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【リヴァピース/リヴァラック】 由来…(リヴァース(反転)+ピース(欠片)/ラック(欠落)) 二年後の幻想町及びその周辺の市町村(宝珠町・本詠町・角迅町)、 そしてミラクルアースのケイオニア帝国の首都・ムゲンシティ(=二年前に融合してニュームゲンシティになっていた場所) に突如出現するようになった謎の物質。 外観はジグソーパズルのピース状の浮かぶ様々な色の板(リヴァピース)と、 同じ大きさの宙に浮かぶ色に対応するジグソーパズル状の穴(リヴァラック)。 幻想町側にピースが出現すると、ムゲンシティ側にラックが出現する。その逆も同様。 曖昧な状態だった二つの世界が分離した際の『歪み』が具現化して現れたものではないかとされており、 ニュームゲンシティ編終了後から二年の歳月をかけて誰も気づかぬうちに少しずつ生み出されていった。 対応したピースをラックにはめ込むと消滅して互いに消えてなくなる。 なおピースとラックは色の数だけあるとされ、その数は計り知れないと言われている。 しかし、対応していないピースとラックを無理矢理はめ込むと…。
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パピースK2 エネルギー:9 バトル:7 地域 画像 機体名 攻撃 防御 HP ターン 備考 共通 MK-II グリーン 1176 56 3089 2 共通 MK-II ダーク 1150 56 3633 2 共通 MK-II レッド 1172 56 3689 2 共通 MK-II ブルー 1023 56 3287 2 共通 MK-II サンライズ 1126 56 3599 2 共通 グリーンシュミット 2335 5 9849 5 共通 ナートファイター 1354 89 4697 3 共通 ナンナファイター 1430 89 4360 3 共通 ランファイター 1148 89 4325 3 共通 レッドシュミット 2237 5 9298 5 共通 レッドウルフラトロ 1423 61 4713 4 共通 バルデールファイター 1192 89 4366 3 共通 ブルーシュミット 2364 5 10353 5 共通 レッドウルフラトロ 1567 61 5633 4 共通 トワイライト 1851 81 6154 3 共通 フェンリルファイター 1232 89 3522 3 共通 ハイメタルフォース 251 15350 16 1 共通 ハイサンライズフォース 254 15350 14 1 7地域 ディルナ 2171 144 68097 2 7地域 キャナリーX-I 1624 89 50000 2 (コメント) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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彼等は誰も守れない ◆KV/CyGfoz6 ◆6/WWxs9O1sは今までに、数え切れないほど死に、数え切れないほど死なれてきた。 その数え切れない死の中に、全く同じものは存在しない。 目の前の少女が感じている兄の死もまた、自分が知るどの死とも違うものなのだろうと彼は思う。 少女の悲しみを、苦しさを、本当の意味で理解することはできないのかもしれない。 けれど、少女の気持ちに寄り添うことはできるはずだと6/は信じる。 だから彼は叫ぶ。 「みんな殺して自分も死ぬなんて、そんなこと言うな!!」 黒井ななこは、この島で教え子を亡くした。 彼女はその死を哀しんだ。高良みゆきと柊かがみ、泉こなたを殺した人間を憎んでいないと言えば嘘になる。 でも、復讐をしようとは思わなかった。 人を傷つけてはいけない。殺してはいけない。 これだけは絶対に間違ってはいないという確信と、絶対に譲れないという信念がななこにはあった。 だから彼女は叫ぶ。 「やめるんや! 人殺しだけは絶対にあかん!!」 ランキング作成人は、多くのパロロワを読んできた。 その中には現状とよく似たシチュエーションも当然ある。この場を切り抜ける方法はいくつか思いついた。 だが、作成人はそのどれも選ばなかった。 自分も目の前の少女も、今この場では〝創作上のキャラクター〟ではなく〝生身の人間〟だ。 パロロワでのセオリーなんて関係ない。自分の想いで動かなければ駄目なんだと作成人は感じた。 だから彼は叫ぶ。 「俺は殺し合いなんてしたくないんだ!!」 そして、彼等の想いは 「マハ、ザン、ダインッ!!!」 赤根沢玲子に拒絶され、打ち砕かれる―――― 玲子が放ったマハザンダインは、辛うじて残っていたブラック・マジシャンの体力を削り取り その存在を消し去ったうえ、後ろにいた作成人を吹き飛ばした。 「サク!!」 ななこが悲鳴に近い声で作成人を呼ぶ。 だが、倒れた作成人は動かない。 6/も、ライダーの強化服のおかげで怪我は無いものの疲労を隠せずにいた。 『本気で再起不能にするんじゃなくて戦意をなくす程度』なんて言っていたが、そんな余裕はもはや無い。 戦闘開始から既に十数分。 不利なのが自分たちであるのは明らかだった。 「私は誰も許さない」 玲子が言う。 その瞳と言葉の冷たさが、少女の絶望の深さを物語っていた。 「みんな死んでしまえばいい」 言って玲子はチェーンソーを構える。 6/たちは気づいていないが、玲子にも余裕が無かった。 先程のマハザンダイン。 あれで玲子のMPは尽きた。もう魔法は使えない。 ここまで優位に立てていたのは魔法とチェーンソーという二つの武器があったからこそ。 MP切れを悟られる前に決着を着けなければ、今度は自分が不利になる。 「さっさと私に殺されて」 玲子が走る。標的はこれまで一切攻撃に参加していない女性、黒井ななこ。 呼んでも反応の無い作成人に気を取られていたななこは、玲子の動きに反応できず立ち尽くす。 一気に詰まる距離。 唸るチェーンソー。 ななこを切り裂くための攻撃――それを受けたのは、二人の間に割って入った6/だった。 「なっ!?」 玲子が驚きの声を上げる。 チェーンソーが当たったのは、偶然にも6/の首輪。 ライダーの強化服にも仮面にも守られていない首は生身だ。 刃の位置を少しずらせば首を切断できると玲子は判断したが、次の瞬間 チェーンソーは弾き飛ばされるように手から離れてしまう。 「……っ! 二人とも早く俺から離れろ!!」 6/が叫ぶ。 それはただの警告ではない、悲痛な叫びだった。 反射的に6/と距離を取った玲子。6/に突き飛ばされたななこ。 そして響く、爆発音――― 結論から言えば、玲子はチェーンソーの位置をずらす必要などなかったのだ。 チェーンソーが与えた衝撃はそれだけで、首輪の爆発を招くにはじゅうぶんだったのだから。 6/の、首から上だけが、宙に舞った。 【◆6/WWxs9O1s氏@パロロワクロスネタ投下スレ 死亡】 気絶していた作成人が意識を取り戻して最初に見たのは、宙を舞う仮面ライダーの仮面だった。 仮面から、見覚えのある色の髪と、噴き出す血が見える。 仮面だと思っていた物が6/氏の頭部だということを、作成人は理解したくないのに理解してしまった。 「あはははははははははは」 玲子の笑い声が、哀しみと絶望に向かいかけていた作成人の心を現実へと引き戻す。 6/の死だけを映していた作成人の目が、生きて動いている二人の姿を映した。 6/が持っていたデイパックから落ちた鉄パイプを拾い上げる玲子。 座り込み、逃げることさえできずにいるななこ。 このままでは、ななこ先生が殺されてしまう。 その直感は、確信だった。 作成人は立ち上がる。 身体中に激痛が走るが、そんなことに構ってはいられない。 作成人は、近くに落ちているチェーンソーに気づく。 ―――ランキング作成人は、選んだ。 玲子は、血だまりの中から拾い上げた鉄パイプをななこに向けて振りかざした。 相手はただの女性だ。これで殴るだけで死ぬだろう。 一撃では無理かもしれないが、殴り続ければ死ぬ。 さっき死んだ奴のように、首輪に打撃を加えれば、すぐかもしれない。 後ろで倒れている男はもう死んでいるかもしれないし、生きていてもこの女を殺した後で殺せばいいだけだ。 「イデオが寂しくないように、先に行っててください」 そう言って鉄パイプを振り下ろそうとした玲子の耳に、チェーンソーが上げる唸りが届く。 「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 慌てて振り返る玲子。 チェーンソーを持ち、走る作成人。 玲子はとっさに鉄パイプを構えるが、そんな物でチェーンソーの攻撃を防げるわけがない。 作成人が玲子の身体をチェーンソーで切り裂く。 崩れ落ちるように倒れる玲子。 「……殺して、やる……」 玲子は、そう呟いた。 「殺すんだ……みんな、みんなっ……」 必死に立ち上がろうとする。 だが、立てない。動けない。 玲子の負った傷は致命傷だ。 それでも玲子は、自分が死ぬとは思っていない。 自分が死ぬのは、この島にいる人間を一人残さず殺し尽くした、その時だ。 それまでは死ねない。それまでは死なない。 まだ二人しか殺していないのに、こんな場所で死ぬなんてことは有り得ない。 「みんな…死んでしまえ……」 早く殺さないと。 イデオが待っているのだから。 「……まずは、あなたから…です…………」 サクと呼ばれる男、彼が三人目。 玲子はその瞳に絶望と憎しみを宿し、その視界に次の殺すべき標的を捉え、そして――――息絶えた。 【赤根沢玲子@真・女神転生if… 死亡】 ガシャン、と音を立て、作成人の手からチェーンソーが落ちる。 血や服の布を巻き込んだチェーンソーは、二度と動かないだろう。 これが武器として誰かを殺すことはもう、ない。 「サク……なんでや……?」 座り込んだままのななこが、死体になった玲子を見つめながら問う。 「なんで殺したんや」 「6/さんを殺したのはあの子でしょう?」 「仇討ちのつもりやったんか?」 「それだけじゃありません。殺さなきゃ、貴女が死んでたんですよ」 「うちのためや言うんか? うちはそんなこと、望んだ覚えはないで」 「この子に殺されればよかったとでも言うんですか」 「殺してまで生き延びようとは思わへん」 「先生はそれでいいかもしれませんけど、だったら残される俺はどうなるんですか。 この子だって、あのままじゃ人を殺し続けてたんですよ」 「殺すんが正解やったって言うんか?」 「殺されるのが正しかったって言うんですか!」 作成人を睨みつけようと視線を上げたななこは、そこで初めて作成人の顔を見て、息を飲んだ。 涙を流してはいない。 それでいて、見ているだけで苦しくなるような顔を、作成人はしていた。 人間にこんな表情ができるということ自体、ななこは知らなかった。 「……違うんです。本当は、そんなのじゃないんです…… 正しいとか、正しくないとか、そんなこと関係なくて……俺はっ……」 何を言えばいいのかわからず、でも何かを言わなければならない気がして、作成人は言葉を探す。 「俺だって、殺したかったわけじゃない…… 殺そうなんて、思ってさえなかったんです…… 俺は……俺はただ、このままじゃ先生が殺されるって思って、そう思ったら、勝手に体が動いてて、 気がついたら……」 必死に言葉を絞り出す作成人を、ななこは黙って見つめていた。 「殺意なんて無かった。人殺しになる覚悟なんて無かった。だけど俺は殺した!」 それが、事実だった。それが、全てだった。 「6/さんのためでも、きっと、先生のためでさえない。俺は、俺のために先生に生きてて欲しかった。 そのために俺は殺した。俺は、自分の我儘でこの子を殺したんだ!!」 そして、これが真実。 作成人の本音。 誰にも死んでほしくないと思ったことに偽りはない。 けれど、全ての人を等しく守れるほど、作成人は強くもなければ綺麗でもなかった。 ななこが死ぬかもしれないと思ったその瞬間、 作成人は無意識のうちに玲子とななこを天秤にかけ、ななこを選んだ。 その結果、玲子は死に、作成人は人殺しになった。 「呆れて物も言えないですか? それとも、人殺しと会話なんてしたくないですか?」 自嘲気味に言う作成人。 立ち上がったななこはそんな作成人を、包み込むように抱きしめた。 ななこの行動に、作成人は驚きを隠せない。 「……サク」 ななこが呼ぶ。 「……はい」 作成人が答える。 「どんな理由があろうとも、人が人を殺すんは許されることやない」 「はい」 「やからうちは、サクのやったことを絶対に許さへん」 「はい」 「助けてくれてありがとうなんて、言わへんで。サクがやったことを認めることになってまうから、言わへん」 「はい」 「けどな、サク」 ななこが作成人の手を握る。 その手が震えていることに、ななこは安心した。 人を殺して平気でいられるような人間でないのなら、大丈夫だ。 ななこは決意する。 「うちは、サクと一緒に行く」 それだけを、伝えた。 作成人が何と言おうと、玲子の死は自分にも責任がある。 だから、玲子を殺した罪を一緒に背負うことをななこは決めた。 だが、それを作成人に伝えることはしなかった。それは相手の重荷になるだけ。 ななこは思った。 サクが自分を守ったのがサク自身の我儘なのだとすれば、サクの罪を一緒に背負うのは自分の我儘だと。 「……いいんですか?」 おそるおそる、といった感じで作成人が訊ねる。 「なにが?」 「俺は、もう人殺しです」 「けど、人殺しでも、サクはサクやろ?」 ななこは、作成人の手を握る右手に、作成人の背中にまわした左手に、力を入れる。 この体勢だと、ななこから作成人の顔は見えない。 それでもななこにはわかった。 作成人は今、泣いている。 もう少しだけこのままでいようと―――このままでいたいと、ななこは思った。 【B-5 平原/一日目午前】 【ランキング作成人@パロロワクロスネタ投下スレ】 【服装】クロス(十字架)が大きく描かれた服(ボロボロ) 【状態】全身打撲、疲労(大) 【装備】なし 【道具】基本支給品一式、DMカード(聖なるバリア・ミラーフォース(二日目深夜まで使用不能)、 光の護封剣(二日目黎明まで使用不能)、ブラック・マジシャン(二日目午前まで使用不可)、他2枚)@ニコロワ 【思考】 1:誰も死なせたくなかったのに、俺は…… 【黒井ななこ@らき☆すた】 【服装】いつもの教師らしい服装(ボロボロ) 【状態】健康 【装備】なし 【道具】基本支給品一式、カラオケ用機材一式@現実 【思考】 1:殺し合いはあかん。 2:サクと一緒に行く。玲子の死は自分も背負う。 3:沙枝を見つける。 ※6/氏と赤根沢玲子のデイパック、鉄パイプは付近に落ちています。 ※チェーンソーは使用できない状態でランキング作成人の足下に落ちています。 時系列順で読む Back 颯爽登場! 日の出美少年ズ Next 零 ~ロワに降り立った天災~ 投下順で読む Back 00:25森 Next キレやすい10代引っ張りだこ それでも守りたい命があるんだ! ランキング作成人 絶望を希望に変えろ それでも守りたい命があるんだ! 黒井ななこ 絶望を希望に変えろ それでも守りたい命があるんだ! ◆6/WWxs9O1s氏 GAME OVER それでも守りたい命があるんだ! 赤根沢玲子 GAME OVER
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IEでfaviconが表示されない時の対処方法 favicon.icoをルートディレクトリに置いてるのに何で表示されない?? 「ははぁん、キャッシュの仕業かぁ。はいはい削除っと」 ....?あれ?表示せんぞ... FireFoxではキャッシュ消したら素直に表示してくれるのに なんでIEはダメなのさヽ(゚Д゚ヽ)ウリャ こんな時、やっぱりネットは便利ですねw 先人が対処法を書いてくれていました↓ WEBプログラミング NOW! http //www.vector.co.jp/soft/win95/amuse/se110107.html ▼IEでfaviconが表示されない時の対処方法 faviconが表示されない場合、キャッシュだけでなく履歴もクリアしてみる その後は念のためIEを再起動する なにやら「履歴」のレジストリ情報が原因だったぽい 恐るべしIE... ※レジストリとは、あらゆる情報を格納したデータベースのこと もっと詳しく知りたい方はコチラのサイトなどを参考にしてくてみてください レジストリとは? http //www.wa.commufa.jp/~exd/contents/backup/00013.html 更新日2009/07/31 18 31 46 前ページ次ページwork
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無題 Name としあき 11/02/26(土)21 03 19 No.6228561 del ■スペース三国志■ XGW-Pd-09 ピースキーパー GHOSTワークスの警察向け試作機 評価試験と称し火星軌道警察に持ち込まれた 頭部に逆三角形のカメラアイを持ちその下に赤い円状のセンサーを4つ備える 頭部側面には多目的のブレードアンテナを有し幅広い周波数を受信可能 全体的にスマートだが華奢な印象はなく中量級らしいまとまり具合となっている 性能的には申し分ないが過剰武装のため警察任務には不適当との判断が下った また牽制もこめてドミナント・ポリシア受領直後にぶつけてきたため現場での心情はかなり悪い そのせいかろくにテストもせず早々に返却され別の警察組織で再試験されることとなる 武装は前腕部アンカーランチャー、大型ビームマシンガン、ビームトンファー等
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【検索用 あなたにはなれない 登録タグ 2023年 A.I.VOICE CeVIO Tackmyn Y. VOCALOID melonade/2021〜 あ 可不 曲 曲あ 柚璃遥 椎乃味醂 殿堂入り 氵戔マ 結月ゆかり】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:椎乃味醂 作曲:椎乃味醂 編曲:椎乃味醂 絵:氵戔マ 動画:柚璃遥 Language Support:Tackmyn Y. Technical Support:melonade 唄:可不・結月ゆかり(VOCALOID・A.I.VOICE) 曲紹介 ここに全部書いてあります。 曲名:『あなたにはなれない』 ボカコレ2023春top100参加楽曲。 上記のコメントで示されている「ここ」とは、同氏とヒトリエのシノダ氏との対談記事である。 氏はTwitterのスペースでこの曲について語っている。下記URLにて録音が聴ける。1 52 42~ https //twitter.com/sheeno3rin/status/1638499722456629254 氏はこの曲の公開に合わせ、過去の非公開にされていた動画を一時的に公開した。その際に概要欄に載せられた文章を引用する。 あなたにはなれない、という言葉について。 2017年に投稿した「ドッペルもどき」の上記曲から、今日に至るまで、 ぼくは椎乃味醂を確立する沢山の努力と思慮を重ねてきました。愛するあなたへ、 いつか生まれ変わった自分の作品が届くことを願っていましたが、叶わぬ夢となってしまったことだけが、 永遠に消えない後悔です。 これを聴いてくれているみなさんにお願いです、自分の色を獲得しようと奮闘している、 たくさんのクリエイターの方の今を、どうか精一杯サポートしてあげてください。 そして、これに辿り着いたクリエイターのみなさんが、誰も傷つけず、誰にも邪魔されない、 素敵な自分の色を確立できますように。 歌詞 (YouTubeの概要欄より転載) 大体表層だけ切り取って、 淡々と集めるだけの、 毎回構造だけ乗っ取って、 簡単に並べるだけの、ただそれだけの、 見て呉れだけ良いそれだけが、 未だ溢れかえるこの場所の、 どこか片隅で思い返すのは、 あの日の号哭だ。 大体表層だけ切り取って、 淡々と集めるだけの、 毎回構造だけ乗っ取って、 簡単に並べるだけの、ただそれだけの、 見て呉れだけ良いそれだけを、 「きっとこれが創造だ」などと、 形容するのを嫌と思うのは、 いつかの行動が、満足が、 その裏無視され続けた数多の、 感情が、実際が、 今日も心臓を絞めつけてる、 この後悔が、想像が、 いつまでたっても地につかない、 あの感触が思い出さす、 「あなたには成れない」 ただその一点だ。 とはいえ独創とは、切り取って、 集めたり並べることと、 大体構造自体は一緒で その差は思慮の程度だ。 ただそれだけの、 事実に気づかず留め立ても、 受けられない誰かが今日も、 鏡写しの様に、 どこかで誰かを傷つけている。 月曜日の夕暮れ、海岸でコーヒーを 飲む魔法使いのアルパカは、 雪の結晶でピアノの曲を奏でた。 雨の中で眠る紫色のヘリウム風船は、 透明な猫の歌声に導かれて、 木曜日にカレーを食べる夢を見た。 これはGPT-4で生成された、 なんら意味性をもたない文章ですが、 音楽というフィルターだけでヒトはきっと、 ここに比喩性を求めてしまう。 その推測こそ、人間らしさの根幹なのだ。 思慮の普遍性について。 感情を、情報を、 重ねて獲得してきた数多の、 色彩を、実際を、 今日の心臓を裏付けてる、 あの後悔を、奮励を、 踏んだ今だから振り替えられる、 この感覚を想い言える、 「あなたに離れない」 ただその一線だ。 コメント 神 -- 名無しさん (2023-03-25 08 38 42) あなたの色とその決意、しっかり届いてます。これからも楽しみにしています。 -- 名無しさん (2023-04-12 14 31 20) スペースのURL聞けなくなってませんか? -- 名無しさん (2023-09-18 15 05 33) いいうた) -- らぷす (2024-04-24 06 54 09) 名前 コメント
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DQⅤ(DS版) 胴体部防具の一種。 【デボラ】の初期装備で、ガイドブック等の公式イラストでもこの服を着ている。 当然だが、彼女を嫁にしないと手に入らない。 ピンク色を基調としたちょいと派手なワンピースなのだが、防具としては【はがねのよろい】と同じ守備力+30いう性能を誇る。 見た目からは想像もつかない性能を持つこんな服を鎧として装備して堂々と旅に出るデボラは、色々な意味で大した女性と言えるのかも知れない。 これと【シャイニーネイル】は、デボラの初期装備としてしか入手できない。 そのため、DS版Ⅴでアイテムコンプリートを目指すなら、結婚相手はデボラに限定されることになる。
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1: 名前:都粒☆2012/01/16(月) 19 16 02 ――廊下。 ひんやりしていて、体育の後に座り込むと、涼しい空気と冷たい地面に癒される。 隅っこには埃くらいしかないけど、私はその場所が好きだった。 3: 名前:都粒☆2012/01/17(火) 16 52 42 1. 上履きのかかとを踏んで、ぺたんぺたん音を鳴らしながら階段を下りると、2、3メートル先の廊下に、壁に寄りかかりながら寝ている男の子を見つけた。 その男の子は膝を立てて部活用の大きなスポーツバックを抱え込んでいる。 鞄に頭を預け、こちら側に顔を向けているから寝ている事がすぐにわかった。 その姿はまるでお気に入りのぬいぐるみを抱いて寝る小さい子供のようだった。 廊下は夏らしくなくひんやりとしていて気持ちいい。 風も余ることなく、また足りなくもなく、一本の道を気取って通り抜ける。 時々ポロシャツの中に入り込んできたりする。 私のお腹がちらっと見えた。 そんな些細なこと、普通なら気にしない。 5センチ足らずの肌色を外に露出したからって動じる可愛らしい女ではないのだ。 しかし、この時はとっさに手が出た。 ポロシャツの端をひっぱって伸ばし、スカートとの隙間を埋める。 その行動をとったことで何か恥じらいが生まれたのか、次第に顔が熱くなっていくのがわかった。 湿り気の無い空間にじんわりと額に水滴ができる。 私は鞄からハンドタオルをとり出し、それを拭った。 男の子はまだ寝ている。 確認するとほっとした。 その男の子は、誰にも起こされることなく、ただその行動を一生懸命に続けているように見えた。 何の目的もなく、ただただ廊下で寝るだけ。 誰にだってできそうな行動かもしれない。 しかし、この廊下でぽつんとひとり座り込み、愛らしく寝ることなんて、きっと私にはできないだろうなぁ。 そう思うと、何だかその光景を見てわけもなく嬉しくなってきた。 「奏」 下駄箱で待ちくたびれたといわん顔で恋人が待っている。 「帰っていいって言ったのに」 「だって、一緒に帰りたいんだもん」 しかも、こんな言葉までかけてくれる。 私は幸せものだ。 廊下にはまだ寝ている男の子の姿があった。 少しだけ気になったが、目の前にいる好きな人のもとへと行く方がいいと思い、私は後ろ髪を少し引っ張られながらも、靴を履き替え昇降口を出た。 4: 名前:都粒☆2012/01/17(火) 17 05 08 2. 廊下の窓を開ける。 すると風がよそよそしく入り込んできた。 わた埃が移動する。 お菓子の袋が移動する。 朝市の廊下はいつも汚かった。 私は廊下にいることは好きだが、汚いからって自分できれいにしようとは思わない。 そんなことは暇すぎて毎日校内を散歩するだけしかない校長がやってくれる。 ひとつひとつゴミを拾い、箒とちり取りを片手に持ちながらさっさと掃除をしていく。 楽しそうではないものの、その動作は単純かつ日常的だった。 やって当たり前、やらなきゃいけないこと。 これもこの人の生きがいなんじゃないかと思う。 それをいち生徒の私が邪魔をしてはいけない。 廊下をきれいにするよりも、勉強をしてあげた方が校長は喜ぶだろうなと思う。 まぁ、勝手に解釈しているだけなんだけど。 でも校長は楽しそうにも見えた。 校長がきれいになった廊下を眺め、小さく頷いたからだ。 廊下で寝る人もいるくらいだから、やっぱりきれいにしていてもらった方がいい。 感謝の気持ちは持っていてあげよう。 私はきれいになったのを見計らってゆっくりと腰を下ろした。 できる限り足を伸ばし、壁に寄りかかる。 静かに目をつぶれば、この間寝ていた男の子の気持ちがわかるような気がした。 足に伝わる廊下の冷たさ、壁伝いに響く人の会話、鼻を軽く蹴飛ばす涼しい風。 固くて居心地悪いのもまた病みつきにさせる要素だった。 「パンツ見えるよ」 目を開けると、目の前に痩せた女の子が立っていた。 手を差し伸べ私を見下ろしているのはクラスメートの槙だった。 「見せてるのよ。でも残念ながら見る人はひとりもいないけど」 「奏は変態だね」 いつものやり取りなのに、槙とやると楽しくて仕方がない。 静まりかけたテンションがまたくすぶり始めた。 槙の手をとり、よっこいしょ、と年寄り臭く立ち上がると、槙はババ臭、とまた笑ってくれた。 「先生もうすぐくるよ」 「ん、教室いこ」 スカートを軽くはらう。 そして校長がきれいにしてくれた廊下を名残惜しく思いながら後にした。 5: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/17(火) 17 18 42 3. 私の席はもちろん廊下側の一番後ろ。 誰にも邪魔をされずに廊下を眺めることができる特等席だ。 埃が舞う瞬間とか、ひたひたと誰かの足音を響かせる時とか、誰も気にしないようなことを喜びと思える私はすごいと思う。 教室に行っても私は廊下にいる気分だった。 「これから美術だよ。移動移動」 いつの間に席に来たのか、美術道具を抱えてはしゃぐ槙が私の腕を引っ張っていた。 槙は絵がめちゃくちゃ上手い。 前に色んなコンテストで賞をもらった経験があると自慢げに話していた。 槙にとって絵は槙自身だと熱弁されたこともある。 「今日は説明なしですぐに絵に取り掛かるんだって」 そんな話をいつしてたんだろうと思いながら、鉛筆やら絵の具やらを大きめの袋に入れていった。 入れ方が乱暴、とか言いながら槙は笑って入れるのを手伝ってくれた。 「学校内で気に入った場所を描くらしいよ」 「ふーん」 「奏はどこにする?」 決まってる。 私は絶対にここを描くだろう。 校長がきれいにしてくれた廊下。 どこか親しみを感じる廊下。 あの名前の知らない男の子が寝ていた廊下。 とにかく、私は廊下を描く。 「廊下」 単発的に答える。 「廊下なんか描くの?」 「いけない?」 「ううん、別に」 槙はそういって私のカバンをとり、いそいそと美術室に向かい始めた。 私は槙の背中を見ながら、何も持たない手をぶらぶらさせて風を受けた。 少しだけ、熱を下げるための動作だ。 さっきの会話で廊下をバカにされたようで、私は内心むかっとくるものがあった。 それを下げるための意味ある動作。 あんたに廊下の価値がわかるのか、と呑み込んだものが口をついて出てこないようにするための動作。 「奏、ほら、手遊ばせてないで自分の荷物持って」 「槙が勝手に持ってったのに、理不尽だなぁ」 「いいからいいから、はい」 軽そうに見える袋は結構重かった。 びっくりしている私を槙はふっと軽く笑う。 こんなものいつまでも持っていたくないと思い、ぺたんぺたん上履きを鳴らしながら小走りで美術室へと向かった。 6: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/17(火) 20 40 26 4. 一度私は廊下で死にかけたことがある。 特別何か悪さをしていたわけじゃなく、ただ普通に教室に向かって歩いていただけなのだ。 しかし、運悪く私は被害を受けてしまった。 ただ普通に歩いていただけなのに。 廊下を道路に例えると、人が車にも歩行者にも例えられる。 その中で私は道路交通法をきちんと守る歩行者だった。 簡単に言えば、私は交通事故に巻き込まれたのだ。 死にかけたというのは、走る人にぶつかった衝撃で、勢い余って窓に頭をぶつけてしまったせいだ。 ぶつかった人は去り際にすんません、と軽く謝っていた気がする。 しかし、事態は思いのほか深刻だった。 窓ガラスはひびが入ったところと割れたところがあり、私の頭に刺さっているのもあった。 私は頭から血を流し、ただ何が起きたかすら理解できなくて、その場にぼーっと突っ立っていた。 はたから見ればおかしな光景だっただろう。 私は平気な顔をして頭から血を流している。 私をはねた人はどこかへと走り去って姿がない。 ひき逃げだ。 周りの女子はきゃーきゃー叫んでうるさくて仕方がなかった。 泣き出してしまう人までいた。 「あのときは本当にびびったよね」 槙がその人。 「てか何であそこで槙が泣くのよ。おかしいでしょ」 私は笑いながらつっこんだ(結構ショッキングなことを今では笑い話にしてしまうとは、大概私もいい加減な奴だなと思う)。 私の問いに槙は心外そうに、だって奏が死んじゃうかもしれないと思ったんだもん、とぼそぼそと答えた。 怖いことを可愛らしく言ってくれるじゃない。 「縁起でもないこと言わないでよ」 「でも後遺症とかなくてよかったよね。本当にたくさん血出てたからさ」 「まぁね。きっと日頃の行いがいいからよ」 「ははっ、奏はラッキーガールだ」 そのあと、槙の泣いている姿を見て私の意識はどこかに飛んだ。 気がついたら病院のベッドで、これまた泣いている私の母と、泣いて謝る男の子が二人、私の傍に立っていた。 ごめんなさい、とか言われても痛いもんは痛いままだし、刈ってしまった髪は短いまま……。 そのことが流血したことよりも私を落ち込ませた(髪を伸ばしている時だったから)。 「それでも廊下嫌いにならないよね」 槙は私の思考がわからない、と口をへの字にして考え出した。 言われてみればそうだなと思いながら、嫌いにならない事が不思議と当たり前のように思えた。 「んー、嫌いになるというか、廊下での思い出が増えてますます離れられなくなったんだと思うな、うん」 「そうなの、何か変なの」 「変で結構よ」 でも確かに、あそこで私が廊下嫌いになっていたらどんな気持ちで今いるんだろう。 色んな考えを巡らせながら出もしない答えを必死に探した。 ぺたんぺたん上履きが響く。 被写体になる廊下はその音を取り込んでもまだ閑散としたまま私を待っていた。 7: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/18(水) 15 47 54 5. 美術なんてかったるくてやってられない。 かかとを踏まないでちゃんと上履きを履くくらいかったるい。 「やっぱダメだ」 廊下を目の前にして、急にガス抜けしたみたいにさっきまでのやる気がぷしゅーっと。 立っていることすら億劫になってきた。 「何がダメなの?」 鼻歌交じりに槙が聞く。 というか、なぜ槙がいるかというと、「廊下なんか描くの?」とか言っておきながらひとりじゃ寂しいからって私についてきているのだ。 槙が私になついてから、私と一緒の行動をとらない日はない。 トイレも未だひとりで行ったことがないくらいだ。 だから、いつも私はトイレの前で待ちぼうけている(これが結構恥ずかしい)。 まぁ、甘えられるのは嫌じゃないんだけどね。 「ダメ。イメージ……ってかやる気が出ない」 「ははっ、美術のときは必ずそう言ってるよ、奏」 そうだったっけ、ととぼけ顔をして槙から視線を逸らし、廊下に腰を下ろした。 壁に寄りかかりながらずるずると座るのが密かに私のマイブームとなっている。 美術室を出て左に曲がって階段を下りて真っ直ぐ。 廊下と昇降口が1:1の比率で目に入るこのアングルが一番のお気に入り。 一方向に歪むことなくすっと伸びた道。 風が葉を揺らして、葉が音を生み出す。 それを廊下は流れ作業であたり一面に響かせる。 目を閉じれば、きっと誰もが廊下であることを忘れて寝てしまうだろう――――と思っていたら、今はそれを槙が邪魔した。 「もううるさいなぁ」 前も言ったと思うが、槙は絵がめちゃくちゃ上手い。 しかし、反対に歌はものすごく下手なのだ。 いつもなら心地よく鳴り響くヒーリングサウンドのみが私の耳に届くのに、今は槙の統一感のない鼻歌がことごとくそれを打ち砕き、1秒たりとも届かない。 こんな残酷なことはない。 これじゃ廊下にいる意味がない。 「えー、うちの学校の校歌じゃん」 「そんなのどうでもいい。とにかく私寝るから静かにね」 奏ひどい、寝ちゃうの、絵描かないの、と槙はひたすら不満を呟いていた。 静かにね、だけじゃ槙のおしゃべりは止まらないらしい。 ひとつ学んだ。 こんなことならこっそり抜け出して廊下に来ればよかった。 ああ、後悔先に立たず。 しかし、廊下の冷たさがありすぎる私の熱を奪っていき、次第に槙の小言も遠のいていった。 あの男の子もこんな気持ちのいい眠気を感じながら寝ていたんだろうな、と思ったら、そのあとすぐにすとんと意識がなくなった。 8: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/19(木) 14 37 29 6. いつの間にか槙はどこかに行ってしまっていた。 槙の美術道具もない。 気がつけば私はひとりぽつんと廊下に取り残されていた。 私が起きたのは美術の授業が終わる10分前くらい。 美術の時間は2時間続きだから、結構な睡眠が取れて私の頭はいくらかすっきりしていた。 だから、槙が私を起こさずに姿を消していても腹立たしいとは思わなかった。 むしろこんな廊下でひとり寝ていた自分がおかしくてたまらない。 思わず口元を歪めてにやけてしまった。 「こんなところで寝るなんて君もかなりの変人だね」 すっきりしていても起きたての脳みそは働かない。 しかも滅多に使わない脳だ。 ちゃんとものごとを考えて対処できるようになるまでには相当な時間がかかる。 何せ私の脳みそだし。 早く思考を働かせるなんて無理無理。 目の前に立って私に話しかけている人が誰かなんて、考えられない。 「顔に寝あとついてる」 槙の声じゃない。 男の人の声だ。 私の頭の上に容赦なく降り注いでる。 目線を自分の膝辺りから上に移す。 白くて大きいスポーツバッグ。 声からは想像しにくい幼顔。 この間寝ていた男の子が私の目の前でやわらかく笑顔を作っていた。 まるで仲間を見つけたみたいに、一緒の価値観をもった人間がいる喜びを前面に出していた。 「わ、若い肌はすぐに直るからいいのよ、こんなの」 「はは、そんなこと言ってるわりにめっちゃこすってるけどね、君」 やっぱり変な人だ、と男の子はくすくすと笑って、私のこすりすぎて赤くなった頬に軽く触れた。 こんなことを異性にされたのは初めてだ。 当然、ぱっと顔を逸らして頬を触る手をはらう。 「別にいいじゃん、いちいちうるさいよ」 「ああ、ごめんごめん。何か僕と結構近いものを感じるからついね、嬉しくて」 今どきの高校生――――らしくない彼は、とてもじゃないけど恥ずかしくていえないような言葉を何の躊躇も見せずに平気で口にした。 それともただ単に私が今どきの高校生を知ってないだけなのか。 しかし、私の中の彼のイメージが目の前で笑う彼と寸分の狂いもなく重なる。 この人はきっと人からストレスを感じたことのない人だろうなぁ。 人ができそうにないことを軽々とやってのける、そういうみんなが羨ましがるような素質を持った人なんだ、と思ってさっきのことは忘れてあげた。 まぁ、想像通りの変人だけど。 「てかチャイム鳴るよ。教室行かなくていいの?」 「あなたこそ」 「僕はもう今日は帰るからいいんだ」 「え、まだ午前中だよ。授業ないの?」 「いや、サボり」 変人はマイペースが多い気がする。 だから、みんなの和から外れてしまう。 そうすると必然的に変人に見えてしまうのだろう。 またひとつ学んでしまった。 「それじゃね」 少しの間もなくさよならを言う彼に、私はちょっと、と言って呼び止めた。 しかし、その先の言葉がどこかに埋まってしまって出てこない。 何となくおぼろげに思っていた人が急に現われて急に去ると、あまり親しくもないのに急に寂しさが生まれる。 そんな女の子らしい感情が無意識的に変な行動を取らせ、声を喉でせき止めた。 「疾風」 「え」 「僕の名前、篠崎 疾風。まぁ、忘れていいけど」 超能力者か、はたまた読心術者か。 私の考えている不透明なものをクリアーにして意図も簡単に答えを出してしまった。 「じゃ、お腹出して寝て風邪引かないようにね」 とっさに自分の腹を見る。 ポロシャツはふくらみのある肌色をちゃんと隠していた。 安心してもう一度顔を上げると、疾風という男の子の姿は廊下にはなかった。 あの男の子は私のペースには合わない人だ、と多少呆れながら、しかし、また会えることを期待して、私はしばらく廊下でぼーっとしていた。 そのすぐあとにチャイムが鳴って、私は慌てて教室に戻るはめになったのは言うまでもない。 9: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/19(木) 14 38 11 7. 寛ちゃんが耳まで赤くして私に告白をしてきたのはちょうど今日みたいな空模様の日だった。 どんより落ちてきそうな厚い雲に、風が横殴りに吹いている。 木が折れてしまいそうなくらいしなって、葉はものの見事に吹き飛ばされていた。 廊下の窓から外を眺めてこれじゃ自転車で家に帰れないなぁ、と思ったときに、寛ちゃんが私の名前を呼んだのだ。 「渉」 私は基本的に名前があだ名みたいな人だから、知っている人で苗字を呼ぶ人はあまりいない。 「ん?」 ほらね。 知っていそうで知らない顔。 きっとクラスは一緒になったことないな、と脳みそに刻まれるほんのちょっとの記憶を調べてみた。 私が寛ちゃんの顔をじっと見ると(記憶を調べるため)、寛ちゃんは今にも高血圧で倒れてしまいそうなくらい顔を真っ赤にした。 耳まで赤く染める人を私は人生でそんなに見たことがない。 貴重な人だな、この人。 「何?」 「え」 「えじゃないよ。私に用があるんじゃないの?」 「あ……」 ドラマでよく見られるコテコテの戸惑い方。 寛ちゃんは今にも泣き出してしまいそうだった。 「私バスの時間近いし。それじゃ」 変な人だな。 私との会話は(会話と言えるのか?)一方的に問いかけて答えを充分に得ないまま終わろうとした。 その時だ。 私がカバンを取りに行こうと教室のドアをがらっと開けたとき。 「渉」 「はい、何ですか?」 「え、あ、だから……」 またさっきのように寛ちゃんはもじもじし始めた。 私ははぁーっと深いため息をついて、返事もせずに教室に入っていこうとした。 「待って」 「あぁ、もう、何なのよ!」 少々強めに返事を返すと、寛ちゃんは数歩後ずさりをした。 しかし、数歩下がってからは何かを心で決めたらしく、目をつぶってようやく言いたいことを言い放った。 「え、その……スカートのファスナー開いてる!」 そんなことで顔を真っ赤っ赤にしちゃうとは、この人も初心だね。 と余裕を見せて失礼、と寛ちゃんに謝りながら、恥ずかしさで泣きたいのを堪えてファスナーをじーっと上げた。 「はぁ、良かった。3限目くらいから気になってたんだけど、どうしても言えなくて」 3限目といえば2クラス合同生物実験だ。 そんなときから私は皆々様方にピンクのチェック柄を(見たくもないのに)見せていたわけか。 あぁ、穴があったら永久的に入ってしまいたい。 「あ、大丈夫。きっと気付いてる奴少ないと思うから」 ポロシャツで隠れるし、と泣きそうな私を慰める寛ちゃんをこのとき思いっきり抱きしめたくなった。 いい人だ、変人じゃなくて、いい人じゃん。 そんなこんなで私は1時間おきにくるバスを1本逃し、帰れない、と寛ちゃんにぼやいたら、寛ちゃんがお父さんを呼び出して(お坊ちゃんだ)私も寛ちゃんに誘われるままご一緒させてもらった。 車の中で他愛のない話をして下らない話もして意気投合した私たちは、いつの間にか愛の告白もないまま付き合うことになった。 すべては廊下でのあのへんてこな会話からだ。 廊下に感謝。 10: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/19(木) 21 40 11 8. 授業参観なんてものはやって意味あるものなのだろうか。 いつもなら教室のにごった空気から脱出できる廊下も、この時ばかりは教室よりも空気が悪い。 ファンデーションや香水の匂いがぷんぷんとたちこめている。 神聖な廊下を汚されたみたいで私は内心怒り心頭していた。 しかし、大人(しかも中年の女性)相手に化粧をするな、香水をつけるな、とは怒れないだろう。 個々人で肌トラブルは起きているに違いないし、それに老化で潤いをなくしつつある肌をあらわにする勇気を持てと強要もできない。 加齢臭だって近くに行けば誤魔化しようがないし。 だから、その1日は廊下に出たい欲求を抑えないといけない。 これほど辛いことはない。 ストレスの行き場がなくて、いつも授業参観の日は1日中不機嫌オーラを発して過ごす。 若い肌には悪い環境だ。 周りもいらいらしている私のせいでおどおどして過ごさないといけなくなる(意外にびびられてるんだよね、私)。 とにかく、授業参観が近づいてくると私は憂鬱で仕方がなかった。 槙との会話も、あの男の子との会話も、寛ちゃんとの会話も、すべてが黒いカーテンに覆われて一筋の光も通さない。 私の心は真っ暗闇で溢れかえってしまうのだ。 「奏、もしかしてこの間のこと怒ってる?」 不機嫌に加えていつになくテンションの低い私を槙は気遣う。 こういう優しさっていくらか安らぎになるんだよね。 「この間って?」 「美術の時間。私何も言わないで帰ってきちゃったでしょ。それ怒ってるんじゃないかと思って」 槙はあれこれ言い訳をしていたが、私は深く聞こうとしなかった。 そんなこと気にしてないし、怒る体力も気力も何にもなくて、脱力しっぱなしの脳みそが理解できないと思ったから聞き流したのだ。 それでも槙が今にも泣き出しそうな切ない顔をするので、私は何で、と聞いてやった。 すると槙は、だって奏眉間にしわ寄ってるんだもん、と半べそになりながら答えた。 「あぁ、違う違う。槙のせいじゃない。むしろこの間は感謝してるくらいだし」 あの男の子が私に興味を持ってくれたのは、槙が私を廊下にひとり取り残してくれたおかげだ。 感謝しているという言葉に嘘はない。 その言葉を聞いて、槙は信じられないというような顔をして、それから花が開くように目を見開き瞳を輝かせた。 私がどうして槙に感謝をしているのか、槙はその理由を聞きたがった。 ああ、やっぱり余計なことを言うんじゃなかった。 槙はすがるようにして私のそばで輝く瞳を見せ続けた。 何とも面倒くさい。 「あぁ……んと、酸素不足の頭がすっきりして頭痛が治ったんだよね」 これで誤魔化せたら槙は相当の阿呆だ。 「そうなの? 私って奏の役に立ってるんだ」 あらら、槙ちゃんそんなに喜ばなくても。 本当のことを言えない私は槙の笑顔で良心をぱっくり割られた気分だった。 またどんどんと気持ちが暗くなる。 ちくしょう、何もかも授業参観のせいだ。 隣ではしゃぐ槙を横目に、私は机にうな垂れるようにして突っ伏し、そのまま眠気に身を委ねてしまった。 あぁ、授業参観まであと3日。 憂鬱な日々はまだ続く。 11: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/19(木) 21 41 28 9. 廊下に立たされるなんて、今どきありえないことだと思う。 そんなことを素直にする人がこの時代にいるのだろうか。 いくら私が廊下好きだからって授業中立たされるのは心持ちが悪い。 よし、逃げ出すに限る。 幸い現国の先生(ミスター現国)は廊下をうかがう様子を見せない。 自分の授業に酔っているから話を聞かない対象外の私を気にかけようとはしないのだろう。 はは、居眠りバンザイ。 「あぁーあ、何やらかしたのさ」 よつん這いになりながら階段へ向かう途中、あの男の子が私の行く道を阻んだ。 「え」 「て言うかそんな格好してたらパンツ見えるよ」 こらこらこら。 男の子が女の子にそんなこっぱずかしいことを平気で口にするんじゃない。 私はばっと後ろのスカートをひっぱって、ぺたんとその場に座り込んだ。 槙に同じことを言われてもさらっと流せてしまうのに(まぁ、同姓だからね)この男の子が指摘することは全て恥ずかしく思える。 滅多に顔を出さない私の中の乙女がこの男の子のせいで目覚めてしまうのだ。 「静かにしてくんない? バレたらあなたもやばいよ」 「何が?」 すっとぼけるか、このやろう。 「え、だから、サボってるのばれちゃうよって」 「あぁ、別にいいけど」 よくないでしょうと思っても口には出さなかった。 この男の子には何を言っても通用しない。 逆に私の存在がどんどん小さくなっていくだけだ。 そう呆れと諦めをため息に混ぜて外に吐き出し、今度はよつん這いではなく中腰になって、しかもおしりに手を当てながら男の子を避けて通り過ぎた。 ようやく階段が見えてきた。 ここまで来ればミスター現国には見つからないだろう。 さっきまで夏目漱石の素晴らしさを長々と語っている声が聞こえたから。 相当酔ってるぞ、自分に。 「君、本当に僕の名前忘れた?」 階段を一段下りたくらいで、後ろからまた男の子の声が聞こえた。 「覚えてない?」 「何でそんなこと聞くの?」 「だって、君は僕をあなたって呼ぶじゃん」 「て言うか何でついてく」 「僕が質問してるの」 あぁ、また男の子のペースにはまってしまった。 抜け出すのは不可能に近いな。 それに忘れているわけじゃない。 忘れるわけがないのだ。 どんなに私の脳みそがつるつるのしわなしでも、この男の子のことは忘れたりしない。 だた、思い出すのがむず痒いだけなのだ。 「……篠崎 疾風」 「はい、よくできました」 そう言いながら男の子は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。 ほら、また私は恥ずかしくて逃げ出したくなる。 本当に予測不可能。 謎の多い、篠崎 疾風。 やめて、と手をはらう前に、男の子はにっこりと笑顔を見せ、何も言わずに階段を下りていった。 するとチャイムが鳴る。 現国の授業が終わったらしい。 ミスター現国は廊下に私の姿がないことに気付き、階段で呆けている私はあっという間に見つかった。 そしてあとあと呼び出しを食らった(当然だ)。 こっ酷く叱られ、大量の宿題(夏目漱石についてレポート10枚)を言い渡され、私はあの男の子を思った。 恨むぞ、ちきしょう。 出会うとろくなことがないぞ、ちきしょう。 しかし、やっぱりどこかまた会えることを期待して、廊下をとぼとぼと歩いて次の授業に向かった。 12: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/19(木) 23 12 55 10. 今日、4限目の教室に家庭の害虫が一匹、背中を黒く光らせ私の足元に突如として現われた。 廊下側の後ろの隅っこにある掃除用具箱の中からかさかさと這い出てきたようだ。 ところで皆さん、ここで思い出してみよう。 私の席はこの教室のどこに位置していたか……。 私はそれ(もう名前も言いたくない)の姿をなるべく視界に入れないように、静かに席を立ち廊下へと非難した。 非難して数秒、教室からは叫び声が聞こえた。 あぁ、そういえば槙もあれ苦手だったと思う。 泣いてなければいいけど。 みんなごめんね、知らせないで。 心の中で呟く。 放心状態で廊下を歩いてみる。 幸い昼休みに入っているから授業の心配をする必要はない。 ゆっくり歩いて、あれの姿かたちを忘れることに専念しよう。 魂が少しばかり抜けている気がした。 ちゃんと地面に足がついているかわからない。 あれのせいだ。 というか、何であれが私の足元に、よりにもよって私の足元に……。 泣き叫んでしまいたい。 「あれ、奏。どうしたのこんなとこで」 あ、寛ちゃんだ。 ぼーっとする頭でそれだけ確認すると、何だか視界が曇って鼻がつーんとしてきた。 「か、寛ちゃ……」 「え、何、どうしたのさ」 不甲斐ない。 こんなことで泣いてしまうなんて。 「あぁ、とりあえず涙拭いて」 寛ちゃんはきれいに畳まれたハンカチを差し出した。 私は寛ちゃんの姿に安心したのか、(ハンカチを無視して)ぼろぼろ泣いてしゃくりあげてしまった。 そんな私を見た寛ちゃんは、もうしょうがないなぁ、と笑いながら私の頬の水滴を拭ってくれた。 なんて優しい奴。 少し落ち着いた私は思わず寛ちゃんに抱きついてしまった。 「奏?」 「やぁー……もうあれ嫌い……」 「あれ?」 「黒い、むし……」 「は? ……あぁ、ゴキブリね」 それで泣いてたのか、奏も女の子だね、と寛ちゃんは笑って私の頭を撫でてくれた。 ざわざわと周りがざわめく。 そりゃそうだよ、廊下で抱き合っている男女なんて青春真っ只中の子たちにはいい噂話になるでしょうよ。 私は寛ちゃんから離れた。 顔が熱い。 「落ち着いた?」 あぁ、それでも周りなんか気にしないで優しくしてくれる寛ちゃん、やっぱり大好き。 私はこくりと頷き、お腹に手を当てた。 するとそれに答えるかのようにぐーっと音が鳴った。 「はは、いい音」 はい、と言って寛ちゃんは飲みかけのいちごミルクを差し出した。 私はちゅるちゅるとそれを飲む。 「おいしいでしょ。腹の足しにはならないけどね」 「……ううん、ありがと」 それじゃ帰りにね、と言って寛ちゃんは爽やかに去っていった。 私はため息をつく。 寛ちゃんのいいところを見つけられた今日に、満足しすぎて漏れたため息だ。 明日の授業参観も何とか乗り越えられそうだと思えた。 13: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/24(火) 16 52 16 11. 学校へ向かう足取りがとても重い。 なかなか前に進んでくれない足を必死に動かし、教室についた頃にはもうくたくただった。 机をじーっと見つめる。 鞄は中身を出さずに机の横にかけたまま。 正直に言おう、私は今日授業を受ける気はない。 朝のHRが終わったらすぐに保健室に逃げるつもりだ。 そう、それは今日が授業参観だから。 廊下からただでさえ空気の悪い教室にまできっと汚染は広がるだろう。 想像しただけで息苦しい。 はぁ、憂鬱。 昨日の寛ちゃんの優しさから元気をもらったつもりだったけど、それすら敵わないほどマダムたちの老いへの抵抗は激しい。 廊下でくつろぎに学校へきている私にとっては苦痛以外の何者でもない。 ため息を何回吐いたかわからないくらいだ。 「かーなーで」 何かいいことでもあったのかね、この子は。 いつも以上ににこにこしてスキップしながら私の席に来た。 「んーはよ」 ため息混じりの生返事。 「おはよ。ねぇ、今日奏のママ来る?」 「来ない来ない。来るわけないじゃん」 「何で?」 「だって面倒くさがりだもん、うちのママ」 「そうなんだ、残念だね」 何が残念だか。 槙は俯いて少しだけしょんぼりした。 「槙のママは?」 「もちろん来るよ。それにパパも来るし」 あらまぁ、お父様までいらっしゃるの。 槙は私と正反対に授業参観が好きだ。 それはただ単にパパとママが大好きなだけなんだけど。 「あぁ、早く逃げ出したい」 「ん?」 「なんでもない」 槙は今日授業のある科目すべての予習をしてきたとノートを広げて自慢気に見せた。 苦手な数学までびっしりと解かれている。 苦労したんだ、という槙の声がだんだんと遠のいていった。 あぁ、今すぐ保健室行きたい。 担任の先生はまだ連絡事項を伝えていた(誰も聞いてないけどね)。 14: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/27(金) 16 14 09 12. 100円玉を自動販売機に入れる。 ボタンが一斉に光りだした。 ボタンを押すとがしゃんと麦茶が落ちて、ついでに10円玉がことんと落ちる。 うちの学校の自販機は貧乏高校生に優しい、どれも1本90円。 「本当、給料日前だと助かるんだよね」 ぷしゅっと隣で音がする。 思わず私は麦茶を落としてしまった。 あの男の子がスポーツドリンクを腰に手をあて飲んでいる。 いつの間に隣に……神出鬼没だぞ、篠崎 疾風。 足元にはこれでもかというくらい麦茶が入っている大き目の買い物袋(環境に優しい)。 何なんだ、この大量の麦茶は。 「麦茶あげないよ」 いらないよ。 「これで1ヶ月しのぐんだから」 どうぞご勝手に。 くすくすと人を小ばかにしたような笑い方。 私は男の子から視線を逸らし、自分の麦茶を拾って保健室に向かおうとした。 関わるとろくなことないのは経験済みだ。 早々と退散した方がいい。 「こら待て」 私は腕を掴まれた。 「その麦茶、もう飲めないでしょ。1本あげるよ」 「あ」 冷たすぎて気付かなかったが、私の持っている麦茶はさっき落としてしまってあっちこっちに穴が開いて零れだしていた。 手がびしょびしょ、スカートもびしょびしょ。 「いらないよ」 私は男の子の手を振り解いた。 また麦茶が落ちる。 「あげるって」 足元で麦茶が飛んだ。 「いらない、もう飲みたくないもん」 「僕はあげたいの」 さっきはあげないって言ってたくせに、本当に理解不能だ。 ここで負けてはいつものパターン、負けるな自分。 「いらな」 「はい」 男の子はにこにこして私に麦茶を渡した。 あぁ、結局また同じパターンで押し切られた。 憂鬱がレベルアップした気分だ、最悪。 でも、何だかほっとした。 「これからどこに行く気?」 押し付けられた麦茶を開ける。 私は麦茶を一口含んで、男の子を無視してすたすたと歩き始めた。 きっと保健室のベッドは埋まっているだろうな。 「どうせ保健室に逃げるんでしょ」 この時私は〝逃げる〟という言葉に異常に敏感になって反応した。 図星なんだけど。 「そんなんじゃ」 「一緒においで」 「は?」 「ほら、手」 男の子は右手にあのたくさん麦茶が入った袋を持ち、左手で私の右手を掴んだ。 振り払おうとすれば振り払えたはずだ。 しかし、私の中にそんな意志はどこにもなかった。 ただ、この男の子のことをもっと深く知りたい。 この男の子に対する好奇心だけが、私の中でのた打ち回っているだけだった。 15: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/28(土) 14 30 25 13. 今どきちゃぶ台なんてあるんだ。 3畳分の畳の上に布団がきれいに畳まれている。 テレビにラジカセ(古臭い)、机に本棚に、それと箪笥に小さい冷蔵庫。 少し昭和ちっくのお部屋が私の目の前に広がっていた。 しかし、ここは学校。 今使われている校舎と少しばかり離れたところにある旧校舎へと繋ぐ架け橋。 連れてこられたのは、誰も入ることのできない閉ざされた渡り廊下。 「僕のハウスへようこそ」 いやいやいや、ちょっと待て。 突っ込みどころ満載のこの光景を私はどこから潰していけばいいのか。 「あぁ、ちゃんと上履き脱いでからあがって。掃除するの面倒くさいから」 この状況にうまく順応しろというのか、篠崎 疾風。 無理な注文に私は戸惑いを隠さなかった(めちゃくちゃおろおろしてみせた)。 私は確かにこの男の子のことをもっとよく知りたいと思った。 突然現われ、私のぱんぱんになった心に余裕の隙間を与えて、何事もなかったかのように去っていく。 まるで物語の中のヒーロー的存在(そして私がヒロイン)。 この特別で奇怪な(やたらと絡んでくる)男の子のことをもっと知れたら刺激的で楽しい毎日を送れるかなとは思っていた。 しかし、これはまた現実離れした事実が露骨に私の脳内に侵入してくる。 受け止めきれない場面が、許容範囲を悠に超えて私に迫ってきている。 となれば話は別だ。 ファンタジーへの扉が開かれそうな非現実的なことを私は求めていない。 そんな事実いらない。 「あ、犬嫌い?」 思考回路をフル回転していて気付かなかったが、子犬が1匹、私の手をおもちゃにじゃれていた。 「いや、きらいじゃないです」 「そう、よかった」 何がいいのかわからない。 あぁ、そうか。 私は保健室で寝ているんだ。 そしてこれは夢だ。 何だ、よかったよかった、早く覚めろ。 「わんちゃんかわいいねぇ。ちょっと爪が痛いけど」 ……痛いってさ、夢じゃないじゃん。 自分で自分がかわいそうに思えてくる。 「学校で拾ったんだ」 んなわけがあるか! と大人気なく突っ込むのはやめた。 これはもう本人に聞くしかない。 考えていても(心の中で突っ込んでも)埒が明かない。 はい、紅茶、と男の子は来客をもてなすのに夢中になっていた。 どうやらここにきたのは私が初めてのようだ。 ずっと笑顔を絶やさない。 出された紅茶を静かにすすり、とりあえず気持ちを落ち着かせようと努めた。 そしてふうっとため息をついて、私は男の子を見つめた。 聞こう、一体あなたは何者なのか。 男の子はにこにこと私の顔を眺めていた。 16: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/28(土) 14 32 24 14. 「僕が君に惹かれたのは、この渡り廊下から見える景色の異変に気付けると思ったからなんだ。 この部屋は、ただ単に誰にも知られず僕だけの憩いの場を作るために、家から色々持ってきて作っただけ。 何の仕掛けもからくりも秘密も隠されてない。 平凡で普通の部屋。 君がなぜこれくらいで目を丸くするのか僕にはわからい。 理解できないよ。 だって君は廊下で寝る事ができるじゃない。 廊下が一番居心地がいいと思っているんでしょ? だったらこの静かで快適な空間が誰にも邪魔されずにただ在しているだけなんてもったいないと思うはずでしょ。 その思考が働けば自ずとこういう風景が誕生するわけさ。 驚くことはない。 僕の気持ちは君の気持ちとほぼ同じだからね。 いい廊下を見つければ廊下を自分なりに過ごしやすくしたいという願望が湧く。 そして、ここは普通の廊下じゃない。 旧校舎と唯一繋がっている渡り廊下だ。 刺激されるでしょう。 古すぎず、真新しすぎず、誰にも邪魔されないし気付かれない。 鍵もついてるから盗難の心配もない。 平凡な暮らしを一転させる興奮があるでしょう。 保健室でサボるよりこっちの方が何億倍も快適だしのびのびできるし。 だから、保健室に行こうとしてる君を見て、君にだったら知られてもいいと思ったから連れてきた。 それと最初にも言ったように、ここから見える景色の異変に気付いてもらいたくて、連れてきたんだ。 君がその異変に気付いてくれれば、僕の個人情報をあなたに提供します。 何でも話してあげる。 だからさ、秘密を共有しよう、奏」 19: 名前:(-∀・*都粒*・∀-)☆2012/01/30(月) 16 58 10 15. 犬はいつの間にか布団の上で丸くなっていた。 散々人の手をひっかいたりかじったりして大暴れしていたのに、今じゃぬいぐるみのようにその場にいるだけ。 動きを誰かにとられてしまったみたいだと思った。 紅茶の匂いが、この不可思議な部屋に立ち込める。 チャイムの音も、生徒の話し声も、廊下に響く足音も、この空間には入ってこれない。 私と……疾風だけの空間になっている気がした。 何だか、とても眠くなる。 「紅茶のお代わりいかが?」 男の子……疾風はにこにこしながらティーポットを傾け、私の返事を待たずに紅茶を注いだ。 よほどその動作が気に入ったのか、自分のカップを空にしては注ぎ、満足そうに笑みを浮かべ、飲み干してはまた同じ流れを繰り返していた。 ちゃぶ台の上にはせんべいが山のように積まれて辛うじて木のお皿に収まっている。 これは1枚取るのに相当な神経が必要だろう。 少しでも揺らせば崩れてしまいそうなほどてんこ盛りになっている。 どうやって積んだんだ。 「せんべい食べたかったら食べていいよ」 廊下は止まれない 続き
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東京女子流TOPに戻る 「きっと 忘れない、、」東京女子流 - 2010年09月23日「きっと 忘れない、、」Live14 「小悪魔と星屑」あぁちゃん、"しゃもじ"を好きになるの巻。 2010年11月14日「きっと 忘れない、、」MINAMI WHEEL 2010年「きっと 忘れない、、」アカペラEdit 2011年08月23日「きっと 忘れない、、」SPECIAL LIVE TGS Discography @横浜BLITZ 2011年08月23日「きっと 忘れない、、」SPECIAL LIVE TGS Discography @横浜BLITZ 2011年「きっと 忘れない、、」アコースティックVer.(1st JAPAN TOUR 2011 〜鼓動の秘密〜より) 2012年12月22日「きっと 忘れない、、」日本武道館 2012年「きっと 忘れない、、」 2013年06月「きっと 忘れない、、」小西ソロVer. 2013年09月29日「きっと 忘れない、、」池袋サンシャインシティ アルパB1 噴水広場 2014年「きっと 忘れない、、」編集版 東京女子流TOPに戻る 「きっと 忘れない、、」東京女子流 -
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【余ったピース】 「出来たっと」 最近古泉君が部室にパズルを持ち込んでくるようになった、いくつかのパーツ を組み立てて立方体とかを作るやつ、単純そうみ見えて結構やっかい、でも あたしと有希が片っ端から完成させるので、だんだん難易度の高いのをもって くるようになった、今回のは放課後だけで、出来上がらずに 家の持ち帰って やっていたのだ 少し強張った体を 伸びをして解す すでに寝室の窓のカーテン越しに朝のやわらかい日差しが入り込んできている 「やだ、もうこんな時間 どーしよう、今から寝たら絶対に遅刻するな」 結局一晩がかりでパズルに夢中になっていたのだ、でも、古泉君のくやしそう な顔を思い浮かべれたら 気分がいい でも こんなに夢中になれるとは思わ なかった、答えに向かって、試行錯誤する、そして自分の作業が綺麗な完成形 でむくわれる快感 無味乾燥に思えた数学とが科学とかに、ちょっと新鮮な興 味を思えている そんなあたしが自分でも少し不思議 寝室の窓を開けて、少し肌寒くなった朝の空気を深呼吸する 今日もいい天気、 少し風が強いかな、ふいに風でカーテンが膨らみ机の上をなぜる カラン 「あ、ピース」 先ほど完成させたパズルのピースが床に軽い音をたてて落ちる 古泉君も なかなかの策士よね、全部のパーツを使わないのが正解だなんて、途中だいぶ てこずっちゃたわ、なくしちゃうといけないから、あたしはピースを拾い鞄の 中へ 文化祭も終わって 高校にはいってもう半分すぎちゃんだよね、いろんなこと があった、そのほとんどは、楽しいこと、SOS団のみんなの顔が思い浮かべで 朝ごはんまでの間、ちょっとだけ、感傷のふける、これからどんな不思議がわ たしを楽しませてくれるのだろう 学校へ、今年も前の席にいるこいつは キョン、相変わらず気の抜けたような 顔をしている、そういえば こいつも昨日 古泉君のパズルもって帰ってたっ け、もっともあたしがすでにクリアした奴だけど 話かけてこないとこ見ると 完成してないな 放課後部室でいじめてやろう やっと放課後、そろそろ中間試験ってことで教師陣はなんか無駄に熱い、そん なことはかるく聞き流して部室へ キョンは先に出て行ったのかな 「やっほー 出来たわよ 昨日のやつ!」 すでに有希と古泉君がきていた、感心感心、それにくらべてキョンはなによ あたしより先に教室でたくせに、団長様より遅いってどうゆうことなの 「涼宮さん 本当に一晩で完成させたんですか?僕はまるまる一ヶ月かかった んですがね、それ、完敗です、さすが涼宮さんですね」 うーん 古泉君のそのくやしそうな顔 いいわ 「次回はもっと、手ごたえのあるやつを 捜してきなさい、もっともあたしと 有希が根をあげるようなものは、この世に存在しないといっても過言ではない わ! ねえ 有希」 物静かな読書少女は、本に眼を落としたまま ちいさく頷いた様にみえた 「では、ご期待に添えますよう がんばってみます それより一度、作者の方 に会ってみませんか?」 「パズルの?」 「ええ、作者の方は 自分の作品をかたっぱしからクリアする美少女高校生に は興味をもたれていますよ」 「どんな人?」 「もう結構なお歳ですが、大学で数学の教鞭をとられている方で、世界でも有 数のパズリストの方ですよ」 「考えとくわ、でもその時は、有希、いや、SOS団で押しかけてあげましょう」 「そうですね、きっと楽しい時間になるとおもいますよ」 古泉君との話は楽しい、バカキョンと違って、話題も豊富だし、なにより人の 話をいちいちさえぎったり反論したりしない、どうしてあいつはそうゆう部分 がどんくさいんだろうこのくらいスマートに落ち着いて話ができるってのは人 としての格が違うのかもしれないわね、話は立体のパズルから、天文、神話に まで広がる 最近古泉君とこうやって話する時間が増えたような気がする いつのまにか、部室には朝比奈さんも来て、お茶をいれてくれる 「涼宮さん はい」 「ありがとう」 そういえば、キョンの奴はいったいどこいったのだと訝るのと同時に、部室の ドアがノックされる キョンだ、随分遅かったじゃないの 「ふぁーい」 みくるちゃんの声をうけ部室の扉が開き、キョンが入ってくる、なんかあんま り顔色よくないわね、あんたもひょっとして徹夜 「キョン! 遅いわよ、一体どこいってたの!」 「ああ進路相談だ、それよりハルヒ、おまえ、昨日の相談すっぽかしたろ、岡 部がまってるぜ」 あいさつ代わりにいきなりその話?それってないんじゃない 「なによ、岡部ごときにあたしの進路を相談することなんてないわよ それよ り、昨日のパズルは出来た?」 「いや、どうも俺はああゆうのはしょうに合わないようだ、一晩かかっても全 然だ、それより申し訳ないが、俺 今日はこれでいいかな、家で話しなくちゃ ならない状態なんだ」 へへ、やっぱり出来なかったようね、こいつこんなに落ち込むほど成績悪かっ たっけ? 「だらしないわね、まあ、キョンの頭じゃしょうがないか、そう、試験前には また勉強会もいいわね」 「ああ、その時には、また頼むかもな、申し訳ないけど これで あと、 ハルヒ、一応 岡部のとこ顔だしとけよ じゃあ 邪魔したな」 なにが気に食わないんだろう、あいつは、みくるちゃんのお茶の飲まずにその まま部室からでていった。なんか暗い奴、せっかく楽しい話でもりあがってい たのに、水をさすなんて、空気が読めないやつよね 「涼宮さん、どうされます?」 「まあ いいわ、どうせいかなきゃならないんなら、行ってくる今日は解散! 古泉君その話はまた明日ね みくるちゃん、鍵しめちゃっていいわ、鞄もって くから また明日ね!」 あたしはそういって、部室を後にした。 【足りない欠片】 「あーいまいましい」 最近古泉が部室にボードゲームの仕返しのつもりなのか パズルを持ち込んで くるようになった、いくつかのパーツを組み立てて立方体とかを作るやつだ、 残念ながら俺にはこの方面の素養がないようで、ハルヒや有希がいとも簡単に 組み立ててゆくのを眺める、ちょっと癪に障る、それもあって、簡単そうなや つを家に持ち帰ったのだが、やはりとても手に負えない 「ピース足りないんじゃないのか、これ」 それにしても、ハルヒはパズルにこんなに興味を示すとは思わなかった、少し 前なら、途中で癇癪を起こして例の空間を大量発生させていただろうに、古泉 が嬉々としてパズルを持ってくるということは、今ではそんなこともないんだ ろう、いやまて、あいつのやることがなにか裏があるのかもしれないが、俺に はしったことではないだろう 多分、あいつは、身の回りのいろんなことに興味をいだけるようになったんだ ろう、それはきっと いい方向への変化なんだろう、入学当初のあいつの表情 からくらべたら、今ではまるで別人のように輝いて見える、お世辞じゃなくな そういえば、すでに受験生になっている朝比奈さんも前に時々みせていた憂い のような、もどかしいような表情をみせることも少なくなったし、長門もあの 事件以来、大きな問題は起こしていないし、あいかわらず俺にしかわからない かもしれないが、随分表情が人間ぽっく豊かになったと思う まあ、古泉は同 じか いや、最近ではあいつハルヒや朝比奈さんと普通に話しをしている、最 初の頃の妙な敬語がそのままだけれど、態度は随分やわらかくなったな、確か に それにくらべて俺はこの1年半でなにか変ったたのだろうか 文化祭も無事に終わり、高校生活ももう半分すぎてしまった計算になる、巻き 込まれたとはいえ、いろんなことがあった、命の危険まであったしな、ただ概 ね楽しかったと思えるこんな毎日が後どれだけ続けられるのだろう 自分でもバカなことを考えていたと思う、気が付けばもう空が白み始めていた 「やべぇ もう朝じゃないか」 妹の襲撃を受けるまでの間、少しでも寝ておくとしよう 秋の到来とともにめっきり寒くなった風を感じながら上り坂の通学をを肩をす くめて歩く 「よう!キョン 金でも落としたか 下向いてあるいてるけど」 「谷口か なんつーあいさつだ」 「キョン、お前は今日だっけ」 「何が」 「進路相談」 「ああ、そうだ、谷口 お前はどうするんだ、進学だろ」 「そうだな、東京の三流私立文系ってのが、現実的な線ではあるな、親の説得 さえできれば、東京いってみたいな 一人暮らしはポイント高いぜ おまえは、 どうせ涼宮といっしょだろ?」 「ばか言うんじゃないよ、学力の差が天地ほどあんだろ、東京か、むりだろう な俺は」 「まあ しぼられてこいや」 通学途中のちっとも心が温まらない会話と一緒に俺は学校へ行くのであった、 まじめだね、本当、感心するよ ハルヒは昨晩、なにかいいことでもあったのか、朝から機嫌がいい、まあ、俺 には関係ないが、その元気の欠片くらいはわけて欲しいね。 放課後、進路指導のため担任の岡部の元に出頭 まあ あまり思い出したくも ない話を延々聞かされる、まあ一つ一つには、心当たりがあったりするので、 反論もないが、こう面と向かって話されると気がめいる このまま今日は家族 会議ということになりそうだ やれやれ 部室にたどり着いて習慣となった、ノックをする、まあこの時間で朝比奈さん が着替え中ということはないはずだか、なれというのは怖いものだ 「ふぁーい」 受験生にもかかわらず、足繁く部室にやってくる、朝比奈さんの声に聞きなが ら部室へ入る 「キョン! 遅いわよ、一体どこいってたの!」 いきなり、それがあいさつかよ 「ああ進路相談だ、それよりハルヒ、おまえ、昨日の相談すっぽかしたろ、岡 部がまってるぜ」 「なによ、岡部ごときにあたしの進路を相談することなんてないわよ それよ り、昨日のパズルは出来た?」 ああ、おまえにとっては、進路より古泉のパズルの方が重要なようだ 「いや、どうも俺はああゆうのはしょうに合わないようだ、一晩かかっても全 然だ、それより申し訳ないが、俺 今日はこれでいいかな、家で話しなくちゃ ならない状態なんだ」 「だらしないわね、まあ、キョンの頭じゃしょうがないか、そう、試験前には また勉強会もいいわね」 別に朝比奈さんのお茶を飲む時間くらいは なんでもないはずなんだが、みん なが楽しく談笑している中になんとなく入りずらく、そのまま帰ることにする 「ああ、その時には、また頼むかもな、申し訳ないけど これで あと、 ハルヒ、一応 岡部のとこ顔だしとけよ じゃあ 邪魔したな」 俺はそういって部室を後にした。 【インターミッション】 キョン君も涼宮さんも部室を出て行った。 部屋をでてゆくキョン君の顔がなんとなく暗い パタン 長門さんの本を閉じる音 「古泉君 お話したいことがあります」 「なんでしょう、朝比奈さん」 「いったい何をたくらんでいるんですか」 「どうゆうことでしょう?」 「最近 古泉君と涼宮さん 仲良しすぎませんか」 「僕は一介の男子高校生でもあるんですよ、魅力的な方じゃないですか、涼宮 さんは」 「ちょっと話は変りますけど、最近の涼宮さんをどうみます?」 「落ち着かれているようにみえます、最近時空震の観測もありませんし」 「長門さんはいかがでしょうか?」 「観測の対象であることに変化はない ただ力の 」 「そう、ただ、力の使い方に変化が現れている、そうですね、長門さん」 「そう」 「どうゆうことなんですか?」 「涼宮さんは、最近、自分の力をある程度、制御できているんじゃないか、 そう思われます、意識的にしろ無意識的にしろ 前のように世界全体を改変す ることなく、あたかも自分の力で問題を解決しているかのように」 「あのパズルはそのために」 「そのためだけってことはありませんよ、でもその過程で観察され確認された ことは否定しませんけど、昨晩、涼宮さんが一晩でといたパズル、作成者はゆ うに一ヶ月かかると太鼓判おしてもらったやつなんです、話をしたらきっと卒 倒しますよ」 「いいですか、涼宮さんは変られた、よてもよい感じで、いままで鍵として考 えられていた彼のサポートなしでも世界をやり直さない程度に」 「だからって 古泉君」 「機関の命令ではないですよ、涼宮さんに近づいているのは 僕の意思です」 「僕は彼より3年も前から涼宮さんを追っかけているんですよ もっとも最初 は憎しみの対象でしたけどね 涼宮さんの隣が僕になったところで許容範囲 じゃないですか、朝比奈さんや長門さんだって、そのほうがなにかと便利じゃ ありませんか、それにこの程度変革では未来の規定事項に影響を与えないのは、 鶴屋家経由で確認ずみです、ご不審ならご確認を」 「古泉君」 「約束しますよ、あくまでも個人のレベルで行動することを、フェアじゃない ですからね それでは、僕もこの辺で失礼します」 「古泉君」 「長門さん いまの話って」 「彼のいったことに嘘はない、力のことはこちらでも確認すみ、規定事項の 解釈に関しても問題ない どちからといえば、提案は合理的」 「合理的って、問題なければそれでいいんですか!キョン君と涼宮さんの 気持ちはどうするんですかぁ!」 秋の夕暮れの西陽の射す部室に2人の少女がただ 立ち尽くしていた。 【余ったピース】 あーめんどくさい、どの大学いくかなんて、本人の勝手じゃないそんなこと 「涼宮です」 「おーはいれ 昨日はどうした」 ハンドボールバカがそこにいた、まあ、さからっても時間かかるだけか 「すみませんでした」 「例の同好会か、まあ、座れ」 別に目新たらしいことがあるわけでもない、どうせ聞かれるのは、進学希望先 についてだ、2年になるときに進路別のクラス替になると聞いていたので、わ たしは、キョンと同じ国立文系に進路希望をだしている、あたしの成績ではな んの問題もないはず 「なあ、涼宮 進路を理系に変更しないか、お前の今の現状と成績なから、 東大、京大、筑波どこでも充分狙える それに前の模試でも おまえ理系科目 の方が成績いいじゃないか、数学と物理は9組抑えて学年2位だそ 先生はもっ たいないと思うんだが、そもそも将来どうするんだ、なにかやりたいことある のか?」 進路の変更?なんで今頃こんな話になるの、将来なにをするかだって、そんな 先のことまだ判るわけないじゃないの、あんたバカ うっかり口にだしそうな 言葉たちを飲み込む、あたしの返事はないので、岡部はそのまま話を続ける 「時間は短いぞ、こう言うのもなんだが、俺が今になって宇宙に行きたいといっ てもやり直す時間は足りないだろう、やりたいことがあるなら、脇見をせずに めいっぱい進んでいったほうが後悔しないぞ 力を思う存分発揮するのは、そ れなり舞台が必要なんだと思うぞ、そこで相談なんだが、9組への編入を考え てみないか? おまえの今の学力なら問題なくクリアできる、ただ実際の編入 は3学期か、3年になってからになるんだが、考えてみないか 9組なら例の同 好会のメンバーもいたろう」 ちょっと意外な岡部の話、そうか、たしかに今、あたしは理系科目の方に興味 がわいているのは確かだし 不思議を探す舞台として理系学部っての確かに魅 力的に見える、時間が短いってのは、もう全面的に共感できる 最近、古泉君 にその系統の話を一杯きいていたからかもしれないけど、それに9組への編入 なら古泉君と一緒だ あれ?なに考えているだろあたし ちょっとしどろもどろになりながらやっと 次の言葉だけつげる 「少し考える時間もらっても」 「ああ、もちろんだ、ただ来週の頭に とくに編入を受けるか否かに関しては 一度早めに答えが欲しい まあ 悩め悩め それが若人の特権だ!」 岡部は、30年ぐらい時代錯誤のコメントをして話しを締めくくった 秋の陽は短い、もうだいぶ薄暗くなった坂道を校舎を背にしてくだってゆく、 さっきの岡部の話を考えながら 「涼宮さん」 ふいに声を掛けられる 同じ制服 誰だっけ? えーっと、あっ 「えっと JJ」 「ひっどーい 阪中です なんで ルソーの名前はでてくるのに、あたしの 名前がでないかなぁ 去年は同じクラスだったのにね」 「ごめん ちょっと考え事してた」 本当は 本気で思い出せなかった、ごめん 「そんな顔してましたね、悩み事ですか、あたしでよければ聞きますよ 聞くだけだけど たぶん」 「そんなたいした話じゃないわ、進路相談だったんだ 今」 「進路かぁ、あたしじゃあんまり役にたちそうにはないですね」 「阪中は?」 「あたし ですか、一応近所の大学に潜り込めれば、でも今の成績だと 短大ってのもありかな出来たら4年間遊びたいんですけどね てへ 成績上位 者リストに名前のある涼宮さんの足元にもおよびませんってね、でも涼宮さん なら、どこでも大丈夫でしょうに、あ だからこその悩みかぁ このしあわせ もの!」 なんか変な話になっている 「あたしは何がしたいんだろ」 「そんなことあたしが判るわけないですよね、自分のだってわかんないんだもんね でも、その話なら、相談しなきゃいけない人がいるでしょう 涼宮さん」 なにを言い出すんだ この娘は 「しらっぱくれてもだめですよ みんな気づいてますって ごちそうさま あ あたしこっちなんで、それじゃ、またみんなで遊びにきてくださいよ、 ルソーも母もシュークリーム作って待ってますからね 是非 じゃあね」 いうだけいって、阪中はいってしまった、彼女と話すようになったものSOS団 の一件だった、でもなんだ、あの思わせぶりなセリフは、一体誰のことをいっ ているんだ、相談しなきゃいけない人ってのはなんだ でもルソーに会いに行 くのはいい提案かな 帰宅して自室で 鞄を開けると昨日のパズルがそのまま入っていた、あ、部室 へ返すのわすれてた。一度解いたパズルだが、手慰みに、ばらしてみる 今日 の古泉君の話、岡部の話 阪中の話、そういえば、今日はキョンと話してない なぁ なんか暗い顔してたし、あいつそんなに、成績わるいんかな チャチャチャーンチャチャ 着信音? こんな時間にだれだろう 「はい」 「古泉です 夜分失礼します」 「古泉君 なに?」 「明日の放課後お時間をいただけないかと思いまして」 「え、いいわよ」 「涼宮さんにご提供しているパズルもネタが尽きましてね、できれば、 明日ご一緒に」 「作者さんのとこ?」 「いえ、あれはまた別の機会に、今回は、僕がネタの仕入をしている店に ご招待をと、できたら2人で」 「なんで?」 「いえ、ここは、涼宮さんと共闘して、まず長門さんを攻略しようかと、 朝比奈さんとキョン君と相談するのはむずかしそうなので」 「ふーん、そうゆうことなら 協力するわよ、あたしも有希の悩んでる 顔みたいし」 「それでは、放課後できれば直接 駅前に」 「うん、じゃあ明日」 うーん やっぱり古泉君って如才ないわよね 組み上げたパズルはやっぱり、一つパーツが余る。 あーもう 【足りない欠片】 秋の黄昏にまけないぐらいめいっぱい黄昏ている俺は、とぼとぼと帰宅。 明日のためにその2 母親との家族会議に臨んだ、岡部からいただいたありが たい資料を元に開催された会議の模様を中継する気はさらさらないが、結果と して、まあ、文化祭も終わったことだし、ここらへんで気合をいれて学業に邁 進する必要があること、まだ小学生の妹がいる身としては、当然下宿などとい う余計な出費が考えられないこと、また出来れば国立への夢は捨てないでがん ばること、そのためには、すぐにでも予備校に通うための学費がだせること、 とにかく今時 人に聞かれて恥ずかしくない程度の大学に入らなければならな いこと などなどなど。 やれやれ 上記のような内容、箇条書きにすればほんの30分程度の話に過ぎないのだが、 延々繰返しで聞かされるには一種の拷問であろう、永遠に続くかと思われたが、 妹のおながすいたーの声に救われ一時開放の身となった、よくやった妹よ。 夕食後に父親を含めた明日のためにその3の気配を察知した俺はそうそうに 約束があるといって家を飛び出した。 行くあてなんぞないんだかな。 あてもなくふらふら歩く、秋の夜風が身にしみる、たぶん気温が低いせいだけ はないだろう、気が付くと駅前の公園近くまで来ていた。 水銀灯で照らされたベンチに人影がある、 「長門」 「なに」 「なんだ、こんな時間に」 「散歩の途中で休憩」 「ほんとか?」 「信じて」 「ああ、信じるさ」 相変わらず、セリフが原稿用紙一行以上にならない奴である。 でも、ありがたい、むしょうに人恋しかったからな、ひょっとした長門、 どっかで俺のこと見てた? 「安心した 今日のあなたは 不安定だった」 「そうか」 「そう」 沈黙も悪くない、そんな思いがする。 「そういえば、長門はどうするんだ?」 「なに?」 「来年はまだいいとして、その後のことだ」 「まだ決定はされいていない」 「まあ、そうだろうけど」 「多分、私は一度帰ることになると思う」 「なぜ?」 「体がもたない、この体はもう5年つかっている 気が付いた?」 「なにに?」 「私という個体はあなたから いろんなものをもらった、コンタクトのスキル の向上も出来た でも あたしは肉体的に成長しない、このまま観察を継続す るのは不自然」 「そうか でもいつまでも若いってのもいいんじゃないか」 「あたしの肉体は若いではなく、幼い」 「でも似合ってるぞ、その体」 なんか卑猥な感じがする言い方だが、それよりたいしたもんである、あの 長門が会話を続けようと努力している。つたない言葉だけれど、いやからこそ 長門の想いがつたわってくる。そんな気がする、多分この一年でもっとも 変わったのは、長門なのかもしれない。 俺は長門に充分なことをしてやれたのだろうか? 「残酷だな、時の流れって」 「残酷って」 「変らずにありたいと願っても 変ってゆくものがある、変わりたくても変れ ないものがある」 「あなたには、感謝している 私は、一度帰ったとしても、またあなたに 会うためにここに戻ってきたい そう願っている」 「待っているさ、長門が新しい体で戻ってくることを あ でも そうすると 俺は長門かどうか判らないってことになるのか?」 「そんなことはない、大丈夫 あなたには判る」 「そうか」 「そう」 「でも、まだまだ先の話だな、まだ1年半は 今のままなんだろ」 「そう 先の話」 たぶん、夜の公園のベンチで俺たち2人は まるで恋人同士のように見えたか もしれないまあ誰かがみてればの話だが すっかり遅くなって帰宅したところ、本日の家族会議の続きはなく、俺はその まま部屋に戻った、さっきの長門との話を思い出しながら、昨日のパズルをい じってみる。 やっぱりパーツが足りないだろ これ 【インターミッション】 彼と分かれて、マンションに戻る、帰り際の彼に顔には少し生気がもどったよ うにみえた これでよかったのだろうか、彼の助けになっただろうか 「少し軽率じゃない、有希」 声がかかる、喜緑江美里 あたしと同じインターフェイス、でもあたしより ずっと安定性の高い次世代モデルの彼女 そしてあたしが異常行動を起こす ことがないかの監視役 「観察対象への過度の関与は観察結果へ影響を与えるわ」 「問題ないレベルと判断した 今日の彼は明らかに不安定」 「本来なら涼宮ハルヒに対応させるべきだったんじゃない?」 「そんなことは無い、涼宮ハルヒは現在、彼を支える精神状態では無かった」 本当にそうだったか、そうあって欲しいという 私の願望 「まあ、今回はいいわ でも有希 あなたが同じ過ちを犯す道を辿るようなら 私は容赦しないわよ 涼宮ハルヒと同様、彼もわれわれの重要な観察対象」 「わかった」 冷たい風がうなじを通りぬけてゆく 私はまた狂い始めているのだろうか 続き