっていた。 登場人物も、極端に尖った個性付けをされた、現実離れしたキャラが少なくなかった。 それに対して本作は、どこかに実在しそうな田舎町が舞台であり、登場人物も「どこかにいそう」な人間味溢れるキャラクターが多く、日常の描写は真に「日常」感が溢れるものとなった。主人公たちの行動も「地元で起きた事件の捜査」というジュブナイル物では定番とも言える形で始まる。 地方を舞台とすることで、東京や都会が舞台であったメガテン他作品や前作と異なり、都会に馴染みのないプレイヤーにも没入しやすい世界観となっている。 一方、主人公は「都会から田舎へ引っ越してきたばかり」と設定されており、田舎に慣れていないプレイヤーにとっては「田舎への移住を体験する」形となり、感情移入しやすい設計となっている。 人外の仲間キャラの存在にも説得力を与え、作品世界に調和させている。 本作では着ぐるみのような姿をした人外のキャラであるクマが仲間に加わるが、「作品世界のリアル」を破綻させない背景を持っており、その存在が作品の中で自然なものになっている。アイギスは中盤以降で登場するが、クマは最序盤で登場し、異世界への最初の導き手となる役割でもあるため、高校生のパーティにいきなり異質な存在が加わるという違和感も少ない。 総じて、超常の戦いに身を投じつつも見慣れた日常を生きる高校生たちの物語として、より自然で親しみやすい形に洗練されたと言える。 優しげでスタイリッシュなピアノ曲と夕焼けの校舎に佇む主要キャラクターたちのシルエットが印象的なタイトル画面は、そんな本作の雰囲気を良く表している。 グラフィック グラフィックも、細かい部分でリアリティが出るように作りこまれている。 「ブロック塀の汚れ」「さび付いた看板」といった場所の汚しや、夏の夜に蛙の鳴き声が聞こえる等といった演出で地方都市といった部分を見事に表現している。 アニメーションパートも美麗(*5)。挿入されるタイミングも良く、より物語への没入感を高めてくれる。特にオープニングアニメは毎回見てしまう人も多いのではないだろうか。 インターフェイス デザイン性に優れていながら機能的で使いやすい。前作同様、近年稀に見る良インターフェイスである。 音楽 前作に引き続き目黒将司氏がメインコンポーザーをつとめている。 通常戦闘曲「Reach out to the truth」やオープニング曲「Pursuing My True Self」など音楽も好評。 特に、最初はOP曲かと思われていたほど戦闘曲離れしていた通常戦闘曲の衝撃は大きかった。 サウンドトラックの売り上げはオリコン調べで5万枚以上という、ゲームのサウンドトラックとしては稀に見る売り上げを叩き出した。ちなみに、前作もかなりの売り上げを記録している。 ゲーム サントラの売り上げ比率はおおよそ32 5。約15%である。音ゲーやギャルゲーのキャラソンCDを除けば売れても5~7%、1%未満もそう珍しくないゲームサントラにおいて、まさに記録的な数字である。 賛否両論点 ミックスレイドの廃止 ミックスレイドとは、主人公が所有するペルソナの特定の組み合わせで発動する特殊スキルで、前作で登場していた要素である。 今作では、スタッフ曰く「所有するペルソナが限定されてしまう」「強力すぎた」という理由により廃止されている。ただ好評な要素だっただけに廃止に不満をもつプレイヤーもいた。 本作での廃止での不満の声を受けてか『P3P』では、ミックスレイドは組み合わせでの発動ではなく、アイテムを使用することで発動する形に変更されている(*6)。 シナリオの雰囲気 物語の題材が殺人事件なのに明るすぎるという声もちらほらある。 特に花村陽介は事件で片思いの先輩を亡くしているのに、シナリオではコメディリリーフの展開が多い。もっとも、ストーリーやコミュを通して彼本人の性格や場を暗くしないための気遣いであるとわかるようになっているが。 一方でこの堅苦しくない雰囲気が、学園生活の描写を彩っているという点もあり、一概に問題点とまでは言えない。レクリエーションに興じるのも年頃の高校生であることから、当然と言えば当然である。 問題点 シナリオ パーティメンバー全員が揃う終盤まで、「新たな仲間キャラがトラウマからシャドウを生み出し、それを乗り越えることでペルソナを得て仲間に加わる」展開が繰り返される。一応事件捜査の本線は進行するものの、マンネリ感は否めない。 エンディング分岐 まず今作はバッドエンディング3種類(*7)、ノーマルエンディング1種類、真エンディング1種類の計5種類となっており、終盤のある2つのイベントでの選択肢を間違うとバッドエンドになってしまう。 1回目のイベントが厄介で、仮に真相が分かっていても僅かな選択肢のミスからバッドエンドに直行する。 2回目のイベントは選択肢による推理だが、シナリオを注意深く読んでいれば目星をつけられ、直前でヒントも出る。さらに3回のチャンスが有るため、間違えることは少ない。 バッドエンドは未完が明白なので、直前のセーブ箇所からやり直せるが、エンディングの分岐点に差し掛かるまでが長く(特に1回目のイベント)時間がかかる。 真エンドは条件がさらに分かり難い。その上、ノーマルエンドでもある程度大団円であるため、真エンドの存在に気付かずクリアしてしまう場合もある。 最終日でのある行動が確定条件となるが、その条件が相当虱潰しに探索するスタイルのプレイヤーでないと気付かない方法で、最終日の行動順によってはそこでイベントが起こるという発想自体が浮かびにくい。 普通にプレイしているとエンディングの時点でレベルが低い、最後に解禁されるペルソナが実質使用できないなど、システム面から気付く可能性はある。そこから条件を探すのはまた難しいが。 ダンジョン探索 自動生成ダンジョンの内容自体は前作とあまり違わない。 敵も何も無い道をただ移動したり戻らされるだけの場面も多い。プレイヤーの移動速度も速くはないが、これは敵シンボルとの接触の兼ね合いもあるので仕方ない部分もある。 ダンジョンごとに見た目の個性が設定されたためマンネリ度は多少緩和されているが、探索自体に関わるギミック類は相変わらず少なく、ダレる原因になりやすい。先述した「他メンバーへの散開・集合指示」や「1フロアの探索時間制限」などの撤廃もここへ関与している。 前作では、毎月タルタロスの外に固定マップのダンジョン(短いが)が用意され、これを探索し主要ボスと戦うというイベントが用意されメリハリをつける要素となっていたが、本作にはそれがなくほぼすべて自動生成のダンジョンで完結する点もこれを助長している。 このようにダンジョン探索でダレる要素が多いにもかかわらず、クエストは「クリアしたダンジョンの特定の敵から、クエスト受領時のみドロップするアイテムを届ける」と言う物ばかり。 クエストの発生時期が少しズレているのでいくつか受け損ねてしまう事もあり得る。そうすると「クリアしたダンジョンに何度も通い、目当ての敵が出るまで延々エンカウントし続ける」と言う作業を強いられ非常に面倒くさい。 クリア後ダンジョンに出現するミニボス討伐と合わせて消化することが想定されているような仕様だが、攻略の流れに沿った「これから向かう場所で得られる物品を持ち帰る」仕様でないのはやや不親切。 また、こうした要素と日数が限られている点から、効率の良いプレイを考えると「クエスト消化とシナリオクリアを1日で終わらせる」ことになる。その結果「日常が長くてなかなかダンジョン探索が始まらない」「いざダンジョンに入ると、やるべきことが多すぎて日常になかなか戻れない」「最新ダンジョンで大変な事件が起きているのに、それを無視して前のダンジョンへアイテム探しにいく」ということになりがち。 加えてあるダンジョンには「クリアすると残り期限に関わらず強制的に特定の日付まで経過する」という罠があったりする。 その他 登場人物の多くが「本当の私とは何か」を自問し、その答えを見出してゆく物語であり、各人のそうした姿を血の通ったものとして見せるだけの背景も与えられている。 だが、事件の真犯人についてはあまり掘り下げられておらず、世界を脅かすほどの心の闇がいかに育まれたかの描写は、決戦前に本人の語りがある程度でやや薄味。 製作者も掘り下げ不足を認識していたのか、『P4G』では多少補完されている。また、そのアニメ版『Persona4 the Golden ANIMATION』でも、その人物の視点からの描写がある。 序盤の数日間はメニューを開けない関係上、コンフィグ設定を切り替えることもタイトル画面に戻ることもできない。 主人公の名前入力をやり直したくなったり、コンフィグ設定を変更したくなった時などに不便。 イベントをスキップできない △ボタンを押し続ければ文章を高速で飛ばすことはできるが、キャラの動きなどの人形劇は飛ばせない。ムービーは一瞬でスキップできるが、エンディングだけは飛ばせない。 イベントを鑑賞したいわけではない場合(*8)には、イベントを飛ばせないためにゲームのテンポが悪く感じられる。 1周クリアする分にはそれほど問題ではないが、データ引継ぎ・周回プレイが想定されている昨今のRPGとしてはやや不親切な部分。 仲間の性能差が大きい。 命中率不足に陥りやすい本作で高い命中率と回避率を誇り、その他運以外のステータスもかなり高め、さらに得意とする属性の耐性を持つ敵が少ないために大活躍しやすい陽介が抜群の高性能と汎用性を誇る。 また、魔力以外のステータスのバランスが良く、強力な物理攻撃スキルや物理攻撃の威力を上げるスキルを複数持つ千枝も陽介に次いで優遇されていると言える。 また、この2人はコミュニティの入手が早いため、早い段階でコミュニティを最大まで上げて上位ペルソナを覚醒させると、主人公のペルソナ次第で3人が弱点無しとなり、戦闘をかなり有利に進められる(*9)。 反面、SP不足に陥りやすい完二や、極端なスキル構成を持つ直斗辺りはステータスの粗もあり、他のメンバーと比べて不遇さが目立つ。 素材の問題 新たな装備品を購入するために必要な「素材」類のアイテムは、作中で「持っていても意味が無いので売却しましょう」と説明されるのだが、実際には一部の素材はクエストでも必要になるので、売らずに一定数確保しておいた方が良い場合がある。 素材を売却して新たな装備品が購入可能になった際は、店主が新製品を開発する演出があるのだが、一品ごとに行われるので時間が掛かる。 大抵の場合、ダンジョンで集めた大量の素材をまとめて売却するので、一度に多くの新製品が開発されることになるため長く待たされる。 一部の装備関連の画面では、L1・R1ボタンによるキャラ切り替えが利かない。 全体的にインターフェイスが良いためこの部分が目立つ。 ダンジョン探索中の「みんなと話す」 誰と話すかはランダムで決定される。パーティ内の仲間と一通り会話したければ、何度も「みんなと話す」を選ばなければならず、無駄に同じキャラと何度も会話することになる。 鍵付きの宝箱 本作では敵シンボルが宝箱に密着する様に配置されていることが多いが、宝箱の側で○ボタンを押して敵に先制攻撃を仕掛けようとすると宝箱を開けるのが優先されて攻撃できず、敵から不意打ちを受けてしまう場合がある。 とはいえ通常の宝箱の場合、開けた直後に○ボタンを押せば攻撃が間に合って先制攻撃に成功することが多い。問題は鍵付きの宝箱の場合で、鍵を開けない限り攻撃できないため、鍵を消費するか敵からの不意打ちを受け入れるかの二択を迫られてしまう場合もある。 コンフィグの設定項目「自動ページ送り」 イベントの途中で自動ページ送りを止めることはできず、イベントの最中にこの設定のON/OFFを切り替えられる機能がない。 特定の文章をじっくり読みたくなった時や、一時的にゲームから離れたくなった時などに困る場合がある。 この設定がONの時でも、ボタン入力により即座にページ送りをすることは可能だが、ワンボタンでページを送れる上に、文章が表示される数秒前から入力を受け付けているため、飛ばしたくない文章までうっかり飛ばしてしまうことも起こり得る。 一部のクエストが見落としやすい。 □ボタンでのショートカットに対応していない「教室棟3階」「実習棟2階」と、普段使わない物陰の階段にいるNPCからのクエストなどが見落としやすい。特に「教室棟3階」は普段ショートカットを使用していると、存在にすら気づかないプレイヤーもいる。 最強武器獲得に手間がかかる。 特殊なモンスターを倒して獲得するのだが、出現させるのに運が絡み、かつ下準備に結構な手間がかかってしまう。しかも、武器防具は周回引き継ぎができない。 三学期の期間はプレイできない 前作は1月もプレイ可能だったが、今作は1~2月の期間は(物語の都合もあるが)自動的にスキップされてしまう。 キャラクターや舞台の魅力ゆえ「プレイしたかった」と惜しむ声も多かった。 ちなみにプレイできない期間中のエピソードの一部は後述のドラマCDで語られている。 引継ぎ要素の縮小 『P3』ではレベル、各種アイテム、各種装備品が引継ぎできたが今回はできない。そのため『P3』のような強くてニューゲームを行うことはできず、ゲーム性としては狭まってしまった。 釣り 隠者コミュで釣りのミニゲームを行うが、そこそこ難易度が高い。 総評 前作の不満点をしっかり解消しつつ、ポップな雰囲気を強めた上でジュブナイル的要素を大きく打ち出し、非常に高い評価を得ることとなった。 シリーズ通して見ても珍しく明るい展開が多いため、『P2罪』『P3』などの重い展開に打ちのめされた人にもお勧めできる。 ペルソナ4 ザ・ゴールデン 【ぺるそなふぉー ざ ごーるでん】 ジャンル ロールプレイングゲーム 対応機種 プレイステーション・ヴィータWindows(Steam) 発売・開発元 アトラス(インデックス) 発売元【Win】 SEGA of America(*10) 開発元【Win】 プリアップパートナーズ(*11) 発売日 2012年6月14日【Win】2020年6月14日 定価(税込) パッケージ 7,329円ダウンロード 5,980円【Win】1,980円 レーティング CERO C(15才以上対象) 廉価版(税別) PlayStation Vita the Best2015年2月5日/3,980円ダウンロード版 3,685円 判定 良作 女神転生シリーズ 概要(ゴールデン) PS2版に追加要素と調整を加えて移植したアッパーバージョン。通称『P4G』。 変更点・評価点 コミュの新規要素、調整 新規に「道化師」「永劫」の2種が追加。 それに伴い、新キャラクター「マリー」が登場。対応したアルカナのペルソナの種類も増加。 道化師コミュはサブキャラから昇格した足立透が担当し、彼の掘り下げが行われている。 既存のコミュに関しても調整が入り、話しかけられる日の増加、夜間の会話、神社にコミュ進展用施設「おみくじ」が設置、特定のコミュに存在した期限が「一時休止」という形に変更されるなど、攻略しやすくなった。 仲間とのコミュではランク上昇に伴いスキルを習得する様になった。 イベント、ダンジョンの追加 それぞれの季節に大小様々なイベントが追加。それに伴い新規アニメも追加、今回のアニメ製作はマッドハウスが担当。 代わりに追加イベントの発生する日は強制的につぶれるので注意が必要。 特定の条件を満たすと追加ダンジョンにも挑めるようになる。 さらに特定の条件を満たせばエンディング関連にも変化がある。 PS2版では操作不能だった三学期が操作可能に。クリスマス、正月、スキー旅行、バレンタイン…と言ったイベントが追加された。 ただし、バレンタイン翌日の2/15から最終日の3/20までスキップされるため、三学期の全期間を過ごせるわけではない。イベントに費やされる日も多く、自由行動が可能な日数は30日ほど。 その期間内、仲間とのイベントも増加。それに伴って仲間のペルソナが第3段階まで覚醒するようになった。 メインストーリーの展開はPS2版と変わらず、事件そのものは年の瀬に終焉を迎える。 修羅場イベントの増加 股がけしているとダンジョン内で女子仲間と話した際、少しギスギスした会話が聞ける他、上記のバレンタインでは修羅場に陥る。 日中、仲間のスキルに関わる「バイクイベント」が追加された。バイクで仲間と出掛け、2人で語らうことで新スキルの習得または忘れたスキルの再習得ができるというもの。 これにより、直斗に4属性魔法を揃えさせたり、完二に回復魔法を習得させる、といった育成もできるように。 戦闘関連の調整 仲間(ナビ役のりせ含む)、敵共に全体的なステータス調整や弱点の変更などが施されている。 特に仲間キャラの性能には大幅な調整が加えられており、「陽介が居れば充分」とも言われたPS2版から一転、全てのキャラがそれぞれ使いやすくなった。 特定の仲間同士による「合体攻撃」や、メンバー外の仲間がバイクで出張してくる「出張追撃」に加え、りせによる総攻撃の援助および戦闘サポートなどの新要素も追加。 「総攻撃」のカットインも変更。エフェクトが変化した魔法なども。 戦闘後のボーナスタイム「シャッフルタイム」の仕様がガラッと変更。 目押しや配置記憶の必要が無くなり、ボーナスタイムとしての面が強化。残り選択回数が許す限り好きなカードを取っていける。 また、ペルソナのステータスが下がってしまう等の「逆位置」の永続的なデメリット要素も削除され、ペルソナの育成・追加ボーナスの発生など積極的に狙っていけるようになった。 難易度設定が5段階に。従来の「EASY」「NORMAL」「HARD(無印のEXPERTに相当)」に加え、より易しい「SAFETY」と、より厳しい「RISKY」が追加。 各ダンジョンのボスシャドウ直前のセーブポイントが廃止された替わりに、全滅時はSAFETYならその場でリトライが何度でも可能、RISKY以外であれば全滅した階層の入口からやり直せる。 2周目以降はゲーム中いつでも難易度が変更できるようになる他、被ダメージの多い・少ないなど各種数値の細かい調整が可能になる「CUSTOM」が追加された。 ペルソナ関連の変更 好きなペルソナに好きなスキルを覚えさせる事ができる「スキルカード」が導入。シャッフルタイムで入手できるほか、とある施設にてペルソナから抽出したり、マリーに「登録」する事で買えるようにもなる。 これにより、合体に頭を悩ませなくても好きなスキルを付与できるようになった。ただし、買う場合はかなり高額なので、懐具合と要相談。 なお、ペルソナからの抽出は1枚につき昼行動を1日分消費するため、多用するとコミュ進行に支障が出るので注意。 PS2版では継承不可だったスキルも一部スキルカード化が可能になった。 さらに合体時のスキル継承もランダムではなく任意で選べるように。 良くも悪くも『真・女神転生III』からの伝統であった「○×ゲーム」がついに廃止され、ペルソナのカスタマイズが極めてしやすくなった。 新規システム 装備欄に「衣装」が追加。りせを除いたパーティメンバーのコスチュームが自由に変更できるようになった。 衣装の種類も冬服・夏服のみならず水着・メイド服といった定番のものから、ヒーロースーツや腰巻きタオルといったネタ系のものに加え、一部ファン及び雪子待望の「鼻メガネ」も実装された。 一部の防具で見た目が変わっていた『P3F』とは違い、衣装は防具と無関係に装備できるため、キャラクターの強化・能力に関係なく自分の好みで姿を変えられる。 アイテムと同等の効果を持つ野菜を育てる事が出来る「家庭菜園」・釣りの餌を自力で取る「虫取り」・敵が落とす宝石とアイテムを交換してもらえる「スナック紫路宮」・仲間と観る事で仲間のレベルを上げられる「映画」・部屋に飾る人形が入手できる「クレーンゲーム」が追加。 釣りや読書、通販、また各種授業や学科試験なども細かな仕様変更がされている。 通販は「日曜昼にしか見れず、休日の誘いを受けると利用できない」という問題があったが、「日~火の任意の時間に見ることができ、休日の誘いを受けても利用できる」様に改善された。 PS2版では晴れ、曇り、雨の3種類の天候だったが新たに雷、雪が追加された。 新規BGMの追加 通常戦闘曲がPVでも使われた「Time To Make History」に変更。オリジナルの通常戦闘曲は先制攻撃時のBGMになった。また、夜や3学期の自由行動時のフィールドBGMが追加されている。 とあるボスシャドウ戦では、従来のボス戦BGMにダンジョン意匠に沿ったアレンジが施されている。 エクストラコンテンツ「番組表」の追加 ある程度シナリオを進めると画面をダブルタップすることで番組表に移行できるようになり、様々なおまけ要素を楽しめる。ただし、イベント中やテレビの中にいる間は移行不可。 作中で使われたアニメやBGMに始まり設定画やメインキャストインタビュー、『P4A』『P4U』のプロモーション映像、ライブ映像と盛り沢山。PS2版のオープニングアニメも収録されている。また、ゲーム中の知識を競うクイズ、『ペルソナ』シリーズの設定上のベースとなっているユング心理学の講座まである。 これらは最初から鑑賞できるわけではなく基本的にゲームの進行に応じて解禁されていく。 また、リアル時間で0 00~0 59に番組表を開くと…。 不評だった機能の利便性向上 スタートボタン2回押しで自動的に選択肢までイベントを早送りする機能や会話ログの追加など、シナリオの進行に便利な機能が多数追加され、前述の「その他」の問題点については概ね解消している。 バッドエンドへの分岐イベントの前にセーブを推奨するメッセージが出るようになったため、仮に選択肢を間違ったとしても再挑戦しやすくなっている。また、セーブ・ロード時間も短縮されている。 真エンドへの条件緩和や「みんなと話す」で個別に話しかけることが可能になった点など、細かい調整も行われている。 賛否両論点(ゴールデン) OPムービーが新たに追加・変更されているが、曲がりなりにも「殺人事件」という題材を扱っている割にそういった要素が薄く、あまりにポップすぎるとして賛否が分かれている。 被害者の死体もポップに描かれており、うち1人は中盤のネタバレである。顔はわからないようになってはいるが。 ファンのなかにはPS2版はシリアス寄り、今作は日常よりのオープニングと分けて考えている人もいる。 中盤以降の難易度が大幅に低下している。 特に、りせの能力が強化されたのが大きい。PS2版ではコミュMAX特典だった相性サーチがランク2で手に入り、総攻撃の威力上昇、より上位のアナライズ、戦闘後回復の強化、戦闘中のサポートなど至れり尽くせり。 これにより早々にエンカウント系のナビが聴けなくなるという弊害も発生している。これに対応したトロフィーも存在するので、欲しい人はりせのコミュ進行を遅らせる必要もある。 主人公も、スキル継承の易化によって強力なペルソナが作りやすくなり、シャッフルタイムの仕様変更により装備ペルソナが強化しやすくなった。 その他の仲間キャラも強化されている上、一部キャラの第3段階ペルソナが持つ専用スキルは非常に強い。 これらの要素は主に中盤以降に実用性を増していくが、それに対して敵はさほど強化されていないため、展開が進む程に難易度が下がる。前作の時点でもその傾向はあったが、本作はそれがさらに強い。 主人公のペルソナ作成・成長が楽になった分、ペルソナの個性が薄くなった。 スキルはスキルカードで習得できる上、能力値はシャッフルタイムの仕様変更により上昇しやすく、どんなペルソナでも強化できる。 新要素でも補えないのは各ペルソナ自前の「耐性・弱点(*12)」と継承不可能な「固有スキル」で、これら2つが揃っているかどうかにペルソナの強さが大きく左右されてしまう。逆に、それらが無い・欠けているペルソナは、どれほど上位であっても性能的には使いにくい。 また、1つのペルソナを長く使っているとどんどん強くなるため、「ペルソナ合体で上位ペルソナを作ったのに、能力値は弱くなった」なんてことも。 ただし「好きなんだけど性能がいまいち……」なペルソナを最後まで使える様になったという長所でもある。例えば、主人公の初期ペルソナ「イザナギ」はアニメで活躍したり、アクションフィギュア化されるほど非常に人気があるが、PS2版では最後まで使い続けるのは難しい性能だった。しかし今作では前述の要素により強化することができるようになり、最後まで使い続けることも可能になった。 全属性の攻撃をカンストステータスで放てるペルソナや、戦闘後に完全回復する永久活動ペルソナ(*13)も現実的な手間で作成できる。 主人公が突出して強い。 上記の通りペルソナの強化が容易になったことで、ただ1人ペルソナを交換できる主人公の戦闘能力も強化された。仲間も全体的に強化されているが、それ以上に主人公が強化されている。 速の高いペルソナを付けておけば、戦闘が始まるや否や全体攻撃で弱点を突き、ワンモアや総攻撃でもう一押しして仲間の出番がないまま終了、という展開がかなり多くなる。 主人公が強いこと自体はそこまで問題ではないが、SP消費が主人公に偏る、主人公がスキルカード抽出目的などで半端なペルソナを付けると目に見えて戦闘が長引くといった弊害がある。 問題点(ゴールデン) 難易度調整は敵が固くなるだけだったり、取得経験値が減って手間が増えるだけといったやや安直なもの。 素材を売却する際のテンポの悪さは変わらず。 ただし素材売却で店頭に並んだ武器は2周目からは最初から店頭に並ぶので、プレイしていけばこの部分の不満は小さくなる。 追加イベントのほとんどが日常イベントであるため、「日常が長くてダンジョンになかなか潜らない」と言う傾向が増している。 特に8月~9月中旬にかけては、元々事件の進展が少ない所に追加イベントが加わったためこの傾向が強い。学園コメディとしての要素が強くなった分「物語」として見ている分にはそれほど気にならないが、「ゲーム」として見ている場合はかなりテンポが悪くなってしまった。 追加イベント中にフリーズするバグがある。 現在は修正パッチが配信されているので、これから始める人は最初にパッチを当ててからプレイすることをお勧めする。 総評(ゴールデン) 様々なボリュームアップと調整を施した、正当なアップグレード版。 PSVを持っていて今から『P4』を遊びたいのであれば、基本的にはこちらをお勧めする。 ただし、様々な追加要素によってゲームとしての難易度だけは『P4』から大きく低下しているので、その点だけは注意。 余談 「日本ゲーム大賞2009」「ファミ通アワード2008」においては、その年度にてPS2作品で唯一優秀賞を受賞した。 2ちゃんでは一時期ネタバレコピペ騒動があり、現在もネタバレコピペが度々貼られる、興味を持って調べる際には気をつけよう。 そのためか、『P4G』の時はアトラス(インデックス)自らネタバレ警告を出した(参照)。 Win版発売に合わせて新たなガイドラインが出された。それがこちら。発売から長いことや続編、シリーズ新作が発売されているためか古い物よりかなり緩め。 またカードゲーム『ヴァイスシュヴァルツ』『LORD of VERMILION』及びアニメ版において殺人事件の犯人が誰だかネタバレしているので注意。 本作が悪いわけではないが、真犯人が続編にプレイアブルキャラとして登場するためタイトルを検索しただけで画像が出てきてしまうなど真犯人のネタバレに遭遇しやすい状況にある。 英語版は北米でも評価が高い。日本の青春が体験できるという声や、地方都市に進出した大型スーパーによって商店街の過疎化が進んだ様にウォルマート(*14)の姿を重ねたという声も。 また海外では登場人物の1人、巽完二の描写に関する評価が非常に高い。 彼は裁縫や編み物、可愛いものが趣味であることを幼少期に女の子から「男のくせに」とからかわれて以来、女性にやや苦手意識を持っているほか、漢らしくありたい自分とらしくない趣味に悩み、それを隠すために自ら不良を演じていた。作中のある出来事をきっかけに趣味や女性への苦手意識から「自分は同性愛者なのではないか」という疑問を抱くことになる(*15)。 その後、ストーリーや主人公とのコミュを通じて自身と向き合い、自らを受け入れていくのだが、この「ジェンダーロールと自身の違い」やそれからくる「性自認をはじめとした自己確立について」の悩み、そしてそれらと向き合っていく様が丁寧に描かれているとして評価されている。 おっとっとやホームランバー、赤いきつねと緑のたぬき等の実在する商品とタイアップしており、身近なおやつを食べながら青春をかけぬけるキャラクターたちの姿が描かれ、その「どこにでもある感」がキャラやストーリーへの感情移入に貢献している。 2012年7月、本作に登場する炭酸飲料『リボンシトロン』のP4Gコラボ商品が発売された。 『P4G』で無印『P4』から「霧雨兄弟の三男」が削除されている。 そのため、その敵のドロップアイテムから作れる武器は作れなくなっている。性能自体は微妙なため騒がれることはなかったがそれだけになぜ削除したのかは謎。 主人公は2016年にシリーズ新作『ペルソナ5』が発売されるまで、約8年の間アトラスを支えた男と一部のファンからは畏怖(?)の視線を送られている。 格ゲーや音ゲーなど様々な外伝が発売された上に、発売から月日が経過してもなおコラボレーションにも引っ張りだこだったため。『P5』発売以降は徐々にそちらに役割を譲るようになったが、それでも未だなお主人公(とクマ)が彼らと一緒にコラボレーションに顔を出すこともある。 近年では『P4』の主人公がコラボ系に登場するたびにファンからは「もう(コラボ系は『P5』主人公に任せて)休ませてあげて」などと言われることもある。 現在は『P5』主人公のコラボ出張が主流のため、やっと休めるようになった(*16)。 2019年4月18日に『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』がVer.3.0.0に更新され、『ペルソナ5』のジョーカーが有料DLCで参戦した。 ステージ「メメントス」では『P4』の楽曲「Reach Out To The Truth」「I ll Face Myself」「Time To Make History」を設定可能(*17)。これらの曲が流れた際はステージが『P4』のイメージカラーになる。 「ペルソナ4主人公のぼうし+ふく(剣術Miiのコスチューム)」「クマのぼうし」が有料DLCとして配信された。 『ペルソナ』シリーズ共通のキャラクター「イゴール」もスピリットとして追加されている。 その後の展開 アーケード・PS3/360にて本作の2ヵ月後を描いた後日談『ペルソナ4 ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ(P4U)』が対戦格闘ゲームとして発売され、AC版は2012年3月1日稼働開始。 PS3/360版は2012年7月26日発売。『P3』からアイギス・美鶴・明彦・エリザベスも参戦し、オリジナルキャラクター(といっても『P3』の設定集で名前と存在だけは出ていた)も登場する。 この作品はアトラスと『ブレイブルー』や『ギルティギア』を製作しているアークシステムワークスとの共同開発となる。 また、PS3のゲームで初めてリージョンロックを施されたソフトでもある。 2020年6月14日、SteamにてWin版の配信が開始された。配信元はSEGA of Americaで移植を手掛けているのはアニメ事業やVtuber事業も手掛けているプリアップパートナーズ(*18)。 フルHDや可変フレームレートに対応、ボイスは日本語と英語、テキストは日本語・英語・韓国語・中国語(繁体字)から選択可能。 変更点として、プレイ中の難易度変更や「CUSTOM」の利用が1周目から可能となっている。 ただし番組表のうち、声優インタビューの「鞠子の部屋」や、ライブ映像「青紫歌合戦」に加え、『P4U』や『P4A』のプロモーション映像は見られなくなっている。 ちなみに配信開始日の前日に開催されていたデジタルゲームイベント、「PC Gaming Show 2020」における公式告知直後の配信ではあったが、配信日当日のSteamの売上ランキングも1位という快挙を成し遂げている。 メディア展開 ドラマCDが3枚発売されている。 キャラクター達のほのぼのとした日常が描かれており、思い入れのあるプレイヤーほど微笑ましい気分になれること必至。 またアニメ版準拠のドラマCDも全2巻発売された。 2008年9月、電撃黒マ王(第3話から電撃マ王で月刊連載)にてコミカライズ。作者は『P3』同様、曽我部修司。主人公の名前は「瀬多総司」となっている。 ストーリーはあくまでもメインとなる中身に絞り込みつつも、各キャラクターのコミュシーンを織り交ぜている。サブキャラは一部を除いてほとんど登場していない。 あるコミュニティでは陽介を主人公に置き、メインストーリーに絡ませていた。 ペルソナ=シャドウなのだが雪子とりせ以外は別々の存在となっている。 2011年11月から刊行が始まった『ペルソナマガジン』にて陽介を主人公にした外伝漫画『The Magician』が第2号~第9号まで連載。時間軸は本編の半年前から始まり、千枝や雪子たちとの出会いなどを描いている(*19)。 小説は短編集『Your affection』(ビーズログ文庫)、陽介を主人公にした『キリノアムネジア』(ファミ通文庫)、直斗を主人公にした『ペルソナ×探偵 NAOTO』(電撃文庫)が刊行中。『ペルソナ×探偵 NAOTO』は電撃マオウでコミカライズもされ、全2巻が刊行された。 2011年10月~2012年3月、MBS・TBS系列などでアニメ版が放映。通称『P4A』で、主人公の名前は「鳴上悠」となっている。 ゲームにおけるBGMもそのまま多数使用され、カレンダーや戦闘演出もゲームでのカットインを取り入れるなど、スタッフの原作愛を感じさせる作品となっている。 また、新規シーンが追加されたり原作にあるシーンも再構成されているものがあるためゲームをクリアした人でも楽しめるようになっている。 核心部分の真エンディングを再現した第26話は放映されず、映画館で総集編と併せて先行上映し、同一内容が後日BD・DVDで発売された。 2014年7月には『P4G』の追加エピソードを中心に構成されたアニメ版が放映。通称『P4GA』 主人公「鳴上悠」の強さが明らかにストーリーを一度クリアしたレベルで(*20)、ネタ的に話題になった。 また、本編クリア済みのユーザー向けかどうかは知らないが、生粋の握手魔になっている。
https://w.atwiki.jp/kwskp3/pages/348.html
主人公専用ペルソナ 主人公が所持・使用しているペルソナの一覧。 それぞれのアルカナごとに区別して掲載している。 なお、所属しているペルソナのアルカナ、および各ペルソナの所持スキル等の基本性能については、最も新しい「ペルソナ3ポータブル」のものに準拠する。 愚者のペルソナ 魔術師のペルソナ 女教皇のペルソナ 女帝のペルソナ 皇帝のペルソナ 法王のペルソナ 恋愛のペルソナ 戦車のペルソナ 正義のペルソナ 隠者のペルソナ 運命のペルソナ 剛毅のペルソナ 刑死者のペルソナ 死神のペルソナ 節制のペルソナ 悪魔のペルソナ 塔のペルソナ 星のペルソナ 月のペルソナ 太陽のペルソナ 審判のペルソナ 永劫のペルソナ キャラ専用ペルソナ イオ イシス ヘルメス トリスメギストス ペンテシレア&アルテミシア ポリデュークス&カエサル ルキア&ユノ パラディオン&アテナ ネメシス カーラ・ネミ カストール ケルベロス ヒュプノス モロス メーディア プシュケイ アリアドネ シャドウ喰らい
https://w.atwiki.jp/gamemusicbest100/pages/6065.html
ペルソナ5 機種:PS4, PS3 作曲者:目黒将司、小西利樹、土屋憲一、喜多條敦志、小塚良太 発売元:アトラス 発売年:2016年 概要 前作『ペルソナ4』から8年ぶりに発売されたペルソナシリーズのナンバリング5作目。略称は「P5」。 ゲームの大部分の曲は目黒将司氏が作曲。アニメパートの曲は小西利樹氏が作曲している。 目黒氏によると今作の「怪盗もの」というテーマに合うように、アシッドジャズをサウンドのイメージに据えたという。 ストリングスを使った音楽を全面に出すなど、これまでのシリーズのサウンドから方向性を転換している。 2019年に新要素を追加した『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』が発売。新曲も多数加えられている。 サントラは2017年1月17日に発売。 限定盤に附属した『ペルソナ 20thアニバーサリーオールタイムベストアルバム』のディスク5に一部の曲が収録されている。 収録曲(サウンドトラック順) 曲名 作・編曲者 補足 順位 Disc1 Wake Up, Get Up, Get Out There 目黒将司 主題歌歌:Lyn 第11回600位2016年243位第2回オープニング72位 Phantom タイトル 脱出 小西利樹 Life Will Change 目黒将司 プロローグシーンなど歌:Lyn 第11回6位第12回21位第13回103位第14回39位第15回77位第16回137位第17回69位2016年7位第3回ゲームソング24位 逃走~逮捕 小西利樹 尋問室 目黒将司 尋問室 回想~暗示 小西利樹 全ての人の魂の詩 目黒将司 ベルベットルーム Beneath the Mask -instrumental version- 純喫茶ルブラン(序盤) 出会い 小西利樹 異世界へ 緊迫 目黒将司 覚醒 Will Power 中ボス戦 第11回87位第12回834位2016年80位 王と王妃と奴隸 -another version- カモシダ・パレス(前半) 王と王妃と奴隸 カモシダ・パレス(後半) Last Surprise 通常戦闘歌:Lyn 第11回31位第12回281位第13回614位第14回354位第15回497位第16回394位2016年19位通常戦闘曲22位 Talk シャドウとの会話 勝利 バトルリザルト Tokyo Emergency フィールド(作戦期間) 告白/秘密 告白/秘密 -piano version- 小西利樹 Layer Cake 目黒将司 ミリタリーショップ Life Will Change -instrumental version- 決行日 第11回463位 Blood of Villain Blooming Villain 大ボス戦 第11回60位第12回165位第13回543位2016年109位ボス戦106位 Regret 改心イベントなど 色欲の崩壊 小西利樹 Beneath the Mask 目黒将司 純喫茶ルブラン歌:Lyn 第11回129位第12回604位第13回797位第15回559位2016年61位夜43位 終わらない日々 スターフォルネウス 土屋憲一 テレビゲーム パンチdeアウチ 垢太郎鉄道 喜多條敦志 豪血寺一味 はったれ五右衛門 プロゴルファー猿田彦 Disc2 Tokyo Daylight 目黒将司 フィールド(晴れ)スキャット:Lyn Butterfly Kiss 診療所 メメントス メメントス Have a Short Rest セーフルーム Suspicious Person 小西利樹 My Homie 目黒将司 Wicked Plan A Woman マダラメ・パレス(前半) A Woman -another version- マダラメ・パレス(後半) Sunset Bridge Days of Sisters Beneath the Mask -rain- 純喫茶ルブラン(雨)歌:Lyn BAR にゅぅカマー 喜多條敦志 バー・にゅぅカマー 疑惑 目黒将司 High Pressure Price カネシロ・パレス(前半) 第11回388位2016年107位 Price -another version- カネシロ・パレス(後半) Keeper of Lust 中ボス戦2 Life Goes On 試験 夏の日の思い出 小西利樹 灼熱の砂漠を往く 母のいた日々 -another version- 目黒将司 フタバ・パレス(前半) 母のいた日々 フタバ・パレス(後半) 第11回639位 Alleycat 憤怒の崩壊 小西利樹 Alright -elp version- 目黒将司 New Beginning Hawaii 小西利樹 Alright 目黒将司 Break it Down -elp version- The Spirit コープ解禁 What's Going On? Sweet ビッグバン・バーガーのマーチ 喜多條敦志 ビッグバン・バーガー店内 TRIPLE SEVEN コンビニ クレーンゲーム 小塚良太 クレーンゲーム プラネタリウム 喜多條敦志 プラネタリウム 家電量販店 小西利樹 家電量販店 おかえりなさいませ! ご主人様♡ 喜多條敦志 メイド喫茶 懺悔のお時間 教会 デスティニー・ランド 闇ネットたなか 闇ネットたなか Disc3 Beneath the Mask -rain, instrumental version- 目黒将司 フィールド(雨) Break it Down つまらない 授業中 廃人化 小西利樹 Sweatshop 目黒将司 オクムラ・パレス(前半) Sweatshop -another version- オクムラ・パレス(後半) RUN,RUN,RUN! 放送事故 土屋憲一 不穏 小西利樹 The Whims of Fate 目黒将司 ニイジマ・パレス歌:Lyn 第11回174位第12回320位第13回656位2016年120位 脱出 -another version- 小西利樹 逃走 -another version- Betrayer Nothingness...? Trick 底知れぬ傲慢 方舟 目黒将司 シドウ・パレス 次期総理の船路に捧げる即興曲 小塚良太 シドウ・パレス(レストラン) Wake Up, Get Up, Get Out There -instrumental version- 目黒将司 イベント Rivers In the Desert -instrumental version- シドウ・パレス・ボス1戦目 欲望 Rivers In the Desert シドウ・パレス・ボス2戦目歌:Lyn 第11回21位第12回107位第13回290位第14回222位第15回353位第16回186位2016年100位第3回ゲームソング147位ボス戦327位 傲慢の崩壊 小西利樹 自由と安心 目黒将司 メメントス最深部 Erosion 小西利樹 対峙 Jaldabaoth 目黒将司 ラストバトル Swear to My Bones Our Beginning ラストバトル2 2016年295位第2回ラストバトル347位 星と僕らと -piano version- 小西利樹 星と僕らと 目黒将司 エンディングテーマ歌:Lyn 第11回460位第3回ゲームソング294位第2回エンディング159位 Wake Up, Get Up, Get Out There -opening movie version- オープニングテーマ歌:Lyn サウンドトラック 『ペルソナ5』オリジナル・サウンドトラック ペルソナ5 20thアニバーサリー・エディション 【豪華版同梱物】 『ペルソナ 20thアニバーサリーオールタイムベストアルバム』が付属。 オープニングアニメーション
https://w.atwiki.jp/hanotya/pages/53.html
総評 85点 【★★★★★】 時間 シナリオ 調整 操作 独自 価値 キャラ やり込み グラフィック その他 評価 4 5 5 5 4 5 4 3 5 4 イメージカラーを青から黄に変えてのペルソナ新作。 3とは同じ世界の2年後と言う設定であり、ごく僅かながらクロスオーバーもある。 シナリオの雰囲気はイメージカラー通り一新されておりながらも、システム面は確かに進化している。 ……というよりも、便利に、プレイしやすくなっている、と言った方がしっくりくるか。 3で生まれた今回の学生生活を送りながら謎と敵に挑むシステムが、本作で完成を見たといった印象を受けた。 1:プレイ時間 【★★★★☆】 真ENDまでクリアで一周60時間強。 「ボリュームは前作の1.5倍」と公式が謳っており、プレイ時間は前作よりも短くなっているものの物語の内容は確かに前作よりも濃くなっている。これはひとえに、移動のショートカットが用意されていることなどの配慮によるプレイ時間の圧縮が起きたからであろう。 それでも長い、のは確かなのだが本システムでは出来得る限りのところだろう。 時間を気にせずにプレイできる人ほど没頭できる作品。 2:ストーリー(シナリオ) 【★★★★★】 あらすじ: 両親の都合によって叔父の住む田舎町「稲羽市」に引っ越してきた主人公。しかし町に到着し高校に通い始めてほどなく、奇怪な殺人事件が起こり始めた。町が霧に閉ざされる朝に見つかる変死体。主人公の見た不思議な夢。そして、雨の夜にだけ映し出される『マヨナカテレビ』。様々な謎に彩られた様々な事象に触れゆく中で、主人公たちは異世界の扉を開くのだった。そこに待つは、もう一人の自分―― 行方不明になった人々を霧が出る日までに救いながら連続失踪事件の謎を追うのが本篇の流れ。 本作も一人一人が自分の本音本心と向き合うことで成長してゆく様を、鮮やかに描いている。 前作の物語が進むほど話がシリアスに重くなっていく展開とは対照的に、本作では話が進むほど事件の真相に近づくと共に仲間も増え賑やかになり、明るい雰囲気になってゆく。マスコットキャラクターのような存在であるクマにも、プレイヤーの想像通りとはいえ他の仲間に負けない濃い話が用意されていたのも良い。 それと同時に、本編最大の目的である、事件の真犯人を追うという事件へのアプローチという面でも退屈させない展開が続くのも面白い。複数の謎が互いに絡み合った真相にも唸れる。 本作はとことん「人」にこだわった一本に思える。ペルソナという作品に非常にマッチした方向性。 3など従来の作品では設定を超えて、物語にもいわゆる超常的な存在が深く関わっていた。無論本作も根底にはそういった存在が絡んではいるのだが、物語という面においては人間臭い動機と行動が非常に強く出ていた。それゆえキャラへの感情移入も一層深くなり、プレイヤーへのメッセージがより強く訴えかけられる。◎。 ただ、何の前触れもなくBADENDへ入る選択肢に入るのは非常によろしくない。 生活していたらある日突然話が進み、正しい答えが一つの4択×6を強いられ、一つ踏み外しただけでBADに直行させられる。その場合それまで追ってきた謎の真相に何一つ辿りつけないまま終わり、非常に後味が悪い。何かもう少しフォローをつくるべきところ。 管理人としては、そもそもその場の選択肢をやり直すだけで別ルートにいけるものをマルチエンドとは呼びたくないところでもあるが。3通りのEDが楽しめるのも一つの魅力か。 少し残念なのは、メインキャラのペルソナ成長(進化)がコミュニティマスターによって成る仕様。コミュマスターの恩恵を大きくしたかったのかもしれないが、前作同様に本編での成長がもう一つあるものと期待していただけに、逆に肩透かしを受けた。 それでも十分星5つの内容ではあるのだが。 3:難易度設定・調整 【★★★★★】 相変わらず少し気を抜くと雑魚相手でもあっという間にゲームオーバーになるのも含めて、戦闘関連についてはバランス調整まで基本的に前作と同じ。だが、今回は仲間全員を操作可能である為戦闘はしやすくなっている。そういう意味で難易度は多少下がっているものの、その分ボスはどれも強めに設定されておりSPすべて使いきって勝てるくらいの上手い調整がなされている。 そもそも、前作では「一定年月毎にボスが現れる」システムであった為に、決まった時間までにどこまで自分を鍛えればよいかが具体的に分からなかった。同時にボスの強さを知ってから鍛えることができず、それゆえ用意したボスもある程度以上強くすることができないという欠点があった。 それに対し、本作では「一定年月内にダンジョンをクリアする」システムに切りえることでそれを克服し、プレイヤーのストレスを抑え非常にプレイしやすくなっている。やはり具体的な目標がはっきりと示されている方が攻略する側としてはやりやすい。 しかし、相変わらずオールコミュマスターは非常に難しい。 基本的に殆どが期間限定イベントとなる本ゲームシステム。もう少し緩めてもよかった。 4:操作感(プレイ感覚) 【★★★★★】 PS2の稼働音を聞く限り、けっこうな読み込みを強いているようだがプログラムが上手いのかなんなのか、ロード時間は長くない。本作では移動に関するショートカットもしっかりと用意されており、何をするにも快適に行えるようになっている。○。煩わしかった体調システムもとっぱらってあり、ダンジョン探索も心おきなく行えるようになっている。 加えて、作品全体の統一感は本作も顕在。 音楽も前作に勝るとも劣らないチョイスでプレイしていて心地良い。 会話送りボタンは用意されているがイベント飛ばしはできないのが惜しいところ。 5:独自システム 【★★★★☆】 まず前作の良さを全て受け継いだ上でプレイ感覚を整えた、というのが本作の姿勢。 それだけに新しさ、つまり具体的な進化や変化には乏しい一作になってしまっている。ゆえの星-1。 同じような内容になるので作品全体に渡る絶妙なシステムの歯車の噛み合い、私生活と戦闘との深いつながりについては省略するが、決して悪くなったわけではないことだけは確か。(参考→ペルソナ3 フェス) →天気システム ゲームのはじめに「数日間続く雨が明けるとき」がダンジョン攻略のタイムリミットとして提示され、プレイヤーは一週間先まで確認できる天気予報を常に気にしながら日々を生活する。もしこのタイムリミットを過ぎてしまったとしても、一週間前に戻して再スタートできるようフォローが用意されているのは良い。 他にも、天気によって選択可能なコミュニティが変化する。 →ダンジョン 一応ダンジョン別に自動生成ではあるのだが、ひたすら一つのダンジョンを上りながら自軍を鍛えるという、前作における作業的なシステムは捨てている。○。音楽や雰囲気の変化って大事。 以下基本的には前作レビューを参照。相違点のみ記載。 →コミュニティシステム 本作では仲間全員に関してコミュニティを持つことができるようになった。加えて、仲間のコミュレベルをあげてゆくことで、仲間たちの戦闘能力に関しても向上をみることができる。それは良いのだが、如何せん仲間優先のレベル上げをしがちになってしまい、プレイヤーを縛る要素にもなってしまったか。 →戦闘システム 弱点を突かれ体制を崩したところからの復帰にターンを消費しなくなった。 この辺りの調整は相変わらず見事。 →ペルソナシステム 合体予報という、「ペルソナ合体時に特定の条件を満たすと特殊な効果が発生する」ものが追加されている。一週目プレイ中は殆ど気にしなかったが。 6:価値 【★★★★★】 管理人の購入価格:4980円 相変わらず値段は下がらないが、3フェスよりは購入者に優しいお値段。 作品の完成度としてはこちらの方が高いのだが、内容と値段が必ずしも合致しないのが中古値段の面白いところか。快適なプレイで、かつ長く遊ぶことができる。3と似たようなシステムでどちらも時間はかかるため、連続でのプレイは正直やる気が起きないが。 7:キャラクター 【★★★★☆】 本作ではATLUS臭さは少々なりを潜めているものの、キャラの面々は十分魅力的に描かれている。 ペルソナデザインも進化に確かなパワーアップを感じることができる。○。 声優陣も前作に負けず劣らずとても豪華。 8:やりこみ要素 【★★★☆☆】 ゲームシステムの都合上、クリアまでプレイしてから様々な要素を充足させてゆく、通常のRPGにおける「やりこみ」を用意できない本シリーズ。一応2週目への引き継ぎや2週目から行えるようになることはあるものの、やはり別ベクトルになっているか。 ただし、引き継ぎ内容は3よりも少しさみしくなっている。 2週目以降に戦うことのできる隠しボスも存在しているが、本作は使用ペルソナの縛りも無く4人がかりで戦闘を行える為、ある程度高レベルのペルソナを所持できていれば特別な準備も無く撃破できてしまう強さ。ATLUSの隠しボスが年々弱くなっているように感じるのは管理人だけであろうか。 9:グラフィック・アニメ 【★★★★★】 CGデザインに関しては3からの変化はあまり感じられないものの、長回しのアニメは前作以上に多く挿入されており、作品を盛り上げる大きな要因となっている。 相変わらず中ボスは使い回しだが、前作のタルタロスようにそれ「だけ」のダンジョンがあるわけではない為、さほど気にならない。 10:その他 【★★★★☆】 オサレペルソナもこの辺りが引き際、と感じたか4FESが出なかったのはよいことか。 前述したがこのシステムは猛烈にハマるが故に、プレイ開始前にダルく感じるという不思議な感覚を受ける。 生活期間は前作よりも短いものの、コミュニティ関係はより易しく調整されており簡単にMAXになってゆく。 var gaJsHost = (( https == document.location.protocol) ? https //ssl. http //www. ); document.write(unescape( %3Cscript src= + gaJsHost + google-analytics.com/ga.js type= text/javascript %3E%3C/script%3E )); try { var pageTracker = _gat._getTracker( UA-7071655-1 ); pageTracker._trackPageview(); } catch(err) {}
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6437.html
本稿ではPS4/PS3用ソフト『ペルソナ5』と、PS4用ソフト『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』を紹介しています。判定はどちらも「良作」です。 ペルソナ5 概要 ストーリー 特徴 登場人物 バトル ダンジョン ペルソナ・ベルベットルーム 日常パート 評価点 賛否両論点 問題点 総評 ペルソナ5 ザ・ロイヤル 概要(P5R) 無印からの変更点 シナリオ(P5R) バトル(P5R) ダンジョン(P5R) ペルソナ・ベルベットルーム(P5R) 日常パート(P5R) その他追加・変更点(P5R) 評価点(P5R) 賛否両論点(P5R) 問題点(P5R) 総評(P5R) 余談 その後の展開 ペルソナ5 【ぺるそなふぁいぶ】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション4プレイステーション3 メディア BD-ROM/ダウンロードソフト 発売・開発元 アトラス(セガゲームス) 発売日 2016年9月15日 定価 パッケージ 9,504円ダウンロード 8,800円(各税8%込) レーティング CERO C(15才以上対象) 廉価版 【PS4】新価格版 2018年9月6日/4.980円 判定 良作 ポイント テーマは「怪盗」過去作からあらゆる面が大幅進化すさまじく増えたボリュームシリーズ特有の良さも損なわずテンポとゲームバランスにはやや難あり 女神転生シリーズ その歪んだ欲望を、頂戴する。 概要 少年少女の葛藤とそれを取り巻く大人の姿を描く「ジュブナイルRPG」である『ペルソナ』シリーズのナンバリング第5作。 通称『P5』で、イメージカラーは「赤」となっている。これまでのシリーズは架空の都市が舞台だったが、今回は初めて「東京」が舞台になる。 元々2014年冬にPS3で発売予定だったが、2015年冬にPS4とPS3対応で延期になり、再延期で2016年9月15日に発売された。 『P3』と『P4』はデフォルメされた4頭身のキャラクターモデルだったが、今作ではPS4/PS3で開発するにあたってグラフィック面が強化され、リアルな頭身のキャラクターモデルになっている。 本作のペルソナ、及びペルソナ使いの異世界における姿・仮面はすべてそのキャラの抱く「反逆の意志」の化身・イメージとなっている。 ストーリー 「いよいよだ、お前の更生が始まる。」 近頃、巷では交通事故や地下鉄の暴走事件など、加害者が突如豹変し「なぜそんなことをしたのかわからない」と語る事件事故が多発し、「精神暴走事件」と呼ばれ怖れられていた。 ある日、酔った男性に絡まれた女性を正義感から助けた主人公だったが、その際男性に怪我を負わせたという冤罪を着せられたことで保護観察処分を受けてしまう。 裁判所の勧めで地元の高校から東京・蒼山の「私立秀尽学園」へ転校し、1年間保護司であり喫茶店「ルブラン」を営むマスターの佐倉惣治郎の元で生活をすることになった主人公。 しかし転校初日、途中で出会った同級生の坂本竜司と共に学校へ行こうとするも、なぜか学校が古城になり変わった不思議な場所へ行き着いてしまう。 訳も分からず中へ入ると、異形の存在「シャドウ」を従えた城の「王」を名乗る男に捕らえられ、そのまま処刑されそうになってしまう。 窮地に立たされた主人公だったが、何処かから聞こえてくる声に応じ自らの仮面を剥ぎ取ると、心の力「ペルソナ」に覚醒し、シャドウを撃退する。 逃走途中で出会った猫のような謎の存在、モルガナの助けもあり古城からの脱出に成功する。 どうにか学校に辿り着いた主人公だったが、そこにいたのは先程の古城で自分たちの命を奪わんとした「王」、もとい秀尽学園の教師である鴨志田だった。 鴨志田が顧問を務めるバレー部の生徒が日常的な暴力やセクハラを受けていることを知った主人公たちは、モルガナの手引を受け、主の歪んだ認知が具現化した異世界「パレス」で鴨志田の「オタカラ」を盗み、改心させることでこの暴虐を食い止めんとする。 我ら、「心の怪盗団」。貴方の心、その歪んだ欲望を頂戴する。 後に"怪盗団"として暗躍を始め、世間からの注目を密かに集めていく若者たちだが、 それは主人公の破滅の運命に至る、大いなる罠の始まりでもあった… 特徴 舞台は「東京」で、本シリーズの派生元である『真・女神転生』シリーズではお馴染みでありながら、本シリーズでは初めて実在の東京都をモチーフとしている。 渋谷界隈を中心に大半の地名や施設が実在の名前で登場するが、物語の主な舞台となる場所を中心に一部の場所は「四軒茶屋」「蒼山」などと少し改変されている。 『P3』『P4』と同じ世界か否かは明言されていない(*1)。 システムや作風の根幹は『P3』『P4』と同一。システム面では全体的に改良、改変が施されている。 今作は、アウトローとされる人物が自身の信念を貫き社会に一矢報いる英雄譚、いわゆる「ピカレスクロマン」をテーマとしている。 主人公たちパーティーキャラクターはいずれも社会に対する「賊」という悪意あるレッテルを身勝手に貼られ、大人からの過度な支配や抑圧を受けているなどの苦難に陥れられている。彼らは己の正義を示すため、「巧妙に社会に溶け込み私欲を貪る悪」を討つべく、団結し立ち上がる。 この「理不尽への反逆者」というテーマを反映して、各ペルソナ使いの初期ペルソナは創作物や民間伝承における義賊、異端者、悪漢悪女といった反逆者達をモデルにしている。 また仲間キャラの覚醒ペルソナには、神話世界の秩序を掻き乱すトリックスターや、善悪二面を併せ持つ神などやはり「異端者」達が選ばれている。 登場人物 心の怪盗団「ザ・ファントム」 (*2) + ... 主人公 / ジョーカー(CV 福山潤) アルカナ:愚者(ワイルド) 初期ペルソナ:アルセーヌ 近接武器 - ナイフ / 遠距離武器 - ハンドガン 本作の主人公。理不尽に前歴(*3)をつけられてしまい、保護観察期間を東京で過ごすため秀尽学園に転校してくる高校2年生。 その経歴のせいで学校では札付きの不良と認識されており、彼に話しかけてくる人間はほとんどいない。 イゴール曰く「運命の因われ」で、近いうちに逃れられない破滅が待ち受けているという。 四軒茶屋の裏路地にある喫茶店「ルブラン」の屋根裏に居候することになる。 後述するようにシリーズ最多の9股(P5Rでは10股)が可能な点で、プレイヤーからはどんな悪役よりも改心が必要とネタにされている。 さらに、恋人にできる女性キャラ9人中6人が年上という年上キラー。 主にこの悪行を見たプレイヤーから、屋根裏住まいを揶揄した作中の某キャラクターによるセリフが由来の「屋根裏のゴミ」という蔑称(愛称)がネット上で定着している。 「ワイルド」の素養により、複数のペルソナを切り替えて戦うことができるため必然的にパーティの主力になる。今作も例にもれず、主人公が死ぬと即ゲームオーバーなため、良くも悪くもバトルの鍵となる存在である。 初期ペルソナ・アルセーヌは主人公専属の代名詞的ペルソナと位置づけられ、本編中でも序盤のチュートリアルで合体に使用した際や終盤のイベントなどで固有の台詞がある。 坂本 竜司 / スカル(CV 宮野真守) アルカナ:戦車 ペルソナ:キャプテン・キッド → セイテンタイセイ → ウィリアム(P5R) 近接武器 - 鈍器 / 遠距離武器 - ショットガン 転校初日に出会う秀尽学園2年生。金髪で素行が悪く問題児と言われている。主人公とは別のクラス。 元は陸上部エースだったが、ある理由で陸上部は廃部に追いやられ、足に怪我を負ってしまった。 仲間思いでお調子者のムードメーカーだが、熱くなりやすい性格で時には先走ったり他者と口論になることもある。しかしそれも怪盗団のことを誰よりも大事に思うがゆえである。 ペルソナの力と耐が高く、高い物理火力と生存性を誇る反面、魔が低いため電撃魔法は主にダウン取り程度の役割にとどまる。速も低めで、一般的なRPGの戦士クラスに相当するキャラ。 固有のコープアビリティ「瞬殺」は、レベル差が大きい雑魚シャドウのシンボルにバックアタックを仕掛けた際、戦闘なしで即座に勝利できるというもの。戦うはずだった相手のうち一体はペルソナ化できるが、経験値や金は得られない(『P5R』では仕様が異なる、後述)。 高巻 杏 / パンサー(CV 水樹奈々) アルカナ:恋愛 ペルソナ:カルメン → ヘカーテ → セレスティーヌ(P5R) 近接武器 - 鞭 / 遠距離武器 - サブマシンガン 秀尽学園2年生。主人公のクラスメイト。スウェーデンからの帰国子女でアメリカ系クォーターの少女。 派手な見た目のため周囲から疎んじられ、孤立している。 両親はファッションデザイナーをしており、その縁で読者モデルをすることもある。 ペルソナの魔が高く、火炎魔法を中心に回復や補助、状態異常と幅広いスキルを覚える魔法使いタイプ。銃撃の攻撃対象が毎回ランダムなのがやや難点。 コープアビリティは交渉を補助するアビリティを他のキャラより一つ多く覚えるが、固有といえるものがない。 モルガナ / モナ(CV 大谷育江) アルカナ:魔術師 ペルソナ:ゾロ → メリクリウス → ディエゴ(P5R) 近接武器 - 片手刀 / 遠距離武器 - スリングショット 竜司と共にカモシダ・パレスに潜入した際に出会った、黒猫のような謎の存在。 「元は人間だったが歪みに巻き込まれて本来の姿を失った」と語っているが、記憶喪失で肝心なところは覚えていない。 自身の記憶を取り戻すためにパレスやメメントスを探索しており、異世界の知識を授け主人公たちを「怪盗」として仕立てる代わりに協力を求めてくる。 見た目に似合わず大物ぶった態度で話し、猫と呼ばれると怒る。しかし何故かオタカラには強く惹かれ、目の前にすると興奮状態になり話が通じなくなる。 認知世界内では「何故か大衆は猫はバスに化けると広く認知している」ことを利用してワゴン車に変化し、パーティの足にもなる。 現実世界では猫の姿になり、鞄の中や授業中の机の中などに潜んで主人公と行動を共にする。 現実世界でもしゃべることができるが、異世界で一度でも「モナの言葉」を認知していないと、ただの鳴き声にしか聞こえない。 ペルソナは魔と速が高めで、疾風魔法と回復魔法を主に扱う。クリティカル率が高い物理攻撃も使えるため弱点の無い敵をダウンさせるのにも役立つが、HPや耐が突出して低いため耐久面に不安を抱える。 コープアビリティは潜入道具の作成とアイテムの奪取。シナリオ進行で順次解禁されていく。 喜多川 祐介 / フォックス(CV 杉田智和) アルカナ:皇帝 ペルソナ:ゴエモン → カムスサノヲ → ゴロキチ(P5R) 近接武器 - 日本刀 / 遠距離武器 - アサルトライフル 公立洸星高校に通う高校2年生。日本画家・斑目 一流斎の弟子で美術特待生。 端正な顔立ちの美青年だが、独特の感性を持ち突飛な行動や言動が目立つ変人。しかし素直な性根で曲がったことを許せない熱血漢でもある。 3歳の頃に母親を亡くし、以降は斑目の家に住み込みの門下生として暮らしていた。 偶然見かけた杏を絵のモデルにしようと声をかけたことで、怪盗団に関わっていくことになる。 ペルソナは力と速が高めのバランス型で、物理攻撃が主体。力の数値自体はパーティ中最高だが、習得スキルの関係で素の火力は他に譲る。バトンタッチからの追撃がウリ。 コープアビリティはスキルカードの複製。 新島 真 / クイーン(CV 佐藤利奈) アルカナ:女教皇 ペルソナ:ヨハンナ → アナト → アグネス(P5R) 近接武器 - ナックルダスター / 遠距離武器 - リボルバー 秀尽学園高校3年生で生徒会長。合気道を習っており、普通車免許も持っている。 校長の依頼で怪盗団を調査するうちに渋谷を荒らすマフィアの事件に巻き込まれ、怪盗団と関わっていく。 怪盗団の参謀として多くの作戦の立案を主導するほか、戦闘では敵の分析を行ってくれる。 ペルソナは全体的に高水準な万能型で、核熱魔法と回復魔法を主に習得する。ちなみにまさかのバイク型でしかも乗れる。 その戦闘スタイルから竜司からは「世紀末覇者先輩」と呼ばれ、同学年の春からも似たような指摘をされてしまった。更には後期ペルソナのデザインも… コープアビリティは敵の所持するスキル・耐性・アイテムなどの看破、いわゆる「アナライズ」である。 佐倉 双葉 / ナビ(CV 悠木碧) アルカナ:隠者 ペルソナ:ネクロノミコン → プロメテウス → アルアジフ(P5R) 天才的なハッキング能力とプログラミング能力を持つ少女。人付き合いが苦手でとある事件をきっかけに引きこもっており、学校にも通っていない。 典型的なオタクで、痛々しい発言も目立つが年相応の少女らしい一面も。 物語の中盤にある目的のため、独自の方法で怪盗団に接触してくる。 本人の体力が低くペルソナも支援能力特化のため、戦闘メンバーにはならずマップ解析、戦闘補助などの後方支援に徹する。彼女の特技、後期ペルソナは旧シリーズを楽しんでいるユーザーならニヤリとすること間違いなし。 コープアビリティはメメントスのマップ解析や、戦闘時にランダムでカジャ系、チャージ・コンセントレイト相当の補助効果発動など、探索・戦闘をサポートする効果となっている。 奥村 春 / ノワール(CV 戸松遥) アルカナ:女帝 ペルソナ:ミラディ → アスタルテ → ルーシー(P5R) 近接武器 - 戦斧 / 遠距離武器 - グレネードランチャー 秀尽学園高校3年生。大手外食メーカーの社長令嬢で、プランター菜園を嗜む少女。 ある出来事をきっかけにパレスに入り込み、怪盗団と関わっていく。 その際自分のことを「美少女怪盗」と名乗るなど、天然ボケな様子も窺える。 ペルソナはキャライメージに反して力が高く、Wブースタもあるので銃撃スキルで高い火力を誇る。念動魔法でも十分な火力を出せ、補助魔法も多く習得するためスキルの取捨選択に悩まされる。最初に方向性を決めてから育成するのが重要。 コープアビリティはSP回復アイテムである野菜の栽培(*4)。数日を要するが、過去作における「御卵」相当のアイテムなどが作れる。 コープを進めると、採取数が増えたり栽培にかかる日数が短くなったりする。 有用なアビリティだが、コープ解禁が10月末(ゲーム内でコープを進められるのは12月まで)、加えて器用さMAXが必要と、その条件は厳しい。 コープキャラクター (*5) + ... 佐倉 惣治郎(CV 中田譲治) 訳あって主人公の保護司を請け負った喫茶店「ルブラン」のマスター。佐倉双葉の養父。 主人公を厄介者扱いするように見えて、根は優しく包容力のある男性。 「法王」コープを担当する。アビリティはSP回復アイテム(コーヒー、カレー)の作成。実行時に時間が経過してしまうが、SPを回復できるアイテムを作り出せるので、効率のいい探索には重要。 新島 冴(CV 甲斐田裕子) 真の姉。検察庁に勤める若手検事。 本作の物語は「警察に捕まった主人公が彼女に尋問される中での回想」という形で始まり、進んでいく。 「審判」コープを担当。プレイの時系列的にはかなり早めにコープが解禁される。 明智 吾郎(CV 保志総一朗) 「探偵王子の再来」とも言われる高校3年生の少年探偵。テレビに出演するなど知名度も高い。 怪盗団事件に強い関心を寄せ、心の怪盗団を「犯罪者」と断じ批判する。 「正義」コープを担当。ふとしたことから主人公と出会い、交流を持つようになる。 イゴール(CV 津嘉山正種) ベルベットルームの管理者。「愚者」のコープを担当する。 前作までのように主人公を「客人」と扱うことはせず、牢獄を模したベルベットルームで「更生」を課し高圧的な態度で接してくる。声優が前作までの田の中氏から津嘉山氏へと変わった事もあり、今までのイメージとは大きく異なる印象を受けるだろう。 だがこれらには「主人公が囚人役として招かれる」という背景にも関係した、きちんとした理由がある。詳細はプレイして確認してもらいたい。 カロリーヌ、ジュスティーヌ(CV 豊崎愛生) 今作の力の管理者である双子の看守。カロリーヌは右目、ジュスティーヌは左目を眼帯で覆っている。 主であるイゴールに忠実で、カロリーヌは表情豊かで傲慢な態度を取り、ジュスティーヌは無表情で素っ気ない態度を取る。 「剛毅」のコープを担当。恒例の「指定のスキルを持ったペルソナを所持する」ことで進行する内容で、ベルベットルームの利便性を上げるコープアビリティを習得できる。 御船 千早(CV 松来未祐) タロットを介しての予知能力を有しており、それを使って新宿で占いを営んでいる。 絶対不変だと思っていた未来を主人公が変えて見せたことで、彼に特別な占いを提供する代わりにその力の検証を求める。 「運命」のコープを担当。人間パラメータや(条件付きだが)獲得金額の上昇量、果ては任意のコープの好感度アップという、非常に有益なアビリティを有している、本作最重要コープの1つ。 その反動なのか、解禁自体は序盤だがコープの中で最も開始に手間がかかる。 なお、演じた松来氏は本作発売の前年に病気により亡くなっており、本作が遺作となっている。 岩井 宗久(CV 江川央生) 渋谷セントラル街の路地裏にあるミリタリーショップの店長。 人相が悪く昔はその筋の人間だったのではないかと噂されている。装備品の販売のほか、換金アイテムの買い取りを行ってくれる。 「刑死者」のコープを担当。銃をカスタムし強化できるコープアビリティを持つ。コープを進める事でカスタムできる銃の種類が増えていく(『P5R』では仕様が異なる、後述)。 物怖じせず話しかけてくる主人公の度胸を買い、自身の雑用を手伝わせる代わりに銃をカスタムするという契約で主人公と関係を持つようになる。 武見 妙(CV 斉藤佑圭) 喫茶店と同じ路地にある医院の医師。気だるげな雰囲気を醸し出している。 「死神」のコープを担当。新薬の治験への協力の報酬として主人公に薬を販売してくれる。コープを進めることで買えるアイテムが増えていき、最終的にはカーン系アイテム(単体対象)まで用意される。 川上 貞代(CV 渕上舞) 主人公が転入することになったクラスの担任。問題児である主人公がクラスに転入してくることに頭を抱えている。 「節制」のコープを担当。とある経緯で互いのプライベートに関わるようになる。 コープアビリティは活動時間を増やす類の効果で、行動回数に限りのある本作では特に有用。本作最重要コープの1つだが、その割に解禁条件は度胸ランク3以上と易しめ。 特定の日の授業時間に読書や潜入道具作りができるようになったり、コーヒー淹れや洗濯、潜入道具作成などの時間が経過する行動を(有料だが)代行してくれるようになる。 最終的には、ダンジョン探索後の夜間にも本来は不可能だった自由行動が可能となる。さらにコープ進行の結果、上述の代行も含めて全て無料で受けられるようになる。 大宅 一子(CV 内山夕実) 新宿のバーでよく飲んでいる、雑誌記者。 怪盗団のネタ提供を条件に、怪盗団の知名度と人気を上げるような記事の執筆を請け負う。 「悪魔」のコープを担当。コープアビリティは一律「警戒度の、発見時の上昇量ダウンと翌日の減少量アップ」という効果(警戒度の仕様変更に伴い『P5R』では内容が異なる、後述)。 役に立つ機会は少ないが、ランクアップの際に魅力を上げることができる。 織田 信也(CV 金田アキ) ちょっと生意気な小学生。ガンシューティングゲーム「ガンナバウト」では、対戦相手のチートアーマーすら破るほどの腕前を持つ。ゲーム中は口が悪くなる。 とあるリクエストのためにその腕前が必要となった主人公に、自分のゲーム鍛錬に付き合わせる形で技を教えてくれる。 「塔」のコープを担当。敵を強制的にダウンさせる技や弾数の上限増加など、通常銃撃を強化することに特化している。最終的には主人公の銃撃のみ敵の銃撃耐性を貫通&高確率クリティカルというチート性能になる。 東郷 一二三(CV 磯村知美) 祐介と同じく洸星高校に通う女流棋士。物静かな性格だが、対局中は性格が豹変する。 「星」のコープを担当。逃走補助や戦闘中のメンバー入れ替えなど戦闘時に役立つコープアビリティを多く持つ。また、ランクアップ時に知識が上がる。 神田の教会にいる彼女に弟子入りする形で、主人公と関わりを持っていくことになる。 三島 由輝(CV 阪口大助) 主人公のクラスメイトの少年。おとなしそうに見えて異性には興味津々。 「月」のコープ担当。経験値の増加や控えメンバーの経験値獲得量を上げるコープアビリティを持つ。メメントスでリクエストを解決していくことでランクアップが可能になる。 学校で起きたある事件以降、怪盗団と深い関わりを持つようになる。 吉田 寅之助(CV 野田圭一) 渋谷駅前で街頭演説をしている七回連続落選中の政治家。通称「ダメ寅」。 「太陽」のコープ担当。敵シャドウとの交渉時に役立つコープアビリティを持つ。また、ランクアップ時に魅力が上がる。 駅前にいる彼に主人公が「演説技術を学びたい」とお願いする形で、関係を持つようになる。 バトル バトル関係は、基本的にP3・P4と同じシステムを採用している。 シンボルエンカウント ダンジョンをうろつくシンボルを攻撃する、または攻撃されると戦闘に突入する。 シャドウのシンボルは通常の歩兵タイプと索敵範囲の広い番犬タイプの2種類が存在し、ダンジョンごとに外見が異なる。 シャドウは戦闘突入と同時に真の姿を見せるが、この姿がペルソナとは完全に別物だった『P3』『P4』と異なり、今作の雑魚シャドウの本体はペルソナと共通である"悪魔"の姿になった。 シャドウの名前は初めは『P3』『P4』のシャドウのように抽象的なものとなっているが、一度ペルソナとして手に入れると真の名前、すなわちペルソナ名で表示されるようになる(*6)。 ワンモアプレスバトル バトルシステムは『P3』『P4』と同じ「ワンモアプレスバトル」を採用。 弱点を突くなどして敵をダウンさせると「ワンモア」が発生し追加行動が可能となり、全員をダウンさせることで大幅に有利になる、という基本は同様。 属性の増加 『P4』のラインナップを基本としつつ、『真・女神転生IV』および『IV FINAL』と同様に「物理」から「銃撃」属性が分離され、魔法にはメガテンシリーズで久々となる「核熱」「念動」属性が再登場した。 各キャラクターは近接武器の他に「銃撃」属性の遠距離武器を装備可能。攻撃範囲や発射回数を規定する銃器の種類はキャラごとに固定。 銃には「弾数」の概念があり、1回のダンジョン攻略で使用できる回数が決まっている(『P5R』では仕様が異なる、後述)。 「核熱(フレイ)」は『ペルソナ2罪・罰』以来、「念動(サイ)」は『デビルサマナー』以来の登場。 また、『P3』『P4』とも即死攻撃専用の属性だった祝福・呪怨属性(*7)において、純粋なダメージ魔法として「コウハ」「エイハ」系の魔法が『異聞録』以来に復活した。 状態異常の増加、TECHNICALの追加 アギ系で炎上、ブフ系で凍結、ジオ系で感電の追加効果がそれぞれ低確率で発生する(*8)。 その他に目眩・忘却・睡眠・混乱・恐怖・絶望・激怒・洗脳・空腹の状態異常がある。 特別な戦闘では「ネズミ状態」など特殊な状態異常も登場。 「炎上状態に疾風・核熱属性攻撃」や「激怒状態に念動属性攻撃」など、各状態異常に対応した特定の属性で攻撃を当てることで「TECHNICAL」となりダメージが増加する。 これはクリティカルとは別物で、発生してもダウンさせることはできない(『P5R』では仕様が異なる、後述)。 カットイン ペルソナを召喚する際のカットインは『P3』『P4』での「カッ」から、本作のテーマである「反逆の意志」に基づく怒りを表した「ブチッ」という効果音とカットインに変更。前作、前々作と比べると、各キャラは皆目つきの鋭いいわゆる悪人面のような笑みを見せている。 「HOLD UP」と「会話交渉」 敵を全員「ダウン」させることで敵を包囲した「HOLD UP」状態となり、「総攻撃」「会話交渉」が可能となる。 「総攻撃」は『P3』『P4』同様の、耐性貫通の強力な全体攻撃。 総攻撃で戦闘を終わらせると、最後に行動したキャラクターの一枚絵で締められる。 「会話交渉」はペルソナシリーズでは『2 罪・罰』以来となる、いわゆる「悪魔会話」の復活。 交渉して「敵シャドウをペルソナにする」か、見逃す代償として「金銭」や「アイテム」を貰える。 交渉がこじれ始める前なら、打ち切って「総攻撃」へと切り替えることも可能。 「太陽(吉田)」のコープランクを上げると、交渉成功後に追加で要求することも可能。余りやりすぎると怒らせてしまうが、追加要求中にも総攻撃可能なので一度は見逃す代償をもらっておきながら殲滅するという外道な真似も可能。 交渉に失敗すると襲われたり逃げられたりするが、戦闘メンバーのコープアビリティで失敗をリカバリーすることもできる。 ダイレクトコマンド ○=物理攻撃、△=ペルソナ、□=アイテム、×=防御、上=銃撃と各ボタンにコマンドが割り振られており、スピーディなコマンド選択が可能。 他にはL1でアナライズ、R1で手持ちのスキルから有効なスキルを選択(主人公の場合ペルソナチェンジも同時にされる)、下で次にターンが回ってくるキャラor敵の表示、R2でバトンタッチ、などが可能。 バトンタッチ ワンモア発生時に他パーティメンバーに行動を譲る行動。 バトンタッチされた側は攻撃力や回復力が増大する。うまく繋ぐことで大ダメージが狙える。 一部のスキルには、バトンタッチ時に威力が大幅に増す仕様が追加された。 あくまで「自分のワンモアで相手を行動させる」という仕様で、譲られた相手の行動順はそのまま独立している(*9)。 「ターンが回ってくる」ことに変わりないため、大気功などの効果は有効。 戦闘メンバーとのコープをある程度進めると得られるコープアビリティのため、仲間になった直後はコープが解禁されていないのでバトンタッチができない(『P5R』では仕様が異なる、後述)。 戦闘メンバー入れ替え 「星(一二三)」のコープアビリティ。行動順を消費して戦闘中にメンバーを入れ替えられる。 長期戦でSPが切れた際に急場をしのぐ、敵の弱点や耐性に応じて入れ替える、などが可能となり戦略性が増した。 最初は主人公のターンにしか行えないが、最終的には交代したいキャラ自身が実行できるようになる。 本作ではサポート役も含め「控えメンバーも距離をとりつつ、全員でダンジョンを踏破している」形となっている。 人質 弱点を突かれたなどでダウンさせられた仲間を人質に取られることがある。 要求に応じるなどして開放させることができるが、説得に失敗すると人質を即戦闘不能にされる。 ちなみに、この交渉に成功することが条件のトロフィーがある。 仲間の派遣 ボス戦で、相手の特徴に応じて戦闘メンバーの誰かを別行動させるギミック。 成功すると隙を突いて大ダメージを与えたり、大技の発動を阻止できたり、と戦闘を有利にできる。成功させられるかはキャラやボス戦によって異なり、失敗する事もある。 派遣中はパーティから離脱状態になる。効果を発揮するまで数ターン要するのでその間は少ないメンバーで耐える必要がある。 怪盗同盟 ゲーム内1日3回まで、ネットワークを通じて他のプレイヤーの手助けを得られる。 上記の人質の救出や、敗走して警戒度を高めようとするシャドウの阻止などを行える。 ダンジョン メインストーリーのダンジョン「パレス」 「主」の歪んだ欲望を反映したダンジョン。 メインで攻略するダンジョンは『P3』『P4』では基本的にランダム生成マップだったが、今作では全て固定マップになった。また構造が立体的になり、謎解きや探索の要素が満載となった。 中にはダンジョンへ初めて入った際には解決できず、現実世界に出て解く仕組みの謎も。 この場合、必然的に複数日を攻略に当てることになるため、スケジューリングには注意が必要。 パレス最奥にある「オタカラ」の在り処を特定し、現実で相手に「予告状」を出し(*10)、ボスを倒して「オタカラ」を盗み出す、というのが攻略の主な流れになる。 予告状を出すと、その次の日にパレスへの突入が強制される上、警戒度がいきなり99%な上に70%までしか下がらなくなる(*11)。パレスの攻略終了に2日間を要する・ボスを倒すまで出られない点も含めて、入念な準備が必要。 パレスはオタカラを盗み出すと崩壊してしまうため、ボスを倒した後は二度と入ることができなくなる。 今作でも鍵付きの宝箱が配置されているが、『P4』と異なり今作では鍵をダンジョン内で入手できず、消耗品の鍵「キーピック」をパレス突入前に作成しておく必要がある。 取り逃したアイテムはパレス崩壊と同時に入手不能となるため、余裕を持った鍵の準備が求められる。 ダンジョン内にはところどころに「セーフルーム」と呼ばれるセーブポイント兼ファストトラベルポイントがある。 見つけることでダンジョン入り口および他セーフルーム同士でのショートカットが可能になる。 隠密行動「カバーアクション」が用意された。 ダンジョン内で物陰などに身を隠すことで、シャドウから発見されなくなるというもの。 この状態では奇襲をかけられる距離・範囲が「シャドウの背後付近」から「向きを問わず一定距離」まで大幅に拡大され、奇襲に成功すれば有利な状態で戦闘を開始できる。 カバー状態から別のカバーポイントに素早く安全に移動することもできる。 パレスは狭い通路に敵が配置されている事が多い上に、一度敵に発見されるとかなりの長距離に渡って追いかけてくる。そのため点在するカバー地点で安全を確保し、そこから奇襲して敵を排除する、という流れが最も手堅い。 ダンジョンの中には長い廊下など身を隠せない場所もあるので、背後奇襲を行うためにタイミングを見計らったり、ルートを工夫するといった必要のある場面もあり一筋縄にはいかない。 警戒度 シャドウに見つかる・逃走する・逃走される・センサー系トラップに引っかかるなどで警戒度が上昇する。警戒度が高いと目の前に突然シャドウが現れて奇襲をかけられたりする。 100%になるとその日の探索は不可能になってしまう(『P5R』では仕様が異なる、後述)。 見つからずにシャドウを倒したり、潜入道具を使うことで警戒度を下げることができる。 一方でメリットもあり、警戒度がギリギリまで高くなっているほどレアシャドウ「宝魔」の出現率がアップする。 ランダム生成ダンジョン「メメントス」 パレスとは別に存在する、「地下鉄」をモチーフとした広大なダンジョン。 『P3』『P4』のメインダンジョンと同様のランダム生成マップ。 いくつかのフロアから成る「エリア(路)」が複数あり、ストーリーの進行によって次第にエリアが開放されていく、『P3』の「タルタロス」と同じ仕組み。 パレス同様、探索には昼時間の消費が必要。なおパレスと違って警戒度の概念はない。 途中の階層には「待合室」というパレスのセーフルームに相当するフロアがあり、各待合室および各エリアの最下層で相互にショートカットが可能。 探索中にメンバーが雑談することもあり、その数はかなり豊富。単調なランダム生成ダンジョンのささやかな楽しみになっている。 メメントスでは、探索による深部への到達に加えて「リクエスト」に応じて発生する「ミッション」の達成が主な目的となる。 「リクエスト」は「怪盗お願いチャンネル」の掲示板や主人公のコープ活動などで発生する悪人改心依頼。「ミッション」として受注が可能。 メメントスに現れるターゲットのシャドウを倒しオタカラを奪うことで達成となる。 基本的にクリアは任意だが、一部コープやシナリオの進行に必須のものもある。 前述の通り、メメントスの探索もまた時間を消費するため、1回の潜入でまとめてクリアするのが理想。 中にはSNSを確認しないと受注したことにならないリクエストがある。 これは履歴上限に引っかかって消えてしまうと受注できなくなってしまうため、こまめな確認が必要である。 同じフロアに長時間留まっていると、『P3』『P4』でもお馴染みの強敵「刈り取る者」が出現する。 本作ではモデリングの複雑化のせいか、ちょっとした壁に引っかかって立ち往生したり、立ち位置次第でこちらを襲撃できずせわしなく方向を変えまくったりなど、挙動が若干残念なことに。 本来は終盤でのステータスでも苦戦する相手だが、特定の条件に該当する日に戦うと何も行動できずに勝手に死んでいくことがある(*12)というポンコツぶりも見せるが、その強さは健在。 サードアイ L1かL2ボタンを押すことで、周囲に存在する「調べられる怪しい場所」をあぶりだせる。 簡易マップに表示されないアクションポイントを見つけ出せる。 シャドウの色で格上か格下かがある程度わかるようになっている。 街中でも使用できるほか、釣りやバッティングセンターなどの一部ミニゲームでも使え、特にペナルティなしで有利に進められる。このうちミニゲームでの使用には特定の本を読んでおく必要がある。 ダッシュ R2を押しながら移動することでダッシュできる。 時間短縮になるが、敵シャドウにも見つかりやすくなる。 天気 『P4』同様、日付固定で天気が変化する。 「花粉注意報」「ヒートアイランド」などの特殊なものも増え、一部日常パートやメメントスの探索に影響が出る。 ペルソナ・ベルベットルーム ペルソナや合体の基本システムも『P3』『P4』と同様。 今作のベルベットルームは「牢獄」で、訪れる主人公は「牢屋」に入れられ、囚人服を着て鎖に繋がれている。これにちなんでかペルソナ全書も今作では「囚人名簿」と呼ばれる。 牢内だけではあるがベルベットルーム内を歩き回れる。 特に意味はないがトイレに座って考え事をしたり、ベッドに寝そべることもできる。 また、ベルベットルーム内でセーブできるのでセーブ&ロードでの厳選で少し手間が省ける。 ペルソナ合体「ギロチン処刑」 ペルソナを「ギロチン」で処刑して合体させる。通常の2身合体と3体以上の特殊合体がある。 なお今作では3体以上の合体はすべてパターンが決まっている。 ネットワークを通じてランダムに合体させる「公開処刑」もある(*13)。ゲーム内1日に1回のみ実行可能。 公開処刑でしか手に入らないレアスキルもあるため、マニアはこれをやり込むことになる。と言ったもののこれらは継承可能で確率があまりに低いわけでも数が多くもないため、獲得はさほど難しくはない。 ペルソナ強化「絞首刑」 任意の一体を消費することで別のペルソナの経験値に変えることができる。また処刑したペルソナの所持していたスキルをランダムで1つ引き継げる。 同じペルソナの強化には日を改める必要があるが、お金に余裕があれば全書を利用することで1日に何度も強化できる(*14)。 ペルソナのアイテム化「電気椅子処刑」 ペルソナと素材になるアイテムを掛け合わせて別のアイテムに変化させる。ゲーム内1日に1回のみ実行可能(『P5R』では無制限に実行可能。)。 装備品またはスキルカードのどちらかになる。何に変わるかはペルソナごとに固定されている。 ペルソナ特訓「投獄」 ペルソナを数日ベルベットルームに預けることで弱点を消すスキルを習得できる。 特訓には数日かかるが、期限を過ぎるとペルソナ自体が消滅してしまうため注意が必要。 一応期限になると警告が入るが、強制的に時間が進行する場面も多数あるのでスケジュールの確認は欠かせない。 預ける日数はコープランクが高いと短縮される。 スキルカード 『P4G』から続いて登場するアイテム。所有ペルソナにスキルを覚えさせられる。 交渉、先述の「電気椅子処刑」などで入手できるが、入手できるスキルカードの種類には制約がある。 「皇帝(祐介)」のコープアビリティで複製が可能になる。 高位のスキルカードはコープランクを上げてアビリティをパワーアップさせないと複製できない。 複製にはベースとなるスキルカードと別に「ブランクカード」という何も描いていないカードを消費する。前者は貸すだけであり消費されず、後者に模写される形である。 宝魔 パレスやメメントスに低確率で出現するレアシャドウ。主人公のペルソナとして装備することはできない(*15)が、様々な用途を持つ素材として使える。 「絞首刑」で素材にすれば大量のペルソナ経験値を得られ、「電気椅子処刑」を行えば「黒い石」を強力なアクセサリーに変化させる。 また合体素材として使うことで、アルカナを変えずに現在のレベルに応じて異なるランクのペルソナを生み出せる(*16)ほか、この際に宝魔ごとに決められた8つのスキルが継承候補になる。 日常パート 日常パートは日付と共に進む限られた時間を使い様々な課題をこなしていくシステムで、これも基本は『P3』『P4』と同様。 コープ Cooperation(協力者)の略。『P3』『P4』の「コミュ」に当たるサブシナリオ。 各人物との仲を深めることでコープアビリティを入手したり、対応したアルカナのペルソナ作成時に経験値が増えたりする。 今作では名前の通り「協力関係」との位置づけであり、それぞれが何かしら特殊技能を持っており、悩みを聞いたり手伝いをする見返りに有益な能力の提供を受ける取引を行う関係、という扱いになっている。 『P4』同様に多くの女性キャラクターとはコープを進めると恋人にもなれる。 頑張れば最大9股というロクデナシもとい屋根裏のゴミプレイも可能(*17)。 ちなみに、恋人関係になることのできる女性キャラクターは『P3』『P4』に比べると年上が6人と多い。これは 子供が大人と渡り合って認められる本作のテイスト が意識されているらしい。 最大まで上げるとトゥルーエンド内で一部アビリティを以後の周回に引き継げるアイテムをもらえる。 当然のことながら、そのコープが解禁されてようやく引き継ぎアビリティが有効になる。 コープアビリティ 「コープ」を進めることで手に入るアビリティ。戦闘やダンジョン探索を有利に進められるようになる。 日常パートの行動回数を増やしてくれたり、人間パラメータやコープの好感度を上げてくれるアビリティもあるのでうまく使うことでさらに有利になるが、有益なコープは解禁・進行の難易度が『P3』『P4』までに比べて高い傾向にある。 SNS メインシナリオに関連したやりとり、「コープ」や遊びのお誘いなどが、SNSのメッセージチャットで頻繁に交わされる。 ログが100件まで記録され閲覧可能。 誘いは原則当日しか応じられないが、「リクエスト」の依頼文はログさえ残っていれば後日の受注も可能。 『P4』でみられた「1人ひとりから順番に声をかけられる」といった長い演出が割愛され、かつログにより誰から誘われているかいつでも確認できる。 主人公の人間パラメータ 人間力を示すステータス。 用途や上げ方、5種類に分かれる点はP4同様だが、名目は「知識」「度胸」「器用さ」「優しさ」「魅力」と変更されている。 アルバイトや施設利用で上昇する他、一部コープ活動でも上昇する。 多くのコープの解禁や進行などに特定の項目が一定ランク以上であることが要求されるほか、「知識」は定期試験の成績にも直結する。 自由行動 都内周辺の様々な施設で多彩な活動を行うことができる。 その種類の多さは『P3』『P4』の比ではなく、慣れたユーザーでも全ては把握しきれないほど。 喫茶店修行 「法王(惣治朗)」のコープが解禁されるとルブランでSP回復アイテムのコーヒーを淹れることができるようになる。 コープランクが上がるとより効果の高いコーヒーや、カレーの作成も行えるようになる。 時折惣治朗が味見にやって来て、その際にコーヒーやカレーに関するちょっとしたトリビアを聞くことができる。これは惣治朗の好感度(=同コープの進行度)上昇にもつながる。 潜入道具作成 鍵のかかった宝箱を開けるキーピックなどを作成する。作成には素材が必要。 「魔術師(モルガナ)」のコープランクが上がる(ストーリーが特定の段階に進む)と、さらに強力なアイテムも作成可能。 主人公の器用さが高いほど、1回の実行で作成できる個数が増える(素材はその分消費する)。この行動自体でも器用さが徐々に成長する。 釣り 釣った魚によってポイントが得られ、景品と交換できるミニゲーム。市ヶ谷の釣り堀で行える。 悪天候時の夜は入手ポイントが倍増するタグ付きの魚が増えるほか、「ヌシ」が出現しやすくなる。 釣り餌は4種類あり、小物向けの餌はタダでもらえるが、それ以外はポイントを消費して交換する必要がある。 本作では振り子のように左右に触れるゲージを左スティックで真ん中に留めつつ糸を巻く、という仕様。ゲージが両端に一定回数接触すると失敗となってしまう。 よりランクの高いロッドを入手することで失敗までの猶予が増える。 先述の通り今作でも「ヌシ」がいるが、釣るのは結構困難になっている。 ゲージの振れが激しい上に引く力も強い。あと一歩まで引いたのにゲージのバランスを取っている隙に反対側まで逃げられることすらある。 また、ヌシは原則最後の一投になってようやく現れるばかりか、ヌシを釣るための餌でも小物まで引っかかるなど、ヒットさせるまでも難儀である。 バッティングセンター 四軒茶屋のバッティングセンターで5球勝負のバッティングに挑戦できる。昼のみ利用可能で、猛打賞やホームラン賞で景品がもらえる。 左スティックの上下で角度を調整し、タイミングを合わせて打ち返す。最適な角度とタイミングでバットを振らないとホームランにはならない。 ストーリー進行に応じてより難易度の高いコースが追加されていく。 コインランドリー ダンジョン等で手に入る「汚れた防具」をコインランドリーで洗うことで実用的な防具に変化させる。何が手に入るかはランダム。 原則、夜の自由行動を消費する。 懺悔室 仲間のスキルを覚え直させることができる場所。神田の教会内にある。 時間が経過するが、一度消してしまったスキルを再習得したい時に活用できる。 映画館 主人公の人間パラメータを上げることができる。上がるパラメータは上映内容によって異なる。 映画館はストーリー進行+αで3箇所利用でき、場所や時期によって上映内容が変化する。 アルバイト先 牛丼屋、コンビニ、花屋などでアルバイトができ、人間パラメータを上げると同時に賃金も入手できる。 一部はリクエストの進行条件となっている。 他にも自室でDVDをレンタルして視聴したりレトロゲームで遊んだりができる他、壊れたパソコンを修理することで…? 街の住人達 NPCの会話も豊富で、学校や街で色々な人の話を聞くことができる(*18)。怪盗団に対する反応も時期や相手によってさまざま。 「怪盗お願いチャンネル」のリクエストの改心した人間や助けられた人間の反応なども聞ける。 評価点 バトル 『P3』より続く「ワンモアプレスバトル」を更に洗練させ、スリルと爽快感を両立させている。 雑魚シャドウがすべてペルソナと同じになったが、これらは『真・女神転生III NOCTURNE』以降の悪魔の姿と共通であり、視覚的にもわかりやすくなった。 過去作のデザインに慣れ親しんだメガテンファンはもちろん、新規プレイヤーからも「敵に個性があり、ペルソナとしても記憶に残りやすい」と、総じて好評である。 ボス戦が、戦略的で飽きの来にくい多彩な内容である。 大半のボスは弱点がなくクリティカルも発生させられないため、通常シャドウ戦のような単なる弱点狙いだけでは攻略できない。そのうえ「強力な敵単体が力押しで攻めてくる」というパターンのボスはおらず、行動パターンが多様、形態変化が目まぐるしい、弱点や耐性の異なる取り巻きが入り混じって出る…など、画一的に対処しにくくなっている。 仲間を派遣して敵の危険な行動を阻害する、攻撃パターンの規則性を見抜いて対策する、全体攻撃と単体攻撃を使い分ける、など様々な技術を駆使して勝利を狙うことになる。「とりあえずレベルを上げて力押しする」という大味な戦略は通用しにくい。 一方で極端な耐性設定のボスも少ないため、どんな編成でもしっかり策を練れば攻略できるようになっており、気に入った味方の力を合わせ、知恵を絞って強敵を撃破する達成感を味わえる。 パーティメンバーの性能バランスの良さ。 パーティメンバーはほとんど本作中の属性1つずつに対応している。多少の強弱はあれど、みな個性的な性能を持ち全員に活躍の場がある。所謂「死にキャラ」が存在しない。 そのうえ今作では戦闘中でもメンバーを入れ替えられるため過去作より臨機応変な戦い方が可能になっており、ごく普通にプレイしていても全メンバーが全編通して活躍できる。 ダンジョン 『P3』『P4』と異なり、ダンジョンの謎解き、探索要素が非常に充実している。 「パレス」は固定ダンジョンとなり、主の欲望を反映しているという特性通り外観や意匠が多彩で、なおかつダンジョンの特徴に合わせたギミックたっぷりで、攻略しがいのある内容になっている。 一方「パレス」に並行して攻略していくことになる自動生成ダンジョン「メメントス」も同時に用意され、『P3』『P4』のスタイルを好むプレイヤーの要求にも応える形となっている。 『P3』『P4』で単調と批判されがちであった自動生成ダンジョン内は特殊フロアの出現、メンバーの会話、サブクエストなど、探索過程を飽きさせない工夫が複数凝らされている。 メンバー同士の会話は非常に種類が豊富で、何周もしているプレイヤーでも聞き尽くせないほどの充実ぶり。わかりやすいボケ・ツッコミから何のオチもないありふれた日常会話まで幅広く、商品名や有名人の話題なども盛り込まれ、さりげなく世界観を広げるのにも一役買っている。 グラフィック PS4/PS3に最適化され、キャラクターのモデリングも前作までより大幅に向上し、表現力が格段に増した。 「怪盗」らしい派手なアクションから日常の細やかな描写まで抜かりなく、モーションも豊富。キャラクターの個性を表現するのにも一役買っている。 日常パートのモーションも非常に凝っている。改札を抜ける時にカードをタッチする、ドアを開けて中に入る、雨の日に傘を差す・たたむ等。 主人公の鞄に常にいるモルガナが時折顔を覗かせるのが非常にかわいい。 ダンジョンや戦闘でよく見ると揺れる。何がとは言わないがよく揺れる。 ペルソナのモデリングも向上し、旧来の原画をより忠実に再現している。 架空の都市ではなく東京が舞台になり、見慣れた日本の都会風景がリアルに表現されている。 渋谷地下の複雑さも見事に再現。ショートカットできない序盤は迷うこと必至。 東京が舞台である点は『真・女神転生』シリーズ古参ファンにも馴染みやすいものとなっている。 グラフィックの向上に伴い演出面も強化されている。 物語の重要な局面においては美麗なプリレンダムービーが用いられ、特に主人公や仲間の覚醒シーンは派手で格好いいと評判。 旧シリーズではテキストのみで済まされていたような部分の描写も増え、視覚的にもよりわかりやすくなった。 総攻撃で戦闘をフィニッシュした際やカットイン時の「一枚絵」は個性豊かでスタイリッシュとして評価が高い。 アニメーションも非常に作画が良くなっている。 旧シリーズでは元のイラストやゲーム内のグラフィックとの乖離も見られたが、今作はそれらと比較しても違和感のない仕上がりとなっており好評。 ミュージックビデオを意識したようなお洒落なOPも健在。主人公達が街中をフィギュアスケートで華麗に踊るという演出が話題となり、発売前のPVでも度々使用された。 ただ、一部問題点も存在する。詳細は「賛否両論点」を参照。 音楽 『P3』『P4』ともボーカルを多用した革新的な音楽が高く評価され、同2作とも音楽を特に好むファンが非常に多く、コンサートも頻繁に開催されるなどサウンド面がシリーズの「顔」としての立ち位置を確立する中、今作の音楽もまた事前の期待に十二分に応える完成度で世界的な高評価を得た。 今作のサウンドテーマは「アシッドジャズ」。全体的にしっとりとした大人な雰囲気を醸しており、前2作とは全く異なるテイストで、かつ作品の世界観に見事に合致している。 作戦決行日の『Life Will Change』・通常戦闘曲『Last Surprise』・ボス戦『Blooming Villain』・夜間自由行動時の『Beneath the Mask』・終盤のパレスBGM『The Whim of Fate』・終盤ボス戦『Rivers In the Desert』などは特に人気がある。 また、DLCで過去作の衣装をダウンロードした場合、その作品で使用された戦闘BGMを聞くことができる。…のだが、とあるDLCでこのBGMに関する問題が発生する事になってしまった(詳細は後述)。 ユーザーインターフェイス ゲーム画面全般が芸術性の高いスタイリッシュなデザインでありながら、視認性や操作性を損なっていないハイレベルな完成度。 メインメニューは選ぶ度にアニメーションする作りになっているが、それでいてスピーディーに遷移するため快適な操作が可能。 シナリオ・キャラクター 主人公や仲間たちは理不尽な大人と社会に苦しめられてきている若者達の集まり。そんな彼らが自らの正義を示さんと、悪人や社会に一矢報いていくカタルシスはシリーズ随一。 「悪人を懲らしめて弱者を救う」というわかりやすいテーマのもと、その悪人の蔓延る現実と異世界の中を生き抜く緊張感のある展開から感情移入もしやすい。 仲間は『3』や『4』の仲間と同じように高校生の等身大の悩みを持っているそういうどこの学校にもある馴染みやすいキャラクター設定である。 「5」では『4』よりも仲間たちも「不登校」や「クラスから浮いてる」など、クラスのマイノリティである部分が強化されており、より現代的な設定へとなっている。 特に主人公は極めて過酷な境遇にあっても信念を貫く姿や怪盗モードの格好良さから人気が高く、既に人気の確立された『P3』『P4』の主人公と同様に数多くのファンを獲得している。 仲間との距離感も『P3』ほどギスギスしておらず、『P4』ほどベッタリしすぎてもいない、丁度いい関係性と評される。 また、『P3』『P4』のメンバーは世間から認知されない(ゆえに世間の直接の反応を知ることができない)隠れたヒーローという立場であったが、今回は世間を騒がせるダークヒーロー的な存在で、世間から自分たちへの認識を全編通して目の当たりにすることとなり、過去作にはない新鮮な演出となっている。 コープ 前述の通り、コミュからコープへと変更。システム自体はコミュとほぼ同じだが、「協力」の名の通り今までとは一味違った他者との交流を送ることになる。 今作では相手の持つ技能を怪盗団の役に立てるために協力関係を結ぶ、というところから関係が始まる。過去作に比べてコープの相手は年の離れた大人が多いが、彼らもまた何らかの理由で理不尽な境遇へと追われた者達となっている。 彼らの信頼を得るため、主人公は時に裏の仕事に手を出したり(犯罪行為ではない)、怪盗団として悪人を改心させたりと奔走する。相手も大人なので時に主人公を制したり、利用したりと良い意味でも悪い意味でも賢い大人達ばかり。そんな大人達の一部に認められることで深まっていく独自の関係性は本編とはまた違った魅力がある。 また、過去作では主人公と同年代の女性キャラとしか恋人関係になれなかったが、今作では先述の通り年上キャラと恋人関係に発展するコープが多い。当然恋人関係になれるキャラも増えたので修羅場イベントはとんでもないことになる。 コープを進めていくことで解禁されるコープアビリティも多種多様かつ便利で、コープを築くメリットを実感しやすい。 盛りだくさんの遊び要素 メインとなるダンジョン探索やコープ進行の他にも遊び要素が豊富。できることの選択肢は多い。 釣りやバッティングセンターといったミニゲームから、コープ相手と遊びに行ってちょっとしたイベントを見ることもできる。相手と場所の組み合わせによっては自室に飾れるインテリアをプレゼントされることも。 初見だとクリアまでに100時間以上かかることも珍しくない。これだけ長いと中弛みしそうなものだが、むしろ熱中して最後までプレイしたという意見が多い。 ただこのプレイ時間は、純粋に遊び要素の多彩さだけでここまで膨大になっているわけではないのも事実ではあるが…。詳細は「問題点」で 小ネタ テレビでは過去作のキャラを匂わせる内容が度々流れる。 渋谷の街中にりせの新曲ポスターが貼られていたり、明智が「探偵王子の再来」と呼ばれているなど特に『P4』を意識した要素が多い。前作ユーザーならピンとくるのではないだろうか。 賛否両論点 ペルソナ処刑 本作のペルソナ操作はすべて上記の通り「囚人の処刑」をモチーフにしている。 布に包まれてジタバタするペルソナの「処刑」シーンは、ペルソナ自体が認知上の存在であることから当然実際に処刑しているわけではなく、あくまでイメージ映像に過ぎない。とはいえ悪趣味であるとの意見も少なからず聞かれ、好みは分かれやすい。 演出のスキップは可能なので気にするほどでもないとは言える。ただし合体事故が起きるときだけは演出をスキップできない。 序盤のアルセーヌの扱い 今回はチュートリアルで必ず合体を行うことになるが、特に意識せず進めると大抵は初期ペルソナの「アルセーヌ」を素材にせざるをえなくなる。「せっかくの主人公オリジナルのペルソナなのにすぐ他のペルソナに変わってしまうのが残念」という声も聞かれる。 合体時に専用台詞がある事からも、合体の積極的な活用を促すための意図的な仕様であると思われる。 また、特に拘りがなければお金を払えばペルソナ全書からすぐに呼び出せる(*19)。 ちなみにこのアルセーヌの合体ネタや後にアルセーヌとの合体に使われるピクシーがペルソナになるイベントは後のテレビアニメ版でも採用されており、主人公はエピソードごとにペルソナを日々乗り換えていた。 ペルソナの性能差 本作では『P3』のインセンスカードや『P4』のシャッフルタイムのようなステータスの底上げが出来ず、ペルソナのステータスが上昇するのはレベルアップ時のみ。 そのため、初期レベルが高いペルソナはどうしても伸びしろが少なく、特定のステータスに特化させた育成もできずパッとしないステータスになりやすい。 一方、低レベルペルソナは宝魔による経験値稼ぎとセーブ&ロードで必要なパラメータだけをひたすら高めたペルソナを作ることができる。もちろん、金と時間(ゲーム内カレンダー)が相応にかかるが。 銃撃属性のみ耐性や無効などのスキルが無いため、銃撃弱点のペルソナはどんなに頑張っても弱点を抱えたままになり、他のペルソナと比べて耐久面で劣りやすい。逆に銃撃属性に耐性を持つペルソナはそれだけでアドバンテージになり得る。 銃撃属性スキルを使用してくる敵が多くはないため、ゲームバランス全体を致命的に悪化させる要素ではないが、一部ペルソナだけがゲーム全体で使いにくくなってしまっている面は否めない。 強力な専用技を持つペルソナが何体かおり、その点でも性能に差が出やすい(『P5R』で改善)。 特に指摘されるのが「ヨシツネ」の「八艘飛び」で、『P4』でも強力だったが今作でも頭一つ飛び抜けた強さを誇り、物理が効かない相手でなければこれだけでほぼ倒せてしまう。 とはいうものの、ヨシツネの作成に必要なペルソナのうちの一体は最終盤にならないと合体が解禁されないため、必然的にヨシツネが使えるようになるのも最終盤となる。強力なのは確かだが、ゲームバランスを崩しているというほどではない。 逆にルシファーはなぜか大幅弱体化。強力な専用技こそあるものの、ステータスに伸びしろがほとんど無いために微妙な火力になりやすく、耐性も祝福弱点があるのみでパッとしない性能になってしまった。 とは言え、強力なペルソナでなくとも攻略できる難易度で遊べる関係上、基本的には好きなペルソナを使って遊べる程度の範囲には収まっている。 バトルに関する調整内容 パレスでは多くのボス戦でクリティカルが出ないよう制限されている。 単純にこちらの行動に制限が加わる事や、せっかくの新システムであるバトンタッチが活かせない事などに不満が見られる一方、難易度調整を考えると妥当という意見もある。 バトンタッチについてはロイヤルで一部のボス戦が変更されるとともに改善された。詳細は後述。 新システムのバトンタッチはコープアビリティのため、新しくメンバーが加入した直後はコープがまだ解禁されていないためバトンタッチが行えない(『P5R』で改善)。 新しく加入したメンバーとのコープが解禁されるのは加入したパレスのクリア後になる。 加入したパレスではシナリオ面でも新メンバーにフィーチャーされていることが多く、性能を見極めるためにも戦闘に参加させておきたいという気持ちが強くなるが、バトンタッチが使えないため連携に参加しづらくなってしまっている。 見方によってはコープを進めたからこそ使えるようになるシステムとも取れる。幸いコープさえ解禁されればすぐに習得可能になる。 『P5R』においては基本システムとなったためこの問題は解消された。詳細は後述。 とっつきにくい「銃」システム(『P5R』で改善) 1回のダンジョン攻略に使用できる弾数が限られているため、使用に抵抗を感じやすい。そのためあまり銃を使わず、銃の購入やカスタムをも敬遠してしまうユーザーがしばしば見られる。 消費した弾を補給できるアイテムを作成できるが、素材の一つが店売りされないため入手数にも限りがある。 一方でしっかり強化した銃を使えばかなりの火力を叩き出すことも出来、またよほど乱射していない限りはパーティ全員弾切れなどという状況も起こりづらいため、適切に使うことさえできれば便利な攻撃手段になる。 「塔(信也)」コープで弾数増加(全員)・強制ダウン(主人公の特殊コマンド)・耐性貫通(主人公のみ)(*20)が付与されるため、便利かつ強力。逆に言えば、この辺りに気付けなければやはり上記の通りであるが…。 銃のカスタマイズに必要な「刑死者(岩井)」コープは解禁条件や攻略難易度が高め、銃の強化に必要な塔コープも終盤に入ってからの解禁、と銃にまつわるコープに攻略しづらい要素が多いのも、銃の強さに気付きにくい一因である。 P5Rにおいては銃関連のシステムが大幅に改善され、格段に扱い易くなった。詳細は後述。 敵との会話交渉のパターンが少ない 「悪魔会話」の復活、と期待されたが、本家メガテンは元より『異聞録』や『ペルソナ2 罪・罰』よりも会話パターンが少ない。 シャドウごとに設定されている性格と会話の回答が一致しているため、一度覚えてしまえば失敗もなくなる。金銭やアイテムも要求されないので持ち逃げされるようなこともない。 金品の要求には会話が必要ないため、慣れてくるとあまり会話を行わなくなってくるのでそれほど気にならない部分ではある。 ゲームバランスを崩しかねない要素 「パーティの戦力を問わず大量の経験値が楽に稼げる」「一時間程度で所持金カンストまでお金が稼げる」といった稼ぎ手段があり、大雑把ではないかという指摘がある。 やり込みに大量に必要となるお金が確保しやすいと好意的な意見がある一方、救済手段にしてもやり過ぎという声も。もちろんこれらはユーザーが意図しなければ発生しない現象であるため、気になるようであれば封印は容易である。 「死神(武見)」のコープランク5から販売される「貼る大気功」は毎ターンSP7回復されるようになり、SP管理が極端に楽になる。 難易度を大きく下げる要因であるものの、効率的なプレイを目指すならば必需品でもあるため、プレイスタイルによって意見が分かれるところ。 ストーリーに関する賛否 怪盗団の「改心」について、「本人の知らないところで(本人に拒否する選択肢がないまま)強制的に心変わりさせる」という手法に、純粋な善行と呼ぶには違和感があるという声は一定数聞かれる。 基本的に相手は見過ごせない悪人に限られており、怪盗団内部も個人の独善にならないよう「全会一致じゃないと実行しない」の掟を設けられてはいるが、いくら悪人相手とはいえ方法が一方的であり、見方によっては独善的とも取れてしまうとの意見がある。 ただ、この点については制作サイドも重々承知のうえあえてこのような描写になっているとも解釈できる。 今作の作風は公式に「“学園ジュブナイル”と“ピカレスクロマン”の融合」と銘打たれている。「ピカレスクロマン」は先述の通り社会に反逆するはみ出し者の主人公を描くジャンルで、そもそも「善」とは定義されていないのが特徴の一つである。 また、作中で怪盗団のメンバーも「自分たちの行いが全うな善ではなく、あくまで己の正義を貫き通すことに意味があり、だから「怪盗」なのだ」との趣旨の発言をしている。 「怪盗団の行為が善行とは思えない」という旨の意見を述べるNPCは作中にも登場しており、完全版である『P5R』の追加シナリオや続編『P5S』のシナリオ(後述)もある意味この点を突き詰めたものである。 以上の要因から、初めから主人公サイドを単純な「善」として描写する意図はなかった可能性がある。 また、今作の作品構造においては、「真っ当な手段では訴えても権力で握り潰されてなかったことにされてしまうから、改心という異質な手段に頼るしかなかった」というのが主人公達に共通している状況である。終盤の主な敵に至っては、あちら側も「改心」を利用して大量殺人さえ平気で行う真の悪と呼べる人物なので、同じ手段で対抗しなければ戦いにすらならず、一方的に抹殺されるだけ。怪盗団としてはあくまでも最後の手段として行っていることである。 また、怪盗団がメメントスで行う改心も、該当の人物を見つけると「○○に迷惑がかかっているからやめろ」とまず説得から入っており、問答無用で改心はさせていない。だが相手は話も聞かないうえに自己中心的な意見で迷惑行為を続けようとするので仕方なく力尽くで大人しくさせる形になっている(*21)。 各パレスのボスとなる悪人達の具体的な悪事や心情等の描写が薄い。 最初のターゲット以外の悪人達についてはあまり具体的な描写がなく、テキストでの説明や伝聞情報だけで流されることが多い。そのため悪役としての魅力に欠けると言われることがある。 もっとも、悪行につき最も時間を割いて描写されている最初の悪人のエピソードですら、ショッキングな要素を薄くするために表現をぼかしている可能性が指摘されており、シナリオ全体を過度に重くしないための配慮ではないかという意見もある。 敵役の大人たちは皆俗悪そのもので、憎むべき敵対者として分かりやすく、打倒する動機づけは明確となっている。 しかし悪く言えば私利私欲にまみれたステレオタイプな悪人ばかりともいえ、「怪盗団とは相容れない大義のために進んで罪や悪を背負う」ような、人間的な厚みのある敵対者はいない。 この点の反省からか、『P5R』追加シナリオでは、主人公らの視点でも感情移入しうる厚みを持った敵役が追加された。 終盤、窮地を脱するため敵の仕掛けた罠を逆に利用する…という展開に説明不足な部分が多く、プレイヤーによって意見が割れている。 特に「敵の確認不足や警察の怠慢が重なったおかげで偶然に上手く行った」ようにも見える要素がいくつも存在しているため、そのあたりの展開や描写の粗に対する批判は多く挙がっている。 もし敵組織内部への工作をしっかり行っていたのであれば、敵の怠慢ではなく計画された必然としても成立するが、いかんせん「当初の計画がどういった物で、どこまで計画通りに進んだか」に関する細かい説明がほぼ無いため、実際はそういった手回しをしていたのか、それとも本当に偶然性に頼った杜撰な逆転計画だったのか、判然としない。 + その例(ネタバレ注意・項目の肥大化を防ぐため数例のみ) 計画の要として主人公の所持品が鍵となるが、該当の状況下では所持品はすべて押収されているのが自然であり、なぜその場にあったのかの説明がない。 状況や置いてある位置からして尋問を務める人物が尋問内で使用するために持ってきたものと思われるが、実際にはその計画を実行するタイミングまでその存在に触れられず、なぜそこにあったのか詳しくは語られない。 また、計画の進行には「とある人物」を「真犯人」に引き合わせる必要があった。それぞれ通るルートが被ることは想像がつくものの、すれ違うようなタイミングでそれぞれが通ることを確信が持てる情報を事前に得ている描写はなく、偶然性に助けられた可能性が残る。 黒幕側の視点からすれば、いくら諸々を偽装する予定だとしても目撃者は少ない方が都合がよいはずで、確実に誰もいないタイミングで真犯人がやってくる可能性はあった。 これらの要素はこの作戦の最も要となる部分のため、実際に上手くいった作中の描写だけ見てその勢いで物語に乗っているうちは良いが、立ち止まって作戦としての妥当性を考えた際にはネックとなってしまう。 説明過多を避けて勢いを重視するなら妥当な措置である、という見解もあるが、結果的にはプレイヤーがどう解釈するかにより大きく見解が分かれる部分となったため、何らかの形で細かい説明は欲しかった所である。 一応、特定のタイミングでパーティメンバーに話しかけると、逆転計画進行中の細かい内容を一部教えてくれたりはする。 あくまで一部止まりなのと、必ず目にするわけではない期間限定の会話なので、見落とされやすいのがネック。 また、もちろんこういった考察をしてもなお潰せない偶然性などはある。 とは言え、不利な状況下での逆転計画であることを考えれば、あまり完璧を求めるのは酷でもある。出たとこ勝負の局面があったり、偶然に左右されるのは、ある程度の範疇であれば仕方ないと言える。実際、作中でも「実行直前に気づきかなり無理のある対処を行った」箇所があることが語られている。 ラスボスとなる存在の伏線。 真の黒幕の存在につながる重要な伏線が、実は物語の最序盤から示されている。 しかしこれはメタ的な要素を含む演出で、過去作(や出演者の動向)を知る人でなければ伏線として機能しない。そのため過去作を知らないプレイヤーには伏線回収後もその意図が伝わりきらず、結果としてラスボスのポッと出感にもつながってしまいかねない。 一方、過去作を知るプレイヤーからは、熱心なファンほど意表を突かれる見事な伏線回収だとして非常に好評である。 学園生活描写の薄さ 今作には『P3』『P4』で登場した部活動が無い。学校行事への参加もあまり積極的でなく、全体として学校生活より怪盗業の比重が大きい。 『ペルソナ』シリーズは別に学校生活必須というわけではない(*22)ので、本作では隠れ蓑的な役割と言えるかもしれない。 ESの特集記事によると、今作の学校は「大人に管理された時間帯」というスタンスのため、『P3』『P4』のような自由な部活動は削られたようである。 序盤は他の生徒から主人公のヒソヒソ話をされるが、内容も主に陰口であり聞いていて気分はよくない。 一応試験で学年1位になれば主人公への評価は変わるが、図書室では常に同じような噂話をされる。 終盤とある理由で学校をしばらく休むことになるのだが、その前後でやれることにあまり差はない(*23)。ストーリーの都合で行動を大幅に制限されることがないとも言えるが。 実習棟はほとんど行くことは無いのでもったいないという意見もある(*24)。 学校内では『P3』『P4』のようにモブとの会話が少なく(*25)他の生徒の会話に聞き耳を立てる事だけ。 その他 OPにおける各キャラクターの出番に差が大きく、竜司、杏、祐介は2回ずつ出番があるにもかかわらず、真と春は一瞬しか画面に映らない。 これに関しては様々な事情で発売が延期された背景があり、そのしわ寄せとも取れる。 ストーリーの都合上、クリスマスイブの後はバレンタインでイベントがあるだけで他の日はスキップされそのままエンディングとなる。 そのクリスマスイブも、その後の展開の関係で素直に楽しめないという意見も。バレンタインの方が本命ということだろうか。 恒例の修羅場イベントはバレンタインの時のみ。イベント自体は好評だが、イベントの数はもう少し増やして欲しかったという意見もある。 天候の都合で修学旅行先が大きく変更される、2年生の修学旅行に教師の代わりに急遽3年生が加わる事になるなど、不自然さを感じやすい展開も所々に見られる。 問題点 ゲームテンポを悪くしている要素 本作のストーリーはオープニングで警察に捕まった主人公が検事の新島冴に尋問され、過去を回想していく形式で進むのだが、ストーリーの節目やコープが解禁された段階でいちいち時間が進む演出が入り、冴が次のターゲットや主人公の能力(*26)について尋問するシーンが挟まれるためテンポが悪い。 ストーリーが進むごとに冴が主人公に信頼を寄せていき、次第に態度や口調が軟化していくのだが、コープのことを言及すると途端に辛辣な物言いになるのも違和感が出てしまう。 あまりに印象に残るためユーザーに「どうなのおばさん」という愛称をつけられた(*27)。 新システム『警戒度』の仕様により、前作までと比べて敵に見つかるデメリットが大きく増えている。 前作『P4G』までは敵に見つかってもただ追跡されるだけだったが、本作のパレス(*28)では更に「警戒度」が上昇する。 この数値が上がるとフィールド上の敵のAIが賢くなる、戦闘で敵を全滅させても他の敵を増援されて再戦となる確率が上昇(*29)する、また最大値まで上がってしまうと最悪の場合ダンジョンから追い出されるなど、前作とは比べ物にならないぐらい発見時のデメリットが増えてしまった。 カバーアクションを使って隠れながら移動すれば完全に敵に発見されないなどの対策は用意されているが、後述のようにこのアクションの操作性があまり良くなく快適性が低い。 また全ての部分で隠れる事が可能なわけではなく、カバーアクションなしで敵の視界に入らないようにしなければならない場所もそれなりにある。 この警戒度のせいで前作までのようにダッシュで駆け抜けるのがほぼ不可能になったため、より本作のゲームテンポの悪化に拍車をかけている印象も。 一応、あまり本編には関連しないメメントスのダンジョンでは従来通りの仕様ではあるが.... パレスで戦闘から逃げると警戒度が上がるため、過去作と比べて気軽に逃げる事ができない。 イゴールによるベルベットルームへの呼び出しも時折あり、この際の演出にもローディング込みで時間がかかるため、やはりテンポが悪い。 自由に行動できない日数が多く、イベントも長め。 最序盤はイベントが多く、自由行動が可能になるまで時間がかかる。その後も操作できずテキストだけで進行するイベントの割合が多いため、人によっては退屈になりがちである。 ストーリー上のイベント後など、自室で自由行動が取れるにもかかわらず、何かしようとするとモルガナに「今日はもう寝ようぜ。」と言われ結局寝るしかない事が頻繁にあり、煩わしく感じやすい。アイテムやステータスの確認くらいしか出来ない(*30)なら自動で進めて欲しかったという声も。 これは数日続けて発生する場合もあるため、その間に「投獄」の期限を過ぎてしまうと回収しにも行けずペルソナが消滅してしまう、という事態も起こりうるので、その間は投獄のカウントが停止するか、特別な恩赦による釈放などの措置が欲しかった所。 日付が変わる際はカレンダーが表示されてから背景の街が徐々に明るくなっていく演出となっているが、時間がかかる上たびたび街の人々の噂話に耳を傾ける演出も挟まれるため、冗長に感じやすい。しかもその内容も余り好意的なものがないので…。 戦闘終了から操作可能になるまで時間がかかる。特に総攻撃でフィニッシュした場合は演出が長く、凝った演出ではあるがさすがに何度もやっていると飽きが来る。 双葉のペルソナが覚醒後に習得する「お宝スキミング」も、発動するたびに戦闘開始直後にスキップできない演出が挟まれるため、テンポが悪い。 ストーリーにおける春の出番の少なさ 前作で最後に加入した直斗は仲間になる前から主人公たちに関わる出番があったが、春は仲間になる前は顔見せ程度の出番しかないので余計にそう感じやすい。 さらに、加入後はストーリーが大きく動き出し日常パートの比重が大きく減るため、ゲーム全編通して出番が少なく貧乏くじを引いた状態になっている。 カバーアクションの操作性の悪さ カバーアクション中はカメラの回転できる範囲が大幅に狭くなり、ミニマップに映らない情報の確認がし難い。また慣れない内は位置や進行方向の把握に苦労する。 また、アクション中の移動先には「カメラの中央付近に位置するカバーポイント」が選択されるため、移動したいカバーポイントがカメラに収まらない時などは不便でもある。 カバー中の「カバーポイントから飛び出す」「敵に襲い掛かる」といった操作が基本的に全て同じ○ボタン(敵が近くに居るかどうかでアクションが変化する)であるため、敵の移動のタイミングによっては意図していないアクションが暴発しやすい。 コープアビリティ「瞬殺」の仕様(『P5R』で改善) 「戦車(竜司)」のコープランク7で習得できるアビリティ「瞬殺」は、格下のシャドウ相手にチャンスアタックを行った際に戦闘を行わずそのまま勝利扱いになるというものだが、このアビリティの効果が「微妙に迷惑(*31)」なものとなっている。 敵パーティのうちランダムで1体をペルソナとして獲得できるが、ダブったときやすでに枠が埋まっていた場合は何も得られない。それ以外の経験値・金・アイテムも一切得られない。 条件を満たすと強制的に発動するため、会話交渉でアイテムや金稼ぎを行いたい場合には不便極まりない。 チャンスアタック時に発動する「成金」「ランダムファイア」といったコープアビリティの出番も奪ってしまうため、そういった部分でも噛み合わせの悪い仕様となっている。 公式もこの批判を受けてか、P5Rにおいては仕様が大幅に変更され一転して便利なアビリティとなった。詳細は後述。 その他細かな問題点 格闘ゲーム風のミニゲーム「豪血寺一味」でのコマンド入力のシビアさ かなり綺麗に入力しないと受け付けてくれず、本物の格闘ゲームよりシビアという声もあるほど。 レトロゲームのクリアはトロフィー対象でもあるため、その点でもストレスが溜まりやすい。 ストーリーを進めないと進行しないコープ 序盤から結べるコープのうち一つはストーリーを中盤まで進めないとそれ以上進行しないものがある。 「まだまだ深まりそうもない」のまま数回繰り返すと察することもあるが、気づいた時には時間を無駄に消費してしまっている。 夜のコープは序盤は少ないため優先的にやってしまいがち。 『P5R』で追加されたコープではストーリー進行が必須な場合は相手が断りをいれてくるが、無印のものはそのまま。 トロフィーの1つ「熱烈リスナー」の達成条件 「双葉のナビを250種類聞く」というのがその条件であり、達成しようとすると長時間にわたって非効率的なプレイを余儀なくされるため批判が多い。 引き継ぎ要素 今作もレベル、各種アイテムの引き継ぎはできない。装備品は引き継げるようになったが、それでもP3のような完全な強くてニューゲームはできない。 DLCの問題点 DLC衣装を受け取れるのが自室のみ 自室に戻れないラストダンジョン付近のセーブデータしかないとDLC衣装を受け取れなくなる。 周回すれば受け取れるが、加入が遅いキャラの分はもう一度ストーリーを進めなければ衣装を拝むことができない。 BGM 評価点で記載されたコスチュームに付随するBGMだが、『女神異聞録ペルソナ』のDLCは戦闘BGMが原作のものではなくPSP版『Persona』のものだったため、元の曲を期待して購入したユーザーから批判され、DLC配信を一時中断するに至った(*32)。 『P4』のコスチューム&BGMセットも無印の『Reach Out To The Truth』ではなく『P4G』の『Time To Make History』が使われているが、こちらはPS Storeでの記述を見る限り意図的な設定の模様である(*33)。こちらは特に問題視はされていない。 DLCペルソナの導入による合体テーブルの変化 DLCペルソナを導入した場合、以後合体テーブルにもそのペルソナが組み込まれ2身合体の結果に変化が生じる。 合体の仕様上DLCペルソナの導入により一部ペルソナの作成要求レベルが上がってしまい、結果として本来なら作成可能な組み合わせであってもDLCの導入状況によっては作成不可能となる事態が発生する。 導入前の状態には戻せないため、合体の幅を狭めるという点で不親切な仕様となっている。 新難易度「CHALLENGE」の仕様 HARDモードを超える難度として期待されていた当モードだが、中身は「入手経験値とお金が激減・クリティカルやテクニカルと弱点のダメージが激増」「ゲームオーバーの際にリトライができない」という仕様のみ。 テクニカルや弱点を突くこと、突かれないことの重要性は上がっているが、これらは高難易度ではもともと重要であり、結果として「経験値とお金が入手しづらくなり作業感の増したHARD」といった具合で、あまり評判は良くない。 そのため「いたずらに稼ぎの手間を増やすのではなく、敵の行動パターンやスキルが変わる等の形で調整してほしい」と望むユーザーも多い。 ロイヤルにて違う形ではあるがCHALLENGEの仕様変更が行われた。 総評 グラフィックやシステムが大きく進化し、『ペルソナ』シリーズの集大成とも言える完成度に。 作り込みの高さからか前作と比べてゲームのテンポが悪化した点はやや賛否が分かれるが、全体的には充分に良作の範疇に入るだろう。 前作からアニメや派生作品など、ファンを増やそうという相当の年月をかけた地道な努力が実を結んだ。 シリーズ最大となる世界累計270万本の出荷を達成し、国内海外共に非常に大きな伸びを見せた。 なおシステム面は『P5R』で更に改善・向上した部分も非常に多く、新規で買うなら『ペルソナ5・ザ・ロイヤル』がよりおすすめである。 ペルソナ5 ザ・ロイヤル 【ぺるそなふぁいぶ ざ ろいやる】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション4 メディア BD-ROM/ダウンロードソフト 発売・開発元 アトラス(セガゲームス) 発売日 2019年10月31日 定価 9,680円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 ポイント 新キャラや3学期を追加した「怪盗異聞録」システム・バランスも洗練されより遊びやすく無印プレイ済みユーザーにはやや物足りないか謎の残る箇所や追加シナリオは不満も 女神転生シリーズ 奪え、その意志で 概要(P5R) 『P5』(以下「無印」)に追加要素を足したいわゆる完全版。 シナリオが延長され、無印とは異なるエンディングが追加されている。 無印からの変更点 シナリオ(P5R) 新シナリオ・新キャラ 新キャラ芳澤かすみ・丸喜拓人、及び対応したコープと関連ストーリーの追加 芳澤は無印では意図的に登場しなかったとされる「後輩キャラ」の女子。もちろん交際も可能。これで最大10股が可能に。 丸喜は秀尽学園高校に派遣されるカウンセラー。校内で発生した事件をきっかけに主人公たちと関わりを持つようになる。 これらのキャラに関連したシナリオは、二学期までの本編の随所にも挿入されている。 三学期突入ルートの追加。 本編の進め方次第で条件を満たせば、無印版のエンディングに入らず、新たに三学期の期間をプレイすることが可能になった。 このルートでは新たに一つ分パレスとボスが最後に追加され、それに対応したストーリー展開とエンディングが存在する。 途中、正月、ホワイトデーといったイベントが追加されキャラの冬服姿も見られるほか、自由時間=コープを進める猶予もその分だけ増えている。 もちろん、追加ルートの条件を満たさなければ従来通り無印版と同様の展開に進むことも可能。純粋に新たなルートが増えた形になる。 既存シナリオ・キャラの変更点 下記の通りいくつかの追加点・変更点は見受けられるが、無印にあった本編の内容自体(2学期までのストーリーあらすじ)はほとんど変更されていない。 追加イベント 清掃ボランティアイベントの追加、修学旅行内の追加イベントなど、主に学校活動に関連したイベントがメインシナリオへ複数追加された。 怪盗団メンバーのグラフィック・音声の追加 新たな顔グラフィックが追加された。 シナリオを進めるとスマホで仲間の交流の写真が送られてくる頻度が大幅に増加。12月24日以前の日付であればスクショで保存も可能。 既存のシーンへのボイス新録も行われている。特にバレンタインデーのイベントは必見。 OP、本編中にムービーも追加された。特にOPでは、無印で少ないとされた真と春の出番が増加した。 上記の音声追加に関連して、一部キャラのcvが変更されている。具体的には千早が松来氏から照井春佳氏に、金城が田中一成氏から藤本たかひろ氏へとそれぞれ変更された。テレビアニメ版に準拠している。 パーティへ一時参加する怪盗団の協力者の一人に関して、パーティ参加期間が増え、コープの内容も変更された。 バトル(P5R) 新要素「SHOWTIME」 本編進行にあわせ、対応する仲間の2人1組で習得していく特殊攻撃。 トドメの一撃になるなど、特定の条件を満たしたときに一定確率で使用可能となる耐性無視のド派手な攻撃を与えるコマンド。 発動は任意で、通常行動を選択することも可能。 バカゲーのような破天荒な演出が楽しめるが、演出スキップも可能。 新要素「バトンタッチランク」 後述の「ダーツバー」でパーティメンバーごとに上げることができるパラメータ。 ランクが上がるほどバトンタッチの効果が強力になる。 なお、バトンタッチはコープアビリティから基本システムへと扱いが変更されており、無印での問題点だった加入直後の仲間がバトンタッチに参加できない問題が改善されている。 TECHNICALによるダウン効果追加、および新要素「テクニカルランク」 「TECHNICAL」を発動した際、一定確率でダウンを奪えるようになった。 これによって弱点を持たないシャドウ相手に状態異常を付与し、状態異常に対応する属性攻撃でダウンをとるという戦術が可能に。 同時に「テクニカルランク」が新設された。 後述の追加要素「ビリヤード」によって上げることができるパラメータで、ランクが上がるほどテクニカル時の威力やダウンの発生率が高くなる。 新要素「凶魔」 ザコシャドウにときどき混ざる特殊な個体。 姿形は他のザコシャドウと同じだが、周囲に紫のモヤモヤをまとっている。 自分からは一切行動しないが、弱点属性以外の攻撃を受けると手痛い反撃をしてくるという特徴的な行動パターンを持つ。 撃破するとすすけた防具、非売品、貴重な消耗品などのレアアイテムをドロップしつつ、爆発し敵全体にダメージを与える。 この爆発の威力は撃破時のダメージに依存するため、弱点を突くなどすれば一撃で敵を全滅させられる事もある。逆に一撃で倒せないHPがある場合は、他の敵で弱点を突いてからバトンタッチで攻撃力を上げ、そこから撃破を狙うというワンクッションを挟むのも有効な手段。 銃に関する仕様変更 戦闘終了後に自動で弾が全弾補充されるようになった。 これにより銃の活用機会が大幅に増え、岩井(刑死者)や信也(塔)のコープアビリティの価値が高まった。 その一方で「弾丸を補充するアイテム」は削除されており、戦闘中の再補充は一切不可能になった。 このため単純な易化とは言いきれず、銃弱点の敵などに対する使用ペース配分に無印とは異なるアプローチが必要となった。 銃の改造の仕様変更 無印では強化内容は自動選択だったが、今作では内容を任意に選択できるようになった。 スキル効果や一部シャドウの属性相性の調整 『P3』『P4』にあった弱点属性が減少もしくは削除されているペルソナも多い。 「ラッキーパンチ」「ワンショットキル」など「高クリティカル率」を特徴とする物理・銃撃スキルは、クリティカル率が無印より大幅に減少している。 これらの調整は、TECHNICALとの兼ね合いも考えられる。 難易度「CHALLENGE」の仕様変更 与ダメージがHARDよりもさらに下げられたことで弱点やテクニカルの重要性を無印の時よりも増しつつ、入手経験値とお金はむしろNORMALより多いという戦略性があるハイリスクハイリターンな難易度となった。 ダンジョン(P5R) パレスの追加点・変更点 ワイヤーアクションが追加された。 ワイヤーを使って長距離を一気に移動するアクション。パレス内での探索に必要であり、攻略ルートが一部変更となった。 また特定のコープを進めることで、ワイヤーを用いた雑魚シャドウに対する遠距離からの先制エンカウントが可能になった。 一部攻略ルートの変更 ワイヤーアクションの新規追加や煩雑だった攻略経路の見直しなどが行われ、パレスの攻略ルートが一部変化している。 警戒度の仕様変更 100%になるとパレスから強制退出されなくなり、雑魚戦が必ず連戦となるようになった。 代わりに予告状を出すと必ず100%になり、80%より下がらなくなった。 「イシ」 各パレス内で3個ずつ見つけられるアイテム。同じパレス内の3つのイシをすべて集めることでアクセサリーが入手できる。 一部ボス戦の内容変更。 + 詳細、一部ネタバレあり 鴨志田や班目など、既存のボスバトル中にも新たなイベントが追加された。 鴨志田戦では認知の「鈴井志保」や「三島 由輝」といったサブキャラが登場し、戦闘に関わらないキャラの出番が増えた。 班目は「画伯」と本体を交互に攻撃するバトルだったのが単純な形態変化となり、本体が多彩な「贋作」をお供に出すようになった。贋作はそれぞれ違う弱点を持っているのでボス戦でもバトンタッチが活用できるかたちに。 奥村戦では無印で存在のみ示唆されていた認知の「春」が登場し、怪盗団に参加した春がいる状況で、直接戦闘で認知存在と戦うことになるというサプライズが増えた。 これらの関係から攻略にも無印版とは異なる戦術を求められるようになっており、ワンパターンな戦術で戦う事はほぼなくなった。 本作の戦闘(主にボス戦の大半)はバトンタッチを駆使することを前提にしたバランスになっている。単体で弱点を突くようにバトンタッチでメンバーのターンを回してから攻撃を叩き込めば最後には数倍の威力になる。 逆にいきなり弱点を突く全体攻撃で敵を一斉にダウンさせてしまうとバトンタッチが続かないので、かえって長期戦を強いられてしまうことになり、単純に敵集団の弱点がバラけていることがイコール不利とは限らなくなっている。 メメントスの追加点・変更点 新キャラクター「ジョゼ」と新要素「花集め」「スタンプ集め」「認知操作」 ジョゼはゴーカートのような乗り物(*34)でメメントスを探検している謎の少年。メメントスの階層を移動した際にランダムでフロア内に出現する。 メメントスにはアイテムに加え新たに「光る花」が配置され、集めることでジョゼがアイテムと交換してくれるようになった。 交換せずに手元に残っている花は、メメントスから出る度にリセットされてしまう。 また新たに「スタンプ台」が配置され、スタンプを集めるとジョゼが「認知操作」を行ってくれ、メメントスに落ちているアイテムの入手個数、バトルでの経験値や獲得金額にプラス補正をかけることができるようになった。 スタンプ台は全フロアの下り階段の手前に必ず1つずつあるほか、各エリアごとにランダムで出現する隠し部屋にも出現する。 新ミッションが7つ追加された。 ペルソナ・ベルベットルーム(P5R) 主人公専用ペルソナの追加・調整 主人公が扱えるペルソナが新規追加されたほか、既存のペルソナも、合体可能レベルや合体条件に一部変更が加えられた。 仲間のペルソナの第三形態 第二形態はコープランクをMAXにすると解禁され、第三形態はその状態で3学期に突入し個別のイベントを見ることで進化する。 第三形態は第一形態ペルソナの本名や元になった人物などがモチーフ。 また、第三形態では仲間ペルソナしか使えない専用スキルを覚える。 この時に各メンバーの自室を見ることができる。 ペルソナの「特性」 各ペルソナがスキルとは別に1つだけ所持する、スキルの性能を向上させる「特性」が追加された。 合体時には、素材となった各ペルソナの特性、および合体結果の持つデフォルト特性の中から1つ選んで引き継ぐことが可能。 合体警報 通常戦闘後に確率で発生する、ベルベットルームの特殊状態。 この状態のベルベットルームでは通常時よりも強力な処刑(*35)を行えるが、一方で合体事故の確率も高く、特に連続で合体を行うと事故率が更に上がるほか、警報中に生まれたペルソナを合体させると特殊な事故が発生する。 余談だがその際に看守が体操する姿を見る事ができるほか、この状態中は看守の台詞も変化しやたらとテンション高めな姿も見る事ができる。 お香 ペルソナ特訓(独房送り)時に使用すると、ペルソナのステータスを強化できるアイテム。新エリアである吉祥寺にて購入できる。 チャレンジバトル ベルベットルームで行われる腕試しバトルで、任意のパーティメンバー・ペルソナで挑む「詰将棋」のようなモード。 与えたダメージの量がそのままスコアに換算される特殊な評価形式となっている。決められた条件を達成するとスコアボーナスが入るようになっており、一定スコア以上で勝利すればアイテムを入手できる。 初回のチャレンジを例に挙げると『20行動以内でスコア+10,000』『疾風の攻撃時にスコア×3倍』『杏で撃破時にスコア×7倍』というボーナスが付加される。つまり、バトンタッチを駆使してダメージ上昇のボーナスを得つつ杏に繋ぐことで超高得点を狙えるようになっている。 大ダメージを与える準備をしつつ、敵の態勢を崩しておき、そして誰から誰に行動順を繋いでゆくのかが肝になっているバトルということである。 また、DLCを導入することで、追加の難易度のほか過去作の主人公たちとバトルが可能。カットインが旧作仕様、最後に使用したペルソナの耐性に変化するなど特別仕様。 隠しボス追加 P3以降の2周目恒例、ベルベットルームのアシスタント役による腕試し。 今回は他にも1周目から戦える隠しボスも追加された。 物語後半で判明する双子の真実に関しても、イベントが追加されている。 日常パート(P5R) コープ活動後の「電話」 一緒に時間を過ごした相手から、帰宅時に時折「電話」がかかってくるようになった。 コープのちょっとした続きが見られるだけでなく、返答次第で相手の好感度を上昇させることができる。 夜の活動時間の増加 無印においてはパレス/メメントス帰還後やイベント後ではできないことが多く、モルガナから「今日はもう寝ようぜ」と止められてしまったが、本作は放課後(昼)にパレスに潜入した日の夜も、ルブラン店内での一部活動が可能になった。 また通常版ではもう寝るだけしかできなかった日のうち何日かが、コープ活動も含め活動できるように変更された。 新エリア「吉祥寺」 多くの施設を有する街。BGMは『真・女神転生』でおなじみのあの曲。 「古着屋」では不要な「すすけた防具」を買い取ってくれる。 「ジャズクラブ」では時間を消費してペルソナのステータスアップ、スキル習得が可能。 「ビリヤード」では時間を消費して「ビリヤード」を行い、先述の「テクニカルランク」を上げられる。 「ダーツバー」では時間を消費してミニゲーム「ダーツ」をプレイでき、成果によって先述の「バトンタッチランク」を上げられる。セガグループつながりのコラボ要素でもある。 新スポット「中野」「品川」 デートやイベントが用意されている。 既存施設の調整 学校 図書室は好成績を取ると、主人公の陰口が変化する。しかし、自習は一定の期間を過ぎると度胸が上がらなくなった。 渋谷 ファミレスは5月以降利用可能となった。 DVDレンタルが「年会費制」になり、毎回のレンタル料がかからなくなった。DVDの種類も4本増加。 四軒茶屋 バッティングセンターが夜も利用可になり、「打ち放題」が楽しめるようになった。 銭湯における薬湯の曜日が変更された。 ルブラン 店内のトイレを調べると「優しさ」を上げる店内掃除が可能。 クロスワードが時間経過無しで挑戦可能になった。問題もすべて一新された。 「特別刑務」の追加 ベルベットルームの双子の看守が指定したスポットへ二人を連れていき、街をおでかけできるイベント。 渋谷のビッグバンバーガー、埋浜にあるデスティニーランドなどで普段とは違う2人の様子を見ることができる。 報酬として、特定のコープ攻略を有利にできるスキルカードを入手できる。 その他追加・変更点(P5R) BGM新曲 オープニングアニメーション、通常戦闘などの新曲が収録された。 通常戦闘では、雑魚戦の先制攻撃時に新曲「Take Over」が、それ以外には無印から引き続き「Last Surprise」が流れるようになった。 この選曲パターンは、先制攻撃時に無印版の曲が、それ以外に新曲が流れた『P4G』とは逆になっている。 マイパレス 「Pメダル」という通貨を消費し、ゲーム本編で閲覧した画像やムービーを再度視聴できる場所。 Pメダルは本編中での「アワード」達成によって獲得できるほか、マイパレス内で遊べる大富豪でも無制限に獲得できる。 アワードを全て達成するとゲームを有利に進められるアイテムである「貴人からの書状」や「不可視のベール」を入手可能になる(*36)。 Pメダルでオブジェを購入し内装を自分好みにカスタマイズできるほか、コープ同士や仲間達の会話が聞けるようになった。普段は会わない人間同士の会話やなども聞ける(*37)。 お得なDLC 期間限定であったが過去主人公や仲間のペルソナ、衣装が破格の10円で購入できるDLCが用意された。 リマスター版が発売されて少ししてからは全部入りで22円というさらに破格な価格で購入可能になった。 評価点(P5R) 個性的な新キャラクター 芳澤かすみ、丸喜拓人、ジョゼはどちらも無印にいなかったタイプの個性的なキャラクターで人気を得ている。この3人の声優も雨宮天氏、日野聡氏、森下由樹子氏と豪華かつ演技力も申し分ない。 とくに丸喜拓人は発売前のキャスト発表時から話題になっていた。 新要素・新エリアの追加 マイパレス・イシ・吉祥寺エリア・水族館・ジョゼのスタンプなど新規要素は高評価。 バトルでアワード、所謂ミッションをクリアして入手するPメダルを消費してアーカイブや装飾アイテムを入手可能。アーカイブはPVやライブ映像、BGMやギャラリーなど多岐にわたる。装飾は怪盗団のみならずいろんなコープキャラクター(の認知存在)の反応を見ることが可能。 マイパレス限定で主人公だけでは無く、モルガナなどのキャラクターに切り替えて操作することも出来る。 学園描写の追加 無印版であった学園要素の薄さに対する批判へ対応する形となった。 一部追加イベント 既存のシナリオにも随所に新要素関連を含まないイベントの追加などが見受けられる。 例を上げればその言動から一部のプレイヤーから反感を買いやすかった竜司。無印ではとある場面で思わず憤りを露わにしてしまうシーンがあったが、『P5R』ではその後に熱くなってしまったことを反省したり、仲間を脅かしてしまったからと謝罪してくる旨の電話がかかってくるシーンが追加された。 コープアビリティ「瞬殺」の仕様改善 無印ではメインメンバーのコープアビリティでありながら不便を強いるものとして批判されていたが、今作では「レベル差が10以上ある格下の敵シンボルにダッシュ状態でぶつかる」ことで任意に発動させるものへと変更。 発動時にはペルソナやお金や経験値、アイテムといった戦果も獲得できるようになったため、使い勝手が大幅に増した。 所持ペルソナの空枠が無い状態だとペルソナは入手できない、という点は無印と同様。狙っているペルソナがある場合は戦闘で入手するか、所持ペルソナの残り枠を空けておく必要がある(*38)。 特に格下の敵が多いメメントスでは走っているだけで自動で倒してくれるため、探索のテンポの大幅な向上になるうえ、経験値や金銭稼ぎにも利用でき、無印版から一転して便利なスキルとなった。 加えてメメントス内では上記のジョゼによる認知変化で獲得経験値・金銭増加も出来るため、相乗していっそう稼ぎが楽になっている。 新曲 新戦闘曲「Take Over」をはじめとして、追加ダンジョンおよび追加ボス戦のBGMは無印と同様に評価が高い。 その他 無印ではある種のポンコツぶり(上述)から稼ぎ行為に使われていた「刈り取るもの」は、今作ではそのポンコツ要素が修正され順当に強化されている。これで難易度は前作より上がった。 そのため稼ぎのネタには使えなくなったものの、上述の認知変化+瞬殺が稼ぎ手段として強いため問題視されていない。 無印では耐性が何もなくパッとしない性能だったルシファーが一転して優秀な耐性を獲得、最強ペルソナの一角に躍り出た。 『異聞録』『罪・罰』のペルソナが追加 数は少ないが旧作のペルソナが3Dデザインで登場。 賛否両論点(P5R) 新キャラ・芳澤かすみの扱い 同キャラは最序盤から戦闘へ参加する機会が用意されているものの、本格的に参入するのはそこからかなり後であり、せっかく仲間になるのに物足りない。 どうせならオマケなどで物語に関わらなくてもいいから仲間として最初から使いたかったという声もある。 しかし戦闘能力は申し分ないぐらいに強く純粋な物理アタッカーで活躍してくれる。参加時期はかなり後とはなるが活躍の場がないという心配はない。 追加のメインシナリオ + 内容に関する詳細(ネタバレ) ネタバレになるので詳しく言えないが、要するに「とある存在が創り出した世界」を「独善的な物」と判断してその存在を改心させるか、もしくはそのまま受け入れるかというもの。 前者の「改心させる」方の展開に対しては、批判対象である敵対者の行動は、怪盗団自身が行っている「悪人たちの改心」と本質的に大差なく、それを怪盗団が否定する主張はどうもブーメランに見え釈然としないという声が少なくない。見方によっては、敵対者の意見は『P5』本編自体に対するアンチテーゼとも言える。 一応、敵対者の行動には一部改めるべき所はあり、敵対者もその自覚はあるのか怪盗団が「改心させる」決断をした場合はそれを受け入れた上で敵対する事になる。 が、これは怪盗団にも同じ事が言える。 ただ、上記『P5』無印の箇所で述べられている通り、「悪人相手とは言え、怪盗団の行為も一方的である」との意見は無印の時点でプレイヤーからも一定数聞かれ、またそういった意見を代弁するNPCすら存在していた。そしてこの追加シナリオそのものにおいても、新たな問題が生じた責任の一端が怪盗団自身にあったことが明言されている。制作側にとって「ブーメランでは」という意見はまさに狙い通りの反応とも言え、無印での反応を突き詰めてプレイヤーに問いかける形にしたものこそがこの追加シナリオである、つまり賛否両論が生じることこそが制作側の意図した通りであるとも解釈できる。 怪盗団のメンバーも、追加シナリオでこの問題について話し合い、自分たちなりの答えを出し、敵対者の主張と真っ当に向き合い、戦いを決意する展開があるため、シナリオに矛盾や未解決の問題が残されるわけでもない。 この新たな問題や敵対者が色々とイレギュラーなのもあり、怪盗団は他の悪人たちと違って(一部除いて)猛烈に批判などはしていない。 怪盗団も敵対者も「目的」は究極的には同じであり、方法や立場の違いによる対立と考えれば、両者の主張はいずれも誤りとは言えない。 実際、敵対者の主張を否定せずそのまま受け入れるルートの「ハッピーエンド」もしっかりと用意されており、追加シナリオでどちらの立場をとってのエンディングに入ったとしてもゲーム的にはクリア扱いとなる。 「創られた世界で暮らすか、苦しみを背負って現実を生きるか」という善悪の判断をプレイヤーに委ねるマルチエンドの展開は『女神転生』シリーズの原点であり、本編ラスボスが秩序を創り変えるLaw側のボス、追加シナリオの敵対者が自らの世界を創るChaos側のボス、いずれも拒むのがNeutral、と捉えることもできる。 『P5』本編で物語が綺麗に片付いているのもあり、このテーマが極めて特殊な追加シナリオは人によってはっきり好みが分かれやすい。特に「本編で起こった出来事や出会った登場人物たちにどのような感情を抱いたか」が評価の分かれ目。 これは敵対者の主張に対する感想や上記の「ハッピーエンド」の捉え方についても同様。 こういった事情からか、無印エンドとこの追加シナリオのどちらが正史かは決まっておらずパラレル扱いとなっている模様。 『スクランブル』ははっきりと無印版の続編とされており(*39)、『タクティカ』は『P5R』の続きとされてるがこの追加シナリオを経たかはぼかされている。 したがって、どちらを正史とするかはプレイヤーの判断に委ねる所だろう。 双葉の総攻撃フィニッシュ時の一枚画追加 無印で双葉だけ用意がなく不遇とされたためそれ自体は好意的に受け入れられているが、発動条件が「主人公の総攻撃フィニッシュ時にランダムで発動」となっており、「主人公のフィニッシュ画目当てでプレイしている時に入るのは残念」といった声もあり、前述されている無印における「瞬殺」のアビリティの問題点が、そのままこちらにスライドした形になってしまっている。 また、他キャラと比べて尺が若干長くテンポを損なうという意見もある。この問題に関しては、演出込みでゲームを楽しみたい場合と、戦闘は作業と割り切ってさっさと済ませたい場合とで受け取り方が違ってくるだろう。どちらにも対応出来るように演出のONとOFFの切り替えが出来るようなオプションがあれば良かったのだが…。 さらに彼女のみ衣装変更が反映されない仕様であり、全員同系統の衣装で固めても統一感が損なわれてしまうという批判も。ダンジョン入口等では反映されているだけに残念な点。 ヒントなしでの事実上のギミックボス 物語後半のとあるボスが鬼門 + 攻略に関する詳細(ネタバレ) 無印ではさまざまな種類の雑魚を順番に召喚してくるので倒していくと最後にボス本人が出てくる、というボスだった。『P5R』では流れこそ一緒なのだが、いわゆるWAVE戦のような仕様になり、その種類の雑魚を2ターン以内に全滅させないと総入れ替え(それまでのダメージが無意味に)という仕様が追加されたことで一気に難易度が上昇。 ここで登場する雑魚は全てパレス攻略中に倒したことがあるものであり、その際に弱点もわかっているはずなので弱点を突いて「1more」と「バトンタッチ」を繰り返して火力の上昇した3、4人目で全体攻撃、という流れを繰り返せば低レベルでも容易に突破できるのだが、こういったシステムを活用せずに突破しようとすると高レベルでも苦戦するほど非常に高い火力が要求される。 弱点を突けない味方も属性攻撃アイテムを使ったり、突ける味方と交代するなど方法はあるがどちらもあまり使う機会が無かったため忘れている、あるいは気づかないプレイヤーも少なくはなかった。 「1more」と「バトンタッチ」はとも本作の代名詞的なシステムであり、それらを活用すれば突破は容易で爽快感さえもあるが、ジョーカーのペルソナが少ない、あるいはアイテムを持っていないなどで弱点を複数回突けない場合や、そもそもこれまでシステムを意識せずゴリ押してきたプレイヤーにとっては、時間制限も相まって「詰み」のように感じられるほどの強敵となる。 ここでどうしても突破できず、設定で難易度を下げたりDLCに頼ったプレイヤーも少なくない。 問題点(P5R) 新要素の目立ちにくさ 無印をやった人間からは「(フルプライスの割に)新要素が少ない」という声が多い。 メインシナリオ自体は3学期に入るまでほとんど変わらなかったことや過去作における完全版は『P3F』のように廉価版があるか『P4G』『P3P』のように移植を兼ねていたため、フルプライスかつ同じプラットフォームで出された本作は、批判にあげられやすい。それらでは新要素が(『P3P』を除き)比較的少なめだったことも同プラットフォームでのフルプライスに悪印象を持たせる原因となった。 実際には上述の通り要素そのもの追加も多数ある上に、既存要素にも多数の調整が入っている。 新キャラクター丸喜やかすみが本格的にシナリオへと絡むのが遅いのも拍車をかける。 チャレンジバトルの『P3』『P4』主人公のバトルがDLC限定である点も残念。 また、時勢的に『P3』『P4』及び各完全版と同時期に同様の完全版商法を行っていた作品群が、従来の完全版に相当する内容を大型DLCとして配信する形式に切り替えていた時期であることも比較対象として挙げられやすい。 無印版の引き継ぎ要素の少なさ 無印版のセーブデータがあっても、アイテムが複数貰えるのみ。 上述の新要素の目立たなさもあって無印クリア済のプレイヤーには新要素をさくさく楽しみたい人も多く、不満の声も。 ただし、上述の通り3学期シナリオの追加だけではなく既存要素の調整も数多くなされており、特にスケジュールについては大幅にイベントが追加されているなど無印のセーブデータを単純に引き継げる代物でもない。 とはいえ、クリアデータの2周目引継ぎの内、整合性に問題のない部分だけでも引き継げれば1からやり直しの徒労感も軽減できたのではないかと思われる。 三学期の解放、および真エンディングに必要な条件が厳しい まず、追加要素の目玉である三学期自体へ進むのに特定のコープを事前にMAXまで進行させておく必要がある。 そのうえ、真エンディングへ到達するには更に別のコープを2学期の特定の期間にその時点での最高ランクまで上げておく必要がある。 無印プレイ済の人なら展開を知っていることなどもあり条件を自然に満たす可能性も十分にあるが、無印未プレイの人にとってはどれがそのコープか推測する方法がなく、少々ハードルが高いものとなっている。 またこの追加シナリオは特定のコープをMAXにした時点で強制的にプレイする仕様で、『P4G』のように任意で選ぶことはできない。そのため、1周で無印のルートと『P5R』の追加シナリオの両方のルートをプレイするという方法が今作では非常に難しく、前作と比べ利便性が損なわれているという声もある。 追加シナリオ攻略のテンポの悪さ 追加シナリオにおいて「ある特殊な状況に置かれた怪盗団のメンバー1人1人と話しに行く」というイベントがあるが、内容が短いにもかかわらず仲間1人ごとに1日を割いていることや、ファストトラベルがその間制限されるため、ややテンポが悪い。 真エンディングの内容 無印の「仲間の絆」を意識したエンディングに比べると、人物描写が薄いという意見が多い。 昔と異なり現代ではSNSなど気楽に連絡が取れる手段が発達したことや、そもそも会おうと思えばいつでも会える(*40)ため、別れがかつて程の大きなイベントでは無くなっているという面もある。また、3学期では仲間のそれぞれがジョーカーに頼るだけでなく自分の力で自分の未来を目指すことを決意するためそれを反映しているとも考えられる。 銃属性の耐性スキル未実装 無印でも銃耐性といったスキルがないため、銃弱点を上書きできない問題があったが、Rでも実装されることはなかった。 冴のコープに追加がなく、デート、恋人ルートも未搭載 無印の頃から「冴以外のコープは1~10まで各段階でイベントがあったが、冴のみ6から10まで3段階飛ばしてしまうのが残念」「冴を恋人にしたい」という声も多かったが、残念ながら追加イベントや恋人ルートは未搭載となった。ちなみにアニメのOVAではデートイベントが描かれた。 一応、義理チョコはくれる。 謎を残した追加要素 ジョゼの正体、追加EDにいた某人物など、伏線めいているにもかかわらず回収されきらなかった要素も多い。 今後の展開に含みを持たせていると取れなくもないが、作品単体で見てモヤモヤが残るという声も多い。 新要素「お香」の利用価値が薄い 「ペルソナを独房に入れる際に使用することで、ゲーム内の行動時間を消費せずパラメータを強化できる」という期待された新要素だが、より効率の良い強化手段も同時に用意されており、もともと独房自体の使い勝手が悪いことも手伝い、利用価値が高くなれなかった。 音飛びの発生(Switch版で確認) Switch版で音飛びが発生し、修正もされていない。 総評(P5R) 新要素が追加され、各種調整によりただでさえ完成度の高かった『ペルソナ5』がさらに遊びやすく充実した完全版であることは疑いない。新キャラクターも少数ながら見合った特徴、シーンはプレイヤー達の心をガッチリ掴んでおり、本作品に大きく買っている。 しかし追加シナリオについては大いに評価が分かれ、無印版をプレイ済みのプレイヤーにとっては怪盗団の印象が良くも悪くも大きく変わり、女神転生らしさもあれば納得のいかない声も散りばめられた。 ジョゼ関連の伏線も回収し切れておらず唯々モヤモヤが残り、追加要素だけ遊びたい人にフルプライスは高い出費に感じる人も少なくはない。 それでも楽しめる内容に変わりはなく、ハード対応機種も増えたので今からプレイするならば本作をおすすめしたい。 余談 前作の頃からネタバレに対する警告を行ってきていたペルソナシリーズだが、本作ではネタバレ規制がさらに強化。 PS4にはゲーム内のスクリーンショットやプレイ動画を配信する「シェア機能」があるのだが、『P5R』では12月24日以降~エンディングまで、無印に至っては全編が配信禁止区間に設定されており、プレイ中にはシェア機能が無効化されスクショも配信も出来なくなる。 キャプチャボード等を用いれば配信禁止区間も録画出来るが、そのような動画を配信しようものならその動画どころかアカウントごと削除されるという徹底ぶり。 海外でも発売当初は配信が制限されていた(*41)、が、配信者から批判が殺到したためアトラスが謝罪し、11月19日までが配信出来るように緩和された。 日本ではその後も全編が配信禁止だったものの、後に『P5R』という形で日本でも制限が緩和されたと言える。 本作に限らない話であるが、コンピュータゲームも著作物であるためゲームの内容を無断でアップロードする事は基本的に著作権法や利用規約に反する行為である。 本項も重大なネタバレは避けるように作成しているのを留意していただきたい。 なお『P5R』に関しては後述する『P5T』の発売に先駆けて2023年6月14日に配信禁止区間の撤廃が行われた。 前作同様、話の繋がり自体はないがテレビ等で「過去キャラのその後の活躍」らしき情報を随所で窺い知ることができる。 カレンダーは20XXと『P3』『P4』と異なり明確にされていないが前作の登場人物が二十歳になったなど情報が得られる。 なお曜日についてはオリジナル版発売の2016年のものになっている模様。 過去作をやっていればニヤリとする要素があり、それを探すのも楽しみの1つ。 発売までに様々な要因で時間がかかってしまったため、初期案とは変わっている点が多かったりする。例としては発表当初はカレンダーシステムではなくなり世界を旅する構想(後に『P5S』に採用)だったり、仲間にもう1人軍師的なキャラがいたがシナリオが膨大になるため断念(*42)などがある。 2016年のPSアワードではゴールドプライズとユーザーズチョイス賞を受賞した。 アメリカでは2017年4月4日に発売された。 メタスコアは『P4G』と同じ93点という非常に高い評価を得ている。PS4/PS3の数あるソフトの中でもトップクラスの点数である。 英語に吹き替えられているが、日本語音声も収録されている(*43)。 『P4』に続いて2018年4月からTVアニメ『P5A』が放映開始。主人公は「雨宮 蓮」として登場。 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に主人公ジョーカーがDLCファイター第1弾として参戦することが発表された(参照)。 アトラスからの初参戦ではあるがセガの子会社であるため、同じ会社であるソニックとベヨネッタに続いて3人目のセガファイターである。 2019年4月18日より配信、本キャラを筆頭とする5キャラのセットである「ファイターパス」としても当初より販売されている。また、同日よりMiiファイター用の帽子として本作のモルガナも参戦(こちらはファイターパス対象外)(*44)。 『P5』メンバーの任天堂機への出演は『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』に続く2作目。 2020年9月25日に、スマブラSP追加ファイターの一人としてジョーカーのamiiboが発売された。 2021年6月21日にNHN PlayArtとドワンゴが共同開発したゲームアプリ「#コンパス【戦闘摂理解析システム】」でジョーカー本人が参戦。 ありそうでなかったATLUS及びセガからの初参戦でリュウと再び相まみえる事になった。 ボイスは新録だがコスチュームはスマブラSPから逆輸入されている(*45)。言えば『スマブラ要素を含んだペルソナ5コラボ』 かなりの人気を呼んだのか、後に『パズドラ』『ソードアート・オンライン』『グランブルーファンタジー』『バンドリ!』などのソーシャルゲームで多くコラボが開催された。 8年経つ今でも『PS5』系列で絞ってコラボする機会も多く『ペルソナ』シリーズでは最多数を誇る。 2022年9月5日『パチスロペルソナ5』が導入開始。メーカーはサミー。 その後の展開 『P5R』とは別に、本作のストーリー上の続編となるアクションRPG『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(P5S)』が2020年2月20日にPS4/Switchで発売された。 コーエーテクモゲームス・オメガフォースとのコラボ作ではあるが、同チームの代名詞である無双シリーズには含まれていない。下馬評は『P5』無双だったが 開発時期の関係上、基本的に無印『P5』(3学期無しルート)を前提とした続編になっており、『P5R』からの要素はBGMを除いて存在しない。 『P5R』のPS5/XSX/One/Switch/Win(MS Store/Steam)版が2022年10月21日に発売された。 これに伴い、前作『P4G』と前々作『P3P』のXSX/PS4/One/Switch/Win(MS Store)(*46)版も発売が決定。 任天堂機及びXboxでは初の本編シリーズであり、これにより現行機全機種マルチが実現した。 Xbox系統とWin版は「Xbox Game Pass/PC Game Pass」にも対応。 リマスターはセガが担当し、アトラスは監修という形で関わっている。 PS5/XSX版は4k・60fpsに対応。また、全機種共にライドウコス&BGMセットを除くPS4版で登場したほぼ全てのDLC45種類が初めから収録されている。 これに伴い、PS4版についても価格改定によりDLC45種類入りパックが「22円」で販売開始となった。 「デビルサマナー 葛葉ライドウコスチューム&BGMスぺシャルセット」についてはPS4版の単品限定のままとなり、残念ながらリマスター版においては単品でも販売されていない。 2023年3月17日に本作と世界観を共有するスマホゲーム『Persona5 The Phantom X』が発表された。東京を舞台にした新たな怪盗団によるオリジナルストーリーが展開される。 開発は中国のPerfect Worldで、ペルソナスタジオによる監修や素材提供が行われている。対応機種はiOS/Androidで、基本プレイ無料で提供される。 お馴染みの怪盗団も登場し、関与する予定だがどう繋げていくかは不明。しかし原作と世界観が異なるパラレルワールド設定らしい。 2023年6月12日に開催された「Xbox Games Showcase」において本作のスピンオフとなるシミュレーションRPG『ペルソナ5 タクティカ』が発表された。対応機種はPS5/XSX/PS4/One/Switch/Winで、同年11月17日に発売された。 こちらはDLCとしてだが『P5R』要素を含んでいる。 本作のシステムベースを活用したシリーズ作『ペルソナ3 リロード』が2024年2月2日に発売。 DLC「エピソードアイギス」ではチャレンジバトルにてジョーカーが登場する。 今度は挑戦される側に回った。
https://w.atwiki.jp/lain_36230/pages/82.html
ペルソナの定義 ペルソナとは、困難や恐怖(主に死に対するもの)に立ち向かうためにつける心の仮面であり、強き自我の発現。 神話や伝承上の存在の姿を借りて現れ、様々な力を振るう。 ペルソナは誰もが扱えるものではなく、その発動には才能のみならず、自分のシャドウと向き合う強靭な心が必要となる。 シャドウ(キャラクターの特徴)(PL情報) シャドウとは自我の闇であり、意識したくない、見つめたくない自身の一面を指す。 実用上のペルソナ ペルソナは自身の周囲に召喚される。離れたところに呼び出すことはできない。一時的に距離を離すことはできても、長く維持することはできない。 ペルソナは実体を持つ。物を持ち上げたり、受け止めたりすることができる。 ペルソナはもう一人の自分であり、ペルソナ使いは自分のペルソナと同等の動きを行うことができる。身体能力は普通の人間を超え、攻撃を受けてもペルソナにダメージを肩代わりさせることができる。この能力はペルソナを召喚していなくても発揮される。 ペルソナを召喚したり、ペルソナの能力を活用したりすると、ペルソナ使いは疲労する。大きな能力ほど疲労も大きくなる。 ペルソナのダメージが限度を超え、存在の維持が難しくなると、ペルソナは一時的に消失する。このときペルソナ使いは極度の疲労状態となり、ダメージを肩代わりしてもらうこともできなくなる。この回復には十分な休息が必要。 スキル スキルとはペルソナが扱う特殊能力全般を指す。 魔法 魔法とはペルソナが扱うスキルの系統のひとつを指す。 魔法はペルソナの魔力に依存して大きな効果を表わす。また、ペルソナ使いのオカルト、神話知識も影響する。 影時間 毎晩深夜0時に現れる、この世界のそれとは別の時間。 本来の時間にあったものはすべて静止し、機械の類も(一部の例外を除き)機能を停止する。 生命は無質なオブジェへと変化する。これを象徴化と呼ぶ。 この時間に動いていられるものは、シャドウ、シャドウに呼び込まれた人間、ペルソナ使いを含む適性者のみ。 前述の通り、光でさえこの時間では止まってしまう。代わりに月そのものが青緑に発光し、影時間の世界を照らしている。 影時間の長さは明確に決まってはいないが、元の世界における一時間程度であることが多いとされる。 シャドウ(敵) 影のように黒い姿を持つ人類の敵。様々な形状の存在がおり、アルカナにあわせた仮面をつけている。 積極的に人を襲うことはないが、時折影時間に人を呼び込み、その精神を食らうという。 物理的な攻撃は効果が薄く、ペルソナによる攻撃、およびペルソナ使いによる直接攻撃(武器含む)が有効。 そのため天敵たるペルソナ使いに対しては、排除すべく襲ってくる。 影人間 無気力症患者とも呼ばれる。まともな反応を返さなくなり、人間的な生活は不可能となる。 原因はシャドウに精神を食われたためと言われており、大型シャドウを討伐すると一時的に減少する。 タルタロス 影時間にのみ現れる異形の塔。月光館学園があった場所にそびえ立ち、内部はシャドウの巣窟となっている。 タルタロスを登り詰め、その存在の謎を明らかにすることが、プレイヤーの目的のひとつとなる。 10年前の事故 2000年に起こった桐条ラボの爆発事故。多数の死傷者を出した。 世間でも大きな関心を呼び、当時の研究員たちは大きなバッシングを受けた。 なおこの事故により、当時の桐条グループ総帥、桐条鴻悦氏が死亡している。 影時間、そしてタルタロスはこの日より常態化して現れた。 黄昏の羽根 影時間下で青く発光する羽根状の物質。時空間に干渉する能力を持つとされ、桐条で研究されている。 影時間でも作動する機械には、これが組み込まれている。 召喚器 銃の形状をした器具。実際に弾は出ない。 これを自身の頭に向けて引き金を引くことで、死を意識させ、同時に死への対抗意識たるペルソナを呼び覚ます。 これにより、どのような状況であっても容易にペルソナを召喚することができる。
https://w.atwiki.jp/nwxss/pages/212.html
クロスオーバーSS(クロスSS)におけるテクニック、用語、参考URLへのリンクなどのまとめ。 適宜追加していってください。 用語 創作/二次創作で用いられる用語 レシオ、レシオ調整 レシオ(rario)とは、比率や割合を表す英語。格闘ゲーム「CAPCOM VS SNK」で採用されたレシオシステムが有名。クロスSSにおいては、NWとクロス先作品の両方を大切に、片方の登場人物が一方的に活躍するSSは避けようという概念。 再構成、本編再構成 公式のストーリーをなぞるタイプのSS。NWのクロスオーバーSSであれば、「○○という作品の主人公が柊だったら」など。 投稿時のテクニックに関するもの 連投規制 連続投稿規制。同一IPアドレスから連続で投稿すると荒らしと間違われて規制されてしまうことがある。他のIPアドレスからの投稿を挟めば問題ないらしい。これを回避するには他の住人からの支援レスが有効。 投下予告 さるさん 支援、支援レス
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/31358.html
【文明】 光文明 【命名ルール】 後述 【多種族冠詞】 なし 【進化冠詞】 なし 作者:翠猫 DMAE-16「爆熱決戦!イラ・ヴォルトロンVSテラフレア!」にて初登場した特殊種族。 現在竜の一族との複合のみ確認できる。 光文明の竜の一族達に齎された感情の仮面。つけている仮面によって特徴が以下のようになる 喜面(アレグリア)~ ドローやサーチ、サルベージ等が得意。 怒面(イーラ)~ 除去等を得意とする攻撃的な性能。 哀面(トリステサ)~ ブロッカーが多く防御に長けている。 楽面(ディスフルテ)~ タップイン等の妨害能力が高い。 レジェンド・ドラゴン・カードである《砕砲電竜 イラ・ヴォルトロン》以外は専用能力として「ランペイジE」という能力を持っている。 関連 ペルソナ・ドラゴン