約 2,183,214 件
https://w.atwiki.jp/aatrpg/pages/559.html
名前 「マグナム殺し」アナスタシア・ロッソビッチ 性別 女 年齢 14 故郷 ロシア 外見 耽美(マントやロングコート) 表の顔 ルポライター チーム 夜明けのロックンロールボーイズ 盟約 階級 好/嫌 夕暮れ / ウイスキー 好み バランスのいい同い年 好きな映画 「温泉が待ち遠しい!」 経験点 残 言語 会話 読文 オオサカベン ○ ○ ロシア語 ○ ○ 環境値 天分値 犯罪 3 肉体 4 生活 3 精神 6 恋愛 1 戦闘力 教養 3 反応 4 戦闘 3 攻撃 5 性業値 6 破壊 1 環境値/天分値表 数値 1 2 3 4 5 6 7 8 犯罪 カタギ 甘ちゃん チンピラ 札ツキ ならず者 プロ 悪党 犯罪王 生活 路上生活 赤貧 貧乏 快適 富裕 上流 お大尽 貴族 恋愛 朴念仁 奥手 十人並 人気者 遊び人 お洒落 色事師 快楽天 教養 原始人 おばか 凡人 知的 物知り 博学 天才 紙一重 戦闘 雑魚 チキン アマチュア 勇敢 猛者 百戦錬磨 無敵 武神 肉体 貧弱 健康 頑健 強靭 超人 肉体の悪魔 精神 惰弱 正常 大胆不敵 切れ者 幽幻 禅 肉体点 10/10 精神点 10/10 サイフ 3/3 通常装備 6/7 中毒 トリコ 装備 武器 命中 ダメージ 射程 備考 参照 チーフスペシャル 7 5 射撃 暗器・リボルバー 参照 チーフスペシャル 7 5 射撃 暗器・リボルバー 参照 乗物 スピード 車体 荷物 参照 ヴェスパ 3 1 2 身軽 参照 装備 備考 参照 携帯電話 参照 携帯電話 参照 イカサマサイコロ ギャンブル・回数:1 参照 アジト 快適度 セキュリティ 備考 参照 中華街 10 10 参照 趣味 カテゴリ サブカル アート マジメ 休日 イヤシ 風俗 タグ 音楽 アラサガシ アウトドア 育成 アダルト アブノーマル おせっかい 工作 サビシガリヤ 飲食 カワイイ トレンド スポーツ ヒマツブシ ギャンブル トンデモ 読書 家事 宗教 ゴシップ マニア パフォーマンス ガリ勉 ハイソ ファッション ヲタク 美術 健康 旅行 ワビサビ カルマ カルマ 種別 異能/代償 使用 対象 判定 備考 リーダー 宿業 チームワーク 補助 自分 性業値 使命 終了時 自分 なし
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/139.html
◆SERENA/7ps 066 カエルとシュウとストレイボウと,永遠を背負いし者,亡き者に贈る鎮魂歌,Justice ~それぞれの正義~,Alea jacta est! 071 暗殺者のおしごと-The style of assassin 082 勇者と野球しようぜ! 085 ノーブルディザイア 086 使い道のない自由 087 第二回定時放送 088 有限世界の少女たち,昭和の男とエルフの願い 094 銀の交差 098 Fate or Destiny or Fortune?,Famille?,Throwing into the banquet 101 原罪のレクイエム 104 red tint 126 英雄伝説『黒き魔王』,Running to the straight,組曲の行方 141 Disintegreation,遥かなる理想郷,『そうはならなかった』お話 【キャラクター登場率・登場回数】 + 開示する 原作 登場率 内訳 【キャラクター登場率 29/54+1】 LIVE A LIVE 5/7 高原日勝、アキラ、サンダウン、ストレイボウ、無法松 ファイナルファンタジーVI 3/7 エドガー、マッシュ、セッツァー ドラゴンクエストIV 4/7 ユーリル、ピサロ、ロザリー、シンシア WILD ARMS 2nd IGNITION 3/7 ブラッド、マリアベル、アナスタシア 幻想水滸伝II 2/6 ジョウイ、ルカ ファイアーエムブレム 烈火の剣 全員登場 リン、ヘクトル、フロリーナ、ジャファル、ニノ アークザラッドⅡ 2/5 シュウ、ちょこ クロノ・トリガー 3/5 クロノ、カエル、魔王 サモンナイト3 1/5 イスラ 主催者 1/1 魔王オディオ 【キャラクター登場回数】 4回 3人 マリアベル、ニノ、ヘクトル 3回 4人 ロザリー、ストレイボウ、カエル、ピサロ 2回 6人 ユーリル、ブラッド、アナスタシア、ちょこ、イスラ、セッツァー 1回 17人 高原日勝、アキラ、サンダウン、無法松、エドガー、マッシュ、シンシア、ジョウイ、ルカ、リン、ヘクトル、フロリーナ、ジャファル、シュウ、クロノ、魔王、魔王オディオ RPGロワ期待の新星。初投下で内容も量も濃い作品をやってのけた上、それから後には4連続投下も達成している。お前のような新人ry 好き嫌いは分かれるがギャグセンスも秀逸である -- 村人A (2010-01-29 16 07 31) 第一回放送以後から参戦した書き手氏.フラグの積み方や大人数の捌きが巧い.ギャグは人を選ぶが,センスは秀逸.個人的お薦めは『有限世界の少女たち』『昭和の男とエルフの願い』 -- 名無しさん (2010-06-09 22 05 22) 途中参戦とは思えぬほどの速度と長文を誇る人。やや突っ走りぎみなところもあるが行動力のある証拠でもある。大人数を縦横無尽に走らせるのが得意。お勧めはFFTシリーズ -- 名無しさん (2010-07-10 20 21 53) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/389.html
世界最寂の開戦 ◆wqJoVoH16Y 波打たぬ響きが止み、静寂が訪れる。 都合六度ともなる放送だが、その威は何ら衰えることはない。 むしろ告げられ名が一つ増えるたび、音に乗るその感情は火にかけた鍋が煮詰まるように純粋に、強大になっていく。 【にくい】 水気のない砂や枯れた草は微風に巻き上がり、不規則に散乱した石や岩の破片は天頂に昇った太陽に煌々と灼かれている。 置換も代替も出来ぬ奔流の通り過ぎた先には、やはり死せる沈黙が広がっていた。 「……つー訳だ。あいつらは、死んだよ。俺が起きた時には、もう」 その沈黙を揺らすように、アキラがぼそりと呟く。 崩れた石礫の中に交じる、明らかに人工物めいた調度の石細工の破片。 その一つに背を預けて座り、アキラは大きく息をついた。 再び、沈黙が大気に淀んでいく。立ち尽くす者も、アキラと似たような岩に背を預けている者も、 震えと共に五指を握りしめるか、顎に汗を伝らせながら喉を鳴らすか、 それに準ずる動作をするばかりで、言葉を発する者はいない。 天頂の陽光は白く、熱い。 「……で、そろそろ教えてくれねえか。なんでそいつらここにいる」 嘆息の後、沈黙を破ったアキラの声が、ここにいる5人のうち、3人の身体を残る2人――ピサロとカエルに向けさせる。 2人はアキラへと身体を向けたまま不動をつらぬく。 「黙ってねえで、なんとか言えよ。何があったかは知らねえがこっちは――う”、ぬぃ……」 起き上がろうとしたアキラの体が、尻が地面から浮くか浮かないかというあたりで再び沈む。 腿の銃創や後頭部の瘡蓋など、あちらこちらの傷が陽光に劣らない熱を放っていた。 「ヒールタッチじゃ、限界かよ……」 「お、おい! 大丈夫か――」 ストレイボウがアキラに駆け寄ろうとするのを阻むように、カエルが一歩前に出る。 それとほぼ同時に、ピサロもまたアキラへと近づいた。 イスラとアナスタシアは座ったまま、微動だにしない。 「ケアルガ」「ベホマ」 ストレイボウが合間に入ろうとするよりも速く、2人がアキラの傷に掌を重ねると、二つの魔力光がアキラを包む。 柔い光、最上級の回復魔法の中で、アキラの傷から熱が霧散していき、そして傷そのものも幾分かに減じていく。 「お前ら……いや……そういうことかよ……糞……」 敵意をひとまず散らしたアキラがそう吐き捨てると光は収まり、死闘に傷んだアキラも半ば回復した。 それに代わりピサロとカエルの上体が崩れ、地面に手を付く。 「おい、無理をするなカエル! あれだけの召喚をした後にそんな――」 「構うな。自分にかけても意味もないのだ。ならばこれでいい」 肩をストレイボウに支えられて喘鳴するカエルの表情は覆面に隠れて判然としない。 「……便利だね。回復手段がある奴は、ご機嫌取りが楽で」 鼻を鳴らす先には、地面に腰掛けるイスラ。薄い悪意の籠る冗談を飛ばしながら、イスラは横目にアナスタシアを見た。 地面に突き立てたアガートラームを背もたれにして書をめくる聖女は、何の反応も見せない。 「……とりあえず、アンタらが認めたんだ。お前らがここにいることにとやかくは言わねえ。で、こっからどうする?」 アキラの問いに再び沈黙が流れる。だが先ほどまでと異なり、沈黙が破られるのに時間はかからなかった。 「5時間後には禁止エリアで埋まっちまう。なんとかしねえと全滅だ」 「全滅ではあるまい。名が呼ばれていなかった以上、あの小僧、恐らく首輪を外しているぞ」 ピサロの指摘に、膝を抱えたイスラの爪が肉に食い込んだ。 「ジョウイ=ブライト。紅の暴君を奪い……否、変生させて逃げた男、か」 「ってことはなにか? ジョウイが生きてるの分かっててオディオは俺たちを殺しに来たってことか? 手でも組んだってのか? いくらなんでも、ぞっとしねえぞ」 「――違う。アイツは言った。愛も勇気も欲望も希望も――そして、理想も、と。 誰も彼もを憎むアイツは、誰とも組まない。裏切られることの意味を、知ってるから」 そう言ってストレイボウは太陽を仰ぎ見た。陽の光に灼かれたまま、空を睨み付ける。 「……ジョウイとオディオは繋がっていない、としてだ。じゃあジョウイとオディオは敵対してるのか?」 「どうだろうな。だが、仮に奴がオディオの敵だとしても、 お前たちの味方だとするなら、あのような大立ち回りをする理由もないだろうが」 地面の石と砂を掴んで弄びながら問うが、南の森に向いたピサロはにべもなく吐き捨てる。 「その思惑がなんにせよ、小僧をこのまま放置する訳にもいくまい。 奴が、遺跡を――否、“その下に眠る力”を掌握しようものならば、な」 「……ジョウイ……ジョウイ=ブライト……ッ!」 「それに、オディオも放っておけねえ。俺たちを潰しにかかってるんなら、もう受け身に回ってる時間はねえよ」 頭巾の緩みを絞りながら応ずるカエルの言に、イスラの拳が血を流すほど固く引き絞られる。 「あの小僧、そしてオディオの打倒。まあ、方針はそれしかあるまいな。 とはいえ、小僧のいるであろう遺跡に行くにせよ、オディオの居場所を探すにせよ、 禁止エリアから出ねば話になるまい。となれば、首輪を外さねばならんが」 「…………」 「外せるだろう人はね……マリアベルは、死んだんだ。今更、誰のせいだなんて、言う気もないけどね」 「――ああ……俺が、殺した。言い訳の余地など微塵もない……ッ!」 「うだうだ今更言っても仕方ねえだろ。何とか外して、俺たちはあいつ等をぶちのめすしかねえんだ」 ピサロが纏め、アナスタシアが沈黙し、イスラが指摘し、カエルが認め、アキラが確かにする。 五者はそれぞれが別の方向を向いて動きを止める。 風が大地の砂を撫でて、再び静寂が訪れる。高き場所の雲だけが微速で動いていた。 乾いた凪の荒野には、無だけが広がっている。 「違う。それじゃ、きっとダメだ」 その荒野に、湿り気が混じった。 くたびれ、擦り切れたローブの裾で砂を切りながら、ストレイボウは一歩踏み出す。 「……どういう意味だ、魔術師。首輪を外す妙手でもあるということか?」 「それとも、ジョウイやオディオと戦いたくないってこと?」 ピサロが、イスラが、ストレイボウの言葉に疑問を返す。 「あ、いや……そういう意味じゃ、ないんだ……その、なんていうか……」 だが、とたんに音は縮れて掠れ、喘鳴のように醜くなっていく。 前に突きだした手は虚空を泳ぎ、汗ばんだ指を踊らせる。 「おい、いったい……」 立ち上がろうとしたアキラをカエルの腕が制する。 しばし浮かせた腰を、アキラは再び落とした。 「落ち着け。伝えようと思うのならば、伝わる」 カエルの言葉の後、数分。 喘鳴は少しずつ収まり、最後の深呼吸と共に消えた後、ストレイボウは再び言葉を紡いだ。 「ピサロにはまだだったし、カエルも直接は言っていなかったな。 丁度いいから、もう一度聞いてくれ。あの時の、ルクレチアの話だ」 今一度語られるのは、ルクレチアの英雄伝説。 オルステッドとストレイボウの、永遠に忘れられないであろう物語。 数人にとってはもう既に聞き終えた話であったが、合いの手を挟むものは誰もいなかった。 「……」「そうか……貴様が、な」 カエルは無言で、ピサロは腕を組み一言だけ漏らす。 だが、それ以上の動作は今のところなかった。 「で、もう一度聞かされて、だからどうだっていうのさ」 「あの時、魔王山で隠された抜け道を見つけたとき、俺の中で全部が爆発した。 今ならオルステッドを出し抜ける。このチャンスを逃せば、俺は一生オルステッドの引き立て役だ。 誰も気づいていない今なら。これは俺に与えられた正当な権利なんだと。 アリシアを隣に侍らせ、オルステッドの上に立つ唯一無二の機会だと」 ストレイボウは震える両手で顔を覆い、眼窩に指を食い込ませる。 だが、言葉だけは止めなかった。 「後は、前に言ったとおりだ。悦楽が更なる喜悦を呼び“行くところまで行き着いた”。 その先に何があるのかなんて考えもせず、俺は俺の感情を止めることができなかった」 そこでストレイボウは言葉を区切り、もう一度深呼吸する。 肺を限界まで膨らませ、すべてを排する。 「――――だから、もうあんなのは嫌だ。 今しかないとか、こうしなきゃいけないとか、自分に縛られて、何もかもを見失うのは、嫌なんだ」 その有らん限りの、『後悔』と『決意』を。 「俺はあの時まで、オルステッドに対するの感情を認めることができなかった。 そんなときに、チャンスを与えられたら、もう止まれなかった。 それしか見えなくなった。それしか考えられなくなった」 両の手をゆっくりと顔から離しながらストレイボウは“省みる”。 己の行いを、己が悪いと断じ、そこで止めてしまった思考を再起動する。 「今もし、首輪を外すことができる手段が落ちてきて、 オディオのいる場所への階段でもいきなり現れたら、俺たちはきっとそこに飛びつく。 きっと信じられない位の勢いで突き進むだろう。あの時の俺のように、終わりまで一直線だ」 目的に対し、降って沸く解法。たどり着くべき結末へと遡るだけの作業。 今しかないと、これが天命なのだと思いこみ、走り抜ける。否、流される。 それがストレイボウの、罪人の歩んだ道の全てだ。 「だったら結局どうしろって言うんだよ!」 そこまで誰もがストレイボウの言葉を聞くばかりだった中で、ついに叫びが生ずる。 髪を掻き揚げながら立ち上がったイスラが、堰を切ったように喚く。 「首輪を外すな、ジョウイを倒すな、オディオを倒すなってことか? あんたの言ってることは全部観念ばっかで、何一つ具体的じゃない!! 人生の反省会をしたいなら一人でやってろよ!!」 己の中で沸き立つ怒りに似た感情のまま、イスラはストレイボウに噛みつく。 だが、その瞳には戦いの後に絶えて久しい輝きが僅かに見えていた。 「ああ、もちろん、そういう意味じゃない。 具体的な案ももちろん、無い。俺が言いたいのは最初から一つだけだ」 その視線を受けとめてから、ストレイボウは口内で言葉を選びながら返す。 ストレイボウが歩んだ道と彼らのこれから進む道は全く違う。 ただ、一つだけストレイボウが言えるとすれば。 道が違えど、歩き方が変わらないのであれば、 結末ががオルステッドの救いであれ、オルステッドの死であれ、 彼らの死であれ、彼らの生であれ――そこにある結果を受け入れるしかないということだ。 「イスラ、アナスタシア、アキラ、ピサロ、カエル。 俺は、おまえ達に、俺のようになって欲しくない。“したいようにあってほしい”。それだけなんだ」 全員を見渡しながら、ストレイボウは願う。 機会を得て、感情に従って突き進んだだけでは、掴めないものがある。 場の状況に、己の感情に流され続け、あの結末を後悔し続けてきたストレイボウだからこそ言い切れる祈り。 それは、その場の誰もの心臓を穿った。 「首輪の解除法も、ジョウイ=ブライトの目的も、オディオの真意も分からない。 この状況下で“足を止めろ”というのか、お前は」 カエルが呆れたような調子でストレイボウを揶揄する。 だが、覆面に覆われたその表情は、心なし笑っているように見えた。 そして背を向け十数歩ほど歩き、手頃な岩影に寝転がる。 「……何やってんだよ」 「正直、立っているのも億劫だったのでな。休めるうちに休むのは兵の常道だ」 イスラの問いに、何を当たり前という調子でカエルは応じた。 完全に弛緩したその体躯からは、戦闘への意識は微塵もない。 「おい、ンな悠長なことでいいのかよ……5時間後には禁止エリアで埋まっちまうってのに」 「逆を返せば、5時間はあるということだ。本気で潰そうと思えば、3時間あれば潰せるところを、な」 奇異と首を傾げるアキラの横を通り、ピサロは彼らから少し離れたところで、膝ほどの高さの石に腰掛ける。 カエルほどではないが、やはりその緊張は緩和されている。 ストレイボウを信頼したというよりは、 こいつらの行く末を案じて自分一人気を張るのも馬鹿らしいという調子だった。 「……アホくせ。おいイスラ、どうする?」 「どうするも、こうするも……ジョウイがいつ襲ってくるか分からないってのに、なんでこうも悠長にしてるんだか」 一番外様で肩身の狭いはずの2人が率先して休憩に入るこの状況に、 アキラもイスラも苦い顔をするしかなかった。 だが、途端に肩に重たいものを感じる。 緊張の糸が切れた途端、栓が外れたかのように、体中から泥のような疲労が表出する。 思えば、あの夜雨から半日近く戦いっぱなしだったのだ。 大なり小なりの休憩があったとは言え、マーダーへの対処や拘束したユーリル・アナスタシアへの警戒、 今後の対策などするべきことは山ほどあり、何のしがらみもない休憩など、最後はいつだったかも思い出せないほどだった。 だが、ここで意識を途切れさせては不味い。ここをジョウイに突かれたならば、為す術なく敗北するだろう。 それに対して答えたのは、ストレイボウだった。 「……なんとなくだがな、しばらくは来ない気がするんだ。今、来なかったから」 「どういう意味だ?」 「奇襲するなら、このタイミングを逃がす訳がないということだ。俺たちがそうであったように」 アキラの疑問に、ストレイボウの代わりに答えたのはカエルだった。 紅蓮やセッツァー、ピサロ、ゴーストロードとの死闘を重ね自分達は疲労している。 対して、ジョウイはその死闘から巧く自分を逃がしている。 ならば疲労に塗れた彼らがオディオの放送を仰ぎ聞く瞬間こそ、ジョウイにとって絶好の奇襲点であったはずだ。 あの機を逃さず魔剣とオディオを奪ったジョウイが、そのタイミングを見誤るはずもない。 だからこそ、ピサロもカエルもそれを警戒していたのだ。 だが、ジョウイは来なかった。 それはカエル・魔王が既に奇襲を仕掛けて警戒されたと判断したからか、奇襲するだけの余力がないからかは分からない。 「カードを切り損ねる奴ではない、ということだ。セッツァーの言葉でいうならば、な」 はっきりと分かるのは、ジョウイは奇襲というカードを捨てたということ。 今、切らなかったからだ。 「……ま、いいや。どうせ、今の俺たちからあいつを捜すのは無理なんだしな」 その言葉に納得したのか、アキラも腰を落ち着ける。 一人、また一人と弛緩していく中で、イスラの眉間の皺が限界まで潰れた。 「どいつもこいつも、何でそんな暢気なんだよ……これじゃ僕が――」 「――――まったくもって、馬鹿馬鹿しいわね」 誰一人として理解者もいないと絶望しかかったイスラに、こともあろうか聖女の手がさしのべられた。 イスラは疑うような視線でアナスタシアを見つめる。 これまで一言も喋らず、黙して本を読んでいたはずのアナスタシアの言葉に、 身体を休めた3人も、ストレイボウも、注目を集める。 「お題目は立派だけど、現実問題として首輪を解除しなきゃどうしようもな無いわよね?」 書から視線を外すことなく、独り言のように吐き捨てられる言葉は、これまでのやりとりを台無しにするものだった。 「時間をかけて、心の整理をつけて、いろいろな納得したけど手がかりはありませんので死にましたとか……何それ」 そういってアナスタシアは、スケベ本の中の袋とじが期待はずれだったような顔を浮かべる。 「私は厭よ、そんなの。死<納得>なんて、絶対にしない。 私は生きる。生きて生きて、したいことをするのよ。どんな死だろうと私は受け入れない。 激流の中で藁が一本でもあったら迷わずつかむ。 誰が置いたかなんて考えない。死んだらそれすら出来ないんだから」 アナスタシアの言葉に、誰もが厭そうな顔を浮かべた。 それは彼らに水を差したからだけではなく、彼女の言葉もまた一つの真実であったからだ。 ストレイボウの後悔も、アナスタシアの後悔も、どちらも真実であり、故に譲る余地がない。 アナスタシアが本からストレイボウへ視線を移す。互いの視線に火花が見えた。 「貴方たちに、この状況を何とかする気が無いのはよく分かったわ。なら勝手にしなさい。私も勝手にするから」 互いに譲れない価値観。ならば、その結果は至極当然で、アナスタシアはため息を一つついて、その本を閉じた。 「―――――――勝手に、首輪を外させて貰うから」 だが、そこで放たれた言葉は、全く以て彼らの想像を超えていた。 「「「ちょっと待てぇッッ!!」」」 「「…………は?」」 アナスタシア以外の誰もが頓狂な声を上げる。 アナスタシアと共にあった3人は当然、声を上げ、 彼女をよく知らない2人も、彼らの会話から首輪解除の手段が根絶しているものだと思っていたからこそ、そう漏らすしかなかった。 「~~~うるさいわね。何よいきなり大声だして」 「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお前」 「く、くく、くくくくくくくくくくくくくくくくくくく くくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくく くくくくくくくくくくくくくくくくくくくくく首輪を」 「はは、ははははははははははははははははははははは はははははははははははははははははははははははは はははははははははははははははは外せるのかッ!?」 ストレイボウたち3人はアナスタシアに詰め寄り、 古代文明を目の当たりにしカルチャーショックを受けた現代人のように舌をもつれさせながらかろうじてそう問いかけた。 彼らにしてみればアナスタシアは、ことあるごとにネガティブな発言をして何もせず引きこもっているか、 脳に重篤な危機を持った発言をして聖剣片手に阿修羅のように暴れるだけのボンクラでしかなかったのだ。 それが今になって首輪の解除出来ますと言っても、にわかには信じがたい。 「いきなり何よ眼を血走らせて……はっ! ま、真逆私に乱暴する心算じゃないでしょうね、 スケベ本みたいに、スケベ本みたいにッ!!」 「そういうことを言うから信用できないんだよお前はッ!!」 自分の身体を庇うように抱きしめるアナスタシアに、イスラは心の底から怒り叫んだ。 一笑に付そうにも、無視するには余りに大きすぎる事実だった。 「で、出来るのかアナスタシア。本当に?」 「…………実は私、聖女やる前は首輪屋さんで働いてたの。首輪解除の免許あるのよ」 「首輪屋ってなンだよッ!! ンなピンポイントな免許ねーよ!!」 「というか、確か下級貴族と聞いたぞマリアベルから!」 「え、首輪解除って貴族の嗜みじゃないの? 私、+ドライバーと-ドライバーより重たいもの持ったことがございませんの」 「どんな貴族だよ! そんな技術大国があったら逆に見てみたいよ!」 不毛すぎるやりとりがしばし続く。アナスタシアは出来ると一点張りだが、 そう信頼するだけの材料が無いため、妄言の応酬にならざるを得なかったのだ。 「とにかく外せるんですー! トカゲ如きに外せるものが私に外せないわけないんですー!!」 「ぐ、確かにアシュレーはトカゲが外したって言ってたしな……!」 口を尖らせて拗ねるアナスタシアに、アキラがついに折れる。 アシュレーが真面目にそう言い、マリアベルもそれを納得していた。 アイシャも凄まじい技術で作られていたことを考えれば、 ファルガイアはトカゲでも技術に優れた、生命体レベルで技術溢れる科学世界なのかもしれない。 「か、仮にそうだとして、じゃあ何で今まで言わなかったんだ!? 聞かれてなかったからとかは無しでだ!!」 「親御さんに教えて貰わなかったかしらァ!? 最後の最後まで切り札は取っておくものよ、坊や」 呼吸を落ち着けながら問うイスラに、アナスタシアは嘲るように応ずる。 「今! この場でッ!! 首輪に対し処方できるのはッ!! 天上天下に我、アナスタシア=ルン=ヴァレリア唯独りッ!! その事実を理解する脳味噌があるのならば、頭を垂れて尊ぶがよろしくってよッ!!」 立ち上がり、手頃な岩に登って見下ろすようにアナスタシアは5人を睥睨する。 頭を垂れるかどうかはさておき、その意味を理解できないものはいない。 今、彼ら6人の生殺与奪を決めるのは、アナスタシアの細腕一本なのだということを。 「……やっぱり僕は、お前が大嫌いだアナスタシア……!」 「最高の評価をありがとう。美少年が悔しそうに見上げるだけでご飯が食べたくなるわね」 ふわりと岩から飛び降り、アナスタシアはイスラの横を通り過ぎた。 そのまま、手頃に置かれたデイバックをつかみ、東に歩く。 「という訳で、私は大変お腹が空いております。手持ちのデイバック全部よこしなさい。 散逸したものもすべて。道具も武器も、身ぐるみ総て余すことなく。 血が足りない。私は渇えたり、私は餓えたり。 私を満たしてくれるならば、褒美に貴方たちの首輪も外してあげましょう」 誰もに、誰もに伝わるように、汚れた聖女は神託を告げる。 「ま、ただの実験台って意味だけどね。 間違えないで。今貴方たちに必要なのは、私の貴方たちに対する好感度よ。 そうね……ご飯食べてお腹休めて……3時間ってところかしら。バッドエンドに行かないよう、せいぜい励みなさい」 哄笑しながら、アナスタシアは彼らの元を離れようとする。 そして最後にストレイボウの横を通り過ぎようとした。 「どういうつもりだ、アナスタシ……ッ!」 問いただそうと肩を掴もうとしたストレイボウの手が止まる。 肩に触れようとした指の腹が、その痩身が震えきっているのを感じたのだ。 「――――肩を治して、血を足して、勘と指の駆動を取り戻して、空いた首輪で練習して…… 時間はいくらあっても足りないけど、何とか、3時間でもっていく」 ストレイボウにしか聞こえない音量で、アナスタシアが喋る。 喉から震えているのが、音にまで反映されていた。 「ほんと、貴方があんなこと言わなきゃ、こんなことするつもりなかったのに。まあ、休みながら私も考えてみるわ」 目線を会わせることなく、疎ましそうに聖女は魔術師に文句を垂れる。 そして、ストレイボウが何かを言うよりも早く、アナスタシアはその書物をストレイボウに渡した。 「やってやる。やってやるわよ。ブランクなんか知ったことか。 信じてくれたんだもの、ここでやらなきゃ、私が廃る」 誓いを刻みつけるように呟きながら、アナスタシアはその場を離れた。 誰もが思い思いに散る中で、ストレイボウはふいに空を見上げた。 (悪いな、オルステッド。もう少しだけ待っていてくれないか) 放送を聞いて、確信したことが一つ。オディオは待っている。今か今かと、自分の元へ来いと待ち焦がれている。 手を伸ばせば届きそうな空を見て、終着点が近いと確信する。 「お前のことだ。俺たちがもしも逃げても、見逃してくれるんだろう」 逃げたのならば、彼の友はその背中を永遠に笑い続けるだろう。 ここまで来て逃げ出した愚者よ、癒えぬ傷を抱えて惨めに這い蹲っていろと。 「俺たちがお前と戦っても、勝っても負けても、まあそれなりに慰めにはなるだろうさ」 屍の上にオルステッドが立つか、彼らが立つか。違いはその程度だ。 どう転んでも、オルステッドの――オディオの掌からは逃れられないのだろう。 「今度はちゃんと考えてから決める。 俺たちのしたいことを、俺の意志で、彼らの願いで、本気で考えてから」 ならば、せめて今度こそは、納得のいく答えを出そう。 あんな不意打ちの再会ではなく、全てを約束した上で。 「お互い気の遠くなるほど待ったんだ。後少し、待っていてくれよ、オルステッド」 天に掲げた手を握る。掴んだ空は、どこまでも蒼く突き抜けていた。 【C-7とD-7の境界(C-7側) 二日目 日中】 【カエル@クロノ・トリガー】 [状態]:瀕死:最大HP90%消失 精神ダメージ 中 覆面 右手欠損 左腕に『覚悟の証』の刺傷 疲労 大 胸に小穴 勇気 真 [装備]:なし [道具]:なし [思考] 基本:俺がしたいこと、か…… 1:『その時』にむけて、したいことをしよう [参戦時期]:クロノ復活直後(グランドリオン未解放) 【イスラ=レヴィノス@サモンナイト3】 [状態]:ダメージ:大、疲労:大 [スキル]:心眼 勇猛果敢 フォース・プリズナー№666(Lv1~4) [装備]:なし [道具]:なし [思考] 基本:僕が、今更……したいことだって……? 1:『その時』にむけて、したいことをしよう [参戦時期]:16話死亡直後(病魔の呪いから解かれている) 【ストレイボウ@LIVE A LIVE】 [状態]:ダメージ:中、疲労:大、心労:大 勇気:大 [スキル] ルッカの知識(ファイア、ファイガ、フレア、プロテクト)*完全復元は至難 [装備]:なし [道具]:なし [思考] 基本:決めよう。今度こそ、本当の意志で―― 1:『その時』にむけて、したいことをしよう [参戦時期]:最終編 ※アキラ以外の最終編参加キャラも顔は知っています(名前は知りません) 【アキラ@LIVE A LIVE】 [状態]:ダメージ:中、疲労:極、精神力消費:極 [装備]:なし [道具]:なし [思考] 基本:俺がしたいこと? そんなもん―― 1:『その時』にむけて、したいことをしよう [参戦時期]:最終編(心のダンジョン攻略済み、ストレイボウの顔を知っている。魔王山に挑む前、オディオとの面識無し) [備考]:超能力の制限に気付きました。テレポートの使用も最後の手段として考えています。 ※カノンの名をアイシャ・ベルナデット、リンの名をリンディスだと思っています。 ※松のメッセージ未受信です。 【アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION】 [状態]:首輪解除作業中 ダメージ 中 胸部に裂傷 重度失血 左肩に銃創 精神疲労 大 [スキル]:せいけんルシエド [装備]:なし [道具]:なし [思考] 基本:私がしたいこと、かぁ…… 1:『その時』にむけて、したいことをしよう [参戦時期]:ED後 【ピサロ@ドラゴンクエストIV】 [状態]:クラス『ピュアピサロ』 ダメージ:大 ニノへの感謝 ロザリーへの純愛 精神疲労:大 [スキル]:魔封剣、デュアルショット、アルテマバスター*いずれも要バヨネット装備 ミーディアム:ラフティーナ [装備]:なし [道具]:なし [思考] 基本:問うまでもないと思ったが……さて…… 1:『その時』にむけて、したいことをしよう [参戦時期]:5章最終決戦直後 <リザーブ支給品(全てC-7とD-7の境界(C-7側)に集められている)> 【ドラゴンクエスト4】 天空の剣(二段開放)@武器:剣 ※物理攻撃時クリティカル率50%アップ 魔界の剣@武器:剣 毒蛾のナイフ@武器:ナイフ デーモンスピア@武器:槍 天罰の杖@武器:杖 【アークザラッドⅡ】 ドーリーショット@武器:ショットガン デスイリュージョン@武器:カード バイオレットレーサー@アクセサリ 【WILD ARMS 2nd IGNITION】 アガートラーム@武器:剣 感応石×4@貴重品 愛の奇蹟@アクセサリ:ミーディアム クレストグラフ@アクセサリ ※ヴォルテック、クイック、ゼーバー、ハイ・ヴォルテック、ハイパーウェポン データタブレット×2@貴重品 【ファイアーエムブレム 烈火の剣】 フォルブレイズ@武器:魔導書 【クロノトリガー】 “勇者”と“英雄”バッジ@アクセサリ:クリティカル率50%アップ・消費MP半減 パワーマフラー@アクセサリ 激怒の腕輪@アクセサリ ゲートホルダー@貴重品 【LIVE A LIVE】 ブライオン@武器:剣 44マグナム@武器:銃 ※残弾なし 【サモンナイト3】 召喚石『天使ロティエル』@アクセサリ 【ファイナルファンタジーⅥ】 ミラクルシューズ@アクセサリ いかりのリング@アクセサリ ラストリゾート@武器:カード 【幻想水滸伝Ⅱ】 点名牙双@武器:トンファー 【その他支給品・現地調達品】 召喚石『勇気の紋章<ジャスティーン>』@アクセサリ 海水浴セット@貴重品 拡声器@貴重品 日記のようなもの@貴重品 マリアベルの手記@貴重品 バヨネット@武器:銃剣 ※バヨネットはパラソル+ディフェンダーには魔導アーマーのパーツが流用されており魔導ビームを撃てます 双眼鏡@貴重品 不明支給品@魔王が初期に所持していたもの デイバック(基本支給品)×18 アララトス遺跡地下71階。 花舞い散る異界の楽園に、杯で顔を覆って寝そべる女が一人。 女――メイメイは、ゆっくりと杯を顔からどける。 「人の想いか……分かってた、つもりだったんだけどねぇ……」 少しばかり人の世界を渡って、人を理解したつもりではあったが、まだ未熟であったということか。 自嘲しながら、メイメイは胸元から眼鏡を取り出し、尖耳に掛ける。 そして、杯に再び酒を注ぎながら、仮の主の放送を心の中で反芻する。 回を重ねるごとに、感応石など無意味なほどに、言葉に感情が乗っていく。 今か、今かと、待ち人に焦がれる恋人のように。 果たして待っているのは、希望か、欲望か、勇気か、愛か、それとも―― 「理想なのかしら。ねえ、魔王サマ?」 くい、と酒をあおりながら、楽園に住まうもう一人の魔王に問いかける。 だが、酒を飲み干せどもその返答はなかった。 「ちょっとちょっと、無視はひどいんじゃなぁい?」 怪訝に思いながら、メイメイは彼へと目を向ける。 虹色に輝く巨大感応石、その前に座り込むジョウイ=ブライトへと。 感応石の光にその周囲は淡く白んでいるが、血染めの冥界に染まった赤黒い外套だけは、その色を固持している。 地面を覆う魔王の外套は、まるで楽園を冥界に変えてしまうかのように、周囲に溶け込んでいた。 「――――あ、ああ……すいません……聞き取れなかったもので…… ……もう少し、大きな声で、言ってもらえると助かります……」 今気づいたとばかりに、少しだけ首を持ち上げ、メイメイに背を向けたままジョウイは彼女に応ずる。 「……オル様ぁー、とりあえず貴方のことぉー認めてくれたみたいだけどぉー、よかったわねぇー」 「そうですね……とりあえず、貴種守護獣程度には、挑戦権を貰えたようで」 大声で言うメイメイに、ジョウイは返答する。 どことなく上の空の調子で、本当に喜んでいるようには思えない。 「なんか白々しいわねえ」 「そんなことはないですよ。いずれ、返礼には伺いますよ……“あの天空の玉座に”」 酒を注ぐメイメイの手が止まり、危うく杯から酒を溢してしまいそうになる。 杯を手首で操り、滴をうまく拾い上げたメイメイは、されど呑むことなく黒い背中を見据える。 「私、言ったっけ?」 「いいえ。ですが……やっと“識れました”。 放送のときなら、必ず“そこ”から感応石に意志を送ってくるはずでしたから」 空中城の小型感応石からここの巨大感応石を経由して、島全域に放送を行う。 その構造を逆手に取り、ジョウイは、核識を継いだ魔王はついに玉座を視界に捉えたのだ。 「もっとも、オディオもそこは分かっているでしょう。 僕が今更それを知ったところで、何がどうなるというわけでもないですから」 だが、ジョウイにとってそれはあまり重要な情報ではないらしい。 彼はやはり、あくまでも正門から入城するつもりなのだ。たった1人しか入れない門から。 「……ねえ、一つ聞いていいかしら?」 口を湿らせ、言葉を待つことしばし。沈黙を許可ととったか、メイメイは尋ねた。 「なんで、奇襲を避けたの? やろうと思ったら、行けたんじゃないの?」 「二番煎じで勝てるとも思えなかったので。時間が無いからこそ、万全を整えますよ」 「どのくらいかかりそう?」 「そうですね…………」 メイメイの問いに、ジョウイがしばし沈黙する。 魔王の外套が大地に更に溶け込み、どくりと、遺跡全体が僅かに震えた。 「“じゃあ”あと3時間で」 こともなげに、ジョウイはそう答えた。 くいと酒を呑むメイメイの眼鏡は、逆光で白んでいる。 「前から気になってたんだけど……結局貴方、彼らをどうしたいの?」 しん、と静まり返る。言葉が途切れたというだけではない。 花の靡きも、樹のしなりも、水の流れさえも、この箱庭の全てが、静寂に染まった。 「――――逃げて欲しい。 もしも、もしもこの墓場から逃げおおせてくれれば……まだ、諦めもつくから。 優勝することを諦めて、直接オディオと一戦交えることも、考えられたから」 血染めの背中はただそう答えた。鷹揚一つつけず、事実を諳んじるように、無感動に。 メイメイはしばし、その答えの意味を噛み締めながら、杯の水面を見る。 散り落ちた花弁の一枚が、そっと水面に降り立つ。 どくり。 その瞬間、水面が波立った。花弁によってではない。 杯が、持つ手が、メイメイの身体が、座る大地が、この部屋が――――遺跡が、震えた。 カタカタと、ガタガタと、グラグラと、哄笑するように、叫喚するように、痙攣した。 星の下に眠る死喰いが、ではない。この遺跡そのものが震えた。 誰かの心情を代弁するかのように、冥界の奥底から、卑しく響き渡る。 「……僕は……」 頭を上げて、伐剣の王は偽りの空の向こうに手を伸ばす。 「……誰かが死んで嬉しいと思ったことは、ない」 ぐちゃりと、虚空を握り潰す。金色の瞳が見つめる掌の中には、何も無かった。 【F7 アララトス遺跡ダンジョン地下71階 二日目 日中】 【ジョウイ=ブライト@幻想水滸伝Ⅱ】 [状態]:クラス『伐剣王』 ダメージ:小 疲労:極 金色の獣眼(右眼) 首輪解除済み 腹部に傷跡 『魔王』としての覚悟 紋章部位 頭:蒼き門の紋章 右:不滅なる始まりの紋章 [スキル]:紋章術・蒼き門(Lv1~4)、不滅なる始まり(Lv1~3) フォース・クレストソーサー(Lv1~4) アビリティドレイン、亡霊召喚、モルフ召喚 返し刃のダブルアタック 盾の鼓動は紅く輝く [装備]:キラーピアス@DQ4 絶望の棍 天命牙双:左 ハイランド士官服 魔王のマント [道具]:賢者の石@DQ4 不明支給品×1 基本支給品 [思考] 基本:優勝してオディオを継承し、オディオと核識の力で理想の楽園を創り、オディオを終わらせる。 1:3時間で、魔王として地下71階で迎撃の準備を整える 2:参加者を可能な限り殲滅し、その後死喰いを完全な形で誕生させる 3:メイメイに関してはしばらく様子見 [参戦時期]:獣の紋章戦後、始まりの場所で2主人公を待っているとき [備考] ※ルッカ、リルカと参加している同作品メンバーの情報を得ました。WA2側のことは詳しく聞きました。 ※無色の憎悪の『始まり』を継承し、憎悪を限定的に制御できるようになりました。 ただし、毒性はそのままのため、日没までには憎悪に喰われます。 ※マリアベルの欲望の残滓を魔剣に取り込んだことで、アビリティドレインが使用可能。 無色の憎悪を介して伐剣王が背負った(魔剣に想いを取り込んだ者)の能力を限定的に使用できます。 ただし、その為には死の痛みも含めた全てを背負う必要があります。 また、ロードブレイザーのようなジョウイの理想に全く繋がらない想いは背負えません。 ※アビリティドレインにより『災いを招く者』の力と誓約しました。 その力とグラブ・ル・ガブルにより、亡霊騎士をモルフ化しました。 この2体のみ維持のための魔力コストがなくなりましたが、破壊されれば再召喚はできません。 ※放送時の感応石の反応から、空中城の存在と位置を把握しました *ロザリーが見たのは、死喰いに喰われたルクレチア@LALでした。 ルクレチア以外の場所(魔王山等)が死喰いの中にあるかは不明。 *召喚獣を使い、遺跡ダンジョンの地下1階~地下70階までを把握しました。 *メイメイが地下71階に待機し、オディオにも通じる状態でジョウイを観察しています *死喰いの誕生とは、憎悪によって『災いを招く者の闇魔道』を起動させることで、 グラブ・ル・ガブルとプチラヴォスの亡霊をモルフとして再誕させることです。 ただし、現在は闇魔道の半分がジョウイの魔剣に封じられたため、 現時点ではジョウイにもオディオにも不完全な形でしか誕生できません。 ――――さて……彼らはどうするつもりなのかしらね…… ジョウイを、そしてC7に集う彼らを傍観しながら、メイメイはようやく震え終わった酒に口をつける。 互いの初手は、示し合わせたように『待ち』となった。 ジョウイは既に己が在り方を決めてしまった。それが揺らぐことは、恐らくないだろう。 ならば後は、地上の彼らがどう決めるかが、この後の歴史の形を決定する。 ――――少なくとも、オルステッド様の城にはいくのでしょう? 存在にさえ気づけば、行くことはもはや難しくはない…… 死闘を乗り越えた彼らの手元には、欠片とはいえついに全ての貴種守護獣が揃った。 加えて、聖剣も鍵もある。辿り着くことは決して不可能ではないだろう。 賢者の智慧も揃った今、首輪も解除できるだろう。後は、そのあとどうするか、だ。 ――――オルステッド様から逃げるのもいいでしょう……空中城は未知の世界……方法が無いわけではない…… 逃げることは恥ではない。これだけの死を、想いを省みた今ならば、その貴さがわかるはずだ。 ――――あるいは、オルステッド様を倒す……あの方を倒せば、貴方たちは元の世界に帰ることもできる…… 少なくとも、その程度のことくらいは私にもできるようになる…… 戦うことは間違いではない。これだけの命を、祈りを託された今ならば、身体を突き動かすものがあるはずだ。 ――――あるいは、魔剣を携えて現れた最後の魔王……彼もまた玉座を目指そうとしている…… 理想を夢見たおろかでとうとい魔法……彼と向かい合えば、最後にはオルステッド様に辿り着くことになるでしょう…… 決着をつけることは過ちではない。愚かであることは、賢きであることに劣るとは限らない。 世界に正解などないのだ。あるのは、選択とその結果だけである。 ――――魔王オディオといつ、どう向かい合うかは貴方達しだいよ。だけど、くれぐれも早まらないことね…… 貴方たちは、まだ“集まった”だけに過ぎないのだから…… おぼろげだけど、まだ届き、掬えるものが観える…… A6の地……みなしごの住まう家の中……銀色に輝く一枚の占符…… A7の地……海の藻屑と共に漂う……昭和の魂…… 他にも、目を凝らせば、観えるモノもあるでしょう…… 必ず見つけなければならない訳ではない。それも含め、選択と結果である。 ――――どうか、どうか過たないで。 魔力がどうだ、核がどうだ、感応石が、聖剣が、魔剣が、魔術が、 必殺技が、合体技が、奇跡が――――そんなものじゃ、あの人に“本当の意味で届かない”。 それで終わるならば、あの雷で全ては決着している。 対峙するのは、あの“オディオ”。全ての魂の雷でもまだ照らし足りぬ、憎悪の天。 「必要なのは、一献の返盃。この墓碑<エピタフ>を駆け抜けて辿り着いた貴方の、答え」 この島にいたあらゆる人たち、否、全ての出来事の積み重ねた答え。 でなければオディオには届かない。全てを憎む始まりの彼を変えるには、それほどの想いが必要になる。 「難しく考えなくていいのよ。貴方にとって一番、大切な想い。譲れないもの、守りたいもの。それが、答えよ」 メイメイは誰かに、あるいは全ての者に向けるように、酒を向けた。 いよいよ開宴。最後の戦いは、オディオとの戦いは既に始まっている。 「この戦いの行くすえ……私がここで、見届けさせてもらうわ……」 虚空への乾杯。其れを以て、もっとも静かな最終決戦が此処に始まった。 時系列順で読む BACK△150 第六回放送Next▼152 天空の下で -変わりゆくもの- 投下順で読む BACK△150 第六回放送Next▼152 天空の下で -変わりゆくもの- 149-2 リプレイ・エンピレオ イスラ 153 Talk with Knight カエル ストレイボウ 152 天空の下で -変わりゆくもの- ピサロ アキラ 154 聖女のグルメ アナスタシア ジョウイ 157-1 さよならの行方-trinity in the past-(前編) ▲
https://w.atwiki.jp/sukichara/pages/251.html
※分かりにくいですが、ドレスの二段目の部分は薄めの水色です ※画像ではスキヴェーリンとなってますが正しくはスキアナスタシアです スキアナスタシア 性別:女 誕生日:3月19日(誕生花:アザレア【愛されることを知った喜び、あなたに愛される幸せ】) 身長:154cm 体重:38.6kg 年齢:16歳(実際は14歳の姿で6000年生きてきた) 好きなもの:スキケレ、愛、綺麗な物、花、動物 嫌いなもの:愛されないこと、孤独 趣味:歌うこと、綺麗な物コレクション、レジン・アクセサリー製作、手芸 特技:子守唄、どんな動物とも仲良くなれること ある花畑の丘に立つ、大きなツリーハウスに住む少女。 6000年の歳月を経ているが、不老不死でも人外でも老いにくい訳でもなく、ちゃんと成長している、れっきとした人間。 しおらしい子で口数は多くないが、性格は素直かつ天真爛漫で好奇心は強く、何でも知ろうとする。 また、誰かを想い、誰かの為に涙を流すほど慈悲深い、無垢な心の持ち主。 天然ボケ気味でたまに意味不明な事や、ズレてる事を言う、いわゆる不思議ちゃん。 無知さがそれに拍車をかけている。 汚い言葉を知らない(「死ね」とか「消えろ」など、ちょっと重いのは知ってる)。 それらの言葉、特に「嫌い」という単語を口に出せず、言おうとすると必ず詰まる。 頑張っても「き」が限界、両目から涙出る羽目に。 「愛」に思慕と執着と憧れを抱き、孤独を何より嫌い怯える寂しがり屋であり、一旦親しみを覚えると人を嫌うことが出来ない、綺麗過ぎて弱すぎる心を持つ子でもある。 どんなに悲しいことをされても、どんなに泣かされても、どんなに傷つけられても、その人を嫌いにならない。なれない。 そして自分を愛してくれる人の望みなら『何でも』受け入れてしまう(自分の存在が無くなることは過去のトラウマから抵抗がある模様)。 光の反射でキラキラと光り、刃に変化出来る髪の毛と、零れ落ちると宝石になる血液や涙などの体液を持つ特殊体質。 いくら不味い食べ物でも、食べ物には見えない食べ物でも、平気で残さず食べる。 寝込むことも無ければ、吐くことも無い。 ただし味覚音痴な訳ではない。 刃になる長い桜色の髪の毛は、色んな武器や物の形に変形可能。 小型と普通の大きさの物は、直接掴んで使い、大きな物は体を使って振るう。 普通に手足の如く、傷つけずに物を掴んだり人に触れられる。 お気に入りの形はレイピア。 また水に濡れると、髪から零れ落ちた雫はピンク系の宝石になる。 他に癒しの力を持った光を操る力があり、歌声に乗せることも出来る。 その力は、枯れた植物は蘇り、生き物の病や傷は消え、汚れや悪いものを浄化させるほど。 ただし特殊な病は完全には消せない(緩和は出来る)。 障害や欠陥は不可。 また、加護の力をも持ち合わせており、悪いものを寄せ付けず、人間以外の者からの悪意のある攻撃は大抵弾かれる(あまりに強いと弾けない)。 ついでに動植物に好かれやすく、本人も戯れるのが好き。 それらと会話出来る能力も持っている模様(”彼ら”から人と同じ言葉が聞こえるという)。 意識して息を吹くと、その時の季節に咲く花の花弁が出てくる。 一番好きな花はアザレアとピンポンマム。 お姫様のような見た目の割には、高い身体能力で振る舞いが野性児のそれに近く、軽々と木を登ったり(登るというより跳んでる)、身軽にぴょんぴょん跳ねたりする。 それを見た人からはよく「お転婆」だと勘違いされることも。 しかし仕草はどこか上品。 左目の涙腺が壊れてて、常に涙を流しっぱなし。 止めることは無理だが量は調整でき、宝石は緑系の物や黄色系の物。 本当に悲しい時は右目からも涙が出る。 こちらは青系の物や紫系の物。 スキケレとは恋人の関係にあり、強い信頼と好意、深い愛情を寄せる。 彼の前では自然とよく笑い、いつもより甘えん坊に。 たまに吹聴されたこと(いかがわしいこと)を実践しては、スキケレを慌てさせる。 因みに当人は「スキケレが喜ぶ」と言われたからやっているだけで、あまり意味を分かってない。 泣かせてくる人をどうしても嫌えない為、スキケレにその辺りを心配されている。 ネオン・ストリートや、人混みの多い場所に行く時は悪目立ちしないよう、フード付きの袖なしローブを着る。 綺麗な物が大好きで、それを持ってる人を見るとじっと見つめる癖がある。 よくレジンやアクセサリー等を作っており、それらを店に置いてもらったり、宝石を売ることで生計を立てている。 元々手芸やハンドメイドが好きで、女子力の高さと凝り性なところが相まって作品クオリティがやたら高い。 スキケレのお陰で手先が器用で、習得も早い方。 意外にもオシャレ好きで、中でもドレスがお気に入り。 自分でも頑張って作ってみたりしている。 女性にドレスを着せたがるところがあり、それは男性にも当てはまる(美人タイプや男の娘的な人)。 頭につけてる物や服は、時々変わる。 歌声はとても美しく、その気になれば半径10kmまで響かせられる。 只今、戦闘・家事・一般教養等を勉強中。 略称はナターシャが多い。 一人称:私 二人称:貴方、呼び捨て 例 「貴方は誰? 私? スキアナスタシアよ」 「綺麗なガラス玉……(キラキラ」 「このレースは私が作ったの。あ、この宝石箱もよ」 「スキケレ、大好き」 製作者:字(スキキャラ垢:@AzaNa_skc/本垢:@AzaNa_Zi) 好き要素(多くなったので分けました) 容姿:桜色、光る髪の毛、くるんとした毛先、細かい睫毛、オッドアイ、エメラルドグリーン、水色、ドレス、白、ボレロ、ギザギザの袖口、袖を途中で絞る、フード+ローブ、サークレット、ティアラ、裸足+アンクレット 装飾・アクセサリー:飾り紐、ペンダント、ブローチ、鍵、雪の結晶、雫の形、花(アザレア)、金の装飾、レース、ベール、ひらひら 性格・性質:天真爛漫、一途、天然ボケ、不思議ちゃん、無垢、誰かの為に泣く、好きな人には甘えん坊さんになる、綺麗、儚い美しさ、神秘的、光属性 その他:宝石、涙、泣き顔(静かに泣く、泣き叫ぶ)、癒しの力、加護の力、刃になる髪の毛、自然に好かれる、美しい歌声、淡い光、野性児的な振る舞い、お姫様、ツリーハウス、レイピア、人間以外の生き物と会話できる、「アナスタシア」という名前 裏好き要素:重み+悲哀、鬱くしい、愛されない+ひとりぼっち+ひとりぼっちを嫌う+愛されたい、孤高の存在、塔に幽閉される 使用制限:特にありません、ご自由にどうぞ スキケレ以外の方とカップリングしても構いません 付き合ってない設定は、「ちょっと心配性な兄貴分と兄に懐いてる妹分」って感じ、またカプ名は「○○タシャ(またはその逆)」でお願いします ドレスや頭のアクセサリーも自由に変えていいです
https://w.atwiki.jp/overtune45/pages/42.html
特技 Lv. 名称 TP 属性 1 ドラゴン斬り 0 - 1 かもめ返し 0 - 7 メタル斬り 0 - 14 ムーンサルト 4 - 20 魔神斬り 5 - 26 真空波 7 風 32 黒い霧 15 - 37 いてつく波 15 - 魔術 Lv. 名称 TP 属性 1 ルーラ 1 - 1 トラマナ 2 - 4 トヘロス 6 - 9 リレミト 8 - 12 ルカナン 15 - 16 ドルモーア 9 闇 16 ラリホーマ 13 - 22 ザラキ 22 - 24 マヒャド 14 氷 28 ドラゴラム 15 - 30 バイキルト 32 - 30 イオナズン 20 爆 35 ベホマラー 35 - 38 ザラキーマ 30 - 40 ザオリク 37 - 43 ギガデイン 33 雷 45 ディザスターロアー 34 闇 49 バイシオン 41 - 76 アンビバレンス 59 魔聖 81 ジゴスパーク 62 雷 89 プラックホール 68 空間 92 マヒャデドス 75 氷 104 イオグランデ 84 爆 300 マダンテ 150 超 秘奥義 Lv. 名称 属性 140 サタナイト・アンビバレンス 闇
https://w.atwiki.jp/green0831/pages/233.html
肩書 アーロン一味音楽家→逮捕 種族 魚人族 初登場 第72話 最終登場 第78話 航路 魚人島→コノミ諸島→
https://w.atwiki.jp/ffdqbr3rd/pages/471.html
11話 56話 75話 112話 117話 134話 156話 159話 161話 168話 171話 173話 176話 181話 184話 201話 217話 229話 267話 282話 313話 318話 320話 343話 377話 380話 398話 423話 434話 436話 451話 463話 466話 474話 482話 491話 494話 504話 507話 521話 532話 544話
https://w.atwiki.jp/hosihurimezasi/pages/238.html
スキルショップ閲覧データ / / / . . . . . . . . . . .{ / / / ./ / / . . . . . . . . . . . . ! i! _./ / /ノ / . . . . . . . . . _≦ -- ` . 、 // ノ . . . . . . . .//////////\ \. // / . . . . . . . . //"  ̄ `.<\ ‘, ヽ ( ( . . . . . . . . . ./ ヾ Y ! . \ ヽ . . . . . . / / /! i! ヽ .| ! . \ \ . / . .{ / { ! ! ‘, .|V | ! | ヽ `{ ! ! ! \! .! !\ .| ‘, .{ } | . .| ヽ 乂 ! .{'沁.、!V ! ,イ  ̄ヾヾ .. | ゝ、 〉、 代り ヽヾ .ィチ示汽 / | | , --、___ ,へ-'- ./--!八 ゞ-′/ / | |--// - // /{ .∠ 、 Y | . .|\' ./ /. .7 |. // ! ! ! ! ニミ人 ノ . | .! / ヽ`__ イ! . . {..ノ≧<|..{ { ! ! ! ! ,.- ' ! ! j! |' | | . . . ! // ./ !. ≦.  ̄.≧. 、..{ { ヽ vノ/ / j ヽj! . ト、 .{ { . .レ'/ ./ /. . . . . . . . . . . .ヽ. .`\ 〉| !__/ /_ _ _ j! . | !`ー≠ソ ./ .{___. . . . . . . . . . . . . ., >!//⌒≧≦-、 j! . . .| | { ,イ=、. .ヽ. . . . . . . . . ....!`¨¨ ´ {V /´ >...! . .| { |У \. . . . . . . . . . . , {; / 、 __ ≧、|__ヽ_ _/{ ― .\. . . . . . . . 人__. / { ,ヾ_ / ,.'、 ̄ヽ-'.Y V/ .\ _/ ノリ /- |_ _ Y { | // \_', .--|. V/ , r≦ . . . .|ヽ_У \-------------------------------------------------------------------------------- 【名前】アナスタシア Lv22 【タイプ】いわ 【特性】がんじょう… 体力が満タンの時、必ず耐える。一撃必殺無効。 L ぼうおん… 「おと」をつかったわざの効果を受けない(※戦闘前に、「がんじょう」と、どちらかを使うか選択する?) (「ぼうおん」で防げる技) 『いびき』『いやしのすず』『いやなおと』『うたう』『エコーボイス』『おしゃべり』『おたけび』『きんぞくおん』『くさぶえ』『さわぐ』『すてゼリフ』『チャームボイス』『ちょうおんぱ』『ないしょばなし』『なきごえ』『バークアウト』『ハイパーボイス』『ばくおんぱ』『ほえる』『ほろびのうた』『むしのさざめき』『りんしょう』 【技:いわおとし、いあいぎり、みきり、すなあらし、メタルクロー、ふどうのやいば(※1)】 ※ (※○以外の技は、原作のわざと同じ仕様です) ※1:ふどうのやいば / 物 / 岩 / 単 / 威130 / 命50 / 天候が砂嵐のときに必中、相手を強制交代させる この攻撃を放つとき、自分はあらゆる手段によって強制交代を受けない(優先度-7) こうげき:A+ ぼうぎょ:D- とくこう:E- とくぼう:E- すばやさ:E+ 【スキルブロック】(現在保有SP:25) ※ ○(数字):となっているスキルが装備中のスキル ※ 聖女スキルブロックは、ABC枠より各1個まで装備可能 ・[聖女スキルブロック](全1) [A枠] 1:聖女の破斬 / 斬る物理攻撃で敵を瀕死にしたとき、低確率で攻撃が上がる [B枠] 聖女の祈剣 / 「ふどうのやいば」を放ったとき低確率で必中化する [C枠] ・[岩石スキルブロック](全1) 1 岩の破槍 / いわタイプの技を繰り出すとき、攻撃の威力が極稀に強化(1.3倍)される ・[汎用スキルブロック](全1) 1 後手必殺 / 相手より素早さのランクが低いときに極稀に先制する ・[その他スキルブロック] ■■■■ / ??? スキルショップ閲覧データ 【スキルブロック】(現在保有SP:25) ・[聖女スキルブロック](全1) A:聖女の破斬・弐 / 斬る物理攻撃で敵を瀕死にしたとき、中確率で攻撃が上がる(必要SP40)【聖女の破斬変化】 聖女の空斬 / 斬る物理攻撃が低確率で急所にあたりやすくなる(C+2)(必要SP10) 聖女の迅斬 / 斬る物理攻撃が極稀にで優先度+1と変更される(必要SP10) B:??? / 「???」を使用する際のスキルのようだ(現在使用不可) C:聖女の狂化 / HP1のとき「???」しか選択できなくなり、攻撃が大幅に上昇する(必要SP10) 聖女スキルブロック装備枠拡大 (必要SP20). ・[岩石スキルブロック](全1) 岩の破城槍 / いわタイプの技を繰り出すとき、攻撃の威力が極稀に強化(1.5倍)される(必要SP30)【岩の破槍変化】 岩の破断槍 / いわタイプの技を繰り出すとき、攻撃の威力が低確率に強化(1.3倍)される(必要SP30)【岩の破槍変化】 岩の守壁 / いわタイプの技を繰り出すとき、低確率で相手からの攻撃ダメージを0.67倍にする (必要SP10) 岩の風術 / 場に出たとき、低確率で天候を砂嵐に変化させる(必要SP10) 岩石スキルブロック装備枠拡大 (必要SP20). ・[汎用スキルブロック](全1) 対手必倒 / 相手との素早さのランクが同じであるとき、中確率で先制。また攻撃の威力を1.5倍にする (必要SP5) 免疫活性 / 自信が状態異常にかかっているとき、確率でそれを回復させる (必要SP5) ~耐性 / 特定のタイプからの技の威力を減少させる (~にはタイプを指定) (必要SP4) ~回避 / 特定のタイプからの技の威力を確率で回避する (~にはタイプを指定) (必要SP4) 汎用スキルブロック装備枠拡大 (必要SP20). ・[その他スキルブロック](全?) 先駆・剣 / 先発で場に出たときに攻撃の能力を1段階上昇させる (必要SP10)
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/341.html
私がわたしを歩む時-I'm not saint-(中編) ◆wqJoVoH16Y 全員が集まっても、数で劣る。各員が分散しても、数で劣る。 数で劣るマーダーたちが彼らに勝つには、彼らを『分散』しつつ自らを『集中』させなければならなかった。 だからセッツァー=ギャッビアーニはなんとしてでもリキアの3人を即滅したかった。 そうすればピサロ・魔王と共に戦力を集中させ、自分の差配で南の連中を遊撃できたはずだ。 だからカエルは是が非でも半数以上をD7に拘束しておきたかった。 そうでなければ魔王が危機に陥り、ひいては自分たちの勝利が途絶えるが故に。 だが、そうはならなかった。 セッツァーとピサロはたった2人相手に足止めを食らい、 カエルは本物の魔剣継承者を相手に退くことも倒しきることもままならない。 北と南。3つのうち2つの戦局が膠着してしまった以上、 勝敗を決するのは残りの1つ――生き残びた勝者が南北どちらの戦局にも介入できる中央戦線である。 マーダーたちが勝てば、北に援護にいける。そうなればたかが2人などものの数ではない。 そのまま雪崩てすべての勝利を収めることができるであろう。 魔王に抗うものたちが勝てば、マーダーたちを分断し各個撃破できるであろう。 さすれば勝利は確実のものとなる。つまり。 「諦めて羊になったか、ルーキー」 「託すよりない。頼むぞ、魔王」 時を越える魔王と真なる紋章遣いの戦いこそ、この朽地を巡る大戦の分水領に他ならない。 「何者……?」 「どうして……?」 その2人、ジャキとジョウイは凝視して南を向いた。 今し方放とうとしたダークマターを完全拡張前とはいえ相殺された事実に魔王は瞠目し、 ダークマターを防ぐべく輝く盾の紋章を発動しようとしていたジョウイは驚きを禁じ得なかった。 カエルによって多数の者たちが拘束されているなか、この絶体絶命の危地を防いだのは一体何者なのかと。 二人の視線の先にいたのは、一人の女性だった。 地面にまでつきそうなほど長く蒼い艶髪が風にそよぐ。 端正のとれた相貌に乗った泣き黒子に彩られ、毅然とした面構えであってもその美しさは損なわれていなかった。 「おねーさん……?」 気絶した物真似師の頭を両腕に抱えながら、ちょこは見た。 エプロンドレスに鎧を混ぜたようなその姿は母のような力強さと、優しさを感じさせる。 自分が見知ったはずの人なのに、どこか少し違うような気がする。 魔王にも、ジョウイにもそれは同じで、まるで初めて会う人間のように見えたのだ。 「私は……私は……そう……」 両の腕をゆっくりと持ち上げ、女性は自分の手のひらを胸の辺りにまで導く。 誰、誰と不思議がる奇異と驚愕の視線。当然であろう。これまで何一つ彼らに手を差し伸べることなく、護られてきたのだから。 今更、と心の内で囁く自分がいる。同情を求め、そのくせ他者を否定し続けてきた自分が今更何を成そうと言うのか。 否と、強く両拳を握る。恐れてはならない。彼女が求めるものは、この地平線を越えなければたどり着けないのだ。 「私はッ!!」 ぐい、と握り拳から人差し指と中指を立ち上げる。前を向け、笑顔で笑え。 本当の私は、こんな陰鬱な顔をマリアベルに見せていたか? 違うでしょう? もっと陽気で、楽しく、おちゃめに……さわやかに触れ合えていたじゃないか。 笑顔を作り、茶目っ気に舌を少し上に出して、今までの忘れてくれるくらいの陽気で、飛び切りの挨拶を。 見てもらうんだ、“本当の私”を――――――――!! 「超事象地平聖女☆アナスタシアちゃんでぇ――――っすッッ!」 ここで少し想像してみよう―――― 悲惨凄惨な過去を過ごし心に傷を負った少女がいた。 傷を負った少女は自分にしか分からないその痛みを分かってほしくて、周りにあったものをみんな傷つけた。 誰も彼もが遠巻きに少女を見る中、唯一無二の親友だけは彼女の近くで声をかけ続けてくれた。 その友達は遠く遠いところに行ってしまったが、少女はその友達のおかげで生まれ変わる――生まれ直す機会を得た。 今までの自分を捨てて、新しい自分になろう。 名著『素直になって自分』を読み耽って一念発起、これまでとは違う新しい自分をデビューさせるのだ! ――――そう思って捻りに捻った『自分デビュー』がドン引きされた時の少女の気持ちを。 舌が乾いてプルプルと震える。魔王の「新手の儀式法か?」という真面目な視線が痛い。 両腕が痙攣してピースサインが小刻みに揺れる。ジョウイの解体不可能な爆弾を見るような視線が辛い。 汗が額からダラダラと零れ落ちる。ちょこちゃんの純粋な瞳から殺人光線が発射されている。 ゴゴが気絶していたのは、このときの彼女にとって僥倖以外の何者でもなかっただろう。 そうであれば、開ききった瞳孔は視線を逸らすためにさらに持ち上げられ、完全に白目を向いていたはずだ。 いっぱいいっぱいな心を示すように、涙目のまま笑うアナスタシア=ルン=ヴァレリアは 額の肉の字を陽光に照らしながら、一つの不思議を見つけていた。 ――――――あれ……『わたし』って、どんなだっけ? 「……ファイガ」 「しまった!」 「うぉォン!」 疑問に答えを見つけるよりも早く魔王の魔法がアナスタシアに向けて発射されるが、 アナスタシアが慌てて左に飛び退き難を避ける。 だが、回避したかどうかもわからぬ段階で、既に魔王はジョウイを擦り抜けてアナスタシアへと接近する。 「貴様には覚えがあるぞ。あの雨の中で、誰も彼もに守られていた女か。夢の中にもいたな」 走るなどという無様などせず、魔王は風を操って身を前進させる。 その先にいる無手のまま立ち上がる女を魔王はあの雨の夜に知っていた。 魔王に命を賭して一矢報いたブラッド=エヴァンスやマリアベルとやらが、戦局を分断するまで守っていた女だ。 「既に奴らはいないが、貴様がこの集団にとって要になっていると見た。貴様の頸を晒せば、僅かなりとも有利となろう。 如何にしてダークマターを封じたかは知らんが、その一撃も含め、ここで黒き風に消えるがいい」 魔王の勘違いに、アナスタシアは自嘲を浮かべた。 なるほど、何も知らない人から見ればあの状況はそう見えただろう。蝶よ花よと大切に守られた姫君かと。 しかして実際はただの灰かぶり。この島の誰も彼もに疎まれ、蔑まれるべき呪い人。 「おねーさん!」 「ちょこちゃんは来ないでッ!!」 自分を心配してくれる少女の声を、半ば反射的に撥ね退ける。 彼女が助けに来てくれたほうがいいのだということは解かっている。その手を掴み、助けて欲しいと本能が希求する。 「ちょこちゃんはゴゴさんをお願い。『わたしなんて、もう守らなくていいから』ッ!!」 アナスタシアが昭和ヒヨコッコ砲を取り出し、魔王に向けて力いっぱいに引き金を引くと、 ヒヨコの形をした弾が砲口から弾雨の如く連射された。 出てきた弾がヒヨコであることに疑義をさしはさむ暇もなく、アナスタシアはヒヨコを撃ち続けた。 全弾喰らえば魔王とて油断ならないダメージ。だが、魔王はゲートオブイゾルデを前方に展開して防ぎつつ進撃する。 「こ、この太い棒、暴れ過ぎッ!!」 魔王の接近を押しとどめようとさらに発射しようとするが、砲がアナスタシアの制動を破り、明後日の方向へと飛び回った。 大型砲を放つときは砲身を固定するという兵理も、砲を固定するだけの筋力も彼女にはないのだ。 「先の一撃はまぐれか? 児戯で魔王に勝てるとでも?」 「……せっかちな人って、嫌われちゃうわよ? まだ太陽が出たばっかりなんだから、ゆっくりしな、さいッ!!」 攻撃を自分のミスで仕損じた目の前の敵を測りかねながらも、魔王は好機とアナスタシアに接近する。 アナスタシアはヒヨコッコ砲を捨て、懐からマグナムを取り出す。 だが意図的に軽薄な口調とは裏腹に、その銃口は震えに震えて最早方向すら定まらない。 失敗したら、ちょこちゃんに当たるかもしれない。引鉄一つで人の命は簡単に消える。そんな銃の重さなんて、知らなかった。 引鉄を引くよりも早く魔王がアナスタシアを間合いに収め、ランドルフを横薙ぎに振るう。 それをマグナムを手放したアナスタシアはナイフとソウルセイバーの二刀で防ごうとするが、 全てにおいての力の差が、アナスタシアを、二刀やルッカのカバンやマタンゴごと吹き飛ばしてしまう。 「ランドルフ、随分上手く使うのね。素敵なテクニックでお姉さん昇天寸前よ?」 「戯言に興ずる暇はない。この一撃で滅べ、力なき聖女よ」 尻餅をついたアナスタシアに、魔王のランドルフが突きつけられる。 絶体絶命の間合い。その中で、アナスタシアはへへらと笑った。 余裕などあるはずもなく、心は心底怯え切っている。だが、それでもこれらの武器をアナスタシアは振るう必要があった。 (やっぱり痛い。こういう目に、みんなをあわせてきたのね) これは“けじめ”だ。ちょこちゃんが私との“けじめ”をつけたように、誰もに守られて甘えて傷つけてきた私の“けじめ”だ。 武器が如何に使いにくいか、銃がどれほど狙いにくいか、ただの剣がどれほど重いのかを知らなければならなかった。 これを他人に使わせようとしたのだ。これで他人に守ってもらっていたのだ。 その意味を、私は何も知らなかった。守られたことのない私は、その本当の意味を知らなかった。 「滅ばないわよ。私は守るのッ! 昔のように『わたし』のようにッ!! 来なさい。ハイコンバイン・ガーディアンブレードverβ+――――聖剣ルシエドッ!!」 瞬間的にアナスタシアの手の中に再生されたルシエドを振りぬき、アナスタシアは魔王を後退させる。 一刀が壊れようが、関係はなかった。 欲望とは、気づいたときには胸のうちにあり、叶えられたときには既になく、そしていつの間にかあるもの。 この刃の如く、一つ二つと数えることのできない、無形にして無限の力なのだ。 「先ほどダークマターを破ったのはこれかッ! ならば密度をあげれば! 超次元穿刀――ッ!!」 「“つらぬく者”よ。かの北斗、その星脈を断ち切れッ」 そして、もう一つの刃が魔王の背後より襲い掛かる。 緊急的にバリアチェンジとマジックバリアで二重防御するが、 バリアチェンジを擦り抜けた黒槍がマジックバリアを貫いて魔王の肩を掠める。 魔王の意識がダメージに向かった隙に魔王の傍を擦り抜ける影。 そして魔王が再びアナスタシアに向き合ったとき、彼女を隔てるようにしてジョウイが立っていた。 「大丈夫ですか?」 「ジョウイ君。ええ……おかげさまでね」 絶望の鎌を棍のようにして魔王へと構えるジョウイに、アナスタシアが応ずる。 「どうして、こちらに? 貴女はマリアベルさんの仇を取りに行くものだとばかり思っていました」 「……いやぁ、イケメンの美少年がキツそうに呻いていたら、手を突っ込みたくなるのがお姉さんとしての勤めだと思わない?」 ジョウイの率直な問いに、アナスタシアはジョウイを直視することなく、道化めいて答えた。 笑って軽妙に応じようとしたがうまく唇が回らず、先の挨拶含めてやはり失敗してしまったかとアナスタシアは落ち込みかける。 「いいですよ。僕は特に気にしていません」 だが、そんなアナスタシアの心理を先回りするかのようにジョウイは答えた。 「昔から、似たようなノリには慣れてますし。それに……仮面を被らないと向かい合えないものもあるって、知ってますから」 そういうジョウイの背中をみて、アナスタシアはイスラを思い出した。 ジョウイとはあまり多くを話したことはないが、きっと彼もイスラのように仮面を被って生きてきたのだろうと。 そして、その言葉が否応にも、自分が未だ仮面を被ってしまっていることに気づかせる。 今の自分は、今までの自分が違うと思ったから、昔の自分を無理矢理引っ張り出しているだけなのだ。 子供の頃の服を箪笥から出してそれを無理矢理着たところで、それが本当の自分になる訳ではない。 「……ありがとう。イケメンなのは見かけだけじゃなかったのね」 それでも、ジョウイがそれを見逃してくれたことだけは嬉しかった。 あとほんの少し時間があれば、現在に立ち向かえるようになる。 だから、もう少しだけ仮面を被らせて欲しかったのだ。 「とりあえず、その額のを消したほうがいいです。それより、この状況の意味は解っています?」 「3秒でお願い」 「劣勢ではありませんが、正念場です。ここで負けたら全滅の可能性があります」 ジョウイは額をこするアナスタシアに本当に3秒で現状を説明した。 大局観のないアナスタシアでも、なんとなくジョウイの言うことは理解できる。 ジョウイがそれを理解しているかは解らないが、ゴゴの中のアガートラームが抜けようとしている今、この場所が一番爆弾なのだから。 「それに、僕は……」 そこまで言ってジョウイは言い淀む。 この戦いは負けられない戦いなのだ。だが、ジョウイは魔王に2度負けている。そして、その度に仲間を喪っている。 もしかしたら――――そんな思いを拭うかのように、アナスタシアは聖剣を握ってジョウイの前に立った。 「安心なさいな。お姉さんは死なないし、守りまくってあげちゃうから」 「……ありがとう、ございます!」 ジョウイはまるで本当の少年のように、アナスタシアの好意に応じた。 魔王になりたい少年と、英雄になりたくなかった少女。 仮面を被った対極にして相似する二人が、魔王の仮面を被ったジャキに挑む。 「4度目の仲間はそいつで決まりか。回を重ねる度に貧弱になるな、ジョウイ=ブライト!」 その身を戦闘態勢に戻した魔王がその周囲にダークミストを充満させる。 そしてランドルフを縦に旋回させ、まるで祭りの綿飴を作るように闇霧を魔鍵へと収束させる。 「獄門を穿て、黒杭――――超次元穿杭黒霧<ダークミスト・スパイラルタイプ>ッ!!」 拡散するべき霧を螺旋型に施錠した一撃はさながら先ほど遠巻きに天へと上った黒雷のように、恐るべき殺傷力を秘めた龍と化した。 魔王とピサロの魔力差は先のジゴスパークとダークマターの相殺で見切っている。 その上で、ピサロは魔王を越える術として自身の力をより収束させることを選んだのだろう。 ならば、同条件でそれを放てば魔王のそれがピサロのフルフラットを超えることは言うまでもなかった。 効果範囲と引き替えに威力を得た霧の黒龍は疾風の如き速度で走り、回避する暇も与えずジョウイとアナスタシアを飲み込まんとする。 「おねーさん、おとーさん!」 ちょこがその光景に耐えかね、自分が龍と彼らの間に入ろうとする。 当然だった。あのような魔力、まともに直撃すれば防御などできるはずがない。だが、 「大丈夫だ、ちょこちゃん。アナスタシアさんは僕がサポートする! 攻撃はしないで。君は、君が守らなくちゃならないものを守るんだ!!」 「言ったでしょ? 守らなくても大丈夫だって!」 何か固いものに当たったかのように、黒龍の顎が命の一歩手前で食い止められる。 黒龍の牙の先に碧の光と白き輝きが幾重にも折り重なって、絶対の盾を作り上げていた。 輝く盾の紋章、全てを癒す大いなる恵み。剣の聖女、物魔問わずに守りの加護を与えるプロバイデンス。 この島の中でも最上級防御系能力の二連門相手では、さしもの魔王、さしもの魔鍵とてそう易々と解き開けるものではない。 黒龍は獲物に牙を突き立てることなく、無念とともに霧散した。 その光景を睨みながら分析する魔王を前に、ジョウイとアナスタシアは呼吸を整える。 「……いいの? ちょこちゃんをこっちに呼んだのは貴方でしょう?」 「構いません。“もともと彼女はゴゴさんを守るために来てもらいましたから”」 ジョウイのその返答に、アナスタシアは怪訝とした表情を浮かべる。 ジョウイは自分の言葉に一瞬だけ顔をゆがめたが、直ぐにそれを消した。 「魔王相手に、誰かを庇いながら戦うことはできませんから。 それに、これまでの戦いから見てあの男には、五行の術を吸収する力があるようです。ちょこちゃんじゃ、致命的に相性が悪い」 「あー……確かに、そういうの考えながらってのは難しいでしょうね……」 皆で力を合わせ、少しずつ削ったダメージが、ちょこの水撃やら炎鳥やらで一瞬で回復される絵が脳裏に浮かぶ。 決してちょこが悪いわけではないが、なまじ恐るべき威力だからこそ吸収されたときのリスクが大きい。なるほど、相性はよろしくない。 「…………で、どうするの? ほれほれ、お姉さんに教えてご覧なさい」 アナスタシアにうりうりと肘で小突かれたジョウイは、ざっとアナスタシアの使える武装・能力を確認する。 アガートラームなき現状ではあるが、何とかフォースとサルベイション以外は問題なく使えるようだ。 自分の力、アナスタシアの力、これまで見てきた魔王の能力。その全てを勘案しながらジョウイは策を弾き出した。 「こちらの最大防御を見せた以上、魔王の次の一手は決まっています。最大火力による一点集中攻撃しかない」 魔王は決して奇策に走らない。自分の『魔法』に絶対の自信を持っているが故に。 それ以外の方法は、自分自身を否定するが故に。なればこそ、こちらが打つべき策は一つしかない。 「それを――――――“正面からブチ破ります”」 魔王の全てを打ち破って、本当の意味で魔王に勝利するためには。 ジョウイとアナスタシアから遠く距離を離した魔王は、ランドルフを中空に制しながら長考していた。 (ふん、小僧め。此度は随分と厄介な女を引き連れたものだ) 口では悪し様に言うが、魔王とてアナスタシアの能力を見誤るほど愚かではない。 冥とも天ともつかぬ、混沌とした魔力があの剣を通じてアナスタシアから放出されている。 出力の仕方にはムラがあるが、放出される魔力の流速から概算してその最大容量は魔王を凌駕しているのだ。 ジョウイの魔法を含め、彼らには属性らしい属性がない。バリアチェンジは端から無意味と考えるべきだろう。 (ここは、矛先を変えて、あの魔物を開くのが先か?) 魔王はちらと横目でローブに包まれた物真似師を見やろうとするが、握った両拳であごを覆い隠しながら頭を振る少女に視線を遮られる。 こちらに関しては最初から油断もない。あの痩躯には異常すぎる魔力は、あの2人を片手間に相手取れるものではない。 とにもかくにも、まずは数を減らさねば、退くことすら―――― (私が退くだと? ククク、何を莫迦な) 自分の中に湧き上がった僅かな思考を、狂気でねじ伏せる。 我が道は姉へと続く道、一歩たりとも無駄にすることなどできはしないのだ。 (さて、如何にするか。時間のこともある。チマチマと遊ぶわけにもいかん) 懐から時計を取り出し、刻限を再確認する。今すぐという訳ではないが、そろそろ二本の足では厳しい残り時間だ。 つまり、魔王はなんとしてでもカエルをランドルフで呼び寄せる必要があるのだ。 カエルの位置精査、動体の座標確認含め、これまで以上にシビアなプログラムが必要になる。 速やかにあの2人を撃滅し、カエルを召喚した上であの化物を呼び起こすのが最上の流れなるだろう。 (最大火力で一撃の下に殺す。だが、ダークマターでは足りん) 魔王最大冥術、ダークマターは既に初撃の攻防でアナスタシアの聖剣に破られている。 なればランドルフによる超次元穿刀爆砕だが、そこまで接近を許すとも思えない。 (もう一つ、発動プログラムがあるようだが……ヤソ……ノカミ?……名前もわからん上に、この鍵の基本スペックで撃てるとも思えん) ランドルフの解析の上で魔王が発見した、未完のプログラム。 これならばあるいはとも考えるが、どう考えてもランドルフにはオーバスペックなのだ。 まるで、憧れた英雄の技を子供が無理やり真似ようとしたような稚拙。どう考えても頼みにはできない。 となれば、ダークミストのようにランドルフの力でダークマターを収束施錠すればいいかといえばそうでもない。 ダークマターは魔力スフィアを起点にした三角形の空間に冥界を構築する禁術なのだ。 つまり、三角を形作る空間がなければ冥府を構築できない。“三角を閉ざす”訳には―――――――― 「火、水、天――縦に並ぶ三属共よ。我が冥鍵を以て、その循環を施錠する」 そのとき、魔王の脳裏に一つの技が浮かび、微笑を浮かべた。 奴らの盾を砕き開く、冥王の秘鍵が。 「来るわよッ」 「分かっていますッ」 魔王の周囲に、三色の膨大な魔力が現れる。 ファイガ、アイスガ、サンダガ。古代ジールでも基礎の基礎となる魔法の三原素の頂点である。 それを魔王は回転するランドルフによって、周囲の空間ごと捻り混ぜる。 相反する属性達が反発しようと抗うが、外側から狭まるより強大な力によって収束し、その反発力を高めていく。 「これを撃つには、三属を同時に放たねばならん。三点にて固着することで、強大な力を生むのだ」 捻り捻り捩り尽くして、魔王は黒にまで煮詰まった鍵の先端をアナスタシアたちに向ける。 「だがこの魔鍵ならば、三角を作ることもできる」 それは、魔王一人では絶対に放てない魔法。独りではできない魔法。 三角形の頂点をゆっくりと狭めていけばどうなるか。三角形は三角形のまま、最終的に『点』へといたる。 魔鍵の力で点と化した3つの属性は、それ自体が『冥の三角』なのだ。 「冥府にて嘆けよ剣の魔女。ここに俺の魔法は貴様の魔法を超越したッ!!」 それを可能とする。みんなでなければできない魔法<三人技>を、魔王はたったひとりで完遂する。 「解き放て、アルファドの三角―――――――ミックスデルタッ!!」 全てを飲み込む、冥界の三角がランドルフから解き放たれ、一直線とアナスタシアたちへと駆け抜ける。 3点全てを魔王の魔力で構成された奥義はその速度、威力ともただのミックスデルタなどとは比べ物にならない。 それは真なる黒き風。通り過ぎた場所の全ての命を奪う、死神の行進。 その行進を止めるべく、仮面の2人が立ちはだかる。 「僕は、これを越えなきゃならない。その為に力を貸りるよ、リオウ」 ジョウイが左手を大地に翳すと、輝く盾の紋章が緑の光を放ち、荒れ果てた土地に活力が漲る。 「輝く盾よ、戦場へと向かう剣者を祝福せよ。“戦いのちかい”を以てッ!!」 その場に小さな亀裂が走りそこから草木が芽吹く。 荒地にすら緑を育ませるほどの活力が、その緑に立つアナスタシアへと流れ込む。 「凄い。力が、溢れてくる……これだったら! エアリアルガードッ!!」 湧き上がる力を逃がすように、アナスタシアは聖剣を天へと掲げた。 祝福の如く、旋風の加護がアナスタシアを包み、聖剣は――聖剣を形成する欲望が紋章の力によって更に巨大化する。 「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!」 「何ィッ!?」 最早女性とは信じがたい気勢を持って剣の聖女だった彼女は風の速度で突撃し、冥の三角へと切っ先を穿つ。 最大火力には最大火力を。 戦いの誓いによる戦意高揚によって最大限にまで高められた聖剣ルシエドを持って、真正面から冥界を突破する。 「何だ、この力はッ!! 無限に等しいこの力は一体ッ!! これが聖女の力だとでもいうのかッ!!」 魔王はランドルフを両腕で掴みながら叫んだ。魔法を超えた魔法、それを更に超える力などが存在するというのか。 「違うわ。これは聖女の力なんかじゃない」 激昂する魔王を、優しく宥めるようにアナスタシアは闇と光の狭間で言った。 後世において、確かにそう呼ばれたかもしれない。自分には存在しない力だと、力のある人の特別なものだと言っただろう。 でも、彼女はそれを一度も特別なものだと思ったことはない。 「――――ただの、女子力よ」 「なん、だと……!?」 あまりに予想外の返事に、魔王は怒りをもって三角への魔力を上乗せする。そのような戯言でこの魔法を、姉へと至る道を阻もうというのか。 だが、聖剣の刃は三角に切れ目を入れ続けた。アナスタシアの真っ直ぐな瞳はそれが道化の言葉でないことを示している。 「そうよ。もっときれいになりたい。お化粧をして、町を歩きたい。町のカフェで友達とお茶会なんてのもいいわね。 それで紅茶を飲んでたら、自信満々に選んだドレスが初心な少年の眼を引いてしまってさあ大変。 何をどうしていいか分からない少年の迸る熱いパトスを優しく掴んでホテルに直行。ベットの上で神話になったらもうお赤飯ね」 紡がれるはあまりに仕様もない、下世話な言葉。 だが、その言葉を聞いたものならば誰もが理解した。意味の半分以上も分からないちょこでさえ、その悲痛が胸を打つ。 「そんなささやかな望みを私は諦められないだけよッ!!」 そんな下らない日常さえも、彼女の時代、あの絶望の7日間には望めなかったのだ。 彼女は女ではいられなかった。聖人でなければならなかった。掴むのは友の手ではなく無骨な聖剣だった。 「でもね。そんな“欲望”でだって、世界を守れるの。 私じゃなくても、守れるのよ。だって、この力は――――誰にでも使えて、何でもできる力なんだからッ!!」 冥界に亀裂が走る。どれほどに圧縮しても、どれだけ鎖そうとも、正しき欲望は冥界を真っ直ぐに突き進む。 みんなを守って、私は死んだ。今でもそれは後悔する。英雄になんてなりたくなかった。死にたくなかった。 それでもその剣を掴んだ時、私は確かにみんなを守りたいと思ったんだ。 「だから! 私は今度こそ守ってみせる!! 私の命も、守りたい人の命も、なにもかもをッ!! 分かったなら――――道を開けなさいッ!!」 彼女の決意とともに、欲望が冥界を切り裂く。だが、それは決して魔王の魔法が彼女の欲望に敗北したことを意味してはいない。 冥界を切り裂いた聖剣が、飴細工のように砕け散る。自分の限界以上の欲望を無理矢理に顕現させたのだ。 叫びとともに精魂を放出し切ったアナスタシアは、膝を突いて地面へと崩れた。 魔王はその様に子供のように嘲笑し、ランドルフをアナスタシアの頭蓋に向けて振りかざす。 「は、ハハハハハッ! 何が欲望ッ! 何が何でもできる力だッ! あの魔女と同じことを言いながら、あの魔女と同じように黒き風に消えるがいいッ!!」 「悪いが、それだけはもうさせない」 魔王の叫びが終わるよりも早く、少年の幽かな怒りを孕んだ声が魔王の耳を打った。 風のような速度で、身を屈めたままジョウイが魔王に向けて疾駆する。 エアリアルガードの効果はアナスタシアにだけではない。その傍にいたジョウイにも風の加護が備わっていた。 アナスタシアの聖剣によって開かれた冥府の中の生者の道を、ジョウイは過つことなく魔王へ向かって直進する。 「小僧が。貴様ひとりで何ができるとッ!!」 魔王は怒りに痩身を震わせながら、ジョウイへとランドルフを振り下ろした。 アナスタシアならばともかく、この小僧にまで安く見られたかという屈辱が反撃を選択させた。 「僕にだって、仲間はいたッ!! そして今も、僕は彼らの仲間だッ!!」 ガキン、と甲高い音を空に響かせながら、ランドルフはそれに当たった。 どこに当たってもジョウイの命を奪い去っただろう魔鍵の一撃は、しかして当たってはならぬ場所に当たった。 左腕のから拳一つ分浮いた場所から、ランドルフが先に進むことはできない。 そこには一つの武器があった。拳にて柄を掴み、手のひらの中で回転させて打撃力を相手に与える武具。 ジョウイは使わぬ、しかしよく知った武具だった。それを盾として、己が身を守りきる。 「彼らのためにも、僕は進む。お前を越えて、僕は往く!」 武器名は旋棍<トンファー>。名を、天命牙双。運命を約束した、朋友の形見である。 友の守りによって、最後の障壁である魔鍵を潜り抜ける。 そこは零距離、鎌を持たぬ魔王唯一の攻撃範囲外。 たどり着いた死角の中で、ジョウイは右手で鎌をさながら棍のように回転させる。 限界まで蓄えられた遠心力を鎌に送る。狙うは魔王の頭に―――― 「だから―――――――ここでその座を降りろ、魔王ッ!!」 “ジョウイは鎌の付け根で魔王の顔面を打ち抜いた”。 魔王が遥か後方へ吹き飛び、地面へ背中を打ち付けてその動きを止める。 再び魔王が立ち上がらぬことを確認し、ジョウイは安堵ともに弛緩し、その膝を折る。 倒れようとする身体を、ぐいと引っ張られる。 既に立ち上がったアナスタシアが、ジョウイの身体を支えた。 「年上のお姉さんより先にヘバるなんてダメよ、若いんだから」 アナスタシアの冗談に、ジョウイは言葉も返せず、吐息だけで力なく頷く。 情けのない光景。しかし、この島最強の一角、魔王ジャキを終ぞ打ち破った瞬間であった。 「立てる? とりあえずゴゴの様子を確認してから、近くにいるはずのヘクトルたちを――――」 「おねーさん、だめッ。まだ起きてるのー!!」 え?と、アナスタシアがちょこへと向いたとき、銀色の高速飛行体がアナスタシアの背後を狙い迫る。 「く、危ないッ!」 抱き抱えられたジョウイがアナスタシアを突き飛ばし、ジョウイにその物体が直撃する。 声にならない呻きと共にジョウイは大きく吹き飛ばされた。 高速飛行する銀色の魔鍵はそのまま吸い込まれるようにその主――――鼻血を滝のように垂らしながら、 息も絶え絶えに立ち上がった魔王の手のひらに収まった。 「まだ、立ち上がれたのね。勝ち負けは着いたと思ったんだけど」 「クク、ああそうだな。私の負けだよ」 聖剣を握り直すアナスタシアは、魔王の意外な返事に面食らった。 自分の持つ最高の魔法を放ち、それをこの鼻のように正面からへし折られたのだ。そこに喚くほど魔王は無様ではない。 「だが、たとえ私が膝を突こうとも、俺は屈する訳にはいかん。 亡き時空の果てのサラだけは、我が宿敵との約束だけは、果たさせてもらうぞ!!」 魔王は、否、ジャキはランドルフに残る魔力の全てを込める。 安全のために経由すべきバイパスを限界までカットして、最短行程のプログラムを構築する。 自分が砕けたとしても、約束があれば、人は立ち上がれるのだ。 「捉えた。約束の刻限だ、来るがいい宿敵。我らが目指すべきものの為に――――?」 だが、果たして、約束を相手が覚えているかなど誰が解ろうか。 ジャキがランドルフの過回転に気づいたときには何もかも遅かった。 ランドルフがバチリ、バチリと周囲の空間にエネルギーをまき散らす。 異常に気づいたジャキが召喚を緊急停止させようとするが、ランドルフはその門を閉じようとしなかった。否、できなかった。 それどころか、もっと門を開けとランドルフが魔力をジャキから吸い上げる。 「オーバーロード? 暴走だと? いや、この構築式は――――ぬああッ」 「嘘、これって……降魔儀式<ダウンロード>ッ!?」 制御不能となったランドルフに弾かれ、 全ての魔力を枯渇し気絶したジャキを後目に、アナスタシアは空を見上げた。 青空の中に黒界が生ずる。冥界よりもさらに冥い地獄がにじみ出る。 そこより、光が降り立った。黒より黒い紅が、闇より暗い炎が。 まるで、あの1日目のような空だった。 時系列順で読む BACK△139-1 私がわたしを歩む時-I m not saint-(前編)Next▼139-3 私がわたしを歩む時-I m not saint-(後編) 投下順で読む BACK△139-1 私がわたしを歩む時-I m not saint-(前編)Next▼139-3 私がわたしを歩む時-I m not saint-(後編) 139-1 私がわたしを歩む時-I m not saint-(前編) ヘクトル 139-3 私がわたしを歩む時-I m not saint-(後編) セッツァー ピサロ ジャファル アナスタシア ジョウイ ちょこ ストレイボウ アキラ イスラ ゴゴ カエル 魔王 ▲
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/15.html
No. タイトル 作者 登場人物 場所 時間 【000~050までの本編SS(作品投下順)】 000 OPENING ◆6XQgLQ9rNg オディオ ワンクリフト アリーナ ??? 開始前 001 ナナミ、『お約束』を学ぶ ◆Rd1trDrhhU トッシュ ナナミ B-6 草原 一日目 深夜 002 (血のような跡が染み付いていて読めない) ◆Tt7VpJAYxU ストレイボウ カエル I-9 城内 一日目 深夜 003 Body Language ◆FRuIDX92ew 高原 マッシュ I-1 灯台付近 一日目 深夜(黎明寸前) 004 彼女の魔法、彼の理想 ◆6XQgLQ9rNg リルカ ジョウイ F-7 森林 一日目 深夜 005 Mr. & Miss. Mysterious ◆wlyXYPQOyA ゴゴ ビッキー E-9 花園 一日目 深夜 006 ダブル・ナイトメア ◆jtfCe9.SeY ジャファル シャドウ E-2 森林D-2 森林 一日目 深夜 007 癒しの乙女達と魅惑の支給品 ◆b1F.xBfpx2 ミネア アリーゼ C-8 神殿(集いの泉@サモンナイト3) 一日目 黎明 008 前途多難のサイキッカー ◆ZbL7QonnV アキラ C-7 森林 一日目 深夜 009 遺志を継ぐもの ◆O4VWua9pzs リーザ オブライト ヘクトル F-5 森林??? 一日目 深夜 010 デスピサロ ◆n95k6APn4k ピサロ E-6 森林 一日目 深夜 011 夢をもう一度 ◆0RbUzIT0To トルネコ セッツァー H-4 小屋の外 一日目 深夜 012 踊る道化は夢を見ない ◆FRuIDX92ew シンシア レイ D-6 巨木付近D-5 南東部 一日目 深夜 013 ブラッド、『炎』に包まれる ◆Rd1trDrhhU ブラッド 魔王 F-6 南部G-6 川 一日目 深夜 014 HUNTER×HUNTER ◆iDqvc5TpTI エルク カノン B-9 平野B-9 川 一日目 深夜 015 Wild Lady,Strange Scientist ◆6XQgLQ9rNg エイラ トカ C-3 平野C-4 森林 一日目 深夜 016 そして僕にできること ◆b1F.xBfpx2 イスラ F-1 教会 一日目 深夜 017 受け継がれしもの ◆BGnFOf.FWQ アリーナ ケフカ アシュレー E-8 中心部(森林) 一日目 深夜 018 『アティの場合』 ◆x7pdsyoKoA アティ E-6 山 一日目 深夜 019 そしてまた日は昇るのか? ◆BRxsUzTn5A サンダウン ロザリー H-7 森林 一日目 深夜 020 沈黙のドザエモン ◆FRuIDX92ew クロノ ユーリル I-4 海岸 一日目 深夜 021 死んだのにイキテルマン(×2) ◆jU59Fli6bM ティナ 無法松 ルカ D-7 川D-7 河原 一日目 深夜 022 アナスタシア、『手』を繋ぐ ◆Rd1trDrhhU アナスタシア ちょこ G-4 砂漠 一日目 深夜 023 いわゆるマーダーには向かない性格 ◆n95k6APn4k フロリーナ エドガー A-4 雪原 一日目 深夜 024 仲間を求めて ◆E8Sf5PBLn6 シュウ マリアベル I-8 平野 一日目 深夜 025 鋼鉄のヴァルキュリア ◆sbrD/79/kI ニノ G-8 荒野 不明 026 Let s go XXXX ◆FRuIDX92ew リン ルッカ C-8 橋の上C-9 橋の前 一日目 深夜 027 天魁星の意志 ◆6XQgLQ9rNg リオウ D-1 港町 一日目 深夜 028 届いた手、届いた心 ◆0RbUzIT0To サンダウン ロザリー ニノ I-8 西部 一日目 黎明 029 ストレイボウ、『友』を信じる ◆Rd1trDrhhU シュウ マリアベルストレイボウ カエル I-9 北西部I-9 城内 一日目 黎明 030 言葉と拳に想いを乗せて ◆6XQgLQ9rNg アティ レイ ピサロ D-5 南東部D-6 巨木付近 一日目 黎明 031 黒のジョーカー ◆FRuIDX92ew ヘクトル セッツァー ブラッド G-6 南部、川辺H-6 北部、川辺 一日目 黎明 032 ですろり~チカラ~ ◆iDqvc5TpTI アナスタシア ちょこ ビジュ F-4 砂漠の塔(背塔螺旋)G-4 南東平野に入ってすぐ 一日目 黎明 033 太陽が呼んでいる ◆E8Sf5PBLn6 エルク アズリア オブライトカノン リン C-8 神殿入口A-9 平野 一日目 黎明 034 男の契約 ◆6XQgLQ9rNg ビクトール 無法松 B-7 平野B-7 森林 一日目 黎明 035 最強も煙も高い所が好き ◆jU59Fli6bM マッシュ 高原 I-1 灯台 一日目 黎明 036 剣と炎と召喚師 ◆iDqvc5TpTI リン カノン アリーゼ ミネアルッカ ルカ アキラ C-8 神殿(集いの泉@サモンナイト3)C-7 橋から森に入った直後、燃える森 一日目 黎明 037 White or Black? There is no gray. ? ◆FRuIDX92ew エイラ シャドウ リオウ C-3 平野D-3 森林 一日目 黎明 038 白黒パッチワーク ◆iDqvc5TpTI クロノ ユーリル H-4 小屋よりも北()H-4 小屋のすぐ外 一日目 黎明 039 守りたいもの、生きるべき人 ◆6XQgLQ9rNg ジャファル シンシア D-4 山地 一日目 黎明 040 BIG-TOKA SHOW TIME ◆iDqvc5TpTI トッシュ ナナミ トカ B-7 草原 B-6 草原 一日目 黎明 041 夜空 ◆iDqvc5TpTI リルカ ジョウイ 魔王 E-7 南部F-7遺跡ダンジョン50階 一日目 黎明 042 花園に潜む魔物 ◆rfP3FMl5Rc ビッキー、ゴゴ E-9 花園 一日目 黎明 043 道化師の哄笑 ◆6XQgLQ9rNg ケフカ アシュレー F-9 北部(森林)F-8 中心部(森林) 一日目 黎明 044 これが僕の望む道 ◆iDqvc5TpTI イスラ H-2 平野 一日目 黎明 045 「今日、ナニカノハズミデ生きている」 ◆FRuIDX92ew エドガー フロリーナ A-3 北の城(フィガロ城) 一日目 黎明 046 本気の嘘(前編)→(後編) ◆E8Sf5PBLn6 トッシュ、ナナミ、無法松、ビクトール、ルッカ、アリーゼ、ミネア、リンディス、カノン、アキラ、ルカ、アティ、ピサロ C-8 神殿(集いの泉@サモンナイト3)C-6 山A-9 平野D-8 森林D-6 地下にある城(古代城@ファイナルファンタジーⅥ)C-7 森 一日目 早朝 047 勇者の強さ、人の弱さ ◆iDqvc5TpTI カエル、ストレイボウ I-9 城より西I-9西部 一日目 早朝 048 『勇者』の意味、『英雄』の真実 ◆6XQgLQ9rNg ユーリル、アナスタシア、ちょこ F-3 東部F-4 砂漠の塔(背塔螺旋) 一日目 早朝 049 傍らにいぬ君よ ◆iDqvc5TpTI サンダウン、ロザリー、ニノ、シュウ、マリアベル I-8東部I-9とI-8の境界付近 一日目 早朝 050 三人でいたい ◆iDqvc5TpTI ルカ、ナナミ、リオウ、ルッカ、ゴゴ、ビッキー C-7 東部B-3 雪原A-3 北の城(フィガロ城) 一日目 早朝 INDEX 時間順 ~第一放送 ~第二放送 ~第三放送 ~第四放送 ~第五放送 ~第六放送 ~第七放送 投下順 000-050 051-100 101-150 151-200 ▲