約 2,728,889 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/305.html
ゆっくりいじめ系92 ゆっくり少女達の収穫祭-1 収穫も近づいたある日の朝。 いつものようにゆっくり一家がゆっくり小屋から出てくると、ヒトがいるのが見えた。 「ゆ!!」 「ゆっくりできるおじさんかな?」 「ゆっくりおかしが食べられるといいね!」 「れーむはおにくがいい!!!」 「おじさん」はゆっくり達にゆっくりと作物の育て方を教えてくれたヒトだ。 最近は段々と来る頻度が減っていたが、来るたびにおいしいお肉やお菓子を持ってきてくれる。 育てた作物と交換でお肉やお菓子をもらい、一緒にゆっくり食べるのが一家の楽しみだった。 一家はぴょんぴょんと跳ねながら近づいていき、元気良く挨拶した。 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 びっくりしたような顔をしてヒトが振り向く。 残念ながらいつもの「おじさん」ではなかった。 このヒトはなんでれーむ達の畑にいるんだろうか、と母ゆっくりは思う。 「おじさんだれ?」 「ここはれーむ達の畑だよ?」 「おじさんはゆっくりできるひと?」 男はイラついたような顔でゆっくり達を睨む。 「ゆっくりってのは本当に同じことしか言わないからイラつくな… おい、ゆっくり達。ここは俺の畑だ。今すぐ出ていかないと食っちまうぞ」 いきなり酷いことを言われて驚くゆっくりたち。 「「「ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!???」」」 「なんでそんなひどいこというの!!!!」 「ここはれーむ達のはたけだよ!!!」 「おじさんはゆっくりできないならでてってね!!」 「れーむたちのおうちだってここにあるもん!」 ゆっくり達はわけがわからなかった。 ここにある野菜はゆっくりたちが苦労して育てたものだ。 「おじさん」もゆっくりたちの畑だと言ってくれたではないか。 このヒトはなんでそんなことを言うのだろう。 「おうち…?おい、ひょっとしてあの小屋か?」 男は隅に立っている小屋に気づき、近づいていく。 それを見てゆっくり達は頭が真っ白になった。 小屋の中にはゆっくり達が貯えておいた食料がたっぷりとある。 もしそれを男に取られてしまったら収穫を早めなければいけなくなってしまうだろう。 収穫量が減り、「おじさん」とゆっくり食べる分が無くなってしまうかも知れない。 ゆっくり達は慌てて男を阻止しようと体当たりを始めた。 「ゆっくりでてってね!ゆっくりでてってね!」 「れーむたちのおうちにはいらないで!!」 「ゆっくりしね!!!」 「いい加減にしろって…言ってるだろうが!!!!」 そう言うと男は最近生まれたばかりのまだ小さいゆっくりを鷲づかみにした。 「ちゅっくりちね!!!ちゅっくりちね!!!」 「れーむのこどもをかえせ!!!」 「かえせー!!!」 ガブリ。 男はちびゆっくりの4分の1ほどをいきなり食べてしまった。 「い゛た゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛よ゛お゛お゛!!!!」 「れいむのこ゛と゛も゛に゛な゛に゛す゛る゛の゛お゛お゛お゛!!!」 「ひ゛と゛い゛い゛い゛!!!」 ニヤニヤと笑ってゆっくりを齧った男だが、突然驚いたような表情になる。 「なんだこりゃ!めっさうめぇ!!このゆっくり、餡子が緑色になってやがる… こんなの初めて見たぜ。 こりゃあ高く売れそうだ。後でお前ら全員加工場に売り飛ばしてやるから楽しみにしてろよ」 驚くべきことに、野菜や雑草ばかり食べていたためか、このゆっくり達は餡子が変質していたのである。 この男は知らなかったが、この緑色の餡子は俗に抹茶餡と呼ばれるものであった。 「ゆ゛!ゆ゛!」と断末魔をあげていた小ゆっくりを、男はあっという間にたいらげてしまった。 「れ゛い゛む゛の゛こ゛と゛も゛を゛か゛え゛し゛て゛え゛え゛え!!」 「か゛こ゛う゛し゛ょ゛う゛は゛い゛や゛た゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「お゛し゛さ゛ん゛た゛す゛け゛て゛え゛え゛え゛!!!!」 「こ゛の゛ひ゛と゛か゛ひ゛と゛い゛こ゛と゛す゛る゛う゛う゛う゛!!!」 ゆっくりたちは泣き喚いているが、男は取り合わない。 周囲は柵と堀で囲われているので、捕獲を後回しにしても逃げ出される心配は無い。 こんな所にどうやって入ったんだろうか、という疑問が頭をよぎるが、男は気にせずに小屋を調べ始める。 「すげぇ…よくもまぁここまで貯め込んだもんだ」 中には各種穀物や野菜、さらには金平糖などのお菓子や干し肉なども貯蔵されていた。 お菓子の中に「饅頭」があったことにはさすがの男も苦笑い。 「人様から盗んだ物をこうやって貯め込んでたってわけか。大した悪党だな」 「れーむたちぬすんでないもん!!!」 「れーむたちがおじさんからもらったものだもん!!」 「おじさんなんかでてけ!!!」 盗んだものを「もらった」とは何とも図々しい、と男は思った。 「そうかそうか。じゃあおじさんもゆっくり達から『もらう』ことにするよ(笑)」 そう言いながら男は金平糖や干し肉を食べ始める。さすがに腐りかけの饅頭には手をつけなかったが。 「ゆゆゆ!!!」 「おじさんひどーい!!!」 「おじさんとはもうゆっくりできないよ!!」 「ここはれーむたちのおうちだからゆっくり出てって!!!」 さっきまでは子供のことで泣き喚いて怯えていたのに、今度は食料のことで怒り狂っている。 脳みそが餡子でできているというのは悲しいことだな、と男は思った。 「おっと、こっちも『もらう』ことにするよ。ゆっくりありがとう!」 そう言ってちびゆっくり達を何匹か摘み上げて口に放り込む。 「ゆ゛げうぉ゛ほ゛ほ、゛ゆ゛っ゛く゛り゛ぐげ、て゛き゛な゛い゛よ゛!!」 「お゛があ゛ざんた゛ず゛げ゛ぐぼっ」 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 「ご゛め゛ん゛な゛さ゛い゛い゛い゛い゛゛゛」 再び泣き喚くゆっくりたち。 その泣き顔が男の嗜虐心をくすぐる。 「そうだな。確かにこれを俺が一人で全部食べちゃ悪いよな。ごめん!お前達にも分けてやるよ。」 一瞬不思議そうな顔になり、立場が逆転したと思って俄然強気になるゆっくり達。 「ゆゆ?」 「おじさん、はんせいした??」 「でもおじさんなんかゆるしてあげないよ!!」 「これはぜんぶれーむたちのたべものだからはやくでていってね!!」 「おじさんはのたれじにすればいいとおもうよ!!」 「そんなこと言うなよぉ、分け合いっこしようね!」 そう言って男はちびゆっくりをもう一匹つまみ上げ、思いっきり握り締める。 男の指の間から餡子がとびだし、ちびゆっくりが「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆ」とおかしな声を上げた。 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 「れ゛い゛む゛の゛こ゛と゛も゛が゛し゛ん゛じゃ゛う゛よ゛お゛お゛!!!」 指の間から飛び出している餡子を舐めながら男はゆっくり達に話しかける。 「さあ、君達にもわけてあげるよ。この餡子はほっぺが落ちるくらい甘くておいしいぞ☆」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ーーー!!!」 「そ゛ん゛な゛の゛い゛ら゛な゛い゛!!!」 「これを食べないと君達もみんなおじさんが食べちゃうぞ~?それでもいいのかな~~?」 男がそう言うと、ゆっくり達はまだ生きている家族の餡子を泣きながら食べ始める。 「ごべんで゛え゛え゛!!」 「ゆ゛る゛し゛て゛ね゛え゛え゛え゛!!!」 潰されたちびゆっくりは絶望の眼差しで家族を見ながら「ゆっゆっゆっゆ」と声を立てていたが、餡子が減るにつれて、それも静かになった。 また、ちびゆっくりが静かになるころには、ゆっくり達も食べることに夢中になっていた。 「うめぇ!!こんなうめえもんはじめてくった!!」 「こんなゆっくりできるのはじめてだよ!!!」 「う~まう~ま♪」 「家族はおいしかったかな?さて、次は誰を食べようかな?」 そう男が語りかけるとゆっくり達は我に返り、絶望して騒ぎ始める。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「も゛う゛い゛や゛た゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「どお゛し゛て゛こ゛ん゛な゛こ゛と゛す゛る゛の゛お゛お゛お゛!!!」 必死になって命乞いをする残りのゆっくり達。 だが仮に男がやめたとしてもゆっくり達が助かる道はない。 残ったゆっくりは、持って帰って食べられるか、加工場へ売り飛ばされるか、どちらかの運命しか残されていないからだ。 まだゆっくり達は10数匹も残っている。ゆっくり達の餡子まみれの収穫祭は始まったばかりだ。 数時間後。 男は一桁にまで減ったゆっくり達を袋に詰め、家路を急いでいた。 「まったく、親父が病気になった途端に畑に忍び込んで住み着くとは。これだからゆっくりというやつは図々しい上に油断ならん。 幸い作物に被害は無かったみたいだが、もう少し遅れていたらどうなっていたことやら。 親父は『ゆっくりと畑を頼む』なんて言っていたが、ゆっくりしてたら畑を滅茶苦茶にされるところだったぜ。 まぁ珍しいゆっくり種も手に入ったし、良しとするか。病気に効くかもしれないし、早く親父にも食べさせてやろう」 その日一人の哀れな病床の老人が心臓ショックで死んだこと。 また、母ゆっくりが水路に押し込んで逃がしたちびゆっくりが生き延び、 他のゆっくり達と力をあわせて、十年後、幻想郷奥地に大農園を築き上げたこと。 それらはまた別のお話。 おわり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1199.html
「ゆっくりしてぶっ!」 朝起きると部屋の中にゆっくりがいたので目覚ましを投げつけた。 時計の直撃を顔面に喰らった痛みに、ゆっくりれいむは床を転がり回っている。 「ゆっ、ゆっ、ゆっくりしてげっ!」 ベッドから身を起こし、今度はゆっくりに蹴りを入れる。 死なない程度に加減はしたが、相当の痛みだったのだろう。俺が着替える間中ゆっくりはのたうち回っていた。 「さてと。」 ゆっくりれいむの髪を掴んで俺の目の前にぶら下げる。 「痛いよ!お兄さん痛いよ!ゆっくりぶげっ!」 頬を引っぱたく。あの台詞は聞き飽きた。 「どうやって部屋に入った?」 「ゆっ、ゆっ。」 俺が大げさに右手を振りかざすと、ゆっくりは焦りの色も露わに説明した。 「あそこからゆっくり入ってきたよ!」 ゆっくりが向いた先を見ると、網戸が開いている。こいつらベランダからもやって来るのか。ここ五階だぞ。 こんな事が起こるようでは、もう窓も開けて寝られない。 玄関半開きも駄目、その上部の小窓も駄目。通気の悪い寝苦しい夜を過ごしたら、今度は窓も駄目と申すか。 俺はクーラーとか、文明の利器にべったりなのは嫌いなんだ。まあそろそろ涼しくなる頃だし我慢するか。 そんな事をつらつら考えていると、ゆっくりが話しかけてきた。 「お兄さんここはゆっくり出来ないよ。」 「そうか。」 「れいむはもうおうちに帰るよ。ゆっくり下ろしてね。」 「そうか。」 ゆっくりを掴んだままベランダに出る。雲一つ無い空。今日も暑くなりそうだ。 ベランダの下は道路を挟んで川が流れている。通勤者や通学者が通りを歩いている。 こういう事は人が居ないときにすべき。それがマナーというものだ。部屋に戻って煙草を取ってくる。 ベランダで煙草を吹かすが実に不味い。ゆっくりを掴んだ左手が重いからかもしれない。うろちょろされても目障りだから仕様がない。 ふと視線を眼下の道路から前方に移すと、対岸のマンションにもゆっくりを掴んだ者がいた。そこかしこのベランダに待機した人影がある。 あちらの道路は交通量が多いから、ああやってずっと待っているのだろう。 自分が言うのもなんだが、みんな行儀良くて結構な事だ。こいつもそれぐらいの心掛けがあれば長生き出来たかもしれないな。 「お兄さん。」 「なんだ。」 「ゆっくり下ろしてね。」 「もう少し待ってろ。」 「ゆっくり待ってるよ。でも早くしてね。」 「そうか。」 ゆっくりの相手をするときは適当に受け流すのが一番だ。こいつらとの会話に整合性を求めると病院の世話になりかねない。 しかしなんだってこいつらは、わざわざ人の家に入ってくるのかね。食い物ならその辺のゴミ漁りで十分だろう。 以前そういうゆっくりに質問してみたが、「ゆっくりしたいよ!」とか言うばかりでさっぱり分からん。 煙草の長さが半分になる頃、対岸の道路に一瞬の静寂が訪れた。歩行者もおらず、車も手前の信号で止まっている。 「ゆっくりー!?」 対岸からゆっくりの絶叫が響いてきた。向こうのマンションの、あちこちのベランダからゆっくりが川に投げ込まれている。 投げ出された何十ものゆっくりは、川の水面に叩き付けられ、半数が即死し、残りは何か小さな呻きを漏らしながら、川に流されていった。 中には勢い余って川を越してこちら側にまで届いたゆっくりもいる。道路に餡子が半扇状に飛び散っているが誰が片付けるんだあれ。 「ゆーっ!お空を飛んでるみたい!」 一匹のゆっくりまりさが泣き笑いの表情でコードレスバンジーをしている。 まあ実際に飛んでるわけだが、少し意味が違うかな。現実逃避の邪魔をするのも野暮な話だし、だいたいそんな時間もないわな。 「ぼしょん」という間抜けな音と共にまりさは水面に落ちた。沈み込んで、拉げた顔になって浮き上がってくる。 まりさは薄ら笑った顔でゆらゆらと川下に流されていった。 「お兄さん。」 「なんだ。」 ゆっくりれいむは俺にぶら下げられながらガタガタ震えている。 「なにあれ。」 「なにって、お前等を俺達のおうちから追い出してるんだよ。」 「あれじゃみんな死んじゃうよ?」 「死ぬだろうな。」 「ゆっくりしたいよ?」 「お前等が家に居ると俺達はゆっくり出来ないんだよ。」 「ゆっくり帰してほしいよ?」 「駄目だ。」 「もう来ないよ?」 「お前等は直ぐに忘れて戻ってくるからな。」 「お願いよ?ゆっくり下ろしてね。」 「どうやらこちらも頃合いのようだな。」 ゆっくりれいむの目には涙が溢れている。必死なんだろうが、口が半笑いではいまいち危機感が感じられないな。 煙草をサンダルで揉み消し、ゆっくりを右手に持ち替える。 「ゆっくり帰してね?もう来ないから許してね?」 「直ぐに帰してやるさ。来るとか、来ないとか、もうそういう事を考える必要は無い。」 「お願いね?お願いね?ゆっくりさせてね?ゆっくりさせてね?」 「短い付合いだったな。さよならだ。」 「ゆーっ!?」 俺は大きく振りかぶって、ゆっくりを川目掛けて投げつけた。 「もっとゆっぐりしたかったよおおおおお!」 目算を誤った。少し飛距離が足りなかったらしい。れいむは手前の地面に落ち、餡子を撒き散らして転がり川に飛び込んでいった。 落下角が斜面にうまく合ったようで、即死する程の衝撃は無かったようだ。 もっとも、即死を免れても苦しむ時間が長引くだけだ。惨い事をしてしまったかもしれない。 上階から別のゆっくりがポイポイと降り注ぐ中、俺は流れゆくゆっくりれいむに向かって呟いた。 「悪かったな。次の奴は楽に死ねるようにしてやるから。」 少し遅れて朝食を済ますと、俺は家を出て、会社に向かった。 家の前の道を駅へ向かって歩いていると、そこかしこの窓からゆっくりが放り出されている。 何でこいつ等は懲りずに人間に関わろうとするんだろう。「ゆっくり」は何を意味しているのだろう。 橋を渡りながら水面を見下ろすと、死んだもの、死にきれないもの、沢山のゆっくりが川を流れていた。 水質とか大丈夫なんだろうか。 川岸の水草にひっかかった一匹のゆっくりと目が合った。 そのゆっくりれいむは瀕死の、そのくせ半笑いの表情でこちらをじっと見詰めている。 確信は無いが、さっき投げたゆっくりのようだ。 そいつは暫くこちらを見ていたが、やがて諦めたかのようにゆっくり目を閉じた。 俺は川から視線を外して雲一つ無い空を見上げた。 今日も暑くなりそうだ。 by GTO このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1148.html
※虐待SSです。れいむと赤ちゃんれいむの虐待注意 ゆっくりのいる時間 家に帰るとれいむがいた。 「ゆっくりしていってね!!」 おかしいな、鍵をかけたはずなのに。 「ゆっくいちていってにぇ!!」 あらあら、れいむの後ろからにょきっと小さな饅頭大の赤ちゃんれいむが現れたぞ。 こいつは面白い。さっそく虐待しよう。 「ゆ!やめてね!れいむをたすけてね!」 「おがーぢゃーんぎょわいよぉお!!」 れいむ親子を透明な箱にさっそく入れる。 れいむはのっぺりとした顔、ぎょろりとした目、ぷくぅーとしたほんのり赤い頬、 つり上がった眉、ダンベルみたいな髪、そして猫を真似たようなリボン、 どれを取っても不快だ。 赤れいむは手に持ってもてあそぶ。 「ゆ”ゆ”・・・」 ふるふるしている赤れいむは正直、可愛い。 「ゆ!やめちぇくだしゃい!やめちぇくだしゃい!」 いっぱしに謝ることはできるようだ。 「そっそうだよおにーさん!ゆっくりかわいいれいむのあかちゃんをこっちによこしてね!!」 ?今「ゆっくりかわいいれいむのあかちゃん」と言ったな。 かわいいのは「れいむ」ともとれるし「れいむのあかちゃん」とも取れる。 通常ゆっくり虐待では虐待に都合のいいようにゆっくりの言葉を受け取るべきだ。 したがってこいつはかわいい自分のために赤れいむをよこせと言っている。 「何てカスだ」 「ゆ”っん!?」目を白黒させたれいむの頭に赤れいむをねじこむ。 「ゆぶ!ゆぎぇぎゃぎぇげ!あーびヴぁー!!!」 れいむの皮は弾力性があるが頭は弱いだけに柔らかくすんなりと赤れいむを挿入することができた。 れいむの目は焦点が定まらず、舌をだらしなく垂らし、小刻みな痙攣をおこしている。 「ゆっゆっゆくーち♪ゆめーはゆっくゆっくゆくーち♪ぷぅ!」 おやおや、気が触れてしまったようだ。れいむも案外精神が弱いんだな。赤れいむはせっかくだから殺さず取り出そう。 ズブブ 「むぽきゅりー♪のうのうのう!めいぇあー!りゅりゅりゅりゅりゅりゅ」 スポン! 「デニムの濃淡があああああ」そうとしか聞こえない奇声を発したれいむはよだれを垂らして横たわる。 なんにせよ無事赤れいむを取り出した。 「っ・・・!!ヒック、・・・!!!うわあああああん!!!うわあああああああん!!!!ごわぎゃっだじょーーーー!!だーべちゃーやだああああ!!」 どっかで聞いたことのあるフレーズだな。珍しい。捕食種の気分が分かるものなのだろうか? 私は一言、 「むっきゅん☆」 と言ってやったら 「・・・???おじしゃん、ひょっとしてぱちゅりいにゃの??ぱちゅりー!!!おにょれぱちゅりーーーーー!!れいむをおぎゃーぢゃんをがえぜええええ」 と怒りの形相で迫ってきた。といっても手の平の上でぽよんぽよん飛び跳ねる程度なので無害。 しかし、飾りよりも言葉で種を区別しようとしてるのか。ゆっくりのまた新たな一面を見つけた感じだ。 「ゆ!!でいぶのせいじゅんながらだがあああああ」 赤れいむはれいむの餡子の中にいたせいで狂ったようだ。潰してゴミ箱に二匹を早く処理しよう。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/419.html
今までに書いたもの 神をも恐れぬ 冬虫夏草 fuku4385(タイトル付け忘れた……) ※注意事項 人間は介在しません。 登場するゆっくりは全滅しません ぼくのかんがえたさいきょうゆっくりが登場します。 ……最強っていうか、ゆっくりしろよ的ゆっくりか。 ここは、人里から遠く離れた博麗大結界に間近い山の中。 妖怪の山からも遠い幻想郷の外れでは、人間どころか妖怪の姿さえほとんど目にする事はできない。 そんな幻と現の境界地帯の主は、大きく分けて二種類だった。 一つには、結界の内外いずれの側にも満ち溢れた自然の具象である妖精たち。 そしてもう一つには、生き物と食べ物の境界に位置するナマモノ――ゆっくりと呼ばれる生き饅頭たちだ。 山際に残る朱の色が、月が高くに上ると共に紫へと塗り替えられてゆく。 冬の太陽は早くに沈む。日のある内はまだ温みを残していた山の空気も、空に紺と紫の領域が増すに連れて 突き刺すような冷気で地上を満たし始めていた。 野山から生けるモノの気配が極端に少なくなる、死と静寂に満ちた季節。厳しいこの時期をやり過ごす為、 巣穴に閉じ篭るという習慣は捕食種のゆっくりにとっても例外ではない。 「うー! よるがきたどぉー!」 ここは、厚く堆積した柔らかい土壌を掘り進めて作られたれみりゃ一家の巣穴である。 もともとは、彼女らのモノではない。先住者は子連れのれいむとまりさのつがいだった。その先住者はこの秋、 老幼あわせて十匹残らずこの冬の入りにれみりゃ一家の保存食となっている。 晩秋、より中心部――紅魔館の近くに適当な住処を見つけられず、辺境を流れ流れてここまで来た家族だった。 「みゃんみゃ〜、にぇみゅいぢょぉ〜」 「うりゅさきゅちぇよくねむれなかったぢょぉー……」 親に続いてもそもそと起き出してくる、体のない子れみりゃや赤れみりゃ、その数五匹。 器用に羽根で眠い目を擦る。どうやらまるで寝たりないらしい。それは両親――体つきと体なしのつがいだった――も同じらしく、 二匹揃ってみっともない大あくびをすると疎ましげな眼差しを入り口へと送る。 「ふぁ〜。まんまたちもねむいんだどぉ〜……」 「らぶり〜なれみりゃをゆっくりさせないなんて、ひどいかぜさんなんだどぉ〜」 ぐるぐる頭の中をかき回す眠気のせいで、楽しい家族の会話もどこへやら。きちんと戸口の閉じられた巣穴は 地中の温もりもあって眠気を覚ますほどの寒さもない。家族揃って言葉もなく、じーっと扉の様子を見詰めてみる。 ばたん、もしくは、ごつん。 静かになった部屋の中は、木の皮を引っぺがして接着用餡子で固めた扉は、今もガタガタいってる物音だけに 支配されてしまった。 今日は日中ずっとこんな感じだった。夜もこんな感じのままなのかもしれない。うるさいのは扉が立てる音ばかり ではなく、外の枯れ葉が擦れあう音、モノが落ちたり転がったりするような物音なんかも同じこと。 きっと、今日はとても冷たい風さんがゆっくりしていない一日なのだ。 さすがに閉じた戸をわざわざ開けてまで外の『かぜさん』に抗議する気にもならず、れみりゃ家族は寒気の 差し込まないおうちの奥からせめても大声を張り上げて呼びかける。 「かぜさん、ゆっくりするんだどぉ〜♪」 「ゆっくりしなきゃ、あとでさくやにいいつけるどぉ〜♪」 「「「ちゃくやにいいしゅけるどぉ〜♪」」」 ……と。 まるで、間延びした二匹の呼びかけをまるで理解したかのように、戸を叩く音が一時に止まった。 もちろん、れみりゃたちが風をどうこうできる訳もないのだが、餡子脳は全てを都合よく解釈するものだ。 「う〜♪ かぜさん、れみりゃがこわくてだまったんだどぉ〜」 「おちびちゃんたち、これでまんまぁとゆっくりできるどぉ♪」 「「みゃんみゃ、しゅごいんだどぉ〜♪」」 勝ち誇る両親に、それを真に受けて褒め称える子供たち。 万が一にも風の妖精がれみりゃの言葉に従ったのだとしても、それは引き合いに出された『さくや』が怖かったんじゃ? なんて謙虚な発想はゆっくりにはないわけで。 「「おちびちゃん、すーりすーり♪だどぉ〜♪」」 「「「すーり、すーり♪しゃわしぇだどぉ〜♪」」」 勝利の余韻に浸った家族、一頻り体を寄せ合わせる。 既に変な空気になった餡子脳の中では『かぜさんもさからえないこうまかんのおぜうさま』は伝説にすらなっているらしい――が。 ―――どがあぁぁんっ!!――― 伝説、粉砕。文字通りに。 「うーっ!?」 「と、とびらさんがこわれたどぉぉ!?」 「みゃんみゃーっ!? さささっ、さむいんだっどぉ〜!!」 「ゆぐっ、ゆっぐぢぢだい゛どぉ〜……」 いったい、何事が起きたのか。 突然入り口から大きな破壊音が響いたと思うと、薄く立ち上った土煙の向こうに壊れた扉と真っ暗な空が見えた。 お外とおうちの間を遮るものはすでになく、びゅうびゅうと吹き込んでくるのは、冬の夜の容赦ない寒気。 両親れみりゃには一つ思い当たることがあった。こんな時期、 「う〜っ……もしかして、れてぃがきた!?」 「れてぃやだどおおぉぉっ!!?」 「「みゃんみゃぁ、きょわいどぉ〜!!」」 地中の巣に篭っていたのでは、長く伸びるれてぃの舌からは逃げられない。 かといって、出口が一つしかないこの巣では、外に出るのはわざわざ「おたべなさい!」するのと同じ事だ。 進むは地獄、引く事は出来ず。まさしく進退窮まった状態で、一家はお星様が綺麗に覗くおうちの入り口から 長く伸びる死への誘いがやってくるのを、ただ身を寄せ合い震えながら待ち受ける。 両親はせめて子供だけでもと、背中、巣の奥に子供たちを押し込めて守るが……蟷螂の斧、報われるまい。 「……う〜?」 「う〜、う〜?」 そう、親子揃って観念して、しばらく縮こまっていた。 扉が壊されてからすぐ。れてぃの舌は入ってこない。 扉が壊されてからちょっと。れてぃの舌は入ってこない。 扉が壊されてから少し。れてぃの舌は入ってこない。 扉が壊されてから大分。れてぃの舌は入ってこない。 扉が壊されてからしばらく。れてぃの舌は入ってこない。 扉が壊されてからかなり。れてぃの舌は、入ってこなかった。 「……う〜? れてぃ、ちがったどぉ?」 「うっう〜♪ ちびちゃんたち、もうしんぱいないどぉ〜」 「「「……う〜?もうだいじょうぶだど?」」」 さすがにこれは、れてぃではないらしい。 恐怖がゆっくり溶け、疑念に変わり、安堵に移り変わるまでたっぷり十分ほどは待った。 最後まで、れてぃの舌が入ってくることはなかった――怖がる必要なんてなかったのだ。 「うっう〜♪ おぜうさまのれみりゃにこわいものなんかないどぉ♪」 「みゃんみゃはとてもつよいんだどぉ〜♪」 「つよいまんまぁはおうちのとびらもさくやがいなくてもなおせるんだどぉ〜♪」 「みゃんみゃはなんでもできるんだどぉ〜」 そうと知ると、一転して強気である。餡子脳には先ほど見せた自分の(親の)みっともない姿なんて欠片も残ってない。 扉が壊れた原因を、突き止めようという考えすらなかった。 ただ、そんな餡子脳でも流石に扉を直さなければというぐらいの思考はあるらしく、両親を先頭に寒気厳しい外界との 入り口に向かう。一応野生で生きてきたれみりゃである。扉の作り方、治し方ぐらいは知っている。 「……とっ、とびらさんがどこかいくんだどぉ〜」 ただ、一から作るとなるとさすがにこの時期、面倒だ。 壊れた扉に逃げられては困る。だから真っ二つに割れた扉の片割れが、急に巣穴の外の方へと動き出したことにれみりゃは 少し慌てて這う速度を上げる。 「う〜、おいかけっこだどぉ〜♪ とびらさん、ゆっくりまつんだどぉ〜♪」 「はやくつかまえるんだ……どぉ?」 どうして扉が動き出したのだろうか。 風の仕業だろうか? そんなはずはない。扉は中から外に動いているのに、風は外から中に吹き込んでいる。 巣穴が斜面になっているから? それなら滑り落ちる方角が逆だし、巣穴はそんなに急な角度で地面に潜っている訳ではない。 その答えを知らず、考えもせず、家族は無防備に入り口近くまで近づいた。 「どうした……う〜?」 「「「うゅ〜?」」」 そしてそこで目にした光景に、全員が思わずぽかんとした。 巣穴の入り口、そのすぐ側。覗き込む顔がいくつも、いくつも。見知ったものばかり並んでいたからだ。 「う〜!? あまあまがいっぱいいるどぅ〜♪」 「あまあまがいっぱ……い……」 やがてれみりゃたちの口から漏れたのは、喜び半分、驚き半分。 巣穴から見えるのは、れいむが三匹にまりさが四匹。 喜びはおいしいあまあまが向こうから巣の近くまで来てくれたからで、驚きはこんな冬場に外をうろつくゆっくりがいる なんて思っていなかったからだ。 「……う〜☆ たべきれないんだどぉ〜♪」 「「「うー! たーべちゃうぞー!!」」」 よく考えたら起き抜けで、ちょうどおなかがすいていたところだ。 親れみりゃと子れみりゃたちは、みんなそろってお決まりの台詞をごはんになってくれるあまあまたちに投げかけた。 もそり、もそもそ。 ……反応が、おかしい。まるで恐れる様子のない獲物たちの様子が、ちっぽけなれみりゃの肥大したプライドに小さな 棘となって突き立った。 「……? あまあまのくせに、さからうつもりなんだどぉ〜?」 のそり、のそのそ。 反応は、変わらない。 恐れるでなく、猛るでなく、のっぺりとした笑顔を浮かべたままで蠢くだけ。 まるでこちらの存在を軽視――むしろ無視するかのようなその態度。自分が軽んじられていることを自覚するに至って、 ようやく状況に思考が追いついた。 扉を壊したのは、こいつらではないか。 おひさまがある間から、おうちの周りでがたがた物音を立てていたのもこいつらではないか。 たかがあまあまが。 このこうまかんのおぜうさま相手に。 勝てるわけもないのに、一体なんのために? 「……う〜。どっちでもいいどぉ〜」 「はやくごはんにするどぉ〜♪」 「「「うっう〜♪ ごはんだどぉ〜♪」」」 その理由がなんであるにしても、食ってしまえば同じことだ。それ以上小難しいことを考えるのは、れみりゃの脳には 手に余ることだった。 もういい、めんどうだ。何匹いるか知らないが、こいつらをご飯にしよう。みんなおなか一杯になってもまだ残るなら、 この冬の保存食としてありがたく巣の奥に保管させてもらえばいいのだから。 早々に思考を打ち切って、両親れみりゃは子を引き連れて寒い巣穴の外へと這い出していく。 そして、外の空気にじかに触れたれみりゃ家族の体はたちまちのうちに凍りついた。 「……だれつかられみりゃたちのごはんになってくれる……んだ……ど……?」 いや、凍りついたのは体ではなく心だ。だぶついた顔からは、満面の笑みが凍って砕けて消し飛んでいる。 巣穴を、出た。 外の景色が見渡せるようになった。 見渡す限りに、あまあまがいた。 そう、見渡す限りに。 数十、といった数ではない。 成体のれいむとまりさを中心に、百を軽く超えるゆっくりがひしめいていた。 れみりゃが空を飛ぶことを思い出していれば、百や二百で利かない数と、ずらりと敷かれた陣列の後ろの方にみょん種や めーりん種の姿がある事にも気が付いたかもしれない。 だが、どうせ三つ以上の数を数えられない餡子脳だ。『とてもたくさん、いろんなあまあま』ぐらいにしか考えられなかった かもしれないが……。 それでも。同じ高さで目の前に見える数しか把握することができなくても、流石に今なにが起ころうとしているかぐらいはわかる。 襲うものと襲われるもの。 その逆転が、今まさに起ころうとしているのだ。 「……っ。あまあまは、たべられるものなんだるどぉーっ!!」 気付かなければいいのに、察してしまった。 知性などないに等しいれみりゃなのに、気付かされてしまった。 心の中に急激に広がる真っ暗な何かを、知ってしまった恐怖を振り払う為に親れみりゃは叫んだ。 叫ばなければ、子供の為に立ち向かう意志が挫けそうだった。必死の形相へと変じた顔色からは、狩猟者としての精神的 優位など疾うの昔に消え去っている。 まるで風のように、親れみりゃたちは奔った。 父れみりゃの正面すぐ近くにいたれいむの顔面が弾け、突き抜けた腕がその後ろのちぇんの眼球を抉り出した。死んだれいむの 両脇にいたまりさとれいむが振り向くより早く、二匹の側頭部を父れみりゃの左右の腕が貫いていた。 母れみりゃの側方、仲間のれいむやまりさを挟んでやや間合いを取っていたぱちゅりーは、跳躍して直上から襲い掛かる 母れみりゃに踏み潰され、あっさりと大量の生クリームを吐いて死んだ。その周囲を固めていた四匹のれいむとまりさも、力尽くの 強襲にろくに抵抗することもできないままただの動かぬ饅頭へと変えられた。 両親れみりゃが進むところ、たちまち取り囲むれいむやまりさ、ちぇんやぱちゅりーはただの中身を垂れ流す饅頭へと変えられてゆく。 両親れみりゃが進むところ、たちまち取り囲むゆっくりたちの陣列に穴が開く。 両親れみりゃが進んだ後には、たちまち孤島を取り巻く潮の満ち引きのごとく、取り囲むゆっくりに新たなゆっくりが補充される。 声もなく屠られ、声もなく足されてゆく。 それはれみりゃと同じゆっくりというナマモノではなく、ただのゆっくりという記号、数字として親れみりゃの前に分厚く、 冷たく立ち塞がった。 「う、ひぁっ……!」 一体、あまあまはどれほどの数がいるというのだ。 幾ら殺しても目の前の獲物がまったく減らないという事実にやっと気が付き、父れみりゃが乱れた息にやがて来るべき破局への 怯えの色を滲ませた。 夫婦それぞれ十を潰し、十を引き裂き、十を貫き、十を噛み破り、その全てを容赦なくばらばらの餡子の塊へと変えた。その間、 無言で襲い掛かる無言のゆっくり達を蹴散らし寄せ付けず、れみりゃは傷一つ受けていない。 でも、あまあまは逃げない。逃げずに、最初のゆっくりできない笑顔を浮かべたままで突出した二匹を取り巻いている。 にこにこではなく、にやにやと。一様に作ったような、相手を、獲物を。 れみりゃという、狩られるべき獲物を、明らかに作られた笑いを一様に浮かべて。 「ゆっくりしていってね!」 ただ、明るい呼び掛けが返ってきた。 散々仲間を殺されたというのに、何の心も篭らない、無駄に明るい呼びかけだった。 ああ、と両親れみりゃはようやく理解する。 こいつらには、怒りはない。恐怖も知らない。笑顔を浮かべているけど、楽しいことすら知らない。 役割以外の何も知らないから、何もかも失っても平気なのだ――命を失うことの恐怖すら、この連中は知らないのだ、と。 「うぎゃああぁぁっ、まんまぁああぁぁぁあっ!!」 「だずげでええええええぇぇぇっ!!」 愕然として棒立ちになるれみりゃ夫婦の後ろの方から、求める子供たちの悲痛な叫びが聞こえたように思う。 気が付けば、すでに巣穴から遠い。意図したものか、そうではないのか……いずれにしても、戦ううちに両親と巣穴は遠く離れ、 子供たちは敢え無く敵の手に落ちてしまったのだ。 悲鳴は長く、しかし元気に続いている。 どうやら子供たちはその身柄を抑えられただけで、すぐに危害に晒されているわけではないらしい。 でも、今の両親にとってもうそんなことはどうでもよかった。 「……うっ……うぅっ、うううううぅぅぅああぁぁぁっ!?」 「ぐるな゛っ、ぐるな゛っ! じゃぐや゛! じゃぐや゛あああぁぁぁっ!!!」 死が、あまりにも確実な死が、自分たちの目の前にも迫っていた。 例え今は捕まるだけでも、後で必ず殺されて食べられる。飛んで逃げるにしても、間合いがあまりに近すぎた。体がふわりと 浮かんだと思った瞬間には、無防備な足や腹に食いつかれ、力尽くで地上に引き降ろされるだろう。 そうなった時にはもう戦う力も残っていない。そこから先は、なぶり殺しだ。 その確実な未来を、目の前の『生きていない』笑顔の群れが担保している。 無機質な笑顔を連ね、瞬きのごとに縮まる彼女らとの距離。それはれみりゃたちが三途の川へたどり着くまでの道のりに等しい。 どれほどれいむを殺しても、どれほどまりさを壊しても、ただの黒ずんだ餌になったあまあまたちからすらその不気味な笑いを 消し去ることはできない。 それを、思い知ってしまった。何もかもが無駄だと、すでに二匹は知ってしまったから。 「ウサウサ☆ミ」 「ゲラゲラ☆ミ」 連中の作り出した分厚い壁、後ろの方から聞こえる二組の笑い声。その声にだけ、意志の存在がはっきりしていた。 そしてその二匹の意志が、ここにいる全てのあまあまの意志を支配している。そのことに、母れみりゃも気付いた。 それと気付いた所で、この分厚い壁がある以上どうなるということでもないのだが。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりさせてあげるね!」 「ひめさまをゆっくりさせてね!」 「ゆっくりしね!」 ――虐殺がはじまった。 一斉に、だがばらばらな内容の言葉を叫んで無数のゆっくりが全周囲で動いた。 不気味な笑顔は崩れない。まるで同じ笑いを浮かべた連中が、れみりゃたちを『ゆっくり』させるために襲い掛かる。 「でびりゃのおべぶぇぼびゅぁっ!?」 「ゆっくりしね!」 「ゆっくりしね!」 心がほとんど折れかけていた父れみりゃは、その動きに反応することができなかった。 前から飛びついたれいむに腹を噛み破られ、服を毟り取られてようやく我を取り戻すがもはや遅い。 後頭部にちぇんが、肩口にまりさが、左右の足にまた別のまりさが、次々と食いつくゆっくり達の中にたちまちれみりゃの 体が消えてゆく。 「でっ、でびりゃのでびりゃがあああぁぁぁ!!」 母性の役割を受け持ったれみりゃの性質だろうか、まだ生きる意志を強く失わなかった母れみりゃが、襲い来るゆっくりを 力任せに振り払いながら、目にした惨状に何度目かの絶叫を上げた。 連れ合いに食らい付いたゆっくりが歪な形に固まって、その姿はまるで葡萄の房のよう。 中の様子をうかがい知ることはできない、だがもはや生きてはいないだろうことは母れみりゃにも容易に知れた。れみりゃ種の 再生力といっても、限度はあるのだ。 「ゆっくりかむよ!」 「ぎや、いぎゃっ! ご、ごろじでやるううぅぅ!」 「ゆっくりひめさまにもってかえるよ!」 右の腕を噛み砕かれ、羽根を食い千切られ、あられもない悲鳴をあげて、なおいきり立つ。 捕食種のプライドではない。囚われた子を救う為でもない。殺された伴侶の仇だからでもない。 ただ単に、そうしないと、生きられないから。 早くも再生を始めた傷口から迸る肉汁。それが一張羅を汚すことを気にする暇もない。 残った左腕でなぎ払い、叩き落しためーりんを踏み潰し、咥えた枝を顔面に突き立てようと襲い掛かってきたみょんを 真っ向から噛み潰す。 「う゛あああぁっ!! ごろずっ、ごろじでやるううどおぉぉ!!」 「ゆっくびゅべっ」 口を餡子まみれにして、天に向かって吼え猛る様はまさに獅子奮迅――だが、悲しいかな。もはやれみりゃは単騎であった。 さらに不用意に近づいたみょんを蹴り飛ばす間に、今度は左腕が噛み千切られた。両腕がなくなると、腹と足が噛み千切られる まで一瞬だった。 「ううぅぅぅっ、う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!」 もはや立つ事もできなくなった体をパージして顔だけとなり、それでもなお前へ、前へと目指す。 そこに、さっき聞こえた笑声の主がいるはずだった。この群れの意志を支配する存在がいるはずだった。 そいつさえ殺せば、そいつを殺す事にしか、この場を切り抜ける可能性をれみりゃは感じとることができなかった。 そして、その可能性は結局の所、ほんの欠片ほども残ってはいなかった。 「うううぅっ……うびゅいいぃぃぃっ!!」 「うさっ♪」 「げーら♪」 頭をパージして、二度ジャンプした。 二度ジャンプしただけで、両脇から飛び掛ってきたゆっくりにプレスされ、地べたに落ちた。 「う゛ぅぅ……う゛ーっ! う゛っう゛う゛ぅ゛ぅ゛!!」 最初に感じたのは潰された痛みと、地面に打ち付けられた痛み。 それを圧倒したのは、助かる見込みが完全にゼロになったという恐怖。 「ぼうやべべええぇ、おでがいじまづうぅぅ!!」 聞き入れられることなんかない、そう知りつつれみりゃは命乞いを叫んだ。 自分が何匹殺したか、自分の家族がどれだけ殺されたか、そんなことは頭の中になかった。 「うさうさ☆ いいよやめてあげるよ♪」 「……うー?」 一瞬、痛みと恐怖が消し飛ぶかと思った。 次の一瞬に、それが錯覚だったと思い知った。 「……これいじょうばらばらにして、あんたまでおうちでひめさまのごはんになるまえにしなれちゃこまるからね♪」 「げーらげーら!!」 それくらいなら、まだしなないでしょ。 うさぎ耳のゆっくりたちは、そう冷たく囁いて笑っている――当たり前の事だが。母れみりゃの最初の予感が、正しかったのだ。 「ぃ……ィやだどおおおおおぉぉぉぉぉぉ……!!」 「れいむのおくちのなかでゆっくりしていってね!」 「ばらばられみりゃをうんぱんするね!」 「ゆっくりひめさまのごちそうになってね!」 泣き喚くれみりゃの体に数多のゆっくりが群がり、その体を手際よく解体していく。 れみりゃの強力な生命力も見越して、生死のぎりぎり、中身が漏れぬよう、適度に塞がるよう。 周囲を削り取るように、抵抗力を完全に奪って運ぶのだ。 「ゆっくり!」 「ゆっくり!」 作業が進むにつれ、長く響いていた泣き声は徐々に擦れ、小さくなり、ゆっくりたちの声の中に消えてゆき。 やがて一際大きなれいむの口に収まる程度にまで縮小される頃には、限界ぎりぎりまで体を剥ぎ取られたもうれみりゃの声は 聞こえなくなっていた。 五体ばらばらにした母れみりゃ、肉片となった父れみりゃ、完全に怯えて抵抗の意志も見せない赤れみりゃ。 そして両親れみりゃに殺された、百に迫る仲間のゆっくりたちの死体。 その全てを『獲物』として、未だ数百を数えるゆっくりたちの隊列は『おうち』への帰路に着く。 「……んーっ。かなりへったかな」 「げらげら!」 「まあもんだいないよね」 「げらげら!」 わかっているのかいないのか。 同じように仲間――というより配下の隊列を後ろから眺めながら、ただげらげらと笑うだけのうどんげに構わず、てゐは体を 前に傾けて頷くような仕草を見せた。 「うーん、だよね。へったぶんは、ひめさまとおししょうさまがつくればいいんだし」 「げーらげらげら!」 少し、うどんげの笑い方が変わった。何か意味のある内容なのかもしれない。 それの証拠にゆっくりてゐのウサギ耳がぴょこんと動き、彼女はにんまりと皮肉っぽい笑顔を見せてうどんげの方に頷いた。 「うさうさ☆ じゃ、かえろっか」 * * * 「ゆっくりしないでね!」 「ゆっくりいそいでね!」 既に季節は冬の入り。本格的な降雪はまだだが、外界には既にろくな食べ物がない。 本来なら、ゆっくり達は既に餌を巣穴に溜め込んでゆっくり冬篭りに入っていなければならない季節のはず。 となると、今聞きなれた挨拶の声に送られて落ち葉に埋もれた巣穴から飛び出してきたみょんとちぇんの二匹は、十分な食べ物を 集め損ねた怠け者ということになる。 ここが普通の巣であるなら、という但し書きがつくのだけど。 「ちんぽー!」 「わかるよー、ゆっくりいそぐんだねー!」 凍月は既に山の上に上り、飛び出したみょんとちぇんはちっともゆっくりしてない忙しなさで一直線に走り去ってゆく。 周囲の様子には脇目も振らない二匹の表情には、どこかしら作り物めいた笑顔が張り付いていた。 愛で派と呼ばれる人々からは愛くるしいと、虐待派と呼ばれる人々からはふてぶてしいと称されることの多い大きな双眸には意志の 存在が見られない。 生き饅頭がゆっくりと呼ばれる所以、『こころ』の存在が、どこにも感じられず――しかしこの生き饅頭たちもまた、ゆっくりと 同じように喋り、飛び跳ね、駆けて行くのだ。 「ゆぅ……もんだいなくおわれば、いいのだけどね」 全速力で徐々に遠ざかっていく二匹の姿を見送って、入り口に佇むえーりん種がぽそりとかすれた呟きを洩らした。 このえーりん種は、ゆっくりであると確かにいえる。見詰める両の眼差しには、確かな意志と知性の力が宿っているからだ。むしろ ゆっくりにしては不相応なほどの強い光を宿した両眼を不安に揺らがせ、えーりんはその場を動かない。 「じゃお?」 まるでアストロンでも掛かったかのように身動きを止めたえーりんに、背後に控えるめーりんが気遣わしげな声を掛けた。 どうやらこの巣穴の門番らしい。その気遣いはえーりんの様子というよりはこの寒い中に開け放たれたままの入り口へと向けられて いるのだろう、自分と『扉』――枯れ枝と枯葉を組み合わせ、少量の餡子で固めたもの――を見交わすめーりんに冷ややかな一瞥を投げ、 えーりんはわざとらしい溜息を一つ吐く。 「……ゆっ。わかったわ、しめてちょうだい」 「じゃおっ!」 きびすを返すえーりんの後ろで、手馴れた様子で数匹のめーりんが手早く扉を閉ざしていく。 扉が覆う面積を増すに伴って巣穴の中を照らす光量は乏しくなり――だがしかし、ゼロにはならなかった。 ぼぉっと巣穴を包み込むのは、月のように淡く儚い金緑色の光。 その光が照らし出すのは、深く深く、冥府まで招き入れるような外界の光を拒む大きな洞穴。 「ひめさまにほうこくしないと」 その光――巣穴(それは既に洞穴に近い)一面にヒカリゴケが生み出すエメラルドの輝きに照らされて、えーりんはゆっくり二匹が 行き交えるほどの道を急いだ。 目指すはこのコロニーの長、何もしない支配者、『ひめさま』と称されるゆっくりかぐやの下である。 真社会性動物、という生き物の一群が、外の世界には存在している。 というよりも、幻想郷の中にもそれらはいる。スズメバチやアリの仲間がその代表で、哺乳類にもネズミの仲間が一種のみ存在する。 名前に社会性とあるように、その特徴は多数の同種で共同社会を作り上げて生活する点にあるが、真社会性動物は人間他の哺乳類の ような社会性動物とは幾つかの点において違っている。 一つには、繁殖活動を行う個体と行わない個体がカーストとしてはっきり分かれていること。 一つには、共同して子供の養育を行うこと。 一つには、複数の世代に渡って共同生活を営むこと。 少なくともこの三点、特に不妊の個体が存在する事が重要な要素となる。 繁殖個体は目的にあわせて数多くの子を生む。 生むだけで、育てない。子を育てるのは、ある程度育った他の子供。その中でも労働カーストに育った個体だ。 兵隊カーストも育児や餌集めには参加しない。その代わりに、巣穴の防衛という重要な任務がある。 この巣穴に暮らすゆっくりの群れも、まさにその真社会性に区分される成り立ちから形作られた群れだった。 辺境にしか住まない上、地中でその生活の大半を過ごす生態のために、一つの群が大きい割には人にはその存在を知られていない。 ゆっくり達も、辺境地域の群れ以外はあまり知ることはないだろう。 実際、不幸にして中央から流れてきたあのれみりゃの家族はこんな存在を知らないがために、安易に彼らが支配する領域に 住居を構えてしまったのだ(もちろんこの地にも彼らの巣の先住者のように、家族単位で暮らすゆっくりも多くいるのだが)。 全てのカーストに属するゆっくり達が、ほとんど例外なく目的別に産み分けられた親族だ。真社会性を持つゆっくり種は、女王が どの種であるかに関わりなく、作業目的によって子を産み分けられるらしい。 働きゆっくりはれいむやまりさ、ぱちぇりーやちぇんなどに。 兵ゆっくりはめーりんやみょん、より上位の個体としててゐやうどんげに。 昆虫や鼠に比べれば多少の知恵を持つゆっくり独自の特徴的な例として、知的労働階級としてえーりんが存在する。 そして繁殖階級即ち女王として――まあ、この巣では女王はおらず、ひたすらに怠惰な姫君が代わりに君臨しているのだけれど。 「ひめさま」 「ゆっ。えーりん、ゆっくりしなさい。おいしいれみりゃはてにはいった?」 報告に入るなり、奥の間から掛けられた言葉に側近のえーりんは脱力する思いだった。 もともと、この冬場に働きゆっくりと兵ゆっくりを大勢繰り出してれみりゃ狩りなんぞを試みたのは、完全にこの引き篭もりの姫君が 唐突に言い出したわがままのせいである。 最大で数千にもなるこの種のゆっくりの巣だが、通常種でも同種を捕食するようになる特性にあわせて、枯れ葉と排泄物を混ぜ合わせた 『畑』で巨大キノコを栽培するなどして食料状況に問題はないのだ。 ……支配者の気まぐれでこの手の贅沢を言い出さない限りは。 普段はほぼ先天的に自由意志を奪われた働きゆっくりの姉妹を馬鹿にしながらも、こういう理不尽に付き合わされる時ばかりは 自由意志があるばかりに直面させられる悩みに苦しむえーりんである。 「ゆっ、今はそれどころじゃないの。じゅんかいの『つきのししゃ』が、よそのむれにこうげきされたのはおぼえてる?」 目標を捕獲した、という情報は入っていたが、えーりんはとりあえずその問い合わせを一蹴した。 れみりゃを捕獲したうどんげとてゐの狩猟部隊が、同時にもたらした報告のほうが何倍も重要だったからだ。 つきのししゃ――かぐやの巣では、兵ゆっくりはそう呼ばれる。冬場であるにも関わらず、縄張りの巡回に借り出された『ししゃ』が 正体不明のゆっくりに襲撃されたのは、一週間ほど前のことだった。 正確には最初に次々と襲われたのは働きゆっくりで、兵ゆっくりは生き残りの連絡を受けて見回りに出かけたところを襲われたという 順番である。 ただ、地上に出かけた働きゆっくりが天敵に襲われて連絡を絶つなんて事はいつものことなので、生き残りの報告が出るまで誰も問題 だとも思っていなかっただけだ。 この群れのゆっくり達は、かぐや種とえーりん種以外の生命の維持に関心を払わないのである。 「ゆぅ? おぼえてるけど……もこうのしわざじゃなかったの?」 そのことは、かぐやもまだ覚えていた。しかし、同時にすでに解決したものだとも思っていた。 このかぐやの巣から森を一つ挟んだ向こうに、やはり真社会性を持ったゆっくりもこうを女王とする群れの巣穴があった。 かぐやの群れとは代々縄張りを巡って対立し、何度かお互いの巣の奥深くにまで攻め入るほどの激しい戦い――増えすぎたゆっくり 人口の調節という側面を強く持つ――を交えた宿敵と呼ぶべき相手だ。 お互いに同等の勢力を持つ群れである為に、屋外の戦いで勝利しても相手の巣穴を攻め切るまでには至らないまま泥沼の抗争が続いて いる両者が、そろそろ前の戦いから随分時間が経っている。 そろそろあちらの動きがあってもおかしくない頃合だから、どうせまた小競り合いでも起きたのだろうと思っていたのだが。 「それもかのうせいとしてはきえていないけれど……」 「ゆぅん。べつのよそものがみつかったのね」 言いよどむえーりんの様子に、かぐやはその先を察して面白そうに口の端に笑みを灯す。 かぐやもえーりん同様、ゆっくりにしては知性の高い種だ。普段は何事にも面倒くさがりな正確が災いして通常種ゆっくり以下の 鈍重さを見せるのだが、興味が沸いたことには積極的になることもある。 「どこからきたかしらないけど、ながれゆっくりをみつけたわ。ドス、とかいうまりさがじょおうらしいの」 ドス、という言葉を口にした時、えーりんはまるで知らない未知の何かについて話す人特有のあいまいな表情をした。 ゆっくりかぐやにしても、人間が首を傾げるように頭部しかない体をやや右に傾けて、聞きなれない言葉が意味する所を探りあぐねている。 二匹は『ドス』が何を意味するか知らなった。通常のゆっくりと異なる習性に生きる彼女たちに、ドスとなる個体は存在しない。 繁殖種はゆっくりを他のゆっくりさせる存在ではなく、他のゆっくりにゆっくりさせられる存在だからだ。 だが、群れの経験が培ってきた知識としては知らずとも、どこかざらついた感覚が『ドス』について思うたびに餡子脳を這い上がる。 なにか、ゆっくりとしての本能というべき部分が二匹に強く訴えかけていた。それと戦うべきではないと。 それはただ大きいだけではない。まともに正面から戦ってはいけない存在だ。 戦いを挑めばゆっくりできなくなってしまうかもしれない、と。 「……ゆぅ。どうせふゆなんだし、ゆっくりしすぎたやどなしなんてほっておいてもいいんじゃないの?」 「いいえ、ながたびでよわってるみたいだもの。いまたたかったほうがらくにかてるわ」 だがその本能から来る警告が二匹に齎した結論は、まるで正反対のものだった。 即ち、根が怠惰なかぐやが選んだのは、いずれ消え去るだろう存在をはじめから無視するという選択肢。 即ち、根が慎重なえーりんが選んだのは、或いは生き延びるかもしれない存在をあらかじめ除去するという選択肢。 どうして、とは聞かない。理由ならお互いわかっているから。 相反する結論を得た二匹はお互いにしばし無言で見詰めあい、沈黙の中に相手の反応を待ち続ける。 「……ゆゆ。わかったわ、えーりんにまかせる」 ……ほどなく、先に折れたのはかぐやだった。 この群れの『ひめさま』であるかぐやの役割は、考えることでも決断をくだすことでもない。それはえーりんの役割だ。 だから、かぐやはえーりんの判断にことを委ねた。 そうだ。群れでのかぐやの役割は、知的労働ではない。 「わかりました。ではひめさま……なにを?」 兵ゆっくりや働きゆっくりに新たな指示を出す為、ひめの間を辞去しようとしたえーりんが、当惑を隠さぬ声で問うた。 それもそのはず、いつの間にかえーりんのすぐ側に寄り添ったかぐやが彼女の頬を甘噛みしてきたからだ。 「ゆっくり、していきなさい」 「かぐや、いまはそんなこと」 「ちいさいけど、いくさなんでしょう?」 かぐやは、繁殖相手としてえーりんを求めているのだ。このゆっくりできそうにない忙しい時に。 えーりんもこの世代が一つ下の主君とは、もう長い付き合いである。呆れと共に姪の意図を理解して、とんっと軽く突き放す。 だが窘めようとするえーりんにさらに体を寄せて、ゆっくりの姫君は蕩けるような笑みを血縁でいえば叔母にあたる腹心へと向ける。 「ししゃのかずがへるぶん、かわりをつくっておかないと……ね?」 「……もう、かぐやったら」 かぐや種は同種に働く強力なフェロモンを持つという。 それでなくともかぐや種と強い相互依存性で結ばれたえーりん種が、その誘いを拒むことはゆっくり離れした知性をもってしても難しい。 それ以上えーりんは拒絶の言葉を口にすることなく、かぐやを受け入れた。 ヒカリゴケの燐光の中、二匹の影が一つに重なる。 明日には多くの働きゆっくりの実が、かぐやが長く延ばした茎に連なるだろう。 そして巣は何事もなかったように日常を続けるのだ。 一握りのゆっくりを、ひたすらに他のゆっくりがゆっくりさせ続けるだけの日常を。 続
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/414.html
「ゆっくり避妊ありす」 市場で買い物を済ませ、荷物を持って家へと続く道をひた走る。 というのも、家には飼っているゆっくりれいむとゆっくりまりさが待っているのだ。 最初は「ここはれいむのおうちだよ」などと神経を逆撫でする言動にずいぶん苛立ったものだが、飴と鞭で うまくしつけてやれば、何とか飼えないこともない。 程度を加減して苛めれば、いい感じにストレス発散になるから、なかなか有益な生物だ。 家までもう少し、というところで僕はあるものを見つけた。 「ゆ!!ゆっくりしていってね!!」 僕を目にするや否や、本能に従ってお決まりの台詞を吐く。 そいつは、いわゆる“ゆっくりありす”だった。 金髪にヘアバンドが目印で、どちらかというと珍しい部類のゆっくりだ。 そいつはダンボールの中に入れられていて、うまくはまっていて自力では出ることができないらしい。 そして、そのダンボールには『拾ってください』と筆文字で書いてある。 どうやらこいつ、誰かに飼われていたが捨てられたらしいな。 「おにいさん!!ありすをゆっくりたすけてね!!そしたらとくべつにゆっくりしてあげてもいいよ!!」 この癇に障る喋り方も、きっと捨てられた原因のひとつだろう。 確かに、普通の人間の感覚ならこの言動はイラっとくる。人によっては殺意すら覚えるだろう。 だが、僕は違う。僕にとってゆっくりに対する殺意など存在しない。そこにあるのは、ただゆっくりを虐待 して得られる恍惚感だ。 「あぁわかった、助けてあげるよ」 「ゆ!!ありがとうね!!とかいはのありすが、とくべつにゆっくりしてあげるよ!!」 都会派気取りの台詞を聞き流し、僕は家に向かうのは止めて別の道へと進む。 こいつを飼ってやることに、異存はない。しかし、このまま連れて帰ることはできない。 なぜなら、ゆっくりありすは発情すると他のことには目もくれず、他のゆっくりと交尾を始めるからだ。 交尾って言い方は生易しいな。いわゆるレイプである。 レイプされたゆっくりは、成長が不十分であれば当然蔓を生やした後朽ち果ててしまう。 僕のかわいいれいむやまりさが、こんなクズゆっくりに殺されてたまるか。 ということで、僕は永遠亭の女医にゆっくりありすの不妊治療…ではなく避妊治療をお願いすることにした のだ。 治療はたったの5分で済んだ。 ありすの両頬に親指をねじ込んで、ぐいぐいこね回すだけ。 皮を突き破り、餡子に至った指の振動に、ありすは悲鳴を上げていた。 「ゆぎゃあああああああ!!!いだい、いだいよおおおぼぼぼぼぼぼぼ!!!」 その後、傷に何か特別な薬を塗ると、傷はたちまち塞がってしまい、 「ゆううううう、すっきりー!」 と、まるで交尾の直後のように清々しい表情を見せたゆっくりありす。 僕は受付のウサギに治療費を支払うと、ありすを抱えて今度こそ帰路についた。 「ゆ!!おにいさんのおうちで、ゆっくりしてあげるね!!ゆっくりかんしゃしてね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」 適当に相槌を打つ。ゆっくりを飼うコツ、それはゆっくりの発言を真に受けず、ゆっくり受け流すことだ。 そうすることで、無駄なストレスを溜めずにゆっくりたちと長きに渡って付き合い、虐待することができる。 最近それができないやつが多くて困るよ。カルシウム足りないんじゃないのか?って思う。 いつもより45分遅れて、自宅に到着した。 玄関の扉を開けると、その音を聞いてかれいむとまりさがピョンピョン跳ねてくる。 「ゆゆっ!!おかえりなさい!!ゆっくりまってたよ!!」 「おなかすいたよ!!ゆっくりごはんもってきてね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり(笑)」 餌をねだって僕を見上げる二匹……視界に入るのは、僕が抱えているもう一匹のゆっくりだ。 「ゆゆっ!?そのこはだあれ?ゆっくりできるこ?」 「ゆっくりできないなら、まりさたちのおうちからでていってね!!」 顔が見えていないから、こいつが誰なのかわかっていないらしい。 僕はありすの顔が二匹に見えるように、向きを変えてやった。 その瞬間、二匹の顔色が変わる。 「ゆぎゅ!?ありす!?」 「ゆっくりでてってね!!ありすとはゆっくりできないよ!!」 ある程度成長してから捕まえた二匹だから、ゆっくりありすの危険性はよく知っているらしい。 同じゆっくりであるにも関わらず『ゆっくりできない』と拒否し始めた。 「大丈夫大丈夫、こいつとすっきりしても、死なないから」 「ゆ!?」 ありすと交尾をしたら、よほど成長したゆっくりでないかぎり朽ち果てて死んでしまう。 それが他種のゆっくりの常識だ。 だが、このありすは避妊治療を施したから、交尾をしても赤ちゃんはうまれないし、朽ちることもない。 僕はそう説明をしたのだが、ゆっくりありすがどれだけ危険か今までの人生(ゆっくり生)で学んできた二 匹は、なかなかそれを信じようとしない。 「だめだよ、ありすとはゆっくりできないよ!!ありすとゆっくりするとしんじゃうんだよ!!」 「そんなことないよ!!とかいはのありすが、とくべつにゆっくりさせてあげるね!!」 僕の腕から飛び降りたありすは、さっそくゆっくりれいむに引っ付く。 頬を摺り寄せるのは、交尾の始まりの合図だ。 振動を与えられて、頬を赤らめるれいむだが、生存本能のほうがまだ勝っているらしくありすを拒絶する。 「ゆ゛!!ゆっくりはなれてね!!ゆっくりどっかいってね!!」 「れいむうううううっぅぅぅぅ!!そんなおこったところもかわいいいい゛い゛い゛い゛!!!!」 一度スイッチの入ったありすは、どのゆっくりにも止められない。 れいむに圧し掛かって、交尾時特有の粘液を纏い、さらにはばら撒き始める。 おいおい、ここを掃除するの誰だと思ってるんだよ… 本来ならここでありすをブチまけている所だが、避妊の成果を見たいので放っておく。 「ゆゆっゆゆゆゆゆっゆゆゆゆ、やめでよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!! れいむっ!!れいむじんじゃうよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 「おじしゃん!!れいむをたすけてあげt、ぐぎゃああああおあおあおあおあおあおあお!!!???」 「おじさんじゃなくて、おにいさんだ、と言ったら何度分かるんだ、この低脳饅頭が(笑)」 まりさをぐいぐい踏みつけるのもほどほどにして、ありすとれいむの交尾を観察する。 しばらくすると… 「ゆううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、すっきりー♪」 「あ…がぅ…ゆぎゅ……」 満足げなありすとは対照的に、満身創痍のれいむ。 通常なら、れいむはこの後朽ち果てると同時に新たな生命を生み出すはずなのだが… 肝心の蔓が生えてこない。ありすの方も、不思議がっている。そして… 「ぎゅ……ゆ…ゆ?…………すっきりー♪」 あろうことか、れいむの方まですっきりしてしまった。 子供はできない、朽ち果てることもない…どうやら、永遠亭の女医の避妊治療は成功らしい。 が、今度はありすの方が不満そうだ。今までとは勝手が違うから…ではなく、生まれてきた子供も犯すつも りだったらしい。 改めて考えると、とんでもない性欲魔人だな。 とにかく、これでれいむやまりさが死んでしまう心配はないから、安心して3匹まとめて飼えるな。 あれから2週間。虐待しつつ生かしつつ、僕のゆっくりライフに変化はない。 変化があるとすれば、それは3匹のゆっくりにとってだろう。 最初、交尾しても朽ち果てないことに、れいむとまりさは喜んでいた。 一方ありすは、交尾しても相手が赤ちゃんを生み出さないことを不思議がっていた。 「ゆ?どうしてありすのあかちゃんができないの!?」 そのせいか、ありすが一方的に交尾を始めることが多くなっていった。 やはり赤ちゃんができてこその交尾なのだろう。 「まままままりさあああああ!!いっしょにあぎゃちゃんづぐろうねええええええ!!!!」 「いぎゃがががががががやめでええええええええ、すっきりー♪」 それでも、相手がすっきりするだけで、赤ちゃんはできない。 自分もすっきりしているからいいのだが、なんとなく満足できないゆっくりありす。 3日もすると、その異変はありすの精神をゆっくり蝕み始める。 「どおじてええええええ!!??どおじてありずのあがちゃんできないのおおお!!??」 交尾の最中も、ありすの声は快感を伴っておらず、どちらかというと必死に子孫を残そうと頑張っているよ うに見えた。 でも、どんなに頑張っても交尾相手がすっきりするだけ、自分がすっきりするだけ。 どんなに交尾を重ねようとも、相手の頭から蔓が生えることはない。赤ちゃんができることはない。 「どおじでえええええ!!!あがぢゃんづぐりだいよおおおおお!!!!!」 数十回の交尾の末、疲れ果てたありすは部屋の隅っこでひとり喚き始めた。 すっきりはできても、本能として『子孫を残す』という点での充実が得られないからだろう。 しかし『すっきりー♪』と交尾の余韻に浸るれいむとまりさは、そんなのお構いなしである。 9日目。ありすにとっての交尾の目的は“すっきりすること”から“あかちゃんをつくること”に完全に置 き換わっていた。 「ゆぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅあがじゃんんんんんありずのあがぢゃんんんん!!!!」 「ゆふふふふふうふんほおおおおおおおおおおおおおお!!!すっきりー♪」 それでも、相手はすっきりするだけ。そのうち、ありすは自分がまったくすっきりできていないことに気づ いた。 赤ちゃんができない。自分もすっきりできない。そんな交尾に何の意味があるのか。 そこまで考えて、人間並みの知能があれば交尾をすることを止めるのだが、そこはやはりゆっくり。 交尾を止めることをせず、自分が満足するまで交尾を重ねることになる。 「あががががががあがぢゃんんんん!!!!ありずのあがぢゃんんんんんんっがおおおおおおあああ!!」 「ゆううううううううすっきりー♪んああああっほほほほほほほほすっきりー♪」 「いぎゃああああああああどおじでええええあがぢゃんできないのほおおお!! どぼじでずっぎっりできないのぼぼぼぼおおおおおおお!!!!!!?????」 交尾を終えるたびに、満足げに去っていくれいむとまりさ。 れいむとまりさは、自分の愛を正面から受け止めてくれている。ありすはそう思っている。 でも、ありすは全然満足できない。赤ちゃんができない。すっきりできない。 どうして?どうして赤ちゃんができないの?ちゃんとすっきりできるようにしてるのに。 どうして?どうしてすっきりできないの?今まではちゃんとすっきりできたのに。 どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? 交尾のたびにすっきりよりも遥かに苦痛が上回る。 交尾のたびに流す涙で、頬の皮はすでにくしゃくしゃだ。 交尾のたびに、満足して去っていくれいむたち。 自分はいったいなんなのだろう。 れいむとまりさをすっきりさせたくて、こんなことをしてるんじゃないのに。 相手のことはどうでもよくて、自分さえすっきりできて、相手から赤ちゃんが生まれればそれでいいのに。 どうして“それ”ができないの?今まで簡単にできた“それ”がどうしてできないの? どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして? そんな疑問と、すっきりできないお預け感が、ありすの精神をえぐり続ける。 14日目。ありすに劇的な変化が訪れる。 「ゆぎゃ嗚呼ああ☆あべおっろ♪あおおああ$おおあありいり!!???」 「んほほほほおおおおおおおお!!!すっきりー♪」 声にならない叫びを上げて、れいむたちをレイプするありす。 いつもどおり、すっきりー♪な結果に至るだろうと思っているれいむたちは、その身をありすに任せる。 実際、れいむたちはすっきりするだけで、朽ちることはまったくない。 永遠亭の女医の避妊治療は、恐ろしいまでに完璧だった。 やはりダメだ。すっきりできないし、赤ちゃんもできない。 気が狂いそうになりながら…いや、既に狂ってしまったありすは、立て続けにれいむたちを犯し続ける。 この頃になると、もう一匹ずつ犯すのが面倒になって、3Pというマニアックなプレイが主なものとなってい た。 やはりダメだ。 「どおじでええええええええええええ!!!???」 どんなにあがいても、赤ちゃんができない。 「どおじでありずのあがぢゃんができないのおおおおおおおおおおおおお!!??」 どんなにあがいても、すっきりできない。 「ずっぎりできないのいやあああなのおおおおあああにいいいいいい!!??」 すっきりしようとすればするほど、すっきりできない悶々とした気持ちだけが蓄積していく。 ありすは、限界に達しようとしていた。そして… ブチッ! ありすの中から、何かが切れる音が聞こえた。 「ん頬青ああおあえrbなえt@あ@tbな@てんb@おあえtgじゃ!!!」 ありすが、壊れた。 中身のカスタードクリームを吐き出すことはしないが、涙・涎・粘液等など、ゆっくりが体の構造上出すこ とのできる、ありとあらゆる体液をブチまけながら、出鱈目に辺りを飛び跳ねている。 おいおい、ここを掃除するの誰だと思ってるんだよ… 本来ならここでありすをブチまけている所だが、もっと観察したいので放っておく。 「ゆ!?ありす!!ゆっくりいていってね!!」 「んびゃえおt8913ろじゃtbt-あ0あぽあ11111」 さすがに心配になったれいむたちの呼びかけにも、ありすは反応を示さない。 これは…完全に逝ったな。そう思ってありすを取り上げようとするが、その前にれいむたちがそれを阻んだ。 「おにいさん!!ゆっくりまってね!!!!」 「これからまりさたちが、ありすといっしょにすっきりするからね!!」 あぁ、そういうことね。 れいむたちにとって、ありすは“すっきりする”ための道具と化していたのだ。 どんなに交尾を重ねても朽ちない、赤ちゃんができない。 そうとなれば、あとはすっきりするための交尾を重ねるだけ。 人間で言えば“セフレ”のようなものだ。 でも、れいむたちはありすが今までまったくすっきりできなかったことに、気づいていないのだろうか? 「んんんほほほほほほおおおおおおおお、すっきりー♪」 「あががががががんぎょおおおおおおおおおおおお、すっきりー♪」 早々にフィニッシュする二匹。そして、次のありすの絶叫に、僕は自分の耳を疑った。 「和えが得荻は@絵t@q034うtq90う4t09q@0ぴっ………すっきりー♪」 今…何といった?すっきりって言ったのか? 確かに言った。ここ2週間すっきりできなかったありすが、“すっきりー♪”と言ったのだ。 次の瞬間、さらに驚くべき現象を僕は目にすることになる。 ありすの頭から、蔓が数本生えてきたのだ。 次々と実がなっていき、それは小さな小さなゆっくりの姿へと変わっていく。 そうか、やっと理解できた。れいむやまりさが赤ちゃんを作る代わりに、ありすが赤ちゃんを作ったのだ。 すっきりできない原因を排除したことで、やっとすっきりすることができたありす。 その満足そうな表情ときたら、今にも天に昇っていきそうなものだった。 だがおかしい、永遠亭の女医の避妊治療は完璧のはず。 これで赤ちゃんが生まれては、避妊治療の意味がない。 そう思った僕だったが、次のありすの行動を見て安心する。 意識を取り戻したありすは、再び発狂して辺りを飛び跳ね始める。 その衝撃で蔓はすべて切断され、赤ちゃんゆっくりは成長過程で切り離されてしまったのだ。 まだ緑色の、未熟児……これでは、「ゆっくりちていってにぇ!」などとかわいい声を発することもできな いだろう。 一方のありすは、と言うと… 「亜rht34hpつぷはいうhrぎうあg費4おあrぎおあrぎいありおおいあろいj!!!!」 一度キレてしまった“モノ”は元に戻らないらしい。 ありすは二度と“とかいは”の知性を取り戻すことはなく… 「ゆぎゅ……ゆっ………ゆっ……ふっ……」 時折、視界に入ったり音が聞こえたときだけ、ぴくっと反応するだけの…物言わぬゆっくりとなった。 れいむとまりさは、ありすのことなどすっかり忘れて別の部屋で遊んでいる。 毎日死なない程度に虐待してやり恐怖を植えつけてあるから、物を壊すことはないだろう。 「ゆ………ゆ………」 そこらへんの雑草を口に突っ込むと、反射的に咀嚼を始めるありす。 2週間前の、都会派気取りのありすの面影は……どこにもない。 …でも。 2週間まったくすっきりできなかったありすにとって、これこそが最高のすっきりなのかもしれない… あとがき 虐待スレ9の551あたりを読んで、勢いで書いてみたよ!! 酒の勢いって怖いね!! これを入れて5作ぐらい書いたけど、全部酒の勢いで書いたよ!! それじゃみんな、すっきりしていってね!! 作:避妊ありすの人
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/611.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 279 愛されゆっくり/コメントログ」 せやな -- 2010-09-29 23 58 28 だろうな -- 2010-10-04 01 50 41 でしょうね -- 2010-11-02 20 10 53 そうだね -- 2010-11-09 23 46 55 それもそうですね -- 2010-11-22 00 50 07 テメエらの血は何色だあ!? -- 2011-08-23 14 34 22 だね -- 2011-09-20 17 48 24 だべさ -- 2013-07-15 13 23 53 オチは機械(人形)かな? -- 2016-10-06 15 40 40 AIBOの代わりかな? でも要らんww -- 2018-01-14 16 58 10 機械じゃねえか‼︎あと善良野良どこ行った‼︎ -- 2023-04-20 06 24 23
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2760.html
『価値観の違い』 それは異様な光景だった。 百を超えるゆっくりが二つに分かれて対峙している。 一つは背後に森を背負っており、ゆっくり達は皆、枝や石などで武装していた。 もう一方は人間の育てている畑を背後としており、成体ゆっくりから赤ゆっくりも混ざっており、皆不安そうな顔をしている。 だが何よりも際立っているのは、そのどちらにも黒い帽子を被った巨大な饅頭―――つまりドスまりさが居るという事だ。 ドスを長にもつ群れが互いの親交を深めている―――様には見えない。 森側のゆっくり達の携帯した武器と、不安そうな畑ゆっくり達を見ればそれは明らかだ。 「まりさ!ドスの使命をわすれのたのかだぜ!ドスはゆっくりをゆっくりさせるのぜ!」 「ゆぅ……まりさはみんなをゆっくりさせているよ?」 「嘘をつくなだぜ!!それでもドスなのかだぜ!?」 大声で叫ぶ森側ドス(森ドス)と静かに答える畑側ドス(畑ドス)。 森ドスは生粋の野生であり、生まれてから今に至るまで、ずっと森の中で生活してきた。 ありすとまりさの番の7人姉妹の長女として生まれ、数匹の妹達は自然現象や野生動物の手にかかり死んだが、まりさは無事大人へと成長できた。 独り立ちし、自立した生活ができるようになり、そろそろ番を作ろうかと思っていたらドスへと変化していた。 ドスに会った事はなかったが、ドスの役割というのはなんとなく理解していた。 『ドスとして群れを治めゆっくりをゆっくりさせなければならない』 ドスとなったまりさは群れをつくり、有能なぱちゅりーを補佐としてたて、群れの個体数を調整し、冬篭りに備えて食料を備蓄し、外敵からゆっくりを守り、素晴しいゆっくりぷれいすを作り上げた。 だがそんな時、群れに酷い傷を負ったゆっくりが訪れた。 それは人間によって虐待を受けたゆっくりだった。 ドスは人間を見たことなかったが、聞くところによると人間は、ゆっくりをゆっくりさせない、とてもゆっくりできない存在らしい。 ドスの使命はゆっくりをゆっくりさせること―――。 ドスは決めた。 『人間によってゆっくりできないゆっくりを開放する』と。 人間はゆっくりを見るとすぐさま潰そうとしてくるらしい。 ドスは群れのゆっくりを『戦えるゆっくり』にするために、ゆっくりみょんの剣術を皆に教え、人間との戦いに備えた。 同時に偵察ゆっくりを森の外に送り、森の外のどこに人間がいるか調べた。 そして群れの訓練を終えた時、この森の麓に人間に捕まったゆっくりが大量に居るという情報を得、手始めにそこのゆっくりを開放する為、赤・子ゆっくりは一部のゆっくりに任せ、戦闘ゆっくり達と共に森を出てきたのだ。 一方の畑ドスは、なんと町で野良生活をしてたまりさがドスへと変化したものだった。 街での生活は過酷だった。 幼いときに駆除によって片親をなくし、父まりさの手によって育てられた。 あと少しで独り立ちというときに父まりさも駆除によって死んだ。 街ゆっくりはいつ死んでもおかしくないので、機会があればすぐにでも番を作り子を作る。 まりさもその例に漏れなかったが、その番と子供も駆除によって全滅した。 他にも、猫や烏、犬など……様々な恐怖を乗り越えまりさは成長した。 そしてある日ドスになったが、まりさは既に一つの結論に達していた。 まりさは、人間に飼われとてもゆっくりしているゆっくりを知っている。 中にはそれをかさにきて野良ゆっくりをいじめる飼いゆっくりもいた。 自分たちが恐れる動物でさえ人間を避け、同時に人間の元で暮らす動物はゆっくりしているように見えた。 ゆっくりしたお家。 ゆっくりした食べ物。 ゆっくりした暮らし。 その全ては人間が握っている。 『ゆっくりするには人間に気に入られなければならない』 ドスになったからといって人間に勝てるだなんて思わなかった。 長く街ゆっくりをやっていたまりさにとって、人間という存在は絶対的な力の対象となっていたのだ。 同時に同じような思いを持つゆっくりを集め、そのことを優しい人間に相談すると、郊外のこの農場を紹介してくれたのだ。 なのでドスたちがこの畑に居るのは、労働力として働く代わりに人間の保護を受けるというものだったのだ。 ちなみにこの畑の作物は『ゆっくりが作るゆっくりした作物』(完全無農薬天然栽培)という触れ込みのもと売買されている。 お互いにゆっくりを目指してそれなりの結論を出したドス同士だった。 だが、その溝は深かった。 「どうしてドスが人間と一緒に居るんだぜ!!人間はゆっくりしてないんだぜ!ゆっくりを苦しめる存在なんだぜ!!」 「そうだよ!そんなんにんげんといっしょにいるなんてゆっくりしてないどすだよ!!」 「そんなどすといっしょにいるなんて、おお、あわれあわれ!」 「ゆっくりしてないよっ!」 森ドスのゆっくり達も畑ドスとそのゆっくりを非難する。 「それは一部の人間さんだよっ。ここの人間さんはとてもゆっくりさせてくれるよっ!」 「しょうだよっ!おにーしゃんはゆっきゅりしちぇるよっ!」 「とかいはなおにいさんとどすをぶじょくするなんてとんだいなかものねっ!」 「そうだよっ!」 畑ドス側も負けてはいない。 「ゆゆっ?あのゆっくりたちはとてもゆっくりしてるよ?」 「にんげんはぜんぶわるいやつじゃないの?わからないよー?」 「わからないみょん!どういうことなんだみょん?」 だんだんと森ドス側のゆっくり達にざわめきが広がりつつある。 こっちにもドスは居るが、あっちにもドスが居る。 元より森ドスにとってコレは予測していなかった事だった。 森ドスが聞いたのは虐待を受けたゆっくりである。 そのゆっくりが人間のことを悪く言うのは当然であるし、ドスも人間の事をよく知ろうともしなかった。 群れのゆっくりも、人間の事をあまり知らずにここまで事を進めてしまったので、当然といえば当然である。 一方の畑ゆっくり達はいろんな意味で人間を知り尽くしたゆっくりである。 同時に、ゆっくりする為には人間と上手くやっていかなければならないと理解した頭のいいゆっくりでもある。 しっかりと自分自身で判断し、畑ドス側に居るので迷いなどはなかった。 「ゆぐぅ……まりさ!本当にそれでいいのかだぜ!人間に媚売って自分たちだけゆっくりするだけでいいのかだぜ!?」 ゆっくりはゆっくり全てをゆっくりさせる。 森ドスにとってはそれが全てだった。 「全てのゆっくりをゆっくりさせるなんてできないよ。まりさが面倒見切れる範囲内で、人間さんとゆっくりできるゆっくりと一緒にゆっくりしたいよ」 畑ドスの考えに理解を示すゆっくりはほんの一握りだ。 それ以外のゲスや頭の悪いゆっくりがここに入り込めば、たちまち人間との関係は悪化し、畑の群れは崩壊するだろう。 畑ドスはそれだけは防ごうと思っていた。 「ドススパークやゆっくりオーラは何の為にあるのだぜ!?ゆっくりをゆっくりさせる為!ゆっくりをゆっくりできないものから守るためなのぜ!!」 森ドスは帽子の中からキノコを取り出し掲げてみせる。 ドススパークやゆっくりオーラの発生源となるキノコは、大きく立派に育っており、森ドスの帽子の中には未だ幾つかのストックがあった。 「まりさはキノコさんをもってないよ」 「ゆあっ!?」 畑ドスの返答に森ドスは驚愕する。 「人間さんと一緒に暮らすため、キノコさんを生えないようにしてもらったよ。それにキノコさんはもう、人間さんが別の畑で作ってるから特別じゃないよ」 畑ドスがお帽子を取った。 「!!」 「ゆゆっ!?どすのあたまさんが?!」 「はげまんじゅううううううぅぅぅ!?」 畑ドス自ら頭を焼き、キノコを生えないようにしたのだ。 自分が人間に逆らう意思がないこと。 何とかして友好的な関係を作りたいと思っていることを精一杯アピールした結果である。 自分のゆっくりできることを犠牲にした、畑ドスの精一杯の誠意だった。 そのかいあって何とか今の状態を作り出すことができたのだ。 なお、頭頂部は焦げ目だけが残り、金髪の髪の毛は帽子からはみ出た部分しかないのだ。 この畑ドスの姿を見た森ドスは結論を下した。 「そうなのかだぜ……わかったのぜ……」 「ゆぅ。わかってくれたんだね。まりさ達はまりさ達のやり方があるんだよ。森のみんなはこれからも森の中で『まりさはドス失格なのぜ』……ゆ?」 よく見ると森ゆっくり達の様子もさっきとは違ったものになっている。 完全に、畑ドスとゆっくり達を見下したものだ。 「ゆぷぷっ!はげあたまのどすのむれのゆっくりなんてゆっくりできないねっ!」 「ゆっくりできないゆっくりはせいっさいなのぜっ!!」 「しょせんにんげんにこびをうるいなかもののどすとゆっくりね!」 「まりさはドスとしての誇りも使命も忘れたおろかなドスなのぜ……!そんなドスは……真のドスの名の下に制裁するよっ!!」 森まりさがキノコを口に運ぶ。 「ま、まりさっ!!」 「無能なドスが口を開くんじゃないのぜ!!まりさはこれから人間を制裁してゆっくりによるゆっくりの為のゆっくりプレイスを作るのぜ!!」 「そうだよ!れいむがゆっくりスタめのゆっくりぷれいすだよっ!!」 「じゃまをするどすはしぬんだねー。わかるよー!!」 「むのうなどすとゆっくりはしねだみょん!!」 どうやら畑ドス達を完全に敵とみなしたようだ。 「ど、どすぅー!!!」 「わ”、わがらなあああああ!?」 畑ゆっくり達は自分たちに向けられる殺意に完全にすくみあがっている。 「どぼうじでわがっでぐれないのおおおおおぉぉぉ!?まりさ達はまりさ達のやり方でゆっくりするよっ!!こんなところでドススパークを撃ったら人間さんに殺されちゃうよ!!帰ってね!!森に帰ってもうここには来ないでね!!」 「煩いんだぜ!!無能などドスはゆっくりしねっ!!むーしゃ!むーしゃ!行くのぜ!ド―――」 バフンッ 森ドスがドススパークのために大きく口を開けた時、森ゆっくり達が居る場所めがけて何かが飛んで行き、ドスの目の前で破裂した。 「ゆゆっ!?」 それは赤い霧を作り出し、森ゆっくり達を包み込んだ。 「な、なんなのぜこれは!?よく見えないのぜっ……ゆぅっ……ぎいぃ!?」 途端に、全身に走る激痛。 「ゆんぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁ!?!?」 森ドスの悲鳴を皮切りに、それは森ゆっくり達にも伝染していく。 「い”っ、い”ぢゃい”い”い”い”い”い”い”い”い”ぃぃぃぃぃ!!あんござんばい”ぢゃい”よ”お”お”お”お”お”お”お”ぉぉぉぉぉ!!」 「ゆんぎゅぎゃあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」 「び、びえないいいいい!!!おべべがびえないいいいいい!!いだいいいいいいいい!!!」 「がらっ!がらっ!!かはっ!!がはっ!!」 「ゆぶぶぶぶぶっ!!ゆべえええええええ!!」 霧ではなく煙玉。 煙の成分は辛味成分を凝縮した『ゆっくりの群れ駆除用辛味煙幕』。 赤・子ゆっくりならば即死。 成体でも数分で死亡。 ドスであっても数十分で死に至る。 数分後。 森ドスはむーしゃむーしゃしていたキノコを口に含んだまま地面に倒れ付していた。 目は真っ赤ですでにかすれており、舌と涎と涙をだらだらと垂らし、しーしーを大量に漏らしている。 続いてなにやら白い雨のようなものが降ってきた。 それは中和剤で、既に人間が近くまで来ており作業を始めていた。 なおドスは死んでいない為中和剤はかけられない。 「ゆげっ……み”み”んな……」 ドスが目を向けた場所にあったのは大量のゆっくりの死骸だけ。 どのゆっくりも餡子を吐き散らし、涙と涎としーしーにまみれ、苦悶の表情を浮かべて息絶えている。 人間がその死体を袋につめる。 実に淡々とした作業だった。 「あ”……あ”……あ”……」 「まりさ……」 その近くに畑ドスが近づく。 「どうして帰ってくれなかったの?どうして人間さんに関わろうとなんてしたの?森の中でゆっくりしていれば、ずっとゆっくりできたのに……」 畑ドスが悲しそうに言う。 ドスは他の畑ゆっくり達はその場から立ち去らせており、この凄惨な場面を見なくてよいようにしていた。 「ど、どず……ば……ゆっぐいを……ゆっぐり……ざ、ぜ……」 「ゆっくりしてたよ?まりさ達の群れはとてもゆっくりしてたよ?羨ましかったよ……。でも……もう……みんな死んじゃったよ。きっと残った子供達も人間さんに殺されちゃうよ。人間さんは容赦しないよ。みんな……みんな……死んじゃうよ?」 「ど、どぼじ……で……?ばでぃざば……ゆっぐり……を、ゆっぐ……り……」 「……ここは森じゃないんだよまりさ……。まりさとまりさ達は同じゆっくりだけど全然違う場所に生きてるんだよ……。まりさはその境界線を越えちゃったんだよ……。そうしたら、もう、ゆっくりできないんだよ……でも、まりさ……ありがとう。ごめんね……」 「ゆ”っ……ゆ”っ……ゆ”っ……」 森ドスは死んだ。 その時、雨が降ってきた。 人間が作業を中断し戻って行く。 雨が降ればゆっくりの死骸は全て溶けてしまう。 作業の手間が減るのだ。 「ドス。帰るぞ。……残念だったな」 人間の一人がそう言って引き上げて行く。 「……」 ドスは呟く 同じゆっくりだったのに、最後までお互いに交わせなかった言葉を。 「まりさ……ゆっくりしていってね」 帰ってくるはずのない返事を待つかのように、畑ドスはいつまでも雨の降る草原に佇んでいた。 読んでくださりありがとうございました、 前回の投稿でもご指摘がありましたが、最大の悩みが『ゆっくりの言葉』が書けないのです。 なんか、普通の人間が話ってるっぽくなってしまう(以前の『あるドスのゆっくり』でもご指摘がありましたが)。 他の皆様が書かれているようなゆっくりの豊な言葉(主にスカッとする悲鳴や命乞いw) をしっかりと書けるようにしたいです。 ふたば系ゆっくりいじめ 433 ゆっくり親子 とクズ人間 ~Another~ ふたば系ゆっくりいじめ 496 あるドスのゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 530 絶対的虐待意思 ふたば系ゆっくりいじめ 650 絶対的虐待意思 0 ふたば系ゆっくりいじめ 684 ドス以外いらん ふたば系ゆっくりいじめ 733 あるドスの最後 ふたば系ゆっくりいじめ 745 絶対的虐待意思 ~せめてゆっくりらしく~ ふたば系ゆっくりいじめ 815 おかねさんとゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 901 原材料 ふたば系ゆっくりいじめ 935 底辺ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 1314 どぼじでごんな”ごどずるの”おおおぉぉ このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! ◆SS感想掲示板 絶対あき感想スレへ ※書き込む時はSSのタイトルを書いて下さい。 コレをコピーしてから飛びましょう→『ふたば系ゆっくりいじめ 1325 価値観の違い』 トップページに戻る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1246.html
■七月十日 晴れ 10匹の子ゆっくりを引き連れた大所帯の野良ゆっくり家族を発見。 親はれいむとまりさのよくある種だ。 「ゆっくりおさんぽするよ!」 「ゆっゆっゆっ♪ちあわちぇ~」 親子で散歩しているようだ。 ちあわちぇ~、か。 散歩一つでここまで満たされるものなのか。 仕方が無いのでその至福、壊すとしよう。 「ゆ゛ぐっ!な゛に゛ずるの゛ぉぉぉぉおぉぉ!ばなじでえ゛え゛ぇぇぇぇぇ!」 「おがぁぁじゃあ゛ぁぁぁん゛!がえじでぇぇえ゛ぇぇぇぇ」 「ごれじゃゆっぐりでぎないよぉぉぉ!」 「どうじでごんなごどずるの゛お゛お゛お゛お゛!」 親れいむのリボンを掴み上げ、そのまま家に持ち帰る事にした。 離せと泣き喚く親れいむと、同じく泣き喚きながら必死に 俺の後をついてくる親まりさと10匹の子ゆっくり達。 このまま家に連れ込んでしばらく飼ってみよう。 一度ゆっくりを飼ってみたかったんだ。 虐待するのはその後だ。 ■七月十一日 曇り 「おにいさんゆっくりここからだしてね!」 「ゆっくりマイプレイスにかえしてね!」 昨晩は大変だった。夜通し泣き叫び続け、出せ、出せと哀願してくるのだ。 大き目の籠の中に閉じ込めたが泣き声で俺も全然眠れなかった。 しかし一夜明かした今は大分落ち着きを取り戻した様子。 「プレイスも何も、今日からここが君たちのおうちだよ」 「ゆぅ!?なにいってるの?ばかなの?」 「おにいさんいみがわからないよ!ゆっくりせつめいしてね!」 いちいちイラつく饅頭共だ。 だか飼うと決めた以上、簡単にキレちゃいけない。 虐待はいつでもできるのだから。 「ここは冬は暖かいし夏は涼しい、広いし、ご飯もおやつもいっぱいある夢のようなおうちなんだよ」 「ゆ゛っ!!しゅごい!おにいさんはゆっくりできるおにいさんだったんだね!」 「そうさ、だから今日からここが皆のゆっくりプレイスさ」 拉致監禁されていたことも忘れてゆっくり達は狂喜乱舞で跳ね回る。ウゼェ。 今すぐ虐待したい衝動を抑え、精一杯作った笑顔でゆっくり達に笑いかける。 「ゆっくりあんしんしたらなんだかスッキリしたくなってきたよ!」 と親まりさ。 言うやいなやいきなり体をこすりあい息を荒げ出す親2匹。 「はぁっはぁっゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆ゛っ!」 「ゆっくりスッキリしてね!ゆっくりスッキリしてね!」 ちなみにここは俺のベットの上だ。 そんな所でいきなり交・・・餡子の交換を始めやがった。 「こんなにゆっくりできるひろいおうちならいっぱいこどもうめるね!」 「まりさとれいむのあいのけっしょういっぱいつくろうね!」 布団の上に餡子がこぼれている。ウゼェ。 ■七月十二日 雨 「ゆっくちあちゃごはんちゅくってね!」 「さっさとゆっくりつくってね!」 俺は今奴らの昼食を作っている。 今まで雑草や芋虫等しか食してこなかったらしく、人間の料理は今朝の朝食がはじめてだったようだ。 想像を絶する美味さに気絶しかけ、痙攣を起こす子ゆっくりもいたぐらいだ。 それにしても奴らの上から目線の態度。俺はもう今朝からイライラしっぱなしだ。 だが何故だろうな。このイライラが癖になりつつある。 奴らが俺に命令口調で何か言えば言う程、俺の中で何かが積み重なっていくのだ。 その頂にあるものは、おそらく、快感。 「はやくちゅくってねっていってるでちょ!おにいしゃんばかなの?のうなしなの?」 「はぁい♪い~まできたよぉ」 五目チャーハン。俺とゆっくり都合12匹分の大作である。 「むっしゃむっしゃ。うめぇっ。マジうめぇ!」 「パネェッ!クチャクチャ、むぐっ、マジパネェッ!」 瞬く間に床に広がるチャーハン。皿に盛った意味がない。 顔面からチャーハンめがけて文字通り飛びつくゆっくり達。 クチャクチャ耳障りな音を立てながらチャーハンを貪る。 「むっちゃむっちゃ、ちあわちぇ~♪」 「ゆっ!もうなくなっちゃったよ!おかわりほしいよ!」 「おにいさんおかわりないの?ゆっくりおかわりしていってね!」 食費だってタダじゃない。 一日三食こんないっぱい作ってたら食費だけで給料とんじまう。 我侭言わないでこれで我慢してね、と優しく丁寧に俺は説明した。 「どうじでぞんな゛ごどいう゛の゛お゛ぉぉぉ!」 「ゆ゛っぐりでぎないおにいざんはゆっぐりおかわりづぐるの゛ぉぉぉ」 「そうだよ!だからゆっくりおかわりつくってね!」 あはは、仕方ないなぁ君たち。作ってあげよーじゃないか。 「待っててね、今すぐ作るから」 「はじめからゆっくりつくってればいいんだよ!」 「むのうなおにいさんだけどこれでれいむたちゆっくりできるね!」 「おかあしゃんのしょうりだぁ~!ゆっくちちていってね!」 晩飯の時も似たような事の繰り返しだった。 ■七月十三日 雨 今日も雨か。 人間の家は巣としては広大だが、ゆっくり達は外の世界を知っている。 散歩もできないんじゃ奴らもストレスたまるだろうな。 「おかぁしゃぁぁん、おしゃんぽちたいぃー!」 「おしゃんぽおしゃんぽ!ゆっくちおしゃんぽー!」 案の定散歩をねだりはじめている。 しかし基本饅頭である奴らは濡れるわけにはいくまい。外は豪雨だ。 子ゆっくり達は一昨日の情事で5匹増え、今や17匹が家の中を所狭しと跳ねまくっている。 本は破れ、CDは割れ、鏡も割れ、洋服はずたずた。 俺はこいつらを飼って何がしたかったんだろう・・・後悔しはじめていた。 「おにいざんのおうぢじゃゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃ!」 「おにいざんな゛んでれいむとまりさをどじごめ゛る゛の゛ぉぉぉ!」 お?気がつくと散歩できない鬱憤が俺に向けられていたらしい。 「この雨じゃね、皆濡れるの嫌だろう?うちで我慢してね」 「ばがぁぁぁぁ!ゆっぐり゛でぎない゛おに゛いざんはぢね゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」 「ゆっくりちね!ゆっくりちね!」 にこにこ。俺は黙って笑顔でいつづけた。 今ここでムザムザ死なすわけにはいかない。 「我慢してね」 ■七月十四日 晴れ 「ゆっくちはれたよ!」 「おひしゃまぽかぽかだよ!これでゆっくちできるね!」 昨日は大変だった。 連れてきた初日の様に、一日中体力の続く限り泣き喚き、家のものに八つ当たりをし、 出した食事以外にも本や絨毯を無茶喰いし、体力が尽きると寝て、 起きては同じ事の繰り返しだった。 「おかぁしゃん、おしゃんぽちよ!」 「そのまえにゆっくりあさごはんをたべるよ!」 「あしゃごはん!おにいしゃんゆっくちあしゃごはんをつくってね!」 壁紙は剥がれ落ち、テレビも映らなくなり、カーテンも八つ裂きにされ、 机は折られ、ガラスも割れている。ていうか割れた窓から雨がふきさして冷たかった。 「おにいさんはとっととあさごはんを作ってね!これでゆっくりできるね!」 「おにいさんきいてるの?ゆっくりごはんつくってね!」 柱もかじられ所々削ぎ落とされている。 暑さをしのぐクーラーも壊れた。パソコンも壊れた。 「なんだかけさからあついよ!ゆっくりすずしくしてね!」 「あしゃごはんゆっくちつくってね!」 「きいてるの?ねぇ?おにいさんばかなの?」 俺の家は、もう、 「ねぇ?むのうなの?おにいさんあほなの?」 「おしゃんぽ~!あちゃごはーん!ゆっゆっ~♪」 「とっととつくるといいよ!ゆっくりしていってね!」 「ねぇばかなの?ていのうなの?おにいさんきいてるの?」 「キィヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」 「「「!!!???」」」 俺の奇声にゆっくり達は一様に口を縦に広げ、歯を剥き出し、目を丸くし、驚いている。 「「「・・・・・・」」」 俺の豹変に驚きのあまり思考が停止してしまったらしい。驚いたまま固まっている。 「ふぅははは、フリーズしちゃったかなぁ?君たちはメモリが足りないよねぇひひひ」 ぴくりとも動かない16匹のゆっくり達を逃げられないように籠へと移し、閉じ込める。 一匹の親れいむを残して。 3分くらいしてようやく1匹、2匹と我を取り戻していく。全員が気付くのに5分かかった。 「・・・!おかぁしゃん!おかぁしゃんをかえして!」 「れいむをはなしてぇぇぇぇ!」 「ゆ・・・ゆっくりはな、は、はなしてね!」 親れいむの髪を鷲掴みし、持ち上げ、渾身の右ストレートを顔面に放つ。 ぶぎっ 口からよだれを撒き散らしながら空中を舞う親れいむ。そのまま壁に叩きつけられた。 「い゛い゛い゛だぁい゛い゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃぃ!」 「お゛があ゛じゃあ゛ぁぁぁぁん!!なにじゅるの゛ぉおおおお!!」 「ゆ゛っぐり゛やめであげでね゛ぇぇぇ!!」 ふは、ふははは。これだ。これだ、このために五日間我慢したんだ! 会心の快楽が胸に広がっていく!脳汁があふれ出てくるのが解る! 「おまえらゆっくりは~、帽子やリボンがないと同族に虐められるんだ・・・てぇっ!?」 言い終わると同時にぶちっと親れいむのリボンを剥ぎ取るとがえじで、がえじでと跳ね上がる。 痛みで動けない親れいむの目の前で、リボンをライターで燃やしきると 「ゆ゛っっっっ!!!???ごれじゃぁぁも゛う゛ゆっぐり゛でぎな゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 一直線に俺めがけて跳ねてくる親れいむ。ぼよん、ぼよんと足に当たってるが全く痛くない。 「ゆ゛っぐりぢんでね゛!ゆっぐりぢね゛ぇ!」 「さしゅがおかぁしゃんだね!これでおにいしゃんもゆっくりちぬね!」 「れいむのしょうりはもくぜんだね!ゆっくりしんでね!」 ガゴッ!!!! 跳ねてくる親れいむをおもっくそ蹴り上げると鈍い音がした。痛い。 歯が足に突き刺さったようだ。親れいむはというと、天井に激しく叩き付けられ、 床に落下してくるまでの間にボロボロと歯を空中に撒き散らしていった。 どうやら全部の歯が抜け落ちたようだ。ざまぁみろ。 「む゛む゛む゛!へいむはなひもわるひほとひてないのひー!!」 ほう、この親れいむは中々タフだな。これだけのダメージで餡子を撒き散らさないとは。 だが全部の歯が抜け落ちた親れいむ、ふがふが何言ってるかまるで解らない。 「人間語喋れやこの糞饅頭があああああああああああああ!!!」 ガッガッガッガッガッガッガッガッガツ!ベキャッゴッ! 何度も何度も力いっぱい踏みつけ、蹴り上げて空中に舞った所を右アッパーで天井に叩きつける。 ぼちゃっと落ちてきたそれはまるで餅のようにぼよんぼよんになって、顔面中青あざだらけになっていた。 「弾力性のあるゆっくりだな。だが・・・それでこそリンチのし甲斐があるってもんだぜえええ!!!!」 何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も床に叩きつけては蹴り上げて、 泣き叫んでいた親れいむも徐々に口数が減り、最後の方は”ゆっくりしていってね”としか呟けなくなっていた。 (もっともその言葉も歯が抜け落ちて聞き取り困難であったが) 「ゆ゛っ・・・(ビクンッ)・・・ゆ゛っひひっ(ビクンッ)っひへひっへべ・・・(ビクンッ)」 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ふふ、もう意識が混濁してきたか、はぁ、はぁ、お楽しみは、はぁ、これからだぜ」 「ゆ゛っやっやめっや゛べであげでえ゛ぇぇ!」 「おがあ゛じゃんじんじゃう゛う゛う゛う゛う゛!」 「そうか、じゃあやめてあげよう、その代り・・・」 籠の中にぐちゃぐちゃになった原型を留めていない親れいむを放り投げると赤ちゃんゆっくりを1匹持ち上げる。 「代わりにこっちのゆっくりをいたぶろうかな~♪」 「ゆ゛っ!や゛べであ゛げでえ゛ぇ!」 「じゃおまえ」 「ゆ゛ぐっ!!??」 やめてと哀願した親まりさを指差し持ち上げる。 「ゆ゛っぐり゛ばなぢでね゛!?おに゛い゛ざんやめでね゛!」 「じゃあ自分の子の中から代わりを選べ。そしたら君には何もしないであげるよ」 「!・・・ゆぅぅ・・・じゃああのこをかわりにしてね!」 「ゆぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」 代わりに選ばれた子ゆっくりが絶叫する。 籠の中は涙と涎と尿と便でべちょべちょだ。そこから解放される子ゆっくり。 「これでまりさはゆっくりできるね!ゆっくりしていってね!」 安堵したのか、いつもの平穏な表情になる親まりさ。 状況は何も変わっていないのにもう危機から脱出できたと思っているのだ。 だが何も解ってない。俺はこの子ゆっくりをリンチした後、同じように代わりの誰かを選ばせ、 最後の一匹になるまで同じ事を繰り返す。親まりさもいずれは誰かに選ばれるのだ。 奴らはなまじ知性があるから、中途半端な知性を持つから、人間に感情移入されてしまう。 知性の低さゆえ短絡的かつ利己的で、無責任に自分の欲求だけ満たそうとする。 俺はそんなゆっくりが・・・大っ嫌いなのさ。 遥か頂まで登りつめた何かは、音を立てて崩れ去っていた。 ■十二月二十八日 雪 あれから毎日毎日、来る日も来る日も奴らをリンチした。 誰一匹も殺す事無く、全員に均等に生き地獄を味あわせ続けた。 トレードマークの帽子やリボンも全て剥ぎ取り、原型を留めていないそれは、 もはやゆっくりとは言えない別の何かであった。 「ほら、今日は皆を解放してあげるよ。野におかえり」 元いた森にゆっくり達を還す。数え切れない絶望を味わい続けてきたゆっくり達。 あれで奴らはなかなか頑丈で、最後まで1匹も気がふれたゆっくりはいなかった。 最後まで自我を保ったまま耐え続けた。故に想像を絶する拷問になりえたのだ。 「今は冬眠シーズンだね。ほら、いっぱい餌あげておくからね」 とぼとぼと野に還るゆっくり達。 しかしもはやゆっくりではないその”何か”はこれからどう野良の世界に対応していくのか。 否、対応できない。 同族からは同族としてすら認めてもらえずに虐待されるであろう。 餌をとっても歯が抜け落ちた口ではまともに食す事もできないであろう。 これから一体どんな野良人生が奴らを待ち受けているのだろう。 そう思うとわくわくが止まらない。 俺のゆっくり虐待観察日記は今、これからはじまるのだから! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2304.html
(まりさの優しさ) せっかく昼休みにゆっくりをして幸せな気分になったのに、午後の出来事はそんな気持ちを吹き飛ばしてしまった。 あの後まりさは、Aがまりさの見ている前で窓の外に投げ捨てた鉛筆を探し、校庭を二時間も歩き回った。 やっと見つけた時にはすでに日も暮れ始め、体には生垣で引っかけてできた傷跡が。 ぴょこ、ぴょこ、と足取りも重く家路に就く。一跳ね毎に進む距離が登校時とは明らかに違う。 今朝は初めて通う学校が楽しみで楽しみで、人間ならスキップしている様な感覚で元気に跳ねていたのに。 今は俯きながらぴょんと一歩踏み出す毎にため息を吐く。 たった数百メートルの距離を歩くのに、こんなに時間がかかったのは初めてだ。 家に着いた時には既に日はすっかり暮れていた。社長の家から家政婦のおばさんが出てきた。 「あら、まりさちゃんお帰り。どうしたの、随分遅かったじゃない。」 「ゆ。おばさん、ただいま。」 「あんまり帰ってくるのが遅いからねえ、探しに行こうとしてたとこだったんだよ。」 「ありがとう。しんぱいかけてごめんね。」 「友達と遊ぶのが楽しいのはわかるけど、あんまり遅くなっちゃ駄目だよ。お母さん達が心配するからね。 あら、あんた怪我してるじゃないの。こっちおいで、手当してあげるから。」 おばさんに連れられて台所へ。おばさんはまりさの傷をタオルで拭ってきれいにし、水で溶いた小麦粉を付け 傷を覆ってくれる。水仕事で荒れたおばさんの手から優しさが伝わってくる。 おばさんの手の温もりがまりさの体の傷を癒す。傷はみるみるうちに塞がっていく。 しかしまりさの心の傷は容易には消えなかった。 おばさんが用意してくれた晩ごはんを食べ終え、庭の犬小屋で今夜も帰りの遅い両親を待つ。 まりさが一日の中で一番嫌いな時間。真っ暗なおうちの中で、心細い思いをしながら両親の帰りを待ち続ける。 普段なら歌を歌って気を紛らわしたり、その日あった楽しかった事を思い出して過ごすのだが 生憎と今日はそんな気分にはなれなかった。 しばらくして、家の前に一台の車が止まる。聞こえてきた声。大好きなお母さん達の声。 「今日も一日ご苦労さん。遅くまで仕事させて悪かったなあ。」 「ゆ!おつかれさまでした!」 「おにいさんこそ、おつかれさま!おうちまでおくってくれて、ありがとうね!」 「いいっていいって、気にすんな。どうせ帰り道の途中だしな。 明日の朝も今日と同じ時間に迎えに来るから。明日も頼むぜ。」 「わかったよ!ゆっくりきをつけてかえってね!」 「おやすみなさい、おにいさん!」 「おう。」 両親がおうちの中に入ってきた。一生懸命働いて溜まった一日の疲れも、可愛いまりさの顔を見ればすぐに吹き飛ぶ。 だからまりさは精一杯の笑顔で両親を迎える。たとえそれがカラ元気でも。 「まりさおかあさん、れいむおかあさん、おかえりなさい!」 「ただいま!ゆっくりかえったよ!」 「おそくなってごめんね。ゆっくりしすぎたね。さみしかったでしょ。」 「ううん。へいきだよ!」 両親が遅い晩ごはんを食べ終わると、三匹はお互いにぺーろぺーろと舐めあって一日の体の汚れを落とす。 それが終わったら後は寝る時間。本当は両親に遊んでもらいたいのだが、まりさは我慢する。 お母さん達は疲れているし、明日の朝も早いのだ。 親子三匹一塊りになってタオルに包まる。右の頬と左の頬に感じる両親の温もり。 両親はいつもの様にまりさに今日あった事を聞く。 「がっこうはどうだった?たのしかった?おともだちはできた?」 「おかあさんたちはしんぱいだったよ。まりさがみんなとうまくやっていけるのかなって。」 「たのしかったよ!おともだちもたーーーっくさんできたの!」 嘘。まりさがうまれて初めて吐いた嘘。両親を心配させまいとする健気なまりさの優しさ。 両親の安堵と喜びが頬を通して伝わってくる様だ。痛い。とても痛い。 「あしたもはやいからもうねようね。」 「ゆっくりおやすみなさい。あしたもゆっくりとしたいちにちでありますように。」 「おやすみなさい・・・」 (出口の無い悪夢の様な日々) 朝の眩しい日差しがまりさを現実の世界へ引き戻す。楽しかった夢の時間の終わり。憂鬱な月曜の朝。 本当ならばゆっくり達のゆっくりとした一日を祝福してくれる太陽の恵みの筈なのに、 今のまりさには現実世界の象徴である無慈悲な太陽の光が恨めしかった。 永遠に朝が来なければいいのに・・・永遠に夢から覚めなければいいのに・・・ まりさが学校に通いだして一週間が経っていた。状況は相変わらず。 まりさに対するイジメは終わらない。理由無き理不尽な仕打ちにまりさはひたすら耐え続けていた。 火曜日。まりさは皆に笑い物にされた。 なぜか自分の後ろからクスクスと笑う声が聞こえる。 なんだろう。振り返って見ると笑っていた人達は一斉にそっぽを向く。 誰もまりさと目をあわせようとはしない。 また歩き始めると、再び笑い声が。自分が笑われているのは何となく判った。 でも何で笑われているんだろう。廊下に掛けられた全身鏡で自分の姿を見てみるがどこもおかしな所は無い。 一人の男子生徒がまりさの背後に近付く。そして手に持った鏡をまりさの後頭部に近づけた。 その鏡に映ったまりさの後姿。いつの間にか紙が貼られていた。何か文字が書いてある。 まりさも平仮名なら一応読む事ができる。そこに書かれていたのは三文字の卑猥な言葉。 「ゆーっ!ゆーーっ!ゆーーーーーーーーーっ!!!!!!」 まりさは真っ赤になって貼り紙を取ろうとする。しかし手を持たぬゆっくりである。 後ろに貼られた貼り紙を取る術など無い。それでも懸命に舌を伸ばして紙を取ろうとする。 まるで自分のしっぽを追いかける犬の様に、その場でくるくる回り続けるまりさ。 「とってね!だれかうしろのかみをとってね!!!」 それを聞いて助けてくれる者など誰もいない。皆、まりさの困っている姿を見てニヤニヤ笑っている。 紙は取れない。走ってみても、跳ねてみても、壁に後頭部をごしごし擦りつけてみても取れなかった。 やがてチャイムが鳴り皆教室に戻る。まりさも仕方なくそのまま自分の机へ。 恥ずかしい姿のまま机の上に乗ったまりさ。顔を真っ赤にして俯く。 そんなまりさに手を伸ばす隣の席のA。まりさの後頭部に貼られた紙をはがす。 え、まりさをたすけてくれたの?どうして? Aが紙を自分の机に仕舞うのを見て、彼が紙をはがしてくれた事を知る。 A君がまりさを助けてくれるなんて信じられない、といった表情のまりさ。 勿論助けた訳ではない。何のことはない。教師に見付からぬ様、授業が始まる前に紙を隠しただけだった。 そして授業が終わり教師が退室すると、まりさの後頭部には二枚の紙が貼られた。 水曜日。まりさは粉まみれにされた。 この日まりさは日直をやる事になった。 もう一人の日直は隣の席、まりさをイジメる者達の主犯格A。 先生に「二人で協力して日直の仕事をして下さいね」と言われたまりさとA。 授業が終わると黒板をきれいにするのが日直の仕事の一つ。 手の無いまりさにはできない事。きっとAが一人でやるんだろうと思っていたまりさ。 「咥えろ。」 「え、なんで・・・」 「聞こえねえのか?あ゛?」 「ゆ・・・ぅ」 Aが目の前に黒板消しを差出し、まりさに咥える様命令する。 まりさが黒板消しを咥えると、Aはそのまままりさを持ち上げ黒板を拭き始めた。 「ゆ!いだい!はなして!」 「喋るんじゃねえよ。お前は黙って黒板消しを咥えてればいいんだよ。」 わざと爪を立ててまりさを持ち上げたA。尖った爪がまりさの柔らかい肌に食い込む。 更に過剰な力を掛けて黒板を拭く。黒板に押し付けられたまりさの顔が歪む。 黒板をきれいに拭き終ると、Aは黒板消しを咥えたままのまりさを窓の縁に仰向けに置く。 そしてどこからか持ってきた棒で黒板消しを叩き始めた。 黒板消しから出てきたチョークの粉がまりさに降りかかる。 目が痛い。息が苦しい。まりさは逃げようともがくが、Aの左手がしっかり押さえてそれを許さない。 「けほっ!けほっ!けほっ!」 「動くんじゃねえよ。あんまり暴れると下に突き落とすぞ。三階から落ちて生きていられるとでも思ってんのか?」 やっとAの拘束から放たれた時、まりさは上から下までチョークの粉まみれで真っ白になっていた。 まりさのトレードマーク、命の次に大事な黒い「すてきなおぼうし」も真っ白に。 まりさは泣きながら帽子のつばを咥え、壁に叩きつけて粉を落とす。 体に付いた方は、チョークの粉まみれのまりさに気付いた先生に取ってもらった。 どうしてこんな事になってしまったの、と聞かれても正直に答える訳にはいかない。 Aがこちらを見ている。仕方が無いから嘘を吐く。 「まりさね、ひとりでやろうとしたの。そしたらしっぱいしちゃった。」 「まあ、そうだったんですか。まりささんは頑張り屋さんですね。 でも時には人に頼る事も大事ですよ。人間誰でも完璧なわけではありません。当然できない事もあります。 だから人は一人でなく家族や仲間達と一緒に生活をするんです。」 「人には一人ではどうにもできない欠けたところがあるから、だから皆で助け合い補い合うんです。 お互い支えあうからこそ生きていけるんですよ。まりささんもきっと誰かの支えになれる筈。 だから困った時は人に頼ってもいいんですよ。困った事があったらクラスの皆に何でも相談してくださいね。」 まりさは先生の言葉に何と応えてよいかわからず、ただただ俯くしかなかった。 木曜日。まりさは倒れるまで走らされた。 昼休み、いつもの様にゆっくりぷれいすでゆっくりしようとしたまりさ。 廊下をぴょこぴょこ歩いていると、不意に後ろから伸びてきた腕に掴まれる。 「ゆ!なにするの!はなしてね!」 まりさを持ち上げた生徒は何も言わずに歩き出す。ゆっくりの力ではいくら暴れても逃げられない。 連れてこられたのは体育館。待っていたのはまりさのクラスの男子生徒達。当然Aもその中心にいる。 まりさは帽子を取り上げられ、体育館の床に放り投げられた。 「かえして!まりさのすてきなおぼうしをかえしてね!」 帽子を盗った生徒に詰め寄るまりさ。するとその生徒は数メートル離れた仲間に帽子をパスする。 慌てて帽子を追いかけるまりさ。ぴょんぴょんぴょんぴょん走って行く。 やっと帽子の元まで辿り着き、「すてきなおぼうしかえしてね!」と言おうとした瞬間、帽子はまた次の人へ。 フリスビーの様に帽子を投げ合って遊ぶ生徒たち。まりさはその間を必死に駆け回る。 「やめてね!まりさのすてきなおぼうしであそばないで!」 「かえしてね!まりさのおぼうしかえしてね!」 「おねがい!おぼうしかえして!それがないとゆっくりできないの!」 まりさは必死に頼み続けるが当然聞き入れられない。生徒たちはニヤニヤ笑いながら帽子を投げ合うだけ。 結局まりさは疲れきって動けなくなるまで走り続け、やっと帽子を返してもらった時には既に昼休みは終わっていた。 金曜日。まりさは唯一の楽しみを奪われた。 その日は朝から具合が悪かった。原因は校門の前にできていた水溜り。 ゆっくりは水に弱い。雨が降っていたなら学校を休むのだが、天気は快晴。まりさは普通に登校した。 何の問題も無く学校まで来たが、校門の前でまりさは立ち尽くす。 校門の前に大きな水たまりができていた。どうして・・・あめなんてふってないのに・・・ 原因は明白。まりさをイジメている生徒達がやったのだ。 今から裏門まで回ったのでは遅刻してしまう。ここを通るより他に方法は無い。まりさは意を決めて水に足を入れる。 「ゆっ!」 まりさの肌が水たまりの泥水を吸い上げる。早くしないと、ぐずぐずしてたら皮がふやけて破れてしまう。 まりさは急いで、しかし着地の衝撃で皮が破けぬ様慎重に水たまりを渡る。 なんとか無事に渡りきったが随分水を吸ってしまった。 体が重い。体の中に異物が入り込んでいる様な感覚。気持ち悪い・・・ たぷんたぷんと揺れる体を何とか引きずって教室まで辿り着く。 具合が悪い。頭がぼうっとする。人間で言ったら高熱を出している様な状態。 まりさは体の餡子を吐き出してしまいそうになるのを何とか堪える。 そして昼休み。まりさは急いで校庭のゆっくりぷれいすへ向かう。 体の外側は乾いたが、体の芯にはまだ水分がたっぷり残っている。 これを除くにはゆっくりぷれいすで太陽の光をたっぷり浴びてゆっくりするしか無い。 「ゆゆーーーっ!どうしてえええええええ!!!」 ゆっくりぷれいすの前でまりさは立ち尽くした。ゆっくりぷれいすが荒らされている。 散乱するゴミ。空き缶、紙屑、残飯、お菓子のカラ。これではゆっくりできない。 まりさのゆっくりぷれいす。大事な大事なゆっくりぷれいす。校内で唯一心安らげる場所。今では見る影もない。 まりさは泣きながらゴミを片付ける。残飯の放つ悪臭に耐えながら、ゴミを一つ一つ口で拾って遠くへ捨てる。 ようやく自分ひとりがなんとかくつろげるスペースを確保した頃には、すでに昼休みは半分終わっていた。 まだまだ周りにゴミはあるが仕方ない。まったくゆっくりできないよりはマシだろう。 まりさが目を閉じゆっくりとし始めたその時。 ドッ ゆ?なんだろう。なにかうえからおちてきたよ? ゆっくりと目を開けるとそこにあったのは・・・丸々と太ったネズミの死体。 「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」 更に頭の上に何かが降ってくる。まりさの帽子にあたって地面に落ちた黒い物の正体はゴキブリ。 まりさは真っ青になって逃げ出す。まりさの聖域、ゆっくりぷれいす。まりさは唯一の居場所も奪われた。 まりさはとぼとぼ歩きだす。この学校にゆっくりできる場所なんて他に無い。 まりさの行き先は一つしかない。教室。まりさをイジメる生徒達のいる教室・・・ 土曜日。まりさは机を舐めさせられた。 平日と違い土曜日は半日授業。午前中さえ耐えきれば、地獄の様な一週間の終わり。 まりさは祈る様な気持で教室に入るが、当然平穏無事に過ごせる訳がない。 自分の机に上ったまりさの目に飛び込んできたのは、机一面にチョークで書かれた落書き。 机に書かれた罵詈雑言。御丁寧にもまりさに理解できる様すべて平仮名で書いてある。 まりさは静かに泣きながら机の落書きを消していく。 人間なら雑巾を使って消すのだろうが、手を持たないゆっくりにそれはできない。 舌でチョークの粉を舐めとって、少しずつきれいにしていく。 いくら雑食のゆっくりとはいえ、チョークなんか食べられる筈もない。 しかしこれしか方法が無い。気持ち悪いのを我慢して黙々とチョークの粉を舐めていく。 「ゆぎゃあああああああああああ!!!!!」 半分ほど終わった頃だろうか。まりさが突然奇声をあげて飛び上がる。 だれかがまりさの机に練りからしを塗っていたのだった。 ゆっくりにとって辛い物は毒。早く舌を水で洗わないと死んでしまう。 急いで水飲み場に向かうまりさ。しかしこんな時に限って誰も水道を使っていない。 当然まりさの力では水道の蛇口を捻ることができない。ひりひりする舌を伸ばして回そうとしてみてもビクともしない。 まりさは必死に走り回って水のある場所をさがす。 プール。駄目。今は水が抜かれている。校庭の池。駄目。周りに柵があって近寄れない。 「どうした?水が欲しいのか?」 頭上からの声。一番聞きたくない奴の声。まりさをイジメるAの声。 「黙ってちゃわかんねえぜ。まあいい。こんな事で死なれてもつまんねえしな。」 そう言うとAは近くに置いてあった花瓶を傾け、中の水を廊下に垂らす。 まりさはその水に飛びつく。何でAがこんな事をするのか解らないが、今はそんな事を考えている余裕は無い。 まりさが廊下に溜まった水をぺーろぺーろと舐めていると、自分のすぐ真後ろで大きな音がした。 ガッシャーーーン! 「ゆゆっ!」 花瓶の割れる音。辺りに響き渡る。飛び散った破片。音を聞き駆け付けた教師。 「こらあ!何やってるんだお前!!!」 大声で怒鳴られるまりさ。当然Aは消えている。まりさは犯人にされてしまった。 割れた花瓶を片付けさせられた後、怖い生徒指導の教師にみっちりと説教された。 日曜日。まりさはひとりぼっちだった。 長い一週間が終わり、やっと訪れた休みの日。学校に行かなくてもいい日。おうちでゆっくりしていていい日。 本当なら両親に遊んで欲しかった。舌で優しく舐めて慰めて欲しかった。 でも両親はいない。隣県に出張中。ダム建設予定地に住むゆっくりへの住民説明会の為、来週の週末まで帰ってこない。 ゆっくりは孤独が苦手な生き物である。だから子供をたくさんうむ。 しかしまりさに姉妹はいない。雇用主にあてがわれたおうちは親子三匹が住むのがやっとの広さ。 だから両親はまりさの妹達をうむのを泣く泣く諦めた。 それでも今までまりさの両親が共働きをできたのは、近所の小さい子供達がまりさと一緒に遊んでくれたからだった。 すぐ近くにある公園に行けば、まりさを仲間に入れて仲良く遊んでくれる人間の子供達がいる。 しかし今のまりさには近くの公園に遊びに行く事すらできなかった。 朝目が覚めて公園に遊びに行こうとしたまりさ。その目に飛び込んできたのは遠くを歩くまりさのクラスメイト達の姿。 すぐにおうちに逃げ戻ったので気付かれる事はなかったが、まりさはおうちから一歩も出られなくなってしまった。 日曜日。みんな休みの日。当然クラスメイト達も。家の外を歩いているかもしれない。 怖い。もし見つかったら。イジメられる。外に出られない。 おにわで遊ぼうか。駄目。誰が見ているかわからない。誰かに見られている気がする。 怖い。怖い。怖い。ゆっくりできない。ゆっくりできない。ゆっくりできない。 おかあさんたすけて!おかあさんたすけて!おかあさんたすけて! でも両親はいない。 夜。ゆっくりは闇を恐れる。暗闇がまりさの孤独を更に煽る。 一日中遊び回ってくたくたになるまで疲れていたならぐっすり寝られるのに。 怖くて家から一歩も出られなかったまりさ。目が冴えてしまって寝られない。 こんな時、いつもなら両親が子守唄を歌ってくれる。おかあさんの歌う優しい子守唄。 とてもゆっくりできる子守唄。おかあさんが隣にいてくれたら安心してゆっくり眠れる。 でも両親はいない。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 まりさはか細く鳴く。両親を呼ぶ鳴き声。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 ゆっくりの赤ちゃんの鳴き声。これを聞けば親はすぐに駆けつける。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 まりさは鳴く。両親を求めて鳴く。届く筈もないのに鳴く。聞える筈もないのに鳴く。 「ゅ~~~。ゅ~~~。ゅ~~~。」 「うるせええええええええええええええええええ!!!!!」 「!!!!!」 突然響いた表を歩く酔っぱらいの怒声。別にまりさの鳴き声を聞いて怒鳴った訳ではない。 何か気に入らない事があって発せられた言葉なのだろうが、それはまりさに向けられたものではない。 しかしまりさは自分が怒鳴られている様に感じた。 酔っぱらいはさらに何やら大声で独り言を発している。呂律が回っていない。意味不明な言葉。 しかしまりさには自分をイジメる相談をしている様に聞こえた。 怖い・・・怖い・・・。まりさは頭からタオルを被り、ぷるぷる震えながら長い夜を過ごす。 いつのまにかまりさは眠っていた。まりさは夢を見る。 楽しい夢。幸せだった頃の夢。たった一週間前の事。今では遠い昔の事のよう。 両親は久しぶりの休みを貰い、家族三匹水入らずの休日。 近所の花畑にお花見に行く。きれいに咲き誇る花々の間を三匹並んでゆっくりおさんぽ。 お昼ごはん。母まりさが帽子の中から取り出したのは、まりさが大好きなクッキー。 口一杯に頬張って「むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」と笑う。 お昼を食べ終えたらおひるねの時間。暖かな風がまりさの肌をやさしく撫でる。 太陽の恵みをたっぷり浴び、幸せそうに眠るまりさを見て微笑む両親。 歌を歌い、追いかけっこをし、かくれんぼをし、ゆっくりする。 楽しかった思い出。楽しい夢。しかし、所詮は夢。いつか必ず覚めてしまう。 朝の眩しい日差しがまりさを容赦なく照らす。まりさは現実に引き戻された。 今日は月曜日。新たな一週間の始まり。終わりの無い、地獄の様な一週間。 永遠に朝が来なければいいのに・・・永遠に夢から覚めなければいいのに・・・ 家政婦のおばさんが用意してくれた朝ごはんがおうちの前に置いてある。 食べたくない。食欲が無い。まりさはそのままとぼとぼと学校へ向かう。 しばらくして普段と様子が違う事に気が付く。歩いている人が少ない。登校中の生徒がいない。 学校に着いてやっと状況を理解した。授業がすでに始まっている。まりさは遅刻してしまったのだ。 朝はいつも両親に起こしてもらっていたまりさ。盛大に寝坊していたのだった。 校門は閉まっていた。他の生徒達なら自分で開けて中に入れるのだろうが、まりさにはどうする事もできない。 学校には入れない。それに、どうせ学校に入ってもイジメられるだけだ。 まりさは開き直って学校をサボる事にした。 しかし、学校をサボってしまった後ろめたさからか、そのままおうちに帰る気にもなれない。 まりさは当てもなく町をぴょこぴょこ歩いて行く。 まりさをイジメる人達は今、皆学校の中にいる。夕方まで出てこない。まりさは今自由だ。 久しぶりにゆっくりできる・・・筈だった。イジメる人はいない。ゆっくりできるはずなのに・・・ なぜか落ち着かない。なぜかゆっくりできない。人の視線が気になる。 道行く人達。誰もまりさの事など気にも留めない。なのになぜか彼らに見られている様な気がする。 知らない人達。誰もまりさをイジメるはずなどない。なのになぜか彼らの一挙手一投足にビクビクする。 怖い・・・人間が怖い・・・ まりさは人のいない方へ人のいない方へと歩いて行き、気が付くと町の外れの原っぱにポツンと立っていた。 ここなら誰もいない。怖い人間はいない。ここならゆっくりできる・・・ 「ゆっくり・・・」 まりさはゆっくりしようとした。いつもの様に。そうすれば嫌な事はすべて忘れられる。忘れられる筈なのに・・・ なぜかゆっくりできない。 この一週間まりさが受け続けたイジメ。まりさの小さな心には余りに大きすぎた負荷。 蓄積された心の傷が既に一線を越えてしまっていたのだ。ゆっくりにとって一番大事なところを壊された。 まりさはもう二度とゆっくりできない。 まりさは目から涙を流しながら「アハハハハハハ」とゆっくりらしからぬ乾いた笑い声をあげる。 まりさは泣いた。ひたすら泣いた。 涙が枯れもう何も出なくなると、最後にぽつりと呟いた。 「どうしてまりさがこんなめにあうの。」 「どうしてゆっくりできないの。」 「まりさはなんにもわるいことしてないのに。」 「おかあさん、まりさはゆっくりだよね。ゆっくりするのがゆっくりだよね。」 「まりさ、ゆっくりできなくなっちゃった・・・」 「ゆっくりできないゆっくりなんて・・・ゆっくりできないゆっくりなんて・・・」 「おかあさん、ありがとう。ごめんなさい・・・」 まりさは歩き出した。行く当ても無く。そして二度と戻って来る事は無かった。 この町では特別珍しい事でもないゆっくりの失踪。今日もまた一匹のゆっくりが消えた。 今までに消えていったゆっくり達と同じ言葉を残して・・・ 「もっとゆっくりしたかった・・・」 end 作者名 ツェ 今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」 「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」 「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」 「狂気」 「ヤブ」 「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」 「泣きゆっくり」 「ふゅーじょんしましょっ♪」 「ゆっくり理髪店」 「ずっと・・・(前)」 「ずっと・・・(後)」 「シャッターチャンス」 「座敷ゆっくり」 「○ぶ」 「夢」 「悪食の姫」
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2092.html
デスクトップガジェット 11KB 虐待-いじめ 制裁 小ネタ 理不尽 自滅 家族崩壊 姉妹物 赤子・子供 現代 虐待人間 独自設定 題材被ってたりするかもしれません ・5回目 ・普通種 ・XPユーザーなので、機能とかは割りと適当です。 ・ぬるく虐めてます。 ・でも、SSじゃない。 ・ヨロシクオネガイシマス やあ、俺は虐待お兄さん。 まあ、虐待が好きといっても空想上での話なんだけど。 インターネットのとあるサイトには俺と同じような趣味を持つ人達が、各々の空想を絵や文章に変えて発信するようなところがある。 拙いながらも俺も先日、SSを書いてみた。 反響はまずまずといったところで、アドバイスや面白かったという感想もあって俄然やる気が出て来て。土曜日をフルに使って短編を六本、書きあげて。パソコンを切って寝た。 そんで現在、日曜日。 朝飯のソーセージパンを食いながら、書いたSSをネットに上げようとパソコンを点けた。 いつも通り、OSのロゴが出て来てしばらく読み込み、デスクトップが映し出された。 そのデスクトップを見た瞬間、手にあるソーセージパンが零れ落ちる。 見慣れた空想が、そこで動いていたからだ。 「え・・・ちょっ・・なにこれ。え? えっ? ん? はあぁっ? え? ちょっと待てっえ?」 取り落としたソーセージパンを拾って、口に強引に押し込んでから座り直して画面を凝視する。 赤いリボンを付けた黒髪の少女の顔が三つ。内、二つは一周り小さい。 黒い魔法使いの帽子を被ったウェーブがかった金髪少女の顔が二つ。こちらは一つが一周り小さい。 パーツが違うそいつらに共通していることは、下膨れた顔と生首のような姿が全体像だということ。 「ゆっくりじゃねえか・・・」 ゆっくりってのは、現実にはいない。 実在したら、いろいろな意味で世界は変わるだろう。 数多のアニメや漫画やドラマや映画のように。二次元空間でしか存在しない存在が今、目の前にいる。しかも、超美麗に映ってやがる。 いや、冷静に考えてみればパソコンの中ということは、何かのプログラムか? ゆっくりのソフトウェアやゲームはいろいろあるがそれにしても、精巧過ぎる。 空想上では、ゆっくり共は、あたかも生きているように振る舞う。 その空想上で行われている動きを目の前のゆっくり達はしている。 「おにごっこしようぜ。まりしゃがおにしゃんをするかられいむたちははやく逃げるがいいぜ! い~ちっ! に~っ!」 長女らしい小さいまりさが帽子で目を伏せる。 「ゆっきゅちにげるょ!!!」 「れいみゅもにげりゅよ!!! ゆっきゅり! ゆっきゅり!」 掛け声と共に、ぽてぽて跳ねながらデスクトップの斜め右上に小さいれいむ達は逃げる。 「おちびちゃん! あまりとおくにいかないでね!」 微笑みながら、れいむは隣のまりさと引っ付いている。 「いいのぜ。ここはゆっくりできるからおちびちゃんたちもゆっくりできるんだぜ」 まりさは、安心したように笑いながられいむをおさげで抱き寄せる。 「まりさはゆっくりできる?」 「できるぜ。れいむはゆっくりできるのぜ?」 「れいむはゆっくりできるよ? まりさもゆっくりしていってね」 「れいむもゆっくりしていくんだぜ」 はにかみながられいむとまりさは、跳ねながらおいかけっこするちびれいむとちびまりさ達を見守っている。 ・・・・。 なんだ? この、家族で休日にピクニックに来ました的なノリは。 あれか? そういう趣向か? にしてもよく出来ている。 その手の絵とか小説とかを見てる時に沸き上がってくる。なんていうかこう、頭の中で何かが燻ってイライラしたりモワモワしたりする感じ。 それを今、感じている。 ああ、こいつらうぜぇ。 プログラムにしろウイルスにしろ、なに俺のデスクトップでゆっくりしてやがるんだ。 この苛立ちは、こいつらにぶつけることにしよう。そうしよう。 かといって、こいつらは俺を認識しているのか? こいつらのうざったい少女声は、スピーカーから聞こえるが。 マイクか何か、パソコンの中に声を出す物が必要なんじゃないか。 マイクは生憎、使わないので持っていない。 しばらく悩んだあと。あることを思い付いた。 カーソルを動かして、デスクトップのショートカットから『ゆっくり』というフォルダを開いて、SSや他の人が描いた絵を入れているそこから、いつもゆっくりの台詞を考える為に使うソフトークというソフトを起動。 一部ではゆっくりの声と言われていて、実際、高音で音程がない投げやりな合成音声が、イライラを募らせる。その勢いでSSは驚くほど進む進む。 それはともかく。 お決まりの文章を打ち、読み上げさせる。 『ゆっくりしていってね!!!』 やる気のない声がスピーカーから聞こえる。 同時にゆっくり達が反射の如く、 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 スピーカーが壊れるんじゃないかと思うほどの爆音。 慌てて、横にあるイヤホンの端子を挿す。 出来るだけ音量を下げて、イヤホンを耳に付けた。 イライラ度合いが上がっちまったぞ。ちくしょうめ。 「・・・ゆ? いまのはだれのこえだったのぜ」 「たぶんれいむたちがゆっくりしてるからかみさまさんもゆっくりしてねっていったんだよ」 「かみさまさんもまりしゃたちとおいかけっこするのぜ~!」 「れいみゅしゅっごくにげるよ!」 「にぎぇるよ!」 反射的に返事したは良いが、ソフトークの声以外は、ゆっくり達には見えないらしい。 見えてたらフォルダ開いた時点で気付くもんな。 さて、どうしようか。 ソフトークの声を神様だとか勘違いしてるから、神様のお家宣言するか? それとも、ドラッグ&ドロップでごみ箱行き。 ウイルス駆除ソフトに任せるのもありか。感知するかは知らないが。 ・・・ていうか、こいつら何のデータ扱いなんだ。おもむろにカーソルを宛てがいプロパティを見てみる。 拡張子が『.YXE』。 サイズは・・・キロですらない程、軽い。2バイトとかどうよ・・・。 どうにも怪しいデータだ。 やっぱりウイルスか? とりあえず、友人のプログラマーにでも解析頼もうと思い、USBメモリーに移そうと、仕事用の鞄のある部屋へ取りに行く。 数分後、USB片手に戻って来たらデスクトップがすごいことになっていた。 草原の壁紙は、ゆっくり達に食い荒らされたのかところどころ消えている。 ショートカットなども、アイコンが欠けていたり、アイコン自体が消滅していたり、ベタベタしたものが付いている。きっとかじったんだろう。 なにより酷いのは、昨日書いたあと、デスクトップ上に保存したSSが、学生の頃にやってたデジモンとか.hackとかで見たことがあるデータの破損描写。 四角いもやが掛かるあれの状態になっていた。 慌てて、開いて見ると。 見事なくらい文字化けしていた。 「#○※●☆+≒っ~!!?!」 俺は、自分でもよく分からない声に鳴らない悲鳴を上げて。 マウスを手繰ってデスクトップの右隅で憎たらしいきもい顔で昼寝しているゆっくり共をドラッグする。 右クリックして切り取り。 スタート→すべてのプログラム→アクセサリ→ペイントの順に開いて。起動したペイントの白紙のにペーストする。 USBを取りに行ってる間に思いついたんだが、上手くいったようだ。 プログラムだとかウイルスだとか、関係ない。 空想だろうがなんだろうが関係ない。 こいつらは、なんでもありのゆっくりだ。人畜無害なんて言葉とは縁遠い、糞饅頭袋だ。 まさかリアルで言うとは思わなかった。 「お前らはぜってぇにゆるさなえぇ・・・ヒャッハァ! 虐待だぁッ!」 ・・・と、言ってみたがどうしようか。 いろいろ考えてはみるものの、いざ自分でやるとなると、手はなかなか進まない。 未だに寝ているこいつらを見ているといっそ画面ごとぶん殴ろうかという気にすらなる。 ・・・せっかくの短編が・・・。 なんだか、泣けて来た。 やっぱり、みんながやらないようなやり方でこいつらを屠りたいな。 ペイントのツールを探っていると、鋏のようなアイコンの機能があった。 試しに、四角ツールで適当に四角を作ってその鋏を縦にドラッグする。 ドラッグした位置に点線が入り、移動ツールに切り替えると見事に分割された。 これだ。これこれ。 口に自然と笑みが浮かびながら、俺は鋏ツールをクリックして寝ているゆっくり共の上で何回もドラッグし始める。 まずちびまりさ。 こいつの帽子のてっぺんから縦に線を入れる。続いて胴体部分なのか顔なのか分からないところを縦横無尽にドラッグ。なんか、どこのツギハギ男かというくらい点線が入って、実にきもい。 きっと主犯格のちびれいむ共もを点線まみれにする。 母れいむと父まりさは後々の為に、触りもしない。 その代わり、透明な箱に似せた絵を使って隔離する。 あくまで、ちび共が標的だ。 何故か無事だったソフトークの画面に切り替えて、またお決まりの文句をいう。 『ゆっくりしていってね!!!』 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 「ゆ? へんなかべさんがあるぜ」 おさげで触りながら目敏く、まりさが透明な箱的な四角に気付く。 「けっかいだよ! れいむがゆっくりしてたからかみさまがくれたんだよ」 「そうなのか。れいむはすごいぜ」 「ゆふふ~てれるよ~!」 結界な訳あるかダボがっ。 それは俺が、お前達に罰を与える為に施した透明な箱だっつーの。 ・・・このれいむ馬鹿だろ。ああ、馬鹿だ。 このままだと勘違いしたままずっといるだろうな。 どうしたもんか考えているとちび共が震えながら、親に近づいて行く。 「おとしゃん・・・」 「おきゃあしゃあん・・・ぽんぽんがいちゃいよぉ・・・」 「からだがなんだかへんなのぜ・・・」 苦しそうに、すり足のように動くゆっくり。実際、見ると予想以上にきもいきもい。あんよは絶対に見ないようにしよう。 点線だらけの我が子を見て(ゆっくり達には、パソコン上の処理は見えないか)さすがに違和感に気付いたらしい。 「ゆっ! いまぺーろぺーろしてあげるからまってね!」 母れいむは果敢に透明な四角に体当たりをかますが、それで破れる訳がない。二、三回跳ね返されるとほえ面かきながら泣きわめく。 「どぼじでぇ~~~!?」 「れいむ! はやくけっかいをとくんだぜ!」 「ぞんなのでいむじらないぃ!?」 弱音を吐かずに体当たりするまりさと違って、れいむは目と口から変な液体流しながら更に喚く。耳が痛いから、いっそ潰してやろうか。 「おきゃあしゃぁん!!!」 母れいむに近い、一番小さいれいむがすり足をやめて、跳ねた。 が、透明な四角にぶつかり、跳ね返された衝撃で綺麗に細切れになる。 中身の目玉とか歯とかが出てきて軽くグロい・・・。 「もっちょ・・・ゆっ・・・」 一番最後に残った口が、呟きを残して真っ二つ。 もう既に十分、ゆっくり俺のデスクトップを好き放題やらかしただろちくしょう。 だが少し、溜飲が下がった。でもまだまだ終わらない。 「・・・」 「・・・」 「・・・」 「・・・」 それを固まった表情で見ていた残りのゆっくり達は、引き攣った笑みを浮かべ、次の瞬間。 全員が大きな口を開けて目玉を剥きださんばかりに涙目で叫び始める。 生憎、イヤホンを瞬時に外したから何も聞こえない。 次は、ちびまりさにしよう。移動ツールで、帽子をクリック&ドラッグ。 変なLみたいな帽子になったちびまりさを見た他のゆっくりが、泣くのをやめてキョトン顔になる。 イヤホンをかけると同時に、ちびれいむの泣き声が聞こえてかた。 「おにぇちゃんはどきょおおおぉぉ!」 泣きだした妹に慌てて、ちびまりさが駆け寄る。 「なにいってるんだぜ! まりしゃがおねえちゃんなんだぜ!」 「うそいうにゃあ・・・!」 「おいそこのへんなゆっくり! おちびちゃんになにするつもりなのぜ!」 「ゆっくりできないゆっくりはおちびちゃんからゆっくりはなれてね!」 まりさは家族が何を言っているのか分からないというような引き攣った笑みを浮かべて固まる。 が、ちびれいむが、 「ゆっきゅりできないゆっきゅりはれいみゅがせいっしゃいしゃるよ!」 そう叫びながら、ちびまりさに対してタックルをかける。 ちびまりさが、何がなんだか分からない呆然とした顔。ちびれいむが勝ちほこった顔で、縺れ合うようにバラバラになった。 「おちびちゃんがあああぁぁ・・・!?」 「なにがなんなのぜええぇ!?」 こども達が何故、永遠にゆっくりしたの分からず、たたただ二匹は泣きわめく。 とりあえずは、すっきりした。 さて、この二匹の処遇だが。 初めに決めていたプログラマー友人へ渡すことにする。 あいつが、解析して複製なり改造なりしてくれれば、またこうやってゆ虐が出来る。 泣きわめく二匹をまたも、ドラッグして切り取り。 USBを差し込んで、保存。 これで良い。 USBを抜いて、なんとなく手で弄びながら、携帯電話をかける。 「よお。久しぶりー。今、暇か? そっか。じゃあ面白いもんがあるんだけどさ。人工知能っつーの? それがさ―――」 後日、友人から返却されたUSB内でゆっくりが繁殖していて、悪性ウイルスのように感染拡大して世間を騒がしたのは別の話。 アトガキ はい。ということで、書いてみました初ゆ虐。 ぬるいし適当ですね・・すみません・・・。 実際、ゆっくりがデスクトップに表示されるものはあると聞きましたけどうちのパソコ子さんは、御年5歳くらいなのでスペック的にきついです。 SS内でのゆっくりのパソコン空間の知覚範囲は、デスクトップとアイコンとその中身が、地面ないし路傍の石。 今こうして開いてるブラウザとかはゆっくりにとっては雲みたいに真上にあるんじゃないかなと思ってます。 ・・・やっぱり虐めでもない愛ででもない微妙なの書こう・・うん。 ご読了ありがとうございました。 【妄想で書いたもの】 かり ・ふたば系ゆっくりいじめ 963 ト● ・ふたば系ゆっくりいじめ 990 くちばしにチェリー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1000 デスクトップガジェット どろわ ・つんつんつんつくつんつくつんつん ぬえ ・山女って可愛いよね 挿絵 by儚いあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る wwwwwwwwww いじめたいいいいいい -- 2012-07-31 22 55 35 使ってない95のPCに入れて動かしてみたいなww -- 2012-01-29 10 47 03