約 3,372,589 件
https://w.atwiki.jp/fate_extella/
TITLE Fate/Extella(フェイト/エクステラ) 攻略wiki br; このwikiは『 TYPE-MOON 』が提供する『 Fate/Extella 』の非公式攻略wikiです。 br; 版権情報 ; ; 版権情報 タイトル名 Fate/EXTELLA (フェイト/エクステラ) メーカー TYPE-MOON ジャンル ハイスピードサーヴァントアクション 発売日 2016年11月10日 予定 プレイ人数 1人 対応機種 PlayStation®4/PlayStation®Vita CERO 審査予定 希望小売価格 PS4 通常版 7,980円(税別);PS4 限定版 9,980円(税別);PS Vita通常版 6,980円(税別);PS Vita限定版 8,980円(税別);プレミアム限定版 19,990円(税別)
https://w.atwiki.jp/zenkairowa/pages/34.html
なのは。 高町なのは。 私の大切な友達。 八神はやて、シグナム、ヴィータ。 「…………誰?」 フェイト・テスタロッサは名簿を確認しながら自分のグル―プに入っている見慣れない名前に首を傾げる。 どうやらこの会場で私が知ってる人間はなのはしか居ないらしい。 少し寂しくなり、幸運にも支給品として鞄に入っていた長年共に戦ってきた相棒をぎゅっと抱きしめる。 でも、このバルディッシュも自分の知っている形とは違う。 そう遠くない未来、名簿に載っていたヴァルケンリッター達との戦いの間で新たな力を渇望したデバイス自身が望んで 今持っているバルディッシュ・アサルトにバージョンアップするのだが、現在の彼女はそのことを知らない。 そう考えるとふと自分の事を思い出して気落ちする。 「これから、もう一度始める所だったのに。」 ジュエルシードを巡る一連の事件が終わってからまだ数カ月。 私はお母さんに喜んでもらうために頑張って魔導師になって。 昔みたいな優しかった母さんに戻ってもらうために、戦った。 でも、お母さんの本当の娘はアリシアで。私はあの娘のクローンの失敗作だった。 ……お母さんは最期まで私のことを見てくれなかった。 私は生まれてきちゃいけなかったのかな? それでも、私を見てくれたのは……。 頭につけている、なのはからもらったリボンに手を触れる。 ―――ここに、なのはも来てるんだ。 じゃあ、助けにいかなきゃ。約束したんだ。なのはは私の友達なんだから。 短い詠唱を唱え、バリアジャケットを身に纏う。 「行こうバルディッシュ。 ……ところで、あなたは誰ですか?」 立ち上がると同時に、座っていた建物の物陰に向けてデバイスの先端を向けた。 「ま、待ってくれ!俺は敵じゃない!」 物陰から姿を現した両手を上げた少年。 それはパーティー会場で気絶した後土御門に運ばれて会場へ連れて来られた上条当麻だった。 油断は出来ないがそのいかにも無害そうな雰囲気を見て、フェイトの緊張が解かれる。 「……手を下ろしてください。」 「あ、ああ。すまない。驚かして悪かった。俺はこんな殺し合いなんか乗ってない。 俺は上条。上条当麻だ。よろしく。」 当麻はフェイトに手を差し伸べた。それを見て少し考える。 この男、悪い人間には見えないが果して見ず知らずの人間を信用などしていいものなのか。 ましてはここは殺し合いの会場。友好的に接してきていきなりふいをうたれる可能性も。 (……大丈夫。落ち着いて。) 今までの自分のままじゃ駄目だ。なのはや、まだ短い時間しか接してないけどハウラウン艦長とも 仲良くなろうとしていたところだ。この男が怪しい動きを見せたらすぐ魔法で拘束すればいい。 まずは名前を呼ぶこと。相手に名前を呼んでもらうこと。それから始めなきゃ。 (これから新しい私が始まるんだ。だから、信じよう。) 「ええ、こちらこそよろしく上条さん。私はフェイト。フェイト・テスタロッサです。」 にっこり微笑んだフェイトは当麻が差し出した手を握った、 ―――その瞬間。 パリーーーーーーン。 「……え?」 「―――んなっ!?」 鏡の砕けるような音と共に、フェイトのバリアジャケットが粉々に砕け散った。 ―――幻想殺し(イマジンブレイカ―)。 上条当麻が無計画にもうっかり差し出してしまった右手に宿るこの世のありとあらゆる異能の力を無力化し打ち砕く神の力の片鱗である。 それに触れたものはどのような威力を秘めていようが魔術や超能力の類のものである限り打ち消され消滅する。 当然、それそのものが魔術によって構成されているフェイトのバリアジャケットも例外ではなく。 何が起こったか分からずしばし茫然と佇んだフェイトは視線を下に下げていき、 自分が生まれたままの姿を無防備に晒していることに気付いた彼女はみるみる顔を紅潮させ、 「き……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!?ご、ごめっ……うわっ!?」 間が悪い事にフェイトが咄嗟に振りほどこうとした手に引っ張られ、当麻はバランスを崩して倒れこんでしまう。 「いてて……あ……。」 上半身を起こした当麻の瞳に、自分の下敷きになっている少女の怯えた顔が写る。 その右手はフェイトの膨らみかけの乳房を鷲づかみにしていた。 (バルディッシュ!!!バルディッシュ!!!返事をして!!お願い!!) 当然ながらまったく男性に免疫がないフェイトだが日ごろの勉強好きが災いし 少なからず性行為と特殊性癖者の知識がある為、今自分が置かれている最悪な状況を理解してしまう。 恐怖で顔が引きつり、歯をカタカタ鳴らしながら必死で手を伸ばそうと足掻きデバイスに呼びかける。 (どうして!?どうして応えてくれないの!?……なんで!?体が動かない!?) ありとあらゆる異能の力を封じ込める幻想殺しは人造魔術師であるフェイトから魔力はおろか筋力までも奪っていたのだ。 フェイトの体に当麻の右手が触れている限り、彼女は身動きすらとれない。 当麻がショックで膠着しその場を動けないでいる間に事態はどんどん悪化していく。 なんてことだろう、自分の認識がが甘かったばかりに。 フェイトの瞳にうっすらと涙が溜まっていった。 (……ごめん、なのは。キミを守りたかったのに、これじゃ……。) 覆いかぶさる男の理解不能の力で己の力を完全に封じられ、 残された数少ない信じられるもの、そのすべてを一瞬で失った彼女はもはや只の少女に過ぎず、 「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!!離してぇぇぇぇぇ!!! 助けて!!!!!!!!助けてぇぇぇぇ!!! なのは!!!!なのはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 魔導士のプライドをかなぐり捨て、声の限り泣き叫ぶしかなかった。 ◆ ◆ ◆ 「なんだ!今の悲鳴は!?」 建物に反響した少女の叫び声を聞いた革のツナギを纏い肩にプロテクターを付けた男、ケンシロウは駆け出す。 ラオウとの決着をつけ、ユリアと最期の時を共に過ごした彼は再び今だ乱世治まらぬ世紀末の日本を彷徨っていた。 だがしかし元々生き方の不器用な男。携帯していた食糧と水が底を尽き、生き倒れそうになっていた所を会場に召喚され 一命を取り留めたのである。食糧も水も碌にない荒廃した世紀末の世界から来た彼は会場での豪華な料理に唖然とし、 本能赴くまま貪り食った。特に幼い頃食べて以来二度と食することはないだろうと思っていたビーフカレーの味は 感動のあまり号泣するほど美味であった。だが幸せな時間はそう長くは続かない。アナウンスとともに戦場に駆り出される 事になる。やや落胆したがさほど気にする事でもない。ここが本来の彼の生きる世界なのだから。 死ぬなら一人戦場で。それが北斗神拳伝承者の宿命である。 しかし最後の一人になるまで殺し合えというルールには迷いが生じる。彼は今まで様々な悪党を残忍な方法で殺してきたが それは相手が同情の余地のない悪党だったから冷酷になれたのであり、本来優しい性格の男である彼は果してこの会場に そんな悪人ばかり連れて来られているのかは疑問であった。もし罪もない民衆が戦いを強要されているのなら 彼らを助けてこのゲームの主催者を打倒せねばならない。 だが、悲鳴を聞きつけ駆け付けた先で見た光景はその迷いを払拭させた。 「貴様ぁぁぁぁ!!!何をしている!!!!!!」 ワイシャツを着た青年が歳端もない金髪の少女を全裸に剥いて組み抱き、今まさに襲おうとしていた所だったのだ。 一瞬で怒りが頂点に達したケンシロウは目の前の悪党を殲滅すべく飛び蹴りを放った。 「この変態が!!ホワタァッッッッッ!!」 「うわぁ!?」 突然の襲撃に長い膠着時間からようやく解放された青年、上条当麻は持ち前の反射神経で飛び蹴りを回避し、 地面をごろごろ転がった。 「スマン!俺が悪かった!謝る!でもこれは違うんだ!これはっ……!」 なんとか弁明しようとする当麻から少し目を離し、金髪の少女をちらりと流し見る。 よろよろと上半身を起こした全裸の少女は手で胸を隠してカタカタ震えていた。 その様子を見て、ケンシロウの着ていたツナギが音をたてて軋む。 「貴様…年端もない幼女を襲い純潔を奪うなどと畜生にも劣る外道を働いた上、更に言い訳を重ねるだと…?」 筋肉が隆起して上半身の服がプロテクターごと破け、怒りと共に胸についた七つの傷を露わした。 「テメェに明日を生きる資格はねぇ!!!!」 「う……うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 死の危険を感じた当麻は背を向けて全力で逃走を図る。 だがいつの間にか廻り込んでいたケンシロウの体にぶつかった。 「……逃げられるとでも思ったか?」 「畜生ぉ!!不幸だっ!!不幸だぁぁぁぁ!!!」 ヤケになった当麻は今まで数々の強敵を打ち破ってきたその拳でケンシロウに殴りかかった。 それを廻し受けの要領で軽く受け流し、 「アタァッ!」 当麻の右腕に指を突き刺した。 腕を押さえてよろめく彼にケンシロウは更なる追撃をかける。 「アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタホワタァッッッッッ!!」 ―――北斗百烈拳。 一秒間に三十発の連撃が当麻を襲い、彼は後方へ吹き飛ばされた。 なんとか踏み止まり、あれだけの連打を喰らったにも拘らず自分がさほどダメージを受けてないことに気づく。 恐らく男は異能の能力を使い、幻想殺しがキャンセルしたのだろうと安心したのもつかの間。 数秒遅れて、右腕が変色し風船のように脹らみ始めた 「ば、馬鹿な!!幻想殺しが!?」 さて、その引き起こす怪奇現象の数々から誤解されやすいが、北斗真拳は異能の力ではない。 中国拳法をベースにしたれっきとした格闘技術なのだ。 全身に存在する経絡秘孔を突かれた相手は肉体のコントロールを失い内部から破壊される。 やがて筋肉の膨張が全身に広がった当麻に向けてケンシロウは冷酷に告げた。 「―――お前はもう、死んでいる。」 ボンッ! 「そげぶあべしたわばっっっっっっ!!!?」 全身の血管が破裂し、断末魔の悲鳴を上げながら上条当麻は散った。 理不尽な暴力によって善良な人々の命を踏みにじろうとする略奪者の前に立ち塞がり、 その拳をもって悪党どもの頭蓋をぶち抜き、心臓を掴みだす。 勧善懲悪のシンプルな世界観が蘇ったこの時、ケンシロウの魂は興奮に震えた。 この殺し合いを強いる会場でも同じだったのだ。これからも蔓延る悪党を成敗し 力なき民衆を助ける事にしよう。それが力を与えられし者の使命なのだから。 さて、次の問題はその力なき民衆である少女に何と話かけるかである。 こんな場所に全裸の幼女を放置するなどという危険な真似はできない。 だが不器用な男である彼が気のきいたコミュ二ケーションなど出来るのか不安であった。 「やぁお譲ちゃん、もう大丈夫……?」 振り向いたケンシロウは少女を見て違和感を感じる。 いつの間にか立ち上がっていた彼女は黒いレオタード状の衣装を纏っていたのだ。 何かがおかしい。その感じた疑問が致命的な隙となった。 「……バインド。」 突如足元に現出した光の足枷が、ケンシロウの両脚を拘束した。 「何っ!?」 「あはっ。あはははっ。治った!治ったよ!」 顔を上げて高らかに笑う少女の表情は、既に正気の人のそれでは無い。 手に持っている杖に向かって喋りかける。 「ねぇバルディッシュ、あなたの新しい力を見せて。」 その瞬間、杖が光を纏って変形し、自身の身長を遥かに越える巨大な両刃剣と化した。 「な……に……?」 ――――バルデッシュ・ザンバーフォーム バルディッシュ・アサルトが身に付けたアックスフォーム、サイズフォームに続く新形態であり、 文字通りどこかの竜殺しを彷彿とさせる大剣の姿である。その光の刃を、 「せぇーーーーーーのっ!!」 そのまま何の躊躇もなくケンシロウに向けて振り下ろした。 「う……うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」 身動きの取れないケンシロウは咄嗟に両手で挟んで刀身を受けとめようとするも、 プラズマで形成された刃は素手で受け止めるなど出来る筈もなく、 北斗神拳の命である五対の指を瞬時に炭化させ、 (―――お前のような幼女がいるか。) 世紀末の救世主は真っ二つに両断された後瞬時に灰塵と化し、その戦いの人生を終えた。 ◆ ◆ ◆ …………始めて人を殺した。 でも、だから何だというのだろう。 元々攻撃魔法というのは対象を殺す為に存在するもの。 私は本来の使い方を行使したに過ぎない。 私を助けてくれたあのおじさんには悪い事をしたけれど、 この場には他に試し斬りが出来るいい的が無かったので仕方がない。 あぁ、少しお母さんのことを理解してしまった。 人間ってどうしても叶えたい目的を見つけたら凄く残酷になれるんだね。 あははっ、やっぱり私たちはちゃんと親子だったんだ。 北斗神拳伝承者のごとき残虐な心を手に入れたフェイトにもはや隙はなかった。 デバイスを待機状態に戻し、壊れた少女はバリアジャケットを維持したままふらふらと歩きだす。 ――――なのは。 私にたった一つ残ったもの。 この力で、私がキミを守るんだ! 【上条当麻@とある魔術の禁書目録 死亡】 【ケンシロウ@北斗の拳 死亡】 【B-6 市街地/1日目・深夜】 【フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは】 【状態】 精神崩壊 【装備】バルディッシュアサルト、 バリアジャケット 【持ち物】ランダム支給品1~8、基本支給品一式 【思考】 基本:私がなのはを守る 1 もうなのは以外信じない 2 誰でもいいから参加者を捜して殺害の実践をする 【備考】 ※第一期終了直後からの参戦です チョーシに乗るな 時系列順 命を救うために チョーシに乗るな 投下順 命を救うために GAME START ケンシロウ GAME OVER GAME START 上条当麻 GAME OVER GAME START フェイト・テスタロッサ こぶし
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/176.html
ALL HAZARD PARANOIA/オール・ハザード・パラノイア Ⅰ ◆EAUCq9p8Q. ――― ―― ― ―――世界のどこかで、誰かがつぶやいた。 「嵐が来るよ」と。 ― ALL HAZARD PARANOIA ― ― ―― ――― ☆フェイト・テスタロッサ 「聖杯が欲しいか」 突如現れた男は、藪から棒にそう尋ねた。 男の体にはサーヴァントとしての存在を示すクラス名が浮かび上がって見えている。 魔術師のクラス。キャスター。だがおかしい、クラス名とともに見えているステータスは、与えられたクラスと矛盾している。 ステータスに、魔術師としての基本能力である魔力が存在していない。 先ほどの一言といい、このステータスといい。そして何が面白いのかにやけたままの顔といい。 何から何まで胡散臭い、それがフェイト・テスタロッサの魔力なき魔術師への第一印象だった。 「バルディッシュ、サイズフォーム」『Scythe Form』 構えていたバルディッシュを近接戦闘形態であるサイズフォームへと変更する。 ステータスを見るに、魔術師のクラスにふさわしく、戦闘能力は皆無に近いらしい。 ならば当然、ここで斬って捨てる。 胡散臭いキャスターを切り捨てれば、それだけで脱落者が一人増えるのだ。 魔力を大きく消費しているが、その程度ならば造作も無い。飛んで火に入る夏の虫、というやつだ。 夕闇を切り裂くような眩い閃光で刃が作り上げられる。 出来上がったのは、まるで死神が持っていそうな鎌。魔力で形作られたそれは、当たれば、さしものサーヴァントも痛いでは済まない。 「ま、待ってください! 武器なんて―――」 無謀にも間に割り込もうとした外ハネの少女を超速ですり抜け、バルディッシュを振りかぶる。 少女は後回しでいい。所詮サーヴァントではないならば対処の方法はいくつでもあるのだから。 キャスターは動きについてこれていないのか、それとも単にバルディッシュを侮っているだけか、微動だにしていない。 どちらにしろ、都合が良かった。 一撃で首を跳ね飛ばし、また一歩、聖杯に近づく。愛しいあの人の夢へと――― 振りかぶった鎌が、風を食い破りながらキャスターの首めがけて放たれる。 その時、キャスターの口が、たしかにこう動いた。 『プレシア・テスタロッサ』と。 バルディッシュを振りぬくことは、できなかった。 フェイトはバルディッシュの光の刃を、彼の首筋すれすれで止めてしまった。 キャスターはまるでそうなることを最初から知っていたかのように不敵に笑い、そして三度、同じセリフを繰り返した。 「何度も聞かせるな。お前は聖杯が欲しいか、と聞いている」 どるん。 三度目の問いの丁度その時だった。 三人だけの校庭に、唸るようなエンジンの駆動音が響いたのは。 どるん、どるん、どるん。 念入りに、念入りに、スターターロープが引かれ続ける。 乱入者の気配に、フェイトはバルディッシュをキャスターに突きつけたまま目をきった。 視線の先に、先程まで居なかったはずの人物が立っていた。 黒ずくめの格好に、目ぶかに被ったフード。そして手に携えているのは大きなチェーンソー。 更にその姿に、幾つもの情報が重なって見える。クラス名はバーサーカー。狂戦士のサーヴァント。 ステータスは……目の前の胡散臭いキャスターよりも、フェイトのサーヴァントであるランサーよりも高い。 何者かは分からない。ただ、その人物の危険性は一発で理解できた。 そこに来て、ようやく自身の短慮に気づき、歯噛みする。 いくら勝つためとはいえ、あれだけ目立つ戦闘は迂闊だった。 あれだけ目立てば、いわゆる『やる気』の主従を引き寄せてしまってもおかしくない。目の前のバーサーカーもその類なのだろう。 短慮な自分が苛立たしい。そばで忠言をくれるアルフが居ないのが口惜しい。 どぉるるるるるるるるるるるるる。 バーサーカーの携えているチェーンソーにエンジンがかかりきる。 胡散臭いキャスター程度ならばフェイト一人でも対処が可能だが、目の前のバーサーカーはフェイトのキャパシティを大きく超えている。 自身のランサーを出すことを考えたが、ランサーを出したところで戦況は変わらないだろう。 ランサーは近接戦闘には向いていない。 先ほどのアサシンとの一戦だって、相手の行動に陰りがなければ宝具を放つことすらできずにランサーのほうが負けていた。 宝具を使えば立ち向かうこともできるかもしれないが、宝具を使えるほど魔力が残っていない。 バルディッシュでの戦闘はバルディッシュ側の魔力補佐があるからまだいいが、サーヴァントを用いた戦闘はそうはいかない。 フェイトに全ての負荷がかかる。もし今また、『残酷な天使の運命』のような大技を繰り出せばフェイトが魔力を供給できずにそのまま倒れてしまうだろう。 そんな無様を晒せば、いい的だ。 少なくともこの周辺にはチェーンソーのバーサーカー、胡散臭いキャスター、小学校に潜んでいる『死神様』を名乗ったエプロンドレスの少女・キャスターが存在している。 さらに、このバーサーカーのように先ほどのフェイトたちの戦闘を見てこの周辺によって来る主従もいるだろう。 そこまで考えを巡らせれば、方針はすぐに定まった。 じゃりと音を立ててバーサーカーが一歩を踏み出す。 「ひ」と、名も知らぬ少女が声を上げた。それが合図だった。 「バルディッシュ、デバイスフォーム!」『Device Form』 キャスターに突きつけていたバルディッシュをサイズフォームからデバイスフォームに変換。 チェーンソーを構えたバーサーカーに光弾を放つ。 これで倒せるとは思っていない。しかし、目くらまし程度にはなる。 万全ではないこの状況、バーサーカーとの戦闘は避けるしかない。 校門前の舗装道路に光弾が着弾し、衝撃波を撒き散らし、瓦礫片と煙を巻き上げる。 胡散臭いサーヴァントの方から舌打ちの音が聞こえた。 逆の方からは甲高い声で「ひゃいっ!?」という、場違いな可愛らしい悲鳴が聞こえた。 瞬時に左右を確認すれば胡散臭いキャスターは顔を守るように片腕を持ち上げてバーサーカーの方を睨みつけ、少女は座り込んで両腕で頭をかばっていた。 どちらも即座に動き出す様子はない。 光弾を放ったフェイトだけが、そのまま意識を集中して宙へと浮き上がろうとする。 どぉるるるるるるるるるる――――――!!! 煙幕の向こうから、斜めに構えたチェーンソーで二度、三度と舗装道路を削りながらバーサーカーが飛び出してきた。 進行方向からして狙いはまっすぐにフェイト一人だ。 迫るバーサーカーを前に、空へと舞い上がる。チェーンソーはフェイトのバリアジャケットの裾を払い、大きく空を切った。 バーサーカーは体勢を大きく崩した。追撃の千載一遇のチャンスのように思えたが、飛び込まない。 果たして、チェーンソー男は二拍も間をおかずにすぐに体勢を整えた。 もし、無策に突っ込んでいたらきつい一太刀を浴びることになっていただろう。 少しだけ冷静になれているのを確信しながら、さらに高くへと舞い上がる。 空中を移動できるというのは戦闘においてそのままアドバンテージになる。それが自由移動が効くというならばなおさらだ。 相手が空中に対する戦法を持たないかぎり逃げれば不可侵の領域となり、攻撃に転ずれば即座に不可視の堅牢な砦と化す。 しかし、バーサーカーはそのアドバンテージすらも、狂化による身体能力の向上でやすやすと乗り越えた。 チェーンソー男は、空を飛ぶでも、遠距離用の攻撃に切り替えるでもなく、ただ、跳び上がった。 その跳躍は、やおら舞い上がったフェイトをゆうに超えるほど高い。もはや人が至った英霊と呼ぶよりは、その枠を超えた一個の怪物と呼ぶに相応しい。 夕暮れで真っ赤に染まった小学校の校舎を背負い、バーサーカーが宙を舞う。 そのチェーンソーの軌道の先には、当然フェイトの身体があった。 フェイトは構えているバルディッシュを握りしめ、再び魔力を注ぎ込む。 飛行が安定した速度を出せるようになるまではまだ数秒要する。その一撃は、なんとしても届かせてはならない。。 『Photon Lancer』 フェイトはその数秒のために空に光球を展開し、槍のように尖らせて放った。数本の槍が跳び上がったバーサーカーの脚に、肩に、突き刺さる。 しかし、バーサーカーは止まらない。 身をよじることもなく真正面から光の槍を受けきって、唐竹割りの構えでチェーンソーを持ち上げている。 「バルディッシュ!!」『Yes Sir』 間一髪サイズフォームに切り替えて、チェーンソーを受け止める。 魔力の刃とチェーンソーの歯、二つが一瞬咬み合って耳障りな音をかき鳴らす。 均衡は一秒も保たれない。フェイトが力負けし、バルディッシュが弾かれてしまう。 空中で体勢がぐらついたフェイトの身体をチェーンソーが掠める。受け止めた分だけ歯がずれて、必殺の唐竹割りを往なしきったようだ。 チェーンソーを避けた勢いそのままに、更に高みへと飛び上がろうとするフェイト。しかしバーサーカーはまたしても逃亡を許さない。 「なっ―――!?」 バーサーカーは超人的な身のこなしで身体をねじり、腕を伸ばし、今にも飛たたんとするフェイトの脚をその豪腕で握りしめたのだ。 フェイトの飛行は魔力による飛行なので地面に引きずり降ろされるようなことはない、だが、片足に大きく負荷がかかれば安定した姿勢を保つことは難しい。 更に言えば、脚を捉え逃げ道を塞いだのが見敵必殺のバーサーカーである以上かかるのは負荷だけでは済まない。 どるるるるん。どるるるるん。 フェイトが掴まれた右足を見れば、そこには、片手でチェーンソーを垂れているバーサーカーの姿が目に入った。 ぶらり、ぶらり、チェーンソーが揺れる。それはまるで振り子のように。 瞬間、『片手でチェーンソーを振り上げてフェイトを切断しようとしている』と察したフェイトは、すぐに次の行動に移った。 「こ、のっ!!!」 フェイトの策は単純だった。 飛行に回していた魔力を切り、逆に地面へと向かう推進力に変えたのだ。 結果、バーサーカーはチェーンソーを跳ね上げるよりも早く、地面にたたきつけられる事となった。 バーサーカーが地面を大きくバウンドし、ごろごろと転がっていく。 フェイト自身も勢いがついているため、空中で急ブレーキをかけるも体勢維持ができずに地面に投げ出されそうになってしまう。 しかし、そこを支える者があった。 「無茶ばかりするのね」 「……大丈夫」 口数の少ない青髪の少女―――フェイトのサーヴァント、ランサーだった。 すわ落下という瞬間に、ランサーが実体化して彼女を受け止めたのだ。 ランサーの身体に衝突した衝撃と、現界に要した魔力と、蓄積された疲労とダメージで少し気を失いそうになって持ち直すまでに数秒。 小学生であることを鑑みれば、それはかなり早い立て直しだっただろう。 しかし、相手はそんなことを一切考慮していなかった。 どるるるん、どるるん。 見れば、もうすぐ近くまでバーサーカーが迫っていた。 心なしか、寄ってくる速度は遅い。ひょっとするとランサーを警戒しているのかもしれない。 ランサーがフェイトをかばうように立ち上がり、ロンギヌスの槍(真名を解放していないので魔力は極限まで抑えられている)を取り出した。 ランサーの臨戦態勢を見て身震いしたのはフェイトだ。ランサーでは勝てる相手ではないというのは確定的に明らかであるし、宝具を放てばフェイトの魔力は尽き果ててしまう。 「駄目、ランサー!」 「知っているわ……マスター、令呪を」 『令呪を』。続く言葉は想像がついた。 おそらくは『令呪を用いて魔力ブーストをかけるよう命令をくだせ』ということだろう。 そうすれば一時的にとは言え魔力に補佐を得て、もう一度くらいはあの超級の宝具を花てるかもしれない。 令呪は有限。できれば無駄撃ちはしたくない。 だが、ここで撃たねばまた襲いかかられてダメージを無駄に積み上げるだけだ。 即時判断を終え、令呪に魔力を巡らせながら、命令を紡ぐ。 「……令呪を持って命じます! ランサー、目の前のバーサーカーを―――」 「伏せて!」 魔法の呪文は、乱入者の叫びと降り注ぐ魔力の矢で遮られた。 ☆輿水幸子 幸子は、もう何がなんだかわからなかった。 掲示板の書き込みを見て、小学校の前まで来てみれば、武器を構えたフェイト・テスタロッサが居た。 彼女と命がけの交渉を行おうとした矢先、変な男性(キャスターらしい)が邪魔をしてきた。 しかもあろうことか、こんなにもカワイイ幸子を小蝿だなんて言い放って。 それだけで幸子としては許せなかったのだが、抗議の声を上げることはできなかった。 キャスターを見た瞬間、フェイトの眼の色が変わったのだ。 そして、手に持っていた武器らしきものの形が変わった。 まるで死神の鎌みたいだと思い、もしあれがあたってしまえばと想像すると、足が震えた。 幸子を動かしたのは、彼女らしい『虚勢』だった。 聖杯戦争を止めなければならないという正義と呼んでいいのかわからない心で奮い上がり、ヤケクソ気味に足を踏み出す。 カワイイからってフェイトが止まってくれるかどうかは分からないが、それでも、フェイトはすぐには幸子を襲わなかったという事実がある。 無差別に目についた人物を襲っているわけではない。 ならば、話をする余地はあるということだと判断した。 「ま、待ってください! 武器なんて―――」 一歩をヤケクソで踏み出し、続く足は勢いで駆け出し、フェイトとキャスターの間に立ち塞がる。 しかし、フェイトは幸子をすり抜け、キャスターの方へと行ってしまった。 フェイトを止められない。フェイトは止まらない。 あのキャスターという男は、ここで死んでしまう。 やはり聖杯戦争は止められないのだろうかという諦観にも似た絶望と。 刃を持ったフェイトがすり抜けた瞬間、内心、自分は死なずにすんだとほっとしてしまったという当たり前の感情を抱いてしまった幸子の胸を締め付ける。 二秒、三秒。聞こえるはずの斬撃の名残は、まだ幸子には届かない。 おそるおそる振り返ってみると、フェイトの刃はキャスターすれすれで止まっていた。 もしかして、声が届いたのか? 幸子が尋ねるよりも早く、再び事態は急変した。 物々しい音とともに現れたのは、黒いフードの、おそらく男性(バーサーカー、と見える)。 物騒なことに、チェーンソーのエンジンを掛けながらこちらに歩いてきている。 どるん。どるん。どるん。どぉるるるるるるるるるるるるる。 チェーンソーが高速回転をし始めたのを見て、幸子は悲鳴を抑えきれなかった。 「ひ」 フェイトの武器は、死神の鎌のようであると思ったが、現れ方から刃の色までほとんどすべてが現実離れしていて恐怖が薄かった。 だが、あの男の持つチェーンソーは、いやらしいほどにリアリティに溢れていた。 小梅と、輝子と、三人で見たパニックホラー映画を思い出す。 映画の中の怪人は得てして、ああいう武器を振りかざして、無辜の人間を襲い、殺すのだ。 バーサーカーは何も言わずに、ただチェーンソーの音だけを響かせながら歩き続ける。進行方向は、幸子たちの方だ。 フェイトの前に飛び込むときには蛮勇に任せて動いた足も、今度はガクガク震えるばかり。 真っ白になった頭でバーサーカーを見つめていると、やはり想定外の衝撃が走った。よくわからない光の弾が、バーサーカーに向かって放たれたのだ。 「ひゃいっ!?」 反射的に頭をかばって座り込む。 数秒経って、「この程度の自衛では意味が無いんじゃないか」と気付き飛び退った時には、また幸子を置き去りにして事態が動いていた。 飛び退り、煙幕の中にバーサーカーの影を追うが、地上にはバーサーカーの姿も、フェイトの姿も見えない。 エンジンの駆動音を頼りに空を見上げれば、二人は、空を飛んでいた。 正確にはフェイトが宙に浮き、そのフェイトの足をバーサーカーが掴んでいる、というような状況だった。 キャスターはそれを見上げて「ぶんぶん五月蝿い奴らだ」などとぼやいているが、どう考えてもそういう状況じゃないだろう。 思わず突っ込みたくなるが、言葉が出てこない。 ようやく出てきたのは、声にもならない程度の音量の声、言葉としての意味も曖昧な言葉だった。 「な、んですか、これ。なんなんですか、これ」 幸子のカワイイ頭はすでにフットー寸前だ。 しかし、幸子の頭に注ぎ込まれるガソリンは、まだまだ止まらない。 「さ、幸子、ちゃん……!」 一日ほどしか離れてないのに、懐かしく思えるその声に、振り向く。 そこには、中学校の制服を着た、見知った少女が居た。 「輝子、さん……」 名前が、自然と口から溢れる。 どこかおぼつかないフォームで、マイペースな彼女には似合わない小走りで、幸子の方に駆け寄ってきている少女は。 見間違うはずがない。カワイイ幸子の友達の、星輝子だった。 煮えたぎっていた幸子の頭が、ぐるんと一回かき混ぜられる。 輝子が何故ここにいるのか。自分の居場所を知っているのか。 どうでもよかった。ただ、足が動いた。 駆け寄ってくる輝子の手を掴み、そのまま明後日の方向へ駆け出そうとする。 ここに居るのは危険だ。ここには、フェイトもいるし、バーサーカーも居る。 フェイトとの交渉は後日に回さなければならなくなるが、交渉の機会と親友の命となんて、天秤にかけるまでもない。 幸子に手を引かれたせいでバランスの崩れた輝子を支えようと、彼女の身体に手を回す。 その時、空がひときわ眩しく光った気がした。 「伏せて!」 放たれた声に、立ちすくみ、思わず言われたとおりに身を低くする。 刹那、幸子の隣に何かが落ちてきて、地面に大穴を穿った。 何かはかなりの量が空から落ちてきているらしく、あちこちから音が聞こえてくる。 悲鳴を上げることもできない。もう死んだ、と本日三回目の走馬灯が頭をよぎる。 幸子の頭上から音がする。突き刺さったわけではない。鋭い何かが、同じく鋭い何かに弾かれた。そんな音だ。 音が止み、地面の冷たさから生を実感して、音の正体を辿ってそろそろと顔を上げる。 そこにはまた見知らぬ人物が立っていた。 その人物が何者か、何故幸子を守ったのかに見当はつかない。 ただ、その見知らぬ人物は、幸子と同じくらいに可愛らしく。 真っ白なコスチュームも相まって、悪をくじく素晴らしい正義の味方のように、夕闇に映えていた。 ☆ランサー 取り逃がした少女……江ノ島盾子と同等の邪悪な存在、蜂谷あいと彼女のサーヴァントであるエプロンドレスのサーヴァント。 桜色のステッキを持った魔法少女。桜色の髪をしたセイバー。 二組から大きく距離を取り、二組の追撃に備えもう一度実体化して周囲の『心の声』に注意を払う。 するとすぐに、いくつもの声が聞こえてきた。 (フェイト・テスタロッサを利用して聖杯戦争に付け入りたい) (聖杯戦争を止めたい。クリエーターを見返すために仲間がほしい) (これ以上戦えば消耗して敗北は免れない。逃げたい) (雪崎絵理を殺したい)(邪魔者は殺さなければならない) ランサーの魔法は、昔から考えれば大きく変わってしまった。 今ではもう、相手が困って居なくたって声を聴き、思考を先読みすることができる。 それは願望であったり、無意識下での反射的判断であったり様々だが、『キックを避けられたくない』『本当のパスワードを知られたら困る』程度の心の声すら聞き逃さなくなった。 そんな能力が、先ほどの四人(鉢屋あいの心の声は聞こえなかったので正確には三人、だが)以外の声をキャッチした。 誰かがいる。聖杯戦争に関わっている誰かが四人、この近くに。 それを裏付けるかのように電動鋸を回すようなけたたましい音と、何かが爆裂するような音が聞こえてきた。 更に新たな声が二つ。その戦闘のすぐ近くに一つと、少し離れたところに一つ。 近い方の声は、よほど困っていたのか、かなり鮮明に捉えることができた。 (きらりさんと、幸子ちゃんが居たら困る)(二人が危ない目にあってたらいやだ)。 その声に、ランサーの拳を握る力が強くなる。 諸星きらりのことを真に願う参加者がここにも居る。双葉杏以外にも、確かに存在している。 それはとても喜ばしい事実だ。 だが、その事実を反芻するたびに、頭のなかにあの自信満々な絶望の塊のような少女の笑顔と笑い声がこだましてくる。 そして、離れた場所から聞こえる、小さいが力強い、もう一つの声。 (マスターを変えたい)(参加者を減らしたい)。 相反する二つの声が鳴らすのは、これ以上ないほどの『危険人物』の到来を示す警鐘だった。 危険人物の心の声が、(視界に捉えている五人に不意打ちに気づかれては困る)という声に変わる。 聞こえた心の声の数は、その不意打ちを企む誰かを除いて五つ。 ランサーが勘定に入れられていないのは、おそらく不意打ちをしようとしている人物の視界にランサーが入っていないからだろう。 ランサーが見つかっていない以上、逃げるのは簡単だ。霊体化して霞のように消えてしまえばいい。 だが、ランサーの心は、ランサーの正義はそれを良しとしなかった。 もとより、『すべてを守る』という馬鹿げた願いを持って英霊にたどり着いた魔法少女だ。 今まさに襲われようとしている人間を、しかも他者を思いやる心を持った人間を、見捨てることなんてできない。 ルーラを取り出し、一気に駆け出す。 そして攻撃が行われるよりも早く、声を上げる。 「伏せて!」 飛び出した瞬間、ぱたぱたと不慣れそうに走っていた白髪の少女が何事かとこっちを向き、薄い髪色の少女は何も言うことなく素早く白髪の少女の体ごと地面に伏した。 少女たち二人の方に駆け寄り、空から降り注ぐ魔力の矢を弾き飛ばす。 少女たちの心の声が聞こえる。 (死にたくない)(聖杯戦争を止めたい) (幸子ちゃんを守りたい)(きらりさんがいたら困る) その二人が、先に存在していた五人の中でも特に守らなければならないと思った二人だったことがわかり、ルーラを握る力が強くなる。 降り注ぐ矢の軌道は心の声ではつかめていない。つまり『範囲内に無作為に矢をばらまく宝具』なのだろう。 一本でも逃せば、この二人が死ぬ。 ランサーは魔法少女の持てる超人的な集中力と反射速度を持って、すべての矢を叩き落とした。 次の波が来ないことを確認し、一息をついて、他の声の方をちらりと確認する。 金と黒の衣装を身に纏った少女(通達で見た、フェイト・テスタロッサだ)と槍を携えた少女は、辛くも全弾凌ぎ切ったという様子だ。 両者ともに、身体の至る所に矢がかすめたであろう、生々しい傷が残っている。 NPCと見間違えそうな男性は、ただ苛立たしそうな表情で、『危険人物』の心の声がした方向を眺めている。 その体には一切傷がない、それどころか動いた様子すらない。矢に当たらないスキルを持っているのかもしれない。 最後の一人、フードを被った大男は、体中に魔法の矢を突き刺したまま、『危険人物』の方へ駆け出していた。 どるるるるる、どぅるるるるるる。 チェーンソーの駆動音の合間に、しゅぱっという軽い音が響く。 そして、フードの大男は、喉に大きな風穴を開けてそのまま地面に倒れてしまった。 『フェイト・テスタロッサのサーヴァントが一人と、もう一人、隠れていたか』 ランサーの卓越した動体視力が捉えたのは、『矢』だった。矢があのフードの男の喉を貫き、一撃で倒してしまったのだ。 そして、矢の放たれた方向は、先ほどの危険人物の方向。 『早速で悪いが、私は君たち全員を撃破しなければならない。それが、私のマスターの依頼でね』 降り立ったのは、黒と金の身体に、頭頂には太陽を模したような冠を飾った、異形の存在。 ローブのようにも見える黒に金のマントを棚引かせながら、怪物はゆっくりゆっくりと歩み寄ってきている。 サーヴァントであるランサーにはその正体を見ることはできなかったが、それでもそのクラスだけは想定できた。 放たれた矢の嵐。そしてフードのサーヴァントを撃ちぬいた一弓。 アーチャーのサーヴァントに相違ないだろう。 アーチャーの左手についた弓のような篭手に魔力が集まる。 次いで聞こえる心の声は(フェイト・テスタロッサに避けられると困る)というもの。 それを矢を放つ予備動作だと察知したランサーの行動は早かった。 一気に駆け出し、ルーラを振るう。 しかし魔法の国製のルーラの一太刀はアーチャーの身体には届かない。 アーチャーが脱ぎ捨てたマントを使ってルーラの軌道を逸らしたのだ。 アーチャーの真の姿が衆目にさらされる。マントの内側に眠っていたのは、眠るような黒と燃えるような赤。 『気忙しいねえ。後で相手をしてやるから、少しは静かにしていたまえ』 (腹への一撃を避けられたら困る) ルーラを往なされてバランスを崩したこともあり、声を聞いてからの反応が追いつかない。 拳がランサーの腹を叩いた。 その拳撃は、ランサーが今まで受けてきた中でも最上級の威力。 崩れかけたところに、アーチャーの蹴りが突き刺さる。 ランサーは、まるで戦闘に不慣れな魔法少女のように、ただ暴力に晒されて、威力に任せて舗装道路をごろごろと転がるしかなかった。 (目の前のサーヴァントに矢を避けられては困る) 次に聞こえてきた心の声は、またしてもランサーを狙ったもの。 転がる勢いで起き上がり、横に飛び退る。次の瞬間には、ランサーが横たわっていた場所に大穴が空いていた。 『ほう、勘がいい。では、これならどうかな』 まるで必死で走り回る子どもをのんびり眺めているかのような抑揚での物言い。 その物言いとは打って変わって、放たれるのは殺すための連撃。 息つく暇もないほどの速度で矢が次々と放たれる。 心の声による先読みで次々に避けるが、矢とランサーの距離は迫っていく。 あわや着弾か、というところで、アーチャーの弓は突如その目標を変えた。 放たれる矢。空中から聞こえる小さなうめき声。何かが落ちる音。誰かが逃げようとして撃たれた、ということだろう。 『逃げられると思ったのなら、それは少々、私を見くびりすぎだ』 余裕綽々という風貌そのままに、圧倒的な戦力で立ちはだかるアーチャーに、再び肉薄しようと体勢を立て直す。 誰かが近接戦を挑んだならば、アーチャーは弓を撃つ隙がなくなる。 まずは、この圧倒的な敵を退けるのではなく、他の者達の撤退の手助けを行う。 心の声による先読みと、同等の反応速度を持つランサーならばそれが可能だ。 しかし、ランサーが走りだすことはなかった。 心の声が聞こえた。 しかも、この状況で、また新たな心の声が。 (動き回られると困る、マスターとサチコを連れて帰れない) (どっちがサチコだったっけか、分からない) 誰かが、『マスター』と『サチコ』を連れて帰ろうとしている。 この場にいるマスターはおそらく三人、白髪の少女、髪色の薄い少女、そしてフェイト・テスタロッサ。 そして『サチコ』とは、白髪の少女の心の声にあった名前。 導き出されたのは、その心の声の主が、先ほどランサーが守った二人を助けにきたという事実。 『えーい、面倒だ!! 二人まとめてまとめて連れて帰ればそれでいいだろ!!!』 突如聞こえる大きな声。 空を見上げれば、そこには、『何故か見覚えのある』謎の円盤が浮いていた。 『ハァッヒフゥッヘホォ―――――――――!!!!』 いやに聞き慣れた雄叫びが、六人の頭上から放たれた。 『な、に』 その声と、空を漂う円盤に呆気にとられたのは、襲撃者であるアーチャーもまた同じだった。 『信じられないものを見るような目』で、その円盤を眺めている。 『喰らえ、トリモチバズーカ!!』 その一瞬の虚を突いて、円盤の下部からノズルが飛び出し、べっべっべっと三つの白い粘着質な何かを吐き出した。 アーチャーの身体に一つが着弾する。 アーチャーが余裕の態度を崩し、その姿のままで固まった。 動きが鈍い。本当に『トリモチ』をぶつけられたかのようだ。 『掃除機ノズルアーム!』 続いて円盤から、掃除機のノズルに似た長細いジャバラが伸びた。 ノズルは『マスター』と『幸子』を吸い、ついでにランサーも吸い上げた。 掃除機を吸い上げられるごみはこんな気分なんだろうか。なんて、くだらない考えが一瞬頭をよぎる。 そして、一瞬の後には、ランサーは円盤の内側に居た。 幾つかのボタンとレバーしかないそのコックピットは、やはり『なぜか見慣れた』ものだった。 「さっさと逃げるぞ!!」 「ライダー、あ、あの三人も……」 「定員オーバーだ!! 文句言うなよ!! マジックハンド!」 声と同時に、ライダーと呼ばれた異形の英霊が円盤内のボタンをぽちりと押す。 すると左右二本のマジックハンドが伸び、右手で地面に横たわっていたフェイトと彼女の英霊を、左手で男性を捕まえた。 そして、彼らを宙に持ち上げて、円盤は速度を上げ始めた。 ◇ ランサーにとって、その光景は、魔法少女の存在以上に奇異なものだった。 ランサーが魔法少女になるよりもずっと前、それこそ物心がつくよりもずっと前。 およそ日本中の子どもが見ていたと思われるアニメを、ランサーも当然のように楽しんでいた。 顔がアンパンの正義の味方と、バイキンがモチーフの悪役が、毎週毎週戦うアニメ。 その中の登場人物、彼の乗り物である円盤。果たしてそれこそが既視感の正体だった。 ランサーはアニメや歴史にそれほど詳しくはない。だが、その英霊の名前は、間違えようがなかった。 ランサーの胸にあふれている謎の感動をよそに、ライダーと、彼のマスターは話を続ける。 「なんか似てたから二人とも回収したが……どっちかがサチコってやつでいいんだな」 「ふ、ふ、さすが、親友」 「なあにが『さすが親友』だい! 俺様があとちょーっとでも悩んでたら、お前ら全員穴だらけだったんだぞ!」 白く長い髪の少女(ライダーのマスター)は、とても楽しそうにこの円盤の主であるライダーの肩をたたいた。 ライダーは、ぷりぷり怒りながらもレバーの操作に余念がない。 円盤での移動が目立つからか、一旦森の方へ進路をとっているようだ。 コクピットのガラス越しに外の三人を見つめる。風の影響などは受けていなさそうだ。 思い返せば、ランサーの知るライダーのUFOは、よくキャラクターを掴んで移動していたが、風圧などは一切無視できていた。その逸話が現れたのかもしれない。 「あ、あの」 そこでようやく、『幸子』が声を上げる。 その様子は、ネッシーやツチノコ以上に信じられないものを見た、というようで。 「貴方……ばいきんまん、ですよね? マスター、って、輝子さんの、サーヴァントなんですか?」 しばしの沈黙。そして、ライダーの大きなため息。 「だーから、俺様嫌だったんだよ。一発でバレちゃうんだもの!」 肯定。ついでに言えばランサーの予想も、あたっていた。 いや、これだけわかりやすいフォルムの悪役を、見間違えるほうがおかしいのだが。 画面の中だけの世界一有名な悪役が、同じ聖杯戦争に呼ばれている、なんて思ってもみなかった。 ランサーは今一度、聖杯戦争と言うものへの認識を改め直した。 「お前がサチコか?」 ライダーが幸子に問いかける。幸子はまだ狐につままれたような顔をして、ただ二度ほど頷いた。 それを確認すると、ライダーは次に、しらっとした眼でランサーの方を見つめてきた。 そこまで来て、ようやく自分も助けられていたのだということを思い出したランサーは、姿勢を正して頭を下げた。 「あ、あの、ありがとう……」 「よせやい! お礼なんか言うな! 俺様、そういうのいっちばん苦手なんだ!!」 しかし、謝辞の言葉はライダー本人の言葉でかき消されてしまう。 そしてライダーは、少し不機嫌そうな声で続けた。 「それにお前、正義の味方だろ! くっそう、お前が幸子じゃないってわかってたら、置き去りにしてたのに!」 言われてみれば、幸子と呼ばれた少女と、ランサーの髪色はよく似ていた。 自分が助けられた理由が『幸子と似ていたから』というあまりにも偶発的すぎるものだということに、思わず身体の力が抜ける。 しかし、ランサーの心の方は、脱力とは程遠い状態だった。 正義の味方、という一言が、ちくりとランサーの心に突き刺さる。 思い出すのは、またしても、自身のマスターの言葉と、自身のこれまでの振る舞い。 苦しんだ心が絞られ、膿汁のように苦々しい言葉を一言だけこぼす。 「……私は、正義の味方なんかじゃ」 「いーや、俺様が言うんだから間違いない! お前は正義の味方だ! そんな見た目で、他のやつ助けるようないかにも~なやつが、正義の味方じゃないわけないだろ!」 しかし、ライダーはまたしても、ランサーの言葉を断ち切って、自身の意見を突きつけた。 ランサーは、やはり、苦い思いしかできなかった。 しばらく、沈黙が流れる。 輝子も、幸子も、ライダーも、何も喋らなかった。 輝子はライダーの背中越しに、ガラスの向こう側に広がる景色を鼻歌交じりで楽しんでいる。 幸子はそわそわしているように見える。ひょっとしたら、先ほどのランサーとライダーのやりとりで、萎縮させてしまったのかもしれない。 少しばかりの沈黙に、心の膿の臭いが混ざる。 ランサーは、感じるはずのない膿の臭いに少し居心地が悪くなり、つい口を開いてしまった。 「……あの、ライダーさん」 「なんだぁ?」 「悪って、なんなんですか」 ランサーが一言喋ると、ライダーはすぐに簡素な返事を返した。 昔見た彼はこんなに職人気質だっただろうか、と考えながら、ランサーは遠回しに、先ほどのばいきんまんの『正義の味方』という言葉について、問いなおす。 ランサーは、時々正義と悪がわからなくなる。 魔法の国から見れば、魔法少女狩りは正義であり、また同時に悪でもあった。 彼女の心の中の正義に従っても、なじられこそすれ賞賛されることはない、不確かな正義の元で戦い続けていた。 ここに来て、その不確かな正義は再び揺れることになった。 自殺した少年を殺したのは誰か。 鉢屋あいを殺すのは本当の正義か。 善と悪は、しょせん人の目盛りにすぎない。命に貴賤をつけたのはランサーであり、正義ではない。という江ノ島盾子の言葉。 ならば、ランサーの正義とは、ランサーの信じてきたものはなんなのか。 自身の弱みを見せるようなことは、生前のランサーならばしなかった。 しかし、ひょっとすると、目の前の『あく』の大御所ならば。 世界一純粋な人間に向けた『あく』である彼ならば、ランサーの抱える自己矛盾について、何かの解決策をもたらしてくれるのではないだろうか。 ライダーの性格をしっかり理解したうえで、そう判断した。 それはもしかしたら、ランサーにすこしばかり残っていた『なにかへのあこがれ』と、一方的であるかもしれないが幼少期を一緒に過ごした相手への理屈を超えた信頼感がそうさせたのかもしれない。 「なんだあ、お前、そんな簡単なことも知らないで正義の味方やってるのか!」 そんなランサーの心の中もつゆ知らず、ライダーはすぐに答えを出した。 「いいことするやつが正義! まじめとか、他の人のためとか、俺様そういうのぜえんぶ大っ嫌い!! その反対が悪! だから俺様は悪の味方なんだ! わかったか!」 それは、とても単純な理屈だった。 幼児に向けられた、包み隠さぬ本質的な『正義』と『悪』だった。 まるで赤鉄を槌で叩いたかのように。 ランサーのなかに、単純な理屈が響く。 事態が複雑になればこんな単純な理屈は通用しないというのは理解している。 だが、それでも。その単純な理屈は、ランサーの心に折り重なっていた澱を雪いでくれるようだった。 「あの」 続くランサーの一言に、ライダーが応えるよりも早く。 円盤の外から爆音が響き、バイキンUFOの右のマジックハンドがちぎれ飛んだ。 数秒後に、同じように左のマジックハンドも吹き飛んだ。 一撃目の襲撃で気を取り戻したランサーの眼が、マジックハンドを吹き飛ばした『何か』を捉える。 それは、先ほどのアーチャーの『矢』に相違なかった。 「ちっ、追ってきやがったか!!」 ライダーは舌打ちをして、レバーをきつく握り直し、操作する。 その操作に従って、UFOは不規則に進路や高度を変える。 進路を変えるたびに、UFOの端から鈍い音が上がる。先ほどと同じように、矢を乱れ打っているのだろう。 すれすれのところですべてが機体そのものに着弾しないのは、距離のためか、逃げ続けているためか、ライダーの腕前か。 ががんと音を立ててUFOの円盤部の装甲が跳ね上がる。 じわじわと、着弾箇所が中央へと寄ってきているのは、ランサーでなくとも気づけることだった。 「だ、だ、大丈夫なんですか!? これ、大丈夫なんですか!?」 「しるか!!」 幸子の悲痛な叫びに応えるライダーの声にはもう余裕はない。 ライダーがUFOの高度を大きく下げる。 直後、今までで一番大きな爆音がUFO内を包み込んだ。 ☆アーチャー 円盤の胴体を貫いたのを確認し、矢を撃つための安定した走りから追いつくための全力の走りに切り替える。 現れたのが宇宙の象徴のような『未確認飛行物体』でなければ、隙を作ることもなかった。 放たれたのが単なる攻撃ならば余裕を持って防げた。 だが、あの瞬間のあの行動はアーチャーにとってはまさに最悪と言わざるをえない一手だった。 とはいえ、十分に注意していれば対処することもできたはずだ。 我ながら酷く油断したものだと思ったが、それもこの一撃で六割ほど取り戻せた。 残りの四割は、撃ち落とした二つのマジックハンドとともに置いてきた。フェイト・テスタロッサを見失うのは痛手だが、倒せる人数は多い方がいい。 令呪としての価値があるフェイトを捨てたとマスターが聞けばなじるかもしれないが、伝えなければいいだけだ。 円盤がふらふらと高度を落としているところに、ダメ押しで矢を二発打ち込む。 すると、円盤は面白いほどに大きな音を立てて爆発した。 あれほどの爆発ならば中に乗り込んでいる四人は無事ではないかもしれない。 だが、念には念を入れておく。 生き残られてアーチャーについて触れ回られて、アーチャーの有利は揺るがないだろうが、聖杯戦争では何が起こるかわからない。 殺せる時に殺しておくべきだ。 ひょっとして、令呪を持ったままのマスターが一人でも生き残っていれば、フェイトの討伐令による令呪一個を上回る、令呪三個を得ることができる。 『そうすれば、あの気難し屋なマスターも、笑ってくれるかもしれない』 忠誠心ではない。 たんなるご機嫌取りだ。 あと数十時間を円滑に過ごすための、処世術にすぎない。 アーチャーにとって最も警戒しなければならないのは、、まずマスターの持つ絶対遵守の『令呪』。 もし、対魔力の低い我望光明状態で令呪を使われれば、アーチャーは従うしかなくなる。 行動に変な制限を加えられて、うっかり負けましたでは笑えない。 そんな状況を作り出さないように先手を打っておくのは大事なことだ。 ◇ 爆発の火花で、木が燃えている。 周囲には、紫色のブリキとガラスの混ざった円盤の残骸が広がっている。 そして、燃え盛る木の側に、彼はいた。 深い紫色でで、三頭身の身体。頭には二本の触覚、背中には羽と尻尾。 21世紀日本由来の英霊である以上、アーチャーも彼の真名を間違えるはずがなかった。 『嬉しいね、まさか、君と会うことができるなんて。 光栄だよ、『日本一UFOに乗った英霊』……ばいきんまんくん』 「俺様はお前のことなんか知らないぞ。わかったらあっちいけ! くそ、あいつら、俺様一人置いて行きやがって!」 クラス不明のサーヴァント・ばいきんまんは悔しそうに地団駄を踏んだ。 その姿も、アーチャーの知っている彼に相違ない。 『残念だよ。君を殺さなければならないなんて』 「こいつめ、もう勝った気でいやがるな!」 『君程度には、私の夢は止められないよ』 「へーんだ! 俺様、日本一諦めの悪い悪役だもんね!!」 ばいきんまんが天に向かって手を突き上げる。 「こぉい、『だだんだん』!!!」 瞬間、空が光り、木々を超えるほどの背丈のロボットが現れた。 鈍く輝くブリキのロボットは、やはりアーチャーもよく知る宝具。『だだんだん』。 アーチャーは、アニメの中からまるでそのままなその英霊の振る舞いに笑ってしまった。 アニメのままの英霊を、武力によって討伐する。 聖杯戦争だとはいえ、これを笑わずにいられようか。 『素晴らしい……君は実に、「ばいきんまん」だ!!』 アーチャーが飛び上がり、だだんだんの拳が唸る。 【ALL HAZARD PARANOIA/オール・ハザード・パラノイア Ⅱ】
https://w.atwiki.jp/nanohamarimaricard/pages/35.html
概要 ランク ★4 系統 クール系 系統(ストアド) ダークタイプ 出身地 オオヤ魔界 大好物 ノンカロリーコーラ 得意技 暗黒ドロー マリマリのライバル。ひねくれ者の性格。 魔界軍に作られたミュータント・マリマリ。 シェイドCとシェイドPは 存在する。 これまでの活躍(アニメ版) マリマリアニメ本編 ゴー!ゴー!マリマリフレンズ 追放されたドクタータケシが彼を作っているシーンが見れる。 ゴー!ゴー!マリマリフレンズシーズン2 本格的に登場した。時間を止めるフレンズ能力で マリマリを苦しめる。逆にマリマリ+に敗れたが シェイド+に進化し、逆襲しマリマリに勝利。 ゴー!ゴー!マリマリフレンズシーズン3魔界決戦編 シェイド+2に進化し、二代目魔王ネメシス・メカニックの 進軍に同行しない。ちゃんとやれ! 更に暴走するネメシスを完全無視し、魔王シェイドに 進化した。ついに魔界のトップを手に入れた。 元祖「我こそが王!!」と言おう。 だが、魔界軍の敗北を確信し、マリマリと 彼の進化系を含めプロフカードを渡し、和解した。 ゴー!ゴー!マリマリフレンズシーズン4 元ライバルのマリマリと共にアリアリの弟の旅人アリル、 Aくん、シブと共にパーティを組む。 かけくんがいない理由はギャング退治にアメリカへ、 アリアリがいない理由は天空の国に帰ったからだ! ゴー!ゴー!マリマリフレンズシーズン5トワの逆襲編 1話で突然トイレへ行ってしまった。 なのは+マリマリシリーズ 魔法少女とフレンズの共存なの プレシア・テスタロッサの相棒として登場。 なのは、フェイト、クロノ、マリマリ、かけくん、地の文に プレシアと共に敗れてしまった。 ストライクアーツ・アドベンチャー 進化形態魔王シェイドとして登場。 第1シリーズで敗れたが、実は死んでなかった。 13年もかけてミッドチルダを支配するのをたくらんで いたらしい。アインハルト側を悪の道に進ませた。 彼は高町なのはのフラッシュバックのみ登場。 ネオ魔界城へ行ったマリマリ(なのは版)と 高町ヴィヴィオは彼のことを忘れているらしい。 ガリウムとシェイドどうすんの? ちなみになのは版の彼も登場した。 詳しくはシェイド(なのは+マリマリ版)を参照。 セイクリッドクリスタル テーマパック Command Wars ついにキマイラと共に初のレア枠が終了された。 プレミアム枠ではない。レア枠だ。 進化ルート シェイド↓ シェイド+↓ シェイド+2↓ 魔王シェイド 関連するフレンズ/モンスター マリマリ(ライバル) ロットゥン(仲間) 火野紅華(ラブラブ)
https://w.atwiki.jp/tmnanoha/pages/359.html
自在に大空を翔けていたその身体が あらゆる障害をぶち砕く頑強な四肢が 急速に力を失い弛緩する。 今まで楽に振り払う事の出来た重力の楔に容易く捕まり、 大気圏内における法則本来の理に任せて落下する自分と――敵。 信じられない。 いや、その思考が事実を正しく認識する暇もない。 急速にその身体から逃げていく生命力。 自身の胸にはその突き立った結果…… 相手の槍が雄々しく突き込まれている事実のみを残す。 ――― 何故…? ――― 口にしようとした疑問の言葉は、その代わりに喉の奥から 汚泥のようにゴボッと漏れ出た大量の赤い液体によって遮られる。 確かに至高ではなかった。 体力が限界であった事や、ここで決めなくてはならないという焦り タイムリミット、敵の底知れぬ強さも相まって 最後の一撃に十分な確実性、慎重性を求める事は出来なかっただろう。 しかし、最善ではあったはずだ 戦いとは即ちリスクとの戦い。もしもを警戒する事は必要だが、もしもに恐れていては手も足も出せない。 故に、鳴り響く警鐘を抑え付けての強行が必要とされる場面は間違いなくあるのだ。 あの時、男に反撃の余地など無かった。 地上から舞い上げられた身では地上で放っていたような閃光のような突きは放てない。 あの凄まじい投擲にしても、あの時の彼の体勢において もし強引に技に踏み切られていたとしても潰すのは難しくなかっただろう。 ―――あの場で男に切れるカードは間違いなく「無」かった。 それが至った彼女の答えにして、 「迂闊すぎるぜシグナム―――本当に、残念だ。」 男の放った最上級の……毒だった。 その毒とはまず先に「死翔」を敢えて見せた事にある。 それを最大にして唯一の切り札と相手に思わせた。 自身の最強の牙を呼び水としたランサーの心理戦。 当然、簡単に罠にかかるような剣士ではなかったが 最後の最後であらゆる焦燥、勝利寸前の油断に駆られた極限状態にて それは微かだが確実に戦士の心に隙間を作った。 投擲を警戒し、また槍兵のデッドラインに決して踏み込まぬ距離にて ランサーの獣じみた戦闘力を何とか押さえつけて来た将。 だが、せめて……せめてあと一撃分―― その注意深さが持続していればこの結果には至らなかったはずだ。 苦痛を、疲労を飲み込んで、男に止めを刺そうと真正面から向かい来るシグナムの顔を、 最後の最後で勝機を手から零してしまった女の顔を、焼き付けるように見据えるランサー。 後方斜めの彼の死角から入念な角度にて放たれた紫電一閃―― 避けるも受けるも不可能な軌道の斬撃は宝具振るう英霊にとってはやはり…迂闊に過ぎたのだ。 あの太刀はもう何度も見てしまっている。 瀕死であっても目視でき、タイミングを計るのはさして難しくない。 それが軌道を全く変えずに…速度も、威力も、既に無く……ああ――――故に、、 かの魔槍こそ人の理より外れた神器(アーティファクト)――宝具と呼ばれる神造兵器に他ならない。 その槍の真髄を常識で推し量り――そして読み誤ったシグナムに魔槍の呪いが降りかかるのはむしろ必然と言えたのだ。 ――― 刺し穿つ ――― ゲ イ 空中で下段後ろ手に構えた槍に秘められた真の力は膨大な出力でも無限航路を描き出す飛距離でもない。 集まる禍々しい力が「概念」に変換された時――相手は絶死の瞬間に、初めてその理不尽を垣間見る。 将と魔道士が積み上げていった勝利のシナリオが、「宝具」という万世理不尽の力によって、 ――― 死棘の槍!!! ――― ボ ル ク …………いとも簡単に、塗り替えられた………… 何と呆気ない幕切れか―― 己が胸にたすん、と―― 凶刃の突き立つ音を聞いたのはその全ての肯定が終了した後 背を向けた男の身体を回り込むように、流線上の細い糸が「槍」では在り得ぬ角度を以って ナニよりも速くその獲物―――敵の心臓に到達。 ソレらの工程を彼女は全く知覚出来ぬまま……最上段に振り上げられた愛剣 紅蓮のデバイス・レヴァンティンを構えた腕が力なくダラリと下ろされる。 一瞬で戦力を……いや、生命の源を突き破られた彼女の瞳と その命を無情にも簒奪した男の瞳が重なる。 ――― 楽しかった……と ――― 敵の刃に討ち果たされる瞬間、そう思える戦士は幸せだ。 今わの際に何の悔いも無く死ぬ事、悔いを残さぬまで戦い果てる事は 己が禍根を人に、地に縛する事なく昇華する戦士の魂が求める理想郷。 「お前はどうだ…? 楽しかったかい?」 本当に良い戦いで相手は極上の戦士だった。戦に生きる者としてこれ以上望む物もない。 槍兵にとってここまで気持ちの良い戦いが出来たのは久しぶりな気がする。 一瞬にして立場が逆転してしまったが――先ほどまで屠られるのは自分のはずだった。 男も一度はそれを覚悟した。 力を合わせ、身を切られ、苦しい中でそれでも決して膝を折らなかった二人の年若き女の戦士たち。 それだけでいい……それだけで英霊を倒せる資格は十分にある。 ヒュ、ヒュ、と苦しげな吐息を漏らす剣士。 何か言いたいのか、遺したいのか―― それとも死を正しく受け入れられないのか―― クランの猛犬の背中に土をつける事を一度は許した。 その強さ、勇猛さを、勇ましき女たちを称えながら、 英霊の座に戻ろうと彼は初め、本当にそう思っていたのだ。 「普通に良い女だったからな……お前は。 マジでお前になら殺されてもいいかなどと――」 男の呟きはもはや女に届いてはいない。 弱々しく呻く烈火の将が震える手を男に伸ばす。 「だが―――結局こいつを振るう以上、俺は英霊なんだよ。」 英霊は最強にして勝ち続けるからこそ英霊なのだ。 センチメンタルな感傷で負けを容れるなど許されない。 世界から最も強きけりと祝された絶対の存在は星の記憶がおいそれと負ける事を許さない。 彼女のもはや老婆ほどの力も残さない手が、その爪がランサーの首に届き、食い込む。 やはり潔き死など認めないという事か―― 残された仲間のために、せめて目の前の相手だけでも道連れに―― 既に事切れていてもおかしくないというのに、彼女は最後の最後まで見る者の心を震わせる真の戦士だった。 男はなすがまま、抵抗をしない。 力を失いつつある彼女の瞳孔から決して目を離さずに、 「悪いな。」 一言だけ呟いて、そして目を閉じる 瞬間、槍兵の最後の魔力が迸り―― 槍を介してシグナムの体内で、数百の棘が………爆ぜた――― ―――――― ――光が、疾った 頚動脈がパックリと開き 鮮血が飛び散る。 ――光が、疾った 次は脾腹だ。 光閃が回避よりも早く身体を通り過ぎ、 「―――か、ふ…」 女神の身体を朱色に汚す。 右往左往させられる度に紫の髪が乱れ、血煙に無残に染まっていく。 まるで女囚が強制的に舞わされているかのような凄惨な光景を作り出しているのは 飛閃する黄金の夜叉だった。 何者にも阻まれぬ巨大なザンバーを、精密で一糸乱れぬ先のそれとはあまりに違う 荒ぶる雷の如く振り回す。 冷静さを失い、全く持って読み易いその剣筋は―― しかし今のライダーに到底、受けきれるものではなかった。 何せランサーの槍術を一時的にとはいえ圧倒した巨剣だ。 元より騎兵の持つ短剣で捌けるものではない。 予測してなお彼女の反応を超える雷光の切っ先に犯され、 深手を負っていくその体は、勝負ありと認識するに十分な有様だ。 「―――、ハ ―――、ハ」 しかして既にグロッキーのライダーに、普段の魔導士からは決して出る事のない 低くて全く情緒の感じられない声が飛ぶ。 「先の二撃は致命傷……立ち去るのなら見逃す。」 散々なます斬りにした相手にすげなく「帰れ」と撤退勧告を突きつけるその無造作さ。 心優しい執務官の面影はもはや無い。 ――それは初めて高町なのはと出会った時の彼女の目に似た、感情を凍りつかせた者の瞳。 大切なもののために容赦なく狂刃を振り下ろすあの頃の彼女の双眸に酷似する。 「―――む、ぅ…」 敵に巻き付け拘束するはずの騎兵の鎖を魔導士は逆に渾身の力で引き回す。 すると強靭な騎兵が逆に振り回されてしまう。 前方にたたらを踏んだ彼女に容赦なく強烈な当身を叩き込むフェイト。 弾け飛ぶ騎兵。 だが自ら放った縛鎖に繋がれ、五間ほど間合いの空いた地点で留まり その場でうずくまってしまう。 朱に染まったその全身からポタポタと血が滲んで落ちる。 「その殺気をランサーにぶつけてやれば大層喜んだものを… まあ全ては後の祭りというやつですが――」 「…………黙れ。」 「何を……苛付いているのです? フェイト。 ようやく邪魔者は消えて二人きりになれたのだから もう少し目の前の私に集中してくれても良いでしょう?」 「…………黙れ。」 ライダーは劣勢だ。それは間違いない。 だが未だに壮絶に嗤う魔貌には窮地を感じさせない何かがある。 むしろ―― 「まさか助けに行くおつもりですか? 仲間の騎士の身を案じていると…? ――今更。」 むしろ精神的に劣勢に立っているのは攻めているはずの魔導士だ。 囁くような声で紡がれたその言葉を受けた瞬間 フェイトの喉から獣のような唸り声が漏れる。 その表情が苦渋に歪み、振るわれる巨大刃に怒りと、悲しみと、 悔恨による危うさを灯し出す。 体内から発する雷迅によって金髪が猫のように逆立っている。 もはや彼女の全身――細胞の一片までもが竜の逆鱗になってしまったかのようだった。 「ならば教えてあげましょう。あのランサーの持つ槍―― アレは必ず心臓を穿つ魔性の槍と言われています。 我らサーヴァントの中でも特に恐れられる殺しに特化した宝具…… それを受けて生きていられる者はいません。 既に貴方の仲間は――」 「…………ライダー。」 「何でしょう。」 「………次はこの刃を止められない。」 黒曜のデバイスを血が滲むほどに握り締めるフェイト。 その手は細かく震え、かけがえのないものを奪っていった敵に激しい怒りと憎しみを灯さずにはいられない。 「……投降しろ。これが最後だ。」 その憎しみに飲み込まれ、敵を惨殺してしまう事は執務官としてあってはならない事だ。 だのに彼女は目の前の相手に対して「それ」を向けそうになる自分を抑え切れない。 「あくまで投降を呼びかけますか。 驕りではないようですね―――あるいは懇願。」 「………」 「この期に及んで私には、貴方が泣きじゃくりながら必死に哀願しているようにしか見えません。 来るな…逃げてくれと――餓鬼のように石を投げつけてくるのと変わらない有様です。」 神話において狩りの対象とされ、逆に幾多の戦士を狩り返して来た―― そんな生涯を送ってきた女怪にはフェイトの食い入るような怒りの内にある苦渋 不殺の縛りにおける切実なる理性と本能との鬩ぎ合いなど理解の及ばぬ感情である。 「早い話が舐めているのです……この私を。 どれほど強かろうと、どれほど凄まじい技を駆使しようと シマウマの後ろ蹴りを恐れる肉食獣はいませんよ。」 そんな躊躇いや葛藤を持ち続ける限り、神話の怪物を退かせる事など出来るはずが無い。 「なら、これで…」 そしてそのような事を言われるまでもなかった。 フェイトとて分かっているのだ――もうとっくに潮時なのだと。 その潮時を見誤ったからこそ……取り返しの付かない事態を招いてしまったのだと。 ――― 次で終わらせよう ――― その念――帰還したら自ら査問にかかり 執務官の職を追われる事になろうとも厳正な処罰を求めようと心に決めたフェイト。 彼女が騎兵に次の言葉を紡がせる前に、その姿をフ、と掻き消す。 相変わらずの閃光のような剣筋に「躊躇い」という枷が今、外された。 相手の度重なる挑発など何の盾にもならない。 最後の悪足掻きに過ぎぬ妄言ごと一閃―― 彼女の振るうデバイスは皮肉にも雷纏った斬「馬」刀。 ライダー「騎兵」と名乗った彼女を斬り伏せるのに何の不足も無いだろう。 相手の瀕死の身体に終わりを宣告する無慈悲な刃を今、振り下ろし―― 「…………、」 フェイトは彼女の―― ライダーの骨肉を―― バターのように切り裂いた―― 「……………、」 ………………… ………………… 「!!?」 ―――――――――――筈だった 冷静にして冷徹に振り下ろされた雷の巨剣が 音もなく―――否、音を遅らせて袈裟に振り下ろされる。 一刀両断……恐らく即死だろう。 せめて痛みを与えずに、相手の命を刈り取った刃が地面に突き立ち 一拍遅れてザシュンと―――肉を断ち切る無残な音を辺りに残す。 その凄惨な感触までを頭に思い描き、覚悟を以って振り下ろした。 そんな終始、冷たい光を放っていた両の眼が――改めて驚愕に染まる! 打ち込んだフェイトのザンバーは彼女の予想を違え 地面を穿つ硬い感触も、人間を経つイヤな音も、肉を裂く禍々しい手応えも手に伝える事はなかった。 絶好のタイミングでライダーの真上から降り注いだそれが全てを刈り取ったはずなのに…… 傷ついた騎兵に受けきる術は無い。 次の瞬間、迅雷の太刀が間違いなく対象を切り裂く光景が眼前に広がるはずだったのだ。 しかしその場にて顕現したのは惨劇の光景ではなく――神々しいまでの…… ――― 光 ――― 「な……何…?」 Warning...A crisis approaches you...! 煌々と照らし出される後光 眼球を焼くほどの光雨を象った何かに対し彼女のデバイスが最大級の警告を伝えてくる。 必殺の巨剣は何かによって苦もなく遮られていた。 その手応えは要塞や戦艦の外壁とも魔導士の魔力シールドとも違う。 堅牢とも柔軟ともつかぬ不確かな手応えでありながら――この圧倒的な気配は一体何だ!? 現状を知覚できない魔導士の眼前。 ライダーの足元に流れ落ちる大量の血痕が真紅の魔法陣を形成し そこから発する強烈な光がサーヴァントを守るように包み込む。 「少しは学びなさい……フェイト。 サーヴァントを前にして絶対などという言葉はない。 言ったはずですよ? 貴方は私を舐めていると――」 既に後光に遮られて直視する事も出来なくなった彼女の影が 優しく哀れむようにフェイトに話しかける。 ああ、そういえば――― それはずっと不思議に思っていたのだ。 自己紹介を終えた時に名乗った彼女の「名前」 ――― ライダー ――― そして光の余波が力ある波動の奔流となって打ち込んだフェイトに逆に降りかかる。 「っっあッ!??」 止めの一撃を放った魔導士の肢体が磁石に弾かれたように勢いよく宙を舞いながら―― ――― 「騎」兵 ――― 事ここに至って……フェイトは初めてその名の持つ本当の意味に至る。 ―――――― 全身に凄まじい水流を叩きつけられたような衝撃だった。 こちらが斬った。こちらが攻撃した。 抵抗の余地の無い相手を切り伏せようとした。 だのに正体不明の強烈な反発に会い、宙を舞ったのはフェイトの方。 為す術もなく台風に晒された布切れのように盛大に吹き飛ばされるその体。 半きりもみ状態で宙を彷徨う体は、まるで闘牛のぶちかましを食らって刎ね飛ばされたかのようだ。 空中で身体を反転させて体制を立て直せたのは彼女ならではだったが、 その食い縛った口元の端からドロリと――濃密な鉄の味が滲む。 残り少ない体力を更に奪う一撃――もはや宙空に制止しているのすら厳しいのか ゆっくりと地面に降り立ち、デバイスを杖代わりにして立つ魔導士。 「それは……?」 何だ…?と怒りも焦りも一瞬忘れて眼前に相見えるモノに唖然とした声を向ける。 「やっと貴方にこのコを紹介できる。」 あのランサーさえいなければ、もっと早くお披露目出来た――ソレ 負った傷、大量の出血などどこ吹く風だ。 そこに篭められた万感の念は決して小さなものではないだろう。 顕現したのは彼女のそんな絶対の自信に見合った神秘の結晶―― 大空に雄々しくはためく二条の翼があった―― くもり一つない純白の肢体だった―― 大地を踏みしめる揺ぎ無い蹄を称えた四肢だった―― それは――― 「………ペ、、」 地球にいた頃――古い神話によく出てくる伝説の一つを彼女は見聞きした事がある。 決して長い時間を地球で過ごしたわけではない。 そんな彼女ですらが耳に入れざるを得ないほどにそれはあまりにも、あまりにも有名な―― 「………ペガ、サス?」 地球の神話に名を記された天翔ける神馬であったのだ。 ―――――― ―― 天馬伝承 ―― 神代における一つの物語。 海神によって身ごもっていた、既に邪神と化していたメドゥーサがとある英雄に討たれた際 その返り血より生まれたのがこの神馬だと言われている。 数々の勇者と共に天空を駆けた恐らくはギリシャ神話上もっとも有名な幻想種。 伝承によって称えられたその力は最強の種族とされる竜種とも比肩し あの騎士王アーサーをも超える神性と護りの加護を身に秘めている。 「これが私の切り札です。 我が名の本当の意味――もはやお分かりですね? フェイト。」 「………く、、」 そう、痛いほど理解した。ライダーとは即ち騎兵―― 騎兵とは己が手足となる騎馬を持ちし者。 その身に打ち込んだだけでこちらの全身が潰されるほどの衝撃を放つ 護法の守りに覆われた神話に記されし天馬。 これが、これこそが彼女のラストカード。あの姿こそ彼女のパーフェクト・フォルム。 あれほどの強敵が今まで本気ですらなく――今、ようやくその全てを解放したのだ! 切り傷から流れ出ていた大量の血痕はかの伝説の神獣を召還する呼び水として有効利用されたのか 既にライダーの体に付着してはいない。 なるほど、嬉々としてその肌を切らせていたわけだ。 こちらに仮初の優勢を味あわせておいて、その実、着々と切り札の準備をしていたのだから。 女神メドゥーサの血潮を糧として生まれた「幻想種」は場を捻じ曲げるほどの圧力と 矮小なヒトの身などと比べ物にならないほどの存在感を場に醸し出す。 向かい合っているだけで膝をついてしまいかねない。そんな神意の力を前にして跪かない者などいないだろう。 フェイトを弾き飛ばした光波など天馬にとっては攻撃・反撃ですらないのだ。 天に唾する者がそれを自ら被ってしまうように己が剣の衝撃を叩き返されたに過ぎない。 ならばもしこの神獣が敵意を持って彼女を「攻撃」したのなら――― 持つわけがない。薄手のBJしか纏わぬフェイトがそんなモノに耐えられるはずがない。 恐らくは一撃で、魔導士の体は電車に跳ねられたかのように木っ端微塵に砕かれてしまうだろう。 「…………関係ない。」 「―――ほう。」 しかしながら――そんな事実を前にして彼女は一瞬の怯みを見せただけ。 受けたダメージ、潰された内臓、そして未知なる神秘を前にして それがどうしたとばかりにフェイトは一歩、前へ出る。 「舐めているのは貴方だ… いつまで私を震えおののく獲物だと思っている?」 神意に平伏したり神性におののく必要性など微塵も感じてはいない。 圧倒的な怪異を前にしているにも関わらずその表情はどこか自然で――吹っ切れた感すらある 「次で貴方を確実に斃す。」 そして彼女は向ける。己が手に持つ巨大な剣を―― その刀身が、柄が、蠕動し躍動し、破滅の振動を開始する。 カードの見せ合いにもはや意味は無いとその双眸が如実に語る。 決して人の手には負えぬ神馬を前にして、彼女は負けを容れる気など毛頭ない。 そもそも―― 「バルディッシュ・セットアップ」 ――――知った事では無いのだ。 地球の伝説の偉大さ強大さなどミッド生まれの彼女には。 余人でさえ感じ取れる幻想種の気配。火を見るよりも明らかな絶対の死。 絶望の具現である宝具の威圧感が―― 「…………………オーバードライブ」 ただ、フェイトに容易く最後の枷を外す決心をさせたというだけの話であったのだ。
https://w.atwiki.jp/girlwithlolipop/pages/117.html
開幕/きらりん☆レボリューション◆PatdvIjTFg ◇ 「にゃっほーい! きらきーだよ☆ルーラーのお仕事は大変だけど参加者のみんなのためにがんばるにぃ!みんな応援よろしくおにゃーしゃー☆」 ◇ 「……ッ!」 気が付くと、諸星きらりは目覚めていた。 未だ太陽は沈んでおり、テレビをザッピングしても映るものは砂嵐に似たノイズか通販番組だけだ。 この高校におけるトラウマとサーヴァントに対する無力感から来る多大なストレスは、諸星きらりの睡眠時間を蝕んでいる。 額を拭う、酷い汗だ。 発熱したかのように全身が濡れている、パジャマにまでじつとりと滲んでいる。 「■■■■■」 バーサーカーが諸星きらりの額に手を当てる、熱を測っているのだろうか。 肉体的な病でないことはわかっている、だがその優しさが諸星きらりにとってはありがたいことだった。 「だいじょーぶ」 ベッドを抜けだして脱衣所まで歩く、当然のことであるがバーサーカーは外で待機している。 パジャマを脱いで洗濯物カゴに入れる。 フリルのついた桃色の下着、そのバストは豊満であった。 浴室に入り、シャワーを浴びる。 汗とそれ以外のものまで洗い流せるように。 浴室の曇った鏡を掌でこすり、諸星きらりは自分の姿を見る。 出るところは出て、引き締まるべきところは引き締まった長身の体躯、それに対し幼さすら感じさせる愛くるしい顔。 体躯と顔のギャップが、かえってアンバランスな美しさを生み出している。 ただ、昨日よりも更に痩せたかもしれない。 両の人差し指で口角を上げて、笑顔を作る。 わざわざこんなことをしなくても、少し前までは自然に笑えていた。 だが、作ることを意識しなければ笑うのが難しい。 笑うのなんて、簡単なはずなのに。 「きらりん☆」 諸星きらりが、きらりになって鏡を覗きこむ。 他人のための偶像【アイドル】は未だ笑えている。 「今日も一日がんばるぞい!」 着替えを済ませた諸星きらりは、己の携帯電話にメールが来ていることに気づく。 この街に来てから携帯電話を使う機会は減った。 街に来て最初の数日は家族や友人に引っ越しが無事に終わったことを連絡して、自分が大丈夫であることを伝えて、 そして、いじめが始まって、それ以来使わなかった。 誰にも何も言えなかった。 そして今、この携帯電話の先にいる相手が偽物であることがわかり、やはり何も言えない。 元の世界のように、きっと、優しくて甘いものをくれるだろうに、それでも言えない。 電話を掛けて全てウソですよと言われたら、と思うと恐ろしい、夢が夢で終わらせられるのは恐ろしい。 だから、二度と携帯電話を使うことはないと思っていた。 それが、今誰からかメールが届いている。 見たくない、正直なことを言えば恐ろしい。 メールを見れば、また何かを失うかもしれない。 息を吸う、吐く。 大きく息を吸う、ありったけの空気を吐き出す。 気合を入れて、携帯電話を開く。 ルーラーから送られた聖杯戦争の開始を告げる題名。 この時点で目眩がしそうになった。 悪夢のような現実は蜘蛛の巣のようにきらりを絡めとった。 息を吸う、吐く。息を吸う、吐く。息を吸う、吐く。心を落ち着かせる。 攻撃されるのは恐ろしい、バーサーカーの戦う姿を見るのは悲しい。 それでも、未だ始まっただけで巻き込まれたわけじゃない。 それを強く意識する。 ルーラーから送られたメールの内容を確認する。 電子マネーは役に立つかもしれないし、少なくとも参加者の姿が一人はわかったことがありがたい。 掲示板は便利だが、少女の悪意に触れた今のきらりには恐ろしい。開くことはないだろう。 それより何よりも図書館に行けばルーラーと接触できるかもしれないこと、それがきらりにとっては何よりもありがたい。 バーサーカーを救う、元の世界に戻る、今までの探索の中ではその答えどころかヒントすらも見つからなかった。 それでも、聖杯戦争の運営側にいるルーラーならば、答えを知っているのではないか。 必死で頼めば教えてくれるのではないか、それが今のきらりにある唯一の希望であった。 玄関の戸を開く。 今の時間も忘れて、走る。 誰よりも先に図書館へ行かなければならない。 誰かと出会ってしまうのは恐ろしいから。 煉瓦造りの巨大な建造物は明治時代を思わせるモダンな雰囲気を漂わせる。 五階建て、蔵書数は不明、この街で唯一の図書館である。 客用の出入口は七つ、西、南に各三つずつ、北に一つ。幸福の数字である。 そして職員用通用口は東に一つ。合計で八つ、また末広がりで縁起が良い。 利便性というよりは、その数を意識してこの図書館の出入口は造られている。 開館時間は午前から夕方まで、休館日は無し。当然今は閉館中である。 だが、関係ない。 職員用通用口の横に付いたインターフォンを鳴らす。 何度も本を探しに訪れているために図書館自体には慣れているが裏口はどことなくきらりを気忙しい気分にさせる。 最も、裏口だからということだけが原因ではないが。 しばらく待っても、返事はない。 再度鳴らそうか、それとももう少し待とうか――少し考えて、きらりは再度、インターフォンを鳴らす。 普段よりも更に気が急いていることをきらりは自覚している。 待っていると不安になる。 やはりこの時間にルーラーはいないのではないか、そもそもルーラーはいないのではないか。 フェイトを捕まえて初めて、図書館にルーラーが訪れるのではないか。 こんな時間に訪れたから、ルーラーは気分を悪くして出てこないのではないか。 申し訳ないことをした。 熱病に浮かされていたかのような感情が急に冷めていく。 ありもしない希望にすがってしまっただけなのではないか、そう思ってきらりは自省する。 「かえろっか……」 霊体化しているバーサーカーに声を掛け、家に戻ろうとした――その時である! 「ドーモ、スミマセン」 通用口の門が突如として開いた、開けたのはダークスーツを着こんだ角刈りの男だ。 その目はサイバーサングラスによって隠されてはいるが、オニめいた眼光をしていることは想像するに難くない。 図書館の職員があからさまにヤクザなのだ! 見よ、ヤクザの体躯を!並みの男よりも尚高いきらりに匹敵せんとする身長と鍛えあげられたように見える筋肉を! アイドルの卵とはいえ、所詮一般人であるきらりにとってヤクザは実際英霊よりも現実的で非現実的な恐怖である。 だが、気丈にもきらりは恐怖を抑え込み、尋ねた。 「えっと……アナタがルーラーさん?」 「…………」 それに対してヤクザは沈黙!コワイ! 緊迫した空気が数秒流れた後、ヤクザは口を開いた。 「ドーゾ。モロボシ=サン。オアガリクダッシェー」 そう言ってオジギすると、ヤクザは図書館内へと歩き出す。 数秒の沈黙によって生じた実際奥ゆかしい歓迎である。 きらりはオジギを返すと、図書館へと入場した。 何度見てもきらりはこの図書館に圧倒される。 視覚の暴力めいて並ぶ本棚は数を数えようとすら思うことが出来ないほどに多い上に、 その本棚一つ一つがアンティークであり、どこか格式の高さを思わせる。 それがずらりと五階まで並んでいるのだ、人間が本を読むための場所というよりも本に支配された場所で人間が生存を許されているようなものである。 それにしても――ときらりは気づく。 昼間にはいなかったダークスーツの職員達が本の整理を行っている、それだけならば良い。 だが、統一された髪型に服装、似たような体躯、遠目ではよくわからないがよく似た顔立ち。 職員たちが皆、同一人物のように見える。疲れているのだろうか。 心中の疑問に答えられることのないまま、ヤクザに促されてきらりとバーサーカーはエレベーターへと乗り込んだ。 「オタッシャデー!」 二人が乗り込むと同時に、ヤクザが外側から閉ボタンを押す。エレベーターの戸が閉まる。世界から隔離される。 ▽ 「下ヘ参リマスドスエ」 合成マイコ音声がエレベーターの起動を告げると共に、奇妙な浮遊感を伴ってエレベーターが下降する。 エレベーター内は珍しいことに全面が鏡張りである、浮遊感を伴ってきらりはどこか神秘的な趣きを感じた。 「きっと……だいじょうぶだよねぇ……」 ルーラーに会えば、家に帰れる。 ルーラーに会えば、バーサーカーもきっと泣かずに済む。 ルーラーに会いさえすれば、全ては好転するはずなのだと、きらりはそう信じている。信じざるを得ない。 もしも何も変わらなければ、それは何よりも恐ろしい。 だからこそ今、ルーラーに会おうという段になってより不安になっていく。 望めば望むほどに裏切られることが怖い。 「■■■■■■」 身を竦めたきらりの肩にバーサーカーは手を置いた。 狂っていても、泣いていても、優しくて大きくて暖かかった。 「うん、ありがとにぃ」 きっと、何とかなる――そうきらりが思ったその時である。 エレベーターの鏡面に水面のような波紋が生じた、目の錯角か――否、現実である。 今、鏡に触れれば――あるはずのない鏡の中の世界に入り込めそうなほどに、現実から逸した様。 "This little piggy went" (このぶたちゃん) "Wee, wee, wee" (ウィーウィ ウィーウィウィーと泣いている) "All the way home?" (おうちに帰りたい?) 歌が聴こえた。 きらりの発したものでも、マイコ音声のスピーカーから発されたものでも、もちろんバーサーカーでもないものが。 どこだろう――そう思ってきらりがきょろきょろと辺りを見回すと同時に、バーサーカーが戦闘態勢に入った。 「■■■■!」 「ンアーッ!」 二重の極み!正面鏡粉砕! 「■■■■!」 「ンアーッ!」 二重の極み!左部鏡粉砕! 「■■■■!」 「ンアーッ!」 二重の極み!右部鏡粉砕! 「■■■■!」 「ンアーッ!」 二重の極み!背面鏡面粉砕! 「■■■■!」 「ンアーッ!」 二重の極み!天井鏡粉砕! 「■■■■!」 「ンアーッ!」 二重の極み!床鏡粉砕! バーサーカーは直感に従い、周囲の鏡面全てを破壊し、きらりを抱きかかえて天井からエレベーターより脱出! 負けを待って無駄死にとは平安時代の哲学剣士ミヤモト・マサシのコトワザである。 実際、敵の襲撃を受ける前にこちら側から仕掛けた方が有利である。 片腕できらりを抱き、もう片腕でエレベーターロープを掴んだバーサーカーが上昇を開始する。 だが……ブッダ!なんたるマッポー的光景か! バーサーカーによって粉砕された鏡面の粒子が、吹雪のように辺りを舞い散り……バーサーカーときらりを包み込んだのだ! フタエノキワミ=ホウグ破れたり!この宝具ならばあらゆるものを破壊出来よう! だが、粉々に破壊されたものをどうして再度破壊できようか! そして……皆さんの中にサーヴァント動体視力をお持ちの方がいれば、それを見ただろう! 鏡の粒子一つ一つより出た極細の茨を!それが互いに鏡を結びつけ、操っている! 「■■■■!」 一本一本破壊していっても意味なき程の量!そして破壊した側から新たな茨が出て、鏡同士は再度結び付けられる! "This little piggy went" (このぶたちゃん) "Wee, wee, wee" (ウィーウィ ウィーウィウィーと泣いている) "All the way home?" (おうちに帰りたい?) 再びきらりは歌を聴いた。 そしてきらりは見た。 鏡の粒子が一つの鏡となり映し出された白いロリータドレスのドール、普通の人間の半分ほどの背丈もない。 白薔薇の髪飾り、編み上げのロングブーツ、コーディネートは全身白が基調。 淡いピンクのようなクリーム色の髪をツーサイドアップにしている。 それにしても不思議なことに、右目が無い。 眼帯というわけでもなく、目の代わりに直接薔薇が生えているように見える。当然彼女の色、白い薔薇だ。 目が合った。 魔性の色――彼女の金色の目ときらりの目が合った。 「アナタが歌って……」 言葉を発し終える前に、鏡より出た茨がきらりを捉えた。 「■■■!」 バーサーカーが手を伸ばすよりも、茨は速かった。 誰が信じるであろう、鏡の中に世界があるなどと。 だが、鏡の中より出た茨は――きらりを鏡の中へと誘った。 「■■■■■■■■■■■■■!!!!」 「シ、シ、シ、下ヘ参リマスドス、ドス、ドスエ」 後に残されたものは、バーサーカーの絶叫と、狂ったように鳴り響くマイコ音声だけだった。 ◇ フローリングの床、手すりの付いた壁面鏡。 レッスン室と聞いて大多数が想像するような光景――そして、きらりが何度も何度も訪れるはずだった場所。 何故、ここにいるのだろうと思うよりも先に――今更この場所にいることにきらりは心のどこかがじくりと痛むのを感じた。 ぱあん。 誰かが手を叩く。 それと同時に、レッスン室には19個のマネキンが置かれていた。 マネキンは皆――ドレスを着ていた。 シンデレラが着るような――きらりが何時の日にか街頭ビジョンで見たような美しい衣装を。 ぱあん。 誰かが手を叩く。 マネキン達ときらりはそのままに、場所だけは多数の観客が収容できるホールに変わっていた。 観客席は皆、マネキンで埋まっている。 きらりは、マネキン達と共に――ステージに立っている。 気が付くと、あの曲が流れている。 かつて、街頭ビジョンで聞いたあの曲が。 きらりが、ただ漠然とアイドルに憧れていただけだった頃の曲が。 曲に合わせてマネキン達が踊っているのを、きらりは不思議と当然のことであると受け止めていた。 それよりもステージに上がっているのに、踊り方を知らない自分が辛かった。 ぱあん。 誰かが手を叩く。 きらりは多数のマネキンの観客とともに観客席に座っていた。 ステージではきらりの代わりに、あの白いロリータドレスのドールが踊っている。 踊っているマネキンたちへの憧れと、自分は踊れないのだからしょうがないという諦めと、それでも諦めきれない悔しさ。 "お願い!シンデレラ" "夢は夢で終われない" ああ、嫌だ。 夢が夢のままで終わらされてしまう。 今すぐ観客席から立って、ステージに上がりに行きたかった。 だが、両腕を両隣のマネキンにものすごい力で押さえつけられて観客席から動くことが出来ない。 何も出来ないまま、曲が終わっていた。 ぱあん。 誰かが手を叩く。 きらりは花束を持って、ステージに上がっていた。 目的はわかりきっている、白いロリータドレスのドールにこの花束を渡すためだ。 きらりが渡した花束を受け取ると、ドールは満面の笑みで言った。 「うぇえへ、きらりちゃん応援ありがとにぃ☆きらきー、もっともぉーっときらりちゃんの代わりに頑張りまっす!いぇいいぇいおー☆」 どこまでもどこまでも悪意を込めた自分の真似、表面上だけは完全に似せた主のいない腹話術の人形。 「違う……」 「何が違うんだよ、きらり?」 「だって……」 「ボクと違ってきらりさんは聖杯いらないんでしょ?だったら……ボクがきらりさんの代わりに使っていいじゃないですか? フ、フフーフー……聖杯はすごい……からね……きらりちゃんの夢も……未来も……周りの人も…… みんな……みんな……私がもらうよ……?それが嫌なら……戦いなさい、諸星きらり」 ぱあん。 もう一度、誰かが手を叩く。 レッスン室も、マネキンも、ステージも無い。 アンティーク調のテーブル越しに、椅子に座ったきらりとドールが向かい合っている。 それ以外には何も見えない、闇が周囲を包み込んでいる。 テーブルの上には淹れたての紅茶が二つ、湯気を立てている。 「初めまして、諸星きらり様……私がルーラーですわ」 「…………夢?」 先ほどまでのことが何もなかったかのように、ルーラーと名乗ったドールは振舞っている。 何もかもが夢だったのだろうか、それとも今も未だ夢の中にいるのだろうか。 「くす、くす、くす、呼びつけておいて夢を見ておられるなんて……羨ましい立場ですわね、諸星きらり様」 「……ごめんなさい」 「いえいえ、馬車馬のように休みなく働くのがルーラーの仕事、無償の奉仕者であることこそ私の使命…… どうぞどうぞお気にせず、それで何の御用かしら?諸星きらり様?」 そう言ってルーラーは紅茶を口に入れた。 つられてきらりも紅茶を飲む、緊張で味がわからない。 聞かなければならないことがある、いや、その前に。 「1、2、3、4、5、6、7、よい子はみんな天国へ……バーサーカー様は、下へ、下へ、下へ…… ルーラーの立場から提案させていただきますが、バーサーカー様と再会されたならば、まずはじめに令呪を以て私を追うことを止めさせるべきでしょうね 今のバーサーカー様は自分のしっぽを追いかける犬のように、私だけを追い続けてアナタの話を聞きもしませんから、くす、くす、くす」 言っている意味がよくわからないし、バーサーカーの状況もよくわからない。 だが、きらりにはこれ以上ルーラーに聞いても無駄なように思えてならなかった。 「大丈夫、バーサーカー様は元気いっぱい……それで、きらり様、アナタの用事が聞きたいわ」 だが、ルーラーとバーサーカーを信じ、今はルーラーに聞くべきことを尋ねよう。 どうすればバーサーカーを元に戻せるか。 どうすればこの世界から元の世界に戻れるか。 紅茶のおかげだろうか、言葉は淀みなく紡ぐことが出来た。 「狂化を解きたいのならば……令呪に祈りを籠めて、何度も何度も何度も祈ってみてはいかがでしょう? ただし、3画では足りないわ……もっと光を、もっと多くの令呪を集めないと何の意味も為さないでしょうね。 うふふ……でも安心しなさいな、きらり様……良い手段がありますわ、フェイト・テスタロッサの捕獲任務を見たでしょう? 嘘はつきません……フェイト・テスタロッサを引き渡していただければ、私はよろこんできらり様に令呪を差し上げますわ」 「…………」 ここに来てようやく具体的な道筋が見えた、だがその道筋は厳しい。 いや、わかってはいたことだ。 しかし――霧の中で惑うのと、険しい山々を越えるのとどちらが良かったのだろう。 だが、もう答えを知ってしまった以上――きらりはバーサーカーのために勇気を振り絞ることができるだろう。 「次に、どうすれば帰れるか、聖杯を手にすれば良い……と言いたいところですが、そういう答えを求めているのではないのでしょう? でしたら、やはりフェイト・テスタロッサを捕まえることです。マスターがもしあの娘を気に入ったのならば……この聖杯戦争自体が中断される……か、も。 ええ、確証なんてありませんわ……でも、私から提案できるのはこれだけですわ、きらり様。 アナタ達の鍵を握るのはフェイト・テスタロッサ……以上です」 「その……フェイトちゃんを捕まえたら、どうするの?」 踏み込むべきではない。 見も知らぬ少女の事情など無視して、自分のために動くべきだった。 それでも諸星きらりはフェイト・テスタロッサを気にかけてしまった。 自分がいじめられたように、参加者から狙われる少女を。 「マスターと会って、仲良くお茶会をして……おしまい。 もちろん、マスターがフェイト・テスタロッサを殺すことはありえません……くす、というより不可能でしょう」 ルーラーの嘲笑は、サディズムの美を備えていた。 だが、そんなことはきらりにはどうでもいい。 命の保証がされても、それは恐ろしいことのように思えた。 「うふふ……きらり様、いいじゃないですかフェイト・テスタロッサのことなんて、 それよりもアナタと……アナタのサーヴァントを大切にするべきでしょう?」 そうだ、ルーラーの言っていることは正しい。 殺すわけではない、ただ捕まえるだけだ。 そしてルーラーに引き渡した後、どうなるかなどきらりの知ったことではない。 それでも、そう割り切れないから――きらりはここにいる。 バーサーカーの狂化を解除する方法、聖杯戦争から脱出する方法、そのようなものの答えを求めて。 だが、それでも悩む。 フェイト・テスタロッサを天秤にかけてもよいほどに、諸星きらりは追い詰められているということも真実。 諸星きらりは揺れている。 「……それではきらり様、お茶会はここまで。今度はお茶菓子をもっていらっしゃって」 そう言って、ルーラーは椅子から降りて、闇へと消えていこうとして、思い出したかのようにきらりに振り返った。 「そうそう、掲示板機能はご利用なさっていて?きっときらり様のお役に立ちますわ」 そして、それだけいうと再び闇へと消えていく。 ぱあん。 誰かが手を叩く。 きらりの意識が消える。 「きらきーぱわー☆」 ◇ 「■■■■!」 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 殴っている。 バーサーカーはきらりを連れ去った鏡を殴っている。 粒子状になった鏡はこれ以上破壊することが出来ない、それでも殴っている。 バーサーカーは鏡の中に入ることは出来ない、それでも殴っている。 殴ることしか出来ない、だから殴っている。 目を覚ましたきらりが見たものは、そんな光景だった。 災害現場から必死で瓦礫を取り除いて家族を探すような、そんな悲痛な祈りにも似た光景だった。 「ごめんねぇ……」 バーサーカーは自分を守りたいのだろう。 バーサーカーは自分を傷つけたものを許せないのだろう。 だから、何も出来なくても――出来ることをし続けてしまうのだろう。 きらりの令呪が光り輝く。 「もういいよ……ごめんねバーサーカー」 きらりの言葉と共に、バーサーカーは拳を止め、霊体化した。 「ごめんねぇ……ごめんねぇ……」 道はひたすらに遠い。 そして、自分には謝ることしか出来ない。 きらりはヤクザがエレベーター災害救助用のはしごが降ろすまで、しばらく眠っていた。 【D-2/図書館/一日目 早朝】 【諸星きらり@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ版)】 [状態]精神的疲労(中)、魔力消費(中) [令呪]残り二画 [装備]なし [道具]なし [所持金]不明 [思考・状況] 基本行動方針:バーサーカーを元に戻し、元の世界へと戻りたい [備考] ※三画以上の令呪による命令によって狂化を解除できる可能性を知りました(真実とは限りません) ※フェイト・テスタロッサの捕獲による聖杯戦争中断の可能性を知りました(真実とは限りません) ※ルーラーの姿を確認しました ※掲示板が自分の話題で賑わっていることは未だ知りません 【悠久山安慈@るろうに剣心(旧漫画版)】 [状態]霊体化 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:??? [備考] ※雪華綺晶の存在を確認しました、再会時には再び襲いに行く可能性があります。 【雪華綺晶@ローゼンメイデン】 [状態]健康 [装備]なし [道具]なし [思考・状況] 基本行動方針:??? [備考] ※アイドルの物真似が出来ます BACK NEXT 009 ガール・ミーツ・ジンチョ・ゲーザーズ・ネクロマンス 投下順 011 空と君のあいだに 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 000 前夜祭 諸星きらり&バーサーカー(悠久山安慈) 014 絶望少女育成計画Reflect -003 泣いた赤鬼 000 前夜祭 ルーラー(雪華綺晶) 014 絶望少女育成計画Reflect OP その愛は侵食
https://w.atwiki.jp/yaruopokenaru/pages/633.html
_ '⌒\`丶、 -―――- _ /`\. . 〉、/\/\ ヘ `丶、 ___/. .-‐. /7'. . . . . . . . . . . . . . . `'^\ ヽ \. . . . . . . /. . . ./. . ./ /. . .ム厶. .}. . . }. . . . . l├'─‐- 、  ̄ /. /. . . ,'. . . |. |. .! | 0 | ハ. .l . |. . . j. |. . . . . . . .ミ゙ヽ /. / . . . .| l . _| j斗イ |トー| ハ_j_. リ |. . . . . . 彡ア く|. .l . /|. | l. . .jィf乞ト リ'仡外,|. ./ . l__// Ⅵ. ム|. レヘ .i{ V沙 V沙' |/. . .んWイ \{从. . {. .ト , }}. . /イ~. . | ヽ. . ゝ tっ 〃. / | . . . l /. \ V> 、 __, イV. / . . . . . . . . . /. ./ . .ヾV. ./_| /xく. . . . . .ヽ. . . .丶 /. . . /. _斗イ 〃 `ト-、. xヘ . . . \ / ,'/. / `┴―---- ―┴‐'´ \. . . \ / /. . ../ ヽ. . . . \ / / . .. / } ____ ∨' 人. \. .\ / /. . . / V |\\//| | イ /. . . \. .\. / /. . . . \ { |//\\| } / ∨. . . . . . . .\. .ヽ / /. . . ./ / \ム  ̄ ̄ ̄ ̄ レヘ V. . . . . . . . . . . . .ハ / /. . . ./. . / ハ /ハ {\. . . . . . . . . . . } 124スレ目(163日目)に登場。フェイト・テスタロッサのポケモンのワーウルフで、アルフの妹。 レンジャーの仕事には参加せず、普段は家で掃除や料理などの家事を担当している。 リニス同様、家事以外では買い物、サロンでの交流、友達の所に遊びに行くなどして過ごしている。 アルフよりも真面目でしっかりした性格のようだ。 フェイトと巴マミのお茶会に参加。初対面の美樹さやかに過剰に可愛がられたため、怖がって警戒している。 その後お手本として見せたやる夫の犬可愛がりスキルにより、好感を持った。 フェイトがレンジャーになった後、森で迷子になっていたところを保護された。 アルファが生まれる前にアルフはゲットされてしまったので、姉がいるという事だけは知っていたが、顔を見たことはなかった。 顔が似ていたので色々話していたところ、両親の話題からアルフと姉妹と判明し、そのまま手持ちになった。
https://w.atwiki.jp/yaranaio/pages/30.html
長編 セイバー やる夫はサムライになるようです 元ネタ有り:サムライスピリッツ 過去ログ直リンク やらない・フォース 元ネタ有り:シャイニング・フォース やる夫はミネラルタウンの農夫になるようです 元ネタ有り:牧場物語 ハーヴェストムーン やらない夫達は捻れた世界にいるようです オリジナル 過去ログ直リンク やる夫が不思議町の住人になるようです。 元ネタ有り:足洗邸の住人たち ヒロイン:雪華綺晶・セイバー・ホロ やる夫はみんなに狩られるようです オリジナル ヒロイン:セイバー、シャナ、琴吹 紬 間桐桜 やる夫は魔を断つ剣です 元ネタ有り:デモンベイン やる夫はフラグクラッシャーのようです オリジナル 桂言葉・間桐桜・竜宮レナ・遠野秋葉 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン やらない夫のワールドネバーランド 元ネタ有り: ワールド・ネバーランド ~オルルド王国物語~ ヒロイン:黒井ななこ、イリヤ、秋元こまち、フェイト・テスタロッサ、アイビス・ダグラス やる夫が魔王領総帥になるようです 二次創作:A君(17)の戦争 ヒロイン:水銀燈、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 氷室鐘 やらない夫と黒いおり オリジナル ヒロイン:氷室鐘・秋山澪
https://w.atwiki.jp/chabeya/pages/18.html
小部屋に関する、様々な用語を集めました。 小部屋 リリカルな小部屋、ばいつぁだすとの共有チャットの通称。 毎週土曜、21時から翌朝7時まで繰り広げられる、カオスアリーナである。 0時までは雑談。それ以降は、各小説のオリジナルキャラクターによる「なり茶」の時間となる。ぶっちゃけ参加者は、こっちが本命みたいなm(ry なり茶中は、全壊しようが、蜂の巣になろうが、粉微塵になろうが、次の週には完全修復する。また、屋根開閉、部屋の広さを自由に変えられるetc…、と小部屋屈指のチートさを誇る。(その全権はクアドラが握っているため、彼女が一番チートであるとの報告も……) Amber Shining ―アンバー・シャイニング― 小部屋の名物魔法。通称「AS」 魔法ランク:AAA 威力:AAA 射程:B+ 発動速度:C 使用者:クアドラ、伊織、鳩鳥 元はKagetukiさんのセリナが使用していた魔力付加攻撃。ただし茶部屋では伊織やクアドラの方が遥かに使用頻度が高いため、もはや誰の魔法だか分からない。 琥珀色の魔力槍を小部屋参加者、オリジナルキャラクターに容赦なく叩き付ける。 小部屋では主に、「参加者のタイプミス」、「意図せぬログアウト」、「クアドラと伊織の個人的お仕置き」等に使用される。 愛妻家三兄弟 小部屋でいつの間にか結成された、いわゆる「俺の嫁」を愛しすぎて生温かく以外の視線を向けられない三人を総称した呼び名。 長男:鳩烏 次男:下駄 三男:ユズキ となっている。また、 鳩烏=月村 すずか 下駄=フェイト・テスタロッサ、フェイト・T・ハラオウン ユズキ=鈴仙・優曇華院・イナバ をそれぞれ嫁としている。 無駄に結束力も高く、また、限りなく小部屋の中心的立ち位置(駄目だこいつら的意味で)に存在している。 別名:変態三兄弟
https://w.atwiki.jp/loli-syota-rowa/pages/560.html
高町なのは 初登場話 26 ワロトバの森 ~ダエジーの野望~ 死亡話 286怨鎖の雷と光の矢 登場話数 20話(多部作を含むと30) 現在状況 二日目の朝にA-3で死亡 初期支給品 コエカタマリン、時限爆弾、じゃんけん札 追加支給品 エルフの飲み薬、胡蝶夢丸、ゴロンの服 所持スキル 説明 魔力 魔力を有するが、世界設定上デバイスなしの攻撃は弱い。防御魔法は強固。 デバイス操作 デバイスの操作に優れる。特にレイジングハートの扱いに優れる。 空戦魔導師 実は運動音痴だが、魔法戦闘(特に空戦)は既に相当な腕前 キャラとの関係(最新話時点) キャラ名 関係 解説 初遭遇話 レイジングハート・エクセリオン 仲間(物) 高町なのはのデバイス。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では再会していない。 バルディッシュ・アサルト 仲間(物) フェイト・テスタロッサのデバイス。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では再会していない。 グラーフアイゼン 仲間(物) ヴィータのデバイス。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では再会していない。 リインフォースⅡ 不認知(物) 八神はやてのデバイス。時系列的に認知していない。魔法少女リリカルなのは出典。 ロワ内では遭遇していない。 ニケ 友好 仲間だった。悪魔呼ばわりに耐えきれず逃げ出した。 26 ワロトバの森 ~ダエジーの野望~ エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル 中立 目的は同じらしいが、衝突。歪んだ正義を指摘された。 61 天丼 ~それは小さなお約束なの~ ヴィータ 険悪 元世界の仲間。暴走したので手足を壊した。 73 それはきっと唯一の方法 才賀勝 友好 別行動していた仲間。何処かで、何故か、死んだ。 73 それはきっと唯一の方法 インデックス 仲間 自分を止めてくれた仲間 123-1 それは狂的なまでに(前編) アラストール(コキュートス) 友好(物) インデックスの支給品。本来の持ち主であるシャナに所在を伝えた。灼眼のシャナ出典。 123-1 それは狂的なまでに(前編) 犬上小太郎 友好 一時力を合わせた。伝言を担い別れた。 158-1 運命のルーレット廻して(前編) 古手梨花 その他 学校で出会い、別れた。エヴァに殺されたらしい。 158-1 運命のルーレット廻して(前編) リンク 仲間 自分を止めてくれた仲間 158-1 運命のルーレット廻して(前編) 李小狼 その他 灰原哀を殺す事で生かした。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) 灰原哀 その他 選択肢を突きつけ、結果として死亡した。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) 江戸川コナン その他 ヘンゼルを殺す為に諸とも焼き殺した。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) ヘンゼル 敵対 その狂気を理解し、救えないと知り、殺した。 158-2 運命のルーレット廻して(中編) ブルー 敵対 悪人。フェイト殺害容疑者の一人。 158-3 運命のルーレット廻して(後編) イヴ 敵対 悪人。フェイト殺害容疑者の一人。ひめの名でも知る 158-3 運命のルーレット廻して(後編) フェイト・テスタロッサ 仲間 元世界の親友。見つけた時には死んでいた。 158-3 運命のルーレット廻して(後編) リリス 敵対 エヴァに重傷を負わせたジョーカー。逃すよりは殺そうとしたが―― 170-1 あの日あの時あの場所で(前編) グリーン 敵対(不認知) リリスの抱えていた子豚。 170-1 あの日あの時あの場所で(前編) アリサ・バニングス 仲間 元世界の親友。絶交しかけたが、自分を止めてくれた 170-2 あの日あの時あの場所で(後編) 八神はやて 仲間 元世界の親友。誤殺してしまう。 170-2 あの日あの時あの場所で(後編) カレイドステッキ 仲間(物) アリサの所持品。Fate/stay night出典。 170-2 あの日あの時あの場所で(後編) 吉永双葉 中立 情報を交換し、アリサを頼んで別れた。 171-1 大した事じゃない(前編) シャナ 中立 情報を交換し、アリサを頼んで別れた。 171-1 大した事じゃない(前編) 三宮紫穂 その他 危険かは不明。双葉達の仲間。 171-1 大した事じゃない(前編) 白レン 敵対 危険だと判断し殺害した白猫。 171-2 大した事じゃない(後編) トマ 友好? アリサとはやての仲間。電話で情報を交換した。 171-2 大した事じゃない(後編) 摂津のきり丸 不認知 切り裂かれた砲撃の先に―― 172 「最悪」の向こう側 パタリロ=ド=マリネール8世 その他 エヴァに氷漬けにされていた人物。 242-1 許されざる者(前編) グレーテル 敵対 工場にやってきて、リンクを殺した 280 想いは百秒で砕け散る 最終状態 二日目朝にA-3工場でグレーテルのエナジードレインを食らい続け、衰弱死。 死体は放置されている。 踏破地域 B-6(山の麓)→B-5(山頂→山小屋)→A-4(上空)→D-4(学校)→B-3(廃病院)→A-3(工場) A B C D E F G H ■■■■■■■■1 ■■■■■■■■2 □□■■■■■■3 □□□□■■■■4 ■□■■■■■■5 ■□■■■■■■6 ■■■■■■■■7 ■■■■■■■■8