約 1,719,032 件
https://w.atwiki.jp/websakahokan/pages/93.html
2045シーズンチャンピオンズカップ フォーメーション 選手名 スコア 選手名 フォーメーション バイエルン 2000-015-4-1攻撃的 4-0 カテナチオ5-3-2攻撃的 コンラード・ルイージ ジャンルカ・ブッチ ハコボ・サンタクルス ヘルムート・シュレーダー チアゴ・グレイシー エンリコ・ロスタ フェルナンド・ヒメネス フェルナンド・ヒメネス エンリコ・ロスタ ラディラフ・マイナー パオロ・マンチーニ カレスネ・ババヤロー アンデルソン・マジコ・デ・ソウザ ジョセフ・ガリアーノ クローデ・マテレレ アンディ・ドレイク ヘルムート・シュレーダー ステファノ・ドラビッチ マルセリーニョ・ガウショ フランシスコ・バティス パオロ・ファン・ローイ リベリーノ 監督 監督 ニハト・アクエル ヤール・フィヨルトフト
https://w.atwiki.jp/websakahokan/pages/145.html
2051シーズンチャンピオンズカップ フォーメーション 選手名 スコア 選手名 フォーメーション ヴァレンシア 2003-044-2-3-1バランス重視 1-3 バルセロナ 1999-002-3-2-3攻撃的 エドゥアルト・ゲアトルーヅ ミゲル・バロス ヘルムート・シュレーダー フェルナンド・ヒメネス エンリコ・ロスタ ローラン・バロン フェルナンド・ヒメネス ジョセフ・ガリアーノ ジャンルカ・ジャンニケッダ ジョセップ・ガルシア アンディ・ドレイク リドリー・コート ジョセップ・ガルシア ジュアン・サイコビッチ ワタウ エドムンド・カルデロン ジュアン・サイコビッチ アンドレス・ファンジオ アストン・ドールマン マルセロ・ロハス マルセロ・ロハス 瑠威主・アレグリオ 監督 監督 マルティン・リッター マウリッツィオ・コンティ
https://w.atwiki.jp/gods/pages/118654.html
レオポルト(9) ポルトガル王の系譜に登場する人物。 関連: フェルナンドニセイ(2) (フェルナンド2世、父) マリアニセイ (マリア2世、母)
https://w.atwiki.jp/websakahokan/pages/59.html
2041シーズンチャンピオンズカップ フォーメーション 選手名 スコア 選手名 フォーメーション N-BOX3-5-2攻撃的 3-2 アムステルダム 94-953-4-3バランス重視 サンティゴ・イグレシアス ミケル・サージェス ファビオ・バイアーノ ハコボ・サンタクルス 岡本 徹 フェルナンド・ヒメネス フェルナンド・ヒメネス フリオ・センニーニ ヘルムート・シュレーダー ハイメ・テルチ エルネスト・レオポール ジョン・マイルズ アンデルソン・マジコ・デ・ソウザ ファべル・ハシェック フィリップ・ランフォード フランチェスコ・トット アンドレ・ルノー リマ・ゴメス パオロ・ファン・ローイ パトリック・アルフォンス マルセロ・ロハス ルイス・マドラス・フットレ 監督 監督 ファハド・ザイド・ファタラ ジェイムズ・ブリッジス
https://w.atwiki.jp/gods/pages/118657.html
エリザヘンスラー(エリザ・ヘンスラー) ポルトガル王の系譜に登場する人物。 オペラ歌手。 関連: フェルナンドニセイ(2) (フェルナンド2世、夫)
https://w.atwiki.jp/ova-v/pages/396.html
オーダーミッションNo.008【逃走部隊殲滅】 ――Oparation Gates of Hell (投稿者:怨是) 逃走部隊殲滅 難易度: E依頼主: バンガード作戦領域: BURIED FACILITY(オーダーミッション07)敵対勢力: ミグラント敵戦力: 偵察型作戦目標: 敵部隊の全滅特記事項: 敵1機の突破限界ライン到達につき報酬を減額 概要:これまで我々の追撃を掻い潜り、各地を襲撃してきたミグラント共のアジトを発見した。確実な掃討を行う為、傭兵という保険を掛けることにした。敵の逃走経路上にて待機し、我々の攻撃を掻い潜り逃走する敵部隊を撃破してもらう。こちらが指定する突破限界ラインに到達される前に撃破しろ。突破限界ラインに敵が到達する度に報酬から減額させてもらう。なお君たち傭兵は保険として雇う為、我々のみで掃討に成功した場合でも一定の報酬は支払わせてもらう。任務の確実な遂行を期待する。 バンガードに所属するフェルナンド・バラハ少尉は、砂塵が風に舞う様子をモニタ越しに眺めながら、今回の保険として雇われた傭兵の到着を待っていた。上官から「元政府軍の、腕利きの傭兵に依頼しておいた」という一言だけで、この僻地へと飛ばされた。別働隊が敵勢力の掃除をするので、そこから逃げる敵を領域内で撃墜しろというのが作戦の要綱だ。件の敵勢力は昨年に砲台陣地に傭兵を陽動として寄越し、その隙を狙ってイル・シャロムに侵攻してきた連中だった。 フェルナンドは上層部の決定に対し、何ら異議を申し立てなかった。上に従うのが、下々の者達の唯一にして絶対なる存在理由だ。その為に階級が存在する。彼ら上層部は下級の存在に指令を与える事で理念を体現し、それによって初めて社会が形成される。フェルナンドにとって、それは疑うべからざる真理だった。 ――私は、必要とされている筈だ。 フェルナンドがあれこれ思案していると、コックピットのスピーカからブースタの音が聞こえてきた。他の友軍機は既に、武装勢力の掃討作戦に出向いている。今この場でAC特有の乾いた噴射音を響かせるのは、傭兵のACに他ならない。そのACは、装甲を固めた逆関節型だった。ライフルとバトルライフル、それからショットガンとプラズマガン。政府軍の指揮官用ACをベースにしたとは思えない、物々しい装備だ。周波数(チャンネル)検索ボタンを押し、コンソールに表示された6桁の番号に通信を送る。 「来たか……仕事はしっかりとこなせよ、雇われ」 《わざわざ云われなくても、先刻承知ですよ。集中できないんで黙っててくれます?》 若い女性の声だった。通信には、砂利が転がる様な音が混じっていた。その正体が何なのかは判然としないが、大方、戦場の風を感じたくてコックピットを開け放しているのだろう。フェルナンドは彼女の命知らずな行為についてよりも寧ろ、彼女の口調が随分と反抗的な事に苛立った。 「軍属時代に口の利き方を習わなかったのか? 上官の名前を云え」 《あれれー? もしかして、怒ってます? 激おこ? せっかくお空は晴れてるんですから。はい、笑って笑って》 しかし彼女はフェルナンドの質問をまるきり無視した内容を、無感情な声で捲し立てる。一体、何を喰えばそんな空とぼけた発言をする事が出来るのだろうか。フェルナンドは憤慨を隠さず、コンソールを殴った。ACの頑丈なコックピットはその程度で音を上げず、当然ながらフェルナンドの右手は鈍痛に苛まれた。 「誰が笑うか! 人の話を無視するな。雇われの分際で!」 《生憎、都合の悪い事は全部忘れてしまう性質でしてね。誰だったか記憶にございません。あと私の名前は“雇われ”じゃなくて“中尉”です。オーケイ?》 相変わらず、カラカラという音がする。砂利が金属にぶつかる音だろうか。兎に角、フェルナンドは頭を抱えるしか無かった。こめかみに断続的な痛みが奔り、精神の集中を容赦なく遮る。 「……くそ、頭痛薬が欲しい。何故私がこんな辺境の地で、傭兵のお守(も)りをせねばならんのだ。しかも云うに事欠いて“中尉”などと巫山戯た名前を!」 いっその事、このまま頭の血管でも切れさせて体調不良を理由に帰還してしまいたかった。そうすれば、この碌でなしの傭兵ともおさらば出来る。次に出会うのは随分先の事だろう。否、そうであって欲しい。只でさえバンガードは、クーデターで成り立った軍事政権に起因する、実力以外の事情には関知しない遣り方の所為で奇妙奇天烈な人物がここぞとばかりにひしめき合っている。フェルナンドは、そんな彼らの浮き世離れした戯言を幾度も聞かされてきた。 これで傭兵まで予想の斜め上を往く輩(ファンタジスタ)なのだから、本気でこの世は救われない。せめてお目付役がまともならば、幾らかは気も安らぐのだが――と、そこまで考えた辺りで脳裏に名前が浮上した。 「そうだ、思い出したぞ。貴様のパートナーは確か“大尉”と名乗っていたな?」 中尉の上は大尉だ。どうして結びつかなかったのだろうか。 「あれは居ないのか? 貴様の上官だろう?」 《あんたの後ろですよ。少尉殿》 《悪いが、そいつの上官だった覚えは無いぞ。青坊主》 中年に差し掛かった男の濁声が、フェルナンドの心臓を小突いた。 「ふおッ?!」 フェルナンドは思わず座席から飛び上がりそうになるも、慌てて咳払いをし、その場を取り繕った。 「――い、いや? 別に。一応確認をしておこうと思ってな」 《聞いたか中尉。さっきの叫び声。傑作だよな》 《腹がよじれますね。こんなに笑ったのは久しぶりだなーオモシローイ》 笑い声と棒読みの言葉が交差し、フェルナンドは堪えかねて通信を切った。それから、フットペダルを踏み抜かない様に一応は気を使いつつも、手近な無機物を蹴飛ばした。 「ああ、くそ! どいつもこいつも馬鹿にしおって!」 大尉はコックピットの中で笑い転げていた。雇い主の子飼いの兵士は、久々の上物だった。彼には気の毒だが、あの性根は道化そのものだろう。 「ふぅ、さて。始めるかね」 《そうですね》 事前のブリーフィングで、作戦の大まかな内容は掴んでいる。逃げる奴を撃つだけの、簡単な仕事だ。この程度の依頼に二人掛かりでやるのも正直、馬鹿馬鹿しい。それに、元より大尉は報酬分の働き以上の事はしない主義だった。 が、今回ばかりは特別だ。相手方のミグラントの元締めはかつて反政府主義を掲げ、レジスタンスを結成していた連中だった。何度も煮え湯を飲まされている。数年前にシティを脱出した折に於いても、何かと因縁を付けられ、罵声と銃弾の雨あられをたっぷり頂戴した。お陰で生死の境を彷徨った事もあった。 「こんな事で腹癒せするのも、何だか大人げないとは思うが」 当たり所が悪くなければ、連中も死にはしないだろう。大尉は本日で六枚目になる板ガムの包み紙を開け、内容物を口に放り込んだ。通信装置がビープ音を鳴らす。 《こちら観測部隊。敵部隊を捕捉した。よろしく頼む》 作戦開始の合図だ。大尉は愛機のタンク型AC――クローザーに渇を入れ、グライドブーストを作動させた。クローザーは砂埃を巻き上げ、一塊になっている敵集団へと突っ込む。左腕部に持たせたオートキャノンの四門の砲身それぞれから、砲弾がマズルフラッシュを伴って撒き散らされる。あちらこちらを彷徨いていた航空偵察型戦闘メカの群れは、瞬く間に装甲や煙を散らし、砂地へと突っ込んでいった。可哀想に。あれでは助からないだろう。随伴している中尉もまた、重量逆関節AC“レーヨン”を巧みに操り、プラズマガンの爆風で偵察型を叩き落としていた。 青坊主はと云えば、作戦領域の遙か後方から此方の動きを眺めているだけで、何もしようとしない。 ――両手に持ったレーザーライフルとレーザーキャノンは飾りかよ。 少しは手伝って欲しいものだが、バンガード標準機の機体色からは大きく外れた青色の迷彩塗装を見るに、部隊内でも爪弾き者になっている事は想像に難くない。だとすればあれは、保険のそのまた保険としてバンガードが用意した、単なるおまけか何かだろう。見たところ、監視役という訳でも無さそうだ。 「っと……」 弾幕を免れた偵察型が後ろへと飛び去る。 《何やってんですか》 中尉が何故かやたら嬉しそうに、大尉の討ち漏らしを撃墜した。彼女は戦闘に高揚感を得るといった酔狂な性質ではない筈だ。恐らく、此方のミスをここぞとばかりにあげつらう事に喜びを感じているのだろう。相変わらずいい性格をしている。 ――なるほど、こうやってわざと討ち漏らしを作った時に確実に掃除するのが青坊主の役目か。 しかし、それなら安い戦闘メカなりMTなりを大量配備しておけば良いのだが、敢えてACを持ち出したからには、それなりの考えがあっての事だと信じたい。大尉は殊更に溜め息をつきながら、次の敵を待った。 この近辺は各所に建築物の残骸が転がっている所為で見晴らしは最悪だ。建物の陰に隠れていれば、偵察型は無警戒に突っ込んできてくれる。時折、頭の良い奴が乗っているのか、分散してやって来る事もあった。しかしそれも、二機のACを前にしてしまえば全く意味を為さない。領域内に踏み込んだ戦闘メカは、その悉くが爆発四散していった。 作戦は二人組の傭兵のお陰で、順調そのものだった。性格に問題は見られるが、腕が立つという話に偽りは無いらしい。想定難度Eという比較的簡単な仕事という事を差し引いても、彼らの働きぶりは見事の一言に尽きる。 「この分で行けば、予定の半分以下の時間で作戦は終了するな」 作戦領域に入り込んだ敵は片っ端から消し炭にされている。此方で手出しをする必要は無さそうだ。フェルナンドは、ならばと放置を決め込み、ついでに物思いに耽る事にした。 曜日の感覚が麻痺していたせいで、先日は礼拝をし損ねた。それがフェルナンドの心中を暗澹たるものにさせ、コンソールを爪で叩く彼の仕草はいつもに増して苛立たしげだった。神が人類を救ったという事実を明確に知り得る機会は、彼の人生に於いては一度とて無かった。しかし、こっぴどい厄災で身を滅ぼしかけた事もまた皆無であった事から、フェルナンドは神というものは保険に等しいものなのだろうと考える事にしていた。その理屈で行くならとどのつまり礼拝は、保険の契約更新だ。それが行なわれなかったという事は、即ち何が起きても身を守れないという事だ。 フェルナンドは日陰に籠もり続けていた所為で日焼けしていない肌を殊更に青くしながら、溜め息をついた。クーデターから何年も経過していながら、戦いに終焉は訪れない。誰に讃えられるでもなく、自分達は戦い続けている。果たして神は今も、人類を見てくれているのだろうか。この世界はとっくのとうに見捨てられ、いつ終わるかも解らない戦乱も、人類が惰性で続けているだけではないか。最早、祈りは意味を為さないのではなかろうか。 ――これを口にすれば、不毛な杞憂と笑われるだろうか。 フェルナンドは急に、心細くなってきた。もしも種々の心配事が真実ならば、如何様に足掻こうともその先は絶望しか存在しない。それは嫌だ。時には文字通り泥を啜って、今まで生き存えてきたのだ。確かな結果が欲しかった。確かな評価が必要だった。神からの返答を、何よりも渇望していた。無視されたくない。胸中渦巻く不安が、脂汗となって額に浮かぶ。 《こちらジャバウォック3! 敵拠点にて、ACと交戦中! 敵ACはアリーナ登録機体、ゼノンオルガ! 至急、増援を!》 《バンダースナッチより、ジャバウォック各機へ! 友軍被害甚大、撤退せよ! 繰り返す、撤退――》 《ジュリアスだと? Sランク上位傭兵(シングルナンバー)が、何故此処に?! 見間違いでは――うわあ!》 《作戦本部(HQ)よりジャバウォック隊各機へ。応答せよ……応答無し。壊滅か》 矢継ぎ早に次々と訪れる通信と断末魔が、フェルナンドの意識を現実へと引き戻した。 「……ジュリアス? あのジュリアスなのか!」 別働隊を壊滅させたその敵の名前は、確かにフェルナンドの記憶に存在した。 《久方ぶりだな。あれから一年か》 フェルナンドはその声を聞き違える筈も無かった。紛うこと無く、相手はジュリアスだ。ジュリアスは昨年の砲台陣地にて、戦闘した記憶がある。あれ以来、彼と出会う事は無かった。ジュリアスは姿を消していたのだ。その彼が今、戦場に居る。姿こそ見えないが、遠からぬ内に相見える。 ――好都合だ。決着を付けようか。 「答えろ、ジュリアス。我々の側に付かない理由は何だ」 《青坊主の知り合いかね。幾ら接敵まで距離があるとはいえ、そういうのは止(や)めて貰いたいが》 「今訊かねば、機を逃す。許せ」 フェルナンドは、愛機アズール・Bを前進させる。フェルナンドは彼の者との決闘と、彼の者にまつわる真実を狂おしい程に求めていた。 「ジュリアス、答えろ! 何故、バンガードに楯突く! 何故、政府軍側に付いた!」 捲し立てるフェルナンドに対し、ジュリアスの声音は嫌味な程に冷静だった。 《少し勘違いしているらしいが、俺はあの当時、クーデター軍側に付いた。そして今は、バンガードを倒す側に居る》 「……何が望みだ? 永遠の反体制でも嘯くつもりか?」 《そんな大層な理屈は掲げんよ。俺は単に、戦いたいだけだ》 「戦乱を望むだと……愚かな」 彼もまたこの世に数多と存在する、単なる戦闘狂でしかないのか。彼の発言の奥底には、恐らくは彼自身の深遠なる思想が隠れている。しかし、フェルナンドは彼の少ない言葉からはそれを読み取る事が出来なかった。 大尉は辟易した。此処は三文芝居の開かれる場末の劇場ではない。命を奪い合う戦場だ。なのに、彼らは自らの精神を安定させる為にではなく、もっと不明瞭で不正確な、それでいて不的確な理由で口を開いている。 「おい、中尉。茶番を止めさせろ」 《ああいう手合いは呼吸と茶番がイコールなんです。口出ししても無駄かと》 《聞こえているぞ》 「聞こえる様に云ったんだ」 直接云っても、先程の様に反論されるだけだ。ならばせめて、皮肉たっぷりに回り道をしてやる。三流喜劇のラジオを聴きながら死ぬなど、真っ平御免だ。漸く観念したのか、青坊主は黙りこくった。或いは、周波数を変えて茶番を続けているのかもしれない。なら初めからそうしてくれれば良かったのだ。 大尉は味のしなくなったガムを包み紙に丸めて、ポケットに放り込んだ。それから、新しいガムを口に入れる。仄かなニコチンとタールと、メンソールの味がささくれ立った精神を鎮めてくれる。 《……敵機、領域内に入った。心して掛かれよ》 青坊主が、静かに宣告する。 既にクローザーのカメラは、敵機を捉えていた。探知機によって、忌むべき番狂わせの姿は浮き彫りになっていた。敵機は、此方の動きを探る様に、障害物の間を縫って接近してきている。なるほど、手練れの傭兵らしい動きだ。 「それにしても連中、よくアレを雇う金が残ってたな。で? どう動くんだ、中尉殿?」 《やり方はお好きにどうぞ。死んでも骨は拾いませんけど》 「へいへい、いつも通りだな。楽でよろしいね、まったく」 中尉のレーヨンはまだ、逃走する偵察型の掃除で忙しい。青坊主も何やら息巻いていたが、本来の依頼内容から察するに、此処は傭兵だけで片を付けるべきなのだろう。大尉はクローザーを前進させながら、額に手を当てる。全く、面倒な事になった。 《――待て。私も援護する》 「構わないが……そのレーザーキャノンはしっかり当てられるのか?」 《貴様が引き付けろ。それで済む話だ》 「お手伝いついでに誤射なんざしやがったら、蹴飛ばして海に沈めるからな」 幾ら熱量兵器への耐性が高いタンクといえども、当たれば無事では済まされない。 《解っている。何も問題は無い》 既に三発目のレーザーキャノンが、クローザーに命中していた。 《おい! その粗末な奇跡を俺のケツに幾つ突っ込むつもりだ!》 大尉と名乗る男が、声を荒げる。 「やたら動きが良くてな。狙いが定まらん。くそ、何故こうも避けられる」 重量二脚型の機動力であれば、容易く当てられる筈だ。少なくとも今までは、こんな事にはならなかった。然るにジュリアスのAC“ゼノンオルガ”は、Sランク傭兵の名に恥じぬ動きを見せている。 《さっさと玩具を棄てて接近戦に切り替えろ! もう俺の機体は保たんぞ!》 「了解だ」 フェルナンドは半ば自暴自棄になりながら、アズール・Bのグライドブーストを起動させた。彼我の距離を詰め、レーザーブレードを振り抜く。しかし、莫大な熱量を伴った光の刃は周囲の建築物を抉るだけだった。ゼノンオルガは建物を蹴る動き――俗に云うブーストドライブによってレーザーブレードの命中範囲から退いていたのだ。フェルナンドが状況を理解したその直後、夥しい量の弾が浴びせられる。瞬く間に装甲は穴だらけになり、警告音が絶え間なく喚き散らした。 「機体性能の差は殆ど無い筈だ……」 友軍機のクローザーがオートキャノンと単発型のキャノンを交えて支援砲撃を行なってくれてはいるものの、それでもゼノンオルガはアズール・Bへの狙いを外さない。 「貴様の様な戦争中毒者が世界を狂わせる! 指導者による支配こそが、我等の真に生きるべき道だ! 何故、それを理解しない!」 屈辱に心が折れそうになりながらも、フェルナンドは通信を飛ばした。奇跡でも起きれば、ブーストチャージで蹴飛ばせる筈だ。そうでなければ、何の為にわざわざ渦中へ飛び込んだというのか。 《戦い続けなければ生きられない。それは人も、そして世界も同じだ》 ジュリアスが淡々と述べ、それと同時に、フェルナンドは自機が致命的な衝撃を与えられた事を悟った。機体が揺れる。警報がけたたましく鳴り響き、機内の色彩は警告表示で真っ赤に染まった。 ――私は死ぬのか。奴が何を思っているのか、それすらも知らぬまま。 随所から煙が溢れ、バランサーが制御を失った所為で火元を確認する暇も無かった。フェルナンドは不思議と焦らなかった。むしろ、笑いが込み上げてくる。 いずれ死ぬとは思っていた。その日が今日だったという事だけだ。果たしてこの戦いが誰かに記憶されるのかという懸念はあったが、それを確かめる術が無い以上、座して天命に身を委ねる他無かった。 「大佐、大佐……我等が偉大なる父よ、私の魂は、いつも貴方の傍に!」 魂などという不確かなものに依存した信念とは、笑わせる。フェルナンドは現に、腹が引き裂ける程の哄笑をコックピットに響かせていた。 「バンガード、万歳――!」 一際大きな爆発音と共に暗闇に覆われ、フェルナンドは一切の言葉と思考を失った。恐らくは、その肉体も。 バックモニターが、火を噴いて転がる“青坊主”を映していた。やがて青坊主は建物に激突し、盛大に炎上した。あれでは助からないだろう。 「おい、HQ! 青坊主がくたばったが、報酬はきっちり支払われるんだろうな!」 《無論だ。Sランク傭兵自体が想定外(イレギュラー)だった以上、腹を括るしかあるまいよ》 友軍を死なせた割には、存外に肝が据わっている。しかしながら、大尉は敢えてそこに言及するつもりも無かった。相手方も軍人だ。相応の覚悟はしているのだろう。そう考えるだけに留めた。 「物分かりが良くて助かる」 《増援到着までにそいつを倒せば増額するが、どうする?》 「このドンガメじゃ追い払うのがやっとだ。さっさと増援を寄越してくれ」 《到着まで残り3分だ。健闘を祈る》 「了解。切るぞ」 たったの3分で増援が到着する事を怪訝に思ったが、ひとまずそれは頭の片隅にでも追い遣っておくべきだ。直ぐにでもこの場から逃げねば、相手の思うつぼだ。長話をしていられる余裕も、余計な事を考える余裕も、今は無い。 《さて、勝負と往こう。互いが生き続けるために》 「無駄な戦いは御免だ」 《少し付き合えよ。久々に骨のある相手とやり合えて、俺は嬉しい》 「黙れよ、気障野郎。俺は全く嬉しくない」 折角の頭スッキリ計画を邪魔され、大尉は憤慨した。ジュリアスは、憎らしいまでに余裕を見せている。その事実は覆せない。大尉はこの依頼を一人で請けていたらと想像し、ぞっとした。 オートキャノンの弾幕は殆どが回避され、キャノンに至っては悉くが空を切っている。大尉が歯痒い思いをしていると、横合いからゼノンオルガ目掛けて散弾が飛ぶ。見れば、レーヨンのエンブレムが表示されていた。 「そっちは片付いたのか」 《友軍機も損害無し。後で追加報酬をせびりますか》 「上出来だ。後はあの野郎を撒くだけだな」 大尉はそれ以上、語らなかった。それなりに長い付き合いが、大尉と中尉の意思疎通を容易にさせた。 ゼノンオルガがレーヨンを狙おうとすればクローザーが射線上に割り込み、オートキャノンで応戦する。そしてクローザーを踏み台にして跳躍したレーヨンが、ゼノンオルガの真上から成形炸薬弾(HEAT)ロケットを連射する。 妨害し、やり返し、堪え忍ぶ。それでもゼノンオルガの苛烈な攻撃は、一向に衰える気配を見せない。ジュリアスという度し難き敵は、装甲の防御特性を的確に把握し、その弱点を突いてきた。 《こちらレッドクイーン。作戦領域に到達しました。HQ、以降は私が指揮を行ないます》 艶のある、女性の声だ。コンソールのサブモニタには『SOUND ONLY』とだけ表示されていたが、さぞや美人なのだろう。年齢は自分と同じくらいか、少し上だろうか。兎に角、助かった。 《HQ了解。待たせたな、雇われ》 「死ぬかと思ったぜ。後は頼ん――」 大尉は絶句した。 何処から調達したのか、バンガードの四脚型標準機“ロングボウ”と支援型MTが合わせて二十機近くが、あらゆる方角からやってきた。中にはストライカーも混じっていたが、両手にそれぞれ装備しているのは、恐らく機動力とジェネレータ出力を削ぐ為のジャマーユニットだ。 「――なんだよ、その数は」 《これだけ揃えたなら、Sランクと云えども容易かろう》 《レッドクイーンより各機へ通達。ACを投下、速やかに状況を開始しなさい》 出鱈目な理屈だ。幾ら何でも、遣り過ぎだろう。確か、規定以上の被害を出さない為に、ACの出撃は四機までという取り決めがなかったか。それともバンガードにとっては最早、そんなものは過去の話なのか。 《スペード隊は、広範囲にジャマー散布。ターゲットの動きを封じなさい》 複数機のストライカーが縦横無尽にグライドブーストで走り回り、上空から色取り取りのジャマーをバラ撒く。武装を絞り込んだ機体故に、彼らの速度はゼノンオルガに搭乗するジュリアスをして、捕捉しきれないらしい。 《侭ならないものだな。だからこそ、意義がある》 ジュリアスは事も在ろうに、鼻で笑いながら呟いている。大尉は呆気に取られ、我に返る頃にはジェネレータの容量僅少を示す警告が耳を打っていた。何時の間にか、ジャマーの範囲が此方にも及んでいたらしい。各種ブースト機動を封じられたタンクに、回避手段は存在しない。大尉は散発的にオートキャノンを撃ちながら、クローザーを後退させる。その間にも、ゼノンオルガは悠々と歩いてきていた。こんな状況にしてくれと頼んだ覚えは無い。大尉はすかさず、HQに通信を入れた。 「おい! 俺まで巻き込むんじゃねぇ、動けなくなっちまった!」 《まだ持ち堪えられるだろう。頑張ってくれ給え》 「無責任な事を抜かすな! 重量二脚型で抜けられないんだから、タンク型はもっと無理だろうが!」 《ご自慢の装甲は飾りかね。耐えて見せろよ、その程度》 大尉のこめかみが脈打ち、襟元から耳にかけて、激情が熱を帯びて立ち上る。大尉はガムを吐き捨て、ドッグタグを引き千切った。死ぬと決めた時の合図だ。こうすれば恐怖は自然と薄れて行く。 「理不尽に生き存え、理不尽に死に腐れってか? 俺達らしいよなぁ。了解だ、こん畜生! ああ! やってやるよ!」 《一緒にしないで下さい。困ります》 落ち着き払った声の中尉だが、その乗機であるレーヨンも同様にジャマーの影響下にあるらしい。動きにキレが無い。こんな時に他人の心配をすべきではないが、ジュリアスがレーヨンに狙いを変えたら、中尉はひとたまりも無いだろう。大尉は、せめてもの悪足掻きにと、トリガーを引き続けた。オートキャノンの弾幕が、絶え間なくゼノンオルガへと注がれる。 《スペード隊、包囲網形成完了》 《クラブ隊、ロングボウ及び支援型は砲身を展開完了。レッドクイーン、許可を》 《レッドクイーン了解。総員、排除開始》 幾つもの火線が、ゼノンオルガの装甲を弾き飛ばした。一秒と経たず、辺りに砂塵が巻き上がる。視界が晴れる頃には、原形を留めぬ程に損傷したゼノンオルガが、自重に耐えかねて崩れ落ちた。 《名も知らぬ兵士一堂による銃殺刑です。さぞや屈辱的でしょうね》 レッドクイーンとやらは愉悦を堪えきれないのか、くつくつと含み笑いを交えていた。 「惨い事しやがるな。このザマじゃあ、骨も残らんだろ」 《あの男は、明らかに遣り過ぎました。異物(イレギュラー)を黙認するのは、バンガードの本意ではありません》 「アンタ、初めからこれを狙っていたのか?」 《ご安心を。たかだか傭兵一人の為に、そこまで手間を掛けられませんから》 ――どうだか。 大尉は最後の板ガムを口に含みながら、レッドクイーンを胸中にて侮蔑した。それにしても、彼女の声は何処かで聞いた事があったが、それが記憶の中のどの人物とも結び付かない。顔さえ解れば思い出せそうだったが、サブモニタの中継映像は常に非通知だった。 ふと、サブモニタを見やると、中尉が悩ましげな表情で両手の人差し指を付けたり離したりしている。お前は親に小遣いを強請(ねだ)る、思春期の乙女か何かか。 「中尉、どうした」 《流れ弾が掠った所為で、武器が一つ駄目になりました》 なるほど、嫌らしい真似をしてくれたものだ。大尉は溜め息混じりに、HQへ通信する。 「だそうだが、HQ。修理費は補償してくれるのか」 《生憎、流れ弾であろうと被弾は自己責任だ。承認するとキリが無いのでな。悪く思うなよ》 「ったく、派手にやるのは勝手だが、こっちにまで迷惑かけるのは勘弁願いたいものだな」 《それに、あの部隊長は私より階級が高いから、何も云えん》 「そうかい」 現在のバンガードに於ける階級制度を基準にすると、HQ代表者は少佐程度の階級を持っている筈だ。彼の言葉を信じるなら、レッドクイーンとやらの階級は中佐だろう。大佐の階級を持つ者は無論、イル・シャロムを統べるあの男を除いて存在しない。 つまり、そういう事だ。あの女――レッドクイーンは、自らの立場や、今回の戦闘を利用して傭兵を囮に使い、Sランク傭兵という脅威を排除したのだ。雇い主は通常、傭兵との信頼関係を崩してはならないものではなかったのか。狂った時代が、作法を風化させたのか。それとも、昔から続いていたのか。大尉がそれを知る術は、今は無い。 「帰るか。中尉」 《そうですね》 結局、流れに身を任せるしかない。何とはなしに生き、何とはなしに戦う。只の傭兵に出来る事はと云えば、その程度だ。世界を変えようなどと大それた事をするつもりは無い。 大尉はドッグタグを握り締めながら、迎えの到着を待った。 戦後報告一覧(ASSAULT RECORDS) PILOT NAME CALL SIGN UNIT PROFILE Fernando Baraja - AC(2Legs-H) 男性、24歳。ゲート・オブ・ヘル作戦にて戦死。本作戦には、傭兵を監視する為に参加していた。 The 1st Lieutenant - AC(Revese joint-L) 女性、20代。傭兵。本作戦終了後、ドロップ缶の中身が底を突いていた事を嘆いた。ハッカ飴は計上せず。 The Captain - AC(Tank) 男性、30代。傭兵。本作戦で得られた報酬の大半は、修理費に消えた。パートナーと同じく、現在も傭兵生活を継続。 Dante Biazzi HQ - 男性、50代。未だ衰えを見せず、現役でオペレータを務める。本作戦に参加した兵士の大半は、彼の部下だった。 Marvin Wells Bandersnatch Attack Helicopter 男性、35歳。ジャバウォック隊の管制官及び空対地支援担当として同行していた。ゲート・オブ・ヘル作戦にて戦死。 Gilbert Stoner Jabberwock 1 AC(Revese joint-H) 男性、31歳。ジャバウォック隊の隊長を務める。施設破壊のプロフェッショナル。ゲート・オブ・ヘル作戦にて戦死。 Eugene Gates Jabberwock 2 AC(2Legs-M) 男性、27歳。同部隊に於ける献身的な戦績が評価され、昇進も控えていた。ゲート・オブ・ヘル作戦にて戦死。 Oliver Steuart Olyns Jabberwock 3 AC(2Legs-M) 男性、22歳。ゲート・オブ・ヘル作戦にて機体大破。辛うじて生存したものの、軍からは身を退いている。 Douglas McCoy Jabberwock 4 AC(2Legs-M) 男性、43歳。医師免許を持ち、軍医としても活躍していた。ゲート・オブ・ヘル作戦にて消息を絶つ。 Julian Raysbrand Julius AC(2Legs-H) 男性、41歳。傭兵。反抗勢力に雇われ、バンガード側のACを多数撃破するも、増援の集中砲火により機体大破。遺体は発見されず。 Unknown Red Queen Attack Helicopter NO RECORD - Heart 1 for 17 Helicopter ハート隊。輸送用の大型ヘリで編成される。本作戦限定の臨時部隊であり、普段は別のコールサイン。 - Diamond 1 for 4 Helicopter ダイヤ隊。輸送用の大型ヘリで編成される。本作戦限定の臨時部隊であり、普段は別のコールサイン。 - Club 1 for 8 AC(4Legs) クラブ隊AC分隊。バンガードの狙撃型四脚AC“ロングボウ”で編成される。本作戦限定の臨時部隊であり、普段は別のコールサイン。 - Club 9 for 17 MT(Sniper) クラブ隊MT分隊。狙撃型MTで編成され、包囲網の中心部へ集中的に狙撃を行なう。本作戦限定の臨時部隊であり、普段は別のコールサイン。 - Spade 1 for 4 AC(2Legs-M) スペード隊。ストライカーの武装をジャマーとフラッシュロケットに換装。本作戦の為に臨時で編成され、普段は別の機体・コールサイン。 Jack Laster - AC(2Legs-M) 男性、36歳。傭兵。ジャバウォック隊の通信記録から本作戦への直接的な関与が疑われるも、交戦した形跡は確認できず。 Daniel Phillips Daphnis AC(Revese joint-H) 男性、30代。本作戦への人員提供に際して、何らかの協力を行なったと見られるが、詳細不明。
https://w.atwiki.jp/gods/pages/105944.html
フェルディナンド(2) イタリアのパルマ公の系譜に登場する人物。 関連: ロベルトイッセイ(2) (ロベルト1世、父) マリーアピアディボルボーネドゥエシチリエ (マリーア・ピア・ディ・ボルボーネ=ドゥエ・シチリエ、母)
https://w.atwiki.jp/gods/pages/118885.html
コンスタンサ(7) 中世ヨーロッパのカスティーリャ国王の系譜に登場する人物。 関連: フェルナンドヨンセイ (フェルナンド4世、父) コンスタンサデポルトゥガル (コンスタンサ・デ・ポルトゥガル、母)
https://w.atwiki.jp/gods/pages/118464.html
レオノールテレス(レオノール・テレス) ポルトガル王の系譜に登場する人物。 関連: フェルナンドイッセイ(3) (フェルナンド1世、夫) ベアトリスデポルトゥガル(2) (ベアトリス・デ・ポルトゥガル、娘)
https://w.atwiki.jp/gods/pages/118732.html
シモン(22) ポルトガル公の系譜に登場する人物。 関連: フェルナンドデポルトゥガル(2) (フェルナンド・デ・ポルトゥガル、父) ベアトリスデポルトゥガル(3) (ベアトリス・デ・ポルトゥガル、母)