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「......」 「災難だったな」 夜。デパートの惨劇を見てしまった夜だ。 自室にて、鹿目まどかはベッドの上に体操座りで俯き、ランサーのサーヴァント、宮元篤は慰めるように背中を摩っていた。 いくら魔法少女とはいえ、もとはただの平凡で温厚な女の子。 そんな彼女が犯罪予告、いや、予告の名を借りた猟奇的な殺人事件を目撃してしまったのだ。 戦闘のプロならいざ知らず、女の子に軽々しく気を取り直せと強いるのも無茶な話だ。 「...聖杯戦争が始まれば、こんな場面にも遭遇することはある。辛いかもしれないが、立ち直らなければいけないんだ」 だが、聖杯戦争が一度始まればこんなものではない。 いまは派手に動いているのは赤い箱の怪盗だけのようだが、もしも手段を選ばない者が大勢いれば、こんな比ではすまないだろう。 それこそ、聖杯戦争を理由に無差別に欲を満たす者、魂吸のために合理的に殺す者。 如何な形にせよ、呼び出された最低限の主従だけの犠牲で済む話ではないだろう。 だから、篤の言葉はまどかにも理解できる。 「...篤さんは、平気なんですか?」 けれど、理解はできても納得できるはずもない。 だってそうだろう。 たとえ、このNPCに位置づけられた人たちが偽者であれ自分には関係のない者たちであれ、人が殺されているのだから。 家族。友人。恋人。ライバル。先生と生徒。上司と部下。 犠牲になった人たちにはそんな繋がりがあったことだろう。 そんな、多くの悲しみを生んでしまう人の死が、守られるべき日常に、平然とあっていいはずがないのだから。 それは篤とて同じことだ。無意味な犠牲を寛容しているわけではない。 かつて彼岸島で『樽』という、赤い箱にも劣らぬ、いや、下手に生かしているぶんよりタチが悪い食文化を見ていることで耐性はあるものの、やはりそれでもあれを見れば胸を悪くする。 「...ああ、平気だよ。俺は英霊だ。あんなもの、闘いの中ではいくらでも見てきた」 だからこそ、彼は厳しく言い放つ。 ここで甘える余地を作ってはいけないから。 彼女の優しさは尊重したいが、それで命を落とすことなどあってはならないから。 「あんな、ものッ...」 感情のままに叫びそうになったまどかは、無理やり口を噤んで押し殺した。 篤と出会ったとき、彼は弟について心底楽しそうに話していたし、まどかの方針にも賛同してくれると言っていた。 まどかには、どうしてもそれが嘘だとは思えず、むしろアレを見て平気だという言葉自体が嘘としか思えなかった。 きっと、わたしが無理をしないように忠告してくれている。 そうとしか思えなかった。 「まどかー、ご飯だよー」 そう、階下から呼びかけるのは父の声。 心配させてはいけない、と返事をしてまどかは降りていく。 篤は、俺がいると気が散るだろうとの判断のもと、一人部屋に残るのだった。 ☆ 食卓。 そこには、まどかの母、鹿目詢子と弟、鹿目タツヤが席に着いていた。 「あれ、ママ?今日は早いね」 「なにいってんのさ、さっき返事しただろ?」 え?と思わずタツヤへと視線を投げかければ、彼もまたコクリと頷いていた。 「どうした、そんなボーッとして。なんか嫌なことでもあったのか?」 「い、いやそんなことは...」 言葉を濁し、まどかは席に着く。 そんな娘の様子を、詢子は目線で追っていた。 「はい、おまちどおさま」 「アーイ!」 台所から父・鹿目知久が持ってきた料理は、大きな皿に載せられたハンバーグ。 詢子は美味そうだねと呟き、タツヤはその料理に無邪気にはしゃいでいた。 父、母、タツヤ、そしてまどか 家族みんなが揃ったいつもの食卓。 ただ一人、鹿目まどかの顔が蒼白であることを除けば。 「まどか?」 知久が首を傾げ疑問符を浮かべる。 同時に、点けられていたテレビのニュースの話題が変わり、ニュースキャスターが深刻な面持ちで口を開く。 重々しい声で語られる事実。画面に映し出されるデパート。群がる人だかり。そして――― 「ご、ごめんねパパ。わたし、今日はご飯いらない」 「え?」 「あ、あした食べるから!」 そう告げるなり、一目散に階段を駆け上がっていってしまうまどか。 その背中を見て、知久と詢子は困ったような表情で顔を見合わせ苦笑するのだった。 我が娘ながら、隠し事が下手だなぁ、と。 ☆ 「ゲホッ、ェホッ...」 えづきと共に便器に出される吐しゃ物を絶え間なく流しながら、篤はまどかの背中をさすり介抱する。 「落ち着いたか?」 「は、はい...どうにか...」 まどかの口元を水で注ぎ、臭いを消すために便所中に消臭剤を吹きかけ、まどかに肩を貸しながら自室へと運ぶ。 再びまどかの自室。 まどかは先刻と同じように体操座りで毛布を被り、篤はベッドの脚に背中をあずけ、フゥと息を吐く。 「...ごめんなさい、篤さん」 まどかは、そう小さな声で謝った。 「これから聖杯戦争が始まっちゃうのに、迷惑ばかりかけて...」 「俺のことはいいから、お前はもう少し自分を労われ」 「......」 自分のことで手一杯だろうに、それでも身近な者に気をまわさずにいられない彼女を見て、どうしてもかつての弟、明の影がよぎってしまう。 そんな想いから綻びかける口元を締めなおし、篤はまどかの頭にポンポンと手を置いた。 コンコン、とドアをノックする音が鳴る。 「まどか、入っていいか?」 ドアの向こう側からの母の声にまどかは慌てて篤を隠そうとするが、"俺は霊体化できるから大丈夫だ"という旨のジェスチャーを受け、ホッと一息つき、篤の霊体化が完了するのを見届け母を招きいれた。 「ど、どうしたのママ」 「どうしたのって...あんな様子を見せられたら心配のひとつや二つするに決まってるだろうが。...まどか。あんたさ、さっきのニュースの現場にいたんだろ」 「えっ」 「あんたがあの箱に駆け寄ってくとこがバッチリ映ってた」 若干、呆れのような感情も混じった言葉に、まどかはしゅんと縮こまってしまう。 そんな娘に、詢子は頬を緩ませふぅ、と小さく息をつく。 「別に怒ってる訳じゃないさ。あれだって、野次馬気分じゃなくて、誰かが困ってるかもしれないって向かったんだろ?」 「...うん」 詢子はまどかの横に腰をかけ、そっとまどかの頭を抱き寄せる。 「あんたが困ってるやつを放っておけないタチなのはわかってるし、それはあんたのいいところでもある。けどな、だからってあんたがなんでもかんでも背負う必要はないんだ」 「え...」 「あんたが全部を背負おうと頑張ってるのを見て、辛く思うやつもいるってことさ。少なくともあたしやパパはそうだ」 「ママ」 「あんたはまだ子供なんだから、もっと気楽でいいんだよ。弱音を吐きたいなら吐けばいいし、頼りたいことがあるなら頼ってくれていい。それを受け止めるのが親の醍醐味ってもんさ」 「...うん。わかった、ありがとう、ママ」 「おー、どういたしまして」 それから、二人はなんてことのない他愛のない会話で笑いあう。 今日あったこと。学校の様子。職場の様子。デパートでなにを買っていたか。 そんな日常で行われていたであろうやり取りに、まどかの顔から暗い影はほとんど消えていた。 そうこうしているうちに、時間は流れ、一日の終わり―――聖杯戦争の本戦開始まで、あと1時間を迎えようとしていた。 「っと、もうこんな時間か。子供はそろそろ寝ないと美容に響いちまうぞ」 「ママはまだ寝ないの?」 「あたし?あたしはコレ」 詢子が親指と人差し指を合わせわっかをつくり、瓶を揺らすような動作を見せ付けると、こんどはまどかが微かな呆れの視線を投げかける。 「ほどほどにしなくちゃ寝過ごしちゃうよ?」 「だいじょうぶだいじょうぶ。ウチには優秀な目覚まし係がいるじゃんか」 「そうやって自分から起きる気のない人にはめっ、だよ」 「うぐっ、いまのはちょっとグサッときた」 「もう、ママったら。...ふふっ」 互いにケラケラと笑いあい、おやすみ、と告げると詢子もおやすみと返し、部屋をあとにした。 (ずいぶん肩の力が抜けたようだな) 一部始終を見届けていた篤はホッと胸を撫で下ろした。 母親との会話は、怪盗Xへの恐怖を和らげるのに効果覿面だったらしい。 まどかには先ほどまでのしょんぼりとした様子は見受けられず、彼女と出会ったときに見せていた笑顔もだいぶ取り戻していた。 「...篤さん。わたし、やっぱりみんなを守りたいです。ママも、パパも、タツヤも、ほむらちゃんも、さやかちゃんたちも」 己の膝に添えられているまどかの手が、力強く握られる。 NPCは本人ではない模造の可能性もあると聞いた。 けれど、言葉を交し合っていれば、触れ合ってみればわかる。 彼らも、大好きなあの人たちと変わりはないのだと。 「怪盗Xには、もう、あんな酷いことはやらせません。もしまたやろうとしたら...絶対に止めます」 まどかの眼に光が宿る。 恐れを吹き飛ばし、大切な者を護らんとする決意の光が。 「...そうだな。お前ならできるさ。誰よりも優しいお前なら」 篤は嘘偽りなく微笑みかける。 きっと、本当に人を救えるようなヤツは、こんな、誰よりも真っ直ぐなやつなのだろうと。 それこそが、『魔法少女』なのだろうと。 ☆ 時刻は0時をまわり、聖杯戦争の幕があがった。 篤は、見張りを兼ねて、霊体化したうえで、屋根の上で空を眺めていた。 綺麗な星空だった。 まどかの家の明かりは既に消えていたお陰で、その美しさはより際立っていた。 まどかは既に布団の中で眠りについていた。 ただでさえ、これから始まる聖杯戦争に心労がたまっているのに加え、あの『赤い箱』の件があったのだ。 精神的に疲弊仕切っていても仕方のないことだろう。 とはいえ、本戦が始まる前に眠るよう促したのは篤その人なのだが。 (これから先は、きっと壮絶な戦いが待っている。あいつが休めるうちに休ませておきたい) 限られた箱庭の中とはいえ、いきなりまどかがマスターであることを悟られる可能性は高くない。 しかし、だからといって、常にまどかに気を張らせていれば、いざという時に戦いに支障をきたしてしまう。 ならば、こうして安全なうちにしっかりとした休憩はとらせておくべきだ。 「......」 (...もしも、涼子や冷が生きていたら、ああいう母親になれていただろうか) ふと、自分を愛してくれた女たちを思い出す。 彼女たちは紛れもなくいい女だ。 そんな彼女たちが、子を為し立派に母親をやっていたとしたら、ああいう母になれたのだろうか。 いや、きっとなれただろう。そして、子供たちと笑顔で平和に、穏やかに暮らしていたことだろう。 ...いまとなっては、叶わぬ夢だが。 (しかし、怪盗Xか...このぶんじゃ、先が思いやられるな) デパートで見せ付けられた強烈な悪意。 アレはまどかには効果覿面だったらしく、ただのハンバーグですら人の残骸に見えてしまうほどトラウマを植えつけていた。 しかも、あの文面からして、やったのはサーヴァントではなく怪盗Xというマスターなのだろう。 子供がおもちゃで遊ぶかのように、あるいはほんの些細なイタズラ心で命を容易く弄ぶ所業に。 その悪逆非道、傍若無人ぶりには嫌が応でもあの男―――雅の影がよぎる。 ただ、あの男ならば怪盗Xなどと名乗りはせず本名を使うだろうし、犯罪予告などという回りくどいこともしないだろう。 アレが雅の犯行ではない。言い換えれば、だ。 あの鬼畜外道な最底のナルシスト野郎にも匹敵する輩がマスターとしてこの聖杯戦争に招かれているということにもなる。 そんな輩とは会いたくないし、まどかに会わせたくもない。 ああやって派手に暴れているうちに他の組に討伐されていれば万々歳だ。 (...ただ、ああいうのが一人とは限らないが) 聖杯戦争において呼び出されるマスターとサーヴァントに厳しい縛りはない。 最悪を仮定するのなら、まどかと指名手配されている暁美ほむら以外のマスター、あるいはサーヴァントがみんな雅と同等の下種な場合もあるのだ。 その最悪のケースを想像し、篤はこれからについて思考をめぐらせる。 (なんにせよ、やつらの情報は必要だ。なにも知らない状態で挑めば、為すすべなく殺される可能性が高い。...雅との戦いがそうだったように) 篤は雅と幾度となく戦った。 中には見事勝利を収めたこともあったが、それでも篤は雅を殺すに至れなかった。 何故か。 『雅は501ワクチンを使わない限り殺すことができない』という情報を知らなかったからだ。 (俺があの時、501ワクチンを持っていれば、川で雅の首を斬りおとした時点で全てが終わっていた。...もう、あんな思いはたくさんだ) 怪盗Xは、デパートの件のみならず、日常的に赤い箱を作っているらしい。 ならば、人気のない場所をまわっていれば、いつかは見つけることができるのではないだろうか。 それだけではない。 セイヴァーのDIO。 彼については、暁美ほむらと組んでいること以外はなにも知らないに等しいが、その邪悪なオーラは手配書越しにも伝わってきてしまう。 怪盗Xと同様、要警戒しておきたい相手だ。 (だが、やつらを尾行する時は、まどかがいない時にしたい) まどかは紛れもなく善人だ。だからこそ、この聖杯戦争において最も危うい存在だといえよう。 仮に、怪盗Xの尾行の折に赤い箱の製作過程を見てしまったら、被害者が誰であろうと彼女は間違いなく止めに入るに違いない。 なにより、怪盗Xと戦ったところで、彼女が敵を殺められるとは思えない。 自分は違う。 箱にされているのが、自分とは関係のない者であれば見捨てることができる。 ならば、尾行に関しては自分ひとりのほうが効率的だ。 (タイミングとしてはいまが最適だ) 聖杯戦争が始まったとはいえ、今は、指名手配されている暁美ほむら以外の誰がマスターなのかは誰も把握していない。 ならば、見張りの価値は薄く、見張りをやめて情報収集にまわりやすい時間帯だ。 だが、もしもマスターやサーヴァントに過激なヤツがいたとしたら。 マスターの目星が付いていなくとも家屋を片っ端から襲撃していくような奴らがいたとしたら。 自分が偵察に向かっている間にまどかが被害に遭う可能性も低くない。 (情報収集か、安全の確保か...果たして俺はどうするべきだろうか) かつて戦いを繰り広げた彼岸島でも、幾度となく強いられた選択肢。 歴戦の戦士、篤は如何な選択肢を選ぶのか。 【D-2/月曜日 未明午前1時】 【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]健康、睡眠中 [令呪]残り三画 [ソウルジェム]有 [装備] [道具] [所持金] お小遣い五千円くらい。 [思考・状況] 基本行動方針: 聖杯戦争を止める。家族や友達、多くの人を守る。 0.ほむらちゃんに会って事情を聞きたい。 1. 怪盗Xには要警戒。 2. 聖杯戦争を止めようとする人がいれば手を組みたい。 [備考] NPCに鹿目タツヤ、鹿目詢子、鹿目知久がいます。 【ランサー(宮本篤)@彼岸島】 [状態] 無傷 [装備] 刀 [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:聖杯は手に入れたいが、基本はまどかの方針に付き合う。 1. 怪盗X・セイヴァー(DIO)には要警戒。予告場所に向かうかはまどかと話し合う。 2. まどかが寝ている間に情報収集に向かうか、見張りに徹するか。
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「そうだな……まずは、俺たちが知る限りの参加者の情報をまとめよう。見落としがあるかもしれない」 リゾットは、筆談をやめた。 その理由をペッシ、音石の両名が筆記で問いただすも、その必要はないと言うのみ。 自分が始めたことを自分から止めていく、常識なら身勝手極まりない。 しかし、それこそ彼がリーダーである所以。 「ブチャラティチームの中で生存しているのは、放送で知る限りではこの4人」 ブローノ・ブチャラティ ジョルノ・ジョバァーナ グイード・ミスタ パンナコッタ・フーゴ 4つの名がメモ用紙に綴られる。 (もっともフーゴは裏切り行為の報復を恐れてか、チームを抜けている。奴が『その時点』なのかは知らないが) しかし、余計な事だ。 警戒するに越したことはないし、ペッシからすればそれは未来の話。 リゾットは、無駄な混乱は避ける。 「俺たちの元々の仲間はというと、ホルマジオ一人だけ。そして、この世界で知り合ったのは……」 ホル・ホース ミュッチャー・ミューラー サウンドマン 更に3つの名が綴られる。 「サウンドマンから聞いた参加者の中にも、ダービーらしい人物はいなかった。 ……そう言えば音石、お前の知り合いについてまだ聞いていなかったな」 「ダービー……そんな奴は知らねえな。こちとら生粋の日本人だしよ。知り合いの知り合いだろーと聞いたことがねえ」 けんもほろろの応対をする音石。 しかし、名前からして欧米出身だろうダービーを知っているとは言い難い。 多少脅されたあとで嘘をつけるほど、音石は強い心臓の持ち主でもなかろう。 「サウンドマンの情報含め、ダービーに繋がる線はない、か」 「で、やっぱり幻覚か何かだったんだろ? な?」 「だ~か~らぁ、何度も言うように」 「ダービーの能力が知りたかったがためにした確認だ。分からなくとも結論は出せる」 互いの主張をぶつけ合うだけの二人に対し、口喧嘩を繰り広げる子供を説き伏せるようにリゾットが言う。 「ペッシは実際にワープしたと断言していい」 「……そりゃまた、どうしてだよ?」 首をかしげる音石を尻目に、リゾットはペッシに命令を下す。 「ペッシ、手を開いて見せろ。音石にも見えるようにな」 ペッシは命じられたがまま、恐る恐る両手を開き、ゆっくりと手前に突き出す。 指先に付着する、ざらりとした砂。 筆談の間、リゾットは見逃さなかった。 「手には土が付いている。服の足下には海水も。幻覚ならこんなことはあり得ない」 海水は、しゃがんで砂の触感を確認したとき服にしみ込んだのだろう。 濡れた部位からして、涙を拭いたとは考え難い。 それ以前に、地下鉄内に土など存在するはずもなく。 「自らの身で証明してのけるとはな。でかしたぞペッシ」 偶然があった、とはいえ、ペッシ自身が作り出した証拠に変わりあるまい。 普段目立ってメンバーを褒めないリゾットからの賛辞に、ペッシは照れくさそうに頭をかいた。 「そして、お前がワープした孤島は『サン・ジョルジョ・マジョーレ島』だったか?」 「違え。もっとこう、無人島じみた場所だった。ヤシの木生えてたし」 「地図を見る限りでは、そんな場所見当たらねえぜ」 「『願いをかなえる』だの『地図には特に書かれていない孤島へワープ』だので、仮説はハッキリしてきた」 その一言でリゾットに視線が集まる。 「そのダービーは荒木の駒だ」 用いた言葉の割に、リゾットは平静を保っていた。 打ち砕くべき強敵の名が出たというのに。 「ワープが可能な参加者がいる、というのは考えにくい。そいつが自分をワープさせて逃げに徹すれば、この殺し合いが破綻しかねないからな。 転移能力を持っているのは、ゲームマスターである荒木ぐらいしか考えられない。俺の仮説も現実味を増してきたかもしれないな」 地図の表記内で考えても、マップの端から端までの移動が出来るのなら、人力でいくら頑張っても追いつけそうにない。 リゾットは、荒木の能力が『人間ワープ』だという仮説を立てていたこともあり、荒木が関係している可能性をすんなりと受け入れた。 「話が逸れたな。そして、死んだはずのダービーがいる。 これは単体では見えにくいが、荒木、そしてダービーの『願いを叶える』という言葉に注意すれば気づける事実がある。 音石、ペッシが『兄貴を見たかった』と書いた後、お前は何と書いた?」 「さっきの紙見りゃ書いてあるんだが」 刺すような目つきで発言を促すリゾット。 首を掴まれたトラウマを回顧したからか、音石は素直に返答する。 「……一応もう一回言うぞ。『馬鹿馬鹿しいぜ、死人が生き返」 音石の唇が固まる。 「そうだ。荒木は、死人が生き返っているという既成事実が欲しかったんだ。 願いを叶えると言われてホイホイ信じるわけにはいかない、だから蘇らせてみせた。 もっとも、ダービーが本物か偽物か、この際それは別の問題だな」 首輪をつけられていたのも当然。 荒木の力を示す証拠になっても、それ以上になっては困るから。 死人が生き返らない、と言うのはリゾットも同意している。このダービーはただのそっくりさんでも成り立つのだから。 「リゾット。やっぱり願いを叶えるって言葉、疑ってるのか?」 「荒木は優勝者に褒美を与えると明言した。その言葉の真偽はともかく、『やる気』を促すためにこう言ったのは違いない。 それに、ギャンブル勝負は殺し合いというカテゴリーから逸脱し過ぎていやしないか? もっと疑わしいのはそこだ」 ペッシは、ギャンブルにおけるリスクの説明を聞いてなかった。 命懸け、それさえ知っていればリゾットが余計な考えを持たずに済んだものを。 「荒木としては、こちらが勝ったら強力な武器の支給をしたがると俺は思う。殺し合いを加速させるためにも。 筆談の必要なんかなかった。ダービーのいた島は結局、荒木の思惑の一部、掌の中でしかないんだからな。 ここまで来たら断言するが、ダービーは荒木の操り人形だ。真面目に願いをかなえさせるつもりはないだろう」 荒木の想像の範疇で起こっていることなら、知られても何ら問題ない。 首輪の解除に繋がる情報でもないのだから、こそこそやるのは徒労だ。 リゾットはそんな風に、荒木を楽しませるために踊ってやるつもりはない。 「つまり、ギャンブルしてやるつもりはないと?」 「尋問も悪くないと思ったが、それにしたって賭けに勝つ必要がありそうだ。今は勝算がない」 拷問であっても口を割ることはないだろう。 そもそも前提として、持っている情報など、たかが知れているのかもしれない。 故にリゾットは、ダービーの土俵で勝負する必要はないと判断した。 「これでもまだ頼むか、ペッシ」 「充分に分かったぜ、望み薄いってのはよお。けどよ、俺はやっぱり見たいんだ。兄貴の勇姿を、この目に刻みてーんだ。それは変わらねえ」 ああ、しかし、彼の熱冷めることない。 返答を聞くや否や、ふう、と溜息一つ付き、リゾットの口から―― 「ふざけるな」 ――言い放たれた5文字は、とてつもなく、重いものだった。 「俺たちの目的は何だ? まさか忘れたというわけじゃあないだろうな」 ペッシはリゾットの語調に気押され、何も言えずにいた。 「荒木を倒し、自由を手にすることだ。何も俺とお前だけに言えたことじゃあない。 ホル・ホースは仲間を集めようとしている。サウンドマンは戦場を駆けている。音石は索敵をしている。 なのにお前は、やれ兄貴だ、やれ勇姿だと、過去にばかり目を向けている。進むべき未来から目を逸らす」 個人で出来ることなど限られる。 だからこそ複数の参加者に協力を募り、果ては上に立つ者に反逆の牙を突き刺す。 ここに来る以前も、以後も。目標としたこと、その本質は変わらない。 「研究所に来る以前、お前が俺に見せた覚悟は嘘だったのか? そうだと言うのなら、俺からはもう何も言わない。ずっとそうやってないものねだりをしていろ。 このチケットは預からせてもらう。馬鹿な考えを起こされては困るからな」 ダービーズ・チケットを乱暴に奪い取り、それ以降、リゾットはペッシに目も向けなくなる。 ペッシは反論できない悔しさからか地団太踏むが、リゾットはおろか音石さえも反応示さず。 やがて、下を向いてしょげかえり、とぼとぼと地下へ渡る道を行く。 彼は熱さに流される。過ぎた夢を見る。 偉大な男の背を眺め、追ってきただけのツケがのしかかる。 ★ 「活路はいつだって前にあるもの、だそうだ」 音石の、少し言い過ぎではないかとの苦情に、リゾットはそう受け答えた。 「熱意は認めよう。だが、その熱さを向ける先を間違えれば足手まといだ。 それに、ペッシがぶれたのは俺の責任でもあるからな」 ペッシへの気遣いは十二分にしたつもりだ。 それでもなお、ペッシは過去にこだわり続ける。このままでは足手まといも良いところ。 地下道からの奇襲に備えると言う任務を雑に行われれば、全滅もありうる。 今一度、自分の発言の無責任さを自覚してほしかったがゆえ、リゾットは苦言を呈したのだ。 (立場を隠し続ける……難儀だな。むしろ限界が近いのかもしれない) リゾットは以前、音石の眼前で、自分の立場を完全ではないが説明した。 身勝手な行動を慎んでもらうための警告だったが、この件でこちらを警戒され、悪評を流布されると痛手だ。 今回も、言い方が酷過ぎたかもしれないと自省する。 それでも、彼はリーダー。激情に身を任せるだけの男ではない。 『さて音石、首輪についてちゃんと話しておきたいことがある』 会話形式が急に筆談にスイッチしたため、音石は慌てて筆記用具を取り出した。 『電気がどこから流れているのか、確かめていないのか?』 『それどころじゃあなかったからな』 音石からすれば、その発想はなかった、といったところか。 元々優勝狙いなこともあり、自力で首輪を外すという言葉には、いまだ懐疑的だ。 『俺は、お前が殺し合いに参加していること自体がおかしいとずっと思っていた。 例えば、首輪がバッテリーのようなもので動いているとしよう。バッテリーの電気をお前の能力で全部吸い取ってしまえば、どうなる?』 リゾットは知らないが、レッド・ホット・チリ・ペッパーは、杜王町内全域の電気エネルギーを吸収することさえ可能なスタンドだ。 そこまでいかずとも、小型の首輪のエネルギーを吸収しきるくらい、わけないはず。 『停止するかも知んねえけどよ。試せって頼まれても出来ねえよ、わかるだろ?』 『そうだな、荒木の監視がある。逆に言えば、それさえどうにかなってしまえば首輪は簡単に外せてしまう。お前が生きている限り』 話が簡単に済み過ぎている。あまりにもあっけなさすぎる幕引きとなる。 音石がここまで生き残ったのは偶然が作用した結果かもしれない。 しかし、開幕直後エネルギーを吸収し晴れて自由の身となる可能性、荒木が想定していないのは不自然。 ペッシにつらく当ったのは、反省を促すためだけではない。 ただでさえ不安定な彼の前で、『脱出できない可能性』を論じるのは酷だと感じたからでもある。 そんなうまい話があるか、と現実を直視させるだけさせて絶望を与えたところで何にもならない。 『エネルギー源をつきとめたかったのは、そのためだ。そう単純な事でもないだろうが』 とはいえ、完全に否定はしない。 もしかすると、もう一つか二つの要素が重なった時、首輪を外せるようになるのではないか。 そうすると、音石明は欠けてはならない『鍵』の一部。 想定はしても実現し難いイレギュラー、その一端。 「おっと、誰か来るみてーだぜ。女子高生だ」 ただし、特別に贔屓はしない。 集団の形成にはまだまだ時間がいる。その間、客観的に見た信用も育てていかなければならない。 脱出に必要な人員以外は切り捨てると見なされれば、途端、協力者は途絶えるだろう。 だから、例え状況に翻弄されるか弱い女性でも、リゾットは平等に扱うつもりだ。 彼は熱さに流さない。見据えるものが過ぎた夢かどうかは、まだわからない。 ★ (山岸由花子、だったかな……。ただでさえ疑われてんだ、一方的に知ってるってのはまずいよなあ) 音石は、杜王町内のスタンド使いをある程度調べていた。 自分の脅威となるスタンドはそうそういないが、仗助らに存在を知られたがために、承太郎以外も警戒はしていたのだ。 山岸由花子もその一人。 広瀬康一を拉致監禁した時点で、その原因を調べずにはいられなかったというのもある。 (てきとーにゴマかそっと) 知ってはいるものの、教えるつもりはない。襲いもしない。 勝手な行動は自重すべきと、サウンドマンの件で学んだ。 リゾットからの信用ががた落ちするという高い授業料を支払うはめとなったが。 (しっかし、兄貴兄貴うるさい奴だったぜ。まるで億泰じゃあねえか。いや、億泰以上だな、うん) そして部屋を去ったペッシを、心の奥底で嘲る。 成長を、反省をしない奴はいつもああなのだと自分に言い聞かせながら。 彼は熱さに流されない。過ぎた夢も見ない。 その熱さ、仇敵に姿が重なるために。 ★ (趣味で飛ばしてる……わけないか) 夕日を背にして旋回するラジコンヘリ。 不具合があるのか、そのフライトはぎこちなく、円と言うには歪な軌道を描く。 それを見つめる山岸由花子も、歪みを抱えていながら歩みを止めない。 「首輪……そういえば持ってたわね」 妨害電波発信装置を見つめつつ、ふと言葉を零す。 空条承太郎の首輪。 今はデイパックにしまってあるものの、下手に見せようものなら大騒ぎは必至だろう。 どうやって外した? 首を切り落としたとでも言うのか? 見るからに非力な女子高生が? 髪を操るだけのスタンドで? そもそも首を切るという行為に抵抗はなかったのか? そして帰り血は? ざっと懸念事項を上げていったが、由花子はそこで考えるのをやめる。 (まあいいわ。相当なやり手でない限り誤魔化しはきく。まじめに首輪を外させるつもりもないもの) 要はデイパックを探られなければいいだけの話。 こちらは女性、向こうには立場をわきまえて振る舞っていただこうという魂胆だ。 『あの』ホル・ホースの仲間なら、既に首輪の二つ三つ持っていたっておかしくない。 この程度の悩み、取るに足らないわねと由花子は呟いた。 彼女は熱さに流される。過ぎた夢を見る。 死人が蘇えるはずがない――そんな冷めた現実は、夢に、愛に燃える彼女に届かない。 【F-2 ナチス研究所 研究室/1日目 夕方】 【暗殺チーム(現在メンバー募集中)】 【リゾット・ネエロ】 [スタンド]:メタリカ [時間軸]:サルディニア上陸前 [状態]:頭巾の玉の一つに傷、左肩に裂傷、銃創(『メタリカ』による応急処置済み) [装備]:フーゴのフォーク、首輪の設計図(ジョセフが念写したもの)、ダービーズ・チケット [道具]:支給品一式 [思考・状況] 基本行動方針:荒木を殺害し自由を手にする 1.音石の言う女子高生と接触、情報交換。 2.首輪を外すor首輪解除に役立ちそうな人物を味方に引き込む。 カタギ(首輪解除に有益な人材)には素性を伏せてでも接触してみる(バレた後はケースバイケース)。 3.暗殺チームの合流と拡大。人数が多くなったら拠点待機、資材確保、参加者討伐と別れて行動する。 4.荒木に関する情報を集める。他の施設で使えるもの(者・物)がないか、興味。 [備考] ※盗聴の可能性に気が付いています。 ※フーゴの辞書(重量4kg)、ウェッジウッドのティーセット一式が【F-2 ナチス研究所】に放置。 ※リゾットの信頼度(味方にしたい度) ホル・ホース>サンドマン>(メッセンジャー頼むぞの壁)>音石>(監視は頼りにしてる壁)>ミューミュー>(皆殺しにするぞの壁)>ブチャラティチーム、プッチ一味 ※リゾットの情報把握 承太郎、ジョセフ、花京院、ポルナレフ、イギー、F・Fの知るホワイトスネイク、ケンゾー(ここまでは能力も把握) F・F(能力は磁力操作と勘違いしている)、徐倫(名前のみ)、サウンドマン ※サウンドマンに伝えた情報↓ [主催者:荒木飛呂彦について] のメモ、盗聴の可能性、電気伝達の謎、 スピードワゴン、ツェペリ、タルカス、ディオ、ワムウ、ポルナレフ、ラバーソール、エンヤ婆、ンドゥール、康一、億泰、トニオ、由花子、吉良、 ジョルノ、マックイィーン、プッチ、リンゴォのおおまかな人相、名前、能力、危険度。 【音石明】 [時間軸] チリ・ペッパーが海に落ちた直後 [スタンド]:レッド・ホット・チリペッパー(黄色) [状態] 体中に打撲の跡(中)、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』をスピットファイヤーに乗せて飛行中 [装備] なし [道具] 基本支給品×3、不明支給品×1、ノートパソコンの幽霊、首輪の設計図(ジョセフが念写したもの)、 スピットファイヤーのコントローラ、バッテリー充電器 [思考・状況]基本行動方針:優勝狙い 0.相手が誰だろうがリゾットに怪しまれないようにしなくっちゃあな。 1.ナチス研究所周辺を監視中(しばらくは研究所に待機)。チャンスがあれば攻撃を仕掛ける 2.首輪解除なんて出来んのか? 3.サンタナ怖いよサンタナ 4.電線が所々繋がっていないのに電気が流れているこの町は何なんだッ!? あやしすぎて怖えー! [備考] ※バトルロワイアルの会場には電気は通っているようです。 しかし様々な時代の土地が無理やり合体しているために、電線がつながっていなかったりと不思議な状態になっているようです。 スタンドが電線に潜ったら、どうなるかわかりません。(音石は電線から放電された電気を吸収しただけです) ※音石の情報把握 ブチャラティチーム、ホル・ホース、ミューミュー(ここまでは能力も把握) ミセス・ロビンスン(スタンド使いと勘違い)、ホルマジオ(容姿のみ) ※早人とジョセフとディアボロが駅を出た理由を知りません。 ※盗聴の可能性に気がつきました ※サウンドマンとリゾットの情報交換はすべて聞きました。 ※スピットファイヤーを【F-2 ナチス研究所】付近に旋回させています。プロペラの欠損により動作に安定感がありません。 少なくともブチャラティチームやプッチ一味(と判断できた場合)、虹村億泰が近づいてきたら攻撃を仕掛けるつもりです。 【F-2 ナチス研究所地下鉄駅ホーム/1日目 夕方】 【ペッシ】 [時間軸] ブチャラティたちと遭遇前 [状態] 頭、腹にダメージ(小)、喉・右肘に裂傷、強い悲しみ、硬い決意 [装備] リゾットにタメ口の許可認証 [道具] 基本支給品、ランダム支給品0~1、重ちーが爆殺された100円玉 [思考・状況] 基本行動方針:『荒木』をぶっ殺したなら『マンモーニ』を卒業してもいいッ! 1.兄貴ィ……最後の姿を見たかった… 2.誰も殺させない。殺しの罪を被るなら暗殺チームの自分が被る。 3.チームの仲間と合流する [備考] ※ペッシの信頼度 ホル・ホース>ミューミュー>(よくわからないの壁)>音石、サンドマン、ブチャラティチーム ※100円玉が爆弾化しているかは不明。とりあえずは爆発しないようです。 ※音石の経歴や、サウンドマンとリゾットが交換した情報の内容を知りました。 ※盗聴の可能性に気が付いています。 ※リゾット、及びペッシのメモには以下のことが書かれています。 [主催者:荒木飛呂彦について] 荒木のスタンド → 人間ワープ…見せしめの女の空中浮遊、参加者の時間軸の違い(並行世界まで干渉可能) → 精密機動性・射程距離 ともに計り知れない 開催目的 → 不明:『参加者の死』が目的ならば首輪は外れない 『その他』(娯楽?)が目的ならば首輪は外れるかもしれない ※荒木に協力者がいる可能性有り ※暗殺チーム全体の行動方針は以下のとおりです。 基本行動方針:首輪を解除する 1.首輪解除のためナチス研究所を拠点として確保する。 2.首輪を分析・解除できる参加者を暗殺チームに引き込む。 3.1・2のために協力者を集める。 4.荒木飛呂彦について情報収集 5.人数が多くなれば拠点待機組、資材確保組、参加者討伐組と別れて行動する 【F-2 ナチス研究所前/1日目 夕方】 【山岸由花子】 [時間軸] 4部終了後 [状態] 健康、強い覚悟 [装備] 妨害電波発信装置、サイレンサー付き『スタームルガーMkI』(残り7/10) [道具] 基本支給品、不明支給品0~1、承太郎の首輪 [思考・状況]基本行動方針:優勝して広瀬康一を復活させる。 0.ナチス研究所に向かい、ペッシ・リゾットと接触。信頼を勝ち取り利用する。 1.吉良吉影を利用できるだけ利用する。 2. DIOの部下をどうにか使って殺し合いを増進したい。 3.正直知り合いにはなるべくあいたくない。けど会ったら容赦しない。 4.一応ディオの手下を集める [備考] ※荒木の能力を『死者の復活、ただし死亡直前の記憶はない状態で』と推測しました。 そのため、自分を含めた全ての参加者は一度荒木に殺された後の参加だと思い込んでます ※吉良の6時間の行動を把握しました。 ※空条承太郎が動揺していたことに、少し違和感。 ※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。 ※ラバーソールのスタンド能力を『顔と姿、声も変える変身スタンド』と思ってます。依然顔・本名は知っていません。 ※スピードワゴンの名前と顔を知りました。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 164 ペッシ・サウンズ ペッシ 187 Resolution(前編) 164 ペッシ・サウンズ リゾット・ネエロ 187 Resolution(前編) 164 ペッシ・サウンズ 音石明 187 Resolution(前編) 166 Devil In His Heart 山岸由花子 187 Resolution(前編)
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消毒されない装飾屋 301 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/23(月) 10 28 46.83 yRq/Vmct 私はしがない装飾屋 ひたすら、金を掘り、金アクセを売る日々・・・ 「装飾100でも、売れるのは金アクセだけ、装飾屋は地獄もに~」 儲かりそうな装飾製品はすでに別の露店があるもに 泥沼の値下げ合戦に参加する根性は無いもに、根性無しもに そこにTellが来た 『オリハルコンスクエア指輪が欲しいモニ、売ってモニ』 すぐ近所で、オリハルコン装飾露店があるもに、なんで、私にTellしてくるもに? 「オリハルコンは取り扱って無いもに、あちらで売ってるお店があるから、そちらにお願いしてもに」 『高いモニ、水コインとコバルトで破片が作れるモニ、それであの値段なんて信じられないモニ』 Tellの間に、所在確認、同一Mapに居る、シップ確認・・・やっぱり脳筋モニかもに こっそり姿を確認・・・全身課金染色シルフ装備のモニ子が居たもに なんでモニってのは、こーがめついのが多いんだもに モニの人口が多いから、その比率が高いのもにか? 特にモニ子はひどいもに ・・・そーゆー自分もモニ子だけど・・・もに・・・orz だいたい、水コイン買取して、オリ破片作って、安く売れって、意味だなもに? そんな、メンドイ事、したくないもに、根性無しだもに 「じゃあ、破片持ってきて欲しいもに、そうしたら、作業工賃で作るもに☆ミ」 『わかったモニ』 ぶつくさと言う感じで、モニ子は移動して行った そんなメンドイ事はモニコンな装飾屋に頼むもに 302 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/23(月) 10 30 38.19 yRq/Vmct 「よぉ、装飾屋、5こづつ頼みたいんだが、いいか?」 ワラゲなパンダさんが声をかけてきた、ナイスガイな良いお客様もに 「こんにちはもに、金耳輪と金指輪5個づつもにね?」 「おう、なんか、あったんか?ぐったりしてたっぽいが」 観察眼もあるもに 軽く事情を話すもに 「メモに無い事を頼まれても、困るもに」 「あれ?オリハルコン、持ってなかったか?前にウン様鱗と交換してくれたよな?」 「うん、だけど、友達とお馴染みさん以外に売る理由が無いもに」 にっこり笑って、パンダを見上げるもに パンダさんも、にっこり笑っていた、下心の無い笑顔が嬉しくなるもに 「さぁ、作ってくるもに、待ってて欲しいもに♪」 「おぅ、で、その客ってのは、なんて名前だ?」 Tellで答える 『OKOK、ちょっと気をつけておくな』 さくっと、金アクセを作り、取引終了 「p(*^-^*)q がんばっ♪ ワラゲ」 「おう、さっきのヤツ、エイシス行ったな・・・オレもちょっくら、エイシス行って、稼いでくるか」 「いってらっしゃいもに、がんばってもに」 「おう、じゃーなー」 元気いっぱいにパンダさんは出かけて行った 売れない露店で、ぼ~っと通り過ぎる人々を見ていると さっきのモニ子が叫んでいた 【エイシスで死体を引き寄せて欲しいモニー!!お礼は500g払うモニ☆ミ】 名前 コメント
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「破壊されない」効果 「敵軍効果では破壊されない」等の効果を受けているユニット以外のカードが、効果によってユニットとして扱われるようになった場合、そのカードは(敵軍効果による)ダメージも受けません。
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想い出の香り(ベテランシリーズ)~2013/07/10 段階内容 1クレンザイト1個 氷結晶3個(アイテム持ち込み不可) 2キリン1頭討伐 3孤鉄石10個 4パリアプリア狩猟 ブルック4頭 防具(剣士ガンナー両方作るには例によって2周) トリートシリーズ トリートHCヘッド 圧力5斬れ味5回復5受け身5断食5 トリートHCジャケット 回避性能5武器捌き4達人4風圧5匠3 トリートHCアーム 回避性能5武器捌き4達人4スタミナ5研ぎ師5 トリートHCウエスト 回避性能5武器捌き4達人4スタミナ5高速設置5 トリートHCグリーヴ 回避性能5武器捌き4達人4風圧5食事5 トリートHCピアス 圧力5散弾強化5回復5麻痺5断食5 トリートHCスーツ 回避性能5武器捌き4精密射撃4聴覚保護5貫通弾強化5 トリートHCガード 回避性能5武器捌き4精密射撃4スタミナ5千里眼5 トリートHCベルト 回避性能5武器捌き4精密射撃4スタミナ5装填数5 トリートHCブーツ 回避性能5武器捌き4精密射撃4聴覚保護5反動5 素材 トリート 萌黄色の茶葉x1 氷狐竜の鱗x3,火竜の鱗x3,鋼龍石x2,飛竜種の鱗x3 ネオジムメモx1,火竜の骨髄x3,飛竜種の爪x3,飛竜種の肝x3 萌黄色の茶葉x1,雌火竜の鱗x3,飛竜種の角x3,飛竜種の頭x3 ネオジムメモx1,桜火竜の甲殻x3,鋼龍石x2,飛竜種の翼x3 メルクリメモx1,蛮竜の鱗x3,飛竜種の角x3,飛竜種の肝x3 萌黄色の茶葉x1,氷狐竜の鱗x3,飛竜種の頭x3,飛竜種の翼x3 トリートF 武具職人の極意x1 ネオジムメモx2,氷狐竜の鋭爪x5,黒星鉄x2,飛竜種の上鱗x5 萌黄色の茶葉x1,黒鎧竜の堅殻x5,飛竜種の尖爪x5,飛竜種の上肝x5 メルクリメモx2,蛮竜の尖爪x5,飛竜種の尖角x5,飛竜種の堅頭x5 萌黄色の茶葉x1,呑竜の皮x5,黒星鉄x2,飛竜種の上翼x5 ネオジムメモx2,舞雷竜の堅殻x5,飛竜種の尖角x5,飛竜種の上肝x5 萌黄色の茶葉x1,メルクリメモx2,飛竜種の堅頭x5,飛竜種の上翼x5 トリートFY 萌黄色の茶葉x3,フェルミメモx1,甲虫種の特濃液x2,黒星鉄x2 獣竜種の鱗x2,牙獣種の重牙x2,飛竜種の厚鱗x2 草食種の重牙x2,牙獣種の剛爪x2,飛竜種の剛角x2 獣竜種の上鱗x2,甲殻種の剛鋏x2,飛竜種の剛爪x2 甲虫種の特濃液x2,黒星鉄x2,飛竜種の真肝x2 牙獣種の重牙x2,飛竜種の厚鱗x2,飛竜種の重頭x2 牙獣種の剛爪x2,飛竜種の剛角x2,獣竜種の厚鱗x2 トリートHC茜色の茶葉x2,秘伝の導きx1,秘伝の証【序】x9 秘伝の証【序】x9 秘伝の証【序】x9 秘伝の証【破】x9 秘伝の証【破】x9 秘伝の証【急】x9 秘伝の導きx2,秘伝の証【急】x9
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概要 【初級】素材あつめ 【中級】素材あつめ 【上級】素材あつめ 情報提供お待ちしています! 概要 日曜日限定ダンジョン。 このクエストでは妖精が手に入りません。 【初級】素材あつめ 【初級】素材あつめ ドロップ ボス 【☆1】あかい小ぷよ 【☆2】あかい大ぷよ 【☆1】あおい小ぷよ 【☆2】あおい大ぷよ 【☆1】みどり小ぷよ 【☆2】みどり大ぷよ 【☆1】きいろ小ぷよ 【☆3】きいろ岩ぷよ 【☆1】むらさき小ぷよ 【☆3】むらさき岩ぷよ やる気 10 ぷよ勝負 10 経験値 コイン単価 なし ステージコイン 備考 序盤からでも攻略可能な難易度です。 【中級】素材あつめ 【中級】素材あつめ ドロップ ボス 【☆2】あかい大ぷよ 【☆4】あかい星ぷよ 【☆2】あおい大ぷよ 【☆4】あおい星ぷよ 【☆2】みどり大ぷよ 【☆3】みどり岩ぷよ 【☆2】きいろ大ぷよ 【☆3】きいろ岩ぷよ 【☆2】むらさき大ぷよ 【☆3】むらさき岩ぷよ やる気 15 ぷよ勝負 10 経験値 コイン単価 なし ステージコイン 備考 主に★3クラス以上のキャラカードを複数有している状態であればなんとか攻略が可能な難易度。 ステージ5とステージ10に強力な素材ぷよが出現する為要注意。 【上級】素材あつめ 【上級】素材あつめ ドロップ ボス あかい月ぷよみどり月ぷよあおい月ぷよ 【☆3】あかい岩ぷよ 【☆5】あかい月ぷよ 【☆3】あおい岩ぷよ 【☆5】あおい月ぷよ 【☆4】みどり星ぷよ 【☆5】みどり月ぷよ 【☆4】きいろ星ぷよ 【☆5】きいろ月ぷよ 【☆4】むらさき星ぷよ 【☆5】むらさき月ぷよ やる気 20 ぷよ勝負 10 経験値 280 コイン単価 なし ステージコイン 500 備考 かなり難しいです。ステージ1から岩ぷよや星ぷよなどが複数出てくる事があります。 かなり強くなるまでは、中級を2周した方が効率は良いです。 ステージ5にきいろ月ぷよorむらさき月ぷよ(どちらか1枚)+星ぷよ2枚、 ステージ10にはあか、あお、みどりの月ぷよが出てくるので それぞれ到着前に準備を怠らないようにしましょう。 月ぷよのHPは約4000なので、攻撃スキル系の重ね撃ちで 何もさせずに落とせるようになると攻略が一気に捗ります。 情報提供お待ちしています! 中級2枚しかドロップしなかった;; -- 名無しさん (2013-05-12 03 25 48) 素材、コイン集めは運用が変わる様子… -- 名無しさん (2013-05-12 08 29 09) 月曜日から素材集めがどうなるか -- 名無しさん (2013-05-12 09 35 57) 中級でも結構強い -- 名無しさん (2013-05-12 10 34 42) 名前から察するに、素材は各曜日別に分割することになったっぽいね -- 名無しさん (2013-05-13 00 08 36) 月曜ムラサキですね -- 名無しさん (2013-05-13 00 39 11) 分割ではないだろ、日曜日残るから追加だろ -- 名無しさん (2013-05-14 04 34 54) 日曜残るのか、はかどるな -- 名無しさん (2013-05-14 10 45 02) 「週末限定コイン集め」なので日曜素材はなくなりそう -- 名無しさん (2013-05-18 00 08 57) 日曜、なくなりましたね・・・ -- 名無しさん (2013-05-19 00 15 40) まぁ日曜日は上級でさえ星ぷよが3色のみ、青と赤の岩は上級にならないと入手できないとか、色々不便な所ありましたし… -- 名無しさん (2013-05-19 00 25 39) 日曜日に一気にレベラゲするつもりだったのにあんまりだぁ -- 名無しさん (2013-05-19 04 15 46) 海の日に出すなよ、日曜に戻せ -- 名無しさん (2013-07-15 22 45 06) こんなクエあったのか。上級うますぎじゃないか -- 名無しさん (2013-10-06 11 12 26) 言うほどうまくなかったけどな。月ぷよの泥率悪かったし -- 名無しさん (2013-10-06 13 09 17) でも岩ぷよ~月ぷよってよくね? -- 名無しさん (2013-11-22 14 43 22) 名前 コメント
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1巻p.72コビーの台詞よりワンピースとは「富と名声と力の”ひとつなぎの大秘宝”」であり、海賊王になるという事はワンピースを目指すという事だと説明される。
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よせあつめブルース ◆hNG3vL8qjA 『C-5-南部-ヒューマノイド・ホーセス』 あらゆる物を疑ってかかること、それが重要だ。 情報なんてしょせんは情報。自分の目を見開いて、耳をかっぽじって聞き、そして自分の脳を使って考えること。 すべてを疑いつくした後に、やっと何かを信じられるんだ。そう、信じるために疑うんだ。 俺はそーゆーのが好きなんだよ……しかし、しかしだ。 これは一体何の冗談だ? これって前にもあったよな? 急に周りの世界がパーっと変わっちまって、気がついたら見たことも無い光景が広がってる。 いわゆる神隠しってヤツを俺はすでに一回やってるんだ。 昨日は、確かリードマンに付き合わされて、川沿いを歩いたんだよな。 で、ラーメン屋に行って温泉入って襲われてチャーシュー食って、ようやく事の重大さに気がついたんだったな。 じゃあそれからの俺は、どうだった? 消防車でぶらりと散策して、焼肉食って……いやいや、もっと大事なことがあっただろ。 仲間の死を乗り越えながらも、昔の因縁にケリをつけたじゃねえか。 そいで腕利きの奴らと取引して、この異世界から脱出する算段を立てているはずだったんだ。 「――GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOONNNNNNNNNNNNNNNNNNNN!!!」 だったよな? あそこで大暴れしてるドラゴンと八岐大蛇は、一種のアトラクションだよな? ようやくこの状況に順応し始めたってのに、今度はあれを相手にしろってのか。 あんなの最初はいなかったよな。あんな馬鹿でかい物を見逃すはずがない。 なぁ誰か教えてくれ。こいつはまさか――また別の世界に飛ばされたってことなのか? 違うよな? 俺の脳みそはまだヨーグルトになっちゃいないよな? 周りの景色が全く変わっちゃいない。これはまやかしだ。落ち着け。 さぁ目を閉じろ。瞑想するんだ。今、リーの概念で動かなくてどうする。 丹田に気を集め腹式呼吸によって雑念を吐き出せ。 俺はスパイク・スピーゲル、心の師はブルース・リー、嫌いなものはガキと動物と跳ねっ返りの女。 考えるな、感じろ。あらゆる物を柔軟に取り入れる『水』になるんだ。 よし、さぁ目を開けるんだスパイク。大丈夫。今度こそお前の目には、真実が映っているはずだ。 「――ふぅ、危なかった。ありがとう兵隊さん。ここまで来れば大丈夫……あれ? 」 ……大丈夫じゃ、ねぇ。 不思議な不思議な妖精さんがもう2匹増えちまった。 こりゃなんだ。目を一回閉じるごとに2匹プラスされるってのか。笑えない手品だぜ。とんだパレードだ。 どっからどうやって現れたんだ? それに首輪をつけたこの女(同属か? )はともかく、後ろのオモチャはなんだ。 モノシステムを使った最新機器にも、時代遅れの骨董品にも見えねぇ。 こいつはいわゆる『異世界モノ』ってやつなのか? 「初めまして、シータといいます。こっちは私の兵隊さん。空も飛べるんですよ」 ……最近のガキは大層なオモチャを持ってんだな。つまりそいつに乗ってここまで来たと。 へぇ、中々どうして不公平じゃねぇか。 か弱い少女にはお抱え運転手つきで、貧乏賞金稼ぎにはシケモクの恵みすらくれないのかい。 っつーことはあのファンタスティックな怪物たちは、俺と同じ立場か、それとも誰かの用心棒か。 あの名簿の82名は、全員が人とは限らないってことか? まぁ……猫もいたしな。 そういやヴァッシュ・ザ・スタンピードが言ってた藤乃静留の蛇ってのはまさかあれの事か? 話に聞いていたよりずっとデカイんだが……まさか、な。 ■ ■ ■ 『B-5-南部-タイフーン・ファンク』 薄々はわかってたさ。 それほど長い付き合いではないけれど、僕は僕なりにアイツのことを知っている。 馴れ馴れしいほど親しみを押し付けてくるくせに、一瞬でドライになる。 だけどアイツがドライに入る時。それはアイツが自分に目を背ける時。 本音を押し殺して、勝手に限界を作って、現実主義を気取ってこっちに見せつけてくる。 こっちが悲しくなるくらい、アイツは虚ろなフリをするんだ。 「友達? あんたコイツの仲間ってこと? ……へぇ~なんか意外」 「コラぁトンガリぃ! なんやその『助けに来たよ』的な顔は! 救いのヒーローにでもなったつもりかい、こんアホンダラァ! 」 HAHAHA怒ってる怒ってる。でもそれでいいんだぜウルフウッド。それが本来のお前だ。 ガサツに振舞って罵声を浴びせて激昂するほうがよく似合ってる。やっぱり熱い男なんだよ。 嬉しいな。 またこうして馬鹿騒ぎができることが、僕には夢のようだ。 これまで100年間、やれるだけのことをやってきた。 それでも救えなかった時の悔しさを、僕は全部覚えている。お前が死んでしまった時の僕は、本当に項垂れていたよ。 神様。ああ神様。お願いです。 僕の知ってるアイツが一度死んでいることを、今だけ忘れさせてください。 僕はニコラス・D・ウルフウッドと――共闘(たたか)いたいんだ!! 「おいトンガリ。コイツの相手な、お前に任せるわ」 ……あれ? 「コイツん名は柊かがみ。ただのイモくっさいガキにしか見えへんけどな、騙されんな。 どんだけ銃弾食らわせても刀でぶった切ってやっても死なん"不死身人間"やで。 それもグレイ……GUN-HOーGUNSのナインライブズみたく種も仕掛けもあらへん。 何をやっても体が再生してまうんや。正直、ロストジュライの力を使ても始末できるかどうかもわからん。 雷泥……あの侍と遣り合った時にかました大砲ならヤれるかもしれんが、お前はあれ使いとぉないんやろ? 結論。俺にはとても始末に負えんからパスさせてもらうわ」 え、え、え。 「信じられへん、と言いたそうな顔しとるな。せやけどホンマや。 おそらくコイツを殺す手立ては2つ。 1つはこいつの体の再生が始まる前に完膚無きまま消滅させること。頭部も心臓もまとめて全部な。 もう1つは禁止エリアや。螺旋王が言うっとったの覚えとるか? 禁止エリアに入ると俺らは粛清を受ける。 つまりこの"実験〟のルールに当てはめてヤれっちゅうことやな……が、今の状況では厳しい」 いや、そうじゃなくて。 「禁止エリアはこっから大分離れとる。おまけに今のこいつには銃弾はまるっきし効かん。さっき見とったやろ? こっちは一応種も仕掛けもあるんやろけど、原理がわからん。とにかくタマを文字通り弾いてしまうねん」 「で、どうするの? あんたそれでもこいつに加勢する? 1対2でやっても手間は変わらないと思うけど」 「茶々入れんなやアホ。誰が好んで"解説君〟するか。こっちはもうボロボロやぞ。 え~バッター、ニコラス・D・ウルフウッドに代わりましてぇ~人間台風~ヴァッシュ・ザ・スタンピードぉ~~」 あ、右手を挙げてこっちに近づいてくる。タッチしろっていう選手交代のサインかな。 いや頼ってくれるのは嬉しいけどさ。でもちょっとそれはないんじゃない? あのさ、僕さ、すごく期待してたんだよね。ニコラス・D・ウルフウッドくぅーん。 君と僕の絶妙なコンビネーションでさぁーあの女の子をさぁー説得するっていう作戦がさぁー。 ぜーーーーーーーーーーーんぶパーじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。 「……トンガリ? 」 やっぱりだめだ。 ああ神様。どうやらコイツには説教が必要みたいです。 ■ ■ ■ 『B-5-南部→北部-Black Egg And I』 ……ハァ、ハァ……きっつー。 ちょっと走ったくらいでこんなに息があがるなんて。 薄々は気づいてたけど不死者になっても疲れるのね。ちょっと意外。 だってそうでしょ。世の不死身キャラはたいてい完璧超人ばっか。 そりゃ油断して死ぬオチが多いけどさ、基本はHurry!hurry!叫んで暴れまくる無敵キャラなわけで。 『不死身なはずのあいつがまさかの死亡確認!』ってのが言わば最高の見せ場。 その名場面はさ、そいつがチートキャラであればあるほど良いに決まってる。 ――不死身キャラクターが息切れするっていう設定はあまり聞かない。 でもそんな事を話したら、アイツらはこぞって言い返してくるんだろう。 『わかってないなぁかがみん、だがそれがいいんじゃないか』とか『でもあたしは息切れもアリだと思う~』とか。 ……友達、か。 あのツンツン頭と関西弁が何をどうやったら知り合いになれるんだろう。 衝撃のアルベルトとパートナーを組んでいた私が、人のことを言える筋合いはないけどね。 でも『説教だ! 』とかわめきながら、ツンツン頭が関西弁男の手を引っ張って逃げ出したときは驚いた。 ツンツンどころかデレデレじゃん。その手の話にもってくつもりはないけどさー……ぶっちゃけキモい。 ああ問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。あんたら国籍すら違うんじゃないのかと。 そんなに仲良くなれるシチュエーションでもあったのかと。杯でも交わしてんのかと。 「止まれ! 不死身の柊かがみ!! 」 ……どこかで聞いたことのある声かと思って振り向いたけど、気のせいだった。 見るからに暑苦しそうな男だ。なんかわけのわからないこと叫んでるわね。 多分、後ろでこそこそしてる――結城奈緒に色々吹き込まれたんだろうけど。 ま、いっか。 あんた達を相手にしてる暇はない。私はあのツンツン頭と関西弁男を逃すわけにはいかないんだから。 さっき2人が卸売り市場の中に入っていったのはわかってる。それほど遠い距離じゃない。 「お前はあの謎のガンダムについて何か知っていることはないか! もしそうなら話だけでも聞いてくれ! 」 ? ガンダムって何のこ……“思ってた以上に”随分と大きいわね。あれ。 あんな物を用意して、螺旋王は私たちに何をさせようと考えているのかしら。 不死の酒といい次から次へと何でも出てくるわよね……誰かあれに乗ってるのかしら? 「や、やめなよ。こんな奴に構ってる時間はあたしたちには無いんだし、関わらない方がアンタのためだよ」 残念ね。せっかく話してあげようかなって少し思ったのに。 あの黒い大きな球が何のために存在する物なのか、教えてあげても良かったんだけどね。 あの黒い球体は、おそらく“大怪球フォーグラー”。 アルベルトが私に話してくれた地球静止作戦。幻夜というエージェントが考えた、大規模なテロ行為。 その作戦の中核を成すのが、あのフォーグラなのだー……私も直接見たわけではないので確証はないけど。 でももしあれが本物なら、いずれ回収したいわね。BF団としては大事なものだろうし。 「お前はこの状況に何とも思っていないのか!! 今は己の私利私欲のためだけに動くべきではない。 貴様も螺旋王討伐が目的ならば、俺たちは私怨を捨てて互いに協力すべきだ!」 ま、いっか。地球静止作戦はアルベルトもあんまり乗り気じゃなかったみたいだし。 最終的に螺旋王を食べてしまえば、あの大怪球の制御システムの知識も得られそうだ。 今は後回しにしよう。それより今は―― 「お前のことは奈緒から全て聞いている! だからこそあえて問いているのだぞ!? 仲間の死を越えてなお、お前が優先するものはなんだ!奴――衝撃のアルベルトの仇討ちか! 」 ――――半分、当たり。 ■ ■ ■ 『C-5→B-5-上空-ラピュタ・ジャズ』 良いことの後には必ず悪いことがきます。世の中ってバランスが取れてますよね。 最初は兵隊さんに乗って、卸売り市場へひとっ飛びするつもりだったんです。 兵隊さんの飛行スピードなら、禁止エリアだって突っ切ることも可能ですから。 でも、まさかあんな近くで巨大な怪獣さんたちが暴れているなんて…… もう少しで兵隊さんが破壊されてしまうところでした。すっごく危なかったです。 このままだと禁止エリアに停滞せざるをえなかったので、海沿いを遠回りをして進みました。 「言峰綺礼……お前の言う神父には、まだ会っちゃいねえな」 でも今度は着陸の瞬間をスパイクさんに見られてしまって……これじゃ奇襲どころではありません。 ストラーダのように一瞬で近づくことが出来ない『兵隊さんならではの作戦』を立てないといけませんね。 そしてこれからは誰かと遭遇してしまった時のために、もう少しよく考えるべき、と考えました。 例えばスパイクさん。 まだ色々とお話していないのですけれど、私の目標を話したとして、あの方は協力してくれるでしょうか? ルルーシュさんたちのように価値観の不一致で済ませれる程度の問題なのですが、あの人はとっても強い人です。 充分に利用価値があります。私のために動いてくれるのなら実に頼もしい。 みすみす手放すのも勿体無い話です。 海に突き落としてあげたはずのニアが生きている以上、私と仲が悪い人をこれ以上増やすのは大変です。 だって彼女が誰かと徒党を組んで、よってたかって私をいじめてきたら。 それこそ『数の暴力』で攻められたとしたら、余計な気苦労も増えてしまいます。 一応、言峰神父からもう一度令呪をいただいて全員殺せば済む話なんですけれど。みなさん意外と強いんですよね。 「だがアジア系で妙な訛りの牧師なら知ってるぜ。おそらくエドを殺したのはそいつ、ニコラス・D・ウルフウッドだ」 だから、私以外の人にも協力してもらって、憎むべき相手を殺してもらおうと思うんです! 何という偶然。何という幸運。やっぱり神様はいるんだわ。 ロボットの兵隊さんに、カウボーイのおじさま! どうして神様はこんなにも私に優しくしてくれるのでしょう。 そうです。これは天罰なんです。 神様の名の下に使えるはずの牧師が人を殺してしまったら、報いを受けるのは当たり前です。 ――え? 怪獣の側に人がいないか聞かれなかったっかって? さぁ、どうでしょうか。見ていたとしても、スパイクさんには話しませんよ。 彼には一刻も早く、私のために動いてもらいたかったから。 「シータ、このまま卸売り市場に乗りこんじまおう。ウルフウッドは北へ向かった。ここで休んでるかもしれない」 くすくす。ようやくエドの敵を討てるかもしれません。 ごめんねエド。待っててね。今、兵隊さんに乗った私たちがそっちに向かって飛んでるから。 着いたら必ずお参りしてあげるね。ウルフウッド牧師がいたら、一緒に謝らせて、エドの目の前で復讐するからね。 くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす。 ウルフウッド牧師、出ておいで~♪ 出ないと目玉をほじくるぞ~……♪ ■ ■ ■ 『“B-5-卸売り市場”-①-Waltz for Wolfwood』 「ウルフウッド、君ちょっとここに正座! さぁ言いなさい、何があったんだ」 なんやかんやでまたここかい。3歩進んで4歩下がるって感じやな。 あーキモいキモい。今更ここで何を聞くっちゅうねん。 愛と平和についてか? 主義の違いについてか? 俺が生きとる理由か? 知るかボケ。 いきなりここに呼ばれて人殺しただけや。どうせ聞いてもいつもと全く変わらんぞ。 大体な、こんなやりとり今まで何べんお前と繰り返したかちゃんと覚えとるんか? ワイが誰かを屠ってお前がケチつけて水掛け論して喧嘩して飲んで笑って……もうオチまで見えてもうたぞ。 「少なくともあの女の子の恨みを買うような事は、したんだな? 」 はい正解よくできました。わかっとるやないけトンガリ。 俺の目をじっと見てみ。お前と俺の付き合いや。察せれるよな? ……やっぱこの世界でも変わらんのやなぁ。相変わらず人の心に土足で上がりこんでずけずけ抜かしよるか。 ま、伊達に長く生きとらんわな。あがいてあがいてあがき続けることが、お前の戦いやもんなぁ。 何があっても綺麗ごとしか言わん。綺麗ごとで生き抜こうとしとる。 お前が何年生きとるか知らんけど、信念をずっと貫いとるスタンスには呆れの言葉しか出てきぃへん。 うらやましいでホンマに。 師匠を殺さずに倒したあの時、忘れたくても忘れれんわ。 確かに、俺は満足しとった。 人は人を殺さずに争いを終わらせることができるんだ。こんな俺でもやればできるやないけ! ってな。 でも、後悔もしとった。 勇気を振り絞った代償が命やなんてあんまりやないか。あいつらが帰りを待っとる。俺はまだ死にとない! ってな。 俺の人生はあの時、終わってもうたんや。 簡単には死ねんお前には、この気持ちは一生わからんやろな。 それでもお前は言い返すんやろ。『でも君は生き返った! またやり直せばいいじゃないか! 』とか。 「――その通りよツンツン頭。そいつは私の友達を撃ち殺したの。私“も”めちゃくちゃフルボッコにされたわ」 アホ。だったら俺はなんやねん。ポーカーの手札かい。 『ブタだから捨ててやり直しだ。なに、次はきっといい手札がくるさ! 』か? ええ加減にせぇよ! ゲームと一緒にすなホンマに! 俺のあの1回目の人生は、2回目を差し出されるくらい安っぽい人生だったんか! 毎日毎日葛藤し続けて生きてきた俺の生き様は、やり直しのチャンスを与えられてしまうくらい格下かい! 主よ! 神は人の前では皆平等やろが! こんなサービスを期待して俺は不殺を貫いたんやないぞ! 確かに俺は死にとぉなかった! 体中の力が抜けていくあの時、悔しくて悔しくてしょうがなかった! もし今度生き返ったら、トンガリやあの保険屋の娘たちとのどかな暮らしを……とも思っとった! けどそれは全部不可能な話やと思っとったからや! 最後の最後にちょっとばかし覚めない夢、見とっただけやぞ! 「――そして俺と彼女の仲間、エドをこの場所で惨殺したそうだ。おそらく他にもやってるんじゃないか? 」 「スパイクさん! 」 「事情が変わった。今の俺は賞金稼ぎじゃないぜ。ウルフウッド・被害者友の会のメンバーだ」 「ウルフウッド! 逃げ……おい! 」 人は必ず最後に死ぬ。 その終わりを知ってるからこそ、人は頑張れる。 1回こっきりの人生とわかっとったから、俺はあん時全てを覚悟して腹をくくれたんや。 ありえへん妄想を描いて現実を認めたくない自分が、俺の中にはおった。 だから、志半ばで死んだ事を受けられる自分も、俺の中にはおった。 自分の本音を何にするのかは本人の問題。ウルフウッドの気持ちはウルフウッドが決めなあかん。 突き立てた牙も突き立てれへんかった牙も自分のうちや。 「何ボーっとしてるんだウルフウッド! しっかりしろこの野郎ぉ! 」 だから、俺はここで見境なく暴れまくった。 やり場のない怒りに、身を任せた。その結果がこれや。 冷めた目をして見下す男と女と何かよくわからんデカ物が合計4人、仇討ち目的で俺らを取り囲んどる。 主よ。 どや? 2回目もつまらん人生送ってるで? スマンがもう1回手札切りなおしてくれるか。 ……なんてな。言ってみただけや。 今さらそんなサービスくれるんやったら、休むことなく俺に『死ね死ね』言わんわな。 ホンマさっきから何回言うねん。もうええ加減慣れたぞ。 ■ ■ ■ 『“B-5-卸売り市場”-②- LIVE in Blackmarket』 両手を思いっきり広げて、地面にくっつける。おでこは擦り付けるように下げるのがコツだ。 猫背にしてお尻を高くあげればもう最高。体を震わせるとなおいいぞ! 強烈な視線を感じるけど気づかないフリ気づかないフリ。とにかく全力で頭を下げるんだ。 スパイクさんは悪い人じゃない。ああは言ってるけど、良識のある人だ。 「……土下座して何になる、ヴァッシュ・ザ・スタンピード」 「そやでトンガリ。らしくない真似はやめろや」 ひいいトーンが低いよスパイクさん。やっぱり怒ってる。顔は見えないけど怒ってる。 ウルフウッドめ、お前のためを思ってやってるんじゃないか! まさかよりによってスパイクさんの仲間を殺しちゃってたなんて。なんて運が悪いんだよお前は! いや、殺したことを正当化しているわけじゃないぞ。僕だって本当はお前を叱りたくてしょうがないんだ。 でもさ、ここで僕が相手をしないとあの人たちマジでお前を殺しにかかるのかもしれないんだぞ!? この世がラブ・アンド・ピースなら、みんな手を取り合うべきだ。誰も死ぬべきじゃない。 それ以前に争いなんてするべきじゃないんだよ! 「俺はお前たちに全部情報を話しちまった。だからこれ以上他の仲間を危険に晒すわけにはいかないんだ」 「スパイクさん、こちらの眼鏡の方も黒ずくめの方の仲間なんですか? 」 「……こっちはヴァッシュ・ザ・スタンピード。ただの人間じゃない。元賞金600億の男だ」 やめてやめてスパイクさんやめて。そこの女の子、怖がってるじゃナイデスカ。 そりゃ懸賞金は事実だけど、僕はいたってどこにでもいる普通の男なんです。 「で、よってたかって俺らを殺すっちゅうんか? 両手に花こさえてのぉ。いい気なもんや」 「まずはお前が先だウルフウッド。殺したことに対して自責の念は、無いんだよな」 「フン。おどれは害虫始末するときに一々あやまっとんのかい」 「そうさ、俺は優しい男なんだ。だからごめんな害虫くん」 やめてやめてスパイクさんやめて。らしくないよあなたのキャラじゃないよ。ウルフウッドキレかかってるよ。 あなたはもうちょっとクールで渋い方がイイデス。っていうかお願いします。 どうしよう。何とかしなきゃ。何とか時間をかけてゆっくりと皆と和解を……そうだ! 「スパイクさん、僕と勝負していただけませんかっ!? 」 「勝負して何になる。お前の賞金になんざ、興味はないぜ」 「お金じゃありません。賭ける物は、ここにいるお馬鹿なウルフウッドの命です!! 知っての通り、僕は誰にも死んでほしくありません! ウルフウッドを含め、ここにいる全員にです! どんな事情があれ、この場に僕がいる限り、僕はあなた達を止めます! この程度の修羅場なら慣れていますから!」 「……お前を殺せば、誰も俺たちを止めるやつがいなくなるから、か。割に合わないんじゃないのか? 」 ……スパイクさんから殺気が消えた? 困惑しているのかな? でもいいや。迷ってくれているのなら、狙い通り! 少しでも彼らが悩んで時間を稼いでくれるのなら、どんな下手な言い訳だってついてやるさ! さて、今のうちに何か上手い妥協案を探し―― 「良いわよ、賛成。あんたを殺せば私は気兼ねなくウルフウッドとさっきの続きができる」 「このロボットの兵隊さん、私が命令すれば容赦なくあなたに襲い掛かるんですけど……」 「……と、いうわけだヴァッシュ。慣れてんだろ、せいぜい頑張れよ」 あ、あれ? やるの? マジで? 「良かったなぁトンガリ~ほんなら俺は遠くで見守っとるでぇ~」 「待てよウルフウッド。賞品を逃がすわけないだろ。こっちで大人しくしてろ。 妙な素振りを見せたらヴァッシュの頭が吹き飛ぶことになるぜ」 「別にええでぇ~せやけどあんまりトンガリにかまけとるとなぁ~害虫がこの娘を食ってまうぞぉ~」 え、え、ちょっと。 ウルフウッド、お前いつの間にシータちゃんの喉元に剣突き立てちゃってんの! わわわスパイクさん、落ち着いて落ち着いて! 「ウルフウッド、その剣を降ろしてもらおうか」 「どうせ死ぬんなら、ここらでもう1人くらい殺っとかんと死ぬに死ねんなぁ。 ハッ! しれっとしとるけどよう言うわ……もう一丁持っとるくせに。さっさと俺とトンガリの両方に銃向けんかい」 どうなっちゃってるの? えと、ウルフウッドはシータちゃんを人質に取ってるから動けない。 で、シータちゃんは剣を喉元に押し付けられて喋れないから、ロボットは動かない。 スパイクさんはウルフウッドと僕に2重の威嚇をしてるわけだから、勿論動けるはずがない。ってことは―― 「一番手は私ね。3対1ってのもこっちが悪者みたいだから、ちょっと安心」 ……不死身の柊かがみ、か。 ウルフウッドが言っていたタチの悪い相手だ。 どこまで不死身なのか、その定義はなんなのかはわからない。銃弾も効かないんだっけ。 よっぽどのことが無いと戦闘不能にはならないだろうなぁ。 「で、あんたの勝ちはどうするの?」 「君を100回ダウンさせたら、でどうかな?」 「ダメ、200回」 本当のところはすっごく好都合なんだけどね! ■ ■ ■ 『“B-5-卸売り市場”-③-N.L.(Norman's Land) Rush-』 というわけで、ゲームの始まりだ。 ここからは俺、スパイク・スピーゲルがなるべく俺なりの解説を加えて、状況を説明させてもらおう。 いずれあいつ等と対峙する事を考えると、思わぬ収穫があるかもしれないからな。 左、ヴァッシュ・ザ・スタンピード。 身長はおよそ180cm、体重は40……いや、軽すぎるな。筋肉のつき方が尋常じゃない。 上半身も下半身も締まりに締まって、余分なところが全てそぎ落とされている。 相当の鍛錬と修行を積んできた証拠だ。 小刻みに踏むステップ、リラックスしたような構えを見る限り、我流のようだが隙が見当たらない。 相当の場数と経験を積んでいる証拠だ。 これほど完成された腕利きを、俺は見たことがない。 それなのにどうしたものか、奴の体からはステロイド系の人工的な香りが全くしない。 右、不死身の柊かがみ(自称)。 身長は約160cm、体重は……野暮だな。 見たところ服装以外は特に目立った特徴は見られず、その辺にいる少女と変わらない。 構えは悪くないが、素人臭さが抜けていないな。戦闘に入れば、否応なしに我流で戦わざるをえないだろう。 問題は、“不死身”という事実か。 俺は不死身じゃないから、アイツの手の内が全くわからないが、フカシでは無さそうだ。 両目を見ればわかる。『何としてでも勝つ』という意思がはっきり読み取れる。 あの雰囲気はそこらのガキが粋がって得られるものじゃない。 ま、左が年月を重ねて醸造されたウィスキーだとすると、右は差し詰め何種類もの安酒を混ぜ合わせたカクテルだな。 ――お手並み拝見といこうか。 「私はね! この場所に! 呼ばれてから! 不死身になったの! それまでは! ただの! 女の子だった! 最初にここで出会った人、誰かわかる!? このスカーフの持ち主なんだけど! 双子の妹よ。殺されてた! あたし、その時『不死の酒』を見つけたのよ。無我夢中で飲んだわ」 「……妹さんのお墓は立ててあげたのかい」 「後で! 戻ったら! グチャグチャに! されてたわ! 首だけ持ってったけど! それも! 失くしちゃった! 」 「短い間に、ズイブンと穏やかじゃない人生を送ってきたんだね」 「どう!? 少しは! 同情してくれるかしら! でもね、そんな私にも! できたのよ! 友達が! きっちりしててね! 不死身になった! あたしの事を! 受け止めて! くれる子だった! 」 「その子を殺したのが、ウルフウッドか」 「ハァ、ハァ……ええ。ゴキブリを始末するように、私たちに一発ずつ。でも私は死ねなかった。 だからウルフウッドは私に乱暴してきたの。何度も何度も叩き潰された。 不死身とはいえ女の子なのよ? ……女の子にとって顔と体がどんなに大切か、わかるでしょ! 」 ……こりゃ予想以上の泥試合になりそうだ。 人間台風はひたすら不死身の攻撃をかわしてすたこら逃げるだけ。 駄目だな。埒があかない。北風と太陽の童話を思い出すぜ。 ヴァッシュ・ザ・スタンピードは少しでもウルフウッドの寿命が長引かせるのが狙いだからな。 このままだと、82人中、俺たちだけが生き残るまで続くぞ。やっぱり意地でも一番手を譲るべきじゃなかったか。 だが俺が今すぐヴァッシュとウルフウッドの頭を撃ち抜く、ってわけにもいかないんだよなぁ。 さすが600億$$だぜ。『俺とシータとウルフウッドの素振りも同時に』気にしてやがる。 妙な真似をしちまったら、それこそ弾丸の無駄になるな。 「あたしが! こんな思いをしてるのに! あんな! 人間のクズが! 何とも! ないなんて!不公平じゃない! 放っておけば! 犠牲者は! もっと増える! あたしのように! 傷つく子は! もっと出てくる! そんなの! ごめんよ! 」 「……だからさぁ」 不死身も不死身だぜ。 攻撃の手は休めないし、格闘センスも悪くないが荒削りすぎる。剣術は完全に素人の振り方だ。 だが、何よりも引っかかかるのは奴自身も手加減をしているという点だ。 一体全体どういうつもりだ? 本気を出さなければ勝てない相手だってのはわかってるはずなのにな。 だが出さない。本気を出そうとしない。ギリギリのところで力をセーブしている。 ヴァッシュ・ザ・スタンピードへの殺意はあるのに、あと一歩踏み出そうとしない。 ヴァッシュの奥の手を警戒しているというより、『自分が本気を出すこと』を恐れている。 何故だ? 不死身人間が持つ、不死身以上の切り札ってなんだ? 「きゃあっ!? 」 「そうゆー生きていい奴とかそうでない奴とか、そうゆーのを勝手に決めつけちゃだめだ。ハタクぞ」 おっ、1ダウン。 いや、向こうがヴァッシュの銃撃を剣でガードして勝手に尻餅ついただけか。 ……不死身の人間が頭を庇う必要あんのか? いや、自分の体が傷つくのが嫌なだけか。女は顔が命だしな。 時系列順で読む Back 今はまだ飛べない翼 Next ろくでなしとブルース 投下順で読む Back 今はまだ飛べない翼 Next ろくでなしとブルース 252:盟友 柊かがみ 255 ろくでなしとブルース 252:盟友 ヴァッシュ・ザ・スタンピード 255 ろくでなしとブルース 252:盟友 ニコラス・D・ウルフウッド 255 ろくでなしとブルース 252:盟友 スパイク・スピーゲル 255 ろくでなしとブルース 248:童話『森のくまさん』 シータ 255 ろくでなしとブルース 253 王たちの狂宴(後編) ドモン・カッシュ 255 ろくでなしとブルース 253 王たちの狂宴(後編) 結城奈緒 255 ろくでなしとブルース
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autolink KG/SE07-46 カード名:刀集めの旅 とがめ&七花 カテゴリ:キャラクター 色:赤 レベル:2 コスト:2 トリガー:1 パワー:8000 ソウル:2 特徴:《和服》?・《武器》? 【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) レアリティ:PR illust. ブシロードプロモーションカードパック Vol.05 封入 新タイトル「刀語」の記念すべき1枚目。 能力は純アンコール持ちで、黒サイドで《和服》?という点では雪子デッキにも組みやすく、今後が期待できる1枚。 ちなみに右下のカードロゴは何故か「西尾維新 アニメプロジェクト」となっている。 そして2月27日のブシロードカードゲームLIVE2011にて、同作者の化物語が新規参戦することが発表された。 こちらもカードロゴは「西尾維新 アニメプロジェクト」になっている。 もしかしたら、他タイトルでの枠組みを超えたネオスタンのデッキが組める日が来るかもしれない……と思いきや、 4月1日の構築ルール更新によればネオスタンでは組めないようだ。
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消毒されないレラン 314 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/25(水) 19 32 41.87 l0TpupmH 「バナミル34gって高いモニー!!!、ぼったくりモニー!!!!」 ぼーっとしていたところに奇声が響いて思わずきょろついてしまった。 発言主は、ヴァルキリー装備のモニ子だった。 「信じられないモニ、バナミルは29gが市場価格モニ!!!!」 何ヶ月前の話や、このボケ。 それ以上に、ウチはてめーがその鎧を着る前から34gで売ってるわ。 大体、1出撃で100本持ってたところで、500gしか差がねーだろうが。 皮鎧で20本買って行くような客ならともかく、てめーに言われる筋合いはねー!! と、叫びたいところをぐっと、ガマン・・・ガマン・・・ 「アゲパンが売ってないモニ、やっぱり、アゲパンが一番なのに、わかってないモニ」 どこの営業妨害か判らないが、ガマンガマン・・・ 「それに1顔だし、ダサいモニwwwwww」 プチーンと切れそうになるが、ガマン、ガマン・・・・・・ 「やっぱり、モニ子は2顔モニw」 うるせー、顔なんか、整形でいくらでも変えれるこのご時世に くだらない事でぐちゃぐちゃ言うな・・・ガマン・・・ガマン・・・ 「それに、レラン服なんてださいモニw」 レラン服の良さが判らないヤツには、判らなくて良い、結構。 初めて見た時の、あの、コグ姉さんの凛々しさを汚されるくらいなら そう言われてた方がましだ。 散々悪態をつき、気が済んだのか、モニ子は居なくなった。 なんだか、どっと疲れた・・・ 営業妨害もいい所だ・・・気分転換も兼ねて、野菜でも採ってくるかな。 317 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/25(水) 19 37 42.68 l0TpupmH 露店を片付けていると、声をかけられた。 「いよぉ~、赤レランのぷりてぃーモニ子さ~ん、ミルクティある?」 「心にも無い、お世辞は良いよ・・・コグ姉マニア」 振り返ると、馴染みのニュタ男さんが笑っていた。 「おつかれさーん、ひどい営業妨害だったな」 聞かれてたのか・・・ちょっと恥ずかしい・・・根性負けして店を片付ける所を見られるとは。 「あー、うん、まぁ、気にして無いよ、ウチ、収穫に行く所だったねん」 「お、タイミング良かったみたいだな。500個あるかな?」 「ちょっと待ってて、今、出すから」 「そーそー、プリティーってのは、心にも無い事で無いぞ。コグ姉さんが子供の頃は、きっと、こんな感じで、もっと耳が長くて、可愛かったんだろーなー、思ってるから、プリティーには代わり無い」 「腕は細いと思うけどね~」 「モニ子とコグ姉さんとの決定的な違いだな、それは」 ウムウム頷いてるニュタ男に、ミルクティを売る。 おまけに焼きトウモロコシをつける。 「まいどおーきに」 「お、サンキュー、さっきのヤツ、トレント狩りで良く揉めてるヤツだから、気にするな」 「・・・うん・・・」 気にするな、と、言われても、ぐったりする。 「てか、レラン服着て、料理以外の売ってるやつ多すぎ、料理売ってるヤツは無闇に華美だしさぁ」 「あはは・・・料理儲からないからしゃーないねん、ウチも刺身を店に卸した方が儲かるし」 「輸入ミルクが無くなって、バナミル売りとか料理系露店減ったし、まじ、助かってるんだから、露店がんばれよ」 「・・・ん・・・」 くそー、涙が出てくる、こんな顔見せられない。 ぐ、っと涙をガマンして、ニカっと笑う。 そうだ、水没されようと、営業妨害されようと、負けるわけにはいかない、こうやって買ってくれるお客様がいるんだから。 319 名前:名無しオンライン 投稿日:2007/07/25(水) 19 40 08.12 l0TpupmH 「焼き芋、焼き芋、おならがぷ~~♪」 鼻歌を歌いながら、ジャガイモ掘り。森でもこの辺りは静かなものだ。 売れなかったら、自分で遊べば良いのさ~。 思わずクワ2本分もすでに掘ってしまった・・・あと1本分掘るかなぁ♪ やっぱ、収穫楽しい、料理も好きだ、ウン。 『ひどいモニ!!!それは、アタチの獲物モニ!!!』 誰が叫んでいるかと思えば、さっきのアホモニ子だった。 ルート争いも、戦闘の花さ~、自分でやられたらイヤだから仕掛けないけど。 『誰モニ!!アタチをMPKしたの!!』 トレインも戦闘の花さ・・・轢かれて強くなるってもんだ。 『アタチをリザして欲しいモニ、お願いモニ☆ミ』 五月蝿いヤツだけど、モニコンが蘇生するのかな? モニコンは見境無いからなぁ・・・ 『可哀相なアタチを蘇生してモニ、お願いモニ☆ミ』 しばらくして、ゾーン情報から消えた。 モニコンから蘇生してもらったのかな~、またウザクなるな~。 クワ3本が壊れたんで、ついでにトウモロコシ刈りもするか。 ふと見ると、さっきのアホモニ子が幽霊状態で走ってきた。 後ろから大量のスプリガンがついて来ている。 アホモニ子の幽霊がこっちに突っ込んできた。 そのまま、スプリガンが追いかけて行った。 「な、なんでモニ!?」 そのままスプリガンにたこ殴りにされていた。 さ、トウモロコシ収穫するかな。 「よぉ、収穫はかどってるか?」 ニュタ男さんが声をかけてきた。 「うん、ばっちり~、そっちは?」 「ばっちり、絶好調だぜ>w<」 この人『も』モニと見ると容赦ないよなー・・・ 名前 コメント