約 4,865,900 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8023.html
HITMAN BLOOD MONEY 【ひっとまん ぶらっど まねー】 ジャンル 暗殺ステルスアクション 対応機種 Xbox 360Windows XP/2000 発売元 Eidos (アイドス) Interactiveズー(Win日本語版のみ)IO Interactive(Steam/GOG配信版) 開発元 IO Interactive 発売日 【360】2007年8月30日【Win日本語版】2007年11月30日 定価 【Win日本語版】4,980円 (5%税込)【Steam】1,220円(*1) プレイ人数 1人 レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) 配信 Steam(日本語なし) 2006年5月30日 判定 良作 ポイント 暗殺アクションシリーズ第4作「事故死」システム登場出来ることが大幅増 ヒットマンシリーズ 概要 ストーリー システム アクション ミッション評価 評価点 問題点 賛否両論点 総評 その後の展開 沈黙こそ美徳 概要 要人暗殺を題材とした人気ステルスアクション『HITMAN』シリーズの4作目。 本作が発売された当時、IO InteractiveはEidos Interactiveの傘下会社であった(*2)。 事実上、アイドスが買収される前に関わった最後の『HITMAN』シリーズ作品でもある。 ストーリー アメリカの雑誌記者Rick Hendersonは、米国諜報機関前長官(*3)Alexander Leland Jack Cayneのもとにホワイトハウスでの副大統領暗殺事件について取材を行うべく訪れる。 しかしAlexanderはそのことではなく、暗殺を生業とするグローバルな「組織」と、都市伝説として扱われる「エージェント47」というクローンのヒットマンの話について話し始める。 半信半疑のRickに、Alexanderは47の存在する証拠として彼の契約を記した書類を渡す。そこに書かれていた内容は、驚くべき暗殺の数々、そして合衆国で暗躍するある組織の情報だった。 システム 基本的にはミッションクリア型であり、1つのミッションをクリアする毎に次のミッションが選択可能となる。 ミッション開始時に3段階の難易度が選択可能。 アクション ワイヤーによる、窓越しまたは頭上からの絞殺が可能となった。 アイテムを投げる 一部アイテムの投擲が可能になった。 ナイフなどを投げての刺殺も可能。投擲で殺害できる得物も豊富に用意されている。 近接攻撃が追加 素手だけでなく、テイザー銃などの武器を持っての戦闘も可能。 背後からのステルス抱きつき、そして気絶させることもできれば、人質的な盾にして、他の敵の攻撃を抑止できる。 正面からもパンチが繰り出せる。ひるんだ敵から武器を奪うことも可能。 リモコン爆弾 その名の通り、リモコンで遠隔起爆できる爆弾。『HITMAN 2 Silent Assassin』同様、なぜか携帯電話などに偽装されておらず、リモコンだけを持っているだけでもNPCから怪しまれてしまう。 通信距離には制限があり、爆弾から離れすぎるとリモコンで起爆出来ない。 例えば、オペラ座の天井裏にあるシャンデリアを吊るすワイヤーのリールに爆弾を仕掛けて、1Fでターゲットの動きを確認しながらリモコンを押しても反応しない。 設置できる場所は限られているが、投げ捨てた爆弾もリモコンで爆破できるため、罠や陽動などにも使える。また、銃撃による爆破も可能。 死体(もしくは気絶したNPC)を隠す 前作までは下水道など同じ場所に無制限に敵を投げ込み隠すことができた。 だが、本作ではゴミ箱などが追加され、そこに隠せる身体は各2体までとなった。 箱やクローゼットを利用しないなら前作同様同じ場所に何人もの身体を積み上げることはできる。 変装 従来通り、殺した敵(本作であれば気絶させた者も含む)の服を奪って変装が可能である。 観光客など一部NPCからは服は奪えない。 ただし、銃殺などの殺し方で血の付いた服は変装に使えない。 警備員や作業員などのユニフォームは同じ服を着ているNPCから変装を怪しまれる。至近距離だと変装がバレてしまう。 なお、ステージ内に47が最初に着ていた服を残して帰還するとスコアから減点される。 最後のチャンスの追加 前作までは体力が尽きると即座に死亡するが、本作では体力が尽きると一定時間スローモーションになり、時間内に周囲の敵にヘッドショットを5回決めると一度のみ復帰できる。 一定時間に規定回数のヘッドショットを決められなかったり、復帰後に再度体力が尽きると死亡する。2度目のチャンスはない。 ミッション評価 報酬 ミッションを遂行すると報酬が得られる。スコアによって報酬の金額は変動する。 報酬によって得られたお金で新規持ち込みアイテムの購入、所持武器のアップグレード、ミッションの情報を買うことなどが出来る。 評判 ミッション後にミッションの内容を報道した新聞記事を見せられるが、そこに容疑者(つまり47)の似顔絵が載っており、目撃者を生存させたまま帰還したり、監視カメラに映ってその映像を消さなかった場合は似顔絵の精度が上がってくる。 似顔絵の精度が上がると、いくら変装しても怪しまれるようになる。 ミッション中に非ターゲットの一般人や警官を殺すと評判が悪くなり、ちょっとしたことで一般人が警官に知らせに行くようになる。 報酬で得たお金からマスコミに賄賂を送って似顔絵の精度を下げさせることが出来る。 ミッション中に新聞や指名手配書などが置かれている場合があるので、拾って(orはがして)見えないところに捨てる必要がある。 評価点 [F1]キーでFPVとTPVがワンタッチで切替可能 『HITMAN 2 Silent Assassin』でも存在する要素。 周囲の確認が大事な本シリーズではあまり重要視されないが、一人称視点に切り替えることで臨場感のある暗殺を楽しむこともできる。 さらに増した自由度の高さ 前作までの評価点である「いかに行動し任務を果たすか」の自由度がさらに高まり、最高評価である「サイレントアサシン」の取得方法も実質一本道といったことがなくなった。 今作からできるようになったことが増え、そのシステムを熟知すれば発想次第でさまざまな任務達成方法がある。 そのため、やりこんだと自負する上級者であっても動画投稿サイトで他者のプレイを見て「そんな方法があったとは知らなかった」というようなことがままある。 前作までは一見自由そうに見えて実際は嫌らしい敵の配置に可能性を潰されていたり、ステージ開始早々ダッシュで行動しないとサイレントアサシンのチャンスが失われてしまったりと、グリッチ(*4)によってどうにか自由度を担保されてるような部分があった。 しかし、そうした嫌らしさが軽減され対処法も増えたことで正攻法で自由な攻略を楽しめるようになった。 事故死に見せかけることが出来るように 事故死であればアラート状態にならない。一般人は事故死に見せかけて殺すと評判が下がらない。 窓際などにいる敵を背後から押して転落死、シャンデリアなどの照明器具を吊り下げるロープや金具を爆破することで落下させ、下にいるNPCを殺害、芝居の小道具の銃を本物の銃にすり替えて殺害、ガス調理器に細工をして爆死、などなど。 気絶させるという選択肢が増えた 首絞めやテイザー銃によって気絶させることが出来るようになった。 麻酔注射器が追加された。そのまま刺すだけでなく、中身を食べ物に混入しても使える。 ターゲット以外を殺すとスコアが減点され、一般人の場合は評判も下がるが、気絶させて隠せば減点されない。 ただし、気絶させる前に顔を見られると似顔絵の精度が上がるため、可能な限りステルスで気絶させる必要がある。 アイテムを投げることでNPCをおびき寄せたり注意をそらせるように 例えば基本装備の1つ「コイン」は投げると落下時に音を立てるため、NPCが拾いに行った隙に死角から潜入したり背後から襲って気絶あるいは殺害するなど戦略の幅が広がった。 また、コインを投げると現在行われている行動(舞台で行われているリハーサルなど)がキャンセルされ、投げ込んだ47の方向を見つめてくることもあり、終了まで待つ必要があった前作までに比べ時間短縮につながったり、任意のタイミングで終わらせる事で他のNPCと動きをあわせ工作をしやすくする、などやりこみの幅が増している。 ボディチェックがある区域内に区域外からアイテムを投げ入れて"密輸"することも可能。 敵NPCが武器を見つけた場合は警備員詰め所などに見つけた武器を持って行くが、そうなったとしても警備員詰め所で武器を回収すれば良い。 逆に、易々と警備員詰め所に入れるのなら、わざと武器を落としておいて敵に回収させて警備員詰め所で敵を待ち伏せするという手もある。 複数NPCでチームを組んで同じルートを巡回している場合、落ちている武器を見つけた際には1人だけが警備員詰め所に武器を持っていくので、敵を分散させる事が出来る。 前作で語られていないことの補完 前作はほぼすべてのミッションが負傷した47が見る走馬灯であり、幕間のムービーもそれに関連した物のため、第1作のリメイク面が多数ある。 しかし、なぜ負傷したのかなどの詳細は語られていない。本作のあるミッション終了時に流れる前作へつながるシーンにより補完された。 イースターエッグが多い あるミッションにある3軒の酒場にて、とある変装をしている状態でしばらく立っていると47が踊りだす。 店にかかっている曲がすべて違うため、踊り方も変わるなど芸が細かい。 他にもイースターエッグが設置されているステージがあり、任務とは無関係だが探す楽しみもある。 問題点 ミッション中のセーブはミッション終了とともに消える ミッションの進行度や似顔絵の精度などのシステムデータは当然ながら残るものの、ミッション中のセーブはミッション終了とともに消える。 ミッション中のセーブは3スロットあるのだが、1つのミッションに予想以上に手間取って時間の余裕がなくなり、泣く泣くミッション中にゲームを終了した場合、ゲームを起動してもミッション中のセーブは残っておらず、またミッションの最初からやり直さねばならない(*5)。 このため、まとまった時間がないとプレイできないゲームであり、気軽に遊ぶというわけにはいかないところが難点でもある。 チュートリアルが不親切 アイテムを投げるアクションは本作から導入された新機能であるにもかかわらず、チュートリアルでは「敵の気をそらせ」ぐらいのヒントしか与えられない。 注射器の見分けがつきにくい 従来の毒物注射器に加え、本作で麻酔注射器が追加された。 さらに注射器の毒や麻酔は食べ物にも混入させることが可能となっている。 余談となるが、『HITMAN(2017)』においては注射器の中身を食べ物に混入することはできなくなっている。 しかし、この2種類の注射器のアイコンが見分けがつきにくく、一般人を麻酔で眠らそうとして間違えて殺してしまうミスが発生する。 あまりにも簡単に死ぬNPC 前述の通り今作からは背後から突き飛ばし転落死させることが出来るが、ほんの少し段差があるだけでNPCは死んでしまう。 具体的には階段を数段上がった所からやプールにむけて突き落とすだけで即死する。「どこのスペランカーだ?」と言いたくなってしまうレベルである。 NPCのラグドールの物理演算 NPCが死亡するとラグドール状態になるが物理演算が不自然。死亡したとたんに極端にグニャグニャした挙動になってしまう。 評判システムの出来 新聞記事の出来がやや悪い。まともな文章になっているのは書き出しと締めだけで、多くの内容は殺害者数や発砲数などを強引に羅列しただけで、内容の重複も見られる。日本語訳にも少々難あり。 人相書きが次のミッションに影響するのは1周目のみ。クリア後のミッション個別のリプレイが主体である本作では死に要素と化している。 賛否両論点 敵を倒しまくっても最高評価が取れてしまうようになった 邪魔なNPCを大量に気絶させてクリアしても、無殺傷なため最高評価「サイレントアサシン」が取れてしまう。 倒した敵を隠せる箱もいたるところにあるため、証拠を隠すのも簡単。 一度隠せば意図的に行動しなければ発見されることはほぼなく、気絶させ身体を隠した者が目覚めることがない。 そのため、NPCを眠らせ目覚めるまでに手早く行動する、といった必要がなくなったことも上級者から批判される。 ただ、後の作品でも継続してこの仕様になっているため、一般受けはこちらの方がよかった様子。 ステルスゲームとしてはほとんど意味のない報酬制度 ステージクリア時に報酬がもらえ、それをベースに武器のカスタマイズやアイテムの購入が可能であるが、これがステルスゲームとしてはあまり機能していない。 武器に関してはハンドガンとショットガン、サブマシンガン、アサルトライフル、スナイパーライフルを強化可能だが、ステルス性を重視する場合、ハンドガンとスナイパーライフルくらいしか使い道がない。それらもせいぜいサイレンサーをつける程度で、それ以外の強化は使い道に乏しい。 アイテムに関してはピッキング速度向上は安定して役立つものの、後は極めて局所的(*6)か完全に戦闘用で、ステルス目的では使い道に乏しいものばかり。変装したら効果がなくなるなど、完全に無意味なものもある。 殲滅プレイやネタプレイをする上ではそれなりに役に立つが、報酬はステルス性が高いほど高くなるため、初心者救済とも言えない微妙な仕様である。 + しかも…(ネタバレ注意) 最終ミッションでは強制的に装備が二丁拳銃になり殲滅がクリア条件になるものの、なぜか無強化で強化アイテム周りもすべて取り外されてしまう。 総評 既に十分な評価を得ていた『HITMAN』シリーズの4作目。これまでの作品で築いた評価に甘んじず、多くの新機能が採り入れられた。 観光客がいる南米のワイン醸造所、さらに改築中で作業員も入り込んでいるオペラ座などNPCだらけのミッションは軍事施設メインの『メタルギア』シリーズでは味わえない、本作以降のシリーズならではのものである。 新機能の大幅追加による自由度の向上は作品の完成度をさらに高めており、いろいろ試したくなり、ワクワクさせられる作品に仕上がっている。 その後の展開 2007年にエージェント47が主役のオリジナルストーリーの映画版『HITMAN』が欧米で公開された(*7)。ヒットはしなかったが、興行収入は黒字だったそうである。 2009年にIO Interactiveは親会社のEidos Interactiveごとスクウェア・エニックスに買収され、同社の完全子会社として存続していた。 そして、2017年にIO Interactiveは経営陣による自社株購入及び親会社の子会社運営撤退によりスクウェア・エニックスから独立している。IO Interactiveにとっては2004年のEidosの買収により傘下会社となってから再び独立した形でもある。 2012年12月に5作目の『Hitman Absolution』が発売されている。同作で一旦シリーズは一区切りを迎えることになる。 今作を以てシリーズの楽曲制作を担当していたイェスパー・キッド氏が降板し、次回作よりゲームシステム・UI・ゲームの世界観と雰囲気が一新されるなどしている。 本作のHDリマスター版が『Hitman HD Trilogy』(2013)に、4Kリマスター版が『Hitman HD Enhanced Collection』(2019)に収録されている。 日本語版は前者は未発売。後者は収録内容のうち 『Absolution』のみ単品販売され本作は未発売。 2023年10月4日に本作のiOS/Android/Switch向け移植版『Hitman Blood Money Reprisal』が発表された。iOS/Android版は2023年秋、Switch版は同年冬に発売予定。
https://w.atwiki.jp/hal_kinokawa/pages/27.html
Chapter.2「Simple Job」 早乙女ハルナと綾瀬夕映は大雨の寮の中、悩んでいた。 修羅場が終わり、緊張の糸が解けると同時に眠りに誘われた後、親友の宮崎のどかに起こされると、その隣に全身びしょ濡れのスキンヘッドのセールスマンが立ってるいるではないか。 のどかの事だから、大胆にも想い人のネギ・スプリングフィールドかと思ったのだが、目の前にいるのは厳つい白人の大人だ。 正直、ドン引きだ。 特にハルナは、相手がネギでない事に相当ガッカリしている。 別にハルナはネギが特別好きというわけではない。 「ラブ」というより「ライク」な方だ。 むしろ、片思いなのどかが、意を決して想い人を部屋に連れ込んだというシチュエーションに「萌え」るのだった。 そのはずだったのだが、連れて来たのは、見たこともない、まるで海外ゲームの主人公みたいな大人の男だった。 よからぬ期待を裏切られたハルナは相当ガッカリしていた。 夕映はハルナとは違い、嫁入り前どころか、中学生の女子が、深夜に大の男を部屋に連れ込むなど、関心できる事ではないと思っている。 しかし、のどかは世間知らずだが、悪気があってするような子ではない。 問題は、なぜのどかがこの男を連れて来たのかが、根本的な問題であり、のどかの所謂「ふしだら」な行為を咎めるのをいつにしようかというタイミングの問題である。 まず、のどかの言い分……このガチムチ野郎を部屋に連れて来た理由を聞こう。 「……色々と聞きたい事はあるのですが……。まず、その人はダレですか?」 「え?えぇ……っと……」 「…………」 のどかはいつものように半ば挙動不審に慌てながら、夕映とスキンヘッドの男を交互に見て、言葉を探していた。 が、肝心のスキンヘッドは何も語らない。 その理由は、のどかは知っている。 「えっと・・・・・・『わからない』……んだって」 のどかは、あはは……、と苦笑いしながらそう答えた。 「……は?」 夕映は呆れた顔で聞き返した。 「えっと、だから……名前が分からないんだって……」 「…………」 のどかはそういうと、チラっと男を見るが、少女達を見下ろすだけで、何も語ろうとしない。 せめて、何かフォローしてほしいと、のどかは思った。 「ヘ〜イ、ダンディ・メ〜ン。アナタノ、オナマエ、ナンデスカー?」 ハルナが何を思ったのか、笑いを取ろうとしたのか、片言の日本語で、男に聞いてきた。 「……わからない。自分が何者かもわからない」 それは流暢な日本語だった。 明らかに白人だが、国籍を識別するのが難しいほど、身体的な特徴はなく、毛髪に至っては黒だ。 顔立ちでなんとか黄色人種ではないと識別できるが、それでも、この流暢な日本語では、日本人ではない、と断言することも難しい。 ムー、とハルナはようやく真面目に事態に取り組んだ。 夕映はやれやれ、といった顔で、再びのどかと男を詰問した。 「のどか……なぜこの人を部屋に連れて来たのですか?」 「え、えっと、……記憶喪失みたいだったから、放っておけなくて……」 「だとしても、部屋に連れて来ることはないです。病院か警察に伝えればいいだけの話でしょう」 「えっ!?あ……あの……そ、それは……」 のどかの声に力が無くなってきた。 なぜ病院か警察に伝えなかったのか、と問われれば、自分が先に遭遇した「危機」を話さなくてはいけなくなるだろう。 女性にとっては、たとえそれが未遂であっても、心に深く傷つく出来事である。 未遂であれば、時が経てば直るであろう。 しかし、ほんの数日で忘れる事は難しい。 それに、告白してしまえば、未遂であったとしても、「キズモノ」扱いされるであろう。 そして、知られた人間には、一生そういう目で見られてしまう。 のどかはそれが怖かった。 「それは……えっと……えっと……」 のどかはだんだん胸が苦しくなり、目頭が熱くなってきた。 告白する事が怖かった。 親友に告白することが、想い人に知られる事が。 毛嫌いはしないだろうが、腫れ物を扱うようによそよそしく接されるのが悲しい。 「えぅ……その……その……」 そののどかの声を遮ったのは、スキンヘッドの男だった。 「俺が拒否したからだ。」 「え?」 夕映、そしてのどかが声を上げた。 「俺は自分の事を何も覚えていないが……、だからと言って自分が犯罪者ではなかったとは言い切れない。警察や病院の世話になるのが嫌だった。だから無理矢理連れて来てもらったんだ」 「…………」 夕映は、直感だが、この男のこの言葉は口からの出まかせではないかと思った。 何より、のどかへの質問を遮るように、男が割って入って答えたのだ。 のどかを庇う為の嘘の可能性が大きい。 だが……、 「この少女は悪くない。俺が無理を言ったんだ。……何か文句があるか?」 その嘘に乗ろうと思う。 それがのどかを守ることになるのなら。 (ごめんです、のどか……) のどかを知らずに苦しめていた事に気付いた夕映は心の中で謝罪した。 「……幼い少女をかどわかして部屋に入り込むなんて、文句大有りです。今、警察に通報すれば、あなたは少女を誘拐した現行犯です」 「ゆ、ゆえ〜」 「…………」 夕映は男への厳しい目を閉じて、腕を組んだ。 「……ですが、のどかの言う通りなら、のどかがあなたを助けたいと思ってここに連れて来たのなら、行為自体は褒められる事ではないですが、その心意気やあっぱれ、というべきでしょう」 「ゆ、ゆえ……!」 「ゆえ……アンタ、マジ?」 夕映の目は穏やかになり、長身のスーツを着たスキンヘッドの男に語りかけた。 「あなたは記憶喪失の迷える羊。助けが欲しいのはわかります。誰しも、助けが欲しい時にこそ助けを求めるものです。私達があなたを助けますです」 「…………!」 のどかは嬉しかった。 てっきり追い返せとばかり言われると思っていた。 道端でダンボールに入った子犬を拾ってきたのか、と問われれば否定できないが。 それでも、自分を守ってくれた恩義ある人である。 困っているのなら、ぜひとも助けたかった。 その思いを叶える事が出来て嬉しかった。 だが、その思いとは別に、思いを馳せる人物がいた。 「ゆ、ゆえ!?わ、私達って?」 「私とのどかと、ハルナに決まっていますです」 「ま、マジで!?勘弁よ、アタシ!こんな萌え要素の一つもない、ガチムチ野郎の面倒見なきゃいけないわけ!?ホモマンガの題材にしかならないわよ!」 「……さっきまで描いてたあのマンガは何なのですか?」 「あれは『ヤ・オ・イ』!ホモじゃないの!ヤオイとホモは根本的に違うの!美的にも違うし、萌えないの!とにかく違うの!」 「は、ハルナ……そんな事言わないで、手伝って……」 「嫌ーよ!10歳ぐらいの可愛らしい子犬みたいな男の子だったらともかく、こんな洋ゲーの主人公みたいなの、相手にしたくないわよ!私は和ゲー派なの!エフ○フよ!テイ○ズよ!は?ウォーク○フト!?死ねよ!」 何が何だか知らないが、ハルナは妙な事を口走って協力を拒否している。 しかも、それはスキンヘッドが、ガチムチ野郎で萌え要素が何一つ無いからだという酷い理由だ。 「そうですか……それは仕方がありませんです」 「フーン!」 「ゆ、ゆえ……」 夕映はハルナに背を向けた。 そして、懐から何かを取り出した。 「この前、朝倉さんから貰った、この『ネギ先生と小太郎君が戯れる写真』10枚撮りを、ハルナにあげるつもりでしたが……ハルナが手伝ってくれないのなら、もういいです。委員長に高値で転売しますです」 この言葉に、ハルナの耳が動いた。 「……え?ちょっまっ……マジで?なにそれ!?くれるの!?」 ハルナは食いついた。 「……委員長に売れば高値が付きますです。友情の証のつもりでプレゼントするつもりでしたが……やはり売ってしまったほうがいいみたいですね」 「ままままっまままま、待った!待った!ゆえ、待った!何も売ることはないんじゃない!?やっぱりお金より友情のほうが大事だと思うけどな、おねーさんは!」 ハルナはおおいに慌てた。 夕映は内心、ほくそえんだ。 釣り針に食いついたハルナは、ちょっとやそっとじゃ針を離さない。 餌が「ショタ萌え」ならなお更だ。 「いえ、やっぱり需要の高いところへ渡すのが、公平だと思うです。ハルナがいらないというのなら、より需要の高い委員長に売るというのが普通……」 「いやいやいやいやいやいや!委員長より高いよ!アタシは!需要は!ぶっちゃけ、欲しくないわけないじゃん!」 「……しかし、ハルナにはタダであげるわけですし……何かの見返りがなければ、私が損です。何より、協力してくれないのなら、あげるだけ損です」 「いやいやいや!協力しないわけないじゃーん♪何言ってんのぉ〜♪友達でしょぉ〜、アタシ達ぃ〜♪」 夕映は「釣れた」と確信したが、まだまだダメ押しをする。 「……そうですね。やはり友情は大切です。なら、この写真の半分を『前金』として渡しますです」 「……へ?『前金』……?」 「……友情は大切です。掛け替えの無いものです。途中で協力を放棄するなど、友情とは言えないです。……そうですね?」 夕映の眼光が鋭く光った。 この時、ハルナは内心思った。 (しまった!ハメられた!協力できないなんて、もう口に出来ない!) 「う、うん、そうだよねぇ……。そんな奴友達じゃないよねぇ……。あ、あは、あはははは……」 夕映はにっこり笑い、写真の半分、5枚の写真をハルナに渡した。 「どうぞです」 「!!」 肝がすっかり冷えたハルナだったが、写真に写っている光景を見て、一瞬で桃源郷へ上り詰めた。 「ありがとぉ〜〜♪ゆえ〜〜♪キャッホーイ♪」 写真を手に、くるくると舞っている。 「ゆ、ゆえ……あれでいいの?」 思わず心配になって声を掛けるのどかだが、 「よいのです。本人が納得すれば問題ないのです」 と、夕映はキッパリ答えた。 のどかは、そんな夕映に、 (ゆえ……恐ろしい子っ!!) と、戦慄したとかしないとか。 そして、当のスキンヘッドの男は、 (俺はあの写真に負けたのか……?) と、困惑していた。 そんな男に夕映が近寄っていた。 のどかに聞かれないように、背伸びして、男の耳元に近づいて。 「のどかを……助けてくれてありがとうです」 そう言って、夕映はにっこりと男に微笑んだ。 それは裏表のない、純粋で暖かい感謝の笑顔だった。 男は戸惑った。 こんな暖かい笑みを受けた事があっただろうか? 失った記憶を遡る。 が、失ったデータを探っても、霞がかっているだけで、まるで覚えが無い。 そして、記憶を失ってから、今までも、そんな記憶は一度もない。 いつも、誰かが、恐怖に顔を歪めていた。 だから、初めて笑顔をくれた事に戸惑っていた。 ……どうしたらいいのだろう? 「……こんな時、どうしたらいいのか……俺には分からない」 夕映は笑みを崩さず、男を真剣に見つめ、答えた。 「笑えば……いいと思うです」 笑う……? この俺が笑う……? 男は思わずのどかを見る。 のどかはどきりとしたが、苦笑いしながらも、眩しいばかりの笑顔を男に向けた。 「笑うって、心から幸せになれるんですよ」 笑うと幸せになれる。 のどかはそう言った。 笑う……笑う……。 ……どうやって? 「俺は……笑い方を知らない」 のどかと夕映は、男のその言葉に思わずお互いを見合った。 そして、夕映はニヤリと笑った。 夕映はすばやく男の背後に回ると、男の両の太ももを、両手でそれぞれ、指を蠢くようにくすぐった。 「!?」 男はすばやく、夕映の手を払い、太ももを庇ったが、その隙に、今度は両脇に手を入れられくすぐられた。 さすがに、これには男も太刀打ち出来なかった。 こみ上げる感覚を抑えることが出来ず、床に倒れ……笑った。 「あはっ!あはははは!や、やめろ!やめてくれ!」 「クスクスクス……。のどかも一緒にやるです♪」 「え、えぇ!?私もぉ!?」 のどかはしぶしぶ、夕映のくすぐりに手を貸したが、男の笑いに、思わず夕映と一緒に笑った。 「や、やめてくれ!は、腹が痛い!あ、あはははははは!」 「あはは♪やめないです♪お腹がネジれて死ぬがいいです♪」 「あはは♪だめだよぉゆえ〜♪」 笑うと幸せになれる。 ……あぁ、そうか、こういう事か。 「ちょっとぉ〜、何ぃ〜?面白いことやってんじゃ〜ん♪アタシも混ぜてよぉ〜♪」 「っ!?」 「アンタのせいで、アタシは抜けられなくなっちゃったんだからね?覚悟しなよぉ〜?」 「ま、待ってく……!あ、あはははははははは!」 「あはははは♪」 4人の笑い声は部屋中にこだました。 しばらくして、男は息を整えていた。 男の限界をみるや、3人はくすぐるのをやめたのだ。 3人も、笑いすぎてお腹が痛い気がする。 「いやぁ〜、笑ったねぇ〜♪気持ちがいいくらい♪」 「むしろ笑いすぎて気持ち悪いです……」 「横隔膜の使いすぎだ。はぁ……はぁ……」 「だ、大丈夫ですか……?」 4人ともぐったりしていたが、まだ男の素性を探る調査を何も初めていないのだ。 3人の中で一番消極的だったハルナが重い腰を上げた。 「よし、それじゃあ、ボチボチ始めるか。……脱いで」 「……なに?」 「え?え?ぬ、脱ぐって……ハルナ……なんで?」 「まずは身に着けてる物で身元を特定するのが当たり前田のクラッカーでしょ?」 「ハルナ……そのギャグ古いです……」 「で、でもぉ……」 「別にのどかが脱ぐわけじゃないんだから!ほら、アンタ……あーもう、名前がわかんないから呼びづらいわ!もう、ハゲでいいわよね!ハゲで!ほら、ハゲ!脱ぎなさい!」 何だか酷い言われようだが、ハゲこと、スキンヘッドの男は、渋々スーツを改め始めた。 まず上着のジャケットの胸ポケットから、先のチーマーから取り上げたバタフライ・ナイフを取り出し、テーブルに置いた。 次に、ジャケットの他のポケットを探った。 すると、中に手ごたえを感じた。 男は思い出した。 ジャケットの中から出たのは、円筒状の金属の筒だった。 中はガラスになっていて、液体の痕跡があった。 そしてなにより、円筒からするどい針が飛び出ていた。 その針に、赤い血が付着していた。 「……なに、これ?」 「注射器……かな?」 「これをどこで?」 3人がそれぞれ問い詰める。 男は、この注射器の入手について話始めた。 「……俺が最初に目を覚ました時、俺は道に倒れていた。そして俺の身体の横に、コイツが落ちていた。何も思い出せなくて、ワイシャツに血のシミと、細い穴が開いていた」 男はジャケットを脱ぐと、注射器を取り、ワイシャツの一部に近づけた。 血のシミが付着しているところだ。 「……そうだ。この注射器は、俺の身体に打たれたんだ。だが何も思い出せない。何かの手がかりになると思って、拾ったんだ」 「ふ〜ん〜」 ハルナはワイシャツの血のシミと、穴に目を近づけた。 「じゃ、ワイシャツも脱いで」 「は、ハルナぁ!?」 のどかは戸惑った。 さすがにワイシャツを脱いだら……。 「確かに、確認するべきですね」 夕映も賛成にまわった。 のどかは従うしかなかった。 男も、抵抗はなかった。 何より、真実が知りたかった。 自分が何者なのか。 男は立ち上がり、赤いネクタイを取り、ワイシャツを脱いだ。 白いワイシャツが身体から離れると、そこには、たくましい筋肉質の上半身が現れた。 筋肉が隆起し、無駄な脂肪など一切ない、機能美に満ちた肉体だった。 男は、車のボンネット内のエンジンに惚れこむが、男の身体もまさに、活動するためだけに鍛え上げられた筋肉だった。 (う、うわぁ〜〜……) 3人の少女は見惚れていた。 あれだけ、ガチムチ野郎は嫌だと言っていたハルナでさえ、たくましい筋肉美に目を奪われていた。 女性の本能であるメスの部分が、男のフェロモン・男の美しさに、3人は惹かれていた。 「……おい、どうした?」 男の呼びかけに、3人は現実に引き戻された。 (や、やばいやばい!アタシは華奢な可愛い男の子に萌えるのに……やばいよぉ、顔が熱いよぉ……!) (す、すごい……。……ネギ先生も大きくなったら、あんな風になるのかなぁ……) (か、かっこいいのです……) 3人はなんとか雑念を振り払い、元の作業に戻ろうとしていた。 先陣を切ったのは、仕切り屋のハルナだった。 「げ、ゲフンゲフン!え、えっと、それじゃあ、確認するよ。注射針が刺さった跡はぁ〜……」 目を凝らし、男の胸に近づいていくハルナ。 途中、男の身体から漂ってくるフェロモン入りの体臭にクラクラしそうになる。 「え、えぇ〜っとぉ……あ、あった!」 ハルナは注射器の針と、男の胸の傷跡を近づけてみる。 サイズは針の幅と同じだった。 「うん、間違いなく刺さってる。じゃあ、問題は、この注射器の中身が何だったか?って事だよね。それがハゲの記憶喪失に関係あるかどうか?あるなら、如何にして元に戻すべきか?」 「記憶喪失って、どうやったら治るのかな?」 のどかがごく当たり前の質問をした。 「心療医でも、カウンセラーでもないのではわかりませんが……」 夕映は、チラっとのどかを見た。 突然振られたのどかは困惑したが、夕映の意図を理解した。 『のどかのアーティファクトを使ってみたら?』と言いたいのだ。 のどかのアーティファクト「いどのえにっき(ディアーリウム・エーユス)」は、名前さえ分かれば、相手の心の表層を読み取ることが出来る。 そして、魔法具「魔神の童謡(コンプティーナ・ダエモニア)」は相手の名前を見破ることが出来る。 男の正体を暴くのに、好都合だ。 だが……。 (……どうしよう……使うべき……かなぁ……) アーティファクトを使うということは、自分が魔法使いであるという事を明かすという事だ。 のどかには、それが抵抗だった。 夕映の視線に対し、のどかは首を振って答えた。 「じゃあ、調べられるところから調べるっきゃないか〜」 ハルナは注射器をくるくると回し、眺めながら呟いた。 「んでさ……ハゲ、あんた臭いわ」 「……なに?」 「匂いがキツイのよ!ていうか、アンタとのどか、雨でずぶ濡れのまんまじゃん!カビ臭いのよ!さっさとお風呂入って着替えてきなさいよ!」 「え?でも……でも……」 「いいから!ほら、さっさと!どっちが先でもいいから!」 ハルナは吼えた。 ハゲ、ことスキンヘッドに対する文句は、男の醸し出すフェロモンを紛らわすための詭弁だったが、どっちにせよ、雨で濡れ鼠の二人を放置するのは耐えられなかった。 「あ、あぅ……は、ハルナぁ〜」 「あぁ、もうわかったから!のどか、アンタは部屋のシャワー使いなさい!それからハゲ!あんたは大浴場に行きなさい!」 「えぇっ!?だ、大浴場!?見回りの人に見つかっちゃうよぉ〜」 「『メタル』で『ソリッド』な人でないと、確実に見つかるです」 「…………」 男はハルナの意図がわからなかった。 雨臭い&汗臭いから風呂に入れ、はわかる。 だが、見つかる危険性のある大浴場に入れとはこれ如何に? 「まっさか、大の男が、女子の部屋のシャワー使う気ぃ?それって変態さんじゃな〜い?」 「…………」 「……まさか、ハルナ……」 夕映は思った。 (見回りの人間に発見させて、厄介払いさせる気では?) ハルナはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 この女、本気である。 ふぅ、と男はため息をついた。 「わかった。大浴場に行こう」 「そう来なくっちゃ♪」 「え、えぇ!?」 ハルナは机の中から、何かを取り出すと、品定めし、男に差し出した。 「ホイ。デジカメ。大浴場の中を写真に撮りなさい。それを証拠にするから♪」 「……わかった」 男は腑に落ちなかったが、しぶしぶカメラを受け取った。 「あ、ちなみに、この部屋は鍵かけておくから、合言葉になるノックをしないと開かないからね」 「ノック……?」 「合言葉は、ドアを、「トントントン、トーントーントーン、トントントン」って、9回叩くんだからね。ちゃんと間隔も覚えなよ?」 「ハルナ……。それはモールス信号では?」 「あぁ、もううるさい!ほら、これ持ってさっさと行った行った!」 ハルナは男の服を掴み、投げつけると、男を部屋から追い出してしまった。 バタンという強いドアの閉める音と共に、3人と男は隔絶された。 男は呆れたため息をつくと、慌てることなく落ち着いてワイシャツ、ネクタイ、ジャケットを着けた。 場所も教えて貰えなかったが、慌てる事はない。 いつものように、陰のように近づくだけだ。 ……いつものように? (……なぜだろう?ごく当たり前のように感じる) 男はネクタイを締め、革の手袋を直すと、音も立てずに足を進めた。 Next Chapter 3 「No.47」
https://w.atwiki.jp/storyteller/pages/917.html
サイレントヒル4 ザ ルーム part8-474・476~480、part9-117、part18-300 474サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 26 ID lqccvr79 サイレントヒル4(表世界は○、裏世界は●と表記) ○主人公ヘンリーはサウスアッシュフィールドハイツ302号室の住人。 悪夢から目覚めると、玄関は内側から鎖と錠が打ち付けられ、外に出られなくなっていた。 電話もテレビも繋がらない、窓も開かない、ドアを叩いて叫んでも誰も気づかない。 五日目、バスルームの壁に、人一人通れる位の穴が開いた。 とてつもなく長いその穴を、ヘンリーは進んでいった。 ●地下鉄世界・シンシア・16121 穴の出口は最寄り駅に良く似た裏世界だった。人の姿は見えずクリーチャーが徘徊する異形の世界。 この裏世界には、あちこちに穴があり、それはいずれも302号室に通じていた。 ヘンリーは透けブラのセクシー姉ちゃんシンシアと会い、一緒に出口を探すが 突如シンシアは吐き気を訴えトイレに駆け込み、そのまま姿を消す。 たどりついた駅員室で血まみれのシンシア発見。その胸には16121と数字が刻まれていた。 ○いつのまにか302号室に戻っており、サイレンの音でヘンリーは目覚めた。 警官の無線連絡が混線(?)してラジオから流れ出した。 地下鉄で16121と刻まれた女性の死体が見つかったという。 隣人のアイリーンが「302号室から変な音がする」と管理人を呼び出し、 この部屋の様子を探っているのが覗き穴から見えるのだが、助けを呼んでも聞こえない様だ。 バスルームの穴は前より広がっている。 ●森の世界・ジャスパー・17121 穴の出口はサイレントヒルの森の中だった。ジャスパーと言う吃音の青年に この先に、カルト教団の経営する孤児院「希望の家」があることを教えてもらう。(この教団はシリーズ共通) 5~6歳くらいの男児と遭遇。声をかけるが男児はヘンリーを無視してどこかへ行ってしまう。 孤児院に入ると悲鳴が聞こえた。声の聞こえる部屋に入ると、そこにはジャスパーの燃えさかる姿があった。 ジャスパーのナンバーは17121だった。 476サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 29 ID lqccvr79 ○またしても302号室に戻ったヘンリー。やはりこっちの世界でも森で男性の焼死体が見つかったという。 5桁の数字を刻んだ連続殺人事件はこれが始めてではない。 7年前に10人の人間が殺された事件があった。犯人の名はウォルター・サリバン・・・・。 ●水牢の世界・アンドリュー・18112 次の裏世界は教団の所持する円筒形の建物だった。 実態は子供を閉じ込め、衰弱していく様子を観察するために作られた精巧なからくり式の牢獄だった。 アンドリューというデブ中年が牢に閉じ込められていたので、監視室で牢獄を動かし助け出す。 監視室から出ると、アンドリューが森世界で見かけた男児に、ひざを突き、おびえながら謝っていた。 ヘンリーが近づくと男児は姿を消した。アンドリューはこの牢獄の監視員で男児の事をよく知っていた。 男児の名はウォルター・サリバン、この牢獄を有するカルト教団で育ち、教団の秘儀『聖母の降臨』に関わっていたらしい。 地下の厨房へ進むと、水に浮かぶアンドリューの死体があった。ナンバーは18112。 ○表世界の玄関には、302号室の前住人が書き残した日記の切れ端が挟まれるようになっていた。 前住人は希望の家で行われている幼児虐待疑惑をスクープしたジャーナリスト、ジョセフ・シュライバー。 彼はヘンリーが入居する半年前、部屋から出てこなくなり、そのまま失踪したという。 ジョセフはウォルター・サリバン事件を執拗に調べていたようで、日記には取材記録が詳しく書かれていた。 5桁の数字は01121と読むのではなく『01/21』つまり、21分の何人という数え方であり、 ウォルターは21人殺すつもりだったらしい。しかしウォルターは10人殺害後、逮捕され自殺していた。 ウォルター自殺から3年後(今から4年前)「12/21」と書かれた死体が発見された。模倣犯は捕まっていない・・・ ●建物乱立の世界・リチャード・19/21 アパート付近の裏世界に来たヘンリー。同じアパートの207号室に住むリチャードという中年も来ていた。 ヘンリーに「子供に気をつけろ」と忠告されていたにもかかわらず、男児を見かけたリチャードは 「お前、俺の部屋覗いてたガキだろう!」と激昂して銃を突きつけ、追いつめてしまう。 ヘンリーは歩き回るうちに、裏世界での自分のアパートにたどりつく。 悲鳴を聞いて207号室にはいると、電気椅子にかけられ体から煙を噴き出しているリチャードがいた。 リチャードのナンバーは19/21だった。 ○玄関の外では、管理人が302号室のマスターキーが合わず開けられないと隣人のアイリーンに説明していた。 管理人の老人は、「このアパートはおかしいんだ」とブツブツつぶやきアイリーンをおびえさせる。 そして覗き窓から見える廊下の壁には「次はアイリーンだ」という血文字が浮かび上がった。 477サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 30 ID lqccvr79 ●アパートの世界・アイリーン・20/21 アイリーンを助けるため裏世界のアパートを駆け回るヘンリー。 怪しいロン毛青年を発見するが、ロン毛は階段に座ってぶつぶつ言ってるだけ。ほっといて鍵を探す事に。 管理人室の記録から、30年前に302号室に住んでいた若夫婦が、 生まれたてホヤホヤの赤ん坊を置いて失踪していたことがわかった。 数年後、その時の赤ん坊らしき子供がアパートの回りをうろつくのを、管理人や住民が何度も目撃している。 ヘンリーはアイリーンの部屋の鍵を探しだし、303号室に突入した。が、時すでに遅し。 泣きじゃくっているウォルター少年の足元で、アイリーンが血まみれで倒れていた。 その背中には20/21と刻まれていた。 ○現実世界へ戻ったヘンリー。窓の外を見てみると救急車が走り去るところだった。 アイリーンは一命を取り留めたらしい。アイリーンの部屋では刑事たちが現場検証をしていた。 バスルームの穴がふさがり、今度は物置に穴が開いた。その穴を進むと・・・ ●病院の世界 そこは病院だった。どうやらアイリーンが運ばれたセントジェローム病院の裏世界らしい。 裏世界アパートで会ったロン毛青年が、手術台で死体を切り裂き、内臓をまさぐっていた。 その様子にビビッて逃げだすヘンリー。病院内をうろつき、腕ギプス&眼帯のボロボロアイリーンを発見。 アイリーンはロン毛に襲われたのだがウォルター少年に助けられたのだと言う。二人は行動を共にする事に。 ○アイリーンを穴へ案内し、連れて入ったのだが、表世界にはアイリーンは帰ってこれなかった。 部屋はさらに重苦しい雰囲気に満ち、壁には妙な亀裂が入りだした。 リビングには前住人ジョセフの日記が新たに落ちていた。 そこには、ウォルターの墓を調べにサイレントヒルに行ったが、墓は荒らされ死体が消えていて11/21と書かれていたこと、 ジョセフが302号室に閉じ込められて数日後に14/21の新たな死体が発見されたこと、などが書かれていた。 そしてヘンリーに向けた「最下部へもぐって真実を見ろ」と書かれた手紙もあった。 478サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 31 ID lqccvr79 ●下の世界 裏世界に戻ると、アイリーンがヘンリーを待っていた。アイリーンには穴が見えず、表世界に帰れないのだ。 ヘンリーはジョセフから手紙が来た事を報告。二人で病院の底へ向かった。 そこは行ったことのある裏世界が、すべて螺旋階段で繋がっていた。その異常性もさらに増していた。 ヘンリーはサイレントヒルの森世界でウォルター少年と再会。 少年は「ママはあの部屋にいる。ママに会いに行かなきゃ」と走り去る。 森にはあちこちにウォルター少年が書き上げた古文字が残っており、アイリーンが読み上げてくれた。 ウォルター少年は希望の家で育てられ、毎日経典を読み、教会の教えにどっぷり染まっていたようだ。 ママは302号室にいると教団の幹部(1作目黒幕のダリア?)に教えられ、たびたびアパートまで脱走。円形牢獄に入れられる。 そして母親に会いたい一心で、『21の秘蹟』と呼ばれる『聖母を呼び出す儀式』について勉強する様子が綴られていた。 ○一旦部屋に戻るヘンリー。表世界の自室は、じわじわと裏世界の侵食を受け、異形の空間へと変化していた。 ジョセフの日記も追加され、アイリーンを襲ったロン毛の正体がわかった。 ロン毛はこの事件の真犯人であり、本物のウォルター・サリバンだ、と断言されていた。 逮捕されて自殺した犯人は別人なのか?それとも同一人物なのか?死体はどこへ行った? ロン毛はたびたびここの住人に目撃されており、ジョセフの入居前に、302号室に何かを持ち込んだらしい。 ジョセフの取材活動はここで終わった。ここまで調べたところでアパートから出られなくなったらしい。 ●さらに下へ降りた二人は、行き止まりにたどりつく。そこはアパートの裏世界、過去の302号室だった。 そこにはジョセフらしき黒い人物が天井から生えていた。ジョセフは15番目(15/21)の被害者だった。 数字にはそれぞれ意味がありNo.11(ウォルター)は開放、15(ジョセフ)は絶望、20(アイリーン)は母体。 そして最後の21(ヘンリー)は知恵。「アイリーンはすでに手遅れになりかけている」ジョセフは言った。 「ヘンリーが取り込まれる前なら、まだ間に合う。ウォルターを早くとめろ・・・やつを殺せ・・殺せ・・・」 ウォルターは成長するにしたがい、302号室への執着が膨らみつづけ、この部屋が自分の母親だと思い込んだ。 そして成人して施設から独立後、聖母降臨の儀式『21の秘蹟』を実行、この裏世界を作り上げた。 自殺も自らの肉体を解放するための儀式の一環だったのだ。幼少のウォルターとはその時に分離したらしい。 ○●表世界に戻ったヘンリーは、隠し部屋を発見する。 強烈な悪臭の先には、、張りつけにされたウォルター青年の死体(11/21)があった。 死体を調べると、玄関を開けるための鍵が見つかった。 やっと302号室から脱出できたヘンリーだったが、すでにアパートは完全に裏世界と同化していた。 アイリーンと合流したヘンリーは、脱出口を探す。 479サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 32 ID lqccvr79 ●アパートの世界 ウォルターを捨てた父親らしきDQNの幻影が数回現れる。ひたすら赤ん坊を疎ましがって毒づいており アイリーンは「ウォルターがかわいそうだ」と同情、様子がおかしくなり、姿を消す。 ●302号室の下の世界・ヘンリー・21/21 隠し部屋にあったウォルターの死体が消えた。そこに開いた穴へ進むと、 操られたアイリーンが血の池に入水する寸前だった。 「21の秘蹟はあんたで最後だ」ウォルターが襲ってきた。 ◆ED・302号室の浄化を完全に行っていない場合(302号室のみ裏世界の侵食はアイテムで抑えられる) □ED「母」アイリーン入水前にウォルター撃破 「まま、中に入れて」幼いウォルターが302号室の扉を叩いていた。そして倒れ、消えた。 アパートから傷ついたヘンリーが出てきた。アイリーンの名をつぶやくと足を引きずり街へ出ていった。 後日・・・病室のアイリーンに花を届けるヘンリー。 微笑むアイリーン「サウスアッシュフィールドハイツに帰らなきゃ」 ■ED「21の秘跡」アイリーン入水後ウォルター撃破 ウォルターは倒れた。しかしヘンリーも苦しみだし、崩れ落ちる。 302号室にウォルター少年の姿があった。やっと入ることができた母なる部屋。 「まま、もうずっと一緒だよ」少年は幸せそうにソファで眠りについた。 いつのまにかウォルター青年も現れ、部屋の隅でたたずんでいる。 部屋にラジオのニュースが流れだした「連続殺人事件についての続報です。 病院に運ばれた重傷のアイリーン・ガルビンさんが先ほど死亡しました。 新たに302号室でヘンリー・タウンゼントさんの無残な死体も発見されました・・・・」 480サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 34 ID lqccvr79 ◇ED・302号室の浄化を完全に行った場合 □「脱出」アイリーン入水前にウォルター撃破 ■「アイリーンの死」アイリーン入水後ウォルター撃破 という二つのEDがまだありますが、そこはまだやれておりません。 テンプレ↑作っといたので誰か補完ヨロ。 静岡おなじみUFOエンドは無い様子。 そこにガックリきてしまったので、なんとなくやる気がおこらず。 なんとか5レスに収まって良かった・・・。 「街」の職人さんの真似して要約バージョンも↓ 主人公が部屋に閉じ込められる。 犯人は、生まれてすぐその部屋に捨てられた男性。部屋が自分の母親だと思い込み、 邪教の儀式を用いて部屋を異空間化して、永遠に独占するつもりだったようだ。 主人公は儀式の21人目の犠牲者に選ばれていたのだが、犯人をアボーン、無事脱出する。 そんなに302号室を独り占めしたかったんなら 働いて302号室を借りれば良かったのに、というのは言っちゃだめ。 117名無しさん@お腹いっぱい。sage04/08/05 00 45 ID hHrb8wVM まとめサイト見たら載ってなかったので。 サイレントヒル4、脱出エンド。 ウォルターをめでたくあぼーん。 「mom!m(ry」ドアをノックする幼ウォルター、突如(゚д゚)←こんな顔して倒れて消滅。 日の光を久々にあびなから(´д`)←こんな顔して外をヨロヨロ歩くヘンリー。 数日後……アイリーンを見舞うヘンリー。 「新しい部屋を探さなきゃ」とアイリーンが言ってヘンリーがうなずき終了。 母エンドと似てるけど、最後がちょっと違う。 300名無しさん@そうだ選挙に行こうsage2005/09/10(土) 19 35 28 ID mmnzHZOE サイレントヒル4 アイリーン死亡エンド ウォルターを倒し、元の世界に戻ってきたヘンリー。 ラジオから、サイレントヒル近郊の森から出てきた4人の遺体についての ニュースが流れていた。遺体の状況から同一犯と警察は断定。 そして、病院に入院していたアイリーンが死亡、この犯行も同一犯のものと断定された・・・。
https://w.atwiki.jp/mgrpgar2e/pages/675.html
メニュー>称号>ハイランダー>インビジブルエッジ [Pv,-,U,-,-,5/隠 魔導剣WpAkDm+SLx4] ☆☆☆☆ 隠密攻撃系の人は必修。そうでなければ不要。このレベルまできて隠密型に舵を切るということもないだろうし、取るにせよ取らないにせよさほど悩むことはないスキルだ。 毒をからめるのでない限りは《サイレントアサシン》よりこちらだと思う。 -- 灯 (2012-05-01 19 31 18) 武器攻撃限定、かつダメージ補正のみ。であるならば、優先度は決して高くはない 武器攻撃を行うクラスであれば係数4や係数5のダメージパッシブがクラススキルであるはずだ ハイランダーは他称号の隠密関連スキルと異なり命中判定へのダイス修正がない これは《アブストラクターマスタリー》で常時1D増えているからその兼ね合いでもあるのだろう 必要であれば取る、そうでなければ取らない。前提付き係数4ならやはりそのような立ち位置だろう -- 名無しさん (2020-04-10 12 07 33) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/407.html
「…ところで」 麦茶を一口啜って仁科鳥子が気まずい静寂を裂いた。 同盟が成立したのはいいが油断ならない相手であることに変わりはない。 鳥子は確かにアサシン……吉良吉影の同盟を受けた。 だがそれだけだ。それ以上の関係ではないし信用など寄せていよう筈もなかった。 「リンボを倒すって言っても……具体的にはどうするつもりなんですか?」 にも関わらず鳥子が同盟の申し出を承諾した理由は、ひとえに二つのリスクを天秤にかけた結果。 吉影という真意不明の危険人物か、自分のサーヴァントを明確に狙っているという仇敵か。 天秤は後者に傾いた。 吉影が腹に抱えているものが何であるにせよあのリンボは捨て置くには危険すぎる。 リンボの打倒さえ成れば場合によってはすぐにでもアサシンは排除する。そうでなくとも距離を取るなり何なりする。 もちろん背中なんて見せない、付け入る隙など晒しはしない。 吉影の素性を知らない身でありながら、鳥子は彼に対して人間が出来る最善の警戒を布けていた。 「君達はあれと戦ったのだったね。それを踏まえて聞くが……どうだった?」 「…すごい気持ち悪い奴だったけど、強かったですよ。あれで本気じゃなかったら……とか考えたくないくらいには」 「だろうね。そうでなければ地獄を築くなんて大口は叩けないだろう」 当然そんな相手に手の内を晒すのは避けるべきだ。 鳥子は自分の手のことについて吉影に一切話していない。 いかに吉影が聡かろうが、前情報なしに昼間の交戦の真実に辿り着くことは不可能だろう。 リンボ以外のサーヴァントに対しても役立つかは不明だが、切り札は秘めておくに越したことはない筈だ。 「情けない話だが、私はサーヴァントとしては三流だ。 直接での戦闘も出来ないわけじゃあないが……君達で苦戦するようなら役に立てるかは怪しい」 一方の吉影も涼しい顔をしながら事実をぼやかす。 彼はアサシン、文字通り暗殺のような闇に紛れた戦いをこそ得手とするサーヴァントだ。 だがその実吉影は自分の力と強さに一定の自信を持ってもいるのだ。 直接戦ったとしてもそうそう遅れを取るつもりはない、そう思っている。少なくとも目の前の見るからに「青い」女達などには。 「マスターを狙うってことですか?」 ただ鳥子の頭の回転は吉影が思っていたよりも早かった。 というより、通常避けたがりそうな手を選ぶことに迷いがないことに驚いた。 実際には吉影の方策とは違う意見だったのだが…話が早いのはいいことだ。 「半分正解、半分不正解だ。マスターを殺してリンボを消滅させるのも悪くはないが…そうまでしなくてもリンボの目論見は崩せる」 「あ……そっか。リンボは聖杯戦争とぜんぜん関係ないことをやらかそうとしてるんだから――」 「そういうことだ。奴の下らない計画を聞いてなお共鳴できる異常者なら話は変わるが、その可能性は流石に低いと考えてたいね」 狙うべきはリンボではなくマスターである。 命を取らずともリンボの地獄構想を密告すれば八割方勝ちだ。 そうして首尾よくリンボを排除すれば後は残った彼のマスターと手を結ぶだけ。 そこまで進めば吉影の道に横たわっていた問題は大方消える。 彼の愛する平穏な日常がようやく帰ってくるというわけだ。 「問題は、どうやって勝利条件を満たすかだ」 「私達、あっちのマスター絡みの情報はまったく持ってないですよ」 「分かっているさ。そこはこれから詰めていこう」 詰めていこう、って……。 不満げに言い淀む鳥子に吉影は続ける。 「先刻も言ったが私には標的を『追跡』するスキルがある。 君達の居所を特定し訪ねることが出来たのはそれによるものだ」 「……一方的に特定されて侵入される方は堪ったもんじゃないですけどね」 「ただしそれも万能じゃあない。少なくともリンボのマスターに対しては現状効果を発揮出来ない」 今すぐは辿り着けない。 しかし探ることなら出来る。 何しろリンボは話に聞いただけでも伝わってくるような目立ちたがりだ。 確実にいずれ……そう遠くない内に尻尾を出すものと吉影は確信していた。 そこを突く。 そこから伝う。 そしてその時、渦中のフォーリナーと組めている事実は吉影にとってとても大きく作用する。 「だから今はひとまず待ちだ。それに」 吉影が鳥子にスマートフォンを見せる。 液晶に表示されたニュース速報を見て鳥子が目を見開いた。 新宿の崩壊。直下型地震に匹敵、それどころか凌駕する被害。 不明者を含めれば死者は五桁に達する見通し……。 「……これ、リンボがやったと思います?」 「別口だろう。現場では前々から目撃談のあった"青龍"の姿が確認されたって話もある」 見た瞬間思わず血の気が引いた。 現実の出来事だと思えなかった。 自分にとっても慣れ親しんだ東京の一角が完全に崩壊している光景はショッキングで、裏世界で見たどの冒涜的光景よりも恐ろしくて。 これがリンボの手引きではないことを心底信じたくなった。 こんなことをしでかせる奴に狙われているなんて、考えただけでも気が滅入るから。 「都合がいいのか悪いのか…一概には言えないがね。この新宿事変を皮切りにして聖杯戦争は大きく動くと予想出来る」 東京という都市は広い。 だが二十三騎のサーヴァントを争い合わせるスペースとしてもそうかと言われれば、答えは否である。 やる気になれば一対一の合戦でこれだけの規模の破壊を叩き出せる怪物までいるのだ。 事態が動かない筈がない……町が一つ消えるということにはそれだけ大きな意味がある。 「願わくば末永くよろしくやれるよう祈っているよ、仁科鳥子さん」 末永く、ね。 続くその言葉に何故か背筋が寒気立つ感覚を覚える。 ただ吉影の本性を知らない鳥子はそれを気のせいだとか緊張だとか、そういうもっともらしい理由をつけて片付けてしまった。 話が終わって、特に何をするでもない時間が流れる。 そこで彼女がしたのは吉影から意識を背け、アビゲイルに念話を送ることだった。 “アビーちゃん、ごめんね” “そんな…どうか謝らないで、マスター。悪いのは私。謝るべきは、私なんだから……” 聞こえてくるアビゲイルの声は明らかに沈んでいた。 無理もないと鳥子は思う。 彼女は先刻、吉影の手によって自分の触れられたくない過去を切開されたのだ。 “本当はもっと早く…私からマスターに打ち明けなくちゃいけなかったの。 なのに、私……っ” “いいよ、その先は言わないで” アビゲイルが鳥子に過去を打ち明けずにいたことは確かに不誠実な振る舞いといえるかもしれない。 しかし鳥子は彼女に対し怒ってもいなかったし、その不忠を咎めるつもりもなかった。 彼女のことを疑うなんてもってのほかだ。 これが会ったばかりの頃であったら話は違っていたかもしれないが鳥子はアビゲイルと既に一ヶ月の時を過ごしている。 同じ部屋で一緒に寝食を共にして、時間を共有してきた相手なのだ。 ぽっと出のサーヴァントがセンセーショナルな"衝撃の真実"を伝えてきたところでその事実は揺らがない。 “私はアビーちゃんのことを、アサシンが思ってる風になんて見てないよ” “マスター……” “アビーちゃんのことは信じてるし、これからも私のサーヴァントはあなただけ。 だからそんなに落ち込まないで? アビーちゃんが沈んでたら私、一人でこの人とやり合わなきゃならなくなっちゃう” そう言って苦笑する鳥子。 その言葉にアビゲイルは追い詰められた心がふわっと安らぐのを感じた。 “晩ごはんでも一緒に食べてさ。元気出そうよ、ね?” 気付けば口元に笑顔が戻る。 吉影に気取られない程度にではあるものの、アビゲイルは確かに笑ってくれたのだ。 そのことに鳥子までなんだか安心してしまう。 空魚が聞いたら拗ねること間違いなしだが、やっぱり彼女の存在とその無垢さは孤独な日々の中で欠かすことの出来ない支えだった。 “……ありがとう、マスター。私、これからもマスターのために頑張るわ” “ん、そうしてくれたら嬉しいな。アサシンのことは正直信用は出来ないし、いざとなったら助けてもらわないとだからね” “安心して。あなたのことは守ります、必ず” 何があっても、誰が敵になったとしても。 この人のことだけは守ってみせる――アビゲイルは改めてそう決意する。 であればへこたれている暇などないのはすぐに分かった。 立ち直ってサーヴァントのしての勤めを果たさなければ。 この優しくて綺麗なマスターが……本当のお姉さんのような彼女が。 大切な人の、好きな人のいる世界に帰れるように。 アビゲイルは吉影に鳥子と念話していたことを悟られまいと努めていたが。 それまで目に見えて沈んでいただけに、その表情が急に和らいだのは彼にもあえなく伝わってしまった。 吉影としてはアビゲイルには多少沈んでいてくれた方が助かったが、とはいえ然程期待はしていなかった。 立ち直ったことで風除け程度には働いてくれることを祈るとして思考を切り替える。 “当然のことだが…やはり警戒されているな。バカな女ではないようだ” 同盟を成立させるところまでは首尾よく行った。 が、流石に彼女達の心にある警戒心と疑心まではどうにもならない。 長い時間をかけて信頼関係を築いていけば話は違うのかもしれないが流石に望みは薄い。 期待はせず、逆にあちらから切られるようなことがないようにだけ気を付ける。 今のところはそれで十分だろう。 吉影のことを疑ってはいても、鳥子達にとって吉影との繋がりを失うことが痛手なのもまた事実なのだ。 少なくともリンボの脅威がある内は鳥子もアビゲイルも吉影(じぶん)を切れない。 人心の把握に長ける吉影はそう分かっていたから、現状彼女達に対しては楽観的だった。 “――爪が、伸びてきたな” しかし鳥子に対する情動は依然吉影の中で燻り続けている。 意図的に抑えている心。堪えている衝動。 英霊となっても消えることのなかったその性はもはや彼の霊基と結びついて離れようとしない。 そして吉影の性は今、彼の心の中で絶えず絶叫していた。 目の前の"美しい手"を手折り己の物にしろという衝動(こえ)が止まない。 “……?” そこまで考えて、不意に――。 吉影は自分の内側がその実奇妙なほど静かなことに気付いた。 今響いているのは自分の性に基づく衝動の音のみ。 自分以外の誰の声も響かない時間がずっと続いている。 “親父?” 吉影達は今非常に重要な局面に置かれている。 アルターエゴ・リンボの跳梁への対処。 それに乗じた田中という無能との決別。 あの過保護な父親のことだ。 事ある毎に何か念話を飛ばしてくる筈なのだ、普通は。 だというのに……息子の呼びかけに対して応答の一つも返してこない。 「鳥子さん」 「……何ですか?」 明らかな異常事態だった。 田中に対しても念のため念話したが案の定返事はない。 その時点で吉影は事の次第を概ね察した。 だが焦りはなく、動揺もなかった。 遅かれ早かれ起こり得る事態だとそう腹を括っていたからだ。 「アルターエゴ・リンボが動いたようだ。私達も動こう」 そう語る吉良の目はひどく冷たかった。 マスターに対する利用価値はこの瞬間ゼロに堕ちた。 であればこの先待ち受けるのは決裂だけだ。 田中という名のマスターは結局徹頭徹尾、吉良吉影に何一つもたらすことはなかった。 【荒川区・鳥子のマンション(日暮里駅周辺)/一日目・夜(夜突入直後)】 【仁科鳥子@裏世界ピクニック】 [状態]:疲労(小) [令呪]:残り三画 [装備]:なし [道具]:護身用のナイフ程度。 [所持金]:数万円 [思考・状況]基本方針:生きて元の世界に帰る。 0:えっ……? 1:アサシンのことは信用しきれないが、アルターエゴ・リンボの打倒を優先。 2:私のサーヴァントはアビーちゃんだけ。だから…これからもよろしくね? 3:この先信用できる主従が限られるかもしれないし、空魚が居るなら合流したい。その上で、万一のことがあれば……。 4:出来るだけ他人を蹴落とすことはしたくないけど―― [備考]※鳥子の透明な手はサ―ヴァントの神秘に対しても原作と同様の効果を発揮できます。 式神ではなく真正のサ―ヴァントの霊核などに対して触れた場合どうなるかは後の話に準拠するものとします。 ※荒川区・日暮里駅周辺に自宅のマンションがあります。 【フォ―リナ―(アビゲイル・ウィリアムズ)@Fate/Grand Order】 [状態]:健康、決意 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況]基本方針:マスタ―を守り、元の世界に帰す 0:あなたが、あなたの好きな人のいる世界に帰れますように。 1:アサシンのことは信用しきれないが、アルターエゴ・リンボの打倒を優先。 2:マスタ―にあまり無茶はさせたくない。 3:あなたが何を目指そうと。私は、あなたのサーヴァント。 【アサシン(吉良吉影)@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:健康、殺人衝動 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:数万円(一般的なサラリ―マン程度) [思考・状況]基本方針:完全なる『平穏』への到達と、英霊の座からの脱却。 0:残念だよ、マスター。 1:アルターエゴを排除。フォーリナー(アビゲイル)の覚醒を阻止する。 2:アルターエゴのマスターを探して“鞍替え”に値するかを見定めたい。尤も、過度の期待はしない。 3:あの電車で察知したもう一つの気配(シュヴィ・ドーラ)も気になる。 4:社会的地位を持ったマスターとの直接的な対立は避ける。 [備考]※スキル「追跡者」の効果により、仁科鳥子の座標や気配を探知しやすくなっています。 ※仁科鳥子の住所を把握しました。 ※フォーリナー(アビゲイル)は「悪意や混乱を誘発する能力」あるいは「敵意を誘導する能力」などを持っていると推測しています。 ただしアルターエゴのような外的要因がなければ能力は小規模に留まるのではないかとも考えています。 ※田中の裏切りと『写真のおやじ』が人事不省に陥ったことを悟りました。 ◆ ◆ ◆ ふざけやがって。 何なんだよこいつら。 何なんだよ、あいつ。 何で俺は一度でもあんなしょぼくれた野郎に憧れてたんだ。 チェーンの居酒屋でちびちび酒を呷りながら俺は吐き捨てる。 とてもじゃないが、呑まなきゃやってられなかった。 “いつまで呑んだくれておるのだ…おまえは。 おまえも新宿で何があったかは知っておるだろう。もはやそうして自堕落に過ごしていられる時間は終わったのだとまだ分からんのか……?” 「……うるせえよ。心霊写真が人間様に説教すんな」 新宿の事件は見た。 驚かなかったと言えば嘘になる。 すげえと思ったし、自分が非日常の中にいるんだってひしひし感じた。 ニュースででかい災害や事故を見た時に覚える不謹慎な高揚感。 あれを何倍にも膨らませたようなそんな感覚だった。 だけど気分は乗らないままだ。 俺が新宿の惨状を見て抱いた感想はどうせ、アサシンやこの"写真のおやじ"にしてみればクソ以下なんだ。 何が出来るわけでもない無能がスリル満点の非日常に憧れて騒いでるだけ。 あの死んだ魚みたいな目で俺を見て、そう考えるんだろうと分かってるから。 酒のせいもあってか念話にするのを忘れてた。 おやじが何かうるさくグチグチ言ってるから仕方なく切り替えてやる。 “俺が何処で何してようと関係ねーだろ? アンタの愛息子が全部なんとかしてくれるんだから” “何を子供じみたことを言っているのだお前は。マスターとしての自覚というものがないのか?” “知らねえよ。俺がマスターらしく振る舞ったとして、アンタらは親子揃ってグチグチ文句言うんだろうが” ハイボールを喉の奥に流し込みながらする念話は今までより言葉の切れ味が増している気がした。 “とんだハズレだ。やっぱガチャ運ねえな、俺って” 真っ昼間からアルコールを入れていたのにこの期に及んでまだ呑むのかと言われたら返す言葉もないが、もう知ったことじゃない。 喫茶店に長々居座るよりはこっちの方が世のためってもんだろ。 否定するしか能のない老害の言うことなんざ聞いてやる義理はない。 “俺は心底思い知ったよ。アンタの息子が肝っ玉の小せえ臆病者だってことがな” “きさま……わが息子を愚弄するかッ!? きさま如き小僧がッ!?” “そら見ろ。マスターに対して使う言葉かよそれが?” 俺はとことん辟易していた。 大きな事をする度胸もないアサシン。 それを盲目にヨイショするだけの紙切れ(おやじ)。 こいつらは俺に何も求めてないんだってことが心底分かった。 要するにこいつらが俺に求めてるのは"生きていること"だけなんだ。 生きていればそれでいい。 アサシンが現界し続けるための柱でいればそれでいい。 “二人で勝手にやってろよ” ふざけんなよ。 口開けばつまらないことしか吐けない玉無し共。 マスターは俺だ。俺なんだよ。俺が上でお前らが下なんだ。 誰がお前らを英霊の座から引きずり出してやったと思ってる? ああ腹が立つ、胸糞悪い。 つまみとして注文した塩辛をハイボールで流し込む。 そうすると、いつもより躊躇いなく本音を吐き出せる気がした。 気分がよかった。 “俺はお前ら親子の行く末なんて死ぬほどどうでもいいんだ。 俺に真面目に働いてほしかったら……おたくの息子さん連れてきて土下座でもさせてみれば?” “ほざくな! わしの吉影がきさまのようなボンクラに頭を下げるなど天地がひっくり返ってもありえんわッ!” “別に俺はよ…いいんだぜ? アンタの愛しの息子を切って他のサーヴァントに鞍替えしても” 例えばリンボとかな? そう言って笑うと案の定写真のおやじはすげえ顔をした。 少し胸がすいた。 そうだよ、本当の関係性はこうなんだ。 立場が上なのは俺なんだから。 俺が上でお前らが下なんだよ。 なのに威張り散らしやがって。 バカを見るみたいな目で見下しやがって。 ふざけんじゃねえ。 誰が認めるかよ、そんなこと。 楽しいことだらけのこの世界で俺だけが現実の延長線? クソ喰らえ。 俺の田中革命を……俺の一世一代を。 てめえらクソ親子の臆病風になんてかき消されてたまるか。 アサシンにビビり散らかしてた俺の口は見違えたみたいに流暢になってくれた。 強めのアルコールがローションになってくれたらしい。 “マスターを失えばサーヴァントは死ぬけど、サーヴァントを失ってもマスターは死なない。 ものの例えだけどさ…俺が令呪でアサシンを自害させたとしても、俺は気分爽快なまま生き続けられるってことだ” “…きさまこそ忘れるでないぞ田中一。わしは今この場できさまを殺すことも出来るのだと……!” “やってみろよ。その時泡を食うのはお前ら親子の方だ” 写真の中のおやじが歯軋りするのが分かった。 いい気味だ。ストレス発散にちょうどいい。 酒が進む。もっと早くこうしていればよかった。 そう思っていた矢先、写真のおやじは口を開き。 “よく分かった。わしはかつてきさまのことを庇ってやったが…それは間違いだったらしい……” 写真の中にあるその形相を鬼のように顰めて言った。 “きさまはわが息子のマスターを勤められる器ではない。 なぜ、わしの息子がこうも無能な男と引き合ってしまったのか……考えるだけで惨憺な気分になる。 わしはこの地に満ちる『引力』を恨む” “そうかい。ようやくアンタの本音が聞けたな、クソおやじ” ほら見ろ。 こいつらは最初からそうだったんだ。 リスペクトしてたのなんて俺だけだった。 こいつらにしてみれば俺はただの石ころ。 自分達の存在を繋ぎ止めるだけのものでしかなかったんだ。 “もういいわお前ら。マジで失望したよ” こんな奴らのことなんて知るか。 俺はこいつらの親子ごっこのために此処まで来たわけじゃないんだよ。 もう心は決まっていた。 マジでイラねえよ、お前ら親子。 “な…待て、きさまッ! 何をする気だ、まさ――” 「令呪を以って命ずる」 死ねよ。 モンペのおやじもヘタレの息子も揃って死んじまえ。 俺が殺してやるよ。 お前らの願い、全部俺が踏み躙ってやる。 念話で息子に伝えるか? いいじゃんやってみろよ。 令呪もないのに俺のとこまですっ飛んで来れるならだけどな。 それより俺が命令する方がずっと早い。 もうお前らなんていらねえんだ。 俺は地獄を目指す。リンボを探して、あいつと組む。 悪いな、おやじ。 悪いな、アサシン。 お前ら親子は――用済みだ。 おれのために死ね、ヘタレ共。 さあ、『田中革命』の再開だ。 “や…やめろッ! このちっぽけな小僧がぁぁぁッ!!” 間に合わねえよな、監視役のお前が今から報告したって。 おやじの無様な絶叫を心地よく聴きながら。 おれは命令を下すために口を動かした。 ――だけど。 「おやおや。間一髪のところだったようで」 その声は途中で遮られた。 というか、俺が止めた。 そうするしかなかった……そいつの突然の登場は俺にとってそれだけ予想外のことだったから。 「リ…リンボッ!? どうして此処に……」 「貴方に用がありまして。しかし、ンン――なかなかどうして良いところに割り入れたようで」 居酒屋の暖簾をくぐって当たり前みたいにそいつは現れた。 周りを見渡せばいつからそうだったのか、客も店員もみんな倒れ伏して眠ってる。 そんなことをやっておきながら俺の前で笑うそいつは誇るでもなく平常通り。 何時間前かに始めて会った時と同じ顔をして、アルターエゴ・リンボはそこにいた。 「ご…ごめん。俺、アサシン達を説得出来なくて……」 「それは惜しい。しかしながら致し方ありますまい。 拙僧の地獄はあらゆる願いを下敷きにして成り立つもの。こと英霊ともなれば受け入れられる者はそうそう居りませぬ」 「で、でも…俺はアンタの方に就くよ。もう決めたんだ、迷いはない。 俺の言うことを聞きもしないで見下すばっかりのヘタレ野郎なんざ知ったことかってんだ……! ひ、ひひッ……!」 心はもう決まってる。 生き延びなきゃいけないのは分かってる。 でもあいつらは違う。 あいつらは俺が組むべき奴らじゃない。 だから決めた。 俺はリンボにつく。 リンボについて、こいつの描く地獄を見る。 地獄の田中革命だ。 これはその第一歩。 令呪でアサシンを自害させて、手始めに二人揃って俺を否定しやがったこいつらの夢を終わらせてやる。 笑顔すら浮かべながら命令に踏み切ろうとする俺にリンボは。 「おやめなさい、田中殿」 「…え。なんでだよ……なんで止めるんだよ!?」 「貴方の決意は実に天晴だ。拙僧、大変嬉しく思います」 わけが分からない。 こいつにとってはこれが一番嬉しい選択なんじゃないのか? 、困惑する俺に言い聞かせるようにリンボは言った。 「しかしよく御覧なさい。今此処に、貴方を力ずくでも止める者はいますか?」 「……え」 そこで初めて俺は気が付いた。 今の今まで俺と言い争いをしてた写真のおやじ。 そいつの写り込んだ写真が表情一つ変えない、それこそただの写真みたいに凍りついていることに。 「昔取った杵柄です。死霊の一体二体抑える程度のこと、造作もありませぬ」 「は…はは。マジかよ……何でもありじゃん」 「これで貴方を止める者はいなくなりました。そして貴方のサーヴァントにはまだ利用価値がある」 自害させ潰えさせてしまうには惜しい。 リンボは…毒々しい色合いのアルターエゴはそう言って笑った。 それに続くように俺も笑う。 そっか。 ああ、それもいいな。 あのアサシンをいいように使って…使い潰してやるってのは……結構胸がすくんじゃあねえのか? 「リンボ。俺は……アンタの地獄が見てみたい。 窮極の地獄界曼荼羅だっけ。あれ、さ……最高にイカしてると思ったよ。痺れた」 腹は決まった。 それで死んでも構わないとそう思える。 それくらい俺は目の前のこいつに憧れていた。 こいつの目指す地獄とやらが見てみたかった。 「だから俺と組んでくれよ。俺を……アンタのマスターにしてくれ」 「残念ですが、それは叶いませぬ」 ――え。 俺は息が出来なくなって間抜けな声をあげた。 なんで。なんでだよ、リンボ。 なんでそんなことを言うんだ。 俺はお前のためにサーヴァントを捨てた。 お前に全部を賭けたんだぞ? 大体俺以外の誰がお前の願いを認めてやれるっていうんだ? 「拙僧のマスターは貴方以上に優秀です。それを蹴ってまで貴方を選ぶ理由が、現状拙僧には見出だせません」 「な…なんだよそれ……。じゃあ俺は……俺は、何のために……」 「早合点なさるな、田中殿。拙僧とて鬼ではありませぬ。貴方の行くべき場所は既に見繕っております」 そう言ってリンボは俺に一枚の紙切れを差し出した。 そこに書かれているのは誰か宛ての電話番号。 此処に連絡しろってことなのか。 リンボの目を見ると、こいつは笑んだまま頷いてのけた。 「この番号の主と連絡を取りなさい、田中一。そこにはきっと貴方に相応しい居場所が待っている」 「お、俺は…アンタを信じて、全部賭けたんだぞ……!?」 「聞くのです。拙僧は決して貴方を陥れようなどとはしておりませぬ」 声を荒げた俺に対してもリンボは変わらない調子だった。 俺はリンボと組みたかった。 こいつのマスターになりたかった。 けどその考えは面と向かって否定されて、代わりに渡されたのは何処の誰宛てなのかも分からない連絡先。 でも俺が縋れる先はもうこの電話の主以外にはないんだって、俺の貧弱な脳みそは嫌味なほど迅速にそう理解してくれた。 「その証拠に貴方が彼らと接触出来るまでの間は拙僧が護衛を勤めて差し上げましょう。 であれば怖いものなどないでしょう? 貴方のことを憎むサーヴァントも手出しが出来ない筈だ」 「信じて……いいのかよ」 「信じるも信じないも、決めるのは貴方だ」 リンボの言葉に俺はごくりと喉を鳴らした。 此処から先は引き返せないって俺でも分かった。 そんな状況だってのに、俺の答えは最初から決まってた。 これしかないんだ。 アサシンも写真のおやじも俺を否定した。 あいつらは俺の邪魔しかしない。 俺が俺でなくなる以外に、あいつらと組んでいられる未来はない。 だから……。 「……分かった。分かったよ、リンボ」 俺は決めた。 「アンタの言葉を信じる。だから…俺を守ってくれ」 さよならだ、アサシン。 そして写真のおやじ。 もうお前らは敵だ。 精々俺のことを追いかけながら必死に踊ってろ。 俺は俺の道を行く。 アンタら親子の下らない人生と心中してやるつもりはない。 「そしていつかアンタの隣が空くことがあったら、さ。 その時は……俺を選んでくれよ、リンボ」 「ンンン……。その時は考えておきましょう」 おれの選ぶ道はこっちだ。 悪いなアサシン。悪いなおやじ。 一生安牌だけ切って生きてろ。 そんでもって――地獄に落ちちまえ。 【荒川区・居酒屋/一日目・夜】 【田中一@オッドタクシー】 [状態]:吉良親子への怒りと失望、吉良吉影への恐怖、地獄への渇望 [令呪]:残り3画 [装備]:なし [道具]:スマートフォン(私用)、ナイフ、拳銃(6発、予備弾薬なし)、蘆屋道満の護符×4 [所持金]:数千円程度 [思考・状況]基本方針:『田中革命』。 0:ヴィラン連合って……何? 1:リンボの意向に従う。アサシンは切った。 2:敵は皆殺し。どんな手段も厭わない。 3:SNSは随時チェック。地道だけど、気の遠くなるような作業には慣れてる。 4:リンボに“鞍替え”して地獄界曼荼羅を実現させたい。ただ、具体的な方策は未だ無い。 5:峰津院大和のことは、保留。その危険度は理解した。 [備考] ※界聖杯東京の境界を認識しました。景色は変わらずに続いているものの、どれだけ進もうと永遠に「23区外へと辿り着けない」ようになっています。 ※アルターエゴ(蘆屋道満)から護符を受け取りました。使い捨てですが身を守るのに使えます。 【吉良吉廣(写真のおやじ)@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:行動不能(蘆屋道満の術で一時封印されている) [装備]:田中一のスマートフォン(仕事用)、出刃包丁 [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況]基本方針:愛する息子『吉良吉影』に聖杯を捧げる。 0:………………。 1:アルターエゴ(蘆屋道満)を抹殺すべく動く。田中一の監視も適宜行う。 2:息子が勝ち残るべく立ち回る。必要があればスマートフォンも活用する。 3:当分は田中をマスターとして受け入れる予定だったが、危機感を抱いている。より適正なマスターへと鞍替えさせたい。 4:『白瀬咲耶の周辺』の調査は一旦保留。 5:田中も遅かれ早かれ“鞍替え”を考えるだろうと推測。 [備考]※スマートフォンの使い方を田中から教わりました。 ※アサシン(吉良吉影)のスキル「追跡者」の効果により、仁科鳥子の座標や気配を探知しやすくなっています。 ※フォーリナー(アビゲイル)は「悪意や混乱を誘発する能力」あるいは「敵意を誘導する能力」などを持っていると推測しています。 ただしアルターエゴのような外的要因がなければ能力は小規模に留まるのではないかとも考えています。 ※アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)の術によって行動不能に陥りました。今後の処遇についてはお任せします ◆ ◆ ◆ 蘆屋道満は陰陽師である。 その根幹は今になっても変わらない。 リンボなどという変わり果てた存在になってもなおだ。 吉良吉廣は宝具になっても結局一体の死霊。それに変わりはない。 だから術をかけて封じ込めるのは容易だった。 吉廣が人事不省に陥れば田中の動向をアサシン、吉影に伝える者はいなくなる。 此処まで含めて全てリンボの思い通りに事が進んでいた。 田中が堪忍袋の緒を切らして令呪を使おうとした時吉廣に対する封印は既に効果を結び始めていた。 彼が咄嗟に吉影へ連絡出来なかった理由はそれだ。 なかなかに間一髪のタイミングだったが、間に合った。 “田中一を殺そうとするにせよ鞍替え先を探すにせよ、彼のアサシンはもはや脱落したも同然の苦境に立たされた。 後は拙僧が携わらずとも十分でしょう。優良な駒だけ残れば拙僧はそれでいい” 田中は愚図の無能だ。 一般人という言葉から一切逸脱出来ない役立たずのでくの坊だ。 だがそれならそれで利用のしようはある。 他人を誑かして操ることに誰より長けるリンボにはそのことがよく分かっていた。 “それであのフォーリナーが…銀鍵の巫女までもが誘い出されてくれるならなお良し。 拙僧の計画には一切支障なし、我が野望は前へ前へと突き進むばかり! ンンンン――実に素晴らしい!” リンボの式神は今鏡面の世界で交渉にあたっている。 その結果次第では更に窮極の地獄界曼荼羅は完成へ近付くことになる。 後はアビゲイルを確実に闇へ堕とせるかどうか。 彼女の中に眠る本性を覚醒させられるかどうか。 “とはいえ。並行して、"彼"に対しても考えておく必要があるか” どちらを選ぶにせよリンボの計画は現状順調そのものだ。 であれば気にするべきは計画の外側にある存在。 リンボの式神が先刻接触していたとあるサーヴァントについてのそれが、目下最優先だろうと彼はそう踏んでいた。 “偶像(アイドル)七草にちか。彼女を守る灰髪のサーヴァント……” 彼と接触した式神が原因不明の断絶(ロスト)をしたことをリンボは把握している。 果たして何があったのか。彼は何を秘めているのか。 いずれは確かめねばならないだろうとリンボはそう考えていた。 もしもアビゲイルを利用したプランが頓挫するのならば、場合によっては……。 “いやはや、実によりどりみどり。拙僧にとってこの地は…巨大な遊技場にしか見えませぬなァ……” リンボは嗤う。蘆屋道満、その成れの果てが嗤う。 瞳の中に地獄を写す彼の跳梁は止まらない。 【アルタ―エゴ・リンボ(蘆屋道満/本体)@Fate/Grand Order】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:??? [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:この東京に新たな地獄を具現させる。 0:地獄界曼荼羅の完成に向けて準備を進める。 1:田中を連合に誘導する。しかし状況によっては利用したい。 2:新宿区の地獄を眺めに行くか、リンクの切れた式神の調査を行うか…。(今のところ興味は後者に向いているようです) 3:式神は引き続き計画のために行動する。 4:…のつもりでしたが、やめました。祭りの気配がしますぞ、ンンン――。 5:式神にさせるつもりだった役目は本体が直接担うことに変更。何をするつもりかはおまかせします。 6:それはそうと新たな協力者(割れた子供達)の気質も把握しておきたい 7:“敵連合”は静観。あの蜘蛛に邪魔されるのは少々厄介。 8:機会があればまたプロデューサーに会いたい。 9:七草にちかとそのサーヴァント(アシュレイ・ホライゾン)に興味。あの断絶は一体何が原因か? [備考] ※式神を造ることは可能ですが、異星の神に仕えていた頃とは異なり消耗が大きくなっています。 ※フォ―リナ―(アビゲイル・ウィリアムズ)の真名を看破しました。 ※地獄界曼荼羅の第一の核としてフォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)を見初めました。 彼女の再臨を進ませ、外なる神の巫女として覚醒させることを狙っています。 ※式神の操縦は一度に一体が限度です。本体と並行して動かす場合は魔力の消費が更に増えます。 時系列順 Back ベイビー・スターダスト Next 世界で一番の宝物 投下順 Back てのひらをたいように(前編) Next Epic of Remnant:新宿英霊事変 ←Back Character name Next→ 056 汝は魔女なりや 田中一 084 ヴィランズ・グレイト・ストラテジー~タイプ・アサルト~ アサシン(吉良吉影) 088 死ぬんじゃねえぞ、お互いにな 仁科鳥子 フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ) 079 あらし(ワイルドハントあるいは祭り)のよるに アルターエゴ(蘆屋道満) 090 sailing day
https://w.atwiki.jp/nijiame/pages/168.html
マーベル ウィンター・ソルジャー キャプテン・アメリカのかつてのサイドキックであるバッキーが洗脳・強化された姿。 ウルヴァリンの妻イツの殺害など、様々な暗殺・破壊工作に関与している。 エレクトラ デッドプール ウェポンX計画の被験者のひとり。 パニッシャー 「暗殺」というには派手すぎないか? ヒット・モンキー ブルズアイ レディ・ブルズアイ レッドルーム出身者 ブラックウィドウ(両方) アンストッパブル・ワスプイン・リウ カットスロート ダイアモンドバック(レイチェル・レイトン)のきょうだい。 DC アズラエル デスストローク・ザ・ターミネーター 地上最強の傭兵 昔はターミネーターと呼ばれていたが、映画であっちの方が有名になったためデスストロークが主になったとかお子様の見るテレビアニメでは、「デス(激しく)+ストローク(こする)=原爆オ*ニーズ」になるので、ダメ出しされて本名の「スレイド」で呼ばれている。しかしみんな本名知ってるってどうよ。 デッドショット デイヴィッド・ケイン 世界最高峰の殺し屋。ブルース・ウェインのかつての師の一人。 3代目バットガール:カサンドラの実父。最強の暗殺者にすべく直々に鍛えこんだ。 彼なりに娘を愛しているがその愛情が娘に伝わることはない。 レディー・シヴァ 格闘家がベースだが、ケインと絡んでいるので一応。 ある設定では、カサンドラの母親はレディー・シヴァ。 バットマン(ブルース)が背骨の骨折から回復しようと再度鍛え直していたとき、格闘の先生としてレディー・シヴァについた。 タリア・アル。グール 元リーグ・オブ・アサシンの首領。 ロビン/ダミアン・ウェイン リーグ・オブ・アサシンで育てられた。
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/310.html
サイレントヒル4 ザ ルーム part8-474・476~480、part9-117、part18-300 474サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 26 ID lqccvr79 サイレントヒル4(表世界は○、裏世界は●と表記) ○主人公ヘンリーはサウスアッシュフィールドハイツ302号室の住人。 悪夢から目覚めると、玄関は内側から鎖と錠が打ち付けられ、外に出られなくなっていた。 電話もテレビも繋がらない、窓も開かない、ドアを叩いて叫んでも誰も気づかない。 五日目、バスルームの壁に、人一人通れる位の穴が開いた。 とてつもなく長いその穴を、ヘンリーは進んでいった。 ●地下鉄世界・シンシア・16121 穴の出口は最寄り駅に良く似た裏世界だった。人の姿は見えずクリーチャーが徘徊する異形の世界。 この裏世界には、あちこちに穴があり、それはいずれも302号室に通じていた。 ヘンリーは透けブラのセクシー姉ちゃんシンシアと会い、一緒に出口を探すが 突如シンシアは吐き気を訴えトイレに駆け込み、そのまま姿を消す。 たどりついた駅員室で血まみれのシンシア発見。その胸には16121と数字が刻まれていた。 ○いつのまにか302号室に戻っており、サイレンの音でヘンリーは目覚めた。 警官の無線連絡が混線(?)してラジオから流れ出した。 地下鉄で16121と刻まれた女性の死体が見つかったという。 隣人のアイリーンが「302号室から変な音がする」と管理人を呼び出し、 この部屋の様子を探っているのが覗き穴から見えるのだが、助けを呼んでも聞こえない様だ。 バスルームの穴は前より広がっている。 ●森の世界・ジャスパー・17121 穴の出口はサイレントヒルの森の中だった。ジャスパーと言う吃音の青年に この先に、カルト教団の経営する孤児院「希望の家」があることを教えてもらう。(この教団はシリーズ共通) 5~6歳くらいの男児と遭遇。声をかけるが男児はヘンリーを無視してどこかへ行ってしまう。 孤児院に入ると悲鳴が聞こえた。声の聞こえる部屋に入ると、そこにはジャスパーの燃えさかる姿があった。 ジャスパーのナンバーは17121だった。 476サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 29 ID lqccvr79 ○またしても302号室に戻ったヘンリー。やはりこっちの世界でも森で男性の焼死体が見つかったという。 5桁の数字を刻んだ連続殺人事件はこれが始めてではない。 7年前に10人の人間が殺された事件があった。犯人の名はウォルター・サリバン・・・・。 ●水牢の世界・アンドリュー・18121 次の裏世界は教団の所持する円筒形の建物だった。 実態は子供を閉じ込め、衰弱していく様子を観察するために作られた精巧なからくり式の牢獄だった。 アンドリューというデブ中年が牢に閉じ込められていたので、監視室で牢獄を動かし助け出す。 監視室から出ると、アンドリューが森世界で見かけた男児に、ひざを突き、おびえながら謝っていた。 ヘンリーが近づくと男児は姿を消した。アンドリューはこの牢獄の監視員で男児の事をよく知っていた。 男児の名はウォルター・サリバン、この牢獄を有するカルト教団で育ち、教団の秘儀『聖母の降臨』に関わっていたらしい。 地下の厨房へ進むと、水に浮かぶアンドリューの死体があった。ナンバーは18121。 ○表世界の玄関には、302号室の前住人が書き残した日記の切れ端が挟まれるようになっていた。 前住人は希望の家で行われている幼児虐待疑惑をスクープしたジャーナリスト、ジョセフ・シュライバー。 彼はヘンリーが入居する半年前、部屋から出てこなくなり、そのまま失踪したという。 ジョセフはウォルター・サリバン事件を執拗に調べていたようで、日記には取材記録が詳しく書かれていた。 5桁の数字は01121と読むのではなく『01/21』つまり、21分の何人という数え方であり、 ウォルターは21人殺すつもりだったらしい。しかしウォルターは10人殺害後、逮捕され自殺していた。 ウォルター自殺から3年後(今から4年前)「12/21」と書かれた死体が発見された。模倣犯は捕まっていない・・・ ●建物乱立の世界・リチャード・19/21 アパート付近の裏世界に来たヘンリー。同じアパートの207号室に住むリチャードという中年も来ていた。 ヘンリーに「子供に気をつけろ」と忠告されていたにもかかわらず、男児を見かけたリチャードは 「お前、俺の部屋覗いてたガキだろう!」と激昂して銃を突きつけ、追いつめてしまう。 ヘンリーは歩き回るうちに、裏世界での自分のアパートにたどりつく。 悲鳴を聞いて207号室にはいると、電気椅子にかけられ体から煙を噴き出しているリチャードがいた。 リチャードのナンバーは19/21だった。 ○玄関の外では、管理人が302号室のマスターキーが合わず開けられないと隣人のアイリーンに説明していた。 管理人の老人は、「このアパートはおかしいんだ」とブツブツつぶやきアイリーンをおびえさせる。 そして覗き窓から見える廊下の壁には「次はアイリーンだ」という血文字が浮かび上がった。 477サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 30 ID lqccvr79 ●アパートの世界・アイリーン・20/21 アイリーンを助けるため裏世界のアパートを駆け回るヘンリー。 怪しいロン毛青年を発見するが、ロン毛は階段に座ってぶつぶつ言ってるだけ。ほっといて鍵を探す事に。 管理人室の記録から、30年前に302号室に住んでいた若夫婦が、 生まれたてホヤホヤの赤ん坊を置いて失踪していたことがわかった。 数年後、その時の赤ん坊らしき子供がアパートの回りをうろつくのを、管理人や住民が何度も目撃している。 ヘンリーはアイリーンの部屋の鍵を探しだし、303号室に突入した。が、時すでに遅し。 泣きじゃくっているウォルター少年の足元で、アイリーンが血まみれで倒れていた。 その背中には20/21と刻まれていた。 ○現実世界へ戻ったヘンリー。窓の外を見てみると救急車が走り去るところだった。 アイリーンは一命を取り留めたらしい。アイリーンの部屋では刑事たちが現場検証をしていた。 バスルームの穴がふさがり、今度は物置に穴が開いた。その穴を進むと・・・ ●病院の世界 そこは病院だった。どうやらアイリーンが運ばれたセントジェローム病院の裏世界らしい。 裏世界アパートで会ったロン毛青年が、手術台で死体を切り裂き、内臓をまさぐっていた。 その様子にビビッて逃げだすヘンリー。病院内をうろつき、腕ギプス&眼帯のボロボロアイリーンを発見。 アイリーンはロン毛に襲われたのだがウォルター少年に助けられたのだと言う。二人は行動を共にする事に。 ○アイリーンを穴へ案内し、連れて入ったのだが、表世界にはアイリーンは帰ってこれなかった。 部屋はさらに重苦しい雰囲気に満ち、壁には妙な亀裂が入りだした。 リビングには前住人ジョセフの日記が新たに落ちていた。 そこには、ウォルターの墓を調べにサイレントヒルに行ったが、墓は荒らされ死体が消えていて11/21と書かれていたこと、 ジョセフが302号室に閉じ込められて数日後に14/21の新たな死体が発見されたこと、などが書かれていた。 そしてヘンリーに向けた「最下部へもぐって真実を見ろ」と書かれた手紙もあった。 478サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 31 ID lqccvr79 ●下の世界 裏世界に戻ると、アイリーンがヘンリーを待っていた。アイリーンには穴が見えず、表世界に帰れないのだ。 ヘンリーはジョセフから手紙が来た事を報告。二人で病院の底へ向かった。 そこは行ったことのある裏世界が、すべて螺旋階段で繋がっていた。その異常性もさらに増していた。 ヘンリーはサイレントヒルの森世界でウォルター少年と再会。 少年は「ママはあの部屋にいる。ママに会いに行かなきゃ」と走り去る。 森にはあちこちにウォルター少年が書き上げた古文字が残っており、アイリーンが読み上げてくれた。 ウォルター少年は希望の家で育てられ、毎日経典を読み、教会の教えにどっぷり染まっていたようだ。 ママは302号室にいると教団の幹部(1作目黒幕のダリア?)に教えられ、たびたびアパートまで脱走。円形牢獄に入れられる。 そして母親に会いたい一心で、『21の秘蹟』と呼ばれる『聖母を呼び出す儀式』について勉強する様子が綴られていた。 ○一旦部屋に戻るヘンリー。表世界の自室は、じわじわと裏世界の侵食を受け、異形の空間へと変化していた。 ジョセフの日記も追加され、アイリーンを襲ったロン毛の正体がわかった。 ロン毛はこの事件の真犯人であり、本物のウォルター・サリバンだ、と断言されていた。 逮捕されて自殺した犯人は別人なのか?それとも同一人物なのか?死体はどこへ行った? ロン毛はたびたびここの住人に目撃されており、ジョセフの入居前に、302号室に何かを持ち込んだらしい。 ジョセフの取材活動はここで終わった。ここまで調べたところでアパートから出られなくなったらしい。 ●さらに下へ降りた二人は、行き止まりにたどりつく。そこはアパートの裏世界、過去の302号室だった。 そこにはジョセフらしき黒い人物が天井から生えていた。ジョセフは15番目(15/21)の被害者だった。 数字にはそれぞれ意味がありNo.11(ウォルター)は開放、15(ジョセフ)は絶望、20(アイリーン)は母体。 そして最後の21(ヘンリー)は知恵。「アイリーンはすでに手遅れになりかけている」ジョセフは言った。 「ヘンリーが取り込まれる前なら、まだ間に合う。ウォルターを早くとめろ・・・やつを殺せ・・殺せ・・・」 ウォルターは成長するにしたがい、302号室への執着が膨らみつづけ、この部屋が自分の母親だと思い込んだ。 そして成人して施設から独立後、聖母降臨の儀式『21の秘蹟』を実行、この裏世界を作り上げた。 自殺も自らの肉体を解放するための儀式の一環だったのだ。幼少のウォルターとはその時に分離したらしい。 ○●表世界に戻ったヘンリーは、隠し部屋を発見する。 強烈な悪臭の先には、、張りつけにされたウォルター青年の死体(11/21)があった。 死体を調べると、玄関を開けるための鍵が見つかった。 やっと302号室から脱出できたヘンリーだったが、すでにアパートは完全に裏世界と同化していた。 アイリーンと合流したヘンリーは、脱出口を探す。 479サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 32 ID lqccvr79 ●アパートの世界 ウォルターを捨てた父親らしきDQNの幻影が数回現れる。ひたすら赤ん坊を疎ましがって毒づいており アイリーンは「ウォルターがかわいそうだ」と同情、様子がおかしくなり、姿を消す。 ●302号室の下の世界・ヘンリー・21/21 隠し部屋にあったウォルターの死体が消えた。そこに開いた穴へ進むと、 操られたアイリーンが血の池に入水する寸前だった。 「21の秘蹟はあんたで最後だ」ウォルターが襲ってきた。 ◆ED・302号室の浄化を完全に行っていない場合(302号室のみ裏世界の侵食はアイテムで抑えられる) □ED「母」アイリーン入水前にウォルター撃破 「まま、中に入れて」幼いウォルターが302号室の扉を叩いていた。そして倒れ、消えた。 アパートから傷ついたヘンリーが出てきた。アイリーンの名をつぶやくと足を引きずり街へ出ていった。 後日・・・病室のアイリーンに花を届けるヘンリー。 微笑むアイリーン「サウスアッシュフィールドハイツに帰らなきゃ」 ■ED「21の秘跡」アイリーン入水後ウォルター撃破 ウォルターは倒れた。しかしヘンリーも苦しみだし、崩れ落ちる。 302号室にウォルター少年の姿があった。やっと入ることができた母なる部屋。 「まま、もうずっと一緒だよ」少年は幸せそうにソファで眠りについた。 いつのまにかウォルター青年も現れ、部屋の隅でたたずんでいる。 部屋にラジオのニュースが流れだした「連続殺人事件についての続報です。 病院に運ばれた重傷のアイリーン・ガルビンさんが先ほど死亡しました。 新たに302号室でヘンリー・タウンゼントさんの無残な死体も発見されました・・・・」 480サイレントヒル4 ◆l1l6Ur354Asage04/06/24 20 34 ID lqccvr79 ◇ED・302号室の浄化を完全に行った場合 □「脱出」アイリーン入水前にウォルター撃破 ■「アイリーンの死」アイリーン入水後ウォルター撃破 という二つのEDがまだありますが、そこはまだやれておりません。 テンプレ↑作っといたので誰か補完ヨロ。 静岡おなじみUFOエンドは無い様子。 そこにガックリきてしまったので、なんとなくやる気がおこらず。 なんとか5レスに収まって良かった・・・。 「街」の職人さんの真似して要約バージョンも↓ 主人公が部屋に閉じ込められる。 犯人は、生まれてすぐその部屋に捨てられた男性。部屋が自分の母親だと思い込み、 邪教の儀式を用いて部屋を異空間化して、永遠に独占するつもりだったようだ。 主人公は儀式の21人目の犠牲者に選ばれていたのだが、犯人をアボーン、無事脱出する。 そんなに302号室を独り占めしたかったんなら 働いて302号室を借りれば良かったのに、というのは言っちゃだめ。 117名無しさん@お腹いっぱい。sage04/08/05 00 45 ID hHrb8wVM まとめサイト見たら載ってなかったので。 サイレントヒル4、脱出エンド。 ウォルターをめでたくあぼーん。 「mom!m(ry」ドアをノックする幼ウォルター、突如(゚д゚)←こんな顔して倒れて消滅。 日の光を久々にあびなから(´д`)←こんな顔して外をヨロヨロ歩くヘンリー。 数日後……アイリーンを見舞うヘンリー。 「新しい部屋を探さなきゃ」とアイリーンが言ってヘンリーがうなずき終了。 母エンドと似てるけど、最後がちょっと違う。 300名無しさん@そうだ選挙に行こうsage2005/09/10(土) 19 35 28 ID mmnzHZOE サイレントヒル4 アイリーン死亡エンド ウォルターを倒し、元の世界に戻ってきたヘンリー。 ラジオから、サイレントヒル近郊の森から出てきた4人の遺体についての ニュースが流れていた。遺体の状況から同一犯と警察は断定。 そして、病院に入院していたアイリーンが死亡、この犯行も同一犯のものと断定された・・・。
https://w.atwiki.jp/mekameka/pages/2756.html
アサシン クリード ブラザーフッド / Assassin's Creed Brotherhood メーカー Ubisoft 発売日 2010年12月9日 対応機種 PS3.Xb36.PC アサシン クリードⅡの、その後の世界が舞台 オープンワールドで描かれた16世紀のローマを舞台に要人を暗殺して行くステレスACTのシングルプレイの他に、 シリーズ初のマルチプレイも搭載された アサシン クリード ブラザーフッド スペシャルエディション 2011年8月4日 PS3.XB36 追加ダウンロードコンテンツ同梱したバージョン Xbox 360 あ行 アサシン クリード アサシン クリードⅡ パソコン プレイステーション3 PR アサシン クリード ブラザーフッド パーフェクトガイド (ファミ通Xboxの攻略本)
https://w.atwiki.jp/bwings/pages/28.html
【アサシンに関する情報交換のページです】 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haru-nanaya/pages/18.html
暗殺?ド派手にやってやんよ! アサシンクロス 狩りはアサで行くぜよ(・ω・´ Lv99時のステータス ちなみにこれは万能型 低転生時は、狩場・標的にあわせて調整しないとダメだったが Lv255にして、HP・SP・HIT増やしてれば あとは武器変更のみで何でも狩れる・・・かも 頭装備3つには、ファラオcを挿して消費SP軽減 3枚で90%カット 装備変えれば4枚とかもいけるけどねん 盾が黄金蟲だから、消費SPが100%増加してるのでファラオは無いと死ねる(´・ω・`) 鎧は無限アスムのブリーフがよかったのだが 死亡時に一定確率で消滅という効果がついたため、ロングコートにしてみた カードはゴーストリングで念属性付与と RSX-0806でノックバック無しにして、更に破壊不可に(゚Д゚ )ウマァ! マントにはデビルリングを挿していたのだが 効果が50%から30%に変更されたため メリットの無属性ダメの軽減より、デメリットである属性ダメの追加が痛いだけになったので デメリットの無いレイドリックにして、無属性ダメ20%軽減 靴は移動速度を増加させるために、月夜花(゚Д゚ )ウマァ! アクセサリーは、結婚指輪は愛の証なのでつけてます(`・ω・´)b 精錬メギンでDef確保~別に無くてもいい(・ω・` 武器は敵に合わせて変更 主に普段持ち歩いてるのは ホーリーダガー(聖)とアサシンダガー(闇) HIT増加用にフリオニ4枚挿しマインゴーシュ、HIT+400うめぇ これらを錐と組み合わせて使用かな この鯖は魔法痛すぎるので、魔法使ってくる敵相手にする時は 金ゴキ盾装備、魔法無効化うまうま(´-ω-`) 戦闘方法は、ショートカット7と8にメテオアサルトをセット ディレイが無い上にDex120で無詠唱になるので /q2コマンドを入力して、マウスホイールをくるくる~♪ これでおk 高速で大ダメージががが さぁ、皆もLet sくるくる(何