約 3,212,907 件
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/858.html
レス番号 作品名 作者 補足 避-968 幸せの花がひらく時(ラブ・せつな編)上 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 女の子同士が惹かれ合う事。それは悪い事なんかじゃない。今はまだ―――ゆっくりと 避2-41 幸せの花がひらく時(ラブ・せつな編)中 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 まだ無理だったのかな。早すぎたのかな。すれ違う感情と不安な気持ち。ねぇせつな、あたし… 10-252 幸せの花がひらく時(ラブ・せつな編)下 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 想いが通じ合って。そして迎える、二人一緒の快楽への旅立ち。恋人同士の花がまた一つ開いた瞬間を。 避2-176 幸せの花がひらく時(番外編)運命のディスク 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 全てのきっかけ。それは自らが導き出した物だったのかもしれない。欲情・欲望・葛藤・嘆き。美希視点で 11-70 幸せの花がひらく時(美希・祈里編)上 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 それは幼き頃の思い出。いや、夢だった。叶わぬ想いと知りながらも。あれから数年。開放できない心の想いが邪魔をして… 11-99 幸せの花がひらく時(美希・祈里編)下 夏希◆JIBDaXNP.g 18禁 幸せを迎え入れる決意をした一人の少女。張り詰めた想いと緊張、そして恐怖。体に起こる変化は何を示すのか…。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/438.html
『それでね、今日は一晩、飲み明かしちゃおうかなーって』 「はいはい。わかったわ、ママ。あんまり飲みすぎないようにね――――うん、ちゃんと戸締りもしっかりしとくから、心配 しないで――――それじゃ、おやすみなさい」 そう言って、美希は電話を切る。そして、ベッドの上に座っていたせつなを見て、 「久しぶりに会った友達と飲んでるから、ママ、今日は帰らないんだって」 「・・・・・・そう」 頷いて、軽く目を伏せるせつなに、彼女は言う。 「帰ってもいいのよ? 別に、あたしは――――」 「ううん、平気」 ゆっくりと頭を振って、せつなは立ち上がった。 「シャワー、借りるわね」 「ええ、どうぞ――――着替え、持っていくから」 ありがとう。美希の方を見ようとしないまま、彼女は部屋を出て行く。パタン、と音を立てて閉まるドア。せつながいなく なった途端、急に部屋が寒くなったような気がして、美希はわずかに体を震わせる。それは多分に、ほんの数分前まで、 彼女を抱きしめていたせいだろうけれど。 平気、か。 せつなの台詞を思い出して、美希は小さく唇を噛む。 平気って、何が? 彼女の台詞に、そう聞き返せなかった自分。その弱さに、彼女は苦悩する。 シトシトシト 聞こえてくる音に、カーテンをそっと開ければ、いつからだろう、雨が降り出していて。 シトシトシト 小さな雨音が、やけに大きく聞こえるのは、この部屋の静寂のせいだろうか。自分しか、いない、この部屋。 「せつな」 窓の側で、呟いてみる。ガラスが曇って、外の景色が白く濁る。一つ、溜息。また白くなる、風景。 やっぱり、寒い、な。ああ、せつなの着替え、浴室に持っていってあげないと。 思いながらも、美希は、動けぬまま。 そっと外を眺め続ける。 雨に煙る、街並みを、眺め続ける。 Eas of Evanescence X せつなと交代で、シャワーを浴びる。いつもは快適なこの時間が、今は例えようも無く苦しい。 肌を流れる雫。ぬくもりが、けれど、感じられない。心が冷たくなってしまっているからだろうか。 それでも、永遠にそうしているわけにもいかず。美希はノズルを回し、シャワーを止めた。 脱衣所で、体を拭こうとして、ふと、鏡に気付く。完璧なスタイルを保つために置いた、姿見に映るのは、いつものように 完璧な自分の体。 真っ白の肌は、ほのかに赤みを帯びている。プルンと張って、ツンと上がった胸。くびれのはっきりとわかる腰。スラリ と細く長い足。努力に努力を重ねて、築き上げた自慢の体だ。 けれど、それはもう一つの意味を持っている。 イースに――――せつなに、抱かれた体と云う意味。 この体に、たった一箇所以外、彼女に触れられていないところはない。それほどまでに、激しく求められた。思い出す だけで、頬が赤くなる。胸が、せつなくなる。 声を出さずにいることは、本当に辛かった。愛に気付いてからは、なおさらに。それでも、耐え切ったのは、愛する故か。 その彼女の言葉。 「美希のことも、好きなの」 思い出しながら、美希はそっと胸に手を当てる。硬くなった蕾の向こう、体の奥で、激しく脈打つ鼓動。歓喜に、震えて いるのだ、心臓が。 パジャマを着て部屋に戻ると、すでに電気は消えていた。廊下から差し込む光で、美希はせつなを探す。が、すぐに 気付く。ベッドの布団が、膨らんでいる。誰かがその中に、いる。 廊下の電気を消して、薄暗闇の中を、そっとベッドに近付く。 かけ布団をそっと上げて、ゆっくりと潜り込むと、暖かなぬくもりがあって。 シトシトシトシト 雨の音が響く。ただ、その音だけが、響いている。 「――――せつな」 小さく、美希は呼びかける。 横になっていた彼女が、こちらを見て。 「――――美希」 そう呼び返してくる。 それが、きっかけだった。 抱きしめる。抱きしめる。 狂おしい程の想いを込めて、彼女の体を抱きしめる。 絞るように、強く、強く。 一つにならんとせんばかりに、激しく強く。 きっと、せつなは痛いと感じている。その自覚が、美希にはある。けれど、彼女は何も言わない。ただされるがままに なっている。美希の背中に手を回し、自らも体を近付けようとする。 それが嬉しくて。 それが、悲しくて。 「せつな」 「美希」 ようやく彼女の体を解放した美希は、自分の下になったせつなの顔を見ながら、そっと呼びかける。やはり苦しかった のだろう、少しだけ息を荒げていた彼女は、それでもしっかりと応える。 ぶつかる視線。美希は、せつなの手に、自分の手を重ねて。強く握り締める。 まるで、逃げられないようにしているかのように。 そんな彼女の行為を、せつなはとがめようとはしなかった。黙って、同じように、握り締める。 まるで、逃げないよ、と言うかのように。 そのまま、見つめ合う、二人。美希の長い髪が、せつなの頬をくすぐる。サラサラと。 やがて近付く、少女達の距離。 美希は、せつなに――――イースに触れさせていなかった、たった一箇所で、彼女に触れる。 唇を、唇に。 最初は、ついばむように、ただ重ね合わせて。 やがて、美希の舌がせつなの唇に触れる。彼女の前歯を、ノックする。 そして絡み合う、二人の舌。まるで生き物のように、激しく互いを求め合う。 淫らな音が、部屋に響く。夢中になって、美希はせつなを味わう。 どれだけしても、足りないと感じてしまう。もっと、もっとと思う。 けれども―――― ゆっくりと、彼女は顔を離す。闇に慣れた目で見れば、せつなの顔は赤く染まっているのがわかる。多分それは、自分 もだろう。 「ファーストキスよ」 「え?」 「あたしの、初めてのキス――――せつなに、あげたから」 美希のことを何度も犯しながら、イースは、彼女にキスをしたことはなかった。だから、体の全てを触れられ、嬲られた けれど、唇だけは純潔を守っていたのだ。 その純潔も、今、失われたけれど。 「美希――――」 困ったように、目をそらすせつなに、美希は小さく笑う。 「わかってる。せつなは、違うんでしょ?」 無言は、肯定。多分、彼女のファーストキスは、ラブに捧げたのだろう。 「いいのよ。気にしないで」 もう一度、唇に軽くキスをして、すぐに離れる。 「けど、覚えておいて。あたしのファーストキスの相手は、あなただっていうことを」 「美希――――」 何故か泣きそうな顔をするせつなに、美希は小さく笑って。 彼女のパジャマのボタンに、手をかける。 一つ、二つとゆっくりと外していく。 せつなは、何も言わない。 雨の音に混じるのは、彼女の呼吸。 全てのボタンを外して、そっと前を広げる。 横になっていても形の崩れない胸に、美希は手を当てる。 ひんやりとした空気の中で、せつなの体は火傷しそうな程に熱くて。 「美希」 彼女の唇から零れる、自分の名前。 美希は、目を閉じて微笑む。声を出さずに、小さく微笑む。彼女の胸に置いた手は、動かない。触れたまま、ただ、 そのぬくもりを感じるだけ。 「美希」 もう一度、呼ばれる。 その声音の中に、覚悟を感じて。 美希はまた、微笑む。 そして、そっと彼女の胸に顔を埋めた。 「――――美希?」 何もしようとしない彼女に、またせつなは名前を呼ぶ。今度は、問いかけるように。 それに、美希は、顔を埋めたまま応える。 「ありがと、せつな――――ラブに話すの、辛かったでしょ?」 体から伝わってくる、動揺。彼女が息を呑むのが、わかった。 泊まってくると言ってある。そう、彼女は言った。 けれど、それだけじゃないと、美希にはわかった。 せつなはきっと、ラブに話した。 自分や祈里とのことを、全て話した。 だからこそ、せつなは、ここにいる。 あたしの部屋で、あたしに抱かれている。肌を、重ねている。 多分それは、せつなの優しさ。あるいは贖罪。 あたしにしたひどいこと、その埋め合わせをする為に、彼女はここにいる。 そして。 それを、ラブは知っているだろう。 知っていて、送り出したのだろう。 それが、ラブの優しさ。 きっと今頃、ラブは耐えている。 自分の隣に、せつながいないことの苦しさに、耐えている。 そのせつなが、あたしという幼馴染に抱かれていることの苦しさに、耐えている。 耐えながら、苦しんでいる。 泣いている、かもしれない。 せつなはそれを、知っている。 知っていて、ここにいる。 多分それは、全てを精算する為に。 もう一度、最初から、始める為に。 ラブとの、関係を。 愛を。 もう一度、最初から。 我侭よね、せつなって。 心の中で、美希は呟く。 これが贖罪になると思っているのだとすれば、これが優しさだと思っているのだとすれば、見当違いも甚だしい。 あたしは、同情なんかされたくない。 あたしは、こんなことを望まない。 あたしは、あたしは―――― けれど。 蒼乃美希という少女は、完璧で。 完璧すぎて。 目の前の少女の心も、幼馴染の少女の心もわかってしまって。 彼女達が、これを優しさだと言うつもりが無いことも。 彼女達が、苦しんで出した結論がこれだということも。 理解、出来てしまって。 だから。 怒れない。 ただ悲しいだけ。 我侭にも、自分勝手にも、なれなかった。 だからといって、全てを悟ったかのように、自分の欲望を抑えることも出来なかった。 結果として、半端なまま。 最後まで達して、親友を傷付けることも。 逆に、全く触れずに、我慢することも。 彼女は、出来なかった。 満たされずに傷付くのは、美希自身なのに。 キスは、素敵だった。とろけそうになった。 せつなの体は、とても暖かくて、柔らかくて、もっともっと触れていたいと思った。自分の素肌を、重ね合わせたいと 思った。 けれども、もう、おしまい。 これ以上は、出来ない。 ううん。耐えられない。 あたしが。 「――――っ」 ギュッ、とせつなのパジャマを握る。顔を、せつなの胸に押し当てる。 それでもボロボロと瞳から涙が零れる。 噛んだ唇から、嗚咽が漏れる。 「美希・・・・・・」 「――――ッ――――ック――――クッ、ヒック――――」 止まらない。止められない。 ただ、激しく。胸の奥から、形にならない想いがこみあげてきて。 「――――ッック、アアァァァァン――――」 とうとう、抑えきれずに、大声を上げてしまう。 まるで赤ん坊のように、せつなの胸にすがりついて、大粒の涙を流しながら、叫ぶように、泣く。 「ウァァァァァ――――アァァァァッ――――アァァァァッン」 ただ、泣き続ける。 「ウァァァァァン――――ック――――アァァァァァ」 ただ、ただ、泣き続ける。 「アァァァァァ、ウァ、ウァ、ウァァァァンッ」 泣き続ける。せつなの胸は、美希の零した涙でビショ濡れになっている。 「美希――――」 せつなの声は、微かに震えている。けれど、せつなは唇を噛む。 泣くな、私。ここで泣くのは――――許されない。 「アァァァァァッ」 「美希――――」 泣きじゃくる彼女の頭に手を置いて、せつなは。 自分の胸に引き寄せながら、そっと撫でる。 それが――――それだけが、彼女の為に出来ることだったから。 やがて、泣き疲れたのだろう。 美希は、寝息を立て始める。 それを聞いても、なお、せつなは美希の頭を撫で続ける。 逆の手で、彼女の手を強く、握り締めながら。 チュン チュン 鳥のさえずりが聞こえて、美希は目を覚ました。 だが、すぐには起き上がらない。聞こえてくるのは、衣擦れの音。 隣にあった筈の、ぬくもりがもう、ない。繋いでいた手も、今は外されて。 行ってしまうんだ。 思うと、胸が苦しい。けれど、それをねじ伏せる。 これでいいんだ。これで。 「美希」 着替えが終わったのだろう。彼女が、こちらを向く気配。 そして、遠慮がちに、小さな声で囁く。 「私、もう、行くわ」 ええ。ありがとう。昨日は、一緒にいてくれて。 「本当に、ごめんなさい――――それから、ありがとう。私の我侭を、受け入れてくれて」 いいのよ。その我侭も含めて、好きになっちゃったんだから。 惚れた弱み、っていうのかしら。 「我侭ついでに言うけれど――――もしも、許してもらえるなら」 許すも何もないわ。あなたはいつだって、あたしの大好きな人だから。 たとえあなたが、あたしを一番に想っていなくても。 「これからも、仲良くして欲しいの――――都合のいい、お願いだけれど」 本当にね。 けれど、いいわ。都合のいい女になってあげる。 だってあたし、あなたと一緒にいたいもの。せつなと一緒に、生きていたいもの。 一生忘れないから。 好きって言ってくれたこと。 絶対に――――絶対に、忘れない。 この気持ちは、もう、表に出さないけれど、一生、忘れない。 「それじゃ、行くわね――――さよなら」 ええ。また、会いましょう。 その時は、大切な親友として。 大事な、仲間として。 また会いましょう。 せつなの言葉に、美希は起き上がることも、声を返すこともしなかった。 ただ、心の中で返しただけ。 横になり、目を閉じたままの美希に、せつなは背を向けて。 やがて、パタン。 扉が閉まる。 それで、おしまい。 せつなは出て行った。 残された美希の、きつく閉じられた目から、一筋。 涙が流れて、それで美希の恋は、愛は。 おしまい、だった。 それでいいと、美希は思う。 これが、ハッピーエンドなんだ、と。 だから少しだけ、もう少しだけ、彼女は泣く。 これは嬉し泣きなのと、自分に言い聞かせながら。 涙を流したのだった。 ――――epilogue―――― 「おかえり、せつな」 「――――ラブ」 家に辿り着いたせつなを、門の前で迎えたのは、ラブだった。 まだ早朝と言える時間。今日は休みだとは言え、こんな時間に起きているとは思わなかった。 いや――――彼女の眼の下には、わずかに隈が出来ている。 眠れなかった、のだろう。そして、ここで待っていたのだろう。せつなが、帰ってくるのを。 「ラブ・・・・・・」 「なんか冷えるね。昨日の夜の雨のせいかな。ほら、せつな、早く入らないと、風邪ひいちゃうよ」 微笑みながら、せつなを迎え入れようとするラブの姿に、彼女は何も言えずに俯く。 私は――――こんなにも、たくさんの人を傷付けて――――そのくせ、エゴを押し通そうとして、一人、幸せになろうと して―――― そんな彼女の表情の変化に、気付いたのだろう。 不意に、ラブはせつなの手を掴む。 「せつな」 「――――ラブ」 驚く彼女に、ラブは、微笑む。 「せつな――――笑って? ううん、笑おう。一緒に、笑お?」 あ、とせつなは、息を呑む。 ラブの微笑みは、いつもと違う。どこか無理を感じさせるもの。 それはきっと、辛いから。心が痛いから。 誰かのことを、彼女は思っている。思って、心を痛めている。 けれど、それでも彼女は笑う。 せつなという少女を、その苦しみを、全て受け止める為に。 笑う。 「・・・・・・ラブ」 名を、呼んで。 せつなは、笑った。 笑うことが、正しいことだと。 それが、傷付けた全ての人に対する、贖罪になるのだと、そう思いながら。 彼女は、目をうるませたまま、笑った。 「せつな。おかえりなさい。アタシ達の家に」 「――――ただいま。ラブ」
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/710.html
明日はホワイトデー。 バレンタインデーにキスをしたわたし達は、あれからも何度もキスをする仲になっている。 だけど……。 キスだけ。本当にキスだけ。それも、小鳥がくちばしの先端で、そっと果実をついばむような可愛いものばかり。 わたしは毎晩、ベランダの鍵が開いているか確認してから眠る。 ベッドに入り、思うことはいつも同じ。 今夜こそ、ラブが来てくれるかもしれない。 だけどそれは、決して叶うことのない願いで。 まんじりともしないで夜を明かし、空しく朝を迎えたことも、一度や二度ではなかった。 ラブに触れたくて、触れられたくて、毛布の中で熱くなる身体を何度となくよじった。 もう待てない。だって明日はホワイトデーなんだもの。 わたしは今夜、初めて自分からベランダをつたって、ラブの部屋にそっと入る。 寝息が聞こえない。やけに静かすぎる。ラブは寝ているのだろうか。 ベッドに近づき、ラブの顔を覗き込む。 暗くてよく見えない。 じっと見つめていると、だんだんとラブの顔の輪郭がはっきりしてくる。 わたしの瞳が、少しずつ暗闇に順応していくのがわかる。 ラブは目を閉じている。そして眠っている……ふりをしている。 眠ってるふり、どして? まさか……わたしを待っていた? わたしは心の中で勝利の雄叫びをあげた。 もう遠慮はしないわ。 わたしはラブのぷっくりとした可愛い唇に強引にくちづける。 狸寝入りをしていたラブは、急襲に堪えられず目を大きく開く。 「んんー!んんんーーー!」 わたしは舌をこじ入れようとするが、ぴったりと閉じた並びの良い歯が邪魔をする。 すかさず鼻をつまんで息の抜け道を塞ぐ。 我慢が出来なくなり、ぷはあっ!!とラブが勢い良く息を吸い込んだその隙に、無理矢理に舌をこじ入れた。 ラブの舌は、始めこそ逃げ惑っていたが、やがて鬼ごっこでは敵わないと観念したようだ。おとなしく従順になる。 初めてする大人のキスに酔いしれ油断しているわたしに、ラブの舌が反撃を開始した。 絡め取られ、ねぶられ、きつく吸われた。 そのあまりの快感に、頭の芯が痺れていく。 ボーッとして危うく我を忘れそうになった。 ようやく我に帰ると、急いでラブの上に被さり、彼女のパジャマのボタンをはずしていく。 ラブは寝る時はノーブラ。 前をはだけると、綺麗な双子の丘が見えた。頂きには桃色の果実が色づいて、見るものを桃園へといざなう。 わたしは喉の渇いた旅人のように、その果実をもいでいく。 果汁が出ている訳ではないのだが、不思議と甘く感じ、何度も何度もついばみ、わたしは欲望で喉を潤す。 「せつなぁっ……そんなに吸っちゃ、あたし、おかしくなっちゃうよぅ……」 とろんと潤んだ瞳で、ラブは甘い声を漏らした。 そんな瞳をして、そんな声を上げて、わたしが止められるはず、ないじゃない。 ラブの下半身を見ると、すでにパジャマの下は身につけておらず、下着だけ。 下着を脱がせると、粘っこい糸がキラキラと月光を反射する。 「ひとりでしてたのラブ、ダメじゃない……」 「だってぇ……せつなが来てくれないんだもん……」 「わたしだって、毎晩ずっと待ってたのに……」 「じゃあ、お互いに……?」 わたしは返答のかわりに、ラブの叢をかきわけ、最も敏感な部分に指で触れてみた。 びくん! ぬかるみの中に、硬く尖るラブの秘芯。優しく優しく、いたわるように撫であげる。 びくびくと快楽に肢体を震わせるラブの美しさに、見とれながら、わたしは反対の指で自らの泉を汲み出す。 「んんっ……ラブ……我慢しなくていいのよ……」 「ふあっ……せつな、あたし……やあっ!あああああっ!!」 ふたり同時に果て、抱きしめ合うわたし達。 どちらからともなく、見つめ合い、唇を合わせた。 今度も容赦なく、ディープなくちづけ。 素敵なホワイトデーになったわね、ラブ。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/540.html
12月に入ってからラブの落ち着きがない。 元から落ち着きなんてあるのか?と問われると反論のしようもないのだが、 いつもにも増して言動もオーバーリアクション気味だ。 まるで靴にバネでも仕掛けてあるのでは?と疑いたくなるくらい、 普通に歩いていても踵が地に付いてない。 「だって!!クリスマスなんだよ!!」 少し落ち着いたら?とせつなが呆れたり、苦笑いする度に ラブはそう答える。 全く答えになっていないのだが、それ以外に答えようがないらしい。 確かに言われてみれば落ち着かないのはラブだけではない。 美希や祈里、クラスの友人も何だかいつもより笑顔が増え、 お喋りしていても、いつの間にか話題はクリスマスの事になっている。 そして、気が付けば町全体がソワソワと浮き足立ち、赤と緑を基調とした 飾り物があちこちに顔を出している。 冬のはずなのに、雪をモチーフにした物も多いのに、町の気温が ほんわりと上がった気分にさえなる。 ラブはせつなにクリスマスを説明しようとしたが、今一つ要領を得ない。 「あのね、外国の神様が産まれた日なんだ!」 「サンタクロースって赤い服着たおじいさんがプレゼントくれるの!」 「その日はね、家族とか友達とパーティーしたりするんだよ!」 「ご馳走食べて、ケーキ食べて、プレゼント交換するの!」 「恋人同士の一大イベントなんだよ!」 ラブは息咳切って説明してくれるのだが、せつなには、 「?????」 な、様子だ。 外国の神様の誕生日なのに、プレゼント貰えるの、どして? サンタクロースって人が神様なの?え?違うの? 家族や友達と交換するプレゼントとサンタクロースがくれるプレゼントは 違うの? 家族と恋人とどっちと過ごすのが本当なの? そもそも何で外国の神様の誕生日に…… せつなとしては、ただ疑問に思った事を聞いただけなのだが、 ラブは疲れた顔で少し遠い目をして、 「……とにかく、そう言うモノなんだよ。せつな。」 「…………。」 結局、ラブにもこう言う事!とはっきり説明は出来ないらしい。 何でも、雰囲気とフィーリングだそうだ。 埒があかないので、自分で調べる事にしたせつなだが、調べる内に 奇しくもラブの説明はどれも間違いではない事が分かり苦笑を禁じ得なかった。 「確かに、外国の神様の誕生日で、サンタクロースがプレゼントをくれて、 家族や恋人と過ごす大切な日……、みたいね。」 特に、クリスマスに共に過ごす恋人がいない、と言うのは 妙齢の男女にとっては切実な問題らしい。 取り敢えず、この国においてクリスマスと言うのは、「サンタクロース」、 「プレゼント」、「クリスマスケーキ」と、いくつかの重要キーワードを 押さえていれば、それがその人なりのクリスマスで通用する…、 と、言う事…、らしい?違うかしら?……まあ、いいわ…。 (……プレゼント、どうしよう。) サンタクロースのプレゼントは良い子にしてれば、夜の内に枕元に 置いて行って貰える物で、大切な人やお世話になった人には 自分で考えた、心の籠った物を贈る……らしい。 ラブ、美希、祈里には当然用意する。お父さん、お母さんにも何か贈りたい。 出来ればタルトとシフォンにも……。 しかしながら、自由になるお金と言えば月に一度のお小遣い。 それにたまに貰える買い物のお釣とお手伝いのお駄賃。 到底5人+2匹に満足のいく贈り物が出来るかは……。 勿論、お金を掛けるだけがプレゼントではない、(この後、 両親へのプレゼントは金欠ラブからの申し出で、連名&ブッキー指導の元で手作りする事て解決した) のは分かってるのだが……。 (何か、私にしか出来なくて…尚且つ皆が喜んでくれそうなモノ……) ふと、せつなに閃くものがあった。 (……やって、やれない事は…ない?) 腰のポーチに下げたリンクルンから、アカルンを呼び出す。 「ねぇ、アカルン。どう思う?」 「キー?」 取り敢えず、やれるかどうかやってみよう。 クリスマスの事を調べている間に、何度も出てきた言葉。 『ホワイトクリスマス』、クリスマスに降る雪は特別なものらしい。 しかし、この国では特に雪の多い地域でない限り12月、それもクリスマス当日に 雪が降るなんて奇跡に近い。 (クリスマスに雪が降れば、皆喜んでくれるかしら?) もしそうなら、クリスマスに雪を降らせる事が出来たなら……。 家族や友達だけでなく、町の人みんなに喜んで貰えるかも知れない。 せつなはこの町で幸せになれた。それは勿論、ラブやみんなのお陰。 それに、この町の人すべてのお陰。せつながやって来たのが この町でなかったら、自分はこんなにも素直になれなかった。 こんなにも、幸せを受け入れられなかった。 そう思うから………。 せつなは手のひらの上で自分を見上げてくる、相棒の赤い妖精に微笑みかける。 「やってみましょうか?アカルン。」 「キィー!!」 そうと決まれば具体的に計画を練らないと。 まず、練習……と言ってもそこかしこでするわけにはいかない。 それに、そう何回も出来ないだろうし……。 当日の天気はどうなのかしら? 出来れば24日か25日が理想的だけど、無理そうなら23日…。 せつなはぐるぐると考えを廻らせる。 本番は一発勝負。失敗は許されない。 誰にも内緒で準備を進め、決行する……。 (当日まで、ラブにも気付かれないようにしないとね!) …… ………… ……………… 「せつなの様子がおかしい?」 こくり、とラブがジュースを啜りながら頷く。 ここはドーナツカフェ。ラブの他には美希と祈里。 もうすぐ冬休み、と言う放課後。いつものように集まってお喋り。 クリスマスパーティーの相談でもしようと思っていたのだが、せつなの姿はない。 用があるから後から行く、と一人でどこかへ行ってしまった。 「どんなふうに?」 「なんか、時々一人でニマニマしてるんだよね。それに、何だか寝不足みたいでさ。」 「寝不足?」 「そう。どうも夜中にアカルン使ってどっか行ってるみたい。」 「………。」 「………。」 「隠し事、してるみたいなんだよね。」 「せつなちゃんに聞いてみた?」 「それとなくは…。」 「せつな、なんて?」 「……キョドってた。でも、悪い事してるわけじゃないみたいなんだよね。 なんか、楽しそうだし。」 美希と祈里は顔を見合わせる。 せつながラブに隠し事。隠し事になってないみたいだが、珍しい。 まぁ、イース時代の事を考えればラブにバレバレな隠し方しかしてない様子 からして、大袈裟なものではないと思うが。 「まぁ、楽しそうなら気にするほどの事じゃないんじゃないの? せいぜいイタズラ仕掛けようとしてるとか?」 うーん、とラブが唸っている内にせつなが息を切らせて走って来るのが見えた。 「ごめんなさい、遅くなっちゃって。」 息を整えながら、席に着くせつなに、ラブが微妙な視線を向ける。 「ねぇ、せつなちゃん。何かラブちゃんに隠し事してる?」 「!!!」 「!!!」 「!!!」 「ブッキー……、そんな豪速球のど真ん中ストライクを…。」 「うん、してるわよ?」 「!?」 「!?」 「!?えっ!何??何を?」 「そんなの、言えたら隠し事にならないと思うけど。」 確かにごもっとも。 せつなは、もう少し待ってね?すぐにわかるから。 と、意味有り気な微笑み。 そんな風に言われたら、これ以上は追求出来そうにない。 そんな訳で、その日はそのままパーティーの段取りを付けてお開きとなった。 「どうしたのかしらね、せつな。」 「ね、あんなせつなちゃん初めてかも。」 「あれじゃ、ラブも気になるわよねぇ。」 「でもせつなちゃん、すごく楽しそうだったね。」 美希と祈里は顔を見合わせながらクスクスと笑いを漏らした。 ラブには悪いが深刻ぶってるラブと、浮かれた感じのせつなとのギャップが 何だか可笑しくて。 ひょっとして、せつなはクリスマスに何か サプライズを用意してるのではないだろうか。 たぶん、いやきっとそうだろう。 また二人は微笑む。 せつなにとっては初めてのクリスマス。 準備も含めて楽しんでくれてる様子が嬉しくて。 「まぁ、すぐに分かるって本人も言ってるんだし。」 「そうだね。クリスマスのお楽しみが一つ増えたよね。」 25日。町はお祭り最後の夜に、何だかさわさわとざわめいていた。 公園には大きなクリスマスツリー。明日の朝には撤去 されてしまうので、 夜の公園は記念撮影したり、ドーナツ(カオルちゃん特製 クリスマススペシャルバージョン)片手にお茶したりする人で溢れかえっていた。 勿論、クローバーの4人も公園で待ち合わせ…のはずだが、 またせつなはラブを一人で行かせて自分は後から合流すると言う。 「9時丁度に空を見てくれる?」 と言う意味深な台詞を残して。 「まあったく!何しようってんだか。」 さすがのラブにもせつなが何かサプライズを用意しているのは予想出来た。 しかし、それが何なのか、全くもって見当も着かない。 「ま、それもあとちょっとか……。」 楽しみにしてるよ?せつな! 美希と祈里に合流し、せつなの伝言を伝える。 「何しようってのかしらね、あの子。」 「ラブちゃん、何か分かった?」 「それが、全然!あっ、もうそろそろ9時だよ!」 3人は揃って空を見上げる。 その時、チカッ!チカッ!と、遥か上空で赤い光が二回瞬いた。 「!!今、光ったよね?」 「ひょっとして、アカルン?」 「え?でも、なんで?どう言う意味?」 3人が訳も分からず囀ずっていると、頬を真っ赤にしたせつなが 走り寄って来た。 「みんな、お待たせ!」 「ねぇ、せつな!今光ったのアカルンだよね?」 「一体何なの?空の上にテレポートしたの?」 「ねぇ、せつなちゃん。そろそろ種明かししてよぅ。」 「しっ!ほらっ、空見てて!」 その時……… 「あっ!!!雪?」 「え?マジで?」 「ホントだ!雪、雪降ってきた!」 「えー?信じられない!ホワイトクリスマス?」 わぁっ!とあちこちから歓声が上がり、子供達が「雪だ!雪だ!」と はしゃぎ回る姿が見える。 その光景を見て、満足そうに頬を紅潮させるせつな。 呆然と降り注ぐ雪とせつなを交互に見つめる3人。 「……せつな。せつなの仕業だよね?」 「でも、一体どうやって……?」 「アカルンに天気を操る力なんてなかったよね…?」 せつなはニンマリと笑って、種明かし。 「あのね。アカルンで雪の塊と一緒にテレポートしてきて、空の上で ハピネスハリケーンで砕いたの。」 結構加減が難しかったのよ? あんまり細かく砕くと地上に降りる前に溶けちゃうし、かと言って 大き過ぎると危ないし…。 量もある程度欲しいから、溶ける分差し引いても、かなりの大きさだったし…… 「……って、どしたの?みんな。」 声も出ない3人に、せつなは小首を傾げる。 もしかして、気に入らなかった?せつなが不安になりかけた時、 ラブ、美希、祈里は弾けるように笑いだした。 「もーぅ!せつなってば、信じらんないよ!」 「アカルン有効利用し過ぎ!」 「色々想像したけど、その発想はなかったかも!」 3人はせつなをもみくちゃにして髪をくしゃくしゃにかき混ぜる。 「ちょっ!ちょっと!やめてよ!」 せつなはそういいながらも抵抗しない。 (喜んで貰えたの……かな?) その夜、四つ葉町に起きた異常気象。 ホワイトクリスマスにはしゃいだ人々は、公園を一歩出ると違和感に 首を傾げた。 そして、違和感の正体に気付くと唖然とした。 公園の外には、雪なんてひとひらも降っていなかったと言う事実に。 この事は、後々まで四つ葉町の不思議として語り継がれる事になる。 その奇跡の仕掛人は、赤いドレスの少女サンタ。そして、寄り添うのは トナカイではなく赤いハート型の小さな妖精。 真相を知っているのは、彼女達と固い絆で結ばれた3人の少女だけでしたとさ。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/573.html
「タッハぁ~!すごい人だったねぇ!」 時刻は午前1時をとっくに過ぎた。 それなのに町も家の中も明かりとざわめきに溢れている。 「大晦日」から「元旦」に切り替わる瞬間。一年が新しく生まれ変わる。 家族で「初詣」に行く道すがら、お父さんが教えてくれた。 夜中にみんなでお出掛けなんて初めて。 私もラブもお母さんに「風邪引かないように!」とマフラーやら ストールやらでぐるぐる巻きにされた。 神社に着くと驚くほどの人人人! 「これも日本の伝統美!!」と、ラブが鼻を膨らませて威張っていた。 「ふぅ!やっと落ち着いたねぇ。」 ラブはモコモコした防寒着を脱いで、フリースとミニスカートで 私の部屋でくつろいでいる。 クリスマスもそうだったけど、「お正月」と言うのもまた特別な行事らしい。 ラブ曰く、何でも頭に「初」か、語尾に「始め」を付けるとお正月っぽい言葉になる。 現に昔からたくさんの言葉があるらしい、「初日の出」「初笑い」「書き初め」… まだあったはずだけど。 「せーつなぁ!」 ちょいちょい、とラブが手招きして自分の隣に来るように促す。 「あっ!コラ…っ!」 途端に首筋に顔を埋め、セーターの中に手を突っ込んでくる。 「んっ、もう……!お母さん達、まだ起きてるのよ…?」 「んー?ハイハイ、だから声出さないでねー……」 「あっ…、だから!そうじゃなくて……」 パチンとフロントホックのブラが外される。 最近、やっと気が付いた。ラブは下着を買う時やたらこのタイプを薦める。 後ろに手を回すより便利だから、と言っているが…… (絶対、このためよね……) 「……ーっひぁ!」 まだ冷たさの残る指で乳首を摘まみ上げられ、せつなはビクッと 体を跳ねさせる。 指の冷たさと反比例するように、体はどんどん火照っていく。 尖り立った乳首を弾かれ続けると、足の間がむずむずしてくる。 「ひめはじめ、ひめはじめ……」 ラブは耳たぶを甘く噛みながら、謎の呪文を呟く。 「……んっ!…え、何?」 「あのねぇ、年が明けてからの初エッチ。『ひめはじめ』って言うの。」 だから、コレもお正月行事の一つなんだってば。 ラブはそう言いながら、セーターを捲り上げる。 乳首に吸い付き、熱い舌を絡ませる。 「あっ…ん!またそんな、適当な事……」 「……ホントだってばぁ…。何なら後で調べてみてよ…。」 ラブが力の抜けたせつなから素早く下着を脱がせた。 膝を開かせながら、内腿に指を滑らせる。 ここまで来ると口では抵抗しても、もうせつなは逆らうのを諦めている。 「ね……、ホントに、ダメ。お母さん達が…んんっ、んっ…!」 「うん、そんなに時間掛けないから…、一緒に…。ね?」 一緒に、イッちゃおうか……? ラブはせつなの手を自分のスカートの中に導く。 ひんやりとした太ももを辿り、対照的に熱をたぎらせた秘部に指先が触れる。 (ラブと……一緒に…) せつなもラブの下着を引き下ろし、フリースの中に手をもぐり込ませる。 小ぶりだが弾力のある乳房を揉みしだき、下は厚い粘膜に指を 飲み込ませていった。 「はふっ!ーーっン、ふぅ…んっ!」 ラブは嬌声をせつなの乳首に強く吸い付く事で抑える。 乳房に顔を押し付け、歯を立てながら先端を舌先でつつく。 指にまとわり付く秘肉を引き剥がしながら、乱暴なほと強く中を掻き回した。 せつなが歯を食いしばり、仰け反る。 (あぁっ…、ダメ、このままじゃ…!) 込み上げる快感に、胸を喘がせながらやっとの思いで口を開く。 「ーーラブっ、…キス、して……!このままじゃ…っ!」 声を抑えるなんて無理。お願いだから、口を塞いで。 情欲に潤みきったラブの瞳と視線がぶつかる。 噛み付くように唇にしゃぶりつき、舌を吸い合う。 唾液に濡れた乳首がすうすうする。ラブがそれを指に絡めるように 大きく乳房を捏ね回していった。 せつなもお返し、とばかりにラブの乳首をつねり上げる。 ギリギリ、 我慢できるくらいの強さに。 ほんの少し、快感が上回るくらいの力加減で。 「はあっ…はぁっ……んぅぅ…、ふっ…ぅ…ん…」 塞ぎ合った唇の間から漏れる吐息が抱いた、隠しきれない快楽。 淫らに濡れた音と興奮した息遣いが、しんとした部屋に響き渡る。 外は雪がちらつくほど寒いのに、額の生え際にしっとりと汗が浮かぶ。 気持ちいい…、止められない。 早く逝きたい、でも、この時が永遠に続いて欲しい。 (もう、そろそろイカなきゃ……) ラブが合図のように、せつなの膨れた陰核を弾く。 せつなも震えながら、器用にくるりとラブの突起の包皮をめくる。 お互いの一番気持ちいいところを容赦なく責め立てる。 ラブは優しく表面を磨きあげるように。 せつなは軽く摘まんでしごくように。 体が細かく痙攣し、中が小刻みに強く収縮を始める。 (あぁっーー!もうっ、……!!) (もう少し、もう少しだけーーっ!!) 「あふっ!……っくぅーーっっ!!」 せつなが大きく痙攣し、白い喉を反らせた。 ラブはせつなの胸に顔を擦り付け、叫ぶのを堪える。 二人は抱き締め合いながら、爆発し、駆け巡る快感に酔いしれた。 下着を脱ぎ、胸元をはだけた睦み合う為に最低限に乱した衣服。 それが却って羞恥と興奮を刺激し、我を忘れて乱れてしまった。 上気した頬と潤んだ瞳のまま、二人は熱っぽい額を寄せる。 「………何だか、恥ずかしい。」 「うん……、あたしも。」 軽く唇をついばみ合いながら、クスクスと照れ笑いが漏れた。 せつながぐったりと横たわる。 無防備に緩んだ膝、まだとろりと濡れた瞳。 うっとりと情事の余韻を味わうしどけない姿に、ラブの中に 愛しさが込み上げる。 「あの……、ラブ…。」 「ん?なぁに?」 少し汗ばんだ前髪を撫で付けながら、額から輪郭をなぞるように キスを落としていく。 「今年も、よろしくお願いします……。」 はにかんだ、せつなの微笑み。覚えたての台詞を初めて使ってみる。 使い方、間違ってないかしら? 「こちらこそ!」 そう、ラブは力いっぱいせつなを抱き締める。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/836.html
「さ、せっちゃんも」 「はい」 「こうしてね」 「おじいちゃん…」 ラブが呟くと同時に、墓前に皆が手を合わせる。 八月。 良く晴れた日曜。お盆最後の日。 風はもう、立秋を漂わせていた。 「本当は去年―――来るべきでした」 俯くせつなにあゆみは答える。 「忙しかったからしょうがないわよ」 「そうそう」 間髪いれずにラブは笑顔でせつなを覗き込む。 「喜んでいるよ、おじいちゃんも」 圭太郎は墓石に水を掛けながらそう答えた。 せつなは来たるべき日に向け、一つ、悩み事を抱えていた。 家族としての蟠りも消え、今ではすっかり溶け込んでいる彼女。 皆と外出する事が嫌と言う訳でも無い。むしろ嬉しくもある。 例え、それが始めての〝お墓参り〟であったとしても。 「どうした~せつなっ」 「あ、ラブ…」 鏡の前で立ち尽くすせつなに駆け寄るラブ。顔を見れば直ぐに、悩んでいる事が掴み取れた。 「きんちょーしてんの?」 「ううん、そうじゃない」 「初めて…会うから。源吉お爺様に」 「あうぅぅぅ!?おじいさまぁ!?」 あたふたするラブを横目に、せつなは真剣に言葉を続ける。 「私は写真でしか見た事ないから。例えそこに―――いらっしゃらなくても会う事に変わりは無いと思うの」 「せつな…」 「それに、初対面だからまだ…その様を付けた方がいいかと」 「そっか」 ラブはベッドに静かに座ると、せつなを横に招き入れた。 「せつならしいな。それが悩みなんだ」 「えっ?悩み?…あ、実はね」 「?」 的が外れてたのに驚きを隠せないラブ。 せつなは立ち上がり、洋服ダンスを漁り始める。 「ど、どうしたぁ???」 「決まらないの!どれがいいか―――――」 悩みとは、着ていく洋服の事だったのだ。 鏡の前で立ち尽くしていたせつなを思い出すラブ。 硬くならなくてもいいのに、と口にしようとしたが思い止まる。 〝初めて…会うから〟 目を閉じ、あの頃を思い出す。 風と共に現れた少女、東せつな。 大きな麦わら帽子と白いワンピース。 ラブにとって、せつなとの本当の出会いは―――あの時だった。 今でも忘れない。あの時の思い出と、抱きしめた温もりを。 「家族が増えたよ!おじいちゃんっ!!!」 「ラブ!何してんの!」 「おいおい、お墓は叩くもんじゃないだろう…」 「もう、ラブったら」 「あはっ、わはははは」 お墓である事を忘れてしまうぐらい、温かな雰囲気に包まれた家族がそこに。 そして――― 「こんにちわ、おじいちゃん」 「おっ」 「静かに」 あゆみが空気を読んだ。圭太郎もそれに気付いて。 「せつなです。宜しくお願いします」 「そ~ゆ~こと。おじいちゃん、硬いのはナシでいいよね?ねっ」 子供達の姿が何だか微笑ましく思えて。 後ろから見詰める圭太郎とあゆみの表情ははすっかり笑顔。 「暑くありませんか?」 せつなは被っていた大きなむぎわら帽子を墓石にそっと、掛けて。 「いいなぁ~おじいちゃん」 ラブはちょっぴり不満そう。案外本心だったりして。 「さ、今日は張り切っちゃうぞー!」 「お父さんはいっつもガーターばっかりなくせに」 「あたしもぐでんぐでんになっちゃうんだよなぁ…」 「私、ボーリングは負けないんだからっ」 「その格好じゃキビシイかもよ、せつな」 「あ…」 そこにいたのは、久しぶりに白いワンピースを着た少女。 圭太郎とあゆみ、そして源吉は初めて見る。 可愛くて清楚な娘、そして―――孫の姿を 「また来るね、おじいちゃん」 「またみんなで来ます」 愛ある印は受け継がれて行く。 家族の温もりと優しさと、幸せが。 (おじいちゃん。私は今―――幸せです) 澄み切った青い空に、心の声が届いた瞬間だった。 〝ありがとう〟 ~END~
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/758.html
小鳥のさえずり。 カーテンからはうっすらと光が射して。 (今日は晴れかな…) せつなが居なくなって、心にぽっかり開いた穴。幾度と無く涙した涙。 寂しさを埋める事が出来なかった。 幸せゲット…出来なかったよ。 苦しい日々が続いた。 眠れない日もあったぐらい。 思い出すのは、楽しかった日々の事ばかり。 居ないのわかってるのに、開けてしまうせつなの部屋のドア。 ある日、あたしは夢を見て。 ベランダデートしてたんだ。一緒に暮らしてた時と同じように。 そしたらね、せつなはあの言葉を口にしたんだ。 ―――私は素直なラブしか知らないけど――― せつなはあたしにチャンスをくれたんだと思う。 それが夢の世界であったとしても。 これを逃したらもう..... 「あたしは――――せつなと一緒に居たい。もう一度…いや、ずっと一緒に暮らしたいんだ!」 素直な気持ちをぶつけた。二人出会った記念日に。 あたしたちだけの特別な日に。 二人だけしか知らない大切な日に。 「私もね、本当は―――」 今思えば、意外な展開だったかもしれない。 生真面目なせつな。「離れていても一緒よ」、そう答えてくると思ってた。 あたしは苦笑いして、次の話題に振る練習だってしてたぐらいだし。 自分に臆病になってたのかな。 せつなの〝夢〟をジャマしちゃうんじゃないかって。 自分が幸せになるより、友達が幸せになった方がいいもんね。 その姿を見てる事が、何よりも幸せなんだもん。 「ねぇ、ラブ」 「何?」 「もっと私を―――愛して欲しい」 それは、あたしが初めて聞いた言葉。 せつなの……願望だったと思う。 潤んだ瞳にはあたししか映っていなかったから。 その日の夜。 あたしとせつなは結ばれた。 初めての人は東せつな。初恋の人。 一生忘れない。一生の思い出。 また記念日が出来たねって、何度も唇を重ねた。 互いの体を何度も愛撫し、何度も幸福を招き入れた。 本当に。 本当に嬉しかった。 「…ラブ?」 「あ、起こしちゃった?」 窓際に立ったあたしを見て、せつなはきょとんとしている。 「久しぶりに晴れそうだよ今日」 満面の笑顔で答える。朝日にも負けない輝きで。 「でも今日は祝日でしょ?学校も無いんだし…」 まだ眠たそうな声が愛らしくて。 「じゃ、もう少しだけ寝ようか」 開きかけたカーテンを閉めて、もう一度二人だけの世界を作る。 ベッドに潜り込むと、再び愛おしき彼女(ひと)の温もりがあたしを襲ってきた。 それは、あの時と変わらない温もり。 それは、ずっと変わる事のない温もり。 再び始まった二人の仲。 もう離さない。そう心に誓いながら。 温もりを―――抱きしめて ~END~
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/753.html
少し熱めのシャワーを、 頭から浴びる。 火が灯ったように、 体が熱を帯びる。 ほとんど休みの日がなかった私を見かねてか、 半ば強引に、四つ葉町でのお休みを決められた。 ラブの部屋の鏡を通して、 手紙を送った。 喜ぶあまり飛び跳ね過ぎて、 ベッドの角に足をぶつけている。 思わず、笑みがこぼれる。 ラブのことは、鏡を通して ずっと見ていた。 目覚ましを何個もセットして、 一生懸命、早起きしていること。 頭を抱えながら、勉強も 頑張っていること。 ダンスの練習も、部屋で こつこつやっていること。 そして、時々、私の名前を呼びながら ひとりで、していること。 四つ葉町に、帰ってきた。 懐かしい顔が、揃っている。 全速力で駈け寄ってきたラブに、 そのままの勢いで抱きしめられる。 倒れそうになる体を、 何とか支える。 首に回された腕。 私を呼ぶ声。 髪の匂い。 ずっと、会いたかった。 抱きしめ返す腕に、力が入る。 もうひとつの感情が、 頭をもたげる。 疼き。 みんなの後ろを、 ゆっくり歩く。 交わしているのは、 たわいのない会話。 指を絡めて、繋いだ手。 手のひらを離し、ラブの親指が 私の手のひらで円を描く。 もうひとつの、 ラブの気持ち。 体に、じわりと 痺れが走る。 ボーリング場で、 ドーナツカフェで、 食卓で。 絶えず、触れあう手。 指を通して、伝わる思い。 我慢、できないよ。 一緒にお風呂に入ろうとするラブを、 必死で食い止めた。 止められる、自信がない。 ゆっくり、ひとりで お風呂に入る。 体が熱いのは、 シャワーのせいだけじゃない。 全身、くまなく泡をたて、 きれいに、きれいに洗う。 髪のトリートメントも、 念入りにする。 湯上がりにドライヤーを当てると、 さらりとした髪が、いい香りを纏う。 私の部屋は、 何も変わっていない。 ベッドに腰を下ろし、 髪をきれいに梳かす。 電気を消す。 胸の鼓動が、一気に高まる。 肌が、粟立つ。 全身が、待ちわびるかのように 細かく震える。 ノックの音に、体が震える。 すでに感じる、 あふれる感覚。 上気して、潤んだ瞳のラブを 迎え入れ、今度は私が抱きしめる。 ぎゅっと、力を入れる。 ラブの匂い。 胸いっぱいに、吸い込む。 首すじに、ラブの唇が触れる。 私も、ラブの首すじに唇を寄せる。 唇を這わせながら、 荒くなる、鼓動と吐息。 歯が当たりそうな勢いで、 唇を押しつけ合う。 鼻から漏れた息が、 顔に吹きかかる。 角度を変えながら、 何度も唇を重ねる。 お互いの、梳かしたばかりの髪を 両手でくしゃくしゃと乱す。 もつれあうように、 ベッドに倒れ込む。 もどかしい手つきで、 お互いのパジャマをはだける。 お互いの全身で、 触れあう。 屹立した乳首。 たっぷりとうるおった、 敏感な部分。 擦れあわせる度に、体が ぶつかりそうなほど跳ねる。 たまらずに、漏れる声。 中で、かき回しながら、 蜜に舌を埋めながら、 お互いの名前だけ、 呼び合う。 お互いに、体を波打たせて 甘い頂点を味わう。 鎮めるような優しい愛撫のなか、 軽い眠りに、吸い込まれる。 何度も、繰り返す。 まどろみから覚めると、 朝の光が差し込んでいた。 目の前で、寝息を 立てている、ラブの顔。 満たされた、幸せな表情。 その瞳が、 ゆっくりと開く。 「...おはよう、せつな」 激しく乱れた自分を思い出し、 思わずラブに背中を向けた。 くすっと笑ったラブに、 後ろから抱きしめられる。 思わず、体を震わせた。 背中に、何度も、 ゆっくりと唇が触れる。 少しくすぐったい感触のなか、 心の奥まで届く、ラブの想い。 寝返りを打ち、私もラブのほおに 長い時間、唇を押しつけた。 私の想いも、同じだからね。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/643.html
あたしを愛してくれる人。 あたしが愛している人たち。 胸いっぱいに染み渡る温かい気持ち。 瞳で、笑顔で、仕草で、言葉で、 あたしを幸せにしてくれる。 せつなには、そんな人が今、側に居るのかな? 「ねえ、せつな。せつなの幸せは何?」 せつなが居なくなって、もう一ヶ月がたつ。 せつなを想う気持ち。 今日あった出来事。 毎晩、せつなの部屋に来て、語りかけるのが習慣になっていた。 「私の幸せは、みんなを笑顔と幸せでいっぱいにすることよ。」 せつなの声が聞こえたような気がした。 見上げた星空の光が、せつなの涙みたいに見えた。 「じゃあ、せつなの笑顔と幸せはどうなっちゃうの?」 それが、せつなの幸せならそれでもいい。だけど思うんだ。 メビウスのために命を捨てようとした。 あたしたちのために、一人で占い館に行った。 そして、ラビリンスの人たちのために、自分の気持ちをこの部屋に置き去りにして、 一人でラビリンスに行ったんじゃないかって。 あたし、言ったよね。 自分の幸せも、みんなの幸せも、どちらも大切だって。 せつなは、みんなの幸せのためにラビリンスに行ったんじゃないの? 少なくとも、お別れの時のせつなの笑顔は寂しそうだった。 初めて会った頃のような、我慢してるような笑顔だったよ。 何も持って無い少女が、命を失ってまでして、ようやく手に入れた小さな幸せ。 それすらも投げ打って、人のために尽くそうとしてる。 そんな気がして悲しくなる。 あの時は言えなかった。 確かにラビリンスの人たちには、せつなが必要だった。 だけど。 ――――せつなは、幸せになっていいんだよ。 ――――自分の幸せを見つけていいんだよ。 おやすみなさい、せつな。 必ず幸せ、ゲットしようね。
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1064.html
「ねぇ、ラブ。あの子たち、何やってるの?」 学校からの帰り道。せつなが不思議そうに、道行く子供たちを見やる。言われて振り返ったラブは、数人の小さな女の子たちがキャーキャーと笑い合っているのを見て、ああ、と笑顔で頷いた。 「あれはね、しりとり、っていう遊びだよ。」 「しりとり?」 「そう。何か言葉を言って、その言葉の最後の音から始まる言葉を続ける遊び。例えば、あたしが『くも』って言ったら、せつなは『も』から始まる言葉、例えば『もり』って言って、次にあたしが『り』で始まる言葉、例えば『りんご』って言う、っていう感じ。」 「へぇ。面白そうね。」 「試しにやってみる?あ、言っとくけど、『ん』で終わる言葉を言ったら負けだからね。それと、同じ言葉を二回言うのもダメだよ。じゃあ、あたしから行くよ?まずは・・・あき。」 「じゃあ私は『き』から始まる言葉を言うのね?じゃあ・・・きいろ。」 「ろうそく。」 「くるま。」 「まくら。」 「ラブ。」 「ん?」 「だから・・・ラブ。」 「???」 「あの・・・『ら』から始まる言葉だから・・・。」 「わはー、そっか!うーん、人の名前ってオッケーなのかなぁ。ま、まぁいいや、人の名前でもオッケーにしちゃおう!えーと、じゃあ『ぶ』からだから・・・ぶどう。」 「うし。」 「しるし。」 「しあわせ。」 「せつな!」 「なぁに?」 「えへへ。あたしもお返し。『せ』から始まるから、せつな、だよっ。」 「ふふっ。だから、『な』から始まるから、なぁに?って言ったでしょ。」 小首をかしげて嬉しそうに笑うせつなに、ラブの頬がうっすらと赤く染まる。 (せつなったら、そんなの反則・・・っていうか、その笑顔が反則だよぉ。か、可愛いすぎる!) 「あはは~、そ、そっか!じゃあ、次は『に』だね。に・・・に・・・あれ?ダメだ、ニンジンしか浮かんでこないよぉ。」 いつの間にか、二人は家の玄関の前に立ち止まっていた。玄関でその様子を見ていたタルトが、呆れたように声をかける。 「ピーチはん。今のあんさん、まさに『に』で始まる顔してまっせ~。」 「何よ、タルト。」 「そんなにデレデレして~。まさに、『にやけ顔』やがな。」 お後がよろしいようで。