約 5,120,297 件
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関連商品、及び収録作品の一言解説。ネタバレにならない程度に。 音楽 ナイトウィザード The ANIMATION関連 主題歌 KURENAI Erinyes キャラクターソング Satisfaction WHITE HEART Destiny Darkness 時の行方 サウンドトラック ボイスドラマ関連 主題歌 FLY INTO THE NIGHT Sabbath 月衣(かぐや) ナイトウィザード The VIDEO GAME関連 主題歌 6th body Fates ナイトウィザード魔法大戦関連 主題歌 青い星の上で いつまでも サウンドトラック その他、ナイトウィザードと直接関係ない楽曲 CMに使われた曲 A Night Comes! 劇中の設定でのみ存在する曲 輝明学園旧校歌 輝明学園新校歌 輝明学園秋葉原校特別校歌 ルールブック・サプリメント(The 2nd Edition) ルールブック ナイトウィザード The 2nd Edition(基本ルールブック) ソースブック スクールメイズ ラビリンスシティ ソウルアーツ ファー・ジ・アース レッドムーン ルールブック・サプリメント ルールブック ナイトウィザード(基本ルールブック) サプリメント スターダスト・メモリーズ 星を継ぐ者 ロンギヌス シナリオ集 オーバーナイト リプレイ・小説 単行本化されたリプレイ 紅き月の巫女 黒き星の皇子 白き陽の御子 合わせ鏡の神子 愛はさだめ、さだめは死 モノクロームの境界 地球の長い午後 蒼穹のエンゲージ 星空のラストリゾート マリオネットの方程式 サプリメントなどに収録されたリプレイ 星を継ぐ者 幼年期の終わり - HUMAN SYSTEM - 愚者の楽園 最果てで君を待つ扉 月は無慈悲な夜の女王 天の光はすべて星 聖なる夜に小さな願いを グリムゲルデの仮面 ふたつの終わり、ひとつの始まり Price Wish - サイゴ ノ ネガイ - ベル・ゲーム ~虚像のエコー~ Ultimate Enemy 小説(ライトノベル) 蒼き門の継承者 星を継ぐ者 柊蓮司と宝玉の少女 鏡の迷宮のグランギニョル 魔法使いと、休日の過ごし方 大魔王は、世界滅亡の夢を見るか? ナイトウィザード以外の作品 セブン=フォートレス(S=F) フレイスの炎砦 ラ・アルメイアの幻砦 シェローティアの空砦 アルシャード(ALS) スルトの剣 超女王様伝説セント☆プリンセス エイスエンジェル Dear...~この歌をあなたに~ ナイトウィザード The ANIMATION ストーリー エピソードガイド 音楽 DVD コマーシャル メディアなどに掲載された情報 その他 ファンブック パワー・オブ・ラブ リーチ・フォー・ザ・スターズ フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン オペレーション・ケイオス スターダスト・ティアーズ ブルーム・メイデン エンド・オブ・エタニティ ファイナルカウントダウン ボイスドラマ 愚者の楽園 最果ての数式 無常の月 蘇りし友、来たり 新訳・星を継ぐ者 ~篝~ シュヴェルトライテの槍 タイム・トゥ・セイ・グッバイ それは少し前にあった未来 刻印のウィザード 星を継がない者 素敵なおじさま 乙女はお星様がお好き 大切な人 魔王の休息 それは秘密です コミック 不幸の在処――柊蓮司の一週間 ヴァリアブルウィッチ ヴァリアブルウィッチ外伝 探偵遊戯(ゲーム) 柊蓮司第一の事件 TRPG以外のゲーム 誌上読者参加ゲーム 六柱の巫女 ごーごー ないとうぃざーど! うぃざーど!ふぁいと! 隔月連続ドラマシアター 消えた紅い髪の少女 コンピュータゲーム ナイトウィザード The VIDEO GAME ~ Denial of the World ~ ナイトウィザード魔法大戦 ~The Peace Plan to Save the World~
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種類:Sユニット カテゴリ:MA BP:3000 SP:1/3 必要パワー:4 追加条件:なし CN:RC 特徴:仮面ライダー/男/魔法/ウィザードライバー テキスト: ▼モーフ ▼これが自軍エリアにある間、敵軍ターン中、これ以外の自軍ユニットが撃破されて捨札になるとき、自分の手札からオペレーションカードを1枚選び捨札にしてもよい。そうしたとき、そのユニットをその場に留める。 ストライクウィザード 自分の手札から、これと特徴が完全一致するカードを好きな枚数選び、相手に見せてもよい。そうしたとき、カード1枚につきBP500として、見せたカードの枚数分のBPを計算し、これのBPと合計する。その後、合計したBP以下のBPを持つSユニットを敵軍バトルエリアから1体選び撃破する。 作品名:仮面ライダーウィザード
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仮面ライダーウィザード インフィニティスタイル (Kamen Rider Wizard Infinity Style) 商品画像 情報 登場作品:仮面ライダーウィザード 定価:3,675円 発売日:2013年09月予定 再販日: 商品全高:約150mm 仮面ライダーウィザード×S.H.Figuarts S.H.Figuarts 仮面ライダーウィザード スペシャルページ 付属品 手首:×○(右×○、左×○) 武器:アックスカリバー その他: キャラクター概要 操真晴人が魔力を失っても希望を捨てずに諦めなかった事で自身の涙から生成されたインフィニティーリングを使用して変身し、自身の魔力とウィザードラゴンの魔力が一体化した最強形態。 基本カラーは半透明の水色・銀色。 全身が晴人とウィザードラゴンの魔力が結晶化し生み出されたアダマントストーンと呼ばれる魔力の結晶で出来ており、それ自体が魔力を帯びた頑強な鎧へと変化している他、身に纏ったインフィニティローブは自ら放出した魔力を取り込む永久機関となっている。 アダマントストーンはダイヤモンドを越える硬度があり、敵の武器を破壊や敵の攻撃を一切受け付けない程に防御力が飛躍的に向上している他、全ての面で従来のスタイルを上回る能力を発揮する。 更に目で追えなくなる程の超高速移動、ウィザードラゴンが変形し、その魔力で作られた専用武器・アックスカリバーが使用可能になり、超高速で敵に接近し、アックスカリバー・カリバーモード或いはアックスモードを使用した近接格闘戦を得意とする。 必殺技は巨大化したアックスカリバー・アックスモードで敵を叩き斬る「ドラゴンシャイニング」。 オールドラゴンを見て「一人完成した」と呟いていた白い魔法使いだったが、彼にとってウィザードがこのスタイルへ変身した事は想定外だったらしく、「面倒なことになった」と発言している。 商品解説 ウィザードシリーズ一般販売第3弾。 良い点 悪い点 不具合情報 関連商品 仮面ライダーウィザード フレイムスタイル 仮面ライダーウィザード ウォータースタイル 仮面ライダーウィザード ハリケーンスタイル 仮面ライダーウィザード ランドスタイル 仮面ライダーウィザード フレイムドラゴン 仮面ライダーウィザード ウォータードラゴン 仮面ライダーウィザード ハリケーンドラゴン 仮面ライダーウィザード ランドドラゴン 仮面ライダーウィザード エフェクトセット01 魂STAGE(ルパッチ マジック タッチ ゴー♪Ver.) マシンウィンガー 仮面ライダービースト 仮面ライダービースト マントセット 仮面ライダービーストハイパー フェニックスファントム メデューサファントム コメント
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___ r´ ` .、 〃 r/ / ;}. 『やる夫・仮面ライダーウィザード・ランドスタイル』 ,ヘ _ i i v ,' //; // |__ _./ | `', i i / V クラス:魔王/ウィザード r 二V /ニ/≧ / r二ニニヽ /. 体力値:30/30 基本攻撃力:5 rヽ | [ ]/ `ヽ ,' `;.... l \ === .r≦ニニ iト 、 /. ・ウィザーソードガン(射撃) | ll r ´ / ', ノ≧ュ ..V. 自分の攻撃の時に反撃を受けない。 | / l| / i / | v ´ \ / /丶| / ;.. ・ウィザーソードガン(斬撃) ヽ_ ,ヘ _\__/ ヽ '/ ,' ; 基本攻撃力+2 ,ヘ V/ ≧ュ .. / / ; / \_/l ≧ュ 、 ノヽ /. ・キックストライク. / / / r ´ /. 必ず後攻になる。2ターンに一度使用可能。 __ rニ / ̄/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / /. 基本攻撃力+10 / / V / / l /. . V/ / ̄/二二二二二 / ヽ / ・ドリル r=v / / | /´ \ \ / 次ターンに使用する「キックストライク」の攻撃力+10.......| / ,' ll | | ヽ  ̄/ 一回だけ使用可能。. 〉 | /二二二二二V } r== ′. .... | | | | | / / ・ディフェンド. ;ヽ / |二二二二V / / 次に受けるダメージを-10する。.゙ュ Vニニ二 r ニニ≧ュ .. / ̄ / 一度ダメージを受けるかスタイルを変更するまで効果継続。゙ // r イ ', / /゙V r≦ / }≧ュ . / ・スタイルチェンジ≧ュ .. ヽ≦ ;‐== ´ l} } 行動消費無しで使用可能。_ \  ̄ / V 使用可能スタイル:フレイム、ウォーター、ハリケーン゙  ̄ ̄厂 ̄ ̄ ̄/ /
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ウィザードリィ サマナー / Wizardry SUMMONER メディアリング 2001年12月21日 GBA wizardryシリーズの流れを組むダンジョンRPG 今回から召喚師が入って、モンスターをパーティーに組み込めるようになった シリーズの中では全体的にもっさり感は否めない 移植 PS2にもほぼそのまま移植された
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今日 - 合計 - ウィザードリィ サマナーの攻略ページ 目次 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2012年10月12日 (金) 13時12分53秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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4-149-157 IN・最前線(後半、4-151から) それは風。 強く、激しく、荒々しく――清々しき風。 悪夢たちの夜を駆け抜ける一陣の風があった。 「ちっ! いつから地上はこんな混沌状態になったんだ?!」 夜を照らし出す太陽。 暗黒の中で輝く純白。 純白の翼と白亜の装甲を纏った巨人が、剣を手に舞っていた。 「マサキ! そんニャこと言っている場合じゃニャいのだ!」 「後ろ後ろぉ!」 「ちっ!!」 背後から迫る、巨人を超える巨体の異形。 乱杭歯の顎を開き、その口内から放たれるレーザーの如き閃光を白亜の巨人は翼をはためかし、 残像が残るような速度で躱す。 躱されたと異形が理解するよりも早く、回り込んだ白亜の巨人が振り下ろした剣がそれを両断 していた。 「まったく、ラ・ギアスでもこんなに魔物が出現したことはねえぞ?!」 白亜の巨人――すなわち【風の魔装機神 サイバスター】の操者、マサキ・アンドーは吐き捨てる ように呟いた。 「ここは本当に地上なのか?」 マサキの呟きに、コクピットの脇でマサキにしがみ付いていた黒猫と白猫が呟く。 「……しかも、ニャんかチラホラ生身で戦っている人が見えるニャんだけど」 「けど、座標は確かに日本の東京ニャ」 「なのに、こんな事態だってのに連邦の連中が出てこないってのは――どういうことだっ!」 翼を瞬き、装甲の一部を開く。 そこから射出されたカトリックミサイルが、小型の異形たちを薙ぎ払う。 「まさか、地上への転移の時に起こった異常エネルギーの所為?!」 白猫の言葉に、たらーりと一筋の汗が操縦桿を握るマサキの額に浮かぶ。 「嘘だろ……まさか、異世界から異世界ってことは――」 マサキがそう呟いた瞬間だった。 「全力全開! ディバインン・バスターァアアアア!!」 モニターの端、マサキが意図的に視線を外していた位置に“飛んでいる白い衣の少女”が持つ 杖から、HTBキャノンに匹敵するビーム砲キャノンが飛び出し、異形たちの群れを消滅させた。 「……OK。認めよう、ここは俺の知っている地上じゃない」 「子供が、ニャまみでビームを撃つニャなんて異世界以外にありえないニャ」 「うわー、これぞ本当に魔砲少女って奴ニャんかニャ?」 人型ロボットを操縦し、異世界で暮らす元地上人の割には常識的な反応を返すマサキ。 ――“ ” その瞬間だった。 「ッサイフォス?!」 魔装機神に宿る風の高位精霊。 サイフォスが語りかけてくる感覚に、マサキは瞬時に反応し、空を見上げた。 そこに映るのは異常事態の中心と思しきねじれた城。 サイバスターに搭載された魔術結界が悲鳴を上げ、精霊レーダーのメーターを振り切るほど 膨大な魔力を放つ歪みの根本。 その正門に――見覚えのある異形が見えた。 「あれはっ!!」 「ヴォ、ヴォルクルスニャ!!?」 ラ・ギアスを護る宿命を帯びた魔装機神。 その大敵とも呼べる邪神、その分身体。 その姿にサイバスターのエネルギー源であるフルカネルリ式永久機関が、マサキの感情に呼応 して駆動音を上げる。 プラーナコンバーターが加熱し、処理し切れないプラーナの輝きがサイバスターの全身から漏れ でていく――その時だった。 「へえ」 今にも飛び出しかけていたサイバスター。 その中で、マサキは目を見開き、笑みを浮かべていた。 「やるじゃねえか、あいつ等」 人の身では敵うはずもない邪神。 人知を超え、あらゆる魔と闇を内包せし破壊神。 破壊の権化とも言える異形に、たった二人の少年が戦っていた。 「ぐっ!?」 人間など微塵と砕かんばかりの巨大な鉤爪。 その一撃を辛うじて魔剣で受け止めるも――そこは足場無き空。 大質量の一撃に叩き落され、血反吐を吐きながら柊は落下していく。 つまり高度が下がった。 「柊!?」 空間すら歪ませるカギヅメの軌跡から逃れながら、呪符を放っていた光太郎が思わず叫ぶ。 【ルゥウオオオオオオオオオオオオオオオオ――!!!】 「まずっ!?」 その刹那、僅かに注意を逸らした光太郎に、破壊神から放たれた歌声が直撃した。 あらゆる物質を破砕し、無へと返す衝撃破。 ただの咆哮ですら高密度の魔術術式となって、顕現した破壊魔術。 「がっ!?」 その直撃に、防御用の呪符と高校中退後も着続けている制服の欠片を撒き散らしながら、光太郎 もまた吹き飛ぶ。 今まで突き進んでいた二人の少年が、今ここに足を止める…… 「来てくれ」 本当に? 「おわぁああああああ」 そんな――わけがない! 「絢爛舞踏ザサエさん!!」 光太郎の咆哮。 それと共に彼の背中に柔らかい感触がした。 誰かが抱きとめるような感触。 そして、“姿は見えないけれど”、感じ慣れた温かい気配。 「サンキューな、ザサエさん」 (コクン) 声も聞こえない。 けれども、光太郎には“彼女”が微笑んだのを感じた。 「お? 光太郎、誰だこの人?」 そして、その横でザサエさんに回収されたのであろう柊が、首根っこで宙釣りになりながら光太郎 に問いかけた。 「? 柊、お前見えるのか、ザサエさんの姿」 「おー。一応ウィザードだしな、あとザサエさんってどこの国民番組の母親なんだよ!」 「あー、彼女はザサエさん。俺の相棒な」 「しかも無視かよ?!」 何故かクスクスと笑っているような気配を感じながら、光太郎は上を見上げ直す。 そこには翼をはためかせ、血管の浮かんだ瞳で睨み付けてくる邪神の姿。 「よっしゃっ! 第二ラウンドだ!!」 「……アイツを突破しねえと先に進めねえしな。しゃーねえ、行くか!」 学生服の中身から無数の呪符を掴み取り、 血を流す手で魔剣の柄を握り直す。 「作戦は?」 「決まってるだろ! 真っ向からぶっ飛ばす!!!」 ザサエさんの力を借り、光太郎が上空に向かって飛び出した。 飛翔能力。 式神であるザサエさんの力を借りて、可能とした光太郎の力の一つ。 「だろうな。そういうと思ったぜ」 ザサエさんから手を離され、落下していく柊の体。 しかし、数秒とせずに落下は止まり、それどころか上昇を開始する。 ――常識を遮断せし異相結界・月衣。 マジカル・ウォー以来急激に力を増し、非常識の力を行使するウィザードたちが身に付けた新た なる常識の突破能力。 そして、柊は“重力”という常識を遮断する。 空が飛べない? そんな常識は無い。 空が蹴れない? そんな常識は通じない。 何故ならば、彼は“常識の通じない夜闇の魔法使いなのだから”。 「“風の如く 舞い踊れ” ――エア・ダンス!!」 “空を蹴り”、己の魔力で発生させた上昇気流に乗って柊が加速する。 瞬く間に光太郎と並走し、二人は同時に顔を見合わせ――薄く微笑んだ。 「右!」 そして。 「左ぃ!」 互いに繰り出した蹴り足で、二人が左右に飛び込む。 たった今の瞬間、自分たちが居た場所をすり抜けたカギヅメを見ながら、光太郎は叫んだ。 「絢爛舞踏ザサエさん、GO!」 ( !) 光太郎の声に気配が応じ、次の瞬間邪神の腕から青黒い血が噴き出した。 ザサエさんの攻撃だ。 畳み掛ける! 「いっけえ!!」 呪符を手に取り、願いを篭めて、邪神に向かって投げ放つ。 淡い輝きに満ちた無数の呪符は夜闇を切り裂く流星の如き勢いで、破壊神に向かって飛来し。 『ルォオ――』 「“届け 風の果てまでも” ――エア・ブレード!!」 衝撃破で迎撃しようとした邪神の咆哮よりも早く、鋭き風の刃の祝福を帯びた呪符が邪神の肉体 へと突き刺さり――爆散。 『ガァアアアア!!?』 高性能爆薬にも匹敵する爆風と輝きに、邪神が悲鳴を上げる。 「“轟け 爆炎の如く” ――エンチャント・フレイム!!」 そして、その瞬間紅い閃光と紅蓮の焔を纏った斬撃が、邪神の腹部を切り裂いた。 刀身にして一メートル弱。 高層ビルにも匹敵する邪神にとってはかすり傷にも等しい小さな刀身。 されども、その斬撃は深々と血肉を切り裂き、焼き尽くした。 『GI,GAXAAAAAAAAAAAAAAAAA!?!?!?!』 「決めるぞ、光太郎!」 「おう!!」 絶叫を上げる邪神。 それに向かって、柊は己の手を魔剣に添える。 光太郎は呪符を握り締め、己の手を掲げた。 「舞い上がれ」 烈風を帯びる。 「喰らい尽くせ」 焔を纏う。 「解放しろ――」 ポタリと柊の添えた手から零れる血に、魔剣の刀身が唸りを上げた。 それはさながら嬌声を上げる処女の乙女の如き咆哮。 刀身に刻まれたルーン文字が閃光を発し、同時に刀身の一部が変形して、普段は隠されている 宝玉が露出する。 「俺の魔剣!!」 ――魔器解放―― 「俺は進まないといけないんだ」 光が集う。 「だから」 拳が輝く。 「俺は――」 もっと。 「お前を」 もっともっともっと。 「ぶっ飛ばす!」 光輝を発す! ――少年探偵の一撃―― 走る。 疾る。 奔る。 世界に選ばれた二人の少年が、魔剣を、拳を振り翳して突き進む。 「「おぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」 それは純粋なる願い。 「魔剣よ――」 「ぶっ飛べ――」 それは世界に選ばれし者たちの一撃。 「切り裂けぇえええええええええ」 烈風を纏わせ、灼熱を宿す炎の剣が邪神の胴体を突き刺さり―-両断。 神殺しの魔剣が、破壊”神”の因果を断ち切る。 「悪党ぉおおおおおおおおおおお!」 光輝を背負い、理不尽をぶっ飛ばす少年探偵の拳は、邪神の頭部に直撃し――爆散。 溢れ出る光が、その肉体を浄化してく。 「「ラァッ!!!」」 そして、閃光が溢れた。 異形の空は一瞬だけ、光に溢れた。 ――柊・光太郎ペア 正門突破 さて、某所でHIIRAGIを書く作業に戻るか。 なんか前スレで呼ばれた気がするので、書いてみたw 4-160、163 さて、増援部隊の第一陣のメンバーは三人 「こちらの準備は終わったわ」 戦闘用の魔女服を身につけた妙齢の女性、空色の魔女、ふみこ・O・ヴァンシュタイン 「ほっとくわけにもいかないからね。いつでもいいよ!」 ふてぶてしい猫を連れた少女、極楽台風、ニーギ・ゴージャスブルー 「急ぐのでゴザル。コウが城の主まで辿り着く前に!」 そして、間違った忍者装束を纏う青年、世界忍者ロジャー・サスケことロイ・バウマン。彼は光太郎の幼なじみでありーー 「みょ~に焦ってるわね、セプテントリオン。これってアンタ等が仕掛けたことなんでしょ?」 セプテントリオンのエージェント、RSその人である。 「この事件の半分以上が既に我々の手から離れている。それに……僕は、コウを護りたい」 「セプって身内も売るじゃない?」 「信じなくても結構!!僕はコウを護る……それだけだ!!」 真剣な面持ちで話すロイにアンゼロットは笑みを返す 「信じましょう。あなたが知らせた情報は信用に足るものですし、今は一人でも強い戦力が欲しいですから」 アンゼロットの言葉にロイは頷いた。そう、今の自分はロイ・バウマンではなく、友の盾たるロジャー・サスケなのだからーー!! 「けれど、何をそんなに焦っているのかしら?光太郎は私が見込んだ男よ。あいつならどんな敵も突破するわ」 ふみこの問いにロイは顔を歪ませた 「……今回の敵は“世界の秩序”……そして、その正体が問題なんだ」 「……どういうことですか?」 「……“世界の秩序”はコウのーー」 ロイが続けて言葉を発しようとしたーーその時 「そこから先は僕が説明しましょう」 皆の目前に突如として白い装束を纏った青年が出現した。 「お初にお目にかかります。僕の名前は玖珂晋太郎。光太郎の兄です。」 青年こそが“世界の秩序”にして玖珂光太郎の実兄である 「シン兄ぃ……!!」 驚愕するロイ。 そしてアンゼロットもまた驚きに目を見開き、言葉をもらした 「ワールド・オーダー……!!」 4-164-165 「我々が敗北するなど、ありえないことのはずだ」 その言葉は誰のものだったか。この場にいる全員の戸惑いでもあった。 彼らは人々の希望から生まれ、世界をも改変しうる力を持つ者ばかり。 だというのに、彼らの中から敗北する者が出ている。 「事実として負けた奴がいるんだ、それは受け入れるべきだろう」 真紅の魔眼を持つ少年は、まわりに向けてそう言った。 「俺も出る。負けるのは馴れてるから、問題ないさ」 彼の名はシン・アスカ、究極の一として生まれた者達のうちの一人である。 「だが、いいのか? 敗北はお前の本意ではないはずだ」 「そりゃそうさ。けど、俺は新参者だからな。それくらいはしないと」 そう言いつつも、彼の目には負ける気が見あたらなかった。 「で、八神和麻を味方にすればいいんだよな?」「ああ、数はそれだけで力だからな」 「わかった、じゃあ行ってくる」 瞬間、少年の姿が消え失せる。時空転移、彼が持つ力の一端である。 その八神和麻は、偶然にも東京に来ていた。 神凪綾乃と一緒にちょっとした仕事をこなしていたら、巻き込まれたのだ。 「しかし、見事に分断されちまったな」 突然奇襲されたと思ったら、既に綾乃は吹っ飛ばされていた。 さっきの相手は間違いなく綾乃より強い。そして、周囲には無数の敵が。 「急がないと、綾乃が危ないか」 どれだけ時間がかかるかわからないが、綾乃は確実に負ける。 ならば和麻の取る手段は一つしかない。 「こいつらを全力で潰して、最速で駆け付ける」 綾乃がそれまで無事であることを祈りつつ、彼はコントラクターの力を解き放った。 4-166 それはいつもの事だった。 「マモルー。ゆうなちゃんが変な城につれていかれたから晩御飯までに連れ帰ってきてー。」 「わかったよ母さん。」 高校生の子持ちでありながら若々しい母に言われて、 ボサボサ髪のビン底眼鏡の少年は渋々家の外に出る。 そして、一瞬で忍者装束へと姿を変える。 切れ長の目を城の方角へと向ける。 「早くゆうなを連れ帰ってゲームの続きをするか。」 彼の名は陰守マモル。 忍者の中でも最強と名高い陰守一族の少年である。 陰守一族は代々とある蒟蒻職人の一族を守る使命を帯びている。 お隣さん守り続けて400年 マモルは突如出現した城へと向かって走り出した。 当然、妨害してくるものもいるわけで、適当に蹴散らせながら駆けていく。 「陰守忍法バナナの皮手裏剣!」 人型の怪物の足元にバナナの皮を投げつける。 バナナの皮に滑って見事に転倒頭ぶつけて即死のコンボ。 一方その頃、その光景を監視していた者達は唖然としていた。 「バナナの皮でエミュレイターを倒すなんてありえない!!」 と、とある守護者のアンゼロットが唖然とするのは当然のこと。 「彼の攻撃は全て魔術効果が付与されるのでしょう。存在そのものが常識外のようですし。」 と、とある魔王のリオンが答えを導き出すのはいつものこと。 そしていつの間にか怪物の集団に囲まれるマモル。 「陰守忍法奥義 円盤カレイドスコープをみせてやる。」 「あっUFO!」 その一言で周囲の怪物たち及び監視をしている者達は停止した。 「えっUFO!?どこですか!?」 と、突然UFOを探し出すアンゼロットとロンギヌスの面々。 「えっUFO?どこどこー?」 と、つい探し出すベル&リオン他。 マモルはUFOを探す怪物達の隙をついてその場から離脱していた。 「私を暗示にかけるなんて中々やりますわねあの男。」 「大魔王ベール・ゼファーに暗示をかけるなんてやるわねあの男。」 と、同時にアンゼロットとベール・ゼファーがお怒り気味に呟くのであった。 「うぅなんか寒気がしたぞ。」 微妙な悪寒に震えながらマモルは式神の城へとむかうのであった。 一方、ゆうなはというと・・・。 「バーナナ、バナナ、バーナナ、バナナ、バナナナバナナナ、バ、ナ、ナ♪」 と、城の中の隠し通路を歩きながら、誰にも気づかれずに唄ってましたとさ。 4-180-183 ~地上戦~ 式神の城の直下。 城の外で戦うものが因縁めいたものと合しているならば。 城の中で戦うものがその指揮を執るものと相対しているならば。 STGにおいて「ザコ」と称される無数のものと対峙しているのは誰なのか。 こと侵略においては最強の敵である彼らを押しとどめなければならない。 「それこそこの世界の住人の仕事だろう!」 迫り来るのは有機的無機的シリアスコミカル巨大矮小入り混じった機械、機械、機械の群れ。 それはヴァーミスと呼ばれる機動兵器郡であったり、スカリエッティ研究所製であったり、「めいど☆いん☆わいりー」だったりした。 それらを自慢の魔剣で斬り、払い、薙ぎ倒して進むブレザーの少年。 見る人が見ればこう思っただろう。彼には柊蓮司の面影がある、と。 ~地上戦・もうひとりの参戦者~ 「ひぅっ!?」 「風音さんっ!」 「っ……こっのぉ! 好き勝手やってくれちゃってぇ!」 ひゅ、という風切り音。刹那のうちに、棒手裏剣で貫かれハリネズミのようになった機械……なのだろうか? 人間大の機動兵器が爆散した。 「空からはヴァーミス、だっけ? あの機械の。地上もワケわかんないのいっぱい出てるし。キリがないよぉ」 「ですわね……護法童子!」 ご、という鈍音に風音は振り返る。 逞しい体つきをした琴理の式神が、ヘルメットに足がついたようなメカを殴り飛ばしていた。 「ボクが後ろをとられてた!?」 「機械に気配はありませんわ!」 「そのとーりぃっ!」 さらにその後ろ。またも迫っていた機械が両断された。 「! あなたは!」 「!!! き、ききき君は!」 「「強化ちゃんはイメチェンしたというのに自分は色黒の子に出番とられて要らん子と化したまけん君!」」 「ハモるなっ! そして長い! さらには失礼だー!」 エア・ブレードで強化した射程に任せてザコをなぎ払いつつもツっこむ姿勢に二人は感銘を受けた。 嗚呼、柊の原型ここにあり、と。 ~地上戦・さらば愛しき参戦者~ 「俺はッ! 俺は要らん子じゃねえッ!」 剣を振るう。 「今! この瞬間! こんなにも世界を護っている!」 剣を振るう。だが柊ならぬ彼の限界は早い。 「例え出番がゼロだったって、俺を必要としてくれる状況が! 人が! あるならば! 俺は――」 剣を振る――えなかった。彼の魔剣は戦いの中でその寿命を全うし、折れ飛んだ。 「畜生!?」 ぎぃん、と刃の跳ねる音が、そして異音が聞こえてくる。 そう、聞こえてきたのだ、彼の耳に。聞きなれない、鈴のような少女の声が。 【宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ――】 「! なんだ!?」 【神聖で美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より求め、訴える! 我が導きに、応えなさい!!】 瞬間、目の前に現れた銀色の鏡のようなものに彼は吸い込まれていった。 魔剣のない魔剣使い=魔剣使い-魔剣=使い、である。 ただこの場合は剣の折れた魔剣使いであるので、 魔剣使い-剣=魔 使い。しかしこれでは意味が通らないので空白を削除してアナグラムをする。 すると表れる単語は――使い魔。普通の地球では平賀くんが選ばれるのだが、その平行世界であるFTEの運命はこのもっとも使い魔に相応しい男を選んだらしい。 彼はその後、魔法を吸い込む古びれたおニューの魔剣とか二次大戦時に使用された三菱製の戦闘機とかに乗ったりして、 胸のない美少女と恋に冒険に大活躍することになるのだが、それはここで語るべきことではない。 ともあれ。 「えーと、消えちゃったね?」 「何をしにいらしたんでしょうか、あの方」 取り残された二人はただただ呆然とするばかり……でもいられない。 敵はまだまだわんさとやってくるのだ。 そうして、気付く。ウィザードとしての感覚が警鐘を鳴らした。城の直下、そこで膨れ上がる闇の存在に。 風音はちらり、と背後を見やる。100Mほど離れたところでピンク色の魔法少女?たちが赤い服のアバターと戦闘を繰り広げていた。 「琴理ちゃんセンパイ、あの人たちのさぁ」 「邪魔は、させられませんわ」 飛来する『ザコ』は雲霞のごとく。 それを蹴散らすため、少女たちは――駆ける。 妹と琴理ちゃんはSTG的に御札ショットと手裏剣ショットで大量のザコを駆逐中ということでいかがでしょ 4-185、187-188 みなごろしとにせもの-下っ端戦闘員vs正義の味方- 「……っ!?」 E-MIYAは息を呑んだ。 敵は赤いヒーローと魔法少女。彼の放った幻想の「矢」は、周囲の小物ごと敵を簡単に消し去れるだけの威力があった。 そして彼らにはその範囲から逃れる術はなかったはずだ。しかし、目の前の光景は想像を遥かに凌駕していた。 桃色の蟷螂怪人を左手に抱えた顔のないただの戦闘員が、正義の味方に負けるべき悪の組織の、その内さらに下っ端であるはずの戦闘員が。 右手で、その破滅の矢を握り止めていた。 戦闘員―――NO.37564は、前の赤い外套の騎士を睨みながらぽい、と抱えていた上司を放り投げて背後に向けて言った。 「レッド、魔法少女。コイツを頼む。戦闘力は弱くないはずだが、どうにも目を離すと危なっかしい。コイツと一緒にご町内を守ってやってくれ」 「へ?け、けどアンタは―――」 「俺はこの勘違い野郎の相手をしてやる。だから、さっさと行け」 「待てNO.37564!俺は、俺の中のヒーローは、コイツを許すわけには―――」 「お前らはヒーローだろ?この街にあるものを守るためにここにいるんだ、別にこいつと戦うためにいるわけじゃない。 その点、俺は戦闘員だからな。戦う相手がいて、しかもそれが正義の味方だって名乗るんなら相手をしないわけにはいかない」 ぱきん、と澄んだ音を立ててNO.37564の手の中で幻想の矢が砕け散る。 E-MIYAはさらに混乱する。 彼の生む矢は自らの意思によって強度が決まる、彼の意思こそが強度と言いかえてもいい「力」だ。 そして、彼らアバターは人間の想念が、欲望が、憧憬が生み出した幻想の塊。積み重ねられし人間の願望こそが彼らの能力にして力。 多くの人間に望まれた力が彼を形作っている、「歪なる最強の幻想」そのもの。 そんな力の積み重ねにより作られた彼の武器が、誰の幻想に支えられているわけでもない存在の手によって砕かれたことが、E-MIYAには本気で信じられない。 クロスは、決意の表情でNO.37564を見る。 「……本気なんだな?」 「なんだ、心配してくれてるのか?」 「別に心配はしてない。できるだけさっさと終わらせてくれ。お前の手も必要だ」 行くぞ、と言ってベホイミの襟を掴んでずるずると引きずっていくクロス。 ベホイミはまだぎゃあぎゃあとわめいているが、クロスはまったく意に解さない。 やがて―――赤い騎士と黒い戦闘員の間に、一筋の風が流れた。 赤い騎士が問う。 「貴様―――何者だ。この俺の偽・螺旋剣を片手で止める生き物など見たことがない」 「埼玉の所沢に『クロック』っていう悪の秘密組織があってな、そこの下っ端戦闘員だよ」 「ふざけるな。それだけの力を持つ生き物がただの戦闘員でいる組織ならば、とっくに抑止の世話になっていることだろうよ」 「って言っても俺の立場は本当にただの下っ端なんだが。向上心って奴をどこかに置いてきちまったらしくてね。 あぁそうだ、俺も一つ聞いていいか?」 無言を肯定と受け取り、悪の組織の戦闘員は赤い衣装の正義の味方に問う。 「―――お前の『正義』って、なんだ?」 シニカルな笑みを浮かべ、E-MIYAはその問いに答える。 「知れたこと。より人が幸せになれることだ」 「それで、一回世界を滅ぼすのか」 「悪の組織の構成員がその善悪を問うのか。より人が幸せになれる世界になるなら、それもまた仕方あるまいよ」 それは、本物の抑止の守護者はけして言わぬ言葉。狂った妄想の生み出せし、壊れた正義を振るう者の姿がそこにあった。 NO.37564は抑止の守護者のことを知っているわけではない。けれど、その目の前の存在が狂っていることだけは理解できた。 そして―――告げる。 「俺はこれでも正義の味方って奴と何人か会ってきてね。経験上、一つだけ言える。 ―――お前は、正義の味方なんかじゃない」 「なんだと?」 「確かに、一人の手でできることは限界があるだろう。救えないものだってたくさんあるんだろう。 俺は正義の味方じゃないから、その苦労は理解できないしその重みを考えることもないさ。 それでも―――それでもな、救えずこぼれた欠片を何度でも拾おうとする奴もいるんだよ」 思い出すのは、共に戦う戦友のこと。 赤いヒーローも、魔法少女も、子供達の夢と明日を守るためだけに戦っている。 たとえ救った子供が大人になって子供を脅かそうとも、今度はその子供をまた救おうと手を伸ばせる存在。 「何度でも、何度でも。皆が幸せになれるまで、皆が笑顔になれるまで、その手を差し出し続けられる者。 そんな存在こそが、俺の認める正義の味方だ。それ以外を、俺は正義の味方とは認めない。 なあ、自称正義の味方。 正義の味方が存在するために必要不可欠な俺に、悪の組織の下っ端に、認められない正義の味方なんぞ誰が必要とするっていうんだ?」 E-MIYAは、固い表情を崩さない。 たとえ自身の存在を否定するようなことを、たった一人に言われたところで彼を構成する妄想の群れは崩れはしない。 けれど、その言葉を否定する言葉は出なかった。 声が返ってこないせいか、NO.37564は続ける。 「お前が壊すのに荷担しようとしてる今のこの世界を見ろよ。本当に無駄だと思うのか。 この世界を、それぞれの理由で守ろうとしてる奴らが見えないのか」 この異常な戦場の中で、ただひたすら前を向き駆ける者がいる。 仲間のために、一つでも多くの敵を倒す者がいる。 傷ついた戦友を抱え、走る者がいる。 「なぁ、見ろよ正義の味方(ニセモノ)。お前は、この世界を守ろうと一生懸命な連中を無駄だと言ってのけるのか」 「くだらん」 問いかけに、E-MIYAはそう吐き捨てた。 「所詮は一時の感情に惑わされているだけにすぎん。この世界はもう限界だ、あちこち歪んで悲鳴を上げている」 「悲鳴を上げていようが、血反吐を吐いていようが、それでも世界は続いてる。 それを、たった一人の人間が無駄だと言って切って捨てていい権利なんかどこにだってありはしない」 「よくよく口が回るな。目障りだ、失せろ―――停止解凍(フリーズアウト)、全投影連続層写(ソードバレルフルオープン)!」 その言葉とともに、大量の刃が発生してNO.37564を襲う。 白銀の嵐。その一つが心臓をでも貫けばその場で絶命する刃金の奔流がNO.37564を飲み込んだ。 あまりの質量の落下に、アスファルトが削り取られ、粉塵がもうもうと周囲に立ちこめる。 ふん、と鼻を鳴らすE-MIYA。NO.37564は、刃から一歩も逃れる時間はなかった。あれだけの刃が襲ったのだ、命があるわけがない。 もうもうと舞っている粉塵を、突如吹いた突風が吹き飛ばす。 ―――そこには、傷一つなく剣の檻の中に立つ戦闘員がいた。 今度こそ、E-MIYAの息が止まる。 ありえない。あれだけの刃の雨を受けて、生きていられる生物など存在しない。あの密度の剣の弾幕をかわせる生物など存在しない。 ならば、ならば――― E-MIYAの足が、無意識に一歩退った。 「貴様―――一体、『何』だ!?」 恐れを含んだその声に、先ほどと変わらぬ調子で、絶対の誇りを持って悪の組織の下っ端戦闘員は答える。 「さっきも言っただろ、俺は『クロック』の戦闘員―――正義の味方を叩き潰す、悪の組織の手先だよ」 言って。 巨大ロボをローキック一発で破砕し、正義の味方の拠点を潰し、ブラックホールに単独で放り込まれても帰還すると言われた最強の戦闘員は、自身の言葉を忠実に実行した。 正直言って、37564は反則です(笑)。 なんだよ成田せんせー、「終末が来てしまうということに対する反作用存在」って。 まぁ、本人がどっちかっつーとご近所英雄(本人悪の組織だけど)派なんで城には乗り込みませんが。 4-229-230 地に伏すのは、一人の侍。 彼は満足げな表情で、本来は存在しないはずの空を見上げていた。 彼の名はリン・バウマン。かつて「青い眼のサムライ」と呼ばれた役者。 しかし、あしきゆめ―――精神寄生体がとりついた彼は、本物の侍と遜色ない実力を誇っていた。 「見事だ」 「……これでも、郷里の方では武も教える者デス」 「ごめんなさい。私は、あなたを眠らせることしかできないから……」 青い眼のサムライの賞賛に、正直な言葉を漏らす二人の勝者。 金大正と赤羽くれはもまた、無傷とは言いがたい状況だった。 くれはの言葉に、役者はくつくつと笑った。 「それでいい。死に逝く者へできることなど、人間にはほとんどないよ。 私も、妻を失ったときにそれを思い知った……。 だから、前を向くといい。若いお嬢さん」 もっとも、私の言葉などなくとも君は前を向けるように見えるがね、と目を閉じたまま彼は告げる。 それきり。「青い眼の」リン・バウマンは空に溶けるように消えていく。 ひと時だけ眼を伏せる二人。 神職のくれはと道士の金だ。二人とも死に行くものへの礼儀を尽くす。 その時だ。 大量の岩石の群れが、その空間へと次々と降り注ぐ。 「何デスかっ!?」 「は、はわっ!?」 岩石の砲弾から逃れようと、くれはと金は別方向へと跳ぶ。 金は仁王剣を振るい岩石を跳ね飛ばし、くれはは実家からの支給品である破魔弓から簡単な魔法を使って次々と岩石の軌道を逸らしていく。 しかし、岩石の雨は止まらない。圧倒的な量に対応していこうとするも、いつかは限界が訪れる。 「くぅっ!」 先に限界を迎えたのはくれはだった。 いかに連射の効く破魔弓であろうと、3本ありある程度の自律行動のできる仁王剣と違い、対応が間に合わなくなる。 自身の上に降り注いだ巨大な岩石は、すでに避けきれる位置ではない。真っ向から迎撃を果たすしかない状況。 くれはは全身からプラーナを開放し、その一発に全てをかける。 「<ヴォーテックス・トライデント>ぉっ!」 闇の三叉は、彼女の頭上に迫る岩と拮抗する。 くれはは、渾身の力を込めてさらに魔法を押し出した。 「はあああぁぁぁぁぁっ!」 青い輝きが魔法に力を与え、その威力を底上げする。 そして、結果として彼女の渾身の一撃は巨岩を打ち砕いた。 しかし巨岩は砕け散り、破片が雨のごとく降り注ぐ。直前まで魔法に全力を注いでいた彼女に、それを回避する術はない。 いくつもの破片の直撃を受け、彼女は気を失った。 それはこの岩石降り注ぐ場所では命に関わる。金も駆け寄ろうとするが、彼を襲う岩石の雨が止んだわけではない。 すでに岩塊の雨はくれはまでの道を塞ぐように壁と化している。 そして、ぷつりと岩の雨が止む。 どういう理屈かはわからなかったが、金は最後に彼女がいた場所へと駆けつける。が――― ―――そこに、赤羽くれはの姿はなかった。 金は拳を痛いほど握り締め、とにかく状況を正確に把握するため、ふみこの万能執事へと連絡とるのを優先させた。 ――― 式神の城の奥深く。 白いマントの青年が、黒く長い髪の少女を抱えて立っていた。 青年の名は「世界の秩序」。力を欲したがために世界と同化し、いまや世界の一部として世界を動かす「白い世界」。 さて、と青年は呟いて真っ白に輝く光の玉のペンダントを少女の首にかけた。 「これでいいよ。後はこの娘を蜘蛛に組み込むだけだ。それくらいは君にもできるだろう?フットワーカー」 その言葉に曖昧に頷くのは、セプテントリオンの上級コードネームを持つエージェント。 はじまりは、同じく上級コードネームを持つRSを出し抜くために上に企画を提出したこと。 それがここまで大事になってしまっている。けれど、ここまで来てしまっては後には引けない。 彼は、目の前の世界の冷たい視線に答えることはできずともなんとか自分の命をつなぐための選択をし続ける。 青年は思い出したように問うた。 「あぁ、覚えているよね?約束を」 「玖珂光太郎が最後の間に着いた瞬間、お前に身柄を好きにさせる、だったか。 他にはないのか?」 「いや、覚えているならいいんだ。 あとは、これから他の邪魔が入らないために君の集めた連中に向けて命令しておいてくれればそれでいい」 「その程度はこちらも把握している」 じゃあ、よろしく頼んだよ。僕は挨拶をしてくるから、と彼は言い、その場から姿を消した。 フットワーカーは相手の気配が消えるのを待って、大きなため息をついた。 目の前に横たえられている少女をちらりと見て、彼女の首にかかる白い宝玉の説明を思い出す。 この宝玉は世界の力を引き出す玉。そう「世界」は言っていた。 それを、この娘の力を束ねる「依代」としての体質と、かつて七つの宝玉の力を遠き地へと送り出したことで作られた「転送」のパスを利用し、彼の切り札に利用する。 それが説明の全てだった。事実、娘にその両方の力が宿っているのは事実であったため、そのこと自体に不満はない。 仕事の時間だ、と頭を切り替えて、娘をかかえながら協力者達へと最後の攻撃の命令を下す。 ―――ここに、世界の危機が始まる。 4-233-234 「おい、光太郎生きてるか?」 「…ああ、なんとかな」 何とか城に突入した柊と光太郎だったがその代償はあまりにも大きかった。 上着はどちらもほぼ原形をとどめておらずワイシャツも血で赤く染まっていた。 「クソッタレさっきの野郎で思った以上にくらっちまったみてぇだ。」 「だが、ここで立ち止まるわけにはいかない…そうだろ柊?」 だが二人の闘志は全く衰えを見せていない。 それを嘲笑うかのように現れる魔物たち。 「へっ、上等じゃねーか…!!」 「手負いだからって甘く見るんじゃねぇぞ!!」 ふたりはかまえをとるがその構えはどこか崩れていた。 度重なる激戦で二人の体力は限界に達していたのだ。 魔物たちは好機と判断し一斉に襲い掛かる。 だが・・・ 「スレッジハンマー!!」 突如現れた巨大なハンマーを持ったツインテールの少女が魔物たちはなぎ払った。 「な、なんだぁ!!」 当然の乱入者に柊たちは驚く。 「んふふ~、さすがは317ちゃん。頼りになるわ~♪」 「誰だてめぇは!!」 声の主の方に視線を向けるとそこには女性がいた。 …なんというか青少年には大変目に毒な格好をした。 「私はクラリス・パラケルスス、錬金術師よ。」 (なんだろう、アンゼロット並みに関わっちゃいけねぇ気がする。) 彼女の雰囲気に柊は警戒する。 「で、その錬金術師様が何でこんなところに。」 「はぁ、これだけ大きな城なんだからお宝の一つや二つは有りそうだしね。それに・・・」 クラリスは柊に視線を向け、 「君にすっごく興味があるのよね~♪」 「俺に?」 「そうそう、さっき君たちを助けてくれた子あれ私が作ったホムンクルスなのよ。」 「何だって。」 柊と光太郎はさっき助けてくれた少女に目を向ける。 「あたしの最高傑作なのよ~」 クラリスの言葉に柊は嫌な予感を感じる。 クラリスの笑みがなんだがどっかのロリババァと重なったからである。 「何企んでるんだ、あんた。」 柊は警戒心をあらわにする。 「ん~、その前に取引しない?」 「取引?」 「そうそう、私は君たちを完全な状態まで治療することが出来るわ。」 「つまり治療してやるからあんたに宝探しに付き合えってか?」 「そのと~り。そんでもって柊君にはちょっと私の研究に協力して欲しいのよ。」 「…研究!?」 柊は嫌な予感がした。 そしてそれは的中する。 「今度新しいホムンクルス作ろうと思ってるんだけどそのベースを柊君にしてみようと思うのよ~」 「…マジか!?」 「うんマジマジ。何たってウィザード随一の戦闘力は魅力だし美形だから結構高値で売れそうだから。」 「ふざけんな、そんな理由で俺をホムンクルスのベースにするなぁぁぁぁぁぁ!!」 思わず柊は叫んだ。 「マスター、敵です。」 待機していた317の報告どおり周囲には何時の間にか魔物が集結していた。 「ゲッ…」 「んふふ~、どうやら拒否は出来なさそうの状況ね~」 クラリスの言うとおり状況はかなり危険な状況だ。 はっきりいって今の柊と光太郎は戦力にならない。 いくら317がクラリスの最高傑作でも多勢に無勢だ。 それ故に二人が出した結論は。 「だぁぁぁぁぁ、仕方ねぇ。宝探しでも研究でも付き合ってやるからさっさと治療してくれ!!」 「交渉成立~、それでは!!」 クラリスは魔力を放出する。 すると二人の傷は見る見るうちにふさがっていく。 それだけではないボロボロの衣服も新品同様に修繕され、疲れすらも消えていた。 「すげぇ。」 クラリスの力に感心する柊。 「それでは、お宝目指してれっつご~♪」 こうしてクラリスを加えた柊たちは最深部を目指す… ← Prev Next →
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(flag.X1-2 黒き落としの神子) ―――輝明学園校長室 日曜日。 輝明学園の理事長代理であるくれはは、休日だからと言って軽々しく休めない。 執行部の顔役として年がら年中忙しい彼女の幼馴染ほどではないにせよ、この学園世界で多数の仕事を抱えている。 輝明学園の運営代表であるため、健康やストレスを考えて休暇にも一定の配慮がなされてはいるが、仕事が溜まった時などはこうして休日に"出勤"することになる日も多かった。 「はわっ?」 目を通し、本日の急な仕事の書類に書かれた"ちょっとした予想外"の部分に眉をひそめる。 「…なんで?」 書類に書かれたその部分…『クラス分類欄』に首をかしげる。 「てっきり大いなるものか転生者辺りかな~と思ってたんだけど…」 彼女の経歴を見るにその辺が妥当だろう、そう考えていたのと違う。 それが何を意味するのかを考えていたところで… コンコン 「失礼します。赤羽理事長代理、夜見様がお見えです」 くれはの秘書が待っていた客人の来訪を告げ、くれはは思考の海から引き上げられる。 「はわっ。通しちゃって」 先ほどまでの疑問はとりあえず脇に置いておくとして、くれははそのウィザード…幼馴染でもある夜見トオルを迎えた。 「新米ウィザードの教育係か…ですか?」 くれは直々に頼みたいことがある。そう聞かされて輝明学園にやってきた夜見トオルは、ぎこちなくくれはの『依頼』を聞き返した。 「はわ~。別にそんなにかしこまらないくていいよ?」 そんな、明らかに慣れていない敬語に苦笑しながらくれはが言う。 「え?いいの?一応こっちではくれは先輩えらい人だからちゃんとした方がいいかなって思ったんだけど」 「いいよいいよ。むしろ変にかしこまられても肩こるしさ。っつーわけでいつも通りよろしく」 「…分かった。それでいいっつうんなら」 「うん。それでよし。そんで話戻すけどさ、教育係制度のことは知ってるよね?」 「え?そりゃあ、まあ…」 くれはの問いにトオルは頷く。 輝明学園に通う学生の大半はイノセント…ウィザードでは無い普通の人間である。 学園世界において彼らイノセントはなんら特殊な力を持たない輝明学園の生徒として、日々暮らしている。 しかし、彼らの中にはある日ウィザードに覚醒するものがいる。 モンスターの類に襲われて、運命の導きで、この世界で異世界の何かから力を得て、異世界の技術を学ぶうちに自然と… 理由は様々だが、とにかくある日突然力に目覚め、非日常の側に立つ生徒は結構多い。 そんな、"学園世界産"ウィザードの発生に伴って、この世界で唯一ウィザードの扱い方を心得ている組織として輝明学園はいくつかの制度を設けた。 輝明学園のウィザードであることを証明する『ウィザード学生証』の発行をはじめとして覚醒したウィザードに装備を整えるための資金を渡す『ウィザード奨学金』、 本人の適性に合わせて必要な知識や技術を教える『ウィザード教習』など、基本的には新たに覚醒したウィザードがその力を使いこなせるようになるまでの間見守るものである。 そしてその1つに、『ウィザード教育係』と言うものがある。それは… 「新しく覚醒したウィザード生徒に同じ学生のウィザードを紹介するって奴だよな?確かその人に近しい人が選ばれるって…ん?」 制度のことを口にしていて、トオルは疑問を覚える。 「ってことはつまり俺に近しい奴がウィザードになったってことで…まさか!?」 そして、気づく。この1年、ただ1人を除いて誰とも関わらぬよう暮らしてきた『夜見トオル』に近しいイノセントは、ただ1人だと言う事に。 その様子にくれはは頷いて答える。 「そう。入ってきていいよ」 ガチャ 「はい。失礼しま~す。それと、おはよ。トオル」 その言葉と共に入って来たのは… 「ユリっ!?」 彼の幼馴染の少女、朱野ユリだった。 「何でユリが…?」 「うん。昨日モンスターに襲われて、そのとき、ウィザードになったみたい」 驚いているトオルにユリが嬉しそうに説明する。 「なったみたいって…いや、まあよくある話だけどさ」 素質もつものが命の危機から生き残るために覚醒したと言うのは、ウィザードの覚醒の理由としては非常にポピュラーなものではある。 実際学園世界でもモンスターの類に襲われて力に目覚めたウィザードは数多い。 それに元々大地の護符をその身体に有していたユリはウィザードになる才能の1つ"非日常を受け入れられる心の強さ"は持っていた。 「けど、ユリが覚醒するなんて…」 だがトオルは知っている。ユリにはウィザードに必要なもう1つの才能が欠けている。 朱野ユリはウィザードに必要なもう1つの才能、"強いプラーナ"をとある事件で失った。 逆に言えば何らかの要因で解消されればいつウィザードに覚醒してもおかしくは無い状態ではあったのだが、ならば何が起こったのか。 「まあ、ユリちゃんのことはこっちでも色々調べてるからさ、しばらくユリちゃんのことはよろしくね」 そんなトオルの疑問を察したのか、くれはが先んじて答える。 「まあ、そんなわけみたいだから。よろしくね。トオル」 ユリも零れるような笑みでトオルを見る。 「…おう。とにかく、形はどうあれくれは先輩の頼みだしな。よろしくな、ユリ」 そんなユリが眩しくてぶっきらぼうに、承諾する。目をそらしながら。 「…もう。そこはもうちょっと『ああ!これからはずっと一緒だYO!愛しいマイスイートハニーユリ!』とか言わないと」 からかうように言う。 「んな恥ずかしいセリフ言えるかっ!?」 そんなユリのセリフに顔を赤くする。そんな様子に満足したようにユリは付け加える。 「まあ、あたしもトオルがそんなこと言ったら笑うけどね」 「ひでえっ!?」 「ま、冗談はさておき」 そんな、青春ディスタンス街道まっしぐらな会話を打ち切り、ユリがこほんと咳ばらいを1つする。 「これからはウィザードとして、一緒だよ」 心底嬉しそうに、言う。 「…おう」 それにぶっきらぼうに同意するトオル。 それが朱野ユリのウィザードとしての生活の始まりであった。 ―――輸入百貨店『オクタマート』 オクタヘドロンを始めとした、異世界を渡り歩く複数の企業が共同出資して作った学園世界最大の超☆巨大ショッピングモール。 それがオクタマートである。 食品、日用品や服、アクセサリなどのファッション用品、各種ポーションや魔道具などの冒険用アイテム。果ては刀剣類や銃器、魔装に鎧などの武具まで。 ここでは学園世界の学生たちの出身世界から"輸入"したありとあらゆる物品が売られている。 0-phoneを用いた電子マネーにも対応し、更に休日には本物の量産型(市価200万円にて絶賛販売中)を使った「ボン太くんショー」などの各種イベントも満載。 その異様なまでの品揃えと行き届いたサービスのお陰で、開店から1ヶ月ほどにも関わらず既にその名は学園世界中に知れ渡っている。 そして、その一角で経営している、中華飲茶店で。 「…遅いわよ2人とも」 ゆったりとしたワンピースを着た鳳来寺麒麟は優雅に温かい烏龍茶を飲みつつ、約束の時間を大分遅れてきた2人をじろっと見る。 「…悪い。ここ来るのは初めてだから、迷った」 余りファッションに興味のなさげな普通の服の上からいつものマントをつけたトオルと。 「ごめ~ん。アタシもこの区画にはほとんど来たこと無かったから、迷っちゃった」 ひざ丈のフレアスカートにブラウス、それに薄手のカーディガンを着こみ、手を合わせすまなそうな顔をしたユリの2人。 「…まあいいわ。初めてなら迷うのも分かるから」 そんな2人に、仕方がないかと言うように麒麟は溜息をついた。気持は分からないでもない。 この辺りはオクタマートでも特に初心者お断りの場所なのだ。 この区画一帯は通称"オカルトエリア"と呼ばれている。 ここでは各種魔法の習得や儀式魔法に使う材料や魔道具、黒魔術や呪術なども含む魔法が記された魔導書、その他霊能者、魔法使い向けの装備などを主に扱っている。 そのため、普通に蝙蝠の羽根だの正体不明の触手が量り売りで売っていたり、人肌の温度と手触りの装丁が施された魔導書が本棚に並んでいたり、この世のものとは思えぬ何かの鳴き声がどこからか聞こえてきたりする。 やってくる客も霊能者やオカルトマニア、魔術師や錬金術師と言った『本格派』ばっかりと言う一般人がほとんど近づかない一角なのだ。 この辺りはその手の、怪しい人間が多い場所なためかやたら豪華なマントをつけた少年と言うトオルの姿も余り目立っていないのが救いと言えば救いである。 「それで、本当なの?その、ウィザードに覚醒したって」 気を取り直し、麒麟はユリに尋ねる。 「うん。間違いないみたい。あたし、ウィザードになったって」 麒麟の問いに、こっくりと頷く。 「それでね。あたしはキャスター…だっけ?とにかく、攻撃魔法を使うのに向いてるらしいんだけど…」 「ユリは魔法って言うかウィザードのこと事態ほとんど知らんし、オレも箒とか武器なら分かるんだが、魔法はあんまし詳しくないからな。 だからさ、悪いんだけどユリの装備見立ててやってくんないかな?」 「なるほど、そういうことね…」 ユリとトオルから事情を聞き、麒麟は納得する。確かにそう言うことならタイプは違うが魔法の扱いには詳しい自分の方が向いているだろう。 「分かったわ。他ならぬ親友と戦友の頼みだし、そういうことなら私に任せなさい」 そう答え、立ち上がる。 「行きましょ。とりあえず、魔法からね」 精算を済ませ、麒麟の知っているファー・ジ・アース系の魔法を扱う店に向かいながら、麒麟がユリに尋ねる。 「っと、そうだ。そう言えば、ユリの属性は?」 歩き出したところで魔法を買うなら重要なことである問いをユリにぶつける。 「え?属性?」 麒麟の問いにユリは首をかしげる。 「そう。ユリの属性。ウィザードは属性ごとに覚えられる魔法が違うから、魔法の使い手だと割と重要なのよ。攻撃魔法は特に」 「へぇ~そうなんだ。でもあたし自分の属性なんて知らないよ?」 「…ウィザード用の学生証は持ってる?それに書いてあるはずよ」 そんなユリの様子に、軽く溜息をついて、麒麟はユリに言う。 「あ、そっか。じゃあちょっと待ってね…」 ごそごそと手にしたバッグから真新しい学生証を取り出す。 「えっと…属性は『天』と『地』ってなってる」 「そう。天と地ね。それで予算が装備込みで50万となると…」 ユリの属性を聞き、何の魔法がいいかと色々プランを練り始めたときだった。 「おい…」 なんとはなしにユリの学生証を覗き込んだトオルが目を見開く。 「ん?どしたの?トオル?」 「いや…それ…よく見せてくれ」 「え?いいけど…」 怪訝そうな顔をしながら学生証を渡す。それをトオルはよく確認し…見間違いでないことを確認する。 「なあ…ユリ、お前のクラス…"落とし子"なのか?」 トオルの言葉に、麒麟がハッとして顔を上げ、トオルの顔を見る。 「え?うん。そうみたい。よく分からないけど、認定試験やってた先生も驚いてたよ。珍しいクラスだって」 「珍しいって…」 何の疑問も持っていない様子のユリに、麒麟は絶句する。 「どうしたの?トオルも麒麟も変な顔しちゃって」 ただ1人、落とし子と言うクラスがどういうものかを理解していないユリが不思議そうに首をかしげる。 落とし子とはファー・ジ・アースを揺るがした大事件『マジカル・ウォー・フェア』以降に新たに"世界を守る側"に立つこともあるようになったクラスである。 物理と魔法両方に対して強い攻撃力を持ち、特殊なプラーナを扱う事を得意とする、攻撃向けのクラス。 古くから存在は確認されていた彼ら落とし子が長らく"世界を守る側"とみなされなかった理由。それは。 「ユリ…まさかお前、侵魔と契約したのか!?」 魔王級の強力な侵魔と契約することで特殊なプラーナ…俗に『瘴気』と呼ばれる侵魔の力を得た、魔王の先兵であるがため。 ファー・ジ・アースが冥魔の脅威にさらされることによって利害が一致した侵魔と手を組む機会が増えたとはいえ、今なお多くの落とし子が世界を狙う魔王の手先として、日々暗躍している。 「侵魔と契約?何のこと?」 だが、ユリはそんなトオルをきょとんと見つめる。 「いや、何でも無い。ちょっと驚いただけだ」 ごまかすように、トオルは自らのウィザード学生証を取り出し、ユリに渡す。 「ほら、オレも"落とし子"だからな。まさかユリもそうなんだとは思ってなかったからな」 「そ、そう!ほらただでさえ珍しいクラスが2人もそろうなんて思ってなかったから、驚いたの!」 麒麟もそれに合わせる。 「え!?…あ、本当だ。トオルって落とし子だったんだ…」 改めてトオルの学生証を見て、感嘆の声を上げる。 「お揃いかあ。ちょっと嬉しいかも」 そしてトオルに学生証を返しながら無邪気に笑う。 そんなユリを見ながら、トオルは決意する。 (何でユリがウィザード…それも落とし子なんかに覚醒したのか、調べる必要があるな) ちらりと麒麟と目くばせをする。その瞳を見て、麒麟も同じ考えであることを察する。 「…さてと、じゃあ、そろそろ行きますか」 そんな気配を微塵も感じさせず、麒麟が朗らかに言う。 「ユリの装備は私がしっかり見たててあげる。その代り、今日の晩御飯はあたしたちの分はトオルのおごり。ユリの覚醒祝いも兼ねるから盛大にね」 「へいへい。わーったよ。そん代わり、あんまり高いのは勘弁してくれよ」 溜息をついて、同意する…"いつものトオル"がやるように。 「了解。そうと決まったらさっさと見立てちゃいましょ。とりあえず、何か要望とかある?どんな魔法が欲しいとか、装備がいいかとか」 「え?あ~、え~っとね…」 ユリの希望を尋ねつつ、3人は買い物を始めるべく歩き出した。 ドロドロドロドロ… 何処からか聞こえてきた、ある意味この場所には相応しい怪しげな着メロと。 「はう!?」 シャギャー! 鳴き声と共に暴れる紙袋と箒を抱え、ユリの方を驚いた顔で見る、ドクロの髪飾りをつけた少女の存在には気づかずに。 ―――舞島学園 男子学生寮 夕刻。 「…これで60本攻略完了、か…」 6つの画面から同時に流れるスタッフロールに深く満足しながら、"落とし神"こと桂木桂馬は緊張を解いた。 心地よい疲れが肉体を包む。 「やはり、ギャルゲーは良い。人類の生み出した文化の極みだ」 その口から漏れるのは、惜しみない称賛の言葉。 先週は駆け魂に取りつかれた少女(どこかのファンタジー世界の魔法使いだ)とのリアルデートでプレイできなかったため、積みゲーが溜まっていた。 その遅れを取り戻すべく、昨日今日はずっとギャルゲー。お陰で溜まっていた積みゲーもたいぶ消化しきった。 「…それに、今日は邪魔も入らなかったしな」 休日、平日問わず頻繁に桂馬の部屋を訪れる少女が今日は珍しく顔を見せていない。 お陰でゲームに集中することができた、非常に有意義な休日の過ごし方と言える(桂馬的には) 「さて、現実(リアル)での栄養補給と新しいギャルゲーの調達にでも行くか…」 スタッフロールが終了したのを確認し、立ち上がったときだった。 ガチャガチャ…バーンッ! 鍵をかけたドアが勢いよく開かれる。中に入ってきたのは… 「か、駆け魂です!駆け魂を見つけましたぁ~!」 紙袋と箒を抱えたいつものへっぽこ悪魔。 「うるさい。落ち着けエルシィ」 一言で切り捨てながら、桂馬は再び椅子に座る。 「それで、駆け魂を見つけた。そう言ったな?」 そして、エルシィに再度確認を取る。 「あ、はい!駆け魂です!お菓子の材料買いに行ったら駆け魂がいたんです!」 シャギャー! そこでようやく落ち着いたのか、紙袋を近くのテーブルに置き、桂馬に先ほど発見した駆け魂のことを伝える。 「そうか…お菓子?」 それをあっさり流そうとして、桂馬は眉をひそめた。あの紙袋の中身がお菓子の材料とは思えない。 こちらにまで変な匂いが漂ってきてるし、さっきからバスバス音を立てながら不自然に動いている。第一お菓子の材料はシャギャーとか鳴かない。 「はい。神様に食べてもらおうかと思いまして」 「食わんぞ。それで、どこの学校の誰だ?」 とりあえず紙袋は無視して話を進める。とりあえず"オカルトエリア"に出入りしているような奴である以上、舞島学園の生徒である確率は低い。 「…え?」 桂馬の問いが予想外だったとでも言うように、エルシィは一言声を上げる。 「…」 「……」 「……」 しばしの沈黙、そして。 「……え~っと、そう言えば、どこの誰なんでしょう?」 駆け魂を見つけた時点で急いで戻ってきたので、その辺さっぱりだということにエルシィは気づいた。 「そこからか…」 まずは、エンカウントイベントから。その事に気づいた桂馬がため息をつく。 どうやら今回の攻略も、前途多難となりそうである。 ← Prev Next →
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アニメ作品とのクロスはこちらへ。 魔法少女リリカルなのは9-55 10-86 魔法少女リリカルなのは 9-55 「アイツが妙な動きしてるからこんな所まで来たはいいけど・・・ なにこれ?珍しいものが漂流してるじゃない。」 「ベル、拾ってみたらどうです? きっと退屈しのぎぐらいにはなりますよ。」 「ふぅん。じゃ、拾っておきましょうか。 リオンのお勧め、期待してるわよ?」 ――世界は狙われている―― 紅い月が昇るとき、それは現れる。 世界の“常識”の外からの敵、侵魔(エミュレイター)。 “常識”の影へ消えた魔法を駆使し、闇に紛れ人知れず侵魔を討つ者。 世界の真実を知る者は彼らを夜闇の魔法使い、ナイトウィザードと呼んだ。 「逃げ・・・られちゃた・・・ 誰か、奴を・・・アンゼロット・・・さ・・・ま・・・」 「予想より早く事態が動きだしてしまいました。現在ロンギヌスを派遣して事態の収拾に当たらせています。 おそらく彼女の目覚めも近いでしょう。その時の為、信の置けるウィザードを傍に置いておきたいのです。 しばらく彼女をお願いできますか?赤羽桐華さん。」 「子犬さん・・・?大変!怪我してるの!」 「ここは僕に任せて、君は逃げて!」 「ふえ、え、えぇーーーー! 子犬さんが男の子になったのーーーーー!!!」 「きゃぁぁぁぁぁっ!」 「魔力で障壁を張った?なんて硬さ・・・」 『マスター、早く私の名を!』 「う、うん!レイジングハート!」 『Standby ready, Set Up』 「ガンナーズブルーム?いや、違う。あれはキャスターズブルーム!」 「なんでだろう・・・使い方が手に取るようにわかるの・・・」 『SpellBullet Cartridge Load,《Starlight》』 「いっけーーーー!!」 「くれはさん、お久しぶりです!」 「はわ!エヴィくん、生きてたの?!」 「くれはお姉ちゃん、まるで幽霊でも見てるみたいなの・・・」 「す、すっごいでっかい剣なの・・・」 「あれはウィッチブレード。白兵戦用の箒です!」 「箒?じゃ、じゃああの黒い子もウィザードなの?!」 「葵ちゃん、なんで邪魔をするの?」 「・・・私の見る限り、あの少女が為さんとする事は善なのでな。 それと今の私は子ノ日葵ではない。ゲシュペンストだ。」 「これが私の――― 『SpellBullet Cartridge Load,《DivineCorona》』 「全力全開!」 それは、願いの宝石をめぐる物語。 魔砲少女キャスターなのは、(好評だったら)始まります。 10-86 NW世界でなのはA Sをやってみる PC1 シナリオコネクション:??? 推奨クラス:魔剣使い 推奨キャラクター:柊蓮司 キミは下がる不幸だ。いつものごとくアンゼロットに拉致され、任務を言い渡される。 任務内容は海鳴市におけるプラーナの乱獲を止めること。 そこでキミは所属不明のウィザードに出会うことになる。 PC2 シナリオコネクション:アンゼロット 推奨クラス:人造人間or強化人間or魔剣使い 推奨キャラクター:フェイト・T・ハラオウン・鈴木 キミはロンギヌスに所属するウィザードだ。 キミはアンゼロットの保護の下ウィザードとして日々任務に取り組んでいる。 今回キミに言い渡された任務は、海鳴市におけるプラーナの乱獲を止めること。 すでに何人かのウィザードがプラーナを抜き取られているらしい。 キミは「友達」を守るために、海鳴市へと向かう。 PC3 シナリオコネクション:リナ・ザウルクス 推奨クラス:ドヴェルク 推奨キャラクター:シド キミはアルシャードの空を行く賞金額75万Gの賞金首「超☆空賊シド」だ。 キミはある日昔の知人であるリナから依頼を受ける。 それはG=M社から強奪された「闇の書」の奪取。 犯人がファー・ジ・アースの逃げ込んだことを知ったキミは追いかけるようにして異世界へと突入した。 たしかこの世界にはキミの「息子」がいるはずだ。 PC4 シナリオコネクション:フェイト・T・ハラオウン・鈴木 推奨クラス:魔法使い 推奨キャラクター:高町なのは キミは海鳴市に住むウィザードだ。 キミがウィザードとして覚醒することになった事件から半年。 キミはウィザードの任務をこなしながら、慌しく日々を過ごしていた。 ある日キミは正体不明のウィザードに襲われる。 そのときキミを救ったのは、あの時再会を誓った少女の変わり果てた姿だった。
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【名前】 クラーケンウィザードリング 【読み方】 くらーけんうぃざーどりんぐ 【登場作品】 仮面ライダーウィザード など 【分類】 ウィザードリング 【所有者】 仮面ライダーウィザード 【詳細】 ウィザードリングの一種。 発動すると、イエロークラーケンの召喚を行う。 その「リング」はいつのまにか、劇中にて出てくる。