約 2,130,398 件
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/372.html
秋も深まり木々の葉も散りつつある、ある日の公園の練習場。 何やら沈鬱な表情を浮かべた彼女が、一人あたしの元に来たのは、レッスンを終えて皆が帰った後の事 だった。 「ミユキさん、ちょっと話したい事があるんですけど……」 「―――美希ちゃん……何かあったの?」 その様子に尋常ならざるものを感じ、あたしは帰り支度をしていた手を止める。 練習の時から、何かいつもと様子が違うと思ってたけど……。覇気がないというか……。 いつもの美希ちゃんなら、どんなにハードな練習をした後でも、こんな顔はしないはずだわ。 でも今目の前にいる彼女は、何やら黒いオーラを纏っているかのようにどんよりとしていて……。 「―――今度のダンスの事、なんですけど……あたし、上手く踊る自信がないんです………」 「!!」 まさか彼女の口からそんな弱気な言葉がでるなんて―――!! いつも自信に満ち溢れた、あの美希ちゃんから―――!! 「ど、どうしたの?!あ、あなたらしくもない……?」 「………」 俯き、言いにくそうに口を閉ざす美希ちゃん。 いつもなら厳しい言葉をかけてるところだけど、さすがのあたしも混乱していて、それどころではない。 (何?何か今度のダンスに問題があった?!振り付けやステップならYou make me happyやH@ppy Together より簡単なはず……今の彼女達なら難なくこなせるはずだわ……じゃあ一体何が!?まさか怪我でもして るとか―――それとも何か精神的なもの?失恋?それともコーチをしているあたしに、憧れから恋に変わり つつある自分に気付いてしまって、踊れなくなったとか?!ああ、でもどうしよう。あたし達女同士だし… それにこう見えてあたしリードされる方が好みで年下は……あ、だけど美希ちゃんならリードしてくれそう な雰囲気が―――――) あたしの頭が目まぐるしく回転している中、彼女はやっと重い口を開き、ポツンと言った。 「曲が……ダメなんです……」 「―――はい?」 曲が気に入らないって……それだけの事? 頭の中から妄想を追い払うように頭を振ると、口に手を当て、えへん、と改まって咳払いをする。――― もう初めての夜の場所までは決めてたのに……。 「……え、えーと……曲がダメって言われても……今一番流行しているトリニティの新作だし……それに、 あなた達にピッタリだと思ってチョイスしたのよ?それがなんで……」 あたしの言葉に、美希ちゃんはピクッと身体を震わせる。 「組み合わせが……」 そう言って一度黙り込んだ後、彼女は思い切ったように顔を上げた。 「ベリーとパッションで……ウキウキ~ってフレーズが、どうしてもダメなんです!!」 多分、あたしはポカンとした顔をしていたと思う。アイドルなのに、恥かしいけど。 「フ、フレーズって……それをあたしに言われても……。某大手ファーストフード店か、作詞者の方に言って もらわないと……」 「だから……何とか曲を変えてもらえないですか?あの順番じゃあたし……ウキウキできる自信ないんです……」 切羽詰った顔であたしに迫る彼女。あ、ダメよ、そんな熱い目で見られたらさっきの妄想が―――。 「―――組み合わせなんて気にしてるの?おかしいわね、美希」 「!!」 あたし達の背後の木陰から、す、っとせつなちゃんが姿を現わす。 「―――せつな……ちょっ……盗み聞き!?」 「人聞きが悪いわ。ただ気付かれないように黙ってこっそり話を陰で聞いてただけよ」 「それを盗み聞きっていうのよ!それを!!お約束な返ししないで!!」 「そうなの?二つも勉強になったわ。ありがとう」 美希ちゃんの剣幕をけろっとした顔で受け流すせつなちゃん。 「それはそうとして、その組み合わせが、ってどういう事?ベリーとパッションで何か不満でもあるの?」 「う……」 再び口を閉ざす美希ちゃん。せつなちゃんはそんな彼女の様子を静かに眺めて。 「珍しく暗い顔してたから、興味が湧いて見にきたんだけど……もしかして美希」 せつなちゃんは少し呆れたような口調で言った。 「―――ベリーとパインならウキウキできたのかしら?」 「――――――!!」 美希ちゃんの身体が一瞬止まり、ワナワナと震えだす。 それに気付いているのか、せつなちゃんは冷静な声で言葉を続ける。 「だったら、頭の中でウキウキ~の部分をブキブッキ~に変換すればいいんじゃない?あ、でもそれだと パッションとブッキーが続いちゃって面白くないだろうから、ベリーとはくしょん!ブキブッキ~にすれば なんとなく美希が噂をされた後にブッキーが来た感じで……」 「うううううるさいわね!!!」 堪忍袋の緒もぶっちぎり、という様子で、美希ちゃんは顔を真っ赤にして叫んだ。 「だだだ、誰もベリーの次がパインになって欲しいなんて言ってないわよ!!ちょっとそっちの方が語呂は いいんじゃないかな~って思ってはみたけど!!そんなつまんない事、気にするようなあたしじゃないん だから!!」 せつなちゃんの様子は相変わらず変わらなかったみたいだけど。 あれ―――ちょっと笑った? 「―――そう。ならいいんだけど。変に気を使っちゃった?」 「使いすぎだわ!あたしを誰だと思ってるのよ!あたし―――」 「―――完璧な蒼乃美希、だわ。それならダンスも大丈夫、よね?」 「当然よ!」 美希ちゃんはそう言って、力強く胸を張ってるみせる。 なんか……上手い事乗せられてるようにしか見えないのはあたしだけかしら? 「安心したわ。じゃあ行きましょう?ラブ達がドーナツカフェで待ってるから」 「何?ブッキ……二人とも待ってくれてるの?じゃあ急がなきゃ!!ホラ、せつな早く!!」 「あ、美希アカル―――」 さっきまでの意気消沈ぶりはどこへやらで、返事も聞かずに、せつなちゃんの手を引き、駆け出す美希 ちゃん。 そんな彼女達の後姿を見送るあたしのポケットで、突然携帯電話が鳴り出す。 『あ、ミユキさんですか?せつなそっち行ってません?なんか、美希たんが遅いのが心配だから見てくる って、不安そうな顔でアカルンで移動したまま、戻って来なくて―――』 ラブちゃんの声に、今そっちに向かったわ、と説明してあたしは電話を切った。 それからレッスンの時のことを思い出して、苦笑い。 (そういえば、今日一番ウキウキした様子で踊ってたの、せつなちゃんだっけ―――) 二人とも素直じゃないんだから。 ……って言ってもせつなちゃんの方がちょっぴり上手かな? あれはあれで、案外ハッピーなセットなのかも。 そしてあたしはバッグに荷物をしまいながら、大きく溜息をついた。 ―――はぁ、あたしもウキウキしたい……。 了
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/826.html
ラブ「ねーねー、またイースのフィギュアが出るんだって!」 祈里「イースちゃんはいつも一番手ね」 美希「どうしていつもイースばっかり。ビジュアルと言えば完璧なアタシでしょ」 せつ「私が喜んでいるとでも思ってるの! どうせなら私かパッションを……」 美希「せつなは地味だし、パッションは暑苦しいものね」 せつ「冬にヘソ出してた美希に言われたくないわ」 祈里「喧嘩はやめようよ。ほら、ベリーのフィギュアーツで遊びましょ」 美希「女の子はそんな遊び――って、こら! ラッキー! ベリーを噛むな齧るな持ってくな~」 せつ「は~~。あれじゃ世界に羽ばたくトップモデルなんて夢のまた夢ね」 祈里「トップダンサーなら、あそこでイジケてるけど……」 ミユ「ノーザですらフィギュア化されてるのに……私はトリニティの……ブツブツ」 ラブ「まあ……みんなも予約でゲットだよ!」
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/580.html
崩れ落ちた教会の真横で ◆gry038wOvE 孤門一輝が運転するシトロエン2CVの中にも、当然脂目マンプクの放送は響いた。 放送内容によれば、なんでもゴ・ガドル・バはあの時点で確かに死亡したらしい。それについては安心して良いらしく、冴島鋼牙や結城丈二といった犠牲者には申し訳なく思いながらも、ガドルの死を彼は、少しくらいは喜んだ。これ以上、自分や周囲が犠牲になる状況は防げる事になる。 ガドルが死んだならば、ドウコクが仲間になった現状では、危険になるのはあかねだけだ。 残すところ、十四名。──そう、それを聞いたまでは良かった。 「十人……」 正午までに残り人数を十人まで減らさなければならない、という条件が伝えられた。 この条件が、孤門たちにとって最悪なのである。 実は条件そのものが孤門たちの精神に及ぼす影響はそこまではない。ここまで築かれた信頼関係を崩壊させようという気はさして無いからだ。孤門たちの多くは、相互的に犠牲を強いたりする人物ではない。 だが、唯一の問題は血祭ドウコクである。 志葉屋敷に置いてきたドウコクが、果たしてこの条件に乗らないでいてくれるかが孤門たちにはわからない。──いや、むしろ、乗る可能性の方が高いだろう。 あの時点でドウコクを仲間に引き入れたとはいっても、こうした条件が提示された時にドウコクがどう行動するのかは想定の範囲外なのだ。これまでドウコクが自分たちを何度も襲撃してきた記憶は嘘をつかない。 ドウコクが求めるのは効率の良い帰還方法である。そして、その理念に基づいて最も効率的なのかを考え、結果的に仲間になったのが彼だ。この状況下、敵側の条件で勝利を得ようとする確率も否めない。 引き返す、という手段も孤門にはある。 だが、孤門はこのまま引き返す気はなかった。アクセルを緩めず、車は真っ直ぐ前に走っていく。窓は外の景色を置き去りにした。 「ラブちゃん、沖さんに連絡を頼む。ドウコクが暴れていないか、少し心配だ」 真横からラブの名前を呼んだ。 孤門はフロントガラスの向こうを見ていた。向こうには、倒壊した建物の姿が見えた。おそらく、それは教会だ。道路沿いにある施設は、他にない。 崩落した建物の横を走っていると、まるで地震やビースト災害の現場に来ている気分である。人里離れたこの平原に、教会が一つ、支柱を失い傾いていた。 こんな状況では、地に落ちた十字架が何かを暗示しているようにも見えて恐ろしい。 「それなら、引き返したら……」 「悪いけど、今から引き返す余裕はない。こっちもなるべく六時間以内で決着をつけなきゃならないんだ」 シトロエンが走る最中、二人は不安を抱えていた。 引き返さないのには理由がある。 今から引き返したとしても明らかに手遅れなのだ。ここまでの道のりを考えればわかる。何十分かかけて走って来た道なのだ。引き返すのには同等の時間がかかり、その間に物事の決着がつく余地がある。 一也ならば、説得するか、防衛するかのどちらかに成功できるかもしれない。──それに賭けるしか手はないのだ。 残り十名まで減らす、というのは案外難しくない話であるのは少し問題だ。 ここまでの死亡人数を考えれば、六時間に減る人数として妥当でもある。 ドウコクも満身創痍であるが、こちらも同様だ。多くの参加者は傷を抱え、負担を背負い、更に頭の上から疲労と汗を被っているような状態である。隙を突けば脆く崩れるのはお互い様だ。有利なのは、最初から非人にして、科学でも埋められないような圧倒的な身体能力を持っているドウコクだろう。 たった十人が生き残れるとしても、彼らガイアセイバーズは十二人いる。それに加えて、あかねやさやか、マミも助けたいという欲が張っている状況なのが実情だ。 目的全てを果たすと、どう考えてもマイナスが生じてしまう。 それでも彼らは、救える限り全員で生還する必要がある。この殺し合いの黒幕だって捕まえなければならない。────残り六時間で、すべて解決して脱出するのだ。 その為には、まず、それぞれが今すべき事をして、冴島邸に全員で集合するのがベストな手段である。 孤門たちは、すぐに教会の横を通りすぎ、その先へ進んでいく事になった。 ◇ 佐倉杏子の耳には、全て聞こえていた。 彼女は、後部座席で目を閉じながらも、脂目マンプクの言葉を全て頭の内に留めたのである。紙とペンでメモライズする必要はまるでなかった。 (私たちの中から、十人選んで、残りは死ななきゃならない……) 彼女は確かに、死にたくないと思っている。自分の命は当然惜しく、今持っている意思が消えさえる事にも抵抗がある。だが、どっちにしろ近々死ぬ道しかないのが──彼女たち、魔法少女だ。 ソウルジェムの仕組みがその理由である。ソウルジェムが濁れば、元の世界に帰ろうが結局は碌な道を辿れない。他人の犠牲を強いて得た生もまた儚く、ましてそれが次の生を妨害する。それならば、いっそここで命を絶つのも一つだ。 魔女になる前に死ぬ──という最後の機会である。 正午までは時間がある。それまでに犠牲になるべきは、まずドウコク。それから自分自身。本当にあの時に会ったままなら、あかねもそうだ。そして、残念ながらあと一人強いるべき犠牲が要る。 ただ、あと一人という所まで残せば、きっと誰かが犠牲になるだろう。 それが美希やヴィヴィオじゃないのはまず確実だ。それに、つぼみやラブでもない。彼女たちは「女」であり「子供」でもある。守られるべき存在としては至極わかりやすい特徴を持っている。犠牲になるのはおそらく成人男性。名乗り出てくれるであろう男として、一人だけ杏子の頭の中に候補が浮かんだが、──あの男は自分の命を惜しむのだろうか。 (クソ……) 彼女の中に浮かんだのは翔太郎であった。それは今でも全く間違いなかった。もし、彼もまた死にたがりであったのなら、ある意味、彼と心中する羽目になるのだろうか。 いや、今の彼とそうなるのは御免だが──考えてみれば、杏子も本質的には、今思い描く彼と同様の死にたがりであったのかもしれない。同族嫌悪というやつに似ているかもしれないが、その死にたがりな性質が無性に腹立たしくなった。 (──) この状況ならば自分が犠牲になっても良いと、本気でそう思っている自分がいた。 そんな自分が嫌じゃない。 しかし、仮にもし、翔太郎がそれと全く同じ事を考えるのは何故か嫌になる。 (……) 杏子は、目を閉じたまま、外の景色はわからないまま、車の流れに揺られていた。 懐かしい仲間や家族に会うまでの時間が、刻一刻と迫っているのを彼女は感じている。 そうだ。今は何をしなければならないのだったか。 そう、これから、できる限りの手段を尽くしてマミを助けに行くのだ。 救済──それがラブの選んだ手段である。 プリキュアらしい思考であった。ある限りの物は心の隅まで幸で満たそうとする。しかし、今というのは本当にそれが実利的に正しいのかわからない事態だった。マミが救われれば、また一人、犠牲にならなければならない命が増えてしまうのである。 ……だが、杏子の場合、もしかすればマミを救いたいと思うのは、マミにまた生きてほしいからじゃないのかもしれないとも思っていた。だから、ほんのひと時生きていて貰えればいい。昔の事を少し謝りたいのと、マミが人に害を加える存在として散っていくのが許せないからだ。それなら、ひと時でも正気を取り戻してほしい。 それだけなのだ。 一瞬でもいい。その後、一緒に逝くのでもいい。杏子はきっと、未練があるから、その未練を晴らしたいだけなのだ。 車体が緩やかなカーブを走っていく時……ふと、昔死んだ家族の声が聞こえたような気がしてきた。 眠りにつく杏子には、自分の真横で見覚えのある教会が倒壊している事など気づく余地もなかった。 ◇ 桃園ラブは、ショドウフォンでスタッグフォンに電話をしようとしていた。 リンクルンが通信機能を妨害されている以上、使用できる携帯電話はこちらのショドウフォンである。少し使いづらいデザインの携帯電話だが、まあ主な用途が通話と変身ならば仕方がない。 ラブが思い切って使う事は難しそうだ。 「もしもし……」 pllllllllll……。 pllllllllll……。 何度か鳴った後だが、一向にスタッグフォンは応答しなかった。 これがラブの中で、焦りを加速させる原因になる。今、ラブたちが突き進んでいる真後ろでは、ドウコクが暴れ、知っている人たちが死んでいるかもしれない──その不穏が一瞬にして説得力を持った。 電話に出られないという事は、向こうも相応の問題が発生した証だ。一度目ならば、まだ気づいていないだけという事もある。 「もしもし……」 二度発信したが、応答はなかった。 この状況で全く応答がないというのは、一也の身に何かあった証である。一也ならば常に電話を注視するだろうし、何もなければ反応に気づかぬはずがない。ドウコクの首輪を解除している真っ最中という可能性も考えられるが、それならば、翔太郎でも最低限の電話連絡はできるのではないだろうか。実際に彼は片腕で杏子に電話をかけた事もある。 しかし、──仮に何があったとしても、それでもラブたちはこの先にいるマミを助けなければならない。これから先に向かうとして、残り六時間の尺をマミと一也の二つの事に裂く事は難しい話であった。 どちらかを助ける為にどちらかを捨てなければならないジレンマがラブを迷わす。 「応答、ありません……」 そう寂しそうに言うラブの真横で、孤門はいっそう辛さを噛みしめて前を向いていた。 ハンドルを握り、アクセルを踏み、フロントガラスの向こうを見つめている。彼は、車を運転しながらも、一也への心配が晴れぬまま、不安そうであった。しかし、それをかみ殺していた。 「……メールを、入れておいてくれ」 メールが届いたところで、彼らはどうなっているのかわからない。 ただ戦闘中のゴタゴタがあっただけで、ともかく生存はできているかもしれない。 それなら、おそらくメールがちゃんと返ってくるはずだ。小手先の希望を抱きながら、彼らは走った。 「……」 少しだけ、不安の方が大きかった。 ◇ 蒼乃美希は、全て聞きながら、ドウコクの性格について考えていた。 果たして、血祭ドウコクは本当にこの放送を機に行動するだろうか。──結論から言えば、彼女にはそうは思えない。 確かに、最も効率的な判断ができる人間かとは思うが、ドウコク自身、極力、周囲の人間を殺さずに行動しようとしているきらいはある。 彼は殺戮を好んでいるだろうが、同時に自分にとってマイナスな殺戮はせずに済ませられる種であった。だから、美希は以前、アインハルトとともにそんなドウコクの性格を突くような作戦を一つ練る事ができたのである。 直感レベルの話だが、説得の範囲で何とかなりそうな相手だとは思えた。 (どっちにしても、最悪の状況という可能性は低そうね……) それから、美希がドウコク以上に評価しているのは、沖一也だ。沖一也は彼らが考えているより、もう少し冷静に行動できる素質のある人間であった。 13 :崩れ落ちた教会の真横で ◆gry038wOvE:2014/08/07(木) 11 40 59 ID V1L9C12Q0 たとえば、「放送が終了するまで首輪を外さない」という判断は容易にできる。 禁止エリアそのものは解除されていないからだ。結局のところ、残り参加者全員が禁止エリアに留まってしまえば、首輪付のドウコクはその後、参加者を十人に減らす行動ができない。そもそも禁止エリアの存在が首輪を装着した参加者には厄介である。首輪という枷がある限り、彼も自由は保障されないだろう。 一也も、放送終了まではドウコクの首輪を外さずに様子を見ていた可能性が高い。 (可能性として考えられるのは、今が首輪を解除している真っ最中か、あるいは説得の真っ最中か……っていうところかしら) 美希は眠りそうな頭でも考える。 放送からすぐは返事が来ないのも無理はないが、ひとまず心配はいらないだろう。 孤門もラブも心配しているようだが、少なくとも問題はないと考えていた。 薄目で杏子を見ると、そちらも少し眠ったフリをしながら、どうも落ち着かない様子で指先を微かに震わせていた。 シートに隠れて見えない場所で、まるで自分が起きているアピールをしているかのようでだった。 ◇ それから、間もなくの出来事である。 「……孤門さん、沖さんからメールが返ってきました!」 ラブが嬉しそうに言うのを、美希は「やはり」と思いながら聞いた。 ほっと一安心というところだろうか。彼女は、暗いムードから明るい方向へと変わった転機を見計らって、ぱっと目を覚ました。 「あー、よく寝た……」 本当は寝ていないが、美希は車内の狭さに気を使いながら伸びをした。正直、この車は狭すぎてストレスも溜まる。女子中学生三人と運転手一人でも随分と狭い。これでマミが加われば余計に大変な事になりそうだ。 「あ、美希たんおはよー」 「おはよう。……で、何が返って来たの?」 「うん? ああ、沖さんからのメールだよ」 二人が心配しているほどではなかったらしく、実際、一也から返って来たのは『心配するな』という内容で、ひとまずラブたちは安心するのであった。そして、そのメール内の一也からの指示通り、バットショットから送信された動画の方にも目を通し、彼女たちもこちらの物語が動いている事を充分に実感していた。 これから戦いに向かう車の中の、ちょっとした出来事であった。 【2日目 朝】 【F-2 倒壊した教会付近】 【孤門一輝@ウルトラマンネクサス】 [状態]:ダメージ(大)、ナイトレイダーの制服を着用、精神的疲労、「ガイアセイバーズ」リーダー、首輪解除、シトロエン2CV運転中 [装備]:ディバイトランチャー@ウルトラマンネクサス、シトロエン2CV@超光戦士シャンゼリオン [道具]:支給品一式(食料と水を少し消費)、ランダム支給品0~2(戦闘に使えるものがない)、リコちゃん人形@仮面ライダーW、ガイアメモリに関するポスター×3、ガンバルクイナ君@ウルトラマンネクサス、ショドウフォン(レッド)@侍戦隊シンケンジャー [思考] 基本:殺し合いには乗らない 0:ラブの案内で図書館の方へ向かう。 1:みんなを何としてでも保護し、この島から脱出する。 2:ガイアセイバーズのリーダーとしての責任を果たす。 [備考] ※溝呂木が死亡した後からの参戦です(石堀の正体がダークザギであることは知りません)。 ※パラレルワールドの存在を聞いたことで、溝呂木がまだダークメフィストであった頃の世界から来ていると推測しています。 ※警察署の屋上で魔法陣、トレーニングルームでパワードスーツ(ソルテッカマン2号機)を発見しました。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※魔法少女の真実について教えられました。 【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】 [状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、左肩に痛み、精神的疲労(小)、決意、眠気、首輪解除 [装備]:リンクルン@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式×2(食料少消費)、カオルちゃん特製のドーナツ(少し減っている)@フレッシュプリキュア!、毛布×1@現実、ペットボトルに入った紅茶@現実、巴マミの首輪、工具箱、黒い炎と黄金の風@牙狼─GARO─、クローバーボックス@フレッシュプリキュア!、暁からのラブレター 基本:誰も犠牲にしたりしない、みんなの幸せを守る。 0:図書館の近くで魔女になるマミの事を──。 1:マミさんの遺志を継いで、みんなの明日を守るために戦う。 2:犠牲にされた人達のぶんまで生きる。 3:どうして、サラマンダー男爵が……? 4:後で暁さんから事情を聞いてみる。 [備考] ※本編終了後からの参戦です。 ※花咲つぼみ、来海えりか、明堂院いつき、月影ゆりの存在を知っています。 ※クモジャキーとダークプリキュアに関しては詳しい所までは知りません。 ※加頭順の背後にフュージョン、ボトム、ブラックホールのような存在がいると考えています。 ※放送で現れたサラマンダー男爵は偽者だと考えています。 ※第三回放送で指定された制限はなかった模様です。 ※暁からのラブレターを読んだことで、石堀に対して疑心を抱いています。 ※結城丈二が一人でガドルに挑んだことを知りました。 ※魔法少女の真実について教えられました。 【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】 [状態]:ダメージ(中)、祈里やせつなの死に怒り 、精神的疲労、首輪解除 [装備]:リンクルン(ベリー)@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式((食料と水を少し消費+ペットボトル一本消費)、シンヤのマイクロレコーダー@宇宙の騎士テッカマンブレード、双ディスク@侍戦隊シンケンジャー、リンクルン(パイン)@フレッシュプリキュア!、ガイアメモリに関するポスター、杏子からの500円硬貨 [思考] 基本:こんな馬鹿げた戦いに乗るつもりはない。 0:ラブの案内で図書館の方へ向かう。 1:ガイアセイバーズ全員での殺し合いからの脱出。 2:杏子たちの隠し事については…。 [備考] ※プリキュアオールスターズDX3冒頭で、ファッションショーを見ているシーンからの参戦です。 ※その為、ブラックホールに関する出来事は知りませんが、いつきから聞きました。 ※放送を聞いたときに戦闘したため、第二回放送をおぼろげにしか聞いていません。 ※聞き逃した第二回放送についてや、乱馬関連の出来事を知りました。 ※警察署内での大規模な情報交換により、あらゆる参加者の詳細情報や禁止エリア、ボーナスに関する話を知りました。該当話(146話)の表を参照してください。 ※魔女の正体について、「ソウルジェムに秘められた魔法少女のエネルギーから発生した怪物」と杏子から伝えられています。魔法少女自身が魔女になるという事は一切知りません。 【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、ソウルジェムの濁り(中)、腹部・胸部に赤い斬り痕(出血などはしていません)、ユーノとフェイトを見捨てた事に対して複雑な感情、マミの死への怒り、せつなの死への悲しみ、ネクサスの光継承、ドウコクへの怒り、真実を知ったことによるショック(大分解消) 、首輪解除、睡眠? [装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ、エボルトラスター@ウルトラマンネクサス、ブラストショット@ウルトラマンネクサス [道具]:基本支給品一式×3(杏子、せつな、姫矢)、リンクルン(パッション)@フレッシュプリキュア!、乱馬の左腕、ランダム支給品0~1(せつな) 、美希からのシュークリーム、バルディッシュ(待機状態、破損中)@魔法少女リリカルなのは [思考] 基本:姫矢の力を継ぎ、魔女になる瞬間まで翔太郎とともに人の助けになる。 0:ラブとともにマミの死地に向かい、魔女と戦う。 だが、その後はどうする? 1:翔太郎達と協力する。 2:フィリップ…。 3:翔太郎への僅かな怒り。 [備考] ※参戦時期は6話終了後です。 ※首輪は首にではなくソウルジェムに巻かれています。 ※左翔太郎、フェイト・テスタロッサ、ユーノ・スクライアの姿を、かつての自分自身と被らせています。 ※殺し合いの裏にキュゥべえがいる可能性を考えています。 ※アカルンに認められました。プリキュアへの変身はできるかわかりませんが、少なくとも瞬間移動は使えるようです。 ※瞬間移動は、1人の限界が1キロ以内です。2人だとその半分、3人だと1/3…と減少します(参加者以外は数に入りません)。短距離での連続移動は問題ありませんが、長距離での連続移動はだんだん距離が短くなります。 ※彼女のジュネッスは、パッションレッドのジュネッスです。技はほぼ姫矢のジュネッスと変わらず、ジュネッスキックを応用した一人ジョーカーエクストリームなどを自力で学習しています。 ※第三回放送指定のボーナスにより、魔女化の真実について知りました。 時系列順で読む Back 最後の六時間Next The Little Mermaid 投下順で読む Back 最後の六時間Next The Little Mermaid Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 孤門一輝 Next ありがとう、マミさん(前編) Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 桃園ラブ Next ありがとう、マミさん(前編) Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 蒼乃美希 Next ありがとう、マミさん(前編) Back HOLDING OUT FOR A HERO!! - You need a hero - 佐倉杏子 Next ありがとう、マミさん(前編)
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/23506.html
ここを編集 ■映画 おジャ魔女どれみ# 記録 ■映画 ふたりはプリキュア Max Heart 記録 ■映画 ふたりはプリキュア Max Heart2 雪空のともだち 記録 ■映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪! 記録 ■映画 Yes! プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険! 記録 ■映画 Yes!プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ♪ 記録 ■フレッシュプリキュア! 記録 ■映画 プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合! 記録 ■映画 フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密がいっぱい!? 記録 ■映画 プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ! 記録 ■映画 ハートキャッチプリキュア!花の都でファッションショー…ですか!? 記録 ■映画 プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ! 世界をつなぐ☆虹色の花 記録 ■映画 スイートプリキュア♪とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディ♪ 記録 ■映画 プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち 記録 ■映画 スマイルプリキュア!絵本の中はみんなチグハグ! 記録 ■映画 プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち 記録 ■映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス 記録 ■映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち 記録 ■ポッピンQ 記録 ■マジンガーZ INFINITY 記録 ■スーパードラゴンボールヒーローズ 記録 ■ドラゴンボール超 ブロリー 記録 ■デジモンアドベンチャー: 記録 ■魔女見習いをさがして 記録 ■デジモンゴーストゲーム 記録 ■ドラゴンボール超 スーパーヒーロー 記録 ■逃走中 グレートミッション 記録 ■おジャ魔女どれみ1620s 記録 ■関連タイトル ポッピンQ Blu-ray *豪華版 rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/god14/pages/1234.html
とうといせかい 百合とはいわゆる女同士の絡み、ガールズラブの事である。 だが、変態やチンピラでひしめき合う正田作品ではエロとBLが性癖双璧を成しており、影響力はその二つに一歩及ばずなのが現状である。 以下、百合に当てはまりそうな描写を羅列する。 Dies iraeのドラマCD『ルサルカのついに私もヒロインに』でマリィのおっぱいを揉むルサルカ かつて行われたDies iraeカップル人気投票で第9位に選ばれたベアトリス×エレオノーレの関係を、正田卿は戦場のマリ見てと例えた。 香純ルートで香純に触手プレイをかますルサルカ 螢ルートで汚れを落とすため、ボトムレスピットのシャワーを浴びている螢へのスキンシップとして色々触るマリィ(それを盗聴している司狼) 関連したい項目 オレはただ、見たかったんだよ 何て事だ、素晴らしいじゃないか 無限の可能性が待っているのだ! 空気が旨い むしろグロとBLでは -- 名無しさん (2019-01-09 17 16 39) 衆道があるなら百合もあっておかしくない!……おかしくないよな? -- 名無しさん (2019-01-09 18 09 46) ”百合に当てはまりそうな描写”でパラロス関連が抜けておるぞ(主にアストとかアストとか)。むしろ項目見て真っ先にパラロスかな?と思った -- 名無しさん (2019-01-09 19 14 58) キリ番おめ -- 名無しさん (2019-01-10 10 37 25) 無理やりとってきた感が半端NEYOそもそも何でこの項目が出来たのか不明、他は分かるがルサルカ関連はあれは違うだろ -- 名無しさん (2019-01-10 21 00 08) そういやアヴェスターだと特に百合シーンなかったな… -- 名無しさん (2024-05-25 20 13 38) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1023.html
***祈里SIDE*** SPさんたちに抱え上げられたわたしがやっと降ろされたのは、砂浜から少し離れた人気のない岩陰だった。 運ばれる最中にいくらか抵抗はしたのだけど、屈強なSPさん達にプリキュアに変身していないわたしが敵うわけもなく……。 「あ、あの、わたし、も、戻らなきゃ……」 「……………」 美希ちゃんのいる方へと踵を返したわたしの前に、無言でザザッと立ち塞がるSPさん達……う、うう……怖い……。 仕方なく彼らに退くように指示してもらおうと、健人君へと振り返る。 「け、健人君、SPさん達に―――」 「――――やっと二人きりになれましたね、山吹さん……」 「え!?」 この状況で発せられた彼の言葉に、わたしは首を捻らざるを得ない……えーと……ほ、本気で言ってるの…? 頭の上にクエスチョンマークを浮かべたわたしに構わず、健人君は芝居がかった仕草で髪をかき上げ、唇の片方だけを吊り上げると、ニヒル?に笑った。 「いつぞやの船上パーティ以来ですね……あなたと二人きりになるなんて……今なら、あなたに告げられそうな気がする」 両腕を広げてわたしへと歩み寄る健人君。何故かわたしはその彼の様子に身の危険を感じ、後ずさりしようとした。 ―――けど後ろに立っているSPさんがあたしの背中を押さえ、これ以上の後退を許してくれない。もう!なんなのよ、本当に!! 「け、健人君!お、落ち着いてお話しましょ?ほ、ほら、二人きりなんかじゃなくて、わたし達の周りにはこ、こんなに一杯SPさん達がいるし!」 「―――彼らの事なら何も気にしなくても平気ですよ。風景だとでも思ってくだい。彼らは僕が命令しない限り何もしはしませんし。……それに」 健人君が再び指を鳴らすと、SPさん達は周囲からわたし達を覆い隠すように円陣を組んだ。……さっきの合図と変わってないのにどうしてそう連携が取れるのかしら? 「……これで人の目を気にすることもなくなりました。誰か通りがかっても僕達には気がつかないでしょう」 こ、こんな屈強な人達が固まってたら気がつかないわけないでしょ……ただ絶対に近づいてはこないでしょうけど……。 真っ直ぐにわたしの目を見つめ、健人くんがじりじりとわたしとの間合いを詰めてくる。 「―――先程の僕の告白、憶えてらっしゃいますか?僕は……あなたが大好きです。誰よりも大切な人だと思っている」 あ、そうだ、その言葉。それは……。 それは……わたしの欲しかった言葉。 でも、違うの。彼は決定的に勘違いをしてるわ。 「あなたもまた心の中で僕の事を憎からず思っている…それはさっきの反応からも明らかです」 「あ、あのね、それは違うのよ、健人くん!わたしが思わずボーッとしちゃったのは確かだけど、そういう理由からじゃなくて!そ、その―――…」 わたしが何よりも求めていた言葉。 だから―――催眠術をかけられたみたいについうっとりしちゃったけど。 けどね、それを言って欲しかったのは、あなたじゃなくて――――…。 背後にいたSPさんがわたしの背中を軽く、トン、と押した。 そのせいで前につんのめったわたしの身体を、健人くんが優しく抱きとめる。 「あ、あの…あ、ありがとう……え、えーと、は、離してくれないかしら?」 「―――…山吹さん、感じますか、僕の鼓動を!あなたを抱きしめられるなんて……もう僕はこの胸の高鳴りを抑える事が出来ません!!」 わたしの言葉が伝わっていないように、健人くんはわたしの体に回した腕に力を込めた。意外にも―――というか仮にも男の子だけあって、わたしの力ではその腕は振りほどけない。 ちょ…ちょっと……い、痛い………!! きつく抱きしめられ過ぎているせいか肺が圧迫されてるみたいで、わたしは非難の声すら絞り上げることが出来ずにただ口をパクパクさせるだけ。 そんなわたしの様子を見て、また何を勘違いしたものか、健人くんは幸せそうに微笑んだ。 「………(パクパク)」 「ああ、山吹さん、これが心が繋がってるということなのでしょうか……今の僕にはあなたの気持ちが手に取るように分かりますよ!」 「…………(パクパクパク)」 「あなたはこう言いたいのですね、『愛し合う僕たちに言葉など不要、ただ愛の誓いさえあればそれでいい』と!!」 ……どう解釈したらそういう風に取れるの……。 呆れるやら苦しいやらでわたしの全身の力がどっと抜けた。 「そう、山吹さん、それでいいのです。やはりこういう事は男性がリードしないと……」 グッタリとしたわたしの事をまたどう感じたものか、彼はそう言うと軽くわたしの顎を指先で持ち上げる。 え…?こ、この態勢って……ま、まさか……!! 危険を感じてわたしは必死に顔を背けようとした。 けれど、側頭部を背後のSPさんにガッチリと抑えられてしまい、健人くんと無理やり向かい合う羽目になってしまう。 そんなわたしの視界いっぱいに飛び込んできたのは―――――…… ニュウッと突き出された彼の唇だった。 い、イヤ!!イヤイヤ!! その姿は彼女の嫌いな軟体生物を連想させるようで、わたしの肌が一気に粟立つ。 そうよ、彼女。わたしのこの唇に触れていいのは彼女だけなの! 声にならない声をあげて、わたしは必死に彼女の名前を呼んだ。 (助けて――――美希ちゃ――――……) その思いも空しく、あわや彼の唇がわたしの唇に重なろうとした刹那。 「待ちなさい!!!!!」 聞き慣れた、凛とした美声が岩陰に響き渡った。 ***** 周囲にいたSPさん達がザザッ、と警戒のポーズを取る。 彼らが見上げた先、小高い岩の上に立っていたのは勿論――――。 (美希ちゃん!助けに来てくれたのね!!あ…でも…その格好……) なんとか首を捻って彼女の姿を見たわたしは思わず目を疑ってしまう。 岩の上に立ち、わたしたちを見下ろす美希ちゃんは……パーカーも羽織らずビキニのまま。 駄目よ美希ちゃん、そのままじゃ日に焼け……あら? 不思議なことに、それを一番気にしてるはずの彼女は、少し息が上がってるものの、平気で陽光の元に肌を晒していた。 「あ、蒼乃さん!ど、どうしてあなたがここにいるのですか!?」 意味合いこそ違え、わたしの言いたかった事をを御子柴くんが代弁してくれた。そ、そうよ、美希ちゃん、早くパラソルの下に戻らなきゃダメ!! 「…どうしてって、用があるから来たに決まってるじゃない、ブッキー…彼女にね」 そう言った美希ちゃんの目には何か強い決意の光のような者が宿っている。?何か思いつめてるような…? 「―――用なら僕たちの甘い逢瀬が済んでからにしていただけませんか?いくら彼女と親友同士とはいえ、恋の邪魔をするのはいささか無粋ですよ?」 健人くんが私の気持ちも知らずに勝手な事を言い出す。ちょっと!やめて!わたしの恋の相手は美希ちゃんだけなの! お願い、美希ちゃん!何か言ってあげて!! 「………そうね。いくら親友で幼馴染みだといっても、人の恋路の邪魔をする権利なんて……残念ながらないわね」 ―――え? 美希ちゃ……今……なんて…言ったの? 「ブッキーがあなたを選んだというのなら……」 美希ちゃんはそう言って悲しそうに顔を伏せてしまう。違うわ!そんな事あるわけないじゃない!!わたしが好きなのは―――。 どんなに声を張上げて否定の言葉を言おうとしても、わたしの口はただパクパクと動くばかりで一声も発することが出来ない。 「決まってるじゃありませんか、あなたもさっき見たはずですよ?僕の告白に頬を赤らめる彼女の顔を。もはや僕達は相思相愛。引き裂くことなど誰にも出来ないのです!」 まさか…美希ちゃんまでわたしがあの言葉に不覚にもときめいてしまった事を勘違いしてるの? 違うの!信じて美希ちゃん!!わたしが好きなのはあなただけなの!!お願い!わたしを健人くんから奪い返して!! 「…………」 わたしの願いも届かないのか、美希ちゃんは俯いたまま。ただ、その手は遠目に見ても強く握り締められ、震えているのが分かる。 そんな……美希ちゃん……。 「……用があるだけって言ったでしょ?あたしは……彼女にどうしても伝えたい事があるだけよ」 「どうしても……ですか?……祝福の言葉なら後でもいいと思いますがね」 御子柴くんが目配せすると、SPさん達が警戒の態勢を解いた。 「…………聞いて、ブッキー……」 少しの間を置いたあと、決意したかのように美希ちゃんの口が開かれた。 「あたしは……その…あたし自身情けないと分かってるんだけど……ちょっと……恥ずかしかったり、ま、周りの目を気にしちゃったりして……今まであなたに大切な事を伝えられなかったわ……」 彼女の口から、搾り出すかのように言葉が紡ぎ出される。 「幼馴染で……いつも傍にいたからって、甘えてた気持ちもあったのかもしれない。あたしの想いをきっとブッキーなら言わなくても察してくれるって思ったり……そのうちに口に出さなきゃ、って……でも……これからもあなたが傍にいてくれるなら……いつか伝えればいいかな、なんて……」 美希ちゃん……。 彼女の辛そうな表情に、わたしの心が締め付けられる。 ううん、伝わってたわ。けど、言葉にして……形にして欲しかったのはわたしの我儘。 それはわたしも、わたし自身でも分かっていた事なの。 「…………!!」 その気持ちをなんとか口にしようとしても、わたしの口はただパクパクと金魚みたいに開け閉めを繰り返すだけ。 言いたい事が言えないなんて……これじゃまるで足と引き換えに声を奪われたっていう―――……。 「……でもね、ブッキー。あたしは人魚姫なんかじゃないのよ―――自分の気持ちを伝えられないまま消えちゃうなんてゴメンだわ!!」 わたしの心を読んだみたいに、美希ちゃんは童話のお姫様の名前を言って顔を上げると、思い切るように大きく、深く息を一度吸い込んだ。 「―――あたしは!蒼乃美希は!誰よりもあなたを、山吹祈里って女の子が――――!!」 わたしの目を真っ直ぐに見つめて。 誰に恥じることも、照れることもなく。 塞き止められていた水が一気に開放されるように。 「大好きなのーーーーーっ!!!」 ――――わたしが一番聞きたかった言葉を、一番言って欲しかった人が、叫んだ。 途端に、わたしは締め付けていた健人くんの腕から逃れていた。美希ちゃんの発言に驚いて、彼の腕の力が抜けたっていうのもあるけど。 けど、それだけじゃない。わたしは一刻も早く、美希ちゃんの元に駆け寄りたかったから――――その為ならどんな固い束縛だって、きっと振りほどいただろう。 「美希ちゃん!!!」 健人くんと同じように呆然と立ち尽くすSPさん達の間をすり抜け、彼女の元へと走る、走る。 そして美希ちゃんの立つ岩の下へ辿り着くと、わたしは彼女に向けて大きく手を広げた。 「ブッキー!!?」 その行動にちょっと美希ちゃんはびっくりしたみたいだったけど、わたしの意図が伝わったように、こくん、と頷いて足場を軽く蹴って。 わたしの腕の中に、華麗に舞い降りてきた――――んだけど。 「きゃっ!」 「わっ!」 受け止められきれずに、彼女を抱えたまま、わたしは、どすん、と大きく尻餅をついてしまった。 「痛た……み、美希ちゃん、平気?」 「ブッキーこそ……怪我してない?もう…無茶するから…」 「だって……わたしじゃあの岩登れなかったんだもん」 「だからって……いい?そういうカッコイイ役目は、あたしがやるものなの」 顔を見合せ、相手の心配をしながらも、どちらからともなくわたし達は微笑み出した。 「ふふ、そうね。じゃあ―――次はお願いね。だって美希ちゃんはわたしの―――」 わたしの言葉に、彼女は少し面食らったような顔をして、自信なさげに顔の前で手を組み、モジモジと指を絡めだす。 「え?ブッキー……でも貴方はその……み、御子柴くんの方を………」 「わ・た・し・の・?」 私の促すような強い口調に、美希ちゃんは軽く咳払いをすると、今度こそ、ゆっくり、ハッキリ、そして優しく……後を続けた。 「あなたの―――――恋人、よ」 そのままお互いの背に手を回し、きついくらいに抱きしめ合う。もう二度と離れたりしない、って心の中で誓いながら。 そんなわたし達の様子を見ていたSPさん達から、なぜかパチ……パチ……と手を叩く音が聞こえ出した……。 最初はさざ波のように静かに、そしてやがて荒波のように激しく―――美しい舞台を見終えた観客のように。 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ………!! また健人くんが何か合図したの?と目をやると……どうやら理解を超えた光景を目にしたショックからか……その……彼は立ったまま蟹さんみたいに泡を吹いてて……。 少し可哀想だけど……ごめんなさい、健人くん……まるであなたの気持ちが泡になっちゃったみたいね……あの童話みたいに。 ともあれ、万雷の拍手の渦の中、わたし達は愛おしい恋人の鼓動をずっと感じ続けた。 ***** 陽光が輝り返して煌めいている波を眺めながら、わたしは隣に座った美希ちゃんにもたれ掛かっていた。 あの後、SPさん達は気絶した健人くんを担いで去っていき、わたし達は二人きり、こうしてパラソルに戻る事もせず、ずっと寄り添っている。 少し離れた場所にいるからか、この辺りには人影もまばらで、とっても静か―――……。 「えりか!い、いい加減に水着返してくださーい!!」 「海風に揺れる一輪のブラ!ホラホラー、アタシが好きなら捕まえてごらんよー!」 し、静かでもないわね。というか、あの子達まだやってたのね……。 と、貝みたいに口を閉じて考え込んだままだった美希ちゃんが話し出した。 「ねえ、ブッキー」 「ん?どうしたの、美希ちゃん?」 真剣な彼女の口調に、もたれた身体を起こすと、その横顔を見つめる。何かしら、思いつめているような……? 「……今回の事でね、その……あたし反省したのよ。当たり前だけど……言わなければ伝わらない事って絶対にあるのよね」 「そんな……伝わってたわ。わたしが……欲張って言葉にして欲しがってただけで……」 「でも、きっとそれが重要なんだと思うの。きちんと言葉にして、その時々の気持ちを相手に伝えるって……よく言うじゃない、苺がどう、とか」 「えーと…い、一期一会、かしら…?」 「ま、まあ要するに一度きりの機会を逃さないって事……よね?」 それで合ってたかしら、と首をかしげるわたしへと向き直ると、美希ちゃんはギュッ、とわたしの手を握り締めてくる。 「伝えたいことはその時にキチンと言うようにするわ。どんなに照れくさかったり恥ずかしかったりしても、ね」 「うん……」 その言葉が嬉しくて、わたしは彼女の手を握り返した。 それがスイッチにでもなっていたかのように、彼女の口が開かれる。 「好きよ…ブッキー……大好き」 「美希ちゃん……」 頬に熱を感じながら、貝殻を耳に当てて潮騒の音を聞くように、わたしはうっとりと彼女の声に聞き惚れた。 「心から好きよ。子供のころからずっと好きだった。その栗色の髪も、琥珀色の瞳も」 「嬉しい………」 おそらく、彼女からの初めての愛の囁きに、わたしの胸は高鳴り始める。 そう、これなの!わたしが求めていたのは!本当に好きな人からの甘い愛の告白! 「勿論外見だけじゃなくて、子供や動物に優しいところも、人の気持ちを考えて行動するところも……ちょっと運動が苦手なところも可愛いくて好き」 「やだ……」 いつになく饒舌に、かつ情熱的に、美希ちゃんは赤面しながらも言葉を続けていく。 その表情は真剣で、わたしは彼女が心の底からそう言ってくれているんだって信じられて……思わず舞い上がってしまいそうになる。 ありがとう、美希ちゃん、わたしも……あなたの事が……。 と、口に出そうとしたわたしの思いを遮るように、美希ちゃんは畳み掛けてきた。 「その黄色いビキニも似合ってるし、そ、その、やっかむワケじゃないけど、お、大きめのバストとか、あたしにない部分で好きなの」 「ちょ、ちょっと……や、やだ……は、恥ずかしいわ……」 「もう好き好き好き、大好き!ブッキーの事考えただけで他の事が手につかなくなる位に好き!大好き!愛してる!!」 「あ、あの、美希ちゃん、それくらいで……」 彼女の怒涛の勢いにわたしもさすがに面食らってしまう。 ま、待って美希ちゃん!少しはわたしの話も――――。 「ブッキーの傍に居るだけでどうにかなっちゃいそうなくらいにだーいす―――――」 「もうっ!!!」 そういうのはあんまり言い過ぎると逆に有難みって物が無くなっちゃうんだから! 放って置けばいつまでも続きそうな愛の言葉を止めるようにして、わたしは立てた人差し指を彼女の唇へと押し当てた。 その行為にキョトン、とした様子の美希ちゃん。わたしは人差し指を外し、そのまま彼女の首へと両手を回す。 「次は言葉だけじゃなくて、行動で示す事も覚えて、ね?」 今度は唇で、彼女の柔らかな唇をわたしはそっと塞いだ。 そのまま美希ちゃんの身体を抱えるように、柔らかな砂の上へと一緒に倒れ込んでいく。 「ブ、ブッキー?!」 ―――今度は美希ちゃんが面食らう番ね。 わたしは彼女に馬乗りになると、覆いかぶさるようにしてその耳元に囁く。 「わたしだって美希ちゃんの傍にいるだけでどうにかなっちゃいそうなんだから……」 「あ…や、ぶ、ブッキー……」 イヤイヤと首を降る美希ちゃんの顔は、羞恥からか更に真っ赤になって……それが尚わたしの気分を高揚させる。 ううん、よく見ると顔だけじゃない、彼女の体全体が朱色に染まっている。 わたしは躊躇うことなくその熱くなった肌に舌を這わせ……。 「痛い!!」 美希ちゃんの悲痛な叫びで我に返ったわたしは、重要な事を忘れていたのにようやく気がついた。 「美希ちゃん!!大変!!!」 ***エピローグ*** 「大丈夫?!美希ちゃん!?……普段日焼けしないようにしてるから、肌が敏感なのかしら……?」 「痛い……痛い……」 ホテルの一室で姉さんに心配そうな声をかける山吹さん。……その前のベッドにはグッタリとした姉さんが横たわっている。 自慢の白い肌が真っ赤になって腫れ上がっているのが痛々しい……見るも無残ってこういう事を言うんだろうな。 「……全く……全然戻ってこないと思ったら……一体何してたの?姉さん達」 「う……」 「あ、そ、その……」 僕の問いに今度は山吹さんまで真っ赤になる始末。まあ別に問いただしたりはしないけど。 ともかく、姉さんをこのまま放って置くわけにも行かないだろうな……日焼けに関しては僕も責任感じてるし。 「とりあえず何か薬を買ってきますよ。塗り薬……でいいのかな」 「あ、和くん、わたしが行くわ。そういう事ならわたし詳しいし!」 「山吹さんは姉さんの傍にいて下さい」 「で、でも……」 「知識があるならその方が安心です。薬局で聞けば大体分かると思いますから大丈夫ですよ」 「う、う~……ほ。ホントゴメンね……和希……」 申し訳なさそうな姉さんの声に軽く手を振って返すと、部屋を出る。 後ろ手にドアを閉めると、ちょっと皮肉っぽく呟いてみた。 「知識がなくたって、あなたが傍にいた方が姉さんにとってはいいんですよ、山吹さん」 胸が押しつぶされるように、ぎゅうっ、と痛む。 本当だったら、それが僕の役目であって欲しかったんだけどな。 きっといつまでだって、姉さんと僕は二人で一緒にいると思っていたけど。 でもいつの間にか、家庭の事情とはいえ僕達は離れて暮らすようになり、彼女は自分の王子様を見つけてしまった。 お姫様、と言った方がふさわしいんだろうけど……僕にとってのお姫様は……姉さん一人だから。 「……久しぶりに、太陽の下で泳ぐ姉さんの姿、見たかったな」 ―――優雅で、美しくて、彼女の起こした水しぶきまでもが真珠のように輝いて見えて。 幼い頃、その姿に心を奪われて……それからだろうか、自分が彼女を意識するようになったのは。 子供の時に見た光景が、今でもハッキリと脳裏に浮かんで……再び持病とは違う、鈍くて、重い痛みを胸に感じる。 だけど、正直に言って―――彼女と……山吹さんと一緒に泳ぐ姿は見たくなかった。 我儘だな、と我ながら呆れてしまう。 姉さんの隣には山吹さんが必要なんだって事は重々承知していて―――でも尚、その光景だけは目にしたくはなかった。 大切な初恋の思い出が、新たに失恋の思い出として上塗りされていくみたいで。 ………まだ子供、だな。僕は。 「……結果的にはあの二人、色々と上手くいったみたいだけどね。……とはいっても、姉さんがあの様子なら、二人きりで夜を過ごしても安全、かな」 軽く肩をすくめると、Tシャツの上に羽織ったパーカーのポケットに手を突っ込み、ホテルを出て海岸沿いの歩道をゆっくりと歩く。 海を眺めながら歩いていると、姉さんの昔読んでくれた絵本が頭に浮かんで来た。 ………想いを口に出来ずに、最後には泡になってしまった少女の恋の物語。 本当に彼女に似てたのは……他の誰でもなく、実は……。 そんな考えを頭を振って追い払う―――ちょっと感傷的で……ロマンチック過ぎるかな。 月の光を浴びて光る海が童話の挿絵みたいにあまりにも美しくて……そんな気分にさせてるのかもしれない。 と、この絵には似つかわしくない、歩道の脇に備え付けられたゴミ箱が目に入って来た。まるで僕を現実の世界に引き戻そうとするかのように。 苦笑いを浮かべて、パーカーのポケットを探りながら、誰ともなく問いかけてみる。どうやらまだ感傷的な気分は抜けきれていないらしい。 「ねえ、人魚姫だって、本当なら王子様に少しは意地悪してから消えたかったんじゃないかな?」 姉さんのバッグからこっそりと抜いておいた物をポケットから取り出し、目標めがけて軽く放る。 「まあ、血が繋がってるから想いを伝えることが出来ない、って不満の腹いせにしては、これくらいは軽い方だと思うよ」 カラン、とゴミ箱の中で、日焼け止めの瓶が小さく音を立てた。 了
https://w.atwiki.jp/83452/pages/7627.html
戻る 両作品とも、各キャラの動き方から何から色々と上手い…… 丁寧なクロスの見本みたいなSSだった -- (名無しさん) 2010-09-28 00 16 43 元ネタ知らなくても面白く読めるってすごいよなあ クロスはこうあるべき -- (名無しさん) 2010-09-28 00 17 50 花言葉のチョイスが秀逸や -- (名無しさん) 2010-09-28 01 16 48 憂の心の花って実はアニメで憂の心情描写として使われてるんだよな -- (名無しさん) 2010-09-28 01 21 44 素晴らしい… -- (名無しさん) 2010-09-28 02 01 05 これは傑作だわ -- (名無しさん) 2010-09-28 02 30 30 これすごい良いですね。 花言葉聞いてぴったりだと思いました。 -- (通りすがり) 2010-09-28 06 58 33 唯と憂のお互いの愛情がものすごく深くて切ない そして憂良い子すぎる 花言葉を扱うアニメだけあって花言葉の描写では鳥肌立ちました -- (名無しさん) 2010-09-28 07 29 56 傑作 感動した -- (名無しさん) 2010-09-28 10 52 26 なんつーかこれ唯憂でよくね? -- (名無しさん) 2010-09-28 21 39 24 完璧だ -- (名無しさん) 2010-09-29 03 30 58 スゴくいい!プリキュア知ってればもっとよかったんだろうな -- (名無しさん) 2010-09-29 03 40 40 これは良すぎだろもう、感動した -- (名無しさん) 2010-10-01 22 32 35 はいはい神SSですわ 画面が涙で見えません -- (名無しさん) 2010-10-05 20 45 26 すげえ…感嘆しかできねえや -- (名無しさん) 2010-10-07 19 01 28 うおお、花言葉うまいなあ ほんとうまい -- (名無しさん) 2010-10-08 07 45 57 素晴らしい、泣いた -- (名無しさん) 2010-10-08 22 34 40 花言葉が素晴らしい! もっといろんな人に読んで欲しい作品だね -- (丼) 2010-10-13 23 28 40 ハートキャッチプリキュア4話くらいまで見たらこのSSで生きていけるようになるわ -- (名無しさん) 2010-10-14 21 55 10 唯と憂の愛情表現が最高だなあ最高だなあ -- (名無しさん) 2010-10-19 22 57 01 なんか普通にプリキュアの1エピソードとして 放送できるんじゃね?ってぐらい良く出来てる -- (名無しさん) 2010-10-23 18 51 41 最高です!!! -- (名無しさん) 2010-11-02 10 59 56 本気で涙流しながら読んでたわ -- (名無しさん) 2010-11-02 21 17 22 アニメのハートキャッチプリキュア!も熱くなってきたので久しぶりに読み返してみた 久しぶりに読んだらまた泣いた 想い合う姉妹は本当にすばらしい -- (名無しさん) 2010-11-09 19 47 23 完結記念カキコ というか、ハトプリは物語の構成上クロスオーバーが非常にしやすい万能な作品だなwwwあと他に合わせられるならフレプリか新作スイプリがあうか 誰か書いてくれへんかのう -- (名無しさん) 2011-02-15 02 17 45 挿絵の唯のデフォルメ感がヨス!(^O^) ブロッサム「唯さんならキュアギー太になれます!」 マリン「!?」 唯「うんたん♪」 -- (名無しさん) 2011-05-20 10 21 10 けいおん!もハトプリも両方見てたから楽しめた。 あと、このSSの軸となる唯憂の姉妹愛もこのくらいのさじ加減がちょうどいい(これがカプ批判に当たるのであれば謝ります。すいませんでした)。 -- (名無しさん) 2011-07-02 08 19 44 プリキュアは知らんけどこれはなかなか・・・。 -- (名無しさん) 2011-12-27 21 29 11
https://w.atwiki.jp/bressingprecure/pages/34.html
サンバーンの腹心 ブレッシングプリキュアの先鋒。 他シリーズでいえば、ピーサードとかカレハーンとかギリンマとかみたいな人。 つまりは最初の犠牲者でもある? ネーミングの由来は太陽フレアに基づく。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/940.html
わたしは夢をみていた。 近頃の夢の中にはいつも桃色の戦士が出てくる。そしてあれは彼女の仮初めの姿だ。 変身を解除した彼女――――それが桃園ラブ。桃色の戦士キュアピーチの本来の姿。 「せつな!」 ラブは、身体を擦り寄せてくる。わたしはせつなじゃないのに。 「せつな?」 その名前で呼ぶな!お願いだ……。 本当のわたしの名は、イース。 ラブ、わたしはイースとしてお前と出会いたかった。イースとしてお前と友達になりたかった。イースとして、お前と……。 夢の中だからなのか、わたしの強い気持ちが通じたと見えて、ラブは素直に名前を呼び変えた。 「イースぅ!」 強く抱きついてくるラブに戸惑いながらも、嬉しくて抱き締め返す。 ここなら、この夢の中でなら、素直になれる。自分の気持ちに正直に。 「イース、はい、あーんして」 いつのまにかラブの手にはドーナツが握られていた。 恥ずかしいが彼女には逆らえない。 「あ、あーん……」 もぐもぐ……。噛み締めたドーナツからふくよかな味が広がる。幸せってこういうことなんだろうか。 「美味しい?」 「あ、ああ……」 「じゃあ次はアタシの番だよ!いただきまーす」 いきなりラブはわたしの唇にキスをした。 その柔らかい舌で、強く深くえぐられる。 息ができない。苦しい。なのに何故か、嬉しくて。唇から何かが注ぎ込まれてくるような不思議な感覚。 みるみる力が抜けていき、代わりに今までに味わったことのない熱い戦慄が駆け抜け、身体の隅々を満たしてゆく。 ぐったりと、半分溶けたアイスクリームみたいになったわたしを見て、ラブは囁いた。 「イース、可愛いよ……可愛いあなたをもっと見せて……」 わたしを見つめ、ラブは陶然としている。 やがて貪るようなキスが再開された。 食べられている。口づけられながらそう思った。 ラブになら、いいわ。あげる。わたしのすべてを。 気づけば戦闘服は消え去っていて、あらわになった胸の膨らみにラブが口づけていた。 ふたつの頂きを優しく吸ったり、離したり、舐めたり、甘く噛んだり、指で転がして、軽く弾いたり。 そうされていると、何故だか鼻にかかった甘えるような声が出てしまう。 「イース、もっともっと、いっぱい気持ち良くしてあげるね」 そんな風に、わたしのために一生懸命になるラブが、何だかとても愛しいと思った。 彼女によってもたらされた感覚のせいで、息遣いが速く、荒くなってゆく。 波のようにうねった快感が押し寄せる。その未知の感覚に、身体のすべてが絡め捕られていくようだった。 胸の尖端を一心に愛撫されながら、強く激しいラブの舌で耳を舐め上げられ、わたしは小さく痙攣した。 「そんなに気持ち良かったの?」 ぴくぴくと震えるわたしの身体を優しげにさすりながら、ラブは寄り添うように我が身を横たえた。 「疲れた?」 「ううん、なんだかよく、わからない。けど……嫌じゃない」 それを聞くと、ラブはニコッと微笑んだ。 「じゃあ、続き……する?」 わたしは黙って頷く。 「もしも嫌なら、やめるよ」 心配そうに言うラブ。けれどやめてほしくはない。むしろ続けてほしいのだった。 ラブがしたいのなら、もっとわたしに触れてほしい。そして、未知の世界に連れて行って欲しい。そう心から願っていた。 わたしは今や、蜘蛛の巣に捕らえられた一匹の羽虫のようだった。 ぐるりと張り巡らされた巣は、朝露に濡れたようにキラキラと輝いていた。 その真ん中では、わたしという小さな供物が喜びに胸を震わせている。巣の主に食べられる瞬間を、今か今かと待ち焦がれながら。 この愛しい蜘蛛になら、わたしは喜んでこの身を捧げるだろう。 「どうする?」 「……して……」 「いいの?これ以上したら……もうあたし止まれないよ」 「止めないで……最後までして。ラブになら、何をされてもいい……」 「好きだよ……イース」 ラブは口づけをくれた。微力ながらわたしもそれに答える。 キスに夢中になっているわたしの両脚をラブの片脚がそうっと拡げる。 膝頭が脚の間に触れ、何かを確認するようにやわやわと撫で回した。 「イースのここ、すごく熱くなってるよ。いっぱいこぼれてる……」 熱のこもった眼差しで見つめられながら報告を受けると、ますますそこは熱くたぎり、燃えさかるようだった。 ラブのしなやかな指が、わたしのぬめりに入り込んだ。かき混ぜられ、一枚、もう一枚と拡げられていく。 やがて、最も敏感な部分に触れられると、自然と身体がよじれ息が乱れた。 「ここ……好き?」 聞かれても声が出なくて答えられない。 いや、そうじゃなかった。さっきから声はずっと出続けている。とどまることなく。 「好きだよね……だってこんなに喜んでくれてるもん」 ラブは嬉しそうに呟いた。 けれどわたしは、そんな可愛いラブに、つい意地悪をしたくなる。 「好きなのは……そこじゃない」 「じゃあ、どこ?」 「好きなのは、ラブ、お前だ」 案の定、ラブはもっと嬉しそうな顔になった。 どこからか水の音がしている。その音は、こんこんと湧き出る泉のように尽きることを知らない。 濃密な匂いが充満した空間の中、ラブの指の動きが速まっていき、それに呼応して水音も速くなる。 何度となく腰が跳ねる。きつくつぶった瞳には瞼の肌色が透けて見えていた。 ああ、何も考えられない。身体ごと跳んでいくようだ。次の瞬間、本当に跳んでいた。 気づくと、目の前には心配そうなラブがいた。 「だいじょぶ?」 「……ああ……終わったんだな……」 「今夜はこのくらいにしとくね。イースが壊れちゃう」 「……ラブになら何をされてもいいのに。例え壊されたって平気だ」 「そんなのだめ!」 「どうして?」 「だってあたしがイースを幸せにするんだから!」 見つめ合い、微笑み合う。自然と唇が重なり合い、身体は絡み合う。 終わらない夜が、明けることなく更けてゆく。 夢を見ていた。最大の敵にして、最愛の友の夢を。 彼女を愛し、彼女に愛される。そう。これは、夢。わかっている。 けれど、夢の中で確かにわたしは幸せだった。 了
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/10403.html
登録日:2010/02/08 Mon 22 49 53ですぅ 更新日:2024/05/21 Tue 05 41 00NEW!ですっ 所要時間:約 8 分で読めるでしゅ ▽タグ一覧 10年冬アニメ 2010年 ABC DJ ※日曜朝8時30分です。 おジャ魔女どれみ こころの大樹 こころの花 アニメ テレビ朝日 トロピカル〜ジュ!プリキュア ハートキャッチプリキュア! ビターエンド フォルテッシモする? プリキュア プリキュアシリーズ 久川綾 五代目 人気作 伝説の最終決戦 地デジ対応 子供向けアニメ ←大人も楽しめるストーリー 山田隆司 心 感動のラスト 東映 東映アニメーション 桑島法子 水樹奈々 水沢史絵 涙腺崩壊 砂漠の使徒 稀にギャグあり 終盤は鬱展開の嵐 花 花言葉 豪華声優陣 長峯達也 馬越嘉彦 高血圧ヒロイン 鬱 鬱展開←主に中盤と終盤 あなたのハートをキャッチします! あつまれ!4つの花の力よ!! 『ハートキャッチプリキュア!』とは『プリキュア』シリーズ7作目で、5代目にあたるプリキュアである。 略称は「ハトプリ」「ハトキャ」。 放送時期は2010年2月から2011年1月。 ◆概要 例によって世界観を一新しただけでなく、何と言っても 従来作と大きく毛色の違う絵柄 が特徴。 本作では、『おジャ魔女どれみ』シリーズでキャラクターデザインを担当した馬越嘉彦が キャラクターデザイナーに起用されており、ぶっちゃけまんま『どれみ』の画風である。 本作の放送当時20代くらいの人間なら、キャラクターデザインを見ただけで「あ、同じ人だ」と気付いた人もいたかもしれない。 また、シリーズ構成は『どれみ』のシリーズ構成を担当した山田隆司が起用された。(なお、各話脚本は「栗山緑」名義でクレジットされている) 作風は『どれみ』の系譜を継ぎ「人助け」「人情話」がメインに置かれた設定となっており、 「毎回悩みを抱えたゲストキャラが登場し、その悩みがモンスターとなって襲いかかる」 というストーリー展開が特徴である。 この「人の心を媒体に怪物が生まれる」という斬新なパターンは『プリキュア』シリーズに新しい風を吹き込み、 後年のいくつかのシリーズでも踏襲される事となる。 デザインがシンプルになったことで、前作のフレッシュよりもアクションシーンが重視された。 前作は回によってマチマチだったが、本作はかなりの回で戦闘が派手でよく動く。 ちなみに、本作のシリーズディレクターは『どれみ』シリーズで演出デビューとなった長峯達也が担当しており、 馬越嘉彦と山田隆司の起用は、長峯の意向によるものであるとのこと。 この作品で久々に集合した『どれみ』スタッフの面々は意気投合し、 後に『おジャ魔女どれみ16』シリーズを始めとしたシリーズ再展開のきっかけになったという。 前情報ではそんなアクの強い絵柄に対して賛否両論だった(*1)が、 第一話放送時の出来栄えに、大きなお友達がハートキャッチされた。 変身アイテムがケータイから香水になるなど新しい試みもあるが、EDがCGのダンスだったり、 3人目以降のプリキュアの存在を匂わせるなど、前作を引き継いでいる部分も多い。 本作は当時最大収益を上げていたプリキュア2作目の『MaxHeart』を僅かに追い上げ、『プリキュア』シリーズで過去最大の商業成績を記録。 ちなみに、この記録は2023年現在も破られていない。 他のシリーズに比べて女児向けコンテンツのライバルが多くなかった(*2)事も追い風だったと思われる。 更に主演の水樹奈々が歌手活動を通じて一般層への認知度を上げ始めた時期に放送された影響も相まって、この頃からはマスコミ露出も増加しており、プリキュアが名実ともに市民権を得るようになってきた頃の作品でもある。 その末に雑誌の表紙を中の人が飾った結果、当時水沢史絵がナレーション、というかある番組のマスコットを担当していた際、MCの天野ひろゆきに散々イジられるという公開処刑を受けた。 一方で多忙な水樹奈々(*3)はなかなかイベントに出られず、水沢史絵がハートキャッチ代表のような扱いをされていたのも印象深い。そして、彼女が担当したキュアマリンは歴代プリキュアの中でも屈指の人気を獲得する事になる。 なお本作のプリキュアコンビは仕事以外ではほとんど会っていない一方で、水樹奈々曰く水沢史絵とは永遠の友情を誓ったとのことで、ラジオに呼んだ時は大いに盛りあがった。 しかしプライベートで遊んでいないことを明かすと、これまた先の番組で天野ひろゆきにイジられていた。 「奈々ちゃんが忙しいんです!」 これらの理由によって、シリーズ最高傑作に挙げるファンも少なくない。 今作では、より「子供向けへのシフト」を目標。 また、地上デジタル放送ではクイズでプリキュアポイントを溜めるなどの連動企画があった。 「その手は桑名の焼き蛤です!」 「合点承知の助!」 ……子供向け? ◆あらすじ 中学2年生の「花咲つぼみ」は「謎の人物達が争い、木に咲いている花が全て枯れる」という不思議な夢を何度か見ていた。 数日後、私立明堂学園に転入したつぼみは、新しい生活を機に引っ込み思案を克服しようとするも、 クラスメイトの「来海えりか」にハートブレイクされて失敗。 その後、つぼみは自分の夢に出てきていた妖精に実際に遭遇。 「こころの大樹に花を咲かせて欲しい」と頼まれ、つぼみは一度は拒否するも、 謎の変人に「こころの花」を奪われたえりかを救う為、「プリキュア」に変身することを決意する。 ◆主な登場人物 【プリキュア】 馬越氏曰く「コンプレックスからの解放」というテーマがあるそうで、 各々の抱える弱さがキャラクターに設定されている。 花咲つぼみ/キュアブロッサム (声:水樹奈々) 鎌倉から引っ越しをし、希望ヶ花市の「私立明堂学園中等部」に転校してきた女の子。 眼鏡をかけた冴えない外見で引っ込み思案、素直で丁寧な性格&口調。勉強は古文と理科が得意。 転校を機にコンプレックスである性格を克服したいと思っている。歴代最弱のプリキュア(らしい)。 実家はフラワーショップで、将来の夢は宇宙飛行士。 決め台詞は「堪忍袋の緒が切れました!」 高血圧。 性格に反して芯は強いらしく、初変身~名乗りまで見事なアドリブを決めた。 来海えりか/キュアマリン (声:水沢史絵) 明堂学園の生徒で、つぼみのクラスメイト。 お節介でかなりマイペース、思ったことがすぐ口に出る女の子。 初登場時につぼみのハートと一部視聴者のトラウマをえぐりズタボロにしたが、本人に悪気はない。ウザかわいい。 変身で頬に手を当てるシーンにやられた者は多いだろう。 決め台詞は「今度までに考えとく!」ではなく「海より広いあたしの心も、ここらが我慢の限界よ!」 前作と違い物騒な口癖の二人。 明堂院いつき/キュアサンシャイン (声:桑島法子) 第3話から登場。学園の生徒会長。 武術も勉強も得意という、文武両道を体現したイケメン……と思いきや、じつは女の子。 家のある事情により「男装」して学校に通っており、ふだんは男のようにふるまっているが、 やはり女の子なのか、可愛い物にはメがない。 決め台詞は「可愛い~」ではなく「私の光で照らしてみせる」 燃えと萌え担当。 えりか同様、「プリキュア」になる以前に「デザトリアン」化したことがある。 やはりスタッフは黄色い子好きなのか、総数約5000枚の変身バンクという気合いの入れっぷり。 その為、可愛さ余って憎さなんたらという少数意見も。 変身後の笑顔はとてもかわいい。 月影ゆり/キュアムーンライト (声:久川綾) えりかの姉の来海ももかの親友で、つぼみ達の夢の中に登場したプリキュア。 当初は変身能力を失っていたが、復活。 つぼみ、えりか、いつきの後輩三人組より遥かに強い。もうあいつ一人でいいんじゃないかな 『今よ!』という台詞に視聴者大反響。 「月光に冴える一輪の花、キュアムゥウウンライトォッ!」 キラキラ☆プリキュアアラモードに琴爪ゆかりと剣城あきらが登場するまでは、現役としては唯一の高校生にして、最年長プリキュアだった。 【砂漠の使徒】 「こころの大樹」や「こころの花」を枯らして、世界征服を企む集団。 サバーク博士 (声:楠大典) 砂漠の使徒の指揮官。仮面をつけた謎の男。 ダークプリキュアを創造し、キュアムーンライトの打倒に執念を燃やしている。 しかし、その一方で彼女にある想いを抱いており……。 ダークプリキュア (声:高山みなみ) 黒い衣装に身を包み、闇の力を操るプリキュア。 サバーク博士を実の親のように慕い、キュアムーンライトに激しい憎しみを抱き、倒そうとする。 「敵組織の女性幹部」にして「プリキュアと同格の存在」ながら、最後まで強敵として君臨し続けたシリーズ屈指の異色の存在である。 サソリーナ (声:高乃麗) 三幹部の一人で紅一点。 嫉妬深く、幸せな人間を見るとすぐ機嫌が悪くなる。 髪の毛を操り、先端の毒針で攻撃する。 クモジャキー (声:竹本英史) 三幹部の一人。土佐弁を喋る青年。 硬派で武士然とした性格の戦闘狂で、軟弱な人間を嫌悪している。 プリキュアとは、戦闘を交えるうちに彼女らの強さを認めるようになる。 コブラージャ (声:野島裕史) 三幹部の一人。ウェーブヘアーの美青年。 自分の美しさに惚れ込んでいる大のナルシストであり、人間の心を「醜い」と蔑んでいる。 プロマイド型の爆弾で攻撃する。 スナッキー シリーズ初登場の「戦闘員」。 砂袋を模した砂人間であり、その数は大多数。 一体一体は弱いが、かなりタフ。 デザトリアン (声:金田朋子) 今作の怪物。 萎れかけたこころの花を奪われ、物体と融合させられた人間が成り果てた姿。 破壊衝動のままに暴れながら、自身の悩みを叫ぶ。 金田朋子の声と独特のイントネーションで悩みを叫ぶ様子はかなりシュール。 デューン (声:緑川光) 砂漠の使徒の更に上にいる「砂漠の王」と呼ばれる青年。 地球を砂漠化させ、征服を目論んでいる。 かつてキュアフラワーと戦って、相討ちとなり力を奪われたが、物語終盤で力を取り戻して本領を発揮する。 なお、彼の動機については本編では説明されていないが、漫画版や小説版で明らかとなっている。 【妖精】 変身に必要な「プリキュアの種」を生み出す。 発射された種子を受けとめるとか、今回のプリキュアはエロいですね。 「こころの大樹」を救うため、つぼみ&えりかに助けを求めた。 ちなみに、飛行用のマントにもなる。 シプレ (声:川田妙子) つぼみのパートナーで♀。 コフレとそっくりで、装飾品の色がピンクで耳が上に立っている。 『技の脱糞』 コフレ (声:くまいもとこ) えりかのパートナーで♂。 シプレとそっくりで、装飾品の色がブルーで耳が横に倒れている。 『力の脱糞』 ポプリ (声:菊地こころ) いつきのパートナー。 新たに生まれた妖精の赤ちゃん。 全体的に黄色い。 脱糞は今のところしないもよう。 コッペ様 (声:中の人などいない) 伝説の妖精だが、無口で喋らない。 薫子のパートナーで♂。 前情報の画像でえりかに抱き付かれていた為、登場前にして一部から殺意の対象になっていた。 度々現れる謎のイケメンさんの正体である。 コロン (声:石田彰) ゆりのパートナーで♂。 ダーク戦にて死亡。 裏声出す気のないイケメン声。 この声で脱糞してたんだな……ジュルリ 「ん、心の種が産まれそうだよ……」 ちなみに名前の頭に「コ」の付く妖精は♂である。 【その他】 花咲薫子/キュアフラワー (声:坂本千夏) つぼみの祖母で植物学者。植物園の園長で67歳。 むか~しむかしに「キュアフラワー」として戦っていたらしい。 文句なしプリキュア最年長。 なお、計算すると現役時でも既にムーンライトより年上となるとか。 クリスマスにゲスト的に復活した。要はウルトラの父。 謎のイケメンさん (声:堀内賢雄) つぼみ達のピンチを救った謎の青年。 一部では「絶望先生仮面」「キュアゼツボウ」などと言われたが、その正体は皆の予想通り、コッペ様だった。 正体が判明するまで、つぼみは彼のことを「イケメンさん」と呼んでいた。 花咲空 (声:堀内賢雄) 薫子の旦那。故人。 初聞きでやたら渋い声で吹いた者も多い。 謎の「イケメンさん」のモデル。 志久ななみ (声 藤井ゆきよ) 愛称は『なみなみ』。 母性本能漂うファッション部のメンバー。 妹の『るみ』(声 玉川砂記子)がいる。 番ケンジ/キュアファイヤー (声:置鮎龍太郎) つぼみやえりかのクラスメイト。 えりか曰く『伝説の番長』。 お母様は17歳で巨乳。 そして男性初のプリキュア。 「熱風にゆれる一輪の花!キュアファイヤー!!」 後に、なみなみといい関係になる ◆変身アイテム ココロパフューム 香水型の変身アイテム。普段や戦闘中はポーチになる。 プリキュアの種をセットして、自らに振りかけることで変身する。 「こころの種」をセットして振りかけることにより、その種にちなんだ能力を得られる。 (例:赤のこころの種→レッドの光の聖なるパフューム!シュシュッと気分でスピードアップ!) ココロポット 「こころの種」を貯める壺。 ムーンライトの変身アイテムでもある。 ハートキャッチミラージュ 「スーパーシルエット」に強化変身するアイテム。 ◆エピソード 28話:サバーク史上最大の作戦! 夏休みの宿題終わりません!! 42話:とまどいのゆりさん! ラブレター見ちゃいました… ◆余談 事件解決後に毎回流れる某シーン 事件解決後に毎回流れる 強烈なバンクシーン に定評があり、 BPOのウェブサイトで真剣な苦情が紹介された事もある 。 流石に不味かったのか、後に下痢から固形へと変更となった。 BPOェ… 「俺たちは下痢がいいんや!」 小説版 2015年には初代と共にまさかの小説化。 アニメでは明かされなかった3年前の戦いを含め、キュアムーンライト視点の物語が綴られる。 その他、原作ではやや駆け足気味だったクライマックスが大きく補完されている。 (中にはふたご先生が単行本で触れていた没設定の反映されている場面も。お蔵入りしていたプロットが小説媒体という場で日の目を見たのかもしれない) 原作ラストより更に半年後、メインキャラのさらなる後日談に触れられているので、ファンの人は必見。 詳細は『小説 ハートキャッチプリキュア!』の項を参照。 トロピカル~ジュ!プリキュアとのコラボ 2021年放送の『トロピカル~ジュ!プリキュア』の劇場版『映画 トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』及び本編第33話「Viva!10本立てDEトロピカれ!」にて、本作のプリキュアがゲスト出演している。 つぼみ「アニヲタwikiの花言葉は『豊かな追記・修正』…wiki籠りさんならきっと素敵な追記・修正ができます」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\こころの種/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コロンの死は強烈だったな。まさかそんなシーンが流れようとは。 -- 名無しさん (2014-01-26 00 09 12) なみなみ好き -- 名無しさん (2014-01-26 00 20 26) 色々実験的というか冒険した作品だと思うけどこれだけ成功したのは大したもんだよ -- 名無しさん (2014-02-02 21 32 06) 今日始まった「ハピネスチャージ」は、のっけからこの作品と同じ雰囲気。ディレクターさんが同じだからか…。展開が非常に気になるところ。 -- 名無しさん (2014-02-02 22 00 57) 「これにはさすがの彼も満足の様子でこの世を去っていった」・・・彼って誰だよ!? -- 名無しさん (2014-08-19 06 09 07) ハートキャッチの世界観がどこか、スクエ二の聖剣伝説シリーズの世界観に似ていると思ったのは私だけ?こころの大樹を護るため、妖精達が召喚されて、聖剣シリーズでもマナの樹を護るため、精霊達が召喚されているし。 -- 名無しさん (2015-06-17 08 36 17) 山田さんの脚本と馬越さんの絵が、意外と梶浦由紀さんの音楽と合いそう。 -- 名無しさん (2015-08-10 19 26 39) ↑訂正、記の間違い -- 名無しさん (2015-08-10 19 28 11) 何故もも姉の項目が無い?プリ関係除いたら一番重要人物じゃないか? -- 名無しさん (2015-10-21 16 26 27) もしバンダイが2号ライダーの変身アイテムをプリキュアのそれに転用する風潮がこの頃からあったら。ココロパフュームからはエンジン音が鳴っていたのか。嫌だよ、そんな有害そうな香水 -- 名無しさん (2016-07-04 19 59 53) 勝手にコメントを削除することは禁止行為である「過度な自治」に当たり、規制対象になります。 荒らし等はまず報告をお願いします。 -- 名無しさん (2016-11-15 11 25 22) ↑報告してからやったのですが。とは言え急過ぎたのは事実なので次からは慎重に行きます -- ついでに大幅追記してみました (2016-11-15 11 57 35) 荒らしの書き込みを削除しました -- 名無しさん (2018-07-26 23 58 35) 荒らしの書き込みを削除しました -- 名無しさん (2018-10-04 13 20 38) 45話の時、つぼみ達の所に集まってきた人達全員プリキュアの正体に気付いていたのではないだろうか?そう思った理由1、あの時正体をわかっていてつぼみ達を励ましていたように見えた2、プリキュア達がいなくなった後つぼみ達もいなくなった事を誰も変に思わないのはおかしい3、最後の戦いに向かうプリキュアにももかがえりかと声をかけていた -- 名無しさん (2019-05-01 18 33 08) わりとその線あるよね。話は変わるけど、これとハグプリは最終決戦にあと1話欲しかった。両者とも、あからさまに時間足りなくて何かと端折ってたのが勿体無かった(一年通して面白かっただけに尚更)。ハトプリは小説版でこれ以上ないくらい綺麗に補完されたけどハグプリはどうなることやら -- 名無しさん (2019-08-24 07 18 33) 「心」をテーマにした話で内容は良かった。が、過去がいろいろと辛すぎて、朝から沈んだ気分になることが多かった…。可愛い絵柄とのギャップがスゴイ。まあでも、そこがハトプリの魅力なんだよね。 -- 名無しさん (2019-09-11 08 41 05) トロプリの単独映画に出演するみたいね。これまでも映画で存在感を放ってたえりかの扱いが気になるところ。 -- 名無しさん (2021-07-14 11 40 02) 令和に蘇るお尻パンチ -- 名無しさん (2021-07-14 15 55 23) 「伝説の最終決戦」タグを追加しまくる前に何を基準にそのタグを追加してるか教えてほしいのだが。片っ端から追加しすぎてる気がする -- 名無しさん (2022-01-23 14 09 09) 名前 コメント