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- 性能スキルチャージショット リーフシールド パッシブスキルダブルショット 速度妨害 バスターの達人 育成パッシブスキル解放素材ダブルショット 速度妨害 バスターの達人 入手方法 特徴 性能 スキル チャージショット ロックバスターで、目標に攻撃力10.77%のダメージを与える。チャージするとさらに威力が増加し、フルチャージでは10倍のダメージを与える。経路にあるすべての目標を貫通し、貫通後のダメージが25%になる。 貫通エナジー フルチャージ時、貫通後のダメージが40%アップ。 ダメ率アップ フルチャージ時、与えるダメージが10%アップ。 限界突破 チャージ上限を突破し、与えるダメージがフルチャージの2倍になる。 リーフシールド シールドを展開し、攻撃力60%のダメージを防ぐ。リーフシールドに当たる目標に攻撃力36.00%の連続ダメージを与える。シールド展開中は葉っぱを発射して範囲内の目標にダメージを与えることができる。また、貫通後のダメージが50%になる。(太字は未確定情報。Lv18の段階ではこの数値だった) 纏い強化 纏っている葉っぱのダメージ倍率が10%アップ。 発射強化 葉っぱ発射のダメージ倍率が10%アップ。 クイック冷却 クールタイムが20%短縮される。 パッシブスキル ダブルショット フルチャージでショットが1発追加し、目標に16.32%のダメージを与える。 速度妨害 リーフシールドが命中した目標を、一定時間減速状態にし、移動速度を36%減少させる。 バスターの達人 バスター系武器装備時、全ての攻撃によるダメージが15%アップ。 育成 パッシブスキル解放素材 ダブルショット 速度妨害 バスターの達人 入手方法 特徴 元は家庭用お手伝い人型ロボットであったが平和を守るために自ら志願して戦闘用に改造された。 チャージショットはフルチャージすると威力が10倍になり、限界突破を装備するとさらに倍の威力になる。ただし限界突破した場合、ショットが発射されるまで若干のタイムラグが発生されるため、その隙を狙われないよう立ち回る必要がある。 リーフシールドは60%のダメージを防ぐ程度であることと葉っぱ自体の攻撃力が36.00%の連続ダメージなので攻防共にあまり過信しないこと。 名前 コメント
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DR-Zのマフラーについて 銘柄やブランドについては、We○ike!や○T商会なんか見ればのっていると思うのでココでは編集者の独断と偏見だったり 経験だったり、よく言われる話とか。 ヨシムラ系列 いわずと知れたスズキとパートナーシップを組む老舗国産メーカーであるが、DR-Zのマフラーに関してはホントにJMCA付?! と思うくらい音量が以下略である。トライコーン、オーバルコーン両者にいえることで『マフラー変えたいけどご近所の目がry』 『老舗メーカーだからはずれはry』とか思ってるそこのあなた。悪いことは言わないのでヨシムラは避けましょう。 ただしさすが一流メーカーだけあり加工精度はぴか一で、クリアランス確認なんぞ殆どしなくても何処との干渉もせず取り付け可能。 後述するデルタやFMFとは大きく違っている。 FMF系列 編集者の独断と偏見であるが、THE Qシリーズに関しては比較的静穏性に優れていると思われる。チタニアム4、パワーコア系は 爆音と言えるレベルであるが代行元○ルカワレーシングよりオプションで売られているサイレントボムを使うことでかなり静かになる。 またウールの劣化が早いメーカーである印象が強く、Qシリーズといえども早期のメンテナンスが必要。 レオビンチ系列 有名銘柄の中では静穏性に一番優れているのではないかと思われるX3シリーズ。狭いところをグルグルする某競技の人たち に人気が高いようである。 デルタ系列 バレル4(JMCAなし)は文句なしの爆音である。JMCAつきのSはシラネ。編集者の経験であるが、このマフラーはクリアランスを しっかり確認して取り付けないとどこぞと接触して塗装がアッー!ラジエターホースにアッー!!エンジンがアッー!!となる。 是非是非気をつけていただきたい。 その他 RM-Z450純正の94dBサイレンサーが中間パイプの加工でつくとか、加工すりゃほとんどのサイレンサーがつくという突っ込み無しで 聞いた話だと、割とヌケもよくて、そこそこの音量と重さみたいです。 接触について モタードで本格的にジャンプなどを飛ぶ場合、DR-Zで避けられないのがリアタイヤとサイレンサーの接触である。一部話によると 大阪の某ショップ、○ウテックス製のマフラーは接触しづらしいらしいが編集者未確認。ただし、トライコーンに関しては高年製の 製品は小変更が加えられているらしく、サイレンサーの外側への張り出しが大きくなっており少し考えられた設計になっているようだ。 (05年製トライコーンと08年製トライコーンを比較) また、設計上リアサスとエキパイの接触も起こりやすいらしく、編集者は未経験だがリアサスがストロークしたときにエキパイが凹む などという事象も起きているらしい。あと今思い出したところで思いっきり蛇足であるが、Rブレーキリザーバタンクとエキパイの距離も 相当近く、かなり多くのオーナーがリザーバタンクの熱変形に悩まされているようだ。対策として汎用品の耐熱シートを貼り付ける等 すると幾分か違う。
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ロックマン - ステージ&ボス 各ステージについて。 弱点武器で何発当てれば倒せるかも書いています。 ステージ ボス 弱点 備考 ボンバーマン ファイヤーストーム7発 エレキマン ローリングカッター3発 マグネットビームあり ガッツマン ハイパーボム3発 アイスマン サンダービーム3発 カットマン スーパーアーム2発 ファイヤーマン アイススラッシャー7発 参考ページ https //gcgx.games/rockman/enemy.html
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全世界の科学者が自らの最新型ロボットを発表するイベント「世界ロボット博覧会」。そこに突然現れたワイリーは、数々のロボットを暴走させ、またも世界征服の野望に乗り出した。平和を守るため、そしてワイリーの野望を阻止するため、ロックマンは再び立ち上がった。 ボスと弱点 ボス名 弱点武器 入手武器 トードマン リングブーメラン レインフラッシュ ブライトマン レインフラッシュ フラッシュストッパー ファラオマン フラッシュストッパー ファラオショット リングマン ファラオショット リングブーメラン ストーンマン ナパームボム パワーストーン チャージマン パワーストーン チャージキック クリスタルマン チャージキック クリスタルアイ ナパームマン クリスタルアイ ナパームボム バラード バラードクラッカー ワイリーマシンワールド4号(第一形態) ワイリーマシンワールド4号(第二形態) バラードクラッカー ワイリーカプセル ファラオショット バラードクラッカー 小技・裏技等
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ロックマン ランク:C G(ロックマンエグゼシリーズ) 属性 ・男 ・EXE ・ネットナビ 固有の敗北条件 なし 能力値 ESP能力レベル 4(+1) ESPパワー 30 耐久力 5(-1) 精神力 6(-1) 特殊能力 ・サイトスタイル[戦闘前] 能力名を宣言して使用する。戦闘中以下の効果を得る。 *ESP能力レベル+1、最大耐久力-1、精神力-1 *手札上限+1 *[対抗(攻撃)]1D6を振り3以下でLV3防御(継続あり)。壊れると以後、使用不可 *ロックバスターの火力が1D6になる。 *ロックバスターとP.A以外の自身の能力を使用できなくなる。 ・ソウルユニゾンorクロスシステム[戦闘][主要] Cカードを1枚利用し、1戦闘に1度使用可能。 破棄されたor戦場のシートが表のキャラクターを1枚選択し、 3ラウンドの間、利用Cカードの種類と同種類の対象の能力を1種類使用できる。 (*[攻撃][防御][逃避][特殊]) ただし、直前に使用した能力は選択できない ・獣化[戦闘][支援] Cカードを1枚利用して発動できる。 3ラウンドの間ロックバスターの火力が1D10になる。 能力使用後の4ラウンド目から、自身の手番が最遅となる。 1戦闘に1回使用できる。 ・ロックバスター[戦闘][支援][攻撃][M] [LV:1 火力:1D3]で対象1体に攻撃する。 ・P.A(プログラムアドバンス)[戦闘][主要][攻撃][M] 攻撃Cカード使用時に、使用Cカードと同名Cカードを追加で2枚利用して使用できる。 その攻撃を以下のどちらかにする。 *使用Cカードで3回の連続攻撃。同調不可。 *使用・利用Cカードの合計火力で攻撃。同調不可。 同じCカード名での能力使用は1戦闘に1度まで使用できる。 Q&A Q.サイトスタイルの “[対抗(攻撃)]1D6を振り3以下でLV3防御(継続あり)。壊れると以後、使用不可”の 使用不可というのはその戦闘が終了するまでですか? それともロックマンが死亡するまでですか? A.(未回答) Q.ソウルユニゾンorクロスシステムについて、 Cカードの種類としての<特殊>と特性の[特殊]では意味が違うような気がするのですが そこは気にしなくていいですよね? A.(未回答) Q.ソウルユニゾンorクロスシステムの“直前に使用した能力は選択できない”に関して 1回目の戦闘で攻撃Cカードを利用して艦船支援を使用しました。 その戦闘が終了し、別の戦闘に参加した場合、 攻撃Cカードを利用して艦船支援を使用することはできますか? A.(未回答) Q.ソウルユニゾンorクロスシステムについて特殊Cカードを利用して “経験[戦闘]”([特殊]の特性が付いていない)を使用することは可能ですか? A.(未回答) Q.P.A(プログラムアドバンス)は能力の性質が[M]となっていますが、 これは攻撃Cカードの能力の性質の[E]が[M]に変更されるということですか? それともP.A(プログラムアドバンス)の能力の性質が[M]であるだけで、 攻撃としての性質は[E]のままですか? A.(未回答) このキャラクターへの意見 名前 コメント
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【名前】 クロックマン 【読み方】 くろっくまん 【該当チップ】 クロックマン、クロックマンV2、クロックマンV3 【分類】 メガクラス(ナビチップ) 【属性】 無属性 【入手方法】 クロックマンを倒す 【派生チップ】 なし 【P.A】 なし 【登場作品】 『OSS』 【英語名】 クロックマン:ClockManクロックマンV2:ClockMan v2クロックマンV3:ClockMan v3 【概要】 『OSS』において200年後の未来からやってきて事件を起こしたクロックマンのナビチップ。 使用すると暗転し、ロックマンのいるマスにクロックマンが現れる。 そして、クロックマンの前方の背景に巨大な時計が降りてきて、12時を指すや否や横2列分の「メガクロックレーザー」で攻撃する。 レーザーの攻撃範囲は相手エリアの左端縦2列。 エリアスチールを使えば、相手エリア全てを範囲内に収められる。 チップコードはクロック(Clock)の頭文字から「C」。 ライブラリに登録されている場合に限り、チップトレーダーから排出されることがある。 データライブラリNo. 作品 前のチップ ← No. → 次のチップ 「OSS」 No.175 シャドーマンV3 ← 176 クロックマン 177 クロックマンV2 178 クロックマンV3 → No.179 SSロックマン
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【名前】 ロックマン・ジュニア 【読み方】 ろっくまんじゅにあ 【分類】 ネットナビ 【オペレーター】 光来斗 【属性】 不明 【登場作品】 『流星2』 【基本装備】 不明 【性別】 男性?(基本的に女性にはJrは使われないため) 【詳細】 光熱斗と桜井メイルの息子である光来斗のネットナビ。 ロックマン.EXEとロール.EXEの優れた部分を組み合わせてプログラムされている。 熱斗がPETと併せてプレゼントした。 存在が確認できるのはエグゼの200年後の世界である『流星のロックマン2』のダブルスロットイベントで入手できる熱斗の日記「9月××日」の中のみ。 そのため、明かされている情報は上記の3行でほぼ全てである。
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autolinkTOP>【ま】>マフラー マフラー (まふらー) 分類2【物】 ジャンル1【一般】 大阪に出戻ってから、あまりしなくなった。 関東(少々北)の厳しい寒さに比べたら、大阪の冬なぞ暖冬。 真冬でも「さぶいなぁ~」と感じることなんて、ごく僅かだ。 なので、これのお世話になることも、ほんの僅かだ。 登録日 2005/11/23 【ま】一覧 マーガリン マイティフォーム 前向き マカロニほうれん荘 牧野塁 槇村さとる マクドナルド 枕営業 枕詞 負けるもんか! 誠直也 誠のつけ麺 マザー マジイエロー マジグリーン マジシャイン マジピンク マジマザー マシンハヤブサ まじっく快斗 マジブルー マジレッド まぜちゃう派 マットプレイ 松浦亜弥 まっしぐら マッハバロン マドロス マニア マニュアル 魔破羅 マフラー 魔法戦隊マジレンジャー マメ 真弓明信 真弓ダンス マヨネーズ マルチフリース赤星バージョン ■ トップページへ移動 ▲ このページ上段に移動
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ロックマン3 - ステージ&ボス 各ステージについて。 弱点武器で何発当てれば倒せるかも書いています。 本作は自身の武器で4ダメージ与えられる。 ステージ ボス 弱点 備考 ニードルマン ジェミニレーザー4発 マグネットマン スパークショック4発シャドーブレード4発 ジェミニマン サーチスネーク6発 ハードマン マグネットミサイル7発 タップマン ハードナックル4発 スネークマン ニードルキャノン7発 スパークマン シャドーブレード7発 シャドーマン タップスピン4発 参考ページ https //gcgx.games/rockman3/8boss.html
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3 :Irregular’s Elegy:2006/10/21(土) 17 34 36 「エックス………」 廊下に出ると、待ち受けたのは、白衣を着た小柄な少女だった。 腕を組み、思案顔で壁にもたれかかっていた。 少年の良き理解者――Dr.ライトだ。 「ライト博士……こうやって、顔を合わせるのは、結構久しぶりですね」 どこか無理をする微笑をし、エックスは少女に近づく。 ライトのは疲労と、他の感情か何かで、幼い顔立ちはやつれていた。 自分の顔も同じなんだろうな、と思いながら、少女の隣に立つ。 「あぁ、久しぶりだ。4日……いや、5日ぶりぐらいか」 顎を引きながら、ライトが頷く。 高速道路の事件。そして、イレギュラー事件発覚から、今までの期間はそう長くは無い。 「長く感じるもんだな、一週間も経っていないのか」 年不相応な言葉を紡ぎながら、少女は苦笑する。つられて、エックスも苦い笑みを浮かべた。 「いろいろ、ありましたから………」 その声には、少年の心には、いったいどれほどの感情が篭められているのか。少女には計り知れない。 どんな言葉をかければ良いのだろう。そう自問したが、答えは易々と出ない。 「――そうだな……」 結局、ライトは頷く事しかできなかった。 「また、どこかに飛ぶんだろ? 折角だから、食堂で一緒に食事でもするか」 せめて、その重みを軽くしようと思ったのだろう。エックスを食事に誘う。 少年は蔭のある顔を、頷き、薄く笑う事によって振り払った。 4 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 36 09 気持ちを軽くさせようとしたライトだが、会話は結局この事件の事になる。 「シグマの事は聞いたんだな…………。ケイン博士と話していたという事は」 ご飯と焼き魚――普通の昼食セットを前に、白衣の少女が口を開いた。 きちんと手を合わせて、食事に取り掛かる。 「君が帰還する前に、私も話をしたんだ。――正直、おどろいたよ」 エックスにも同じ物が配膳され、焼かれた魚に箸を突き入れた。 「まさか、本部があんな事を………」 信じられない、と少女は続ける。 ライトの顔色を伺いながら、エックスは黙って箸を進めた。大きな後悔を顔に映した老人を思い出す。 「シグマが討伐後、受けたカウンセラーの情報を見た」 コップに注がれた水を喉に傾け、小さな口を潤す。 雪のように白い髪をかき上げながら、ライトは呟いた。 「―――徐々に壊れていると、私は推測している。…………結果を見て、そう印象を受けた」 手を止め、顔を料理ではなくエックスに向ける。 緑の瞳は黒の瞳とぶつかった。 「レプリロイドのAIは、人間と同じく、一度バグが起きると致命的な所まで〝堕ちる〟事例がある」 顎をさすり、物憂げな表情を作るライト。 エックスは言葉を介せず、黙って頷いた。 「複雑な機構で〝作られた〟心は、その造型故に、ドミノ倒しのように崩壊する可能性を秘めているんだ」 人気の無い食堂に、暗く沈んだ少女の声だけが小さく通る。 「大きな心の傷というバグは、莫大に繁殖するウィルスのような物…………」 少女のような顔から目を逸らし、ライトの首は虚空に回る。 「彼女が討伐後、そしてイレギュラー事件発足後、そしてアイシー・ペンギーゴに接触した時………」 瞳は遠くへ。 5 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 38 07 「そして………今現在の奴の心理状態が、当時と同じものだとは思えない」 緑の光は現実へと戻り、再び、エックスに向けられた。 「というと?」 疑問の意を首に宿し、少年は横に傾げる。 「彼女は何の信念もなく、人間を滅ぼす事だけに執着しているのでは無いだろうか」 簡単には受け入れられない事実。 だが、エックスも薄々とは気づいていた。 狂気をみせるイレギュラーに、そしてシグマの態度。 「第17部隊隊長、シグマ。あれほどの指揮官が、途中で自分の考えに少しでも疑問を持たないのはおかしい」 マンドリラーに処刑を命じたと思えば、クワンガーに戦闘の手ほどきを行うよう命令する。 そして、最近ではオクトパルドを使い、自分の元へと向かうよう迎えを出した。 「もしかしたら、もう………」 ライトの憂慮は、杞憂で終わるような、無にもつかない物ではないのだろう。 少女の表情と言葉が、それを裏付けていた。 「――どちらにせよ、僕は隊長の所へ行きます。そうするしか、他にありません」 エックスは、これで話は終わりだ、とばかりに打ち切った。 顔色をほとんど変えず、少女もその言葉に頷いた。 「あぁ、それしかないな。…………奴の居場所については、現在調査中だ。おって連絡する」 「えぇ」 少年の使命――それは世界を救う事。 その結果は誰が喜べるものとなるのか。 救われるのは人間か、レプリロイドか、それともイレギュラーか。 自分という存在と生を捨ててまで、何かに固執したイレギュラーに救いがなければ、なんと悲しい世界のだろう。 6 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 39 32 異端の哀歌。 銃声と砲撃と怒号で奏でられる協奏曲は、イレギュラーの絶望と狂気で紡がれる。 そして、その曲の終わりには、世界の終わりか、異端の死しかない。 「治療ができない……? どういう事ですか!?」 白い部屋で、中性的な声が響く。 ケインとライトとは違う〝白衣〟を着たレプリロイド達に、エックスは詰め寄った。 医務室、手術室を備えた医療練。手術室の一つに、少年は居た。 詰問する横には、ガラス張りの小部屋があり、そこにベッドが置いてある。 そこに眠るのは赤きレプリロイド――ゼロ。 エックスはライトと別れた後、少女の様子を見に来たのだ。 「電力の問題です。ここ最近、世界全土で電力不足が………」 医師のレプリロイドが重い口を開ける。 「おそらく、イレギュラーが発電所を乗っ取った事が原因でしょう」 隣の医師も言葉を引き継ぎ、前に立つエックスに説明した。 「こればかりは………我々の手には…………」 レプリロイドは、申し訳なさそうに頭を下げた。 「ゼロの調子はどうなんですか……?」 医師の行為を手で制し、エックスは眠りにつく少女の顔を見ながら、容態を問う。 もう一人が首を振った。 「芳しくありませんね。受けた損傷は大きいし、何より傷口から海水が入ってしまっている」 持っていたカルテファイルを揺らしながら、医師のレプリロイドもゼロを見つめる。 7 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 43 31 「電力を使わない応急的な治療はしているのですが、あまり効果は出ないでしょう」 お手上げだ、という感情が二人の医師から漏れる。 「そう、ですか………」 エックスは二人に礼を言い、足早に手術室を出た。 「確かに……! 飛ぶんだろ、とは言ったよ!!」 吹き荒れる、作り出された風。 本部後部にあるヘリポート。ハチ型ヘリが出発の時を待ち、背中のローターを回す。 「だが、今日だとは知らなかったな!? ………ひゃう!?」 白衣が風によって翻り、ライトは慌てて裾を押さえた。 前方を青いボディがヘリに向かって歩く。その後ろに続く少女。 身体と同じ色の空が、二人の真上に広がっていた。 「ゼロが危ないんです」 少年は後ろを振り向き、自らが戦地に向かう理由を教える。 「あぁ、そうらしいな! 本当にお前は忙しい奴だ!!」 ローター音と、耳を掠める風音がうるさい。故に少女の声は、大きなものになる。 エックスはヘリに乗り込み、少女が機体の横に立つ。 「気をつけろよ。お前はいつだって、優しいやつだ」 決意を宿した顔を横から覗き込み、囁くライト。 8 :Irregular’s Elegy :2006/10/21(土) 17 46 54 「それが、仇となる時がある。――仲間が敵だと解ったら…………もう躊躇うな」 青い肩を優しく叩き、見送る。 できれば一緒に行きたいのだが、邪魔と言う名の役にたつだろう。 「新調した無線だ。あと、オペレーターの性格も人間味があるように再設定したよ」 取り付ける型の黒い通信機を渡し、最後にライトはニヤリと笑ってみせる。 気付けの言葉にエックスも微笑んだ。 「無事だけを祈る。またな、ロック」 もう一つ、ピンクのハンカチーフで包まれた箱を渡し、ヘリの操縦者に手を振る。 操縦の命を司ったレプリロイドは頷き、操縦桿を引き下げた。 エックスが箱の内容を聞く前に、ライトに背中を向けられ、乗り込んだヘリも上昇する。 結局、基地が小さく見える所まで上昇した際に、その箱を開けた。 中には、紙片に可愛いらしい文字で〝夕飯だ〟と表記された――お弁当だった。 115 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 26 36.01 ID Gs1tqUN70 「ルート42進行中。問題無し」 『――本部了解。発電所までの航路を維持せよ』 目下に広がるのは、何時ぞやの大森林。 緑の絨毯が広がる平地を5つの黒い影が突き進む。 エックスを乗せたハチ型ヘリ等は、問題の発電所に向かっていた。 アイシー・ペンギーゴとの戦闘後に通過した森を青き少年は、無感情に眺めていた。 そこでカメリーオとマンドリラーに奇襲される。 発電所を占拠し、国家的被害を引き起こしたのは片割れのイレギュラーだろう。 エックスはこれから起こる戦闘に、嘆息した。 「ルート43進行中」 斜陽が全ての光景を赤に。 早朝に本部に付き、昼過ぎに出発した少年が飛ぶ空は、西に沈みつつある日によって染められていた。 夕日を眩しそうに目を細めながら、鉄の座台に深く腰掛けるエックス。 「夜までには、発電所に着くかと思いますがね」 随時本部に進行状況を連絡する操縦者が、後ろを振り返って言い放つ。 エックスはそれに頷き反し、直ぐに夕方の森へ視線を戻した。 116 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 28 59.62 ID Gs1tqUN70 「ルート47進行中」 『了解。航路を維持せよ』 ライトは何を夕食にしているのだろうか――そんな事を弁当を開きながら、エックスは考える。 蓋を開けると、半分をご飯で満たした普通のメニューだった。 「愛妻弁当ですか?」 操縦士がからかうでもなく、単なる疑問か世間話として投げてくる。 「いえ、餞別……かな」 歯切れ悪く言い、料理に手を合わせて箸を持つ。 本部にいる夕飯の作成者に感謝し、エックスは取り掛かった。 「ルート48進行中。特に問題は――何だ?」 状況報告を単調に続けたパイロットが、初めて怪訝な声をあげる。 『どうした? 1号機。何か問題でも』 操縦桿の横に備われた無線から疑問が放たれ、エックスも玉子焼きを掴む箸を止めた。 「高速で移動している熱源を確認したんだ。――誰かが追われて……いるのか?」 言葉尻をあやふやに、パイロットは森林の異変を告げた。 エックスが機体の両横に空いているハッチから身を乗り出す。 赤い木々の間。 操縦者の言葉通り、確かに大柄な影が複数の何者かに追跡されていた。 118 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 32 47.66 ID Gs1tqUN70 二つの小さな青の炎を吐き出しながら、森林を疾走する巨大な影。 ブースターで移動するライドアーマーの群れだった。 それが大きな人影を追い詰める。 もっとよく見ようと更に身体を傾けるエックス――彼の頭部を紫電の放流が掠める。 目を見開き驚愕するエックスの視線が、桃色の電撃の先を見、そして発せられた森に移る。 「クソっ!? 何だ今のは!!」 罵声を放つパイロットによってハチ型のヘリは大きく傾く。 下方から電撃が連続して放たれる。 こちらを狙っているのかと思ったが、森林に吹き荒れる爆発からそうではないようだ。 腕が電糸に毟り取られ、ライドアーマーの一つが吹き飛ぶ。 ライドアーマー達が、連続する電撃の合間を縫いながらブーストする。 またも巨体が雷の洗礼を受け、軽く宙に浮いて爆発する。散乱した破片が木々を焦がした。 電流の球体や滝が次々に吐き出される――その最中。 ピンクの明滅によって、大柄な逃亡者の姿がやっと露になった。 「マンドリラーのお姉さん!?」 逃亡者の名をエックスが叫ぶ。 今、彼女の元に向かっていた少年に、予期せぬ状況でマンドリル型の女性が現れた。 突然の登場に白黒する間もライドアーマーが倒れ伏す。 119 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 35 28.49 ID Gs1tqUN70 「スパーク・マンドリラー? 奴はイレギュラーだろう。どうして、敵が敵に追われているんだ」 エックスの言葉にパイロットが困惑して、ヘリを揺らす。 黄色でペイントされた機体は、前進する戦闘現場から離れるつもりのようだ。 爆裂する紫電。粉砕される森と大地――そして敵。 エレクトリックスパークを受けた土木作業用の機械が、巨体の胸に大穴を空けられ四散する。 夕暮れの森は爆発と騒音に溢れかえっていた。 「逃げるが勝ちって言葉は、レプリロイドの辞書にも載ってるんだぜ」 「待ってください。僕、降ります」 ガスマスクのようなメットの操縦者の肩に手を置き、エックスは逃走に待ったをかけた。 追跡劇の意味は解らないが、とにかく状況を確認しよう。そんな思いが少年の胸裏に生まれる。 「俺はここで死ぬような器じゃな――え?」 ぶつぶつと呟くパイロットが独白を止め、後ろの信じられない言葉を吐く人物に振り返る。 「降ります。ちょっと高度を下げてください」 青き少年は、真面目に言ってるとばかりに頷いた。 「あぁ、戦争時の冗談ですか。俺だって知ってます。昨日やってた映画で――」 下から響く轟音をBGMに、パイロットの方が冗談と取れる発言をして場を濁す。 エックスはそんな彼に眉根を寄せた。 「何言ってるんですか。早く高度を下げてください」 溜め息をつき、顎で降下を促す。 爆音は激しくなり、とうとう火柱も上がった。 120 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 38 06.84 ID Gs1tqUN70 「冗談じゃ――」 尚もしぶる操縦者に呆れ、エックスは蹴りを放ち、操縦桿にブーツの裏を叩き込む。 「うおおおおおおおお!?」 機体が激しく揺れ、一瞬の重力異常。少年の身体が少しだけ浮き上がった。 ハチ型ヘリはエックスの意思通りに急降下する。 「それじゃ、行ってきます」 木々の高さと同じぐらいまで降りる機体。 挨拶するエックスはハッチの淵に指をかけ、着地場所を見極めた。 戦闘場所から数十メートルという所で、その身を空へと投げ出す。 「おおおおお!? い、行ってらっしゃいませぇぇええぇ!! 畜生ぉおぉ!!」 その背中を、機体を安定させようと奮闘するパイロットの罵声が叩いた。 飛び降りるエックス。 真下の木の幹に片足を突き出す。 木片を散らし、煙をあげて降下速度を緩める。 大木を滑るようにして、地面に着地。 むっとした青臭い匂いと薄暗い緑の光景が、視界と鼻腔に飛び込んできた。 爆発音は止まない。右辺から響く戦闘の証。 同僚だった女性の事を思い、エックスは緑色の世界を駆け出す。 122 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 42 35.56 ID Gs1tqUN70 すぐに彼女等は見つかった。 移動しながらの攻防を繰り広げる、マンドリラーと数体の巨体な影。 「お姉さん!!」 エックスが先行する大きなレプリロイドに大声をかける。 「……お前は!? ――しつこいぞ!!」 丸いマンドリルの瞳が驚きを帯びるが、右手から急襲したライドアーマーに電撃を浴びせる余裕はあった。 「単刀直入に聞きます。どうしたんですか!?」 バスターで援護射撃しながら、エックスは足を止める彼女に近づく。 頭部部分が操縦席の巨体。 そこに座るアーマーソルジャーの頭部を、ばら撒かれたエネルギー弾が貫通した。 「忙しいから後でいいか!! いいな!?」 両手に桃色に光る電撃を溜め、周囲へ一気に放つ。 エレクトリックスパークの嵐が、ブーストで迫り来る敵と森を席巻する。 三体のライドアーマーが消し炭になり、操縦者も同じ運命を辿って絶命した。 「いいですよ!! でも、これだけ聞かせて下さい!!」 ライドアーマーは、遠距離武器が無いのが弱みである。 声を張り上げながらエックスは射撃し続け、間合いを詰める敵を攻撃。 「――敵ですか?」 少年の言葉には悲哀。 バスターを撃ちながらも痛切な瞳が、横に立つ女性のメット部分に向けられた。 123 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 46 13.07 ID Gs1tqUN70 その思いに飲まれたのか、マンドリラーの一瞬の逡巡。 「違うよ……多分な。――しつこい、と言っただろう!!」 腕から電流の唸りを放つ彼女の曖昧模糊な言葉。 しかし、エックスには充分だった。 優しさを感じさせる笑みを浮かべ、マンドリラーを果敢に援護する。 ライドアーマーは一撃も見舞う事無く、数を減らし続けた。 「随分と手間をかけさせてくれる……」 突如響き渡る、鋭い声。 凶悪な圧迫感を纏った存在が、二人の前に木々の間から悠然と現れる。 大型の犬――そうエックスの目には映った。 マンドリラーが荒々しく舌打ちし、両手を構えて身構えた。 「私が、自ら手を下した方が得策か」 とことこと前に進む紫紺のボディ。 二人の敵意に満ちた視線を、牙を剥き出しにしたメットが打ち払う。 四足のレプリロイド。エックスの記憶には無かった。 間合いを大きく作るのか、途中で歩みを止め、犬型がぱっと立ち上がる。 ――眩い光。 瞬きほどの光の放射から、仁王立ちする少女が出現する。 124 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 06 50 04.71 ID Gs1tqUN70 犬を模したメットは帽子のように上げられ、パープルカラーの頭髪が肩まで垂れる。 女と少女の中間に位置する、綺麗に整えられた顔が晒された。 「あんたが、わざわざ出張るとはな……」 狩猟を行う犬の瞳――緑の視線が、両腕に電撃を纏うマンドリラーに向けられる。 エックスは訳がわからず目前に立つ少女を見つめた。 全身だった彼女の装甲は肩と手足に留まり、小ぶりの胸元に布の帯を何重にも巻いた装い。 下半身にはベルトとショーツで構成された衣類――ガーダーベルトを身に着ける。 どちらかと言えば幼い目鼻立ちに、その服装は倒錯感を少年に与えた。 「こうなるのは予定外だが――」 彼女が鼻面を獣のように寄せ、こちらも戦闘態勢を取る。 マンドリラーはいよいよ緊張し、エックスもそれに合わせてバスターの銃口を向けた。 「わふっ! ――スパーク・マンドリラー。シグマ様に叛旗を翻したその罪――」 またも光り、濃厚色の装甲に身を包んだ猟犬の姿を再現。 「死で償ってもらおう」 前足から爪が飛び出し、大きな影が獲物に飛び掛った。 303 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 50 03.77 ID Gs1tqUN70 紫紺の身体が疾風となる。 その速度は、対峙していた間合いなど意味をなさない。 マンドリラーの太い首筋に、鋭く生えた牙が喰らいつかんとした。 左右に跳ぶ二人。 大きく空いた空間を犬型の前足が粉砕する。散らばる土塊。 エックスは跳び下がりながら、エネルギー弾を連続して放つ。 猟犬はその場で回転。 数十に列を成すエネルギーは、旋回するボディに弾かれ跳弾した。 鋭角に吹き飛ぶ銃弾が、木々に撃ち込まれるなどして周囲を貫いた。 「馬鹿が。よく考えて戦え」 慌てて伏せ、それを避けるエックスと、罵声を吐いて両腕で弾くマンドリラー。 防御と回避を同時に行った猟犬が、旋回の速度をそのままに、悲鳴をあげる少年に突進する。 矢のように飛び込む犬型。 前方から銃撃が、後方から網のような電撃が迫るが、器用に宙で回転して避ける。 「わふっ!」 嘲りを牙が乱立する口元に――犬型はエックスの顎に回転する前足を叩き込んだ。 打ち払われ、ボールのように身を投げ出す青いボディ。 308 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 53 06.08 ID Gs1tqUN70 少年の身体が地面に激突するよりも速く、猟犬はマンドリラーに接敵する。 マンドリルの太い腕が振るわれ、紫紺色の犬に雷の嵐が降り注ぐ。 津波のような電撃を放つ異端。 しかし――その一本、一本の電糸の隙間を、地面を跳ね続けて避ける異端も存在した。 エレクトリックスパークの牽制は無に還り、猟犬の接近を許す。 「死ね」 目と鼻の先で死の宣告を送り、今度こそ首元に牙を向けた。 が、何を思ったのか攻撃を中止し、素早く後退した。 犬型のメットを光弾が掠める。 「解せんな、マンドリラー」 空中で回転する身体。 器用に四足で着地し、犬型が言葉をかける。 「何がだ」 マンドリラーは返答しながら電撃を放ち、猟犬を遠ざけようとした。 桃色の電流が空を焼き、付近の地面を粉々にする。 彼女の思惑通り、紫紺の身体は回避に専念し、間合いを大きく取らざる負えなくなった。 「シグマ様、クワンガー……その少年に何かを期待しているようだが、私には何も感じない」 首を少しだけ捻り、猟犬は地面を所在無く引っ掻いた。 エックスは顔に困惑の色を広げ、バスターを構えたまま行動を起こさない。 309 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 55 23.12 ID Gs1tqUN70 しかし一人頷くと、右腕のバスターをチャージする。 後ろ足で地面を蹴り、凄まじい力が猟犬を空へと飛ばす。 その足元を撫でるように、溜められたチャージショットが通過した。 「わふっ! シグマ様の命だからこそ、この反乱分子に牙を剥かないが、私は納得する事が出来ない」 マンドリラーは何も答えず沈黙する。 着地する猟犬は疑問を吐露するのを続けた。 「マンドリラー、貴様も何かを期待している。何故だ――私には理解できない」 沈黙は継続する。 夕日は既に落ち、辺りは暗闇に満ちてきた。夜虫がこの状況に関せず、思い思いに鳴きだす。 「最強たるシグマ様の部隊に歯向かってまで、期待すべき事なのか」 ひらりと身を捻る猟犬の足元に、電気の槍が突き刺さる。 語る最中での不意打ちも、彼女には意味が無いようだ。 「お前には理解できんよ。――命令に従う事しか出来ない、お前には」 更に間合いを広げた犬型に、マンドリラーは馬鹿にするでもなく、どこか哀れそうに言った。 沈黙。 マンドリラーと紫紺の犬が黙り、虫も鳴き止む。 何を言っているのか解らないエックスも、事の進行を黙って見守った。 312 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 20 58 32.11 ID Gs1tqUN70 「……承知した」 事件の首謀者に仕える狗は、一体その言葉を受け何を思ったか。 エックスとマンドリラーには解る筈もなく、猟犬自身のAIで自己完結する。 そして短く返答し、再び闘いに挑む。 唸りをあげる四つの獣足。 マンドリラーは、エレクトリックスパークを地面に叩きつけ、爆裂と紫電の煙幕を作り出す。 「わふっ!」 「おおおおおおっ!!」 犬型が中空でボディを前回転させる。 白とピンクの帳から巨大な両腕を死角から突き出し、掴みかかるマンドリラー。 電撃を纏った二つの丸太腕と、回転刃となった身体が激突する。 闇の森を、散らばる火花が黄色く彩る。 数瞬の拮抗の後、両者は磁石の両極のように離れた。 「その巨体――伊達では無いらしいな」 「お互いな」 賛美とは取れない皮肉の応酬。 狗の皮肉に注ぐ光弾の雨。 エックスのショットが五月雨のように撃たれ、猟犬の周囲に着弾する。 だが光の雨も、紫紺のレプリロイドの機動力には敵わず、虚しく自然を打ち壊しただけに止まった。 315 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 21 01 25.03 ID Gs1tqUN70 ちらりと犬型は少年に獣の瞳を向け、素早くマンドリラーに直る。 「どうやら、無傷で倒すのは難しいらしい」 互いの力量を見極めた上での判断。 「分が悪い。ここは退かせて貰おうか」 数ある選択肢の中で、裏切り者を狩る猟犬は撤退を選んだ。 マンドリラーが腕を降ろし、攻撃の体勢を解いた。 しかしメットの瞳は、未だ警戒と敵意を宿している。 「だが反逆者、スパーク・マンドリラー。命永らえると思わぬことだ」 森へと踵を返す犬型が振り向き、辛辣な言葉を吐いた。 「直ぐに、貴様を御しやすい処刑部隊を編成する」 全身を震わせるエックス。 嫌な想像――無惨に破壊されるマンドリラーの姿が脳裏に広がる。 腕を組む当の本人は、鼻を鳴らしただけで取り合わない。 「わおんっ! 別れは早いうちに済ませておけ」 一声唸り、疾風となる猟犬は二人の前から掻き消えた。 「大きなお世話だ、いぬっころ」 マンドリラーの啖呵が森の奥へと放たれ、鈴虫の声と同じく拡散した。 319 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 21 03 57.36 ID Gs1tqUN70 猟犬が去り、場の空気が弛緩する。 エックスは力尽きたように膝をついた。 「助けられたな」 『援護に感謝いたします』 開閉される胸部の装甲。漏れた女の声と電子音声。 マンドリル型のボディから、桃色の髪をした女性が現れた。 白い指を持つ両手に、操縦桿が握られている。 少年が困った顔をする。 「僕、あんまり援護できませんでした」 「いや、助かったよ」 エックスの憂慮を払拭するように、口元に薄い笑みを浮かべたマンドリラー。 「僕は……。いえ、それよりもお姉さん……どうして――」 上空から今まで培ってきた疑問を、ぶつけようとする。 しかし、それはマンドリラーの背伸びと、艶のかかった声によって阻害された。 「あー、疲れたぞ。話は腰を落ち着ける所ででも良いか?」 「そう……ですね。うん。――えぇ、構いません」 自分にも重く圧し掛かる疲労に、エックスは彼女の提案に同意した。 321 :Irregular s Elegy:佐賀暦2006年,2006/10/30(佐賀県民) 21 07 19.39 ID Gs1tqUN70 何処で話すか。 マンドリラーに背中を向け、考え込む。 ハンター本部が最適なのだろうと考えていた所で、自分が何でやって来たかを思い出す。 ハチ型のフォルム、冗談を言うパイロット。 「あ、ヘリ」 二人の空には、無限の数を持つ星達と、白く綺麗な月。 ――5機のヘリコプターは影も形も無かった。 「………………僕ね。乗り物とか、女性に恵まれた事無いんです」 暗く沈んだ顔を振り向け、人生の不満をぶつけてみるエックス。 「………………そうかい」 『同情いたします』 対する応えは、どちらも冷たかった。