約 2,578,667 件
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2338.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1118 ゆっくりのおもちゃ/コメントログ」 原作とのリンクがあると楽しいな。こういうのも良い。 -- 2010-08-06 21 26 34 空をとぶれいむを想像したら笑ってしまった。 -- 2010-12-21 19 32 38 ゆっくりれいむに わたしははくれいのみこよ! とか言われたら「思い上がるな死ね!」としか返せない。で、潰す。 -- 2011-03-07 22 22 09 ↓原始ゆっくりだと「おおいたいたい」程度で潰れないんじゃないか。ぺしゃんこになっても すぐ元にもどるはず。下手するとそういう刺激で分裂して増えるかもw -- 2012-09-14 22 47 30 ゲス -- 2015-01-05 23 20 37 まりさ -- 2015-01-05 23 20 56
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/984.html
※交尾とかあります。苦手な方は読まない方がストレスがマッハにならないかも 森の奥にある広場。そこはこの辺りのゆっくり達の社交場になっていた。 「ゆゆ~まりしゃあしょぼー♪」 「むきゅん!みんな!これがちょうちょさんよ。ゆっくりつかまえてね!」 「ちぇんのぼうしはとってもとかいはね~」 「ほめてられてるんだねーありがとー」 様々なゆっくりがそこでゆっくりとした午後を過ごしていた。その中には最近群れを作りにやってきたドスも含まれていた。 「ねえどす!まりさたちとむれをつくるんだぜ!りっぱなむれがつくれるんだぜ!」 「ゆ~~♪そうだねー♪ここならりっぱなむれがつくれるよ!」 頭の上で子供たちを遊ばせながら賛成するドス。周りのまりさは本心からドスを慕っていた。 「ちびちゃんたち~そろそろかえるよ~」 「れいむたちのおうちはドスのおうちにちかいから、ドスにおくっていってもらうよ!」 そういってドスの口の中に入るれいむ一家。ドスもそれを了承していたので特に気にしない。むしろその下で他に家の近いゆっくり達を 口の中に入れていた。れみりゃなどの天敵から身を守るためである。 そうしてお別れムードになっていったその時、突如大地が音を立てて揺れ出した。 「ゆゆゆぅぅぅぅぅ~~」 「ゆべぇえぇぇぇえええぇぇぇえ」 「ゆっぐりでぎなぁああああいいぎぼぢちいいいい」 突然の揺れにパニックになるゆっくり達。これが普通の揺れならば、流石のゆっくりでも問題ない。 しかしこの地震は普通の地震とは桁違いの力だった。これほど激しい揺れを感じたことは今までないのだ。 それゆえに発情のスイッチが入ってしまった。このまま揺れに身を任せればすっきりー!できると思い、激流に身を任せ同化する。 しかし数秒で地震が収まってしまった。それと同時に広場には 「「「「「すっきりー!・・・・でぎないよおおおおおおお!!!!」」」」 ドスの口の中にいたゆっくり達は外の状況がわからない。とりあえず揺れが収まったのはわかった。 「おきゃーしゃんこわかったよ~~~」 「だいじょうぶだよ~。いまのはじしんっていって、とってもゆっくりできないんだよ。」 「よしんもあるからきをつけなくちゃだめだわ!」 不安で泣きだす子供をあやしたり、地震の怖さを説明する親。 そうしてるうちに、ドスの口が大きく開いた。みんなの無事を確かめようと外に出た家族は思いもかけない物をみた。 「ばぢゅり゛ぃ、いぐよぉぉぉおおおおお!!!」 「い゛い゛わ゛ぁあぁぁ!ぱぢゅり゛ぃいぐうぅうううう!!」 れいむと激しく交尾しているぱちゅりーがいた。 お互い目が血走っている。完全に発情しているようだ。そしてこの二人だけではない。 「でーみゅぎびゅい゛い゛い゛い゛い!!!」 「こどもなのにいんらんなのねれいむぅうううううう!!!かわいいわああああ!!!」 自分の子供と交尾するありす。 「まりさあああああ!がわいいわああああああ!!」 「ちぇえええええええん!がわいいぞおおおおおおお!!」 「らんしゃまぁあああああああああ!!!」 張り切って4Pをしている連中。果ては、 「ゆ~ん・・・しーしーきもちいいよぉ~♪」 「れいみゅのちーちーおいちーよぉおおおお!!!!まりちゃぎゃまんできにゃいいいい!!!」 子供同士でハードなプレイをしている連中まで、とても正気の沙汰とは思えない光景だった 「ゆゆ!みんななにやってるの!そんなにいっぱいすっきりー!したらゆっくりできないよ!」 子供たちを置いて、割って入って止めようとするれいむ。すっきりー!のしすぎは命にかかわることを知っているからだ。 しかしれいむは動けなかった。何かが体に巻きついている。そうして引っ張られたれいむは何かがドスの舌なのに気づいた。 「ゆ!なにするのドス!とめないで・・・ゆゆ!!!」 抗議をしようとしたれいむの顔が恐怖に染まった。ドスはハァハァと息を荒げながら明らかに異常目でこちらを見ていた。 「れいむぅ・・・ドスとゆっくりしようねぇ・・・」 ドスはそういうと声を荒げながら、れいむの上に乗った。一応、死なないようにしてるとはいえ2mのドスは重かろう。 ぐげえええと苦しそうな声を出した。 「ど・・・ドス!ばかなことはゆっくりやめてね!れいむにはみょんがいるんだよ!そんなドスのおおきなペ二ペ二じゃゆっくり でき゛な゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 最後は泣きながら必死で説得するれいむ。しかし今のドスには理性などなかった。 「どすをずっぎぢざぜでねええええ!!!」 「いぎゃいどずやべでえ゛え゛え゛ぇぇぇぇぇ!!!!」 そう言いながら絶命したれいむ。体を貫かれ、餡子が大量に出たショックで死んだようだ。 すっきりー!できなかったドスは、 「ゆゆぅ!すっきりさせないなんてひどいれいむだね!つぎはぱちゅりーだね!」 「やめてドス!わたしにはまりさがいるの!」 そう言いながら後ずさりぱちゅりーに向かって、ドスは 「まりさならあそこですっきりー!してるよ。ぱちゅりーをみすてるまりさより、ドスとすっきりーしようね!」 ドスの差した方をみると、黒く変色して動かなくなったまりさがそこにいた。頭には大量の茎が生え、お腹には赤ちゃんらしきものが入っていた。 「ばりざなんで・・・・むげ!どすやめいいいいいいい!!!ドスだめよぉおおおおお!!!」 そうしてぱちゅりーもドスを満足させずに死んでいった。 「おぎゃぁああじゃぁああん!!!ゆっぐりじないでええええ!!!!」 母親の遺体の前で泣き叫ぶ子供たち。その子供たちにも魔の手が迫っていた。 「どがいばのありずとすっきりしましょうねえええええ!!!!」 「でいぶががわいがってあげるよおおおおおお!!!」 「んほおおおおお!すっきりー!・・・だいにらうんどはこどもだぢねええええ!!!!」 「もうずっぎりぢだぐないいいい!ぢだぐないのにいいいいい!!!!」 気がつくと他の家の子供たちはみな襲われていた。 「ゆっきゅちちないでにげりゅげえ!」 「ちーーーーーーーんぽ!!!!」 まだ発育しきってない体に突如突っ込まれるぺにぺに 「いぎゃいなにぎょれ!れぃいみゅぎぼぢいい!!!」 「ペニーーーーーーーーース!!!!」 一時間後、そこには黒い塊になったゆっくり達とドスがいた。 「どうじでみんなじんでるのおおおお!!!!ゆっぐりできないいいいい!!!!」 欲求を満たせないまま暴れ狂うドス。そのままドスは、見るゆっくりと交尾をしようとし、 人間に狩られるのだが別の話である。 また一時間前に戻る。広場から少し離れた洞窟、れみりゃの巣であった。地震が起きる直前、れみりゃはふらんに襲われていた。 そして地震後 「れみりゃすっきりじだいどぉおおおお!!!ざぐやぎもぢいいいい!!!!」 「ぎもちー!れみりゃきもぢいー!」 「おじょうさまさいこうですわぁぁぁーーー!!!!」 そんな感じでこちらも全滅していた。 結局この地震により、幻想郷のゆっくりの半分が死滅した。 ひななゐなさすが天子ひななゐ 【あとがき】 スレを見てたらドスのすっきりー!が書きたくなった でも大きさ的に一回もすっきりー!できないと思う。他のドスがいればよかったね! でも地震で一々こうなってたら大変だろうな・・・ 過去作 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!1 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!2 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!3 お兄さんとドスれいむ 鬼意屋敷殺人事件 どすの加工所 幻想樹の迷宮 幻想樹の迷宮Ⅱ 徹夜でゆっくりしようぜ! 徹夜でゆっくりしようぜ!2 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1375.html
あれは今年5回目の雪が降る日の事だったと思う。 その時、里の北東に位置する防御陣地には私一人しか居なかった。 襲撃を掛けていたゆっくりの群れは殲滅した上に、そもそもゆっくりは冬眠の時期であったので畑をまじめに防御する必要は無くなっていたから、晩秋まであれほどいた加工所職員や農夫はみな自分が居るべき場所に帰っていた。 我々はゆっくりがどういう生物か失念していたのだ。 あの生物の習性は年が変わるごとに変化していき、その度に人間が対応を迫られていることをすっかり忘れており、今年の冬もゆっくりは来ないだろうから防御の必要は無い、そう思っていた。 古来より慢心は身を滅ぼしてきた。それは幻想郷でも同じことだ。 「あ~寒い。暖冬に慣れた身には厳しいな…。」 陣地に居住スペースを作り、里の家から移り住んだ私はこの頃幻想郷の寒さに参っており、陣地を放棄して里の家に逃げ帰ろうかと本気で考えるようになっていた。 薪を燃焼させる調理暖房兼用のストーブが置いてあるのだが、空調による暖房に慣れた身には如何とも頼りなかった。要するに寒い。 ホットコーヒーでも飲んで暖まるか。うん、そうしよう。外側から温められないなら内側からだ。 粗末な椅子から立ち上がり、戸棚をあけて大量のインスタント・コーヒーの瓶のうち中身が半分ほどになっている物を取り出す。入れっぱなしのスプーンで一さじすくい、外から持ち込んだ数少ない自分の持ち物であるマグカップに入れ、ストーブの上で湯気を噴出しているケトルを手に取る。湯を注ぐとホットコーヒーの完成だ。 戸棚に1ダースも工業製品たるインスタント・コーヒーが入っているのには理由がある。 里には喫茶店が何軒か有り、そこでは中々美味いコーヒーが供されている為に味が劣るインスタントのそれは酷く人気が無く、それ故に香霖堂で廃棄寸前だったのを運良く二束三文で購入できたのだ。 コーヒー通ならおそらく我慢ならないんだろうが自分としては一応コーヒーであれば良い、などと考えつつ粉っぽい液体をすすっていると、前線方向の彼方に何か見えることに気がついた。 陣地最前面の鉄条網、そのさらに向こう側で黒い塊がうごめいているようだ。 晴れた日でもなく吹雪の日でもない今日この時間帯だからこそ見つかったのかも知れないと思いながら双眼鏡を取り出す。 視界の中央に拡大されたのは金髪に黒いとんがり帽子のゆっくり、まりさ種らしい。 必死の形相で這いずりながら此方へと向かってくる。 ゆっくりまりさが何でこんな冬に?冬眠してるはずじゃないのか? そのまま力尽きて凍え死ぬのを見ていても良かったが、状況から何かただ事ではないと判断した私はコートを引っつかみ、外に出た。 真新しい雪を踏みつける音が心地よい。生憎と気温はそうでもなかったが。 雪で埋まりかけた壕に足を取られないよう気をつけて跨ぎ、確認が難しくなりつつある鉄条網を記憶を頼りに乗り越え、殆ど動かなくなったゆっくりまりさへと近づく。 最後の鉄条網を乗り越えたところでゆっくりはこちらに気づき、震えながら顔をあげてきた。 畜生、そんな顔をされたら助けない訳にはいかないじゃないか。 先ほどまでゆっくりと降っていた雪が吹雪きはじめた。 このままここでゆっくりしていると一人と一匹そろって凍えてしまいかねないので、ゆっくりまりさが動かなくなった事により彼女に付着し始めた雪を払おうと姿勢を下げた。 視界の端に違和感を感じる。 視線が低くなったことにより森の奥まで見渡せるようになったが、その奥にいたのはふくれた表情でこちらにやって来る巨大なゆっくりだった。 このゆっくりまりさを追いかけて来たらしい。 助けに来たのだろうかと思ったが、それにしては表情がおかしい。 これではまるで、このゆっくりまりさを始末に来たような──。 「おにいさん!そのこをゆっくりこっちにわたしてね!そうすればおにいさんみのがしてあげるよ!!」 何を言ってるんだこいつは。 おそらく渡したらこのゆっくりまりさは始末される。今の発言でその可能性は強化された。 ゆっくりまりさが死んでしまったら、いや、そもそもこのまりさを起こして話を聞かなければ一体何が起こっているか分からない。 わざわざ巨大ゆっくりが来るという事は、まず間違いなく何かが起きている。 ともかく、ゆっくりまりさは渡せない。 「断る!このゆっくりは俺が先に見つけたんだ!お前にはあげられないよ!」 「おにいさん!れいむにかてるとおもってるの!ゆっくりあきらめてね!」 ますます体を大きく膨らませる巨大ゆっくり。 聞く耳持たずか。あの巨体に相当自信があるんだろう、こちらに勝つ気でいる。 ならば、それ相応のおもてなしをしてやらなきゃな。 「きいてるの!おにいさん!それともりかいできないばかなの!」 無視して背負っていた小銃を構え、膝立ちして攻撃体勢に持っていく。 発言に返答がないことで巨大ゆっくりはもうこれ以上はというほど膨れ、顔を赤くしている。 こんな寒いのに頭から湯気を上げるほど体温を上げて大丈夫なのだろうか。 「もういいよ!ふたりともころすからあのよでゆっくりこうかいしてね!」 巨大ゆっくりがこちらを踏み潰すための助走体勢に入った。 その巨体ゆえに一回で最大跳躍できない巨大ゆっくりはホップ、ステップ、ジャンプのプロセスを踏んで敵を踏み潰す。 目の前の巨大ゆっくりはホップを終え、ステップに入ったところだ。 完全に勝ち誇っているニヤついた顔。 すぐに恐怖に染まるんだけどな。 ヤツがステップを終えて着地をする前に引き金を引く。 空中で下半身に銃弾を食らった巨大ゆっくりは物理の法則に従い前傾方向に回転する。 結果、いわゆる「足」の部分で受け止めるはずだった運動エネルギーを、顔面をしこたま打ち付ける事により吸収することとなった。 「ゆ゛っ!ゆ゛ぅう゛う゛ぅぅ~!!」 よほど痛かったのか、降り積もった雪を振動で舞い散らせるほどの叫び声があがる。 巨大ゆっくりは通常のゆっくりに比してかなり耐久力が高いと聞いたことがあったので、攻撃の手は緩めない。 ボルトを操作して排莢、次の銃弾を装填する。 再び引き金を引いて発射。 二発目の銃弾は巨大ゆっくりの頭頂部から餡子へと音速で進入し、中核部分の餡子を切り裂いたのちに「足」の皮を衝撃波で破り、ついでにかなりの量の餡子を引き連れて森へと飛んで行った。 痛みを堪えて起き上がった巨大ゆっくりが睨みつけてくる。 「ゆ゛ーーっ!もうおこった!おにいさんはく゛るし゛んて゛し゛んて゛ね!!!」 滝みたいに涙を流しやがって、そんな顔で言われても説得力ねえよ。 構わず三発目を発射、貫通した瞬間に巨大ゆっくりの後頭部で何かが飛び散った。 こいつの後頭部だった物が銃弾の衝撃で吹き飛んだらしい。 巨大ゆっくりは涙を流す表情のまま前に倒れ、二度と動かなくなった。 まだ暖かい餡子が露出して美味しそうな香りをまとった湯気が上がっている。 岩のように凍りついたゆっくりまりさを拾い上げ、掛けた部分はないか確認。問題なし。 「帝国の逆襲」ならここでゆっくりまりさを巨大ゆっくりだった物の中へ入れてやる所だろうが、帰るべき場所はすぐそこなのでそのような事はしない。 小銃を背負い、冷凍ゆっくりを持ってその場を後にした。 本格的になり始めた吹雪にコートの襟を立てる事で対処しつつ、居住スペースへと戻った。 空調でなくとも暖房を掛けている部屋は外に比べれば天国のような暖かさ、ストーブを頼りないと思った事を反省する。 流石にテーブルの上に置いたマグカップはすっかり冷めていたが。 ゆっくりまりさを解凍するため、鍋を取り出しケトルから熱湯を入れる。 流石にそのままでは氷ごと饅頭ボディまで溶け出しかねないので、外から雪を持ってきてその中に溶かした。 風呂よりも熱いかなという位になったところで冷凍ゆっくりを鍋に放り込む。 放置していればそのうち解凍されるだろう。 冷めてしまったインスタント・コーヒーの酷さを再確認していると、鍋の中のゆっくりがわずかに震え始めた。 餡子が解けて生命活動を再開、融解を加速するために自らも震えて熱を発生させようとしている。 その段階からさらに10分経過してようやくゆっくりまりさは口がきける様になった。 ジャバジャバ音を立てて鍋の水をかき乱しながら左右を見回すゆっくり。 今すぐ叩き潰してやりたいが、何があったかを聞き出すまでは我慢我慢。 「やあやあお目覚めかな?ゆっくりしていってね!」 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!」 お馴染みの挨拶をすると、すばやくこちらを向いて反応。起きたばかりだというのに流石ゆっくり。 「単刀直入に聞こうか。何があったんだ?なんで仲間に追われてたんだ?」 「ゆ…なかま…?……ゆっ!!ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛ぅ゛わ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!れ゛いむ゛ー!は゛ち゛ゅりー!なんでえぇー!」 「オイオイ、どうした。何かあったんだな?」 巨大ゆっくりに追われていた事を教えてやると泣き出してしまった。 仲間の名を叫んでいると言う事はその名の仲間はもう生きていないのだろう。 おそらく、そいつらが死んだ理由に巨大ゆっくりが関わっている筈だ。 「ゆっくりを養殖する巨大ゆっくりか、聞いたような話だな…。」 今は泣き疲れて眠っているゆっくりまりさ曰く、巨大ゆっくりの養殖場から命からがら逃げてきたらしい。 生まれたときから仲良くしていた友達が食い殺されるのを見て脱走を決心したという話だ。 まりさは眠る直前に、「おにいさん、あいつらにんげんをおそうつもりだよ。かえりうちにしてやってよ…。」と言っていた。 あんな大きさのゆっくりが里を襲うのか。 巨大ゆっくり、ゆっくりを養殖、里を襲撃…やはり聞き覚えがある。一体何の話だったかな… 里長なら何か知っていると思い、机に置かれた電話から受話器を取った。 「交換さん?里長のところに繋いでくれ。防御陣地からだ。」 交換手が接続するまでのこの空白時間は何時までたっても慣れない。大体交換手が必要なほど電話普及してるのかと。 しばらくして交換手が繋がった事を伝えてきた。里長の声それに続く。 里長は、それは今年の春に隣の里が巨大ゆっくりに襲われた話じゃないかと言っていた。 確かにそれだ。隣の里が急ごしらえの防御線で何とか殲滅したとかいう話だ。 その時の群れは人間の手により消滅した上にそもそも歴史ごと抹消されている、故に今ここにいるゆっくりまりさが逃げてきたのは別の群れだろう。 とにかく対策を検討しなければならない。 今のところ里が襲われる可能性を示唆しているのはこのゆっくりまりさの証言だけなので、流石に防衛体制を引き上げる訳には行かない。 せいぜい春の話の資料を手に入れて対策を練るぐらいか。 明日、里長のとこまで行って資料を貰わなきゃな。 眠ってしまったまりさは結局起きなかった。命からがら逃げてきたんだろう、全身かすり傷だらけで疲労が溜まっている様で、泥のように眠るという表現が相応しかった。 その日の夕食は窓の外に見える気味の悪いオブジェ──粉砕された巨大ゆっくりを見ながら袋麺を啜るというひどい物になった。 里長が言うには隣の里の勝利においては情報収集と初動の早さが大きな役割を果たしたらしい。 定期的なものではない為に人の少ない寄合所でそんな話が出始めた頃から嫌な予感がしていた。 頼むから偵察に行けとか言わないで下さい、せめて行かせるなら他の人にどうかお願いします、などと祈ってはいたもののその祈りは全くの無駄に終わった。 隣の里の巨大ゆっくりとの戦いの資料に、「巨大ユックリノ営巣地ヲ偵察スルトキハ、自衛ガ可能ナ者ガ望マシイ。」等と書かれており、現状で巨大ゆっくりを屠ったのは私だけだったから斥候として指名されたのは当然だろう。納得できないが。 「自衛ガ可能ナ者トハ、身体頑健デ何ラカノ格闘技ヲ修メタ者。」とか書かれており、自分は明らかに不健康で貧弱であると出来る限り抵抗してみたものの、「巨大ユックリトノ戦闘経験者ガ最モ適ス。」という記述を引っ張り出された挙句に、銃器で戦闘能力は補えると言われては両手を挙げざるを得なかった。 分かったよ。行けばいいんだろう? 皆、幸運を祈るだとか防寒対策に気をつけろよとか言いたい放題言いながらこっちを見送っていた。 畜生。このクソ寒い季節に森へ入れというのか。 ボヤいても問題は解決しない為、ヤツらの巣を探ろうとその場所を知っていそうな者、すなわちあのゆっくりまりさを取りに陣地へと取って返した。 怖いから行きたくないよとか泣き叫んでゴネるゆっくりまりさを「説得」し、準備万端整えて陣地を出たときにはもう昼飯の時間が終わる頃だった。 せっかくの昼飯を台無しにしてくれた巨大ゆっくりには必ずお礼をしてやると決意を新たにし、ゆっくりまりさの先導に従って森へと入る。 森の外は照りつける太陽光線を反射する雪が火傷するほど眩しいが、ありがたい事に森の中は薄暗かった。 光量の急激な変化についていけない目を瞬かせながら前を飛び跳ねていくまりさを注視する。 目的地に着いたのは陣地を出てから30分後だった。 斜面にぽっかりと空いた明らかに人の手で造られた穴に巨大ゆっくりが出入りしているのが見える。連中は鉱山跡を巣として利用しているようだ。 普通のゆっくりと違って連中の巨体じゃ巣を探すのに一苦労しただろう。 あの鉱山の大きさならまさにベスト・ゆっくり・プレイス。もうじきそうじゃなくなるんだがな。 双眼鏡をぐるりと巡らせて入り口の陣容を眺める。 入り口の右側に巨大ゆっくりがおり、そいつが出入りする仲間を監視していた。 あれで守らせているつもりらしい。あの巨体なら存在するだけで十分威圧感があるからだろう。 入り口を中心として半径10メートルの円状に柵が設置されているのも見える。 柵の形状から推測するに、内部で養殖しているという通常ゆっくりの脱走防止用かな。 あの大きさになると生意気にも知恵を付けるようだ。これでは中まで偵察するのは不可能かもしれない。 さて、困った。これでは連中の規模が分かりゃしない。 通常の生物なら廃棄物なりが出てくるだろうからそこから概算する方法があるが、ゆっくりという生物はコトに食物の摂取に関しては有得ないほどの効率を誇り、廃棄物を殆ど出さない事からこの手段は使えない。 歩哨の巨大ゆっくりを狙撃して強襲しようかと思ったが、流石に一人じゃ袋叩きだろうし、射撃音で気づかれたらアウトだ。 どうしようか?と話しかけようとゆっくりまりさの方を向くと、先に話しかけるまりさ。 「おにいさん。まりさのともだちをたすけてほしいよ…。」 「そうは言ってもね。あの見張りが邪魔なんだ。どうにかできないか?」 何と言うべきか、まりさは元気の無い顔からますます生気を失い、この世の終わりを表現した絵画の登場人物のような様子を見せた。 どうしたもんかな。いっそコイツを放り込んでから突入しようか?いや、せめて囮でもいいか。 できるかどうか聞いてみる価値はあるな。何せこいつは追撃から一回逃走に成功している。 「まりさ。この森の中だったらあの巨大ゆっくりから逃げきれるか?」 「ゆっ。たぶんできるよ…。おにいさん、あそこにはいってくれるの?」 「あの見張りが居なくなればな。どうだ?できるか?」 「やってみるよ。まりさがしんじゃってもなかまをたすけてね。」 囮になって欲しいと伝えると、まりさの顔に僅かながら生気が戻ってきた。 まりさ種は仲間思いのゆっくりになりやすいとは事実らしい。 こういうゆっくりは死ぬべきではないな。生き残って他のゆっくりのリーダーとなるべきだ。 黒々とした空間を見せる鉱山入り口にさらに近づいた。 こちらの姿を見張りゆっくりの視線から遮るものは子供の背丈ほどの藪しかない。 『…よし、行け!絶対に捕まるなよ!』 『おにいさん!がんばってね!』 出入りする巨大ゆっくりの姿が途絶えたところで作戦を実行に移す。 藪から全速力で駆け出すゆっくりまりさ。 「おおきいゆっくりはきもちわるいよ!ゆっくりしないでね!」 「ゆっ!?れいむのことばかにするの?ゆっくりしんでね!」 早速挑発の言葉を投げかけるまりさ。見張りゆっくりはまんまと釣られ、まりさを踏み潰そうと跳ねだした。 「ゆっくりおいかけてね!」 「ころしてあげるからゆっくりまってね!」 まりさは一瞬こちらを見た後、森の彼方、里の方向へと逃走に移る。 見張りゆっくりはその巨体が生み出す歩幅(?)によりあっという間に追いつくかと思えたが、まりさは倒木や木立の間をたくみに抜け、巨大ゆっくりを引き離しすらしている。 巨大ゆっくりは体重で障害物を踏み潰しながら追いかけるが、時々木に挟まってはマヌケな声を上げている。 これで良し。あいつが逃げている間に侵入しよう。 雪で反射された太陽光を浴びる銃剣が「白兵戦」の語源が何であったかを見せ付けるようにきらめく。 巨大ゆっくり相手では気休めにしかならない着剣した小銃を構えて突入した。 鉱山跡は不気味なほど静まり返っている。地中の適度に保温された空気が心地よい。連中は留守のようだった。 分岐が出て来るたびにその先を調べ、行き止まりであるのを確認する事5回。 6つ目の分岐先で巨大赤ちゃんゆっくりの部屋を発見した。 うん、資料にあるとおり、デカイな。普通の成体ゆっくりとほぼ同じとは…。 全員寝ているようだ。「ゅ…ゅゅゅ…」「ゅぅー…ゅぅー…」という寝息が聞こえてくる。 その幸せそうな寝顔と相まって直ちに殺戮する衝動に駆られるが、騒ぎになって親が戻るとまずい。 騒ぎになる前に始末できるような物─テルミット手榴弾は持ってきていない。 名残惜しいが赤ちゃんゆっくりの量を数えてその場を後にした。 こいつらを始末するのは後だ。 さらに奥へと進んで行き、10回目の巨大ゆっくりが掘り進んだと思わしき分岐をうんざりしながら通る。 その先の通路は巨大ゆっくり一匹分しかない。すれ違うときどうするのだろうと疑問に思いながら歩いていくと、100メートルほど進んだ辺りで急に道が広くなった。部屋に出たらしい。 部屋を見回すと、壁に掘られた幾つもの標準ゆっくりサイズの穴とそれを塞ぐ格子がある事に気が付いた。 どうやらここが養殖場らしい。 それにしては静かだな…。まさか全部食われたとは思えない、何せ『養殖場』だから。 だいいち、穴を覗き込んでみたが最近ゆっくりが形跡などは影も形も無い。 ここにゆっくりが閉じ込められていたのは昨日今日の話ではなさそうだ。 じゃあ、あのゆっくりまりさは一体…。 「おにいさん!ゆっくりのいうことをしんじるなんてばかなの?」 入り口からゆっくりが話しかけてきた。巨大ゆっくりの低い声ではない。通常サイズの声だ。 そこにいたのはさっき別れたゆっくりまりさ。なぜここに…。 「まだわからないの!?ほんとうにばかだね!おにいさんはまりさにだまされたんだよ!」 ゆっくりまりさが話し掛けてきてから3分経過した。 ゆっくりとしては驚異的なことにまだ話し続けている。曰く、まりさがどれだけ賢いかとか、巨大ゆっくりは自分の仲間だとか、人間を人質にして里から食料を奪うつもりだとか、本当に色々ベラベラ喋っている。 おしゃべりな悪党は死に易いんだがな。 「ちょっとおしゃべりしすぎちゃった!それじゃ、おにいさんはゆっくりしばられてね!ていこうはむいみだよ!」 やっと話が終わったまりさが得意げな顔で私を拘束しようと近づいてくる。 いつのまにか現れた巨大ゆっくりれいむがその後ろに続いており、口にはロープのような物をくわえていた。 通常サイズのゆっくりでは人間に力で勝つのは到底無理だから、仲間の巨大れいむに拘束させるのだろう。 さて…どうしたものか。小銃弾では3発以上命中させねばこの巨大れいむは無力化できない。 距離から言って、2発目を放つ余裕は無いだろう。1発目を当てた時点で飛び掛られて哀れ私は潰される。 悪役っぽくて嫌だが、この手しかないか。畜生。 「君はゆっくりれいむかい?とても大きいね!」 「ゆっ!れいむおおきいでしょ!」 私が話しかけると、胸を張って返事をする巨大れいむ。 ゆっくりまりさはそれが気に入らない様子だ。 「れいむ!にんげんとおはなししちゃだめだよ!はやくこいつをしばってね!」 「ごめんなさい!まりさ!いまやるね!」 まりさが叱り付けると巨大れいむは酷く怯えた顔で謝りだした。彼女の群れでの地位はそうとうのものらしい。これじゃ仲間というより手下じゃないか。 しかし、叱り付けられた巨大れいむは不満を覚えた素振りを見せず私に近づいてきた。 行動に移るなら今しかない。 「れいむ!僕を助けてくれたら美味しい物を食べさせてあげるよ!」 「おにいさんほんとうにひっしだね! れいむ!いうことをきいちゃだめだよ!このおにいさんはどうせあとでれいむをころすつもりだよ!」 「ゆっ!にんげんってばかだね!れいむがだまされるわけないじゃん!」 当然の反応だな。この程度で私を騙してここまで誘導するようなゆっくりまりさとその手下が騙される訳は無い。 なので、再び口を開く。 「れいむ!僕が君を殺すだって!?れいむみたいな大きいゆっくりにはとても勝てないからね!殺すなんてできないよ!」 巨大れいむはこの言葉を聞いて酷く動揺した。彼女にとってこの言葉は納得のできる物だからだ。 「れいむ!!にんげんはうそつきだよ!きかないではやくこいつをしばってね!」 まりさが動揺する巨大れいむをなだめようとするが、彼女の言葉を聞いても巨大れいむは動揺したままだった。 「れいむっ!!!にんげんはつよいんだよ!こいつがそのぼうでおおきいゆっくりをころすところをみたよ!!!」 「れいむ。騙されちゃダメだよ!僕がこんな棒切れでおおきいゆっくりに勝てる訳無いじゃん!」 相反する言葉を聞いて動揺の度合いを深める巨大れいむ。 暫くの間、ふらつきながらどうすべきか考えた後、彼女はどちらの味方をするか決めた。 巨大れいむが私のほうに向かっていくところを見たまりさは勝利を確信したような笑顔になったが、巨大れいむが私の横を通り過ぎ、その巨体を180度反転させてまりさのほうを睨み付けた時、彼女の笑顔は崩れた。 「おにいさんのいうとおりだよ!うそつきなのはまりさだよ!うそつきゆっくりはゆっくりしねぇ!」 「な゛んて゛ええ゛ぇぇぇえ゛ええ!ま゛り゛さ゛うそ゛つ゛い゛て゛な゛いよ゛お゛お゛ぉぉお゛ぉお゛!!!」 巨大れいむが頼もしさすら感じさせる身体を跳躍させ、まりさに飛びかかる。 勝負はあっという間についた。 まりさは踏み潰された後もしばらく叫びながら抵抗していたが、すぐに声が聞こえなくなった。 流石巨大ゆっくりだ。 「おにいさん!たすけてあげたからおいしいものはやくちょうだい!」 「そうだな。取り出すからちょっとゆっくりしててね!」 「ゆっくりまつよ!」 身体が大きくなると余裕が出てくるらしい。巨大れいむは私の言うことを素直に聞き、身体を重力に任せる楽な姿勢をとった。 ビニールの包装を施された一口サイズの羊羹を取り出し、れいむの方を向く。 「お待たせ!今あげるから口を大きく開けて舌を出してね!そこに乗せるよ!」 れいむは口をあーんと開け、おいしい食べ物を今かと待ち構える。 ビニールをやぶき、中の羊羹を舌に直接乗せてやった。 「れいむ!ゆっくり味わってね!」 「むーしゃ…むーしゃ…。」 私に言われた通り、口で何度も咀嚼するれいむ。口を動かすたびに目が垂れ下がり、頬が赤く染まっていく。 そんなにおいしく食べてもらえるなんて幸せだよお兄さん。 「しあわせー!」 食べ終わったようだ。発情してるんじゃないかという程に赤くなった表情で声を上げるれいむ。 余韻を味わった後、私のほうを向いてきた。 「おにいさん!もっとほしいよ!」 「ああ、ちょっと待ってな。」 欲の皮の突っ張ったヤツだ、予想はしていたが。 欲求に答えてやる為、再び荷物を開けた。 先ほどの羊羹とは別のところから紙で包まれた一本の羊羹に見えなくも無い直方体を取り出す。 巨大れいむはそれを見て再びあーんと口を開け、早く頂戴と視線で要求してくる。 「これも美味しいからね!ゆっくり味わってね!」 包装を解いて舌に乗せてやると、あっという間に口の中に入れたれいむはよく味わおうとなめまわし始めた。 口からはみ出した紐が何とも珍妙な雰囲気を醸す。 「ふぉにいふぁん!ふぁんふぁりふぉいひくはいよ!(おにいさん!あんまりおいしくないよ!)」 「そういうのは大人の味って言うんだ。れいむは大きいからもちろん分かるよね!」 「ひゅ、ふぉうふぁね!ふぉいひいよ!(ゆ、そうだね!おいしいよ!)」 アホか。それは食い物ですらねえよ。 それにしても口から紐が出てて食いにくくないだろうか? 「ふぉにいふぁん!ふぉっふぉひふぉふぁひゃひゃふぁお!(おにいさん!ちょっとひもがじゃまだよ!)」 「自然に生えている羊羹だからね、蔓が付いたまんまなんだよ。」 「ふぉうふぁふぉ?(そうなの?)」 巨大とは言え所詮ゆっくりか、この程度の知能らしい。 れいむが思い込みにより再び幸せそうな顔になってきたところで、紐の一端を持って伸ばしながら部屋の外へと出て行く。 部屋の中が完全に見えなくなったところで荷物からドロップ缶の上に取っ手が付いたような物体を取り出し、紐と接続。 部屋から微かに聞こえる声で、巨大れいむが未だにお楽しみ中であることを確認し、取っ手を掴んだ。 おにいさんのこと、まりさはうそつきだっていってたけど、おいしいものくれたしゆっくりできるひとだね! ようかんってあまくておいしくてしあわせー! 巨大れいむはそう思いながら渡された物体をしゃぶり、味を楽しんでいた。 最初こそ変な味だと思った彼女だが、大人の味だと指摘されるとだんだんと甘く感じるようになり、今では十分美味しいと感じるようになっている。 さいしょもらったやつはすぐにたべちゃったから、こんどはゆっくりあじあわなきゃ! れいむは噛む事すら躊躇しながら物体を舌で転がす。 最初に食べた物体があまりにも美味しかった為に思ったよりゆっくり味わえなかった後悔がある彼女は、今度こそ楽しむという不退転の決意で居た。 彼女はそれをくれた人物が部屋から消えたことに最後まで気が付かなかった。 取っ手を捻った瞬間、先ほどの部屋から猛烈な爆発音が発生、殆ど同時に部屋の入り口から黒や茶の飛沫が散弾銃のごとく噴出した。 セムテックスが巨大れいむの口内で起爆したことにより、彼女は発生した膨大な量のガスによって瞬時に膨張、次の瞬間当然の結果として破裂し、その身体の破片をあたり一面に飛び散らせた結果だった。 部屋に戻ったとき目にしたのは、壁や床、そして天井に存在する餡子をブチまけたような(実際そうなのだが)抽象芸術だった。 あまりにも斬新過ぎる芸術に目を奪われた私は、部屋をよく見回さなかったことを後で後悔する。 部屋の隅、かつて巨大れいむの一部だった餡子の山が呻きながらわずかに動いていた事に、私は気が付かなかった。 続く? 書いているうちにタイトルと内容が剥離してきた。次で何とかする。したい。 by sdkfz251 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/363.html
※胴付きゆっくりがでます 厨ゆっくり注意 あとあんまりいじめてない 「ハッピーバスデイトゥーユー、ぱちゅりー。おめでとう」 「むきゅう!ありがとうおにいさん!」 「満1歳の誕生日だな、ぱちゅりー。何か欲しいプレゼントはあるか?」 「むきゅ・・・・・・」 「どうした?黙ってちゃ解らないぞ?」 「・・・・・・ぱちゅは、あれがほしいわ」 「え?アレって・・・えぇ!?アレ!?アレが欲しいの!?」 「むきゅう・・・・・・だめ?」 「いや、駄目ってわけじゃないけど、その・・・大丈夫なのか、ぱちゅりー?」 「むきゅ!だいじょうぶよ、おにいさん!」 「・・・・・・本当に?」 「ほんとうよ!ほんとうにだいじょうぶだから、おねがい、おにいさん!」 「・・・・・・本当の本当に?」 「だいじょうぶだから!だからおねがい、ぱちゅにあれをください!」 「・・・・・・そこまで頼まれたら断れないんだけどな」 「むきゅっ!?いいの、おにいさん!?」 「嫌だって言ってもどうせ勝手に持ち出すだろう?それくらいならくれてやるさ」 「ありがとう、おにいさん!ぱちゅ、このごおんはいっしょう・・・・・・」 「いやいいから。それより、もし無理だったらちゃんと返すこと。いいな、ぱちゅりー?」 「むきゅ!わかったわ、おにいさん!」 そんなやり取りをしたぱちゅりーの誕生日であった。 ゆっくり○○○りー それから一ヶ月。 俺とぱちゅりーは散歩に出かけていた。 ぱちゅりーの手にはあの日のプレゼントが握られている。 どうやらよっぽど嬉しかったらしく、あれから肌身離さず持ち歩いているというわけだ。 「むきゅー♪おにいさん、かぜがきもちいいわね」 モヤシなはちゅりーの身に余るものではないかと最初は心配していたが、どうやらそれも杞憂だったようだ。 どうせならもっと早くにあげても良かったのかもしれない。 「ゆっへっへ!!じじい、まりささまにおやさいをよこすのぜ!!」 「ゆぅっ!!れいむとまりさのためにじじいはあまあまもってきてね!!」 とか何とか思っていたら、いきなり野良ゆっくり共が飛び出してきた。 下卑た顔で餌を要求する奴ら。口悪いなぁこいつら。 「なにしてるんだぜ!?さっさとまりささまにおやさいもってこいのぜ!!」 「ゆっ!?まりさ、このじじいはきっとばかなんだよ!!だかられいむたちのいってることがわからないんだよ!!」 なんかこっちを無視して勝手に盛り上がっている野良共。 いや解ってるけど反応したくねぇんだよ。 「ゆっ!つかえないじじいなのぜ!そんなやくたたずはまりささまがころしてやるのぜ!」 「ゆぅ~!かっこいいよぉ、まりさ~!」 いまどきの野良ならこんな態度をとればどうなるか知っているだろうに、こいつらはそんなこともお構いなしに悪態をつきまくってくる。 野良になって日が浅いのか、よっぽど幸運だったか、もしくは底抜けのアホなのだろう。 「まりささまのいうことがりかいできないばかはゆっくりしね!」 「ゆ~ん!まりさぁ、そんなばかなんかころしちゃってね!」 ぽよぽよと跳ねながら近付いてくる野良まりさ。 あんまり触りたくないなぁ。そう思って、足を上げたその時・・・ 「そこまでよ!!」 ぱちゅりーが割って入った。 俺を守るようにぱちゅりーは立ちふさがっている。 「ゆっ!?まりさ、ぱちゅりーだよ!!」 「ぱちゅりーがいったいなんのようなのぜ!?じゃまだからさっさとどくのぜ!!」 突然の闖入者に驚く野良2匹。 正直俺もちょっと驚いてる。何してんのお前。 「おにいさんをきずつけようとするものはこのぱちゅがゆるさないわ!」 キッと野良まりさをにらみつけながら宣言するぱちゅりー。 ちょっと感動。あとでナデナデしてやろう。 「ゆひひひひひひ!!ぱちゅりーにゆるされなくってもけっこうだぜ!!」 「よわっちいぱちゅりーがれいむたちにかてるとおもってるの!?ばかなの!?しぬの!?」 ぱちゅりーを口汚く罵る野良2匹。 ゆひひひひって。久しぶりに聞いたぞキメェ。あと殺す。 「おにいさん、このぷれぜんと、あずかっててほしいの・・・・・・」 「ぱちゅりー、お前・・・・・・」 「だいじょうぶよ!すぐにこのまりさたちをやっつけるから、あんしんして!」 お前それ死亡フラグ立ててるよ。 そう思っても決して声に出さない。あとついでにぱちゅりーのプレゼントを預かる。 「まりさー!そんなぱちゅりーなんかころしちゃってね!」 「むきゅっ!」 「ゆっくりできないぱちゅりーは、まりささまにたおされてゆっくりしね!」 野良れいむのイラつく声援を受けながら、野良まりさはぱちゅりーに襲い掛かった。 「ぼぇ゛っ!!!?」 奇妙な声を出しながら野良まりさは道路に叩きつけられた。 もちろん叩きつけたのはぱちゅりーだ。 俺は見た。 まりさがぱちゅりーにぶつかろうとしたその瞬間、ぱちゅりーはまりさを片手で捕まえ跳躍、ぶんぶんと振り回しながら道路に叩きつけたのだ。 見紛う事なきメキシカンタイフーン。お前一体どこでその技覚えたんだ。 やっぱりアレの影響かもしれない。って言うかアレのせいに決まってる。 一ヶ月前、俺がぱちゅりーに贈ったものの正体。 それは広辞苑だ。 対人間ですら鈍器となるそれを、脆弱極まりないはずのぱちゅりーは一ヶ月肌身離さず持ち続けた。 そりゃあ鍛えられるってものだろう。 ぱちゅりー改めまちょりーが野良まりさに告げる。 「むきゅ。もうけっちゃくはついたわ。さっさとたちさりなさい」 「ゆげっ・・・!?い、いまのはなにかのまちがいなんだぜ!!まりささまはつよいんだぜ!!」 どうやら野良まりさの闘志はまだ折れていないらしい。見上げた根性だが、止めといた方がいいと思う。 「こんどこそ!!ぱちゅりーはまりささまにやられてゆっくりし・・・ぎぇっ!?」 あ、また捕まえられた。 「むきゅ!!」 まちょりーは思いっきり腕を振り回し、野良まりさを叩きつける。片手で。 右に。左に。壁に。道路に。何回も何回も何回も。うわ、すげぇ痛そう。 「ぼぎゅぇ゛っ!!ぶぉ゛っ!!え゛べっ!!ばびぃ゛っ!!」 ようやくまちょりーは野良まりさを開放した。 倒れ伏した野良まりさを見下ろすまちょりー。超強そう。 「ゆ・・・・・・ゆぎ・・・・・・」 「ばりざあああああああああああああああああああ!!!!」 最早息も絶え絶えといったところの野良まりさを見て泣きながら絶叫する野良れいむ。 「ばりざじっがりじでええええええ!!!いまでいぶのおながにはばりざのあがぢゃんがいるんだよおおおおおお!!!!」 「ゆ・・・・・・!?な、なんだってだぜ・・・・・・!?」 ここで非常にどうでもいい事が発覚した。 どうやらこの野良れいむの腹の中には野良まりさの餓鬼がいるらしい。 本当にどうでもいい。 「ばりざあああああああ!!!おながのあがぢゃんのだめにもがっでえええええええええ!!!」 「ゆ・・・・・・ゆゆ・・・・・・!!」 フラフラと立ち上がる野良まりさ。 まるでその目はチンピラから改心して己の信念のために戦う男のように澄んでいた。 え?なにいきなりいい人になったみたいな展開になってるの? 「まりさ・・・・・・ひくきはないのね・・・・・・?」 「ゆへへっ・・・・・・すまないのぜ・・・・・・まりさは・・・たいせつなものをせおっちまったのぜ・・・・・・」 なんかいきなり戦う者だけに通じ合う会話みたいなものをしだすまちょりーと野良まりさ。 いやちょっと待てよ。何なのこれ?何?俺がおかしいの? 「ぱちゅりー・・・・・・よわっちいとか、ゆっくりしてないとかいって・・・すまなかったのぜ・・・」 「いいのよ、まりさ・・・」 「ありがとうなのぜ・・・もうひとつたのみをきいてくれないのぜ・・・?」 「ぱちゅでよければいくらでもきくわ、まりさ・・・」 「まりさと、ほんきで・・・たたかってほしいのぜ・・・そうすれば・・・もしまけても・・・くいなくいけるのぜ・・・」 「!まりさ、あなたってゆっくりは・・・!」 80年代ジャンプ的会話を続けるまちょりーと野良まりさ。 もう突っ込むまい。 「わかったわまりさ!このぱちゅりー、ぜんしんぜんれいのこぶしをもっておあいてするわ!」 「それをきけて・・・あんしんしたんだぜ・・・!」 「いくぜ、ぱちゅりー・・・!ゆあああああああああああ!!!」 そう言って、野良まりさは跳躍した。 疾い。どこにそんな力があったのかというほどの速度。今までとは比べ物にならぬほどの疾さをもって、まちょりーに肉薄する野良まりさ。 思わず真面目になって解説してしまった。 「むきゅう!!」 だが、そんな野良まりさをまちょりーは掴んだ。 自身の最高の攻撃。それを受け止められて野良まりさは満足したのだろう。 まちょりーの指の間から、野良まりさの穏やかな笑みを垣間見た気がした。 まちょりーがキッと眦を上げた。 全力で戦った相手には全力で礼をしようというのだろう。 そうでなければ野良まりさとの約束を違えることになる。 「おわかれよ!!」 別れの言葉と共に、野良まりさの顔面を握りつぶす。 ぱちぇどうこく。 なんとなくだが、旋風が巻き起こっているような気がした。あ、目にゴミが入った。痛い。 野良まりさの・・・否、まりさの遺体がまちょりーの手から落ちる。 まちょりーは咄嗟にまりさを抱え、そっと道路にまりさを下ろした。 ズタズタとなった表情からは何も読み取ることが出来ないが、このまりさはゆん生の最後に何か大切なものを得たような気がする。 いつの間にかこのノリに慣れはじめた俺が言うのだから間違いない。 「さよなら・・・まりさ。あなたもまさしくともだったわ・・・」 そうだ。このまりさは強敵(とも)だった。これからもこのまりさは俺とぱちゅりーの胸の中に生き続けr 「ゆげぇっ!まりさがやられちゃったよぉ!」 空気を読まずに野良れいむが声を上げる。 「ぷんぷん!まったくまりさはつかえないね!れいむのためにじじいたちをころすこともできないなんて!」 ・・・ほぉ。 「せっかくおなかのなかにあかちゃんがいるってうそもついてまりさのやるきをださせたのに!ほんとうにぐずだね!」 あれ嘘だったんかい。この野良れいむ本当にいい根性してやがる。 「ゆっ!でもじじいとぱちゅりーはまりさにきをとられてるね!あのぐずもおとりくらいにはつかえるね!」 俺もまちょりーも思いっきりお前のこと凝視してるけどな。まちょりーに至っては睨んですらいる。 「じじいとばかなぱちゅりーがあのぐずまりさにきをとられているすきにれいむはにげr」 「にがさないわよ」 ガシッとまちょりーが野良改め屑れいむの後頭部を鷲掴みにする。 どうやらまちょりーは強敵(とも)をここまで侮辱されたのではらわたが煮えくり返ってるらしい。 「れっれいむをはなしてね!れいむはまりさがしんでしんぐるまざーになっちゃんたんだよ!」 じたばたと暴れてまちょりーから逃げ出そうとする屑れいむ。 いや嘘だって知ってるから。お前がでかい声で言ってるの聞いちゃったから。 「れいむはかわいそうなしんぐるまざーになんだよ!!かわいそうだとおもうなられいむにあまあまちょうだいね!!」 いきなりでかい態度で食い物を要求し始める屑。 うぜぇ。久々に殺したくなった。 「きいてるの!?ばかなの!?しぬの!?だまってないでれいむにあまあまちょうだいね!!」 「・・・・・・わかったわ、れいむ。ぱちぇがれいむをつれていってあげるわ」 「ゆっ!?つてれく!?どこに!?ゆっ!!もしかしたらゆっくりできるゆっくりぷれいす!?」 「ちがうわ、れいむ。れいむがいくところは、もっとべつのばしょよ」 「ゆっ!?なに!?どこ!?もったいぶらないで、さっさとれいむにおしえてね!!」 「げすゆっくりは、かこうじょにいけ」 本日二度目のぱちゅどうこく。 屑れいむの絶叫が青空に響き渡った。 おわり ――――― 何を書きたいのか自分でもわからない書き溜めです。 最初は ぱちゅりーに広辞苑持たせたら面白そうじゃね? ↓ まちょりー面白くね? ↓ なぜか80年代ジャンプノリ となってしまいました。反省している。 全く関係ない話なんだけどゆうかはギガンテックプレッシャーとジェノサイドカッター使えると思う。 というか使わせたい。 というか書く。いつか書く。書きたい。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/390.html
里から森に続く道を歩いていると、向こう側からゆっくりと跳ねてくる 1匹の饅頭が見えた。丸い頭の上に乗った黒い帽子から、まりさ種だとわかる。 その動きはとてもゆっくりとしていて、一歩一歩の跳躍の幅もとても小さなものだ。 ある程度近づいた所で、まりさも近づいてくる人間に気付いた。 このまままっすぐ跳ねて行けば、人間と正面衝突してしまう。 まりさはその場で垂直に跳ねながら、よいしょよいしょと横を向くよう少しずつ回転し 道の脇の土手に跳ねて行こうとしたところで、人間が目の前まで来てしまった。 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 「ああ、ゆっくりしていってね」 道の脇の方を向くのにもその場で何回も跳ねなければいけなかったので、 すぐに人間の方を向く事が出来ず、横目で見ながら挨拶をしてくる。 顔には汗のような分泌液が噴出し、明らかに人間を警戒しているようだ。 「そ、それじゃまりさはもういくね?」 「まあ待て」 そそくさと、それで居てゆっくりとした動きで、土手に跳ねようとするまりさ。 跳ねる前の準備動作として体を沈み込ませた所で、その後頭部を掴んで止める。 掴んだ手に、明らかに他のゆっくりとは違うべたべたした感触が伝わり、 思わず跳ねのけてしまった。頬の部分で地面にべたっと落ちるまりさ。 「ゆっ、なにするの!?ゆっくりさわらないでね!」 さっきの感触はなんだったのか、頬の部分を下にして倒れたまま 起き上がろうとしないまりさの顔を恐る恐るつついてみる。 「ゆっゆっ、やめてね、つつかないでね!」 「うっわぁ、こりゃべたべただ」 少し押すと指が皮に沈み込み、引き抜こうとすると指に接触した部分の皮が うにょ~、と伸びて指について来る。ちょっと伸びたところで、 限界まで伸長した皮が元々あった場所に勢い良く戻って行き、 皮が戻ってきた勢いで表面がぶよよんと波打つと「ゆひんっ」と声を上げる。 ゆっくりの皮はもちもちとして、手に触れれば軽く吸い付くような感触もあるが、 ここまでべったりとくっ付いてくる感触は初めてだった。 今もまりさは頬を地面につけたままの姿勢で、足を少し地面から浮かせているが そこには砂や葉っぱ、アリのように小さい虫などが沢山くっ付いている。 足の裏もべたべたとして、地面をしっかり蹴る事が出来ないので ゆっくりとした動きでしか歩けなかったのだろう。 帽子を掴んで手前に引くようにし、まりさを元の姿勢に戻した後、 底面の近くを持ち上げて顔をこちらに向き直させてやる。 体と違って、帽子はそんなにべたべたしていない。 逃げられないと断念したのか、まりさは居づらそうにもじもじとする。 「ゆゆ…にんげんさんはゆっくりできるひと?」 「ああ、お前家族はどうしたんだ?」 「ゆ、ここにはいないけど、もりにいるよ」 「そうか、その、お前の体はべたべたしてるけど、家族もみんなそうなのか?」 「……」 このゆっくりに家族が居るなら、揃ってべたべたしたゆっくりなのだろうか、 疑問に感じて聞いてみると、まりさは俯いて黙ってしまった。 聞いてはいけない事を聞いたのだろうか。人間と饅頭の間に沈黙が流れる。 何か違う事を聞いてみるか、そう思った矢先まりさがぽつぽつと話しだした。 「おかあさんもおねえちゃんも、まりさみたいにべたべたしてないよ まりさみたいにべたべたしてるゆっくりは、ゆっくりできないんだって…」 「そうなのか?さっきの歩きを見るに、他のゆっくりよりもよほどゆっくりと跳ねていたけどな」 「ゆ?まりさゆっくりしてる?」 「ああ、多分」 そう答えてやると、少し笑顔になり話を続けてくれた。 このまりさは父親まりさと母親まりさの間に生まれた子供の1匹で、 姉が「たくさん」いたのだそうだ、ゆっくりだから正確な数は覚えていないらしい。 生まれた子供の1匹に触れてみると実にべたべたとしており、親も姉も驚いたそうだが、 親はそのまりさを育てる事を放棄はしなかった。 だが子ゆっくりには、少しでも異常な所があるゆっくりに対して、 たとえそれが自分の姉妹でも執拗に嫌がらせや暴力を行う性質がある。 例によって「こんなゆっくりできないまりさはゆっくりしんでね!」と体当たりもされたが、 ゆっくりの力で押しつぶされても、餅のような皮は破れたりせず、逆に姉の方が べたべたした肌に引っ付いて離れられなくなり、「な゛んではなれられない゛のぉぉ!?」 と泣き出してしまったそうだ。 親もこのまりさは異常だと、やっかいに思っていたのだろう。 子ゆっくりはもう少しで成体になれる所まで成長すると一人立ちするものだが、 このまりさは子ゆっくりより少し大きい程度に育ったところで 「もうまりさもいちにんまえだね!」 「そうだね、もうりっぱにひとりだちできるよ!」 「ゆっ!?まりさまだおおきくないよ?」 「だまってね!まりさはもうおとなだからでていくんだよ!」 と追い出されてしまった。先に生まれた姉達がまだ誰もひとり立ちしていないのに、である。 姉達も、どんなに体当たりしても全く死なない、気に食わないべたべたまりさが居なくなると ニヤニヤしながら見送ったのだった。 巣から追い出されたまりさは森をさ迷うが、べたべたした体では素早く動けず、 雑草や花、ゆっくりとしたいも虫くらいしか食べる事ができない。 そんな餌も目の前で他のゆっくりに横取りされ、餌を求めて歩いていたら この人間の里に通じる道に迷い出たのだそうだ。 「ははあなるほど、大変だったんだな」 「ゆ…」 話して辛い事を思い出してしまったべたべたまりさは、また笑顔を消して俯く。 肌の質感が違うせいで、他のゆっくりは助けてくれないどころか迫害もうけたのだろう。 粘着質な肌には裂傷などは見えないが、投げつけられたのか小さい石が付いている。 この肌、どれくらいくっつくんだろう。 思い立っては試さずに居れぬ。と帽子の先端を掴んで上に持ち上げる。 髪の毛にも粘着性があるのか、帽子にくっ付いた髪が持ち上がり、 髪に引っ張られて頭頂部がにゅー、と上に伸びる。 「ゆっ!?やめてね、まりさのぼうしをひっぱらないでね!」 悲鳴をあげるが、ある程度引っ張ったところで帽子と髪の接着面が剥がれ、 引っ張られていた頭頂部がぶよんと戻って来る。 「かえして!まりさのおぼうしかえして!」 自分の上にある帽子を見上げながら、上下にぼよんぼよんと沈んだり伸びたりするまりさ。 粘着性が強く地面をうまく蹴る事の出来ない足では、帽子に届く跳躍が出来ない。 そのまりさの頬、先ほど地面に落ちて細かい砂が付いている面を押し、 ころんと横向きに転がしてみる。 「ゆ、ゆゆっ?」 今まで経験した事の無い横回転、視界がぐるんと回転して、まりさは心臓が飛び出そうになる。 1回転しただけで涙目ではっはっと息をつくまりさの両頬や横髪、頭頂部には細かい砂が びっしりと付いている。綺麗な髪が砂だらけになったのが嫌なのだろう、 水を被った犬がするように、全身をぶんぶんと横向きに振って砂を飛ばそうとするが 一向に離れる様子がない。 「ゆうっ!とって!ざらざらとってね!」 「あっはっは」 「なんでわらってるのぉぉ!?ざらざらとって!ぷくぅぅ!」 髪の汚れの不快感に耐えられず、いやいやをするように顔を振るのが微笑ましい。 つい笑ってしまうと頬を膨らませて怒りだした。 肌が餅の様に柔らかいとは言え、頬を膨らませたサイズは他のゆっくりとそう変わらない。 膨らんだ事で下腹部、あごに当たる部分も持ち上がったのでそこに手を当て、 「そいっ」 「!? ゆぶっ!」 ちゃぶ台返しの要領で、今度は縦回転させてみる。 ぐるんと空が下に流れて、上からやって来た地面が顔にかぶさる。 ころんと1回転したまりさの顔面には、やはりびっしりと細かい砂が張り付いていた。 まぶたは閉じたのでゼラチン質の眼球は無事だが、口には少し砂が入ったようだ。 「ぺっ!ぷっぺっ!なにするのぉぉ!?もうざらざらやだぁぁぁ!」 目をうるうるさせて体を横にゆさゆさ揺するまりさ。 人間の子供が手をじたばたさせて、ダダをこねるのと同じような動きなのだろう。 このべたべた肌は面白い。家に持ち帰って砂を洗い流したら飼ってやろうか。 そんな事を考えていると、いつの間にかまりさの背後まで近づいて来ているものがあった。 短い足でもたもたと歩き、ちょっと息が上がっているのか紅潮した顔でニコニコしている。 「うっうー、れっみりゃっだどぅー!にぱー」 ブボボッ! 聞いてもいないのに自己紹介をして、間髪置かず盛大な音の屁をするれみりゃ。 目の前のまりさは、ざらざらとってぇぇ、と泣き叫んでいるので背後の豚には気付いていない。 あまりの光景に何も言えず見ていると、レディーである自分の美しさに声も出ないのだと 勝手に判断したれみりゃはご満悦の表情を見せる。 「れみりゃにぶっでぃん、もっでくるんだどぅ、ぶっでぃ~ん!」 「うっわぁ」 よだれをたらし、ゆさゆさと太った体をゆさぶって踊るれみりゃの汚さに唖然としていると むう、とふくれっ面になる。 このまま苦情を言ってくるかと思ったら、自分と人間の間でゆんゆんと泣くまりさに目をつけた。 「うー!あっまあま、た~べちゃ~うぞ~」 「ゆゆっ!?」 ゆっくりの餡子の味を知っているれみりゃが、がっしりとまりさを持ち上げ、 後頭部に狙いを定めて口を開く。べたべたまりさには細かい砂が大量についているが、 まったく気付こうともしない。 「あも゛っ!…む゛も゛?む゛っむ゛ー!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!」 れみりゃの牙がべたべたまりさの後頭部に刺さるが、あまりにももちもちした肌は噛み切れず さらに髪についていた砂の味に強い不快感を感じるれみりゃ。 吐き出そうとしても、唇にまで強く張り付いたまりさの頭は離れない。 「む゛ん゛む゛──っ!」 「いだい!はな゛ぢでぇぇぇぇ!」 何とか引きちぎろうと、まりさを掴んだ短い両手を一生懸命下にのばすが、 まりさの体はうにょーん、と伸びるばかりである。 さっき指でつついた時はあそこまで伸びなかったのに、他のゆっくりが苦痛や絶望で 餡子の甘みを増すように、べたべたまりさも苦痛で体の餅っぽさを増すのだろうか。 「…………!!」 「も゛うやへ゛て゛え゛ぇぇぇぇぇ!」 一向に口から離れる事のないまりさをほおばったまま、れみりゃの顔色は紫色になっていった。 手に付いたまりさを離そうともがいて暴れるうちに、まりさの体は縦にも横にも伸ばされ いびつな形の肌色の凧に泣き叫ぶ顔と、いくらかの金髪が生えた不思議な生き物へと変貌している。 これを持ち帰っても、もう元の形には戻せないだろう。 「ゆ゛!?どごいぐの?おいでがな゛いでぇぇぇぇぇ!」 珍しいゆっくりを手に入れられなかったのは残念だが、白目を向いて倒れるれみりゃと ぎゃあぎゃあと泣き喚く平面まりさはほっといて帰る事とした。 おわり。 その他の作品。 ゆっくりいじめ系791 ゆっくりと瓶 (fuku2335.txt) ゆっくりいじめ系813 赤ちゃんのお帽子 (fuku2368.txt) ゆっくりいじめ系822 ドスの中身 (fuku2386.txt) ゆっくりいじめ系851 どちらかのお帽子 (fuku2437.txt) お帽子の人? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3087.html
その6より れいむは朝早く目が覚めた。 今日が来るのを待ち切れず、興奮のあまり、目を覚ましてしまったのだ。 遠足前の子供のようである。 お腹がすいたので、もうこれも食べることも無くなるのだなと、感慨深げにドッグフードに口をつける。 「む〜しゃむ〜しゃ、しあわせ〜〜♪♪」 ここにきて、初めての「しあわせ〜〜」である。 どんなに美味しくても、虐待の後に食べたり、負い目を感じながら食べても、全然幸せになれなかった。 やっぱり「しあわせ〜〜」が出来ると、一日の気分がいい。 その後、れいむは嬉しさを堪え切れず、部屋の中を行ったり来たりしていた。 早くお兄さんが来ないかな? まだかなあ? いつもなら男が来なければ良いのにと思うのに、解放されると分かった途端、現金なものである。 しかし、男は中々やってきてくれない。 無理はない。まだ早朝、夜が明けたばかりなのだから。 試しにまりさとありすに声をかけてみる。 しかし、二匹とも寝ているのか、ちっとも返事を返してくれなかった。 話し相手が居ないのは残念だが、無理やり起こすのは可哀そうだ。 それに、ゆっくりにとって、ゆっくりしすぎることは悪いことではない。むしろステータスだ。 そんなゆっくり出来てるまりさと、これから一生ゆっくり出来ると考えるだけで、体が熱くなってくる。 れいむは無意識のうちに壁に寄り添い、上下に体を擦りつける。 次第に興奮が高まってくるれいむ。 もしかしたら、今日にでもまりさといっしょにスッキリを……と、ここにきて、れいむは火照る体を無理やり押さえつけた。 気分が高まってしまい、うっかりと一匹スッキリをしてしまうところだった。 そんなことをしなくても、これからはいつでもまりさと一緒にスッキリをすることが出来る。 こんなところで一匹で寂しくしていることはない。 れいむは、高まる興奮を無理やり押さえつけるため、毛布に包まり目を閉じた。 一匹で起きているから、抑えきれないのだ。 男が来るまで、二度寝するに限る。 初めは興奮してなかなか寝付けないれいむだったが、元々昨夜は十分な睡眠が取れていなかったのだ。 れいむは、すぐに夢の中へと吸い込まれていった。 「おきろ、れいむ」 誰かのれいむを呼ぶ声によって、れいむは目を覚ました。 毛布からモゾモゾ出てきて、声の主を確認する。 それは、今まで虐待を繰り返し、今日ここから出してくれるといった男であった。 男は部屋を開けて、れいむの部屋に入っていた。 「ゆっ!! ゆっくりおはよう!! おにいさん!!」 「ゆっくりおはよう。呑気だな、敵である俺に挨拶をするなんざ……」 「ゆゆっ!! そうだったよ!! れいむ、ゆっくりまちがえたよ!! ゆっくりおはようしないでね!! おにいさん!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 男は、れいむを適当にあしらう。 「さてと、れいむ。今日は何の日か覚えているな?」 「ゆっ!! おぼえてるよ!! れいむたちが、おそとにでられるひだよ!!」 「そうだな。今日はお前をここから解放してやる日だ。ただし、出る前にやってもらうことがある」 「ゆゆっ!!」 れいむは焦った。 すんなり出してもらえると思っていたのだ。 もしかしたら、出るために条件でも出されるのだろうか? それとも、出る前に虐待をさせるのだろうか? しかし、そんなれいむの不安そうな表情にピンと来たのか、男は「安心しろ」と言葉をかける。 「今日お前を虐待する気はない。ただ、外に出る前にやってもらうことはあるがな」 「やってもらうこと?」 「ああ。まあ、それは後で教えよう。問い合えずこの箱の中に入れ?」 そう言って男は、いつも虐待部屋とこの部屋を渡るときに使っていた木箱を、れいむの前に置いてくる。 「ゆぅぅ……」 木箱を見せられて怖気づくれいむ。 虐待はしないと言っていたが、やはりこれを見せつけられると、不安が押し寄せてくる。 しかし、男に逆らいでもしたら、折角出られるチャンスを不意にしてしまうだろう。 れいむは仕方なく木箱の中に入った。 男は木箱の蓋を閉めると、「どっこらせ」と掛け声をかけて、れいむを持ち上げ運び出した。 そして、目的の部屋に連れて来ると、れいむを木箱から出してやった。 部屋を見渡し、青ざめるれいむ。 そこかしこに散らばている虐待道具。 あの悪夢のような動く絵を見せる箱。 そこは、もう二度と来たくないと思っていた虐待部屋であった。 「な、なんでここにくるのおおおぉぉぉぉ―――――――!!!! もうぎゃくだいはじないっでいっでだのにいいいぃぃぃぃ――――――――――!!!」 れいむは男に向かって叫ぶ。 男は、そんなれいむを宥めるように、淡々と説明を告げてくる。 「落ち着け、れいむ。さっきも言ったが、今日は虐待はしない。ここに連れてきたのは、まりさとありすに会わせるためだ」 「ゆゆっ!!」 そう言えば、まりさとありすにまだ会っていなかった。すっかりと失念していた。 「ゆっくりはやく、まりさとありすにあわせてね!!」 「今連れてくる。ここで待ってろ」 男はれいむを置いて、部屋を出ていった。 早くまりさに会いたい。早くありすの顔を見たい。 れいむは、落ち着かなかった。 数分後、男は両脇に何かを抱えて、部屋に戻ってきた。 何かと言うのは、男が抱えているのが、真っ黒な布を被せてあり、四角い形をしているので分からなかったのだ。 しかし、れいむにはピンときた。 形からして、男が持っているのは箱。その中に、まりさとありすが入っているに違いない。 箱が布を被っている理由は分からないが、れいむは気にしなかった。 男がれいむの目の前に、二つの箱を置く。 そして、れいむに目を向けた。 「れいむ。この中に、まりさとありす入っている」 「ゆっくりしっていたよ!!」 「今から会わせてやろう。お前が待ちに待った瞬間だ」 男はそう言って、両箱の布に手をかけた。 「この布を取れば、お前は二匹に会うことが出来る。心の準備はいいか?」 「ゆっ!! ゆっくりはやくあわせてね!!」 「準備はいいようだな。それじゃあ、2か月半ぶりにご対面だ。ごかいちょう――――――――――――!!!!」 男は勢いよく布を持ち上げた。 れいむは初めて会って以来、久しぶりに二匹の顔を見ることが出来た。 待ちに待った瞬間だった。 だったのだが…… 「…………ゆっ!? ゆゆっ!? ゆ……ゆゆ………ゆぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!」 そこにいたのは、確かにまりさとありすだった。 しかし、透明な箱の中に入っていた二匹は、れいむの記憶にあった面影がほとんど残っていないほど凄惨なものだった。 これが本当に、あのまりさとありすなのか? 二匹の髪は、無理やりむしり取られたような跡がたくさんあり、所々禿げあがっていた。 まりさなど、毛より地肌の部分が多いくらいであった。 もっちりと張りのあった皮は見る影もなく、皺々でかさかさ。 余りに乾燥しすぎていて、所々ヒビ割れを起こしている。 両者とも片目が抉り取られており、その部分はポッカリと空洞が出来ていた。 歯も無理やり抜き取られたようなところが、たくさん見える。 足に当たる底辺は、焼かれてしまったのだろうか? 真っ黒になって、もう使い物になりそうもない。 もはやまりさとありすの面影など、殆ど残っていなかった。 美ゆっくりであったまりさも形無しである。 それでいて、れいむがすぐに二匹だと気づいた理由。 それは、帽子とカチューシャのおかげであった。 体は凄惨な状態でありながら、二匹の帽子とカチューシャは、れいむが初めて会った時の状態そのままであった。 ゆっくりは、飾りで相手を特定する。 一切無駄な皺のない帽子、光沢を放つカチューシャ。 それは、間違いなく二匹の付けていた物であった。 れいむは、二匹のあまりの状態に、アングリと口を開けたまま放心した。 その様子を見た男が、面白そうに声をかけてくる。 「どうだ、れいむ。久しぶりに会った感想は?」 「な、な、な、な、なんでえええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――!!!!!」 「なんでって何がだ?」 「なんでまりざがごんなめにあっでるのおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――――!!!!!」 「こんな目にと言われてもなあ……二か月半ずっと繰り返してきたことだし」 二か月半繰り返してきた? あり得ない。あり得るわけがない!! 確かに虐待は受けてきた。しかし、三匹とも同じ虐待を受けてきたのだ。 それなのに、れいむは殆ど傷がなく、まりさとありすはこうもボロボロになっているのだ? 「どうやら、訳が分からないことだらけのようだな。ま、取り敢えず、まりさとありすを起こしてやろう」 男は透明な箱の蓋をあけて、まりさとありすを思いっきり拳を叩きつける。 辛そうな表情で寝ていた二匹は、それによっていきなり目を覚ます。 「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ――――――――――――!!!!!」 「ゆぎゃああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!!!」 断末魔の様な悲鳴を上げながら、無理やり覚醒させられる二匹。 しかし、男は起きたにもかかわらず、面白そうに二匹を殴り続けた。 「やめでえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――!!!!!」 「ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!! ごめんなざい!!!!」 二匹の必死の懇願に、男はようやく暴力を働くのを止めてくれた。 そして、二匹に向かって、口を開く。 「お前たち、目の前を見てみろ。お前たちが会いたがっていたれいむが、すぐ目の前にいるぞ」 男はそう言って、れいむを指差した。 二匹はびっくりしたような表情で、男の指す方に目を向ける。 「遠慮なく語り合え。俺は一切手を出さん」 れいむは、変わりに変わってしまった二匹のことを見てるのが辛く、つい目を背けてしまいそうになった。 しかし、それでも何とか勇気を振り絞って、二匹から目を離さなかった。 例え、姿は変わってしまっても、まりさはれいむの婚約者である。 どんなに変わってしまっても、れいむはまりさを愛していた。 そして、ありすは親友である。 自分を恨むどころか逆に祝福して貰い、その後も親友でいてくれると誓ったありすである。 二匹がいなければ、れいむはここまで生きていられなかっただろう。 心が折れていただろう。 目を背けられす筈がなかった。 「まりざっ!! ありずっ!! じっがりじでええぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――!!!!」 れいむは、心の底から呼びかけた。 しかし、れいむに帰ってきたのは、思いもよらない罵声であった。 「れいむ―――――――――!!!! きざまのぜいでえええぇぇぇぇぇ――――――――!!!! きざまのぜいでええぇぇぇぇぇぇ――――――――!!!!」 「じねええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――!!!!! れいむうううううううううぅぅぅぅぅ―――――――――――!!!!」 「ばりざざまが、ごんなめにあうのは、きざまのせいだああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――!!!!」 「どがいはのびぼうをがえぜえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――!!!!」 「ゆっ!! ま、まりさ!? ありす!?」 なぜ自分が罵声を受けるのか分からないれいむは、二匹のあまりの様子に困惑した。 自分はまりさの妻なのだ。なのに、なぜ罵倒される? ありすは親友のはずだ。なのに、ありすもれいむを責めてくる。 しかも、れいむのせいとはどういう意味だ? 都会派の美貌を奪ったのは、れいむだというのか? 訳が分からなった。 「ま、まりさ!! ゆっくりちゃんとみてね!! れいむだよ!! まりさのおよめさんのれいむだよ!! ありす!! ゆっくりれいむのこえをきいてね!! ありすのだいしんゆうのれいむだよ!!」 考えに考えた末、二匹は勘違いをしているという結論に至った。 れいむと出会ったのは、初日だけだ。 もしかしたら顔を忘れてしまったのかもしれない。 片目では、うまく見えないのかもしれない。 でも、れいむの声を聞けば、ゆっくり理解してくれる。何しろ、毎日のように壁越しに語り合ったのだから。 しかし、れいむの希望はまたしても打ち砕かれた。 「だれがおよめざんだああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――!!!!! きざまのようなきだないゆっぐりが、まりざざまのおよめざんなわげ、ないだろおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――!!!!」 「どかいはのありずが、おまえのじんゆうなわげないでじょおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!! いながものはじねえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――!!!!! ずっきりざぜろおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――――――――!!!!!!」 れいむは耳を疑った。 一体二匹とも何を言っているのだ。 れいむはまりさのお嫁さんではないか!! れいむのプロポーズを受けてくれたではないか!! ありすはれいむの親友でしょ!! 田舎者なんて、一度も言われたことないよ!! それに、スッキリさせろって、そんなレイパーみたいなこと言わないでよ!! れいむの知っている二匹は、決してこんなことを言うゆっくりではなかった。 男に無理やり言わされているのだろうか? いや、れいむがこの身に受ける呪詛にも似た言葉は、間違いなく真実であると語っている。 二匹は心の底から、れいむを憎んでいる。 となると、二匹はもしかしたら偽物……!! 「おにいさん!! このまりさとありすはにせものだね!! ゆっくりほんとうの、まりさとありすをかえしてね!!」 れいむは男に振り向き叫んだ。 こいつ等が偽物であると確信した理由。それは帽子である。 前述の通り、ゆっくりは飾りで個体識別を図る。 二匹はこれでもかというほどボロボロにされているのに、何故か飾りだけは新品同様である。 最初から不自然だと思ったが、偽物なら納得が出来る。 大方、男がボコボコにした偽物に、本当のまりさとありすの飾りを付けたのだろう。 だから、目の前にいるのは二匹だと感じても、その正体は偽物なのだ。 「なぜ、偽物だと思う?」 「かんたんだよ!! ぼうしだけきれいだよ!! きっとにせものに、まりさのぼうしとありすのかちゅーしゃをつけたんでしょ!!」 「ほう、そこに気付くか。やはり、お前は頭がいいな」 男は感心したような表情を見せる。 れいむは確信した。やはり、自分の考えは正しかったと。 「ゆっくりはやく、ほんとうのまりさたちをつれてきてね!!」 れいむを男を急かす。 こんな偽物に合わせていったい何を企んでいたのかは知らないが、もう種はお見通しだ。 しかし、男はれいむの言葉を聞かなかった。 未だにギャアギャアとれいむを罵倒している二匹の顔面に、思いっきりパンチを叩きこむ。 静かになった二匹を見て満足した男は、部屋の隅にある虐待道具置き場に近づいていく。 そして、ある道具を引っ張り出してきた。 「ゆうううぅぅぅ!!!!! きょうはぎゃくたいしないっていったでしょおおおおぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――!!!!」 「安心しろ。虐待の為に出したわけじゃない」 れいむを怯えさせた物。 それは、かつて幾度となくゆっくりの凄惨な虐待風景を見せつけた悪魔の箱、“てれびじょん”と“べーた”であった。 男はそれに一本のテープを挿入し、れいむに見ろと命令をしてくる。 拒むれいむだが、「虐待されたいのか?」という男の一言に、聞かざるを得なかった。 仕方なく、映像に目を向けるれいむ。 「ゆゆっ!! まりさ!!」 そこに映っているのは、虐待風景ではなかった。 しかも、れいむが愛した本当のまりさが映っている。 映像は男がまりさを抱えて知らない部屋に入ってくるところからスタートする。 まりさは男に抱えられたまま、泣き続けている。 見ている方が気の毒なほどの泣きっぷりだ。 しかし、次の瞬間、「まりさ、もういいぞ」と男が声をかけると、いきなりまりさは泣きやんだ。 『ゆゆっ!! まったく、なきつかれたんだぜ!!』 『みごとな演技だったぞ、まりさ』 『あたりまえなんだぜ!! まりさはめいじょゆうなんだぜ!! なきまねくらいかんたんなんだぜ!!』 『おお、怖い怖い』 『それにしても、あのれいむのかおったらなかったんだぜ!! かんぜんに、まりささまにほれていたんだぜ!! みのほどをしれなんだぜ!! このまりささまが、あんなきたないゆっくりをあいてにするわけないんだぜ!! ばかなゆっくりはこれだからこまるんだぜ!!』 『まったくその通りだな。ははは!!』 『ゆっへっへっへっへっへ!!』 『取り敢えずありすがくるまで、菓子でも食ってろ』 『ゆっ!! わかったんだぜ!! むーしゃむーしゃ、しあわせ〜〜〜♪♪』 ……自分はいったい何を見ているのだろう? 箱に映されているのは、見間違いようのないまりさその物であった。 美ゆっくりであるのは間違いない。その美しさは、紛れもなく本物だ。 しかし、れいむの知っているまりさとは、明らかに別物であった。 まりさはあんな嫌な目をしていない。 まりさは、決して「だぜ」なんて、不良言葉を使わない。 まりさは、あんな汚らしい笑い方をしない。 まりさなわけが……まりさなわけがない……… その後、映像に砂嵐が出た後、場面が切り替わった。 そして、男がありすを抱えて、部屋に入ってくるシーンが映される。 ありすもまりさ同様泣いていた。 しかし、男が言葉をかけると、これまたまりさ同様、ピタッと泣きやんでしまった。 『ゆう!! なきすぎて、かおがめちゃくちゃになってしまったわ!!』 『済まなかったな、ありす』 『まったくよ!! とかいはのありすに、こんなえんぎをさせておいて、やすくすむとはおもわないことね!!』 『へいへい、分かってるよ。報酬はしっかりと払ってやる』 『ちゃんと、そこのまりさのように、きれいにしてくれるんでしょうね!!』 『してやるとも。安心しろ』 『おい、じじい!! まりささまのほうしゅうも、わすれるんじゃないんだぜ!!』 『分かってる。お前は、美ゆっくり100匹だったな。しかし、そんなにゆっくりを集めてどうするんだ?』 『ゆっへっへ!! きれいでかわいいまりささまの、すっきりよういんにしてやるんだぜ!! えらばれたゆっくりも、こうえいなんだぜ!!』 『まりさばっかりずるいわ!! ありすにもゆっくりをいっぱいよこしなさい!!』 『はあ? お前の報酬は、美ゆっくりに整形することじゃなかったのか?』 『とかいはのありすに、あれだけのえんぎをさせておいて、それだけですむとおもわないことね!! それだけじゃ、だいじょゆうのありすにはすくなすぎるわ!!』 『お前もゆっくり100匹かよ。そんなに集めてどうする……って、聞くまでもなかったな。お前レイパーだもんな』 『そんなねもはもないことをいわないでちょうだい!!』 『いや、根も葉もあるだろ』 『とかいはのありすがあいしてあげてるのよ!! あいては、ゆっくりかんどうするにきまってるわ!!』 『正しくレイパーの言葉だな……』 『それにしても、あのへやにいたれいむ、いなかくさいったらなかったわ!!』 『ゆっへっへ!! あのれいむ、このまりささまに、ほれてたんだぜ!! まったくばかなれいむなんだぜ!!』 『だいたいいなかれいむのくせになまいきなのよ!! このとかいはのありすに、がっかりしたようなかおをしたのよ!! いなかもののれいむのくせに!!』 『ほんとうのこというなだぜ!! あんまりいってやったら、かわいそうなんだぜ!! ゆっひっひ!!』 『ゆっくりはやく、いなかもののれいむが、がっかりするところをみたいわ!! だまされてるともしらないで、どんなかおをするのかしら!!』 『おい、じじい!! まりささまにも、れいむのはずかしいすがたをみせるんだぜ!! おもいっきりばかにしてやるんだぜ!!』 『ああ、見せてやるとも。お前らには、重要な役割が残っているんだからな』 またもや映し出されるのは、あり得ない映像。 そこの出てきたのは、れいむの親友であるはずのありすであった。 しかし、ありすでは無かった。 ありすは優しく、他者を思いやるゆっくりであった。 なのに画面の中のありすには、そんな姿は微塵も見られなかった。 田舎者と何度も口にしたことも引っ掛かる。ありすは、田舎者などと滅多に他者を馬鹿にしたりはしなかった。 何よりもおかしいのは、レイパーの件。 ありすはレイパーを憎んでいるはずだ。 なのに、そのありすが率先してレイパーの発言をしているとは、いったいどういうことなのだろう? まりさの顔をした誰かと、ありすの顔をした誰かが、画面の中でれいむを馬鹿にしている。 れいむにはそう感じられた。 次に、画面の中の男の顔が大きくなった。アップ撮影に切り替わったらしい。 男は画面の中で『コホン』と一度咳払いをすると、カメラ目線で、淡々と事の次第を説明してきた。 『ああ、れいむに告げる。あ、いや、その前に、まだ家の出来ていないれいむにと言わないとな。自分のことだと分からないと困るしな。 家の出来ていないれいむの為に、この映像を用意する。れいむ、初めに言っておこう。この映像は、すべて真実である。 俺の虐待が成功したなら、お前はきっとこの映像が信じられないだろう。しかし、くどいようだが、映像は真実である。 これを撮ったのは、森からお前を連れてきたその日である。おそらくその時のことは、よく覚えているだろう。 お前の前に、まりさとありすが違う部屋に連れていかれたはずだ。最初の映像は、連れていかれた後の光景である。 実はまりさもありすも、その日は虐待されなかったのだ。虐待されたのは、おまえだけだ。と言っても、お前を虐待するのは今からだがな。その証拠がこれである』 そう言って、男が映像の中から消えると、突然、画面が揺らぎだした。 男がカメラを抱えて、まりさとありすにレンズを向ける。 そこには、口元にお菓子のカスをベタベタ付けた二匹が、ふてぶてしい表情で写っていた。 『お前たち、れいむに一言何かコメントしろ』 『ゆっへっへ!! ばかなれいむにおしえてやるぜ!! さっきのはぜんぶえんぎなんだぜ!! ばかなれいむは、ゆっくりだまされたんだぜ!! それから、れいむはきもちわるいんだぜ!! まりささまがかわいいからって、もうそうはたいがいにするんだぜ!! それじゃあ、れいむ!! じじいにいじめられて、ゆっくりしぬんだぜ!!』 『れいむ!! あなたってほんとうにいなかものね!! からだには、つちがいっぱいついているし、とってもくさかったわ!! とかいはのありすとは、ぜんぜんつりあわないわね!! あなたなんて、すっきりさせてあげるのもごめんよ!! ゆっくりしんでちょうだいね!!」 『と、こう言う訳だ』 再び男が画面に映る。 『初日、お前が虐待されている間、こいつらは見ての通り、とてもゆっくりしていたのだよ。残念だったねえ、れいむ。 でも、がっかりする必要はないよ。何しろ、君にとっては、三匹全員が虐待されているのと変わりないのだから。 君はこれから、俺によって三匹全員が虐待されたと思い込むはずなのだから。あ、でも、この映像を見ている時は、それを知っちゃうんだよね。ご愁傷様、れいむ!!』 男は、そこで映像を止めた。 そして、れいむに振り向き、一言呟いた。 「という訳だ、れいむ」 「……」 れいむには、訳が分からなかった。 一体、何がどういうことなのだ? れいむの婚約者のまりさが、あのゲスまりさ? れいむの親友のありすが、あのレイパーありす? それじゃあ、そこでボロボロにされている二匹は、本物のまりさとありすってこと? れいむはずっと騙されていたってこと? 最初から騙されていたってこと? でも、それじゃあ毎日れいむとお喋りしていたのは、いったい誰? それに、なんでまりさとありすが、ボロボロにされているの? 何もかもが、れいむの理解の範疇を超えていた。 「ふむ、だいぶ状況が分かってきたようだな。いや、逆か。情報が整理しきれなくて、混乱しているか。なら、そろそろ種をお見せしよう」 男はれいむの前に行くと、れいむに手を伸ばし、自分の脇に抱え込んだ。 「ゆ、ゆっくりやめてね!! れいむをゆっくりおろしてね!!」 「安心しろ、今日は苛めないって言ったろ。お前にすべて教えてやるよ。すべてな」 男はそう言って、部屋の扉を出た。 その8?へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/761.html
※ゆっくりが普通に現代社会にいる変な世界観です。 ※同作者の現代社会ものとは大体世界観を共有していますが時々矛盾が生じています。 ※作中で矛盾していることも多々あるので細かいことは気にしないでください。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる新たなる生命体。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎる。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして、社会にある程度浸透した以上、人間の真似事をさせて間違った可愛がり方をする輩がいるのもある意味では必然であった。 ~ゆっくりのことはゆっくりに~ そんな信念の下に設立されたのがこのゆっくりのためだけの学校だ。 学校とは言うものの、寿命も能力も根本的に異なる以上、人間のように何年も通い続けるわけには行かない。 だから、1週間ほど施設に泊り込んで飼いゆっくりにゆっくりとしての教育を施すことがこの学校の目的となっている。 今回のカリキュラムは記念すべき第1回目。 それだけに教師陣のゆっくり達も気合十分。きらきらと瞳を輝かせて生徒達がやってくるのを心待ちにしていた。 「れいむぅ!どんなこたちがくるのかな?」 「ゆっ!きっとみんなゆっくりできるかわいいこだよ!」 小さな、とは言ってもゆっくりには十分すぎるほど大きな学校のグラウンドで人目もはばからずにいちゃいちゃする2匹。 一方は平均的な大きさのゆっくりまりさで、もう一方もこれまた平均的な大きさのゆっくりれいむだ。 「ひ、ひるまからあおかんだなんて・・・いなかものね!?」 「むきゅ~・・・なにもしてないのにあおかんとかいうのはとかいはなの?」 「ありすはへんたいなんだねー、わかるよー」 「ゆゆっ!あ、ありすはゆっくりしたとかいはなれでぃーよ!」 人目をはばからないれいむ達の横でそんなやり取りをしているのはありすにぱちゅりーにちぇん。 ここにいる5匹のゆっくりが子ども達を見守るゆっくりの学校の教師達だった。 午前9時、カリキュラムの最初のイベント『校長先生のお話』の時間。 運動場には飼い主や親に連れられてやって来た30匹あまりの子ゆっくりと先ほどの教師達。 壇上では校長先生ことゆっくりゆかり、通称ゆっかりんがふんぞり返っていた。 「いまからこうちょうせんせいのおはなしだよ!」 「みんな、ゆっくりしずかにきいてね!」 先生達は運動場で沢山の同年代に囲まれて浮かれている子ども達を諭すが、子ども達の耳には全く届いていない。 あるものは近くにいた子とおしゃべりを始め、またあるものは運動場で仲間と遊び始めてしまった。 先生達がその場を何とか収めようにも流石に子ども相手でも30匹も居るとなると一苦労。 どれだけ「ゆっくりおはなしをきいてね!」と叫んだところで一向に事態が終息する気配を見せない。 そうこうしているうちに子ども達の世話をするはずのれいむが「どほぢでいうごどぎいでぐれないのおおおお!?」と泣き出してしまった。 「ゆ っ く り し て い っ て ね !!」 運動場に響き渡るひときわ大きな声の主は校長先生。 児童達や他の先生達もゆっくりの本能に従って「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」と返す。 返事が返ってきたのを確認したところでゆっかりん校長は話を始めた。 「ここはゆっくりするばしょじゃないよ!ゆっくりしたゆっくりにゆっくりなるためのばしょだよ!ゆっくりりかいしてね!」 「「「「「そうだよ!ゆっくりりかいしてね!」」」」」 「「「「「「「「「「ゆゆっ!ゆっくちりかいちたよ!」」」」」」」」」」 本当に理解できたのかいささか怪しいところだが、とにかくこうして1週間の学校生活が始まった。 1日目はれいむ先生によるお歌の練習の日。 「みんな、おうたさんはみんながゆっくりするのにとってもだいじなんだよ!」 「だかられいむといっしょにゆっくりおうたのれんしゅうをしようね!」 「「「「「「「「「「ゆっくちれんしゅうしゅるよ!」」」」」」」」」」 子ゆっくり達の元気の良い返事を聞いたれいむ先生は早速自慢の歌声を披露し始める。 人間にしてみればリズムも音程もあったものではないような歌声なのだが、子ゆっくり達はその歌声に聴き惚れていた。 「ゆ~♪ゆ~ん、ゆ~~ゆぅ~♪ゆん~~~ぅゆ~ゆ~♪」 「ゆゆっ!せんせー、すごくゆっくちしたおうただよ!」 「ゆぅ~♪ゆ~ん・・・ゆっ!みんなもいっしょにうたってね!」 不思議なものでこの場に居るゆっくりの大半は人間に飼われており、大抵のものはゆっくりよりも人間の歌のほうが優れていることを認めている。 つまりは人間と同じ評価基準を持っていることは紛れもない事実なのだが、どうやら「ゆっくりとしての上手さ」というまったく別の評価基準を持っているらしく、 1匹たりとも「おねーさんのほうがじょうずだよ!」などと言い出すものは居なかった。もちろん、空気を読んだわけでは断じてない。 「「ゆ~ゅ~ゆぅぅぅうう~ん♪」」 「ゆ~~~~~ゆぁ~~~~~~ゆぅ~~~~♪」 「ゆっ♪ゆ~♪ゆゆゆゆゆゆゆ~♪」 「「ゆ~~♪ゆゆゆ~♪ゆ~ゆゆ~♪ゆ~ゆゆ~ゆ~♪」」 「ゆゆゆ~♪ゆゆゆ~♪ゆゆゆっゆ~♪ゆゆゆっゆ~♪ゆゆゆゆ~♪」 先生に促された子ども達も一緒に歌い始める。 一緒に、と言っても自分たちの思い思いの歌を好き勝手に謳っているだけなのだが当人らは楽しそうだ。 そうして、思い思いのメロディーを口ずさんだゆっくり達は歌い終えると満足げな笑みを浮かべた。 何かをやり遂げたもの特有のどこか誇らしげで、非常に輝かしい表情だ。 「ゆ~っ!とってもゆっくちできたよ!」 「「「ゆっくちできたよ!」」」 「もっとゆっくちおうたうたうよ!」 皆で歌ったのがよほど楽しかったのか、子ゆっくり達はもっと歌いたいと主張しながら飛び跳ねている。 が、れいむ先生は「おうたはあとでもっとゆっくりうたうから、せんせーのはなしをゆっくりきいてね!」と言って子ども達を静かにさせる。 それから、ゆっくりにしては真剣な面持ちで子ども達に語りかける。 「れいむたちのゆっくりしたうたごえはね・・・てんしさんのうたごえなんだよ!」 「ゆぅ、てんししゃんの?てんししゃんってなに?ゆっくちできるもの?」 「てんしさんはね、いいこをゆっくりできるばしょにつれていってくれるゆっくりしたものだよ!」 「「とってもゆっくちできるんだね!」」 「れいむたちはね、にんげんさんのてんしなんだよ!いつもゆっくりしていないにんげんさんをゆっくりさせてあげられるんだよ!」 「ゆゆーっ!れいむたちはしゅごいんだね!」 「すごくゆっくちちてるんだね!」 妙に自信満々に「自分たちは人間をゆっくりさせてあげるために舞い降り天使だ」と力説するれいむ先生。 その意味をどれほど理解できているかは怪しいところだが、ここに居る子ゆっくりの大半は飼い主が大好きな飼いゆっくりだ。 みんな、自分が飼い主をゆっくりさせてあげられると思うと嬉しくてぴょんぴょん飛び跳ねながら微笑んでいる。 そんな子ども達を諌めながられいむ先生は更に続ける。 「でもね、にんげんさんたちだけがゆっくりするのはずるいよね?」 「ゆゆっ!まりしゃたちもゆっくちちたいよ!」 「だからね、にんげんさんにたべものかおかねさんをおねだりするんだよ!」 「おかねってなに?ゆっくちできるもの?」 「おかねさんはね、おいしいおかしをたくさんかえるんだよ!」 「ゆーっ!おかし!おかしっ!」 「れいむたちにゆっくりさせてもらったにんげんさんからはたべものかおかねをもらうんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 「「「「「「「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」」」」」」」 虐待界隈の人たちが聞いたら「ひゃあ、我慢できねェ!」を通り越して発狂しそうなれいむ先生の言葉をしっかりと心に刻む子ども達。 それから2,3度「お歌でゆっくりさせてあげたにんげんさんからおかねをもらおうね!」と復唱し、また皆で楽しくお歌を歌った。 お歌の授業は約2時間ほど続き、それが終ったところで今日の授業は終了。子ども達は仲良くなった子と一緒に遊び始めた。 昼食を食べ、遊い、お菓子を食べ、お昼寝し、お菓子を食べ、遊び、夕食を食べ、遊び、お菓子を食べ、夜更かしし、眠くなったら寝て・・・1日目が無事終了した。 2日目は朝の9時からまりさ先生によるご挨拶の練習の日。 「みんなごあいさつのしかたはしってるかな?」 「「「ゆゆっ!とうぜんだよ!」」」 「「「「「ゆっくちちていってね!」」」」」 「「「「「「ゆっくちちていってね!」」」」」」 まりさ先生の簡単すぎる質問にみんなで声を揃えて答える子ゆっくり。 元気いっぱいの子ども達の様子にまりさ先生はうんうんと頷くき、それからまじめな表情で語りだした。 「そうだね!ゆっくりしていってね、だよ!でも、みんなのそれじゃまだまだだよ!」 「ゆっ!まりさのゆっくりしていってねのどこがだめなんだぜ?」 「そーよ!ありすのゆっくりしていってねはすごくとかいはよ!」 「じゃあ、そこのありすとまりさ、まえにでてゆっくりしていってねっていってみてね!」 「「ゆっくりりかいしたよ!」」 2匹は意気揚々と子ゆっくり達の前、まりさ先生の隣に行くと思いっきり息を吸い・・・ 「「ゆっ・・・「ゆ っ く り し て い っ て ね !!」 「「「「「「「ゆっくちちていってね!」」」」」」」 元気いっぱいに「ゆっくりしていってね!」と挨拶をしたが、まりさ先生の挨拶によってかき消されてしまった。 それだけじゃない。まりさ先生は挨拶するときに満面の笑みを浮かべて可愛らしくぴょ~ん!と跳躍した。 隣にいた子ありすと子まりさはたった1回の実演で圧倒的な実力差を思い知らされた。 子まりさも子ありすも大きな声で挨拶する事にこだわり過ぎた為に、そのときの表情がゆっくりしていなかったのだ。 それに比べてまりさ先生のはどうだろうか? とても聞き取りやすい元気な声に、ゆっくりした表情、とても活力に満ち溢れてゆっくりした跳躍・・・全てが完璧だった。 「ゆゆっ!せんせーしゅごいぜ!」 「とってもとかいはだわ!」 「ゆっへん!みんなもがんばればすぐにまりさみたいになれるよ!」 「「「「「ゆっくちがんばりゅよ!」」」」」 まりさ先生の言葉に元気良く返事する子ゆっくり達。 とってもゆっくりした挨拶をするかっこいいまりさ先生に皆メロメロだった。 そこにいる誰もが同じことを思っていた・・・先生みたいになりたい、と。 「まずはぴょ~んぴょ~ん、だよ!まりさといっしょにゆっくりはねてね!」 「「「「ぴょ~んぴょ~ん!」」」」 「「「ぴよ~んぴよ~ん!」」」 「「「ぴょんぴょん、だよ!」」」 先生に倣ってぽよんぽよんと跳ね回る子ゆっくり達。 その真剣な姿につられて先生の指導にも熱が入る。 「さあ、もっとだよ!ぴょ~んぴょ~んぴょ~ん!」 「「「「ぴょ~んぴょ~んぴょ~ん!」」」」 「「「ぴよ~んぴよ~んぴよ~ん!」」」 「「ぴょんぴょんぴょん、だよ!」」 「つかれたよ!ゆっくちやしゅむよ!」 ちょっと疲れた子どもは休憩したりするが、まりさ先生は自主性を尊重しているらしく何も言わない。 そうこうしているうちにまりさ先生にも疲れの色が見えてきて、彼女が飽きたタイミングで跳躍の練習が終った。 「つぎはえがおであいさつするれんしゅうだよ!みんな、ゆっくりがんばってね!」 「「「「「「「ゆっくちがんばるよ!」」」」」」」 子ゆっくりの元気の良い返事を聞いたまりさ先生はにっこりと微笑むと、元気良く声を張り上げた。 「ゆ っ く り し て い っ て ね !!」 「「「「「「ゆ っ く ち ち て い っ て ね !!」」」」」」 「ゆ、ゆっくちちていってね・・・」 「ゆゆっ!ぱちゅりー、おこえがちいさいよ!」 まりさ先生の言うことを聞かずに小さな声で挨拶をする子が1匹。 その子はゆっくりぱちゅりーで、注意された途端「むきゅ~~~ん」と泣き出してしまった。 「どうしておおきなこえをださないの?せんせーにゆっくりおしえてね!」 だが、まりさ先生は優しい先生だ。 言うことを聞かないからと、頭ごなしに怒鳴りつけたりはしない。 先生の優しさに触れたぱちゅりーはもそもそと話し始めた。 「おねーさんのおうち・・・あぱーとなの。だからね、おおきなこえをだしゅとおこられちゃうの・・・むきゅぅ」 「ゆゆっ!それはおねーさんのかんちがいだよ!」 「むきゅぅ、しょうなの?」 「きのうれいむにきいたでしょ?まりさたたいはねぇ・・・にんげんさんたちをゆっくりさせてあげるてんしさんなんだよ!」 「むきゅ~?」 「だったらまりさたちがげんきじゃなかったらぱちゅりーのおねーさんはゆっくりできないでしょ!」 「むきゅ!さすがせんせいだわ!」 「ゆっくりりかいしたら、おねーさんのためにもいっしょにごあいさつのれんしゅうだよ!ゆ っ く り し て い っ て ね !!」 「「「「「ゆ っ く ち ち て い っ て ね !!」」」」」」 まりさの言葉のおかげで元気になったぱちゅりーは皆と一緒に笑顔でご挨拶の練習を続けた。 それからもまりさ先生の授業は続き12時くらいに終了した。 それから、子ゆっくり達は昼食を食べ、遊び、お菓子を食べ、お昼寝し、お菓子を食べ、遊び、夕食を食べ、遊び、お菓子を食べ、疲れていたので早めに寝た。 3日目はぱちゅりー先生と一緒にお勉強する日。 「むきゅ~、きょうはみんなでおべんきょうよ!」 「おべんきょうなんてゆっくちできないんだぜ!」 「「「「ゆっくちできないよ!」」」」 「む、むきゅ~・・・」 マッハで出鼻をくじかれたぱちゅりー先生、しょんぼり。 彼女の話を聞こうとしているのは最前列に陣取った同じぱちゅりー種だけで、他の子ゆっくり達は近くの仲間と遊び始めてしまった。 が、まがりなりにも彼女だって先生だ。こんなことでへこたれては居られない。 「むっきゅ~!おべんきょうしないとゆっくりできなくなっちゃうわ!」 「「「ゆゆっ!?」」」 「「ゆっくちできないの!?」」 「「「ゆっぐちぢだいよぉ・・・?!」」」 機転を利かせての「ゆっくり出来なくなる」発言は子ども達の心を十分以上に捕えたらしい。 友達と遊んでいた他のゆっくり達もすぐさまぱちゅりーのほうに向き直り、話を聞く体勢になった。 「むきゅ~・・・だいじょうぶよ!せんせいのおはなしをきくこはゆっくりできるわ!」 「「「「「ゆゆっ!ゆっくりおはなちをきくよ」」」」」 「みんなとってもゆっくりしてるわ!ぱちゅりーがおしえるのはかずのかぞえかたよ!」 「ゆゆっ!かずなんてかんたんだよ!いち、にー、しゃん、たくしゃんだよ!」 別にお約束のボケをかましたわけではない。ゆっくりの知能はせいぜいこんなものなのだ。 「むきゅ~・・・もりのなかでゆっくりするならそれでもいいけど、にんげんといっしょにくらすのにそれじゃだめよ!」 「「ゆぅ?どうちて、ダメなの?」」 「「「「かずなんてかじょえなくてもゆっくちできるよ?」」」」 「むきゅ!かずをかぞえられないとおしごとやこそだてでこまるのよ!おおきくなってからゆっくりできないのよ!」 「ゆぅ、どういうことなの?ゆっくちおちえてね!」 「にんげんのなかにはゆっくりできないひとがいるから、かずをかぞえられないとだまされてゆっくりできないのよ!」 最も数を数えられたところで時蕎麦程度の引っ掛けで簡単に騙されてしまうのだが、そこまでは頭が回らないらしい。 それに数を数えられる程度では大した効果もないのだが、その辺にも頭が回っていない・・・というか人間の知能をきちんと理解出来ていないようだ。 それでもぱちゅりー先生は妙に自信満々といった風な笑みを浮かべて、ふふんと偉そうに胸を張って話を続ける。 「せんせーもだまされそうになったことがあるのよ!おかしさんをごまいくれるっていったのによんまいしかくれなかったのよ!」 「「「ゆぅ、ごまいとよんまいってどっちがおおいの?」」」 「ごまいよ!」 「「ゆゆっ!ちょっとしかくれないなんてひどいよ!?ゆっくちできないね、ぷんぷん!」」 「「かわいいまりしゃたちをだますだなんて、ちんじられないぜ!」」 「でもぱちゅりーはかずをかぞえられたからだまされなかったわ!」 おおっー!と子ゆっくり達から歓声が上がる。彼女達の目には強くて大きくて賢い人間相手に対等以上に渡り合ったぱちゅりー先生への敬意が宿っていた。 もっとも、実際のところは相手が飼い主で、たまたまぱちゅりーに数の大小が理解できるのかを調べていただけなのだが。 が、そんなことは露ほども知らない子ゆっくりとぱちゅりー先生は上機嫌で授業を続ける。 「せんせいにつづいてじゅうまでのかずをかぞえるよ!」 「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」 その後、1から10までの数字の発音の練習をし、何度か暗唱して、とりあえず全員が5まで数えられるようになったところで終業の時間になった。 子ゆっくり達は昼食を食べ、遊び、お菓子を食べ、お昼寝をし、お菓子を食べ、遊び、夕食を食べ、遊び、眠くなったら眠り、3日目も無事終了した。 4日目はゆっかりん校長と一旦お休みしてゆっくりする日。 事実上、寝泊りするための場所でしかない校舎に集まった子ゆっくりと先生たちは皆ゆっくりとしていた。 「ゆぅ~ん、ゆっかりしてるわぁ~・・・」 「まりさぁ~、きょうはいっしょにゆっくりしようね!」 「ゆっくりしようね~♪」 「せっそうなくいちゃいちゃして・・・いなかものね!?」 「しっとだねー、わかるよー」 「むきゅ~・・・こどもたちもゆっくりしてるわ~」 校舎の隅っこに待機して、いつでもどこでも子ども達を見守っている先生達。 一方、先生に見守られている子ども達は非常にゆっくりとした様子で仲間達とじゃれあっている。 「ゆゆっ!つぎはれいむがおにしゃんだよ!」 「ゆぅ~!ゆっくちつかまえるよ!」 「「ゆっくちにげるよ!」」 一番やんちゃで、活発なグループは鬼ごっこをしていた。 そのグループのリーダー格のまりさにタッチされたれいむが鬼になり、今度は仲間達を追い掛け回す。 「ゆーっ!きれいなおはなさんだ!」 「ゆふふっ!さっきおそとでみつけてきたのよ!」 「すごくとかいはね!」 「むきゅ~、とってもゆっくりできるわ!」 「ち~っんぽ!」 こっちのグループのリーダー格はありすで、皆して彼女の持ってきたお花を眺めていた。 どうやらこの集団には共通して女性的とされる気質があるらしく、子ども達の目はきらきらと輝いている。 やがて、誰とはなしに「おっはなさん♪お~は~なさんっ♪」と歌い始め、気がつけば皆で合唱していた。 「むきゅ~・・・せんせー、ぱちゅりーもっとべんきょうちたいわ」 「ちぇんもべんきょうちたいんだよー」 「ありすももっととかいはになりたいわ!」 「むきゅ~、せんせーゆっくちおべんきょうをおしえてね!」 そんな事を言いながらぱちゅりー先生に群がっているのはぱちゅりーを筆頭にしたお勉強好きのグループ。 しかし、先生は彼女達をなだめると、にっこり微笑んで諭した。 「むきゅ、ゆっくりするのもだいじなおべんきょうよ!」 「「「ゆぅ?」」」 「かしこくないとわるいにんげんさんにだまされるわ!でも、ゆっくりしてないといいにんげんさんをゆっくりさせてあげられないでしょ?」 「「ゆゆっ!」」 何も大した事は言っていないのだが、子ゆっくり達は感銘を受けたといわんばかりの表情を浮かべる。 口々に「せんせーはとってもゆっくちちてるね!」と彼女を褒め称え、それから「ゆっくりゆっくりのおべんきょうするよ」と言って仲間同士で遊び始めた。 「みんな、ゆっくりしてるかしら?」 「「「「「「「「「「とってもゆっくりしてるよ!」」」」」」」」」 「「「「「「せんせーたちもゆっくりしていってね!」」」」」」 そんな風にゆっくりしている子ども達を眺めているだけでゆっかりん校長や先生たちは幸せな気分になった。 子ども達も優しい先生たちに見守られながら思いっきり仲間達と遊んだ。 それからお菓子を食べ、遊び、昼食を食べ、遊び、お菓子を食べ、お昼寝し、お菓子を食べ、遊び、夕食を食べ、遊び、お菓子を食べてから眠りについた。 5日目はありす先生からお食事のマナーを学ぶ日。 「きょうはありすせんせいがとかいはのたべかたをおしえてあげるわ!」 「ゆゆっ!ありすはとっくにとかいはよ!」 「ゆふんっ、じゃあここでこのおかしをたべてみてね!」 先生の指示に従って、1匹のありすが他の子ゆっくり達の前で都会派の食事を実演する。 食事中は喋らないように、食べ物を撒き散らさないように、決してがっつかず落ち着いて一口一口咀嚼する。 彼女の食べ方は床を汚さない理想的な食べ方だった。が・・・ 「ちがうわ!そんなのとかいはのたべかたじゃないわ!」 「ゆゆっ!?そんなことないよ!おねーしゃんがとかいはだっでいっでだもん!」 いきなり自分の食べ方を全否定されて涙目になる子ありす。 ありす先生はそんな彼女ににっこりと微笑みながら、慰めるように頬ずりをし、それから話を始めた。 「きっとみんなもこんなふうにたべろっていわれてるとおもうわ!」 「ゆかをよごすからきりぇーにたべなさいっておにーさんがいってたよ!」 「そんなんじゃだめなのよ!そんなのゆっくりしていなくていなかものなのよ!」 「「「ゆゆっ!?」」」 今までの常識を覆すような発言に驚愕する子ゆっくり達。 ありす先生は彼女達の驚きの表情を伺いながら少し得意げに話を続ける。 「だってそうでしょ?にんげんがたべものをこぼさないのはてがあるからなのよ!」 「で、でもれいむたちもこぼさずにゆっくちたべられるよ!」 「だけど、それはほんとにゆっくりしているのかしら?」 「「「ゆゆっ!?」」」 思い当たる節があったのだろう。またしても子ども達は驚愕の表情を浮かべる。 「それにむーしゃむーしゃ、しあわせ~っていわないようにたべてしあわせなの?」 「「「「ゆゆゆっ!?」」」」 「ゆぅ・・・まりしゃほんとうはうめぇ、めっちゃうめぇっていいながらたべたいよおおおお!ゆええええん!」 「「れいむもちあわせ~したいよおおおおおお!」」 「「ありすもとかいはなちあわせ~がちたいわ!」」 今まで我慢してきた気持ちが溢れ出し、子ども達は泣き出してしまう。 そしてアリス先生は子ども達が泣き止むまで笑みをたたえながら、その様子を見守っていた。 「「「「「「ゆっぐ・・・ゆっぐ」」」」」」 「みんな、もうなきやんだね?じゃあ、せんせいといっしょにむーしゃむーしゃ、しあわせ~しようね!」 そう言いながらありす先生は子ども達にビスケットを配ってゆく。 途中、1匹のぱちゅりーが「でも、おうちじゃちあわせ~できないよぉ」というのを聞くと、子ども達にこう言ってのけた。 「にんげんさんはたべちらかすなっていうけど、そんなのむしすればいいんだよ!」 「「「「「ゆゆっ!」」」」」 「で、でもぉ・・・そんなことしたらおこられるよ!ゆっくちできないよ!?」 「ゆふふっ、だいじょうぶよ!ありすたちはとってもかわいいんだよ!」 「ゆぅ?」 「しあわせ~してるありすたちのゆっくりしたかわいいすがたをみたらにんげんさんはめろめろなんだよ!」 「「「「ゆゆっ!?」」」」 「だからおかたづけくらいよろこんでしてくれるよ!だって、にんげんさんはありすたちをゆっくりさせるためにいるんだよ!」 「「「「ゆゆゆゆゆっ!?」」」」 その言葉を聞いた子ゆっくりはにこにこと笑みを浮かべるようになり、「じゃあ、おうちでもたいわせ~できるんだね!」と大喜び。 あるものはぴょんぴょん飛び跳ね、中には「ちあわせ~できるなんてちあわせ~」と泣き出すものまでいた。 「それじゃあ、みんな!いっしょにしあわせ~しようね!・・・むーしゃむーしゃ、しあわせ~!」 「「「「「むーしゃむーしゃ、ちあわせ~!」」」」」 「「「「うっめ、これめっちゃうめぇ!」」」」 くちゃくちゃ、がつがつと音を立てながらありす先生と子ゆっくり達はゆっくりビスケットを食べた。 そうして、皆がしあわせ~な食べ方をきちんと習得した頃にちょうど就業のベルが鳴った。 それから遊び、昼食を食べ、遊び、お菓子を食べ、お昼寝し、お菓子を食べ、遊び、夕食を食べ、遊び、お菓子を食べてから眠りについた。 6日目はちぇん先生と一緒に狩りの練習をする日。 「みんなー、だんごむしさんをうんどうじょうにまいたからさがしてつかまえてみてね!」 「「「「「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!」」」」」 ちぇん先生の指示に従って元気良く運動場に飛び出す子ゆっくり達。 石をのけたり、木の裏側に回り込んだり、雑草を引き抜いたりしながら必死になってダンゴ虫を探している。 運動神経の良いまりさ種とちぇん種はあっという間にダンゴ虫を見つけては、先生に見せにやってくる。 続いてやや鈍いれいむ種と都会派意識のせいか汚れるのを嫌がるありす種がちらほら成果の報告にやってきた。 が、非常に体の弱いぱちゅりー種は途中で力尽きてしまい、先生の傍で休んでいた。 今のところダンゴ虫を捕まえたぱちゅりー種は1匹もいない。 「どうしてだれもつかまえられないの、わからないよー」 「む、むぎゅぅ・・・だんごむしさんをみつけるまでにつかれちゃうのぉ・・・」 「だんごむしさんがはやくておいつけないよぉ・・・」 「だったらおともだちにきょうりょくしてもらえばいいんだよー」 「「むきゅ!?」」 その発想はなかったわといわんばかりに目を見開いたぱちゅりー達は早速友達に声をかけてダンゴ虫狩りに再出発した。 そして、友達の協力のによってあっという間にダンゴ虫を捕まえてみせた。 それどころか、ぱちゅりーがダンゴ虫のいそうな場所を教え、あらかじめ逃げ道を塞ぐことで他の子ゆっくりも効率よくダンゴ虫を集めることが出来た。 「ゆゆっ!せんせー!いっぱいとれたよ!」 「「「ゆっくちいっぱいあつめたよ!」」」 「むきゅ~・・・みんなのおかげでむしさんをとれたわ!」 「ゆっくりありがと~」 「まりさもぱちゅりーのおかげでいっぱいとれたんだぜ!」 それからも先生の指導を受けながらダンゴ虫を集めた子ども達は達成感に包まれながら満足げな笑みを浮かべている。 予想以上の成果を上げた子ども達の笑顔を見守るちぇん先生もまた満足げな笑みを浮かべ、彼女達の話しかけた。 「おうちにかえってもむしさんをみつけたらちゃんとつかまえるんだよ!」 「「「「ゆっくちがんばるよ!」」」」 「にんげんさんはむしさんがきらいだからむしさんをつかまえてあげたらよろこぶよー!」 「「「「ゆゆっ!よろこぶの?ごほうびもらえるの!?」」」」 「ごほうびじゃないよー!みつぎものだよー!」 「「「「みつぎものぉ?」」」」 「ごほうびよりずっとゆっくりできるものだよー!」 「「「「「ゆゆっ!ごほーびーほしいよ!」」」」」 「にんげんさんがわすれないようにちゃんといってあげるんだよー!」 「「「「「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!」」」」」 そう言って帰宅後にご褒美を沢山貰う自分の姿を想像して嬉しそうに跳ねる子ども達はきっと今の言葉を忘れないだろう。 教えるべきことは教えた。しかし終業のベルまでまだ結構な時間があり、流石に今終るわけには行かない。 そこで、ちぇん先生は子ども達にこんな提案をした。 「みんなー、おにごっこをするよー!せんせーがおにだよー!」 「「「「「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」」」」」 子ども達は返事をすると元気良く運動場に散らばって行く。 終業のベルが鳴るまで、子ゆっくりとちぇん先生は時間を忘れて駆け回った。 それから昼食を食べ、遊び、お菓子を食べ、お昼寝し、お菓子を食べ、遊び、夕食を食べ、遊び、お菓子を食べてから眠りについた。 7日目はゆかりん校長のおうちを確保と防衛の練習の日。 「きょうはゆっかりんがとくべつにせんせいをしてあげるわ!」 「「「「「ゆっくちちていってね!」」」」 「ゆっくりしていってね!」 「きょうはゆっかりんがとくべつにおうちをじゅんびするほうほうをおしえてあげるわ!」 「「「ゆぅ?おうちならあるよ?」」」 「それはまだにんげんさんたちのおうちよ!ゆっくりしてないにんげんのおうちじゃゆっくりできないわ!」 「「「「「ゆーっ!ゆっくちできないのはいやだよ!?」」」」」 「だったらゆっかりんのおしえをちゃんときいてね!」 「「「「「「「ゆっくちがんばるよ!」」」」」」」 元気に飛び跳ねながら返事をする子ども達の様子に満足したゆっかりんはおもむろに近くにあった木の棒を咥えた。 そして、その場でくるりと円を描くように這いずって移動し、棒で運動場に小さな円を描いた。 「みんなもえんをかいてね!」 「「「「「「「ゆっくちかくよ!」」」」」」」 ゆっかりん校長の指示に従って小さな円を描く子ども達。 皆がんばっているものの、その円はいびつで四角に近い形になっているものまであった。 が、重要なのはサークルを描くことなので、ゆっかりんは皆がサークルを描き終えるのを待った。 「「「「「「「ゆっくちかいたよ!」」」」」」」 「それじゃあ、みんなえんのなかにはいってね!」 「「「「「「「ゆっくちはいったよ!」」」」」」」 「それじゃあ、ゆっかりんのまねをしてね!」 ゆっかりんは軽く深呼吸をしてから、元気良く大声を出した。 それに倣って子ども達も深呼吸をしてから、元気良く大声を出す。 「ゆっくりしていってね!ここはゆっかりんのおうちよ!ゆっかりんがみつけたおうちだよ!」 「「「ゆっくちしていってね!ここはれいむのおうちだよ!れいむがみつけたおうちだよ!」」」 「「「ゆっくちしていってね!ここはまりさのおうちだぜ!まりさがみtけたおうちだぜ!」」」 「「ゆっくちしていってね!ここはありすのとかいはなおうちよ!ありすがみつけたおうちよ!」」 「ゆっくちしていってね!ここはぱちゅりーのとしょかんよ!ぱちゅりーがみつけたとしょかんよ!」 「ゆっくちしていってね!ここはちぇんのおうちだよー!ちぇんがみつけたおうちだよー!」 「ちーんっぽ!!」 更に深呼吸をしたゆっかりんは再び大声で叫ぶ。 そして、子ども達もゆっかりんに倣って元気良く叫んだ。 「ゆっくりしたかったらおかしをもってきてね!ゆっくりできないおにーさんはゆっくりでていってね!」 「「「ゆっくちしたかったらおかちをもってきてね!ゆっくちできないおにーさんはゆっくちでてってね!」」」 「「「ゆっくちちたかったらおかちをもってくうんだぜ!ゆっくちできないおにーさんはゆっくちでてってね!」」」 「「ゆっくちちたかったらとかいはなおかちをもってきてね!ゆっくちできないいなかもののおにーさんはゆっくちでてってね!」」 「ゆっくちちたいならごほんをもってきて!ゆっくちできないおにーさんはとしょかんからでてってね!」 「ゆっくちしたいならおかちをもってきてねー!ゆっくちできないおにーさんはでてってねー!」 「ちーんっぽ!ちんぽーっ!」 もう一度、ゆっかりんは深呼吸をしてから大声を上げてから空気を吸って膨らむ。 子ども達もそれに合わせて大声を上げてから空気をふって膨らんだ。 「でていかないとゆっかりんおこるわよ!ぷんぷん!」 「「「でていかないとれいむおこるよ!ぷんぷん!」」」 「「「でていかないとまりさおこるぜ!ぷんぷん!」」」 「「でていかないとありすおこるわよ!ぷくぅ!」」 「「でていかないとぱちゅりーおこるわよ!ぷく・・・ゲフゲフ!?」」 「でていかないとおこるよー!ぷくぅ~!」 「ちーんっぽー!ちんちん!」 止めとばかりにすぅ~っと息を吸い込むと最後の言葉を口にした。 勿論、子ども達も彼女に続く。 「ゆっくりできるならおにーさんをおうちにおいてあげるわ!だからゆっくりしないでおかしをもってきてね!」 「「「ゆっくちできるならおにーさんをおうちにおいてあげるよ!だからゆっくちちないでおかちをもってきてね!」」」 「「「ゆっくちできるならおうちにおいてあげるぜ!だからゆっくちちないでおかぢをもってきてね!」」」 「「ゆっくちできるならおにーさんをとかいはなおうちにすませてあげるわ!だからゆっくちちないでおかちをもってきてね!」」 「「ゆっくちできるならおにーさんもとしょかんにいてもいいわ!だからゆっくちちないでごほんをもってきてね!」」 「ゆっくちできるんだねー!ならおかちをもってきてねー!」 「ちーんっぽ!ちっーんぽ!」 激しい授業だったが、やり遂げた・・・そんな満足感に浸りながら、ゆっかりんは微笑を浮かべた。 子ども達も厳しい授業に耐え切ったことで自信に満ち溢れた力強い笑みを浮かべている。 呼吸を整えたゆっかりんはそんな彼女達に優しく語りかけた。 「がっこうはきょうでおわりだけど、ここでまなんだことをいかしてゆっくりしてね!」 「「「「「「「「「ゆっくりがんばるよ!」」」」」」」」 こうして子ども達の学校生活は無事終わりを迎え、子ども達は親や飼い主に連れられて家路に着く。 1週間を共に過ごした先生たちは少し寂しそうに、しかしそれ以上に嬉しそうな笑みを浮かべて子ども達を見送っていた。 ゆっくりのがっこう・後編?
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/611.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 279 愛されゆっくり/コメントログ」 せやな -- 2010-09-29 23 58 28 だろうな -- 2010-10-04 01 50 41 でしょうね -- 2010-11-02 20 10 53 そうだね -- 2010-11-09 23 46 55 それもそうですね -- 2010-11-22 00 50 07 テメエらの血は何色だあ!? -- 2011-08-23 14 34 22 だね -- 2011-09-20 17 48 24 だべさ -- 2013-07-15 13 23 53 オチは機械(人形)かな? -- 2016-10-06 15 40 40 AIBOの代わりかな? でも要らんww -- 2018-01-14 16 58 10 機械じゃねえか‼︎あと善良野良どこ行った‼︎ -- 2023-04-20 06 24 23
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2606.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 1247 しっかりゆっくりとうっかりゆっくり/コメントログ」 加藤!加藤じゃないか! -- 2010-06-09 04 33 32 寸止めHENTAIとな・・・っ -- 2010-06-21 02 45 05 なんて羨ましい世界だ。オレは生まれる世界を間違えた。 なず可愛いよなず… -- 2010-06-30 02 10 38 加藤ならば続編で独歩さんの克己さんのゆっくりから嫁探しを・・・妄想先走ってすいません!! -- 2010-07-09 01 06 05 刃牙の加藤なんだ……。原作と違って微笑ましい。 -- 2010-07-21 20 25 34 芋ようかんで巨大化、ってどこの宇宙暴走族だw -- 2010-07-21 22 08 27 続編希望 -- 2010-08-03 23 09 54 ドリアン…サンドバッグなくなったのかな… -- 2010-12-10 23 38 52 胴付きゆかりんだと!? ちくしょおおお!! -- 2010-12-30 04 44 23 ゆかりんの中身ってたしか納tやめておこう -- 2011-10-20 00 20 49 ナズーリンに萌えた -- 2011-11-18 21 22 20 カーレンジャー懐かしいなぁ -- 2013-10-10 16 09 51 巷で嫌われているハーレム展開だ!(しかも胴付きばかり) お兄さん的には大好物だけど一般論として、 「頭ン中にリリー・ホワイトでも飛んでいるみたいに幼稚な発想」とか言われてるな。 -- 2018-03-28 22 01 42
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/498.html
「ふたば系ゆっくりいじめ 226 ゆっくり・洋服2/コメントログ」 これは いい ちんぴらげすだね! ゆっくりいそいでつづきをかいてね!! -- 2011-06-05 12 22 52 おにいさんの慇懃無礼が冴えてるね! ところで「おようふく」ってどうやって着てるんだろう、想像つかない -- 2011-06-14 06 36 38 おようふくはどうやってきてるん?ゆまむらwwゆニクロwwww -- 2011-11-13 02 44 30 ↓3 雑魚は、うんうんでも食ってろ! -- 2014-08-11 01 36 56 足りない。 これなら小学校の苛めの方が虐めっぽい。 -- 2018-02-27 15 50 26