約 2,183,271 件
https://w.atwiki.jp/mahougakkou/pages/115.html
アナスタシア製 頭ロマンな構成の兵器が非常に多い。 擬似魔法搭載義肢『CON MAN』 + ... 彼女が風邪を引いて(比喩)制作した義手。 その最大の特徴と言えるのは、アナスタシアの特異じみた技術力による魔法の再現。 義肢に内蔵した特殊なフィールドを展開することで、大量に仕込まれた火炎放射器、氷を生じさせる程の冷却器、強い風圧を持つ送風機、発電兼電流放出機などで発生した現象を自由な形状に封じ、それの操作をも可能にした。 ……その代わりに耐久性と運動性、挙句反応も劣悪(とはいえ一般のそれよりは遥かに優秀だが)なので、ストレートに言えば産廃。 ちなみに義肢の名前の意味は『詐欺師』のスラング。 汎用型戦闘義肢『VERDICT』 + ... アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズを制御するために作った義肢その1。 サイズは一般的なサイズと変わらないが、特段に向上された強度と反応性、そしてパワーを誇る。 また指先は四角錐のように尖らせており、これによる白兵戦や貫手も可能。 見た目にも拘ったのか、見た目はより角張り、機械らしくなっている。 白兵戦型義肢『LEX』 + ... アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズを制御するために作った義肢その2。 前腕部が従来のものよりも2回り大きくなっており、その分の義肢が秘めているパワーも高い。指先に固定しているアイアンネイルも強度が高くされており、主要の武器としても十二分に扱える性能を持つ。 その分手も大きくなっているため、近接用の武器やマハーグル以外は持てない仕様になっている。 ヘビーショットガン『マハーグル』 + ... アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズその1。 魔導で射出する専用弾、それが内包しているペレット数こそ6と少ないものの、素の火力と絞り(チョークと言う)がかなり強めに設計されており、高い集弾率と1発辺りの火力をもつ。 また、対神話生物あるいはどこぞのドラゴン娘畜生にも向けて、それにも対抗できるようにスラグ弾(1発だけ弾の入っている物)を設計。理論上はこれ単体での神殺しも可能。そのスラグ弾にも様々な加工が施されており、生半可なバリアや防御では簡単に打ち破れる。 こと近距離戦においては無類の強さを発揮する。 ……なおつまらない物を作ろうとした自分自身への反骨心が無意識に漏れた結果、長銃身由来のクソみたいな重量と火力の高さがためのクソみたいな反動、そして長銃身が過ぎた結果のクソみたいな取り回しの悪さになっている。 このショットガンの悪い部分は銃身だけでも51インチ──1.4m、ストック含めて1.9mもあるその頭の悪すぎる長さが7割を担っていると言っても過言では無い。しかもその結果脇抱えでの撃ち方でしか使えなくなったのだから目も当てられない。 見た目イメージはAC6のストックの付いたZIMMERMAN。 リニアライフル『マハーシュックラ』 + ... アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズその2。 専用に設計した六角形型の弾丸──というよりは杭を、電磁気力と魔導で加速射出するレールガン。貫通力と精度の方も高く、それ由来の火力も必見。 チャージ時には銃身の中間あたりが開き、クロスボウのようにワイヤーを展開。張力と魔導、そして電磁気力の三重奏で射出。純粋な火力の向上もさながら、その異次元じみた速さから事実上の即着弾となっている。 杭そのものにも様々な加工が施されており、生半可なバリアや防御では簡単に打ち破れる。 こと中距離、遠距離の撃ち合いでは無類の強さを誇る。 ……なおつまらない物を作ろうとした自分自身への反骨心が無意識に漏れた結果、長銃身由来のクソみたいな重量と火力の高さがためのクソみたいな反動、そして長銃身が過ぎた結果のクソみたいな取り回しの悪さになっている。 こちらもまたしても長く、片手持ちで使うことを想定している癖に銃身1.2m、ストック含めた全長は1.5mとまたしても長い。 そもそもチャージショットを撃ったらオーバーヒートで撃てなくなるのだから目も当てられない。 パイルバンカー『マハースーリャ』 + ... アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズその3。 火薬や電磁気力、空気圧縮、張力、魔導……様々な射出方式を採用し、1発の破壊力を極限まで高めたパイルバンカー。 その火力たるや、理論上はこの1発だけで神殺し可能というイカレ具合。恐らくはどこぞのドラゴン娘畜生にも甚大なダメージを与えられるだろうというのは本人の予想 ……なおつまらない物を作ろうとした自分自身への反骨心が無意識に漏れた結果、反動がおぞましいことになった。 少なくとも反動で自身にも甚大な被害が出る。なんというか、目も当てられない仕様だ。 ネーミングの由来はサンスクリット語の「偉大な(マハー)」と「太陽(スーリャ)」を組み合わせたもの。 レーザースナイパーライフル『マハーブダ』 + ... アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズその4。 魔導と10機の莫迦みたいな数のレッドシフト・ジェネレーターを合わせたレーザースナイパーライフル。 本来なら恐ろしい大きさにもなるエネルギー体を何機もの収束装置で並の弾丸サイズにまで圧縮した結果、尋常ではない貫通力と威力、即着弾級の弾速を誇るようになった。チャージ時の極細照射レーザーでは、理論上この熱量に耐えられる人はまずいないともいえるほど。 ……なおつまらない物を作ろうとした自分自身への反骨心が無意識に漏れた結果、またしても銃身だけで2.5m、全長で2.8mと極端に長くなり、莫迦みたいな重量と反動、余りにも終わっている取り回しの悪さ、そして研究室にある10連装ジェネレーターを配線で直結させていないと使えないというクソ産廃仕様になった。 そもそも600mを超え始めると収束機能が役に立たなくなり、ただのメガビームになる。 そこにあるものを全部消し飛ばせば実質暗殺したようなものとでもいいたいのだろうか。 レーザー使用式超大型斬竜刀『偉火』 + ... 別名『マハークジャ』。 アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズその5。 3機のレッドシフト・ジェネレーターを直結させる事でエネルギー面をどうにか賄っている超大型の無反りの大太刀。 超高出力のレーザーを使う事で竜の表面層を融解しながら断ち切り、純粋な重量と刃の鋭さによって両断する、どちらかと言えば大剣の基礎らしい刀。 とはいえシンプルイズベストとは正にこのことであり、簡単ながら火力はバカにできない。 ……なおつまらない物を作ろうとした自分自身への反骨心が無意識に漏れた結果、とんでもない刀身の長さになり、その長さはなんと3m。 いくらその事を想定していないとはいえ、まずもって常人が持てるような重量ではないし、こんなものを余裕を持ってぶん回せるような膂力や手の大きさなどほとんどありえない。 つまるところ産廃まっしぐらの大太刀である。 チェーンソー内蔵クラブメイス『マハーシャニ』 + ... アナスタシアが神代に対してムキになって作ったシリーズその6。 見た目はどこぞのソードメイスを象ったメイス。 しかし斬撃が出来るというわけてはなく、とどのつまりは棍棒の方が近いそれだが、その分重量を大幅に高めた仕組みになっている。 チェーンソーが内蔵されており、打突部分が開いて2対のチェーンソーが相手を挟み込み、両側に配置されたチェーンソーが相手を削り取る。また、簡単には抜けられないよう、中に刺突用の杭をチェーンソーと干渉しない位置に内蔵。これで相手を突き、固定してからチェーンソーで削り斬るという寸法である。 挟み込みこそ難しいものの、決まればほぼ確定で相手を再起不能にできる超火力を保有している。 ……なおつまらない物を作ろうとした自分自身への反骨心が無意識に漏れた結果、2mの大きさはともかくとして、有り得ないぐらいに重く、有り得ないぐらいに重い。 大事な事なので2度言った。 まずこれを片手で持つ想定で持ち手が短めという時点で中々に頭がアレなのに、その重量でさえも何かおかしい。 具体的にはこれをそのまま置いただけでかなり硬いはずの地面が抜ける。なんなら地上だと陥没を起こす。 何をどうやったらここまで重くできるのか、逆に知りたいくらいだ。 クローラー + ... (アナスタシア謹製。 マシンガンと書いて人でも一応持てるようなサイズにしたミニガンと読む。 普通に作ればいい物を、何をとち狂ったのか超速連射仕様に、かつ銃身の融解を防ぐために3つの銃身を並べて簡単にオーバーヒートしないようにしたマシンガン(ミニガン)。直前に言っていた「初心に帰る」とは一体なんだったのか 弾薬はデカい。多分対物ライフルとかで使うようなそれ。大口径の連射武器は正義。 そしてそれを補うためにも虚数空間を使い、専用の弾薬庫から供給して撃てるという頭悪い仕様。見かけは一応マガジンから出ているように見せかけている。 反動はもちろん強すぎるので頭ロマンみたいな武器だが、そこはいつものアナスタシア節。つまりは慣れろ。 見た目はM249の銃身をミニガン仕様(細長い銃身を三つ並べた)にして弾倉を横にも長くして縦にもちょっとだけ長くした感じ。何言ってるかわからん?大丈夫、私もわからん) ブリハスパティ + ... 2mある死ぬほどデカいメイス。終わり。 …………アナスタシア謹製にしては恐ろしいぐらいシンプルな、ただ恐ろしくでかいだけのメイス。 故にただ硬く、故にただバカ重い。 使えれば強い。 なおアナスタシアは片手でもぶん回せる。 恐らくは初期作。 モチーフは機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズの「超大型メイス」。 ネーミングの由来はサンスクリット語の「木星」より。 マンガラ + ... ブースター付きの両手持ち戦斧。終わり。 …………アナスタシア謹製にしては恐ろしいことにこれだけの、火薬加速式ブースタがついただけの戦斧。 使えれば強い。 なおアナスタシアは片手でもぶん回せる。 恐らくは初期作。 モチーフはない。 ネーミングの由来はサンスクリット語の「火星」より。 ドフーマ + ... 和弓。 The・和弓。 見た目が現代化され、素材の変更で少しだけ強力になっただけのなんの変哲もない和弓。 もちろんそれだけで終わるわけがなく、本題はその矢の方。 全体が金属で出来ているこの矢は、一度放たれれば先端に設置されたセンサーで認識、後部に搭載されたブースターで加速、直撃するまで追い続ける。 遠隔操作によって撃った側へと戻すこともできるため、リーズナブルな設計になっている。 ……「追尾マイクロミサイルで良くね?」は禁句。 シュッダードバータ + ... Mark.IV(以後アナスタシウス)の右腕に接続されている専用装備。 ドバイタバータを模倣したものではあるが、不完全のため見かけは完全な大剣そのもの。 ……だったが、それだけではつまらないと考えたアナスタシアはナックルダスターとしての機能も付け加えた。 そのため大剣部分の展開、格納が可能になっており、展開時は腕の延長線になるように、格納時はそれを後ろへと仕舞う。 魔力、電力の装填によって、電気を理由とした刃の切れ味の向上、稲妻を発生させ攻撃に転じることが可能。 ……ちなみになぜ接続されているのかというと、本人の投げ癖が強烈だったからである。 一応杖の機能も兼ねている。 ネーミングの由来はインド哲学の「純粋一元論(シュッダードバイダ)」より アンシュマト + ... 大まかに拳銃の形が取られているマグナム砲。 カートリッジ式にして分けられた、威力にして従来のビーム砲5本分のビームを相手に叩きつけ、その余波で周りも消し飛ばせるほどの理不尽じみた火力兵器。 その代わり、反動でかなり頑丈であるはずのアナスタシアの義手を1つ犠牲にしなければ撃てず、また義体であればそのものがひしゃげる。 はっきりいってこれをメインに使うくらいなら他のものを使ったほうがマシな、ロマン砲もいい所のクソ武器。 一応ここからの更なるフルチャージが可能だが、その場合衝撃で肩が脱臼する。逃がし方が下手くそだと全身にヒビが入る。 ネーミングの由来はサンスクリット語の「太陽、輝いている」という意味から。 アンシュマト・ミニ + ... 上のアンシュマトの派生版。 ミニとは名ばかりの、普通サイズの拳銃にさせられたアンシュマト。もちろん火力もほぼ据え置き。 その癖に人が使うのを想定しているのか、反動制御機構が搭載されている。 Mark.IIたちはもちろんキレた。 月光蝶 + ... カウムディー・チトラパタンガ。 本体に戦車の装甲に使われるような素材をつかっているため、尋常ではなく重い分強固さを誇る。 また、側面には必要時以外は作動しないコイルを設計。引き金を引く事で作動する。作動時はかのネオジム磁石と同等の磁力を持つ。 鞘に入れた状態で刀に備え付けられている引き金を引くことで電極機能が作動。レールガンの原理を使うことにより、抜刀速度を飛躍的に加速させる。 抜刀速度を強引に加速させる火薬、空気圧縮による押し出しも相まって、「理論上は」10m級の劣化ウランを裁断することも不可能ではない。 副産物として刃を飛ばすこと、また電撃と高熱による攻撃も可能となっている。 火薬、磁力、空気圧縮。それら全ての技術を居合切り、ただ一点に集中させたもの。 総じて居合切りのロマンにあまりにも特化しすぎた趣全開の日本刀。そもそも抜く人を極限に選ぶ刀は産廃同然とはどこぞの量産型の意見。 なお本人はちゃんと使いこなしている。 ちなみに鞘に色んな機能を付け足した結果、かなりの大型化が起こり、かつ異様に重い。また普通に抜刀しようにもやたら固い電極ロックがあるので普通に産廃。 ネーミングの由来は機動戦士∀ガンダム、およびダークソウルの「月光蝶」から。下はそのサンスクリット語読み。 見た目の方はメタルギアライジングの「ムラサマブレード」が近い。 レーザーランス『ゲルフ』 レーザーサーベル『ギベリン』 + ... 全長1.8mの細身のレーザーランスと刀身1.4mのレーザーサーベルの二刀流をさせる武器。 レーザーランスは威力を高めるために専用の片方の肩に接続したジェネレーターから配線を通じて直に供給し、レーザーサーベルは予め蓄積させておいた電力を用いて刀身を出現させる。 レーザーランスの方は3等分の位置に設置された三本のレーザーブレード、中心の高出力レーザーブレードで構成。振り回しても良いが、突きの火力が1番高くなるように調整されている。 アナスタシア作にしてはロマンがそれなりに少ない作品。 強いて言えば、これよりも性能の高い超小型ジェネレーターがあるにも関わらず、これよりも大きく、性能のやや劣るジェネレーターを採用していることだろうか。 切れ味はもちろんの事抜群。 偽装新訳聖典『不完全聖十字』 + ... インコンプレトゥム・サンクトゥス・クルクス。略称ISC。 かつて『聖典』、それの新解釈された姿である新訳聖典……を更に騙り、アナスタシアが独自に開発、改修した兵器。 扱いづらく、整備性は極端に悪く、その分硬く、また使いこなせれば強力。 そういった点からも新訳聖典と大まかな部分は変わっていないが、より機能を詰め込む為にか形状がケルト十字(本来の十字に円が追加された十字架)となっている。 ……なおロマンはいつも通りにモリモリ。たとえ宗教に敬虔な信徒であろうとも変わらない、ただ一つのロマンキチ。 搭載兵装 第壹聖歌『巡礼礼拝』 縦側の十字架、その短い部分に格納された大剣。 近距離戦での戦闘で利用され、重みとリーチで圧倒させる役割を持つ。 第貮聖歌『万雷賛美』 縦側の十字架、その長い部分に格納された槍。 超リーチを利用した牽制に使われる。 第參聖歌『光明啓蒙』 縦側の十字架、その長い部分に格納されたレーザーキャノン。 高威力高精度ではあるが、連射が効かないのが難点。 第肆聖歌『晩鐘神秘』 ケルト十字の円の部分、その下側の部分に左右対称となるよう三対に仕込まれた機関銃。 弾幕形成には勿論、追撃用の攻撃としても程々に優秀。 第伍聖歌『神聖啓示』 ケルト十字の円の部分、その上側の部分に左右対称となるよう三対に仕込まれたミサイルランチャー。 無誘導であり、曲射撃ちもできないので基本的には行動の制限用。 ただし威力はバカにはできない。 第陸聖歌『聖悪回帰』 縦側の十字架、その短い部分に仕込まれたショックウェーブ発生機。 主な用途は相手の高台や防御魔法などの有利な環境を打ち壊して平等な環境にするために使われるのだが、相手に直に打ち込んで痛いダメージを与えることも可。 第漆聖歌『罪人懺悔』 聖銀を混ぜ込んだワイヤーの鞭。 電流を流すことで、電撃も可能となっている。不完全聖十字の中で唯一の、捕縛も可能な兵装。 第捌聖歌『聖人哀悼』 十字架の中心部に仕込まれたパルスプロテクター。 前面だけに集中して展開することで、小型ながら高い受け流し能力を得ることに成功している。 第玖聖歌『最終審判』 純度の高い聖銀をふんだんに使用したパイルバンカー。それ単体でも高い威力を誇るが、退魔に対する火力はとりわけ非常に高い。 最終聖歌『皇陽帝月』 簡潔に言えば冤罪パイルランチャー。相手に向けて「汝は異端、罪有りき!」と断じて杭を射出する大技。 この際十字架に仕込まれた全機構を全て利用して最大速度での射出の補助を行うため、使用後は不完全聖十字は使用不可能となる。 ヒムサ + ... アナスタシアが風邪引いて作った真性の産廃。 8機の1.6メートルの刃渡りがあるチェーンソーを円状に配置し、それをさらに横に回転させて相手に突っ込む。 相手は死ぬ。 世界変える発明しちまったなぁ〜〜! なんて当時はそうほざいていたが、あんまりにもゴミ。 ビームやらレーザーやら実体剣やらパルスやらを盛り込みすぎてふざけた負荷になったのを軽減するために両腕をパージする必要がある、近接極まっているため引き撃ちされたら詰む、チェーンソーのリーチが長すぎかつバカ重いので死ぬほど取り回しが悪い……など、これでもまだごまんとあるのが最早目もあてられない。 本人でさえ「なんでこんなものを作ったのかわからない」と言っているが、なんだかんだいっぱいちゅき♡なのが頭ロマンキチなポイント。下手したらこれよりもっと盛り込むかもしれない。 元ネタは当然だがグラインドブレード。 ネーミングの由来はサンスクリット語の「暴力」より。 ラージャ3000 + ... ハイパーにモリモリモルペコしまくった大型バイク。 エンジン部分を小型化させたレッドシフトジェネレーターに換装した代物。ちなみに狂気の三連装。 その甲斐あってか出力はバカみたいに高く、どれだけ武装を積んでもスピードが少しも下がることのなく、またタイヤにもかなり凝ったお陰でやたらと走破性も高い。 ブースタ性能もかなり高く、ブースタ併用時の理論上の最高速は時速800キロも出せる。 いつもの(クソ欠点)? アホみたいに盛った結果のアホみたいな重量。加減しろ莫迦。 武装一覧 二連装グレネードランチャー×2 八連装ミサイルランチャー×2 地雷散布機×2 炸裂弾搭載バズーカ ニードルガン×2 レーザーランス 外見はカワサキのバルカン2000。 ホバーボード + ... いつものと書いてロマンキチと読む。 見た目はスノーボードだが、ホバー機能は兎も角後ろに直進軌道制御用小型ブースター×2、大型加速ブースター×1、そしてオマケの姿勢制御用超小型ブースターが4つと余計な物が付いている。 吹かしたら? 固定していなかったらもちろんホバーボードだけが前に進んで搭乗者は側頭部か後頭部を打つ。 アイシャ・チャクラ + ... アナスタシアが風邪引いて作ったシリーズその2。常時発想が風邪ひいてるようなもんとは言ってはいけない 蔑称を「マホウガッコウ車輪骸骨」または「マホウガッコウデスパンジャン」。 1つのでっかい車輪に破砕機、ビーム兵器、ミサイル、火炎放射器なんかをつけたパンジャンドラムみたいなもの。 見てくれは本当にクソだがなんか硬くてなんか速くてなんか火力高いので雑に強い。欠点は爆風に弱いこと。 一応人が乗れるもの。 レッドシフト・オルタナティブ + ... アナスタシアの制作した新型ジェネレーター。アーリア・ラージャのメインジェネレーターとして搭載。 レッドシフトと特徴は変わらないが、供給速度がやや高められているかわりに出力が若干落ちている。 同じくたまたま引き上げられたもの。一応過程はわかっているらしいが、なぜこうなったのかは本人でもわからない。 ムーンライト・カウンターフェイト + ... 月光物語に出てくる聖剣『ムーンライト』、それを1年生の頃の彼女が無理やりに再現したもの。つまるところは最初期の作品。 当時の科学を駆使しても尚、物語のように翡翠色の光刃を飛ばす事は叶わず、改修し、ビームという体で飛ばせるようになった今でもまだ本人にとって納得のいかない出来らしい。 故にカウンターフェイト──偽物の名前を付けている。 ブラッドムーン + ... 『ムーンライト・カウンターフェイト』をもう一振製造し、それにジェネレーター『レッドシフト』を搭載したもの。 性能の悪いムーンライト・ジェネレーターから交換しているため、当然ながら出力も供給速度も優れている。 とはいえ彼女はこれをムーンライトとは呼びたくないらしく、新たに『ブラッドムーン』という銘を付けている。 実は接続ユニットが柄の部分にあり、上記と接続して双頭刃としても使うことが可能。 栄養満天固形ブロック + ... 栄養『は』ある固形ブロック。 味ははっきり言って終わりも終わり。こんなものを毎日食っていたら心が荒んで当然レベルの味。曰く「牛乳と吐瀉物を同時に拭いて1週間放置した後に生乾きでもさせたような雑巾の味」。 一応虚数空間での臨時の食料で、かつ初期作だったという言い訳はあるにしろ。 ……ちなみに、今のアナスタシアが作ればちゃんと美味しい。味はミックスフルーツ。 物理法則機構 + ... 通称「PLS」。 死ぬほど面倒くさいので一言で話すと「魔法と超常現象全部修正するド畜生マシーン」。 Mark.II(余ネキ)製 ストレス発散で作ったミサイルが多め。 RAVEN-R39 + ... 必要に応じて自家発電でエネルギーを供給するバイク。(今度こそコンダクターらない)AIによる補助プログラムも内蔵しつつ、武装接続用のコネクタもあるので拡張性も高め。 高性能な割に整備性も高いので合理的でもある。 グランドブースター・ミサイル + ... クソデカミサイルをとち狂ったのか、それをブースターとしても転用できるようにできるようにしたブースター。 本職はもちろんミサイルなので爆薬も積んである。が、燃料も積んである。 外見はクソデカミサイルを2連、そこに小型ミサイルが取り囲んで置いてある形。 本来なら最高でマッハ3にも達せられる程の最高速度をもつ。 モチーフはACIVfAの「ヴァンガード・オーバード・ブースト」ことVOB。 レギオンズミサイル + ... 余ネキたちが風邪引いて作ったシリーズその1。 簡潔に言い表すならマイクロミサイルの輪。 円形に180門設置させられたマイクロミサイルが対象をロックオンし、その飽和火力と数によって撃退するのを目指した武器。 マルチロックにも対応。 整備性は最悪、かつ超重量で過剰火力も過ぎているので産廃の域を出ない。 ミサイルライフル『ボディウォーマー』 + ... 余ネキたちが風邪引いて作ったシリーズその2。 ミサイルライフルという分類がされており、その分類名の通りライフル銃から誘導ミサイルを発射する。 高倍率スコープのようにおいてあるのもミサイルであり、こちらは無誘導の代わりに高弾速かつ高火力。 また反動制御も高水準であり、かつ弾数も大容量。 真っ当に強いは強い……のだが、熱源感知式の誘導なのでフレアや炎魔法を使われたら弾の浪費になり、また火力が若干物足りず、何よりミサイルの管理が面倒。 というか魔法学校の生徒および教師は並大抵耐久力か回避能力、もしくは迎撃手段がバグっているので、これ程度のミサイルは実質産廃。 ちなみにボディウォーマーは英語でカイロのこと。 レーザースナイパーライフル『グラフィティ』 + ... 高出力で高精度なレーザースナイパーライフル。 出力を上げる事で細い照射レーザーへと変化する。 見た目はAPEXのセンチネル。 義体生産機『ファーストフード』 + ... 死ぬほど面倒な義体制作をようやく機械化することに成功した1品。 一つ一つの義体に搭載するパーツを組み合わせ、一機の義体を制作する。専用の人工知能も付与されるが、現状は1番消費が激しいMark.II一種類のみ。 ……なおこれが完成した、ということは今までよりも雑に壊れることが増える、ということでもある。 今までよりも更に増えた分、今までよりも更に儚い命になる。より雑に死に始める余たちに悲しい現在。 レッドシフト + ... Mark.IIらが制作した新型ジェネレーター。 このジェネレーターを使用したビーム兵器やレーザー兵器、パルス兵器、ブースターから放たれるものが全て真紅に染まることからこう名付けられた。 出力は従来のものより高く、また供給速度も良好。中身に特殊な魔力も内包されているらしく、これ単体でも魔力供給は可能。 実は13年後にようやく普及が始まるようなジェネレーターなのだが、虚数空間に漂っていた技術を引き上げられる形で制作されたオーバーテクノロジー。 もちろんなぜこうなるのかもわかっていないので絶賛研究中。 アナスタシウス製 フォルモーント + ... 輪っかのような形をした刃。 左腕に装着するような形であり、電力供給や魔力供給を受け、しばらく進んだ後にその場に留まる円状の光刃を発射するギミックを備えている。 アナスタシウスの最初期作。 アンブローズ製 色彩虫 + ... 厳密には開発品ではないが一応紹介。 簡潔に言うと錐体細胞に寄生、色に反応して繁殖し、その幼体が宿主の内臓などを喰い尽くして殺すという最悪な古代生物。 過去に殺傷能力が高すぎて滅んだが、アンブローズによって復元された。 赤、青、黄の三種類を保有している。 アデライン製 ジュエリー・スモーク 宝石を象った煙幕弾。大抵はブリリアントカットのダイヤモンドだが、気分によっては実在する宝石に似せて制作することもある。 ワイヤー・ショット 厳密にはアンブローズ作だが、彼女が全面的に使っているので記載。 クリスタル・リボルバーガン 様々な効果を持つ弾丸を射出する、5発装填のリボルバー式拳銃。 フェイク・ダイヤモンド 見た目をブリリアントカットのダイヤモンドに似せた魔道具。すぐに砕け散るが、それをシールドや即席の爆弾、『クリスタル・リボルバーガン』の宝石弾として転用可能。 規格外兵器・パワードスーツ その他の特級とも言える兵器群。並々ならない性能と頭のおかしいロマンを両立させていることが多い。 『RASETSU』 + ... いつまでたっても開発中の超大型直立二足歩行機体の仮称。 装甲は劣化ウラン、チタン、タングステン。放射線汚染を防ぐため、1番外側はチタン、中身を劣化ウラン、1番内側をタングステンとしている。 固定装備は 頭部搭載型40mm機関砲 股間部火炎放射器 大腿部格納型伸縮変形式細剣『チャンドラハース』×2 を想定。 他はミサイルやレールガン、パイルバンカーなどを例とする多種多様な兵装をオプションとして付け替える模様。 全員に開発してもらっているので本人としてはみんなの意見を集めた上で審査をしたい……らしい ちなみに趣味と実益を兼ねて猿叫機能も備わっている。 その為口が開く仕様。 作られては破壊され、作られては破壊されの繰り返しなので多分完成する未来はこない。 RASETSU・Mark.II + ... いつまで経っても完成しないで定評のあるRASETSUをアナスタシアが勝手に改修したもの。 外観や固定武装、および材質などは変わっていないが、内蔵ジェネレーターと伝達材を高級化、また単純な性能ならトップクラスな未来予測装置『S.A.D.System』を積載したことにより、高機動かつ高運動性、その上での回避性能も大幅に向上させられている。 ……なお、これまでの『アーリア・ラージャ』や『オールデイズ・カーニバル』のパワードスーツだからこそまだ(本人的には)大きすぎない負荷で済んでいたのを大型機に積んだので、脳への負荷がとてもおぞましい事になっている。 ちなみにアナスタシア曰く、「多少の技術者としてのプライドは捨てた」らしい。 固定兵装 S.A.D.System 別称いつもの。 とはいえ大型化すればするほど必然的に当たり判定が大きくなり、それがために他の致命打になりかねない攻撃の予測の数も増える。 結果的に通常だろうが情報瞬間処理能力の異常なアナスタシアでも脳が焼き切れる可能性があるほどの凄まじい欠陥品になった。 他の人が使えば、その結果は最早見るまでもない。 頭部大型バルカン砲『ケレンティウス』×2 火力の高い頭部に内蔵されたバルカン砲。 頭部が向いている所しか撃てず、また弾数も気持ち心もとないが、火力はそれらの欠点を補えるほど高い。 胸部コクピット自衛用機関砲『レオ』×4 コクピットへ直に攻撃してこようとする不埒者に対しての自衛用機関砲。 火力は他よりも相対的に低いが可動範囲は広く弾数も非常に多いので連射が効き、また対装甲機や対人には十二分のため自衛にはうってつけ。 大腿部格納伸縮変形式細剣『チャンドラハース』×2 現状唯一のRASETSUの近接武器。 両方の大腿部に一対ずつ格納されている。 細剣だったり伸縮変形だったりと脆そうな印象を受けるが、別に脆くないしちゃんと硬い。 換装兵装 ・対機体用バズーカ『ヨハネス』 相当サイズに巨大化したロケット砲。手持ちを圧迫しないよう片手持ち用の仕様にしている。 爆発範囲と火力、また貫通力も高いので侮れない。 そもそも爆発の方で大体死ぬ? それはそう。 腕部対地掃討用ガトリング機関砲『グレゴリウス』 掃討サイズに巨大化したガトリング砲。手持ちを圧迫しないよう片手持ち用の仕様にしている。 砲身が焼きつかなければ実質無限に撃ち続けられる弾幕兵器。弾その物もでかいので余波も思ったよりバカにできない。 ガトガトガトガト。 肩部ミサイル複合牽引機『ウルバヌス』 2つの大型誘導ミサイルと40連装の小型誘導ミサイルを複合して一つのミサイルサイロにしたもの。 どれも誘導性能が高めなので厄介。欠点といえば簡易的な熱源誘導なので、フレアを焚かれたらそこへと誘導されることだろうか。 肩部スタン・ニードルランチャー『インノケンティウス』 ある一種のアナスタシアの傑作品。 内容こそジェネレーターの電力を大型ニードルに帯電させ、それを撃ち出し着弾地点にて放電、一帯の生物を感電させたり機械を破壊したりなどを行うという代物なのだが、増強のルーンに雷の封じられた魔石などを混ぜ込んだ結果、その放電威力が他とは比にならない強さとなっている。 また弾丸自体もプログラムによって管理されており、強い衝撃や射出後の速度が一定以下になった場合にその場で内部の帯電部分を露出し放電、威力が高すぎて自機に投げ返され自爆しないための対策を取っている。 欠点? 色々と仕込んだ結果仕組みが死ぬほど複雑なのと、その結果で量産ができない所。 アーリア・ラージャ + ... 拉致下の元で作られたパワードスーツ。 様々な武装を備え、耐久性、機動性、そして拡張性を確保した、一見欠点無しの戦略兵器。 状況、戦況によって換装も可能としている。 しかし拉致下で作られた物の中で唯一、兵器としての重大な欠点がある。 1つは反動制御を全て本人に任せていること。 そして本人の生体反応以外、搭乗者全てを受け付けないということ。 ロマンを捨てながらもロマンを得た、ある意味の完成系の1つ。 固定武装 内部格納式パルスプロテクター ラージャ内部に格納されたパルスプロテクター。 受け流しに特化しているが、流石に大本よりは性能が大幅に劣化している。そも展開時の大きさを使って受け流していたのもあるため、それが原因でもある。 出力を強引に上げればパルスの衝撃波を放てるが、十分に冷却しきるまでパルスプロテクターは使用不可能となる。 S.A.D.System サーチ・アンド・ディフェンスシステム。 名前からは想像できないが、簡潔に言えば未来予測装置。 現状の情報分析と状況予測を超高精度で行い、毎秒毎瞬無数に計測される予測結果を、微細な電流を通して搭乗者の脳に直接伝達させるインターフェース。 欠点は人道や倫理、更には仲間や自身の命すらをも消費する戦法、また搭乗者の肉体限界を一切考慮しない行動を一切省くことなく、全て叩きつけること。そのため、搭乗者への脳の負荷が非常に高い。 また、通常時でもかなり負荷の高い演算をし続けているため、そもそも高機動戦に向いていないこと、回避のしようもへったくれもない閉所では意味をなさないこと、同時タイミングでの全包囲攻撃には対応できないことが欠点。 とはいえ強力の過ぎる装置であることには変わらない。 換装兵装 高出力レーザーブレード×3 3連装に展開されるレーザーブレード。 変形ギミックが搭載されており、そのまま展開して大剣にする、円状に展開しレーザー盾や巻き上げ機能付きブーメランにする、扇状に展開し広範囲の攻撃をするなど、使い道は多岐に渡る。 ここから更に出力を上げ、周辺を薙ぎ払う照射、直線上にある物を遠くからでも切り裂く斬撃を発射することも可能。 高出力レーザー『ランス』ブレード いわゆる武器腕になっているレーザーブレード。 貫通力に特に長けており、出力を上げた際には刀身が更に伸び、中央の発振器を取り囲むように等間隔で設置させられた3機のレーザーブレードが垂直に展開し、円錐状になるようブレードを発振。ランスのように形状を変える。 上記のように照射、斬撃を飛ばす事も可能。 二連装パルス混合チェーンソー 横並びに展開される物理チェーンソー。 普段は刃を格納しており、戦闘時に起動、刃渡りの長いチェーンソーを展開する。パルスを発生させる機構を仕込む事で赤熱化による溶断も一応は可能。 挽き潰し、削り取りながら裁断するという性質上機械よりも対人や対獣に向けた兵器。 用途は狭い分、適正の相手には絶大な破壊力を持つ。 高出力ビーム砲 いわゆる武器腕になっている、定義上はライフルの一種に分類されるビーム砲。 平常時は連射可能な高威力ビーム、第一チャージでアンシュマト・オーバーロード時と同等の火力である単発ビーム砲、第二チャージでオーバーヒートする代わりに照射レーザーブレード以上の出力となった照射へと変化する。 出力調整によって散弾や刺突へと変化が可能。 実弾ガトリング砲×2 対物ライフルに使われるような弾丸を高レートで連射するガトリング砲。それを腕を挟み、二連装に配置したもの。 純粋な火力では他ビーム兵器に劣るものの、視覚による威圧効果は強い。また弾丸は研究室から直に補充されていく形式のため、熱の管理を意識する必要はあるが実質的に無限に撃てる。 肩部ビームミサイル×2 相手をロックオンして追尾するビームミサイル。同時に2発発射する。 純粋な高威力、かつ簡単には振り払えない追尾性能……ではあるが、どちらかというと撹乱用。 肩部レールキャノン×2 重量のある実弾を高速で発射するレールガン。同時に2発発射する。 ビームミサイルとは違い、直撃した相手の体幹を削る役割を持たせている。 肩部高出力プラズマ・ビーム複合キャノン プラズマとビームを複合させた、非常に高精度な2連装キャノン砲。 使い分けが可能であり、平常時はビーム砲、切り替えでその場に残留するプラズマ砲になる。 同時に撃つことで2つの性質が組み合わされ、高速ながら高火力、その上その場に残留するプラズマビームを発射可能。 遠隔攻撃用の端末としても稼働でき、また質量もそれなりにあるので接続部兼グリップの部分を握りトンファーのように物理での近接攻撃も可能。トンファー形態での射撃もできるようにトリガーも付いている。 肩部高出力拡散ビーム砲 ビーム粒子を拡散させて射撃するビーム砲。それ以外は複合キャノンと同じ特徴を有している。 絞りを入れることが可能であり、広範囲と局所とを切り替えることが可能。 火力も良好な程度にはある。 ネーミングの由来はサンスクリット語の「清らか」と「王」の組み合わせ。 見た目イメージは某透き通るような世界観の「アビ・エシュフ」。 自走砲型パワードスーツ『ラージャ・ラタ』 + ... アナスタシアが考案し、開発したパワードスーツ。 全高3.3m、全幅3.4mに対して全長9.6mと非常に横長になっているパワードスーツ。 武装の付け替えなどができない分、使用可能な砲弾の幅広さや重武装化によってその点を補っている。 半人形態と自走砲形態の2つへと変形できる変形機構を採用しており、半人形態は手に射撃武器を持たせての手数の増加、自走砲形態時は火力の高い12.5センチ砲を、時速130kmという高機動を行いながら射撃ができる所が利点となる。 欠点? 素直に思考読み取り式にすれば良いものを、ロマンキチを発症した結果音声認識にした事。 また背丈が高くなった半人形態では、安定が取れずに一発ごとに静止射撃が必要となること、一般人が使うのであれば両足を切り離さないとならない点も上げられる。 武装一覧 S.A.D.System いつもの。最早説明するまでもない。 12.5センチ砲 戦車に載せるにしても法外なまでに巨大化、長身化した主砲。 ある砲弾を使用する都合上ライフリングは刻まれていない砲、つまりは滑空砲になっているが、それでも超高精度な砲撃を実現している。 砲身を90度にしての砲撃ももちろん可能となっている。 →HE弾 通常榴弾。基本的に使われる榴弾。基本であるが、威力も決して侮れない。 →HEAA弾 対装甲榴弾。物理防御力が高い相手に使用。 モンロー/ノイマン効果によって装甲を貫通し、中身にもダメージを与える砲弾。 →HEI弾 焼夷榴弾。着弾地点に焼夷剤を撒き散らし、爆発によって着火する榴弾。 →AMAP弾 対魔法徹甲弾。こちらは魔法防御力が高い相手に使用。 魔力を散らす効果の高い塗装剤を施しているため、安易な魔法での防御は隙を晒すことになる。 →APFSDS弾 装弾筒型翼安定徹甲弾。超高速で放たれる金属製の矢のようなものを相手に叩き込む砲弾。 こちらもAMAP弾にある塗装剤と同様の物を塗布しているため、魔法での防御は意味をあまりなさない。 →TYPE3弾 対空榴散弾。上空からの攻撃に対する対策砲弾。 1発あたりの火力も思っているより高いので、接近された時の拒否択としても使える。 車体前方機関銃×2 車体前方に配置された機関銃。 威力そのものは高くないが、連射性は高い。つまるところは即時に出せる接近戦拒否択の1つ。 車体前面部格納三連ミサイル×2 普段は格納されており、発射時にサイロを展開し発射するミサイル。 威力は控えめだが、追尾性能は高い。 車体後方部積載重機雷×2 後方部に積載された機雷。 後方にしか射出できないが、当たった際のその威力は主砲以上の火力になる。 ガトリング・ドローン×2 後方部に積載された、ガトリング砲を搭載したドローン。 思考を読み取ることで攻撃目標を選択し、大容量の弾倉から供給され続ける弾倉による継続火力の高さが持ち味。 インジェクション・ドローン 後方部に積載された、対物ライフル弾の発射機構を搭載したドローン。 思考を読み取ることで攻撃目標を選択し、大口径と高速弾故の大火力からなる瞬間火力を高さが持ち味。 見た目のイメージはヒルドルブ。 名前はサンスクリット語の『王』と『戦車』より。 遠隔操作式ビット・ロッド操縦機『スンダラン・プシュパム』 + ... アナスタシアがミスコン用に即席で作成した兵器。 装着用のパワードスーツこそ普通オブ普通、高速飛行が可能なだけの自衛武装すらない有様だが、本命はその背後でホバリング、追尾している大型の花弁型の物体。 花弁のようにみえる部分は多数のロッドやビットを格納し、そのついでにビーム砲も内蔵されている。 ロッドの先端には発振器も搭載しており、近接攻撃も可能。 基本はAIでの制御もしつつ、脳波によって兵器の遠隔操作を実現しているが、その場合は脳への負荷が高いことが難点。 ちなみにパワードスーツはメカメカしいながらも普通にかっこいい。問題なのはミスコンに求められているものがかっこよさではなく可憐さなのだが。 オールデイズ・カーニバル + ... Mark.II謹製の頭ロマン系兵器。 ミサイルの種類が増えたので、記念に開発されたパワードスーツ。 特徴として、接続されているその武装全てがミサイルただ1種類だけで構成されていること。 全身火薬まみれなので、誘爆したら死ぬ。 ……ちなみにほとんど実弾なのでジェネレーターに負荷を掛ける武装が割と少なく、やけに高機動でもある。 もちろんオプションとしてミサイルライフルやレギオンズミサイル、グランドブースター・ミサイルなども装備可能。 どうしてこんなものに全力をかけてしまったのか。 武装 両拳部マイクロミサイル×3 牽制用に使うミサイル。他と比べてもかなり弱いが、腐ってもミサイルはミサイル。 右腕部高速ミサイル×2 高速で射出されるミサイル。名前の通り速く、ほんのりと威力高め。 右上腕部拡散ミサイル×2 胴体が分離し、中に格納されていたマイクロミサイルが大量に発射されるミサイル。回避強要と壁の形成の2つの役目がある。 右肩先端部高誘導ミサイル×2 弾速こそ遅いが、誘導がかなり強いミサイル。プレッシャーを与え続ける役割を持つ。ほんのりと威力高め。 左腕部ブレードミサイル×2 剣に推進剤がついただけとは言ってはいけない。 一応ミサイルとしても使えるように火薬は封入してある。 左上腕部ナパームミサイル×3 ナパーム剤の封入されたミサイル。無誘導のため、直宛てよりは地面へ向けて狙う物。 左肩先端部6連ミサイル なんの変哲もないミサイル。6連装式。 右肩部AMミサイル 対魔法用ミサイル。つまりは大気中の魔力を離散させる効果のあるミサイル。吸引時は一時的に魔法回路に障害を与え、魔力の伝達を通常時より悪化させる。 左肩部無誘導ミサイル×2 誘導などを捨て、火力に特化させたミサイル。シンプルな高火力。 右背部バインダーミサイル×3 羽のような配置をされているミサイル。発射された時は一時滞空し、その後標的へと向かう。わかりやすくいうとカーラミサイル。 左背部クラスターミサイル×3 垂直に発射され、高度を上げてから大量の爆弾を撒き散らすミサイル。別名FF注意ミサイル。 ちなみに1つだけ入っているのが爆弾ではなく金属片になっている。 腰部プラズマミサイル×4 中身に高電圧な電気の封入されているミサイル。着弾した周囲に電撃を残し回避場所を制限するため、ナパームミサイルとの併用がオススメ。 両大腿部ビームミサイル×14 唯一のエネルギー兵器。火力、誘導共に優秀だが、使用時にジェネレーターにやや負荷を掛ける。片方に7連装。 左下腿部質量ミサイル×6 火薬ではなく質量を増やしたミサイル。大体に効くが、意味合いとしては防具着用者への特効兵器。もちろん爆発しなきゃミサイルではないのでインザ火薬。 右下腿部ノイマンミサイル×6 凹型に成形したミサイル。大体に効くが、意味合いとしては防具着用者への特効兵器。 対植物特化型攻撃用パワードスーツ『アグニ』 + ... 花粉に対してまるで耐性のないアナスタシアがとうとう花粉……というか植物に対して乱心を起こした結果、開発されたパワードスーツ。 爆破、焼却、溶断。とにかく熱を伴った攻撃に特化したパワードスーツであり、アナスタシアの花粉への憎しみに溢れている。わざわざ効率よく燃やすために空中飛行用の機関も効率の悪めな燃料式にしたことからもその深さが見て取れる。レーザー武器が無いことは密に、密に 全身燃料まみれなので誘爆したら死ぬ。そこはオールデイズ・カーニバルと似ている。 ちなみにパワードスーツに標準搭載のS.A.Dも対花粉用に顔全体を覆うガスマスク型。もちろんガスマスクとしても機能する。 固定武装 超高火力ファイヤースロワー×2 とどのつまりは火炎放射器のこと。 中身は一般的な火炎放射器の内容物──ゲル化ガソリンことナパーム剤が入っているが、アナスタシア脅威の科学力で超高温で燃え、また射程も可燃性の圧搾ガスの噴射口を絞り、かつ高速での噴射にすることで、100mと火炎放射器にしてはかなりの長射程を獲得した。 火を灯したまま振り回せば長射程の近接攻撃にも使える。 左肩部六連装ナパームミサイル 六連装のナパーム剤の詰まったミサイル。 無誘導だがアナスタシア脅威の科学力で超高温で燃えるナパーム剤、かつ弾速速めなので割と直当ても希望視できる。 右肩部爆風特化型グレネードランチャー『ラムブリング』 頭メリニット 爆風がとてもでかいだけのグレネード。 何か凝った仕掛けがあるとかアナスタシア脅威のメカニズムとかそういうのは一切なく、本当にただただ爆風がバカみたいにでかいだけのグレネード。 弾速は遅い。 肩先端部二連装グレネードランチャー『ベル・クリケット』×2 元がクソのくせにいっちょ前に高めようとしている汎用性のために小型化、その代わりに弾速と省スペースを目指した武装。 不足している威力の確保のために2発発射。どんな時でも2発発射。カァンカァン! 腕部二連装赤熱化チェーンソー×2 横並びに設置されている物理チェーンソー。 普段は刃を格納しており、戦闘時に起動、刃渡りの長いチェーンソーを展開する。今回は赤熱化用の機構を仕込む事で超高温にしながら切断する事を目指した設計。 用途は主に森林伐採。マトモにチェーンソーが使われている……だと……? 内部格納式パルスプロテクター ラージャと同型のパルスプロテクター。 受け流しに特化しているが、流石に大本よりは性能が大幅に劣化している。そも展開時の大きさを使って受け流していたのもあるため、それが原因でもある。 出力を強引に上げればパルスの衝撃波を放てるが、十分に冷却しきるまでパルスプロテクターは使用不可能となる。 白兵戦特化型攻撃用パワードスーツ『IVAN-IV』 + ... Mark.IIとアンブローズが共同で開発したパワードスーツ。 今までの大型なパワードスーツとは一転、身体に合わせたサイズ感になっている。気持ち大きくなったかな程度にまで縮小している。 それもそのハズ、アンブローズのオーバーテクノロジーの引き上げによって得られた超小型のジェネレーターを随所に仕込み、かつまたしてもアンブローズのオーバーテクノロジーで小型化技術をも持ち込んだがため。 依頼者、もといシロ・フェニーのバトルスタイルに合わせ、白兵戦以外は何もできないが白兵戦になると化け物じみた性能を発揮できるような仕組みになっている。 ちなみにアナスタシアに合わせた物もある。 …………すぐに関節部が壊れそうだなぁ! とかを余が思ったのはおそらく間違いではない。 武装欄 両腕部ビーム・パイルバンカー 両方の腕部に接続された、拳よりほんの少し前に出た長方形を二つ組み合わせた形の武装。 使い方は簡単、相手に向けて正拳突き。すると前に出ている長方形型のスイッチが押され、放出されたビームの奔流で相手は死ぬ。 ロマン超火力の癖に、アンブローズの引き上げたオバテク超小型ジェネレーターによって再使用までの時間は思っているよりは短め。具体的には3分くらい。 使いようによってはパワー〇イザーやパワーダ〇ク、バス〇ーウルフのようにも使える。 両拳部スパーク・ナックルストライカー 両方の拳部に仕込まれた、電流の流れる拳を保護する用兼打撃威力を高めるための突起のある手甲。 突起殴打する部分に電流を流している点以外は本当に何も無い。握り拳を固めて存分に相手をぶん殴ろう。 両膝部スパーク・ニーストライカー 両方の膝、厳密には関節の少し下辺りに付けられたスパーク・ストライカー。 CFのように黄金の膝でも叩き込もう。 両脚部スパーク・キックストライカー ふくらはぎの部分に配置されたスパーク・ストライカー。 使いようによってはライダーキックまがいのこともできる。 自立駆動式風紀維持用人型兵器『ダルマ・トーラ』 + ... アナスタシアがロマンを捨てて、武力による校内の風紀の維持を行わせるために設計、制作したAI操作式の自立駆動兵器。 そもそもの設計思想を、有人から無人での活動へと変えて設計したため、1.9mと従来のパワードスーツと比べて非常に小柄な設計でありながら、かなりの高性能な仕上がりとなっている。 AI自体も高性能に仕上がっているため、抵抗による雑な破壊や逃亡を許さないようになっている。 ……問題といえば、一応彼女も柔軟な思想になってある程度緩くは設定したとはいえ、学校の風紀には合わない秩序思考なことと人工知能ではなく固定されたプロセスだけで行動するAIなので死ぬほど堅物であるということ。あと違法行為を鎮圧するにしては威力が過剰なこと。 殺傷武器の搭載モデルと非殺傷武器の搭載モデルの計2つが存在している。 殺傷武器搭載モデル 武装 右腕部直結高出力レーザーライフル いわゆる武器腕のような状態で連結されているレーザーライフル。 連射性そのものはあまり高くないが、ずば抜けた射撃精度を誇り、AIの高精度な照準性能も相まって、射撃戦の要でもあれば追撃の主軸にもなり、また魔力干渉性能もあるので防御魔法の削りにも使えると、用途が多岐に渡るかなり面倒な武器になっている。 イメージはKARASAWA-MK2。カァオ!カァオ! 左腕部直結高出力レーザーブレード 両刃ナイフ型の発振器から展開される高出力なレーザーブレード。 標準は刀身が長めに設定されているが、AIの判断により刀身を更に長くしたり、逆に短くして威力を高めるといった芸当もできる仕様。 出力の調整により、高威力な光波を飛ばすことも可能。 右肩部パルスキャノン 曲線の多い、特殊な形をしているパルスキャノン。 威力は当然のことで、それに付け加えて魔力に対する干渉能力をやや偏重して強化している。 連射性能と瞬間火力こそ目を見張るものがあるが、オーバーヒートを起こしやすい。 イメージはKRANICH/60Z。 左肩部大口径ガトリングガン 対物弾を連射できるようにしたガトリング砲。 高い火力。高い連射性能、高い精度。それ即ち雑なばら撒きではなく、相手が怯んで動かなくなった時に性能を最大に発揮する、いわば追撃用の武器。 魔力干渉能力はパルスキャノンに劣る。 非殺傷武器搭載モデル 右腕部スタンガン 威力をしばらく麻痺させるだけに留めたスタンガン。 ……とはいえ、痛いものは痛い。 左腕部スタンバトン 相手に物理攻撃と感電による麻痺の双方を狙ったスタンバトン。 もし無理やりにでも立ち上がるようであれば電極を相手に叩きつけ、より強い感電を引き起こさせる行動を取るが……対強者でもなければ使われることはそうそうない。 右肩部束縛具射出機 読んで字のごとく。 左肩部大口径ガトリングガン(ゴム弾仕様) 唯一の火薬を使う武器だが、発射する弾丸をゴム弾に変更している。 とはいえ高速、かつ大口径なのでしっかりとても痛い。 ダルマ、トーラの意味はそれぞれサンスクリット語で『法』、『天秤計り』。 ムジカ・エクス・マキナ + ... 機械仕掛けの音楽。 専用のコンサートホール一体型の固定兵器であり、演奏という名の戦闘を行う。中は人がいなくても演奏できるAI仕掛け。もちろん人力での演奏も可能。 ちなみにだが、後述するコンダクターを取り外せばちゃんとコンサートホールとしても機能する。 ……ただし、兵器面としては戦闘に役立つワケがないので、はっきりいって産廃ロマンの域を出ない。 現状シミュレーターでしか存在できていないため、それの強制終了でしかならないのだが、本来なら死の概念を付与することによる鬼畜演奏機になりえた。 もちろんそれには届いていなかったはず、なのだが…… 武装欄 コンダクター 舞台中央の壁に配置された、上半身のみがある機械仕掛けの巨人。中身にコックピット……という名のピアノ入りの部屋がある。ちゃんと演奏しないと稼働しないのが玉に瑕。 本体そのものは何もしない。本当にただ指揮棒を持ち、演奏をするだけ。 演奏終了後は丁寧に礼をするプログラム付き。 ……ちなみに人格はどこぞのオーネスト・ナニートゥ。 高出力レーザー×16 舞台と観客席の境目に配置された16機のレーザー砲。基本的にランダムで動く。 高火力かつ終盤が近づくにつれて展開される数が増えていくので厄介。 アンシュマト×n 壁に配置されているいつもの。 演奏に合わせてトリガーが引かれるため、タイミングそのものはわかりやすい(安心して避けられるとは言わない)。 ビーム・ミサイル×280 コンサートホールの2階、3階部分に搭載されている、「ビームに爆発性を持たせる」という割と意味のわからない技術でつくられた兵装。 速度こそ遅いが追尾性のあるものと、追尾性こそないが速度の速いものの二種類がある。 同様に演奏に合わせて発射される。 パルスプロテクター 攻撃される瞬間にのみ展開される、本体に搭載されたプロテクター。 衝撃の吸収、受け流しに特化しているため、実は耐久性そのものは低い部類。 アズライール・ウェイブズ 演奏終了時に舞台下から放たれる、コンサートホール内部のみに及ぶ衝撃波。簡潔に言えばコンサートホール内の生命体全員絶命させる最低ギミック。バグ並に固く設計されており、かつ常時暗号も変更されているので、安易な破壊やハッキングもできないようになっている。 ちなみに起動時の前口上は 『ん、んん。起動したかしら? ……起動してそうね。この音声メッセージが流れてたら起動しているはずよ。……まあ、今回は所詮シミュレーター。本来なら死の概念を付与して即死させるギミックだけれど、強制終了にとどまっているはず……そうね、そう。そのハズ』 『それじゃあ1つの前口上、どうか聞いて頂戴な──』 『…………肉体は、いずれ崩れ落ちる。それが例え金属の身体であろうとも。物理としてそこにある限り』 『──しかし。しかし芸術は……情報は。ミームは。人がいる限り果てはしない。あるいは、それを伝える物がある限り』 『……今回の私は、そこに美を見出した。尽きぬミーム、語り継がれゆく魂、ああどこまでも生き続ける、情報の奔流──』 『……さあ、貴方たち。喝采の準備をしなさい。……まもなく舞台の幕は上がる。強く激しく、高らかに』 『ムジカ・エクス・マキナの──機械仕掛けの音楽を指揮する者に、どこまでも高らかな喝采を!』 となっている。 コーシャ・キータ + ... デカい、速い、硬い。イコール強い。 単純だが強さの一員になるもの全てを総動員した結果に出来た、バカみたいに長い自立駆動兵器。 簡素なAIによって、探知できる生命体を重量で押し潰し、あるいは顔面部全体に付けられたドリルですり潰す。 全身がセンサーなので後方からの察知もできる。 シンプルにデカく、シンプルに速く、シンプルに硬い。 故に強い。彼女にとってはつまらない物そのものではあるが。 武装 顔部掘削機×3 先の平らな掘削機。 地面を掘って進むためのものだが、攻撃にも転用可能。実質的な攻撃用の武装はこれと外壁の重量のみ。また、これを搭載したのもあって顔面が『相対的に』弱点になっている。 パルスプロテクター×n 攻撃される瞬間にのみ展開される、本体に搭載されたプロテクターシールド。 衝撃の吸収、受け流しも最高級ながら素の耐久性も高い。 全身に張り巡らされている。 リアクティブアーマー×n パルスプロテクターとは違い、常時展開されているプロテクターシールド。 受け流し、衝撃吸収こそ皆無だが、耐久性が天井無し。 アンチマジックアーマー×n 対魔法障壁とも。 自機に向かって放たれた魔法を打ち消す効果を持つプロテクターシールド。出力以上を上回られると消滅するが、そもかなりの高出力のため打ち消せる魔法はほぼほぼ存在せしえない。 外壁 武装ではないが一応紹介。 計3種のを突破した上で待ち構えている外壁。 それ単体でもかなりの厚さ由来の硬さを誇り、本人にとっての会心の一撃を叩き出してもへこみができるかどうかの硬さを持つ。 重量もかなり重たいため、質量攻撃も可。 AI 武装ではないが一応紹介。 各種に張り巡らされたセンサーから生命体を検知し、周りで暴れ散らかすだけの簡素なAI。 モチーフはルビコニアンデスワームことアイスワーム。 超大型レールキャノン『ワイルドハント』 + ... 現状保有している技術を最大限詰め込み、超火力と超長射程、超高精度──その全てを両立させた上で超大型化させた、全高45m、全長250mという大きさを誇る地上固定兵器。 核爆発による爆圧と張力、魔導による初速、空気圧縮と電磁力による砲身内での加速をもって相手を撃ち穿つ。 ……元よりその射出する速度と熱、そして25mという尋常ではない実弾の大きさも相まって、肉片はおろか過去の存在を証明できた物品のひとつでも残るか定かではないにしろ。 オーバーロードも可能であり、砲身が大きく破損することと引き換えにその火力は、完璧に芯さえ捉えられたのなら理論上星砕きさえも可能とする。 もちろん理論上の話なので、そう上手くいくはずもない。できて当たった部分を射出地点からでも分かる程度に抉る程度である。 ……ちなみにこの名前は開発に携わったMark.IIとアナスタシア、アンブローズ、アナスタシウスがジャンケンし、長い戦いの末にMark.IIが勝利して決めたもの。 武装研究戦艦『ヴェーダ』 + ... 研究室が長年の研究と開発、そして資料で手狭になってきていたのを機に、一から研究室に代わる物を制作しようと血迷い発想して着手したクソデカ艦船。 その広さはイカれた事に縦幅730m、横幅280m、高さも55mと、小さい街がスッポリ収まってもおかしくないサイズ。その分の電力エネルギーを賄うため、数多くの核発電施設を搭載している。 移動方法は海に浮かぶ艦船、というよりは飛行船──エネルギーを使用した空中浮遊。 もちろん、海に浮かぶことも可能。 固定武装 艦首部超大型レールキャノン『ワイルドハント』 戦艦に固定された超大型レールキャノン。 艦船に搭載するために旋回機能を排した結果、ド正面にしか発射できなくなっているが、その度を越した破壊力と火力は健在。 パルスプロテクター 研究艦船『ヴェーダ』に合わせ、艦船全体を覆い尽くせるように大型化したパルスプロテクター。 元が大きさを利用した受け流し特化のため、ここまで大型化してしまうと例え超火力な攻撃だろうとまず容易には割れない。 甲板部大型対空ガトリング砲×84 艦船に合わせて大型化したガトリング砲。 弾も大きくなっているので火力も割と高い。 艦船自体を傾ければ対地攻撃も可能。 甲板部対空榴弾砲×64 艦船に合わせて大型化した榴弾砲。 弾も大きくなっているので火力も割と高く、爆発範囲も大きくなっている。 艦船自体を傾ければ対地攻撃も可能。 艦尾部対地攻撃用機雷散布機×15 対地攻撃に使用する機雷散布機。爆発範囲が大きめ。 側面部260連装ミサイルランチャー×2 シンプルなミサイル。弾幕形成に役立つ。 側面部高出力レーザーキャノン×2 専用のジェネレーターを配置し、高出力になったレーザーキャノン。極太レーザーの割に連射も効く。
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/365.html
瓦礫の死闘-VS究極獣・Radical Dreamers-(前編) ◆wqJoVoH16Y 「ギャンブル場をつぶして改造すれば、もっと速くなるぞ」 そういってちょび髭のオッサンを故障したエンジンルームから蹴とばしたのはいつのことだったか。 ポーカーフェイスもへちまもない、未通女でもあるまいに。 少々大切な場所に触れられた程度で手を跳ね除けるとは。 今から時を越えられるなら、少し自分に説教したいくらいの情けなさだ。 「大切なのね、この船が」 振り向けばそこにいたのはティナだった。 こうして改めて見ると、セリスとどっこい……いや、別路線で攻めればあるいは…… 頭に沸いた妄想を振り払う。エドガーじゃあるまいに、そんなことを考えたのは、もう一人の女のことを考えたくなかったからか。 「きままなギャンブラーぐらしをしてる俺にも、若いころは必死で打ち込める事があった…」 ほら、よくない。こうやって雪崩式につまらないことを思い出して、 「こいつを世界一速い船にして大空をかける…そんな夢を追いかけていた」 もう追いかけるつもりもない夢を、誰かに語ってしまう。 「そのころは俺を夢にかり立てるヤツがいた。世界最速の船、ファルコン号をあやつる飛空挺乗りだ」 誰にも聞かせたことのない歌を、歌ってしまう。 「俺とヤツは… 時にはよきライバル、時には夢を語り合う親友だった。 どちらが先に空を突き破り、満天の星空の中を航海できるかと……」 青臭い。ギャンブラーとは程遠い。ガキ相手だからとガキの話をしなくてもいいだろうに。 ほら、そのくらいでやめておけよ。バレちまうぞ。 「……だがヤツがファルコンと共に姿を消した時、俺の青春も終った」 そう、セッツァー=ギャッビアーニの懐いた夢は、世界の崩壊とともに壊れたのではないのだ。 その遥か昔――ブラックジャック号にギャンブル場ができたとき、 ある一人の飛空艇乗りが死んだとき、とっくに終わっていたのだ。 ギャンブル場などという重しを翼に乗せて、世界最速の夢を潰しておきながら、 それでもその翼を折って完全に潰す勇気もなかった。 叶えるつもりもなく、叶わないと頭を垂れることもできず、残ってしまった命を、ギャンブルの刺激に浸らせていた。 そのくせ、いざ自分の翼が折れてしまうと、踏ん切りをつけるどころか酒浸り。 ブラックジャック号があろうがなかろうが変わらないのに。 あいつの言うとおりだ。宙ぶらりんに翼を残して、薄めに薄めて人生――――それがギャッビアーニという銘の酒だ。 「多分な、夢を残したまま、死にたかったんだと思う」 自分という名の酒をちびちびと飲みながら、セッツァーはそう吐いた。 「叶える気もない、だけど諦める気もない……だから、夢に酔ったまま死ねれば……」 薄すぎる酒を舌の中で転がし、懸命に味を探す。 マリアを奪いたかったのも、帝国とのギャンブルも……つまるところ、死ぬまでの暇潰し。 消極的な自殺といってもいいかもしれない……それがギャンブラーとして良く回転したのは皮肉だったが。 「なんだ、飲み返すと馬鹿馬鹿しいな。こいつ何がしたかったんだ。死ねよ」 そういって自虐を浮かべながら、セッツァーはさらに一献を飲み干す。 アティという女を嗤えないではないか。死にたければ死ねばいい。 ブラックジャックを有り金全部で改造し、最速の果てへヤツに会いに行けばいい。 満天の星空の中で満足に笑って死ねばいいのだ。 「……? 違うのか。“俺の夢は、それじゃないのか”」 味蕾に走った痺れを逃がさぬように、セッツァーは口にその微かな風味を反芻する。 もしも、真に世界最速が彼の夢であるのならば、奴が死んだからと夢を諦める意味はない。 奴の航路データを基に改めて世界最速に挑めばいいだけだ。 それを俺は諦めた。俺の夢は、奴の死と共に終わってしまったから。 ――――今度のテスト飛行は危険かもしれない。 まさか、俺がアイツに恋をしていたとでもいうのか。 世界最速になりたいのではなく、世界最速を夢見た女の傍にいたかった、ただの野郎だったのか。 ――――私にもしもの事があったらファルコンはよろしく。 「バカ言え」 違う。ふと浮かんだあまりに詰まらない答えを押し流すように、セッツァーは杯を空にした。 アイツはいい女だった。だが、俺はあいつを止められなかった。 無茶だと、危険だとわかっていても、あのテスト飛行を止められなかった……止めなかった。 「アイツが一番輝くのは、空の上だ……あそこで風を切らなきゃ、咲けない花なんだよ」 懐から一枚の栞を取り出す。 無理やり船から降ろして、どこかに閉じ込めて、死んだら困る俺の女になれと言えばよかったのか。この栞のように。 出来ればとっくにしていたろう。だが駄目なのだ。摘み取ってしまえば枯れてしまう。 そして……俺が美しいと思ったのは……ありのままの花なのだ。夢に咲いた花なのだ。 「俺の前から逃がさねぇと言ったろうが……勝ち逃げのつもりかよ……俺は……俺はな……」 酒を飲むたびに少しずつ、少しずつ、体内で酒精が蒸留されていく。薄め続けてきた退廃的な生を濾過していく。 奴に勝ちたかった。奴よりも少しでも速く有りたかった。 それが、摘めば枯れる花を愛でる唯一の術だった。世界最速など、その結果に過ぎない。 ならば何故。何故俺は、アレを美しいと思ったのだ。恋ではない。肉欲など雲海にありはしない。 ――――いつまで後にいるつもり? くやしかったら私の前に出てみな。 「俺は、ただ……」 圧倒的な強さで流れていく大気。激烈で苛烈で猛烈な流れが生む心地よい冷却を全身で感じ取る。 轟音にも等しい大気の鳴き声。銀髪と黒い裾をはためかせて、対峙する夕陽の何と荘厳なことか。 ――――それとも私のおしりがそんなにみりょく的なのかしら? 「……お前の尻も悪くはないけどな……」 杯が満たされたとき、瓶の口から滴が垂れて、波紋を立たせた。これが最後の1杯だ。 この太陽の輝きには全てが霞む。太陽に最も近い場所で、俺は太陽を追う。 どんなギャンブルでもこの高みには辿り着けない。 生<リターン>と死<リスク>が融合した場所で、俺はただ挑み続ける。 眼下の大地など興味はない。見下して得られる悦など、この輝きの前には無に等しい。 ――――これからが本番よ。きろくをぬりかえるわ! 「やっぱり、見たいじゃないか。俺だって男だからな」 ああ……あの赤く燃えた夕陽の向こうで、高らかに歌った花よ。夢に輝いた、最高の光よ。 ひょっとしたら……お前に俺の顔なんて見えちゃいなかったかもしれない。 誰よりも速いお前は、空ばかり見ていたから。 それでも構わない。むしろそれがいい。後ろを省みるなんて、お前には似合わない。 俺の存在が僅かにでも重荷になるなら切り捨てろ。 だから突き抜けろ。俺も誰も省みず、より速く、より強く、より高く、咲き誇ってくれ。 ――――くもをぬけ、世界で一番近く星空を見る女になるのよ! 「その向こうでお前がどんな顔をしてるのか、気になってしかたねえんだよ……ダリルッ!!」 そんなお前を越えて、お前の顔を正面から見て、正々堂々と奪っていくから。 「うっぷ、ぷぷ、ふくくく、くは、ハハハハハハハハッッ!!」 最後の一滴までも飲み干したセッツァーの口から、げっぷと共に笑いが迸った。 薄めに薄めて、もう味もろくに分からなくなった俺の酒……それでも、延ばし延ばして絶やせなかった俺の夢。 生と死の狭間、空を突き抜けた先の星空を見たいと言った君は、そこでどんな顔をするのだろう。それはきっと何よりも美しい。 だから最速なのだ。尻を追うだけでは見えること叶わぬ。肩を越えて顔を拝むためには最速になるしかない。 世界最速のいい女の顔を見たかった。ただそれだけの、青い春だったのだ。 「これが俺の酒か! なんて青臭え!! 鼻が曲がる。舌が痺れる。不味いったらありゃしないッ!!」 笑い過ぎた息を整えながらセッツァーは立ちあがる。 トルネコ<世界一の武器商人>、ヘクトル<理想郷>、アティ<傷つけたくない>、 ロザリー<貴方に届け>、無法松<燃え尽きた夢の灰>、ジャファル<君に生きてほしい>。 ここまでにセッツァーが呷り煽ってきた数々の酒器達が並べられ、それを見てセッツァーは心の底から不明を恥じる。 アキラの言うとおりだ。己は薄い自分の酒の味を恐れ、他人の酒を呑んで難癖に絡む酔漢でしかなかった。 愛すべき仲間たちの銘を受けた色取り取りの酒も並ぶ。 帝国の独裁から自由を勝ち取ろうと願われた夢が硝子の向こうで輝いている。 それだけじゃない。これまでセッツァーが味わったことのない酒瓶も並んでいた。 これから注がれる夢も、あと一滴しか残っていない酒も、どれもが自由に輝いている。 環境は苛烈。ふとしたことで失敗してしまった酒もあるだろう。それでも、人は夢を創り続けている。 みんな違うのだ。素材も、製造法も、熟成も。そうやって夢に満たされたのが、世界じゃないか。 「……どうしてくれんだよ……不味過ぎだぜ。不味過ぎて不味過ぎて……」 そんな美酒、名酒集う酒場で、セッツァーはようやく得心する。 世界にはこんなにも夢が、溢れているのだ。だったら、その事実を先ず受け入れて―――― 「もうこの酒しか呑めねえよ」 “俺の酒以外全部棄ててしまえ”――――――この空には、俺の夢だけでいい。 夢見たあなたは 遠いところへ Oh my heroine, my dream ,Shall we still be made to part, 色あせぬ永遠の夢 誓ったばかりに Though promises of perennial dream Yet sing here in my heart? 「なんだ? 何を言ってやがる?」 セッツァーを吹き飛ばした血まみれの鉄拳を布で拭いながら、アキラはセッツァーから聞こえた声を訝しむ。 怒れどもゴゴのこともあり、確かに殺しはしていないが、それでもダメージは致命的な筈だ。 なのに倒れた相手から湧き上がる音は、ひどく場違いで、はっきり言って不吉でだった。 「……歌、ですか……?」 アキラと共にそれを聞いたちょこは、それを歌だと思った。ちょこがイメージする歌に比べ、やけに芝居がかった音調だったが。 だが、歌姫シャンテの歌を聞いたことがあるちょこは、そこに得も言われぬ悪寒を覚えた。 魂の込められた歌は、聞き手を歌い手の世界に誘う。聞いてしまえば、二度と帰ってこられないような世界に。 「……何、これ……?」 ピサロが変態を終える前に、聖剣の一撃で消し飛ばそうと構えていたアナスタシアの手が止まる。 か細い音は、しかし決して断てぬ糸のように伝っていた。 その歌にアナスタシアの過去が共振し、彼女は確信する。 あの歌は、よく似ている。かつて生贄となったとき、私が世界に歌った呪い<シニタクナイ>の歌に。 「え、ルシエド、なんで震えて……ッ!?」 歌に共鳴したのは、アナスタシアだけではなかった。その手に持った聖剣ルシエドが大きく震えている。 そして―――― 悲しいときにも つらいときにも I'm the darkness, you're the starlight Shining brightly from afar. 空に降るあの星を あなたと追い Through hours of despair, I offer this prayer To you, my evening star. 肉塊の内側から響く歌と共に、止むことなく連鎖していたデスピサロの進化が止まった。 「……まさか、お前がこんな歌を歌えるとは思わなかったな」 デスピサロへの変生のさなか、失われていくピサロが自嘲した。 誰が歌っているかなどどうでもいい。だが、その歌に、残されたピサロの意志が呼応した。 「ああ、そうだ。お前に歌われるまでもない。私は誓ったのだ。二度と忘れぬと、永遠に愛すると」 一瞬たりとも『勇者』に囚われてしまった不明を、ピサロは胸の深い所で自省する。 背中の火傷の記憶が、デスピサロの道へ歩みかけた自分を叱咤しているようだ。 済まないと思う。だが、もう一度成りかけたのも、そうそう悪いものではない。そうピサロは苦笑した。 「礼を言うぞ、オディオ。お陰で思い出すことができた……私は、3度もロザリーを殺していたのだな」 誓いを立てた今だからこそ分かる。人が真に死ぬのは、命果てた時ではなく、忘れられてしまった時なのだと。 ロザリーは人間によって殺された。そして、この島で魔王と勇者の雷によってもう一度死んだ。 だが、真に罪深きは――進化の秘法によって全てを憎悪で塗り上げ、ロザリーを忘れてしまった2度目の死なのだ。 忘れぬ限り、愛は終わらない。受け取った心を捨てぬ限り、永遠はなくならない。 ――――ならば『敗北』するというのか? どんな綺麗ごとを述べようが『勝者』にならねばお前の大願は果たせない。 そのためには『力』が要るだろう。ならば憎め。愚かな人間を憎め。愛を逆さに変えて憎しみに進化せよ。 闇が、そう言った気がした。どこか哀願するような口調で、同病を相憐れむように。 それは至極正論だった。ピサロもそれしかないと思っていたからこそ、僅かにもデスピサロへの道を選びかけたのだ。 「違うな。誰も彼もが愚かなのだ。そこに人間も魔族もない。我らは、等しく愚者だ。 それさえも忘れてしまえば、我らは罪人ですらなくなってしまう」 だが、ピサロは知っていた。力だけが全てではないことを。 その矮躯であっても、炎のように駆け抜けた一人の少女の愚かさを。 愛する人の願いを理解しながらも、その願いを踏みにじって歩く自分の愚かさを。 かつてロザリーの命を奪った欲望も、ピサロが抱くこの願いも、等しく愚かなヒトの夢なのだ。 「最早、憎しみなど抱かん。私はただ、この夢を――――愛を貫くだけだ。 立ち塞がるならば等しく殲滅する。誰もと同じ1人の愚者として、私はロザリーを愛し続けるよ」 かつて人間を憎み抜いた魔王は、ただ一人の男として、その愚かな世界で足掻き続けることを選んだ。 ただ一個の生命として、ただ一個の生命を想い続ける。 そこに一部の隙もなく、有象無象の人間を憎む隙間などありはしない。 「失くした程度で砕ける愛など、憎しみに変えられる程度の愛などもう要らん! 進化に逆らってでも、今度こそ、この愛を徹して見せるッ!!」 デスピサロとして憎むのではなく、ピサロとしてロザリーを愛し続ける。 闇の中で高らかに告げられた愛に、ピサロの胸の中で何かが白く輝き始める。 「これは、あの店主の……!?」 ――――その想いは、力へと至り、狂愛となりて我へと届く。 ピサロの懐から光が飛び出る。それは古ぼけた石像だった。 女神を象った、かつて愛を司った存在の骸が、強烈な光を放つ。 その光に、ピサロの心臓が高鳴った。締め付けられるほどに胸が苦しくなる。 光の先に女性の影が浮かぶ。その輪郭を一目見ただけで、ピサロはこれが夢かと錯覚した。 そして、ピサロはその胸の高鳴りを吐き出すように、この歌に続いた。 どうか夢なら醒めるな、待ってくれと、その影に手を伸ばすように。 望めぬ契りを 交わしてしまった Must my final vows exchanged Be with him and not with you? どうすれば なあ、おい 言葉を待つ…… Were you only here To quiet my fear… Oh speak! Guide me anew. 紡がれる歌は輪唱となって、物真似師の戦場にも響く。 苛烈な剛剣の一撃をいなし続けていたゴゴの手が止まる。 「……これは……オペラ…………セッツァー、なの……?」 世界を渡り物真似をし続けてきたゴゴには、この歌がなんなのかに見当がついた。 オペラ座の演目の中でもタコとトレジャーハンターのいわくを持つオペラだ。 「キャプテン……お前は何を、いや“どこに行くつもり”なんだ……ッ!!」 アナスタシアの物真似が解れるほどに、ゴゴの中に言いようもない悪寒が走る。 この歌劇は知っている。それにまつわる、仲間たちの物語も聞いたことがある。 だが、この血を流さんばかりの絶歌は、ゴゴの中にある世界には存在しなかった。 この歌に導かれるように、ゴゴの中のブリキ大王が消失する。 自分の知るマーダーであるセッツァーさえも置き去りに、セッツァーが変わってしまう気がした。 「セッツァー……ッ!!」 「余所見をするな、“フレアが来るぞ”ッ!」 飛翔せんとするセッツァーの手を引かなければならない。 そう思って意識をセッツァーに向けたゴゴの背後で、超熱が生成される。 イスラを守り続けているストレイボウの叫びに、ゴゴが再ぎ向き直った先には、 ゴーストロードが掲げた魔剣ラグナロクからフレアが放たれていた。 ふと、セッツァーは手を止める。 どこか遠くで、自分の名を呼ぶ声がした気がしたが、爆音に掻き消えてはっきりと分からなかった。 「いいか、どうでも」 そういって再び歌を口ずさみながら、セッツァーは酒場にある全ての酒瓶を砕いていく。 大口径の44マグナムの銃弾が、この島に集められた酒をバリバリと割っていく。 トルネコを、ヘクトルを、トッシュを、アティを、ニノを、ジャファルを、目につくもの片っ端から破壊していく。 一々批評なんかしない。お前たちの酒が旨かろうが不味かろうが、これが唯一絶対の俺の酒だ。 あの沈みゆく夕陽に咲いた輝きさえあればそれでいい。他の雑味など全て無くなれ消え失せろ。 デスイリュージョンの刃が、かつてブラックジャック号のバーに並んだ酒瓶を切っていく。 ロック、ティナ、セリス、カイエン、マッシュ、エドガー、ガウ、ストラゴス、リムル、モグ。 かつて共に夢見た自由の酒も、等しく捨てていく。 瓶の切れ目から血のように酒が床に流れても、セッツァーには何の感慨もなかった。 「悪いな――――お前らも邪魔なんだよ、重くて」 これまで手抜きに薄めてきた我が夢をここから挽回する。その為には全力疾走しなければならない。 ならば過去も友誼も全て不要。後ろを向けばその分遅れる。誰かを“省みる”なんて無駄なことはできない。 セッツァーの魔法が、溢れた酒に引火する。火は瞬く間に酒場を焼き、紅き風にセッツァーのコートが翻る。 「いいぜ、ここを超えることができりゃ、俺の勝ち。だったら、全賭け<オールイン>だ」 記憶を棄てる。絆を棄てる。銘を棄てる。胸に抱くは夢だけで、その自我こそが空に続く唯一の道。 全てが燃えて果てる中で、セッツァーは己が手に持った酒を呑んだ。 舌の中で湧き上がる芳醇。かつて抱いた限りなく純粋な夢の味が、セッツァーに広がった。 ゴミ<他人の夢>も不純物<仲間>も入らない、本来の夢が、その掌にある。 ならば、今この時。 セッツァーが空で、空がセッツァーだった。 夢以外の全てを棄てる。何もかもが軽い。我が夢だけで満たされたこの空は希望そのものだ。 だから、望む。燃料<夢>はある。目的地<希望>も見つけた。だから、最後に望む。 ダリル、君の背中を追う為の翼が欲しい。 最速を追うための翼もまた最速。誰にも追いつけぬ、どんな障害もするりと抜ける翼を。 その欲望が迸ったとき、セッツァーの懐に黒き光が輝き始める。 右手に収まるのは銃ではなく心臓。日常への回帰を夢見た一人の男の、希望と欲望の結晶。 その幻想の心臓に亀裂が入る。真実に至ったギャンブラーの感情に、希望と欲望が塗り替えられていく。 希望と欲望、二つに通ずるもう一つの感情――――『夢』に、全てが支配されていく。 なんと禍々しき希望か、なんと忌々しい欲望か。だが純粋である漆喰の夢はかくも美しい。 世界の守護者たらんであるゼファーが絶対に受け入れてはならぬ美しさ。 だが、同時に欲望でもあるこのファンタズムハートは、その善悪を超越した美しさを認めるしかない。 「翼がなくちゃ、夢を見られないからな」 平和を祈ったファンタズムハートが、大空の輝いた夢に染め上げられたとき、 砕けたダイスがその心臓へと混ざり、変性していく。 希望という翼に、欲望という翼に、夢という黒き鷹の翼に、堕ちていく。 ありがとう わたしの 空よ I am thankful, my sky, For your tenderness and grace. 一度でも この想い 揺れたわたしに I see in your eyes, so intense and wild, All doubts and fears erased! 久しく絶えし輝き……『愛』を忘れぬ者よ――――我は『愛』を司る貴種守護獣。 輝きの中に浮かぶ女神の影がピサロに言う。その後光は遍く全てを慈しむかのような優しさだった。 ――――幻獣より生れし母親、魔王の娘、そして幼き未完の賢者……愛の萌芽は確かにあった。 しかし、それでも我を目覚めさせる域までは届かなかった。“この世界は、愛を認めていないから”…… この世界を司るのは憎しみという愛の同種であり対極の感情だ。 どれほどの愛を魅せられようとも、遥かな過去に愛に裏切られた憎しみの王はそれを認められない。 愛とはいつか裏切られて喪われ憎悪になるもの。そうだと魔王が信じる故に、彼女はこの島に具現できなかった。 ――――だがそなたは貫き、喪われてもここにある愛を示した。 善悪賢愚の理を超えた愛が、本来存在できない私を呼び覚ました…… ピサロの狂気に等しい愛が、彼女を具現する。 本来ならば世界の守護者たるガーディアンロードがピサロのような魔王に手を貸すことはない。 だが、憎悪と表裏一体の愛を司る彼女は、他の3柱の誰よりも魔王達を理解していた。 ――――歌うがいい、この憎悪の荒野で咲き誇る一輪の花よ。そなたの歩む道もまた1つの『未来』であり『世界』。 そなたの前にあらゆる苦難が立ちはだかる時、我が威力、果てぬ絆となりて全てを退けてみせようぞ。 愛の光が、外界のデスピサロから亀裂を走らせて漏れ出す。 ロザリーないなくとも、否、ロザリーが居ないからこそ強く強く願った愛が奇蹟を起こす。 失くさない、喪わない、忘れない、壊させない――――その願いが、急激な進化に耐えきれなかった肉体を癒す。 ――――告げよ、我が名を。そのとき、愛の抱擁となりて、激しく包み込む力とならん…… 「いしのめがみ」が砕け散ったッ! 強く 激しく こたえてくれて Though the hours take no notice Of what fate might have in store, いつまでも いつまでも あなたを追う…… Our dream, come what may, will never age a day. I'll fly forevermore! 「なんなんだ、その光は……ッ!!」 立ち上がったセッツァーから迸る忌まわしき光に、アキラのが細まる。 夢は砕いた。力は潰えた。ならばこの光は一体。 それは歌劇。運命に引き裂かれた男が、遠く離れた女を追い求める狂恋の歌劇。 「返して……アシュレーさんの光まで、奪わないで……ッ!!」 ちょこの悲痛な叫びなどどこ吹く風と、歌劇はクライマックスに向かう。 運命に沈みこんだ男の下に女の幻が現れ、己が心の在り方を確かめるのだ。 それは恋歌。届かぬ思いを、それでも届くと願いて誓う恋と夢の歌。 「それは、私が纏った力!? なんなの、それは、なんなのッ!?」 デスピサロの破片を吹き飛ばしながら立ち上った光を前に、アナスタシアは狼狽する。 ルシエドと同種の力を見間違うことはない。ならば、この力は―――― その結末は、女を取り戻さんと現れた戦士の帰還。 その終曲は、女を約束通り奪わんと現れたるギャンブラーの登場。 「もう一度、夢を見させてもらうぜ―――――――召喚ッ! ゼファー&ルシエド! Linking to the Material ―――――――――――――――Wake up, Code Z&L!」 「永遠に、ただ君だけを愛している―――――ハイ・コンバイン! ラフティーナ! Conduct a symphony ―――――――――――――Access to limitted, Code R !」 この時、一瞬、舞台は夢と愛に満たされた。 時系列順で読む BACK△144-3 瓦礫の死闘-VS黄龍・反撃は雷のように-NEXT▼144-5 瓦礫の死闘-VS究極獣・Radical Dreamers-(後編) 投下順で読む BACK△144-3 瓦礫の死闘-VS黄龍・反撃は雷のように-NEXT▼144-5 瓦礫の死闘-VS究極獣・Radical Dreamers-(後編) 144-3 瓦礫の死闘-VS黄龍・反撃は雷のように- アナスタシア 144-5 瓦礫の死闘-VS究極獣・Radical Dreamers-(後編) ちょこ ゴゴ カエル セッツァー ピサロ ストレイボウ アキラ イスラ ジョウイ ▲
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/280.html
きみがぼくを――(ne pas ――――――――――) ◆MobiusZmZg 【0】 ――――問いは、たとえある特定の事物の状態に言及しているだけで あっても、つねに主体に形式的に責任を負わせる。ただし否定的な形で。 つまりこの事実を前にしたときの無力さの責任を負わせるのである。 ×◆×◇×◆× 【1】 すべての生命は、その本質へ近付くほどに黒を帯びる。 燃やした肉が、炭と変ずるように。腐敗したものどもが、いずれ土へと還るように。 それは数多の戦い、あるいは蹂躙の過程であり、結果としても睥睨してきたはずの光景であった。 それは進化の秘法を発見し、秘匿した錬金術士どもの間で、まことしやかに語られる話でもあった。 それはいつか、耳にしてすぐに与太話だと、机上の空論にほかならないと切り捨てたものでもあった。 しかしてこの実例を、いま、魔族の王――。 いいや。たったひとりの男は、目の当たりにせざるを得なかった。 あがりどきも知らぬまま、密雨はいまだ糸と散らずに降りしきっている。 彼がひとしきりの慟哭を終えた今も、彼の周りの空間は静謐を保ったままであった。 戦場から切り離されたかのような空間のひろがりと、そこに横たわる静寂は、彼に内省をうながす。 そうして彼に、彼の行動の結果を、因果を直視させることを、けして拒ませない。 ……ここにはまるで、誰の邪魔も入らないようだ。水入りを拒絶するかのように、雨は止まない。 私雨を思わせて天より奏でられ続ける滴り(しだり)のなかで、ピサロは動かなかった。 恋しい者の死に顔から目を離せず、頬にかかる銀髪も払わない彼は、無様に息を荒らげている。 つねの冷静の欠片を取り戻した、今。身じろぎも出来ないピサロの腕の中では、まさに彼女が。 痛みをおぼえた心が求めるがままに行った抱擁に、淡紅色をした長い髪が乱れ流されたエルフの女性が、 進化の秘法を求めた魔族から近くも遠い場所で取り沙汰された『生命の本質』に近付きつつあるために。 白と黒。 闇に満ちた世界にて認識がなされる、はじまりの二色。 無彩色の雷を一身に受けた彼女は、あまりに果敢なく崩れていく。 いかに白く整った外郭を保っていようとも、実際には雷の熱量で体の内を焼かれているのだ。 緊張を失いつつある女性の口許から、口内に溜まった血のあふれる様が、本質とやらの証左である。 内蔵からの出血であろう流体は黒みを帯びて濁り、闇を思わせる粘りを帯びていた。 くすんでよどんだ赤色が膚の肌理に張り付き、しぶとくも雨垂れ落ちに耐えんとする。 それを拭うために彼女の輪郭を崩すことも、彼女の姿から目を背けることも、ピサロには選べない。 思わずながらも彼女に永別の一撃を叩きつけてしまった彼にはとうてい、かなわない。 「ロ……ザ、リー……」 ピサロがみずから名付けた四文字が、雨滴に遮られるよりも先に彼自身の耳朶を打った。 つよく焦がれて追い求めた彼女と同じに尖った魔族の耳は、優れた聴覚を有するのだ。 その耳が拾ったのは、おぼつかない発音と、軸のぶれた抑揚と、うわつき揺らいだ余韻である。 どこまでも断片化された印象が、激情を前に動きを止めた脳裏で噛み合わさる。 意図せずしてピサロの口許がいびつな上弦を描き、即座にかたちを崩した。 激情のままに叫び、地に伏さんとする細い体を、美しきものを遮二無二かき抱いて、 空が知るよしもない嵐の止んだいま、自身の声があまりに白々しいものであると思われたがゆえに。 少しく落ち着いたいま、落ち着いたことそれ自体が彼女への背信であるとすら感ぜられたがために。 ピサロの、のどがこわばる。 たんにこわばるどころか、本格的な夜を前に鋭角な傷みさえ訴えてきた。 戦闘をくぐり抜け、怒号をとおし、呪文を唱えた粘膜が、吸気にまじる硬さ冷たさを許容しかねている。 精神どころか、肉体までもが能動を拒むかのような反応に、誰よりもまず彼自身が驚いていた。 ロザリーのいない安穏など、求めるべくもない――。 そうと断ずる思考を疑いようもなかっただけに、弛緩する思考には手ひどく裏切られたような思いがした。 巧まずして露呈した自己矛盾を前に、頭の中身が飽和しかけているとも感ぜられた。 ……皮肉なことに、ロザリーの死によって生じた慟哭こそが、ピサロの心に冷水を浴びせしめている。 あふれた叫びと、叫びと向きあう時間こそは、許容量をおおきく超えた感情を浄化し、整理せしめている。 いまの彼は、自らの手でロザリーを殺しておいて憎しみに身を任せられるほど、周りが見えないわけではない。 そして、憎しみにとらわれた勇者、倒すべき存在であるユーリルの無様は彼の脳裡にも刻まれていた。 感傷と憎悪と焦燥に駆られてこの結果を招いたのだとも思えば、絶望に折れてやるわけにもいかなかった。 ならば、結局のところは。 彼が選べる道は、ロザリーが存命であったころと質的に同じである。 ピサロはおのが身を削り、追い詰め、なにかを捨てることでしか、彼女への想いを表せない。 たとえば彼女が虐げられたことに怒りを覚え、彼女がされた以上の破壊を及ぼすほどに心を燃やして。 たとえば彼女を喪ったことに対して、喪失したものの価値を示すに相応な質量の悲嘆で魂をゆがめて。 辛く悲しく苦しいと、笑えなくなってしまう。 救いたかった者から真っ直ぐな言葉をかけられてもなお、そこだけは変わらない。 ロザリーがなにかを喪ったというのなら、ピサロは彼女に、彼女の面影に与えたいのだ。 与える過程で自分がなにかを喪おうとも、彼女は、それ以上になにかへ心を砕けるのだから。 ならばこそ、何かを壊すことでしか思いを表せなかった自分は、彼女以上に心を砕かねばならない。 真に彼女がいとしいのなら、自身のたましいをさえ砕かねばならないと信じさえしていたのだ。 ……しかして今回ばかりは、彼もひととき、立ち止まってしまった。 実態が見えないからではなく、むしろ、おのれの本質に突き当たったがために。 ほかでもないロザリーの言葉こそが、彼が感情のままにおのれを捨てることをさせない。 それでいてピサロの側は、彼女を喪った事実を埋めるだけの量感をもった思いを、犠牲を求めている。 誰よりもまず、愛しき者を屠ってしまった自身にこそ、なにかを捨てることを求めてやまないのだ。 この矛盾に、愛を注ぐべき者との落差に気付いたがゆえに、足を止めた彼は、動けない。 自身の基底を衝く欠損に直面し、思いあぐねた魔族は、すでに喪われた救いを求めて瞑目した。 視界が闇にと染まる刹那、木陰に隠れていた花の残骸が視界の端へ収まり、眼裏に素朴な白がにじむ。 頬にさす雨垂れ落ちをまえに、あれは摘まれることで嵐を呼ぶ、雨花であったのかもしれないと。 思考が主の意に反して、わずかに逃げを打つ。どうでもいいと思えることこそ、切り捨てられない。 冷静さの軸をなす俯瞰を取り戻すべく眉根を寄せても、視覚は無為に散ったものに支配されたままだ。 車軸の雨に散らされた花弁は、ピサロの意識で葉脈のそれより細かい組織を透かせてくずれ、 (花――?) まったく別の方面から、彼の脳裏にひらめきがくだった。 天地が鮮やかに見えよう戦慄とともに、情報の欠片が結ばれ開闢にも似た流れが生じる。 進化の秘法に関する文献や伝承を調べていた際に耳にしたことのある口伝が、すべてを切り開く。 それは、千年に一度だけ開くといわれる貴重な花。 《世界樹の花》にまつわる話だ。 錬金術士の論のように与太話とするどころか、今の今まで積極的に忘れていたのは、ひとえに花が咲く場所に拠る。 地上より生まれて、はるかな天空にとつながる樹を、魔族の王であった彼は心から忌んでいたのだ。 あれが地上を俯瞰し、魔族を滅ぼす勇者を生んだ天空の城へ通ずる道というだけで疎ましい。 事実、天空人による干渉を嫌った彼は、一度はあの樹を焼き払おうとも考えていたものである。 しかして結局、彼には世界樹を焼くことなど、出来はしなかった。 魔族の王にとっては目の上のこぶとなんら変わりのない、ただひとつの大樹。 あれは森に生きるエルフ、ロザリーにとっては父にして母とさえいえるものなのだから。 彼女の優しさを知るがゆえに、ピサロには、彼女の愛するものは侵せないと思われた。 ひとたびそう感じてしまったなら、彼の意識は妥協点や着地点を探す方に水が向いたものだ。 そもそもの話、人間を蔑視する彼も、樹木や地上の世界そのものまでを憎んでいたわけでもない。 天空人が地上に降りることが罪であれど、勇者が天空に至ることのほうが罪でないのなら、話は簡単だったのだ。 天より来たるかどうかも分からない脅威を警戒するより、必ずや地上に現れる敵手を滅ぼせば問題は無い。 ロザリー本人から口伝を耳にしていれば話は別だったが、それこそめぐり合わせの問題であった。 そして、いま問題にすべきものは、めぐり合わせの妙でも皮肉でもない。 数瞬の回顧を終えた魔族のなかでは、彼に打たれた様々な点が線につながりつつある。 最も大きな点、思考の転換点はふたつというところだ。 ――どのような薄汚い欲望でもよい。何でも望みを叶えてやる―― ひとつは、憎悪のままに人間どもを睥睨していた魔王の声。 あの闇のなかで、オディオが口にした言葉だ。 ――ロザリーさんは、いつ、亡くなられたのですか?―― もうひとつは、勇者の仲間であった占い師の言。 旋風でもって竜巻をいなした人間が投げかけてきた問いである。 連想と黙考により、暗河(くらごう)のごとき認識に光が当たった。 鮮明の度合いを増す自身の思考を受けて、ピサロの口許がふいに、ゆがんだ。 上弦をさえ作らない口角からこぼれたのは、乾きに渇いた哄笑である。 ……こうなれば、人間の言葉を信じないというわけにはいかない。 いかに自身が滑稽であろうとも、下等な人間どもと同列あるいはそれ以下に立とうともだ。 《世界樹の花》を使えば、ロザリーはいまひとたびの生を享けることがかなう。 それが千年に一度の奇跡でも、占い師との間にあったような時間軸のずれについても、おそらくは問題などない。 ずれを生んだであろうオディオにならば、いかようにも修正しうる。 あの魔王は……自分が一面に共感を覚えた者は、おのが前言をひるがえしなどしない。 冷静さを保った頭には、その念がおためごかしだとしか思えず、笑いが深まった。 だが、そうと信じていなければ、ピサロはロザリーに報いる機会を永遠に無くしてしまう。 こちらが辛く悲しく苦しいと、ロザリーは笑えない。 しかして彼女がいないなら、ピサロはずっと辛く悲しく苦しいままだ。 彼女が最期に自身を断罪しなかったことが、なおのこと魔族の胸を衝き上げる。 それほどに思える相手を手にかけてしまった事実が消えないことを分かっていても、 それほどに思われていた彼女が、なにをされて喜べるかを理解していても、 せめて、この手にかけてしまった彼女に、この自分に出来る方法で、力を尽くしたい。 その行為に注力することで、彼女に憎まれようとも、悲しまれようとも……構いはしない。 彼女が継ぎかけた言葉も聞けず、憎まれることさえかなわない現状よりは、よほどましなのだ。 時間が解決するなどと、少なくとも自分は思わないが、そうすることでわずかなりと。 (愚かとされるは、私も、同様だな) わずかなりと、報いを受けたい。 そうと考えていた自身を、若き魔族は思うさまあざ笑った。 思えば、ロザリーを殺した者どもを蹂躙した初手から、自分は変わらなかったのだ。 彼女が生きていることを暗喩された後も、彼女に会いたい、生きて欲しいと思いながら……。 ピサロのやったことといえば、壊すことのみだ。彼女を生き残らせる方法など考える余裕もなかった。 ロザリーを庇護したいと思ったのなら、どうして後先も考えず、体力や魔力を消費してしまったか。 彼女を守るべきとしていたのなら、どうして、自分と彼女が生き残るように動けなかったのか。 いまから出来ることといえば、彼女の名残りを、これ以上傷つかないようにするだけではないか。 重なる自問は、自分を責めても実になることなどない。そうと分かってもなお止まらない。 けれども、激情を上下する肩に押し込める、その前から。 彼が、彼女をいだきつづける手のやわらかみだけは、変わらない。 そして絶え間ない花降しのなか、魔族は反射的に笑みを収め、息を吸い込んだ。 血のように紅い双眸が、玉水とは違う輝きを――。 輝きの根源たる、ちいさな結晶をこそとらえたがゆえに。 水に冷えて赤みを深めた輝きを目指して、ピサロの右手が伸びた。 端正な容貌と裏腹に節の目立った五指が向かう先は、いとしき者の空知らぬ雨。 ロザリーが最期に遺していった、ひとしずくのルビーの涙だ。 雨夜の星を思わせるきらめきを求めた指先が、しいて引き締めた頬を裏切るほどにふるえている。 彼の胸にも、この世界にも美しきものを遺していった彼女が、 土に埋まり、やがては泥に還る光景をまったくと想像出来ないまま、 指関節が伸び、指先に意識が向かい、末端にまでとどく血流が脈を刻んでいると知れ、 神経の集中した部位で、雨のまえにも冷え切らない自身の体温を感じた直後の、 接触の瞬間。 ピサロの指に触れた涙は音もなく砕け、花よりおぼろな光を散らした。 ほどなくして、黒い外套が北雨吹の一陣に押され、主の体にしなだれかかる。 明らかな指向性をもって落ちてきた天水に打たれたピサロの瞳は、鏡面のごとく色を見せない。 黙してロザリーの遺骸を抱えなおし、伏せたまぶたで紅い瞳に浮かんだ色を抑える。 細くとも意識をなくした体を支える両腕より、裏地に毛皮を張った防寒具こそが、いやに重かった。 ×◆×◇×◆× 【2】 守勢にまわっている自分たちが、あえて相手を押し切る。 押し切られるまでに押さえ込むのなら、今より他に機などない。 ユーリルと刃を交わすイスラがそうと判断した理由は、守るべきものの不在であった。 ピサロにとっての大切な者。 先刻まで気絶していたはずの、ロザリーがいない。 紋章使いの少年によって守られた直後、それに気付いた三人は決断を迫られたのだ。 すなわち、姿を消した彼女とピサロを追うために戦力を分割するか、このままユーリルを押し切るか。 意図しなかった増援である青年がこの場に留まることでユーリルの怒りを煽る可能性はあれども、ロザリーならば。 彼女の死の可能性にさえ、ピサロがあれほど激していたのならば。 『待てよ! いまロザリーになにかあったらッ!』 『二手に分かれて泥仕合を続けて、共倒れになりたいのかい?』 それを類推出来てなお、アキラとイスラの意見は大きく割れた。 剣戟をいなし、かわしつつの第一声で、改めて互いに見えるものが違うと判断出来るほどに。 かりに彼らが二人でいたなら、一対一の平行線をたどり、結果として消極的な判断を迫られただろう。 あるいはさらに悪い結果、時間切れによる判断や選択そのものの消失をすら招いてさえいたかもしれない。 守れと仰せつかったアナスタシアの……殺しをいとわない者の意見は、イスラもアキラも求めはしなかった。 『あの魔法……を、相殺すれば。当面の問題は剣だけです。 彼がどういう人物なのかは知りません。ですが脅威は、押さえうる機を逃してはいけない』 均衡あるいは緊張を保った、彼らの天秤。 それを傾けたのは、きらめき輝く刃と盾で彼らを守った者である。 ジョウイ。マリアベルからアナスタシアを守るように依頼されたという彼の声音も、緑がかった瞳も 穏やかであるとみえたが――最後の一節をつむぐに至って両方が厳しさを増す。 数多の鉄火場をくぐり抜けた者のそれといえよう眼光に、言葉を切った一瞬、宿ったのは父性か。 剣戟を受けて視覚の取り込む情報こそ変じたものの、柔和と厳格の相半ばした印象はイスラの胸にも残る。 慎重の奥に懊悩の……イスラとて嫌になるほど覚えた感情の名残りをにじませていながらも、まだなにかがあると 言わんばかりに澄ました顔つきは、正直言って気に入らない類のそれだと感じてはいた。 けれども同時に、援護をうけた胸にはある種の鈍感がさしたのも事実である。 無関心と紙一重の感慨が胸へとさすに至って、イスラはユーリルの剣にこそ集中した。 敵意でないものならば好感とも言えようほどに単純化された思いは、戦場特有のそれといえる。 彼は、身を挺してアナスタシアを、自分たちを守ったのだ。ただそれだけで、命を、あるいはもっと大切な なにものかを賭さねばならない戦場における彼の行いは、好感を抱くに値するものであった。 アキラも、その思いを肌で感じていたのだろう。イスラの返した剣に超能力のひとつ、スリートイメージを重ねて ユーリルの感覚を撹乱しながら、胸をあえがせる勢いを借りて声をしぼり出す。 『悔しいけどよ……無理を通したって、たぶん、俺の力じゃアイツは折れねー』 焦点があてられたのは、サイキッカーのもつ力であった。 ユーリルとピサロを止めるための札であったレッドパワー、スリープ。 マリアベルの力について説明を受けた彼らは、仲間のもつ類似の札についても話を聞いている。 正確には、アキラが口の端にのぼらせたヘブンイメージが、この状況と相手にそぐわないという話をだ。 『相手を安らかな心地にさせて眠りを呼び込む』のが、アキラが有する力の原理。 相手の心に働きかける――すなわちある種の双方向性を保持している以上、単純に魔力の押し合いで結果が 出されるようなものでないことは想像にかたくない。 力を受けた者がアキラの展開するイメージを信じられなければ、精神力を浪費するだけに終わってしまう。 この性質を巧く使えば、相性の良い相手にはとことん強い技ともなろうが、相手はユーリルなのだ。 ここまで打ちのめされた結果、周囲の声を聞き入れなくなっている、彼なのだ。 それが超自然の力によるものであろうとも、安楽な場所など信じられるはずもない。 彼を燃やし、摩耗させるであろう激情と対極にある、安らかな心地など想像すらかなうまい。 『目的を達せられれば! 手段は――問題じゃないさ』 イスラの言葉に、左右に散っている二人が彼の手許でひるがえったものを見た。 袈裟斬りをいなした魔界の剣。反り身の得物は片刃であり、肉厚すぎるということもない。 『……しゃあねー。分かったよ! 打ちどころだけは間違えんなッ』 『言われるまでもないね』 喧嘩殺法とはいえ体術を修めているアキラが、いち早くなにかを察したようだ。 投げ出すようだが優しいひと言で、先刻言ったように、イスラの背中を守る位置につく。 三人のうちで面制圧と力の相殺に秀でるジョウイは、状況を俯瞰できる最後衛にと身を置いたようだ。 そして、最もわりを食う前衛についたイスラは、ユーリルと剣を交わしている。 剣を一合重ねるほどに、彼は、胸の奥底から浮上した共感と嫌悪感を強めていた。 アナスタシア・ルン・ヴァレリア。 どうにも気に入らない少女の問いで受けた不全感は、彼とて実感している。 彼女の言葉をきっかけに低くゆがめられた、あるいは彼がみずからゆがめてしまった自己の評価こそが、 いまのユーリルから他者に対する基本的な信頼感や安心感を喪わせてしまっているとも想像がつく。 けれども自分の欲望を達したいのに、自身を見据えることすら厭うている彼は……本当に無様だ。 彼の思い、それ自体には深く共感出来るからこそ、イスラには少年のありようこそが見るにたえない。 ユーリルがみせる、在りし日の自分が世界を呪ったのと同じ姿に、ともすれば苛立ちを抑えられなくなる。 そのくせ、彼にはユーリルを見捨てられもしないのだ。 相手のなかに自分を見出して、なおも突き放しきるのは、イスラには出来ない。 死にたい。死んだほうがいい。死ぬしかない。死ねば、死んだら――。 感情の好悪は別として、そうと思いつづけた自分は、自分だけは。 ずっと、自分を見ていた。疎んで、貶めつつも大事に抱え、見捨てなかったのだから。 (本当、皮肉も冗談も抜きで、説明するのも嫌になるけど) 防御を意識しないユーリルが、上段から逆落しじみた一閃を放つ。 常人離れした膂力を誇るがゆえに単純化の際立つ軌道を、少年は見切った。 直線に近い縦軌道に剣の峰を合わせ、手首の回内で繰ってみせた刃でもって力の向きを逸らす。 運動、ひいては筋肉の伸びと弛緩に伴い、双方の肺からはするどい呼気が押し出されていた。 感覚が次の一手を志向する刹那、鼓動をつづける体は自動的に夜気を取り込まんとうごく。 それはユーリルも、剣を構えた肩を大きく上げて肺をふくらませたイスラも同じだった。 吸気を体全体に満たした黒髪の少年は、つねより張って少しく高めに響いた、 声をつむぐ。 「言っても分からない。さっき、確かにそう言ったね」 彼が発するは、かつての自分が浴びせられ、包まれたものだ。 自分と向きあったアティが、なによりも大事にしていたものだ。 イスラは、言葉を、彼女たちと真逆の方向につむぐことをこそ選び取らんとして。 意識的に、声を張る。 「じゃあ、同じことをシンシアに、……彼女には伝えられたのかい?」 張っていようとも――。 シンシア。 イスラ自身の内奥で消化がなされていない、だれかの名前。 そんな単語をわけ知り顔でつむいでみせる行為は、いやに不快なものだった。 平然を保ったまま、強い語調で押し通そうとした少年の喉奥が、幾度もこわばりかけるほどに。 けれど、最初の一歩で揺れてはいけない。確証がないことを悟られてはならない。 「うるさい! お前に、お前たちに僕のなにが分かるッ!」 「少なくとも、キミが望むような分かり方は出来ないだろうね。そこだけは認めておくよ」 また、彼になまなかな夢を見せるわけにもいかない。 本音を言えば見せたくもない。 呪うしかないと思い込むほどに閉塞したユーリルの心を推し量れてもだ。 様々なものを奪われ続けていた気持ちが分かっても、イスラには、与えられない。 与えたこともなければ、与えようとも思えないほど、彼が持ち得たものは。 持ち得たと、思えたものは……彼には少ないと感じられてならないのだから。 健康な体。普通の食事。安楽な時間。他者との触れ合い。たんなる日常。 そんなものすら世界から与えられないのなら、この手で奪いにいくしかなかった。 与えられなかったと決め込むほどに、自分にかけられたものなど、なにもないと思っていた。 そんな、確信じみて屈折した思いを。一面における甘えを抱え続けていたのがいまの彼だ。 自身の認知へ盲目にすがってさえいたのが、ここに立っているイスラ・レヴィノスだ。 姉に、アティに愛されていたことが分かっても、底にあるものが一朝一夕で変わるわけもない。 おのれの渇きと付き合うだけで手一杯だった自分が、一足飛びに他者の渇きを癒せるわけもない。 二人の思いを受けた自身を育てきる時間もなくここに来た現状、あるいは、もっと先になっても――。 本質的にはおのが渇きしか癒そうと思えないでいた自分に、過剰な期待をかけられるのは。 自分のごとき者に寄りかかられて、無様を、醜悪な姿を至近で眺める羽目になるのはごめんだった。 だからこそ、イスラは冷淡かつ現実的な言葉でもって、ユーリルと距離を保つ。 「でも、分かってもらえないことに対して覚える気持ちは、僕にも心当たりがある。 それで、分からなくもないなんてことが……言えたのさ」 その上で、彼は言葉をつらねた。 強めていた語勢をわずかにゆるめ、相手の放った薙ぎ払いに対処する。 穏やかとさえ言える動きで反り身の刀身を直剣の腹に当て込み、受け流しとともに前へ踏み出す。 体力の限界を忘れた相手を一気に押し切る。そのために必要な隙を……果たして、作れるか。 力でかなう公算が低いのなら、言葉で。つらなりつむぐ思いとやらで、作れるだろうか。 盲目の、ある意味では安楽のうちにある相手に、自分は、一時でも切り込めるのか。 「だから訊けもする。他人に分かってもらうために、キミはなにか努力をしたのか……。 自分がなにを思っているか、なにを感じたか――キミは、彼女たちに分かってもらおうとしたのか」 鍔迫り合いに持ち込んだイスラの心中で、自嘲がこぼれた。 いったい、こんなことをどの口が言うのか。 イスラの死にたさを、その原因を知り得ない二人の様子がたまらない。 ……もっと、雨が降ればいい。 緩やかにユーリルを囲みつつあるアキラとジョウイを視界に入れた少年は、つよく思う。 驚きから納得に遷移した、彼らの表情。僕の背中を後押しするような首肯なんか。 剣を受け流すのでなく、いなすのでもなく、真っ向から受け止めてしまった僕の姿なんか。 けぶり、砕けてあまぎる雨に。 隠れていてくれ。 精緻な技を問われる反面、どうにも焦れる数瞬――。 あらぬ方へ流されかけた心と剣に、イスラは意識を傾けなおした。 重心の動きに合わせて刃を押し込み、間髪を入れずに押し返される、波が止まない。 「言っただろッ、僕は、世界を救った! 戦いたくもないのに、必死で、頑張ったのに!」 「そうじゃない。いま問題にしているのは、そういう努力じゃない。 言わなきゃ伝わらないことを、言いたい相手に言えたのか。言おうとしたのか。そう聞いているんだ」 一進一退を暗喩するかのような一合を前にして、巧まずして語勢が強まった。 するどさを増す舌峰が、彼自身に追い討ちをかけるようだ。 ――アティのようになりたかった。 泣きに泣いたときにあふれだした本音は、ある意味では正しいのだと痛感する。 なり“たかった”。 無意識につむがれた過去形の表すとおりにか、イスラは、アティとあまりにも違う。 この乖離に、十数年をかけて作られた埋めようのない落差に、苛立ちと諦観を覚えるほどに。 当然のように諦観を交えんとする心のありように落ち着く反面、なにか、許せなくもある。 それでも、ここまで自分の急所を、やわらかな部分をさらしたからには退けなかった。 鍔迫り合いを膂力でもって押し切られようとも、すべての動きを支える体幹までは崩させない。 そして――。 「そうやって、時間を稼いで……アナスタシアを逃がすんだろッ!」 「違う!」 たとえ弱みを見せていなくとも、この単語だけは全力で封じるべきだった。 アナスタシア。まるで魔法の言葉であるかのような言いように、イスラは声を荒らげる。 彼女にこそ自身のなにものかを壊されたのだろうに、どうして彼女に行き着くのか。 どうして、彼女以外の救済策を見ようとしないのか。どうして、どうして。 どうして死を救いと信じ、思考の果てに死を誇りとするに至った自分の、出来損ないのように思考を展開するのか。 ぴしゃりと言い切ってなお残る胸のむかつきを、少年は続いた縦斬りをいなす作業に注力し、逸らす。 この、盲目そのものといってよい無知と、無理解と、思い込み。 不快で、嫌でたまらない思いを吹き払う言葉が、なによりも自分にこそ欲しい。 「――家族だって、僕がなにも言わなければ! 僕がなにを思っているかなんて、とうてい知り得なかった。逆もまたしかりだったさ!」 その一念が呼び込んだものは、アズリア・レヴィノスの影だった。 姉である彼女と、彼女と同じ軍属であったアティ。 あの二人に刃を向けさせるために、自分は、思うさま二人の甘さを罵った。 罵られた姉は、弟の真意を汲み取れなかったことを謝り、一時とはいえ彼に殺されようとさえした。 人は言葉でいくらでも本心を偽れるものだと前置きしていた、イスラ・レヴィノスの内心を知らずに。 知らないままに命を投げ出せる精神が、きっと、彼女が自分の家族たる所以だった。 知らないままに思いを砕けるところが、きっと、自分が姉に反撥出来た一因だった。 自嘲などしている暇もないというのに、崩れるように剣が軽くなったのは、この時である。 受け流された剣筋ではなく、この言葉にこそ、ユーリルは腰を泳がせた――。 「《勇者》は、泣いちゃ、いけなかったんだ! 泣くような《勇者》なんて、誰にも望まれやしないッ! だから、それなら僕は……もう、そんなものは捨てたんだ! 捨てた、のに――ッ!」 次の一閃は、意図したかと思われるほどに大きな風切り音を残して振るわれた。 吹き払うことなどかなわないと思われた怒りに、《勇者》という語が油を注いだかのようだ。 けれども。 くしゃくしゃになったユーリルの顔は、火の付いたように。 まるで、今にも泣き出しそうな子どものように、歪んでいる。 それほどに心を動かしめたなにものかを、彼はひらめかせた剣にと注ぎ込む。 雨を帯びたる少年の衣服は、髪は、肌はいまだに、紅い。 ×◆×◇×◆× 時系列順で読む BACK△112 光の『英雄』、闇の『勇者』Next▼114-2 きみがぼくを――(ne pas céder ―――――――) 投下順で読む BACK△113-5 ――トゥーソードNext▼114-2 きみがぼくを――(ne pas céder ―――――――) 109-3 夜雨戦線 -Emotional Storm- ユーリル 114-2 きみがぼくを――(ne pas céder ―――――――) アナスタシア アキラ イスラ ジョウイ ピサロ ▲
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/130.html
時間帯 朝 午前 昼 定時放送 No. タイトル 作者 登場人物 場所 【一日目 朝】 060 心の行き着く先 ◆6XQgLQ9rNg ロザリー、ニノ、マリアベルサンダウン、シュウ、カエル J-9 城下町にある宿屋I-9I-8 西部 061 Avengers ◆iDqvc5TpTI リン、ミネア、アティ、ピサロ C-7 062 セッツァー、『山頂』で溺れる ◆Rd1trDrhhU トッシュ、セッツァー D-7 地下水路入口D-6 地下にある城 063 ビッキー、『過ち』を繰り返す(前編)→(後編) ◆Rd1trDrhhU ルッカ、ビッキー、ゴゴリオウ、ジョウイ、ケフカ E-9 花園北の城(フィガロ城) 064 ボボンガ ◆iDqvc5TpTI マッシュ、高原、クロノ G-2 平野北東部 065 アズリア、『熱』に触れる ◆Rd1trDrhhU エルク、アズリア無法松、イスラ B-8 北西部B-9 中央部H-3 南部 067 トゥルー・ホープ(前編)(後編) ◆6XQgLQ9rNg アキラ、カノン、ルカ・ブライト C-9 森林C-8 神殿周辺 068 ヘクトル、『空』を飛ぶ ◆Rd1trDrhhU ブラッド、ヘクトルアナスタシア、ちょこ H-6とH-7の境 森H-6 西部 071 暗殺者のおしごと-The style of assassin ◆SERENA/7ps エドガー、フロリーナ、シンシア、ジャファル A-6 村 壽商会入口 ▲ No. タイトル 作者 登場人物 場所 【一日目 午前】 066 カエルとシュウとストレイボウと永遠を背負いし者亡き者に贈る鎮魂歌Justice ~それぞれの正義~Alea jacta est! ◆SERENA/7ps カエル、ストレイボウシュウ、サンダウン、ニノマリアベル、ロザリー I-9 城下町I-9 城より西I-9 宿屋??? 069 時の回廊 ◆E8Sf5PBLn6 ジョウイ、ビクトールルッカ、カエル、魔王 E-9 花園E-8とE-9の境 森G-8とH-8の境 森F-7 遺跡(アララトスの遺跡ダンジョン50階) 070 風雲フィガロ城 ◆iDqvc5TpTI トッシュ、シャドウゴゴ、リオウ、トカ B-4地下 フィガロ城C-5北西 古代城への洞窟 072 曇りのち嵐のち雨のち―― ◆iDqvc5TpTI アシュレー、セッツァー D-7 074 ユーリル、『雷』に沈黙する ◆Rd1trDrhhU ユーリル、マッシュ高原、クロノ D-2とE-2の境 075 Trust or Distrust ◆6XQgLQ9rNg リン、ミネアアティ、ピサロ C-7B-7 森林C-6 森林 076 “剣の聖女”と死にたがりの道化 ◆iDqvc5TpTI イスラアナスタシア、ちょこ I-5I-5浜辺 084 心の行く先 ◆xFiaj.i0ME マリアベル、ロザリー、ニノ F-1 教会 ▲ No. タイトル 作者 登場人物 場所 【一日目 昼】 073 シュウ、『嵐』に託す(前編)→(後編)サンダウン、『花』を見守る ◆Rd1trDrhhU シュウ、サンダウンビッキー、ケフカ I-8 荒野 077 機械仕掛けの城での舞踏剣豪と影と輝ける星と ◆6XQgLQ9rNg トッシュ、ゴゴ、リオウトカシャドウ C-5地下北西 移動してきたフィガロ城内部制御室周辺C-5地下北西 移動してきたフィガロ城制御室C-5地下北西 移動してきたフィガロ城地下 078 七頭十角 ◆iDqvc5TpTI ルカ B-10 ヘケランの洞窟 079 たったひとりの魔王決戦約束はみどりのゆめの彼方に ◆iDqvc5TpTI ジョウイ、ルッカ、ストレイボウカエル、魔王、ビクトール G-8 森林F-8 荒野 080 メイジーメガザル(前編)→(後編) ◆jU59Fli6bM アキラ、ミネアリン A-5村 チビッコハウス寝室A-5 村 チビッコハウス 081 奔る紫電の行方、燃える炎の宿命(さだめ) ◆iDqvc5TpTI 松、アズリアジャファル、シンシアピサロ、エルク B-7クレーターB-7B-6 082 勇者と野球しようぜ! ◆SERENA/7ps ユーリル、マッシュ高原、クロノ D-1港町中央部D-1港町東部にある民家 083 どこを向いても奴がいる ◆KGveiz2cqBEn アティ、セッツァー D-6 北東部 085 ノーブルディザイア ◆SERENA/7ps ちょこ、アナスタシア I-3 浜辺 086 使い道のない自由 ◆SERENA/7ps ヘクトル、ブラッド、イスラ I-6 橋付近 ▲ No. タイトル 作者 登場人物 場所 【第二回定時放送】 087 第二回定時放送 ◆SERENA/7ps オディオ ??? INDEX 時間順 ~第一放送 ~第二放送 ~第三放送 ~第四放送 ~第五放送 ~第六放送 ~第七放送 投下順 000-050 051-100 101-150 151-200 ▲
https://w.atwiki.jp/vocaloidchly/pages/4660.html
作詞:涼風P 作曲:涼風P 編曲:涼風P 歌:巡音ルカ・MEIKO 翻譯:rufus0616 翻譯建議:cyataku桑 所有名字都有其意義。 天空的安娜斯塔西亞(註1) 那曾是我們的夢想 那曾是為了尋找遙遠新天地 而建造出來的船隻 人們為它冠上充滿希望的名字 直到昨日還待過的 小小家園 一定會消失不見 連同寶物一起 希望它化身為橋樑 引領我們走向嚮往的未來 寄予這樣的厚望 為船取了「安娜斯塔西亞」這個名字 我們早已知悉 不久以後的未來 在那逃難的船中 充滿希望的名字失去了光環 直到昨日還存在的 溫柔的你 一定也會消逝而去 不留任何名字 (遠方似乎 有人在呼喚我) (不知不覺中 我流下眼淚) 希望它化身為橋樑 引領我們走向嚮往的未來 寄予這樣的厚望 屬於這艘船的「安娜斯塔西亞」 就將 這個名字獻給你吧 為了讓這份心意有傳達給你的一天 我在狹小的船中 高聲歌唱 此為近未來都市系列第29首 鐵巨人系列第6首 第28首「One」翻譯連結 第30首「ACID RAIN」翻譯連結 作曲者blog 上的故事說明摘要: ●關於故事 這世界總有一天會容納不下人類。 為了因應那天到來,人們便計劃製造巨大的船隻。 那艘船名叫「安娜斯塔西亞」,人們為它取了充滿希望的美麗名字。 不知何時開始。 那艘船竟然成了我們逃難的地方。 話說回來你叫什麼名字? 你現在也依然孤孤單單地待在星球的某個地方吧? 如果可以與你重逢, 我將把屬於這艘船的名字──「安娜斯塔西亞」獻給你。 宣傳網站上的故事說明: 安娜斯塔西亞 你我留在人類無法生存的星球。 心中隱隱約約有種預感,我不想見到的救援會到來。 希望它化身為橋樑,引領我們邁向嚮往的未來──背負這樣的心願而被建造的太空船,如今只不過是逃生的場所罷了。 『安娜斯塔西亞』 你才配得上這個充滿希望的名字。 註1:「安娜斯塔西亞」,英文拼音為「Anastasia」,俄語拼音為「Анастасия」,希臘拼音為「Αναστασία」,在希臘文中,「安娜斯塔西亞」有「甦醒/復活的女性」等意思。 註2:根據涼風桑的訪談,其實鐵巨人本身是有名字的,他的本名是「ジャッジメント」,翻成中文的意思是「審判者」。 101.09.04 修改「直到昨日還存在的」這處,原來是翻「直到昨日陪伴我的」,雖然歌詞本身就常有省略的情形,但原來的翻法似乎意譯還是開太大了,所以試著換另一種翻法。 另外也潤飾「昨日まで居た小さな家も」這句原本翻譯
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/73.html
◆iDqvc5TpTI 014 HUNTER×HUNTER 032 ですろり~チカラ~ 036 剣と炎と召喚師 038 白黒パッチワーク 040 BIG-TOKA SHOW TIME 041 夜空 044 これが僕の望む道 047 勇者の強さ、人の弱さ 049 傍らにいぬ君よ 050 三人でいたい 054 灯火よ、迷えるものを導け 057 嘲律者 061 Avengers 064 ボボンガ 070 風雲フィガロ城 072 曇りのち嵐のち雨のち―― 076 “剣の聖女”と死にたがりの道化 078 七頭十角 079 たったひとりの魔王決戦 約束はみどりのゆめの彼方に 081 奔る紫電の行方、燃える炎の宿命(さだめ) 090 グリーン・デスティニー BLAZBLUE DARKER THAN BLACK 092 迷い子 095 ですろり~イノチ~(前編)ですろり~イノチ~(後編) 096 僕は泣く 102 アシュレーのパーフェクト首輪教室 106 届け、いつか(前編) 届け、いつか(後編) 113 憎悪の空より来たりて 正しき怒りを胸に 我等は魔を断つ剣を取る 汝、無垢なる刃、デモンベイン ――トゥーソード 115 ハッピーエンドじゃ終わらない 116 闇からの呼び声 118 ただ君だけを愛してる 120 泣けない君と希望の世界 122 第四回放送・裏 123 Re:どんなときでも、ひとりじゃない 131 救われぬ者 救われぬ者(中編) 救われぬ者(後編) 人間が大好きだった壊れた物真似師の唄 人間が大好きだった壊れた物真似師の唄(後編) Salvere000 全てのキミの魂の詩 135 第五回放送 140 抗いし者たちの系譜-再始の聖女- 抗いし者たちの系譜-逆襲の魔王- 抗いし者たちの系譜-虚構の物真似師- 143 堕天奈落 145 さよならファイアーエムブレム さよならファイアーエムブレム(後編) 【キャラクター登場率・登場回数】 +開示する 原作 登場率 内訳 【キャラクター登場率 45+1/54+1】 LIVE A LIVE 5/7 アキラ、高原日勝、サンダウン、ストレイボウ、無法松 ファイナルファンタジーVI 5/7 マッシュ、セッツァー、シャドウ、ゴゴ、ケフカ ドラゴンクエストIV 5/7 ユーリル、ミネア、シンシア、ピサロ、ロザリー WILD ARMS 2nd IGNITION 全員登場 アシュレー、リルカ、ブラッド、カノン、マリアベル、アナスタシア、トカ 幻想水滸伝II 全員登場 リオウ、ナナミ、ジョウイ、ビクトール、ビッキー、ルカ ファイアーエムブレム 烈火の剣 4/5 リン、ヘクトル、ジャファル、ニノ アークザラッドⅡ 4/5 エルク、シュウ、トッシュ、ちょこ クロノ・トリガー 4/5 クロノ、ルッカ、カエル、魔王 サモンナイト3 全員登場 アティ、アリーゼ、アズリア、イスラ、ビジュ 主催者 1/1 魔王オディオ その他 -- ロードブレイザー@WA2 【キャラクター登場回数】 7回 2人 アナスタシア、ゴゴ 6回 6人 ジョウイ、ちょこ、魔王、ストレイボウ、イスラ、カエル 5回 3人 クロノ、ユーリル、アシュレー 4回 8人 アキラ、ヘクトル、マリアベル、トカ、ルカ、トッシュ、クロノ、ピサロ 3回 3人 オディオ、ニノ、ルッカ 2回 17人 無法松、高原日勝、マッシュ、シャドウ、セッツァー、ケフカ、ミネア、ロザリー、ブラッド、カノン、リオウ、ナナミ、ビッキー、リン、ジャファル、エルク、アティ 1回 8人 サンダウン、リルカ、シンシア、ビクトール、シュウ、アリーゼ、アズリア、ビジュ 歩く危険人物製造メーカー。繋ぎに優れ、多人数もさばける -- 村人A (2008-10-17 20 03 35) 現時点での投下数トップ書き手さん。繋ぎが多めだが「夜空」のような燃える話も書くお方 -- 名無し (2009-03-13 20 04 08) ・ひたすら繋ぎに徹するかと思えば意表をついたクロスオーバーがおいしいド派手なバトルもこなす人。「三人でいたい」ではナナミ、ルカ、そしてゴゴの描写がそれぞれ際立って素晴らしいものだった -- 名無しさん (2009-07-24 15 29 37) 投下数トップで,クロスオーバーの巧みな書き手氏.繋ぎ,ギャグ,考察,バトルと幅広くこなす.個人的お薦めは『三人でいたい』 -- 名無しさん (2010-06-09 21 49 58) 繋ぎ書き手かと思ったらその実クライマックス書き手だった人。はたまたジョブチェンジでもしたのだろうかw ゴゴや日勝などキャラクターにらしくかつ独特の味わい深さを与えるのが特徴。クロスオーバーもうまくそんな手があったのかと感心することしきり。お勧めは最新作のデモンベイン五部作 -- 名無しさん (2010-07-10 20 11 04) 名前 コメント ▲
https://w.atwiki.jp/gods/pages/97424.html
アナスタシアユーリエヴナスモレンスカヤ(アナスタシア・ユーリエヴナ・スモレンスカヤ) モスクワ大公の系譜に登場する人物。 関連: ユーリードミトリエヴィチ (ユーリー・ドミトリエヴィチ、夫) ヴァシーリーユーリエヴィチコソイ (ヴァシーリー・ユーリエヴィチ・コソイ、息子) ドミトリーシェミャーカ (ドミトリー・シェミャーカ、息子)
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/32.html
口惜しかろう…… お前達とて……自分の欲望、感情のままに素直に行動していただけなのだから…… 愚かなる人間の欲望……お前達はその犠牲となった。 お前はそれでいいのか。このまま終わっていいのか……? 若き魔族の王よ。今一度、お前に機会をくれてやろう。 目を覚ませ。お前の抱く憎しみを、もう一度思い出せ。 そして、人間達に己の罪を、その愚かさを…… 思い知らせるのだ! デスピサロ ◆n95k6APn4k 月明かりに、手を透かす。 その手は緑の醜悪な怪物の手などではなく、見慣れた自分の手だった。 「生きている……か」 男は一人、ポツリと呟いた。 勇者達の手でとどめを刺され、死んだはずだった自分の身体を見回す。 夜の風に靡く銀の長髪。赤いバンダナ。尖った耳。マントと黒い装束。 美しく整った端正な顔立ち。その表情に差しこむ、黒い影。 月の光という演出も手伝って、その姿は神秘的とすら表現できた。 「いや、死に損なった……と言うべきか」 どこか自嘲気味に自らの運命を皮肉る。 若き魔族の王、デスピサロ。 彼は大切な人を殺され、人間の全てを憎悪した。 遂には禁断の秘術・進化の秘法に手を染め、その力を自らに取り込んだ。 その代償として、記憶や人格、彼を証明する全てが崩壊した。 ヒトという種に対しての、純粋な憎しみだけを残して。 ……そうまでして手にした復讐の力は、今は彼の中から失われていた。 身体は、完全に元の姿へと戻っている。 人格も安定し、記憶も……完全ではないが、ほぼ修復されていた。 進化の秘法による後遺症らしきものも、何もない。 あの勇者達との戦いの傷も、それが夢であったかのように綺麗に消えていた。 「お前の差し金か。オディオとやら」 あの部屋で見た、魔王を名乗っていた人間の姿を思い起こす。 殺し合い。ただそれだけの他愛のない遊戯を行うため、奴は50人以上の者を集めた。 所詮は人間か。こんな馬鹿げた殺人ゲームのために、よくも労力を割ける。 そんな者が魔王を名乗るなど、分不相応にも程がある。 ……最初は、そう思い彼のことを見下していた。 だが、彼の目に灯っていた光。あの黒い輝きが、デスピサロの瞼に強く焼き付いていた。 そう……同じだ。あの男は、自分と同じ感情をその精神に宿している。 憎悪。人間に対する、圧倒的なまでの憎悪。 それが、デスピサロの興味を捉えて離さなかった。 共感。オディオの発する闇が、同じく憎悪を宿すデスピサロにも、不思議と強く理解できた。 「……そうか。そういうことか」 やがてデスピサロは、何かに納得したかのように笑みを浮かべた。 空を見上げる。月は変わらず、光を放ち続けていた。 「お前は思い知らせたいのか。奴らの愚かさを、罪深さを。 奴ら人間自身に、身をもって思い知らせたい……そうだろう、オディオよ!」 空へ向けて叫ぶ。今もどこかで自分達を見ているかもしれない男に向けて。 「……面白い」 彼の笑みはさらに強まる。端正な顔立ちは崩れ、表情を醜悪に歪ませて。 「いいだろう。この茶番……付き合ってやろう」 狂気にも等しい憎悪に表情を歪ませ、口元をつり上げる。 通常の彼であれば、こんな馬鹿げた遊戯など一蹴したであろう。 憎き、滅ぼすべき人間のお遊びの駒になるなど、彼の誇りが許さなかったはずだ。 だが、彼はオディオに興味を抱いた。 あの男にもう一度会ってみたい。同じ人間でありながら、自分に匹敵する…… いや……あるいは自分以上とすら思えるほどの闇を発する、あの男と。 「この地に蔓延る人間どもを排除し……お前のもとに辿り着いて見せよう……!!」 内に秘めた憎悪を発露する。まるで、オディオの放っていた憎しみに呼応するかの如く。 支給された鞄から名簿を取り出すと……デスピサロは自らの魔力で、それを消し飛ばした。 目を通す必要などない。そこに書かれた人間どもは、どの道一人残らず生かすつもりはない。 名簿は瞬く間に灰と化し、やがて自然の中に還る。 「これが、お前達の運命だ……愚かな人間達よ」 自分の為すべきことはわかっている。 ――皆殺しだ。 人間達は一人残らず殺す。奴らと組する輩も、容赦なく消す。 お前達はロザリーを殺した。その罪は、裁かれなければならない。 お前達の罪の重さを、骨の髄まで味わわせてくれる。 死の淵から蘇ったばかりの彼は、気付いていなかった。 あの場所に、自分と同じく召喚された参加者の中に、殺されたはずの大切な人がいたことに。 だが名簿を燃したことで、再びそれを確認することは難しくなった。 いや……例え彼女が傍にいたところで、彼が人間を滅ぼすという意志は、もはや止めることは 不可能だろう。人間達が己の欲望のために、彼女を惨殺したという事実は消えないのだから。 誰も彼を止められる者はいなかった。 そう、ピサロという青年は、もういない。 かつてロザリーの前で見せていたという穏やかな一面など、今の彼からは微塵も感じられない。 いるのは「オディオ」という名の感情にその身を委ねた復讐鬼。 男の名は、デスピサロ。人間を憎み、滅ぼす者。 【E-6 山 一日目 深夜】 【ピサロ@ドラゴンクエストIV 】 [状態]:健康。人間に対する強烈な憎悪 [装備]:なし [道具]:不明支給品1~3個(未確認)、基本支給品一式 [思考] 基本:優勝し、魔王オディオと接触する。 1:皆殺し(特に人間を優先的に) [備考]: ※名簿は確認していません。またロザリーは死んでいると認識しています ※参戦時期は5章最終決戦直後 時系列順で読む BACK△009 遺志を継ぐものNext▼011 夢をもう一度 投下順で読む BACK△009 遺志を継ぐものNext▼011 夢をもう一度 GAME START ピサロ 030 言葉と拳に想いを乗せて ▲
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/386.html
パロロワ毒吐き別館 パロロワ企画交流雑談所・毒吐きスレ8 3291氏 アイディー・ウィンチェスター(◆iDqvc5TpTI) 「この一撃で、“救われろ”……ッ!!」 RPGロワに所属する最投下数書き手。 感情的な作風の書き手で、RPGロワ完結遂行部隊『RPGS』の隊員に抜粋されたことをきっかけに、RPGロワを終盤へと引っ張っていく。 クライマックスが目立つ作風とは裏腹に、繋ぎや考察も自由にこなす腕前を持つ。 アイディーが使えるグッズ 【クロスオーバー】 設定、キャラクター、アイテム、技などなど、何でも巧みにクロスできます。 ただ掛け合わせるだけでなく、そこから新しいものを生み出すことにも秀でており、“アクセス”の第一人者とも言えるでしょう。 【050 三人でいたい】 普通の人間で、でも最高なお姉ちゃんのナナミの死亡話です。 ド派手なバトルや勢いで押し切る印象が先に浮かびがちな氏だが、この話のように心に響く話もよく手がけています。 また、RPGロワのメインキャラクターとしてよくゴゴが挙げられますが、そのきっかけとなったのもこの話です。 【131 救い七部作】 問答無用で全てを救う作品です。 全ては全て、その救いは作中だけでなく、この作品を読んだ全ての人にもたらされます。 後々への影響も強いまさに、RPGロワの代表作と言えるでしょう。 リクス・エレニアック(◆6XQgLQ9rNg) 「つまらん……」 駆け出したOP書き手。 上手くて多作でとにかく面白くて、どこまでも頼れる存在で、パーティーの切り込み隊長的存在。 OPの頃から、何かと優秀だったリクスだが、終盤に至ってもかつての自分を超える書き手になるべく、日々レベルアップを続けている。 リクスが使えるグッズ 【オールラウンダー】 RPGロワでも随一の文章力の高さと上手さを活かしてどんな展開・キャラクターをも描き切ります。 読後の余韻がある話を描く点も評判です。 【048 『勇者』の意味、『英雄』の真実】 OPとはまた別の意味でのRPGロワの始まりとも言える作品です。 この作品により問われた、勇者とは何か、英雄とは何かという問が救いへと繋がり、更に導きを呼び起こしました。 今あるRPGロワの流れを形作った一作です。 【097 妖星乱舞,壊れた心に貫く想い】 氏の本領発揮とも言える作品です。 巨悪を巨悪として巨悪のままに書き切ることに定評のある氏ですが、この物語のケフカはそれだけに留まりません。 全編通してどこまでもケフカらしいのに、その最後に、読後なんともいえない余韻を味わうこと間違いなしです。 ラッド・エヴァンス(◆Rd1trDrhhU) (……ただいま) したらば管理人と称えられた、RPGロワ書き手。 特Aランクの書き手ばかりが集まったどこぞへと収容されてしまったのかも知れないが、書き手としての復帰も待たれている。 心理描写に関してはエキスパートで、原作では見せなかった側面の描写や描かれることのなかった心境の掘り下げに長けている。 したらばではお遊び心でエイプリルフールをも盛り上げる、優秀な管理人。 ラッドが使えるグッズ 【タイトル縛り】 後述の代表作名からも分かるように氏はタイトル縛りを行なっています。 終盤へと突入したRPGロワにおいては最早慣れ親しまれた行為であり、誰もが氏の予約の時点で次のタイトルにわくわくしています。 【073 シュウ、『嵐』に託す サンダウン、『花』を見守る】 RPGロワにおいて誰よりも渋い大人たちのかっこ良さを描くことに優れているラッド氏。 そんな氏によるこれ以上なくかっこいい二人のガンマンの死亡話です。 リクス氏により紡がれるケフカとビッキーの最後もこの物語あってこそでした。 【110 シャドウ、『夕陽』に立ち向かう】 大人のかっこ良さに定評のある氏による、娘をおいてきた父親と、父親においていかれた少女の物語です。 大人として、子どもとして、父として、少女として、二人は静かに心を通わせ合うも、そこに襲来する狂皇子。 男は、少女を助けることを選びました。全てを終わらせ、父親は家族の元へと帰ったのです。 セレナ・ライムレス(◆SERENA/7ps) 「二人が教えてくれたこの魔法で……あたしはお前に勝つ!」 中盤前後に活躍した書き手。 長文にて大人数をさばく力と独特のギャグセンスを持っている。 セレナが使えるグッズ 【縦横無尽】 フィールド上、戦場を問わず、数多の登場人物たちをダイナミックに動かして二転三転する先の読めない展開を描き出します。 街一つを使った戦いから、転移アイテムやテレポートを絡めた大集合などなんでもござれです。 【098 FFT三部作】 当時の生存者の半数以上が一堂に会する事となったお話です。 この話によりRPGロワの中盤は東西ニ局面へと別れることとなりました。 物語自体も非常にショッキングなものであり、煙る雨の戦場に似合う不穏な幕開けとなりました。 【126 英雄伝説『黒き魔王』,Running to the straight,組曲の行方】 RPGロワ終盤、遂にストレイボウにより自らとオディオの関係及び過去が明かされました。 この瞬間はRPGロワ住民の誰もが今か今かと待ち望んでいたものであり、氏はその期待に見事応えてくれました。 ストレイボウを許せないニノとの決闘を通して、弱さを抱えながらも強くあろうとする意志の尊さが伝わってくる話でした。 ファルン(◆FRuIDX92ew) お手持ちのスーパーファミコンコントローラーの、Yボタンを押してください。 最近RPGSに復帰した書き手。 『殿堂入り』と称される、2012年のパロロワアワードを震撼させたとんでもなさ過ぎる大作を伴っての復活であった。 ファルンの使えるグッズ 【無名マスター】 ファルンはゲーム知識に秀でた書き手ですが、更にはドラクエ主人公を始めとした所謂無名キャラのキャラ付けに秀でています。 原作では無言無個性なキャラクターや、セリフが10にも満たないキャラクターでも、彼の手にかかれば違和感なく確固たる一人の人間となるのです。 【003 Body Language】 RPGロワきっての名コンビ脳筋コンビ誕生秘話にして、後の脳筋トリオへとも発展していく物語です。 まさしく、Body Language。拳と拳でマッシュと日勝が語り合います。 対主催二人による全力の手合わせという脳筋な展開は、しかしだからこそ暑苦しくも爽やかで一見の価値ありです。 【146 一万メートルの景色】 全てを捨てて遙かなる高みへと上り詰めたセッツァーと、全てを抱え彼と同じ空を目指すゴゴの決着の物語です。とにかく読んでください。 前話にて描かれた圧倒さを一切下げることなく、むしろカンストさえさせて描ききったセッツァーの凄まじさは絶望的の一言。 セッツァーとゴゴというラッドが生み出したオリジナルの関係を、原作へと着地させ昇華した手腕もお見事でした。 ダブリュクル・アーミティッジ(◆wqJoVoH16Y) 「――――守るよ。この力で、全てを」 RPGSの特別顧問で終盤参戦の隠し追加書き手。 長文を駆使してのド派手な展開もさることながら、真の強さはフラグ管理の巧みさと状況構築能力にある。 ダブリュクルの使えるグッズ 【クライマックス繋ぎ】 ダブリュクルは10部作を二度も投下したりしていますが、真に恐るべきことは、そのどちらもクライマックスでありつつも繋ぎだという点です。 盤上を整えるのもひっくり返すのも自在な氏ですが、それ故に自身の起こした事態がどう収まるのかを仲間たちに期待しているのかもしれません。 【136 世界最期の陽】 状況展開に定評のある氏ですが、想いと想いのぶつかり合いなど、理屈だけでなく感情に訴える描写でも強烈な力を発揮します。 ロザリーを愛しているからこそ、彼女の友であってくれたニノに、憎悪ではなく感謝を以って刃を突き刺すピサロ。 パロロワの常連でありよく話題になるピサロですが、この話で描かれた彼は、ピサロというキャラクターの一つの極地といっても過言ではないでしょう。 【142:導き10部作】 すべてを賭けて力を手にしたジョウイの全てを、氏の全てを賭けて書ききった物語です。 救いでは足りぬと“導き”を掲げたジョウイの心情や策略、超絶クロスオーバー魔剣が怒涛に継ぐ怒涛で描かれています。 十分割という長文でありながらも、余分なものが一切無く、これまでの全ての物語をリレーしてRPGロワを終わりに向けて導いた一作です。
https://w.atwiki.jp/dqmb/pages/958.html
重複ページの為削除。