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韓国推理作家協会編・発行 2005年8月 ●綾辻行人「館シリーズ」(관 시리즈)解釈 「館シリーズ」の二重構造とメタテキスト的技法 - 장경헌(チャン・キョンホン) 綾辻行人と「新本格」初期の風景 - 권일영(クォン・イリョン) 連続殺人犯罪の心理学的過程 II - 염건령(ヨム・コンリョン) ミステリ漫画 포도주 한 병 / 보든 딜 지음, 각색.그림 김종섭 推理小説外の風景 - 윤영천(ユン・ヨンチョン) 短編ミステリ 「포말」 - 현정 「다크 템플러」 - 김상윤 「악어의 눈물」 - 황미영 「자매의 전설」 - 하유상 科学捜査研究所ダイアリー 老婆R殺害事件 - 최상규 仮想インタビュー 스티븐 킹, 말하다 - 한이 海外ミステリ 사라진 기억 The Blind Spot - 배리 퍼론 그녀들의 쇼핑 - 筒井康隆 レビュー 퍼트리샤 콘웰의 케이 스카페타 시리즈 - 노블하우스 편집부 교고쿠 나츠히코의 우부메의 여름 - 손안의책 편집부 대통령은 어떻게 추리소설을 구상했을까 - 정태원 칼의 노래 , 이순신 열품 유감 - 박형상 콘웰 울리치의 Phantom Lady - 오리온 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000158804
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2010年11月5日作成 最終更新:2010年11月6日 ミステリー板のスレッド「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」より。 対象作品は奥付表記が2005年11月~2006年10月の広義のミステリー作品 投票者は6作品以内で順位をつけて投票すること 1位は10点、2位は9点~6位は5点で集計 各作品への1行コメント集 国内編/海外編 ※引用したレス内での作品名や著者名の誤表記に関しては、特に断りなく訂正している場合がある。 48 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 00 54 32 ID AtJT+78d というわけで、2chが選ぶこのミステリーがすごい! 集計結果発表です このようになりました 1位 道尾秀介「シャドウ」56P 2位 三津田信三「厭魅の如き憑くもの」46P 3位 米澤穂信「夏期限定トロピカルパフェ事件」43P 4位 乙一「銃とチョコレート」37P 5位 道尾秀介「骸の爪」34P 6位 道尾秀介「向日葵の咲かない夏」28P 6位 海堂尊「チーム・バチスタの栄光」28P 8位 大山誠一郎「仮面幻双曲」27P 9位 宮部みゆき「名もなき毒」26P 10位 法月綸太郎「怪盗グリフィン、絶体絶命」24P 49 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 00 57 19 ID AtJT+78d 貫井徳郎「空白の叫び」23P 西尾維新「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」23P 香納諒一「贄の夜会」22P 平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」20P 三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」19P 石持浅海「顔のない敵」15P 鳥飼否宇「激走 福岡国際マラソン」13P 島田荘司「UFO大通り」13P 50 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 00 58 12 ID AtJT+78d 9P 井上夢人「the TEAM」 劇団ひとり「陰日向に咲く」 北國浩二「夏の魔法」 8P 大倉崇裕「福家警部補の挨拶」 島田荘司「犬坊里美の冒険」 小川一水「天涯の砦」 7P 伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」 深谷忠記「毒」 田中啓文「落下する緑」 柳広司「トーキョー・プリズン」 51 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 01 00 51 ID AtJT+78d 6P 京極夏彦「邪魅の雫」 山本弘「アイの物語」 今邑彩「いつもの朝に」 5P 大岩正幸「ポワロック氏の事件簿 迷宮のレティーシア」 建倉圭介「デッドライン」 綾辻行人「びっくり館の殺人」 薬丸岳「闇の底」 辻村深月「ぼくのメジャースプーン」 我孫子武丸、他「気分は名探偵」 52 :集計人マジック ◆HAGEkUFLrE :2007/01/16(火) 01 03 40 ID AtJT+78d 海外は票数の都合で点数のみ デイヴィッド・アレクサンダー「絞首人の一ダース」26P マージェリー・アリンガム「屍衣の流行」10P ジェイムズ・カルロス・ブレイク「荒らぶる血」10P ハーラン・コーベン「イノセント」9P ミルワード・ケネディ「スリープ村の殺人者」8P P.G. ウッドハウス「エムズワース卿の受難録」8P アダム・ファウアー「数学的にありえない」7P ジャック・リッチー「10ドルだって大変だ」7P リチャード・ハル「善意の殺人」7P ロジャー・スカーレット「ローリング邸の殺人」6P ラング・ルイス「死のバースデイ」6P リック・リオーダン「殺人鬼オーストゥンに帰る」6P リチャード・マシスン「不思議の森のアリス」5P クリフォード・ウィッティング「同窓会にて死す」5P リチャード・マシスン「奇術師の密室」5P
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ここでいう「中国ミステリ」とは、「中国の作家が書いたオリジナルミステリ」のことであって、「中国を舞台にしたミステリ」のことではありません。 1.中国ミステリ概観 中国ミステリ史 『中国ミステリ史 第一章』(19世紀末~1910年代) 『中国ミステリ史 第二章』(1910年代~1940年代) 『中国ミステリ史 第三章』(1940年代末~1970年代) 『中国ミステリ史 第四章』(1970年代末~1990年代) 『中国ミステリ史 第五章』(1990年代末~21世紀初頭) 『中国ミステリ史 第六章』(現代) 中国ミステリを知るための日本語文献 中国ミステリについて知るための資料リスト - 文献リスト+解説。最近は更新していません。 中国ミステリ史 参考文献 - 中国推理小説120年の歴史 2.実際に中国ミステリを読んでみたい方へ 邦訳 中国ミステリ 読書案内 東方のホームズが活躍する中国の短編探偵小説、張慶霖「無名飛盗」 原書 中国のミステリ作家・御手洗熊猫の長編推理小説『島田流殺人事件』 中国で刊行されているミステリ雑誌の、各号の内容紹介ページへのリンク中国のミステリ雑誌『歳月・推理』 公式サイト各号へのリンク集 中国のミステリ雑誌『推理世界』 公式サイト各号へのリンク集 3.日本ミステリ in 中国 2009年に中国で刊行された日本の推理小説 (2008年・2009年の中国のミステリ刊行状況 含む) 4.その他 この推理小説を邦訳してほしい! (中国ミステリ編) 台湾ミステリ紹介 目次へ 韓国ミステリ紹介 目次へ
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2010年11月5日作成 最終更新:2010年11月6日 ミステリー板のスレッド「2chが選ぶこのミステリーがすごい!2006 」より。 対象作品は奥付表記が2004年11月~2005年10月の広義のミステリー作品 投票者は6作品以内で順位をつけて投票すること 1位は10点、2位は9点~6位は5点で集計 各作品への1行コメント集 国内編/海外編:なし ※引用したレス内での作品名や著者名の誤表記に関しては、特に断りなく訂正している場合がある。 113 :1:2006/02/01(水) 09 39 57 ID AxMVXwNx おまたせしました。2chが選ぶこのミステリーがすごい!2006 国内編のTOP10発表です。全14票でした 1位 「容疑者Xの献身」東野圭吾 69点 2位 「扉は閉ざされたまま」石持浅海 36点 3位 「模像殺人事件」佐々木俊介 33点 3位 「交換殺人には向かない夜」東川篤哉 33点 5位 「女王様と私」歌野晶午 28点 5位 「犬はどこだ」米澤穂信 28点 7位 「神様ゲーム」麻耶雄嵩 24点 8位 「クドリャフカの順番」米澤穂信 23点 9位 「死神の精度」伊坂幸太郎 22点 10位 「シャングリ・ラ」池上永一 20点 10位 「少女には向かない職業」桜庭一樹 20点 10位 「ギブソン」藤岡真 20点 114 :1:2006/02/01(水) 09 43 17 ID AxMVXwNx 11位以下の結果はこちら 13位 「『ギロチン城』殺人事件」北山猛邦 17点 14位 「BG、あるいは死せるカイニス」石持浅海 16点 15位 「弥勒の掌」我孫子武丸 13点 15位 「モーダルな事象」奥泉光 13点 17位 「雨恋」松尾由美 11点 18位 「てるてるあした」加納朋子 10点 18位 「新リア王」高村薫 10点 18位 「天の前庭」ほしおさなえ 10点 115 :1:2006/02/01(水) 09 45 14 ID AxMVXwNx 9点 「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」桜庭一樹 「摩天楼の怪人」島田荘司 「孤宿の人」宮部みゆき 「バースト・ゾーン―爆裂地区」吉村萬壱 8点 「やさしい死神」大倉崇裕 「マルタ・サギーは探偵ですか? (2)」 野梨原花南 「ハイドゥナン」藤崎慎吾 「旧宮殿にて」三雲岳斗 7点 「夜市」恒川光太郎 「館島」東川篤哉 「トリックスターズ」久住四季 「天使のナイフ」薬丸岳 6点 「魔王」伊坂幸太郎 「隠蔽捜査」今野敏 「HEARTBEAT」小路幸也 「痙攣的 モンド氏の逆説」鳥飼否宇 「さまよう刃」東野圭吾 「果てしなき渇き」深町秋生 「春期限定いちごタルト事件」米沢穂信 5点 「九月は謎×謎修学旅行で暗号解読」霧舎巧 「破裂」久坂部羊 122 :名無しのオプ:2006/02/01(水) 10 28 57 ID AxMVXwNx 続いて海外編ですが、4票だけなので順位はつけず点数だけにします 18 「アプルビイズ・エンド」マイケル.イネス 12 「愚か者の祈り」ヒラリー・ウォー 10 「春を待つ谷間で」S.J.ローザン 10 「謀殺の火」 S.H.コーティア 10 「エラリー・クイーンの国際事件簿」エラリー・クイーン 10 「サルバドールの復活」 ジェレミー・ドロンフィールド 9 「クライム・マシン」ジャック・リッチー 9 「ヴィンテージ・マーダー」 ナイオ・マーシュ 8 「ストップ・プレス」マイクル・イネス 8 「最後の一壜」S.エリン 8 「悪女パズル」パトリック クェンティン 8、 「編集者を殺せ」レックス・スタウト 7 「どんがらがん」アヴラム・デイヴィッドスン 7 「ゴア大佐第三の事件~醜聞の館」リン・ブロック 7 「カーテンの陰の死」ポール・アルテ 7 「比類なきジーヴス」 P.G. ウッドハウス 6 「殺人小説家」 D. ハンドラー 6 「シシリーは消えた」アントニイ・バークリー 5 「アレン警部登場」ナイオ マーシュ 5 「断崖は見ていた」ジョセフィン・ベル 5 「最後の審判の巨匠」』レオ・ペルッツ
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韓国のミステリ雑誌『季刊ミステリ』 目次日本語訳 2010年4月22日 韓国推理作家協会が刊行する、韓国唯一のミステリ専門誌『季刊ミステリ』の目次の(一部の)日本語訳です。 季刊ミステリ?号 (2003年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000082885 季刊ミステリ?号 (2003年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000106903 季刊ミステリ8号 (2005年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000149693 季刊ミステリ9号 (2005年秋) 綾辻行人「館シリーズ」特集 季刊ミステリ10号 (2005年冬) 連続殺人とプロファイリング特集 季刊ミステリ11号 (2006年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000179744 季刊ミステリ12号 (2006年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000191334 季刊ミステリ13号 (2006年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000197803 季刊ミステリ14号 (2006年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000206688 季刊ミステリ15号 (2007年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000220896 季刊ミステリ16号 (2007年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000231029 季刊ミステリ17号 (2007年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000240590 季刊ミステリ18号 (2007年冬) 季刊ミステリ19号 (2008年春) 季刊ミステリ20号 (2008年夏) 特集 日本の推理小説 季刊ミステリ21号 (2008年秋) 特集 推理小説の黄金時代 季刊ミステリ22号 (2008年冬) 特集 2008年推理小説総まとめ 季刊ミステリ23号 (2009年春) 特集 世界のミステリ文学賞 季刊ミステリ24号 (2009年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000366813 季刊ミステリ25号 (2009年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000366818 季刊ミステリ26号 (2009年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000403702 季刊ミステリ27号 (2010年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000403704 季刊ミステリ28号 (2010年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000414250 季刊ミステリ29号 (2010年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000437857 季刊ミステリ30号 (2010年冬) ?? 季刊ミステリ31号 (2011年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000454161 季刊ミステリ32号 (2011年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000477291 韓国ミステリ紹介 目次へ
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2014年9月3日 ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿した「オランダとフランドルのミステリー賞」も参照のこと。 Index オランダ フランドル オランダ ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク(Janwillem van de Wetering、1931-2008)フライプストラ警部補&デ・ヒール巡査部長シリーズ長編『アムステルダムの異邦人』(池央耿訳、創元推理文庫、1981年1月) 『オカルト趣味の娼婦』(池央耿訳、創元推理文庫、1981年5月) 別題『キュラソー島から来た女』(池央耿訳、ごま書房 Goma novels、1976年) 『自殺好きの死体』(吉野美恵子訳、ハヤカワ・ミステリ、1977年11月) 『大道商人の死』(池央耿訳、創元推理文庫、1987年5月) フライプストラ警部補&デ・ヒール巡査部長シリーズ短編「死の卵」(『EQ』1979年7月号) / 『16品の殺人メニュー』新潮文庫 「マネキンと機関銃」(『EQ』1982年11月号) 「青は死の色」(『EQ』1984年7月号) 「鍵は6」(『EQ』1985年11月号) 「ラヴェラーが行く」(『EQ』1987年7月号) / 『ネコ好きに捧げるミステリー』光文社文庫 斎藤警部シリーズ「斎藤警部の小さな悟り」(『ミステリマガジン』1982年11月号) 「20銭切手」(『EQ』1983年5月号) ティム・クラベー(Tim Krabbé、1943- )『失踪』(矢沢聖子訳、日本放送出版協会、1993年10月、著者名表記「ティム・クラベ」) 『マダム・20(トゥエンティ)』(各務有二訳、青山出版社、1996年5月) 『洞窟』(西村由美訳、アーティストハウス、2002年8月) トーマス・ロス(Roel Janssen、1947- )『グレタ・ガルボに似た女』(木村由利子訳、角川文庫、1993年11月) - スウェーデンのマイ・シューヴァルとの共著 ロエル・ヤンセン(Roel Janssen、1947- )『ユーロ 贋札に隠された陰謀』(小岡礼子、大塚仁子訳、インターメディア出版、2001年12月) ◆短編のみ邦訳されている作家 ウィリー・コルサリ(Willy Corsari、1897-1998)「急行列車殺人事件」(『新青年』1935年8月増刊号[16巻10号]、著者名表記「リイ・コルサリ」) クリス・リッペン(Chris Rippen、1940- )「芸術」(『ミステリマガジン』1999年3月号) フランドル フランドル(=ベルギー北部のオランダ語使用地域)のミステリ小説の邦訳 ボブ・メンデス(Bob Mendes、1928- )「国王への報告書」(『ミステリマガジン』1999年3月号) 関連ページ オランダ推理小説略史/日蘭ミステリ交流史 シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(3) ヨーロッパ諸国編 オランダ語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ 北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 非英語圏ミステリ各種リスト
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2010年4月19日 (最終更新日:2011年6月8日) 中国のミステリ雑誌『歳月・推理』公式サイトの、各号の内容紹介ページへのリンク。 『歳月・推理』は、B5サイズで各号150ページ前後。 中国の書籍が買える日本のネット書店「書虫」では、送料手数料込みで1冊800円ほどで買えます。(前に1冊購入しました) ミステリ読者で、大学その他で中国語を勉強している・したことがあるという方は、購入してみてはいかがでしょう。 (ネット書店「書虫」を通じての年間購読料は8760円だそうです(2009年9月問い合わせ)) ※日本と同じく、数字は1ヶ月ずれます。たとえば、2010年5号=2010年4月発売、となっています。 2008年 2008年9号より、値段が2元高くなってリニューアル。リニューアル号は島田荘司特集号。表紙は2008年11号より刷新して現在の雰囲気に。 (2008年9号以前のもののリンクは略) ■2008年9号 島田荘司インタビュー(上) 杜撰「悲剧的稻草人」(悲劇的稲草人) 台湾作品: 林斯諺「雾影庄杀人事件」(霧影荘殺人事件) ■2008年10号 島田荘司インタビュー(下) 御手洗熊猫「世俗边缘的歌者」(世俗辺縁的歌者) ■2008年11号 台湾作品: 凌徹「幽灵交叉点」(幽霊交叉点) (日本では東京創元社『ミステリーズ!』Vol.29(2008年6月)に掲載された) ■2008年12号 台湾作品: 藍霄「你不乖」 2009年 ■2009年1号 水天一色「丑小鹅」(丑小鵝)、杜撰「消失在二十六楼的男人」 台湾作品: 林斯諺「看不见的密室」(看不見的密室) ■2009年2号 台湾作品: 藍霄「自杀的尸体」(自殺的屍体) 推理の旅 第4回: 神戸/日本の探偵小説発祥の地 ■2009年3号 杜撰「饕餮兽」(饕餮獣) 台湾作品: 林斯諺「羽球场的亡灵」(羽球場的亡霊) 推理の旅 第5回: 大阪/江戸川乱歩 ■2009年4号 ■2009年5号 ■2009年6号 ■2009年7号 御手洗熊猫「二律背反的诅咒」(二律背反的詛呪) 甲賀三郎「血液型殺人事件」 ■2009年8号 ■2009年9号 水天一色「我这样的人」、御手洗熊猫「玫瑰与十三个谜」(玫瑰与十三個謎) ■2009年10号 御手洗熊猫「雪地怪圈」(雪地怪圏) ■2009年11号 水天一色「输给爱情」(輸給愛情) 天蝎小猪氏による日本のミステリ雑誌紹介 ■2009年12号 台湾作品: 寵物先生「犯罪红线」(犯罪紅線)、既晴「考前计划」(考前計劃) 2010年 ■2010年1号 ■2010年2号 台湾作品: 林斯諺「影子的恋情」 ■2010年3号 杜撰「红衣鬼」(紅衣鬼) 寵物先生による鮎川哲也賞受賞パーティー訪問記 水天一色『蝶の夢』日本刊行記念インタビュー (→公式サイト上でも読める http //mysteryworld.cn/shownews.asp?news_id=304) ■2010年4号 台湾作品: 寵物先生「名为杀意的观察报告」(名為殺意的観察報告) 天蝎小猪氏による台湾のミステリ作家 既晴 インタビュー ■2010年5号 台湾作品: 林斯諺「偷走你的心」 藍霄『天人菊殺人事件』推薦文(中国大陸部で4月刊) ■2010年6号 ■2010年7号 台湾作品:冷言「空家」 ■2010年8号 ■2010年9号 ■2010年10号 ■2010年11号 ■2010年12号 2011年 ■2011年1号 ■2011年2号 ■2011年3号 ■2011年4号 ■2011年5号 ■2011年6号 関連記事 中国のミステリ雑誌『推理世界』 公式サイト各号へのリンク集 中国ミステリ紹介 目次へ
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2010年11月5日作成 最終更新:2010年11月6日 ミステリー板のスレッド「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」より。 対象作品は奥付表記で2006年11月~2007年10月の期限内に発行された広義のミステリー作品。 6作品以内で順位をつけて投票すること。 1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。 各作品への1行コメント集 国内編/海外編 ※引用したレス内での作品名や著者名の誤表記に関しては、特に断りなく訂正している場合がある。 215 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 46 06 ID sLzyUeQ2 おまたせしました。2chが選ぶこのミステリーがすごい!2008年版 集計結果発表です。 このようになりました。 国内編【24票】 1位 三津田信三「首無の如き祟るもの」200P 2位 米澤穂信「インシテミル」100P 3位 歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」86P 4位 有栖川有栖「女王国の城 」59P 5位 冲方丁「マルドゥック・ヴェロシティ」56P 6位 近藤史恵「サクリファイス」55P 7位 島田荘司「リベルタスの寓話」42P 8位 桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」38P 9位 今野敏「果断-隠蔽捜査2-」37P 9位 柄刀一「密室キングダム」37P 11位 石崎幸二「首鳴き鬼の島」35P 12位 佐々木譲「警官の血」23P 12位 石持浅海「心臓と左手」23P 14位 北山猛邦「少年検閲官」20P 14位 道尾秀介「ソロモンの犬」20P 14位 深水黎一郎「ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ !」20P 17位 古野まほろ「天帝の愛でたまう孤島」16P 18位 伊藤計劃「虐殺器官」15P 18位 西澤保彦「収穫祭」15P 20位 石持浅海「Rのつく月には気をつけよう」14P 216 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 50 39 ID sLzyUeQ2 11P 関田涙「晩餐は檻の中で」 山口芳宏「雲上都市の大冒険」 9P 北川歩実「長く冷たい眠り」 山沢晴雄「離れた家」 8P 伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」 7P 霧舎巧「新本格もどき」 桜庭一樹「私の男」 6P 海堂尊「ブラックペアン1988」 貫井徳郎「夜想」 5P 乾ルカ「夏光」 歌野晶午「ハッピーエンドにさよならを 桐野夏生「メタボラ」 古野まほろ「天帝のつかわせる御矢」 道尾秀介「片眼の猿」 山口雅也「ステーションの奥の奥 米澤穂信「遠まわりする雛」 217 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 53 13 ID sLzyUeQ2 【海外編】10票 1位 アン・クリーヴス「大鴉の啼く冬」34P 2位 セオドア ロスコー「死の相続」28P 3位 ヘニング・マンケル「目くらましの道」23P 4位 ポール・アルテ「狂人の部屋}22P 5位 ウィリアム・ブリテン「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」18P 5位 ヘンリー・ウェイド「議会に死体」18P 5位 スーザン・ギルラス「蛇は嗤う」18P 8位 マージェリー・アリンガム「クロエへの挽歌」16P 9位 D・M・ディヴィアン「悪魔はすぐそこに」15P 9位 グラディス・ミッチェル「ウォンドルズ・パーヴァの謎」15P 218 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 54 49 ID sLzyUeQ2 12P ジョゼフ・ウォンボー「ハリウッド警察25時」 10P ポール・ドハティー「赤き死の訪れ」 ピーター・トレイメン「幼き子らよ、我がもとへ」 ブライアン・フリーマン「インモラル」 コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」 9P ロバート・シェイ&ロバート・A・ウィルスン「イルミナティ」 ロバート・トゥーイ 「物しか書けなかった物書き」 ロバート・ファン・ヒューリック「東方の黄金」 8P マイケル・イネス「アリントン邸の怪事件」 シーバリー・クイン「グランダンの怪奇事件簿」 マシュー・パール「ポー・シャドウ」 ウィリアム・ランデイ 「ボストン・シャドウ」 ジャック・リッチー「ダイヤルAを回せ」 219 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 56 49 ID sLzyUeQ2 7P マイケル・イネス「証拠は語る」 クリストファー・ブッシュ「失われた時間」 P・D・ジェイムズ「灯台」 マルコス・M・ビジャトーロ「殺人図像学」 レジナルド・ヒル「異人館」 ジャネット・ターナー・ホスピタル「暗号名サラマンダー」 エドワード・D・ホック「サム・ホーソンの事件簿Ⅴ」 クレイグ・ラッセル「血まみれの鷲」 6P エドガー・ウォーレス「正義の四人/ロンドン大包囲網」 ミネット・ウォルターズ「病める狐」 トマス・H・クック「石のささやき」 5P サラ・ウォーターズ「夜愁」 ジェス ウォルター「市民ヴィンス」 ジャック カーリイ「デス・コレクターズ」 セバスチャン・フィツェック「治療島」 クリストファー・プリースト「双生児」 ジョン・ロード 「ハーレー街の死」
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2014年8月27日 フランスで2008年に刊行された『Le guide des 100 polars incontournables』(必読ミステリ100作ガイド)(仏amazon)で選ばれている100作品の一覧。選者はフランスのミステリ編集者でありミステリの翻訳や創作も手掛けるエレーヌ・アマルリック(Hélène Amalric)。100冊一覧の情報源は「こちら」。 なお同じ出版社からは映画100選、SF小説100選、文学100選、バンド・デシネ100選などさまざまな「100選」本が出ている。 先日アンケートを実施した「フランスミステリベスト100」のようなものがフランスにもないかと探していたところ、このリストが見つかった。多数の読者からアンケートをとったものではなく1人の編集者が選んだものなので、フランスのミステリ読者の好みをどれぐらい反映しているのかは分からないが、意外な作品が採られていたりして面白い。 このように個人で100作品を選んだものとして、日本では杉江松恋氏の『読み出したら止まらない! 海外ミステリー マストリード100』(日経文芸文庫、2013年10月)がある。 この100作リストを日本の『東西ミステリーベスト100』や、以下のリストと比べてみるのも面白いかもしれない。 英国推理作家協会(CWA)によるベスト100(1990年)(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」の「CWAが選んだミステリベスト100」で見られる) アメリカ探偵作家クラブ(MWA)によるベスト100(1995年)(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」の「アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100」で見られる) ドイツ語圏のミステリファンによるベスト100(1990年) ポーランドのミステリ評論家が選んだ最重要ミステリ100(2007年) 追記:吉野仁氏が2008年にこのリストの冒頭4分の1ほどを紹介されていました(ページを作成したあとに気づきました)。 「巧言令色 吉野仁」>「犯罪小説 トピックス(個人的関心版 2008)」 Index 必読ミステリ100選(エレーヌ・アマルリック選) フランス語圏の16作品 非英仏語圏の10作品南欧(5作品) 北欧(3作品) その他(2作品) 必読ミステリ100選(エレーヌ・アマルリック選) 100作品中、日本語で読めるのは84作品、邦訳がないのは16作品。(邦訳のない作品には背景色をつけた) 100作品中、英語圏の作品が74作品、フランス語圏の作品が16作品、それ以外が10作品。 国 作者 タイトル 仏題 年 米 エドガー・アラン・ポー モルグ街の殺人 Double assassinat dans la rue Morgue 1841 フランス エミール・ガボリオ ルルージュ事件 L affaire Lerouge 1863 ロシア フョードル・ドストエフスキー 罪と罰 Crime et châtiment 1865 英 ウィルキー・コリンズ 月長石 La pierre de lune 1868 英 チャールズ・ディケンズ エドウィン・ドルードの謎 Le mystère d Edwin Drood 1870 英 コナン・ドイル 緋色の研究 Une étude en rouge 1887 フランス ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎 Le mystère de la chambre jaune 1908 フランス モーリス・ルブラン 奇巌城 L aiguille creuse 1909 英 G・K・チェスタトン ブラウン神父の童心 La clairvoyance du père Brown 1910 英 ジョン・バカン 三十九階段 Les trente-neuf marches 1911 フランス スーヴェストル&アラン ファントマ Fantômas 1911 英 ベロック・ローンズ 下宿人 Un étrange locataire 1913 英 サックス・ローマー 悪魔博士(別題:魔人博士) *1 Le diabolique Fu-Manchu 1916 英 ドロシー・L・セイヤーズ 誰の死体? Lord Peter et l inconnu 1923 アイルランド リアム・オフラハティー 密告者(別題:男の敵) *2 Le mouchard 1925 英 アガサ・クリスティー アクロイド殺し Le meurtre de Roger Ackroyd 1926 英 サマセット・モーム アシェンデン Mr Ashenden, agent secret 1928 米 ダシール・ハメット 赤い収穫(別題:血の収穫) La moisson rouge 1929 ベルギー ジョルジュ・シムノン 男の首 La tête d un homme 1931 英 フランシス・アイルズ レディに捧げる殺人物語 Préméditation 1931 米 ジェイムズ・M・ケイン 郵便配達は二度ベルを鳴らす Le facteur sonne toujours deux fois 1934 フランス ピエール・ヴェリー ‐ Les disparus de Saint-Agil 1935 英 グレアム・グリーン 拳銃売ります Tueur à gages 1936 米 ホレス・マッコイ 原題 No Pockets in a Shroud Un linceul n a pas de poches 1937 米 ジョン・ディクスン・カー 火刑法廷 La chambre ardente 1937 英 ダフネ・デュ・モーリア レベッカ Rebecca 1938 米 ジョナサン・ラティマー 赤き死の香り Gardénia rouge 1939 米 / 英 レイモンド・チャンドラー 大いなる眠り Le grand sommeil 1939 英 エリック・アンブラー ディミトリオスの棺 Le masque de Dimitrios 1939 ベルギー S・A・ステーマン 殺人者は21番地に住む L assassin habite au 21 1939 英 ジェイムズ・ハドリー・チェイス ミス・ブランディッシの蘭 Pas d orchidées pour miss Blandish 1939 米 ヴェラ・キャスパリ ローラ殺人事件 Laura 1942 フランス レオ・マレ ‐ 120, rue de la Gare 1943 米 ウィリアム・アイリッシュ 暁の死線 L heure blafarde 1944 米 ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ 赤い右手 La sinistre main droite / Jeu de massacre / La main perdue 1945 英 ロイ・ヴィカーズ 迷宮課事件簿 Service des affaires classées 1947 米 ドロシー・B・ヒューズ 孤独な場所で Tuer ma solitude 1947 米 ミッキー・スピレイン 裁くのは俺だ J aurai ta peau 1947 米 E・S・ガードナー 怪しい花婿 Le bigame innocent 1949 米 W・R・バーネット アスファルトジャングル Quand la ville dort 1949 米 パトリシア・ハイスミス 見知らぬ乗客 L inconnu du Nord-Express 1950 米 ドナルド・E・ウェストレイク 我輩はカモである Le pigeon récalcitrant 1952 米 デイヴィッド・グディス 原題 The Moon in the Gutter *3 La lune dans le caniveau 1953 米 エド・マクベイン 通り魔 Le sonneur 1956 米 メイヤ・レヴィン 原題 Compulsion *4 Crime 1956 米 チェスター・ハイムズ イマベルへの愛 La reine des pommes 1957 フランス ボアロー&ナルスジャック 死者の中から(別題:めまい) D entre les morts / Sueurs froides 1958 英 ジョン・ル・カレ 寒い国から帰ってきたスパイ L espion qui venait du froid 1963 オランダ ロバート・ファン・ヒューリック 雷鳴の夜 Le monastère hanté 1963 米 エラリー・クイーン 第八の日 Et le huitième jour 1964 米 ジム・トンプスン ポップ1280 1275 âmes *5 1964 米 トルーマン・カポーティ 冷血 De sang-froid 1965 フランス セバスチアン・ジャプリゾ 新車の中の女 La dame dans l auto avec des lunettes et un fusil 1966 イタリア ジョルジョ・シェルバネンコ 裏切者 A tous les râteliers 1966 スウェーデン シューヴァル&ヴァールー バルコニーの男 L homme au balcon 1967 米 ジョゼフ・ハンセン 闇に消える Le poids du monde 1970 イタリア フルッテロ&ルチェンティーニ 日曜日の女 La femme du dimanche 1972 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン 原題 Yo maté a Kennedy J ai tué Kennedy 1972 米 トニー・ヒラーマン 死者の舞踏場 Là où dansent les morts 1973 米 ジャック・ヴァンス 原題 Bad Ronald Méchant garçon 1973 米 ハーバート・リーバーマン 死者の都会(まち) Nécropolis 1976 英 ルース・レンデル ロウフィールド館の惨劇 L analphabète 1977 英 ウィリアム・マッキルヴァニー 夜を深く葬れ Laidlaw 1977 フランス エルヴェ・ジャウアン(Hervé Jaouen) *6 ‐ La mariée rouge 1979 イタリア ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 Le nom de la rose 1980 英 エリス・ピーターズ 修道士の頭巾 Le capuchon du moine 1980 米 マーク・ベイム 氷の接吻 Mortelle randonnée 1980 米 エルモア・レナード 野獣の街 La loi de la cité 1980 米 ジョゼフ・ウォンボー ハリウッドの殺人 Le crépuscule des flics 1981 フランス ジャン=パトリック・マンシェット 眠りなき狙撃者 La position du tireur couché 1981 米 ロバート・デイリー 原題 Prince of the City *7 Le prince de New York 1978 米 サラ・パレツキー サマータイム・ブルース Chronique d une mort assurée 1982 米 ローレンス・ブロック 八百万の死にざま Huit millions de façons de mourir 1982 英 デレク・レイモンド 原題 He died with his eyes open On ne meurt que deux fois / Il est mort les yeux ouverts 1982 米 ジェイムズ・クラムリー ダンシング・ベア La danse de l ours 1983 オランダ ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク 原題 Het Werkbezoek / The Maine Massacre Le massacre du Maine 1984 米 アンドリュー・ヴァクス フラッド Flood 1985 フランス ディディエ・デナンクス ‐ Métropolice 1985 英 P・D・ジェイムズ 死の味 Un certain goût pour la mort 1986 米 ダニエル・ウッドレル 白昼の抗争 Sous la lumière cruelle 1986 米 ジェイムズ・エルロイ ブラック・ダリア Le dahlia noir 1987 英 アン・ペリー 原題 Cardington Crescent Meurtres à Cardington Crescent 1987 米 トマス・ハリス 羊たちの沈黙 Le silence des agneaux 1988 英 フィリップ・カー 偽りの街 L été de cristal 1989 スペイン アルトゥーロ・ペレス・レベルテ フランドルの呪画(のろいえ) Le tableau du maître flamand 1990 米 エリザベス・ジョージ 名門校 殺人のルール Cérémonies barbares 1990 フランス ユーグ・パガン(Hugues Pagan) *8 ‐ L étage des morts 1990 英 ヘレン・ザハーヴィ ダーティ・ウィークエンド Dirty week-end 1991 デンマーク ペーター・ホゥ スミラの雪の感覚 Smilla et l amour de la neige 1992 米 ケイレブ・カー エイリアニスト 精神科医 L aliéniste 1994 米 パトリシア・コーンウェル 死体農場 La séquence des corps 1995 英 ヴァル・マクダーミド 殺しの儀式 Le chant des sirènes 1995 米 マイクル・コナリー ザ・ポエット Le poète 1996 英 イアン・ペアズ 原題 An Instance of the Fingerpost *9 Le cercle de la croix 1998 フランス フレッド・ヴァルガス 裏返しの男 L homme à l envers 1999 南アフリカ レニー・エアース 夜の闇を待ちながら Un fleuve de ténèbres 1999 フランス アンドレア・H・ジャップ ‐ Le silence des survivants 2000 米 ダン・ブラウン ダ・ヴィンチ・コード Da Vinci code 2002 米 デニス・ルヘイン シャッター・アイランド Shutter island 2003 スウェーデン スティーグ・ラーソン ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 Les hommes qui n aimaient pas les femmes - Millenium 2005 *1:サックス・ローマー『悪魔博士』(魔人博士) … 原題『The Return of Dr Fu-Manchu』(英)または『The Devil Doctor』(米)。怪人フー・マンチュー・シリーズの第2作。シリーズ第1作はポケミスで2004年に『怪人フー・マンチュー』のタイトルで刊行されている。 *2:リアム・オフラハティー(Liam O’Flaherty)『密告者』(男の敵) … 1934年にライアム・オフラアテイー『密告者』(春陽堂)、1953年にリーアム・オーフラハティー『男の敵』(世界文学社)として刊行。前者は2008年に、ゆまに書房《昭和初期世界名作翻訳全集》の第195巻として復刻版が出ている。 *3:デイヴィッド・グディス『The Moon in the Gutter』 … 著者名表記は「デイヴィッド・グーディス」とされることが多かったが、近年『ミステリマガジン』では「デイヴィッド・グディス」と表記されているためそれに従った。未邦訳長編『The Moon in the Gutter』は1983年にフランスで映画化されており(監督:ジャン=ジャック・ベネックス)、日本でも『溝の中の月』のタイトルで公開された。DVD化もされている。 *4:メイヤ・レヴィン(Meyer Levin) … マイア・レヴィン、メイヤー・レビン、メイヤー・レヴィンとも表記。未邦訳長編『Compulsion』は1959年にアメリカで映画化されており(監督:リチャード・フライシャー)、日本では『強迫/ロープ殺人事件』(または『動機なき殺人』)としてテレビ放送された。 *5:ジム・トンプスン『ポップ1280』 … 原題は『Pop. 1280』。このフランス語版が『1275 âmes』となっていることの不思議についてはストラングル・成田氏のサイト「密室系」にまとめがあるが、結局理由は明らかにはなっていないようである(「ポップ1275」の謎)。 *6:エルヴェ・ジャウアン(Hervé Jaouen) … エルヴェ・ジャウエンとも表記。邦訳刊行されているのは絵本『おばあちゃんの記憶』のみ(「エルヴェ・ジャウエン」表記)。山田礼雄氏のフランスミステリ研究サイト「Noir」に詳しい紹介がある(エルヴェ・ジャウアン)。 *7:ロバート・デイリー『Prince of the City』 … 1981年にアメリカで映画化されており(監督:シドニー・ルメット)、日本でも『プリンス・オブ・シティ』のタイトルで公開された。 *8:ユーグ・パガン(Hugues Pagan) … 邦訳は1作もない。山田礼雄氏のフランスミステリ研究サイト「Noir」に詳しい紹介がある(ユーグ・パガン)。 *9:ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で日暮雅通氏が言及している。「月替わり翻訳者エッセイ」の2012年3月、「今何訳してる? 第3回 3人の巨匠たちと」(2012-03-19)。 フランス語圏の16作品 上記の100作品のリストからフランス語圏の作品を抜き出したもの。16作中、日本語で読めるのは10作。 フランスの編集者が英米他の傑作に並ぶものとして自国(+ベルギーのフランス語地域)のどの作品を挙げているかは興味深い。 右端は先日の「フランスミステリベスト100」での順位。 国 作者 タイトル 仏題 年 フランス エミール・ガボリオ ルルージュ事件 L affaire Lerouge 1863 28位 フランス ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎 Le mystère de la chambre jaune 1908 3位 フランス モーリス・ルブラン 奇巌城 L aiguille creuse 1909 16位 フランス スーヴェストル&アラン ファントマ Fantômas 1911 投票0 ベルギー ジョルジュ・シムノン 男の首 La tête d un homme 1931 57位 フランス ピエール・ヴェリー ‐ Les disparus de Saint-Agil 1935 ‐ ベルギー S・A・ステーマン 殺人者は21番地に住む L assassin habite au 21 1939 17位 フランス レオ・マレ ‐ 120, rue de la Gare 1943 ‐ フランス ボアロー&ナルスジャック 死者の中から(別題:めまい) D entre les morts / Sueurs froides 1958 47位 フランス セバスチアン・ジャプリゾ 新車の中の女 La dame dans l auto avec des lunettes et un fusil 1966 41位 フランス エルヴェ・ジャウアン(Hervé Jaouen) ‐ La mariée rouge 1979 ‐ フランス ジャン=パトリック・マンシェット 眠りなき狙撃者 La position du tireur couché 1981 75位 フランス ディディエ・デナンクス ‐ Métropolice 1985 ‐ フランス ユーグ・パガン(Hugues Pagan) ‐ L étage des morts 1990 ‐ フランス フレッド・ヴァルガス 裏返しの男 L homme à l envers 1999 173位 フランス アンドレア・H・ジャップ ‐ Le silence des survivants 2000 ‐ 邦訳されている10作のうち、「フランスミステリベスト100」で票が入らなかったのはスーヴェストル&アラン『ファントマ』(佐々木善郎訳、ハヤカワ文庫NV、1976年 等)のみ。スーヴェストル&アラン『ファントマの逆襲』(伊東守男訳、ハヤカワ文庫NV、1978年5月)には1票の投票があった。 選出作が邦訳されていないのは6人(ピエール・ヴェリー、レオ・マレ、エルヴェ・ジャウアン、ディディエ・デナンクス、ユーグ・パガン、アンドレア・H・ジャップ)。うち、エルヴェ・ジャウアンは絵本が1冊訳されているだけであり(『おばあちゃんの記憶』)、ユーグ・パガンは邦訳は1作もない。ほかの4人は別のミステリ作品の邦訳がある。 非英仏語圏の10作品 100作品のリストから非英仏語圏の作品を抜き出したもの。 南欧(5作品) 国 作者 タイトル 仏題 年 イタリア ジョルジョ・シェルバネンコ 裏切者 A tous les râteliers 1966 イタリア フルッテロ&ルチェンティーニ 日曜日の女 La femme du dimanche 1972 イタリア ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 Le nom de la rose 1980 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン 原題 Yo maté a Kennedy J ai tué Kennedy 1972 スペイン アルトゥーロ・ペレス・レベルテ フランドルの呪画(のろいえ) Le tableau du maître flamand 1990 ジョルジョ・シェルバネンコ『裏切者』は1968年のフランス推理小説大賞受賞作(翻訳作品部門)。 フルッテロ&ルチェンティーニの『日曜日の女』は「ドイツ語圏のミステリファンによるミステリ・ベスト100(1990年)」でも34位と高い評価を受けていた。邦訳もあるが、読んだ人の感想を見たことがない。(私自身も未読) マヌエル・バスケス・モンタルバンの『Yo maté a Kennedy』(俺がケネディーを殺した)は私立探偵ペペ・カルバイヨの初登場作品。ただしこの作品ではまだ主人公ではなかった。 北欧(3作品) 国 作者 タイトル 仏題 年 スウェーデン シューヴァル&ヴァールー バルコニーの男 L homme au balcon 1967 スウェーデン スティーグ・ラーソン ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 Les hommes qui n aimaient pas les femmes - Millenium 2005 デンマーク ペーター・ホゥ スミラの雪の感覚 Smilla et l amour de la neige 1992 日本のミステリランキングではシューヴァル&ヴァールーの作品ではマルティン・ベック・シリーズ第4作『笑う警官』が高順位につけるが、ここでは第3作『バルコニーの男』が選出されている。なお、「ドイツ語圏のミステリファンによるミステリ・ベスト100(1990年)」では第10作(最終作)の『テロリスト』が最も順位が高かった。 ペーター・ホゥの『スミラの雪の感覚』は先日の「英テレグラフ紙編集部が選んだミステリ・オールタイムベスト20」(2014年5月5日)にも選ばれていた。世界的に評価が高い作品。 その他(2作品) 国 作者 タイトル 仏題 年 オランダ ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク 原題 Het Werkbezoek / The Maine Massacre Le massacre du Maine 1984 ロシア フョードル・ドストエフスキー 罪と罰 Crime et châtiment 1865 ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンクは各作品をオランダ語と英語の両方で執筆・発表している。ここで選ばれている『Het Werkbezoek / The Maine Massacre』はフライプストラ&デ・ヒールのシリーズの第7作。日本では第4作まで翻訳されている。 ドストエフスキーの『罪と罰』が入っているのは目を引くが、この作品はアメリカ探偵作家クラブ(MWA)によるベスト100(1995年)でも24位にランクインしている(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」>「アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100」)。 以下の2人は英語で執筆する(した)作家。 国 作者 タイトル 仏題 年 オランダ ロバート・ファン・ヒューリック 雷鳴の夜 Le monastère hanté 1963 南アフリカ レニー・エアース 夜の闇を待ちながら Un fleuve de ténèbres 1999 関連ページ フランスミステリベスト100 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) フランスのミステリ賞 - 受賞作の邦訳一覧 ポーランドのミステリ評論家が選んだ最重要ミステリ100 ドイツ語圏のミステリファンが選ぶミステリ・オールタイムベスト119(1990年) ドイツ語圏のミステリファンが選ぶドイツ語圏ミステリベスト100(2002年) 非英語圏ミステリ各種リスト
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2011年2月21日 ※未完成 このページでは、欧米ミステリが伝来する以前の東アジアミステリの源流について紹介している。これらは現在の意味での「ミステリ」と必ずしも同じものではなく、やはり現在のミステリは欧米ミステリ(及びその伝来)に始まると言って差し支えないが、中国や日本、そして韓国などが欧米からミステリを受け入れる時の基層になったものなので、東アジアのミステリ史を語る際にまったく触れないわけにはいかないだろう。 以下はもともと、「中国ミステリ史」を完成させた後に「韓国ミステリ史 前編」の一部として書いたものだが、予想以上に書くことが多くなってしまったためページを独立させた。「中国ミステリ史」と「韓国ミステリ史」両方の第零章にあたる。 目次 第一節 中国の裁判物語とその日本への影響/中国の裁判エピソード集『棠陰比事』(とういんひじ)と日本の「三比事」 第二節 韓国への影響 第三節 読書案内中国 日本 韓国 参考文献 第零章 東アジアミステリの源流 第一節 中国の裁判物語とその日本への影響/中国の裁判エピソード集『棠陰比事』(とういんひじ)と日本の「三比事」 「中国ミステリ史」は、中国ミステリの歴史を欧米探偵小説の受容の時点から紹介したものなのでほとんど触れていないが、韓国を含む東アジアの漢字文化圏のミステリの歴史を語るには、中国の裁判物語(裁判小説、法廷ミステリ)にやはり触れる必要がある。 まず、中国の裁判物語と日本文学との関わりを見ていく。江戸川乱歩によれば、中国の裁判物語のうち、最初に日本で翻訳出版されたのは1649年の『棠陰比事物語』(とういん ひじ ものがたり)である。これは中国の宋の時代(960 - 1279)に成立した裁判エピソード集『棠陰比事』(とういん ひじ)(桂万栄(けい ばんえい)編、1207年)を翻訳したもので、「棠陰」は「裁判所」という意味、「比事」は「事件・案件を比べる」という意味なので、タイトルを分かりやすく和訳すれば『名裁判くらべ』となる。似通った2つの事件を一対として、七十二対、計144のエピソードが収録されていることからこのタイトルがつけられている。収録されているエピソードはすべて実話とされている。 この邦訳は圧倒的な人気を博し、その後日本では、井原西鶴が1689年に『本朝桜陰比事』(ほんちょう おういん ひじ)を刊行。日本初の創作探偵小説とされる黒岩涙香「無惨」の発表のちょうど200年前、有栖川有栖や北村薫のデビューのちょうど300年前のことである。さらにその後、月尋堂(げつじんどう)の『鎌倉比事』(けんそう ひじ)(1708年)、作者不明の『本朝藤陰比事』(ほんちょう とういん ひじ)(1709年)などが出ている。推理小説家・研究家の小酒井不木が推理小説の日本における源流を探求した『犯罪文学研究』では、この「桜陰」、「鎌倉」、「藤陰」(桃陰)を合わせて「三比事」と呼んでいる。 (「棠」(とう)は"梨の木"であり、「棠陰」(とういん)は"梨の木のこかげ"転じて「裁判所」という意味。井原西鶴の『本朝桜陰比事』は、「梨」を日本風の「桜」にしたタイトル) 宋の時代の『棠陰比事』ののち、中国の明の時代(1368 - 1644)には、その流れをくむ「包公案(ほう こうあん)/バオ公案」(別名:龍図公案(りゅうと こうあん))などの裁判物語があり、公案もの、公案小説などと呼ばれる。「公案」は「裁判で扱う事件、案件」という意味である。その後、清の時代(1636 - 1912)の18世紀末には、中国初の長編探偵小説「施公案(し こうあん)/シー公案」が書かれている。また、正確な年代は不明だが、推理作家のロバート・ファン・ヒューリックが自身のミステリ小説の原型として利用したことで知られる「狄公案(てきこうあん)/ディー公案」もこのころに成立している。 バオ公案の包拯(ほうじょう/バオ ジョン、999 - 1062、Wikipedia)や、ディー公案の狄仁傑(てき じんけつ/ディー レンチエ、通称「ディー判事」、630 - 700、Wikipedia)は実在の人物である。シー公案の裁判官役の施仕綸(し しりん/シー シールン)がどういった人物なのかはよく分からない。 中国探偵小説史の時代区分(中国文学者の辛島驍(からしま たけし)氏の座談会での発言をまとめた)第一期 唐末(9世紀) 犯罪を主題にした小説や暗号が出てくる小説などが初めて登場。 第二期 宋の時代 裁判エピソード集『棠陰比事』成立。密室物もある。探偵として奉行所の同心・冉貴(ぜんき)が活躍するものは本格的な探偵小説として通用するという。 第三期 元の時代 劇文学でたくさんの裁判物。包拯(ほう じょう)、王修然(おう しゅうぜん)、張鼎(ちょう てい)のそれぞれを主人公とする三系統がある。包拯は人情に重きを置き、張鼎は知的な捜査を行うという。 第四期 明の時代 『棠陰比事』の流れをくむ公案小説が大量に出てくる。裁判の参考書でもあり、読みものでもある。 第五期 明末(17世紀) 短編の通俗小説が多く書かれ、その中に犯罪小説も見出される。この時期まではすべて短編。 第六期 清朝の中ごろ(18世紀末) 最初の長編探偵小説『施公案』(折り畳み式長編、螺旋階段式長編)や『于公案』(長編)など。1つの事件が解決しないうちに次の事件が起き、エピソードが200回、300回と重ねられていくタイプの長編。 第七期 中華民国になる前後 西洋探偵小説の輸入時代。 (これ以降を付け加えるのならば、第八期=上海探偵小説の時代(中国ミステリ史 第一章)、第九期=反特小説の時代(第二章)、第十期=公安法制小説の時代(第三章)、第十一期=オンライン創作に端を発する多様化の時代(第四章・第五章)とまとめられるだろう) 乱歩によれば、公案小説は本になった時代が新しいため日本への影響は少なく、「日本の裁判物語はほとんどことごとく宋時代の「棠陰比事」の模倣から出発しているといってよい」という。「棠陰比事」の影響下に生まれた「三比事」についてはすでに触れたが、中国の公案小説の影響を受けたものとしては、乱歩は、鎌倉時代の武士・青砥藤綱(あおと ふじつな)を裁判官役とする滝沢馬琴の『青砥藤綱摸稜案』(あおと ふじつな もりょうあん)(1811 - 1812)を挙げている。また、推理作家の北村薫が日本初の本格ミステリだとしている都賀庭鐘(つが ていしょう、1718 - 1794?、Wikipedia)の「白水翁(はくすいおう)が売卜(まいぼく)直言(ちょくげん)奇(き)を示(しめ)す話(こと)」(『古今奇談 英草子』、1749年)は、バオ公案の翻案である。 日本の町奉行・大岡忠相(おおおか ただすけ、通称「大岡越前」、1677 - 1752、Wikipedia)を名裁判官役とする大岡政談や、現在ではあまり有名ではないが大岡政談以前に成立していた板倉政要(板倉勝重と、その子である板倉重宗を裁判官役とする)などは、『棠陰比事』や公案小説の影響下に生まれたものである。 また乱歩は、日本の捕物帳は、「中国の裁判ものと西洋のシャーロック・ホームズをまぜ合わしたものに日本独特の江戸の雰囲気を加味したもの」だとしている。 第二節 韓国への影響 韓国もやはり、中国の裁判物語、特に公案小説の影響を受けている。その影響下に成立した物語は韓国では同じように「公案小説」(공안소설)と呼ばれるか、または「訟事小説」(しょうじ しょうせつ、송사소설)と呼ばれる。 中国のバオ判事やディー判事、日本の大岡忠相に相当する韓国の人物は、パク・ムンス(朴文秀/박문수、1691 - 1756)である。パク・ムンスは暗行御史(あんぎょうおんし/アメンオサ/암행어사)という役職に就いていた実在の人物で、パク・ムンスを主人公にしたファンタジー漫画『新暗行御史』(しん あんぎょうおんし、全17巻)が小学館の漫画雑誌に2001年から2007年まで連載されていたので、名前を聞いたことがある人もいるだろう。彼を主人公とする物語は文献として伝わるものだけでなく、口承伝承としても全国に分布している。実話に基づく場合もフィクションの場合もある。19世紀末ごろには、パク・ムンスが活躍するエピソードを集めた編者未詳の『パク・ムンス伝』(朴文秀伝、박문수전)がまとめられている。韓国ではパク・ムンスの知名度は現在でも非常に高く、21世紀に入ってからもパク・ムンスを主人公にしたテレビドラマが制作されている。 また、1906年に「ファソン新聞(화성신문)」に連載された『神断公案(신단공안)』は裁判の判例集のようなものだが、推理小説の要素をたくさん持っているという。 江戸川乱歩『子不語随筆』(講談社 江戸川乱歩推理文庫63、1988年)に収録の「欧亜二題」(朝鮮の探偵小説)より引用(初出:「読切小説集」1952年11月号(未確認)) 中国の「棠陰比事」の類の影響で書かれたものは丁茶山の「欽々新書」三十巻だと云う。著者の丁茶山若鋪は憲宗丙申年七十五歳で歿した人だが、博学好古の士で、官に登っては兵曹参議の職にもついた大の天主教徒であったために、康津の配所に流されその十九年間を著述に専念し、二百数十巻の書を残した。その一つである「欽々新書」は犯罪とその捜査に関する機知に富んだ多くの判例を集めたものだと云う。 朝鮮の数百種にのぼる野史の類の集大成と見るべきものに「大東野乗」「燃藜記述」「三国遺事」などがあるが、そのうちの「大東野乗」の中に犯罪と捜査に関する実話物語が幾つか含まれている。例えば、「謏聞鎖録」【正しくは「謏聞瑣録」】「青坡劇談」「海東野言」「東閣雑記」「荷潭破寂録」などがそれで、いずれも今から二百乃至四五百年前の事実或いは伝説に属するものである。 探偵小説ではないが、李朝世祖時代に、金時習が著した「金鰲新話」は、中国の「剪灯新話」を模倣した怪奇小説乃至怪談の書で、これが朝鮮の説話文学の嚆矢とされている。 金君は朝鮮文学の専門家の意見も聞いて見たが、右のほかにはこの種の作品はないようだと云う。次に現代の朝鮮探偵小説については、金君は左のように書いている。 「結局一般読者が探偵小説を認識しはじめたのは、欧米からではなく、日本から輸入されたものにあったと思います。それには欧米のものの翻訳と創作とを含みますが、ポー、ルブラン、ドイル、ガボリオなどをはじめ、江戸川乱歩、森下雨村、水谷準、大下宇陀児、横溝正史、小酒井不木等の諸氏の作品が入って来ました。中にもルパン(ルブランではないのです)と、江戸川乱歩(明智小五郎ではないのです)と、ホームズ(ドイルではないのです)が大いに受けました。昔の黒岩涙香を知っていたのは私一人であったかも知れません」。 そのあとに、金君は自分の諸作品について、詳しい報告をしているが、それは別の機会に、探偵雑誌に紹介したいと思っている。 第三節 読書案内 中国 『棠陰比事』桂万栄(けい ばんえい)編、駒田信二訳(岩波文庫、1985年) 『中国ミステリー探訪 ― 千年の事件簿から』井波律子(日本放送出版協会、2003年) 『沙蘭の迷路』ロバート・ファン・ヒューリック、和爾桃子訳(ハヤカワ・ポケット・ミステリ、2009年) 日本の裁判物語の原点とされる中国の裁判"実話"エピソード集『棠陰比事』(1207年)は、最初に日本語訳が出たのは1649年のことだったが、2011年現在も新たな日本語訳が岩波文庫で新刊で手に入る。法廷ショートショート(というと聞こえはいいが、そんなに大層なものではない)七十二対、計144編を収録。 井波律子『中国ミステリー探訪』は、4世紀から20世紀初頭までの中国ミステリを紹介する本。「研究書」のような堅苦しいものではなく、欧米探偵小説伝来以前の中国ミステリ作品のあらすじを軽妙な語り口でたくさん紹介していて読み応えがある。2004年の第4回本格ミステリ大賞で評論・研究部門の候補にもなっている。(2011年現在、品切れ) 『沙蘭の迷路』は、中国文学に造詣が深く日本語も堪能なオランダ人外交官ロバート・ファン・ヒューリックが、中国の『棠陰比事』や公案小説に題材を取って英語で執筆した小説の日本語訳。中国の公案小説「狄公案(てきこうあん)/ディー公案」の主人公である実在の人物・ディー判事を探偵役とするディー判事シリーズの1作目。なおこの作品にはヒューリック自身による中国語訳があるそうで、その語学力には驚かされる。 ほかに、有坂正三氏が以下の3冊を刊行している(未見)。 有坂正三『『半七捕物帳』と中国ミステリー』(文芸社、2005年) 有坂正三『包青天奇案―中国版・大岡越前の物語』(文芸社、2006年) 有坂正三訳『狄仁傑の不思議な事件簿 簡約版・『狄公案』』(文芸社、2007年) 『『半七捕物帳』と中国ミステリー』は、岡本綺堂の半七捕物帳シリーズ(1917年~1937年)への中国ミステリの影響を論じたもの。上で述べたように、半七捕物帳などの日本の捕物帳は、「中国の裁判ものと西洋のシャーロック・ホームズをまぜ合わしたものに日本独特の江戸の雰囲気を加味したもの」(乱歩)と言えるが、この本はその内、中国の裁判ものとの関連を論じたものである。 『包青天奇案』(ほうせいてん きあん)は、中国の公案小説「包公案(ほうこうあん)/バオ公案」のエピソードを紹介する本。『狄仁傑(てきじんけつ)の不思議な事件簿』は、中国の公案小説『狄公案(てきこうあん)/ディー公案』を三分の一程度に縮めて翻訳したもの。『ディー公案』はヒューリックによる英訳は刊行されているが、日本語の完訳は今のところ存在しない。 なおこの3冊については、有坂氏がご自身のブログで内容紹介を書いているので、そちらも見ていただきたい(有坂正三の壺中天内、お知らせ)。有坂氏のブログには、ほかにもミステリに関する興味深い情報が多く掲載されている。 ほかに以下のようなものもある。 浪野徹訳『中国犯科帳』(平河出版社、1989年)、浪野徹訳『中国悪僧物語』(平河出版社、1990年)明代の『廉明公案』、『皇明諸司公案』、『律条公案』、『明鏡公安』から50余話を選び忠実に翻訳したもの。 尾上八郎(尾上柴舟)訳『中国名裁判物語』(修文館、1952年)諸書から39話を選び紹介したもの。 荘司格一『中国の名裁判』(高文堂出版社、1987年)30話あまりを紹介している。 中国ミステリについては、ほかに大阪府立中央図書館が作成した特集ページ「中国ミステリーの世界」も参考になる。 日本 『決定版 対訳西鶴全集 第11巻 本朝櫻陰比事』(明治書院、1993年) (未見) 『日本推理小説の源流『本朝桜陰比事』』(上下巻)杉本好伸(清文堂出版、2009年6月) (未見) 黒岩涙香の「無惨」のちょうど200年前、有栖川有栖や北村薫のデビューのちょうど300年前に刊行された井原西鶴の『本朝桜陰比事』(ほんちょう おういん ひじ)(1689年)は、『決定版 対訳西鶴全集 第11巻 本朝櫻陰比事』で読むことができる。この本には原文と口語訳が収録されている。中国の『棠陰比事』の影響下に生まれた裁判エピソード集(全44編)である。 『日本推理小説の源流『本朝桜陰比事』』は、「西鶴を楽しむ」というシリーズの5巻と6巻。「日本推理小説の源流」という気になるタイトルが付けられているが、このページを作成するまでこのような本が出ていることに気づいていなかった。早急に読みたい。 ほかに、以下のものも参考になる。 小酒井不木『犯罪文学研究』 日本のそれ以外のミステリ 昼夜用心記と世間用心記 世界探偵小説全集のポー以前のもの。 韓国 『朝鮮民譚集(復刻)』孫晋泰(勉誠出版、2009年) (未見) 『朝鮮民譚集』は、朝鮮の口承文芸を集めたもので、1930年に刊行された。勉誠出版から2009年に復刻版が出ている。パク・ムンスに関する説話が2編(この本で5ページ分)収録されている。 参考文献 江戸川乱歩「」『探偵小説の「謎」』 小酒井不木『犯罪文学研究』+インターネット上の資料 中国の探偵小説(座談会) 北村薫「中国公案小説と日本最初の本格ミステリ」(『謎のギャラリー 名作博本館』新潮文庫、2002年)pp.51-76 韓国の公案小説についての資料(ウェブサイト パク・クァンギュ) 江戸川乱歩『子不語随筆』(講談社 江戸川乱歩推理文庫63、1988年)に収録の「欧亜二題」(朝鮮の探偵小説)より引用(初出:「読切小説集」1952年11月号(未確認))